くにさくロゴ
1953/03/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第7号
姉妹サイト
 
1953/03/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第7号

#1
第019回国会 外務委員会 第7号
昭和二十九年三月十一日(木曜日)
   午前十時五十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月八日委員伊能繁次郎君辞任につ
き、その補欠として西郷吉之助君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 尚武君
   理事
           團  伊能君
           佐多 忠隆君
   委員
           古池 信三君
           西郷吉之助君
           梶原 茂嘉君
           高良 とみ君
           羽生 三七君
           鶴見 祐輔君
  政府委員
   外務政務次官  小滝  彬君
   外務省条約局長 下田 武三君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       神田襄太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国とアメリカ合衆国との間の国
 際郵便為替の交換に関する約定の締
 結について承認を求めるの件(内閣
 送付)
○外務省設置法等の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開きます。先ず日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。政府の提案理由の説明を求めます。
#3
○政府委員(小滝彬君) 只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の国際郵便為林の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の郵便為替の交換業務に関しましては、戦前は、明治十八年の約定及びその追加条款によつて規制されて参りましたが、戦後も、アメリカ合衆国政府は、サンフランシスコ平和条約第七条の規定に若いて、この約定及び追加条款の復活を通告して参りましたので、現在もこの戦前の約定が両国間に適用されております。併しながら、この戦前の約定の中には、今日の事態に適合しない規定が多く含まれておりますので、政府といたしましては、新約定締結の希望を米国側に申し入れますと共に、ワシントンに専門官を派遣いたしまして先方と予備交渉を行わしめましたところ、その内容についてほぼ両者の意見の一致をみましたので、その結果に基き案が作成されまして、この約定は、昨年十月三十九日に東京で、及び同年十三月十日にワシントンでそれぞれ署名が行われました。
 この約定は、両川間の郵便為替の交換業務の改善を目的とするものでありまして、その内容は、為替金額及び振出料金に関する事項、為替の振出及び払渡手続に関する事項、為替総額の精算手続に関する事項等を規定いたしております。
 よつて慎重御審議の上成るべく速かに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
#4
○委員長(佐藤尚武君) 本件に関する質疑は次回に譲ります。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(佐藤尚武君) 速記を始めて下さい。次に国際連合総会の定めた条件を受諾して国際司法裁判所規程の当事国となることについて承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のあるかたは御発言をお願いいたします。別に御質疑はございませんか。別に御質疑がなければ本日はこの程度にしておきまして、次回に又御質疑をお願いすることにいたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(佐藤尚武君) つきましては、次に外務省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のあるかたは御発言をお願いいたします。
#7
○羽生三七君 この在外公館の数等をふやすようになる結果経費の問題にも関連すると思うのですが、それはあらかじめこの改正案が通過するということで二十九年度の予算の中に含まれておるのじやないのですか。
#8
○政府委員(小滝彬君) 含まれております。ただ建設に全然費用の要らないものは勿論出ておりますが、これが二館ばかりであります。その他は予算に組んでおります。
#9
○梶原茂嘉君 名誉領事の制度についての改正が提案されておるのでありまするが、名誉領事の任用上の効用といいますか戦前名誉領事、名誉総領事の制度が必ずしも十分その機能を果しておらないのじやないかという批判があつたように思うのであります。殊にその名誉領事の側においても、日本政府としてはこういう制度をおきながら必ずしも十分この機能を活用しておらない、どうかすると義理合い的におくに過ぎないような感じも持たれておつたように見受けられるのでありますけれども、名誉領事制度の効用といいますかについてどういうふうにお考えになつているか。その点を一つ伺いたいと思います。
#10
○政府委員(小滝彬君) 今おつしやいましたような名誉領事が或いは所によつてはあつたかと思いまするが、これは日本のほうでは領事館を設けることができない、費用の関係などで設けないような所、又それほど重要性がないというような場所におきまして土地の名望家であるとか、日本に非常に古くから関係を持つておるかたというような者を任命いたしまして、通商航海関係についていろいろ日本のために使宜あつせんを取計らつてもらうとか、或いは先方の中央官憲との連絡に当つてもらうというようなことをしてもらつておつたわけであります。今度もいろいろの方面に領事館を出しましたけれども不十分でありまするし、現にブラジルあたりでは移民の関係もあるから、せめて名誉領事をおいてくれというので推薦して来ておるのもございます。御承知のように名誉領事には給料もやりませんし、特に費用のかかつたときに実費を謝礼金のような意味で弁償する程度でありましてたいがい先方が自前でいろいろやつてくれます関係上、普通の外務公務員のような取扱はできませんが、併しこれは結局人の問題ではなかろうかと存じます。今度もいろいろの方面から言つてうつておりますが、これはよく精選いたしましてできるだけ名誉領事の制度を活用いたすように考えている次第でございます。
#11
○梶原茂嘉君 名誉領事という名前のように名誉的の存在であると思うのですけれども、やはりそれをおいて活用する上には相当の費用というものが要るのじやないかと思われるのです。単に実費弁償という程度じやなくて、相当の費用がこのために振向けるということが必要ではないのじやないかという感じがしますけれども、その点は如何でしようか。
#12
○政府委員(小滝彬君) 大いに活用するためには勿論費用も補つてやるとか、或いは事務所費用の一部を負担するということがより有効であろうということは誠に同感であります。ただこういう人は相当な実業家であり、又事務所も自分の商売のほうと兼用してやつておられるというような関係がありますので、よほどやり方については考えなければならないと存じます。ただ現在の過程におきましては何分予算のほうも限られておりまするので、今年度として見積つているのは大体十人に対して謝礼金と申しますか、実費支弁というような意味を以て三百七十万円大体計上いたしております。今後余裕をできるだけ作りまして今おつしやるようにそれに合うようなものを作りたいと存じておる次第であります。
#13
○鶴見祐輔君 お伺いいたしますが、今ここに出ているのでは新しくエジプトの公使館を大使館に上げる、そのほか公使館が少しできているようですし、それから総領事館、領事館ができておりますが、この機会にちよつと同つておきたいのは、これだけではきつと足りないのじやないか。経費の都合もおありでしようから一遍には請求できないから、順々に御請求になると思いますが、戦争が始つてから約十五年近い間の断層ができておりますから、外交官の変成については随分お骨の折れることと思いますが、人員の関係、経費の関係で一遍に御請求ができなかつた、それでこの機会において大体まだどのくらいおきたいという御計画か大体わかつておれば伺うことができれば……。
#14
○政府委員(小滝彬君) 今年も実は部内の話でありますが、外務省から大蔵省へ申出まして折衝いたしましたのは二十三館ございます。そのうち十館だけが認められたというような次第でございまして、今丁度その表は持ち合せておりませんが、今おつしやつたような趣旨にも合致するように、特に経済外交というような町において必要な個所にまだ出していないところが相当ございまするので、これを充実して行きたいというふうに考えております。
#15
○鶴見祐輔君 今までの日本としてはヨーロツパ中心主義で大体公館をお置きになつておつたのは無理ないと思いますが、これがだんだん日本の利害関係がヨーロツパ中心でなくなると思います。それでアメリカの領事館の数もまだ非常に少いし、殊に南米の公館の位置がほかのヨーロツパに比べて低いと思うのです、その重要性に比べて。殊にアジア及び豪州その他の位置は低い。そうすると、今の戦前の日本との関係とは国際関係が違つているから、いろいろ根本的な考え方に違いが起つて来るのじやないか。それで今お持ちになつておる計画はここではお話できませんか。
#16
○政府委員(小滝彬君) これは勿論本年度として要求いたしたものでありまして、又今後の情勢等をにらみ合せて丈に検討も加えますが、先ほど申しました要求したもので、結局予算に盛ることができなかつた分といたしましては第一にイスラエルの公使館がございます。当地におられるイスラエルの公使も非常に熱心でありまして、アラブ国だけのほうは早く出て自分のほうはないのは面白くないということを申されますし、私どももそう思います。ただアラブ諸国で困りますのは、一方の国に出して一方の国に出さないと相互に非常に嫉妬心が強いし、競争国の立場にありますし、今度もお願いいたしておるようにイラク、シリア、レバノンというものは同時に出すということになると思います。このイスラエルのほうが認められておりません。それから次にパラグワイも兼摂の公使館駐在員をどのくらい置こうかというようなことも考えましたが、これが削除されております。それから領事館でございますが、マカツサル、マドラス、ラホールそれからカサブランカ、マルセーユ、イスタンブール、これらは領事館をとして要求いたしました。それからパナマのほうも領事館、今パナマのほうは公使が兼任しておりますので、領事館を出そうといたしましたがこれも削られました。それからベルリンに領事館を要求いたしましたがこれも削除されましたというような状態であります。お説のように東南アジア或いは南米のほうを重視しなければならぬのでありまして、今申しました領事館の要求でもおわかり下さいますように、東南アジアのほうにはまだ今後も必要な個所へ人を出したいと考えております。
#17
○高良とみ君 アメリカには別に御計画はありませんか、これ以上。
#18
○政府委員(小滝彬君) アメリカのほうは今くわしい計画は持つておりません。実は非常に人員が戦前に比しまして減つておりますために、例えばアメリカの西海岸にある日本の領事館などはツーリスト・ビユーローのような仕事をしているじやないか、在留民の世話というものはそう優良な人でやらなくてもいいじやないか、あれをもう少し整理して他の新しく重要性のある所に廻したらいいじやないかというような意見も相当議会内にもございますし、このへんは更に検討いたしたいと思います。今のところいろいろな関係もございまするので、アメリカのほうではふやそうという計画は持合わせておりません。
#19
○羽生三七君 今のお話があつたように今後も増設されますると思いますが、又それは必要なことでありましようが、そういう場合の基準は何か貿易上の実績というようなこと或いは政治上のウエイト、いろいろあると思うのですが、どういうことを基準にされるのか。それから先方の国が日本へ豊かんというようなこととも関連があるのか。大蔵省が認めるか認めないかというような査定をする場合において基準をどこに求めているのか、そのへんちよつと。
#20
○政府委員(小滝彬君) 率直に申しまして、今羽生さんのおつしやつたいろいろな角度から総合的に判断をされるのが現実の事態であります。ただ今年度増設をしようといたしまして御承認をお願いしておりますのは、特に経済外交という点に非常に重点をおきまして、そうした考慮からスタートしているものが非常に多いわけであります。同時におつしやいますように向うのほうから要求されるので、先方との友好関係にも鑑みて出さなければならないというので、お願いしたのはそれだけではございませんけれども、ドミニカのようなものがございます。併しこれはすこぶる人員も制限いたしまして代理公使を出すというような配慮もいたしております。でありまするからいろいろな考慮を払つております。大蔵省ではそうしたいろいろな面からの我々の説明を聞きまして、そして予算の総額と睨み合せてやつて行くという考え方であろうと存じます。
#21
○團伊能君 今度新設される大使館及び領事館の中に韓国がございますが、これは現在のような状態にございますが、この点において外務省のお見通しはどういうふうになつておりますか。
#22
○政府委員(小滝彬君) 韓国とは御承知のように平和条約ができました際に、相互的な基礎において代表部を歩換しよう、国交が回復すれば大使を歩換するという考えで進み、そうした申入を先方にいたしております。自来二同に亙つてこの点につき韓国の注意を喚起いたしたのでございますが、慰物の頃はまだ秩序も十分確立していないので、日本側の代表部を設置するのを認めることができないというような回答でありましたし、最近日韓会談が決裂いたしまして後も申入いたしたのでありまするが、そのときには現在の事態においては日本の代表部を向うに設けることは適当でないと思うというような回答が参りまして、それに対して更に日本側からは反駁いたしまして交渉しておりまするが、かような関係で現在のところは韓国側の態度に鑑みまして、すでに御承認を受けている大使館及び釜山における領事館というものはいつできるか見通しはちよつとつまにくいような状態でございます。
#23
○團伊能君 只今のお話よくわかりましたが、併し現在なお大使館或いは領事館を置けない状態にありましても、日韓関係の政治問題は別といたしまして、物資の交流のようなものは相当に行われておりますが、これらは何か存外公館に代る代理的な人を派遣しておいでになりますか、或いはその交渉に臨時的に当らしておるということにたりますか。
#24
○政府委員(小滝彬君) 韓国側の態度が先ほど申しましたように日本人の入国を非常に制限するというのでありまするために、韓国に出かけてそうした仕事をさせるということが不可能な状態であります。従いまして一面から言えば、韓国の代表部だけを日本に置いてそうしてこちらのが認められないというのは、これは公平の原則にも反するし、代表部がここにあるということについてはいろいろ議論もあるようでございますが、併しそうした問題は正規のチヤンネルを通じて取扱われております。東京にある韓国の代表部を通じて行なつている次第でございます。
#25
○團伊能君 了承いたしました。
#26
○高良とみ君 この附則でコロンビア、アフガニスタン及びイラクの日本公使館に関する部分は国交回復後と書いてありまするが、一例を伺いたいのはアフガニスタンとの国交回復はどの程度進んでいるのでございましようか。
#27
○政府委員(小滝彬君) アフガニスタンは中立国でありましたために敵対関係にあるということはございませんが国交が絶えておりまして、まだその外交関係再開に至つておりません。が併し大体向うとは話が進んでおります。遠からず外交使臣を交換するという話合になつておりまするから、これはそのうちに実現に至りまして、そうして実際問題の取扱といたしましては、イランに派遣する公使が兼任するということになるだろと考えております。
#28
○高良とみ君 イラクについてもそういう状態なんでしようか。
#29
○政府委員(小滝彬君) イラクとはいろいろ外交再開の話合が進んでおりまして、これについても私ども遠くないうちに公使の交換ができるようになるということを期待しております。ただ率直に申上げますと、あすこの国では日本に対する請求権(クレーム)の問題もございますので、何とかこの解決をいたしまして公使を交換したいように思つております。
#30
○高良とみ君 こういう国交未回復国は向うに駐在するアメリカ大使館とかそういう第三国を通じてやつておられるのですか、それとも直接のルートがあるのですか。
#31
○政府委員(小滝彬君) 例えばイラクとは大分近い関係もありますので、エジプトを通じてやつております。それからアフガニスタンにつきましてはインドを通じていろいろ話を進めております。
#32
○高良とみ君 イラクのクレームですが、これは昔のぺルシヤという国ですが、これのいろいろ建物等について日本がイラク国民所有のものを戦争中に香港及びシンガポールその他で大分使つていた。それがまだ戦争処理がついていないものがあるように私は聞いたのでありますが、そういうことでありますか。それとも日本にあつた彼らの所有権であるのかどちらですか。
#33
○政府委員(小滝彬君) イランでなくイラクでありますから昔のぺルシヤとは全然違います。私どもが承知いたしておりますのは、貿易上の支払の残と申しますかバランスの残りの問題が取上げられているということです。でありますからそういう建物とかという問題はイラクに対してはないと思います。
#34
○高良とみ君 それは戦前の貿易の決済ですか。
#35
○政府委員(小滝彬君) 勿論戦前の貿易の決済に関するものでございます。
#36
○高良とみ君 なお伺いますが、これらの国が国交未回復であるから国交回復後政令で定めるというのでありますが、ほかの国で国交回復しておらない国でもヘルシンキのごときはやはり領事館を設定することが運んでいるように了承しておりますが、その点で国交回復しない前にも必要な所々は領事館を設定できると了承して間違いありませんか。
#37
○政府委員(小滝彬君) 御承知のように領事館とか総領事館とかというものは、国交が回復してない土地にも又事実上正統政府ができたようなときにも、国際的な問題を解決しますために設置するということはある。それは慣行にもなつておりますので領事館、総領事館の設置は必ずしも国交の問題とは一緒に取扱われないという次第であります。公使館を出すということになればどういたしましても国交関係ということになるわけであります。例えばマニラにも在外事務所を出しておりますけれどもそれは正式の関係はない。が併し事実上の便宜のためにはそれを認める、そういう措置をとつておるわけであります。
#38
○高良とみ君 なお同じことがオーストリアなどについても言えるのじやないでしようか。オーストリアの独立が決定しない限りはこのウイーンにおける総領事館等は日本とはどういう関係になつておりますか。
#39
○政府委員(小滝彬君) オーストリアにつきましてはまあいろいろごたついておりまするけれども、外交に関しましては自主的な権利を理事会で認められておりますので、日本との国交を開いたわけでございます。
#40
○高良とみ君 それではヘルシンキにある日本領事館は差当つてどういうことを目的にしておりますか。
#41
○政府委員(小滝彬君) フインランドのほうは国交は回復しておりますから、そこでヘルシンキに総領事館を設けまして、貿易関係或いは文化関係について日本の総領事がそれに当るというのであります。特にフインランドからはパルプの輸入ということも相当行われまして、日本から綿製品が出ている関係もございまするのでそうした問題を取扱つている次第でございます。
#42
○高良とみ君 念のために伺つておきますが、国交を回復しない国でありましてもそこに領事館及び総領事館を設けるということは、そのことに関してはその国との国交のチヤネルがあるわけで、そしてその国との国交回復を、例えばフイリピンのごときも大体にいろいろなクレーム或い賠償問題等が片付いた場合に、だんだんに発展するという場合もありましようし、又領事館だけは了承する、それから先のことは余り見通しを持たない場合でも領事事務だけは了承するということもあり得るのじやないかと思うのです。例えばまあビルマとかインドネシアとかいう国は、先行は望みがあると言えばあるものの何年かかるかわからないという場合はどういうことになりますか。
#43
○政府委員(小滝彬君) そういう事実上のいろいろの交渉の便宜のためには、今御指摘になりましたような国交に対しましては、例えばビルマに対して総領事館或いはインドネシア総領事館、或いはフイリピンにあります日本代表部というようなものを設けておるわけでございます。従いましてそういう便宜の取扱はできるわけでありますが、正式の公使館ということになりますと正式の外交関係が再開せられるということが前提になりますので、その意味で国交が再開された際に政令で定めるという趣旨でございます。
#44
○高良とみ君 もう一点伺つておきますが、在外事務所というものは領事事務や何かとは又ちよつと違う仕事をすると思うのですが、そういう意味で今まで在外事務所というものに今度の設置法の中でどういう地位を与えておられますか、領事館より上であるか或いは性質が違うか。
#45
○政府委員(小滝彬君) 只今手元に在外事務所の設置に関する法律を持合せておりませんけれども、まだ国交の回復していない特殊の事態に対処するために存外事務所というものを世界各地に、サンフランシスコ条約のできる前に設けたわけでございます。現在では襲つているのはマニラだけでございます。常識的に申しまして正式の国交が回復していない、併しながら事実上いろいろ交渉事件があるというので設けられたものでありまするから、当時におきましては外交的な問題と申しまするか、政治問題は総司令部等が当つて、貿易上の問題を取扱う趣旨で設けたものであります。現在のフイリピンにおきましても貿易の問題、又国交回復の前提条件となる賠償の問題というようなものを取扱つている実情でございます。
#46
○高良とみ君 お伺いいたしますが、例えばインドネシアなどとは随分貿易の問題があるのに、そこにその貿易の問題を扱うその程度の在外事務所というようなものも、インドネシアなどはまだ了承しないわけと了承してよろしうございますか。
#47
○政府委員(小滝彬君) インドネシアは在外事務所でなしに、それより一歩進んだと申しますか正式の総領事館を認めております。総領事館はそうした貿易或いは向うへ渡航した者のあつせんとかいろいろ保護の任務に当つている次第でございます。
#48
○高良とみ君 大体よくわかりました。併し向うの滞在期間が短いとかそういうことにおいてなお領事事務が円満には行かない面も多いだろうと思うのですが、これはまあ非常にとつぴな御質問をするようですけれども、吉田さんもこの間衆議院における質問か何かに対してのお答えで、中国が若し日本と和を結びたいと言うならば、それは別に拒否するものではないという御答弁があつたように思いました。そういう場合に曽つて吉田さんは若し貿易の必要があるならば、上海あたりに領事或いは貿易を取扱わせる在外事務所を置いてもいいじやないかということを発言なすつたことがありましたように覚えておりますが、国交を回復して行くのはなかなか今の国際情勢で困難でありましようけれども、併し費易はすでに自由党においても代表と中国にお出しになつて契約もなすつたのでありますから拒否しておられるわけではないし、又バトル法も次第に緩和している実情から言いましても、何か貿易を世話する機関を中国本土に置くという可能性が考えられるかということです。そういう場合にどこを通じてやるか、何か手がかりを作つてやられるか。勿論本国は北京に代理大使を置いておりますが、或いはインド、そういう場合にはどういうふうに考えておられるか、後日の念のために伺つておきたいと思います。
#49
○政府委員(小滝彬君) 中国の大陸のほうは、すでに引揚問題でもおわかり下さいますように、日本政府を相手にしないという態度をとつているのでありまして、何か必要があれば民間団体、特殊の傾向の方面を通じて、これを取計うという態度をとつておりますので、今の日本人の認める政府ではそこへ事務所を出すということを絶対相手にしてくれないということが現状だろうと思います。従いまして中国大陸に事務所を設けるというふうなことは、もつとその前提になるいろいろの問題が解決されない限りは不可能でございますから、具体的な問題としては考えておらない次第でございます。
#50
○高良とみ君 お考えになつておられる点は承わりました。事実の材料においては多少推測にかたよつたところがあると思いますけれども、そういうことも将来なければ、日本としてはあれだけ自由党から共産党に至るまでの代表をお出しになつて貿易を結んで来られたので、而も国会代表であるというところから言いましても、又現に貿易の品物も出つつあるので、やはり可能性については中国がどう日本について考えているかということも正しく把握するために、一層の御尽力を外務省に希望下る次第であります。
#51
○羽生三七君 只今の高良委員の質問に関連してでありますが、いささかこれも筋違いになる危険性はありますが小滝さんにお伺いしたいことは、例えばソ連なり中国との国交回復の問題で、ソ連ではマレソコフが日本が国交回復についてのイニシアチブをとるならばその用意があると言つている。それから中国はまあ向うが日本の政府は相手にしないと、民間団体を通じていろいろやつているからというお話でありましたが、これも私はこの前外務大臣に申上げたことがありますが日本政府がやらないから民間団体を通じてやるということに結果としてはなる。その結果ますます相互の気持がこじれて来ると、そういう結果になつていると思うのです。そこでお尋ねしたいことは、筋から言えほ確かにサンフランシスコ講和条約をソ連、中国が認めなかつたし、持に中国は招待も受けなかつたのですから、これはまあそういう講和条約を認めない国とは国交できないという吉田総理の言うことも、或る一部の考えは成り立つと思うのです。併しこれは卑屈になる意味ではないが、理の筋から言つてこちらは敗戦国なんです。ですから若し国交回復を求めるならば、何らか打診するなりその糸口を求めるなり、日本みずからがやはりイニシアチブをとつて行かなければならないというのが私は筋だと思う。それを執拗に繰返して行く、そして糸口の発見に努力して行くというのが私は筋だと思うのですが、向うから何か言つて来るまで全然日本は考えなくてもいいという態度でいいのかどうか、まあこれは外務大臣に言うべきことでしようが、小滝次官から一つ御見解を承わりたいと思います。
#52
○政府委員(小滝彬君) 日本側がイニシアチブをとると申しましても、大体向うの意向がいずこにあるかはわかつておりまするから、その希望をみたす態度に出なければ話にならないだろうと思います。中共におきましても、ソ連におきましても、日本が安保条約を以て米国の軍隊を駐留させて、米国の隷属国のような態度であるのだつたら、到底友好関係を結ぶことはできないという趣旨のことを中共の外務省責任者も述べているし、又ソ連でも従来そうした対米関係というものについての日本の再考慮というものを促しているわけであります。即ち、これを換言しますならば、今の平和条約の日本の基本的な線から離れるということが前提とならなければ、国交の回復というようなものは、幾らおせじを使つても又そういうよう第三国を通じて何らかの申入れをいたしましても、それは却つて向うのほうから違つた意味にとられるということにもなりまするので、私は現在の段階においては日本からそうした申入をするとかイニシアチブをとるということは事実上不可能な状態にあるというように考えているのでございます。
#53
○羽生三七君 それはまあ公式には確かに小滝次官の言われた通り、そういう意思表示を先方はしていると思うのですが、併しいろいろ仄聞するとこの現状のままにおいてもなお且つ事態を回復する余地はないことはないということも伝えられているのです。だから正面切つて国交を回復することがどうかこうかというようなそういう改まつた形でなしにも、今高良委員からお話があつたような小さいところから糸口を求めて漸次その方向へ進めて行くということが私はいいと思うのです。現に今、日本政府が敵視しているソ連も戦前だつて共産党の政府だつたのですよ。何も急に大東亜戦争後共産党になつたわけではないのです。前からもちやんと国交があつたのだし貿易もあつたのだし人事の交流もあつたわけです。だからそういう意味で何も格別新らしいことはないので、現状のままでもなおかつそこに話合によつては余地がないことはないということが非公式にも伝えられているのですから、これは私は御回答は要りません、希望でありますから。そういう糸口を例えば貿易の問題等を通じて小さいところから作つて行く、こういうことを希望しておきます。
#54
○梶原茂嘉君 国内の各省の行政機構は戦争中更に終戦後占領時代を通じて非常に拡充された。現在においてはこれを如何に簡素化するか、如何に縮小するかということが問題になつているのであります。それに比べると、外交関係の陣営というものは非常に弱体の感じがするのですが、どうしてもこれは他の行政庁と違つて増強して行く必要があるであろうと私は思う。それに関連して付いたいのは、先ほども政務次官の言われましたように、経営外交に重点がおかれてその関係で民間の練達の士を活用するということが言われ、又実行されているようであります。私は非常にこのことは結構なことだと思うのであります。ところが結果においては必ずしも期待されたほどではないという空気もまま聞かされるのであります。これについてどういうふうに外務当局は見ておられるかということと、民間の練達の士を活用する場合に必ずしも期待したほどの効果が上らないというのは、やはり本来の専門的と申しますかそういう面の行政技術にあらかじめ熟さないということがその理由の一つではないかと思う。これは国内においてもやはり同じようなことがあつたであろうと思います。将来を考えると本来の外交官の養成、育成も非常に必要でありましようが、同時に民間のそういう人々を活用する上において、何らか一つの養成というとこれは甚だ言葉は当りませんけれども、外交団の仕事にあらかじめ熟させるような仕組、こういうことが私は必要じやないかと思うのであります。そういう点についてのお考えを一つ承わりたいと思います。
#55
○政府委員(小滝彬君) 仰せになりました通りほかの省では随分ふえましたのに、外務省は中国とかソ連関係が減つたというような関係もありますけれども非常な大削減であります。而も率直に申しまして総理が外務省に元おられたというような関係で、行政整理でもありますると先ず外務省が範を示せというようなお指図で非常に無理をして今まで削減をしておりますので、今後必要最小限度はどうしても考えてもらわなければならないと存じます。それにつきましては数は少くてもできるだけ優秀な人を使わなければならん、質で行かなければならないという気もありますために、特に経済外交については民間の有能な人を使うということは今後ともやらなければならんことであると考えます。現にシンガポールの総領事もボンベイの総領事も民間人であるし大使の中にも相当民間人のかたがいらつしやる。ところがお説のように必ずしもうまく行つていないというようなことを外からは言われますが、私どもは皆来て頂いたかたは一生懸命にやつて頂いて相当成績を挙げておられると思いまするけれどもそういう批評もございますが併し外交のことでありますから一年や二年で成果を期待することもできないから、でき得ればこういうかたがゆつくりおられまして総領事も又ほかの仕事もされるというようになれば、今梶原さんがおつしやつた研修とかと申しますようないろいろな経験も積み得るので、落ち着いてやつて頂かなければならんと思います。これに対する特別な養成と申しましても、一応皆立派なかたでありますので、養成とか訓練というような組織はございませんけれども、そうした意味でゆつくり落ち着いて仕事をしてもらうことと、もう一つは又世間の一部で言われますように、外務省の省員、公務員といたしましても、そうした特殊の訓練を経ないで来られたかたに対しましては十分協力して本当に一体になつて働くという心がけがなければならんだろう。結局は人の問題でありますがこうした面についてはいろいろ御批判もありまするので、外務省としても最善を尽したいと考えております。
#56
○梶原茂嘉君 いま一点お伺いしたいのは、エジプトの公使館が大使館に今度の案では昇格することになるのでありますが、現在のエジプトの政情なりエジプトの持つている意味合からしてこれを大使館に昇格せしめる意図といいますか考え方、それを一つお聞かせ願いたいと思います。
#57
○政府委員(小滝彬君) エジプトは何といたしましてもイスラム系のアラブ諸国においての最も大きな国でありまして、エジプトの動向というものはイスラム諸国、アラブ民族諸国に影響するところが多いし、いろいろな情報にいたしましてもそういう諸国に関する情報というものはエジプトに集まつて来るというのでありまして、これら諸国の中心であるエジプトというものはどこの国から見ましても重要でありまするから大使を交換しているというのが現状であります。又日本といたしましては、貿易の面からいたしましても今度新らしく貿易取極めを作りまして、従来は為替保証税のようなものを取つておりましたために需要があるにもかかわらず日本品が少かつたが、与謝野公使が先方で非常に努力いたしまして新らしい取極めもできまして双方の貿易額も相当なものに上るだろうと考えます。何といたしましても中近東においてはエジプトは最も重要なところです。国内政情は必ずしも安定いたしておりませんが、併し事ほどさようにあそこの国内の政情というものは英米のみならず世界各国が注視している。それがどうなるかということは非常にそれぞれの国に影響がございまするので、エジプトを重要視する点においては日本のみならず各国とも同様でございます。こういう意味で先方も希望しておりまするし、殊に日本独自の立場からいたしましてそれと大使を交換するということになつたわけでございます。現在すでに二十カ国がエジプトと大使を交換している現状でございますが、殊に外交の実務の面から申しますと非常に多数の国が大使を交換しておる際に、公使でありますといろいろなフアンクシヨンにおきましても、大使の一番尻についているということになりますので、長い間ここで苦労をしまして相当有力なる外交団における顔役になりましても、公使であつては本当の活動ができないというような事情もございますので、先ほど申しましたように大使館に昇格するということを私どものほうで希望いたしている次第でございます。
#58
○高良とみ君 経済外交ばかりでなくユネスコとか国際労働機関とかいうふうなことで非常に範囲が広くなつて来ておりますが、各省との門の外務公務員のかたがたの交流がどの程度まで行われておりましようか。今まで通産省との交流のことは多少任じておりますけれども、特に労働省或いは文部省などとの交流が少し行われているか、このことは文部省などももつと世界の国際的な文化交流の面を勉強してもらいたいと思うのでありますが、この点でどうでしようか。まあそれは外務省のためばかりでなくもう少し人員も御増加になり、外交陣営が整うと共にほかの省の人をもお入れになり又はかの省へも出かけていつて、そうして国際的レベルに引上げてゆかれる御努力をこちらとしては希望するわけですが、どうでしようか。
#59
○政府委員(小滝彬君) 誠に御尤もでありまして、外務省の在外定員は四百名ばかりでございまするが昨年まで三百七十名、このうちの約一割三十五名はほかの省から来た人でございます。今年は特に又各省の希望もございましたし外務省でもこれは結構なことだと思いまして、十名ばかりほかの省から入つて来られることになつております。ただ今非常に御力説になりました文部省に関しましては、そうした交流で外務省に来ておるかたは目下のところございませんが、併しこれまでの例を申しまするならば、パキスタンの一等書記官をしておられます深井君は、御承知と思いますがこれは文部省におりました。通産省あたりへはまだ相当出向いたしております。今出ておるのは十八人通産省のほうへ行つております。その他は出入国管理局とか或いは内閣のほうとか保安庁のほうとかいろいろな方面へ外務省からも出ておりますし、又これらの省の希望もございまして特に在外公館へはそういう人たちが相当見えております。一番大きいのは通産省、十七名ばかり外に出ております。それから御指摘になりました労働省は、今のところはジエネヴアとロンドンと二人でございます。これは労働省から在外定員の中に繰込んで出ておるものであります。農林省のほうは今年又ふやされる見込であります。現在五名農林省から来ておりますが更に本年三名くらいふやされるというような状況でございます。
#60
○高良とみ君 建設省からは如何でございますか。
#61
○政府委員(小滝彬君) 運輸省からけ見えておりますが、建設省からはございません。
#62
○委員長(佐藤尚武君) ほかに御質問もなければ、本日はこの程度でとどめておきたいと思います。それでは次回は定例日の月曜日に開くことにいたしまして、本日はこれで散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト