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1953/02/22 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第3号
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1953/02/22 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第3号

#1
第019回国会 外務委員会 第3号
昭和二十九年二月二十二日(月曜日)
   午後一時四十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 尚武君
   理事
           團  伊能君
           曾祢  益君
   委員
           伊能繁次郎君
           高良 とみ君
           中田 吉雄君
           羽生 三七君
           加藤シヅエ君
  政府委員
   保安庁装備局長 久保 亀夫君
   外務政務次官  小滝  彬君
   外務省アジア局
   長       中川  融君
   外務省条約局長 下田 武三君
   特許庁長官   石原 武夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       神田襄太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国際労働機関の総会がその第二十八
 回までの会期において採択した諸条
 約により国際連盟事務総長に委任さ
 れた一定の書記的任務を将来におい
 て遂行することに関し規定を設ける
 ことと、国際連盟の解体及び国際労
 働機関憲章の改正に伴つて必要とさ
 れる補充的改正をこれらの条約に加
 えることとを目的とするこれらの条
 約の一部改正に関する条約(第八十
 号)の批准について承認を求めるの
 件(内閣送付)
○国際労働機関憲章の改正に関する文
 書の受諾について承認を求めるの件
 (内閣送付)
○国際連合総会の定めた条件を受諾し
 て国際司法裁判所規程の当事国とな
 ることについて承認を求めるの件
 (内閣送付)
○日本国とインドネシア共和国との間
 の沈没船舶引揚に関する中間賠償協
 定の締結について承認を求めるの件
 (内閣送付)
○第二次世界大戦の影響を受けた工業
 所有権の保護に関する日本国とデン
 マークとの間の協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣送付)
○国際情勢等に関する調査の件
 (MSAに関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤尚武君) では只今より外務委員会を開会いたします。
 徳正頼貞君より理事辞任の申出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤尚武君) それではさよう決定いたします。つきましては、理事の補欠の互選を行いたいと存じますが、互選の方法は慣例により委員長から指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤尚武君) それでは御異議ない模様でありまするので、委員長は團伊能君を理事に指名いたします。
#5
○委員長(佐藤尚武君) 次に、国際労働機関の総会がその第二十八回までの会期において採択した諸条約により国際連盟事務総長に委任された一定の書記的任務を将来において遂行することに関し規定を設けることと、国際連盟の解体及び国際労働機関憲章の改正に伴つて必要とされる補充的改正をこれらの条約に加えることとを目的とするこれらの条約の一部改正に関する条約(第八十号)の批准について承認を求めるの件国際労働機関憲章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件国際連合総会の定めた条件を受諾して国際司法裁判所規程の当事国となることについて承認を求めるの件
 以上三件を一括して議題といたします。政府から提案理由の説明を求めます。
#6
○政府委員(小滝彬君) 只今議題となりました一九四六年の取終条項改正条約について、提案理由を御説明いたします。
 この条約は、一九四六年の第二十九回国際労働総会で採択されたものでありまして、その内容は、国際連盟が解体した結果国際連盟の存在中に採択された諸条約(七十六条約)の最終条項を改正するとともに、それらの条約に対して現行の国際労働機関憲章の規定と合致させるために必要な修正を加えることを規定したものであります。
 我が国は、本条約による修正の対象となる条約のうち十四条約を批准しております。従つて、これらの十四条約につきましては本条約に規定する修正が必要であり、又、今後この種の条約で我が国が未批准のものを批准する場合にも本条約による修正を認めておく必要があるのであります。
 この条約は一九四七年五月に効力を生じ、現在までに四十一カ国がこれを批准しております。
 以上の点を了察せられ、御審議の上速かに御承認あらんことを希望する次第であります。
 次に国際労働機関(ILO)憲章の改正に関する文書について、提案理由を御説明いたします。
 この改正文書は、昨年の第三十六回労働総会で採択されたものでありまして、その内容は、現行の憲章の一部を改正して理事会の構成員を増加しようとするものであります。この理事会の構成員の増加は、最近におけるILO加盟国の増加の事実を考えますとまことに妥当な措置であると思われますし、同時に又、我が国にとりましても、我が国が理事国となる可能性を増すものであるという点から極めて有意義であると考えます。
 この改正文書は、現在常任理事国である八国のうち五国を含む全加盟国の三分の二、即ち、四十四カ国がこれを批准又は受諾したときに効力を生ずることになつておりますが、本年一月十五日までに批准又は受諾した国は二十カ国であります。たまたま理事会の改選が本年六月の総会で行われることになつておりますので、右総会の開催前にこの改正が効力を生ずるよう加盟国はいずれも本件に対するその速や九な措置を要請されているのであります。
 以上の点を了察せられ、御審議の上速やかに御承認あらんことを希望する次第であります。
 更に「国際連合総会の定めた条件を受諾して国際司法裁判所規程の当事用となること」につきまして、提案理由を御説明いたします。
 国際司法裁判所規程は一九四五年十月二十四日発効したものでありまして、その内容は国際司法裁判所の糖成、任務、権限、適用法規、訴訟手伸等を規定したものであります。
 国際連合憲章第九十三条1によりますと「すべての国際連合加盟国は、当然に、国際司法裁判所規程の当事国)なる」とありますが、同条2によりますと、国際連合加盟国でない国も、「全保障理事会の勧告に基いて総会が各県合に決定する条件で国際司法裁判所相程の当事国となることができる」旨規定してあります。
 我が国は、昨年十一月二十四日この規定に基きまして、我が国が国際司法裁判所の当事国となるための条件を承知したい旨国際連合事務総長に申入れましたところ、国連総会は同年十二日九日その条件を決定して、同月十四日事務総長より正式に通告して参りました。その内容は(1)国際司法裁判所規程を受諾すること、(2)国連憲章第九十四条に基く国連加盟国のすべての義務を受諾すること、(3)裁判所の費用を分相することの三つでありますが、これは先例に照しましても妥当な条件であると考えられます。
 我が国はこの条件に対する受諾書を国連事務総長に寄託することにより、国際司法裁判所規程の当事国となることができますが、この規程の当事国となることによつて、我が国は今後諸外国との国際紛争を規程の定むるところによつて国際司法裁判所に付託することにより、これを平和的に解決する道が開かれることになります。
 以上の点を了察せられ、御審議の上速やかに御承認あらんことを希望いたします。
#7
○委員長(佐藤尚武君) 以上三件に対する質疑は次回に譲りたいと存じます。ただここで委員諸君にお諮りをいたしたいと思いますることは、只今提案理由の説明がありました労働関係の二つの案件でありまするが、これは非常に日が迫つておりまして、三月の九日にILOの理事会があるのだそうで、その刑事会の開会の前までに日本政府の批准を了して労働機関のILOに通告をしておくという必要がある模様であります。と申しまするのは、その理事会において多分各国の必要数の批准が揃えばその理事会において理事国の数を増し、且つ又常任理事国の数を増し、従つて日本の加盟問題等も考慮せられるようなことになるのではないかという、これは希望でありまするが、そういつたようなことも予見せられまするので、三月の九日までに日本政府の批准が先方に着くように取計らうことが日本の利益のように思われるのであります。つきましては衆議院側におきましては今週中に委員会で採決をして、本会議通過というところまで持つて行くらしく聞いております。そこで参議院のこの委員会といたしましては来週早々からこの二つの問題の本格的な審議に入りたいと思うのでありますが、それはあらかじめお含みおきを願いまして、その意味合でこの二つの問題だけは審議を急ぎたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(佐藤尚武君) 次に日本国とインドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#9
○團伊能君 この沈船につきまして以前に条約が結ばれましたフィリピンの場合とインドネシアの場合は多少違うように御説明を受けたように思いましたが、その違う点につきまして一つ御説明が伺えたらば伺いたいと思います。
#10
○政府委員(小滝彬君) 大体考え方は同じものでありまするけれども、先ずその第一は、フィリピンのほうはその前文で、サンフランシスコの平和条約が前提となつておりまするが、このほうでは前文にもこのサンフランシスコ条約に代るところの二国間の平和条約の早急締結を希望して、その一部としてこの協定をするのだということになつておりますのでその点が違つております。
 もう一つは、このフィリピンとの協定では、賠償中間協定による沈船引揚の費用が幾らということは明記してないのでありまするが、この協定では二十三億四千万円、六百五十万ドルに相当する額というものを見積つております。これは先般のフィリピンの協定を作りまして、その後いろいろ細目について交渉しておりまするときに、これがはつきり出てなかつたので不便を感じたような経験もありまして、この額をこのように明記したわけであります。
 それからもう一つは、フィリピンのほうとの協定の中には紛争が起つた場合にどうするという規定はございませんけれども、この今度のインドネシアとの条約では第四条に仲裁委員会の規定を設けておる。これらの三つの点が両協定の間における相違点であります。
#11
○羽生三七君 この協定のこの内容は、日本国政府とインドネシア政府が正常な関係の樹立を促進させることを希望する意味で、当面こういう沈船引揚等の協定を結ぶことになるようになつておるのですが、そういう意味で両国間の正常な外交関係樹立の橋渡し的な意味を持つておるということになるわけですが、この協定を取結ぶ過程において、日本政府とインドネシア政府とでは両国間の正常な外交関係について何らかの前進といいますか、具体的な検討が行われたのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(小滝彬君) この協定を作りますまでには、御承知のように、インドネシアのほうからスダルソノ使節も参りましてそうしてその内容を検討いたしまして、ここまで話をつけたのでありますが、それと並行いたしましてこれまで賠償全体についてどうするか、そうしてその大体の話ができたらば二国間の平和条約を作るということに大体話合ができましたので、それによつてこれを中間的に締結したわけでありまするから、順次正常な関係の樹立、又その前提となる賠償の話合は進んでおるわけでありますが、卒直に申しますと、現在ひつかかつているのは、総額の問題につきまして双方の意見に相当な懸隔がありますために、十分我々が期待するほどの進展を示しておらないのは遺憾でありまするが、もうすでに倭島公使も先方に正月以来参りまして正常関係の樹立それから前提となる賠償問題について、一生懸命に努力しておるような次第であります。
#13
○羽生三七君 それでその賠償総額等の未決定ということもまあ問題と思いますが、この二国間の平和条約を速かに締結するということにつきまして、具体的に見解が一致したということはまあ結構なことですが、それが直ちにまだ具体性を持つて来ないのは、賠償総額の未決定というようなことだけなんですから、その問題がきまれば時期的にいえばいつ頃二国間の平和条約ができるという、そういう何らかの見通しがあるのですか。
#14
○政府委員(小滝彬君) まだはつきりした見通しというものはついておりません。勿論賠償につきましても総額について大体の話ができたといたしましても、何年間に払うとか或いはどういう計画を推進して行くか、実際の賠償措置として実施して行くかというような細目の話合も必要でありまするので、正常関係がいつでき上るのだということをまだ明言する段階には至つておりません。又全般的な話と同時に或いは場合によつては日本の誠意を披瀝し、向うの損害に対して日本の経済の許す最大限においてこの支払をしようとするその過程において、或いは中田的な協定ができることになるかも知れませんし、そうした点は先方も希望しておるようでありまするから、日本一も十分向うの要求も考慮いたしましげそうした取計らいもいたさなければへらないかとも思つております。こういうふうに考えて参りますと、はつきりいつということはまだ言い得る段階に至つていないというのが現状であります。
#15
○團伊能君 只今の御説明でインドネシアとの関係はまだ平和条約ができていないフイリツピンの場合と違うと思いますが、実際の沈船引揚の仕事を実行する上に平和条約ができてないと六う場合においては、何かそこに実行上平和条約ができておる国との間の差がありますか。この仕事が順調に済んだときはよろしうございますが、いろいろな紛争が起つたようなときの解決片どうなりますか。そのためにこういう条項も入つておるのだと思いますが、その差が別にあるかないかを一つ伺いたいと思います。
 それからこの沈船引揚の仕事は、やがて平和条約ができた場合に一つの砕務賠償というようなものの中に入るのでありますか、その点を伺つておきたいと思います。
#16
○政府委員(小滝彬君) フィリピンとの間にもこういう協定ができましたし、このインドネシアも皆様の御承認を得まして協定を作ることになつておる次第であります。のみならずヴェトナムのほうとの話合もそのうち妥結するだろうと期待しております。いずれにしましても平和条約ができておりません。ヴェトナムのほうは別でありますが、フィリピンのほうはまだ条約がないわけであります。結局この中間賠償を実行するのはこの中間賠償協定というものの基礎においてやるのであつて、平和条約というものはこれの実施には直接関係ないというのが現状であります。が併しこの全般的な賠償に関する協定ができたら、これはその一部をなすものであるということは協定の上にも現われておる通りでありまして、その役務賠償の一部に計算されるわけであります。
#17
○中田吉雄君 岡崎外務大臣がおられれば質問しようと思つておるのですが、岡崎外務大臣は賠償は義務ではない、当然な権力である。こういうようなことを旅先のあちこちで言つているのですが、次官もそういう気ですか。賠償は当然の権利として、そして南方へのくさびのためにもいいというようなことを言つて、あちこちで甚だ不見識なことを言つているのですが、どうですか。
#18
○政府委員(小滝彬君) 実はこうした誤解が生じまして、それがインドネシア側でも大きく報道せられ私ども非常に遺憾に思つているところであります。岡崎大臣の申さんとする点は、すでに今国会の本会議においても両院において述べられた通りでありまして、日本としては先方の日本軍によつてこうむつた損害に対し、日本の経済力の許す限りできるだけ賠償をしたい考えでありまして、誠意をもつてそうした措置をとろうといたしているのでありまして、決して権利でもなければ方便でもないということは是非関係国に了解して頂きたいところでありまして、どこか大阪あたりで大臣が話されました際に、これは準備をした演説でもなんでもなかつたのでありますが、実業家に対して話されました際に、新聞のかたがその大臣の述べましたところを報道しました際に、非常に大臣が賠償支払によつて日本の受くるところの経済的利益というようなものを強調されたるやに報道されたわけであります。併し大臣の言わんとする趣旨は、あくまであの本会議場で述べたような趣旨でありまして、勿論結果的に言えば双方の友好関係も増進するし又賠償を支払つて平和条約ができた上においては、双方の経済協力関係も増進せられるということは期待できるのでありますけれども、併し経済提携のためにその手段としてやるというような趣旨では絶対にないということは、その後も倭島公使を通じまして再三インドネシア当局へも申述べているところでありまして、漸次そうした岡崎大臣の趣旨は先方へも徹底したように私ども情報を受けている次第でありますが、今後ともそうした誤解のないように私ども努めたいと思つております。
#19
○中田吉雄君 それでわかりましたが、数種の新聞を私ども誤りではないかと思つてあちこち見たのですが、同じような発言をされているしその後岡崎さんは取消したという何もないのですが、そこで我々としてここで特になぜ私がこういう質問をいたしますかというと、その問題にも問題はあるのですが、アメリカといろいろな諸条約を結ばれる際に考えて頂きたいことは、講和条約が国会に出された際に、我々が、この条約というものはアメリカが言い、そして政府当局が言われるように、寛大にして和解と信頼の講和ではない、賠償の問題だつて然りだというふうに、こういう問題について鋭く言つたのですが、寛大にして和解の講和で、戦争のあとに結ばれたものとしては稀有の、史上未曾有のとは言わなんだが、そういう条約だと言つて礼讃されている。ところがフィリピン、インドネシア、ビルマ等の賠償要求を見ても極めて厖大なものである。たいていアメリカと結ばれる諸条約というものはあとにこういう多くの問題を含んでいる。我々としてはヴェルサイユ条約と比較してみても、こういうことを見るとちつとも寛大でも和解でも信頼でもなんでもない。この問題はそれで仕方がありませんが、一つ、日本の運命にかかわるMSAの交渉については、そういう過ちがないように、私たちのような外交の専門家でないものでも欠点を容易に指摘されることのないようにして頂きたいということを私は申したい。
 それから岡崎さんがああいうふうな発言をされることは、財界にもああいう意見はあるのです。併しそこで考えて頂きたいことは、役務賠償だけでなしに現金糟であるとかいろいろなことをして後進国の産業開発に寄与すると、こういうことを言つている、併しこのことは大きな問題で民族産業がそこに起きてなかなか岡崎さんや財界が企図しているような結果にはならない。必ず民族産業がやはり起きて日本の商品と競争するようになつて、そういうものでないということは、イギリスの属領であつたインドその他に民族産業が起きてイギリスの鉄鍋業とインドの鉄鋼業とが対立して、そういうことがイギリス属領から離れる大きな原因にもなつて、それは不況に悩む業界が政府の金でそういうものが出て行けば救済になるというような意味でというかも知れませんが、なかなか重大な結果を私は及ぼすものであるということを思うわけであります。それはイギリス本国と属領の後進国に起きた産業が、母国、本国との産業と拮抗した状態を見れば明らかである。これは明らかにそういう結果になる。この点については微妙ですから小瀧次官に答弁は求めませんが、重大な結果になる、商品のはけ口について必ずそういう問題が起きるということだけは、一つお考え願いたいと思うわけであります。
 それからこういうふうに結ばれて実際の作業というものはどういうふうになつているのですか。私この条約だけではわからんのですが、どこが担当するとか経費の支払とか技術的な問題について、一体一艘引上げればどれくらいの単価となりどういうふうになるというような問題、特に船にはスキャンダルが多いのですから。(笑声)
#20
○政府委員(小滝彬君) 答弁を求められなかつたと思いますけれども、併しただ中田さんが誤解しておられやしないかと思うことは、平和条約は寛大なものじやなかつた、こういういろいろな困難な支払もしなければならなくなるのじやないかとおつしやるが、これはちよつと誤解であろうと考えます。というのは平和条約の第十四条にいわゆる役務賠償が規定してあつて、日本のヴアイアブル・エコノミー、日本の経済力の許す限度という字が書いてある。それが不満だからインドネシアはこの条約に批准しないのです。新らしい二国間の条約を作ろうとしているのであります。ということは結局平和条約というものは寛大であつたということを裏付けするものであるとも考えられる。これは決して平和条約の条項によつて今中間賠償協定をしているのではございません。それがあまりに寛大だから、それ以上のものにしてもらわなければ困るというのがインドネシアの考えでありますので、この点は誤解のないようにお願いいたします。植民地経済なんというものは全然離れて義務として賠償を支払うわけであります。そうして先方で購買力が出るというようになれば、結果的に言えば双方の関係がよくなつて、早く東南アジアと日本の関係もよくなるだろうということを考えるのでありまするが、併し賠償そのものについてはあくまで日本が誠意を披瀝して、できるだけのことをしなければならないというふうに考えておりますので、くどいようでありますが大臣が言われましたことが誤解せられまして、こういう反響を生じているのは残念でありますから、この委員会を通じましてもう一度この点を言つておきます。
 なおこれが実施についてはどういう方法をとるかということでありますが、現にフィリピンとのほうではいろいろ話合をして、向うのほうでやつてもらわなければならないし施設も急いでおります。そうして賠償のための沈船引揚をやる会社はどこにするかというようなことは、入札というような方法でやるようにいたしております。が併しこのインドネシアのほうにはまだそうした詳細なあれはございませんけれども、はつきり確定はいたしておりませんが、これについては実施細目がございますので、それに従つて実行措置をとつて行こうということに考えておる次第でございます。
#21
○中田吉雄君 フィリピンにはそういう実施細目はすでにできておると思うのですが、この委員会に提出されたでしようか。
#22
○政府委員(小滝彬君) 大野公使がまだ参事官でおります際に、当委員会においても相当詳細に御説明申上げました。
 なおこの今のインドネシアの中間賠償にも実施細目というようなものが一応できております。
#23
○中田吉雄君 それを一つ……。
#24
○政府委員(小滝彬君) これは先ず第一の点は、この協定によつて引揚げられる沈没船というのは、両国政府当局間の協議によつてここに指定されるものであるという点があります。それからこの協定の適用上、沈没船舶の引揚作業を予備調査作業と実際の引揚作業とに分けて、前者のほうは作業処理方法に関する一船別の調査作業とし、後者のほうこの実際の引揚作業ですが、沈没船舶を浮揚しこれを最も近い港まで曳航する作業もう一つはクレーンで引揚げられる程度にまで船体を解体し、船荷と共に陸上げする作業、及び航路の安全のために沈船を破壊する作業、この三つを含むものであるということを規定しております。
 もう一つは、日本国政府はインドネシア政府の同意を得て、日本国の引揚請負業者をして引揚作業を実施させるということであります。
 第四点は、日本国政府が負担する費用の総額は、協定第一条第二項に規定する額に限り、作業経費の評価額の査定は、口日本国政府が経費を負担する前に両国政府間の協議によつて決定する。又インドネシア政府が地方的に調達できる物品を提供することが望ましいと認められる場合には、その物品の価格及び支払方法は両政府間の協議によつて決定するということを規定しております。
 それから第五には、引揚作業はこの協定の効力発生後六カ月以内に開始して四年以内に終了するということになつております。
 次にインドネシア政府は引揚作業に必要な資料及び情報で入手できるすべてのもの、陸上作業場及び宿舎、繋船ブイ等の便宜及び水先案内人の役務を提供し、入港料その他船舶に関する諸課金の支払を免除し、地方的に入手し得る主要食糧等の調達に際して日本人の請負業者を援助するものとする。こういうふうな点が大体主なものであります。これによつて順次実施されるであろうと規定しております。
#25
○中田吉雄君 フィリピンのこれといい、インドネシアのこれといい、まあサルベージ界にはブームが来ると思うのですが、一体これは外務省のどこが担当するのですか、そういう入札とかいろいろなことは。
#26
○政府委員(小滝彬君) 外務省ではなしに運輸省のほうが担当しております。
#27
○中田吉雄君 運輸省ですか。それはどうもますます危いと思うのですが、(笑声)これはフィリピンのほうは一体どういう……、すでに入札なんかがあつて着手しておるのですか。どうなんですか。
#28
○政府委員(小滝彬君) 先ほどもちよつと御説明申上げましたようにフィリピン側のほうの作業場とか陸上の施設とかいうようなものの関係で遅れておりまするが、それともう一つは気候の関係で遅れておりましたが、まあ季節風なんかの関係がありますので遅れておりましたが、向うの準備ができましたから三月の末、四月頃には実行せられることになるだろうと存じます。併し入札のほうはまだ法定してないだろうと思います。
#29
○中田吉雄君 運輸省のどこですか、それは。
#30
○政府委員(小滝彬君) 造船課のほうが担当しております。
#31
○中田吉雄君 そうしますと、いつ採決されるか知りませんが、私はどうしても運輸省に来てもらつて釘を刺しておかなければならん。実際国会は右も左も見て採決せんと危くてしようがなくなつている。例えば今日、昨日、一昨日出ておる予算委員をやつていました西郷理事は、みずから議事規則を無視しまして委員長席に着いて、造船の利子補給を含む国家予算を通した。ところが彼は五百万も新聞によると金を取つて他党を買収する費用としているというようなことで、全く我々としては慎重な配慮の下にこれをやれねばならんと思いますので、そういうことが一体行われるかどうかという資料を一つ運輸省のほうから出して頂きたい、そういうことを一つ要求しておきたいと思います。どうですか、それについての御答弁は。これじや実際盲判をおせということですよ。
#32
○政府委員(小滝彬君) 委員会のほうから運輸省を呼び出すように御要求があれば、当然運輸省のほうは出て参つて説明すると思います。
#33
○中田吉雄君 実際今日も改進党の中曽根君が予算委員会でやつておりますが、現職の大臣が二人も金をもらつたということははつきり予算委員会で言われておる。そういうところの所管でこういうサルベージの入札なんかやられては実際たまらない。だから一つそういうことのないようにするために至急に、法案の審議をお急ぎでしようから、一つお願いしておきたい。
#34
○委員長(佐藤尚武君) 中田委員の只今の御要求は委員会として取計らうことにいたします。
#35
○團伊能君 もう一つ。これは非常に明瞭なことでございましようけれども参考のために伺つておきたいのは、沈船引揚というとその船の所属は、沈没したものは敵国資産としてインドネシアの所有となつておるのだと思いますが、引揚げる船は日本の船に限らずインドネシアその他外国の船も含まれているのでございましようか、その点ちよつと。
#36
○政府委員(小滝彬君) その点につきましては実はフィリピンのほうは予備調査も或る程度いたしましたけれども、インドネシアのほうは全然調査がまだ行われておらないのであります。で、わかりません。が併し仮に第三国の船があつたとすれば日本は役務を提供するだけであつてそれをどういうふうに処分するかということはインドネシア側と第三国と交渉により一方的に決定するものだろうと存じますので、日本としてはこれには関与しない建前であります。
#37
○中田吉雄君 何か議題がありませんでしたらちよつとお尋ねしたいことがあるのですが………。
#38
○委員長(佐藤尚武君) これから質疑だけでも片付けてしまいたいと思いますが如何でございましようか。その次に来るのがデンマークとの間の工業所有権の問題、これに対しての質疑が済んでから今の中田委員の何か御質問……、よろしうございますか、それで。
#39
○中田吉雄君 どうぞ。
#40
○高良とみ君 このインドネシアとの交渉ですが、ちよつと遅く上りましたけれども、沈船引揚交渉がここまで至る経過ですね、日本との平和条約にもこの役務賠償については当該連合国と速かに交渉を開始するように書いてあるのですが、フィリピンに関してはいろいろ戦犯その他の問題があつたために遅れておりました理由もよくわかりますが、インドネシアに関してどうしてこんなに遅れたかというその主だつた理由を挙げて御説明願いたいのです。先ほど御説明のあつた賠償総額がきまらないとか、或いは今後の二国間の平和条約についての話合がここまで行くことは了承しますけれドも、その間インドネシアの国情がこういう役務賠償を話合いするのに遅れさせたということも考えられます。その他のことについて少しく御説明願いたい。
 それから経済面で大分日本の輸出が向うに貸越になつておりまして、向うとしてはそれを賠償に充てたいという要求があつたやに伺つておりますが、そういう交渉もあり、又インドネシアの国情そのものが大分ほかのフイリピン等とは違う国情にあると思います。それらについて御説明頂ければ仕合せです。
#41
○政府委員(小滝彬君) 交渉は御承知のように一昨年以来行われておりましたけれども、向うの政情の関係もありまするし、又先ほどから申しましたように、賠償総額というような点について先方と日本側の考えておる数字等には非常に大きな開きがあつたわけであります。殊に先方のほうはインドネシア人に対する損害のみならず、外国人特にオランダ人に対する損害をも含めて計上するというような点もございまして、特に賠償総額というような点でなかなか話合が付かないというようなことで遅れております。が併しこの正月以来倭島公使も参りまして、非常にしばしばれ先方の当局と会つて折衝を重ねておりますので、例えばときどき新聞などにも散見いたしておりますアサハン計画というような発電計画などについての話も行われておりまするが、何といたしましても総額の面に非常に大きな開きがありまするために、そうした部分的な票なかなか解決できない。そこで大分その使節が参りまして日本と話合つて行きました。沈船引揚の協定だけを取りあえず中間賠償としてとりまとめて、これだけでも賠償の一部として実施して行こうということになつたわけであります。それに関しまして只今高良さんがおつしやいます貿易尻のほうで相当日本の貸越があるので、これを賠償に利用したらというようなふうなお活も一部にあることは承知いたしておりまするが、併しこれは飽くまで商業上の債権債務の関係になりますので、これとは別個に考えなければならないという建前においては大体インドネシア政府側も了承しておるようであります。商取引が何か行われますような際にそれを賠償の一部としてはどうかというようなこともときどき言われることもございますが、そうなりますと非常にこの賠償交渉そのものも紛糾して参りますし、はつきりとした線が出て来ないという虞れがあるので、先ほど仰せになりましたインドネシアとのオープン・アカウントの帳尻を利用するというような考えは双方とも現在のところ持つておりません。
#42
○高良とみ君 なおオランダとインドネシアとの関係についてでありますが、いろいろこみ入つたオランダ政府との通貨の交換率も、オランダ人がインドネシアに来ていわゆる土地の通貨と、インドネシア人がオランダの通貨を買うときの通貨の割合等にも差があるように私ども仄聞しているわけでその点はどうなつていますか。つまりオランダ連邦の一部みたいな杉にあるインドネシアとこう考えて間違いないでしようか。
#43
○政府委員(中川融君) インドネシアとオランダとの関係でありますが、これは御承知のようにインドネシアはオランダから独立したのでありますが、併し現在インドネシアとオランダが或る種の連合体を作つているという観念に相成つております。併しこれはイギリスとそのほかのイギリス関係のいろいろの国と、替つてイギリス帝国に属しておりましたいろいろな国との関係のように密接なものではなく、双方で一つの連合体という観念は約束でできているのであります。インドネシアはその連合体から一日も早く完全な独立をしたいという気持を持つておりまして、その趣旨でオランダと夫だに交渉が継続しているのであります。従いまして連合体はなしておりながら殆んど実際には連合の実は挙つていない、こういう状況になつております。
 なおオランダの通貨とインドネシアの通貨との換算率に差があるというようなお話でございましたが、その点につきましては我々遺憾ながら資料を持つておりませんので、必要であれば調査いたしまして御報行いたしたいと思います。
#44
○高良とみ君 更にインドネシアの政情についてお話願いたいのですけれども、それはこの間選挙があつてああいう政情になつたからですが、ここの講和条約にある通り早くこういう請合が進められるべきものであつたのに、あそこではオランダの勢力がまだ相当にあり、それから一種の高等弁務官式なものがある。それから中には共産党の暴動等のようなものもあつたように了解しておりますので、今日の今協定を結ばんとするインドネシアの政権というものはどういう色彩のもので、それの安定性といつたようなものはどのぐらいなような大体の世論なんでありましようか。これは中間的なものであるのか、或いはどういうものであるか、これを伺つておきたいと思います。
#45
○政府委員(小滝彬君) 日本の政府といたしましては、先方の今の正統政府を相手にしてできるだけ早く賠償問題を解決いたしたいと努力している次第であります。併しただ先方の政府というようなことにつきましては、折角の御質問でありまするけれども別の機会にでもお語いたすごとにして、この席では差控えさして頂きたいと思います。ちよつと速記をとめて下さい。
#46
○委員長(佐藤尚武君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(佐藤尚武君) それでは速記をつけて下さい。ではインドネシア関係の問題につきましての質疑は本日はこの程度で打切りたいと存じますか……。
#48
○曾祢益君 ちよつと一、二質問いたします。これはあとで外務大臣から伺うのが本当かも知れないのですが、賠償問題全体に対してインドネシアの協定に関連して何か御説明があつたのですか、今日は。
#49
○委員長(佐藤尚武君) インドネシアの問題に関しての御説明はありましたが、賠償問題全体に関しての説明は今日はございません。
#50
○曾祢益君 若干その点伺いたいのですが、実はインドネシアの問題につきましても、スダルソノ君は各方面にいろいろ東京在京中も連絡をとつておられたらしいのです。我々のほうにも連絡があつたわけですが、結局総額の問題で非常に困難だということが大分わかつたように我々も考えております。そこでその中間賠償というアイデアで行くほかなかなか困難ではないかという点も確かに了解してくれたように私は考えておるのですが、ただ政府のほうに伺いたいのは、この中間賠償というアイデアはまあやむを得ないとしても、中間賠償即ち、例えば沈船引揚というような非常に特定なサービスの賠償だけということは向うの希望に対して余りにも違いがあり過ぎるのじやないか。そこでインドネシアの場合もそうだけれどもほかの場合でもこの中間賠償即ち総額はあとできめてその内払いみたいなことに取扱うというやり方で、とにかく賠償問題の部分的解決に乗出すことは私は必要だと思うのですが、もう少し範囲の広い経済協力みたいな、向うの生風力強化等に関するサービス、及び生産財の供与或いは向うの病院等に対して日本の材料で作つてやるという、何か賠償に関して日本が誠意があつて動いているのだというようなものを含めて中間賠償ということをお考えになつているのか。或いはそういう考え方の下にとりあえず沈船引揚という今までできている一つの型をとられたということなのか。その中間賠償というものをもう少し範囲を拡げてやるお考えはないかということを先ず伺いたいわけです。
#51
○政府委員(小滝彬君) 曾祢君の仰けの通り、今までサンフランシスコ条約の十四条にあるようなものを非常に厳格に解釈するというようなことでは賠償問題というのは解決できない。それは本当に日本側の誠意を披瀝するゆえんでないということはすでに総理も外務大臣も大体そうした趣旨を述べて来たはずであります。役務というものをもう少し広い範囲に解釈しなければならないという考え方でありまして、例に挙げられました病院というような問題についても、これはインドネシアではありませんがほかのほうから言つて来るのに対してそれは考えようということにたつております。ただ具体的な案が来たかつたりなどいたしまして、はたから見れば非常になまぬるいように見えるかも知れませんが、いろいろそれに関連する問題もありまして最終的な段階には来ておりませんが、こうした意味で平和条約の第十四条ではよほど広くこれを解釈して行つて円満な妥結に到達したいという考えで私ども進んでおります。
 又中間賠償的な考え方もただ沈船以外は別だというので排除しておるわけではございません。ただ先ほどから申しますように、総額というような点について先方のほうでも相当執拗にその辺をきめておこうという希望が強いために、沈船引揚以外については中間賠償的な話合は現在のところ出ておりませんけれども、日本政府としてはそうした点も十分考えに入れて交渉を進める方針でおります。
#52
○曾祢益君 まあ方向としてはもう政務次官のお話乃至は総理や外務大臣の施政方針等にも出ておるので結構なのですが、現実に例えばインドネシアの場合でもそういう話も全然なかつたことはないと思うんですね。例えば向うで欲しいというものでも日本からみると非常に原材料の関係等からみてそう余り余力がないというものと、向うが欲しいものでこつちから供給して行くという余力の相当あるものとがあると思います。だからそういつたような中間賠償に充てられるべき、日本からみれば物資の割合に余つているもの、又向うからみれば絶対に作つて行きたい生産設備等、そういうものを両方から検討して行つて而もそれをただ向うのイニシアチブを待つだけでなくてれ日本からこういうものはどうだというような少し積極的にこつちからオツフアーするというぐらいの計画性と誠意を示して行くならば、これは私はもう少しそういう中間賠償というものがもつとできて行くのじやないか、これはまあ現実に交渉をやつておらないおか目八目かも知れないけれども、どうも政府のやり方は、まあ総額のことはむずかしい、中間賠償はアイデアはいいと言つているけれども、現実にこつちからそれを打開して行くという具体性を持つた、こつちからオツフアーして行くだけの何というか親切味等と創意が足りないのじやないかという気がするのですが、これは批判みたいになりますが、現実にインドネシアに関してはこの中間賠償と倭島公使のやつておる基本的な問題とのほかに、そういう中間賠償みたいなものをこちらからでも持つて行くというような計画はないのですか。
#53
○政府委員(小滝彬君) これはもう今までもすでに何遍かやつていることでありまして、ただそれがもつと実物を見られたら、専門家の曾祢君からもう少し具体的なものを出せというお叱りがあるかも知れないが、先方へいろいろ作業の種類なんかも言つてやつております。先ほども申しますように、賠償の問題はここでいろいろ申しますと我々がおよそ予想しないような反響を海外に及ぼしますので詳細なことは申上げかねますけれども、相当具体的に、例えばビルマなどのほうでは準備が十分でないということで、先方べ申入れをしておるというような点もあるのでございますが、そういうような点は御了承願いたいと思います。又いろいろ曾祢君あたりには御意見もあるだろうと思いますが、随時お話も承わりましてそれで御協力を願いたいと思います。
#54
○曾祢益君 これは一遍むしろ政府のほうからそういつたような交渉の内容について進んで秘密会でも要求して説明して頂くと、我々いわゆる国民の一員として大分各国の官民のかたからいろいろな、何と言いますか探りと言つては失礼かも知れないけれども意見の交換を求められるようなことがあつて、これはやはり我々も相当そういうことは知つておく必要があるのじやないか。だからあえて今日とは申しませんが適当な機会に、今会期中に是非賠償問題に関する洗いざらいの話をして頂いたほうがいいんじやないか。殊にこれに関連して私はですから今日も総額の問題等に関する意見、或いは質問をしたいんですけれども、それもそのときに譲りますけれども、実におかしな事態が起つているんです。政府に我々が公開の席上で伺えば、これは各国別の総額なんというものは全然新聞のいわばでたらめだと、こういうお話になると思う。今日も私しておりませんけれどもね。ところが現実には新聞電報の打返しで向うの政府から、例えばフィリピンの場合には一応一億五千万ドルということを正式のオツフアーとしては言つてないけれども、日本政府の腹ずもりは一億五千万ドルということを日本の公けの機関を通じて向うに言つておるということを向うは確認しているんです。而もそれでは足りないからと言うんで、今もう少し引上げろという交渉をしているらしいですね。一々細かいプロセスは全部我々が即座に機に応じて知つておく必要はないかも知れないけれども、大きな、普通の新聞に出て来ることを政府は国会議員、殊に外務委員にも知らさないでやつているというようなやり方では、これはやはり国民と政府の一体なる外交には私はならないと思う。であるからそういう点も含めて是非一遍そういうような秘密会でもいいから、御説明を稜々詳細にやつて頂きたいという希望を申上げておきます。
 最後にもう一問だけ伺いますが、今度の協定の前文でしたか、協定の中に平和条約の締結に関する希望を調つておるのは非常に結構だと、平和関係、正常な外交関係の樹立を目的とした二国間の平和条約、これをはつきり約諾されたのは、これは非常にいいと思うんですが、この点に関する平和条約の何と言いますか、筋としての基本的な要綱等については大体話合ができておるんですか。勿論これが調印ということには賠償問題のいわゆる本格的解決ということが条件になつて来ると思いますが、大体平和条約に盛るべき内容ですね、基本的な事項、これについては両国の政府間の話合で大体要綱はできておるのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#55
○政府委員(小滝彬君) この形式などはきしまつておりませんけれども、筋としてはインド等の条約に類したようなものという考えでありまして、岡崎大臣が向うへ廻られましたときも、そうした大筋の話は向うへ伝わつておるんで、その点では非常に大きな疑義はないと信じております。ただ戦争賠償を解決するために賠償問題がその中へ入るかと思いまするが、それは大体インドの条約のようなものというように私ども予定しております。
 それから最初の御希望は誠に御尤もと思いますので、私どもとしましてもそうした御希望に応じて話をする機会を持つたら結構であろうというふうに考えまするが、併しこれは言葉を返すわけではございませんが、二億五千万ドルというような話は、或いはこの会議で直接積極的に御説明申上げなかつたのが我々の手落ちであつたかも知れませんが、そうした点は二回でも何遍でも質問に応じて答えている次第であります。できるだけ話合の機会を作りまして御了解を得たいと存じます。
#56
○曾祢益君 委員長のイニシアチブで適当なプログラムに織込んで頂きたい、これを外務大臣と御相談をして。
#57
○委員長(佐藤尚武君) 秘密会を開催するという問題は、理事の方々と御相談しましてそして適当な日にきめることにいたします。
 それではインドネシアとの船舶引揚に関しまする問題についての質疑は本日はこの程度で打切りといたしたいと存じます。
#58
○委員長(佐藤尚武君) ついで第二次世界大戦の影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のあるかたは順次御発言を願います。
#59
○團伊能君 このデンマークと日本との間の工業所有権の保護の問題につきまして、私ども知りませんが、このデンマークの工業所有権のパテントその他で日本の工業上非常に大きな影響を持つておるもの、又日本のパテントその他で向うに大きな影響を持つもの、そういうものは実質的にどういうものがありますかちよつと伺いたい。
#60
○政府委員(石原武夫君) お答えをいたします。現在デンマーク人の持つております工業所有権が今有効になつておりますもの八十一件、そのうち特許権が四十四件、実用新案が六件、商標が三十一件、意匠はございません。今お話のように一番問題になりますのは主として特許四十四件でございます。それからそのうちなおこの措置によりまして回復される特許権があるわけであります。現存のものは特許四十四件でございますが、この協定が有効に成立いたしました暁に、今まで戦時中に消滅してこの条約の適用によりまして生き返るであろうと思われますものが約二十件ぐらいあります。それでこれらのデンマーク関係の工業所有権のうち特に特許権につきまして工業上非常に重要だと思われますものは内燃機関、御承知と思いますが内燃機関の関係、それの部品であります。御承知のようなバーマイスターという会社がございますが、それが持つております内燃機関、そうしたものが主なものだと存じております。
#61
○團伊能君 今のバーマイスターと言いますと、もうちよつと具体的に言いますと、バーマイスターの持つて、おります内燃機関はどういう内容のものですか。
#62
○政府委員(石原武夫君) バーマイスターの持つておりますのは舶用エンジンでありますが、御承知のようにその他細かく申しますと、これちよつと私も素人で技術的な御説明はできかねますので、若し何でありましたら技術者もよびまして御説明させて頂きたいと思いますが、例えば機械用の弁の発条でありますとか、或いはサイクル内燃機関といつたようないわゆる部品の関係があるわけです。
#63
○團伊能君 有難うございました。そうすると、日本の特許権その他で向うに関係するものはありますか。
#64
○政府委員(石原武夫君) 曾て日本人が持つておつた特許権で向うにあり、或いはこれの一つの適用によつて回復をするというものは実はわかつておりません。これはデンマークーのほうへ頼みましてどういうものがあるか調べてもらつておるのでありますが、まだ返事が参りませんので実は日本のほうの関係がどの程度のものかちよつとわかりませんが、従来の曾て日本人のデンマークに出願しておつたとか、或いは最近における出願から見ると殆どないようであります。昨年或いは一昨年当時の日本人のデンマークに対する出願は二、三件という程度のもので、今日本人が持つている特許権というものは大したものではないというふうに考えております。
#65
○團伊能君 それでよろしいです。
#66
○委員長(佐藤尚武君) ほかに工業所有権についての御質疑はございませんか。
#67
○曾祢益君 一点お伺いいたしますが、この交換公文の意味ですね、これはどうして平和条約の規定に影響を与えないようにと言う必要があつたのですか。その点について御説明を頂きたいと思います。対日平和条約に。
#68
○政府委員(下田武三君) この交換公文は実はスイスの場合にはあつたのでございますが、平和条約の十六条で断交国及び中立国にある日本の資産を赤十字国際委員会に明渡すと、或いは日本は希望するならばその代り金を提供するという規定がございますので、その点に影響を及ぼさないという趣旨でございます。
#69
○曾祢益君 そうすると、平和条約の十六条のその規定に非常に忠実ならんとする意図の現われだと思うのですが、現実にはそういうことがあるのですか。あり得るという、例えばスイスに、或いはデンマークに登録された、こういう無体財産というようなものの何といいますか、その利益をやはり十六条の規定によつて日本としては国際赤十字のほうに提供しなければならない、現実にそういうものがあるのですか。ただ何といいますか、平和条約に忠実ならんがためにそういうことを書いたのか、その点について。
#70
○政府委員(下田武三君) スイスには日本の特許権がございます。それからデンマークには先ほど特許庁長官からお折がありましたように、あるとは思うのでありますが、その明確な内容はデンマークの特許庁からの返事が遅れておりますのでわかりませんが、いずれにいたしましても実はスイスの場合にもそうでございましたが、この日本が平和条約の適用に影響を与えないと言つたのに対しまして、先方は同条約はおれのほうとは関係ないのだということを言つております。
 その趣旨は先ず第一に政策の問題として、日本のアセットであつてもそのうちの特許権とか商標権というものは、これは収上げて旧敵国に渡すような筋合いのものではない。でそれぞれの国はそれを取上げて旧敵国に引渡すということを肯じないのであります。これは非常に日本にとつては有難いのでありますが、そういう政策が裏にありますためにこの平和条約は自分の国は関係のないものであるということを先方は返事で断わつておるわけであります。実際問題としては、見通しといたしましてはそういうことは行われないのではないかと思つております。
#71
○曾祢益君 そうすると、政府の解釈による平和条約の義務から行けば、ここにまあテキストはないのですが、平和条約十六条によつて日本が放棄すべき財産利益等にはこういつたような工業所有権みたいな無体財産を含むと、こういう解釈を持つているのです。いるから念のために、それは放棄してもいわばよろしうございます、ところが向うからはどうも中立国はそんな無理やりなことを考えないからいや我々は、自分は第三者同士の条約に係わりないし、又実際の方針としては日本のそういつたような財産でスイスなりデンマークにあるものについては旧敵国に自分らは渡す義務は認めてない。そうすると日本政府としては一応こういう交換公文の、こつちから行く往文を出しておいてそれで平和条約には忠実ならんとしたのだけれども、現実には向うの中立国がそんなことはしないというからいわば馴合いで免責規定を作つた、こういうわけですか。
#72
○政府委員(下田武三君) 実は仰せの通りの趣旨でございまして、スイスなりデンマークなりが日本の特許権を取上げて来ないのはもつけの跨いでございますが、将来平和条約の当事国から、日本が渡さないのは平和条約の義務違反だと言われないためには、日本側としては飽くまでも平和条約を尊重して、平和条約の規定に影響を与えないのだということを一応断わつておく必要があるという、日本は断わつたけれども現実にその特許権のある国の政府がそれを承知しないから行われなかつたので、決して日本は条約義務違反の共犯ではないのであるということを明らかにしておきたいわけであります。
#73
○曾祢益君 これはまあ法律論になりますが、そうすると第一にはやはり平和条約の規定は、こういつたような財産権は放棄すべき側に含んでおると、こういう解釈をとつておられますか。
#74
○政府委員(下田武三君) その点は実はそうでないと日本政府は主張する覇気はないわけであります。まあ平和条約の規定の解釈について論争が起りますると二十二条の規定に基いて国際司法裁判所できめてもらうわけでありますが、連合国の多数意見が含むのだと言われた場合に、日本はいやそうじやないのだと言い切ることはちよつと勇気がないわけなんであります。そこで日本側としては平和条約に影響を及ぼさないということを断わつておけば、将来連合国側から文句が出ましても連合国の要求が満足せられなかつたのは一に当該特許権がある国の責任であると、日本側には責任ないのだということを明らかにしておこう、そういう趣旨からであります。
#75
○曾祢益君 平和条約の解釈についてはそういうふうにはつきりと断定し得ないからということはわかりますが、併し相下国が一言うことを聞かないからといつてそれは一体免貢になるかしら、私はちよつと免責にならないと素人的に考えますがね。つまり日本として若しそういう解釈をとるならばやはりこれは相手国の了解を得て、相手国は何も平和条約の義務は勿論持たないけれども、日本側がそういう解釈だから日本側の要請によつて日本に引渡してもらつて、日本としてはやはり旧連合国側に引渡す義務は何らスイスの解釈等に関係なしにあると言われたら、やはり同じことになるのじやないですか。
#76
○政府委員(下田武三君) 幸いにいたしましてこれらの中立国や断交国と連合国の利害関係の多い国十六カ国でございますか十数ヵ国とがロンドンで会議をいたしまして、幸いに只今までのところこういう特許権などをも含めて取上げておるということは起つていないようでございます。
#77
○曾祢益君 まあちよつとおかしいけれども。
#78
○高良とみ君 関連質問。そうすると講和条約の十六条によつて「日本の捕虜であつた間に不当な苦難を被つた連合国軍隊の構成員に償いをする」ために取上げられた日本の特許権というものは、英国その他の国においても一つもなかつたと、今までのところないと了承いたしてもよろしうございますか。
#79
○政府委員(下田武三君) 英国その他の関係国はまあ結局銀行預金でございますとか証券でございますとか、そういうものはやはりそれ自体を自分のほうに引渡すか或いはそれを引渡すのがいやならその代り金をもらいたいという態度でございますが、そういう動産の中にこういう工業所有権を含めないということに話がついておる拠様でございますので、これは日本が関知しません当該中立国と旧敵国との間の話合でそういうことになつております。
#80
○高良とみ君 それならばそういうことになる前に、日本としてはこの日本が海外に持つておつた工業権その他は国際赤十字委員会に引渡したのでありますか。
#81
○政府委員(下田武三君) まだくといつて将来も永久に引渡すことにならないと思いますが、いずれにしても今までに引渡したことはございません。
#82
○高良とみ君 そうするとそれは請求がなかつたから引渡さないということであつて赤十字国際委員会がこれに対して執行しなかつたわけですね。そういうふうに了承してよろしうございますね。今後の国際赤十字委員会と日本との関係にしてもそのことは残るか、まあそういうことになると思うのですが如何ですか。
#83
○政府委員(下田武三君) この国際赤十字は仲介の方面の機関でありまして、政策決定の機関ではないのでありまして結局中立国にある日本資産のどれを十六条によつて要求するかということは、先ず第一には中立国と旧敵国との間の話合できまるわけでございますが、それが今までの話合では工業所有権にまで及ぼさないということにきまつております。
#84
○高良とみ君 なおこの特許局長官に伺つておきたいのはこの八十八件の、特にそのうちの四十四件の特許権に関してはデンマークに国籍を有する人が日本の登録をしたもの、即ち日本の特許局がこれを管理しておつたものと理解してよろしうございますか。
#85
○政府委員(石原武夫君) 先ほどお答えをいたしましたデンマーク人が現在持つております特許権ですね、現在日本で有効に通用しております特許権が四十四件、なおそれからこの条約ができました暁に回復されて、一応戦時中いろいろな事情によつて消滅しておりましたのが回復して来ると思われるのが約二十件くらいとこういうふうに見当をつけております。
#86
○高良とみ君 そうするとこの頃の特許権の傾向に関するものでありますが、かなりこの特許権が国際化しておるように私ども思うことがあるのです。例えばデンマークにおいてとつた特許権を又アメリカに移転或いは協力すべき会社を作つて、そこの特許権としておるというような、一国以上のところの国に登録してある特許権も多いのではないでしようか。そうすると日本に登録しておつた特許権は日本にだけ使うのじやなくてほかの国へも登録してあつたのではないか。ドイツなどにもしておつたのでないか。そうした場合にこれの特許権が日本において使用された場合に、その特許権権利を日本においてその特許権所有者が得るというふうに解釈して間違いないのですね。
#87
○政府委員(石原武夫君) ちつとお尋ねの趣旨が十分呑み込めない点があるかも知れませんが、一応お答え申上げますが、お話のように工業所有権は非常に国際的なものでございまして工業所有権の万国の同盟条約もあるようなことで、これは一八八三年から非常に条約ができておりましてさように国際的なものでございますので、一国の特許権がその他の同盟国に非常に多く出願されて特許になつているという事実は多うございますし、最近ますますそうした傾向が強まつて来るものと私ども考えております。それで従いまして日本にデンマーク人が特許権を持つておりますものにつきましては、ドイツその他の国にも同じように出願をし、特許権を持つているものが多数あるというふうに考えております。
#88
○高良とみ君 そうした場合に私が伺いたいのは、それは日本における特許権を回復することになるので、その国国についてそれぞれ特許権を回復して行かなければならなかつたと了解してよろしいのですか。そうして反対の場合も又同じことになる。そうするとその同じ特許権に対して今度はアメリカは違う、対日講和条約を結んだからアメリカにあつたその同じ特許権の会社は早く回復しているというふうな例もあるわけなんですか。
#89
○政府委員(石原武夫君) 連合国につきましてはすでに全部処理が済んでおります。これはすでにアメリカ等のものは回復が済んでおります。それからその他いわゆる中立国で或いはスイス、或いはデンマーク、或いはまだ協定はできておりませんが、スエーデン、交渉中でございますが、それらのものにつきましては今後こういうふうな個別的な条約によりまして、その趣旨によつて解決をして行くということになつております。
#90
○委員長(佐藤尚武君) それではデンマークとの間の特許、工業所有権に関しまする協定についての質疑は本日はこの程度でとどめておきたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(佐藤尚武君) 先ほど中田委員から何の御発言を要求されておりましたが、保安庁装備局長がここにお出になつておりますことを申上げます。
#92
○中田吉雄君 ちよつと外務省のほうにお尋ねしたい、先に簡単ですから。外務省がこの外務省内の国家公務員を各地方に派遣して講演をいたしておられる件についてお尋ねしたいのです。それはMSAに反対の急先鋒に立つている私の県に来て、鳥取県ですが、六日から十五日まで曾つてない大規模なMSAに関する講演を県と市町村の共催の下にやつている。そして外務省の大臣官房の総務課の主席事務官である吉田健三氏と情報文化局事務官高橋直両氏の二つの班にわかれてやつているわけであります。そこでさすがに主席の吉田氏のほうは非常に慎重な配慮の下に講演をしたらしいですが、第二班の高橋君はいずれ曾野君の亜流でもあると思うのだが、非常にもうこのMSAの援助を受けて再軍備すべきだというものすごい、まあ一方的な講演をしたということですが、外務省はどういう意図の下にそういう運動をやられていますか。鳥取県だけでなしに全国各地でMSA受諾にからんでおやりですか、その辺をお伺いしたいと思います。
#93
○政府委員(小滝彬君) 只今中田さんが指摘されました新聞記事は、一時間ほど前に山陰新報の小滝代表取締役が持つて参りましたので拝見いたしました。私の親戚であります。ただこの委員会に呼び出されましたので事実どういう調査をしているのか、この具体的な件については取調べてみたいと考えております。
 外務省からこの国内各地へいろんな事務官とか或いはその他の局員が派遣せられますのは、各地から外交問題についての知識を得たいという希望がありましているくな申出がございますので、それに応じまして国際情勢の啓発と言えば生意気かも知れませんが国際情勢を皆さんにわかつて頂くという趣旨で派遣しておるものでありまして、MSAの問題に関してだけ派遣するわけでないことはもう中田さんすでに御承知の通りであります。勿論その政治活動的な意味を持つて派遣するものでないことは申上げるまでもございません。
#94
○中田吉雄君 私性霊で高橋さんに会つたのですが、彼も愕然としておつたのですが、私の属する民主団体が幸いテープ・レコーダーを持つて入つていまして全部録音しているわけです。そこでそれを県の人事委員会に録音を再生して聞いてもらつた。これは明らかに国家公務員法並びに人事院規則の政治的な行為に違反すると思うということを、どこでもそうですが人事委員会というものは極めて保守的な委員会であります、私も人事委員の諸君を知つていますが明らかにそうなんです、それにもかかわらず明らかにそういう頃向を、吉田氏はそうでなかつたが高橋君は甚だ積極的で明らかに違反すると思うということを言つて来ている。私電報を打つて直ちにそのレコードを取得せるようにして、一つこの委員会でそれを再生してやりたいと思うのですが。私は申上げたい、それは特に農村なんかにおきましては国際知識が非常に乏しいのですからいろんな素材を提供して正しい判断をずるようにすることについては私も決して無意義な催しではないと思うのです。併し御存じのように終戦以来外務省のとられた一連の外交政策というものは、いつも言いますように必ずしも称讃に値いするものじやない。そうして世界どこを見ましてもアメリカの陣営についた親米的な政権というものはイタリアのデ・ガスペリにいたしましても、あすこに女大使が行つて口やかましく選挙演説をやつてれそうしてデ・ガスペリが高点をとらんと対伊援助をしないというようなのをルース大使がやつてもデ・ガスぺリは負けてしまつて、そうして三回も内閣が変つている。フランスの大統領選挙におきましても十三回の選挙によつてコテイが大統領になりましたが、而も三回目の選挙ですでに欧州軍条約、親米を支持する大統領候補はすでに投票圏外に落ちてアメリカの世界政策というものはするどい批判の上に立つている。そういう際にMSAを受諾して再軍備すべきであるということで、MSAこそ我が国の政治を決定する最両の政治なんだと、そこで録音を持つて来てここでやりますが、若しその際に国家公務員法、人事院規則の政治的な行為に違反しておつたら次官はどうされますか、その点お伺いしておきたい。
#95
○政府委員(小滝彬君) まだこれもただ部分的に見ただけでありまして、はつきりしたことはわかりませんが、それは人事委員会……外務省の法規の命ずるところによつて措置がとられるものと存じます。
#96
○中田吉雄君 今度も鳥取県のようなことをやつばしあちこちに行つてやる気ですか。その点一つはつきりしてもらいたい。
#97
○政府委員(小滝彬君) 今の鳥収県でやつたようなこととおつしやるのはどういう意味か知りませんが、外務省といたしましてはできるだけ国民の皆様に外交のことをわかつて頂くことが必要なんでございまするから、今後ともこうした催しというものをやりまする際には外務省より派遣いたしまして、公正な立場から国際問題を解説さすというようなことに努めたいと考えております。
#98
○中田吉雄君 そういう経費は一体どこから出ているんですか、そのことを開いておきたい。
#99
○政府委員(小滝彬君) 私予算のことは詳しく存じませんが、情報文化局の所管に国内啓発費のようなものを予算で取つておりまするので、その範囲において外務省員を派遣いたしております。
#100
○中田吉雄君 こういう問題は甚だしく一方的に国民の世論を持つて行く誤りがあるので、私予算委員会に属していますから一つ大いに大なたをふるつてそういうもののないように、若しそういう傾向を持つことを明らかに今後もやるというようならやつぱし相当なことをせにやいかんと思う。併し小瀧政務次官にくれぐれもお願いしたいことは、世界情勢は大きく変つているんです。そういう際に吉田政権が今日のような困難にあるのもやはり親米的な政策をとることによつて経済なり内政なり諸矛盾が起きて、巨大な富を使つて供応や買収せんと政権が維持できない。これはデ・ガスペリやビドー外相なんかと軌を一にするものである。これは多数派工作をやつて事態が糊塗できるようなものではない。政策の転換をしてそうして誤つた従来の政策を転換する以外にない。ですから若い諸君がそういう一方的なことをしないように一つしてもらいたい。私も単なる浮説でこういうことを言つておるんではないんです。私は曾野君がこういうことをたびたびやつたり論多書いおりますから、直接同氏の意見を聞いてものを判断しなくてはいけないというので、読売ホールであつたときにも特に筆記をし同氏の見解を、これは丁度往年の私はドイツのナチス外交のときのリツベントロツプ外交に引ずり廻された日本の当時と余り変りがないという、かうな多くの憂慮を持つものです。ですから一つ特に国家公務員としては、いろいろな素材を提供して住民の人が誤りのない判断をするように一つしてもらいたいと思うわけであります。その点くれぞれも高橋君のやりました講演の内容についてはテープ・レコーダーを今電報を打つて取寄せておりますから、皆さん各位の御批判を受けてはつきりしたいと思います。今後そういうことのないように一つ慎重に配慮をしてもらいたいということを希望しておくわけであります。全国にどれくらいの規模で出しておられるでしようか、その点伺つておきたい。
#101
○政府委員(小滝彬君) 私はどれくらいの規模とおつしやいましても、その規模を正確に申上げることはできませんが、何分限られた旅費でありまして大した数には上つておらないと考えます。どうかすると秘密外交といつてお叱りを受けまするから、成るべく公開して皆様に御理解を付ようとして努力している次第であります。
#102
○羽生三七君 ちよつとそれに関連して。実はそれと同じような問題が三、四年前にありまして、それで外務省へ私行つて外務次官に今後の取扱方について申入れをして、外務次官から今後自重するという御回答があつたことがあるのであります。それは現に私が講演に頼まれて行つたら、相手の人が外務省のかただか或いは何か知りませんが、もうひどい講演なんです。まるで立会演説のようになつてしまつたのです。これはいかんと思つて参つたのですが、今教員の政治活動の中立性の問題が論議されておるときに、一定限度以上の広報活動というものは相当大きな問題になると思います。それはどうですか。MSAの協定の中に含まれろかも知れない広報活動と何か不可分の関係があるのじやないでしようか。どうですか。
#103
○政府委員(小滝彬君) これまでのものは勿論MSA協定として今案ができております中に盛られたものとは全然関係はございません。なんとなればまだそうした義務を受けているものでもない。併しあの方法というものは外務省の地方べ出て参ります講演会とは全然関係ないものと私どもは了解しております。これまでのことは勿論関係のなかつたことは申上げるまでもないと思います。
#104
○羽生三七君 これ以外のことでちよつと問題がほかへ外れるのでずが、先日のベルリンにおける四カ国会談で、会談そのものは結局具体的なものが出たかつたわけですが、その最後に四月二十六日ですか、ジュネーヴで中共を含むアジア会議の提唱があつたわけですが、こういう場合に日本政府として何か用意というかお考えがあるのでしようか。又それに関して若干の情報でもあつたら一つお聞かせを願いたい。
#105
○政府委員(小滝彬君) ベルリン会議における秘密会議で話合の結果といたしまして、四月二十六日からジュネーヴで極東に関する緊急状態を緩和するための話合が開かれることになつて、四国の軍事行動に関係した国を招請するということは私どもも情報として受取つておりまするけれども、外交的なチャネルからの特別の情報というものはまだ提供されておりません。これに対して今後どういう措置をとろうとするかということは他の委員会でもすでに御質問がありましたから、本日は六二臣もみえるかも知れませんから大臣が答弁されるだろうと思いますが、私自身はすでに予算委員会でも申上げた通り、十分今後の成行を注意し、又必要に応じては関係国と連絡をとるというようなこともあるであろうが、現在のところではこうした招請されない会議に特に参加をするという措置は考えていないということを申上げて来た次第でございます。成るほどこの会議の進行状態によつては日本にも重大な関係はありますけれども、もともとジュネーヴにおける会議というものは私の個人的な見方からいたしますると、朝鮮における予備会議というものがうまく行かない、結局予備会議についてはどこを招請するかという問題について米国側と中共側と意見が非常に開きがあり、又円卓会議にするか、それとも双方対立した軍事行動に出た国の会議にするかということで意見がまとまらなかつたのを、今度のベルリン会議において妥協点を見出したというようにも解釈いたしておりまするので、日本といたしましては成るほど国連に協力するという態度はとつて参りましたけれども、直接軍事行動に加わつたものでもない。然るに今度の会議の主たる国は、何としてもあの軍事行動を如何に収めて行くか、インドシナにいたしましても、朝鮮にいたしましても、この休戦条約に続くものという性質が最も中心になるように考えられまするので、普通の極東に関する経済会議などというものとは性質も異なりまするからして、直接これに参加するということを考えるのも尚早ではなかろうかというように考える次第であります。
#106
○中田吉雄君 その問題に関連して。岡崎外務大臣も、私ラジオの放送で聞いたのですが、どこか御出張された際にもう絶対に参加する意思はないというふうに言つておられたのですが、そういうふうにみずから扉をせずに機会あるごとにそういう国際会議に出て、特に中国がどうなるかということは極東の平和に非常に大きな関係があるのですし、もう少しみずから鉄のカーテンを下さずに一つ機会をとらえて積極的にやられたらいいじやないかと思うのですが、アメリカの称する自由世界というようなところの会議には好んで出られるような場合がありますが、そういう両方の会議にはことさら敬遠してみずからかたつむりのようにしておられるのですが、それはよくないと思うのですが、どういう意味でそれに出ないのですか。
#107
○政府委員(小滝彬君) 今中田さんのお説では、中国の運命を決するというようなふうの趣旨の……。
#108
○中田吉雄君 中国じやない、極東の平和ですよ。
#109
○政府委員(小滝彬君) 私の聞き違いであつたかも知れませんが、少くとも中共に関しては何もそれを承認する趣旨のものではない。ただあの戦闘に参加したから中共のほうもそこへ呼ぼうというふうな決定であつたようでありまするし、今度アジアに関する会議には、先ほども申しましたように、朝鮮の戦闘に参加した諸国で特に参加を希望するものに対して招請する、招請国の決定もそのようになつておりまするので、先ほどから申します。ごとく、何か問題が非常に更に広範になりいろいろ討議が進むということになれば、或いはそうした参加ということも積極的に考えなければならないかも知れませんが、羽生さんにお答えいたしましたように、こうした戦闘の終了に関する会議でもありますからして、又招請せられておるという関係にもございませんので、現在のところはこれに参加するという意思は持つておらない次第であります。
#110
○羽生三七君 これは非常に唐突な質問になるのでありますけれども、これはもうずつと古い話になりますが、何かそれをむし返すというようなことじやないのでありますが、実はこの間ソ連の一外交官が逃亡してどうこうということがあつて、その際のUP電報ですか何かに、日本の現政府の前閣僚が情報提供云々ということがあつたと思いますが、その問題に関して極く最近外務省は何らかの情報を得ておることはありませんか。
#111
○政府委員(小滝彬君) この問題につきましては、すでに議会でも答弁いたしましたように、問題が起りまするや早速在京の米国大使館に問い合せましたけれども、在京米国大使館のほうでは何らの情報も持つていないということでありまして、その後もときどき新聞にこの関係の記事が出まするので、催促いたしておりまするけれども、大使館としてはこれに関する情報は全然持ち合せていないという回答であります。但し、何か情報があれば早速外務省のほうへ連絡するということになつておりますがまだ何の情報もございません。なおその後出ました情報では、閣僚がこれに関係しておるというふうなことも、どこかに出ていたように記憶いたしまするけれども、これについても外務省としては別段の情報を入手いたしておりません。
#112
○羽生三七君 今までの経過は大体私もそういうふうに開いておりますが、極く最近何らかの情報が入つておりませんか。
#113
○政府委員(小滝彬君) 外務省としては何にも外国側の代表からも受けておりませんし、又警視庁の関係のかたとも随時連絡はしておりまするが、別段の新らしい情報を入手しておりません。
#114
○羽生三七君 これはいずれ後日又お尋ねすることがあるかも知れませんが、今日はこれで。
#115
○高良とみ君 私はどなたに伺つていいかわかりませんが、小瀧政務次官がおいでになるので伺いたいのは、さつき秘密外交の話があつたのですけれども、まさか秘密になさる意味ではないと思うのですが、昨年の秋から国際連合の或るセクシヨンから、婦人参政権を未だ持つていない国が世界中には多いから、これについては婦人参政権を実施しておる国等、或いは国連加盟国にもこの婦人参政権を実施すべきものであるということに対しての協賛、或いは批准を要求して来たように聞いておるわけです。これの処置がどういうことになつておるのですかちよつとお伺いしたい。
#116
○政府委員(小滝彬君) この条約批准の問題は、外務省といたしましては日本は実害のないことであり現に実施せられておることであるから、できるだけ早くこれを実行したいというふうに考えまして、関係省のほうへも注意を喚起いたしておるのであります。御承知のように労働関係の条約とか或いは社会関係の条約というものは、外務省のほうで加入するとかしないとかを決するのでなしに、それぞれ主管の官庁がございますのでそのほうの中出に応じ、又外務省のほうで随時連絡をいたしましてこれを決定するわけであります。ところがこれまでのところ主管省のほうでは事実日本としては国内法でできておることであるからというので、必ずしも批准を急ぐ必要はないというような御意向であるようにも承つておりまするが、どの道今までのところははつきりした回答が参つておりませんので、批准する段階に至つておりません。
#117
○高良とみ君 そうしますと、それは婦人参政権に関する所管官庁というような特別なものがなくて、末端は労働省の一部である婦人少年局が扱つておるかと了承するのですが、そこの意見を出して労働省とそれから法務省あたりの意見を集めて、そうして外務れにその意見が出て来たらそれによつて外務省はこの外務委員会にお出しになるおつもりか、或いは労働委員会、法務委員会等にこれをお出しになるおつもりか。国際条約ですから多分外務委員会のほうかと思いますが、先ほどお言葉の別に日本は実施しておるのだからこの批准を急がないというような御意見はどこから出ているものなんでしようか。
#118
○政府委員(小滝彬君) そのように聞き及んでおりまするけれども、正式なまだ回答が参つておりません。外務省の立場から申しますれば折角できた条約にはできるだけ加入いたしまして、国際協力の実を挙げたいと考えます。すでに連絡はいたしております。殊にどこかの委員会でこの問題も御質問になりましたので注意は喚起しておりまするが、正式な回答が参つていないので、今申しましたのはそういうようなことを、また聞きに聞いたというわけであります。関係省の意向がまとまりまして外務省のほうでその措置をとるようになりますれば、当然議会のほうへ提出するのですが、それがどこの委員会にかかるかは外務省の意向によつてきまるのではなくして、議会の御意向によつて決定する次第であります。
#119
○高良とみ君 併しこれは外務省を通して一応日本の政府の内閣が扱つておられるものと思いますので、ただ日本に特別な利益がないからと言つても、御承知の通りにその婦人参政権ができないで非常に遅れている後進国があるわけです。そういう国の婦人参政権をも奨励する意味もありまして、日本ではもうそれをやつているから特別な利益はないし、或いは分担金等もあるかも知れませんが、そんな点でよそのまあ遅れた国の利益をも考える意味で御推進願つたほうがいいのではないかと、私ども婦人議員団でよりく相まして心配しておるわけです。それが而も昨年秋に国際連合から来て、而もこれに対して外務省及び内閣等が熱がないというような感じも、只今のお言葉の中にも別に急がなくてもいいではないかというふうなお言葉があつたのですが、その当局にあつて国際連合の中で婦人の啓発及び進歩のために働いておる人にしてみれば、日本がそういうことに対して非常に不熱心である。又東南アジア方面からは御承知のように日本の婦人の活動に対しても深い注意を払つておるわけでありまするから、一つこの扱い当局でありまする外務省としても、どうか一つ別に面倒なこともないわけでありますので、その当局を御鞭撻になりまして、早く批准ができますようにお進め願うことを希望したいのですが如何でしようか。
#120
○政府委員(小滝彬君) 別に急ぐ必要がないというようなことを外務省で言つたのでなしに、先ほど申しましたようにそういう御意向もありましたので注意を喚起いたしましたけれども、一部にはそういう、正式な回答じやございませんけれども、そういう意向もあつて遅れておりますから、それが本日も又その御質問がございましたので連絡させるようにいたしまして、できるだけ早く批准の措置がとれるように努力いたしたいと思つております。
#121
○高良とみ君 是非お願いいたします。
#122
○中田吉雄君 小瀧次官にMSAの講演に関して一つ、MSAの鳥取県に行つた国際情勢に関する講演の要旨を吉田、高橋両君のを出してもらいたい。その後にレコードを公開しますから詳細な講演の要旨を先ず出してもらいたい。それからその真実の記録に基いていろいろ国家公務員法、人事院規則の政治的行為という項に違反するかどうかということを一つ、人事院のほうからも出て頂いてやりたいと思いますので、至急に両氏の講演の要旨を一つ出して頂くことをお願いしておきます。
#123
○加藤シヅエ君 今ちよつと私席を外しておりまして……。高良委員の今の婦人の地位に関する件について日本の批准を求めている件でございますけれども、婦人少年局のほうはもうそれに対して回答は外務省のほうへ廻しているはずでございますが、まだ御覧になつていらつしやいませんか。
#124
○政府委員(小滝彬君) 私は回答そのものを見ておりませんが、まだ他にも関係省があるそうでございまして、そのほうをまとめないと措置がとれませんので、御趣旨を伝えましてできるだけ急がせるようにいたしたいと思います。
#125
○加藤シヅエ君 それは口日本の場合には全部批准するだけの資格を備わつていることでございますから、婦人としては早くして頂きませんと、なんですか、今の政府のやつていらつしやることは非常に逆コースでございまして、婦人が一度得ました権利さえも将来だんだん少しずつ、はがれて行くのじやないかという疑いを婦人たちが多分に持つておりますので、そういうような疑いを若しはらすことのほうがいいと政府でお考になるのでしたら、成るべく早くやつて頂きたいと私どもは考、えておりますので、この際特にお願いいたしておきます。
#126
○委員長(佐藤尚武君) 中田委員、何か御質問……。
#127
○中田吉雄君 もうありません。
#128
○委員長(佐藤尚武君) 先ほど御要求の保安庁の……
#129
○中田吉雄君 それはあるのです。
#130
○委員長(佐藤尚武君) どうぞ、それじや。
#131
○中田吉雄君 小瀧次官にはないということです。……おいでになつているかたは何というのでありますか。
#132
○委員長(佐藤尚武君) 保安庁装備局長久保亀夫君であります。
#133
○中田吉雄君 今度やがてMSAが受諾されて、海のほうの船に関する装備なんかもいろいろなされることと思いますので、そういうMSAを受諾しまして警備船その他を充実して、そうして保安庁法を改正して間接侵略なり直接侵略に対応する措置をとられるのですが、そういうことが米ソ両勢力の間でどういう役割を果すかというような問題についてはあとでいろいろ御質問したいと思うのですが、参議院の西郷吉之助君の保安庁にからむスキャンダルと関係しましていろいろお伺いしておきたいことがあるわけであります。
 昭和二十八年度に装備局、お宅のほうでいろいろ発注しておられる船種、会社、その予算単価というようなものについてお伺いしたいのであります。
#134
○委員長(佐藤尚武君) 中田委員、質問の詳細に入られる前に御相談をお願いしたほうがいいと思いまするが、現在問題になつておるそういうような点でありますね。そういうような点に関しましては、この外務委員会としてどういうことでございましようか。これは私は……。
#135
○中田吉雄君 委員長、ちよつと……。
#136
○委員長(佐藤尚武君) お待ち下さい。……ほかの委員会でそういう問題は提起されるものじやないかと私は思うので、それを先ず最初ここできめて頂いて、他の委員諸君はどういうふうにお思いになるか、それをはつきりした上でなに……
#137
○中田吉雄君 委員の一人として発言します。MSAが受諾されるでしよう。それにからんで海上なり陸上なりに只今問題のようないろいろな船種とか、或いはバズーカ砲であるとか戦車であるとかそういう兵器が入つて来るでしよう。MSAの重要なこれは問題なんです。そういうことに関連してこれは重要な問題である。私どもは当委員会でそんなことで予算単価の相当な部分を食うようなことがこれはなされて到底MSAを認める立場からいつても本来の使命を果さんことはきまつている。私はそういう問題をどの委員会であろうが、機会あるごとに関連質問としてやり得ると思うのです。
#138
○委員長(佐藤尚武君) 中田委員に私の意見をお答えしたいと思うのですが、各委員会はおのおのその特別な職務を持つておるわけでありまして、その管掌事項に属しないものは他の委員会に持ち出すということが当然であろうと思います。それは成るほどMSAに関連した問題でしよう。今のどういう船か存じませんけれどもその発注される船がMSAに関連して、どういう船種であるとかというようなことならばこの委員会で当然私は問題になると思うけれども、御輿間の内容がどういうところまで行くか知りませんけれども、今西郷吉之助君の名前が出たから、新聞に出ているようなことがここで問題になるのじやないかと私は推測したから申上げるのであつて、若しそうであるとするなば、この委員会の管掌事項では私はないと思う。それを御注意申上げておきたいと思います。
#139
○中田吉雄君 西郷君は緑風会におられていろいろ苦衷もあると思うが……
#140
○委員長(佐藤尚武君) 今西郷君は緑風会にいません。
#141
○中田吉雄君 曾てです。私はいろいろな問題を聞いてMSAとからんで軍事的な知識を得たりして、そういう問題と関連するくらいのことは……。そうするとさつきの沈船引揚の問題でも、予算単価を聞いたりどういうふうに発注したりするというようなことは聞けない。
#142
○委員長(佐藤尚武君) でありますから私はMSAに関連した範囲内でならば勿論この委員会で御質問適当だと思うのであります。
#143
○中田吉雄君 それは私の質問内容に入つてみないとわからないじやないですか。
#144
○委員長(佐藤尚武君) ただ西郷君の話が出たから、ああいつたような問題ならこの外務委員会の関係すべき問題じやない、こう私は申上げる。併し各ほかの委員諸君が、いやそうでない、すべての問題をここでやつていいのだというような御意見であるならば、これは私は固執はいたしません。併しこれは予算委員会とか、或いは法務委員会とかそういう方面の問題じやなかろうかと私は思うのです。
#145
○中田吉雄君 まあそれではほかの委員会でやりましよう、その問題は。併しこれは広範な関連があるので大腰が白蟻で朽ちて行くように大変なことになるので、質問しておくことが私必要じやないかと思うのですが、まあそういうことは別にして、若干質問しておきたいと思います。
#146
○委員長(佐藤尚武君) どうぞお願いします。
#147
○中田吉雄君 装備局でいろいろ警備船の各種類があるのですが、特に日本の保安庁で発注されているのと、アメリカから入つているのといろいろその内容についてこれまで入つている内容を知らしてもらいたい。船の種類やいろいろあるでしようから、そういうものを。それからその機能、そういうことについて一つおわかりでしたら……。係が違つていますればその課を教えてもらえばいずれ又お伺いしたいと思います。
#148
○政府委員(久保亀夫君) 私大体は存じておりますけれども、責任のある担当箇所でございませんのでお答え申上げるのは遠慮したいと思います。
#149
○中田吉雄君 それではそれはどうなんですか、そういうものの性能とかいうようなものについて、はつきりわかるのはどこですか。
#150
○政府委員(久保亀夫君) 保安庁の本市の保安局で扱つております。若しくは第二幕僚監部、いずれかでございます。
#151
○中田吉雄君 ではあなたのところは実はそういう船を造つたりされるほうですか。その局の管掌についてお聞きしたい。
#152
○政府委員(久保亀夫君) 保安庁装備局の仕事は分掌規程を持出して言いますと、装備品の調達の基本に関する事項というようなことになつておりまして船舶も含むわけですが、その調達、例えば補充とか或いは補給等につきまして、基本的な問題につきまして警備隊の購入契約その他について大臣が監督いたすわけでありますが、それを内局として監督する、内局として大臣を補佐する、こういう仕事の建前になつております。
#153
○中田吉雄君 いろいろ内閣の根幹に触れるような問題もあるのですが、まあ委員長の立場もあるようですから別な機会に譲りたいと思います。
#154
○委員長(佐藤尚武君) 恐縮でございます。それでは大分もうおいでにならなくなりましたし、外務大臣はこちらに三時四十五分に帰つて来られたはずでありまするが、併し衆議院の予算委員会の方に呼ばれることになつたらしいので、そうしますとそちらの方がどうも先口だろうと思いますから、本日はこれで……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(佐藤尚武君) それでは本日はこれで外務委員会としては散会いたすことにいたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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