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1947/03/29 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 本会議 第25号
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1947/03/29 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 本会議 第25号

#1
第002回国会 本会議 第25号
昭和二十三年三月二十九日(月曜日)
   午前十時三十一分開議
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 議事日程 第二十三号
  昭和二十三年三月二十九日
   午前十時開議
 第一 國務大臣の演説に関する件(第六日)
 第二 自由討議
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#2
○副議長(松本治一郎君) 諸般の報告は、御異議がなければ朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○副議長(松本治一郎君) これより本日の会議を開きます。この際お諮りいたします。椎井康雄君より病氣のため二十三日間、板野勝次君より旅行のため八日間、請暇の申出でがごさいました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#5
○副議長(松本治一郎君) 日程第一、昭和二十三年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。財政及び金融委員長黒田英雄君。
   〔黒田英雄君登壇、拍手〕
#6
○黒田英雄君 只今上程に相成りました昭和二十三年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告をいたします。
 政府は、最近の経済状況に鑑みまして、又租税の課税の実況等からいたしまして、所得税等につきまして、相当軽減を図る目的を以ちまして、基礎控除或いは扶養家族控除又は勤労所得の税率等につきまして、改正案を近く國会に提出する予定であるのであります。つきましては、昭和二十三年の所得税の四月予定申告書が、四月一日の現況によりまして、四月末日までに出すことに相成つておるのでありまするが、これをそれらと関連いたしまして、一ケ月延ばしまして、五月一日の現況によつて、五月三十一日までに提出するということにいたし、又第一期の納期が四月一日から三十日まででありまするのを、やはり五月一日から五月三十一日までにいたしたいというのが本法律案の内容であるのであります。これによつて官民の手数も省いて、改正税法によつて予定申告書を提出するようにいたすということが本法案の目的であるのであります。
 これにつきまして質疑があつたのでありまするが、極くその一二だけを御紹介申上げます。改正の税法案の内容骨子はどういうものであるかという御質問に対しましては、政府は、目下檢討中であるのであつて、詳細を申述べるまでの時期に達しておらないのであるが、所得税については、相当大幅の軽減を行う目的で檢討をいたしておる。又法人税につきましても、負担の状況又は外資導入等の見地からいたしまして、税率の引下げを行いたいという考えを以て調査をいたしておる。これらによつて相当の減收を來しまするので、それに対しては新税も考慮しておるということであつたのであります。又本年度の所得税については、即ち昭和二十二年度の所得税については、予定申告書を出して置いて、そのままにされて、一月の確定申告において相当多額の決定をされたために、納税者は非常に一時に多額を納めるので苦痛を感じていろいろ問題があるようであるが、予定申告書が出たならば、政府においても、これに対して更正決定をするならば早くして、そうして納税者にその準備をさせることが適当ではないかというような御質問があつたのでありまするが、政府といたしても、昨年度は予定申告の初めての試みでもあるし、官民共これに慣れない。又政府においても手が足りないためにそのままになつて、一月になつて決定をしたというようなことのためにさようなことができたのでありまするが、本年は申告書が出ましたならば速かにその適当でないものは改めて貰うようにして、成るべく納税を便宜にするようにしたいということであつたのであります。又近來飲食業等について、或いは闇の営業をしておるものと見て課税をするというふうなことがあるように聞くが、どうであるかということにつきましては、政府においては、実際の收入があるものに対してはこれに所得税をかけるのであつて、税務署においてさような事実があつたと認めるようなものについて、課税をしておるのであるというような答弁であつたのであります。その他の質疑應答につきましては、速記録に讓ることをお許しを願いたいと思います。
 かくて討論に入りましたが、別に御発言もありません。採決をいたしましたところ、全会一致を以て政府原案通り可決すべきものなりと決定をいたした次第であります。これを以て報告を終ります。(拍手)
#7
○副議長(松本治一郎君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#8
○副議長(松本治一郎君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
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#9
○副議長(松本治一郎君) 日程第二、自由討議、本日の自由討議は前会の続きでございます。発言者はそれぞれ発言時間を嚴守せられんことを望みます。これより発言を許します。
   〔中野重治君発言者指名の許可を求む〕
#10
○副議長(松本治一郎君) 中野重治君。
#11
○中野重治君 日本共産党は中野重治を指名いたします。(笑声)
#12
○副議長(松本治一郎君) 中野重治君。
   〔中野重治君登壇、拍手〕
#13
○中野重治君 「與えられた條件の下で、日本のとるべき外交問題取扱いの原則的よりどころについて、」これが私の題目である。ここで原則的よりどころというのは、初歩の心得、「いろは」という程の心持である。その第一は國の外交は誰がするかという問題、國の外交は誰がするか。それは他のすべてと共に人民がする。人民とその國会とが外交上のすべての土台を決定して人を使つてこれをやらせる。この使われる側の責任者が外務大臣である。この間ここで奥議員の質問が出た。ドレーパー芦田会談の中味は何か、第三世界戰争の危險があるといい、一方絶対平和だというが、武装なき日本は如何にして絶対平和を実現するか。芦田君の答弁はお聽きの通りであつた。心細い限り、むしろ答えられなかつたといわねばならん。併しそれならば我々にはこれを非難するだけでいいか。使われるものが心細いことを言つたからといつて、使うものがただ非難するだけに終るならば、それは使うものみずから責任を忘れることである。心細い人間は頼もしい人間に取換えねばならん。そしてこれに眞心を以て決定を実行させねばならん。このことの義務責任を人民と國会とが自覚することが大事である。
 第二は使われるもの、外務大臣、外交官などの資格問題である。こういう話があつた。今に平和会議になる、誰をやるか、それはやはり吉田、芦田、幣原などという人たちでなければならん、何故かといえば、この人たちは英語ができるから……、何卒我が党に御一票を……、諸君我々はこういう後れた、又誤つた考えを責任を以て一掃せねばならんと思う。太平洋戰争を挑撥し、國を破滅に導くのに奔走した日本外交官の誰が外國語ができなかつたか。戰後この手合がヨーロッパから帰るとき、ズボンの縫い目に隠くした規定外の金銀貨、指輪、宝石類を連合國係官に発見されて恥を世界にさらしたのはついこの間のことではないか、フランス語ができる経驗があるということは有用な道具である。ただ道具は使い手による。出刄一丁あれば私は鯖を料理することができる。同じ出刄で、他の或る者は追剥をやるのである。有用な道具を、人民の側に立つて使うか、人民の敵の側に立つて使うかの決定が先決問題である。それだから、この問題を選挙運動に利用しようというような党派の人々は、今や人民が英語ができるなどということをしきりにいうやからは、それだけですでに臭いと見ていることにそろそろ氣付いて工夫されたがよかろうと思う。
 このことは第三、世界的連関の問題に直ちに繋る。総理大臣は力んでこの言葉を使つたが、世界的連関というだけではいわんのに全く等しい。資本家的世界的連関に立つか、人民的世界連関に立つか、これが先決である。戰後の世界平和建設のため諸國諸民族は目覚しく奮闘しているが、そこにやはり資本家的世界連関と人民的世界連関との二つの流れが見られるのであつて、ヨーロッパ、わけても中國と朝鮮との現状が我々に教訓である。日本外交の民主的基礎は、資本家的世界連関でなく、人民的世界連関に立たねばならんのである。世界連関、これについて私は社会党第三回大会の言葉に特に諸君の注意を促したいと思う。社会党は、日本を含む極東へのマーシャル案の適用を主張しているが、ヨーロツパを見よ。マーシャル案以前から去年暮までの間にイギリス、フランス、イタリヤ、ギリシヤは合計八十五億ドルの援助を得て、経済は復興ではなく悪化の一筋を辿つていること、トルーマン大統領の認めた通りである。ソ同盟。ポーランド、チエコスロバキヤ、ユーゴースラービヤは合計十四億ドルを得、ルーマニヤとブルガリヤとは一文も得ていない。して東ヨーロツパは危機軽く、経済復興は着々と進んでいるのである。そうして西が参加して東の参加せんこのマーシャル案は、最初の二百億ドルが六十八億ドルに、更に五十三億ドルに切下げられただけでなく、特殊な條件附のものであつて、この條件については、イギリス労働党最大の長老ラスキー教授がこういつている。「これらの條件は、ヨーロツパ大陸において資本主義復活は反革命に導き、反革命はヨーロツパの半ば以上に内乱を惹起し、この内乱は容易に第三次世界大戰の口火となるであろう。」イギリス労働党を兄と見る社会党の諸君を含めて、ラスキー教授のこの言葉と、ヨーロツパの実情とをすべての諸君が味わい、判断されるよう日本共産党は諸君に要求する。世界連関において我々は平和と民主主義との擁護、即ち國と人民との復興の線に立たねばならんのである。
 第四は、ポツダム宣言の嚴格な実行の問題である。これは土台の土台、よりどころのよりどころである。日本共産党は、これを党綱領の第一に掲げて、そのために戰つている。この間、ソ同盟に在る我が同胞の帰還促進について、ソ同盟へ懇請状を送ろう。全議員連名で送ろうという話があつて、我我は一議に及ばず賛成した。そうしていざ署名しようとして文書を見て驚いた。そこで我々の意見を同志中西によつて説明して、諸君の理解をお願いした結果、幸い或る程度の理解が得られたようである。手短かに言えば、あの文書の最初のものは、同胞帰還のことが條約によつて運ばれている事実を隠していた。日本政府を督励して條約を実行させる國会自身の義務を忘れていた。剰え父兄が帰らんため留守家族の中にソ同盟を怨む者が生じ、延いて他國に対する軍國主義的感情復活の怖れさえ見られるが、その責任は帰してよこさぬソ同盟の側にあるという意味の文句を中心に据えていたのである。あれは下書でもあり、我々は咎めだてしようとは必ずしも考えない。一つには無智からも來ていて、その無智は外交の仕事が人民の手から特権官僚の手に独占的に奪われて來たことにもよるのである。けれども早い話が、條約以上のことをしてくれと頼むのである。それをば脅迫がましい文句でするとすれば、我々は日本自衞論の東條の二の舞を履むものではないか。脅追による歎願はごろつきの手口である。私の附合においても正直な人間の敢てせぬ所である。國際労働者協会の一八六四年の言葉「私の人間関係を支配するべき道徳と、正義との單純な諸法則をば、諸國民の交際の最高法則として擁護する。」この言葉を理解する必要がある。万一留守家族に誤つた感情を持つものなどいた場合は、その誤つた点は直して、專らその衷情を訴えるように整えて運ぶのが國会に席を置く者の任務ではなかろうか。尚日本は將來ソ同盟から、木材、パルプ、サントニンなどを輸入せねばなるまい。その辺のことも今から考えて置くべきである。平和会議前ではあつても、すね者、引かれ者に堕落することなく、責任を以て、且つ堂々と眞心を傳えるべきである。これがポツダム宣言の人間的理解、実行の筋道である。ここへと人々を導くのが國会の責任なのである。ポ宣言の実行とは、実地に平和を守ることである。ポ宣言の嚴格な実行とは実地に平和を守ることにおいて嚴格でなければならんということである。「絶対平和、但し実現の手段なし。」この総理大臣兼外務大臣のテーゼは、ポツダム宣言を胡化そうとするものであつて初めて出せるテーゼである。
 諸君、サイレンを聞きつけて、我々の子供が顔色を変えなくなつたのは、つい最近のことである。何としてでもこの平和を守ろう。併しそれには努力精進が必要である。平和は我が國会の多数が人民の多数と共に、これを守るための献身を組織し得たとき、そこに確保される。この献身の決意、これこそポ宣言理解の鍵、全外交問題処理の中心の親柱である。日本共産党は、未だに乾かぬある大量の涙を通して得たこの平和を守るべく、日本の全人民とすべての党派とが、あらゆる意見の不一致に拘わらず、この一点において一体となつて進むことを訴える。(拍手)
   〔北條秀一君発言者指名の許可を求む〕
#14
○副議長(松本治一郎君) 北條秀一君
#15
○北條秀一君 緑風会は服部教一君を指名いたします。
#16
○副議長(松本治一郎君) 服部教一君の発言を許します。
   〔服部教一君登壇、拍手〕
#17
○服部教一君 私は皆さんに今日は教育の改革について申上げまして、皆さんの御批判を受けたいと思うのであります。この敗戰日本國を建て直して、新日本を建設するには、どうしても教育と宗教を改革する必要があると思うておるのであります。殊に教育については、昨年六・三制度をアメリカに倣つて作つたのであります。然るにそのうちに六・三・三・四、小学校六年と、中学校三年と、高等学校三年と、大学四年という制度ができたのであります。ところが六・三・三・二というアメリカに制度があるのです。これは小学六年、中学三年、高等学校三年、ジユニア・カレツジ、初等大学というものが二年、こういう制度があるのです。それを昨年できた学校教育法から抜かしておる。その中に漏れておるのであります。それがために今日日本全國におきまして、専門学校はどういうふうに処置するかということについて、迷うておるのであります。高等学校はどうしたらいいかということについて、迷うておるのであります。日本に沢山あります専門学校と高等学校は、これはアメリカで言うところのジユニア・カレツジ、初等大学というものさえ作つてあつたならば、都合よく処置できるのです。それがないために今日は非常に困つて、昇格をしよう、どういうふうにしたらいいかということについて迷うております。殊に女子專門学校の如きは非常に困つておるのであります。これを早く改革しなければならんと思うのです。
 それから次に日本の昨年できた学校教育法というものは、アメリカの制度に倣つたのでありまして、アメリカの制度は誠に進んでおる点が沢山あるのです。日本の教育は八十年前森文部大臣が改革されて以來、今日に至るまで殆んど改革されていないのであります。この八十年間にアメリカは非常に改革をいたしまして、そうして今日日本がアメリカの眞似をして、六・三・三制度にしなければならん、こういうことになつておつたのであります。又これからうかうかしておるというと、去年作つたような学校教育法で以て、ぐずぐずしておるというと、又三十年、八十年後にアメリカが変つて來まして、又アメリカの眞似をしなければならんというときが來ると思う。いつでも人眞似ばかりをして今日まで來ております。日本独得の教育法というものを作らなければならん。これには外國鯉制度の良い点は眞似なければならんのでありますけれども、これは世界各國のうちの長所を採り、我が日本教育の改革のためにこれを参考とする必要があるのであります。そのうちで私ほ昨年できた学校教育法において間違つておりはせんかと思ろことを、少し申上げたいのであります。
 日本は今敗戰で、これから新日本を作らなければならんのです。又日本は、農村は小農組織でアメリカの如く大農組織とは違います。日本に適する教育をしなければならん。それには私はデンマーク國の高等國民学校制度を入れたいと思うておる。デンマーク國がドイツと戰いまして、敗けて、その敗戰のデンマーク國を生かして行くために、復興するためにデンマークには高等國民学校というものを作りまして、殆んど各郡に一校ずつあります。これは御承知の通り、冬、農閑の季節に男子を、十七八歳から二十二三歳までの男子を五ヶ月程学校へ入れまして、そこで精神教育を、敗戰のデンマーク國をどうして復興するか、その精神教育をやるのでありまして、これに実業教育を加味してやるのであります。夏は女子を学校に入れまして五ヶ月程教育をいたしまして、これにも精神教育をやるのであります。この日本の立ち直りはどうしても日本國民の精神教育をしつかりとやらなければならんと思うておるのです。それで日本の農村に丁度適するところのこの制度を日本において起したいと思う。
 次に大学制度でありますが、今回アメリカの制度に倣つて大学制度をやりましたが、このアメリカの制度たるものはここ四五十年の間にドイツの大学制度を眞似まして改革したのが今日のアメリカの制度であります。ところが私の見るところによると、日本がアメリカの制度だけを倣つてはいけない。アメリカとドイツの大学制度の長所を日本に採用しなければならんと思うておるのであります。ドイツには私は三年半ばかりおりまして、あちらの学校制度を文部省から留学を命ぜられまして、行つて調べたことがあります。アメリカにも二度行きました。これも比較して見ますというと、この日本の大学制度を改革するにほどうしてもアメリカだけではいけない。アメリカとドイツを両方採らなければならんということを感じたのであります。ドイツの大学の自由、教授の自由、聽講の自由、アカデミツシエ、フライハイト、レーア・フライハイト、レルン・フライハイトの制度というものは世界で最もよいものであり、制度であると思うておるのであります。これを見ますというと、全くよくできておりまして、あちらの大学は全く自由でありまして、轉校は自由、聽講も自由、僅かに制限は、大学は一週間三十時間で、平均学生の聽講時間というものは七時間で、十五時間以上講義を聽きに出るというと、そんなに講義を聽いておつて研究できるか、こういうて学校から止めるのであります。日本はどうです。三十時間前後の教育をやつております。詰め込みです。そういうようなことでは大なる学者、大なる発見をするような人が出て來ないのであります。この根大教育を改革しなければ、今日のごとき詰め込み教育、試験勉強、試験地獄、これは大学に限りません。中等学校もその通りであります。すべてこの制隻を改革せんことには、本当にこの日本に濁得なる……日本の教育を世界一にしたい、こう私は多年思うておりますが、到底今日のような教育では世界一になれません。そこで今日の大学制度というものを改革いたしまして、研究を自由にし、そうして学校の轉校も自由にし、学閥というものをなくし、それから教員の採用にしましても、今日のような大学の中で子飼からするということをやめて、やはりドイツのごとく誰でも大学の先生になり得る途を開かなければならんと思うのです。ドイツにおいては私講師(プリヴアート・ドツチエント)という制度は、あれは私は世界の中で一番いいと思うておるのであります。これを援用しなければ、到底本当の人材が出て來ないと思うのです。その外いろいろありますが、それは省いておきます。
 次に教育のみではいけない。宗教というものを盛んにしなければならん。ヨーロッパでもアメリカでも日曜学校の盛んなことは非常なものであります。日本と様子が違います。日本という國は昔から神道がある。儒教が來たり、佛教が入り、クリスト教が入り、日本でこの宗教を統一し、宗教の改革をするのには日本は非常に、世界全体から見まして非常ないい位置に立つておるのであります。これをどうしても日本の力によつてやりとげなければならんと思うのです。ところが今日の学校教育において、下は小学校から上は大学に至るまで宗教というものを度外視し、或る宗教はいいのでありますけれども、宗教の普及というものを怠つておる。アメリカあたりに至つては、日曜日は皆殆んど小学校の如きは八割、九割、中等学校は五割、六割、大学に至るまで一般の人が日曜学校に出まして宗教の研究をしております。この点において日本は大いに改革しなければならんと思うのです。その他は時間が來ましたから後は項目だけに止めて置きまして、他日機会があつたら皆さんに聽いて頂いて、皆さんの御批評を承わりたいと思うのでありますが、社会教育、図書館の制度、通俗講演、通信教授、こういうものにおいてアメリカのごときは非常に進んでおりまして、どうしても日本はこの点に向つて大いにやらなければならん。学校教育だけではいけない、この点を大いに改革しなければならんと思うのです。その他、一般國民の体育においても、今日は学校では体育ということはやかましく言いますけれども、社会体育、社会教育としての体育、これはヨーロツパ、殊にドイツ、デンマーク、あの辺は非常に発達しておるのであります。これを私は日本において大いに利用したい思うのです。いろいろと述べたいことがあるのですが、時間が來ましたのでこれで失礼いたします(拍手)
#18
○副議長(松本治一郎君) 本日ばこれにて延会いたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○副議長(松本治一郎君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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