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1953/03/20 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第4号
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1953/03/20 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第4号

#1
第019回国会 農林委員会林業に関する小委員会 第4号
昭和二十九年三月二十日(土曜日)
  午前十時五十六分開議
 出席小委員
   小委員長 川俣 清音君
      秋山 利恭君    小枝 一雄君
      佐藤善一郎君    福田 喜東君
      井出一太郎君    足鹿  覺君
      芳賀  貢君
 出席政府委員
        林野庁長官   柴田  榮君
 小委員外の出席者
        農林事務官
        (林野庁林政部
        林政課長)   臼井 俊郎君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
三月十二日
 小委員中澤茂一君が同日小委員辞任につき、そ
 の補欠として中村時雄君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 保安林の整備計画に関する件
    ―――――――――――――
#2
○川俣委員長 これより会議を開きます。
 林業に関する問題について、調査を進めます。本日は全回の小委員会において留保いたしておりました、治山治水対策の一環としての保安林整備計画について、政府の説明を求めたいと存じます。保安林整備臨時措置法案と、森林法、国有林野法との関連も出て参りますから、あわせて調査を進めて参りたいと思います。まず柴田林野庁長官の説明を求めます。
#3
○柴田政府委員 御承知の通り、治山治水対策要綱が決定せられまして、その一環として、まず私どもといたしましては、保安林の整備強化をはかる計画を進めて参つておる次第でございます。現在国土保全を対象といたしまする保安林は、約二百二十万町歩でございますが、今後わが国の重要な河川の流域を保全整備いたしまするために、保安林を再検討いたしまして、一応目標といたしましては、今後重要な水源の流域におきまして約七千万町歩の保安林増強を考えております。総面積の約三百万町歩の整備をいたすと同時に、これが管理を、従来は一応森林法に定めましたその施業の指定を示しまして、これに従つて森林計画をそれぞれの所有関係においてお立てを願う。県がこの計画をお立て願うということで、監督だけをいたしまして、おまかせいたして参つたのでございます。しかるにこれが実行状態を見ますると、必ずしも的確に施業が行われて参つていない。その結果、せつかく保安林に編入いたし、保安林の取扱いをいたしましても、十分なる保安効果を発揮し得ないという場合が相当出て参つておりまするので、対策要綱に基きまする整備は、ただ単に保安林の地域的な面積増強だけではなく、これが経営の適正を期するということで、一応予算等におきましても、今後三箇年間に整備を完了いたしまして、今後五箇年にそれぞれの保安林の管理、実行計画を国の責任において編成する。そうしてこれが実行に関して、監督を厳重にいたして参るという方向を一応とつておるわけであります。それに関連いたしまして、最も重要な地域に対しましては、でき得れば国でその地域を買い上げて、これを国有林野事業の一環といたしまして、計画的に保安林の管理実行をいたす、こういう構想を立てて参つておるわけでございます。従いまして、本来から申しますれば、ただちにこれが整備を、法的にも基礎を持ちまして、これが予算化をはかるべきでありましたが、時期的に同時に出発というようなことになりまして、予算編成が、大体の法案の見通しを持ちまして、先行するような結果になつてしまいました。この点はまことに準備が遅れたと申せばさような結果になりますので、申訳なく存じておりまするが、実は並行して進めて参つた次第でございます。
 そこで、この行き方といたしまして、あるいは森林法に保安林整備の問題を全部盛り込みまして、森林法の改正をお願いするという方法も考えられたのでございまするが、早急に整備いたしまして、さらに恒久的な軌道へ乗せて行くという方が運びやすいという考え方をもちまして、現在進行いたしておりまするのは、一応保安林整備臨時措置を特別法をもつて進め、限時法といたしまして整備をいたしまして、整備の結果を基本法でありまする森林法に移す、こういう方法をとらしていただきたいということで、保安林整備臨時措置法案が準備されつつあるのでございます。昨日の閣議で一応法案提出の閣議御決定を願つたのでありまするので 事務的に準備のでき次第、来週早早にも提案いたしまして、具体的な御審議をお願いいたしたい、かような段階に参つております。
 なお、保安林の制度の上にも、これを実施いたしまする場合に、一部修正をいたしまして、円滑な結びつきをする必要がございまするので、あるいは本国会に間に合わぬかもしれませんが、その場合には、来国会には森林法の一部改正をもお願いいたしまして、これを並行いたしまして、円滑な運営をいたすという心組みでおる次第でございます。
 これと並行いたしまして、国有林野事業特別会計法の一部を、一般会計からの経費の繰入れ等の問題を含めまして改正を要する点がございまするので、これは本国会に大蔵省の所管として提出いたしまして、御審議を願う運びになつております。これも近く国会提出の運びとなる見込でございます。私どもといたしましては、一応保安林整備臨時措置法案を整備いたしまして、これとあわせて、新年度からただちにこれが整備の一環といたしましての保安林の国の買入れ事務をも進めるために、それぞれの準備をいたしておるというのが、今日までの経過であることを一応御報告申し上げます。
#4
○川俣委員長 柴田長官の説明について順次質問を進めて行きたいと思いますが、その前に、保安林整備臨時措置法の具体的な法案が整つて、閣議にかかつたそうでありまするから、その説明をお願いすることといたします。
#5
○柴田政府委員 近く提案になる見込みでございますので、一応法案の内容を、林政課長から説明いたさせます。
#6
○臼井説明員 保安林整備臨時措置法案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一条に目的を規定してございますが、先ほど来長官からもお話がございましたように、緊急に保安林を整備しようという目的をもちまして、保安林整備計画を定めて、それとの関連で、法律的な措置を要します事項をこの中に規定しておるのであります。一応法律的に措置しなければならないと考えておりますのは、森林法に規定しております森林計画を、保安林整備計画にのつとつて変更しなければならない部分と、保安林を国有林野事業特別会計で買い入れます関係の一連の規定でございます。
 初めに保安林整備計画でございますが、これは第二条の初めの方に規定してございます通り、地勢その他の条件を勘案いたしまして、主として流域別に地域をわけまして、計画を定めたい、こう考えておるわけであります。全国をおおよそ、われわれが現在想定いたしておりますのは、百九十八ほどの地域にわけて、この計画を定めたい、かように考えておる次第であります。
 整備計画に規定いたします事柄といたしましては、まず第一に保安林の指定及び解除、これは先ほどもお話がございましたように、二百二十万町歩余りございます保安林を、解除すべきものは解除し、新しく指定を要するものは指定をいたしまして、およそ九十万町歩余り追加いたしたい、かように考えておるのでありまして、そのことを区域ごとに明確に規定しようという問題が第一点でございます。
 次は保安林の区域内にございます森林施業につきまして、すなわち木が立つております森林の手入れ、伐採、造林、その他森林の施業につきまして、保安林でありますため、いろいろ制限をいたしましたり、積極的に森林所有者にやつていただかなければならないような点がございますが、その点について明確に規定いたしたい、かように考えておるのであります。
 第三点は、保安施設事業に関係した事柄でございまして、これは普通にわれわれが治山事業と申しておる事柄でございます。これは大分日本の山林が荒廃いたしておりまして、重要なところについても、いろいろ計画を立てて、治山事業を行つておるのでありますが、なかなかはかどりませんで、なお相当崩壊地、あるいは崩壊荒地等がございますのは、御承知の通りであります。それを重要な地域につきましては、七箇年で、その以外の地域につきましては十箇年くらいの計画をも七まして、何とか完了いたしたい。かように考えておるのが現在の段階でございます。そういう線のものを計画の中に盛り込んで参りたい、こういう考え方でございます。
 それからもう一つの問題は、保安林等の買入れに関する事柄でございます。これはわれわれが想定いたしております重要な河川の、上流水源地域の現在民有林でございますものにつきまして、国土保全上必要な保安林の最終形態を百十万町歩余りと想定いたしておりますが、その中から十箇年間で、計画では五十万町歩程度買上げたい、かような計画を持つておるのであります。そのような事柄を規定いたしたい。
 第五番目は、その他いろいろのことが考えられるのでありますが、その中でも大きい問題は、現在の森林法に規定してありますが、保安林の中では土砂を採取いたしましたり、地形を変更したり、放牧したりするような事柄は許可がいることになつております。そういうような問題について規定いたしたい、かように考えております。
 第三条の、森林計画の変更でございますが、先ほども申しましたように、ただいまのような保安林整備計画ができますと、現在立てております森林計画では、そのような部分につきましては若干遅れておるわけでございますので、新しく、治山の見地から総合的な計画としてつくりましたところの整備計画に盛り込まれております事柄を、森林法に規定しております森林計画の中へ盛り込みまして、その森林計画を森林所有者に守つていただく、履行していただく、こういうふうにいたしたい。そのためには計画を変更しなければいけない、しかもそういう変更につきましては、現在の森林法では予想しておりませんので、一部を変更することができるという規定を新しく設けておる次第であります。
 次に買入れについての計画でございます。国がこれを国有林野事業特別会計で買入れることになります。保安林整備計画に基きまして、年々予算に従つて買入れます森林は、当然国土保全上重要な地域に限られますが、第一としてまず考えられます問題は、現に保安林として指定されておる森林でございます。その次は、保安施設地区、これは森林法で治山事業をやります対象地域を、農林大臣が保安施設地区として指定いたしまして、そこに治山事業を行うのであります。そういう事業が完了いたしますと、そこに森林ができ上りまして、当然に保安林に転換する規定もございます通り、非常に将来保安林として大事な所でありますので、そういう所も買い入れるようにいたしたい。
 その次の問題といたしましては、今申しますように、保安林とか、保安施設地区とかで買い入れます森林等に隣接しておりまして、そういうものと一体的に経営する方が、国土保全という見地からも、国有林野の経営という点からも合理的だ、こういうような所は、やはり買い入れることにいたしたい、かように考えておるのであります。この第四条で書いております買入れは、あくまでも森林の所有者とのお話合いで買い入れるものでございます。
 次に、第五条の交換でございますが、これは今申しますように、所有者との話合いで国が買い入れます場合にも、その森林がここに書いてございますように、その地方の住民の薪炭原木の採取、放牧または採草の川に供されているもの、そういうようなものを、どうしても保全上必要だというので買い入れたい、また買つてもらうのがけつこうだという話合いがつきました場合にも、そういうようなものを、国がただ単に買い入れてしまいますと、地元の住民に非常に不便を与える、あるいは農業経営が成り立たない、日々の生計を維持する上の薪炭に困られるというような場合も想像できますので、そういう場合には、現在国有林野として持つておりますものと交換いたしたい。その交換をいたします場合には、国有財産法第二十七条では、高い方の価格の四分の一の限度まででしか交換ができないことになつておりますのを、二分の一までできることに拡げまして、すなわち高い方の価格の半分まではよろしい、こういうことに交換対象地を広く考えた次第であります。
 次に、第六番目の強制買収の規定でございます。これは国土保全という見地からいたしまして、保安林の所有者につきましては、どうしても森林法に規定しております通りの施業をやつていただきますとか、あるいは土砂をとり、地形を変更する、あるいは石をとるというような場合には、許可がいるというように、いろいろ制限しておりますことを守つていただかないと困るわけなのであります。そういうことを守らないという森林所有者がおりました場合、そういう森林所有者につきましては、森林法の第三十八条の規定では、森林所有者が保安林を、違反して木を切る、あるいは今申しますように地形を変更する、土砂をとるといつたようなことがございますと、知事が造林の命令を出したり、復旧の命令を出したりすることができることになつておるのでありますが、そういう命令を出しても、なおそれにも従わないということになる場合、もう一度念を入れる意味で、その命令を履行してほしいという意味の催告をする。それでもその命令に従わないという場合には、政府が強制的に森林の土地とか、土地の上の権利とか立木竹を買い入れることができるというふうに規定しておるのであります。森林法に規定しておりますところを森林所有者が守りませんと、それが国土の荒廃大きな災害の原因になることが十分想像されますので、これだけの手を尽しても守つていただけないような森林所有者は、そういう重要な森林を持つておる人としては不適格な人だということも言えるのではなかろうかと思います。そういう意味で強制買収規定を設けたのであります。但し、第二項でさらに規定しておるように、買い取ります場合には、中央森林審議会の議を経た上でやるのだということでございます。農林当局だけで、第一項の要件が備わつておるからということでやりますことには、若干慎重を期した方がいいというようなことも考えられますので、学識経験者その他で組織しております中央森林審議会にお諮りしまして、そこでもつて買うのが当然であると御決定になつた場合にだけ、強制買収をする、かような考え方をいたしておるのであります。それ以後の規定は、強制買収のときには令書を出すとか、いつ所有権が移るとかいつたような手続の規定であります。ただそのような強制買収の場合には、第四項で書いておりますように、問題は価格の点にある場合もあるかと思いますので、価格について不服のある人は訴訟を提起することができるという規定も設けまして、遺憾のないように措置いたしたつもりでございます。
 最後に評価の問題でございますが、これは今申しますように、政府が買い取ることになりますと、幾らで買うという問題が、政府側にとつても、買い取られる人にとつても、なかなか大きな問題だと思うのであります。そのためまず根本原則は時価だということが第一点、時価と申しましても判定がむずかしいので、評価基準をきめまして、それをきめるには、やはり中央森林審議会にお諮りをして、それを政令で定めたい、それに基いて算定するのだ、かように考えておるのであります。
 それから附則の問題でございますが、先ほど来森林計画、保安林制定計画につきまして御説明申し上げましたように、治山事業は重要地域につきましては七箇年、その他は十箇年というような計画をいたしておりますし、また買入れも十箇年間で五十万町歩というようなことを想定いたしたりしております関係もありまして、この法律は一応十年間と規定しておるのであります。十年経ちましたところで、もう一度、農林当局といたしましては、治山治水の見地から、この法律を施行した結果十分検討いたしまして改正し、あるいは存続する必要があればそのときの問題といたしたい。一応の目標を十年といたしておる、かような考え方であります。
 次に三項の租税特別措置法でございます。あとの四項に地方税の関係がございますが、これはともに政府が買い取つたり、交換をいたします場合に、関連して租税の減免の規定を設けておるのであります。租税が減免されませんと、なかなか買取りの問題もむつかしいかと存じますので、そういう意味において、一つは固定資産の評価の税、譲渡所得、登録税、その三つが三項の国税の関係でございます。それから地方税は、新しく現在提案になつております地方税法で、新設されることになつております不動産取得税を免除いたしたい。これは大体他の法令に合せまして、似たようなのと歩調を合せて、関係の部局と相談いたしましてきめた次第でございます。以上で一応御説明を終ります。
#7
○川俣委員長 今、臼井林政課長から保安林整備臨時措置法の概要の説明がありましたが、質疑がございましたらこれを許したいと思います。
#8
○足鹿委員 ちよつと伺いますが、昭和二十九年の予算にどういうふうな措置が講じられておりますか。それから大体予想される対象面積、または年次計画、その河川の何か予定がありましたら、そういつたようなものをむしろお聞かせ願いたいと思います。
#9
○柴田政府委員 予算措置といたしましては、一つには保安林の整備計画は、実はすでに継続で実施いたしておりまして、これの整備計画の継続費が予算へ盛らております。それと合せまして、保安林の管理実行を的確にするための管理実行案を編成する経費が盛られております。これは整備と並行いたしまして、一応全国土保全を対象といたしまする保安林に対しまして、詳細に具体的な管理実行の計画を、国並びに県の責任において編成するということを、今後五箇年間で実施するという考え方で、二十九年度から実施することになつています。さらに保安林の買上げ措置につきましては、二十九年度におきまして買上げ対象を一応五万町歩といたしまして、その買上げ費を十五億、さらにそれに対応いたしまして、施設あるいは造林等の治山事業の措置をとりまする経費を、十五億、これが一応予算に盛られておる次第であります。これの対象地域は、全国の重要河川と申しましても、これは従来申しておりまする建設省あたりの重要指定河川という考え方ではなく、もつと客観的に、他の関連産業、あるいは林政その他と関連いたしました一定の基準に基きまして、重要度を測定いたしまして、現在一応考えておりますのは、約二百河川の上流水源地域というものを、これは実測はいたしておりませんので、的確な数字にはなりませんが、大体その上区域は全国にわたりまして四百四、五十万町歩に含まれております。整備後における保安林約二百四、五十万町歩を対象として、そのうち管理の上で非常に不安があるもの、あるいは強力な施設を要するもの等を主体といたしまして、一応十箇年間に五十万町歩を買い上げて、国有林野事業として管理経営をいたす、こういう目標で進めておる次第であります。従いまして今後の買入れ、あるいは買い入れた土地に対します治山事業の施行のためには、一般会計からの繰入れ措置をも考えて計画的に実施する、こういう考え方で国有林野事業特別会計法の改正をもお願いするということで了解ができておりまして、近く法案を御審議願う予定になつております。
#10
○福田(喜)委員 本日林野庁から正式に保安林整備臨時措置法案が提出され、詳しい法案の説明も今伺いましたが、これに関する質疑等は、われわれ一応持ち帰りまして、次の林業小委員会で、よく研究の上さしていただくということでどうでしよう。
#11
○川俣委員長 福田委員にお答えいたしますが、長官の説明のありましたように、昨日の閣議で法案提出の決定を見たようであります。いずれ議会に正式に提出される手続が踏まれておることと存じますが、前からこの法案についての調査を進めて来ておりましたので、小委員会で検討できる分だけは、小委員会でやり、正式に法案が出て参りますならば、本委員会において一応説明があり、本委員会における質疑が行われるであろうと思われます。続いて細目にわたつてなお小委員会において具体的に調査審議をして参りたいと存じます。
#12
○福田(喜)委員 これはまだ本委員会にかける前の案ですか。
#13
○川俣委員長 ちよつと速記をとめて……。
  〔速記中止〕
#14
○川俣委員長 速記を始めてください。
#15
○福田(喜)委員 長官の御説明の保安林整備臨時措置法案は、重要なる意味を有するものでありまして、ただいま長官の御説明を承つたのですが、これに関しまして国有林野整備に関する他の法律、これと一つの組織的体系をなすところの国有林野法の改正の問題、それから森林法の改正すべき要点、それから緊急措置法の期間延長の問題等、本国会にあわせて御提出願えるかどうかということについて、ひとつ長官の御意見を伺いたいと思います。
#16
○柴田政府委員 先刻申し上げましたように、これに関連いたしましては、当然森林法におきまする保安林の事項に関しまして一部改正を要する点がございまして、実は同時に改正御審議をお願いいたしたいと思つて準備をいたしておりましたが、非常に臨時措置法案自体が遅れて参りまして、同時提案の運びに至らないという状況になりましたが、当面保安林の整備を進めまする場合に、それほどの支障を来さないので、実はこれだけ進めていただきたいということでございます。当然その内容といたしましては、将来の森林法の改正を目途といたしました方向で整備を進めて参る、こういう考え方でおる次第でございまして、これも準備のでき次第、なるべく早い機会に御審議を願いたい、かように考えております。
 それから国有林野整備臨時措置の問題は、さきにも一応申し上げたと存じまするが、主として事務的な関係から一応昭和二十九年の六月末までの期限になつておりまするのを、二十九年度一ぱい延長するだけを改正点として御審議をお願いしたい。これは月末ないし四月初めまでには準備いたしまして、御審議を願うことにいたしたい、かように考えております。それとあわせまして国有林野法の一部改正をも準備いたしまして、御審議を願う。これは大体同時に提案いたしまして御審議を願う、こういう考え方でございます。
 それと、これは全然別個になりますが、農林省の設置法の一部改正で、営林局の位置の移転等に関しまする改正案を御審議願う。これも月末ないし来月初めごろにお願いいたしたい、かように考えておりまするが、一応御審議を願う私どもの関連の法案としては、以上を目途といたしております。
#17
○福田(喜)委員 ただいまの御説明で、他の重要なる二法案については、つまり本国会に御提出願うということに大体の御意見を承つたのでございまするが、それと並行いたしまして、ただいま林業懇話会等でやつております造林促進法案でございまするが、この点につきましては、同じくこの保安林整備臨時措置法も、重要なる国策といたしまして、治山治水対策の要綱に基くところの考えから出ておるわけでございまして、これとうらはらをなす造林促進法の方は、今林野庁としてはどういうお考えでございましようか。あれを政府提出としてお取上げになるか、あるいはまたその進め方について、何か特別なお考えをお持ちでございますか。これは保安林の整備促進に関する法案とうらはらをなす重要なる問題でございますので、この点についての御意見を承り、かたがたその進め方、つまり今国会に御提出になるか。提出するにつきましては、政府提出とするか、議員提出とするか、その点についての御意見も承りたいと思います。
#18
○柴田政府委員 実は造林臨時措置法も、二十九年度で一応法案の有効期間が切れまするが、現状からいたしますると、何といたしましても国土保全、あるいは林産物の培養増強等の重要性からいたしまして、造林の促進を継続いたしまして、当然考えられなければならぬというふうにも考えておりまするし、その他の林政上の重要施策を遂行するためにも、ぜひ必要な問題であり、かつ造林とあわせまして、種苗関係の問題等も、いま少し統一的に整備する必要があると私どもは考えております。従いまして、現在造林促進法案に関しまして、各方面の皆様方の御協力をいただきまして、現在衆知を集めつつあるというところでございまするが、現在の内容の進捗状況から参りますると、本国会にはなかなか間に合いかねると同時に、現在考えております内容が、あまり広汎にわたり過ぎはしないかというような懸念もございまして、それらをいま少し内部で練る必要がある。その結果におきまして、あるいは政府提案として御審議を願うという方が妥当ではないかとさえ考えておりまするが、何しろ非常に他者との関連も広くなつて参りまするので、それぞれまだ了解点に達するまでに、範囲が広過ぎて進捗いたしておらないという現状でありまするので、いま少し時間を要するということ、その成行きいかんによつては政府提案がむずかしいということになりはしないか。その際は、またいろいろ先生方にも御協力をいただかなければならぬということになりはしないかということについて、まだ現在はどちらともはつきり見通しをつけかねておるという段階でございます。
#19
○福田(喜)委員 ただいま長官の御説明を承りまして、もつともだと思いますが、保安林の整備、端的に申しますならば、買入れの事柄と、施業の制限、治山事木でございますが、これの積極的の裏をなすものは造林促通法であつてみれば、治山治水の事業というものは、ちようど今国策の波に乗つて、国土保全上重要な一環をなすものであり、かつこれが一番脚光を浴びておる事柄であるにかんがみまして、私は、早急にこの問題を林野庁においてお取上げを願つて、国土保全の施策の全きを期していただきたいということを希望として申し上げておきたいと思います。なるほど造林促進法は予算を伴いますし、官庁等の定員の関係もありましよう、その他各省との連絡事項も非常に多いと思いますが、ただいま長官の御説明によりますと、国有林野法の改正と保安林整備臨時措置法だけ、それからまた緊急措置法期限延長の問題だけでは全きを期せられないわけでありまして、この点も申すまでもないことでありますが、早急に提出の形式もお考え願うと同時に、治山治水の対策は、円を描いて欠けたるところがないように、ひとつ造林促進法の御提出を願いまして、施策の全きを期していただきたいと思うのであります。
 委員長に伺いますが、条文の逐条的なことをお尋ねしていいでしようか。大きな問題だけに限りましようか。
#20
○川俣委員長 なるべく大きい問題だけに限つて、いずれ提案があつた場合にしていただきたい。
 なお、福田委員にお諮りいたしますが、造林促進法ですが、柴田長官からの説明によりますと、関係が非常に広いために、政府の提案が遅れておるようですが、もし必要とならば、この委員会においても十分検討して、議員提出の方向もとりたいと考えておりますが、今政府の出ようを待つておるところですから、御了承願つて質問を続けていただきたいと思います。ちよつと速記をとめて……。
  〔速記中止〕
#21
○川俣委員長 それでは速記を始めてください。
 本日はこの程度にいたしまして散会いたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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