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1953/12/17 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第1号
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1953/12/17 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第1号

#1
第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和二十八年十二月十二日(土曜日)
委員長の指名で次の通り選任された。
      佐々木盛雄君    佐藤洋之助君
      綱島 正興君    松山 義雄君
      金子與重郎君    足鹿  覺君
      川俣 清音君    安藤  覺君
同日
 綱島正興君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
会議
昭和二十八年十二月十七日(木曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席小委員
  小委員長 綱島 正興君
      佐藤洋之助君    松山 義雄君
      金子與重郎君    足鹿  覺君
      川俣 清音君    安藤  覺君
 小委員外の出席者
        議     員 福田 喜東君
        総理府事務官
        (経済審議庁調
        整部調査官)  淺海 諒介君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      小倉 武一君
        農林事務官
        (農林経済局肥
        料課長)    林田悠紀夫君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 中村辰五郎君
        通商産業事務官
        (軽工業局化学
        肥料部長)   柿手 操六君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川上 為治君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  佐久  洋君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 臨時硫安需給安定法案(内閣提出、第十六回国
 会閣法第一六七号)
    ―――――――――――――
#2
○綱島委員長 これより会議を開きます。
 十二月十日の委員会におきまして、臨時硫安需給安定法案をこの小委員会の審議に付されることになりましたので、これより本案を議題にし、審査を進めることにいたします。
 まず御質問でもございましたら、それぞれ政府委員も参つておりますから、お願いいたします。
#3
○川俣委員 鉱山局長が見えておりますので、前の農林委員会において質疑をいたしました事柄について、さらに質疑を続けて参りたいと思います。
 前委員会においても申し上げましたが、化学工業のもとであり、しかも硫安工業にとりまして最も基礎原料でありまする硫化鉱が、最近値下りをいたしておりまして、今S分を持つた硫化鉱をおもに産出いたしておりまする鉱山で、別子、柵原、松尾等を除きましては、ほとんど経営困難に陥るほどに硫化鉱の値下りをいたしておるような状態であります。これは鉱山局においても十分御承知だろうと思います。小鉱山はすでにつぶれておるような状態であります。S分から見ますると、大体十円方下つておるとも言われておりますし、十二、三円下つておるんじやないかということも言われております。最近のS分を持つておる硫化鉱等の値下りについて、どのような所感を持つておられるか、またどのくらい値下りをしておるかというような点について、鉱山局の見解を求めたいと思うのであります。
#4
○川上説明員 今日は突然でありましたので、正確な、ごく最近の資料を持つて参つておりませんので、十分な御説明はできないと思いますが、最近硫化鉱の需給関係は、供給の方が非常にふえておりまして、需給関係から、ある程度在庫等がだぶつきまして、そのために値段がある程度安くなつておることは事実でございます。それは単に硫化鉱関係だけの問題ではなくて、硫黄の滞貨並びに最近非常に国内の需給関係、及び国際的ないろいろな問題から値が下つておりますので、今おつしやいましたように、硫化鉱及び硫黄を生産しておる鉱山が、ある程度つぶれておることも事実でございます。従いまして、先ほども申し上げましたように、値段が若干安くなつておることも事実でございますが、また最近におきましては、硫黄の値段もある程度持ち直して参りまして、需給関係も好転して参つておりますので、この硫化鉱の値段も、これ以上どの程度に下るか、あるいはこの程度でとどまるか、もつと上るか、その辺はちよつとわからない状況にあるのであります。私どもの方としましては、なるべく硫安関係の価額が安くなることが、農村にとりましても非常にけつこうだと思いますので、硫化鉱等が値下りになりますことは、これはいいことでありますけれども、また一面におきましては、単に硫化鉱だけ生産しておる鉱山は、大鉱山としては比較的少いのでありまして、それ以外に、あるいは金でありますとか、銅でありますとか、いろいろなものを生産いたしておりますので、硫化鉱だけそう下るということも、なかなかむずかしい問題ではないか。ほかの鉱物も、需給関係等からだぶついておつて、相当安いものもありますので、そういうような関係から、そう下ることも予想されないのではないかというふうに考えております。
#5
○川俣委員 局長の答弁としては、私は不十分だと思うのです。日本の鉱山の散布状態あるいは地質の状態から見まして、単味生産をいたしておりまする硫化鉱並びに硫黄の鉱山は、これは大体大量生産をいたしておるところであります。もちろんほかの銅鉱等と関連して出て参りますことも、局長の説明の通りだと思うのですが、しかしその量というものはごく少量でありまして、むしろ単味でやつておりますところの方が、日本の全体の産出量からしますれば、非常に大きなものを持つておる。また小鉱山でありましても、最初は、銅鉱を掘り出す前に、必ず硫化鉱が出て参つて来ておる。あるいはS分を含んだ鉱石を持つておるということで、それらのものが採算が合うことによつて、資源開発の助力をなすものでありまして、これが下つて参りますと――下つて悪いという意味じやないのですが、やはりそれが非常な影響を持つて来る。結局は鉱山がつぶれて来るというようなことになりますと、またS分の高騰を来すというようなことになる。鉱山というものは、簡単にやめたり掘つたりするということは、採算上非常に不適当な事業であり、原料産業でありますために、そう簡単にやめたり掘つたりというようなことはできないはずであります。従いまして、どの程度一体下つておつて、その下つただけ硫安に好影響をもたらしておりますならば、私はあえてここで反対しようと思わない。ここで問題にしておりますのは、S分が相当下つておるにかかわらず、それを原料といたしまする硫安が案外下つていない。あなたの方から見まして、これだけ努力を払つて下げておるにかかわらず、硫安がちつとも下つておらないことについて疑問を持つておられませんかどうか、この点をお尋ねいたします。
#6
○川上説明員 実は、その硫化鉱というものを、硫安工業に対しまして実際どれくらいで出しておるかという点につきましては、これは各会社ともきわめて秘密にしておりますので、われわれの方としましても、なかなか十分な調査はできないわけであります。最近、先ほど申し上げましたように、需給関係から、ある程度下つておるということは事実であると考えております。ただそれが下つておるにもかかわらず、硫安会社の方が硫安の価格を下げていないというようなお話でありますが、私の方としましては、硫化鉱の価格にしましても、先ほど申し上げました通り、硫黄の価格とのかみ合いとか、あるいは需給関係とかいろいろな問題がありますので、これがまたいつ若干上るかもわかりませんし、そういういろいろな関係がありますから、硫安の価格は、この際硫化鉱が下つたからこれを下げるべきだということについては、相当研究しなければならんじやないかと思います。これは私の方が、硫化鉄が下つたから硫安を下げるべきだということをとやかく申すべきものではない、所管が違いますので、そう考えます。
#7
○川俣委員 原料でありまするS分が下ることによつて、一般の国民生活の上に大きな寄与をするならば、これは一つの意味があると思うのです。下つて鉱山がつぶれた。そこで出て来たものが、社会的な効果がないということになりますと、鉱山行政というものは、一体何を目標にしてやつておられるかという疑問が出て来るじやないですか。石炭を下げて行く、それによつてほかの産業が非常に好転して来たというならば、石炭が犠牲を払つても、他の産業の上に非常に好結果をもたらすのだから、石炭は下げて行くべきだ。こういうことで、いろいろの合理化をさせられたり、あるいは縦坑を掘るというようなこともやつておられる。これはあなたの主管じやないが、これと硫化鉱も同じだと思うのです。だんだんと合理化して、S分を下げて行くという努力は、鉱業行政の上から当然とられておつても、それが何かに寄与しなければ意味をなさないと私は思うのです。あなた方としては、やはり鉱業行政をやつておられて、合理化で引下げて、社会的に大きな影響がある、日本の産業の上に大きなプラスになる、こういうことでおそらく合理化を進められたり、いろいろな行政をされておると思うのですが、そういうことをお考えにならないでやつておるわけですか。
#8
○川上説明員 その点は、私の方としましては十分考えて鉱山行政をやつております。しかしながらこの硫化鉱についての各鉱山の合理化の問題、あるいは硫黄についての合理化の問題というのは、銅鉱山等の合理化計画の実施よりも相当遅れております。特に硫黄につきましては、私は常に言つておるのですが、きわめて原始的な製錬方法をとつておる。ああいう方法をとつておる限りにおいては、日本の硫黄が国際的に太刀打ちすることはとてもできない。だから一日も早く硫黄の製錬方法をかえて、合理化を実施して、値段を下げろ、そこで各産業に対しまして、いい結果をもたらすように努力しろということを言つておりますけれども、はなはだ遺憾ながら、資金面とかその他の関係から、硫黄の合理化もあまり進んでおりません。それから硫化鉱につきましても同様、大鉱山につきましてはいろいろやつておるのですが、まだ製錬その他の方法について、相当改善しなければならぬ点がありまして、なかなか実はそれほど進んでおりません。むしろ銅の製錬とかあるいはその他亜鉛の製錬とか、そつちの方は非常に進んでおりますが、こちらの方としましては、それほど進んでおりません。私どもの方としましては、おつしやいます通りに、硫安の価格に非常な影響を持つておりますので、何とかしてこの硫化鉱なり硫黄なりの製錬の合理化を迅速に実は進めたいと思つております。しかし今のところは、いろいろな資金面からそうできておりませんので、来年、再来年におきましては、何とかして製錬関係を急速に合理化させようと考えております。
#9
○川俣委員 日本の国内から出まする天然資源を開発して、しかもそれを将来合理化することによつて、硫黄並びに硫化鉱の生産コストを下げて行こうという努力を払われる、こういう説明でありますが、その点は私は了承いたします。しかしそれが化学工業特に硫安工業に寄与することがなければ、意味をなさぬというのです。従つて鉱山局として、どの程度下がつて、どの程度硫安工業にプラスになつたかを検討されないのでは、また鉱業行政に足りない点が出て来るのじやないか、それでは十分じやないと思うのです。従いまして、S分の低落によるところの影響が、どれだけ一体硫安工業及びその他の化学工業に好影響を与えておるかというような検討を、所管違いだから知らないということでは、意味をなさないのです。あなたのところでせつかく生産されたものが、どんな用途に使われておるかわからぬ、それがどんなコストになつているかわからぬということでは、せつかく、鉱山行政のりつぱなものを立てられても、結果がわからないようなことでは意味をなさないと思うのです。それをどう見ておられますか。
#10
○川上説明員 まことにおつしやることごもつともなんですが、私の方としましては、硫化鉱の値段が下つたから、その下つている部分が、硫安の価格を、どの程度下げられるかということにつきましては、硫安の生産原価の中に、硫化鉱がどれくらい占めておるかということは一応わかりますけれども、硫安工業そのものについては、私の方では、詳細にわたつて原価計算なり、そういうことを調べる資料を全然持つておりませんので、これは私の方から申し上げられないじやないかと考えられます。
#11
○川俣委員 鉱山局長は、他局のことで、所管違いだということから遠慮されておりますけれども、これは所管が違うということにはならぬと思うのです。あなたのところでせつかく努力をして産出されたものが、どれだけの効果を現わしているか、それがわからぬというようなことでは、鉱山行政の基本がくずれて来るのじやないかと思うのです。そこで再三お尋ねするわけなんですが、おそらく前に硫黄並びに硫化鉱が非常に不足をしておつたときには、その割当にも困難をあなたの方で感じられておつたと思うのです。それほど重要なものであるばかりでなく、これは硫安の基礎材料です。そのことはもうお認めでしよう。従いまして硫化鉱及び硫黄の不足なときには、あなたの方へ――その時分あなたはまだ局長にならない前かもしれませんけれども、ずいぶん陳情があつて、この割振りについて非常に苦労されたはずです。苦労されたということは、重要な基礎材料でありますために、その割当にやつきになつたのではないかと思われる。それが今日緩和されておる。それがしかも値下りを来たしておる。このまま続きますと減産になりまして、あなたのところにまた陳情が来る。それを待つておるという意味で放任されておるのだとは私は思わない。どのくらい一体下つておるかというようなことが、おわかりにならないことはないと思うのです。もちろんこれは非常にわかりにくい。単味生産のところもありましようし、今のように増のところも不足のところもある。S分が非常に違うのでありますから、わからねといえばわからぬのですけれども、大体どの程度のところまで値が来ておるかということがおおよそわからぬでは、やつて行けないと思うのです。助成するにいたしましても、救済するにいたしましても、あるいは将来合理化をするにいたしましても、どの程度に今おちついているか、どの程度の値下りを来しておるかということが、おおよそわからないことはないと思うのです。ここはあまり鉱山行政を論じている所ではないのですから、そうあまりかど張らないで、どのくらい下つておるのか、あなたの方としては、硫安はどのくらい下るのが妥当であるか、このくらいのことでもけつこうですから、ひとつ御説明願いたいと思います。
#12
○川上説明員 実は本日突然私呼ばれまして、どういう御質問であるかそれほどよくわからずに飛び込んで参つたのです。従いまして、最近ある程度下つておるということは私聞いておりますけれども、具体的に、どの程度下つておるかという点につきましては、実は詳細調査して参つておりません。それは会社間の契約で、なかなか調査はむずかしいということを先ほども申し上げましたが、それでも、どの程度下つておるかというおおよその見当は、私は調べればできないことはないと思います。しかし本日はその資料を持つて参つておりませんので、その点御容赦を願いたいと思います。
#13
○川俣委員 局長は調査して来られないということですから、それじや私の方から大体の見当を申し上げましよう。大体一割二、三分から二割下つておると思うのです。花岡の一つの例をとりますと、花岡は御承知の通り四十四、五%が今までのS分の大体だつたのです。最近合理化しました――というほどの合理化でないにいたしましても、輸送賃の高騰から、四十八%くらいまで上げておるようです。上げてもなお三千円内外の取引のようです。これは、ほんとうはもつと下つておるのでしようけれども、下つたということになると、さらに下げるような情勢が生れて来るので、表面はそういう取引をいたしておるようであります。小鉱山になりますと、当然これは年末の金融にたえられない点もありましようし、また掘り出したものを捨てておくこともできない。鉱害等のおそれも出て参りますので、何とか処分しなければならないということになりますと、ほとんど輸送費や手間だけ出すためにも売り払おうというような傾向が出ておると私は見ております。そういう不安な状態ではないというふうにお考えになつておりますかどうですか。
#14
○川上説明員 大体最近の在庫につきましては、正常在庫以上のものを持つておりますし、それから小鉱山が、先ほど申し上げましたように、だんだん硫黄等の関係からつぶれておることは事実でありますけれども、最近におきましては、硫黄の価格につきましても、ある程度強くなつて参りましたので、そうつぶれるようなことも今後ないのじやないかというふうに考えますれば、需給関係については、そう御心配はいらないのではないかというふうに私は考えております。
#15
○川俣委員 もう一言、鉱山局長に申し上げて終ることにいたしますが、いずれにいたしましても、相当な値下りを来しておる。これがあまり硫安の価格に影響がないというようなことであつたのでは、鉱山行政はまことに情ないと思うのです。これはあなたの方で努力を払つたのではなくして、他の条件から、やむなく下つたにいたしましても、あなたがせつかく合理化されて、今後大いに日本の硫化鉱並びに硫黄鉱業――たしかにこれらが進歩しておらないことは、一様に鉱業界の認めなければならぬことだと思うのですが、これを将来合理化して参りましても、それか硫安の上に、あるいは他の化学工業の上に効果が現われて来ないということであつたのでは、何のために一体合理化するのかというようなことで、非難されることにかえつてなるのじやないかとも思います。さらにひとつ御検討になりまして、合理化されて、原料産業であり、しかも日本の地下資源のうちで、割合に未開発に残されておりまする硫化鉱並びに硫黄の開発に努力されると同時に、それがどれだけ日本の化学鉱業の将来の上に、または硫安鉱業の上に寄与するかというようなことを、十分検討されて行かなければならぬと思います。
 鉱山局長に対しましては、その程度にいたしまして、軽工業局長の中村さんかおられますので、ひとつ切りかえてお尋ねいたします。今お聞きのように、硫安の原料でありまする硫化鉱並びに硫黄が、非常に値下りを来しておるわけであります。これは必ずしも通産省の努力によつたものではないのでありまするけれども、相当の値下りを来しておる。これが肥料工業の上に好影響をもたらさないというようなことでありますならば、何のために一体今まで原料の値下りを言つて来たか。コスト高であるということの重要な点は、日本のはS分が割に高いためだということをるる述べられておられながら、せつかく下つたのに、何も効果がないということは意味をなさないと思います。軽工業局長はいかがお考えになりますか。
#16
○中村説明員 ただいまの硫化鉱の値下りが、硫安価格に、及ぼす影響でございますが、原則的には、硫酸の値下りが硫安価格の値下りに影響すべきものでございます。ただ硫安価格は、御承知のように、昨年のいわゆる安定帯価格を設定以来、順次下つて参つております。本年の秋肥についても、また、今関係業者の間にそれぞれ個々に討議されております春肥の価格におきましても、値下りをいたしております。これの原因はどういうところにあるか、これがよつて来たる原因についての一々の分析は、なかなか困難ではございまするが、現状の傾向からいたしまして、私は今の硫化鉱の値下りということが、硫安価格に相当影響をもたらしまして、硫安価格の値下りという傾向を形づくつておるものと考えております。
#17
○川俣委員 そういうふうに答弁されるのは、効果があつたということになるわけですから、その点はもう局長にこれ以上は聞きません。問題は、そうすると、こういうことになると思うのです。この間参考人を呼んで尋ねますると、これらの原料の値下りによつて、相当な値下りを来しておるのだから、十分それを見込んでおる、こういう答弁でありました。まあそれと局長の答弁と一致したわけですから、これは、これ以上問うことはないことになります。
 そこで、合理化して来ておる会社、並びに操業度を上げておる会社と、操業度が上つておらぬ会社とある。これだけ値下りを来しておつても、なお操業度を上げられないということは、他の原因もありましよう。しかし非常に操業度の高いところと、操業度の非常に低いところとがあることはお認めだろうと思うのです。この間において相当の差がなければならぬと思うのですが、局長はどうお考えですか。操業度が低いためにコストが高いんだという、これはこの間の鈴木参考人の御答弁であつたわけです。ところが中には非常に操業度の高い会社がある。この間に相当の開きがなければならぬと考えるのでありますが、局長はどのようにお考えですか。
#18
○中村説明員 コストの面から申しますと、各会社にそれぞれ個別的な価格と申すものが成立いたすと思います。しかし今の経済機構から申しますと、需給関係から見ます価格の成立ということが現実に考えられまするので、その間におきましては、コストの差がそのまま市場価格の形をとつて現われるということは、経済機構の建前からいたしまして、必ずしもそうなり得ない。むしろ需給関係からいたしまして、価格が市場の相対的な動きできまるという面がございまするので、個々の工場の価格がそのまま取引価格になるというようなことは、原則的には考えにくい点があり、またそういつた理由が存在しておると一応考えております。
#19
○川俣委員 どうもかしなことになると思うのですよ。硫安コストの原価計算から見まして、原料でありまする硫化鉱が、どの程度価格構成の中に入つておるかということは、ガス法につきましても、電解法につきましても、おのおのについて大体の見当がついておらなければならぬはずです。これがついておらなければ、コスト計算というものが無意味になる。法律がなければやれないんだとか、法律かあればやれるという問題ではないと思います。これは当然肥料行政の上から、ガス法であればどの程度の原料でありますとか、S分がどの程度のコストを占めておるのだということが、おおよそわからないでおつたんでは、法律が出たからといつて、決してやれるものではないと思う。正確につかめないということは別問題ですが、おおよそつかんでおかなければならないはずだと思うのです。従いまして、硫化鉱の価下りがどの程度影響するかということが、すでに算出されなければならぬはずだと思う。あなた方の持つている材料から見て、個々の会社のことを論ずるんじやないですから、総体的に見て、どの程度下らなければならぬか、S分から言えばこれだけ下るけれども、ほかの分からいえばこれだけ上つておるのだ、こういうことが出て来なければならぬか、そうお思いになりませんか。
#20
○中村説明員 ただいまの御質問でございますが硫化鉱それ自体の値下りが、具体的にただいま御指摘のように一割何分であれば、硫安価格形成の大体のところから、どのくらいの影響がある、こういうことはもちろん推定できます。ただ現実の価格が、他の値上り、あるいは一般的な需給関係から申し上げるわけでございまして、その通りなり得る、またその通り実現しておる、こういうぐあいには申し上げられないのじやないかと思います。
 なお数字の問題につきましては、必要でございますれば、肥料部長から御説明申し上げます。
#21
○川俣委員 この際、せつかく石炭局長が見えたから、ちよつとそつちの方へ質問を変更いたしましてお尋ねしようと思います。
 石炭局長は、石炭から出て来て、よそをまわられたにいたしましても、石炭の方については相当の経験を積んでおられまするし、石炭行政の上においては相当のエキスパートだというふうに認識いたしましてお尋ねいたします。
 最近、石炭が非常に値下りをいたしまして、石炭鉱山が青息吐息であるということで、いろいろ苦慮されておると思うのですが、そのうちでもガス法によるところの硫安会社は、さらに市場価格をたたいて、もつと安い取引をいたしておるようであります。また石炭業者も、こういう大手の需要者に対しましては、何らかの便宜をはかろうということで、相当値を割つて、市場価格よりもさらに値を割つた取引が行われておるようでありますが、最近の石炭業界から見まして、石炭価格がどの程度値下りをいたしておるかということを明らかにしていただきたいし、この大手筋の需要者でありまするガス法の硫安会社に対しまして、どの程度さらに値引が行われておるかというような点について、できるだけ詳しく御説明願いたいと思います。
#22
○佐久説明員 石炭が、昨年あたりからかなり不況に入りまして、本年の四月以降の大口の価格協定では、かなり値下りをいたしておるということは御承知の通りであります。たとえば大口の取引と申しますと、国鉄、電力、鉄鋼、こういう関係の取引でありますが、平均いたしまして、六百円くらいの協定値下りをいたしております。最近下期の価格協定をいたしておりますが、大体上期の横ばいというような程度であります。かりに例を本年一月と六月あたりにとりまして、具体的に原料炭について申しますると、一月が七千八百五十七円、六月が七千三百九十四円、発生炉炭で申しますと、一月の八千三百九十円が六月には七千九百四十五円、一般炭の上級炭について見ますと、一月の七千四百八十三円が、六月には七千十二円というふうな値下りをいたしております。大体この値下りの傾向は、先ほど申しましたように、現在も横ばいの傾向になつております。今、川俣委員からの御質問の、硫安関係にさらにそれよりも安く渡しているようであるが、その価格はどれくらいかという点については、私ちよつと今資料を持ち合せておりませんので、必要とあれば後刻申し上げたいと思います。
#23
○川俣委員 大口の需要者の中にガス会社、国鉄、あるいは製鉄があることは、もちろんでありますし、それと同様に、ガス法によるところの硫安会社が大口需要者であることは明らかであります。そこで国鉄等の支払いが比較的遅延しがちであるにかかわらず、硫安会社は比較的その支払いが順調だというようなところに相当の魅力を生じて、価格の引下げの協定が行われておるやに見るのでありまして、その点をお尋ねしたのでありますが、そのことはこの際抜きまして、こういうような今まで石炭の配分を行つておりました石炭局といたしまして、原料であるところの石炭の値が高いために、硫安工業が外国と競争できないのだというようなことで、大分石炭局か今まで責められておつたはずであります。ところが、相当豊富には出まわるようになりますし、むしろ石炭鉱山では売込みにまわるというような状態になつたときに、それが硫安の生産コストの上にあまり影響がないというようなことであつたのでは、石炭局を受持つておる佐久さんとして、値もせつかく努力して――努力したわけではないでしようけれども、こういうまずい結果になつた、あるいは局長はそうお考えになつたにいたしましても、それが何らか他の産業の上に効果があつたというのなら、これは寝覚めもいいだろうが、石炭に下つたが、ほかの産業にはあまり影響がなかつたというのでは、石炭局も寝ざめが悪いだろうと思うのですが、どうお考えになりますか。
#24
○佐久説明員 寝ざめがいいか悪いかは別としまして、私が石炭の仕事を預つて一番苦慮しておる問題は、石炭か高いために、輸出も伸びない、国民生活が日に日に苦しくなる。一体どうして解決してくれるのだという非難を、朝から晩まで浴びている点であります。私も、長年石炭関係でお世話になつておりますので、その事情はよくわかりますし、いろいろの点を検討してみますると、石炭は確かに高いことも認めざるを得ないのであります。それで日本の経済自立、輸出振興という観点から、どうしてもこの石炭の価格を安くしなければいかぬということで、昨年秋以来研究をいたしまして、一つの価格引下げの政策というものを立てて、すでに発表もされておりますが、ただこれには相当厖大な資金と、かなり長期の年月を要するので、目先石炭が安くなるということは、実は正直なところ申し上げてないのであります。そこで目先の石炭価格を下げる方法としては、たとえば安い外国炭を入れるとか、安い重油を使う、そして石炭消費というものを、需要の方を減らして、その方面の刺激によつて価格を引下げさせるという点が一つ考えられるのでありますが、私自身としては、それが必ずしも長い目で見て、日本の産業のためにいいことかどうかということについて疑念を持つております。と申しますのは、それだけ石炭鉱業の合理化ということを遅らせる結果になると私は信じておりますので、実は内部におきましては、そういう一時の刺激によつて石炭価格を下げるという政策には、私は賛成いたしておりません。それではなせ石炭か今高いのかという原因をいろいろ探求してみますると、一時、朝鮮ブームというようなときにかなりのもうけがあつた。つまり供給に対して需要が非常に大きかつたという点が原因にはなつておりますが、それよりも根本的に、戦時中からの強行出炭というのが非常に災いをなしておりまして、坑内がまるで計画を乱しております。そこでこの坑内の作業計画を合理的に改善する、つまり通気、運搬、排水というような点について、もつと合理化を進めるという根本的対策が打たれない限りは、将来ずつと引続いて石炭の価格を下げるという方法は絶対ない、そういうふうに私考えております。むしろ現状としましては、一時的な刺激のために、とにかく五、六百円の値下りはしたものの、石炭鉱業の改善、若返りという点からみると、かえつてこれがマイナスじやないかという感じがいたしております。これは御質問についてのお答えとは少しそれておりますが、寝ざめの点につきましては、あまりいいとは申しかねるのであります。
#25
○川俣委員 石炭局長ははえぬきだから、石炭が日本の産業の基礎であるから、それを合理化して、石炭価格を下げたい、こういう熱意は私は十分買うに足ると思います。努力して下げた結果、他の産業の上に何も影響がなければ、石炭の価格を下げたつて、寝ざめが悪いじやないかということを聞いている。あなたが一生懸命努力しているのは、何のために努力するのか、これが日本の基礎産業であるから、それを下げて、日本の産業を大いに振興さしたい、こういうところにあるでしよう。ところが石炭は下つたけれども、硫安はあまり下らないじやないか。これでは寝ざめは悪いじやないかと聞いている。あなたは今後さらに努力すると言うけれども、いかに努力しても、ほかの産業のコストが安くならなければ、意味をなさないじやないか、こうお考えにならないかどうか、この点をお聞きしているのです。
#26
○佐久説明員 それはお説の通りでありまして、私は最近こういうことをしきりに申しております。先ほど申しましたように、一時的な炭価引下げの刺激として、外国炭を入れる、重油を入れる。実はことしの四月に、本年度の上期の外貨予算を組む際に、それが相当問題になりました。私は先ほど来申しましたような点から、重油の輸入とか外国炭の輸入というものに反対をいたしたのであります。そのときの理由としては、かりにそうすれば、石炭の価格が下るであろうことは明らかだと思いますが、それによつてはたして輸出が大いに伸びる、あるいは国内製品の販売価格が下るという保証が一体あるかどうか、私はそれはないと思うのです。そういう点で反対をいたしたのであります。はたせるかな、その後の状況をずつと見ておりますと、一昨年の暮れから重油を非常によけい使うようになりまして、石炭に換算いたしますると、五百トンくらいの量を重油に転換しております。確かに重油の価格なり、あるいはその効率から考えて、石炭よりも有利なようでありますから、生産原価というものは下つていいはずであります。それにもかかわらず、輸出は伸びない、製価品格はちつとも下らない。最近はホテルとか、ふろ屋が重油を使つておりますが、宿賃が一銭下るわけではない。おふろ屋のふろ賃が一銭も下つていない。一面、それでは石炭の方はどうかというと、需要が非常に減つておるから、本年の四月の状況からいうと、本年度は五千二百万トンくらい石炭が出る勢いであつた。ところが、どう想定いたしましても、せいぜい四千五百万トン以上の石炭は消化できないという点で、やむにやまれず企業整備、労働者の整理というような、一番いやな問題にとつついたわけです。そういう状況から考えてみますと、結局、石炭鉱業が全部犠牲を負つて、数企業といいますか、そういうものの利潤を増したというだけのことに終つているように私は思う。そういう観点で、実は石炭の値下げについては、私は最善の努力をしますが、同時に値の下つた石炭を使つたからには、それだけその他の産業製品を下げてもらいたいという気持は切実に持つております。
#27
○川俣委員 そうでなければ、私は石炭行政というものはやれないと思う。自分の方の犠牲によつて、ほかの方の産業はそれで利益が上つたというようなことだつたら、石炭局長をやめた方がいい。これはいかに努力して下げても、自分のやつている方に効果がなくて、よその産業が潤つて、石炭だけが犠牲になつたら、石炭局長は、あすからやめなければならぬはずだけれども、あなたの答弁で満足するわけです。それであなたが石炭局長として努力を払つたものは、同じ省内のほかの産業に好影響をもたらすように努力しなければ、ほんとうの石炭行政をやつておるというとことは言えない。ひとつ、もう少しほかの産業の方に鞭撻を加えるようにしなければならぬと思うのですが、大いにそういうつもりでやつているというふうに了承して、石炭局長に対する質問はこれで終つておきます。ただここで言いつぱなしじやだめで、帰つてから大いに努力されなければならぬと思います。
 そこで中村局長にお尋ねしますが、石炭局では、そのように努力したのか、まずい結果によつて石炭の値段が下つたのか、それは別にいたしまして、将来は大いに努力を払つて、石炭の価格を引下げて行こう、合理化して行こう、こういうことであります。その効果が、一番使つておりまするあなたの方に好影響がないということだつたら、これは中村局長だつて、鉱山のことも全然関知されないわけではない。かつてやられたこともあるわけですから、効果がないということであつては、これは通産行政全体としてまずいと思うのですが、どうですか。今お聞きになつて、なかなか切実なものがあつたが、あなたの方は、石炭の値下げによつてどれだけ効果が現われたというふうにお考えになつておりますか、この点を特に明らかにしてもらいたいと思います。
#28
○中村説明員 先ほども硫化鉱の値下りの影響につきましても、原則論を申し上げたが、石炭につきましても、もちろん硫安工業としまして、相当石炭に依存しておる面が大きいのでありまして、従来の安定帯の価格の低下に際しましても、その主たる原因が石炭価格の値下りにあつたと私は考えております。もちろんただいまも石炭局長が御発言いたしましたが、目先の問題と、長い目で見た石炭価格の合理化の影響という点につきまして、私は川俣委員の御主張の処理の仕方と申しますか、要するに、原料部門におきます値下りが、直接硫安価格の上に影響する限度を正確に把握しまして、関連産業の努力を硫安工業が無為にしてこれを食むというような結果にならぬような態度をつくることが、最も根本的に必要だと考えまして、硫安関係二法案の一つの大きなねらいとして、価格の公定制度というものを実施いたしたいというふうに考えておるのでありまして、ただいま石炭局長の熱意、こういつた国家的制度によつて復興して参るということが一番適切効果的じやないかというように考えております。
#29
○川俣委員 時間が大部なくなつて参りましたが、もう二、三点お伺いしたいと思います。操業度が非常に上つているところと、上つてないところがある。操業度の上つてないところは、原料が安く入手されましても、価格構成の上から、あまり影響がないということも確かに言えると思います。操業度の非常に高いところは、非常に効果が現われなければならぬはずだと私は推定する。常識上そう推定するのは当然だと思う。ところが、ある会社によつては九八%というような――宣伝かどうかわかりませんけれども、九八%七とか三とかいうような操業度を上げておる、好成績を出しておるというような宣伝をしておるところもあります。またところによりましては、四九%あるいは五五%あるいは六〇%というところもあります。そこに価格の上に大きな開きがなければならぬはずだと思います。開きがなければならぬはずじやないかと言うと、あまりないという。どうも意味が私にはわからないのですが、局長よくこれらの点について理解されておりますならば、ひとつお教えを願いたいと思います。
#30
○中村説明員 操業度の高い低いという問題が、その会社のあるいは企業体の価格に対しまして、もちろん中心的な問題はございますが、現在の経済機構という観点から、需給関係から相対的に市場価格がきめられる。もちろんこのコストということが強い大きい要素でございますことは申すまでもございませんが、ただそのような経済機構を前提といたしますると、やはりそこに価格の成立原因ということから見まして、個々の会社、企業の個別的なコストというものによる価格の反映ということは、その姿のままでは具現しておらない、こう考えるのはどうかと思います。ただこの問題につきましても、マル公、価格公定制度というものを考えておるのでありますが、このマル公の実施に際しましては、先般来農林委員会等におきまして、政府の関係二法案の実施に関しまして、基本の考え方としまして、できるだけコストの安い方面の影響をこのマル公価格に影響せしめ、反映せしむるというような考え方でマル公を設定して参りたいと思いますので、その方法が、結局御指摘のような問題を解決する有効な手段、こういうぐあいに私は考えておるのでございまして、関係二法案の根本精神というものが、御指摘のような点にあることを私は申し上げたいのであります。
#31
○川俣委員 時間がないので、いよいよ最後的な質問をいたしたいのですが、どうも私の見るところでは、操業度の高いところも低いところもある。これらが合理化されて、操業度が高くなり、原料が下つて参りますならば、当然硫安というものが下つて来るのだ。こういう方向に行くのだ。こういう期待をいたしておるわけです。従いまして、硫安工業はもつともつと合理化する余力があるのだという見解を持つておる。ところが、原料が下つて参りましてもあるいは操業度を上げて行つても、一向コストの上に影響がないのだということでありますならば、この硫安工業というものは、もう合理化の方向に行くには限度に来ているのだ、こういうふうにも判断できるのです。操業度が非常に高いところは、それだけコストが下つたのだ、これならば合理化して操業度を高めて行くという方法がまだ指導できると思う。操業度が高まつて行つても、一向効果がないのだ。原料が安くなつても、効果がないのだ。こういうことになると、もう硫安工業というものは、一定の限度に達したのだ、こう判断せざるを得ない。私はそういう判断をすべきかどうかというために、今まで質問いたして来たのです。そう聞くと、おそらくまだ合理化の余地があるのだ、こう言われると思いますが、今までの説明じや、合理化の余地はないのだ、限度だというふうにも見える。もつと悪くいえば、最近肥料硫安の生産が下つたのは、このS分の硫酸を他のア系に転化したために生産が下つたとも言われている。どうも合理化というと、肥料硫安価格を引下げるということよりも、いわゆる経営の合理化ということで、副生産あるいは他のア系に転化することによつて会社の経営を向上させる。こういうふうになつて行く傾向が最近現われておると思うが、この点についてどうですか。どうも硫安の生産減退の中には、ある会社がア系に転化したために、肥料硫安が減退したのだ、こうも言われておるが、私は何といつてもそうだと思うのですが、この点いかがですか。
#32
○中村説明員 いわゆる硫安工業が、他の系列あるいは関連化学部門を拡大あるいは、増強して行くということは、確かに今日の肥料工業合理化の一面を形づくつております。これは御指摘のような経常の合理化、こう名づくべき性質のものかと存じます。ただア系製品に移行したがゆえにという御質問もございますが、私はその通りではないじやないかというぐあいに考えております。なお数字的なことは、必要がございますれば肥料部長がお答えいたしますけれども、考え方の基本といたしましては、そういう硫安工業の企業体として、他の尿素とか、あるいは有機合成化学工業の部門に合理的な副産的、あるいはもつと重要な部門を育てて参るということから、その企業体の全体のコストが下つて参るのは非常に強い傾向でございます。同時にこの傾向は、硫安そのものの価格コストを引下げる原因でもございますので、私は長い目で見まして、硫安工業の合理化の余地はまだあるのじやないか、現にそれが進行しつつあるのだ、こういうように考えております。ただその傾向と、現実の硫安価格の値下りが、相対的にイコールになつておるかどうか。こういう点につきましては、くどいようでありますが、私は国家的な制度のもとにこれを実現して、業者側にも満足の行くような生産価格を実現することが妥当じやないかと考えております。
#33
○川俣委員 それは経営の合理化ということになつて、肥料といいますか、硫安化学系統の会社の、いわゆる経営の向上にはなるかもわかりませんが、硫安自体から見ると、生産能力が今二百五十万トンあるいは二百七十万トンあるのだということは、そういう意味の合理化じやなくて、これが結局は、他のア糸に移行いたしまして、肥料硫安として出て参ります能力は、二百五十万トン、二百七十万トンあるのだということは一つの宣伝であつて、他のア系へかわることによつて、いわゆる肥料硫安としては、二百万トンそこそこなんだというように、だんだん見て行かなければならぬ。ところがあなたの方では、能力全体をすぐに肥料硫安の能力と見て、二百七十万トン能力があるのだ、こういうふうに言われて、そこに工場があるのだから、従つて輸出するのが適当だ、出血輸出でもいいのだ、こういうふうに持つて行つておるように思う。ところが、輸出をとめられる点からア系に行くという点もあるいはあるかもしれないが、最近ア系へ転化して行くような傾向がありますと、肥料硫安としての合理化にならない。会社の経営改善からしてコストが下る。これはコストが下るのじやない。安く売つても、犠牲を払つてもやり得るということで、決してコスト自体が下るのじやない。他の利益があるために、肥料硫安を安く売つても打撃がない。こういう意味で、決してコスト自体が下るわけじやない。あなた方がやつておるのは、コストを下げるための努力だと言われておる。ほかの利益があるから、肥料を犠牲を払つて安くさせるという指導じやないでしよう。コスト引下げのための努力を払つておられる。どうも今までの答弁はそうだ。局長のさつきの答弁とこれとは違つておるのじやないですか。
#34
○中村説明員 硫安企業体が、他の有機合成化学工業という部門を拡充して参るということは、同一企業体の場合におきまして、そういう部門における割合と申しますか、それがかわつて参りますから、硫安単独でやつて参つたときよりも、そういう費用が安くつく、こういう意味において硫安の価格を下げてよい。コストの低下が実現するものである、こういうぐあいに考えております。
#35
○川俣委員 われわれはそう主張したい。ところが通産省は今まではそういう主張はあまりとつておられないのです。そこで私はお尋ねしたいのですが、私と同じような見解をとつて来られるならば、それは了承するのですが、コスト計算の場合に、そういう意味にコストを拡大して考えるというならば、私は異論かないが、どうも単味の硫安の生産でコスト計算をするという考え方が、今までかなり強く出ておつた。私はそうではないと主張したけれども、どうも単味の硫安コストを出すという考え方でおられたようなんです。従つて今後のコスト計算というものは、そうなつて参りますと非常に複雑で、なかなかつかみ得ない。どんなに法律ができても副生産や他のア系へだんだん転向して行くとなると、いよいよもつて生産コストというものはつかみ得ないのだ。そのくらいの簡単な法律では、たとえ局長や柿手さんが古くからやつておられましても、なかなかこのくらいの法律ではつかみ得ないと思う。あなた方がつかみよいように法律をかえて行くか、仕事のしやすいようにして行くか、少くとも仕事のしやすいように法律をかえないでもつかみ得るというならば、現在つかんでおることを御説明願えればそれでよろしい。どう努力してもつかめないのではないかという不安があるのですが、現状でつかみ得ますかどうか、得なければあなた方の仕事のしよいように、もう少し法律を考えて行かなければならぬと思うのです。これは御答弁があれば伺います。なければ私はそう認定して、私の質問を終りたいと思います。
#36
○中村説明員 ただいまの川俣委員のお考え方の実現の仕方でありますが、たしかに化学工業が非常に多岐な多角的な経常内容をとつておりますと、単味の場合に比較してコストの実態を非常につかみにくい、こういうような傾向になることはもちろんであります。しかし私どもといたしましては、硫安工業の確立でもあり、またことに硫安価格引下げの大きな要因でもございますので、この困難をできるだけ努力して解決して参りたい、こういう熱意で解決したいと思います。これは制度の問題もございますが、われわれの努力もまた大きな要素でございまして、やつて参りたいと思います。
#37
○安藤(覺)委員 農林省並びに通産省関係当局がおそろいでありますので、食欲をそそられましてちよつとお尋ねしておきたいことがあります。ほかでもございませんが、かねて同僚の足鹿委員かあるいは中澤委員からお尋ねしたことがあつて、御答弁いただいておると思いますが、その問題は、協同組合が単肥配合をしてこれを組合員に渡すということに合法性を持たせる、あるいは合法性とまでは行かないまでも、ある程度の黙認が与えられるということについて、その後御通牒か何か出していただいておりますかどうか。それからもう一つ、それについて、願わくば将来これを合法性なものにまで持つて行きたいのでありますが、そのときにおいて攪拌機その他等の購入費用としての補助を出すということを何か御構想の中にお持ちになつておられますか。それをひとつ伺いたいと思います。
#38
○小倉説明員 協同組合がやります肥料の配合につきまして、肥料取締法との関係で仕事がなかなかやつかいなことになりますので、その点の簡素化について行政的な措置、あるいは立法的な措置につきましてのお尋ねでありますが、この点につきましては、農家が単味を買いまして、そして一旦買つたものを組合の配合機でもつて配合して持つて帰る。こういう実態にございますればこれは取締法の違反にならない、こういうふうに考えております。今までそういうことで大過なく行きはしないかということで来ておつたのでありますが、肥料取締法の適用上こういう行政的な措置だけではなかなか円滑に行かない面がございますので、なおその点については十分行政的方法があれば考えますが、必要がありますれば近い機会に法律的な措置でも講じまして御不便がないようにいたしたい、こう考えております。
 それから配合所についての補助とかいうことでございますが、補助は考えておりませんが、農林漁業金融公庫の共同施設の融資をもちまして、肥料配合所の設立が容易になるように出して行きたい。ただいまのところもごくわずかでありますが、公庫の資金を用意してございます。
#39
○安藤(覺)委員 この質問を申し上げるゆえんのものは、ほかでもございませんが、昨今肥料メーカーの方におきまして化成肥の方に非常に力を入れて、この販売が非常に旺盛になつて来ておること、同時に農民においてこれを求める姿が非常に増加しておるようであります。御承知のごとく化成肥におきましては、およそ二割ないしはなはだしきものに至りましては三割五分から四割という高値をそこに見ておるわけであります。一方今年の凶作下においての水稲のでき方などを大ざつぱに見ますると、もとより冷害によることのああした姿であつたことはいうまでもありませんが、その冷害を受けながらなおかつ倒伏しておる水稲の非常に多きを見るのであります。倒伏した水稲におきましては、冷害の上に倒伏しておるのでありますから、ほとんど皆無という姿にもなつておるのであります。これらは十分農林当局が常に心がけ、かつそれぞれの単位組合等も骨折つて施肥指導をやつておるのでありますが、つい稲の色が悪い、顔色が悪いということが、自信なきかつてな元肥えを出しておつたためにその顔色に引かされて、硫安を一貫目もやつたら二貫目もやつたらということでまた追肥するということから、そういう倒肥の結果を見ておるのであります。この場合において、農民それ自身が十分認識は持つて来ておりますけれども、まだまだみずからの手による配合肥を施すことによつて安心感を持つて稲の育つて行くのを見届けて行くことができておらないようであります。こういう意味合いから行きまして、でき得べくんば近い将来において、農協の限定において配合肥をしていいという合法性を持たせていただきたい。同時に願わくばその攪拌機、あるいはこれに付随するところの諸器具等についても、金融公庫の融資というだけにとどまらず、さらに何らか一段のごくふうを願いたいと思うのであります。協同組合等において代理行為としてこれをいたします場合においても、相当大がかりな労力が必要でありますし、労力費を要します。この点についてもひとつ御勘案を願いたい。かように申し上げておきたい。
#40
○金子委員 この際安藤委員から、消費面における施肥の合理化という問題が出ておりますので一言お聞きしておきたい。ただいま消費面において、小倉局長のおつしやるのは、農家の個々の人たちが肥料を購入いたしまして、その購入したものを持ち寄つて、共同の形で配合してこれを施肥するという場合には、純然たる自定配合でありますので、肥料の取締り等には触れない。しかしながらそういう場合は、それに対してその施設等において、別に政府の助成なり何なりの具体的な方策はないと思う。こういうようなお話だつたのでありますが、これは肥料行政に当る農林省の作物増産全般にわたる問題でありますから、この際特に大きく考えていただきたいことは、今の実際の農家の肥料知識あるいは作物の肥培知識というものを現実に考えたときに、農家一人々々に対してあの目に見えない成分というものについて教育いたしまして、そうして経営者個々の認識の上に立つて施肥の合理化をするという考え方は、実際に私どもは農場経営をする上には無理だと思う。これだけははつきり認識しておいていただきたい。従つてそれならどうするかというと、大体において今の日本の農業の一つの計画とか、あるいは指導というものは、極論いたしますと大体一町村一千町歩以上のものが一農場だ、こういう見解の上に立つて政策を立て、指導することか最大効果を上げる道だと思うのです。なるほど個々の農家をよりよくという形で行きますと、一村の中にあるところの一、二の篤農家というものが最大の効率を上げ得るかもしれぬ。しかしながらその村全体からいかに最大の生産を上げて来るかということになりますと、当然これは一村というものが一つの農場単位のようなつもりで政策を今後とつて行かなければならない。そういたしますと、肥料問題に入りましたときに、ただいま安藤委員が申し上げたように、どうしても共同化の必要が出て来る。その場合に小倉局長の言うように、農家がわけたものを持ち寄つて配合する、こんなむちやな話はない。そこでたとえば協同組合なら協同組合が、倉庫という施設と、それからそれを裏づけて行くところの資金、この物の置き場所と資金という二つの要素をもつて、夏肥なり秋肥なり、少くとも一箇年二期なり三期の主要施肥期のものはチヤージして行く。そのチヤージされたものを施肥期にあたつて、その肥料の性質と成分と、またその土地の土性と作物とを勘案して技術的に運営して行くというところに、初めて最小の資材で最大の効果が上るということになるのでありまして、これは長い間われわれがやつて来たことなのであります。そういう点から行きますというと、今の肥料をあめや菓子やほかの家庭消費の品物と同じような考え方で、消費者だとか生産者だとか配給業者だとかを考えること自体が違う。だからそういう点から考えまして、問題になるのは自家配合の問題でありますが、昔の自家配合というのは多分に有機質等もそこに入つた。従つてスコツプやあるいは簡単な配合機というものを使つてやつたのでありますが、今日のようにまつたく無機質の肥料だけが消費されるということになりますと、その肥料は大体において有機質が入らない無機質肥料というものを手配合なり、あるいは機械的に手配合にかわる配合をいたしますると、欠陥としてそれが固形化して、そうして成分と施肥の状態が悪くなるという以外に、成分のよりいい調和がとれぬということの特徴と、一方にはそれが非常にこちこちになつて使いにくくなつてしまう、こういう欠陥が出て来るのであります。それを緩和するために、有機質が非常に不経済であつても戦前には非常に用いたのであります。それが今日はそれを用いる余地はなくなつて来た。そうなりますと、今日の手配合、あるいは自家配合というのは、今の小便化成と言われておるところの一つの操作――それは配合化成とは言うけれども、実際は配合の一つの方法ですが、その方法をとることによつて若干硫酸根の弊害を防ぐとか、あるいは火山灰土その他の地帯における流亡性というものを防ぐというふうな、化学的にも物理的にもよりいい状態に入れるというのが今の化成のやり方で、これは一つの配合でありますから、従つて今後の自家配合というのは一町村でやつたものをもうちよつと規模を大きくして、そしてその地帯における土性基準に合つたような、消費者の立場から見た一つの配合というところまで段階か進んでおると思う。そこまで来るとそれは肥料取締規則から抜けるわけに行かない。そこで今の肥料取締りの方法についても、消費者の場合に緩和せいというのではなしに、そういうふうなあり方が今後の一つの方向だということの上に、今までの肥料行政の認識を持ち直さなければいけない転換期だと思つております。そういうことをまずお考えの上に、政府は今後施策をとつていただきたい、また具体案を立ててもらいたい、こういうことを私はひとつお願いしたいと思います。
 もう一つは、化成肥料のような形にしますと、そこに相当の施設を要する。安いものでありますけれども施設を要する。そうするとそれを消費の合理化として、その施設に対して助成したらどうか、この問題であります。一方硫安に対して、今度の法律がかりに通るといたしまして、硫安工業の振興、合理化のために、相当の財政資金その他の資金を政府が投ずるといたしましても、今の傾向のように単味で出すことが価格を押えられるから、それを今の農家の配合に近いような形で特定なマークをつけて、特定な販売店を通して百姓にだまし売りするというような形のものはこれはとるべきことじやない。従つて資金を供給するならば、単味のものを生産する方が一%当りの価格はかえつて高くついて来る。ほんとうの意味の総合した生産過程において、どうしてもそういうことになる。言いかえれば、ハーレンス・カンパニーのニトロホスカのように、五〇%も逆に製造過程に総合成分が持たれて来る。それを一%当りの価格計算をして来ると、単味よりかえつて安くなる。こういう場合にメーカーのやる化成肥料の意義があるのでありまして、単味のものを農家の人たちが、かりに買つて、さいぜん申し上げるような共同施設によつて、今の化成の程度のものをつくつた方が安いということでありますならば、メーカーが化成肥料をつくるということは利益を搾取するための商業政策にしかすぎない、こういうことであります。もし政府がこれに資金を与えるということならば、消費者の立場に立つて、どちらを生産した方が得かという厳格な見解の上に立つて、その責任生産というものの負担を約束づけて資金を出すのでなければ、何も意味をなさない。結局利益をたくさん会社に上げさせるために資金を投じたという結果になつてしまう。これは将来大きな問題であります。会社にこの法律によつてかりに投資いたすといたしましても、今の化成肥料のようにほんとうの化成肥料でなくて、単肥で売るよりも、それをああいう形態をかえて、そして特定なマークをつけて売る方が得だということは、これは間違いであります。今の化成の非難というものはそこにあるわけです。今の化成のような形のものであつても、それが県なり郡なりという、その地方の消費者の立場で、その地方の土性調査をして、その作物に適当するような成分構成を持つように、消費者の立場においてつくれば、これは非常に有効な働きをいたしまして、そこに全国的に特定のマークをつけて、特定の成分で、特許でもあるかのように売り出されておる。こういう化成肥料は今後奨励すべきものでもないこれに対しては相当注意をしなければならぬ、こういうことが考えられるわけです。
 そこで第三の問題といたしましては、今後の肥料の考え方について、今までの考え方は、この法案自体を見ましても間違つておる。たとえばこの法案で委員会をつくるということがあつても、この委員会に対してメーカーの代表、消費者の代表、販売業者の代表というように三つにわけておる。全購連がどこに入つておるか、全購連は販売業者の中に入つている。全購連は販売業者ではない。私どもは長い間この問題で苦しんで来ましたけれども、通産省という役所は、どうしても消費者の団体というものを認めない。その過程において現物を渡して現金を受取るという行為があると、それを商行為だと決定してしまう。もし商行為だと決定してしまうならば、あの全購連という字はうそになつて来る。あれは全販連でなければならぬ。なぜ一般の商業界において販売事業と称するものを、この協同組合において購買事業と反対の言葉を使うかというと、あれは消費者の一つの購買する機関だから購買事業と言うのであります。もしこういうふうにして販売機関というのだつたら、販売機関というのは農村の立場でいえば全販連がここに入ることになる。あれは購買する機関なのでありまして、決して業者の販売機関と列を同じうするものではない。それほどここにりつぱな法案を書くにしても、あなた方の頭は農村の消費体というものを無視しておる。だから今の肥料の取締法をつくるにしましても、すべてにこういう矛盾がどこまでも出て来る。どうぞ、この問題は私はお願いすることでありますが、よくお考えおきを願いたい。この問題について、後ほど私の時間になりましたら、いろいろ具体的にお問いをしますが、安藤議員の素朴な質問でありましたけれども、ただ大切な問題でありますので、私が一応つけ加えましてお願いしておきます。
#41
○綱島委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#42
○綱島委員長 これにて散会いたします。次会は十九日午前十時から開きます。
    午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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