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1953/03/05 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第11号
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1953/03/05 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第11号

#1
第019回国会 決算委員会 第11号
昭和二十九年三月五日(金曜日)
   午後一時二十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月一日委員長谷山行毅君辞任につ
き、その補欠として青山正一君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           島村 軍次君
           岡  三郎君
           菊田 七平君
           平林 太一君
   委員
           雨森 常夫君
           青柳 秀夫君
           石川 榮一君
           入交 太藏君
           谷口弥三郎君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           奥 むめお君
           永岡 光治君
           山田 節男君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 石井光次郎君
  政府委員
   運輸省海運局長 岡田 修一君
   運輸省船舶局長 甘利 昂一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局検査第四局
   長       大沢  実君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) 只今より第十一回決算委員会を開会いたします。
 本日は、前回の委員会において留保となつております造船融資に関する諸問題につき、石井運輸大臣が見えておりますから、同大臣に対し御質疑をお願いいたします。本造船融資に関する件につきましては、本委員会においては只今のところ昭和二十六年度決算運輸省の部の審議に関連して調査を進めておるのでありまして、状況により、理事会の決定を待つて本委員会の調査事件として問題に供することになつておりますから、この点御了承願いたいと存じます。
 それでは本日は初めに石井運輸大臣から、運輸省及び開銀その他の計画造船についての融資関係の経過説明をお願いいたします。
#3
○国務大臣(石井光次郎君) 船舶融資が議会できまりましたあとにおきましては、私どものほうの手順といたしましては、先ず船主の内定が行われるのでございます。それで船主が市中金融機関の融資の確約書を取付けて出しまして、それで開発銀行がこれに許可を与え、運輸省も続いて、そういう金融措置ができるという見込がつきましたところで、建造の許可をするという手順になつておるわけでございます。
 ついでにそれから先の手順を申上げますると、海運会社がその次には利子補給契約の締結申請書というものを運輸大臣に提出することになつておるのでございまして、これによりまして、市中金融機関から融資の仮契約書の写しを添えて、融資の予定額その他を記載した契約申込書を運輸大臣に出すのでございます。運輸大臣は申込書並びに申請書に関して調査をいたしまして、大蔵大臣と契約締結に関しまして協議をいたしまして、そうしてその上で契約を締結するということになるのでございます。これは銀行との間でございますが、それで契約が締結ができましたら、その旨を申請者であります船主に通知をするというのが一応の手順になつておるわけであります。
#4
○委員長(小林亦治君) それでは委員各位の御質疑をお願いいたします。
#5
○永岡光治君 この前岡田海運局長でありましたか、一応造船計画についていろいろお話があつて、又大臣からは極くもう簡単な御説明があつたので質問を少ししたいと思うのでありますが、問題はやはり造船の割当の経過が実は詳細に知りたいと思うのですが、第九次の前期、後期、これの造船の割当経過を詳細に一つ御報告願いたいと思います。取分け小委員会の構成は具体的にどういう人で構成されて、どういうふうにして割当られたか。聞くところによると、これは小委員会ということになれば、政府機関であろうと思うのでありますが、十分その記録もあろうかと思うのでありますので、詳細に一つ御報告願いたいと思います。
#6
○国務大臣(石井光次郎君) 造船の決定をいたしました手順を申上げますと、第九次の前期をきめまする場合には、運輸省で船主からの申込みを受けまして、そしてこれを運輸省の航路計画でありますとか、運輸省の知る限りにおいての、そこの信用状態等によりまして、果してこれらの船会社に船を拵えさせることが適当なりや否やということで諮りまして、大体そのとき捕えました船の約倍数の候補者を選びまして、これを開発銀行のほうに送り届けたのでございます。開発銀行のほうでは、又金融的立場からみまして、果してその中のどれに許したらいいかということの査定をいたしまして、開発銀行としての意見をその中から決定して、運輸省のほうにこれでどだろうということを持つて参つたのでございます。それで運輸省のほうの側では、すでに前に殆んど倍数出しておりました数の中から選ばれておるのでありますから、そのままそれを承認いたしたのが第九次前期の選定の行き方でございました。
 第九次後期の場合は、私はこの第九次前期の例をみまして、開銀が金融的立場からだけ最後的に決定するのはどうであろうか、もう少し世界の海運界の情況を見、これらとも睨み合せて決定することが必要ではないだろうか。又更に船会社の経営というか、経理の内容その他について一番よく関係も深く知つているのは市中銀行であると思います。市中銀行もこの決定に参加したらどうであろうかということを考えまして、市中銀行のほうにもその旨話をいたしたのでございます。ところが市中銀行はいろいろ取引先の関係があつて、或るものに賛成し、或るものに賛成しなかつたというと、なかなかその間がはつきりしたものでないから、なかなかむずかしい場合がある、それで信用状況を自分たちがきめるようなことになるのは、ちよつと困るということで、市中銀行のかたがたは遠慮された、あなたがたのほうできめて頂きたいということでございました。そこで開発銀行と相談いたしまして、今度は双方で候補者の船会社を全部調べて、そしてこのくらいなところはどうだというものを両方で出して、それを、候補者を持ち寄つて、そして話合いをしようか、いずれにしても、私は初めは先ず開発銀行も運輸省も集つて、そこで一個々々議して行こうという案を出しておつたのですが、申込みが大変な数で、とてもそんなことをしておつたのではなかなか進行しないから、別々に一応調べて持ち寄ろうということで、別々に調べをいたしまして、運輸省のほうでは、私、政務次官、それから事務次官、海運局長並びにその部下の主な者、船舶局長並びにその部下の主な者が集りまして、大体調べました資料によりまして大体こういうふうなところは適格者であろうというものを一応拵えたのでございます。開発銀行も同じようなことで、開発銀行的な立場から、これをお調べになつたと思うのでありますが、それで両方の事務当局集りまして、いろいろ折衝をいたしました結果は、これはどうしても意見が一致しないというものがなく、話がつきまして、最後に私と開発銀行の総裁と一緒になりまして、そうして両方の当局で話合いまして原案通りということに話をきめたのでございます。
 只今お尋ねのありました小委員会云云というお話は、これは造船合理化審議会の小委員会のお話だと思うのでございますが、造船合理化審議会は、私どもがこの計画造船をやつて行くにつきまして、どういうふうな方針の下に今度の計画造船をやるかということを議題にして論議して参りました。それが小委員会でございまして小委員会で一つの法則を据えまして、それが全体の会議にかかつて、私どものほうに答申が参るのであります。その答申の線に従つて今申しましたように実際的には運輸省、開銀というところできめたというようなわけでございます。
 それで小委員会の構成並びに小委員会の決議というようなものは海運局長から申上げます。
#7
○政府委員(岡田修一君) 海運造船合理化審議会は現在三十九人の委員で構成されております。九次後期の船主選考基準をきめて参ります小委員は、その三十九人の中から会長が選んだわけでございます。顔ぶれを申上げますと、興業銀行頭取の川北さん、開銀総裁の小林さん、三菱銀行頭取の千金良さん、長期信用銀行頭取の原さん、それから損害保険協会々長の田中さん、三井船舶の社長の一井さん、飯野海運の社長の俣野さん、甲南汽船の社長の田中さん、三井造船の社長の加藤さん、三菱造船の社長の丹羽さん、日鉄汽船社長の渡辺さん、函館ドックの社長の渡辺さん、それから海運の大先輩としての村田さん、それから昔海運の行政をやつた官吏の先輩としての米田さん、それに経団連の会長の石川さん、こういう人が小委員になられまして、その後二回会合をして九次後期の船主を決定する基準をきめて頂いたわけでございます。その議事録はございますから、後日お手許にお届けしたいと存じます。
#8
○永岡光治君 そうしますと、具体的にお伺いしたいのでありますが、第九次の前期後期を通じまして、或いは以前のものでも結構でありますが、造船合理化審議会で選考いたしました割当先でございますが、それが運輸大臣の下で変更された例がございましようか。
#9
○国務大臣(石井光次郎君) 合理化審議会はさつき申しましたように大体の方針をきめるだけでございまして、出て来た造船申出のやつを一々チエツクしてこれをどれこれにきめるということは合理化審議会の委員会でやつていないのでございます。
#10
○永岡光治君 そうしますと、重ねて確認をする意味でお尋ねするわけでありますが、運輸大臣と興業銀行の頭取でございますか、誰でございますか、とにかくその代表者と、その二者の間で選考して決定すると、こういうふうな解釈してよろしうございますか。
#11
○国務大臣(石井光次郎君) この最後の九次の後期の場合を申しますると、運輸省と開銀で研究いたしまして両方で持ち寄つて話合をつけて、そして話合のついたものを決定する、最後のこれの決定は運輸大臣の責任だと思つております。
#12
○永岡光治君 それからこれは造船行政等に関係のある運輸省として十分御案内だろうと思うのでありますが、実際この造船の割当が決定する以前において、すでに造船の工事、工事でありますか、準備にかかつておると、こういう話を承わるのでありますが、事実でございましようか。
#13
○政府委員(甘利昂一君) 従前は船の起工と申しますか、一応まあ起工式をやつて、今でもそうですが、船主と造船主との間で了解ができて起工式を行なつたときを以て一応船の起工と、こう認めますが、戦後従前のように鋲で船を繋ぐ方法がやめられまして、熔接で船を繋ぐ方法がとられましてから、いわゆる龍骨を船台の上に並べてやる起工式というものがなくなりまして、大体小さなブロックを船台外で組立てまして、それを或る一定の時期が来ますと、それを船台の上に又集めましてそれをおのおの熔接して造るというふうな方式を採用しておりますので、従来のように判然と船台の上へ龍骨を据えて起工式をやるというふうな場合が少なくなつたわけであります。従つてまあいつを以て起工式とみなすかということが一番問題になるわけでありますが、大体起工式をする場合には、これは船主と造船主のほうでいろいろ話合つて、設計なり或いは材料その他の準備が済んだときを以て合意の上で起工式を行うのです。これははつきりとその日を以て起工式とみなしますが、先ほど申しましたように、熔接の場合はいろいろなブロツクを船台外で作りますので、これをいつを以て起工とみなすかというようなことは判然といたしませんが、我々としましては、そういう場合において、大体まあ設計ができ、それから材料も相当搬入され、一部の材料は計画に従つてそれにマーキングをやる、そしてそれはポンツ場に持込まれた時期を以て一応起工と言つております、こういうふうにしております。従つてまあよく戦後においては、まだ許可も出ないうちに船を造つておるというふうな話を聞きますが、恐らくそれはまだ、先ほど申しました我々の認めておる起工でなくて、その前のいろいろな小さなブロツクを造るとか、或いはその準備をするというふうな過程にあるものだろうと思います。ただ現に着工前に相当我々が起工とみなし得るような工事をやつておるような場合がありましたので、これに対しては従来二、三回例がありますが、それを解体させて、元に戻させるというふうな措置をとつております。
#14
○永岡光治君 私は只今の説明で、少し地方の状況を承わりまして不明朗なものを実は感ずるわけでありますが、造船会社と船主との間にすでに契約、暗黙の了解があるものか。運輸省からの割当のある前に、現実に三カ月前から工事にかかつておる業者を知つておるのであります。而もそれは割当が現実に行われたのであります。それを、今の船舶局長の話によれば解体さしておるというのでありますが、そのような若し事実がありとすれば、これは非常に、私どもは前以て何か連絡がなければ、そのことはあり得ないと思うのでありますが、そういう事実があつた場合には、運輸省としてどのような措置を講ずるつもりでありましようか。
#15
○政府委員(甘利昂一君) 昨年の国会において臨時船舶建造調整法というものができまして、それで許可制を布いたのでありますが、その前に臨時船舶管理法というので二十トン以上の船を許可する法律を布いておりましたが、その前の法律と次の法律かできる間には、一応許可制がブランクになつている状態がありましたが、そういう事態は、一応そういう事実があつても取締る方法がなかつたんですが、臨時船舶建造調整法ができてからは、そういう事実があれば、はつきちとそれを取締る根拠がありますので、これははつきりとその現地の海運局或いは出張所がそれらの現場を知つておりますので、それらの報告があれば、中央としてはさつき申しましたように解体その他の処置をとらせます。ただ先ほど申しましたように、大体どの程度までが起工かどうかということは、非常に判定が困難でありますが、併し一応私が申上げましたような事態を以て我々は起工とみなす、或いは着工とみなすというふうにしておりますから、それに基いて地方の海運局が若しそれ以上の事態に船が進んでおるという場合には、報告があれば、我々としてはそれを解体させる或いはそれに相応する懲罰をするつもりであります。
#16
○永岡光治君 実は今の船舶局長の説明でございますが、起工をどの程度みるかという認識の問題であろうかと考えるのでありますが、私たちは純粋に考えて、運輸省の割当があつて初めて決定するものだ、そのときからかかるのが至当だと考えるのであります。そうでないと、その以前においてはやはり割当られるものかどうかわからないと思うのですがね、どの会社でも。従つてその割当以前のものに工事をしておるとすれば、これは明らかに起工をその割当以前でもやつている。材料でも買込むとか一つの構想に基いてやつている限りは、これは許可以前の着工だとみなすべきだと考えますが、この考えについてどのように思つておりますか。
#17
○政府委員(甘利昂一君) 今財政資金を使つておりますものについては、まあ割当と申しますか、船主を選考して造船主を決定いたしますので、それははつきりとそういう事態がきまる前に、先ほど私が申上げましたように、起工と或いは着工とみなされる以上の工事をしておれば明らかにこれは違反であります。併し財政資金を用いずに或いは外国の注文或いは財政資金によらない自己資金或いはその他の外資とか、そういうもので造る船もありますし、又許可が要らない船もトン数によつてはありますので、こういうものが果して建造途中と申しますか、今申上げましたようなブロック建造の途中において、明らかにどの船のあれであるかというようなことは、まだ船としての形態をなしておりませんのではつきりしない場合があります。ただ現地でいろいろなそのブロックの寸法なり或いは大きさとか、そういうものを仔細に調査すれば、明らかに今度計画して許可申請を出しておる船であるかどうかということは、事実を調査すればはつきりわかると思います。
#18
○政府委員(岡田修一君) 今の御質問に対して私補足的に御説明申上げますが、船主決定前にですね、たとえ工事をやつておりましても、それは船主決定には何ら影響しないわけです。従つて着工前に工事をやつたからといつて、その船主をきめるということは絶対にしておりません、
#19
○永岡光治君 それはまあ結局表向きにはそうならざるを得ないだろうと思うのでありますが、私の言うのは、工事を始めたからそれに割当てるということではなしに、割当を予想してすでにそのことを始めておるということが実は問題だと、こういうことになるわけでありましてそのことがどうも裏付ける筋合のものがどうもやはりあるのではないかと思うのです。運輸当局として、それはないと言わざるを得ないと思うのでありますが、若しそういうことがあつたとしたら、どうするかということを私は申上げておるのであります。
#20
○政府委員(甘利昂一君) これは先ほど申上げましたように、我々もよくそういう噂を聞きますので、噂を聞けば、現地のほうに一応そういうことを照会します。又噂を聞くまでもなく、現地では監督しているのですから、しよつ中見守つてそういう事態が発生しておれば、直ちに本省のほうに報告があるはずでありますから、本報告があれば、先ほど申しましたように、解体その他の処罰をするつもりでおります。ですから事例があれば、一つおつしやつて頂けば我々も照会をして見ます。
#21
○永岡光治君 これに関連してお尋ねするわけですが、或る造船会社に造船の割当をいたしまして、それで、その予定をしておつたものを次の別の造船会社のほうに割当変更になつて、そのために当初予定しておつたその造船業者での労働争議の問題が出まして、困つたという状況を聞いておるのでありますが、何かそういうような例を運輸省のほうで承わつておりましようか。
#22
○政府委員(岡田修一君) 今のお尋ねは、広島造船所に申込んで、一応広島造船所で造るというふうにきめたのに、長崎造船所のほうに変えた、こういう点だろうと思います。これは私ども長崎の工場も広島の工場も同一の三菱造船所に属する工場でございまして、従いまして、その造船所の事情を考えまする場合に、広島、長崎を一本にして考える。ところが広島だけについて見ますると、そこに二隻ということが、広島三菱造船所以外の、ほかの造船所と比べた場合、非常にバランスを失するような嫌いがある。そこで一応きめました船主、造船所の了解を得れば、これを長崎のほうに持つて行つたほうが造船所全体の上から、バランスの上から非常によろしい、不平が少なくて済むだろうというので、三菱社長並びに注文主である森田汽船の社長の了解を求めた。それで両方ともそれで結構だということで、そういうのを長崎のほうに移した、こういう事例があります。これに対しまして、労働者にいろいろ文句が出ておつたようですが、これは社長である三菱造船所の丹羽氏が責任を以て了解してやつたことであります。かように考えております。
#23
○平林太一君 国務大臣の石井君に質したいと思うが、前提といたしまして、あなたが運輸大臣に御就任になられた年月日は、何月何日でありますか、ちよつとお尋ねいたします。
#24
○国務大臣(石井光次郎君) 一昨年、二十七年の選挙の直後で、その吉田内閣でありましたから、十月末だと思つております。
#25
○平林太一君 第二には、御就任になりましてから、造船融資に対して、運輸大臣として、これに参画いたしましたか。この融資総額及びこの造船計画、第八次、第九次とこうありますが、その内容を承わりたいと思います。
#26
○国務大臣(石井光次郎君) 九次の前期から私が関与しておるわけでございますが、九次の前期、後期合せまして約二百七十億ほどの融資になつておるわけでございます。
#27
○平林太一君 そうすると、もつぱら今回の融資に対しまするいわゆる石井君といたしましては、運輸大臣としてのこの国家資金の運用、それからこの計画造船に対する計画上の失政、失政というものは今日の事態に鑑みまして、これは動かすべからざる事実として、ここに展開された次第であります。石井運輸大臣のいわゆる運輸行政上における重大なる失政であり、不正であるということは、同君といえども、その全体の人格において弁護の余地はないと思います。御弁護がありますれば、この際十分に意見を開陳せられたい。そうしてこの国民的な納得の行く……、同君のこの行政、個人的なことを私は申上げません。職務上に対する、今回の事件に対する了解と納得を国民にこれを知らしめるという態度で、弁明なされることを、この際要求をいたすわけであります。従いまして、大臣は、いわゆるこの行政上の行政官庁の事務官ではない、政治上のいわゆる政治的なこの不正というものは、当然ここに粛正されなければならない。そういうことが若し軽率に取扱われ、大臣の政治上の責任というものが軽視せられるということになりますると、国の政治の基本というものは直ちにこれは混乱、或いは秩序を紊すということに相成るのであります。でありますから、この点につきまして、石井君の良心的なお考え、又責任上のお考えについて、お述べになることをこの際要求いたします。
#28
○国務大臣(石井光次郎君) お答えいたします。私は第九次の前期、それから後期に亘つて、この計画造船に参画をした運輸省の首脳部でありまするから、その立場上、一応今のお話に対して、少しく実際の状況から考えを申述べたいと思うのでありますが、第九次造船をやる少し前から、というよりも、もう一つもつと前から、即ち二十七年頃から海運界というものがだんだん不況になつて来たのは御承知の通りでありまして、これに対しまして、一体日本の海運界を推持し、更に日本の海運を増強して行くにはどうしたらいいかという問題が、痛切に考えられるようになつて来たわけでございます。それで先ず第一の問題として、日本の船の増強をするという方針を以て、これから世界の海運界において日本が戦前第三位を占めておつた、まあそこまでは参らんにいたしましても、又その当時持つておりました六百万トンでございますか、そのくらいな船まで還えらんでも、せめてこの外国貿易の半分ぐらいな程度を日本の船で輸送し得るような状態に先ず持つて行く。次にはせめて七〇%ぐらいまでは最後の、最後といいますか、目標として一応進んで行くというので、運輸省は四カ年海運の増強計画というものを持つたわけでございます。それによりまして、毎年三十万トンの外航船を造る。これを四年間やつて行きますれば、一応の目標の線に近付くことができるとこいうので、造船計画を立てたわけでございます。それで二十八年度におきましては、前と後と合せまして、約二十五万トンの造船をやるということになつたわけでございまして、この造船を引続き二十九年度も、私どもは三十万トン行かんでも、それに近い数量の船をこしらえたいということを念願いたしておつたのでございまするが、今度皆さんがたに御審議を願つておりまする予算においては、約二十万トンぐらいな見当で造船を続けてやつて行きたいということで予算を提出し、衆議院の協賛を得たわけで、皆さんの御審議をお願いする途中にあるわけでございます。で、船をこしらえるということそのものは、私は国策上私どもの言うておつたことが議会においても御承認を、昨年も今年度の予算を作るときもお願いができ、今年度今御審議中の予算にも盛られて、すでに衆議院の協賛を得ました。皆さんがたの御賛成も願えるのではないかと思つておるのでございます。
 ただこれに関連いたしましての利子補給の問題でございます。これはこの前の議会に提出されましたときに、御承知のように参議院におきまして予算委員会等においても利子補給の度が過ぎはしないか。そうすると、スキャンダルが起る虞れがあるぞというような警告も承わつておつたのでございます。私どもは利子補給の度合いがいいか悪いかという問題になりますると、これは世界的な基準まで利子を下げてやらなければ、本当に競争がなかなかむずかしいという考えの下に、三分五厘の線まで開銀の利子を下げることの三派協定案に、私どもは政府も結局賛成したのでございましたが、それが行われまして、そのことと、それから一方では造船の上に鋼材の補給金のようなものが利子を下げるような形で行われましたために、造船も幸いに本年はプラント輸出として海外からの注文が非常に少かつた状態が、又回復しまして、今年は十万トン強、或いは十二万トンぐらい二十八年度では外国の注文があるのじやないか。それと日本の造船と併せて造船所もちやんと立つて行くことができるという状態を維持しておるわけでございます。これが私どもの今までやつて参りましたこと、又これから続けてお願いしようとしておる予算の面に現われておる方向でございますが、これは十分に御審議を願いましてそうして私どもの意のあるところをおわかり願つて、御賛成を願いたいのでございますが、利子補給は本年度は開銀が三分五厘、市中銀行が五分というのが実際のものでありまして、来年度は政府のほうの開銀に対する補給を減しまして、両方とも五分ということになつておりますが、実質は開銀の扱いによつて将来利益の上つたときに払うという形で一分五厘を見送ることになつておりますので、結局実際の利子が船会社の負担になる率は本年と同じような状態になつておるわけでございます。この行き方は私は日本の海運の今の世界の競争場裡に立つて行く場合において、是非このくらいの程度は続けて頂きたいということを念願しているものでございます。これが間違つておりますれば、私の全責任でございますが、私はこのくらいなことにして、そうして世界の競争場裡に立つて行く。そうして実際の外貨獲得が本年は漸くだんだん進んで参りまして、約二億ドルくらいな外貨の節約獲得に、なるような状態まで参りました。併しまださつき申しまするように、貿易総量の四割何分くらいにしか、日本と外国との貿易の四割何分しかまだ日本の船で扱つていないのでございますから、どうかしてこの船の量をもう少し増しまして、もう少し外貨の獲得、それから流出を防ぐということに持つて行きたいと思うのでございます。外貨外貨と申しまして、外国の金をたくさん使つてそれだけの値打ちがあるかというような御質問も出るのでありまするが、私どもの考えといたしましては、戦前の外貨と戦後の外貨と申しまするか、船舶によつて、海運によつて得まする外貨というものは非常に比重が変つて来ていると思うのであります。戦前は貿易外の収入といたしましては、外国における日本の商社とその他興行の収益もあり、それらの人たちの送金というものも非常に大きな部分を占めておつたと思うのでありまするが、今日において貿易がいつでも逆調を来たしておる。そうしてそれを補う貿易外の収入というものの一番大きなものは、そうしてはつきりと直ぐ船が就航すれば直ぐそれだけのものが現われて来るのは海運でございまするから、この海運というものを是非盛んにして行かなければならん、こういうふうに思つておるのでございます。
 この頃問題になつておりまする海運の不祥事件は、本件のこの船を多くするという、それから海運を助長して行くという線からは離れておると思うのでございます。私はどういうふうなところまで行つて、どういうものが出て来るか、はつきり承知いたしませんが、伝えられるようなところから見ますると、これは本筋の仕事の欠陥では私はないと思うのでございます。それはもう利子補給もなければ、それから政府の援助計画造船というようなものの何にもない、野放しものであれば、そこにいろいろな問題は起らないということは確かでありますけれども、起つたそのものは、どこから由来するかということを考えますると、起つていることは誠にいやなことであると思うのでございますが、私どものこの仕事をやつて行く本筋だけは、別問題として、ぜひ皆さんがたの御賛成を得てやつて行きたい。私といたしましては、これに対しまして、ぜひこの日本の海運界をもう少し強力なものにするという線に一層努力をし、ここに何らかの疑惑が起り得るものであるとすれば、それをできるだけ少くするような行政措置なり法的な措置をとりましてそうして明朗な海運界というものを回復させなければならない。これは私の重大な責任だ、私がこれをやらなければならん、こういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○平林太一君 今石井君からの御答弁でありまするが、今お述べになりました海運に対する我が国策というものは、今お話になられた通りであります。又海運局長岡田君からもしばしばそのお話は承わつておるのであります。まあ逆を申しますると、私もその点については同感である、本来日銀の一万田、それから開銀の小林両君が、今度どういう錯覚をされておるのか、この日本海運に対する造船計画というものはこれで打切りでいいんだというようなことをこの間発表している。これは意外なことなんです。まあ何かこういう不祥事件が起きたから、その不祥事件の何か個人的な関係をカバーするために、そういうことを言つたのだという我々は予感すら起すわけであります。これは非常に私は遺憾であります。併し今お話になつたことは、私のほうもそういう考えを持つておるのであります。併しこれは今お話になられた通り重大なことであります。いわゆる国家の国策、方針としてこれをやらなければならない。だからこういう事柄に対しましては、いやしくも不祥事件が起きるというような事柄は、いわゆるそれを通じて国家に非常な害毒を及ぼして来るということは、この点は私は運輸大臣の石井君として、この際もう根本的にこういう問題に対しては事理を明白にして、現に石井君御自身の行政上の分身と行つて差支えない官房長が逮捕せられて、そうして起訴されておる。又昨日は海運局の監督課長でありまする者及び事務官が逮捕されたという、逮捕されたのでしよう。而もそれは数次に亘つて取調べを受けた、こういうことなんです。それでこれほど重大な国家資金の運用というものに対しまして、これが他に私された。その私されたということは、或いは政治的な大きな力、団体、そういうものがこれに介在して、そうしてこれらの資金というものを私し、濫用をした、而もその結果が石井君の御所管である運輸省の官房長にまでこれが及んだということは、これは今お話の御趣意はその通りであるが、その資金というものは挙げて国民粒々辛苦の血税によつて成つたものである。そういうものがこういう事態に立至つたということに対しまして、私は改めて石井君からそのことに対する弁明というものを十分にせられる必要があると思います。今日も意外に感じましたことは、当決算委員会には運輸大臣石井君としては初めての御出席であります。でありまするから、冒頭において、先ず以て我々の質疑の前において、今回のこのような船舶融資に関連する不祥事件を惹起したことは誠に私自身として申訳ないという御弁明があることと私は承知しておりました。又そうするのがこれは常識なんです。併しそういうものには一言も触れていない。甚だこれは私は遺憾至極であります。石井君に対しましては、本会議の議場において白だ、或いは衆議院においては、飯を食べたというようなことを伺つております。併し私はそういう末梢の末梢という言葉はこの際差控えますが、私はそういう石井君個人に対する問題は今日は聞こうとはいたしておりません。大臣といたしまして、こういう事態を惹起いたして、殊に今御説明になりましたことは重大な問題でありますから、それに対しましての経緯、内容、これが同君の手許にも及んだこと、併しその前に利子補給の問題よりも遥かに重大なことは、この造船計画に対する、船主に対する融資割当、こういうものに対しましての、いわゆる申請者の劇甚なる競争が行われた、そうしてその決定に当つてその競争の渦中に入り、いわゆる公正、厳粛を欠いた、こういう事態がこういうことを惹起したわけでありますから、これに対しまして私は一つ率直に御答弁を承わりたいと思います。
#30
○国務大臣(石井光次郎君) 第一に私のほうの涜職に関する部下の問題についてお叱りを受けましたが、これは私として誠に恐縮に存じておる次第でございまして、私の部下からそういう者が出ることというものは、こういう外航船舶の建造に併いまする問題は、去年からいろいろ注意を受けておつたのに、私どものほうの部下からこれにまつわりまして問題を起しておるということは、甚だ遺憾に存じておる次第でございます。併し私といたしましてやるべきことはどういうことであるかということにつきまして、到る所で私はその通り申しておるのでございますが、部下の不始末につきましては、まあこれは目下取調中でございまするけれども、とにかくにも捕まつていろいろ調べられておる者ということがあるのでございまして、この件につきましては、私はその大臣といたしまして非常に責任を感じておるのでございます。併し私はそれではどうするかという問題につきまして、私の責任を痛感すれば痛感するほど、私がやらなくちやならん問題は、この計画造船そのものを立派に仕上げて行く、今度の十次の造船に当りましても、第九次までにいろいろあれやこれやと公正を期するためにいろいろやつて来たのが、まだもう少しこうしたら利子補給もするんだが、ここまで手を出してもいいんだ、例えば造船所の関係につきましては、殆んど船の建造という程度以上には我々のほうから力を及ぼすことができなかつたのでありますが、もう少し進んで造船の直接な経理面までも多少入れるようなことにして、そうして船の値段の低廉を期し、公正を期して行くということをすべきじやないかというので、実は法律を設けなければならないことだと思いまして、今頻りにその準備もいたしておるようなわけでございまして、明朗なる造船ということに一歩も二歩も進めて行きたいと思うておりますると同時に、殊に運輸省の中の問題につきましては、これははつきりならない先でございまするけれども、官房長が起訴されますると共に後任の官房長を任じて、支障なきを期しておるのでございまするが、すべての方向が、海運界のいろいろな問題がどこまで参りまするか、私どもには全然見当もつきませんし、省内の、殊に誰がそれでは引つかかるかというような問題と、若し変な者があるなら早くどんどんやめて行くべきじやないかと或る所で聞いたこともあるのでありますが、それがわかつておるくらいなら、初めからそういう人たちを他に移すなり、やめてもらうということもあるのでございますが、一体どうなつておるか、これはそういう本筋の仕事ではないのでございまするから、私どもとしてはわからないのでございますが、ただひたすらに私として願うところは、仕事の上にみんなが非常にいじけて消極的ならずに、本筋の仕事を一生懸命にやると同時に、若し不祥な問題が起りましたら、それの人たちの代りを、今申しましたようにすぐにきめて、そうして仕事をきちんとやつて行つて、本体の仕事を乱さないように、運輸行政というものを立派に仕上げて行くということが、私の責任だというつもりでやつておるわけでございます。
 それからお話の中に、どうもこの決定が公正を欠いて、こういう問題が起つたということでありまするが、この決定そのものについて不満な点は、皆さん方批評されると、こうすればいいじやないかという完全無欠なものであつたとは、どんなものでも進歩というものがあるわけでございますから、ありまするが、公正を欠くような意味の仕事を私どもやつたとは、どうしても思つていないのでございます。それだけ申上げます。
#31
○永岡光治君 只今運輸大臣から造船の行政についていろいろの説明がありまして、それは又そうなくてはならないと思うのでありますが、とりわけ貴重な国民の税金から特別な助成策を講じまして利子等も僅かに三分五厘で、或いは造船の資材についても特別な措置も講じている、或いは金融界の損失については、これに伴うものについても特別の措置を講じているほど逼迫しているから、融資乃至その他について特別の考慮を払つておるわけでありますが、そこで私は運輸大臣に特にお尋ねしたいのでありますが、それほど逼迫しておるからというので、補給までしてやつているにもかかわらず、リベートが今日行われておるということがいわれており、現実にそのことが摘発されているようでありますが、このことは一体運輸大臣としてどのようにお考えであつたか、又今日までそのことを全然措置をされなかつたのかどうか、この点を一つ大臣から特に私は所見を承わりたいと思うのであります。
#32
○国務大臣(石井光次郎君) 造船会社が船会社にリベートをしておるということを、実は私は今度の山下汽船、日立造船の話が新聞に出るまで、私はこういうことが行われているということを全然存じませんでした。甚だ迂闊じやないかと言われるでありましようが、私は先般もどうも余り私が迂闊であるのか知らんと思つて、造船のことに詳しい小笠原大蔵大臣と大臣室で話しておりましたが、大蔵大臣も自分の関係する所は絶対そういうことはない、値切り値切りしてぎりぎりまでやるんだから、そういうことはないから、もうそんなことをやつているとは自分も思わなかつたということを申しておるような程度でございまして、この問題につきましては、昔はリベートなんというような話もあつたということも聞いておつたのでありますが、運輸省といたしましては、そういうことのないように、まあ書類を出したことはないそうでありまするが、口頭において何遍も前には注意を与えてあつて、それから計画造船になり、それから更に利子補給というような問題になつてからは、そういうものはやつてないはずだと、こう思うておつた。それが如何にも手ぬるいような話にお聞きになるかわかりませんが、私どもといたしましては、この利子補給が始まりまするまでは、これが出るまでは帳簿等につきましても、要するにそこいらの株主に出す書類みたいなものの報告書以上のことは立入つて検査も何もできなかつたのでございますが、漸くにいたしまして、今度この利子補給に伴いまして監査勧告等もできるようになりました。これによつてだんだん入つて行けば、一応の調べはすることができると思うのでございます。併しこれは一応の調べでありまして若しこれが悪意を持つてリベートをどこかに隠すということになりますれば、リベートがちやんと出ておるのであれば問題はないのでありますが、そうでないと、なかなか運輸省の役人がちよつと行つて見てリベートが出て来るような簡単なものであるとは思わないのでございます。それではそういうことのないように、実際上やつて行くにはどうすればいいかというと、船の値段というものをもう少し締め上げて、融資をする場合にもつとしつかり船の値段を締め上げることが大事じやないか、こういうふうに思うのであります。今まででも標準船価と申しまするか、一応いろいろな基準から調べました基準の七千トンなら、これだけのものが大よそ基準として必要だというようなことを船舶局のほうでこしらえまして、これと睨み合わして融資の問題等も考えられておるわけでございますが、これも今度さつき申しましたように、少し造船業者の内輪まで、経理面までも入りまして、そうしてこの基準船価というものをもつと切詰めさして、それによつてやつて行く、まあ九次造船にいたしましても、前期と後期と比べますると、鋼材の補給という問題もありましたけれども、造船所も相当合理化に努力いたしましたけれども、値段の上において一割六分くらいな平均で値下りになつておるのでございます。更にこれをもつともつと突き進めて造船の基準原価を下げて、これに従つていろいろなものがきめられるということになりますると、実質的にそういうものが消えてしまわざるを得んということに持つて行きたい、こういうふうに考えております。
#33
○永岡光治君 運輸大臣のお話を承わりますと、リベートというものはああいう摘発があつて初めて気がついたというような趣旨のように聞えますが、これは飛んでもないことでありまして、運輸省が海運行政を預つたのは昨日今日の問題では私はないと思います。ずつと前からの問題であるし、又大臣を補佐するスタッフにおきましても、これは長い間の海運行政に堪錬なる方々であると私は想像するのでありますが、果せるかな、先日の委員会における岡田海運局長の説明の中にも、昔はそういうことがあつた。今又運輸大臣も昔はそういうことがあつたということであれば、これは当然そのことは、いやしくもこれだけの利子補給をし、損失補償をするという限りにおいては、私は当然そういうことを厳重に監視をし、今日まで行なつて来なければならなかつた筋のものであると考えておるのであります。今これを摘発されて初めて気がつきましたということは、これはちよつと聞えませんと言いたくなるのであります。全然そのような御措置を講じられなかつたのでありますか、講じられなかつたとすれば、なぜ講じられなかつたのでありますか、その点をもう少し具体的にお尋ねしたいと思う。若し運輸大臣において答弁できないとすれば、事務当局でも結構でありますが、どのような具体的な監視の方法をやつて来たのか、特に外航船の利子補給についての今度の法律を見ますと、あの十四条には勧告、監査をすることができるということで、厳重なる権限まで与えられているにもかかわらず、これを具体的に講じていなかつたということになれば、これは重大な問題だと思うのでありますが、このような問題について、どのような一体措置を講じられたのでありますか。ただ今気がついたということであつては、これは国民に対して誠に相済まない問題であると私は考える。
#34
○政府委員(岡田修一君) リベートの問題につきましては、戦前におきまして、これは全部じやなしに、個人会社的色彩の強い所に、そういうものが一部行われておつたというふうに聞いておつたのであります。従いましてその財政資金を使つていわゆる計画造船をやるようになりましてから、いやしくも戦前一部に行われておつたそういうふうなことがあつてはならん、こういうことを、これは口頭でございましたが、厳重に戒告しておる。それで業者に対しましてたびたびこういうことを言う者があるんだがどうだということを質しましたところ、そういうことは絶対にない、これは今日でも全部がそうやつているとは考えないのでございます。今日でも造船所、船会社について聞きますと、そういうことは絶対にやつていませんと言うのは異口同音でございます。従いまして私どもとしてはそういう業者の言を信じ、業者の良識に待つという方法でやつて来たのでございます。で、利子補給法にありまする経理監査は、これは昨年の八月成立いたしましたその法律によつて与えられたものであります。それ以降におきましては、私ども海運業者の経理につきまして、厳重なる監査を始めつつあります。併しまだ日にちが浅うございますから、実地監査というところまで行つておりません。併し只今運輸大臣から話がありましたように、若し仮に船会社がリベートを受取つているというふうなことがあつたといたしました場合、恐らくこれは会社の帳簿とか、そういうものに載せてないじやないか、従つて検察当局がやられるように、家宅捜索をやつておる、或いは帳簿類を一切急に襲つて押収するとか、そういうふうな方法をとらざる限り、これはなかなか見つけにくいのではないかと考えられる。これは融資をされている開発銀行もそうですが、市中銀行、特に興業銀行では、船舶金融をずつと長くやつている。ここに先日も頭取、常務を尋ねまして、リベートの話が出たのですが、こちらもそういうことが行われているとは今の今まで知らなかつた。こういうことです。笑い話でありますが、河童みたいなものじやないか。或るものは河童を見た。併しその河童というものがあるのかどうかわからんというふうな話が出たような次第でありまして、長く金融、これは五年や十年じやありません。興業銀行の海運金融というものは、ずつと昔からやつている。その金融当事者ですら、そういうことがあつたことは知らなかつた。大変私どもの手落ちといいますか、監督不行届きを弁解するようでありますが、そういうふうな事態でございまして、今検察当局で取調べになる、それで事態がはつきりすると存じますが、私どもとしては、今日までそういうものがあつたということは考えていなかつた次第であります。
#35
○永岡光治君 まあ知らなかつたということでありますが、現実に今出ておる。私は恐らくこういう事件が起る前にも、たまたま今海運局長から話がありましたが、そういう噂を聞くのだがということを言われたわけでありますから、すでにその段階において厳重なる何か具体的な、口頭の勧告とか、警告みたいでなしに、具体的に何らかの措置が講ぜられて然るべきではなかつたかと思いますが、これは過去の問題について今責任問題云々になつても始まらないと考えます。私は今日今後一体どのようにこれを解決して行こうとしておるか、これを防ぐ具体策を当然これは運輸当局として今考えておると思いますが、どういう措置を一つ講じようとしておられますか、大臣のほうから承わりたいと思います。
#36
○国務大臣(石井光次郎君) 只今私の答弁の中に申上げましたところでございますが、これは表向きの問題といたしましては、リベートの問題等も起らんように厳重に警告をするということを勿論やりまするし、それからリベートが出ておるとわかつたようなものにつきましては、これに利子補給を、リベートの分に対しては利子補給なんかあるべきものではないと思いますが、一番の問題はリベートの、本当に今のように、海運局長も説明しましたように、なかなか帳簿をちよつと行つて調べるくらいのことで出て来ない虞れのあるものでございますから、これはリベートそのものができないような状態にすると申しますのは、造船所がもうリベートなんか出し得ないような適正な値段になるということが一番の行き方だと私は思つております。それでさつき申しましたようないろいろな手立てを以ちまして、造船価格の低下という方面にもう少し手を入れて、造船所そのものにも、その経理の面にも手を入れて監督をして行くというようなために、立法措置までとろうと、今考えておるようなわけでございます。
#37
○永岡光治君 だとすれば、この利子補給の問題についての措置を講じようとしておるというふうに考えてよろしいのでありますか。
 更に私はお尋ねしたいわけでありますが、この造船の資材についても特別な措置を講じておるはずであります、造船の資材について……。これについての利子補給というような問題についても、今後は一つ考慮しなければならない。こういう方向に変つて行くと考えてよろしうございますか。
#38
○国務大臣(石井光次郎君) 鋼材の利子補給は性質が違つておりまして、これは政府から補給していないのでございます。これはだからおのずから別問題でございます。
 それから利子補給をやめる、停止するかどうかという問題は、これは私ども今これに関連してすぐそれじや利子補給を停止しろというようなことは考えないのでございます。これは先頃、衆議院におきまして審議中でありましたが、社会党の両派から、どこまで、問題が解決するまで利子補給を停止しておいたらどうだろうかという申出がありましたが、これにつきましてもいろいろ質問がございました。この今のお尋ねも同じような線のものだと思いますが、利子補給は形の上におきまして銀行との契約でありまして市中銀行が計画造船をこの間やるような場合に、これこれのものがあるという前提で、この契約をし融資をしておるわけでございます。これが今度ああいうふうな問題があるからというので、全部利子補給をここでとめるということをいたしましたならば、一体どうなるかというと、御承知のように三月中にこの契約を締結しなければ、もう本年度の利子補給はできないことになる。停止でなくても実際に支払えないということになりまするので、これはちよつと法の上から考えても、実際上から考えても、無理ではないかと思います。で、私どもは一応は銀行に対しまして、この利子補給は法に従いまして、契約をまだ結んでないのだが随分たくさんあるのでございますが、今、月末までに解決をするために折角準備をどんどん急いでおりまするが、これは私は一応支給すべしというふうに今は考えております。そうして若し何か問題があつて、この利子補給のものについて、何とかしてこれは利子補給せずにおくべきものであつたというような場合には、利子補給後におきましても、方法はとり得れるように手順をいたしておきたいと、こういうふうに今は考えております。
#39
○委員長(小林亦治君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止]
#40
○委員長(小林亦治君) 速記を起して。
#41
○永岡光治君 只今利子の問題をどうするかという問題については、私は何も全額をこれを打切れということではないのでありますが、まあ政府として、造船の費用について、何か考慮するということになれば、先ず以て利子補給をしたときに、そのところから始めなければならないと私は思うのですが、それを例えば切下げるとか何とかという方法も考えられて然るべきではないかと思いますが、それはまあ見解の相違であつて、今後の問題として譲ることにいたしまして、ただ私から質問いたしました造船資材についての利子補給というものは、全然政府はしておらないと言つておりますが、併しこれは私たちは現実にあるところを知つております。これをやつておるのです。
#42
○国務大臣(石井光次郎君) 政府がやつてないというだけで、事実上ここに出ておりますのは、さつき申しましたように、こういうのは、鋼材の利子補給はあるので、それでそれを含んで前期後期一割六分下つたということを御説明申上げておきましたが、それは局長から言われると思いますから船舶局長から……。
#43
○政府委員(甘利昂一君) 私から鋼材の価格軽減に関する措置を詳しくお話申上げます。
 これは当初私たちが考えておりましたところは、大体造船の船価の二〇%から二五%は鋼材でありますので、従つて鋼材の価格が船価を非常に左右するわけであります。日本の鋼材がそれじや国際的に見てどんなふうな値段であるかということを調べてみますと、大体イギリスあたりの造船鋼材に比べて現在も一万七、八千円トン当り高いのであります。この間の措置によつて約七千五百円引きましたが、まだそれでも一万円程度高いのであります。これは御承知のように、造船材は特殊の国際的な規格がありますので、品質の面においても非常にやかましく言われ、又非常に幅の広い或いは長い或いは厚い板を使いますので、こういう寸法のほうにも特殊の規格料をとられている。ところがイギリスあたりでは、製鉄所の設備或いは技術が日本より遥かに優つているというような点から、こういう規格料というものが殆んどないのでありますが、日本だけが特にそういうものをとられている。ですから船価を下げるためには、製鉄所の設備技術が向上するまで、それを待つておるわけにも行きませんので、早急に措置を講じなければならんということで、差当つてトン当り七千五百円だけ減ずることになつたのでありますが、その方法は二つあります。一つは製鉄業者が原料炭或いは鉱石或いは機械設備等を外国から輸入いたしますが、その場合に日銀から別口外貨貸として貸されている外貨の利子が大体現行で五分なんですが、それを二分五厘に下げる。それからもう一つは、製鉄業者が開銀からいろいろ設備資金として借りておりますが、この利子が一割であります。それを二分五厘下げて七分五厘にすると、この二つの措置によりまして、これらの軽減された利子に相当する分を、それぞれ製鉄業者が為替銀行或いは自分の取引銀行に利子を納めます場合に、同時に今の軽減された二分五厘に相当するものを造船工業会がその銀行に設けた別口口座に払込みますが、その口座に払込まれた金を毎月集計いたしまして、大体どのくらいになるかという、はつきりした数字がわかります。一方又私のほうとしては、その船に対して適用されるものは、昨年決定になりました外航船二十二万トン、それから輸出船約九万トンを予定しております。これに要する所要鋼材をそれぞれ弾きまして、而も一船ごとに詳細に我々が図面或いは仕様書によつて或いは過去の経験から基いてそれを弾きまして、大体この船一隻については規格鋼材がどのくらい要るというようなことを弾きまして、あらかじめ概算でありますが、それで承認書というものを出します。この承認書を造船所が受取りましてこれを工業会に持つて行きまして、こういうものが毎月各所から集まるわけでありますが、その集まつた鋼材の所要量と、そのときまでに集まつた利子負担の軽減分の金を一定の比率をもつて、これを鋼材量に応じて配分いたします。ですからこれは何回にも分けてやりますが、そうして毎月々々集まつたものを、その月々に所要する鋼材について按分して配分する。その取扱いは、ですから製鉄業者が取扱銀行の中に設けられた造船工業会の口座に金を払込みます。又配分によつてきめられた配分金は工業会の依頼によつて銀行がそれぞれの造船所の口座に払込みます、振替えます。従つて工業会も業者も現金は一銭も扱つておりません。ただ口座の振替をやつておるだけであります。それに要する事務費は工業会が本来の自分のところの会費からとつた事務費で賄つております。現在までに、大体二月十五日までに配分されたやつが一億六千三百万円、この次三月十五日或いは二十日頃に配分される量が七千万円余り集まつておりますから、それをその時期の所要量に按分して配分するはずであります。
#44
○永岡光治君 ほかのかたの質問もあるようですが、ちよつとそういう問題が出ましたので、又気になつて聞かざるを得ないのでありますが、一割の開銀の利子のものを七分五厘に引下げて融資する、その差額の二分五厘はどういうようなところから出るのでありますか。
#45
○政府委員(甘利昂一君) 製鉄所の設備資金として開銀から借りております、その利子が一割なんで、本来なら一割を開銀に納むべきなんですが、そのうちの七分五厘だけを納めまして、あとの二分五厘に相当するものを今の鋼材の引下げ措置として鉄鋼業者の取扱銀行に同時に払込むわけです。開銀のほうからは、自分のほうに利子が払込まれた場合に、いついつこれだけの金額が払込まれたというふうな通知を工業会に出しますと、工業会はそれに応じてその製鉄業者に対して二分五厘に相当する分をどこどこの銀行に払込んでもらいたいというような通知を出します。それによつて製鉄所が払込むわけです。
#46
○永岡光治君 私の質問はこういうことなんです。開銀としては一割利子をとるべきものを七分五厘しかとらんわけですが、その二分五厘という穴があくわけです。それをどういう方法で穴埋めしているのかということなんです。
#47
○政府委員(岡田修一君) 開銀の貸出金利は開銀自体できめられるということになつておりまして、従つて開発銀行では、製鉄業者に設備資金として貸出している金利一割だつたのを七分五厘にした、その二分五厘は収入減になる、開銀の予算としては。従つて製鉄業者の設備資金融資から入つて来る金利は、七分五厘分が入つて来るものとして予算に計上されていると、かようなことであります。
#48
○永岡光治君 大体明確なんですが、そうしますと、開銀の利子がそれだけ少くなるということになるわけですが、開銀というものが勝手に、これはいわば公けの機関でありますから、開銀というのは。勝手にやつて若し赤字でも出るということになれば、当然国家として何らかの措置を講じなければならぬ段階に立ち至るのでありますが、そういう勝手なことをしていいものか、何か法律的な根拠があるのでありますか。
#49
○政府委員(岡田修一君) これは大蔵省のほうから御答弁願つたほうが明確かと存じますが、開銀の金利は開銀自体がおきめになる。併しそのおきめになるときは、勿論大蔵省と相談してきめられる。併し開銀のきめられる金利は大体開銀で扱われる資金コスト、これを限度として、資金コストを割ると開銀の赤字になりますけれども、その資金コスト以上ならば開銀としては赤字にならない。そういうことを考えて、開銀自体でおきめになつているかように考えております。
#50
○委員長(小林亦治君) 丁度当参議院の予算委員会が今日から始まつたので、大臣並びに両局長に対して予算委員会の質問はやはり造船融資に関するものなんですが、両局長がおられないと、大臣もお困りなそうなんで、今日は一つ予算委員会のほうにお譲りして、この程度で散会したいと思うのですが、その前に私からお断りしておきたいのですが、あなたがたの御答弁を聞いておると、何か聞かれておる中心点が、自分たちの犯罪でも聞かれているような心構で御答弁されておるように聞える。決してそうではない。ここは裁判所でもなければ検察庁でもない。問題は政治責任を問うておる。然るに今大臣初め三君の御答弁というものは、何らそれらに対してお答えがない。どうしたんだと言われて、初めてこうであるといつたような、極めて責任感の窺い知り得ないような無良心な御答弁である。決算委員の諸君は甚だ不満足だと私は思うのです。例えばリベートがあること自体が船価の水増があつたからそういうことが出たのです。そうして見るというと、船舶業者のほうでは、当初から、早く言えば、官庁を欺して予算を計上させようと、こういう意図があつたに相違ないのです。そういうことを見落したあなたがたに政治上の責任がある。私どもはくみしませんから、その点は知りませんとか、経理内容まで立入ることができないからというようなことは、現状を引継いだ者の答弁なんで、従来まで船舶行政を管理して来た者の責任者の答弁ではない。そういうことは、これはだんだん審理はもつと展開して参りまするので、だんだんとお聞きしますが、そういうような御答弁では当決算委員会は絶対に満足しませんから、そのつもりで今後の我々の審査においで願いたいと思います。念のためにお断りしておきます。
 間もなく散会しますが、折角会計検査院の大沢第四局長がお見えになつておりますが、如何でしよう。局長に伺いたいのですが、運輸当局のこれらの御答弁が果して検査院でも信憑できるものであるかどうか。リベートは知らなかつた。経理監査に関する規定があるにもかかわらず、何らそれに対して手を加えた事蹟も見られなかつた。こういうことは一体あり得ることであるか。あつていいことであるか。それらの答弁というものは正当なものであるか。その御見解を一つ第四局長が折角お見えになつておりますので、検査院を代表して御説明願いたいと思います。
#51
○説明員(大沢実君) 造船のリベートの問題、実は私も今度問題になりまして初めて承知したのであります。尤も私は会計検査院におりましても、いわゆる船造自身に関する検査というようなことは今まで担当したことはありませんですが、開発銀行の検査は開発銀行始つて以来検査を担当しております。従つて造船融資というものは間接には見て来たわけですが、今までそういうことを全然耳にしませんので、今度初めて承知したような次第であります。その点は運輸省の御当局は私たちと立場が違いますから、あながち同じとは申上げかねると思うのですが、私自身はそういう状態だつたことを一応御報告いたします。
 なおこの造船のコストの問題の点ですが、これは我々が開発銀行の融資というものは適当であるかどうかということを見ようとする場合に、絶えず頭を悩ましておる問題であるのでありますが、現在のところは、会計検査院といたしましては、開発銀行だけを検査して、その先の船会社までは検査しておりませんので、ただ契約の価格というものが、契約書を見て、その契約の価格の範囲内において融資しておるというような状態を見ておるわけです。甚だ私たちとして徹底しない検査をしたのでありますが、運輸省のほうでも今まではその程度しかできなかつたことはそうだと思います。昨年の法律の改正以来は、もつと進んだ検査ができるようになつたと思うのであります。そのほうの具体的な内容はまだ私たちもちよつと存じていないようなわけであります。
#52
○委員長(小林亦治君) ただ昨年の法律改正以後に、本問題が起きたのでありまして、将来会計検査院が御審査をなさる場合に、この問題となつた根源はやはりリベートにあるのです。運輸当局がそれを知らなかつたという事態に対して、会計検査院はどんな責任上の評価をなさるか。それは御想像できるでしよう。そういうことが会計検査上許されることであるか、止むを得ないことであると認められるような程度のものか、どういうものですか。
#53
○説明員(大沢実君) 我々これから船会社のほうを、補給金が出ると同時に、船会社のほうも検査をしたいと思つております。その場合になかなか表面は簡単にはわからんだろうと思いますが、できるだけ各方面から検査いたしまして、若しもリベート的なものがあるということがわかりますれば、当然これは利子の補給の対象から除外しなければならない。そういう面において正確な計算をとつて、いわば補給金を出し過ぎた分と言いますか、そういうものがあれば、これは速かに返還方を運輸省のほうへ要求いたしたい、こう只今考えておる次第であります。
#54
○委員長(小林亦治君) 運輸省に要求するのはそれは当然かも知れませんが、そういうものに目を蔽つたか、或いは見落したという運輸省の行政上の責任はどういうものでしようか。会計検査院から見て、あなたのほうから見て批難事項に該当するかしないか、そこが問題だと思う。国民の関心もここにあるのです。
#55
○説明員(大沢実君) 若しもそうしたものが我々が検査した結果出て来た。それが普通に考えて見られ得る。我々が調べてもわかる。だから運輸省の検査においても認め得るというような状態であれば、運輸省としてもそういうものを見落して補給しておつたということの責任は、会計検査院としても返還させると同時に、検査報告その他に挙げて、公示しなければならん問題だと、こう考えております。
#56
○委員長(小林亦治君) なお、ほかにたくさんの御質問もおありかも知れませんが、両局長が見えないと、大臣も席を外されておりますし、次回か、或いはその次の委員会でなお審査を続行することにしまして、本日はこの程度で……。
#57
○飯島連次郎君 私は質問でなくて若干資料の要求をこの次までにしておきたいと思います。これは、岡田海運局長の答弁は、この前もそうであつたし、今日もそうです。大臣、船舶局長は多少リベートの問題に関しては、まあ良心的な答弁をされたけれども、我我としては納得できないので、第十八条に従つて厳重な監査をやつておるという岡田局長の答弁だつたから、少くともこの次の委員会に出るまでに、運輸省として監査をしたその監査の結果を印刷にして提出をしてもらいたい。
#58
○政府委員(岡田修一君) 運輸省の監査でございますが、先ほど委員長からのお話がありましたが、八月の上旬に法律が成立いたしまして、それから私どものほうで海運監査室を設けましたのが十月十五日頃で、又九次の造船は九月の中旬に決定をしております。従つて若しも九次の造船に何らかのやましいことをしておるとすれば、実際私どもの海運監査室の発足した前に、そういうことをやつておる。それから監査室が発足いたしました。これは私どもの現在の定員を差繰つてやつた。それから監査の初めでありますから、まだ十分なる現場の監査まで至つてない。それでやつておりますのは、決算書類をとり寄せてれその内容を見る。或いは事前に例えば増資とか、或いは船舶の譲渡、買入れ、そういうものを事前に運輸省の了解を求めてやる、或いは九月期の決算における利益金処分について事前に了解を求めて、その利益金処分をさす、こういうふうな方法をやつております。それは種々雑多でございます。従いましてどういうなにになりますか、そういう内容を先生のところへお届けいたしますかどうか、そういうリベートの問題についての監査というのは、先ほど言いましたように、現場監査をするか、或いは重役の家宅捜索をするか、この以外に見付ける方法がないかと思いますが、そこまでまだ手をつけていない次第であります。
#59
○委員長(小林亦治君) 飯島委員の要求されたのは、あなたが先ほど厳重なる監査を規定に基いてやつておつた、こうおつしやつたので、恐らくそういう言葉尻を捉えたんではありますまいが、厳重なる監査をしておつたというなら、何か資料を作成し得るような経過がありましようから、その経過と内容を提供してもらいたいと、こういう意味であるのだと思いますが、どうですか。
#60
○飯島連次郎君 監察室が少くとも設けられ、そしてこれだけ大きな国民的な疑惑のうちに問題が展開しておる今日ですね、それは如何に運輸省といえども、これは会社の報告を求めるとか、或いは帳簿について調べるという程度で、これを糊塗されようとしても、余りに責任が私は重過ぎると思う。法律にも明記してあるように、「営業所若しくは事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件」、この立ち入り検査ができるという規定、法律で、そういうことがはつきりつまり権限が与えられておるにもかかわらず、そいつをあえてしないということは一体どういうことか。だから、私はした程度でいいから、正直にこれだけいたしましたと、その内容はこうですということを、ここへはつきり持つて来てもらいたい。不足のところは又あとで重ねて要求します。
#61
○政府委員(岡田修一君) 立入り検査は今までやつておりません。立入り検査につきましては、会計検査院でもこういうリベート問題が起る前でございますか、立入り検査をやろう、こういうことで会計検査院の立入り検査と私どものほうの検査と一緒にやるか、或いは別個にやるかということを打合せをしておつたかと考えます。これは監察室のほうで直接検査院と打合せしておるのであります。従いまして、現在のところはお叱りを受けましたように書類検査だけでございまして、その書類検査をどういうふうにやつておるか。一応監察室長をお伺いさせまして、そうして十分御叱正なり御要求をお願いしたいと思います。
#62
○委員長(小林亦治君) なお御質疑の点は次回に譲りまして本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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