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1953/02/12 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第3号
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1953/02/12 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第3号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第3号
昭和二十九年二月十二日(金曜日)
    午後一時五十一分開議
 出席委員
   委員長 成田 知巳君
   理事 岩川 與助君 理事 塩原時三郎君
   理事 庄司 一郎君 理事 原   茂君
   理事 甲斐 政治君
      菊池 義郎君    齋藤 憲三君
      廣瀬 正雄君    片島  港君
      松井 政吉君    松前 重義君
      三木 武吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  飯塚 定輔君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      長谷 慎一君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  金光  昭君
        郵 政 技 官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  庄司 新治君
        日本電信電話公
        社総裁     梶井  剛君
        日本電信電話公
        社副総裁    靱   勉君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電気通信事業の経営並びに電波管理状況に関す
 る件
    ―――――――――――――
#2
○成田委員長 ではただいまから開会いたします。
 日本電信電話公社総裁より、公社の事業経営状況に関して発言を求められております。これを許します。梶井総裁。
#3
○梶井説明員 ただいまから昭和二十八年度及び昭和二十九年度の日本電信電話公社の運営上のおもな問題につきまして、私から概略御説明申し上げたいと存じます。
 昭和二十八年度すなわち本年度は、私からあらためて申し上げるまでもないことですが、公社発足の第二年度でありまして、公社法が全面的に実施せられましたほか、年度中途からではありますが、有線電気通信法、公衆電気通信法が新たに制定実施せられ、通信料金の大きな改訂が行われ、また電信電話施設拡充整備の長期計画も設定されたのでありまして、実にわが国電信電話事業発展の基礎が確立された年であります。本年度の事業の経過につきましては、すでに前回及び前々回の国会において御報告いたしてありますが、本年度も余すところ二箇月ほどとなりましたので、ここにその後の事業概要を御報告申し上げます。
 まず、電信電話設備の建設改良工事の進捗状況を申し上げます。昨年度は公社への移行、機構の改革等の関係もあつて、遺憾ながら相当の繰越しを生したのでありますが、本年度におきましては、十二月末までに前年同期の二・三倍に上る三百六十三億円の工事を行つておりまして、昨年度の繰越しをも加えました工事費予算五百二億円に対して、すでに七二・二%の進捗率を示し、年度末までにはほとんど一〇〇%完遂できる見込みであります。これは電信電話拡充五箇年計画第一年度において、優秀な業績を上げる責任を感じた職員一同の工事完遂に対する熱意と努力によるものでありまして、工事計画の早期樹立と工事の早期着工、工事量の年間平均化と、関連工事の調整、工事現場における事務処理の簡素化等、建設工事能率化の措置を講じましたことと、工事請負能力の活用をはかりましたことと相まつて、このような成果を収めたものと考える次第であります。
 本年度工事の進捗により、すでに完成したもの及びほとんど完成したもののおもなものは、市内電話設備としては、自動式局のサービス開始が東京の七局を含め十二局、共電式局のサービス開始が十二局に上つており、市外電話設備として山形・酒田間の無装荷ケーブルが完成したほか、短距離ケーブルは六区間すでに竣工しております。東京・名古屋・大阪間のマイクロウエーブ通信網につきましては、すでに十箇所の中継所も竣工し、目下開通試験を行つておりまして、テレビジヨン中継回線は二月末に、また多重電話回線は三月末に開通の見込みであります。なお年度内には、さらに自動式局のサービス開始が大阪の一局を含め四局、共電式局のサービス開始が五局の見込みであり、無裁荷ケーブル三区間、短距離ケーブル四区間が完成の予定であり、来年度に継続するものとして工事を進めているおもなものは、自動式局五局、無裁荷ケーブル二区間であります。
 以上の結果、四月より十二月までの間に新たに開通した加入電話は十五万一千でありまして、総加入電話数は百六十八万三千に達し、電話機数は昨年度末より二十八万五千を増加し、総数二百四十五万五千箇となつたのであります。東京においては加入総数二十五万を越え、公衆電気通信法による一級地がこの一月から実現した次第であります。なお、今後年度末までには全国でさらに増設される予定でありますから、予算で予定の十六万を突破する見込みであります。
 市外回線は二十八年度の増設予定十八万キロに対し、十二月末までに前年度の繰越し工程をも加え二十九万キロと完成し、総計百四十一万キロに達したのであります。従つて、市外通話を申し込んでからつながるまでの待合時間も順次改善されつつありますが、特に東京・大阪・名古屋の三都市相互間におきましては、昨年九月一日より長距離即時通話の取扱いを実施いたしまて、通話申込みの大部分が即時につながることができるようになりました結果、利用度数も実施前の約二・三倍特に東京・大阪間のごときは約三倍に近くなるという増加を示している状態でありますので、今後とも通話の増加に対応してサービスを維持改善するためには、相当の設備拡充を行う必要があると考えております。
 他方、大都市近郊の市外通話の接続状況は、従来一般に不良でありまして、その原因は主として市内設備の不足による話中率の高いこと、市外線または受付線の設備が不足する等に基因するものでありますが、計画の実施に伴い改善され、特に東京及び大阪の近郊においては従来に比し格段とサービスが向上しており、なかんずく大阪にあつては、第二市外局の完成により、神戸、京都との間の通話も、ほぼ満足できる状態に改善されたのであります。しかしながら大都市周辺のサービス改善については、なお多くの欠点があり、今後施設の整備拡充を要する次第であります。電報につきましては、速度においても、正確さにおいても、全く戦前の水準に回復しておりますが、その利用状況につきましては、二十七年度は二十六年度に比しやや減少を示しましたが、本年度は昨年度より四・四%程度の利用増を見せております。
 また電信電話の施設の障害につきましては、本年度は特に天災地変の続出と建設工事促進のための保守要員の応援の関係もあり、保全サービスの向上には少からず支障を及ぼすものと思われたのでありますが、各通信局別に保全サービスの基準を設定し、一段と努力を傾注して参りました結果、予期以上の成果を収めております。
 公衆電話につきましては、その整備拡充に鋭意努力を続けておりまして、年度初頭より十一月末までに千五百箇増加し、通話局一万三千三百箇を含め、総数約二万一千七百箇に達しております。そのうち、店頭に設置されます委託公衆電話及び簡易公衆電話につきましては、利用者の識別を容易にするため、全国的に赤色の電話機を採用いたしましたが、本年度はすでに千箇を増加して、総数五千箇に達しております。ボックス式公衆電話につきましては、全面的に硬貨式を採用して、料金収納の確保と利用者の利便をはかる方針のもとに、本年度より逐次大都市から重点的に新設またはとりかえることに努力しておりまして、明二十九年度以降においては、全国的にこれを普及する計画であります。
 次に、電信電話料金計算事務の能率化と正確化をはかるため、東京において、昨年十一月より和田倉局、本年一月より東京二八局の分について、IBM会計機械を使用することといたしましたが、これを機会に、料金種別ごとの料金の区分、さらに市外通話料については、通話種別、通話先、通話月日、通話料金等の明細を示した料金内訳書を添付することといたしました。なお、年度内には兜局にも実施する予定でありまして、来年度には漸次対象局を拡大し、三十年度中には都内の全局に実施する予定であります。この計画は、東京の他に大阪を予定しており、大阪についても二十九年度中には、一部の局について機械化を実施すべく、諸般の準備を進めております。
 次に、昨年八月に実施されました料金改訂による影響につきましては、電報はほとんど影響を受けておりませんが、市外通話は利用度数及び収入のいずれにおいても当初予想いたしましたほどの低下を示さず、市内通話は値上直後は大幅の利用減を示しましたが、逐次回復しつつあり、従来の例に徹しましても、年度末までには市内電話、市外電話の料金を総合いたしまして、予定した収入は確保し得るものと考えております。
 また、昨年八月公衆電気通信法の施行によりPBX、の民間による建設保守も可能となりましたが、公社直営のPBXの、販売に対しては、目下のところ計数的にはほとんど影響が現われておりません。
 また、公衆電気通信法施行法によりまして、従前設備負担金を支払つて設置したPBXの加入者に対しましては、本年一月末まてに負担金に相当する額の電信電話債券を交付するか、または設備の無償譲渡をすることになつておりますが、十二月末現在において債券交付の請求のあつたものが五七・三%、所有権譲渡の請求をして自営となつたものが九・四%、いずれの請求もしていないものが三三・三%となつております。また、従来PBXの料金は、装置料、使用料とも画一的定額制による料金制度を採用して参つたのでありますが、利用者の負担の不均衡を是正するため、実費主義による料金制度に改めますとともに、料金体系の合理化及び料金額の適正化をはかつて、本年一月一日よりこれを実施いたしております。なお、PBXの販売手続の簡略化及び販売から工事完了までの期間の短縮をはかるとともに、保守サービスの万全を期してサービスの向上に努力いたしております。
 次に、受益者引受にかかる債券の消化状況について申し上げますと、昨年四月以降十一月までの累計額は、引受債券の四十三億六千万円、PBXの加入者等に対する交付債券五億六千万円、総額四十九億二千万円に達し、本年度予算に計上いたしました年間発行額五十億円に対し、九八・六%を消化したこととなります。従いまして十二月以降発行されるものについては、予算総則において認められております弾力条項を発動することとなる次第であります。また地元引受による債券の発行は、昨年末までに十二億四千六百万円の契約が成立いたしております。なお地元協力の受入れにつきましては、一部に行き過ぎと思われる点がありましたので、昨年十月以降、地元側よりの協力申出があつた場合のみ引受けていただくことといたし、公社側より積極的に勧誘することは一切行わないことといたしております。
 次に、職員関係について申上げます。まず定員の関係でありますが、給与総額の基礎となつている職員数については、本年度本予算におきまして六千二百七十二人の新規増員を認められましたものの、一方において四千九百八十二人の要員合理化による削減を受けましたため、実質的には差引き一千二百九十人の増員となり、また補正予算において一千六百三十四人の増員を認められ、結局本年度は十五万九千七百二人の定員をもつて事業の拡張に対処いたしておる次第でありますが、公社は経営合理化の一環として、機構の簡素化、事務処理の能率化、職員の能率の向上により、要員の合理化に努力することとして、公社発足以来、管理所廃止によつて約一万二千五百人、ついで管理部門要員の配置転換、職種転換の実施により約二千人を現場へ配置がえし、現場要員の充実をはかるとともに、これと並行し減て耗補充のさしとめ、約五百人の人員整理、厚生福利施設要員の合理化による約一千人の人員整理等の諸施策を講じて、国際電信電話株式会社設立に伴う減員を除いても、昨年十月末までに約五千人の減員を実施して、公社発足当時従前使役していた賃金要員を法制上の関係から職員に組みかえざるを得なかつた事情のために相当多数の過員を保有していたのを、年度末までに完全に整理し終える見通しを得るに至つておる次第であります。
 政府は公務員の人員整理の方針を明らかにして、公社に対してもさしあたり実情に応じ政府職員の定員整理の趣旨に従い、各企業体において要員の合理化を行う旨の閣議決定をなしたのでありますが、公社としては、今後においても常に自主的に経営合理化の施策を推進する方針であり、事務処理の改善、資材、経費の節約と効率的使用をはかるのほか、機械的設備の改良、職場環境の改善、訓練の充実、労働生産性の向上等をはかることとあわせて、要員の合理化を行う考えであります。
 次に、昨年末委員の方々からも慎重な御審議を煩わしました給与ベースの改訂につきましては、昨年十二月二十五日組合との交渉がようやく妥結いたし、賃金改訂に関する協定を締結し、新協定に基く切りかえは本年一月一日から実施することとなりました。新旧べースを比較いたしますと、約一〇%の上昇率となり、公務員の基準内給与上昇率九四%と大体同様であり、また公労法適用関係職員たる国鉄、専売、郵政その他の職員と均衡のとれた改訂となつております。なお現行給与体系は、公務員時代のものをほとんどそのまま踏襲したものでありまして、公社法に定められている企業的見地からする合理的な体系という理想からはやや当を得ないうらみもありますので、公社におきましては、職務の合理的な分類に基く新給与体系について、かねてから研究をいたして参つたのでありますが、最近成案を得、すでに組合側にも提示いたしまして、本年度中に実施の運びに移したい所存であります。職員の訓練につきましても、この職務の分類に基き訓練体系の整備、訓練内容の充実をはかりまして、新給与体系の実施と相まつて職員の素質の向上に今後とも努力を傾注いたしたい所存であります。なお、昨年十二月二十五日奄美群島が復帰いたしますとともに、同群島における電信電話業務は公社の機関が行うこととなりまして、関係従業員約二百名も喜んで公社の職員に引き継がれたのであります。公社としましては奄美群島復帰に伴う措置として、とりあえず本土との間の電信回線の増強、電話交換台の取替及び増設、加入者宅内電話機の取替等を急速に行い、奄美群島復帰の慶祝電報の特別取扱いも実施いたしました。
 以上本年度を中心として御報告申し上げた次第でありますが、二十九年度といたしましては、まず予算案について申し上げますと、二十九年度の公社予算は、電信電話拡充五ヶ年計画の第二年度にあたる予算でありまして、公社といたしましては、施設の拡充整備を重点的に遂行するとともに、電信電話サービスの一層の向上をはかり、かつ企業の合理的、能率的運営をさらに推し進めることを基本方針として編成いたしたのであります。以下公社予算案の内容について御説明申し上げます。
 損益勘定について申し上げますれば、事業収入総額で一千百五十九億円となつておりまして、前年度に比較して二百億円の増加となつております。収入の中には、料金値上げによるものが全年分入つておりますほか、取扱い数量の増加、二十七年度及び二十八年度の建設工程の著しい進捗等による収入増を含んでおります。また支出におきましては、減価償却費二百三十六億円を含めて総額一千二十七億円を予定しこれらのの収支差額は百三十二億円となりまして、そのうち百二十七億円は建設勘定に繰入れ、五億円を債務償還に充てることになつています。
 なお損益勘定支出中、職員給与は三百四十一億円でありまして、前年度の二百九十八億円に比較し四十三億円の増加となつております。これは二十九年度において、新たに期末手当〇・二五月分を追加計上いたしたこと、設備の拡張、取扱い数量の増加に伴う必要最小限度の新規増員等の増加要素を含めての金額でありまして、総経費のうち職員給与の占める割合を見ますと、「二十八年度とほぼ同率の三三%であります。次に利子は五十二億円で総経費の五%を占めており、二十八年度の支出割合に比して〇・六%の増となつております。また減価償却費の二百三十六億円は総経費の二三%を占め、二十八年度の支出割合に比較して二%の増となつております。
 しかしながら以上の経費を除く一般の経営経費につきましては、三百九十八億円で総経費の三九%に当り、相当合理化を実施した二十八年度の支出割合に比較して、なお三%の減となつております。しかもその内容につきましては、新しく電話運用強化対策を設定して、通話疏通能率の向上を期するとともに、通信施設の保守強化対策を大幅に推進して障害率の低下をはかり、またサービス向上に直接関連する施策、業務の合理化、能率化等に対し重点的に計上いたしております。
 次に、建設勘定について御説明申し上げます。建設勘定の支出予定額は、総額で五百三十一億円となつておりまして、前年度に比較して六十二億円の増加となつております。この建設勘定に対処するための資金調達の内訳は、公募債券七十億円、受益者及び加入者引受の債券五十億円、設備負担金四十八億円、それに先ほど申し上げました損益勘定よりの繰入れとして百二十七億円及び減価償却引当金二百三十六億円となつておりまして、これを前年度に比較いたしますと、電信電話債券の発行額が五億円減少し、損益勘定からの繰入れが八十億円増加いたしました。従いまして、前年度の建設勘定の資金の自己調達による割合は七三%でありましたが、本年度におけるその割合は七七%となり、建設改良資金は相当安定性を得たものと考えられるのであります。
 さきに設定いたしました電信電話拡充五箇年計画の第二年度におきましては、六百十億円程度を予定したのでありますが、政府の一般財政方針に従いまして、これを五百三十一億円に圧縮することとなつたのでありまして、これに伴い加入者開通十四万、市外線二十六万五千キロの当初計画は変更しないこととしましたが、基礎設備の工事につきましては、一部繰延べを行わざるを得ないこととなつたのであります。すなわち六大都市においては自動式電話局のサービス開始予定の十四局中三局が繰延べられ、地方都市においては共電式電話局の局舎新設着工十四局中七局が繰延べとなります。従つて三十年度以降の加入者開通、市外回線増設に相当影響を与えることとなりますことは、まことに遺憾な次第でありますが、国の財政方針に従い、公社としてはさらに予算の効率的使用をくふういたしまして、でき得る限りサービスの改善をはかる努力をいたして行く考えであります。
 二十九年度予算案で計画しました電信電話拡充の大綱は、加入電話につきましては、六大都市六万五千、中都市三万八千、その他三万七千で合計十四万、公衆通話機関につきましては、三千六百個を増設する予定であります。
 市外線につきましては、一般公衆線二十五万キロ、市外専用線一万五千キロ、電信専用線五十回線を開通する計画であります。また基礎設備の拡充としましては、大都市における自動式電話局建設十一局、交換方式変更に伴う自動式電話局建設十四局、交換方式変更に伴う共電式電話局建設七局、長距離ケーブル増設は、鳥取・米子間、岡山・高松間、直江津・富山間を予定し、マイクロウエーブすなわち極超短波無線の施設は大阪・福岡間、東京・札幌間の二区間を二十九年度、三十年度にわたつて完成する計画であります。
 以上予算案の大綱について御説明申し上げましたが、すでに申し述べました通り二十八年度において電信電話事業の基礎が確立したのでありますから、二十九年度においてはこの基礎に立つて事業発展の所期の目的を達成するため、確固たる施策を遂行して行くことが公社の重大な責任と考えます。すなわち第二年目の拡張改良計画を確実に、かつ最も効率的に実施して、サービスの改善を進めるとともに、経営の合理化についてはさらに施策を講じてその実績を上げねばならない次第でありまして、公社としては部外有識経験者の協力をも得ることとして、経営調査及び通信技術の調査の機能を強化し、経営上の諸問題の根本的解決を企図しております。私は二十九年度においては、公社は一層よくその内面を整備し、また職員が安定して事業の改善と発展に邁進する態勢をとることが肝要と考えておりますが、一方通信技術の発展につきましても、特に大きな関心を持つ次第であります。
 私は昨年十月中旬より約七十日間欧木の電気通信事情を視察して参りましたが、各国の電気通信事業はわが国と同様に戦時中設備の拡張ができなかつたことを取返すために、各個とも大拡張を行つております。すなわち最近五ヶ年間における電話加入者の増加率月は、アメリカ、スイス等においては特に著しいものがあります。これと同時し質的にも非常な進歩を遂げておりまして、たとえば市内電話におきましては、加入者の七〇考ないし九五%が自甥交換方式によつており、自動交換方式の動向としては各国ともクロスバー方式に向つております。市外電話におきましては、加入者が直接ダイヤルで相手方を呼び出す、いわゆる加入者ダイヤル方式を広く実施しており、特にスイスでは九五%以上の加入者がこれによつております。わが国におきましても五箇年計画を実施するにあたつては、設備の量の増加をはかるばかりでなく、積極的に新技術を導入して、質の向上も大いにはかる必要があると痛感した次第であります。
 すなわち市内電話交換方式としては、多数の加入者を収容するのに便であり、動作時間が早く、誤動作が少いクロスバー交換方式、市外電話方式としてはマイクロウエーブ、同軸ケーブル等による数百チャンネル以上の多重電話方式、従来近距離には不利益とされていた搬送技術を二十キロないし三〇キロの近距離にも応用した短距離搬送電話方式、電信方式としては印刷電信機による加入者電信方式、すなわちテレックス方式等の新技術を導入して、設備の近代化を急ぎ、サービスの改善と経営の合理化をはからねばならぬと考えたのであります。
 これらの新技術につきましては、一部輸入の計画を進めておりますが、新技術を導入するとともに、わが国の技術レベルを引上げ、わが国自身の研究、国産化を促進して、将来の電気通信事業の発展に備えるとともに、電気通信製造工業の進展にも寄与したいと考えております。この見地から、公社の通信技術の研究についてもさらに内容の充実、目標の設定につき、十分な考慮をいたしたいと考えておる次第であります。わが国の電気通信サービスについては、なお改善すべき多くの問題を持つておるのでありまして、私は特に委員の皆様の今後の御指導と御援助をお願いしまして、国民の要望にこたえて行きたいと念願するものであります。
 以上をもちまして、私の概略の御説明を終りたいと存じます。
#4
○成田委員長 前会に引続き電気通信事業の経営並びに電波管理状況に関し調査を進めます。
 質疑の通告があります。通告順にこれを許します。片島港君。
#5
○片島委員 大臣もお見えになつておりますので、二、三点お伺いしておきたいと思うのでありますが、御承知のように今年度の電信電話料金の値上げの案が出ました際、二五%の当初の料金値上げに対しまして、国会としては二〇%程度の料金値上げに終つた結果、その差額約二十五億円がそのままになつておつたわけであります。その当時、私の記憶によりますと、この二十五億は当然次の機会において政府の財政資金によつて責任を持つてこれを処理する、こういうことになつておつたのでありますが、この問題はどういうふうに処理をせられておるか、最初にお伺いしておきたい。
#6
○塚田国務大臣 二十八年度の分は、先般の補正予算の機会に、結局政府資金によらずに、いろいろと部内の企業努力その他によりまして、一応当初の計画というものを遂行できるということにいたしたわけであります。問題は二十九年度が二割五分値上げを考え、それが二割におちついたときにどうなるかということが非常に問題点であつたのでありまして、二十九年度の分としましては、相当多額の政府資金もしくは公募のわくというものをもらつて、六百十億程度の施設ができるようにということを考えておつたのでありますけれども、政府のいろいろなその後の変化した情勢、それから考え方の変化による緊縮財政方式というものに調和を合わせるために十分な措置ができませんで、先般私が当委員会において御説明申し上げたように、公募のわくで七十億というところで一応おちついて、非常に計画がこの限度においては縮小せざるを得ないという状態になつて、自分としてもまことに申訳ないと考えておるわけですが、そういうような国全般の方針にのつとつて、やむを得ざる措置であつたというように御了解を願いたいと思うのであります。
#7
○片島委員 吉田内閣の考え方からすれば、計画というようなことはほとんど重要視しておられないので、そのときどきで情勢に即応したやり方をやられておるのでありますが、公社法によると、自然増収、たとえば従業員の企業努力によつて増収を得たというような場合には、これを従業員の給与の方にはね返すことができるというような規定まで設けてありますが、損益勘定において利益が出た場合には、これを政府の方でかつてに建設勘定の方に繰入れてしまう。こういうようなことが今後も行われるとすれば、二十九年度の予算において建設勘定資金が相当安定性を得たとか、こういうふうな計画をつくつておられましても、そのときの状況によつてまたどういうふうに変化をするかわからないのであります。私たちがこの審議をして参りますについては、やはりそのときどきの審査の状況、また政府の答弁を信用して、審議を進めておるわけであります。こういうようなことがあれば、今後もやはりそのときの状況によつて、この計数がどうにでもかえられるものであるかどうか。二十九年度においてもそのときの都合によつてまたそのようにかえられるものであるか。この点は政府の根本的な方針としてお伺いをしておきたいと思うのであります。
#8
○塚田国務大臣 これは少くとも私の所管の、ことに当委員会の御所管の電気通信の計画において、計画がないということはないのでありまして、計画は確かにあるのであります。しかし私どものその計画に対する考え方は、やはりその規模の構想に従つて、そのときどきの事情をあわせ考えて、その範囲においては修正さるべきもの、こういう考え方をいたしておるのであります。従つて今の段階で二十九年度の計画がまたかわるのかということのお尋ねであれば、今の段階では新しい情勢の見通しをつけて、こういう計画になつておるのでありますから、今立てておる計画をかえるという考え方は持つておらぬのでありますけれども、経済界の変動その他で新しい情勢が出て参るということがあれば、その範囲においてはかわる場合もあり得るということを申し上げざるを得ないのであります。
#9
○松井(政)委員 私の番になつたときに大臣に別の角度から質問をいたしますが、ただいまの二十五億の問題に関連してひとつお伺いいたします。これは前国会において、一日や二日でなく、時間をかけて、そして議員全体が論議をしたことは御承知でございましよう。それで公募のわくについても、こまかい数字を論議したことも御承知でございましよう。また公募が困難だということで、その二十五億は財政資金でまかなうということを、あなたが明瞭に御答弁なさつたことも御記憶でございましよう。参議院の電通委員会において、全会一致で決議をなさつたことも御承知でございましよう。それでお伺いしますが、財政資金の方は困難だが、公募は楽だという考え方について、まずお伺いいたします。
#10
○塚田国務大臣 公募は今年度の分も市況とにらみ合せて、現在考えておる線で大体一ぱい一ぱいである、ただいまこういう見通しをいたしております。
#11
○成田委員長 ちよつと私、念を押しておきたい点があるのです。実は片島君の質問なり松井君の質問なりに対しまして、そういう事実があつたことはお認めのようですが、問題は二十八年度でなくして二十九年度だ、こう言われた。問題は逆なんです。二十八年度の予算でこの問題は起きたと思います。御承知のように流産予算では、四十億の資金運用部資金からの建設資金が予定されておつた。それが軍事予算のしわ寄せの結果、全部削除された。こういう建設資金はある程度政府資金で見るべきだ、こういう委員会の強い要求がありまして、しかも二割五分の値上げが二割にされて、五箇年計画に支障を来したということでこの問題が起きた。これに対しては改進党からも強い要望があつて、二十五億はぜひとも公債その他政府資金で見ろ、こういう要求に対して、塚田郵政大臣は、二十八年度の二十五億は政府資金で何とか考えましよう、こういう御答弁があつた。参議院の決議も同じように二十八年度に関する問題なんです。問題は二十九年度ではなしに、二十八年度の問題だと思うのです。ここに問題の重点があるのですから、それを前提にして御答弁を願いたいと思います。
#12
○塚田国務大臣 御指摘の通りなのでありますが、ただ私は実はこういうような考え方で先ほどもお答えをしておつたのであります。二十八年度の措置といたしましては、そのような当初の考え方、つまり値上げが二割五分が二割になりましたときは、そのような考え方であり、また国会の御意向もそのように承知をしておつたのでありますけれども、結局において二十八年度の措置は、その方法によることができなくて、別途の方法、つまり資産充当という方法で、二十八年度の当初の計画だけは実現できるように一応措置をいたしました。この問題はすでに前国会において、一応御審議を願つたという考え方でおつたものでありますから、先ほどのような御答弁を申し上げたのであります。
#13
○松井(政)委員 それは違うのです。前国会で審議申し上げたのではないのです。二十八年度において処理しなければならないものがそのままになつておるということです。昨日私はそれを質問したのです。損益勘定から建設勘定へよけい持つて来るために、損益勘定に対する圧迫が出はせぬかと言つたら、出ないと言う。去年からの委員会の審議の経過を見てみると、二十九年度予算のどこに――たとえば資本勘定に繰入れようが、どこに繰入れようが、二十八年度からの問題の引続きは、二十九年度予算において損益勘定を圧迫しておるに違いない。圧迫しないという根拠があるならば御説明を願いたい。
#14
○塚田国務大臣 この点は私の記憶では、あるいは結論まで行かなかつたかもしれませんが、前国会でそれは御質問を受けお答えを申し上げて、解決しておつたのではなかつたかと記憶しておりますけれども、私が資産充当の方法によつたのは、損益勘定には何も圧迫を加えておらない、こういう考え方をしておりますし、またそのように説明を申し上げたつもりであり、今もその考え方は間違つていないのではないか、こういうふうに考えておるのです。
#15
○松井(政)委員 いや、それはそういうことにならないのです。数字や文書でごまかせないのです。それではお伺いいたしますが、あなたが解決がついたと言うのは、二十八年度はいかなる機会において、いかなる予算によつて二十五億を処理したか、お伺いをいたします。
#16
○塚田国務大臣 それはこの公社が持つておりますいろいろな施設の効率的な使用という形において、つまり資産充当という形において、計画だけはできる、こういう見通しがついたので、そのような措置をとり、またそのような措置ができるという見通しがついたので、当時資金なども非常に困難な事情もあつて、当初私としても大蔵省側にその点を強く要求しておりましたが、その後の国の財政金融政策全体の立場から、大蔵省に対して譲歩したという形になつておるのであります。しかし電信電話事業の二十八年度の計画は、当初の計画通り遂行できたということになつておるわけであります。
#17
○松井(政)委員 そうすると何もかも承知をしておるが、二十九年度予算で資本勘定その他によつてしわ寄せしたということをお認めでございますね。お認めになればけつこうでございます。そうじやなくて、説明の中で、やはり二十八年度は済んでおるのだ。二十九年度はそれを充てたんじやないということでは、数字の問題ですから承服できないのであります。もしそうならば、前国会の速記録を全部持つて参りまして、逐一御質問申し上げてもよろしいのでございますけれども、それをあなたが、お認めになつた方が、今後の審議に楽だと思いますが、いかがですか。
#18
○塚田国務大臣 お尋ねになつておるお気持がどこから出ておるのであるか、私にはちよつと解しかねるのでありますが、もしも政府資金もしくは公募という形で、つまり大蔵省との折衝によつてこちらの考え方をいれてもらつて、その形でやつた場合と、この資産充当でやつた場合、損益というものに――従つてまたそれがひいては先ほど片島委員が御質問になつたような、従事員が能率を上げたことによつて当然出て来たものを組み込むという形によつてそれがまかなわれたというお気持で、もしやつておられるならば、そういうようなことはございませんと、こういうようにお答え申し上げておるわけであります。
#19
○松井(政)委員 私の損益勘定を圧迫していはせぬかという質問は、昨日からの引続きなんです。大臣がいないので昨日はやめておるのです。質問は片島君に返しますけれども、要するに片島君の言わんと欲する結論も、そこに行くのじやないかと思いますが、私は公社の問題については公社にお尋ねをいたします。政府に質問することだけを申し上げますが、本年度の予算書から見て、五箇年計画を立てても、その五箇年計画遂行はもろもろの資金上無理が起る。値上げについても高率になるから、五箇年を六箇年にして、六箇年計画にしたらよろしかろうというわれわれの修正案は、あなたも御承知の通りであります。それを五箇年計画でやり得る、こういうことで、われわれのいわゆる値上案というものは否決をされて、国会多数の意思は五箇年計画にきまつたわけです。そこで、五箇年計画をやる場合の資金をどうつくるかという議論に入つたわけなんです。その場合に二割五分が二割の料金値上りになつたために、二十五億というものが出て来た。その不足分をどうするかという議論になつたわけであります。そこでやはりそれは公社において五箇年計画を達成する場合に支障が起りはせぬかという論議のときに、大臣みずからが、その不足に該当する分は、二十八年度なり二十九年度において、政府の責任においていわゆる財政出資をして補填をするということを、明瞭に言つておるのです。ところがことしの予算を見ると、公社が最初計画を立てた建設勘定の六百十億円が、五百三十一億円に減つておるのです。そうして昨年よりも損益勘定のパーセンテージがふえておる。そこで昨日から私は損益勘定を圧迫しはせぬか、そして五百三十一億の内容についても公社側にお伺いをいたしましたけれども、そういうことについて、いわゆる損益勘定を圧迫しないと答辨しておるのです。ところが去年のいきさつから考えても、当然政府が責任を負うて、公社の計画遂行のために出さなければならない二十五億というものを、政府は二十八年度に処理をしないで、二十九年度の予算にしわ寄せをして、そのためにそれが損益勘定を圧迫しておるのです。そのときのいきさつからいつて、政府はそういう計画だつたけれども、二十九年度予算を立てる場合に、万事承知しておるが、緊縮財政の立場からできなかつたという考えならば、そのことだけあなたはつきりおつしやればよろしいのです。そうじやないのですか。そうじやなくて、まだそういういきさつはあつたけれども、何だかんだとおつしやるともりなんですか。それとも二十九年度予算にいかなる形においても、それは言いようによつてはしわ寄せされておる。そういうことはお認めになつた。参議院の決議も衆議院の決議もお認めになつておる。ただあなたは数字を逃げようとしておられるけれども、やはり二十九年度予算を立てるときに、六百十億が五百三十一億に減つたところにも入つておるでありましよう。資本勘定に持つて来た中にも一部は入つておるでありましよう。その点についてあなたがお認めになる方が、これからの審議が楽なんです。ごまかしてはいけません。
#20
○塚田国務大臣 これらについてごまかしなどという考え方は毛頭ございませんで、私はこういうお尋ねであるかもしれないと思うのでございます。つまり二割五分の値上げをするというのが二割にしかならなかつたから、それがどこで損益勘定を圧迫しておるか知らぬが、とにかく二十八年度はつじつまを合せたというならば、二十九年度で計画を圧迫しておるだろう、こういうお話であればまさにその通りでありまして、その気持は、先ほども御指摘のように、二十九年には計画通りに行かないという問題点が出ておりますというように申し上げておるわけです。
#21
○齋藤委員 関連して……。ただいま速記録を見ますと、二十五億円の問題につきましては、郵政大臣も愛知大蔵政務次官も公債の増発によつてこれをまかなう、また補正予算で処置をする、そういうことをはつきり言うておられるようでありますが、念のために一応お考えを願つて、それを含めて御答弁を願いたい。
#22
○塚田国務大臣 二割五分を二割にいたしました当時の見通しではまさにその通りでありまして、これは私も別に否定する意思もありませんし、事実その通りなんです。ただその後にかわつた情勢――公社の内部の情勢も当初見通しておつたよりは若干違つて参つたようでありますし、その後の外の財政金融政策全般の動きもかわつて参つて、とにかく二十八年は別な方法で計画通りに何とかできるという方法が考えられましたので、このような方法でやる、こういうように申し上げたのであります。
#23
○片島委員 ただいまおつしやつた別な方法でありますが、別な方法の御説明は、資産を充当したというようなお話であります。私は資産の充当というのはどういう意味かよくわからぬのでありますが、どういうことですか。
#24
○庄司説明員 公社は二十七年度におきまして、公社になつてから二十数億の黒字を出しております。それから二十七年度の電通省時代も含めますと、かれこれ四十億近くの黒字が出ておつたのでございます。しかしその黒字の内容を見ますと、固定資産でふえた黒字と流動資産でふえた黒字にわけられるのでありますが、流動資産でふえた黒字がやはり二十何億に上つておるわけでございます。これを一応流動資産の形に置いておかないで、固定資産化するという方法をとるといたしますならば、これが建設勘定の財源として使えるという考えに到達するのでございまして、そういう意味において流動資産を充当して固定資産化する、これは建設勘定の建前でございます。そういう意味で資産を充当したという表現をしておるのでございます。
#25
○片島委員 充当するというのは、きわめて短かい期間にそういうことをやられたわけでありますが、わずかに二、三箇月の間に何十億というものが、そういう小手先でできるということであるならば、何も前もつて一年間の予算なんかを組んでおらなくても――額が何百万円というならば別でありますが、何十億という金を、流動資産を固定資産に組みかえるというような、小手先で当初の予算がすぐかわるような計画ができるということであれば、二十九年度の予算をわれわれが考える場合に、これには信頼が一つも置けない、こういうことになります。私はそうじやなくて、この充当した資金は従業員の能率の向上に充てる。一生懸命に働いたために思わぬ増収がここに上つて来たので、その思わぬ増収の部分をやはりこの方に振り向けておるのじやないか、こういうように考えるのですか、そういう点はございませんか。
#26
○庄司説明員 お答え申し上げます。ある事業年度で収入を予算で見積つて予定額を上げるのでございますが、今おつしやつた従業員の努力とかその他の企業意欲によつて、その予定額の収入が増加したような場合は、そのうちの一部を従業員に還元するということが予算総則できめてあるのでございますが、二十七年度はそういうふうな弾力条項を発動した結果において、そういう黒字が出たということがわかつたのでございます。これは流動資産といいましても、全部現金があるわけではなくて、先ほど申し上げましたようにその中には固定資産もありますし、物品もあるわけであります。その物品のうちの計画に合して使えるようなものを相当公社で努力されまして、その結果そういうものを建設勘定の財源に使えるというふうな観点に立つて、建設勘定の財源に充当したわけなんでございます。
#27
○片島委員 そうすると、これは私がほかの資料でいろいろと数字を調べましたときに、従業員の努力によつてそれだけの増収を得た。それは全部ではありませんでしようが、非常に多額の予定外の収入を上げた、こういうふうに私は聞いておつたのでありますが、そうじやないのでありますか。
#28
○塚田国務大臣 これは片島委員は、収入を上げたものがこういう形で食い込まれておるというように御懸念になつておるようでございますが、そういうことは絶対にないのでありまして、収入が上つておれば、それは公社の経理の上に収入と支出の差額で必ず出ております。ただものがあるかないかということの疑問はあります。しかしものがないときには当然金があるはずでありますし、金がないときはものの形でその差額がよけい出ただけのことはあるのでありますから、従つて金がなくてものがあるというときは、これがもし従業員の手当などに向けなければならないとすれば、その間の借入れとか、そういう操作でもつてやるだけのことでありまして、とにかく働いただけの余剰が利益として出たかどうかということは、今こういう資産充当をいたしたという措置とは全然関係のないことでありまして、これをしましたから、働いて出たものが利益の上に出て来ないということは絶対に起らないのでございます。
#29
○片島委員 二十九年度の予算で、損益勘定からの繰入が八十億円増加いたしました、こういうやうになつておりますが、この八十億円増加するという見通しは、どういうところから出て参つたのでありますか。ただいまお話になつたようなやりくりでこれをふやされたものであるか、この八十億の内訳をひとつお伺いしたい。
#30
○金光説明員 お答え申し上げます。二十八年度の損益勘定から建設への繰入れは、補正予算におきまして修正されまして四十七億円と相なつております。それに比べまして二十九年度の予算におきましては、損益からの繰入れが百二十七億円となつておりますので、その差額が八十億円ということになるわけであります。当初の二十九年度の五箇年計画におきます損益からの繰入れは、一応料金値上げ率が二〇%になりました際に立てました計画といたしましては、二十九年度におきまして百十三億円というものを損益から建設への繰入れと予想したわけでございます。その百十三億円とただいま予算に組んでおります百二十七億円とを比較いたしますれば、十四億円だけ二十九年度の予算においては損益からの繰入れが増加しておることに相なるわけであります。二十九年度の収入見込みにつきましても、五箇年計画を立てました際よりも、今回二十九年度予算を編成いたしました際に再検討いたしてみますと、やはり収入の伸びがある程度見られるわけでありまして、それらの点を考慮いたしまして、当初の五箇年計画であげました百十三億円を百二十七億円というふうに増加いたしたわけでございます。
#31
○片島委員 損益勘定からの繰入は二十八年度よりもふえておるにもかかわらず、五箇年計画による六百十億円を五百三十一億、こういうふうに削らなければならなかつた理由はどういうところにありますか。
#32
○金光説明員 お答え申し上げます。五箇年計画の二年目におきまして、当初の計画では六百十億で、その財源といたしましては、損益からの繰入れが百十三億、それから政府の借入れなりあるいは公募社債として外部にたよるものは二百六億というふうになつておつたのでありますが、損益からの繰入れは、ただいま御説明申し上げましたように百十三億から百二十七億と十四億増しております。外部からの調達資金に当初二百六億円予想しましたものが、公募社債が七十億円となつたために、六百十億の建設財源が五百三十一億円と、約八十億円減少したという結果になつたわけであります。
#33
○松井(政)委員 公社側の方にちよつと恐縮でございますが、昨日からの質問の続きがございますから、郵政大臣に公社の主管とは別のものを先に伺います。昨日質問をいたしましたところ、行政機構改革に伴う整理の問題は、大臣に聞いてくださいという御答弁でありましたので、少し伺います。要するに昨日の大臣の説明書に言つております大蔵省との間に妥結をいたしました電波管理関係の予算は、行政改革に伴う電波関係の整理人員の減員を見越した予算であるかどうか、これを第一にお伺いをいたしたい。
 それから第二点は、それに関連をして電波関係、郵政を除く電通関係の主管に伴う公社関係等の行政改革、それから本日の総裁の説明には電通公社の定員の説明が出ておりますが、そういうものの考え方についてお伺いをいたしたい。
 それから具体的には電波関係については、郵政事業全体として整理を考えておるのか。切り離して電波だけを考えていらつしやるのか。考えておるとすれば、電波についてはどういう形で人員の整理をやろうといたしておるのか、この点を伺います。
#34
○塚田国務大臣 第一のお尋ねの点では、電波関係の人員幾らを基礎に置いて関係予算を組んであるかということでございますが、これは三千四十五名の電波関係の職員の中から、百三十名の減というものを一応頭に置いて予算を組んでおります。この点は昨日もちよつとお答え申し上げたのでありますか、ただ予算はある時期に締めなければならない関係で、内部の完全な操作をし切れないうちに予算ができ上るという関係で、少し私の感じと実はずれておるのであります。私は郵政省全体の整理人員の中から、なるべく少い数字というのもを電波の部面において背負つてもらうようにという考え方でおるわけでありますが、今の百三十名という数字は、私のそういう気持からは少しまだ多過ぎるというように考えておるわけであります。もう少し整理率が電波関係においては低くていいのじやないかという感じを持つております。そこでもし定員法がいよいよきまりまして、最終的な決定を見たときに、それがどういう結果になるかということでありますが、もちろんそんなに大きな変動というものはあり得ないように思つております。従つて今の予算とその定員のずれというものが予算の中でおそらくまかなえる、操作ができる範囲のものでないだろうか、こういう感じをいたしておるわけでございます。それからして、第二のお尋ねの電通事業全体に対しての整理でありますが、これは大きな考え方の要件といたしましては、郵政事業の整理と同じ考え方でやつてもらいたいという考え方をいたしております。それは言葉をかえて申し上げますならば、事業の発展その他による増員の分は別途に増員で認める。しかし現在の定員についてはその中から、企業を合理化するという考え方から、やはりできるだけのものは御整理願いたい、こういう考え方をいたしております。
#35
○松井(政)委員 それでは新たに仕事のふえた分は増員として認めていいが、現在の定員は減らしていいという考え方ですね。そうするとお伺いいたしますが、まず最初に発足以来現在における無線局はかなり多くふえていると思います。それから周波数もふえていると思います。それからその周波数の切りかえをおやりになるような考え方でありますが、そういう上に仕事の量がふえております。無線局が発足以来どれだけふえて、周波数がどれだけふえて、切りかえに対してどれだけ仕事がふえているか。そういうことをずつと具体的に御説明を願つて、その上に立つて現在定員を百三十名減らして、仕事のふえた分に対してどれだけの増員をやろうとされるのか、具体的にお伺いいたしたいと思います。
#36
○塚田国務大臣 ただいま私は仕事がふえた量については増員、それからそうでない部分――一般的には減員と申し上げたのは、実は公社のことを申し上げておつたのでありますが、電波関係のことであれば、その部面は一般行政事務という考え方でありますから、他の行政機構改革と同じような考え方をいたしておりまして、一応電波行政の場合にはそういういろいろな事情もあるからして、大きな整理というものは期待できないという考え方で、結局今の百三十名がもう少し減るというくらいのところじやないか。なお詳細の点は関係の政府委員から御説明申し上げます。
#37
○長谷政府委員 ただいま御質問の、相当前からの無線局あるいは周波数の数の増加の割合と定員の変化の割合についての資料は、今持合せがありませんので、後の機会に説明をさせていただきたいと思います。
#38
○松井(政)委員 今大臣はそれは公社の関係で、電波の方の関係でないとおつしやいましたが、それでは電波の方は仕事の量がふえても、一般行政整理と同じように考えてよろしいというお考えでございますか。
#39
○塚田国務大臣 一般行政整理の場合にも、仕事がふえるということ、また仕事がむずかしくなるということは、当然人間をふやさなければならない事情であるわけでありますが、しかし一般整理の場合には、そういう面はおのずから減員が手心されるという形で処置いたしてございますという考え方でございます。
#40
○松井(政)委員 長谷さんは資料がないからきようは説明できないというのですから、私の方は資料を持つておるんだが、それで質問するのも困るだろうからやめますけれども、とにかく仕事の量がふえていることだけはお認めでございましようね。これをはつきり御返事願いたい。
#41
○塚田国務大臣 私もしつかりした数字は承知しませんが、仕事の量は相当ふえておると了解しております。
#42
○松井(政)委員 私は仕事の量が減つたり、それから日本全体のために行政機構の改革を行うに伴つて、当然減らさなければならぬ分の減り方については反対ではない。けれども大臣が説明されたように、日本の現状において必要欠くべからざるものであり、さらに機構であり、さらにそれに伴う人員というものは減らさないで、量に応じてふやさなければならないということになると、電波の関係は仕事がふえたことははつきりと確認して――具体的な資料の数字を見れば無線局のふえ方、周波数のふえ方はものすごいもので、これは非常に大きな躍進なんです。しかも日本にとつて科学技術の金城ともいわれる無線関係なんです。だからそういう形で百三十名もう少し減らす程度――どだい減らすことを認めるという考え方が間違いだと思われるのですが、この点についてはやはり一般と同じようにやることが正しいとお考えであるか、私はやはり種別によつて考えなければならないという考え方で、この部分は減らすことのできない部分だと思いますけれども、その点についてのお考えはどうですか。
#43
○塚田国務大臣 一般的なものの考え方としては御指摘の通り私も考えております。しかし個々にそれでは電波の関係がどうかということであれば、もちろん私としましても内部の詳細なことは承知しないので、所管の局長もしくは担当の部課長の意見をよく聞いてということでありますが、一応事務量が非常に増加しておるということを頭に置いて、この辺ならばもう能率を落さず、国民に迷惑をかけずにやつて行けるという線が今考えておる線である、こういうように御了解願いたいのであり、またもしそのようにできるならば、国民のお立場からして、なるべく人間が少くて片づく方がいいというのが、行政整理のねらいであるわけであります。
#44
○松井(政)委員 そうしますと昨年あるいは一昨年に比較して仕事の量、科学技術の進歩、そういうものの関係から――百三十名減らすとしても、やはりそのうらはらとして増員が生れて来るわけであります。そういうことについてはやはり今後検討なさいますかどうか。
#45
○塚田国務大臣 今の行政整理は、別に先の場合の見通しを含んでおるわけじやありませんが、少くとも現在の場合においては、そのような整理をしてやつて行ける、こういう見通しを持つて整理を考えておると御了解を願いたいと思います。松井委員のお考えは、今の人員配置がもう百パーセント能率を上げておるというような前提にお立ちになつてのお考えじやないかと思うが、私どもは必ずしもそう思つておりません。やはり検討すべきものは検討し、さらに能率を上ぐべきものがあるならば能率を上げるべきであり、従つて仕事の量がふえても、人間をふやさずに仕事が整理できて行くということが最も望ましい状態である、こういう考え方であります。
#46
○松井(政)委員 大体その考え方の食い違いを直せと言つても直らぬでしようが、それならばあなたにお伺いしますけれども、要はわれわれは常に百パーセント能率を上げていると思います。そしてその一〇〇%を、たとえば合理化によつて七〇%、八〇%、九〇%にできるかできないかということが合理化だと思うのです。すべて機械による合理化、あるいはもつと科学的な進歩による合理化、あるいは機構をなてすることによつてむだな人間を排除する合理化、いろいろありましようけれども、早く言えばそれが合理化だと思うのです。そうすれば、あなたが今まで一〇〇%やつておらぬという解釈ならば、昨年度の計画において現在の定員が妥当と認めて定員をきめたのでございましよう。それは一〇〇%やつてないという考え方できめたのですか。そうじやないのでありましよう。にから、電波のようなものはどこから機構の改革を考えても、整理を考えても、減らすことのできない部分だという答えが出るのですよ。あなたのように一〇〇%やつていないという考え方で言うならば、その一〇〇%をやるために必要なる定員をきめた去年のきめ方が間違いだということになるのです。来年になつたらまたことしのきめ方が間違いだからといつてかえて行く、こういうことでは電波関係の仕事というものはできないと思います。ほとんど技術者を必要といたす場所だと思いますから――われわれはしろうとです。くろうとではございませんが、とにかく技術屋でなければできないところだと思いますので、とにかく一〇〇%やつていないという考え方は御訂正なさらなければ、行政機構改革の本論というものは生れて来ない。一〇〇%やつていないということは御訂正なさつた方がいいのじやないか。
#47
○塚田国務大臣 これはもちろん非常に言いまわしのむずかしい問題ではあるけれども、しかし私は、全体の感じとしては一〇〇%いろいろの機会にやつておる、しかもどの部局でもやつておるということは申し上げられないと思つております。それでは一体一〇〇%やつていないならば、一〇〇%やるるという想定でもつて予算を組んだのじやないかといえば、まさに考え方としてはその通りでありますが、実際問題としてはそう行かないので、ときどき行政整理というものをやつてその食い違いを直して行く、こういう考え方が行政整理とまじめに取組む気持なんでありまして、この点は御了解願えると思う。
 それから電波行政の面については、おそらく他の部分よりは相当整理の困難な、能率を上げる部分の困難な面があると思います。その上に仕事の量がふえますから、大きな整理というものはできないと私は考えるわけでありますけれども、しかしやはりまじめに今までより能率が上げられる面があつたら上げるようにいたす、そうしてまた御指摘のように、今までの運用方式に改善を加える余地があるならばまた改善を加える余地を探し出して、そこからも人員の整理ができる面があるならば整理をして行くという考え方をするのが正しい考え方じやないか、こういう気持でおるわけであります。
#48
○成田委員長 松井委員に申し上げますが、松井さんの質問では仕事の量が非常に増加しておる、これは大臣もお認めになつているのです。ただ今詳細な資料をお持ちでないのですが、仕事の量は増加している、しかしながら能率向上を考えたらある程度の減員はあるだろう、こういうことです。これは総体的な問題ですね。どれだけ仕事の量が増加しているかということを、もし松井委員が資料をお持ちなら言つていただいて、それでもまだ能率向上によつて減員ができるかどうか、こういう点をはつきりしていただいたらいいのじやないですか。
#49
○松井(政)委員 私は資料を持つておるのです。持つておるのですが、先ほど言つたように、私の資料より長谷さんの方から出る資料の方がもつと正確かもしれません。そこで長谷さんが資料をもつて説明するとおつしやるから、その資料を待つて、そのときに説明しようと思いますけれども、私の資料によれば、無線局の数だけでも、パーセンテージで昭和二十四年と二十九年を比較しますと、昭和二十四年度の一〇〇に対して二八七を示しておるのです。無線局がこれだけであります。最近はやはり電波の発展に伴つて、混信監視等の余人ではできない技術者の行う仕事の量がますますふえておることは御承知だと思います。それからそれ以外の人員の資料も持つておるのですが、長谷さんから正確な資料をもらつたときに御質問したいと思つております。私の資料では、たとえば二十八年と二十九年のたつた一年を比較いたしましても、やはり二二八に対する二八七にも仕事の量がふえておるのです。私の言い分は、それでもなおかつ人間を減らさなければならないという根拠がどこにあるか、こういうことなんです。従つて、大臣も資料を見ないで答弁をしたり、私が持つておる資料だけで私が質問するということより、やはりあなたの方から提出された資料に基いて質疑をして行くということが正しいと思いまするから、私の資料はかくの通り持つておる、持つておるが、それを言わなかつたのです。そこで大臣にお願いしておきますが、私との間の押問答でなくて、かくのごとく著しく仕事の量がふえておりますから、この仕事の量、それから最近起きておる混信監視等の余人でかえがたい、技術者でなければできない仕事の量がふえておるということを、数字の上で資料に基いて十分御検討なさつて、百三十名と言い切らないで考えてほしい。この問題は今日はこれでとどめておいて、資料が出たときにまたやりますが、とにかくかくのごとき著しい状態ははつきりいたしておるのですから、これは御研究願つて、百三十名に何が何でもやるんだというものの考え方ではなしに、今日は、この数字を再検討し、資料を検討して、電波関係については研究してみたいという考え方を披瀝しておいていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#50
○塚田国務大臣 その点は、先ほど百三十名はもう少し考える余地があるのじやないかということを申し上げた通りであります。ただしかし、資料はなるほど持つておりませんでたいへん答弁が十分でなくて恐縮でありますけれども、行政管理庁なり、もしくは郵政省全体の数字がきまつたときに、それを各部局に一応どれくらいの整理が可能であるかという配分の数字を考えますときには、それぞれの部局の事情は十分に――十分とまでは行きませんが、考慮いたしておるわけであります。そうして非常にふえておるということは私も想像されますが、たとえば、絶対に人を必要とするというような部署についての整理は全然考えない。従つて現在その部署がふえた結果できておるのでありますから、その部署に人がついておる以上、その部署の整理は、郵政省の場合のみでなく、他のどの省のどの部局についても、ここの部分はとても一人も削れないというところには、整理は絶対に行われておりません。従つて、私は詳細な電波関係の点は本日は承知いたしておりませんけれども、郵政省の場合においても、従つて電波部門においてもそのようになつておると了解をいたしております。なおまた詳細なことは数字をもつてお尋ねいただいたときにお答え申し上げます。
#51
○片島委員 関連して……。百三十名の整理の問題でありますが、今おつしやつたように、重要なところは減員はしない、これは一般の行政整理の原則であろうかと思います。私の聞くところによると、重要でない人の頭の数をどうしてもそろえなければならぬために、待命の勧告といいますか、そういりものをやらせるのは大体女の子の方に矢が向いているようです。またこれも私がじきじき調べたわけではありませんが、女子従業員を非常にたくさん待命の方にまわす。そうしますと、新聞あたりによりますと嫁入りしたくができる。退職手当は非常にたくさんもらえる、仕事はしないでも一箇年間は給料をただもらえる。そうしますと女の子でも、あるいは掃除婦といいますか、そういうような人は、なくてはならぬために何かまた役所というところはちやんと考え出す。大臣も御承知のように、定員法によらない官庁従業員かたくさんございます。賃金だけをやつて人間を入れておる。これは今でも官公労の非常に大きな問題になつておりまして、もちろんこの人たちは退職手当もつかなければ、恩給も何も関係はありませんが、日雇い人夫のような形で継続してやむを得ない場合は雇う。そうしますと、一方では退職手当はたくさん出す、一年間も休んでおる期間に給料は出して、裏からこつそりまた賃金だけ払つて雇い入れるということになると、吉田内閣は行政整理をやるということを言うただけに、顔を立てばるかりであつて、実際は一つも中身はとれないで、かえつて損をするというような結果になりはしないかということを、国民全般はみな憂えておる。私は電波関係についてどういう基準ができておるかわかりませんが、郵政関係についてはちよつと調べたのでありますが、電波関係については、どういうようなところにこの百三十名というものを割当てられるのであるか。幹部の方にも割当てられるのか、あるいは技術の方にも割当てられるのか、あるいはそうでなくして、でき得べくんば抵抗の少い女子従業員というところをねらつておられるのか。そのくらいのことはもう計画をして始めていると思うのでありますが、この点は長谷局長からでもいいですからお伺いします。
#52
○塚田国務大臣 それでは一般的な考え方として私からお答えを申し上げます。今度の整理は、別に婦人の方に重点を置いて整理をするというような特殊な考え方をいたしておるわけではありませんで、要するに、郵政省に割当てられた数をどこから整理をするのが一番無理なくできるか。無理なくという考え方は、省内の仕事の面もあるでありましようし、それからやめていただく方の家庭環境というような面もありましよう。両方の面の総合判断の結果、どこからということになるだろうと思う。そこでたとえばこの百三十名はどこからということでありますが、抽象的なものの考え方から申し上げますれば、先ほど申し上げたように、ある部署があつて、そこに人間が固着しておらなければならないところは、とても整理できる性質のものではありません。従つてそういうところは必ず整理除外になる。やはり一般的に整理の幾らかできると考えられる部分はそういう部分ではない。たとえば雑役の部面というものもありましようし、一般管理というような部面もあるでありましよう。そういうところから整理ができるという考え方にきつとなるだろうと思います。
 なおついでに申し上げますが、定員を切つて非常勤でということは、実は私も非常にその点を今度の整理で心配をいたしておるのであります。定員を切つて非常勤でふやすぐらいならば意義がないのでありまして、従つて今度は、原則としてはそこのところを非常にやかましく言つておりまして、定員を切ると同時に、現在ある三万三千人の非常勤も切るという考え方で、われわれは今度の整理に臨んだわけであります。しかし定員法の定員でなくとも、非常勤の労務者という程度のものでまかなえるもの、そういう性質の人間で済むものを、定員法上の定員の人員でまかなつて行かなくてもいいじやないかという意味におきましては、今こまかい数字は記憶しておりませんが、今度の整理人員六万人のうちのきわめて低い比率のものでありますが、非常勤の労務者の形でもつて大蔵省で予算面に措置をしたものが若干あると承知をしておりますけれども、決してそつちへみな逃げて、定員の行政整理は意味がないという性質のものではございませんし、またそうならないように今度の整理には私は非常に注意をしたつもりでございます。
#53
○片島委員 先ほど松井委員の質問に対して大臣から、電通公社関係についてはふやすものはふやす、減らすものは減らすという話がありましたが、五箇年計画の第一次年度から今年第二次年度に入りまして、当然第二年度の方が仕事の量も多いわけでありますから、増員になると思うのであります。そういたしますと、ただ一般行政官庁、たとえば郵政従業員などと同じような考え方でひとつ整理をやつてもらいたいという希望だけでなく、昭和二十九年度の予算において――もうすでに予算ができておるのでありますから、その予算の中において、どれだけ仕事がふえるから、どれだけふやすという増員の頭数は出て来ておるでありましよう。それからまた減員をしてもらいたいというのではなくて、行政整理をするならば、減員する頭数が当然予算書の中に出て来ておらなければならぬ。給与総則の基礎となつておるところの職員数については出ておらなければならない。この五箇年計画によるところの第二次年度の仕事の増による増員、それから一般行政整理に準じて整理をしようとしておる頭数、これを大臣からでも総裁からでも承りたい。
#54
○塚田国務大臣 公社の行政整理の場合には、時期的に若干ずれて参つておるので、今のところまだ整理をする数は三公社いずれも決定をいたしておりません。しかし予算は組まなければなりませんので、増員の分だけは――これは後ほど公社の方々の方から数字を申し上げると思うのでありますが、予算の中に最小限度の必要な増員の数字というものは組み込んである。私といたしましては、公社には、今後郵政従業員と同じ考え方で、ぜひその増員を頭に置いて、整理できるものを整理してほしいということをお願いし、また今後も推進していただくつもりでおるのでありますが、ただ公社につきましては、この公社の公共企業体の合理化審議会が近日発足して、いろいろな面の検討をお願いすることになつておりますので、若干そういう面とにらみ合せて時期的な判断をしたらいいのじやないか、こういうふうに考えております。
#55
○梶井説明員 二十九年度におきまして増加いたします人員は、六千五百三十二人になつております。
#56
○片島委員 今の大臣の御答弁では、これからひとつ減員の頭数はきめてもらいたい、こういうことでありますが、すでに昭和二十九年度の予算の説明が大臣からも総裁からもあるのでありますが、この予算の中には受入れられておらないとすると、二十九年度の本予算でなくして、補正予算か何かで減員をやろう、こういうお考えでありますか。それともこれからすでに出ておるところの御説明になつた予算を修正して、その中から減員をして行く、こういうお考えでありますか。
#57
○塚田国務大臣 予算を修正するという形になりますか、あるいは予算の中で剰余を残しておいていただくという形になりますか、その辺のところはまだ腹もきめておりません。とにかく現実には能率を上げられるだけの減員をしていただきたい、こういう考えであります。
#58
○松井(政)委員 さつきの続きでありますが、大臣にどうしても考えていただきたいので私は質問するのであります。先ほどちよつと申し上げたように、私の資料によれば、局の数は一万三千九百六十幾つかになつておるのであります。従いまして、二十八年度と二十九年度だけを比べても、これを局のふえた比率にいたしますと、二二八が二八七になつておる。それから一局当りの仕事の量を、今度は人員で計算をして参りましても、やはりそれと並行した量の数字が出て来ておるわけであります。たとえば仕事の量が、昨年かりに一のものがことしは一・四という比率で現われておる、そういう形であります。それから定員としてきめられた数のうちの九割近くが、国家試験を受けた人たちじやないかと思われる。従いまして、これはほとんど技術を要する、余人ではできない職場だと考えております。こういう点について、周波数、それから無線局のふえた数、それに比較した現在の仕事の量、こういうものを、少くとも私の今持つておりまする資料並びに長谷局長のところで具体的にとつた資料によつて大臣が目を通したときに、それが事実であつたならば、電波の関係におけるいわゆる行政改革に対する人員の整理等は、ひとつ考えてほしいと思われるが、いかがでございますか。長谷局長のところで統計的に出したこの資料が事実であるならば、考えざるを得ないと思いますが、いかがでございますか。
#59
○塚田国務大臣 今の場合に私として申し上げられます最大限の表現は、百三十名の整理をして電波行政がうまく行かないということであるならば、これは百三十名が零になつても絶対に整理を考え直さなければならぬということになると思うのでありますけれども、そうでなしに、とにかくこれでまかなつて行ける、このように努力して参りますし、またそれでやつて行けますという自信の持てる範囲におきましては、これはぜひ整理させていただきたい、こういう考え方であります。
#60
○成田委員長 郵政大臣に申し上げますが、今松井君の質問の趣旨は、自分の持つている資料によると、これだけの範囲の仕事の量の増加があれば、減員ということは根本的に考え方をかえなければいかぬじやないか、今政府は資料をお持ちになつていないと言われましたが、この資料が正しいとすれば、行政整理についての考え方を根本的にかえなければならぬじやないかという質問だろうと思います。これに対して塚田郵政大臣は、一般的な答弁をしていらつしやるのですが、松井委員は具体的に数字を出して言つておられるのですから、専門家の立場として、あの数字が正しいとすればどうかという御答弁を願いたいと思います。
#61
○塚田国務大臣 私もその点は頭に置いてお答えを申し上げておるのでありまして、おそらく仕事の量がふえた部面においては、必要な人員の整理はもちろんされておらないと思うし、全体として整理をする中からも、必要な部面には他の部分をはずしても人間をふやすという操作になると思う。従つて、ここでこれだけの数字が出ておるから、これを認めたら人間がふえるということを認めるかとおつしやられても、それはその通りでございますとはお答えできないのであります。三千四十何名の電波関係全体の職員の中から、これだけの人間を整理して仕事がうまく行かないということであれば、これはまた考えますという以上は申し上げられない。従つて、きわめて具体的にお答えを申し上げておるつもりであります。
#62
○齋藤委員 議事進行に関して……。今松井委員と郵政大臣との質疑応答を承つておりましたが、私にも私なりの資料があるのです。この資料から申しますと、とうてい人員の整理はできないと思う。第一、私が一番危惧の念にたえないのは、いつでも郵政大臣に申し上げておるように、郵政大臣は電波行政をどう考えておるか、根本がわからない。今度の行政機構改革で、一律一体に何分の減員だということになるから、こういうばかな数字が出て来る。もしほんとうに電波を考え、電波行政の根本を考えたら、こんな数字が出るはずはない。それを私は言つている。それをとにかく一足飛びに、春は春、夏は夏の考え方で、無計画のままにごちやごちやにして、今度は行政機構改革だ、人員整理だというと、まず百三十人、これは長谷局長としては、血の出るような数字を出したのです。今質疑応答を伺つておりますと、郵政大臣は、頭の中にはちやんとした周波数や何か、電波行政の拡大の姿があると言われるけれども、私はそれはうそだと思う。からつぽなんだ。これじやだめですから、私は議事進行として委員長にお願いするのでありますが、郵政大臣の方でもはつきりした材料を持つて来る、われわれの方でも材料を持つておるのでありますから、それを突き合せて、そこで郵政大臣の電波に対するほんとうの考え、電波行政に対する抱負からやつていただきたい。こんなばかな話はない。ことにこの前の議会において、われわれは全員一致の決議として、電波行政の強化拡充の意思表示をしておるのでありますが、郵政大臣としてこれを逆にやつておる。いやしくも電波行政と対する全責任を負つている郵政大臣が、電通委員全員の意思と逆行した電波行政をやるということは、とてもわれわれは承服できないのでありますから、十分なる資料を持つて来てもらつて、この問題を解決せられんことを要求いたします。
#63
○松井(政)委員 議事進行について齋藤委員の発言もありましたので、この問題についての大臣との応答は打切りますが、とにかくだれの持つている資料からも、無理だということだけははつきりいたしておりますから、電波関係だけについては特にお考えを願いたい。長谷さんの出す資料でも、やはりその数字を示しておるのです。長谷局長は百三十名、涙を出してこの数字を出したというけれども、長谷さんは数字を出したくないのだ。出したいのは大臣だけなんだ。しかも郵政大臣の塚田さんでなくて、首切り役を引受けている塚田さんがやりたいのだから、これは郵政大臣の本然に立ち返つて、資料に基いてひとつ御研究を願いたい。とにかく長谷さんの方は、百も承知、二百も合点だと思いますから、これは十分考えてほしいと思うのです。これで打切りますが、それを強く要望いたしておきます。
 そこで、同僚議員からの質問もあるそうですから、一、二点だけ質問して私はやめますが、公社のことにもどります。先ほどの御説明によりますれば、建設勘定六百十億円程度を予定したのですが、五百三十一億になつた。その結果具体的に市外線あるいは加入者開通等について数字をあげられまして、非常に困難を来して遺憾であると、遺憾の意を表明いたしておりまするが、六百十億が五百三十一億円に削られた内容について――内容というよりもどういう理由で削られたか。ここには単に政府の一般的財政方針とありますが、政府の行う事業ではなくて、公社が担当して成績を上げなければならない。公社の発足以来短時日であるけれども、昨年は非常に成績を上げていると思います。そういう事業に対する建設費が、政府の一般財政方針に従いまして五百三十一億になつたといつて、最後に遺憾の意を表しておりますが、そのいきさつについてお伺いいたします。
#64
○成田委員長 松井委員にちよつと御相談申し上げますが、農林委員会から、町村合併促進法の善後措置について、塚田さんの出席を要求して来ているのです。それで、もし郵政大臣に御質疑がありましたら、先にやつていただきたいと思います。
#65
○松井(政)委員 大臣に質問のある方から先にやつてください。
#66
○成田委員長 廣瀬君。
#67
○廣瀬委員 大臣に御質問をいたしたいと思うのでございますが、国際電電会社の問題について、きのうの大臣の御説明によりますと、国際電電会社は三億何千万円かの利益を上げているということであります。これは税金を納めての利益だと思いますが、税金を納めなかつたならば、どのくらいであるか伺いたい。
#68
○金光説明員 国際電電会社といたしましては、利益金の処分中に納税積立金として予定いたしてありますものは、一億八千万円でございます。
#69
○廣瀬委員 私は国際電電会社の問題につきましては、今度の国会で根本的にお尋ねをし、意見も述べてみたいと思うのでありまするが、私の考えを率直に申し上げますれば、これは公社の経営に復元すべきであろう、かような考えを持つておるのであります。そういうような観点から、もう一つお尋ねいたしたいと思うのでありますが、同会社の従業員に対しまして、九月期に一箇月の賞与を支給した、年末に三箇月分の給与を支給したということが、はたして事実であるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
#70
○金光説明員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの御質問で、少し言葉が足りなかつたのでちよつと補足して申し上げますが、第一期の利益金として上つておる三億七千万円のうちに、ただいまの納税積立金を含んでおりますので、補足して申し上げておきます。それからただいま廣瀬委員の御質問の九月期に一月、十二月期に三月が正しいか、そういう事実があるかというお尋ねでございますが、それはその通りでございます。ただこの一月分とか三月分とか申しますときに、その基礎になりますものが、必ずしも公務員あるいは公社職員と同じでなくて、本俸を基準として何月分という意味のことを考えておりますので、必ずしも公務員の何月分と同じでないという点を御了承願いたいと思います。
#71
○廣瀬委員 国際電電会社の問題につきましては、まだ私不勉強でありますので、その程度にいたしたいと思いますが、先刻から話が出ております建設資金の問題でありますが、われわれはこれはまことに言語道断、朝令暮改のあまりにわれわれを欺瞞したやり方であるという感じを持つておるのであります。私どもは十六国会におきまして、電話料金二割の値上げということにつきましては、国民多数の反対があつたにかかわらず、われわれはあの五箇年拡充計画を一応妥当なものとして共鳴をいたしまして、二割ということに線を出したのであります。つまりあの計画が、紙上計画と申しますか、大前提となつておつたわけであります。二割の料金の値上げをいたしましても、施設の整備拡充があれば、既存の加入者に対しましても利益を及ぼすというようなことを考えたのでございますが、その計画が、数箇月いたしまして六百十億から五百三十一億でございますかに減額されたのでございます。その大きな理由は、いわゆる財政投資の政府借入金が全然上つていないということにあると思うのであります。私どもは、この料金値上げという大きな問題の前提となりました五箇年計画のその資金の獲得につきまして――これは総裁にもあとでお尋ねしなければならぬことでありますけれども、大臣がはたしてどんな奮闘をされたかということをお尋ねいたしたいと思うのであります。先ほど二十五億の公募債の増発につきましてお尋ねをし、答弁がありましたときに、まことに現政府のやり方は無計画である。こんなことでは明年度の予算の審議の熱意を感じないというお話があつたのでありますが、まつたく私も同感を催したのであります。私は、料金値上げのときに皆さんが主張し、われわれもさような感じを持ちました国家の産業活動の基盤ともいうべき電信電話事業の設備の拡充というものは、何をさしおいてもやるべきである、国民の料金値上げの大きな犠牲を払つてもやるべきであるというような考えから、共鳴をしたわけでございます。ところが現在におきましては塚田大臣は、政府借入金に対しましてはたしてさような熱意を持つて、さような関心を持つて奮闘されたかどうかということについては、非常な疑問を持つておるのであります。その間のいきさつにつきまして、大臣からまずもつて私は承りたいと思うのであります。
#72
○塚田国務大臣 これは客観的な結果となつて現われておらないので、御批判を受けても、まことに返す言葉も知らないわけでございますけれども、しかし少くとも主観的な自分の気持としては、最大限の努力はしたつもりでおります。実はこの予算の編成の途中におきましては、幾たびか公社総裁と同道いたしまして大蔵省と折衝いたしたのであります。非常に大きな線といたしましては、今年の予算に伴います財政投資の計画が、総額におきまして約五百八十億くらい減つておりますので、相当程度この情勢に合せた減額はやむを得ないであろうという気持でおつたのであります。しかし最後の段階まで、公募でももう少しはできるのではないかということで、非常な努力をいたしたのでありまして、市中の情勢、それから興銀の意見、そういうものもいろいろと検討いたしまして、もう少しできるのではないかというので、最後の段階まで公募の七十億を、少くとも百億という線で非常に強く争つたわけでありますけれども、結局全体計画の上で、どうしてもいれられるところとならなかつたわけであります。しかし最後まで百億をがんばつていれられなかつたときのいきさつでは、大蔵省側の言い分は、今のところ市中の金融情勢から見ては、これ以上の公募はおそらくむずかしいだろう、公募のわくを広げることばむずかしいだろうということでありましたので、それではわくは広げておいてくれ、現実に公募ができないという情勢であれば、わくがあつてもできないので、同じことになるのだから、わくだけは少くとも百億にやつておいてもらいたい。それで、現実にそれができるようになつたならば、ぜひ百億までは公募さしてもらいたいということを主張したのでありますけれども、それに対しての大蔵省の意見は、それが現実にできるようになれば、そのときはまた考えることもあるからということで、この点やはり最後に七十億で譲歩せざるを得ないということになつたわけてあります。私も相当努力をいたしたつもりでありますし、私以上に、公社の総裁はしばしば足も運ばれて努力をされておるわけであります。ただこれはまことに申訳ないことでありますけれども、全体の国の財政金融政策、そういうものが非常に大きくかわつておるという考え方だけは御了承願いたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#73
○甲斐委員 大臣がお急ぎですから、一言だけお尋ねと要望を申し上げておきます。まず先ほどから問題になつております人員の整理の問題ですが、これは電波に対する認識、これが問題なんですけれども、仕事量もふえましたし、電波の重要性も十分御認識だと思うのですが、これを削減するというようなことはもつてのほかで、むしろ増員して強化し、かつまた新しい後続部隊の養成を考えていただくようになるべきではないか。ほかに削るところは大分ありますが、電波はふやさなければいかぬと思います。それを一つ要望しておきます。
 お尋ねはマイクロ・ウェーブであります。先国会でも問題になりました正力さんのプラン、これがさらに仄聞いたしますと、保安隊と結びついて、あの計画を強引に推し進めようというようなことになつておると聞いておりますが、これについて大臣はお聞き及びであるか、あるいはこれに対するお考えがあつたら、簡単でけつこうですからお答えを願いたいと思います。
#74
○塚田国務大臣 正式なものとしては何も承知しておりませんが、非公式なうわさ話としては私も承知はしております。しかし、別に保安庁長官からそのような話を受けたこともありませんので、問題にしておらないのですが、かりにそういう事態が出て参つたとしましても、それは保安庁と計画者の間だけで問題が解決つくものでありません。当然所管大臣の私のところに最終の判断及び決定の立場が保留されていると考えておりますので、別に問題にしておらぬのであります。ある特殊なものが保安隊というようなものとだけ結びついて、そういうだけの計画でもつて進められるということは、少くともこの問題については適当でない。保安隊が必要であるならば、やはり保安隊の必要というものも含めて、公社が総体計画として考えていただくべき筋合いであると了解しております。
#75
○松前委員 大臣にお尋ねします。一兆以内で一応予算が提出されておりますが、ことしはいろいろな意味で、たとえば一般の消費物資やら機械類の値下りを予想しておられるかどうか、お伺いいたします。
#76
○塚田国務大臣 予算の計画の数字の上では、そういうことは予想いたしておりません。しかし予算全体のにらみが年間に五%から一割の間の物価の値下げというものを目標に置いておりますので、当然値下りはあるだろう。従つて値下りのあつた分はそれだけ計画が容易に削減された金額でできるようになるだろうという考え方は持つております。
#77
○松前委員 しからばここに昨年よりも大分予算が減つておりますが、この減つた予算によつて、今年度程度の建設ができるというお見通しの上でこの予算はでき上つているかどうかを伺いたい、いわゆる五匿年計画に順応した計画がこの予算で遂行できるのかどうか。
#78
○塚田国務大臣 これは当初計画しました程度の進行状況が、この五百三十一億で得られるとはとうてい考えられませんので、その程度において――若干はこの差額を物価の値下りでカバーできる面もあると思いますけれども、相当部分は計画の後年度繰越しに残つて行くのではないかと考えております。
#79
○松前委員 これは製造工業との関連性の問題になつて来ますけれども、ただいまのような物価の値下りを予期し得るという具体的な政策を立てておられるというのでありますから、当然これは下るであろうと思います。しからばこの予算によつて、五箇年計画の遂行に対してどのくらいの――上まわるか下まわるか知らないけれども、傾向になり得ると仮定できるのであるか。この辺の製造工業に対する、すなわち機械類の生産に対する物価の値下りを考慮して、どのような見通しを具体的に持つておられるかを伺いたい。
#80
○塚田国務大臣 今の段階では、全般として大体物価が一割から五分程度下るという見通しで、どういう種類のものがどれくらい下るかというような、具体的には一般的な値下りの状況としても、まだ確定した資料もないのでありまして、従つてこの計画の場合には、ただいまのところその程度で、そういう意味の見通しは全然持ち合せておりません。
#81
○松前委員 どうも言葉がぐるぐるまわつて、私は非常に理解しにくいのです。というのは、五分ないし一割程度は値下りが見込まれるから、そのぐらいは上まわつた建設ができるであろうという見通しでございますか。
#82
○塚田国務大臣 五分ないし一割という表現は、おそらく物価全体の総平均をしていると思うのでありまして、ただどの部面がどれくらい下るのか、また上るのが中にはあるかもしれませんが、そういう個別的な判断は私としてもついておりませんので、個々の具体的な場合についての見通しはつきません。こういうお答えをしているわけであります。
#83
○松前委員 これは本年の特異な現象であると思われるのでありますが、これは当然電信電話の建設予算の中に、民間において製造されたる機械類その他の通信建設に必要なる資材の値下りが来なければならない。鉄も下れば鉛も下れば銅も下り紙も下るとなれば、下らないという要素は一体どこにあるかと言いたいのであります。ですからその点において建設予算が減つても、ある程度五箇年計画を遂行できるという見通しのもとに私は組まれたのじやないかと思いますが、この点に対してもまだ大臣の御答弁は伺つていない。いくら夏は夏、秋は秋といいましても、そういう場当りであろうとも、そのくらい見通さなければ、人間は五十年以上生きているものですから、そういう目の先のことだけでは承服できぬと私は思う。
#84
○塚田国務大臣 どうもはつきりしたお答えが申し上げられないで、まことに恐縮しているのでありますけれども、先ほどから申し上げますように、この計画にはそういう要素は――どれくらいできるか、これくらいの数字で何とかやつて行けるのだということまでは織り込んで数字を出しておりません。ただいろいろな他の面と申しますのは、財政金融というような面からの主とした制約で、これが精一ぱいであるということでこの数字を出したのであり、しかもこの数字の裏には財政金融政策全体から来る物価の値下りというものが相当あるから、六百十億が五百三十一億に減つただけの比率において計画が遅れるというようには考えておりませんので、相当程度はそういう意味でカバーできる、このように考えているわけであります。
#85
○松前委員 いつまで問答をしてもぐるぐるまわるばかりでありまして、大体物価は下るであろう、そうして建設は上まわるであろう。しかしその割合は具体的に言えない。これは自由経済で成行きにまかした状態でありますから、そうはつきりしたことをあなたから伺うことはできぬでありましようが、とにかく建設計画の遂行とともに、少くともほとんど電電公社に依存している工業というようなものに対しましては、諸般の物価の態勢から推して、値下りをなさしめ得るものであると私は考えます。この物価は、電電公社とメーカーとの間の競争入札よりも、少くとも協定によつてでき上つているものでありますから、従つてその協定を下げて適当なる生産コストにしさえすればできるのでありますから、政府の監督の立場においてそれはなさしめ得ると思う。しかしあなたは、どうもいろいろその場その場の情勢でかわるからわからぬというような話でありますが、そういうことでは国民の利益になるような建設はなかなかできかねるというような感じも持つのですが、この点はひとつ御努力を願いたいと思うわけであります。
#86
○甲斐委員 電電の総裁にお尋ねをいたします。今郵政大臣の私に対するお答えに、正力さんがマイクロウエーブに関するプランをもつて、保安庁と結んで事を進めようとせられておる。これに対して大臣は明瞭に、保安庁と結んでおやりになつてもこれを適当と認めない、やはり電電公社でやるべきだとお答えになつたのであります。そこで総裁はヨーロッパ、アメリカを御視察になつて、マイクロウエーブについても親しくごらんになつておると考えますし、またこれに関する折衝もなさつておられると存じますが、この前の国会までは正力さんの計画と電電の御態度、この関係がいささか明確を欠いておつたと思うのでありますが、すでに今日に及びますと、あなたの外遊の収穫から申しまして、またその後の経過から御判断になつても、結論が出ておるのではないかと思うのであります。従つて、念を押して一言だけをお尋ねしておきますが、あの正カプランでできたものを借りるとか、あるいはその他の形においてこれを取入れるというようなことを、今日なおお考えになつておりますか。あるいはこれは考えずして、電電として独自の立場でこれを遂行するのだというお考えなのか、伺つておきたいと思います。
#87
○梶井説明員 公社といたしまして、われわれが事業経営上常に考えますことは、経済的に施設をやるということであります。つまりコマーシャル・ベースに立つてすべてのことを考える。従つてマイクロウエーブをやりますときにも、最も経済的なマイクロウエーブをやりたい。そういう意味におきまして、私どもが計画しておりますマイクロウエーブは、現在正力さんが計画しておられますマイクロウエーブに比較いたしまして経済だと信じております。従つて正力さんの考えておられるマイクロウエーブを借りることは、私どもの経済的な観察からは不得策であるという考えでおります。
#88
○廣瀬委員 総裁にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、先刻来問題になつております建設資金の五百三十一億でございますが、これが減額になつたということについては、私どもはまことに遺憾に思つておるのであります。総裁が現在の内閣のような計画性を持たない内閣の電電公社の総裁であられることは、まことに御同情申し上げるのでありますが、あなた御自身として、財政投資あるいは公募債等について、現在の政府とはたしてどれだけの折衝努力をされたか、そのいきさつをお尋ねいたしたいと思うのであります。春は春、夏は夏というような考え方では、われわれはこの産業の基盤ともいうべき電信電話の施設の拡充整備の事業は、うまく行かないと思うのであります。さような前提のもとに料金の値上げ等もあえて共鳴いたしたというような関係もあるのでありまして、私どもはこの資金計画をまことに重要視いたしておりますので、あなたはどう思つておられるか、そしてどんな努力をしたけれどもだめであつたという、電電公社総裁としての決意のほどと申しますか、お考えのほど、並びに折衝の状況につきましてお話を承りたいと思うのであります。
#89
○梶井説明員 五箇年計画の第二年といたしましては、当初五箇年計画を立てましたときには六百十億という予算になつております。しかしその後ベース・アップがございました。このベース・アップは拡張計画にもただちに響いて参ります。従つて六百十億が六百二十九億という計算になつて参つたのであります。そこで私どもはその数字に基きまして、公募社債並びに政府財政投資の二つをお願いしたわけであります。しかし当初収入予算の見積りにおいて、私どもは従来通り九月末の収入を基礎として計算をしたのでありますが、ちようど九月末は料金値上げの影響がまだ強く響いておつたときでありますために、収入がかなり低くなつておりました。従つてさらに十月末の収入をも加味いたしまして、そして収入を修正いたしました結果、実際の収入が少しふえて参りました。それでありますから、結局私どともいたしましては、ただいま御説明いたしましたように、四百六十一億の資金のほかに社債を百三十億、それと六百二十九億との差額は政府財政投資にお願いしたいということを申しておつたわけであります。しかし先ほど来大臣の御説明がありました通りに、政府の財政資金は相当大きな減額をされておりますために、われわれが予期いたしましたような財政資金を電信電話事業に借りるということは、ほとんど見込みがないという状態になつて参つたのであります。従つてわれわれは少くとも公募社債だけでも百三十億をもらいたいということを折衝したのであります。しかるに本年度におきまして、八月以降公募社債を募集しますのに、鉄道が八十五億、電信電話公社が七十五億、総額百六十億になつております。それをこの三月までに募集いたしますのに、興銀が管理銀行になりまして、各銀行に協力してやつていただいておるわけでありますが、なかなか募集が困難であります。毎月必ずしも完全に消化するとは行かない状況もあるのであります。しかし幸いにして今日までは、各銀行が協力を惜しまずに非常な努力をしていただいておりますために、一応解決はついております。しかし二十九年度におきましては、興銀、日銀及び大蔵省の御意向といたしまして、大体百九十億が公募社債のわくである、それ以上は困難であるという話でありました。百九十億と申しますと、今度の二十九年度の予算におきまして、鉄道は百二十億の公募社債を認められております。従つて私どもの方は七十億、合せて百九十億、こうなつておるわけであります。そういう点から申しましても、鉄道が百二十億であつて、むしろ八十五億からふえておる。しかるに私どもは、二十八年度は七十五億であるにかかわらず、七十億に減つておる。鉄道がふえて電電公社が減つておるということはきわめて理解しがたいことであるということを、大蔵省に申したのであります。しかしこれは他の公社のことですから、私もその内容をよく知らないのでありますが、鉄道は新線もほとんどやめた状態で、現在における財政状態が非常に困難なために、やむを得ず百二十億の社債を割当てざるを得ないのである、勢い電電公社の方が七十億になつたのである、こういう御説明でありました。しかしさらに進んで私どもが申しましたことは、前の夏の国会におきまして、大蔵省も一緒にこの五箇年計画を遂行することに対しては、財政資金を考えようと言明されたではありませんか。つまり国会に対してそれだけの言明をされたということは、一種の公約であります。その公約を破ることはわれわれもできませんし、大蔵省もできないではありませんかということも申しました。しかし何と申しましても、この二十九年度に対する予算編成が非常な緊縮方針をとることに決定いたしておりますために、やむを得ず財政資金は割愛できないし、また公募社債は七十億をどうしても越すことができないと言われました。われわれとしましては、しからばさらに一段の譲歩をいたしまして、百億の公募社債を認めてもらいたい。しかもそのわくを認めてもらいたい。しかも今後一年間に起るところの現象は、もしもデフレ政策が成功するならば物価は下るでしよう。物価が下れば従来の換物思想は換金思想にかわつて来る。従つて貯金がふえる。貯金がふえるならば、それは公募社債を募集する余裕ができるではありませんか。でありますから、一応わくだけは認めてもらいたい、そうしてそのときの情勢によりまして、百億が募集できるならば百億募集さしてもらいたいということをも、極力申したのであります。それに対しまして大臣は、そういう余裕ができたならばさらに社債募集のわくをふやそうじやないか。それはもちろん国会の承認を経なければならぬわけでありますが、そういう手続をしてもいいから、この際だけはどうか七十億にとどめてもらいたいということで、先ほど御説明しましたような予算になつてしまつたわけであります。しかしこれは先ほど松前委員からのお話もありました通り、われわれは物価は緊縮財政をとられたならば下るだろうという予想はしております。従つて昨年来二十九年度においてはどれくらい物価が下るだろうかということについて研究を進めております。そうして製造会社に対して幾ばく値下げできるかということに対する根拠を求めておるのでありますけれども、しかしこれはまだ正確な結論を得ておりませんので、予算編成にあたつてはそれを表わすことができなかつたのであります。しかし実際にもし物価が下りまして、従来の電信、電話器材の価格がある程度値下げできるということになりましたならば、それだけ工程を延ばして、われわれは計画の遂行を少しでも進めて行きたいという考えは持つております。またそのほかにわれわれといたしましては、まだ在庫がございまするから、在庫をできるだけ吐き出し、そうして在庫の回転率を高めることによつて、幾分でも工事を進めたいということで、一応これを忍んだのであります。しかし当初われわれが五箇年計画を立てましたときに、二十九年度は主として基礎工事をやりたい。そうでないと、過去におきましては基礎工事が非常にあとまわしになつておるために、至るところで行き詰まりを来しております。この行き詰まりを打開しない限り、後年度における市外線の創設は非常に困難になつて来るという考えのもとに、第二年度が六百十億、第三年度が五百七十九億、第四年度が五百六十九億、第五年度が五百五十三億というふうに、だんだん少くなつております。でありますから、われわれといたしましては、今回それが五百三十一億に押えられておりますから、どうしても後年度においてそれをふくらます以外に方法がない。従つて今回はわれわれは忍びましたけれども、後年度においてさらに大蔵省に対して、財政資金なり公募社債なりをふやしていただきまして、基礎工事が多少遅れますけれども、第三年度以降においてその基礎工事の足りないところを補いたいという考えで一応計画を立て、さらにそれを根本的に検討したいというので、現在計画の検討を進めております。
#90
○廣瀬委員 国際電信電話株式会社の問題につきましては、料金値上げの際にもいろいろ御意見が出たのでありますが、ただいま総裁の御説明のように、財政投資あるいは公募債の発行については非常に抑圧されて来たのであります。昨日の大臣の御説明によりますれば、半期間で約三億数千万円の利益を上げているようであります。経営のよろしきを得ますならば、年間を通じましておそらく十億内外の利益はあるものだと思つております。かような会社の事業をなぜ公社から手放したかということを考えたくなるのであります。この問題につきましては私も研究してみたいと思つておりますが、総裁はこの問題についていかようなお考えを持つていらつしやるか。公社の経営がいいか、会社の経営がいいか、電電公社総裁の立場から御意見を承りたいと思います。
#91
○梶井説明員 国際電信電話株式会社が公社から分離することにつきましては、私が公社の総裁になる前に国会において議決されたものでありまして、従つて私はそれに従つてすべての事務を取扱つて参つたのであります。すでに国会がきめられたことに対してわれわれは批判すべきではない。従つて私見は申し上げない方がよろしいと思います。
#92
○齋藤委員 総裁にお疲れのところを一点だけお願いを申し上げておきたいと思います。今後五箇年計画は二千八百億という巨額を要する問題であつて、御承知の通り電信電話料金の値上げは当時非常な社会的な影響を巻き起した問題であつたのでありますが、これは必ず五箇年計画が完遂できるという線をはつきりと出したので、われわれは二割電話料金の値上げということに賛成をいたしたのであります。ただいま速記録を見ますと、これはまつたく言い過ぎかもしれませんが、郵政大臣及び大蔵当局がうそを言つたということになる。われわれは頭が悪いので、何回も繰返して御説明を願つて納得をいたしませんと、いわゆる国家国民に対する責任が果せないことになりますから、総裁におかれましても、御迷惑でありましようが、何回でも同じ質問であつても懇切丁寧にひとつお答えを願いたいと思うのであります。それにつきましてここにいろいろ資料の提出を願いたいと思います。今御説明を願いました中でも、本年度工事の進捗による自動式局のサービス改善が、東京の七局を初め十二局、東京・名古屋・大阪間のマイクロウエーブ通信網などいろいろ問題がございますが、ただいま総裁の御説明になりました中で、もつと詳細に資料の御提示のできますものは、詳細な資料の御提示を願いたいと思うのであります。
 それからもう一点は、きようでなくてもよいのでありますが、もつと御用意を願つて御説明を願えればけつこうです。六百十億必要なところに五百三十一億で大体八十億足りない。それは多少ここに工事の繰延べということもございます。また先ほどの御説のように物価の値下りということも見込めるかもしれません。あるいはその他いろいろなやりくり算段が見込めるといたしましても、八十億という巨額が減りましたのに、これだけの繰延べ工事で第二箇年の工事が完成されるということは、ちよつと受取りがたいのであります。それでお尋ねいたしたいのは、マイクロウエーブ、すなわち極超短波無線の施設は大阪・福岡間、東京・札幌間の二区間を二十九年度、三十年度にわたつて完成する計画、こういうようなものもございますが、これは先ほど総裁が申された通りに、欧米を視察されましたその間に、いろいろ巷間伝えられるがごとき二千五百万ドルの外資の導入、これが日本のマイクロウエーブ完成に五箇年賦でもつて貸されるのだというような記事も新聞に出ておりましたが、こういうようなことを見込み、総合的に考えて、電話五箇年拡充計画は遂行できる御自信をお持ちになつておるのか、その点を簡単でよろしゆうございますから、ひとつ御説明を願いたいと思います。
#93
○梶井説明員 外資の問題はまだ交渉の初期でありまして、確実に外資導入ができるということは申し上げられないのでございます。従つて五箇年計画に外資導入というものは一応勘定に入れてありません。もしそれができますならば、その機会においてさらに予算として国会に提出いたしまして、御了解を得た上でそれだけ工程を延ばしたいという考えでおります。従つて現在計画いたしておりますマイクロウエーブにつきましては、外資導入とまつたく無関係でございまして、二十九年度、三十年度において福岡から札幌まで完成する予定のもとに、着々準備を進めております。従つて外資導入ができませんでも、札幌から福岡までのマイクロウエーブは三十年度末までに完成する予定であります。
#94
○甲斐委員 議事進行……。電電総裁は身辺の御不幸で心身ともにお疲れのように承つておりますので、きようはこれくらいで打切りとして、かつまた明日予定されておるということですけれども、それはお延ばしになつたらどうかと思います。そうしてほかの題目で明日開かれることはさしつかえないと思いますが、これをひとつ提案いたします。
#95
○成田委員長 それではあとで皆さんと相談いたすことにいたしまして、本日はこれで散会いたしたいと思います。
    午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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