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1953/09/07 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第4号
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1953/09/07 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第4号

#1
第019回国会 通商産業委員会電気及びガスに関する小委員会 第4号
昭和二十九年九月七日(火曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席小委員
   小委員長 長谷川四郎君
      土倉 宗明君    中村 幸八君
      福田  一君    柳原 三郎君
      齋木 重一君    帆足  計君
      伊藤卯四郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 小委員外の出席者
        議     員 小川 平二君
        議     員 小金 義照君
        議     員 笹本 一雄君
        議     員 山手 滿男君
        議     員 加藤 清二君
        議     員 永井勝次郎君
        議     員 中崎  敏君
        通商産業政務次
        官       加藤 宗平君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      中島 征帆君
        通商産業事務官
        (公益事業局次
        長)      小出 栄一君
        通商産業事務官
        (公益事業局経
        理長)     人見  孝君
        参  考  人
        (電気事業連合
        会副会長)   井上 五郎君
        参  考  人
        (日本商工会議
        所理事)    横山 公雄君
        参  考  人
        (主婦連合会常
        任委員)    佐々木いす君
        参  考  人
        (全国土地改良
        協会事務局長) 安部 義正君
        参  考  人
        (私鉄経営者協
        会専門員電気部
        会副部会長)  白井 好己君
        参  考  人
        (中国地方電力
        協議会連合会会
        長)      蔭山 如信君
        参  考  人
        (主要産業団体
        電力研究会代
        表)      藤井 丙午君
        参  考  人
        (日本電気産業
        労組副委員長) 小川 照男君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電気料金に関する件
    ―――――――――――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 本日は電気料金に関する件についてまず参考人より御意見を聴取することにいたします。
 この際参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。参考人各位におかれましては、御多忙中にもかかわらず特に当委員会に御出席くださいましたことに対し厚く御礼を申し上げます。
 ただいま問題となつております電気料金の件につきましては、種々の御意見があることと存じますので、何とぞ忌憚ない御意見を御開陳くださいますようお願いを申し上げます。
 なお参考人各位に念のために申し上げますが、御発言の時間は御一人約十分くらいにしていただきたいと思うのでございます。順序は、井上、藤井、横山、白井、安部、佐々木、蔭山、小川各氏の順といたしまして、御発言の際はその都度委員長の許可を得られることになつておりますから、御了承をお願いいたします。
 なお委員各位に申し上げますが、先ほど文書で御連絡申し上げました参考人のほか、電産副委員長小川照男君を追加いたしましたので、御了承を願つておきます。
 それでは井上五郎君よりお願い申し上げます。
#3
○井上参考人 それでは電気事業連合会を代表いたしまして、今回の電気料金改訂につきまして、私どもの意見を申し述べます。
 電気事業者は再編成以来電力不足の状態を早急に解決するために、政府の決定した電源開発五箇年計画に基く電源の増強に邁進し、すでに水火力合せて百八十万キロワツトを完成し、その結果稼働資産額は二千五百億円増加いたしました。換言いたしますれば、過去二箇年間で稼働設備において二割のの増加をもたらしたのに対しまして、稼働資産額は六割五分余りふえたのであります。従つてこれに伴う資本額の増大によつて料金原価は急激に増加いたしました。この原価暴騰を抑制するため事業内部の企業合理化を一層強力に推進するとともに、外部に対しましては金利、税金等資本費負担の軽減措置について特別の措置をお願いして参つたのであります。これらはいずれも若干の成果を得られたのでありますが、なおかつこれだけでは料金原価の高騰を吸収することはできませんので、デフレ政策にもかかわらず万やむなく九つの電力会社は本年一月料金改訂の申請をいたし、同時に料金制度の改正をも申請いたしました。爾来三月中旬料金改訂に関する聴聞会を終り、また電気需給調整規則改訂省令案も七月二十一日その聴聞を終了し、ここに事務手続がすべて完了し、当局の認可を待つばかりになつたのであります。この間七箇月を経過したのでありまして、資本の面でもまた経営上にももはや遷延を許さざる状態に立至つたのであります。すなわち料金改訂の認可遅延による収支面の影響は大きく、増資の見込みは立たず、社債借入金の調達や利息の支払いも困難となり、その結果新設工事の中止はもちろん、継続工事の縮小、遅延等のやむなきに至り、このままでは今後の供給責任を果し得ざる危険を生ずる事態であります。また本年上期中特別大口電力の割当は結局暫定割当に終始せざるを得ません。その結果電力消費者間の料金負担は不公平、不公正、不合理となりました。他方電気企業者も採算割れとなりまして、事態はこのまま放置することができない限界点に達したと考えております。以上のような実情から電気事業者は認可の一日も早からんことを願い、申請の内容についての当局の御検討にはその都度必要な資料を提出して御協力申し上げるとともに、再三にわたる認可促進についてお願いして参つたところ、七月末ようやく補正の基本的な御構想がまとまり、その具体的な全貌を昨日本委員会席上初めて承知いたしたのであります。何分十分検討をする時間的余裕がなかつたので最終的な意見をこの席で申し上げられないのは遺憾でありますが、その大要について申請案と比べますと、需給計画は損失率その他に相当の修正が加えられ、原価においては燃料費、一般経費等に思い切つた削減が加えられておるやに見受けられ、また供給条件もかなりかわつておるのであります。すなわち計数的に申しましてもこの御査定はすこぶるきびしいものでありまして、事業者といたしましてはなお一層の企業努力を要するものと存じますが、ことに現行冬料金ベースをすえ置くことは電気事業者としましては需給面においても、また経理面においてもその影響が大きく、新料金が二十九年下期より実施されましたときの下期収支の不均衡の処理対策につきましては各社とも苦慮するところと存じ、経理的に何らかの特別措置を講じていただくことが必要であると考えております。しかしながらわれわれ電気事業者といたしましては、当局の補正案が原価主義によるものであり、かつこれによつて今後も引続き電源開発を続行し、供給責任を全うし得ると考えられますならば、事業本来の使命達成のため忍びがたきを忍んで御当局の御方針に沿つて善処いたしたいと考えております。
 最後に、今回の料金問題の解決が予期に反し長期にわたつたため各方面に御迷惑をおかけしまして、まことに恐縮に存じております。政府の御方針に基き新料金を実施していただく以上、事業者もさらに一層真剣に企業の合理化を進め、極度に圧縮せられた原価に対応して一切の冗費を節約する一方、サービスの強化をはかつて、需用家の要望にこたえたい所存でございます。何分の御了承をお願いいたします。なお、これと同時に当局の御発表にもありまたしが、今後需用家負担を一層軽減するため引続き税金、金利等の特別軽減措置を強化していただくことは事業者といたしましてもかねて懇請いたしておりますところで、格別の御配慮をお願いしたいと存じます。この上とも皆様の御理解と御支援をお願い申し上げる次第であります。
#4
○長谷川委員長 次は主要産業団体電力研究会の藤井君にお願いいたします。
#5
○藤井参考人 実は電力の大口需用産業代表といたしまして原安三郎氏が本日意見を申し述べる予定でございましたか、よんどころないさしつかえがございまして、にわかに私がお呼び出しいただいたような次第でありまして、十分意を尽しかねまする点はあらかじめお許しを願いたいと存じます。なお本日は各産業の専門家の方々が同行して参つておりますので、もし具体的問題についてお尋ねがございましたれば、それらの方々からお答えをさしていただくようあらかじめ委員長にお願い申し上げます。
 私どもかつて深刻な電力不足を経験いたしました産業界といたしましては、電源の積極的な開発を要請し、豊富かつ低廉な電力の増強によりまして産業の基盤の造成されることを切望しておる次第でございます。その意味におきまして、財政投資の大半がここ両三年、ほとんど電源開発に投入され、また起債市場等におきましても電力が優先的に取扱われるということも当然のことといたしまして、各産業ともそれぞれ資金の不自由を忍んでおる状況でございます。また新たに電源の開発、ことに水力の発電に巨額な建設資金を要し、その結果ただいまお話がございましたように金利や減価償却あるいは税金等の関係から電力のコストが高くなる理由も了解できないではございません。しかしながら電力料金改訂の一般産業ないしは国民経済に及ぼす至大な影響を考えまするときに、その改訂の時期と方法につきましては政府といたしましても経済情勢を十分にらみ合せまして、特に電力需用産業の負担力、国民生活への影響等を十分考慮せられまして、その決定に慎重を期していただきたいというのがわれわれかねてからの要望でございます。申し上げるまでもなく、産業界はデフレ政策のもとに今やきわめて深刻な不況に当面いたしておりまして、石炭鉱業におきましては中小炭鉱の休山、倒産が続出しております。また鉄鋼業等におきましても相当有力な企業までが崩壊するといつた状態でございまして、その他造船、鉱山、化学工業、硫安工業、石灰窒素工業、ソーダ工業、化学繊維工業等いずれも、全部とは申しませんが赤字生産、出血輸出ということがほとんど常識となつているほどの悲況に立つて、その多くの企業が過去の資本蓄積の食いつぶしによつて経営を維持しておるという状況にあるのでございます。従いまして私どもといたしましては企業の合理化と生産コストの切下げに全力を集中いたしまして、もつぱら輸出に血路を開いて真剣な努力を続けておる現状であるのでございます。かような時期におきまして、一国の産業の動力源であり、また生産コストの基本的要因である電力料金の値上げが強行されるということは、私ども実は唖然としておる次第でございます。昨日発表されました電力料金改訂の理由として、伺うところによりますれば通産大臣は、新しい電源開発に伴う建設費の金利、減価償却あるいは税金等の資本費が高騰した結果電力コストが高くなつたのであると説明されたように伺つたのでございますが、私ども産業人といたしましてその事情は了解できないではございません。しかしながら電力コストが高くなつたから料金を上げるのだというように、そんなに簡単に押し通せるような、そんななまやさしい現下の経済事情でありましようかどうか、ここに第一の問題があると思うのであります。私ども鉄鋼業におきましても御同様設備の近代化のために巨額の資金を投下しまして、従つて金利の負担とかあるいは償却費というものが著しく増嵩しておりますけれども、昨今の深刻な不況で鉄の価格は二割から、品種によつては三割以上も暴落しておる状況でございます。すべてのものが値下りをして、各産業ともかような不況のどん底にあえいでおる、そして経済的な負担力のないこの時期に、公共事業だからといつて電力料金の値上げが強行されていいものでございましようか。それは政府のデフレ政策との関連において一体どう説明されるのでございましようか。たまたまきのう発表されました自由党の経済新政策におきましても、電力料金の値上げを抑制する措置を講ずるとうたつてあるのでございます。同じ日に政府と片や与党からまつたく相矛盾した政策が発表されるということは、いかにもどうも私どもふに落ちない点でございます。電力会社の経営の健全化ということは望ましいことであり私ども異議はございません。しかしこの時期において絶対それはやらなければならぬということであるならば、何も電力料金を上げなくても、これまた自由党の新経済政策にうたつてございますように、金利の引下げであるとか税制面の改善とか、こういつたいろいろな政府としてのとらるべき積極的な施策があろうかと存ずる次第であります。さらにまた、電力事業は百パーセントに近い第三次再評価をおやりになつておるようでございます。その減価償却もほとんどフルに行つておられるように伺つておるのであります。もしそうだといたしますると、これは一般産業界との均衡を失してはいないであろうか。と申しますのは、先ほども申しますように、赤字もしくは赤字に近いような一般企業体の現状からいたしますれば、百パーセントに近い第三次再評価をいたしまして、しかも減価償却をフルにやつておるというような優秀企業は数えるほどしかないのであります。もとより電力事業の経営の健全化はまつたく望ましいことでありまするが、現下の経済事情のもとで、一般産業、ことに私も大口電力需用産業の料金値上げでこれをやろうというお話であるならば、私どもとしましてはどうかわれわれにもう少し負担力ができる時期までしばらく御猶予願いたいと申し上げるのであります。苦しいのはお互いさまじやありませんかと申し上げたいのでございます。聞くところによりますれば、電力会社は昨年度は当初百億円見当の赤字が予想されていたのだが、本年の三月決算では、これは会社によつて事情は違うでございましようけれども、むしろ全体として百億円以上の黒字となつておるというふうに伺つておるのであります。さらに修理費や減価償却費を計算すれば、三百億程度の利益が出たのではないかという説もあるのでございます。これは誤りであれば訂正をいたしまするが、むろん豊水等の関係もあつたでございましようが、いずれにしろ私ども鉄鋼業などから考えますると、資金のきゆうくつなことは御同様でございましようが、新聞等でも鉄鋼金融の逼迫等の記事は再々出るのでございますが、電力金融の逼迫についてはあまり新聞記事等に出ないところを見ますと、私どもよりははるかに金融でも楽ではないかという実は邪推を申し上げる次第でございます。
 次に申し上げたいことは、電力料金の改訂問題の運び方についてでありますが、今回の改訂案は昨日発表されたのでありまするが、政府の方針の決定しましたのはよほど以前のことのように伺つておるのであります。私どもとしましては、一日も早くその内容を承知いたしまして、需用者側としまして計数的な検討も加え意見も申し述べたいと実は切望しておつたのでありまするが、厳秘に付されておりましたものか事務当局からも一切漏れ承ることができない、こんな次第でございまして、非常に奇異な感じを持つておる次第でございます。大体物の値段というものは売りと買いがあつてきまるのでありまして、これが経済の法則でありますが、電力料金といえども、供給者側の希望に対して需用者側の意見も十分徴した上で決定されるというのが常道であろうかと思います。そのために従来聴聞会が開かれたわけでありまするが、今回改訂案がもし十月一日から実施されるといたしますると、おそらく時間的に聴聞会を開く余裕もございません。従つて行政的には需用者側の意見を聞く機会が与えられないのではないかと実は憂慮しておるのであります。なぜにかような非民主主義というか強行作戦というか、不可解な取運び方をされるのであろうかと、いささか了解に苦しむ次第であります。政府としてはおそらく前回の改訂案の際の聴聞会で、需用者側の大体の意向がわかつておるからというお考えかもしれませんけれども、しかしながら、前回と今回では経済情勢が御承知のように非常に激変しておるのであります。なおまた、今回の改訂案は割当制度の廃止、料金の一本化、特に私どもとして最も大きな関心事でありますコール・クローズ、すなわち石炭条項の廃止という重大な改訂が行われることになつておりますので、これらの問題につきましては、当然需用者側の意向をあらためて聴取さるべきではなかつたかと存ずるのであります。政府といたしましては、電力事業界からの改訂認可申請があれば、需用者側の意向を十分徴した上で適正妥当の案を認可されるのが建前ではないかと思うのでございます。もし厳秘に付しておいて聴聞会の機会も与えず、時間切れで一挙に強行しようというような措置が万一とられるといたしますれば、公明な政治のあり方としていかがかとわれわれは思うのであります。さて改訂案の内容についてでありますが、昨日新聞に発表されました程度で詳細を存じませんし、特に電力料金の問題は各産業あるいはまた地域別にきわめて複雑で、数字的に検討しなければ明確なことはまだ申し上げかねますが、新聞発表によりますと、現行料金と改訂料金との収入の比較においては、全国的においては明年三月までは逆に一%の減収になるということで、これも実は私どもふしぎに思つておるのであります。それならば改訂理由として、金利や減価償却等で資本費が急激に増高し、電力コストが高くなつたから料金の改訂はやむを得ないという改訂理由の説明は、一体どういう意味でなされておるのでありましようか。(「局長は苦しまぎれの答弁をした」「いいかげんなことを言つているのです」と呼ぶ者あり)そうであればけつこうです。私ども新聞を通じてしか存じませんので、その点は御了解を願いますが、全体の収入が減ずるというのではちよつと私は了解に苦しむ、おかしいと思つておるのであります。ここで私ども実は問題として申上げたいのは、われわれ大口産業といたしましては、割当制度の廃止と料金の一本化によつて相当程度の値上りが予見されるのであります。なおかつ、改訂要綱の末尾にあります燃料費調整制度を当分の間停止するというこの一項、これが実は私どもにとつては重大問題でございます。このいわゆる石炭条項というものは、御承知のように石炭の値下りに応じて電力料金の値引きをするという条項でございますが、この制度の停止によつて、電力会社の収入はおそらく年間を通じ五十億と言われ、見る人によつては百億以上に上るのではないかということを言う方もあるのであります。私どもはしさいに検討しておりませんが、つまり電力料金の値引きをしないで済むことになるわけでございまして、言葉をかえて申しますれば、それだけ需用者側の負担が増加するということになるわけでございます。今回の改訂案では明年四月以降のことは明確でありませんので、ちよつと先のことは見当がつきませんが新聞の報道ではおそらく冬料金の一本化が実施されて、全体として一割一分程度の値上りになるであろうということを言つておりますが、これも具体的な数字の検討の上でなければ私ども何とも申し上げられません。
 なお今回の改訂で家庭電燈料のすえ置きとか、硫安工業、農事用電力料金の値下げ等を初め、行き届いたと申しますか、手の込んだと申しますか、いろいろな配慮がなされておるようでありますが、結局のところ概略を申しますれば、私ども大口電力需用産業にそのしわが寄つて来るということは、非常に大きな影響があると考えるのであります。先ほど申しますように、地域別、業種別に有利なところもありましようから、でこぼこがございまして一様には申せませんが、私ども新聞の発表を基礎にざつと試算いたしましたところではこれは特約に入らない、つまり普通契約の、救済を受けない最も極端な値上げによる影響ある企業について調べましたところ、石炭について、北海道でははなはだしいのは三五%、中国では五五%、九州では二八%、化学工業では、北海道で四九%、東京で四八%、関西で八七%、鉄鋼におきましては、東京では二五%、企業によつては、はなはだしいのは六八%値上りとなる推算も出ております。機械工業では、中部地区で三三%、中国地区で二四%、これは最も極端な例でございますが、こういつた数字もあります。私ども八幡製鉄におきましても、今回の改訂では、ざつと試算しましても、少くとも三〇%以上の電力料金の値上げになる模様でございます。なお私どもふしぎに思いますのは、北海道や九州のように火力発電が主力で、しかも石岩が暴落しておるにもかかわらずかように電力料金が著しくはね上るということは、ちよつと了解に苦しむ点であります。これは石岩条項がはずされるとなりますと、さらに影響がより深刻ではないかというふうに考えるわけであります。繰返し申しますように具体的な影響は地区によりまして、また業種によりましていろいろ違うのであります。さらにまた豊水期の電力あるいは深夜電力等、いろいろ特約関係で個別的に企業によつて違つて参りますので、的確な影響度をこの機会に申し上げるわけに参りませんが、大ざつぱに申しまして相当大幅な値上げを招来するのではないかということを憂慮しておる次第であります。要は私どもデフレ政策下におきまして、生産コスト切下げによつて物価切下げないしは輸出の振興にせつかく努力しておりますこの段階で、電力料金の値上げを強行されるということは、理由のいかんにかかわらず絶対反対を申し上げなければならない実情にあるのでございます。電力会社の苦しい実情は私どもも十分了としますけれども、私どもとしましてはわれわれにもう少し負担力のできるときまでしばらくごしんぼう願いたい。しからざればむしろ政府におきまして先ほど申しましたような金利の軽減とかあるいは税制面の改善等によりまして、電力企業の経理面の積極的な改善措置をとられることが望ましいという次第であります。
#6
○長谷川委員長 次は日本商工会議所理事横山君にお願いいたします。
#7
○横山参考人 昨日の改訂要綱につきましては通読を十分いたしておりませんので、詳しく申し上げる資料を持つておりませんが、商工会議所としましては、本年の二月十九日、六月十九日に二回意見書を各方面に提出いたしております。現在もその趣旨は一貫してかわつておりません。従つてこの提出いたしました要領をひとつ読み上げまして、これをもつてお答えとさせていただきます。「全国電力会社においては、先般来、全国平均一割四分強の電気料金引上げを政府に申請中であるが、これは、わが国経済の現状及び経済政策の基本動向に照らし、時宜に適せぬものといわざるを得ない。国際収支の逆調によつていよいよ深刻化したわが国経済の危局を乗切るべく、政府においては、二十九年度予算編成にあたつて、緊縮財政を貫き、金融の健全化方策と相いまつて、インフレ抑制、コスト引下げ、輸出振興の一連の効果を収めるべく、この方針のもとに、消費者米価の再改訂、国鉄運賃全面引上げ等を一切取止め、経済界もまたこの情勢に対応して、コスト引下げに全力を傾注せんとする現状において、物価全体の引上げを招く要件となる電気料金の引上げを行うことは、まつたく現在の経済基調に逆行するものといわねばならない。電力会社が電気料金引上げを主張する事由については、われわれもまつたくこれを否定するものではもちろんないが、問題は前記のような情勢のもとにおいて引上げを行うことの可否である。われわれは、この電気事業に対する過重な公租、公課の軽減、金利負担の軽減、電源開発計画の効果的実施、電力会社における企業合理化の徹底等の面から、積極的の対策を講じ、電気料金引上げについては、これを繰延べられるよう切に要望する次第である。」こういう要望書を二回にわたつて提出しております。また現在この思想はかえておらないのであります。従つて電燈会社の先刻のお話のように内容については理解のできるものがあるのでありますが、先刻お話のように時期、方法ということについて賛成いたしかねるということを考えておる次第であります。
 次に今度は私の意見でありますが、昨日の改訂要綱の中で、もしやむなく実施に移されるということになりますれば、いわゆる政府も税金等で考える、それから電燈会社もその内部で考えるというようなお話がありましたが、この場合における政府の考え方が、地方財政も大分弱つておりますから、地方の監督官庁、それから中央の監督官庁で、はたしてこの通りにやれるかどうかということについての不安があるように私には考えられます。なおわれわれ商工会議所といたしましては、一応中小企業、あるいは小口電力の需用については万般の手配があるようでありますが、そのほか大口の方については、ある特殊の、硫安のようなものに対して多少のお心づかいがあるようではありますが、そういうものの結局のしわ寄せが基礎産業の鉄鋼、石炭、こういうものに集まつて来るきらいも感ずるのであります。この点について特に御勘考を願いたい。まことに遺憾だと思うということを私の意見として申し上げておきます。
#8
○長谷川委員長 次は私鉄経営者協会専門員の白井君にお願いいたします。
#9
○白井参考人 本日は私鉄経営者協会の会長鈴木交通営団総裁がお話いたすところでございますが、やむを得ない事情がありまして、私がかわりまして申し上げる次第であります。
 さきに電力の値上げ、全国一割四分四厘の申請がありましたときに、電気鉄道に対する電気料金はどのくらいであるかということを試算をいたしますと六割から八割ぐらい上ることになるわけで、これはたいへんなことになる、これでは運賃の値上げもしていただかなければならないだろうということで、いろいろ関係の官庁に陳情をして参りまして、値上げをしてくださるならばけつこうでございますが、値上げができないような今の事情でございますならば、どうか電気料金の大きな変動のないようにひとつ考えていただきたいということを申し上げておきました。ところが御当局でいろいろの電気料金改訂について御審査があつたようでございますが、その内容がどういうふうになるか、私たち非常に関心を持つておりましたけれども、何らつかむことができません。事務当局の方々に聞きましても、どうも雲の上でやつておることで、われわれには全然わからないということで、昨日新聞発表になるまで、ほんとうのことがわからなかつたわけであります。昨日の新聞発表によりまして、初めてわれわれはどういうような姿になるかということの全貌がわかりましたので、昨日は徹夜をいたして、大体の計算をしてみたわけであります。ところが新聞発表によると、全体の料金は上らないのだ、むしろ地域によては下るのだというようなことが書いてございますが、これは私たちの計算が一夜づけであるかもしれませんけれども、前からいろいろ研究して参りました結果と大差がないので、やはり四割という値上げになる結果になつております。それでその中に、まだ詳しいことはわかりませんが、公共事業には頭打ちの制度であるとか、あるいは三〇%の調整をするというようなことがあるそうでございますが、これもはつきりしたことがまだわかつておりません。それで三〇%の調整をしていただくにいたしましても、これは結果においてはやはり三割以上の値上げが出ることだと私は確信するのでございます。それがなければ三〇%の調整というようなことは必要がないのだろうと思います。それにかかわらず新聞で一%ぐらいの値下げがあるということは、非常に疑義を抱く次第でございます。それで私たちが昨日計算をいたしました結果は、そういうような調整をしていただきましても、二十八年度と同じような電力を使いまして二五%の値上りになります。大体電気鉄道も電力会社と同じように非常にお客さんが込んでおりますので、車もふやさなければならない、線路も直さなければならない、そういうような大量の改良をいたしまして車をふやしております。そのために電力は年間平均七%くらいを実績として増加しておりますので、その増加を加えますれば、これからの電力料金というのはさらに上ることとわれわれは考える次第でございます。
 現行の運賃というものは昭和二十八年の一月に認可せられまして、そのときに織り込みました電力の費用というものは、電力単価におきまして現行料金で六%でございます。そうしますと、大体関東では二円三十六銭、関西では三円三銭くらいの値段でもつて一応運賃というものが構成されて、認可されておるわけでございます。しかも運賃認可の場合には、われわれの方が申請いたしましたよりもさらに低いレートでもつて査定をされておりますので、実際ならば電力費もこれ以下でなければならないというわけでございますが、幸い今日まで割当制度のおかげと申しますか、また御当局の十分な御理解を得た結果と思いますが、その結果は大体これに近い六・八%くらいの火力率の実績で、所期の電力費で納まつているので、非常にわれわれに幸いに感じておる次第でございます。
 ところが一方電鉄の収入の面を考えてみますと、すでに一部の会社では乗客の数がまずふえておりません。それから一部の会社ではまだふえております。それで収入は大体運賃だけが収入でございますが、鉄道の運賃には一般運賃と定期運賃とございます。定期運賃は一般運賃の六割からひどいのは九割も割引をしておるのでございます。こういうような非常に多額な割引をしておるような運賃でございまして、お客さんも大体一般客が定期客に非常に移行しておるわけでございます。その比率が過去に六〇%でありましたものが六五%というふうにみな定期運賃のお客に移行をしておる関係がございまして、とうてい料金の面では収入はふえて来ない状態でございます。それでしかも輸送の状況というものは皆さんも御承知の通り、まだまだラツシユ・アワーにおきましてはぎゆう詰めな電車でありまして、あるところでは囚人電車といわれておるような混雑をしておるくらいでございます。これの緩和策といたしましては車両を増強いたしましたり、あるいは線路を補修いたしましたり、停車場を長くするとか、いろいろの設備の面で多額の資金を要しているわけでございまして、電力会社の言われると同じように、私たちの施設費というものが非常に増加しているわけでございます。また一方には労働攻勢がございまして、ストライキでとめましてお客さんに御迷惑をかけるということもできませんので、ある程度これにもさかなければなりません。それで人件費の方も相当にふえておりまして、私鉄の経営の状態というものは現在非常に苦しい状態でございます。それで運賃というものは公共性がありますので、低物価政策のために値上げはどうしても許されないのでございます。電鉄の経営費、営業費と申しますか、その方を大きく分析いたしますと、人件費が大体五〇%、それから建設費とか建設費の利息、税金というものは大体二五%くらいを支払つております。これは固定的のもので軽減することができません。残りの二五%をもつて電力費であるとかあるいは車両であるとか、線路の補修費に充てておるわけであります。そして電力費というものは大体七%から一二%、平均一割を使つておりますので、一五%をもつてこの補修費に充てておるわけでございまして、この電力費が高騰いたしますることになれば、運転の保安の上に非常に危険を感ずるようになるわけでございます。幸い今日までは先ほど申し上げました通り、大体御当局の御理解を得まして割当を所期のようにいただきまして、今日まで過して来たのでございますが、今度のように公式で計算をされるということになりますと、先ほど申し上げたように、四割以上の電力費の高騰を来して参るわけでございまして、非常に経営が苦しくなりまして、どうしても運賃の値上げに持つて行かなければならないと思うのでございます。現在私鉄は、さき申し述べました通りに労働賃金の増加とそれから施設費の増加ということで非常に苦しくなつておりまして、何とがして運賃の値上げをしないようにというので、いろいろ企業の合理化をはかつておりまして、今日までやつとこさ運賃の値上げをしないで済んで来たのでございますが、ここで電力費の高騰があるならば、ちようど土堤にありが一穴を明けるのと同じように、これを機会としてどうしても運賃の値上げをお願いしなければならないようになるものと考えるのでございます。そしてこの値上げがもしもまた認められないといたしまするならば、どうしても今のように混雑しておりまする輸送力の緩和のための車両の増とか、あるいは線路の改修というようなことはもとより、一般の補修すらできなくなりまして、輸送保安の責任が果し得ないというようなことになるわけでございます。なるほどいろいろと承りますと、この公共事業に対してはいろいろの特典、三〇%の頭打ちだとか、いろいろの方法をとつておられまして、軽減を策されておるそうでございますが、まだまだこの程度では私たちは十分な結果には来ないと考える次第でございます。またこの私鉄の電力費を下げる方法といたしまして、前々から技術的に総合電力制をしてほしい、あるいは力率を一〇〇%に見るというようないろいろな便法も講じていただきたいということを申し上げまして、電鉄の技術的のそういうような特異性というものは御当局においても認められておるのでございますが、実際今度の供給規程の内容を伺いますと、そういうことが盛られておらないようにも伺つておりますが、こういうようなこともぜひともお取上げ願いまして、電力料金の値上げがないように、そうして運賃の値上げを阻止したいと考える次第でございます。
#10
○長谷川委員長 次は全国土地改良協会事務局長の安部さんにお願いいたします。
#11
○安部参考人 私は農事用電力に関しまして意見を申し上げたいのであります。農事用電力は御承知のように脱穀調製用とか、灌漑排水用、農産加工用、電熱温床のようなものにわかれておるのでありますが、本日はおもに主食に関係いたしますものの生産に直後関係ある電力に関しまして申し上げてみたいと思うのでございます。こまかい資料はお手元に差上げてございますので、ごく概略を申し上げます。
 まず脱穀調製用でありますが、全国で約七十一万台、約六十一万馬力に及んでおります。これは農事用電力の約半分を占めております。これらの施設はほとんど常設されておりますものの、その料金は定額制と従量制との二つにわけられておるのであります。
 次に灌漑排水用でありますが、これは関係の水田面積が約七十万町歩に及んでおりまして、馬力数では三十五馬力、農事用電力の約三分の一を占めております。地区数は二万七千地区、これらは自然に灌漑排水ができる地域と異なつておりまして、非常に不利な条件にあるのであります。今回の電気料金の値上げに対しましては一番この灌漑排水が脅威を来しておるのでありまして、この際皆様方にこの灌漑排水の特異性と申しますか、これを少し申し上げまして御了解を得たいと思うのであります。
 第一番に灌漑排水は時期的に水力の豊富な時期に使用しております。たとえば揚水使用期間は五月から八月までの四箇月間、排水は五月から十月までの六箇月間であります。すなわち夏料金の期間に多く使用されておるのであります。
 第二番目に、これらの施設に対しまする送電、変電の施設には非常に多くの費用を要しておるのであります。しかもその施設のほとんど全額が需用者の負担でありまして、すなわち揚水排水期間とも施設が非常に遠隔の地にあります関係からその負担額が非常に大きい。しかもその負担金は会社の規定に基いて大部分が需用者の負担になり、しかも施設の所有は維持管理上会社の所有に相なつておるのであります。
 第三は電圧の降下であります。以上のような各施設が非常に末端にございますので、これらの多くの場合電圧降下に備えまして、所要馬力に約二割以上の余裕を持たして計画することを主としております。また場合によつてはコンデンサー等を使用いたしまして電圧の降下を防いでその目的を果しておるのであります。
 第四番目に沈滞、排水施設の容量でありますが、常に二倍から五倍以上の設備をしておるのであります。たとえば揚水で出しますと、田植えのときのしろかきの水をもつてきめますので、これはふだんの養い水の二倍から三倍の設備と相なるわけであります。また排水の場合は非常時に備えますために常時の五倍以上の施設を行つております。いずれにいたしましても天然現象に支配されるものでありまして、ときによつては契約期間中一箇月を通じてまつたく使用しないことも珍しくないということがこれらの施設の実態であります。ここに大きな施設に多額の基本料金となるわけであります。
 第五番目に河川改修と電力料金、これは大河川の地帯に近来は河川改修に川床の上昇をほとんど抑制することがありませんで、堤防のかさ上げに重点が置かれております関係から、洪水時に高い水位が続く期間が比較的長期間にわたりますので、これらの沿岸耕地の農民はその生産を確保せんがために施設の増強を行うとか、あるいは排水作業の負担の年々加重されておるような現状であります。このほか誘蛾燈が関係面積約二十万町歩で五万燈ございますとか、あるいは水稲の電熱温床は北海道を初め東北、北陸その他の地方の山間地帯におきまして冷害の防止と裏作の促進に使用されまして、近来はその効果を逐次上げつつあるのでありますが、この電熱温床は農事用電力の特典から除かれておるような現状を御記憶願いたいのであります。
 以上のほか農業に関係のございますのは、肥料の問題あるいは農具、農薬の製造等、いずれも影響するフアクターが非常に多いのであります。従いまして米価なり麦価との関連の多いことは申し上げるまでもないのであります。しかるに去る一月の電力会社申請案に基きますと、全国平均一割四分四厘の値上げに対しまして、農事用につきましては国是生活に最も影響を及ぼす米価との振合いなど何ら考えるところがありませんで、その値上げ率は農林省の調査でございますが、実に平均にいたしまして四割、最高は二倍にはね上るような計算に相なつた次第であります。その後新聞紙上の伝えるところ、通産当局の値上げ案は六分八厘説とか、あるいは六分一厘、あるいは四分七厘説といろいろしぼられた結果、安い夏料金をやめて夏冬、一本料金として、来春の四月から以降は高い冬料金をもつて年間の料金を徴収することに決定されたと発表があつたのであります。このことにつきましては去る八月四日の参議院の通産委員会におきまして、藤田議員の質問に対しまして通産大臣は農家の脱穀用など、これまで夏料金のときだけ集中的に電気を使用した需用者については合理的に調整をしたいと述べられておりましたと、このような記事を拝見したのであります。またその翌五日には自由党の総務会におきまして低物価政策の趣旨に基き、硫安製造業及び灌漑排水電力には影響を極力軽微ならしめるよう考慮すると発表せられておるのであります。また以上と相前後しまして報道機関がそれぞれいろいろの率をあげておるのでありますが、昨日突如といたしまして本委員会に来年の三月までの改訂要綱が発表されたのであります。この中には農事用電力として脱穀調製等、灌漑排水の項目がございますが、先ほど申し上げましたように農業関係は夏料金がおもでございまして、なおかつ昨日御発表になりました数字はきわめてこまかい数字でありまして、これらに対しましては本日意見を申し上げることの準備ができないのであります。従いましてこれらの点につきましては後日書面をもつて詳しく申し上げたいと思いますので、御了承を願いたいと思うのであります。
 なお農事用関係につきましては非常に関係者が多いのでありまして、再度聴聞公を御開催くださるようお願いいたしたいのであります。
 最後に私の結論といたしまして、今日国の統制下にありますものは電力料金と米の価格のただ二つと思うのであります。従いましてこれらのものはよく政府当局において十分に双方相関連せしめて御決定を願うべきでありまして、現下のデフレ下におきまして低物価政策あるいは低米価政策上農事用電力は絶対に値上げを避けるべきものと思うのであります。
 以上であります。
#12
○長谷川委員長 次は主婦連合会常任委員の佐々木いす君にお願いいたします。
#13
○佐々木参考人 主婦連合会ではこの春の聴聞会のときにも出席いたしまして、電気料金の値上げに反対いたしましたが、今度また電気料金の改正がございまして、電気料金の改正のときは聴聞会を開いており、一般消費者の意見を聞いて適当なる料金をきめるのがあたりまえだと私ども思つておりましたのですが、今度の料金改正は聴聞会も開かれずにきまつてしまいましたので、まことにふに落ちないものがございます。政府のそれに対する答弁といたしまして、電力会社の値上げ並びに制度改正に関してこの春聴聞会を開き、料金を抑え、制度を改正するという線を確認しているから、いまさら聴聞会を開く必要はないというようなことを言つておられます。また昨日発表になりましたものから見ますと、来年三月末までは現行の冬料金ベースにすえ置くこととする。二十九年十月以降は現行の割当を廃止して料金制度の合理的改正を行う。三十年四月以降の料金は電力会社側の一層の企業努力、税及び金利の低減等の措置によつて再検討を行うとありますが、そういうことは政治的色彩が強いように思われますので、私ども常識から考えてみますと、こんな重大な電気料金を十月から来年三月までの半年は今わかりますが、それから先四月以降の電気料金がわからないからきめられないというようなことは、私どもには実際納得の行かないものでございます。春の聴聞会では夏冬の二本料金でありましたが、今度は聴聞会にもかけずに一本料金にすることは、いくら御都合主義に徹した、一方的な解釈をなさることの上手な政府のおえらい方でも、良心のとがめるところがおありになると思います。それで来年の四月からの料金をうやむやにしておかれるのじやないかと私どもは推察するのです。ほんとうを申しますと、きつと来年四月からの料金もちやんときまつているのじやないかと私どもは考えております。それでなければ、また来年あらためてこの一本料金にするときに、四月からの料金をきめる前に、聴聞会をお開きになる御意思でしようか。それを一応お聞きしたいと思つております。第一、今あわてて大衆を惑わすような料金の改正をしないで、来年三月まで現行の料金を実行していただいて、その期間にゆつくり料金の問題を検討していただいて、一般消費者が納得できる料金を割出していただきたいと思うのでございます。四月から先の料金がはつきうしないうちは、私どもはまことに不安でたまりません。
 昨日発表になつた料金改正の表を正直に信じて見ますと、幾らか現行より安くなつているようでございますが、五十キロまでの料金計算はすべて一キロ九円五十銭に使用電力量をかけたものでありまして、アンペア制の基本料金は計算に入つておりません。五十キロ使うのは、大体その九十円の五アンペアの範囲内で使えるようにお考えになつておりますか。それとも――私どもは、五十キロは、九十円を入れますと、この表に出ておりました計算が少し違つて参ると思います七燈以下は九十円の基本料金を入れないというような発表でございますが、もし三十キロを使つたとしまして、この基本料金を入れずに、この表に出ております通り計算いたしますと、冬料金はちつとも上つておりませんが、夏料金の方は四月から十月までございますから、一年のうちの七箇月が夏料金になつておりまして、冬料金は五箇月になつております。そうすると夏料金七箇月というものはたいへん安い料金になつておりますが、それをもし冬料金だけで計算するといたしますと、一箇月一割三分くらいの値上になつて参ります。五十キロの計算にいたしますと、これは九十円の最低料金を入れますと、あまりはつきりした数字はまだ出ておりませんが、二割六分か七分くらいの値上りになることは間違いないのでございます。
 結局電力会社または政府といたしましても、来年の四月からはこの冬料金で押し通すおつもりでいらつしやるのじやないでしようか。私どももそう思つておりますが、政府は上らない上らないと言つておりますけれども、この不景気で、中小企業を初めあらゆる商売が、借金で首のまわらないような昨今の世相でございます。従つて私ども一般の家庭の主婦は、家計のやり繰りに根も尽きてしまいましたし、この上便乗値上げで物価が値上りいたしますと、それこそ家計はどうすることもできなくなつてしまいます。豊水で、二、三年後の石炭代も積立てができたということも聞いておりますし、もうける計算ばかりをなさらずに、公益事業という名においても、この際国民大衆の意をくんでいただきまして、いさぎよく冬料金を撤廃して、夏料金一本にしていただきたいと思います。(拍手)さらに会社の経営にも別途の方法があると思いますから、この別途の方法を講じていただきまして、ほんとうに大衆の味方となつてこそ、公僕としてのほんとうの姿があるのじやないかと思います。感謝されるような料金の算定法を研究していただいて、安い料金を出していただきたいと思います。政府もこの企業合理化というものを、どこまでもむだのないようによく監督していただきたい。これが私どもの希望するところでございます。
#14
○長谷川委員長 次は中国地方電力協議会連合会会長蔭山君にお願いいたします。
#15
○蔭山参考人 私は中国五県電力需用家の団体でございます中国地方電力協議会連合会会長として発言させていただきます。
 中国地方の電力料金は、全国で一番高いのであります。一キロワツト・アワー当り六円六十銭以上で、北陸の二・五倍以上の地域差に相当いたします。今回の電気料金値上げ問題については最も真剣で、さきに中国電力株式会社の値上げ申請が発表されますと、いち早く詳細に原価を分析いたしましたところ、昭和二十九年度中は値上げをやらないでもやつて行けるという結論を得たのであります。その後、各地でも中国地区と同様な原価分析が行われましたが、真にやむを得ない会社だけの値上げにとめるべきであるという議論が有力になりました。また通産当局におかれましても、各電力会社からの値上げ申請案に対して査定を加えまして、ほぼ適正な値上げ案に近づきつつあるやの印象を得ておりました際に、いかなる理由か七月三十日の閣議で、今日衆議院通産委員会の議題になつておりまするような政治的解決がなされたのであります。しかし関西電力や中国電力等は、大騒ぎをして値上げを持ち出すほどの赤字とは認められないのであります。この程度の不足額は、昭和二十九年度になつてからの豊水と、炭価の値下りで十分吸収できたものと思われるのであります。経済審議庁案あるいは大蔵省案といわれるものは、第二次補正案よりもさらに低い値上げ率になつておりますのに、閣議決定案の昭和二十九年度下半期については、料金ベースをすえ置くとの政府声明にもかかわらず、実質的には全国平均で五・二%、中国で四%の値上げとなつております。地域差についても、今回の閣議決定案によりますと、かえつて申請案よりも増加しております。特に中国地区産業にとつて直接の競争相手である関西地区の電力料金値上げ率が非常に下つており、当地区との電力料金の開きがますます大きくなるということは、致命的な痛手であると申さねばならないのであります。
 ここに一番遺憾に考えますことは、燃料費調整条項を停止するという考え方であります。私どもは昭和二十七年五月の電気料金値上げ当時、再三にわたり原価に織り込まれた石炭単価、石炭消費率が高過ぎることを指摘いたしまして、これが引下げ方を要望したのであります。今回の中国電力会社値上げ申請書に採用されました炭価は、トン・カロリー当り八十銭、またごく最近の市価はトン・カロリー当り七十銭見当に下つております。今多少の余裕を見てトン・カロリー当り七十四銭と仮定いたしましても、燃料費調整条項による割引率を計算いたしますと、中国電力の場合は、業務用電力で一割二分、大口用電力が一割七分、乙が二割二分、丙が二割三分という、全国で一番大きな割引率となつておるのであります。今回の閣議決定といわれるものは、今までるる申し上げましたごとく、その結果だけを伺つたのでは、どうにも納得の行かない点が多々あるのでありまして、これを要約いたしますと、次の諸点について多くの疑問を残すと考えられるのであります。
 水力可能発電量の算定にあたつては、国際的に統一された権威あるEEIの様式に改め、かつ昭和二十八年度の出水実績を加えられたいと思います。この方式により、また昭和二十八年度の出水実績を加えますと、十年平均にならしても年間十五億キロワツト・アワーの増量が見込まれるので、五%以上も値上げ率が低くなります。
 石炭条項による割引は、前回の電気料金値上げの際に、石炭費の見積りが高過ぎたために起つたことで、火力地帯の電力需用家はこの割引により地域差料金の不当を若干補つていたのでありますから、今この制度を停止して、現在よりも五割以上高い昭和二十七年五月の高い石炭単価に引きもどしたもので、値上げ率なり地域差なりを論ぜられることはとうてい了承し得ないということであります。
 本年二月に申請された電気事業者の水火力調整協定をさらに減額するやに伺いますが、石炭条項割引を考慮した場合の地域差は、今回の料金改訂に伴い増加するという実情を正視されて、水火力調整金はすえ置きとされたいと思います。しかしどうしてもこれを減額されるというのであれば、一面貯水池式新水力発電所と新鋭火力発電所の相関利用をはかりまして、他面期間常時料金並びに深夜割引制度の創設によりまして、料金改訂後の地域差が現在より減少するだけの措置を講じた後に実施されたいと存じます。
 夏冬料金一本化の制度の根本的変更は、電力供給者、需用者にとつても大きな問題であるので、聴聞会を開いて民意に問うべきが至当と存じております。
 以上の諸点に関して十分解明する機会を与えず、ただ一遂に十月一日から値上げを実施するということは、はなはだ非民主的であると存じます。通産委員会におかせられてもこれらの点を御賢察の上、ぜひとも法の規定に従い、聴関すべき旨の決議を行つて、その実現方を強力に政府に要望されるようお願いいたす次第であります。
 なお昨日当委員会に御発言になりました政府案の資料につきまして、検討する時間もないのでございますが、一言意見を申し述べさせていただきたいと思います。総体として私の疑問といたしますのは、政府提出の数字がすべて石炭条項停止後のもので、しかも来年三月までの高い冬料金期間しか比較の対象とされていないということであります。これならば中国、関西、九州地区のごとく石炭条項によつて料金の割引が二割近くも現在行われておるところでは、既定の料金に比して見かけの上では値下りとなるのは当然であります。もしまた一旦このままで認可されたら最後、来年四月以後の安い夏料金期間に入つてもずるずるとそのままで引延ばされることは火を見るより明らかと存じております。私はかくのごとき懸念を持つがゆえに、本委員会におかれてはこの点をはつきりさせるために次の資料を政府から提出させて、十分検討を加えられんことを要請するものであります。現行及び改訂料金収入比較表、これは燃料費調整後のものによることとして、計算の根拠を明らかにしたものが必要であります。一般影響調書、特定業種影響調書、特定需用家影響調書、一般大口丙影響調書、政府提出のものはいずれも冬料金期間をとり、追加率等も一般に妥当ではないように思われるので、広く一般に当てはまるものについて影響を調査せられたいと存じます。政府提出資料に基き中国電力の大口丙の場合を当方でとりあえず試算しますと、政府資料ではコール・クローズ後の値上り率が一〇三%であるのが、一二五%ないし一三二%となる計算になつて参ります。なおこれらの必要と思われる資料については、あとから書面にしてお手元に差出すことにいたしたいと存じます。政府は昨日の委員会で、今までに四分六厘の値上げ補正案をまとめたとの言明でしたが、今回の案ではこれよりも高いこととなつておりますので、原価主義の原則を貫く上からも、この四分六厘の値上げ案と今回の案との比較表をつくつて発表されたいと存ずる次第であります。
 以上をもつて私の公述を終ります。
 なお委員長に一言お願いしたいことがございます。中国地方におきましては、中国地区電力料金地域差撤廃期成同盟会というのがございまして、これは各県の知事、県会議長、県会、市町村長、市町村会を初めといたしまして、その他各種経済団体が集まりましてつくつております。会長は岡山県の県会議長さんがなつておるのでございますが、このたびの電気料金問題について非常に心痛されまして、本日も上京されまして傍聴されておられますのですが、委員会終了後におきましてでも、一言陳情を聞いていただくようにおとりはからい願えましたらたいへん仕合せと存じます。
#16
○長谷川委員長 今会議を閉じまして休憩いたしますから、そのときに御発言願います。
 次は日本電気産業労働組合副委員長小川君にお願いいたします。
#17
○小川参考人 本委員会で私の意見を申し上げたいのでありますが、先ほどから数人の参考人がすでにおつしやつたように、今回の料金改正につきましては、内容的に突如として昨日発表されまして、私どもとしてまだ数字的に明細に検討する機会を得なかつたので、今から申し上げます意見もきわめて抽象的になることを御了承願いたいと思います。御了承願いますと同時に、先ほどどなたかおつしやつたように、このような重要な問題が、各方面の各需用事業の種目によつていろいろな形で影響を与えるような、しかも複雑なこのような改訂がされる場合、特にアンペア制という日本で最初に行われるようなこのような改正が行われる場合、これがどのような影響を与えるかということを十分検討する時間を、われわれとしてはほしいというふうに考えます。特に今回の出され方につきましては、先ほどの参考人がおつしやいましたので省略いたしますが、われわれといたしましては、非常に何かこの裏に問題があるような気がしてなりません。
 そこで、昨日の改正案をずらつとながめまして申し上げられることは、何か現在政府がとつておりますデフレ政策というものが片一方あつて、この電気料金の改訂問題というものが出て来た、片やデフレ政策に逆行しない形で、何とか電気事業経営者の考えておる考え方を満足する方法という形で、表現としては相当苦心がされてあるように見受けられます。そこで改訂の要旨は、九月から夏料金を廃止して冬料金一本で行くということと、それから割当制度を廃止するということと、アンペア制を採用するということ、以上のことが骨子になりまして、その他ははとんど抽象的で、しかも結論が出ていない、また希望条項のような形の条文がずらり並べてあります。そういうことも各参考人がおつしやつたように、具体的にこれがなされれば、結果的にはどうなるかということが、非常に不安な気持でそれぞれの立場で最悪の場合を考慮しながら計算がされておるように見受けられます。しかしながらそのようなことで、政府は一切電気料金の値上げはしないのだ、実際これはすえ置きなんだということを言われながら、次の提出されました資料自体から見ましても、相当の影響がある資料が出ております。しかもこの資料なるものは、私どもは数字的に検討いたしておりませんが、この資料の結論に至りました数年的径路なり根拠なりが全然はつきりいたしておりませんので、私どもとしてここでこれについて直接意見を申し上げる段階でございませんけれども、先ほどから各参考人がそれぞれの立場からおつしやつた意見のように、それぞれに当てはめてみますと、相当大幅な値上げになるということは確かなように私どもも受取つております。これは若干の時日を得れば的確な数字として把握できる問題だと考えます。それから特に一般の大衆の反対をおそれてか、家庭用の小口についてはむしろ値下げになるという形で発表されておりますけれども、確かにここにはそのような数字が一応羅列いたしてあります、この数字を否定はいたしませんが、私どもといたしまして、これをどうしても肯定するわけに行きません。特にアンペア制度の実施はわれわれが初めて経験いたすものでありまして、もう少し一般の方々に納得の行く形の説明で、お宅は今まで幾ら使つておつて、今度は幾らになります、こういうところまで親切に個々の状況において説明がありませんと、なかなか納得の行く問題でないと思います。先ほど主婦連の方がおつしやつたように、現実にこの改訂をそのまま適用いたしましても、この出ております資料とは反対に、若干の値上げになるような結論になると、計算の上からすでに公述がされております。またこの表でも明らかなように、大口電力及び中小企業が特に使つております小口電力につきましては、これでは明らかな値上げになります。一般の家庭において電気料自体の上ることも問題でありますが、このような値上げが逆に物価の面にはね返つて来る、この影響は、政府から出されました資料には全然無視された形で説明がされております。
 この出されました案については、大体以上のことが申されますが、ここで冬料金一本で行くということでありますけれども、皆さん方も御存じのように、電力会社の各社間に水力地帯と火力地帯がございますので、水火調整金という制度がございまして、この水火調整の基礎の上に立つて、夏冬料金が一応決定されております。この基礎になつた水火調整の問題を何ら検討せずして、ここにそのまま冬料金を採用する、こういうことになりますと、結果的には、数字的にも私どもで検討すれば出る問題でございますけれども、少くとも今までの各社間の経営内容のアンバランスといいますか、あるいは先ほど中国地区の方がおつしやつたように、現在の地域差料金というものが日本の産業の発展を非常に阻害いたしておりますが、この地域差料金の拡大という状態に発展して来るのではないかと憂慮される点を多々含んでおると考えられます。
 以上申し上げましたように、今回のこの改訂につきましては、まだ出たばかりで具体的な意見は申し上げられませんが、どの点から申し上げましても、少くとも現行の料金よりは上ることは確かなようでございますし、また提案の御説明なり、あるいは電力会社の方々が上るということを目的に申請されて、この委員会で賛成しておられることから考えましても、どのように強弁されましても、電気料金が上ることは確かなように私は考えますし、皆さんもそのようにお考えだと思います。
 以上の点から、私どもは電気料金の値上げにつきましては、従来から執抛に反対運動を続けて参りました。しかるにほとんど毎年のように電気料金値上げの問題か具体化され、このような席上で論議をされております。かつて、電気事業の再編成という問題が起きましたときに、会社も政府も、安くて豊富な電気を国民に提供するために日本の電気事業を九つの電力会社にわけることが最もよろしいのだ、こういうことであの分断が行われました。しかしながらその結果は、先ほど申し上げましたように、数度の値上げという形になつて現われて参つております。
 ここで、直接この電気料金の問題とは関係ありませんけれども、特に私は電気事業に従事しておりますので電気事業の内容を若干知つております関係で、皆さん方にぜひお願い申し上げておきたい点がございます。いつも電気料金の問題が問題になりますと、ただ会社がやつて行けるか行けないか、あるいは物が上るか上らないか、このような形で論議されますが、なぜこのように国民的な反対を受けながら電気経営者が執抛に電気料金の値上げを要望するか、また現在デフレ政策を強行しておる政府自体ですから、あるいはその下部機関であるというか掌握下にあるところの通産省あたりでも電気料金値上げはやむを得ないというような一つの案が出て来たか、なぜ一体電気事業はこのようになるかということを、ひとつ十分御検討をお願いしたい。そして、電気事業をこのような形にしないためには日本の電気事業を一体どのようにしたらよいかということを根本的な問題としてお考えをお願いしたいと思います。このままで行きますと、われわれのこのような意見にかかわらず、今年のこの案が、どのように発展いたしますか予測を許しませんが、先ほどどなたかおつしやいましたように、来年の四月からはずるずると冬料金、その後はまたやつて行けないから値上げだ、このようなことが続くことは必至ではないかと考えられます。現在のこのような国民的な反対を押し切つて値上げをしなければならぬ、しかも電源開発をしなければならぬ、このような状態に追い込まれました電気事業というものが、企業全体の形態のあり方の矛盾からこのような状態になつて来たということにお気づきになつて、電気事業の企業のあり方についての検討を、この際この電気料金改訂問題をめぐつて十分に御検討くださることをお願い申し上げまして、私の意見にかえさせていただきます。
#18
○長谷川委員長 以上で参考人の御発言は終りました。
 なお参考人の各位にはまことに申訳ないのですが、続行して皆さんの御質疑だけやらせていただきたいと思います。さよう御承知願います。また委員の各位に申し上げますが、小委員以外の御発言の通告もございますから、これを許可したいと思いますが、さよう御承知を願います。なお質疑は参考人に対する方を先にやつていただきたい。政府のは再開後お願いしたいと思います。
 それでは発言の通告がありますから許します。山手滿男君。
#19
○山手滿男君 私はまず白井さんにお伺いをいたしてみたいと思いますが、三割を限度とする頭打ち制度が皆さんの方には適用されるのだと政府側は言つおりますが、さつきのお話でございますと相当運賃にはね返つて来る、はね返らせなければ自分の方はやつて行けないのだ、こういう御陳述がありました。電力料金の引上げが即運賃の引上げを伴うということでは、これは私どもはたいへんなことになると思うのであります。さつき簡単にお話がございましたが、まだよくわかりませんので、あなた方の運賃構成上電力料金の占めるウエートはどういうものであるか、もう少しその点を詳しく御説明をお願いいたします。
#20
○白井参考人 ただいま電力料金の私鉄の営業費に占める割合はどのくらいかという御質問でございますが、これは全営業費の大体一割でございます。一割が電力費となつております。それで電力値上げをいたしますと、すぐそれが運賃値上げをしなければならないとははつきり申し上げられませんが、現在私たちは労働賃金の高騰であるとか、あるいは車両その他施設の改良とか増加というものに対する資本費の増加というようなもので、もうすでに運賃の値上げはしたいところなのでございます。それを経営の合理化とかいろいろな努力をいたしまして、また労働者においてももつと値上げをしてほしいというのを、このくらいでがまんをしてほしいというので、がまんをしてもらつてやつておるような状態でございます。それがもうぎりぎり一ぱいのところでありますから、ちようで一升ますに一升ぴつたり入つているところで、これに少しでも上れば水が漏るのと同じような状態になつておる、こう申し上げるわけでございます。
#21
○山手滿男君 私はその点はよく調べてみたいと思つておりますが、藤井さんに鉄鋼関係で電力料金の原価に占める割合、それから蔭山さんに化学工業、特に皆さん方のソーダ工業においてどういうウエートを占めるか、藤井さんと蔭山さんからそれをお聞きしたい。もつとも今政府が出して来ておりますこの説明書は、私はでたらめだと思つております。それではあまり上らぬようになつておりますけれども、実際は平均して一割一分以上上ることになることを予定して考えていただかなければならぬと思いますが、コスト上鉄鋼業あるいはソーダ工業でどういうウエートを占めるか。
#22
○藤井参考人 御承知のように、鉄鋼業は溶鉱炉から一貫作業をやつておる形態、それから平炉メーカーの単純製鋼圧延あるいはただ圧延をやつておるもの、あるいは特殊鋼、いろいろ業態によつて違いまして、溶鉱炉から最終製品までつくつております一貫作業におきましては、大体生産原価の三%ないし四%にとどまりますけれども、これを平炉メーカーにしますと七%から八%、単純圧延をするメーカーで一〇%、それから特殊鋼にありますと、――特殊鋼も電気炉を主体としますものになりますと、業態によつて違いますけれども一〇%ないし一五%、それからフエロアロイになりますと一五%から二五%くらいの原価に占める電力比重でございます。
#23
○蔭山参考人 化学工業はいろいろな業種がございまして、その電力を使う比率も業種によつて非常に違つております。今回の値上げ案は、先ほども申し上げましたように、昨日当委員会において政府案が御発表になつたばかりで、われわれとしては早急にその操作に入りたいと思つておりますので、今具体的に今回の値上げによる影響率を申し上げにくいのでありますが、電解ソーダのごときは、今までも大体原価の二割四、五分を電力料が占めておるという状態でございます。昨日の政府の御提出になつた資料を拝見いたしますと、第四枚目に一般影響調書というのがございます。これは私どもがまだそろばんを一々置いてやれないのでございますが、このうちでわれわれの方の中国電力の方だけを見ましても、この値下げなり値上げのパーセンテージを示されております基礎は、昨年の上半期の石炭価格、すなわち昨年の上半期の石炭価格による価格でもつてこの値上げ率、値下げ率を計算されておるように思うのであります。私らは昨日御発表があつた、これこれの価格で適用したとおつしやつた価格に直したものにこれを引き直してごらんに入れると、各業界の方がどうもこの表ではこんなことになつておるけれども、実際のおれたちが払う料金ではこうなるじやないか、これはいつも聴聞会ではこういうことが起きるのであります。これらの点は、政府当局におかれましても、ことに通産当局においてはざつくばらんに御発表願いたい。去年の上半期の石炭価格と現在の価格ではあまりに大きな違いがあるということはわかつておるのです。これはなかなか一般の方はそういうことがわからない。それと高い石炭価格でもつて値上げ率なり値下げ率を発表されておる、こういうことを今度の原価に織り込んだ石炭価格にやつてみるとどう値上げになるのかということをわれわれとしても出してみたいと思います。どうぞ当委員会においても、通産当局にそれを御明示願つて資料を出させていただきたい。一応ざつとした計算でございますが、政府では中国電力の場合に一〇三%の値上げだと書いてありますものをわれわれが試算してみますと、一二五%ないし一三二%の値上げになる。これが一般の需用者の方の疑問になる大きな点だと存じておるのであります。御承知のように産業界も政府のデフレ政策というものには協力いたしております。電気料金の今度の改訂がどれだけ各産業に影響するか、これは各産業も至急その操作に入ると思います。どうぞ操作をする時間を与えていただきたい。またその調書は次々と政府なりあるいは当委員会なりに各産業団体から提出をされますから、また当委員会においても通産当局にそういう影響資料というものを、ただ去年の上半期の石炭価格で比較するというような――ざつくばらんな言葉で申し上げれば、ごまかしの資料でなく、現在の炭価を織り込んだ炭価でけつこうでございますから、その炭価でもつてどういう影響があるかということの資料をぜひ提出させていただいて、当委員会でもぜひ御検討を願いたい。その時間をひとつ与えていただきたいと思います。
#24
○山手滿男君 井上さんの方にもう一つ私は伺つておきたいと思いますが、さつき労働組合の方からお話がありましたアンペア制の問題は、私どももわからないのです。中部電力の方では御採用にならないそうですが、東京電力そのほか大部分のところがアンペア制に切りかえられるということですが、アンペア制なんかは特にややこしい。燈数がふえると、いきなり料金がふえて来るというふうな形は、政府の言つておる原価主義とは違つたものだ、私はこういうような気がいたします。原価主義を貫くと言いながら、ことさらややこしいアンペア制をどうして採用しなければいかぬのかわからないのですが、アンペア制というものはどういうふうに了解したらいいのか、もう少しざつくばらんに御説明を願いたい。
#25
○井上参考人 アンペア制につきまして昨日政府から御発表になりました数字はかなり詳しく出ておると存じます。あれをごらんくださいますとおわかりになると思うのであります。私から申しますより、あるいは政府御当局から御説明願つた方がいいかと思いますが、中部電力も今回アンペア制を採用することにいたしております。アンペア制の方が実際の需用家の方々の御使用量に沿うた電力料金の御負担が願える、言いかえますと、比較的少額な電気をお使いになる方には少額の御負担を願い、大きな家庭、と申しましても三十アンペア近くの比較的大きな需用家の方々には、それだけ多額な御負担を願うという意味におきまして、むしろ原価主義にかなつたやり方である。ただ現行制度とアンペア制度との間に若干の違いがある。また何かアンペア制というものが言葉の上でおわかりにくいという点につきまして、私どもの御説明があるいは足りないのかもしれませんけれども、これは実情に即しまして、つまり五燈、七燈の方々、三十燈、四十燈の方々に、より実情に即した御負担を願うという意味におきまして、原価的でもあり、合理的でもある、こういうふうに考えます。
#26
○長谷川委員長 永井勝次郎君。
#27
○永井勝次郎君 井上さんにお尋ねいたしたいと思います。現行法は原価主義料金の認可制、こういうことになつておると思いますが、今回政府の取扱いました事柄は、こういう原則から逸脱しておるのではないか。官僚統制の第一歩を踏み出したような感じがあるが、これに対してどういうふうにお考えになつておるか。この政府の決定に対して、業者側は無条件で了承する意向であるかどうか。それからこの料金の新しい査定にあたつては、政府とあなた方と共同で作業をされて、大体この程度ならばふところ勘定からいつてけつこうである、こういうような裏の話合いで、業者の方から今まで出した申請をけ飛ばされて、今度は共同作業をした線に沿つた新しい申請をお出しになつて、それで了承した、こういうことになるのか。その辺について今回の問題に対するあなた方の立場、真意を明確に承りたい、かように思います。
#28
○井上参考人 電気料金の改訂につきましては、法律に基きまして私ども申請をいたし、それに基きまして政府から御認可を受けたい、こういうふうに考えておるわけであります。先般二回にわたります聴聞会の結果、政府におきましていろいろとその間に御査定があつたのであります。その間、先ほど申しましたように私どもといたしましては、政府の御要望に基く資料を政府に提出したり、また政府からの御質問に答える等、そうした意味におきましての作業につきましては、政府ともいろいろと御協議をいたした点はございます。しかしながら今回政府が最終的に御決定になりましたにつきましては、政府のお考えに基きましてああした案ができました。もとよりこの案ができますにつきましては、これまた先ほど申しましたように、七月末以来大体の構想ということにつきましては、私どもも伺つておるのであります。最終的な案は昨日私どもも伺つたようなわけであります。従いまして、前もつて打合せてあるからこの通りでいいかどうかということを聞かれましても、九つの電気事業者がそれぞれの立場におきまして政府と御協議をいたしました結果、その案で成案を出すかどうかは今後の問題でありまして、私電気事業連合会を代表いたしまして、九つの会社がかくかくであるということは申し上げかねるのであります。今度の問題が、特に官僚統制であるとかどうとかいうことになりますと、実は一昨年並びに一昨々年改訂をいたしましたときも、大体今日と同様な経過をとつておるのであります。ただ今回は先ほどから申しましたように、事業者が申請をいたしましたにかかわらず、その間若干事実上遷延をしたということはございます。しかしながらただいまの法律の精神に基きまして原価主義を守つていただけるという限度において、できるだけ政府に御協力してやつて行きたい、かように考えております。
#29
○永井勝次郎君 今まで世間的には政府は絶対秘密だと言つてうかがい知ることができなかつたのでありますが、業者の関係では作業について協力し、それぞれ打合せられたということでありますから、これが実施にあたりましては、あるいはスムーズに行くかもしれませんけれども、いろいろ計算基礎その他が新たになつて参つております。従つてこれを実際のいろいろな細目の実行にあたりましては相当日数がかかるであろうと思いますが、この日数はかねて打合せしてあつたから、すぐに実行に移せるような態勢が会社側にできているのだ、こういう実情にあるのか。これを実施する場合には、細目その他について相当準備期間がいる、とすればどのくらいの準備期間がいるかというようなことについて伺いたい。従つてそういう準備期間が相当あるとすれば、これは何と申しましても聴聞会を開かないでこういうことの実施に入るということはふらちであり、不当であります。従いましてこれはどうしても若干実施の時期が遅れたにいたしましても、聴聞会を開いて需用者側も十分この料金について発言し、それから意向を述べ合うという機会をつくつた方が、会社側としても今後の実行の面においてスムーズに運ぶという点において必要であろうと思うのでありますが、実施の時間を延ばしても聴聞会を開いたらいいというお考えはないかどうか、この二つの点についてお尋ねいたします。
#30
○井上参考人 実施までに若干準備期間がなければ、事務的その他において間に合わないかという御質問でございますが、これはただいまの省令に基きまして新たなる電気料金が決定をいたしますと、私ども公示をいたします。その公示をいたしましてから十日間後に実施を見るわけでございますが、その十日間置きまして、内部的並びに需用家の方々との接触を十分とりまして、できるだけの御了解をとりたいと考えるのであります。在来二回にわたりました料金改訂におきましても、この期間内において大体御需用家の御了解、周知徹底等できたと考えております。従いまして今回もこの期間で十分まかない得るかと考えております。第二の問題でございます聴聞会の問題は、先ほど他の方々からも若干そうした御意見があつたやに考えるのでございます。これは私どもは逆に考えるのでございまして、聴聞会がすでに行われた、その行われた意見に基きまして、私どもが当初申請いたしました値上げの率もかわればまた制度におきましても若干の変更があつて、昨日政府が御発表になりましたような案になつたものと考えるのでございます。それをさらに聴聞会を開くということは必要ないことかと私は考えております。
#31
○永井勝次郎君 先ほど来の話のように今度の単価がアンペア制になつた、また業者からの申請書も書き直さなければならないというように内容ががらつとかわつた、かわらない前の申請書に基いて聴聞会を開いたのでありまして、今度の新しい料金制度についての夏冬一本料金とか、アンペア制とか、こういつた質的のかわつた内容における聴聞会というものは全然開いておらないのでありますから、この点についても聴聞会を開く必要がないとお考えであるかどうか、重ねてお伺いしたい。
 その次は今回の料金は夏冬一本料金とかわりました。従来の夏冬料金、火力発電によつて補わなければならないというような単価の高い料金のものは、ある程度使用量は削つて、単価の安い電力をできるだけ多く使う、こういうふうにして年間を通じて、使用料のバランスをとつて、平均してやつて行くという、こういう一つの電力の使用に対する調整という意味も、この夏冬二本料金の内容を策定した趣旨であつたと思うのでありますが、こういうように一本料金になりますと、かりに冬に使用量がうんと集中して来る、夏は使用を減らして冬に集中して、使用が出て来るというようなことになりますと、現在の料金制度のもとにおいて、会社側は冬どれだけ使用量が増強しても、需用が起つても、十分需用家の求めに応じて行く責任をとつて行くことができる、こういうことがいえるかどうか、この点について年間を通じて需用家の需用に十分にこたえて行く責任を果せるんだ、こう確信されるかどうか、この点が一点と、それから料金が高くなりますと、自然使用を減らして参ります。従つて現在でもデフレその他の影響もありましようし、こういう料金制度も反映いたしまして、たとえば電源開発五箇年計画というようなものが、今日の段階においてはある程度改訂、縮減して、そうして需給のバランスをとらなければならぬというような段階に来ておると思います。できるだけ安い料金を開拓して行く、こういうことが電気事業の公益性でもあり、またそれが目標でもなければならぬ。家庭において電燈だけつけて、あるいは洗濯機も使えないんだ、あるいは電熱器も使えないんだというような、こういう時代に逆行するような料金制度というものは、われわれは正しい料金でない、こう思うのですが、これらの点についてひとつ御所見を承りたい。
#32
○井上参考人 第一点の聴聞会の問題でございますが、ただいまたとえばアンペア制その他いろいろ聴聞会にかかつておらなかつたことが今度の制度に入つたかのごとく伺つたのであります。あるいは伺い違いかもしれませんが、そうしたことは一応聴聞会では論議をされた点でございます。ただいろいろ細部につきまして若干の変更等はございましたけれども、そういう意味におきまして、聴聞会で料金値上げにつきましては、昨日大臣も御指摘があつたのでありますが、いろいろ御意見もございましたが、むしろ電気料金制度をかえるということにつきましては、大多数の方々はその制度の変更には御賛同あつたかと存じます。そういう意味におきまして私どもといたしましては、同じ種類の問題につきまして再度聴聞会を繰返す必要はないのではないかと考えております。
 それから第二段の問題であります。夏冬料金を同一にする方がいいのか、夏は安くして冬は高くした方がいいのか、これはまことに電気事業者の立場からお考えくださいまして、ただいまのような御発言がございましたことはごもつともな点でございます。御承知のように戦後電力が非常に逼迫をいたしまして、当初の規定ではある一定量以上は使わせない、使つてはいけないんだというような考え方、その後ある一定量以上は非常な高額な電気料金を課する、ほとんど禁止的な高い料金にするといつたようなやり方をとつて来たわけでございます。同時に夏冬の料金というものが、戦前は各社ともほとんどそうした差がなかつたのでございますが、ただいま御指摘のような事情もございまして、夏冬の料金差というものができたのであります。これは電気供給業者の立場から申しますれば、一つの便宜な手段でもあり方法でもあるかと考えるのであります。今回の供給規程の改正の方針が、できるだけ一本化する、簡素な供給方式で御需用家に供給をするということが御需用家側からお考えになつて御便宜である、こういう考え方があるかと思うのであります。そういう意味におきまして夏冬料金を一本化するということは必ずしも悪いことではない、こう考えておるのであります。それにつきまして自然冬の方に需用が集中するのではないか、電気業者として冬の供給力が十分であるかという御質問でございました。この点私ども先刻来申しましたように、ただいま電源開発を引続き続行いたしておりまして、数年前の状態に比べまして電気の供給というものがよほどよくなつたということをお認め願えるかと存じます。たとえば二十八年度に若干の地区、たとえば私どもの地区におきまして、御需用家の方々に何らかの意味におきましての電力制限を御願いしたことはございました。この点私ども供給業者としてはなはだ申訳ない次第ではございますが、逆に申しますならば、その程度の電力不足でありまして法令に基きまする電力の消費規正というものを御発動願つて法的に制限をしたといつたようなことはなかつたかと考えるのであります。今日いまだ絶対に供給力に支障を来さないということを私ども残念ながら申し得ないのでありますが、一年ごとにこの状況がよくなつております。今回需給規則をかえまして、ああした東北並びに北陸は一本料金、他の地区におきましても五百キロ以下におきましてはそうした制限を加えないということは、供給規程上は一段の進歩かと思います。近い将来にこれらはいずれも一本料金になるべきものと思うのであります。まだ今後一年あるいは二年若干の制限をしていただく時期はあるかと思いますが、この規定の改正に伴いまして、とたんに非常に供給状況が悪くなるということはない、こういうふうに考えております。
#33
○永井勝次郎君 現在の電気料金が非常に複雑であつて、まあ需用家の側にとつては一体これが原価なのかどうなのか、業者と役人とが結託して大衆を搾取する、ごまかして高い料金をとられておるのかどうかもわれわれはわからないわけですから、この電気料金はもつと単純に一本化する。会社側の中で一本化するというだけでなくて、電気料金を地域的に一本化する。たとえば電報は九州の端で打つても北海道の端で打つても同じ、汽車賃はどこへ行つても同じ料金、こういうふうにもつとこの電気料金を簡単にして、計算の単位というものを明らかにして、そうして納得できてお互に供給し納めるというようにしなければならないと思うのですが、現在のやり方は、先はど来、今回の料金の改訂においても国民大衆には絶対秘密、そうして役人と業者とが陰で新料金について打合せをし、作業をやる、こういうふうにしてきめた料金というものは、われわれは納得できないと思うのでありますが、会社の方ではこういう料金否定が妥当であるか、そうしてまたこういう料金決定について聴聞会を開く必要がないとお考えになるかどうか、これをやはり井上さんに伺いますとともに、こういう料金制度で納得するかどうかということについて、藤井さん、佐々木いすさん、それから労組代表の小川さんからそれぞれ伺いたい。
#34
○井上参考人 電気料金のあり方が非常にわかりにくいじやないかという御質問でございました。この点につきまして私どもはなはだ説明の足らぬ点は恐縮なのでございますが、私どもといたしましては、電気事業の料金が認可制で、御当局で非常に厳密な査定を受けております。企業の内容から申しますれば、他の一般企業に比べては電気事業の内容というものは非常にわかりやすい。はつきりいかなる原価がどういうふうになつているかということは公表されておるのでありまして、またそれに基きまして聴聞会におきましてもいろいろと御批判をこうむつておるわけであります。私ども言葉が足りないためにあるいはおわかりにくいということはあるかもしれませんが、内容的には計数的に非常にはつきりしておる企業であるということを申し上げ得るかと思うのであります。先ほど私は、御当局に資料の提出をいたしますし、御説明もいたしましたということを申し上げたのであります。そのことは、決して何か当局とグルになつて秘密裡にものをきめたような御発言、あるいは私の聞き間違いかもしれませんが、決してそういう意味で申し上げたのではございません。私どもも実は昨日初めて具体案を承知したような次第であります。十分御納得の行くように、私どもといたしましてももし御質問の点等があればお答え申し上げたいと思うのであります。そういう意味で電気事業の原価というものは決して秘密ではない、はつきりわかつておるものであるというふうに御了解を願いたいと存じます。
#35
○藤井参考人 先ほど来るる申し上げましたように、私どもは原価の計算上から申しまして今回の電気料金改訂案には絶対承服できがたい、従つて反対であります。同時にまた先ほど申しましたように、今度は例の一本料金制度の問題、あるいはまた割当制度の廃止問題、さらには石炭条項廃止の問題等、相当質的に内容がかわつて来ておりますし、かてて加えて今春来経済情勢も非常に激変しておりますので、もう一度われわれ需用者側の意見を十分聴取していただく機会、言葉をかえて言いますれば聴聞会をぜひ開いていただきたい。この十月一日実施ということになりますと時間的にそういうことは不可能でありますので、従つて電力会社には御迷惑でしようけれども、この実施はぜひ政府において延期して、その間十分需用者側の意見を聴取する機会を与えていただきたい。
 なお別の考え方といたしまして、今後しばしばこういう問題が繰返されるとしますれば、この電力料金のような非常な公共性のある、国民生活、産業経済に非常な影響を持つ問題につきましては、むしろ政府と電気専業者並びにわれわれ需用者、こういつた官民を含めた常設的な審議会というものを設けまして、常時電力会社の事業内容なり、また一般産業経済の推移等をながめて、適時的確にこういう問題を処理できるような常設的な機関が設けられるということも一つの方法ではなかろうかと考える次第でございます。
#36
○小川参考人 電産の小川であります。簡単に結論を申し上げますれば、このようなあり方には絶対賛成をいたしかねます。ただこのような状態になつておりますのには、電気事業には二つの大きな欠陥があると思います。特に先ほど指摘されました地域差料金が大きくあつて、このようなことが実施されますとまだまだ地域差料金というものは大きく開いて参ります。これは電気事業は公益事業であるという上に立つて、ちようど米の値段が各地方で違うとかいうような状態で、特に今の政府の基本的な政策としていわれております自由競争という面から考えても、日本の各地で電気を使つていろいろなことをやつておる方々が公平な形で競争するという建前からいつても、非常に矛盾した状態が出て来ております。特にまた今回の改正によつて地域差の料金の幅がより大きく広がるように私どもでは考えております。
 それからもう一つの電気事業の欠陥は、先ほどから当委員会でも言われておりますように、電気事業は公益事業だ、公益事業だと言われております。確かにだれが見ても公益事業なのでありますが、実は会社の経営の内容なりあり方は私企業的なあり方になつております。そうして都合のいいときには公益事業と言い、都合の悪いときには私企業だ、こういう形でものことが運営されておるところに、いわゆる両刀を使つてそれぞれいいところで、いい状態で処理して行く、こういうような状態が私ども常に接しておりまして感じられます。これが公益事業であるならばはつきり公益事業であるような形に形態も経営も全部すべきであつて、先ほどの参考人の方からおつしやいましたように、料金の決定ということについはてむしろ経営者の意見もさることながら、いわゆる公益事業である以上は国民大衆の意見の上に立つて決定するというような根本的な制度の改正の行われない限り、このような状態が続くのではないかというふうに感ぜざるを得ないのでございます。
 それから常に電気料金の改正のときに、会社の企業努力だとかあるいは合理化だとかいうようなことが叫ばれております。言葉としては、私どもも従事しておりましてもつともなことだと存じておりますが、会社にとかく合理化をやれと言うと、私ども労働組合の方から申し上げますと労働者の労働強化と賃金のストツプないし切下げ、こういう形でいわゆる企業努力というものを表現して行こうという面が非常にございます。このことは逆にいつも料金が上げられますたびにサービスの強化ということが言われておりますが、そのたびに実質的には最末端でサービスが低下されております。このごろは、各社ではないと思いますが、私が所属しております会社でも、あるいは皆さん御存じかと思いますが、夜間には電工さんが当直をいたしまして電気が消えると皆さんのところに修理に行くことになつておりますが、この当直の人数におきましても、いわゆる合理化という形で削減して行くというようなことが下の方で言われておつて、組合の方ではこれをサービス低下という面から非常に反対いたしておりますけれども、常にそういう形で行われておりまして、実際に会社がわれわれの考えるような合理化という形――御存じのように電気事業が再編成されまして、旧日発というものと配電会社というものが一緒になつたわけでありますが、その当時の重役陣なりあるいはいわゆる役付の方々はその役付を降りることなく、現在の電気事業においては本店、支店あるいは営業所等を通じて、みな所長の下には副長がおる、あるいは副長と次長が二人おる、どつちが一体上なのかわからぬというような機構が持たれております。このことは合理化をただ労働者といいますか、働いておる者にたくさん働かすということで合理化が行われておる。これが働き切れなければ皆さんに対するサービス低下という形になつて出て来る。もう少し合理化につきましても、根本的な合理化をしようとするならばそのような面の合理化が当然行われなければならない。相当根本的な問題ではないかというふうにわれわれとしては考えておるわけであります。
#37
○佐々木参考人 主婦連側といたしましては、先ほど申しましたように結局来年四月からの電気料金がきまらない以上は、今度の料金改訂には納得ができないので反対いたします。但し七燈以下の少ししか使いません家庭は、今度のアンペア制の五アンペアの九十円を入れないで、ただ一キロの使用料九円五十銭をかけたものの料金になると言つておりますが、そういうようなことになりますと結局私どもの家庭生活というものは文化生活の逆コースを行くような形になりますから、もう少し当局の方もよく考えていただきまして、私どもの生活が潤いを持つようにしていただきたいと思います。ですから今度の改訂については私ども反対でございます。
#38
○永井勝次郎君 最後に、現在の料金改訂によりますと二十九年下期は会社側は赤字になる計算になつておるようでありますが、これは会社としては無配とする考えであるかどうか、この点。
 それから今労組側からお話のありました通りに、今後の料金その他についても、企業の合理化努力によつて相当に利益を出して行けるということを期待しておるようでありますが、会社側としては、この企業合理化ということはどういうねらいを持ち、どういうような点でどのくらいのものを生み出して行くかという考えがあり、計算を持つておるのか。企業合理化のねらいは何か、そうしてその努力による成果はどうか、こういう二点についてお尋ねいたします。
#39
○井上参考人 赤字が出た場合に配当を減ずるのかどうかという御質問でございました。これは企業の責任者といたしまして、決算前に配当がいかにあるべきかということを申し上げることは、株価その他にいろいろ影響がございます。予測に基きましたことを申し上げることは差控えさしていただきたいと存ずる次第でございますが、御承知と思いますが、電気事業の決算につきましては、当局の認可を得ることになつております。今回の料金の改訂が遅延をいたし、その結果ある会社は豊水その他で相当の決算ができるかもしれませんし、ある会社は相当決算面で苦しい、あるいは赤字が出るということが予想されておるのであります。この処分をいかようにするかということにつきましては、当局とも打合せをいたしまして最終的に決定をすべきものであります。あらかじめ減配をする、あるいは配当を維持するということを、直接の責任者である私どもとしては、ここで申し上げることを控えさしていただきたいと存じます。
 それから第二の御質問点であります企業の合理化、先ほど電産の小川参考人から企業の合理化につきまして御意見がございました。これにつきましていろいろ私どもも見解がございますが、ただいま永井議員から御質問のございました意味におきまして一応の御回答をいさしていただきたいと思うのであります。
 企業の合理化ということは、いろいろの面で行われるべきものであります。当然各人がよりよけい働く、単なる労働強化という意味ではございませんが、少くとも生産性を上げて行くということは、企業の合理化において当然考えなければならない点であると思います。それを若干数字的に申し上げてみたいと思いますが、電気事業の従業員数が、二十七年度の料金改訂の当時織り込みましたのが十三万五千二百二十一人でございます。電気事業の人員が最高でございましたのは昭和二十三年度で、十四万三千五百五十四人と当時から考えますと、需用がふえ、設備がふえ、供給力が増したのでありますが、人員は逆に八千三百三十三人と減少をしております。これを従業員一人当りの販売電力量、いわば生産性というもので考えてみますと、二十七年度の料金改訂の織込みのときに従業員一人当り二百二十六メガワツト時、これは二十二万六千キロワツト・アワーでございます。二十九年度下期より三十年にかけまして考えております数字は、二十九万二千キロワツト・アワーであります。この間六万六千キロワツト・アワー、パーセンテージで申しますと二九%生産性が上つております。昭和二十三年度はこれがわずかに十五万八千キロワツト・アワーでありますから、これから比べますと十三万四千キロワツト・アワー、すなわち八五%増加しておるのであります。先ほど私鉄連合の白井さんから、私鉄におきましては従業員の給料がほとんど五〇%を占めるやの御発言があつたのでございます。電気事業におきまして従業員の給料の占めておる割合は二〇%をちよつと越した、せいぜい二一、二パーセントであるかと考えております。そういう意味におきましてただに絶対値で必ずしも多くないばかりではなく、労働生産性という意味におきまして相当企業の合理化ということができておるかと考えております。もし金額で申しますならば、人件費が昭和二十七年において占めたものが約百七億、二十三年度に占めましたものに比べれば九十八億軽減された、こういうことになるわけであります。その他いかなる方面に企業の合理化に努力をしておるのかと申しますと、これは電力の損失を軽減するということが一つの大きなねらいでございます。それから石炭の消費率を改善するということが非常に大きなねらいでございます。電力の損失率の載減という点を申しますならば、前回昭和二十七年度の料金改訂を願いました当時、全国で平均のロス率が二五・七七%あつたのであります。今回当局の御査定によるものは二三・五%程度のものに伺つております。従いましてこの間二・二七%の軽減をしております。このことは電力量で申しますならば十二億キロワツト・アワーに相当いたしますが、これを金額に換算いたしますならば、約六十億円ほどの載減をいたしたことになります。石炭の消費率の改善について申しますならば、二十七年度の料金改訂の当時は、一キロワツト・アワーの電気を出しますのに使いました石炭のキログラム数、トン数というものが〇・九二キログラム・パー・キロワツト・アワー、こうなつておつたのであります。それが今回は〇・七六キログラム・パー・キロワツト・アワーとなつております。この間〇・一六キログラムほど向上しておるわけであります。これらは石炭量にいたしまして約二百万トンに近いかと考えますが、全額におきましても九十億円に近い節約になつておると考えます。これらをもつて私ども決して足れりとするわけではございません。過去におきましてはロスも三〇%を越え、また石炭消費率も一キログラム以上かかつておつたのであります。年々こういうふうに企業の合理化ができておるのであります。来年度、再来年度にかけましてこれらの点私どもといたしましてはさらに一層の努力をしたいと考えてはおりますが、今日までのことを申しましても、一応そうした若干の成果が上つたかと考えております。
#40
○長谷川委員長 伊藤卯四郎君。
#41
○伊藤(卯)委員 たいへん時間がたつて参りまして、参考人の方々に御迷惑と存じますが、電気事業連合会の井上さんに、私お伺いしておつて割切ることのできない、また政府から出ている資料と対照しても奇怪千万にたえない点がありますから、そういう点を一、二点だけ簡単にお伺いしたいと思います。先ほど永井君から、今度の政府が発表した改訂案について、電気事業連合会いわゆる電力会社の関係は、これに賛成とも反対とも意思表示ができない、こういうことを言われておるようであります。御存じのように、電力事業会社の関係は、料金値上げの問題を物心両面で猛烈に運動されていたことは事実であります。ところが昨日政府の発表したものを見ると、一%、金額にして十億円の減収になるのであるから、およそ電気事業関係が値上げ運動をやつていたのと反対の改訂計画書を政府が発表したのである。電気事業者の関係がわれわれの意に反した減収を発表するとは何事だといつて、猛烈に反対運動をやつて立ち上らなければならないと思うのであります。ところが半面に、電気事業者の関係は何とか改訂案が通るようにしてくれという運動も猛烈に政治的にやつておられるのであるが、この種のことはわれわれの常識ではどうも判断ができないのである。電気事業はさつきから言われておるように公益事業であるから、まずその辺のいきさつをざつくばらんにお聞かせ願いたいと思う。私の常識ではどうしても納得できない。
#42
○井上参考人 先ほどからその点再々私申し上げ、また冒頭にも申し上げたと存ずるので、いささか繰返しになつて恐縮でございますが、電気事業者といたしましては一月に申請をいたしまして以来、私どもの考え方また御当局の考え方に基きまして、いろいろ御質疑あるいは資料の提出等再々いたしました。そういう意味におきましては十分御連絡を申し上げたのでございますが、先般七月の末から八月にかけましてある程度御方針がきまり、そうして昨日最終決定になりました案につきましては、その具体案は私どもも昨日拝見をした次第でございます。私本日電気事業連合会を代表してこの席に参つております。大体におきまして政府御当局が私どもの案を査定なさいました結果につきましては、本質的には御協力を申し上げたのでありますが、御承知のようにこれは九つの事業者がそれぞれの責任におきまして申請をするものでございます。その九つの会社のそれぞれの社長が今後いかように政府と折衝をし、いかようにこれを受諾し、申請をするかということは、私は本日は申し上げかねるということを先ほども申し上げたのであります。値下げなのに電気事業者が賛成をするとはどういうわけか、こういう御質問であつたかと思うのであります。私はこれは値下げであるとは考えておりません。要するに電気事業の料金というものは省令に基き、年間を通じた電力の原価というものに基きまして査定をされる。昨日下期につきましての御発表がございました。下期につきましてあれだけの御査定では電気事業者としては若干の赤字になることはやむを得ないかと思います。従いまして下期だけの考え方でいいとか悪いとかいうことは私ども申し上げかねるのでありますが、年間を通じて電力が原価計算に基くということを法律によつて定められ、また政府当局の御査定がかりに数字的にはずいぶんきびしく、若干なりとも電気事業者が不満であるとしても、私どもはそうしたことを捨てまして、このデフレ下に政府並びに上下多数の方々の聴聞会における御意見を総合した集結がそういうものであるならば、事業者もまた大乗的見地に立つてそれに従つて、今後電力を開発し、事業を安全に経営することによつて、また私どもの使命を達成したい、こういう意味におきましてこの案に御協力を申し上げたいということを申しておいたのであります。
#43
○伊藤(卯)委員 どうもせつかく井上さんに説明していただくのですけれども、まだ私なかなか理解できない。というのは、政府からの発表のあのこまかいものを見ますと、とにもかくにも、来年三月までの間に十億円の減収になることだけはきわめて明らかに数字の上で割出されておるのです。そうするとそれをそのままお認めになるということになつて、皆様が黙つておるということになると、やはり電力事業というもはやり方いかんによつては相当節約をして切り詰めてもやれるものかという感じを、一応数字の出し方からすると持たざるを得ない。そうなつて来ると公益事業としてははなはだけしからぬことを電力会社の経営者というものはやつておるじやないかということを一応考える。まさかそういうことでもあるまいから、帰するところは結局来年の三月以降、昭和三十年の上期から料金改訂の問題ということを漠然たる言葉で出して、その中に今の割当制の廃止であるとか、あるいは石炭条項の廃止であるとか、この冬の料金の来年上期における夏料金に対するすべり込みというか、そういう意味においての増収について相当政府との間に話合いがしてあるということで、あなた方は黙つておられるのだろうと思います。いわゆる今度の改訂案を政治的にのんでくださいという運動をしておられる。というのは、この二十九年の下期のことではなくて、三十年の上期における厖大な約束がされてあるということで、あなた方はこれをのんでくれというような、割合に安定した気持でおられるのだろうと私は思う。十億円からの減収になるのでも、それがなければあなた方が黙つておられる道理がない。今申し上げたように、政府との約束の数々でも問題がある。それなのにあなた方は政府との間で話合いをしてない。それから来年上期の問題、それはいらんのです。下期のまま、従来通りやつてもらつてよいのです。そんなら話は非常にすつきりします。そういうことでよいのでありますか。そのすべり込みの問題、数々の約束の問題というものを希望して、とにかくこの改訂案を通してくれと言われるのか。その辺がどうもはつきりいたしませんから、どちらか一つはつきりお知らせ願いたい。
#44
○井上参考人 何か政府と約束があるかというような御質問のように考えるのであります。私どもといたしましては、そういう意味のことをお答えしておるのではございません。またそういう意味の約束というものもわれわれあり得るわけはないのであります。しかしながら先ほどから繰返して申しておりますように、電気事業法第三十九条に基き、またそれに伴う電気料金の算定基準によりまして、電気料金は一年間を通じての原価であるということが法律によつてはつきりしておるのであります。政府の御査定というものが計数的にきびしいとか、あるいは制度の上におきまして、先ほど私からもるる申しましたように、電気事業者としてやりづらい、経理的にいろいろな困難がある。たとえば先ほど私が申しましたように、現行固有料金ベースをすえて置くことが、電気事業者としては需給の面においても、経理の面においても、影響があるといつたことを離れまして、政府としましては需用家の便宜等をはかりまして、今回の措置をとられた。しかしながらそのことはあくまでも法律に基き、電気事業の原価というものが守られておるという前提に基きまして今回の決定が究極において電気事業を正常に運用して行くに足るものである、こう考えておるわけであります。
#45
○伊藤(卯)委員 いま一点だけ御意見を伺つておきたいと思いますが、それはこういうようにわれわれは解釈をしてよろしゆうございますか。この下期の政府から出した改訂案、これによると来年の三月までに十億円の減収になる。そこで何らの約束というものもないということであれば、来年の三月以後の分においても割当制なり石炭条項なり、そういうものを廃すること、あるいは冬分料金を夏分料金にすべり込ますというような、そういうようなことは絶対に欲しておらぬ。そこで従来通りのやり方で来年の上期においても改訂というか、そういう考え方に立つて政治上処理してもらつてさしつかえないということでわれわれは了承してよろしゆうございますか、この点をひとつ伺つておきたい。
#46
○井上参考人 私どもはさよう思つておりません。
#47
○伊藤(卯)委員 今井上さんから非常にはつきりした言葉を伺いましたから、これ以上参考人の人に何するというのも礼を失するような気がいたしますから、今井上さんの最後の一言で私どもも政治家として一つの信念を持つてこの問題を処理したいと思いますので、私はこの程度にとどめておきます。
#48
○長谷川委員長 帆足計君。
#49
○帆足委員 時間も移りましたので、簡単にお尋ねいたしますが、電力料金はたしか戦前の値段の百四十倍くらい、一般の物価は三百倍にもなつているのでありますから、ただこの矛盾をそのままほつたらかしておいて、そして料金を安くしろ安くしろと言つただけでは私は問題の解決にならないと存じます。物価というものは買う者は安い方がいいし、売る者は高い方がいいし、給料は高い方がいい。これは天下の法則でございます。私はそれだけの問題であるならば始終世間でよく聞く問題でありますので、そういうことは自主的に調整なさつたらよかろうというだけの問題だろうと思います。しかしながら本日主婦連合会の代表の方は二千万の主婦を代表して国民生活の痛切な立場から電気料金を今上げられては困る。今日都会の生活は戦前の水準に達したといいますけれども、それは冠婚葬祭や老後のこと、住宅問題などを入れればまだ戦前の水準にも達しておらず、非常に不安な生活をしているのみならず、最近電気洗濯機とかミキサーとか非常に文化国家としてふさわしいものも使われ始めまして、電力の問題のみが主婦の家庭を今後分化的にし、婦人の人格、政治的自由等を与えるその基礎になる重要な問題でありますから、主婦連合会の方が電力料金の問題に対して異常なる関心を示しておられるということについては私ども深く敬意を表し、さらに詳細な意見も今後とも承りたいと思います。同時に今日本で安いものは何かといえば、結局労賃と電力料金だけだ。電力料金は具体的に見て、そう安くもありませんけれども、多少割安になつている唯一のものでございます。これが輸出振興のてこになり得る唯一のホープでございます。石炭といい、鉄綱といい、立地条件もあり政治条件もあつて非常に不利な状況に置かれているときに、電力だけが恵みの糸で、復興への望みが託されているという状況でございます。電力料金がこれ以上上りますことが刻下の急務たる輸出産業にどれほど大きな打撃を与えるかと思うと慓然たらざるを得ないのであります。そうかといつて電力料金だけ戦前の百四十倍で、ほかのものはかつてに三百倍にも三百五十倍にもしておいて、そうして厖大な開発をしろと言われても、私は電力経営者の方々の心中察するに余りある。かくのごとき環境において電源の開発を活発に前途の不安なしにやれということは、私は言う方が無理があると思います。従いましてただいま電気事業連合会の代表の方の御答案いろいろなふうにとられますけれども、御苦労のほど私は深くお察しいたす次第でございます。それならばこの矛盾をどう打開したらいいかということで、さつき電産の代表の方が多少その問題に触れて、問題の重要な意義を理解してもらいたい。すなわち各関連産業はみな独立採算で私的経営のもとで原則として行つているのに、ひとり電気事業に対してはまるで牧師さんに要求するように、教会の中で商売をしろというような要求をみな活発にされている。私はそこに問題の矛盾があると思います。もちろん今日の時代に、きのう愛知通産大臣は輸出産業でも政府の補助金をもらつている産業はあつてすべての産業は公益性を持つていると言わましたが、それは度合の程度でありますけれども、電気事業におきましては、私的採算ではやつて行けない、十字架を背負つている。結局あすから拡張する分だけは大部分資本費ですけれども、拡張する部分だけは、拡張すればするほど、大量生産すればするほど、豊富低廉にならずに豊富増高になるというところに矛盾があるのでありますから、この点については主婦連合会の方も電産の方も深く考えていただかねばならぬ問題があると思います。電気事業が赤字になつて拡張し得るはずのものでない。電産の勤労者諸君に適正な賃金を払い得るはずのものでもない。従いまして私はこういう点をただ責めるだけではいけないのであつて、増産し得る、拡大再生産し得る客観的条件をつくることが輿論の良識の求めるところであり、政治家の任務でなくてはならぬと思います。従いまして先ほど指摘されましたようにこの問題には多少時間をかけましてもつと慎重な総合的検討が私は必要であると思います。こういうような論議を始終繰返していることは恥ずべきことであつて、矛盾撞着のさ中にわれわれは論議を続けている、お互いに皮肉を飛ばし合うという結果に終る。これでは日本の民族Y業、民族エネルギーの根源である電気事業に対して私は相済まぬ気も多少いたすのでございます。大体そういうふうになつたことは電気事業の経営者自身が電気事業の公益性に対して自覚されると少くて、そうしてせつかく一つになつて社会化すなわち国民大衆の利益の道を進んでいたのを一歩後退されたから、今日のような矛盾が一層しわ寄せが来たという点もある。この点は電気事業連合会においても私は検討していただかなければならぬ。と申しますのは、私はなぜこういうことを申し上げるかということを了解していただいて御質問したいと思つたのですが、そういうことでありますから私はまず主婦連合会の方に御質問いたしたいのは、電気事業を私的経営の状況に置いておいて、そうして料金を上げちやならぬ、上げちやならぬと言えば、一体どういうふうにすればよいかということについて主婦連合会の方で多少御論議がありましたか。またはございませんでしたら今後やはりその点を御検討していただきたいのでございますが、皆さん専門家でございませんからあまりむずかしいことをお尋ねするのは恐縮ですが、主婦連合会の輿論といたしまして電気事業のあり方に対して多少なりとも御意見がございますかどうか。
 それから第二は、今日一般の国民の気持は国営事業に対してはあるいは――国営事業というものは社会化でも何でもないのだけれども、電産の代表の方はそれをどうお考えになつておられるか後で承りたいのだが、たとえば国鉄になつた、専売局になつたからそれでは能率がいいかというと必ずしもそうではないわけです。従つて国民の気持は国営のものは何とかの形でいばらないように能率化できるように民営にしてもらいたいというような一般的気持を持つております。民営のものはただ私的利潤の追求ではやつて行けないだろう、何とかして国営なり公営みたいな形を考えねばなるまい。こういう矛盾した気持にいるのが日本の現段階の、私は過渡期であろうと思います。従つて電気事業のあり方というものについて、私はもう少し深く検討することが必要だと思います。電産等においても単に国営とか公共化というのではなしに、さらにつつ込んで御研究願いたいのでありますが、その問題について一、二示唆することがありましたら、明確にひとつ御教示を願いたい。それから第三には、多かれ少かれ濃淡の度は違いますけれども、根本問題は結局そこに来るのでありますが、とりあえず現在の一応の企業形態のもとで緊急措置として、それでは電気事業に対してどういうふうにすれば値上げしないで済むかということを藤井さんから、お気づきの点があつたら、一、二伺いたい。また今日即刻それを承ることが御無理であるとするならば、他日消費産業側の御意見として電力値上げをする側に、こういう形態にしたならばとりあえずできるであろうというような建設的な御意見も、私は承つておきたい。時間がありませんから、この三点についてそれぞれ御意見を承りたいと思います。
#50
○佐々木参考人 主婦連合会といたしまして、電気料金がほかのものよりも安いということははつきりわかりませんけれども、大体において、電源開発なんかに使います費用がたくさんかかりますから、結局電気料金は値上げをするということはわかつております。原価計算からして高くなることはあたりまえだと考えますけれども、電気事業というものは公益性を持つておるものでありますから、空気や水と同じように私どもの生活になくてならないものなんですから、そういうものは政府の方で何かほかの措置を講じて電源開発をしていただいて、私どもに対する電気料金の値上げでそういうものをまかなわないようにしていただきたい。私どももやはり電気料金がこのままで行けば値が上るということははつきりわかつておりますし、上らなければならないということもわかつておりますが、ただ家庭の電気料金の値上りは大したことはないと申しましても、電気料金が値上げになりますと諸物価が値上りいたしますので、そのために家計にたいへんなはね返りが参りますから、やはり公益性を持つ電気事業というものは国家でもつとりつばな考えをしていただいて、措置を講じていただきたい、こう思うものでございます。
#51
○小川参考人 電産の小川であります。時間がないようでありますから、簡単にお答えいたしたいと思います。私どもの組合は、労働組合を結成いたしまして以来すでに八年有余を過しておりますが、私どもが組合をつくりますと同時に、電気事業のあり方につきまして一貫した主張を持つております。今もつてその主張は捨てておりません。特に電気料金問題がこのような事態になりますときには、一般の方々からも御理解が行くだろうという形でいつも主張を続けております。ただ電気料金が原価的にこれでいいか悪いかということは、私どもしろうとが言うよりは、むしろそれぞれの方がそろばんで勘定された方がよくわかると思うのです。それでこの改訂の内容と電気の経営の内容というものがどのような形になつておるかということは、私ども自体でさえなかなか把握が困難であります。しかしながら少くとも今質問者がおつしやつたような性格を持つておる日本の電気事業の電気料金を、このような日本の事態に上げなければならぬということになる。この矛盾は、先ほど私が指摘した通りでありますが、これを私どもが考えましても唯一の道といたしましては、私どもはかねて電気事業の社会化ということを申しております。この社会化の内容の説明になりますと、私どもも一つの要綱案をつくりましてすでに発表をいたしておりますので、後ほどごらんを願いたいと思いますが、形態といたしましてはやはり全国一社化にしたい、そうして特に地域差料金だとかあるいは電力の地帯間の融通というようなものをスムーズにしたいということ、これがただ国営という形がいろいろ言われておりますけれども、現在のような政治情勢の中で、ただちに国営ということは私どもは実は考えていないので、この運営につきましては、いろいろな形のことが民主的に運営される一つの監督機関といいますか、監督指導機関というようなものを設けることを根本的な考え方にいたしまして、私どもが発表いたしております、いわゆる電気事業の社会要綱案というものがございますので、また本問題が審議される過程におきまして、それぞれの方に御提出をいたしてもいいと思います。
#52
○藤井参考人 ただいま帆足委員から非常な高邁な御識見を盛りつつ、たいへんむずかしい御質問をちようだいいたしまして当惑しますが、電気事業のあり方というようなことになりますと議論は非常に広汎でありますので、当面の問題に限つて答えさしていただきます。先ほど私冒頭にも申しましたように、われわれ企業経営に携わるものといたしまして、新しい電源開発に厖大な資金がいる、その金利とか減価償却とかあるいは税制関係等で、相当大きな資本を要して、従つてそれが電力の生産コストに大きな圧力となつて、今度料金改訂の問題が起つて来ておる、その事情は十分了解しております。ただ繰返して申しますのは、今のようなデフレ下におきまして、あらゆる電力需用産業が非常な不況のどん底に沈潜し、しかも血のにじむような経営の合理化、生産コストの切下げ、そうして輸出にその血路を切り開こう、そうして日本経済を自立のコースに乗せて行こうと真剣に努力しておるこのさなかに、お話のような、あらゆる国民経済のエネルギー源であるところの電力の料金、しかもそれは一般の生産コストの基本的な要因をなすその電力料金を、この時期に上げるということは困る。従つて私どもとしては、もう少し経済事情も好転しまして、われわれ事業者側にもその料金値上げが負担し得る、つまり負担力ができる時期までしばらく御猶予を願いたいということを先ほど申しました。しかしながらその過渡的な措置としましては、あるいは恒久的な措置にもなるわけでございますが、今ただちに国民大衆に非常な影響を持つような電力値上げをしないで、たとえば、昨日の通産大臣の御説明を漏れ聞きますと、新しい電源開発につまり資本増加されたものが約二千五百億といわれておりますが、そのうちはたしてどの程度が借入金になつておりますか、おそらく二千億程度の電力会社全体を通じての借入金になつておると思いますが、その金利を先般一分お下げになつたようでありますが、これを二分、三分なり大幅に下げるという財政的な措置によつても相当巨額の――かりに二千億としますと、これを二分引下げれば四十億浮いて来るわけであります。あるいは税制面等でもいろいろ改善の措置を加えれば、数十億のものが出て来るでありましよう。そういつた措置を講ずることによつて、一面、電力事業会社の経営の健全化をはかり、他面、一般産業の生産コスト引下げの政策にも適応して行く、こういつた政策が当面とられるのが至当ではないかという見解を持つております。
#53
○帆足委員 ただいま藤井参考人から当面の対策の方向だけを伺いましたが、とにかく一応私的経営の建前になつておる産業に対しまして、いろいろな公共的、国家的な援助措置を講ずるということになりますと、当面と申しますけれども、電力五箇年計画が功成り名遂げたあとには相当のコスト高になるわけであります。その後の将来のことを引続いて考えましても、当面応急対策だけで済まない、公共的性質が一貫して残るわけでございますので、私はきわめて深刻な問題があつて、これはイデオロギーから来たことでなくて、現実の必要、国民経済の中に占める電力事業の地位というものがそういう要素を内蔵しておりますから、結局問題は常にその点をもう少し検討する必要があろうと存じます。しかし応急対策としては、ただいまの藤井参考人の指摘された点その他重要な問題がありますので、応急対策を産業界の実際家の方から今後引続いて研究していただいて、当委員会に提出していただきたいと思います。さらに恒久対策としましては、ただいまの主婦連合会の方の御答弁には私は最大の敬意を表するものでございまして、本来ならば英国よりももつと生産規模の脆弱な日本におきましては、今や国民経済の基幹をなす産業に対しては、かつて英国で労働党と保守党の間に、社会主義か資本主義かという大論争が行われたような論争が国民の常識として認識され、そうしてその常識が実際に即して、無理のない形で時勢の進運に即した態勢を産業界の基幹産業に要求するということは、私は次第に必要になるのでないかと思います。今日必要の度合いを国民各位はまだ十分に認識しておりませんけれども、今日の原子科学の進歩の度合いや、日本産業の島国としての特殊性、貿易の緊切性等から見ますならば、この問題は避けることのできない国民的課題であると私は思います。これに対しまして従来私どもはとかくただ国営にすればいいということで済ましておりましたが、国営にすればいいで問題は解決しませんので、日本の実情に即した公共企業形態というものの第一歩はどういう形でなくてはならぬかということを、労使官民ともに検討せねばならぬ。本来ならば十分な時間をとつて各界において検討せねばならぬことであると思いますので、主婦連合会等におきましては、専門の機関ではございませんけれども、国民の良識として、やはり運賃や料金を下げろ下げろ、上げては困る上げては困ると言うだけでなくて、こういう基本問題があるということを御了察くださいまして、一段と御研究の結果をわれわれにも示していただきたいことを希望いたします。また電産の諸君の中には非常な専門家の方がおられるわけでありますから、社会化のばかの一つ覚えではなくて、具体的にどういう形で、いかなる政治情勢のもとにおいて、いかなる過渡期において、いかなる人材を結集して、いかなる法制のもとで行われるかということを御研究になつて、石炭国家管理法案のあのばかさかげんを繰返さないように、われわれの御指導を願いたいと思います。
#54
○長谷川委員長 次に加藤清二君。
#55
○加藤清二君 時間がないようでございますので、私はお聞きしたいことはたくさんございまするが、要点をかいつまんでお尋ねいたします。
 まず第一に委員長にお尋ねいたしまするが、説明したい方のお方は聴聞会を開いてもらいたい、つまり申し上げたいことがたくさんあるということであります。質問する方の側は、皆さんが時間を気にして、遠慮しながらやつている。かゆいところに手が届かないという感がなきにしもあらずでございまするが、私はこの問題につきましては、隣の部屋で行われている決算委員会よりも、国民の注視を集めているという点ではこちらの方が大きいのじやないか。向うの委員会は内閣をゆさぶるという点においては大きいかもしれませんが、こちらのこの問題は日本経済をゆさぶるという点においてもつとこちらの方が重大だと思います。そこでこの問題について、今後業界の方々と話合いをする機会を与えられ得ますか、きようがこれで最後でございまするか、その点の委員長の考え方を、先ほど来の参考人の希望とあわせてお尋ねするわけでございます。
#56
○長谷川委員長 お答え申し上げます。予定はきよう一日で終了することになつております。しかし要望といたしましては、聴聞会といいましようか、もう一回参考人等の意見を聞かせてくれという意見が非常に多いようでございます。それであとで委員各位と御相談をいたしまして、その処置をとりたいと存じます。
#57
○加藤清二君 それではその処置が行われるものと予定いたしまして、今日は私は簡単にお尋ねいたします。まず第一番に全国土地改良の方のお方に農業問題に関係してお尋ねするわけでございますが、政府は自分がつくつた法をを自分から破ることをしばしば行つておるわけでございまするが、このたび麦価の設定にあたりましては、そのパリテイを破つた。ところがその原因はデフレ政策に逆行するからであると、こういうことが主因であつたように聞いております。同じ時期に同じようにデフレ政策に逆行することが行われまして、その被害というか、影響を四千万の農民はこうむらなければなりませんが、それについて土地改良のあなたは、一体これをどのように対処されようとしておるのか、今日は問題になつておりませんが、農民は必ずやこれについて問題を起すだろうと思います。その折どう対処されようとしているのか、あるいはそれを未然に防ぐところのいい方法があるかないか、それはただ電気料金が上るだけならばよろしゆうございまするけれども、百姓の供出するところの麦や米は、デフレ政策だからパリテイ方式も破つて安くしろ、ところが電気料金だけは高くしろ、こういうことになりますると、いくらばかな百姓でもただじや済まさぬだろうと思うのです。その点についてお尋ねするわけでございます。
 そこでその次には、今度井上さんにお尋ねしたいのでございまするが、政府は今デフレ政策をとつている、それは百も御承知のはずでございます。ところで片や中小企業は金融引締めでばたばた倒れて行く、金に困つている、輸出産業は不振だ、その原因の一つには、エネルギーのコストが高いからだということは、もうこれは国民の常識になつている。その折にあえてこの料金を上げなければならない、可急的に上げなければならない、きのうの発表によつて今日審議しておる、そうしてあなたの方から補正の申請を大急ぎでやつて、十月五日にはこれが認可になるという、なぜそんなに急がなければならないのか、その原因が一体どこにあるのか、この点についてお尋ねするわけでございます。
 その次に同じく井上さんにお尋ねしますが、政府の燃料対策はまつたく朝令暮改でございまして、業界はこれについては非常に困つておる。なぜかなれば、終戦後は電気を使え、電気を使えということであつて、家庭まで電気コンロを使わされた。ところでしばらくたつと、また石炭にかえろ、石炭にかえろといつて石炭にかわつておる。またしばらくたつと、今度は重油がよろしい、重油がよろしいということで重油に切りかえさせられて、農村まで石油コンロを普及させられた。また今年になりますると、今度は重油はいけない、ガソリンはいけないから、これはやめて石炭に切りかえろという、こういうことでございまするが、そういう間にあつて、エネルギーのもとをつかさどつていらつしやるあなたとしては、ほんとうに長期計画ができるかできないか、電源開発の長期計画がもしかりにできたとしても、計画が立つごとに料金の値上げが過去において行われて参つたわけでございまするが、常識から考えて、私のようなしろうとから考えますると、増産されれば安くならなければなりませんにもかかわらず増産されるたびに高くなる。この原因は設備がおもだといわれまするけれども、設備費はほとんど政府の金が重きをなしているではないかと思いまするけれども、そこでぜひお尋ねしておかなきやならないことは、この五箇年計画を将来進めて行くにあたつて何べん値段の改定をやつたらよろしゆうございまするか。いや一キロワツトにしてどの程度の値段にしたならばこれがつり合いましようか、計画があれば必ずキロワツト時の単価も計画があると思いまするけれども、政府の方はわずか向う半年しかデータを出しておりません。半年先のことはわからぬという話でございました。きよう午後これももう一度はつきり念を押すつもりでございまするけれども、半年区切り程度の計画で毎度々々こういう論議を繰返すということは、国家的にもロスではないかと思うわけでございます。一体どの程度にしたならばもうしばらく改訂せずに行けるか、五箇年計画だけでよろしゆうございますから、お尋ねします。政府の方は気がとがめたと見えて、今度は九億の減収だ、こういう答弁をしておつたわけでございまするが、実はこの点についてつつ込んでお尋ねしたいのですけれども、時間がないから省かせていただきます。
 ところでもう一つぜひお尋ねしておかなければならぬ点はでこぼこ是正の問題でありまするが、先ほど来のお話にも出ましたように、地域差が各地産業に悪影響を及ぼしている、こういうことでございます。これはぜひなくさなければならない。そのために各社別の料金が少々上つたり下つたりすることはわれわれとしても認めなければならぬと思いまするが、それを正しい立場に立つて是正する意味において、きのう政府に九会社に収支決算、株価その他を要求しておきましたが、その資料を政府が提出するにあたつて、九会社は協力をしていただけるかいただけないか。
 最後に、それらの問題がいろいろ総合されて行き着くところは、もしかするとこの電源開発の問題は、小坂さんの言われましたように、電源開発会社が開発するだけでなくして、配給業務もやつたらいいではないかというところへ行くではないかと思いまするが、この問題について、一体九会社としてはどのようにお考えになつていらつしやいまするか。過去のいろいろな欠陥を是正して、ほんとうにこれが公益事業、国家産業の基礎として貢献するにあたつては、どのような姿が一番よろしいとお考えでございましようか。以上お尋ねするわけでございます。
#58
○安部参考人 ただいま御質問の、麦価あるいは米価と電気料金との問題についてお答えいたします。麦価が先般あのような価格で、小麦は多少上つておりますが、大麦なりあるいは裸麦の値が下つたという点については、私ども農業関係者は非常に遺憾としておるのであります。本年はどういうような米価になるかという点はいまだに決定を見ておらないのでありますが、米価の問題も電気料金の問題にいたしましても、私先ほど最後に申し上げましたように、米価審議会で麦価等も一緒に審議されておるようでありますので、電気料金が上るならば上るように米価も考えなければならないのでありまして、こういうような点は、農民の生産意欲を減退しないように、政府御当局で御努力をお願いしたいのであります。本年のような麦価になりますと、来年の大麦なりあるいは裸麦の生産が相当下つて来るのじやないかと私には考えられます。
#59
○井上参考人 第一点は、電気料金あるいはその他エネルギー・コストの高いということが中小企業等にも影響を及ぼし、なかんずく輸出産業が、エネルギー・コストが高いために国際的な競争に耐えられないといつたような御質問であつたように伺うのであります。先般帆足議員その他から御指摘がございましたが、電気料金は、現在の国際価格に比べますればまだ若干低いように私は考えております。輸出という場合に、コストを比較するのは生産費の問題もございますが、国際水準に比べてどうであるかということがそのとき問題になるのだと考えます。電気代金がその場合高いために輸出ができないということは私は考えておらないのであります。ただいまの加藤議員の御指摘によりますれば、何か電気代が高いために国際競争に耐え得ない商品があるかのごとき御質問であつたように考えるのであります。もしさような問題があれば、具体的に御指示願いましたならば、また私どもの見解を申し上げ得るかと思うのでありますが、私といたしましては、先般他の方々よりも御指摘がございましたように、電気代が高いゆえに日本の商品が国際競争に耐え得ないとは考えておりません。従いまして、ただいまの御質問には遺憾ながら私はむしろ反対の見解を述べざるを得ないと考えます。
 御質問の第二点、戦後のエネルギー対策というものがその都度かわるじやないか、まことにごもつともな点で、私ども重油の問題その他につきましてはどうも見通しがない、政府の御施策も存外先の見通しがなかつたということを遺憾に存ずる次第でございまして、その場合に、かつて終戦後、電気も使え使えと言つたが、またたちまち電気が不足したではないか、この点も私ども不明を恥じなければならぬ点がございますが、また逆に申しますならば、終戦直後、昭和二十一年ごろあらゆるものがなく、御家庭におきましても燃料がなかつた。その場合に、とにもかくにも電気だけはあつた。後にたちまち不足はいたしましたが、すべてないものずくしであつたときに、幸いにして水力発電所その他多少の爆撃はございましたが、一応皆様に御供給できたということは、あの当時といたしましてはむしろ若干ながらプラスであつたかと考える。ただ残念なことは、当時私どもが唱えましたことが占領政策上許されなかつた、あるいはその他の事情によりまして電源開発が遅れたということがその後の電力不足を招来したが、そのことは、ただいまの御指摘にありましたごとく、総合燃料対策の貧困によるものであると考えるのであります。私どもといたしましては、やはり電力というものが、ただいま申しましたように国際価格に比べて安いものである、あるいはおそらく唯一であるといつてよいくらい今後安くまた豊富にたより得るエネルギー源であるとするならば、やはりかつての石炭べースが今後は電力ベースにかわるという意味におきまして、相当先の長い意味におきましてのエネルギー対策というものが電力を根幹に置いて立てられなければならないと思います。従いまして、今日電力に対して資金の配分等が考えられておりますが、それが一年あるいは半年計画といつたようなことではとうていいけないのでありまして、電力の開発が御承知のように二年ないし三年の長期を要するとするならば、かつてマーシヤル・プランがフランスにおいてモネー・プランとして行われたときのごとく、長期にわたつての電源開発計画というものがここに樹立されなければならないと考えているのであります。エネルギー対策が樹立されなければならないという御指摘につきましては、私どもぜひお力添えを願いましてその方向に進みたいと考えております。なお、それに伴つて電気のそうした五年計画あるいは将来の開発が完了したときには値が上るのか、これは残念ながら私は値が上るということを申し上げざるを得ません。物がふえれば下るのが常識ではないかという御指摘であつたのでありますが、電源を開発いたしましても他の条件がちつともかわらない、たとえば石炭価格あるいはその他の物価あるいは税制、金利等が何もがわらないとするならば、将来こうした開発五箇年計画その他が完成いたしましても、現在よりは上るということを申し上げざるを得ないと思います。これにつきましては昨日御要望もございましたので、政府からも資料が出るかと思いますが、ごく大づかみに考えましても、二割ないし三制くらいは上るのではないかと考えております。
 それから御質問の第四点、政府に御要望になりました資料についてはお前たちも協力をするかという御質疑でございます。これはもし政府の方で整えられないものがございまして私どもの方にあるものならば資料は整えたいと考えております。
 それから御質問の最後の点であります。電源会社についての見解、これは電源開発会社をつくるかどうかということが国会で御審議になりました。その当時、私参考人として国会に呼ばれまして、私の見解を申し述べたのであります。その見解は、当時私は電源会社のあの法律に不賛成でございまして、若干の理由を申し述べたつもりでございました。個人といたしまして、私当時申し述べたことがただいまでも間違つておるとは考えておりませんけれども、国会によりまして御承認を願つた法律が施行された以上は、国民としてまた電気事業者としてこれに協力をすることは当然と心得ております。電源会社の電源開発が一日もすみやかならんことを希望するものでございます。先般新聞に発表されました小坂新総裁の御意図というものがいかなるものであるかということは、簡単に新聞に発表されたものを拝見しただけでありまして、いまだその真意を直接に詳しくお伺いする機会がございません。これにつきまして今日私の批判を加えることは差控えさしていただきたいと思います。以上であります。
#60
○加藤清二君 私の言葉足らずのおかげでちよつと誤解があるようですから申し上げます。一点の質問でございますが、電気料金が高いから輸出不振だということのようにお受取りでございましようが、私のお尋ねは、政府がデフレ政策をとつている、従つてパリテイ指数が上つてもなお麦価は切り下げた、こういうやさきにあたつて電気のみなぜ上げなければならないか、こういう声が方々にあるわけです。そこで政府がとつている政策とおよそ逆行するということは最初からわかりながらもなお中小企業その他が困つている、輸出がなかなか振興しない、そういう悪条件のもとになぜ悪条件を追加するがごときこの値上げを今この時期に大急ぎでやらなければなりませんか、その主因は一体どこにございましようか、こういう質問でございます。
#61
○井上参考人 私先刻申しましたように、なぜこの時期にやらなければならないか、私どもといたしましてはすでに一月に料金改訂を申請いたしましたので今日はおそ過ぎるのであります。遺憾ながらこの点は加藤委員の御見解と反対でありまして、とうに上つておるべかりしものであります。先刻藤井参考人から御指摘ございまして、いましばらく待つてもらいたいということでありますが、私どもは電源開発をこれ以上持つことは明日の日本の産業界、経済界に非常な悪影響を及ぼす、日本の経済界は縮小生産では八千万の日本人は養い切れない、絶対に開発をゆるめられないという見地に立ちまして、御迷惑は重々考えておりますし、また値上げの率が最低になることも覚悟しておりまが、これ以上遷延することは絶対に許されないものであると考えております。
#62
○長谷川委員長 以上をもちまして参考人に対する質疑を終ります。この際参考人各位に一言お礼を申し上げます。各位には長時間にわたりまして御出席くだされ、種々貴重な御意見を御発表くださいましてまことにありがとうございました。なお小委員会といたしましては、各位の御意見を十分参考といたしまして調査を進めて参りたいと考えております。午後三時まで休憩いたします。
    午後一時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十一分開議
#63
○長谷川委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 電気料金に関する件につきまして調査を進めます。
 質疑に入る前に新政務次官から発言を求められておりますからこれを許します。加藤政務次官。
#64
○加藤説明員 私加藤宗平でございます。今度通産政務次官に就任いたしました。通産政務次官は皆様と最も親しい場に立つておるわけでございます。しかも私は微力であり、かつ通産行政に対してはいわゆるアマチユアであります。しかも通産行政それ自体を考えれば、第二次欧州大戦後の経済構造の変動というものは、政治上の緊張と相まちましてかなり複雑多岐な様相を示しておることは御承知の通りであります。非常に重大な意味を持つておるものと私どもにも考えられるのであります。しかしながら皆様に御満足の行くような答弁をすることができるかどうかについて、顧みて非常に心配しておるわけでございます。幸いにして皆様方の寛容なる気持と善意をもつておつき合いしていただきまするならば、何とか責務を果せるのじやないかと考えております。何分よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
#65
○長谷川委員長 政府当局より提出資料につきまして説明を聴取いたします。中島公益事業局長。
#66
○中島説明員 昨日御要求になりました資料に関しまして、きようの午前中までかかりまして大急ぎで調製いたしましてお手元に配付いたしました。
 第一は今度の春の処置によりまして各社別に租税がどういうふうに減免になつたかということでございます。トータルにおきまして、法人税、固定資産税、事業税を合計しまして第一表の右の下にありますように三十九億となつております。これは当初は二十九年度を考えておりましたので、大体三十五億程度と予想しておりましたが、今度は、この表では二十九年の下期と三十年の上期とありますので、この関係からこの金額がかわつて来ております。(「この表の単位は幾らか」と呼ぶ者あり)千円でございます。
 それからその次の表は、会社の申請に対しまして各費目別にどういう査定を加えたかという表でございます。但しここに書いてございます通りに会社の申請は二十九年度に対しましての数でございます。今回の査定は二十九年の下と三十年の上というふうに半年ずれておりますので、その関係でこの数そのものも幾分ずれておる、こういうふうにお考え願いたいと思います。二十九年度分の査定といたしましては別にもう一つ数字があるわけでございますけれども、その二十九年度を査定いたしまして、さらに三十年度上を加えた半年ずれた一年間というものに対しまして別の数字を調製いたしますと、このような結果になるわけであります。すなわち会社の提案の二千百億という原価の案に対して、半期ずれた原価を二千十億というふうに査定したわけでございます。各費目別の内容はこれによつて御承知を願いたいと思います。
 それから次の表は会社の合理化努力と申しますか、そういうものの表でございます。これはちよつと簡単過ぎていささか不十分かもしれませんが、この表によりますと一番上に供給力の増加の状況が書いてございます。その次に損失率とありますが、一般の供給力がこういうふうにふえまして、それに対してロスがどういうふうになつているか。二十六年に再編成いたしましたときには二五・八というのが損失率でありました。二十七年度の料金ベース、すなわち現在実行しておりまする料金算定の損失率は、その当時の数字をそのままとりまして二五・八ということになつております。その後二十七年、二十八年と実績は向上しておりますが、会社の申請は二十九年度に対しまして二四・六ということでありましたが、今回の査定では二三・五というふうに、さらにこれを減らしまして査定しておるわけであります。その下に販売電力量がございまして、その次に従業員数がございます。つまり販売電力量に対しまして人員がどういうふうになつておるか、いわゆる従業員の能率というふうに考えられるわけであります。それを見ますと、その次の下から二行目の欄にあります通りに一人当りの電力量といたしまして二十六年再編成当時は二十一万キロワツト・アワー、それが今回の査定では二十九万キロワツト・アワーというふうに三、四割ふえておるわけであります。つまり供給力を見ましても、あるいは販売電力量を見ましても三割前後ふえておりますのに対しまして人員数は若干減つておる、こういうふうな事実がこの一人当りのキロワツト・アワーの増加ということで現われておるわけであります。一番下の欄が石炭の消費率でありまして、これは火力発電設催の改善ということによつて現われて来る結果でありますが、二十六年当時は一キロワツト・アワー当りの消費率が〇・八六キログラム、これが当時の実績でありましたが、それが申請の場合におきましては〇・八という案で来ております。査定ではそれをさらに、最近の実情等も加味いたしまして〇・七六まで下げたわけであります。右側にC分のD、B分のD、A分のDというパーセンテージがございますが、これはそれぞれ各費目の二十六年の数字、あるいは申請のもの、あるいは現行の料金ベースというものに対しまして査定がどういうふうになつておるかという率を示したものであります。
 それからその次に貸借対照表がございます。これは昨年の九月三十日現在、それからことしの三月三十一日現在、二十八年の上下に対しまして負債及び資本にわけまして書いたわけであります。これは表をごらんになつていただきますが、ちようど一番上の表の中ごろの引当金の欄の中に渇水準備引当金というのがございます。これが昨年の九月末におきましては全国で八十六億という数字になつております。それが二枚めくつてことしの三月三十一日現在におきましては百十四億、これだけ昨年の豊水によつて積立金がふえた、こういうことになつておるわけであります。
 それから次にまた黄色い表がございまして、二十九年下と三十年上の収支見通しという表がございます。昨日の表は下期だけを示しておきましたが、上期を入れまして年間の数字も出したわけであります。これによりますとまん中の欄に原価がございますが、まず下期と上期とを通じまして、十月以降一年間の原価を算定いたします。それがまん中の欄の右端に全国計で出ておりますように二千百七億九千四百万円、これがわれわれの査定に基きます今後一年間の原価でございます。これに対しまして、これにちようど合うように料金を開くわけでございます。この開きました料金によつて入つて来ます収入がこの原価にぴつたり合うようにというふうにするのが料金算定の方法でございます。これに合せまして料金表をつくりまして収入をとりますというと、その上の改訂収入という欄にあります通りの収入が各社別に下期、上期それぞれ入つて来るわけでございます。この年間のトータルがいずれも各社別に一致しておるというのは当然でございます。ところが下期は現行の冬料金ベースすえ置きという条件がありますので、それによつて制約されますために、本来であれば上期と下期との原価に合うように料金をつくるということが電気事業会社としては便利なわけでございまして、現在ではそういうふうな立て方になつておりますが、今のような要請に基きまして下期、上期同一の料金ということにいたしますと、収入と原価との差額、つまり収支の差額が各社によつて上期、下期それぞれ別々に出て参ります。この下の欄にありますように、たとえば北海道におきましては下期に五千万円の赤字が出る、これが上期において五千万の黒となつて、年間を通じればちようどとんとんになる。東北では逆に下期に二千万のプラスが残りましてそれが上期に二千万円消えてしまう、こういうふうなことになるわけであります。従つて下期だけ見ますというと、収支差額の下期の欄の全国に十五億六千九百万とございますが、全国計でこれだけの赤になる。但しこの十五億何がしというものは、この期においてプラスになる東北、北陸、中国、九州といつたようなもののプラスの金額を除いてございます。これが約四億四、五千万円ございます。ですから単に赤字を出しただけの会社を拾いますと二十億くらいになる、こういう結果になるわけでございます。要するに下期におきまして全体で十五億あるいは二十億という赤字が出ますが、それを今度はこのままで行つた場合に上期において回復する、こういうことになるわけでございます。
 その次の表は、現行のままで行つた場合の収入と、それから現行の料金ベースで行きまして、但しコール・クローズだけを廃止するといつた場合の収入、それから改訂料金によります収入、この三つを比較してございます。一番上が燃料費調整後、すなわち現在石炭割引を行つておりますこの姿でもつて、ことしの下期と来年の上期と全然料金を改訂しないで行きました場合には、全国総計で年間千八百十四億という収入になります。ところがこれに対しまして原価が、先ほど申しましたように、またこの表の一番下の改訂収入にあります通りに二千十七億でございますから、この差額の二百億というものが赤字になる、こういうことになるわけであります。それからそのまん中の欄は、コール・クローズをやめました現在の冬料金で行つた場合、この場合におきましては――つまり現行の全国平均におきまして、現在の料金ベースをそのまますえ置いて、かに燃料費調整をやめる、こういう前提で参りますというと、下期と上期と、上期はもちろんそのまますえ置きで参りましての話でございますが、年間において二千三十八億の収入になります。これは現在の料金をそのまますえ置いて、燃料費調整をやめたという場合でございます。つまりそういうふうな仕方でいたしますと、現行より少し収入がふえるということになります。従つて改訂収入におきましては、現行より超過しないように、現行の範囲内に押えまして二千十七億というふうにするわけでございます。
 それからその次の配当率実績でございます。昭和十七年から最近まで拾つておりますが、ごらんの通りに中にブランクのところがございます。これはいずれも配当見送りでございまして、十九年の下期から二十一年までは全然無配当、二十二年の上期に五分程度の配当をいたしましたが、下期からまた一年半ほど無配当、二十四年から八%程度復活いたしまして、二十五年は一割まで上りました。二十六年はまた無配、こういうふうに非常に配当率が不安定で、現在一割五分の配当は二十七年の上期から復活いたしまして、三期続きまして、下期におきましてはそれを一割二分まで下げた、こういう状況になつているわけであります。
 それからその次の表は株価の傾向でございますが、これは加藤委員の御要求だつたと思いますが、こういうような株価の変動率でいいのか、それとも株式資本金額の変動率でいいのか、はつきりいたしませんでしたので、両方別につくりました。この表は月別の平均株価を再編成以後とつたわけであります。御承知のように額面は五百円でございます。それに対しまして四百円ぐらいから、中でちよつと上つておりますが、最近ではまた四百円台になつている、こういうようなことが各社別におわかり願えると思います。四国等におきまして上つておりませんのは、これは地方の会社でありますために、きのう急な話で間に合わなかつた、こういう事情でございますので、主として東京、中部、関西というところでごらん願いたいと思います。
 その次の表は株式資本の増加であります。これは現在各社総計で約四百五十億の資本金になつておりますが、これに至るまで再編成以後どういうような増資をしたかということを各社別に見たわけであります。たとえば北海道におきましては、当初三億三千万の資本に対しまして、二十七年の下期に三倍増資をいたしまして九億九千万、その構成といたしましては、有償無償それぞれ同額の割当をしております。それから二十八年下期にさらにまたこれを二倍いたしまして十九億八千万、こういうようなことになつております。一番右の方に各社の総計が書いてございまして、現在四百五十九億というのが自己資本の総額であります。
 それからその次は資金関係でございます。「九電力会社財政資金融資返済実績(再編成後)」とございますが、これは二十六年以後政府資金の借入れの返済の状況はどうかというのがこの表でございます。計の欄の一番下の方をごらんになつていただきますと、千二百九十四億幾らという数字がございます。これは現在電力会社各社で今日まで借りております政府資金の総額でございまして、それから返済されたものが五十億、従つて千二百四十億程度のものが現在政府資金の残として残つている、こういうことでございます。それは二十八年度末でございます。それから二十九年度は現在なお進行中でございまして、まだ実績としてここまで行つておりませんけれども、計画といたしましては総額で約三百五十億程度のものを開銀から出すということになつております。それに対しまして十五億程度の返済がございますが、これが入りますと結局千五百億余り、こういうことになります。それからその次は資本構成の比較表でございます。これは二十八年の下期のバランス・シートによつて出したわけでありますが、自己資本と他人資本との比率を各社別にとつてあります。合計におきまして自己資本の比率が五五・九%、約五六%、それから他人資本が四五%というふうに自己資本が多くなつております。ところが、この中で資本剰余金とありますが、これはいわゆる再評価積立金でございます。そのものが全体で四七・九%を占めておるということになりますので、実質的な自己資本というものは八%くらいしかない、こういうことになります。これを他産業に比べますと、一般産業といたしましては、この自己資本の比率は今のように再評価積立金も入れまして六四・五という数字が出ております。従つて一般産業に比べても自己資本の率が少いということになります。なお一般産業におきましては、再評価積立金は三二・三でありますから、この関係におきましては電気事業の方は再評価積立金が非常に大きい、こういうことになります。次に図表がございますが、これはわかりやすく一覧図といたしたわけでございますが、九会社別に、二十七年度を境といたしまして、過去にどれだけ設備があり、その後どういうふうな開発が行われたかということを示しております。このまん中の線から左の方が既設のものでありまして、右の方が二十七年度以降でき上つた設備であります。非常にいろいろな仕訳がしてありましてわかりにくうございますが、各社別いずれも二本棒がございますが、上の方の棒が設備で、キロワツト、下の方が金額、つまり帳簿価格、各社ともいずれも伸びておりますが、設備の増加の割合に比べてこの金額がふえておるということが、これで一目瞭然わかるわけであります。つまり既設の設備に対しまして、新しい設備はいずれもその単価が非常に高いということが、この両方比較しているうちにわかるわけであります。それからいろいろなしるしがございますのは、それぞれ二十八年度、二十九年度の区別、あるいは水力と火力の区別ということでありまして、註に書いてございますので、これによつて御承知を願います。
 次は二十八年度の設備資金の実績、これは二十八年度にどれだけ、どこからどういうふうに金を調達して、大体どういうふうな方面に使つておるかというようなことが、この表と次の表でわかるわけであります。初めの表におきましてトータルで見ますと、内部保留から二百六十億、これは減価償却、工業負担金、積立金、こういうものが入りますが、その面から二百六十億、それから自己調達といたしまして増資、社債、借入れというようなものから九百十七億、うち増資は、手取りといたしまして百三十億を見ております。それから国家資金としての開銀、これが約四百億、それから外資、これは火力借款の関係でありますが、三社におきまして十三億、合計千六百三十億というのが調達資金の実績であります。これに対応いたします工事資金がその次の表に出ております。二十八年度工事資金実績、これによりまして拡充工事と改良工事と二つにわかれるわけであります。拡充工事はいわゆる電源開発関係の資金でございますが、これを継続と新規にわけまして、継続分は二十七年度以前からやつておるものでありまして、これはいずれも計画をつくります場合には優先的にこれには資金をつけるわけです。新規のものはその年度、この場合におきましては二十八年度の全体の資金の状況から見まして、その許す範囲において新規に手をつけるということになるのであります。そういう関係から継続工事と新規工事と二つにわけて出したわけであります。
 最後は企業体別所要資金、これは五箇年計画遂行の裏づけとなつております表でございます。二十八年度以降五百十二万キロワツトの開発をするというのが五箇年計画の数字でございます。それに対しまして、現在予定しております地点を全部入れましてその所要資金を出したのがこれであります。ところが五百十二万キロの中でまだ計画が固まつておりませんものが八十万キロワツトございます。これに対応する資金七百億はこの表に入つておりませんが、これだけで見ますと、総所要資金六千七百五十四億のうち、二十八年度までに千五十一億を出しております。本年度千五百三十八億、三十年度以降こういうような状況で進む、こういうことになるわけです。これはもちろん電力会社だけでなく、開発会社、公営、あるいは自家発というものも全部ひつくるめての表でありまして、電力会社だけのものは、この中ほどの合計にあります通りに、二十九年度は千八十一億、こういう数字になつております。
 いま一つ、表はありませんが、電源開発五箇年計画が完成したあかつきにおいて大体コストはどうなるか、こういう御質問がございました。これは御承知のように原価計算はいろいろなフアクターで違つて参りますので、従つて五箇年後の見通しというものはいろいろ前提を置かなければなりませんが、一応現在のまま、ほかの条件がかわりないといたしまして、二十七年度、つまり現在の料金を算定いたしました年をべースにいたしまして一応推算をいたしますと、大体パーセンテージにいたしまして二七・四%、こういう計算になつております。現在の単価が四円七十四銭でございますが、それが六円四銭に上る、こういうことになつております。ところが、これだけでよいわけですが、一応電気事業の姿といたしまして、こういうふうになつた場合に非常に借入金がふえまして、自己資本の比率が先ほども小さく出ておりましたが、これがさらに一層激しく小さい形で出て参りますので、資本構成を是正いたしまして自己資本をふやすという構想をとりますと、さらに原価がふえまして六円二十四銭、約三割一分六厘上ることになります。従つて大体の傾向といたしまして、三割内外が電源開発によつて上る、これは二十七年度以降でございます。従つて今回かりに一割上げれば、あと二割残る、簡単に言えばそういうことになるわけですが、大体の傾向といたしましてそういうふうな傾向にあるということを御了承願いたいと思います。
#67
○長谷川委員長 それでは政府の説明は終りました。
#68
○加藤清二君 今の九会社の資本再評価の促進の度はどれくらいになつておりますか。
#69
○中島説明員 第二次再評価の限度に対しまして九七%程度やつているそうであります。
#70
○加藤清二君 その場合の社内保留された資金をどう運転しているようにこの表では計算していますか。
#71
○中島説明員 これは内部留保の形で出て参りますので、従つて先ほどの内部留保から調達しておる資金というような形で、それが開発資金等に使われるわけであります。
#72
○加藤清二君 活用されておると見てよいのですね。
#73
○中島説明員 よろしゆうございます。
#74
○加藤清二君 ただいまの御説明によりますと、二十七年度を一〇〇%とした場合に、五年後の計画を充てるとこれが一二七・四%になる、電気料金を一二七・四%に上げなければやれない、こういうことになるのですね。それの主体は、今の御説明によると結局金利によるとこういうことなんですね。それは自己調達した金利が高いから、こう解釈してよろしゆうございますか。
#75
○中島説明員 大体そうでございます。自己調達資金の金利は約九分見当になるかと思います。開銀の方は御承知のよりに六分五厘でございますから、それだけの差があります。
#76
○加藤清二君 自己調達が九分ですね。それから政府が援助しておる金の金利か一体どれほどになつておりますか。
#77
○中島説明員 ただいま申しましたように、開銀が七分五厘でありましたのがことしから六分五厘に下げられました。
#78
○加藤清二君 六分五厘、それでもちろんこれが先へ行くほどパーセンテージは少々かわるでございましようけれども、政府の資金及び自己調達の金のパーセンテージですね、それは将来異動が出て来るようでございますか。大体このパーセンテージと同じ程度に行くのですか。
#79
○中島説明員 従来開発資金に対しましては、自己調達と開銀資金とを大体まあパーパーで考えております。ところがだんだん開発の進行あるいは原価の変動等に従つて、各社別にいろいろ事情が違つて参つて来ておりますので、今後は多少その方針は考え直す必要があるんじやないかと思います。
#80
○加藤清二君 今の資本構成比較表というのですね。二十八年下期貸借対照表、ここに今の自己資本と他人資本という比較が出ておりますね。これはそのままずつと行けると見てよろしゆうございますか。
#81
○中島説明員 これはちよつと無理だと思います。つまり先ほどの計画にありました通り、五箇年計画では六千何百億という開発をするわけですが、それが全部借入れ資金で行くということになると、この率は非常にかわつて参ります。但し逆に、今度先ほど申しましたように、資本構成を是正するために自己資本をふやすということは、これはしなければなりませんけれども、そういうふうな大きな金額になりますと、この率がそのまますべり込めるような金額まで自己資本をふやすといつたことはむずかしいんじやないか。そうしますと自己資本というものはさらにだんだん下まわる傾向に行くんじやないか、こういうようなことを心配しておるわけです。
#82
○加藤清二君 その場合に政府の方としては、政府が五箇年計画を進め、電源開発を奨励しているわけなんですから、政府の財政投融資その他いろいろで政府資金の導入の傾向と申しましようか計画と申しましようか、それはどういうふうになつておりますか。
#83
○中島説明員 これはいつも開銀資金のわくということで問題になりますが、ことし、来年はどうもわれわれの期待に比べまして非常にきゆうくつだという状況でございまして、これが将来さらにまた大きくなるというふうに、あまり安易にはどうも考えにくいんじやないかと思います。
#84
○加藤清二君 そうなりますと、自己資金の調達は困難だ、政府の援助は困難だ、それで一体どこからまかなうのか。
#85
○中島説明員 これはもうそれ全体として考えるよりしかたがないのでありますが、自己資本が困難だと申しましたのは、それに応じて資本金を増加するということが非常にむずかしい状況にあるということを申しておりますが、借入金、社債等によりまして調達することは、これはそのときの市場の金融情勢によりまして不可能ではないと思うのであります。もしも自己資金が非常に少なくなりますれば、われわれといたしましては別に市中方面等から資金を吸収する方法を講じなければならぬ。これにはいろいろ方法があろうかと思います。しかし会社としてはできるだけ国家資金の分を市中にまわすような努力は当然いたしますが、そういたしまして、結局どれだけ調達されますか、それによつておのずから開発計画そのものが制約される、こういうことになります。
#86
○加藤清二君 そうするとこう解釈してよろしゆうございますか、自己資金の調達でまかなうんだが、それは大体株の増資による、あるいは社債による、そう解釈するんですか。
#87
○中島説明員 むしろ社債、借入れの方が多くなると思います。増資はもちろんいたしますけれども、非常に多額な増資はなかなかむずかしいのじやないかと思います。
#88
○加藤清二君 その場合の金利は大体どのくらいになりますか。
#89
○中島説明員 開銀の金利は現在六分五厘に下げてもらつております。さらにこれを下げることをわれわれの方で頼んでおるわけでありますが、開銀だけでなくて、ほんとうは市中関係の全体の金利を下げてもらわぬことにはほんとうに電力原価を下げるということに大きく響かないわけであります。ところが、市中金利につきましては、これは大蔵省の領分でございますが、国家資金と違つて、なかなか手を加えにくいというふうな事情もありますので、われわれとしてはこれが急に実現しようとは思つておりませんが、しかし現在一割とか一割一分というような社債の金利がもう少し下るようになればいいというふうな期待を持つておるわけであります。
#90
○加藤清二君 計画は期待だけではいけないので、今一〇〇%のものが五箇年後には一二七・四%になるという、今あなたが当面していらつしやる問題ですね、これはほんの小々上げるだけのことでございますということだけでも、これだけの大きな影響がありましよう。いわんや二七%というと約三割上るという勘定になります。これも基本だけで、その他計算して行きますと、どう考えてみたつて、増産をしたおかげで五年先には電気料金は最低三割は上ると考えなければならぬ。その場合に政府は会社に向つて企業努力をせい、ロスを少くせいといつて、それについては見るべき成果が上つたということが今あなたの説明にあつた。ところが政府の方としてはどうかというと、これに対する財政投融資は見込みが少く、従つて社債によつてまかなわなければならぬ。その社債の金利は興銀のあれでさえも約一割ですから――あなたの話によると一割一分ぐらいだとこう言う。それを自分の手でどうすることもできないということになりますと、政府は口にこそ電源開発々々々々というけれども――電源開発を行うかしらぬけれども、低廉にして豊富なものを国民に提供するということについての努力が足りないように思われるんですがね。今の約三割上るというのも、ほとんど金利なんでしよう。そうしたらこれは低金利の国家資金を融資するか、ないしは社債の――社債を安うするというわけに行きません、相手が投資しなくなつちやうから。政府がみずからできる努力を――人のふんどしですもうをとるなんということは考えずに、おのれみずからの手によつてこの三割高くなるものを二割五分にし二割にし、一割にするという努力をこの五箇年計画の中に盛つておかれないと、午前中に申しましたように、政府の総合燃料対策というものが行き当りばつたりのその日暮しになつて、きようは電気を使え、あしたは石炭を使え、あさつては重油を使え、またその次の日には今度は石炭に切りかえてちようだいというようなことになる。たまつたものじやないですよ。やられる方に、かまをつくる身になつてみてください。こちらの方の再評価ができたかもしれぬけれども、減価償却のできないうちにかまをつくらせられたのではたまつたものではありません。電気料金の及ぼす影響というものは、やがてこれを消費しなければならない連中、すなわちこれによつて設備をかえて行かなければならない連中の料金だけでなしに、設備費にまで大きな影響を及ぼします、それを一ぺんよく考えて、業界に向つて企業努力をせよと言うのだつたら、政府の方でもおのれみずからの力によつて、何も造船のようにリベートをとつてまでどうこうしろということは言いませんが、何らかの方策を立てて、もう少しこれが安くなるような努力をしてもらわぬと困ります。それがこのデータの中には出ておりません。
#91
○中島説明員 将来五箇年計画の進捗によつて二割何分上る。これはほかの条件はそのままでありますから、何もしなかつた場合であります。どうして上るか、これは新しい金がそれだけよけいかかる。逆に言えば、現在あります設備の評価というものが十分なされていない、そういうふうな関係から上つて来るわけであります。従つて一般の国民としましては、やはり現状のままで電源開発すればもう二、三割は上らざるを得ない。これだけは事実として認識していただきたいと思います。しかしそれではどうもお説の通りすみませんので、いろいろな努力をするわけでありますが、かりに全部今の値上りを吸収しようとするためには、たとえば税金、金利等につきましてさらに一層大幅な、思い切つた措置をしなければならぬ。そういうことに対します一つの腹案もわれわれは持つております。しかしこれがただちにまるまる実現するとは考えられませんので、あまり簡単にお約束するわけには行きませんけれども、たとえば法人税につきましては所得の三五%、超過所得に対しましては、累進課税として配当一二%まで損金に挿入する、こういうことをやつてもらうとか、それから事業税は現在外形課税でありますけれども、所得に対しまして一割かけるというような、ほかの産業と同じ形をとつてもらうとか、そういうようなことをいろいろやる、そうしますと、われわれの考え通りのことが実現すれば大体この値上り分は相殺されるということになるわけであります。なお今後、特にさしあたりは、このままで行きました場合に、来年の四月以降の料金がことしの夏に比べまして上るという傾向にありますので、それを押えるためにもこのうちの一つでも二つでも実現できるようにこれから努力をするわけでありますが、将来長い目でもつて見た場合に、この五箇年計画後の値上りを抑制するためには、一回、二回と続けましてできるだけ減税等の措置を行つてこれを吸収しますように、われわれとしては最後まで努力はするつもりであります。
#92
○加藤清二君 局長さんに向つて政府の融資を多くしろと言うてみたつて、答弁はできないでございましようけれども、とにかく電気料金にしてもその他のものにしてもそうでございますが、政府が援助する、援助するとは口に言いながら、今度の料金の改訂なんかを見ましても、政府のおやりになることは大衆の犠牲において行われる。今度のあの税制の改革を見ましてもそうでございますが、大口の方は一割の免税になりましても、小口の方は免税にならない。家庭用は税金はそのままである、こういうようなことです。もう一つは、これは電源会社を助けるためにおやりになつたことでございましようけれども、石炭の炭価の差額をリベートする問題、これもいえば大口消費の保護の犠牲においてこれが行われる、こういうようなことになるわけであります。そこでそういうことだけをやつて、ほんとうに政府みずからの手でやり得ることをおやりにならないものだから、だんだん計画を立てるたびに値が上る。政府の電力五箇年計画というものは電力料金値上げ五箇年計画とイコールになつてしまう。そこでどういう結果が生ずるかといえば、以前につくつたダムと新しくつくつたダムとにおいてはコストがえらく違う。この調整をするために何とか計画を立てなければならぬじやないかというようなことが、この間新聞発表になつたいわゆる小坂案の一つの大きな原因になつておると思うのでございますが、これは九会社の方としても、先ほど代表の方はほとんど反対な考え方を持つていらつしやるようでございます。いずれにいたしましても、政府はこれでよしとしてきめられましたことを、ちようど燃料が朝令暮改であると同じように料金もまた朝令暮改でかわつている。配電の方向もこれまた朝令暮改でかわるというようでは、そのために受ける影響によつて国民はたまつたものじやないのです。踏んだりけつたりということなんです。そこでほんとうに五箇年計画を立てて、これを実行に移されるというならば、この料金の問題あたりもよく考慮に入れて、いかにしたならばこれを低廉にして安直に国民に配給することができるかくらいのことは考えていただかなければいかぬ。
 大臣が見えたようですから、委員長の指示に従います。
#93
○長谷川委員長 大臣の都合がありますので、一人各自二十分くらいずつにしていただきたい、こういう要求ですが、なるべくそのようなお気持で御質問を願いたいと思います。伊藤卯四郎君。
#94
○伊藤(卯)委員 二十分ということですから、非常に簡単に、要領よく伺います。
 大体政府の方から一昨日資料を出され、さらにまた本日出され、私どもも午前中から午後にかけてそれぞれ関係者の出席を求めて意見交換をやつたのでございます。ところが政府から非常に苦心をされたであろう、また非常に努力をされたであろうと思う多くの厖大な資料が出されてある。この点は労を多といたしますが、これは非常に要領よく、いわば国民の電力、電燈値下げの声をカムフラージユするというか、体をかわしたような形で要領よく目をくらましながら最後に値上げに持つて行こうという、なかなか伏線を張つた苦労をされたというような点のあることを実は私は感じておるわけでございます。その大事な点であろうと思われる三、四の点についてお尋ねをいたします。来年四月以降の料金と夏冬一本化料金制について昨六日配付の資料は、全部来年三月までのものでございます。来年四月以降のことについてはただ再検討するということだけが記させてあるのであります。ここに非常な目をくらました点があるように私ははなはだ遺憾に考えておるのであります。そういうように記載をされていながら、新聞、それからきようの参考人等の意見を聞いて大体一致するところは、この高い冬料金のまま夏料金にすべり込ますつもりである、いわゆる夏、冬料金の一本制をとろうとしておる。こういうことは、もう天下周知の事実として看破されていると言つてもいいのでございます。
 来年四月以降は、はたしてどうなるのかということが明らかにされていない。この点が私は一番大事な点だと思うのです。来年の三月までのものを見ますと、出されてある資料によると一%、十億円の減収になる、ただそれだけを響いてあるだけであつて、四月以降においてはどうするということは書いてない。それなら、来年の三月までのものを三十年の上期も下期もそのまま押し進めて行くということになれば、私はおそらく電力会社が黙つておらぬと思う。そういう収益減、赤字増大をそのままにして押し進めて行くとするならば、値上げ要求をしておる電気会社等が、おそらく承知をせないと思う。ところがそれぞれの電気会社等も、政府の出されておるこの資料に基くものを了承して、ぜひこれを通してもらいたいというようないろいろな動きがあるようでございます。この辺にどうもわれわれの割切れないものがあるのであります。おそらくは来年四月以降のものは再検討を要すという、ここに電気会社の政府に要求しておる値上げの含みがあり、電気会社との間に内約をされておるということが、電気会社が今日黙つておる、あるいは政府の出されておる改訂案を政治的にのんでもらいたい、こういう側面運動をしておるからくりが、ここにあると私は思うのであります。少くとも公益事業は公明正大にガラス箱の中に入れて、国民批判の上に立つてやらなければならぬ。いわんやわれわれ国会議員をして、こういう点で何か割切ることのできないままで審議を求められるということは、はなはだ遺憾にたえないのである。むしろ四月以降再検討するならば、こういう点、こういう点で相当厖大な収益が電気会社に出て来る。たとえば割当制の廃止の問題、あるいは石炭条項廃止の問題、あるいは夏、冬一本化も考えておる、そうすると現在の二割あるいは三割という収入がふえて来る、そのふえて来るものを再検討するなら再検討する、こういうことを具体的に出さるべきであると私は思うのでございます。こういうこまかい数字などはなかなかわかるものじやない。だから今の私の申し上げるような点が、われわれの政治的に一番重大な問題として論議をせなければならぬ点であるが、昨日配付の電気料金改訂要綱にこの点何ら触れていないので、来年四月以降の夏料金は冬料金と同じとするのか、それとも安くするのか、再検討をするという以上は、そういう点を具体的にすべきであると思うが、こういう点について、大事な問題であると思うから、そういう点をひとつ――この際されたもの、なぜわれわれの方にそういうものを発表されないのかという点について、十分理解、納得の行くような御説明を願いたい。
#95
○愛知国務大臣 電力料金の問題が非常に複雑であり、また私どもも、ただいまもお話がございましたように、非常に苦心していろいろの点を輩出しましたために、私どもとしては何もかにもざつくばらんに差出して御批評を願つているつもりでございますが、何かその上に隠し立てがあるというふうにお疑いをいただきますのは、まことに私どもとしては残念なんでありますが、御疑念をお持ちになるのはまことにごもつともと思いますので、ただいま御指摘の点について、私の考え方をさらに一層率直、詳細に申し上げたいと思うのであります。
 まず第一に、来年三月までのことのみが書いてあつて、四月以降については何ら触れていない。従つて値上げを要求している会社が三月までの間、かりに十億であつても、収入が減るようなことを承知するはずがないじやないか、そこで会社と政府の間には何か密約でもあるのじやなかろうか、大体御質問の趣旨はそういうふうに了承いたしましたので、御説明いたしたいと思います。昨日も御説明申し上げましたように、来年三月までのことを政府としてはきめたのでございまして、これはくどいようでございますが、全国平均としては現在の冬料金にすえ置くということを第一にきめたわけでございます。そして来年四月以降の分につきましては、この要綱に書いた通りでありまして、電力会社側の一層の企業努力、税及び金利負担の軽減等の措置によつて、低物価政策の趣旨に基き再検討を行うこと、この再検討と申しますのは、文字通り再検討でございまして、要するに政府といたしましては、現在のところ四月以降については、どういう料金にするかということについて、いまだ成案がないわけでございます。これは昨日も申し上げたつもりでございますが、もし電力会社が一層の企業努力をせず、税の今後の軽減がなく、金利の引下げもないという場合におきましては、見通しといたしまして、夏料金にもどすことなく、四月以降大体冬料金の程度のものをとらしていただかなければ、予定の電源開発ができないであろう。およそさような見通しは持つておりますけれども、これを低物価政策の趣旨に従いまして、たとえば税にいたしましても、これは最終的に国会で御審議、御決定になる問題でございますから、どの程度にこれが軽減されるであろうか、また金利や会社側の企業努力がどの程度まで行くであろうかということについては、さらに十分時間をかけて、慎重に研究させていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。従いまして、電気会社と政府との間の関係におきましては、電力会社からこうこういう料率で認可してくれという申請が出るわけでございますが、その出る申請に対しまして、来年三月まではこれでよろしい、四月以降につきましては、会社は一層の企業努力をせられたい、それから別途政府としても考え得る方策があれば、その分だけは削りますよということを、念のために私は認可書に書くつもりでおります。従つて、これは対外的に公にこの趣旨を発表するのみではなく、政府の認可書にも念のためにその趣旨ははつきりさせたい、私はかように考えております。
 それから、値上げを要求している会社が、こんなことを聞くはずがないではないかというお尋ねに対しましては、まず各社別にその事情が異なるわけでございまして、総体の現行収入と改訂収入と比べれば十億の減になりますけれども、六つの会社につきましては収入がふえるわけでございます。それからさらに四月以降については再検討ということになつておりまして、そのときまでの状態でかような改訂をいたしたいと考えておるのでございますから、その間の状況は電力会社側におきましても十分了解をしてくれるものと確信をいたしておるわけでございます。
 大体以上のような気持で私どもとしてはこの案をつくつたわけでございますから、ただいま御懸念のようなことは私は万々なかろうと考えるわけでございます。
#96
○伊藤(卯)委員 今大臣の言われたのは一つの新しい事実としてわれわれの耳に入つて来たわけであります。たとえば来年の三月以降について冬料金をとらしてもらわなければならぬであろうというようなお考えというものは、需用家、消費者にとつては非常に大きな問題です。こういう一番大きな問題を厖大な資料を出される場合に伏せておかれるから、私はさつきから非常に伏せてある、隠しがある、疑問であるということを言つておるわけなのであります。もつと公明正大にしてもらいたいとさつきから私が口をすつぱくして言つたのであるが、さらに新しい事実を大臣が出されたから、これに伴つてお伺いするのであるが、おそらくは一割当制の廃止の問題、石炭条項の問題あるいは今申された冬夏一本化の問題、こういう問題を来年三月以後解決してやるのだ、だからお前たちは黙つておれ、政府の低物価政策との関係もある、電気の値上げについて国民の反対もある、だからここでこういう厖大なものを出して来ながら、来年三月までは十億の減収になるということをしておいて、それの再検討という上に立つて来年はこれこれの問題を解決してやるからという、やはりそこに内約があつてこそ、電気会社等が黙つておると思うのであります。こういう大きな大事な問題ですから、この点を今大臣が冬料金をとらしてもらうというのに合して、もつとこういう隠された問題があると思うのだが、ここでざつくばらんにおつしやつていただきたい。そしてその上に立つて収入が何割ふえる。この何割ふえるについて金利問題をどうするか、あるいは税金問題をどうしてやるか、これが私は一番大事な中心問題になると思うのであります。こういう点を隠されておれば、やはりくすぶつた中にこの問題は絶えず割切ることはできないで、電力、電気の値下げ問題、また国会での電気に対する政治問題として通産大臣は絶えず矢面に立たなければならぬ問題になつて来ると思うのであるから、もつとそういう問題についてはざつくばらんに言つてもらいたい。われわれは何も電気会社が公益事業だから赤字でいい、配当は無配でよろしいということは考えておりません。やはり一つの事業である以上は健全なる経営に立たなければならぬことは申すまでもないのであります。いわんや日本の産業経済の心臓とも言うべき使命を帯びておるものである。従つてわれわれはこの電気事業というものが、相当計画的の上に立つて、健全な考え方に立つて、電力、電気の料金というものを、国家、産業、経済、国民生活に寄与することのできるようにしなければならぬのであるから、何もむちやくちやに電気会社に無配でもよろしい、赤字でもいいじやないか、うまくやれぬ場合には国家資金を投入したらいいじやないか、そういうことを言つているのではない。だからざつくばらんにあるがままの姿というものを出して、政府が来年の三月以後こういう考えがあるならあるということを、今から話を出されるなら、それによつてわれわれはまた審議をしつつ協力態勢をとることにやぶさかではない。だからもう少しざつくばらんに話していただきたい。もし夏冬料金を一本化した場合、しかも石炭条項を廃止すれば、昨日配付のこの資料では二十九年下期は値上げがないことになつておる。今申し上げたように、逆に十億の減収になる。われわれの考えるところでは実質的には全国、平均すれば、こういうことが行われるようになれば、少くとも二割ぐらいの増収になるのじやないかということを考える。こういう点について、一体どういうようなお考えを持つておられるか、その真偽について、私は大臣から率直に愛知大臣は非常に良心的な人で、物事を隠しだてしないで、正直に、こういう大きな問題に対しては取扱いをされるという点に、私は信頼をしておるのであります。それでなければ今事務当局が数字的に、魔術にかけるようにして来たことだけで私どもを魔術にかけようとするなら、――大臣もまたそれをうのみにされておるなら、私は大臣の今までの正直であるということを見直さなければならぬと思う。こういう点についてひとつ正直に御答弁願いたい。
#97
○愛知国務大臣 私はこれほどざつくばらんに申し上げておることはないと思つておるのであります。まだ御疑念があるようでありますから、いくらでも私としてはお答えするにやぶさかでないつもりであります。ただいま新しいことを言うたと仰せられるのですが、私昨日言いましたことを全部とりまとめてただいまあらためて申し上げただけでございまして、昨日も申し上げました通り、来年四月以降の料金につきましては今、申し上げるだけの成案というのができていないわけなんです。ただ大よその見通しとしては、先ほども申しましたことを繰返すだけでありますが、資本費の予想される増加に対して金利の負担も軽減されず、税も軽減されず、会社側の努力もないといつた場合においては、大体においてこの程度の冬料金――今回制度を改正いたしました上に乗つかつておる冬料金というものがそのまま夏も続かなければ、それをまかなうことはできまいというような見通しを持つております。従つて電力会社が一層の企業努力をして、一社が数億円の企業努力の成果があつたとすれば、その分だけは当然冬料金が減ることになりましよう。あるいはまたそのときになりましてからその料金の制度をかえるとすれば、必ずしも今のままで比較するわけには行かぬかもしれませんが、要するに努力があれば、それだけは減し得る、それから税を国税について幾ら、地方税について幾らということが減らせるということを、この次の通常国会までに政府が成案をつくりまして提案をいたしますが、それを国会で御審議になつて、最終的に結果が出ますが、その分だけは料金が下るわけであります。金利につきましても同様のことが申し上げられるわけであります。従つてその以後のことについては、先ほど申しましたように、いましばらく時をかしていただいて、慎重な対策を練らしていただきたい、こういうことを申し上げておるわけでございまして、これはほんとうにざつくばらんに私の考え方をさらけ出して申し上げておるわけであります。
 それからその次のお尋ねでございますが、率直に申しましてこの料金制度の計算くらいむずかしいものはないということを痛切に私も感じました。私も数字を扱うことは商売で育つて参りましたけれども、私の今まで扱いました数字のうちでも最もむずかしいものの一つであるということを痛感いたしましたくらいでありますから、ここに差出しておりますような資料等については、私自身といたしましてもずいぶん勉強いたしましたし、決してだれかにあてがわれたものをうのみにしておるわけではありません。そうかと申しまして、この細部にわたつて的確に百パーセントにお答えできるかは、自信のほどもございませんが、決してこれはうみとしたのではなくて、諸般の情勢その他を十分勘考いたしまして、現在与えられた条件のもと、現行制度のもとにおいて、また現在の経済政策の進行の途上において、私といたしましてはこれ以外に方法はないと思いまして、ここにこういう自分としての決定いたしました案をごらんに入れているような次第であります。
#98
○長谷川委員長 伊藤さん、もう時間ですから簡単にお願いします。
#99
○伊藤(卯)委員 それではなるたけ要点だけを申し上げます。けれども委員長もお聞きのように、私は非常に政治的に大事な点をお伺いしておるつもりであるし、ほかの同僚諸君も御賛成のようであるから、委員長もそれに同調願いたい。
 それでは私は二点だけ伺いまして答弁だけ求めることにいたしておきます。今までは御承知のように夏と冬の料金が違つていて、夏は御存じのように料金が安かつたのであります。たとえば電力をたくさん使うような工業においては、この豊水期の電力がたくさん使えるときに、たとえば肥料会社なりあるいは電気炉あたりのカーバイト、ああいう工業は夏季に思い切り生産をしておいて、冬季には機械の修理というか、来年の夏季に対する百パーセントの工場活動のできる態勢を整える、こういうようなやり繰りをやつていたわけであります。ところが今度冬一本化の料金制がとられるようになつた。あるいはこの割当制の廃止、こういう点等がとられるようになつて参りますと、料金は非常に高くなる。従つて非常に従来の計画というのが狂つて来るわけです。従つて今までそういう方針に基いて工業のそういう方面の活動が好転していたものが、今度のこういうやり方によつて事業のバランスというようなものを再び非常な混乱に陥れて行くというおそれを私は感ずるのであります。こういう点についての十分自信を持つた計画というものを立てられてあるのかどうかという点を一点伺いたいのでございます。
 それからいま一点は、二十九年下期の電力会社の配当予想をどのように考えておられるか。六日に配付の資料によると、二十九年下期には九会社合計ではほとんど値上げとならず、現行料金収入より先ほどお話をしましたように十億からの減収になるのであるが、石炭条項の廃止によつて逆に増収にになるとわれわれは考える。この条項を廃止後はどうなるのか、また二十九年下期の総括的原価はどのくらいで、何億円くらいの赤字となるのか、九会社は下期に配当の見込みがあるのか、またこの赤字は経理上どう処理するつもりであるか、あるいはさつき私がお伺いしたように、三十年の上期に十分こういうものを埋めてやるという見通しがあるので、こういう点に対して別に神経過敏になる必要はないというようなことで、政府側の方では電気会社の方に十分納得をしておるのかどうか、その辺の点がどうもわれわれの常識ではなかなか隠されたものがわからない。そういう点をひとつ明確に御答弁願いたい。私の質問する時間がなくなつてしまいましたけれども、私は理解納得することができなければ、なおこの委員会をもつと継続的にして質問さしてもらいたい。なおまた理解納得ができなければ、これらの問題に対してわれわれは早急に了解を与えることのできないということも考えなければならぬから、あわせてそういう点に対して十分なる親切な御答弁を願いたい。
#100
○愛知国務大臣 まず第一点でございますが、これは昨日お配り申し上げました要綱の方の第二の括弧の三に該当するものであると思うのでありますが、ただいま御指摘になりました特殊の電力につきましては期間常時という制度がありまして、ある一定期間、たとえば今御指摘のような夏なら夏という期間だけは常時扱いにするという方法で安く使えるようにいたすことに相成つております。
 それから会社の配当の予想でございますが、大体一割二分という程度のところを抑えて参つております。それから下期の出赤字でございますが、全国で十五億六千万円という程度に相なつております。
 なおそれらの点につきまして御必要であればさらに詳細に局長から御説明いたします。
#101
○中島説明員 大体先ほど申し上げました通りでございまして、ただいまの十五億六千九百万円、これは全国プラス、マイナス全部集計いたしましたもので、赤字だけ見ますと二十億くらいになります。これは一応われわれの推算でございまして、今会社の経理が実際どういうふうになるかということは別問題であるというふうに考えます。
#102
○長谷川委員長 山手滿男君
#103
○山手滿男君 私は昨日いただいた政府の要綱を読んでおりまして、どうもだれもほんとうにピンと来なかつたのじやないかと思うのです。私もピンと来ないものがあるので少し大臣から率直にお答えを願いたいと思うのでありますが、第一の基本方針を私はお尋ねするわけですが、この基本方針やこれについてある表なんかを読んでみると、どうもわれわれはごまかしとしか考えられない。第一番についておる現行及び改訂料金収入比較表を見ると、現行となつておるのでありますから、現行ということになると、ここのうしろに括弧して年計としておるのがわざわざ消してありますし、そこに妙なにおいというか何かおかしいような疑える点があるのでありますが、半年間の冬季料金だけを現行料金に持つて来て、これを基礎にして上つた下つたとこういう発表をされる。昨晩の夕刊でもずいぶん大きくこの電気料金の問題を取上げておるのでありますが、冬料金の期間に入つているから、現行制度からいつて半年だけをとつてみるとあまり上らぬ、全体的にはむしろ十五億六千万円ばかり減額をされるのだというふうな言いまわし方をされている。これは、前回の委員会において大臣が原則として上げないのだとおつしやつた意味がようやくここでわかるのでありますが、今大騒ぎをして電力料金の改訂をやろうということは、この半年だけの電力料金をいじろうということじや私はないと思う。一年間を通じて電力料金はかくあるべしというふうな電力料金に持つて行くのだという趣旨で今日政府は電力料金をおいじりになつているのだと私は思う。ところが昨日この要綱と一緒に出しておいでになつた数字は、全部冬季の電力料金をあたかも一年間の、需用者側である国民からすると、一貫して一年間にこういう料金を払つておるかのごとくに見せかけた資料に基いての比較表でありますから、非常な錯覚がみんなに起きている。新聞なんかでも家庭への影響は少いと発表しておりますが、家庭への影響は相当あると私は思う。こういう点について今伊藤委員からも御質問があつたのでありますが、三月までのものだけをきめたのだというお話であるけれども、私はなぜそういう電力料金のいじり方を今しなければならぬのか。私は電力料金をいじるのでありましたならば、これだけの輿識の反撃、これだけのいろいろな疑惑を持たれぬように、もつと二年なら二年、一貫して押し進めて行けるような電力料金の改訂を、なぜ大臣はおやりにならなかつたのか、その点をまずお聞きしておきたい。
#104
○愛知国務大臣 これは昨日来一貫して申し上げておりますように、この基本方針に書いてありますように、来年四月以降の料金につきましては再検討をする。こういうやり方がいいか悪いかは御批判におまちするよりほかないのでありますが、先ほど申し上げましたように私もいろいろと慎重に考究いたしまして、かような結論を出したわけでございます。
#105
○山手滿男君 いや私はそれがわからないのです。この冬料金だつたら大してかわりないのです。電力会社はむしろ赤字がふえて行くということになつて行くのでありまして、何もここでいじらなければいかぬという理由はないのでありますが、これはやはり冬料金と夏季料金とを見合つて、この程度のことはしてやるという一つの含みのもとに、こういう電力料金の改訂をおやりになつたのだと思う。しかしながらさつきからの御説明を開いておりますと、冬料金は文字通り再検討をするのだということで、まだうんと安くなる可能性があるようなにおいを出されるから、そこに問題があるのです。私はこの再検討をするということが、ではどういう形で再検討をされるか。もう一ぺんこの電力料金表をひつくり返して御破算にして、おやりになるというのか。あるいは税、あるいは金利の負担等のかげんだけを見てやるとおつしやるのか。その辺のところを政府からはつきりお聞かせを願いたい。
#106
○愛知国務大臣 これはここにやはり書きました通り、また先ほど申し上げました通りで、考える要素は三つございます。企業努力と税と金利負担、これの調整かげんによつて上げないで済む、そういう意味において再検討をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#107
○山手滿男君 企業努力というふうなことが今まで――けさも会社側からいろいろお話を聞いたのでありますが、わずか四箇月や半年で一ぺんに電力料金を大いじりにいじるほど企業努力が出て来るとは私ども思えない。先般来電力会社の税の軽減の問題を私どもこの委員会でもずいぶんやりましたけれども、とつても今の政府では自治庁と通産省との関係、国会でも地方行政委員会と通産委員会とはまつこうから対立して、私どもも非常に困つたものの一人であつて、今のような政府の考え方で減税がうんと行われるとは私ども想像をいたしておりません。とてもできない相談だと私は思つております。愛知通産大臣はそういうところに抜本的な税法の改正をやつて、電力事業に減税をする自信があるのかどうか。私はそれをお聞きしたいのであります。
 それからまだ私はこの際お聞きをしたいと思うのは、こういう電力料金の改訂が認可されますと、この電力料金の改訂料率というものは各電力会社が供給規程の変更をすることになると思うのです。各電力会社は供給規程をかえて新しい供給規程によつて電力料金の徴収を始めるわけでありますが、こういうふうに単に今回再検討をするというふうに大臣の方で基本方針を明示されて認可をされただけで、何ら電力会社から、私の方はこれだけ企業努力をしましたからこれだけ電力料金を下げてくださいという申請をして来なかつたら、そのままずるずるべつたりで来年の夏は、この夏料金を廃止して一本で行くということに当然なつて行くだろうと思う。そういうことについては何らはつきりした見解が示されておらない。私はこの際大臣は電力事業に対して税負担、そのほか電力料金の軽減に十分に役立つような効果的な手が打てるという見通しであるかどうか、あるいは自信があるのかどうか、そういう点が一点と、今の供給規程との関係で、実際夏料金に向つて行く段階が来たときにはどういうふうにしてかわつて行くのか、その点大臣からお答え願いたいと思います。
#108
○愛知国務大臣 第一点の税の問題等につきましてはただいま御指摘がありましたように、当委員会におかれましても非常な御努力をいただいたにもかかわらず、私どもまことに微力で、所期の軽減ができなかつたことはまことに遺憾に存じておるわけでございます。これは自信があるかないかというお尋ねでございますが、私もあらためて努力をいたしたいということを申し上げると同時に、一般に通産委員会のみならず、他の面におきましてもこの問題の性格と重要性ということが国会内部でも一段と認識を高くせられて、そういうような実を結ぶようにいたしたいものであると念願をいたしておるわけであります。
 それから第二の点でございますが、これはあながち夏料金といいますか、来年の四月以降野放しにならないように、もちろんその以前におきまして再検討をして参るわけでありますが、料金制度の合理的な改正、つまり夏冬料金以外の料金制度の合理的改正等につきましては今回の制度の改正をもつてずつと通して参りたい、原則的にこういうふうに今のところは考えております。
#109
○山手滿男君 そうするときようもらつた表を見ても、今大臣の言われることと符合して行くように思うのですが、この下川の収入が千二億二百万円、上期が千十五億九千二百万円で、むしろ来年上期は十五億増収になつて参りますが、電力会社は何を目標に来年の夏季料金の場合にこれだけの増収をし得るのか。今言いましたようにこの第一の基本方針の政府の御説明からすると、この冬季料金一本化から、少くとも減税措置あるいは企業努力その他によつて電気料金の徴収は少くなつて行くことですから、収入減になつて行かなければいかぬ筋合いのものであろうと思う。この基本方針のままを読んでみると、電力料金を夏に向つては幾分でも軽減するという意味にとれると思うのですが、今もらつた資料から行くと十五億九千万円の増収になる、電力料金を増徴することになるのであります。この食い違いはどういうところから来ていますか。
#110
○愛知国務大臣 この点は今御指摘のありましたように、また私がるる御説明いたしておりますように、改訂要綱に書いた通り私どもは考えております。しかしいろいろの資料の御要求の中に、かりにそれならばこのままの料金制度がずつと続いた場合はどういう経理状態になるか。あるいは先ほどから申しておりますように、再検討を予想するその結果の数年については、今私どもは数字を持つておりませんので、かりにこのまま延ばしで行つた場合にどうなるであろうかということを仮定の数字で入れてみますと、こういう結果に相なるという資料をお出ししたわけでございます。従つて御指摘のようにここに書いてあることとは違うのでありますが、これは計表作成の便宜上そうしたわけであります。
#111
○山手滿男君 昨日御提出の資料は、作成の便宜上冬だけを比較の対象にして、半年間の電力料金の高い方を基準にして、一年間の電力料金が安くなるか高くなるかというふうな表をおつくりになつて世間に公表された。それが新聞に載つているわけであります。私はどうもこういう基本要綱だけを示されて、これで電力料金の植上げ問題を解決したんだから承認せよというのは、羊頭を掲げて狗肉を売る式のやり方のように見えてならない。さつきの御説明のように三十年四月以降の料金については低物価政策の趣旨に基いて再検討をするというのは、それではもう一ぺんよくお伺いをいたしますが、電力会社の方でさらに申請をさすというのか、あるいは政府側で命令をしてこういうふうな申請をせよということで、この電力料金を低物価政策の趣旨に沿うてかえて行くというのか、その点をもつとはつきりしておいてもらいたい。
#112
○愛知国務大臣 まず半年の問題でありますが、これは昨日も申し上げておりますように、便宜上とかごまかしとかいうことでは毛頭ないのでありまして、半年先の四月以降の点については、具体的に数字でもつてはつきりするだけの準備が今ないものでありますから、今後半年間のものを、現行のものと改訂のものを比べたのでありまして、この点は全然他意があるわけではございません。この点はそういうわけでございますから、どうぞ御了承願いたいと思うのであります。それから四月以降の場合において、どういう事務的な手続になるかというような御趣旨に思うのでありますが、これはこの料金をきめる客観的条件かかかわりますれば、たとえば税金がこれだけ下るとかあるいは金利がこれだけ下つたとかいうような客観的条件がかわれば、当然会社側としては料金の算定をいたしまして申請を新たにするものであると私は思いますし、いま一つ申し上げたいのは、先ほど伊藤さんの御質疑にお答えいたしましたように、今回の料金改訂についての申請に対しては認可をいたしますが、但し来年四月以降の分についてはこれこれこういうふうにいたすべきものであるということをその際にはつきりいたしたいと思いますから、これはそういうことで形式的にも実質的にも処理ができるものと考えております。
#113
○山手滿男君 どうもそういうふうに御説明をされて固執をされると、四月以降の分については、さつきの話のように成案がまだ全然ないんだ。しかしとりあえず現行の冬季料金の部分だけについてはこういういじり方をするというふうなことであるならば、これだけ大騒ぎをして電力料金を今いじる必要はない。やはり上げるなら上げるで、政府が年間一割一分何厘か、その程度のことは上げなければいかぬから、自分たちはこういう措置をとつて年間をならしてこういうふうにして行くんだというふうな、もつと率直な書き方をし、国会にも御説明をされるのなら、また考え方があろうと思うのでありますが、いかにも上げないかのごとく見せかけて、実際には上げて行くんです。あるいは来年の四月になつて行くと、吉田内閣がどうなるかもわからぬから、そのときにはまたたれかがやるだろうというようなことになつて行くのであつて、電力料金をかつて半期だけいじつたということはない。この場合政府が電力料金の改訂をやるんだつたら、少くとも一年あるいは二年くらいの見通しを立てて、これによつて影響される産業は数限りなくあるのでありまして、その原価計算もいろいろやらなければならぬし、その見通しを立てなければいかぬ会社もあるのでありますから、そのくらいな腹をきめて、ざつくばらんに上げるなら上げるということで輿論に問うておやりになる必要があろうと思うのでありますが、そういうことでなしに、あくまで大臣が今のような御説明を固執されることになると、この電力料金問題はまだまだこれで済まなくなるんじやないかと思います。原価主義ということをしよつちゆう固執をして説明をされておりますが、冬季だけの電力料金の改訂は必ずしも原価主義じやないと思う。これは部分的には非常に優遇をしておられる一種の政策料金であつて、原価主義などというふうなことはあまりおつしやらない方がよろしかろうと思うのであります。きようの午前の公聴会で話が出たのでありますが、もしもこの値上げが実行されまして、ずつと今年から来年と続いて行くことになると、電鉄なんかは相当コストに影響する。それに対して運賃の値上げやなんかを要求して来る場合があり得ると思うのでありますが、きようも公述人からそういう公述があつた。そういうことについては十二分に手が打たれて、この電力料金、によつては三割程度以上には上げないという頭打ち制度をとつておつて、これはこういうふうになつているということから、各般の事情をにらみ合せてこういうものが出されているのか、その点が一つ。
 それから硫安そのほかのことについて衆議院の農林委員会は先般決議をいたして、本日その決議をここへ持つて来られたはずであります。そこあたりから電力料金についてもいろいろ議論が出、またむずかしい問題が今起きかけておるように私は思つておりますが、農林省あたりともそういうことについては十二分な手が打たれておるのかどうか。あるいはこれに関連する米価等の関係なんかについても大臣は十分な手が打たれておものかどうか。あるいはまたこれは地方自治庁の関係からいろいろ問題があろうと思うのでありますが、新潟県あたりに行きますと、昭和二十七、八年くらいに完成をしたダムで、ある一つの発電所のごときは年間数億の利益を上げておつて、県の財政には非常な小潤いを与えておる。ところが電力料金を引上げるということになると、いよいよこの古い、以前に開発された発電所から出る電力料金というものは割安でありますから、上れば上るはどうんともうかるということになつて、これは部分的に大歓迎というふうなことが言われておるのであります。やはり電力料金が上れば――そういうふうなこれ以上あまり開発をしない、何も電力料金を上げてやる必要はないというふうなところの電力を売電する場合、そのほかの場合でやはりそういうものの売電なんかについて抑えて行くような原価主義の手が打たれておるのかどうか、私はこういうことについて大臣から一つ一つ御答弁願いたいと思います。
#114
○愛知国務大臣 まず最初のお尋ねでございますが、私といたしましては別に隠しだてをしたり何かやつているわけではなくて、私の得たところの結論をできるだけ御理解をいただきたいと思いまして、御説明に努めておるつもりでございますから、その点は御了承願いたいと思います。
 それでお尋ねの第一点の私鉄の問題でございますが、これは資料の上でも御検討願つておるかと思いますが、電力料金の頭打ちの制度をとるほかに、電気税が免除されるという関係で、私といたしましては今回の料金改訂に伴つて私鉄の料金が上る口実になるようなことはないというふうに考えております。
 それからその次の硫安等の価格の問題でございますが、これは政府部内におきましては農林省とも十分検討をいたしました。それから肥料審議会のお話がございましたが、肥料審議会の方にも私どもとしては十分御説明に努めておるのでございまして、それと農林委員会との関係あるいは当委員会との関係等につきましても、新たなる問題といたしまして、ただいまできるだけ御了解願えるような努力をいたしておるわけでございます。
 公営電気につきましても、すべて原価主義によりまして認可をいたすことにいたしておるわけでございます。
#115
○山手委員 それでは時間がございませんから私は結論だけ一言申し上げますが、この電力料金の改訂要綱は今のような政府の御説明では私どもはまだ十分に納得するわけに参らないので、政府側においてこの要綱につけて出された冬季料金だけでの比較表を全部御破算にして、年間を通じて需用者は何ぼ上るのだ。各戸定額のもの、あるいは大口の電力需用者は年間を通じてどういう計算になるか、一割何ぼ上るというふうな推測だそうでありまするけれども、具体的には年間を通じてパーマネント屋さんは何ぼになるのか、パン屋さんは何ぼになるのか、その比較表を九日には通産委員会が再開されますから、それまでに私は出していただきたい。それに基いてやはりもう一度議輪をしてみたいと思いますが、きようは時間がございませんからこの程度にいたしておきます。
#116
○永井勝次郎君 価格問題についてごまかしがある、ごまかしがないということで先ほど来論争がありました。大臣はごまかしていない、各党代表である権威ある伊藤委員なり、山手委員がごまかしである、私もこれはごまかしである、三対一でこれはそれぞれの権威ある立場で、この中にはごまかしがあるとこう認定する以上は、大臣におかれましても、謙虚にひとつ三対一という数の上に照しましても、ひとつ十分に問題の所在を明らかにしていただかなければならぬと思うのでありまして、われわれは大臣に悪口雑言でごまかしておると、こういうことではなしに、それぞれの論拠に基いてお尋ねをしておるのでありますから、これはひとつ虚心に御答弁を願いたいと思うのであります。やはりこれはごまかしがある、ない、ということの基準になるのは、やはり現行法に基く原価主義であるかどうかということであります。これが原価主義であるというならば、会社側の申請に対する一割四分四厘の値上げというものを政府は否定して、どういう線が幾らの値上げをするのか、これが原価に適当しているんだという、こういう基準を明確にして、その内訳を大口にはこう、小口にはどう、家庭用にはどうと、こういうふうに明確に示してもらわなければならないと思うのであります。またただいまの話によりますと、半年ずつに区切つてそうしてこれが原価主義である、ない、ということになりますと、これは従来でも夏料金、冬料金というように、それぞれの季節的な条件が価格に大きく影響して来ておる問題であります。それを半年の基準をとつて、そうしてこれは半年の分で原価主義であると言つたつて、これは基準にはならないと思います。そういう算定の基礎が半年分となつて、これが原価主義であるのだと、こういうのか、どういう一つの算定基礎に基いてそういうふうな原価の明確な数字が出て来たのかという、こういうふうに算定基礎を明確にしてもらわなければならないと思います。また少くも電気料金というような、こういう基礎産業については、半年ずつを区切つていろいろな価格を決定するフアクター大臣の話によりますと金利の問題、税金の問題、企業努力の問題、こういうものが、客観的な条件がかわつて来れば、それを加味して算定しなければいけないのだと、こういうことになりますと、これは際限がなく、何箇月の料金をきめたらそれが妥当かということか、これは時間的には非常にむずかしい問題になろうと思いますけれども、少くもここで言うところの電気料金というものは、そう半年とか何箇月とかというような、こういう区切つたものではなくて、相当長期にわたる一つの価格というものを出して、そうしてその中において非常に経済界の大きな変動とか、そういつたものが起つた場合には、これは改訂という条件が出て参るでありましようけれども、こういう安定した条件の中で、こう半年ずつ区切つて原価計算を出すんだというような、こういうことはごまかし以外の何ものでもないとわれわれは考えるわけであります。そこで半年に区切つて原価を出しているのか、あるいは一年というものをとつて原価を出しているのか、ないしは何年問という、少くも二年なり三年という長期の時間的な条件をとつて、そうしてその中において原価を出して来ているのか、この算定基礎だつてわれわれは明確にしていただかなければならぬと思うのであります。
 さらにたとえば金利の問題、税金の問題、これはいろいろな条件でかわつて参るでありましようけれども、企業努力の問題というのは、たとえば会社が怠慢にして企業努力をしない、そうして一定の科学的な算定基礎に基いて、これだけの企業努力によつてコストを引下げることができるんだという目標がついたならば、これを会社に強く要求し、監督するという責任が政府にあると思うのでありますが、怠けて努力をしなかつたならばやはり原価計算の中で、料金の中でこれを見てやらなければならぬ、こういう仕打のものかどうか、これをもひとつ伺いたいと思うのであります。
 さらに自由党は、本日の新聞によりますと政策を発表しております。この発表した政策の内容によりますと、電気料金は値上げをしないということになつております。現行法では、原価主義によつて料金をきめるんだ、そうしてこれは認可制だ、こういうことになつておる。ところが自由党の政策では、電気料金は値上げをしないんだということを言つていて、現行法と非常に矛盾した条件を出しておるのでありますが、大臣は政党の大臣として、行政官庁としての立場よりは政党人としての立場において、国民に対して公約を実行しなければならないのでありますから、そういう関係の矛盾というものはどういうふうにお考えになつておるのか。そういう値上げをしないという条件をこの中に含めて操作をしようとしておるのか。その点と、一方では会社の要望を資本家の代表としての保守党の立場で守つてやらなければならないという立場がありましようし、大衆に対しましては何とかそこをごまかして行かなければならぬという、こういうカムフラージユしなければならぬ面もありましよう。そういう面において価格政策に対して大臣はどういう基本的な態度をお持ちになつておるのか、これをお尋ねいたしたいと存ずるのであります。
#117
○愛知国務大臣 まず第一の原価主義のお尋ねでございますが、これは私はこの現行制度のもとにおきましては原価主義を守つて参りたい、こう考えております。但し若干の考慮を払うことはあり得ると思います。
 それから原価主義についての第二点のお尋ねであります。たとえば企業努力ということを言うが、企業が努力も何もしないで原価がこうこうだといつた場合にどうなるのかというお尋ねでありますが、私の申します原価主義は、実績の原価をそのまま認めるというものでは、かえつて立法の趣旨にも沿わぬのではなかろうか、標準原価主義というようなものをその場合にとるのが当然であろうかと思うのであります。それから第三点の自由党の政調会の発表した分書についてのお尋ねでございますが、私も実はまだ十分検討しておりませんが、私の今朝見ました記憶では、電力料金についてはあとう限り値上げを抑制する、これがため電力会社の税、金利等の負担の軽減をはかるということが書いてあつたように記憶するのでございまして、私のここに差出しました基本方針とその考え方はまつたく同じであると私は理解いたしておる次第でございます。
#118
○永井勝次郎君 そういう御答弁であれば、価格政策について私はお尋ねしなければならぬのであります。大臣は減税化することは値上げではない、こういうふうにお考えになつておる。それに価格政策として電力料金は動かさぬということになりますから、値上げする分を減税でまかなうならば、これは実質的な値上げであります。問題は自由党が現在とつておる価格政策というものは、たとえばプライスの問題ただ在庫がたくさんあつたから投げ売りする、そういう関係で一時的に値段が下つた、これも政府の努力によつたデフレ政策による効果である、こういうふうにして、ただ現象的に現われた価格の問題だけをとらえて問題にしておる。私はほんとうに日本の経済の価格政策というものは、そういう現象的な価格面ではなしに、コストの問題である。基本的にコストを引下げるという努力をしないで、そういうところを追究しない経済的の価格政策というものは基本的には立たないと思う。今の大臣のお話によると、値上げを申請して来ればその分は税金で負けてやる、金利で負けてやる、そうして値段は動かさないのだ。これは値上げにならないのだ。こういうばかげた価格政策というものは、およそごまかし以外の何ものでもないと思うのでありますが、大臣はこの点に対してどういうふうに考えておるのか。それから先ほど私がお尋ねしましたように、原価主義である以上、今度の値上げの基礎となつた内訳で、大口はどう、小口はどう、あるいは家庭用はどうというような、いろいろな差異はありましようけれども、基本的に原価は幾らである、この価格を認可するのが妥当であるという算定がどういう計算基礎に基いてどういう価格が出たのであるか、これを明確にしていただきたい。それは半年の計算なのか、一年の計算なのか、あるいは二年の時間をとつた計算なのか、そういうものもあわせてお答えを願いたい。
#119
○愛知国務大臣 まず第一のお尋ねでありますが、コストの引下げということが第一の問題だという点については、私もまつたく御同感でございます。従いまして今後の処理についても会社側の一層の企業努力を要請するという点をここに掲げてあるのもその配意に出たものであります。それから値上げをせぬで税金で見るというのはごまかしだというお話でございますが、これは十分にコストを考え、検討して、その上でこれは料金の値上げというかつこうで処理した方がいいか、あるいは原価の高騰を押えるための税金の軽減によつて処理した方がいいかということについては、これは単なる価格政策だけの問題でございませんで、電気料金なるものは国民の最後の一人にまで関係する問題でございますから、これを会社側に対する減税ということで処理をして、担税力のある方の他の面においてこれのカバーをとるということの方が、社会政策的にもいい場合も私はあり得ると思うのでありまして、これは大所高所からそのいずれかにきめる、あるいはその両方に分担をしてもらうという方法がいいかどうか、これは大所高所からきめてしかるべき問題であつて、私はその原価の計算が輿論において容認せられる限りにおいては、そのいずれかの方法をとるということはごまかしとは考えません。
 それから原価の期間の問題でございますが、会社の申請いたしたところの原価の計算は年間を通じたものであります。また会社の中請いたしましたものは二十九年度、すなわち今年の四月から来年の三月までという期間で原価の計算をして申請をしておるわけでございます。
 それから査定をいたしました原価の計算では、二十九年の下期と三十年の上期の一箇年間をもつて査定をいたしておるわけでございます。
#120
○永井勝次郎君 だからその数字は原価は幾らと出たか、幾らの値上げをするのが当然であるか、減税も含めて全体の値上げ率を明確にしていただきたい。
#121
○中島説明員 本日の配付資料の二枚目にただいま大臣の述べました数字が出ております。
#122
○永井勝次郎君 二千百一億の査定に対して二千十七億というのがそうですか。
#123
○中島説明員 さようでございますが、いま一つの、もう五、六枚先の表をあわせてごらんになつていただきたいのです。
#124
○永井勝次郎君 これには減税率を含んでいるのですか。
#125
○中島説明員 減税率は現在まで実現しただけを含んでいます。二十九年の下と三十年の上の収入比較というものがございます。これで見ますとその現行収入というものは、料金を全然いじりません場合には、収入が下、上で年間千八百十四億、それに対しまして今度の査定で純原価二千十七億、約十八億、ここまで原価が出ましたから、ここまで収入も上つたわけであります。従つてこの千八百十四億と二千十七億との差額が年間を見ました場合に上る、こういうことでございます。
#126
○永井勝次郎君 計算の問題は、今大臣に対する二十分と限られた短かい時間でありますから、いずれあとでいろいろ伺いたいと思います。ただいま大臣から価格政策の問題をお話になりましたが、私も賛成であります。ただ減税によつて実質的な値上げをしないということはごまかしだ、実員的には値上げをしておるのだ、ただ価格を上げない、税金を負けてやるのだ、こういうことで、ただ価格政策としてそういうふうに動かさないだけであつて、それをもつて価格は値上げしないのだ、こういうことにはならないのだ、そういうストレートな考え方でそういうことを言うならば、それはごまかしだ、こういう意味でありますから、よく大臣の御答弁もわかつておりますし、そういう点については大臣も了承されることと存じます。
 さらにお尋ねいたしたいことは、この査定にあたりまして当局は非常に秘密にされた。従つて部外には全然わからないということでありますが、先ほど午前中の参考人の業者の方に私は伺いましたところ、これはある程度作業過程においては資料も出したし、いろいろ打合せもした。大体こういう計算というものは、業者との裏口におけるいろいろな話合いで大体了承済みであるというところで、政府はただちにこの査定に基いて申請書を書き直して、この要領に基いて再申請をするように、こういうことで手続を進めるのではないかと思うのでありますが、この点はいかがでございましようか。
 それからもしかりにほんとうにただデータを業者から出しただけで、この作業の中には業者も入れない。今までの単位を新たなアンペア単位に切りかえて、いろいろ違つた計算基礎に基いて実施をするということになりますと、いろいろ実施する現場の面では、相当細目にわたつて計算なり実施の時間が相当にかかるであろうとわれわれは考えるのであります。従つて午前中の各参考人の方々の意見を聞きましても、われわれはまつたくきのうの発表で初めて知つたのであつて、これを従来の電気料金に比べて上るのか下るのか、実際の面においてはどうなのか、まだ今のところわからない。こういうふうに専門家でもこれからやつてみなければわからないというほどの状況でありますが、これが十月一日から実施するというような時間的な条件の中で、これが可能であるとお考えになつておるのかどうか。それからもしこういう料金というものは、何と申しましても秘密で計算をしたということであればこれはいろいろ作業過程において雑音が入るということはできるだけ避けなければならないから、そういうやり方もある程度やむを得ないが、原価主義というこういうはつきりしたものが出ておるのでありますから、何も秘密にする必要はない。ガラス張りにするのがよろしいとわれわれ考えるのでありますが、そういう心づかいもある程度了解するといたしまして、それならばこれが実施の場合に国民大衆に対してどういうふうな影響があるかということについては、需用者側の意見も十分聞くべきではないか。以前行いました聴聞会の内容と今度新しくきまりました料金との間に非常な偉いがあるのであります。それで大口であり専門家である人々の間でも、この料金がどう自分たちの仕事なり生活に影響するかということも、現在のところまだわからないというほどのむずかしい内容のものでありますから、これは今まで秘密にしたらしたほど、相当時間を置いて聴聞会を開いて、これを納得の上でスムーズに実行に移して行くという配慮が必要であろうと思うのでありますが、聴聞会を開くということに対しては大臣はどういうふうにお考えになつておるか、これを伺いたいと思うのであります。
#127
○愛知国務大臣 この点は昨日お答えいたしました通り、私といたしましては最善の方法で処理いたしたいと思いましたから、あるいはただいま御指摘のような御批判があつたかもしれないと思います。それにつきましては全部これは私の責任でございます。私の責任で行政上最も妥当である責任のとれると思う方法で慎重に案をつくりましたつもりでございます。それから第二の聴聞会のお話でございますが、これはこの値上げ申請案が出ましてから、正規の手続によりまして聴聞会を開きまして、その聴聞会でいろいろ出ました値上げ反対論あるいは希望論――これは圧倒的に反対論が多いわけでございますし、各種各様の希望案が出ましたが、中にはあのまま認めてもいいという御意見の方もおられましたが、少数でございました。その御意見をあらゆる面から取上げまして検討いたしまして、できるだけこういう意見が集中して反映できるように努めたつもりでございます。
 それから制度の改正については、昨日も申しましたように、圧倒的に御賛成の方が多かつたのでありますから、その御賛成の多いように、その趣旨でとりまとめをいたしたわけであります。従いまして私といたしましては今後さらに聴聞会に付する必要はないと考えております。
#128
○永井勝次郎君 先ほど大臣のお話では、本年下期は十五億の赤字が出るであろう、そして株式配当は一割二分を予定しており、こういうことでありますが、赤字が出るのに一割二分の配当というのはどういう財源に基いてそういうふうにお考えになるのか。さらに来年上期においてこういう問題を価格政策の中に取入れて、赤字があればその分については来期において価格の上に考えてやろうというような予約をされておるのかどうか、その辺を伺いたいと思います。
 それからさらに現在の料金制度の中には聴聞会ということがありますけれども、ほとんどそれは形式的にやつて、ただいまの大臣のお考えのように、こつちの一方的な考えで押し切つてしまう、こういう考えであります。将来この価格をきめる場合、大衆に相当影響ある問題でありますから、肥料であるとか、米価であるとか、こういつた問題でさえ審議会を設けて大衆がこれに参加して意見を述べる機会を十分与えておるのでありますが、電力料金の今後の価格政策については審議会等を設けて十分審議する機会をつくるような制度にこれを民主的に改めて行くお考えがないかどうか。
 それから電力料金というものが国の産業なり、国民のいろいろな生活なりあるいは地域的ないろいろな総合開発なり、これに大きな影響を与えるわけでありますが、そのためには現在の制度の中においてはいろいろ行政的に措置する限界というものがあつて、基本的にはその限界を越えてはできないと思うのであります。従つてきのうもちよつと触れたのでありますが、たとえば電源開発の会社が融通会社に性格を切りかえるとかあるいは九分割というような問題についてこれをもつと統一するというような制度上の改正なり運営上の改革の方向へこれを発展させなければならない段階が来ているのではないか。あるいは料金の全国的な一本化の線に沿うような方向を打出すために、あるいはそれの前提となるべき研究会なり何なり、現在の電力事業あるいは電力料金、こういう問題について基礎的にいろいろな分析をし、調査をし、次の政策への資料を整えるというような機関をお設けになるお考えがないかどうか。これをお聞きいたしたいと思います。
#129
○愛知国務大臣 第一が配当と赤字の問題であつたと思いますが、配当について一体基準はどのくらいが妥当と思うかというお尋ねでございましたので、一割二分程度とお答えいたしました。その配当をいたしますために、全会社を通じて見ればそれを織り込んで赤字が十五億幾らになるということを数年の上で御説明申し上げたのでありますが、もちろん赤字につきましてこれを補填する予約とかなんとかいうお話がございましたが、そういうものは考えておりません。
 それからその次に電力料金について審議会というようなお話がございましたが、実は公共料金等について、政府の機関として一般的にこういうものを行政上の責任がとれるようなはつきりした制度を打立ててはどうであろうかという意見が政府部内にも一部ございます。たとえばこのほかにもいろいろの問題があろうと思ますが、いわゆる広く公共料金と称せられるようなものについて、これを決定する政府機構を考えてはどうかという意見もございます。それに対しましてさらに審議会を付置するかどうかというようなことも考え得る問題ではあると思いますが、私はただいまのところ電力料金につきましては、昨日も申し上げました通り、現行制度のもとにおいてこれを処理いたしたい、こういうふうに考えております。
#130
○永井勝次郎君 将来の問題は……。
#131
○愛知国務大臣 将来はただいま申しましたように、政府部内に公共料金の扱い方について、一元的な機構でもつくつたらどうかということの意見がございますが、このほかの問題はともかく、電力料金について、私は現在まだその方がいいと申し上げるだけの研究を積んでおりません。
#132
○永井勝次郎君 電源開発会社の問題と九分割の検討の問題はどうですか。
#133
○愛知国務大臣 これは失礼いたしました。電源会社の性格の問題と九電力会社の現在の状態が、これでいいかどうかというお尋ねに対しましては、昨日も御説明いたしましたが、電源今会社をどういうかつこうにして行つたならばよかろうかということについては、将来ともとくと政府としては研究をさせていただきたい。今日のところ、まだ何とも結論は出しておりません。それから九電力会社のあり方につきましては、私は現状が最もよろしい姿であろうかと考えております。
#134
○長谷川委員長 帆足君。
#135
○帆足委員 時間も移りましたし、各同僚委員から大体一通り質問がありましたので、私は重複を避けまして、ただ大臣のお答えで少多あいまいな点、十分納得行きません点だけをこの際明確に承つておきたいと思います。
 そこで第一にお伺いいたしたいのは、私ども今次の電力料金改訂の政府の要綱は、当然夏に冬料金を踏襲することが全面的に前提条件になつておるものと思つておりますたところが、ただいま大臣のお話では、改訂については、総合的観点から今後審査を続けて行くのであつて、計算の上では機械的に言えば、現在の冬季料金を継承せねば赤字は埋まらぬようなおおむねの状況であるけれども、総合的にその他の条件を今後調べて行くのであつて、冬季の料金をそのまま改訂すると別にきまつておるわけでないというふうに承りましたが、冬本料金を夏季に継承するということは断じて確定しているものではないという御答弁は、そのように承つてよろしいものでしようか。
#136
○愛知国務大臣 この点はあまりるる申し上げ過ぎましたので、かえつてあいまいにお聞取りいただいたかもしれませんが、これはくどくど申し上げますよりも、お配りいたしました書類の基本方針の「なお」以下の通りなんでありまして、これをこのままにお読取りいただきたいと思います。
#137
○帆足委員 それではただいまのお答弁は、御答弁としては了承いたしたものとしまして、第二には今日電気事業が拡大再生産するためには、安んじて仕事に精励し、豊富低廉な電力をつくり得るような労働条件を与えることが政治家の任務である。この点は与党野党を問わず何らかの措置を必要とするということは、客観的事実であると思いますが、その重要なときにことさら何か値下げをなさるような印象の、現行の冬季料金についてのみ部分的な改訂案をお出しになるという理由、その理論的根拠並びに見通しなきかくのごとき、改訂案というものは、あるいは氷山の一角ではあるまいかというのがだれしも考えるところであつて、せつかくの大臣の御釈明にもかかわらず、世間一般は料金の全面的値上げの氷山の一角が現われただけであるというふうに一般の輿論が受取つておるということだけは事実であろうと思う。それはきようの各専門団体のああいうけんけんごうごうたる反撃の声をもつてしても私は了承し得るところではないかと思います。従いまして今日電気料金政策並びに電源開発政策を至急検討して、安んじて電源開発の衝に当る人たちが全能力を発揮し得る態勢をつくらなければならぬときに、こういう小さな料金いじりをなぜされたか。先ほどの山手委員並びに永井委員の質問に対して、大臣の御答弁は私はまだどうも了承しがたいように思いますので、重ねて簡潔にいかなる理由でこういうことをされたのかということだけを、もう一度御答弁願いたい。
#138
○愛知国務大臣 この点はしばしば申し上げましたように、原価主義という建前を尊重いたしまして、それに対して会社側から出て来た申請に対して政府としての態度をはつきりさせなければならないということから来ておるわけでございます。それからいま一つは料金制度の合理的な改正ということ、これも聴聞会の結果等によりまして政府として態度をはつきりしなければならなかつたわけであります。
#139
○帆足委員 上期、下期全体を含めましての案でしたら、総合的に審議の対象になり得るのですけれども、冬季だけの案をお出しになつて、しかもそれ自体を見ますと、現在電気企業の赤字を埋めなければならぬというときに、十億円も逆に収入が減るような案をお出しになつているということは、どうしても了承できないと思いますが、これ以上お尋ねいたしましてもこの問題は世間周知のことでございますので、繰返して御質問することは控えます。第三には先ほど永井委員から指摘されましたように、自由党の政策としてきよう磁気料金の引上げは抑制するということが発表されました。一体料金の値上げは、今日輸出振興、低物価政策を堅持しなければならぬという現段階において、何らかの意味において控えねばならぬということが自由党の政務調査会の政策でありますけれども、この点だけは正しいと実は私は思つております。そうしますと、結局一つは経営形態及び経営態率の合理化、もう一つは資本費の増大を抑制しますために、適切な措置をとらねばならぬ。そのあとで全体としての諸制度の調整は必要だと思います。しかし不均衡にまた電気料金が上るということは、現状では国民経済の運営上好ましくない。この問題についてたとえば先ほど電産の労働組合の方などが、たとえば重役が多いとか副長が多いとかいう御指摘もありましたが、私はこういうことは枝葉末節のことであつて、一般の従業員の中にも多少冗員がありますようなときも失業問題を考慮いたしまして、しばらく完全雇用という見地からおつてもらわねばならぬこともあるし、また重役陣においても冗員になつたからといつて、恩給制度もない今日、やたらに首にするわけにも参りませんから、私はこういう問題は多少われわれとしても気宇闊達に考える。要は適所適材に置いて、そうしてそういう場合でも能率の上るような仕組みにしてもらいたい。副長さんを置こうと次長さんを置こうとけつこうですけれども、それらが仕事の阻害にならないように配置するような配慮をしてもらうことが大事でありまして、それは労使を問わぬ問題だと思います。しかし問題は結局能率を上げること、それから資本費を切り下げること、経営形態を社会の要求に適応せしむるような方法に持つて行くこと等でありまして、今にして思うならば、だれが考えても、大臣の今日の立場からいえば、せつかく九分割したものをそれに疑義をさしはさむようなことを、自由党の大臣たるあなたがおつしやられる立場ではないことは了察いたしますが、あのとき経団連ですら電力事業は敗戦日本の経済にとつては赤十字のような役割を果す企業形態である。ですから一般の私的経営と異なる形態である、赤十字態勢を整えておくことが必要であるということは、保守反動といわれる経団連ですらそういうふうに主張されて、当時非常に論議のあつたところである。今にして思えば、私はあの復元政策というものはやはり十八世紀の自由主義にもどろうとした時代錯誤のしりぬぐいが今日来ておるということはもはや歴然たるものであつて、今日の時代の要求に資本経営を適応せしむるために、保守陣営からいえば修正資本主義といつたり、また進歩陣営からいえば社会化への、公益化への必要を感ずる面が多多あるといつたことは理路整然たる問題であつて、何も修正資本主義ということが保守陣営にとつて言いにくいことでもなんでもなくて、必要な改革は施さねばならぬのに、復元したのが今日の失敗のもとである。しかし分割ということをただ地理的問題だけに理解するならばまだ対策も残つておると思いますが、とにかく公益事業を私的企業として取扱う傾向が松永安左エ門さんなどは個人としては尊敬すべき自由主義者ですけれども、二世紀も遅れた人がいまさらのこのこ出てきてそうしてこういうことにさせてしまつた。そうして取扱いにくい状況にさせてしまつた。ということは勝敗はもはやどちらにあるかということは歴然たるものだと思います。しかしこの点は今通産大臣個人をお責めしたところでこれは礼を失するところでありますので、従つてお尋ねいたしたい要点は、料金値上げ以外の措置としてどういう見通しがお考え得るかという点について重ねて現在の大局観だけをひとつお伺いしておきたい。同時に時間の関係上もう一つあわせてお尋ねいたしますのは、今日の改訂案は小さな案でありますからそれはこの前の公聴会の議論を参考にされて非常に慎重に諮つた、鳥をして鳴かしめずして毛をむしるというようになつておりますが、鳥の方じやもうしりの毛を抜かれやしないかと思つて気がついて騒ぎ初めておるというようなわけで、必ずしも毛をむしつているかどうか、もう鳥は鳥で鳴いております。従いまして今次の改訂案はとにかくとして、来年の四月以降の夏料金の改訂につきまして十分なる事前審議の措置また聴聞会の措置をせられる御意向であるかどうか、それをひとつ念のために伺つておきます。
#140
○愛知国務大臣 料金対策以外に今後電力行政あるいは開発等についての意見というお尋ねでございますが、これはいろいろ議論としては私もありえると思うのでありまして、電力というような非常に公共的な目的、典型的な公共的な事業が現在のような経営形態でいいかどうかということについては、理論的あるいはその他の点からいろいろ論議の対象にはなると思いますが、私が実際の行政を担当しております現存の立場におきましては、先ほど申しましたように経営の形態等に手をつけての対策というものは適当でない、こういうふりに考えております。ただそれだけに、これもくどいようでありますが、現在の電力会社の経営者のみならず、携わつておられます職員の方々においても、十分その点をこの上ともに勘考せられて善処せられんことを政府として期待しておるわけであります。
 それから次に四月以降の改訂の問題でございますが、これはどうも言葉が足りないようでまことに私も残念なのでありますが、先般来申しておりますよりに、現在のままほうつておけば、ということは三つの要素に何らのくふうが加えられないならば、大体の見通しとして冬料金というものを続けて行かざるを得ないだろうという見通しを現在は持つております。しかしながらそれでは低物価政策を完遂することになり訳せんから、国会において最も問題でありますところの税の問題を、その事前に十分に御審議いただくことによつて、四月以降の料金についてその審議を通し、またその他の点から申しましても、これは国会自体としても十分に審議の余地を持つていただけることでありますから、そこであらためて税法の改正案等の御審議をも通じて、さらに一層慎重に将来の問題を御検討いただきたいと考えておるのであります。そのくらいでございますから、四月以降改訂をいたします場合におきましては、もちろん聴聞をいたすことは申すまでもないことであると考えております。
#141
○帆足委員 電力事業が今私的経営形態をとつておる。その矛盾の絶頂に到達して、そして料金値上げなしに、すなわち自由党の政策にありますように、電力料金はこれを抑制するという形態のもとで対策を講ずるということになりますと、しかも経営形態に現在の政治力の関係から手を触れることなくして、なおかつこの民族的課題を突破せねばならぬということになりよすと、私はこれはなかなか容易ならざる課題であると思います。従いまして今永井委員から原則としてはできつこないところの課題であると言われましたが、私もそう思います。しかしながら電力事業をよくすることは、これは国民共通の課題であつてぐちだけ申しておられる状況でもございませんので、今日は鉄鋼連盟その他こちらに見えております各重要産業の側も、ただ電力料金が安いのがいい、安いのがいいというだけなら、それはおやつどきになつておやつがほしいという赤ん坊の要求と何らかわりがないのであつて、同時にしからば現在の諸環境のもとで、値上げをせずに、どういうふうにして電力開発ができ、運営し得るようにすればいいかということに対して、積極案を出してもらいたいということを私もお願いしたわけですが、われわれの方もこの問題についてはさらに検討いたしまして、そして電力料金を上げずにすむような方法については、今日の自由党の政策に協力するに私は、やぶさかでないわけでありますから、こういう重大問題を討議するということになりますと、これは私は虚心坦懐に慎重な審議を必要とすると思います。従いもてわれわれとしましては、今日何事か氷山の一角のようなものを予想されておるがごとき形で、ちよつと電力制度を冬季の分だけいじりまして、十億円も減収になるような驚くベき案が出ておるということは、個人としては今日岡崎外務大臣のように、水爆実験に協力すると言つて国民の血を憤激せしめたり、暴言続出して、今や崩壊の前夜にある吉田首相と違つて、今日の閣僚の中でただ一人身元の確かな愛知さんのことでありますから、愛知さんはわれわれ通産委員会として大体において好意をみな持たれておる。しかし政策ということになると、これは個人の感情だけではどうにもならないことでありますので、率直に申しますとこれはちよつといじつた方にどう考えても無理がある。従いましてこの問題についてわれわれは冬季の料金をこういう見通しのない形態でいじるということは国会議員としての見識が許さないことは、自由党の議員たちも同じお気持であるまいかと私はそんたくするのでありますが、同時に、今後来るべき問題については――日本の輸出産業はまさに危機の前夜にあつて、一六〇の生産をもつて戦前のわずか三五%の輸出がこれを支えておる。島国、海国日本の驚くべき悲劇である。それを、従来は軍需で支えておりましたのが、今次軍需は漸減の状況にある。特需は漸減の傾向にある。こういう状況ですから、虚心坦懐に、日本の電気事業というものは、国民でバツク・アツプしてやりやすいような状況にして差上げねばならぬ。赤平になつて同化を続けねばならぬというような議論は、かつては無産階級の陣営に、そういう空理空論を言う者もありましたが、しかし今日の左右社会党にそういうことを言う人はいないと思うのです。やはり経営し得る客観的条件をつくつて差上げねばならぬ。その条件は、産業界の赤十字ともいうべき重要な民族エネルギー源を担当しておる産業においては、もはやわくの限界と矛盾の絶頂に来ておる。私は輿論に対して指導的なことを言おうとしておるわけではありませんけれども、新聞等においても電気料金の問題にはこういう重大な問題があるというふうに、これは全国民にアッピールすべき問題であつて、そうでなければ、日本の産業のただ一つの強みと言われておる低賃金――これは遺憾ながらよくないかと思うのです。なぜよくないかというと、先ほど永井さんの言われたように、コストを下げることが必要だ、コストを下げないで、金詰まりで苦しめてそうして値段を下げさせるということは、破産と不渡り手形が出るだけだ。コストと原料から下げて行かねばならぬ。私はその点についてはまた数日後の通産委員会で、原料問題の合理化についていろいろ大臣に御要望したいと思いますが、原料とコストと、そして能率をよくする、労使の関係を正しくする。同時に、J賃を下げて行くと購買力が下り不景気はもつとひどくなるのです。私は購買力は守り、生活水準は下げないようにする、そうして能率をよくするということに行かなければ――昔のように労賃を下げさえすれば解決するかというと、労賃を下げると購買力がなくなる、購買力がなくなれば自転車でもミシンでも売れなくなつてしまうのです。ああいう十八世紀的行き方でなくて、産業に能率を上げ得るような形態をとらねばならない。しかりとするならば、そういう方針であるとするならば、与党、野党の差別なく、私はこれに協力しなければなぬという問題もあると思うのです。従いまして今日の内閣に無理だとしますならば、せめて慎重なる審議を続けるべきだ。そうして、ある程度のわくが保守の陣営にありますから抜本的な解決は、永井委員の言われるように、私どもとしては無理だと思いますけれども、無理の間にせめて多少の合理性を持つ政策を、われわれ野党は人数少いのですから、今日政局を相当しているのは、自由党である以上は、おやりになるとすればわれわれもいろいろ知からを貸して御協力せなければならない。こういう問題であるにかかわらず、今のようにして、はとをして鳴かしめずして毛をむしるというようなことをなさるならば、あすの新聞はこのことに気がついて、けんけんごうごうとして一せいに国民に警告を発するでしよう。そうして電気料金値上げの問題はたいへんなことになる。というのは今十億円も収入を減らさしておいて、このままの状態が続いたとするならば一体どういうことになるか。従つて私どもは大臣が虚心坦懐に各方面の知恵と情報をお集めになつて輿論に聞かれることを切望し、また今後委員会が続くわけでありますから同僚委員と相談されまして、今まで先輩諸君が御発言になりました趣旨に沿うて、それを取入れていただくことを切に私は要望いたしまして質問を終る次第であります。
#142
○加藤清二君 時間がないようでございますし、次にまだ控えていらつしやるようでございますから、私は要点をかいつまんで二点だけお尋ねいたします。
 まず自由党以下みんなこの値上げには反対のようでございますが、その中においてこれを上げなければならぬという政府は実にお気の毒だと思うのです。そこで頭が狂つたのか、大臣さんは原価主義を尊重する原価主義を尊重するとこう言われておりながらも、その原価主義が破れている非常に悪い例を残されるんじやないかと思いますので、お尋ねするわけでございますが、まず第一番に石炭条項の問題でございます。これは御承知の通り石炭の価格が一番高かつた折の二十七年の価格でつくられていると存じます。それなるがゆえに、その後電力会社からその都度電気を消費する会社の方へ返しがあつたことと記憶いたしておりますが、このたびの改訂でそれがなくなつたということでございます。これはやがて電気を消費する側が、大口、小口に限らず、これだけの負担をしなければならないということでございます。これが今度の改訂によつて十億欠損するというお話でございますが、石炭の返しだけで六十億の余入つたはずでございます。この問題は原価計算をいたします折に、数年前の高い時期の値段をとつて原価計算書をつくつてもよろしい、こういうことを政府みずからが国民に教える結果に相なるではないかと思うのでございます。ことしの石炭価格でやられたならばけつこうでございますよ。ところが二十七年のあの最高時すえ置きの原価計算をそのまま継承されるとそういうことになるわけでございます。そこでこの点、原価主義を尊重するとおつしやいました大臣の言葉と少し違うように思うのでございます。これが私の誤解であればまことにけつこうでございます。その点をはつきりしていただきたいものだと存じます。
 それから、きのうきようお示しになりましたあのいろいろなデータでございますが、これもまたまことに丁寧なものでこの点は感謝はいたしますが、ここに一つ大きなことが忘れられているように思いまするで、その点をお尋ねすのわけでございます。それはほかでもございませんが、影響度のところでございます。ごらんになつておわかりでございましようが、この影響度は最終末端のところだけが表現されているように思うのでございますが、この点はいかがなものでございましようか。たとえばパーマネントは幾ら、パンの製造は幾らとこうなつておるようでございますけれども、最終末端の電気料金の値上げが三%であるから、これですべてのものは三%で納まるというような表現の仕方は、これは大臣の真意を聞く者をして誤解せる結果になるではないかと思うのでございます。なぜかならば、例を私の着ておりますこのワイシヤツにとつてもよろしゆうございますが、これを最後のアイロン代だけだとかあるいはミシン代だけにとればそれで終るようでございますが、いや、その前に、これを織るときの電気料金が加算されなければならない、この糸をつむぐときの紡績の電気料金が加算されなければなりません。毛にすれば、毛を選別し洗う、それまで全部電気料金が加算されて来るわけでございますが、それが加算された総合的なものがここに出ていないように思うのでございます。これがやがて家庭に影響を及ぼしまして、一般家庭ではその集積された影響を受けるわけでありまして、決して電気料金の問題だけではないわけです。七灯三灯だけ電燈料だけではないわけでございます。この問題をもし皆さん表現なさつたように最終末端だけでとどめるべく途中においての材料の電気料金の値上りは絶対にさせないのだ、こういう確約があればよろしゆうございますけれども、それがない限りにおいては、家庭あるいはその他の生産工場では、すべてねずみ算式の影響を受けなければならない。従つて先ほどの参考人の陳述にもありましたように、皆さんの手元では一割だとかあるいは五分だとか言つていらつしやるのが、あの証言では三割になつたり、六割になつたりしているのでございます。この点を私は政府のデータが手落ちであつたのではないかと思うわけでございます。そこで最後にこういう間違つた資料で、デフレの時代にぶつ倒れた経験がない、もうかつている業界のために値上げをしなければならない、それも短かい時間に納得の行かないままに、それ急げ、やれ急げ、お前の質問は五分でやめておけというところまでもせき立てられて審議しては、おそらく十分な審議ができないではないか、かように思います。そこでぜひこの問題を審議する機会を将来にも与えていただきたいと思います。なぜかなれば、それは最後に申し上げまするが、隣で今決算委員会で盛んにやつておられますけれども、あれはニユース・ヴアリユーはあちらの方が多いかもしれませんけれども、国民経済、産業経済に及ぼす影響度におきましては、はるかにこの電気料金の問題の方が大きい。またああいう決算委員会で問題を起さなければならないその母体を今われわれは審議しているわけでございます。そこでこれを審議するにあたつては、ぜひひとつもう少し余裕のある機会を与えられますことをお願いいたしまして私の質問にかえます。
#143
○愛知国務大臣 まず第一の原価主義について石炭の価格のお尋ねがございましたが、石炭の原価は今年の原価で査定をいたしております。それから次に最終影響のみを取上げてあるというおしかりでございますが、これはあるいは取上げました例が適当でなかつたかもしれませんが、このつくりましたここに掲げてありますものについては、うそも偽りもございませんので、あるいは例の取上げ方が不十分であつたかと思いますが、この点は御了承願いたいと思います。
#144
○長谷川委員長 福田一君。
#145
○福田(一)委員 大分おそくなりましたから要点だけ御質問いたしますが、今までの大臣の答弁、政府委員の答弁を聞いておりますと、来年の三月までは一応ただいま御提出になつたようなやり方でやつて、四月以降には値上げはしないのだというような疑問を持たれる答弁になつておつたと私は解釈しておる。これは、私も自由党員でありますけれども、自由党として電気料金の値上げをしないというその根本方針はけつこうでありますが、しかしものにはいずれも例外というものがあるのでありまして、たといいかようにそういうように考えておりましても、実情がこれを許さなければ、ある程度はこれをやらなければならないということがあるわけです。従つて今政府が考えておられるのは、夏料金については値上げをしないようにしたいという意思はわかるけれども、結果において少しも何もしないのだという意味で答弁されているとは私は解釈しておらないのですが、この点についてまずただしておきます。
#146
○愛知国務大臣 その通りでございます。
#147
○福田(一)委員 電気料金の今回の問題については政府としても今の法律の範囲内においてこれを処理するということになれば、非常に苦しい立場におることは私たちよくわかるのでありまして、これを人をかえてやつた場合においても、一方においては電気会社からの要求があり、一方においては産業界からの要望もあり、さらにまた政府、政党としてのデフレ政策の強行の問題があり、この間にあつてこれを処理することは非常にむずかしい問題である。そういう見地から大臣が非常に苦慮され、また事務当局も非常に苦慮されたということはよくわかります。わかりますが、われわれとしてはこういう要請の中にあるだけにこれらのものを一応よく勘案してやつていただきたいと思うのでありますけれども、そこでもう一つお伺いしたいと思いますことは、一体電気料金の値上げというのは、現行法律に基いて政府がおやりになる、政府の責任においておやりになる。私たちが議会において審議いたしますことは、それにもし不備があれば法律を改正するという問題は当然出て来るでありましようし、またそのやり方において円満を欠くことがあつてはならないということはいわなければならないことである、こう考えておるのでありますが、大臣は今どういうふうにお考えになるか。
#148
○愛知国務大臣 その通りでございまして、これを処置いたしますのは通産大臣の責任でございます。
#149
○福田(一)委員 次にもう一つお尋ねいたします。この間小坂さんが電源開発株式会社の総裁におなりになりましたが、その後新聞記者会見におきまして、電源開発株式会社は売電もやるようになるだろう、承るところによると何か日発の再現を考えておるかのごとき発言があつたということ、私も実は詳しく見ておりません。しかし電源開発株式会社は政府の監督下にあるものでありまして、こういうような発言は将来の政府の電力政策というものに非常に大きな影響を持つておると思うのであります。しかしながら小坂総裁がこういう発言をしたということの裏には、これは本日の委員会においても同僚各議員からしばしば質問がありましたように、電力行政というものに対していま少しく研究をしなければならないのではないかというこの空気は、私は順次世論になつて出て来るのではないかと考える。このような事態において電源開発株式会社が売電をするかしないか、あるいは送電線をどういうところまで持つて行くか、変電所をどういうふうにしてつくるかというような問題は、将来の問題を一応方向を見定めて処理して行かないと、これは非常に国家のために損失にもなることでもあるし、こういうことに関連して見ると、これは将来の問題としてほうつておくわけにはいかないのでありますから、電力行政をどういうふうにして行くかということは、政府としてはよほど慎重に研究を進められなければならない。また通産委員会においても、この問題は当然取上げられてしかるべき問題でありまして、私も同僚議員たちが言われておる気持もよくわかるのであります。そこでこういうことについてはもう少し政府としても大胆率直に検討をするというようなお考えで、やはり処理していただきたい。なるほど現行制度が最も完璧なものであるかもしれません、あるいはこれにある程度の改正を加えねばならないかもしれない、あるいは抜本塞源的な方向に持つて行かなければならないかもしれない。私はそのいずれが正しいと今ここに結論を申し上げるのではありませんけれども、しかしこういう空気が出て来ておるところには、そこにいわれなきにあらずという感じがいたしますので、政府としても十分この点について研究を進め、同僚議員の希望というか、そういうものに対しても、これをいれて研究をしてみるというようなお考えがあつてしかるべきではないか、かように私は考えます。それは単なる理論の問題でなくして、すでに電源開発株式会社の総裁がそういうことを発言しておられるのです。この事実をもつてしても、そういう考えにならざるを得ないのではないか、こう思うのでありますが、大臣のお考えはいかがですか。
#150
○愛知国務大臣 まことにごもつともでありまして、政府といたしましてもきわめて謙虚な気持でこの問題とまつ正面に取組んで、あらためて早急に研究をいたし、また結論を出したい。つきましては、ただいま仰せのありましたように、当委員会におきましても十分の御協力をいただきたいと思うのであります。
#151
○福田(一)委員 次にもう一つお伺いをいたしたいのでありますが、衆議院の農林委員会からわが通産委員会に対しまして、農林委員会において電気料金の問題について決議をしたから、特に十分なる連絡をとつて処置してもらいたいという公文書が参つております。そこでお伺いをいたすのでありますが、その決議の内容は、農事用電力料金及び肥料製造用電力料金の値上げに関する件とあつて、いろいろ前書きがありますが、究極するところ農事用電力料金はすえ置いてもらいたい、こういう要望がまず第一に参つております。これについて今回の措置においてはどういうことをされておるのか、ひとつ承りたいと思います。またこれの影響するところをどういうふうに考えておられるか。私はあとでお伺いするのでありますが、肥料特に硫安が出て来ますし、石炭窒素も出て来ますが、こういうような問題はやはり今のデフレ政策あるいは米価の問題等とも関連をいたすのでありますけれども、これは非常に重要な問題である。わが党としてもこの点については研究もいたし、また関心を持つておる問題でありますが、与党であるからといつて、与党の言うことを全部政府としてものめない場合もあるでありましようけれども、与党としては特にその点は関心を持つておるのであります。農事用電力料金はすえ置いてもらいたいという要望があるが、一体今回の措置においてはどういうことになつておるか、詳しく御説明を願いたい。
#152
○中島説明員 農業用電力なかんずく灌漑排水用につきましては、配付資料にもあります通りに、影響を最高五%まででとどめております。この表にはございませんが、このほかに実際に使いません期間に対する割引率を大きくいたしておりますから、実際に支払われる場合には、さらにもつと軽くなるのではないか、こう思います。それからそれ以外の農業用電力は、灌漑排水用と比べますと比較的量も少くなるので、特別に影響を調べておりませんけれども、大体の感じといたしまして、これより若干は上まわるかと思いますが、それも大きな開きはないはずであります。
#153
○福田(一)委員 五%以下に押えられたということであるが、全国平均ではどうなつておりますか。
#154
○中島説明員 これはまだ数量平均等を見ておりませんので、単純にある一番多いケースをとりまして地区別に出しております。その出しておりますそれぞれのケースを全部算術平均いたしますと、全体で三%アツプということになつております。
#155
○福田(一)委員 これは将来の米価の問題その他に関連して考慮をしておかなければならないことであると思うのでありますが、特に灌漑排水のために電気を使うという場合は、大体ポンプ・アツプをするのであります。ポンプ・アツプをしなければ反当五俵くらいしかとれないのであるけれども、ポシプ・アツプすると六俵くらいとれる。こういうふうに、それによつて一俵なら一俵よけいとれることになる。その一俵よけいとれるうちにおいて、電気料金が今までどれだけであつて、それに三%が上るのだ、こういうことで問題になつて来るわけでありますが、そういう資料は、将来のためにももう少し十分に調べておいていただきたい。もしそれがないならば、調べを急いでやつてもらいたいと思います。
 その次に硫安でありますが、硫安についてはどういうような措置をとられることになつておりますか。
#156
○中島説明員 硫安は、工場すべてがいわゆる大口丙の部類に入るわけでありますが、硫安工場の大部分は、いわゆる電解法によつて生産をいたしておりますが、その部分に関する限りは、これは特約の方法によりまして、つまり豊水期あるいはピーク以外の電気を使うことによつて、非常に安い電気と組み合せることによつて原価を下げる、こういうふうなことをするわけであります。それからガス法の関係におきましてもこれに準じますが、さらに自家発等を持つている場合には、自家発と組み合せて特約する、こういうふうにいたしまして、本来ならば相当の影響をこうむるのを、最小限度にとどめるというふうなことをいたすわけであります。大体、少くとも一般の平均の影響の率以下に収めるという方針のもとに、これは個々の工場別にロード・カーブを協定して特約いたすのでありまして、最終的にどうなるかということは、これから両者折衝の上できまるわけでありますが、大体の目標としてそういうようなものを設定いたしております。私どもは、肥料の方の関係の御要求も前々から承つておりまして、それに応じた想定でカーブをつくり、料金を出してみますと、大体今申しましたような影響率以下に収めるのは可能のようであります。実際には、これは契約の問題でありますから今後の問題であります。硫安以外の石灰窒素につきましても、特約の形で影響を緩和するという方法をとつているのであります。
#157
○福田(一)委員 石灰窒素の問題が出たから、ちよつと関連してお伺いするのですが、九州の大牟田へ、この間委員の方が旅行されたときに、あすこにある工場を見られて、あすこが年間二億四千万円ほど損失が出ているという資料を持つて帰られたと思うのでありますが、そういうような場合には、何か御考慮になるくふうがあるのですか。
#158
○中島説明員 これは、九州電力の料金が、いわゆる地域差において割合に高いというところに基因いたすわけでありまして、従つて、かりに安い電気を供給します場合には、特約をやる以外にはないわけであります。ところがその特約も、今申しましたように、本来質的に安い電気と組み合せてやる場合には、これは料金規程に従うわけであります。それ以上に、特別にあの工場が他の地区にある石灰窒素と比べて非常に不利であるから、これを救済するためにということでやる場合には、これは供給規程から見ますと違反になるわけであります。われわれとしましても、そういうふうなやり方は容認することはできません。本来ああいうふうな工場は、もともと九州の安い石炭と、それから自家発による安い電気を入れてつくるということを前提にして置かれた工場でありますが、その自家発が電力統合で取上げられました結果、今苦しい状況を続けているわけであります。この救済方法につきましては、復元ということが問題にならぬ限りにおきましては、やはり特約で安い電気をこなすように、その工場の操業を持つて行くという以外にないのでありまして、そういう点について、われわれとしても今後いろいろ研究してみなければならぬことであろうと思います。
#159
○福田(一)委員 復元というような問題は、これはなかなか重要な問題でありまして、そう簡単に解決さるべきことではないのでありますが、それが出た以上は、その質問はこの程度にいたしまして、もう一ぺん前に帰つて、硫安の問題について、影響率というものは大体この程度に収めて行こうというような目途があるはずであります。一応今度のパーセンテージがどういうふうになつておるか知りませんが、たとえばかます当りどれくらいはしかたがあるまいとか、何かそういうような目途をもつて処理をされておるのかどうかお伺いしたいと思います。
#160
○中島説明員 これは特約でありますから、年間をねらわざるを得ないのでありますが、来年の上期がどうなるかということは、先ほど大臣も申されております通りに、今後の問題にかかつておりますのでわかりませんけれども、一応これが何らの措置もとらなかつたとしまして、現在の冬料金がそのまま延長した、こういう想定をいたしました場合に、大口なら大口に対します影響率が出るわけであります。それをねらいまして、それ以下に収めるということにするわけであります。従つて具体的な率といたしましては一割二分前後という程度のところで硫安の方を抑えるというふうにいたしたいと思つております。
#161
○福田(一)委員 もし硫安が一割二分ということになつたら硫安工業は大体原価において占める分は二割前後だと思うからそれを一割上げるということになると二%の影響があるということに了承してよろしいのですか。
#162
○中島説明員 大体硫安の一かます当りの影響率が、それによります七円弱ということになつておるようであります。
#163
○福田(一)委員 七円弱というのは、パーセンテージでどういうところから出て来るのでありましようか。
#164
○中島説明員 九厘くらいであります。
#165
○山手滿男君 最後に大臣に申し上げますが、さつきからるる御答弁のあつたことと、今福田君に答弁をされておることとは相当食い違いがあつて、さつきからここでもいわれておる三月までのことをきめたので、四月以降のことは全然成案がない。大臣がさつきから言い切つておられること、あるいはこの出して来られた資料について先般来この委員会で大臣があまり上らないのだというふうなことでずつと説明をしておいでになつておられたことと、今福田君の質問に対して同感だ言われたようこととは、私はわれわれの受取つている感じというものは全然逆だと思うのです。大臣は心外に思われるかもしれないが皆そう思つている、だからこの問題をもつとはつきりされて、電力料金が上ることについて絶対反対とか何とかいうようなことを、この委員会でまだ言つているのではない。すなおに率直にこうなるのだということを大臣の方からはつきりされて来られぬと、いろいろ委員長が最後的に取扱いをどうごうと言つておりますけれども、その取扱いがきまらないということに通産委員会でもなつて行くだろうと思います。これは私どももよく速記録を見たいと思いますが、大臣の言おうとされるところは私わからぬでもないような気がしますが、それでは国民が納得せぬのですから私は大胆率直にこう行くのだということを言われた方がいいように思います。この点一言忠告をしておきます。
#166
○愛知国務大臣 せつかくの御発言でございますから申し上げますが、私は結論において別に食い違つておるつもりはないのでありまして、先ほど来申し上げておりますように、これは昨日も申し上げておるつもりでありますが、三つの要件について思うような名案が出ない場合におきましては、現行の制度の料金、今度の改訂を加えたこの案というものがそのまま行かなければ大体の見通しとして原価を償うことは困難であろう。しかしながらこの三つのことについてこれからできるだけの努力をいたしたいというのであつて、そのことを加えてみれば今のところ来年四月以降何の料金は幾らになるという成案は出ております、こういうつもりでございますから、ただいま福田君の御質問にお答えいたしましたことと違いはないと思います。
#167
○長谷川委員長 本日はこの程度で散会いたします。
    午後六時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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