くにさくロゴ
1953/12/19 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第2号
姉妹サイト
 
1953/12/19 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第2号

#1
第019回国会 農林委員会肥料に関する小委員会 第2号
昭和二十八年十二月十九日(土曜日)
    午前十一時十九分開議
 出席小委員
   小委員長 綱島 正興君
      佐藤洋之助君    松山 義雄君
      金子與重郎君    足鹿  覺君
      川俣 清音君    安藤  覺君
 出席政府委員
        農林政務次官  平野 三郎君
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
 小委員外の出席者
        農林委員長   井出一太郎君
        議     員 福田 喜東君
        議     員 芳賀  貢君
        総理府事務官
        (経済審議庁調
        整部調査官)  浅海 諒介君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      小倉 武一君
        農林事務官
        (農林経済局肥
        料課長)    林田悠紀夫君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 中村辰五郎君
        通商産業事務
        官
        (軽工業局化学
        肥料部長)   柿手 操六君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川上 為治君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 臨時硫安需給安定法案(内閣提出、第十六回国
 会閣法第一六七号)
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長代理 これより会議を開きます。
 小委員長が所用のためちよつと席をはずしておりまするから、その間私が小委員長の職務を行います。
 これより臨時硫安需給安定法案を議題といたしまして質疑を継続いたします。
 なおその前に最近の石油事情に関しまして、鉱山局長に質疑がありますので、これを許可いたします。足鹿君。
#3
○足鹿委員 問題外でありますが、ちようど局長がおいでになつておりますので、事情を承り、かつ対策についてお聞きしたいのです。
 最近特に関西が最も著しいようでありますが、脱穀調製の最盛期を迎え、かつ非常に農業用の動力に必要な燃料としての石油の供給が非常に不円滑になつておるということであります。この原因は一体どこにあるのか、またその対策はどういうふうに考えておいでになるのか、これをお尋ねしたい趣旨であります。伝え聞くところによりますと、最近石油コンロが非常に普及をした。ある石油コンロのメーカーについては、そのコンロを購入すれば石油も潤沢に供給する、こういうような事例等もあるやに聞いておるのであります。私は別に石油コンロの普及に対してとやかく言うわけではないのであつて、問題は期間作業として、特に食糧増産のやかましく、政府も大臣みずからが供出行脚をやつて督励を加えつつあるような今の食糧情勢下にあつて、農業用の重要な動力としての石油発動機を中心とする燃料に事欠くというようなことではまことに困るのであります。その間の事情を詳細に御説明を願い、かつ当局としてはこれに対するいかような緊急対策を持ち、善処される用意があるか、まずその点からお尋ねをいたしたいと思います。
#4
○川上説明員 最近燈油、軽油、こうした石油類が非常に不足いたしておりまして、農村関係に非常に御迷惑をかけておることは、私どもとしましてまことに申訳ありません。九月の末の在庫の状況を見ますと、大体燈油においては五日分ぐらいしか持つていない。それから軽油につきましても大体二週間分ぐらいというような状況になつております。これは輸入業者及び製造業者の手持ちでありまして、地方の特約店の手持ちを入れておりませんが、いずれにしましても、普通ならば二十五日分ぐらい持つていなければなりませんけれども、十月の末におきましては、今申し上げたように在庫が実は払底しておりまして、これは理由としてはいろいろある思うのですが、一番大きな原因としましては、燈油については、石油コンロが私どもが考えている以上に非常に普及されたということが大きな理由ではないかと考えられます。それから軽油につきましては、最近大型のバスとか、あるいは遊覧バスとか、そういうようなものが非常に普及発達したことが、これまた大きな原因ではないかと思うのであります。燈油につきましてこの一月から十月ごろまでの販売の実績を見ますと、一月は一万五千キロリッターぐらい販売されておりましたものが、十月には約三万八千というふうに、非常に販売が多くなつております。軽油につきましては、一月四万四千というのが、十月四万七千程度になつており、これも若干ふえております。特に燈油につきまして今申し上げましたように非常にふえましたのは、先ほど申し上げた石油コンロが非常に普及されたということが一番の問題ではないかと思うのであります。私どもの方としましては、石油コンロについても、やはり最近においては木炭との関係その他いろいろな問題がありまして、これをそう縮小することができないような事情にありますので、何とかしてこの際全体の供給量を増したいというような考えでおるわけでありまして、この下半期の外貨の割当が若干遅れましたので、そのために特に九月、十月におきましては在庫が底をついたと思うのですが、その後、最近におきましては繰上げ輸入をやつたりしておりまして、極力この燈油及び軽油の生産に努力いたしております。最近におきましては、これは十一月末の在庫でありますが、大体燈油については一万三千八百キロリッター程度の在庫を持つております。これは十日分ぐらいであります。軽油につきましては、三万九千六百キロリッター、これは二十五日分程度の在庫を持つております。こういうふうに、最近におきましてはある程度在庫の数量もふえて参つております。しかしながら、この程度ではどうしても最近の需要にマッチすることはできないんじやないかというように考えましたので、この前早急に対策を立てまして、燈油につきましては約六万程度の追加輸入を早急に実施する、軽油につきましても四万程度の追加輸入を早急に実施することになつております。従いまして、これは大体一月くらいしましたら入つて来ると思うのですが、先ほども申し上げましたように、前に割当をいたしました原油からとります燈油、軽油が、最近におきましては生産がどんどんふえて参つておりますので、おそらく燈油、軽油につきましては、近いうちに需給は緩和されるものだというふうに考えております。実際問題としまして燈油、軽油の全体の数量というものは、外貨面から見ましてもそう大きな問題ではありませんので、また重油のごとく石炭産業とのかみ合いというのもそうありませんので、私どもの方としましては燈油、軽油につきましては、極力何とかしてよけい入れたいということで、今申し上げましたように相当の量を入れるとになりましたので、おそらく近いうちに緩和されるというふうに考えております。ただ農村用につきましては、私どもの方は非常に重点的に考えておりますので、今別に配給統制とか、そういうふうなことはやつておりませんけれども、何とかしてこの際早急にあつせんしたいというふうに考えております。これは石油精製業者あるいは販売業者、そういうものを集めまして、われわれの方と一緒になりまして、お申出のものをこれらの機関の方から直接なり、あるいは地方の一定の特約店を通すなり、そういうような方法によりまして、農村用に対しましては絶対に事欠かぬようにあつせんをいたしたいと考えております。農村用の数量につきましては、われわれの方はあまりよくわかつておりませんが、そう大きな数量ではないというふうに聞いておりますので、これはそうむずかしいことでないというふうに考えております。現在全購連等いろいろ相談をいたしておりますので、そういうような方法によりましてぜひともこれは緩和して行きたいというふうに考えております。
#5
○足鹿委員 いろいろ御心配になつているようでありますが、新聞が相当大きく石油不足を取上げ、いよいよ品がすれの感を深くする。一方においては、今局長が言われるような原因によつて消費が増大する。その間に相当業者の思惑によつて不当な偏在が行われたり、また価格の引上げが策されるというようなことは、とかくありがちだと思うわけであります。そういつた点に私ども非常に心配もいたしておりますが、まず全体としては本年の経験にかんがみられ、新たなる石油の消費が増大したこの情勢のもとに立つて、将来再びこのような事態を起さないための基本的な計画というものが、当然打ち立てられなければならないと思われます。また実際石油コンロを持つておるものでも、石油が非常に値上りすれば、せつかくいろいろな文化形態としての一環であるコンロの導入をしたが、さて石油はない。買うとなれば非常に高いものを買わなければならぬというようなことで、その普及が阻害される。その他重要産業にも及ぼす影響が甚大だということになりますと、事態はそう簡単な問題ではないと思われます。
  〔佐藤委員長代理退席、委員長着席〕
将来おとりになる対策、また最近におけるこの需給の逼迫について、業者関係の不当利得等の実情がありはしないか。もしありとすれば、それに対しては速急な措置がとられないと、あなた方が今お立てになつた在庫量の増大対策というものも、そうただちに効果を発揮することも困難ではないか。やはりその間に、そういう間隙を縫つたいろいろの悪徳業者の介在ということは、ますます顕著になろう患う。少くともこういう点については、一般の石油消費者に大きく安心感を与えて、偏在を防ぎ、業者の思惑の余地なからしめるという対策も、一面あわせ講じていただかないと、真の目的が達成できないのではないか。それで緊急対策としては、その点を特にいかようにお考えになつておるか。
 いま一つは、将来の考え方、将来の対策というものについては、どういうふうに構想を練つておられますか、この二つの点をお尋ねいたします。
#6
○川上説明員 燈油、軽油あるいは重油その他石油類の需要が非常にふえて参りますので、はたして十分な外貨がつけられるか、もしつけられないとするならば、将来これに対しましてどういうような対策を考えておるかということになるかと思うのですが、私どもの方としましては、現在のところ別に配給統制なり、そういうような措置をとろうということは考えておりません。と申しますのは、大体先ほども申し上げましたように、燈油、軽油につきましても、ある程度の補給をするならば、また重油、揮発油等につきましても、ある程度の補給をするなり、あるいは繰上げ輸入をするなり、そういうようなことをするならば、三月までは大体何とかして行けるのではないかというふうに考えております。四月以降になりますと、重油の季節的な消費量とか、あるいは燈油、軽油につきましても、季節的な需要というものが相当減つて参りますので、四月以降におきましては、相当これは緩和されるというような考え方を持つておりますので、この際急いで配給統制をしなければならぬというようなことは、今のところ考えておりません。
 なお当面の問題としまして、先ほどもお話がありましたように、実際物はある。これはさつき申し上げました在庫というのは、輸入業者及び精製業者の手持ちでありますが、これも大分ふえて来つつあるのですが、特約店の手持ちというものもなお相当あるわけでありまして、それが実際向く売られたり、あるいはなかなか出ないというのは、先高というもの、量の不足というものを将来見込んでの思惑が、相当あるのではないかというふうに考えておりますので、あるいはそれによる買いだめ、売惜しみというようなことが盛んに行われているというふうに考えておりますが、先ほども申し上げましたように、現在ストックもどんどんふえており、同時に生産も非常にふえております。それから輸入も追加のものを、われわれの方としましては相当量、これは特に燈油、軽油については見たというようなことから、こういう不当の業者の跋巵につきましても、そのうち調整されて行くのではないかというふうに考えておりまして、今すぐ物価統制令による、あるいは暴利の取締りとか、あるいは思惑に対しまする取締りというようなことを、法律的にやるかどうかという点につきましては、これは相当考えなければならぬと思つております。そういうような措置をとらなくても、先ほど申し上げましたように、特に農村用につきましては、特別に私どもの方としましては、あつせん申し上げたいというふうに考えておりますので、何とかこれは切り抜けられるというふうに考えております。
#7
○足鹿委員 最後に、立法措置等についてはやる意思はないということでありますが、問題は、あつせんという手段によつて農村用に事欠かないように急速にやるということでありますが、それはいつごろ、どの程度の量を、どういうふうにしておやりになりますか。それを確信のあるところを、本日この委員会を通じて公表してもらいたい。そのことにより、いろいろな不安が一掃されまして、不徳漢の介在の余地も、それによつて一応除去できるのではないか、かようにも思いますので、具体的にそのあつせん対策の内容を、この際明らかにしていただきたい。
#8
○川上説明員 あつせんと申しますか、行政指導と申しますか、これは二つあると思うのですが、その行政指導の問題につきましては、先般来われわれの方としましては、特に燈油、軽油についての農村向けのものについては、業者の方で必ず確保しろということを、業者のおもなる者を集めて話をしております。そしてたとえば地方の農村におきまして非常に困つておるということになれば、どこどこの配給店の方からそれを出すようにということを、中央の方からこれを指令するというような、そういうような措置をとつて、そつちの方に事欠かぬようにしろという行政指導をやつておりまして、現に業者の方ではそういう考えで動きつつあります。
 それからなお全購連その他の方と今いろいろ話しつつりますが、大体農村用としてどういう程度いるのか、どういう方法によつて出してもらいたいのか、そういう点をはつきりしていただきますれば、われわれの方では、それに対しまして十分応じるように善処するということを言つておりますが、なおその具体的な方法につきましては、まだそちらの方から十分な話がありませんので、話がありましたら、われわれの方としましては、むしろ私の方が、何かこういう方法でやりたいのだが、どうですかというふうに話を持ちかけておるというような状況にありますので、具体的な方法を今ここですぐ公表しろと申されましても、今申し上げましたような状況になつておりますから、そういうような方法によつて何とかしてこれを具体化して、したいというふうに考えております。
#9
○川俣委員 今足鹿委員の質問に対しまして、るる述べられたので、大体概要はつかめましたし、政府の態度も明らかになつたのでありますが、この際念を押しておきたいと思いますことは、物価統制令等の発動あるいは配給統制等をやらないでも、あつせんまたは行政措置で十分やり得るという自信のほどを示されたのでありますが、私もその点は、あつせん及び行政措置で十分でき得る力を鉱山局は持つておられると思つておるのです。というのは、日本の国内石油から見ましても、帝国石油がその開発のほとんど八割以上を占める能力を持つておりますし、これに対しまして政府がいろいろ補助、助成等も行つておりますし、また帝国石油に対しましては、かつて統制会社であつた時代から、今もなお政府が株の約四分の一以上を持つておるはずであります。従いまして、これらから出て参ります重油にいたしましても、精製されました軽油または燈油にいたしましても、これに対する発言力は政府が相当持つておるはずであります。将来五箇年計画等を帝国石油等を中心といたしまして通産省が計画をしておられると思いますから、これらの点を通じて、当然行政的な指導またはあつせん等にいたしましても、有力なる発言権を持つておられると思うのですが、どうもこのあつせん及び行政的措置において、今まで欠けるところがあつたのじやないか、放任し過ぎておつたのじやないか、こういう疑問が出て来るのです。特に燈油等におきましては、御承知の通り日本の農家のうちにはいまだ無電燈部落もありますし、ことに開拓地におきましては、大半がまだ無電燈部落でありまして、燈油等は生活必需品として必要に迫られておるわけです。こういうように需給状態が困難になつて参りますと、山間僻地ではなお入手が困難な状態もありますので、大体農林省と打合せされまして、点燈用の燈油がどのくらい必要であるかというようなことを、大づかみにつかんでおられなければならぬはずだと思いますし、また軽油にいたしましても、最近農村における機械化促進法が出て参りました結果、農村の機械化が急速度に進展いたしておるわけであります。また先ほど足鹿委員が述べられたように、ちようど脱穀期に入つておりますので、さらに需要が増して来ておるような状態です。農村におけるいわゆる点燈用の燈油は、年間を通じて必要でありますけれども、農機具用になつて参りますと、季節的に相当の変動があります。特に脱穀期のときに一番集中的に軽油及び燈油が使用せられるのであります。また農村におけるところの重油も、いまだその需要を満たすに足りないような状態のようであります。特に重油になつて参りますと、漁業の方面との関係も出て参りまして、漁船等に使用せられる分、あるいはいまだ農村においてディーゼル・エンジンを使つておりますようなところにおいては、なお重油を必要といたしているようであります。もちろんディーゼル・エンジンと申しましても、最近軽油等に転換しつつある点はありますけれども、やはり依然として施油の需要はまだ旺盛だと見なければならぬと思うのです。しかしながら揮発油及び軽油と比べてはもちろん大きな差がありますけれども、農村にとりましても、漁村にとりましても、重油はやはり相当重要視して考えて行かなければならぬと思うのですが、これらの点についての鉱山局長の見解を聞かせていただきたいと思います。
#10
○川上説明員 農村におきまして、今お話がありましたように、燈油にしましても、あるいは軽油、重油にしましても、最近におきましては相当使うようになつて来たことは事実でありますし、また将来におきましてもふえるであろう、私はそういうふうに考えるのでありますけれども、最近特に燈油が非常にふえたということは、むしろそういうことよりも、やはり町におきまして、あるいは地方におきまして石油コンロが非常にふえたということが、一番大きな問題ではないかと思うのであります。農村用のものとしましては、そう特別に非常に多いという数量でもありませんので、先ほどもちよつと申し上げましたが、この一月燈油の需要が月に一万五千五百キロ・リッターあつたのが、最近におきましては三万八千あるいは四万近くになつておりますが、そのふえた大部分はやはり石油コンロというふうに大体考えておりますので、そうしますと農村用のものとしましては、燈油にしましても、軽油にしましても、あるいは重油にしましても、そうたくさんはないわけでありまして、また燈油、軽油につきましては、全体の量が、先ほども申し上げましたように、石油数は全体で約八百万以上現在使つておりますが、そのうちほんの一部でありますので、私はそういう点から見ましても、外貨その他の点からいつて、そうきゆうくつにさせるようなことはないと考えております。ただ今回非常に問題になりましたのは、予想以上に石油コンロが普及して、実は今年の上半期に、この四月ごろわれわれが計画を立てましたときは、総量を大体七百万キロ・リッターというふうに考えておりました。ところが十月ごろになりましてどんどん需要がふえて参りまして、特に先ほど申し上げました燈油、それから重油転換が非常にふえて参りまして、下期におきましては、さらに計画を百万以上ふやしまして、八百六万キロ・リッターということで計画を立て直して外貨の割当をやつたのですが、燈油及び重油については、それでも足りないというような状況になりまして、最近さらに追加の割当をやつたのであります。その中でも重油が非常に多いのでありまして、燈油につきましては、先ほど申し上げましたように、全体の量から見ますと大した量ではありません。ですから燈油につきましては、外貨上からそう大きな問題でもありませんので、われわれとしましては農村用の燈油なり軽油なりは、極力補給ができるようにしたいと考えておるわけであります。
#11
○川俣委員 問題は、局長が指摘されたように、全体の量から見ると割合に少い割合を示しておりながら、不円滑であるというところに私はむしろ問題があると思う。全体の量が多いために不円滑になるということでありますならば別問題でありますけれども、全体から見て十五、六万あるいは二十万キロ・リッター程度のものが農村の必需品として考えられておるときに、これらのものが満たされないということになると、鉱山局の行政はまことに貧弱であるといわざるを得ない。特に先ほどから指摘されておりますように、帝石から製油工場にまわります。製油工場が石油コンロの宣伝をいたしておりますために、自分のコンロと関連した燈油でありますならば、それに優先的に配給するというようなことから来るところの混乱が出て来ておると思う。それだからむしろ帝石といたしましても、これらに対して相当な発言権を持つておられるし、帝石に対しましては、鉱山局が有力な発言権を持つておられる。この前の帝石のごたごた等についても、通産省の発言権が相当有力に支配しておつたくらいである。人事に対しても相当な発言権を発動しておりますときに、これくらいな量を満たすことができないということになりますと、鉱山局長は最近の責任者ではありますけれども、前、前々の責任者のやつておつたところを見ても、このくらいの発言権を持つておられないことはない。もし持つておられないとしますれば、われわれとしては輸入油等に対する外貨割当を農林省がとりまして、独自に配給しなければならぬという事態も起きないとは言えないと思うのです。そんなことをやらぬでも、大きな輸入量のうちのごくわずかであるから、私の方にまかせておけと言うならおまかせいたしますけれども、このわずかな量を確保できないということになりますと、これは農林省が外貨の割当を特にとつて、農林省の責任で一切やらなければならぬという事態が起きると思うのです。また帝国石油に対する監督の地位にあります鉱山局が、製油工場をまわつて出ますこれらの燈油について発言権を持つていないとは、私ども認めがたい。今帝石の原油を製油工場にまわすときに相当の運動が行われておるのであります。この運動を握つておるのは帝国石油で、帝国石油を監督しているのは鉱山局だ。しかも株は大蔵省が相当持つておつて、また助成金などについて鉱山局は相当めんどうを見ておられるのですから、発言権がないとは思えない。発言権を持つておられるから、あつせんまたは行政的指導をなし得るという言明があつたのだと思いますので、急速にこれらの要望が具現するように御処置願いたいと思うのですが、もしもされない場合においては、われわれとしてはよほど考えて行かなければならぬ。この点ひとつ明快な御答弁を願いたいと思います。
#12
○川上説明員 川俣先生から今お話がありましたが、帝石の油というのは非常にわずかでありまして、ほとんど大部分は輸入に仰いでおりますが、その輸入は直接精製業者に入つて参りますので、帝石の方の油をコントロールすることはそうむずかしいことではありません。同時に、輸入の油がいかに多くありましても、精製業者というのはわずか八社か九社でありますので、精製業者を行政指導してコントロールすることも、そうむずかしいことはありません。先ほどからいろいろ申し上げましたように、われわれとしましては、農村用の石油につきましては極力確保できるようにするつもりでありますから、その点どうかまあ私、たいこ判を押してよろしいというようなことを申し上げると、あるいは大ぼらを吹いたということになるおそれもありますけれども、そういうことはないようにわれわれとしましては極力善処をいたしておりますから、御了承願いたいと思います。
#13
○川俣委員 私が国内石油のことについてるる述べたのはなぜかと申しますと、外国石油の輸入については外貨割当という大権を持つておられるので、これは当然なことかと考えられる。しかも今局長の説明のように、これが全体の量の非常に大きな部分を占めておりますので、この大量のものに対しては通産省が最大の発言権を持つておられるわけです。これは言うに及ばないのです。困難だと思われる国内石油に対してすら発言権を持つておられるのでありますから、輸入石油についても発言権の大きいことは、これは私らが説明するまでもないと思つてお尋ねしなかつたのであります。従いまして、もしも外貨割当を通産省だけでおやりになつて、非常にやりにくいというならば、この外貨割当の権限を農林省に委譲しなければならぬという事態が起きるであろう、こういうことを申し上げたのです。どうぞその点を十分お考えになりまして、御善処くださるようお願いしたいと思います。
#14
○佐藤(洋)委員 川上局長に一点だけ希望を述べておくのですが、先ほどの御説明によると、ガソリンの一月の消費量が四万四千でしたね。それから十月に四万七千、案外消費量がふえていませんね。手持ちが三万九千で、二十五日分あるという。最近の農村物資のトラック輸送というものは非常に激増して参りまして、蔬菜のようなもの、繭のようなものの輸送はほとんどトラックなのです。最近の輸送量の統計によると、二十七年度で、トラックが五九%、輸送しており、鉄道が三一%、船舶が一〇%。トラック輸送というものは非常に多い。そこで私ども心配するのは、ガソリンの十分な供給がつくかどうか、これに不安なからしめたいと思うが、最近遊覧バスであるとか、バスの激増、こういう面が非常に増大して来た。ことに今申し上げたように、トラックは最近四十二万七千台、一箇月に一万数千台もふえておる。これは二十八年四月の統計でありますが、そういうことから見ると、輸送目標は三億七千万トンという厖大なものであります。そこでガソリン消費というものは非常に増大して来るということになりますが、これに対するあなたの御見解、それから一切事欠かせないというようなお見込みであるかどうか。こういう点をちよつとあわせてお伺いしたい。
#15
○川上説明員 ガソリンの需給状態を見ますと、大体一月は十六万七千キロリットル、最近におきましては十月に十七万六千キロリットルとなつておりまして、非常に飛躍的にふえておるというような情勢にはなつておりません。燈油と、先ほど申し上げました重油が一番飛躍的にふえておるのでありまして、ガソリンにつきましては需要量そのものがそうふえておりません。在庫につきましても、大体十月は約二十日分持つております。それから十一月末におきまして若干落ちましたが、それでもやはり二十日足らずの程度持つております。正常在庫二十五日くらいというふうに考えますと、ガソリンにつきましてはそう別に払底しておるというような状況にもありません。今回追加輸入をきめました中にもガソリンを大体十二万くらい入れるようになつておりますし、月々の生産量もだんだんふえておりますから、ガソリンにつきましてもそうきゆうくつになるというふうには今のところ考えておりません。ただ今町で問題になつておりますのは、燈油、軽油、重油、こうした方面が問題になつておるのでありまして、ガソリンはこれらのものと比べますと、どちらかといいますと、楽観は必ずしも許しませんが、もし事態が非常に窮迫いたしますれば、いろいろ方法はあると考えられますので、今のところは別にそうひどくきゆうくつになつておるという状態にはなつておりません。
#16
○佐藤(洋)委員 わかりました。
#17
○足鹿委員 私は先日来政府が答弁を保留しておられます問題についてこの際緊急にお尋ねをいたしたい。この間以来数次にわたる委員の懇談の結果は、現在の肥料の需給状態から見て必ずしも今問題になつておる中共向けの二万トン程度のものでは内需を圧迫するものではない、将来を考え、またこのものに対する見返り物資等の点をあわせ考えまして、この際政府としては決意すべきである、こういう意見が、本肥料小委員会におきましてもほとんど全員の意見であつたのであります。しかし先日来慎重を期しましていろいろと当局にも事務的に検討を願い、また事務的判断によることが困難だというような御意向もありまして、政府としての決意の点を本日諮つたらというわけで、農林大臣の御出席を求めておつたのでございますが、平野政務次官が幸いおいでになつておりますので、この中華人民共和国向けの硫安輸出につきまして、政府としては適切なる措置を急速にとる用意ありやいなやという点について、この際御所信のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○平野政府委員 ただいま足鹿委員からお尋ねの、中共向けの硫安の輸出につきましては、先般通産委員会におきましても御要望がございまして、特に帆足委員からのお尋ねもございまして、当時お答えを申し上げた次第でございますが、本日のこの肥料小委員会におきましても、あらかじめそのお話も伺つておりましたので、昨日来農林大臣とも種々打合せをいたしまして、私大臣にかわりまして本日出て参つたような次第でございます。
 中共貿易の輸出促進の必要なることにつきましては、政府としては、まつたく足鹿委員その他の方々と同感でありまして、特に私も議員といたしましては、中共貿易促進議員連盟の一員ででもあり、先般中共の視察に際しましても、参加をいたそうというような気持もあつたくらいでございまして、この点極力努力をいたしたいということを考えておるわけでございます。しかしながら当面の需給関係におきましては、その余力がとうてい考えられない、かような状態にあるわけでございまして、一部には何かアメリカからいろいろ指示があるとか、あるいは台湾から制肘が加えられておるとかいうふうな誤解もあるようでございますが、私どもとしては、そういうことは全然聞いておりません。農林省といたしましては、まつたくそういうことは関知いたさないことでありまして、従つてこの問題は、政治的には何ら問題はないということを断言してさしつかえないと思うわけでございます。従つてまつたく事務的かつ数字的な問題でありまして、その需給関係からそろばんをはじいておるわけでありますが、その結果、ただいまのところとしては輸出し得る余力はないであろう、こういうところにあるわけでございます。もちろん通産省の方からも何ら連絡もございませんが、農林省といたしましては、趣旨としては極力努力をいたしたいが、今のところは困難であろう、かように考えておるわけでございます。将来の需給の関係につきましては、林経済局長が参つておりますから、御説明を申し上げるようにいたしたいと思いますが、私どもとしては、かような考えでもつて現在おるような次第であります。
#19
○足鹿委員 政府としての正式な御発言をきよう承つたのでありますが、まことに遺憾に存じます。先方の要求する数字は、御存じの通り五万四千トンであつて、仮契約を結んだ品目については、肥料のみならず他にも重要な、輸出振興上見のがすことのできないものもたくさん含まれておる。この問題がうまく行かないということになりますと、これは他の仮契約の成立したものにまで及ぼす影響が相当あるのではないかという点から、われわれ農林委員としては少し筋違いではございますが申し上げたい。台湾からバナナの見返りがあるから、台湾のものに対しては契約をし、かついろいろ批判があつても、これを押し切つて行く。また朝鮮に対しては、アメリカの復興特需としてその指示を受け、いかにオール・マイテイのドルがかせげるとはいうものの、相当ここにも送つている。両者と比べて取引が引合わないかといえば、そうではない、引合う。そういつた点から、内需を圧迫しない程度において、五万四千トンというものに対して、必ずしもそれを固執しない。二万トンでもいい、二万四千トンでも二万五千トンでも、可能な限りにおいてよろしい。こういう日中貿易促進議員連盟を代表し、また一面においては業界の人も参加されて、仮契約がせつかく成立したものが、みすみすこれを見のがすという点を非常に私は遺憾に思うのであります。これは平野政務次官も趣旨においてはまつたく同感であつて、政治的な判断というようなものはまつたくない、輸出余力がないのだと、こう言い切られましたが、そう言われますと、われわれの方ではその数字的な根拠を相当明確に指示して、これだけあるのではないかということは言えません。それはやはり政府が詳細な検討をされておるのでありますから、それに対してわれわれが反駁する有力な資料というものはない。しかし大体におきまして、この肥料小委員会におきましても、また先般の第十八臨時国会中の本委員会の理事会においても、非公式に数次にわたつていろと懇談をしたその結果は、必ずしも政府が今数学的な根拠に立つて述べられたような結論には達しないのではなかろうか。これはただ単に私が言うのではなくて、小委員の大多数の人々の意見なのでありまして、そういう点については、われわれの判断がそう大きな誤りをしておるとは考えられません。何かそこに政治的なものがあるのではないかと、勢い疑惑をまた抱くような結果にもなると思うのであります。しかも来年度におきましては、向うは十万トン以上の希望を持つておる、こういう由にも聞いております。将来を考え、また現存のこのものが、将来への出発点として持つ意義は非常に大きいのでありまして、その重要性から、私どもは今日まできわめて慎重な態度をもちましてこの問題に対処して来たわけでありますが、今おつしやるような点で最終的な御判断だと、こういうふうに解釈してよろしいのでありますか、くどいようでありますが、いま一応お尋ねを申し上げたい。
 いま一つは来年度の問題もございます。その点についての御所見等も伺いたい。これは電力の関係が結局輸出余力の問題に連なつて来るのでありますが、四月以降においては、相当豊水期にもなつて参りまするし、輸出余力の点については、今あなた方がお考えになつているような点とはまた異なつた状況にも至ると思います。そういつた次に来るべき事態についても、この際御所信を明らかにしておいていただきたい。これはただ単に一つの肥料が出るか出ないかということではなくして、現在自立経済の基底をなす対外収支の改善の上から言いましても、同種同文の民族が国交の調整を今後大きく展開して行かなければならない、そういう見地から見ましても、これは非常にいいチャンスであると私どもは思つておりますし、いろいろな意味から見まして、これは重要な問題でありますので、あえてこの点についても政務次官の御所信をこの際発表していただきたい。
 なお経済局長からは、輸出余力がないという具体的な納得の行く数字を示して、これが将来に悪影響を残さないような一つの確信ある資料を、この際御提示を願いたい。以上であります。
#20
○平野政府委員 足鹿委員のお話は、政治論といたしましては、まつたく先ほども申し上げましたように同感でございます。日中貿易の促進について御努力になりますことについては、衷心より敬意を表し、私どももその線に沿つて今後努力いたしたいと存じておりまするが、ただいまのところは、後ほど都済局長から詳細御説明申し上げまするように、数字的に困難である、こういう結論に達しておるわけでございまするが、しかしながらすでに政府といたしましては、硫安関係の法案を本委員会におきましても御審議をいただいておりますわけで、あの内容にも明らかでありますように、極力硫安の増産をはかるとともに、豊富低廉なる肥料を確保する、こういう方針で進んでおるわけでありますから、国内の需要をまず優先的にいたしました上は、できる限り輸出に振り向けたい、こういうことになつておるわけでございまして、その輸出先につきましては、別にどの方面がどうこうというような政治的な意図はまつたくないわけであります。むしろ中共貿易こそ、ただいま足鹿委員のだんだんお話のございましたような、中国と日本の歴史的な国際関係にかんがみましても、特にこの方面にこそ、大いに努力しなければならぬ、かような考えを持つておるわけでありまして、幸いにいたしまして、法律案が成立いたし、またその結果目的が達成いたしますことになり、輸出余力を生じまするならば、進んで御期待に沿うように努力したい、かように考えておる次第でございます。
#21
○小倉説明員 硫安の需給の点から見ました輸出余力の問題でございますが、ただいまの見込みによりますと、本年の十二月末に春肥に繰越すことができると認められる数量は、ほぼ十九万トン見当であろうかと思います。十九万トンと申しますと、ほぼ一箇月の生産量程度でございます。春肥を迎える場合に、一体どの程度の数量を在庫として必要とするかということについては、なかなかむずかしい思いますけれども、私どもは過去の経験から見まして、今回御審議をお願いいたしておりまする法案の趣旨にございますように、ほぼ年間需要量の一割といつた程度のものがやはり必要ではないか、百七十万トンが年間の需要量といたしますると、十七万トン、こういうことになるわけであります。十二月末の繰越しを十九万トンと押えますと、十七万トンで余つておるようでございまするが、十九万トンのうちには、デット・ストックとなるべきものが相当数量含まれておる、私どもこの数量をどの程度ふむか、必ずしも明確にきめておるわけではございませんが、月生産の三分の一程度は国内需要なり輸出には見合うことができない数量であると考えております。それを六万トンと抑えますと、十九万トンといたしまして残り十三万トン一十百二万トンか春肥の需要が伸びる場合に向う数量、こういうことになるわけでございます。春肥でもつての需要の伸びが月間の硫安の生産と比べてどの程度になるか、こういうことは、もちろん的確に予測はできませんけれども、先ほど申しましたように、年間の需要量の変動が一側あるとすれば、それは多くの場合、春肥を迎える時期に該当いたしますので、そういう数量をふんでおるわけであります。従いまして、もうすでにあの法案に示しておる数量よりは割つておるような実情であります。法案の示すところによれば、十七万トンですから、少くとも十五万トン程度は自由に操作できるものを持ち越して春肥を迎えるはずでございますけれども、いろいろ輸出の振興といつたようなことにつきましても、われわれとしても十分協力しなければなりませんので、すでに割つて現在になつておるわけであります。従つて私どもといたしまして上司とも御相談し、通産事務当局とも話合つた上で、春肥の最盛期中の輸出は見合す、こういうことに決定をいたしたのであります。
#22
○川俣委員 私は大体の趣旨においては、春肥を控えて輸出に奔走されることについて非常に警戒的な気持が強いのであります。そういう点から一つお尋ねしておきたいのですが、一体通産省が計算いたしました年間生産能力二百二十五万トン、国内内需百七十万トン、ここに五十五万トンぐらいの輸出能力があるというふうに一応査定されたようにも思うのですが、これは依然としてそういう査定をされておるのかどうか。特にもう一つは、朝鮮へ向けての輸出ですが、これはおそらく競争入札いたしまして、国際競争入札で落札できないのじやないかということを私がこの委員会でお問いいたしましたところ、いや確信があるのだ、こういうことになつておりましたが、私の指摘した方が当つておるか、通産省が確信があるといつた方が当つておつたかどうか、この点を明らかにして次の質問に入りたいと思います。
#23
○柿手説明員 お答えいたします。本年の八月から来年の七月までの肥料年度で生産を見込んでおります数字は、十一月までを実績とし、十二月以降は計画の数字をとりまして合計二百二十一万九千トンというふうに見込んでおります。内需は御承知の通り百七十万トン、そうして輸出は、台湾に対しまして二十五万トン、これはすでに決定をいたしております。(佐藤(洋)委員「受渡しの時期を言つてください。」と呼ぶ)大体この十二月までの秋肥が十二万トン、来年の春肥が十三万トン、合口計二十五万トンであります。それからその他、沖縄でありますとか、ハワイでありますとか、それからフィリピンに硝安を出しております。そういうものの合計硫安換算一万トン、それで二十五万トンの台湾と合計して二十六万トンでございます。
 それから韓国に対しましては、最初に年内に一万トンのビッドがございまして、日本がそれを落札いたしまして、年内に一万トンと決定いたしました。その後国際入札でもつて十四万トンのインヴイテーシヨンがございました。それは十一月二方五千トン、十二月が四万三千トン、来年の四月三万二千トン、五月四万トン、合計十四万トンの入札があつたのでありますが、先ほど農林省の小倉局長から御説明いたしましたように、そういうようなスケジュールでは国内の春肥の需給に支障がありますので、十一月二万五千トンの入札には応じたのでありますけれども、十二月の四万三千トンにはこれは入札に応ずることはできないというので、四月、五月に繰延べて入札をいたしました。四月が五万五千トン、五月六万トンというふうに入札をいたしたのであります。そうしてその結果は十一月の三万五千トンが日本に落札いたしまして、それを年内に出すということになつておりまして、四月、五月の入札につきましては、これは日本に落札いたしませんで、情報によりますと西欧もの――ドイツ、フランス、ベルギー、イタリア等のものが落札したという情報を聞いております。従いまして結論的に申し上げますと、現在きまつております輸出は台湾二十五万トン、韓国に四万五千トン、その他一万トン、合計三十万五千トンという状況でございます。先ほど入札した当時の私の見込みが、多分大丈夫だろうということを申し上げたかと思うのでありますが、ほとんど入札した価格を見ます。とそう大差ないところでありましたが、アメリカの入札というのはわれわれの常識とある程度違うところがございまして、最低価格必ずしも落札するというふうになつておらないようであります。いろいろな事情から落札者が決定するようであります。私どもはたいてい大丈夫だというふうに思つておりましたか、年内ものだけで、来春の四五月のものは落札しなかつたということでございます。
#24
○川俣委員 これはちよつと柿手さん、もう一度お尋ねしますが、朝鮮向けの四万三千トン、この入札があつたんじやなかつたですか。私はそのようにお聞きしたのです。三月までの四万三千トンの入札が行われたように私はお聞きしたのであるが、そうじやなかつたですか。それが結局落札できなかつた。こういうふうに私は聞き及んでおつたのですが、私は非常に警戒をしておつたために、実は落札にならぬことを期待しておつたのです。春肥に非常に食い込むのじやないかということで、警戒的な意味で私は希望を申したのであります。あなたは輸出する意味で大いに大丈夫と、こういうことを確かに言われたようなんですが、この四万三千トンは来年の三月までの輸出分だと聞いておつたのですが、これはどうなんですか。
#25
○柿手説明員 そういう御質問があろうと思つたから、今数字をくどくど申し上げたのでありますが、十四万トンの朝鮮の入札は、向うの希望は十一月二万五千トン、十一月四万三千トン、四月三万二千トン、五月四万トン、合計十四万トンというスケジュールで入札を要求したのでありますけれども、先ほど農林経済局長の申し上げましたように、十一月の二万五千トンはいいけれども、十二月の四万三千トンをここで出してしまうことは来年一月、二月、三月の最盛需要期にいろいろな不安があるということで、それはとりやめまして、四月の三万二千トンに十二月の四万三千トンの中の二万三千トンを加えて五万五千トン、五月の四万トンに十二月の四万三千トンの残りの二万トンを加えて六万トン、四月が五万五千トン、五月六万トン、合計十一万トン、十一月が二万五千トン、こういうふうなスケジユールでビツドに応じたのであります。そして年内のものは落ちて来春のものは西欧ものに落ちたということを先ほど御説明申し上げたのであります。
#26
○川俣委員 速記録をもう一度読み直さぬとわからぬと思うのですけれども、私は今計画されたような二方五千トン、四万三千トン、四月、五月の分、合計十四万トンということで確かにお聞きしたのです。これは速記録を調べてみます。そこで小倉局長にお尋ねするのですが、来春期までの四万三千トンに対して同意を与えておられるようにお聞きして、私は非常に警戒的な質問をいたしておつたはずであります。この警戒的な質問に対しても、それだけの余力があるような答弁が通産省からなされておつたようであります。従つて小倉局長もこれに同意を与えておつたんじやないですか。今あわてて、どうも最近の状態が悪くなつて四、五月に繰越すようにということになつたんじやないですか。あのヒツドが来て応じようとしたときは、来年三月までの四万三千トンであつたと思うのですが、どうも余力があるような答弁であつたと思うのです。局長どうなんです。
#27
○小倉説明員 韓国からの申入れにつきましては、四万五千トンを年内に出す、こういうことで通産省から話がございました。ただ通産省といたしましても、年内に出すことは困難であろうと思う。その辺についてよく懇談をしたいといういきさつがございましたが、両省で話し合つた上で四万五千トンに応ずることは困難である、こういう結論でこのときは終つておるのであります。四万五千トンは農林省として、あるいは通産省として、大体出してよかろうというふうになつたことはございません。
#28
○川俣委員 しかしどうもそれはおかしいですよ。私はそれだけ朝鮮に出す余力があるのかどうか、こういう意味でお尋ねしておつて、非常に警戒的な質問をいたしたはずです。それに対して、私は入札できないことを期待して、おそらくできないのじやないか、それは内需の方へとつておきたい、あるいは中共に向けてもいい、こういう意味で、非常に警戒的な意味で申し上げたのです。ところが、私は速記録を調べないとわからぬけれども、たしか四万三千トンと記憶いたしておりますが、これだけの余力があるからビツドに応じたんだ、十一月の二万五千トン、春肥までの  これは納品期日がいつかちよつとはつきりいたしませんが、たしか春肥の中に含まれる四万三千トンがあなた方の方で承諾されたように聞いておつたのですがね。聞いておつたからこそ入札に応じられた、こういうふうに思うのですが、来年の四月、五月のものがあのときに入札になつたとは私どもは思わない。結局どうなんです。どうも少し……。ごまかしちやいかぬです。
#29
○小倉説明員 これは何か私どもの御説明の仕方が足りなくて、川俣委員にそういう誤解を与えたのかもしれませんが、当初いきさつはございましたのですけれども、政府として入札の事前にこの程度は落札をした場合に輸出を認めてもよいのではないかということにきめましたのは二万トンなんです。従いまして、四万一三千トンなり四万五千トン……。
#30
○川俣委員 二万トンというのは春肥ですか。
#31
○柿手説明員 年内です。
#32
○川俣委員 二万五千トンのほかに二万トンですね。
#33
○柿手説明員 それ以外に年内輸出はできません。しかもその場合に通産省におきましては、特に電力その他の方法も講じて増産するということで今の二万トン、それから二万五千トンを合せた数量になりまして、韓国向けは年内四万五千トンということであります。
#34
○川俣委員 それで明瞭になつた。数量は私の方の記憶違いがあるかもしれませんが、とにかく年内に二万五千トン、さらに年内に二万トンの入札が行われた。柿手さんこれでいいんでしよう。
#35
○柿手説明員 そうです。
#36
○川俣委員 この二万トンの入札がうまく入札できなかつた、こういうことになつて来るのですか。
#37
○柿手説明員 これは非常によくわかるようにお話しているつもりですが、この前の速記録を見ればわかるとおつしやつたのですが、私も見たいと思いますけれども、この前のことは別として、この前もし私が間違つておつたらここで訂正いたします。そういうことはないと思いますが、結論はこういうことなんです。今きまつております輸出は台湾に二十五万トン、それからこまごましたところに合計一万トンで三十六万トン、朝鮮には年内に四万五千トン、それ以外は今輸出は決定しておりません。その朝鮮に四万五千トンの輸出が決定した経緯をもう一ペん初めから申し上げますと、一番初めに十一月の九日と思いますが、EPSがこの二万トンにつきましては国際入札でなくて、日本だけで入札をするということでやりまして、これは即日入札と同特に翌日か翌々日くらいに日本に落ちました。次いで先ほど御説明いたしましたように、十一月二万五千トン、十二月四万三千トン、四月三万二千トン、五月四万トン合計十四万トンの国際入札かあつたのであります。それは多分十一月の十七日だつたと思います。これはロンドン、ワシントン、東京の三箇所であつたのであります。しかし日本としては十一月二万五千トン、これは電力増加その他で輸出が可能であるけれども、十二月の四万三千トンをここで輸出することは、来年の一月、二月、三月の国内の需給に悪影響を及ぼすであろうということから、この十二月の四一万一千トンはビツドに応ぜしめなかつた。そのかわり向うのスケジュールである四月三万二千トンを五万五千トン、五月の四万トンを六万トンというふうにしてかえてビツドに応ずることを内諾したのであります。しかし結果は年内の一万五千トンしか日本は入札しなくて、あとの十一万五千トンは西欧の独、仏、イタリア、ベルギー等が入札した模様であります。もしこの前の委員会において、それと違つたようなことを私が申し上げておるか、またそれにまぎらわしいことを言つておつたとすれば、これは訂正いたします。これが間違いないことであります。
#38
○川俣委員 どうもおかしい。十二月に四万三千トンのビツドができた。これについて私が質問したはずなんです。私は春肥を非常に心配してお尋ねしておつたのです。これが春肥でないということになると、私はそんなにしつこく質問しなかつたはずです。春肥に食い込むのではないかということで私は質問しておつたはずなんです。だからあなたが誤解して答弁されるはずはないのです。従つて十一月の四万三千トンというビツトに対して、たまたま落札がなかつたから、これが浮いて来たということになると思う。結果的には浮いて来た。事実はあのときには応ぜられる態勢があつたのではないですか。応ぜられる態勢があつたけれども、その後の電力事情及びその他の状況からかえて行つたというなら話は一応わかるのですよ。私は十四万トン全体の計画について、あえて反対した意見は、確かに述べなかつたはずなんです。問題はむしろ十二月の入札について議論しておつたはずなんです。この点もう少し明確にしてもらいたい。小倉局長は年内さらに二万トン追加を認めておられる。私は農林省が認められるはずはないと信じておつたものですから、しつこく聞いておつたのですが、今の御答弁によると十二月に二万五千トン、さらに二万トンの余力を持つておつたように御答弁せられておりますが、ほんとうに農林省は二万トンの余力があるというように計算されたのですか。そういたしますと、足鹿委員の言うように、農林省は初めに二万トンの余力があると認めておりながら、今になつて計算し直すということはおかしいという議論が出て来る。私はそういうことを言うのではないのですが、前々から育つておるように、春肥については私は非常に警戒的なんです。ことに一月は電解法で行くと、一番能率が下るときなんです。また工場等の修理は、正月休みを利用してやりますので、生産の一番下るときなんです。十一月の末から一月にかけては、電力事情が悪化いたしますし、またガス法でもいろいろな事情でいつでも低下するのが普通なんです。ただたまたま去年はそう低下しなかつたと思いますが、二月、三月に非常に輸送が混乱して来るのです。関西から持つて参りますのに、夏場でありますると、船の輸送がききますけれども、もう十二月になりますと、日本海が荒れて船輸送がきかなくなる。原鉱石を持つて行くにも貨車輸送になるし、製品を運ぶにも貨車輸送になるということで、非常に輸送が困難な時期になつて来る。それだけに早く手当しなければならないということで、私は非常に警戒的なんですよ。余力がほんとうにあるならば、足鹿委員の言う通り、また平野政務次官の言う通りにしたいのです。私はそれは非常に不安だから躊躇しておるのです。一体あるのかないのか、前のときには輸出の余力があると言い、今になつてからないと言う。計画がずさんならずさんだと頭を下げてください。それならそれでまたいいのです。
#39
○柿手説明員 今の経緯を御説明いたしましたことも、朝鮮に対する入札の経緯を御説明いたしましたことも、これは中共の問題が起つてからそういうことが起つたのではない。十一月の初めに韓国に入札するときからそういうふうに一月、二月、三月のことを考えて、ビツドに応ぜしめなかつたということを御説明をしておるのであります。私が川俣委員にどういうことを答えたか今はつきり覚えておりませんが、私が今言つたことは、何も今ここでつくつたことでも何でもないのでありまして、これはもう当初からの、農林省ともよく話をして、ビツトの際にも内示した数字でありますから、これは私非常にしやべり方がまずいので、もしそういうふうな誤解をされるように言つたとすれば私の不徳でありまして、それはここでおわびを申し上げますか、この数字は当初からきめてあつたことでありますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
#40
○小倉説明員 韓国向けのものについてですが、ただいまきまつておりまするのは合せまして四万五千トン、それが二万五千トンと二万トンと二口になつておるのであります。二万トンの方は十一月九日に入札したものであります。二万五千トンの分は十二月十七日ですかに落札をしたものであります。この二万五千トンの落札の際に、このもとになる国際入札は十一月に二万五千トンと十二月四万三千トン、それから来年の三月を入れまして、合せまして十四万トンについての国際入札がありまして、年内の二万五千トンと四万三千トンについてどの程度輸出を認めるか、認めないか、こういう問題であつたわけでございます。そこで農林省、通産省よく打合せまして、なお硫安の増産計画等ともにらみ合せまして、二万五千トンのみ認めることにいたしたのであります。従いまして四万三千トン――五千トンと申しましたのは間違いでございまして、三千トンの方が正しい入札でありまして、結果としてはこの分は認めなかつたわけであります。
#41
○川俣委員 そうすると十二月の四万三千トンは認めなかつたのだ、こういうことなんですね。通産省は出したいという希望で農林省に交渉があつたけれども農林省は断つた。こういうことに結果的になつたのですか。その点ひとつ中村局長にもお尋ねしておきたい。これはほんとうに明瞭にしておきたいのです。
#42
○小倉説明員 ただいま申し上げましたのは通産省の意向じやなくて、もちろん国際入札の向う側の希望条件であります。この点について通産省側と話合いました結果、先ほど申しましたような二万五千トンのみ認めて、ほかは来春、四月以降であるならば考えられるということで、年内輸出は認められないことに両省一致をしておつたわけでございまして通産省側におかれても、年内に合せて六万八千トンを輸出し得るという主張は農林省にはなかつたのであります。
#43
○中村説明員 ただいまの小倉局長の答弁通りであります。この前の委員会に私出ませんで、肥料部長から御答弁のこまかい点は了知しておりませんが、念のために私一言申し上げたいのでありますが、農林省と私の方と肥料の国内需給、輸出数量ということにつきましては、あらかじめ通産省の意見を立てたり、あらかじめ農林省の意見を立てたりしませんで、たとえば海外の要請がございますと、それを生のままでお互いに検討し合うというような、非常にセクシヨナリズムを考えずにやつております。そういう意味合いにおいて年内輸出につきましても、わが方では電力事情からどの程度増配ができるであろうかという点に実は力点をおきまして、その正確な数字は忘れましたが、二千何百万キロワット・アワー、これを第三・四半期に増配して、その増産分についてこれを輸出するというのを立てたわけでございます。そういうような事情でございますので、多少の言葉の行き違いがあつたかもしれませんが、十二月末年内に対する輸出量につきましては、ただいま小倉経済局長の答えた通りであります。
#44
○川俣委員 それはそのように理解いたします。しかしおそらく四万三千トンというものは、ビツドがあつたのに対してメーカー側が応じようということで相談を持ち込んだから、それは生のままで御相談になつたと思います。持ち込みのないときに相談になることはない。おそらくメーカー側としてこのビツドに応じたいと思うがどうかということで相談があつたから俎上にあげたと思うのです。これは否定できないと思う。そうするとメーカー側に十二月に四万三千トンの余力があつて応じようとしたのか、またその余力がないとすれば、内地向けの価格を上げるべく相談をやつたか、それは別にいたしまして、メーカー側に四万三千トンの余力があるということになると思いますが、いかがでしようか。
#45
○中村説明員 私が今生のままと申し上げましたのは、海外の情報そのままを意味するのでありまして、それを出すのがいいか悪いかという意見を付してこれを討議にかけるという意味合いではありません。通産省としては、ただいま申し上げましたように、当国会に対しまして肥料関係二法案はすでに出しておるのであります。もちろんこの実施につきましては、国会の議を経て成立して、その既定事項を実施するというのが一つの考え方でございますが、肥料問題につきましては、農林、参通産の行政部面におきます基本的な考え方もございまして、法律の制定以前においても法律の趣旨を体して実施するというのが行政官庁の徳義と申しては言葉が不適当かもしれませんが、正しい考えだと私は考えております。そういう意味合いから、関係法案の一つの重要な事項であります国内調整用の保有分については、これは良心的に考えるということは両省とも同じ立場でございます。この見地からいたしましてその当時の国際入札の情勢につきまして、通産省としては私の今申しましたような現実の生産状況を前提といたしますことは、もうもちろんでございます。そうして電力増配等による期待が持てないかどうかということを検討した上で、農林省に対しては増産分に対する輸出というような、具体的な問題として討議に付したつもりでございます。業界の方からどういう意見が出たか直接聞いておりませんが、あるいは業界側としてはまだ法律の実施前等の関係も考慮いたしまして、この際多少でも出したいという希望が一部にはあつたかもしれませんが、そのほかに詳しい事情は知りません。肥料部長がその間の事情をもし承知しておれば、肥料部長から……。
#46
○川俣委員 たしかこの前は韓国向け十一月は二万五千トン、十二月四万三千トン、その他四、五月に何万トン、合せて十四万トンという一応の説明があつた。それが内訳が今はかわつて来て、五、六に変更されて、計十四万トン、こういうようにかわつて来たのです。だからどうしてもわれわれの受ける印象は十二月四万三千トンの能力があるのだ、こういうふうに説明を聞いたと思うのですが、それは協議がととのわないで、あるいは不能だ、こういうことで結末がついているというのですから、私それ以上お聞きしません。
 ここで問題を転化しまして、最近アメリカの肥料が大分東洋市場へ出て参りまして荒らされるというようなことで、メーカー側が大分慌ててこの際競争的にも、朝鮮にも台湾にももう一ぺんダンピングで対応しようかというような動きがあるやにも聞くのですが、わざわざ出血輸出を勇敢にやるというからには、余力があつてやられるというのか、あるいは春肥を控えて国内価格引上げの一つの方法として出血輸出をやろうというのでありますか、この点どうなんですか。
#47
○柿手説明員 ただいまの御質問は、アメリカの肥料が東洋に進出するから、それと日本も競争して大いに出血輸出をやろうということを業者が考えているというが、どうかというようことのようでありますが、私は今そういうふうなことをあまり聞いておらぬのであります。しかしかりに今そういうことがありましても、政府といたしましては、何といたしましても内需優先主義で考えて行きたいと思つております。
#48
○川俣委員 そうすると、アメリカに東洋市場を荒らされるから、ダンピングしても輸出をするというような余力がないから、また国内需給が逼迫しておりますから、そういうことに対しては輸出を許可しない、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。これは局長ひとつ御答弁願います。
#49
○中村説明員 アメリカの極東に対する輸出という問題が新しい事態として生ずるかどうか、また日本側が、現在の輸出余力から応じられない部分が西欧等に落ちた、こういう状況は事実でございます。今後アメリカの極東進出に対し、日本側としてダンピングをしてまであくまでも応ずるかどうかという問題でございますが、この点については、今肥料部長がお答えしましたように、日本側としては、そのような措置をとる考えはございません。ただ私が一言触れたいことは、日本の硫安工業も大体五十万トン前後、あるいはそれ以上の輸出余力を持ち得る生産状況になつておりますので、この程度の生産余力を輸出に振り向けて、輸出市場を確保するということが、国内の硫安の生産を安定せしむる現下最大の重要問題と考えておりますので、そういつたような事態につきましては、事前に、アメリカとの関連におきまして、ただいま申しました日本の硫安工業の現在の輸出余力を一番有利に輸出するような努力をいたすということだけは申し上げておきたいと思います。
#50
○川俣委員 今の答弁だと非常に誤解を受けるのです。輸出能力があるのだ、こういうことに五十万トンくらいの輸出能力があると計算すると出て来る。しかし私ども前から言つておるのは、一番問題にしておるのは春肥なんです。年間計算ではないのです。国内の需給は季節が必要なんですが、海外においてももちろん季節が重要なことです。この季節の問題を論じておるのです。従つて相手もやはり季節があるのです。この季節と季節とぶつかつたときに輸出の問題は非常に重大になつて来るのです。計算上あなたの方は二百二十一万九千トン、国内が百七十万トンで、五十一万九千トンくらいの余力があると言つている。そろばんはそろばんです。けれどもさつきから問題にしているのは来年三月までの春肥で、また国外市場でもほしいのはこの季節だと思うのです。四月からあとの分は今問題にするに足らないと思うのです。七月、八月になると在庫も非常に多いのですから、在庫が多いときにはきましても、国内価格に影響しないのです。今春肥を前にして輸出すると国内価格に非常に影響して来る。国内価格に影響のないとき出されるということは、われわれ前から反対していないのです。いつでも国内価格に関連のあるときに輸出をされる。問題は輸出問題ではなくて、国内価格に影響する時期に輸出を計画されるから――ときどき通産省はそういうことをするくせがあるので警戒してお尋ねするのです。今余力があるのかないのかということが問題なんです。
#51
○中村説明員 ただいまの、春肥の最盛期を前にして輸出をいたすのは困るということでございますが、川俣委員の御質問にもございましたように、われわれとしましては、輸出は特に慎重にやつております。目下いろいろ問題がございますが、三月までの輸出については、先般中共向けの輸出に際して答弁いたしましたような措置で、出す意思はありません。
#52
○綱島委員長 出す意思はないというのですか。
#53
○中村説明員 はあ。
#54
○綱島委員長 午後二時半より再開いたします。午前中はこれにて休憩いたします。
   午後一時八分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時五十八分開議
#55
○綱島委員長 午前に引続き会議を開きます。
#56
○佐藤(洋)委員 午前中のいろいろ御質問によつて、足鹿君から、中共向けの肥料の問題について当局の意のあるところをただされ、かつまた川俣委員より、詳細にわたつて生産力及び需給の関係というようなことについて伺つたのですが、ひとつ当局にお伺いしたいのは、先ほどのお話では、中共においては三月にほしい、しかし一、二、三月は春肥に非常に必要なんで、品がすれのときだから困難であるというようなお答えであつたのですが、最近の状況から見て、せつかく中共議員団が派遣せられて、そしてある程度の道をつけて来られた。ことに硫安に対しては、平年において十万トンくらいずつとこれからほしい、今年は五万四千トンですか、とりあえず引合いをしたいというようなことであつたのでして、こういうことは、将来の日本の輸出貿易の上から参りましても、大いに政府当局としては考慮したらいいのじやないか、こういうふうに考えておりますが、平野政務次官からの御答弁によつて、政府当局はにわかに賛成しがたいような御答弁でございました。しかし生産、需給の関係を、だんだん私が委員会の論議を拝聴いたしまして、四月以降になれば、ある程度余力ができるのじやないかという感じがいたすのですが、これに対しまする当局の見解を伺つておいてみたいと思います。
#57
○小倉説明員 午前中にもいろいろお話がありまして、私どももお答えをいたしましたように、四月過ぎになりますれば、輸出余力はあると思います。ただいまのところ、正確に何トンというわけには参りませんけれども、四、五、六、七月と、あとになるほど余力があることは間違いございません。
#58
○佐藤(洋)委員 小倉経済局長から、四月以降は余力がある。こういうような御答弁でしたが、通産省はいかがですか。もう少し数字的に伺つてみたいと思つております。
#59
○柿手説明員 ただいま私どもが計画をしております生産計画、それから年間およそ七十万トンの内需の見込み、季節別見込みというものが、大体今までの経過では、その計画通り行つておりますので、今後においても、そういうふうに参るというふうに考えますと、四月以降は相当に輸出余力があると考えております。むろん中共で今仮契約なさつている五万トン、六万トンの余力は十分にあると考えております。
#60
○佐藤(洋)委員 大体のことはわかりましたが、問題は、この中共の引合いに対しては、むろんバーターです。日本の船で持つて行くわけですね。上海あるいは天津に上げるでしよう。そこで開らん炭と工業塩、それから桐油、そういつたものを欲しいということで、将来これは非常に日本の足りない物を持つて来るという意味においていいと思うのです。こういう線の道を今後もあける。中共も、できるだけそういつた物資は今後交流するという考え方に持つて行つていただきたいのです。政府としても、そういう意味で、少くとも四月以降に余力があるという、ここに一つの道をあけて、そうでないとあるいは三月までというと、はたしてどの程度……。キャンセルするのじやないかと思います。これに付随して自転車が、あるいはついて行くのじやないか、そういうこともあるから、そういうととも勘案して、できるだけひとつ道をつけたい、こういうふうに私ども考えておるのです。それでこの質問をしたゆえんですから、その点を御了承願いたいと思つております。
#61
○中村説明員 これはただいまの御質問に関連してございますが、私は一言付言的にお答えしておきたいと思います。御質問の中にございました塩の問題、開演炭の問題、この二つは大きな問題でございます。塩につきましては、私が所管している関係もございまして、一応塩の輸入に関連して、日本側から苛性ソーダを輸出するという問題もございます。この問題については、私の方としては、もちろんこれは日本としても非常に歓迎すべき問題でありまするので、検討をいたしておりますが、この問題の一番大きな問題点になつておりますのは、塩の価格が近海塩、遠海塩を通じまして、どちらかと申せば国際価格は下り勾配で進んでおります。現在の輸入価格の遠海、近海の実績は、トン当り八ドル二十三セントから五セント程度でございます。先般の中共からの引合い値段は、ややこの平均値を上まわつております。品質の点において五、六パーセント、中共塩が下まわつております関係を考慮いたしますと、ただいまの平均値段より上まわつているというような状況で、これについての具体的な問題として検討をいたしておるということを申し上げたいと思います。
#62
○足鹿委員 先日来、小委員会をお開きになつておりますが、小委員長にお伺いしておきたいのでありますが、小委員会の運営については、どういう御方針でございますか。私どもとしましては、先般の第十六回国会におきまして、党で長い間検討をいたしました肥料管理法を、同志連名をもつて提案いたしておるわけであります。政府提案のこの両法案は、あるはなきにまさるという程度の認識を私どもは持つております。それゆえにこそあの法案を出しました。ところが、本法案のみを継続審議されて、われわれの提案したものは審議未了のお取扱いをおとりになつた。これは小委員長の方針でもなかつたわけでありますが、当時われわれは非常な憤懣を持つておつた。当然党によつて、議員の発議であろうと提案をいたして、提案の理由も終つたものを、政府提案のもののみを継続審議にいたし、議員立法のわれわれのものを審議未了にする。当時委員長にも再考を促したのでありますが、遂に皆さんの同意を得ることができなかつた。そういつた経緯を見まして、その後十七、十八と、臨時国会を経て、爾来この法案は引続き継続審議になつておるのでありますが、にわかにこの安定法案あるいは輸出会社法案の審議をお急ぎになるということは、一体どういう意味なのでありますか。私どもとしては、この点がよく了解がつきません。その点についてまずお伺いをしたい。春肥については、全購連との間にも、すでに一応の安定帯価格のとりきめが行われておりますし、今この法案をつくつて、一体どういう具体的な春肥に及ぼす影響があつてお急ぎになるのか。その大体の意味を政府並びに委員長にお尋ねをしたい。委員長には、特に委員会の運営方針について、政府には、この法案が提案されて、三国会まで継続審議になつたものを、非常に御熱心に審議の促進方をいろいろお手配になつたという考え方を、この際承つておきたいと思います。
#63
○綱島委員長 委員長から、委員長へのお尋ねの部分だけお答えをいたします。お尋ねにならぬ部分も多少触れてみますが、継続審議にこの小委員会に付託せられたものは、お説の通りこの法案でございますが、議員立法としてお出しになりました案については、継続審議にしてこの小委員会に審議をするということにはなつておらないようでございますので、この小委員会では、その範囲で審議をいたして参りたいと思つております。特に今お尋ねの、非常に急ぐようだがというお話でございますが、これは本来から申せば、もはや審議はし尽されたという感じがございますことと、いま一つは、できればこの法案が滞りなく行くといたしますれば、あるいはよりよき修正のもとに法律化するといたしますれば、春肥になるべく間に合うようにいたしたい。できれば一月中にでも本会議を終つて法律化せるように、ある程度進みましたら、参議院の方にも連絡して進めて行きたいという考えが、小委員長だけにはございます。それは秋肥を目安にするよりは、春肥の、特に二、三月ごろの肥料操作について有効にさせたい、こういうことが私の希望でございます。なおこのことについては、よく皆さんと正式にお打合せしてやりたいとも存じますが、多少それとはなしに、小委員長だけの心組みで、どなたにも多少ずつは非公式に打診をいたしたのでございますけれども、大体これには非常なさしさわりもなさそうに思いましたので、手を尽すことがまだ不十分かとも存じましたが、さような含みで進めておるわけでございます。
#64
○小倉説明員 私ども肥料の行政をいたします者といたしまして、法案の審議についての希望と申しまするか、持つておりまするのは、やはり小委員長が今申されましたように、できるだけ春肥の機会に間に合わしていただきたい、かような観点からであります。もちろん春肥の最盛期にはあるいは間に合わない場合があると思いまするし、また実際問題として、その辺をどう切りかえて行くか、法案の実施をいつごろにするかということになると、いろいろ実務上の問題もあろうかと思いますが、少くとも準備をなるたけ早い機会にいたしまして、なるべく早く実施をいたして参りたい。そのことはまた輸出の関係にも出て参ろうかと思います。輸出の関係については、通産省の方からお答えがあるかと思いますが、内需の規模、価格の安定といつた面から見ましても、できるだけ早く通過させていただきまして、春肥の一部にでも法案の効果を上げるようにしていただくのがいいのじやないか、かような趣旨であります。
#65
○足鹿委員 委員長のお考えなり、政府のお考えも一応わかりました。そうしますと、現在八百四十五円の全購連との間に締結されておる来年の春肥の契約の金額が、この法案が成立すると、それよりも確かに下りますか。下るということが約束されなければ、効果があつたとは言えない。ただ間接的な効果というようなことだけで、荏苒日を送つたのでは意味がない。委員長が今おつしやつたところによると、春肥に間に合せて、これに効果を上げるんだ、だから審議を急いでおるんだ。また政府当局も、そういう御所見でありましたが、この点が確約できますか。
#66
○小倉説明員 法案が通りました節に、現在きめておると申しますか、全購連とメーカーとの間にできておりまする取引価格が、どの程度下るかどうかという点でございまするが、これはもちろん、法案が通つたから幾ら下げるというような約束は、なかなかいたしかねると思いますが、(足鹿委員「そんなことじやだめだ。そんなあいまいなことじやだめです。」と呼ぶ)現存の価格の水準から見まして、法案の趣旨をわれわれが実行できるようになりますれば、原価の調査もでき、また法律の基礎に基いた合理化も推進されて行くのでありまするから、そこに価格の低下ということは、十分期待できるというふうに私は存じます。
#67
○足鹿委員 答弁が具体的になるというと、おそらしになる。効果があるから急ぐんだという委員長の御趣旨、先ほどは私の質問に対しては、春肥に対して効果を発揮せしめたい。こういうことを御答弁になつたので、さらにそれに対して追究をすると、ただちに出るか出ないかわからんが、効果を期待したいというふうに、だんだんお逃げになる。少くともそういうあいまいなことで本日急々に、これを数次の小委員会でもつて審議をして、再開壁頭に上げるというような決断は、われわれにはつきません。具体的に、少くともこれが効果がある、春肥に間に合せたいということであるならば、事実農民に対して親切な法案であるならば、当然春肥の価格というものは、今締結したものが動く。下へ動いて行くという一つの見通しか立たなければ――私は、この法案自体が、間接的な効果のみをねらつた法律ではないかということは、提案当初から各委員が抱いておられた疑念であると思います。その点に対して、急遽これを春肥に間に合せたいという気持から、審議を委員長の方においてお進めになり、また非公式にもそういうような御要請がわれわれにもあつた。一応あるはなきにまさるような法律であつても、一歩前進になるという見通しが具体的につけば、われわれとしてもあえて反対のための反対というようなことはいたしたくない。その点について明確な御答弁がなければ、私どもとしては、先申しましたような管理法を提出した経緯等もありまして、そう簡単に、この法律の審議を最後の結論に達せしめるというようなことは、なかなか困難だろうと思います。ですから、そう一々問題が具体的になれば逃げるというようなことではなしに、もつと具体的に勇断を持つた御答弁を願いたい。たとえば私が小委員長をいたしておりまする農災の関係にいたしましても、抽象的なときには超党派々々々、そして最後の段階になれば、小倉経済局長は、過日の自由党の政調会の会合においでになつて何という御所見を述べておられますか。小委員会においてはただの一ペんといえども農協への任意共済の一元化については可否を申されなかつた。国会の正式機関において一言の見解の発表もしないでおつて、いかに時の政府の与党といえども、その政調令に出席して異なつた見解を述べるとは何事ですか。そういう態度は、いよいよ問題が大詰になつて来るときにたつて、当初から立てた方針を中途においてかえられる。そういうことではわれわれが超党派的に今日まで農林委員会において運営して来た精神に反すると思う。都合の悪い法案については、最後になつてそういうふうになる。自分たちの通したいという法案については、あいまいにして態度をにごす。そういうことではわれわれはその審議を進めるわけには参りません。当局ももう少し真撃な態度で御反省を願いたいと思う。政府の大きな仕事を担当しておられる経済局長としては、いろいろ苦しい立場もおありでしよう。しかし人間としてのあなたとわれわれは信じておつた。少くとも、過日共済小委員会を十数回開いたが、小委員会の運営方針に対しても賛意を表され、考え方についても常に一つの示唆をわれわれは与えられて、ある一定点に達する段階になつて、超党派において検討した結論に対して、重大なひびが行くような御発言をなさることは、私は不謹慎であると思う。一事が万事です。この問題については、問題が具体的にならないときには、一応超党派で行こう、超党派で行こうと言つておきながら、最後のどたんばになれば、ほとんどそれが弊履のことく捨てられるというような運営でありますならば、わが党は賛意を表することはできません。その点について小倉局長なり小委員長に、しつかりした腹をわれわれは聞かない限り、これに対するところの態度を保留いたしまするし、またこの審議につきましても、まだ今後各条項にわたつて何日間でも審議を進めさせていただきたい。少くともわれわれは、農林委員会の過去の運営の状況から見て、常に超党派で、お互いが忍ぶべからざる点を忍んで、党へもどつてはいろいろと苦衷を訴えて、農林委員会の決定というものについてのんで来た。都合のいいとき、政府提案であるならば、これは大した効果のないような法案でも、そのときによつて効果があることを期待するとか、あるいは効果があろうというような抽象的なことで、具体的になつたら床どうしますか。われわれはそういうことでは、無責任にその審議を進めることには同意できません。その点をしつかりした腹をお聞かせ願わない限り、これは非公式な懇談会でもけつこうでありますが、委員長は非常に審議を急いでおりますから、少くともこれは速記にとどめて、委員長その他の御意向をしかとよく聞いた上で、われわれとしてもこの審議の進め方について態度を決したいと考えております。私どもはその点をきわめて重要視しておりまするので、御見解を承りたいのであります。
#68
○綱島委員長 委員長の方からお答えいたします。この法案の成立の上で、どういう点が具体的にもつとこうなるということをあらかじめ申せとおつしやつても、これは今委員長の立場で、やはり委員諸君のおきめになるところにきまるので、かつてには申し上げかねると思いますが、ただ委員長の期待しておるところは、一体幾ら下るか、あるいは全購連との契約がどれだけ更新されるか、こういうようなお話でありますが、契約をしておる分については、はたしてどれだけ下るか、そういう部分の見通しは困難だと思います。ただ大体のコースとして、結局は一定のコースに乗せなければ、肥料政策というものが野放しでは困難である、こういうことは大体一致した見解だと思う。ことにこの肥料会社というものは相当大きな資本力を動かす会社である。そうして相当独占的に近い線が出て来る会社であるのに、一方農民の方は散慢として、力の葉約ということが非常に困難である事情にありますので、こういう点については、一定の社会的立場からこれをコントロールして行くということはどうしても必要だと思いますので、やはりこの法案は、できれば急いで御審議を願つた方が妥当であると思うし、肥料に季節がございますので、春肥に影響力があればけつこうだと思いますので、急いでいるわけでありまして、これは先ほど申し上げた通りであります。そこで幾らだけ下るかという具体的の事実がなければ審議に応じられないというお話でありますが、これは結局法案の中に、委員の皆様がすぐれた御見解をお述べくださつて、もしりつぱな意見がだんだん出て来れば、なるべくそれは尊重するということで、従来の農林委員会の立場、慣例等も考慮いたしまして、よりよき結果を発見するということは私ども努力しなければならない、こう考えております。それではなぜやるかといえば、これは継続審議を特にやるという」とで小委員会というものができ、小委員長を任命された以上は、非常な御迷惑を小委員の皆様におかけせぬ限りは、できるだけ審議をしてみようということは、妥当なことだと存じますので、一に主体性は委員の皆様が御確立になることで、運営の立場からいえば、そういう機会が最も早く、最も妥当に生れることを期待して審議に臨んでおるわけでありまして、別段これによつてこういう線に必ず持つて行く、またこうせなければならないという四角ばつた構想を持つてやつておるわけではありません。なお運営方法等については、後刻懇談をいたしても一向さしつかえございません。この運営方法についてこうした立場をとろうというような予見した立場は何もありませんから、その旨御了解を願います。
#69
○小倉説明員 先ほどのお尋ねに関連して。法律を執行した場合にその効果として春肥の価格がどの程度低下することを期待できるか、こういう御趣旨でございましたが、これは私どもといたしまして、ここでなり、あるいは近く数日中に、すぐどうこうという具体的なお話をすることは非常にむずかしいことだと思うのです。ただこれも非公式的と申しまするか、実はメーカーの方にも原価の調査を今依頼しておりまして、そのうち役所の方にもその提示がありましようから、そういうものをひとつ私どもの方において検討いたしました場合には、ある程度のところが見当がつく機会も近いうちにあるのじやないかと存じております。
#70
○足鹿委員 今の委員長の御答弁は私の聞かんとするところを少しそれておられるように思うのです。私は委員長にそれをはつきりしてもらわなければいかぬと思う。あとでまた御懇談でもあれば、十分御懇談にも応じますが、とにかく委員長の今の御答弁では、どうも私の言つていることがよくお聞きとりを願えなかつたと思うのです。要するに農林委員会は、従来お互いが超党派の立場をとつて、困難な問題でも農業政策の一歩前進という立場から、常に大乗的な立場で事の審議に当り、また建設的に事に処して来た。そこで三国会もたなざらしになつたこの法案をあげる以上は、少くとも最終段階になつて、おのおのの意見が出る、また没常識的な意見をかりに出してみましても、これはおのおのの判断によつて、そのことが通るか通らないかくらいのことはわかると思います。そういうことはわれわれは従来言つたり、したりしたことはない。いわゆる根本的な見解の相違ということについては、党の性格をゆがめてまでもわれわれはあえて同調はいたしませんが、少くとも具体的な問題については、従来そういうことで審議に当つて来た。だから農林委員会は相当の成果をあげて来た。おのおのがそういうふうに考えておる。従つてこの三期も継続審議になつた、日本の肥料政策に重要な立場を占めるであろうこの法案について、少くともわれわれはいろいろな噴懣、意見を持つ秀るのであります。完全なものとは思つておらない。しかしこれを進めて行かれる上において、委員長としては相当困難な問題にぶつかつても、これをよく各派の意向の――従来私はよく申しますが、最大公約数を見出して行こうという御所見で運営をして行かれるのか、最後に問題が具体的に詰つて来ると、自分たちは政党の立場もあるし、政府を一方において支持するのである。財政的な制約がどうだとか、いろいろかつてなごりくつを並べて、最後のどたんばになれば、今までの超党派の雰囲気を割つて出る。そういういこじな態度で臨まれるのかどうか。委員長の御人格を私は知つておりますから、おそらくそういうことはないとは思いますが、これはわれわれにとつては明確にしていただかないと、問題を今後進めて行く上において非常に重要な点なんでありますから、そういうお気持で最大公約数を求めて、題でもこれは各党の意見をよく調整をして、より完全なものにまとめ上げて行くという審議方針をとられるのか、最後のどたんばになれば、これは政府の立場もあり、与党の立場もあつて困難であるから、いつかだれかから聞きましたが、反対する者は反対したらいいではないか、こういつたことで、これ以上審議を進めてみたところで、これは私はむだだと思う。その辺の委員長の御決意のほどを承つて、そして審議を進めて行きたい、こういうわけなのであります。
#71
○綱島委員長 お答えをいたします。もとより委員会でございますから、皆様の御意見の最大公約数を何とか見出すことに努力すべきものだ。たとい農林委員会でなくても、そういうふうにするものだと思つておりますし、特にこれは農民に接着する重要問題でございますから、できる限りほんとうの農業生産の上に役立つように、そういう意味で皆さんの最大公約数を見出したいと存じております。
#72
○金子委員 今足鹿委員が委員長に申し上げ、委員長から回答がありましたことは、この法律の審議に非常に重要なポイントでありますので、私からも一言お尋ねしておきます。なぜならば、この法律がかかりまして以来、私の党では、改進党として一つの成案というものを打出してなかつた。これは修正をして、もう少しよりいいものという期待を持つて研究しておりましたが、社会党両派におきましては、党の性格と独自の立場がら成案を得ましで、そして正式に国会に党としてのまとまつた結論の具体的なものを提案しておる。それが今足鹿君の言うように、三国会を通じてここまでだらだらとやつて来たのであります。従つて言葉としては、できるだけ各党の意見を最大公約数の点にまとめるということはだれもができるのでありますが、この問題に関する限りは、特にその点を深く頭に置いてこれを進めるのでなければ、最初から社会党は案が出ているのだから、この法案採決のときは、またこれをひつぱり出して来ればいいのだ。そういうことは研究の余地がない。それをここでまた研究しようということは、今の政府の原案に対する――われわれは与党だからというふうな最後の捨てぜりふで解決するようなこともできるだけ避ける、これは党の方針とまつたく右左というようなことでもあれば別として、現実の農村と現実の肥料ということを考えたときには、改進党が考えても社会党が考えても、自由党さんなり政府与党が考えても、それほどえらい西と東ほど違うはずはないのです。その点を、委員長のお言葉がありましたけれども、この問題はほかの問題と違いまして、もうすでに一ぺん当然廃棄されるところまで行つたのでありますから、意見がまちくで決定されるところまで行つたのが、またもとしてここへ来ておるのでありますから、私どもも努力いたすつもりでありますが、どうぞ委員長におきましても、この問題は単なる言葉として、できるだけ皆さんの意見をまとめるというふうなことよりか、一旦わかれわかれになつたものをここに再び合せて行くというところに現段階におけるこの法律の特殊性があるのでありますから、その点をくどいようでありますけれども、もう一段と私からもお願いしまして、足鹿君の質問を続けてもらいたいと思います。
#73
○綱島委員長 よく承知いたしました。これは元が農業生産というものがあり、化学肥料というものがあるのですから、これは基本線は動かそうといつて、なかなか動かしにくい事情もございます。それを基礎にして、ひとつこの委員会でお考え願つたら、効果ある立法ができると思うのです。ただねらいは、効果ある立法をしよう、こういうことに最大公約数をその上に積み立てて行けばと思う次第でございます。そういうことでお願いして行こうと思います。ただあんまりとらわれたりはなるべくいたさないようにしたい、そういうことに考えておりますから……。
#74
○足鹿委員 委員長のなかなかの御決意のほどもわかりまして、一応私どもも審議に参加をしてみたいと思います。そこで冒頭に申しましたように、おさらいをするようで恐縮でありますが、日を経て前の審議録を読んでみたり回顧してみて、どうも本日あらためてこの法案を読んでみますると、いろいろまた考えさせられる点があるのであります。記憶を呼び起し、さらに政府が今日まであきらめもせず、よくまあ三国会たなざらしの法案をここまでねばられると思うくらい、よくねばられておるので、よほど確信のある点もあると思います。そういつた二、三の重大な点についてお伺いをいたしたい。
 大体硫安の需給安定ということなんですが、価格の安定をはかる、同時に需給の調整をはかるということが大目的であるようでありますが、先ほどからも経済局長にお尋ねしておるけれども、明確な御答弁のないのはこの辺だろうと思う。相手が硫安メーカーであろうと何であろうと、これはりくつではないのです。事実は事実として、法律ができた以上は、具体的に効果が上らなければならない。そこで価格問題について私は伺いたいのでありますが、価格安定の意義いかんということ、価格が安定するということは一体だれのために安定するのか、少くともこの硫安需給安定法は農民のために、農家経済なり、あるいは農業生産に効果あるべく価格の安定を意味する。この大原則がくずれますれば、この法案というものは、何人のための安定であるか、先国会でもるる私はこの点を追究したと思うのですが、意味をなさないと思う。あらためて経済局長の御所見を承りたい。
 また平野政務次官は、先回は審議に直接参与になつて、ずいぶんこの法案の通過することに苦心をお払いになつた経験を通じて、今政府の立場に立つていかようにお考えになつておりますか。よもやこれがメーカー側の経営の安定を目的としたものではない、私はこの法案は、農家や農民、日本の農業の安定に意味あるための硫安価格の安定、こういう意義と目的を持つた法律だと思うのです。その点を私は一番重要視しておるのでありますし、さつきも冒頭に述べましたように、それでは春肥に具体的にはどうかというと、それは数字の点もあるから具体的には言えないが、しかし下るであろうという程度一下げなければならないという程度の決意の御答弁あつてしかるべきものだと思う。それが言い切れないというようなことでは、私はこの法案の効果推して知るべしではないかという疑念を持たざるを得ませんが、まずこの点について平野政務次官並びに小倉経済局長、中村軽工業局長、御三人の御所見を承つておきたい。
#75
○平野政府委員 足鹿委員のお尋ねは、まことにむずかしい御質問でございまするが、肥料の価格がどれだけが適当であるか、すなわち農家経営の安定の上からいつて、肥料価格は幾らであるべきかということは非常にむずかしい問題であると存じます。これはただ肥料だけを見て云々するわけには参りませんわけで、足鹿委員の御専門でありまする米価の決定にあたりましても、これと重大な関連があるわけであります。なおその他農業経営全般の観点から、あるいは日本経済全体の立場から議論をしなければならぬのでありまするから、従つて幾らが妥当であるかということはいろいろ意見がわかれるところであろうと存ずるわけであります。従つて、もとよりこの法案は、農家経営の安定という立場から肥料価格の妥当を期したい、こういうことで提出をし、御審議をいただいておるわけでありますが、しからばそれによつて幾らがいいかということは、ここで明確にお等えがいたしかねることは足鹿委員も御承知願えることと存じます。ただできるだけ、要するに農家の方々に納得の行く価格をきめるということが主眼であるわけでありまして、納得をしていただける価格が決定をすれば、おのずから農家経営安定のための価格になつて来るものと、かように信ずるわけでございます。ただ今日のところは御承知のごとく、政府が肥料価格のコストを調査をするという権限を持つておりませんので、肥料価格そのもののコストを調べるということすらも実ははつきりいたさないわけでございますので、まずその権限を政府が持ちまして、的確にコストの調査をいたし、さらに種々の観点から価格に関しまするところの研究を進めまして、真に農民の納得の行くところの安定した価格をつくりたい、こういうことでこの法案を出しておるわけでありまして、まずもつて政府がそういう価格を調査し、また妥当なる価格をきめるべき機構を確立することが先決であると考えまするので、この点ひとつ御了承をいただきまして、御賛同を得たいと存ずる次第であります。
#76
○小倉説明員 需給安定法のいわゆる価格安定の意味いかんということを中心とした御質問であつたのであります。価格の安定は消費者のためにも、そのものを生産する者にとつても望ましい、いいことであることは言うまでもないことであります。ただ法律をもつて価格の安定をはかろうという意味は、やはり特別に消費者のことを考えてのことであると私は理解をいたします。もちろん法案には消費者のためというふうには書いてございませんけれども、主たるねらいはそこにあるのであります。ただ結果としてと申しますか、副作用と申しますか、価格の安定ということは、そのものをつくるメーカーにとつても都合のいいことであるということは申すまでもないのであります。
 それから第二点といたしまして、この安定というのは、ただ平均的に安定するという意味ではございません。法案の趣旨は必ずしもそこは明瞭ではございませんが、他方この硫安工業の合理化に関する法案もございまするし、安定と申しますのは、傾向的には漸次合理化の線に沿うて低下さして行く、こういう意味を背後に含んでおると私どもは感ずるのであります。
#77
○中村説明員 ただいま農林政務次官並びに小倉経済局長の御答弁の線でございますが、一言申し上げますと、先日の小委員会におきましても、たとえば硫化鉱あるいは石炭というものの値下りが、硫安の価格にそのまま影響しておるかどうかというような意味合いについての御質問がありましたが、現在の機構としまして、これを確実に影響せしめるような制度としては、非常に不完全でございます。そういう点からいたしましても、まず価格公定制度というものをつくりまして、現状におきましては合理的なる低下率、硫友価格の引下げということを確保する意味合いにおいて、本法案の重要な要素として価格公定制度をとつておるのであります。
 なお経済局長からもお話がございましたが、もちろん価格の安定ということも、やはり停滞的な安定ということをねらつておるのではございません。関係二法案の全体的な関連からお考え願えることと思いますが、硫安工業の合理化ということを逐次行いまして、その合理化によるコスト低下というものを、常時硫安価格に反映せしめるということが大きなねらいの一つになつておるのでございます。私は、もちろん消費者である農民の経済的な見地を重要視いたしまして、傾向的には低下を伴うべき硫安価格の公定制度を確立する、こういう趣旨と考えております。
#78
○足鹿委員 大体御三人の御答弁はそう大した食い違いもなく、十分に私は満足はいたしませんが、一応意図される気持をそのまま率直に受取つておきます。ただ問題は、具体的にこの法案の効果が発揮できないのではないか。もちろん発揮でき得るようにわれわれも努力しなければなりませんが、発揮できないという場合もあり得ると思うが、経済局長の最後の御答弁の、停滞的な安定ではない、一つの傾向としてはやはりコストの低下、従つて価格の引下げを意味する。こういう趣旨の御答弁はきわめて私は重要であろうと思います。これに対しては通産当局も、全面的に御異論がないということをあらためて私は承りました。しからば問題は、この価格を具体的に決定して行く法案の内容であります。生産者販売価格の決定の方式であります。またその決定の基準でありますが、これは第十六国会にもしばしば私はお尋ねをいたしましたが、遂に具体的な御答弁を聞くことができなかつた。しかも平野政務次官は、私が主としてやつております米価審議会のことに言及をされましたから、私も一言申し上げますが、米価審議会において、われわれが審議する価格の算定方式とこれとは違うのです。それを私はあなた方に申し上げたい。私どもは、米価審議会においては、生産費方式をおとりなさいということを言つておる。ところが政府はそれはできないとおつしやる。今もつてアメリカから渡つて来た十数年前のパリテイの方式というものを基礎にして、これに経済事情等をしんしやく要素として、勘案しておきめになつておる。ところがこの硫安需給安定法の第十一条を見ますと、いわゆる価格の決定の大綱が示されておる。「政令の定めるところにより、生産費を基準とし、濃厚物価格その他の経済事情を参上やくして定める」とあつて、米価の場合とは逆です。しかもこの生産費はメーカーが渋つて出さない。どのように手だてを尽しても、今まで真にメーカーが心からなる協力をしたことがありますか。これは天下周知の事実であります。国の権力をなめ、国民をなめ、農民を愚弄して、今日までほとんど農民をして納得せしめるような自主性のある、まじめな生産費計算を出したことがありますか。九百三十五円などという人をばかにしたような平均価格を出す。これが現在のメーカーの実情なんです。そういうメーカーを相手にして、生産費を基準として農産物価格その他の経済事情を参酌してきめるということは、米価の場合とは逆ではありませんか。この点、ただいま平野さんは米価審議会のことを云々されましたが、いかようにお考えになりますか。米価はパリティでいい、肥料は現在ずいぶんもうけておるメーカーの生産費を基準にして、農産物価格やあるいはその他の経済事情はしんしやく程度にとどめていいのでありますか。私はこの価格の算定方式は、相当米価の場合とあわせ考えて、政府としてもよく御反省にならなければならない点があると思う。米価審議会の例をお引きになつたが、虚心坦懐な御所信を私は拝聴したい。
#79
○平野政府委員 先ほども米価のことを申し上げましたが、一般的にいつて、肥料価格の問題は、米価にも関連するという意味で申し上げただけでありまして、決して米価審議会における政府の諮問いたします算定方式とこれとがどうこうということではございませんので、この点は御了承いただきたいと存じます。お尋ねのこの肥料価格の決定でございますが、第十一条の第二項に、お話の通り、「政令の定めるところにより、生産費を基準とし、農産物価格その他の経済事情を参しやくして定める」、こうなつておりまして、この政令をどうきめるかということが非常に問題になると存じます。この点については、後段の硫安審議会ができることになつておりますので、その審議会においているく御検討願うこととなるわけでございますが、私見といたしましては、この政令の定め方は、一番安い算定方式をとるようにいたしたい。かように思つております。すなわち、政府が各肥料工場の生産費調査をいたします場合においては、非常にコストの高いところもあり、また低いところもあるわけでありますが、そういう高いところのコストを基準にいたすことになりますと、非常に高くなつて参りますわけで、私どもとしては、この定め方については、最も農民に有利な点において決定し得るような方式を持つようにいたしたい。かように存じております。
#80
○足鹿委員 米価審議会を引合いに出したことは、あなたがお話になつたからという意味でなしに、私はもと言いたかつたのです。米価審議会に諮られる政府の米価決定方式というものは、非常にあいまいなんです。ハリテイというものを根拠にして、これにある種の生産費であるとか、あるいは豊凶係数であるとか、いろいろなその他のものを加味した決定なんです。ところがその豊凶係数も、このごろ聞くところによると、共済保険金は、豊凶係数の算定によつて出たものから引くのだなどというような、まつたく農民が唖然とするようなことを平気で政府は考えるのです。いかにして金を少く払うかということに汲々としておるかのごとき印象を受けるようなことをおやりになる。ところがふしぎにも、この硫安需給安定法においては、――米の生産費なんかは、農民が調べてくれ、調べてくれと要求しておる。それはたな上げにしておいて、今度は御親切にも、この肥料の場合には、生産費を基礎にして定めるという。まつたく主客転倒と言わなければならないと思う。これは私はほんとうに真剣に考えていただきたいと思う。農民の場合は、生産費米価でやつてくださいと言つておるのに、それはできないという。それは調査資料がない、いろいろそれは調査に困難がある、こういう理由で、米価審議会ができて以来五箇年間、逃げに逃げを打つておるのが政府の実情ではありませんか。現在もあなた方の同じ吉田さんの政府ではありませんか。ところが肥料の場合には、生産費計算をまともに出さぬ。出すことを拒むものに対して、生産費を基準としてやる。こういうことで、いわゆるメーカーを尊重して行くという建前をとつておられる。私は相互を比較した上において、この生産費計算でおやりになること自体を悪いといつておるのではない。米の場合と対比して、いかにも政府の政策というものに一貫性がない。農民に対してほんとうの心からなる愛情というものがあるのかどうかを疑わざるを得ない。メーカーが生産費を出さなければ、政府がひとつ国際価格や、あるいは現在の肥料の生産坊式をいろいろ難して、役所などできめたものを一つの算定方式として、これでやれと言うことは、私はやつてよろしいと思う。米の場合は現にそれをやつているんじやないですか。農民に対しては、とやかく言つても受けない。今度の米の場合でも、国会が済んで、予算がきまつてから、米価審議会で消費者米価をきめるようなことを平気でおやりになるのです。ですから、私は一旦この法律ができても、その運営の場合になつて、いかにも矛盾撞着をきわめておる点をまざまざと見て来た。この肥料の場合は、わずか十三や十四の会社の生産費が調べられないのです。これに対して抵抗して行く。どうしても良心的にやらないということであるならば、一定の算定方式を立てて、それに基いて、審議会の意見を徴してきめて、それによつて最高生産者価格を御決定になるのが私は妥当だと思う。協力しないメーカーに対し、その生産費すらもとやかく言つて、まともなものを出さぬようなものに対して、国は何ら援助を与える必要はない。また出したとしても、ほんとうにそれが正鵠を得た、なるほどと思われるようなものを出さないメーカーであるならば、断固として国権を発動して、一定の方式を立ててやつて行くのが私は正しいと思う。私の言うことが間違つておるかどうか。米の場合との対比において、あまりにも私は価格の決定方式というものについて矛盾があると思う。これをどういうふうに処理されますか。もしメーカーが生産費というものに対して協力をしない、出してもそれは信憑性が薄いという場合には、国は別個の立場に立つて、一定の算定方式をつくり、生産業者の販売価格を定められる御決意がありますかどうですか。これは「政令の定めるところにより」となつておりますが、政令案の大綱はどんなものでありますか。御発表になる用意がありますかどうか。私はこの政令案の内容いかんが、この法案の大事な要点の一つであろうと思う。またメーカーその他が協力をしない場合に、政府は独自の立場に立つて、独自の算定方式によつて、審議会の意見を徴して、一定価格で買い上げる用意があるかどうか、その点であります。
#81
○平野政府委員 足鹿委員の御熱心なる御意見につきましては、十分拝聴いたした次第でございます。ただいまお尋ねの、政府が行政措置によつて肥料工場の価格を調査して、それに肥料工場が従わない場合は、断固国権を発倒して対処する用意があるかどうかというお尋ねであります。すでに御承知のごとく、現在行政措置によりまして、政府としてはできるだけの方途を講じ、安定帯価格等を構成して、努力をしておるわけでございます。従いましてすでにお話のようなことは、やつて参つておるわけでございます。しかしながら法的の根拠が何らありませんがために、政府として確信を持つたところの方法をとることができない。こういうあいまいな事態にございますので、政府としてははなはだ遺憾に存じまするために、今回本法案を提出いたしまして、はつきりした法的根拠を持つて、お話のような方途を講じて、真に消費者に安心をしていただける価格をきめたい。こういうことで進んでおるわけでございまするから、何とぞその点御了承いただきたいと存じます。
 なお「政令の定めるところにより」とありまする、この政令の案について、どういうものを持つておるかというお尋ねでございまするが、これにつきましては、事務当局より詳細御説明を申し上げたいと思います。
#82
○小倉説明員 「政令の定めるところにより」といつても、もちろんまだ決定的なことをきめておるわけではございません。先ほど政務次官からお話がありましたように、できます予定の審議会にかけまして、具体的におきめ願うつもりであります。ただいま考えております点の一つは、生産費の基準をどこにとるかということであります。この点につきましては、内需に見合う数量の加重平均、従いまして純粋の輸出分といつたようなものとか、あるいはそういうものを除いての加重平均生産費と申しましても、算術的平均をとるのか、加重平均をとるのか、あるいは全体の平均をとるのかといつたいろいろの疑問がございまするが、その点につきましては、ただいま申し上げましたように、内需に見合う数量の加重平均というふうに考えております。そういう趣旨のことを政令では定めるつもりでございます。
 もう一点は、「経済事情を参しやくして」と法案に出ておりまするが、経済事情、特に農産物の価格というのが出ておりまするので、この価格のしんしやくの仕方といつたようなことにつきまして、政令で定めるということができるかできないか、これはなお十分倫討を要しまするが、ある方式ができますれば、政令で定めることにいたしたい。かようなつもりでおるのであります。
#83
○足鹿委員 私はほかの問題については、そう大した質問はありません。この点だけをもう少し詳しくお尋ねを申し上げたいと思う。内需に見合うものを加重平均によつてやる。こういうお話でありまするが、それは最低コストの会社からとる、いわゆる東畑案の考え方と理解してよろしいかどうか、いわゆる最低コストで、百七十万トンという内需数量を見込む。このものの各社別加軍平均でもつて一つの平均価格を出すのか。あるいは内需に見合うものの中で、最低は一体どこに置くのか。一番低い会社のコストを基準にして見て行かれるのか、あるいはその中間をとられるのか、そのものの算式は一体どういうふうにしておやりになるのか、もう少し具体的にひとつお示し願いたい。
#84
○小倉説明員 内需に見合う数量の加重平均と申しまするのは、当該肥料年度におきまして消費される見込みの数量に、法案で言う調整数量を加えまして、この数量に相当する部分をコストの低い会社の生産量からとりまして、その数量になるまで積み上げましたものを加重平均する、こういうつもりであります。
#85
○足鹿委員 さつきのお話によると、内需に見合うということでありました。今の御答弁によると、一〇%の調整保留量を含むというふうに御答弁がかわつて来ましたが、どちらがほんとうでありますか。
#86
○小倉説明員 内需と申しまするのは、国内消費見込数量に保留数量を加えたものを略して言ったのであります。
#87
○足鹿委員 それは少しへんではないですか。調整保留数量というものは、農林大臣の指示権によつて動かし得るものなんです。また審議会の意見を徴して初めてこれを動かし得るがんじがらめの数量です。これは価格には直接関係がないように私は見受ける。そういう十七万トンや十九万トン内外のものが、がんじがらめに二重、三重に手かせ足かせをまわされておつて、それが価格の調整に役立つとお考えになりますか。これは明らかに一つの需給調整の作用しか、私は今のこの法文の解釈から行けばはつきりし得ない。これは当然内需と見るべき性格のものではない。私はそういうふうに見受けます。この調整保留量というものは、価格の一つの調整をも意味しておりますか。価格の調整をも意味しておるならば、この手かせ足かせはこれを撤廃して、少くとも簡単に全購なら全購、あるいは何人が指定を受けるか知りませんが、おそらく全購でありましようが、そのものの意思によつて、いわゆる需給の調整をもあわせ、かつ価格の調整の作用をも行うように措置せなければ、これは意味をなしません。これを普通の流通量にただちに加算するということは、この法文の解釈からすると少し困難ではないでしようか。経済局長は、その点少しお考え違いではないでしようか。
#88
○平野政府委員 実はこの国内の見込み数量に対する約一割に相当する部分を調整用として保留する。これにつきまして、この法案をつくりますときも、私関係者の一人としていろいろ折衝し、努力をいたしたのでありますが、御参考に申しますると、この一割に相当する部分は、国内の農民に安心を与えるために、いわゆる需給調整用として保留するわけである。従つてこれは全購連に買い取らして保管するわけでありますが、その保管料並びに金利というものは、厖大な金額に達するわけであります。その金利倉敷というものは、農民の安心を確保するために必要とするものであるから、農民自身が負担すべきものであるというような議論も実は相当ございました。しかし私は、この点は非常に努力をいたしたつもりで、結局この十五万トンないし二十万トンに達する全購連の保留する分の金利倉敷というものは、政府が負担するというところまで突は持つて行つたのでございます。これははつきり当時政府部内におきましても、大蔵省が容易に認めなかつたところを出させるということにいたしたわけでありまして、そこまで来れば、この価格算定にあたりましてのバルク・ライン方式の対象は、当然需給調整分のものを含めた百七十万トンが対象になる、こういうことで言つたわけでございますので、この点はひとつ御了解いただきたいと思います。
#89
○足鹿委員 ちよつと今の経済局長の御答弁と違いますね。百七十万トンのいわゆる調整保留額を除外したものが内需だ、こういうふうに平野さんの御答弁を理解していいのですか。
#90
○平野政府委員 ちよつと速記をとめていただきたい。
#91
○綱島委員長 それでは速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#92
○綱島委員長 それでは速記を始めてください。
#93
○金子委員 関連して一その点は重要なポイントでありますので、私からも関連して御質問申し上げたいと思いますが、これは需給調整用として一〇%を政府の責任において金利倉敷を負担して備蓄するということは、一応内需のためであるというふうな見解を最初から頭にきめてかかつたから、その莫大な経費は農民のための施策であると、何が何でも農民に恩を着せるように言つていらつしやるけれども、私はその考え方にずれがあると思う。なぜならば、これは御承知のように、その需給調整で備蓄したものを放出しまして、そうして価格調整をしようということにはならないのですが、これを頭からきめてかかつているのです。要するに内需をかりに百七十万トンとして抑えた。ところが不幸にして肥料の需給関係からいつて、それよりも大きく生産されたとか、あるいは電力関係によつてそれだけのものが生産されなかつた、そういうときの安全弁としておくのであります。従つて安全弁というものは、一方的に働くのじやなくて、一働年電力も供給できた。しかも生産は百七十万トン予想したものができた。ところが百六十万トンしか消費がなかつた。こういうときには、その肥料は当然輸出に向けなければならぬというふうにどちらでも向く。要するに輸出にそのものを向けないとすれば、それを内需に向けるならば、翌年は輸出の方をふやさなければならぬ。結局その一〇%というものを純然たる内需のみのために置くのだというところに少し問題があると思う。それは、そういうこともあろうし、その逆の結果が来たときには、それをもつて輸出に放出することもあり得るのだ。輸出そのものが少くて、輸出にする方を来年はよけいにするんだ、こういうことがあると思いますが、その点どうでしよう。政務次官は、頭の中で、内需は百姓のためにというふうに割切つてお考えになつたようですけれども、今の硫安の需給調整というものは、御承知のように外地輸出というものと内地需要と両面をにらんで、そして需給の調整をしようというところにこれができておるのでありまして、これはほかの場合とは違うのであります。その点の御見解をもう少しはつきりしていただきたい。私は今度の需給調整は、外地輸出と内地消費というものとの二つにまたがつて、需給調整というものが行われるという精神によつて、この法律は出発していると思う。ただそのときに、内需とか全部を予測して、輸出計画を立てる。そこで途中においてその予測に反したときに、内地需要に非常な混乱が来るから、そのために一応プールするために一〇%置くのだというふうな見解をとらなければならぬと思いますし、私はそうだと信じておりますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#94
○平野政府委員 その点はいろいろ考え労があるわけでありまして、私としては今お話のような意見に実は考えております。ところが一方にはこれは農民に対する安心量のようなものであつて、もしこれだけの見込み量以上の必要を生ずるという場合においては、いわば保険をかけるような観念において、やはりある程度の余分のものを見ておかなければならぬ。それによつて国内の需給が安定をするのであるから、従つてこれは農民自身が負担すべきものである、こういうふうな議論が別にあるわけでありますが、私は金子委員と同じような意見をもつて論争をし、いろいろやつた結果、金利、倉敷は政府が負担をする、こういうことで話をつけたわけであります。そこまで行くには相当議論があつたわけであります。これはあなたと私と同じ意見でありますから問題はございませんが、そうでない意見も一方にあるわけであります。そうしてそういうところに来たような経緯があるわけでありまして、御参考までに申し上げるわけであります。
#95
○金子委員 関連でありますので、もう一点だけ、その点を念を押しておきたいと思います。幸いにして次官は、私と見解を同じうするというお話でありましたので、一応私は了解したのでありますが、この点はよほど掘り下げて真剣に検討していただきたい。そうでないと、これは将来大きな問題になります。安心量であるならば、何も政府がそれを一〇%と置かなくても、まず安心量を置くならば、二割なり三割なり安心するだけのものを輸出許可して、あとは許可しなければいい。一一十万トン使いそうだというときには、二百万トンなり二百五十万トン維持しておけばいいのです。一番安心できるだけ、どんなに百姓が使つても、どんなに電力生産が減つても、もう絶対安全だというところに押えておけばよろしいのであります。だから農民のための安心量というだけでなしにこれはあくまで輸出と、それをそういうふうにたくさんとられたのでは輸出計画が立たないのと、会社の経営上に安定性が出ない。だから内需というものは、およそ数字がつかみやすい環境にあるから、そのぎりぎりをつかんで、その上に調整用として一割置くことは、単に農民だけでなく、この調整法全体の調和を生かす上に必要だから、この一割を置くという制度ができたのだと思います。今のお考えについては、幸いにして私と同じ考えだとおつしやるが、中には、農民のために備蓄するのだという。しかもその金利、倉敷まで農民にしよわしてもいいのだという不心得な理解をしておる人が、政府なり、自由党なりにあるとすれば、とんでもない間違いをしておることになる。それに対しては敢然と訂正するように、次官もひとつ御努力を願いたいと思います。
#96
○足鹿委員 主として十一条の価格構成の問題ですが、硫安の生産業者の販売価格について最高価格というものをきめる。その要素として、生産費及び農産物価格その他の経済事情を参酌して政令で定める。この政令の内容は、まだはつきりしておらないということでありますが、少くとも政令の基準となるべきものは一応ここにある。硫安の生産費、農産物価格、その他の経済事情と、五つの要素がここに法律に書いてある。農産物価格とは一体何でありますか。農産物もいろいろありますが、農産物価格というものは何を意味するのでありますか。その他の経済事情とありますが、この経済事情というものは、いわゆる一般経済の動きというものをさしておるのか、硫安工業に関連する範囲内における経済事情という意味なのか。私は、この前から主張しておりますが、問題は輸出価格なんであります。輸出価格は、対外競争に耐えなければならぬ。そこに問題がある。これは経済購情の重大な要素だと思う。硫安業界にとつて、国際価格というものは重大な要素だと思う。国際価格をしんしやくしますかどうか、経済事情の参酌要素は一体何でありますか。政令で単にきめられたのでは、われわれは困ります。ですから農産物価格の内容、経済事情というものは、国際硫安価格をも含んだものであるかどうか、その内容は何かということがわかつてないとは申されますまい。これだけは、はつきりさしていただきたい。
#97
○小倉説明員 農産物価格と申しまするのは、農産物の価格水準が適正にわかりますように、少くとも主要農産物の価格を中心にして考えたい、かように存じます。
 それから経済事情でございまするが、これは御指摘のように、いろいろな要素がございまするが、ここで特に経済事情としてあげておりまするゆえんは、利潤の見方などにつきましては、他の一般企業の利潤率あるいは金利等をしんしやくする必要がございまするので、一般の利潤率等をしんしやくする必要上あげておるのであります。もつともそれに尽きるというわけではありませんが、そういう各種の要素を、一々どういう方式で加味するかということまではきめかねるのではないか、これは価格をきめる場合のいろいろの背景になる含みとして考えまして、中心となるものは、この経済事情の中では、利潤をきめる場合に必要な諸事項というふうに考えております。
#98
○足鹿委員 この経済事情でありますが、この場合、販売価格の最高額をきめる場合に、私どもの希望的解釈としては、下る場合のことを希望しておる。ところが事実経済界というものは、われわれの希望通りには動かない生まものであつて、学者の研究室でもわかりませんし、政府の役人の頭で描いた通りに経済は動かない。上る場合もある。特に最近はインフレ的気構えが強いということになりますと、その他の経済事情というものの参酌要素が、値上りの一般情勢のときには、上つて行く要素の方にプラスになつて行くのであつて、われわれがこの法案解釈上から見た考え方とは、およそ似てもつかないものになつて行く。それは農産物も上るじやないか、こういう一応の見解もありますが、これは常にシェーレはひどいのです。特にこういうインフレ的な傾向になれば――戦後の富の均分の行われるようなインフレ的な傾向と違つて、最近のインフレ傾向は、貧富の差がますます顕在して来るようなインフレ的な行き方であつて、およそ戦後のインフレとは、今後様相を異にして来ると私どもは心配しておる。そういつた点におきまして、むしろ上るカに参酌要素のウエイトがかかつて来るのではないか、そういう心配も出て来ます。こういうことは考え方としてわかります。別に悪意あつてあなた方がこういう条項をつけておられるのではないということはわかりますが、今の経済情勢の判断の上から立つて行く場合には、非常に逆作用を心配されますが、その点はどうでありますか。
#99
○小倉説明員 御心配の点はしごくごもつともだと思うのであります。これは公定価格というものをきめます場合の基本的な考え方に関する問題でして、十分御意見を拝聴したいと思いまするが、私どもとして考えております点は、たとえば一般物価は上りぎみである、あるいはインフレぎみであるということから、ただちに価格をきめます場合に、そういう要素を織り込むということは、いたすべきではないと思います。今の御疑問に関して思いますることは、たとえば硫安の構成要素になりまする諸原料等が、明確に何月何日から上るといつたようなことが確実にほとんどきまつておるようなものは、場合によつては、将来にわたることでも加味することがあるかもしれませんけれども、ただ上るかもしれない、あるいは一般物価が上りぎみだから硫安の諸材料は上るだろう、こういうアウトルツクを加味すべきではない、かように存じます。
#100
○足鹿委員 この法律だけではなく、政令で相当具体的にきめられるといいますから、取越苦労してはならぬと思いますけれども、先刻も申しましたように、従来の政府のやり方というものは、必ずしもわれわれが期待しておつたような法の運営がなされておらない。いわんや相手は独占資本なんだ。この経済事情を参酌という法律の明文がある以上、物価の上昇気構えのときには、このものは取入れないのだ、こういう解釈をとつておつても、相手は独占資本の強大な力をもつて、あらゆる手段をもつてやつて来ることは、当然予想して行かなければならぬ。いわんや独占禁止法が、ある意味において骨抜きになつておる以上、こういうことはありがちであります。従つて価格構成をわれわれが考える場合においては、相当今後立法上においても、周到な、具体的にびしつとしたものをつくつておかないと、かえつて業者に逆用されて、われわれ消費者が窮地に追い込められる事態がある。政府自体としてでも、現在の独占資本の大きな一角をなす肥料資本と、この条文をたてにとつて、ほんとうに太刀打ちができるか、私は不安を持たざるを得ません。そういう点で、こういう条項については、われわれは今の情勢判断から行けば、相当考えてみなければならない点が多々あるように考えます。政令の案がいつごろできるか知りませんが、価格構成が、いかなる場合でもこの法案の一番ポイントだと私は思います。その点について、この政令案に定められるであろう価格の算定方式、その内容を、われわれにいつごろ察しになりますか、それをなるべく急いで、私どもに納得行くようにせしめていただきたい。
#101
○小倉説明員 この政令の定めるところによりということにつきましては、二、三度、前々国会でございましたかにお話したことがあると思います。先ほどもちよつとお話したのでありまするが、あるいは文書でもつて政令案要綱ということでお出しした力が適切であろうと思いますので、そういう御注文と考えまして、ただいままでいろいろ考えておりましたことをまとめまして、できるだけ早い機会に、来週早々にでも、御配付いたしたい、かように存じております。
#102
○足鹿委員 了承いたしました。十分今お話いたしましたような点をもあわせて御研究を願いたい。
 それから、全体を通じて見まして、罰則規定というものが、一年以下の懲役または十万円以下の罰金というものが最高になつておりますが、法律そのものから来る極刑をもつて臨むということは、おそらく困難でございましよう。しかし今も言いますように、相手はなかなか一筋なわでは行かないしろものなんです。これに十万円以下の罰金、一年以下の懲役といいましても、これは一つの経済事犯でありますから、いわゆる刑法上のものを伴つておりませんから、おそらくこれに体刑という極刑をもつて臨むというようなことはあまり類例がない。今後もかりにあつたとしても、そういう事態はないのではないかという感じがいたします。十万や二十万の金は問題ではない。第六条の第二項、第十二条第一項、第十三条第一項、第二項及び第三項というような、この法案の骨子ともなるべき点については、罰則適用が定められておりまするが、この程度のもので、この法律が遵守されると、政務次官なり当局はお考えになつておりますか。これは、今までの経済事犯等を見ましても、ほとんど有名無実になると思います。私は、少くともこれが実効を期するということになれば、法自体の厳粛な意欲を発揮して行く上においても、もつと強い罰則規定を適用すべきではないか、さような感を私は持つておりますが、その点いかがでしよう。
#103
○小倉説明員 この罰則の点につきましては、御議論のような見方もできると思います。私ども、この罰則の刑量につきまして、どの程度が適当かということは、専門家でもございませんので、これではたしていいかどうか、必ずしも確信はございませんけれども、本法案の対象といたしておりますところが、有力でございますが数が少い会社、また直接に買う団体あるいは消費者に限られておりまするので、いわば輿論の見るところ、あるいは役所の目の届くところにあるのでございまして、一々罰則でもつて処理しなければ処置がつかないということでは必ずしもないと思いますので、このような罰則になつておるのであります。これが他の刑罰法令に比較しての問題につきましては、場合によりましては、法務省のその方の関係の方からお答えした方が適切かと思いまするけれども、便宜私から、以上のようなことだけお答えしておきます。
#104
○足鹿委員 私は多分そういう御答弁があろうと予想しておりました。これは意見にわたつて恐縮でありますが、政務次官なり、通産当局に特に私は申し上げてみたいが、この法令を尊重するがごとき態度をもつて臨みながら、事実は、一つの大きな資本力を持ち、そうして財界に重きをなす人々にこの法の対象がなつておるのであります。これは容易ならないことだろうと思う。農民が少々の米を動かしたやみ米を、上野の駅に網を張つてひつぱることはやすいが、この呑舟の大魚を逸するというようなことが、私はありがちなことを心配いたします。そこでいわゆる刑罰の量というような点でこの問題を処理するよりも、むしろ電力の配当に対して、あるいは資金の優先的な取扱いについて、あるいはその他の庫要な、その会社を運営して行く上において必要欠くべからざる点について鉄鎚をす下という、関連的なことは考えられないのであるか。相手が非常に強い対象ありまするから、私は特にその点を申すのであります。決してその人を憎んで言つておるのではありませんが、法の適正な運営の上からいつて、少くともある程度の罰則というものに対して恐ろしさを与えない限り、ではないか、そういう気持を持ちます。刑の量によつて行くのではなくして、そういう経営上に重大な影響をもたらすような方法によつて、これに対する掣肘を加えて行く、処罰をして行くという考え方は、いかようなものでありますか、その点の御所見を承りたい。
#105
○平野政府委員 足鹿委員の御意見は、まつたく同感でございます。この刑罰の量の問題につきましては、ただいま小倉局長の答弁の通り、他の法令との関連もあると存じまするか、ある場合においては、確かに軽過ぎるということがあるかと存じます。実は私、農林委員当時、森林法の審議をいたしまするときに、ちようど足鹿委員と同じような質問を、政府に発したことがございまするが、森林法の罰則は、一万円以下の罰金に処するということになつております。森林法違反の場合、これは何百万円あるいは何千万円の違反をしても、一万円というようなことであるから、これでは最初から、罰金一万円を払つておいて違反をする者ができるじやないかというような質問をし、これに対する政府の答弁を促したことがございましたが、そういう点から考えましても、確かにそういう憂いがあると存じます。この点につきましては、ただいま足鹿委員の御指摘の通り、たとい違反を犯し、この法令によるところの処罰は軽くても、他の行政措置の面におきまして鉄鎚を下すということができるわけでありますから、政府といたしましては、万一この厳粛なるところの、肥料価格決定のためのこの法令に違反するような者がありました場合におきましては、断固たる決意をもつて処断をする、こういうふうに進めたいと存ずる次第であります。
#106
○足鹿委員 通産省も賛成ですね。
#107
○中村説明員 政務次官のお答えの通りでございます。
#108
○足鹿委員 最後に私は重要な点で、これは輸出法案の方ですが、その第十三条の協定の認可の点についてお尋ねをいたします。
 第十三条の規定は「硫安の生産業者は、臨時硫安需給安定法第十条第一項の承認があつた後において、通商産業大臣の認可を受けて、会社に譲渡すべき硫安の数量又はその取引条件について協定を締結することができる。」第二項、第三項で、いわゆる協定の認可権の所在がうたつてございますが、これは通産大臣が最終的には認可権を持つておるようであります。ただ二項において「通商産業大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、その協定の内容が不当に差別的であると認めるときは、認可をしてはならない。」こういうことになつておりますから、認可権は通産大臣が最終的に持つておると解釈できるのでありますか、その通りでありますかどうか。しかし、私的独占禁止法の精神は、あくまでも公正取引委員会に、最終的においてはその番人として認可権を持たせることが、私は本来の立場でないかと思う。ただ第二項の、会社に譲渡すべき硫安の数量またはその取引条件の協定の締結に当つて、公正取引委員会の同意を得て通産大臣が認可をする。むしろそれよりも、通産省は、こう言つては失礼でありますが、港間メーカーの代弁者だと極論をする者もあるのです。私どもは、必ずしもあなた方がそういうふうなお考えを持つておられるとは見ませんが、官庁のセクシヨナリズム的な傾向が濃化して来れば来るほど、そういう印象を多分に持つ。その会社に対して、融資の条件をきめたり、あるいは電力の配当権を持つたり、そういつた会社の経営に重大な資金、資材等に対するところの権限を持つ通産大臣が、協定行為の最終決定権を持つということは、私は少しこの法律の精神に違いはしないかと思う。むしろ農林省にも、通産省にも、業者にも、生産者にも何らの関係のない、いわゆる私的独占禁止法の大玄関番である公正取引委員会か、最も公正な立場から、その認可権を握るということが妥当ではないか、かように考えます。これはこの法案自体の上からは、そう大した問題ではないように思われますが、いよいよとなれば、この認可権の所在ということは、相当大きくなつて来るのではないか、そういう事態があることを予想いたしまして、通産当局の御所見を承つておきたい。
#109
○中村説明員 第十三条の規定は、確かに特別規定でございます。これは輸出会社というものを特別につくりまして、輸入会社設立のいろいろの目的の事項を達成するために輸出会社をつくるのでありますが、この輸出会社が、需給安定法の第十条できめられた承認を受けた後に、どういう買入れ方をするかということでございますが、会社自体の事業の内容でございますので、通商産業大臣がこれを認可する権限を確保することは、適当ではないかと考えております。ただこれが独占禁止法との関連もあり、御指摘のような重要な事項でもございますので、独占禁止法を全面的に管理されております公正取引委員会の同意ということを条件として行うということでございます。なおその認可すべき内容につきましては、実質的な点に触れまして、第二項に、不当に差別的であつてはならぬ、こういうものについては、通産大臣も認可してはならぬということを明記してあるのでございます。ただいまの御質問にございました、通産省がややもすれはメーカーの代弁をこれ努めておるというような御発言でございましたが、私は、その点については輸出の振興あるいは内需の確保という見地からいたしまして、できるだけの努力をいたして参つておるつもりでございます。十三条の運用につきましても、なお一層厳正な処置で臨みたいと考えております。
#110
○足鹿委員 最後に通産当局にお尋ねを申し上げて、私の質問を終りたいと思います。輸出法の第九条で「通商権業大臣は、公共の福祉を確保するため特に必要があると認めるときは、会社に対し、」云々ということがありますが、この場合における公共の福祉というのは、非常に抽象的でありまして、どういう意味でありますか。このごろの政府が出して来まするスト禁法なんかを見ましても、公共の福祉阻害云々というきわめて抽象的な言葉でもって、懸法に保障された権限を剥奪する傾向が強い、こういうことは、気持の上においてはわからぬではありませんが、こういう立法の場合に、こういう言葉を使わなければ、第九条の精神というものがうたい得ないのかどうかということであります。その点と、それからこれはずいぶん他の委員からも御質問があつて、論議を尽された点でございますが、私が文書あるいは資料等でお願いしたいことは、肥料工業の合理化、近代化のその重点、会社別の欠陥から出発した合理化の重点というものは、一体どういう点にあるのか。通産省は、肥料工業の合理化と近代化ということを常におつしやつておる。またそれなくしてはコストの低下はあり得ない。そのために国家がつつかい棒をし、この両法案を出しておるのである。こういう御解釈になつておりますが、世界における硫安工業というものを見ますと、アメリカにおいて一千万トンの生産力があるとかいう話もちらと聞きましたが、その真偽は私もよく知りません。またイギリスあたりでは、一工場で百五十万トンの製造を年間にやつてのけるような工場もある。そういう外国における合理化、近代化と比べて、日本の、今あなた方が考えておられる合理化なるものは、目標をどういうところに置いて、その重点は具体的に、どういう点をどういうふうにやれはどうなるか、この前合理化あるいは近代化のための設備資金というような、抽象的な資料はもらいましたが、少くとも通産省には、各社別の相当つつ込んだものかあるはずだと思う。それなくしては、今までのような資金要求額等も出て来ないはずであります。それらをもつと具体的に詳細なものを、資料として御呈示願えますかどうか。その点をお伺い申し上げます。さつきの協定認可権の御答弁については、私はどうも軽工業局長の御答弁では満足できませんか、見解の相違でもありましようし、あとでまた私もよく検討することにいたしまして、以上の二点をお尋ねを申し上げて、私の質問を終ります。
#111
○中村説明員 御質問の御一点の、第九条の業務監督命令でありますが、これは輸出会社が商法上の会社組織をとつております。全額民間出資という建前でございます。このような会社方式によります会社の負担いたします業務は、一つには輸出におきます独占権ということもございます。また独占禁止法のある規定についての例外的な点を許されておる機構でもございまするので、それらの業務運営につきましては、肥料の農民との関係、あるいは国家経済上に及ぼす硫安工業というような国家的視野におきます問題点から、これに対して適正なる国家権力を発動し得るという根本規定を置きますことが妥当だと考えて、第九条を規定いたしたのでございます。
 第三点の硫安工業の合理化、近代化という問題につきましての重点の問題でございますが、これは私は不満足とも考えますが、一応会社別の合理化計画は出してあるように記憶いたしております。しかしこれにつきましては、いずれここに提出すべき筋合いのものでありますので、工業合理化、近代化計画の各社別の具体的計画を提出いたします。
#112
○川俣委員 時間がありませんから、ごく要点だけ簡潔にお尋ねいたしたいと思います。約三点あるのですが、第一点は、硫酸アンモニア及び政令で定めるその他のア系の窒素肥料と言つておりますが政令で定めるア系の窒素肥料とは何をさそうとしておられますか。その点をお尋ねいたしたい。
#113
○柿手説明員 このア系の窒素肥料というのは、量の多いものでは、尿素、硝安、塩安というようなものが硫安外のアンモニア糸窒素肥料であります。硫安以外のどれをさすかということにつきましては、まだ考えがまとまつておりませんのですが、ア糸の窒素肥料としてはそういうものがあります。
#114
○川俣委員 私の聞いておるのは、ア系の窒素肥料は何々をさすかということを聞いておるのじやないのです。政令で定めるその他のア系の窒素肥料とは何をさそうとしておられるか、こうお聞きしたのであります。おそらく尿素、硝安あるいは塩安等がこれに当てはまるであろうと考えますが、それはみな指定するわけですか。これが一点です。
 もう一つ政務次官にもお尋ねしたいのですが、政務次官になると同時に、早く上げてくれ、いつでも実施する用意ができてるんだ、こういうようなお話だつたけれども、まだア系の窒素肥料は何を指定するかということもできていないようでは、上げる上げると言つてもちつとも準備ができていないじやないですか。もうこの法案が出てから長い間になるので、政令の要綱くらいできておるかと思つたら、まだできていないじやないですか。もつとゆつくりやつてくれというんならそれでもよろしゆうございますが、この点についてもあわせてお答え願いたい。
#115
○小倉説明員 これは尿素と硝安です。塩安は需給計画としては指定したらどうかと思いますが、公定価格というものを適用する意味においては指定はしない方がいいのじやないか、こういうふうに考えております。
#116
○平野政府委員 川俣委員のお尋ねの要点がよくわかりませんが、早く上げていただきたいということをお願い申し上げておりますのは、目の前に者肥が迫つておりまするし、御承知のことく、この法が成立いたしましても、これを発動いたしまするたあにはコストの調整等、相当の準備期間を要しまするので、そういう点からぜひとも春肥に間に合せたいということで、たいへん恐縮の至りでございまするが、御審議をお急ぎいただくようにお願い申し上げておるような次第でございます。中心は何と申しましても硫安であり、ことにこの法を提出いたしました動機も、硫安肥料の出血輸出ということが国会において問題になつて、ここにだんだん参つたような次第でございまするので、とりあえずこの硫安を中心に現在考えておるわけでございます。その他のアンモニア系の窒素肥料につきましては、ただいま小倉局長からも申し上げましたように、これに関連をして出て参ります上において考慮をする、こういうことでございまするので、政令その他につきましては、決してなまけておるようなわけでは毛頭ないわけでございます。幸いにして急速に御審議を賜わり、成立いたしましたならば、ただちに政府としては諸般の施策を進める、こういう段取りができておるわけでございます。どうかこの点御了承いただきたいと思います。
#117
○川俣委員 中村局長の御答弁はなかつたのですが、小倉局長と同じなんですか。それともあなたは違つて考えておられるのですか。これは重要なんですよ。小倉局長と一致しているんですか、一致していないんですか。
#118
○中村説明員 小倉局長と同様でございます。
#119
○川俣委員 そうすると尿素、硝安が入つて塩安は入らないという……。
#120
○綱島委員長 塩安は入らないのですか。
#121
○小倉説明員 規定のいたし方でございまするが、需給計画を立てます場合には、窒素肥料ということで、先ほど申し上げました尿素、硝安、塩安、これが入るわけでございます。公定価格をつくることになりますと、三つとも一緒にやるかどうかということはまた別に考えていただきたい、こういうことであります。
#122
○川俣委員 その点は通産省とよく打合せ済みなんでしようか。どうも打合せ済みでないようですよ。というのは、たとえば輸出会社法はどうなんですか。輸出会社法でも同じ政令で定めるということになつておるでしよう。輸出の方はどこまで入るんですか。そういう点で、どうも一致していないようなんですが、何か、この政令は、農林省だけが考えていて、通産省は関係ないような顔をして、小倉さんにばかり答弁さしていますけれども、あなたの方も同じなんですよ。この政令はできているんですか。それとも何か食い違いがあるんじやないですか。
#123
○柿手説明員 これは両方で文書をとりかわしてきめるというふうになつておりませんが、大体のつもりは、さつきの小倉局長のお話のように私どもも考えております。最終的には、また形式的には、両省で話してきめたということになつておりませんけれども、大体の考え方は今の小倉局長の考え方とあまり差はありません。
#124
○川俣委員 これは政令ですから、片一方は農林省の政令で、あなたの方は輸出会社の政令でしよう。だから輸出会社は塩安は入らないのですか。農林省は塩安を入れて価格統制はやらない、こういうことですね。輸出会社の方はどうなんですか。――準備がないから返事ができないんじやないですか。何にも準備してないじやないですか。
#125
○柿手説明員 実際問題としまして、塩安の輸出はないと思います。輸出があるようになりますれば当然考えなければならぬと思いますが、目下のところ尿素とか硝安等は輸出はございますが、塩安はまだ生産量は微々たるものでございまして、その輸出はない見込みであります。
#126
○川俣委員 そうすると、農林省の考えておる肥料需給安定法の政令と、輸出会社法の政令とは政令の内容が違う、こういうことでしよう。その点がはつきりしなければならぬ。あなたの方は輸出の方に向かないから抜いておくという、農林省では入れておくというのでしよう。そういう点をはつきりしておかなければならぬ。政令の準備ができていないで、これからおやりになるというならそれでもいいが、準備ができているように言うから……。私はできているかいないかをお尋ねする。できていなければ、できていないと言つて頭を下げて来なさい。決してできるできないを問題にしているのではない。内容を問題にしている。準備ができているというから、それじやどうだとお聞きしたのです。
#127
○柿手説明員 いや、それは準備に別に何日もかからないのでありまして、今のような問題は、大体の思想は統一しておりますから、一日で最終結論をつけなければならぬというときには、話合えばすぐどちらかにきまると思います。今私が申し上げましたのは、輸出会社が取扱う品目として、塩安はまだ当分必要はないだろう、そういうことを申し上げたのであります。むろん需給計画にはア系窒素肥料全部を包含して考えなければならぬ、こういうふうに考えております。
#128
○川俣委員 どうも自分で法案を提出しながら、法案の理解がないのじやないかと思う。私は輸出会社法にあるところの政令で定めるア系というものは何をさすのか、こういうお尋ねをしておるのです。塩安を抜くなら抜くでけつこうです。それを入れろというのじやない。片方は硫安需給安定法で入れる、価格統制はやらない、こういうお話です。入れるのだけれども輸出に向かないから入れないというふうにあなたの御答弁ができているが、どつちなんです。簡単でいいですからどうぞ。
#129
○中村説明員 ただいまの指定銘柄の問題、指定品種の問題でございますが、これは原則としては需給安定法と輸出調整法との間には(大体原則として統制品目が一致すると思いますが、輸出だけに関係あるものと、輸出には関係がないというものがございます。そういう意味においては、ただいまの安定法の方には三品種の指定をする予定でございますが、私ども通産省関係の法案の輸出調整法については、さしあたり尿素と硝安と二つだけにいたしたいと思います。もしほかのものが輸出に参加して参るような情勢でございますれば、そのとき政令をつくつて追加いたしたいと思います。
#130
○川俣委員 それで明快です。そういうふうにはつきり答弁すれば、何もこういうむずかしい質問をする必要はないのです。勉強しておらないからそういうことになる。
 次にもう一点お尋ねしておきますが、先ほど足鹿委員から、こういう経済法規というようなものは実際において行われないのじやないか、こういう御質問に対して、できるだけこれは監督を厳重にして、あるいは行政的に十分実施されるように、通産省は責任を持つて指導するのだ、こういうお考えですが、そこでお聞きいたしたいのです。これは硫安協会が発行いたしておりまする硫安協会月報八月号ですが、この中に硫安問題についてこういうような論文が載つております。これによりますると、硫安工業と過去における独占禁止法の諸問題といたしまして、独占禁止法に触れる点を数々あげて論難をいたしておりますが、その結論といたしまして、硫安工業は一面において食糧自給の見地から他の化学工業とつながる重要性から戦前戦後を通じて国家によつて各種の保護政策がなされ、また業界自体のカルテルがしばく結成され、国家の保護と自主的カルテルがいわばその発展の基礎となつて来たと言えようということで、歴史的な説明をいたしております。現在もこの独禁法に触れる点が多多あるのです。それがなければ自分の協会の雑誌になんかそんな論説を載せない。これはほかの雑誌じやない。硫安協会の機関誌です。自分の機関誌にみずから独占禁止法に触れるということをるる指摘しておきながら、問題点があると言いながら、この問題点を公取委もはつきり取締つておらないし、通産省もまた触れるようなかつこうがあるということを疑われていながら、よく行政的な措置をなされておらないのです。そうしますと、こういう経済法規というものは、こういう法規をつくりましても、一体この通り監督をし、ほんとうに硫安需給安定の上に十分な力を発揮することができるかどうか。私は法律を強化せよという意味ではない。こういう産業立法というものは、罰則を強化して必ずしも効果があるというものではないのです。ですから、懲役一年を二年にしろとか、罰金十万円を五十万円にせよ、百万円にせよというのじやなくて、これは産業立法でありまするから、主として指導監督してやるべきものだと思うのです。ところが指導監督について、独占禁止法に触れておるようなことについても、指導監督はできないのでありまするから、この法律をつくつてもまたなかなかやれないのじやないかという不安があるのですが、どうなのですか。
#131
○中村説明員 独禁法の規定に違反するかどうか、また過去において独禁法の通反の事実があつたかどうかということでいろいろ購になつたこともございます。またその都度通産省におきましても、独禁法の趣旨から見まして、協会またはメーカーの行き過ぎについては警告もし、注意も喚起して参つております。公取におきましても問題となりまして、公取から警告をされたこともございます。これは確かに硫安工業というもののあり方について、独禁法弄反を起すおそれのある問題が多いということは、これはいなめないかと思います。この関係二法案を出します場合におきましても、対外的に必要である協定、輸出促進というようなことから見ますと協定ということにつきましては、むしろ進んで法的な機構の中に取入れまして、積極的にこれが監督でき、指導できるという建前にいたすことが、むしろ硫安工業の輸出振興というような見地にも沿いまするし、同時にまたメーカー自身の不明朗なる行動を規制するという点から行きましても妥当である、こういう結論を出しまして、輸出会社機構の運営につきましては独禁法の特定の条項を除外いたしまして、直接通産大臣の監督下に入れる。もちろん独禁法に対する全面的な監督権を持つています公正取引委員会の同意を条件として、これが実施をいたしたい、こういう制度にかえたいと考えておるのであります。
#132
○川俣委員 これは独禁法違反のおそれどころでなく、実際自主的カルテルを行つておることは何人もいなめない。ただそれでは業界の発展にならないので、ある程度大目に見ておくということで、今まで黙過されて来たと思うのです。そこでどうしてもこの十四条、十三条というような規定を設けまして、これらの独占禁止法の除外規定を必要として来たのだろうと思いまするから、その点はこれ以上はきようはつきません。たびたび私の指摘しておるところでありますから、これ以上問題にはいたしませんが、問題は、それだけの硫安会社に対して恩典を与えておるのでありまするから、これに対応するような義務も少しかぶせてもいいのじやないかと思うのです。また輸出会社法によりますると、いろいろな合理化の指示を与えたり、資金のあつせんをすることになつておりますが、このあつせんをした資金や、あるいはその他の恩典を与えておりながら、これらの恩典を忠実に履行しないで、他の肥料に工場を転換して行くというようなことが将来起つて来るのじやないか。むしろこの硫安及びア系の域を脱して、他の方面へ相当手を伸ばして行くのではないかというおそれがある。もう一つは、もつと手近に言うと、硫安はもうある程度限度に達したのだ、これ以上増産すると、値をたたかれるおそれがあるから、値をたたかれないように硫安としては減産をする、他のア系へそれを転換をいたしまして、工場の経営の合理化をはかろう、こういうごとになつて参りますと、われわれがねらつておりまするのは、将来硫安を初め、その他のア系の肥料も価格の低落、合理化によるところのコストの低下によつて、日本の食糧事情を緩和して参りたい、これがわれわれのねらいであるのです。ところがそういう目的は達成されないで、いろいろ補助はあり、あるいはこういう独占禁止法に除外規定まで設けて大いに奨励されておりながら、この目的に沿わないで、会社自体の経営の合理化ということになつてしまいますると、価格の低落にならないのではないかと思います。もう一つは、一体経済事情の参酌ということで、足鹿委員が指摘されておりましたが、これは一つ見落しておるのではないかと思います。私から言うと、今肥料会社が少くても、一割五分、二割、あるいはそれ以上の配当をいたしておりますが、これらの配当は、必ずしも高配当とは言えないといたしましても、これらの配当を続けて行くということは、今まで相当の国の援助、あるいは財政投資、あるいは財政的援助、または資材の援助を受けてここまで来たのでありますから、むしろ価格の低落に相当用うべきものでなかろうか、こういう面で経済事情の参酌というのは、株価なども当然この経済事情の参酌に入るべきだと思いまするけれども、小倉局長はどのようにお考えになつておりますか、その二点を伺います。
#133
○小倉説明員 株価といえば、間接的にはこれはもちろん入ると思います。と申しまするのは、ここで経済事情で主として考えておりまするのは、条文には表われておりませんが、利潤を見る場合は、どうしてもそういう点が参照さるべきだと考えております。
#134
○中村説明員 硫安工業の合理化促進という見地から、国家助成をいたします対象の取上げ方におきましては、あるいは尿素その他の肥料の生産拡充という方面にもなるのでありますが、これが拡充された場合は、硫安それ自体はコスト上何らの影響がないので、価格の低下ということを期待できないのではないかというようなお説でございますが、私は肥料工業というものは、化学工業、特に関連肥料、尿素その他の総合化という方向に歩みますことが、御指摘のように経営の合理化ということも言えると思います。しかしそのような合理化によりまして、硫安のコストが下らぬ、影響を受けないということは言えないのではないか、むしろこれらの生産、拡充という面からいたしまして、硫安の副産的なものが相当高価に売れるようになる、あるいは合理的に使われるという結果から見まして、硫安工業自体のコストも下る、あるいはこれらの拡充によつて間接経費が相当安くつくようになるというような点から行きまして、私はやはり硫安工業それ自体のコスト低下に役立つものと思います。ただこれがどの程度であるかという問題につきましては、これは硫安の価格公定制度というものを運用いたします際に、十分考慮して決定する、こういう行き方が御趣旨に沿い得る一つの行き方ではないかと思います。
#135
○川俣委員 私はいろいろ意見はありますけれども、きようは時間がないから申し上げません。臨時輸出法案にいたしましても、臨時硫安需給安定法にいたしましても、これに定義せらるる肥料をつくつておる会社は、幾つくらいあるというふうにお考えになつておりますか、この適用を受ける会社は幾つであるか、受ける会社についてのその内容を、資料をもつて御呈示願いたいと思います。
#136
○中村説明員 御要望によりまして、資料を呈示いたします。
#137
○安藤(覺)委員 たいへん遅刻して参りまして、他の同僚委員諸君からいろいろ適切な御質問があつたことと思いますし、あるいはまたお尋ねすることが重複することかもしれませんけれども、時間も考えまして、きわめて簡単にお尋ねいたしたいと存じます。それはこの需給安定法におけるところの硫酸アンモニアという規定の中には、化成肥は将来含ませられるおつもりでありますか、その御計画をちよつとお伺いいたします。
#138
○小倉説明員 化成肥料は原案に入つておりません。
#139
○安藤(覺)委員 私、行き過ぎの心配かもしれませんが、そうしたことであつた場合、化成肥をつくることによつて非常に利潤が高まつて参りますと、その一方においては硫安の生産というものが非常に増強せられねばならぬという建前でこの法規がつくられておるときに、逆にその方の生産が伸びないで、その生産に使わるべきところの諸材、諸費が化成肥生産という方向へ多く使われて行つて、その方のみがふくらんで来るという心配がないかどうか。先ほどの川俣委員の質問に対する御答弁にありましたが、これからいろいろ各社の合理化案を具体的に立てて示すということでありますが、そうした合理化案が立てられる場合に、これだけの合理化が行われた場合においては、必ずこれだけの硫安は生産するという基準ができるでありましようが、その基準に対しては、これより特段な、異常な変化のない限りは、その生産高を下らせることはできないというような、何か政令か何かをもつて特別な監督規定のようなものでもおつくりになるのか、どういうお心植えでいられるのか、その辺をひとつお伺いします。
#140
○柿手説明員 合理化の資金をつぎ込みまして設備を増強するのでありますから、その投下した金利なり償却なりが相当経費にかさみますから、これに対する電力の割当を政府の方でいたしますと、これは当然メーカーの方はそれの最高限度の生産を上げることに努力するのは当然だと考えます。特に生産命令というようなことはいたさなくても、出産を増強しなければコストはだんだん向くなるから、政府のあつせんではありますが、借り入れました資金の償却、金利というものは、相当かさみます。一トンでも多くつくろうという方向に当然努力すると思います。
#141
○安藤(覺)委員 ただいまの御答弁によりますれば、多分にメーカーに対する道義的考え方を織り込んでいる。言葉をかえて言いしますと、お人よくお考えになつているのではないかと思います。往々にして商売は、先ほど芳賀委員も指摘しましたように、道義を踏み破る場合においてのみ利益があるという考え方を多くの企業家が持つのであります。ただいまのような単に非常に高い道義観念だけで見ておられたのでは、せつかく国家が投資をし、これだけの補助を与えても、それが硫安生産にまわらないで、逆に利潤の高い化成肥料の方へ逃がされる場合が多いのではないか、ここに何らかの罰則とまでは行かぬけれども、行政命令なり何なりによつて、何らかの手をお打ちになつておくことがなくてはならぬことじやないか、こんなふうに私は考えるのですが、いかがでしようか。
#142
○柿手説明員 道義的とおつしやいましたが、メーカーとしても、設備をいたしましたものを、できるだけ稼動ができる方向に持つて行かなければ損でありますし、金をあつせんしてもちつて借りたんだから、それで生産をたくさんやるということは、道央的でなく、従来から言つても、設備を増強した分についての生産は増強したいという気持に、利害関係からいつてもなると思うのであります。
 次に、硫安はつくるけれども、その硫安をもう一ぺん配合するとか、あるいは化成肥料にして、硫安を単肥で売らないのではないか、単肥として売つたのでは、生産費は減るであろうけれども、利潤が少いから、それを配合肥料あるいは化成肥料にして、より利潤の高い方に逃げはしないかという御質問であります。現在硫安会社ではそういう化成肥料をつくつておりませんけれども、一般の配合工場において、単肥で売つたのではもうからないので、配合肥料にして、公定価格をくぐるという事態が起きれば、価格についても何らかの措置を講じなければ生産は上らないと思いますが、こういうことで公定価格をくぐるというようなことは、将来絶無とは申されませんけれども、ただいまのところ、硫史会社はそういうことをやつておりません。将来そういう肥料をつくつて、せつかく価格を公定した趣旨に反するという事態が生じたときには、何らかの価格措置がいるのではないかと考えております。
#143
○安藤(覺)委員 私の用語が適切でなかつたのと、飛躍した質問の仕方であつたためでありましようが、ただいまの御答弁の後段の通りの心配を私はいたしているわけであります。そこで一つ考えられますことは、硫安会社と化成肥をつくる会社との関係でありますが、これがいつまでも、まつたくの赤の他人でおるとは思われない。硫安会社が資本を化成肥の製造会社に裏から投資して、これをやる場合が多分にあるだろうと思う。私たちの存じ上げている肥料会社ではございませんが、他の二、三の会社においては、そういうことがしばしば行われておると聞きます。上手に、独占禁止法を曲げられた仕方でやつております。これらの点について、部長の御注意をお願い申し上げたいと思います。
 次に、これも少し行過ぎた心配かもしれませんか、安定法の第十一条についてであります。第十一条に、「農林大臣及び通商産業大臣は、硫安の価格の安定を図るため必要があると認めるときは、硫安審議会の意見を聞いて、硫最初額を定めることができる。」こうあります。子の第三項に、「前項の販売価格の最高額は、政令の定めるところにより、生産費を基準とし、農産物価格その他の経済事情を参しやくして定める。」こういうふうに規定されておるのであります。これは「必要があると認めるとき」とありますから、極端に申しますれば、年に二回も一回も必要があると認めるならば、そのことが行われると思うのであります。しかしてその第二項に「生産費を基準として」とりますから、生産費がぐんぐん上つて来るときには、むろんその後に、農産物価格その他の経済事情もしんしやくして、救いの手はあると思いますけれども、生産費の上り方、コスト高というものが急上昇して来たときに、メーカーから強い要請があつた場合においては、価格が改訂されることが考えられるのであります。その場合において、米価の方を考えてみますと、年に一回しか改訂されないという姿にありますとき、ともすると肥料の方が起きないものかどうか、そういう心配か持たれないものかどうか、そういう心配が持たれないかどうか、その点、この法案作成に当つてお考えを及ぼされたことはないかどうか、この点をお尋ねいたします。
#144
○柿手説明員 私がお答えをするのはどうかと思いますが、私の顔をごらんになつたから私は立つたのであります落の傾向にございます。それからこの法案は、臨時硫安需給定定法案と硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案、両方の法案から成つておるのでありますが、これを通しての趣旨は、現在硫安のコストは漸次下つておりますけれども、その国内の価格と国際価格の間に相当の開きがあります。いわゆる出血輸出をしなければならぬということになつておりますから、この際至急に、一般物価の下るよりも、さらに急速に硫安工業の合理化、近代化をやつて、価格を下げて行こう。そうして漸次価格も低下させて行こう。それは農民に対しても安く肥料の供給ができ、国際競争にも対して行くことかでき、外貨獲得もできて、日本経済全般のためにもなるという、両方をねらつておるのがこの法案の趣旨であります。現有より上るとは考えておらな」し、硫安の価格はできるだけ下げて弁こうということをねらつておるのであります。
#145
○安藤(覺)委員 私の性格はどうも移り気のしない男でありまして、義経のように八艘飛びをちよつとやつて行くわけに行かないので、お一人を見ろと、その人だけの顔ばかり見るので、失礼いたしました。あなたが御答弁になつたのは適切でなかつたかもしれませんか、お立ちになつて御答弁くださつた以上、やはり責任を持つてやつてくださるものとして、安心して、その御答弁をちようだいしておきます。ただ私の心配は、行ぎ過ぎかもしれませんが、今この法案をつくるのに、値下げのためにつくるというが、しかしでき上つて一年たち、二年たちますと、このごろよくはやります言葉で、一とに川俣先生などのお使いになるいわゆる金融独占資本というか、巨大な資本のために、 これが逐次ゆがめられて、ずつとかなたへ押しやられて、事実上は、米の値の方が硫安の値上りに追いついて行かないで、後々と追いかけて行くという結果にされてしまうことなきやを心配するのであります。願くは、将来において、そういうことの正しくないことを御証言願いたいと存じますとともに、それをぜひ期していただきたいと思うのであります。
 それから合理化案の方でありますが、その第六条に業務規定がござしいます。それを列記してありますが、末段の第四項に「前二号の業務に附帯する業務」ということが書いてございます。この附帯する業務の内容はどんなふうにお考えになつておられるでしようか。
#146
○中村説明員 附帯する業務とここにうたいましたのは、実は例外的に、やむを得ない場合に生じます附帯業務という気持で書いておるのでございます。これによりまして実際上動く規定は、どういう事業になるかという問題を考えますと、これは過去の例でございますけれども、先般台湾に硫安を輸出いたしました際に、台湾との通商協定との関係もありますし、同時に硫安輸出によつて得たドルの一〇%は有利にとりかわせるという意味で、特例外貨割当制度というものがございます。このような制度を運用する場合に、できるだけ硫安メーカーに利益を帰属せしめるというような方式を必要とするのでございます。台湾輸出の際も、バナナを輸入しました利益がどうであつたかというようないろいろなむずかしい問題がございました。こういつた場合に、趣旨は、この一〇%を最も有効に扱わせるということにございますので、その方式としてはやはり輸出会社が輸出して、その一〇%を最も有効に使うという建前からいたしますと、これはむしろ輸出会社の責任で輸入して、処分させた方が適当ではないか。要するにバナナを輸入させたということは、硫安輸出に上る赤字をできるだけ補つてやろう、こういう気持でやつたのでございますが、現在のような制度でやりました場合には、輸入業者あるいは輸入会社が買つて卸売をする、あるいは小売をする等、いろいろの段階を考えますと、なかなか思うにまかせない点もあると思うのでございます。そういつた趣旨でございまして、私どもの気持といたしましては、これが運用について今これこれのものをこうやるという考え方はございませんが、硫安輸出が不幸にして非常な赤字を考えなければならぬという事態の場合に、例外的にリンク方式か何かさせるというとき、リンク方式による利益を最大限度に上げます趣旨からも、これに附帯要綱としてやることがベターではないかという考え方であります。
#147
○安藤(覺)委員 この、その他の附帯業務の内容は、輸入に関しては法案に限定しておりますか、あるいはパイナップルとか、そういうようないろいろのものが入つておるのでございましようか。
#148
○中村説明員 こういつた特別外貨制度で運用する場合に、どういう商品を扱わせるかという点は、一般的に、通産省としては一つの外貨割当制度を利用する品目を指定する場合がございます。それからこういうものに使つてはいけないという場合もございます。そういうものがございますので、私の方としましてはこういつた特別の措置として、きわめて例外的に行うべき性質のものでございますので、あらかじめ砂糖はいい、あるいはバナナはいい、こういうような考え方をいたしておりません。そのときの情勢――というとルーズに響きまして恐縮でございますが、まあ通商協定の線、あるいは実際の社会に対する影響等から十分考えなければならぬのでありまして、商品については特定いたしておりません。ただ実際に行う場合には、今申しましたように、外貨割当制度には一般的に禁止品目については特別に許可をしてやらせる。そういつたいろいろの仕組みございますので、それに合せて実施する。商品はあらかじめ指定しておりません。たまたまバナナには先例がありますし、キューバの砂糖で実施いたしたこともございますので、そういう御質問が出たかと思いますが、私の方としては、規定した趣旨をかえているわけではございません。
#149
○安藤(覺)委員 もう一点、ただいま品目については別段規定する考えはないということでございまして、その場合いろいろなものが入つて来ようと思いますが、ここに一番考えられることは、バナナのほかに砂糖というものが考えられて来ようかと存じます。これによつて出血輸出の姿をいくらかでも緩和してやりたいという考え方は、私は非常に名案だろうとは思いますけれども、ことに帰りの船をからつぽにして帰るよりは、積んで帰つた方がいいにきまつておりますから、それはけつこうだと思いますが、そのときの金額、ことに量によりましては、それが内地の生産者の圧迫等になつたりすることがありはしないか、こういう心配がありますが、これらの点について、今度は顔を見直して、小倉さんの顔を見ますが、小倉さんから、こういつた輸入量をおきめになる場合において、何らか両省の間に御相談をなさるようなお考えがありますか、どうでしようか。
#150
○小倉説明員 輸入の計画につきましては、外貨の問題上、外貨予算について、通商協定の場合には、通産当局とよく打合せをしておりますから、そういう計画としては不都合がないようにいたしております。また時期等につきましても不都合がないように、その都度連絡をいたしております。
#151
○安藤(覺)委員 これで打切ります。
#152
○福田喜東君 関連してちよつとお聞きしますが、「前三号の業務に附帯する業務」というのは非常に広いようで、輸出入会社の事業の中で第六条に関連していろいろなことができると、これはバーターやリベートの問題、これにいろいろひつかかるし、バーターになりますと、とんでもないことになりますが、先物の保証につきましては、両省の間に話合いがついているのですか。
#153
○中村説明員 これは附帯する業務という字句が非常に広範に解釈される憂いがあるように考えられますが、輸出入会社の主目的は、硫安の輸出ということで大きな制約を受けます。硫安の輸出に直接関係のある附帯業務でございますので、御指摘のような、この会社がバーター貿易の一つの大きなオルガのような活動をするということは考えられないのであります。今さしあたり問題になつている輸出会社の赤字を補填する意味での消極的な輸入業務をやらせるということは、全然ないのでございます。
#154
○福田喜東君 しかし法律上は範囲が例示してございますから、ここに掲げておるのを禁止することはできぬじやないですか。
#155
○中村説明員 附帯する業務というのは、見返り貿易あるいはリンク貿易ということでありますが、これにつきましては、先ほど申しましたように、特別外貨割当制度を全面的に運営いたしますので、この割当制度のもとにおきましては、商品、時期、額ということについては、政府の指示、許可が必要でございます。御心配のような点はないと私は考えております。
#156
○綱島委員長 ちよつと委員長から伺つておきますが、硫安と限定してあるようですけれども、その他の肥料についても、多少御意見が委員会では出たようです。農林当局においては、硫安と厳密な意味で限定される御意思がありますか、政府の御意向をちよつと伺います。
#157
○平野政府委員 これは御承知のことく、かねて出血輸出の問題が起り、これが動機となつて、国会において非常な御論議があり、政府においてすみやかに普処せよということから、だんだんここに至つたようなわけでございます。硫安の輸出が中心でございますから、さしあたりこの法律で明示しておりますように、硫安に限定する、但し硫安の副産物でありますところのアンモニア系窒素肥料を含むこういうことに現在のところは考えておるわけでございます。但しこれにつきましては、他の肥料につきましても、硫安同様の問題が起つて参るということになりますれば、そのときに考慮する。こういう気持を持つておるわけでありますが、ただいまのところといたしましては、この法案の示しておりますように、硫安に限定する、こういう所存でございます。
#158
○綱島委員長 わかりました。――ちよつと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#159
○綱島委員長 速記を始めてください。
 それでは、本日はこれをもつて散会いたします。
   午後五時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト