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1953/05/21 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 建設委員会水産委員会連合審査会 第1号
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1953/05/21 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 建設委員会水産委員会連合審査会 第1号

#1
第019回国会 建設委員会水産委員会連合審査会 第1号
昭和二十九年五月二十一日(金曜日)
   午前十一時十一分開議
 出席委員
 建設委員会
   委員長 久野 忠治君
   理事 瀬戸山三男君 理事 田中 角榮君
   理事 志村 茂治君 理事 細野三千雄君
     岡村利右衛門君    高木 松吉君
      仲川房次郎君    堀川 恭平君
      赤澤 正道君    村瀬 宣親君
      三鍋 義三君    安平 鹿一君
      山下 榮二君
 水産委員会
   委員長 田口長治郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 川村善八郎君
   理事 鈴木 善幸君 理事 中村庸一郎君
   理事 山中日露史君
      濱田 幸雄君    吉武 惠市君
      椎熊 三郎君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    辻  文雄君
      中村 英男君
 出席政府委員
        調達庁長官   福島愼太郎君
        総理府事務官
        (調達庁不動産
        部長)     山中 一郎君
 委員外の出席者
        大藏事務官
        (主計官)   谷川  宏君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)      立川 宗保君
        建設委員会専門
        員       西畑 正倫君
        水産委員会専門
        員       徳久 三種君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する
 協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業
 制限等に関する法律案(内閣提出第一七九号)
    ―――――――――――――
  〔久野建設委員長委員席に着く〕
#2
○久野委員長 ただいまより建設委員会水産委員会連合審査会を開会いたします。
 私が議案の付託を受けました委員会の委員長でありますので、本連合審査会の委員長の職務を行いますから、御了承を願います。
 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案を議題といたします。まず政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#3
○福島政府委員 ただいま議題となりました日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 本法律案は、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結に伴いまして、国際連合の軍隊が同協定の効力発生の際、現に使用している土地等で、同協定の効力発生の日の後、なお引続いて国際連合の軍隊の用に供する必要がある場合におきまして、それらの土地等の所有者等との間に、使用についての協議が成立しないものがありまする際、日本国とアメリカ合衆国の間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等の特別措置法の規定により、アメリカ合衆国軍隊の用に供するため必要がある場合に、土地等の使または收用をいたす例によりまして、これを使用し、または收用することができ得ることといたしまするとともに、国際連合の中隊がこの協定の効力発生の際現に使用している水面を、同協定の効力発生の日の後、なお引続いて国際連合の軍隊の用に供するため方要がある場合におきまして、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律の規定により、アメリカ合衆国軍隊に水面を使用させるため、漁船の操業を制限または禁止し、かつこれによりこうむつた漁民の損失を保障する場合の例によりまして、漁船の操業を制限または禁止し、かつこれによりこうむつた漁民の損失を補償することができることといたします等、国際連合の軍隊による施設の使用を円滑にするための措置を講ずる等の必要がありますので、今回日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案をここに提案いたすこととしたのであります。
 本法律案の内容につきましては、
 第一条は、さきに申し上げました国連軍協定の実施に伴う土地等の使用等についての規定でございます。すなわち、国連軍協定の効力発生の際、国際連合の軍隊が現に使用している土地等を、同協定の効力発生の日の後、なお引続いて国際連合の軍隊の用に供するため必要がある場合には、内閣総理大臣は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の規定の例により、土地等を使用しまたは收用することができることといたし、その際特別措置法附則第二項の規定の例により土地等を一時使用いたします場合についての所要の読みかえをいたしております。
 第二条は、国際連合の軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等についての規定でございます。すなわち、国連軍協定の効力発生の際国連軍が現に使用している水面を、同協定の効力発生の日の後、なお引続いて国際連合の軍隊の用に供するため必要がある場合におきまして、内閣総理大臣は、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律の規定により、漁船の操業を制限または禁止し、かつこれによりこうむつた漁民の損失を補償する場合の例により、漁船の操業の制限及び禁止並びにこれに伴う損失補償ができ得るようにいたしております。
 附則第二項におきましては、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律の改正を行わんとするものであります。すなわち、同法にいうアメリカ合衆国軍隊の行為とまつたく同種の国際連合の軍隊の行為により、農林漁業者等がその事業の経営上こうむつた特別損失を、アメリカ合衆国軍隊の行為による場合と同様に補償する必要があるための改正であります。
 なお、かかる損失の補償につきましては、同法の附則第一項の趣旨に合せ、この法律の附則第一項後段で、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の効力発生の日以降生じた損失について適用することといたしたのであります。
 次に附則第三項におきまして、調達庁設置法の改正を行わんとするものであります。すなわち国際連合の軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限及び禁止並びにこれらに伴う損失の補償並びに国際連合の軍隊の行為による特別損失の補償等が調達庁の業務として附加されることとなりますので、同業務を調達庁の不動産部の所掌とすることとし、あわせてこれらの損失の補償について中央調達不動産審議会に諮問し得るように、所要の改正を加えたのであります。
 最後に、附則第四項におきまして、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の改正を行わんとするものであります。
 これは前国会におきまして土地収用法にあつせん制度の新たな規定が挿入されましたため、特別措置法で引用いたしました条文も改正されましたので、それに伴う改正をいたしたのであります。
 以上が本法律案の提案の理由及びその概要でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されるようお願いいたします。
#4
○久野委員長 これより本案に関しまして質疑に入ります。質疑の申出があります。よつてこれを許します。鈴木善幸君。
#5
○鈴木(善)委員 私は水産委員会で、本法案を予備審査いたしたのでございますが、水産委員会を代表いたしまして、主として第二条の国際連合の軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に対する補償の問題につきまして、質問をいたしたいと存じます。なお他の水産委員の諸君から、補足的に御質問があろうかと存じますが、まず私からお尋ねいたしたい点は、この国際連合の軍隊が、適法に営業しておりますところの漁船、漁業者の海面の使用によりまして損失を与えました場合の補の問題でございますが、アメリカ軍との間の補償におきましては、大体において平和条約発効の日にさかのぼつて補償するように相なつておるのであります。二十七年の四月二十八日に平和条約が発効いたしましてから、七月の二十二日に施行規則が出まして、具体的には七月の二十六日から補償をされたのでございますけれども、その間におきましても、見舞金その他で措置されておりまして、実質的にはアメリカ軍の水面使用につきましての補償は、平和条約発効の日にさかのぼつて補償されるという建前に相なつておるのであります。
  〔久野建設委員長退席、田中(角)建設委員長代理着席〕
しかるに、本法律案におきましては、国連軍とのこの協定が成立をし、その効力の発生する以後においての漁業に対するところの損害の補償を与えようということでございまして、平和条約発効の日から漁業者に与えて参りました損害、この間の損害につきまして、何らの措置が講ぜられないという結果になろうかと思うのでありますが、この点についての当局の御見解をまず承りたいと存じます。
#6
○福島政府委員 ただいま御質問のございました、この法律が効力を発生する以前、実際上に操業の制限を受けた損害をどうするかという点は、重要な点でございまして、われわれも慎重に考えたのでございますが、漁船の操業制限ということ自体が、さかのぼつて制限するということを許しませんので、従いまして、法律上では、制限してあるものに対して補償するということしか、うたうことができませんでしたので、提案いたしましたような表現になつたわけでありますけれども、実際にそれ以前に制限を取けた事実が存在することは、事実でございますので、それ以前の損害につきましても、この法律に表わされておると同じような方式、基準に基きましで、行政措置として補償をいたす方針になつております。このことは、アメリカ合衆国軍隊のための漁船の操業制限に関する法律ができましたときに、二、三箇月のギヤヅプを埋めましたと同じような措置になるわけでございます。ただ、期間が多少長いために、いささか目立つわけでございますが、漁業者各位の実際上の損害を補填するという意味におきましては、全然さしさわりのない、変化のない措置をとる方針でございます。
#7
○鈴木(善)委員 ただいまの長官の御説明によりまして、政府は、この法律案の条項においては、このような表現はしておるけれども、実際上漁業者が損失をこうむつておる場合には、行政措置として実質的に平和条約発効の日にさかのぼつてこれを救済する措置をとる、それはアメリカ軍との協定と同様の措置を講ずる、こういう明快な御説明がございましたので、この点についての私どもの杞憂は、はつきりここで解消したわけであります。
 次に、第二点としてお伺いしたい点は、附則の二項でございます。「日本国内及びその附近に配備されたアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍」、こういうぐあいに、アメリカ軍との間の当初の損失補償についてはなつておつたのでありますが、「今回その附近に配備された」という点を削除されまして「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊又は日本国における国際連合の軍隊」というぐあいにいたしたわけでありまして、言葉をかえますと、それだけこの法律の適用の範囲が狭まれたような感じを受けるのでございますが、これは実際問題として、どういう具体的な影響、結果が生れて来るか。こうかえても、事実問題としては何ら変化がない、影響がないという御見解でこのように改められたのでありますか、その点をお伺いしたい。
#8
○山中政府委員 ただいま鈴木委員からの御質疑のございました「日本国内及びその附近に配健された陸軍、海軍又は空軍」という関係が、従来の特損法にはあつたのですが、このたびの改正案では、この「附近」をとつたわけでございます。それは、御質疑の内容にありますように、われわれとしましては、大体「イン・アンド・アバウト・ジヤパン」という「アバウト」が非常に漠然としておりますが、現在まで駐留軍の配備あるいは配備されておる軍隊の行為につきましては、大体日本国政府の統治権あるいは行政権の範囲のものを主としてやつておるわけであります。従いまして、この「附近」ということが、大体行政権の及ぶその範囲あるいはその範囲からごくわずか出ておる、こういうものについての諸種の協定なり合意をやるわけであります。従いまして、その行動あるいは損害というものが、日本国内において起るということが、大体現在までのあらゆる実績に現われておるのであります。将来もまた、国外にこういうものが配備されまして国内に影響を及ぼすということは、予見されないわけであります。従いまして、実質上何ら違いがなく、また附近という点において、相当誤解を招くおそれがあるのじやないかということで、このたび「附近」を削徐したわけであります。
#9
○鈴木(善)委員 漁業の場合におきましては、陸上の場合と違いまして、若干の特異性があるわけであります。ただいま不動産部長の御説明では、日本の行政権の及ぶ範囲、こういうぐあいに御説明がありましたが、水面の場合におきましては、おそらく不動産部長は距岸三海里の領海説をおとりになつて、ここまでは日本政府の行政権が及ぶ、こういうぐあいにお考えになつておるものと思うのであります。しかしながら、最近の兵器の発達、あるいはまた一面漁業の非常な進歩の面から見ましても、漁船は大型化され、近代化されまして、相当離れたところまで参つて操業いたしておるわけであります。そこで、具体的に問題になりますのは、今般返還されました奄美大島と沖縄との間、あるいは北海道と千島方面というぐあいに、非常に錯綜しており、至近の距離で漁業の操業がなされておる海域におきましては――沖繩等におきますところの砲撃あるいは爆撃等の演習、そういうような場合におきまして、日本の漁船が奄美大島その周辺等におきまして操業いたします場合に、直接的に、具体的に、操業に対する適法な制限がなく、非常に危険を生じまして、制限はされなくとも、事実上そこに立ち入つて操業することができないので、漁業者が現実に損害をこうむる問題が出て来るわけであります。そこで、やはり現行法通り、「その付近に配備された」というぐあいの表現の方が、実際の漁業者を救済する面からいたしますと適切である、私どもはこういうふうに見ておるわけであります。それが今度の改正によつて、距岸三海里外は行政権が及ばない。従つて、行政権の及ばない所であるから法律上制限等の措置は講ぜられない、それがただ一方的に行われる、しかも発生した損害については、今回の改正によつて何らの措置も講じ得ない、こういうことでは、漁業者が非常に困るという結果が生ずるのではないかこう思うわけでありますが、その点について、重ねてお尋ねしたいと思います。
#10
○山中政府委員 お答えいたします。ただいま鈴木委員の御質疑の中にもございましたように、漁船につきましての御指摘のような被害につきまして、漁船の操業制限については、やはり「附近」を入れておるわけであります。これは御承知のように、漁船が三海里をとりますか、十海里をとりますか、私たちもその点を非常に常識的に解釈しておりまして、国際法とかその他の関係の非常にきつい意味における統治権、行政権を主張したわけではございませんが、それにいたしましても、問題が相当ありますので、漁船の操業制限につきましては、やはり「附近」を入れまして――たとえば御承知のようなアルフアベヅト地区というようなものは、相当遠距離の所に演習場があるわけであります。これは純粋の公海でございます。この地区に対しましては、一応政府といたしましても指定をいたしまして、操業制限を適用して補償をやつております。従いまして、お話のような点は、漁船の操業制限で全般的に行ける奄美大島と琉球の間――、琉球は現在施設その他について、合意の上、われわれの提供する地区ではありませんが、あの境目のところで、もし演習なやるということになりますれば、われわれといたしましては、一応その海面を指定してやるべきでなかろうか、こういうように考えております。従いまして、その場合には補償の規定が完全に適用できる、こういうように考えております。また全然われわれの予想しないようなところから来まして、部隊が無警告に演習するということがございましたら、個々具体的な問題で、判定上いろいろと手続がいると思いますが、われわれといたしましては、これは不法行為ということで、十八条関係で処理するというような体裁をとつております。
#11
○鈴木(善)委員 ただいま漁船の操業制限については、やはり「附近」を考えて、これを操業制限の指定地区にいたして、それによつて救済するという御説明があつたわけでございますが、それは国連軍についても同様な措置をおとりになるわけでございますか。
 それからもう一点、先ほどの長官の御説明で、御趣旨はよくわかつたのでありますが、この協定が効力発生の日以前、平和条約発効の日までの間に現実に起つた損害についての補償は、技術的に見舞金のような包み金でおやりになるつもりでありますか、そうでなく、やはりこの協定発効後にとられる行政措置とまつたく同様な措置を講ぜられる御意思でございますか、その点をお尋ねしたいと思います。
#12
○福島政府委員 お答えを申し上げます。まずアメリカ関係の問題と国連関係の問題は、この法律が成立いたしましたならば、全然同一に扱れるとということでございますので、国連軍協定の場合とアメリカ合衆国の関係の場合と、その点の差別はございません。
 なお次の御質題にございました、法律施行以前の実質上の損害に対して、平和条約発効の日までさかのぼつていたします行政補償の措置は、この法律に定められました補償と同じ方式に従いまして金額その他を算定いたします。厳密に申せば、その金の性質は、あるいは見舞金に近いかもしれませんが、算出いたします方法は、この法律に規定いたされました発効後の補償金の場合と全然同様にいたすつもりでありますから、御了承願います。
#13
○鈴木(善)委員 くどいようでございますが、重ねてお尋ねをしたいと思うのであります。措置をされる政府の御方針は明確になりましたが、今度は損害補償を要求する漁業者の側から見て、それははつきりした請求権として要求できるのであるか、一方的な政府の恩恵として行われるものであるのか。そうでなく、国民の側から当然正当に要求すべき請求権としてこれを要求できるのか、その点を重ねてお伺いしたい。
#14
○福島政府委員 お答えを申し上げます。厳格に申しまして、法律上の請求権ということには、なりかねると思います。ご指摘の発効以前の行政措置による補償の問題でございますが、国民の側からいたしまして、これが厳格な意味での法律上の請求権にはならないと思います。しかしながら、政府がこれの補償をいたしますことは、恩恵といつたようなたちのものではないのでございまして、実際に損害がありましたものに対して、政府がその損害を払うということは、これまた当然なことになるわけでございますから、法律の上から生ずる厳格な意味の請求権ということにはなりかねると思いますが、しかしながら、これまた恩恵というたちのものでないことも確かであろうと思うのであります。
#15
○淡谷委員 この法律をつくる根拠についてでありますが、今鈴木委員からいろいろ御質問がありましたように、さかのぼつて、かなり無理をして補償しなければならない、この無理をしてさかのぼらなければならない期間に、一体国連軍がどういう根拠に基いてこれらの土地建物等を使用しておつたか、これをお伺いしたい。
#16
○福島政府委員 今日まで国連軍がこれらの施設の提供を取け、もしくは漁船の操業の制限といつたような関係の事実を生じておりますのは、一九五一年アメリカ合衆国との間に交換された公文、いわゆる吉田・アチソン公文と称するものがございますが、平和条約の効力の発生と同時に、日本国は国際連合が国際連合憲章に従つてとるにかなる行動についてもあらゆる援助を国際連合に与えることを求要する同憲章二条に掲げる義務を引取けることになると述べられているところに基くわけでございます。
#17
○淡谷委員 そういたしますと、すでに国連軍がこういう施設あるいは土地などを使うということがわかつておりましたならば、どうして平和条約発効後、同時にこの措置に出られなかつたのか。アメリカ軍が使用しておつたものだけは、曲りなりにも不完全な補償が行われておりましたが、国連軍のものは放置されておつた。この間隙というのは、一体政府の不手ぎわによるものであるか、それともまた法的な欠陥があつたものか、お伺いしたい。
#18
○福島政府委員 御承知の通り、国連軍協定というものができるということになつておりましたので、できますれば、当然にこの法律の根拠が国連軍協定ということになるわけでございます。私どもといたしましては、国連軍協定のできるのを待つておつたわけでございますが、国連軍協定のできる時期というるのの見通しがつきませんので、二箇年にもなつてしまいましたわけでございます。国連軍協定の成立の時期の見通しについて、私どもこれをただ、できるできるといつて待つたという点につきましては、長くなりまして、その点は非常に遺憾であると考えております。
#19
○淡谷委員 この法律案の内容を見ますと、ほとんど現在アメリカ軍との間に行われている関係と同じように扱われておりますが、現在アメリカ軍の使つております土地、水面等に対する補償の方法は、これで完全だとお考えになつておりますか。この際全面的にこの補償内容あるいは契約の仕方なんというものを改める御意志があるかどうか、お尋ねしたい。
#20
○福島政府委員 今日までやつて参りましたアメリカ関係並びに、今後これに国連関係も入るわけでございますが、われわれが担当いたしまして補償いたしております関係は、補償せられる方々から見れば、必ずしも十分ではないという点が多々あるのではないかと思いますけれども、私どもといたしましては、事務的に事情を十分に正確につかみ、公平と考えられます一定の基準に基いてやつておりますので、政府といたしましては、これらの関係を直すという考えは、今日のところ持つておりません。但し、現実の補償に伴いまして、いろいろに発生するであろう個々のケースその他等に基きまして、事務的には改良を要すべき点等が起りはせぬかという点で、さらに精密な検討を重ねて参りたいと考えておりります。
#21
○淡谷委員 さらにお伺いいたしますが、アメリカ軍の使用につきましては、講和条約発効後の切りかえに、事務上まことに遺憾な点がたくさんございまして、そのためにまだ解決を見ない事例も二、三あるようでございますが、この法律をつくるために、この前の契約の形があのアメリカ軍との間にかわされたと同じような方法をおとりになりますかどうか。端的に申しますと、契約をし直すつもりか、あるいは既成事実として黙つて使つてしまうつもりか、この一点でございます。
#22
○福島政府委員 国連軍関係の問題につきましては、原則として新規の提供をいたさない方針でございますので、アメリカ関係の切りかえのときよりは、問題ははるかに簡単でございますし、手配も完全に参ると考えております。なお、今後提供を受けます関すにつきましては、新たに契約を締結係る方針でございます。
#23
○淡谷委員 この第一条にもうたわれておりますように、特別措置法あるいは土地収用法等がはつきり出て参つておりますが、この契約更新にあたりまして、各地に事例があつたように、地元の人たちが拒否するにもかかわらず、政府が一存で押して行こうとしたような、そういう決意をやはり国連軍に対してもお持ちでございますか。
#24
○福島政府委員 お答え申し上げます。今日まで提供を受けておりました関系を、今後引続き提供していただくということになるわけでございます。申し上げました通り、新規の提供は考えていないということでございますので、今までの関係が、今後に新たに契約を締結されるということになりますが、その間に、地元の方で提供せられた方々が、今後は提供しないということになりますか、そういう実際上の事例にはまだ当つておりません。そういう関係が発生しておりません。発生することが予想せられておりませんので、確たる現実の必要として、そういう方針を考えたことはございませんけれども、法律にアメリカ関係の特別措置法をそのまま引いて参ることでありますから、強制的に使用するという関係があることはあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、あくまで説得をいたしまして、でき得る限り任意の契約によつて使用さしていただくということに、全力をあげて参りたいと思つております。新規の提供がございませんということ、並びに件数も比較的少いというような状態でございますので、具体的な事例としては、強制的に使用するというような事例はあまり起らないのではないかと思います。ただ法律上の問題として、そういう規定があることだけは事実でございます。
#25
○淡谷委員 最後に一点お伺いいたしいすが、水産委員会として、最近李ラインの問題とか、あるいはビキニ環礁の問題とか、漸次漁業操業が縮小されて参つております。従つて、今までございました水面使用の場合の例を見ましても、契約以外の区域で行われたり、あるいは期間等につきましても、漁民との間に非常にトラブルが起つておる例がしばしばあります。この際そういうふうな実態にかんがみまして、もう少し漁船操業の禁止あるいは漁業権に関する措置というようなものを具体的にお考え直しになつていただけませんかどうか、お伺いしたいと思います。
 時間の点につきましても、断続使用するために、表面上は二時間か三時間の使用でございますが、操業に出ます漁船の方から申しますと、事実上一日だめになつておるという例がたびたびございます。指定された区域外でも、たまが落ちるという例もずいぶんございますので、どうせ新しい法律をおつくりになるのでございましたら、そういう今までの法律の不備な点を、もう一ぺんお考え直しになる御意思はございませんかどうか。
#26
○福島政府委員 御指摘の通りの事態があつたことは、事実でございます。従来までのアメリカ関係の操業制限その他に関連いたしましても、その使用条件等が必ずしも明確でないとか、もしくは漁業者各位に徹底していないとか、もしくは地域外にたまが落ちるとか、そういう事態が発生したことがあることは事実でございます。その都度、われわれといたしましては、条件をはつきりさせること、並びに漁業の殊特性に基きまして、漁獲その他の関係で必ずしも時間通りに行かない場合には、アメリカ側に実態を見させた上で時間を譲らせるというような措置を講じて参りましたし、また区域外にたまの落ちるというような問題に対しても、これを抗議いたしまして、厳重に対処いたしておるつもりでありますが、この国連軍協定に基きまして、新たな操業制限その他の法律がきまるわけでございます。法律そのものにうたつてはございませんけれども、告示その他の措置並びに国連側との話合いによりまして、制限の条件その他を明確にすること、かつこれを漁業者各位に徹底させるという面につきましては、遺憾のない措置をとりたいと思います。
#27
○鈴木(善)委員 大蔵省からお見えになりましたので、大蔵省当局にお尋ねをしておきたいと思います。
 先ほど調達庁長官の御言明によりまして、この法律の建前は、国連軍との協定の発効以後のことを規定しておるが。実際上の問題においては、平和条約発効の日にさかのぼつて同様の損失の補償を与えるということを、はつきり御言明になつておりますが、大蔵当局は、ただいまの長官の御言明とまつたく同一の見解に立つて、平和条約発効の日にさかのぼつて補償することには完全に意見が一致しておりますかどうか、これをお尋ねをしたいと思います。
 それから第二の点は、今日までのアメリカ軍隊との補償の問題におきましても、しばしばあつたのでありますが、大蔵当局は、調達庁で算定をいたしましたものについて、一つ一つのケースについて、大蔵当局でもこれに査定を加えるというようなことで、損失補償の支払いがそのために非常に遅延をしておるという今日までの経過でありましたが、予算にきめられた範囲でこれを調達庁に一任をして、そして事務を簡素化し、被害をこうむつた漁業者に迅速に支払いが行われるような措置を講じてもらいたいというのが、被害者側の強い要求でございます。これに対して、今後どういう御措置をとられるか、この二点をお伺いしたいと思います。
#28
○谷川説明員 お答え申し上げます。第一の点については、条約の規定及び法律によりまして、講和発効の日にその補償関係の事項の規定がさかのぼるということに相なつておりますので、その中間において前とあとと差別するという考えはございません。
 第二の点につきましては、今後ともできるだけ迅速に補償の事務が進捗いたしますように、なお一層私ども調達庁と協力して努力して行きたい、かように考えております。
#29
○鈴木(善)委員 第一点についての御答弁は、もう少し明確にお聞きしたいのであります。この法律案がこのままで成立をいたしますれば、先ほど申し上げましたように、法律上の当然の請求権として被害漁業者がその損害補償を政府に請求をするということはできないが、現実に被害をこうむつたものについて、政府が責任を持つて損失補償の責めに任ずる立場はとらなくてはいけない、こういうことでございまして、国民の側からいたしますと、法律上正当な請求権として要求できないというところに、このままの原案では、弱い点があるわけであります。しかしながら、政府の内部において、調達庁も大蔵省も、これは政府の責任において、法律にはそうでないけれども、平和条約発効の日にさかのぼつて損失補償をはつきりやるということに、御意見が一致されておるかどうか、この点を明確にもう一ぺんお尋ねしたいと思う。
#30
○谷川説明員 お尋ねの点につきましては、大体その通り処理するつもりでございますが、ただ国連軍との関係も多少ございますので、方針においてはその通り処理いたしたいと考えておりますが、その実行の面におきましては、さらに研究いたしたいと思います。と申しますのは、法律的な補償ということと、法律の根拠がない場合におきまする補償、すなわち見舞金という形で金を出すかどうかという点は、多少問題が残ると思いますが、大体の方針といたしましては、前とあととを区別してやるということはいたさないつもりでございます。
#31
○鈴木(善)委員 委員長もお聞きになつておりますように、調達庁長官と大蔵当局の御見解は、気持の上ではやや近いように思いますが、実際問題の処理になりました場合に、意見がわかれるおそれがあるように、私ども不安なそこに若干残すものであります。そこで水産委員会といたしましては、よく委員各位とも御相談をいたしまして、そして早急に建設委員長の手元に結論を申し出たい、こう考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
#32
○田中(角)委員長代理 これにて本連合審査会を終了するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○田中(角)委員長代理 御異議なしと認めます。よつて本連合審査会は終了いたしました。
 この際水産委員会の委員諸君に申し上げます。本案に対する水産委員会としての総合的御意見がありましたなら、できるだけもみやかに文書をもつて建設委員長までお申出くださるよう、念のため申し添えます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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