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1953/11/26 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第34号
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1953/11/26 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第34号

#1
第019回国会 郵政委員会 第34号
昭和二十九年十一月二十六日(金曜日)
    午前十一時二十四分開議
 出席委員
   委員長 田中織之進君
   理事 羽田武嗣郎君 理事 船越  弘君
   理事 大高  康君 理事 濱地 文平君
   理事 山花 秀雄君
      飯塚 定輔君    河原田稼吉君
      坂田 英一君    石田 博英君
      櫻内 義雄君    片島  港君
      土井 直作君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 委員外の出席者
        郵政政務次官  松井 豊吉君
        郵政事務官
        (大臣官房人事
        部長)     宮本 武夫君
        郵政事務官
        (郵務局長)  松井 一郎君
        郵政事務官
        (経理局長)  八藤 東禧君
        専  門  員 稲田  穣君
        専  門  員 山戸 利生君
    ―――――――――――――
十月二十六日
 委員齋藤憲三君及び早稻田柳右エ門君辞任につ
 き、その補欠として櫻内義雄君及び大麻唯男君
 が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員小峯柳多君辞任につき、その補欠として三
 池信君が議長の指名で委員に選任された。
十一月五日
 委員井手以誠君辞任につき、その補欠として佐
 藤観次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員佐藤觀次郎君辞任につき、その補欠として
 片島港君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 山花秀雄君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 参考人招致の件
 郵政従業員の給与問題に関する件
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 それではただいまより郵政委員会を開会いたします。
 本日は御多用中にもかかわらず差繰り合せて御出席を願い、厚くお礼を申し上げます。
 まず理事の補欠選任についてお諮りをいたします。去る十月二十五日理事山花秀雄君が委員を辞任され、理事が欠員となつております。先例により委員長においてその補欠として山花秀雄君を再び理事に指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中委員長 御異議ないものと認め、さように決します。
#4
○田中委員長 次に、郵政従業員の賃金改訂問題については、本委員会において閉会中しばしば調査を進めて参りましたが、去る二十四日組合側に対して中央調停委員会よりその調停案が示されました。しかし組合側はこの調停案を不満としており、すでに各地において郵便物が滞貨し、郵政省当局との紛争状態はますます激化される傾向にありますので、これが対策等について調査を進めたいと存じます。
 なお本日は公共企業体等中央調停委員会の高木委員長及び中村第二小委員長の御出席を願い、本調停案が決定いたしました経緯等につきまして御意見を聴取する予定でございましたが、御両人とも所用のため本日は出席できかねるとの連絡がありましたので、いずれ明日また委員会を開きまして御出席を願うことにいたしたいと思います。
 まず郵政当局より、去る二十四日中央調停委員会より提示されました調停案に対する見解を伺いたいと存じます。宮本人事部長。
#5
○宮本説明員 二十四日に中央調停委員会より調停案が示された次第でございます。
 調停案の内容につきましては私から申し上げるまでもないと思うのでありますが、組合が要求しておりました最低賃金制を含む賃金改訂並びに年齢保証給の制度につきましては、この際調停委員会としては取上げないということになつております。しかしこの際郵政事業につきまして解決をせなければならぬと思わるる事項について、三項につきまして調停案を提示いたしております。その三項目は、第一点は職員の賃金体系につきまして郵政事業の実態に応ずるようにこれを改訂すること、第二番目といたしまして郵政職員の給与の不合理、不均衡を是正すること、第三項といたしまして職員の昇給、昇格制度を確立すること、この三項についてはすみやかに両当事者間におきまして団体交渉によつて決定せよ、こういうのが調停案の内容でございます。
 この調停案の主文であります三項目につきましては、私どもとしまして一昨日夕方この調停案が出ましただけでありまして、目下省側におきましてこり内容を慎重に検討中であります。大体一週間以内に調停委員会の方に対して御回答申し上げることになつておる次第でありますが、目下のところこの内容につきまして、郵政事業の現状かり見ましていかにすべきかということに検討中でございまして、具体的にたんいまその結論まで到達していないということを申し上げたいと思います。
#6
○田中委員長 ただいま郵政省側より、この調停案についての諾否は目下検討中であるという御答弁でございますが、御承知のように全逓労組としては昨日からもかなり熾烈な、この調停案に不満を織り込んだ要求貫徹のための運動が続けられておるのでありますが、この事態の推移を勘案いたしまして、まず省側がこの調停案に対する諾否を早急にきめることが、ある意味から見れば現在進行中の紛争の解決の上においても必要な処置ではないかと思うのでありますが、大体いつごろまでに省側としての諾否の結論が出されるのか、その見通しについて伺いたいと思います。
#7
○宮本説明員 委員長の仰せられたごとく、現在の紛争と申しますか、ストにつきまして、できるだけこれを早期に収拾したいということは、省側ももちろん十二分に考えておる次第でございます。従いまして目下の紛争はもちろんこの調停案だけについての問題でありませんし、さらにまた年末のいろいろな問題についての諸要求もあるようであります。しかしながら少くとも本例題が紛争の一つの目標となつておることはもちろん明瞭であります。従いまして私どもといたしましてもできるだけ早く結論を出しまして、委員会に対しまして御回答申し上げたいと存ずるのであります。二十四日に調停案が出まして、一週間ということになりまして、十二月一日までにはこの回答を出さなければならぬということになつております。従いましてあと幾らも日にちはありませんし、おそくとも一週間後でありますが、私どもとしましてももちろんなるべく早くその結論を得たいと思つておりますが、ただいまここで何日までというところまではちよつと申し上げかねる状態でございま
#8
○田中委員長 それではそれに関連いたしまして、現在全逓労組との間に紛争が続けられておる関係から、新聞紙等によりますと相当郵便物の積滞等が出ておるように報じておるのでありますが、その実情について御報告を願います。
#9
○宮本説明員 郵便物の状況につきましては、郵務当局から御答弁申し上げた方がしかるべきかと存じます。私からは昨日の状況を申し上げたいと思います。二十五日の状況でありますが、御承知の通り去る十一月九日から十一日まで、次に十七日から十九日まで二回実力行使があつた次第でございます。さらに引続きまして昨日より第三波と申しますか、第四波と申しますか、始まつておる次第でございます。私どもの方の調査によりますと、今回の闘争と申しますか、実力行使につきましては、組合の方は当初は三割を越す休暇戦術を予定しておつたようでありますが、その後若干その予定と申しますか、計画というものがかわつたようであります。全国的に二割の休暇をとり、さらに定時退庁を実行するというのが、大体の方針のように聞いておる次第でございます。
 昨日の実際の状況はどうかということを申し上げますと、全国におきまして普通局が約八百九十ほどございますが、そのうちこの実力行使を行いました実施局は三百七十六という数字に相なつております。その局について実際どれくらいの休暇があつたかということでございますが、私どもの調査によりますと、全国を平均いたしますと、二十五日の休暇者のその職員に対する割合は一一・七%になつております。もちろんこれは全国平均の数字でございまして、これを各郵政局管内別に見ますれば、少いところでは東京の五、六パーセントの程度から、多いところでは一五%、一六%という数字になつております。もちろんこれは郵政局管内を通じました平均の数字でありまして、個々の現業局につきましてはその間若干の差がありまして、あるいは一八%、一九%、ごく少数の局におきましては二〇%まで達したところがあるようであります。しかしながら全体の数字といたしましては、ただいま申し上げました通り一二%弱という数字を示しております。さらにまたこれが実際に休暇をとつた者の職員に対する割合の数字でございますが、平生におきまして私どもの見当におきましては大体四、五パーセントの者は年次休暇をとつているようであります。従いましてただいま申し上げました全国において一二%弱というものと、平常の休暇を与えております五%前後との差が、今回の実力行使による休暇者ということに相なる次第でございます。私どもの方といたしましては現業局長に対しまして休暇の申請がありました場合には、業務の運行を確保できる範囲内において休暇を付与すべきか付与すべからざるかを判断して、業務の運行にさしつかえないと認めた場合にはもちろん休暇を承認する態度に出ております。平生の休暇よりも、こういうふうな際でありますので、ただいま申し上げました通り相当数の休暇者が出ておるのであります。これが実際の業務上に及ぼした影響ということにつきましては、新聞等で相当の数字が報ぜられておる次第でございます。その具体的な数字につきましては郵務当局からお答えを願うごとにいたしまして、全般的に見まして、私どもの方でキヤツチしましたものといたしましては、物数の点はしばらくおきまして、若干の局におきまして業務命令を出したが、もちろん大部分の者が出勤いたしております。所によりまして、ごく少数の局におきまして業務命令に対して出勤しない面もあつたようであります。しかしながらそういう関係で出勤しましても、時間が遅れる、あるいはまた出勤しましてもいろいろとその場で団体交渉その他のことがありまして、若干のいざこざがあつたようであります。そういう点からいたしまして、仕事を始める時間が平生よりも三脚間あるいは二時間というようなのが大体のところであつたようでありますが、遅れた。そのために配達に出かけるのがそれだけ遅れたというのが若干あつたようであります。さらにまた所によりましては、配達は普通日に二回やるのでありますが、一号便と二号便を一緒にしてこれを配達したというところも、ごく少数の局でありますがあつたようであります。大体そういうことかあつたのでありますが、全般的に見まして私どもの察知し得ました状況といたしましては、郵便物自体の運行と申しますか、業務にはそう大した著しい支障と申しますか、障害、具体的に申しますれば、著しい多くの郵便物の滞貨というものがなかつたように私どもは判断いたしおる次第でございます。私から以上申し上げます。
#10
○田中委員長 それでは引続き郵務局長から、新聞紙等が伝える全逓労働組合のいわゆる第四波闘争による郵便物等の滞貨が、相当莫大な量に上つておるというようなことの実相について御報告を願います。
#11
○松井(一)説明員 すでに人事部長からの先ほどの御説明で、現在の休暇闘争によつて実際に欠務となつておるものの数字については御説明があつたわけであります。その数字で大体御想像がつくと思いますが、現在のところ全般的に見まして、ことに中央郵便局とかそういう大局におきましては、これは著しい滞貨であるというふうにみなされるほどの滞留はないという報告を受けております。ただ二、三の局におきましては、先ほど人事部長の説明にありましたように、休暇を願い出る、あるいは業務命令を出すといつたようないざこざのために勤務時間が少くなり、そのために配達が若干定時より遅れる、あるいは一号便と二号便とが一緒になつたりというような局は若干あるようでありますが、全般的に見まして新聞紙に報ぜられておるような大きな滞貨があるという報告は現在受けておりません。
#12
○田中委員長 ただいま人事部長並びに郵務局長より御報告のありました点に関連して御質疑はございませんか。
#13
○山花委員 今日の委員会はせんだつての調停案をめぐつて、この問題の早期処理解決のための委員会だと考えておるのであります。この調停案がわれわれ委員のもとに配付されてありますが、委員長の説明を具体的に聞かないとなかなか理解できないものもたくさんございます。何か聞きますと、今日は委員長が出席されないという報告も聞いておりますし、それから担当の直接責任者である郵政大臣もまだお見えになつておりませんが、後ほど郵政大臣はおいでになるのかどうかという点。それから小委員長が今日は出られなくても、明日あたり出られるかどうかという点につきまして、ひとつ御説明を願いたいと思います。
#14
○田中委員長 まず郵政大臣の本委員会への出席でありますが、ただいま閣議中でございますので、閣議が終了次第本委員会に出席をされるという通告を受けております。中央調停委員会の高木委員長並びに中村小委員長についてはただいま中央調停委員会の庶務課長より連絡が参りまして、今週中は委員諸君それぞれの都合もあるということでございましたが、高木調停委員長は今夕帰京されるということでございますので、まげて明日午後の委員会へ御出席を願うように御連絡を、ただいま庶務課長にいたしたような次第でございます。
#15
○山花委員 この審議を進めて行く上に、やはり提案された調停案を中心に、われわれ委員としても十分理解を深めて審議を進めて行きたいと考えておりますので、委員長の明日午後の出席はぜひとも間違いないように、委員長の方から関係者の方へそれぞれ連絡をとつていただいて、実現をしていただきたいと思います。
 それからただいま人事部長また松井局長の方からいろいろ御説明を承りましたが、要は今度の紛争を一日も早く解決をするために、われわれも側面的に努力をして行きたいと考えておりますので、やはり最後の見解とか断と申しましょうか、これは郵政大臣に出席をしていただいていろいろ聞きただしたい点もたくさんございますので、郵政大臣においで願うことと、それから調停委員長の出席についてひとつ努力していただきたい。それから質問を続けて行きたいと思いますので、ぜひともそのようにおとりはからいを委員長に願つて、委員長なり郵政大臣が参つてから質問を続けて行きたい。
#16
○田中委員長 ほかの委員諸君、いかかでございますか。
#17
○飯塚委員 大臣のおいでになる時間は大体おわかりでございましようか。それでなければ、明日の午後からの委員会においてまとめて質疑をした方がいいのではないですか。
#18
○田中委員長 今閣議が終了したようで、新聞記者会見をやつておるようですから、間もなく見えるかと思います。それまでの間どなたか質疑がありましたら……。
#19
○船越委員 宮本人事部長にちよつと伺いたいと思いますが、この年次休暇を与える場合には、先ほどのお話のように業務に支障を来さない範囲内でお与えになる、こうういうようなお話でございましたが、この二十五日の統計によると一一・七%の年次休暇の許可を与えておるというふうなお話のように聞きました。そうしますと平時においては約五%程度の年次休暇を与えておる、結局その差額の六・七%程度が、このたびの四波闘争の影響を受けて年次休暇を与えられておつたのだ、こういうふうに私聞いたのです。その結果国民に影響を与えるほどの郵便物の滞貨の影響はないというお考えのように聞いたのですが、もう一度その点を御説明願つておきたいと思います。
#20
○宮本説明員 ただいまお話の通りに、昨日の実際の状況は一二%弱というのが全国平均の数字でございます。それに対しまして平生におきましては大体五%前後と私ども見込んでおります。もちろんその局の実態によりまして、平時において休暇を与えておる率は必ずしも各局一定しておりません。五%よりももつと多く、六%あるいは七%も与えておる局もあるようであります。二画また五%よりも低いところもありますが、大体五%を前後するのではないかというふうに見込んでおります。従いましてそれ以上のものが今回の実力行使によつて休暇をとつた、こういうふうに相なつておるのであります。
#21
○船越委員 そうすると六・七%がこのたびの第四波闘争によるところの年次休暇をとつた人ということになります。その結果は、郵便物の滞貨がさして国民に影響を与えるほどのものでなかつたというお話のように聞きました。また松井郵務局長もそういう御答弁をなさいましたが、その点はお間違いないのでございますか。
#22
○松井(一)説明員 国民に影響がさしてあるかないかという点については、考え方の問題だと思いますが、現在でも平生通りのものが行われておるかというと、いろいろな面におい部分的には若干たまつておるという点ももちろんあります。しかしそのために今日郵便としての必要なことが阻害されておるかというと、それほど大きなものではない。もちろんそういう状態が今後何日も続いて参りますと、そういうものが重なつて、だんだん大きくなると思いますが、現在までのところはまだそれほどの支障はない、かような意味であります。
#23
○船越委員 それなれば程度の差ということになりまして、結局結論は出ないと思いますが、私の聞きたいところは、郵政事業に従事しておられる職員が、平素いろいろ努力をなさつておられる。われわれとしても現在の定員が、はたしてその業種にそぐうたところの定員であるかどうかというところに、いつも非常に悩まされておるのでありますが、少くとも七%程度の人がこのたび欠勤をしておるのに、郵便物の滞貨がないということになると、現在の定員がはたして業務量に適したところの定員であるかどうかということに疑いを持つような気がいたしましたので、御質問申し上げたのでありますが、その点については、人事部長なり郵務局長はいかなるお考えでしようか。
#24
○松井(一)説明員 私どもは現在の定員が決して甘いものとは思つておりません。その上にこういう欠勤があるわけでありますから、もちろんその間において若干の事務の渋滞ということは当然起きて来ると思います。しかしこれは郵便の仕事でありまして、定員とか何とか申しましても、そのときくのやり方によりまして若干のマージンは持つております。またこういう状況が長く続きますと、おのずからそういうものの欠陥というものが大きく出て参ります。現在までのところわずかな期間であります関係上、それが著しく大きく出ておるという状態にはなつておらぬ、かような状況でございます。
#25
○片島委員 先ほどの人事部長の御説明では、この調停案の勧告文に一、二、三と並んでいるこの三項目については、ただいま受諾するかしないか慎重に検討中であるというお話であります。もちろんこれは組合側に対しても勧告されておりますので、組合の態度もまだ決定いたしておりませんから、これをこのまま受諾するからといつて、紛争が解決するということにはなつておらぬわけであります。ところがこの内容を検討中であると言われているのでありますが、第一項目は「郵政事業の実態に応ずるよう改訂すること。」これはあたりまえのことであります。二番目、三番目は「給与の不合理、不均衡を是正」「職員の昇給、昇格制度を確立すること。」となつているのでありますが、これを文字通り、またこの理由に説明してあることをよく分析して不合理、不均衡を是正し、昇給、昇格の制度を確立するということをこのまま受諾するとなりますれば、どの程度の財源が必要になる見込みでありますか、そろばんをとつておられますか。
#26
○塚田国務大臣 この調停案を受諾するかしないかということは、先ほど人事部長からお答え申し上げたように、まだ最終的な結論を出しておらぬわけであります。しかし私はこの調停案の主文に盛られてある三項目は、抽象的にこれを見ます限り、こういうところがあるならば御指摘のように直すのがあたりまえであるという考え方を持つておるのでありまして、これが抽象的に見られる限りは別に一つも異論はないのでありますが、ただ実際にそれではどこにどういう不合理があり、それをどの程度に直して行くか、またどこにどういう不均衡があり、それをどういうぐあいに直して行くかにつきましては、これは予算の総額、経営費の総額に響いて来ますし、ひいては郵政事業の全体の収支の状況を見なければ結論を出せないので、今申し上げたように検討中であるというお答えにならざるを得ないわけであります。従つて今お尋ねの、一体今二項、三項を実施したならばどれくらい予算が不足するのかということは、どういうぐあいに不合理、不均衡を是正するか、またどんな考え方で昇給、昇格をするかということと相関的な関係になりますので、んだいま私どもといたしましてどれだけの金額というように計算できる状態にはなつておらないのであります。
#27
○片島委員 この三項目の実施については、団体交渉によつて決定することとなつておるのであります。この問題については組合側と団体交渉する場合に、ある程度の省側としての態度がきまつておらなければ、団体交渉に応じられないと思いますが、その点はいかがでありますか。
#28
○塚田国務大臣 おつしやる通りでありまして、現に一項目と三項目については団体交渉がつい最近始められておるのであります。第二項目についてはまだでありますが、この三項目のいずれにつきましても団体交渉に入り、そうしてそれが最終的な妥結になり、あるいは話合いがつかないにいたしましても、本格的な折衝に入るまでに、私どもの態度を決定しなければならないことは御指摘の通りであります。
#29
○片島委員 この問題は非常に政治的な問題になつて来ると思うのであります。またほかの組合にも関連して来ると思うのでありますが、団体交渉してどこれを受諾するかしないかということを決定して、一週間以内に回答しなければならぬことになつておるのでありますが、大臣はいつごろまでに省側の態度を決定されるつもりでありますか。
#30
○塚田国務大臣 回答に一週間の期限があることは承知いたしておりますので、それを頭に置きながら、目下内部においているくと検討を進めております。
#31
○片島委員 非常にこの勧告はなまぬるい勧告でありますが、組合側からは相当強い要求が出されておつたわけであります。三十年度の予算におきましては、従業員の給与是正に関する財源としては、大蔵省に提出をせられた予算の中にはどの程度の増額が見積つてありますか。
#32
○八藤説明員 先般当委員会において三十年度の概算要求書の概要について御報告申し上げております。まだ大蔵当局側からのこれに対する検討の結果の通報を受けておりません。私どもの提出しました概算要求におきまして、増員予備費という点においては俸給総額にもちろん含まれております。また若干の昇給原資は過去の例から見て必要と認むる額をあわせて要求し、これらの基本給等に伴うところの各種の工当等についても、それぞれ私どもの必要とするところの額は、先般申し上げましたように概算要求いたしております。
#33
○片島委員 そうすると三十年度の予算については、今まできまつておる定期昇給の原資だけを見積つてあるのでありますか。増員は別でありますか。
#34
○八藤説明員 二十九年度におきまする各種給与のスケールを使いまして、それに必要な予想せられる増員等をプラスしただけであります。
#35
○片島委員 増員をやれば給与総額がふえるのはあたりまえでありまして、増員をしなくても当然給与の是正をやるということになれば、定期昇給以外に原資を見積らなければならぬのであります。それが見積つてないということになりますれば――当然このこの勧告二、三を実施する、不均衡、不合理を是正するということは、山を削つて谷の方も埋めるということではないと思うのであります。そうすれば、財源は一つもいらないで、この方は少し高いから削つて低い方を埋めようというようなことも是正の方法でありましようが、しかしこの主文の理由の説明には書いてありませんから、不合理、不均衡を是正し、昇給、昇格制度を確立するということになれば、当然新たな財源が必要となつて来ると思うのであります。省側の態度がそういうようにきまりました以上は、さらに現在大蔵省に提出しておる予算の補正を行うことになるのでありますが、そういうお考えでありますか。
#36
○塚田国務大臣 これは片島委員も御承知のように、予算を組みますときには、政府の方針としてはつきり昇給をするというようにきまつてない限りは、現在の単価でもつて計算をして予算を組んでおくということが例でありまして、従つて今の場合におきましては、三十年度の予算におきましては、ただいま経理局長が申し上げましたように、昇給というものはもちろんその中には全然考えておらぬわけであります。ただ今度調停が出て参つたのでありますから、これをどの程度までこちらがのむか。もしかこの方針に従つて措置するかということがきまりまして、御指摘のように予算に不足があるということになりますれば、補正予算ということになると思います。ただ見通される今日の段階では、給与を上げるということのためにさらに補正予算を組んで給与総額をふくらますということは、おそらく非常に困難な情勢ではないだろうか。従つてまたそれから逆に押して来まして、そういう情勢が考えられるならば、この不合理、不均衡を是正するということも、総額に大きな響きが起らぬ程度においてしか今の段階ではできないのではないか、こういう判断を一応しておるわけであります。
#37
○片島委員 この勧告は非常になまぬるいものでありまして、組合としてはおそらくこれは受諾できないのではないかと思うのでありますが、その場合に、組合から相当強い要求事項が出ておりますのを、給与に関して三十年度予算に全然織り込んでおらないということは、私は非常に誠意のない態度ではないかと思うのであります。しかし勧告がいくらなまぬるくても、出た以上は、政府としてはこれを受諾するということになりますれば、当然補正予算といいますか、予算を追加しなければならぬと思う。かりに現内閣が続くということになりますれば、大臣はこの勧告が実施できる程度の予算をさらに追加をするというお考えでありますか、どうですか。吉田内閣としてはそういうところまで気がまわらぬかもしれませんけれども、かりにずつと続くということになりますれば、この程度のものは受取ろうというお考えでありますかどうか、はつきりした腹の中をひとつお聞かせ願いたい。
#38
○塚田国務大臣 はつきりした腹というお尋ねでありますが、先ほど後段に申し上げましたように、今日の郵政事業の特別会計の経理の状況、収支の状況、それから一般の国の給与に対する政策、その他広く経済政策、財政政策全般の判断からいたしまして、給与総額を広げて行くということはおそらくできないのじやないだろうか。従つて私どもとしては少くとも三十年度の予算においては、そういうことが考えられないという考え方で今いるわけであります。
#39
○片島委員 それでは大体この勧告は受諾できないというふうに今の大臣の御答弁ではなるのでありますが、そういう考えですか。
#40
○塚田国務大臣 これは勧告が御指摘のように非常に抽象的になつておるものでありますから、どの程度を要求されておるのか、十分突き詰めてみなければわからぬのでありますが、しかし先ほどの片島委員のお尋ねの点にもありましたように、総額の中で不合理、不均衡を是正するということもあり得るわけでありますから、なおよく検討してみて、その点についての結論を出したいと思つておるわけであります。
#41
○片島委員 この内容につきましては、明日調停委員会の責任者に出席を願つて、さらに詳しく説明を聞かなければ内容がわからぬのでありますが、しかしながら事務当局としてはすでに調停委員会からこの内容について説明を聞かれておると思うのでありますが、そういたしました場合、これを調停委員会が言うような考え方によつて是正するとなれば、相当の財源が必要になるかと思うのでありますが、そういう点は調停委員会の方から説明を聞かれて準備をして見られましたか、事務当局の御説明を願いたいと思います。
#42
○宮本説明員 この点につきましては、ごらんの通りこの調停案が、申請されました調停事項と申しますか、第二点につきましては全面的にこれを取上げないと言いまして、委員会の独自な立場におきましてこの三項目につきまして主文のような調停案が出されたのでありまして、事前にこういうことにつきまして十分私どもの方に御相談があつたわけではございません。一昨日の調停委員会においてこれが出て参つた次第であります。従いましてこの点につきまして、ただいまお尋ねのような計算というようなことはできておりません。
#43
○片島委員 一週間という期日が限定せられているのでありますから、これを受諾するかしないかは大臣の最後的な断によつて決定するのでありますが、少くとも事務当局としては、大臣か決断をせられるその資料として、すみやかにこの内容を具体的に検討していただかなければならぬと思うのであります。それでないと、われわれがここで審査を進める上においても、どうもこれ以上進展いたさないのであります。あしたの午後の委員会あたりででも、ある程度具体的な御答弁ができるように準備をお願いすることといたしまして、私の本日の質問はこれで打切ります。
#44
○田中委員長 ちよつと郵政大臣に伺いますが、先ほどから、どうも給与は引上げられないという政府のデフレ政策からの基本方針と、偶然でありますけれども、今度の調停案で基本給は引上げないということは一致するわけなんですが、実はこの前の全専売の調停から今度の五つの調停に一貫してそうしたものが出ている関係から、政府が中央調停委員会に政治的な圧力を加えたのではないかというようなことが新聞紙等にも出ている。何かそういうことについて閣議等で、所管の労働大臣を通じてそういうことをやられたことがあるかどうか。もしそういうことであるとするならば、現に第四波の闘争が進められて、政府はこれに対して労働大臣の談話をもつて、調停案が示されているのに、仲裁の段階まで行かないでこういう実力行使をやることはけしからぬ、こういう政治的な、今までかつてないような見解を表明していることと関連して、どうも中央調停委員会に政府が圧力を加えたのではないかという疑いが相当濃くなつて来ているのですけれども、何かそういう点については閣議等で話し合つたことがあるのかどうか、大臣に伺いたい。
#45
○塚田国務大臣 結論から申し上げますならば、そのようなことが閣議において問題として取上げられたことは、いまだかつて一度もありません。大体このようなことは、全専売の報告が出たときに、初めて私も閣議においてこういう結論が出たということを承知した程度であります。また私は調停委員会の性質として、政府がそのようなことをするようなことがあつては、調停委員会の――仲裁委員会も同様でありますが、権威について問題を起すというようにも考えられますので、政府としては断じてそういうようなことをすべきでないと考えておりますし、従つてまた私の所管の郵政の問題だけについても、私自身としてそのようなことをいたしたことは毛頭ございません。
#46
○田中委員長 それから先ほど人事部長及び郵務局長より、第四波闘争に至るまでの郵便物の積滞あるいは勤務関係等について御報告を伺い、さらにこの点については昨日の実際の状況によると、普通よりも大体七%程度年次休暇等をとつている者が多くなつているという報告がありまして、いつもより七%程度休暇をとる者が多くとも、別に郵便物の配達その他の関係においてさしたる支障がないのだということになると、郵政職員の定員についてもその程度、合計して一割二分程度の休暇が行われておつても業務にさしつかえないというのなら、定員をもう少し圧縮する余地があるのじやないかというような船越委員等からの質問が出て来ているわけなんですが、実はやはりある意味から見れば、労使対立している段階において、かなりの痛手を受けておつても、痛手を受けておらない、こういうことを言わざるを得ないのが、郵政の場合においても省側の立場ではないかということは理解できるのでありますが、もしそういう実情であれば、来月に予想せられる第五波の闘争は、もつと苛烈なものになるよ思うのです。しかしながら年末、ことに年賀郵便その他郵政省関係の業務が非常に輻輳して来る段階において、さらに現在よりも苛烈な実力行使の闘争が行われるというようなことは、やはり政治が行われている以上避けるべきがほんとうだと思うのです。そういう観点から今度の調停並びに調停の立場を離れた形においても、現在の郵政当局と全逓労組、さらに九公労の間に起つている紛争で、政府としては来るべき臨時国会における補正予算等において、かりに給与ベースの引上げはできないとしても、年末手当の増額なりあるいは一時金の支給なり、そういう形でこれを政治的に解決する準備が全然ないのかどうか。私はもしこのままに放置するならば、予想せられる第五波闘争はいまだかつて見られない深刻なものになり、影響するところは非常に重大だと思うのですが、その点は国務大臣の立場において、どういうようにお考えになつているか、伺つておきたいと思います。
#47
○塚田国務大臣 ベースの引上げの点につきましては、おそらく今年は無理じやないかと考えられるのでありますが、手当の点につきましては、今はつきりと全然考えられないと申し上げられるところまでは、私どもの間での話合いも進んでおりません。ただ全体として感じられることは、ことに私が郵政大臣として特に郵政特別会計について感じられることは、なかなか収入が伸びないものでありますから、手当の場合におきましても、従業員諸君の御苦労、それからいろいろな必要は十分察しられるにかかわらず、なかなか十分な措置ができないのではないかという、自分としては、所管の事項については見通しをしている。しかし最終的には、昨年の例からしましても、ある程度各企業のバランスをとるということもあるでありましようし、全体の公務員と公企業体の職員とのバランスという問題もありましようし、郵政の特別事情が非常に困難な事情があつても、他のものがある程度の線できまるときには、それと歩調を合せた線ぐらいは確保できるのではないか、またそのようにしなければならないと考えて努力をいたしている。それでは全体としての状態はどうかということでありますと、今申し上げますように、全然まだ結論が出るというところまで話合いはいたしてないのでありまして、今後の問題として、おそらく関係各省並びに大蔵省との間で十分検討がなされるであろう、こういうように考えてるわけであります。
#48
○田中委員長 ほかに大臣に対する質疑はありませんか。それでは先ほど山花委員からも、中央調停委員会の委員長から調停案が出された経緯及び根拠等についての説明を伺つた上で、郵政大臣並びに委員長に対する質疑も行いたいという申出もありますので、本委員長としては明日午後本委員会を開会いたしまして、その席上には少くとも中央調停委員会の高木委員長を参考人として御出席を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○田中委員長 それでは明日調停委員会としての考え方等を伺つて、さらに本問題についての調査を続行することにいたしたいと思います。
 本日はこの程度で散会をいたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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