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1953/03/25 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第16号
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1953/03/25 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第16号

#1
第019回国会 決算委員会 第16号
昭和二十九年三月二十五日(木曜日)
   午後一時四十二分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
三月二十三日委員松平勇雄君辞任につ
き、その補欠として西川彌平治君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           植竹 春彦君
           島村 軍次君
           岡  三郎君
           平林 太一君
   委員
           青柳 秀夫君
           雨森 常夫君
           石川 榮一君
           小沢久太郎君
           西川彌平治君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           高田なほ子君
           東   隆君
           山田 節男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局検査第四局
   長       大沢  実君
   日本電信電話公
   社副総裁    靱   勉君
   日本電信電話公
   社経理局長   秋草 篤二君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) 只今より第十六回決算委員会を開会いたします。
 本日は昭和二十六年度決算、電気通信省所管の部を議題に供します。
 初めに会計検査院検査報告について一般的説明及び批難事項第九百七号から第九百九号について専門員をして説明いたさせます。
#3
○専門員(森荘三郎君) 只今議題になりましたのは検査報告の二百五十七ページから始まるわけでありまするが、検査院は例によりまして、電気通信省、只今では電信電話公社、それの一般的の状態を最初にしるしておられまするが、一番初めの事業損益につきましては、電話事業の方面を見ると大変利益が出ておるが、電信事業のほうは欠損になつておる。それは電信事業というものがとかく中継をするのが人の手で以て行われておるという関係で、人件費にたくさん食われるので、これは現在研究中の電報の中継の機械化が早く完成するならば、この辺は大いに事情が変つて来るだろうということが書いてあります。
 その次に二百五十八ページの中ほど以後に、財務諸表についてこれだけの誤りを発見したということを、少し小さい文字で以て並べて書かれてあります。これについて聞いてみましたところ、一番初めにありまする未収金の計上を漏らしたもの、これは前年にも検査院との間に見解の相違がありまして、これが掲げられておつたのであります。ところが二十六年度を越しまして二十七年度になりますると、年の中頃から電々公社の事業に移つたのでありまするが、それ以来は検査院の意見通りにこれを取扱うことにしたということになつておりまするので、もう只今としましては、理論上の争いは消滅したように聞いております。それからその次の四つの項目はただ取扱いの不注意のために間違いが起つたということであります。その次に未払金の計上を漏らしたもの、これ又次の年度以来は検査院の意見通りに取扱いを改めたということであります。その次に雑益に計上すべきものを物品価格調整引当金に計上したという扱い方が、検査院の意見では適当でないというのでありまするが、これは電々公社におきましても、目下研究中であるということのようであります。それからその次の収入金を過大に計上していたもの、これもただ取扱い事務の誤りである。こういう話であります。
 次に二百五十九ページの三行目の「なお、減価償却費の計上額」云々というこの問題は、まだ電気通信省においても資産の再評価が行われていないので、速かに資産の再評価を行うようにしなければ、減価償却などは正確には行われない。早くやつてもらいたいということの注意をひいておられるのであります。
 その次に借入建物に対し自己資産に対しての工事であるならば、固定資産の増として経理すべき程度の大修繕をした場合、これは毎年々々の修繕費をその年限りの費用として損費に計上されておりまするが、大修繕であつて林産の増加と見るようなものは繰延べ経理を行うほうがよいという検査院の御意見に対しまして、当局においても将来はそういう扱いにする。つまり大きいものについてはその通りにするが、比較的軽いものについてはもうその年限り落してしまう、いずれにしても検査院の御責見通りというお答えのようであります。
 それからその次に「建設工事の進捗について」、大変工事が遅れている。従つて甚だ能率が悪いということが書いてあります。文章を読んでみますと、ちよつと理解がしにくいと思いまし先ので、別紙ガリ版刷に一覧表のような形に並べて書いておきましたから、そちらを見て頂きますれば、どの程度未完成の工事があるか、成るほど検査院から指摘されても弁解のしようもないというような事情がわかるわけであります。但しどういうわけでこうなつたかということにつきましては、当局から説明書がこの印刷物で出ておりまするが、それの中の二百五十九ページの終りから二百六十ページヘかけまして詳細にその理由が説明されておりまする。只今私ちよつと申し損いました。その完成工事などの割合が少いということにつきましては、その原因につきましては検査報告の二百五十九ページの終りのほうから二百六十ページの初めへかけまして、その説明がついております。但しだんだんと改善されて来ておるということもそこに記されているわけなのであります。只今私が申し損いましたのは、検査院の検査報告のページを申すのを弁明書のほうだとつい間違いましたので申訳ありませんです。
 それから次に検査報告の二百六十ページの終りに近いほうでありまするが、「仮払品について」という問題、これは仮払品という制度を作りまして、貯蔵品と事業品との中間の扱いをやりまして、そうしてそれによつて原価計算とかいうようなことをはつきりさせようというつもりでやられたのでありまして、つまりその趣意は非常によかつたのでありまするが、実地やつているうちはなかなかそう思うように現場のほうが動いてくれない。それでついにその目的は十分に達せられなかつた。併しながら従来とかく事業品などをたくさん抱え込み過ぎるという批難があつたわけでありまするが、その点については今後において十分注意を払つてこれを少くするようにしているという意味のことなのでございまする。その詳細な事情は又その方面から御説明下さればはつきりするかと思います。
 次に「不当事項」へ入りまして、九百七号及び九百八号でありまする。架空経理の問題なのでありまするが、実は前年度、即ち二十五年度には架空経理が非常に多く指摘されまして七百三十四号乃至七百四十五号というふうに多数掲げられたのであります。そしてこの決算委員会におきましても小委員会を設けまして、ほかの省にもこういう問題がたくさんあつたものですから、特に審議をしたことがあるのであります。その二十五年度の検査報告の作成のときにまだ検査院において調査中であつたという事件が二つありました。それが今度の報告書の中に九百七号及び九百八号として掲げられたわけなのであります。それでこれはまあいわば前年度の名残がちよつとここへ現われたというだけでありまして検査院のほうからもやかましい注意があり、国会においてもやかましい問題になつたとか、いろいろな事情によりましてその後はこの架空経理は根絶したというように聞いております。現に、二十七年度の検査報告の中には一件もそれが現われておらないのであります。この架空経理は検査報告の一覧表を御覧下さればわかりまするが、支出をした項目は賃金だとか、旅費だとかいうような名義で以つて現金を出してしまつて、その現金で以つてこの下のほうに書いてありまするような工合にいろいろな費用に使つたということなのでございます。
   〔委員長退席、理事岡三郎君着席〕
 次に九百九号というのは電気通信研究所の経理の紊乱状態が一括してここに掲げられているのでありまして、検査院においても相当これは重大問題として考えておられるように聞いております。この研究所は東京の郊外の三鷹にありまして、その不当経理については二十五年度にも多数指摘されておつたのであります。ところが不幸にもこの二十六年度になお引続きここにあります通り多数の指摘を受けたわけでありまして、合計十件だけ挙つておりまするが、先ず最初に、支払いの代金を流用していた、よそから物を納めて来た、それに対して代金を支払うことにして金を係の者が握つておる、而もその会社へ金を渡すのはずつと遅れてから渡して、その中間に何かに流用しておつたというような種類のことが数件ここに出ておるのであります。それからその次には物品の売払代金を流用していたもの、これも事情は大体同じような事情なのであります。それから次に過大な支払をした、例えば実際自動車を雇い入れたり修繕をさせた、それに水増しをして金を払つたりしておつたというような種類の事件なのであります。それから最後に工事の施行又は物品の購入について正規の契約手続によらなかつたもの、これは物を先ず最初に納めさせておいて、よほど日数がたつてから初めて買入れの手続をするというような工合に甚だ手続がよろしくないということなのであります。
 なお、ここで注意すべき点は検査報告の二百六十六ページ、その裏へ廻りまして二百六十六ページの第一行目に記されておることであります。「なお、右の外所管業務に関し、関係職員が不正行為の容疑で二十六年十月から十二月までの間に起訴され東京地方裁判所で審理中のものが八件ある」というふうに記されておりまするが、つまりここにずつと列挙されております幾つかの不都合な行為の多くのものは、この最後に記されております不正行為により起訴されたというものなどとも結びついておるような事件なのでございます。
 なお、もう二言附加えて申上げたいと思いまするが、ここにある電気通信研究所の経理の紊乱十件を一、二、三、四、と四つの種類に分類して掲げられてありますが、そのうちの一、二、三の種類のものは事務職員の不当行為なのであります。ところがこの四というほうは少し事情が違います。ここは研究所でありまして、多数の研究員がおられる。その研究員が実験をやつたり何かする必要がありますので、試作品を買入れるとかというような研究を急ぐあまりに、正規の会計規則を守らなかつたというようなものが、この中に若干あるのであります。これはそういう手続をしつかり守らないことそれ自体は、勿論悪いことでありまするが、事情を聞いてみれば、多少研究員にはとかくこういうふうな心理状態があるかも知れないということは了解されないこともないような事件なのであります。なお、のちのことになりますが、九百十二号、及び九百十三号、これは同じくこの研究所において起つた不当事項なのでございます。
 簡単でございましたけれども御参考までに……。
#4
○理事(岡三郎君) 次に検査院から御説明を願います。
#5
○説明員(大沢実君) 大体今議題になつております範囲におきまして森専門員のほうから説明がしてありますので、附加えることも少いのでありますが、二百五十九頁に建設工事の進捗のことが書いてあるのでありますが、会計検査院がこれを特に強調している理由は、電気通信工事の施設をなさるならば、何と言いますか、重点的と言いますか、経済的と言いますか、成るべく一つの仕事を始めたならば、その仕事を早く完成して、公衆の利便に添い、且つ公社としても収益を上げるという方向に進めるべきではなかろうかという見地から見ますと、ここに書いてありますように、未完成のもの、或いは工事を繰越ししているというもののパーセンテージが非常に多い。これはいわば公衆の利便にも添わず、従つて公社の収益にもならないということになりますので、なるべく年間予算は、いわば完成するほうに重点的にやつたほうがよいではないか。鉄道の建設のような相当長期の工事期間を要するものと違いまして、電気通信の建設工事と言いますものは、比較的工期は短かくて完成するので、資材とか、その他の手当さえよければ、年間工事が相当スムースに完成して行くのではなかろうか。こういう方面に対してもう少し努力の必要があるのではなかろうか。こういう見地から述べた次第であります。なお二十七年度の結果を見ますと、大体において二十六年度と同じような比率を示しております。繰越工事は多少殖えまして、二十六年度はここに書いてありますように、一七%になつておりますのが、たしか二五%ぐらいは繰越になつております。多少なんと言いますか、能率が落ちたと言いますか、そういうように感じられます。併しこれはお話によりますれば、二十八年度においては、大いに馬力をかけて、繰越は殆んど皆無にするというようなお話がありまして、二十八年度は、検査の結果によつて確認したいと思つている次第でございます。
 次は二百六十頁の末のほうに書いてあります仮払品の制度でありますが、これは従来各現場機関へ貯蔵品を払込みますと、そのまま決算におきまして、経費に立ててしまう、或いは建設費に立ててしまう。ところが設備は全然まだ使われていない。未使用品というものが相当ある。会計検査院としては、絶えずそういうものがあつては、決算の正確性というものが失われるということを指摘いたしまして、電々公社或いは電通省におかれましても、その点を留意されまして、そうした未使用のものを一応いわば資産勘定に整理をし、又整理されたのであります。その扱いかたは機宜を得た処置であると思つております。ところがそうしてみたところが、その仮払品なるものが、非常に多くなつた。現場としては自分のほうに物を持つておつたほうが仕事がやり安いので、物を抱え込むというので、金額が殖えて来た。これはやはり貯蔵品に振戻して、どこででも使えるように、機動的に使う必要があるのではないか、こういう趣旨でありまして、なお二十七年度におきましては、電々公社になりましてからだと思いますが、この仮払制度もやめられまして貯蔵品に全部を戻して、そうしてそれぞれ使用されるというふうに、又一段と改善があつたように承知しております。
 次に不当事項に入りまして、九百七と九百八と、これはもうすでに二十五年度において御審議になりましたものの残りでありますので、詳しくは申上げませんが、二十五年度、六年度を含めまして、建設部のほうでやりました架空経理というものの総額を申しますと、四千三百四十四万円というものを正規の使途以外の名目で払出され、それはそのうち二千六百十三万円というものを一部請負における請負金額に充当せられ、四百二十一万円というものを本部で使われた人夫賃に充当し、残りの千三百万円というものが工事材料だとか或いはいわゆる接待費或いは現場職員の慰労費というようなものに使われた次第雄であります。
 九〇九号は通信研究所の経理の状況を報告したのでありまして、この全貌は最後に書いてありますように、まだ刑事訴訟継続中のものでありますから、これ以外にどういうものがあるかということはちよつと申上げかねる状態でありますが、それ以外の現在判明している分をここに掲げる次第でございまして、先ほど専門員からもお話がありましたように、一、二、三はいわば会計のほうの職員の一つの不法な紊乱経理、四に掲げましたのはいわば会計の知らないうちに技術のほうでやつた仕事である、こういうような状態であります。
 以上であります。
#6
○理事(岡三郎君) 次に当局の説明を求めます。
#7
○説明員(靱勉君) 二十六年度の検査の結果、不当事項につきまして十数目御指摘に相成りました。又或いは電報の赤字の問題その他工事関係の遅延等につきまして御指摘に相成つておる次第でありますが、誠にその点につきましては事業経営者としましては遺憾に存じておる次第であります。ただすでに書面を以ちまして、いろいろこれに対しまして当局側の意見を申述べてある次第でございますが、全体としまして、その後電気通信省を解体しまして公社形態にした。爾後一年半余り経つておりますが、漸くにして電信電話事業の成績も向上して参つておるような次第であります。それはさておきまして、二十六年度におきまする状況としましては、不当事項につきましては、誠に何とも申訳ないのであります。こういう事態を繰返さないように爾後において十分な注意をいたしておるような次第でございます。
 なお、全般的な問題としまして、電信の赤字につきましては詳しく対策措置等も御覧に入れておる次第でございますけれども、各国の状況を見ましても、大体電信においては赤字を生じておる。最近漸くアメリカとドイツにおきましてとんとんというようなところまで持つて参つておるようでありますが、主としてこれは加入者電信と申しますか、記録通信の特徴を生かしまして、電話のように多数の常に交流通信のある所を一つの加入者としまして、電信業務を新たに設定してあるというようなところにおきまして、漸く赤字を克服しているというような状況であります。自動の中継化によりまして勿論人件費を相当節約できる次第でございますけれども、なお、これのみを以て解消するというわけには行かないと思つております。なお、公社になりまして電信の業務の更に合理化につきましては、今後一層努力をしなければならん、こういう次第でございます。
 それから財務諸表についての不正確につきましては、これは何とも申訳ない次第でございます。常に正確を期しておる次第でございますが、特に建設工事の進捗状況につきまして御指摘を頂いております。これは私どもとしましても、成立した予算をできるだけ効率的に、而も早く一般の御利用に供し得るようにするのは当然のことであるのでありますが、過去におきましては、予算が成立した後におきまして相当計画の変更を余儀なくされた。殊に二十六年度におきましては、当時占領下にありまして、GHQの民間通信局から更に根本的な実行計画の改訂等も要求されました結果、計画の策定が非常に遅れたという点にあるのであります。のみならず、或いは工事力の問題等につきましても問題がありましたし、又物品の調達等におきまして法律とマツチしていないという点もあつたのであります。爾来二十七年度におきましても、その点は余り改善を見なかつたのであります。併しながら勿論二十七年度も漫然としてそういうことをやつておつたのではないのでありまして、根本的にこれを改革せにやならんということで、その準備をいたしておつた次第でございまして、その結果が漸く二十八年度に現われつつあるような次第でございます。今後相当この点におきましては、今までにないような改善ができるものと、私ども確信いたしておる次第でございますが、何としましても、公社になりまして予算と実行の問題につきましてはできるだけ早期に計画を立てる、これに対しまして一連の工事につきまして、相当電気通信省当時におきまして連合軍の指示もありまして、機構がいわゆるライン・オルガニゼイシヨンと申しますか、各セクシヨンに分れまして、そこの相互調整というものがなかなかできなかつたというような、いろいろ私ども厳正なる反省を加えまして、公社発足と同時に、それらの点につきましても改革を断行いたしたような次第でございます。
 仮払金の問題につきましては、只今専門員の方、及び検査院の方から御説明があつたような次第でございますが、なお、御質問によりまして資材局長から詳しく御説明をいたしたいと思います。
 不当事項につきましては誠に申訳ない次第でございまして、これらの点につきましては、私ども誠に遺憾に存じておるような次第でございます。
#8
○理事(岡三郎君) それではこれから質疑に入ります。九百九号までの質疑を行います。
 質疑はございませんか。別段九百九号までは質疑はないものとして次に進んでよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○理事(岡三郎君) それでは次に進みます。九百十号から九百十三号までの事件を議題といたします。専門員の説明を求めます。
#10
○専門員(森荘三郎君) 只今議題になりましたものは、すべて工事に関するものでありまするが、先ず最初の九百十号は、「不急の海底電線布設引揚機を建造したもの」というのでありまして、要点を申上げますると、検査院の御指摘は、計画を立てるならば仕事の順序を立て、前途の見通しを立ててやらなければいけない、然るに今ここに買入れたところの機械類は、船ができなければ役に立たないものだのに、機械だけ先に買入れた、そうしてその後船はできない、そういうふうに仕事が跛行しておる、或いは前途の見通しがよろしくないというような点を衝いておられるのでありまして、現にこの品物は買入れてから一年半もたつた今日において、まだ倉庫の中に梱包されたまま格納してある、こういうことが記されておるのであります。それに対する当局の回答を見ますると、説明書の百七十四ページに出てはおりまするが、もう一度これを要約して申しますると、二十四年から海底電線を布設するための船の建造を計画しておつたのである。二十五年度にはこの船を新たに建造するための費用の一部として二千九百万円の予算の成立があつた。それで今後だんだんと年を重ねて行けば予算が次第に成立して行くというので、先ず船を造る前提としましていわばその船の一部と見て引揚ける機械及び附属品を買入れたところが、当時まだ占領時代でありまして、総司令部のほうからいろいろな指図があつたりしたのでありますが、電信電話の施設を大都市重点主義ということをやかましく言われたもののようであります。それで御承知の通り東京などにしましても、千代田局だとかその他いろいろな新らしい電話局かできたりしたわけでありまするが、その代りには田舎のほうに作る電話局などが工事の途中で仕事を停止せしめられたこともあつたりしましたし、自然又この布設海底電線の布設船というようなものは新造を見合わすというようなことになつたのであります。こういうような余儀ない事情のために、前途の計画が狂つて来たのだという弁明になつて、おります。なお、最近これに対する追加説明をみますると、現在では海底電線などのケーブルの障害の件数もだんだん減つて来ておる、それから電信電話の拡充五カ年計画というものがあるが、その点からみても新造船を造るということの見込みはない。それでこの機械は従来からあるところの海底電線布設船千代田丸という、その船に取付けることにして、これを活用することになりましたということが追加説明に出ておるのであります。
 その次に九百十一号、これは東京の丸ノ内にあります千代田電話局を新設されるときのことでありまするが、地面を掘りまして、そこにコンクリートで大きいトンネルのようなものを作つて、そして又再びそこを埋め戻すという必要があるのでありまするが、その際、一旦運び出したところの土をその辺に捨てる場所がないものですから、かなり遠方ですが、深川附近までこれを捨てに行く、そしてこのトンネルができたのちに、もう一遍その土を丸ノ内まで運び戻して、そして埋め戻しに使用する、そういう設計で請負いに出して、その工事費を払つたという事件なのであります。ところが検査院の御意見では、その工事の現場附近に仮設物が数個あつた、それがためにそこの土地が暴れておつて土のやり場がないので、あんなに遠方まで持つて行くという計画を立てたのだが、仮設物をほかのところへ移しさえすれば、そこに空地ができて、そこへ土を盛り上げることができる、そうすれば運賃が非常に助かる、なぜそういうような計画を立てなかつたのか、仮設物を移すために少し金がかかつて損はするけれども、運賃の節約のほうが遥かに大きいじやないかという問題なのであります。なお現に請負業者がどんな工合にこの仕事をやつたかという点をみると、あとになると、やはり仮設物をほかへ移して、そこを利用しておつたじやないか、現実にそうなつておつたということを指摘されているのであります。そしてこれを当初からその計画でやりさえすれば、恐らく百七十万円程度の節約ができたのではないか。勿論この百七十万円という金額はそう正確な金額ではないでしよう。又仮設物を移すために費用もかかりましようから、金額の正確さはとにかくといたしまして、とにかく相当の節約ができたに違いない。なぜもう一段初めから注意深くことをやらなかつたか、或いは当局の人に言わせれば、相当の注意を払つていたと言われるかも知れないが、十分という言葉の上に十二分という言葉もあるわけですから、いま一段その高い程度の注意を要求するという意味で、注意を喚起するつもりで、これを報告に載せたのだというように聞いております。それに対する当局の弁明を聞きますると、仮設物の中には取り払つてもよいものもあつたけれども、又他の一部の仮設物はほかの工事のために現に使用しておつたわけでありますから、それをほかの方面に移すと、随分仕事の土に妨げを受けるので、余り移したくはなかつたのだ、なお、こういつたものはこの電話局の建設工事だけでも、元来丸の内のあの狭い所に無理をした工事でありますから、混雑をしておつたところへ、他にもいろいろな工事が重なつておつたので、実に混雑をしておつた、而もこの洞道を造ることは急いでやらなければならない工事であつた。それでこの狭い構内に掘出したところの土を堆積するだけの余地はなかつたから、余儀なくあんなに遠い深川まで運搬するという計画を立てた。ところが何故途中で仮設物を移すというようなことをしたかと一言えば、工事の途中において、ほかの工事で以て又そこの所にトンネルを造る工事がやつて来たものですから、双方の関係で掘出した土をトラツクに載せて運搬をして行く道が塞がれてしまつた。どうにもならないものですから、余儀なく従来からあつた仮設物をほかの所へ移して、そこに空地を担えて、土をそこへ堆積するというふうにしたわけであつたので、初めから考えが足りないとか、或いはあとになつて見ると、仮設物をよそへ移しているじやないかと言われても、実はそれは余儀なく、窮地に追い詰められて、そういうふうになつたという点をどうか御了承願いたい。併し工事の初めから仮設物をよそに移せば、どのくらい費用がかかるか、それがために運賃がどのくらい節約になるか、それらについて今一段の注意を加えろということで、検査院でおつしやるわけですが、成るほどそう言われて見れば、それは御尤もなことで、今一段の注意を加えておれば、一層適切であつたと、こうおつしやる。その点に対しては誠にこちらは返す言葉はありません。遺憾の意を表すよりほかはありませんという意味のことのようであります。
 それから次は九百十二号でありますが、或る工事を注文するに当りまして、その事務担当者が忙しかつたというような理由で、相手方の業者に予定価格を計算させた。そうしてその計算書に、その予定価格に基いて、而も競争入札に付したということ自体がすでにおかしいのでありますが、而もその積算が過大であつたがために、工事費が非常に高価になつてしまつた。なお、一部の品物は官給品をやつたのでありますが、それも分量を多くやりすぎているという批難でありまして当局は全く検査院の御指摘の通り間違いありません。そこで現金十万円を、又官給品の過大な部分だけは返させることにいたしましたということであります。
 その次の九百十三号、これは粗悪な材料を使用したこと、廊下に例えばリノリユームのようなしつかりしたものを敷けばよいのに、経費節減のためか何か知りませんが、極く粗悪なゴムのシートを敷いた、それでほどなく破損をした。従つてほかのものに敷替えたので全くその費用を徒費したことになる。余りつまらないことをしたものだという指摘であります。当局の答えは、ただそこは普通ならば人が歩いて行くだけの廊下でありまするから、安い品物でもそれでよいと思つて、経費節減くらいに考えてやつたのですが、たまたまここに移転という問題があつた。と申しまするのは、先ほど申しました電気通信研究所はもと各地に研究所が分散しておつたようでありまするが、一番主なのは辻堂あたりにあつたもののように聞いております。ところがこちらの建物が、三鷹の建物が新築、出来上つたので、全部こちらへ引越して来た。それで建物の中の廊下へ運搬の車を引込んだり何かしたので、そういう重い物を引込んだものですから、見てる間にそこが、敷物が破れてしまつたというようなことがあつたので、全く不経済なことをしたことは、誠に申訳がありませんということなのでございます。
#11
○理事(岡三郎君) 次に会計検査院の説明を求めます。
#12
○説明員(大沢実君) 九百十号は書いてある通りでございまして、これを今度、昨年の暮二十八年の十一月頃に契約されまして今年の一月にかけて千場代田丸へこれを備えつけたというお話であります。まあこれは千代田丸に今まで備えつけてあつたものは果してもう任期が来て駄目になつたものやらどうやらということは、二十八年度の検査においてもう一度十分検討する必要はあろうと思います。何分にもこうして引揚機だけ造つて、船のほうは目安がつかないというようなときに、引揚機を造ることは、予算の使用として非常一にまずいのではないか、こう考える次第であります。
 次の九百十一号は実はこの九千百四十立米という土砂を深川へ捨てまして、そのうち四千九百六十立米、約五千立米を又戻して来て埋戻すというのでありますが、まあ我々が一般に考えますと、東京の都内の土というものは、ときによると相当に売れるのではなかろうか。むしろこうした捨土費はなくてもいいのではないかということを、まあ常識的にちよつと考えられるのであります。併しながら一つの官庁であり、当時勿論官庁であります、官庁が契約する場合に、そうしたものを一々探し出すのも或いは困難かと思います。一応その点は伏せましても、わざわざ深川へ持つて行かなくても済んだのではなかろうかという点であります。隣接のところに空地がありまして、これは仮設物が並んでおつたのでありますが、その仮設物の中には、竹中工務店がほかの工事、本体工事であつたと思うのです。ほかの工事を請負いまして完成しまして、当然撤去しなければならない仮設物があつた。それが現在工事中に、仮設物をこれをどこか片隅へ寄せるなりしますれば、相当な空地ができる。その片隅へ寄せる経費というものは、これは電々公社のほうにどのくらいかかるだろうかということを調査をお願いして調べたところによりますれば、僅か三十万円程度のもので片付くのではないか。そうすれば、これを持つて行つて戻して来る、傍へ捨てるというものの経費のその差額で、百七十万円くらいは節約できるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでありまして、これは結果論にはなりますが、現に請負業者はそうした方法でやつておるのであります。もう少し予定価格を作る場合に考慮できたのではなかろうか、こういうふうに考える次第であります。これは随意契約ではありますが、一応予定価格を作りまして、竹中工務店から見積りをとつて、予定の範囲内において契約しておるのであります。なお、随意契約をやりましたのは、本体工事を竹中工務店がやつておりましたので、附帯工事として随意契約をやつたというふうに承知しております。
 次に九百十二号、九百十三号は共に電気通信研究所の問題でありまして、書いてあります通り、一方ではまあ自分のほうに予定価格を積算する経験者がなかつたということと、忙しかつたということになるかと思いますが、請負させようとする業者から見積りをとつてそのままを予定価格として入札した。入札した結果は、この予定価格を作つた関東電気工事株式会社、これが最低価格で落札したわけでありますが、その内容を見ますると、例えばその電線類を非常に必要以上に多く見積つておる、或いは労務賃なども、その人夫数を多く見積つておるというような点がありましたので、これは少し多過ぎるのではないか。もう少し正確に諸掛を計算し、所要量を計算すれば、もつと減るのではないかという点を指摘いたしまして、そうして電々公社のほうに正確なところをもう一度積算をお願いいたしました結果、七十二万円くらいなものであろうということになりまして、競争契約はしているけれども、結局相当高いものになつたのではなかろうかという判定を得たわけであります。そういう認定に達したわけであります。なお、それに附随しまして電気通信省から官給しました資材も必要以上に多かつたということになつておりまして、これらは請負工事の高いと認めたところの一部、それから官給材料の超過交付額はこれは回収されております。
 次の九百十三号のゴムシートの点は、痛んでおりましたので、そのゴムシート自身の一部のものを信用あるゴムメーカーに鑑定をいたさせましたところが、これはとてもシートとしては利用できないものであるというような報告を得ましたのでありまして、こうした幾ら安かろうであろうかも知れないけれども、すぐ痛むようなものをするのはまずいのではなかろうか、こう考える次第であります。
 この九百十二号、九百十三号を通じまして、前の問題もありますが、この通信研究所の問題が非常にあります。二十五年度にも二件ほどあつたと思います。これは一つには、先ほど専門員もお話になりましたように、通信研究所が移転総合という過渡期における混乱の結果でもあろうとは思いますが、もう少しこの通信研究所の会計といいますか、このほうに人員なりを充実して、経理を厳正にされる必要があるのではなかろうかというふうに考える次第であります。
#13
○理事(岡三郎君) 次に当局に説明を求めます。
#14
○説明員(秋草篤二君) 九百十番から九百十三番の事項に亙りまして、先ほども専門員からの御説明を頂き、只今大沢第四局長の御説明を頂きましたが、誠にその通りでございます。ただ九百十番につきましては、詳しくは又御質問によりましてお答えいたしますが、二十八年度になりましてこの引揚機を、千代田丸という海底線布設船の一番大きい船でありますが、これに取付けまして活用の途を図つたことであります。
 それから九百十一番の千代田電話局の今の土の処分についての問題でありますが、これは先ほど森専門員が私どもの気持を察しまして御説明下すつた通りだとありがたく感じております。たくさんございます不当事項の中で皆だらしないものでありますが、まあその中で九百十一番は、少しわがままをいわして頂けば、やや手きびしい御批難であつた、併し考えてみれば智恵を働かせればこういうこともできないことではなかつたのであります。ただ当時の現場の非常なる突貫工事に追い詰められた、私どもの考え方からすれば、初めからそういうことがわかつておれば相当な……子供でもありませんので、深川までわざわざ土などを運ぶなんということも考えたわけではないのでありますが、そういうことをするよりほかに途はないということであつたのであります。ところが実際問題で仕事に追い詰められて忙がしく土の搬出を急いで参ります場合に、却つてほかの工事で搬出に障害が起きて、止むに止まれず今度は立退きを命ずるというようなことをやつてみたところが、それが結果論としては検査院の御指摘の通りできたのです。而も経費が安くできた、そういうことで、早くそういう思いつきができれば、そういうこともなかつたのでありますが、これは現場の直接従事者というよりも、こういうものを総合的に計画する人の智恵が働かなかつたということでありまして、今後の工事計画なり或いは施工につきましては非常に参考になる問題だと思つて、今後気をつけたいと思つております。又御質問によりまして関係の部局長も参つておりますので、お答え申上げたいと存じております。
#15
○理事(岡三郎君) 以上で説明を終ります。質問に入ります。
#16
○雨森常夫君 この九百十二のは、これは余り大きい金額ではないと思いますが、検査院のあれを見ますと、担当者が多忙を理由としてと、こう書いてありますのですが、この担当者が多忙な場合には、こういうことをたびたびやられるのかどうか。又検査院のほうで、予定価格を業者に計算させたということは、どうしてお調べ……、偶然に発見なさつたのか。ほかに見逃しているやつがたくさんあるのじやないか、こういう例が……。こういうことを疑問に思うのだが、御質問いたします。
#17
○説明員(大沢実君) 只今の予定価格を業者に依頼したという点は、初めこちらが設計を見ますと、設計が、いわゆる予定価格が非常に甘い。非常に甘いじやないかということを尋ねましたところが、実はこれは忙しかつたので、業者に予定価格を依頼してそのままであるという回答に接しましたので、これを書いた次第であります。
 なお、ほかにこういう例がありはしないかという点は、つまり検査します際においては、予定価格は電気通信省、電々公社の内部でやつております。これは先ほど申しましたように、通信肝空所というところの会計陣が非常に手不足であつた、多忙であるということよりも、なにしろ経験者がなかつたということのほうが、事実ではなかろうかと思いますが、御説明によりますと、忙しくてできなかつたと、こういうことになつております。
#18
○雨森常夫君 経験者がなかつた場合だつたらば、これは経験者を入れればいいのですが、忙しかつたからという理由だと、たびたびやる可能性があるように思われるのです。当局のほうの御意見を伺いたい。
#19
○説明員(秋草篤二君) これはもう忙しかつたからということは、会計検査院御当局の質問に対する恐らく言訳でありまして、ほかに言訳として途がない。そこでこういう業者に見積りを任すなんということは、もう土台大変な不当なことでありまして、虚を衝かれて忙しかつたという理由以外に何も自分は言い得なかつた。ですからもうそこで言つておる、忙しかつたから見積りを任した……。忙しければ今後もこういうものをいつも任せることはないかということは、絶対もうそんなことは土台いけないということは、私ども重々承知しておりますし、又現在も忙しいからという理由で、一般の工事見積りを業者にさせるなどということは、一切いたしておらないのであります。
#20
○雨森常夫君 この事件の責任者はどういうふうになつておりますか、現在……。
#21
○説明員(秋草篤二君) ここにございます二十六年度の不当事項、これは先はど大沢局長からも御説明の通り、通信研究所の問題が非常に多いのでございます。これも又その一連でありまして、これは二十五年度、二十六年度併せて片付かなかつた残りだと思います。これにつきましては、電気通信省の行政処分等の問題ではありませんで、刑事問題として、現在でも当時の会計課長、それからその一番上の所長も起訴されまして、現在もまだ裁判が行われているのであります。それだけの関係で、当時いろいろなたくさんの問題がありまして、研究所の会計は、一般に一言に言つて非常に紊乱をしておつた、それを建直すために、人事の総入替えをやりまして経理の機構を直しました。責任者も全部代つております。まあそういうことによつて再びこういうことのないようにしている次第であります。それから訴訟でなく、起訴までされないような関係のものにおきましては、行政処分の処置を受けたのでありますが、これは昭和二十七年の四月二十七日の法律、講和発効の法律によりまして行政処分の免除の法律が出ましたものですから、過去のものは一切一応免除になりましたけれども。そういう結果になつております。
#22
○理事(岡三郎君) ほかに御質問ございませんか。
#23
○平林太一君 ちよつと総括して、今まで指摘されたことにつきまして或いは遡るかも知れませんが、丁度いい機会ですから、副総裁の靱君に、この際全体のこととして、一応御意見を伺つておきたいと思うのですが、これらの一つ一つ指摘されておりますことについてに、当時者としての公社がこれを認めておりますることは、先ほどの御答弁によつてよく了承できたのであります。そこで御承知の、近来勃発しておりまする刑事事件、いわゆる陸運、海運を通じての汚職、或いは疑獄と申しますか、こういうものが頻発しておりまするので、この際一つ官紀の振粛ということは、こういう機会に一つ副総裁といたしましては、非常ないい機会として、このような指摘されておりまする不当事項でありまするとか、批難事項というものを一掃するということに対しましては、私は絶好の機会だと思います。でありますから、御承知の通り官紀の紊乱、或いは綱紀の弛緩という事実は、これはひとり刑事事件のみを以て対象と私はすべきでないと思つております。あたかもこういう事態については、刑事事件のみがその対象である。こう考えているような向きもありますが、私といたしましてはむしろ刑事事件が終つたから、それで綱紀粛正のことは終つた、こういうことで考えてはならないのでありまして現にここに指摘されております批難事項なり不当事項というものも、これは会計検査院といたしましては、その全部に亙つてこれを検査し監察して、そしてやるということができないのでありますから、恐らくこういうことは、今日の我が国の行政機構におきましては、いわゆる氷山の一角に過ぎない。併し殊更不当の事項のようなことは、これは当然のことでありますが、手落ちでいたしたとか、間違いでいたしたということは当然止むを得ないことです。やむを得ないことですが、併しそれを何か習慣、惰性として放置しておきますれば、勢いこれは刑事事件にまで進展するような事態になつて来る。それを放置しておきますれば、やはり官庁の経理というものが麻痺状態に陥つてしまうということを非常に恐れるのですが、そして専ら事前にこれを防止するということが重大な事柄だと思う。殊に公社の性格上、いわゆる機械、器具等に対します購入というものが、殆んどその全体の予算に対します大きな支配権を持つているのでありますから、そういうようなものに対しましても、現在運輸省あたりで起きているような問題が、いやしくも将来起きないということを、他山の石として、一つこの際副総裁といたしましては、さだめし一つお考えがあると思います。それから又同時に、こういう機会を通じまして、全公社の従事せられている諸君に対しまして何らかの処置を、まあこういう間違いのないことを、こういう機会になさるという御指示をなさることは極めて必要だと思いますが、そういう点につきまして、何かなすつたか。或いは又折角お考え中であるか。或いは又そういうことをいたす御用意があるかどうか。こういうことを全体として承わつておきたいと思います。
#24
○説明員(靱勉君) 只今の御注意は誠に御尤もな御注意でございまして私ども実は電気通信省時代におきまして、相当の問題を惹起しまして、これに対しましては、当時電気通信省全体としまして深く反省いたしておつた次第でございますが、その後、電信電話公社が設立発足するということになりまして、特に毎年運営方策というものを設定いたしまして、年度初頭に、全職員に示しております。昨年度の運営方策におきましても、綱紀の粛正につきましては、勿論重要なる項目といたしまして、又事業の信用を確保するということにつきまして特に総裁の示達として出しているような次第でございまして、常にこの点につきましては、厳重なる戒心をいたしているような次第でございます。のみならず、内部におきましても、実は戦後におきまする行政機構といたしまして、電気通信省におきましては、先ほどもちよつと触れましたが、いわゆるアメリカ式と申しますか、各事業部門々々がみずから自分でチエツクするというような方式がとられまして、むしろこういう監察機構というのは、むしろ縮小されたという形になつておつたのでございますが、電気通信省を解体いたしますときに、監察部という、省自体には課が存置してあつたに過ぎなかつたのでございますが、監察部を新たに設定いたしますと共に、各通信局におきましても監察部を作り、そこの人事は特に厳重にして優秀な人を配置するというような観念の下に、全国的にそういう組織を確定いたしたような次第であります。又会計監査につきましても、経理局内に監査課を設け、又各通信局におきましても、経理部に監査課を設けまして常時内部監査を励行いたしております。その結果、上つて来まするところの妥当でないもの、或いは、勿論不正のことはこれはもう問題外でございますが、そういうものにつきましては、本社幹部全部がこの問題の処理に当るということで、その結果は常に幹部会議に提出しましてそれがどういうふうにあと始末されたか、又今後同じような過誤は起らないように、どういうように徹底せしむるかということを、本社及び通信局を通じまして、その折角の結果というものを生かすように努力を全面的にいたしているような次第であります。二十九年度の運営方策におきましても、この点二十八年度と同様の方針をいたして参る次第でありまして、只今平林委員のおつしやつた通り、なお全般的な問題といたしまして、私どもは事業の信用を高め、又我々の事業としましては、電信電話サービス等によく提供するということにありますので、そこに最重点をおきまして運営をいたして行く覚悟でいる次第でありまして、殊に二十九年度の予算におきましては、いわゆる緊縮予算ということになつておりますため、更に経費等の使用につきましては、これはもつと効率的に使う。冗費のないことを期して、本年度の各通信局に割当てる予算等におきましても、相当の実行予算としましては削減をやる。そういうことによりまして全般の士気を更に緊張せしめる。こういうような施策をとつているような次第でございます。
#25
○平林太一君 只今御答弁がございまして、私もその点よく了承いたすのであります。どうか只今のような方向で、電気通信関係はいわゆる国家的事業でありますから、是非一つ範を他の品官庁に示すというような方向に挺身してもらいたいことを、この際希望いたし、おきます。御承知の通り先刻申上げましたように、現在我が国の耳目を聾動せしめております吉田内閣の首脳部を中心といたしておりまする汚職、いわゆる疑獄問題というものは、いわゆる空前の事柄でありまして、それでこれが国家の機関及び行動に及んでいるのがこのたびの事件でありましてこういうことを各省におきまして、そのまま各省々々が今お話のような御趣旨の下に行動をおとり下さつていると、国の行政機関の中にこれが当然浸潤して来る。このくらいのことをやつてもいいんだ、やらなければばかばかしいのだということが、いわゆる澎湃として漲つていることは、私から申上げますれば責めないわけにはいかないわけです。こういうことをそのままにしておきますれば……。だからそのことを是非一つ、そういうことは行政官庁であり、又公共企業体として、この際渦中に巻き込まれない、思想的にそういうことを、一つ総裁といたしましては、最も最重要な御職務のその一端として、おやりを願いたいということを、これは切に希望申上げておくわけであります。これは非常に何かこういう堆積いたしておりまする刑事事件というものは、どういうふうに進展いたして行くか非常にこれは注目されております。或いは内閣の生命にかかわる、当然今日におきましては、私は吉田内閣というものは速かにこういう責任をとつて職を退かなければならんものであるにもかかわらず、これが継続されておる。継続されておるということは天下の人心をして、国民の人心をして政府に対して一大不信、そうしてその不信が一つの不安の行為になる。そうして今日ようやく経済界にも非常な危機というものがようやく見えて来たわけですから、そういうようなことかどうか一つ、これは皆大きな、大勢の力でこれを食いとめなければならん。食いとめるには今申上げた通り、事電気通信関係に対しましては、私はこの際こういう機会に当然お考えになつておると思いますが、一つこの気持を新たにいたしまして、そうしてその一角は、一つこういう渦中にかかわらない厳然たる態勢をもつて、危機を乗り越えるということを一つおとり下さることを、私は本日個々の問題につきましては御質疑申上げることを差控えたいと思いますが、そういうことを切に希望いたしておく次第であります。
#26
○説明員(靱勉君) 我々の襲業が独占的な公共企業でございますので、只今おつしやつた御趣旨に十分副いますように、今後更になお戒心いたして参る覚悟でございます。
#27
○飯島連次郎君 先ほどの報告を伺つてみて、二十六、七年度、両年とも結果においては利益を出しておりますが、併しその内訳はやはり依然として電信事業に赤字を出している。二十六年度の会計検査院の報告等においては、電報中継の機械化の完成と促進ということが指摘されておる。私どもも電気通信省を見学に行つたときにも、もう日ならずして一部にテスト・ケースとして実施されるということを拝聴して参つたのであります。併し二十七年度の合一計検査院の報告をみると、依然としてやはり電報中継の機械化はいよいよ切実な問題になつて来ておるということだけが指摘されておつて、その間我々が拝見してもう約二年経過しておりますが、折角かなりの経費を使つて電気通信再空所が鋭意研究をしておられるわけですが、電信電話拡充五カ年計画の全貌と相関連して、これが電報中継の機械化はどういうふうな進捗をしているか、いつこれが実施に移されるのか、これが延いては公社の事業全体の上に及ぼす影響の大きさを考えると、私どもとしては、かなりのこれに対する期待と、それから嘱目をしておるわけですが、極めて簡潔で結構ですから、それらについての経過と見通しを一つお聞かせを願いたいと思います。
#28
○説明員(靱勉君) 御指摘の通り非常に予定より遅れて参つたのでありますが、何といたしましても、日本で初めての方式でございましたし、又世界でも自動的に中継するというのは、そこまで行つていないのでございまして、大体中継装置は、電信でもうすでに採用されておりますが、或いは手で交換するというような方式がアメリカ等において実施されておりましたが、我が国で通信研究所で研究しましたのは、一切そういう交換もなく自動的に行くということでありましたので、これの実施に当りましては、極めて慎重な態度をとつた次第であります。そこでその後現在動いておりますのは、水戸がすでに動いております。この成績は非常にいい成績を挙げているわけでございますが、相当建設機械に経費がかかるという点が一つございます。同時に初めてのことでございますから、運用の要員は非常に少くなりましたが、保守の人員というものはやはり相当置かなければならん、そういうふうな点があるわけでございますが、これが全般的に技術の向上が図られ、又こういう実施局ができて参ります、更に保守している人も減らして行くというような考えの下で、現在一昨日ですか、金沢が自動に全く切り替りました。なお近々確か松江ができる予定になつておりますが、更に二十八年から五カ年間に全国の各県の集中局と申しますか、そういうようなところ二十七局をやる予定になつておりますし、なお、五カ年計画と申しましても、私ども十カ年間の前半を五カ年計画化しているので、ございまして、具体的に五カ年計画を設定したわけでございまして、その以後におきましても、十局、結局全体としましては四十局余り自動中継化を実施したいということでございまして、これらの工事費は総額五十億程度かかるのではないか、併しながら経営費におきまして、大体八億程度節約できるというような形になつているのであります。これによつて見まして、この問題だけで、先ほど申上げました通りに、私ども電信の赤字は克服はまだ望めない、こういうふうに考えております。大体におきまして電信は全国至るところに行けるような形になつている。殊に御案内のことかと存じますが、電々公社直営のものと郵政省の特定局に委託している電信電話と二つに分れておりますが、どうしても地方におきましては、特に特定局所在地等におきましては、その郵政省に支払う委託経費と収入とのバランスというものは、只今のところ相当な赤字でございます。そこで特に重要な問題は、全国的に見まして電信が非常な赤字であるということでございますが、最近になりまして、かなり専用電信の利用が盛んになつて来た、これは電話線一回線をもちまして電信線十二回線とれることになりますから、非常に安い専用料で以て電信が利用できるというようなことで、先ほど申上げました通り、加入者電信制度を、ドイツイギリスのごとくこれを普及して行くということによりまして、電信全体の赤字を減らすようにできるか、できないか、かなりこれはアメリカドイツにおきましては有効な電信赤字の克服の方法になつております。なお、問題といたしましては、料金の問題があるわけでございますが、私ども航空郵便の利用或いは速達郵便等と対しまして、単に原価計算的に料金を設定するわけに参りません。電報料金を値上げすれば、それだけ又通数が減るということで、絶対的な収入というものは伸びないというようなところまで、そろそろ来ているのじやないかというふうに考えます。で、配達要員の問題につきまして、この頃電話のあるところは、電話で電報配達をするような事態に相成つておりますが、これは確かに配達要員の経費節約をすることには相成るわけでありますが、一方電報というものは飽くまでその書いた記録の通信でございますから、それ自体が着かないと、やたらに電話で言われて書き取つて頂くということは、サービス上必ずしもよくない。併しながらお客さんの御意向によりまして、電話で、明日何時に着くというようなくらいは知らしてもらえば結構だという方面につきましては、そういうふうにして配達の経費の節約をお願いしたいということで、いろいろ手を打つておるのでございますが、私ども電報の赤字をここ数年に克服できるかという問題になりますと、只今のところまだその確信がない。それではいつまでこのまま放つて置くのかと言われますと、私はやはりこれはどうしても赤字をなくすように、而も一般の公共的な利用に支障を来たさないように考えて行くことが、経営者の当然の責務だと思つておりますので、すでに諸外国、アメリカ、ドイツにおきましては、赤字が克服されて、漸くとんとんになつておるという実例もあるのであります。私ども更にこの点につきましては研究を進めて行かなければならんと、強く感じている次第であります。
#29
○理事(岡三郎君) それでは九百十三号までは終りまして、次に九百十四号から残り全部九百二十号までを議題といたします。初めに専門員のほうから説明をいたさせます。
#30
○専門員(森荘三郎君) 九百十四号は、不急の物品を買入れたという批難でありますが、現在使用中のものは木製のドラムである。それを総司令部のほうから勧告がありましたので、鉄製ドラムにこれを替えるということになつたのでありまするが、そうすると、ケーブル・ドラム荷造機というものが必要になるというわけで、そのケーブル・ドラム荷造機を買入れたのでありまするが、仕事が併行して進まずに跛行したものですから、鉄製ドラムの買入れ計画が立つていない。従つて荷造機だけでは何にも役に立たないので、これを使いもせずに格納したままになつておるという、仕事の順序がよく立つていないという批難のようであります。それに対する当局の答弁は、総司令部の勧告があつたものですから、委員会を設けてそれをよく検討した、その上で先ず鉄製ドラム六百個だけを試作させた、なおこれがために必要な荷造機三百七十個を買入れて、各地の管理所に配分をした。併し、この試作の鉄製ドラムにつきまして、資材部と施設部と研究所と、それらの間においていろいろその研究を重ねて、仕様書等を定めるについて意外の日数を費やしてしまつた。それで現在のところでは、その仕様書の案について実施試験中であるという答弁であります。但し日数を計算してみますると、ここにすでに二カ年をも経過しているということが、余りにも遅いではないかということは、どうしても批難になることと思われます。なお、当局は差当りこれを何らか多少とも利用するように、二十七年の二月に一般の荷造り用に活用せよということを通達をしたのでありまするが、それが不徹底なために、ついどこでもこれを使わないで休眠化してしまつておつた。誠に申訳ないことであるという答弁であります。
 次の九百十五号、これは物品の購入時期が不当であつたがために、無益の保管料を支払つたというのであります。事柄の詳細は検査報告に書いてありまするが、いろいろな品物の名前など省略いたしまして、要点だけを申しますると、資材部のほうで物品を買入れた。ところが施設部のほうでは、建物の計画の変更のために建物の改修が遅れた。それで資材部と施設部との間の連絡がうまく行かなかつたために、これを利用することができないので、その品物は製作所に保管をさせたままで、
   〔理事岡三郎君退席、委員長着席〕
 保管料を支払つていた、こういうまあ無益な保管料を払う結果になつたと、こういう批難であります。当局の答えとしましては、全く検査院の御指摘の通りであつて、部内の連絡が不十分であつた点は誠に遺憾であります。直しなおその後は、こういう関連工事については各部の間の連絡を密にするように注意を加えているという答弁であります。ただここに、答弁の中に、その後物品が値上りをしたので、保管料は無益に払つたけれども、経費の点からいうと節減をしたという結果になつたが、この点はせめても御了承願いたいという答弁になつております。このような偶然に物品の値上りのために経費の節減というようなことは、まあ答弁書にも書かれなかつたほうがいいのじやないかと思います。いずれにしても連絡不十分という点については、今後せいぜい注意をいたしますという答弁であります。
 それからその次の九百十六号も、これ又詳細な事柄は検査報告に書いてありまするが、かいつまんで申上げますれば、試験成績の検査を十分やつた上で買入れればいいのに、試験成績、実地試験が不十分なままで物を多量に買入れた、それがために故障続出という結果になり、修理のため多額の経費を要したという批難であります。当局は検査院の報告の通り実地試験の不十分なまま買入れたことは誠に申訳ありませんという答弁であります。
 九百七号、これ又いろいろその内容につきましては詳しく検査報告に書いてありますが、要点をつかんで申しますると、発電機が故障があつたものを、もつとよく注意をして検査をすれば活用し得べきはずのものであり、ほんの機械の一部の破損でありまするから、その部品を取替えさえすれば使用することができたのに、調査不十分なために全部もう駄目だと思つて、新品を買入れてしまつた、これが甚だよろしくない。なお、それがために不用になつたほうのものは、これも利用すれば利用できるのに新品を買入れた。そうして不用品はこれは駄目になつたものだと思つて売つてしまつた。誠に調査不十分な結果、そんなことをやつたものだという批難でありまして、当局の答も全くその通りであつて調査不十分のために申訳ありませんという弁明であります。
 九百十八号から九百二十号までは職員の不正行為によりまして、つまり職員が犯罪を犯して、それがために国に損害を与えたという事件なのであります。
#31
○委員長(小林亦治君) では次に検査院の説明を願います。
#32
○説明員(大沢実君) 九百十四号は丁度先ほどの九百十号の布設引揚機と同じように、一つの仕事をやるのに、鉄線のケーブルドラムと、それに伴う荷造機、両方があつて初めて効能が発揮できるものを、荷造機だけを購入して、これを休眠させたという点であります。
 それから九百十五号、これは絶えず我々が見ております上で、工事とそれに支出するところの資材、この二つが理想的に言えば、同じ日にぴつたり来れば、どちらも、保管料を払う必要もない或いは遅れる必要もなくて済むのでありますが、そうぴつたり行かなくても絶えずマツチするようにしなければならない。電々公社のほうでもそのほうには相当苦心されておるようでありますが、ここに掲げてありますのは、二十五年の六月ですか、六月に局舎のほうは相当大規模の改修をする、それで竣工期限はずつと遅れるということがわかつておりましたのに、それをそのときに資材部のほうへ連絡しますれば、資材部のほうの調弁計画を少し遅らせまして竣工期にほぼマツチする頃に、資材が入るというように調弁計画を遅らせることができた時間的な余裕があるはずでありますが、その間の連絡が不十分であつたために、資材のほうは既定計画通り調弁しまして、入つたもの、でき上つたものを保管さしておかなければならなくなつた。そうして百六十万円からの保管料を払うことになつたという点は、連絡不十分に期するのじやなかろうかと思います。
 九百十六号の電話線の問題でありますが、この頃よく店に出ております並列の、寄り合せていないところの線のものを作られたのでありますが、これはまだ十分に試験その他行われなくて、一応の仮規格を定められたものを大量に調弁された、こうしたものは試作でありますから、逐次購入されて実験用にするということは必要かと思いますが、そうしたものを一時に大里に調弁されたために、それが物が悪くて、その後になつて取替えざるを得なくなつた。取替費のわかつているものだけでも百六十三万の取替費を要した。このほかに並列の紐の分が駄目になつたのでありますから、この分が不経済になつておるのであります。この分は一電話機に対して約二百円くらいのものではなかろうかと存じております。
 九百十七号のデイーゼル・エンジンでありますが、これは破損しましたデイーゼルの軸が傷んでおるという認定をされたのであります。軸が傷んでしまつてはデイゼルとしては役に立たないというので、それをスクラツプにして、取替えられたらしいのでありますが、実地に参りましてこれはたしか金沢のどつかに売つてあつたのでありますが、その現物を、まだあつたので見ましたところが、軸のほうは傷んでいない。多少の修繕でもつと使用できる。これはうんと早く気が付きさえすれば、或いはわざわざ新品と取替えなくても済んだかも知れない。修繕だけで済んだかも知れない。よしや取替は取替えとして行われても、そのはずしたものは修繕して予備品として公社でそのまま保有して、次の用に使用できたであろう、それを安い値段で売つてしまう結果になつたのは、やり方がまずいのではなかろうか、こういう次第であります。
 九百十八号から二十号までの三件の不正行為は、九百十八号は事務員の伊崎某というのが旅費などをつけまして支払手続をしまして、それを横領したという事件であります。それから九百十九号は売上金、その他目分の手許にありました預金を横領したという事件であります。九百二十号は電話料金の徴収に際してその収入した電話料金を横領した、こういう事件であります。
#33
○委員長(小林亦治君) 当局の弁明を伺います。
#34
○説明員(秋草篤二君) 九百十四号から以降の諸件につきましては、森専門員及び大沢局長さんの御説明の通りでありまして、又報告首に書いてある通りであります。改めて説明する必要もないと思いますが、ただただ遺憾に思つております。特にその中で、数件あります中で九百十五号は、工事計世上の問題が非常に大きな問題でありまして、あとの点は全く文句なく手落ちであつて、不注意なる過ちであると言うのでありますが、九百十五号になりますと、これはたくさんの建設上事を常時やつておりますので、この問題は金額こそ少うございますが、事業の経世上から考えますと、一番関心を持つて研究しなければならない問題だと思つておるのであります。これにつきましては、二十七年度、二十八年度、二十九年度とまだまだ改善しなければならない点もたくさんございますし、要するに工事計画と工事の実施、その間におきますところの物的の調達、配給、保管、そうした一連の作業が順序よく始まるということが構造上一番能率的であり、延いては収益を計画通り挙げて行くわけでありますが、これが一歩どこかで躓きますと、九百十五号のような問題が起きます。現実にこういう保管料を払うという問題以外にも、更に延いてはほかの工事を遅らし、或いは収入というものが遅れて入つたり、少くなるということで、この点は非常に気を付けなければならない問題だと思うつておりまして、公社の内部におきましても、この点におきましては、諸般の制度上の研究もさることながら、昨今はこれに対して非常に関心を持つて改善をしておるのでありますが、まだ完璧なところまでどうしても行つておらないと思つておりますが、今後十分気を付けて行きたいと思つております。
 あとの点につきましてはもう何も申上げることもございません。御説明の通りで誠に遺憾でありまして、十分配慮して行きたいと思います。又御質問でもございますれば、それぞれの部局長が来ておりますので、御答え申上げます。
#35
○委員長(小林亦治君) 不正行為に対する予防、防止策ですね、こういつたものの特段なもの、お考えになつておりますか。各省とも累年非常に多くなつておりますので、その都度将来の対策を伺つておるのですが、何かあなたのほうで特段な防止対策といつたようなものを考えておられますか。
#36
○説明員(靱勉君) 先ほど平林委員から全体的な御注意がありまして、その際全般問題としてはお答え申上げた次第であります。公社といたしましては、内部監査機構というものを電気通信省当時非常に、むしろ他の部局は減らしまして監察部を作り、当時課であつたものを部にする。他のほうは二つの部を統合して一つにするというような措置をとりましたが、単に本社だけでなく、中央通信局にもそういうような措置をとりまして、全体的にこれを担当する人につきましても、有能なる人を当てるという措置をとりますと同時に、会計監査につきましても、会計検査院の会計検査以外に、内部的には常時会計監査を励行いたしておるような次第であります。同時に根本問題としましては、各人の心掛けと、又相当危険のある作業と言つては語弊があるかも知れませんが、現金の取扱その他物品の購入等に当る人に対しましては、監督者がやはり完全なる人事管理を行わなければいかんという点につきまして、十分なるその点に対する注意をいたしますと同時に、こういう事態が起りましたときには、こういう原因でこうであつた、これを防止するにはどうすべきかという点を、本社におきましても金幹部におきましてこれを検討する。各通信局におきましても、そういうような態勢をとりまして、同じような事態があちこちないように、又そういうふうな事態がありました場合には、他にそういうことがないかどうかというところに監察の重点を置き、又監督者の注意をその点において喚起する、こういうような措置をやりますと同時に、根本的には要するに不正な行為をしないという精神的な覚悟のほど、これにつきましては、先ほども御説明を申上げましたが、公社発足と同時に、特にそれを強調いたしますと共に、毎年度事業運営の方策を立てまして、その際にも特に注意しておく、こういうことで結果を手本といたしまして、そういう行為は重ならないようにする。併しながらともかく多数の従業員でありますし、いやしくも弛緩或いは間隙がありますと、又そういう事態の発生することがないことも保証できないものですから、結局常にそういう点につきまして、幹部管理者が十分な注意を行う。いやしくもそれに弛緩がないようにするというところにつきまして配意いたしておるような次第でございます。
#37
○委員長(小林亦治君) それからこれはまあ改めてお聞きする機会があろうかと思いますが、電話局を新たに殖やす場合に、民間資本を導入する、つまり鉄道会館のようなふうにですね、ああいう方法をどこかとられておるところありますか。
#38
○説明員(靱勉君) この点につきましては、検査院のほうからも前に御説明いたしておりますが、三の宮の電話局についてはそういう方式をとつたのであります。在来におきまして、或いは簡易生命保険の積立金でございますか、これを利用いたしまして局舎を借用するというような方法をとつたのでありますが、昔におきましては非常な低利でありまして、長期に借用いたしましても必ずしも不利でなかつた。併しながら戦後の経済事情におきましては、借用するということは非常に不利な条件になります。併しながら一方におきまして電気通信省当時及び公社になりましても、電話の普及拡張整備ということは非常に資金を要する事業でございますので、なかなか毎年度予算が十分に確保できない。従いまして公社になりまして、一般公募社債の発行も認められた次第でございますが、これは予算上当然国会の御承認を得まして一定の枠内で、起債市場等の状況を考えて応募額を決定する。更に公衆電気通信法の一環としまして、加入者、新たに加入するかたに負担金をお願いすると同時に、社債の引受もお願いするというようなことでやつて参つたのであります。最近におきまして電話の加入者も百七十万、終戦当時五十万を割つたような次第でありますが、三倍以上に復旧して参りましたが、なお、全国には四十万余りの申込者でまだ付かないかたがある。大体需要に対して三割程度しか応ぜられないということになつております。すでに電話も一箇もつかないというような局が毎年々々殖えて参りまして、今後五カ年間におきましても二百数局というものがこういう状態になります。又大都市におきましては、特に電話の需給関係が悪いのでありまして、東京の丸の内方面は千代田局の設置によりまして状況は非常によくなつたのでありますが、その他の区域においてはやはり非常に悪い状況でございます。これは単に大都市だけでなくて地方の中都市におきましても、又町村の電話につきましても、今のところは五カ年計画、およそ二千七百億の建設資金を五カ年間に投じて、拡張改良計画を立てましても、その計画に載つております電話局の数というものは、すでに現在新たな局にしてもらいたいという要望に対しまして十分応じておりません。五カ年計画にも載つていないのかというような陳情が非常に多いような時代であるのであります。昨年料金の大幅の値上げをいたしまして、拡張改良資金の一部に料金収入から得ました剰余金を以て当てるというような方向になりまして、可なり電信電話事業の建設資金の安定性は得られたのでありますが、民間の資金が、一般公募の社債以外に、何か吸収できるような方法がないかという点につきましては、なお私ども当時からいろいろと検討をいたしておつたような次第であります。そこで地元等におきましても、まあ大都会においてはそういうことは余りないのでありますが、中都市等におきましては、先ほど申しました負担金、それから社債以外に、更に地元で例えば局舎の建設資金を要するものを、町全体のものとして社債を引受けよう。だから早く局舎を建ててくれ、こういうような御要望が出て参りまして、二十八年度、そういう地元負担の社債といたしましても、十億余りになつておるわけです。これは実は余りいい方法じやないのでありましで、実際におきましては、銀行等から拝借できるものではないのであります。結局現在の加入者のかた或いは今後加入されるかたが、法律で定められた負担金、引受社債以外に、更に社債を持つということで、一方におきましては非常に非難もあるわけでございます。地元としましては何とか電話を改善してもらいたいということで、そういうような事実上の問題として社債のお引受を願つておる、岐阜、静岡、一宮等におきまして、一億円以上の社債をそういう意味合において御負担願つておる、或いはその地方々々の公共団体と一緒に建物を建てるというような事例もあつたわけでございますが、地方公共団体としましては、なかなか財政的にそう電話のほうまで払い込むというわけに行かん、そこでまあ料金値上げする前でございましたが、まあ局舎を何とか一つ民間の資金で建てられないだろうかということで、いろいろ経済比較をしてみました。長く借りておることは保険料、剰余金その他から見ますと、非常に不利になつて来る。一方設備が早くできますと、局省に投ずる資金を線路、機械に投じますと、要するに収益の上がる期間が繰上がるということによる利益も考えなければならん。もう一つ問題になつて参りますのは、在来電話局、電報局は、主として単独局舎として設定して参つておるのでありますが、だんだんと土地が狭くなり、大体店屋等がある所、殊に電話におきましては一番線路が経済的に使えるような所に電話局を設定しないと、線路費に非常にかかるというような点も考えて参りますと、電話局だけでなく、他のオフイス、商店或いは他の機関のものでも結構でございますが、そういうものと一緒に総合的な局舎を建てる、殊に中都市等におきましては、電話局が建つて夜しまつてしまうと、非常にさびれるというような場合もあり得る。まあ私どもそういう総合局舎の例は外国にもあることでございますので、総合局舎を造る場合におきまして、どういう方式をとるかといいますと、私どもの予算では局舎を建てるのに勿論十分でありません。線路、機械にも勿論できるだけ資金を与えたいという考えでおるわけでございまして、更にできれば外債までというような考えを当時持つておつて、現在も若干その方向に動いているわけでございますが、他人の分まで私ども建てるということは、そういう意味においては絶対に余裕がないわけでございます。そこでできれば、勿論他人の分はよその資金で建てて行く、我々の分も三年くらいの年賦償還で建ててもらえないだろうかというような点が考えられて参りますと、年賦償還によつて早く施設が動いて来る。又その資金をどうしても実行せねばならんものに使いまして、収入を確保するというふうに使つて行きますと、かれこれしまして、若干利子等が高くても、事業的には採算がとれるというような方向を考えましたのでございますけれども、なかなか資金難でそう安易にできるものではないのでございまして、何か低利資金でもありますれば結構ですが、なかなかそういうことに現在なつていない。三の宮におきましては三万の電話を収容するということで、土地を前から選定しておつたのであります。実際に設計してみまして、土地に若干の裕りができる、そうしますと、総合局舎を建てまして、電話局の分も外部資金で建てて頂く、それを私どもで買収して、その買収代金を年賦払いでという方法を試験的にやつてみたらどうかということで、昨年の九月から着工いたしまして、現在一つのテスト・ケースとして実行しているような次第であります。
#39
○委員長(小林亦治君) 国鉄と同じように電信、電話といつたようなこの国営事業が、営業上の活動は無論のことですが、設備など民間資本と抱き合うことが、非常に将来の弊害になる、殊に堅固な建物を建設する敷地を提供するということは、財産権の処分に準ずるような法律行為になる、この二つの面から非常に国会の非難が高い。そこで公共団体等と手を組んで設備をやるという場合は、これは格別なんですが、そうでない先ほど申した営利会社と抱き合つて、それらをやるということは、これは将来そうあつてはならないと私どもは考えており、これと同様なケースのものに対しては厳重な警告を与えておるんですが、あなたのほうは、将来のそれらの造営に関して三の宮のようなケースを更に御利用になるか、どういうふうにお考えになつておるんですか。
#40
○説明員(靱勉君) 考え方といたしましては、私ども勿論資金が十分に得られますれば、そういうような方法をとる必要はないのでございます。さりながら、先ほど申したように、立地条件としまして単に電話局舎だけ単独でやるのがいいかどうか、これは一つは土地の利用関係からみますと、一つの問題ではないかと思います。それで、ただ今おつしやられたように、そこにまあ抱き合せということはまずいというようなことが絶対的の問題でありますれば、我々考えなければなりませんし、又同時に一体資金が集まるかどうかということも一つの問題かと思います。そこで只今のところ他にまでそれを及ぼすということではなく、一応そういう形でテストしてみてどうだろうということで、殊に料金値上前におきまして、相当資金が窮屈でございました。この考え方につきましては、実業界のかた等にもお話しました。私ども借りておるのではどうしても損なんでございます。今いろいろ計算してみますと、もう八年、九年経ちますと、それはもう当然自分の方で建てちやつた方がいいというような計算が出ますし、それでは自分だけでやるかと申しますれば、これは現在の枠内に限定してやるより仕方がない。共同ではやれないか、共同してやる方式につきましては、両方で持合うという方向、これはもう初めから両方で持合う方向と、初めは民間資金で建つてもらつて、それを買収するという形のもの、二つ考えられて、今民間資金で全部建ててもらつて、我々で必要な分だけを買収すると、こういう形を一応とつてみた次第なんであります。今後この点につきましては、なお検査院のほうにもお話し申上げておきましたが、実際的な話になりますと、なかなか面倒な問題になりますので、私どもなおよくこれに再検討を加えまして、これにつきましては基本的な方針を更に考えたい、こういう次第でございます。
#41
○委員長(小林亦治君) 三の宮のこの電話局については飯島委員からも発言を求められておりますが、時間の都合で只今退席しましたので、改めてこれを伺うことにしたいと思います。
 ほかに御質疑がなければ、電気通信省所管の分については、この程度で質疑を一応終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。それでは次回に労働省所管、その他の案件を問題にすることにして、本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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