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1953/03/02 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
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1953/03/02 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号

#1
第019回国会 通商産業委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和二十九年二月二十四日(水曜日)
委員長の指名で次の通り選任された。
      小川 平二君    小金 義照君
      小平 久雄君    始関 伊平君
      田中 龍夫君    中村 幸八君
      馬場 元治君    長谷川四郎君
      山手 滿男君    加藤 清二君
      帆足  計君    伊藤卯四郎君
      加藤 鐐造君
同日
 中村幸八君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 た。
    ―――――――――――――
会議
昭和二十九年三月二日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席小委員
   小委員長 中村 幸八君
      小川 平二君    小平 久雄君
      始関 伊平君    田中 瀧夫君
      長谷川四郎君    山手 滿男君
      加藤 鐐造君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川上 為治君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  佐久  洋君
 小委員外の出席者
        議     員 永井勝次郎君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 総合燃料対策及び地下資源開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 この際一言申し上げますが、先日小委員長の協議によりまして、各小委員会とも、各党それぞれ一名ずつの幹事を設けることといたしたのでございますが、本小委員会におきましては、自由党始関伊平君、改進党長谷川四郎君、社会党伊藤卯四郎君にそれぞれ御依頼申し上げたいと存じます。また本小委員会の定例日を一応毎週金曜日の午後一時よりといたしておきたいと存じます。右のように決定するに御異議ございませんか。
#3
○中村委員長 それではそのように決定いたします。
#4
○中村委員長 本日はまず現下の地下資源開発の諸問題につきまして、政府当局より説明を聴取いたしたいと存じます。佐久政府委員。
#5
○佐久政府委員 現在石炭関係で問題になつております二、三の点について、概略の御説明を申し上げたいと存じます。お手元にお配りしました縦坑開鑿計画進捗状況という資料がございますが、それから説明をいたします。
 この資料は左の方に当初計画、それから右に実績、七十九本対象外縦坑実績、こういうのがございますが、昭和二十八年度という欄について御説明を申し上げますると、当初の計画といたしましては、前期よりの継続十二本、これは二十七年度から二十八年度にかかつて行われる予定の縦坑本数でございます。それが実績といたしましては、二十七年度から二十八年度に継続されたのが、実際には十四本、つまり二本だけ工事が遅延したという関係でございます。それから二十八年度に新しく着工する予定のが二十本ございますが、それが実際には十五本しか着工ができなかつた。それから二十八年度に完成される予定のものが七本ございましたが、これは予定通り七本の完成が可能でございます。従いまして二十九年度に繰越される本数が、計画といたしましては二十五本ございましたのが、実績としては二十二本に減つておる、こういうことでございます。ただいま申し上げました本数は、縦坑開発の五箇年計画で、七十九本という計画を当初持ちましたが、そのほかに、この計画外に縦坑の実施をいたしておるところがございます。それが一番右に書かれた数字でございまして、二十七年度から二十八年度にかかつて六本の継続工事があり、新しく四本着工して七本の完成をしておる。従いまして二十九年度に繰越されるのが三本、こういう数字になるわけでございます。この計画が計画通り進まなかつたのは、主として資金繰りの関係でございます。もう一つは炭況が途中で悪くなりましたので、縦坑開発をやること自体に躊躇した向きが二、三ございます。そういう関係で本数が少し減りました。次のページの資料は、二十九年度の工事別の起業費内訳でございますが、炭鉱の事業継続のためには、ここに掲げられました縦坑開発工事、深部開発工事、新坑開発工事、一般の合理化工事、それから自家発電の工事、それから維持工事、こういうふうな事業を続けなければならぬわけでありますが、縦坑開発、深部開発その他を全部入れまして、二十九年度におきましては資金として百三十六億、このくらいの金がいるわけでございます。これは今から四、五箇月前に調査いたしましたところでは、もつと大きな数字だつたのでございますが、金融の引締めその他の関係で大分新しい工事を圧縮いたしまして、百三十六億というところが今の計画になつておるわけでございます。その中で開銀からの期待をいたしておりますのは五十一億でございます。しかしこの百三十六億をどういうふうな方法で資金の調達をするかというのが右の表でございますが、増資二億一千万、それから社債で五億二千万、開銀が五十一億、興銀が二十四億、それから長期信用銀行が九億一千万、市中銀行で一億、こういうような借入れ、増資、社債を行いまして、そのほかに社内の留保として四十二億という、これは会社として考えておる数字でございます。しかし本年度の財政投融資が非常に圧縮されましたので、ここでごらん願えばわかりますように、五十一億の開銀融資を期待するようなことはとうてい無理でございますので、石炭局といたしましては右に掲げましたような一応の計画を持つておるようなわけでございます。違つておりますところは、開銀の五十一億が三十五億、この三十五億もかなり難点がございますが、石炭局としては、ぜひこの程度のものは期待いたしたい、それからその不足分は興業銀行、長期信用銀行、この方面に折衝をいたしておりますが、ここに掲げられました興銀三十八億、長期信用銀行十二億という程度のものは可能であろうということでございます。ただ興業銀行と長期信用銀行としましては、信用力の確実なところを選びたいという強い希望がございますので、そういうことになりますると、大手筋のうちのまた大手というようなところに限定をされるのではないかと思います。従いまして開銀としましては、従来大手の大手というようなところに重点を置いて貸出しをいたしましたが、今後はむしろ大手の中どころを重点として貸出しをして行くというような、貸出しの考え方に少し変更を来さなくちやならぬというふうに考えて、その点も開銀なり興銀、長期信用銀行と話をいたしております。これが縦坑開鑿についての御説明でございます。
 それから次に、これはなかなかむずかしい問題として従来検討を進めて参りました問題でございますが、石炭と重油との調整の問題でございます。お配りしました横書きの文章のものがございます。これは通産省の内部で、関係各局の間で協議をいたしまして、一応考え方としてこういう線で行つたらどうかというところで、大体まとまりかかつた考え方でございます。しかしまだ外には発表をいたしておりませんのだ、なお現在石炭におけるストの進行中でもございますので、この問題がこの通りの考え方で進むかどうかという点については、一抹の懸念が持たれるのであります、大体考え方を申し上げますと、第一に、読みながら御説明申し上げますが、「わが国のエネルギー消費は、その資源の賦存状況および国際収支上の観点から見ても石油等の国際情勢により供給量を左右されやすい資源に過度に依存すべきではなく、基本的には電力及び石炭の使用に重点を置くべきである。」これは外貨の問題と、国内資源という面と両方を見て、わが国の産業育成のためには、国内でできる石炭、あるいは電力というものに重点を置いて考えるべきだという基本的な考え方をここにうたつたわけでございます。
 それから次に「重油を使用する場合には、燃料費及びこれに関連する間接費の相当な引下げ並びに品質の向上等、相当顕著な効果をもたらすが、他面重油転換の急激な進展に伴い、石炭需要は減退し、今後引続き重油の輸入を増大する場合には、出炭規模の縮小は免れず、縦坑開鑿等による石炭鉱業の合理化は著しく困難となり、むしろ石炭生産費を高騰させるおそれがある。」これは重油と石炭との関係について最近の情勢を分析して得た結論でございますが、石炭の価格が高いということは、かねがねの問題でありまして、これをどうして安くするかということは、日本の産業振興の上に大きな一つの課題でございます。重油と石炭との価格を比較いたしましても、その効率等から総合判断いたしますれば、燃料費としては重油が非常に有利な条件を備えているということはいなめない事実でございます。しかし、といつていたずらに重油だけに依存するということでありますると、一面にそのしわが石炭に寄つて来るのでございます。つまり先ほど申し上げました縦坑の開鑿にいたしましても、これは生産原価が非常に高くついて、これ以上は普通の斜坑方式では掘れない、採算面からして掘れないというようなものを、縦坑によつて合理化してコストを引下げようというのがねらいでございます。そこで重油の進出を自由に許しておきますると、縦坑を掘ろうという炭鉱は老朽炭鉱でございます。ところが重油の圧迫によつて石炭企業というものはおのずから、まあ自己防衛と申しますか、古い山を捨てて行く。そうして重油と対抗できるような、新しい山だけに重点を置いて行くという行き方をとらざるを得ないのでありまして、結果としては縦坑の開鑿計画というものを自然に放棄するということにならざるを得ないのであります。そういうようにだんだんと規模を縮小して進んで行くということは、石炭鉱業の安定という面からいつて非常に不利である。のみならず日本の産業全体から見ても、決して有利なことではないという考えが持たれるのでありまして、ここで重油の進出をある程度とめる、同時に石炭の面について別な方法を講じて、炭価の引上げをするという考え方をとるべきであるということでございます。
 なお、次に「国際収支の面においても食糧及び今後増加が予想される輸出原材料等を確保するためには、不急不要の輸入抑制を強化することにとどまらず、特に国内資源の活用を推進し外貨流出の増加を防止しなければならない。」これは国際収支の面からいつて、手持ち外貨が非常に急迫しているということは、すでに御承知の通りでありますが、国民生活上どうしてもなくてはならぬ食糧の輸入、あるいは輸出振興上原材料の確保をはからねばなりませんが、そういうために外貨はますます苦しくなる。そこで重油の使用について検討いたしまして、どうしても重油でなければならぬというものは別でありますが、石炭に代替し得るものについては、極力石炭を使つて、外貨の抑制をはかるべきであるということをここにうたつたわけであります。
 そこで次が考え方でございますが、「今後は極力炭価の引下げに努めるとともに、重油の消費増加を抑制するため、左の措置を講ずる。一、一般に重油の消費節減運動を展開し、消費者の自発的節減を促すとともに、今後の重油への転換を抑制し、さらに設備状況を勘案の上、石炭の使用を推進するが、なかんずく暖厨房用等、しいて重油を使用しなくても済む用途に対し消費抑制の方途を講ずる。」これは現在暖厨房用に相当量の重油が使われておりますが、暖厨房用については特に輸出振興の問題もございましようし、また国内炭で十分にまかない得るものでございますので、そういう点については重油の使用を抑制する。かつまた今後の重油への転換も抑制する、こういうことでございます。
 それから次が内燃機関用の確保でございますが、これは農林、水産関係、あるいは船舶用というような方面の用途に対しては、直接石炭との競合はございませんし、また他に代替物がございませんから、その必要量はどうしても確保するという措置は、やはり考えなくてはならないと思うのでございます。以上のような考え方の措置をとりますが、他面石炭の価格を引下げるということは、どうしても行わなくちやならぬということで、当面石炭価格を下げ得る効果のあるような施策というのは、生産量を増すということ以外にはないのでございまして、本年度よりもさらに来年度は生産量を増す。この生産コストの値下りというのは、生産量の大体半分でございますから、かりに一割の増産をいたしますると、五%の原価は下るというふうに考えていいと思います。こういう考え方で通産省は現在いるのでございまして、これに基いてどの程度の重油を石炭に転換し得るかという具体的な数字はまだ決定を見ておりません。私の方としてはできるだけ石炭への転換を期待しておりますが、炭厨房用として年間使われますのが五、六十万キロリツターと思います。石炭に換算しますと、ざつと百万トン、そのほかに電力とかガスとかいう方面に使われておるもののうちで、石炭にさらに転換可能のものが相当量あろうと思いますので、少くともその分だけは来来度の石炭の生産を増すことが可能であるというふうに思われるのでございます。
 なおこの重油に関する資料のとじ方が間違つておりまして、昭和二十八年十月以降賃金交渉状況というのと一緒にとじられております。このとじました中で五枚目でありますが、石油生産、輸入及び重油需給実績(見通し)推移というのがございます。この表でごらんをいただきますと、上の欄でちようどまん中に重油という欄がございます。これが二十六年、二十七年、二十八年の重油の輸入量と国内の生産量を示した数字でございます。これをごらんいただきますると、二十六年度の重油の輸入数量は九十九万九千キロリツターでございます。それが二十七年に百十六万キロリツターにふえ、二十八年度におきましては、一部これは見通しがございますが、二百八十一万七千キロリツターという顕著なふえ方をいたしておるわけでございます。その下の欄が重油の産業別にわけた需要表でございますが、二十六年度におきましては、総計いたしまして二百十七万一千キロリツター、二十七年度におきましては三百四十五万二千キロリツター、二十八年度は、一部見通しを含みますが、五百三十七万キロリツターというふうに、重油の進出は非常に顕著なものでございます。この中で鉄関係、ガス関係、繊維関係などの重油の転換がかなり顕著に現われております。
 それから次の表は石油及び重油価格推移というのでございますが、これは二十七年と二十八年の比較でございます。石炭については、原料炭、発生炉炭、一般炭の上中下、それから無煙炭というふうにわけてございますが、かりに原料炭を例にとりますると、石炭の価格は昨年の三月ごろまでは七千八百円から七千九百円というところにありますが、四月以降の値段はそれよりもざつと五百円くらいの値下りを示しております。これは主として横浜のCIF価格でございますが、このほかに売炭用としては相当の手持ちを持つておりますので、持ち切れない関係で、かなりの投売りを別にいたしております。しかし全体の投売りの数字を含めた価格というのはなかなか把握が困難でございまして、一応大口の契約の数字だけを掲げたわけでございます。発生炉炭及び一般上級炭につきましては、昨年の四月以降は全部四、五百円ないし六百円くらいの値下りをいたしておるのでございます。重油につきましては、昨年の暮れあたりから油の逼迫というような点がかなり問題になりまして、相当の値上りをいたしておるのでございます。たとえばC重油につきましては、昨年の四月、五月、六月あたりまで九千二、三百円であつたものが、暮れには一万円から一万一千円というふうに値上りをいたしております。これは主として、油の不足のための値上りと思います。原価そのものの値上りとか、あるいはフレートの値上りという関係ではなしに、油の足りなくなつたための値上りというふうに思われるのであります。
 それから次の表が石炭需給実績(見通し)推移でございますが、二十六年、七年、八年の石炭の供給力と、その需要の方を産業別にわけた数字でございます。二十六年度におきましては、供給力として国内の生産が四千六百四十九万トン、輸入炭が二百六十二万九千トン、合計いたしまして二十七年度は四千三百七十四万七千トンで、二十六年度よりも落ちております。これは例の長期のストがございましたので、ストがなければさらにこれよりも五百万トンくらいの生産が加わるわけでございます。この半面と申しますか、輸入炭が四百万トンにふえておりますが、これはそのための緊急輸入を百万トン弱入れておりますので、それが入つたために四百万トンにふえたわけであります。二十八年度におきましては、生産が四千四百八十五万九千トン、これは推定を含めてであります。輸入炭が三百九十六万トンであります。この四千四百八十五万九千トンというものは、現在のストの関係から申しますると、ある程度生産自体としては減るのではないかと思われる次第でございます。
 それから一番最後の資料は、二十八年の九月を基準にして調査いたしました主要産業の重油の設備と石炭の設備とおのおの別に調べまして、重油だけしか使えない設備で幾らの重油を使い、石炭と重油と両方を使い得る設備で重油と石炭をそれぞれ幾ら使つておるかという数字がここに掲げた表でございます。一番右の下の欄がこの総計でございますが、重油の専焼設備、つまり重油しかたけない設備においては重油を十三万六千四百八十五キロリツター、それから重油と石炭と両方たける設備においては、重油を七万一千三百九十二キロリツター使い、石炭を二十三万三千九百八十トン使つておる、こういう数字でございます。つまり先ほど申しましたのは、この中で重油と石炭と両方使い得る設備の中で、重油を使つておる部分をできるだけ石炭に転換しようという考え方でございます。
 以上が重油と石炭についての調整の問題でありますが、次に当面一番問題になつておりますストライキについての経過の御報告を申し上げます。これは昭和二十八年十月以降賃金交渉状況というのがお配りしてありますが、炭労から賃金の四千円値上げと、請負賃金を定額賃金に切りかえるという二つの点の要求が出ましたのが昨年の九月二十四日でございます。その後、十一月二十七日からずつと本年の二月にかけて団体交渉を十一回いたしたのでございますが、いずれも両者の意見が合いませんで決裂をいたしております。これに対する経営者側の回答は、基本賃金の二百円値上げと一時金七百円の支給という回答でございまして、炭労としては、とうていそれではのめないということで両者物わかれの状態が続いたのでございます。そこで炭労の現在まで行つて参りましたストライキの方法としては、第一に一時間五十分の時限ストというものを行つております。と申しますのは、拘束八時間の労働の間、一時間五十分だけ時間を限つてストをやるという方法でございます。第二は早出、残業の拒否、これは完全に八時間で仕事を打切るという方法であります。第三は原炭の搬出ストというものを行つております。これは運搬関係の者だけがストライキをいたしまして、そのほかの者はみんな出勤をいたしておるのでありますが、しかし出勤をいたしましても、運搬系統をとめられますから、石炭は掘つても運び出せない。従つて坑外の選炭の関係とか績込みの関係は、仕事が全然ないわけでございます。従つて一部分の者のストライキではあるものの、実際の出炭の状況から見ますると、ほとんど出炭はないという結果になるわけでございます。ただ山たきの石炭などについては、少しずつ出しているようでございます。しかし、われわれのところに出て来る資料には、全然そういう数字は出て参りませんので、実情ははつきりしたところがつかめないということでございます。そこで、ごく最近でございますが、中央労働委員会の中山会長が、この問題を非常に心配されまして、再三あつせんに乗り出しておられるのでありますが、炭労の方で、昨日もそのあつせんを拒否いたしまして、自主的な解決をするということで、経営者の方は一応あつせんをのんでおりますが、片一方であつせんをのんでいる建前上、組合との直接交渉はできないというようなことで、いまだに両者の直接交渉の段階には入つておりません。今までの減産の状況がどういうふうになつているかは、三枚目の大手十五社関係の争議状況及び推定減産量という表がございます。これは大手十五社の出炭が一日平均いたしまして八万数千トンでございます。そこで一時間五十分の時限ストをやつたときには、そのおよそ三割くらいが減産になりますし、早出、残業を拒否した場合には、ざつと一割くらいの減産になるという数字が、今までの調査の結果出ておりますので、それをもとにいたしまして推定を加えた減産量が、ここに掲げられた数字でございます。きようは三月二日でありますから、まん中から下の一番右の百二十二万五千六百トンというのが今日までの推定減産量になります。今月の十五日までストを続けるという宣言を炭労がいたしておりますので、それを今後の状況も推定いたしまして計算いたしますると、ざつと二百万トンの減産になるのではないかと思われるわけでございます。
 それから一番終りについております全国及び大口工場貯炭状況でありますが、全国貯炭と申しますのは、山元と積出し港とそれから一般市場、つまり消費者に渡つていないときの貯炭が全国貯炭であります。直接に需要者の手に渡つている貯炭が、大口工場の貯炭というふうにお考え順いたいと思いますが、全国貯炭が昨年の十二月末におきましては二百八十八万トン、二十九年の一月末には二百九十七万トン、二月の二十日現在におきましては二百四十六万トンに減少いたしております。それから大口工場の貯炭、これは主要な産業別に見たのでありますが、総計いたしまして十二月末には三百三十万トン、一月末には二百八十九万トンでありますが、二月二十日現在の状況は、はつきりしたところがわかつておりません。わかつておるだけは、上の方に国鉄が三十七万トン、電力が九十万トンというふうに書いてございます。それで問題のありますのは、現在大手十五社でストをやつておりますが、特殊な配分の少い粘結炭を出すのが主として大手関係でございまして、その中で特に貝島とか住友、三菱、松島というようなところが、特にそういう優秀炭を出すところでございます。そこで製鉄所関係で、相当原料炭の配分の少いものの手持ちがきゆうくつになつて参つておりまして、さしあたりの措置といたしましては、私どもの方で、そういう手持ちのきゆうくつになつたところに対して、優先配炭をいたしておりまして、当座はどうにか切り抜ける余地があると思いますが、何分あとが続きませんので、長くこのストが続くということになると、そういう方面に迷惑をかけることになりはせんかという点を実は憂えておるわけであります。これが大体のストについての従来の経過でございます。当面石炭についての問題、このほかにいろいろ資金の問題とか、あるいは税制の問題とかございますが、さしあたりの問題についての御説明としては以上の通りでございます。
#6
○中村委員長 次は川上政府委員。
#7
○川上政府委員 鉱山局関係の問題につきしまして、今主として問題になつておりますのは、先ほど石炭局長から話がありました原料問題と、それから税法上の鉱山の問題で、いわゆる減耗控除制というような問題、それから金山の問題、この三つが問題であります。それ以外にいろいろな問題がございますが、さしあたりこの大きな問題だけ申し上げたいと思います。
 石油の問題につきましては、先ほど石炭局長から話がありましたが、石油製品の需給状況についてという横書きの資料をお配りしてありますが、これは最近の石油の状況なんですが、横書きの資料で一番最後のページから申し上げます。石炭局長の説明の数字とは若干違う点があるかもしれませんが、これはとり方なり、調査の方法が若干違つておる点もあると思いますので、実際問題としましては、ほとんど狂いはないと考えております。一番最後の表の六とありますが、昭和二十八年一月から十二月までの燃料油販売実績、これを見ますと、一昨年の十二月、揮発油につきましては、月に十六万七千キロリツター、それから燈油につきましては、一万五千五百、軽油につきましては四万四千四百、重油につきましては四十二万七千、総計いたしまして、六十五万五千キロリツター程度の販売実績がありました。この販売実績というのは、下の註のところにありますが、石油精製業者及び輸入業者の販売実績であります。この数字が、昨年の十二月におきましては、揮発油においては二十一万四千キロリツター、燈油につきましては四万二千七百、軽油につきましては六万二千四百、それから重油につきましては五十九万一千、合計いたしまして、九十一万ということになつております。総計におきましては一昨年十二月と昨年の十二月におきましては、六十五万から九十一万程度に月の需要量といいますか、販売実績量がふえておるということになつております。特に目立つておりますのは、ガソリンが十六万というのが、二十一万になつております。燈油につきましては、一万五千というのが四万二千ということになつておりますが、ガソリンにつきましては、自動車の台数が非常にふえたということが理由と考えられます。燈油につきましては、特に石油コンロの普及が非常に行われた。これが最大の原因と考えられます。軽油につきましては、四万四千が六万二千になつておりますが、最近大型のバスでありますとか、あるいは長距離用のトラツク、こういうものがふえましたので、そのためにふえておるのじやないかと考えられます。それから重油につきましては、四十二万というのが五十九万になつて、これは一番数量的にはふえておりますが、結局石炭から重油になつたというのが一番の原因と考えられます。これに対しまして、在庫の状況を見ますと、次の七というところの製品在庫表を見ますと、本年の一月末の在庫を見ますと、揮発油が八万五百キロリツター、燈油が一万二千九百、軽油が二万二千二百、重油が三万四千、合計しまして四十六万、合計におきましては、要するに販売実績の半分程度しかない、すなわち二週間分くらいしか在庫はないということになつております。特に揮発油は二十一万というのが八万くらいしか在庫がない、それから燈油が四万二千も需要があるのですが一万二千、軽油につきましては六万二千の実績に対しまして、二万二千、重油につきましては、これはどつちかと申しますと、五十九万といたしまして三十四万ですから、半月よりもよけい持つておるという状況になつておりまして、一月末の在庫は、燈油と軽油これが特に少くなつて来ております。この在庫は、われわれの方としましては、大体二十五日分くらい持つておるのが正常在庫ではないかと従来は考えておりましたので、それから比べすと、非常に払底しておるということが言えるのじやないかと考えられます。
 それからその前のページの五、これは石油製品価格の推移でございます。この価格につきましては、全国石油協会のメンバーの価格でありますが、これは場所あるいは月によりまして、非常に違つておりますけれども、先ほど石炭局長から話がありましたように、大体におきましては、非常に払底しておるものが上つているというような状況なんであります。特に四国の丸亀地区におきましては、この値上りが非常に著しい点がありますけれども、これは特別な事情があるようでありますが、大体におきましては、どこの地域におきましても、相当上つておるということが言えると思うのであります。ただこの価格は、先ほども申し上げましたように、全国石油協会のメンバーの価格でありますので、実際の小売店等における販売価格というものは、これよりも相当高いところで取引されておると考えられます。
 それからその前のページ、これは外貨の関係から見まして、石油類の輸入外貨がどのようにふえておるかという資料でありますが、昭和二十五年度におきまして原油、製品合せまして、三千七百七十七万ドルというのが、二十六年度におきましては六千万ドルをちよつと越えております。二十七年度におきましては八千五百万ドルということになつております。二十八年度におきましては、上期と、それから下期の見通し、こういうのを見まして、一億一千二百万ドル以上になつております。これは註を書いてありませんが、FOBの建値で言つておりますので、実際CIF価格になりますと、半分程度が外船になつております。従いまして、二十八年度におきましては、一億六千万ドルくらいになるのじやないかというふうに考えられております。従いまして、全体の輸入物資の外貨を使う割合から見ますと、石油の占める割合は相当大きく、最近におきましては、非常に大きくなつておるということが言えると思うのであります。
 それからその前のページは、先ほど主要産業別に重油の消費がどういうふうになつたかという石炭局長の説明もありましたが、これは先ほども申しました通り、その資料のとり方は若干違つておる点もあるかもしれませんが、その数においてはそう狂いはないと思いますけれども、一番最後の二十六年度におきましては、二百十七万キロリツターの消費があつたものが、二十七年度においては三百四十五万、それから二十八年度におきましては、これは大体割当の数字でありまして、五百三十七万ということになつております。そのうちで最もふえておりますのは、鉄鋼が二十六年度と比べますと五十万が九十万、電力が十二万が四十五万、窯業関係、これはセメントとかそういうものですが、七万が三十七万、繊維関係の一万八千というのが二十五万、それから化学製品等で三万八千というのが十八万、その他というのは、これはいろいろなものが入つておりますが、それが十八万というのが六十九万ということになつております。それに対しまして水産関係とかあるいは船舶関係というものはそうふえてはおりません。船舶運輸関係の五十四万八千というのが七十八万、それから農水産の六十三万四千というのが八十万ということになつております。その次のその他というのが四万一千から七十二万ということになつておりますが、これは先ほど話がありましたが、暖厨房とかそういうものが相当入つておるのじやないかというふうに考えられます。
 その前のページは、先ほどちよつとお話申し上げました重油の年度別需要の増加の状況であります。大体この資料につきましては、石油関係の状況はこういうことになつておるのですが、先ほども話がありましたように、通産省としましては、外貨の面からいいましても、また特に重油につきましては、石炭企業との関係、こういう点を考えまして、今後におきましては、石炭局長から話がありましたような方法で、ある程度何か規正をしなければいけないのじやないかということで、現在行政指導をやりつつあるところであります。行政指導のやり方につきましては、先ほど話がありましたが、どうしても石油を使わなければ、ほかの代用品では間に合わないという、たとえば農水産関係、船舶関係、こういうものに対しましては、何とかしてこれは確保して行きたい。その確保の方法としましては、ひもつきで配給をやりたい、幸いにしまして、水産用あるいは船舶用につきましては、特約店の組織というものが専門的に、そして業者の規模からいいましても、比較的大きいというような状況になつておりますので、このひもつき配給というものは比較的容易にできるんじやないかと考えまして、石油懇話会とか、あるいはまた農水産の団体等と、現在いろいろ連絡をさせまして、自主的な方法で行政的な指導によりある程度こちらの方へ重点的に配給されるように指導を行つております。従いましてある地方におきまして、船舶関係、水産関係等につきまして、非常に物が払底して足りないというような場合におきましては、その地方の石油協会等に連絡しますれば、これから流れて行くというような措置を現在講じつつあります。またそういう特約店なりあるいは元売り業者の方が、せつかくこうした方面に重点的に流すべきものを、ほかの方へ流すというような場合におきましては、外貨の割当の面で調整をして行きたいというふうに考えております。それから不要なもの、たとえば暖厨房とかそういうようなものにつきましては、この際なるべく流さないようにという行政指導を現在行いつつあります。それから大口用、たとえば鉄鋼とか、セメントとか、その他のものにつきましては、併用設備すなわち石炭と重油両方の設備を持つておるものにつきましては、極力石炭を使うように行政指導をしたいと考えております。それから船用のものにつきましては、先ほど申し上げましたように、農水産関係と同じように、どうしても配給してやらなければならぬのじやないかというふうに思います。それから混焼用につきましては、これは石炭も使い、同時に石油も二割程度ふつ込んで混焼してやつておるものにつきましては、これはやはりその石油の配給が円滑に行くようにしてやらなければいかぬのじやないかというふうに考えます。そういうふうな方法によりまして、ある程度大口用につきまして、配給の行政指導的な規正を行いまして、中小企業につきましては、なるべく確保してあげたいというような、そういう行政指導をやりたいというふうに考えております。ただ、今問題になりますのは、石炭との関係もありますし、あるいはまたこういう行政指導的な措置がどの程度効果が上げられるかという点につきましては、特に大口用等につきましては、なかなかむずかしい点もあるのじやないかというふうに考えておりますが、われわれの方としましては、なるべく行政指導によりまして、この石油の配給が円滑に行くように努力したいと考えております。
 石油の問題につきましてはその程度にしておきまして、それから一枚刷りのもので金の問題というのがあるのですが、金の問題をごく簡単に御説明申し上げておきます。金の政府の買上量及びその価格の問題につきましては、この前の議会におきまして、政府の買上量につきましては、従来二分の一程度というものを三分の一程度にしましたし、それから販売価格につきましても、加工用その他自由販売のものにつきましては、配給統制をやめて自由販売にしまして、それから価格につきましても自由にしたわけであります。現在それによつてやつておりますが、生産量につきましては、ここにもありますように、戦前の最高は二十七トン、昭和二十五年度が四トン八、昭和二十六年度五トン八、二十七年が七トン一ということに相なつております。昭和二十五年の閣議決定によりまして、生産目標を十トンということにしておりますが、二十八年度の実績は、大体八トン程度ではないかというように考えております。政府の買上量につきましては、今申し上げましたように、生産量の三分の一を買い上げる。価格はグラム当り四百五円で買い上げております。それから民間に対する自由販売量については三分の二、そうして価格はグラム大体五百七十円程度いたしております。それから金山の実際のコスト、これはグラム大体六百四十円程度と考えております。この六百四十円というのは、実際問題として各鉱山でコストを計算しましたものを平均したのが六百四十円ぐらいでありまして、このトン当りは大体八グラム程度かあるいは七グラム程度のものが、この程度に大体相当するんじやないかと考えられます。あるいはその四グラムとか五グラムとかいうような非常に品位の悪いところを掘つておるものは、大体七百円も八百円もするというわけであります。それを六百四十円ということにしますと、赤字の推定額が三億二千万円程度になるわけであります。現在探鉱奨励金を一億円程度出しておりますが、なお三億二千万円程度のマイナスが出るということであります。世界の産金対策を見ますと、ここに書いてありますように、アメリカにおきましては、砂金は全生産量の三分の一程度でありまして、全部これは自由販売になつておりますが、鉱山から出ますのは全部買い上げて、先ほど申しました世界の公定価格四百五円で買い上げています。それからカナダにおきましては、大体政府に売却する金の生産費に対しまして、助成金の交付を総産金額の七・五%出しておるというような状況になつております。その他オーストラリア、あるいは南ローデシア等におきましても、ある程度の助成金を出しております。
 今申し上げましたように、金については、この前の国会におきまして、ああいう措置をとつたのでありますけれども、なお三億二千万円程度のマイナスが現在出ておる状況でありまして、百くらいの鉱山が、漸次つぶれて参りまして、現在八十台になつておるんじやないかというふうに考えられます。現在相当赤字に悩んでおるのですが、将来に対しまして、ある程度の希望を持つておるということから、その鉱山を続けておるものも相当あるのですが、それよりも一番問題なのは、大体世界の採掘品位が七グラム程度なんですけれども、日本におきましては、先ほども申し上げましたように、十数グラムとか、あるいは三十何グラムという実にひどい抜き掘りをやつておりまして、そういうことを考えますと、やはり適当な価格なり、あるいは適当な助成政策をとらなければ、金山としましては、やつて行けないのじやないかというふうに考えますし、やつて行けないだけじやなくて、せつかくある資源が、永久に抜き掘りのために葬られてしまうという結果に終るんじやないかということを、われわれの方としましては非常に心配しておるわけであります。現在業界の方では、この政府の買上げ分の三分の一というのを、もつと減らしてくれということを要望しておりますし、またもしそういうことができないんだつたら、この探鉱奨励金の一億というものをもつとふやして、赤字の三億幾らというものを全部埋めてくれというようなことを言つております。そういう問題がございます。
 それからもう一つは、お手元に配りましたが、「鉱業に関する新税制について」とそれから「新鉱床探鉱費を損金認容する制度の不可なる理由」、これはいわゆる減耗控除制いうものを、私どもの方としましては、鉱山についてはぜひ今度の税法の改正によつて実現したいというようなふうに考えていたわけであります。これは非常にむずかしい問題なんですが、簡単に説明いたしますと、従来鉱業権を獲得しまして、新しく探鉱をするなり採掘するなり、そういうことをいたしますのに、今の鉱山に対しまする税法上の措置としましては、それをやるについての余裕金というのがほとんどないわけであります。たとえば百万円もうかりますと、その半分程度は、全部税に持つて行かれてしまう。それからもうからなくても、積立金制度というのは特別に設けられていない。新しく鉱業権を買い、新しく探鉱しようとするその費用というものは、費用の捻出の箇所が、現在の税法上では認められていないというような状況になつております。これは普通の工場と同じように、償却制度というものは税法上認められておるのですが、この償却程度の金では、新しく開発するというような場合におきましては、ほとんど金融的な余地はない状況になつております。従いまして私どもの方としましては、現在アメリカなりフランスなり、あるいはカナダなり、そういうところでやつておりますような、利益が出ましたならば、ある程度を税金から免除いたしまして、控除しまして、それを年々積み立てさせまして、その金額によりまして、新しく鉱業権の獲得なり、あるいは探鉱なりを進めて行きたいという制度を、ぜひとも鉱業につきましては打立てたいという考えであるわけであります。これは石炭も大体問題は同じなんですが、特に石油の産出等につきましては、非常に重要な制度ではないかというふうに考えられておるわけであります。現在税金としまして、鉱物関係――これは石炭を除きますが、四十五億くらい税金がかかつております。それから石油につきましては、三億程度かかつております。私の方としまして、アメリカと同じような意味の減耗控除制というものをやりますと、そのうちから鉱物につきましては、十四億程度の税金の免除になり、石油につきましても二億程度の免税になりまして、そこに十六億程度の余裕金が出て来るわけであります。こういう案で大蔵省といろいろ折衝いたしたのですが、結局大蔵省としましては、現在の税法では、償却制度をいつておるので、こういう特別な積立金制度ということは認めない。現在の税法の趣旨からいつてこれは認められないということで、この問題については、さらに一年間いろいろ研究をしまして、その結果どうしても鉱山につきましてこういう制度をやるべきだということになりますればやる。しかしまたほかの方法で何か方法があれば、そつちの方でやる。そういうことが、研究題目として本年度は残されました。税法上の措置としましては、探鉱につきまして若干の特別な償却を認めたとか、あるいは益金で今まで見ていましたものを損金勘定にするとかいうような措置を若干とられたわけなんですが、これによりますと、計数的にはまだ十分はつきりしない点もありますけれども、大体鉱物関係では、はつきりした数字はまだつかんでおりませんが、まあ一億くらい免税になるんじやないか、石油についてはほとんどもうないのじやないか。現在石油につきましては、損金で落しておりますものがたくさんございますので、これに対しましては、そんなに効果は上らないんじやないかというふうに考えております。私の方としましては、減耗控除制という、これは非常にむずかしい方式によつてやるのですが、そういうやり方ではなくて、現在フランスでやつておりますような、何といいますか、ここにも書いてありますが、一ページの一番下に書いてありますように「新鉱床探査引当金制度」ということで折衝をいたしたのであります。これによりますと、大体石油については二千万円程度ですが、鉱物につきましては四億程度、まあそういうところまで折れていろいろ折衝したのであります。何とかして制度そのものをひとつ認めてもらいたい、金額につきましては、将来順次ふやしてもらうということにして、制度そのものを認めてもらいたいということでやつたのでございますが、先ほど申しましたように、やはり鉱業につきましてこういう措置をとることは、ほかの産業との関係からいいましても、また現在の税法上の根本的な問題に触れるというようなことからいいましても、今回は認められなかつたわけであります。
 そこで私どもの方としましては、この問題については、何とかして将来におきまして実現して参りたいと思つておりますが、その理由としまして、ここに書いてありますように、「新鉱床探鉱費を損金認容する制度の不可なる理由」、逆に言いますと、今度とりました措置では非常に困るので、やはり減耗控除制度かあるいは新鉱床探査引当金制度、こういうことをやらなければ、非常に困るということをここに書いてあるわけなんですが、これをちよつと読みますと、Aのところで、「鉱業界の現実の実態から見た理由。鉱業に於いては景気変動は特に烈しいにも拘らず、事業の弾力性が乏しい。従つて、一、好況時鉱山の所得が大きいときには、探鉱をすべき余裕は相当あるにも拘らず鉱山の探鉱能力は一時的にこれを増すことは出来ないから実際に必要な探鉱を遂行出来ず、過少探鉱に陥らざるを得ない。これを各鉱山会社の過去の実績に徴してみても所要探鉱に対し実際の探鉱実績は僅かに二〇%にすぎない。それ故損金認容の制度では好況時に不況時の探鉱をカバー出来ない。」これは一番最後の表に載つておりますが、二十一年から二十八年までの、いわゆる所得、法人税、それから税引の所得、探鉱関係のいろいろな費用、実績、探鉱不足と、こういうのがありますが、大体その二〇%くらいしかやつていないというような状況になつております。鉱山につきまして、いかに探鉱が重要であるかということは、特に石油等につきまして見ますると、採掘なり探鉱して初めてその鉱量が確実につかめますが、また石炭の方は、どちらかといいますと、これから稼行するところの何十年分ということは大体確認しておるわけでありますが、鉱山につきましては、鉱山に関する新税制の一番初めのところに書いてありますように、稼行鉱量四年か七年、わずか六、七年程度の鉱量しか実はつかんでいないわけであります。従いまして探鉱というものがいかに重要であるかということがおわかりになると思うんですけれども、それに対しまして、好況時に金があるから探鉱はひとつ大いにやるだろうと考えると、必ずしもそうではないのでありまして、いつその不況時が参るかわからぬということで、探鉱に対してはそんなに金を出しておりません。その実績がここにありますように二〇%ということに相なつておるわけであります。これはたとえば大蔵省あたりの考えとしましては、探鉱というのを好況時に大いにやつたらいいじやないか、そうしてやつただけの金はあとで償却で落してしまうのだから、問題ないじやないかという意見もあるんですけれども、実際はそういうものではなくて、非常に好況のときにも、探鉱というのはなかなかやらない。でありますからして、あらかじめ利益があつたときに積立金を認めて、その積立金を探鉱の方にまわして行くということにしなければ、なかなかうまく行かぬのではないかというふうにわれわれは考えるのであります。二のところは、不況時においてはどうするかというと「不況時には鉱業が原始産業である特質からして他の一般産業のように不況のしわを原料その他の面で調整する余地がないので、専ら当面の生産に関係のない探鉱費にしわよせをせざるを得なくなる。従つて探鉱費は極めて少額となり、時には探鉱を中止せざるを得なくなり過少探鉱の程度は益々激しくなる。」、これは不況時においては探鉱をやるかと申しますと、目先のもうかる方だけを極力やつて、探鉱というような基本的な、将来のためにやるようなものについては、金をほとんどつぎ込まぬというようなことになりますので、結局不況時においてもやらぬし、好況時においても探鉱というものはなかなか進まない、こういう結果に相なるわけであります。今申し上げましたように、鉱業はやはり特殊な事業であつて、こういう特別な探鉱をしなければならないのに、今回認められたような、損金繰入れとか、あるいは特別の償却制度とかいうような程度では、とても鉱山の飛躍的な開発は望めないんじやないかというふうにわれわれの方では考えておりました。何とかこの制度につきましては、諸外国におきましてもそうやつておることでありますので、検討をお願いしまして、これをやはり実現すべきではないかというふうに私どもの方としては考えておるわけであります。ただこれは先ほども申し上げましたように、一年間の研究課題として、政府としましては最後的に決定を見ておりますので、われわれの方としましては、この問題についてはもつと研究もしなければならぬと考えております。大体今申し上げましたように、ほかにもいろいろ問題はありますけれども、一応この程度申し上げる次第であります。
#8
○中村委員長 以上で政府当局よりの説明を終ります。質疑の通告がありますから、これを許します。長谷川四郎君。
#9
○長谷川(四)委員 鉱業に対する新税制は、われわれも当然なさなければならないことであろうと信じております。従つて鉱山局が、最近に至つてかくのごときものを考えたということは、非常なヒツトだろうと思う。これだけのものをそれでもよく考えた。いくらか向上の気味ありということだけは認めるということでしよう。(笑声)いずれにしても、今もカナダとかいろいろのことを言われたが、よその国はどうあろうが、日本というこの国の中に住む局長ですから、日本の鉱山業をどう考えるか、国内資源をどういうふうに持つて行くかという点について、もう一段の考慮を払わなければならないのではないかと私は考えます。従つて石油問題について、局長に少し伺つてみたいと思うのでございます。
 今、日本に外油を輸入する会社が幾つありますか。この会社のほとんど大半というか、その株数の半分は、外国資本が入つているというお話を伺つておるが、どうか。この二点についてお伺いをいたします。
#10
○川上政府委員 外国資本の入つております会社は、丸善石油、大協石油、日本鉱業の三社を除きましたあとの精製会社は、全部外国の資本が入つておりまして、この会社の大体五〇%あるいは五五%、四五%といろいろ種類はありますが、こういう形で外国資本が入つております。
#11
○長谷川(四)委員 私が伺いたのは、あなたも今おつしやる通り、日本の国内での石油需要が多くなつて来ているということを言われておりますが、国内需要の多くなることは日本の国民生活が向上したゆえんでありますから、この石油の需要供給を全からしめるために、より以上の石油を入れて行かなければならぬことは、また当然でございましよう。私は外国から石油を入れることがいけないと言うのではなく、現在の会社が、勝手な輸入方法、勝手な販売方法をやつている。またせつかく外油を持つて来ても、そのいわゆる廃物を全部捨てておるのが日本の現状でございますが、フランスにおいてもイタリアにおいても、石油という面から考えれば、もつと条件の悪い国が、石油化学というものを大規模に取上げて、この工業を起しておる。こういう点について伺いたいのですが、あなたはどういうふうにお考えになつているか知りませんけれども、日本に一億六千万の莫大なドルをもつて輸入をして、せつかくとつたものが、あなたの言つているところによると、たとえば石油、重油、揮発油あるいは軽油だとか燈油だとかいうようなものをとつたあとの残滓は、みすみす全部捨てているということになる。これは非常に輸入という点から考えても莫大なものであろうと私は思う。たとえば、私が御説明申し上げなくても、石油化学で現在八千種類のものが工業化されて来ている。すなわち肥料、農薬から始まつて、さらに御婦人の化粧に至るまで一切、そのほかに二百六十何種類のものが科学技術の向上とともに、毎年新しく発見をされている。こういう点についてあなたは何かこれに対してのお考えがあるか、考えてみたことがあるか、この点をお伺いいたします。
#12
○川上政府委員 長谷川先生の今おつしやいました石油を精製しますときに、これからとれますガソリンとか、それ以外のもので大分捨てられているものがあるんじやないかというようなお話なんですが、それは主としてガスになると思うのです。ガスにつきましては、普通の精製会社におきましては、燃料としてある程度使つておりますが、なお、それでも余つておるものもあるかと思うのであります。私の方としましては、石油を原料としての化学工業を興す、すなわちこのガスを利用しての化業工業を興すという問題につきましては、将来なるべく早くそういう事業を興すべきではないかというふうに考えております。ただ問題になりますのは、石油の精製の化学そのものが、よほど大きくないと、ガス化学の方法や石油化学の方法をやりましても、なかなか引合わないというような問題があるようでありますので、この点につきましては、現在の各精製会社各地の工場の規模の程度で、どの程度やれるかという点につきましては、相当研究の余地があるんじやないかというふうに考えております。将来どこかに非常に大きな敷地を持つて、たとえば日産六万バーレル程度の大きな精製の設備を設けるということになりますれば、このガス、石油を利用しての化学工業というものは、大きく伸びて行くんじやないかというようなふうにも聞いておりますけれども、この問題につきましては、長谷川先生のおつしやいましたように、われわれの方としまして早急に研究しなければならぬし、早急に企業化して行くべき性質のものではないかと考えておりますけれども、遺憾ながら私のところでは、まだそこまでやつておりません。
#13
○長谷川(四)委員 私のお聞きしたいことは、すなわちあなたの今おつしやる規模ということですが、規模の大きなところでなければできないとするならば、現在の十幾つかある外国油を輸入しているものを、国策的に一社にまとめ上げて、その資本を全部結集をして、一箇所に集めて、資本を統合した一つの会社をつくつて、外油の輸入に当らせ、半面またこれらの業に携わるための考え方をあなたは持つたことがあるかいなや、私はそういう考えを持つべきであると思うが、その点についてお伺いいたします。
#14
○川上政府委員 現在の精製会社を全部どこか一箇所にまとめて、今お話がありましたような大きな工場として、そしてまた、ひいてはその石油化学製品までつくらせるということにつきましては、そこまで実は考えたことはありません。というのは、現在各会社とも、資本系統なり、そういうものが全部違いますし、またようやく燃料関係の設備が整つたという段階でありまして、石油化学というような問題になりますれば、今後の問題でありますので、先ほど申し上げましたように、まだ実はそこまで考えておりません。これはこの前、長谷川先生の御質問で、大臣からたしかお答えになつたんじやないかと思いますが、私の方としましても、実はそういう設備を全部どこかへ集めて、全部業界をまとめて、一本にするというような考えは今のところ持つておりません。
#15
○長谷川(四)委員 経済を説く必要はないと思うけれども、日本の現政府が、一兆円というものにまとめ上げて、国民に耐乏生活を要求している原因はどこにあるか。日本の経済危機を唱えているゆえんも、あなたは御承知だろうと私は思う。こういう点から考えて行つて、国策に順応しなければならない。その中で一番大きく取上げられるものは、私は石油だと思う。ところが石油というものは、アジヤストしようが行政指導しようが、現在のところ、あなたの手で絶対押えられるものではありません。また石炭局長の考え方にも私は大きな異論があります。こういうような点から言つて、あなた方の手によつて、行政指導をし、規正を行う、こんなばかげたことを考えるだけ、あなた方はどうかしておる。私はもつと石油を十分国民に使わせなければいけないと思う。使わせるのには、私が申し上げたような考え方で進めて行かなくてはならない。これは決して社会主義でも何でもありません。今、国がのたれ死するかしないか、生きるか死ぬかの境目にある日本であるという観点に立つたならば、国策としてこの点を最も重要視しなければならない。こういう点から考えて、私はどうしても行うべきことを行わなければならないと考えております。局長にこう言うことは御無理であろうと思いますから他にかえますが、あなたの言うように六万バーレルというような大きな規模が必要なんだというならば、今あるたけのものを全部集めて、一箇所に吸収して、資本を一つに集めて、これに当るものは日本の国策として行うべきであり、政治として行われなければならないときであろうと私は考えております。しからば日本の経済が、来年なり再来年なり三年後に、全部回復して行く自信があるかいなや、これはおそらく現在の政府にもありつこないと思います。国民もそんなことになろうとは考えておりません。こういう点から考えて、かくしなければならないと考えておるわけであります。従いまして、さらに国内の石油の問題に対しましても、いかに熱意がないか、一億三千万円出す。それから五箇年計画でやるように伺いますが、それが完全にできる自信がありやいなやをお伺いいたします。
#16
○川上政府委員 一億三千万円初年度に出しまして、私の方で一応つくりました五箇年計画というのが、それでできるかどうかという問題でありますが、自信がないと言うと叱られるかもしれません。(笑声)非常に答弁に苦しみますが、私の方としましては、何とかして初年度は一億三千万円でありましても、次年度はもつとふやす、三年度はもつとふやして、五箇年間に何とか目鼻をつけたいと考えております。助成金は一億三千万円でありましても、実は帝石とか、そうした方面で、相当余裕金を持つておるようでありますし、またある程度の借入金の問題もできると考えますので、最初私どもが考えておりましたような計画ではなくして、もつとこういう会社を活用することによつて、最初は一億三千万円でありましても、予想以上の開発が期待できるのではないかと考えるのであります。
#17
○長谷川(四)委員 帝石の現状は、あなたが御承知の通りであります。われわれ信頼するに足りません。そこで両者相はむこの帝石について世間の人はどう考えておるか。一方にあなたがついておるとまで言つております。私は悪口を言うのじやない。率直に聞いたままのことを言うのです。もつと高いところから見てもらわなければならないと思いますが、いずれにしてもそんなことは別問題として、現在の帝石というものをあのままにしておいてはならぬと私は思う。日本の国内にある、いわゆる最高の資源である石油を堀ることをほつぽらかしておいて、派閥争いと勢力争いをしておるというようなことを私は見のがすわけには参りません。こういう点について、国が直接これを経営する新しい国策会社を樹立して、日本の技術をここに結集して、その目的を達する御意思があるかいなやをお伺いいたします。
#18
○川上政府委員 これは私の弁明になりますが、私は決して一方についておるというようなことで行政をやつておりません。こういうようなものにつきましては、えてどつちかから悪口を言われますので、そういうものは問題にする必要はないと思いますが、私は少くともこの問題については公平にやつておるつもりであります。
 それから国が経営するかどうかという問題でありますが、まず今までの考え方から申しますと、民間の会社にこういうものをやらした方が最も能率が上るのじやないかというふうに考えておりましたので、一億三千万円出して五箇年計画なり相いう計画を立ててやる場合に、国が直接やるか、あるいは国策会社みたいなものをつくりまして、それでやるかという問題につきましては、国がまずやる。直接やるという問題につきましては国の現在の陣容なり、あるいはその設備なり技術なり、そういうような点におきましては、たとい地下資源調査所にこれをやらせましても、なかなかこれはできないというふうに考えられます。それから国策会社をつくるという問題につきましては、現在の法律といいますか、そういう点におきまして、いろいろのむずかしい点がありまして、現在の帝石の株主総会の決議を受けなければならぬ、あるいはこれを強制的にやるとしますれば、憲法によりまして補償をしなければならぬというようないろいろな問題がありまして、これもなかなか手取り早くやれないというような状況にあるのじやないかと考えられますので、私の方としましては、現在の機構そのものを何とかして規制しながら、一面においてはその能力を大いに発揮させるように持つて行きたいというふうに考えておりまして、規制についての法律につきましては、不日この委員会に出て来ると思いますが、現在法制局その他の方といろいろと検討をいたしております。
#19
○長谷川(四)委員 私の言うことは、帝石そのものを国策会社にしろというのじやなくて、新たなる国策会社を樹立しろというのが私の考え方でございます。従つて、政府の出資というものも相当額に上つておる。たとえば一億にしても、この血税の中からそれだけのものを与えるという、こういうような点について、現在の帝石に対してどの程度まで監督権というものができるのか、それをお伺いいたします。
#20
○川上政府委員 帝石以外に新しく別会社をつくつて、それを国策会社としてやるという問題でありますが、これは電源開発会社と非常に違つておりまして、大体開発する地点が、鉱区の問題からいいましても、両方ダブるという問題が起きて来まして、どうしても現在帝石が持つておる鉱業権そのものを活用しなければならぬ、鉱区そのものを活用しなければならぬという問題がありますので、その点からいいましても、電源開発会社とは非常に違つて来るのじやないかというふうに考えております。それからまた設備なり、あるいは人的な資源なり、そういう点から見ましても、どうしても現在の帝石の陣容を借りなければならぬというような問題が起りますので、むしろそういうややこしい問題を片づけるよりも、帝石そのものを何とかして規制して、その人的あるいは物的な資源を活用、能率化せしめることが手取り早いやり方ではないかと私どもは今のところ考えております。それから法律の内容につきましては、不日この委員会でいろいろ検討していただくことになると思いますが、私の方としましては何とかして会社の経営内容までも入つて、そうして余裕金があるならば炭鉱の方へ極力まわしてもらうというように、ひとつ規制をしたいと考えておりまして、現在規制がどの程度までできるかということを、いろいろできる限り検討をいたしておる次第であります。
#21
○長谷川(四)委員 今の帝石のあのぶざまなことで、どうして目的が達せられますか。これはあなたが近いうちに出して来るというから大いなる期待を持ちますが、おそらく帝石こそは、申し上げたように、日本の石油源というか、日本の石油を双肩にになつて立たなければならないものでございます。こういうような点から考えて、いかに民間会社であろうとも、国策、国の目的、こういうような点から考えるならば、新しい法律をつくりまして、そうして相当監督を厳重にしなければならない、そうしてその目的を達成しなければならないと私は信ずるのでございます。今の帝石は信ずるに足りません。あのようなことでは、いかにあなたがこれを規制するといつても、どのくらいの規制というものを持つて来るか、私はそれを期待して、一応この問題はあとまわしにしておきます。それではもう一つ伺つてみます。石炭の方は私はよくわからないのでお伺いするのですが、石炭というものと重油というものに関連をして、あなたのおつしやるのは、今の石炭業界を救う唯一の道は重油というようなもの、これを規正するところにあるというような考え方のようでございます。そういうふうに私は考えたのですけれども、それでよいかどうか。従つて石油と重油という場合、現在のコスト云々――コストというものはそう大差はないかもしれない、大差はないかもしれないけれども、ただ石油というものは原油を外国から持つて来る。そこでお伺いしなければならないのは、あなたが石油と石炭というようなものに対して、ただ重油というものを規正すれば、それが石炭というものが救われる唯一の道だとお考えになつておるかいないかをまず最初にお伺いいたします。
#22
○佐久政府委員 重油と石炭の調整の問題は、さしあたつての問題と、それから石炭についての恒久的な問題と二つございますが、さしあたりの問題といたしましては、どうしても輸出振興その他の関係から重油を使つた方が有利である、あるいは重油を使わなければならぬ農水産関係は別にいたしまして、十分国内の石炭で間に合うという部面もございますので、そういう方面については石炭の消費を今後勧奨して行く必要があるのじやないか。と申しますのは、従来と同じように重油の進出を放任しておきますと、石炭の生産規模というものをどうしても縮小しなければならぬということに今の状況ではなります。そうしますと、昨年の夏に相当大規模の企業整備が行われましたが、それが毎年々々行われるということになつて、石炭企業そのものの安定を欠く、ということは、同時に炭鉱に働く職員なり労働者の生活不安というものを呼び起し、また他面鉱産税なり地方財政の面からいつて、収入が減少する。かたがた失業者がふえると失業保険その他の負担が増して来るというような大きい影響がいろいろ及んで来ますので、当面の問題としては石炭の生産規模というものを、一定したいというのが一つのねらいでございます。同時に、それだけでは問題が解決しないので、根本問題としては石炭の価格が今高いという問題であります。それの解決策というものは、相当の資金と相当の年月を要しますので、これは先ほど申しました縦坑開鑿というのも、それの一つの大きな方法でありますが、別に考えて行かなければならぬ、かように考えております。
#23
○長谷川(四)委員 たとえば石炭という点に対して重油をたくさん入れて行くというようなことは、すなわち働く人の不安定ということにもなるということですが、働く人たちの不安定というのは、みずからやつているのではないでしようか。毎年何回ぐらいストをやつていますか。それにはストをやる理由もあるでしようが、みずからがそういうような墓穴を掘つておるようにも私には考えられる。そういうような点、たとえば何でこれほど重油に転換されたかというようなこと、これは石炭というものは不安定だから、重油というものを多く使うようになつて来たことは、おそらくあなたも否定することができますまい。みずからがそういうふうにやつている。コストの点についても、たとえば日本という国の中にある石炭と比較してみて、よそから船賃をかけて持つて来た石炭の方が安いという理由、これはつまり掘るいろいろな条件というものが備わらないからであろうとは思いますけれども、こういう点について、たとえば縦坑というものをつくつて行く――縦坑というものは、この間も映画で見せてもらつたように、非常に莫大な金がかかると思う。あんなことをやつて行つて、はたしてそれが目的の安い価格になるかどうか、こういう点をひとつ聞かしていただきたい。従つて、縦坑一つには幾らくらいの金がかかるのか、その点についても伺つてみたいのでございます。
#24
○佐久政府委員 石炭の供給を不安定にしている、それは年々のストによつて不安定の原因をつくつているという点は、まさに仰せの通りでございます。私どもも、先ほど来申し上げました石炭と重油の調整の問題につきましても、今までいろいろ反対があつたにもかかわらず、ようやく意見がまとまつたその矢先に、こういう状態になつたことをまことに遺憾に考えておりまして、早期の解決を期待しておるわけであります。
 それから縦坑を掘つて非常に厖大な金がかかつて、かえつて原価が上りはしないか、こういうことでございますが、これは各原価要素を一々当つて調査いたしますればはつきりいたす問題でありますが、従来のように、相当深くなつたところをさらに斜坑で進んで行くということになれば、一層トン当りのコストというものは年々上つて参るわけであります。それを切りかえるには、やはり技術的に見て縦坑以外に方法がないのでありまして、すでにかなり深部を採掘しておるドイツあたりでは、ほとんど全部が縦坑に切りかえられておるという状況でございます。すでに縦坑を完成いたしました個々の炭鉱の原価について見ますると、もちろんこの縦坑の大きさにもよりますが、二割ないし三割の原価引下げは実施されております。
 縦坑一本掘るのに幾らの金がかかるかというお話でありますが、これは縦坑の直径の大きさ、深さにもよりますが、大体四、五百メートル、直径六メートルくらいの縦坑を掘るのに、その縦坑だけで一億五千万円から二億くらいの金がかかつております。それを掘つただけでは縦坑の効果は現わしませんので、坑内を全部続けなければならない。それから同時に、縦坑を掘る場合には、埋蔵の鉱量、それから埋蔵地域等を考えまして、将来の計画上一番有利な地域を選びます。従つて労務者住宅をその近くに移転するとか、あるいは選炭設備を移転するとか、先ほど申しました坑道を連絡するとかいうようなことを同時に行いますので、普通十五、六億から、二十億くらいの金をかけております。
#25
○長谷川(四)委員 もう一つ伺います。炭鉱に働いている人たちは、八時間労働のうち、実際に石炭を掘つているという時間、たとえば現場まで行く時間とか、いろいろ含まれるはずでしよう。ですから、実際に就労したという時間について何か統計があるのですか、その点についてひとつ伺つておきます。
#26
○佐久政府委員 八時間拘束時間と申しますのは、坑口で入りまして、坑口に出て来るまでの時間でございます。従つてその間の通勤時間等、機会の故障、あるいは採炭で申しますと、採炭はしたけれども積込みの炭車が間に合つて来なかつたというような、箱待ち時間と普通申しておりますが、そういう時間がございます。そういう時間を差引きますと、最近の統計で五時間五十分ぐらいが実働時間だということになつております。
#27
○長谷川(四)委員 それをもうちよつとこまかに、つまり八時間のうち七時間働く人もあるでしよう。一番短かく働いた人とどれくらいの差があるか、それはおわかりになりませんか。つまり平均点が出るのであるから、わかるわけですね。それはわかりませんか。
#28
○佐久政府委員 私今手元にその資料は持つておりませんが、一番短かく働くというのは、私の今までの経験から申しますと、採炭夫が一番時間の変動が多いわけであります。坑道の修理をやる、いわゆる仕繰夫というのがありますが、これは炭車とか電力とかいう関係はほとんどございませんので、大体通勤時間を除いた時間は仕事としてやり得るわけであります。そのほかに、坑道を掘進する部面がございますが、これはやはり炭車あるいは電力の影響を相当受けますから、採炭夫よりは実働時間は少しは長いと思いますが、仕繰夫ほどの平常の労働時間というものは持てないんじやないかと考えます。
#29
○長谷川(四)委員 どうもはつきりしないのですけれども、私が聞いたところによると、たとえば現場まで行つてほんとうに働いた時間で一番短かい人が、一時間五十分だつたという話も聞くのであるが、今の横坑でございますから、遠いところの坑道もあるでしよう。そういう具体的なことがわかつたら、あとで資料を出してもらいたいと思います。
 いずれにしましても、石炭の問題は容易ならないときであり、あなたのおつしやる通り、当然重油との関連も考えなければならないと思うのですが、目下日本でこの重油を持つて来ることを規制するということになつて来ると、日本の産業というものは容易ならない立場に立つのじやないかと考えます。従つて今すぐこれらの原油の輸入を規制することは、非常な困難性を伴うだろう。日本の基幹産業に関連するところの石油の輸入を少くして行く、あるいは規制して行くということになると、相当な混乱を招くときが来はしないか、こういうふうにも考えますので、私の伺いたいのは、重油の輸入を本年度から規制しても絶対に心配はないという御自信があなたにありますか。
#30
○佐久政府委員 先ほど来申し上げますように、重油を使う以外に燃料として方法がない、つまり農漁村関係とか、あるいは重油の専焼設備を持つているものについては規制をしようという考えはございません。ただ重油を石炭に転換し得るものについての再転換を考えているのですが、それと並行いたしまして石炭の価格を下げれば、これは、産業に大きな影響が出るわけでございます。たとえば電力会社について申しますと、電力の大部分というものはやはり石炭を使つておりまして、一部が重油に転換されているわけでございます。従いましてその重油を石炭に転換しましても、全般的に石炭の価格を下げれば電力会社の燃料費としては下るわけでございますから、その点についてはそう大きな悪影響を及ぼすとは私は考えておりません。ただ石炭の価格を現状維持、あるいはこれから高くなるのを放置するのだということであつて、しかも重油から石炭に転換をさせるということであればそれは無理が来るであろうと思います。そうでなしに石炭を逆に下げれば、石炭の消費を相当量やつているところについては、なおかつこの重油から石炭に転換し得る設備上の問題が解決されるということであれば、燃料費自体としては会社の負担は減るということが考えられます。そういう考えのもとに政策を進めたい、こう思つておるわけであります。
#31
○長谷川(四)委員 私が心配するのはそういう点もございますし、さらにたとえば重油の方が問題になつて来ると、重油を非常に奨励して石炭から重油に切りかえさせて行くとか、今度は石炭の輸入が多くなつて来たから何とか抑制しなければならぬということになる、と石炭の方を今度は規制して来るという、そういうやり方で、その場当りのことをやつて行くと―一つの計画性を持たないやり方を今までやつて来ているわけですから、こういうようなことをやつて行くと、産業を行つている者自体、産業経営者そのものがいかに損害をこうむるかということも考えてやらなければならないと思うのでございます。そういうような点については、はつきりした目安のもとに行つていただかなければならぬと思うのでありまして、あなたのおつしやる国内で出る石炭を使うのが当然じやないかという御議論も、私は当然だと思います。しかし当然ではあるけれども、今のようにストをやつて行つているが、いつストが終局するのかという目安もつかない今日において、いたずらに重油から石炭にということを言つて規制して行つてみても、損をこうむるのは民間の経営者である、つまり石炭の経営者ではなく産業人である、こういう点も十分考えて進んでもらわなければならぬのでありまして、こういう点についての見通しをお間違いのないように進んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を打切ります。
#32
○中村委員長 本日はこの程度にて散会いたします。
 次会は定例日すなわち五日午後一時より開会の予定であります。
    午後零時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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