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1953/12/14 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第2号
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1953/12/14 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第2号

#1
第019回国会 運輸委員会 第2号
昭和二十八年十二月十四日(月曜日)
   午前十時五十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     前田  穰君
   理事
           入交 太藏君
           重盛 壽治君
   委員
           植竹 春彦君
           一松 政二君
           森田 義衞君
           大倉 精一君
           大和 与一君
           東   隆君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 石井光次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   常任委員会専門
   員       田倉 八郎君
  説明員
   運輸大臣官房会
   計課長     辻  章男君
   運輸省航空局技
   術部長     市川 清美君
   海上保安庁長官 山口  傳君
   中央気象台長  和達 清夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○運輸一般事情に関する調査の件
 (定点観測の予算に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。
 運輸一般事情に関する調査中定点観測の予算に関する件を議題といたします。
 先ず本件に関し中央気象台長から御説明をお願いいたします。
#3
○説明員(和達清夫君) 簡単に経過を申上げます。
 定点観測は、昭和二十二年、当時の連合軍の指令によつて開始されたものでありまして、北方のX点及び南方のT点の二点における観測でございます。これらは日本附近の気象業務に非常に大きい貢献をいたして参りましたので、昨年平和条約成立後も、日米安全保障条約に基く行政協定によつて、この業務を継続して、その経費は米国が三、日本が一の割合で負担して参つたのであります。然るに今回米国側のその経費の分担を打切りたいという通告がありましたので、日本側といたしましては、この際の一応の処置として、次のように大体やることになつたのであります。即ち北方の定点は、これを中止する。南方の定点は、夏期六カ月の間この業務を継続するこということであります。この措置をいたすに止むを得なかつたその事情と、そしてこの両定点が如何なる気象業務における役割をいたしておつたかということを次に申上げたいと思います。
 これら両定点が、我が国の気象業務に非常に貢献をして、気象業務としては欠くべからざるものと申上げたいほど重要なものであるのでありましたが、これが米国の申出によりまして、先に申上げましたような非常なる縮小をせざるを得ない情勢にあるというのは、一にかかつて経費の問題でございます。即ちこの北方の定点は、その場所が有名な海上の難所でありまして、殊に冬の期間は連日暴風とも申すべき荒海でありますので、従来使用していました観測船ではその安全が期しがたく、前々より米国側にその船の代りを要求しておつたのであります。ところが今回米国のこの業務に対する分担の打切りの申出になりまして、この点を我が国自体の手で実行いたさねばならんといたしますれば、この定点の観測の経営費よりも先に、先ずそこに適当なる船を造らなければならないのであります。この船は二千トン級のものを要し、一隻六億近くかかります。それに北方定点一点を行いますならば三隻必要でございます。経営費は一点で約二億ほどかかります。次に、南方の定点が半年になりました。これも一年をいたしたいのは山々でございます。当時米国と日本との経費分担は四分の一日本が持つておつたわけでございまして、大蔵省にいろいろお願いいたしましたのですが、その枠内でいたすという点において、南方を半年の観測に縮小せざるを得なくなつたのであります。
 北方の定点のほうを申しますと、この点は我が国が太平洋に面しておりまして、東のほうには一つの観測所もございません。而もその海上は多くの日本の船舶がおります。又東北、北海道地方は、気象にとりましては冷害の対策といたしまして大事な所でございます。そういうような気象にとつていろいろ大事なことが、この北方定点を喪失することによつて非常なる打撃を受けるということは、我々気象技術者として最も遺憾な次第でございます。この凶冷対策のためには、気象観測並びに海洋観測共に重要でございますが、海洋観測は、従来気象台が観測船を持ちまして北洋を巡航して観測し、これを凶冷の対策の気象資料として重要なものとして使つておりました次第でございます。定点観測が始まりまして、気象台の持つておりました船は定点観測のほうに使わざるを得なくなつて、そのために北方の海域の海洋観測は、定点へ参ります往復、或いは定点の場所に滞留中に海洋観測をいたしておりまして、その中央気象台の持つておりました一隻の船は、今回中央気象台に戻りまして、海洋観測に専念することができるようになりましたので、まあ北方の海域の海洋観測に関する限りは本来の姿になりましたので、凶冷対策の海洋観測はかなりまで定点の喪失による欠陥は補うことが可能かと存じております。
 さて、南方の定点でございますが、この南方の定点は、申上げるまでもなく我が国の最も大きな災害であるところの台風、又近年水害を頻りに起しました梅雨前線、こういうものに対します予報、警報に関しては最も重要な観測資料を提供しておつたものであります。今回通年ができませんで非常に残年でありますが、大切な夏季六カ月間はいたすことができることになりました。
 このような事情によりまして、今回米国からの経費分担打切りの通告に対処せざるを得なくなつたのでございます。定点観測は、気象災害の多い我が国にとりまして極めて重要な観測であり、気象技術者としては是非ともこれを持ちたいものでございます。今後事情が許すならば、この業務を是非とも再開いたすことを切に希望いたす次第であります。
#4
○委員長(前田穰君) 御質問のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○植竹春彦君 台長にお尋ねいたしますが、X点定点の定点観測が欠くべからざる気象上の重要業務だということを只今承わり、又承わらないでも我々はその認識をいたしているわけでありますが、このX点定点につきましては、日米間の協定で今日まで実施されて来ていると思います。又仄聞するところによると、新聞等の報道によれば、アメリカはこの定点観測は太平洋の部分のみならず、大西洋の部分までもこれを中止、或いは廃止するような方途であるわけでありますが、これはX点定点は日米間の協定であつたとしても、太平洋その他の部分のものは、これはICAOの協定によつて定められている、さように存じておるのでありますが、この際にアメリカは、このX点定点の問題にしても、又太平洋その他の問題にしても、一方的に変更することができるようになつているかどうか。又日本もICAOに加入している以上は、この観測の復活はICAOに訴えて復活できるものであるかできないものであろうかというふうな台長のお見通し、それからこのICAOで決定した場合に、予算の費用についてのICAOの規定はどうなつておるか。従つてこのICAOで若しこの復活が行われるような場合には、日本は特別にこの費用を負担する必要があるかどうか、こういう点について台長のお答えをお願いいたします。
#6
○説明員(和達清夫君) アメリカのことは私よく存じませんが、この援助の中止には、技術的根拠があつて援助を中止しなくちやならないのか、或いは経済上の問題であるかということについては、少くともアメリカの技術者は、経済的の問題であつて、技術的にはこの定点観測は絶対に必要であると言われているのであります。それで行政協定に関する合同委員会の中の分科会である気象分科会では、援助の打切りを申出られます文書に、日本の代表が日本政府に十分努力してこの定点観測は日本の手において行うことになるようにすることを勧告すると言つております。ICAOに関しましては、私よく存じませんので申訳ございませんが、大西洋における援助打切り、これは来年の六月と聞いておりますが、そういうアメリカの申出に対する相談が次の会議において行われるように、もはやそれに関する通知もたびたび拝見をいたしておるわけであります。ICAOはこの問題に対していろいろ決議をしたり勧告をしたりすると思いますが、私の個人的の考えかも知れませんが、ICAOが決議したり勧告するのは、一にかかつて日本政府のこれに対する態度、経済的に如何に負担するか、如何に重要と認むるかということに関すると私は存じております。
#7
○植竹春彦君 ちよつと速記をとめて。
#8
○委員長(前田穰君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(前田穰君) 速記を始めて下さい。
#10
○植竹春彦君 只今の点に関しましては、台長の御説明になお補足して、外務当局から後日御出席を求め、或いは文書なりの方法で以て御答弁願いたいと思います。さようお取計らいのほどを委員長にお願いいたします。
 次に、只今大臣或いは航空局長がお見えになりませんので、航空局技術部長にお尋ねいたしたいと思いまするが、X点定点の中止の問題に関連いたしまして、航空活動の飛躍的発展が今日期待されておりまするのにかかわらず、この航空気象業務の確立が危ぶまれる、定点観測業務の一部廃止の結果、非常にこれは航空運航に対しまして重大な影響があることは、只今気象台長の御説明の通りであります。これに対しまして航空局関係者といたされまして、どういうふうにお考えになつておるか、その御所見を承わりたい。殊に飛行機の経済的にして安全な運航というものが、このX点廃止によつて確保せられているかどうか、或いは重大な影響があつて、何としてもこのX点は廃止すべきものでないかどうかという点について技術部長のお答えを願いたいと思います。
#11
○説明員(市川清美君) 御答弁いたします。航空機の運航に関しまして、航空気象が非常に重大な影響を持つということは御指摘の通りでございます。殊に太平洋のような広い地域におきます観測地点の減少は、飛行機の運航にとりまして非常な影響がございます。従いまして航空局の立場といたしましては、これらの存続をされんことを非常に熱望いたしております。
#12
○植竹春彦君 次に、官房の会計課長にお尋ねいたしますが、これは私の質問はどうしても大臣か航空局長でなければ責任ある御答弁はむずかしいとも思われますけれども、私が只今会計課長にお尋ねいたしたいのは、かくのごとく気象台長としても絶対不可欠な業務であると考え、航空技術関係の技官におかれましても、これが絶対不可欠と考えておられるような重大な問題に対しまして、この只今二十九年度の予算編成の途上において、運輸省の官房の会計といたされまして、どういう御認識があつたか、又どういう御処置をとられたか伺いたい。仄聞するところによりますと、気象台に約十八億でありましたかの予算しかない。而も定点については、南のこの定点を五月から十月までの雨季のみにたつた八千万円の予算措置を今考慮中であるというふうなことを仄聞しておりますし、これに対しまして、先ず気象台としてはこの官房に対してどういうような予算要求をしてあつたか。又新造船につきましては、随分船が腐朽しているというふうにも聞いておりますが、それに対する復活要求についてはどういう要求をされ、どういう理由で以てどういう査定をされましたか。会計課長にお尋ねいたしたいと思います。
#13
○説明員(辻章男君) お答え申上げます。実は当初二十九年度予算要求の際には、現在は解除になりましたアメリカの駐留軍との定点観測に関しまする協定が来年度も存続するものと考えまして、実は代船建造の金額を要求しておつたわけでございます。この点につきましては、先ほど台長から御説明がありましたように、今まではアメリカの船を借りましてやつておりましたので、船が老朽化いたしまして、新船をアメリカ側から現物で提供を受けるか、或いはその金額を金でもらいたい、若し金でもらいました際には歳入に入れまして、国内的には新らしく歳出予算の必要がございますので、その歳出の予算を要求しておつたわけでございます。ところが先ほど御説にありましたように、行政協定に基く契約を打切りに決しましたので、実は現在のところは二十九年度の予算につきましては、南点のほうも、六カ月以内のほうのことにつきましては要求をいたしておりません。これは官房の意見と申しますよりも、いろいろ省内におきましても省議におきまして議論したのでございますが、考え方といたしましては、まあ財源がありますれば、勿論運輸省といたしましては両点の完全な継続をいたしたい熱意はあるのでございますが、やはり予算の財源に縛られまして、例えば気象台で申しますれば、本年度の補正で御協賛を得ました水害予報業務等も、来年度におきましては大幅な要求もいたしておりますので、来年度はそれに重点を置きたいという考えでございます。又航空の関係につきましても、北点、南点共に国際航空の問題もございまして、特に日本の航空網も、来年度あたりから華々しく世界航空路に出て参りますが、日本一個だけの問題でもございませんので、ICAO等におきまして議論になつた際には、新らしい観点から検討いたしたいというふうな気持でおるわけであります
#14
○植竹春彦君 結論は財源の故を以て削られたというふうに伺うのでありますが、財源は事によりけりだと思われます。特別会計の問題になると、又目的税的な性質を有する場合においてすら、この定点観測業務が航空の運航、或いは又冷害に対する予知、台風に対する予知というふうな観点からいたしますれば、絶対必要不可欠であるということはこれは何人も否むことのできないような重要性があると思う。こういうような予算は、ほかの予算を削減しても、若し削減できなければ新たに財源を見付けるといたしましても、絶対にこれは組むべき努力を、こういうことをせられるべきではなかつたか、かように考えますが、而もまだ余日があると思われます。と申しますのは。定点観測の問題が新聞紙上に報道せられましたのは十一月の二十五、六日かと思われます。或いは十二月一日だつたかも知れませんが、それから十余日を経過いたしておりますので、この間において十分に日にちもあつたことだろうと思う。乃至はまだ今でも即日早速に行動を起されますならば、まだ余日があると思いますが、これに対する十分な御認識を頂きたい。御所見如何。会計課長に伺います。
#15
○説明員(辻章男君) お答え申上げます。これは非常に大きな問題でございまして、ここで私どものごときがどうこうする事柄にしては余りに重大過ぎますので、大臣その他運輸省首脳部のほうに参議院のこの委員会の御意向をお伝えいたしまして、よく御相談申上げたいと思います。
#16
○植竹春彦君 これは会計課長としては御尤もな御答弁だと存じますので、この点は十分に大臣から次回に御出席、或いは文書を以て御報告あるよう、これ又委員長におかれまして取計らいをお願いいたします。
 次に、会計課長にもう一点お尋ねいたしたいことは、定点観測の従事員は三百名に近いように聞いておりますが、これらの人たちの業務が、第一に北方X点に関する従事員の、今後その人たちの業務はどうなつて行くのだろうか。それから第二には、T点につきましては五月から十月までの雨期の業務とあれば、それ以外の冬なり、春なりは一体どういう業務をするのですか。この点は政府側の然るべき係りから、或いは会計課長でなくて、然るべき方から御答弁願いたいと思います。
#17
○説明員(辻章男君) お答え申上げます。大体定点観測従事の気象台職員といたしましては、船の乗組員と、それから観測に従事いたしておりまする技術者と二種類に分れておるのでございますが、このうち定点観測に従事しておりました船は、気象台の凌風丸と、それからアメリカ軍から貸与されておりました五隻の船でございますが、今回やめるに際しまして、実は海上保安庁の巡視船が非常に不足しておりますので、あれが廃止になれば、あの船を巡視船として活用したいということで、政府といたしましてアメリカ軍に申入をしたわけでございます。それに対しましてアメリカのほうでも快く受けてくれまして、五隻の船を日本政府に無償譲渡されたわけでございます。それで六ぱいの船があるわけでございますが、そのうち元来海上気象観測船でございました凌風丸は本来の気象観測業務に復帰いたします。それから五隻の船は、海上保安庁に業務の打切りと同時に引渡しまして、乗組員も全部引継いで海上保安庁の船舶及び職員として海上保安業務に従事しております。それで南点の六カ月の間だけ海上保安庁のほうから乗組員も付けまして船を提供して観測を行わせようという仕組に相成つております。
 それから観測関係の技術員でございますが、これは本年度はずつと気象台におきまして一般の観測業務に従事されるように予算的な措置ができております。来年度の問題といたしましては、これはまだ勿論予算ができ上つておりませんのであれでございますが、財務当局との了解といたしましては、南点の六カ月従事いたします人員のその定点観測以外の期間におきまする勤務につきましては、大体一般の観測業務に従事してよろしいという大体の了解に相成つております。北点のほうは、本年度内は継続して一般のまあ観測業務に従事される予算措置ができておりますが、二十九年度につきましては、一応定点の観測業務の従事としましては人員が落ちるという仕組に相成つております。
#18
○植竹春彦君 この従事員の問題は他に問題点もあると思いますが、幸いに同僚議員からも十分な質問の御通告があることを承わつておりますので、次に海上保安庁の長官にお伺いいたします。この観測船が海上保安庁に移管されるように仄聞いたしておりますが、この五月から十月までの指揮命令は、一体気象台長が受持たれるのですか、或いは保安庁の長官から指揮命令が発せられるのですか。
#19
○説明員(山口傳君) お答えいたします。只今会計課長からお答えしたように、取りあえず五隻を私どものほうに船としては頂くことになりますが、乗組員の身分につきましては、年度内はたしか併任で行くことこなつております。本来ならば乗組員の身分の切替えということをやらなければならないのでありますけれども、丁度年度の途中でいろいろ支障もありますので、少くとも二十八年度内、即ち本年度内は乗務という形をとりまして、只今御質問の指揮系統をどうするかという点でございますが、これにつきましては、気象台長とよく連絡をいたして参りたい。それらにつきまして恐らく協定なり何なりが必要だと思いますが、まだそこまでの段取りには行つておりません。現在のところでは、五隻の移籍に伴つていろいろ受入についての打合せを、それぞれ専門の方が任命されまして、両方から出て第一四の打合会を数日前にやつております。前々から細い打合せは個々にはやつておりますが、全体会議としての会議は一回やつているわけでございます。いずれその打合せによつて、年度内の巡視船の運航につきましてどういうふうに指揮するかという点も、その会議での議論の対象になろうかと思います。今のところはそういう状態でございます。
#20
○植竹春彦君 この指揮命令系統につきましては、これは重要な問題の一つと思われますので、これに関連し、この問題そのものについていま一つの質問を申上げたいと思います。この海上保安庁が行政改革に伴いまして保安庁の外局に移管される案があると聞いておりますが、この気象の業務に関しまして関連があるわけでございます。過去の歴史を見ますと、保安の機密保持の必要上、記録とか資料とかいうものは気象台のほうになかなか連絡がとれなくて廻つて来ないという研究或いは報告上の問題は、この気象の問題は、これは単に国防という見地からばかりこれを重要視することはできない。本日台長初め各出席の政府委員、説明員等からそういうふうな御説明又確信をお述べになりました通り、この業務なるものが産業上又国民生活全般について極めて重要な業務であるのでありまするので、ひとり国防上の見地からのみこれを判断することはできない。従つてその記録、資料等はやはり国防のみならずシビルの用途のほうにも十分利用する途が開かれなければならない。然るにこれが若し海上保安庁が保安庁に移管されましたような場合には、国防の機密保持の必要上それらの記録、資料等がとかく一般のシビルの用途のほうに廻らないようになるのではないか。尤もこれは終戦前と終戦後の国内事情とは雲泥の相違がございまするので、今後はその心配はないかとも思われるけれども、国防上の機密というふうな、機密保持といつたような観点からすれば、やはり疑いなきを得ないのでありますから、この点につきまして十分海上保安庁長官としては今後のことを御留意の上、行政機構改革のときに十分御折衝あらんことを希望すると同時に、この希望に対しましての海上保安庁としての御意見を承わりたいと存じます。
#21
○説明員(山口傳君) お答えいたします。只今の御意見に対しましては私ども全く同感でございまして、只今問題になつております行政改革本部の試案、即ち現在の海上保安庁の中で扱つております警備救難業務と水路業務、燈台業務、そのうちの警備救難業務を公安局として保安庁の外局にする案が示されておりまするが、これにつきましては、単に今後行われる定点気象問題のみならず、いろんな意味で、私ども今の水路部の仕事にいたしましても、やはりこれ又過去においては海軍にあつた時代もございまするけれども、現在並びに将来のことを考えますと、お話の通りこれらの民生の発達に寄与すべきウエイトというものが過去に比べて格段の差があると存じております。そういう点から只今の警備救難業務を公安局として保安庁の附属機関にいたす案に対しましては慎重な考慮をお願いしておる次第でございます。
#22
○植竹春彦君 なおこの問題につきましては大臣の御答弁を又委員長におかれましてお取計らい願うことにいたしまして、質問を打切ります。
#23
○大倉精一君 気象台長にちよつとお伺いするのですが、私はこの気象業務については余り詳しく専門的な知識はないのですが、併しこの気象台の仕事というのは非常に重要なものであるということは大概知つておるのでありますが、気象台関係の人員整理といいますか、これは以前にも相当大幅な人員整理があつたように聞いておりますが、今度の場合も気象台業務の縮小というようなことになると思うのですけれども、こういうような状態の下において、気象台業務というものはどういうふうに運営したらいいんだという御所見を一つ参考に伺つておきたいと思います。
#24
○説明員(和達清夫君) 過去におきまして、中央気象台がたびたびの行政整理を受けまして非常に定員が不足しておる状態にあるのでございます。今回定点観測業務を縮小いたしますれば、それだけの定員が落ちます。特に気象観測員は転用の途がございません。できるだけ国の気象業務に従事してもらいたいと願つております。と申しても、中央気象台以外には気象業務というのは非常に少いのでございます。気象台があり余る仕事を抱えながら定員の不足に悩んでおる状態で、これらの人を活用する途は一ぱいあるのでございますけれども、今日の定員の枠では自然減耗を待つてその人たちを活用する以外には途はございません。なお私としましては、二十九年度の予算におきまして、水害対策、或いは民間航空の発達に伴う航究気象業務、これらは我が国において是非とも行わなければならないことでありまして、相当の定員も要求しておりますが、当局におかれてこの我々の希望が定員についても容れられれば、取りあえずはその方面に働いて頂きたいと思います。
#25
○大倉精一君 聞くところによるというと、現在の定員或いは予算においては非常にこの気象台業務の遂行上支障がある。例えば細かいようなことですが、冬季間においても煖房装置もできないというような状態にあるようにも聞いております。それから又要員の配置についても極めて不十分で、この気象台業務の遂行は極めて大きな支障を来たしておるということを聞いたのですが、その現状についてお聞かせを願いたいと思います。
#26
○説明員(和達清夫君) 気象台の仕事は近来ますます世間の要望に伴いましてその量を増して参りましたのでございますが、定員につきましては、相次ぐ行政整理で減る一方という有様であります。私はこの席と記憶いたしますが、以前に中央気象台はどうしても六百人の人を、今の最低の基準で勘定して、それだけの人が必要であると申したことがございます。実際において職員の労働過重は、この職員の中の療養者と軽い作業をさしておる者の比率が、他の官庁に比べ高いと私は思うのでございます。一方経費のほうを申しますと、御承知のように気象台にはきちんきちんと仕事を日夜いたす都合上、その経費を節約するということが非常に困難なのでございます。それで従来非常にこの経費に悩んでおりましたのでありますが、特に本年度におきましては二回に亘る節減を受けました。初めは一割五分、次は一割四分に当つております。このきちんきちんとする仕事がそういうふうな節減を受けるということが、即ち今日お恥かしい話でありますけれども、煖房を入れない、電燈を暗くするという事態になつたのでありますが、来年度におきましては、是非とも私はこの点だけは、つまり経常費でございますが、何とかして頂きたいと話しておる次第であります。こういうようにその金というものは定点観測に比べれば非常に僅かなものであります。私が定点観測に関しまして、大蔵当局その他におきまして若しも積極性を欠き、もつとやるべきであつたという批判があるとすれば、私をしてこの点鈍らしたのは、従来余りに少い、けちけちし過ぎた点であることをお許し願いたいと思います。
#27
○大倉精一君 それで今度の北方定点の廃止というような重要な問題についても、この気象台という一つの何といいますか、政治的に弱いといいますか、そういうようなことから何か押付けられて来たというような感じを私はちよつと持つのですが、そういうようなことがあるのかどうか。北方の定点観測というものが廃止になつた原因あたりも、やはりこういうような従来からそういうものを全部気象台業務関係にしわ寄せされて来ておる。そういうようなことにもやはり関連があるのではないかというようにも感ずるのですが、その点どうですか。
#28
○説明員(和達清夫君) 速記をとめて頂きたいのですが……。
#29
○委員長(前田穰君) では、速記をとめて。
   〔速記中止〕
#30
○委員長(前田穰君) 速記を付けて。
#31
○大倉精一君 大臣が見えないので、これ以上の質問は保留しますが、ただ一つ、経費がないから、或いは厖大な経費が要るからというお話なんですが、大体私いろいろ資料を頂いておるところによるというと、平年においても気象災害が約一千万円、或いは船舶の純然たる気象原因による被害が約二百億、本年度のごときは水害によるものが約三百億、冷害による作物だけでも約一千億というふうに私は聞いておるのですが、さつき、北方定点を廃止をしてそうして何かほかにそれに代わるようなことをやつて、別にそれで差支えないのだというような御意見があつたように承わつたのですが、それで差支えないものですか。
#32
○説明員(和達清夫君) 先ほどの御説明が不十分であつて誤解を招いて誠に申訳ございません。定点でやつておる仕事は気象観測と海洋観測、特に重要なのはそこの高層観測であります。私の申しましたのは、海洋観測に関する限りは、海洋観測専門の船を今度一隻持ちましたから、その欠陥をかなりまで補うことができるであろうと思います。
#33
○大倉精一君 それでは結局北方定点を廃止した場合においては、やはり高層観測なり或いは全般の観測という点からこれは補うことができないのだ、これは決定的な欠陥になるのだと、こういう具合に考えていいわけですか。
#34
○説明員(和達清夫君) その通りでございます。
#35
○大倉精一君 大体ほかの質問もあると思うのですが、大臣に対する質問を保留して、これで一応質問をやめます。
#36
○重盛壽治君 一つ台長にお聞きしておきたいのですが、我々の今まで新聞紙等で知り得た範囲内では、この定点観測が廃止された原因が余り明瞭でない。従つて運輸委員会の席上でどういう理由によつて廃止せざるを得なかつたかということを、極めて簡単でよろしうございますから、台長から一応お伺いしておきたいと思います。
#37
○説明員(和達清夫君) 先ほど説明が足りなくて申訳ございませんでした。一に経費で、つまり我々としてもこれを続行する経費を得ることは非常に困難であると存じました。というのは、船が北方の海洋に適さないために、相当、私の考えでは、余り莫大な費用が要るので休止も止むを得ないと考えた次第であります。
#38
○重盛壽治君 費用の点でやめざるを得ないというのは、我々の聞く範囲内では、従来この二カ所で定点観測をやるために出ておつた米国の費用が、米国が三分の二を出し、七五%を出し、日本が二五%を持つておつたというようなことを聞いておるのですが、その通りで間違いないかどうですか。
#39
○説明員(和達清夫君) その通りでございます。
#40
○重盛壽治君 それからその総額は一体幾らですか。
#41
○説明員(和達清夫君) 三億四千万円でございます。
#42
○重盛壽治君 台長のお話を聞くと、費用の点でやめざるを得なかつた、こういうことになりますると、やめざるを得なかつたという半面には、このことは非常に日本の置かれた地理的な立場からこの観測をやめることは残念である、或いは絶対に必要だという、こういうようなふうに聞えるのですが、必要性の問題に関しましては、今のような状態でもいいのか、本当に必要であるのか、この点を一つお聞かせ願いたい。更に又金があれば実際にやらなければならないとお考えになつておるのか、その点を一つ。
#43
○説明員(和達清夫君) これも前申しましたが、我々気象技術者としまして、日本にとつてこの定点観測は非常に重要なもので、是非行うべきものと存じております。その点費用と申しましたのは、経営費の三億四千万円はさりながら、北方定点における船の新造が問題であつたのであります。船を新造いたすといたしましても、やはり或る程度の時間休止せざるを得ないことになつております。
#44
○重盛壽治君 これは大臣にお伺いすることかも知れませんが、米軍が予算を打切るときには、これはやめるほうがいいというその考え方で打切つたのか、それともその他に何か理由があつたのか、この点はおわかりでなかつたのですか。更に進んで、そのときに米軍は打切るのに、やめろというほうへ希望しておつたのか、やつたほうがいいというほうに希望しておつたのか、その点を一つ。
#45
○説明員(和達清夫君) 米軍から援助の打切りの通告が参りましたその最後の項に、日本の代表は、これは分科会でありますが、即ち私がそれになつておりますが、代表はこの定点の事業を日本政府のサポートの下に行えるように極力努力してもらいたいという勧告が付いておりました。
#46
○重盛壽治君 そうすると、米軍としては、日本政府は米軍の七五%出しておつた予算は、その面に関する限りは打切る。これはこの問題とは関連ありませんけれども、併し半面好むと好まざるとにかかわらずMSAの援助を受けることはこれは事実ですね。その場合に、ここに対する援助の三億やそこらのものが打切られたといつて、而も米軍のほうではやつて行くことが好ましいと言われるものを打切るというこうした考え方や態度というものは、日米親善というか、そういう意味からいつても、或いは又日本の置かれたる立場からいつても、日本の民族性というようなものから考えても、卑屈と言おうか、俗な言葉で言えば、何といいましようか、きたないと言おうか、そういうような感じはいたしませんか。米国が出しておる範囲においてはやつておつた、併し僅かの費用をその面で切られたからそこだけはやらん、併し援助を受ける面に対してはこれは当然やるんだというような考え方ですね。島国根性というのか、全く露骨なことを言うなら何か金をくれるならばやるのだけれども、もらえなければやらんのだというような考え方は、日本の置かれたる地位から必要な仕事だとするならば、そういう考え方を持つのは少しおかしいのではないかと思うのですが、この点丁度大臣が来たのであとで大臣にお伺いするが、気象台長としてはどのようにお考えになつているか、お伺いします。
#47
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りでございますし、私は気象技術者として、技術的に必要なものを我が国は自国の手で経済の許す限り出して頂きたいと思います。
#48
○重盛壽治君 そうすると、台長は、このことはいろいろ理由はあろうが必要な仕事だと、そして日本の気象の全般を考える場合にはなくてはならない仕事だと、こういうふうにお考えになつておる。けれどもやらなければならん財源が失われたので打切らざるを得なくなつたということになりますると、非常に重要な問題で、成るほど技術者の立場で技術的にやらなければならんということも当然でありますが、その場合に実際に持続しなければならなかつた仕事に対して今日まで、皮肉なような言い方で失礼に当るかも知れませんが、これを持続するための運動をどのようになされましたか。運輸委員会としては参考上お聞きしたい。どのような手を打つて来られたか。そうしてやるだけおやり下すつた結果がここへ来たのか。それともあなたのお考えでまだこういうところをこうすればこうなると、こういう余地が残つておるということであれば、我々でお役立できることがあるならば御協力申上げる筋があるかも知れない。又駄目なものなら又駄目のように処置して行かなければならないものもあろうと思います。そういう努力をされたか。又その見通しについて、この際聞かせて頂きたいと思います。
#49
○説明員(和達清夫君) この問題につきまして、私は普通の私の官庁の位置として、本省とか、大蔵省という所には極力お願いいたしました。それ以上格別外部にはいたしませんでした。
#50
○重盛壽治君 台長は、技術者というのはどうもお答えが簡単で受取りがたいが、そうしますと、大蔵省と運輸省にはこの重要性を話した、そうして主管大臣に対してはこれの存置方を要請をして来られた、こういうことですか。
#51
○説明員(和達清夫君) 大臣にもこの重要性を申上げて、事情の許す限りこの再開をお願いするということはお願いいたしました。ここに至つた処置に関しましては、先ほども申しますように、経費、予算の都合でやめることになつたのであります。又その間には、先ほども申上げましたが、速記をやめて頂いたアメリカとの話も多少の関係を持つております。
#52
○委員長(前田穰君) 大臣がお見えになりましたので……。
#53
○大倉精一君 その前にちよつと。この際気象台長さんにちよつと重ねて、私素人ですからいろいろ聞いておきたいと思いますが、さつきの御説明によるというと、南方のほうは夏季だけおやりになるというような話ですが、この冬季において季節風の発達期においては、種々海上において気象によると思われる海難事故がかなりたくさん出て来ておる。従つて冬季の海上における気象予報も的確に出すという必要があるように考えるですが、北方定点、南方定点共に年間を通じてこの観測を行う、こういう必要があるのではないかというように私は素人なりに考えるのですが、その点はどうですか。
#54
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りでございます。両定点は年間を通じて必要だと私も思います。ただ気象の仕事というものは、この点があるからどれだけ、この点があるからどれだけということを申すということは技術的に非常に困難でございまして、日本海の真中に一点ありますればどうか、東支那海に一点あればどのくらい、これらもすべて勘案すれば、技術的には、経済的に若し許される枠があれば、どうするかという問題は又別に考えたいと思います。
#55
○大倉精一君 私の聞いているのは、この予算関係、経済関係を全然抜きにして科学的な立場、或いは必要性から聞いておるのであつて、私はその必要があると、手間を通じて必要があると、私はそういうふうに考えておりますが、そういう工合に考えてよろしうございましようか。
#56
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りであります。
#57
○大倉精一君 そこで我が国のような島国では定点観測というものは気象業務上絶対必要であると、これは予算とか或いは金がないとかいう問題を離れて、絶対に必要なものであつて、これがないということ日本附近の責任範囲に入つて来る地域の天気、気象予報等を正確に行うことは困難であるというふうに言われておるのですが、定点観測を中止しても気象業務上、さつきは決定的欠陥があるとおつしやつたのですが、やはり気象業務上決定的な欠陥ありというふうにお考えになられておるかどうか、この定点観測を廃止した場合ですね。
#58
○説明員(和達清夫君) その点を廃止すると、その点によるところの気象の仕事、これについては決定的、何と申しますか、根本的欠陥のあることを認めます。
#59
○大倉精一君 私のお伺いしている点は、その点について決定的欠陥が出て来るかというのを先ほどお伺いしたのですが、気象全般の、全体の一つの繋がりとして、そこに一つの破れができるのじやないかというように考えるのですが、そういう工合に考えて差支えないものですか。
#60
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りであります。
#61
○大倉精一君 それから商船からの観測ということを言われておるようですが、これの観測は従来も精度がよくないと言われておるのですが、現在の定点観測船の観測価値と申しますか、これらの商船の価値を補つておる、定点観測によつてそういう精度を補つておるというような、こういうふうに聞いておるのですが、定点観測がなくなれば商船からの観測価値というようなものも非常に下つて来る、精度が非常に下つて来る、こういう工合に考えるのですが、この点はどうでしよう。
#62
○説明員(和達清夫君) これも仰せの通りであります。ただ船の観測は従来とも努力して参りましたが、まだ非常に精度が低いので、この点はもつと気象台としても、海上船舶の気象観測が正確なものになり得るように努力をしなければいけないと思います。併し幾ら正確になりましても、現在定点観測で行なつておりますところの高層観測はできないのであります。
#63
○大倉精一君 そうしますと、大体今までの御答弁によつて、気象台長としては、科学者として或いは責任の立場として、やはり定点観測は復活をしなければならないのだと、これは予算がある、ないということの問題を外して、これは復活をしなければならないのだというようにお考えになつておると思うのですが、そのように考えてよろしうございますか。
#64
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りであります。
#65
○大倉精一君 それで、現在の段階では、すでに補正予算も組まれておつて廃止の恰好になつておるのですが、この二十九年度予算で復活させるというまでの間、暫定的に、例えば二隻でも三隻でも、この運航を続けて、定点観測の実際上の仕事といいますか、そういうものをやつて行く必要があるというふうに私は考えるのですが、この点はどうでしよう。
#66
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りでございますが、先ほども申上げましたように、定点観測というものは一カ所にとどまつて大海の中におるのでございまして、非常にその安全性ということと、又十分なる設備がなければ正確なる結果が得られないということなのです。そこで、この仕事をいたしますのには、十分なる設備を考えまして行いたい。それでなければ、ただ努力をしても非常に効果的にならない。その点におきまして適当なる船を造るということを先ず最初にお考え願いたい。又私どももそうして頂きたいと思つておる次第であります。
#67
○大倉精一君 私の聞いておるのは、安全性とか何とかいうことでなくして、そういう必要があるかないかということを端的に伺つているのですが、あるとすればやはりそれに必要な施設なり、安全性なりというものは附随して考えなければならんのですが、先ず気象台長としても専門的立場から、そういう必要があるのだというふうにお考えになつたとすれば、そのようにやはり附随したものを考えなければならないという意味合いでお尋ねしておるわけです。
#68
○説明員(和達清夫君) 仰せの通り、できるだけ早く再開されることを私は望んでおります。私が先ほど申しましたのは、今ある船で今やろうということはできないということであります。まあ北点についてのことでございます。
#69
○大倉精一君 どうもその点が私は合点が行かんのですが、今ある船でやれないということになると、従来は今ある船でおやりになつていたと思うのですが、この点どうですか。
#70
○説明員(和達清夫君) 今使つております海防艦は、大体ああいう荒海では適当でなくて、これは権威ある筋の検査を受けまして、そうしてもう一日も早く新らしい船と代えたいというのが、アメリカと代船問題で交渉して来た長い前からのいきさつでございます。ですからここで、北点をいたすことは相当に安全性を保しがたい点もございます。それは今日までよくて明日からどうというふうに船というものは参りませんが、毎冬これで済んでよかつたと私どもは思つていたのであります。その点御了承願いたいと思います。
#71
○大倉精一君 それでは最後に一つお伺いしておくのですが、そういうふうな非常に危険な船であつた。危険な船であつたにもかかわらず、ずつと定点観測を継続しておられたのですが、その点船の補強といいますか、更新というような点について、何か関係方面に折衝され、或いは要請されておつたことがあるのですか。
#72
○説明員(和達清夫君) 大蔵省に代船の要求はいたしております。
#73
○大倉精一君 それじやもう一点だけお伺いしますが、大陸方面から気象観測の連絡もとれないというふうに聞いているのですが、そういう個所はどういう工合におやりになつているか、参考のために伺つておきたい。
#74
○説明員(和達清夫君) ちよつと、何方面ですか。
#75
○大倉精一君 大陸方面です。中国或いは朝鮮方面からのこの連絡がとれない、情報がないというような場合はですね、そういう個所にはどういう措置をされているのですか。
#76
○説明員(和達清夫君) 支那大陸から気象情報が入らないのは非常に我々の業務には重大な支障をいたしておりますので、できるだけあの方面の船舶に、多く適切なる気象観測の結果を送つてもらうように努力いたしております。
#77
○入交太藏君 今の観測をアメリカに依存しているということですけれども、これは船舶なり、その他の設備というものを借りているわけであつて、この観測技術ですね、これは日本のほうですつかりやつておつたものか。技術までも向うに依存しておつたものかどうか。それから現在の観測船が老朽して使えないと、こういうお話でございますが、もうアメリカから代船を借りることができないので、日本で新らしく造らなければならないのか。その問題を伺いたいと思います。
#78
○説明員(和達清夫君) 従来アメリカの援助を受けていたしておりましたと申しますのは、経費の四分の三、単にこの船を、アメリカの所有になつている名義のものを使つておつたというだけで、他はことごとく日本の手において、技術は勿論のことでありますが、行なつておつたのでございます。
#79
○入交太藏君 それからもう一点伺いたいのですが、そうすると、それは日本国関係のほうでの予測の情報を主にやつておつたのだと思いますが、アメリカ側なり、その他外国のほうの関係は、やはりこちらのほうの観測を参考にして、航空機なり船舶なりその他のことをやつておつたか。それともアメリカなり、その他別の観測機関があつて、それを基礎にして別に諸観測を行なつていたのかどうか。これを伺いたい。
#80
○説明員(和達清夫君) 世界における諸観測は重複せざるように、お互いに協定しまして、これを適当なる通信系統を以てどこでも受取れるようにできております。この定点観測は国内は勿論、速かに世界に向つて、アメリカは勿論世界に向つて放送されるものでございます。
#81
○入交太藏君 そうすると日本国附近の観測はもう一本でありまして、重複しておらんわけですね。そうするとアメリカにいたしましても、こちらの観測を参考にして航空機なり船舶が働いている、こういうわけですね。それを伺いたいのでございます。
#82
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りであります。
#83
○入交太藏君 そういたしますとやはり日本の観測が、日本近海なり日本附近の観測ができないとなると、外国の航空機なり、その他のほうも非常に不便を感ずることになるわけじやないですか。
#84
○説明員(和達清夫君) 仰せの通りでございます。
#85
○植竹春彦君 大臣にお尋ねいたします。
 本日大臣の御欠席中各委員より数多き質問をいたしましたのに対しまして、政府委員並びに説明員におかれましては極めて詳細に、而も切々たる気象の必要についての御答弁があつたのであります。今又大臣お聞き及びの通り、気象台長の誠に切々迫る気象に対してまする業務の重要なことについて御答弁があつたわけでありますが、従来この気象台の予算がとかく薄きに失したように私たちは考えております。この気象業務の如何に重要であるかということは、政府委員の説明に待たずとも我々も深く認識いたしておるところでございます。これは一人防衛上の問題のみならず、我が国の今後最も重点を置くべき一つであるこの航空機の発達、この航空機の安全にして経済的な運航のためにも、又台風の予知、災害の予防、冷害の予知、漁業の保護その他国民生活のあらゆる部面につきまして重大な関係を持つているこの重要な気象業務に対しまする予算が、現在のままでいいかどうか。殊に只今定点観測の問題を中心といたしまして、仄聞いたしまするところによれば、極めて予算編成上困難な状態にある。官房の会計課長の御説明によりますれば、それは主として財源関係から来た結果であるように伺つたのでありまするけれども、それにつきまして運輸当局といたされまして、どういうふうに予算の要求をせられ、どういう熱意を以てこの予算を編成し、獲得して行かれるであろうか。私たちの希望といたしましては、この財源のないということは、誠にこれは尤もな国情でありまするけれども、物事は事によりけりであつて、気象のごとき重大な問題、殊に定点観測の問題のごときは、これは十分に他に財源を見付けるとか、或いは他の業務を差控えても十分な予算を獲得すべきではなかろうか。いわんや、この十分ならずとも、何としてもこれを行わざるときは、以上申上げましたような各般の国民生活に関係のある気象が保全されませんので、今後大臣の十分な御処置をお願いいたしますると同時に、この問題に対しまする予算の措置上の、大臣のとつておいでになりました経過並びに今後のお見通しについて承わりたいと存じます。
#86
○国務大臣(石井光次郎君) 気象台の仕事がかねてからどんなに重要かということは、もう説明を聞かないでも皆大体承知しているわけでありましたが、今度の、今年の夏以来の各地の風水害、冷害等によりまして、気象台の任務というものが特に皆さん方の前にはつきりと浮び出まして、水害対策の委員会等におきましても、気象台の充実ということが頻りに申されまして、誠に私どもとしては皆さん方の注意がその方面に強く向いたことについて非常に喜んでいるわけであります。この気象台の仕事は各方面にいろいろ亘つておりまして、今航空のお話が出ましたが、本年度におきましても、この航空関係におきましても、地方の航空路線を少しずつでも開始して行きたいという問題が取上げられまして、私どもとしてはせめて二、三カ所でも地方の航空路を開始したいという問題を取上げたのであります。これには一番大きく費用のかかりまするのは、気象台関係の仕事の充実ということであります。それがなくしては、今日の航空は冒険に失する虞れがあるので許しにくいのであります。その問題等も取上げましたけれども、なかなか新規事業というものは認められにくい財政状況で、一、二の調査費を出してもらつた程度で終つておるような状況でございます。本年度はそういうわけでありましたから、来年度は何とかそういう方面にも気象台の仕事を充実させて頂きたいということを願つておるわけでございますが、又ここに問題になりました定点観測の問題にいたしましても、これだけに限らず、気象台の国内のいろいろな観測所における設備等において、今度しみじみと、もう少し充実しなければならんということを皆考えておりますので、今度の第二次補正にも一部分はそれは盛られたわけでございますが、来年度におきましては、できるだけ予算の許します範囲において、私どものこの気象台の仕事を充実の方向に向わしてもらいまして、そうして仕事をして、いざというときにあわてないような準備が少しずつでも前進するようにということを考えております。私どもが気象台関係の諸君から聞きまして、あれもやりたい、これもやりたいということは、すべてみんな不必要というものはない。みんな話を聞くところのものはやりたいことばかりでございます。例えばこの定点観測にいたしましても、アメリカ軍が来て、初めてこれは起つた問題で、戦争終了前には日本ではやつていなかつたんだと私は聞いたように思うのでありますが、それがやつて見ますると、こういうものをやることが非常に必要であるということを皆感じておつた際に、アメリカのほうの費用が出せないということになりまして、日本だけではこの際やれないという形になりまして、然らばそれをどうやつたら最小限の費用を使つて、そうして我々の希望する観測に近いものができる方法はどうかということで、気象台長は非常に苦労されまして、私どもはどういうふうに、技術的にそれがどう影響するかわかりませんので、主として気象台長が中心になりまして、大蔵当局とも折衝してもらいまして、そうしてここに述べてありまするような、本当に一部分のことでありまするけれども、これだけやれば一応の形はとれるというところで、気象台のほうも了承をされたという状態でございます。で、お尋ねのようにこれでいいのか、もつとやらなければならんかと言えば、当然もつとやるべきだというのが答えであります。私どももそう思います。問題は、結論いたしますると、必要ということはわかつているが、金がない。簡単に言えばそういうところに落着くのでありますが、その中でも今植竹委員のおつしやいましたように、できるだけこの方面の費用を増して、災害が、天災が一遍起る、それを了知すると予知せんとによつては、大変な大きなそこに国の経済に及ぼす影響があるという点を私どもは主眼に考えまして、なお来年度の予算折衝においてはできるだけ気象台のほうに予算を廻してもらうように努力をいたして参りたい、こういうふうに考えております。
#87
○植竹春彦君 只今承わりましたところによつて、大臣にこの気象問題について今後強い一つ予算上の御折衝を御期待いたします。大臣のお言葉の中に、終戦前の気象の定点観測のなかつた問題が挙げられたのでありますが、今日はラジオ・ビーコンにより、航空機の運航が全然戦前と戦後と趣きを異にして発達し、時々刻々詳細なる気象通報その他の指令を受けて運航をいたしております今日としては、この定点観測の問題はどうしてもこれは私たちも予算に持つて行つて頂くべきものだ、かように強く関心を持つているようなわけでありますので、この点も併せて御考慮に十分入れて頂きたいと存じます。
 あと二点質問いたしたいのでありますが、この二点は、むしろ外務大臣へのお尋ねかとも思われますが、幸いに運輸大臣におかれまして御答弁願えれば幸いと存じます。と申しますことは、このT点とX点の定点観測につきましては、これは日米間の協定で実施されていると承知しておりますが、これはアメリカの一方的な変更で以て変更ができるようになつているかどうか。第二点は、アメリカは太平洋の他の部分、又大西洋の部分までも中止、或いは廃止するやに新聞その他で仄聞いたしておりますが、これはICAO協定にアメリカも又日本も参加しておりまする関係上質問いたすのでありますが、この定点観測以外の点、太平洋の他の部分における点もやはりアメリカが一方的に変更できるかどうか。それからもう一つは、日本がICAOに加入しておりまするので、この定点観測の復活はICAOに訴えてできないものであろうかどうであろうか。それで又ICAOで復活決定した場合の予算費用につきまして、ICAOの規定はどうなつているであろうか。従つて日本は若し復活した場合に、四分の三乃至特別の負担をする必要があるかどうか。全部ICAOのほうで資金的な措置を講ずるものであるかどうかといつた点でありますが、先ほど運輸当局に伺いましたところ、この点は大臣の御答弁に待ちたいということになりましたので、お伺いしたいのであります。
#88
○国務大臣(石井光次郎君) 私よりも説明員から答弁いたさせます。
#89
○説明員(市川清美君) ICAOの件につきまして御答弁申上げます。只今いたしておりますT点とX点の点につきましては、この決議は、進駐軍と申しますが、米軍と日本政府との間の協定によりまして実施しておりますもので、現在のところICAOとは関係ないのであります。併し洋上の定点観測につきましては、ICAOといたしまして、一九四九年の委員会におきまして、これの勧告文を決議しております。その決議に基きまして各国がそれぞれ協定を結びまして、この定点観測を続行しているのであります。従いましてこのTとXの定点の観測に関しましては、明年三月に開かれまするICAOの委員会にこれを日本政府から提案をして見たい。これらの費用は関係各国がそれぞれ経費を分担するというICAOの根本思想から、それぞれの国が同意をしない限りにおいては成立するかどうかわかりませんでございますが、委員会には日本政府として提案をしたいと、こう考えております。
#90
○植竹春彦君 最後に大臣にお尋ねいたしたい点は、この海上保安庁が保安庁に移管に移管される点であります。そして又定点観測の船が今回海上保安庁に移管される。従つてこの定点観測、気象の観測が又将来は保安庁に移管されやしないかといつたような点から質問が起きたのでありますが、気象の予知は、先ほど詳細申上げました通り、国民生活全般に関係いたしている問題であつて、単に国防の見地だけからは考えることができない問題であるといたしますれば、今後は国家防衛の必要上、機密の保持の必要上とかく気象に関する保安庁のほうに集中されました報告なり、或いは予知なりが、一般国民生活の、いわゆるシビルの方面に廻つて来ない虞れ必ずしもなしとしない。この終戦前の実情を見ますと、とかくそういつたようなことでこの気象全般の業務に支障を来たしておつた事実を各地に確聞いたしております。今後の保安庁というものが決してさようなものでないとは考えられますが、又他面におきまして国防、防衛の機密保持という点から、この疑い又多少なしとしないのであるので、どうしてもこの気象の問題は、私の意見といたしましては、保安庁に移管されるよりは、むしろ十分に資料が集まり、又緊密な、お互いに緊密な連繋をとる意味においても、完全な気象業務が運営される意味におきましても、これは現在の状態が一番よろしいのではないかと思いますのですが、その点に対します大臣の御所見を承わりたいと同時に、今後そういつたような業務移管の問題に端を発しまして、気象業務に支障を来たさないようにできるだけの御措置あらんことをお願いいたす次第でございます。大臣の御所見を承りたいと思います。
#91
○国務大臣(石井光次郎君) 気象台の仕事が、船並びにまあ昔で言えば軍艦、或いは軍用飛行機というようなことの動きのために必要だというよりは、私ども一番この気象台の業務がどこに大きく影響するかという問題を考えるときに、日本の経済の発達のため、又延いては民生の安定のために資するということが気象台の一番大きな問題だと思つております。その意味から考えまするときに、運輸省に今ありまする形は、最も適当なる所属の官庁だと私どもは確信をいたしております。その意味からいたしまして、気象台が私どもと一緒に仕事をして行くということから離れるとは思つておりませんし、今度の改革案と申しますか、機構改革の原案にもそれはないのでありまするが、将来とも私は今のような立場から考えまするとき、これは保安庁等に所属すべきものでは絶対ないと思つております。
#92
○東隆君 私は二、三点大臣にお伺いをいたしたいのですが、これは嘘か本当か知りませんけれども、昔は一番関係のないところに管轄をしてもらう、こういうので、気象台関係の仕事は文部省にあつたと思うのです。その後戦争なんかで以て軍の圧力が加わつて、気象台の報告は、御承知のように公式に詳しくは発表もできませんし、それからデータなんかも洋上方面なんかで非常に必要なんでありますけれども、その場合も実は非常に困難なところを通過して頂戴をしておつた、こういうのがこれが過去における状況だと思います。それで運輸省に所管されるようになりまして、私は大変いいところに行なつておると、こう思うのですが、この定点の問題を中心にして、合同委員会、分科会における台長さんの発言の中には、これはできるだけアメリカに続けてやつてもらいたい、こういう意味で発言をし、それに必要ないろいろな材料を取揃えたと思うのですが、今度はそれが駄目になつたから、予算その他の方面において実はそれを運用されているような気がするのでありますが、その後において運輸省で関係の各省の方面にこの問題について予算編成その他の前に折衝をされたことがございますか。それをお伺いいたしたい。
#93
○国務大臣(石井光次郎君) アメリカにやつてもらいたいというので、運用されたというのを、私……。
#94
○東隆君 いや、それは過ぎるかも知れませんが……。
#95
○国務大臣(石井光次郎君) それじやそれは……。この予算を編成します前に各省とこの問題を話合つたことは私としてはございません。気象台長、或いはその他の関係で話合つたことはあるかもわかりませんが、私はこの気象台の仕事が、どんなに今度の災害の際に皆に思いを起させて、もつともつと充実すべきであつたというような感じを国民全体が持つているのじやないか、その心持を持つてこの気象台の問題は考えなくちやならない。だんだん熱が冷めると又忘れやすい問題で、是非この気象台の充実ということに皆協力して考えてもらいたいというような話をしたことはございますが、これ以上この特別なもの個々について話合つたことはございません。
#96
○東隆君 私は今運用の例で以て運輸大臣、大分気色ばんでおられるのでありますが、私はこれはこういう問題なんであります。合同委員会の経過において、アメリカにこそまあ必要なんだから、日本にはこの点は必要がないのだ、こういうふうに説明をされているように伺つたわけです。それでそのときに使つたところの材料を今度は逆に使われて、そうして予算を取るときに、大蔵省その他のほうでそれを運用されたんじやないか、こういう心配があつたのでありますから、それでそういうことを言つたのでありますが、どうも今までの経過から来て、そうして見ますと、予算の取り方が非常に少くて、大切なものが省かれておる、私はこういうことを考えております。先ほど文部省にはこれは一つも関係がなかつたから文部省におく、運輸省も、それから当時の鉄道も欲しかつたろうし、農林省のほうも欲しかつたろうし、水産のほうも欲しかつたし、関係の方面も非常に欲しかつたろうと思う。それを比較的関係のない文部省のほうに持つて行つた、その考え方は、私は或る意味において学術的にデータを積み重ねて、そうして立派なものを作り上げて行くという方面においてもこれはよかつたと思う。併しそれが戦争になつて非常に困難な状態におかれて来、それからその後今度は運輸省にこれが移つた。こういう過程から考えて、私は各省の協力をこの際非常に受けなければこの問題は解決しないと、それで殊に農林省の水産の方面であるとか、農林省の各方面これは非常に関係が多いのでございます。それから運輸省の所管されておる航空方面はもとよりのことでありますが、そういうようなものを考えたときに、私は関係各省から強力にこれを一つ応援をしてもらい、逆に各省のほうから、大蔵省に予算を出させるようにこれをやるべき仕事なのだ、こういう考え方を持つているわけです。それで先ほど各省とは話をしなかつたのだ、こういうことなんでありますが、今後における一つ問題は、この気象に関する限りは、私は歴史的なそういう経過をとつておることからも、各省にこれは協力をしてやつて頂きたい、こう思うわけです。この点は一つ各省と相談をしないできめたと、こういうお話ですから、甚だ残念に思いますけれども、今後そういうふうにして頂きたい、こう思うわけです。
 それからその次に実は台長さんからいろいろ話を伺つたときに、今まで使つておつたところの船は、これは甚だどうもまずい船で、今後続けて行くわけに行かないような状態に置かれてあつた、こういう発言があつたわけです。私もその点は或る程度そうだとこう考えますが、ところがこの船が海上保安庁のほうに参りますると、海上保安庁のほうでは、これを積極的に実は表現をされて、一千トン級の船が初めて入つて来たのだから、これによつてどんどん仕事をやるのだ、こういう表現をされておるわけで、これは実は海上保安庁のほうから申しますと、新聞のなにですが、十二月一日付の面には、「海防艦五隻(総トン数五・一〇〇)引継水路救難業務併任で、従来通り定点観測を実施」、こういう見出しで以て大分詳しく書いてあります。大分いい、力のある船をたくさん今度は持つことになる、それで今後十分にやつて行けるのだ、こういう意味のことを書いてあるので、これは一方海上保安の方面においては非常に実はいいと思いますけれども、併しこれは大きな気象観測ということを犠牲にして実は行われているわけであります。それで私は非常に残念に思うので、これはやはり先ほども申上げましたように、こういう点がないのかと思うのですが、予算の取れるところに、これは実は予算を取るという方面からいいますと、戦争中でありますと、軍に関係をした方面のものは予算が取れる、こういう問題が非常にあるわけです。それで海上警備というような方面から予算を取れば取れるのじやないか、こういうようなことが、他にあるといたしますれば、私はこれも一つ気象観測というような、あらゆる方面に共通なものならば、一つ海上保安庁の方面においても、これはよろしく気象台に予算は一つ出すべきじやないか、こういう考え方を持たざるを得ないわけであります。同一の大臣の下にある関係もありますので、そういう取扱をするほうが、これは国としていいのじやないかと、こういう考え方でありますが、その点は大臣は如何ようにお考えになりますか、お伺いをいたします。
#97
○国務大臣(石井光次郎君) 気象台の定点観測は、御承知のようにずつとどんな日でもやりますようなわけでありまして、そのために相当しつかりした船でないと、今までも相当乗組んで観測した人々が苦しい思いをし、観測を妨げられるような場合も多かつたように私ども聞いているのであります。一番理想的な行き方といたしますれば、新らしく、新らしくなくてもよろしいのでございますが、今の船よりはがつちりした観測に一つも妨げなくやつて行けるような船を配置してもらうのが、気象台の仕事を遂行させるには最も望ましいことである、今までありました船は相当、新聞にはどう発表されているか知りませんが、私余り見たことはありませんからよくは知りませんが、気象台長等の今までの実績の報告によりますと、相当迷惑をされたらしく思えるのでございます。で、これはそれを持つて行つたら海上保安のほうは予算もついて、いろいろな仕事がどんどん何でもやつて行ける、気象台のほうに廻す金もそのほうに廻すのじやないかというようなことは私はないと思いますが、気象台のほうの予算に対する私の考え方は、さつき申上げました通りでございまして、海上保安庁としては、実は海上保安庁法の、こういう問題に関係なく、かねての警備等につきましての船が如何にも貧弱で、古くて代船を求められてもなかなかいい船を政府の予算上こしらえてもらえない、こしらえたくてもなかなか……漸くできる、或いは古船を代えて使うとか、古船を買つて修繕して使うというような状態でありまして、そう威風堂堂という形にはないのでありますが、これは両方とも大切な仕事であります。私は両方ともできるだけのことを一つやつて、今御注意のありました各省との関係、これはもう建設省だとか農林省とかは特に今度の問題に非常に熱心でございます。農林大臣も建設大臣も気象台の充実ということには非常に賛成をしてくれております。ここいらとの関連を以ちまして、気象台の仕事を推進するように努力したいと思います。
#98
○東隆君 先ほど私は大臣が申されたことで、戦争前までは東方の定点はなかつたのだけれども、終戦後定点観測を始めたのだ、こういうお話で、それを裏からひねくれて解釈をしますと、なかつたのだからやめてもいいのじやないかと、こういうふうな解釈もしますが、これは植竹さんのほうから逆説が出ておりまして、私は以前まだ日本が千島を領有しておつた時分には、千島には観測点が二カ所か三カ所あり、北のほうの幌筵にあつたわけであります。これで以て北のほうの関係、それから東のほうの関係、こういうようなものはやはりつかめた、こう考えております。それから相当なものが太平洋のほうに船も出ておりますし、いろいろな関係で気象観測において、やはり現在の状態においてX点をなくするということを考えると、前よりも非常にマイナスになる、これは大きなマイナスになるのじやないか、こういう気がいたしますが、これは私は余りそつちの方面知りませんから、そう申上げるより仕方がないのですが、そういう点から考えても、どうしてもX点はこれは活かすべきである。活かさなければならない、こういう考え方を持ちますので、是非一つ各方面に協力をさせ、これの実現をやつて頂きたいと思うのであります。農業の方面なんか特に長期予報なんかをやりますと、これはどちらかというとずつと北のほうの冬季間の温度の関係の問題とか、そういうようなことがものすごく関係をして来るということを聞いております。従つて東方方面のいろいろなことが、長期予報の大きな役割になるということが考えられますから、農林省あたりからも大きくこれを一つバツクさせるようにやつて頂くことが必要であろうと、こう思うのでございますが、重ねてこれを附加えて……、答弁はいいです。
#99
○一松政二君 私は遅く参りまして、二、三点ちよつと伺いたい。若し重複しておりましたらそのことを伺えば結構なんですが、定点観測を始めたのは、これは占領軍の必要から占領業務の一つとして始まつたのだろうと思いますが、その点は聞くまでもないことと思いますが、如何でしようか。
#100
○説明員(和達清夫君) この始まりは、終戦当時日本の海軍の持つていた船を全部アメリカが押収したわけでございます。そのときに中央気象台は、北方の海域は我が国の冷害とも関係があつて、非常にそこにおける海洋観測並びに気象観測は重要であるから、あの船を気象台にもらいたいという請願をしました。そうしたらその船じやなくて、この定点をやれ、やれば海洋のまあ往復の途もあるし、海洋もできるじやないかというような話から、結局定点の観測になつたわけでございます。
#101
○一松政二君 そうしますると、その定点を観測する必要性を強調したのは日本側ですか、アメリカ側ですか。
#102
○説明員(和達清夫君) 定点の気象観測はアメリカ側であります。
#103
○一松政二君 アメリカ側が今年になつてそれを廃止して来るということは、アメリカの国防費が大体今年度と来年度四十億か五十億ドルぐらい、約一割近くの国防費の節約を考えているようです。それといわゆる海外援助費の二つに目を付けて、恐らくそれを実現するのがアメリカの目的だろうと思うわけです。それを必要としたアメリカが国防費の節約の極く一部かも知れませんが、そこに目を付けて来た片鱗じやないかと、私は想像するわけですが、そうするには、もう定点観測はやめてもアメリカの軍用飛行機なり、旅客飛行機なりは、日本が必要を感ずる以上にもう殆んど隙間のないほどしよつちゆう通つているわけですが、まあ飛行機に関する限りだけの問題じやございませんが、アメリカ側がこれを廃止する理由は、私はまあ経費節約と思うのですが、それを節約しても、それに代るべき何かあるというような、何かその節約の理由は別に日本に示したことはないのですか。それに代るべき何らかの方法がある、或いは近くにアメリカの観測がある、或いは北のほうにしてみれば、シベリアあたりの気象はどんどん日本の気象通報で言つているから、或いは千島やアリユーシヤン群島には無論ありましようが、ロシアの観測所があつて、或る程度のことはわかるというような、何かそれを廃止しても、日本はまあ困るかも知れませんが、アメリカ側としてはさほど痛痒を感じなくなつているという理由はないのですか。
#104
○説明員(和達清夫君) 私は航空のほうの技術的進歩もよく存じませんから何ともお答えいたしかねますが、やはりアメリカのほうは経費の節減から来たものだと想像されますことは、アメリカの気象の技術に携つているほうでは非常に残念がつておりますし、又日本がこれを日本の手で再開されることを非常に望んで文書でも書いてあることから察せられると思うのであります。日本には前なかつたじやないかというようなお話もありますが、実際定点観測というものは、昔から台風の前衛とかいうところに、気象台でも随分これを考えて、新聞等へも言つたことがあるのですが、何しろ荒海のただ中に船を置いてやるという、その経費と困難さというもので、その当時なかなか難事業だというような考えがあつた。ところがアメリカではもう大西洋でも太平洋でもやつておつて、すでに自分のほうは経験済みでできる、又引合うというような考えから、これを日本にやらせる。日本は初めてそこでその定点の意義とそれを覚え、又こうやれば成るほどそれに値するものだということを知つたのでございます。そういうようないきさつでございます。
#105
○一松政二君 そこでまあ国の予算や、いわゆる必要ということは、私は同僚議員と多少意見が違うことは、私はものごとをやるときに、必要のないことはやらない、必要があつてやるのだけれども、何か政府が仮に企てたりなんか始めて、必要のないことを予算に盛るわけはないでしようから、必要ですが、それをやめようつたつて必ず必要なものばかりでやめられない。私は先ほども、運輸大臣に同情いたします。それは来年度の予算というものはなみ大抵では組めないということを私は考えておりますが、運輸省の中でやりくりをされるならば私はできると思うのですが、それを運輸省が或る程度要求を掲げて行けば必ず私は難関にぶつかるだろうと思う。そこで殊に行政整理をしたり、それから予算を減じたり、而も来年度は、巷間伝えるところによれば、二割引きした者は次官でも大臣にするぞというような冗談口を総理がきかれたのかきかれないのか知らんが、新聞には出ているわけです。それほどの切詰め予算をしようとするところへ、私はこの問題は、希望は幾ら希望してもよろしうございますが、実現上には非常な私は困難が伴うだろうと思うわけです。そこで、国民全体のいわゆる気象台に対する感じからすると、私はこれはもう失礼な申分になれば御免をこうむることにいたしまして、つまり定点観測を八年間、約七年間ですか、まあ続けた。それからそれを若しやめたら、これは一応今までそこでそういう研究をやつていたのだから、その分だけがそこが空白になるということは当然考えられますが、それによつて直ちにどういう結果が現われるかということは、これは非常にむずかしい問題だろうと思いますし、例えば台風のごとき予知をいたしましても、最後に日本に上つて来るときの方角というものは、これは殆んどもう来て、定点を離れて非常に近寄つたところの方角がこれを決定して、これが日本に災害を及ぼすか及ぼさないかが非常に問題になつているだろうと思います。この職員組合の書き物を見ても、ちよつと近く大震災がある、まあ、この間の地震が陸地に近かつたら前の関東大震災以上のものであつたかも知れんということが、六十年の大震災の周期を考えれば、日本はもう三十年たてば、或いは三十年か三十五年か、二十五年になるか知りませんが、その近所になれば関東大震災以上の大震災が、過去の大正十二年の震災以上の大震災が日本に来る。或いはこれは必定である。学者から言えばやはり必定であるでしよう。ところが、それに対する何らか今措置をとつているかというと、まあ耐震家屋をこしらえる、或いは耐震耐火の家屋をこしらえる程度以上に私は何人も準備していないだろう。それで長い予知は或いは災害を直接防止するという面にすぐどれだけの効果があるかということは、これはもう気象台長としても言えないのが当り前であります。従つて、まあ気象台というものに対する予算を台長が非常に取りにくい問題も、恐らくどうもさつぱり天気予報当らんじやないか。雨が降るというので折角傘を持つて行つたら、こんな天気になつたというような感を、これはもうすぐ身近かな問題だけの問題で、天気予報の正確さというものが戦前と戦後とどのくらい変つているか。或いは定点観測をやつたためにどれだけの一体利益があつたかというようなことを聞かれた場合に、私はなかなかそれは答えにくいと思うのです。それで恐らくあつたほうが非常によいし、又それが関連して他の観測にも便益を与えるものであろうと思うのです。従つて私は国の予算が許せばそういうものは多々ますます結構なことに違いない。違いないが、差当り国民に必要な、身近かに国民に必要な問題が一番取上げられて、比較的縁が遠い、或いは将来長くにおいてその効果が現われるというようなものが犠牲になる。で、今日私はまあアメリカがやめて来たということは、アメリカの国防費の節約はアメリカは非常に真剣に考えておる。四十億ドル、五十億ドルなんという金は、これは日本の金に直したらもうちよつと想像もつかない程度の大した金額になるが、それだけのものを減らそうとしておりますから、アメリカとしても容易なことではない。従つて日本がその穴を埋めようとすることは、来年度の予算でできるんなら私もそれにあえて反対いたしませんが、なかなか難事中の難事であろう。運輸省の中からそれじやこれを削つて気象台に廻せと言つたら、削られるほうはあれも必要だと言うに違いないので、私は大臣がこの問題を処理されるには、なかなか、答弁は一応やさしくできましても、実現の上には非常な困難を伴うものであろう。それに対して運輸委員会としていろいろな希望なり御意見もありますが、何か私は決議でもするというようなことであれば、まあ一応今日はそういう問題は出ないだろうと思いますけれども、それはもう少し国会議員としては考うべきところがありはしないかと私はまあ考えておりますが、今の差当りの、端的に言つて、先ほど大臣が申されました、戦前はなかつたのだと、私もさように考えます。あつたこととなかつたことが、過去の今日までの観測所が国民に対して、極く大づかみにして、どういう点が国民に非常に裨益しておつたか。戦前はこういうことはわからなかつたのだけれども、あれがあつたためにこれだけのことができたのだという何か二、三の特例でもありますれば、それを承わりたいと思うのです、気象台長から。戦前と戦後の今の比較です。定点観測のあつたこととなかつたことを、学問上の問題は別です。これはあつたことがいいにきまつておる。私はそれを論争しようとは思わないけれども、国民は費用を出すためにはその便益を期待するので、ただ学問のために学問をさせるというのじやなくして、それが子を生んで来る。或いはこれだけの利益があるからこうさせるのだということが、私は国民が税金を払つてそれを使つているゆえんだと思うのです。従つて何か国民にそれがためにお土産があつたかどうか。こういうことがお土産なんだという端的な事例がございましようか、伺いたいと思います。
#106
○説明員(和達清夫君) 只今のお話ですが、もうよく御存じのように、気象の仕事というものは全体を総合して結論を出す場合が多いのでありますから、なかなかに一つの観測を取上げまして前との比較というのはむずかしいのでありますけれども、個々の場合を取りまして、この船が、こういうような事態が、観測によつてこうなつた、或いはこの観測によりこの台風の進路はこういうふうに行くようにきまつた、或いは本年の冷害におきましても、我我気象観測員といたしましては、もはや春前にわかり、これを通知しておつたのであります。このようなことで定点観測の資料はどこに使われて、どういうふうにそれがなつておるか、これがなければどういう結論になつたというようなことは、調べますれば出るのでありまして、非常に調査が複雑いたしますけれども、その主なるものを調査いたしてお知らせすることも可能でございます。御希望なら出してもよろしうございます。但し誰にもわかるようにさつと言えという御注文にはなかなかむずかしいことを申上げておきます。
#107
○一松政二君 あと一点でとめますが、私が先ほど申上げましたように、千島やカムチヤツカ、或いはアリユーシヤン、まあそれよりもつと南に下つた所が定点になつておるんですが、何かこの千島やそれからカムチヤツカの方面では、ただ天気予報だけの問題で、あとのことは何もこつちにわからんわけですか。その気圧配置だけを一応言つておるだけで、ほかのことは何もわからんわけですか。その点伺いたい。
#108
○説明員(和達清夫君) 世界の各地の気象情報は、きめられた方式によつて、観測しておる事実を放送したり、或いは他の方法で知らせておるのでありまして、千島、カムチヤツカにおきましてもその気象観測、詳しいことはちよつとわかりません。高層観測をしておれば高層観測、海洋気象というものを観測しておればその報知というものをしておるわけであります。
#109
○一松政二君 そうすると国が領土として持つており、或いは領有したときの観測と、今日他国に占有されておる状態においても、気象に関する限りは同じことになるわけですか。
#110
○説明員(和達清夫君) 我が国が観測しておつたときよりも十分なる観測をしておるかどうか私は詳しく存じませんけれども、それは自分の国の時代には、あらゆる方法で必要時に必要なことを追加している、それが豊富にできますから、これは現在千島その他が日本の領土でないということは、気象観測にとつては非常な痛手だと思つております。なおそれらの気象の観測の通報、予報、日常予報業務に如何なる使い方をしておるかということも、もう少し詳細でありましたら、係員が参つておりますから、代つて説明さして頂きたいと思います。
#111
○一松政二君 私の質問はこの程度で終つておきます。
#112
○重盛壽治君 ちよつと関連質問になりますが、一松さんとちよつと話が違うように思うが、これはなんじやないですか、戦争前になつたものを戦後にやつたと、戦後にやつたということは、日本としては米国が……米国としては軍事上の必要から開始したのでありますけれども、日本としては全般の日本の季候風土の問題から考えた場合に、助かつたというか、喜んだわけじやないでしようか。ということは、私ども素人の考えですが、従来例えば朝鮮から満洲から或いは樺太から千島から、あらゆる方面を日本自身の手でやつておる、南の島々も。ところが戦争後はそれらができなくなり、而もその一部、北鮮とか満洲とかいう所は殆んど連絡さえつかんというときに、この定点観測でやられておるということは、日本の気象観測上プラスになつて来たことは議論の余地がないんではなかろうかというふうに考える。これは今後航空の発展を期すると、そうして今や中国、朝鮮との関連が持てないという場合には、これを廃止しろと言われても、置かなければならんというような重要なところに来ておると思うが、どうなんですか、それは。
#113
○説明員(和達清夫君) 気象の仕事は、例えば高層気象観測と或いは他の地上の気象或いは海洋における観測と、どれが必要で一番大事であるかというようなことはなかなか言いがたく、合せて総合されて一つになつておるのであります。それですからこの定点観測一つを取上げましたならば、私どもはどうしてもこれはやらして頂きたいと申上げるよりほかないのです。ただ他と比べろと言われましても、非常にそこには、私どもは比べようございません。
#114
○重盛壽治君 運輸大臣に一つお伺いしたいと思いまするが、米国が来てやつて、今度まあ米国の予算の関係上で打切る、そうしてその打切るときに、できるならば日本でやることが好ましいということが言われたように聞いておりますが、その点は事実であつたかどうか、一つ大臣から伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(石井光次郎君) 気象台長が詳しくそのいきさつを知つておりますから、申上げます。
#116
○説明員(和達清夫君) 先ほどから申上げましたが、行政協定の気象分科会というのにおきまして、この観測打切りを通告して参りました文書に、日本の代表は極力これを続行するように努力して、日本政府の手で以てこれが続行されるように努力してもらいたいという勧告であります。
#117
○委員長(前田穰君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
#118
○委員長(前田穰君) それでは速記を始めて。
#119
○重盛壽治君 これはどうも、大臣に聞いてそれは気象台長に聞けということになると又意味がないのであります。そういうようなことで、米軍のほうから日本でやることが好ましいというようなことを言われたとするならば、そういうことは台長にはすでにもう聞いたことですが、大臣自身からお聞きしたいことは、日本はほかの部面で米国からの援助を受けておることは本当で、又受けようとしておることも事実なんですから、その場合に僅かなこの気象台の予算を削つても、それは日本自身の手で一つやつてくれ、その代りに一面にはMSAを一つしようじやないかというような感覚で来ておるようにも考えられる。そうした場合にこの定点観測を日本が三億や五億の予算がないということで打切りをするというようなために、日米国際信義に悖るというような関係は生じるかどうか、生じないか。
#120
○国務大臣(石井光次郎君) 今の定点観測を続けてくれというのは、気象台長がさつきも申したように、こちらでこの仕事に関係した人たちが非常に残念がつて、それを申しておつたことを聞いておるのであります。それが行政協定のときに出て来たと思うのでありますが、その問題によつて日米国交に影響するとか、そのほかの援助にそんなしみつたれたこともようせんならば、ほかのほうはもつと援助せんというような問題があるとは聞いておりません。
#121
○重盛壽治君 言葉の上で言つたのは、これも私どもも聞きませんから当然なんです。その点のお考えというか、感じというか、そういう点をお伺いしておる。それから更に結論的に言うと、運輸大臣は、結局金がないのだ、而もこれをやるということによつて非常に他に大きな影響を及ぼす、成るほど機構の改革、予算の縮減等を考えますならば、非常な大きな影響を及ぼすということも考えられますが、更に進んでこの仕事は絶対必要な仕事でやらなければならんものだというふうに形付けるならば、いわゆるそこが政治でありまして、私どもはこの程度の予算を増額することは、如何に貧弱な日本の予算でもそう難事ではなかろうかというふうに考える。いわんや、又私ども素人でよくわからないが、一旦定点観測をやめて、若し日本の航空上、或いはもつと進んで防衛上あの地点が絶対必要だということになる場合に、今やめてしまうことによつて気象台を持つことができなかつたというような逆な不幸な結果も生まれて来るのではないかというふうに考える。そこで私は今日結論になるかどうか知れませんが、運輸大臣といたしましては、相当同僚議員、或いは一般からの意向がおくみとり頂けたことと存じまするので、これの復活に対して積極的な御努力を私はお願いして質問を打切りたいと思います。
#122
○大倉精一君 大臣にこの際ちよつとお伺いしておきたいのですが、気象業務は非常に大事であるということは、先ほどの御答弁で十分御認識のことだと思いますが、先ほども気象台長にお伺いするというと、現在の気象業務が予算或いは人員の関係で相当大きな制約を受けておる。従つて到底満足な気象業務が遂行し得ない状態にある。而も定員については、現在ぎりぎりのところ六百名ばかりの人員不足があるというような御答弁を聞いたのですが、こういう点について、この気象業務を、更に人員の面についても増強をして行くお考えがあるのかどうかということを一つお伺いしたい。
#123
○国務大臣(石井光次郎君) 今度の補正予算で気象台の各地の設備増の問題が一応出ております。これらに伴いましていろいろ人を欲しい問題も出て来ております。又さつきちよつと申しました定期航空等を地方に開く場合においての気象台員の増員というのが、飛行場開設についての一番大きな点になつておるわけであります。これらの部面のような仕事をいろいろ見渡しまして、全体といたしまして仕事を殖やしていいということになりますれば、人の問題が必ずこれには伴つておる問題でございます。今、今度のいろいろな予算並びに行政機構改革等に伴いましての人員の減少ということは一応出ております。出ておるから、それから気象台だけは別にせよというわけには行かないと思います。但し気象台は現業的な部面が非常に多いのでございます。いろいろな点において、それが抜けても仕事ができるような形には当然持つて行くことはできないのでありまするから、これらの点を十分勘案いたしまして相談を進めるつもりでございます。
#124
○大倉精一君 今の御答弁で行くというと、今度の予定されておるところの行政整理についても、やはり気象台の人員についてもその整理の対象にするのだというような御意見のようですが、現在でもすでに足りない。而もその業務は特殊な業務であつて、余人を以て簡単に代えるわけには行かない。そこでこの業務の遂行に非常に支障を来たしておるというような現象ですが、更に、今回又人員整理の対象にするということになれば、これはもう現在だけの業務としても不可能のような状態になるというふうに考えるのですが、これは一つ台長さんから御意見も伺いたいと思います。
#125
○説明員(和達清夫君) 行政整理により、過去における気象台の仕事に非常に困難を極めて参りました。気象台の職員は一生この仕事に打込んでおりますので、整理があるたびに、業務を減らすよりも、自分が余計働くから、というので割合に無理をして今もつて来ております。ですから今度行政整理をやれば、この過重を増すというようなことになりまして、結果はあらゆる面に響いて参ると思います。ただ気象台の職員は、その業務をとめられませんものですから、限度もありますけれども、今のところどこかとまつているとかという状態はございません。
#126
○大倉精一君 もう一点だけお伺いしますが、さつきの気象台長さんの責任者並びに管理者としての専門的な立場から、この定点観測は復活しなければならない、これは是非とも継続しなければならんという御意見があつたのですが、運輸大臣は、この定点観測について復活する意思があるかないかということを一つお伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(石井光次郎君) 学者の立場として、又気象台長の職責を完全に実行するという立場として、定点観測は維持したいというのは熱心なる希望でございます。併しいろいろな折衝の結果、ここに挙げてありまするように、南方においてはこれこれ、北方の定点観測はこれこれというところに一応話が財務当局と費用の点においてできておるということは、最低限においてこの程度までやれば、ひどく大きな観測上の障害は出ないであろうという、これは技術的な面からの最小限のことだと思います。これよりももう少しよくしたい。例えば北方の問題でさつきも御質問がありましたが、千島方面の観測もなくなつておる状態にあるのだから、どうしてもこの定点をやつて行くほうが……、戦前の状態に比しても退歩になりやせんかという御心配も承わつたような次第で、これはやりたいというのは気象台の御希望であり、又それには新らしいしつかりした船をこしらえてもらわなければ、今のような船では黙目だというような話もあるのであります。そういうことができますならば、私どもは勿論賛成であります。是非そう言いたいのであります。併し日本の予算が、アメリカからの勧告もあり、是非君のほうでやつてくれんかと言われても、多少向うもいい気持もしないであろうというところを押切つて、一応この程度にしようというところには、やつぱりふところ勘定というものがあるのであります。私ども今度の予算の折衝について、もう少しこういう問題は、もう一歩前進できないかということについての話合いは勿論やります。やりますが、その通りできる確信でありますということは、私として今は言えないのでございます。
#128
○大倉精一君 今の答弁でどうも私は満足できないのですが、要は、定点観測に伴う高層観測といいますか、これが非常に重要な問題だと私は思うのです。従つてこういうような問題は折衝によつてという問題じやないと思うのです。この問題に関する限りは、或いはさつきの大臣の答弁で、できればもつとやりたいというようなこともあつたのですが、この定点観測の問題は、もつとやりたいとか何とかというのじやなくて、復活するかそのまま廃止するかという二つのうちの一つを選ぶ、こういう問題だと思うのです。更に又気象業務というものについては、特に世界で有数な気象災害国であるところの日本にとつては、最も大事な私は国家的の問題だと思うのです。従つて現在の気象業務の実情からいつて、更に私は人員の面においても、設備の面においても増強をしなければならんというように考えております。そして定点観測については、これはもう費用がないとかあるとかというのでなくて、日本の国の現状からいつて、これはどうしても復活し継続しなければならん、こういう工合に考えておりますので、大臣もそういう点について更に今後御努力を願いたいということを要望して、質疑を終ります。
#129
○大和与一君 アメリカが、X点、T点に関して定点観測をすべし、こういうふうに行政協定に明らかにきめられおつたのを、わざわざ行政協定から外すということは、これはアメリカのただ軍事予算の削減、こういうことだけでやつたのか。或いは又、それに伴つてアメリカは、どうしても自分のほうとしては工合が悪いから、それで自分のほうでは金は出せんけれども、日本国の政府としては是非やつてもらいたい、こういうことを明確に外務省か何か知らんが言つたという話を聞いておりますが、その辺のことをお伺いいたしたいと思います。
#130
○国務大臣(石井光次郎君) あなたがおいでにならないときに話が出たのでありますが、重ねて私からお答え申上げておきますが、アメリカは多分予算が削減されたために、軍事予算を削減されたためにこの予算を削つて来たのであろうということが、まあ想像でございますが、そのように考えます。で、同時にこの仕事が無駄なものであるとは思つていないという証拠に、行政協定の会議の際に、日本側でやつてもらいたいということを決議と申しますか、何かそういうものでやつたそうであります。で、これはアメリカの国の全体の声ということよりは、勿論これは誰も反対するものではないのでありますが、特にこちらに来ております、測候所関係の問題を管理している人たちが、やめるのは誠に残念だ、で、自分のほうで予算関係がなくなつたので、日本の側でこれをやつてもらいたいという強い要望があつたわけです。というふうに承知いたしております。
#131
○大和与一君 次に、日本の漁業問題も、やつぱり将来はカムチヤツカを中心とした魚場の開拓なりについて、ソ連とも友好的な話合いで直さなければいかん。こういうことは政府も考えていると思うのですが、そういうことは成るべく早くやらなければいかんと思うのです。それに対して特に北方のX点ですか、これは誠に重大な要素を持つていると思うのですが、そういうことは相当遠い将来であつて、今のとことはX点がなくなつても大して困らない、こういうようなことになるのか。或いは今度世界の気象協定というか、そういう約束の下に、ソヴイエトすら今のところその協定に従つて、日本に対して、或いは世界に対して気象観測の義務を果しているわけですね。中共だけが入つていないために、アジアの正確な気象なり、或いはその予報というものが極めてその把握が困難である。随分日本もその点困つていると思いますが、そういういろいろなことを考えた場合に、日本の北方の、特にX点あたりはこれだけでもどうしても残して置かなくてはいけないのではないかということを強く考えるのですが、ただ船の関係、予算の関係だけでどうしてもできないと、こういうふうなお考えに立つたわけですか。
#132
○国務大臣(石井光次郎君) あるほうが勿論観測上いいことは当然でございますが、それじや予算がそれだけ出すには困難であるという問題にぶつかりまして、気象台といたしましては、随時巡視船と申しますか、船を出してそこいらの観測をする、これによつてまあ最小限のことになると思いまするけれども、北のほうの観測を一般に伝えて、そうして産業上等に及ぼす影響等についてできるだけの報告をしてやつて行くということに話が落着いたわけでございます。
#133
○大和与一君 次に、海上保安庁がこういうボロ船をえらい欲しがつているか何か知りませんけれども、これも金のない関係だけか知れませんけれども、ところが新聞を見ると、海上保安庁はえらい立派なものを、大変使えるようなものをもらつたと自慢気に新聞に出ているわけですが、これは一体どういうわけなんでしようか。そうすると実際に使えるものであるならば、中央気象台としては、技術的、専門的に十分なことはわからないから、どうもこんな船ではおつかない、こういうふうに職員として考えたりしたこともあるかと思いますが、これが海上保安庁に行くと立派な船であつて、警備にも救難にも使える。同じもので片方が使えないような船なら、海上保安庁に行つても当然使えない。それが片一方に行つたから警備救難すらできると、これは大変な飛躍だと思いますが、そういうふうなことはどういうような自信があり、或いはは大臣から言つたら親心として、片一方に行つて船がひつくり返つたら大変なんだから、その点は同じような心配がおありになると思います。そういう点使えるなら当然使えばいいのだから、そういう点は如何でございましようか。
#134
○説明員(山口傳君) お答えいたします。新聞に出たこと、或いは又従来気象台のほうで定点観測船として申されたことについて、その後海上保安庁がそれを十分に使うんだということで疑問を持たれることは御尤もでありますが、この話が出ましたときに、早速私のほうといたしましては、専門技術家を派遣いたしまして、詳細に船体その他機械の維持状況を全部調べたのでございます。その結論といたしましては、ここ数年は無論使えます。この船はもともと日本の旧海軍が戦争の激しくなつたたしか十七、八年から十九年頃にかけて戦時型の海防艦として造つたものです。速力も相当ありまするし、それから見まするとまだ十年くらいしかたつておらないわけであります。それで気象台のほうでこれが代船を予算として要求されている事情も、これは先ほどからお話がちよいちよい出ているごとく、北のほうの定点観測、特に冬季の北太平洋というものは、御承知のように非常に時化る所であります。而もそこで或る期間滞在して観測することには非常に苦労されておる。そういう点に不適性があるのでありまして、特にその設計が比較的細長くなつている。スピードもかなりあるわけであります。そういうものよりは本来の観測船としてもつとどつしりしたものが要るわけであります。そういう点で適性として欠けておつたのでありまして、我々のほうといたしましては、一方海上保安庁として来年度の予算には太平洋を遠く二千浬くらいまで海難救助に出れる千トン級のものを実は欲しいと思つて要求しておるわけでありますが、たまたまこの話が出まして、これらの性能を検討いたしましたところ、無論非常に経済とは申しません。デイーゼルの機関で、たしか二基ありまするが、本来の巡視船としては燃料の消費等が不経済ではありまするが、さような海難救助のために遠く出て行くような場合に使うのには、この程度の大きさで、而もいろいろ曳航能力その他の性能がこれでどうにか間に合うということでこの船を期待することにいたしました。なお、私のほうでは練習船として、或いは海洋観測船としても或る程度の船を要求いたしておりましたが、それらの代用にも十分やつて行けるというので、再調査の上さような結論を出したのでございます。気象台のほうでは、大きく時化るときには不安だということから出たのであります。
#135
○大和与一君 それでは大臣にお伺いいたしますが、今のことで船のほうはもう解決つきましたね。船が悪いから観測できないということではなく、最適なんということは勿論あらゆる場合に今の敗戦日本の状態としてないだろうと思います。ですからできないのではない。そうすると五はいあるうちで、三ばいあればX点の観測ができるんだそうです。何も五はいいつでもなくちやならんということはなくて、三ばいくらいだつたら、五つの船で、損粍とか皆違うんだから、作つた日は同じだといつても同じに壊れるということはないのですから、これは船歴とか今までの航績なんかは調べればいろいろ甲乙があると思います。そのうち一番強いものを三ばいくらい心配して頂けばできるんですから、そういうことは全部駄目だということを言わないで、もう一ふん張りして大臣がお骨折り頂けば何とかなるんじやないか。そういう十二分の御配慮を頂いたのか。或いは一応五はいでは駄目だ、ボロ船だから駄目だ、こういうふうなことでもう一ふん張りのふん振りが足りなかつたんじやないかというふうに考えますが、若しそうであれば、今からでも遅くないから、大臣に是非ふん張つて頂きたいと思いますが、如何でございますか。
#136
○国務大臣(石井光次郎君) 一応実はさつきから申上げておる通りであるわけでありますが、来年からの問題としてどうなるかという問題は、およそ今の話合いのできている線によつてやられると私は思つておりますが、皆さん方からいろいろ御熱心なお話がありますが、私は気象台としては、この問題だけでもなく、是非やりたいというようなものがたくさん出ておりまして、総合的にいろいろ考えて行かなくちやならん問題もたくさんあるのであります。これ一つが通ればあとのものは皆やめてもいいというわけにも行かない予算上の事情の問題がありますので、この点はさつきからもいろいろ申上げておるのであります。できるだけの話合いをいたしますが、それならといつて、これが必ず実現する、これは飽くまでほかのものを犠牲に供してもこれだけはやるということまでは申上げかねるということを申上げておきます。
#137
○大和与一君 日本の何といいますか、制度といいますか、こういうものが昭和十四年に県営の測候所が一気に国営に切替えられて大変飛躍的に整備をしたと思います。それを今度占領軍がやつて来て、どうもそれは戦争のために拡大したんじやないか、こういうふうなことを勝手に考えたんじやないかと思うんだけれども、えらい縮小をした、ここに今の気象台が本当に縦横無尽の活躍ができない根本原因があるように思うんです。そうなりますと、これは占領軍は別として、日本政府としては、これはもう当然そこまで伸びたものをわざわざ無理やりに重い臼なんかで押しつけるようなことをする必要はないんだから、そういう点を考えても、今まで少し気象台に対して、政府として十分な施策というか、対策をしていなかつた、こういうふうに考えるのですが、その点は如何でございますか。
#138
○国務大臣(石井光次郎君) アメリカ側からだけの要請によつて気象台の測候所を、観測所を減らしたというだけではないように聞いておるのであります。丁度行政整理をやりましたのと、それとかち合つて、合わせて一本のような形で減らされたという事実もあるように承わつております。併しこの気象台の仕事というものは、観測所を多くして、そしてそこの設備ももつともつといろいろやらなければ、これがあつたら、あれがあつたらというような例が、今度の風水害等によつて各地に実証されましたので、そういうものの設備の近代化と申しますか、観測所の問題もさることながら、設備の近代化というような問題に非常に力を入れて行きたい、そして観測する人たちが、本当に自分たちが力あるのにできないという不満もなく、そして皆に立派な観測を我々はやつてもらつて、それによつて動くことができるという状態に少しでも近付けて行きたいということを私は念願しております。併し問題は結論するところ金なんです。定点の問題だつて、金があれば恐らくそんな立派な仕事ならやつて行つたらということになるでありましようが、今回の予算の振り合いで最小限にそこらで調整するということになつたのであります。そのほかの問題についても同じだと思います。これは私ども力を入れて少しずつでも前進するようにいたしたい、こういうふうに思つております。
#139
○大和与一君 ちよつと今のところは大事なところですから、何も進駐軍だけがということではないけれども、併しこれは明らかにそのときの状態が非常に圧縮をされた具体的な事実があつたのです。これは大臣じやなくて担当の方に一つ是非調べてもらつてその基準を一つ考えてもらう、そしてそれからあとその行政整理をやつたのでしよう。それから又やろうというがそんなことが果してできるのか。できる余地があるのか。これは若しも進駐軍の強制だけでなくて、そんなに減つたとしたら、政府として理由があると思います。その点が一つの適正定員というか、そういうことの基準にもなり得ると思います。是非調べてもらつて、それを基本にして、そうしてその後の人員を減らしたこと、或いは今回又変なことを考えているかも知れないから、そういうことは明らかに科学的に分析したつてできない、こういうふうな結論も出るかも知れないと思いますから、その点正確に公平に一つお調べを頂いた上で、今後の実情に処してもらいたい。又台長のお話でも、今だつて六百人では絶対に足りないということを再三言明しておりますから、その点も十分勘案せられて、気象台としてもつと当り前の仕事ができるようにして頂きたい。今もお話があつたように、気象国難と言われているときに、二百とか三百という金を使つて、遅々として百年河清を待つような復旧工作をやつているんですから、これをもう一歩大乗的な見地に立つて大臣にお考えを頂いて何とか予算を殖やすようにお骨折りを願いたい、こういうふうにお願いをしたいと思います。
#140
○委員長(前田穰君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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