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1953/04/05 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第18号
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1953/04/05 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第18号

#1
第019回国会 決算委員会 第18号
昭和二十九年四月五日(月曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二日委員飯島連次郎君辞任につ
き、その補欠として高木正夫君を議長
において指名した。
本日委員伊能芳雄君及び高木正夫君辞
任につき、その補欠として石川榮一君
及び飯島連次郎君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           植竹 春彦君
           谷口弥三郎君
           岡  三郎君
           菊田 七平君
           平林 太一君
   委員
           雨森 常夫君
           小沢久太郎君
           西川彌平治君
           飯島連次郎君
           奥 むめお君
           豊田 雅孝君
           大倉 精一君
           木下 源吾君
           高田なほ子君
           永岡 光治君
           東   隆君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  政府委員
   労働政務次官  安井  謙君
   労働大臣官房会
   計課長     澁谷 直藏君
   建設大臣官房長 石破 二朗君
   建設大臣官房会
   計課長     斉藤 常勝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   労働省労働基準
   局労災補償課中
   央監察官    大村  要君
   労働省職業安定
  局失業保険課長  三治 重信君
   会計検査院事務
   総局検査第二局
   長       上村 照昌君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○小委員の補欠選任の件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) 只今より第十八回決算委員会を開会いたします。
 初めに小委員の補欠選定についてお諮りいたします。小委員飯島連次郎君が、四月二日委員を辞任せられたため一名欠員となつておりますが、本日同君が再び委員に選任せられましたので、同君を再び小委員に指名選定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(小林亦治君) それでは本日の議題に入ります。
 本日は昭和二十六年度決算三件を議題に供します。初めに労働省所管九百二十二号より九百五十五号全部を問題に供します。先ず専門員をして説明いたさせます。
#5
○専門員(森荘三郎君) 労働省関係の不当事項について、検査報告には二百七十四頁以下に記されてありまするが、内容は割合に簡単なことでありまするので別刷りにはいたしませんでした。
 先ず一番初めに九百二十一号という補助金問題が出ておりまするが、これは別途小委員会において審議が終了したのでございます。
 その次に、只今議題になりました九百二十二号から九百二十七号までは、職員の不正行為により国に損害を与えたものというのでありまするが、その内容を見ますると、まあ主として労働省では、失業保険の保険料を徴収するとか、保険金の支払をするとかいうようなことのために現金を取扱うことが多いので、それが原因となつて、こういう事故が起つているようであります。
 それから次に九百二十八号から九百三十八号までは、労働者災害補償保険の保険料などの徴収不足になつているものを、検査院の注意によつてすでに是正されたものが列挙されておりまするが、とかくこういう場合に徴収不足になつた主な原因は、保険料を算定するについては、雇い主側で何ほどの賃金を支払つたかということを見まして、その金額に対して一定の率をかけて、雇い主側から保険料を徴収するわけでありまするが、その場合に事業主のほうで必ずしも帳面を厳格につけてその点に調査の困離があるようでもあります。なお、検査院の見解では、ほかの関係機関との連絡が十分でなかつたということが指摘されてありまするが、それらの点に対する当局の弁明は、説明書の百八十六頁のところに相当詳しくそれらの事情が弁明されておりまするので、あとで当局からお話のあることと思いまする。
 それから次に九百三十九号から九百五十五号までは、失業保険の保険料等の徴収下足があつたのをそれを是正させたということでありまする。これにつきましても、この前に申しました労災保険の場合と全く同じような事情なのであります。それで、それだけでもつてこの労働省の部分はおしまいになるわけでございます。
#6
○委員長(小林亦治君) では次に検査院の御説明を願います。
#7
○説明員(上村照昌君) 九百二十二から九百二十七号までは職員の不正行為であります。不正行為が起りましたものは、只今御説明がありましたように、保険料或いは保険金を領得したという事態でございまして、監督不十分によることでございます。で、帳簿の対照をするとか、或いは本人にすればわかるような事態、或いは本人に任せきりで監督が不十分であつた、或いは印鑑、小切手の保管が不十分であつた等の事態から発生したものでございます。労働省所管の不正行為は、二十五年から見てみますと、二十五年度が六御審議になつておりますのが七百六十万円、二十七年度になりますと百万円ばかりになつております。
 それから九百二十八から九百五十五号までは、労災及び失業保険料の徴収不足を是正した案件でございます。これは調査が不十分だということによるわけでございますが、関係税務署その他についてみますと、賃金が非常に違うような事態につきましては十分御調査願うほうがよろしくはないかと思うのでありますが、調査が不十分であるということでございますが、人手不足も相当の原因になつておるうかと思います。
#8
○委員長(小林亦治君) では次に、当局の説明を伺います。
#9
○政府委員(澁谷直藏君) 只今御指摘を受けました事件は、それぞれその職員の不正行為によるものでございますが、労働省の関係職員の中からかくのごとき不正者を出したということにつきましては、我々一同誠に申訳ない次第だと痛感しておる次第でございます。不正行為を行いました本人に対しましては、行政処分といたしまして、それぞれ懲戒免官の措置をとつておる次第でございます。勿論その刑事上の責任につきましては、それぞれ刑事訴追を受けまして、そちらのほうの責任を追究されておる次第でございます。只今検査院当局から御指摘がございましたように、こういつた不正事件を発生させました原因につきましては、労働省といたしましては十分にそのよつて来たつた原因を調査し追究いたしまして、今後かかる不正事件の絶滅を期するように総合的にこれに対して対策を立てた次第でございます。例えば仕事のやり方の面におきまして司一人が非常に多くの権限を持つておるというような仕事のやり方にいたしますると、毎日々々相当多額の現金を取扱う関係上、どうしてもこういつた不正事件が起る可能性が生じて来るわけでございます。従いましてこれをできるだけ仕事の責任を分断いたしまして、一人ではそういつた不正事件がやろうと思つてもできないというような仕事のやり方に工夫を凝らしまして、又一方内部牽制組織を確立いたしまして、そういつた不正事件が起きないようにという点も十分配慮いたしてやつておる次第でございます。又他面この監察組織を確立いたしまして、厳重に都道府県或いは第一線の監督署、安定所に対しまして定期的な監察を励行いたしておる次第でございます。例えば失業保険の関係で申しますると、中央に六名の専門の中央失業保険監察官を置きまして、それぞれの担当ブロックを定めまして年間を通じまして全都道府県を監察する。それから府県には地方失業保険監察官を二百名置きまして、うち若干名は兼任でございますが、この地方の監察官が管内の安定所をこれも定期的に行つて仕事のやり振りを監査するというふうにいたしておる次第でございます。それから労災保険の特別会計におきましてもほぼ同様でございまして、中央に監察官八名、地方の基準局に八十五名の監察官を配置いたしまして、それぞれ監察を励行しておる次第でございます。昭和二十五年から六年にかけまして労働省関係の不正事件が相当殖えたのは、只今検査院から御報告のあつた通りでございますが、これは他面におきまして人手不足があつたということと、もう一つば御承知のように失業保険の関係におきましても、昭和二十四年のドツジ政策の強行以来、急激に失業者が増大いたしまして、これに対する失業保険金の支給額が急激に増大して行つたというような関係もございまして、かくのごとき不正事件が出たわけでございます。只今御説明申上げましたようないろいろな対策を講じました結果、二十七年度におきましては、これが百万円程度の不正事件に減少することができたというふうに考えまして、私どもといたしましては、今後ともあらゆる点に注意を加えまして、かくのごとき不正事件の絶滅を期して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
#10
○委員長(小林亦治君) 質疑のおありのかたは御発言を願います。
#11
○平林太一君 今労働省の御説明がありましたので、去年二十八年度は急激にかようなことが減退したということですが、これは誠に同慶の至りであります。ますますそういうふうに御注意になることを希望いたしておきます。それからこのうちで二十七年十月末現在、一事項五十万円以上のもの、いわゆるこの九百二十七、そこに「職員の不正行為に因り国に損害を与えたもの」、これでありますが、「五十万円以上のものをあげれば左のとおり六件六百七十七万七千八百十二円」、こう相成つております。二十七年十月末現在補填された額五十八万四千五百三十六円、こういうことになつておりますが、その後の状況はどんなふうになつておりますか。これは極めて少ないが、その後の状況はどういうふうになつておりますか。
#12
○説明員(三治重信君) 現在のところ六十二万九千円回収されております。
#13
○平林太一君 そうすると、二十七年十月末現在で補填された額は五十八万四千五百三十六円である。そうすると、その後今日まで二十七年から八年九年と一年数カ月を費やしておるわけですが、極めて補填率が非常に僅少であるが、こういう事態はどういうところに原因しておるか。
#14
○政府委員(澁谷直藏君) 只今の御指摘の点は誠に私どもといたしましても申訳なく考えておるわけでございますが、この不正事件を起しました本人はいずれも下級の職員でございまして、その不正事件が発見されて、直ちにその横領しました或いは詐取しました金額についての回収につきましては、懸命の努力を払つておる次第でございますけれども、大体本人がそれを償うだけの財産なり資力を持たないというものが大部分でございます。できるだけその親なり或いは兄弟等からも金を集めさせまして返還させるようにもいたしておるのでございますが、大部分の場合がそういつた資金上の能力がないという場合が大部分でございまして、そういつたものに対しましては止むを得ず損害賠償請求の公訴を提起いたしまして、いずれもその公訴の手続中であるわけでございます。それから中には九百二十五号の岩見沢安定所の場合のごときは犯人が犯行後逃亡いたしまして、未だに所在不明で犯人をつかまえることができないといつたような事例もございまして、非常に回収額が成績悪いのでございますが、只今のような事情でございます。
#15
○平林太一君 その次の二百七十六頁にその内容、内訳というものが記載されておりますが、鹿児島労働基準局において川村某ほか一名、この不正行為事件金額が二百九十六万七千二百三十二円、この点非常にこれは特に目立つて不正行為金額が非常に多いわけなんですが、こういうのはどういうような原因によつて出ておるのか、もう少し詳細にこういう事件の説明をせられたいと思います。而も川村某ほか一名というのですから恐らく二人でやつたことなんですが、どういう係、何と言いますか、所管がどういう所管の仕事をしておつたか、それからこういうことが何か安易に行われるような制度上の欠陥があるのかどうかというようなことを、この際検討いたしておく必要があると思いますが、これは御調査になつておられるかどうか。
#16
○説明員(大村要君) 只今御質問ありました鹿児島の事件でございますが、これは徴収係長と徴収係員、同じ徴収関係の事務関係者二人でございまして、制度上そういうことが未然に防止できたのではないかというようなことも考えられるわけでございますが、その当時といたしましては、かような不正事件が起りますことも予想されていなかつたわけでございまして、その後におきましては、先ほど会計課長からも御説明がありましたように、相互牽制組織、それから分断、そういうような方式をとりまして、かかることのないように対策を講じておるわけでございます。
#17
○平林太一君 これは今非常に、御答弁が今度のいわゆる金額から行きまして、約三百万円、三百万円という金は決して僅少なものではない、川村某ほか一名、こういうことに相伐つておるが、この二人だけでこれらの行為が行われるということは、もう少しそれを詳しく説明をいたすべきが筋合ではないかと思いますが、そこでその川村某、それからこれは全体のことですが、これは川村某、高橋某と皆某々となつておるが、これは会計検査院のほうから一つ伺いたいと思うのですが、こういうことは何かどういうような配慮の下に名を明確にされてないのか、何かやはり会計監査の上において、こういうような措置をとらなければならないような、何かそういうような前例というようなことによつてむしろなすつておるのか、どういうことなのか。それから今の三百万円の鹿児島労働基準局に対しまする会計検査院の監査の実情に対して、特にこれだけに対してもう少し具体的に御説明願いたい、かように思います。
#18
○説明員(上村照昌君) 川村某と言いますのは川村浩、ほか一名というのは木佐貫郁夫というのでございますが、某という言葉を使つておりますのは、特にそう意味があるわけではございませんので、大体慣行上何々某という言葉で表現しておるのであります。それから事態の内容は川村と木佐貫が共謀の分と、それから木佐貫単独の分と二つあるので、共謀の分は、共謀しまして保険料等をとりまして、これをその場合には領収証書を発行しますが、領収証書を発行しましたが出納簿には登載していないわけです。そうして補助簿のほうには金が入つたように整理をしておるわけであります。それでそういう点から見まして、制度のほうは出納簿につけ、補助簿にもつけ、両方を見て行けばどういうふうに金が入つておるかということもわかるわけでありますが、ここの場合出納簿補助簿を出して、監督者その他が点検すれば或いは横領事態が発見し得る、こういうふうなあれでありまして、一応そういう点ではときどき現実の金の徴収状況を見て行く必要があるのではないか、こういうふうに考えております。それから単独の分は木佐貫という人が領収証書を倉庫内から盗み出して領収したものであります。領収したのちのやり方は同じようなやり方をやつておる。そこで結局はその場合に両者の対照或いは物品の保管というものについて十分留意する必要がある。こういうように考えておるわけであります。
#19
○平林太一君 只今の某ということに対しての、これは会計検査院に申上げておくわけですが、慣行上そういうことになつておる、こういうことでありますが、これらも今後一つ御検討になりまして、こういうような慣行を続けて行くことがいわゆる検査院の検査に対する行為というものを適正に行う上において、こういうような慣行がいいかどうかというようなことは一つ御検討を煩わしたいと思つております。こういうような事実は、非常に某という場合には犯罪に対しましてはできるだけその本人の名誉というようなものは考慮してやらなければならんし、又尊重すべきことが情としては当然にそういうことに考えられますが、併しこれは個人でない。仮に労災補償課、分任収入官吏、労働基準監督官と、こういうふうに明瞭にその肩書が明記されてありますから、それをこの場合に個人のいわゆる市井の市民が行う場合におきましての某というようなものとは、これは非常に制度、本質において重大視しなければならん。重大視というと大きな言葉になりますが、官庁の労災係でありますところの分任収入官吏というようなことが明記されてある以上は、公の上にこれを取扱わなければならん。そういう場合におきまして名前を某というようなことにいたしておきますというと、何かやはり依然として往年のいわゆる官尊民卑といいますか、官庁でいたすことは、同じそういうような不正行為があつても、何かそれを一般のものがいたす不正行為よりも、それが不正の行為そのものに対してそれを弁護する。いわゆる上から威圧して地位を誇大に評価して、この行為というものを稀薄ならしめる、こういうような結果が、これはこういうような一つの事例が全体のいわゆる官庁経理の上に又経理した当事者の上に非常に甘い考えを起させるというような結果になることを非常に考慮せられなければならんと思いますので、私から検査院に対しましては、かような某というようなことに対しては、本日只今でなくていいのでありますが、一つ御検討になられて、その結果、我々のほうでもいずれ委員会の別の機会において、委員長の意見その他の委員等の意見をまとめて、その取扱については措置をいたしたいと思つております。取りあえずそういうことを申上げておきます。
 そこでこれに対しまする約三百万円ですが、これは労働省のほうから答弁を求めたいのですが、そのうちの六十何万円になつておるが、特にこの件に対しては今日返還、補填されたものがどのくらいになつておるか。
#20
○政府委員(澁谷直藏君) この本件につきましては現在までに未だ回収額は零の状態でございます。川村浩につきましてはその後二十九年の二月十五日、それから木佐貫につきましては二十八年十二月三日に和解が成立いたしまして、前者の川村につきましては昭和四十年までにこれを回収する、それから木佐貫につきましては昭和三十六年までにこれを回収するという和解が成立いたしておりますが、現在までのところ未だ金は回収されておらないのであります。
#21
○平林太一君 これは本件は刑事上の事件としてはどういうような状況になつておりますか。
#22
○政府委員(澁谷直藏君) 川村につきましては、刑事責任は懲役五年、木佐貫につきましては懲役三年の刑が確定いたしております。それからこの監督の立場にありました者につきましては、局長がその間二人に亘つておるわけでございますが、いずれも減給処分をいたしておりまするし、直接の監督者でありましたる労災課長の古賀照夫
 に対しましても減給処分をいたしておる次第でございます。
#23
○平林太一君 こういうかような事件は、恐らく他の九百二十三から二十七までの事件は、金額の相違がありまするが、同様の不正行為であるということが、これは認識されるわけですが、これはやはりこういうことがいやしくも三百万というような高額な不正行為が、単に今ここで出ております川村某ほか一名というだけで行われるものであるかどうかということを非常に心配しなければなりませんが、この刑事事件に現われたいわゆる関連関係、その当該の二名以外の関連関係というようなものに対しましては、何か出ていなかつたかどうか。そういう点……。
#24
○政府委員(澁谷直藏君) 本件につきましては、先ほど検査院のほうからも御説明がありましたように、この事件に対する責任者はこの当該二名だけでございまして、その他の職員に関係はございません。
#25
○平林太一君 そうすると、これがいわゆるこの分任収入官吏が当然会計を取扱う責任者である。それから労働基準監督官である。これは鹿児島労働基準局であるが、地方のこういうところにおいて、これほど高額な行為が行われるということについては、何らかこれはやはり制度の上に足らざるものがある。そうしてこういうような不正行為をするような隙を与えるという制度そのものに何かあるのではないか。そうしてそういう例があるからいわゆるこういう異常な人物もその隙のある欠陥のあることに誘惑されて、こういう不正行為が起るのだ。従つてそういうような人物をも、そういう欠陥があることによつて、かようなことにならしめることの、非常に広い寛大な意味で考えられるわけですが、労働省としてはこの事件に対してこういう行為が行われたということを検討した結果、何らか、これこれが欠点であつたら、こういうことになつたのだというようなことで、制度の上で御苦心をされておられるかどうか。その後何らかのこのような事件の一つの契機を対象として、爾後においていわゆる未然に一防止すべき行政上の何らかの処置を御心配に、配慮せられておるかどうか、いたしたことがあるかどうかということを……。
#26
○政府委員(澁谷直藏君) 本件はこの川村が徴収係長、木佐貫がそれの補助というような職にありました関係上、各事業場を廻りまして保険料を徴収して廻る職責にあつたわけでございます。それを奇貨といたしまして、この両名が保険料を領収しておきながら、正式にそれを日限に払い込まなかつたという事件でございまして、これは当然補助簿と出納簿のほうを対照するなり、そういつた方面の監督を十分いたしておれば、かくのごとき大事には至らなかつたであろうというふうに考えられる事件でございます。期間が昭和二十四年の二月から昭和二十六年の四月、約ニカ年間の長期に亘つてこれだけの金を不正領得したのであります。従いまして先ほど御説明申上げましたように、不正行為を行なつたものは当然でございますけれども、その監督の任にあつたものの責任も免がれることはできませんので、それぞれの行政処分を行なつたわけでございますが、労働省といたしましては、こういつた事件が今後起ることを絶対に防止しなければならない重大な責任を持つておるわけでございますので、先ほど簡単に御説明申上げましたが、こういつた事例を全国の基準局、監督署に周知徹底させまして、そういつた監督上の不行届き、怠慢から、こういう事件が起きて来るわけでございますので、そういつた会計上の経理関係事務を厳正適正に行うということを、全国に対して指令いたしておるわけでございます。そのほかに中央、地方に会計監査専門の官吏を置きまして、そうした不正事故の未然防止ということに重点をおいてやつておる次第でございます。
#27
○平林太一君 今の御説明を聞きますと、意外に思いますことは、二十四年から二十六年にかけてニカ年内外に亘つてこういう行為が継続されておつた。それからそういう長期に亘つてかようなことが発見されなかつた、こういうことになりますと、いわゆる監督不行届きであつたというようなことには、それは該当しないと思う。監督不行届きであつたということは、要するに事件が一つ出た場合に、そういうものが極めて短期の間に発見されるということでなければ……。平生全然監督行為が何らいたしてないということになるわけです。二年間もの聞こういうことがあつた、これを非常に将来のことを深く心配をいたしますということになるというと、ニカ年間やつておるのであるから、現在もこういうものが労働省関係のいわゆる地方のそれぞれの出先機関の間にこういう行為が行われておるのではないか、それが今発見されない。二年間もの間発見されないというのでありますから恐らくそういうようなことが今日も行われており、そうして発見されたときには、ニカ年間もそれが継続されておつたということになるわけです。そうしてこれらの本人も二カ年間やつておつたのであるから、三百万というような非常な高額のものに相成つておる。そうしてその間非常な弊害を、この労働基準監督局の地方の行政の上に非常な弊害を、この金を基にして弊害が及んでおつたということが、非常に考えられるわけですが、領収書を発行してその現金を収受する、そうしてその収受した者が役所に持つて行かずに、自分が私腹するなり又不正使用したということになりますと、官庁の経理事務ということの、会計の経理をいたしておるところの行為というものが信用ができないことになる。我々といたしましては、出て来たものはたまたまこういうものだけだが、それじやそれ以外にどういうようなことが行われるか、そういうことが行われるというような一つの制度の問題だと思うが、いやしくもその日の一日の、例えばこの金を扱うというようなことは、他の民間においての会計経理といたしましては現金とそれから預収書というものは、その日に経理をしなければその一日の仕事は終らない。それと同じく官庁においても、そうでなければ官庁の一日の行為は終らないわけであります。過去二年もの間、これが継続されておつたということでは、如何にも常識上、これは判断に苦しむわけなんです。従つてこういう行為は、今の御答弁のようなことであれば、今日も依然として行われておるのではないかということが考えられるわけであります。その辺はどうですか。
#28
○政府委員(澁谷直藏君) 只今御指摘の点は誠に申訳ない点なんでございますが、これはたまたま川村某徴収係長でございまして、その下におつた補佐の木佐貫がその下の係であつて、その二人が共謀してやつておりましたために、上の監督の立場にある者も容易に発見できなかつたという事例なんでございますが、併しいずれにしましても、この長期に亘つて監督者の立場にある者が発見できなかつた、早期に発見できなかつたということは、これはもう弁解の余地のない点でございますので、この点は誠に申訳ないと考えておる次第でございます。ただこういつた事例がほかにもある、或いは又今後発生するというようなことがございましては、これは非常に重大なことでございますので、この経理関係の事務を徹底的に改善するために周到なる研究をいたしまして、細部に亘るまでの指示をいたして、その後実施しておる次第でございます。例えばその二、三を申上げますると、この事件を見ますると、徴収簿と徴収補助簿の照合を徹底的に実施しておらなかつたということが大きな抜穴になつておる次第でございますので、この補助簿と徴収簿との照合を徹底的に実施させるということが一つ、それから徴収簿並びに徴収補助簿の保管を厳重にして担当職員以外の持出しは禁止する、或いは収入管理による日々の収納状況を、領収職員の保管する出納簿或いはその補助簿を照合して、その監督の立場にある者がこれを検閲するといつたような、細部に亘りまして指示をいたしておる次第でございまして、こういつた事項を忠実に実行さえして行けば、かような不正事件というものは、幾らも防止できるのではないかと考えておる次第でございます。
#29
○平林太一君 一つ注意をしておきたいことは、私のほうではこれを十分こういう問題につきましての取扱は、今後理事会においてそれぞれ取扱方に対することは、別に考えることにいたしまして、今お話の通りこれはいま一つ監督をする制度の上に欠陥がある、又監督者自体にこういうものに何らかの間接に、一つのこういうものを長期に発見し得ないというようなことは、単に長期に発見し得ないということだけでは考えられないことなのであります。何らか間接にこういうものといわゆる関連をしたような間接なことがあるから、そういうようなことが監督行為として発動することができない――これは非常に直接ではないでしようがいうことも非常に官庁の会計経理の上では、他にもしばしばあることなんであります。今制度のことをお考えになると同時に、やはりこういう事件が発生いたしました当該の局長なりその上層部に対しましては、一度労働省といたしましては、これをそういう上層部に対しまして、どういうような事件と関係があつたかというようなことは、これは表には出さなくてもよろしいと思うが、間接には十分御研究になつて、そうしてかような事件の防止に万全を期するようにいたされたいということをこの際御注意申げておきます。
#30
○委員長(小林亦治君) 今日は労働基準局長と職業安定局長の両名に対して出席を求めておりましたが、支障がおありだそうですから、渋谷会計課長が労働省を代表をしてお見えになつておりますので、そういうつもりで伺いますが、責任者である局長それから当該課長は、いずれも減給処分を受けたとおつしやるのですが、どの程度の減給処分ですか。
#31
○政府委員(澁谷直藏君) 一カ月月俸の二十分の一、それから直接の監督者であります労災課長につきましては一カ月月俸の十分の一の減給処分にいたしております。
#32
○委員長(小林亦治君) どうも我々の考えておるものは、官庁の自律権というものはその部内に対する監督権として徴罰権を各法令が与えておるわけです。その自律権に基いて当該部内に対する一つの処分というものが常に軽過ぎるので、当委員会がしばしば各官庁に対してそれが軽過ぎるので批難を申上げておるのですが、今日簡単な交通事犯で仮に自動車の運転手なら運転手が極く転微な過失の場合でも、その処罰は少くて五、六千円、二、三万円というのが大体通例の額ですが、かような何百万円といつた国損をこうむらしめて、当該実行者が懲役五年或いは三年そういつた司法上の刑罰を受ける場合、監督者にあるところの責任者が一カ月分の二十分の一であれば月俸の五分、十分の一ならば一割、仮にこれらの方々が二万円の俸給をもらつておつても、千円か五百円で済むようなことになつてしまう。そういうようなことでは、自分の部下をかわいがるゆえんかどうか知りませんが、ほんのお体裁だけの外部に対する責任をうまく逃げようとする、この程度は仕方あるまい、これこれらいは我慢せよといつた、殆んど処罰せざるにひとしいような、お茶を濁すようなことですが、あなたのほうでは根本対策を考究中であるといわれるから申上げるのですが、帳簿とか普段の目付は当然のことで、だからこういつた根本の、従来だらくと惰性のまま行つて参つたところの官庁自体の自律権の使い方が杜撰であり、不まじめであるから、こういつた罰せざるにひとしいような状態になつておるのではないかと思います。この点お帰りになりましたら両局長を通じて、上層部に御伝達願いたいこ思います。本来ならば政務次官なり大臣なりおいでになつて説明を願わなければならんが、只今申上げたように、この問題というものは、本委員会は政府を相手に強硬な申入れをしようと今準備中であります。対策をお考え中であるというから特に申上げるのですが、こんな馬鹿にしたような処罰の仕方というものはあるものじやない。三百万円もの穴をあけた、その上層部の処罰を減俸でやるなら、この罰というものは本人に痛さを知らしむる程度でなければ罰になりませんよ。有難うございましたなんというようなお礼を言われるような手当ではこれは罰にならない。即ちこの程度ではなつておらないということなる。減俸ならば半年なら半年これは極端かも知れませんが、数カ月間給料を与えないというようなことでなければ、この減給の意味にならないじやないか。そういうことから、綱紀粛正のめどというものはおさまつて行くんで、こんなものでは一つの外部に対するごまかしをやつたということを、歴然と物語つておる程度なんで、何らこの罰になつておらない。これは重要なことなんですから、一つお考え願つて、上層部にも当委員会の意見というものをお伝え願いたいと思うのです。
 そのほかはまあ一般の場合で例えばあなたがたの今後研究されるところの対策の中には現金出納を掌る官吏の財産上の保証といつたようなものも、これは考えておられるに相違ないと思うんだが、これがなければ、扱う人も不断緊張を欠きますし、やればやり得ぐらいに、これはわかれば処罰されるが、わからなければ、そのままになるといつたようなことになりやすいので、こういうことも十分にお考えになりそれらの保証を条件に取扱官吏を採用し、或いはその部局に坐わらしむるというような不断の気配りがないと、ただ帳簿がどうである、伝票に対する目をもう少し光らせる、それだけでは非常に片手落なんで、何にもならないとは申しませんが、強いところの監督にはならないと思いますのでこの点も一つこの対策の中に、お考えの中に挿入せられて御検討願いたいと思うのです。
 ほかに御質疑ございませんか。
#33
○山田節男君 基準監督局の誰か来ておりますか、基準監督局の課長来ておるんじやない。
#34
○政府委員(澁谷直藏君) 労災保険課の課長補佐が参つておりますが。
#35
○山田節男君 委員長、これは各省の会計検査院の報告に基く決算報告の検査の審査のあとは、少くもさつき委員長の言われたように大臣が出て、少くとも本委員会で、我々がこの政治的な批判をし、将来過ちを犯さない、再び繰返さんために、我々として審査の結果は、これは大臣乃至次官に直接言うほうがいいんじやないか、本委員会の職務としましていいんじやないかと思います。今日見えておりませんから、職業安定局長もいませんから、見えているかたにちよつとお聞きしたいのですが、この労働基準局の行政の全般の通弊といいますか、これは丁度職業安定法ができ、それから又労働基準監督局が各県にでき又基準監督署ができたときに、職業安定課よりも労働基準局関係に志望者が非常に多かつた。これは私はひそかにこのことを憂えておつたのでありますが、これはもうすでに四年ぐらい前のことでありますが、全国各地を労働基準行政の状況を見て廻つたわけです。ところがこの基準監督官というものは、労働基準の監督官というものは、えて現場の調査、それから場合によつたならば、機械の安全設備の査定等の認定をやるわけです。そういうことで非常に労働基準局の或いは基準監督署の署員がいばる、非常にいばる。これは初めから、丁度そのとき私国会で労働委員長をしておりましたので、職業安定事業と同じように飽くまでサービスを考えなくちやいかん。然るに昨年もそうでありますが、或る地方に行つて見るというと、基準監督署の署員が非常に警官のごとくいばる。職権を濫用するということが非常に多い。同時にやはり金銭上においても、御馳走になることは殆んど常識になつておる。職場々々に行つて、基準監督署が来たと言えば、まるで事業者のほうから言えば、何か恐いものが来たように取扱う。それに乗じて職権の濫用という点も、これはもとより不当労働行為或いは不正な労働条件は、これは厳重に監督するのが基準監督局の、監督署の署員の任務であります。併しこれはまますると濫用され、又食事等当然の権利かのごとく饗応を受ける。又金銭上の問題についてもどういうことがあるか疑えばきりがないことがあるわけです。ここに二十六年度の批難事項として九百二十二号に現われている件は基準監督局に関係している。これは労災保険、次に出て来る労災保険に類似したような金銭の使途であつたか、これは私想像できませんが、とにかくそういつたような基準監督署の特殊の任務からして、とかく金の誘惑に陥りやすいということは、これは疑う余地がないのです。一体そういうような、見方によれば、非常に危険な任務を遂行している基準監督署員に対して、どういつたような訓練をしておるのか、この点若し説明できる人があれば、一つ説明してもらいたいと思います。
#36
○政府委員(澁谷直藏君) 主管局長が参つておりませんので、私から代つて御答弁申上げます。只今の御指摘の監督官が監督上の非常に強力な権力を持つておりますために、実際の職務執行に関連いたしまして非常にまあいばり散らすとか、或いは更に一歩進めて御馳走を強要するというような事例があつてはならないのでございまして、併しながらややもすると、権力を持つているために、そういつた傾向に流れやすい可能性があるわけであります。労働省といたしましては、こういつたことが厳にないように、かねてからこの点は注意いたしておりまして、機会あるごとに全国の基準局長会議、或いはそれぞれの課長会議を通じて、その点をくどいくらいに注意をいたしておる次第でございます。飽くまでも基準法が円滑に施行されるように、民間の事業主のかたと協力して、基準法の施行を円滑に進めて行くというのが、いわゆるサービス機関たることが監督署の任務でありますので、極力そういつた方向に沿つて仕事を進めるように指導いたしておるわけでございます。それで監督官につきましては、普通の官吏とは別個に特別の試験制度を実行いたしております。それで監督官の試験を合格した者の中から、優秀な者を毎年採用するという、普通の官吏と違つた試験制度を実施いたしておりまするし、それから中央に研修所を設けておりまして、年間計画的に全国の監督官を中央に集めて二週間なり或いは三週間程度の講習を実施いたしまして、そういつた方面で民間に不当なる迷惑をかけないように留意しているつもりであります。
#37
○山田節男君 そういう方針ならば、これはまあ二十八年度でもいいし、二十七年度でもいいのですが、この一年間、基準監督署の署員は、まあ不正といいますか、本来の任務を逸脱するような行動があつたために懲戒その他処罰を受けた者は何人ぐらいあるか、例えば二十七年度に何人ぐらいあるか、若し数字があれば概数でいいですから、ちよつとお示し願いたい。
#38
○政府委員(澁谷直藏君) 只今手許に資料がございませんので、帰りまして至急調査いたしまして提出いたしたいと思います。
#39
○山田節男君 この九百二十二号の事案ですが、犯人川村某は鹿児島の地方裁判所で懲役五年に処せられたが、福岡の高等裁判所に控訴をして目下係属中だという報告なんですが、少くも三百万円に近い不正行為をしてこれを控訴するというのには、何かそこに理由があるのじやないかと思うのですが、その控訴の理由だけでもいいから一つ御説明願いたい。
#40
○説明員(大村要君) 只今の御質問に対してお答えいたします。控訴をいたしました本人は自分は単独の行為でないという理由でもつて控訴をいたしたわけでございます。
#41
○山田節男君 そうすると、この問題については、補償といいますか、賠償は一文もしていないということになるのですか。
#42
○説明員(大村要君) 現在まではまだ一文もいたしておりません。
#43
○山田節男君 これは少くとも地方裁判所で五カ年の懲役を受けた。勿論その犯人にすれば控訴権を持つておりますが、事こうした二百九十何万円の金が不正に費消されたという事実があれば、これは裁判所の問題と併せて賠償ということについて、やはり労働省としてはこれは忠実にやるべきじやないか。一文もとれてないということは本人に責任がないということのために犯人川村某がこれを肯んじないのか、或いは労働省としては、今係属中であるからして、この不正に費消をした約三百万円の補償については全然手をつけないのか、どつちなのか明らかにして頂きたい。
#44
○政府委員(澁谷直藏君) この件は先ほど平林委員からも御質問がございまして、お答え申上げたのでございますが、この不正行為によつてそれだけの未回収額が出て来るわけでございますが、これは労働省としましては少しでも早く完全にこれを回収する責任があるわけでございますので、勿論そういう点につきましては、できるだけの努力を払つておる次第でございますが、本件につきまして、川村の分につきましては、昭和二十九年の二月十五日に昭和四十年までにこれを完済するという和解が成立いたしております。それから木佐貫につきましても、二十八年の十二月三日に昭和三十六年までに完済するという和解が成立いたしておる次第でございます。
#45
○平林太一君 渋谷君の先刻の私の質問に対する御答弁、只今山田委員からの御質疑に対する答弁、非常に遺憾に堪えない御態度である。それだから先刻私のほうで非常に重大視して、この事件というものはこの二人だけでやつたのではないのだ。必らずこれにはその関係が、この鹿児島労働基準局の上層部でニカ年の聞こういう事態が発見できないなんということは、これは常識上あり得ないことなんです。だからこの不正が行われたというその行為によつて集めた三百万円というものは、これはその当時の基準局の局長首脳部、相当広範囲こ間接に行つておるのだということを憂うる。それからそういうことを根底に、そういう問題が起きたときには究めておかないと、次々にそういう問題が行われて行く、それを非常に心配いたしたので申上げたのです。どうもこれは二人きりの問題だ、他には関連はないと言う。ところが山田議員の御質問に対して、いわゆる当該刑事事件の当事者である川村某が、自分だけでこれはやつたものじやないのだ、控訴したところの理由というものが、これは自分だけが罪を背負うべきものではないのだということは、丁度それを裏書きしておるわけなんです。何かあなたがたのほうでは常にそういうことを隠そうとしておる。それだからいつになつても、こういう問題の禍根を断つわけにゆかないのです。これは誰が三百万円もの、或いは一度に三百万円を不正に取得したということであれば、これは別に又考えられる筋があるが、ニカ年の間これが継続されて、合計三百万円に相成つたというような事件が、これが二人だけでないということは、極めて明らかにそういうことの判断ができるわけなんです。そういうことは事実は事実として、あなたがたのほうでは、こういう際にはよくそれは明らかにして、そうしてこういう問題の爾後に対処する根絶というものを期せなくてはならないわけです。だから当然これは刑事上の当事者となつた川村某は、私から考えても、そういうことを言うようなこれは事件じやないか、こういうことを私は予測したから、先刻お尋ねしたのです。だから先刻委員長もこれは期せずしてそういうことに相成つたわけである、だから当事者に対して影響がないような減俸ということで取扱つておるのだ、で初めの考え方が非常に違つておるから、そういうような結果に出るわけなんです。そういう事実はあなたのほうで恐らくお調べになつたであろう、若しこれを調べてなくて、先刻言つたようなことで二人だけがやつたものだというのでありますれば、この事件に対しての取扱、この労働省の態度というものが、すでにこういうような一事件の性質というものを非常に当然のことのように考えておるような、何らかの一つの行為や方法なり、又それが制度の上においてそういうことを弥縫するというようなことがあり得るのだということに、これは考えられるわけです。それだから、これは当該の者が自分一人でないのだ、おれだけが責任を背負うべきものじやないのだということだから、この局の他の相当数の者にこれは関連しておるのです。そういうことをお調べになりましたかどうか。
#46
○政府委員(澁谷直藏君) 先ほど大村君からの答弁が言葉が不十分でございまして、その点誤解があつたかと思うのでございますが、川村が控訴をしておるわけでございますが、これは自分一人じやないという上村君の申上げました意味は、木佐貫と共謀でやつたのだ、川村が自分だけでやつたものではないということで控訴をいたしておるのでございまして、この川村、木佐貫両名以外にほかの職員と共謀してやつているということを主張しておるわけではございません。
#47
○平林太一君 そんな理由は成立ちつこないです。これは木佐貫も同時にいわゆる当該刑事事件に出ておるじやないですか。それは川村何がしが自分一人でない、木佐貫もやつたのだなんて、そんな控訴理由なんというものはあり得ない、そういうことはないわけなんです。控訴する理由としては、木佐貫なんか全然これに刑事事件になつていないというのであれば、そういうことは言い得るのだが、自分一人でないということは、これは決して木佐貫を対象としたものでない。必ずや局内において、自分だけこういうような犠牲になる、自分だけ悪い者になるということは、余りにも馬鹿々々しいということで、ただ上司に対する一つの遠慮で、本人はそれを明確にし得ないというようなことはよくあり得るごとなんです。だからこの点十分一つこれからでもいい、お調べになつて、明確な答弁を改めて聞かして頂くように希望いたします。従いまして私は委員長にこれについて希望を申上げておきたいと思いますことは、本件は本日終了することなく、先刻申上げた通り当該の大臣を招致しまして、これに対する是非の究明をするように、これは取扱うべき性質のものである。こういうことを私は希望として委員長に申上げておきます。
#48
○委員長(小林亦治君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(小林亦治君) 速記を始めて。いろいろ質疑がごまましたが、最高責任者の大臣以下政務次官、事務次官いずれも故障がありますので、本来ならばこれらのどなたかを招いて将来に対する責任の誓約というものがなければ、労働省所管の分というものは、いわば勘弁相成らんわけですが、本日の批難は各省共通のものが非常に多いので、これは将来本会議において政府にまとめて要求する際に、十二分に労働省も責任を持つてもらうことを条件に、労働省所管の分は補助金に関する九百二十一号を除いて一応終了したことに認めて御異議ございません。
#50
○平林太一君 只今委員長の取扱いに対しては、これを委員長に一任し、又只今の御発議に対しては賛成いたします。但し本日大臣、それから両次官を招致することに対して、只今委員長がこれを手配したのであるが、いずれも故障のために来られない、こういうことでありまするが、故障といいますと、何か先方の都合によつて当方の招致に応じないというような錯覚を起す憂いがありますので、この際私からそのことを明らかにしておくために申上げるのでありますが、本日は院内だけをお探しになられた。いずれも院内にいない。院外におる。こういうことでありまするが、大臣、次官というものは、いずれも服務規則に基づいて、他の普通の事務官とは違います。いわゆる一日中の動勢、行動というものは、どこにおるかということは極めてこれは明確に相成つておるべきものでありまして、いやしくも居所が不明であるというような、大臣、次官に対する私的の時間というものは、いわゆる出勤時間中にはあり得ないわけなんです。それでありますから、その点は故障によつて出席が拒否されたというようなことの誤解を招くことは、私といたしましては甚だ遺憾でありますから、本日只今の大臣、次官の動勢は、例えば今政務次官の安井君は夫人の病気見舞のために出ておつた。これだけは明らかでありますが、今の大臣と政務次官の本日只今の時間というものは、この際一つ委員長から両省に通達いたしまして、どこにおるか、何に出席しておるかということを一つ明確にせられたいということを、今後の大臣等招致する上におきまして、一つの私は方針なり方向という上に大きな支障をいたすものと思いますので、そのようにお取計らいを願いたい。そういうことを申上げます。
#51
○委員長(小林亦治君) 極めて適切な御発言でございまするので、会計課長から部内にお伝え頂くと同時に、委員長からも只今御発言のような趣旨を以て大臣と事務次官、当局に警告を発しておきます。御了承願いたいと思います。
 それでは先ほどお諮りしたように、本件は、補助金に関するところの九百二十一号は除いて質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(小林亦治君) 御異議ないものと認めます。
 それでは次に建設省所管の部を、一般的事項及び九百五十六号から九百八十四号までを問題に供します。先ず専門員をして説明いたさせます。
#53
○専門員(森荘三郎君) 建設省に関しましては検査報告の二百七十九頁以下に、会計検査院の総括的な所見が記されてありまするが、先ず第一には、二百七十九頁の最後の行に直轄工事に関して架空経理があつたことが記されてありまするが、これにつきましてはすぐ次の九百五十六号以下がそれでありますることを申上げておきます。
 次に二百八十頁の五行目から八行目までにかけまして、建設省においては、土木事業に必要ないろいろな機械類をたくさん買入れたが、それの保管その他について適当でないものが若干見受けられたとありまするが、その件はこれ又すぐその次にありまする九百七十四号乃至九百八十四号というところに詳細に出ておりますから、自然あとに出て来ることでございます。
 それから二百八十頁の真中どころ以下に又地方公共団体に交付した国庫負担金及び補助金という、この点につきましては別途小委員会において審議が進行中なのでございます。
 それで只今議題となりました九百五十六号乃至九百七十三号、これは直轄工事の経理が紊乱しているものというのでありまして、ここに検査院の一般的な所見も記されてありまするが、これは実はこの前の二十五年度におきまして、ここに記されているような架空経理の事案が非常に多かつたのであります。それで当時小委員会を設けまして、この問題を特に慎重に審議したというわけなのでございます。二十六年度の分が今ここに列挙されているわけでありますが、その大部分は前年度からの継続のものでありまして、二十六年度に入つて新たにこれを行つたものは極く少いのであります。なお、この次の二十七年度を見ますると、このような架空経理は全然見当らなくなつておりまして、かような架空の名義を以て金を支払いに充てて、それをいろいろな他の事柄のために勝手に使つておるというような事件は幸いにして一応その跡を断つたというように見受けられるのであります。これらの事柄に対する当局からの説明は、説明書の百八十九頁以下に相当詳細に記されてあるのでございます。とにかく二十五年度の審査のときに非常に細かくこちらで調べましたが、二十七年度にはもう全くなくなり、今ここに出ておりまするものも従来の名残りがここに尾を引いておるということのように見受けられるのであります。
 それから次に九百七十四号乃至九百八十一号につきましては、検査報告の二百八十四頁に先ず最初に検査院の総括的な見解が記されてありまして、それを極くつずめて申上げますと、土木工事の能率を増進するというために、二十三年度以来、たくさんな重建設機械を買入れたが、買入れの計画とか、又買入れた機械を配置する点とか、又機械の取扱いに慎重を欠いたというような事柄のために、十分に効果を発揮しておらないものがあるが、例えば次のことしというわけで、先ずそのうちの一種類といたしましては、機械の管理当を得ないもの、それが九百七十四号、七十五号、七十六号というふうに出ておりまするが、その内容は検査報告に詳しく出ておりまするが、極く簡単にその事情だけを申上げますると、九百七十四号は先ず七十二万円の金を以て或る機械を作らしたところがその出来上つた機械が不良である、従つてこれを改造させた。
   〔委員長退席、理事谷口弥三郎君着席〕
 ところが改造ができ上つたその当時には、その機械を使うというつもりでやつた予定工事がもう終つてしまつたので、機械は使わずじまいに捨てやりになつている、こういう事件なのであります。それに対する当局からの説明は、改造をさせているその途中で、これよりも一層能率のよい機械を配置されたから、この能率の悪い機械はただ使わずじまいになつてしまつた、但しその後福島の事務所へ配置をして使用中であるということでありまするが、なお、別に最近の事情が当局から出ておりまするが、それによりますると、今では宮城県のほうで使つておるということが記されてございます。
 その次の九百七十五号、これには、このガリ版に私の下調法で若干書き違つたところがございますからお許しを頂きまして、訂正を兼ねて簡単に申上げますると、先ず浚渫船を東京で買入れたわけであります。それは電力を使つてやる浚渫船であります。初めの計画では九州の遠賀川で使わせるつもりで造つたのでありまするが、そこでは電力事情がよくない。石炭を使つて蒸汽力で動く浚渫船が欲しいということでありまして、そのでき上つた浚渫船は電力を使うものですから、それはもう要らないと言つて断わつて来たのであります。それで、当局においてはこれを使う先を調査しまして、鹿児島県の川内川でこれを使つたらよかろうというわけで、そこに送つたのであります。そのガリ版刷りに遠賀川へ最初に送つたように書きましたが、そこが私の書き損いで、最初に送つたのが鹿児島県なのであります。ところが、鹿児島県へ持つて行きましたが、若干は使つたようであります。但し、その使つた程度に関して、検査報告のほうには試運転を行なつたのみで、それ以上使つておらないというふうに書いてありまするが、当局の答えのほうでは或る程度の土を浚渫をして、その浚渫した土をほかの方面に利用した。ところがもつと安く土を買入れる見込みがついたものだから、もうこれ以上の浚渫をやめて、そうしてこれをほかのほうへ移すことにしたというので、若干の、どの程度使用したかというその程度に関しては、多少説明が違つてはおりまするが、仮にまあその点を無視するといたしますれば、鹿児島県から更にこれを関東地方の利根川へ送りまして、そうして現在利根川でこれを使つておるというわけでありまするが、東京で買入れたものであるならば、直つ直ぐに利根川へ送ればよいものを、
   〔理事谷口弥三郎君退席、委員長着席〕
 一旦九州に送り、それを解体し輸送をする。そんなことのために三百万円ほどの無益な費用を使つたというところが指摘されているのであります。
 次の九百七十六号、これはスチームショベルでありまするが、具体的に使用計画のないにもかかわらず、それを修理をした。ところが修理後に組立てもせずに捨てておいて、遂には不用品として処分をした。この修理の費用二十七万円は全然無益な費用だという指摘でありまするが、当局の答えは、その修理をしている最中にジーゼルショベルの配付を受けたものでありまするから、よい機械が来ればよい機械を使つたほうがよいので、不経済なこの機械を使わずじまいになつたと、いずれにしましても、これらすべて甚だ遺憾なことで、誠に申訳がないという遺憾の夢、常にこれらいろいろの案件について述べられてあります。
 次の九百七十七号、蒸汽機関車を製作させましたところが、工事の現場が勾配が急であつて使用するのには都合が悪い。附近の民家の建物の関係からみましても、石炭をそこで焚いては火災の危険でもあるのでしようか、どうも石炭を使うのに不適当であるがために、とうとう使わずじまい、そうして現場に放置してあつて、不用品として遂に処分をしてしまつたと、こういう案件であります。当局の答えは、もつと経済的なガソリン機関車の配置を受けたので、こんなに能率の悪いものは使わずじまいになつてしまつたという答弁なのであります。
 次の九百七十八号は極く旧式なもう修理しても修理のできそうにもないような牽引車を修理させた。ところが果して故障続出、遂に不用品として処分するに至つたというわけで、当局の答は、現場の地形の関係上、これを利用し得なかつたことは申訳がないというのであります。
 次の九百七十九号は、その現場が砂利の層であるので、この機械を使つても使用に適しないところの掘鑿機を買入れた。そうしてどの程度掘鑿するか、その設計土量のただ三分の一ほどを掘鑿したにとどまつて、残りの部分は請負にやらせてしまつて、とうとうこの機械を使わず、機械の使用を中止して、それを現場に捨ててあるというわけであります。当局の答も、従業員が操作に不慣れ等のために、ということであります。なお、これらの点につきましても、何かその機械全体としては十分利用していないが、部分的には活用をしているといつたような最近の事情が別途申出られております。
 それからやはり同じように、建設に使う機械類の使い方のよろしくないというものに続きまして、その次に出て参りまするのは、機械の貸付料の徴収が不当だというのが二件出ております。
 その第一、九百八十号は貸付けた日数は七百九十八日で実際に稼働した日数は三百八日であつたのに、実際徴収した貸付料は二百八日分であるということが指摘されております。
 その次の九百八十一号は貸付料の収納未済、未だ受取つてないものがこの通りあると言つて記されておりますが、ここに一覧表にいたしまして見やすいように掲げておきました。とにかく多年に亘つて、古いものはもう二十二年度、それから二十三年度、四年度、五年度、六年度というふうにずつと連年に亘りまして相当金額の収納未済というものが挙がつているのであります。
 次に、話が変りまして九百八十二号乃至九百八十四号、物品の調達にあたり処置のよろしきを得ないものというわけでありまするが、これも二種類に大別することができるようであります。
 その一種類は、必要以上に多量の物品を買入れたというものでありまして、そのうち九百八十二号は丸鋼を三千何百か買入れたところが、そのうち実際使つたのは千六百ほどで、不用になつたものが千八百ほどもある。ところがそのうち二百ほどはほかのところへ保管転換をしたのであるが、千六百ばかりが残材となつて残つてしまつている。この代金が百八十万円、かように不用な必要以上に品物を買入れたということと、それ自体が問題でありまするが、なお附加えて申しますれば、これがためにこちらのほうに金をたくさん使い過ぎたものでありますから、ほかの工事の予算に不足を来たして計画の縮小をしなければならなかつたという、そんな派生的なことも出ておるということであります。これに対する当局の弁明は、当時朝鮮事変のために物価が急に高くなつたので、資材が手に入らなければ困るという前途を心配したがため、買入れ得る限り買入れたのだという説明になつております。
 その次九百八十三号は揮発油及び軽油を買入れたのでありますが、前年度からの繰越しがどれだけあつたか、それに対して新規買入れたものがこれだけでありまするが、使つた状態を見ると、翌年度に繰越したものが新規買入れたものよりもなお多いといつたような状態でありまして、結果から見れば全然買入れる必要がなかつたということが一つ、なおこの買入れた数量は、年度内所要見込み量の全部をここに買入れたのである。つまり繰越しということを全然考慮に入れてないということが指摘されているものと認められます。これに対して当局の答えは当時は統制時代でありまして、前年の二十五年度がなかなか切符は手に入つても、これを現物化することが困離であつたという、そのあとを受けておるわけでありまするが、なお、それに加えて朝鮮事変のために前途の見通しが悲観的であつたので、割当てられたのを幸いに手に入る限り買入れたと、こういう説明になつております。
 その二のものは不経済な再生加工をしたものというのでありまするが、九百八十四号は燃料としてはもはや使用のできないような重油であつて、これは不良品であるから、これに加工をさせてモビール油及び軽油に作り直させたのでありまするが、その結果を見ますると、新たにこれらのものを買入れたほうが却つて値段が三十万円ばかり安くつくということが一つと、それから又この不良だといわれる重油は成るほど燃料としては不適当であつても、ほかに車軸油などに利用の途の可能なものである。従つてこんな再生加工をさせなくても利用の途があるし、させたがために新らしい品物を買入れるよりも、却つて高い金を払つているという指摘が出ておるのでございます。
#54
○委員長(小林亦治君) 次に検査院の御説明を願います。
#55
○説明員(小峰保栄君) 只今専門員から詳細な御説明がありましたが、私から少し補足さして頂きます。建設省の掲載事項の冒頭に書いてある事項でありまするが、これはそれぞれの中のところで御説明をいたします。
 先ず第一に九百六十五号以下の直轄工事の経理でありますが、これは前年度に非常に大きな問題になりまして、いわゆる幽霊人夫、或いは幽霊材料というようなもので、使いもしない、買いもしない材料代、こういうもので予算を現金化いたしまして、現なまで工事関係者が手許に持つて、それを右から左に工事代とか或いは人夫賃とか、或いはほかのものに使うといつたことが問題になつたわけでありますが、当委員会でも特に小委員会をお設けになりまして、これの詳細な御審議を仰いだわけであります。前年度はここにも書いております通り、四億四千七百万円という大金が、今のような会計法規も何にもまるつ切り無視しまして、幽霊人夫などで嘘の経理をやつておつたということがはつきりいたしまして、私どもびつくりしたのであります。その後幸いに当局の非常な熱心な御努力もありまして、これが傾向として、そういうことを平気でやるという傾向は全国から一掃されたのであります。この二十六年度は私どもも二十五年度に引続きましてこのものを一掃することに重点をおいて検査したのでありますが、いい塩梅にだんだんとこれが影をひそめまして、二十六年度の検査報告を作りますときにはここに十八カ所、十八工事事務所で、総計三千五百八十七万円という、今の幽霊経理を見つけたのでありますが、前年度の四億四千七百万円が金額におきましても三千五百万円ばかりということに減つたわけであります。それでまだ三千五百万円あるということは甚だよろしくないというのでありますが、当時前年度におきましては四億数千万円という金が動いたばかりでなく、私ども検査に参りましたときに、各工事事務所などを、合計いたしますと、三千六百万円ぐらいの大金がまだ現金がそのまま残つていたのでありますが、これを私どもがやかましく言わなければ、右から左に使うはずであつたのでありますが、これを全部歳入に入れるなり、正当の処置をいたしまして、二十六年度では年間を通じて見ますと、今の十七、八の工事事務所で三千五百数十万円というものが動きましたが、検査当時現金を見たのは僅かにここにございますように二千六百十一円、こういう金だつたのでございます。これは取りも直さず検査で参りましたときは、従来はこういう悪いことをやつておりましたが、検査で行きましたときにもうやめてしまつていたという一つの証拠になるのであります。二千六百十一円は十八カ所の事務所のうちたつた一カ所でありまして、あとの十七カ所というのはもう零になつていたのであります。私どもも検査の効果の上つたということで、実は非常に喜んだ次第でありまして、その後はこういう違法の経理というものは、突発的にはこれは出るかも知れませんが、傾向的にこういうことを平気でやるというような悪い経理ぶりは全国から一掃されたわけであります。ここに出ましたのは、結局前年の引続きの尻尾と申しますか、最後に残つたものがここに上つた。それが総計三千五百万円、こういうことになるわけであります。
 それから九百七十四号以下の機械の管理に関する案件でありますが、私ども二十六年の夏まで、先ほども申上げました架空経理ということを何とか早く全国から一掃しようということで、これに全力を挙げて検査に重点をおいておつたわけであります。幸いに夏頃になりますと、すでにそういう傾向もなくなつて来た、こういうので若干の余力ができましたので当時もうすでに終戦直後からずつと建設省が土木の機械化施工ということで、従来人力でやつておつたものを機械に置き換えるということをずつとやつておられたのでありますが、この機械の管理というようなことについて、ぽつぽつと妙なことも目について参りましたので、機械の管理、購入管理、こういうようなことについて少し重点的に検査して見ようということで、これは二十六年の秋に廻れるだけ地方を廻つた結果が、ここにまとまつたわけであります。随分古い時代から終戦後ずつとやつておりましたことで、相当に悪いことがたくさんあつたのでありますが、何分にも古いことも多うございますしいたしますので、大体割愛いたしまして、ここに上げましたものはその特に顕著なものだけを七、八件書いたわけであります。先ほど御紹介がありましたような要りもしないものを製作さしたり、又修理しておる。使う見込のないものを修理したり或いは中には使わないものを購入したというような事案もございますが、大体同じような種類のものが多いのであります。そのうちで九百七十五号でありますが、これが全体を通じて一番大きな案件なのであります。これは先ほど相当詳細に専門員から御説明がございましたが、結局九州の福岡県でありますが、遠賀川の工事事務所で浚渫船が一台ほしい、こういうことで本省に要求があつたわけであります。ところが本省でその要求に応じて七百万円を出して一隻買つたのでありますが、遠賀川事務所では蒸汽式のものをほしい、こういう要求をしたのであります。ところが本省で買つてしまつたのは電動式のもの、こういうので遠賀川はそういうものは要らないというので断つて来たのであります。同じ九州内ではありますが、鹿児島県にございます川内の工事事務所に送つてしまつたわけであります。川内の工事事務所の意向は余り聞いていなかつたのでありますが、送つてみますと、向うではこの浚渫船を使つて掘鑿工事をすることは予定していなかつた、こういうので折角送つて来ましたが、試運転を実施しただけで今度は又わざわざ利根川に送つて来た。ここで三百十五万円という無駄な運送賃とか余計な解体をやるとかというような経費を使つてしまつた、こういう案件であります。私どもはこれは現在でも川内では試運転を実施しただけだ、こういうふうに思つております。検査報告にはそういうふうに書いてありますし、資料を念のために調べてみましたが、まさに私一どものところに出た資料は、単に試運転を実施した、これは数量的に申しましても、すぐ試運転だけということはわかるのでありますが、先ほど試運転だけじやなくて、一部実際の工事をやつた、こういうような御紹介もありましたのは、大体この船は一カ月に十万立米掘つておる船であります。ところが川内でやりましたのは二千数百立米ということをやつたに過ぎません。これでは工事の試運転でない本格的の稼働の一部をやつたということは、ちよつと認められないのじやないかと思います。形式的にも試運転だけというここがはつきりこ申上げられるわけであります。試運転で運搬のためにいろいろ組立てたり等で二百数十万円、二百二十七万円ほどの金を使つております。それから利根川に持つて来まして、これが又六百万円ばかり金がかかるのでありますが、それはまあどこでもやつておるということで検査報告では批難の中に入れてございません。
 それから九百七十七号で、これはちよつと先ほどの御説明で、検査報告の補足をする必要があるのでちよつと申上げておきますが、これは利根川の下流佐原でありますが、ここで六トンの蒸汽機関車を作らしたわけであります。これはここに検査報告にございますように、工事現場の勾配が非常に強い、蒸汽式でありますから火の子をこぼすわけであります。ところが丁度工事現場の近所にわら屋根の家が相当多いというので非常に危いというのでこれを使わない、こういう事実であります。附近家屋の状況によりというのは、そういう意味でありまして、非常に危くて使えない、こういう案件であります。
 それから九百八十号、八十一号は、これは建設省で機械を買いまして、公共団体なり或いは建設省の工事をやつておりますものなりに貸すわけでありますが、それの貸付け料の徴収振りが緩漫だ、こういう案件であります。
 それから九百八十二号、九百八十四号でありますが、この九百八十二号は本省から工事の施行認可が行きます前に、物品だけは買つてしまつた、そして最初現場で考えておりましたものよりも小さい工事になつてしまつたのでありますが、最初現場で考えておりました大きな工事に相当するだけの鉄筋を買つてしまつた。鉄筋は普通でしたらほかに使えるのですが、最初の設計に合わして切つてしまつたものを買つてしまつたわけであります。寸づまりのものを買つてしまつたわけであります。そのために折角鉄筋を持つておりましても、ほかの工事への転用がきかない、こういう事案であります。これもほかに転用がきけば、そんなことは問題じやないのでありますが、これはほかに転用のきかない鉄筋を、本省から認可もなしに急いで買つたという支障を来たした。朝鮮事件云々というお話もございましたが、こういうことは余り理由にならんと私ども考えております。朝鮮事件があろうがなかろうが、やはり設計に合つたものを相当量買うのはこれは当然なことであります。
 それから九百八十三号でありますがこれもちよつとひどいのでありますが、一年分買つてしまつた。これも朝鮮事件という話もありましたが、これは理由にならないわけです。前年の持越しより翌年への持越し量が多いわけであります。計数的なものを申上げますと、年間に結局全然買わないでも、まだ翌年度の持越し量で余つてしまう、こういう案件であります。併しこれはここにございます池永石油店というのに預けつぱなしでおるのでありまして、私ども会計検査に参りましたところ、工事事務所にも油置場にもどこにもないわけであります。一体どこにあるのだということで、大分これは探すのに骨を折つたのでありますが、結局のところ石油を買つた所へ預けつぱなしということで、こういう案件であります。これは商習慣で油のような危険品でありますから預けつぱなしにするのが商習慣だろうかと思いましたが、併しかかる商習慣はないようであります。ほかの工事事務所ではすぐちやんと引取るというのが原則のようであります。
 それから最後の九百八十四号であります。これは先ほどもお話がありましたが、廃油、ちよつと燃料に使えない悪い油であります。ここにございますように、終戦直後の統制の非常に強かつた時代の配給品の残品でありまして、燃料油に使えないものでありまして、ほかの工事事務所にも相当にあるのでありますが、ほかでは諦めておりまして、トロッコの潤滑油に使つております。これをいいものに作り直そうということでやつて見たのでありますが、そのかけた加工賃で、でき上つたものよりいいものを十分に買える、こういうような甚だまずい結果になつたのでありまして、意思は非常によかつたのかも知れませんが、もう少し慎重にやれば、こういうまずい結果にならずに済んだのではなかろうか、こういう案件であります。
#56
○委員長(小林亦治君) 当局の説明を求めます。
#57
○政府委員(石破二朗君) 先ず初めにかく多数の不当経理なり、その他物品会計をいたしておりまして、会計検査院より批難の報告がありましたことは、建設省といたしまして誠に申訳なく、恐縮に存じておる次第であります。只今検査院の小峯局長よりお話のありました通り、建設省といたしましては、昭和二十五年度或いはそれ以前に非常に悪い習慣がありましたのを、検査院の御検査なりを十分頂き、又我我も大いに自粛戒心いたして、二十六年度におきましては一件も、特にこういう架空経理のようなことは、理由の如何を問わず、間違いのもとであるからというので、厳重に戒心して参つたのでありますが、なおかくも多数の不当経理件数を出しましたことにつきましては誠に申訳けありませんで、弁明の余地もないような次第でございます。関係者はそれぞれ相当の処分をいたしております。今後かかる不始末を起さないように厳重に注意して参らなければならん、かように考えておる次第でございます。
 建設機械の管理等処置を得ないものの主なものだけにつきましても、八件ばかりの御指摘を受けておるわけでありますが、これも弁明の余地もないような次第でございまして、部内では係りの者に問い質しますと、いろいろ弁明はいたしますけれども、結局国費をそれだけ無駄に使つたことになるわけでありまして、外部に向つて弁明をすべきものでない問題は、せめて今後こういうことが起らないように注意する以外には、我々としては処置ない、誠に恐縮に考えておる次第でございますが、ただこの建設機械につきまして、若干原因なり今後の対策というようなものにつきまして考えておりますことを一、二申上げさせて頂きますと、御承知の通りいろいろ理由はありますけれども、建設機械を本省で一括して買つておるわけでありますが、こういういわゆる新式の建設機械を買出しましたのは戦後のことでありまして、戦前にはこういう制度をとつていなかつたわけでありますが、そこで若干本省で購入する計画を立てるにつきましても、又使用の計画を立てるにつきましても、機械そのものに対する関係者の能力というものが、或いは不十分な点があつたろうとも思いますし、更に最も必要なこれを使用する現場との連絡にも欠けておつたというようなことが、この中の批難された事項のうちの若干は、こういうことが大きな原因となつておるように考えられますので、そういう点は今後は一つ注意をして行きたい。特に二十九年度からは建設機械整備費を以て購入いたします機械を本省で一括購入して、日本全国に配るという従来の制度は、どうも実情に合わん嫌いがあるというようなところからいたしまして、二十九年度からは、これは地方の建設局長に、本省の承認を勿論条件といたしますけれども、購入事務を地方の建設局長にやらせることにして、購入計画と現地の工事計画とに齟齬を来たさないようにさせたい、かように考えております。それから又この原因は、只今申上げたのも一つの原因でありますけれども、やはりこれはその根本にはいわゆる官業の弊というものが出ておるのではなかろうかと思われる節もあるわけであります。官業は官業でいい点もあるのでございますが、どうもその損益がこれを担当しておる者に直接かかる制度になつていない。勿論公務員法によつてそれ相応の処分はするのでございますけれども、やはり機械を能率的に使おうということに欠ける点があるのではなかろうか、こういうことも考えるわけでございまして、これは将来の研究問題ではございますけれども、できるならば、この建設機械を、特別会計のようなものでも作りまして、そうしてそこ購入して、それを建設省の工事に使う場合に、ブルトーザーならブルトーザーの一日の貸賃幾らという料金を取つて、そうして一方の工事費のほうから落して、それを特別会計の歳入のほうに入れる、そうすると建設機械はどの程度効率に動いておるかということも一目瞭然になるのでありまして、できればそういう方法でもとろうと研究はいたしておりますが、遺憾ながらここに御批難の主な事項ということで、又このほかにも不経済な扱い方をしておる者が多いと考えますので、従来そういう不経済な、どちらかと言えば不経済でありますが、特別会計にして果してバランスがとれるかどうかというような点に若干疑問があり、まだ踏切りをつけずにおる次第でございます。まあそういういろいろ努力して建設機械を能率的に働かせるような方法を考えなければいかん、かように考えておるわけでございます。なお、この批難事項の中には、正式に予算が承認にならんうちに事前に機械を購入しておるというような御批難も、その結果、国損を来たしておるというような御批難もありますが、この習慣は実は機械とか材料だけに限らなかつたのでありますが、従来そういうものがありがちなんであります。それには一方予算の成立が遅れるというような事情もあり、工事を放つて置かれんというやむにやまれん事情があつたのでありますが、そういうことをやつておりましたのを、昨年でございますか、一昨年でございますか、そういうことを一切やらないように、大体予算の成立のめどがついたら、事前に工事の実施の計画等は本省の了解を得ておいて、予算か成立すれはすぐ電報一本で四月一一日から工事に着工できる、材料の購入ができるという方法をとるようにいたしておりますので、今後はこういうこともなかろうかと思います。なお、朝鮮事変の影響云ということにつきましては、検査院の局長からお話もありました通り、係りの者ではいろいろ理由は申しておりますけれども、そういうことは少くとも外部に対しては申上げるべき事項ではない。建設省の至らん点だろうと思いまして、今後は注意しなければならない、かように考えております。
#58
○委員長(小林亦治君) 御質疑のおありのかたの御発言を願います。
#59
○永岡光治君 先ず第一点として私お尋ねしたいことは、九百五十六号から九百七十三号に亘つての捻出した架空労力費、これは使途先が一番下の欄にずつと明記されておりますが、これらは恐らくそれぞれ理由があつて然るべき妥当な使途であつて、是非とも支出しなければならんから、こういう無理なことをしたのだろうと思いますが、そうでなかつたらこれは犯罪です。そうしますと、今これからはなくなつておると言つておるが、先ほどの説明にも二十七年度以来ずつとなくなつておると説明したが、これの単価はそれぞれ上つておるのでありましようか、これらの経費の費目等は予算の上において、二十七年度以降新らしく項目を起して追加したのかどうか。こういう点がなくなつたというのは、単なるこれは注意だけで、これはなくなる筋合のものでない。やはりりそれだけの増額した予算がなければ、当然問題が起るだろうと考えておるのでありますが、そういう新らしい予算の増額は認められたのでありますか。
#60
○政府委員(石破二朗君) 詳細な個々の金の使い途、これだけ使つたのでどれだけ穴があいて、その処置をどうしたという詳細な点は後で申上げたいと思いますが、実はこの九百五十六号から九百七十三号までの大部分の原因についてでございますが、その原因なり使い方なりについて若干申上げさせて頂きますと、正式の請負契約に出して請負代金として工事に使えば問題はないわけでありますが、私のほうの制度といたしまして請負工事に出すことは実は地方建設局長の権限である。事務所長はこの工事を直営でやりますということでやつておるわけであります。その細かい部分になりますと、いわゆる下請と申しますか、俗に切りなげなどと称しておりますが、地元の業者のかたに部分請負に出し、それを正式の請負としてやればいいのでありますが、そういう手続をとらずにやつておるので、経理のほうは直接施工になつておりますから、請負代金は払えないので、架空の人夫を使つたことにして、百万円なら百万円の金を浮かして、その金を実は請負師に払つておる。こういうのが多いと思います。勿論その他に例えば謝礼金とか自動車代だとか宿舎の移築費でありますとか、こういうものに使いましたものは、それだけ実はまさにその工事から穴があいておるわけでございます。これはあとで御説明いたしたいと思いますが、まさにそれだけ穴があいておるわけでございまして、中にはそれだけ見込みよりは工事費が要らなかつたという例があるかも分れませんし、或いはほかの直轄工事費で河川工事費なら河川工事費の中から、それだけ流用して辻棲を合わしておるというようなことになつておると思います。
#61
○永岡光治君 例えばちよつと具体的な例を一つ申上げるといいと思うのですが、九百五十六号の冒頭の項目ですが、架空の労力費を浮かして、これをどういう方面に便つたかと言えば、材料費、諸手当というところが大きな項目になつているのです。そうしますと、そのほかの次の九百五十七号を見ましても、これも架空労力費で百八十三万円浮かして、どういうところに使つておるかと言うと、労力費とか機械器具修理費、又超過勤務手当というところに使われておるわけです。そうしますと、私のここで質問したいのは二十七年度以降において、ここで言うと、諸手当とか超過勤務手当、労力費というものが予算上妥当なる金額に引上げられていなければ、依然としてこういう問題が起り得る性質のものではないか。そういう問題が解決されておるのかどうか。そういう点が第一点として聞きたいと思います。
#62
○政府委員(石破二朗君) お話の通り食糧費或いは超過勤務手当の予算が不足しておつた。これは相対的のものでありまして、特に食糧費のようなものは相対的のもので、何を以て足りるということは言えないと思いますが、そういう理由を現地のほうで言つておつたことは事実であります。そのうち食糧費につきましては、これは我々役人といたしましては、はつきり申上げれば多いに越したことはないわけです。これはそういうことを要求すべき筋合でもありませんので、そういう点は従来とも余り増額になつておりません。超過勤務手当につきましては、現実に不足をいたしておりますので、或いは現地の職員諸君には過重労働になる危険すらあると思われるくらい実は予算の面では殖やして参つております。昭和二十七年度におきましては地方建設局職員一人当り平均一カ月六時間でありましたのを、二十八年度におきましては十二時間にいたし、更に二十九年度予算にはこれを若干増加いたしまして十五時間程度の予算を組んでおります。これを以て十分とは言えませんけれども、さようなことをいたしておりますので、ほかの費目、工事費等を流用するというようなことはない、かように考えております。
#63
○永岡光治君 そうしますと、一応架空の労力費というものを上げて、応急の措置、便法を講じなくても、予算上でやれるという方法を講じておつた、こういうことに結論ずけるわけですね。そこで私は会計検査院にお尋ねしたいわけですが、ここで使途先は明確にずつと下に挙げられておりますが、これらの使途は妥当なる、当然これはこういうものをやらなければならなかつた筋合のものであつたかどうか。つまりここに使途として挙げられている項目は妥当な項目であり、又支払われた金額は妥当なる金額であつたかどうか、その点をお聞きしたいのと、それからこれは前回言うことでありますが、単に架空労力費を作つたのはけしからん、そのことは勿論好ましいことではないし、これは絶対許すべきことでないだろうと思うのでありますが、併しこういう原因を作つた予算上の措置ですね。単価を不当に、実際一日当り五百円払わなければならん労賃が仮にあるとすれば、予算上三百円に査定してあれば、無理にも架空労賃でも作つて支払わなければならん筋合のものになると思います。工事を完成するためには……。そういう意味で妥当なる労賃は幾らで定むべきであるかという問題につきましても、当然会計検査院として犯罪防止をするという建前からは予防策として、私は政府に厳重なる申入れをすべき筋合のものではないかと思うのでありますが、それらの点についても、政府に若しこの項目が妥当であるとすれば、そういう措置を講じなければならんと思うのでありますが、さような措置を大蔵当局、広く根本的な、もつと根源の責任者としては内閣の責任になるでありましようが、その最高責任者のほうにも、さような注意と言いますか、勧告と言いますか、そういうことも併せてされておるかどうか。この二点についてお尋ねしたいと思います。
#64
○説明員(小峰保栄君) 二十六年度には三千五百万円でございますが、この中で大部分というのは先ほどお話がありました切りなげの工事代、これが約千万円であります。それから労力費が三百万円、それから材料費が千百万円、こういうふうに工事に一応幽霊経理をやりましたが、正当な工事費に還元されているわけであります。経理手続としては非常に面白くないのであります。判こを百も二百も持つておりまして、幽霊人夫でぽんぽんとそういう手許にある判こを捺して現金化してしまう。それを又手当り次第に工事に使う、こういうのは面白くないのでありますが、実質的には今のようなその役所でやるべき工事なり、人夫賃なり、材料代、こういうものに還元されているわけであります。先ほどお話のありました手当類、超勤手当とか、食糧費とか、厚生費、こういうものは大体三百数十万円でありますが、人夫賃名義、材料費名義でこういうものに化けてしまつた。こういうわけでありますが、そういうものに化かしてしまうというところの経理の手続としては、これは誠によろしくないのでありまして、とかくそういう場合には従来もしばしばそういう例もあつたのでありますが、いわば犯罪の温床になり、ちよつとごまかされるとわからなくなる。それでもう検察庁で犯罪容疑で引つぱられるというような者も随分あつたのでありますが、それから会計検査のときに見付かるというので、新聞なんかに包んで自宅に持つて行くというような例もあります。こういうようなことをやられると、非常に危いのでありますが、幸いに建設省は昔から伝統のある固い役所でありますので、自分のふところへ入れるというものは少かつたのであります。我々はそういうような犯罪の温床みたいなものは、早くこれを一掃しなければいかんというので、改善をお願いをし、今までにきれいになつたわけであります。手当類の約三百数十万円というものは、これは一応予算上で認められておるものであります。ただ予算が少い、或いは予算はあるが、手許にある現金を一時使つたほうが便利だ、こういうような関係で、超勤手当に使つた、食糧費に使つた、厚生費に使つた、旅費に使つたような場合もあります。こういうようなものはその後改善されまして、正規の予算で間に合つているようであります。超勤手当などは、これは相当量殖やしましても、やはり足らなくなる懸念のあるもの、性質のものでありますので、これは工事費で支弁する人の超勤手当ではないのであります。私どもと同じ政府の公務員の人に対する超勤手当であります。こういうようなものは、予算の範囲内で厳正にやらなければいかんことは明らかでありまして、工事費で支弁される人の分につきましては、歩増しということで、定時間以上働けば当然に賃金をもらえるわけであります。そういう面の公務員の超勤手当というのは、これは予算の範囲内でやつて頂く。一般の公務員並にやつて行くほかないわけであります。こういう面も予算が殖えましたり、或いは今の工事費から超勤手当をもらうというようなことが是正されましたりして、だんだんよくなつて現在では問題になつておりません。
 それから労賃の単価でありますが、これも先ほど永岡さんおつしやつたように、初めのうちはPW、法定賃金が非常に……、闇賃金と言うておりましたが、闇賃金が実際の賃金だつたわけでありますが、これでPWでなかなか雇えない、こういうようなことが現在相当多額の金額を出しました架空経理をされている一つの原因であつたようであります。原因はもつとたくさんあつたようでありますが、今の法定賃金が低いということも一つの原因であつたことは、これは事実のようであります。その後御承知のようにPWがどんどん上りまして、現在でもございますが、実情に合うようになつて来た、こういうようなことも架空経理の消えた一つの大きな原因ではなかつたかと思うのであります。現在ではその面で、架空経理をやらなければ支払えない、こういうような事実はこの数年間見えないようであります。特に私どもとしてPWの改訂というようなことをいたしたことはございませんが、大体法定額と実情とがだんだん近寄つて来ている、こういうことが言えると思います。
#65
○永岡光治君 そういたしますと、もう一度確認いたしますが、この捻出の方法は悪かつたけれども、使途先、これは妥当なものであるということを会計検査で確認されているわけですか。
#66
○説明員(小峰保栄君) 妥当と、こう全部は言い切れないわけでありますが、大体において一応国の使途、或いは予算のあるものを予算を変えた使途に使つている、少くともそれ以外の悪い、例えば懐に入れたり、それから本来使うべからざるものに、全く使つては相ならんものに使つている、こういうようなものはわかる都度、直すようにしておりますし、現在ここで固まりました金額の中には、そういうものはない、こういうことをはつきり申上げておきます。
#67
○木下源吾君 ちよつとお尋ねしますが、あなたがたは、こういうようなことが年出て来て、その欠陥をなくしようとして努力されておると思うのでありますが、私どもがみるところでは、大蔵省が、それは当然やはり情勢によつて出さなければならない金を出さなかつたのです。例えば超過勤務手当とか或いはその他の面においても、そうして無理なことをやつておるから、こういうものが起きる一つの原田になるのじやないか。それでこういうものは大蔵省を呼んで来て、我々がやろうと思うのだが、あなたがたこういう問題が起きて、結局大蔵省と何かこういう問題を将来起さないために、そういう禍根をなくすために努力せられたことは今までありますか。どちらでもいいから一つ御答弁を……。
#68
○政府委員(斉藤常勝君) 只今御質問の点につきましては、ものによつてはそういうことがあると考えられます。併しながらここで問題になつておりますのは、飽くまでも科目の不実の経理をやつたという点に問題がありますので、その点では我々どうしてもそれを是正しなければならんと考えておるわけでありますが、例えば超過勤務のごときものにつきましては、先ほど官房長から御説明申上げましたように、大蔵当局も逐次この実態を認めまして、財政の許す限りにおいては少しずつ増額をしておりますので、大分その点は緩和されて来ると考えられるわけであります。併しながら仔細に検討いたしますれば、まだ予算編成の点で我々の努力が足りんという点があるかと存じます。
#69
○木下源吾君 それから機械の問題なんですが、これは今度変えたというのだが、昔から予算委員会で私らはやかましく言つておつたのですが、一体機械の注文に対してリベートか何かあるから、ああいうことをやるのです、本当のことを言えば……。そういうところまで監督して、十分そういう不自然な注文の仕方というものに、やつぱり表面に現われただけでなく、監督せられておる人が眼光紙背に徹しなければならない、我々はそう思つておるのだ。大体又修繕する所もない所へ機械を一つ持つて行つたつて、一つでも二つでも、これは役に立たなくなるにきまつておる。未だに政府は金を使い、買つて、それで持つて行つたところでは、ちよつと毀れると修繕できんものだから、そのままほおつておいてしまう。これは大した損害なんです。こういうことを何遍でも繰返しておる。そんなことをみんな立派な人が繰返しておる。我々が見ておると、これは買うときに、この頃はやるリベートでもやつておるのではないかと、誰でも考えますよ。そういう点についてはもう少し調査監督したことがあるかないか。一つあつたら率直に言うて下さい。
#70
○政府委員(石破二朗君) 実は建設機械の購入に関しましてリベート云々のお話でありまして、いわゆるリベートとはどのようなものをお言いになつたのか、よくわかりませんが、残念ながら昨年建設機械購入に関係しておる若干の職員が被疑者として目下起訴されておる事件があります。その点は誠に申訳ない次第であります。ただこれは中央で買うか地方で買うかという問題に直接関係のない予算であつて、監督不十分であり、係りの者の不心得から起つた事件だと思います。それよりかリベート云々の問題から離れましても、お話の通り中央で統制して買うということは、誠に理想通り行けば、非常にいいことかも知れませんが、やはり現地の実状をよく見て、本当に現地で欲しがつている機械を買つてやるという点には、どうしても欠ける点が出ると考えましたので、今年から本省の承認の下に、地方で機械を買わせるというふうにした次第てあります。こういたしましても、気をつけませんと、やはりリベート云々のようなことが起り得る危険はありますので、十分注意いたしたいと考えております。
#71
○八木幸吉君 建設機械のことで伺いたいのですが、会計検査院の報告を拝見しますと、二十六年度末で現在の総数が約七千三百台、こういうことが書いてあるわけですが、これの棚卸しと申しますか、一覧表と申しますか、そういつたようなものが建設省の本省にございますか。
#72
○政府委員(石破二朗君) 只今ここに持つて出席いたしておりませんが、種別、機械別の一覧表は持つております。
#73
○八木幸吉君 金額はどれくらいになりますか。つまり購入金額を時価にしてどれくらい…。時価にしてどれくらいというのは、買つても使わないものは値段が安くなつて、半額になつているやつは半額になる、こういう金額の総額、時価が幾らになつているかということを伺いたいのですが。
#74
○政府委員(石破二朗君) のちほど資料として提出いたしたいと思いますが、大体の購入価格は正確ではありませんが、建設機械整備費で買つたもの、それからそれと同じような種類の機械で工事費で購入したものを合計いたしますと、かれこれ五十億見当の機械を購入いたしております。なお、これの棚卸は実は役所のことでございまして、しておらないのでございますけれども、仮に先ほど申上げました建設機械の購入の特別会計というようなものを作るといたしますれば、そういうことも是非やらなきやいかんわけでありまして、一遍やつてみたいと思いますので直ちにと申上げるわけには行きませんけれども、でき次第当委員会に提出いたしたいと思います。
#75
○八木幸吉君 民間であれば購入年月日、購入先、購入金額時価という、ちやんと一覧表があつて、その時価によつて民間会社なら会社の財産の目録ができるわけです。その精神でできれば私はその通りを要求したいのですけれども、今の官庁の実情でその通りを要求するということは、これはなかなか手数の上で私は困難なことだと思いますが、成るたけそれに近い精神で詳細なものをお出しを願いたい。
#76
○政府委員(石破二朗君) 承知いたしました。
#77
○委員長(小林亦治君) 只今安井労働政務次官が見えますので、先ほどの大臣に代る労働省の何か釈明をなさるそうですから、それをこの時間に挾むのはちよつとどうかと思うのですが、なお、この建設省の部分は残つておりますので、今日の機会に、そういう状態で長い時間でないと思いますから、お聞き願いたいと思います。ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#78
○委員長(小林亦治君) 速記を始めて下さい。
 労働政務次官がお見えになりましたので、先ほど労働省所管の批難事項の審査について結論を出す場合に、少くとも事務次官なり或いは政務次官なりがおいでになつて、将来に対するところの誓約をしてもらわなければ、労働省所管の分についてはここで勘弁するわけには参らんというような話になつて参つたのであります。そこで大臣が御都合が悪いそうですから、大臣に代つて政務次官の安井君から労働省所管行政の将来について批難なきように如何ような対策をおとりになられるか、将来の行政についてこの際念のために決算委員会が伺つておきたいと思うのです。その点如何がでありますか。
#79
○政府委員(安井謙君) 労働省の所管にかかわります関係職員の不正事件につきまして、政府の処置に対して当委員会のいろいろな御質問に対して労働省の実は幹部が手違いから出席をいたしませんで、相当委員の各位に御迷惑をかけましたことを改めてお詫び申上げる次第であります。
 この事件の内容につきましては、私どももかねがねぞれ聞いておりました次第でございます。本日も又いろいろと御質問なり或いは又将来に対する御意見も伺つた次第でありまして、これも当委員会の御意向のあるところは、先ほど関係の政府説明員からもよく伺つておりまして、万遺漏なきを期したいと考えておる次第であります。
 御存じの通り、労働省は比較的こういつたまあ汚職と申しますか、事件の少い省でございまして、この点今まで割合に御迷惑をかけなくて済んでおつたのでありまするが、たまたまこういつた非常に不祥な事件がありました。我々責任者といたしましても、今後を十分戒めてかからなきやならんと、更に決意をいたしておる次第でございます。幸いにいたしまして、この事件そのものの処分或いは解決方法につきましては、一応解決のめどもついたかと存じますが、今後又かかる事件の起らないように、又起つた場合には特にそれに対する責任の所在或ば責王者対する行政処分のあり方につきましては、更に政府としましても十分検討いたしまして、責任を明らかにして参る次第でありますので、御了承を願いたいと存じます。
#80
○委員長(小林亦治君) 折角お見えですから、先ほど課長以下の係官のかたがたに、次官並びに政務次官、大臣を通して政府全体への決算委員会の要望というものをおえ伝したわけなんですが、要綱をかいつまんで申上げますと、主犯者に対するところの刑事処分はそれぞれ五年或いは懲役三年というように確定したわけです。局長とか或いは労災補償課長、これらの責任者に対するところの、当局の自律権に基くところの懲戒というものは甚だ微温に過ぎる。例えば減俸刑が俸給月額の二十分の一或いは十分の一、殆んど処罰せられたこれらの係官個人にとつては痛痒を感じないという程度の、ほんの減俸刑をしたのだという名目を残すためにのみではないか。かようなことでは三百万というような国損を与えた者に対するところの、監督上に対する懲罰にはなつていない。今日或いは自動車の運転手のごときが、極く軽微な過失を犯してすら、罰金が幾万円、殆んど彼らの月収の三月或いは半年分に相当するような、苛酷と思われるほどの高額の懲罰を与えられておるときに、国家会計の支出を担当するところの当の責任者が、かような名目上の処罰だけで外部に対する弥縫を平然と今後も行われたのでは、これは国民はやり切れない。従つてこれは労働省だけでなく、他の諸官庁、いずれも軌を同じくして、かかる馬鹿にしたような弥縫策で以てごまかしておる。処罰をしないのじやない、処罰をしたのであるが、しないにもひとしいようなことでは、これは綱紀粛正に帰するゆえんではないのである。今後政府全体に向つて綱紀粛正の面からも、行政罰の厳正なる励行を要求しなくやならない。典型的なモデル・ケースが本日のこの労働省所管の分におけるところのこの事件に該当するから、この際決算委員会の意向というものを省の上層部に伝えておいてもらいたい。やがて本会議で決算委員会の総意としてそれらを一緒にして政府に要求することがあるからということを申上げたのですが、或いはさつきお出でになつた課長連から、政務次官もお聞き及びになるかも知れませんが、なお、幸いにお見えになりましたので、大臣とも御協議を願い、今回はこれで勘弁するが、二十七年度以降は、相ならんぞといつたような結論を先ほど出しましたので、お含みの上十分に善処して頂きたいと思うのです。なお、ほかの委員の各位から御質問があれば御発言願いたいと思います。……。ちよつと速記とめて。
   〔速記中止〕
#81
○委員長(小林亦治君) 速記始めて。
 では簡単ですから、次に千百二十五号から千百二十八号までを問題に供します。専門員をして説明いたさせます。
#82
○専門員(森荘三郎君) 先ほどの御審議は九百八十四号まで参りましたが、そのあとに九百八十五号から千百二十四号まで補助金に関する問題が列挙されてありまするが、これは只今小委員会において別途審議中なのでございまするから、今日はその次千百二十五号から千百二十八号までを引続き御審議をお願い申上げる手順になるのでございます。
 これは米国対日援助見返資金特別会計及び一般会計に関係することでありまするが、話はすべて直営工事なのであります。東海道の道路拡張工事とかいつたような事柄なのでありまするが、いずれも事前の調査が不十分であつたために、工事の手戻りを生じたとか、或いは不要なる工事をやつた、要するに不経済な結果を招いたものが左の通りであるということで、ここに四件だけ挙げられているのであります。
 先ず第一の千百二十五号でありまするが、要点を申上げますると、谷合いのところで、上流のほうから土砂が流れて来るので、それを防止しなければならないので、工事を行なつたのでありまするが、ところがこれと同じときに、その上流のほうで、学校の運動場の拡張工事を行なつておつて、そこから谷合いのところへ土砂を撤き出して埋立ててしまつておるというようなことになるので、上流のほうが……。その下流のほうになる当該工事が全然目的を失つて不要になつてしまつておる。その損害は三十五万円だということであります。
 それからその次は千百二十六号、道路を新設したわけでありまするが、その道路が地盤が軟弱であつて沈下した。それがために車馬の通行も不能になつておるということであります。その原因は、土質に関する諸調査、それから地下水に関する調査などが、事前の調査が不備であつたが故にこのような結果になつて、四十万円ばかりの損をしておる。
 次の千百二十七号、道路の道幅を拡げるとか道路をつけ換えるなどの改良工事に必要な砂利を取るわけでありまするが、すぐ近いところで砂利を取ることができ、直営でやればやれるものを、わざわざ請負に出して高い金を払つたと、それで五十万円も損をしておるというのであります。
 その次の千百二十八号、これも結局は調査不十分のために生じたわけでありまするが、土を掘りまして築堤をやつたのでありまするが、その工事がまずかつたがために、又改めてそれを掘り返して埋戻しをしなければならないというようなことで、十六万円ばかり損をしたという事件なのであります。
 当局においては、以上いずれも調査不十分であつた。或いはもう一段の努力をすればよかつたのに努力が足りなかつたためであつて、誠に遺憾でございますということを答えておられるのであります。
 なおついでに一言申上げますが、その次が千百二十九号から千百六十一号まで、これは前に申しました補助金関係のことと同じことでありまするが、もう是正済みであるという関係から、別途に記されてありまするので、これ又小委員会で目下審議中のことなのでございます。
#83
○委員長(小林亦治君) 検査院の御説明を願います。
#84
○説明員(小峰保栄君) 千百二十五号以下の四件の案件でありますが、只今専門員から詳細な御説明がありましたし、当局も別に検査院の批難に対して争つておられませんので、特に申上げることはございませんが、千百二十五号はちよつとこれは珍らしい案件であります。砂防工事指定地域内の小さい川でありますが、砂防堰堤を作ろうということで計画があつたわけであります。そういたしまして、予算が来たのは最初計画を作りましたよりも遅れたわけでありますが、予算が来たときには、すでにその堰堤計画個所の上流で中学の敷地が拡がりまして、川の中へ……、ちよつとほかではこういう例はないのでありますが、非常に小さい川であつたためにこういうことがあつたのだと思いますが、川の中へ土砂を撒き出してしまいまして、いわば川を半埋めにしてしまつたわけであります。そこへ中学校のグランドを作つた、こういう事態になつたわけであります。その下へ堰堤を作りましても、これはいわば上の新しく作りました校庭が堰堤と同じような役をしてくれるわけでありますから、下に砂防堰堤を作りましても役をなさんというのを、古い計画通りに堰堤を作つてしまつたという案件であります。金額は小さいのでありますが、これはちよつと珍らしい案件でございますし、建設省の直営としてはこういう変なことは余りない例なのでありますが、これは非常に珍らしいというような意味もあつたわけであります。
 それから千百二十六、二十七は、これは東海道の整備工事を見返資金で相当大規模にやつたのは御承知の通りでありますが、それに伴つての案件であります。
 二十六は土質の調査とか排水の措置が非常に悪かつたために、折角改修いたしましたがぶよぶよで使いものにならないと、こういうことで、又掘り直しまして完璧なものにした。そのために手戻り工事費が四十一万六千円かかつてしまつた。こういう案件であります。
 千百二十七、二十八号、これは割合に簡単な案件でありますが、二十七号は、東海道整備に関連いたしまして、滋賀県の大津でありますが、あすこで砂利を使うのに、直営で採取すれば安いというのがわかつておりましたのに、又全部直営でできたのに、その一部を請負に出した、そのために高い金がかかつたと、これは約五十万円でございますが、そういう案件であります。
 それから二十八は、在来からあります堤防を大きくしたのであります。これは大分県の大野川の支流であります。大きくしたのでありますが、その中に樋管が四本ほど入つていたのであります。水抜きでありますが、この樋管を、堤防を大きくしますと当然土圧もかかりますし、新しく樋管工事も一緒にやらなければならなかつたわけでありますが、まあ大丈夫だろうということで、在来の堤防をそのままにして、その上に土を載せてしまつたわけであります。そうするとそれが壊れてしまつたというので、又折角蒿上げしました堤防を崩しまして、そうして樋一管の入れ替えをやつた、こういう案件「であります。これも建設省としましては珍らしい案件でありまして、金額は小そうございますが、ここに掲げたわけであります。
#85
○委員長(小林亦治君) 当局の説明を伺います。
#86
○政府委員(石破二朗君) 誠に申訳ないわけでありますが、実は前にお詫びいたしましたいわゆる幽霊人夫のような件につきましては、これはその係の者がとにかく架空労務者を使つてはいかんという気持さえあれば、こういうことは絶無になる事項でございますけれども、只今御審議になつておりますこれらの件は、そういう一般的な心得だけで解決し得る問題でなく、不心得というよりか、どつちかというと、まあ一部は不注意ということも原因をなしておる事項でございまして、いずれも申訳ないわけでありますが、これらを是正するということは、先ほどの架空人夫に対するよりか更にこれはむずかしい問題だろうと思います。従いまして、これらの点を是正して行きますには、単に心掛の問題だけでなしに、それぞれの技術的見識の不足な点もあるようであります。なかなかこれはむずかしいことと思いますが、こういうことは一件もないように、よく注意して、調査の粗漏ということのないようにいたしたいと、かように申上げる以外にはお詫びの方法もないような次第でございます。
#87
○委員長(小林亦治君) 御質疑を願います。
#88
○木下源吾君 今のお話を聞いておると、技術の点に関しておると思うのだが、大体戦争中に相当の技術者をなくして、その後、戦後になつて或る程度……。…、その当時空白ができて、それがために技術者がおらなくていろいろ地方の工事などで困つておるというのが三、四年前の話であつたのですが、もう戦争によるそういう技術者の消耗と言いますか、そういうものに対しては、そろそろ充実してきてもいい段階じやないかと、こう考えるのですね。つまり、戦争のために中堅幹部というものが不足しておる。これを何らかの方法で充足するために努力をせねばならんと我々は考えておるのですが、これはまあ単に努力だけではいけないので、或る一定の年限が来なければ、先にやつておる者のやり方を身を以て修得しなければできないのだから、一定の期間は止むを得んと、こう考えておつたんだが、もうそろそろこれは元のような技術者を充足することができておる時代だとこう考えるのだが、こういう点はどうですかね。
#89
○政府委員(石破二朗君) 御指摘の通り、やはり戦争の影響というのは、相当建設省の技術に対しましても影響があつたことは、御指摘の通りでございまして、特にいわゆる本当に物を作る、どつちかと言いますと、机の上で仕事をするのじやなしに、本当に仕事をやつて行く、まあ工場などでは職長でありますとか、いわゆる役付工に当るような職員、長年経験を持つておつたそういう役付の工員に当るような階級の職員が非常に手薄になつておるというのは、御指摘の通りでございます。戦後非常に混乱時代に、先ほど何遍も引合いに出しますような架空経理とか何とかいう悪質のものは、まあ心掛けでこれは大体絶滅できたと思いますが、それらの技術の点につきましては、まだまだこれを補充し、技術的にこれをしつかりしたものに、元に戻すという点については、まだ努力が要るのじやなかろうか。最近の検査院の検査の例から見ましても、不当の経理よりか、更に工事の出来そのものが余りよくないというような御指摘も受けておるような状況でありまして、今後はそこをしつかりやつて行かなければならん。御指摘の通り、遅れております点については、誠に申訳ない次第であります。どうしてもここを立派にして直轄工事の成果を昔に帰すように努力いたしたいと、かように考えております。
#90
○木下源吾君 まあ口ではそう言うておるが、この間もちよつと神奈川県に見に行つたのです。ところがそこの事務所の説明によると、コンクリートを打つ技術者の普通一人前の者が何か四人か五人しかおらんようなことを、県の事務所でそういうことを言つておるのです。これでは私は何にもならんのじやないかと思う。建設省なんというのは技術が主たるものなんだから、これを充実しておかなければろくなものができないのですよ。それに一方では、いいものも買わないようなものがくつ付いておつたのでは、建設省があるかないかわからないことになつてしまう。セメントなどでも、常に検査をしておるかも知らんけれども、一番いいのはどこだとこういうようにきめて、それを標準にして使うとか、或いは砂の場合でも、握つてみて手が汚くなるようなそんなものを平気で使つておるというような面も、どうもお役人式で、本当に仕事に身が入つておらんのではないか。又それがわからないでやつているのか、わかつてやつているのか、こういう点については、これをどうしたら一体直して行けるかということを、大臣以下心配して努力しておるかどうかだね。私はちつとも努力していないのじやないかと、そういうように考えるのですが、あなたたちの立場から、謝つておるばかりが能じやないと思う。どういうような一体状況になつておるか、余り緩漫にして、又緩漫にしなければならないような状態にあるならば、我々やはりものを考えにやいかんと思う。ただ謝るばかりが能じやいけないと思うのですね。会計検査院などの調査は、的確なものですよ。この間あたり行つて見ると、的確なものです。あれは僅かその部分だけよりなしていないから、金額が少いとか何とか言つているけれども、日本中全部なんて検査できるものではない。やはりやつたならば殆んど全部ではないかというように響く。私は建設省が本当に日本の再建の建設をやろうという気持があつてやつておるのかどうか。上の人がそういう気持でなければ、下のほうはなおざりになるのはきまつておる。あなたは毎年々々謝るばかりが能じやない。一つ謝らないにはどうすればいいか、そこを一つ話してみて下さい。
#91
○政府委員(石破二朗君) 誠に私も毎年毎年謝つて、誠に自分でも気恥かしい次第で、申訳ない次第でありますが、なかなか面倒な問題でありまして、是非やらなければならん問題である。この前、実は、余談になるかもわかりませんが、衆議院の内閣委員会におきましても、建設省の技術の充実、高揚ということにつきまして、何か具体案はあるかというようなお尋ねがあり、再度災害を防止するために、去年の災害を受けて再度災害を未然に防止するための具体案はもう立つてもいい頃だというお叱りも受けました。そのときもお答え申上げた次第でありますが、これも先の問題になるのでありまして、誠に恐縮する次第で、信用して頂けるか頂けないかは別問題といたしまして、考えておりますことを率直に申上げますと、いろいろ問題がありますけれども、建設省における各種の研究機関がございます。土木研究所、建築研究所、これらのものがあるわけでありますが、率直に申上げまして、これらの機関は、少くとも世間には大した仕事もしていないような印象を与えておるのじやないか。その結果は、毎年の試験研究費なども大蔵省もそう認めてくれないというような結果になり、その結果は又試験研究がおろそかになる。まあ順繰り順繰りで、今のままで放つておいたならば、そのうち消えてしまいはせんかという心配がありますので、私はその点を申上げたのでありますが、今年は試験研究機関を整備いたしまして、それ相応の予算も、これも先のことでできるかどうかわかりませんが、是非計上するように努力する。その代り試験研究は、或る程度はこれは研究員の創意も尊重しなければいけませんけれども、やはり建設省の研究機関であるという使命をはつきり自覚させてやつて行く。研究のテーマにいたしましても、或る程度今日建設省全体として要求しておりますテーマなども選定させるようにして、もう少し有機的な活動をしてもらうように努力したらいいんじやなかろうか。これは二十九年度の主な仕事の一つに考えておるわけでありますが、これはまあ研究機関だけの問題でございます。御指摘の点は、研究機関だけではどうにもなりません。まあ一例を申しまして、戦前と戦後と如何に違うかという点をちよつとだけ申上げましても、例えば工事を経済的にやるというような面から、私戦前のことはよく知りませんけれども、標準の工事の歩掛けというものがちやんとあつて、それに何ぼかでも勉強して成績を挙げたものについては、適当な表彰方法をとる、これは勿論弊害は伴います、よほど気をつけないと弊害を伴いますけれども、或いはそういう方法も昔はやつておつたようでございますし、これはまあ経済的にやらせるという面、又技術的なことは実は私ここで十分な御説明はできませんけれども、建設省の技官というものを中心にして、しつかりした技術一を、戦前の技術を回復するように努力するということしか……、今日はこのくらいで遠慮さして頂きたいと思います。いずれも先のことでありまして、申訳ございません。
#92
○飯島連次郎君 我々決算委員会に現れて来た建設行政を通じてみますと、ことが消極面ばかり追跡しておる恰好になりますから、従つて我々のここで述べる意見というのは非常に精彩の乏しい、極めて保守的な意見になりますけれども、私は建設行政を決算の面から眺めて、例えば少くとも我々が過去ニカ年間決算を通じて最も痛切に感じた点は、先ほど検査院の小峰局長からも一言ありましたが、架空経理が非常に多かつたということが極めて顕著な事実です。これは一年間の経過から判断すると、非常に顕著に改まつております。この点は我々決算委員としても、その一体的な努力を掛値なしに認めることができると思う。ところが目下我々が小委員会で検討を加えておるのは、補助金に関する不正不当の是正という問題でありますが、この点に関しては生々しい、我々に与えられた実に山積する批難事項がありまして、これに対する努力は更に二十七年度並びにそれ以後に大きく期待されなければならないと思うわけですが、これらを通じて他省と比較してみると、私は建設省というのは、やはり会計検査院の指摘或いは批難等を顧みて、比較的良心的に忠実に是正の実績が上りつつある官庁であるということは、これ又率直に認め得ると思うのです。ところがこれは非常に是正することが困難なのかどうかわかりませんが、物品の経理ですね、先ほどもありましたけれども、機械であるとか或いはその他の建設全般の資材等に関する購入、それから配分、保管、利用或いは修理等全般を通じて、物の経理の面では、これはひとり建設省に限りません、これは決算委員会における一つの大きな問題だと思うのですが、やはり御多聞に漏れず、物の経理の面ではどうも改善のあとが余り我々の目に触れないのでありまして、殊に先ほど官房長の説明にもありましたが、昭和二十九年度には建設機械の予算も昨年に比べて殖えておりますし、なお、昭和二十九年度には本省が一括購入するということをやめて、各地方建設局に任せるというふうに、方針も若干変つておるやにさつきお伺いしたわけでありますが、これらを通じて乏しい国費の中から、もつと積極的に無駄を省いて、効果を挙げるという点からみると、特に物の経理のに点ついて、私は一段のこれは努力を必要とすると思う。これは現場に行つていろいろあちこち聞いてみても、例えばダムの工事等を電源開発会社なり或いは電力会社なり或いは県営工事なり等と比較してみると、建設省の直轄工事等が機械その他の物の経理において、非常に有終の美をなしておるとは必ずしも考えられない。特にこういう点は官庁経理のよくない点じやないかと思うのですが、とかくものの扱いがほかの金銭の経理より一層杜撰というか、精密な注意に欠けておるように感ぜられるふしが、現地においても非常に多いのでありますが、この点については、私は特に過ぎ去つたことだけを追及するのでなしに、これは昭和二十九年度の建設全般について特段の御注意を願いたい、こう思うわけであります。
 それから小峰局長に一言お伺いをしたいことは、さつきの御説明の中で、昔から建設省は堅い役所であつた、こういう言葉使いがあつた。堅いというのはどういう意味なのか、私にはちよつと昔のことがわからないので、もう少しくだいた説明を願いたい。
#93
○説明員(小峰保栄君) 私が先ほど申上げましたことについて補足させて頂きます。建設省は御承知のように土木関係では随分古くから直営で工事をやつているところであります。で大体これに匹敵するのは、農林省でいいますと営林局のようなところなのでありますが、こういうところは長い間の伝統と申しますか、それから役人は融通はきかないかも知れませんが、悪いことはしないというのは、昔からの、戦後これは大分破れたのでございますが、昔はそういう伝統を持つていたわけであります。誠に融通はきかないが悪いことはしない、これが楚もいろいろな役所を見て歩きますと、建設省の現場第一線などは、もう十五年も二十年も川と取つ組んでおるというような人が相当にたくさんおるのであります。こういう人たちが、私どもから見ますと、例えば終戦後にできましたいわばアプレ官庁というのは相当ございますが、こういうところの伝統のない役所の役人というものと違つた堅さと申しますか、カラーがあるわけであります。これをかいつまんでさつき申上げたのでありますが、仮に建設省で終戦後二十五、六年までやつておつたように、あの架空経理、恐しいものでありますが、これをアプレ官庁、アプレ官庁というのは甚だ変な言い方でありますが、終戦後にできた歴史のない役所で若しもああいうことをやつたとしたら、本当に恐しい結果を来したのじやないか、建設省の結果も決して恐しくないわけではありませんが、そうして又刑務所へ引つ張られたものが決して絶無ではなかつたのでありますが、案外にあれだけの、年間に五億だとか四億だとかいう大きな金が闇から闇へ動いていたというような、経理の面から見ると本当にぞつとするような事態があつたのに比べますと、手の後ろへ廻るような悪いことをした者が案外少かつた。それにはやはり伝統のよさと申しますか、工事専門に長い間固く鍛え上げられた人間の伝統のよさと申しますか、そういうことがあつたもので、まあまあ私どもとしては助かつたという印象を受けるのであります。それをかいつまんで先ほど申上げたわけなのでありますが、アプレ官庁で私ども検査いたしまして、この委員会にも御迷惑をかけたことも随分あるのでありますが、そういうところでああいう四億も五億もというような金が闇から闇へ使われていたとしたら、建設省のようなわけにはゆかなかつたのじやないか、こう想像するとちよつとぞつとするのでありますが、建設省は伝統のよさと申しますか、そういうようなことで割合にその面の刑事事故が少なかつた、こういうような意味で申上げたわけであります。
#94
○飯島連次郎君 堅いという意味が多少わかつたような気がいたします。併し私は戦前のことはよくわかりませんので、そのはつきりした比較に基く理解が若干まだとしいのでありますが、併しさつき申しましたように、堅いという意味は悪いことをしないという意味であるとすれば、そういうことが大部分の意味であつたとすれば、どうもやはり終戦後の建設省が他省に比べて必ずしもそれほど堅かつたとは私はいえないのじやないか、まあ五十歩百歩というところではなかつたろうかと思つています。併し他省に比較して、先般私が申上げたように特に指摘された架空経理であるとか、或いは今指摘をされておる補助金等をめぐる経理等に対して、非常に強い反省と是正の実が上りつつあるということに大きな期待をかけて、そうして而もめつたに人を褒めたことのない会計検査院の局長から堅いといういい意味での賞讃を得た建設省としては、私はまさに戦前のいい伝統をこの際一つ大いに発揮して頂いて、来るべき二十七年度或いはそれ以降の決算においては、我々の決算委員会において、更に一段の口を揃えての賞讃の辞が出るような実績を一つ挙げて頂いて、特に私はものの経理、この点については各省共通の一つの非常な、これは国の予算執行面における盲点だと思いますので、なかんずく物量からいつても金額等からいつても、巨大な量を占めておる建設省とされては、私はこの点について特段の企画と工夫と、それから努力と実績を示して頂くことを大きく期待いたしまして私の質問を終ります。
#95
○委員長(小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか……。いろいろ有意義な質疑がございましたので、それでは建設省所管の部は、補助金関係のものを除いて、一応この程度で終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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