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1953/03/18 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第12号
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1953/03/18 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第12号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第12号
昭和二十九年三月十八日(木曜日)
    午後一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 成田 知巳君
   理事 岩川 與助君 理事 庄司 一郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 小泉 純也君
   理事 原   茂君 理事 甲斐 政治君
      齋藤 憲三君    中曽根康弘君
      廣瀬 正雄君    片島  港君
      松井 政吉君    松前 重義君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        郵政政務次官  飯塚 定輔君
        法制局参事官
        (第三部長)  西村健次郎君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      長谷 慎一君
 委員外の出席者
        参議院法制局参
        事
        (第三部長)  川口 頼好君
        参  考  人
        (日本放送協会
        長)      古垣 鐵郎君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     岡部 重信君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の
 承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
    ―――――――――――――
#2
○成田委員長 ただいまより開会いたします。
 この際御報告申し上げます。昨日の委員会において委員長に御任願いました日本放送協会二十九年度の予算審議の参考人につきましては、東京大学教授、東京大学新聞研究所長千葉雄次郎君、日本放送労働組合中央執行委員長中塚昌胤君、日本民間放送連盟事務局長酒井三郎君、評論家石垣綾子君及び飯田静江君(芸名夏川静江君)の五名より、意見を聴取することに決定いたしましたので御了承願います。
 前会に引続き放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求める件(内閣提出、承認第号)を議題といたし、審査を進めます。この際塚田郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。塚田郵政大臣。
#3
○塚田国務大臣 それでは私から電波行政について現下の問題点及び今後の方針について申し述べたいと思いますが、その前に、まず電波の利用及び電波行政の発展の経過を概観し、それが今日いかなる重要性を持つに至つているかに思いをいたしてみたいと思うのであります。
 御承知のように電波が人類の用に供せられるようになつたのは、八九五年(明治二十八年)のことでありますが、その後僅々半世紀の間に電波の利用は真に驚くべき発展を示したのであります。すなわち電波は、従来のように船舶通信、公衆通信のみに利用せられているばかりでなく、今日においては、警察、防衛、海上保安、航空、気象、水防等の国家事務のためを初めとし、地方行政事務のためにも利用せられ、その他日本国有鉄道、日本放送協会、民間放送会社、新聞社、電力会社、各種メーカー、銀行等のそれぞれの業務に、さらにアマチュア無線のごとき個人に至るまで、広汎な分野にわたり、社会の活動と密接なつながりを持ち、今日の国民生活は電波の恩恵に浴しないものはないと申しましても過言ではないと存じます。わが国における電波利用の面も最近非常な発展を遂げて参り、無線局の数をもつて見ますと、世界各国のうちでも米国、英国に次ぐ状況になつております。このように最近電波の利用が著しく伸びた理由として考えられるものは、もとより利用者において電波利用の有効性を強く認識し、積極的にその利用をはかられたことがその一つでありますが、最近における電波科学及び技術の進歩発達と、従来政府専掌であつた電波の利用を広く国民に解放した電波法の制定による制度の改変が、これを可能ならしめたところのものであると存ぜられます。
 次に総括的に、電波行政の特質、その基本的性格といつたものについて触れておきたいと思う次第でございます。
 まず第一に、電波行政の必要性について申し述べたいのでありますが、電波は、その利用し得る数においてまことに強い制限があることであります。もちろん電波科学及び技術の発達により、逐次従来使用不可能であつた周波数帯に対して開拓の手は伸びつつありますが、そのときにおいては利用し得る電波が、国内的及び国際的に制限のあることは申すまでもありません。このように電波には、利用し得る数に制限がありますので、まことに貴重な国家的無形資源と申すべきでございます。このような限られた貴重な資源でありますから、その利用は国家的に最も有効に行わなければなりません。ここにどうしても国として行政の対象としなければならね理由があるのであります。御承知の通り電波法は、電波利用の国家独占を改めました。しかしながら国民共有の電波は、決して個人の所有物ではないはずであります。従いまして電波法は私人の電波利用を認めはいたしましたが、特定人にこの貴重資源の利用を認めるということは、その者に対する大きな利益、大きな特権の設定でありまして、その場合には共有者たる国民による全国民的見地からする選択の意思が働くべきは当然であります。しかもこの許否の決定は、現行法律のもとにおいて行政庁が実施すべきものとせられている次第でありますが、私は以上申し述べましたような観点から、電波利用の免許あるいは監督等について現行の法律、規則の運用を行い、また今後改正を要しますものがあれば、これを改正することにいたしたいと考えている次第であります。
 電波行政の特質の第二点といたしましては、無限の将来性があるということでございます。御承知のように利用し得る電波の個数はきわめて限られたものでありまして、そのため各国とも電波獲得のため必死となつておりますが、わが国といたしましても、国際的に電波利用の権利確保のため努力いたすべきは当然であります。さらに科学技術の振興により、今まで使用不可能であつた電波を使えるように開拓することが可能であります。また通信方式の改善によつて、通信に使用する周波数の幅を狭めることとか、通信速度を向上することなども研究課題であります。これらによつて電波界の将来は、まことに洋々たるものがあり、現に日に日に新たなものが生れつつあります。しかしこれはすべて広大な分野にわたる科学、技術の研究研鑚の成果、いわばピラミツドの頂点に咲いた花でありまして、われわれは今後この下部構造をつちかうことに大いなる努力を傾けねばならぬと存ずる次第であります。
 電波行政の特質といたしまして第三に、私はその国際性について一言いたしたいと存じます。御承知のように短波及びこれより長い電波は、到達距離の関係上、国際的に混信の問題を生じます。従つてどうしても国際的な統制を必要といたします。さらに船舶及び航空機は国際的に運航いたすものでありますから、使用電波や通信の方式、通信の手続等について国際的なとりきめに従う要があります。そのゆえに国際間には早くから電波に関する条約があり、わが国もつとにこれに加入いたしておりました。太平洋戦争後も、昭和二十三年には国際電気通信条約に加入の手続がとられ、翌昭和二十四年には加入が完了いたしました。万国郵便条約復帰に続き、わが国として戦後条約に加入した第二番目でありました。それほどに電波の関係は、国際関係と切つても切れぬ密接なつながりがあるのでありまして、条約によりわが国の政府は、国際的に認められたところにより無線局の免許、監督及び監視等いろいろな権限を有し、また義務を負つているのであります。この意味におきまして、私は国際的な電気通信の業務にできる限りの協力をすることが必要だと考えておりますが、各種国際会議等においても、努めて有力な代表団を派遣し、国際電波行政に有力な寄与をなすとともに、各国をしてわが国の電波界における実力を認識せしめ、国際的な地位においても有力な発言権のある状態に一日も早く持つて行きたいものだと念願いたしている次第でございます。電波関係において国際問題が多いことは、以上のことや、波の争奪の交渉のことでもおわかりの通りでありますが、わが国の電波関係は、他国に比して国際問題が一層複雑かつ重要となつているのであります。それは第一に、駐留軍との関係があることでありますが、これらにつきましては行政協定に基く日米合同委員会の周波数分科委員会において、その間の調整がはかられております。第二には、わが国がソ連、中共、朝鮮に隣接していることでありまして、これらの国々には、国際電気通信連合に加盟していないところ、または加盟していても、国際規則の適用について留保を行つているところもございますし、これらの地域との間において発生する混信問題等の処理は、まつたく今後に残されたむずかしい問題といわねばなりません。
 電波行政の特質として第四にあげたく思いますのは、それがまつたく新しい行政であること及びきわめて技術的専門的要件を帯びていることでございます。電波行政以外の各種の行政は、いずれも古くからあつたものでございます。従つて、官庁としてもいずれも長い歴史を持ち、行政としての内容も、多かれ少かれ一般によく周知されて来たものでございます。しかるに電波行政に至りましては、過去においてはその幅はきわめて限られており、しかもそれが最近に至つて急激に増大し、また重要となり、行政として大きな実態を備えるに至つたものであります。しかもその実態についての知識は、きわめて技術的、専門的となりますために、一般にはなかなか了解されがたい点が多いのであります。以上述べましたように、私は電波利用の実態と電波行政の重要性を考え、またその特異性に思いをいたしますときに、解決すべきいろいろな問題があるのでありますが、いずれもゆるがせにできないように思うのであります。これらの問題につきましては、各位の御協力によりましてそのすみやかな解決を期する所存であります。
 以上申し述べましたような基本的な考え方なり、態度なりに立ちまして、当面の二、三の問題につきましてその方針等を少しく申し述べたいと思います。
 まず第一に言及いたしたいことは、国として一貫した、統一された電波行政を確立するということであります。先ほども申し上げました通り、電波は国家の限りある貴重な資源であり、またその利用のいかんやその効果の国家社会に対する影響のはなはだ大きい点からいたしまして、電波法の第一条(目的)にうたわれておりますように、電波の公平かつ能率的な利用を確保し、もつて公共の福祉の増進を期すべきことはいまさら申し上げるまでもございません。この観点から電波の利用範囲の拡大を期する面、わが国として現実に利用可能な電波を国家全体として、最も合理的かつ能率的に活用し得るようはからねばならぬこととなるわけでございます。この電波利用の積極的拡大の方途としては、国際的にわが国として使用可能な周波数の獲得と、電波の利用に関する技術の発達振興であります。また現に利用可能な電波の合理的かつ能率的な活用の方途としては、国家全体としての電波の使用計画の合理的な総合調整と、設備せられた電波施設の能率的な総合運用と申すようなこととなると存じます。電波の使用についての国際権益の獲得等については、先ほど一言いたしましたし、また電波についての技術の発達、振興については、後にあらためて申し述べたいと存じますので、ここでは特に電波利用の総合計画及び合理的、能率的な運用ということについて言及したいと存じます。
 電波利用の合理的な総合計画としては、有線通信、無線通信としての相互関連から考慮するばかりでなく、日本電信電話公社の公衆通信施設とその他の専用通信施設との関係、国家としてのいわゆる官庁通信と一般民間通信との比重、あるいは防衛関係とその他の電波利用等、国家全体として種々の面から、しかも常に総合的に、統一的に考慮せらるべきものと存じます。このことは、周波数の合理的使用からもそうでありますし、資材資金に乏しいわが国情からもそうであり、かつまた非常災害に対処する考えからもその必要に迫られることは、必至のところと思われるのであります。この意味において私は、有無線を統合した一元的行政を今後強力に推進する必要があると痛感し、両者を統合した電気通信行政、さらにまた総合的な電気通信施設計画の設定を国家として確立する必要があるのではないかと存じておる次第であります。一方わが国における電波管理の行政が、現在国家全体として一本に統一されていることは、まことに当を得たところでありまして、このことは国として対内的にも、また対外的にも利するところがきわめて大きいと存じております。電波管理についての行政機構等が当を得ていないときには、その国の電波の利用について、特に軍用あるいは国防用と、その他の用途との間の関係がしばしば調整困難となつて、国家全体として内外ともに不利な状態となる実例が見られるのであります。わが国におきましても、かつて陸、海、逓と電波の利用が三分されておつたこともあり、現在も欧米諸国等において、この関係が国全体として統一ある形態となつていないために、電波の国際的権益の確保及びその合理的、能率的活用に欠ける例も少なくないのであります。幸いわが国においては国家全体として、電波管理の仕事は、細部の手続その他の点は別といたしましても、その根本である電波統制の面が厳として一本に統一されている点は、今後とも保持さるべきものと信じているものであります。
 次に電波利用の合理的、能率的利用方策に関連いたしまして、現有設備の運用についての問題でごごいますが、わが国の経済力、利用し得る電波に限りある点、また天災地変の多い事情等を勘案いたしますときに、通信施設、特に電波を利用いたします通信施設の合理的、能率的な総合運用を期すべきことは、重複施設を避ける意味から、ただいま申し述べました施設計画の総合調整を必要とする面において、きわめて必要なことと思うのでございます。
 このために設備や部品類の規格統一、通信運用方法の規準化あるいは通信従事者の総合訓練と申すようなことも、必要になつて来るのではないかと存じます。現在非常災害時等に際して、官民各方面にわたる多数の無線局の免許人または運用者が、まつたく元となつて適時通信網を形づくり、非常時に際する救助、復旧その他の重要通信の疏通をはかつて来ておりますことは、御承知の通りでございます。しかし現在のところは、中央及び地方に非常無線通信協議会として、各無線局を運用している関係者が相当援助の形をとつているだけでありまして、郵政省としては、単にこれを指導し、援助する立場だけにとどまつておりますが、ほとんど例年と申しても過言ではないほどに、風水害その他の災害の多いわが国としては、なお一層効果を発揮し得るよう、この非常無線通信の制度化、国家的補助、平時からの訓練の実施等についても、早急対策の必要があると存じております。
 さて、電波の利用が各方面にわたつて広くまた深く普及して参りますとともに、問題となつて参りますのは、無線通信や放送受信に対するいわゆる雑音障害であります。この影響は、一般の電気設備や高周波利用設備の普及とともに、最近急激に増大の傾向を示して来ているのであります。この雑音障害、すなわち電波利用に対する妨害を除去または軽減する問題は、電波の利用のための消極的発展策とでも申せると思うのでありますが、これについての法的措置も現在十分でない状態でありまして、このまま放置いたしますならば、将来に重大な禍根を残すおそれがありますので、これが除去対策を急速に樹立し、要すればその法制化についても考慮すべく、目下鋭意その成案を得べく努力している次第でございます。しかしながら本問題は何分その関係範囲がきわめて広汎であるため、またその及ぼす経済上の問題も多々ありますので、通産省関係各省との協力のもとに施策を講ずる要がございますが、一面広く国民各位の理解と協力に期待するところがきわめて多いのであります。
 次に放送について申し上げます。まず第一に私は、標準放送及びテレビジヨン放送が現在のわが国においていかなる位置を占めるものであるかについて、思いをいたしてみたいと存ずるものであります。わが国の現下の最高命題は、国家の再建にあり、しかもこれを民主主義の原理によつて達成するというところにあると存ずるのでございます。この民主主義原理による国家の再建ということを遂行するにあたつては、マスコミユニケーシヨンの手段が絶対に必要であり、この分野において放送の機能に期待するところはまことに大なるものがあります。すなわち各種の事実が正確、迅速に国民全般に報道され、多方面の意見が広く一般の批判の場に提供されて、これらを素材として国民の一人々々が自主的な判断を下し得るようにすること、また一旦決定した事項については、その決定に至つた経緯及び理由を明らかにして、全国民の納得のもとに国民の協力を形づくるということが根本となるわけであります。また国民に勤労の疲れをいやすために健全な娯楽を提供することも必要でありますし、一方、特に次の時代を背負うべき青少年に対しましては、深い情操と教養とを涵養する機会を与えることも大切であります。かかる意味におきまして、放送の使命はまことに大なるものがあると存じている次第であります。
 以上のように私は放送の持つ意義を理解し、それは単に個人の生活の便宜のために必要であるというような小さなものではなく、まさに国家としてその最高度の活用が望まれるものであります。ここにおいて私は放送について次の三つのことの実現を必要と考える次第であります。すなわち第一は放送施設の全国的普及であり、第二は放送の使命達成に最もふさわしい番組の提供であり、第三は受信機の最大限の普及であります。しかしてこの三者の実現をはかります場合に、わが国の現状からいたしまして最も合理的に、最も経済的に行う必要があると存ずるのであります。以上のような基本的観念の上に立つて、以下放送に関する若干の問題について意見を述べてみたいと存じます。
 まず第一は、放送法の改正問題であります。現行放送法は被占領時代に制定せられ、放送のあり方、日本放送協会の使命、その業務内容等を規定するとともに、電波法とも関連していわゆる民間放送を可能ならしめた画期的なものでありましたが、かねがね申し述べました通り、現状におきましては種種改正を必要とする点が少くないように存ずるのであります。また国会におかれてもその必要性を指摘せられておりますので、政府といたしましてはこの放送関係法令の改正につきまして、さきにも申し述べましたように特に調査委員会を設けるなどいたしまして、鋭意その準備を進めている次第でございます。
 この際調査委員会において調査すべき問題と考えておりますことの二、三を申し上げたいと存じます。申すまでもなくこれらの問題点といたしましては、今後同委員会の作業が進捗するに伴い、いろいろな事項が浮んで来ることとは存じますが、私といたしましては、目下次のようなことが、問題として十分調査されなければならないのではないかと考えているのであります。
 第一は、放送の持つ公共性と表現の自由との関係をどう処理するかということであります。これに関連するものとしては、放送番組関係の準則として法律に掲ぐべきものは、現行法に規定されている程度のものでよろしいかどうか、特にテレビジヨンが生れた今日においても支障がないかどうか、自主的な番組規律の実施を確保するための何らか有効な組織ないし手段というものを考える要があるかないか、民間放送の場合に放送時間のすべてを商業番組としてしまつていいものかどうか、一つの放送会社に所属してよい局数に限度を設けるかどうか、ネットワークを構成する場合に何等かの制限を要するかどうか等が調査の対象となるように考えられます。
 第二は、放送事業は全体として公共的性格を持つべきものでありましようが、これを実施する一般放送事業者の放送事業と、特に公共的企業体として設けられている日本放送協会の放送事業とは、同じものであつてよいものかどうか、異なるところがあるべきものとすれば、その内容はどういうことか、たとえば事業の目的、範囲、放送番組等において、それぞれいかにあるべきであるか、こういつたことが調査を要することと考えられます。
 第三には、日本放送協会の機構、運営、国家との関係等が問題点として考えられるべきものと存じます。この関係といたしましては、たとえば協会の経営の責任体制は現行の経営委員会制度がよいか、あるいは他の形態がよいか、協会に対する国の監督は現状のままでよいかどうか、予算や事業計画は国会の承認事項となつているが、現状のままがよいか等のことが含まれるべきものと思つております。
 第四には、放送受信料のことが問題点であると存じます。これにつきましては、現行制度のままでいいかどうか、日本放送協会との契約に基く受信料という観念を何らか他の観念に切りかえる必要があるかどうか、従つて徴収の法的根拠なり、徴収の方法、協会の収入確保の方法に変更を加える必要があるかどうか等のことが問題であろうと思つております。
 第五には、立法の形式として放送法を二つにわけ、一つを放送全般に通ずる一般準則を規定する放送法とし、他を特に日本放送協会の目的、設立、業務、組織、財務、監督等に関する事項を規定する日本放送協会法とでも申すべきものとすることの要否及び適否が問題として調査されるべきであると存じます。
 以上放送関係法令の改正について調査を要すると考えられるところのものを、例示的に御説明申し上げた次第でございますが、これに関連して電波法の改正と申しましようか、その調査研究も必要となつて来るかと思われるのであります。つまり放送局の免許の基準を十分に調査いたすべきでないかと思つております。現在電波法第七条及び関係の規則にこれらに関する規定があるわけでございますが、何分にも重要な免許処分でありますので、法律をもつてできるだけ詳細な規定を設けることが必要なのではないか、また、現行法では他の要件が満たされてさえおれば、電波がある限り免許を与えなければならず、国家的な価値判断あるいは将来にわたる一般情勢の考慮を加える余地がないかのような形で規定が設けられておりますが、国家社会全般の利益、つまり公益の観点に立つて免許するかいなかをきめる裁量権をある程度まで、明文をもつて行政庁に認めることが必要なのではなかろうか、これらの点についても慎重に調査研究を進める要があると思つております。
 なおこの際言及いたしたいことは、テレビジヨンにせよ、標準放送にせよ、新たな商業放送局を設けたいとする申請がきわめて多いのでありますが、私といたしましては、ただいまも申し上げたことに関連いたしますが、今後の放送局の新設免許は、十分慎重に行うべきものではないかと考えておることであります。かく申しますのは一つには周波数の面からであり、二つにはわが国の商業放送の健全な発達をはからんとすることからであります。すなわち周波数におきましては、標準放送については現に使用可能の限界点まで利用し尽しており、今後東亜の情勢の変化によつては、場合によつて国内における現用周波数の維持すら、実際的にもきわめて困難になつてくるのではないかとおそれるのであります。また事業経営の面からは、わが国の経済力からいたしまして放送広告に充て得る経費にもおのずから一定の限度があり、いたずらに多数の局がこれを奪い合う結果は、勢い放送内容の低下となることをおそれるのでございます。アメリカのごとく厖大な資力を有する国と異なり、わが国においては放送の受信者たる一般国民が負担できる広告費、ないしは負担させても国家的にないしは社会的に支障なしと認められる広告費にも、一定の限度があるのではないかとも存ぜられるのであります。このような意味から私は、最近非常に多く開設されました商業放送局の実情をしばらく注視したいと考えている次第でございます。
 最後に電波関係の技術の振興について申し上げたいと存じます。電波利用の発展は、電波に関する技術の発達いかんにかかつていることは、いまさら申し上げるまでもないことでございまして、国として電波関係の技術の振興に力をいたすべきことは、しばしば本電気通信委員会においても御指摘になり、また御激励をいただいておるところでございます。よく二十世紀のシンボルは、航空と電波と原子力であるといわれており、いずれもこれらの技術の進歩発達はまことに目ざましく、文字通り日進月歩でございます。特に電波は先ほども申し上げました通り、国家、社会万般の活動に、また国民の日常生活にも浸透している今日の実情を考えますときに、わが国における電波技術の振興をはかることはまことに緊要と存ずるのでございます。電波の利用に関する技術は、他の技術においても同様でございましようが、単に電気工学の面にとどまらず、物理、化学、機械工学、光学、熱学、音響工学から、さらに天文、気象方面の学問や技術とも有機的に関連を持つた、いわば近代科学の総合技術であると伺つているのでありますが、それだけにその発達、振興をはかるためには、国家全体の技術、工業、諸産業の総合的な発達と、その機能なり、能力なりの一体となつた発揮によつて、はじめて期し得るものと存じます。しかも電波は、先ほど申し上げました通りに強い国際性を持つておりますので、他の科学、技術においてもそうでありましようが、一層国際的な視野と観点に立つて、電波についての技術の発達をはからなければならないと思うのであります。
 翻つてわが国の電波技術界の現状を見ますに、戦時中における国際的隔離並びに戦後の空白により、欧米諸国に比し相当の遜色を見せていたのでありますが、その後における外国よりの技術導入並びにわが国関係者の努力により、急速にその遅れをとりもどしつつあることは慶賀にたえません。しかしながらいまだ外国技術の追随期を脱しておらないのでありまして、今日わが国の経済自立が科学技術の振興にまつところきわめて大なるものがあるのに思いをいたしますとき、電波関係技術の振興、たとえば関連する諸研究機関の拡充強化に対して、大いに力をいたさなければならないと存ずるのであります。また従来わが国の研究体制といたしまして純然たる基礎研究もさることながら、むしろ生産技術の研究面において著しく欠けるところがあるように申されております。経済的な理由も大分にあることと思いますが、この点に関しましても関心が払われてしかるべきだと存じます。さらに電波関係の技術の研究が、その発達によつて他の関連技術や関連産業の発展を招来し、単に国内の電波利用やその他の工業、産業に利するばかりでなく、またわが国として海外貿易の最も有望なものの一つとしての電気通信機器あるいは電波機器の位置を考えますとき、急速に電波技術の振興、その研究施設の拡充強化をはかることの必要を痛感するのであります。
 電波関係の技術の振興あるいはその研究施設の充実をはかりますにあたつて、電波に関する技術が、きわめて広範囲にわたる各方面の学問や技術に基礎を置いている点からいたしましても、一郵政省としてのみではなく、国全体として、一致協力した線に沿つて努力すべきことは申すまでもないと存じます。一般技術の振興、特に生産技術に関する研究等につきましては、通産省がその所管官庁でありますので、通産省当局等とも十分に連繋、協力をはかつて、電波関係技術の発達、振興を期したいと存じております。
 なお当郵政省関係といたしましては、その付属機関として電波研究所を有し、また日本電信電話公社の電気通信研究所あるいは日本放送協会の放送技術研究所等の有力な研究機関があるのでございますから、今後これらの機関の拡充強化をはかるとともに、場合によつては重点的に研究目標を整理調整し、相協力して急速に研究成果を上げうるような体制を考慮することも必要となるのではないかと存じております。
 以上私はわが国の電波管理行政について、その現状、基本的な考え方並びに当面の問題等につきまして卑見を述べたのでありますが、電波行政が国家として、また国民一般にとつていかに重要であるかを思い、また電波の利用の範囲が、技術の進歩とともに日に月に発展して参りますことを考えますときに、その行政の衝に当る者といたしまして、行政の運用、行政機構、法令の改正、技術の発達助成など、電波利用の発展のために、各位の御協力と御援助によつて、時代の進運に遅れないよう最善の努力を払いたいと考えている次第であります。
#4
○成田委員長 質疑の通告があります。これを許します。齋藤憲三君。
#5
○齋藤委員 ただいま電波行政に対して大臣の抱負経輪が述べられたのであります。初めていわゆる電波行政白書とでも申しますものが出て参りまして、われわれは大臣の構想によつてこれから電波行政に対する審議を進めて行くことのできることを、衷心から喜びといたすものであります。今日までもつと早くこういうものが出て参りますならば、委員の質疑応答の焦点もすごぶるはつきりしたところへ定められて、もつとくす奪かに農行整対する国会の意思が積極化されたであろうということを考えるのでございます。おそいとは申しながら、ここにこれだけの電波行政に対する基本的な考えが出て参つたということは、私のみならず、これは日本の電波行政に対して非常に貢献するところがあると思うのであります。ただ私質問の前提といたしまして、今電波行政についてお述べになりました広汎な分野に対しての質疑応答を重ねておりますと、これは何日間を必要とするかわからぬのでございまして、この点ははなはだ残念でございますが、後日に残しまして、ただいま問題の最も焦点となつて急を要しますNHKの料金の値上げ問題に対して、質疑応答を重ねて参りたいと思うのであります。
 ただその前提として、大臣にもお願い申し上げておつたのでございますが、放送法の第三十七条の規定によつてNHKの予算に対して国会が修正権を持つか持たないかということに対して、思想の統をはかられて、その結論をここにお出し願いたいということを申し上げてあるのでございますが、これに対して御答弁を願います。
#6
○塚田国務大臣 お尋ねの点は、実はこの法の解釈に非常に困難がありますので、先般来法制局の意向も徴しながり意向をまとめておつたのでありますか、大体次のような意向にまとまりましたので、この機会に御報告申し上げたいと存じます。
 結論といたしましては、放送法第三十七条における国会の承認権は、修正承認権はないものであるという解釈でございます。それでどういう考え方からそういう考え方をいたしておるかと申しますと、第には承認という文字は、従来同意、許可または認可の意味に用いられており、変更、停止、制限を命ずる下命の意味には用いられておりませんので、結局承認とはイエスかノーかの意味をさす場合にだけ使われています。従つて国会で修正を行い得る場合にはそのことを明らかにするために、承認という文字を使わず、他の言葉を使つておる。すなわち国鉄、電電公社の予算については、その議決に関しては国の予算の議決の例による旨の明文の定めをなしてある。このように現行の立法例において観念上の区別が行われておるのであるから、文字の上からもNHK予算の承認は修正、すなわち部分的変更の下命というものを含んでいない。
 第二の理由といたしましては、協会の年度予算等に対する国会の承認の機能は、性質上は国の立法機能ではなくて、国の行政的機能に属するものと考えられる。行政の分野においては、現行行政法大系のもとにおいて、要するにこの民主主義的解釈に従い、申請人本人の意思に対し、国家権力が一方的に何ものかをプラスし、またはマイナスするということとなるような修正許可は認められないものと解せられておる。この解釈は、性質上行政的機能に属する右国会の承認についても当然妥当するものと考える、こういう考え方であります。
 それから第三に、政府または国会という国の権力によつて、御質問のような協会の予算を修正する道を開くことまでもいけないと申すのではございませんけれども、それは別に立法論として十分検討に値する根本問題であります。従つてそのような基本的な問題はそれとして立法論に上すべきであつて、文字の上でも理論の上でも解釈困難な規定の解釈論として扱うのはどうか、こう考えるわけであります。国の権力を及ぼす範囲は、制度上明確にすべきであり、その際国の権力を行使する機関についても国家事務の性質に応じ立法府とすべきか、行政府とすべきか問題は残されておりますが、大体以上のような考え方で、私どもとしてはこの三十七条の承認権には修正という観念を含まない、こういう解釈をいたしておるわけであります。
#7
○齋藤委員 本日は内閣の法制局第三部長と衆議院の法制局第三部長がここに御出席になつておられるのでありますが、ただいまの大臣の御答弁に対して、両部長とも同様の解釈を持つておられますかどうか、これをひとつ伺いたいと思います。
#8
○西村(健)政府委員 ただいま御質問の点につきましてお答え申し上げます。結論的に申し上げますれば、今塚田郵政大臣からお答えになつたことと同じになると思います。根本的に申し上げますと、日本放送協会という一つの法人は、それ自体として一つの機能を持つています以上、事業計画あるいは資金計画あるいは収支予算というものは、それ自体でつくる能力がある。言いかえれば、三十七条の規定が全然ない場合おいて、それでは予算をつくらないかといつたら、そういうわけには行かない。ただつくつたものを国会で承認する、承認という言葉の意味につきましては、今大臣から御答弁がありましたようなふうでありまして、私の方といたしましては三十七条の解釈上は修正までは含めないのじやないか、こういうふうに考えておるのでございます。もちろん立法論としては十分考える余地はございます。規定そのものとして、そう言つては何でございますが、しかく断定的にはつきりしてない部分もあるやに感ぜられますけれども、結論的には今申し上げたように、私の方では修正権がないとこの場合は解すべきではなかろうかというふうに考えております。
#9
○川口法制局参事 放送協会の予算の承認を求める件その他事業計画、資金計画の承認を求める件という議案に対して、国会に修正権ありやというのが御質問の要点でございましようが、ただいま政府側からもお話がありましたように両説立つようでありまして、私はあとで申しあげますように、部内としても相談いたしまして、修正権ありという結論でございますが、まず修正権はないのじやないかという反対の方の資料から申し上げますと、ほかの公社の方の法律と比較いたしまして、この放送法には放送協会の予算の国会の意思決定に対しまして、国の予算の議決の例によるという法律の規定はございません。それから予算と事業計画、資金計画をまつたく同列に並べておりまして、普通でありますれば事業計画や資金計画は単に添付書類とされておりまして、主たる意思決定の対象を予算だけに限つておるのでありますが、この三十七条はそれを同列に書いてある。それから最後に、ほかの公共企業体につきましては、従業員と経営者との間の労働問題につきまして、公共企業体労働関係法の適用がある。しかるに放送協会についてはそういう法律の制度が現在できておりません。なおこれは若干理論上の問題になりますが、国の財政に非常に近いものと見るべきものか、あるいはそうでなくてそれよりも遠いものと考えるべきかということが、最終的にはこれらの判断の基準になるものと思いますが、この点に関して、国会の議決がなければ一切の支出はできないといつたような積極的な規定が欠けております。
 以上の点から考えまして推論しますと、どうも修正権なしという考え方に傾きそうでありますが、私は以下述べるような理由で修正権ありと考えていいのじやないかと思います。その結論を申します前に、この問題の討議で注意すべきことは、これは初めから国家的な財政、国民の台所をあずかるという意味において、政府と国会の関係だけが普通なら問題の対象ですが、この場合は国家の権力対放送協会というものはどういう立場に置かれておるかというのが、問題の本質であろうと思う。それから予算を国会が修正することを禁止する条項がないからできるのだという考え方もございますが、若干無理である。国と放送協会との関係でございますから、積極的な規定がなければ修正というものはできないのではないか、こういうふうに考えるのであります。そこで放送法の現在の解釈論といたしまして、先ほど申し上げたように国の予算の議決の例によるという明文はございませんけれども、三十七条の四項には、受信料は国会が予算の承認をすることによつて定めるというのが明文にございます。それから二項には、政府側には調整意見はない、ただ受継ぐだけであるが、変更すべき云々の意見を付して国会に提出するということがございます。このあとの方から申し上げますと、変更すべき云々は、たれが変更をするのかということは積極的には書いてございません。従いまして、だれがするのかは知らぬけれども、変更されてしかるべしというふうにも読めます。しかしながら常識上考えまして、そんなばかなことを規定するはずがない、放送協会がひつこめてから修正するという意味であれば、そ、いうことをあえて法律の条文に書くはずはないというふうに応考えられます。それから前の方の国会が受信料について定めるという文句と、その予算を承認することによつて定めるという、よつてというのと国会が定めるというのとを、どちらに比重を置くべきかという点でありますが、これは国会が定めるという点に重点を置くべきであつて、はつきり申し上げますと、国会が自主的に定める、補充的に第三者的に定めるのではなくて、国会が自主的に定める。現に放送協会が現在の法になります当初においては、国の法律でぴたりと何十円と定めております。そこで三十二条の受信料の性格でございますが、法律上は一応契約の形なつておりますけれども、これは法律上強制されているという意味と、それから聞く者も聞きたくない者も、そいう対価関係に関係なく、ラジオを備えつけさえすれば一律に幾らかを必ず納めなければならないという法律の規定というものは、どうしても契約の名におきまして、実質は一種の強制が入つていると見なければなりません。そういう意味においてこそ国会がこれを定めるということは、全国民的な代表としての国会が、あたかも税法を定めるごとき立場で定めるというふうに読むべきだろうと思うのであります。従いまして「予算を承認することによつて定める」というのは承認することによつてというよりもこれは単に形式であつて国会が定めるというところに重点がある。こういうふうに考えて行きますと、普通の場合でありますれば、承認というのは国会関係の議事用語といたしまして、普通は議決という意味と違いまして、出て来たものを承認するだけである。従つて承認か不承認か、あるいは一部不承認か、これだけのことしか普通の場合ですと考えられませんけれども、この場合には今の四項の考え方は、明らかに承認という言葉の意味と若干かえて使つておるのであつて、自主的に国会が定める。従つて私の結論は、受信料に関する限りは明文の根拠がある。だからたとえば八十円と出て来たものを七十円と国会が減額し、もしくはこれを増額するということも可能である。その限りにおきまして支出面に対しても修正権ありと結論せざるを得ない、大体こういうふうに考えるのでございます。
 ただつけ加えて申し上げさしていただきますと、承認を求める件という議案の取扱い上、現行法では衆議院優位の原則、一般の予算の場合にありますような国の予算の例によるという規定はございませんので、衆議院と参議院との関係はまつたく対等でございます。それから承認を求める件というので今のような修正がはたして行われた場合に、議事手続上どういうふうに変更されるものか、この点は私それほど自信はございません。いずれにしましても、ちようど公共企業体労働関係法十六条のような、団体交渉の結果と国家の財政的な見地とが衝突いたしました場合に、国会が最終的に判断するというふうな法律の制定も現在ございませんし、なおその他にも全面的な修正権を認めるには不備があることは確かでございます。しかしながらちようどまん中ごろの、現在の法律の建前上最小限度受信料の増減は国会ができる、従つてそれに関する限り支出面の修正もできると解して、現行の範囲内でそれくらいまでは行けるのではないか。あとは立法論の問題になりますがこれは差控えさしていただきます。大体以上のように考えております。
#10
○齋藤委員 昨日同僚諸君からこのNHKの予算に対して、国会が修正権を持つか持たないかということに関しまして、大臣はおられませんでしたが、局長に対して質問があつてこれに局長から御答弁があつたのでありますが、そのことは要するに、このNHKの予算を審議するにあたつて、国会が修正権を持つておるのか修正権がないのかということをはつきりした上でないと、この問題が解決しないという重大問題に逢着いたしておるのであります。それで六十七円をこの国会で承認するか承認しないかということの簡単な態度を決定するのなら、これは非常に簡単であるかもしれませんが予算の修正権を持つという建前から審議するのと、予算の修正権を持たないという建前から審議するのとではよほど問題が違うのでありまして、私はこれを前々から非常に心配をいたしておりましたので、なるべくすみやかにこの思想統一をはかり、委員会の了承を得た上でこの予算の審議をしたいと考えておつたのでありますが、どうもその点昨日の質疑応答では釈然としないのであります。本日参考のために内閣及び衆議院の第三部長にここへおいで願つて御意見を徴しますと、やはり相対立した見解のもとにあるのであります。これは非常に問題が重大だと思いますので、私一人で独占して質疑応答するということははなはだ時間が惜しいですから、出席の皆様方の関連質問を自由に許していただいて、なるべくすみやかにこの問題を解決して、その上に立つてこの予算の審議をいたしたいと思いますので、さようおとりはからい願います。
 それでは大臣に一つお伺いいたしますが、一体NHKの性格というものはどう考えたらよろしいのですか。
#11
○塚田国務大臣 どういう面からNHKの性格をお取上げになつておるのか、ちよつと不明でありますが、私は今の修正権があるかないかという問題をめぐつて、割にNHKと同じ性格のものじやないかと考えられておる公社との考え方の違いをいろいろ検討してみたのでありますけれども、やはりこの法律自体ができた時期が違うのと、この時分のものの考え方では、どうも今の公社というものと同じような性格のものでありながら、ずつとかわつて、平たく申しますならば、民間法人という性格に近いような考え方をしておる。従つてこの放送法の規定の趣旨から行くと、私どもとしては、申し上げたように修正権はないのじやないかこういう考えを持つておるわけであります。
#12
○齋藤委員 これは私から申すまでもなく、NHKは放送法によつて設立された法人でありまして、その財産は社団法人日本放送協会から受継いだ。現在のいわめる社団法人から受継ぎました後のNHKの財産というものは、放送法附則第十三項の規定によつてNHKに帰属せしめられたものであつて、それは放送法第三十二条の規定によつてNHKの収入に帰せしめられた受信料の蓄積なんであります。でありますから社団法人日本放送協会というものが解体せられまして、それが放送法によつて今度NHKに帰属させて、その後の財産というものは、第三十二条によつて規定されたところの受信料の取得に基いてこれを蓄積せられたものであります。でありますからその根本においては、国民の電波という建前から申しますと、これは国民の所得に属するものである。いわゆる国民の電波という建前からも、また財産それ自体という建前から申しましても、これは国民のものである。もつと申しますならば国家に帰属すべきものである。でありますから国民の代表でありますところの国会というものはこれに対する予算の修正権があると解釈するのが私は正当な解釈じやないかと思うのでありますが、この点に対して大臣はどうお考えになりますか。
#13
○塚田国務大臣 これは考え方として、従つてこの場合には立法する場合の考え方としては、私も御指摘の意見に同感できる面が多々あるのでありますが、ただ今あるこの法律の解釈として、これを行政府としてどういうぐあいに対処して行くかということになると、最初お答え申し上げましたように、どうもこの法を頭に置いて、この法の上に立つて郵政大臣の持つておる権限それから国会もこの権限を持つておりますが私どもはこれは立法的機能でなくて行政的な機能であると考えておるわけでありますが、そういうような場合には、やはり修正というところまでは行けないのじやないか、こういう考え方をしておるわけであります。従つて御指摘のような意見は、おそらく今後も法律改正という場合には十分考えられるべき点ではないかと思うわけであります。
#14
○齋藤委員 この点に対しましては、いろいろまだ質問が各委員の間に残つておると思いますが、念のためにひとつお伺いいたしたいと思いますが、NHKの予算というものは、NHKが予算を提出いたしましたときに、郵政大臣はこれに意見を付するだけの権限を持つておる。意見を付してそれを国会に出して、国会の承認を経るということになつているのでありますが、この点は厳格にお守りになつておるかどうかこれをひとつ伺いたい。
#15
○塚田国務大臣 その通りに実施をいたしております。
#16
○齋藤委員 これは念のために伺つておくのでありますが、私が承知いたしておりますところによりますと、NHKの意思というものは決して六十七円ではなかつた。それが六十七円として国会に出て参りますまでには、どこかで意思がゆがめられなければならぬのでありますが、この事実を一ぺん大臣の口からお答えを願いたいと思います。
#17
○塚田国務大臣 もちろんNHKが最終的な意思決定をいたします過程において、いろいろ放送上の考え方をいたしておつたとは思うのでありますが、しかし最終的に政府が承知をいたしましたNHKの意思は六十七円ということで、それに対して私が郵政大臣の意見を付して閣議に諮つて、それを国会に御提案申し上げた、こういうことになつているのであります。
#18
○齋藤委員 NHKは、初めに幾らの放送受信料をお考えになつたのでありますか、会長にひとつお伺いいたしたいと思います。
#19
○古垣参考人 NHKは数次経営委員会を開きまして、慎重に検討いたしました。予備的、準備的段階において、いろいろの計数的な数字が出ましたけれども、それらは部内的な段階でありまして、数箇月にわたつて予算の編成に努力いたし、そしてNHKにおいて終局において六十七円という料金を出したのであります。
#20
○齋藤委員 そう御答弁なさる以外に方法はないと思うのでありますけれども、実際問題としては、私たちはそうは聞いておらない。これは自由党の総務会において、六十七円とゆがめられたということは、新聞報道によつても明白であります。そこで私は大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、ただいまお読みになりました電波行政に対するところの抱負経輪、その中からこのNHKの国家的なあり方というものに対しては、一体どういうふうにお考えになつておりますか、これを承りたい。
#21
○塚田国務大臣 どういうお尋ねであるか、要するに先ほどいろいろ申し上げました通り、私はNHKのやつております今の放送事業というものが、非常にいろいろな意味において重要性を持つているものであるということで、今日の五十円という料金、それから上る収入によつては目的が達成できない。従つて最大限にこれを引上げる。もちろんNHKの立場から最大限の考慮をいたしました場合に、それと国の他の政策の考慮というものがあわせ加わつて、郵政大臣としての意見が出て参るわけでありますが、そういう両面の考慮をいたしました結果、大体六十七円という線が適当ではないかという意見を出したわけでありまして、従つてその基本には、先ほど申し上げましたいろいろな電波行政に関する私の考え方が織り込まれている、こういうように御了承願いたいと思います。
#22
○齋藤委員 私のお伺いいたしておりますのは、いわゆる十七円の料金値上げで、NHKが国家的に負託せられておりますところの放送の計画立案、今後に対するところの処置というものができるということをお考えになつているのかどうか、これを伺いたい。
#23
○塚田国務大臣 放送協会だけの立場からいたしますならば、おそらく金があるほどいいということになります。従つて料金が高いほど、その目的が達せられるということになると思うのでありますが、おそらく放送協会も最終的に六十七円という考え方をされましたのは、そういう他面の考慮をされた結果、電波行政、放送協会の使命も重大であるが、しかしやはり国家という大きなわく内においての放送協会である以上は、国の他の面のいろいろな考慮というものもあわせ考えられて、その結論に到達せられたもの、こういうように考えているわけであります。
#24
○齋藤委員 私の承つておるところによりますと、NHKが計画をいたされておりましたところの今後の放送のあり方というものに対しましては、これは十分に考えて、そして老朽施設の改廃であるとか、あるいは電波の進運に即応するところのいろいろな施設を増すとか、または研究所の施設を増大して行くとか、そういうことから算出して参りますと、どうしても六十七円とか七十円という金ではなくして、もう少し高額の料金の徴収をやらなければ、実行できないという意思を強く表明しておられると聞いておるのであります。ところが郵政当局との折衝において、一ぺん七十円という線が出ていたのに、今度はそれを自由党の総務会にかけたところが、これがいつの間にか六十七円に削らされた。これは明らかにどこかでもつてNHKの意思がゆがめられておる。ここが調整が行われたことになるのであります。もしNHKの意思決定に対して、こういうことが行われるということを前提として考えて参りますならば、そういうところで調整が行われるにかかわらず、国民の代表であるところの国会において、この聴取料金に対して修正権なしと断定することになりますと、これは非常に大きな問題だと思います。本来の法的解釈から参りますならば、NHKが七十円と出して来た、八十円と出して来たのに対して、郵政大臣はこれは適当であるとか適当でないという意見を付して、そのまま内閣を通して、この委員会に承認を求めて来るというのが正当な解釈なんです。それを途中でゆがめて、NHK当局の意思に反したところの料金の額をここに示して、さあこれを承認しろとか不承認しろということになりますと、この委員会として、われわれはいかなる態度をもつて承認あるいは不承認すべきか、迷わざるを得ないのです。われわれの根源とするところは、国民の電波であるこの電波を実際につかさどつておるNHKの意思を尊重して、これが将来の放送にいかにあるべきかの料金を定めるのが、委員会における責務であります。その意思がどこかでゆがめられて来たものを、承認しろとか不承認しろということでありますならば、法理論的な正当な解釈からいえば、不正当な予算であるから返上しなければならないという結論になつて来ると思う。この点について私は大臣にお尋ねいたしておりますが、大臣ははたして自己の御責任において、NHKの希望をそのまま受取つて、それに対して意見を付されたのであるかどうか。この点を承つておきたいと思います。
#25
○塚田国務大臣 繰返してお答え申し上げますが、先ほどお答え申し上げました通り、私はNHKの意見、しかも恥最終的な意見にそのまま意見を付して、国会にそのまま提案いたしたわけであります。ただNHKが最終的な意見を決定いたします前段階の、準備的な段階においていろいろな話合いをいたしたという点を、齋藤委員は御指摘になつておるのではないかと考えますので、その点御了承を願いたいと存じます
#26
○齋藤委員 この点は私たちがいかに追究いたしましても、大臣はそうお答えになる以外にないと思います。その点については、われわれはこの予算がいかにして編成されたかということを念頭に置いて、予算の審議に当つて参りたいと思うのであります。ただ私はここで、ただいま両法制局部長から、国会に修正権がありとか、あるいは一方では修正権がないというお話を伺つたのでありますが、この問題をどう解釈して行つたらよろしいかということになりますと、非常に大きな問題であると思うのであります。ただいま両部長から、一方では修正権がある、一方では修正権がないという法律上の解釈が出まして、どこでわれわれは意思決定をやつたらよいのか。修正権ありという立場でやつたらよいのか、修正権なしという立場においてこの予算の審議をやつたらよいのか。これはどなたに御返答を願つたら正当なものであるか。委員長において適当におとりはからいを願いたいと思います。
#27
○成田委員長 齋藤君に申し上げますか、これは国会自身の意思決定でいいと思います。そこで私は、関連してその問題について大臣にお聞きしたいのですが、先ほど大臣の御答弁では、結論としては修正権がない、但し立法論は別だ、こういうお話だつたのです。そういう御答弁の趣旨は、悪法もまた法なりという御見解で言つていらつしやるのか。それとも現在の放送法の建前が正しいのだ、修正権を与えないのが正しいのだ、こういう意味で言つていらつしやるのか。その点大臣のお気持を伺つておきたいと思います。
#28
○塚田国務大臣 私も協会の予算の将来に対するあり方といたしましては、やはりはつきりと国会に修正権があるという形になる方がいいのではないかと、私個人としては考えておるのであります。ただ先ほど申し上げましたように、この放送法を前提にして私どもが行政的ないろいろな判断をいたします場合には、残念ながら修正権がないという判断を下さざるを得ない、こういうふうに申し上げておるわけであります。
#29
○成田委員長 ただいまの御答弁はやはり修正権はあるのがあり方としては正しいのだ、しかし現在の法律では修正権なしと解釈せざるを得ないという御答弁なので、悪法もまた法なり、こういう御見解だと思うのですが、相当議論の余地があるようでございますが、その点は国会自身の判断でいいのではないかと思います。
 その問題に関連しましてお尋ねしたいのですが、NHKの予算は国家予算の例によるという規定がない。反対に解釈したらよらないということになるのです。それが問題になつておりましたが、もし衆議院は通過したが参議院で否決されたという場合に、現在の放送法ではどういう取扱いになるのですか。
#30
○西村(健)政府委員 私がかわつてお答えいたします。このときは衆議院優位の原則は適用ないと思うのであります。結局国会の意見としての予算に対する承認はなかつたということになるわけであります。しかしそうしました場合において、しからば放送協会は何もできないか。これはまた別の問題であろうと思います。いわば責任支出という形態がとられるのではなかろうか。もちろん事後において承認を求めることは、法律はそういうことを言つておりませんけれども、当然予想されることであろうと思います。先ほど私が申し上げましたように、法律的に放送協会自身に予算をつくる権能があるのであつて、承認がなかつたからといつて、国の予算のごとく予算ができないのだということにはならないのじやないかと思つております。
#31
○成田委員長 そうじますと、その予算の内容ですが、国会の意思決定はなかつた、しかしながら協会自体として予算の執行ができるというのですか。その予算というのは前年度の予算ですか。具体的に申しますと聴取料の問題なのですが、聴取料を現行の聴取料でやるのか。それとも今度問題になつております値上げされたときの聴取料でやられるのか。どちらになりましようか。
#32
○西村(健)政府委員 実はその点についてお答えいたします前に、ちよつとお断りいたしておきますのは、それについて問題になります三十七条の四項であります。これはたしか議院修正でこうなされたと承知しております。政府で当初出しました原案は、たしか当時は三十円ですか、三十五円ですかにきまつておつたのです。従いましてこの四項の規定の読み方ということになると、先ほど委員長のお話のように、国会自身が最終的にもちろんいずれの場合も同様でありますけれども、この場合は特に権威をもつてお考えになるべき筋合いと思います。これは非常にむずかしい議論を含んでおりますが、私の方で検討しました一応の結論としましては、そもそも四項において、国会が予算を承認するということで、受信料を予算の中においてきめるといつた趣旨は、要するに協会の収入支出を見合つて、受信料はこの程度がよろしいという筋合いだろうと思います。と申しますのは、毎年々々承認を受くべきものじやなかろうか。従つてかりにある年度における予算が承認がなかつたという場合には、その趣旨を敷衍して行きますと、受信料がきまらなかつたということになるのじやないか。そうして三十二条で受信料を納めなくちやならないという一般的に協会は請求権を持つているわけであります。請求権の具体的内容である額がきまらないので、実際には金がとりにくい。ただ後において承認を受ければ、あるいは遡及的に追認的なものとしてとれるのじやなかろうか。ただお断りしておきますが、今のは中間的な結論でありまして、最終的にこれで絶対の解釈だというまでの検討にはまだ至つておりません。
#33
○橋本(登)委員 関連して……。今内閣法制局の方から受信料の問題で法律上の改正があつたということでありますが、その通りでありまして、私もこの問題については、この法律全体が実は当時われわれは法の審議に当つたのですが、この法律全体が多少議院修正によつて一貫性を失つた形になつております。というのは、当時三十五円の受信料というのは条文の中に明らかになつていて、三十五円という金額が決定されていた。それはどういう事情でこれを消したかというと、当時昭和二十六年に決定をみた法律ですが、昭和二十五年に提出せられた法律案でこれを審議中に、当時は物価の変動がはなはだしかつたので、こういう場合に法律の中に受信料を確定料金として書くことは、毎年あるいは半年ごとに物価の情勢がかわつている今日、常に法律改正という建前で料金問題を取扱わなければならない。こういうことでは不便があるのみならず、国民の受信料に対する観念も不安定になりがちである。こういうことから、できるだけ本則の中にこれを入れることはやめて−当時、二十六年度は附則の中に三十五円をとるということは入りましたけれども、法律から削除して、予算をきめるときにこの料金を決定してになつたのです。今部長の言うように、予算の内容を審議してそこで料金を決定するというのは、当時の法律の考え方ではないように思うのです。そうじやなくて当時の立法の考え方は、要するにこれは法律で決定するのであるから、当然税金的な性格を有する。そこで税金的な性格というものは、国民経済全体から考えて考えるのであるから、もちろん協会当局の予算編成方針も考慮に入れなくちやなりませんけれども、全体的な観点から考えて料金というものを決定する。その決定された範囲内において予算を組むべきである。こういう考え方において、当時われわれはこの法律を改正したのです。そういう点から今度はずれまして、当時の情勢から予算を決定する際に料金をきめることにかわつたのでありますが、法の精神としては大体そういう状態である。
 もう一つ齋藤委員が先ほど申しましたが、これは国家のものであるというのは、当時は実は国民に帰属するという法案にはなつておらなかつたのであります。そこで当時協会が解散するにあたつて、出資者に出資金を払もどして、結局はそういうものができ上るのですが、でき上つた場合にこれがだれの財産であるかが明確になつておらない。のみならず、これを将来解散する場合には受信者、いわゆる受信料を納めた人に返せばいいじやないかという議論がありましたけれども、受信者というのは年々歳々かわつている。従つて実際上返しようがない。こういうことから、これを広く考えれば国民からの収入をもつてできたのであるから、国家に帰属させることも、あえて国家がこれを没収したことにならないのじやないか。こういう事情から、最後の締めくくりとして国家に帰属するという考え方にかえた。この点は放送協会の法律上の性格を非常に変更したものであつて、当時の議員の質疑においても、要するにNHKが公共事業体として発足すべきである。従つてその財産は、もし解散等のことが起れば、当然国家に帰属すべきものである、こういう考え方からして、法律をつくつた考え方とその審議の考え方とでは多少の、あるいは積極的な変化を来している。いわゆるNHKに対しては国家の関連機関であるという考え方に進んで審議が行われた。こういうふうに解釈してよろしいと思うのであります。しかしながらいずれにせよ直接の国の財産によつてつくられた協会でないのでありますから、これらの運営あるいは予算の編成については、協会の全面的な自主権を認めるという建前から、予算に対する修正権等の問題については当時は考えておらなかつた。というのは、要するに法定料金としてきめて、その範囲内においてNHKはやればよろしい。その内容の監査については会計検査院をもつて十分に監督をなさしめる。しかし予算編成あるいはその他の問題については、協会自身にこれを行わしめる。こういう考え方で収支予算あるいは事業計画を上程せしめる。当時はこういう考え方であつたわけであります。ところが実際これを国会運営の関係に持つて参りますと、たとえば現実の問題として三十七条によつて政府が変更すべき意見書をつけて持つて来た場合に、国会がこれを変更すべきであるという決議をした場合口においては、応法律の表面上の解釈からいえば、この予算計画書なるものはさしもどしになることになる。さ上もどしになつたものは、同じ国会においては事不再議の原則が適用せられるということになると、また同じ昭和二十九年度のNHKの予算を上程するということは実際上はできないもじやないか、こういうことになりますから、実際上の国会の運営の面とこの法律の面から見ると、そこに矛盾がある。大臣が将来においては修正権が必要じやなかろうかと言われたが、こういう意味においては今申したようにさしもどしをしてやれば、不再議になりはしないか。あるいは否決をした場合においても同様であつて、否決をした場合、再び同国会に対して上程することができるかどうか、こういうことになると、国会法の建前が非常にややこじくなるような結果に現実はなつているわけであります。そういうことからこの法律の上から見れば、修正権があるという点については根拠が非常に弱いのではありますけれども、実際上の運用の面からいえば、修正権がなければこれをきめる方法がない、こういうジレンマに陥つているわけであります。私は応当時の法案審議の状況を申し上げて御参考に供して1私自身も将来において修正権を考えなければいかぬのじやないかと考えておりますが、法案それ自体としては、当時の立法者の考え方は、できるだけ放送協会に政府の意思を入れない。予算の編成上も、番組の編成上も影響があるのだから、政府の意思を入れない。かつまた国会もそれに対して関係機関であるから、そういう面における国会の意思も排除して行くべきである。ただ政府が税金同様にとつたものであるから、厳重なる検査を行わなければならぬ。それは国会が応会計検査院をして行わしめる、そういう意味でこの法律が当時つくられていたような状況であります。従つて応この法の上からいえば、ただ修正権があるという考え方にはなりませんけれども、実際上の国会運営の上からいえば、修正権がなければ審議のしようがないという事態が起り得る場合が考えられるのでありまして、将来においてはこの点特に考える必要があろうかと思います。
#34
○原(茂)委員 関連して。今橋本委員から、国会の運営上修正権がないことは不都合を生ずるが、この法自体には修正権という意味が盛り込まれていない。こういつた御意見があつたのですが、私はこの法案自体に修正権が認められているんだと思う。三十七条の二項には「内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。」とはつきり規定してあります。この承認をとらえまして、大臣あるいは局長の御意見などは、承認か不承認か、それ以外にはないし、他のあらゆる例をとらえて強弁されておりますが、私どもの考えをもつてしますと、この承認を経なければならない、しかし内閣を経て国会にこれを提出して承認を得るという第二項の後段を、第三項の「変更すべき旨の意見が附してある」という、この変更に関連させて考えてみますと、もし承認か不承認かを前提とするこの法の建前であるとするなら、第毒にお冒してわれわれ「資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が附してあるときは、」すなわち同項の規定によりこれを変更するということは、内閣を経て国会に提出した、ところが不承認になるかあるいは承認になるか、すなわちこの法の建前誇るといろいろな説明があつたわけですが、逆に第三項におきましては、不承認という言葉を使わずに、「変更すべき旨の意見が附してある」とわざわざ書いてあるところに、すでにこの法に修正に対する意見がはつきり盛り込まれておるのだ。変更とはすなわち修正でなくして不承認と強弁することは不可能だ、こういうふうに私ども考えますので、三項における変更というところに大きく留意しますと、修正権がはつきりあるようにこの法の精神はひそかにこれをうたつてある、こう解釈できると思うのですが、西村さんの御意見をまず最初にお伺いしておきます。
#35
○西村(健)政府委員 三十七条の解釈をめぐりまして、いろいろ先ほど私の方でも見解を申し上げたわけであります。今第三項の規定をめぐりまして、ここに「変更すべき旨の意見」とあるので、むしろ修正権があるという論拠になるのではないかというお話でございます。私がこれを見ますときには、その前に「同項の規定によりこれを変更すべき旨」ということは、また出直して来いというふうにとれるわけです。前項の「同項の規定」といいますと、内閣を経て国会に提出するというふうに読めるのではないか。ここは率直に申し上げて、先ほど衆議院の法制局の川口部長は修正権があると言う、私の方は修正権がないと言う、川口部長は第四項を論拠にされておる。私は根本的には先ほど申し上げたように、協会自身が予算をつくる、国会は予算を創設するところではない。この場合におきまして、立法論は全然別でございますが、ここからものを合せてみますと、やはり修正権はないと読まざるを得ないのじやないか。もちろんこれは最高機関である国会のおきめになることでありますが、私どものこれに対する解釈を申し上げたわけであります。
#36
○原(茂)委員 今西村さんの、第二項の部分をとらえて、変更するということは、同項の規定により出直して来い、こういうふうに解釈されるというのは、これは少し強弁に過ぎるのじやないかと思う。「同項の規定により」とは、すなわち内閣を経て会国に提出し、とにかくその承認か不承認か、あるいは修正を受けなければならない。この「承認を受けなければならない。」というその機関としては、内閣を経て国会にこれを提出し、審議させるのだ、これがすなわち「同項の規定により」ということと同義語だと私は解釈する。これを出直して来いということには少しく私は同調できない。従つてこの「変更すべき」という言葉がわざわざ使つてあるところに承認か不承認であるという規定とはまさに全然マッチしない言葉がここに使われておる。ここに非常な周到な用意がある、かように私は解釈するのですが、大臣はこれに対してどう解釈するか、大臣の御見解を伺いたい。
#37
○塚田国務大臣 なかなかむずかしい法律問題で、私もよくわからないのですが、私は実はこういうことを考えておるのであります。今の裁判所でありますとか、あるいは検査院などのように、御承知のように二重予算ができる機関がたくさんあるのであります。ああいうもののときには、政府が裁判所なら裁判所から出たのと違う予算をつくりますと、そうすると、もし国会側が別の御判断をなさるならば、財源はここにございますという財源をつけて国会におまわしする。この場合には政府にもやはり修正権限が結局あるわけでございます。従つて国会側にもある。この場合には政府にも意見を付するだけの権限はあるが、全然手をつけちやいかぬぞというのと同じ考え方で言つておるのじやないかという感じがするのです。
 それからこれはさつき西村部長の申しましたように、予算をつくるのは協会なんだ。賛成なら賛成と言つてくれ。いけないならいけないと言つてくれ。そこで国会が御承認になるかならないかを決定する。この場合に、私が先ほど申し上げたように、承認は行政的な行為であるので、国会がもちろん主として御決定になるわけですが、それに政府の意見を合せて御参考人だすつて決定していただきたいということで、国会と政府とがあわせてこのNHKの予算を承認するかしないかということになるので、従つて今西村部長が申しましたように、政府にも国会にも直すという気持はあまり持つていないのじやないか、私はどうもそう読めるのであります。
#38
○齋藤委員 関連……。この変更という問題につきましては、昨日同僚廣瀬委員から局長に対して質問があつたのであります。それに対する局長の御答弁を私ちよつと)(モいたしたのでありますが、局長の御意思はこうであつたように思うのであります。政府が国会に対して変更させて再提出せしむる参考として意見を付するのだ、こういうのです。それはこの条文から申しますと、意見を付し得るものは郵政大臣しかない。郵政大臣が変更すべき意見を付して国会に持つて来るということは、昨日の局長の御答弁によりますと、国会にその意見を付してまわす、変更せしめて再提出をさせる意味で意見を付して来た場合をこれはさすのだ、こういうふうな御答弁であつたようですが、局長はその点どうなつたのですか。
#39
○長谷政府委員 お答え申し上げます。私が御説明申し上げました言葉が不十分であつたのかも存じませんが、私が申し上げましたのは、政府がと申しましようか、郵政大臣が意見を付して国会に御承認を願うわけでありますが、その際御指摘のように変更すべき云々という字句を使つてございますのは、国会に対しまして変更して再提出させるべきではないかという意味の意見の表示であると解さなければいけないのではないか、こういうトふうに昨日は申し上、げたつもりでおります。
#40
○成田委員長 私ちよつとお尋ねしたいのですが、今橋本委員から立法当時の経過を詳細に御説明があつたのですが、最初は聴取料というものは法律で定めようとした。その定まつた聴取料の範囲内で協会が予算を編成し、事業計画を出す、これは言論機関に対して政府並びに国会が干渉しないようにするために修正権なし、こういうふうにお定めになつたのです。そして法律で聴取料がきまり、そのきまつたわく内での予算の編成、事業計画というものに対しては、国会なり政府が干渉すべきではないと思うのですが、法律で聴取料を定めるという前提がくずれてしまつて、これが予算の承認によつて聴取料が定まるというように大きな前提がくずれてしまつておりますから、解釈はおのずからかわつて来なければいかぬじやないかという気がするのですが、いかがですか。
#41
○西村(健)政府委員 先ほど橋本委員から立法当時におけるいきさつの御説明がありまして、私も実はこの立案の際からずつと関係しておるのでありますが、御承知のようにこの法律は占領中にできた法律でありまして、根本的に申しまして放送協会というのは、非常に特異な性格を持つ法人だろうと思います。その収入はいわば受信料という半ば強制的にもちろん強制徴収はいたしませんけれども、強制的に税金的なものとしてとられる。従つてその部分ではこれは企業体ではない。自分でかせいでとるのではなくして、いわば税金的なものとして入つて来る。その面から行きますと非常に国そのものと近いような性格である。ところが面においてその活動部面というものは、言論に対するインフル治エンスが政府から加えられないように、全然離すという特異な法律の態度をとつております。これは当然立案の過程においても議論されたところでありますけれども、当時における行政上さようになつたわけであります。その点がいい、悪いは別としまして、ただ先ほど齋藤委員なり皆さんの御指摘のありました三十七条三項の問題は、御理解を深めていただくために、日本国有鉄道法の三十九条というのをごらん願うとおわかりが早いのじやないか。国有鉄道法の三十九条では、まず公共企業体国鉄が運輸大臣に出します。運輸大臣が必要な検討を加えて、多少そこに何か手を加える。それから運輸大臣が大蔵大臣に出す。大蔵大臣は必要な調整を加えて出すということになつております。放送法を審議する立案の過程におきましては、この点非常に問題になつたのでございますが、先ほど申し上げましたような放送協会に対する根本的な考え方からしまして、所管大臣である郵政大臣はこれに対して手を加えない。ただわずかに意見を加えるのだというふうに、三十七条の建前はなつておるのであります。そういう点からも考えますと、やはり三項は先ほど私の申し上げたようにとるのが筋ではなかろうか。やはり放送協会が郵政大臣に出して、それで内閣を経て国会に出す。もし適当でないと、そういう意見を郵政大臣がつける。放送協会の予算についても、独立性が非常に強められておる。そのこと自体の善悪は全然別であります。
#42
○成田委員長 それで三項の解釈はいろいろ分離解釈はあるだろうと思うのですが、今私が申し上げましたのは、国鉄の場合でも料金は法律で定めておる。聴取料も大体税金的な性質のものであるので、当初は法律で定めようとした。法律で定めるということになりましたら、この法案は国会で自由に修正できるわけですね。本来法律で定めるべきものを予算に持つて来たわけですね。予算の承認があつた場合に、それが税金的な聴取料になるわけでありますから、そういう前提があつて、法律で定まつた聴取料のわく内で事業経営をやる場合には、その予算あるいは事業計画については国会が干渉すべきじやない、そういう修正権はないということはわかるのですが、その法律で定めるものが予算の中に入つて来た。法律の場合は当然修正権があるのだから、この予算について、も修正権がある、こういうものの基本的な考えは、三項をどう解釈するとかしないとかいうのではなくて、前提がかわつてしまつておる。それで法律で定めなければいかぬ税金的な聴取料が、予算に入つて来た。法律の場合は自由に修正ができるのだとすれば、当然これも修正できるのだ、こういう解釈をするのが合理的じやないでしようか。
#43
○西村(健)政府委員 それは先ほど私もちよつと触れましたけれども、条文に即して恐縮でございますけれども、要するに三十七条の四項というものは、受信料は予算の承認ということで国会が定めるという規定が入つたことによつて、つの有力な議論になるのではないかと思います。おそらくはさつきの川口部長もそういう点をつの有力な論拠とされておるのであろうと思います。私ども率直に申し上げまして、その意見は非常に傾聴すべき意見だと思います。しかもはなはだ失礼な言い方かもしれませんけれども、四項にこの受信料が入るのはそぐわないものであると思いますけれども、受信料を予算の承認で定めることによつて、本質的な協会の予算そのものの性格、それに対する法律上の取扱いが変するというところまで、私どもとしては踏み切れないのではないか、こういうように考えます。
#44
○齋藤委員 ただいまの御意見でございますが、この三十七条をずつと読んで参りますと、これはどうしても受信料の月額は、国会が第一項の収支予算を承認するごとによつて定める、これが重点じやないかと思うのです。今のように受信料というものがここに入つたから、これが大きなウエートを持つておるというのではなくして、ずつと読んで参りますと、結局国会が切の予算修正権を持つておるという建前を表わす上において、この受信料は国会の承認がなければ定まらないのだということは、先ほどから何べんも申し上げております通りに、NHKの性格を解剖して参りますと、どうしてもそうならざるを得ないと思うのです。これは特殊の性格を持つた法人でありまして、ただいま御比較になりました国鉄やあるいは専売公社や電電公社というものと性質が違う。あれは国家の財産をただちに向うの公社に付与したのであつて、NHKは全然国家の財産は現実にない。これは社団法人の日本放送協会というものが、法律によつて今のNHKに財産を付与し、その後は国民の聴取料によつて財産が蓄積されて行つた。それでありますから、行政的なウエートをかけるよりも、国会の意思を尊重するというところに、私はこの法案の作成の意思があつたのじやないかと思います。そういう観点から見ますど、これはあくまでも国会で予算修正権というものを認めた上における条文であつて、そこに変更という字句も非常に大きな意味を持つておると思います。でありますからこの変更というのも、郵政大臣が絶対的にNHKの意思をまげるわけに行かない。ただこれに意見を付するだけだ、その意見を付した場合においては、国会においてどちらがいいかということの採択権があるのだ、こういうことに解すべきであつて、今日のようにNHKの意思がどこかでゆがめられて国会に出て来るということでは、この予算は本質論から行くとまつたくとるべからざる予算ではないか、私はこういうふうに考えるのでありますが、これに対して両部長の御意見を活発にお出しを願いたいと思います。
#45
○西村(健)政府委員 先ほどからたびたび申し上げます通り、国権の最高機関である国会で最終的におきめくださればそれできまるのでありますが、私の考えを御参考までに申し上げておきますが、四項は、やはり収支予算を承認することによつて決定するというように、法律できめるというのとは違うわけであります。そのことで本質的な予算の承認ということはまげるというわけに行かない。私は立法論としてこれが適当であるとかいうことは、先ほどからお断りしておるように決して申し上げておるわけではありません。齋藤委員の今るるお話になりましたことは、実はNHKの性格等から判断して立法論の範囲ではなかろうかと思つております。
#46
○原(茂)委員 この問題をほかの方面から会長を通じてお伺いしてみたいのですが、いやしくも今日の協会の運営に当る立場からいいますと、広く国民的な視野の上に立つて、不党不偏の立場から業務の運営に当ることは当然ですが、同時に今論議されておりますように、修正あるいは承認等が行われる過程における協会の立場も非常に微妙であり、相当慎重な態度で臨まなければいけないものと考えるわけであります。先ほども大臣が少し触れましたように、大臣が承認を与える以前における前段の過程を齋藤委員が指摘したのではないか、こういう発言があつたのですが、その前段の過程における協会の動の中には、協会の本質から言つて、本来ならば広く国民の正しい輿論を察し、あるいはこれを集約しての予算編成なり、あるいは予算の申請を行うのが当然の建前であると考えるわけです。そこでお尋ねしたいのは、経営委員会の議を再三再四経て、その間に当初うわさされました七十五円とか七十円が、今日六十七円という政府の承認した料金になつたわけですが、その変更あるいは委員会で審議した結果引上率を下げたものと考えますが、その過程において体どういうところから意見をも聴取されたか、あるいは参考的な意見を聞くためにどういう方向へも、働きかけられたか、動いたか、こういうことを会長にお尋ねいたしたい。
#47
○古垣参考人 お答え申し上げます。御承知の通り経営委員会の委員と申しますのは、全国の八つの分野から選出されて、両院の同意を得て総理大臣から任命された方々であります。それに私も加わつて経営委員会ができております。従いまして放送協会の理事会におきまして、内部的に昭和二十九年度の予算について部分的な検討をし、また理事会として検討を加えて、そうしてそれを経営委員会に出し、経営委員は各経営委員の立場でそれぞれ意見を述べうれ、またそれを持ち帰つてそれぞれの立場の検討をされて、また次の経営委員会に持つて来られるということになるわけであります。それからまた理事会といたしましては、国会、政府ことに監督官庁の事務当局の方の意見を聞き、また連絡をとつて仕上げをして参りました。その間常に準備的な段階でいろいろの計数が出ました。その計数が出た場合にさらに連絡をとり、国全体としてのNHKの受信料がこういうふうな値上げをして、その反響はどうであろうかというようなことについて御意見を聞いたのであります。そうして最後的に応七十円でどうであろうかということを経営委員会できめましたけれども、それは最終的な決定ではなくて、その後さらにいろいろな連絡、意見聴取等によつて、さらに最終的には六十七円が適当であろうというのが、この三月の初めごろの決定でございます。
#48
○原(茂)委員 最後の段階の七十円から六十七円になるときの三月上旬における連絡先あるいは事情聴取を行つた先、そのおもなところに私は自由党の総務会の意見があつたように思うのですが、この点はどうでしよう。
#49
○古垣参考人 郵政大臣といろいろ御相談をいたしました。そうして最終的には協会として六十七円が適当であろう、そうして最終的な決定のための経営委員会を開いて、経営委員会でその通りこれを決定したということであります。
#50
○原(茂)委員 そういう段階を経たと言わざるを得ないでしようが、実際には新聞などでも報道していますように、協会の最後的な決定である六十七円というものが出て来るためには、自由党総務会の意見がまとまるまでの期間待たされた。しかも郵政大臣に相談し、郵政大臣の意思をも確かめて、この六十七円が決定されたように今お答えがありましたが、もし今私が言つたような線であるとすると、大臣を占めておられるということを奇貨といたしまして、郵政大臣がおのれの所属する自由党の辺倒、方的な意見に片寄つて、般の世論、特に世論を代表するわれわれ野党を含めた全国民の意思を無視して、自由党に所属する人々だけの意思をもつて、実はこの法律の表面には修正権はないけれども、やみ取引的に方的に修正を陰で行つたのにひとしいと思う。私がそういうふうに言いはしないかと思つて、非常に注意深く回答しておられるから、大臣も非常に助かるかと思うのですが、おそらく現実の問題から言うと、この法律の手続を経て修正はしなかつた、申請したものを承認したものであると言つておられますが、陰では方的に自由党の意思をもつて、国会が修正したと同じような効果を発揮させることになると思うのですが、大臣の見解はいかがですか。
#51
○塚田国務大臣 これはこの法律の建前からいたしますならば、私としては意見を付することだけしかできません。従つて意見を付する自由はあるわけであります。これは妥当であるという意見、あるいは妥当でないという意見を付する自由はあるわけであります。また協会としては、郵政大臣の意見がどうであろうと、独自の意見をもつて予算をお組みになる自由があるわけであります。しかし編成の過程におきまして、いろいろな面のいろいろな意見をおとりになるわけでありますが、私に意見を求められれば私の意見、それから私が承知いたしております、そういう場合には比較的与党の意見がよく承知される状態にありますから、こういうところはこういう意見であるというように、いろいろな意見を参考にお伝えをする。そうして放送協会の最後的に持つておられる予算編成の決定権に基いて、しかし放送協会が最後的に御決定になるときには、私からはお伝えばしないけれども、おそらく独自にその他の部分の意見は十分おくみ入れになつて、最後的に御決定になると思いますから、私が事実上とり、ましたいろいろ容動も、三十案の趣旨には少しも違反していないのじやないか、こういう解釈であります。
#52
○成田委員長 片島君。
#53
○片島委員 大臣にお伺いします。三十七条の第三項に「これを変更すべき冒の意が附してあるときは、」これは大臣らそういう変更すべき旨の意見をつけるという意味でありましようが、この三十七条全部を通覧いたしまして、実際郵政大臣が変更すべきであるという意見をつけられて、予算書を国会に出されるようなことが今までもありましたでしようか。今までないと存じておりますが、今後あり得るとお考えになるか、この点。
#54
○塚田国務大臣 今まではございませんでした。しかし今後はあり得る。私が、郵政大臣が賛成できないような予算が出て参りますれば、変更すべきものであるという意見を付して国会に提出することもあるわけであります。
#55
○片島委員 それは先ほどから修正ができるできぬでずいぶん問題になつたのですが、私もいろいろ議論を聞いておりますと、実際上この変更すべき旨の意見が付せられることはないだろうと思う。その前に調整が行われる。私たちはいろいろと弁解を聞かなくとも、協会では最初どういう案を出したか、それからあとでどういう調整がなされて、六十七円というような数字が出て来たかということは承知しております。これはここで詳しくお伺いをしなくとも、その過程を知つておりますが、特に先ほど大臣がおつしやつたように、自分が監督者として、またどうしても関係の深い与党の意見、」ういうようなことをおつしやつたのでありますが、そうすれ、ばNHKはやはり自主的なもの、大臣が反対するような、変更の意見を付すべきようなものをここに持つて来ることはあり得ない。実際上はあり得ない。今後はあり得るとおつしやいましたけれども、あり得ない。あり得ないということは、やはり大臣なり、時の与党がNHKに対して、こういう予算案などが出て来ると芝は、前もつているくな希ができる。早く言えば押えることができる。この程度に認めてやるのは承知だが、そのかわりこういう点を今から気をつけないと認めないぞ。私たちは傍聴はいたしませんが、現に私の知つている懇意な自由党の諸君から聞いております。総務会などにおいては、NHKの放送の内容が悪い、ほとんど感情的に政府の悪口を言う、こういうことだけがNHKの受信料値上げ反対の番大きな原因となつたということをはつきり言つている。この委員会では言いませんよ。言いませんが、ここに出て来ておられる自由党の委員の人から、私は個人的に聞いておる。そういうことがあれば今後重夫な問題であります、だからごそ郵政大臣はそういうことを言われないだろうし、また古墳会長も新聞の上では政府あるいは与党から何とも言われないと言うだろうし、また橋本委員からも新聞で談話を拝見してそういうことは委員会として言つておらぬ。私たち委員会としてはまつたく言つておりません。しかし世間がそういうことを気にするのは、おそらくじようだん音楽などをさしとめしたのだろうということは、あなたたちがそういう権限をもつて変更すべき意見を付すようなことがないように、前もつて調整をして出されるからそういうことになつておるのだ。これは青垣会長には非常にお答えしにくいだろうと思うのですが、もしあなたが自主的にごの受信料をきめて、経営委員会でも上検討されるならば、経営委員会自体がさらに各階層の人々を呼んで公聴会などを開いて、そうしてその結果をNHKとしても公表して世間の批判を受けて、しかる後に自主的なものを持つて来られるのが適当であると思う。あなたは郵政大臣の意見を聞いたり、あるいは与党のところに、頭は下げられないかしれないが、いろいろな連絡ばかりをとるといつたことではなく、般国民大衆のあらゆる階層から意見をとつて、NHK自身が批判を受けて出されるのがほんとうであります。しかし非常に自信のある六十七円という案を出して来られたのであるが、この六十七円につきましては先ほどから論議がありましたように、郵政大臣もこれに対して少しも反対しておりませんし、しかも変更ができる権限を大臣は持たないのでありますから、あなたがいよいよ皇的警められたものであヒましようりまたこれについては国会さえ何らの修正権も持たないという意見が政府側にもあると思いますから、これは実際絶対的なものであります。きわめて権威のあるものでなければならないのでありますが、この六十七円というのを最終的にきめるには、大臣も修正権がない、国会も修正権がなくても、われわれは全国民に対して十分納得できる料金であるということを周知をしてもらうためには、よほどの基礎づけになる、裏づけになる算定根拠になるものがなければならぬと思うのでありますが、この六十七円についていま少しく、この算定基準になつたような点について古墳会長からお伺いしておきます。
#56
○成田委員長 ちよつとお諮りいたしますが、この予算案の修正権があるやなしやの問題ですが、政府は応なしと言つているのですが、その根拠は必ずしも明確ではないと思うのです。しかしこれはあくまでも政府の参考意見なんですから、最後の決定は国会にあるわけなんですから、この際時日もあまりありませんので…。
#57
○片島委員 それでは立法府において最高の法律の解釈権を持つているのですか。
#58
○成田委員長 解釈の問題ではなくて、決定は国会で解釈に従つて決定できると思うのです。
#59
○片島委員 法律の解釈の最終的決定権は裁判所にあるのであつて。
#60
○成田委員長 解釈の問題じやないわけです。修正するかしないかは国会でやれるわけです。政府の意見は単なる参考意見として聞いていいと思う。むしろ今片島委員も指摘しているように、六十七円の算定の基礎、こういう予算案の内容について審議を進めた方がいいのじやないかと思うのですが、いかがでしようか。
#61
○廣瀬委員 三十七条の承認という文言の意味につきましては、昨日来いろいろお尋ねいたしたと思いますけれども、まだ私にはどうしても理解ができないのであります。幸いに衆議院の法制局から参つておりますのでお伺いいたしたいと思うのであります。先刻のお話で、衆議院の法制局は三十七条の第四項を非常に積極的に御解釈のようでありますが、三項はきわめて消極的な御解釈のようでありましたが、変更という言葉を使つております以上は、国会で修正ができるという前提がなければ、どうしてもかような文言は使えないというように解釈いたしたいのでありますが、その辺のことにつきましてもう少し詳細に御説明を承りたいと思います。
#62
○川口法制局参事 今お話の通りでございまして、私どもといたしましては第三項は、厳密に申しますと、変更ということがどこかであるということを言つておる。それだけの論拠しか応は言えません。但し協会が旦ひつ込めてから修正するなどということは、この法律に書くはずがないから、おそらくは国会で変更ということを予定したということを推定し得る材料としては申し上げ得る。しかしながらその点に論拠を求めたのでは非常に弱いものでありまして、単純なる推論にすぎませんから、むしろ四項の方の受信料の決定権のこの条文の本質を研究することによつて、国会が放送協会に対してどの程度の関与権もしくは監督権を持てておるかということを考えるべきではないか、こういうふうに考えるのであります。なお先ほど申し遅れましたが、私は全体の法律を見まして、なるほど行政府、政府側にはなるべく取継ぎ役をつとめて、実体的な監督権をなるべく排除しておりますが、こういう非常にデリケートなつの仕事、言論の自由と関連いたしまして、放送協会の自主性というもの、しかもきわめて公共的に運営されなければならないという高度な政治的な配慮から、結局国会がじきじきに放送協会を見ているという思想が、現行法の精神じやないかと思つておる次第であります。政府に調整権がないということと同時に、国家権力として調整権がないという意味ではなくて、あげてこういつた問題は国家のじきじきの監督を受けるという思想が、現行法の体系じやないかと思うのであります。そういう意味におきまして比較的四項に中心を置きまして、その限りにおきまして調整権ありと言い得るのではなかろうか、こう思うのであります。
#63
○廣瀬委員 しからば今の御説明は、内閣の意見を付するというのは、単なる事務的なことであつて、この第三項におきましても最終の議決権は国会にあるのだという解釈をしてもさしつかえないという御見解でございますね。
#64
○川口法制局参事 さようでございます。
#65
○齋藤委員 もう点、国会の意思決定の参考として伺つておきたいのでありますが、大臣に承ります。第三十七条の今問題になりました「変更すべき旨の意見が附してあるときは、」こういうのは、大臣は、今まではなかつたけれども将来はあるかもしれぬ、こういう御答弁をされたのですが、そのときに協会がどういうことを考えて事業計画及び資金計画を出したのかということを国会の委員会が聞く。今大臣がおられませんから、法制局の部長さんに伺いますが、大臣がかりに将来変更すべきところの意見を付した場合に、委員会がこれを聴取するということは、結局その条文的な解釈から行くと、どつちをとるかということは、結局委員会が権限を持つておるということじやないのですか。どうですか。
#66
○西村(健)政府委員 今齋藤委員のおつしやることは、立法論的な解釈としては確かに有力な御意見であろうと思うのでありますが、やはりその場合でも、意見を聞く、どつちをとるかということから、修正権までありというところへすぐ継がらしてはいけないのじやないか。私は国会の法制局とたまたまここで所見を異にしておりますけれども、確かにこの法律は放送協会に対して政府の干渉を排して、わずかに国会がいろいろな面でタッチするということは、それをもつてすべて協会の運営あげて国会の厳重な監督のもとに置いているということには私はならないのじやないかと思う。これは私が先ほど申し上げましたように、立案の過程に申しましたこともいろいろ回想してみますと、むしろ国会の関与するところは、ほかの公共企業体等に比べますと、非常に放送協会には微弱なものである、こういうふうに感じられるのでございます。
#67
○成田委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#68
○成田委員長 それでは速記を始めてください。齋藤君。
#69
○齋藤委員 今の法制局の部長さんのお答えですが、これは承認という字を使つて部修正をした事例も、私は調べてもらいましたらあるのです。そこで私は今の御質問を申し上げておるのです。NHKが予算を出して来たものに対して、郵政大臣が変更を要求すべきところの意見を付した場合に、この委員会においてNHKの意見を聴取するところの何の必要があるかというと、どつちを委員会において選択するかということでなければならないと思うのです。それでなければ何もそういうことは必要ないのです。ですから私はこういう条文を読んで、従来修正という字においても、あるいは予算の部を修正したような事例もございますから、そういう点から考えて参りますと、これは常識としてやはり議会に修正権ありということで解釈するのがいいのじやないか、こう私は考えるのであります。と申しますのは、この予算の審議権は衆議院が優先権を持つているということではなくして、参議院とも対等でありますから、ここにおいて十分審議を重ねて、最も大きな予算審議の根本となるべきところの予算の修正権ありやなしやということを正当に結論づけておかないと、ここの審議は何にもならなくなつてしまう。ですから私たちは、衆議院の意思を決定する場合における参考として、この点は十分にひとつ責任を持つて御答弁願わなければならぬと思つておるのであります。私はこれで貫間ぱやわますが、郵政大臣にお伺いしておきたいのは、先ほどの御答弁の中で、将来は変更の意見をつける場合があるということを自分は考えておる、そういう場合にNHKが出したところの予算に対して、郵政大臣としてはこれは不適当だ、こう直すべきものであるという意見を付されるときに、国会はこの意見を聴取するということなんです。それは当然そこで修正権が国会にありと考えなければ、そういうことは解釈できないと思うのですが、この点に対して郵政大臣はどうお考えになつておりますか、この点だけで質問はやめます。
#70
○塚田国務大臣 郵政大臣がこれは適当でないという意見を付しましても、国会がその後どういうような御行動をおとりになるかというようなことにはちつとも関係がないのでありまして、たとえば私が適当でないという意見を付しましたならば、NHKの意見もお聞きくだすつて、郵政大臣の意見が妥当であるか、あるいはNHK自身の意見が妥当であるかということを頭において御判断になることになろう。ただその御判断になる形式を、私どもはこの三十七条は国会側のその御判断もイエスかノーかどちらかである、そういうように解しておるわけでありまして、そこのところには私が意見をどういうようにするかということは、何にも実質的には関係がない、こういうことであります。
#71
○片島委員 先ほどの問題に関連して古墳会長にお伺いしておきますが、この受信料の六十七円という問題は、これはまた後ほどになつて本格的な質問を続けたいと思うのでありますが、郵政大臣は変更の意見をつげて出すことがあり得るというお話でありましたが、今度の場合でもけつこうであります。かりに古墳会長が六十七円という腹をきめられて、それを出されたところが情勢がちよつとかわつたために、本日出したものが晩のうちに、いろいろとまた政府部内などの情勢がかわつて、翌日になつたならば六十五円にしかわれわれとしてはとうてい受付け得ないということを、郵政大臣がかりにこの変更の意見を持ち、これを国会に提出された場合、自分たちは確信を持つて六十七円ということで努力し、しかもこれには絶対の確信を持つておるから、いくら変更の意見を付されても、われわれは覆り原案通り国会に提出する、そういうお考えでありますかどうか。特にこの予算案が非常に時期を遅れて国会に提出されたということには、非常に長い間のお骨折りはあつたと思いますので、今後のこともありますから、そういうような場合には、やはりあなたは変更の意見をつけられても、かまわないで出す、そういうお考えがあるかどうか、あなたのお気持を承つておきたい。
#72
○塚田国務大臣 これは当然に、私は先ほども申し上げましたように、意見を付する自由を持つておるだけであり、意見を付する自由は当然意見の内容をどういうぐあいに表現するかの自由も持つておるわけでありますから、その意思決定をいたします最終のときに、どう判断したかということによつて、その通りの意見を付するわけでありますから、そのときにNHKから提出されものが適当でないという考え方であれば、当然それは適当であるという意見を変更すべき点があるならば、ここをこういうぐあいに変更すべきであるという意見を付するつもりであります。その場合に国会がどのように御判断になるか、これは国会が御承認になる権限を持つておられるのでありますから、私には意見を付する自由があると同時に、国会はまた御承認になるかどうかの自由を持つておると考えております。
#73
○片島委員 六十七円で出された場合に、晩のうちに六十六円、六十五円にいろいろ情蒙でかわつたという場合には、おそらくNHKに黙つてあなたの方は出されるはずはないと思う。おそらく内示か何かでこれを変更することになつたからということは、御相談になると思う。その場合に古垣会長は、いやそういうことは私たちはぺん出した以上はひつ込めませんということを言われるかどうか。これは大臣のお考えではなくて、古垣さんはどういうふうにお考えになつておるか聞いておきたい。
#74
○古垣参考人 先ほど来申し上げておりますように、NHKとしてはNHK独自の立場で、NHKの経営上最も重大な予算を編成するのであります。先ほどいろいろ事前にこうい皇うな方法をとるべきであつたというような御指摘もございましたが、そういうような点につきましても、われわれとして最も適当であるという方法によつて、表面には目立たなかつたかもしれませんけれども、全国的にできる限りの意見の聴取をいたしまして、また各党のしかるべき機関に対しても御意見を聞きまして、最後において十分に検討に検討を加え、われわれとして最も妥当であるわれわれの独自の立場から言えば、受信料は多いほどけつこうなことはないけれども、国民に奉仕するNHKの立場、また国の立場、いろいろな立場から最小限度六十七円というものが、ぎりぎりであるという結論に最終的に達しました。従いまして今回の昭和二十九年度のNHKの提出する予算案といたしましては、六十七円というものが、われわれとしてぎりぎりの線であるということを決定しておりますから、所管大臣の御意見がそれに対してどうであろうとも、われわれとしてはこれが良心的な料金案であると考えております。
#75
○松前委員 私は前に大臣に質問を留保しておきましたことがございます。それは放送協会に対する大臣としての立場、あるいはまた与党の背景のもとにおける放送協会の番組編成に対する干渉あるいは圧力、こういう問題について質問を留保しておつたのです。まだ調査中でありますが、私はこの問題を取上げて、あなたに食つてかかろうとは夢にも思わないでおりましたところが、この前の前の委員会で、原委員の質疑はまことに重大であり、また大臣の大阪における新聞記者に対する発言は非常に重大であると考えまして、これらの問題を、その核心についてはまだ調査しておりませんけれども、とにかくその周辺を応調べてみたのでありますが、これに対して少しばかり、今日は中間的ではありますけれども、御質問申し上げてみたいと思います。
 問題の起りは、御承知のこの前の委員会におけるように、いわゆる放送協会がじようだん音楽というか、三木鶏郎の放送に対して突然番組の変更をやつた。その前夜において大臣は大阪でああいうふうな放送をやつておるかくすなわち政府を誹講ずるような放送をやるから、料金も上げられないのだというような意味のことを、大阪の新聞記者に語られた。これが非常に大きな反響を呼んでおつたことは事実であります。新聞記者が悪いとおつしやいますけれども、とにかくこれは現実において大きな影響を与えたことは間違いないと思うのであります。たまたま放送協会側としては、料金を何とか値上げをしなければならないと思つて、熱心にやつておるさ中でありましたので、非常なシヨツクを与えられたであろうことは間違いありません。こういうことで、今の監督権の問題ともひつかかるのでありますが、とにかく料金値上げは、あの三木鶏郎の放送をある程度改変しなければ、あるいはやめさせなければ許されないというような空気が、どこかに大きな圧力として放送協会に加わつたであろうと私どもは想像をして、この前御質問を申し上げたのであります。これに対しまして私は二の例をもつて、特に放送協会に最初にお伺いしたいと思います。それは三月七日の午後六時愛知揆君と小峯柳多君と川崎秀二君、武藤運十郎君、今澄勇君の五人が国会討論会をやつたのであります。その国会討論会の内容は大衆がみな聞いておりますから、これはその通りでありますが、そのあとで自由党出身の議員諸君が何と言つたかといえば、放送協会の責任者に向つて、今澄のような汚職を摘発するようなやつを国会討論会に呼ぶようなことでは、料金値上げの承知はできないということを強く主張して、申し入れておつたという事実であります。私は、これは今澄君から直接聞いて来たのでありますから、今澄君を証人としてここに出してもさしつかえないし、同時にまたそれを受けて困つておつた放送協会の当事者、――しかも料金値上げの問題その他がからんでもたもたしておつたときのころであります。こういうからみ合つた態勢の中において、今のような料金値上げの問題がきまつた、それと同時にあの番組変更がその直後において行われたということは、間違いない事実であります。これに対しまして大臣と放送協会とから、この事実を中心とした何らかの釈明、あるいはこれに対する態度について伺いたいと思うのであります。
#76
○塚田国務大臣 先日の他の委員のお尋ねに対して、当時の事情は大体お話を申し上げたのでありますが、これは松前委員のおいでのないときに申し上げたかと思いますので、重ねて申し上げます。私が大阪であの新聞記者会見をいたしましたのは土曜日であり、日曜日の朝の新聞におそらく載つておつたのであると思うのでありますが、この日曜日の晩には放送番組の変更は行われておらないのであります。次の日曜の晩に番組の変行が行われた。私はそれを聞かないものでありますから、翌日の新聞を見て、ああそんなことがあつたのかというふうに承知をいたしたのであります。私自身のものの考え方は、前日委員会でお答え申し上げたように、私はあまり最近聞いておらぬのでありまして、しかし今まで聞いた範囲では、今いろいろな人たちからかなり、あれは国会をからかつているのじやないかという意見があつたほどには私は感じておりませんと、このように申し上げておるのであります。そういうものの考え方と、最近あまり聞いておらぬものでありますから、私個人の考え方としては、あれと放送料金をどうするかという問題とは全然つながつておらぬ。考え方としてつながつておらない、ばかりでなく、当然の帰結として、私は料金判断に対してのいろいろな意見をNHK側から徴された場合には、全然そういう考慮なしに、私個人の意見を参考までに申し上げてあります。従つてNHKがむしろ何らか他の意見というものによつて、ある番組変更を行われたものであるとするならば、おそらく私以外の者の意見、郵政省以外の者の意見であるというふうに考えます。そこで考えられますのは、おそらく国会側の意見といいますよりも、もつと正確には国会議員個々の方方にそういう意見があつた、そういうことを頭に置かれて、あるいは若干の考慮を加えられたかもしれません。しかしそれはNHKのものの判断でありますから、あとで古垣会長にお尋ねを杷いただけばいいと思うのであります。従つて私としては今申し上げたように、この番組の変更に対して何にも責任というものはないはずでありますし、また責任を生ずべき事実もなかつたことを重ねて申し上げて、御了解を得たいと思います。
#77
○古垣参考人 私からもお答えを申し上げます。この前の松前さんの御質問にお答えしましたように、私どもは番組というものと受信料というものとは、切り離して考えております。番組というものをきめますことはNHKの内輪の問題でありまして、これは日々改善してよりよくしようという考えでおります。幸いにわれわれは放送番組編集の自由を与えられております。そのことを知つて仕事をしております。同時にこの自由が与えられているということは、非常に重大な責任ということも痛感しなければなりませんから、いろいろな方面の覧、投書ま壷論調査ということは毎々いたしております。松前さんの御意見などもこちらから伺つたり、しよつちゆういたしてやつております。決してある方面から圧力があつて、番組の内容の変更があつたということは、じようだん音楽、ユーモア劇場の場合になかつたのであります。それから先ほどの三月七日の国会討論会、不幸にして私はそれを伺いませんでしたけれども、そのあとで御指摘のようなことがあつたことも聞いてはおりません。従つてそういうこともやはり個々の関心の深い聴取者が、放送をしたところのNHKに対して意見を述べられたことであろうと思います。そういう意見は議員の方に限らす、個人の場合でも新聞の場合でも常にございます。われわれはそうい意見を心をむなしくして聞きますけれども、決してそれに付和雷同したりするようなことは厳にしないように絶えず戒めております。しかし決して現状において十分であるとは思いませんから、将来層そういう方針を持つてやつて行こうということを、かたく誓い合つてやつておる次第であります。
#78
○松前委員 私はただいまのような三月七日の六時の国会討論会の、その後において行われた言動のそういう事実があつたかどうかということを、放送協会の方には承つておるのであります。ただいまわからないとおつしやいますから、御調査を願つて後刻御報告願いたいと思います。大臣はただいま他の方からの圧迫があつたかもしれぬ、このようなお話がありましたけれども、大臣は何といつても政党の幹部であられ、そうしてまた政党の代表としての大臣であられるのであります。この関係はちようど水魚の関係より以上に密接であります。責任なしというお言葉は、絶対にこれは当らないと思います。私はまだ大阪における御発言の模様を、何も検事みたいに調べようとは思いませんが、あれが相当に影響を及ぼしておるということだけは、これは常識から見て明らかであると思うのです。というのは土曜日のことであつて、日曜日はかわらなかつたとおつしやいますが、日曜日はかえられませんが、その次の日曜日にはかえられるのであります。であるからなお臭いと、こういうことを私は今想像しておるのでありますが、これらの事実につきましては、ただいま非常にこれは重要なものでありますので、いろいろ言いのがれをなさいますけれども、どうも私にはまだ納得が行かないのでありまして、番組の方がこのように何か政治的な圧力によつて変更されるがごときものであるならば、これはもう根本的にひとつ放送協会のあり方について考え直さなくちやならぬと同時に、またこれらのような間違つた政治の姿に対しては、断固としてメスを入れなくちやならぬと思うのであります。いずれにいたしましても、この問題は後日に保留いたしまして、今日はこの事実があつたかどうか、名前は愛知揆君と小峯柳多君でありますからはつきり申し上げます。御調査の上御答弁を得たいと思います。
#79
○古垣参考人 そういうような事実がもしあつたとして、そうしてそれが重大な影響を与えるようなものであつたとすれば、私に報告があるはずであります。連日ラジオ局長とは会つておりますが、いまだその点についての報告は全然聞いておりませんから、調べることにいたしますが、私が今お伺いいたしましても、それは単に個人的ないろいろなことは、しよつちゆういろいろな人からあるわけでありまして、電話等は中にはずいぶん搬越な調子で言つて来る聴取者もございます。しかしこれはみな聴取者でありますから、われわれは応話は伺いましたけれども、それによつて動かされるということはないようにしておりますから、そのことをちよつとつけ加えておきます。
#80
○松前委員 調べることは調べるがという、どうも熱意のないお話でありましたが、私はその真相を取調べていただくことを要求しておる。いかがですか。
#81
○古垣参考人 調べるようにいたしますけれども、今までのところ、私が聞いていないところを見ると、それはそういう程度の性質のものではなかつたかということを申し上げたつもりでございます。
#82
○松前委員 これは保留しておきます。
#83
○成田委員長 明日より予算案の内容について審議に入るということにいたしまして、きようはこれで散会いたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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