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1953/05/10 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第27号
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1953/05/10 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会 第27号

#1
第019回国会 決算委員会 第27号
昭和二十九年五月十日(月曜日)
   午前十時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 亦治君
   理事
           谷口弥三郎君
           長谷山行毅君
           菊田 七平君
           平林 太一君
   委員
           青柳 秀夫君
           雨森 常夫君
           石川 榮一君
           入交 太藏君
           植竹 春彦君
           小澤久太郎君
           宮田 重文君
           飯島連次郎君
           久保  等君
           山田 節男君
           八木 幸吉君
  ―――――――――――――
   会計検査院事務
   総長      池田  直君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○本委員会の運営に関する件
○昭和二十七年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十七年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十七年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林亦治君) これより決算委員会を開会いたします。
 初めに八日の理事会において決定を見た事項がありますので御報告いたします。決算の審査方針についてでありまするが、不当事実も類型化して来ておることでありますので、第一に、重点主義審議をすることとし、第二に、従来いたしておりました専門員の説明はこれを省略して、検査院からの説明を聴取したのち、直ちに質疑に入るのを原則とするということに打合せを見たのであります。無論、委員会開会前において専門員から資料として類型区分問題の所在点等につきましては、委員各位にあらかじめ配布いたすのでありますが、このようにして能率的に早速昭和二十七年度決算より実施いたしたいと存じます。かような方法によつて、二十七年度から決算の審査に当りたいと考え、理事会におきましても満場一致でさような決定を見たわけでございますが、かような方針で爾後の審査に当るということにつきまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山田節男君 今の重点主義ということは私も議事進行から言えば勿論異議がありません。日にちもないことですから、止むを得ないことだと思いますが、ただこうして決算の検査報告は、政府の行政、それから特別会計、それから政府関係の諸機関の決算、こういう三つの厖大なものが出ているわけです。決算委員会としては、要するに政府がこの二十七年度に予算を執行したことについての、我々が検査に基いて審査をしているわけですから、重点主義は勿論これは止むを得ないと思いますが、その結果これを承認するか否かということについては、その重点的にやつたことは、政府のやつた予算執行全般に亘る承認事項になるということになるのでありますから、ですから重点的ということで、大体の審議する重点をきめられて、なお、それ以外においても、全部でなくとも、それ以外のものでどうしてもやはり一応会計検査院なり或いは当局の責任者の質問はできるということは、一つ条件として頂いて、それでその原則に基いて、議事の進行をされることはいいと思いますが、それだけの幅は一応審議上おいて頂きたいと思います。
#4
○委員長(小林亦治君) わかりました。勿論それを含んで、この決算報告書だけでなく、随時例えば今問題になつている造船融資とか民衆駅の問題、かようなものが出ました場合には、審査をこのほうに移行して、その間に織込むこともありましようし、間をおいて本来の報告に基くこともありましよう。そういうことを按配しながら、報告書に記載されておるものでも類型化して参つたものは或いはまとめる。その中に重点性の強いものについては、特にその部分について審査を重ねる。かように考えまして、今申上げたような方針に決定したので、山田さんのおつしやるような趣旨は全部織込まつて、その内容通りの決定をみたのでありまして、御了承を願いたいと思います。ではそのように決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(小林亦治君) 本日の二十七年度決算審査の第一回といたしまして、先ず検査院の事務総長からこの二十七年度決算報告に掲記された千八百十三件の不当事項について、検査院の観点から、その不当の軽重、類型等について説明を伺いたいと存じます。
#6
○説明員(池田直君) 二十七年度決算報告に掲載されました不当事項について、今後御審議の観点から不当事項の類型的なもの等について御説明を申上げろという委員長からのお話でございます。検査報告に掲載されました各個の具体的な案件を類型的にこれを仕分けいたしますことは、いろいろなこれはやり方があるかと考える次第でございます。検査院といたしましては、類型区分として一応考え、且つそれを実行いたしておりますのは、これはすでに御承知の通りに検査報告の七ページに大体掲記いたしておりまする各省別に、租税、未収金、予算経理、工事、物件、役務、補助金、不正行為、その他、ということで、これを一応整理いたしておりまして、その類型的の整理によりまする点から、大体の大数観察的な点もおのずから何らかの帰結が得られるのではないかということから、一応整理いたして参つておる次第でございます。
 併しこれだけでは勿論検査報告の各不当事項の内容なり或いは傾向的な問題等につきまして、これをよく把握するということは到底困難なことでございます。従いまして会計検査院といたしましては、なお、これらの点と又別個に、検査報告の六頁から以降八頁まで「不当事項および是正事項」の概要として、特に注意を要する事項を総括して記述いたして参つておる次第でございます。これはすでに御承知の通り、租税とか収納未済、予算の効率的使用、補助金、契約の締結、それから物品の管理、予算の不当経理、職員の不正行為という、こうした事項に区分いたしまして、又特に私どもが検査の結果みました意見なり或いは各省が特にこれから予算経理上注意をしなければいけない事項等について、又記述をいたした次第でございます。これはすでに院長が二十七年度の概括説明をいたされましたときに御説明に相成りました次第でございまするが、会計検査院といたしましては、二十七年度の検査報告で、このように概括的に記述いたしました事項のうち、特に会計検査院といたしまして留意すべき必要があるということを大きく取上げました事項は、今申上げました各項目の中に、収納未済、予算の効率的使用それに補助金、こうしたことを特に院長から詳細御説明いたしましたような次第でございます。これによつて見まして、会計検査院が二十七年度の検査報告を通覧して、大きな傾向なり或いは不当事項の特質なりの一半を表現いたしたような次第でございまするが、なお、会計検査院といたしまして、個々の案件につきまして、各事案が一定の尺度に、標準によりまして軽重が多少あるのではないかということがもとより考えられまするので、これは事務総局におきまして、従来から一定の標準によりまして、この不当性の格付と申しますか、これは大ざつぱな分類とも申されるかもわかりませんが、一応事務総局で私どもが考えておりまする基準によりまして種分けいたしましたような、分類の一応の整理も持つております。
 これを簡単に申上げまするならば、私どもが大体不当性の格付けの基準といたしましてABCというふうな三つの段階に大きく種分けいたしております次第でございますが、この二十七年度の検査報告経理事項の千八百十三件のうち、是正済みになりましたもの、不当事項として指摘いたしました事項で、その後関係当局によりまして、是正されて国に損害も及ぼさないようになつておる。その他経理上もまずい点を是正したというような、処置がすでに一応済んだものと見てよいのではないかというような種類に属するものを、先ずCという段階で一応整理いたしております。それからこの不当事項の多くの案件のうち、会計検査院法なり或いは予算執行職員等の責任に関する法事の規定なり、その他職員が会計事務に関係しておりますもので、不正行為を行なつたり、まあそうした種類の案件、それから是正済みに至らない案件で、今申しました案件のほかに、非常に著しくまあ不当なものと考えられまするような案件、これをまあ一応Aということに分類いたします。そうしてAとCのいずれにも属しない案件、これをまあBということで整理いたしまして、ABCという三つの段階に一応整理しておる次第でございます。
 この大きな何と申しますか、比較的考えようによりますと、まあ一応の大ざつぱな分類とでも申上げられましようか、これによりまして分類しました結果はAに属します案件が三百三十二件、それからBに属します案件が千四十二件、Cに属します案件が四百三十八件、計千八百十三件ということになつております。これも私どもが一応の部分的の事務の処理の便宜その他から類型的に分類いたしたような次第でございまして、これも一応の重点審議の御参考の資料にはなるかとは存じますが、これが非常に重い資料になるかどうかということは、これはいろいろ御審議に如何なる観点からお取上げになりますかのいろいろの御意見によつて、それぞれまあ違つて参るのではなかろうかとまあ考えておる次第でございます。
 極く大ざつぱではございますが、大体会計検査院といたしましてはまあいろいろの見方によりまして、そういうふうな取扱いはいたしておるような次第でございまして、ざつくばらんに申上げたような次第であります。
#7
○委員長(小林亦治君) このABCのトータルをもう一遍おつしやつて頂きたい。A三百三十二、Bは何件ですか。
#8
○説明員(池田直君) Bは千四十三件でございます。
#9
○委員長(小林亦治君) 千四十三件。この検査報告の記載方法なんですが、我々としては、見慣れたせいか、記載の何といいますか、方法が殆んど固定化しておりまして、批難点の躍動性を感じられないのですが、何かこれをもう少し具体的な強さに改めた報告の記載方法というものはないものでしようか。
#10
○説明員(池田直君) 大変御尤もな御意見でございます。会計検査院といたしましても、実はこれは昔から検査報告の記述をどうしたら一番いいだろうかということは、始終考えておるような次第でございまして、殊に件数が昔と違いまして、今日のように多数の件数に上りますると、今委員長から御意見がありました通り、まあ比較的軽い案件も、非常に重く皆様がたから御審議頂くような案件も、どちらかと申しますと、平々坦々と書いてあるという印象は、誠に御尤もでございまして、何とか重い事案につきましては、もう少しクローズ・アツプして重く書いたらどうだろうかというようなことも考えられるのでございまするが、まああり体に申上げまするならば、仮に世間で一般受けするようなジヤーナリズム的な表現にいたしますとなりますと、相当私どもが資料といたしまして、やや不安があるというような資料まで取上げて、ざつくばらんに書かなければ面白くないとか、まあそうしたこと、又案件が非常にたくさんに上つておりまする関係で、余りそうしたことを重く見て、具体的に大きく詳しくエンフアサイズして書くということになりますと、やはり相当事務的にも慎重審議いたしまする関係から検査報告をできるだけ早く完成して、皆様がたの御審議を仰ぐという段階に持つて行くために相当困難がある。その点から申しますと、拙速主義と申しますか、それに堕した感があると思いますが、そうした観点から、今日のような整理で済まして参つたような次第でございます。委員長の御意見は、御尤もでございまするので、成るたけそうした御趣旨にに副いたいという気持は持つておるのでございまするが、今日のところ、そこまで行つていないのは、甚だ私どもといたしましても不満には思つております。併し、簡単にはなかなかすぐ今お示しの線まで持つて行くということは困難ではなかろうかと、かように考えておる次第であります。
#11
○委員長(小林亦治君) それからもう一点ですが、この委員会でもしばしば問題となつておるのですが、検査院法の三十一条、予責法の第六条、それから支払遅延防止法、これらによりますと、検査院から任命権者に対して懲戒処分の要求ができるということになつております。殊に遅延防止法においては、懲戒の処分が必要的になつておる。処分をしなければならないというふうに規定されておるのですが、殆んどそういつた事例があるかないかですが、検査院としては、その要求権の発動ということをやつておられないようなんですが、過日も本会議でこれらの責任に関するところの懲戒処分の励行に関する画期的な決議がなされたのであります。かような一つの国会の意思と併行して、検査院の要求権の励行も必要だろうと、こういうふうに当委員会でも考えておるのです。非難しますれば、それらの要求権の使用については、検査院は非常に緩漫である、こういうような意見もあるのでありまして、この点如何でしようか。遠慮なく今後やつてもらいたいという我々の希望なんでありますが、如何でしようか。
#12
○説明員(池田直君) 過日も参議院の本会議におかれまして、懲戒処分の過正励行に関する決議が行われ、吏道の刷新を強く要望されて、一般的の行政のみならず、経理の不当事項等の防止を大いに意図されましたこと、会計検査院といたしましても非常に心から敬意を表し、又私どもといたしましても、これからの検査の執行上非常に又激励御鞭撻を受けましたと存じておる次第でございます。それにいたしましても、各省が一般的に会計経理上その他不当の事態に対しまして、法律上の、制度上の懲戒処分が比較的緩漫であるという感じは、私ども会計検査院といたしましても、皆が傾向的にそうだという感じは持つておる次第でございます。又その半面、然らば会計検査院は会計検査院法なり、只今お示しの予責法なり、或いは支払遅延防止法なりの規定によつて、会計経理に一定の規格にはまる不当事項があつたら、懲戒処分の要求もできるようになつておるのに、なぜもつとどしどしそれによつて懲戒処分を促さないのであるかという御疑念、これも又御尤もに思つておるのであります。併し、私どもが今まで実際に事務を処理いたしました跡を顧みて、ざつくばらんに、この際私どもの検査報告に掲記しました事項の処理件数の中で、非常に少い点につきまして申上げますならば、まあ過去におきまして会計法なり或いは予責法その他の関係の懲戒処分に該当するような事態が、平和回復後、公務員等の責任の免除の措置が行われたこと、そうしたことによりましてかなり救済されたということも、私どもの懲戒処分の要求が今までに少かつた一つの大きな原因でありますが、それに該当しない案件でも、まあ比較的私どもが懲戒処分の処置を要求した事案の少いゆえんのものは、会計検査院といたしましては、勿論懲戒処分の要求が義務付けられておる場合も、今委員長のお示しの通りありまするので、励行いたさなければいけないのでありまするが、もともと公務員に対しまする懲戒処分は、それぞれの主務大臣が、身分上の監督の責任者でありまする主務大臣が、先ず励行すべきことでございまして、主務大臣が懲戒処分をいたしまする場合に、予算執行その他会計上の不当行為、これを含めまして、懲戒処分を行うということが、これが最も大事なことでございまするし、会計検査院といたしましては、先ず会計行為関係に限られるということになりますると、先ず主務大臣がいろいろなその他の公務員の一般の行政行為その他から推して、大局から最も適正な処分を行うということになるのが当然であろうと考えられまする関係もありまして、会計検査院といたしましては、先ず各省でおやりになることが一番望ましい、各省がやらなかつた場合には、会計検査院は懲戒処分に該当する案件がありましたならば、これを伝家の宝刀を抜いて要求をいたす、こういうふうに働くのが懲戒処分は大きな自然な筋ではなかろうか、こういうふうな考え方を持つておるような次第でございます。これによりまして、今申上げました懲戒処分、これを私どもから見て適正に勇敢におやりになるという場合もありまするが、先ほど来お話の通り、軽きに失するという事例も相当あります。軽きに失しましても、一応各省におきまして懲戒処分をいたしましたならば、会計検査院としては、それが軽いのじやないかというところまで意見を表示して、これをもつと強く、重く懲戒処分を行わしめるというふうに持つて行くことには、会計検査院といたしましては権限がないのでございまするので、そうしたこともありまして、一般的に懲戒処分が軽かつたりいたしましても、検査院といたしましては、これが是正の措置を講ずるような意見表示をいたすこともできないでおるというような状態でございます。検査院といたしましては、先ず各省が大いに反省して、懲戒処分を適正に励行して頂く、これが予算の経理その他会計行為の適正を期する上においても一番大事なことだろうと、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、委員長が先ほどお示しになりました支払遅延防止法の規定によりまする懲戒処分の要求の関係でございまするが、私どもといたしましても、それは義務付けられておりまする懲戒処分の案件でございまするので、始終今日まで細心の注意を以て見て参りました次第でございまするが、法律の条件にうまく当てはまる案件が実際問題として殆んどなかつたというのが実例でございまして、極く常識的に個々の案件を見ますれば、非常に支払の遅延がひどいという案件でも、これを法律の規定に一々照しまして検討いたしますと、やはり懲戒処分の要求の該当案件としては取上げられないというような事態が今日まで多かつたような次第で、懲戦処分の要求が今まで全くなかつたというような次第でございます。
 なほ、会計検査院といたしまして、今日まで相当その他の案件で懲戒処分の要求に一応該当するのではなかろうかと思いまして、私どもが処理しました案件でも、一々これを詮議いたして見ますと、事いやしくも公務員の重大なる責任に関しますることでございまするので、検査報告の整理以上に、この懲戒処分の要求の案件を私どもは慎重を期するのでございまするが、慎重審議の結果、いろいろ例えば予算執行職員で申しますならば、これの対象になりまする事項なり或いは本人の身分なりが、主務省の処置の関係等からして、必ずしも補助者、その他の任命がなかつた関係で、予責法の規定によつてこれを懲戒処分の要求をすることができない。極く常識的に非常に不埒な処分であつたと思われましても、検査院といたしましては、懲戒処分の要求は条件が充足されないというような事態が非常にあるのでございまして、この点につきましては、会計検査院といたしましても、各省に支出官なりその他支出負担行為担当官、その他の補助者の関係は、至急これを補助者として正規に任命して、それぞれの責任をちやんといたさせるようにするように、検査の都度、注意はいたして参つてるおような次第でございます。
#13
○委員長(小林亦治君) 法律上の条件の充足ということをおつしやるのですが、私どもの言いたいところは、懲戒処分の要求をしようと思つた場合にも、すでに任命権者から処分があつた、その処分というものは或いは注意とか勧告とかいうものが非常に多い。殆んどそれなんですが、法律上の条件からいいますと、そういうものは懲戒処分ではないのですから、訓告とか注意というような闇の処罰をなされた場合、法による懲戒をしておらんじやないか、法による懲戒をせよという要求は、これは検査院でできるはずです。それをやつてないということが緩漫であり一種の怠慢ではないか、こういうふうに解釈せられるので、そんなものに目を眩まされず、法による懲戒をなすということができるはずである。
 それからもう一点は報告書の躍動性がないという意見は、今総長がおつしやるように、軽きに失する場合があつたごときは、やはり堂々と報告書に掲げられるべきだと私は思うのであります。その具体的な説明に当つて、当該局長からこの決算委員会で口頭で報告するよりも、やはりそういうことは文書で報告せられたほうが適当ではないか。より強く我々も認識せられまするし、御説明を待たずして、審査の方針も立て得るので、そういうふうな一つ身の入つた報告、力の籠つた手段の懲戒の要求というものを検査院がしなければ、我々がホープとしての検査院の拡大なんていうものはなされても、そういう弱いことでは、量を殖やしても質が高まつて参らないので、その点を我々委員一同超党派的に気にしておるのありまして、一つお考えの方向がわかりましたから、そういう弱い方向でなく、本来の使命に従つて今後強く出て頂きたいと、こう思うのです。如何でしようか。
#14
○説明員(池田直君) 懲戒処分の関係でございまするが、注意なり訓告を行なつて、現在公務員法で規定しておりまする戒告以上の処分を行なつていない案件につきまして、検査院は公務員法による懲戒処分を要求すべきが至当ではないかという委員長の御意見でございまするが、まあこの点は御尤な次第でございます。会計検査院といたしまして、注意は別といたしまして、訓告でございますか、この点につきましては、昔の官吏服務紀律でございますか、あれに訓告とかいう制度がまああつたと考えますが、官吏服務紀律が公務員法に抵触しない限りは、なお、今日まであれが有効であるというふうな解釈に私ども大体了解しておつたような次第でございまするので、訓告をいたした案件につきまして、今委員長のお示しの通り、更に懲戒処分、戒告以上の処分を行なうことが必要な立場、これを更にやるべきじやないかということにつきまして、まあ多少今申上げましたような観点から、なお研究いたしまして善処をしなければいけないから考える次第であります。
 なお、注意たり訓告にとどめておる案件につきまして、委員長がお示しの通り、是非懲戒処分の要求に該当するという案件につきましては、今の身分的の問題と併せまして、まあ家へ帰つて、理論的問題ものもありますことでございますので、研究してみたいと、こう考えている次第でございます。
 なお、検査報告の記述で、もう少し躍動的に記述することにつきましては、ここでその案を処理しました局長なり私どもが大きく取上げて説明いたすよりも、検査報告に記述することがより有効だということは、その通りでございますので、できるだけ御趣旨に副えるように検査はいたしたいと思いまするが、今ここではどういうふうにこれを一々具体的に処理したらいいかというとことにつきましては、ちよつと結論を出しかねまするので、御猶予をお願いしたい、こう考える次第でございます。
#15
○委員長(小林亦治君) 研究中だそうですから特に申上げますが、太政官布告による官吏服務紀律というものは、公務員法が出たとたんに、これはもう消えてなくなつたのです。太政官布告が法律であるなら、公務員法によつてその布告を廃止するという特段の断り規定を必要とするのです。ところが御承知のように太政官布告は一つの勅令なんですから、特に公務員法による廃止を宣言せないでも、もうなくなつたのですから、抵触しない範囲にまだ生きておるという解釈それ自体が誤りだと私考えます。その点御参考に申上げておきます。
 御質疑のかたの御発言を願います。
#16
○長谷山行毅君 この機会に会計検査院のほうにお伺いしておきたいのですが、会計検査をする具体的な方法について二、三点お伺いしたいと思いますが、先ず第一に、検査対象の選び方はどういうふうにやつておるのかという点をお伺いしたいと思います。
 それから次に、報告書の六頁の終りから三行目にある「会計検査に伴い関係者に対し質問を発したものは一万千余件である」と、この「質問を発したもの」というのは、一応不当事項の疑いがあつて質問を発したのか、これに掲載されているところの千八百十三件というものはこの中に含まれているのか、それらの関係について一応御説明願います。
#17
○説明員(池田直君) 先ず検査対象の選び方はどうしているかという御質問でございますが、検査対象と申しますると、ちよつと失礼でございまするが、例えば農林省なら農林省の或る部局ということでなくて、補助なら補助、補助工事なら補助工事と、具体的の工事なり、或いはその他物件を購入するということになりますると、或いは農林省で申しまするなら、どこどこの農地事務局、或いは府県で申しましたら、何省所管のどこどこの府県の検査を具体的に行うという、そういうふうな検査を受ける相手官庁ということになりましようか、どちらでございましようか、甚だ失礼でございますが。
#18
○長谷山行毅君 とにかく歳入歳出全部を調べるのですからね。大変な厖大なものだと思うのですが、その際に会計検査院が検査する際に、基本方針というものを何か立てて、ここは重点をおくとか、それから例えば補助金なら補助金の場合には、それをどこの県とか、或いはどういう方向の工事に重点をおくとか、そういうものでも、会計検査院の人員、機構に照し合わし、その能力と勘案して、どういうふうにして立てて、そうして今度具体的にはどういうふうにして選んで行くかという、そういうつまり大方針から具体的な方法までの一応の説明を願いたいというわけです。
#19
○説明員(池田直君) 先ず検査の方法でございまするが、これは御承知の通り、一定の証明を、義務付けてある会計職員から書面で検査院に計算書なり証拠書類を出せ、これはまあ書面検査で一応全部見るということになつております。
 それから今御意見の実際の検査の対象として選んで、これを具体的に検査を執行して行くという手順なり、工事で申しましたら、どこの工事をどういうふうにして見るかという、その選び方の関係でございまするが、これは実地検査の関係と存じます。実地検査をいたす場合も勿論のこと、書面検査を行う場合でも、まず各省毎に今年はどういうふうな事項に具体的に問題を採上げて重点的に検査を行うかということを、まず事務総局で詮議するのでございまするが、これを検査官会議に付しまして、毎年検査を行いまする初めに、検査の重点なるものをきめるのでございます。その重点事項の線に沿いまして、なお、各省担当の課毎に細部の検査上の注意事項、これを大体事務総局できめまして、検査が重点的に能率的に行われるように手順を決めます次第でございます。今御意見の通り全部徹底的に見るということは今の人員なり機構では到底これは望んでもできないことでございますので、各省ごとにその年度の予算なりその他国の財産等の管理なり、今までの検査の結果等とも睨合せまして、各省ごとに重点的に予算の執行或いは財産の管理或いは物品の経理、まあそうしたことを一々、今年は特はこうした方面に力を注ぐ必要がありはしないかということで、各課ごとに具体的にきめて参ります。そうして各課ごとに今申上げましたように大体の大きな目標、方針がきまるのでございますが、それによりまして各課の旅費、予算等の額を睨合せまして、国会でいろいろ特に御注目になつて御審議頂くような事項とか、その他今までの検査の結果によりまして、今年はなおこの方面に検査を続行して行かなければいけない対象物とか、或いは新たに今まで検査が行届かなかつたからもう少しこの方面を注意すべきだというような事項を具体的にやはり取上げます。そうしてものによつては、例えば物品の経理或いは補助なら補助、そうした関係を仮に重点的に取上げますならば、これをできるだけ全国的に成るたけ広く見るようにする。まあ農林の監査等について申上げるならば、最近補助費の関係等についていろいろ会計検査院といたしましても注目いたしました次第でございますので、こちらに相当全力を注いで、できるだけ全国的に見るように努力する。そうしてそういうふうな線に沿うように職員の訓練なり指導もいたして、正直者が馬鹿にならないように、又検査を受けたところが損にならんように、成るたけ心掛けて検査を続行して参つておる次第であります。
 なお、どうしても全国的、或いは比較的相当の部分まで検査のできないような部局等につきましては、全国のうちの、或る何と申しますか、一部局につきましてそれを徹底的によく見て、そうして会計経理上いろいろ注意すべきことがありましたならば、これは検査を行わなかつた部局につきましても必ずそうした不当事項の発生が大体傾向的に見受けられるはずだというような事柄につきましては、相手官庁に対して、某所で見たらこんな事態だから、ほかの部局につきましても大体同様と認められるから注意してくれ、部内監察のときによく注意してくれというようなふうに検査を進めて参つて、できるだけ国の会計全体についていろいろな角度から、ポイントは成るだけ外さないように心掛けておるような次第でございます。
#20
○長谷山行毅君 大体わかつたようでもありますが、この会計検査院で一番先にその年度の検査対象の選び方というのは非常に大事な問題じやないかと……、これによつてその年のあれが本当に効果ある会計検査を行なつておるかということがきまるのじやないかと思うのです。どうも先ほど指摘された事項の記載が躍動的でないというふうに、今もお話がありましたように、全国的に平面的に全部検査するというような方針からそういうふうに自然になつて行くのじやないかと思うけれども、併しそういう検査も無論必要だとは思いますけれども、それと同様にいろいろ論議があつて、国会等で新たに法律が施行せられまして、補助金が出されることになつたとか何とかいうようなふうになつた場合に、その補助金は本当に効率的によく適正に使われておるかどうかということの検査というものは非常に大事であり、又汚職事件等を未然に防止する効果としても非常に大事なものがあるのじやないか。そういう意味で今実際の会計検査の中の機構は各局に分れてそれぞれの担当を持つておりますけれども、そうした問題について何か今年はこういう問題に一つ機動的にやつてみよう、こういう点に一つやつてみようという、これは犯罪捜査とは違うけれども、まあ検査庁でやつておるような特別捜査部というふうな機動的な何か部なり課なりを設けて、そういうふうにしてその検査をやるというふうなお考えなどは持つておりませんですが。
#21
○説明員(池田直君) 検査院といたしましても気持の上では今御意見のような気持で実はおるわけなんでございます。そこで例えば今日で申しまするならば、造船関係の融資の利子補給の関係、これがこの三月末に利子補給の契約等が行われまして、船会社を直接会計検査院といたしまして検査が大幅にできるようになつた関係になりましたのですが、従いまして会計検査院といたしましては、この点について具体的に申上げまするならば、早速船会社を検査するということで指定を済ませまして、そうしてこの検査に当る課にはそれぞれの適当なエキスパートをほかの課から廻しまして、そうして相当訓練を積んで、この造船融資の関係の検査を専ら担当して、東京、大阪としよつちゆうこれを一年中置いておく、そういうふうな大体やり方でやつておるわけなんでございます。そこで私どもといたしましてもそうした、それらに限らず、ほかのことでも特別の検査をやるような仕組が必要でないかという御意見でございます。御尤もで、検査院といたしましても今まで特別検査といたしまして、例えば終戦処理費で非常に取扱つておりました調達物件、或いは船舶関係で申しますと解体いたしました物件の、船舶の解体の処理物件の始末とかまあそうしたものに限らず、もつと古くは、例えば何と申しますか特殊物件でございますが、終戦直後のそうしたものにつきましては、それだけを特別に検査する班を設けまして、全国それだけをやるというような方法を相当とつて参りまして、今日では特に特別検査事項、特別検査班ということを言われなくても、大体そうした線で検査をやつてはおります。ただ例えば今お示しの特別捜査班的なそこままでの機動力と申しますか、人員の充実等はまだまだこれからではないかという感は持つております。なお特別に機動力を有する制度を特別、何と申しますか、検査班を、機動力を特に付与して検査を行わせるという運用でございまするが、これもこの前皆様方といろいろ御懇談をお願いいたしました際に特にまあ御注意がありましたので、私どもも御尤もと思つておりましたので、いろいろまあ各局長とも相談して、事務総局としてもいろいろ考えてみたのでございまするが、今日ではまだ人員その他の関係から、会計検査院といたしましてそこまで人間を、職員を動員して編成するまでの余力はありませんので、二十九年の実地検査におきましては今申上げました程度の線で検査に当つておるような次第でございます。
#22
○長谷山行毅君 従来の経験に徴しまして、年々新味を加えて、効果のある会計検査院の方針を立てられんことを希望いたします。
 それから先ほど質問を申上げた、この質問を発したという件数の関係を一つ。
#23
○説明員(池田直君) なお検査院がこのように検査をいたしまして発しました質問件数が一万一千件、二十六年度の場合と二十七年度の場合はたまたま件数が一致してありまするが、この検査はすべて実地検査と書面検査をいたしまして、大体不当事項があることが非常に濃厚なものにつきまして質問を発しました事項でございまして、その中から相手官庁の説明その他事後の処理の状況いろいろな観点から質問はいたしましたが、検査報告には整理いたすに至らなかつたもの、こちらの実地検査なり書面検査をいたしましたときの感じが思つたほど重くなかつた、軽微であつたと、或いは相手官庁が年度途中におきましてすでに是正してしまつて、決算尻に貸しもなくなつた、そうした案件が大部分でございまして、結局多少は未確認事項としまして、検査未了として懸案になつておる事項もございまするが、この一万千件から結局不当事項が出て来た、こうなつております。
#24
○長谷山行毅君 そうするとこの一万千余件の中に千八百十三件というのが含まれておる、こういうことだと思うのですが、そうするとそのほかのものは、まあその答弁によつて了解されると、つまり何も不当事項はなかつたというものと、それから事案が非常に軽微で猶予するというのと、検査未了、そういうのが加わつている。こういうわけに了解していいわけですね。それから……。
#25
○説明員(池田直君) ちよつと委員長、今の……、なお検査報告の報告番号の整理のやり方でございます。これがいろいろなまあ基準でやるわけなんでございますが、たまたま質問は数件ございましても、検査番号としては一件と処理されておる、例えば税務署なんかで申しますと、一税務署ごとに一件ということになつておりまして、実際の質問は数件出るというようなそうした検査報告事項の整理の方法がまあ結局千八百十三件でしたか、そういうような件数に縮められて来ておる点もございます。
#26
○長谷山行毅君 それからもう一点お伺いしますが、この是正したかどうかの調査というものは、本当に自信あるように完全に調査が行われておりますか。
#27
○説明員(池田直君) 一応是正済み、是正させた事項として整理しておる事項、これは相当私どもといたしましてはまあ確信が、確証、その他心証が十分に得られたものを一定の基準によつて整理いたしております。従いまして多少まああと是正するというような回答のものは、これは是正された事項にはいたしておりません。そういうような次第でございまして、成るたけこれは確証をつかんだやつということに整理をいたしたような次第でございます。
#28
○委員長(小林亦治君) 御発言ないですか。
#29
○山田節男君 まあ根本的な問題ですが、会計検査院は今日の新しい憲法に基く会計検査院法によつて、帝国憲法時代とは違つて、内閣に検査報告する、内閣を通じて国会に出す、そのことは、内閣を通じて国会に出すということは、国会検査報告に基いて政府の予算執行に関する審議をして、批判、是正を行う。でこれが現在の立場、会計検査院法によると、国会と会計検査院というものとは間接にではあるけれども内閣にもそれを報告する、そうすると内閣からこういつたような会計検査院の決算報告、国会に対する説明書というものを送つて来るわけであります。もとよりこれは国会の衆参両院の決算委員会といたしましては、会計検査院の検査報告書に対する政府の弁明書というか説明書、そうすると説明書を見ますると、政府においては、例えば昭和二十七年度の会計検査院の決算報告に基いて或るとるべき処置はとりましたという説明を国会はして来ておるわけです。そこで先ほど来委員長初め長谷山委員からもいろいろ御質問がありましたが、要は会計検査院が今日非常に予算上制約され、従つて会計検査院の検査すべき対象が広く且つ数多いにかかわらず陣容が足りない。そこで一つ問題としては、今長谷山委員から言われたように、どうせ人数が足りないのだから、範囲を広く浅くというよりも、重点的に、その年度の特に何といいますか、検査する方向をきめる。例えば補助金の問題で、仮に会計検査院で農林省或いは建設省関係の一般会計予算の検査に重点を置くとか、何かそういうものがないと、ここに現われておる千八百十三件というものも、これはものによつたら重点的のものもありますけれども、併し一班を見て全般を推すということは、これは私は今日予算の執行上から見れば、決してそれは冒険ではないと思います。大体正確な類推ができると思うのですが、それにしても少くともこういう莫大な国家の予算、或いは政府関係の機関の特別会計にしましてももうこれは厖大な金を使うわけなんです。そういうことになりますと、一方においては陣容の不足、それから他の一方においては会計検査院としては会計検査院法によつて権限付けられた例えば是正すべきものがあれば注意するとか、或いは場合によつたらばこれを検察庁へ訴え得るという権限があるわけですから、少くとも国会に出されるまでに、会計検査院法によつて会計検査院によつて是正すべき点は、これはできるだけやつた上で、そうしてあとのものを、どうしても会計検査院としては力が及ばん、即ち政府の一般会計、特別会計或いは政府関係機関の収入支出の決算に対してこれ以上会計検査院はどうもできないのだと、即ち政治的な批判を、政府に対する責任を追求して是正せしむると、これが国会の決算委員会の建前じやないかと、私はさように解釈しておるわけですが、そういうような見地から考えますと、私はどうしてもここに掲記されておる一千八百余件、批難事項といいますか、いわゆる会計検査院として不当な支出をやつておるというものが、これの例えば十倍あるのか或いは百倍あるのか、この類推ということについても、それはたくさんあるだろうということは想像できますけれども、果してそれが何件あるかという正確なことは会計検査院もわからんし、ましてや我々としてはそれがわからないわけです。そこで例えば昭和二十七年の決算の検査報告というものを会計検査院からお出しになつた場合に、ここにも示されておるような、六ページ、七ページに調べられた中での千八百余件に対する各省のいわゆる批難事項といいますか、不当支出の細目がここに現われているわけですが、我々としては、これだけあるのだから他は推して知るべしということは政府に対して責め得るわけです。併し先ほど申上げたように、これが何倍に、十倍か百倍かということは、これはわからん。先ほど委員長も言われましたが、例えば罰則の行政罰の問題でありますが、それにしても、これは会計検査院で職権でやることはできない。これを摘出して、当局の責任者にこれを報告して、そうしてその手で以て行政措置をやらしむるという建前になつておるわけでありますから、いずれにしても会計検査院としましては、非常にこれは何といいますか、隔靴掻痒の感が私はあるだろうと思うのです。そういうようなことから考えて、この今出されて議案になつておる昭和二十七年度の決算の検査報告というものに対しまして、今長谷山委員なり或いは委員長から指摘されたような点を、最終的には会計検査として、これをもつと何といいますか、国民の税金の支出であるところの予算をもつと緊縮して、もつと厳粛にやらしむるという方法はどういう方法が一番いいか。例えば人件費を殖やすのがいいのか、或いは今言うように、どうせ人数が足りないのであるから、例えば補助金関係に今年は会計検査院の陣容の三分の一なら三分の一がこれを指向して、そしてやつてみるというように、何か検査院最高首脳部においてその年度における、過去一年或いは二年、三年の検査の報告の結果から見て、一つのポリシーとして、何か私は会計検査院として年度別の決算を検査される場合においてはそういうものがやはりなくちやならないと思うのです。先ほどの長谷山委員の御質問に対する御答弁によると、どうもその点が私はこれもやはり生ぬるいのじやないかということ、従つて我々に出されておるこの報告書というものが、非常に件数が多いのでありますから、当然のことでありますが、文章が極めて簡潔過ぎる。而も非常に含蓄のあるように書いてある。その努力は非常に買うのでありますが、我々国会議員としてこれを見て、ケース、ケースのバツク・グラウンドというものがわかりにくい。であるから先ほどの問題と併行して、この中で特に重要なものについては、国会が要求しなくても、会計検査院みずから重点的な詳細の報告をするというのが、私は国会において我々の審議する上にも非常に便宜だと思うのですが、又外国におきましても、アメリカあたりは小委員会を設け、或いは委員会におきましても詳細な報告を、喚問の形において証人を調べ、会計検査院も呼んでおりますが、そういつたような決算委員会としての使命をよりよく果して、より効率あらしめるというためには、それだけの努力は今日の会計検査院としても当然すべきではないかと思うのですが、これは或いは人件費等の理由があるのではないかと思うのですが、事務総長としてその点に関し今までいろいろ経験して来られた率直なところを御説明願いたいと思います。
#30
○説明員(池田直君) まあ検査の関係は、私どもといたしまして、現在の機構、人員で精一ぱいの勉強はいたしておるつもりでございまするが、まだまだ皆様方の御満足の域に達していないことは甚だまあ遺憾に存ずる次第でございます。
 検査院いとたしまして、検査報告掲載事項の記述の点から先ず申上げますれば、先ほど来たびたび皆様方から御意見がありました通り、検査報告事項をもつと重点的に取上げて、もつと躍動的に記述することが必要であるという御意見、誠に御尤もでございまして、私どもといたしましても、ざつくばらんのところ、今までに何回かどういう編纂なり記述をいたしましたらより親しみやすく、又検査院として狙つておるところが躍動的にこれが出るのではないかということを工夫なりいたしたこともしばしばあつたわけなんでございます。現在案件が多くなるほど添付がどの案件も一様にぼやけて来るという憾みは多分にあるのでございます。ただ会計検査院が検査報告として内閣に提出し、内閣から国会に提案になるという段取りになりまするのでございますが、その検査報告の掲記事項、これは院法の定めるところによりまして、会計検査院はこれこれの検査をいたして国の収入支出の決算をこれこれ確認したということとか、予算の執行その他で法令に違背するとか或いはその他不当の事項とか、まあいろいろな事項が規定されておりまして、検査報告に掲記しなければならないことになつております次第もありまして、かように多くの案件がただ全部一様に出て来ておるのでございます。そこでせめて今の掲記事項を整理、記述の点から多少でも皆様方の御趣旨に副うようにというところの線が今日こういうようになつておるのでございまして、毎年々々少しずつは或いは各個の案件で記述ができないことは、各省のところで概説としてまあ記述するなり、或いは不当事項のしよつぱなのところの概括記述のところの総論的な記述においてこれを強調するとか、まあ苦心はいたしておる次第でございまするが、とにかく本当のところ細かい案件はこの検査報告の更に添附書類と申しますか、小さい事項はこれは添附書類にして、大きい事項だけを具体的に記述して行くとか、まあいろいろな思付きは相当ございまして、詮議はいたしたのでございまするが、検査報告として法律が一定のものは必ず掲記しなければいけないように要請している以上、余りそうした区別もどうであるかというようなことで今日に至つておるのでございまするが、御趣旨の点は重々御尤もに存じます。なお二十九年度の検査報告はどういうふうにいたすかということにつきましては、今日の皆様方の御意見を十二分にうちの会議で議題に上せまして審議研究いたしたいと、こう考える次第でございます。
 なお懲戒処分の関係でございまするが、御趣旨の点を篤と胸に銘じまして、これからもつともつと十二分に御趣旨に副うように努力をいたしたいと考える次第でございます。実は先ほどちよつと申遅れましたが、懲戒処分の要求関係の該当案件と一応認められるような案件で、検査院で処理しようといたしておりまする時分に相手官庁が先に処理をいたしたと、そうした案件等も実はかなりございまして、検査報告で検査院が要求したものの記述が殆んど例が少くなつているという結果にはなつておりますが、検査院といたしましては、それぞれ相当の注意は払つて努力はいたしておる次第でございますので、御了承をお願いいたしたいと、こう考えております。
#31
○山田節男君 もつと簡単に言いますと、この会計検査院からの報告書を国会で審議するということは、要するに国会は国民の代表であるから、国民の目で審査をすると、併し会計検査院そのものがもう今日の憲法においては天皇の直属機関ではないので、内閣から独立した準司法的な部面も持つておるもので、不覊独立な地位を与えられておるわけでありますから、而もそれは飽くまでも国民のための会計検査であるという建前は、これはもう申すまでもないことでありますが、そういたしますと、やはり国会にこうした報告書を出されると同時に、会計検査院としたらば……、年度の予算というものについては大蔵省が主管になつておると思いますが、国の予算という厖大なものでありますが、併し内容は極めてわかりやすく親切に説明してあるわけです。決算ということになれば、これはやはり予算と劣らないという立場から来れば、やはり国の予算と言いますか、そういう決算報告というものを、我々に提出されておるような決算の審査報告をもう少し何と言いますか、ものによつたら詳しく、而も内容において国民全体がこれを見て非常に興味深く、これは自分らの出しておる税金が如何に使われておるかということが極めてわかりやすくキヤツチしやすくすることが、私は今日の会計検査院としては当然のこれは義務じやないかと思う。これも予算或いは人件費、人員等の制約によつてできないということもあるだろうと思うが、それでは私はいかんのではないかと思う。年度に一遍出される会計検査院の報告書というものは、これはもう極めて簡単なものであつて、会計検査院の機能が疑われると思う。もつと数字を加えた、その年度の予算がどういうふうに使われたか、それにはどういう不正があるかということは、私は今日の会計検査院では当然国会でなく、国民に訴える意味において、国の予算というような、ああいう極めてわかりやすい親切なものがあるのですから、それをやるには金と人が足りないとおつしやれば、これは国会として、今日国のために会計検査というものがあるのですから、そのことは我々として、殊に決算委員会としては両院共この点は重大に考えなくちやいかんのではないかと思う。前にも佐藤院長お見えになつたときにそういう質問がどなたか委員からありましたときにも、どうも人員の養成に三年もかかり、なかなか簡単に行かんというような御説明があつたように聞くのですが、この点がどうも私は会計検査院として、今までの雲の上のような存在、天皇の直属機関であつたというような、どうもそういつたような尾抵骨が残つておるような気がするのですね、外部から批判的に考えますと……。これは一日も早く解消して、例えばこれだけの簡単な会計検査院の決算検査報告にいたしましても、私は非常に意義のあることになつて来るのではないか。従つて会計検査院の国における役割の重大性というものも非常に大きく照明を浴びて来て、それが間接には政府の予算執行に対しても大きなブレーキとなり、又戒めともなる、こういうふうに私はなるのではないかと思う。こういう点について私は事務総長にだけそういうことを申上げるということは妥当でないかも知れんけれども、併し私は少くとも事務総長なり検査院の最高首脳部は、予算が足りなければ国会に押し付けたらよいのであつて、何も内閣に制約される必要はないのではないかと思う。この点は希望になりますけれども、二十八年度或いは二十九年度のときにはもつと国の決算というものに対する重要性をみずから検査院から押出して行くような工合にやつて頂かんと、折角のこういう労作もただ僅かの時間で一部を審議して、それで承認するかしないか、これでは我々は国民に対しても申訳ないと思うのです。これは希望になりますけれども、これは委員長の最初に質問された御趣旨と合うだろうと思いますので、この点は一つ参議院の決算委員として、一つよく各委員会で御発言をして頂いて、何とか一つ国民のために我我は代つて質すべきは質すという決算委員会の機能を、会計検査院を強化、鞭達することによつてこの目的の一つを果すというように取運んで頂きたいと思いますので、これは事務総長さんからも検査官に伝えて頂いて、できるだけ早くそういうことを実現するようにお願いいたしたいと思います。
#32
○説明員(池田直君) 会計検査院が旧院法時代の臭味がなかなか取れないという御意見でございまして、新憲法下における民主的な会計検査院となさなければならんという御趣旨でございます。会計検査院も新院法になりましてからは、新院法制定当時の院長、荒井さんでございましたが、会計検査院は国会の耳目であるという御説明があつたように私は承知いたしておるのでありまするが、そういうふうなつもりで国会の耳目となつて、同じ方向に向つて絶えず精進努力するという気持でみんなおるわけでございまして、足りないところは今後とも一つ十二分に御助勢頂きたい、こう考えておる次第であります。
 なお決算の関係でございまするが、非常に不当事項の記述に先ほど来の御見の通りで、私どもといたしましてもこの気持は十二分に体することは申上げた次第であります。予算の説明に該当するような決算の内容の説明が必要ではないかという御意見御尤ものことでございます。会計検査院は旧院法時代から実は決算の主要事項につきまして、ほぼ今の大蔵省の予算説明に該当するような記述、これを決算の面から絶えず整理いたしておつたわけでございます。戦後いろいろな事情からこの点はやめたり、又必ずしも各省関係の担当で統一が取れない関係がございまして、不十分でございまするが、一昨年来、実は今山田さんから御意見の通り、決算の内容を予算の説明のような、ああいうふうな形式に大体相応するようなことを記述して、何らかの形で外部に発表するということは、やはり会計検査院が民主的な考えから当然なすべき事柄ではなかろうかという観点から、現在努力いたして、よほどこの頃私どももこの点は、直ちには無理ではございますが、整理して参つております次第で、だんだんそうした御要望にも応えられる時期も近いのではないかという惑じを私は持つておりまするので、この際内論のことではございますが、まあざつくばらんに今日のところを申上げて御了承をお願いして、なお御鞭達をお願いいたしたい、まあこう考える次第でございます。
#33
○委員長(小林亦治君) ほかに御質問ございませんか。
 では本日はこれで散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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