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1953/07/06 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 図書館運営委員会 第4号
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1953/07/06 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 図書館運営委員会 第4号

#1
第019回国会 図書館運営委員会 第4号
昭和二十九年七月六日(火曜日)
    午前十一時五十三分開議
 出席委員
   委員長 伊東 岩男君
      押谷 富三君    庄司 一郎君
      藤田 義光君    神近 市子君
 委員外の出席者
        国立国会図書館
        長       金森徳次郎君
        国立国会図書館
        副館長     中根 秀雄君
        国立国会図書館
        参     事
        (管理部長)  山下 平一君
        国立国会図書館
        参     事
        (建築部長)  吉田 辰夫君
    ―――――――――――――
六月三日
 委員庄司一郎君辞任につき、その補欠として鳩
 山一郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員塚田十一郎君辞任につき、その補欠として
 庄司一郎君が議長の指名で委員に選任された。
七月六日
 委員林讓治君及び松浦周太郎君辞任につき、そ
 の補欠として押谷富三君及び藤田義光君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月三日
 国立国会図書館の運営に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国立国会図書館の運営に関する件
    ―――――――――――――
#2
○伊東委員長 これより会議を開きます。
 本日は、国会図書館の運営に関する件のうち、国立国会図書館の本建築の設計等について御協議を願うことにいたしたいと存じます。
 協議に入る前に、過般懸賞募集いたしました本建築設計の入選作品決定の経過等につきまして、図最館側より報告を聴取することにいたします。国立国会図書館長金森徳次郎君。
#3
○金森国会図書館長 御報告を申し上げます。
 昭和二十八年、つまり昨年の十一月二十日に公示いたしまして、国立国会図書館の建築設計の懸賞募集をいたしました。ところが、当初締切り期日を本年の二月二十八日ということにしておりましたけれども、建築界のいろいろの御希望と図書館側との間に意思の疏通を要するような事情も起りましたので、結局、二月二十八日の締切りというのを改めまして、本年の五月三十一日を締切りとすることにいたしました。締切りの期日までに集まつて参りました応募作品は、合計いたしまして百二十二点でございまして、その大体が国立国会図書館の十分な機能を満足させるために努力せられましたところの応募者各位の御苦心がよくうかがわれたわけであります。当初、建築界との間に意思の疏通を欠いた場合におきましては、何となく熱心に応募しないのではなかろうかというような懸念を事務当局の方で持つておりましたけれども、ところが、それらの紛糾のために、むしろ結果といたしましては非常な熱意をもつて応募されたということになつたと心得ております。
 その審査をいたしまするにつきましては、かねて定まつておりましたところの審査員が一箇月弱の間非常な努力をしてこれを判断いたしまして、まず六月の七日に全体の百二十二点の作品につきまして監査をいたしました。監査と申しますのは、荒つぽく幾通りかにわけまして、比較的価値の低いものとだれもが判断するものを別に区別をした、こういう段階でございます。それから、十四日から十八日まで各審査員が自分の自由な方式に従いまして精密に審査をいたしました。またその間、いろいろ計数上の問題、つまり図書館の要求する必要な座席等が満たされておるかどうかというような意味におきましての事務的な角度からの調査、それから下調べのようなものでございまするが事務側におきまして、精密に研究をして、調査資料の作成をいたしまして、審査員の参考にいたしたわけであります。そうして、十九日と二十日の両日にわたりまして、審査員が最後の判断、つまり詳細な審査を行いまして、いろいろの手続を経まして入選者が決定するに至りました。入選者は、一等、二等各一名、三等が二名、そのほかに佳作が五名、合計九名入選したことになるのでございまするが、その各当選された人の名称、事務所等は、別に印刷物をもつてお手元に差上げておきましたので、煩瑣を避けて一々申し上げないことにいたします。
 なお、一等、二等、三等の懸賞設計の中のおもだつた図面は、本日この部屋に持つて参りまして陳列してございまするので、一応ごらんを願いたいと存じております。
 以上、簡単でございまするが、国立国会図書館の建築設計の懸賞募集の要旨と審査の状況について御報告申し上げました。
 なお、ここに並べてありまする設計図面につきましては、図面だけでは容易にわかりにくい点もございますので、もしお許しが得られますならば、建築の専門職員である図書館員をして御説明申し上げさせたいと存じます。
#4
○伊東委員長 これにて館長の報告は終りました。これより、速記をとめて、建築部長より本設計について補足的に詳細御説明を願うことにいたしたいと存じます。
#5
○伊東委員長 それでは速記を開始してください。
 ただいま建築部長から、建築設計について、図面について詳細御説明があつたのでありますが、別に説明書が提出になつておりますので、速記録にはその説明書を掲載することにいたします。
 本日御協議いたしたいと存じまする事項は、第一に、ただいま説明を聴取いたしました入選作品のうち、いずれを採用して本建築の基本設計とするのが適当であるかという点であります。これについて御協議申し上げます。図書館長からの御意見はありませんか。
#6
○金森国会図書館長 いろいろと懸賞の結果を見ておりますると、形の上にも、それから中の方が図書館の目的に合うように使えるかどうか、こういう点を双方について考えてみたのでございますが、実は、一等と二等とは、図書館側から見ますると、非常によくできておりまして、しいてどれでは困るという意見は述べにくいような気がいたします。しかし、形その他の点、建築技術的な面から見まして、一等の方が二等の方よりもはるかにまさつているというのが建築専門家の意見でございまして、その結果、一等、二等という区別ができたのであります。懸賞募集の初めからのいろいろな経緯もございまして、できるだけ懸賞の結果による順位を尊重したいという気持を持つておりますので、今後予算の関係やらあるいは各方面の御意見等ももとよりあろうと思いますので、一概にすぐにきめるというわけにできませんと思いますが、しかし、事務当局側としては、一等当選の方を中心にして、それを生かすように努めて行きたいというような希望を持つているわけであります。しかしこれとても、各方面の御意見を聞かないうちには、何ともはつきりした所見はございませんです。
#7
○伊東委員長 お諮りいたしまするが、懸賞規定によりて、一等、二等が決定いたしましたけれども、実施設計にあたつては、やはり最終決定がなければならぬと思います。最終決定等については、いかような順序で行くべきものでございましようか、こういつた点について御意見を承りたいと思います。
#8
○神近委員 これは、この間発表になりましたときの新聞を見ておりますと、今まで国会で考えられた予算に比べて、実施予算が非常に少額で済むというようなことをちよつと読んだように思うのですけれども、あれはどういうことですか。
#9
○金森国会図書館長 予算の面はまだほんとうに当つて考えておりません。ただ、応募された人が、自分で一応予算を立てられて、この設計で行くならばこのくらいかかる、こういう数字を示されておるのであります。けれども、これは応募者のお考えであつて、はたしてそれにどこまで価値を置くかということは、技術的によほど考えてみなければなりません。今のところ予算についてはまつたく白紙であります。それに、今まで図書館建築のための予算というものをはつきりきめてとつておるわけではございませんので、年々に、大蔵省との交渉によつて、その年に必要なものをとつて行くというわけであつて、そういう点で、ただいままつたく白紙でございます。ただ、これが懸賞の募集を考えるときに、一応の設計者に対する表明といたしましては、建築費は二十五億円以内とする、こういうふれ出しはしております。けれども、時代もかわりますし、実際に当つてみませんとわかりませんので、その点、今後の問題として、できるだけ安い経費で、しかもりつぱな建物のできるよう努力するというつもりでおります。
#10
○庄司委員 ただいま議題になつております、すでに懸賞をもつて募集した一等、二等、三等、選外の佳作、これらのうち、いずれをとつてこの後の実施設計たらしめるかというようなことは、これは、私ども国会議員としては、中には専門の体験やら経験やら専門知識を持つておられる方もあると思いますけれども、私のような不敏な者に至つては、まつたくこれはゼロでございます。そうかといつて、せつかくでき上つたものでございますから、一等、二等などの長をとり、適当に、国会図書館当局におかれては、この入選関係の審査員を勤めていただいた専門家の諸君等をこの上とも顧問役に願われて、適当な実施設計等を立てられた上において、適正な予算措置の要求に向つて邁進していただきたい、こう思うのであります。要は、私一個人としては、基本設計よりさらに一歩進めた具体的な実施設計等に関する発言の用意も準備もございません。結局これはおまかせする以外にないのじやないかと考えているのであります。設計の説明を今建築部長さんから承りましても、私のような乏しい頭ではなかなかわかりません。ただ、西欧建築等において、過去におきまして読んだ浅い知識から言いますれば、それはゴシツク式の建築にはその時代相が表われて、それぞれ特長もございましよう。あるいはその前のバビロニアあるいはグリーク、ローマの建築様式、それぞれの特長がございましよう。あるいはカトリツク様式、あるいは近代においてはビザンチン、おのおの特長がございましようが、やはりその時代々々によつて一長一短を免れないのであります。今回入選された一等、二等はむろんのこと、三等であろうが佳作であろうが、合せて百二十二の設計者が真剣になつてこの設計に取組んでくださつたこの一事だけでも、近代における建築文化の上に異常なる貢献をされたという、その御功績を深く感謝するとともに、幸いに一等、二等、三等というような選に入つた諸君は比較的優秀なものであつたろうと思いますから、結論としては当局におまかせして、この上とも、この選者になつていただいた専門の諸君の知恵を借りられまして、よりよき設計をすみやかに立てられんことをこいねがう以外に方法がないと考えております。
#11
○藤田委員 私も庄司委員と同じて、質問ではございませんが、当委員会の性格からいたしましても、また予算審議という建前からいたしましても、現在政府当局では三十年度予算の性格を立案中でございます。建築そのものに関しましては、国会といたしましては大体しろうとが多いと思いますので、それらは専門家におまかせすることにいたしまして、本日の委員会におきましては、何とかこれを実現するように、具体的な第一歩を進めるような結論を委員長において考えていただきたいと思います。あいにく現在緊縮財政でありまして、公共事業等も政府では相当しぼつております。従いまして予算はきゆうくつである。その上に、国会の施設というものに対しましては、もう言論機関等が非常な批判を浴びせている状況でございますが、私は、国会図書館当局におきましても、ぜひともひとつ早急に、本年度内においては国立国会図書館の必要性を啓蒙していただきたい。世間におきましては、この緊縮財政の今日、特に中小企業等の倒産、不渡手形の濫発にあえいでいる現在、こういう国民の血税によつてやる厖大な施設は必要でないというような意見があるかもしれませんが、世界各国の実例、あるいはこの国会図書館も、先ほどの建築部長の御説明でもはつきりしたのでありますが、一般大衆の使用するものがスペースの面からいつても非常に広汎な面積を占めております。国民のための、しかも文化国家の象徴としての一つの意義の深い施設であります。そういう観点からいたしましても、苦しい国家財政でありますが、私は、万難を排して三十年度から具体化すべきではないか、かように考えております。整地費というようなけちな予算ではなくして、何とかこれは着工していただきたい。これについて当委員会としては相当強い意思表示をしていいのではないかと考えておりますので、図書館当局においてもその点啓蒙の問題については特に注意していただいて、全国民がこの施設が必要であるという方向に早く輿論をつくつていただきたい。要望を兼ねまして私の意見を申し述べさせていただきました。
#12
○伊東委員長 ただいま庄司、藤田両君より御意見がありました。一等を採用するか二等を採用するかという最終決定については、あまり例もないことであるので、いかようにされるかということも困難な点もあるかと存じますけれども、ただいま御意見のあつた通りでございますので、図書館当局に一任するということで大体よろしゆうございますか。
#13
○伊東委員長 それでは大体そういうことにいたしたいと存じます。
 次に、本建築を実現するにつきましては、実際上の問題といたしまして、予算上の処置その他についての点が多々あると存じます。これにつきましては、本建築の早期実現をはかるよう、強くただいまも図書館側に要望されたのでありますが、この点について、さらに具体的の問題について御意見がありますならば、この際御開陳を願いたいと存じます。
#14
○庄司委員 いかにりつぱな設計ができ上りましても、設計のための設計をちようだいしたわけではないのでありますから、結局設計だけで終るようなことがあつては、いわゆる砂上楼閣、絵に描いたぼたもちということになるのでありますから、ただいま藤田委員も述べられたように、これはどうしても急速に予算の裏づけを確保しなければならないと思うのであります。それには、まず本委員会において委員の総意を結集いたしまして、強く国会に呼びかけ、大蔵当局はむろんのこと、これは国会全体の予算の増額となることと思いますので、それには各党各派の御賛成、御協力をいただく意味において、来るべき臨時国会等において、本会議に、国立国会図書館の本建築促進に関する決議案というようなものを提出され、満場の御賛成を得ると同時に、政府の所信をただしておく必要があると考えるのであります。よつて、別に特別な文案もございませんけれども、その要点は、国立国会図書館は、その本建築について、今回応募採用した設計図に基いて基本設計をすみやかに作成し、予算折衝上の努力を重ね、すみやかに本建築の実現を期せられたいという趣旨のもとに決議案を提出したいと考えるのであります。つきましては、その前提として本委員会の総意をもつて御同意を得ることが必要であると思いますが、委員長よりお諮りを願いたいと思います。
#15
○伊東委員長 ただいま庄司委員より国会図書館建築の推進に関する決議案が提出されたのであります。御意見いかがですか。異議ございませんか。
#16
○伊東委員長 それではさよう決します。これに対して図書館側から御意見があるならば承つておきます。
#17
○金森国会図書館長 いろいろと皆様方の御厚意ある結論をくださいまして、まことにありがたい次第と思つております。図書館が生れてから、もう年六経過いたしますが、赤ん坊に着物がないという状況でございまして、私の責任でもあるけれども、そうかつてなことも考えられません。だんだんと時代が図書館のためには都合がよくなつて来た、どうかしてこのときに、できるだけ早い時期に本建築ができるように、そうすればわれわれも理想通りのサービスができる、かように考えております。これが予算となりますと、どうもわれわれ微力であつて、毎年困難な状況に陥つて、辛うじて細々とした命をつないで来た状況でありまして、まことに相すみませんけれども、この上とも御尽力をお願いしたい、かつてな希望でございますけれども、かように思つておるわけでございます。
#18
○伊東委員長 ただいま図書館長からも御希望があつた通りでありますので、きよう決議の趣旨及び予算獲得等の問題について、即時委員長及び図書館長その他の関係者が、一緒に、議長あるいは議院運営委員長等に会つて、その趣旨を徹底しておきたいと存じます。
 次に、設計図等は、これを議員諸君の参考に資するため、院内の適当な場所に掲示したいと存じます。そうして国会図書館の新設計その他について、よく議員諸君の了解を得ておくことが、将来予算獲得などについても好都合と存じますので、適当な場所に掲示したいと存じますが、どういう方法でやつたらいいか、御意見がありますならば承りたい。
#19
○藤田委員 委員長と図書館側におまかせします。
#20
○神近委員 食堂かなんかにあいておる壁間がございます。あそこに掲示なさいまして、相当詳しい説明書か何かをおつけになる必要があると思います。ごく簡単で、あまりこまかい字でなくちよつと離れていても読めるような字ではつきりと願います。全部の壁間があればいいと思いますけれども、おもなものだけでも、はつきり見ていただいた方がよろしいと存じます。私どもここに来まして、ああいうものができるということを考えますと、早くほしいような気持になりますから、同じようにみんなが関心をお持ちになるようになると思います。説明書だけはやはりお入れになる必要があると思います。
#21
○伊東委員長 ただいま神近君よりも御意見の御開陳がありましたが、食堂もしくは議長応接間等適当な場所を選定いたしまして、簡単、率直に議員の認識を得る方法をとるようにとりはからいます。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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