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1953/02/16 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第8号
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1953/02/16 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 運輸委員会 第8号

#1
第019回国会 運輸委員会 第8号
昭和二十九年二月十六日(火曜日)
   午後一時五十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     前田  穰君
   委員
           岡田 信次君
           仁田 竹一君
           一松 政二君
           加賀山之雄君
           森田 義衞君
           大倉 精一君
           村尾 重雄君
           木島 虎藏君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局長      植田 純一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       古谷 善亮君
   常任委員会専門
   員       田倉 八郎君
  説明員
   日本国有鉄道経
   理局長     石井 昭正君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○運輸一般事情に関する調査の件
 (昭和二十九年度日本国有鉄道関係
 予算に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(前田穰君) これより運輸委員会を開会いたします。
 運輸一般事情に関する調査中、昭和二十九年度日本国有鉄道関係予算に関する件を議題といたします。
 石井経理局長から右の件詳細に御説明を願います。
#3
○説明員(石井昭正君) 来年度日本国有鉄道の予算につきましては、当委員会におきまして、運輸省牛島次官から一応の御説明があつたことと存じております。そこで本日はその内容につきまして詳細に御説明させて頂きたいと存じますが、御理解の便を得るように、先般国鉄経営の現状と申します図集をお手許に差上げてございますので、大体図集によつて御説明させて頂きたいと存じます。
 図集の第一頁を御覧願いますと、これは来年度の損益勘定におきまして、収支とも二千五百八十九億円という数字で、収入と支出がバランスしているわけでございますが、この数字に対しまして、当初国鉄といたしまして年度の初めに要求いたしました額は、そこに書いてございますように約二百四億の収入に対する不足がある。支出のほうが二百四億円不足いたします。そのために旅客運賃につきまして約一割五分程度の運賃値上げをお願いいたしたい、かように考えていろいろお願いしたのでございますが、政府の一般の緊縮財政の御方針によりまして、運賃値上げにつきましては、通行税の収入を外枠にするということだけお認めになりまして、それ以外のものはこれを暫らく見送るいう御方針によりまして、結局経費のほうもそれに見合いまして節減をいたしまして、収支とも二千五百八十九億円ということになつたのでございますが、その間の経緯は、第二頁を開いて頂きたいと思います。第二頁では、これは昭和二十八年度の収支予算約二千四百億でございまするが、この二千四百億の収支予算がこの下にずつと続いているものというふうにお考え願つたらいいのではないかと思います。この二千四百億から二十九年度の予算が出つ張る分だけをここへ書き上げまして大きくいたしましたものと御承知おき願いたいと思うのです。そこでこの収入のほうでございまするが、収入のほうは、貨物収入におきまして約八十二億円昨年度の収入より増すということにいたしております。それから旅客収入は三十七億円増加いたします。それから雑収入、これはその上の欄の運輸雑収入と書いてあるのと別でございまして、運輸に関係のない雑収入、病院収入その他でございますが、それが約三億円、これは増加いたすわけでございます。それから運輸雑収、これがいろいろ前国会以来お話のございました土地貸付料、或いは広告料、構内営業料というようなものでございまするが、これが十四億円です。それから昨年度の予算に比較いたしますと二十六億円一般経費におきまして節約をいたします。それから運賃値上げ、これは通行税の外枠収入で二十一億円。それから借入金の返還でございまするが、これは昭和二十七年度におきまして財源不足のために、経営費に充てるために三十億借入金をいたしまして、二十八年度中に返還するということにいたしまして、二十八年度はこれを予算に組んでおつたのでございまするが、御承知のように災害が非常に多くなりまして、並びに裁定実施のための経費も増加いたしましたので、従いましてこれは二十八年度では返さなくてよろしいということに補正予算でお認め願つたわけでございます。本来から申しますと、二十九年度にやはりこれは返さなければならない筋合いになつておるわけでございます。これを当初私どものほうの要求の際にはお返しするということにいたしておつたのでありまするが、運賃値上げをお認め頂けなかつたという結果、どうしても経費に見合う収入がございませんので、これは大蔵省と折衝の結果、三十億円、明二十九年度におきましても一応返還を見送るということにいたしまして、そこで結局二百十三億円というものがトータルとしていわゆる収入財源ということになるわけでございます。この二百十三億の財源に見合いますところの経費は、旅客貨物の収入増加に充てますための事業量が殖えますための経費が四十七億円、それから給与改善、これは裁定実施でございますが、それに充てますための経費が百四十億と、それから利子と債務取扱費、これが増加いたしますのが十七億円、これは殆んど利子でございます。それから減価償却費が九億殖えました。この九億を自然増と申しておりますが、これはここ二、三年第一次再評価のベースでやつて参りました。この第一次再評価の線で計算いたしまして、二十八年度に比較いたしまして二十九年度が当然殖えるのが九億、こういうことでございます。
 そこで運賃値上げをお願いしておきながら、結局運賃値上げをしないで済んだいきさつはどうなつたかということでございまするが、右のほうに書いてございますのが私どもの要求の額でございます。これは約三百五十億程度二十八年度予算に対して増加しなければならない。そのために結局運賃値上げを二百四億お願いいたしたいということでございますが、その内容での問題といたしましては、事業増進が七十二億になつております。それが四十七億円に査定されたわけでございます。その大きなものは結局増員をお認め願えなかつたというわけでございまして、これは一般行政整理を強行しようというときであるので、なかなか国鉄の要員事情も窮迫はいたしておりますが、何とかそういうことと運賃値上げができないという二つの面から、増員は認められないということで、本年度最小限度約五百人近くの人間の増員を認めて頂いただけで、あとは昨年度と同じ人間でやるということになつております。それから給与改善で百五十七億要求いたしたのに対して百四十億という数字に、十七億減つておりますが、これは期末手当が、一般公務員は来年度予算にニカ月分組んでございます。それで私どもといたしましても、一般公社職員につきましてもニカ月分の期末手当を組んで要求いたしたのであります。ところが、実際の査定におきましては、これが〇・二五カ月減らされまして、結局一・七五カ月分しか認められなかつた。結局この〇・二五カ月分の期末手当の差というものは、これは業績賞与で以て行うべきである。公社につきましては、御承知のように、日本国有鉄道法につきましては四十四条第二項、業績賞与がございます。この業績賞与によつて行うべきものであつて、必ずしも〇・二五カ月という確定した率を見る必要はない、公務員との間にはこの程度の差があつて然るべきである、残与の分は業績賞与で非常に成績が挙がればもつと多くなることもあろうし、成績が挙がらなければ、その反対に公務員より減る場合もある、こういうのが企業体の性質であるという見解でございまして、結局これは私どもの要求より十七億減つたわけでございます。この分は国鉄ばかりではなくて、いわゆる業績賞与の制度がございます三公社五現業を通じて同じ考え方をされたわけでございます。それから利子のほうは、これは予定しておりました借入金が相当減額されましたので、結局いろいろ計算いたしました結果十七億でよろしい。それから減価償却の自然増は、これは当然お認め願つた。この四項目についてのみ一応認められたのでございますが、私どもの要求は、このほかに予備費を十億殖やして頂きたいということを申しておつたのであります。これは予備費は昨年、二十八年度は二十億でございましたが、今回は三十億是非お願いしたい。と申しますのは、御承知のように、昨年は異常ではございましたが、実際におきましては損益、工事両勘定を通じまして八十数億に当る災害復旧費を支出せざるを得なかつたわけでございます。仮にかような異常な災害なしといたしましても、日本の気候その他治山治水対策の進捗状況等から考えましても、予備費の二十億は如何にも少額である、是非もう十億殖やして頂きたいということでございましたが、これも結局運賃値上げということをお認め願えない以上、どうしても収支の均衡がとれませんので、これはお認め願えなかつた。それから最後に一番大きな額は減価償却費八十五億の増額でございます。今までの減価償却は後ほど御説明申上げますが、第一次再評価の線で以て計算して参りました。併しこれでは余りに実体資産の額と離れ過ぎておりまして、是非第三次評価の線までこれを上げたいというのが一昨年並びに昨年二回に亘りまして運賃値上げということを私どもがお願いいたしました理由の大きな要素であつたのであります。この八十五億で第三次評価になるのかというと、実はこれではまだまだ約六十億円ばかり不足いたすのでございますが、併し本年は予算編成期におきまして、政府の物価を低く抑えるという方針が相当強く打ち出されておりましたので、私どもも是非減価償却を第三次評価の線まで一ぱいお願いしたいとは思いまするが、併しそういたしますと、貨物運賃の改正ということも併せてお願いしなければならない。これは少くとも時期を得ておらないということでございましたので、結局旅客運賃の改正だけでお願いするとすれば、どうしてもその半分ちよつと、六割程度はお願いして、一応一歩前進ということに行かざるを得ないであろう。一挙に第三次評価の線まで直ちに持つて行くというわけには行きかねるのではないかということで、八十五億だけ減価償却を再評価額によつて殖やして頂きたいということをお願いいたしたのでございますが、このお願いが結局運賃値上げを認められないということで、全然これが見送りにならざるを得なかつたわけでございます。
 で、経費のほうはそういうふうな御査定でございましたが、一方収入のほうは、これは大体私どもの予定通りでございまするが、ただ貨物収入につきましては、私どものほうで、増収は七十一億程度であろうという見込に対しまして、もう十一億殖やすということで八十二億になりました。それで結局収支のバランスがとれたわけでございます。でございまするので、極く大ざつぱに申上げますと、収入面におきましては貨物収入の増加、それから通行税の外枠による収入と、借入金の返還を延ばして頂いたというのが、私どもの要求に加えられた措置でございます。そうして経費のほうにつきましては、減価償却及び予備費の増額を削減いたしまして、給与改憲で十七億期末手当を減らし、そうして人員の増加を原則として認めなかつたという結果になつて、この只今御審議を願つておりますところの予算案になつた、こういうことに相成るわけでございます。
 只今申上げましたのは、経費の関係でございまするが、今度は工事勘定の問題でございます。これは第三頁を御覧願いたいと思います。工事勘定につきましては、これは私どものほうといたしましては、当初建設費は百十億、それから電化に百十四億、車両二百六十億、諸設備四百十一億、合計いたしまして大略八百九十五億という設備のための資金が要るという計算に相成つたわけでございます。このうち建設費の百十億は、本年度まで着工いたしておりましたいわゆる建設審議会で御選定になりました三十線を予定通りの速度で進めて行くために要する経費でございます。電化は、これは東海道線の電化を既定計画に基きまして前進いたして行くための費用でございます。車両は現在持つております古い車を取替えるというほかに増備を計画いたしたわけでございます。それから諸設備費におきましては、これは現在の老朽で緊急取替えを要求するものをできるだけ早く取替えて参りたい、こういう観点から算出した額でございます。これに見合う然らば資金はどういうものを考えたのかと申上げますと、そういたしますと、赤いほうで刷つてございます資金のほうの要求額で御覧願いますように、建設費の百十億円に相当するものは政府出資金でお願いいたしたい。それから鉄道公債で公募公債として百二十億、これは約毎月十億ずつ公募して参りたい。それから利用債券といたしまして、利用者に御負担を願つて資金を調達する債券を十五億、それから先ほど申上げました運賃改正によります減価償却の増加を入れまして自己資金が四百二十億に相成ります。四百二十億の自己資金、その差額は政府からの借入金で二百二十八億、こういう一応計算に相成つたわけでございます。これに対しまして資金の実際の予算はどうなつたかと申しますと、自己資金のほうは先ほど申上げましたように八十五億という増加の要求を落されましたので、結局三百三十五億にしか相成りません。それから不要施設の売却、これを七億見込む。それから預金部からの借入金は、昨年百四十五億でございましたが、本年度は投融資計画の一般的な削減という枠で結局七十億になりました。公募公債は、これは私どもの予定の通り百二十億の枠を頂きました。そうして利用債券としては十億、合せまして五百四十二億という資金の枠ができたわけでございます。結局これは昨年度の五百五十七億に比較して約十五億というものが全体の枠としては減少いたしておる恰好になります。勿論建設費に対します政府出資ということはお認め願えなかつたということになるわけでございます。
 然らばこの五百四十二億をどういうふうに使うことになつたかと申しますと、これは青いほうの二十九年度確定額という数字でございまするが、出資金、これは交通営団でございますが、それに約一億でございますが、そのほかは建設費が二十五億に大削減を受けまして、そうして電化設備費はこれは七十八億でございます。それから車両費に百五十六億、諸設備の取替え材料に二百八十一億ということになりまして、これをその左隣りにございます昨年度の予算と比較いたしますと、大体におきまして建設費以外は昨年度予算とほぼ見合つておるという同じようなスケールにはなつておるわけであります。併しこれは昨年度この程度で取替え資金或いは改良資金が十分であつたかと申せば、これは御承知の通り非常に不足いたしておりまして、十分な取替えもできないという現状でございます。私どもは自己資金を四百二十億程度に殖しまして、それに見合う取替えをいたしたいというお願いが運賃値上げのお願いの大きな眼目の一つでございましたのが、依然として又少い取替え資金で、いわば資産の食い潰しをして行かなければならないというような状態になつたわけでございます。
 この工事勘定の中で問題点は多々あると思いまするが、一つは、建設費が二十五億という極めて極端な少額に抑えられたことでございまして、この点につきましては、いろいろと他の機会に御審議があることと思います。それからいま一つの問題は、公募公債の百二十億でございまするが、これは昨年度におきましても大体百二十億程度発行いたす予定でございましたが、昨年は御承知のように本予算のきまるのが遅うございましたために、結局本予算がきまりましてから発行いたすことになつたので、八十五億という数字になつておりまするが、これは大体月々十億というやはり計画に相成つております。で、月十億でございまするが、公社債といたしましては、このほかに電電債がやはり月十億の計画で発行することになつておりまして、結局大体起債市場におきます公社債は毎月二十億ずつの枠でやつておつたわけでございます。ところがこの年度末になりましてから起債市場の金融引締め政策によりまして、起債市場が非常に窮屈に相成つておりまして、実は本年度この発行予定の八十五億が、只今の見込ではどうしても全額発行消化できないのではないかというような見込になつておりまして、この二月におきまして私どものほうは二十億発行の予定になつておりましたのが、三億減額されまして、十七億で売出しております。と申しますのは、結局全体の起債市場の枠が非常に狭いので、公社債だけ優先権を認められれば、ほかの事業債或いは地方債等が消化しきれなくなる。勿論それらの方面の債券も当初の予定よりも遥かに圧縮されておるのでございますが、それもできなくなるというようなことでございまして、これも私どものほうばかりでなく、電電債につきましても同じような現象が起つております。そういうわけで、月十億の公募債券は、ますます緊縮と金融引締め予想せられます明年度に果して消化できるかどうか極めて不安がございます。ただ公社債全体として見ますると、来年度におきまして電電のほうは七十億ということになつておりまして、公社債全体といたしましては百九十億になつております。そのために一般起債市場におきます公社債の枠は、十五億ベースに対しまして十億更に加えるという程度になつておりまして、全体の枠といたしましては、昨年よりも若干減つておるのでございます。併しながら果してその予定通りこれが消化できるかどうか相当の疑問があるわけでございまして、只今この消化対策につまして鋭意研究中でございます。
 第四頁を御覧願いますと、これは只今の工事資金、工事勘定の五百四十億を改良とそれから取替えとに分けて考えてみたのでございます。大体諸改良及び取替えという部分は三百十五億に相成つております。これは昨年の三百二十九億よりも減つております。石炭輸送の強化のために五億、それから車両増備のために十四億、これはヂーゼル動車百両分に相当します金額でございます。それから幹線輸送の強化、これは北陸、上越或いは東北本線というような北方の輸送経路のネックを解消いたすための輸送力強化のための工事の費用でございます。それから通勤輸送の三十三億は、主として東京都内におきまするところの電車輸送の強化対策でございます。幹線電化の六十六億は、これは東海道線の電化を三十年度の初頭におきまして米原まで開通できるに必要な工事経費及び車両並びに引続き残つております山手貨物線の電化のための経費でございます。こういう経費のほかに建設費の二十五億を加えてみますると、純然たる老朽取替えのための経費というものは三百十五倍という姿になるわけでございます。
 それでは一体どういうものに三百十五億という経費が分割されているかということが第五頁でございます。第五頁のまん中の来年度の三百十五億の内容は車両の取替えが百三十三億ございます。これは結局車両は新らしく作りますが、それは全部古い車の取替えに廻つてしまうので、輸送力の増加には相ならないわけでございます。それから電化設備の十五億は、これは既設線の電化のいろいろの設備、例えば変電所の老朽したものの機械の取替え、或いはケーブル取替えとかというような経費でございます。以下さようなことの経費が、例えば線路改良或いは防災設備、それから停車場設備、発送電及び電力設備、通信設備、信号保全設備、機械設備、車両工場、自動車改良の設備というふうに分割されて参つておるわけでございまして、結局三百十五億の内容は主として車両と線路改良と、あとはこの吉編会いろいろの方面に雑多な取替えの経費が要るわけであります。停車場の設備費のごときは、これはよく駅本屋のための資金というふうに誤解を受けるのでございまするが、この停車場設備のうちには、駅の運転関係のための設備費が殆んど大部分でございまして、駅本屋に費すというようなお金は余り入つてないわけでございます。こういうことでそれも昨年度に比較いたしますとかなり減つておるというような状況でございます。我々は重点的に車両と線路、或いはその他運転に直接の関係のあるほうの取替えだけでも是非鉄道の施設が荒廃しないようにやつて参りたい、こういうふうに考えておるわけでございまするが、御覧願いまするような数字で極めて不満足ではございますが、何とかこういうふうな重点的な使用方法でやつて参らなければならんとかように考えております。
 その次の二枚続きになつております大きな紙は、これは只今の工事経費の項目内容がわかりますように細かに書いたものでございまして、例えば幹線電化の六十六億は何に使うのかということ、或いは車両取替えとして百三十三億、増備として十四億合ぜて百四十七億になるわけでございまするが、その内訳はどうなつておるかというような事柄をおわかりいいようにここに書いたのでございます。
 車両についてもう一遍申上げますと、増備といたしまして内燃動車百両、整備、これは取替えに当るのでございますが、取替えとして電気機関車五両、電車四十五両、それから客車が四百両、客車の鋼体化が五百両、貨車二千五百両、貨車の改造三百両、こういうふうに予定いたしております。このほか、車両は通勤輸送緩和のところで電車が六十両、それから電化のところで電気機関車三十八両、これは設備の改良のために強化される車両になつております。
 以上で大体損益工事勘定につきましての内容の御説明の概略でございまするが、なおお許しを願えまするならば、参考にいろいろの表を付けてございまするので、御説明さして頂きたいと思いまするが、よろしうございますか。
#4
○委員長(前田穰君) どうぞ。
#5
○説明員(石井昭正君) それでは七頁でございまするが、これは過去数ヶ年間におきます工事経費がどういうふうに使われて来たかということでございまするが、結局この一般設備の取替えに当る分は一向殖えておらないということでございまして、結局殖えたのは電化と建設、こういうものが本格的に実行されて参つたために殖えて参つたのだということが大体おわかり願えると思うのでございます。
 それから八頁の表でございまするが、これは戦前と只今とを比較いたしまして、如何に工事経費の自己資金の率が少いかということを御覧願いたいと思います。赤で書いてございます分は全部自己資金でございます。これに。プラスされるあとの分がいわゆる公債を発行しておつたわけでございまするが、それが終戦直後からのインフレーシヨンのために、鉄道の経営内容は全く悪化いたしまして、同時に政府の物価政策というものも一貫性を欠いておりまして、鉄道運賃のごときものは、財政補給をしても差支えないから上げないで置くのだというような御方針でございました。従つて二十年、二十一年、二十二年のごときは、これは経営費そのものが赤字でございます。いわ       んや自己資金を以て工事経費に充てるということはできません。結局全部を借入資金で賄つておつたわけであります。二十三年、四年になりますと、新物価体系ということで鉄道運賃の是正も或る程度お認め願つたのであります。併しながらこれも経費を賄う程度でございまして、到底自己資金を工事経費に廻すわけには参らない。で、二十四年におきまして例のドツジ財政というものが打ち出されまして、そのために二十五年からは経費が完全に独立採算という建前で、而も公債の発行は認めないということになりましたので、結局二十五年だけは全部自己資金で以て工事経費を支弁しております。勿論額は余り多くはございませんが、しております。併しながらそのためには二十四年の六月に旅客運賃の六割、又その年の暮には、たしか十一月かと思いましたが、貨物運賃の八割値上げというものを行なつて、二十五年における運賃のベースは相当上つております。そこで漸くかような姿になつたのでございまするが、その後依然として経費の内容には、給与の改善その他の諸経費が必要となつて参りましたために二十六年、七年、八年、九年と、これは殆んど第一次再評価の線で自己資金を抑えられておりました。これをもつと殖やして安定性のある工事資金の充実というところまではやはり運賃値上げということをお認め願わない限り不可能ではないかと考えておる次第でございます。
 そのことは、甚だ恐縮でございまするが、ちよつととんで十五頁を御覧願いたいと思います。十五頁はこれは資産の減耗と取替補充の関係でございまするが、御覧のように赤で書いてございます自己資金による工事費の使用高は第一次再評価の線でずつと参つております。これが大体二十九年度では三百三十五億でございます。これを第三次評価の線に高めますと、約四百八十億程度に相成るのでございます。これだけは結局取替え不足ということで、簡単に申しますと資本の会い潰しをやつておるということではなかろうかと思うのであります。而も第三次評価にいたしましても、鉄道の持つております資材は鉄或いは木材というように非常に物価の値上り率の高いものでございますので、実際の時価にいたしますと更にそれを上廻るようなことになつておりまして、本当はむしろ第三次評価の線までやつて頂きましても、なお資産の充実には事を欠くのではないかということでございます。それはその次の頁で車両単価を御覧願うとおわかり願えると思うのでありますけれども、車両の単価は、第三次評価の線で換算いたしますと、大体電気機関車に例をとりますと五千二百万円というのでございまするが、これは戦前の十一年度の十七万七千円を二百九十四倍した数字になつております。併し実際の購入価格は只今では五千七百六十万円かかるというわけでございます。以下同じように、貨車にいたしましては五百十五倍、電車は四百二十二倍、客車は四百四十八倍、蒸気機関車はこれは只今作つてはおりませんが四百二十三倍、こういうような数字になるのでございまして、従いまして仮に第三次評価の線で自己資金で取替をやつて参りますとしても、なお時価との差がある。然るに依然として第一次再評価の線でこれを抑えられておるということは、鉄道の施設の改善、荒廃、老朽を取替え、陳腐化による設備を近代化いたすということになかなか前進できないということになつておるわけでございます。
 それから次にいつも運賃値上げにつきまして、いろいろお願いをいたしますときには、もつと経営の合理化によつて経費を生み出せという御指摘を受けるのでございます。そこで私どものほうの経費の構成割合を御覧願つて個個別々に御説明上げたいと思うのでございますが、大体大まかに分けますと、人件費と業務費と修繕費と動力費と相成るのでございますが、この割合は御覧願いますように、終戦前は人件費は約五五%を占めておりました。只今では二十八年度は約四六%、二十九年度に至りましては、これはベース・アップがございまして五〇%に漸く到達いたしたわけでございます。この経緯は十頁にはこれが昭和九年から、十年、十一年と二十四年以降の数字を比較してございますが、戦前は五五%を越しておりましたものが只今ではずつと四〇%、丁度人件費と物件費の割合が逆になつております。
 十一頁はこれは国鉄と私鉄との経営費構成割合の比較でございまするが、これはちよつと細目になりますので、その次の諸外国の鉄道との比較、これも御覧おき願うことにいたしまして、十三頁に参りますと、これが私鉄或いは他の外国鉄道と国鉄との人件費、物件費の比較でございまして、結局人件費の割合は国鉄のように低い所は殆んどない。諸外国におきましても皆五〇%を超えておるということになつておるわけでございますが、この人件費の節約と申しますと、結局ベースと頭数とによつて決定されるものだと存じます。ベースのほうは、これは裁定で以て国会の御承認を頂いて実施いたしておるのでございますので、結局頭数を減らすということ以外に人件費の合理化の余地はないんだということではなかろうかと思います。
 それにつきましては、二十頁の職員の推移を御覧願いたいと思うのでございますが、これを御覧願いまするとわかりますように、昭和十一年に比較いたしますと、只今のところは約二倍の人員になつております。併しながら昭和二十二年の或いは三年の六十万人を数えておりましたときからみますと非常な減員をいたしておるわけでございます。殊に二十四年におきまする行政整理は、国鉄のみ本当に十万以上の人間の馘首をいたしております。その後も毎年減耗不補充ということでやつて参つておりまして、二十六年に四十四万二千人になりまして、それから以後は殆んど増加なく、業務量は増して来るのをこのままで捌いておるわけでございます。特に管理部門につきまして、は、赤い線で示してありますように、戦前におきましては二万人でございましたが、只今は二万一千人で、ほぼ同数に相成つておるわけでございます。
 従つて昭和十一年度では管理部門は僅かに九%ございましたが、只今では僅かに四・七%程度になつておるわけでございます。これはパーセントだけを比較すれば、管理部門のごときは、現場要員が殖えたからといつて殖えるべき性質のものではないから当然だというふうなお考えになるかも知れませんが、実際人員につきましても、全く同数でございます。而も昭和十一年に比較いたしますれば、これは業務量指数を後ほど見て頂けばわかりますように、あらゆる指数で以て十一年よりは殖えておるわけでございます。業務量は殖えたにもかかわらず、而も終戦後におきましては、率直に申しますれば、いろいろの社会立法その他の関係でどこの経営体におきましても、管理部門の業務量というものが非常に殖えて参つておるわけでおります。それにもかかわらず二十二万一千人という数字でやつております。ということは、結局現場のほうが苦しいので管理部門のほうを極力割けるだけ圧縮いたして、人員の配置をいたしておるということを申上げられると思うのであります。
 然らば現場の人間はどうであるかということでございまするが、二十二頁を御覧願いたいと思いますが、現場の職員数はこれは昭和十一年度に比べますと約二倍近くになつておりまするが、併しこのうちの二割はこれは労働基準法関係、いわゆる業務緩和のための所要人員でございます。で、殊に鉄道のように夜間業務、昼夜交替の多いところでは労働基準法における勤務緩和のための人間の増員というものは非常に大きく響いております。その結果、我々の計算ではほぼ二割がこれに該当する人間と申上げることができる。従つてその二割を修正いたしますと、そこに点線で書いてございますような数になるわけでございます。ところが仕事のほうはどうなつておるかと申しますと、業務量として考えられますものは、一つは人トンキロでございますが一これは運んだお客さん及び貨物の量、これは三倍近くなつております。併しながら何もお客が殖えたといつて人間がそれに応じて殖える必要はないということは御尤もなのでございます。次に一番大きな要素となりますのは、換算車両キロと申します水色で書いてございまする線でございまするが、これは結局列車の輸送力と申しますか、お客さんで申しますれば、どのくらいのまあ定員を運ぶか、貨物にいたしますれば、どのくらいのトン数を運び得るかと、結局車両が動いた長さでございます。走つた長さでございます。これが最も鉄道の生産力と申しますか、生産物と申しますか、いわゆる。プロダクシヨンというものとしては番学問的にも合理的な数字であるということになつておりまするが、この数字で御覧願いますとわかりますように、これが実際の修正した職員の数で見ますと成るほど二十二、三、四年あたりは職員が遥かに多かつたのでございます。二十五年からは殆んどこの線とマッチいたしております。それから最後には列車の走つた列車キロでございます。これは若干職員の傾向よりはまだ下廻つております。そこで職員と申しましても、或る部面につきましては列車キロに比例して増減すべき性質のものもございます。これはまあ乗務員というようなものは確かに列車キロによつて増減すべき、大まかに申上げればそうなる。逆に人トンキロに比例して殖やさなければならん職員もございます。例えば出札係であるとか或いは改札係である、或いは荷物の受取りをする係である、通知を発行する係りであるというものは、これは列車の本数よりは荷物の量によつて増減しなければならんと思います。そのほかの保守その他の職員はこれは大体換算車両キロに比例して行くべきではなかろうか。そういたしますと、結局換算車両キロよりももつと殖えなければならん部面もあるし、まあ若干それを下廻つている部面もありまして、両方を操作して考えたといたしましても、この換算車両キロで以て仕事量を計つて、そうして職員数をこれと対応して考えて行くことは妥当ではなかろうかと思うのでありますが、それによつて見ましても御覧のように、二十八年度、九年度にかけては業務量のほうより人間のほうが減つて参つて来る、こういうことになつておるわけであります。人件費につきましてはそういうふうに人員のほうは極力能率を図つております。そうしてベースのほうはこれで一定の基準で抑えられておりますので、この点につきましてのまあ工夫の余地は決してないことはございませんが、財政に大きく響く程度のものはなかなかむずかしいのではなかろうかと考える次第でございます。
 次に、一八%を占めておる動力費でございまするが、動力費につきましては、これは結局石炭の使用量と石炭の値段ということできまると思うのでございます。石炭の値段は最近ここ一、二年は下り気味でございますが、それまでの上り方というものは目ざましいものでございました。只今鉄道で購入いたしております主要資材の主なものの十九頁に値上りの仕方がお示ししてございまするが、十九頁を御覧願いまするとおわかりになりまするように、石炭が一番上つております。大体五百二十五倍だと存じております。これはまあ最近若干下り気味になつておりまするが、とにかく何と言つても五百倍以上になつておるわけでございます。このほか、ついででございますので申上げますが、先ず物価指数の値上りでございます。三二〇或いは三三〇というものよりも少い上り方をしておるものは極めて僅かでございます。すべてそれよりも高い値上りでございまして、それらを総平均いたしたものが国鉄購入物価指数としておりますが、これは四百三十倍になつております。で、これに対しまして鉄道の旅客賃率或いは貨物賃率の指数は百三十倍乃至百七十培という程度であることはもう皆様御承知の通りでございます。
 そこで石炭の値段はそのように高くなつておりますが、この石炭の消費量のほうは十七頁を御覧願うとおわかりでございますが、これは同じ重さを引張るだけにどれだけの石炭が要るかということの計算でございます。単位は換算車両百キロという専門的な言葉で恐縮でございますが、同じ重さに直しまして計算いたしますと、昭和十一年では大体四一・五キログラムでございます。それが終戦直後からずつと石炭不足、炭質の低下、勿論従事員の技倆も悪い、或いは機関車の保守状態も悪い、いろいろの原因が作用しておると思うのでございますが、最高の場合は六八・一キログラムになりました。昭和二十七年では四一・三キログラムになつて、十一年の数字よりも良い成績を示しております。二十八年はもう少し下目の予算を組んでおりまして、二十九年慶は更に若干節約するという数字を出しておりますが、併しながらこの面ではかような成績になつておりますので、消費節約というものは殆んど限界に到達したのではないか、あとは炭価が下らなければ動力費の節約はできないのではないか、かようなふうに考えられるのでございます。勿論購入炭価の引下げ等につきましても極力努力して参りたい、かように考えております。戦前に比較いたしまして動力費の。パーセントの殖えておりますのは、結局そういう炭価の点が一番大きな原因であるということを申上げておきます。
 それから次に修繕費でございますが、修繕費の大半はこれは材料費でございます。その材料費は先ほど申上げましたように、大体一般物価指数よりも遥かに高い鉄とか枕木とかセメントとか、そういうものを使わなければならないという点が一つと、それからいま一つは、十八頁を御覧願えばわかりますように、戦争中に非常に資材の投入不足になつております。戦争中から終戦にかけまして、十八頁の下のグラフを御覧願えぱわかりますように、大きな穴があいておるわけでございます。これをカバーするというためにここ二、三年特にレールだけは重点を置いて相当の投入をいたしたいと思つております。そのほかの物資につきましては、まだまだそこまで行きません。それからレールの投入もまだ完全に穴を塞ぐまでに行つておりません。明年度におきましては、レールの投入は極力いたしたいと思つております。レールにだけかかつてまだほかのものにはがかつておらないというような状況でございます。それ故に修繕費のごときものもいつも不足を訴えておりますが、大体こういうような点が列車の安全を維持するという点につきまして必要な経費ということでございます。これは毎回、毎年大蔵省におきましても修繕費については殆んど査定を加えないということは、如何にもこの修繕費というものの不足ということが目に見えて大きな結果を示しておるからだと存ずるのでありますが、そういうわけで修繕費は、資材の単価の値上りと施設の荒廃を防ぐというために、ここ暫らくはこの程度はどうしても心要ではなかろうかと考えておるわけでございます。
 そういたしますと、結局残るのは業務費でございますが、僅か百億そこそこの業務費でございますが、このうちには切符の印刷代とか、或いは機関車の水の代金、或いは汽車の電燈電力料、或いは職員の被服費等というように業務量と相関で支出したければならないものがございます。それが大半を占めておるのでございますが、従いまして残余の一般の行政官庁の庁費に比較するようなものは、国鉄におきましてもこの業務費のうちの又僅かなパーセントでございます。この点につきましては、これは一般行政官庁の節約費に倣いまして、非常に厳重に節約をして参りたいと存じております。又事実その成果を上げておるわけぐございますが、何分にもこういう大きな二千数百億という経費の中でそういうパーセントの極めて少い部面におきます努力というものは、数字の上としては、この予算面に影響を及ぼすというほど現われて来ることができないのは、大変に遺憾に存じておる次第でございます。
 それからいま一つ御覧おき願いたいと思いますのは、二十九頁の雑収入竹ございますが、これは昨年度におきまして、土地の貸付料或いは構内営業料等について、いろいろ御批判を受けたのでございますが、大体この雑収入というものは、ここで御覧になりますように、毎回運賃改正の都度等において、我々は勿論こういう面において努力をしなければいかんということで隋分上げて参つたわけでございます。その実績はここに御覧願いますように、昭和二四年度には20億そこそこでごいしましたか、二十八年度では七十億近い予算でございますが、決算もその通り近く出ると思つておりますが、そういうふうに考えております。更に二十九年度はこれに十四億プラスしたいということで、結局八十五億程度まで上げたいと考えておるわけでございます。で、十四億と申しますが、これはなかなか一企業の収入といたしましては、それだけでも普通の企業体としては大きな収入だろうと思うのでございます。併しながらすでにもはや七十億近い収入を上げております上に、更に十四億上げることは大変な努力が要るところでございます。これはその前の二十八頁を御覧願いますと、雑収入と言われておりますうちにもいろいろなものもございまして、このうちで結局収入を上げるということに役立ちますのは、土地物件の貸付料、広告料、構内営業料の大体この三つでございます。その他のものにつきましては、これは上げようと努力しても不可能な恩給法納金とか、これが入つておるのございます。実際の眼目となりますはこの三点でございます。それはこに書いてございますように、明年度におきましては、前年度と比較いたしまして飛躍的に上げるように努力いたしたい。これは非常な無理がかかつて参ると私どもは思うのでございますが、併しながら運賃値上げということもできないので、何とかこれで経費の辻褄を合せるためにこういう思い切つた努力をいたしたいと考えておるのであります。この中で車両使用料というのは、前年度に比較して下がつておるのは或いは御不審を持たれるかも知れませんが、これは連絡社線に入りました貨車の使用料金の計算の仕方を改めまして、今までは距離でとつておりまたのを時間に改めました。その結果といたしまして、非常に成績がよくなりまして、車を早く返してもらうということによつて、その結果使用料としては減つたのでございますが、実際は貨物輸送の面に大きな儲けを、利益を来たしておるのであります。貨車の廻転が非常に早まつて参つたわけでございます。従つてこれはむしろ使用料が上らないほうが貨物収入が殖えるということになるのでございまして、特に下がつておるのはそういう関係であることを御了承願いたいと思います。それから三十頁、これは二十七年度の、主要線区の赤字と黒字とを書き分けたものでございます。御覧願いますように、総営業キロの七七%は原価計算の結果赤字となつておりまして、結局黒字になつておりますのは限られた幹線だけというふうになつております。こういうようなわけでありまして、支線区の経営合理化等も十分努力いたさなければならないと思いますが、一般的のやはり運賃のレベルが経営上大きな圧迫になつておるということは申上げられるかと思います。と申しますのは、結局三十一頁にございますように、この運賃と物価指数の歩みを見て参りますと、昭和二十年、二十一年、二十二年とインフレの高進いたしました時におきまして、鉄道運賃というものは殆んど上げずに抑えられておつた。これは先ほど申しましたように、政府の政策としても必ずしも一貫したものは出ていなかつた。その結果非常にここに食い違いができました。その後、運賃値上げをいたしましても、いつも極端な常識を外れた率で上げるということはできませんために、次第にその差が激しくなつて参つたわけでございます。旅客運賃につきまして、輸送量も殖えて混んでおるから、実際は運賃は安いといつても安いことにはならんだろうというような御意見もあるようでございますが、確かにそういうことも二回では言えるのでございますが、私のほうでこの乗車効率を計算いたしまして、即ち電車と汽車につきまして、定員で走つておるキロがどれだけ増したかということを、実際乗つていらつしやる方の割合で修正いたして見ましても、運賃を汽車について見ますると、現在の運賃は元の運賃の約二倍になつておるという程度でございます。電車にいたしますと百三十一倍というような程度になつております。混み方を修正いたしまして考えても、このように収入の率は減つておるということになつております。
 で、最後のほうに各国鉄道とのいろいろの比較がございまするが、これを除きまして、一番最後に実は昨年私どものほうで四十四頁でございまするが、栃木県にございます東野鉄道とそれから私のほうの支線の鳥山支線というものとの経営の比較をいたしたのでございますが、それを比較いたしました数字を見ますると、これは結局営業の収入のところで御覧願いますように、国鉄の営業収入に比較いたしますと鳥山線の営業収入のほうがずつといいのでございます。その結果として、結局営業係数は烏山線のほうがいいという結果になつておるのでございます。併し賃率を国鉄の賃率で鳥山線を換算いたしますと、そこに営業収入の換算と書いてございますように、実は実際の収入は国鉄の半分ぐらいにしかならないのでございます。そういうように見て参りますと、結局運賃率の相違であつて、営業費のほうは殆んど変りはない。人間にしましても、四十五頁にございますように、この烏山線の要員と東野鉄道の要員との労働の生産性を見ますると殆んど大差がない。こういうようなことでございまして、而も一人当りの人トンキロ、最後の欄に斜線で書いてあるようなものを見ますと、遥かに国鉄のほうが一人当りの人トンキロが多いのでございます。そういうふうに生産性は上つておりますにもかかわらず、経営が悪い、赤字になつておるということは、結局賃率の問題でございまして、そこに数字がございますように東野鉄道が旅客は三円でございます。これに対して鳥山線は一円八十五銭、貨物のほうは東野が十五円四十八銭、これに対して国鉄のほうは四円八十四銭、従つて東野鉄道のほうは営業係数が九三%で儲かつておる。ところが烏山線のほうは二一四%になつて赤字になつておるわけでございます。そういうようなことでございまして、結局私どもは運賃が安いから経営がうまく行かないというような泣き言を申上げるわけではございません。併しながら来年度の予算を通じまして、運賃値上げということが見送りになりました関係上、収入の面におきましては、これに見合う人員或いは車両の基礎付けなしに収入を上げなきやならんということでございます。一面工事経費につきましては、依然として非常に切り詰められた経費で以て施設の取替え補充を行なつて行かなければならないというような状況でございます。できるだけ早い機会にこういう苦境から脱却いたしまして、健全な経営をいたしまして、よいサービスを提供して国民の皆様の御協力を得たいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#6
○委員長(前田穰君) 以上の説明に対しまして、御質問のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○岡田信次君 細かい話ですが、三十頁の黒字線と赤字線というのは、これはちよつと図を見てもおかしいと思うのは、大体横須賀線とか伊東線が赤字になつていますね。それから又北陸線ですか、信越線ですか、これは直江津以西、それから新津以北であるとか、それらが黒字で、その間の新津、長岡、直江津というのは赤字だから、これはちよつと常識で考えられないのですが、それからただ赤字、黒字と言つても、東海道あたりが経費が安いのに対して、収入が二〇〇とか三〇〇になるだろうし、赤字線区も収入が一〇〇、経費が三〇〇、四〇〇になるか、それらの比較がなければ何のことだかわからないんですがね。
#8
○説明員(石井昭正君) 御指摘の点は誠に御尤もでございます。これはただまあ出ました結論だけを線に載せて大観した図を得たいと思つたのであります。別にこれにつきましては原価計算のできました細かな表がございますので、それを差上げて御覧願いたいと存じます。
#9
○岡田信次君 大体、とにかくどんな事業でもそうだと思いますが、いわんや国鉄のような大事業をやつておらわれば、或る方面に黒字が出て、或る方面に赤字が出るということは当然なことで、ちよつとただこの赤字が七七%、黒字が二三%だというのでちよつとおかしいきらいがあると思うのですが、やはりこれに附属して内容をもう少し何というか事業的にわかるようなものをお付けになるならやつたほうがいいと思います。
#10
○説明員(石井昭正君) 誠にお説御尤もでございます。まあこれは予算の概略説明をする資料として出したものでございまして、この点につきましては、又別に御理解が行くような資料を整えて差上げたいと存じます。
#11
○一松政二君 国鉄なり運輸省の当局はもう口を開けば運賃が物価と釣合わないから国鉄の経営が困難だというようなことが口癖なんですね。ところが運賃の一番安い、そうしてもう定期の一番特割のひどい東京のすし詰になつている、東京の附近が黒字である。これは結局人間を貨物以下に取扱つている現状からそうだと思うのでありますが、これは別に運賃を上げなくてもこの辺は黒字じやないか、この上に旅客運賃を上げなければ僕は赤字になるというのは、これはおおむね田舎の線でしよう、今岡田さんの言われた赤字というのは。ところが線全体としては赤字かも知れんが、その区間を区切つた場合、私はそこから先は非常に黒字だけれども、そのあとはお客さんが少ないので赤字になつているということが非常に多いのだと思いますが、これをただ運賃が安いからという一言でいいですかね。どうも私はそこがちよつと割切れないのですが、運賃を高くすれば、これは能がない話で誰がやつても儲かるにきまつているけれども、それはそうは行かない。ただ運賃が安いけれども、サービスは更にそれより低下して人間が身の危険を感じるような列車、客車ではない、中に入つて呼吸もできないような通学の状況なんですが、これは運賃を上げたら解消できますか。
#12
○説明員(石井昭正君) 私どもお願いしておりますのは、結局先ほど御説明申上げましたように、工事資金が不足いたしております。で、これをもつと殖やして頂きたい。それは勿論外部からの借入金でも一応はかまわないことにもなりまするが、それは将来利子負担、或いは元本償還というような問題が残るわけでございます。できれば私どもといたしましては、自己資金を殖やして頂きまして、それから外部資金の調達は、国家財政その他の面からいろいろな制約がございまして、なかなか思うように殖やして頂くということも現実の問題としてはむずかしいのではなかろうかと思います。で、結局、先ほども御説明申上げましたように、車両の新造にいたしましても、取替或いは補充という程度にとどまつておるのでございまして、車両数は、ここ数年電化に伴う電気機関車以外は実際実数が殖えておらない状況でございますので、これをやはり増備いたしますれば、当然乗車効率は緩和させて行くことができると思います。ただ今までの運賃値上げがその点を織込んで頂けない、結局経費の不足を償うだけのぎりぎりの値上げしかお認め願えなかつたということでございまして、こういうような意味合いで、経費の不足を補うだけの運賃の値上げということは、何遍繰返しましても、これは実質的に、只今申上げましたようなサービスの向上というほうへ前進して行くにはむずかしいと存じております。是非自己資金の充実にまで廻るような運賃の値上げをお認め願えれば、当然結果として車両は殖え、その結果お客さんの混雑は緩和されて来るということは申上げることができると思います。
#13
○一松政二君 今私の聞いたのと少しお答えが違うのですが、それはまあそれとしまして、今工事経費その他ということになると、一体これは日本経済の今日の失敗が、ひとり鉄道だけでないのです。実質的に行かないで、外観の美を競い、例えば鉄道ならば、停車場をよくする。これは又よくしてくれという陳情もあつて、これは日本人の或る程度の欠陥ですが、東京には相当のビルディングは建つけれども、工場のしつかりしたものは一向その割にできない。こういう外国の批判もあるし、国内の批評もあるわけでありますが、国鉄もやはりその憾みを残しておる。ドイツあたりから帰つた人によると、まあともかくレールなり、枕木なり、橋梁をよくして、停車場が雨降りにがたがたしても、これは雨が降つて濡れたつて、輸送力を増強して、それらが充実した後に停車場なり上屋なりを作ればよいというような、いわゆるドイツ人気質が現われておると思うのですが、日本人はとかく見栄坊だから、見栄のほうのことばかり言つておるのですが、国鉄も私はそのきらいがあると思うのです。だから、じかの言葉で言えば、事実において資本を食い潰しておる。私はこれを一番心配しておるのです。国鉄みたいな厖大な資本を食い潰すのには二年や三年食える。これは毎年ベース・アップのときにも、そういうことを考慮しないで、やはり経費の増大だけをやつて来ておつて、肝心な輸送力の増強ということが、これは年々むしろ低減した形に今日なつておると思うのです。この点はまあ今後深く国鉄内部でものを考えるという上に参考にして頂きたいと思うのです。それは私の意見ですが、私はただ今年の運賃収入の見込が水増しになつていないかどうかということが……、今年の予算及び今年度の日本或いは世界的の経済の見通しは、いわゆるデフレ、そうして景気は後退するというのが一般の常識になつておる。そうして政府の工事量なり民間の工事量、或いは産業の活動は去年よりは減る、又減らさなければならんという政府の政策のところへ、貨物は殖えているわけです。この間に多少の矛盾を感じないのですか、どうですか。
#14
○説明員(石井昭正君) 私どもの来年度の運輸収入の推定につきましては、これは詳細な資料に基きまして一応の推定はいたしております。ただこの推定の基礎が、景気というようなものをどう見るかという点につきましては、これは実は予算編成の要求の当初に当りましては、政府の今度の緊縮予算の全貌が明らかになつておりませんので、若干そういう点の見方が甘いというようなことは、或いは言えないこともないかと思つております。で、私どもといたしましては、現在の旅客、或いは貨物収入、これは現在見込んでおりますものが、現在私どもの持つております資料の上から見ては妥当であり、これだけは上げられるという自信はございますが、併し景気の変動によつて或いはこれに達しないのではないかというような点につきましては、私どももその点何ともお答えがしにくいのでございまして、或いはそういうことに相成るかも知らんというような一、二の心配は当然あるわけでございます。ただ併し、これが実際に現われて参りますのは、恐らく予算が執行されてから半年、或いは貨物につきましては更に遅れて発生して参るのではないかというような感じを持つておりますので、先ず前半期に当りましては、私どもの推定した数字は殆んど狂いのない実績が出て参るかと思いますが、後半期に至りましては、これ全く政府の施策が、或いは一般の経済界の変化でどうなるかということは、私どももここで間違いないということを言うこともできませんが、さりとて必ず下ると、とてもこれだけはないというふうにもお答えしにくいと存ずるわけであります。
#15
○一松政二君 それは政府の施策の見通しがつかないということは、ちよつとどうかと思うのですが、政府の施策は明らかに、公共事業費なり、国民所得も昨年よりはこの四月から新年度のほうは減る計算になつておるし、アメリカにはもうすでに四百万人の失業者が予想以上にできておる。これはまあいずれ手を打つでしようが、日本も恐らく下期に行つたら、こんなはずはなかつたというような状態が出て、積極的に今度はデフレに対して何か緩和策でも講じなければならんような状態がこれは起らんとも限らない。そこへこの運賃増を見ておるところに、鉄道の予算の組み方にかなり甘いところを見せておるのではないか。若し足らなかつたら、補正予算を組まなければならんという問題が起るし、それから政府はまあ現在のところ補正予算を組む気持は持つていないと、又そんなことは言うべきでもありますまいが、どうも国の施策なり、政府の意図しておるところと鉄道の予算が私はどうしても跛行しておると思うのですが、まあ局長の今の答弁では、まあ当初そういう不安はあるけれども今のところはこうだという御答弁のようですが、これは先になつて幸いに予算の通り行くように日本の経済界が活況があればいいのですが、活況があるとは思われないのですが、今のようなお見通しで差支えないと思いますか。
#16
○説明員(石井昭正君) 大変むずかしい御質問で、私の能力では完全に御満足を得るお答えはしにくいかと思いまするが、まあ一応私どもといたしましては、この予算を実行して行く上におきまして、先ず今のところはこれでやつて行けるという自信は持つております。
#17
○一松政二君 足りないときは、どういう方法をおとりになりますか。予定の収入が上らなかつた場合、荷物がこの予算書に計上しているほどなかつた、或いはまあ人間は年々殖えますから人間は百五十万人も殖えて、これが年々成長して来ておるのだから、旅客は或る程度は殖えるかも知れんが、併し温泉やその他に行く物見遊山客は或る程度私はふところがさびしくなれば減ると思う。併しそれが、やはり今年度の標準からしてそれの割増を見ておるわけです。来年のほうが殖えるという見方をしておる。そこに私は多少疑問を持つておるのだが、如実にそれがその予定の線から以下になつて収入が予定のごとく上らなかつたときには、鉄道はどういう措置をとりますか。国鉄のその経営上の予算措置としてはどういうことをお考えになりますか。
#18
○説明員(石井昭正君) 運輸量が減りましたときには、これに応じまして、貨物輸送のごときものはやはりそれだけ列車が減つて参るわけでございます。これに伴つてやはり経費というものは節減されて来るわけでございます。勿論それは全部収入減をカバーするというところまではなかなかむずかしいかも知れませんが、併しその他方法を講じまして、やはり経費の節減で以てこれを切抜けて行くのが第一のやり方だと思つております。併し、経費の節減をしてももつと足らんような非常に急激な運輸収入の減少というようなものがございましたならば、これは根本的な対策を立てなければならんかと思いますが、只今のところでは併しそういうような状態にはならないと私は存じております。
#19
○一松政二君 根本的な対策というのは何ですか。
#20
○説明員(石井昭正君) それはそのときの政府のいろいろなお考えによることだろうと思いますが、勿論財政補給というようなことも考えられるかと思います。
#21
○一松政二君 これ以上経理局長に伺うことも無理だと思いますから、一応その問題はその点で打切つておきます。
#22
○岡田信次君 極めて少額なんだけれども、年々国鉄は帝都高速度交通営団に投資をしておりますね。この間御茶の水、池袋間が開通した。その結果、国鉄のあの附近の通勤輸送その他にいい結果をもたらしたのかどうか、その点お調べになつておりますか。
#23
○説明員(石井昭正君) 地下鉄の新線は、まだ開業して非常に日が浅うございますし、且つ本来の目的である都心地帯までの乗入れということもまだできておりません。のみならず、まああの地帯は文教地帯を相当通つておるのでございますが、学生、いわゆる通学関係の方々が定期券をもうすでに長期に亘つて買つておられるというような関係もあり、完全にあの線を利用するかどうかということは、新年度に入つて定期券の書換えということが済まなければ、果してどれだけの利用があるかという実際の見当も立たんと思うのでございます。只今のところはまだ詳細な資料は持つておりません。ただ見通しといたしましては、若干負担が緩和されて来るだろうと思いますが、これが都心まで開通した暁におきましては、相当大きな負担軽減になるだろうと存じております。
#24
○岡田信次君 大体この二十九年度に九千六百万円営団に投資することになつておるのですが、大体国鉄の営団に投資するという意図はどこにあるのか伺いたいと思います。
#25
○説明員(石井昭正君) これは営団の性格論だろうと思うので、私どもといたしましては、一応営団法に基きまして、この営団の出資は国鉄と都と両方で持つのだという建前に基いて出資いたしておるのでありますが、その当初の考え方につきましては、或いは運輸省のほうからお答え願つたほうが適当じやないかと思います。
#26
○政府委員(植田純一君) 帝都高速度交通営団につきましては、御承知の通り、東京都のいわゆる高速度交通の完備を期しますために、特別立法によりましてできたものであります。この東京都の高速度鉄道の整備というためには、東京都の交通におきまして大きな役割を持つておりますところの国鉄、そのできた当時におきましては勿論政府機関であつたのでありまするが、国鉄、東京都並びに郊外電鉄、そういうものが全部出資いたしまして、そうして一つの公法人を作つて、総力を結集してこの高速度交通の整備を図る、こういう趣旨に基きましてできたものでございます。その後終戦後におきまして、いわゆる公法人として、財政資金も投入いたしまして、そうしてその整備を図る建前上、いわゆる私鉄、郊外電鉄は途中におきましてこの出資から除外いたしまして、そうして国鉄と東京都とこの二者の出資という形におきましてこの高速度交通の整備を図るということで今日に来ておるわけであります。それで実は東京都の交通におきまして大きな役割を占めており、従いまして東京都の高速度交通におきましても当然大ぎな役割を持つべきところの国鉄の出資というものが、当初からそういうふうに計画に入つておるわけでございます。国鉄が政府機関から離れまして公共企業体になりまして後も、国鉄の出資という形が今日に続いておるような関係でございます。
#27
○岡田信次君 この帝都高速度交通営団法には、国鉄が出資することができるというので、別に出資する義務はないわけですね。そうすると、ああいう地下鉄ができないと国鉄の都市交通のために莫大な金を要するから、だからそれを救う一つとしてやろう、実施しようという考えから出ておるのですね。
#28
○政府委員(植田純一君) 高速度交通営団の出資は国鉄とそれから東京都が出資者であるということが現在の営団法におきまして規定されておるわけでございます。
#29
○岡田信次君 今の監督局長のお答えではちよつとわからないのですが、要するに私どもは営団に投資しては悪いというわけではないのですが、投資する目的が東京の国鉄があずかつておる都市交通に代つてやるのだというなら九千六百万円というような少額ではなく、もつとうんとやつて、その代りそうしたからにはでき上つたものが果してどういう効果を上げておるかということに対してもう少し迅速な敏感な御調査を願いたい、こう思うわけです。
#30
○大倉精一君 ちよつと聞いて置きたいのですが、北陸線の鍋田操車場の工事状況は、今どういうふうになつておりますか。
#31
○説明員(石井昭正君) 鍋田操車場の新設工事につきましては、大体総額四億九千万ほどの予算で考えております。二十八年六月までに約三千万円を投下いたしております。来年度におきましても五千万円程度を投下するように考えておりますが、今実行的にいろいろ検討いたしてきまるものと思いますが、大体の構想といたしましてはそういう構想であります。完成年度はわかりかねますが、三十年度におきまして大体相当多額の資金を投入いたしまして、ほぼ完成に近付けたい、これは三十年度の予算がどうなるかということによるところであります。只今のところはそう考えております。
#32
○大倉精一君 この鍋田操車場は私は非常に重要な建設の意義があると思うのですが、私の聞くところによるというと、初年度の工事が資金の関係上着手がなかなか困難であつたというように聞いておりますが、三千万円程度で大体順調に工事が進んで行きますか。
#33
○説明員(石井昭正君) 工事の具体的なことにつきましては、私ども承知しておりませんので、施設局長でも参りまして御説明する機会を与えて頂きたいと思います。
#34
○大倉精一君 それではちよつとこれもおわかりにならんかも知れませんが、操車場を完成するということになると、それに附随するところのホームなり、或いはレールのポイントなり、そういうようなものも併せて解決しなければならないということですが、そういう予算も組んでおりますか。
#35
○説明員(石井昭正君) 北陸線の強化につきましては、先ほど御説明申上げた幹線輸送力の強化ということにつきましての具体的な計画につきましては、別の機会に担当の方からお聞取り願いたいと思います。
#36
○大倉精一君 ではこれは別の機会に譲つて、もう少し詳しくお伺いいたしますが、その次に車両ですが、これはいろいろな資料によりますと、最近請求車に対して使用割合が大体五〇%から五五、六%という工合に聞いておるのですが、そうしますと大体車両の数が殆んど絶対不足ということが言えると思うのですが、その点は現状はどうでしようか。
#37
○説明員(石井昭正君) 貨物輸送力につきましては、或いはその原因が車両の絶対数であるという考え方もございますし、又いわゆる列車輸送力と申しますか、そういう列車本数の問題である場合もございます。列車の本数の場合には結局線路の状況でそれ以上殖やせないというような場合もございますし、又或いは機関車が足らない、或いは機関車があつても乗務員が足らないというような問題もございますので、一概に貨車の不足ということは言い切れないと思います。例えて見ますれば、非常に山間の支線になりますれば、これは結局貨車が足りないというので、その設備に応じただけの輸送力がありましても、荷物のほうが重過ぎる、こう言つては妙な言い方でございますが、結局出荷の需要に対してどうしても設備全体が足らないというようなことも言えるかと思うのであります。地域によつていろいろな見方ができると思うのでございますが、只今のところは貨車を全国的に、季節的に見れば貨車が総体として足らんというような時期は確かにあるのじやないかと思います。
#38
○大倉精一君 今日は余り詳しく質問はやめますが、ただ国鉄の予算の説明の結論のところに、いわゆる経済界の今後の動向を勘案いたしますと、予定した収入を上げまするには格段の努力が必要と考えられる云々とありますが、結局こういうことは、予定の収入を上げる、収入を殖やすということは、いろいろサービス問題もあろうかと思いますが、簡単な理窟で結局車両を殖やして、もつと荷物をたくさん運ぶということが国鉄の収入を殖やすことであり、日本の経済に寄与するゆえんである。然るにその根源をなすところの車両を殖やさないこういう予算措置についてはどうも納得行かないのですが、この点についてはどう国鉄としてはお考えになつていますか。
#39
○説明員(石井昭正君) お説の通り輸送力の根源である車両が殖えないということは、輸送力を上げる上に非常に困難な問題でございます。併しながらなお与えられた車両でも、これが運用を合理化して極力効率を上げるという点に基いて収入を挙げるという方策に持つて行きたいと存じております。又廃車等をいたしますにつきましても、その時期を選び、又或る程度の補強を以て延命できるものは万止むを得ずこれを延命するというようなことも、これは窮余の一策でございますが、やつて参りたいと考えております。
#40
○大倉精一君 運用効率を上げるということは言うべくしてなかなかこの運用効率を上げることによつて輸送力を殖やすことは非常に困難だと思います。特に老朽車あたりを見ますというと、殆んど十万両ある貨車の中で大体使えない廃車のものが一万七千両或いは二万両近くもある。こういうような状況で、而もこの車両を大体一車両十万円程度かけて直して少し寿命を延ばすというようなことをおやりになるようでありますが、どうもこういうような一時糊塗的な方策では将来の日本の経済の動向、それから輸送力の動向を眺めて追つつかないような気がするのですが、それではやはり公共企業体としての社会的の任務というものも果して行けないというような感じが私はするのですが、今日そういう根本方針についてお伺いするのはどうかと思いますが、経理局長さんのそれの担当面からそういうほうのお考えを一つ聞かして頂きたい。
#41
○説明員(石井昭正君) 御指摘の点は誠に御尤もでございまして、私どももできるだけ車両の増備ということによつて輸送力の改善を図りたいと存じております。結局問題は工事資金の資金額でございまして、資金の調達或いは外部資金、自己資金、いずれの方面からももう少し充実して頂かなければなかなか御要望に副うような改善に近付くことができないということを大変遺憾に存じております。
#42
○森田義衞君 二十九年度の営業費増加額内訳というのは、先ほど御説明になつた第二表の貨物収入が八十二億円、これは何ですか。二十八年度の、本年度の予定の貨物の収入よりはこれだけが結局来年度におきますいろいろな給与改善なり、事業増進その他要ります経費のこれがグラフになつておるのですが、これだけの分が殖える計算ですか。
#43
○説明員(石井昭正君) これは二十八年度当初予算に比してこれだけ殖える、そういうふうなことでございます。
#44
○森田義衞君 そうしますと、実際の本年度の見込収入と申しますか、純増になります分はこつちの第一表にございます、前頂きましたこれの三十三億といつたものが実際の純増になりますか。今年度の当初予算が千百七十六億ですね。
#45
○説明員(石井昭正君) 貨物収入ですか。
#46
○森田義衞君 貨物収入です。
#47
○説明員(石井昭正君) 補正予算が今年度の実績というふうに一応考えました場合に、そういうことを前提といたしますと三十三億でございます。
#48
○森田義衞君 そうしますと、実際は来年度の給与改善百四十億、その他に使える金の或る部分は今年としては余裕が逆にあるといつた恰好になつておるのですか。
#49
○説明員(石井昭正君) この給与改善の百四十億も昨年度の当初予算に比較いたしておるのです。従つて今年度も給与改善といたしましては、期末手当の増加或いは一月からのベース・アップ、そういうものに使つておりますので、それは勿論当初予算に比較すれば余裕になつておるのでございますが、現在余裕があるというわけではございません。
#50
○森田義衞君 そうしますと当初の要求のときに、七十一億、この予定では八十二億といつた恰好になつて、貨物収入が殖えておりますが、何か少し、先ほどもほかの委員から御質問があつたのですが、辻棲を合せるために何か水増しになつているといつた感じがするのですが、その点はどうなんですか。
#51
○説明員(石井昭正君) これは増加いたしました論拠は数量そのものの見方ではございませんので、実は賃率の見方によつてこういう数字を加えても差支えないのじやないかという大蔵当局のほうの、或いは運輸省も同じでございますが、御意見でございました。結局賃率の見方は、昨年は御承知のように等級改正を行いまして、この等級改正が非常に画期的な等級改正で、従来のやり方を根本から変えたというような恰好になつております。賃率、予定賃率というものを幾らに見るかということにつきましては、極めて実績が乏しいわけでございます。私どものとりました実績に対しまして、大蔵省或いは運輸省というものの見方と多少見解の相違がございました結果が、こういう結果になつたので、数量そのものといたしましては、決して水増しをしたということにはなつておらないと思います。
#52
○森田義衞君 大体この程度の総額として、貨物収入が千二百億を上廻るという収入が予定される裏として一億六千万トンというものが大体輸送される見込がある。而もそれが昨年度と比べて二%増といつたような見通しが現状から見てほぼ完遂されるお見通しがございますかどうか。
#53
○説明員(石井昭正君) これは先ほどの一松委員にお答え申上げたと同じことを申上げるので大変恐縮でございますが、只今の年度のベースを持つて参りますればこれは間違いなくできるのでございまするが、併しながら政府の政策によります緊縮政策というものが経済面にどういう影響をもたらして来るかによつて、必ずしも十分この通り行くということが言えるかどうか、はつきりしたお答えを申上げるのにいささか躊躇を感ずるわけでございます。併しだから少くともほぼそれに近い……勿論情勢によりましてはこれを上廻るということもございますが、仮に悪くなりましてもほぼこれに近い数字が挙げ得るのではなかろうかと期待いたしております。
#54
○森田義衞君 先ほど大倉委員からお尋ねになつたのですが、仮にこの二%が目標通りほぼ行ける見込があるというお話であるのですが、そういたしますと、繰返して言うのですが、二千五百両程度の取替えの貨車建造しかやつておらない、あとは先ほど御説明の通り何とか運用効率の向上でこれを賄うというお話ですが、少し運用効率の向上をおやりになる面があると思いますが、かなり何と申しますか、部外に御迷惑をかけているといいますか、そういつた面が顕著にあるのではないか。例えば荷役を強化するために早朝から、或いは休祭日にやり、或いは夜間にやり、そうなりますと、かなり中小企業の面におきましても早く経費節減、合理化を図つて行かなければならんといつたときに、負担がより以上殖える面があるのではなかろうか、或いはむしろ私どもは荷主のそういつた無理な負担になつている面は公共機関としての国鉄は成るべく除去して行つてよきサービスをやつてもらいたい。だが遺憾ながら車両に対する工事費の少い関係から割くことができない。而も本年度と同じ程度の貨車しか運用できないといつたような面だと思いますが、そういつた点、或いは廃車になるものを延命使用するとかいろいろな手がございましようが、そういつた点でこの車両費の内訳が全体の工事平均の骨格の中でも少し貨物に対して見方が何と申しますかもうちつと加減できるのではないかといつた感じがするのですが、それは先ほど岡田委員からお話のありましたような通勤輸送の緩和、国鉄自体がやらなければいかん面があるにもかかわらず、こういつた交通営団にも一億近い投資をしておるといつた面がありますが、勿論通勤の緩和は国鉄自体でもつとやつてもらいたい。電車が六十両しか来年度は増加になつておらない。そういつた点で十分な緩和が私はできないと思いますが、そういう国鉄自体ができないにもかかわらず、他の機関に投資をする、而も又車両関係の貨物輸送の上においては殆んどサービス改善の面がないといつたのに対して私は少し遺憾に思うのですが、仮に何と申しますか、勿論国鉄が交通営団に出資ができ得ることになつておりますが、運輸省からむしろこれをやつてくれと頼まれたのか、好んでやつたのかその辺の御意見をお聞きしたい。
#55
○説明員(石井昭正君) 営団の出資につきましては、これは営団がすでに新線も計画を着手しておりまして、池袋から西銀座までの線を建設して行く。その基礎となりますものは一応都と国鉄との出資でございますが、更にその出資に基きました増資された額に対して交通債券を発行するということによつて資金の手当をして参る、と同時に政府の財政資金の援助も仰ぐというような構想でこの建設計画が成立つておると思うのでございまして、従いまして当初からそういう計画でそれに乗つてスタートをいたしましたものでございまするから、それの計画に従つて毎年予定された額を出資して行くということはこれはもう今日の実情としては止むを得ないことではなかろうかと存じております。
#56
○加賀山之雄君 この二十九年度の予算で税の関係、それから電力料の値上げというよなことがまあまあいろいろ出て来そうな気配があるのですが、これはこの予算の中にはどういうふうに……。
#57
○説明員(石井昭正君) 租税につきましては、昨年度から国鉄の事業用乃至事業用以外の施設に固定資産税をかけるということになりまして、目下地方において査定をいたしておりまするが、当初のお話のありました額から見ると相当多額に上るようでございまして、これは私のほうといたしましてはまあ予算上も処理に困りますし、それから又実際切詰められた経費のうちから予定外のそういう税金に払うということは非常に経理のやりくり上困ることだと存じており、極力これは関係方面に折衝いたしまして予定内の額に収まるように折衝中でございます。なお併し、できますならばこういうトラブルがないように一つ政府のほうで一括してこの税金を抑えて、低額で私どもの予算が組みやすいようにお願いできないものかということで目下運輸省のほうへお願いをいたしておる最中でございまして、この税金につきましてはそういうようないきさつもございます。内容は経費のうちに一定額は持つております。それから電力料につきましては、これは私どものほうでは予算には値上りがないものといたして値上げ分は予想いたしておりません。
#58
○加賀山之雄君 これで見ると、税の関係は却つて昨年の予算額よりは落ちているようですが、これは勿論地方税の関係だろうと思う。それから電力料も、今言われていることがいろいろ交通機関に及ぼす影響は非常に大きな面があろうと思うので、一面石炭費は落ちるけれども、電力料がうんと上ればこれじやあとてもやつて行けないような恰好になると思うのですが、先ほどの収入の見積りと合せてまだ支出の面ではそういつた要素が入つているので、非常に心配なような気がするのですが、これはまあ杞憂に過ぎなければ結構だが、その点が一つ。それからいろいろ資料を頂いたのですが、原価計算関係の資料が非常に少いように思うのです。動力車をいろいろこの頃使つて来ているが、勿論ヂーゼル・カーの原価計算はできて、バスでやるよりも何でやるよりも有利だということに基いていると思うのです。又最近ヂーゼル電気機関車も一部使用しておる、そういうような関係。それから最近の電気設備の工事費がどういうふうになつているか、累年の比較等、そういつた原価計算に関係のある資料が少しあると思うので、一つできたらお示し願いたい。
#59
○説明員(石井昭正君) 電力につきましては御承知のように購入しております。電力料は、これは絶対額といたしましては相当額に上りますが、国鉄の経費の中から見ますと自営の電力のほうが多いのでありまして、従いましてこの値上りが仮にありましたとしましても、経費のやりくりで消化できないことばないとは思つております。なお、いろいろ只今御案のございました資料につきましては、できるだけ取揃えてお届けいたしたいと思います。
#60
○委員長(前田穰君) それでは本日はこの程度で散会いたしたいと思います。これにて散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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