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1953/02/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第7号
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1953/02/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第7号

#1
第019回国会 運輸委員会 第7号
昭和二十九年二月十一日(木曜日)
   午前十一時五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事      重盛 壽治君
   委員
           植竹 春彦君
           岡田 信次君
           仁田 竹一君
           一松 政二君
           森田 義衞君
           大倉 精一君
           大和 与一君
           天田 勝正君
           村尾 重雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 石井光次郎君
  政府委員
   運輸政務次官  西村 英一君
   運輸省海運局長 岡田 修一君
   運輸省船舶局長 甘利 昂一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   常任委員会専門
   員       田倉 八郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○運輸一般事情に関する調査の件
 (海運行政に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(重盛壽治君) じやこれより運輸委員会を開会いたします。
 運輸一般事情に関する調査のうち運輸行政に関する件を議題といたします。本日は先般の海運政策の基本方針に対する石井運輸大臣の説明に対しまして、大臣、海運局長、船舶局長が出席されていますのでこれらの点に関し御質疑のおありのかたは御質疑願います。御承知のようにまだ大臣は見えておりませんが、船舶局長、海運局長に対する御質疑からお始め願いたいと思います。
#3
○一松政二君 私は大臣に根本的な海運政策について質疑をしたいのでありますけれども、まだお見えにならないし、幸いに海運局長お見えになつておりますから現在の海運情勢について、殊にニユーヨーク航路のごときは殆んどもう混乱の極に達して、日本の定期船が一往復することに二千万円も赤字を出しておるという現状のように聞き及んでおるのでありますが、これら、或いは太平洋航路、ニユーヨーク航路、或いは欧州航路について各国の船会社、及びそれに対して日本の船会社がどういう態度をとつており、現況はどうなつており、これがどういうふうな方向に向いて行くものかということについて一応の説明と見通しを承わりたいと思います。
#4
○政府委員(岡田修一君) 御承知の通り、まあ海運界は世界的に非常な不況な状態でございまするが、特に日本を中心といたしまする定期航路におきましては非常に激烈なる競争が展開されています。その最もひどいのは御指摘のニユーヨーク航路でございまして、これに対して日本側は八社が参加いたしております。現在の競争の原因はこの日本船八社、外国船はちよつとその数は忘れましたが、そういうまあこの航路に従事する船会社が一丸となつて、航路同盟を形成しておるのでございますが、そこにアウト・サイダーとしてどうしても同盟に入らないアメリカのイスブランセンという会社がございまして、これがいつもその同盟よりも低目のレートで、いつも荷物を満船で動いておる。従つてそのイスブランセンに対抗するために、同盟側としてはまあどんどん運賃を下げて行つた。そのそういう考えの底にま単にイスブランセンに対抗するという以外に他の意図も働いておるのではないかと推定したのでありますが、ともかくイスブランセンに対抗するために運賃をどんどん下げる。現在は同盟運賃というものをやめまして、殆んど全品目をオープンにした。今実際実行というか各社でやつておりまする運賃は、両端の積荷を積んだり、或いは降ろしたりする費用だけを償つておる、中間の運賃は殆んどゼロというような状態にまで落込んでおるわけであります。でこういう状態に対しまして日本の海運会社としましては御承知の通り財政的な基礎が非常に浅い、市中の金利五分、開銀の金利三分五厘にして頂いてもなお金利が払えるか払えないかという状態にあるわけでございますので、そういう競争状態には到底堪えられない。そこで日本船主側が一丸となりまして、そのイスブランセン一社だから、たとえそういうものがあつても、かまわないじやないか。だから同盟側でも適正なレートをこさえて、それを守つて行こうじやないか、こういう提案を再三再四しておるわけでございます。併し外国船側はこれに応じませんで、先ほど申しましたように、殆んど全品目がオープンでやつておるという状況であります。そこで日本船主側は、それでは日本船主だけでもその適正なレートをこしらえて、それを守つて行こうじやないか、そうすれば、外国船側も自然と日本船側にならつて、その適正なレートについて来るようになるんじやないかという悲壮な決意を固めて、今そういう方向に向かつておるわけであります。併し恐らく、まあこれに対する日本の荷主側の理解その他がなければ、積荷が絶えるという状況で暫らく経過するような事態が起るのではないかというふうに考えられるのでございますが、ともかくニユーヨーク航路におきましては、日本船主側としては、血みどろの競争を展開しておるということを申上げていいかと思います。
 それからインド、パキスタン航路におきましても同様な競争が展開されております。これは御承知のように日本船主としては五、六社程度占領当時から就航しております。ところが、一年ほど前になりますか、二年ほど前になりますか、そこに同盟が結成されたのですが、すでに従事しておつた二つの日本の船会社が同盟に入れてもらえなかつた。従つてその同盟のアウト・サイダーが、同盟の側よりも多少低目の運賃で就航しておる、これに対して、同盟側に競争しかけた。こういうことから、ニユーヨーク航路と似たような状況が起つたわけです。で、ここにおきましても、日本船主側としては、全部同盟に入つて、その運賃の安定を期したいという気持があるわけでございますが、特に国際的企業のものでございますから、なかなかそういうような意図通りには動かないまま今日まで来ておるわけであります。私どもとしては、そういう同盟に政府が直接口を出すということは、国際的な関係がございますので差控えておりますが、できるだけ早く日本の関係の船会社が同盟に入つて、運賃の安定ができるような時代の来ることを望んでおるわけでございます。
 それから濠州航路におきましては、これ又非常なる日本は差別待遇を受けておつたわけです。戦前におきましては、殆んど日本の船会社が、独占と言つていいほど大部分の勢力を占めておつたわけですが、戦争になりまして、日本の船会社が全部締め出された。昨年の暮でしたか、やつと郵、商だけが加入を認められた。それも非常な制限がございまして、例えば郵、商で月何船、それから羊毛の積取りも二〇%を超えてはならんと、こういうふうな誠にひどい待遇を押しつけられた。それでも加入を認められないよりも多少よかろうというので、涙を呑んで入つた。ところがその後日本の輸入業者、羊毛工業会その他の、まあそういうところのバツクもあり、最近この濠州航路におきましては、やや妥当なる待遇を受けた。と申しますのは、郵、商のほかに山下、川崎、三井の三社の共同体、こういうものの加入が認められた。そうして配船も郵、商、それからその共同のライン、これがおのおの年に九航海、それから全体の積取り、羊毛の積取率もたしか四二%というところまで引上げを認められた。かような報告を受けているような次第でございます。
 ともかくその他欧州航路におきましても、まあ郵、商が欧州航路同盟に参加した。これに対して三井が加入を申込んだのですが、拒否された。従つてアウト・サイダーとして配船までしておりますが、これに対して同盟は三井を圧迫するために、同盟のレートを下げて、競争を挑んでいるというふうなことを聞いております。従いましてこの日本船の進出と申しまするか、復興に対する国際海運の圧力というものが、非常な熾烈なものであるということを、十分日本国民全体として考えて頂かなければならん問題であるということを申上げておきます。
#5
○一松政二君 海運局長は、これから先の世界の海運市況、或いは海運情勢について、どういう判断を持つておりますか。世界的に戦争終了後、まあ朝鮮事変も一種の戦争でしようが、戦争が済めば船腹は常に過剰を繰返して来て、そうして多くの場合に世界的に繋船が行われる。繋船が行われる時代に、日本が新造船を建造して行く、これはまああとでお尋ねいたしますが、今の海運界の世界的の船腹関係を一体どういうふうに御覧になつておりますか。
#6
○政府委員(岡田修一君) お答え申上げますが、世界的に平和の萌しと申しますか、非常に緊迫した状態が緩和いたしますると共に荷動きが減退している。従つてそこに船腹過剰と申しますか、運賃が非常に冴えない状況が現出しているわけでございます。で、これに対しまして、今後どういうふうに展開するかということでございまするが、私は当分こういう低調が続くのではないか、かように考えます。これが好転する見込というものは、当分ないのではないか。然らばと言つて、日本の海運の復興を停滞さしていいかどうかということになりますと、私は断じて停滞させるべきではない。今こういう不況でございまするが、世界の各国は相当新造をやつているのです。工事中の船が五百数十万トン、手持工事量で、未だ着手しないものが同様五百数十万トンという状況でございます。従いましてこういう新造船が一方においてどんどん出て来る。日本だけがこの新造を停滞さして行くというふうになりました場合に、不況になりますれば成るほど競争が激烈になり、且つその船の優秀性というものがその競争にものを言わせる。従つてこの不況時代に若し日本の海運が圧迫される、或いは窒息状態に置かれるということになりました場合、いつ日本の海運が伸びる時期が来るか、私は世界的に不況だから日本の海運は停滞すべしということは間違いじやないか、かように考えております。
#7
○一松政二君 局長は私の質問しないことをお答えになつておりますが、私は今、今後新造することをやめろとも、やめてはどうかとも伺つてはいない。ただ世界的の船腹は過剰であつて繋船しておる状態になつていないか、そういうただ情勢を伺つているだけです。でありますから、それから先の御答弁は私は甚だ不満足でありますが、まあそれはさておきまして、世界的に新らしい船を造つておると申しましても、日本は殆んど老朽船というものはなくなつてしまつている。併し船というものは二十年か二十五年で大体これは新らしいものと入れ替えなければならないものだから、これは各国によつて事情はおのずから異なつておるであろうと思いますから、それはただほかが造つているから日本も造らなければならん、これば物持ちと貧乏人とが、貧乏人も物持ちと競争したいのだけれども、日本は世界の中小企業みたいな国であるし、国内においても中小企業が常にやりたいと思うことも力も及ばず、金も及ばず、涙を呑んで中小企業で甘んじておるのが日本の中小企業の姿です。でありますから世界の有力な企業或いはその船会社と貧乏国の日本がそいつとどの程度に競争して行くかということは、これは大きな一つの課題なんですから、そいつはまあ今の御答弁は私は満足いたしません。ただ先ほどのニユーヨーク航路のイスブランセンの問題をお挙げになりましたが、イスブランセンはニユーヨーク航路に一カ月何回往復して、何隻就航しておるのですか。
#8
○政府委員(岡田修一君) 月一航海、四、五隻程度かと存じます。
#9
○一松政二君 それに対して日本船の総数は幾らですか。……余り細かいことになりましたから、すぐ御答弁ができなければそれはそれでよろしうございます。ただ私が聞かんとするところは、日本船同士の競争が熾烈になつていないかということなんです。イスブランセンがニユーヨーク航路混乱のきつかけにはなつたかも知れんが、今日の情勢ではむしろ日本船自身が切崩しているのではないですか。その点の御見解如何がですか。
#10
○政府委員(岡田修一君) イスブランセンの問題を問題とする前に、日本船側が非常に競争しておるのじやないか、こういうことでありますが、これは日本船同士で相当集荷の競争をいたしております。これは事実そういう状況で来たわけでございます。併しそういう競争が面白くない、競争にも一つの限度があるということを、いつ頃でございますか、昨年の夏頃ですか、十分自覚をして、何とかそこに協調して円満な経営を続けて行きたいという気持におきましては現在でも何ら遺憾の点はないというふうに私は考えております。
#11
○一松政二君 私の海運局長に対する質問は一応この程度にいたしまして、次に大臣に伺います。
 私は現在世間で非常に問題になつておる造船疑獄と申しますか、これは私が法案を審議するときに、この法案についてはこれは社用族、公用族を作る以外の何物でもないという極端な発言までしておつた次第でありまして、私は当然ああいう今日のような行き方があれば、幸か不幸か……これは不幸なことに違いございませんが、実際問題としては誰がよいとか悪いとかと言う前に、そういう問題の温床になるやり方と法律それ自身がいけない。私は法律について特に造船調整法ですか、臨時船舶建造調整法ですか、あれの審議の際には特に釘を打つておいたこともあるが、運輸省自身があの法を守つていない。あの法自身が漠然としておるからあの法の範囲を越えて審査に当つておると私は考えておりますが、まあそれはともかくとして、今度の予算で一応運輸大臣は計画造船をどの程度にお考えになつておりますか。もう大体の腹案はできておるのでございますか、先ずそれを伺いたい。
#12
○国務大臣(石井光次郎君) 来年度の計画造船といたしましては、私どもはこの前から申上げておりましたように、昨年から四カ年を通じて、できれば毎年三十万トンずつくらい外航船をこしらえて行きたいということを目標といたしております。そういたしますと、四年後に大体外航船が戦前の七割くらい回復する、そこいらが一つの目標ではないかということで運輸省といたしましては案をずつと立てて、それに従つて予算の要求もして来ておつたのでありますが、来年度は御承知のように財政資金の面からいたしましても相当窮屈になりますので、私どもは案といたしましてはやはり三十万トンをこしらえたいということを希望いたしておりましたが、財政資金として開銀の割当から出ます船舶建造の資金が百八十五億円という大体の見当ができておりまするので、そういたしますと、大体二十万トンくらいのものが建造する場合の財政資金として丁度それに合うのじやないか、そういうふうに思つております。
#13
○一松政二君 今日の海運界の情勢でそれに見合う約三割の市中銀行の融資はこれはお見通しでございますか。
#14
○国務大臣(石井光次郎君) この問題が私どもといたしましては如何なものであろうかということでいろいろ当つて見たのでありますが、これならば三割の市中はついて来るのではないかという大体の見通しはできております。
#15
○一松政二君 そうすると仮に市中銀行が運輸省の斡旋によつて、そういうことが仮に可能であるとお考えになつておるようですが、市中銀行として頗る不健全な融資をするということにはならないでしようか。
#16
○国務大臣(石井光次郎君) それは船をきめまする場合に担保力、その他の村政上……財政上と言いますのは、資金的に見ましてこれくらいならばやれるということを見通しながらやつて来ておる状態でございまするから、野放図に貸すことは当然できない問題なのでありまするが、従つて、開銀におきましても、貸す場合に、これは財政資金であるからどんなところへでも貸していいというわけではないのでございますから、このほうでも十分検討いたしまして、そうして市中銀行も、自分たちがこれを貸して返されることがなくなるようなただでたらめに出すのではないという見通しがつかなければ、貸すことはないと私ども信じております。
#17
○一松政二君 然らば、現在市中銀行が融資しておる元金の払いは殆んどとまつておる、利息も払えないのが殆んど常識のようになつておる。その会社へ持つて行つて同じ種類の、まあ船舶も一つの事業、或いは商品という言葉を使うことはどうかと思いますけれども、そういう同種のものにすでに今までやつておつて、利息も挙らず、早急に芽の出そうな何か事変か戦争でも起らなければ芽は出ないのですから、そういうものに銀行は私は喜んでは融資しないはずだと思います。殊に日銀が高率適用で、これほど口を辛くして締めつけておるときに、元金も払えない、金利も払えない、早急に見込がない、何十年か先に国家が補償するという一つのことだけで、市中銀行はウイリングリーには私は融資をしないのが常識だと思うのですが、そういうところは運輸大臣のお考えどうでしようか。
#18
○国務大臣(石井光次郎君) 市中銀行が、今までの貸金もたくさんありますし、それの元金は勿論、利払いもできないという状態のところにこれから貸して行くということは、これはなかなかできることではないと思いますが、これは利子補給の今の制度がずつと認められまする限りにおきましては、詳細のことは私知りませんが、大体において利子の支払いはできる程度になるようでございます。そういたしますと、今度貸す場合におきまして、市中の銀行が、これは是非とも船会社の信用状態を当りまして、どこまで貸せるか、一軒で貸しておつたのを二軒で貸すとか、三軒で貸すとかいうようないろいろな方法は実際問題として変るかもわかりませんけれども、少くとも今度までは貸せるような様子に私どもは承知いたしておるわけでございます。
#19
○一松政二君 先日衆議院の予算委員会で、河野一郎氏の質問に対しまして小笠原大蔵大臣は、船はまあ十年に一遍ぐらいは当るので、今現在赤字が出ようがどうしようがまあ造りたい、船会社としては国家がこれほどのことをすればこれは当然の考えであるし、私自身もこんな結構な法律が出ておれば、損は国家が補償するし、儲ければ自分で取るのだから、船には十年、十五年の寿命があるし、そのうち一遍や二遍は当るのだから、そして払えなくても船を持つて行く人はありませんから、私はこんな結構な法律はないと思つて甚だ不満に考えたわけですが、現にそういう引合わない見通しの暗いときでも、十年か或いは十年が一年先になるかもわからない、これは総理がよく使うが、変転極まりなき国際情勢でありますから、だから明日が日でもインドシナが重大問題化してアメリカが嫌だ嫌だと言つたつていつ引つ張り込まれるかわからん、そういうことがありますが、結局それはそういうこと以外には、重ねて言いますがそういうこと以外には、船というものは地道に運賃だけではなかなかやつて行けない。過去において非常な蓄積があり、船価が非常に安く英国などはできておりますから、それはどこの船会社ともどこの国とも競争できるようになつておる。そういう行き方でなくして、これは日本の税制も悪かつた。儲かるときにどんどん税金をとつてしまう。これは今日のほかの企業においてもそうでありますが、競争力というものを持たんでこの貧乏な日本が世界の船会社を相手に競争を切り込んで行く。そこで現在の情勢ではどこまで日本が突つ張れるか、日本が突つ張れるまで飽くまで突つ張り通そうという各国の意気込であろうと私は想像するわけです。そこで同じことを政府が繰返してやろうとすれば、一六勝負、十年に一回を当て込んで何ぼ不況が来ようがどうしようが、計画造船をやる限りにおいて私は船会社なり船に関係ある人はこの計画造船に割込もうとすると思う。そうするとやはり今度問題になつておるような事件が将来も考えられる。そういうことに対して、何かこの事件をきつかけに、運輸大臣はこのやり方について何かどうかしなければならん、或いはどういうふうにしようか、或いは現在は今までの通りをただそのまま踏襲しようとお考えになつておるか、その御意見を承わりたいと思います。
#20
○国務大臣(石井光次郎君) 船が今市況が不況の状態であそことは御承知の通りであります。なお小笠原君のこの間申しましたのは、そういうことがよく世間話にはされるものでございますが、そういうことを当てにしてまあ今のうちにやつたらそのうち何とかなるということのみを考えてやつては実際の仕事の上においてはよろしくないと私は思います。で、それならば日本の海運界をどうするか、世界の経済の情勢、海運の情勢、日本のこれからの立場、経済上の立場ということを考えますと、私はどうもやはり船を造つて行かなくちやならない。御承知のように本年は大体海運界で、日本の海運界で稼ぐのが約二億ドルに上ると思うのでございますが、これをしつかり守り、又それよりも少しずつでも進めて行くということにしないと、ドル不足の声が実際的にだんだん大きくなりまして、そうして日本の国際的な経済の立場が非常に悪くなる虞れがあるし、貿易外の収入としての船の収入というものをじつくり考えて行かなくちやならないということは当然のことでございまして、その立場からいたしまして私ども造船を続けて行きたいという念願が強いのでございますが、その計画造船をやるに当りまして、一体どういうふうな方法でやつたらいいかという問題、これは昨年の利子補給、計画造船に伴いまする利子補給の問題が出たとき、当参議院においてもこれにはスキヤンダルが伴わないように、そういうことの虞れのないようにということを絶えず私はいろいろな会で聞いておりました。私もその点を非常に頭においておりました。で、船の決定に当りましても、私どもがそのとき考え得る限りにおいてのこれがまあ一番いい方法であろうというふうな割当方法をとつたのでありますが、非常なたくさんの数の申出がありまして、今度も二十万トンこしらえるとすれば、恐らく又たくさんのものが出ることはお話の通りだと思うのであります。これにつきましては一体どうしたらいいかというと、私どもは昨年の方法は決して悪かつたと思わないのでございまするが、いつもこのあたり少しずつでももう少しこうしたらというものは受入れて行くという行き方でやつて参りました。私が関係いたしましたのはこの九次の前期と後期でございますが、九次の前期の場合には運輸省でずつと調べをいたしまして数多く調べが出ました。それを開銀に渡しまして、開銀が開銀の立場においてこれを調べまして、そうしてこれこれにしたいということで、私どものほうから出した中から選ばれたのでありますから、運輸省としては当然養成したということが九次の前期のやり方でございました。この間の九次の後期の場合は、私は最後的には開銀の……我々のは多く出しておりますから、例えば数をはつきり覚えませんが、十杯きめるのに十何杯出すとか、十五杯とか二十杯出すとかいうような行き方でございましたから、これは及第点だというその中から開銀が選んだわけでございましたが、これは後期の場合には運輸省も開銀も、それからもう一つ私は海運界の情勢を一番知つているのは市中銀行だということを考えまして、市中銀行もこれに参加してもらつて、そうしてこの三つが一緒になつて研究をするというようなことをしたらどうであろうかという案を持出して相談したのでございます。ところが市中銀行がどうも或るものをいいと言い、或るものを悪いと言うと、そういうことはよく話に漏れて出るもので、自分たちは取引先に対して非常に感じを悪くするというのは工合が悪いと、勘弁してくれと、これはどうでしようかと聞かれればそれは結構ですとか、さあそれはお考えになつたら、という程度のことはお答えができますけれども、開銀に参画してもらうということはこれは勘弁してもらいたいということでありまして、市中銀行はどうしても承知してくれません。それで開銀と私どもと一緒になつて相談したらどうだという案を練り出して、ただ一緒になつてやつてもしようがないから、おのおのが調べて、そして持寄つて一緒になつて話をして行くということにしようじやないかということで、大体その方向に副いまして決定をいたしたわけでございます。今度はそれではどういう方法を用いるかということでございますが、私はこの前のときに、もう済んだあとで、ちよつと申しておきましたが、この海運造船合理化審議会がありますので、それに大体の方針をいつも諮問してその諮問の範囲でやつて行くということになつておりますが、これが非常に漠たることがきめてあるのであります。まあどうもそういう会議の性質としてはあんまり細かく入るとやりにくい問題もあるかとも思うのでありますが、そこでもう少し、何と言うか枠を狭めまして、その範囲で運輸省、開銀というような線、或いは今度はできればやはり前の考えのようにして、どんな形かで市銀に入つてもらつてというふうに考えておるのです。そういうようなところで話合いをつけて、これならば貸せる、これならやつて行けると思うのだというものがそこに出て来べきじやないかと、そういうふうに考えております。まだはつきりした線を出していないのでございますが、御注意を皆さんがたからも承わりまして、私どもそういう方法について考えを進めたいと思います。
#21
○一松政二君 大臣は今の計画造船及び利子補給法、或いは損失補償法そういうような一連の法律によつて私どもは船会社は儲け得だと先ほども言いましたから繰返しませんが、損すれば国家が補償をする、儲ければ自分が取るのだと、これは一年限りで言うのじやありません。結局においてその船を所有しておる限りにおいてそういつたような結果になるのじやないかと考えられるのですが、大臣はそういうふうにはお考えにならないでしようか。
#22
○国務大臣(石井光次郎君) 損した場合は政府が今のような場合は補償し、景気がよくなつて来れば儲け得だということは、ちよつと形の上にそう見えるようでありますが、私どももその点を考えたのでございます。それで今の利子補給の制度によりますと、今は払つておりますが、はつきりしたところよくわかりませんが、約一割の利子配当だつたと思いますが、一割の利子配当ができるような、それ以上の配当をするようになれば、利子補給は停止するということになつておるわけでございます。又利益が挙つて参りますれば利子補給はずつと計算的に積まれておるのでございますから、これは利益がうんと仮に出て来るというような時代が来るとしまして、儲かるような場合がありましたらその場合は利子は国家に返納するということになつておるわけでございます。
#23
○一松政二君 それはまあ結局においては……。だからそれは船会社が景気がよくなつて、儲かるような時代が来たときの話で、そのときには私はどんな仕事をやつておる人でも、その債務は債務なんですから、債務が払える状態にあつてそれを払わずに船だけ売つてのけて、債務は猫婆をきめ込むという人はないのです。それは必ず払うと思うけれども、それは払えるようになつてからの話で、そこまではいやしくも事業をしておる者が金を借りて、自分が相当実力がついて、その借金を踏み倒すような人というものは、私は事業する人には先ずないだろうと思う。泥棒以外には先ずない、そういう時節まで持ちこたえられるか持ちこたえられないかということが、事業家の運命を決するのでありますから、持ちこたえられるまでは国家が補償をして、そうして一割配当ということになれば、八分配当しておる分には、何もそういう煩しさはない、いつまでも払わないでよろしいという問題になるわけです。そこで私はつまり損だけは国家が、それもこの仕事のことでございますから、浮沈常ないですから、不況のときに耐える力があるかないかということが優勝劣敗の元なんです。その不況のときは国家の力でこれを支えてくれるわけですから、船会社としてはのほほんをきめ込むのは当り前だと私は思う。それで一体納税者なり国民というものは、私は割切れていないと思う。私ども自身が割切れない。だから余りにも一つの産業に偏り過ぎて手厚過ぎる。そこで私はもう一遍先ほど運輸大臣がドルを二億ドル稼ぐということを申されましたから申上げますが、これは私はドルさえ稼げば日本の労力なり資材なりを何を持出しても、ドルさえ稼げばいいかというと、それは私は当らないと思う。それならば日本の為替を五百円から六百円に持つて行く勘定において、損を覚悟で輸出すれば、幾らでも当座の間輸出できますよ。そうしてドルを稼げば……。私は損失をしながらドルを稼いだつて一つも日本の国民経済からいえば、それは損失の多寡によりますし、それからその期間によりますけれども、概観して日本が損をしながら輸出をするということは、為替を切下げて輸出をしておることと何ら変らない。国民経済からいえば決して得じやない。だから私はドルを稼ぐから、ドルを稼ぐからということは健全なベースにおいてペイング・ベースの上においてドルが稼げたときにおいてのみ、私は言うべきことであつて、損をしながらドルを稼ぐたら出血輸出と一つも変らない。船会社が一航海に二千万円損してもドルを稼ぐからということであれば、それは日本の製造工業がダンピングすれば幾らでもドルは稼げますよ。併しそれは長続きしません。船会社がそういうことをやつておつても私はそれは期間が寝過ぎれば非常ないろいろな問題が起つて来ると思う。でありますからドルを稼ぐから船を造るということは、それはやつぱり一つの制約がある。日本の船を建造すれば、非常に安くてそして日本の産業にもプラスになる、そうしてドルも稼げるということで初めて意味があると思うのです。だから船の建造費が一体世界的に見て競争力に堪え得るほど日本の船のコストが安いかといつたらあに図らんや鉄を一万円も安くやり、いろいろな施策を講じてもまだ高いのです。で、輸出船ができない。そういう船を建造しておつてそれで国際競争力に私は打ち勝てるとは思われない。それを知りながら船を造るところに、船会社は私は今の法律が魅力になつているだけだと思う。あの法律がなかつたら船を造るものはいませんよ、今。従つて今船を造らせようというのですが、国家経済から見て今船を造ることが果して日本のプラスになるのかマイナスになるのかこれはまあ検討の余地もあり、議論の余地もございましようから私も船を造つちやいかんという結論は今直ちに出しかねますからそれは申しません。ただ問題は、いいときはプライベートの企業が取得して、悪いときには国家が補償するのだということは、これは私は国民的に考えても納得が行きかねる線なんです。そこで私は悪いときにも国家が補償するが、併しよくなつたらいいときにはそれの倍も三倍も国家はそれによつて利得をするのじやなかつたら、私は国家として、国家ということは国民大衆のことなんですから、国民大衆は私は持ち出しになるばかりであつて、一つの私企業を不当に助けるという結果に終ると思うのです。で私は計画造船を、これはまあ検討の余地もありましようが、これを国家みずから建造して所有権を国家が持つて、そうして裸用船してこれを公正なチヤーター・ベースで競争入札さして、そして委託経営をさしたらどうなんでしよう。そういうことはお考えになられないのですか。
#24
○国務大臣(石井光次郎君) そういう声も私どもも聞くのであります。例えばまあ好き嫌いにかかわらず、さつき申した市中銀行が喜んで融資するかというお話でありましたが、来年になつたら幾ら何というても市中の融資はできない。そうしたら船を国家で造るか、必要だと国家がいうならば国家が一〇〇%財政資金を出して船を造るより手がないのじやないか。そういう声もあるのです。或いはそういうことに事実上追込まれるかもわかりませんが、今の場合私ども考えますのは、悪いときには政府がやるから、いいときには船会社がいいことになるというのは、これは私もそう思う。まあ併し悪いときは今の状態でありますが、よくなつた場合に八分の配当くらいしておけばいいのたからいつまでもそうやつて利子を払わないほうがいいというようなことは、いい状態になつた場合には、私はそういうことよりも利子補給も支払い、元金も払い、そうして自分たちの利払いというものを少くするというところに持つて行くほうが会社経営としては得でしようからそれは必ずやつてくれると思うのでありますが、そういたしまして自己資金というものが幾らかでもできて来れば、ここに船会社自身も経営も健全になる途ができまするし、それから政府から融資も全部なくなるようなときが来るかどうかわかりませんが、非常に少くなる。又私どもの考えておりますように大体外航船が七割くらい回復したら一段落じやないかということを申しておりますが、そこいらまで行けば政府の融資というものもずつと少くなつていいわけでありまするし、又ずつとその状態が二、三年続いて建造に奮発して行けば、これは数が多くなり傷秀船も出、日本の海運というものがここに一つのしつかりした形ができて、国際海運界において日本の海運界というものがもう押しても引いてもなかなか潰すとか何とかいうような状態じやないというところまで行つたときは、私は世界の市況はそのとき如何であろうと、国際的にも話合いがつきやすく、変なダンピング競争によつてこの機会に弱いものは、一つ潰れるものは潰れろというような行き方の対象に日本がなることはなくなるのじやないか、そういうふうに考えるわけでございます。さて今のお尋ねの政府がこしらえて行くということでございまするが、私どもは政府がこしらえた例はこれは戦時中それに近いような例もあつたのじやないかと思うのでありまするが、どうも今でも考えますと政府が画一的なものをこしらえて、そいつを貸すというようなことは、実際上において船の建造の上の能率等その他において如何なものでございましようか。そういうことも私どもちよつと心配でございますが、どうも役所がいろいろやるというものは私は余り好きでないのでございますが、まあ好き嫌いにかかわらずそういうふうな時期が案外早く来るかもわからんというような情勢も、さつき申すようなわけで、あるのでございますが、只今のところ私は全部政府でやつてという問題はどんなものかと、まだはつきりお答え申すまでの肚がきまつてないのでございます
#25
○一松政二君 私も政府が仕事をするということを好むわけじやございませんけれども、今のやり方は、私は政府がするより悪いと考えておる。政府がすると申しましても、建造だけをするのであつて、建造の金を出して、そうして造船所が造れば、もう運航できるようになつたらすぐそれはチヤーターするんですから、裸用船にすればそれは借手は幾らでもある、それはオペレーターに委して置けばいいのでありますから、そう大した私は工夫もかけずにやり方はあると思う。それならばいいも悪いもそれは国民の負担、国の負担でございますから、今のような私は利子補給法やその他の損失補償法やなどの非難は少くとも免れることができるし、それから私はどんな法律を作り、大臣が如何に御心配になつても、今のようなやり方を続ける限り、これは人間がやるんですから、私は完全無欠なことは、先ず人間がやる限りにおいて不可能だと申上げたい。若しそれが可能だとおつしやるならば、神様みたいな人間ばかりが寄り集まらなければできないことなんです。そうしてそれは民間がやる限りにおいて、もういわゆる俗に言えばあの手この手というので、それはもう熾烈な運動、競争が起つて来る。それは犯罪覚悟でどんどん進んで行きます。そこまで行かなければこのせちがらい世の中で勝ち抜くことはできないのです。必ず私はそういうことが起つて来る。然らばそういうことも起らずに、国民的疑惑も招かずに、ガラス張りの中で、ひとり船会社に利益を与えるのじやない。併し日本としてはこれだけの船腹を持ちたいから、丁度或る意味において軍艦を建造すると同じような意味になるので、軍艦は稼ぐわけではありませんけれども、国防上必要だ。船も、国防のときには無論第一線で活躍しませんが、そうでなくて日本の経済を、日頃の国際的経済戦に勝ち抜くために日本の船が必要だと皆さんがおつしやつているはずなんですから、それを国家が建造して悪いという理窟は私は必ずしも当らない。私は、そういうことはいいというわけではございませんが、今のようなやり方をしておるなら、むしろそうやつたほうがきれいさつぱりと行くのじやないかということを申上げたい。それから国が船を仮に造るならば、船価というものを考慮において船を造らない限り、船価がものをいいますから、日本の船価が物くついて、そうして而もこれから先は上るのだ、或いは又下るのだという、下るような場合には、これは造船を手控える。それから上る場合、もうこの辺が底だと思うときには船を造るのが言うまでもなく私は常識だと考えるのです。不況になれば造船も減るのが今までの例で、第一次大戦争のあと約十年間というものは、船会社は血みどろの闘いをし、門前雀羅を張つたいわゆる造船所がたくさんあつたのですから、この世界を挙げての戦争の後始末において、日本の造船所が一体現在までに、もともとしつかりした造船所で整理されたものはないだろうと思いますが、ありますか。
#26
○政府委員(甘利昂一君) 昔からあつた造船所で、会社全体としても整備されたというものはございませんですが、ただ経営者が変る、或いは内容が変つたものはあります。富山にあります日本海重工、これは一応閉鎖いたしております。それから戦時中非常に活溌に動いた川南造船所、これも一昨年あたりから閉鎖の状態になつております。それから戦時中海軍が建造しました造船所は大部分閉鎖しております。例えば川崎の泉州工場であるとか、そのほか四、五件ありますが、そういうものは閉鎖いたしております。併し戦前から相当長い間続いておる造船所で現在閉鎖しておるものはございません。
#27
○一松政二君 今の川南なんというのは例に挙げる必要もない。松尾造船所で一偏整理されて、川南君がこれを買つてやつたのですから、あれは又ひどいことをやつて非常に問題にもなつておりますけれども、ともかく造船所の船価ですね、いわゆる計画造船をやる場合の船価が非常に問題になる。その船価が安くなかつたら国際競争には勝てない。この船価を安くすることにおいて、ただ私は鉄板を特別に安くさせるということをされていますけれども、造船所自体としては、これは今日のようなやり方を以てすれば、極端な言葉かも知れんが、政府の計画造船だけを眺めているのじやないでしようか。運輸大臣はどういうふうにお考えになりますか。造船所がつまり計画造船だけを当てにして、計画造船があるから、あるからと思つて非常に私が言うのは気が弛んでやしないかというわけなんです。不況に対処する従業員なり重役が計画造船を当てにして、なすべきこともなさないで……なすべきことをなさんと言つちや語弊がありますが、まだ打つべき手もありそうなものをやらずに来ているということはお考えになられませんか。
#28
○国務大臣(石井光次郎君) 私は、この計画造船が年々こうやつてやられる問題になりますと、今のお話のように、安易に馴れてはならないということが一番の問題だ、特に造船所にも、それから海運会社にも、私、何遍も一番言つた問題は、この経営の合理化をして、そうして造船所では船価をもつともつと下げるような努力をしてくれなければ困る。ただ鋼材が鋼材がという声が非常に盛んでございましたが、鋼材もそうである、併し鋼材だけが全部ではないので、君らのほうの会社の内部の合理化をもう少しやれということは皆んなに申しまして、皆んなもそういう気持で、こうやつております、ああやつておりますということを言つておつたのでございまして、私は、その点は相当いい状態になつているんじやないかと思うのでございますが、船舶局長から少し申上げます。
#29
○政府委員(甘利昂一君) 先ほど大臣から御答弁になりました通りでありますが、ただかねがね申し上げますように、大体船価の七割が要するに造船所の購入費になりますので、その購入費、例えば鉄板を初めいろんな製品の価格が、一般に外国に比べて高いということが日本の船価全体を高くしている主なる理由であります。従つて残りの三〇%について、それでは造船所はどれだけ努力しているかということですが、これは例えば今度の計画造船の第一回と言いますか、外航船を造り始めた第五次船の場合と第九次船の後期の場合、例えば鋼材の使用数量がどのくらい減つているかと申しますと、これはやはり一〇%も減つております。それから一総トンを造るのにどのくらいコストがかかるか。これは第五次船の場合を一〇〇といたしますと、九次船の後期においては七六・八、つまりコストの面においても材料の使用面においても減つております。従つて造船所自体の合理化は相当できているが、船価の大部分を占めるものが高いということが一番大きな船価高の理由じやないかと考えております。その一つのいい例といたしまして、日本の船価が非常に高い、欧州の船価に比べて、船によつて違いますが、一割から二割高いということであります。これらも分析して見ますと、やはりそういう材料費その他の製品費が非常に高いのが主原因でありまして、コストの点、或いは賃金の点等においては決して日本は高くないのであります。従つて今お話のありました鋼材につきましても、大体イギリスあたりに比べましてトン当り一万四、五千円高い、特にそのうちの一万円は、日本だけに課せられている特殊の規格料である。その一万円のうちの七千五百円今度引いたが、それがどのくらい影響したかと申上げますと、あの措置が講ぜられる前、昨年の四月から八月までに輸出契約のできた船が、トン数で約百十総トン、金額で約三十四、五万ドルでありますが、あの措置ができた八月中旬以降今年の一月末までに契約のできた船が八万八千総トン、金額にして約二千七、八百万ドルと思つておりますが、三千万ドル近くの契約ができております。恐らく今年度末までにはこれが十二、三万トンまで行くのじやないかと、こういうふうに考えております。従つて造船所が船価の低減について相当努力しておることは私たちも認めておりますし、なお我々が各計画造船をやるたびに一応の目標船価というようなものを掲げておりますが、これらもあらゆる面を考慮いたしましていつでも低目、低目とやつておりますので、自然それに引摺られて、その他造船所内の間接費ですか、こういうものも逐次下つて来ておりますので、現在としては決して外国に比べて日本の船価がいろいろな材料費を除いた以外のものにおいて高いとは決して思つておりません。
#30
○一松政二君 ついでだから船価に関することですから伺いますが、岡田海運局長は昨日の衆議院の決算委員会か何かでリベートの問題を、新聞の伝えるところですから正確かどうかわかりませんが、御存知なかつたという御答弁のように新聞では報ぜられておりますが、それは御存知なかつたのですか、一応ちよつと伺つておきます。
#31
○政府委員(岡田修一君) 私どもはそういうことは行われていないというふうに信じております。
#32
○一松政二君 私はそれは行われておつても差支えないし、むしろこういう計画造船みたいなことであれば当然行われるだろうと私は想像しております。それから私はこれは保険料について、保険料についてもあり得る。やはり保険料についても普通の概念から言えば事故がなかつたら無事の割戻しというのが一割くらい過去においてあつた。私は今現在は自分がそういうことを鞅掌しておりませんから存じませんが、損害保険には無事戻しというのが一割くらいのものが常識であつたわけです。ただ今リベートの問題が頻りにやかましく言われておりますけれども、これはリベートが正式に会社の経理に入つているか入つていないかというだけの問題であつて、これが商習慣上リターン・コムミツシヨンなりコムミツシヨンは差上げてもこれだけ勉強いたしますというようなことは商習慣上何でもないことです。それは会社の帳面上ちやんと載つて、それだけ船価が低くなつておれば何ら問題とするに足りない。問題はただそれがどういうふうに使われたか、それから殊に計画造船のような場合には船価と偽わつて、船価が一割高くなつたと偽つて財政資金なり、或いは市中金融を引き、それを基にして今度は補償を受けるとか、いろいろ国家の恩典にその基の、基礎数字に意識的な誤記をしてそうしてそれが基になつていろいろなことに波及して行くところに私は問題があるだろうと思う。リターン・コムミツシヨンそれ自体というものはこれは私は商習慣上別にあつたつてなくたつて問題はない。ただ会社に正当に入つているか入つていないかということが問題になるというだけのことです。今日伝えるところによればそいつが入つていないわけです。入つていないから問題になるわけです。入つていないとすればたださえが高いところの船に造船所としては更にそれから一割をコムミツシヨンと言いながら献金したような、自分が献金したのじやなくても献金の仲間に入つたようになつて問題を醸しているわけです。私は検察当局じやないのだからそれをそれから先に立入つてあなたがたにどうということを申上げたくはないし、そういうことを考えてはいませんけれども、ただ日本の船価が仮に外国の船価と比べて高いじやない、高いじやないだけじや駄目なんです。日本の今の造船界というのは安くても輸出船が受けられなかつたら、私は造船所としてもつと今の造船界を、合理化々々々ということを頻りにあなた方はおつしやいますけれども、合理化というやつは直詰められて初めて合理化ができるのであつて、船会社を今日のように甘やかしておいて合理化なんて言うのはそれは木に縁つて魚を求めるようなものです。血みどろの闘いをして初めて合理化ができる。そういう出血があつてこれが社会問題或いは労働問題にもなる。大体誰一人として職工一人でもやめさせたいと思う人は、よほど悪い人でない限り私は経営者として職工をやめさせることを平気で考えている人は特殊な人でない限り一人もないと信じます。けれどもどうしても会社はやつて行けん、こうするよりほかに行く途がないというのでそういう問題が起る。ところが損したかつて何したかつて、今のような法律があつて大した痛痒も感じないのです。先ほど運輸大臣は少しよくなつたら一割配当するだろうし、国家から厄介になつているだけは払うだろうというけれども、私はそれは頗る善意な御解釈だと思います。借金はするときにはむずかしい。それが今度は要るときにはなかなか貸してもらえないから、今日のように金融が窮屈になつておれば借金を払うのは最後の最後の一番あと廻し、そうして自己が金を持つておれば借金にしたつて自分の持つているものは自己資金ですから、そうして船価も引下げてノミナルな船価にしてしまつて、利益の隠しどころがなくなつたら国家の恩典をそれじやそろそろ一つ返そうかという気に私はなると思う。それはだから私はよほど好景気が或る程度持続して、船価も安なくりもうこれなら金輪際大丈夫だというところまで行かなければ、国家から受けている恩恵を私企業がウイリングリーにそれを返して行こうという篤志家は、私はまあ絶無とは申しませんが、めつたになかろうと思うのです。今の方法は私は何とか考え直さなければならないので、それこそ石川五右衛門の例と同じことになる。だからそういう憂えのあることは何とかやはり国家としても考えるべきじやないか。そうしてそれが国民の疑惑を解く一つのゆえんにもなると思う。同じことを繰返しておやりになるにしても、船舶のあの調整法を論議したときにも、あれじや基準が問題にならんからということで私はこんな法律はないほうがいいということを申上げたので、今度の建造許可を与えるに際しても、立法上はあの法律には資金のことは一言半句も謳つてない。ところが実際の審議に当つてはそれによつて、それを非常に重要視して、そうして許可をしているとか、私はあの法律がら言えば資金の有無というのは問題にはなつていない。それを運輸省自身が自分で法律を出しておきながら法律違反をあえてやつているところに私は非常な不満がある。で、今の司直の手で非常に明白になつたといつても、こういうデリケートな汚職とか疑獄事件というのは司直だけで明白になるものじやない。絶対に国民はそういうものに対して朗らかに割切れた感情でそうであつたかという気になるものじやない。それは又法律にもしばしば申されるように限度があるのです。でありますから、私はそういう禍根を残す法律なり行政措置はこれはやはり考え直したほうがいいということを申上げておきますが、更に私は今の造船所のことについて運輸大臣に基本的にお伺いしておきたい。造船の船台が空くということについて、運輸省はかなり焦慮されておるのじやございませんか。
#33
○国務大臣(石井光次郎君) 造船所の船台の空くことについてでございますね。造船所の船台は、御承知のように計算的には年に八十万トンぐらいを造るだけの用意があるということを言われるのでございますが、できればそれが六十万トンぐらいに確保されれば、造船というものはよほど有効に動いておる状態だというようなことも聞くのでございます。計画造船が、本年度は前のを引継ぎまして、合せまして二十五万トン、外国からのものが仮に年度末までに十数万トンとしても、まだ四十万トン足りない状態であります。従つて一時休業状態の所もできておるということでございますが、私どもとしては、日本の造船というものは、世界的に非常に日本の造船技術というものを高く買われておるということを聞いておりまするし、これが普通の世間並みの値段になり、或いはそれより以下になつたならば、相当な造船の申込が外国から来得るのではないかということを考えますと、何とかしてそういうところに造船の価格を持つて行くようにいたしたいというようなことは非常に念願しておるわけでございますが、今の空いておりまするところを考えまして焦慮するということまでではありませんが、年中これを頭においておることは事実なのでございます。私は、昨年非常に外国からの注文が、だんだん船が上つて行つてしまいまして、あとは注文がないというようなときに、造船業界は非常にあわてた形でございました。そういうふうなときに、いろいろ聞きますると、戦争前後でございますか、非常に船会社が戦争の直後の頃のことでございましよう、どうにも造船所が動けないような場合におきましても、船会社は陸上でやる仕事のほうをできるだけとつて、大きな仕事のできぬ所は、極端に言えば下駄をこしらえておつた所もあるなどという笑い話のように伝えられる事実もあるようでございまして、そういうようなことをしてどこも持ちこたえて来ておるようであります。会社によりましては、陸上のほうと海の造船とどちらが大きいかわからんぐらいな所もあるようでございまするし、事実上において船が今以上に悪くなつたら私は困るだろうと思いまするが、今の程度でありますれば、造船所も息をついて行けるという状態ではないか。そういう点からいたしまして、本年度の外国の注文が十数万トンになりそうだということは、これから先もだんだんと注文が続き得るのじやないかというふうに考えまして、造船業界に対しましては、私は焦慮をするというほどまでの心持ではないわけであります。
#34
○一松政二君 船舶局長にお伺いしますが、昨年度の日本の、これは大体標準型を基準にしていいんですが、計画造船の船価と同じ性質のような船で、外国に輸出した船と船価の開きはどういうことになつておりますか。
#35
○政府委員(甘利昂一君) 今お話の同型船で比較するのはなかなか困難でありますので、例えば一番輸出船として多いデツド・ウエイトで二万トンぐらいのタンカーを比較いたしますと、別段船価としてそう開きはないと思います。ただ一般世上に伝えられるところを見ますと、輸出船は非常に安いけれども、内地で造る外航船は割合高いんじやないかということも聞きますが、これは御承知のように、輸出船については、船主支給品と申しますか、船主かこういう無線器を付けてくれ、或いはここの会社のレーダーをつけてくれと、そういう船主支給品が非常に多いのであります。これらが船価から引いてありますので、見掛けの船価は一応安くなつておりますが、これを適当は価格に見積つて比較いたしますと、決して輸出船と内地船との間にそう大きな開きはない、こういうように考えおります。
#36
○一松政二君 それは誠に結構なお話と承わるのであるが、若しそういう船舶局長の言うことが事実であるならば、もつと輸出船がどんどん出るはずじやないんですか。なぜ輸出船があれほど引合がたくさんありながら、日本の船価高によつて輸出ができないという悲鳴をどうして聞くのですか。
#37
○政府委員(甘利昂一君) それは船主のほうで非常にコストを、要するに何といいますか、支給品も全部入れたものですね、船価を非常に安い値段で持つて来ます。それは現在の引合の値段は、大体普通のコストより、むしろ市場の運賃に支配されまして相当コストを割つたような値段で持つて来るわけです。従つて内地の造船所としては、コスト割れの船価でそれを取ることが非常に困難だということが主なる理由だと思います。ただ一方、先ほどお話がありましたように、船台或いは工員のアイドルを考えますと、この際内地船だけに依存はできないというので、大きな造船所において或る程度の低い船価でもこの際取つておくべきじやないかというようなことで取つておるのもあります。ただ鋼材の補給ができたために、それが比較的やりやすくなつた、それだけで取つておるわけではありませんが、それを中心にしていろいろ努力した結果、どうにか取れるようになつた。勿論現在取つておりまする輸出船の船価は、一、二年前に取つた船価より遥かに安いんですが、従つて或いはコスト割れじやないかというふうなことも聞きます。が、現在取つておりまするのはコストすれすれか、或いはそれを少し割つておるような状態であります。で、このコスト計算も一応机上でやつたコストですから、現実にこれだけの船価でこの船を取つておるということで、それを各シヨツプごとに、それではお前のところはこれだけの価格でこういう工事をやれ、或いはこれだけのコストでこういう工事をやれというふうな一種の予算の割当のような制度をとつて、各シヨツプごとに競争させるというようなことをやれば、恐らくどうにかこうにかこれだけの船価でやつて行けるんじやないか、こういうように考えております。
#38
○一松政二君 最近輸出した船で、砂糖の輸入権とリンクして作つた船があるはずだと思いますが、それはまだそういうことにはなつておるが、実現していないということでございますか。或いは砂糖の輸入権をやつて、損失の半額補償というやり方によつて輸出した船が何隻かありますか。
#39
○政府委員(甘利昂一君) 今までまだ契約したやつはありません。ただそういう引合があつて話中のものは四、五隻ございます。
#40
○一松政二君 そうするとその場合に、今の砂糖の輸入権によつて、一応、私は法律上の根拠はよくこれは存じませんが、行政措置として通産省でやつておるようですが、その場合に、通商局長の話によれば、大体半額を補償して行くという建前のように伺つておるんですが、そうすると結局一割か二割の赤字を承知の上で輸出の注文も取ろうとしておるか、取つておるのが実情ではないのですか。
#41
○政府委員(甘利昂一君) 今一松委員のお話は恐らくこういうことじやないかと思いますが、例えば今まで輸入しておつた砂糖がトン当り百十五ドル、ところが今度のキユーバ糖が八十五ドル、そこに三十ドルの開きがある、その差額の約半分をコンペンセートしよう、それによつてまあ輸出のできがたいものを補つて輸出しようじやないかということでありますが、船のほうはそこまでコンペンセートしてもらう意思はありませんし、恐らく通商局長との先般来の話では、せいぜい四、五ドルくらいということを言つております。従つてまあその程度のものであれば我々としても受けてもいいのじやないかというふうに考えておりますが、又一方、この問題についてはもう一歩進んで考えるべきことがあると思います。それはどうしても両方の価格の差が激しくて輸出ができないというものについては、こういう砂糖のようなもの、臨時的なものであると思います。恐らく長続きするものとは思いませんが、こういうものでテンポラリーに輸出するということも或いは一つの即効的の方法かも知れませんが、船舶のほうは、従来とも相当輸出の実績を持つておりますので、この際こういう方法によつて著しく船価を下げた値段で引受けることは、業者としては恐らく、補償してもらいますから損はしないにしても、外国に対しては非常に安い船価で引受けるような形になりますので、こういう低い船価を示すことは、今後の普通の場合の輸出について非常に不利益ではないかというふうな声も業界に起つておりますので、この点については、我々もほかのものと違つて商船の輸出の実績のある船については、いろいろ考えなければならんのじやないか、こういうふうに考えております。
#42
○一松政二君 船舶局長に更に伺いますが、過去三年、四年前の輸出船を日本が引受けているときは、日本の船価が安いというよりもデリヴアリーが早いので、高いのだけれども非常に市況がいいから早く稼げる、稼げるからそこで高い日本船でもデリヴアリーの点でアトラクテイブであつたために、私は注文を引受けられたのだと思うのです。今のような不況な時代に、そうして世界的に競争が熾烈になつている場合に、私は日本船はもうデリヴアリーの早いということは魅力がなくなつてしまつている。本当に船価の血みどろの競争で、これは船会社が競争していると同時に、造船所も世界的に血みどろの競争でなければやつて行けない。そこで古い例をしばしば私は引きますけれども、大正の末期から昭和の初めにかけては、殆んど船会社といい、造船所といい、一年、二年、或いは三年は赤字を覚悟でみんな経営して、赤字でやつておつたのです。今何かと言えばすぐ出血だ、赤字だと言つて大騒ぎをしますけれども、会社はいい時にそれを蓄積して悪い時に備えるのが普通なんです。終戦後の日本のように、いい時には飲んだり食つたりしてしまつて、或いは税金に取られてしまつて、悪くなつたら国家が国家がと言う、これがもう日本のひとり造船や或いは船舶だけじやございません。殆んどそういう風潮が漲つておる。どこからそれは私は来ているかと言うと、それは役所が余りにそういうことについて甘過ぎるからだという感じがしているわけなんです。どうしてもみずからそういう経営というものを切り開いて行くべきものであつて、役所はただ行政上支えられる程度において、国民の租税負担とか何とかいうことじやなしに、ただ役所の行政上注意を与えられる程度において、そういうものを指導をしてやつて行くという根本的の考え方にならなければ、私はもう丁度アメリカで今例の余つた農産物を国家が買上げておつて、そうしてそれを持て余しておるのと私は似たようなことになると思う。造船所にしても、ああしてくれ、こうしてくれ、船会社にしてもああしてくれ、こうしてくれ、古い船会社におつた人は追放、その他今の関係者と違いますが、見ちやいられないんだということなんです。五年も十年も殆んど月給が殖えていないで、そうして又洋服も古いので辛抱して、そうしてその不況を切り抜けて来ているわけなんです。それらに言わせると、今の船会社の重役どもは見ていられないと言うておりますよ、現に。そこで国民が割り切れないわけなんです。そこで私は役所が、なぜ先ほど造船所の問題について、船台のことで殊に焦慮しておられるかということを運輸大臣に聞いたのは、実はこの問題なんです。造船所は造船所自体が心配すべきものなんだ。国家が造船所のことまで心配したらきりがございません。それは全然心配するなとは言いませんよ、これは行政指導の職務があるのですから。けれども、その損益問題や、その経営の上において役人や役所がそれを一々心配し出したらいいことは一つも言いやしませんよ。いいことはみんな自分たちが仮にしておつても、それを悪いことだらけで、ああもしなければならん、こうもしなければならんということを言いますよ、企業家は。そこで常々私はこの運輸委員会に来てからの感じでは、運輸省の法律案を見ると、余りに世話を焼き過ぎるのじやないか。何もかも統制統制で運輸省の匙加減或いは行政の仕方でそれが左右される、こういうあり方では私はよくないと思う。もつと運輸省は、それはものによりけりですから、全部とは申しませんが、もつと自主性を持つて、世話を焼かずに済むような方向に考えるべきじやないかというのが私の主張なんです。何もかもただ自由放任ということを言われますが、レーセー・フエーアの信仰者でもなければ何でもないのですけれども、世話を焼けば焼くほどますます世話を焼かなければならんことが多くなつてしまつて、そうしてその最後にはそれを国民の税金で処理するという結論に陥る場合が非常に多い。で、造船所もなぜ私は船価のことを言うかというと、つまり損だけれどもやらなければ丸々赤字になるんだ、職工を遊ばさなければならん、賃金丸出しになる、丸出しになるからレイ・オフで六割やるか、それよりもこの注文を取つたほうが損失が少くて済むかという、そこまで行かなかつたら事業の不況に堪える経営などできるものじやないのです。それは大正の末期から昭和十年頃までのあの血みどろの経験に乏しいんです。今の役所におる人間は全然経験がありません。それから今の船会社なり今の造船所の重役連中なども、その頃の経営の掌に当つた者は一人もおりません。従つて考え方が実に甘いんです、我々から考えると。そこへ又役所が乗つてその甘いものに輪をかけるようなやり方をするから、私はそういうことが造船疑獄を生むやはり原因になつておると思う。不況にはおのずから自分で不況に堪えるだけの覚悟で、私がなぜ先ほど造船会社の潰れたもののことをいうかというと、御覧なさい、繊維業者にしても、商社にしても随分たくさん潰れておるではございませんか。それはただこれが潰れないで合理化合理化を叫んだつて合理化などできつこありません。これはいけないものはどうしてもいけないようになつて来て、これはどうしても合併するよりしようがない。銀行が仲介するか、或いは借金の整理でそれは系統的に初めて行われるのであつてどうにかこうにか申訳をしながら息がつなげるような状態では、幾らあなた方が理窟で合理化を叫ばれましても、私は合理化はできないと思う。そこで私は、ああいう輸出のぼろ船の船会社に対して利子補給までしておることに対しては、私は今日でもむしろ忿懣を感ずるわけです。そういう甘やかした行政は、これは何とか一日も早く考え直して欲しい。そうでなければ結局、かわいい子に旅をさすという言葉があるのですが、余りに支那事変以来のいわゆる統制精神がずつと行つちやつて、すべてが国家依存。国家依存ということは大衆に依存していることです。国民大衆の税金によつて何とかしようという考え方なんです。これは何も船に限つたことじやありません。殆んど日本全国民がそういつたような形になつておりますが、これでは国家再建など及びもつきません。幸か不幸か、ともかくこういう疑獄事件が起つて世上の顰蹙を買つておるのですから、運輸省としては、もつと大局的に、この機会において禍いを転じて福となすという方面に何らか私はお考えを願いたいと思うのです。もう十二時四十分になりましたから、そういう私の考え方について運輸大臣の所見を一つ承わつて、あとは他日に留保して、今日はこれで私の質問だけは終りたいと思います。
#43
○国務大臣(石井光次郎君) この計画造船に関連いたしまして、いろいろなお声をあちらこちら私どもも承わつておるのでございます。今の行き方が果していいかどうかという問題につきましても、さつきも申上げましたように、もつと今の行き方を続けるにしても改むべきもの、もう少しよくする方法が考えられんかという問題もありまするし、いずれにいたしましても、お話の役所が甘過ぎやせんか。結局そういうことがだんだん甘やかしになつて、次から次にと甘やかすことになつて行くということは、誠にこれは厳に戒しむべきものでありまして、造船所にしましても、海運会社にいたしましても、自分たちの力で道を切り拓いて行くということが、これはもう当然の私は行き方だと思うのでございますが、この船会社そのものが戦争のためにひどいことの結果になつた。自己資本というものが戦時特別補償の恩典に浴することができないままに、而も一方は日本がどうしても海運をできるだけ元に近く回復させたいということの熱意が固まつて、今日のところまでだんだん来たのでございます。やり方につきましては。それから又考え方につきましても、もつともつといろいろ突き進んで考えるべきときだと思うております。御趣旨をよくくみまして、私どもいろいろな面を再検討いたしたいと思います。
#44
○一松政二君 もう一言。今の戦時補償法の打切り、その他によつて船会社が迷惑とか、損失をしたことは事実です。併しながらそれは国民の各階層を考えれば、それはとても枚挙にいとまがございません。ひとり船会社だけではございません。ただその場合に考えなきやならんことは、その損をしたのは株主なんです。ところが今日では船会社の実態というものは殆んど変つてしまつているのです。経営者も変つておれば、株主も変つてしまつて、ただみたいな株になつてしまつた場合は株主が全部損をしたのであつて、株主は、名前は名前だけれど、損をしたのは、分析して見れば、それは変つた人が損をしておつて、現在の船会社の株主が損をしているということは、これは実は検討の余地があると思う。でありますから、その補償法の打切りやその他は、まあ一応船会社は一番それを言うております。言うておりますけれども、これは私は一応、全然考慮するなとは申しませんが、それによつて何か非常に埋め合せるようなことであるとすれば、これはほかに、私はそういうことを船会社にだけ言うたのではよそから問題が出る。随所に起つて来ると考えているわけです。いずれにいたしましても、再び私は大臣の御答弁は求めませんが、いずれにしても、何とか国民の納得の行くような、そうして本当に国の再建ですか、或いは海運の再建ができるためには、先ず船会社或いは造船所に従事している従業員及び重役、この経営者の頭が今よくなつたとは申しますが、或いは世間を多少はばかることもありましよう。ありましようけれども、血みどろの闘いをした人は経営者の中には殆んど先ずないでしよう。今の人が経営者になる頃はまだ非常に若いのですから、伝え聞いてはおりますが、体験者が非常に少いわけです。でありますから、そんな生やさしいものじやないのだということを私は体験させる必要があると思うわけです。そこまで行かなかつたら、直りません。でありますから、今後の施策の上においても、ただ所管事項だけかわいがらなきやならんという立場からだけじやなくして、かわいい子に旅をさせる。親が躾をするくらいな考え方で、私はこの禍いを転じて福として頂きたいと考えます。今日はその程度で私の大臣に対する質問は終つておきます。
#45
○大倉精一君 それでは関連してちよつと質問をしたいと思うのですが……
#46
○理事(重盛壽治君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#47
○理事(重盛壽治君) 速記をつけて。
#48
○大倉精一君 それでは時間がないようですから、具体的な質問は保留して次の機会に十分質問さして頂きます。が、ただこの問題は、十六国会においてこの委員会において審議もされたことであるし、今後の海運政策なり、或いは運輸省関係の政策なり、こういうものの審議の上においても非常に重要な問題だと考えますので、この委員会においてやはり十分に徹底的にこれは究明する必要があると思います。そうしてその真相なり或いは原因を突きとめて責任の所在を明確にして、そうして将来の対策を考える、考究するという責任がこの委員会にあると思いますので、委員長も将来そういう方向で一つこの問題についての審議をお諮り願いたいと思います。ただこの問題に関する法律の審議をむし返そうという意思は毛頭ありませんで、ただこの法律が成立する際に、我々も反対したものなんですが、大体こういううまい法律ができれば必ずこれに伴つて猛烈な利権運動が伴つて来る。そこに非常に明朗さを欠く虞れが多分にあるということを我々は予測しております。従つて参議院の本委員会におきましては、附帯決議をいたしまして、政府も指導監督を十分にせよと、こういう決議をしておつたわけなんです。ところがやはりこの問題に対するところの利権運動というものが伴つて非常に大きな問題を派生したのですが、私はここで大臣にお伺いしたいことは、一体運輸省その他の関系方面とおいて、どういう方面からどんな所へどういう恰好の運動が行われたかということを大臣おつかみになつておつたかどうかということを一つ伺いたい。
#49
○国務大臣(石井光次郎君) 造船の割当の獲得運動のことですか、ちよつとお尋ねの……。
#50
○大倉精一君 そうです。
#51
○国務大臣(石井光次郎君) これは私どものほうに六十ぱい前後のものが申込があつたのでございますから、私どもの造るものに比べまして非常に数多いのでございます。これに対しまして、私だけの問題ですが、その船会社とか、或いは造船所の分は余りどの船ときまつておるわけじやありませんから、ただ漫然と是非頼む頼むというようなことは殆んど皆、私は余り多くて記憶いたしておりませんが、来ない人も勿論あつたと思いますが、まあ随分その時分は役所にも押しかけられたということを思つております。
#52
○大倉精一君 これは非常に重要な問題と思うのですが、衆議院のほうの大臣の答弁、或いはその他の答弁を聞いておつても一向に知らなかつたとか、或いは寝耳に水というようなことであつたようなことに記憶するのですが、実はこの法案が通つたあとで参議院会館におつた場合にも、いろいろ各方面の市長さんまで動員されて、そうして非常に猛烈な運動をやつておられた。そういうことを聞いておりましたが、この指導監督に当られるところの大臣としては、恐らくこういうような状況なり、或いは動きというのは、これは大体つかんでおられなければ指導監督の役目は果せないと思うのですが、その点は全然こういうような、どういう所からどこへどういうポイントに向つてというような、そういうことについて全然御存じなかつたかどうか。
#53
○国務大臣(石井光次郎君) 私はこの問題に限らず、運輸省というところは御承知のようにいろいろな仕事があるものでありまするから、全国的にいろいろ引つかかりがあり、鉄道、バスその他でいろいろやはり地方的にも関係があると見えまして、我々は造船業者或いは船舶業者、海運業者というようなものだけかと思うと、今お話のように各地方の造船所のあるところの人たちも出て来たというようなことで、見えたことを覚えております。
#54
○大倉精一君 どうも運輸省はいろいろな関係があるので、各方面からそのような動きがあると思うのですが、特にこの造船関係については、やはり昔からそういうような一つの動きが慣例的になつておる。而も今度のこういう誠にうまい法律ができた、こういうときに当然そういうような一つの悪質とも言えるような運動が展開されるということは当然予想されて、そういうものを防止して適正にこれを運営するというところの指導監督の方針というものがなければならんと思うのですが、特にこれは造船関係については従来から非常に莫大な運動資金も出しておるし、或いは又莫大な政治献金も出ておるし、而も交際費も非常に派手な莫大なものであるというようなことを聞いておるのですが、そういうような運動に対して特に一つ注意を払わなければならんじやないか。特に衆議院のこの決議にも、特に政府も指導監督を厳重にされたい、こういう附帯決議がある。この問題に対して、特に数多くの運動に対する陳情運動の中で、この問題については目を光らせて大臣としては注意をしなければならなかつたのじやないかと思うのですが、その点はどうでしようか。
#55
○国務大臣(石井光次郎君) 私はさつきも一松君のお尋ねに答えましたように、今度の造船を決定するに当りましては、さつき申上げましたような方法をとつたわけでございますが、そういうことをきめることも、皆の前で誰が見ても尤もだというような決定をすることが第一だということを私は考えました。それで運輸省、開銀、市銀というようなところの人たちがたくさんの知識を集めまして、それによつて決定すると、まあ運動が幾らありましても、それを聞いておりますれば、皆聞いていなければならないのでありますから、結局ないと同じことであります。私の気持としては全然運動には支配されておりません。これははつきり申上げておきますが、たくさんの人が見えまして、たくさんの人からいろいろなことを聞きますが、承わつておりますと、その大部分の人たちは、まあこうこういう自分のところには利点がある。私の町にはこういうことをしてもらわなければ、これだけの民生の上に影響するとか、いろいろ理窟をおつしやる。それは皆御尤もなことが多いのでございます。ともかく数ある船であるし、そして我々は、今皆さんのおつしやる通りの立場においての造船でございます。国の資金、国家の税金を利子補給をするというこの大きな問題が前にあるのでありまするから、私たちははつきりと筋の通つた線で造船を決定するという以外のことは何にも考えてやいません。
#56
○大倉精一君 少し質問と的が外れておるように思うのですが、併し今運輸大臣のおつしやつたように、その通りに行つておればこんなものは起つて来ないと私は思う。ところが運動に支配されておる人がある、運動に支配されておる人があつて、こういう問題が起つたのであつて、その運動に支配されるということについて、大臣は十分に、その支配されないように、みずからも支配されないのは当然でありますが、その衝に当る人がそれに支配されないように指導監督をする重大な責任があると私は思う。それで今私が聞いておるのは、どういう方面からどこにどんなふうに運動があつたかというその動きをつかんでおられるかということですが、どうもこれはお答えが得られないようです。ただ先ほどいろいろ決定の方法についてお話があつたのですが、その中に例えば運輸省は運輸省として、開銀は開銀として案を作つて持ち寄つて、或いは第九次の前期のほうでは運輸省のほうで調査し、開銀で更に調査し決定すると、こういうお話があつたんですが、この運輸省で決定される場合に、これはどういうような手続でどこで決定されますか。
#57
○国務大臣(石井光次郎君) 海運局と船舶局でそれぞれいろいろな立場から研究をいたしました結果、いわゆる事務当局の一つのラフな案が出まして、それを私とか両次官と関係の者が、課長以上までですか、まあ運輸省で言えば十数人おりましたですか、まあそういうふうな会議で何度か話合いをして候補者をきめたという状態でございます。
#58
○大倉精一君 そうすれば、やはりさつきも運動というものがそういう方面に集中されて行くということは当然と思いますが、そういう現象はあつたと思いますか。
#59
○国務大臣(石井光次郎君) 私はどういうふうな運動と申しまするか、いろいろな運動があつたと私はもう全然想像しないのです。いろいろ願いに来たとき、私のところにも頼むと言えば、丁度ほかの場合と同じように、主管の局に行つて同じようなことを、或いはもつと詳しく、私が忙がしかつたから、詳しいことを述べて自分のところはかくかくの状態だということを述べたことは当然あつたと思います。
#60
○大倉精一君 今の答弁ですと、どういう運動があつたか内容的には一向関心を持たなかつたと言うのですが、これがおかしい。非常に重要な一つの問題であつて、大臣としての大きな責任じやないか。従つて大臣はそういうふうにおつしやつておつても、この法案ができた当時から、恐らくこういう運動が非常に展開されて、而もそれが悪質に発展して行くということが想像されておつたと思うのですがもそういうことは想像されなかつたかどうか。
#61
○国務大臣(石井光次郎君) これほど、さつき申しますように、たくさんの申出があり、その中から限定された数がきまるような状態でありまするから、それこそ私は非常な明るい形できまらなければ、それに入らない人たちから盛んに文句が出ることも、当然あれよりはおれのほうがいいのだというような御意見もあるのでありますから、私はこれは非常に明瞭にそういうふうに信じております。
#62
○大倉精一君 それではその関係は具体的に一つ質問するとしまして、この査定なり検討に当つて、恐らく海運会社、船会社あたりから採算表を出して、そうしてその採算表というものが非常な大きなウエイトになつて審議されて行くと思うのですが、やはりその採算表というのは非常に大きなウエイトとなつていたかということについて……。
#63
○政府委員(甘利昂一君) 私の所管ではありませんが、今のお話は恐らく航路計画、或いはその航路にその船を就航さした場合にどういうような採算になるかというような資料を提出さしたかというようなお話だつたと思いますが、これは海運局のほうで恐らく取つております。それでこの航路にこの船を使う、然る場合にどういうような採算になるかというようなことの詳細を取つて、而もそれの担当者をたしか呼んで聞いておるだろうと思います。
#64
○大倉精一君 海運局長もおいでにならんので、この問題についての具体的な質問かできませんが、ただ大臣とされていろいろ事後の検討もされておると思うのですが、この出された採算表というものが、その後において採算表と実績といいますか、そういうものを照し合せて提出される採算表というものが、非常に何といいますか、確実性のある一つの基準とするに足るものであつたと、そういうものであるというふうにお考えになつておるかどうか、今ですね……。
#65
○国務大臣(石井光次郎君) どういうふうな調べをしておるか、私細かくは存じませんが、出て来たものが果してその通りになるかどうかということも検討し、そうして納得が行けばそれが資料に当然なつているだろうと思います。
#66
○大倉精一君 これも具体的な質問はあとに廻しまして、最後にお伺いしておきたいのですが、時間がないようですから……。官房長や或いは最近では海運局、船舶局へも手が伸びているというふうに、どうもこれは底の知れんような恰好になつて来ているのですが、こういう問題について、真偽はともかくとして、国民に与える影響は非常に大きなものであり、又運輸大臣としても非常に大きな責任を感じておられると思うのですが、こういう問題について、運輸大臣はどういうようにお考えになつておられるか、それについてお伺いしたい。
#67
○国務大臣(石井光次郎君) これは現在取調べを受けております壷井官房長が、噂だけはいろいろ聞くのでありますが、どの程度までどうなつておるかということがはつきりいたしませんが、そのほかのことにつきまして、これは私自身としてまるで見当つかないのでございます。併し部内に容疑者を出したということは、誠に残念なことでありまして、恐縮に堪えないのでございます。先頃一般運輸省の所管の説明を申上げたときの最後に申上げた通りでございますが、私といたしまして、これがどういうふうに進展するか、これから先は知りませんが、どうか一日も早く大よその様子がわかりましたならば、それによりまして人事その他機構の刷新というようなものにあらゆる努力をいたしまして、そうして本当に国民の信頼されるような運輸省をここに再建するということに私の努力をいたしたいと思つております。
#68
○大倉精一君 これは非常に重大な問題ですが、先ほど私がずつと質問したことに関連するのですが、運輸大臣としては、この法律ができた当時に、こういうようなことの運動なり或いは業者からの悪質な働きに発展するということも予想しておられなかつたようだし、そうして又そういう事実があつたということもこれも余り承知しておられなかつた、そうして而も官房長やそういう首脳部は司直の手に引つかかつて行くということについてもさつぱり寝耳に水であつたというような御答弁に尽きると思うのですが、これでは私は運輸大臣としての責任というものが果して行けないのではないか。国民に対する大臣の責任というものはこれは非常に疑問になつて来るという工合に私は考えております。そういうような点について、もう少し突き進んだお考えがあつて然るべきだと思うのですが、その点について如何ですか。
#69
○国務大臣(石井光次郎君) 私はさつきから申上げますように、こういう事件がああいうことがあれば当然起るものとは一つも信じていなかつたのでございます。ただ注意をしなければならんということは、先も申しましたように、その当時において、この参議院の予算委員会においてもいろいろなことを聞きましたので、十分私どもとしては注意をして来たつもりでございます。それから人の、現に挙げられておる壷井君の例にいたしましても、これは私どもがこの船舶融資の問題、融資造船計画の問題を討議のときに当りましても、一つもそういうふうな、誰からどういう話があるから、誰からの運動によりどの会社から頼まれたからというような形の、或いは臭いのするような会議は一遍も私どもはやつたこともなく、聞いたこともないのでございます。私はこの決定そのものはどこへ出しても立派な決定に、あの方法においてはなつたのではないかということは、開発銀行のほうにおいても調べ、我々のほうにおいても調べたのが一致してきまつて出ておるのでございます。その途中におきまして、私は何かおかしいなというようなことは一つも感じなかつたのでございます。又個人のその後におきまする問題につきましては、私は一向存じないものであります。甚だ恐縮でありますが、そういうふうに思つております。責任は誠に私どもは監督をしておる者といたしまして、重大でございます。運輸省をどうして行くかという問題について、私は運輸大臣として、これから先運輸省の再建に努力いたすつもりでございます。
#70
○大倉精一君 それでは時間もないようですから、あとは一つ具体的に関係の方々に直接一つお伺いして質問をしたいと思いますので、保留をしたいと思います。
 ここで一つ資料を頂きたいと思うのですが、第一次後期の各社別、年次別の計画造船の割当実績というのを一つ頂きたい。そのときの申込船主についても資料を頂きたい。そのとき採算表が出ておるはずですが、その採算表について、割当決定された部分についての採算表です。これを一つ御提出願つて参考にしたいと思いますので、お願いいたします。
#71
○理事(重盛壽治君) それでは本日はこれで散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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