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1953/05/27 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第38号
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1953/05/27 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 外務委員会 第38号

#1
第019回国会 外務委員会 第38号
昭和二十九年五月二十七日(木曜日)
   午後三時十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐藤 尚武君
   理事
           團  伊能君
           佐多 忠隆君
   委員
           古池 信三君
           杉原 荒太君
           松野 鶴平君
           宮澤 喜一君
           梶原 茂嘉君
           高良 とみ君
           中田 吉雄君
           羽生 三七君
           加藤シヅエ君
           鶴見 祐輔君
  国務大臣
   外 務 大 臣 岡崎 勝男君
   国 務 大 臣 木村篤太郎君
  政府委員
   保安政務次官  前田 正男君
   保安庁長官官房
   長       上村健太郎君
   保安庁経理局長 石原 周夫君
   外務省条約局長 下田 武三君
   外務省国際協力
   局長      伊関佑二郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       神田襄太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本国に対する合衆国艦艇の貸与に
 関する協定の批准について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐藤尚武君) 只今より外務委員会を開きます。
 日本国に対する合衆国艦艇の貸与に関する協定の批准について承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑に入ります前に御報告申上げなければならないことがありまするのは、保安庁長官は内閣委員会に先日来出席されておりまして、なかなかあちらのほうの都合がつかなくて、漸く本日内閣委員長に強いてお頼みをしまして、一時間半を限つて長官にこちらにおいでを願うことに漸く先ほど決定したわけであります。でありまするからして今三時十分過でありまするが、一時間半と申しますると四時四十分、四時四十分までに質疑をこれは是非とも切上げて頂かなければならないのでありまして、そのあとで保安庁長官は内閣委員会へお帰りになるわけであります。できるだけ早く長官に帰つて頂くようにして頂きたいという希望もついております。そのこともお含みおき願いたいのであります。で、時間が限られておりまするので、各委員の質疑は成るべく簡略にして頂きまして、そしてお一人で多分の時間をとつてしまうということがないように、一つ工合よく順繰りに廻つて頂くというふうにお願いをしたいのであります。そして時間が若し余りましたならば二回目の質問に移るということにでもいたしまして、成るべく公平に時間を分ちたいと思いますからして、委員諸君もどうぞ御協力をお願いいたします。
 なお外務大臣は今すぐこちらに来られることになつておりまするからして併せてお知らせ申上げます。それでは質疑のあるかたはどうぞ……。
#3
○佐多忠隆君 質疑に入る前に、今の委員長からの報告ですが、今日の都合は一時間半ということは一応了承しますが、成るべく簡潔に要領よく質問をするつもりですけれども、質問の過程において相当いろんな問題も出て来ると思いまするので、今日若しそれが済まなかつたならば、更に明日おいでを願うというようなことができることを一つ予定をしておいて、今の一時間半を了承をする、その点は留保をして了承をするということに御了承願いたい。
#4
○委員長(佐藤尚武君) それは佐多委員の御希望は私お聞きはしておきまするけれども、明日のことは私にはちよつと見当がつきませんので、成るべく今日保安庁長官に対する質疑はその一時間半以内に終つて順きたいと思うのでありまして、どうぞそのつもりで一つ御協力をお願いいたします。どうぞそれでは質疑のあるかた……。
#5
○佐多忠隆君 この艦船貸与協定によつて十七隻の艦船を借りられるわけですが、これはいろいろ御説明にありますように、侵略があつた場合に、それに対応するものとしてこういう計画がなされているんだというようなお話であつたので、その自体、海軍といいますか、それを以て守らなければならないような侵略の態様といいますか、侵略のポーズというのですか、そういうものはどういうふうにお考えになつて、それに対応するものとしてこういう結論が出たのか。先ずその点からお伺いいたしたい。
#6
○国務大臣(木村篤太郎君) このアメリカから船舶協定に基いて貸与を受ける船については、もとより不時の直接侵略に対して対処し得るのは当然であります。それと同時にふだんから海岸の警備その他にも使用せんとするものであります。必ずしも直接侵略にばかり対処するものではないということを申上げておきたいと思うのであります。それで今御質問のどういう態様によつて直接侵略が来るかということでありまするが、これはあらかじめ我々はどこからどうということは確定的に申上げることはできませんが、周囲の情勢をよく勘案いたしまして、あらゆる方面からこの直接侵略に対する対処すべき手段を講じて置く必要があると考えておるのであります。
#7
○佐多忠隆君 どうも私の質問の答えになつていないと思うのですが、沿岸警備その他の必要もあると思いますけれども、従来は船舶を借りて、それで警備船という形で日本の守りは要らんというお話でしたけれども、今度の場合にはそうでなくて、新たに艦艇、軍鑑という形で貸与される。それには特殊任務が付いて来るし、今おつしやつたように直接侵略も考えられるので、そういう新らしい貸与になつたのだということでありますから、それならばそれに対応する法律をお作りになり、更にこういう協定をお認めになる以上は、それに対するはつきりしたお見通しなり、はつきりした予想なりがあつて、だからこそこれが必要なんだという結論が出て来たと思うのです。その点一つ明確に御答弁願いたい。
#8
○国務大臣(木村篤太郎君) これはいわゆる周囲の情勢、言葉を換えますれば、これは周辺の軍備配置その他を勘案して、日本の防備体制を整えんとしておるのであります。
#9
○佐多忠隆君 それならば周囲の情勢を勘案してという、その情勢というのは具体的にどういうふうに判断、判定をしておられるのか、その点を一つ。
#10
○国務大臣(木村篤太郎君) これは露骨に申しますると、ソヴイエトあたりには相当の潜水艦なんかを集結している事情を御承知を願いたいと思います。いわゆるウラジオ周辺に相当の潜水艦その他の艦船が集結しておるという事情を我々は看過することはできないのであります。
#11
○佐多忠隆君 そこでその問題をもう少し具体的にはつきり御説明を願いたいのですが、というのは、そういう態様であれば、こういうものが必要であるかどうか。而も初年度において十七隻の、これで十分ではないけれども、一応間に合うというような御説明もあつたようでありますから、そういうものが一体適当なのかどうか。そういう判定をしなければならんと思うので、今の点をもう少し詳しく御説明を願いたい。
#12
○国務大臣(木村篤太郎君) もう少し詳しくという意味は、具体的に数字でも挙げろという御意味かわかりませんが、我々は一般的の情勢をよく勘案して、そうして日本の防衛のあり方をきめるということでありまして、具体的の数字ということは私はここで申上げることはできないのであります。
#13
○佐多忠隆君 その一般的な趨勢をと言われるけれども、その一般の趨勢の説明にすらなつていないんです。ところがお出しになつているのは、ちやんと要求しているのは二十九年度十七隻、而も内容として駆逐艦とか護衛駆逐艦とかというようなものの隻数がちやんと出ている。それは必ず現在においては、或いは近い将来においては、こういうふうな侵略の脅威があるから、それに対応するものとして日本はこの程度のものが必要であり、或いはこの程度のもので十分であるというような判定が必ず行われていると思うんですね。そういうものの判断を正確にし得るための説明は是非もつと詳しくして頂かなければわからない。
#14
○国務大臣(木村篤太郎君) 先刻申上げました通り、ウラジオ周辺においては潜水艦が百数隻おるということは、これはもう公知の事実であります。そういうような点から勘案して、我が国においても相当のこれに対する警備体制を整えて行くことは必要であろうと考えております。併しそれが果して侵略に用いられるかどうか、そういうことはここで言うべき限りではありませんが、我々といたしましては、少くともふだんから相当の防備体制を整える必要があると考えておるのであります。
#15
○佐多忠隆君 今のお話ですと、ソ連の海軍は潜水艦として而も太平洋といいますか、ウラジオを中心にして百数隻というお話ですが、このソ連の海軍の情勢、特に太平洋においてはその程度のものなのか、もつとそれ以外にあるのかどうか。それから更に中共の海軍の情勢はどういうふうになつておるのか。それからそれ以外にアジアにおける諸国の海軍の情勢はどうなつているのか。それらの点の御説明をもう少し願いたい。
#16
○国務大臣(木村篤太郎君) 中共その他の国のいわゆる海軍力というものは大したものでないと考えております。併しその的確なる数字は私は存じません。
#17
○佐多忠隆君 そういうふうな無責任な答弁でなしに、一応これはどこからか知りませんが、外務省からだつたか、保安庁からだつたか、極東アジア諸国の海軍力の概況というような数字も出ております。ただこれは数字で出されているだけで我々素人にはよくわからないので、そういう各国のアジア諸国の海軍力がどうなつておるし、そういう周囲の情勢から勘案しても、或いはソ連、中共の海軍の情勢の具体的なこういうことに対応しても必要であるとか、或いはそんなものならば必要がないじやないかというような判断を国民はしなければならない。その辺はもう少し責任を以て御説明を願いたい。
#18
○国務大臣(木村篤太郎君) これは外務省のほうからお手許に出した資料でありまするが、極東アジア諸国海軍力の概況、これを御覧下されますれば、現在の我が周辺のもろもろの国の現有勢力はわかるわけであります。これを大綱にしてというわけではありませんが、これらの国がかような海軍力を持つておる以上は、我が国といたしましては相当のやはり海軍の防備力を保有する必要ありと我々は考えておるのであります。
#19
○佐多忠隆君 それならばそれは近隣の諸国或いはソ連、中共の海軍の情勢ですが、更にアメリカの海軍の状況、特に日本の周辺における海軍の状況はどうなつておるのか、その辺の御説明を願いたい。
#20
○国務大臣(木村篤太郎君) アメリカの極東における海軍の実勢というものはよくわかつておりません。殊にアメリカの極東海軍というのは時々交替、本国との間に交替するのでありますから、日本周辺の各国と趣きを異にしておりまするから、その点についても的確なることは只今申上げることはできません。
#21
○佐多忠隆君 それは時々刻々いろいろな変動はあるでしようけれども、極東海軍なるものがちやんとできているんだし、それの編成その他については概況ぐらいはおわかりになるだろうと思いますが、その辺のことを詳しく御説明を願わないと、今こういつたものが必要があるのかどうかわからない。
#22
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今のところ私は申上げることはできません。
#23
○佐多忠隆君 どうしてですか。
#24
○国務大臣(木村篤太郎君) 実数は私にはわかつておりません。
#25
○佐多忠隆君 それがわからないで、日本自体が保有をしなければならない艦船の態様なり数等々の判定ができますか。
#26
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々は日本自体において少くとも或る種の防備力を持ちたいと考えているのであります。その一歩としてアメリカから供与を受けたいと、こう考えて船舶協定を結んだ次第であります。
#27
○佐多忠隆君 恐らくそれじや日本自体として、日本が海軍力で日本を守る場合にはこれこれのものが必要だ。併し現在はそれができないし、併しその代りにアメリカが守つていてくれるから一応今年度としてはこの程度でいいのだという結論が出て来ていると思う。だからそういう意味では、やはり日本のそういうものの判断の基礎になる、他のサイドになる面だけは、一応大体の概要だけはいろいろお調べになつているはずだから、そういうものを我々にも報告して頂きたい。
#28
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今申上げました通り、アメリカ極東海軍の実勢というものは私にはわかつていないのであります。
#29
○佐多忠隆君 それがわからなければ、こういうものの判定なり審議はできないのじやないですか。
#30
○国務大臣(木村篤太郎君) 日本が将来持つべき艦船の保有力というものは、これは今から私は申上げることはできませんが、少くとも徐々に日本の海岸警備に要する船舶を持たなくちやならんということは当然であります。この第一歩として我々は前にフリゲート艦を借りて、又今度船舶協定によつて警備船を借受けるといつた次第であります。
#31
○佐多忠隆君 それならば、問題を少し変えますが、それならば日本として、アメリカのことは一応別にして、日本として独自に艦隊によつて或いは海軍によつて日本を守らなければならないと言われるので、そうするともう一遍、なぜ日本がそういう艦隊を以て守らなければならない危険にさらされているというふうにお考えになるのか。どういう侵略の危険があるのか、その点をもう少し詳しく御説明を願いたい。
#32
○国務大臣(木村篤太郎君) 必ずしも現実に侵略の危機が迫つているとは申上げかねます。そういうことは私は考えておりません。併し日本といたしまして、独立国家たる以上は、やはり海岸の警備についても相当考慮しなくちやならん。その観点から相当数の艦船の保有は必要であろう、こう考えている次第であります。
#33
○佐多忠隆君 独立国家である以上はということをしばしば言われるのですが、併し先にお示しの極東アジア諸国海軍力の概況から旨いましても、南鮮では一万八千トン、中華民国で九万六千トン、中共では六万八千トン、フィリピンでは二万二千トン、タイでは二方五千トン、インドネシアでは一万五千トン、ビルマでは六千トン、こういう程度の海軍に、独立国としての海軍力は一応なつている。従つてただ単に独立国だから相当程度のものを持たなければならないし、初年度向うから借りるものだけでも二万七千トンというようなことは、必ずしもすぐ出て来ないのじやないか。それを長官が強調されるゆえんのものは、一方には或いはもつとこれらの諸国とは比べものにならないくらいに、こういう面接の侵略の危機が、危険があるのだという判定に立つておられるか、さもなければ曾つての海軍国日本を夢見て、それになるような少くとも芽生えなり何なりを作つて行こうという意図があるのか、そのどつちかにほかならないとしか結論ができない。だから恐らく長官はそういうことはお考えになつていないのだろうと思う。それならばそういうことは考えていないし、ただ併しかくかくの必要上からこういうものをどうしても持たなければならないのだという御説明があつて然るべきだと思いますので、もつとその侵略の脅威なるものを具体的にお示しを願いたい。
#34
○国務大臣(木村篤太郎君) 佐多委員が今申されましたもろもろの国、即ちフィリピン、タイ、ビルマ或いは南鮮、中共、それらの国と日本の置かれた地理的環境は全く相違しているのであります。申すまでもなく日本は周囲を海に囲まれて、而も海岸線九千マイルになんなんとしており、普段からこれらの警備は相当重要性を持つていると思います。従いましてこれらの国とは相当程度高い警備用の船舶というものは、日本としては当然必要であろうと考えているのであります。漁船の保護その他に対しましても、相当数の船は私は日本独自として持たなければならんと、こう考えております。
#35
○佐多忠隆君 海岸線が長いというような意味での警備の問題であれば、何も艦艇でなければならないということはない。前の考え方のように、海上保安庁或いは警備船というような形ででも、今おつしやつたようなあれは満たせると思うのであります。併しそうでなくてやはり艦艇を中心とした海上自衛隊といいますか、我々の言葉で言えばまごうかたない海軍だと思うのでありますが、そういうものを作らなければならない必要性は、ただ単に海岸線が長くて、それを警備する必要がほかの国とは比較にならないくらい大きいからということだけでは説明にならないので、もつとやはり侵略の脅威なるものを、あなた方具体的に考えておられるのだから、その点をもつとフランクにお話願いたい。
#36
○国務大臣(木村篤太郎君) 先ほども申上げました通り、日本に極く近接しておりまするウラジオあたりにおいて相当数の潜水艦をソヴイエトが持つている。これは直ちに私は侵略があるとは考えません。併しながら我々といたしましてもそういうようなものを一応頭に入れて、日本の警備力というものの保有を考えなくちやならん、こう考えているのであります。
#37
○佐多忠隆君 それなら今の長官のお話からあれすると、今のところは中共も言うに足るほどの海軍力を持つているわけじやない。問題はただソ連の海軍で、而もソ連がウラジオを中心にして潜水艦を相当多数に持つているというそれに対応するものとして、こういう海上自衛隊をお作りになるという考えなのか。それからそういうものとして日本の海軍の防衛態様をお考えになるとすれば、どういう艦隊の編成なり或いは防衛の態様なりをお考えになつているのか。その辺も一つ詳しく御説明願いたい。
#38
○国務大臣(木村篤太郎君) これらに対してはいわゆる対潜水艦作戦に対して要する船が一番必要だろうと考えております。
#39
○佐多忠隆君 だからその対潜水艦に対する防衛態様というようなものは、どういうものでなければならないというふうにお考えになつているか、その辺を……。
#40
○国務大臣(木村篤太郎君) 主として駆逐艦程度のものは最も必要であろうと考えております。
#41
○佐多忠隆君 主として駆逐艦程度のものということですが、それじや我々よく軍事知識なり何なりのない者はよくわからない。
#42
○政府委員(上村健太郎君) お手許に提出してございまする資料でございますが、船の部隊は護衛隊と警戒隊及び掃海隊を主といたしております。掃海隊は申上げるまでもなく機雷の処理、航路警戒に当りますし、警戒隊は主としてLS、小さい船を以ちまして沿岸の警備に当つております。護衛隊は今度借り受けまする駆逐艦或いはPF等を中心といたしまして商船護衛、或いは比較的遠距離の商船或いは海上の警戒ということに当るように編成をするつもりでございます。
#43
○佐多忠隆君 そうすると、この間お示しになつた自衛艦隊の護衛隊というようなものは、商船の護衛というようなことを目的としておられるのか。而もそれは潜水艦の襲撃に備えての護衛ということを考えておられるというふうに見ていいのですか。
#44
○国務大臣(木村篤太郎君) 先ず主なる点はそうであります。必ずしも潜水艦ばかりとは限りませんが、主として潜水艦と考えてよかろうと思つております。
#45
○委員長(佐藤尚武君) ちよつと佐多委員に申上げますが、佐多委員の質問は、丁度三十分になつたわけでありますが、ほかに木村長官に対する質問の希望のかたはございましようか。……実は先ほど申上げました通りに、一時間半の時間を成るべく公平に分かちたいと思いますのでお伺いするわけでありますが、羽生委員、それから若木委員、梶原委員、高良委員、中田委員、そうするとあと一時間あるわけでありまするが、佐多委員どうぞそのおつもりでもう十分くらいの間にまとめて頂きたい。
#46
○佐多忠隆君 私はあとで、留保してよろしいです。
#47
○羽生三七君 私のお尋ねしたいことは、今の佐多委員の質問と関連して、今度の協定では取りあえず護衛駆逐艦四隻、更に日本で貸与を希望する十七隻、二万七千トンがその協定の実体になつておると思うのですが、これはアメリカの法的な規定の関係上駆逐艦以上は貸与の対象に今のところならないと思うのですが、日本側としては将来この駆逐艦等の艦種以外に、例えば巡洋艦とか、戦闘艦とか或いは航空母艦、そういうものをアメリカの貸与に関する法的制約が変えることができれば借り受けたいというような考えはあるでしようか。それを一つ。
#48
○国務大臣(木村篤太郎君) 戦闘艦というようなものは借り受けるという気は毛頭ございません。ただ空母、これは我々といたしまして実現できるかどうかわかりませんが、将来において一艘若しくは二隻くらいは持ちたいと、こう考えております。併しこれも御承知の通りいろいろ種類があります。大きなものもありますし、小さなものもあります。中型のものもあります。我我といたしましては、小型航空母艦くらいは持ちたいとは考えております。併し実現の可能性については疑問であります。
#49
○羽生三七君 実は昨日外務大臣、増原次長等にもお尋ねしたのですが、木村長官は、しばしば米軍に頼らない程度においての防衛力ということを言われるのですが、地上部隊はさておきまして、海上に問題を限定して考えた場合、当面先ほど申上げたような二万七千トン、十七隻ということでありますが、さて今のお話で、戦闘艦というようなことは考えておらない。空母等を若干希望されるということでありますが、それにしても一体どの程度の海上部隊というものを想定されておるのかということがまあ問題の第一点になるわけです。これに対して外務大臣も、増原次長も、とにかく日本が一国で満足な防衛力を持てるわけがないから、当然集団的な安全保障に頼らなければならない。これでカバーしようという意味のお答えをされたと思うのですが、そこで経済的な見地から少しお尋ねしてみたいと思うのですが、大体日本の現在の国力それから経済条件、特に最近の貿易のアンバランスとか、或いは外貨の減少とか、更に対米債務が若しこれが確定的なものになつた場合の返済の義務或いはフィリピン、インドネシア、その他東南アジア諸国に対する賠償、こういうものを考えて行つた場合に、国民経済との関連で、少くとも米軍に頼らなくてもよい程度の海軍力なりというものが持てそうもないし、持つ場合には、もう徹底的な国民生活の破壊ということを伴うのであつて、却つて結局終局においては国内治安の維持すら困難になるという、そういう客観的な情勢を醸し出すと思うのです。だからそういうことからいうと、なかなか独自で、少くともまあ役に立つような海軍力を持つことは、殆んど不可能に近い。そうすると半永久的にアメリカの艦艇を借り受ける。又そういうことによつて日米間の集団安全保障方式というものを殆んど恆久化して行くということになつて、長官がしばしば言われる独立国家に価する防衛力なんというものは、結局名前だけのもので、実質的には殆んど不可能に近い。特に地上部隊と違つて、海上について言えば、一艦艇を作るのだつて容易なことじやありませんから、殆んど日本の経済の現状から言えば、貸与以外に途はない。借りる以外に途はない。そうすれば、先ほど来言うように、仮に独立国家に価するような防衛力を持つといつても、それは全く対米依存の防衛力であつて本質的な意味で、独立国家の防衛力というようなことには価しないものになると、諸般の情勢を総合して見通されるのでありますが、長官はどういうようにお考えになりますか。
#50
○国務大臣(木村篤太郎君) お説の通り日本が独自で完全に守り得る力を持とうとするには、これは容易ならんことであります。日本の財政力ではさようなことは私は不可能と思います。而うして艦船の問題につきましても、日本を守り得るだけの艦船ということには相当数を要するのでありますから、これを日本の自力で以て賄えるということは、私は当分の間不可能だと思います。国力の一日も早く回復して、そういうものを持ち得る時期の至らんことを希うのであります。現実の問題としては、私は当分の間はだめだと思います。従つて少くとも海の分についてはアメリカの協力を伐たなければ私はだめだと思う。それをいつまでそれじやアメリカに協力を待つかというと、私はここで的確な数字を挙げて、何年までということは申上げることはできませんが、ここ暫らくは私はどうしてもアメリカの協力を得なければいけないと、こう考えております。
#51
○羽生三七君 まあお答えで或る程度のことは想像がつくのですが、実際問題として、首相が外遊されても、やはりいろいろそういう問題にも触れられると思うのですが、例えば政治借款の問題等も上げられておるようですが、そういうような経済事情から見て、まあ我々の目から見た場合、五年や六年で、少くとも日本が完全な自立経済ができて、そうして独自で独自の予算を以て海上自衛力の増強をやるというようなことは私は殆んど不可能に近い。これは断定的に言つても間違いないと思う。そうすると、只今長官もここ暫らくはと言われましたが、殆んど半永久的な形でアメリカ依存の態勢を継続するということに実質上なると思うのですが、そういう場合でも米軍に頼らなくてもよい程度の海軍力ということをよく言われておつて、どうもそこのところ私どもには納得が行かないのですが、どういうのでしようね、それは。
#52
○国務大臣(木村篤太郎君) これは将来の国際情勢如何にもよりましよう。私は世界各国が本当に互いに手を握つて、世界の平和の一日も早く来たらんことを希うのでありますが、少くとも現在の情勢は、永久に続くというようなことでありますと、今のお説の通りであります。併しこれは将来の政治情勢如何によつて、よほど整備体制も変化があると考えております。併し日本としては少くとも日本の国力に相当するだけの自衛力を漸増いたしまして、アメリカの手を借りずに済むような段階にだんだん行かなければならんと、私はこう考えております。それには今お話の通り、日本の経済力を一日も早く回復することが必要である。経済力の回復ということが私は先決問題であろうと思つております。従つてそれまでは徐々に日本の国力の許す範囲において自衛力を漸増して行く、こういう方針の下に政府はやつているのであります。
#53
○羽生三七君 もう一点だけ、これも実は昨日外務大臣、それから増原次長からお答えを願つたことに関連するのですが、仮に日米の集団方式で海上自衛力を増強するということを考えましても、取りあえずまあ非常に卑俗な、適当な言葉ではありませんが、卑俗な言葉を使えば、日本の持分というものが要るわけです。日本がゼロで向うが全部出すという集団方式というものはないのですから、日本の持分が要る。だからその場合に一体どの程度今の経済力からいつて、日本独自でそれは建造なんということは不可能ですが、アメリカからそれを借りる、貸与を受ける場合にしても、例えば駆逐艦なら何隻、総トン数ではどのくらい、二十九年度は二万七千トン、十二隻とわかつておりますが、どの程度の規模まで今後例えば数年を見通して作り上げて行くということが適当であるとお考えになつているのか、その程度のあらましというものはお考えがあるのではないかと思いますが、如何でありますか。
#54
○国務大臣(木村篤太郎君) これはしばしば申上げまするように、国防計画に関する問題でありまするが、我々といたしましてはやはり一定の基準計画というものを立てたいと考えるのでありますが、これはなかなか立ちません。要は日本の国力の問題であります。この経済情勢の急迫した事態をどれくらい回復し得るかというようなことについては全くめどはつかんのであります。そこで差当り二十九年度においてはこれだけ、三十年度についてもこれだけぐらい持ちたいと考えておりまするが、その数字すら私ははつきりしないのでありまして、これらはあらゆる観点から総合的に判断しなければならんのでありますが、そのめどさえもつかんという状況であります。併し我々といたしましては、あらゆるデータを集めて是非とも年次計画だけは立てたいと考えて努力しておるわけであります。
#55
○委員長(佐藤尚武君) それではこの次は梶原委員、それから中田委員、高良委員、こういう順序で質疑をお願いしたいと思います。
#56
○梶原茂嘉君 今羽生委員の御質問にあつた点にも関連するのでありますが、差当り駆逐艦四はいをこの協定に基いて貸与を受けるということであります。この駆逐艦は何年頃の建造にかかるものであるかということと、大体のトン当りの評価はどの程度になつておるかということについて聞きたいと思います。
#57
○国務大臣(木村篤太郎君) 船齢は約十年です。それですから相当まだ使えるものと思つております。一九四五年ですか……。 (中田吉雄君「その点間違いありませんか」と述ぶ)DDはおおむね、これははつきりわかりませんが、一九四〇年から一九四三年の間、DEは一九四三、四年であります。先ず船齢十年。
#58
○梶原茂嘉君 トン当りの価格はどれだけ見積つているのでしようか。
#59
○国務大臣(木村篤太郎君) 当初の建造費はDDにつきましては約三百八十万ドル、日本円にしまして十三億六千万円、DEにつきましてはちよつとわかりません。
#60
○梶原茂嘉君 この協定によりますと、どのくらいたてばこれを返して行く建前になるというわけですか。今回の協定がとにかく独立国としての自衛力を我が国自体の力で増強して行くという方向に一歩進めたわけなんですが、いつまでも、又どういうものでも借物だけで行くというのではこれは本物にはならないと思う。少くとも今後借りるもののうち、或る部分は、苦しくてもでき得る程度において日本自体で建造して行くという計画があつて然るべきではなかろうかと、かように思うのでありますが、この五年間の間にこの種の駆逐艦自体も一隻といえども日本においては建造でき得ないという経済上その他の観点からのお見通しなのかどうか、その点を伺いたいと思います。
#61
○国務大臣(木村篤太郎君) お説御尤もであります。御承知の通り日本は戦前、戦時中におきまして建造能力は相当持つておつた。優秀な船を造つておつたことは事実であります。現在においても商船においては優秀船を造るにおいては他国には余りひけはとらんと私は考えております。ただ昔のようないわゆる軍艦型の船というものは戦後造つた経験がありません。併しこの間においていわゆる造船技術が著しく発達しておる。全部熔接であります。昔はリベツトであります。現在は熔接であります。そこで我々といたしましては日本の造船技術を向上させる意味において是非こういうような特殊船を造らせたいという希望を持つております。二十八年度の予算において、この点においては六隻、五隻と普通の船が一隻であります。これを日本の造船業者に造らせたいという考えから現在計画して、近くこれを発注する段取りにまで行こうと思つております。申すまでもなくこの船は高度の途方を持たなければならん。約三十ノットからなければならん。而も小さい船でありまして、なかなかこれを建造するには技術の向上を要する。併し現在においては日本の造船技術から見て立派なものを造り得るのじやないかという見通しは持つておるわけであります。将来とてもでき得る限りにおいて日本の財政力と睨み合せて日本で造ることを私は考えるべきであろう、こう思つております。
#62
○梶原茂嘉君 尤も海上において自衛力を増強して行くという考え方をもてば、小さい駆逐艦の一ぱいぐらいは独力で造り得るだけの力がなければ、私は相当多数のものを借りて自衛隊を作り上げるということ自体に無理があるといいますか、そういう感じを深くするのですが、その点を一つお考えを伺いたいと思います。
 それからいま一点お伺いしたいのは、安保条約との関係でありますが、これも従来繰返された問題の一つでありますが、陸上部隊はできるだけ速かにアメリカとしては撤収して行く、それに対応して我が国自体が陸上の自衛隊を増強して行く、ところが海上についてはこれは大分、陸上と趣きが違つて相当機動的な性質を持つておるわけであります。アメリカ自体の考え方からすれば、海上の防衛体制についてもこれを日本側に任せるんだというふうに考え切つておるのかどうか、その点に私は相当の疑問を持つのであります。従来の折衝の過程において、その間の消息はどういうふうになつておるのか、いま一度御説明願いたいと思います。
#63
○国務大臣(木村篤太郎君) その点については、アメリカ側もできる限り早急に日本は相当の海上実力を持つてもらいたいということは事実であります。併し申すまでもなくこの海上実力というものは、船と同時にこれを動かせる乗員の養成ということがなかなか容易じやないのです。これは海軍の専門家でありまするが野村大将のごときは、この間も言つてたように、船のほうでは一通りのシー・メンを養成するには十年かかる、我々はそう長くかかるとは思つておりません。思つておりませんが、陸上部隊と違つて海上部隊においてはこの乗員の養成には相当の日月がかかるのであります。でありますから、なかなか容易ではないと同時に、船を造るについても相当の金がかかるわけであります。日本の財政力と睨み合せてこれらを増強させるということについては相当の覚悟を要するのであります。日本の財政力を脅かしてまでやるということは、これはいけないことは当然のことであります。それらの財政力の点、人員の養成、船舶建造に要する年月、それらの点等勘案して、どう日本が海軍力を、いわゆる海上自衛力を増加さして行くかということについては相当慎重に考えなければならん、こう考えております。
#64
○梶原茂嘉君 もう一点最後にお伺いしたいのは、この駆逐艦の所有はまあアメリカにあるわけでありますが、艦籍というんですか、船籍です、アメリカに属する。船員は我が国が占有しておる。国際紛争にアメリカが入る、或いは日本が入つた場合に拿捕、そういう問題が起り得るわけであります。そういうときは戦時国際法上所有国と、それから占有しておる場合とはどういうふうに権益の関係といいますか、権限の関係はどうなんであろうか、ちよつと私はつきりしないんですが、どういうふうに考えていいか、御説映願いたい。或いは外務省でしようか。
#65
○政府委員(下田武三君) 戦時国際法によりますと、敵船に対する拿捕の問題でございまするが、敵船とは何かと申しますると、これは国籍又国旗、両方の主義がございますが、敵国の船でなくても敵旗を掲げて航行しておる敵船は、これはやはり拿捕の対象となし得るわけでございます。そこで国旗と所有関係とが異なる船を拿捕した場合にどうなるかということは、結局その国旗を掲げる国と所有者たる第三国との問の関係でありまして、臨検するほうの国は関知しなくていい問題になつております。
#66
○梶原茂嘉君 これで私の質問は終ります。
#67
○羽生三七君 一点だけ私は簡単ですから。第六条の関係で、この秘密保護法の問題ですが、すでに先般提出された秘密保護法が昨日本院で成立したわけですが、この協定と関連して特にこの第六条との関連で、秘密保護法の改正というようなことはどうなるんでしようか。実際に起るのか。それはいつでもいいというのか。それは今国会に間に合せるのか。次の機会というならば、仮に船がすぐ来た場合、その間の穴というものはどうなるのか。又それがすぐ改正案を作れないというならば、そう大した秘密もないから秘密保護法でやられると言われるけれども、まあいわゆる大した問題にならないように思うのですが、その辺の事情をちよつと伺いたい。
#68
○政府委員(上村健太郎君) この条約に基きまして供与を受けまする艦船の秘密は、現在、昨日参議院本会議に上程されました秘密保養法では適用されないのでございまして、外務省から前にお答えが、ございましたと思いますが、この協定に基く艦艇の引渡がなお或る程度の時間を要しまするので、次回の国会におきまして、或いは改正の提案をすることと存じております。
#69
○羽生三七君 もう一つ、ではその問の取扱というものはどうなりますか。
#70
○政府委員(上村健太郎君) その法律が改正されますまでに、若し船が来ますることがございますれば、その船の中の秘密部分というものは大体現在PF中にありますCICルームに限られておると思いますが、その秘密保護の措置につきましては、条約に基きまして如何なる措置をするか、日本とアメリカとの協議によりまして行くほかはないと存じております。
#71
○羽生三七君 もう一点だけ、この秘密保護法の連合委員会のときに、たしか曾祢委員からお尋ねがあつたと思うのです。もうずつと前の話です。あのときすでに問題になつておつて、而もこの法律案が、協定の承認案件というものが当委員会に出て来て、相当まあこの間時間的余裕があつたと思うのですが、別にそれほど差迫つたことはないということですね、結局。
#72
○政府委員(上村健太郎君) この条約に基きまして引渡を受けまする船が、事実上乗員の訓練その他によりまして、少くとも半年以上は先になることはわかりましたので、今国会には期間の関係もございまして、修正の手続をとらなかつた次第でございます。
#73
○梶原茂嘉君 私は先ほどの秘密保護法ですか、あれによつて当然カバーされ得るものと思つておつたのですけれども、カバーされないというのはどこにそういう根拠があるのですか。
#74
○政府委員(上村健太郎君) 秘密保護法の第一条にございまするが、いわゆるMSA協定と一昨年締結されました日米船舶貸借協定、この二つの協定に基いて供与される装備品、武器等の秘密を保護するのだという規定になつてございますので、この協定に基いて貸与されます艦艇の適用につきましては、更に修正をしないと適用がないわけでございます。
#75
○委員長(佐藤尚武君) これは官房長がお答えになれる問題だと思いますので、長官に対する質問を……。
#76
○梶原茂嘉君 わかりました。
#77
○中田吉雄君 こういう法案を審議するには前提条件が整わなきやならんのですが、ソ連海軍の極東兵力は不明であるというところが一番日本の海上自衛を考える場合に問題の対象になると思うのですが、こういう資料の提出のされ方はどういう意味ですか。
#78
○政府委員(上村健太郎君) ソ連の海軍につきましては、私ども直接これを知り得る情報を持つておりません。併しながらいろいろの公刊の資料等は御存じでもございましようが、大体ソ連の極東海軍勢力は巡洋艦及び駆逐艦若干のほかに潜水艦百二、三十隻内外、ウラジオ及び旅大地区、ペトロパウロスクに基地を持つているという情報しか私ども持つておりません。
#79
○中田吉雄君 そういう私も公に刊行された資料では、いろいろ持つているんですが、これはいろいろなことがあつて発表されないと思うのですが、今言われたようなことが充実とすれば、およそ日本の海上自衛を任せるということはこれは絶対できない。そういう不見識なことでは到底日本を取巻くあらゆる地勢学的な、或いはいろいろな関係諸国のそういう海軍力の配置というようなものに対する把握なしにはいかんと思うのですが、それは何か公表を仰るというようなことですか、本当にそうなんですか。
#80
○政府委員(上村健太郎君) 共産主義諸国の特に軍事情報につきましては、私ども調査いたす力も、ございませんし、能力もないことは申上げるまでもないことと存ずるのであります。
#81
○中田吉雄君 まあ一つせいぜい勉強されんことを……、そんなことでは実際、まあいろいろな含みがあると思つて了としますが、大よそそんなことで日本の自衛を語るというようなことがです、いろいろなソースから出した資料の脚註でも付けて、そうしてそれぞれ議員に判断させるというような慎重な配慮があつていいと思うのです。我々のような素人でも随分資料を集めている。それにもかかわらず、こんな杜撰な資料で軽くあしらおうというようなことでは、とても今日中はここから抜けてもらつてはこれはなかなかいかないのじやないかと思うのです。その点はこの辺にしまして、いよいよこの艦艇の貸与協定を結びまして、そしてこの附属書にあるような船を借りるといたしますれば、先ずフリゲート艦の時代は済んで、駆逐艦の時代に海上自衛隊の質的な変化があるというふうに見られると思いますし、このたび出ました自衛隊法を見ましても陸上自衛隊、海上自衛隊それから空の自衛隊というふうな三つの構成になつているんですが、これは伝えられるようなやはり均衡のとれた三軍方式をとると、こういうことになつているんでしようか。その点木村長官からお願いします。
#82
○国務大臣(木村篤太郎君) 三軍方式、三軍方式と申しまするが、どういうバランスかということはまだはつきりしていないのであります。併し先刻来申上げまするように、この日本として海の力、空の力を増強しなくちやならんということを私は考えておる。これは財政力の大きな制約というものがあるわけであります。地上部隊を増加されるような工合には参らんと思います。従つていわゆる三軍方式というものを一挙に作り上げるというようなことは思いもよらん、私はそう考えます。
#83
○中田吉雄君 私はこういう質問をやつておるのではない。これは一挙にです、その全部バランスのとれた方式をとるということを言つておるのではなしに、そういう方式をとりながら財政力の許すものから緊急な度合に応じて、やはり終局的にはそういう方式に持つて行く、或いは三軍方式の端緒的な形体といいますか、そういう方向に持つて行かれようとするのかどうか。
#84
○国務大臣(木村篤太郎君) 日本が自衛力を持ち、そして日本の警備を完からしめる最後の、最終の目標というものは、まさに三軍方式であるべきであろうと考えております。併し先刻来申上げます通り、我々現在の段階において到底さような方式を実行して行くということは不可能であります。先ず徐々にでき得る限りの手段を講じて海のほう、空のほうを増強して行きたい、こう考えております。
#85
○中田吉雄君 私の党はアメリカに結び付いたような形で自衛隊なり軍を持つことは却つて日本の平和にならんという立場をいろいろな点からとつておるのですが、そういう立場でなしに軍備、或いは自衛力によつて安全を保障しなくてはならんという立場からしても、最も少い経費でそうして外国に従属せずに、どうして自衛方式を確立するかということは、非常にそれを認める立場からいつても重要な問題だと思いますが、陸海空というような三つのものをです、日本の置かれた国際環境を考えて、どれから一番充実することが必要だと思われますか。
#86
○国務大臣(木村篤太郎君) 私はしばしば言つておるのでありまするが、日本の立場から申しまして海空は最も必要です。空の防衛は必要であろうと、こう考えておるのであります。
#87
○中田吉雄君 併し恐らく自主的な意味で自衛を認めるという立場から言えば、当然そういう方式が正しいようになると思うのですが、併し政府がとられておるのは逆な方向に行つておるのですが、その点はどう理解したらいいのですか、陸のほうだけです。
#88
○国務大臣(木村篤太郎君) 決して逆とは考えていないのであります。今陸上自衛隊の増強はあらゆる点から勘案いたしまして、日本の国土を守るためには必要最小限度のものと我々は考えております。
#89
○中田吉雄君 一挙に三軍の釣合のとれた方式をとるということは別にして、そういうものを将来目指して行くとすれば、今の陸上自衛隊が現在の制服が十一万で、一般職員が千八百八十、それに今度二万と八千七百、それを二管区隊の新設をされるというふうな、増強をされるに見合う海上自衛隊というものは一体、する、せんはともかく、どれくらいがそれに見合つたものですか。
#90
○国務大臣(木村篤太郎君) 陸上の部隊と見合つて、海上部隊がどれだけということは、これは申されないのであります。陸上が十万だから海上は五万なければならん、或いは空が五百機なければならんというわけのものじやなかろうかと考えております。海上は警備はどれくらいを要するか、陸上はどれだけを要するか、別の観点から判断するものと私は承知しております。
#91
○中田吉雄君 これは先に羽生委員等が質問された点にもかかわるのですが、結局終局的には量的にどの辺まで伸ばして行くかということと、質的にはどういう性格のものにするかという二つの面から問題だと思うのですが、日本の財政力、その他からはいろいろあるでしようが、検討はされていると思うのですが、戦前の状態等を勘案して、一体どの辺まで持つたらいいかというふうにお考えですか。
#92
○国務大臣(木村篤太郎君) 戦前の状態とはよほど情勢が変つているのでありまするから、戦前は比較にならんのでありますが、これも日本の防衛態勢を立てて行く上においても、今申されましたように、確立した防衛計画というものを立てたいとは思つているのでありますが、これはもうしばしば申上げまするように、そういうことを立てるについては、あらゆる観点から総合判断して行かなければ先ず日本の財政力、或いは日本の輸送力或いは食糧、或いは通信、或いは人員募集の件、それらの点からいろいろ考えなくちやならん。殊に長期の防衛計画を立てるにつきましては、この兵器の進歩ということも頭に入れなくちやならん。なかなか立ちにくいわけであります。従いまして我々は研究はいたしているのでありまするが、その結論は容易に立て得ないということを御了承願いたいのであります。
#93
○中田吉雄君 量的にどこまで伸ばすかということは別にしまして、質的な問題ですが、先に航空母艦を持ちたい、或いは潜水艦というような問題がありますが、そうしますと、その性格というものは、或る大国相互に戦争でも起きたというようなときに、この日本の自衛隊というものは一体これは戦闘に参加しながら、この日本の必要た食糧その他を外国から持つて来るのを護送するというようなものか、或いは中立的な立場に立ちながら、それを途中で過ちなく持つて来るというようなものか、その辺今後の、どういう性格になるかという、非常に大きな問題だと思うのですが、その辺はどうなんですか。
#94
○国務大臣(木村篤太郎君) 我々先ず考えられることは、日本に対して不当の侵略行為が行われたその場合に、海上の航路を封鎖されて、日本に食糧でも入らないようなことになると、これは日本が忽ち窮地に陥れられるのであります。少くとも日本には相当数の食糧の入ることを守つて行かなくちやならん。途絶をさしちやいけない。それらの点から勘案して航路の確保ということが必要である、航路の確保には相当数の船が必要である、こう考えられます。
#95
○中田吉雄君 侵略があつた場合と言われましたが、いろんなたくさんのケースから御検討だと思うのですが、この日本海は大陸、或いは太平洋、日本海と太平洋で挾まれた日本は、これは軍事専門家に言わせると数十個師に当る安全保障だということも言われる。それをいろんな角度から論証することもできるのですが、一体日本の侵略が可能であるとお考えですか。或いは軍隊がおらねば必然的にそれが他国の侵略が戦略的に、技術的に可能であるか、そういうことを一つお示し願いたい。
#96
○国務大臣(木村篤太郎君) 私の考えでは、日本に対しての侵略は軍事的に見て可能であろうと考えております。
#97
○中田吉雄君 保安庁でいろいろ作業をやられる際に、北海道を外国の侵略があつた際に三カ月堪え得る。その間にアメリカその他から援助を受けるというような想定がよくなされているが、その関係について一つ、私数種の文献でこの防衛計画を策定される際に、必ず北海道を三カ月なり、四カ月日本の自衛隊で持ちこたえる。そうしてその間に援助を受けて防衛するというような想定がよく出ているのですが、それについて御教示をお願いしたい。
#98
○国務大臣(木村篤太郎君) 北海道に対して侵略行為があつた場合にどの程度に日本が防衛することができるか。これについてはその侵略すべき部隊の実勢というものの如何によると考えております。これは何個師団が侵略して来るか、その数に私は一つにかかるものであろうと考えております。そこで我々といたしましては、そういう場合の想定というものは無論しなければならん、この方面からどういう部隊が進駐して来るか、この方面からこうして来るということは、これはふだんから研究を要する題材である。そこで少くとも我々は日本の自衛隊で以て北海道を防衛するに足るだけの実勢を備えたいと、こう考えて我々はその方面の計画を立てつつあるわけであります。
#99
○委員長(佐藤尚武君) 中田委員、非常に重要な御質問と思いますが、誠に申しかねますけれども、時間が非常に切迫して参りました。約二十分になるのでありまするが、成るべく短い時間に結末をつけて頂きたいと思います。と申しますのは、あとまだ高良委員が一人残つておられますので、約十分をそちらに当てたいと思います。
#100
○中田吉雄君 もう少し何とかなりませんか。
#101
○委員長(佐藤尚武君) 四時四十分にこの質問を打切らなければなりません。内閣委員長と約束がそういうふうになつておりますから改めて申上げます。
#102
○中田吉雄君 私は、そういう他国が果して日本を侵略できるかどうかという可能性をアメリカの最高責任者の責任ある資料から論証し、そうしてこの作られようとする日本の自衛隊というものが攻撃的な性格をもつて、そうしてそういうことで、日本の自衛は、真実の意味の自衛はできないというようなことをいろいろ論証をして、我が日本社会党に課せられた国民の負託に答えたいということで、何でもかんでも通してあとで悔いを残したら困ると思いますので、高良委員の御質問されたあとに一つ委員長の適切なる措置を希望して私は……。
#103
○高良とみ君 今防衛二法案がかかつているようでありますが、それをそれと離して、この艦艇だけ貸与するものを承認していつてもどういうふうに使われるかがわからないものですから、意味がないじやないかと思うのです。それで私どもこういう軍の組織その他についてはよくわかりませんが、二、三点お伺いしておきますのは、よく言われておりますように、今までの日本の軍隊にあつたことでありまするが、上官の命令でなくして、或いは上官の職務上の命令に違反して自衛隊の部隊で多数共同して反抗するような者があつた場合に、これに対する刑罰は僅か三年以下の懲役又は禁錮ということになつておるようでありますが、そういうふうなことで日本の今度できます防衛自衛隊というようなものは規律を守つて行けるようにお思いなんででありましようか。その点一点伺つておきたい。木村長官からお伺いしたい。
#104
○委員長(佐藤尚武君) 今のは艦艇貸与の問題ですか。
#105
○高良とみ君 艦艇のほうではないのですけれども、併しこの防衛法案とも関係があることですから、艦艇のほうに持つて参りました。
#106
○委員長(佐藤尚武君) 艦艇貸与に直接関係のある問題だけに限つて頂きたいのですが……。さもないと甚だ時間が少いので、防衛問題でありますとすれば、これは又はかのほうの問題じやないでしようか。
#107
○高良とみ君 併しこれはこの艦艇貸与協定をどういうふうに使うかということについてわからない点があるものですから……。
#108
○委員長(佐藤尚武君) そういう点に集中して頂きたいと思います。
#109
○高良とみ君 ですから二、三点そこにまとめましたわけでございますが……。海軍において、何とおつしやるかわかりませんが、海軍においてもそういうことがあり得るのではないかと考えたのです。木村長官はこういうような軍の叛乱というようなものはない、あつてもこれを三年くらいの処罰でいいと考えておられるのですか。ちよつと伺いたい。
#110
○国務大臣(木村篤太郎君) 只今の御質問はこういう刑罰じや軽いじやないか、こういう場合にはもつと刑罰を重くしなければ軍の規律を守れないじやないかという御質問のようでありますが、これは我々といたしましては、御尤もな点があるのであります。併し考えられることは、先ず以てふだんから軍の規律を十分守らして行こう、その精神をどこまでも養つて行く、いやしくもさような不届な者のないように全幅の努力を払うべきだ、こういうふうに我々は考えております。不幸にしてさような者があつた場合の刑罰もできるだけ、我々は看過するというわけではありませんが、極刑に処するよりも今の程度の刑罰で以て行くことが、却つて軍の将来の規律を保つ上において必要じやないか、こう考えておる次第であります。実はこの前も衆議院で辻委員からそういう御質問を受けたわけであります。御尤もな点があると考えております。併し我々の構想は、今申上げました通り、そういうことのないようにふだんから十分の努力をして軍の規律を守つて行きたい、こういう点に重きをおいておるのであります。
#111
○高良とみ君 そうすると、まあクーデターなどのことを考える人たちがあつても、三年も禁錮しておいたならば考え方を改めてくれるだろうという御確信のようでありますから、その問題はそれだけにしておきまして、前に米国から援助を期待した艦艇の中に、大きいところでは七千トンDTの補給工作船があり、それから千六百トンの輸送船などがあるのですが、こういうのはどういうふうにお使いになるのですか。ちよつと私どもわかりませんので、御説明願いたいと思うのです。
#112
○政府委員(上村健太郎君) 輸送船は文字通り部隊の輸送でございます。それから補給工作船と申しますのは、駆逐艦その他の小艦艇が長距離を航行いたしましているときに、それについて参りましていろいろ水或いは食糧等の補給をしますと同時に、小修理、大きな修理はできませんが、小修理の工作機械等を持ちまして、いわゆる補給及び工作に当る船でございます。
#113
○国務大臣(木村篤太郎君) なお先刻の高良委員の御質問に対してちよつと補充的に申上げたいと思います。高良委員はクーデターをやつたような場合も三年の懲役でいいのだというようなお言葉でありました。それはそうじやないのであります。クーデターのときはまさに叛乱罪であります。これは刑法によつて重く処罰されることになつておりますから、さよう御了承願いたいと思います。
#114
○高良とみ君 その問題はあとにしますが、そうしますともう一遍……。輸送船は軍隊を輸送するというわけでありますが、千六百トンの船は小さな船でありますけれども、日本は港から港の間にこういう輸送船で以て兵員を輸送して行く必要というものは、フリゲート艦なり今度できました駆逐艦なり船舶の輸送のほかに、そういう輸送船の活動というものの必要がございますか。
#115
○政府委員(上村健太郎君) これは海上自衛隊でのみ使用するとは限つておりませんので、陸上部隊の輸送その他にも使用するつもりであります。
#116
○高良とみ君 民間の緊急の場合などにもお使いになる意味だろうと思うのでありますが、この七千トンの補給工作船というものは、かなり遠方の所にある軍艦に対する補給工作と考えられるのですが、大きなものと考えることは、まあ七千トンといつても母艦が大きければ大したことはありませんけれども、そういう意味で非常に釣合がとれないように考えられるのですが、どうなんですか。
#117
○政府委員(上村健太郎君) これは一つの船隊乃至艦隊に絶えずついておるのでありまして、全部の船の補給及び工作に当るわけでございます。このほかにアメリカが持つておりまするのでこの半分程度のものもあるのでございますが、七千トン程度のものでございますれば、一ぱいでも取りあえずこの全部の船を賄い得る、こういう考えで供与を希望しているわけでございます。
#118
○高良とみ君 一つの日本の船団の旗艦というふうなものは、やはり今度の援助にありまするところの千六百三十トンぐらいな駆逐艦が一番旗艦になつて、そうしてそのほか幾らぐらいの数の船団になるのですか。何艘ぐらいのものになるのですか。
#119
○政府委員(上村健太郎君) 今借りております――船団ではございませんで、艦隊でございますが、自衛艦隊はPF、LSが六十八はい及び今回借受けますることを希望しております駆逐艦等を合計いたしますれば二十数はいになりまするし、その他日本で造りまする警備船等も合計いたしますれば三十ぱい程度のものには最高なると存じております。
#120
○高良とみ君 長官がお急ぎのようでありますから、もう一点だけ伺つておきたいのは、どうも私どもそういう点はよく専門的なことはわからないのでありますが、やはり衆議院の議事録などを拝見しますと、今度のこの艦隊でもそうでありますが、指揮官ともう少し専門的な幕僚というものとは二つにはつきり分けておかなければならんもののように同つておりますけれども、「そういう点が今度のこの艦艇を支配するものも幕僚が即指揮官になつているようでありまして、その点はどうなんですか、これでよろしいのでありますか。そうしてこれでどこまでも行くのですか、お伺いしたい。
#121
○国務大臣(木村篤太郎君) 幕僚はどこまでも長官の補佐役であります。一定の計画を立て、そうしてこれを長官に申達し、長官がこれを承認した場合、更に長官がその幕僚長を通じて各隊にこれを連絡してその実施に移すということであります。船のほうについては第二幕僚長が長官にすべて申達して、そうして長官のきめたことを第二幕僚長を通じて、各船隊にこれを実施させることになつております。その間において一貫性を持つておりまするので、私は極めて妥当なやり方と、こう考えております。
#122
○委員長(佐藤尚武君) 誠に遺憾なことでございますけれども、木村長官にお帰りを願わなければならん時間が参りました。これは先ほど小酒井委員長に固く約束しましたので、甚だ恐縮でありますが、そのあとは官房長に関係の御質問をいたされるようにお願い申上げます。
#123
○佐多忠隆君 一点だけ、海上の人員増加ですね、これは予算審議のときに、三十年度はまあはつきりわからん。八千人程度と言われたときと、八千六百程度と言われたときがあるのですが、どちらですか。
#124
○国務大臣(木村篤太郎君) 八千六百と申しました。
#125
○中田吉雄君 佐藤委員長にお伺いしますが、もう協定審議の間に、木村長官おいでにならんということですか。
#126
○委員長(佐藤尚武君) 御承知のことと思いますけれども、もう明日からは、私はお約束できないということを申し上げます。
#127
○中田吉雄君 私はこれから一つ、もう少し我が党の見解から言うと、いろいろあるから、アメリカの責任ある当局の論文を引用して、木村長官の考えておる安全保障方式が最も危険だといういろんなことをやはりやりたいと思いますので、一つ明日でも……。
#128
○委員長(佐藤尚武君) それは委員会全部が、明日も木村長官の出席を必要とするという御決定であれば、私は小酒井委員長にお話はして見ますけれども、併し本日の工合で、到底それは望みがないということを申上げなければなりません。あとで委員会にお諮りいたしまして、本当に委員会がそれを希望されるかどうかを諮りたいと思つております。木村長官には甚だお引止めして恐縮でございますが、これで……。
#129
○高良とみ君 それではここに提出されておりまする資料に基きまして、昨年度はこの新造が十六艘になつておりますが、それは完遂したのでありますか。
#130
○政府委員(上村健太郎君) 先ほど大臣からもお話がありました通りに、設計その他で非常に手間取りまして、まだ発注いたしておりません。併しながら近く発注の手はずになると存じております。
#131
○中田吉雄君 その問題に関連いたしまして装備局ですか、当時計画されててそれを池田政調合会長、その他名前は言いませんが、取上げられて参議院の或る人も入られて、贈収賄の問題も起きて装備局の案と池田さんの関係した案ができたわけですが、最近聞くところによると、殆んど池田勇人氏が関係されて、金品の授受があつた。発注先というものが殆んど同じところに発注される。而も国会が閉会後に発注されるという噂がありますが、この点についてお伺いしたい。
#132
○政府委員(上村健太郎君) 私ども事務当局といたしまして関与いたしておりまするけれども、池田さんがどういうお考えを持つておられましたか、私ども承知いたしておりませんし、又装備局と、第二幕僚監部の間に、意見の対立があつたということもございません。ただ内部におきまして、いろいろ検討はいたしたことはございまするが、それは何局と装備局との対立であるとか、或いはどこの局とどこの局との対立ということはございませんで、事務的に考えまして、最良の案は得ますように検討はいたしましたけれども、そういうような事実はございません。なお発注につきましては、まだ部内の意見というものは決定いたしておりません。
#133
○中田吉雄君 その点は時間がないから言いませんけれども、我々が新聞で最初に装備局の案を見て、その後に政党の有力者が関係され、そして金品を送つて、逮捕されたような会社が入つたのが、これは偶然の一致かも知れん。いろいろ検討された結果、建造能力が優秀だというような偶然の一致かも知れませんが、そういうのに今度出ることになつているのですが、私の得た情報では……。その辺も、もう少し検討しておいて下さい。その比較を私見て来て、必ず掌を指すようにそれが発注されるようになるわけです。私の知つておる情報では……。
#134
○高良とみ君 そうしますと昨年はその計画が完成されなかつた。本年度は十四艘の新造計画のようでありますが、現有は百十艘とすると、今にMSAによるものも入つて百四十艘に欠けておると考えて間違いありませんか。
#135
○政府委員(上村健太郎君) 現在各種の船を混ぜまして、百十隻でございます。
#136
○高良とみ君 それは本年度差引いて百十隻とここに書いてありますが、それを約二十五或いは三十艘の船団に組むわけなんですね。
#137
○政府委員(上村健太郎君) この枠の中には、いろいろございまして、表で差上げてございますが、掃海船等は湾内或いは瀬戸内海等の機雷或いは危険物除去に当つておりまするし、その他哨戒艇或いは輸送艇、そういうものにいたしますれば、それぞれの任務についております。船隊を組みまして行動をいたしますものは、PF、LS及び今度援助を期待いたします艦艇駆逐艦、なお新造計画の警備船ができますれば、これらのものを組みまして、小艦艇は小艦艇で警戒隊というものを作りまするし、やや大きな駆逐艦というようなことになれは、PF程度になりますれば、護衛隊というものを作つて参りたいと存じております。
#138
○高良とみ君 先ほど伺つた問題なんでありますが、こういう艦隊の指揮或いはこれの技術的な実際の司令官というようなものですか、艦を動かして行くほうと、それからもう少し先ほど長官が説明しかかつておられた政治的な行動についての決定をする本部というものとの関係なんですが、先ほどの長官の御説明をもう少し私なりに解釈いたしますと、今の幕僚高級本部というようなものがあつてそれは長官の一人の命令下に全部統合して行く、その長官は国防会議の一員として、閣僚と共に全体の政治的な決定をして来る。それで十分であるというふうなお考えで運んでおられるのでありますか。
#139
○政府委員(上村健太郎君) 幕僚長と実際の艦隊との関係はこの図面で差上げましたようにくつついておりますけれども、長官は直接自衛艦隊を指押することになつております。従つて幕僚長というものは長官の幕僚機関でございます。併しながら一体ということを保持しますためには海上幕僚長というものを通じまして長官が命令を下すという建前になつております。従いまして海上幕僚長は飽くまでも幕僚長でございまして、ただ長官が命令を下します上において、幕僚長を通じて執行するという程度にとどまつております。従つて海上幕僚長は海上自衛隊の総指揮官である地位とは異なつておるのであります。
#140
○高良とみ君 そのところをもう一遍、総指揮官ではないという点は、左右に連絡をとるからという意味でありますか。
#141
○政府委員(上村健太郎君) 幕僚長の主たる任務は、長官を補佐いたしまして、そうして海上自衛隊の指揮運営に関する方策を進言するというのが主たる任務でございます。ただ長官が自衛艦隊なり、或いは地方総監部を指揮いたします上において、その命令は海上幕僚長を通じて行うという規定のいたし方をしております。従つて海上幕僚長というものが海軍の総指揮官であるという立場とはやや考え方を私どもは違えて法律に規定しておるわけであります。
#142
○高良とみ君 幕僚というものは軍事に関する専門家でしよう。それはただ長官の補佐役として意見を具陳し、そうしてその幕僚を通して下の船団なりに対して命令を出すという意味でしようか。それとも補佐の権限が伸びて、どうしてもこういう場合にはこういうようにするというような技術的な知識で行けば、これはシヴイリアンとしての長官はこれに従わなければならないようになつて来はしませんか。
#143
○政府委員(上村健太郎君) この幕僚長と長官との関係でございますが、これは部隊の指揮統卒というような主として海軍実務に関する補佐機関であり、私ども、内局官房各局というものがございますが、これは一般的方針、基本的方針についての補佐機関としての長官の部下であります。従いまして一般的方針についての補佐機関である内局と、専門的見地から見た補佐機関である陸海空の幕僚長とが並立いたしまして長官を補佐し、長官が最高の指揮官、その上には勿論内閣総理大臣は総指揮官でありまするが、保安庁長官というものが自衛艦隊、或いは各管区総監等の指揮権を持つておるわけでございます。
#144
○高良とみ君 その問題は今後ともに内局と幕僚との関係について国民が十二分に発言権がありますように希望するのであります。再びミリタリズムというようなものの萌芽がこの中になく、又シヴイリアンである長官が棚上げされないようにということを希望するのでありますが、もう一つの点について外務大臣にお伺いしておきたいことは、これは今度の協定の第八条の中に、あれを言いこれを言いしているので私にはよく実体がつかめないのであります。第八条は返還条件についてでありまして、附属物の規則、それから責任を免除される場合のこと、それから協議事項のこと、最後には「侵略者の兵力の行動による損害の結果若しくは通常の減耗若しくは損傷によるものでないときは、日本国政府は、相互間で合意する公正且つ妥当な補償を」払うものであるというのでありますが、その場合に風水害による場合はどういうことになるのですか。一例を以てお伺いします。
#145
○国務大臣(岡崎勝男君) これも実際の実情を見ないとわからないのでありまして、台風が来たという場合に全然不注意で船が破損したか、それとも台風になつてあらゆる措置を講じても不可抗力で破損したかという、こういうことによりまして相互に協議して責任の所在がどちらにあるか。不可抗力であるかどうかによりまして、賠償、補償をする額が違う、或いは全然補償しなくてもいいという場合もあるかと思いますが、要するに実際の事態を見てお互いに相談してきめる、こういう措置であります。
#146
○高良とみ君 やはりこういうものはその権限がアメリカにあるのであつて、旗艦、旗は日本の旗を持つて航行し活動している。その損傷に対しては自分の負担になるのだということは、やはり賠償を全然払わないこともないのだということは、その通りに考えておくべきであると思いますが、そういう例について国際的なものの、よその国の例がありましたらお聞かせ願いますと了解しやすいと思います。
#147
○国務大臣(岡崎勝男君) 艦船をよその国へ貸してやつたという例は非常に少いのであつて、アメリカのこの例が殆んど先例のようであります。アメリカとしてはほかの国には、例えば戦時中はソ連に貸しておつたし、その他にも貸しておりました。それと同様の規定を入れております。
#148
○高良とみ君 これは五年のことでありますが、三年たちましたときには、更に更新されるというようなお見通しでやつておられるのでありましようか。その頃には日本でこしらえて返すというお考えでしようか。
#149
○国務大臣(岡崎勝男君) それは今のところわかりませんので、できますれば自力で造るのが何よりも結構なことなんでありますが、それがわかりませんので、そのときの事態に応じて更に五年延長することがあるかも知れないということを入れておるわけであります。
#150
○高良とみ君 そのよその国の例としまして、例えばソヴイエトが借りたものなどは、随分長くたつておるのですから、それは原型のままで返すことなどはできないと思うのですが、それを補修なり何なりして……、どういうふうなことになつておるのですか。返そうとかといつておるようですが、そういうふうに期間が、戦争中同盟国であつたためにそうしたことで期間が非常に長くなつたときには話合いがつきやすくなつておるのか、つきにくくなつておるのですか。
#151
○国務大臣(岡崎勝男君) 戦争中にやつたのはこういう協定でありません。いわゆるレンド・リーズでやつておりますのに対して条件が非常に違います。アメリカは要らなくなつたら返すということになつておつた。むしろ約束の上から言うと当然もつと早く返さなければならないので、そのために米ソ間に紛議が生じてるおような事情であります。それからそれと同一の協定を結んでやつておりますのは、ほかのものは五年で返すということになつております。日本の場合だけは経済的な見透しもつきませんので、更に五年間ということを入れておるわけであります。
#152
○高良とみ君 私の質問は終ります。
#153
○中田吉雄君 この協定でアメリカから借ります法案の立法措置なんですが、アメリカは二十五隻の艦艇を貸与する法律を成立さしたということですが、それに基いたのだということですが、それは母法はどういう名称になつておりますか。
#154
○政府委員(下田武三君) アメリカの母法は昨年の公法第百八十八号というのでありまして、駆逐艦以下の二十五隻をフレンドリー・ネーシヨンに貸与する権限を大統領に与えている母法でございます。併し正確にこの協定の対象となる艦艇の範囲とその母法の対象となる艦艇の範囲は一致するとは限らないのでございます。そこで十七隻と申しましても、その百八十八号で問題となる艦艇の中から全部十七隻が出ればいいわけですけれども、そうはなかなか参りませんので、そこでMDA、先般の相互防衛援助協定の下でも借りられ、而も母法からも借りられるということに相成りますので、母法をこの協定には引用しなかつた次第でございます。
#155
○委員長(佐藤尚武君) 保安庁長官官房長に御質問がまだございますか。
#156
○中田吉雄君 ちよつとだけ。
#157
○委員長(佐藤尚武君) ありますか。それでは内閣委員会のほうにお帰りになりますので……。
#158
○中田吉雄君 ちよつとだけ。この海上自衛隊と航空自衛隊と分けることが非常に議題になつたということですが、特に海上自衛隊のほうは航空関係を専属することを主張し、なかなか自衛方式にからんで問題が起きたということですが、こういうふうに三本建にされた、そういうことについて。
#159
○政府委員(上村健太郎君) お答え申上げます。この自衛隊の組織につきましては、仰せの通り非常に議論がございまして、航空自衛隊というものを分けるべきや否やということにつきましては、私ども昨年来研究いたしたのでございますが、やはり陸と密接な関係ございます航空機、それから海と密接な関係がある航空機、これはやはりどうしても残るのでございますが、併しそれにいたしましても防衛関係の戦闘機その他等はやはり海と陸とから別にいたしたほうが、別にいたしまして統一いたしましたほうがいいという最後に結論に達したわけでございます。併しながらたとえて申しますると、沿岸の哨戒機、機種で申しますとAFという飛行機でございますが、これなどはやはり海上自衛隊とは切離し得ないのではないか。従いまして私どもの現在の考えでは、これはこの航空機は海上自衛隊に属せしめるという意見でございます。なお陸におきましても、たとえて申しますると連絡機、或いは着弾の観測をいたしまする観測機、こういうものはやはり陸上の特科即ち砲兵等と切離し得ないのではないかというような意見でございまして、これは陸上自衛隊に附属させるような考えでございます。その他の航空機は初等教育訓練を含めまして一本にまとめて教育もし、且つ部隊も編成したほうがより防衛上適当であるという考えから三本建にいたした次第であります。
#160
○中田吉雄君 もうちよつとだけ。その点に関してアメリカの極東空軍筋といいますか、それについても三本建にすべきか二本建にすべきかという問題でいろいろ意見があつたということですが、それについてわかりましたら。
#161
○政府委員(上村健太郎君) 米国は御承知の通り空軍を独立せしめたのでございますが、米国側の意見等も私ども参考に聞いておりまするけれども、やはり三本建のほうがいいのではないかというような意見も聞いております。
#162
○中田吉雄君 アメリカはまあそういうふうになつておるのに、私の承わつておりますることは、極東空軍のほうではむしろ海軍と一本にすべきだという意見を強く主張されたということで、理解ができずにどうしたらいいかと思つていたのですが、そういうことはないのですか。
#163
○政府委員(上村健太郎君) 空軍関係はそういう意見は私ども聞いたことはございませんが、極東海軍におきましては、先ほど申上げましたように、いわゆるAFという機種、これは海上の対潜哨戒等に使用する航空機でございますが、この航空機は極東海軍に属しますので貸してくれる場合にも日本の海上自衛隊に貸すというような系統になるのでございます。従いまして極東海軍の方面では、今申上げたような機種については、海上自衛隊のほうがいいのではないかというような意見も聞いております。併し極東空軍におきましてはそういうような意見は現在のところ聞いておりません。
#164
○佐多忠隆君 お配り願つた資料で現有勢力百十隻というのがありますが、これはトン数にしますと幾らになりますか。
#165
○政府委員(上村健太郎君) 四万七千百五十トンでございます。
#166
○佐多忠隆君 それから新造は。
#167
○政府委員(上村健太郎君) 新造は、二十八年度予算及び二十九年度に跨つておりますが、これが十六隻で九千百二十トン、それから二十九年度で予算でお願いいたしましたのは十四隻、二千六百七十トンであります。
#168
○佐多忠隆君 いつでしたか、この百十隻でなくて、このPF十八隻、LSSL五十隻、両方で四万一千トン、それから掃海船の三十一隻で一万二千トンという数字が出ておるのですが、従つて百十隻はもつと多くなるのではないかと思うのですが、それはどうなんですか。
#169
○政府委員(上村健太郎君) 誠に申訳ないのでございまして、資料の間違いがございまして衆議院でも訂正させて頂きましたのですが、約五千トンばかりの誤差がございましてお詫びを申上げます。
#170
○佐多忠隆君 どつちの五千トン……。
#171
○政府委員(上村健太郎君) 只今のほうが正確でございます。誤差がございましたのはLSSLと、それから掃海船。
#172
○佐多忠隆君 もう一遍、LSSLは一万五千二百五十トンでしたかね、それは幾らですか。
#173
○政府委員(上村健太郎君) LSSLは二百五十トン、五十隻で一万二千五百トンでございます。PFが十八隻で二万五千七百四十トンです。
#174
○高良とみ君 総トン数は幾らなんですか。
#175
○政府委員(上村健太郎君) 申上げますが、PF、LS合計いたしまして三万八千二百四十トン、それから先ほど申上げました二十八年度の新造船が九千百二十トン、それから二十九年度の新造船が二千六百七十トン、それから今回貸与を希望いたしておりますのけ十七隻、二万七千二百五十トン、この合計が七万七千一百八十トン、その他掃海船が八千九百十一トンでございまするので、この新造船ができ上り、且つ米国からこの協定その他に基きまして供与を受けますものを入れますると、八万六千百九十一トンになるわけでございます。
#176
○高良とみ君 一つ追加でちよつと関連して今の問題に。それはそのほかにここの一番右の端にあるMSAによる十七隻というのは、そのほかにあるのでしようか。
#177
○政府委員(上村健太郎君) 今申上げましたこの二万七千二百五十トンと申しますのは、十七隻でございまして、中に入つております。
#178
○高良とみ君 そしてこの協定によるMSA以外のが二千七百トンですか。
#179
○政府委員(上村健太郎君) これはMSA及びこの協定に基きまして貸与を希望するもの全部含めてございます。
#180
○佐多忠隆君 そのさつき七万七千二百八十トンは掃海船を含まないで、掃海船を入れると八万六千トンになるというお話なんですが、私聞くのは、さつき百十ぱいで四万七千トンというのがありましたね。その四万七千トンの場合には掃海船四十二はいを含んでいるわけでしよう。
#181
○政府委員(上村健太郎君) 掃海船を含んで百十ぱいでございます。
#182
○佐多忠隆君 それが四万七千トン。
#183
○政府委員(上村健太郎君) その通りでございます。
#184
○佐多忠隆君 そうすると九千百二十トンと二千六百七十トンと二万七千二百五十トン、その合計が幾らだ。七万七千トンということなんですか。
#185
○政府委員(上村健太郎君) 掃海船を含めますと八万六千百九十一トンになります。
#186
○佐多忠隆君 そうすると大体現有戦力、或いは少くとも二十九年度末に二万七千二百五十トンが全部借りられたとすれば、これは大体極東においては一番大きな海軍力だということになりますか。ただ単にその保有船艦トン数から言えば。
#187
○政府委員(上村健太郎君) 通常この海軍と申しますると掃海船その他の雑船は含まれておりません。なおこの二十九年度末におきましては新造船が約一万一千トンばかりございますが、これは完成いたさないものが相当ございますので、二十九年度末でございますと少し数字は建つて来ると思います。(「特船隊です」と呼ぶ者あり)
#188
○佐多忠隆君 とにかくその辺で若干の出入りはあるとしても、まあ大体一番大きな海軍力ということに考えておいていいですか。
#189
○政府委員(上村健太郎君) ソ連は別にいたしまして、中華民国は九万、約十万トン持つております。それ以下にになります。
#190
○中田吉雄君 戦前はどれくらい持つておつたのですか。
#191
○政府委員(上村健太郎君) 正確な数字は、端数までは存じておりませんが、約百四十万トン、最高百五十万トン程度であつたろうと思います。
#192
○中田吉雄君 わかりました。
#193
○佐多忠隆君 そから上陸支援艇とそれから輸送艦艇というやつですが、これは上陸艇というのですか、LST、それは機能としてはどういうふうな相違があるのですか。
#194
○政府委員(上村健太郎君) LSSLはアメリカで使いましたときには、LSTで乗員を輸送いたしまして、その際に敵の領土に接近いたしましたときにこのLSSLが護衛いたしまして、そうしてこのLSTによる上陸を容易ならしめるような掩護射撃をするというような用途に用いられておつたようでございます。
#195
○佐多忠隆君 そうするとこの艦隊の態様として、LSTがこれによるとまあ二はい今度新らしくできるわけですね。その二はいのLSTを掩護するというのが五十ぱい要るということなんですか。そしてそういうのはどういうことを意味するのですか、防衛上。
#196
○政府委員(上村健太郎君) LSSLの性能は非常に低いものでございまして、アメリカ軍はLLSが接岸して上陸する場合に掩護射撃をする目的で作つたようでございますけれども、現在日本がこれを借受けまして、私どものほうの警備隊で使いまする場合には、そういう目的では使つておりません。沿岸地区の警戒、哨戒というような、駆逐艦の小さいものの代用のような目的で使用するつもりでございます。
#197
○佐多忠隆君 そうすると警備船中とか乙とかこういうものと殆んど変らないような機能をやつておるというふうに考えていいですか。
#198
○政府委員(上村健太郎君) この船は性能が非常に落ちまして、殊に暴風等におきましては、安全性が比較的少いものでございますから、主として沿岸地区の警戒、哨戒ということにしか使えないのでございます。従いまして駆逐艦、警備船等と同じ目的と申しましても、沿岸航路の警戒或いは港湾地区の警備というものには使えると思いますが、外洋に出て商船の護衛に当るというようなことには使えないのでございます。
#199
○佐多忠隆君 そうすると警備船中、乙、丙なんというようなものは遠洋に出て何というのですか、警備隊、警備船隊というのですか。それの主要な構成内容になるわけですか。護衛隊ですか。
#200
○政府委員(上村健太郎君) 比較的沿岸を離れまして行動し得る点はLSSLよりも防衛力といたしましては大きいと思います。従いまして一旦有事の場合には商船護衛、対潜警戒というようなものには使えるつもりでおります。又そういう目的も持たせたいと考えておる次第であります。
#201
○佐多忠隆君 それから輸送艦二はい、千六百トンという、二はいというのは、これはさつきのお話ですと、何か部隊を輸送する、殊に地上軍を輸送するというような御説明だつたようですが、それはどういう場合を想定しておるわけですか。それが而も防衛上どういう意味であるかということを。
#202
○政府委員(上村健太郎君) これは例えば北海道或いは四国、九州というような本土から離れました所において問題が起りました場合に、人員或いは食糧、弾薬その他の資材の輸送ということに当てたいというつもりでおります。
#203
○佐多忠隆君 国内輸送を艦艇によつてしなければならないというような場合が想定されますが、どういう場合ですか、ただ地域が北海道へ東京の部隊をやるとか、或いは九州にやるとかというようなことを言つておられるけれども、陸上輸送が全然きかなくて、海上輸送、そういうものを必要としなければならんというような場合とはどういう状態のときを考えておられますか。
#204
○政府委員(上村健太郎君) 島ばかりのことを申上げましたが、島のみでなく、沿岸、殊に交通上不便な所に対する人員の輸送或いは資材の輸送等につきまして、僅か二はいでございまするから、今のところ二はいあつてもどうかというくらいのものではございまするが、ともかくこれだけの船のうちに、こういうような目的を有する船を借りまして、訓練その他にも当てるというようなつもりでおるわけであります。
#205
○佐多忠隆君 訓練に当てるという意味ならばまだわかりますけれども、そうでなくつて実際に国内の輸送を、陸上輸送がきかないで、海上輸送のできるような所、而も輸送艦によつてやるような所というようなのは、現実の問題として殆んど考えられないのじやないですか。北海道にしても、九州にしてもそういう各地点において海上輸送ならば可能だけれども、陸上輸送は殆んどできないというようなことはちよつと常識としては考えられないと思うのですが。
#206
○政府委員(上村健太郎君) 実際仰せの通り、これだけこのLSTが二はいありましても、輸送に力を出せるとは考え得られませんが、併し警備船或いは駆逐艦等の船を或る程度備えまする土においては、やはりこういう種類の船も一、二はいは備えまして、先ほど申上げましたような訓練等にも資しますと同時に、人員、資材その他の輸送にも使いたい、こういう考えでおります。
#207
○佐多忠隆君 だからその訓練が対外その他を前折にして、そつちのための訓練だというのならば、一応又それとして理解もできるのですけれども、併し今までのお話によると、自国を防衛するための、或いは商船隊を防衛するための海軍、そういう意味で防衛的な海軍だろうというようなお話だとすれば、こういう輸送船を保有するというようなことは、非常に今までの御説明とは反した事実が隠されているというようにしか我々は受取れないのですが、その点はどうなんですか。
#208
○政府委員(上村健太郎君) 私ども事務的に検討いたしました範囲におきましては、勿論海外派兵というようなことも出て参りませんし、只今、先ほど申上げましたような趣旨で、二はいアメリカから貸してもらえたらというだけのことでございます。
#209
○梶原茂嘉君 トン数は何トンくらいですか、輸送船ですが。
#210
○政府委員(上村健太郎君) 千六百トンでございます。
#211
○佐多忠隆君 どうもその点は納得が行かないのですが、ただ訓練のためと、それから艦隊の体裁を整えるというためというようなことになると、どうもその艦艇の目的なり機能は今まで御説明になつておられるのとは違つたものをそこへ含んでおるのじやないかという気持がしてならないのですが、これはもつと別な機会にもう少し検討したいと思います。
#212
○梶原茂嘉君 今の輸送の船というやつですが、海上部隊に対する部品の補給ということを役割にするのじやありませんか。
#213
○政府委員(上村健太郎君) そういう目的にも使われると思いまするが、実際は現実に日本が巻込まれない戦争等が起りました場合にも、機雷或いは爆雷等が日本沿海に撒かれることは想像できまするので、一般商船によりまして輸送ができないような場合、そういう場合も考えられると存じます。そういうような場合にやはりLSTを以ちまして、人員或いは武器、弾薬、資材等を輸送するというようなことも想像されるだろうと思つております。
#214
○佐多忠隆君 その輸送船と書いてあると、今おつしやつたようにでも解釈できるようにも思うのですけれども、LSTとして而もこれは上陸艇と限定された輸送機関じやないかと思うのです。そうだとすると、今おつしやつたとにかく輸送にでも何でも使うのだから持つておるのだというようなごまかしだと、ちよつと説明にならんと思いますがね。それは輸送船と言つておられるけれども、厳密に言つて上陸艇、而も主として部隊輸送、地上軍の部隊輸送の艦艇なんでしよう。
#215
○政府委員(上村健太郎君) 米軍がアメリカの海軍に所属する船といたしましてはその通りでございます。LSSL、それを支援する船でございますが、LSTは例の日本終戦当時に海外から日本人の引揚に使われた船でございます。敵前上陸をする船というふうには考えておりません。
#216
○佐多忠隆君 だからその輸送としても、むしろ地上部隊、兵員を輸送する艦艇の形式になつておる。さつき言われたように、工作船であるとか、或いは物資輸送の貨物船、貨物を運ぶ場合に武装した貨物船というような考え方とは違うのじやないか。非常に特殊任務を持つておるものじやないかと思うのですが、まあそこいらは非常にあいまいにしか御説明にならんので了解できないままにやめます。
#217
○羽生三七君 関連して。昨日杉原委員が触れられた問題で、増原次長から簡単な答えがあつたのですが、従来の海上部隊が今度成立するであろう海上自衛隊ができる場合、これは直接侵略に対応するものとしてのこの海上自衛隊となるわけですが、そういう場合に今ここで示された各種の艦船の態様というものが自主的にどういう意味を持つのか。これは増原次長の答えは非常に簡単だつたのですが、この点が非常に私重要だと思うので、明確に一つお答えを願いたいと思います。
#218
○政府委員(上村健太郎君) この米国から貸与を受けます船及び新造船によりまして自衛艦隊というものができます。これは先ほど申上げました通り、沿岸警備を主といたしまして行動する警戒隊、これは小さい船が主になりまするが、沿岸の警備と、それから日本が侵略されました場合ばかりでなく、日本、極東地域におきまして、戦争が起つたというような場合における商船の護衛、これを主たる任務といたしまする護衛隊、及び機雷或いは水中の危険物除去に主として従事いたしまする掃海隊、この三つが主たる出動の部隊でございます。従いまして侵略が行われた場合に、それに対抗して戦闘するというような目的から考えますると、船の隻数も非常に少いのでありまするし、防衛の戦闘力といたしましても極めて弱いものでございますが、主といたしまして現在考えておりますのは商船の護衛、沿岸警備及び掃海隊、こういう目的で編成をいたしております。
#219
○羽生三七君 そうするとまあ表現が適当かどうかと思うのですが、一つの艦隊というものを想定して、そうして総合的な見地からここに示された各種の艦艇というものを取りあえず配列したというのではなしに、何か伺つておるというと、借りられる船だから借りておく、そういうものを雑然と寄せ集めたのが、今お話の商船の護衛とか機雷の掃除とか、いろいろ問題があると思いますけれども、実質的に今何も特定の一つの組立てを想定してでなしに、雑然と何か寄せ集めたという感じがするのですが、明確に商船の護衛なり或いは機雷の掃除、そういうものに限定したというように、はつきりおつしやれることができるのでございましようか。
#220
○政府委員(上村健太郎君) 今度の法案で自衛艦隊という名前が出ておりまするが、これは一般の常識から申しましても艦隊というにはちよつと不適当な船でございます。戦闘を目的とする船でございますれば戦艦、巡洋艦といういわゆる軍艦でないとむずかしいのでございまして、この程度、殊に日本が防衛をすると申しましても、現在そういうような海上戦闘を目的とする船は持ち得ませんので、従いましていわゆる駆逐艦以下の船を以て商船護衛と掃海と及び沿岸の警戒ということに当る程度しか、それ以上の任務は現在のところ持ち得ないと思います。
#221
○羽生三七君 そうすると只今の場合、この商船の護衛、機雷の掃除、それから沿岸の警備等に副うような合目的的に今の海上自衛力の増強というものが暫らくは続けられて行くと、それ以上に出るものではない、そういうふうにはつきり言い切られることができますか。
#222
○政府委員(上村健太郎君) 先ほど航空母艦と潜水艦のお話を大臣から申上げましたことに補足して申上げておきましたのでありますが、戦艦、巡洋艦以上の船を持つという考えは現在全然ございません。即ち他国と海上において艦隊の戦闘を交えるというような船を持つこともできませんし、又持つ意思もございません。潜水艦はこれは対潜演習、つまり潜水艦に対する演習をいたしまする上におきまして、潜水艦として機能を発揮させるものではなくて、潜水艦に対する商船隊の護衛ということの目的のために、私どもは少くも最低二はい程度、又最低と申しましても多くて二はいというところを持ちたいというふうに考えております。それから航空母艦は、これはやはり商船につきまして、そうして対潜警戒をやる、商船護衛を目的とするところの護衛空母一万トン程度以下というものでありますが、その護衛空母をできれば或る程度持ちたいというふうに考えるのでありまして、巡洋艦以上の船を持つということは不可能でもございまするし、現在のところ考えておりません。
#223
○高良とみ君 関連いたしまして。その輸送船のLSTとLSSLとは、どちらがより多く装備をしているのですか。
#224
○政府委員(上村健太郎君) LSSLのほうは、上陸用支援艇でございますので、平地砲その他の武器を持つております。或る程度の小型艦に相応するところの装備は持つております。併しLSTのほうは、機銃程度を持つている程度でございまして、輸送に使用されることを目的としておりまするから、支援艇より武器の点につきましては非常に少いのであります。
#225
○高良とみ君 私もそうではないかと思つておりましたが、併しこの上陸用支援艇のほうがトン数は大きいのですね。そうしてそれはどのくらいの大きさの、砲の大きさ、インチはどのくらいになつておりますか。
#226
○政府委員(上村健太郎君) この上陸用支援艇のほうは、二百五十トンでございまして、装備といたしましては、この四十ミリ機銃が三基乃至二基、二十ミリ機銃が四基、そのほかロケット発射機を持つているのもあるようでございます。おらないのもありまするが、持つているのもあります。
#227
○高良とみ君 そうしてその今の輸送艦のほうは、兵員等をたくさんに乗せて、輸送を主にしている。片つ方は五十ぱいもすでにあるのでありますが、それは二千五百……二千二百トンというふうにさつきおつしやつたと思つたのですが、もつと小さいのですか。
#228
○政府委員(上村健太郎君) LSSLのほうは、二百五十トンであります。それからLSTのほうは千六百トンでございます。
#229
○高良とみ君 わかりました。
#230
○中田吉雄君 この協定に基かれる附属書の一、二、三、四とナンバー打つてありますが、それぞれどれくらい乗込むのですか。
#231
○政府委員(上村健太郎君) DDのほうが二百五十人、DEのほうが二百二十人ばかりでございます。
#232
○中田吉雄君 これは時速何ノットくらいですか。
#233
○政府委員(上村健太郎君) 資料で差上げてあると存じますが、DDのほうが最大速力三十七ノット、DEのほうが二十一ノットでございます。
#234
○佐多忠隆君 これは輸送艦の問題は、さつきお尋ねしてよくわからないままですが、これは他の機会にして、補給工作船の問題ですが、これは先ほどのお話だと七千トン、而も一ぱいは二十八年度に新造し、一ぱいはこの艦船貸与協定に期待をするということですが、七千トンの補給工作船というと相当大きな工作船じやないかと思いますが、こういうこの補給船或いは工作船を必要とするとすれば、相当この艦隊の行動半径を広く考えて、遠洋作戦でもすることを考えなければ必要でない船じやないかと思いますが、その点はどういう関係になりますか。
#235
○政府委員(上村健太郎君) この七千トンの補給工作船のほうは、先ほども申上げましたように、艦隊にしまして、港を出ましてから、遠洋に出ると、出ないとにかかわりませず、相当或る程度長期に亙つて訓練をするというような場合にそれにつけて出す船でございます。従いましてアメリカから供与される七千トンのほうは、そういう目的が主になろうかと思います。補給工作船のほうは工作機械を若干載せまするのと、この千トンのほうは、そのほかに水中探知といいまするか、の機械を敷設する電纜施設、そういうような目的にも合わせて使いたい。従いましてこの二十八年度の新造の千トンと、アメリカから供与を希望します七千トンとではやや目的を異にすると考えております。
#236
○佐多忠隆君 国内の二十八年度新造のやつは、型は千トンですか。
#237
○政府委員(上村健太郎君) 千トンでございます。
#238
○佐多忠隆君 それからアメリカに期待するというのは七千トンですね。
#239
○政府委員(上村健太郎君) そうでございます。
#240
○佐多忠隆君 そうすると、予定の、アメリカに期待をする七千トンというのは、行動半径からいうと、ハワイ、或いはシンガポール程度まで、往復させるときくらいの船を必要とする程度の船じやないのですか。ただ日本海その他今あなたが想定されているような程度の侵略を警戒するという意味では、こういうものは毛頭必要ない程度のものじやないのですか。
#241
○政府委員(上村健太郎君) LSTにいたしましても、七千トンのDTにいたしましても、日本の財政が許しますれば、私ども日本国内で目的に合致するように、且つトン数等も考慮いたしまして、造つて頂くようにお願いをしたいのでございまするが、その余裕がございませんので、米国にありまする補給工作船、このDTというのは、七千トンの船でございますから、まあ目的といいますか、遠洋に出れるということから申しますれば、アメリカが使つておりますから、太平洋中動けるのじやないかと思いまするが、そういう船がありまするので、この船を借りたい、そういうつもりでおります。
#242
○佐多忠隆君 そうすると、それとアメリカの貸与法との関係になりますが、これはアメリカの貸与法の中では、そういう工作船は七千トン、そういうものは入つてるのですか。これには入つてないはずじやないのですか。
#243
○政府委員(下田武三君) 公法百八十八号には、デストロイヤー・タイプと書いてございまするので、只今問題になつている船はデストロイヤー・テンダーとアメリカで言つておりますのでございますから、入るのかも知れません。
#244
○佐多忠隆君 あの二十五隻、隻数を限つて向うで指定をしているのは、こういう船は入つてないはずだと思うのですがね。今の官房長のお話だと、こういう船が遊んでいるのがあるから、目当てがついてるからこれをやるんだというようなお話なんだけれども、それならばそれが入つているのかも知れんというようなことでなしに、確としてどこにそれがあるから、そうしてそれは遊んでいる貸与可能だからもらえるのだというようなお話ならば了承ができるのですけれども、そういうあいまいな、而も七千トンという補給工作船の機能から考えれば、どうもその御説明のような防衛のための艦隊に必要なものじや毛頭ないとしか考えられません。その辺はもう少し確とした御答弁を願います。
#245
○政府委員(下田武三君) 公法百八十八号にはただデストロイヤー・タイプの二十五隻という制限だけでありまして、具体的などれとどの船というようには列挙していないのでございまして、アメリカ自体で未定なのであります。その個々のどの船にしようかということは、アメリカ自体が未定なのでありまして、アメリカ海軍、アメリカ自身の都合にもよりまして、先方で日本側の希望を考慮して貸すことになつておる。従いまして隻数、タイプにおきましても融通がつく建前になつておりまするから、先方の都合によりましては公法百八十八号では問題なく借受けることが法律的には可能ではないかと考えております。
#246
○佐多忠隆君 どうもそこのところが法律的にはそういうことは可能じやないかという程度の期待である。ところが先ほどの御説明だと、本来の機能から言えばこういうものは必要ないのだけれども、こういう遠洋作戦、補給工作船なんていうものは必要ないのだけれども、たまたまアメリカにそういうものがあるからそれを期待するのだという、そつちの面から言われるときには、非常にこの形のものが遊んでいて、而も貸与法にはつきり掲げているから、ちよつとこの形がはまらないという、そういう点じや不便であつたり、ちよつとこう枠を出ているけれども、便宜これを借りるのだというようなことで、向うの貸与の予定が確定されているものはこれ以外にないから、これを期待しているのだというようなお話はですね、そこいらはどうも両方の間の話の辻棲が合わんし、どうもはつきりしないので、ここにも非常にさつきから私たちが疑問に思つている点がどうも了解できないのですが、もう少しそれを明瞭に。
#247
○政府委員(上村健太郎君) 先ほど申しましたのは、この船が遊んでいるから借りるという意味だけではないのでございまして、こういう用途の船は私どもとしては是非欲しい、第二幕僚監部のほう、警備隊のほうではこういう目的の船が二はい乃至三ばい程度欲しいと、こういう話がありましたのでありますが、トン数については、必ずしも七千トンのような大きなものは現在の警備隊においては必要ないかも知れません。併し米国側のこのデイストロイヤー・テンダーというものが七千トン級のがございますので、日本で造りたいのでございますが、造る余裕がなし、この用途の船は欲しいということから七千トンのDTの援助を受けたいという話になつたのでございます。
#248
○佐多忠隆君 これはそうするとこの七千トンというのは、何ですか、国内では建造の能力としてはあるのかどうか。従つて建造能力としてはあるけれども、予算の関係その他でそういうものには堪えない、向うに期待するということになつておるのか。日本の建造能力自体もこういうものはないから、併せて予算の問題もあるから、これは向うに期待するというような事情になつておるのですか、その点どうなんですか。
#249
○政府委員(上村健太郎君) 建造能力から申しますると、一番この特殊の技術なり何なりを必要としない型の船でございまして、殊にLSTにいたしますれば輸送船でございますし、DT等も戦闘を目的とする船ではございませんので、建造能力としては一番容易な船でございます。併し建造をいたす予算的な余裕がございませんので、米国の援助を期待したいと、こういう次第でございます。
#250
○佐多忠隆君 そうすると七千トンというのは、アメリカでどれくらいかかつているのか、日本で若し建造するとすればどれくらいかかるのか。
#251
○政府委員(上村健太郎君) 日本で造りますれば、恐らくトン当り、特殊の軍艦、駆逐艦類似の船ではございませんから、トン当りせいぜい普通の商船よりも少し余計かかると思います。そういたしますると、一応建造いたしますると、見積りといたしましては七千トンのDT権又造りますのに約三十四億円、千六百トンのLSTを作りますのに一隻十一億円程度のものは要すると思います。
#252
○佐多忠隆君 もう一遍七千トンの船、工作船というものの機能を明瞭に聞いておきますが艦隊がどのくらいの行動半径に行くときに、この程度のものが必要になるということでこれを期待をしておられるのか。そこを一つ正確に、片道で幾らになり、往復で幾らになる、従つて油の補給その他にはこの程度要るとか、或いは遠洋のどこいらで修理その他をするために、こういうものが必要になる、そのあれはどういうふうにめどを立てておられますか。
#253
○政府委員(上村健太郎君) どの程度の距離ということをちよつと今申上かねますけれども、大体演習が十日以上になりますると、現在のLSSLというと居住設備等も非常に不完全でございますので、隊員を引揚げて休養させるというような目的も含んでいるようでございます。なお水とか或いは食糧を相当積んで行ける英語のデイストロイヤー・テンダーでございますので、駆逐艦の面倒を見る船という意味であろうと思います。
#254
○佐多忠隆君 それから先ほど一応御説明になつたようですが、自衛のための、防衛のための艦隊編成という場合と、侵略のためのというか、そういうための艦隊編成というのは、本質的にはどういう差があるのですか。
#255
○政府委員(上村健太郎君) 非常にむずかしいお尋ねでございますので、明確にお答えできるかどうか存じませんが、少くも海軍と申しますると駆逐艦以下の船は軍艦とは申しません。法律上は、国際法上は軍艦でございますが、艦種を分けますると軍艦と申しまするのは巡洋艦以上でございます。従いまして巡洋艦以上の船を持ちませんで、他国を侵略するというような艦隊は私は考えられないのではないか。警備隊が自衛のためと申しましても、先ほど申上げましたように商船護衛と沿岸哨戒、それから掃海、この三つの目的以上には出ることはできないのでございますから、他国を侵略するための船と、自衛のための船との区別ということははつきり申上げかねまするけれども、海上戦闘を目的とするということになりますれば、少くも巡洋艦以上でございませんければできないと存じております。
#256
○羽生三七君 関連してちよつと。そこで先ほど私が申上げたように、当面の海上警備隊の目的として、まあ今度は自衛隊になるんでしようが、その目的として商船の護衛なり或いは沿岸警備なり、そういうものに見合うような合目的的に今後の海上自衛力の増強を考えているという場合と、或いは昭和二十九年度から三十年度、或いは今後五カ年計画で、昨日増原次長言われたように、或る程度の防衛力の増強をやるのだという場合に、そういう純粋の商船の護衛とか海岸警備的なものに限定された合目的的なこの自衛計画というものを立てて行くのか、或いは将来の新らしい防衛力の増強の中にそれ以上の、例えば国際的に見ても軍艦と見られるようなものを含むような形で、今後防の衛力の増強計画が進められるのかという点が今後問題になると思うのですが、その点は如何でございますか。
#257
○政府委員(上村健太郎君) 先ほど申上げましたように、巡洋艦以上の船は持つことは全然考えておりませんし、又持つと考えましても不可能なことだろうと存じます。
#258
○羽生三七君 それじや今後当分、当分といつても、少くとも我々の予想し得る範囲では、今の当面の目的たる商船の護衛なり、海岸警備等の範囲を越えるものではない。海上自衛力の増強、今考えておる海上自衛力の増強というものは今の目的を越えるものではない。従つて自衛力の増強というものは、今考えておる何ヵ年計画というものにはそういうものは全然入らないのだ、そうはつきり言い切れる確信がありますか。
#259
○政府委員(上村健太郎君) 仰せの通りでございます。
#260
○中田吉雄君 その点に関して、むしろアメリカは三軍の形式をとつておられるが、実際そういう三つを整えた形でアメリカとの関係がだんだん自主的になることを好まんので、こういう一応三軍方式というような名前だけ与えるようなことで、むしろアメリカとしては地上軍だけを大いに増強して、むしろアメリカの極東軍の中にはまり込んで行くような、それをむしろ経済力が許さんというようなことで、こういう形のものを認められるのとは又違うのですか。
#261
○政府委員(上村健太郎君) 事務当局からお答え申上げる筋を越えておるかと思いますが、私どもが接触いたしておりまする限り、米国はそういう意図を持つておりませんし、又私どももそういうことは考えておりません。
#262
○中田吉雄君 官房長、この作戦の問題ですが、作戦といいますか、私木村長官おられるときに是非申上げたいと思つているのですが、私の持つていますこのロイヤル長官が日本に来まして、日本の戦略的な地位をあらゆる角度から検討して私そのコピイを持つていますが、それによると、これは非常に参考になると思うのですが、来た時が若干前ですから、その後原子兵器等の発展もありますが、それによるとこういうことを書いておるのです。ソヴイエトも日本を侵略することは不可能だ、それからアメリカも日本を防衛することは不可能だ、これはもうあらゆる角度から検討して、そこで中立自衛というものが可能だということをはつきり、ソヴイエトも日本を目的を達したような形で侵略することはできない。それは侵略はできるかも知れんが、そのときには廃墟になつたような形の占領で、目的を達することはできんし、又アメリカが日本を守ることは、実際米ソの間に戦争が起きたら不可能だということを言つているわけなんです。私は、この文献を読まれると、上村さんなんかの考えているものは実に批判に値いすると思うのですが。そこでだんだん増強されているこの海上自衛隊の性格が、仮に日本以外の両勢力が極東で戦うというような際に、日本が一方の陣営について、そしてこの日本が八割くらい輸入しているような食糧なりいろんな物資を輸入して、八千万の生活に支障なくさせる、そういうようなことが一体可能だと思われますか。私から見ると、アメリカとの関係で結んだような日米安全保障条約、そういうような形で、アメリカのとる極東政策から何らかの形で巻込まれて作られているような海上自衛隊等で日本の必要な工業資本その他を外国から安全に輸送して来ることは不可能ではないか。むしろ中立自衛を、私の党はそういう立場をとつておりますが、中立自衛をとつた場合においてのみ、初めてそういう危険から遠ざかり、なお必要な物資を確保するということができるんじやないかというふうに私考えるのです。その点御所見を承わりたい。
#263
○政府委員(上村健太郎君) 非常に高度な作戦論、戦略論と申しますか、そういうふうなことを私のような者からお答え申上げることはどうかと思いまするが、最近の将来において戦争が起るとは私ども考えておりません。従いまして現在戦争が起つたらどうかということは、勿論私ども考えておりませんが、今後万一そういうような事態になりました場合には、国際情勢も違つておりましようし、又技術の進歩というものも変つて来ると思いますので、今から輸入ができるかできないかということを判断いたしますことは、私どもといたしまして躊躇する次第でありまして、現在起つたらどうかという仮定に基きますれば別でございますが、現在においてはそういう事態は私は起ると思つておりませんが、将来におきましてはどうか、将来におきましてはいろいろな要素が入つて参りますので、今すぐに結論を出すのはちよつと私どもの能力では申上げることはできないかと思つております。
#264
○中田吉雄君 これは是非読まれることを希望いたしますが、ロイヤル長官が一九四九年の二月一日から二月七日まで日本、朝鮮、台湾等を見て、米ソの世界戦略から見て、日本に若し事態が起きたときに、日本の戦略価値如何という問題をあらゆる角度から検討して、これを忠実に虚心に読んで見ても、もう起きたら駄目だ、アメリカの安全の保障にはなるかも知れんが、もう起きたら日本の安全は保障できない、起さんようにすることが必要なんだ、そういうことは私の持つているバイ・ウオルター、ウオルター・リツプマン、ハンソン・ボールドウインというような人は皆そういう考えをとつているんです。例えばハンソン・ボールドウインがサンフランシスコ講和条約が結ばれた際に、なぜアメリカは沖縄を信託統治にするかということについて長論を発表しているんです。それにはやはりこの考えがあつて、米ソ戦争が起きたら日本を守れない、そのときにハワイ、グアム、沖縄に撤退するのだ、そうしてソヴイエトが来ても戦略的な価値のないほど日本の全工業にローラーをかけて、全部爆撃して行く、こういう一つの狙いのために必要だと、それから更にアメリカは講和条約をきつかけに日本を再軍備させる、若し日本がそれをきつかけに強国になつて南進するというようなことがあつたら困るから、それを防衛するのだというこの二つの立場で、沖繩の戦略価値が重大だということを言つているんですが、それはともかくとして、今後官房長として責任ある地位から、この海上自衛隊などをどんどん殖やされて年次計画で行くというような際に、若し侵略があつたら守ると言われますが、そういう外交方式をとつておいて、起きた際には、これはロイヤルの言を待つまでもなく、もうソヴイエトの極東にある潜水艦等から、日本に必要な工業原料の八割も輸入したりするものを守れないというようなことは重要な示唆になると思いますので、これはたしか調査立法考査局には原文があると思いますから、私はそれを読んで慎重な配慮からこういう問題について取組まれてもなお遅くはないんじやないかということを申上げて、時間がありませんから、私の質問を終ります。
#265
○梶原茂嘉君 外務大臣にちよつとお尋ねしたいのですが、この協定の性格といいますか、日米相互防衛援助協定によつて各種の武器、資材等が供与されるのであります。それらについて別段それぞれ物件に関連しての貸与を受けるについての協定は、いわゆる条約的の協定は恐らくないであろう。今回のこの艦船の貸与の協定についても、これは日米防衛援助協定の実施上の一つのケースに過ぎないんではないか。従つて単純な両国政府門の行政的協定で足りるんじやなかろうか。恐らくこの協定についてはアメリカの国会は別段承認を与えるとか、批准をするということはないであろうと思います。我がほうだけこれを条約的に扱つて国会の承認を得るような形式にする必要があるのかどうかという私は疑問があります。御説明を願いたいと思います。
#266
○外務大臣(岡崎勝男君) これは非常にむずかしい問題で、我々もいろいろ考えたんでありますが、おつしやるように例えば万国郵便条約ができれば、その実施規定として郵政省と相手国の郵政省の間でいろいろな協定を結びます。これは別段国会の承認を要さない事務的な規定であります。で、MSAの協定を結べば、こういう艦船についても、つまりアネツクスのようなものを両方でサインすればできるのじやないかという法理論もあるわけであります。政府としてはとかく国会を通り抜けていろいろな協定をやるというようなことを言われますので、この前のフリゲート艦のときも国会の承認を得ましたので、今回もその点はできるという法理論も確かにあるのでありますが、そうでない議論もありますので、慎重を期して国会の承認を得る、こういうことにいたしたのであります。
#267
○梶原茂嘉君 それじやMSA協定によつて、例えばあのうちには航空機の貸与も入つておると思います。その他各種の重要な資材の物件があるわけなんです。それらについてもやはりそれぞれこの種の協定を作られる方針なんですか、どうですか。
#268
○国務大臣(岡崎勝男君) MSAの協定につきましては、あのMSAの協定でアメリカの基本法に基きましての範囲の飛行機であるとか、その他の武器供与はあの中に含まれますので、これは国会の承認を得てあの協定ができますれば、片方において保安隊の増員計画等も予算その他で縛られておりますから、その範囲に見合うだけの武器はこのMSA協定承認によつて認められたものと思つて、実質的に実際の贈与を文けることになります。これは御承知のように性質が少し異なりまして、MSA協定の中には含まれない艦船でありまして、又形から言つても片方は贈与であり、片方は借りるのであります。又借りるに際しましては、損害の起つた場合の補償というようなことも、原則的でありますが、約束いたしますので、これはちよつと性質が異なる、こういう意味で安全度をとつて御承認を求めようというわけでございます。
#269
○羽生三七君 その今の問題を私或る程度重要だと思うのです。MSA協定によれば、明確に千五百トン以下となつておるし、それを今度千五百トン以上借りる場合、而も贈与でなしに借りる場合には、新らしい協定が要ることは勿論であるし、又日本の今後の海上自衛隊の増強の度合、態様というようなものから考えて、これは当然憲法の諮規定との関係もあるので、やはりその都度国会の承認を得るのが適当だと私は考えておるわけです。そこで昨日外務大臣は大体十七隻、二万七千トンを超える場合、常識的に三百トンや五百トンがはみ出した場合は別ですが、大まかに言つて十七隻、三万七千トンを超える場合には、新たなる協定が要るという立場をとつておられたようで、私はそのほうが正しいと思う。そこで衆議院の外務委員会の速記録を見まするというと、下田条約局長はいささか違つたことを言つておられるのです。これはやはり明確にその点をされることなしに、こういうふうに言つております。併し十七隻借りたあとの十八隻目以下をこの協定で引続き借りられるかどうかということは、これはそのときに考える問題であるということを言つておりますから、明確に十七隻、二方七千トンを超した場合、これは勿論常識的な範囲でありますが、それを超した場合に新たなる協定を作つて国会の承認を求めるということははつきり言つておられないのであります。そこで外務大臣は明確にこの十七隻、二方七千トンを超す場合、而もそれが非常に常識的に我々が考えて、そこを僅かはみ出すというようなことについてかれこれ我々は言わないで、それを誰が見てもこの常識的な範囲で超したと見られる場合には、改めて国会の承認を求めるような形をとられるかどうか、改めてこの機会にもう一度確認をしておきたいと思う。
#270
○国務大臣(岡崎勝男君) これはちよつと羽生君の誤解があるのじやないかと思つています。私は終始ここでも申しておるし、衆議院でも言つておりますが、この十七隻をはみ出すはみ出さないは別として、別の来年度として新らしく貸りる問題が起つた場合、これは原則としてはまだ研究が済んでおらんから何とも言われませんが、私の個人の意見、考えでは、このアネツクスに追加して行けばいいじやないか、こう考えておると申しております。というのは、予算なりそのときの防衛庁設置法等で費用も人も国会で認められた範囲内でやるわけであつて、そのときに海上部隊にはこれだけの人を入れまして、これだけの経費を出します。それについてはアメリカからこれだけの船を借りて人員を使おうと思つているのだという説明が当然あるわけでありますから、その範囲ではこの協定でアネツクスを追加して行けば行けるのじやないかと、殊に今のところは自分の考えでは持つておるけれども、併しこれは法律的な問題でありますから、もつと研究をして結論を出したい、こういうふうに終始言つておるのであります。
#271
○羽生三七君 それは昨日の速記録を御覧願えばよくわかりますが、これは翻訳ができたときにもう少し明確に、やはり十七隻を常識的に超すときには、いろいろな解釈あるけれども、やはり改めて協定を作るほうが私個人の考えとしては正しいと思う。そういうふうにお答えになつた、もうこれは明白であります。そこで予算上の制約があると言われますが、建造する場合、新らしく船を造る場合には非常に莫大な予算を要しますから、国会の承認上当然制約を受けます。併しそうでなしに貸与を受ける場合には、人員とか或いはその他若干の経費でありますから、日本の国力、経済力から見て、全然これはもうどうにもならないというようなこととは違うと思う。従つて私は経済上の制約としては非常に僅かで、そのウエイトは非常に少いと思う。従つて艦艇の貸与を受けられるならば、私は予算上の大した制約なしに、これは自動的に増加が可能であると思う。だから問題はそうでなしに、そういう予算上の制約でなしに、この日本の海上自衛隊の増強というものが実際この戦力等の関係からいつて、新らしい判断を下さなければならない場合に遭遇すると思いますので、私はその都度、先ほど木村長官はアメリカの国内法が許すならば、航空母艦も借りたいと言つておられるのでありますから、それらの場合も含めて自動的にこれが貸与になつて、単に附属書に追加して行けば事足りるというようなことは私は適当でない。やはり十七隻、二万七千トンを超す場合には、解釈はどのようにもあれ、やはり改めて国会の承認を求めるような協定を出すべきである、私はこう考えております。
#272
○国務大臣(岡崎勝男君) 羽生委員のお言葉でありますが、私はまあこれは水掛論で、速記録を見てみなければわからんけれども、私は従つて自分の考えではアネツクスを追加すればいいと固く信じておりますから、それを落すはずはない。あなたのお考えは、別の協定を作らなければいかんと私が言つたというお考えは、恐らく速記録をお調べになれば違つていると思います。それは別としまして、実は陸上部隊等につきましても、将来どうするか。MSAのこの今回の協定は、或いは一年で更新されますが、よその国でも、従来、又別の協定を結ぶのでなくして、この協定に基いて更に増長計画等がある場合には、これに対して援助を受けているという実情でありまして、又梶原君の先ほどのお話は、この協定自身さえ国会の承認を得なくてもいいんじやないかというような御意見もあるのであつて、これは双方の、両方の意見があろうかと思いますので、まあ来年のことでもありますから、これから十分研究して最も適切な方法を講ずるつもりであります。
#273
○羽生三七君 まあそれは異なつた意見もあるのは当然でありますが、少くとも日本の現在の憲法上の諸規定からいつて、疑わしいような問題が自動的にずるずると成立つことは適当でないと思うのです。それからこれを明確に十七隻、二万七千五百トンを二、三百トン上下するという場合には、常識的に考えて頂かなければ困ると言われましたけれども、それ以外のことについては、もう自分個人の考えとしては云々と言われて、もつと、先ほどおつしやつたことはいささか違つた意味で、確定的に新協定の必要性を認められるようなほうにウエイトを置いて発言をされている。それは確実であります。それはまあ水掛論と言えば、いずれ速記録ができてからのことになりますが、いずれにしても、まあ疑わしいことでありますから、成るべく民主主義のルールに従つて、国会の承認を得るということのほうが私は妥当であると思う。それを余りに簡単にお考えになつて、いろいろな説もあるから適当にというようなことは適当でないと私は考えますので、もうこれは確たる態度で進まれることを希望いたします。
#274
○佐多忠隆君 今のにちよつと関連して。協定の性質からいつて、この第三条に五年の有効期間がきめられておりますね。これらからやはり一つずつその協定を新らしく作ることが必要で、さつき言われたような附属書だけの方針ではできないというような性質的な制約はないでしようか。というのは、その引渡を今度の協定のときには五カ年だから、千九百何年だとすれば、そうするとあとは附属書によつてただそれだけを起算して、附属書にある有効期間だけをずつと循環的に継続して行けばいいという性質になり得るのか。そうでなく、この協定自体がもう五年ということを限定をしているが、これはこれとして一回きりのものとしてしか考えられないのじやないか。協定の性質上そうなるのじやないかという気がするのですが、その点はどうお考えになつておりますか。
#275
○国務大臣(岡崎勝男君) これは協定の内容と違う約束をしますならば、協定を変えなければなりませんが、この内容と同様のものならば差支えないのじやないかと思います。
#276
○佐多忠隆君 期間の点についてもですか。
#277
○国務大臣(岡崎勝男君) その通りであります。
#278
○杉原荒太君 今の質疑応答を叩いておつて、私は明らかにしておく必要があると思う点があるのですが、それはこのずつと附表の中に追加して行けばいいとか悪いとかの問題のもう一つ前にですよ、前に、この協定にすでに署名はしてあるわけですが、その署名するときの意思が、こつちの意思が、この協定の内容をどう確定しているかという問題ですよ。そういうものは、つまり十七隻以外の船はこれには含まれていないのだ、そういう意思でこれが署名されたのかどうかということ、この点はこの内容の確定の問題だから非常に大事な点ですよ。その点はどうなんです。そうして日本側としては、どういう意思の下に作つて、而もその意思が先方と、アメリカ側とどう合致しているか。要するにそこのところの意思合致の内容はどうなのか。その点を明らかにしておかれる必要があると思います。これはこれに賛否いずれの立場をとる場合にも大事であると思う。ただこれを、この文字だけの解釈からしますとですよ、この前文を見れば、すでにこの協定に署名する際に、表示されている日本側の希望というものを予想しておられる。それを前提にしている。そうして向うとしても、それを受けて貸与する用意があるということを言つている。それだから、すでに具体的にこつちから表明してあるその今までの説明を見ると、その十七隻というものだけに限定しているように見れるのです。併し第七条のほうを見れば、もつと一般的になつているが、併し前文が全体にかかつて来るのが普通の解釈の仕方であると私は思う。それだから、これはやはりいわゆる十七隻のことの範囲しか見ていないのだという解釈が正しいようにも思うが、併しそれは解釈の問題で、これを作るときにどういう意思で作つたのか、それをお伺いしたい。
#279
○政府委員(下田武三君) この交渉の発足は、保安隊のほうで十七隻の艦艇を借りたいというところから出て来たわけであります。そこで米国の公法百八十八号を見て頂きますと、必ずしも希望の十七隻が公法でカバーされない可能性もある。そうなると、公法を協定に引用するということも得策ではない。そこでアメリカの如何なる法律も引用しない一般的な協定になつて参ります。そこで協定の中に貸与を受けるべき隻数を限定すべきかどうかという次の問題が生じて参ります。その際に、成るほど本年度は保安庁は十七隻を考えておられますけれども、若し将来同じような船を、同じような条件で借りられるという話になりまするならば、その際に又同じ協定を作り直すのは馬鹿々々しいことではないか。然らば将来のためにも門戸を開けておくためには、隻数を制限しない協定にしたほうが、日米両国のために得策でありはしないかという見地から、只今お手許に配付いたしましたように、法律上は将来も同じ条件で、同じような船を借りる余地を残すということに、交渉当事者の間に意見が一致しておる次第でございます。
#280
○羽生三七君 私何も言い掛りをつけるわけではないのですが、今少し昨日のことを思い出したのですが、最初外務大臣は、今私が述べたように答えられて、そのあと私がそれじや無制限的にこの海上自衛力ですか、が殖えて行つた場合に、憲法との関係はどうなるかという質問に対して、それは予算の制約があるから、そういうことにはならないというように答えられておつたと思うのです。だから私は何も言い掛りは全然つけませんが、一体どちらを取られているか。外務大臣は昨日の発言が、若し速記録を見て正しいということになる場合には、そのほうを取られるのか。又今日言われたほうを取られるのか。或いはこれは今私が勘違いをしておるならば、私の不明でありますが、どちらか一つこれは明確にしておいて頂きたいと思います。
#281
○国務大臣(岡崎勝男君) 速記録をお調べになれば、今日の発言と同じことを言つていると私は確信しております。
#282
○羽生三七君 いや、していなかつた場合にどうなりますか。
#283
○国務大臣(岡崎勝男君) いや、私はそういうことは信じられません。
#284
○佐多忠隆君 それじやさつきの前文にある、アメリカ合衆国政府から「若干の艦艇の貸与を受ける」ということを希望しているという、「若干」という場合には、今お話のように、十七隻、二万七千トンというのを大体「若干の」というふうに規定をされたのか。そうでなくて、「若干の」というのは、何年でも継続して増し得ることをも含んで、そういう言葉として「若干の」ということをお入れになつたか。どうも常識的には後者のような意味で「若干の」というような言葉は使えないように思うのですけれども、その点はどういう気持ですか。
#285
○政府委員(下田武三君) 「若干の」といたしましたのは、十七隻という明らかな隻数を避けるという意味でございまするが、必ずしもそれ以上将来に亙つてということだけを狙いとしておるのでは、ございませんで、千五百トン以下の艦艇でありまして、MSA協定の下に、貸与でなくて、日本にくれるものが生じましたならば、それでも十七隻の一部は……非常に結構なんでありますから、この協定で貸与を受けるものが逆に十五隻、或いは十隻というように減るかも知れません。そういう不確定要素がございますので、やはり隻数を明らかにいたしませんで、「若干の」といたしました。従つて必ずしも十七隻よりも殖えるということだけを考えてのことでは正直のところないのでございます。
#286
○佐多忠隆君 だから十七隻を中心にして、若干の移動はあるかも知れません。この「若干の」というふうにお考えになり、又なるのが普通の用語例だと思うのです。そして今でもそういうふうに御答弁になつているのです。ところがどうも外務大臣のお話を聞くと、まあ来年度どういうことになるのか知らんけれども、今年十七隻だつたら、やはりその程度、或いはそれと前後して行くというようなことになつて、倍になる、その次には三倍になる、そういうようなことまで予定して「若干の艦艇」だというふうには、ちよつと用語例としてできないのじやないかという気がするのですが、だから……。
#287
○国務大臣(岡崎勝男君) これは必ずしもそうじやなくて、アメリカ側としては、この協定を一つ結んで、将来日本が又借りる場合には、貸してもよかろうという気持は十分あります。又アメリカ側は日本のようにこの国会の承認を求めるわけでなくてこれはエキザクテイヴ・アグリーメントとして、大統領が認めればそれでできるわけでありますから、その点は差支えないわけであります。日本側としては、アメリカと取扱が違つてこの協定は国会の承認を求めるために出しておるのですから、従つて今後一体これのアネツクスで借りるものであるか、それとも別の協定を結ばなければならんかということは、これは法律専門家等に十分研究してもらわなければ、今までのところはまだ結論が出ていない。私の個人的な考えによれば、先ほど申したように、アネツクスでよかろうと思いますけれども、それも自分だけの考えでありますから、まだはつきりしていない。これが実情であります。
#288
○佐多忠隆君 どうもそこをどつちかに確定をしたものとしてこれの審議をするなり、諾否をするなりしなければ、非常に不確定なものを内容とした協定になるような気がするのですがね。まあ併しこれは意見になりますから……。 (「いや、意見じやないよ」と呼ぶ者あり)それじやまだあれば、あなたから答弁があれば……。
#289
○国務大臣(岡崎勝男君) 併しこれは実際両方の意見があるので、まあ今の梶原委員のような意見を持つているかたもあるのであつて、それよりは協定はとにかく承認を求めるということで、そのアネツクスを加えてもよかろうという意見もあれば、いや別に協定をしなければならんという意見もあるので、これは実際上法律専門家等の慎重な研究を得たなければならんと思います。併し少くとも本年においては、この協定によつて十七隻の範囲内では借り得るのだということは、確かに考えられていいと思います。
#290
○委員長(佐藤尚武君) 今聞きますというと、内閣委員会はこれから開会するそうでありますので、官房長はそちらのほうにお帰りにならなければならんと思いますが……。
#291
○佐多忠隆君 明日に保留しておきます。
#292
○委員長(佐藤尚武君) そうしたならば、質疑は本日はこの程度に納めて、明日に又譲らなければならんかと思いますが……。官房長はおられるそうです。
#293
○羽生三七君 併し委員長、今の一点だけはもう少し正確にしておきたいと思うのです。というのは、異なる解釈が二つあると言われましても、そういう法律のといいますか、協定の技術的な問題以外に、例えば先ほど私の質問に対して、木村長官が、日本の経済力からいつて、当分自国での建造は不可能だ、今度アメリカから借りにやならない。これは半永久的だとは言わないけれども、私がかなり恒久的にと言つたら、その通りだと言つておられました。そういう場合、とにかく憲法の規定で、戦力云々のことは言われておるのです。それは十万や二十万の海上自衛隊を作つて、それが戦力とは何だという議論で片付ければ確実ですけれども、併しそれに新らしい空母が来る、場合によつたら巡洋艦も借りられるかも知れませんよ。官房長はそんなことはないと言われましたけれども、木村長官は、本当は何を考えているかわからない。そういう場合に、これだけ国会でやかましく戦力問答がやられているのに、この協定で続々追加して行けばいいのだというような簡単なことで私はやるべきことじやないと思う。やはりこれは協定の技術的な問題と別個に、純粋な政治的な判断から、やはり常識的なところで区切りをつけられて行かれることが適当だと……、やはり明日までにもつと明確にして頂きたいと思います。
#294
○中田吉雄君 この問題は一つ明日、賛否はいずれにしても、はつきりしてそれからまあ態度をはつきりすることにして、今日は委員長、この辺で如何でしよう。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#295
○委員長(佐藤尚武君) それでは質疑は明日午前又続行することにいたして、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#296
○團伊能君 この外務委員会で、以前に理事会その他できめました大体予定がございますので、今日の質疑を明朝に多少延ばしても、明日の本会議にこれを上程する予定で今日まで参りました。その予定は一つ委員会として実行するように、大体委員会の前の申合せでございますので、申合せは実行するように一つお諮り頂きたいと思います。
#297
○佐多忠隆君 その点は明日の審議の結果を見ておきめ願いたい。それから二十八日に上程をするということは、昨日、一昨日保安庁長官がずつと出て頂いて、我々の質疑に答えるということを前提としての明日という日程であつたと思うのですが、それがずつとずれて来ているのですから、これはまあ明日の審議の模様によつておきめ願いたい。
#298
○團伊能君 併しですね、大体審議がもう済んだと思いますが、この法案、まあ皆さん等のお話にも出ていましたように、それほど……、まあ大体法案の趣意、又法案は勿論重要な法案ではございますが、MSAその他のような非常に複雑なものでもございませんので、大体審議は完了して、明日本会議に上程することが可能であるという、皆さん御観測の下に参りましたが、保安庁長官が、内閣委員会の状態で、今日は御出席が遅れたことは甚だ遺憾ではございますが、長官に対する質問もとにかく実現し得たわけでございますので、如何でしよう。明日緊急上程をするということになりますと、これは明朝の議運にもそう伝えておかなければならないかと思いますので、明朝の議運に緊急上程の一応申入をしておいて、明日中に上程ができますれば……。
#299
○佐多忠隆君 保安庁長官に対する質問がもう済んだようなことを言われますけれども、さつき御覧の通りに、全部で一時間半、而もまあ私は一番長くて三十分もらいましたけれども、その三十分は質疑応答を併せて三十分ですから、私自身の発言というのは、その半分か、三分の一しかない。非常に小間切れ的なもので、ほんの序論のところを聞いているのに過ぎないので、保安庁長官に対するあれもまだたくさん残つている。それから外務大臣に対する質問も、実は私はただ今日は関連的に質問しているようなことで、本格的にはまだやつていない。それも残つている。だからそれは成るべく簡潔に、要領よくやるつもりではございまするけれども、明日の審議の結果によつて、その点はおきめ願いたいということに計らつて頂きたいと思います。
#300
○團伊能君 審議の結果ではございますが、非常に蘊蓄の深い御質問等も、この法案めぐつてやるならば深くして尽きざるところがあると思いますが、御承知の、ごとくこれも日程にかけての法案の審議でございますので、その辺は一つ御了承頂いて申合せ通り、今まで大体申合せ通りに外務委員会は参つておりますので、明朝の本会議に緊急上程するということで如何でございましよう。
#301
○佐多忠隆君 会期は三十一日までなんでしよう。若しどうしてもそういうふうに上げなければならないというならば、明日十分審議をして、土曜もあることですし、日曜もあることだし、更に三十日もある、三十一日もあるというようなことで、そう一日ぐらいを只今固執されなくたつていいじやないですか。
#302
○團伊能君 決して私も審議を切上げてという考えはございませんけれども、御承知のように各委員会非常に法案も残つておりまして、三十一日のごときは各法案の御討論も相当あると思いますので、この法案もいずれ賛否の討論を本会議において行われることとなりますと、時間的な関係でやはり明日あたりの本会議でゆつくりと御討論の時間を持つてして頂くというほうが適当であり、会期末に参りますと、その賛否の討論をする時間もないというようなことになりはしないかと思いますので、それを心配いたしまして委員長、成るべくこれを明日の本会議に上げたいというお考えでいられることも伺つておりますので、それに副いまして御協力してそういう形に……、まあ私不可能でもないと思いますので、ちよつとお諮り願いたいと思います。
#303
○杉原荒太君 非常に無理を言うようですが、何とか一つ明日中に緊急上程するように御協力を願います。
#304
○佐多忠隆君 それは努力はしますがね、今きめてしまつて、物理的にきめてしまつてもう時間が切れたからといつて、今日の一時間半みたようなああいうやられ方をすると、ただ申訳的にしているようなふうになつてしまう。
#305
○国務大臣(岡崎勝男君) 外務大臣に質疑が残つておれば夜中まででもおりまする
#306
○中田吉雄君 明日やりましよう。
#307
○国務大臣(岡崎勝男君) 幾時まででも……。
#308
○中田吉雄君 明日できるだけ協力することに……、今日はこれでよろしくお願いします。
#309
○委員長(佐藤尚武君) 緊急上程の問題でありますが、これは今夜からきめておかれないと、明日の小委員会にはかけられないということがあるそうであります。ところで現在の皆さんの御意見を拝聴しておりますと、明日上げることに努力はするということでありまするけれども、それは実は明日のことであつてどうなるかわからないので、つきましては明日午前中にこの委員会が上れば緊急上程をするということにでもして、今日から議運のほうに申込んでおくということでなければ、緊急上程というものはむずかしいかも知らんと思いますが。ただそのためには明日午前中に要求大臣が出て来られなければ、その際はどうなるか私もわからなくなつてしまいます。要求大臣が出て来られれば多分午前中にこの委員会を上げるということも可能であろうかと思うのでありますが、問題は保安庁長官なんです。外務大臣は多分繰り合せて下さるであろうと思いますが、保安庁長官に対しての質疑がまだ残つているとすれば、どうしても明朝出て来て頂かないと私はやれないと思います。私は今日一時間半、非常に内閣委員会のほうで時間を絞つておられましたので、それで漸く一時間半ということで折合いをつけて来たのでありまして、一時間半もあつたらば保安庁長官に対する質疑は終るかと実は思つたのでありますが、併しそれが終らなかつたということで、どうしてももう一度大臣を要求しなければならんと思うのです。その点与党側のほうで内閣委員会の与党側と一つお話をしてみて頂きましようか。それで大臣を明日又一時間なら一時間、非常に時間を区切るようで甚だ恐縮でありまするけれども、あつちでもこつちでも要求しておりまする大臣でありまするからして、一時間なら一時間としてこつちへ来てもらうということが……、私のほうでも委員長に話をいたしますが、そういうことでもして保安庁長官にも来てもらう。そうして明日午前中に上げるべく努力をする。幸いに上つたらば緊急上程、若し上らなかつたらば止むを得ないと思いますが、如何でございましようか。そういうことにでもして本日のところはそういう意味合いで以て議運のほうへ申込んでおく。議運の小委員会ですか、それ以外に方法はないように思いますが。速記をとめて。
   〔速記中止〕
#310
○委員長(佐藤尚武君) それじや速記を付けて下さい。
 本日の質疑はこの程度にとどめまして、明日午前十時から再び委員会を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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