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1953/10/22 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会蚕糸に関する小委員会 第8号
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1953/10/22 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 農林委員会蚕糸に関する小委員会 第8号

#1
第019回国会 農林委員会蚕糸に関する小委員会 第8号
昭和二十九年十月二十二日(金曜日)
    午前十一時二十五分開議
 出席小委員
   小委員長 佐藤洋之助君
      田子 一民君    松岡 俊三君
      松山 義雄君    足鹿  覺君
      吉川 久衛君    川俣 清音君
      中澤 茂一君
 小委員外の出席者
        農林委員長   井出一太郎君
        議     員 井谷 正吉君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  原田  伝君
        農林事務官
        (蚕糸局繭糸課
        長)      酒折 武弘君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
十月九日
 小委員金子與重郎君は死去された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一八二号)
 玉糸の価格安定に関する件
    ―――――――――――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたし審査を進めます。本日は主として玉糸の問題について当局の説明を伺い、かつ御質疑を願いたいと思います。
#3
○原田説明員 玉糸の問題でございますが、先般当小委員会におきましてお話が出ましてそのことについて、私どもといたしましても玉糸に関します諸般の事情を研究し、またその対策につきまして財政方面とも相談を進めて参つたのでございますが、この玉糸というものの輸出の面におきまする状況は非常に重要な点がございまして、生産量の相当部分が輸出に向けられておるという性質がございます。と同時に一般の生糸、俗にこれを本糸と呼んでおりますが、本糸ともいろいろ事情の違う点がございますので、この玉糸の輸出を今後ともますます安全に増進させるために、やはり玉糸の価格安定につきまして何らかの措置を講じたい、こういう考えを立てておりまして、そういう行き方につきまして財政方面ともいろいろと相談を進めておるのでございますが、何分にも玉糸の需要の面が国内には非常に少くて、もつぱら海外の需要に依存しておる。こういう点がございますために、どういう方法で価格の安定をはかるかということにつきましてまだ具体的な結論を得る段階に達しておらない事情でございます。もちろんこういう問題につきましては、私どもだけの考えで方針を立てるよりも業界方面の実情、要望等も十分に開く必要があると考えまして、そういう点につきましてもしばしば機会を設けまして実情、要望、意見等を聞きましてこれを参考に供して参つておる次第でございます。一応概況を申し上げた次第でございます。
#4
○佐藤委員長 中澤君。
#5
○中澤委員 現在における輸出の状況、国内消費の状況とか、または今の蚕糸局としての玉糸に対する今後の国内需要の見通し、輸出がどういう希望を持てるか。それからこれが決議をされて買上げ対象になつた場合、その輸出がもし将来においてとまつた場合、国内需要としてどういう処置がとれるかというような蚕糸局の将来に対する見解、そういう点について、いま少し具体的に説明してもらいたい。
#6
○原田説明員 玉糸の輸出の状況でございますが、この玉糸の輸出の状況は、年によりまして相当変化が多いようでございます。たとえば昭和二十七年のごときは、生産高が一万八千九百三十九俵ございまして、そのうち輸出にまわりましたものが、一万六千百二十七俵というように、非常に生産も多く、また輸出も多い年がございます。かと思いますと、昭和二十八年おきましては、生産が一万三千四百四俵という状態でございまして、輸出は七千九百三十二俵というふうに、かなり大きく少くなつておるというようなふうに、安定性が乏しいという感じがいたすわけでございます。反面海外の玉糸に対しまする需要の状況は、シヤンタンその他の特殊な節のある織物として、かなり衣料品として愛好されるという傾向がございます。これは消費者の好みの問題でございますので、そういう好みがいつまで続くかということにつきましては、なかなか軽々に判断することはむずかしいのでございますが、かなり以前から、かような特殊な織物というものが愛好されて来ておる。これに対して日本の玉糸というものがその値打を認められまして、需要が、こういうふうに多少上下はございますが、続いて参つておる。おそらくこういう状況は、さように急激にこれが消滅するというようなことは考えられない、かように思うのでございますが、何せ消費者の好みというものに相当支配される点もございますので、そういう点を頭から無視するわけには参らないのではないか、かように考えております。
 それから本年に入りましてからの輸出の状況でございますが、昨年は、申し上げましたように、七千九百三十二俵という、大ざつぱにとらえまして、約八千俵という状況でございましたが、本年はこの九月までにすでに六千五百二十三俵というものが輸出されております。ことに八月、九月などはなかなか玉糸の需要がございまして、八月が八百八十五俵、九月が八百五十八俵というふうに、やや継続的に相当量の輸出が続いて参る、こういう状況でございますので、昨年よりは少し輸出量がふえておるのではないか、かように見ておる次第でございます。
#7
○中澤委員 それで、もしこれが輸出の方が困難になつた場合に、国内転換の方策は、何か今から考えておられるかということと、それから外国へ玉糸を輸出して、その織物が一時の流行かもしれぬが、相当売れる、こういう事実に着眼して、そういうものを内地の企業で何とか育成して、生糸で出さずに、将来外国でそれがとまつても、何か織物として特徴のあるホームスパン的な織物とか、ああいうものはそう簡単にすたれるものじやないし、前からホームスパン的のものはどういうわけか非常に好まれておるので、それを何か国内企業として、いざというときには転換して行くというような方策も、私は何か考えなければいかぬと思う。そういうような点について、もしそれを政府買上げにしたが、ただ倉庫へ国の金を寝かしておくというのではなくして今から何か転換方策は携えられぬか、こういう点について、いかがでしよう。
#8
○原田説明員 ただいま御指摘の点でございますが、国内におきまする玉糸の需要というものは、従来ああいう糸を使いました織物については、なじみがあまりなかつたために、ほつておいたから、そういう需要が出ておらないのではないか、かように考えております。一例でございますが、アメリカ等におきましてシャンタンという織物が流行する。その流行がいろいろなルートを通りまして、国内にも反映して参りまして、やはり一部にああいう玉糸のような原料を使つたシャンタンなり、シャンタンまがいの衣料が百貨店その他で陳列されておるという様子も見受けますので、御指摘のような点につきまして、織物方面の実情をよく調べて、それに対していろいろ措置を講じて行けば、可能性がないわけではない、かように考えておる次第でございます。ただその場合に、外国風の織物だけがいいかどうかという点でございますが、私の知つておりますところでは、玉糸の今までの種類が、糸の太さでございますが、二二五中という相当太い糸がつくられ、また輸出にまわつておるという傾向が強かつたのでございますが、どうもいろ  事情を調べて参りますと、それよりも細い一一〇中とか、六〇中というようなものでございますと、国内における需要も、めいせん、つむぎの類のようなものにそれを取入れる余地があるのではないか、こういうような観測をちよつと持つておるわけでございます。織物の点につきましては、私まだ勉強も不十分でございますので、そういう点に着眼いたしまして、今後いろいろ調査も研究も進めて参りたい、かように考えておる次第でございます。
#9
○中澤委員 外国で使われるものについて、生糸で輸出して、織物になつて使われるものだから、外人が日本へ来た場合、こういう織物がみやげであるというような、日本のつむぎ――あれは非常に日本的な特徴の出た、日本人好みもすれば、外人好みもするらしいのですが、そういう点について、玉糸をもつと積極的に国内で完全に織物にして出せるというような態勢が私は必要だと思うのです。これに対しては蚕糸局ばかりじやないが、しかし蚕糸局が音頭をとつて、織物業者も、そういうことにやはり音頭をとつて行けば、日本でやはりつむぎの織物がおみやげになるというようなことも、宣伝もいるだろうし、いろいろいるだろうか、そこまでやはり蚕糸局としては、管轄外としても考えてやるのが私は親切だと思う。そういう点については、今後大いに研究してもらいたい。いろいろほかの蚕糸の問題もありますが、玉糸の問題は、至急安定帯の中へ入れてやらなければ、中小企業が非常に多いあれでございますからいけないということを私は痛感しておるのです。その点だけを申し上げておきます。
#10
○吉川(久)委員 今局長の話の中で、非常に年によつて生産量とそれから輸出の量とが変動がはなはだしいのですが、どういう理由でございますか。
#11
○原田説明員 この原因につきましては、私どもいろいろ研究してみておりますが、一概に断定的には申し上げられない状態でございますが、一つの見方といたしましては、玉糸の輸出というものが、割合最近、近年になつて急激に増加して参つた。そのために一応玉糸は輸出検査を行つてはおりますが、製品の規格というものにつきまして多少不備の点もございましたために、玉糸の海外需要が非常に強いということになりますと、原料でありまする玉繭に普通の繭――乾繭と申しておりますが、これをまぜる一定の割合がございますが、その割合等が動いて参る。たとえば標準的には乾繭が三割で玉繭が七割だと言われておりますが、極端な場合にはそれを半々にする。あるいは逆に玉繭が少くて普通の繭の方が多いというようなつくり方をするというようなこともあるんじやないかというふうに観測する場合もあるわけでございます。さようなことでありますので、需要の動きというものに対しまして、生産なり輸出というものがほうつておきますと、そういうふうに妙な形で動く。動いた結果はどうなるかといいますと、反動的にどうも日本の玉糸は品質が均一でないというようなことから、今度は海外の需要が減つてしまう。減つてしまいますと、生産の方もそれではというので、玉繭の程度を多くして、それにまぜまする乾繭の方を少くする。そうしますとここに生産高も縮小する。輸出量も需要に応じた程度にとどまる。こういうような関係があるのではないかと観測いたしておるわけでございます。
#12
○吉川(久)委員 私はこのごろアメリカへ行つて感じたのですが、最近アメリカの文化の先端を行くものとしては、減水浴場で日本の草履をはいたり、料理屋あたりへ行きますと、てんぷらやすき焼きで御飯を食べる、日本の映画を見ること、茶をたて、花をいける、こういうことがアメリカの文化の先端だと最近言つておりますので、絹織物についても、今までの日本の生糸でなしに、趣向をかえて今局長のお話のような玉糸による織物、しかも向うはもうほとんど化繊が徹底をしておりますので、これとの混織が相当に行われております。それで今中澤委員も触れられたけれども、こちらで織物にしてという考え方もあろうと思いますけれども、色彩の点について、染色技術が向うの趣向に合わないというだけでなしに、非常に日本の方が劣つておるようなんです。そういう点等についてもう少し海外の事情を調査し、その上に立つてもつと積極的な日本での施策を考える必要があるのじやないかというように思いますが、最近海外の市況あるいは海外の好み等についての調査なんかは、どの程度にやつておいででございますか。
#13
○原田説明員 ただいま御指摘の点は、一般の生糸並びに玉糸の輸出増進の問題につきまして、非常に重要な点だと考えております。私どもといたしましては、常時海外の業界誌でありますとか、あるいは一般の新聞、雑誌等に出て参ります資料に基きまして海外のこういうものに対する需要の状況あるいは価格の変化の状況、一般消費者の嗜好の状況等をできるだけ注意いたしまして、とりまとめるように努力いたしております。何にいたしましても、地理的にも離れており、時間的にもずれが非常に大きく出るというようなことで、どうも思うように情勢がキヤツナしにくい。また一般の在外公館等の情報等も材料として考えておりますが、種々雑多な商品のうち、特に生糸なり、玉糸の関係あるいは絹織物の関係を特別に大きく扱かつてもらうということがなかなか困難でございます。本年度生糸の海外の需要増進の経費といたしまして予算をちようだいいたしましたので、そのうちの一部分をもちまして、海外におきまする生糸の需給状況その他の調査並びに生糸の宣伝のための事務所を設けたい、かように考えまして方法といたしましては、中央蚕糸協会にそういう調査宣伝の事業を委託する。中火蚕糸協会は、その経費をもちまして ニューヨークに九月から職員を派遣いたしまして、事務所を開設いたした次第でございます。この事務所はまだ開設早々でございますので、ただちにその効果がめきめき現われておるという状況ではございませんが、日本から向うに行つておりまする各般の関係の方とも緊密な連絡をとり、また直接ニューヨークにございまする生糸のリーダー、あるいは織物需要者でありまする織物業界等と連絡をとりまして、調査並びに宣伝について仕事を進めて参りたい、かようにいたしておる次第でございます。
#14
○川俣委員 今吉川委員からの質疑の中に、日本の染色技術が非常に遅れておるような御意見があつたのですが、私はそう思つていないので、おそらく生糸に関する限りにおいて、あるいは絹布に関する限りにおいては、日本は長い歴史をもつておるので、この面の染色技術は日本は世界一であるという確信をむしろもつておるのです。ただ最近のような化繊が入りまして、化繊と絹糸との混織になりますると、この点では劣るであろうということで丁。またただ日本の染料が、かつてドイツ染料に依存しておりました時代と、最近の染料との非常な相違がございまするし、またアメリカ向きのような薄色の染色というものについて、日本はなれていない点はありまするけれども、この玉糸に関しては、日本の技術は相当程度が高いと見ていいのじやないかと思います。ただ問題は、日本のは今まで広幅をやつておりませんために、広幅にかけての仕上げの模様、色ぐあいがうまく出ないという点はあると思う。こういう点について、さつき局長も言われたように、今後玉糸による広幅物が出て参りまするならば、国内においても需要度が高まるし、また輸出織物として相当な見込みが立つのではないか。日本の婦人も相当最近洋服化されて参りました。広幅でなくとももちろんつくりますけれども、広幅になりますると、色彩の出し方といいますか、あるいは模様の出し方と申しますか、こういつたものに相当かわつた柄つけをしなければならない。そこにまだ十分な指導が行きわたつたいないと思いますが、こういう点について、今中澤委員から話がありましたような玉糸の国内消費ということを考え、また織物としての輸出を考えますると広幅に指導して行かなければならないのではないか。この方面の需要が出て参りますと、輸出と国内消費織物とを加味して参りまするならば、玉糸の需要はさらに拡大するのではないか、こう思いまするけれども、この点についての御意見があれば伺いたい。
#15
○原田説明員 玉糸の需要が今後どうなるかということにつきましては、私どもといたしましても常々心がけて研究いたしておりますが、やはりこれは現在の状況としましては、海外向けの問題を主にいたしまして、また国内の方面におきましても、海外の需要の事情に伴いまして、これに対応して、いつでも必要があれば国内の需要にも向け得る、こういうようなふうに両面にかけて構えをとつておくことが玉糸の生産並びに輸出の増進、安定という問題に対して一番いい型ではないか、かように考えております。またお話にございました染色の技術の問題また広巾の織物の問題等につきましても、今後ともよく研究いたしたい、かように考えております。
#16
○川俣委員 もう一つですが、繭糸といいましても、生糸の染色の仕上げとしては、一番味が出て来るのは植物性染料だと思うのです。植物性の染料は国内に絶対ないかといいますと、相当君からその染色物としての植物性染料材を日本は持つておるのであります。こういうものが、流行によるよりも助成措置が足りないために絶対量が漸次後退しておると思いますのでやはり生糸の消費ということを考えますると、国内の植物性染料の増産をあわせて考えて行かなければならないと思いますが、この点に関しての御見解を伺いたい。
#17
○原田説明員 染色の問題、特に植物性の染料の増産の問題でございますが、私どもといたしましては、この生糸の需要の増産という見地から、こういう問題も見のがすわけに参らない点でございますが、染料そのものの所管は私どもにございませんので、こういう問題につきましても、通産省等と十分に連絡をとりまして、遺憾のないようにいたしたいと考えております。
#18
○中澤委員 それでは巨体的な問題についてですが、本日このあとで決議案をやるのですが、今までの大蔵省との折衝過程ですね、それを御説明願いたいことと、買上げ金額は、まあ四億くらいあればということなんですが、これに対しての今までの折衝経過、並びにその見通しについて伺いたい。
#19
○原田説明員 玉糸を菌糸価格安定法の買入れの対象にするという行き方につきまして何はさておき現在の特別会計の資本金の範囲でまかなえるかどうかということが第一に問題になるわけでございます。この点につきましては、本年の五、六月のころすでに一般の生糸、つまり本糸の最低価格による質入れが必至ではないかというような情勢になりました際に、現在の資本金約三十二億数千万円でございますが、その資本金では足りないのではないかということが各方面で懸念された。こういう実情でございますので、もしそういう最低価格に糸の値段がぶつかつて来た場合に、現在の資本金でも足りないのではないかという懸念がある際に、その資本金をそのままにいたしておきまして、さらに買入れの対象を拡大するということにつきましては、いろいろそういう点で無理が来る、こういうことになるわけでございます。で、勢いどうしても玉糸の買入れの対象にしますためには、この資本金を、申し上げました太糸の買入れの問題につきましても支障のないように、また将来この玉糸の買入れをするという場合にも支障のないように増額しなければならない。こういう問題になり、そういう段階になりました際、財政当局といたしましては、現在の財政の事情から見てあれもこれもというような意味で資本金の増額ということは非常に困難であるというような態度を示して参りましたので、私どもといたしては、玉糸に関しまする諸般の資料を整えましてこの玉糸の価格安定というものが非常に重要である。またそうすることによつて財政上も非常に必要だと言われておる外貨の獲得に効果があるんだということを力説いたしまして、その結果何とかその玉糸の価格安定施策を講じなければなるまいという線までは財政当局も納得しつつある、こういう状態でございます。さて具体的に最低価格、最高価格を玉糸についてどういうふうにきめるか、また買入れ数量としてはどの程度のものが予想されるかというようなことにつきましても、進んで細目的な打合せをしたい、かように考えておる次第でございますが、財政当局としましては、この買入れの対象にした場合に、将来この玉糸の海外におきまする需要がいろいろ変化することは当然考えなければならない。それがふえる場合はいいが、非常に減つてしまうというようなことになつた場合には、政府が玉糸を買入れて、これをいつまでも持つていたければならない。そうなればそこに国費のロスというものが現われて来る。それを考えると、財政側としては簡単に買入れの対象にするという決意がしにくいのであります。こういうような状態で、現在そういう点をめぐりまして、いろいろ私どもと折衝をしておる。こういう状態でございます。
#20
○中澤委員 局長さんの御答弁を聞いていますと、ばかに大蔵省側のような考え方がところどころ散見するのです。何もあなたは大蔵省の局長じやないのですから、とにかくあなたはやつぱし蚕糸業者と予算のみを守る立場があなたの立場で、大蔵省の財政当局は今は何を持つて行つたつてそう言う。それは蚕糸の問題ばかりではない。きのう私たちが決議した冷害の問題でも、いや出せません、これが今の政府の政策です、こう言います。やはりそこを突き破るのが私は局長さんの手腕のあるところだと思うのです。これはわれわれも前からも懸案であるし、今度の機会に何とかしなければならぬ実情だと思うのです。そこでどうしてもやつて行かにやいかぬから、もつと積極的に突き破る手を使つてもらいたと考えておるわけです。それで、ここで買上げの対象になすべき目的繊度の問題もやつぱり出て来る。一体今輸出にも向き、国内用にも使える一一〇中、二二五中だけはやるが、ほかのものはやらないかという問題も出て来る。こういうものに対しては、今蚕糸局としてもちろんこれは腹案がおありになるだろうと思うのですが、この目的繊度をどの程度にするか、または何でもかんでも全部やるかということが一つ、それから予算金額、大体これは玉糸協会なんかの陳情書によると、大体二箇月分の三億七千万もあればいいだろう。まあ四億円ですね。そういうものについての何らかの腹案がおありか、この二点をひとつ伺いたい。
#21
○原田説明員 買入れの対象といたします場合に、繊度はどの範囲にするかという点でございますが、私どもとしましては、一応二二五中並びに一一〇中は考えなければならないのだというふうに思つておりますが、もう一つの六〇中につきましては、生産の状況並びに海外、国内における需要の状況等をよく研究いたした上で慎重に決定したい、かように考えております。
 それから所要資金の額でございますが、この問題は買入れの対象にするという場合に、その前提として、最低価格並びに最高価格をきめる問題もございまして、玉糸の最低価格なり最高価格をどういう算式で、どういうふうにきめるかということにつきましては、研究はいたしおりますがいろいろまだデータもよくそろつておらない面もございますので、結論を具体的に出すところまで参つておりません。そのために数量につきましては、本糸の場合と大体同じような考え方がいいのではないかと考えておりますが、単価の点がまだ研究中でございますので、本日ここで申し上げる段階に至つておらない次第でございます。
#22
○松岡委員 ただいまの局長の御答弁の中に、一一〇中と二二五中は当然入れなければならない。けれども六〇中の方は研究の要がある。その研究の要がある内容をもう少しお話願いたいと思います。
#23
○原田説明員 今までの玉糸の生産並びに輸出の状況を見て参りますと、二二五中が割合多い。それに次ぎまして一一〇中が出ておるというような状況でございまして、六〇中も前からある程度生産され、また輸出にもまわつておりますが、玉糸の価格を安定します場合に、玉糸と名がつくものはみな買う必要があるかどうかいうことにつきましては、いろいろ資金の関係も、ございますし、またその効果が上がれば必ずしも六〇中を買わなくてもいいというような場合もございますので、そういう点につきまして、今後の見通しも加えて研究をいたしたい、かように考えております。
#24
○中澤委員 しかし両委員会が決議をして、今度の繭糸価格安定法が継続審議になつて、すぐやらなければならない問題であることはあなたも御承知の通りです。すぐやらなければならない問題について、玉糸をここで決議しても、蚕糸局が、これは価格算定がむずかしいことはわれわれもよくわかりますが、専門家がおそろいの蚕糸局が、まだそれに対して目下研究中ということではなくして、何らかの腹案、具体案が立つておるのじやないですか。あなたがもし何だつたら課長でもいいのですが、腹案ぐらいは全然ないということは私はおかしいと思う。腹案があつたら――ここで公式に速記にとどめてはまずいというなら、この問題は懇談会でもいいです。そこで今言つたように、二二五中と一一〇中の限月相場で、今月どのくらいしていますか。
#25
○原田説明員 おしかりをいただきまして恐縮いたしておりますが、具体的にこれで行けるという確信までまだ達しておりませんものですから、先ほどのように申し上げましたが、これは懇親等の機会におきまして、どんな考え方でということを申し上げたいと思つております。
 それから相場の点でございますが、最近の足取りといたしましては、二二五中が十八万五千円というような線を動いておるようであります。それから一一〇中は十九万一、二千円というような線をたどつておるようであります。
#26
○足鹿委員 私は先般の委員会に資料の要求をいたして、それのいただけるのを待つておるわけでありますが、いつごろいただけますか。すなわち製糸の加工費の点であります。その際にひとつお願いいたしておきたいのは、製糸機の新式なものが最近各方面に採用されておる、その所在地また工場名、それと従来の製糸方式と、新しく新式の機械を入れてやつておるものとの加工費の差、どういうふうに開くか、相対的にひとつついでにお示しを願いたい。
 そこで私はこの際御所見を承りたいのでありますが、私どもは養蚕業の安定と振興ということに考え方の基礎を置きまして、従来も審議をしたし、今後も審議を進めようとしておるのでありますが、当局の考え方は、生産過程に必ずしも重点を置いておらない。流通過程が安定をすれば、その結果として養蚕業にも安定がもたらされるという従来の蚕糸政策の基本について、どうも私納得行かないものを感じておるわけであります。新局長がおいでになつた機会に、少くともそういう従来の方針がどういうふうに新しく是正をされるかということを私どもは期待しながら、今日まで局長の御抱負を発表されるのを待つておつたわけでありますが、あまりそれらしいものも伺うことができないようでありますが、最近いろいろ各方面の情報によりますと、現在本委員会が審議をいたしております繭糸価格安定法の一部改正とは別個に、日本製糸協会あたりが蚕糸公社案のようなものを再びかつぎ出して、ある程度政府にも内交渉を進めておるとかおらないとかいうような話も伺つておるのであります。従来非常に業界の意向というものを当局は尊重して、今日まで来ておられますが、この繭糸価格安定法の一部改正案と、現在伝えられておる蚕糸公社案、あるいは硫安の輸出会社が成立いたしたのにかんがみて、この硫安の輸出会社システムに似通つた、あるいは蚕糸輸出会社的なもの、独禁法の対象の外に置くものをつくつたらどうかというような意向も一部にはあるように私ども聞くのであります。そうしたいろいろな構想がある際に、政府は、なお本案を確信を持つて来るべき機会に成立を期するのであるか、それとも今述べたようなものに対してさらに再考をして行く考えであるのか。この点は、今日問題になつておる玉糸の問題とは面接関係はございませんが、本委員会に継続付託になつておる安定法案との関連においては、私、大きい問題ではないかと思うのであります。その点について、先刻の資料の要求とあわせて局長のこの際御所見を承りたいと思います。
#27
○原田説明員 第一に、資料の点でございますが、先般御要求のございました資料につきまして、たいへん手間取りましたことは申訳ございません。資料としてまとめまして、ただいま印刷中でございますので、来週早々にはお届けできる、かように考えております。それから本日御要求のございました追加資料につきましても、急いで調製いたしまして差上げたいと思つております。
 それから次にいわゆる公社案等をめぐつての問題でございますが、ただいま継続御審議をいただいておりまする改正法案と、いわゆる公社案等の考え方との関係でございますが、現在御審議中のこの改正法案というものを立案するまでの段階といたしましても、部内におきまして、各種の考え方が取上げられ、検討を加えられた結果、現在の段階として蚕糸業全体のために最善の方法というものはこれであるという考え方で結論を得まして提出いたしましたものが、御審議をいただいておりまする改正法案でございます。が、その後におきましても、引続き業界の側におきまして、この改正法案だけでは今後の蚕糸業を円満にやつて行くことについて不安がある。ことに輸出の増進という点については、まだまだ研究の余地があるというような御意見がございまして、業界の一部の方が熱心にこの問題を検討しておられ、またこれに関連しました他の業界の部分の方は、またそれに対して異なる意見をお持ちになる、こういうような状態で、寄り  意見の交換等が行われておる次第でございます。私どもといたしましては、蚕糸業の問題としては、結局生産、流通全体の部門を通じまして、総合的に調整をとつて行くことがいい、かように考えておりますので、さような輸出の振興につきましていろいろ御意見があるという場合に、これを耳をふさいでおる必要もありませんので、必要な場合には、業界の方の御意見の交換等の模様も伺いまして、これに対して研究は加えて参る、こういう態度をとつておる次第でございます。従いましてこの輸出の振興という問題について、現在御審議を願つておりまする改正法案に盛られた事項以外に、非常に適切な方策が確立できるというような状態になりますれば、その問題をまた御審議いただくということもあり得るわけでございますが、現在の段階では、業界の各方面の御意見がしきりに発表されておるという段階でございまして、私どもとしても、それについてそれをほつておくわけにも参りませんので、はたして御意見の内容が妥当なものであるかどうかということについて検討は加えておる次第でございます。
#28
○足鹿委員 もう一点伺つておきたいのでありますが、生糸の生産費の基本をなすものは、繭の生産費と、これが加工費であろうと思います。ところが繭の生産費につきましては、従来からときどき資料をいただいて見ておりますが、やはり現在の米の場合と同様に、非常にこの生産費を調べることは困難な実情にあるようであります。一番問題になるのは何かといえば、結局その生産費の主要部分を構成しておる農家の自家労賃の評価に問題があると思うのです。これはただ単に繭のみでなくして、最近の乳業資本と酪農家の乳価の問題を見ましても、独占資本の攻勢が非常にはげしい。また製糸関係においても同様のものがみられる。こういうときにあたつて、今後基本的に取上げて解決して行かなければならないことは、米の場合と同様に、この生産費中に占める農家の自家労賃を、どう都市の同製造業との均衡を得せしめて行くかという、妥当な評価をし、それを保証して行く。繭価、乳価、あるいは米価というように、一連にその問題を解決しなければ、生産者の擁護、ひいてはその地産の増強ないしはコストの引下げという一連の解決はつかないと思うのです。こういう点について、蚕糸局は、繭の生産費の従来の変遷についてどういうふうに考えておるか、またその間において農林統計調査部だけの調査に依存しておるのか、蚕糸局自体としてどのような生産費調査をやつておるか、または蚕糸局の管内にあつてその指導をしておられる全養連であるとか、あるいはその他の養蚕者の協同組織等において委託調査、あるいはそれらの組織が、独自の形で生産費調査等をやつておることに対して、どういう連絡を受け、検討しておるのか。私は、この問題を解決し基礎を固めないで、ただ単に流通過程の問題や、ただ何でもかまわない増産をすればよろしいというような行き方では、もう日本における農産物の価格問題を通じての安定は、私は成り立たない段階が来ておると思うのです。ただ現象形態だけにその場当りの政策をやつておつたのでは、もう何も解決しないという段階だと思うのです。さきに述べましたように、最近特に独占産業の購買カルテル的な傾向が激しいときにおきまして、生糸産業がその例外たることは許されない。そういう点から、繭の生産費をめぐる十分なる検討を加工費とあわせて加えて行くところに、直接の対策にはならないと思いますが、今後の蚕糸業の問題における大きな解決の基本をつかむことができるのではないかと思いますが、蚕糸局としては、従来この点についてはどういうふうに対処し、また今後対処される御方針でありますか、それをお伺いいたしたいのであります。
#29
○原田説明員 ただいま御指摘の、繭の生産費並びに生糸の製造販売費の問題は、まことに御指摘の通り、今後におきまする蚕糸の価格の面におきまする基本的な問題でございます。私どもといたしましては、繭糸価格安定法に基きまして、毎生糸年度ごとに最低価格、最高価格を決定いたしまする際に、繭の生産費と生糸の製造販売費というものが、最も重要なポイントになりますので、この両生産費をめぐりまして、繭糸価格安定審議会におきましても、非常に熱心に審議が行われて参つておる次第でございます。この双方の生産費につきまして、現在の調査方法が適切妥当であるかということにつきましても、いろいろ御意見が出ておりますので、こういう問題を十分に分析研究するために、専門調査員というものを委嘱いたしまして、それぞれ繭の生産費につきましても、生糸の製造販売費につきましても、問題になりました点を、専門委員会を開きまして研究を続けております。また部内におきまして、繭の生産費につきましては、農林水産物全体の一つの調査の体系という問題と、蚕糸業、特に養蚕の面におきまするいろいろな問題点とをどういうふうに調整するかということにつきましても、統計調査部に対して、蚕糸局側の意見というものを持ち出しまして、双方協議を進めるというやり方をとつております。また全養連等の養蚕団体との連絡でございますが、申し上げました専門調査員等にも、全養連側の職員、その問題につきまして十分に知識を持つておると認められます職員を委嘱いたしましたり、あるいは別途全養連側としての繭生産費についての御意見等をよく伺いまして、研究の中に取入れて参つております。
#30
○中澤委員 最後に、今足鹿委員の質問、これは基本的問題で、これからやればこれはもう徹底的にやらなければならぬ問題になつて来るから、それには触れないでおいて、ただ凶作、冷害対策として、蚕糸局としてはどういう考えを持つているかという点を一点と。いま一点は、長い間問題になつている技術員問題に対して蚕糸局は将来どうしようという考えを持つているか、この二点だけお聞きして質問を終ります。
#31
○原田説明員 災害の問題でございますが、本年の凍霜害につきましては、当時の状況に応じまして予算の節約分をもどすというような方法で財源をつくりまして凍霜害に伴いまして予想されまする病虫害の発生の防除の措置を講じた次第でございます。その後におきまする冷害等につきましても、同様これに対して何とか対策を講じたいという考えで、いろいろと努めてみた次第でございますが、冷害の関係につきましては、その後におきまして気温が上りましたために、相当に桑の伸長等も持ち直して参りました。また若干異常気象のために病害等が出て参りましたが、これに対しましては、技術的に農薬等をもつてこれを防止することが困難だというような事情並びに財源的にも非常にむずかしい状態になつておりましたために、それ以上の措置を講ずることができなかつたという状態でございます。その後の風水害の関係につきましては、時期的に見ましても、大体晩秋蚕から晩々秋蚕の段階になつておりましたために、これに伴いまして発生を予想される病虫害等も、異常のものがあるという様子でもございませんでしたために、さような方面の措置は困難でございましたが、営農資金の問題、それから農業災害の概算払いを早急に進める方法、またすでに出ております融資の償還期間の延長というような、他の方面と共通の問題でございますが、そういう措置をとることになつたわけであります。
 それから技術員につきましては、これは農業改良普及員のような行き方と、蚕糸の技術員とは、沿革的に見まして、同じような方法をとることは急速には無理であろう、こういうふうに考えまして現在の状態では、技術指導所を中心としました技術指導の組織と、それから従来から国が補助いたしまして養蚕団体に設置せしめておりまする技術員と、この両建になつて行くという状態でございまして、この問題につきましては、いろいろ研究をしなければならぬかと思いますが、大体の情勢としては、その両方の行き方を十分に連絡協調せしめることによつて、技術員組織を進めて参りたいと、かように考えております。
#32
○松岡委員 私は別個の方面から所信を伺いたいと思います。
 養蚕農家としましては、われわれは一生懸命でつくるけれども、先をどうしてくれるのだという心配を持つているものと思わなければならない。というのは、日に  進歩している化学繊維、この進出に対して、まだ  これは進出改良されるものと予想せねばならぬ。ところが生糸の方は、長く王者の地位にあつたものですからして、これはむろん安心もありますけれども、そういう点から、決して品物がいいから心配はないとばかりはいえないと思うのでございます。この化学繊維の進歩、見通しに対するところの蚕糸方面としての防除といいますか、防禦といいますか、その点についてあらゆる研究に万全を尽しておられるか、この心配を農民としては必ず抱いておる。先ほど御説明のように、新たに宣伝組織をして、そうして海外に販路を拡張するということをお示しになりました。これは了承する。けれども化学繊維の進出に対しての万全の研究こそが、一番農家としての先を見通して心配しておることだと私は思う。これについてその点は心配ないというお示しがあればけつこうであります。これについて御所見のほどを承りたい。
#33
○原田説明員 化学繊維類の進歩に対して、生糸の立場をいかに防禦するかという点でございますが、大体化学繊維というものと生糸というものの需要側におきまする立場を研究いたしてみますと、化学繊維は、全体として値段が安いということと、もう一つは、その安い値段が安定しておるという、この二点が非常に恐しいといいますか、今日に至りまするまでの間において生糸が従来占めておりました消費部門を侵されたという大きな原因であると、かように考えております。これに対抗いたしますために、生糸の側におきましても、生産、流通にわたりまして、できるだけコストを安くする、合理化するという努力もいたさなければなりませんが、何と申しましても生糸は化学繊維に比べますと、そもそもが高級品でございますので、値段において、化学繊維より安いとか、あるいは化学繊維とほとんどかわらないような値段というものを望むことは困難である。しからばどういうふうに持つて行くかと申しますと、少くとも生糸は生糸なりの値段で安定させることが必要だと、かように考えております。つまり二十七万円、二十八万円になつたかと思うと、数箇月のうちにまたそれが十九万円に下る、こういうような大きな価格変動というものが、ほかの点でも都合の悪い生糸の立場をさらに悪くする、こういうことが方々の情報から見ましても、また経済的な原則から見ましても確かに言えるのでありまして、その点につきまして、私どもとしてはできるだけの価格安定の努力をいたして参りたいと、かように考えておるわけでございます。また化学繊維類の持つておりまする性質から見まして、それに繊維品として相当の部門を占領されておるという形でございますが、しかし海外におきまする生糸に対する需要がどういう方面にあるかということをよく調べて参りますと、やはりそこに化学繊維類では間に合わない面が出て来るようでございます。そういうような資料といたしまして、少し資料としては現在は古くなつておりますが、かつてアメリカにおきます相当数の人を対象にして、いろいろなセンサスに近いような調査をした資料もございますので、そういうものをいろいろ分析して参りますと、下着類の一部のものでありますとか、あるいは衣料品等で、やはり生糸がある程度に値段が安定しておれば、将来需要が増進するというような見当もついて参りましたので、申し上げましたようにそういう面につきましても十分な調査と宣伝を怠らないようにいたして、両々相まつて化学繊維の進出に対して、生糸は生糸なりの分野を守つて行く、こういうふうに持つて行きたいと考えております。
#34
○松岡委員 そこで日本でもアメリカのようなぐあいに、もう古いものをなんということよりも、安くて新しいものをというふうに、ちよつと大阪などへ行つてみてもまるで違つておる。お父さんそんな考えではいかぬ、それはもう二、三年先のことを考えないで、また新しいものを買つてそしてまたすつと捨てて、また新しいのをやればいいのだ、どうもお父さん古い。こういうぐあいにちよつと大阪に出ても私は娘に言われます。こういう考えが世の中に出ておると思う。私も外国へしばしば行つてわかつておるのですが、こういうぐあいの世の移りかわりをしつかりキャッチするということが、今まで王者の地位を占めておつた生糸の方面で油断がないか、今の価格安定だけでよろしいのかどうか、こういう気持を考えて行くというと、よほど守る方においては難儀な研究が必要じやないかと私は思うのです。人間の気持の移りかわりをキャッチするということが非常に必要だと思います。今のようなぐあいに日本では、それは生糸と化学繊維の性質から用途から何から違つておることはわかつております。わかつておりますけれども、今のようなぐあいにもう来年はいらないというようにしてことしの新しいのを要求するような人心の帰向をキャッチするという、この方面の万全の策を立てておくことも私は必要じやないかと思う。そういう研究を蚕糸協会あたりでもつて十分やつておるかどうかあそこらはまだ昔の旦那様の流で、おれのところの品物はりつぱだからして決して心配ないというような気持がどうもあるように思いますから、それだけのことをちよつとお伺いしたのですが、この人心の帰向をキャッチするということがきわめて大切じやないかと思うのでお尋ねした次第であります。どうぞよろしく御研究のほどを願いたいと思つております。
#35
○佐藤委員長 この際お諮りいたします。本日の小委員会は玉糸価格安定の問題に対して御質疑を願つたのでありますが、ほぼ結論に到達したように考えます。ことに本委員会における中間報告は、先般の本委員会におきまして、小委員会の経過報告をいたしたのでございまして、玉糸に関しては、さきにちようど六月一日に参議院農林委員会におきまして、総意をもつて玉糸の価格安定に関するお申出の決議がございます。それを大体研究いたしまして、衆議院の本委員会といたしましても、ここに結論を出したいと存じます。委員長の手元で玉糸の価格安定に関する件の決議案をこしらえてみましたから、朗読いたしてみます。
   玉糸の価格安定に関する件
 玉糸はその生産量の大部分が輸出に向けられ、外貨獲得上多大の貢献をなしているが、現下における自立経済確立の緊急性に鑑み、今後更に一段と輸出を促進する必要がある。
 仍つて政府は、玉糸の輸出の増進を期し、併せて養蚕農家の経営安定に資するため、繭糸価格安定法による政府買上等の価格安定措置を講ずべきである。
 右決議する。
   昭和二十九年十月二十二日
        衆議院農林委員会御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○佐藤委員長 つきましては、この小委員会の決議を引続き本委員会で報告いたしたいと思いますが、委員長に御一任を願いたいと思います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○佐藤委員長 さよう決しました。
 小委員会はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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