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1953/04/12 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第20号
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1953/04/12 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第20号

#1
第019回国会 決算委員会 第20号
昭和二十九年四月十二日(月曜日)
   午後一時三十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月九日委員西川弥平治君辞任につ
き、その補欠として井上清二君を議長
において指名した、
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           植竹 春彦君
           谷口弥三郎君
           島村 軍次君
           岡  三郎君
           平林 太一君
   委員
           青柳 秀夫君
           雨森 常夫君
           石川 榮一君
           長谷山行毅君
           宮澤 喜一君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 莊三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局検査第四局
   長       大澤  實君
   日本専売公社総
   裁       入間野武雄君
   日本専売公社総
   務部長     小川 潤一君
   日本専売公社審
   査部長     内藤 敏男君
   日本専売公柱塩
   脳部長     三井 武夫君
   日本専売公社調
   達部長     岡村  峻君
  ―――――――――――――
 本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入蔵出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) 只今より第二十回決算委員会を開会いたします。
 本日は、昭和二十六年度決算三件、日本専売公社、日本国有鉄道の部を議題に供します。初めに日本専売公社の部、一般事項及び千百六十二号から千百七十一号まで全部を問題に供します。先ず専門員をして説明いたさせます。
#3
○専門員(森莊三郎君) 日本専売公社の件に関しましては、検査報告の三百二十七頁に検査院の一般的な所見が出ておりまするが、それは先ず最初に事業損益について、この程度の利益が挙つておる、そうして国への納付金がこのくらいになつておるということが書いてあります。続いて財務諸表が出ておりまして、三百二十八頁でありまするが、そこに五つばかり項目を挙げて、それだけが計算違いになつておつたということが掲げてあります。これらは理論上の争いというものではなくて、ただたまたま係の者が専務を誤まつたというだけのことでございます。
 不当事項として批難されておりまする第一は、千百六十二号、塩の倉庫を不適当な場所に新築をしたという事件でありまするが、これは隅田川の向うの業平町あたりに、正確に申しますると横川橋一丁目でありまするが、あそこにたばこの業平工場という大きい工場がございます。それとすぐ向い合いの所でありまするが、昔からそこに専売局の塩の倉庫があつた。ところが戦災のために焼けておつた。その元の位置へ倉庫を新築するということになつたのでありまするが、丁度そのとき折よく石川島造船所で不用の建物があつたので、鉄筋の建物で、それが安く手に入つたので、それを利用して請負師に建築をさせることになつたようであります。ところがこの塩は外国から塩が入つて来れば勿論でありまするが、今日の状態におきましても、大体塩は瀬戸内海沿岸地方から船で東京へ送つて来る。それが艦に載せられて隅田川を逆つて来るということになりまするが、ここの倉庫のありまするところが大横川、つまり隅田川の向うの本所深川方面には堀割がたくさんありまして、あの辺は大阪と同様に堀割の多い所であります。そのうちの一つの大横川、丁度その位置からみれば都合のいいところなのであります。ところが検査院の御指摘はそこのところは、あの辺は潮の満干がひどいものでありますから、干潮のときになると水深が浅くて船が動かない、満潮のときになりまするとその辺の堀割を横切つてたくさん道路がありまするが、東京の町の真中でありますから、それらの鉄橋と、それから水面との間が狭くなるので、艀が通りにくい。そこらの点を考えてみると、干潮のときでもなく、満潮のときでもないという、その中間を利用してそこを通つて行かなければならないことになるので、甚だ利用率がまずくなつて来る。このようなところに塩の倉庫を新築したのは経済的見地から不適当と認めるという指摘でありまして、なお、その議論の裏付といたしまして、現に右の倉庫は十一月に完成したが、塩の倉庫としては利用されないで、翌年の七月にはこれをたばこの倉庫に改装する工事を開始した。それがために約二百万円ばかり無駄な費用を使つたことになる。こういう指摘なのであります。ところがこれに対する専売公社からの回答によりますると、ここのところは古くから塩倉庫として使つておられたのでありまするが、たまたま戦災で焼けたあとへ復旧するということでありまするが、新築をする以前に、事前に調査をしたところが、成るほど川は運河のことでありまするからどぶ泥であります。実地にその場所に行つてみましたが、荒れてはいる、併し真黒のどぶ泥がありますけれども、潮の満干が甚だしいものでありますから相当流れてもいる。それで荷役をするのに七十トンの艀でちつとも差支えないということを確めてやつたのだ。だからこれが使えるからここに倉庫を新築をした、それから川を多少浚渫しなければならない。併しそれは主として倉庫に接したところを中心として浚渫をするわけでありまするが、元来この浚渫は、丁度道路の修繕と同様で、東京都の責任に層することであります。従つて公社から東京都へ掛合つて見たところ、東京都は御覧の通り普通の自動車の通る道路でさへも、この通り荒れたままうつちやつていることであり、財政困難であり至急には実施できないということであつた。それで公社のほうでは百三十万円ばかりの予算を組んで自分の費用で浚渫をするという予定も立てておいたわけであるということであります。それから塩の倉庫が不必要か必要かということについては、その当時まではここが焼けておつたわけでありますから、その地方の営業倉庫に保管を依頼しているわけで金を払つているわけであります。従つてここへ建てればいいという、その必要があつたから工事を施行したので、心要がなかつたというわけではない。併し後にこれをたばこ倉庫に改めたということがあるが、これにはそのほかに、ここの位置が悪いということとは、違つてほかに理由があつてやつたことである。その理由の一つは今申上げました業平工場のたばこ製造品、これを従来は一旦管内の主張所まで送りまして、そこから更に小売店に配給するという方法をとつておつたけれども、それでは大変運賃その他において不利益になる。むしろ直接に工場から直すぐに小売に配給するという方法を先ず最初実験的にやつて見たそうですが、その実験の結果が非常によかつたので、全面的にこれを採用するということになつた。併しそれをするためには大量の製品でありますから、どうしても倉庫が入用になる。すぐ倉庫が欲しいということになつた。それには倉庫が工場と道路を隔ててすぐ前にあるものですから、これに白羽の矢が立つたわけです。なお、又この業平工場で製造の能力が、製造の予定量が二十六年、二十七年と、急激な増加をしているので、どうしてもここにたばこを貯蔵する倉庫が必要であるということで、是非ともたばこ倉庫を持ちたい。そこで利害得失の比較研究をやつて見た。ところがたばこを倉庫業者に寄託をして、その寄託料金を払つていること、又塩の倉庫を取上げてしまうということによる不利益、その代り又たばこの倉庫にすればどれだけの利益が生ずるか、それらを比較研究の上で、結局たばこ倉庫に改装したほうが有利だということを見極めた上で転用したのであつて、決して御指摘のような工合にここの位置がそんなに悪い場所とは思つておらない。勿論理想を言うならば、一〇〇%完全な場所というものでないことは、これはもうわかり切つております。なお、ほかに適当な場所がないということ、又本所深川方面は、ああいうような運河を利用して船で水上運送を盛んにやつておるということなどを考えてみたときに、船などが潮時に動く、俗に潮待ちと言つておりますが、潮の工合の悪いときにはじつとしておつて、潮の工合のいいときに初めて動き出すという、こういうことはあの辺としてはもう普通のことであるので、決してその位置が完全無欠とは申しませんが、批難されるような不適当な場所とは思つておらない。但しお詫びをしなければならない点は、倉庫の使い方を改めたものですから、それがために多少の費用を要した。今実地に行つてみてもわかりますが、例えば水上艇から荷物を引揚げるためにクレーンが四台備え付けてありまするが、それらが今のところでは利用されないでそのまま残つておる。たばこになりますると、トラック輸送、市内にの小売店へ配給するわけでありますから、トラック輸送、そんなことのために不経済を生じたことは誠に遺憾でありますというので、勿論その遺憾の意を表しているわけではありまするが、ただ不適当な場所に好んで新築をしたと言われては少し困るというような意味の回答が出ているのであります。
 それから次に千百六十三番でありまするが、これは検査院から不急な物品を買入れたという指摘でありまして、二つの件が並べて書いてあります。一つは錆止めの塗料を買入れた。一つは防火塗料を買入れたというのであります。検査院の指摘は、使用箇所から需要の要求もないのに多量に買入れたという点が一つ、それから具体的の使用計画もないのに多量に買入れたということが一つ。そうして結果としては、ろくに使いもしないで長い間これをぼんやりと保管をしておくという指摘がされているのであります。それに対して当局のほうでは、戦時中からかねがねこういうものを欲しいと思つておつた。トタンの屋根とか、そんなふうのところには年に一回とか、定期に錆止めの塗料は是非塗らなければ不経済でしようがないけれども、そういうものが手に入らなかつたので今まで待つていた。それが防火塗料についても道理は同じことだ。それで幸いにも、この際よい売物が出たということを聞いたものでありまするから、それで何も使用箇所からの要求を待たずして、本社のほうでこれは是非とも使つたほうがいいというので、本社独自の計画を立てたわけである。だからして使用箇所から需要の要求もなくということには当らないのだ。それから具体的使用計画がないと言われるけれども、これはもう全国に幾つかの塗らなければならない場所がある。そこに塗るために計画的に買入れた。但しお詫びをしなければならないことは、買入れから実施にこれを各地に送つて使わせるようになつたまでの間、相当半年余りも日がたつております。それなにぼんやりしておつたということ、これはもう誠に遺憾な点で、お詫びをしなければなりません。それは公社の機構改革、その他のために事務の処理が遅れた。この点はお詫び申上げるということであります。なお、その物それ自体がその後どうなつたかと言えば、逐次使用されておるということであります。
 その次に、千百六十四番から千百六十七番まで、職員の不正行為が四件上つております。内容はここに記されている通りであります。ちよつとついでに申上げますが、その中の初めから二番目の問題の、先般労働省にこれと同じような問題がありまして、監督者の処分が甚だ軽過ぎる。減俸とは言うけれども、一カ月分の十分の一乃至二十分の一くらいの減俸に過ぎない。それではちつとも痛痒を感じない。これでは制裁にならないという話がありました。こちらのほうは内容がほぼ同じような内容でありまするが、十カ月間、相当長い期間、十カ月間月給の十分の一を減俸するという相当重い制裁が科せられておりまするので、この前に問題になりました労働省のあれと比較するのに一つの参考資料かと存じますので、特に御紹介申上げておきます。
 それから千百六十八号以下は、事柄それ自体はすべて是正済みのことでありますが、内容を簡単に申上げますと、千百六十八号は、工業用の塩を売渡すに当りまして、塩化ナトーユゥムの含有量を測つて、それに従つて値をきめるわけでありますが、ところがこの当時の規則によりますれば、本当ならば確定分析の成績というものによつてその含有量を測定すべきはずであるのに、それ以外の方法で分析した含有量によつて価格を決定したものですから、少し安売りすぎたという結果になるのでありまするが、それについても、もう是正はされておるのであります。
 それからその次の千百六十九号、これは原料の塩、原塩を他の工場に委託加工をさせたのであります。そのときの契約条項に、これだけの原塩を使つて何ほどの精製塩ができる。それが万一足りなかつた場合には、どういうふうに処置をするということはきめるわけでありますけれども、そこから副製品を生じた場合、その副製品をどう取扱うかということについて何も定めがしていなかつたものでありまするから、精製塩の一定量を納めた以外に、できた副製品をば相当の価格でこれを買い上げたわけであります。それが不当だということで検査院から批難を受けましたので、その後においては副製品をも無料でこれを納付させるということに改めたいということであります。
 それから次に輸入塩の運送賃でありまするが、回送費として払つておりますものの積算の基礎を見ますると、船積みの場所及び陸揚げをする場所における船積み及び船降しの作業費はその費用の中に含んでおるわけであるのに、つい過つて到着地における船降しの作業の費用を払つておつた。言わば二重払になるということを検査院から注意されまして、直ちに是正をしたというのであります。
 その次千百七十一号、これは門司あたりから下松とか防府とか、あの辺まで運びますときに、機帆船で運ぶ運賃の協定はあつたのでありますが、ときとしては、はしけで運ばれることがあるのに、つい契約の中にははしけ運賃の定めがなかつた。それで事実はしけで運ばれたものまでも、契約面にそれが現われていないものですから、機帆船で運んだのと同じだけの運賃を払つておつた。それでは払い過ぎであり、契約の仕方が悪いということを注意されまして、直ちにこれを是正したということであります。それだけの事件なんでございます。
#4
○委員長(小林亦治君) では会計検査院からの御意見を願います。
#5
○説明員(大澤實君) 三百二十七ページから二十八ページに書いてありますことについては、特に附加えて申上げることもないかと思いますので、次に千百六十二号について多少申上げたいと思います。これは只今専門員のほうからお話がありました通りの事態でありまして、公社側としまして、先ず検査院でも常に言つているのでありますが、倉庫を借りるよりも、自分の倉庫を持つたほうがすべて有利だというので、自己倉庫を作りたい。この希望があつた。それを、たまたま前に塩倉庫としてあつた場所が戦災で空いている。そういう意味において、そこに塩倉庫が作られたわけでありまして、だから一般論としては別に問題とするところはないのでありますが、ただ戦前にあつた状況と、戦後今度新築しようとするときの状況とにおいて、立地条件において非常に違つておつたのではなかろうか、と申しますのは戦災その他によりまして、隅田川から入りますところのクリークの補修が、都のほうの都合等で遅れていたと思いますが、手が廻りかねていたと思いますが、このクリークのほうが非常に荒れてしまつて、戦前のように、はしけの動きのとれない状態になつた。一方、大体東京へ来る塩は先ほど専門員からもお話がありました通りに、輸入塩の着くもの、或いは内海航路で汽船で運んで来るものが入るのであります。これが艀取りで倉庫に入るわけでありますから、成るべく大きな艇がつける場所に作るほうが最も効率的であるわけであります。ところが戦後新築いたしました大横川のクリークは、現状におきましては百トン以上の艀は到底運航ができないような状況でありまして、七十トンの艀ならば干満の差を利用して運航ができるというような状況であります。而もこの七十トンの艀と言いますのは、東京湾のほうの艀の所有状況を調べて見ますと、全体の比率は非常に少ないものでありまして、大体において、艀は百トン以上が多いという状態であります。女舞の効率から見ましてどうせ作るならば百トン以上の艀が接岸できるようなところに作るべきではなかろうか、そういう点において、立地条件の選定が多少不適当ではなかつたろうか、こういう趣旨であります。これが若しも本当に立地条件が適当であつたとしまするならば、わざわざ一度作つた塩倉庫を改修されて、たばこ倉庫に作られるよりも、これは塩倉庫として利用されて、なお、業平たばこ工場に必要なたばこ倉庫は、まだ工場近辺に空地がありますから、そのほうに新築されても十分ではなかつたか。そうすれば塩倉庫のほうにおきまして、倉庫借料の節減になり両方でよかつたのではなかろうか。折角作つたものを我々最低見積つても二百万円ほどの出費、出費といいますか、改修費の全部ではありませんが、余分になつた金が、二百万円も余分に費やして改修するということになつたのは、結果論かも知れませんが、やはり立地条件が本当に適当ではなかつたのではなかろうか、こういうように考える次第であります。
 それから次の千百六十三号の防錆塗料と防火塗料でありますが、これは従来専売公社でこうしたいわば建物に塗るペインッ類でありますが、こうしたものは各地方々々の局で、必要に応じて修繕費で或いは請負人持ちとして、それぞれ塗装されている。本件に限つて中央で一括して購入された次第であります。而も購入する前に、本社としてわかつておりますことは、全体に木造のいわゆる防火塗料を塗装するとしたら、何坪ぐらいの建物があるか、或いは防錆塗料を塗る鉄板引きですね、そうしたものは何坪ぐらいあるかということがわかつているのでありまするが、それが地方において、最近において塗装したかしないかという資料までは、購入時においてわかつていなかつたのであります。それで結局大まかなところで購入して、購入された時もわかつているのでありますが、二月から三月であります。それから各地方の局へ、三月十日附だつたと思うのでありますが、本社のほうでこういつたものを多少保有しているから、必要な向きは言つて来るように、こうした通牒を出している次第でありまして、そうした事情から見ましても、我々としましては、購入のどきには具体的な使用計画もなかつたというように言わざるを得ない。又当時において、地方の局から需要の要求がなかつたことは事実であります。こういうように考える次第であります。まあいわば一つの予算が年度末になつて相当余りが出た。この際こうしたものを買つておけば使うだろうというようなところに、こうしたものの購入の何といいますか、経緯があつたのではなかろうかと考える次第であります。現に買つたものを、そういうわけで三月に必要な向きは渡すからという通牒を発しまして、各方面から逐次まとまつたものを集計いたしまして、九月から十月、約半年ほどたちましてから、各地方部局へ配給した。地方部局では、又それぞれ相当ストックされておつたような次第でありまして、十月現在では、使用されたのは両方とも一〇%又は一三%程度のものである、こういう状況でありまして、不急の物品の購入と言わざるを得ないのではなかろうかと考える次第であります。
 あとの不正行為及び是正された事項は、特に附加えることはありませんですが、ただ一言今専門員のお話、多少違つているのではなかろうかと思いますので、附言しておきますですが、千百六十九号、三百三十一ページから二ページにかけてでありますが、これは従来いわゆる副製品といいますか、残つた塩を普通の塩の収納、塩田で作つた塩と同じ収納価格で収納されている。だから検査院としましては、これは普通の塩田で作るより、副生的にできるから非常にコストが安い。だから特別価格を作るなりどうかして、収納さるべきではなかろうか、こういう意見に対して、公社のほうで研究しました結果、これは塩を残らないように、残つた塩から精製塩、食卓塩を加工させまして、今までは例えば簡単に言いますれば、塩百トン渡したら精製塩を九十トン納めればいいとなつておつたのを、できるだけ百トンからできたものを全部出すというように訂正されまして、その加工費はその分に対しては支払うということになつた次第であります。
 以上簡単でありますがこれで終ります。
#6
○委員長(小林亦治君) 当局の弁明を求めます。
#7
○説明員(内藤敏男君) 先ず千百六十二号の問題でございますが、これは先ほど専門員のお話もありましたし、検査院のほうからもお話のありましたようなことでありますが、前にありましたのは戦災で焼けまして、そのあとに塩の倉庫を建設したわけであります。そこで問題になりますのは、艀の運行の問題でありますが、これはお話の通り、できれば百トンの舵を使うほうが効率的でありますが、河川が荒れておりまして、七十トンの艇なら使えるということで、当時といたしましては、ほかに土地もなかつた、まあこの程度で、一〇〇パーセント使えないにしても、差当り塩倉庫として使えるのじやないかということで、建設に着手したわけであります。ところでそこのすぐ近接しております業平工場では、たばこが非常に売行がいいものでありまして、二十六年度には三十三億本の製造というのが、二十七年度には一躍これが五十八億本というふうに非常に大きくなりましたので、このたばこ工場のための倉庫としてこれを使つたほうが、塩として使うよりも効率的であるということで、これをたばこ工場のたばこの倉庫に変えたのであります。ここで若しそこを塩の倉庫に使いまして、たばこを全部外の営業倉庫に預けるといつたような計算をいたしますと、塩のぼうが営業倉庫に預ける場合には割安になりまして、総体的に見てたばこ倉庫に転用したほうが有利であるというふうに考えましたので、たばこ倉庫に転用したわけでございます。
 それからその次の不急の物品を購入したものという千百六十三号でございますが、これは本社といたしましては、各地方にどの程度の建物があり、どうなつているかということは大体見当がついているのでありまして、建物の維持保全上必要な錆止、それからもう一つは建築基準法というのができまして、防火地区或いは準防火地区の木造建築物にはだんだん耐火構造のものにしなければならんというふうなこともありまして、両方の関係でこれらを買つたのであります。お話のように具体的にどの局に配るということは、念のためにあとからもう一度調べたのでありますが、たまたまそのときに会社の機構改革がありまして、この関係をやつておりますところが非常に人の出入りがあつたりなんかいだしまして、その間の事務処理が遅れまして、発送なりに非常に日数を要しましたことは、これは非常に遺憾でありました。なお、この塗料は両方とも全部その後使いまして現在ではもう残りは全然ございません。
 それから不正行為につきましては、もう御指摘の通り、これは我々のほうの者が悪いのでありまして、これにつきましては公社でも二十七年度の機構改正のとき以来、内部監査というものを本社も地方も非常に強化いたしまして、こういうことのないように努力をいたしております。
 それから千百六十八号以下の是正させた事項というのはお話の通りでありまして、ここにも書いてございますように、すぐ直しまして、今後こういう問題の起きないように努力をいたしたいというふうに考えております。
#8
○委員長(小林亦治君) 御質疑のかたの御発言を願います。
#9
○八木幸吉君 千百六十三号のお話なんですが、この(1)も(2)も会計検査院がお調べになつたときは八七%乃至九〇%は使用されておらない。ところが今の内藤部長の御説明ですと、殆んどもう使つてしまつている……。
#10
○説明員(内藤敏男君) 現在ではもうありません。
#11
○八木幸吉君 こういうお話なんですが、そこで私の伺いたいのは、これは防火塗料であり、又錆止の塗料でありますから、これは毎年相当要るものだと思うのですが、このときお買いになつたのは、この塗料が一番有効であり、経済的であるという意味でお買いになつたと思うのですが、今なくても、当然あと又買わなければならんと思いますが、何かお買いになる御計画がおありになりますか。
#12
○説明員(内藤敏男君) これを本社でまとめて買つたわけでありますが、こちらでも丁度機構改正に伴いまして、この種のものは地方でやらせようということになりまして、検査院からもお話もありましたので、最近におきましては、予算の形で流しておりまして、地方局で扱つております。引続いてこういうふうなものを買つておる例もございます。
#13
○八木幸吉君 年に防火塗料全工場、又錆止塗料全工場、金額にしてどのくらいお使いになりますか。
#14
○説明員(小川潤一君) 大体キロ数にいたしまして塗料関係で五千キロくらい使いますから、普通のペンキですとキロ六、七千円なんですが、防火塗料や錆止はこの頃は下りましたけれども、まあ一割くらい高いようですから、その掛けた数字でございますが……。
#15
○八木幸吉君 こういう錆止や防火塗料の塗る、つまり期間の基準というものを本社からお示しになりますか。
#16
○説明員(小川潤一君) そこまでは指示いたしません。大体見まして、随分荒れているじやないかと、我々時々参りますものですから、それを見まして向うで適当にやつておりますが、それが五千キロ乃至六千キロ毎年使つておるようであります。
#17
○八木幸吉君 こういつたような塗料のみならず、例えば機械油だとか、機械掃除用のボロとか、いわゆる需要品と申しますか、それの現在量といつたようなものの報告を本社で毎月でもおとりになりますか。
#18
○説明員(小川潤一君) そういう消耗品的なものは毎月は報告を求めておりません。ただ上期と下期の決算の時に、棚卸の時にキャッチするだけでございます。
#19
○八木幸吉君 これは希望になりますが、専売の工場、前に品川の工場を皆さんにお伴して私拝見いたしました。工場の管理という方面では非常に能率的におやりになつておると思つて感心して帰つたのでありますが、民間の会社なんかでは、やはり非常に経費を節約するために、需要品等の現在有高を毎月やはり本社で報告をとつておる。専売のほうもかなり全国に工場をお持ちになつておりますから、どの工場では割合に生産高に比較して需要品の使い方が多い、どの品目が多いということを本社でチェックされるということが、原価をお出しになる上において必要じやないか、こういうふうに民間の経験からみてしますので、必要じやないかと、こう思いますので申したのです。おやりになつていないとすれば、おやりになるほうがいいじやないかと思いますので御参考に申上げたいと思います。
#20
○山田節男君 この千百六十四号から千百六十七号に挙げられております不正行為ですが、この専売公社はたばことか、塩、樟脳というような物品を扱うのですが、ここに四点だけ会計検査院の検査の結果として不正行為を列記されておるわけですが、これは大体本社のほうで年間、例えば昨年度、この二十六年度でもよろしゆうございますが、二十六年度の一年間において、本社で例えば検査した結果どのくらいあるか。各専売支局といいますか、専売局で摘発されたような不正事項、例えば製造たばこ、ここに挙げられている製造たばこ、或いは塩、これは一種の窃盗ですが、これが一体どのくらい件数があつて、金額にしてどのくらいあるか、二十六年を例にとつて本社の検査の結果、おわかりになればお聞かせ願いたい。
#21
○説明員(内藤敏男君) 二十六年度につきましては全部で十件ございます。損害金額は千百万円ということになつております。で、ここに出て参りましたのは金額の比較的大きなものが出ておるわけであります。あとの残りましたのは金額の比較的少いものがこのほかに六件あることになります。
#22
○山田節男君 これほど厖大な仕事、而も塩とか樟脳とかいうものが年間僅か十件しかないのですか。
#23
○説明員(内藤敏男君) お話のようにたばこ、塩等は現金を扱つておりますので、その取扱い手続等も非常に厳重にできておりまして、十件出たわけでありますが、これらのものはまあ丁度終戦後の混乱期の頽廃した社会事情を反影しまして、いろいろと事件が出て来たわけでございますが、まあ自分のほうから言うのはおかしゆうございますが、相当厳格にやつておりますので、非常に件数は少くなります。
#24
○山田節男君 それから次に外国塩、要するに輸入の塩ですが、例えば二十五年度、二十六年度、二十七年度の三カ年間、総括して御答弁願つていいのですが、この外国塩の輸入のルート、それから買付の国ですね。例えば二十六年度においての外国塩の輸入先、それからこれをどういうルートによつて輸入するか、この点を一つお伺いをいたしたいと思います。
#25
○説明員(三井武夫君) 外国塩の輸入の手続につきましては、只今いたしておりまするのは、すべて民間の商社に輸入を委託いたしまして、商社をして輸入させるという方法でやつております。これにつきましては、先ず一定の日に入札を取りまして、その入札の価格によりまして、そのうち適当と認める価格で入札したものに対しまして輸入の委託契約を結びまして、その契約を履行させておるわけでございます。委託契約通りに履行しませんような場合におきましては、それに対しまして違約金を徴収するなり、適当な処置をいたしまして、契約通りの輸入が確保できるようにいたしてございます。それから輸入の数量でございまするが、お尋ねの二十六年度におきましては百八十万一千トンでございます。それから二十七年度におきましては百四十五万トン、それから二十八年度は三月までを集計いたしまして、百三十八万二千トンという状況になつております。二十八年度の極く最近の状況で申しますると、そのうち一番多いのは中共地区の三十二万八千トン、それからその次がインドの二十九万七千トン、エジプトの十七万六千トンといつたようなところが数量的に非常に多いのでありまして、地域は近海塩から遠海塩まで世界各地に及んでおります。戦前は御承知のように近海塩地区の輸入塩が大部分だつたのでありまするが、最近におきましては非常に遠方の遠海塩に相当程度を依存しなければならないということであるのでありまするが、最近におきましては、只今申しまするように、中共塩の輸入が復活いたしまして、これに今後は相当期待できるのではないかというふうに考えております。そうなりますると、輸入先の地域別の内訳というものも、かなり変つて来るのではないかというふうに思います。
#26
○山田節男君 例えば二十六年度の百八十万一千トン、これの輸入価格は幾らになりますか。
#27
○説明員(三井武夫君) 極く最近の二十八年度の状況で申上げますると、只今申しましたように、百三十八万二千トンの輸入をいたしておりまするが、その平均単価はハドル五十四セントでございます。上半期下半期に分けますると、上半期のほうが少し安いわけでございまして、八ドル五十一セント、下半期がハドル五十六セントということになつておりまして、平均いたしまするとハドル五十四セントでございます。二十六年度、二十七年度の分につきましては、単価を計算したものを今持つて参つておりませんのでございますが、総額の金額で申しますると、二十六年度は円で申しますると百三十三億九千四百万円、それから二十七年度は七十八億六千七百万円ということでございます。二十六年度あたりは大体単価二十ドルを越えておつたと思うのでありまするが、二十八年度になりますると、非常に単価が下つて来ております。非常に安い外国塩が入つておる状況でございます。
#28
○山田節男君 さつきこれらの塩は輸入商社に競争入札でやらせると、こういうお話でしたが、例えば中共塩の輸入は、これは直接おやりになるか或いは又香港径由でおやりになるか、例えば中共塩のような場合に、これは直接日本の商社が携ることができないから、勢い英国系の商社とかその他がやる、それが又経済的なんじやないかと思うのですが、これは現在或いはこの二十六年度以降中共塩を入れるについては、そういうことについて特段の配意をされておるかどうか、どういうことになつておるかを。
#29
○説明員(三井武夫君) 中共塩の輸入につきましては、相手が御承知のような国でありまするので、公社といたしましても非常に配意をいたしております。現在やつておりまする商社の扱いの状況を見ますると、大部分は御承知の中共の進出口公司という貿易を主にやつておりまする国家機関がございます。これと直接の電報取引で、価格なりそれから数量なり或いは積出しの時期をとりきめまして、向うの配船の要請に従いましてこちうから配船をいたすというような状況でやつております。商社によりますると、一部香港にございまする外国商人を経由いたしまして契約をいたしておるものがございまするが、これも実際の品物は直接に塘沽から現在ではもう全部参つておりますので、価格においては違いはございません。私どもといたしましては進出口公司との直接取引に成るべくよるようにというので指導いたしております。
#30
○山田節男君 この二十六年以来、輸入塩の量並に額が漸減しておるわけですが、これは国内の製塩がそれだけカバーするから輸入が減つて来るのか、或いは一面において工業用曹達等が非常に発達しておるのじやないかと思うのです。そのバランスから考えて、年年漸減しているということは、国内の生産が逐次増加しているという意味なのか、どういうなのか、その点どうなんですか。
#31
○説明員(三井武夫君) 国内の塩の生産状況につきましてはいろいろと増産の対策をいたしておりますので、年々若干ながら増加をいたしております。二十八年度は四十七万トンの生産をいたしておるのでございまするが、併しこれは私どもの所期しておりまするような成績ではないのでありまして、二十八年度におきましも、御承知のような天候の不良、水害等の影響で相当の減産を余儀なくされた面がございまして、本来でございましたならば五十万トン程度の生産を確保されるはずでありましたのが、四十七万トンというような状況になつております。併しながらこれに対しましては、各種の増産の対策又災害防止の対策をいたしておりまするので、年々この生産量は増加するものと期待しております。二十九年度におきましては、少くとも五十万トンの生産は確保したいというふうに考えております。併しながらこの一般食料塩につきましても人口の増加以上に需要が殖えておりまするし、更に工業塩につきましては曹達工業その他の方面からの需要が、年々増加する一方でありまして、両方合せました塩の需用高と申しまするものは、本年二十八年度におきまして二百万トンでございましたが、二十九年度におきましては、両方合せまするち二百三十万トン以上の塩を必要とする。工業塩だけ申しましても百三十万トン以上の塩を必要とするというような状況であります。今御指摘がございましたように、外国塩の輸入状況が二十六年度に比べまして二十七年度が減りましたのは、外貨の事情等もあつたのでありますが、二十九年度の輸入量によりまして、公社のストックが相当に増加をいたしましたので、そのストックを供給のほうに充てた面もございまして、輸入の数量は減つたわけでございます。更に二十八年度におきましても御承知のような外貨事情でありまするので、公社の希望する通りの輸入がなかなか確保できなかつたのでありまして、当初は百五十七万トンの輸入を希望しておつたのでありますが、実績におきましては只今申しますような百三十八万トンというところにとどまつたわけでございまするが、二十九年度におきましては、只今申上げましたような需要の状況でございますので、公社といたしましては少くとも二百万トンの輸入をいたしたい。できれば現在六十万トン程度にストックが減つておるのでありまするが、このストックを十万トンくらいは殖やしたらどうか。できるならば十万トン程度の増加を含めまして、二百十万トンくらいの輸入をいたしたいという希望だつたのでありまするが、外貨におきましては結局二百万トンの輸入を認められることになりました。従つて来年度の輸入数量は二十八年度に比べますると相当増加するわけでございます。
#32
○山田節男君 これは塩脳部長でもそれから総裁でもよろしゆうございますが、専売公社の中で塩だけ、塩プロパーの取扱いといいますか、輸入から払下げ、売渡しまでの、年間、これだけの相当多額な塩を扱うのですが、専売公社として塩だけの経済と申しますか、輸入から売渡しまでの行為を専売公社が行なつて、そうして全体的に見て利益のパーセントが非常に低いのじやないか、かように思うのですが、専売公社で塩だけの経済を考えてみて、将来改善するにしても、それから将来もつと品質をよく、又価格を安くやるといつたような意図から、こは経営的にこの塩経済というものを今後どういうようにしたいという、若し具体的な御意見があれば、この際承わつておきたいと思います。
#33
○説明員(三井武夫君) 塩の会計におきましては、御承知のように、公社の内部におきましても、塩だけの独立採算制を建前といたしておりますので、公社といたしましては塩会計におきましては、収支とんとんを念願といたしておりまして、塩会計によりまして収益を求めるということはいたしておりません次第でございます。公社といたしましては、国内の生産塩につきましては、できるだけコストを引下げることを奨励いたしております。又増産によりましてのコストの切下げということもできるだけ指導をいたしております。又輸入塩につきましては、できるだけ輸入の価格を安く手に入れるということを努力いたしておりまして、その価格の範囲におきまして、できるだけ安い食料用塩又工業用塩を供給するごとに努力いたしております。従つて公社の収納価格或いは輸入価格が引下げられますれば、それによりましてできるだけ販売価格のほうも引下るように努力して参つておるわけでございます。ただ御承知のよのに、特に輸入の点につきましては、船価の状況、或いは外国の産地の価格というものが相当変動いたしますので、時期的に見ますと、輸入の塩につきましては収益を生ずることがございまするし、又赤字を出すこともあり得るわけでございます。そうした塩の会計だけの収益、赤字というものを、或る程度繰延べして経理することが許されまするならば、更に塩の会計の運営としては何といいますか、弾力性を持たせることができると考えておるのでありますが、現在といたしましては、そうした運営は許されておらないのであります。そうした運営が可能でありますれば、我々といたしましては更に便益を受けることが多いと考えておるのでございます。
#34
○山田節男君 総裁にお聞きしますが、国鉄公社それから専売公社法ができまして、爾後日本電々公社法も作つたんですが、最後にできた電々公社法を作る場合に、前の総裁の秋山氏に来て頂いて、公社の経営について我々は秋山総裁の体験上改革すべき点を率直に我々に教えてもらいたいというので、これは速記をとめて秘密会にして相当フランクな御意見を聞いたわけです。要するになぜ国鉄を公社にするかといえば、経営が自由なんです。自主的な経営、非常に経済的な経営ができるというので、国鉄公社、専売公社を作つたわけです。ところがそこに隘路がある。例えば今御指摘のように塩がどんどん下りつつある。運賃も今日は全くどん底をついて、海運業者は全く出血輸送をやつておる。これは日本国内ばかりでなく、国際的にそういう情勢です。例えばエジプトであるとか或いはアラビヤといつたところからの運賃にしましても、非常に安いわけであります。公社の経済として年間の特別会計予算で縛られて、塩についてはこれだけの購入費、これだけの外貨の割当しかない。併しやはり経営者の立場からいえば、大体塩なら塩の国際状況を見て行つて、価格が安いと思えばこれはやつぱり相当大胆に輸入しなくちやならんと思うのです。今塩脳部長が言われるように、予算の項目等に束縛されて、それに例えば非常に安く今買える、八ドル以下でも七ドル五十セントでも買えるという場合には、これはうんと買つて来る。貯蔵に堪えるのですから、そこらあたりの伸縮性を僕は公社として当然持たすべきだ。然るに今の塩脳部長の話を聞くと、そこに一つの隘路があるように聞くのですが、これは事実かどうなんですか。それから入間野総裁として、秋山総裁はこの点についてビジネス・ライタに非常に苦心しておられたが、今のお話を聞くと、専売公社は公社としてもつとコマーシャルな動き方をすべきじやないかと思います。現行法として総裁はこれはできないとおつしやるが、この点の所見を一つ伺つておきたい。
#35
○説明員(入間野武雄君) 只今お話のありましたように、公社といたしましてやはり一番難点は予算に縛られておるということであろうと思います。御承知のように、私どもの仕事は全部国会の議決を経た予算の範囲内で動いておりまして、更にその中におきましても、或いは給与予算であるとか、或いは補助金、交付金であるとか、或いは建設造林費であるとか、殆んど流用もきかないような費目が大部分でありまして、仕事をやります上におきましては、非常にやりにくい点は多々あると存じます。現に先般起りました業績賞与の問題につきましても、私どもとして或る程度出すといたしましても、これは一々大蔵大臣の認可を受けなきやならん。従つて労働組合との交渉におきましても、私どもの立場というものは誠に中途半端なものであります。結論的に、これだけ出すということは言いかねるような状態であります。結局これは予算で縛られ、而もその中で流用のきかない費目があるということに起因しておると考えております。が併しながら私どもの仕事、いわゆる公社、公共企業体という立場から考えまするならば、或る程度の束縛、或る程度の制肘を受けるのも又いたし方ないと考えておりますが、最近におきましては、大蔵省方面においても相当理解のある予算の組み方をしてくれておりまするし、又先ほど申上げました費目以外の予算につきましては、その流用も比較的自由になつております。殊に繰越しの制度が全面的に認められておりまして、この意味におきましては、一般会計などに比べますれば、仕事が非常にやりよくなつておると考えます。ただ只今御指摘のような、安いものがあつたらどんと買込んだらいいじやないかというようなことになりますると、これは今の予算制度の下においては甚だ遺憾ながらできないのでありまして、私どもといたしましても、できるならば、安いときに物を買込んでおいて、日本の工業なり或いは又日本の食糧生活なり、できるだけ不便を与えないで行きたいということは念願しております。予算で縛られておる関係上、この点は誠に遺憾だと存じております。が併しながら御承知の通り、専売事業も一般国民の支援と公社四万人従業員の努力とによりまして、年々発展して参りまして、専売事業殊にたばこ事業におきまする収益につきましては、本年度当初予算千四百三十億余円の納付益金を出すことになつておりましたのが、補正予算で七十億円を増加し、更にまだ締括つていませんでわかりませんが、締括つて決算をいたして見ましたならば、恐らく千五百三十億くらいの数字に上るかと考えております。この意味におきまして、公社として専売事業の目的の一半を達成しておるものであると考えまして誠に感謝いたしておるのであります。この上はただ品質のいいたばこを安く皆さんに吸つて頂きたいと思うのでありまして、値段を下げることは財政の関係で困難であるといたしましても、ここでよい品物を出したいということで、日夜苦慮し又研究もいたしておるようなわけであります。
 その次に、私どもの問題としてありますのが、労働問題であります。これは私ども以前はそういうことにぶつからなかつたせいか、特に考えさせられるのでありますが、公社をお引受けしまして以来は、労働運動も相当組織立つて参りました。その交渉もなかなか多く、殊に昨年六月総裁拝命以来今日までの間に、四回もに亘つて超過勤務の拒否などを受けているような状態であります。併しながら組合の諸君とも、決して私は対立している考えはない、諸君はかちとるとか何とか言うけれども、闘いとるとか言うけれども、私は闘つている気持はない。同じ鍋の飯を食つているのだ。お互いに腹を割つて話して行けばいいじやないか。こういう心持で組合の諸君と話しており、又地方に行きましても、組合の諸君に会つて、よくその地方の事情を聞いて参るように努めております。従いましてこの問題は相当いろいろの面で現われては参りますけれども、お互いに腹を割つて話合つて行けばいいじやないか、こういうふうに考えておりまして、そのように努力いたしているのであります。前総裁の秋山君は民間出身でありまして、相当の企業に対する抱負経綸もあつたことと思います。又着々いろいろの面において仕事をされたことも、私あとをお引受けして感謝いたしているのでありますが、結局専売公社のような大組織になりますと、私が二十年前に販売部長をしておりましたときよりもさして変つているような面もあまりないのじやないか。大きな組織はやはり大きな組織として動かさなければならないので、一人でああもしこうもしと考えましたことは、なかなか実現困難でありまして、やはり時と努力とが必要であると考えております。が併し先ほど来申しましたように、できるだけ骨を折りまして、この事業の発展にいささかなりとも御奉公いたしたいと考えております。
#36
○平林太一君 今入間野君から新総裁就任の、第一の総裁のお考えを伺つたような感じがいたしますので、この際今問題になつておりまする会計検査院の指摘いたしました批難事項或いは不当事項、こういうものに対して総裁としての同君の良心的な反省を求めることが第一であります、当然であります。そういうことは、ここに現われておりますものは、いわゆる会計検査院が指摘した一つの事例としてあるのであります。これだけで以て専売公社の経理上における批難事項、不当事項が、これによつて尽きているというのではないということたけを一つ御承知を願いたい。そういう考えでないというと、これはこの厖大な事業形態からいたしまして、予算規模、事業規模というものが、いずれにしても二千億以上に達するでありましよう。こういう大きな機構の中におけるのでありますから、よほどこれは御注意になりまして、国家の事業としての、殊にこれは国の税です。例えば酒のようなものがありますが、これは酒造税、このたばこの場合もこれはいわゆる。消費税なんです。実はそれを益金だとか利益だとか、こういうことにいたしてあるので、ややもいたしますというと、何か専売公社の孜々に営々たる事業の結果、かような国家収益を上げているのだ、そういうことは、一応常識上我々もそういうことを否定するものではありませんが、併したばこから得ております。例えば本年の二十九年度において千三百億九千二百万円、二十八年度におきましては、総裁のお話のように千四百億、そういうお話がありまして、予算の上で了承いたしておりますが、こういうものが、これにいわゆる酒造税で割り込んで、国家の強権によりまして、そして、こういう何と言いますか、これを民主的な、つまりその税の性格から考えますれば、随分これは乱暴なお話です。ヒース一個が十二、三円のものを四十円にして、更に四十五円で売ろうというのですから。そうするというと、四十五円のところで十二円と言いますと、仮に三十三円がこれが利益金だと、併し世の中に、四十五円のものを売つて、三十三円が利益金だということが許されるべきことではないですよ。当然本質は税なんです。酒造税と同じものだ。それで専売公社といういわゆる私から申しますれば、一つの鶴的存在だ、こういうことです。利益金でありますとか、或いは今度は専売益金というのを納付金だというようなことで、善良な民衆の気持を、何と言いますか、非常に相済まんような、我々政治に、国会の者としては、国民大衆、このたばこを費消する者に対しましては誠に申訳ないのですよ。これはなぜ税と言わないか。いわゆる国が直接やつておることですから、ピースに対しては三十三円、光に対しても同じですが、十二円の原価であつて、三十三円がたばこの消費税と、こう言いますれば、消費する国民というものは、俺は一個のピースを喫つて三十三円の税金を納めている。国に御奉公しているのだと、この気持はむしろ日本国民の伝統、不滅のうるわしいところなんです。実は我々はそういうところを現わしてもらいたい。ただ大衆というのはピースが四十五円、光が三十円、こういうことで喫つておるのでありますが、そういうところから、いわゆる費消する大衆の税、大衆のつまり税金なんです。それを私は入間野君としては一つお考えを願つて、公社の経営の経理というものに対して、いやしくもこの経理の紊乱とか、或いはその不当、或いは批難されるようなことのないように、これを極力心がけてもらわなければならない。今は労働運動の、労働問題に対するお話もありましたが、それもさることながら、それは欲張らずに……。併し、たばこを費消しておるものは、八千五、六百万人の、そのうちのいわゆる大多数のものが、たばこを費消しておるということを一つ専売公社の役員であられまする御歴々が、本日も御出席になつておりますが、それをお忘れになつては、私は困る。そういうことで、実はこういうことで、これは莫大なあれが予算に計上、現われておるのですが、こういうことに対して、いわゆる入間野君としては、総裁ですから、それは現状においては、その方法で妥当だと、こういうことをするということはお考えになるのは当然ですが、どうぞ一つ大蔵省のほうへ、我々も一応大蔵省のほうへ交渉いたしますが、この専売益金というようなことで、たばこの中のいわゆる定価ですね、光の三十円、ピースの四十五円、これをもう少し正直に表示する、価格の表示内容ですね。そういうものをお考えになることがおありになつたかどうか。これは第一経理上の大きな問題ですから、そういう性格的なことを一つ……、まあこれは専売公社であつて公共企業体ですから、当然今日のような事態に置くことは、そこが併しどうも私は国民に対して、消費者に対してごまかしているという感がある。良心のない政治というものはないはずです。それを非常に心配している。その点更に第一に伺いたい。
 次に申上げなければならないことは、国の税ですね、直接税にいたしましても、間接税にいたしましても、直接税の場合におきまして、いわゆる力のあるものが多く出して、力のないものは少く出すということが、極く常識的に申せば、いわゆる国の税制の本質なんです。たばこのような場合は、例えばこの間のように、まあ昨日も三回まで逮捕されたという俣野何がしとう飯野海運の社長なんですが、この人物もピースを一日に二十も三十も喫うわけには行かない。この人物も一日に二つしか喫わないわけだ。一つか二つしか喫わない。ところが田舎の農夫などはピースは喫いません。光とかそれ以下のものです。それも一つぐらいしか喫わないわけです。そうするとこれは入間野君、いや失礼しました、俣野健輔が出しているたばこの消費による国に対する税というものも、普通の田舎の営々として僅か一日に二百円か二百五十円の収益しか得ないものも、ピースを喫えば三十三円の国に対するいわゆる税を払うわけだ。こういうことに対して、総裁というものは、単にあそこへ行つて事務的に事務を見る総裁じやないのです。総裁というものは、そういうものも、これは現実に行われるか行われんかということは別個として、あなたがあそこの総裁をお引受けになつておやりになつているときにおいて、こういうものに対する忸怩たるお考えをお持ちになつたことがあるかどうか。従つてそういう考え方によりまして、この専売公社の性格、今後の方向というものも、一応きまつて行くわけなんです。先ず第一にいわゆる新総裁としてのあなたに対して、これは我々が大きな期待をしている際ですから、その点を一つ伺いたいと思います。
#37
○説明員(入間野武雄君) 只今御懇篤なるお叱りにあずかりまして、誠に感謝に堪えません。私どもといたしましては、常に会計検査院の検査を受けまして、御覧の通りかくのごとき指摘をして頂くようなわけでありまして、これも非常に私ども反省の材料として、常にかくのごときことのなかれかしと、心から祈つているものであります。殊に私は就任以来考えておりますことは、私どもの益金としてお預りしているものは、すべてこれは税、従つて私どもが能率を上げ経費を節約しておくことは、お国に御奉公するゆえんであると考えまして、経費の節約、能率の向上につきましては、常に配慮いたしているようなわけであります。
 現に昨年の暮でございましたか、仲裁裁定の給与引上げの問題のありましたとき、たしか参議院の大蔵委員会で、お前のほうは相当の利益を挙げている、さような予算上資金上出せんということは言えんじやないかというお言葉を頂いたように記憶しております。その際私は、私どものお預りしている益金の大部分というものは税金である、この税金を食つてまでベース、アップしなければならんということならば、これは一つの御意見かと思いますが、と申上げましたことを記憶しておりますが、私は常に自分のところで上げておりますこの益金なるものは、単に我々の努力のみによつて儲かつているものではなく、国の税をお預りしているという心持を持つて、日夜努力いたしているわけであります。
 なお、税金部分と経費部分との分離の問題についての御意見もありましたが、この点につきましては、先般来公共企業体合理化審議会がありまして、前後三回に亘つて専売公社の概況を御説明申上げたのでありまして、その際そういう問題もあるということを提起いたしまして、委員諸君の御判断を願うことにいたしております。
 なお又、俣野健輔氏のピースもお百姓のピースも同じであるという御意見御尤もでありまして、これは専売公社の問題もさることながら、ピースも国の税全般に関する問題でありまして、消費税のあります限りは、金持の飲む酒も金持の喫うたばこも、貧者の飲む酒も貧者の喫うたばこも同じ税率でありますので、間接税に重きをおくべきか、直接税に重きをおくべきか、これは大蔵省の税の問題として考慮しなければならんことかと思いますが、只今の御意見につきましても、主税局長にお知らせできましたら、お伝えしておきたいと思います。大変御注意を頂きまして恐縮に存じております。私ども御趣旨のように決してみだりに経費を使い、能率を低下することのないように常にその向上、その節約に努めまして、幾らかでも多くの利益を上げまして、これを国庫に納付したいと念願いたして、日々仕事をいたしておるようなわけであります。
#38
○平林太一君 只今総裁から前の御答弁とは異なつて、税を預つておるのである、こういうことの気持でやつておるのだ――勿論利益を上げることは公社全体の力によることは当然であるが、併し今は税ということを預つておるということを主としてお話になりましたので、私どもその点了承をいたすのであります。従いまして今お話がありましたように、これが貧者も富者も同じように負担しなければならないのであるから、それで国庫へ納付するというこの利益、これをこれ以上――千五百億円内外、今年は地方税のピースの値上げを通じましてたばこ消費税もできたようですけれども、税率はこのくらいで、これ以上やつてもらわなくてもいいというようなことを総裁に対して申上げますが、これは大蔵大臣小笠原君にも私からそういうことは別途注意をいたしますが、こういうものをまだこれ以上どんどん上げて売れて行くということは結構ですが、一つこれは値段を下げるということを第一に……。ピースのような高級品、奢侈品とみなすべきものに対する今年の処置などにつきましては、我々も一応これを諒とするものであります。併し光でありますとか、ゴールデン・バット或いは刻みたばこ――この問お聞きしますというと、葉たばこを作つております耕作者、これが当然たばこを買つているわけなんです。これらの刻みたばこ、それから巻たばこの場合もゴールデン・バットのような安いものを喫つておるような実情であります。誠に税制の上から思い半ばに過ぎる点がある。作つておる耕作者自体がそうであります。それですから、一般大衆というものが、そうした負担というものに対して、如何に最低生活をいたしておるかということがよくおわかりのことと思います。だからこういう利益金というものは、先ず下のほうの安いたばこを下げるということを第一に考えなければいかん。ただ利益をあげるということよりも……。
 それからその次には現状におきましては、安いたばこの、先刻総裁からもお話がありましたが、品質を上げる、これは極めて適切なことなんであります。ピースはいわゆる高級贅沢品で、それから光などはやや中級品であるということでしよう。地方の農家へ行きますというと、大衆の大半というものは、多くの人々というものは光を喫うこともときには警沢といたしております。ですからゴールデン・バットでありますとか、みのでありますとか、刻みたばこでありますとか、ああいうものを喫つている。殊に今日はピースを上げたのですから、それはいわゆる何と言いますか、専売公社の運営経理の厳粛性というものをこの際お考えを願わなくてはならん、そういう意味で、この値段を上げるということは本年はできない。併し品質の点におきましては、これをその事実の上においてただ品質を上げるということでは我々は了承はできない。ですからいわゆる最低たばこ、大衆に供するたばこに対しては、何%品質を上げるのだ、こういう言明を、経理上の問題、そういうことをこの際明らかにしてもらいたい。
 それで今申上げた通り、これだけの厖大な利益をあげておるのですから、先刻申上げましたような政治性格から行きまして、いい上級のピースのようなものの品質を上げることに汲々とする必要はない。ピースなどはこのくらいの限度でよろしい。それですから、その反対に安いたばこのほうで……。まあこれなんかも、アメリカあたりからピースに対しましては原料の葉たばこをお買いになつておるというのですが、更にゴールデン・バットでありますとか、そういうような下のほうの巻たばことか、それから刻み、そういうものをおやりになると、その予算上に対しましてどういう考えを持つておられますかということを一つ伺いたいと思います。
#39
○説明員(入間野武雄君) 只今お話のありました下級品の品質向上につきまする御意見は御尤であると存じます。私どもといたしましても、できるだけ下級品を上くして行きた(ということは常に念願しておりますし、現に戦前にバットを喫つた人が、あの中にいろいろのたばこが混つておるために、バットに対する郷愁を感じているというような話も、しばしば伺うのでございますが、御承知のように外貨予算で縛られておりまするために、戦前のように外国のたばこを購入することは困難でありまして、外地の葉たばこの配合によりまして、できるだけ下級品も味をよくしていき、上級品もその味を下げないようにしていきたいと考えております。たばこは御承知のような嗜好品でありまするので、少しいじくりますと、前から喫つていた人はどうもまずくなつたとおつしやることが往々にしてありますけれども、下級品につきましては、御説の通り何割とか何分とかいうことは申上げかねると思いますが、できるだけ配慮していきたいと考えております。
#40
○平林太一君 今日そのパーセンテージを減らすということは、これは御冊理のことと思いますが、併しよくするというのですから、喫えばおのずからそのことによつて、つまり品質をこれこれ上げるという一つの措置ができるわけです。これはいずれできることを、速かにこの際要請しておきます。それからそれができましたときには、数字的なあれを参考資料として委員長まで提出をして頂きたい。併しおやりなら急いでこれはやらなければ困る。やらなければ、我々のほうではこういう決算に関連する重大な問題を、これは単に決算委員会というものが、ここで批難されたことだけを算盤を弾いて、そうして算盤によつて不当を糾弾するということは当然ですが、併しそこから生ずるものは、何らか国家のために裨益するということを意図したものが、我々の委員会としての使命であるわけですから、その点は十分にお考え願いたい。
 それからその次に伺いたいと思いますことは、こういう際に、これを決して今日責めるわけじやございませんが、専売公社がこういうような利益を上げている中に、何かひとり超然として経理のいわゆる豪華、黄金を誇つておるという感が非常にするわけであります。そういう象徴でしよう。最近専売公社の建物を、四億五千万円という絢爛たる建物を虎の門にお建てになつた。これは建築いたしましたことに対しては心から祝意を表するわけなんです。祝意を表することにおいては、実は我々もそのことを喜びますが、併しこういうことを一つお考え願いたい。往年の会計検査院というものは、とにかく三権分立として、当時の、ときのまあ総理大臣なんかより見識があつたものなんです。人物もその頃は会計検査院長というものは優れておつたということは、これは明らかなことなんです。尤も制度というものは、総理大臣でも会計検査院長でも、会計検査院長が尊いのでなくて、又総理大臣というその職が尊いのではない。なる人物が、それが優秀であり立派であれば、それによつて権威というものができるというわけです。今日でも内閣総理大臣に吉田というような人物がいれば、内閣総理大臣という品位が、ずつと落ちてしまう。(笑声)これは明らかなんです。会計検査院というものも当時は湯浅倉平とか何とかいう者がおつたが、その頃の会計検査院と言えば、もう非常に何と言うか、厳然たる一つの地位を作つておつた。併しそれは今日においてもその制度だけは……。殊に今日のような汚職事件でありますとか、それからこういうような不正の事態がもうきびすを接して起きて来るときには、会計検査院の存在というものは、いわゆる内容、外観ともにこれは整えなくては困ることなんです。ですから会計検査院の建物というものは、一見してこれは会計検査院だということで、これを見たときに厳粛な気持に打たれるというような建物を、今日の国家の実情においては極めて焦眉の急としてこれは必要とするわけなんです。ところがどうだ、今日は文部省の六階か七階の薄暗い屋根裏におるのです、会計検査院は。これは総裁も一度おいでになつて参考に御覧になるがよい。今の事態も、たばこというものは今日では一つのたばこの公共企業体というか、たばこ業者としての一つの商人なんです。そのたばこの専売公社が虎ノ門に四億五千万という高価なものを建てたときに、それと相反して会計検査院がああいうようなところにいるということは、如何にもこれは日本の亡国の象徴を如実に現わした姿なんです。だからこの点については、私は今日建てたことを云々するわけではないが、ああいうものをこの際明らかにしておきたいというのは、四億五千万というような厖大な費用をおかけになつてお建てになつたということは、定めしそれだけの理由があることと思う。参考に伺つておきたいと思いますが、この間まで東拓ビルに、前の秋山君がおいでになつて、あそこでおやりになつたようですが、家賃はどれだけお出しになつたか、年間でもよろしい。それを、四億五千万という、つまり国家のいわゆる経理によつて、そうしてあそこへ今度お建てになつたこれこれの理由ということは、これは別に私は追及するのじやありませんが、後日のためにこれはやはり明確にしておかなくちや困る。つまりあれを借りておるよりも、例えば家賃より、今度四億五千万で建てたそのほうが安上りのために、そういう合理的な経理のためにおやりになつたということであれば、それでもよろしいわけです。併しあれだけのものを、虎ノ門へ地所と建物と――地所がどのくらいかかり、建物にはどのくらいおかけになつたか、この点詳しく一つ説明してもらいたい。
#41
○説明員(入間野武雄君) 専売公社の建物につきまして御注意がありましたけれども、誠に汗顔の至りに存じております。実は私も就任早々すでに計画のあるああいう立派な建物に入れて頂きまして恐縮に存じておるわけでありますが、まあたばこも商売でして、余り変な所におりますよりはいいのじやないかくらいに私は考えまして、前総裁の計画されたことそのままを引継いで今日に至つております。
 なお、会計検査院についてのお話がございましたが、私も会計検査院には就任後一両度参つてみました。文部省の上のほうにお入りになつておることは誠にお気の毒だと存じております。ただどういう事情か存じませんが、会計検査院自体の建物はすでにあつたのでありまして、私共が若い頃大蔵省に勤務しておりますときに、会計検査院の建物を只今の文部省の裏に建てまして、書庫その他も会計検査院に適するようにできていたはずであります。その後只今どこが入つておりますか……、会計検査院は追出されまして文部省のほうに行かれて、その建物はほかの役所が入つているようであります。或いは適当に彼此流用して、会計検査院も元のほうへお帰りになつたほうがよいのじやないかと、これは余計なことでありますが、私は考えておる次第であります。
 只今御指摘の前の家賃、地代その他のことにつきましては一々記憶しておりませんから係りの者から答弁いたさせます。
#42
○説明員(小川潤一君) 建物に関しましては、只今の東拓ビルは御承知のように大蔵省の建物でございまして、国税庁と一緒に入つておりました。最初のうちは企業体でありませんでしたので、無料で入つておりましたが、その後やはり一つの会計として家賃を払うべきじやないかというので、評価いたしまして何がしかの金を納めているのが、月々たしか四、五十万円の数字となつたと思いますが、今ここに正確な数字は持ち合せておりませんが、あとでお届けいたしたいと思つております。
 つきましては、非常に国税庁も膨脹いたしますし、私のほうもそんなわけで、たばこの売行きが伸び、仕事が煩雑になるので、もういつも部屋の争奪、境界線で揉めておりまして、大蔵省も見かねまして、もう公社になつたんだから独立したらどうだというようなお話もありましたので、私のほうも年間約当時三十億乃至四十億の建築費を使つておりましたので、そこで入札をいたしまして、残が一億ばかりありましたので、安く落ちた余りがありましたので、一つこれを元にやらして頂けませんかと申しましたら、それじやまあやつて見るかということで、まあ一挙にやるなよ、ぼつぼつやれ、金が都合できたらということで、あれは着手いたしまして、完成まで約四年くらいに亘つております。たまたま土地は印刷庁が持つておりまして、これをあかしておりましたので、これも大蔵省所管の親類同志だから一つそれを貸してくれないかということを申しまして、この国会の下に建てさして頂いたわけでございます。それで一時はそんなことで初め一億だけを認めてもらいましたので、到底基礎工事と鉄骨だけしかできないというような状態で、その後やり出したのですが、又民間の建築制限なんかがありましたので、これは自粛しなければならんというので、一年半ばかり休んでおりました。その後まあ大分余裕ができて、又あちこちでき始めましたので、どうせやり出したんだから、又予算も追加して下さいということで、又一億何千万か追加いたしてもらいまして、予算はたしか三回に分けまして、さつき平林先生のおつしやいました約四億五千万円の資金を投じまして去年の十二月完成さして頂いたわけでございます。
#43
○平林太一君 これはまあ総裁から、入間野君からの、これは商売だからこのくらいの所に入つてもいいのじやないかという軽い気持でお入りになつた。こういうことですが、これは反省がないということで私も甚だ遺憾です。そういうことは商売だからと言うが、ああいういい建物が建つたからといつて、たばこが余計売れるわけではない。国家財政がこの通りの窮状の際に、やはりできるだけそういうようなものは、耐乏生活なんという今日政府が言つている欺騰的なことは例に申上げません。申上げませんが、やはり何といいますか、経理の放漫放縦というものは常に心掛けておやりになつて頂かなければ困るわけです、この四億五千万というものはどこからも出るわけがない。いわゆる四十五円で三十三円も、暴力的に国民の税金をとり立てた中から出ているわけです。それが商売であつて、商店だからそういうものが必要だということは成立たないわけであります。非常な反省を私は求めざるを得ない。会計検査院のことについて、あなたからどこか前の建物があるからそれにお入りになればどうかということがありますが、これは一つの事例として申上げているわけです。例の問題です。我々決算委員として申上げたことは、四億五千万という厖大なる専売公社がある建物をお建てになつたということは、まさに経理の放縦、放漫、我が国の今日の国力と相考えるときに、放縦放漫であるということを、この際強く指摘いたすものであります。そういうことを一つ御承知願いたい。以て、何かいたしたことについては、私は同慶祝福の意を表するわけであります。従つてその経理上の措置に対しては、一つ、私のほうとしてはそれを強く非難しているということを御承知願いたいのであります。それに対してどう御答弁なさるのか。
#44
○説明員(入間野武雄君) 私の言葉が足りませんためにお叱りをこうむりましたようなわけであります。実は先ほど来申上げますように、私は総裁就任以来、経費の節約、能率の向上については、常に口を酸つぱくして申しているのであります。むしろあまり言い過ぎますので、多少煙たがられているような感もないのではないかと思います。私の信念はとにかくできるだけ無駄なものを省き、有用なものでも緩急よろしきを得て、心要なものから使つて行きたいということを念願として、経理をやつているつもりであります。只今建物の問題につきまして私の申上げましたことは、言葉が足りなので恐縮でございますが、実は私総裁に就任いたしましたときにあの建物はほぼでき上つておりました。入つてみましたならば、なかなか明るくていい建物でありますので、まあ商売だからこのぐらいのものも仕方がないのかなというぐらいに考えてお引受けして入つているようなわけであります。決して将来のああいう庁舎を建てて、又地方局などでも随分酷いところにおりますが、立派な庁舎を建てて入るようなことにつきましては、毛頭考えておりません。ただ工場につきましては、多数の人が気持よく愉快に仕事のできるようにいろいろの点に気を配つて建てて行きたい、こういうように考えております。
#45
○平林太一君 その点、建物の問題はそれでよく私釈然として了承いたします。只今のお話になりました工場その他に対する施設は、いわゆる能率の向上、経営の合理化というものから考えられる、それも私は同感であります。そこで申上げておきたいのでございますが、葉たばこを作ります耕作者、これに対しては買上げに対して何か一等、二等、三等――耕作者というものの実情を我々が仄聞するところによれば、非常な精魂を傾けて優秀な品を作ろうとして図つているということが承知されるのでありますが、これに対しましては、昨年も申上げておきましたが、かような利益を挙げておりますから、できるだけたばこ耕作者の優遇ということを一つお願いしたい。これは価格を引上げるということも第一に考えられることでありましようが、これは確かに伺つているのですが、極めて小さな例えば今総裁が工場の施設をよくしたいということだから申上げるわけですが、工場の施設をするということは、いわゆる専売公社の従事員を対象とした工場の施設というようなものを第一に考えられているようでありますが、葉たばこを納入するときに、各工場へ持つて行きまして検査をしてもらつて等級をつけてもらうわけであります。そのときは一定の時間で朝の何時から何時までというので、随分厳重にやつているように聞いております。その際に、雨の降つた日に、専売公社の役人は全部屋内において、そうしていちいち検査をやつたのは当然ですが、耕作者がたばこを収納するために収納所に行きましたところが、雨がざんざん降つている中に、雨宿りをさせるところの施設すらできていないのだ。雨中にずぶ濡れになつてたばこの検査を受ける。そうしてずぶ濡れになつて多数の人が順番を待つておつた。こういう事態なんです。これは総裁御存じであるかないかわからないが、私ラジオの現地放送で聞いてしんみりしたことがある。我が国の官僚というものは、如何にも時代というものに無頓着である。そうして伐れみずからのことと考えて、いわゆる庶民というものを昔と同じように考えているのだということに、非常に義憤を政治的に感じたわけなんですが、こういうようなことは、部長も来ておられるが、よほど考えなくちやいかん。事実らしい、そこで現地放送しているのですから……。それらの人がそのために朝から晩まで待たされて、それで昼飯を食べるのに雨宿りのところすら斡旋をしてくれないのだ。そうして軒下の雨だれの落ちるところで交互に行つて食べて来る、食べるときだけはずぶ濡れのところで食べるわけにいかないから……。そうしてあとはみな濡れたまま公社の囲りに立つていた、こういうわけなけであります。こういう点はどうするお考えであるか、一つの問題だけでなはい。工場の施設ということであるから、こういうことに十分関連しておりますが、どういうような現状であるか、葉たばこを収納するときの耕作者に対する取扱い、待遇というもの、これを一つ。そういうものには金をかけて、バラックでもいいですから、建てることは経理上大きな問題ではないと思う。従つてそういう取扱方の全面的な問題ですから、一つ伺いたいと思います。
   〔委員長退席、理事谷口弥三郎君着席〕
#46
○説明員(入間野武雄君) 只今たばこ耕作者に対する御同情のお言葉を頂きまして、私といたしましても誠に感謝に堪えません。私はつねづね申しておるのでありますが、専売事業は専売公社に御奉公しているものだけでできるものではない、たばこ耕作者、専売公社、更に小売業者、この三者が一体になつて初めて健全な発達ができるものであります。従つてその三つのうちのどれでもが困るようなことがあつたら、これを見逃すようなことがあつてはならないと常に話をしており、又そう念願いたしておるのであります。たばこの耕作につきましても、昨年度は御承知の通り、九州地方、近畿地方と風水害があり、又長い間の雨が禍いしまして、全国的に非常に不作であります。私どもの予定しておりました一億一千万キロが一億百七十万キロ、約一割近い減収を来たしておりまして、耕作者諸君にも誠にお気の毒であると存じております。つきまして公社といたしましても、損害賠償の制度のほかに、特別に加算金を考えまして、これを支出することにいたしまして、大体その加算金を加えまするならば、全国平均一反当りにつき四万四千円を見ておるのではないかと考えております。私どもといたしましても、耕作者のためにできるだけのことはいたしたいと念願しておるのであります。なお、又収納所の狭降の問題につきまして御指摘がありましたが、実は私全国の収納所を見るわけにも行きませんので、一、二、収納所を廻つて歩きましたが、相当仰せの通り狭隘であります。この点につきましては、耕作者諸君にも誠に気の毒であるとは存じておりますが、何せよ全国に相当数の収納所がありまして、中には借入れのものもあるようなわけであります。御承知の通り収納所は一年の間にその使用する期間が極めて少ないために、公社といたしましてもこれを建築することにつきましては、なかなか手の廻らない状態であります。甚しきは学校の雨天体操場などを借りて収納しておるような現状であります。かくの如き次第でありまして、収納関係の建物につきましては、未だ十分予算的に配慮できないことは誠に遺憾でありますが、公社の中でもそれらの点を考えまして、折たたみ式の収納所でも作つて持廻つたらどうかという意見もありました。その点につきまして篤と只今研究いたしております。
#47
○平林太一君 只今誠実な御答弁で私どものほうでもその点了承いたします。折たたみの何か建物というか、至極結構であります。テントでも宜しいのであります。そういうものをこちらでお造りになれば、そう大して費用はかからないのでありますから、そういうものを多数お作りになつて、いやしくも耕作者というものは、その年のたばこを収納所へ持つて行くその日、その行為というものは、一年中の孜々営営たる勤労の結晶を、その一日によつて等級がつけられる、又報いられるという日でありますから、できるだけそういうことは金銭的に僅かなことでありますから、それを感謝するような行為をなさることは、極めて私は適切だと思いますから、十分一つその点を考えて、そういうことは自然常識的なことから考えますと放置され安いものであるが、併しちよつと気がつきますと大変多くの耕作者の気持を非常に勇み立たせるので、従つてそれが耕作の上にも非常に影響して来るということでありますから、この際特に補足して申上げておきます。
 それから二十九年度におきましては千三百億九千二百万円、これはいわゆる予算として専売益金として今予定されております。それから二十八年度におきましては千五百四億五千五百万円、先刻のお話によりますと、これが約三十億円ぐらいは増収の見込みになつておるという総裁のお話でありましたが、若し間違つておりますれば三十億云々は御訂正願いたい。それから一千五百四億五千八百万円というものが二十八年度の予算であつたことは明らかであります。これで年度末を集計して三十億なり五十億出る、そうしてみると、結局税から言えば自然増収でありますが、従いまして専売益金としていわゆる自然の益金になるわけですが、これはどういうふうに御処置なさつて行かれるかということを、ちよつと伺つておきたいのであります。
#48
○説明員(入間野武雄君) 私どもの日々の売上げは日銀の代理店に入れまして、その入れましたときに全部国が使えるように国庫に入るわけであります。只今御指摘の千五百余億円ばかりのものは国庫に入りまして、一般会計のほうに行くわけであります。
#49
○平林太一君 併しそうすると、三十億円のいわゆる自然増収はやはり専売納付金の自然増収というようになる、こう承知してよろしゆうございますか。
#50
○説明員(入間野武雄君) 御説の通りであります。これは専売益金の増加として、一般会計に繰入れられるのであります。
#51
○平林太一君 その点よく了承いたしましたが、そこで本年地方税のたばこ消費税として、本年から発足するわけでありますが、最近ピースの直上げをいたしまして、四月一日から実施しておりますが、売行きの状況はどうでありますか、ちよつと伺つておきます。
#52
○説明員(入間野武雄君) まだ日が浅くて的確な数字は集めておりませんが、多少減少いたしておる傾向があるようであります。
#53
○平林太一君 二十九年度において、たばこ消費税というものを、およそどのくらい予想されますか。
#54
○説明員(入間野武雄君) 二百九十一億円くらいだと記憶いたしております。従いまして千三百億円と併せまして、千五百九十億円くらい、約手大百億円の益が出る、こういう計算になつておるのであります。
#55
○平林太一君 そういたしますと、二十九年度予算として千三百億九千二百万円こういうことになつておりますね。それに対して二十九年度において二百九十一億円がたばこ消費税として地方に処置される、こういうわけでございますね。よくわかりました。
#56
○八木幸吉君 千百六十九号に関連して伺いますが、日本食塩製造株式会社というものが出ておりますが、この会社はどういう会社でありますか。
#57
○説明員(三井武夫君) お尋ねの日本食塩製造株式会社は主として公社から委託いたしまして、御承知のように精製塩と申しまして、普通の塩よりは特に純良な塩を販売いたしておりますその精製塩と、食卓塩と申しまして、テーブルの上に置きまして料理用に便いますところの食卓塩と、主としてこの二つを委託して製造さしております。そういう特別の会社でございます。
#58
○八木幸吉君 これは日本にたつた一つしかない会社ですか、或いはたくさん競争会社がございますか。
#59
○説明員(三井武夫君) 精製塩と食卓塩につきましては、現在は食塩製造株式会社だけに製造を委託しております。
#60
○八木幸吉君 この会社はいつ頃できましたか。
#61
○説明員(三井武夫君) 確か昭和二十五年頃の設立だつたと思いますが、正確に取調べまして……。
#62
○八木幸吉君 この会社ができる前は、その同じような仕事はどこでやつておつたのでありますか。
#63
○説明員(三井武夫君) この前は御承知のように国内の塩が非常に乏しい時代でございましたので、そうした精製塩とか食卓塩というものを製造させるような余裕もなかつたのであります。又特にそういう、又そこまでの何と言いますか、需要の高度化というような状態もなかつたわけでございますので、そうしたものは日本では作つておりません。その会社ができましてそういうものを作りまして、そうして一般にも宣伝いたしまして、今日では相当広く使用されておるような状況でございます。
#64
○八木幸吉君 同じ仕事を専売公社それ自身でやられては何か弊害がございますか。
#65
○説明員(三井武夫君) 特に弊害と申しますものもないと思いますが、日本食塩製造株式会社がその仕事に適合いたしました施設を持つておりまするので、それを使いまして、この仕事を現在はさせております。食塩製造会社の持つております設備は、いわゆる塩の再製の設備の非常に精密な機械でございまして、それを利用いたしまして、今申しまするような精製塩や食卓塩といつたものを製造いたさせておるものでございます。
#66
○八木幸吉君 この日本食塩製造株式会社と同じ設備を専売公社でお作りになつておこしらえになるのと、生産費はどちらが安いとお考えになりますか。
#67
○説明員(三井武夫君) 今申上げまするように、食塩製造株式会社がそうした設備を持つておりまするので、現在では非常に安い委託加工費で以て製造させておりますが、公社自身がそうした設備を持ちまして製造した場合の計算は今のところいたしてございませんので、ちよつと比較できませんが、公社がやるといたしますると、新らしくその設備を作らなければなりませんので、或いはそのほうの費用を見ますと余ほど高いものになるんじやないかというふうに考えます。
#68
○八木幸吉君 この会社が新らしくできるときに、若し専売公社のほうで塩を分けないといえば会社は成り立たんと思うんですが、最初できた当時は、いずれ専売公社といろいろ話合の結果できたと思うんですが、この会社には専売公社の従来の職員等が役員等になつておるというふうなことは、いわゆる外事団体的な会社ではないかというふうにちよつと考えられるんですが、その辺の事情は如何ですか。
   〔理事谷口弥三郎君退席、委員長着席〕
#69
○説明員(三井武夫君) この食塩の製造会社の仕事につきましては、今申し罰するように、特殊な仕事をいたしておりますので、塩の相当専門的な知識も必要でありますので、公社の先輩が数名入つております。役員なり職員なりを勤めております。
#70
○八木幸吉君 今の御説明は現状としての御説明でありまして、この会社それ自身ができるときは、そういうふうな仕事なら専売公社で自分のほうで、もう専売の性質からいえば、私はこれは当然そうならなければならんのじやないかと思うんです。だから専売公社の退職役員か誰か知りませんけれども、とにかくそれらの方が民間で一つの別に会社を持つてそれを通り抜けて売るということは、専売公社の本来の性質からいえば、私は少し外れているんじやないかというような気がいたしているんですが、その辺は如何ですか。
#71
○説明員(三井武夫君) お説のように公社自身が工場を持ちましてそうした特殊の塩を製造するということも勿論可能でございまするし、当時検討いたされたことと承知いたしておりまするが、たまたまこの会社が多少の設備の改善をいたしまするならば、今申しましたような精製塩、食卓塩の製造に非常に適した設備を持つておりますという状況がございましたので、この会社を利用いたしまして、非常に低廉な加工費で以てこうした特殊の仕事をやらしたほうがいいじやないかということになりまして、この会社にこういう委託が始まつたように承知いたしております。この会社のやつておりまする仕事は、申すまでもなく公社から食塩を供給いたしまして、それに加工するだけの仕事でございますので、そうした極く簡単な仕事でありまするので、この会社がたまたまそういう設備を持つておりましたために、この会社を選んだという状況のように聞いております。
#72
○八木幸吉君 設備を持つている、持つているという御説明が非常にたくさんありますけれども、できたときは設備があつてできたんじやなくて、こしらえてから設備を作つたんだと思います。私はどうも今の説明は現状としては納得しますが、成立時代の、是非この会社を作らなければならなかつたという事情については、ちよつとまだ了解ができないところがあるんですが、それでこの会社を作るがいいか、直営で同じ仕事をやればいいかということは、二十五年当時相当検討されてあるべきが当然だと思うので、その当時の事情をお調べを頂いて、本決算委員会にその事情と、それからこの会社の役員、持株等の、いわば一言でいえば定款とか、この会社の全貌等がわかるような資料を委員長を通じて御提出願いたいと思います。
 それからもう一つ伺いたいんですが、千百七十号、七十一号の両方にかかつておりますが、日本塩回送株式会社という会社があるんですが、塩の運送には何か特殊な技術が必要なのか、例えばほかの一般運送会社ではいけないのか、なぜこういう会社があるのか、同種類の会社がまだほかにもあるのか、その辺のことを伺わして頂きたいと思います。
#73
○説明員(岡村峻君) この日本塩回送株式会社のほかに現在塩の輸送をやつております会社は一社ほどございます。で、御承知のように塩の回送は相当専門的な知識を要する大量貨物でございますので、久しい以前からこういう専門会社があつたわけでございます。それで二年ほど前までは塩回送株式会社一社だけが元請をいたしまして、そうしてそれぞれ必要に応じまして下請の機関を使いまして、全国的な回送をいたしておつたのでございますが、一昨年でございましたか、この点が若干問題になりまして、その当時一社独占ということを排しまして三社に分割いたしまして、現在では三社で塩回送の件事をやつておるわけでございます。
#74
○八木幸吉君 今何か二、三年前に問題があつたというお話であります。問題の全貌を今ここで詳しく伺う必要もありませんが、その当時のその辺の事情、会社の成り立ち等を一括した資料を一つ御提出願いたいと思います。
 それからこれは直接この決算には関係はございませんが、今平林委員の御発言に関連して一言だけ私は申上げておきますが、実は今平林委員から四億五千万円で日本専売公社の事務所が建つたということを伺つて実は驚いたわけでありますが、やはり私はたばこ専売公社、たばこの製造のほうからいえば独占事業でありますから、製造工業会社、会社と仕事の性質は見てもいいんじやないかと思います。そうしますとこの間私は丁度品川の工場を見せて頂く機会がありましたが、機械の改良等にも相当金を入れればコストを安くすることができるというような点も、現場の方からも伺いまして、金の使い途はたくさんあるんじやないかと思います。殊にまあ医療方面等の施設は相当おできになつておりますので、全国各地に工場をお持ちになつておる現状におきましては、四万人の従業員をお持ちになつて、住宅等でもまだ足らんのが相当あるんじやないかと思うのでありまして、事務所をお建てになる金があれば、やはり従業員の住宅等、或いは機械設備の改善等にお使いになることが製造事業としては当然じやないか、こう実は思うのでありまして、蛇足でありますけれども、或る民間の会社では、事務所は工場の中に置かなくちやいかんといつたようなことを定款できめておつた会社すらあるわけでありまして、官庁等の仕事は、例えば住宅一つ作るにつきましても、上級者から順々に作るのが私はこれ官庁のならわしのようにも拝見します。併し我々の考えから言えば、一番給料の少い、一番所得の少い人の家から建てて行くというのが、これは労務管理と申しますか、こういつたような製造工場の経営の面から言えば、最も必要なことじないかとこう思うので、私は住宅問題がどうなつているか知りませんけれども、若し今後多少とも資金の余裕があれば、工場設備の改善、下級従業員の住宅問題ということにお金をお使いになつて、事務所を作るのに何億をかけるということは経営の方針としては私は誤つているのではないか、公共の建物が非常に立派になるということについては、私は国民の一人として非常に不愉快な感を持つているわけですが、今日は総裁もお見えになつているので、たまたまそういう話も出ましたから御参考までに申上げるわけで、別に御答弁は要求いたしません。
#75
○説明員(入間野武雄君) 公社の建物につきましては誠に恐縮に存じております。先ほど来申上げましたように東拓ビルの中におりましたものですから、一方国税庁のほうも、又一方専売公社のほうも事業量が五割ぐらい殖えまして狭隘を感じましたので、ああいう御計画を立てたのだろうと考えております。従いましてああいうものができたので、私どもが直ぐ入れて頂いたわけでございます。
 なお、従業員の住宅等の問題についてはお説御尤もだと考えております、私もできるだけ多勢の人が喜ぶような施設に金を投じて行きたい、これは常々念願いたしておることでありまして、ときどきの会議におきましても、私のこの心持は局長なり部長なりに常に伝えております。社宅の問題につきましてもまだとても十分というわけに参つておりません。ほうぼう予算をもらい、又は予算の余裕のできましたところにあちこち手をつけておりますが、とても十分というまでには至つておりませんが、できるだけこれも充実したい、病院等と共に充実して一般の人の副利施設をして行きたいと念願いたしております。それで借地等の問題についても同様の問題がありますので、これもできるだけ困らんようにやつて行きたいと、こう念願いたしておりまして、私は工場が少しきれい過ぎるとか何とか言われましても、工場だけはよくしてみんなに働きいいように、気持よく仕事のできるようにして行きたいと、こう常々念願いたしておる次第であります。
#76
○八木幸吉君 もう一点だけ附加えますが、総裁が社宅のことを非常に今御心配になつているのは非常に私は結構だと思いますが、ただ今後お建てになるのはどうか一つ一番下級の人から建てるという方針に、逆に、今までの専売公社の方針はどうか知りませんが、とにかく下から建てて行く、所長は一番あとという頭で一つおやり下さることをお願いしておきます。
#77
○委員長(小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。
#78
○山田節男君 この際、総裁その他経営のかたが見えているから申上げるけれども、これは世界を歩いて見まして、たばこのいいところはやはり会社組織なんです。アメリカ、イギリス、ドイツ。それから専売局の直接やつている、直営専売でやつているたばこの営業の場合、例えばフランス、イタリア、それからオーストリアも非常に悪い。そういうところから見まして日本の現状を見ると、これは大蔵省の直営から公社になつたが、たばこの質並びに種類からいつて、例えばまあ富士・ピース、新生ですか、それからバット、これは戦前に比べれば種類も非常に少い。これはあえて私はとがめませんが、その質の問題ですが、これはやはり私は独占事業として一つの何と言いますか、官僚主義というか、それが品質を刻々改良して競争する、会社だつたらば競争するわけです。ところが独占という王座に眠つているが故に、その点は総裁が先ほど言われたが品質は必ずしもよくない。今日はアメリカ、イギリスの駐留軍も非常に多くいるし、外国人が日本に来れば、日本の煙草を喫むというくらいな、その趣味の合うようなものを作つてもらいたい。これは場合によつたら輸出のできるような品質まで行くのが、これは専売公社だと思う。それくらいの気魄を持つていなければいけない。そういう点において非常に、この点から言えば、なかなか考慮すべき余地が非常にあると思う。列えば今ポピュラーな評判のいいピース、外国人に何百万円か出して考案させて、そしてお蔭で非常によく売れた、この一端をもつてもわかると思うが、これは経営者としたならば、そういう意味で、葉巻にしても、台湾が領土であつた場合に、例えば摘み方であるとか、相当優秀なものができたが、今日一種類の葉巻ができているが、これは外国人の品に合わない。日本人の葉巻の常用者でも、喫む人は余りいない。こういう点を公社としたならば常に質の改善、少くとも国際的レベルに持つて行くということの努力をされなければならんと思う。こういう点で私は非常に欠けていると田うし、それから先ほど入間野総裁が言われるように、これはサービスである。サービスならば、例えばイギリスのような場合でも、やはり労働者が安易に買えるように、十本でなく三本とか五本とか、ばら売りでもできるような、ドイツにおいても、オランダの葉巻においても然りです。新生とかバットなども、これは二十本だということを聞いたが、これを例えば、三本とか五本売とかいうようにすれば、労働者あたりが非常に買い易いということ、こういう面も私は考えなければいけなて少しこれは見識の高いものをもつてやるべきではないかと思うが、これは意見のようになりますけれども、もう少しこれは専売公社は、煙草の製造、つて、徒らに金がかかるということで、これをやらないということは、これは専売公社としてのサービス機関としてこの点はどうかと思う。こういう点において、なお、まだ非常に専売公社としてやる以上は、国民のサービス機関であるという面も私は相当重視しないといけないと思う。併しこの点においては何ら、これは戦争直後に比べればよくなりましたけれども、併し国際的なレベルに比べれば、なおこの専売という特権の上に眠つているというような気がするのですが、この点についていろいろ御抱負もお持ちになつていると思うが、公社としては少くとも戦前のレベル、これも国際的なレベル、それから外国人が来れば、日本の煙草を喜んで喫うというくらいなものは、これは作らにやいけないと思う。富士のバアジニアは、私は世界中の煙草を喫んでおりますが、富士というのは余りよくない。非常に何というか、巻き方の固さというか、非常に不謹慎である。バアジニアとして必ずしも香りのない、バージニア煙草としてこれは評価すべきいい品質のものではない。外国人でも喫まないというような、ああいう賛沢なものを一面において作つておる。味の悪い、国際的にそう重要視しないものを作るということ自体に……。私は専売公社の経営としに、これは希望になりますけれども、討論の省略という意味において、これだけ私は皆さんに申上げておきます。
#79
○説明員(入間野武雄君) 只今御注意を頂きまして誠に恐縮に存ずる次第でございます。御承知の通り、日本のたぼこば、その薬がやはりアメリカあたりの葉に比べまして香喫類が少いというようなために、一部の煙草にはアメリカの葉を輸入して味を出しておるようなわけでありまして、これも外貨の関係がありますので、そう十分というわけには参りません。戦前ほど入れることができないような現状にあるのでございます。それともう一つは専売事業でありまするために、耕作者の生産する葉たばこは、特等から八等までこれを買入れて、これを全部使わなければならない。従いましてこれが配合につきましては、製造関係のものが常に苦慮しておるところでありまして、何とかして同じ葉でうまいたばこを作りたいということは、先ほど来申上げますように、皆一同の念願しておるところであります。それからもう一つは、たばこの藤の生産が多くなつて、これがストックが殖えて参りますれば、たばこの昧もよくなつて参ると思います。終戦後、御承知のような耕作事情でありましたがために、とれました葉は右から左に使わなければならない実情にありましたので、確かに皆様がたに味の悪いたばこをお喫い願つたことは残念に存じております。最近になりましていくらかこのストックも殖えて参りました。この実情で参りますな二ば、もう一両年あとには、相当のストックも持てるようになり、その面におきましていくらかいいたばこができるのじやないか。なお先ほど来申上げますように、下級品につきましては将来十分考慮いたしまして、下級品だからといつて放たらかすことがなく、下級品をうまく大勢の人に喫つて頂くように心掛けて行きたいと存じております。今お話がありましたように、日本のたばこの、これは公社におりますために、そう申上げますように聞えるかも知れませんが、フランス、イタリー、オーストリア、私はドイツよりもまだうまいと思つておりますが、英米並みに漸次なつて行くのではないか、こういうふうに考えておりまして、殊に高級の日本のたばこは、向うから来ておる人も、或る程度喫つてくれておるような実情であります。ただ、輸出その他の点は極めて不振でありまして、この点は誠に遺憾に思つております。私が二十年ばかり前に、専売局時代の販売部長をしておりますときに、インドにチェリーを出したことがありますが、少し出だして参りましたら、関税を引上げられてばつたりとまつた例がありまして、なかなかたばこの輸出ということはむずかしいもんだなと、そのときつくづく感じたことであります。殊に昨今におきましては、原料葉がそう十分じやありませんので、内地の需要の伸びて行くのに追われるようなありさまでありますので、遺憾ながら輸出まで手の伸びないことは誠に意気地ないことだと、自分ながらも反省させられておるような次第であります。
 なお最後に、私ども専売公社におりまするものは、公社事業、独占事業の陥り易い弊は、安易に流れることでなかろうかと考えております。四万従業員、常にこの点を相戒めまして、改むべきは改め、直すべきは直して、少しでもよいたばこを安く皆さんにすつて頂きたい。こう念願いたしておるような次第でございます。
#80
○委員長(小林亦治君) それでは経営上の配慮とか、或いは専売事業としての基礎観念の反省、いろいろいい質疑がございまして、当局からも誠意ある御答弁を頂いたのですが、専売公社への質疑は、只今八木委員がお求めになつた資料を、成るべく早く出して頂くことにしまして、一応この辺で終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(小林亦治君) 御異議ないと認めます。冨ないことだと、自分ながらも反省
  ―――――――――――――
#82
○委員長(小林亦治君) それでは、次に日本国有鉄道の部、一般事項及び千百七十二号から千百七十九号までを問題に供します。専門員をして説明いたさせます。
 その前にちよつとお断りしておきたいのですが、実は鉄道関係の部でありまして、只今御審議中の鉄道会館に関する諸案件が残つておるのであつて、これに入りますと、二十六年度の報告の分は非常に遅れちやつたので、あと廻しにして……、今まさに二十六年度ら輸出まで手の伸びないことは誠に意の分は全部終らんとしておる途端でございますので、その会館に関連する問題は、これは別個に二十六年度を全部了えた後に、或いは次回になりますか、極く近い機会でございます。そのときに御審議願うことにしまして、今日は、この一般報告の分について御審議願いたいと存じます。
#83
○専門員(森莊三郎君) 別紙にがり版刷りにいたしておきましたように、国鉄に関する検査報告の三百三十三頁から、三百三十七頁に亘りまして、検査院の一般的な所見が出ておりますが、先ず第一には、事業損益について、本年度の損失が二億六千万円とかということが記されてあります。
 その次に、財務諸表について検査院の見るところでは、その計算上の誤りがあつたというので、ここに九つの項目が挙げてございますが、そのうち八つの項目は、これは係の者の不調法でありまして、別段それ以上申上げることもないということでありますが、第六番目にあります「経理局、未払金の計上をもらしたもの」というのが四億円余り上つております。これは貸借対照表などを正確にしようと思えば、借入金の利息を、決算期にはまだ期限が来ておりませんが、そのときまでに、何ほどの利息がいわば負債となつてあるかということを計算に入れておくのが財務諸表の現わし方として正しい方法であるという原則論から、検査院が指摘されておるもののようであります。その点につきまして、国鉄のほうへ聞いてみましたところが、この主なものは、大蔵省の資金運用部から借入れてある、その金の利息でありますが、計算すればすぐに出て来る数字ではありまするけれども、一方大蔵省との関係もあるので、ちよつとこれを検査院の御指摘のような形に取扱うということは困難であるという話であります。勿論これは普通の株式会社でありますれば、税金の関係とかいろいろな点がありまするので、厳格にいたさなければならないと思いますが、国鉄の関係では税金との関係とかそういうこともございませんので、こういう問題があるのかと思います。
 その次に三百三十五ページに入りまして、「なお」何々として(1)(2)(3)と番号が打つて記されております。その(1)の問題は、鉄道の車輌を更新修繕をする、これは大修繕を行うわけでありまして、殆んどもう新らしい車輌ができ上るという程度にまで修繕を加えたものであります。その経費三十二億円ばかりであります。これを従来一投官庁会計のやり方と同じような工合に支出したものは、当年度の経費として全部一度に経費にして支出されておりまするが、併しこれは考えて見ると、それだけ財産が増加したと申しますか、そういう関係にあるので、数年間に亘つて繰延経理をやることが財産の評価、或いは経費の支弁等について正しい計算が出るという検査院の指摘であります。これに対して、当局のほうでは、これは毎年の予算の上に修繕の費用として上げている経費でもあり、而も毎年繰返して順送りになつているわけ、ありまするから、学理上から言えば検査院の御指摘は御尤であるが、実際問題として、かくのごとき学理的な取扱いをすべき必要はないものと思います。このような取扱いをしているということのようであります。
 次の(2)の問題は、これは今日、民間の多くの会社にもある問題でありますが、資産の再評価が行われていない。それを正確に早く再評価を行なつて、そうして適切なる減価償却をするようにしたほうがよいという検査院の指摘であります。当局の答えとしましては、いずれこれは早晩行わなければならないわけでありますが、今直ちに徹底的にこれを行なつたとしますれば、一例を申せば鉄道運賃の計算等にも関係急を及ぼすことでもありまするので、整容ない得ないが、追い追いにそちらの方向に向かつて行くつもりであるというお答えであります。
 次に(3)、これは日通の小荷物配達料及び手荷物の配達料等は、これを各駅の窓口で運送賃と共に伐々は支払つているわけでありますが、それを国鉄のほうでは全部の収入の中から幾ら日通の分を向うへ渡したかということを一一現わさないで、収支相殺して、残額だけを収入として現わしている。交通公社につきましても、鉄道の切符を販売しておりまするが、その手数料についても同じ扱いをしているが、検査院は収入は幾ら、支出は幾らというふうに、それぞれ全額を計上したほうがいい。これはいわゆる総額主義というものに適するゆえん、ないという指摘であります。これに対して当局の答えは、民の会社ならもうすぐさまそれが。きるわけでありまするが、予算というもので縛られている関係がありまするので、小荷物の配達料などが幾ら入つて来るか、それらの点を、予算の組直しから始めなければならないわけでありまするから、急には全面的に直して行くということもできませんが、併し一部分、ずつはそちらの方向に向つている、こういう答えであります。
 それからその次に三百三十六ページに「契約その他について」としまして、(1)、(2)、(8)、それから続けてなおその他に一、二の事項を挙げまして、工事を施行すると、物品を購入するとかいうような場合の契約が、原則として公開入札によつて行うこととなつているが、その実情を見ると、いろいろと面白くないところがあると言つて、指摘されているのであります。これらの点に関して、国鉄の答えは、将来十分注意をするということであります。
 なおこれらの実例は、それじやどんなものであるかと申しますれば、すぐ次に不当事項として指摘されておりまする千百七十二号以下に、その殆んど全部と申してよろしいかと思いますが、いろいろな実例が上つておりまするので、それらを御審議頂きますれば、おのずからこの三百三十六ページに記されておりますることの模様もわかろうかと存じます。勿論ものによりましては、特に不当事項として指摘されている中には出て来ないものもあるにはあるのでございます。
 それで不当事項の千百七十二号でありまするが、これは国鉄の静岡で起つたことで手は、日通の静岡支店でありますが、この別紙に一覧表のような形にしておきました通り、二十六年の三月分から七月分までの延滞償金をとらなければならないものがある。それを同年の六月から十月までの間に、徴収決定はした。つまりこれだけのものを払込むようにという通知を出したことと思いまするが、翌年の二十七年九月になつての検査院の調べでは、未収でまだ受取つてなかつた。ところがそれだけでもすでに事務が遅いという批難が起るわけでありまするが、これに反して国鉄のほうからは相手側に二百万円余りの荷役費を払うべきものが、ありましたのを、その払うべきものは払つている。そうして受取るものはちつとも受取つておらない。これなんかは相殺することができるはずであるが、こういう扱いがよろしくないという指摘であります。で、国鉄のほうからもこれは事務が遅れて申訳けないという弁明があり、なお、その後二十八年の一月までには収納が済みましたという報告であります。
 次に千百七十三号は、北海道の釧路の管理局及び函館方面、青函管理局並びにその管内の各地で起つたことでありまするが、工事をやりましたところ、いろいろ事実に合致しない経理をしておつて、めちやくちやなことをしておる。ここに一々指摘されてありまするが、事柄全体としてよくないことは勿論でありまするが、その件数の多いことは(1)のところは何々外十九工事、(2)は何々外十七工事、は(3)何々外十一工事、というような工合に件数の多いことも特に注意しなければならないことと思いまするが、これにつきましては、昨年の八月当委員会から実施調査に委員のかたがおもむかれまして、その報告書十一日二日付の決算委員会の会議録に詳細記されてあります。勿論この事件はその律すべて適当に処理はされているわけ。ございます。
 それから次に十百七十四号ユでありまするが、これは岡山管理局管内の津山で起つたことであります。鉄橋の改良工事の監督のために事務所を設けなければならないのでありまするが、それがために新らしい建築をしたところが、実はその現場附近に製材工場がありまして、当時遊休設備となつておつた。それをその有姿のままで、すぐさま、そのまま利用し得るのに、これを利用しないで、新らしい施設を設けたということは甚だ不適当であるという非難であります。当局の答えは、遊休施設と言われるこの製材工場を廃止をするという決定は二月に本庁においてされておりまして、その廃止を実施したのが四月であつて、残務整理などのために五月までかかつた、他方この新らしい工事は二月に着手しなければならないので、それまでに新施設を設ける必要があつたので、時期的に多少の無理があつたので、まあかようなことが生じたのでありまするが、併しよく考えて見れば、国鉄内部においてもう少し熱意を以て積極的にことをやり、部内の連絡がよければこんなことにはならなかつたかもしれないのに、部内の連絡不十分のため積極的に既存施設を利用することができなかつたことは、誠に申訳けのないことで、将来は連絡をよくするように努めるということであります。
 次は千百七十五号契約に当り処置当を得ないというのであります。これは東京のすぐそこにあります大井の工場で起つたことでありまするが、この職場の中に床が鋪装されております。木煉瓦で以て鋪装をされておりまするが、それを取替えるための請負工事であります。木煉瓦は単価三十円ということになつておりまするが、検査院の見るところによりますれば、三十円という単価の木煉瓦であれば、木煉瓦一石についてクレオソート四十キロ以上を注入したものに相当する価格であるのに、その示方書には注入量を正確に書かないで、ただ「クレオソートを注入した松」とだけ指定して、注入量を明記していなかつたので、請負業者は「注入した松」とは言えないようなもので一石につき僅か十四キロを浸透、浸透と注入という言葉が使いわけてありまするが、この浸透させた、ただしみ込ませただけのものを使用している。これは契約に当つて必要な事項を示方書に明記しておらないということと、それから検収上注意を欠いておる。この点において不当であるという指摘であります。当局の答えは、二つの点に分けたほうがわかりいいかと思いまするが、先ず第一、その価格の点につきましては、当時東京都内の製造業者を調査をしてみたところが、木煉瓦の価いが三十円乃至三十五円ということであつたので、その中の一番安いほうの価格を採用して見積り価格を建てたのである。従つてその見積価格は妥当であつたと考える。但し示方書にどの程度のクレオソートを注入すべきかという注入の程度が明記していなかつたことは、これは、失敗であつた、誠に遺憾なことでありますと。次に品質の点でありまするがこの作業現場の舗装された床は腐敗によつてこれがいたむということもないとは申されませんでしようけれども、むしろそれよりも目方の重い品物がこれにぶつかる。ぶつかるがために破損をするということのために、これが痛む、従つてそういうような場所を舗装するためには、加圧注入、特に圧力を加えてクレオソートを注入して行くというような高圧注入の必要はない、平釜注入と言われておりまするが、高圧力を加えないでただクレオソートが相当しみ込んでおりさえすればよい、平釜注入という方法でも耐用年数の上から言うと支障がないわけであるから、それを使用したのだ。従つて検収上の手落ちはないと考える。こういうお考えであります。多少見解が衝突しているのでありまするが、先ず第一のほうの示方書に注入程度を明記しなかつたことは遺憾であるということは、もう双方の明らかに認めます見解の一致でありまするが、一方検収に注意を欠いたという批難に対して、検収の上では注意を欠いたものとは考えないという、そこに意見の相違が若干見えているわけであります。
 その次に千百七十六号から七十八号まで三つを合せまして、工事の検収当を得ないものというのでありまするが、そのうちの先ず最初の千百七十六号を見ますると、これは北海道の旭川局管内で石北トンネルの中に装荷線輪というものを十九カ所取付けてあるのですが、近年になつてその能率が甚だ悪いので、故障がときどき起るので、それを取替える、整備するという請負工事でありまするが、検査院の御指摘は、契約書及び附属調書から総合判断すると、この工事の検収が甚だよろしくない。なお、入札のときに契約内容を口頭で訂正したという点、それはこの契約書及びその附属書類など相当多数に亘るものでありまするが、どうした間違いを起しましたか一いろいろと不揃いなものであつて、あとに当局のほうからも言つておられまするように杜撰を極めている。当局自身がもうそのことを明らかに認めておられるわけでありまするが、そういうふうのものである。まあ手取早い言葉で、俗語で申せば、何が何だかわからないような書類ができている。従つて入札をしますときに、その係官がそのことに気付いたとみえまして、ここはこういうふうにするのだぞということを、口頭で説明をしたと言われているのであります。併し口頭で内容を訂正するなんということ、それ自体が面白くない。なお又本当にそれをやつたならば、そのことをあとで書類の上に明確にしておかなければらないのに、それを証明する書類もないということがよろしくない。なおその予定価格の見積りを当局で立てたわけでありまするが、どうも少し高過ぎるように思われるという点が指摘されているのであります。これに対する当局の答えとしましては、工事の関係書類が杜撰を極めていたことは誠に遺憾なことである。それから第二に設計変更というような、成規の手続きによればとにかくも、そうでなくして、入札前に口頭で補足説明によりまして、工事の内容を訂正したということ、及び工事の竣工に当つて、口頭で説明をしたというそれを基本にして検収をしたということなども、これ又誠に悪いことである。価格の点につきましては弁解をさして頂きまするならば、これは論負に出したわけでありまして、入札をされたわけでありまするが、入札の中の最低の入札者に落札したものでありまするから、工事全体としての価格……、それの一番安いものに落したわけでありますということを御了承を願いたい。併しながらよく考えてみれば予定価格の見積が幾分か高かつたということも、これは認めざるを得ないということでありまして、全面的に当局のほうでは遺憾の意を表しておられるのであります。これにつきましても、さつき申しました当委員会からの実地調査の報告が、昨年の十一月二日の委員会の会議録に随分詳しく載つておりまするので、御参照頂きたいと思います。とにかくもう全面的に当局のほうでは遺憾の意を表しておられるのであります。
 次の千百七十七号、これは内容は極く簡単でありまして、道路工事でコンクリートなり、割栗石などが不足をしている、こんな検収は、不足をしているそのまま検収済みになつているがよろしくないというので、当局においても検査院の御指摘の通りという答えであります。
 次に千百七十八号は、コンクリートの厚さが不足しておるという指摘に対しては、全く検査院の御指摘の通りであるという回答であります。
 次に千百七十九号でありまするが、工事請負人の負担すべき経費を国鉄が負担をしておるのは、これは適当でないという指摘であります。これは恐らく法律的に考えるべき問題かと思いまするが、検査院の指摘を申しますると、地下道を増設する工事であつて、地面を掘下げておるわけであります。その時に士が崩れないようにそれを支えるところの鋼鉄で造つた鋼矢板というものでありまするが、この鋼矢板というものは仮設物という定義に入るわけであります。請負人の工事仮設物であるところの鋼矢板が、工事中に土の圧力で以て倒れてしまつた。従つてそこを掘返したりなんかするような復旧をしなければなりませんが、復旧のための費用を、これは国鉄の負担として、国鉄のほうで負担をしてしまつたわけであります。併し検査院の意見としましては、工事施行に伴う仮設物の設計及び保守は、民法の原則によれば、請負人の責任であり、本件鋼矢板の倒壊は、当局の答えでは、あとで申しますが、稀有の天災事変に基因すると言われるけれども、決してそれでもない。そうしてみれば、その復旧費は請負人が負担すべきものであつて、国鉄が負担するのは不当であるという、こういう指摘であります。これに対する国鉄側の答弁は鋼矢板を用いて仮の土留をやつた。銀矢板仮土留工は、一般工事通念にいう工事の飯場とか、セメント倉庫、機械動力小屋などのような仮設物、これなんかは全く場所から離れて別に作られる小屋でありますが、仮設物とはいいながらも、そういう仮設物ではなくて、工事の本体と不可分の関係にあるものであるということが一つ、それから入札の公告及び工事示方書に基いて、請負人からこの仮土留工の設計図、応力計算書、施工計画、施工法などについての詳細な書類の提出を求めまして、別に国鉄側で作つたところの計算書と照し合せた上で、これを適当と認めて承認を、この通り施行してよいという承認を与えたわけでありますから、請負人はこれに基いて国鉄側から指示通りに施行したのであるといつておられます。併し鋼矢板は夜半予想外の過大な土圧のために倒壊したもので、不測の事故と認め、請負人に対してその修補を請求することは適当でないと考えて、国鉄の負担としたのであるという答弁であります。併しなお附加えまして、併しながらこの種の工事の危険の負担、注文主が負担するか、請負人が負担するかという点については疑義が生じやすいものでありまするから、検査院指摘の趣旨に副いまして、今後は特約条項で明らかにするよう努力するという今後の方針は、ここに示されているのであります。それでこの点について問題となりまするのは仮設物という以上はどんなものでもことごとく仮設物として取扱うべきか、或いは国鉄側の答弁書にありまするように、名前は仮設物とは言つても、工事するものと一体をなすようなものは別に考えなければならないかということ、それから二番目に国鉄側で請負人にこれだけの指示を与えて仕事をやらせたのだ、若しそうだとするならば、注文主の責任になるわけでありまするが、果して指示とはどういうことを言うのかというこの法律問題が残ると思います。三番目に不測の事故というふうに国鉄で言われておりまするが、果してこのような出来事を不測の事故と言うべきことかどうかという、この三点が問題となつているようなわけでございます。
#84
○委員長(小林亦治君) 検査院の御説明を願います。
#85
○説明員(大澤實君) 三百三十四頁の財務諸表のうち只今専門員からお話がありました四億七千万円の借入金利子の点でありますが、これは会計検査院といたしましては、二十六年度に負担すべき未払利子であるから、当然二十六年度の財務諸表に未払金としてこれを計上すべきである、こういう意見であります。恐らくこれが困難であるというのは予算の関係ではなかろうかと思つております。債務とか利子支払の諸費が予算で縛られておりまして、これはこの財務諸表の表面には出て来ておりませんですが、二十五年度のいわゆる既経過の分は、これは二十六年度に支払いまして、そのときに決算されて損金になつておりますので、まあ予算をそれだけ食つてしまつているので、これは既経過の未払利子を経常予算から出すことが困難であつたのだろうと思つております。併しながら財務諸表を正確に表示するためには、或る一年にいわゆる骨格予算と言いますか、予算上既経過の分を含めて予算に計上されれば、その後は順調に既経過の分は未払金として計上されるのでありますが、財務諸表の正確性の上からいつて、できるだけ早く既経過の分を計上される必要があるのではなかろうか。こういう財務諸表を見ました場合には、既経過の分はやはり二十六年度の損金として見るべきではなかろうか、こう考える次第であります。
 なお、なお書の(1)でありますが、これは更新修繕と言いますが、書いてありますように、普通の修繕と違つた修繕でありまして、会計検査院といたしましても一つの車輌が定期に修繕される経費、つまり甲修繕、乙修繕というような名前を使つておりますのですが、一年に一回か或いは一年半に一回とかいうように修繕する分は、これは反復される修繕であるから、これを損金で普通の経費で落すことは差支えないのではなかろうか。併しながら更新修繕と言いますわけは、いわゆる旧式化するということでありまして、特殊の改良工事でありますので、これはやはり一応資産に計上して漸次償却して行くことがいいのではなかろうか。ただこれに対しましては国鉄側も言つておられますように、これは更新修繕が年々繰返し行われるから、先ほど申しました定期修繕と同じような恰好になるというようなことは確かにありますのですが、これは、更新修繕はいつまでも永久に更新修繕を行うのではなくして、やはり旧式な車がなくなれば更新修繕というものがなくなるわけであります。その時期は相当あとになりましようが、そういういわば臨時的というのは、極端かも知れませんですが、経常的なものではないという意味におきまして、やはり経理することがいいのではなかろうかというように考えております。
 (2)の再評価の問題でありますが、これはいろいろな事情もありましようが、少くとも財務諸表を現わすという場合にはいつかは再評価をしなければならないのではなかろうか。現に電々公社のほうはたしか二十九年度には再評価がされると聞いておりますが、国鉄も速かに再評価されて、正当な減価償却費を計上されるということが、経理状況を明確にする上において必要ではなかろうかと考える次第であります。
 (3)の点は書いてありますように、手数料をいわゆる割引くという方法をとつておるのでありますが、運賃收入が全体幾らあるかということを見ます場合には、やはりその総額を先ず運賃收入に挙げて、そうして払うべき手数料は経費として落す、この方法をとらなければ、資産の損益状況が明らかにならないのではなかろうか、これも速かに改正されることを希望する次第なのであります。
 次に三百三十六頁に「契約その他について」と書いてあります。このうちの(1)でありますが、これは予定価格の積算の問題でありますが、特に強く感じまするのは、電気工事に多いような感じに打たれるのでありますが、例えば材料を請負人持ちで契約をするというような場合に、国鉄自身資材局で調弁された値段と、負請人持ちで計上された材料費との間に、相当の開きがある。これなどは急拠施行しなければならないから割高になるというようないろいろな理由はありましようが、そのためにどれくらい高くなつているかというような精密な材料費の計算というものはおろそかになつておるのではなかろうか。又諸経費、これは大体一つの直接費を算出いたしまして、それの何%ということでやつておるのでありますが、特にこれも電気工事のほうで感ずるのでありますが、電気工事の場合には、国鉄側から支給するところの機械類が相当な金額を占めておるのであります。その支給する機械類に対して五%とか何%とかいうようなものを支給材料取扱の諸経費として計上されておる。これが実情を考えてみると、非常に過当なパーセンテージに弾くために、過当なものになるのではなかろうかという感じがするのがまま見受けられるのであります。勿論これは最後は競争契約に付しておりますから、形式上から見れば或いは予定価格は多少上廻つたかも知れないけれども、競争契約でその点はカバーされておる。こういう結論が或いは出るかも知れませんが、まあ鉄道の請負人はおおむね鉄道の予定価格の作り方も相当承知されておるかたが入つております。こうした予定価格をはつきりしなければ、入札の効果は挙らないのではなかろうかという感じがするのであります。
 (2)に書いてあります仕様書、図面の明確度が不十分ということは、この検査報告の例にも相当出ておるものでありまして、只今専門員から御説明のありましたうちの千百七十五、七十六、七十九などがその例だと思うのでありますが、どうも現場説明でそれを補つたとかというようなことが多いのであります。我々としましては書面において審査する次第でありますので、現場説明で訂正したとかというようなことがはつきりした証明がない限りは、どうも真否の判断はできない。従いましてこうした面におきまして契約書の取交し或いは契約の前の入札の場合の示方書と言いますか、いろいろな入札心得と言いますか、これをもつと具体的にはつきさせる必要があるのではなかろうかという感じが非常にするわけであります。
 (3)に掲げてありますのが、国鉄法に基く公開競争の場合に、一番札でなくても事情によつては二番札も採用し得る余地があるのでありますが、なぜ二番札にしたかということは、これは相当安い物があるのに高い物を買うのでありますから、その間の経過は相当詳しく記録されていなければならないのではなかろうか。ところがその点の記録、書類の整理が明確を欠きまして、いろいろ説明を承わりますと、そうであろうかという感じがするわけでありますが、或いはそうではないのではなかろうかという感じがする場合もあるのであります。こうした場合の特に公正協議によりまして二番札或いは三番札と契約したという場合には、記録ははつきりしたものを残しておかなければならないのではなかろうか、こういうふうに考える次第であります。
 「なお書」に書いてあります現場機関の専決小工事、これは実例として千百七十三号の釧路、青函の工事が検査報告に出ておりますが、全般に専決工事は監督が不十分な点もありましよう。又工事が雑多で手の廻りかねる点もありましようが、実際の工事と書類とマッチさせると言いますか、実際の契約書類通りに工事を施行させるということについての現場の熱意が必要ではなかろうかという感じがするわけであります。
 最後に書いてあります点は、収納すべき機関でないものが、現金を受取つて、のちになつて収納すべき機関に引継いでいるというものでありまして、過ちを起しやすい危険がありますので、飽くまでも収納すべき機関が収納して、貸付けなどの場合は収納を確認してから貸付けるという方法をとらなければ、収納未済が不明のまま残つてしまつたり、或いは収納した金がややもすれば不当に使用される危険もありますので、十分な管理を要する次第だと思つております。
 個別の不当事項に入りまして、千百七十二号は特に申上げることはありません。七十三号もすでに専門員のかたから詳細なお話、こちらに対する詳細なお話があつたと思いますから説明を省略いたします。千百七十四号でありますが、これは、会計検査院が考えておりますことは、一つの工事をする場合の仮設物、つまり現場監督員の宿舎とか、そうしたものはできるだけ工事費を節減させるために、できるだけ既存のものを先ず使用する、既存の建物がなければ将来固定的な施設になるものを先ず作つて、それを利用する、例を言いますれば、新線の建設をするならば、将来駅の職員の宿舎になる宿舎を作つて、それを現場監督員の宿舎にするというような方法で、これは仮設物の経費はできるだけ節減すべきであろうと思つております。その面から見ますると、本件千百七十四号に書かれておりますように、遊休化しておるところの建物が近くにある。この工事区と言いますか、第二吉井川橋梁改良工事という一時的な工事をする工事区でありまして、これが終れば撤去しなければならん。こういう場合でありますから、よしや使用廃止が決定していなくても、稼働していなければ、それを借り込んで住んでも差支えないのではないか。そうした面において、この工事関係の仮設物の経費の節減ということに、もう少し努力する必要があるのではなかろうかというように考えておる次第であります。
 三百四十ページの千百七十五号のクレオソートの関係は、先ほど申上げました契約の示方書の明らかでないところの一つの例でありまして、現物をみますると、圧力がまで注入したものとは全然考えられなくて、いわば平がまで煮たと言いますか、平がまの中に一度入れた程度で、クレオソートが全面的に浸透していないというようなものであります。契約のときにそういうものならば、そういうものを使つてよろしいということをはつきりさして、そうして値段のほうもそれに応じて予定価格を作成すべきではないか。ところが見ますると、予定価格に計上されております三十円というものは、木材防腐の会社のほうについて調べますと、クレオソート四十キロ以上を圧力がまへ注入したものを塗つたもので、こういういうような点、予定価格の点も、いろいろな契約に伴う書類の整備に不備な点が多いのじやなかろうかと感ずる次第であります。
 次に千百七十六号の装荷線輪工事、これも先ほど専門員からお話がございましたのですが、契約書その他が非常に不備でありまして、事実が一体どちらであるのか、会計検査院といたしましても非常に迷つた次第であります。事実がどちらであるのかというのは、果して実際において十九個を取り換えることで契約したのか、或いは、あとから現場で説明したと言いますように、うち七個は撤去品を充てるということにして契約したのか、そのどちらであるかどうか、さつぱり判定がつかないものであります。一応我々としましては、契約書で十九個取り換えるといつておるのだから、十九個新品にしなければいかんのじやないか。然る面から見ると、検収が悪いのじやなかろうかというので、一応検収の当を得ないという範疇に入れてあるのでありますが、事実は、或いは初めから七個は撤去品を充てるということになつておつたかも知れません。ただ七個を撤去品を以て充てるとしまするならば、値段として少し高過ぎるのではなかろうかという感じがするのであります。事実の判定が困難な問題でありましたんですが、以上のように会計検査院といたしましては、十九個を取り換えるという契約をやつたと判定しまして、検収が当を得なかつたのではないか、こういうように考えておる次第であります。
 次の千百七十七、七十八は特に申上げることはありません。七十九号の仮設物等の倒壊に基く経費を負担した点でありますが、これもいわば契約の不備ということになるかも知れませんですが、一般常識で考えまして、作りまますものは地下道増設という工事をするのです。それまでの過程といたしまして、掘る場合に、崩れないように鋼矢板で囲つて、そうして工事が終つたら鋼矢板を抜く、その鋼矢板を抜く費用は請負人が仮設物の経費として持つわけであります。一般の考え方からいたしまするならば、請負工事は、申上げるまでもなく、一つの仕事を請負つてやるのでありまして、その間に仮設物の多少の多少と申しますか、仮設物が壊れたというような費用は、これは当然請負人が持つべきではなかろうか、これは国鉄自身の工事ではありませんで、国鉄がその委託を受けて工事をいたしたものですが、こうした場合に、仮設物倒壊の経費は請負人がそのまま負担してやつておる例もあるような次第であります。これを国鉄が持つたのはどうも筋違いではなかつたではなかろうか、契約書、契約書と言いますか、請負の場合の示方書には仮土留と――つまり仮土留工事は、鋼矢板を用い、土圧に備え堅固に定著しなければならんということを言つておる。そうしてその現場のいろいろの折衝で、この程度のものでよかろうということを言われたようでありますが、特に書類としてそれを確認することもできないのでありますが、この程度のものでよかろうというのでやつた。それが崩れたというのでありますが、まあ契約上から言いますれば、堅固に定著して工事をやるというのが行われなかつたことになりまするので、これはやはり原則としては国鉄が負担する筋ではないではなかろうかというように考える次第であります。以上簡単でありますが……。
#86
○委員長(小林亦治君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#87
○委員長(小林亦治君) 速記を始めて、本日はこの程度で散会いたします。
   午後四時田十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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