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1953/09/06 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第3号
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1953/09/06 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第3号

#1
第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第3号
昭和二十九年九月六日(月曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席小委員
   小委員長 長谷川四郎君
      始関 伊平君    土倉 宗明君
      中村 幸八君    福田  一君
      村上  勇君    柳原 三郎君
      齋木 重一君    帆足  計君
      伊藤卯四郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 小委員外の出席者
        議     員 小川 平二君
        議     員 首藤 新八君
        議     員 笹本 一雄君
        議     員 山手 滿男君
        議     員 加藤 清二君
        議     員 永井勝次郎君
        議     員 中崎  敏君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      中島 征帆君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
三月十六日
 加藤鐐造君三月十二日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
五月十八日
 齋木重一君三月二十日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
九月六日
 始関伊平君三月十七日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 福田一君六月二日委員辞任につき、委員長の指
 名で小委員に補欠選任された。
同日
 村上勇君四月十二日委員辞任につき、委員長の
 指名で小委員に補欠選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電気料金に関する件
    ―――――――――――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 まず電気料金に関する件について、政府当局より説明を聴取いたします。愛知通商産業大臣。
#3
○愛知国務大臣 電力料金の改訂の問題につきましては、第十九国会閉会後におきましても、当通産委員会におきましてあるいは小委員会におきまして、中間的な御報告を申し上げておつたのでありまするが、その当時御報告を申し上げておりましたごとく、このほど政府といたしましてはその細部にわたりましての成案を得ましたので、この機会に御説明を申し上げたいと存ずるわけでございます。
 電力料金の問題、特に電源開発五箇年計画の実施以来、電源の開発に伴いまして、いわゆる資本費が増高して参つております関係上、現行制度のもとにおきましてはある程度これが電力料金にはね返つて来ることは、これは当然のことと考えられるわけでございます。しかしながら一方におきましては、今日の日本経済自立の大目的あるいはその政策の進行の過程におきまして、できるだけ公共料金は低いことが望ましいことは申すまでもございません、その二つの要請の中におきまして、累次申し上げておりまするようないろいろの苦心を払つて、細部の料率表をつくることにいたしたわけでございますが、まず可能な限り原価の高騰を抑えようといたしまして、新設の水力原価の九三%以上を占めまする資本費のうちで、租税と金利負担を軽減するように努力いたしたわけでございます。この点は第十九国会におきまして、法人税、地方税を通じある程度の軽減が実現され、金利も開銀金利が一分引下げられることになつたわけでございますが、同時に電力会社に対しましては企業努力をできるだけ要請をいたしたわけでございます。たとえばロス率、石炭消費率の向上をはかりまして、終戦後は三〇%を上まわつておりましたロスが、今回の料金の際は二三・五%と大幅に減少せしめておるのであります。また石炭消費率、すなわち一キロワツト・アワーを発生いたしまするための石炭量も、昭和二十二年には一・〇六キログラムでありましたのを、〇・七六キログラムとその石炭消費の合理化をはからしておる等は、その一例でございます。またたとえば石炭の購入につきましてもその適正化をはかり、購入炭価の引下げとなるよう努力を要請いたしまして、カロリー当り全国平均一円五銭である原価の織込み炭価を、七十六銭程度まで押えることにしたのも、その一つでございます。このような原価査定を行いましたのにもかかわらず、若干の原価の高騰はこれを認めざるを得ない実情にありますが、先ほど申しましたように、低物価政策を妨げない見地から、本年下期におきましては、全国平均では現行料金ベースにすえ置くことといたしたのでございます。但し電源開発の進捗度に応じまして、九社間の原価が異なりますため、多少の調整は行わざるを得ないのでございます。また一方におきまして、電源開発の進行に伴う原価高騰にかかわらず、石炭の値下りに応じて一部の需用者に料金の割引を行つておりますいわゆる燃料費調整の制度は必ずしも合理的とは認めがたいので、これを当分の間停止することにいたしたわけでございます。このような調整を行いつつ、なお下期の経理につきましては、各社に対しまして、それぞれ格別の努力が必要であり、その努力を要請しておるわけでございますが、なお明年四月以降については、電力会社の企業努力をさらに一層要請する一方、税制、金利についても軽減措置を強化することを前提として、消費者負担の軽減について再検討をすることに考えておるわけでございます。
 それから次に今回の料金制度は、でき得る限り一本の料金に近づけることを目的といたしております。すなわち現在の料金制度におきましては、すべて標準料金と地域料金という二段の料金にいたしまして、地区によつて異なりますが、東京を例にとりますれば、電燈で標準料金は三円五十五銭、追加料金は十一円、電力では標準料金は約一円、追加料金は十円五十銭というような開きを示しております。かくのごとき安い標準料金と高い追加料金の差のはげしい二段料金制のもとにおきましては、需用者にとつてみれば、標準料金分の割当いかんと使用量のいかんによりまして、料金の単価が著しい変動を来すこととなり、安定した操業に支障を来すおそれがあるばかりでなく、同種の需用者相互間において負担の均衡を失する結果を招来することがあるのでございます。また一方電気事業者側からしましても、同様の意味において、追加料金収入の大小がただちに収支に著しい影響を与えるのみでなく、かくのごとき料金制度のもとにおきましては、需用の現われ方も正常な形をとらなくなりますので、的確な電源開発を立てる上に支障を来すこともあり得るわけでございます。そこでこの際料金制度を改訂いたしまして、できるだけ一本の料率にし、電気の質に応じた料金差をつけようといたしたわけでございます。すなわち東北、北陸はすべての需用について、またそれ以外の七社の場合におきましても五百キロワツト以上の大口電力と、百貨店、ビルデイング等を対象とする業務用電力のほかはすべて一本料金とするのが、今回の制度改訂の趣旨になつておるわけでございます。
 次に、これらの方針に基きまして、十月から新しい料金制度を実施することとしたのでありますが、いかに料金制度を合理的に改訂するといたしましても、これによつて需用者の負担に急激な変動を与えることは好ましくありませんので、低物価政策の遂行を阻害しないよう、特に国民生活に対する影響を考慮していろいろの措置をとることといたしたわけでございます。その料金制度についてくふうをいたしまして考慮いたしました事項の概要は、お手元にお配りいたしました電気料金改訂要綱の文章の方に掲げてございますし、またそれぞれの地域別あるいは対象別等におきまして料金がどういうかつこうにたるか、またその影響はどういうふうな程度になるかというふうなところにつきましては、この表につきまして詳細に御説明を申し上げることにいたしたいと思うのであります。以上をもちまして、総論的に経過並びに今回改訂につきましての考え方を御説明申し上げたわけでございますが、次にこの資料につきまして、公益事業局長から詳細に御説明をいたさせることにいたします。
#4
○長谷川委員長 中島公益事業局長。
#5
○中島説明員 ただいま御配付いたしました資料について御説明いたします。
 一番最初に電気料金改訂要綱というのがございますが、この内容はただいまの大臣の説明で大体尽きておりますが、一応簡単にピツク・アツプいたしますと、第一の、基本料金は、ことしの下期すなわち来年の三月末までの料金は、全国平均としては、現在の下期料金ベースにすえ置くということが一つ、それから十月以降割当制度を廃しまして、新しい料率制度に入るということが一つ、それから四月以降につきましては、さらに原価の抑制等につきまして努力の上再検討する、この三つが基本方針であります。
 それから制度の内容としておもな点を第二にあげておりますが、第一点は、できるだけ一本料金に近づけるという意味におきまして、東北、北陸は完全な一本料金に、他の地区におきましてはまだ若干需給の事情が違いますので、大口と業務用電力だけに二段料金制を存続せしめるということにしたわけであります。次は、二段料金制を適用する場合におきまして、標準料金すなわち安い電力を使える量をきめますのに、従従来われわれの方で行つておりましたが、それを表的に過去の実績等から算出されるように、基準負荷率制という制度を採用したわけでございます。それから過去におきましてこういう実績のないものあるいはその実績が正常でないというものにつきましては、それを修正する道も開いております。
 それから(3)、(4)、(5)、これは、いずれも現在ありませんので、新しい制度をここで設けたわけでありまして、過去におきましてはこういうものも一部ございましたが、一番目の期間常時電力、これは豊水期だけ使う電力につきまして一定の割引をする、こういう方法を講ずるわけであります。二番目の調整電力と申しますのは、需給の状況において負荷調整ができる電力、こういう電力につきましては調整電力といたしまして相当低率な割引をする。これを行いますのは東北と北陸だけ。それから深夜電力、これは深夜は負荷が非常に減りますので、深夜だけに使うという契約につきましてはさらに割引をする。こういうものを各社に設けたわけであります。
 それから、これは現在もございますが、負荷率の良好なものに対する割引制度を許可する、これが第六番目であります。
 それから電灯に関しましては、定額電灯については現状以上に上らないように、特殊料金あるいはそれ以下というようなものをもつて料率とされます。それから従量電灯につきましては、これは従来は二段料金制度をとつていましたが、これを全部一本化いたします。いたしますが、そのために特に中小の需用家に対しまして影響が大きくなるところもあります。そういう影響の出ないように調整を加えまして、中以下の家庭に対します従量電燈は上らないように、こういうふうな配慮をいたしております。
 要するに一本料金といたしまして、東の方の地区につきましてはアンペア制という新しい考えをとつております。それから電解電力というような産業につきましては、一般の料率で行きます場合には非常に大きな影響を受けますので、それを緩和いたしますために、負荷調整を内容として特約制度を広く採用する、それによつて影響率を極力小さくする、こういうような方法を講じております。それから農事用の電力につきましては、その影響を軽微ならしめるために、特に農事用の電力が夏季に使われるというふうなことも考慮いたしまして、特別の配慮をいたしております。公共事業等につきましては、現在もいわゆる頭打ち制度がございますが、それを採用いたしまして、影響が大きくならないような考慮をいたしたわけであります。それから最後の燃料費調整の制度は、先ほどの説明にもございましたように、現在行つております石炭費の割引は、現在の段階におきましては必ずしも合理的でないという趣旨におきまして、当分これは停止する。当分と申しますのは、一応電力発電原価が安定した時期までというような考え方をとつておりますが、とりあえず当分停止する、こういうふうなことにいたしました。これが全体の新しい料金制度の要綱でございます。
 これに基きましてつくりました表が、このとじました資料の終りから三枚目の改訂料金率というものでございます。これが改訂料金の中心となるところの数字であります。むろんこの料金表には、いろいろの説明あるいは条件がつきますので、この表だけではわかりません。またこの表も最近まで計算を続けておりまして、従つてなお計数整理等の関係で若干かわつて来るかとも思いますが、大体こういうようなことで案ができておるということを申し上げられると思います。
 それではこれによりまして各需用家がどういう影響を受けるかというのが、その前にあります二枚ばかりの資料であります。
 一番初めに小さな表で横になつたのがございますが、これは現行及び改訂料金収入比較表であります。これはことしの下期を見たのでありますが、下期は先ほどの方針にもありますように、料金べースとしてはすえ置くということになつております。これを見ますと、全国トータルでは現行収入が千十二億、それが改訂料金ではじきまして収入計算をいたしますと、千二億、こういうふうに実質的には約十億ほど下つております。その結果、すえ置きというものがこういう計算をいたしますと九九%になつたわけであります。むろんこれはコール・クローズをやめるという前提の比較表であります。全体的にはこういうふうにすえ置く、あるいは一%下つたということが言えるわけでありますけれども、各社別には、それぞれの原価に応じてこれを配分いたしますので、右から二番目の欄にありますように、各社別の影響は上るところもあれば下るところもある、こういう状況になつておるわけです。
 それから次の表は、定額電燈に対します影響調書でございます。これは最初の方針にありましたように、すべて定額電燈は現在の冬料金以上にはならないということになつております。ここに上つておりますいろいろな計数は、たとえば二十キロワツト一燈の定額電燈のうちではどうなるか、現在の冬料金が新しい改訂ではどうなるかという調べでありまして、いろいろな例を引いておりますが、だんだん下に行くに従つてパーセントが下つて来る、こういうわけであります。いずれを見ましても、これは九〇%あるいは八〇%まで下つておるところがございますが、高いところでも現状以上に上ることはない、こういう結果になつております。
 それから次は従量電燈影響調書であります。これも同様でありますが、従量電燈の場合に畜別に十キロワツト・アワー、あるいは十五キロワツト・アワー、二十キロワツト・アワーというようにそれぞれの使用のキロワツト・アワーに応じまして、現行と改訂の料金の差がどうなるかということを算定した表であります。横に黒い太い線を各地区別に引いておりますが、この線から上のものが大体需用家の戸数として全需用の六〇%を占める線でございます。従つてこれ以上のものが上らないということは、大多数の需用家に対しましては上らないということになるわけであります。この表によりますと、大体表全体といたしまして一〇〇以上になつておるところはほとんどございませんが、少くともこの線以上のものにつきましてはいずれも一〇〇以下である。たとえば北海道におきましては六〇%の線が二十五キロワツト・アワーとなつておるが、東京ではそれが四十五まで下つております。それから九州、四国方面では十八、十九というふうに非常に小さくなつております。この線の上り下りは、それぞれの地区の文化生活の程度、それから日照時聞そういうものによりまして差がつくわけでありますが、東京のように比較的電燈を多く使うところでは、四十五キロというのが六〇%の線だ、こういうことになるわけであります。この場合におきまして、東の方の場合には、たとえば東京でありますと七燈以下で四十五キロ以上使つた場合には、現在の冬料金と比べまして九%ほど安くなる、こういうことが出るわけであります。
 それからその次は一般影響調書といたしまして、つまり大口電燈、小口電力、業務用及び大口電力、この四種類の電力につきましてモデル・ケースをとりまして、それがどの程度の影響を受けるかという表をつくつてみたわけであります。たとえば北海道を例にとりますと、大口電燈におきましてはこういうふうなケースは一割上る。それから小口電力の低圧におきましては六%上る。それから高圧の場合には七%、ここに括弧がございますのは、高圧に対しましては現在はコール・クローズによりまして割引を行つておりますので、割引を行つておる現状に比べますと八%上る、こういうことになるわけであります。それから以下業務用、大口電力とわかれておりますが、各地区平均いたしまして七、八パーセントあるいは一割以上というふうに、ケースによつて違いますが、大体全般的に上る、こういう傾向になるということが言えるわけであります。
 その次に特定業種影響調書というのがございます。これは特に料金改訂が問題となりましたときに、その影響が非常に大きく出るというので、いろいろ問題の起きました事業につきまして特に調べてみたわけであります。電鉄と上下水道、酸素、製氷、冷凍、学校、こういうものにつきまして、今のような例をとりまして全体の影響率を調べたわけであります。たとえば電鉄におきましては、北海道の一割一分アツプから、下るところは中国の九二%というふうに下つておるところもございます。それから括弧は先ほど申しましたようにコール・クローズ後の値段と比べての実質的な影響でございますが、たとえば四国の場合におきましては、一割七分という数字が出て来るわけであります。但し実際に電鉄が負担いたします金額は、従来ありました電気税というのが、料金改訂を条件といたしまして免除されることになつておりますので、これから約一割を差引いたものが、ほんとうに電鉄の負担として増加する分だ、こういうふうに考えられるわけでありますので、いかに大きくとも数パーセント、大部分のところは下る、こういうふうなことが言えるわけであります。
 それから水道の方につきましては、非常に影響力が大きいというふうな御意見もたくさんございましたが、実際にやつてみますと、先ほどの公共事業の頭打ち、その他の操作によりまして、実際の影響力は七、八パーセント、多いところで一割というところで、下るところもかなり出て来るというふうになつておりまして、その影響率が大きいということは言えないのではないかと思います。酸素も大体同じようなことが言えるのではないか。その次の製氷、冷凍、これも三割も五割も上るというふうな御意見が非常に多かつたのでありますが、これも大体夏によけい使うというふうなことを考慮いたしまして、その料金をはじいておりますが、夏におきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる期間常時というような電力を使うということにいたしますとかなり負担が軽くなるわけであります。但し従来でありますと大口だけでありましたので、今後は小口につきましてもそういうふうな方法を講ずることによつて製氷、冷凍に対しましては影響がずつと小さくなることになつたわけであります。学校等につきましても、多いところで一割以上のところもございますけれども、大体下るところが多いというふうな状況でありまして、少くとも下期に関します限り非常に大きな影響が出るということは、これらの業種につきましては心配はないのじやないかと考えられるのであります。
 その次にもう一つ「特定需用家影響調書」と申しまして、パン、麺類、パーマネント、食堂、一般小売店、中小企業工場、こういうふうなものの例をあげております。これは一般国民の諸生活に直接影響を与えるような産業でありますので、そういう趣旨のものを拾つたわけでありますが、この表全体といたしまして、地区別あるいは業種別にいろいろでこぼこがございまして、全般的に見て二割も下るところもあれば、一割六、七分も上るところもあるわけであります。しかし高いところでパーマネントの一割六分というのが最高のようでありますが、大体上るところでも数パーセントというところが大部分のようであります。こういうふうにマイナスから最高一割何分という程度の影響を受けるわけでありますが、こういうふうな事業につきまして、ではその事業そのものの生産費に対してどういうふうな影響があるかということを調べますと、その次にあります「市販価格に占める現行料金の率」、実際にパンならパンを売つております値段に対しまして、その支払うところの電力料金は幾らを占めているか、こういう表をつくつてみたのであります。そうしますと、それぞれの表の一番右にあります通り、パンの場合には三・二%、パーマネントのごときは〇、六八ないし六七、あるいは高いところで、一、六七という程度のパーセンテージであります。洗濯はいろいろありますが、一、二パーセントその他大体二、三パーセント以下というのがそれぞれのこういうふうな業種の中で電力料金の占める比率でありまして、従つてこれがかりに五%、一割影響を受けましても、全体の比率から言えばこれはずつと小さくなる、こういうふうなことが言えるわけであります。
 それからその次は一般大口丙を取出しております。この表は特約になるものは除きまして、特約になりそうもないような事業の大口だけを拾つた表であります。従つてたとえば四国のごときは全然ブランクになつて何も大口がないことになつておりますが、四国はほとんど特約になりますのでなかつたわけであります。これを業種別に見ましても、地区別によつていろいろ違いますが、また業種別によつては、同じ地区でありましてもその影響率が違つております。これは制度をかえます以上は、ある程度影響が大きく出るあるいはマイナスになるということが出て来るのもやむを得ないわけでありまして、つまり従来比較的有利な地位を占めておつたものが、今度一律化の制度にいたしますと不利になる。従来比較的不利だつたものが有利になる、こういうふうな平準化が行われますので、ある程度の影響はやむを得ないと思います。あまりその影響がとつぴでないようにということをわれわれの方でも考慮いたしておるわけであります。
 ここでなお「化学肥料」とありますが、この化学肥料の中でいわゆる特約なるものを除いておりますので、ここには硫安は一つも入つておりません。石灰窒素もほとんど入つていないと思います。それからいま一つ一枚刷りの表がございますか、これは灌漑排水用電力料金の比較でございます。これは特にその影響を極力小さくするように考えるということで、データをいろいろ調整したわけでありますが、この表によりますと、どういうふうな例をとりましても、またどの地区によりましても、五%というのが最高でありまして、場所によつては下るところも相当出て来ております。また全国の平均といたしまして三%程度、これは灌漑排水用といたしましては年間を見なければ意味がありませんので、これは年間を見た数字であります。大体この程度の影響でとどまるだろうということであります。
    〔委員長退席、山手委員長代理着席〕
#6
○山手委員長代理 委員長を交代いたします。以上で政府当局よりの説明は終りました。これより質疑に入ります。この際お諮りをいたしますが、特に本件は重要案件でありますので小委員外の発言の通告もありますので許可いたしたいと存じますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○山手委員長代理 それではさよう決定いたします。
 まず小委員長が総括的に質疑をいたしたいそうでございますからこれを許可いたします。長谷川君。
#8
○長谷川(四)委員 最初にお聞きしたいことは、今回の値上げ案が全然政府の意図によつたものであつたか、また供給者側においてはあずかり知らないということが当時新聞紙上に伝えられておつたことは周知の事実でございまして、はたしてしからば、今回の値上げ案は事業令第三十九条による業者の申請を政府が認可せんとするものではなくして、先ごろ業者が申請したものとは関係なく、現行料金が社会的経済的需用の変動により著しく不適当となつたから、第四十一条によつて政府が料金変更の認可申請を命ずるについての試案であるかいなや、まずこれを承つてみたいのであります。
 続きまして、先般大臣は、本院並びに参議院におきまして、明年三月末までの全国平均収入単価は現行料金のベースにすえ置くと言つており、また来年四月以降の料金については、低物価政策の趣旨に基いて再検討する。また本年十月以降現行割当制度を廃止するが、その経済的の影響については十分現下の情勢にかんがみて調整措置を講じたい。ただいまも大臣が申したようでございます。この大臣の言明によつて少くとも本年くらいは全体としての料金値上げはしないものとわれわれは考えなければならなかつたのでありますが、今回の政府の案によりますと、大分大幅に値上げになつているやにも思われるのでございます。すなわちコール・クローズ停止の問題を考えてみても、一月二十日の申請案によると、コール・クローズ適用の場合に一四・四%、停止の場合一七・一%、あるいは七月二十日の聴聞会の政府案では六・八%、停止の場合一〇・八%となつておつたが、今回の案によると、適用の場合にHに五・九%、停止の場合に一一・二%の値上げになる。大臣に承りたいことは、先ごろも言明せられた本年三月まで全国平均収入単価は現行料金べースにすえ置くということはいかなる意味であるか、それらに関連する値上り等においての影響等もおそらくお考えになつておると思うのですが、これについても伺つてみたいのであります。
 もう一つは聴聞会の件でございますが、聴聞会は前回は開いております。しかしながら前回の聴聞会の理由と値上げの理由と、理由が幾分か異なつているやにも考えられるのでございます。すなわちコール・クローズの停止、冬料金への一本化、あるいは水火力調整金の変更等が含まれておるのでありまして、従いまして公益事業令の第六十条によつて当然聴聞会を開くべきであるという意見を私は持つものでございますが、その点について御意見を伺つてみたいのでございます。
 以上四点につきまして御答弁をお願いいたします。
#9
○愛知国務大臣 まず第一点のお尋ねでございますが、政府といたしましては公益事業令第三十九条によりまして、電力会社から出ました申請に対してこれを許可するということで考えておるのでございます。従いまして第四十一条によつて政府が独自の立場によつて料金をきめるというのではございませんで、三十九条の申請に対して、そうしてその後のいろいろの状況をも加味いたしまして、調整を申請者側においてもしていただく必要があるかと思いますが、あくまで三十九条の取扱いということにいたしたいと考えております。
 それから第二のお尋ねでございますが、これはただいま説明を申し上げました通り、本年度下期におきましては、数字で先ほど申し上げましたように、現行の収入と制度改正に伴う改訂収入との間には、むしろ若干収入が減ずる程度のところに相なつておりまするので、私の従来も申しておりました、来年三月までは全国平壇としては現行の冬料金制度にすえ置くことにいたすと申し上げておりましたものを、そのままここにその考え方を適用いたした次第であります。
 それからその次のお尋ねでございますが、但しこの基本方針にも書いてございまするように、二十九年十月以降、すなわち来月以降におきましては、現行の割当制度を廃止する、これに伴う料金制度の合理的改正を行うわけでございまするから、この関係から各社別、対象別等に相当の上がるもの、下がるもの、いろいろと出て参るわけでございますが、その上り方、下り方等についても、できるだけ影響について十分の調整措置を考慮する、こういう基本方針で料率をとりまとめてみたわけでございます。
 それから次の聴聞会の問題でございますが、この点は御指摘の通り問題が二つありまして、料金の改訂と、それから制度の改正という二つの問題があるわけでございますが、前者につきましては、今年の春聴聞会を開きました。
 それから制度改正に伴いまする聴聞会は八月に行つたわけでございますが、その公聴会、聴聞会を通じて、輿論的な、国民一般の御要望は、できるだけ値上げをしたくないということが圧倒的であつたものでありまするから、今回の改訂案の作成を具体的にいたします場合に、できるだけ、取入れることにいたしたわけでございます。それから制度の改正につきましては、聴聞会におきましては、これまた値上げの問題について御反対であつたと同様の程度に、制度改正につきましては圧倒的と言つてもいいほど、これは制度を改正した方がいいというのが聴聞会の空気でございましたので、両々相取入れましてこの改訂案をつくりました次第でございますから、この際あらためてさらに聴聞会を開くという必要は私はないのではなかろうか、こういうふうに考えまして、さように態度を決定いたしたような次第でございます。
#10
○長谷川(四)委員 たとえばこのたびの一般家庭と申しましようか、これらの電燈料金においても、夏の料金、すなわち一般家庭の料金は上げないんだ、従つて関連するところの産業用電力を値上げして行くんだというようなただいまの御説明で。ございますが、そうなつて参りますると、現在政府がとなえておるところの輸出産業、また重要産業、こういうような産業のこうむる影響というものは非常に大きなものがあると思うのでございます。こういうような、つまり産業陣は一般に致命的な打撃をこうむるのではないかと考え得られるのでございますが、この点について大臣はどのような御調査をなさつておられるか。また一本化を避けるために、来年四月までの間だけであつて、さらに金利あるいは税金外寸の町において、極力これらを上げないように努力をするということでございますが、それらに対するところの見通し等について御発表をお願い申し上げる次第でございます。
 また政府の貿易振興という、この自立経済を達成するための国民生活に対して、要は国民の生活が耐乏をしてまでもやらなければならない。企業の合理化を強く政府は要望しておる。その政府の要望しておるところのものとまつたく異にするようにも考え得られるのでございまして、私などの考え方は、要は政府が選挙対策にこれらを利用するのではないかという話も出ているわけでございます。なぜならば灌漑や農業等に使用するものは上げなくて、また一般家庭という、大衆というものに反撃を受けないように、要は産業という、一番弱きものはなんじの名という、その中小企業のみにこれをしわ寄せになるという感があるのでございまして、これらに対しまして政府の施策は誤つてはいないかとも考え得られるのでございまして、これらにつきまして大臣の考えておる貿易の振興、産業の復興、これらと相伴つて国民生活の安定はどこに求めておられるかということについてもお伺いをいたしたいのであります。以上二点をお伺いいたします。
#11
○愛知国務大臣 まことにごもつともなお尋ねと存ずるのであります。先ほどもこの表につきまして御説明申し上げましたように、いろいろの点におきまして考慮を加えておりまするので、輸出産業や重要産業についてはもちろんでございまするが、特に中小企業等にしわが寄りませんように、一段とくふうをいたしたつもりでございます。致命的の打撃というようなことは全然ないはずでございますことは数字の上でさらに詳細に御説明もできるかと思います。
 それから今後の見通しの問題でございますが、これも先般来基本的な考えとして申し上げておりまするように、今のままで、先般の十九国会で御審議をいただいた結果できました国税、地方税の軽減措置、あるいは開発銀行金利の一分下げというだけで、来年の四月に入るということになりますれば、相当程度の企業努力の期待もできましようが、夏料金制度というものは従来のような程度にはできないと私は考えるのであります。しかしそうなつてはぐあいが悪いと思いまするので、四月以降の点については十分再検討する。
 それから、特にこれは国会にお願いいたしまして、下期の増高をどうやつたらどの程度に食いとめられるであろうかという点につきましては、国会において十分の御審議をいただきたいと存じまして、ただいま政府部内におきましても大蔵省、自治庁初め関係の向きに、まずもつて政府案というものを一日も早くつくりたいという努力をいたしておるような次第でございます。それからその次にあるいは農村、あるいは中小企業、あるいは電燈といつたようなところについては相当下るものもあるようである、また上るものについても上り方が少い、これが選挙対策ではないかというようなお尋ねでございましたが、私といたしましては基本的な考え方を誠実に各業種に原則を適用して参りたいと考えました結果、ごらんのような結果になりましたのでありまして、考え方としてはるる申し上げておりますような考え方を適用したわけであつて、他意があるわけでございませんが、その考え方なりあるいは料率のきめ方が、国民的な支持を得ますれば、まことに幸いなことだと考えております。
#12
○長谷川(四)委員 いずれにいたしましても値上げを実施するというようなお話は承つておつたのでございますが、突然のことで、明七日の本委員会におきましても、関係者の参考意見等を徴することになつておりますが、申し上げたような、要するに産業というものに一大影響を及ぼすということになりますので、局長に伺いますが、これらは原局と御相談をしてあるやいなか。すなわちあなたの方からこういうような改訂をすることに対しまして、原局との相談がしてあるかないか。従つて原品はどのような御返事があつたかというようなことは承らなければならないのでございます。従いましてこれらの化学産業全般に及ぼす影響等もございますので、原局の課長が来ておられるようでありますから、こういうような面に対しましての影響度というものがどの程度にあるのかということもわれわれは知つておかなければならない問題だと思うのでございます。これらに対しましてさらに説明を求めたいと思うのでございます。
#13
○中島説明員 料金改訂の問題は、すでに今年の春からの問題でありますので、その問いろいろな要請がありまして、修正に修正を重ねております。その過程におきましては、むろん原局とは十分連絡をとつておりまして、最近までこの考え方について方針のかわるたびに連絡はいたしております。しかし現在ここに出ております案そのものは、この委員会の関係もありまして、つい最近とりまとめてようやくできたというような状況でありますので、この案につきまして各原局が十分の検討をする時間というものは現在まだ研究中でありますので、それまでのゆとりはなかつたと思います。しかし考え方としては従来とも十分連絡をいたしております。
#14
○長谷川(四)委員 どうもそこに非常に私は局長の怠慢なところがあると指摘しなければならない。すなわち日本の産業がかくのごとく今たたきつけられておる折でございまして、さらに一兆円というこの予算外も何が原因でかくしなければならなかつたかということはよくおわかりであろうと思うのでございまして、そういうような点等から考えて、すなわち値上げというものに対しては、すべて原局の意見等々を取入れて、これを行うべきではないか、こういうふうに私は考えます。従つて水火の調整金の問題でございますが、今回の料金値上げの最大の理由は新規水力の開発による投資の増高というようなものも含まれておるとこう考えまして、この水火の調整金というものは私は廃止してもいいのではないかと考えますが、これらに対して廃止する意見、御意思があるかないかという点をお伺いいたします。
#15
○中島説明員 水火調整金は、当初設けられましたものから昨年までに二割だけ軽減されております。これは一応五箇年間という期限がついておりまして、五箇年間全部やめるということになつておりますが、今回の申請案では八割だけ残つておりますものの中から、さうに二判五分だけを差引くという案で、業者から申請いたしております。ところがただいま御指摘のように、最近におきまして水力開発が進捗いたしますと、いわゆる水力地区におきまする原価がかなり上つて参ります。また一方従来原価の高かつたところの火力地区につきましては、石炭の値下り等によりまして比較的好影響を与えられ、従つて水火力調整金を設けました趣旨からいいますと、多少逆の傾向が出ているということは、これは現在におきましても言えるわけであります。そこで今度の改訂をいたします場合に水力電源開発を行います水力地区の値上りが大きくなりますことを押えるためには、この水力調整金を軽減するということが有効なわけであります。そういう趣旨におきまして、できるだけ大幅に削減したいという考え方もわれわれはとつたわけでございます。ところが一方におきまして、火力地区におきましてこれを一挙に撤廃するということになりますと、非常に大きな影響を受けますので、われわれの考えといたしましては、現在残つております八割というものの半分、すなわち四割だけを残しまして、四割を差引く、こういうような考えで全体の収支計算をいたしたわけであります。従つて火力地区としましては、従来の業者の申請案に比べると一割五分だけ負担がふえることになります。それから水力地区ではそれだけ軽減されることになりますが、しかしたとえば九州で減りましたものが、水力開発をやります東北、北陸に、直接マイナスになつて出るという、そういうふうな関係になり得ませんので、その点が若干歯がゆい点でございますけれども、そういうことによりまして若干今までの場合と比べまして水力地区と火力地区のバランスが、少しとれたんじやないか。で残り四割ということになりますと、この次これを調整する場合におきまして一挙に廃止するということもできますが、現在これをやることは九州方面に与える影響があまりに出ますので、現在は適当ではないのじやないかと考えております。
#16
○長谷川(四)委員 以上で私の質問を終りますが、特に一言お聞きしたいことを申し上げたいと思います。電気事業の健全なる発進のためにも、また電源開発の要請にこたえるためにも、電気料金を適正化する必要のあることは、あらためて申し上げるまでもないことでございまして、私たちといたしましては、その必要を認めておるのでございます。しかしながら貿易の振興または経済の自立は、わが国現下の至上命題というてもこれは過言ではないのでございまして、それに基きまして電源開発の要請も、ひつきようその一翼たることは当然でございます。従つて電気料金の値上げのために産業の合理化を阻止するようなことがあつては、またこれがために萎縮させるというようなことがあつては、国際収支という点から見ましても、これは容易ならない問題であるといわなければならないのでございます。今回の値上げにつきまして、この種の懸念を要しないという政府当局のお考えのようではございますけれども、政府の一方的な説明ではなくて、こういう需用者の人たちの説明もまた承らなければならないと思うのでございます。そういたしまして、政府のこの案に対する賛否をどういうようにするかということを明らかにして進んで行きたいと思うのでありまして、これらに対しまして、明日を初めといたしまして需用者の意見等を十分聞き、もつて議事を進めて行きたいと考えております。
#17
○山手委員長代理 この際お諮りいたししよす。永井勝次郎君、加藤清二君より小委員外の発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○山手委員長代理 それではさように決します。永井勝次郎君。
#19
○永井勝次郎君 現在の電気料金は原価主義、認可制で、公益事業令の第三九条によつてそういうふうに運ばれることは議論の余地はない。先ほど長谷川委員の質問に対しまして大臣は、この申請に基いて政府は三十九条の限界においてこれをやつたのだという御答弁でございました。それならば、現存の料金は申請書に対する補正であるのか、修正であるのか、補正であるとするならばどういう点を補正し、どういう点を修正したのか、これを明らかにしていただきたいと思うのであります。現在の料金は原価主義という明確な線があり、申請書の一定の基準に基いて、申請のあつた場合にはこれに対して認可しなければならないのであつて、これを査定して許可する、しないという権限は政府にはないはずです。認可制でございます。ですからこの申請書に対しての現在の料金の先ほど来の説明を聞きますと、てんでこれは政府の一方的な考えで計算をし、そうして修正をした。ほとんど根本的に料金制度を建てかえた、申請書に基いて査定ではないということが言えると思うのであります。でありますから、これがやはり申請書に基いた三十九条に基くものであるという根拠を明確にしてもらいたい。先ほど大臣がちよつとあとの方でにおわされたのでありますが、政府が一方的に査定して、この基準に基いて、こういう算定基礎に基いて申請書を出せと、新たに政府の現在の算定基礎に基いた申請書の提出やりかえを業者に強制するのではないかということが想像されるのであります。政府はこの点について、原価主義、認可制に対する基本的な態度というものをこの際明確にしていただきたい。
#20
○愛知国務大臣 この料金の認可の問題につきましては、三十九条に規定されておるところをもつて、私としては実行して参りたいと思つておるのであります。ただ念のために申し上げておきたいと思いまするのは、一つは、実はこれは御承知のように、諸般の関係から、申請が出てから非常に長い月日がたつておるのであります。一月二十日に申請を受理しました当時から見ますと、基本となる制度その他においてもかわつておるところもございます。またその後政府並びに会社側におきましても、十分くふうをこらす余地も出て参りましたので、事実上は話合いで、会社側から大体政府と事実上、話がありましたことが改訂されて申請が出て来るものと、私はそういうふうに期待いたしておるわけであります。決して強制するものではございませんが、さような運びになるものと私は考えております。
#21
○永井勝次郎君 法律を無視して、政府の都合のいいように何でもやるということは、吉田首相が党の支部長会議で指示した精神に基いて、明確であると思うのであります。そういうような政府の一定の方針に基いて、そうして自分かつてに料金を査定しておいて、そうしてこの査定の基準に基いて、話合いで申請書を出し直せ、こういうようなことは、なんといつても現在の公益事業方による第三十九条の法意ではないと思います。この制度を設けたときには、いろいろな料金の問題が、政治的な干渉とか、そういうものを排して、まつたく純経済的な立場で原価主義を貫き、それに対して申請書の一定基準が整つておれば、これに対して許可するとかしないとかいうのではなくて、許可しなければならない、こういつた制度になつておると思うのであります。それを現在の業者の出した申請書と、今度の政府のきめた料金の間には、およそこの申請書に基いた査定である、こういうような限界を踏み越えておる。逸脱しておる一方的なやり方であります。こういうやり方は、要するに政府では次の議会に用意しておるところの電気事業法、こういうものの中で料金制度を考えておる。その料金の新しい制度によつて、官僚統制をひと強く押し出して来たやり方ではないか、こう思うのであります。この点に対しては、新しい、まだこれは海のものとも山のものともきまつていない。この電気事業法の中における料金制度というものは、どういうふうに考えているのか、そういうことに一足飛びに飛躍して、政府はこういう今回のような措置をとつたものではないか、こう思うのでありますが、この点についてはどうか。それからこの料金をきめるにあたりましては、非常に秘密主義でやつて来た。作業の過程においてはいろいろなことがあつてもよろしいと思うのでありますが、現在の料金制度は少くも原価主義であり、認可制である限りにおいては、これは国民の生活に直結する重大な問題でありますから、もうこれはこういう状況だ、こういう状況だということを、ガラス張りの中で国民に明らかに示しながら、料金の査定なり何なりというものは国民とともに作業を進めて行くことがあつていいと思う。原価主義というはつきりとした線がしかれておるのでありますから、それを何のために秘密にしたのか、これはやはり政府がどうしたらどういうところに、たとえば農業用水の料金をこういうふうに査定したら、そつちの方から票が集まるか何が集まるかわからぬが、そういうこともひとつ加えておかなければならぬ、あるいは化学工業関係の方へもこういうふうに料金査定は影響するようにしておかなければならぬ。そうして陰の方で、お前の方はこうだというふうに、取引のために秘密が必要であつたのではないかというふうにわれわれは想像するのでありますが、そういう秘密主義にした理由はどこにあるのか、これを伺いたい。
#22
○愛知国務大臣 まず第一の料金制度の問題でありますが、これはただいまもお話がございましたように、こういう三十九条のような制度がいいかどうかということについては、一つの議論が私はあり得ると思うのでありますが、ただいま政府はそれを改訂するという意図を持つているわけではございません。また料金制度から割出して、今度の料金のきめ方をくふうしたというわけのものでもございませんし、先ほど申しましたように一月二十日の申請当時から見れば、たとえば税の制度その他でもずいぶんかわつて来ておる。そのほかの条件もかわつて来ておる。また大所高所から見て、企業家側におきましても、さらに一段の企業努力がこういうところでできるということもできて来た。そういうような情勢を全部取入れまして、お話合いの上で申請書を書き直して来られるということが、私は時宜に即したやり方であろうかと考えているようなわけであります。
 それから作業の最中は秘密だというお話でございましたが、外からごらんになつて、あるいはそういう御批評をなさることは、批評される方々の御自由でありますが、何分にも、私が申しますのは変でございますが、電気料率――料金の率をはじき出すということについては非常に複雑で、非常な技術と熟練が必要であるものであります。従つて十分ひとつおちついて、冷静にはじき出してもらう必要がございますと同時に、一つの所だけが大きな問題として、その作業の途中に出ますことは、大所高所からいつて、何かとおもしろくないと思いましたので、幸い本日この小委員会がかくのごとく開かれることは前からわかつておつたことでもございますから、当委員会の開かれるこの機会に、私どもの考え方をできるだけ詳細に、誠実にお話を申し上げたいと思いまして、この機会に全部をお話申し上げることにいたしたのであります。決して意識的に秘密にやつたわけでは毛頭ないつもりでございます。
#23
○永井勝次郎君 大臣は日本語の用語における文法を間違つている。政府が業者に申請書を出させるというのと、申請書を出し直すというのを一緒にしている。受身と強制とをごつちやにしている。これは文法からひとつ勉強し直してもらわなければいかんと思うんです。それはそれとして、電力料金が二段制になつているということは妥当でないということ、一企業会社の中における料金の一本化をはかるという方向に持つて行かれたことは、それは私は正しいと思います。その中に若干のいろいろな特殊な需要については考慮を加えるということがあつても、原則として料金を評価するということはいいと思うのでありますが、さらにわれわれとして全国の料金が一本であることが望ましいと思うのであります。大体電気事業を九分割したときには、九分制して、企業がそれぞれの自主性と採算の独立制の上に立つて経常を立てるのだ、こういう建前の上に九分割がなされたと思うのであります。しかるに現在九分割されたそれぞれの企業の中における経営の自主性と、独立採算制とが、どういう形で生かされておるか、分割した当時の目的と、その後における運営と、今回のこの料金の査定との間に一体どういう有機的な関連があるのか、これをわれわれの常識ではちよつと判断ができないのでありますが、そういう九分割して、各企業の独立と自主性と独立採算制を確立するんだという方向に持つて行つているのか、そうではなしに、全国の料金をできるだけ歩み寄らして、一本の形にするような方向へとつているのか、そういう点がわれわれは政府がやつていることと、それから実際に分制したときの趣旨とちぐはぐであるので了解しがたいのです。その点の有機的な関連というものをここで明確にしていただきたい。
#24
○愛知国務大臣 九電力会社設置の当時考えられた企業の自由と独立採算制というもの、これが今度の料金算定にどういうふうな有機的な関係があるかという御趣旨のお尋ねでございますが、これは何もかわつていないのでありまして、現在も実は各企業とも自由と独立採算制ということが原則になつておる。こういうふうに考えております。従つて今回のこの料金制度の調整に伴いましても、先ほど来申し上げておりまするように、各会社、各地域のそれぞれの事情によりまして、相当の高低が出ておるということは、これを物語つておるものと私は考えます。
#25
○永井勝次郎君 それならば、何も全国統一した料金の申請なんかをやらないで、各企業別に申請を出さして、各企業別の認可をするという、こういうはつきりとした線を出すのがあたりまえじやないですか、もう九分割されてからかなりになります。同じようなことをやつて、そうしてそれを全国同一の料金で出して、それを各企業別で持ち帰つて計算して、こんなわかりにくい、またそういう分割した当時の趣旨と反するようなやり方というものは、これは妥当でないと思うのです。これはいつから九分割した企業別の料金申請をやらして、企業別に取扱う方針であるのか、その点を承りたい。
#26
○愛知国務大臣 先ほども申し上げましたように、この料金制度の今後をどうやつたならばよかろうかということにつきましては、いろいろの議論もありまするし、それから政府といたしましても、今回のこの料金制度の取扱い等に関連いたしまして、いろいろの内部的にも意見も出ておりますが、またこれを統一して、政府としては明年からこうやりたいというところまでの結論はまだ出しておりません。今後の慎重な研究の対象であると考えます。
    〔山本委員長代理退席、委員長着席〕
#27
○永井勝次郎君 小坂総裁は、電源開発会社の性格は今後融通会社の方向へ持つて行かなければいけない。従来のように発電所を建設する、これを譲渡する、あるいは貸付するというようなことでは今後はよろしくないではないか、しかもこれらの電源開発が国民の血税によつて経営されている以上、もつとこれを国家的な効用の上に活用しなければならないではないか、こう言つておることは、われわれ非常に注目するのであります。政府は今どういうように九分割した各企業の独立採算制と自主性をやつて行くか、そういうことを押し進めて行くんだという考え方、それからとれは九分割が間違つていたんだ、もつとこれは九分割すべきでなくて、全国一本の経営の形態の方向へこれは調整しなければならないのだ、その手始めとしてまず発電関係を融通会社の性格に切りかえなければいかぬのだ、こういう自己批判が内部に出て来ていると思うのであります。私が先ほど来聞いておることは、たとえば料金の原価主義にいたしましても、認可制度にいたしましても、これは法律の条章に基いて正確にこれを政府が実行するのでなければいけない。実行するところにこの制度がいいか悪いかという結論がはつきり出て来る。悪かつたならばこれを法的に改正しなければいけない。あるいは九分割した会社の企業の独立採算制と自由と自主というものを認めて行くということであれば、全国ばらばらになつてしまう。そういうことになると、地域的に企業の立地条件というものは、電力の関係から規制されてしまう。こういうやり方がいいかどうかということは、これを正しく実行するには、はつきりした結論が出て来て、そこから是正する条件というものが出て来るのであります。それをただ政府の役人の頭の先でごまかして、そういうでこぼこの関係を、各法律の趣旨を踏み越えた点で、かつてな査定をしてそれを修正して、何がなんだかわからないというような、こういう曖昧な状態の中でこういうことを運営するということは、役人の独断である。法律は議会できめる。われわれがきめたのでありますから、そのきめた趣旨に基いて、政府ははつきりとそれを実行すればいい。実行する執行機関がかつてな小手先を加えるということは、私は許されないと思います。この点についてさつき大臣は、九分割の方向にはつきりとした独立採算制の方向にやつて行くのだと言われ、電源開発をしておる総裁は、そうではないんだ、これはもつと融通会社にして、だんだん一本の姿に行くのだという逆の方向に説明した。また現在、実際政府がやつておることは、法律を守つたやり方ではない。こう思われるのですが、そういう一つの電気事業というものをめぐつた総合的な所見に立つて、大臣はもつと事務的な小手先のような、事務官の答弁のようなそんな変な答弁をしないで、政治家としての大きな見地に立つて、電気事業というものに対する現在の段階における誤謬、それからどういう点がどういうふうにおかしくなつておるか、どういう点はどういうふうに助長しなければいかんか、そういう所見の上に立つて、今後の電気事業は少くともこういう方向に向うように考えて行かなければならないのだというような、大臣の電気事業一般に対する所見をひとつ承りたい。事務的の話は大臣に聞く必要はない。
#28
○愛知国務大臣 まず電力問題の今後の問題でありますが、九分割の問題について私はこれを間違いであつたとも思いませんし、直さなければならないとも考えておりません。従つてその建前から申しますと、さつきも申しましたように、はつきり明確に、いつという時期をお答えするまでいかぬかと思いますが、やはり料金制度の問題については、各社ごとに自由と独立採算制を守つて行くようなやり方をすることが一番りくつに合う行き方だと考えております。
 その次に電源開発会社の性格の問題でございますが、これは先ほど申しました九分割は間違いない、この方向に行きたいということとは別の問題だと思うのでありまして、九電源会社の性格に是正すべきところがあるかどうか、是正すべしとしたならば、いかなる方向に行くがよろしいかということについては、なお相当の時日をおかしいただきまして、慎重に考究いたしたいと考えております。
#29
○永井勝次郎君 今回の電力料金の問題でもそうでありますが、電源は豊富にしなければいけない。そのためには電源を急速に開発しなければいけない。急速に開発して行けば、従つて他から借換とか何とかしなければいけない。高い金利がかかる。こういう関係で電力料金も自然高くなる。こういう矛盾した結果が出て来るわけであります。従つて今度の料金でもおかしいのでありますが、政府は九分割して、企業の独立採算制を首肯しておきながら、電力料金の値上りを抑えるために、たとえば固定資産税であるとかその他の法人税であるとかいう税金を一私企業に対して減税措置をとつておる。こういうことは大きな間違いであります。でありますから、国民の税金で、国民の負担において一私企業に対してこのような措置をするということは、基本的に間違いである。従つてほんとうに電源を豊富にして料金を安くという一つの国家目的、国民の希望というものを達成するためには、これを私企業の形態ではなしに、公企業的な性格をこれに持たせなければいけない。持たせるためには現在のような九分制というものは基本的に間違つておる。そうして一つの国営的な性格にしておいて、ここに低金利のものを使わして、電源をどんどん開発するとか料金も安くできると、こういう一つのシステムと運営というものが考えられないで、ただ、分割はけつこうだ、料金は安くなければいけないんだ、そうしてその過程において料金は原価主義だ、認可なんだ、こういう矛盾だらけのフアクターを一ぱいここに寄せ集めておいて、そうしていかにもそれが合理的に、公正に正しく運営されているんだというような顔をして、平然としていることは、政治家として良心がないんではないか、もつと問題を、どこに何があり、どこにどういう矛盾があつてどうなんだということを明確にすべき段階である、ことに電気料金については次の議会において電気事業法が出るでありましよう、こういう電気事業法が新たに提案されるというに先だちまして、こういう業界に所在するところのいろいろな問題、条件というものをこの際われわれは虚心に摘出して、これらの問題ととつ組んで、基本的な考え方、立場を明確にして行かなければならない。そのためには新しくここに発足するためには、その前提となる条件は、現状に対する正確な分析、正確な診断、こういうものなしに、いいかげんにごまかしておいて次の政策なんか正しく出て来るものでないと思うのであります。でありますから今言つたような大臣の、たいへんけつこうだ、九分割で行くのだというならば、何のために私企業に対して法人税なり固定資産税なりの減税措置をやるのか。国民の犠牲においてこれを何のためにやるのか。それから九分割して行くということを考えながらなぜそれを踏み切らないで、やはり全国一本のような形でカムフラージユしつつやつて行くのか、こういう条件の中で電源は豊富に開発する、そうして料金も安くするんだというような条件をどういう形でこれを達成しようとしているのか、そういう点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
#30
○愛知国務大臣 まず、私企業であるからこれに減税するのはどうかというような御指摘でございますが、私企業でありましても、その扱つております事業なり、そこでできるところの電気というものが、国民の最後の一人にまで関係のある公共的な性質のものである以上は、私は、当然考えられてしかるべきものであると思うのであります。たとえばそのほかにもあげればきりはございませんが、一番広汎にいえば、たとえば輸出奨励という意味におきましても税収上のくふうがこらされておるようなわけであります。ですから翻つて国営にすれば、国民の負担なしに安い金が使えるかといえば、国営であれば、そのこと自体が国民全部の直接負担の上において経営されなければならなくなりますので、もちろん公式論的にいえば、よい面もたくさんございましようが、実際の運営の面とすれば、私はとるべきでない、利害得失の面からいつて、私企業である現在の形の方がはるかに効率がよろしいと私は考えております。ですから九分割の問題については、先ほど来申しておりますように、少くとも今日のところ、これで推し進めて参ることが最も能率的であると考えます。
#31
○永井勝次郎君 大臣と国営論を闘わしていても平行線ですが、そういう私企業の形態にしておいて、国民の税金で私企業の利潤を保証してやるというような、こういう基本的な考え方は、われわれは何としても納得できないし、そういうやり方は良心のない政治家のやる仕事であるとわれわれは考えておりますから、これはこの程度にしておきまして、ただ火力借款の契約にあたりましては、電気料金を合理的に値上げするということが前提の条件のように当時きまつたように伺つておるのでありますが、今回の料金改訂と火力借款に対する契約当時の公約というものと、どういう関係にあるか。そういう今後の火力借款に対する返済能力その他について伺いたい。
#32
○愛知国務大臣 火力電気の世界銀行の借款に伴いまして、電力料金に触れました保証契約があることは御指摘の通りでございますが、これは借入れの前提条件となつたものではございませんで、債権者としての立場からいえば、合理的な経理をやつてもらいたい。それについては、自分たちの見解をもつてすれば、なるべくすみやかなる機会において適当な料金の値上げをやることが望ましいという趣旨を保証契約の上に書き込まれてありますことは、その当時公表いたした通りでございます。しかし、と申しまして、そこにそう書いてあるからといつて、今回の料金改訂をやつたものではないのでありまして、先ほど来るる申しておりますように、基本的な考え方は、この下期は据置でありまして、全体としての値上げということにはなつておらぬわけであります。もちろん世界銀行のこの保証契約というものは、十分その趣旨を尊重しなければなりませんが、私の見解をもつてすれば、今回のこの考え方をもつて十分債務者であるところの電力会社は健全な経理がやれるものと思いますから、債権者に対して、決して御心配はないということをはつきり言える立場にあると思います。
#33
○永井勝次郎君 政府のとつておるデフレ政策によつて電力需要が大分減つて来ております。また今後の経済活動のいろいろな展望の上から言つても、最初の電源開発五箇年計画は改訂をしなければならない段階に来ておるのでないかと思いますが、現在の政府のとつておる経済政策と、今後の電源開発五箇年計画の改訂という問題については、どういうふうに考えておるか、この点について伺いたい。
#34
○愛知国務大臣 電源開発五箇年計画につきましては、素直に申しまして、立案をいたしました当時から見れば、ある程度調整を加えておることも現にあるようなわけでありまして、私は、この電源開発五箇年計画の全体を何とかして完遂いたしたいと考えておりますが、その時々の情勢において、ある程度の調整を加えることはやむを得ない場合もあろうかと思うのであります。私どもの目標といたしておりますところは、長い目で見て、日本の経済産業をいわゆる拡大し均衡して行きたいという考え方でございますが、これに反して、現にとつておりますいわゆるデフレ政策というものは、その間における一つの比較的短期の間においてとるべき措置と考えておりますから、私は総体的な長期の電源開発五箇年計画については再検討といいますか、常に反省をしながら勉強を新たにして行くことが必要であると思いますけれども、全体の五箇年計画を改訂するとか、あるいはその出力を減少させるとかいうことは、私としては考えたくないと思つておつております。
#35
○永井勝次郎君 現在の会社からの申請は、一割四分四厘の値上げであつたと思います。この一割四分四厘の値上げの基礎になつたものは、二十八年において百九億の赤字が出る、こういう基礎だと思います。ところが二十八年の決算においては百九億の赤字ではなくて、百十八億の黒字になつておる。収支好転の率からいえば、実に二百二十七億の収支好転をしておる。こういうような条件が決算に出ております。こういうことは、単に豊水であつたからというだけのフアクターで、こういう収支好転はできるものではないとわれわれは考えるのでありますが、政府の今度の料金算定の基礎になりました会社側の申請の原価計算は、全部正しいという算定の基礎に立つておるのか、あるいはこれにいろいろな実情を調べて、そうしてこの点は違つておる、この点は不当である、この点はもつと切り下げられるというような、いろいろな線を査定せられたのであるかどうか、そういう点を明らかにしていただきたいことと、それから法人税あるいは固定資産税、こういうものの減税が、この値上げ率の中に入つておるという説明でありますが、それならば固定資産税なり、法人税が各会社別にどのようにこれを計算の中に含んでおるのか、そうしてこれに基くところの地方財政の欠陥に対しては、国の方でどういうふうな財政的な措置をとつておるのか、これらの点について御説明を伺いたい。
#36
○中島説明員 業者の申請の一割四分四厘は、もちろん相当厳重な査定を加えております。三十九条によりまして、一定の基準に従つて原価計算をしているという、この原則には沿つておりますけれども、やはり問題は、過去の実績でなくて将来の見通しでありますので、将来に対して石炭の値段をどう見るか、あるいは人件費をどう見るか、経費をどう見るかというふうなことは、やはりおのずから、基準は一定のものといたしましても、見方の相違があるわけであります。そういう点につきまして、政府としましては、過去の実績並びに最近におきますそれぞれの経費の傾向、それから物価の情勢というようなものを全部考慮に入れまして、それで一割四分四厘の率というものに対しましては、われわれは四分六厘でいいはずだというふうな数字を一番最後には出しております。但し、この一割四分四厘ないし四分六厘というのは、昭和二十九年でございまして、つまり今年の上下期に対します数字であります。今回のものは上はすえ置きで、下から入りますので、そこに半期のずれがございますので、その数字の率は若干かわつて参りますけれども、査定の基本としてはそういうふうなもので査定をした、こういうわけであります。初めにお話がありました昨年の百八億の赤字予想が逆転したということはお説の通りでございます。豊水のためと、それから石炭費の値下り、この二つのものが非常に大きく響きましたために、そういうふうな結果になつたのでありまして、それだけ出た利益のうちの大部分は、いわゆる渇水準備金として積み立てられておりまして、社外に流出するようなものはほとんどございません。従つて電力会社としては、現在の渇水準備金制度がある以上は、豊喝渇水による損得というものはそこで吸収されるというふうな建前になつておりますので、将来いつの日か渇水が出て来ました場合に、大いにこれが物を言う、こういう結果になるわけであります。
 それから税金の点は、今度の原価の中に織り込んでございます。その総金額は税金だけで三十三、四億、三十五億ぐらいだつたと思いますが、もちろんこれは各社別にもわかつておりまして、その地区に対する影響も明白になつておりますが、ただいま手元にはございませんけれども、それに対しまして、地方自治庁としては、どういうふうな財政措置をするかということは、私どももつまびらかにいたしておりませんが、大体地区別の影響等は当時からわかつておりますので、そこの所管官庁においてはしかるべき措置をとつておるだろうと思います。
#37
○永井勝次郎君 税金に対する資料、会社申請の料金に対する政府査定の資料、これをあすの委員会に提出していただきたい。先ほど来申し上げました通りに、公企業である場合と私企業である場合とにおける経営なり、運営なり、そういうものについては、もはや論議の余地はないと思います。公益事業であるならば、国営の電気事業であるならば、この経営はもつと公開して、ガラス張りの中でやつて、そうして国民と同じ立場において、国民経済の中でこれの合理化が促進されますけれども、こういう私企業の中においては、経営者の利益ということがまず考えられて、その中において公共的な性格を出して行く。こういうことでありますから、その経営者のものの考え方なり、あるいは当局のこれに対する指導のあり方によつては、実際は経常の性格が利益を本位にするにかかわらず、表には、先ほど来大臣が言われたように、電気事業は公共性があるんだからという名において、減税はしてやる、金利はまけてやる、利益は保障してやる、こういうようなことで、公共性を持つておるという名において、国民を搾取するいい道具の場に使われるのでありますから、われわれは今回の問題においても、もつとこれを内容的に検討いたしまして、私企業がいいか、国営がいいかというようなことは、もう議論の余地はないのでありますけれども、さらに大臣が御認識がないようでありますから、そういう問題もこの委員会を通して十分検討したいが、本日はこの程度にしておきます。
#38
○長谷川委員長 加藤清二君。
#39
○加藤清二君 他に質問者もたくさんあるようでありますから、私は要点をかいつまんで簡単にお尋ねいたしますから、答弁の方も要領よく簡単に願います。
 まず第一に、値上げの原因でございますが、大臣はこの委員会において、値上げをしないという答弁を再三せられた。ところが、今度値上げをされるようでございますが、その理由は一体どこにあるか、簡単でよろしいから答弁願いたい。
#40
○愛知国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、全国平均としては現行冬季料金ベースのすえ置でございまして、値上げをするものではないと私は思います。
#41
○加藤清二君 値は絶対上らないとおつしやるのでございますか。
#42
○愛知国務大臣 但し、料金制度の合理的改正に伴つて若干の上り下りが、具体的の料率の上に現れます。
#43
○加藤清二君 私は言葉のやりとりを言つておるのでなく、結果として現われて来る結果面で、電気を使用する国民の負担が多くなるか、多くならないかということを開いておるのであつて、言葉の上の魔術を聞いておるのでない。
#44
○愛知国務大臣 言葉の上の魔術を言つておるのではないのでありまして、この表でごらんの通り、先ほど申した通りでありますから詳しくは申し上げませんが、全体の収入の額からいえば、現行収入よりもむしろちよつぴり下る程度のものであります。しかしながらたとえば従量電灯で申しますならば、東京において四十五キロのところをごらんいただきますと、約九分の値下げになるわけであります。具体的に申しますと、こういうふうに値下げになるところもありますし、逆に四国、九州のところでごらんになりますと、棒の引いてありますところ、これはまつたくすえ置でございます。その半面においては、大口電灯の、たとえば北海道においては、一一〇でありますから、一割の現実の値上げになるわけでございまして、全体の総収入としてはすえ置、料金のベースもすえ置でありますが、料率のもとになる制度を改訂いたしましたから、その限りにおいて上り下りが起つて来た、こういうことになるわけであります。
#45
○加藤清二君 それではお尋ねいたしまするが、配電会社の総収入は、今度の改訂によつて異同があるかないか。もし異同があるとするならば増収か減収か、増収であるとするならば、一体それはいかほどであるか、この点を簡単でよろしゆうございますから……。
#46
○中島説明員 九会社合計におきましては異同はございません。むしろ十億程度減るということになります。但し各社別には原価において開きがありますから上り下りがある。それからコール・クローズをやめておりますので、その関係においてはある程度増収になるわけであります。コール・クローズは、料金表の中では一応出ておりませんから、結局今の料金表の料率をそのままとつた場合には若干の減収になる。但し現在の石炭割引をやめたことによつてある程度の増収になる、こういうことであります。
#47
○加藤清二君 私の聞いておりますることは、詳細はあす、あさつてこまかく聞きますから、最初に要求したように簡単にお答え願えばけつこうです。そこで、九会社総体として今度の改訂、税制その他を含めて収入の上にどう相違を来すか、増収か減収か、減収であると今おつしやつたようでありますが、もし事実減収であるとするならば、それは一体幾らであつたのか。ほんとうに減収でよろしゆうございますか。あなたのさつきの説明と大分違つて来ますよ。
#48
○中島説明員 いや同じことを言つております。この表によりますと、十億の減収になります。但しこれは……。
#49
○加藤清二君 表じやないですよ。会社の年間の収入の総体において減収になるか増収になるか聞いておるから、額面通り言葉を受取つて額面通り答えてください。
#50
○中島説明員 私どもは年間でなくて下期のことを言つておりますが、下期に関しましては、この表の通りに十億ほど減収になるということであります。
#51
○加藤清二君 下期の計算だけでも来年度の上期を合せれば年間が出て来るはずであります。お答えができないようでございますから、次に進みます。次に、今度あなたは減収だとおつしやる。ところが会社側の要求は、かつてあつたから御存じの通りでございますが、値上げを要求して来ておる。国民一般もまた値上げを心配しておる。政府部内においても、通産省は値上げを要求しておるが、他の者はこれに対していろいろな異論があると言うことを新聞は報じている。そうだとすると新聞はうそを言うたのですか、それともあなたの言葉がうそでございますか、いずれでございますか。
#52
○中島説明員 下期の料金ベースをすえ置くということをあくまで言つておるのでありまして、原価計算に合せますためには、上期と合せてかりに一年間を考えます場合には、上期にはやはり下期のマイナスの分を埋めるだけの収入かなければならぬわけであります。それには下期の料金ベースを一応上期にすべり込ませるという前提でやつておりますが、前々言つております通りに、上期の料金については原価の抑制について努力しまして再検討をする、こういうことになつておるのであります。
#53
○加藤清二君 その問題の結論はあすに譲りまして、次にお尋ねしたいことは、このたびの値上げの原因についてでございます。先ほど来大臣の御答弁はございましたけれども、なお一つ私が疑問に思います点は、この火力借款をするにあたりまして、アメリカからいろいろな注文をつけられているということは、あの借款が行われました折にすでに世間周知の事実でございますが、今度の値上げあるいは改訂、公益事業局長の言葉を借りて言えば、値上げでなくして改訂ですね。料金改訂について、アメリカないしは世界銀行から借りた金の影響があるかないか。言葉をかえて言えば、あの借款がある程度のサゼスチヨンをしているかいないか。あの借りる折の契約書が今日実行に移されようとしておるのかいないのか。
#54
○中島説明員 保証契約の料金に関します条項が今度の改訂に影響を与えておるかどうか、こういう御趣旨だと解しますが、これはあの条項をのみますときにも、世界銀行としてはきわめて当然のことを言つておるわけでありまして、われわれもこれはまた当然であると解して承認したわけであります。その趣旨は、要するに、電源開発等を順調に実行させるために必要な増資などができるように値段の改訂というものを怠つてはならない、こういうふうな趣旨の規定であります。むろんそういうことを言われませんでも、政府として電力会社を監督いたします上においては、原価計算の趣旨にのつとりまして、もし、原価が上る場合には適当に査定をして、これを改訂することは必要でありますので承認いたしました。また今度やりましたのも、そういう趣旨で改訂をいたしておりますから、従つて特にあの条項があつたからどうということではないのであります。
#55
○加藤清二君 私はサゼスチヨンの影響があつたかなかつたかということを簡単に承ればけつこうです。
 次にお尋ねする点は、この料金改訂――私はあえて値上げと申しますか、それについて配電会社の方の希望があつたかなかつたか。配電会社は減収をさせてくれと言うたのか増収をさせてくれと言うたのか。これは一体いずれでございますか。
#56
○愛知国務大臣 これは前々から申しますように、現行制度のもとにおいては、開発のために、資本費が増高すれば、それは電力料金の方にしわが寄るわけです。従つて電力会社としては、いまさら申し上げるまでもございませんが、値上げをさせてくれ、増収をさせてくれというのがその趣旨であります。
#57
○加藤清二君 それでは引続いてお尋ねいたします。今までのお答えを総合いたしますと、値上げの原因は外部的な原因よりも、主として通産省みずからの発意によつたところが多いようでございますが、いわゆる公益事業令の三十九条によつてと再三大臣はお答えのようでございますが、もし政府みずからの発意であるとするならば、ここに私はどうしてもお尋ねをしなければならぬ一点を見出すのでございます。それはほかでもございませんけれども、政府は今デフレ政策をとつておりますね。すべての物価は値下げをしなければならない、従つて賃金もストツプだ、こういう方向に進んでいると解釈して間違いありますか間違いございませんか。
#58
○愛知国務大臣 間違いございません。
#59
○加藤清二君 それではお尋ねいたします。先ほど米価審議会におきまして、農林省がパリテイ指数が上つているから、パリテイ方式によつて、言えば食管会計法によつて計算して来ると、かような値になるから、小麦は二千ころんで六十八円、それに特別加算百十二円を加えてこれこれの値にしてくれ、こういう要望が出た折に、その値上げをすると、これはデフレ政策をインフレにもどすおそれがある、従つてそれはできないということになつて、米価審議会の答申もなまはんかとつてなまはんかけられた、こういうことになつたわけでございますが、あれは総体でもつてなお四十億でございました。ところが今度の政府のおやりになります御努力、税制の面、金利の面、値上げの面、これによつて国家が収入の上にこうむる損害は、私の計算では四十億以上になるというそろばんをはじいたわけでございますが、政府は小麦や大麦の値上げはしない、この次の供出米の値上げもしない、予算米価は去年より安くなつた、そうしておいて電気だけは上げたい、この理由が私にはどうしても解せないのでございますが、どうしてもそうしなければならないという理由、もしそれをやつてもなお政府のいうデフレ政策には悪影響がないというデータ及び証拠物件をここで簡単に示していただきたい。
#60
○愛知国務大臣 この点につきましては、本日もるる申し上げたつもりであります、またこの問題が起りまして以来、本年正月以来たびたび私の考えを申し上げた通りでございますから、くどく申し上げることもお耳ざわりかと思いますので、ごく簡単に申し上げますが、要するに、現行制度のもとにおいては、電気料金収入はもつと上げてもらわなければならないという要請が一つと、いま一つは、デフレ政策の進行途上にあるからできるだけそういうことはやりたくない、この二つの極端にいえば相反する要請の中で、われわれとしては十分苦心をしてただいまお目にかけたようた案をつくつたつもりでございます。従つて、先ほど賃金ベースの話なども出ましたが、そういう面に直接影響のあるような、たとえば電燈料金とか電車の料金とかいうものについてはこれを上げない、すえ置きどころかむしろ多くの勤労者のおるところにおいては下げる努力をするというようなことをいたしたわけでありまして、ともすると二律背反であるかのような要請をそこに調整をとつたわけであります。従つて、現在の基本的な政策と私は矛盾するものでないというふうに考えております。
#61
○加藤清二君 今また妙なことを聞いたのですが、業界の希望もありましてかような案をつくりましたという御答弁でございますけれども、公益事業局長は業界は九億の減収になるとおつしやつた、そうなると、そういう減収をさせてくれというような希望があつたのですか。
#62
○愛知国務大臣 減収をさせてくれという希望のなかつたことは先ほど中島局長からも申し上げた通りであります。それから、この表でもよくごらんいただきたいのでありますが、これは全体の改訂の収入と現行の収入とを比べてありますが、各地域別の内容もここにある通りであります。
#63
○加藤清二君 次に、値上げの原因、値上げされた結果から生ずるところの影響についてお尋ねしたいのですが、原因については、まだもやもやしておりますけれども、明日もう一度数字をあげて御質問いたします。
 そこでこれの影響でございますが、酒を上げた、タバコを上げた、砂糖を上げた、汽車賃を上げた、このおかげでパリテイ指数が上つたから、農民の諸君までがぜひ三麦の値を上げてくれというて、これが政府の問題になつた、この秋また供出米価が問題になると存じますが、電気料金が上るということは、ここの部屋では下げましたと言うて通るのでございますけれども、産業界に及ぼす影響はそんなことでは打消すことができません。電気料金が上れば、ここの表にも出ておりますように、パーマについて幾らとなつておるようでございますが、それの占めるパーセンテージは些少であつたとしても、過去においてはこれを口実にすべての物価が値上げをされていた事実を、通産大臣のあなたならよく御存じのはずでございます。すべてエネルギーが高いから日本の物価は高いのだということはもう常識になつている。石炭が高いから船が高い、船が高いから輸出困難だ、輸出不振の原因はエネルギーが高いということなんです。これを安くするために政府としては今まで努力して来たはずなんだ。ところがこのたびこれを値上げするということになると、すべての物価の値上げの口実になる。他の物価が上ろうとする場合に、大臣としてはどのような手を打たれようとするのか、上る犠牲は他の産業界が負うのか、そこに働く労働者の賃金のストツプ、切下げに負わされるのか、ないしはこれから生ずる商品を購買するところの国民の犠牲において行われるのか、この点をお尋ねいたします。
#64
○愛知国務大臣 これもまた前々から申し上げております通りでありまして、先ほどこの表でも申しましたが、たとえば上下水道でありますとか電車でありますとかいうものにつきましては、今回の改訂がさらに値上げの要請にならないように十分の配慮をいたしたつもりでございます。それから、そのほか小小金集あるいは大企業を通じてできるだけそういう調整措置を講じましたが、ものにより、あるいは地域によつてどうしてもふくらみのありますところは、今おあげになりましたもろもろの要素で吸収をして行かなければならぬと思うのあります。要は、物価の値上げを伴わないで、企業の努力なり何なりで吸収できる程度にやむを得ざるものもとどめたつもりでございます。
#65
○加藤清二君 努力を業界に要請されたようでありまして、これはごもつともなことでありますけれども、それと同時に、この問題を、なるべく低コストで押え、産業界に悪影響を及ぼさないために、国民にしわを寄せないために、政府としてどのように努力されたかという点について承りたいのでございます。
 まず第一番に税の面でございますが、私の聞くところによりますと、電気は大口だけは一割相当免税になつたようでございます。ところが小口の方はそのままのようでございます。今日は電気ガスということになつておりますが、ガスの方も、小口消費、一般家庭消費は、これは直接政府の収入にはならないにしても、地方税でちやんとかかつております。ところがこれの方はそのままにしておいて大口だけを削られたようでございますが、この程度でもつて政府の努力はよろしいとおつしやるのですか。
 次に、先ほど公益事業局長の説明を拝聴しておりますと、これだけやつても大したことはありません、これは当然なことであります、結論はすべてそこに行つて、ちよつとこれは配電会社の事業局長さんかなという気がしたわけでございますけれども、一体政府としてはどのような御努力をなさつたのか。これでも影響ない、これでも影響ないということでなくして、ほんとうにこの結果から国民の生活にどのような影響を及ぼすかの点について研究し、それの影響除去についての御努力はなさつたのか、なさらないのか。なさつたとすればどのようなことをおやりになつたのか、これを承りたい。
#66
○愛知国務大臣 まず電気ガス税の問題は、これは大口、小口というのではなくて、この法律の建前が御承知のように業種で拾つてありますので、あるいはただいま御指摘のような点があろうかと思います。それらの点についてはなお改善の余地が考慮されなければならないかと思います。
 それから具体的な影響並びにこれを最小限度にとどめるというような点につきましては、先ほど来お答えいたしておる通りでありますが、なおつけ加えて申し上げますと、十月一日から二つの地方については、本来冬料金に入ります。今回の料金制度の改訂は、十月一日から施行いたしますが、旧地域のうちの二つの地域を除いたところにおいては、十月一ぱいはもとの夏料金と同じベースになるように割引をすることに考えておるのであります。従つて大部分のところにおきましては、まだ相当の余裕もございまするので、それらの点につきましては、今後とも十分配慮をいたしたいと思います。
#67
○加藤清二君 政府は部内における努力と同時に、直接当面の相手でございまする配電会社に対して一体どのような努力をされたか。かつて説明を受けました折にロスの問題や企業努力の問題が残された問題としてあつたはずでございます。これについて一体どのような手だてを施されましたか。
 次に、企業努力をせいあるいはロスを少くせいと政府からかりに言われたとした場合において、各九会社はどのような態度をとつたか。その後成績がどのようにかわつたか。このデータがありましたならば承りたい。
 次に、あすからの審議にぜひ必要な材料として、九会社のそれぞれの独立したデータがないと審議をするのに困る。この前の説明の折にもぜひそれを出してもらいたいということを要望しておいたのですが、この前には総体の平均しかなかつたから、きようは出ておると思いましたところ出ていないようでございますからお尋ねしたいのでございますが、各会社のバランス・シート、上期のものと今度改訂されてそれが実行に移されたとした場合にどうなるかという予想のものでもけつこうでございます。上期のものについては、ことしのものは出ておるはずでございますけれども、それがむずかしいということでしたら去年度の分でもけつこうでございますが、これは一期だけでなしに、少くとも二期くらいかいつまんで出してもらいたい。
 次に株の配当率の問題でございますが、これはバランス・シートの中に出て来るだろうと思いますけれども、配当率がどのようになつているか。
 次に、株の上昇率でございまするが、せいぜい過去二年くらいで、この前の改訂以後のものをかいつまんででけつこうでございますが、上昇率がどのようになつているか。
 次にもう一つぜひ承らなければならぬことは、九分割されて以来政府の財政投融資その他の金がどのように融資されているか、このデータを見ますると、今度料金改訂をした場合にはこうだああだということだけ書いてあつて、今まで政府がどのようにこの会社を指導育成して来たかという跡が見えません。そこで政府はかくかくの努力をしましたということを国民にぜひ訴えていただきたい。それをどのように会社は受けて立つたかということ、これがやがて小坂さんの言うところの日発を復活させた方がいいのか、あるいは現在の九分割をそのまま残しておいた方がいいのかということを決定するかぎの一つにもなるじやないか、ここらあたりがキー・ポイントになるのではないかと思われます。恐れ入りまするが、今回のこの審議に間に合うように、このデータだけは出していただきたいと思います。何もあしたでなければならぬとは言いませんから、ぜひひとつこれは出していただきたい。そのデータが出ましてから今度は私は国民の立場に立つて、消費者の立場に立つていろいろ質問をしたいと存じまするから、この際は企業局長さんにこまかい数字の準備をしていただきますようにお願いいたして私の質問を終ります。
#68
○帆足委員 時間も移りましたので、簡単に御質問しますが、先ほど来同僚の各議員が質問されましたように、電気事業というものに今日大きな矛盾があると思うのです。先ほど通産大臣は国家の補助金をやつておるのは、輸出産業でもやつておることだし、公共的性格ということは、今日の基幹企業には各方面にあるとおつしやいましたけれども、電気事業の場合は、その程度がもつと強いと思うのです。従いまして今日電気料金が、ほかの物価は戦前の三百倍を越えておるときに、百四十倍くらいの状況におかれておるのであるから、私はある意味で苦しいことは十分了察できますし、自由経済の原則のもとで、電気事業経営を引受けておられる経営者の側から見れば、非常に前途に不安を感ぜられる、しかしこれは万事御承知の上でこういうように民営、九分割にしたのですから、自業自得といえば、自業自得で、しばらく御苦労はごしんぼう願いたいと言えるのですけれども、そういう皮肉を言つてみたところでしかたがない、やはり私は経営者側にもお気の毒だし、国民としてもまことに迷惑の事情になつておるのです。従いましていずれ根本問題については――かつて英国で労働党と保守党との間に非常に実際的なかつ理論的な論戦がなされ、問題の所在が国民の前に明らかにされ、重要な参考にされましたような形において、一体経営がだんだん公共的性格を持つて来るならば、どういう経営形態でそれをリードして行くことが時運の進展にふさわしきものであり、同時にそれが生産を確保、拡大する上において望ましきものであるかということは、十分に私はこれを論議されねばならぬ問題であろうと思います。また私の方といたしましても、公経営とか国営ということを軽々しく口にしますけれども、それでは専売局や国鉄が、国営で満足すべき形態であるかというと、あれは御承知のような一種の官庁経営のようなことになつておりまして、私どもの考えておる公経営というものとはまつたく似て非なるものだと思います。そうすれば野党たる社会党は、一体どういうことを目標にして、社会化とか公経営に持つて行きたいとかいつておるのか、与党としては了解に苦しむ、君たちは一体どういう具体案を持つているのかというような御疑問もあろうかと思います。これらの問題に対してはわれわれとしても実際的の見地からさらに検討し、反対党の立場から見ましても、それも一つの案であつて、国民の多数が賛成されるならば、確かにひとつ名案というほどの案も私は政府並びに与党の諸公にも提示したいと思つておりますが、本日はこういう問題があるということだけ申し上げまして、同僚委員の御発言はまさにその問題を突いておるのであるということだけを御了解願いたいと思います。
 ところでこの問題につきまして本日資料をいただきましたが、卒然として見ますと、なかなかご苦心の跡も見えまして、さすが通産大臣いろいろ御苦労なさつてこういう案をお出しになりました点は、誰情勢を考慮してなさつたことと思いますが、多少はとを鳴かせずして毛をむしるというような様子も見られますので、一体産業界にこれがどういう影響を与えますか、もう少しわれわれ慎重に検討せねばならぬと思います。まずいただきました統計それ自身の理解もわれわれ不十分でございまして、よくわかつておりません。たとえば最初の表に、十億ばかり収入減になるといつておりますが、これは何ですか。冬料金を夏継続するのでございますから、夏冬通算すればずつと収入がふえるのでございましよう。その数字をいただきたいと思います。それからさつき加藤委員からお尋ねがありましたように、夏冬通じてどれだけふえるか、夏だけとなると、冬の値上り分をどの程度引継ぐことになるか。それから各会社の経理がどういう事情になつておるか、一覧してわかるようなもの。それから私たちいただきたいのは、今加藤君の言われましたように、国家資金や外資――外資と国家資金は違いますが、特に国家資金が一体どのくらい入つて、民間資金はどのくらいで、社債、それから株式等――これは資本の問題なんです。ですからその資本構成がどうなつておるか。先日も磁気事業連合会からある程度は全体のをいただいたのですが、できますれば会社別に資本構成をわれわれ知りたいと思います。
 それからもう一つ、これもお尋ねして意味のないことになりましたが、この表に見ますと、東京と関西と三億並びに二十四億という厖大な損失になつております。これだけで見ますと、関西の電力会社はもうおそらく卒倒されると思いますが、しかしおそらくはそれは夏というものがあるために卒倒しないで済むのじやないか。従いまして、この統計で一覧しましたところでは、ちよつと私了解しかねると思いますので、この資料をいただきたいと思います。
 それからその次にお尋ねいたしたいことは、きようも陳情の方がたくさんお見えになつて、料金を下げてくれというのでありまするが、料金はすべて安いに越したことなし、給料は高いに越したことなし、これは満場一致賛成だと思いますが、世の中はその通りにならないところにいろいろの悩みがあるのでございまして、従いまして私はその陳情というものも、その内容に合理性がなければ、これはほんとうの泣き言のようなものであつて、あまり興味を抱かないのでございますが、内容に合理性と建設的な意欲があるならば、これは大いに取上げて、そうして各界がまずまずそれでは妥当だというところに持つて行くのが国会の任務だと思います。一面この電気事業を私企業にして、そうして原価主義の観点に立つことに財界の諸公も賛成しておきながら、他面において自分の方の商品は、はなはだしきに至つては戦前の四百倍くらいになつておるときに、電力料金はまだ百四十倍にしかなつておりません。その電力料金だけを下げろというならば、そうしてあなたの方は私企業であるけれども、電力事業は今日の段階では公企業であるから、われわれはかく主張するのだ。その公企業を担当しておる電力事業の経営者はいかに苦しい立場に置かれておるか、従つて公企業として取扱う、また保護するような諸般の措置が必要であるというようなことを財界みずからが主張なさるなら、うべなう節もありますけれども、電力事業に対して何の同情もまた総合的観点も持たずに、ただ自分のところがつらいつらいといつて陳情をされるならば、これはあまり私は尊敬すべき陳情とも思えないという考え方も若干いたすのでありますが、そういう点におきまして、私は将来の赤字経営の不安をはらんだまま電源開発を申しつけられたのでは、さぞかし電力会社の経営者方もつらい立場であろうと大いに推察するわけであります。
 しかしながらそういうような皮肉を言つておつては一向役に立ちませんので、問題はそういう矛盾があるということのために私は申し上げるだけであつて、何分にも日本の再建にとつて一番重要なものは電力でございます。石炭が高い、鉄が高い、一体何がこの国に安いものがあるかといえば、幸いにして、電力には気の毒ですけれども、過去十年間私どもは地主さんの犠牲と、家主さんの犠牲と、電力の犠牲により、これらを食いつぶして今日に至りました。食いつぶしてそうして電力が安いといつて喜んだのでは、結局天に向つてつばを吐くようなものであつて、やはり電力が拡大再生産し得るような合理的条件をつくつてあげるということが私は必要だと思います。そうでなくて、電力をただ安くしろ、安くしろというなら、これは破壊的意見である。わが日本社会党のとるべき立場でないことはもとより、諸君も御賛成だと思います。幸いにして現状ではとにかく電力は英国よりちよつとくらい安い。若干安日くらいである。これはまことに天佑であります。安いものといえば、ほかは労賃ばかり。労賃が安いということは断じて名誉でないと思う。能率が低いという点もあります。そこで幸いにして電力が民族の資本として今国際的に比較的割高になつていない唯一のものであるとするならば、いかに日本が能率が低い、立地条件が悪いといつても、電力料金を単なる自由競争原価主義でどんどん上げるということは、国民経済が比較的か弱い日本の現状においては、そういうやり方はいけないのであつて、やはり国民各層が納得するような条件のもとに電力事業には合理主義的保護政策を加えて、そうして民族のエネルギーとして安んじて安い電カが使い得るというような総合施策を国民納得の上でとる必要があると思う。そのことは必ずしも放漫な国家資本をふんだんにやれとか、また放漫経営を承認しろというようなことでなくて、経営者層も労働組合も、中小企業も農民層も納得したようなやはり総合施策によつて電力というものに合理的安定性を加えることが必要である。この点が腹がきまつていないために常に電力経営者を窮地に陥れる。窮地に陥ればどうしても増産の手が伸びぬということになりますから、私はこの問題はもつと論議いたしまして、少しでも筋道を立てて、与党としてもこの重要な民族産業に対してはもつとしつかりした対策を立てていただきたいと思います。なかんずく、今日大衆の生活は戦前の水準を越えたといいますけれども、これは統計にいろいろ間違いがあることを私は指摘し得ると思う。少くとも都会では戦前の水準より多少低くて、老後の不安、生活難におびえております。まだ国民大衆は安定した生活をしておりません。従つて大衆の使います電力料金に対して主婦連合会その他が敏感であるということは、どうもおかみさんたちはかつてなことばかり言うというような解釈は間違つているのであつて、やはり国民生活の安定のために真剣な対策をとらねばならぬ。この点きようのこの案では非常に慎重に考慮されております点には私は敬意を表します。しかしそれならば産業が無条件にそのしわ寄せを今かぶるような時期であるかといいますと、御承知のようにほとんどすべての商品が国際的に三割以上割高になつている。最近中国に硫安が出るようになりました。これは九日の委員会で詳細にその後の経過を大臣にお話いたしまして格段の御支援を得たいと思いますが、その硫安工業ですら、今度は霊力料金の調整によつてまた非常に大きな負担をかぶることになるわけです。輸出産業は今重大な段階に来ております。生産工業は百六十といい、輸出はわずか三十五です。三十五の呼吸で百六十の心臓を維持することが一体今後ともでき得るでしようか。日本経済は今全面的な崩壊の前夜にあると言つても過言でないくらいの危機に面しております。従いまして輸出を増進することは、党派をあげての課題である。私は原爆の時代に平和と貿易の問題は、これは超党派外交の課題にある程度なつてもよいのであるまいか、あるいは同僚議員にしかられる点もあるかもしれませんが、そうまで思つているくらい、今深刻な問題であります。従いまして電力産業が輸出産業に対してどういうふうな特典を与え、どういうふうな刺激を与えようと思つているか、通産大臣の輸出振興策は、電力政策の中にどのような形で盛り込まれておるか、これも承りたいと思います。
 さらに電力は、長い間償却期間を必要とするものでありますが、目前償却を怠つておりますし、修繕を上手にやればある程度まで償却を小さくし得るのであります。これは敗戦日本の産業にとつて天佑ともいうべき点でありまして、私は電力産業の稼働している設備に対してはまことに申訳ない状況であると思いますが、よくぞあれほど働いてくれておると思います。しかし今後の拡張ということになると、一点のごまかしもできません。結局電力料金の値上りというものは、新しいアパートが建つという場合と同じで、新しく拡張されたものの値段というものは、現在の倍以上になるのでございます。従いましてこれは資本負担の問題なんです。電力事業というものの国民的性格、敗戦の現段階において置かれた地位、この国民的重要性などを勘案いたしますると、この資本負担に対して、やはり国の全体の力を貸してやる、安い資本を安い金利で提供するというような処置をとることは、私はそれが妥当な形態において、妥当な監督のもとにおいて行われるならば、全国民はこれに賛成すると思うのです。本来ならば電源開発愛国公債ぐらいを公募して、郵便貯金に納めるぐらいの金を、大衆も喜んで電源開発愛国公債に直ちに一分か二分の金利で金を出すというような種類の産業だと思うのです。国民の気持を感奮興起せしむるような経営形態になつてたるかどうかということに問題があるのでございまして、その点になりますると、やはり一種のイデオロギーというか、主張の問題になつて来まするので、私は深くは触れませんけれども、そういう重要な民族産業である。今日の保守党内閣においてもこれが大事であるという点は意見も一致し、また民族産業の基幹であるという点も意見が一致するのでありますから、多少なりともそういう要素を加えていただきたい。結局資本の方に問題があるわけでございます。現在は九電力の拡張も年に千二百億でしたか、厖大な資本の相当部分は、やはり普通の株式とか相当高金利の社債でまかなわれておりますが、こういうものは安い大量の国家資金をまわす方法はないか。そうなりますると、結局これは愛知通産大臣も日本の財政と経済の総合計画のもとでもつと慎重に考えねばならぬ。国民各層が納得するような形態でやつてもらいたい。保守党とはわれわれはいろいろの点で時代感覚を異にしておりまするし、あすへの展望も多少保守党の方よりも先見の明があるつもりでやつておりますから、見通しが違いますけれども、しかしもしあなた方がおやりになることでも、一応保守党としてはよくやつておる、われわれは少数であるから、その間はがまんして力を蓄積しよう、しかしとにかくわれわれと対立しておつても、相当よくやつておると思われるぐらいの政策をとつていただきたい。現在ではそれこそあまりにひど過ぎると思います。気違いじみている。これは民族としての不幸です。そういう見通しについて大臣はどうお考えになつておるか。電力経営者も将来について不安だと思うのです。原則は原価主義とかその他きちんとしたことがきまつておりますが、その原則が、先ほど御指摘あつたように、かつてに電気事業法の精神がいろいろな解釈によつて運営されておる。私は今の電力企業形態及び電力国策の基本精神がもはや多少狂つておると思う。狂つておるなら狂つておるで、保守の側から言つてもこれを多少調整して、軌道に乗せてやるだけの親切が必要だ。現在の電力会社の総裁、社長になられた方は私はくやしいだろうと思う。こういう点をひとつお考えくださいまして、通産大臣のお考えを承りたいと思います。この小さな会合の席で承つたところで何の役に立つかという気もいたしますが、こういう努力をお互いに積み重ねて行けば、相当の啓蒙にもなりますし、国民各位に問題の所在を明らかにして、そうして保守党の政策の限界を知つていただくにも役に立ちますし、われわれに対して絶大なる期待を国民各位から寄せるよすがにもなりますから、新聞でもこういう問題は理論的にも実際的にももう少しつつ込んで取上げていただきたい。これは民族の悩みです。民族の十字架を代表しておる産業の問題ですから、こういうことを取上げていただきたい。
 こまかなことは、明日以後の委員会において資料をいただいてこれを明確にただしたいと思います。
#69
○愛知国務大臣 まず資料の問題はあとというお話でございましたが、資料の中で、最初の半ぺらの紙について御疑念がございましたが、これはせんじ詰めたところ、私どもの基本方針に関連する点でございますから、ちよつとお答えをいたしておきたいと思います。と申しますのは、これは要するに改訂をした場合の半年の下期の表なのであります。しかしこれはこの基本原則にもございますように、三十年四月以降の料金については、一層の企業努力なり、租税なり、金利負担の軽減等によつて再検討することになつておりますので、その再検討することになつておる対象を、仮定的にここに入れて比較することは意味がないと思いましたので、それでこの下期だけの比較にいたしましたから、その点はひとつそういうことであるということで御了承願いたい。
 それからその他の点につきまして、非常に広汎な御意見を承りまして、非常に啓発されるところが多いのでありますが、私も最後に言われました、電力料金の問題というものはこういう性質の問題であるということで、ただ単に上げるのがいかぬとか、あるいは下げなければいかぬというふうな感覚だけで議論をされると、少し取扱い方が軽過ぎるのではなかろうかというような御趣旨の点については、まつたく御同感でございます。従つてこの制度のよし悪しは一応別といたしましても、今日の冒頭から申し上げておりますように、私どもとしては、やはり何と言つても電力をもつと開発をしたいというので、五箇年計画を昭和二十八年の末でありましたか、立てまして、今日に至つておるわけであります。やつてみますと、昭和二十七年度末の設備が約九百万キロワツトだつたと思いますが、それに対して現に二割の増加、すなわち二十八、二十九両年におきまして約百八十万キロワツトの新規の設備ができておるわけでありますが、ちようど二十七年末に比べれば、二割の増加になつておるのであります。ところでその新規の発電所からつくられまする電力の原価は、既設のものに対しまして、水力で大体三倍になつております。その高い原因は、金利、減価償却、もろもろの税といつた資本費の高騰であるということは、前々から申し上げておる通りであつて、この占める比率が今の原価の中の約九割三分に当つておるのであります。従つて現状におきましては、開発すれば原価が高くなる。しかし高くとも、この際出力を大いに早急に増さなければならないというのが、現下の要請であるかと私は思うのであります。それをやりますために、現在の制度のもとにおきましては、開発中の費用は御承知のように建設の仮勘定の中に入れておいて、ある期間の間は料金に反映しませんけれども、発電所ができ上つて、発電が開始されるに至つて、初めてその原価を経費に計上したければなりません。その時期はまさに来ておるのでありまして、そのために料金の改訂問題というものが、電力会社としてもまた政府としてもあるいは国民的に申しましても、非常に大きな問題であるわけであります。そこでそれに対してくどいようでありますが、なるべく料金へのはね返りを少くしよう、また少くともデフレ政策の進行の途上においてでき得る限りの研究をやつて、その程度を少くしたいというのが今回の考え方に結論としてなつて来ておるわけでございますから、そのことについても御理解をわれわれとしてはぜひお願いいたしたいし、同時にまた資料等についても御説明の足りないところがありますれば、誠意を尽して御説明に努めたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお将来の問題、あるいは政策の問題としてこういうふうな民営でやつておるのがいいか、あるいは国営の方がいいか、あるいは全国一元的にやるがいいかどうかという点のお尋ねについては、先ほど申し上げました通り現在においてそういうふうな制度の変更といつたようなことが適当であるとは私は考えておらないのでありますが、問題といたしましては、そういう種類の問題につきましても研究をするということは必要なことかと考えるわけでございます。
#70
○帆足委員 明日の公聴会には、皆さんにきようの資料などをお渡ししてあるのでしようか。
#71
○長谷川委員長 この資料はきようわれわれのところへ初めて発表になつたもので、参考人にはまだ渡してありません。しかし何かの便をもつて本日中には渡したい、こう考えております。
#72
○帆足委員 明日以後に本日の質問は留保いたしまして、詳細各項目別に御質問したいと思いますが、いつもそうですが、卒爾としてこういうものを出して参りましても、われわれ電気事業者でございませんから、ほかのこともたくさん知つておるわけで、電気事業だけを知つておるわけでございませんので……。突然出されましてもおそらく公聴会に来るお客さんもまたお困りになる方もあるのではないかと思います。また理事会でおとりはからいくださいまして、こういう重要な問題はひとつつつ込んで討議のできるようにお願いいたします。
 きようは時も過ぎましたので、これでやめます。
#73
○長谷川委員長 山手君。
#74
○山手委員 私はもう時間がありませんから、政府に要望だけを一点して、明日に譲りますが、今度の電気料金の値上げというものは、問題の所在を向うに追いやつただけである、私はこういうふうに考えておるのです。この前私は委員会でちよつと大臣にも言つたように、電源開発をやればやるほど、今お話のように電力料金が上つて行く、しかも電力料金はできるだけ押えたい、しかも開発はどんどんやらなければいかぬ、二律相反する要請に追い込まれておるのであつて、私はこの際抜本的に、電力事業はこうであるから電気料金はこういうふうに持つて行くのだということを示して解決をして行くべき問題であると思うのであります。今度のこの電気料金の改訂はただ問題を向うに追いやつただけである、こういうふうに私は考えております。五箇年計画を完成して、どうしても開発を促進して行かなければならぬのでありますが、こういう案を示されたのではおそらく開発はスロー・ダウンして行つて、業者の開発意欲というものはだんだんそがれていくのだろうと思うのです。これは非常に困つた事態であります。しかし片一方さつきから話の出ておりますように、輸出産業やその他の国民生活を圧迫しないようにもしなければいかぬという事情があるのでありますから、いわば金融に産業が奉仕しているような現在の金融体系というものにメスを入れて行くことにしなければいかぬ。現在は完全に産業が金融に奉仕をしておる。金融が産業に奉仕をしておるということじやなくて、産業が金融のためにあるというような形になつていることが私は非常に問題だと思うのであります。そこで私は資料としてお願いをしたいことは、私はよくわからないのですが、五箇年計画を完遂したら現在のような状態では電力料金を何ぼにしなければいかぬのか、これを計算して出してもらいたい。電力五箇年計画を完成したあかつきには電力料金を何倍にしなければ、現在のような電力会社を私企業の状態で原価主義を貫いて行くことはできないのか。それをはつきりしてこの問題を解決して行かなければならぬ。それからまたお伺いしたいことは、各電力会社はこの五箇年計画を立案してこの方、電力会社別に何ぼ開発をして、資本費を何ぼつぎ込んでいるか。それから今後五箇年計画を完遂するには各電力会社は各社別に何ぼ開発をし、資金をつぎ込むのか。そして電力料金が何ぼになる計算になるのか、そういうことをもつと具体的にはつきり資料として出してもらいたいと思います。その資料をいただいた上でもう少し議論をすることにいたしたいと思います。
#75
○長谷川委員長 それでは本日はこの程度といたしまして、次会は明日午前十時きつちりに開会いたします。参考人よりの意見を聴取することにいたしております。なお質問を続けたいと思います。
 本日はこれにて散会をいたします。
    午後一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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