くにさくロゴ
1953/04/02 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第30号
姉妹サイト
 
1953/04/02 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第30号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第30号
昭和二十九年四月二日(金曜日)
    午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君
   理事 山手 滿男君 理事 永井勝次郎君
   理事 加藤 鐐造君
      小川 平二君    始関 伊平君
      田中 龍夫君    土倉 宗明君
      笹本 一雄君    長谷川四郎君
      柳原 三郎君    加藤 清二君
      帆足  計君    伊藤卯四郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川上 為治君
 委員外の出席者
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
四月一日
 電源開発土木工事費に関する陳情書(東京都中
 央区築地三丁目八番地社団法人土木工業協会会
 長鹿島守之助外十五名)(第二六一二号)
 電気料金値上げ反対に関する陳情書(豊中市議
 会議長梶浦一夫)(第二六一三号)
 同(彦根市議会議長手良村勝次郎)(第二六三
 九号)
 同(京都市上京区北野白梅町三十四番地京都生
 活安定主婦の会森定春枝外七名)(第二六四〇
 号)
 同(宇治市議会議長小山元次郎)(第二六四一
 号)
 同(愛媛県町村議会議長会長前谷精一郎)(第
 二六四二号)
 同(鳴門市議会議長篠原弥治兵衛)(第二六四
 三号)
 同(仙台市本荒町東北地方電力需要者連盟会長
 佐野隆一)(第二六七六号)
 同(沼津市大手町静岡県東静地区電力協議会長
 後藤忠男外九名)(第二六七七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致に関する件
 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改
 正する法律案(内閣提出第九八号)
 石油資源探鉱促進臨時措置法案(内閣提出第九
 九号)
    ―――――――――――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 まず参考人の追加選定につきお諮りいたします。前回の委員会において、鉱業に関する件につき、参考人佐々木弥市君より意見を聴取することに協議決定いたしたのでありますが、なおこれに追加して、日本化学工業会副会長池田亀三郎君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
#3
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○大西委員長 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案及び石油資源探鉱促進臨時措置法案を一括して議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。始関伊平君。
#5
○始関委員 法案が二つございますので、最初に石油資源探鉱促進臨時措置法案の方について伺います。
 私はこの法案の制定されました後におきまして、はたしてどういつたような実際上の効果を期待できるか、私の印象では、この法案が通りましても、実際上の効果につきましては非常に疑問の点が多いと思うのでありまして、そういつたような観点から二、三お尋ねいたしたいと存じます。この法案の提案理由によりますと、現行の鉱業法のもとにおいても、権利の上に眠ることを許さないための各種の規定があるのであるが、実際上は権利の上に眠つているものがある。しかるに一方におきまして石油の探鉱を実施する意思と能力とを有するものがあるにかかわらず、鉱業権を持たないために探鉱を実施することができないものがある。こういう二つの事実を前提としてこの法案、特に試掘権の強制譲渡に関する第七条ないし第十六条の規定が立案されておると思います。そこで第一に、権利の上に眠つているものとはだれであるか、帝石その他、鉱業権者別に具体的に御説明を願いたいと思います。特に現在試掘鉱区の何パーセント程度が帝石によつて保有されておるのかという点、これを一般的な場合と、それから当局の方で指定地域として予定されております地域にあるものについて御説明願いたい。
 第二に、探鉱を実施する意思と能力とを有するにかかわらず、鉱業権を持たないために探鉱を実施することができないものがあるというお話でありますが、これはだれか、具体的に明らかにしていただきたいと思います。
#6
○川上政府委員 現在権利を持つていて、そうして採掘に非常に努力をしていない、あるいはその試掘に非常に努力していないというようなケースがあるかどうかという問題でありますが、これにつきましては、私どもの方としましては、現在におきましては、国内におきまして、急速に探鉱をしなければならぬということを特別に業界に対しまして言つておりませんので、今お話のありましたような、特に権利の上に眠つておるというものが相当あるかどうかという点については、何とも言えないというふうに考えられます。ただ今回こういう法律を設けまして、国として早急に試掘をやらなくちやならぬということになりますれば、もし将来におきまして試掘権の上に眠つておるようなものがありましたならば、この法律におきまして早急に試掘をやるように勧告をし、あるいはまた法的な措置をとるというふうに考えておるわけであります。
 それから現在試掘権のうちで、帝国石油が大体どれくらい持つておるかという問題につきましては、その数字につきましては、資料を今とりにやつておりますが、大体試掘権全体の半分程度を帝石が持つております。それから採掘権につきましては、大体六割ないし七割近いものを帝石が保有しております。
 それから指定地域につきましては、五箇年計画の一応の予定としましては、全国百六十五箇所というふうに考えておりますが、そのうちの大体七割ないし八割近いところが帯石の保有鉱区と考えております。
#7
○始関委員 そこで試掘権の強制譲渡に関する規定の運用の問題でありますが、甲の会社の持つておるどの鉱区を乙の会社に譲渡させるつもりであるというような具体的なことを今聞いても無理であろうと思うのでありますが、当局といたしましては、こういう法律を出します以上は、少くともこの法案の実施によりまして、ただいまのお話でありますと、問題となります指定鉱区について七割なり八割のものを帝石が持つておるということでありますので、この帝石に過度に集中しております鉱区を他の採油業者に分割したい、大体の方向としてはそういうことを意図しておるのか、あるいはさらに帝石の方に、いろいろな理由はありましようが、帝石の能力その他から考えて、もつとさらに試掘鉱区を集中しようとしておるのか、この根本の方向くらいはお示しになる必要があると思うのであります。この点をはつきりとひとつお聞きしたいのであります。
#8
○川上政府委員 私の方といたしましては、現在帝石が持つている試掘権を分散させるというような考え方は別段ございません。また帝石が現在持つておる鉱業試掘権に対しまして、さらにまたそれをふやして帝石の方へ集中させるというような考え方も持つておりません。いずれにいたしましても、どういう会社でありましても、われわれの方で指定いたしましたら、試掘鉱区について早急に試掘をしてもらいたいということでありまして、もし帝石の方でそういうような措置をとらない場合においては、あるいは他の能力者がありますれば、そつちの方へ譲渡させる、あるいはまた帝石以外のものであつて、そうして指定した地域についてなかなかその試掘をやらない、そういうようなものがありますときは、場合によつては、帝石にその能力があると考えますれば、もし帝石の方からそういう申請がありますれば、帝石の方へ譲渡させる、そういう考え方でありまして、どちらに集中させるとか、あるいは分散させるとかというようなことは現在考えておりません。
#9
○始関委員 これは鉱山局長としては答弁がしにくいのかもしれませんが、一体同じような規模の会社が、三つなり四つなり、あるいは五つなり六つなりあるということでありますれば、ただいまの御説明も納得ができるのであります。しかしながら、現在では試掘鉱区の八割が帝石だ、生産量の九割何分が帝石だというような現実の事態をもとにして考えますと、こういつたような一番基本的な重大な事柄について、あつちを向いているのか、こつちを向いているのかというようなことも言明できないようでは、こういう法律をつくつてみても、その効果ははなはだ疑わしいと思うのであります。
 そこで観点をかえてもう一つお伺いいたしますが、一体国内における石油資源の開発の問題は重要な問題でありますが、この問題を議論する場合におきましては、独占的な企業体であります帝国石油というものを除外しては一切の議論ができないのであります。そこで私は先ほどの答弁にははなはだ不満足でありますが、もしこの帝国石油が優秀な企業体であつて、世間の信頼も厚いということでありますれば、国内資源の開発はうまく行くのである。そうでなくて、世間の評判も悪い、世間の信頼もないという場合には決してうまく行かないと私は思うのであります。私の印象では、この帝国石油という会社はあまりいい会社ではないと思います。伝統の社風というようなものはまつたくない。役員間の内紛は絶えない。それから役員と組合との間も始終ごたごたしている。これは鉱山局長の管轄下にある会社と比べてみてもわかると思いますが、日本の大会社の中では世間の評判が最もかんばしくない方だろうと私は考えます。この帝石の評判の悪いことが、この二、三年来石油の試掘奨励金というものが一文も帝石に対しては支出されないという結果を招来したと私は考えているのであります。そこで一体こういう大事な立場にある帝石という企業体を今のような状態のままにしておいて、石油の資源の開発がうまく行くと思つているのかどうか、その点見解を伺いたいのであります。
 なお今回の石油資源探鉱促進臨時措置法というのは、帝石が現状のままでは不適当であるという根本の認識から出発しているのではないかと思うのであります。この点は鉱山局長は答弁がしにくいと思いますから、古池さんにひとつお伺いします。
#10
○古池政府委員 ただいまの御意見の点は十分に私承りました。ただ問題があまりに具体的でありますので、私といたしましてもここに端的に申し上げるということはお許しを願いたいと思うのでありますが、しかしただいまの御心配になつておるような点は、これはまことにお説の通り、今後の石油政策の上において重要なる問題であると存じますので、経営の面につきましてもあるいはその他の面につきましても、担当官を督励いたしまして十分検討を加え、国民からも大いに将来期待を持たれるように、私どもといたしましては努力をして参りたい、かように存じます。今この席上におきまして帝石がどうこうということを私の口から申し上げますことは、影響するところも大きいと存じますので、どうかこの点はお許しを願いたいと思います。
#11
○始関委員 ただいまの政務次官の御答弁では、大体私の申し上げる趣旨をやや認めまして、そうしてこれを監督していい会社にするのだというふうに受取れますが、実はそこに根本の問題があるのでありまして、政府は何らの監督権がないのであります。帝石に関する問題の根本は、その生産量から申しまして、国産原酒の九五%を占める独占企業体のままで残しておきながら、一方において帝国石油株式会社法というものを廃止しまして、これを純然たる民間会社にしてしまつた。経営上の監督権あるいは人事権というものは一切政府の手からなくしてしまつたという点にあると思います。しかしながら帝石が独占会社であり、公益性と申しますか、あるいは国家的性格と申しますか、そういうものが非常に強い会社でありますので、たとえば人事がうまく行かないとかいう場合には、これは政府としては人事権がないのだから、おれの方は知らぬといつてすましておるわけには参らない。必ず政府が責任を追究されるようなかつこうになるのでありまして、その点政府としては立場はたいへんお気の毒でありますが、一体こういうような不都合と矛盾とを感じておらないのか。この前の委員会では長谷川君の質問に対する古池政務次官の御答弁では、人事の問題もその実際上の指導でやるというようなお話でございましたが、一体私は人事権なくして人事の指導なんというものはできるわけがないと思うのであります。その証拠には、せつかくの当局のあつせんにもかかわらず、帝石の人事問題が片づいているというふうには私どもは了承いたしていないのでありますが、現在帝石の役員についての紛議というものは一体どういう内容のものであるのか、それからこれに対して政府はどういう方針をもつて善処しようとしているのかという点を、簡単でけつこうでございますから御説明を願いたいと思います。つまり第一点としては、人事権がないことについてどういう考えを持つておるか。それから現在の帝石の人事の紛議というものはどういうふうな内容のものであるのかというのが第二点。さらに第三点といたしまして、帝石に対する現存の持株は相当にあるように承知をいたしておりますが、政府か帝石の株を持つているというのは一体どういう目的のものであるのか、これは単に国有財産の運用として持つているにすぎないのか、あるいは株主権を行使しまして、これによつて帝石を指導しようとするのか、その点を第三点として、以上の三つの点について、簡単でけつこうでございますから、はつきりした御返事をいただきたい。
#12
○古池政府委員 まず第一点のお尋ねでございますが、ほんとうに政府が人事権を握つて、たとえば役員を任命するとかあるいは、不都合なる行為があつた場合に、これを解任するとかいう権限を持ちますには、どうしても普通の商法上の会社ではこれは目的を達し得ないと思います。それにはやはり特別法をもつて特殊会社をつくつて、その法律の中に政府の人事に関する規定をはつきり規定するということが正しい行き方であろうとは思います。しかしながら商法上の会社といえども、ただいま御指摘になりましたような、わが国石油の産出量のほとんど大部分を、占めるような重要なる会社につきまして、種々政府との交渉と申しますか、政府にいろいろの点において指導を受けねばならない立場にある会社に対しましては、行政上一応の人事に対する指導もできるというふうに私は考えております。しかしむろんそれは不徹底であるということは免れないだろうと思うのであります。そこでもしこれを徹底さして人事権を持とうと思えば、やはり特別法をつくつてこれにさような権限を規定するということが一番早道であります。しかしながら一体かような事業を国策会社をつくつて独占的にやらせるのがいいか、あるいは現存のような商法上の会社としておいて、できる限りの監督をなしながら指導をしてやらせるがいいかということにつきましては、やはり一利一害があると思うのであります。従いましてその一長一短を十分考慮いたしまして、どういう形をとることがただいまの日本あるいは今後将来にわたつての日本の石油行政の上において正しいかということは十分検討を要する問題と考えまするが、ただいまの法制のもとにおきましては、前回長谷川委員にもお答え申し上げました通り、行政の指導によつてこれをでき得る限り政府の目的に近づけるように持つて行く以外には道はなかろうと存じます。
 第二の現在の具体的な人事の問題、これは私よりはむしろ鉱山局長の方が詳しいのでありまするから、鉱山局長からお答えをしてもらいたいと思います。
 それから第三の政府の所有株につきましては、これは御承知のように従来の経過の上においてかようなことになつておるのでありまして、政府は積極的にこの株を利用して株主権の作用として帝石に対して強い発言権を持とうとかどうとかいう考えはございません。
#13
○川上政府委員 帝石の現存の役員のいろいろな紛糾の問題について、その詳細をお話申し上げるのはまだどうかと思うのですが、ただ紛糾の根本的な問題というのは、やはりその両派における経営についての考え方というのが、私は相当根本的な問題ではないかというように考えるわけでありまして、それがだんだん高じまして、そうして感情的な問題にまでも発展したということではないかと考えられるのであります。一方の派におきましては、帝石というものは政府が株を持つておりますけれども、これは前の帝石時代と違つて、純然たる民間会社である。民間会社である以上は、一般の民間会社と同じように、この経営につきましても、相当きびしいと申しますか、相当利潤追求的なやり方をとるべきではないかというような考え方が一方においてはあつたのじやないか。それに対しまして、一方におきましては、必ずしもそういうふうに考えるべき性質の会社ではないというふうに考えていた。またその経営も、やり方そのものが非常に違つておるという点に根本的な問題が私は発生しておるのじやないかというように考えておりまして、それがだんだんいろいろな問題が出るたびに、感情的な問題にまでも発展して来て、そうして現在いろいろ世間に対しまして御迷惑をかけておるようなことになつたのじやないかというふうに考えられるわけでありまして、その考え方の食い違いというのがこういう問題を起したと思うのです。私の方としましては、この考え方についてどちらがいいとか悪いとかいうようなことは、何とも申し上げかねると思うのですが、やはりこの会社は現在におきましては少くとも相当の試掘権なり採掘権を持つてやつておりますし、また唯一の大きな石油の採掘会社でありますために、石油の開発の関係から申しますれば、そのいずれの意見もよく調和して、そしてまとまつて開発して行くようにということを念願しておるわけなんですが、先ほど政務次官からお話がありましたように、人事権そのものは、特別に政府の方としては持つておりませんので、何とかその間をあつせんして、そして円満に行くようにということで今日まで努力して来て参つておるわけでありまして、この問題につきましては、大体近いうちに解決されるのじやないかというように考えておるわけであります。
#14
○始関委員 これから私の申し上げますことが、きよう私が政府側にお尋ねしたいと思いますことの要点でありますから、ひとつこれも明快にお答えを願いたいと思います。
 ただいま古池さんは、帝石をもう一ぺん特殊会社に直して、これに対する人事権その他すべての監督権を持つということが望ましいかどうかということは疑問であるというお話でありましたが、私も、必ずしも帝石をもう一ぺんもとの形に直せということを主張いたすものではないのであります。ただ問題は、現状のように、九五%という圧倒的な比重を持つ独占会社がただの野放しの商法上の一会社であるという点にあると思うのであります。そこでこれをどうするかという問題でありますが、一体昭和二十二年ごろに過度経済力集中排除法の規定を帝石に適用してこれを分割するかどうかを役所で審議したことがあると思いますが、当時秋田県の八橋油田の比重が圧倒的に大きかつた、その結果といたしまして、競争の可能なような、均衡のとれた二つなりあるいは三つなりの企業体に分割することが不可能であるということ、並びに探鉱用の器材あるいは人的な要素もございますが、器材なり技術なりというものの一元的な管理なり、それによる有効利用というようなこと、主たる理由は私はこの二点であつたと思います。そういう観点から独占会社のままで残したのでありますが、その後の状況から見まして、帝石をあのままの形で残したことがよかつたかどうかということは、私は実績の上ではなはだ疑問であると思うのであります。そこで先ほど古池さんのお話のように、これを特殊会社にいたすということも問題でありますし、かりにそうしたところで帝石が急によくなるわけのものでもあるまいと思います。と同時に、これを二つなり三つなりにわけるということは、今日のいろいろな事情からして実際上やりにくいし、実行困難であると思います。そこで、私は第二の方法といたしまして、帝石以外の採油業者、特に資金的にもまた技術的にも実力のあると思われますような――これはどこの会社をあげていいかわかりませんが、たとえば日本鉱業あるいは日本石油、これは昔は採油の方もやつておつたのでありますが、こういつたようなところに、今度の法律のいわゆる試掘権の強制譲渡に関する規定の適用によつて試掘鉱区を相当大幅に譲渡させまして、同時にこれを助長いたしまして、その結果として、帝石の比重というものを実質的に小さくする、現在の九五%から六〇%なり、六五%くらいの程度まで下げる。つまり逆に言えば、帝石は伸びてもかまいませんが、これらの増産分は帝石以外のものに多く期待する。こういつたような形をとることによりまして、実質的に帝石の独占状態というものを打破することがこの際としては一番望ましいと思います。要するに、帝石の問題はいろいろあるが、これはいわゆる私的独占の代表的なものであつて、その一つの悪い影響と申しますか、弊害の現われであると私は考えるのであります。今申し上げたように、試掘鉱区、特に有望な鉱区をよその方にだんだんわけてやつて、それによつて帝石の独占状態というものを実質的に打破することが望ましいと思うのであります。これが私のきようの質問の眼目でございますので、賛成か、反対かをひとつ明快に御答弁願いたいのであります。先ほどの鉱山局長のお話は、その点ははなはだ不満足でありまして、一番大事な問題について、東に向つて行くのか、西に向つて行くのかさつぱりわからぬということでは困ると私は思うのであります。
 なおそれに関連いたしまして、今度一億三千万円の試掘奨励金をとつたのでありますが、これはそのうち大体何割を帝石にやるつもりであるかを伺いたいのであります。これに関連いたしまして、従来ここ二、三年間は帝石に対する助成金というものは出されておらなかつたと私は思いますが、帝石以外に対する助成金というものは、今日まで一体どのくらい出されておつたのか。それを今度はふやすつもりなのか、減らすつもりなのか、ごまかさぬで、はつきりと御答弁願いたいと思います。
#15
○古池政府委員 まず第一のお尋ねに対しまして、私からお答えを申し上げます。この問題は相当具体的な問題になりまするので、今後の帝石の事業に対する熱意、またそのやり方が適当であるかどうかというその結果によりまして、われわれの考え方なり、指導の方法もかわつて来ると思いますけれども、大体の気持におきましては、ただいまお尋ねになりました御趣旨は私は同感に存じます。ただそのときに考えなければならぬ問題は、ただいまも御指摘にありましたように、あくまで設備資本の二重投下にならぬということ、そして技術を最も合理的に活用し得るという、この二つのことはやはりできるだけ確保をいたす、その前提の上において、ある程度の有効なる競争ということは必要であろうと思います。
 なお助成金の問題については、鉱山局長からお答え申し上げます。
#16
○川上政府委員 過去の助成金の実績を申し上げますと、昭和二十五年度におきましては、交付額一億一千四百万円、このうちで帝石が六千九百万円、二十六年度が一億三百万円、そのうち帝石の分が六千六百万円、二十七年度におきましては、ぐつと減りまして、三千七百九十万円という交付額に対しまして、帝石に対する交付額が一千五百六十万円、二十八年度におきましても三千五百二十五万円、そのうち帝石の分が一千六百万円くらいということになつております。二十九年度につきましては、現在いろいろ検討いたしておりますが、一億三千万円の交付予定額のうちで、大体八千万円か九千万円程度ではないかというふうに考えております。
#17
○始関委員 最後に、今度は問題は違いますが、鉱山局の方でかねて非常に熱心に研究されております減耗控除制度というものが、かりに鉱山局の案の通りに実施に移されたといたしました場合に、二十八年度なり、あるいは二十七年度なりの収益の状況をもつていたしますと、一体試掘にまわせる金は国産石油の企業体の中でどの程度調達できることになるのか。もし調査がありましたら、これは一言のお答えでけつこうですから、お答え願いたいと思います。
#18
○川上政府委員 これは私の方の一応の計算としましては、いわゆる鉱山局案というようなやり方で行きますと、一億六千万円くらいは探鉱の方へ、余裕ができてそれだけまわせるじやないかというふうに考えております。
#19
○大西委員長 小平君。
#20
○小平(久)委員 今回の石油資源探鉱促進臨時措置法案に対しまする考え方といいますか、これは私は大体始関君から披瀝されたと同じような考え方を持つているのでありますが、これを一覧して感じますことは、この試掘の関係において、あるいはこの業務または経理に関する勧告等の関係において、大体業者の出方を待つてやる、いわば事後処理的なことを考えておる。現在の石油会社、特に最も大きな比率を占めております帝石というものが民間会社にすぎない、こういう立場からすれば、今回のような立法の建前というものもやむを得ないものかとも思いますが、しかし現在当局においても探鉱の五箇年計画というようなものまでも立てて、これを強力に推進しようという今日においては、これはいかにも形式的な一つの立法にすぎないのではないか、私はどうも物足らぬ感じがいたすのであります。先ほど始関君のお述べになられました趣旨も御同様と思いますが、どうしても政府が試みておるところの石油資源の探鉱を実質的に強力に進めるためには、具体的に申しますれば、帝石そのものの内容を強力に改善するということが一番捷径であり、目下差迫つた必要性を持つておるものではないかと思います。そういう点から若干補充的に承りたいと思います。
 先ほど政務次官の御答弁によりますと、政府が帝石の株を四百六十万株から持つておる、全体の二割数分に当るものを持つておる。しかしこれは従来の成行きからいえば、大した意義を持たずに持つておるというようなことであつて、積極的にこの株主権を行使しようというような考えはないという御趣旨の御答弁を拝聴したのでありますが、私は先ほど来から申しますような石油探鉱ということの現段階における重要性ということから考えますれば、従来はさようであつたかもしれませんが、今日以後においては、少くも帝石にとりましては政府が一番の大株主なのでありますから、もつと株主権というものを強力に活用して行く、そのことによつてどうしても会社の内部からこれをよくして行く、こういう積極的な立場にこの際はお立ち願うことがまず第一段階ではないかというふうに考えるのでありますが、この点についてあらためて御答弁願いたいと思います。
#21
○古池政府委員 政府が株を持つておるのであるから、株主としての立場から会社をリードしたらどうかという御意見でございます。この点はなるほどそういうお考えも確かに成り立ち得ると思います。しかし政府がほんとうに株主権を利用して会社を指導しようとすれば、やはり結局は五〇%以上持つということが必要になろかと思います。現在のところ政府が五〇%以上の株を持つということになりますと、これはりつぱに半官半民の会社になるわけでありますが、そういうふうにして株主権でもつて会社を操作しようという考えは、ただいまのところは持つておりません。この点はあるいは御意見と少し違うかもしれませんが、さように考えております。
#22
○小平(久)委員 私の申し上げる趣旨は、それは文字通り几帳面に解すれば、なるほど過半数の株を持たなければ、万一の場合会社の実権を握つてやる、こういうことはできないかもしれませんが、しかし大方の会社において――これは地方の小さな会社ででもあればまた別でありますが、大会社においては、少くもこの過半数を制しないでも、一番の大株主というものの立場、その方針、そういうものは十分会社の経営の上に尊重ざるべきであり、また現に尊重されております。必ずしも過半数を持たないでも、政府の心がけいかんによつては、私は帝石というものももう少し政府の意に沿うような運営をなし得るのではないかというような気がするので、そういう心組みでもう少し積極的にやつたらどうか、こういうことを申し上げておるのです。
 そこで先ほど来最近の帝石の内紛のことについて、そのいきさつ等を局長から御説明があつたのでありまして、一応解決したやのお言葉でありましたが、世上ややともすると、今度の解決というものもいわば一時的のものであつて、聞くところによると従来十二名であつた役員を十五名とかにして、三名だけを追加して増員をいたしておる、こういうことのようでありますが、どうもそれでは根本的なる社内の刷新というか統一、そういうものがとうてい望まれないじやないかというようなことをわれわれは耳にしておるのであります。その点について当局としてはどんなふうにお考えになつておるか、承りたい。
#23
○川上政府委員 今回の私の方のあつせんによりまして、はたして今後長く内部が円満になるかどうかということにつきましては、これは私は実は何とも申し上げかねますけれども、あるいは一時的なことになるかもしれないという心配も持つておりますが、私の方としましては、もう少し両方にいろいろ話をし、かつまた今度入ろうとする方々にたいしましてもいろいろ話をしまして、お互いの考え方というものをまとめて行きますれば、あるいは相当長く協調して行けるということになるのじやないかというふうにも考えております。現在それぞれの方に対しまして、帝石の今後のあり方とかあるいは経営のやり方とか、あるいは今度の法律にからんでこういうふうに持つて行くべきであるとか、そういうことを私の方からもいろいろこれらの方々に対しまして話をしておりますので、だんだん了解しつつありますから、何とかやつて行けるのではないかというふうにも考えるのであります。ただしかし、小平先生からお話がありましたように、はたしてそれで十分まとまつて行けるか、その見通しでほんとうに行けるかという点につきましては、私自身としましてもある程度心配がないわけでもありませんので、もしまた将来そういうような問題が起るというようなことになりますれば、これは役員の根本的な刷新をしなければならないようになるじやないかと私は考えておりますが、私の方としましてはなるべく各派が円満に協調して行くようにということを現在いろいろあつせんをし、あるいは話をしておるわけでございます。
 それからもう二つの問題は、この法律では物足りないじやないかというようなお話がありましたが、実はこの法律は私の方としましても相当検討しまして、あるいは帝石を特殊会社にする問題とかあるいは別に探鉱会社をこしらえる問題とか、いろいろな問題を研究いたしたのですけれども、なかなか一長一短がありまして、現存の事情としましては非常にむずかしいということになりまして、結局こういう法律をつくつたわけでありますけれども、この法律の内容を厳重にやりますと、実は非常に強い法律になりまして、帝石なら帝石にしましてもどうしても試掘をどんどん進めて行かなければどうにもならぬというふうに追い込まれる法律であるというふうにわれわれの方では考えて、これは相当強い法律である、またそういう強い法律であるということを法制当局なり各方面から相当言われているほど、私の方としてはその運用いかんによりましては強い法律だと考えておるわけであります。
#24
○小平(久)委員 局長の御答弁を伺いますと、はなはだ心もとないような感じが、実は遺憾ながらするのでありますが、私はやや具体的にわたつて率直に御質問申し上げたいと思いますから、あるいは御答弁がしにくいかと思うのでありますが、さしつかえない限り御答弁を願います。
 今申す通り局長のお考えからしても、今回の解決案というものがどうも必ずしも万全ではない、今後お互いに話し合つてやつて行つてもらつたらといつたような程度のもののようでありますが、しかし私は先ほど始関君が言われた通り、何と申しましても帝石のになつておる使命という点から考えますならば、これは一日も早くとにかくすつきりした会社にする、そうして国もあらゆる面でできるだけの力を注いでやらせるということが一番能率的に国家目的に沿うゆえんだ、こう思うのであります。そういう点から考えますと、なるほど今までの紛争につきましては、それぞれの立場においてそれぞれの言い分があることでありましよう。あるいはわれわれ第三者が想像も及ばぬこともあつたのかも存じませんが、それにしてもそういうごたごたは一日も早く駆逐してもらいたい、これがおそらくはどなたもお考えになつておるところだと思うのであります。そういう点からすれば、むしろ私はいたずらな、一時的な妥協苟合をやらせるというよりも、むしろ新規巻直しの立場をとつて、従来渦中にあつた人にはすべてこの際は退いてもらつて、新規巻直しにやつてくれというぐらいの決意をこの際むしろ政府にしてもらう方が適当じやないか、かようにさえ考えますが、この点いかがでありましようか。
#25
○川上政府委員 先ほどから申し上げましたように、われわれの方もあつせんをいたしまして、いろいろ両方の意見の調整もやつておりますし、またこの法律が出ますと、勢いこの法律によりまして裏面の方から相当帝石ないぶについて束縛をするということにもなりますので、われわれの方としましては、この際全部かえてしまつて、新しい陣営のもとにやらせるべきだということについては、これはなお考えなくちやならぬ問題ではないかというふうに考えておるのであります。ただ帝石の重役の任期満了がこの九月か十月になつておりますので、私の方としましてはそれが十分まとまつて、現在の陣容で十分行けるというようなことになりますればそれでいいのですが、もしどうしてもそれまでの間に依然として争いが続けられて紛糾が絶えないというような場合におきましては、九月なり十月の改選期におきましては私の方としましては相当強い決意をもつて当りたいというふうに考えておるわけであります。
#26
○小平(久)委員 この法律の適用によつて、その運用いかんによつては帝石としてもどんどん試掘を進めなければならぬ事態になるというお話であります。それはその通りでありましようが、私は冒頭から申し上げておりますように、この法律でいわばしりをたたきながらやらせるということよりも、むしろ会社の首脳陣みずからがほんとうに、いわば国策会社ともいうべきこの事業を進んでやり得るような、そういつたこの会社の態勢を一日も早くつくるということがより重要なのじやないか、こういう見地から私は申しておるのであります。
 そこで従来も、これはどちらが推薦したのかよく存じませんが、いわば政府を代表する、政府の推薦によると目されるよような方も、重役陣にもお入りのようでありますが、しかし現に常勤として会社のほんとうの推進力となつて、また政府の意を尊重しながららやつているというふうにも、どうも遺憾ながら見受けられません。従つて私は今回役員の定員も増加したそうでありますから、政府としては約四分の一にも達する株を持つておるのでありますから、政府の役員の推薦ということは他の株主にとつても相当尊重さるべきものである、かように考えます。ほんとうに政府の意を体して日常会社のいわば実権を握つてやれるというような人をこの際、少くともさしあたりの措置としても推薦する、そして業務の実権を握つてほんとうに第一線でやつてもらう、このくらいのことは少くとも必要じやないかというふうに考えますが、この点いかがでありますか。
#27
○古池政府委員 ただいまの小平さんの御意見は十分承りました。事人事に関することでありますから、私も軽率にはちよつと申し上げることを差控えたいと存じますが、十分に部内において協議をいたしまして、今後の事業が最も有効に遂行されるように善処したいと考えます。
#28
○小平(久)委員 その点は事人事のことでありますから、今具体的にどうとも御返事しにくいかと思います。しかし申し上げるまでもなく事業でありますから、どうしてもほんとうの中心勢力というものはやはりしつかりしたものをつくつて、多少の雑音があつても押し切つて行くというくらいの陣容を整えてやる、また政府は四分の一近くの株を持つておるのですから、逆にいえば当然そのくらいの責任もあると思う。だからそういう態勢を一日も早くつくつてやる、それがこういう法律をつくるよりもまず一番先の問題じやないかとさえ私は考えておるのでありますから、どうかそういう点はひとつ大いに御考慮を願いたいと思うのであります。
 帝石のことにつきましてはそのくらいにいたしまして、私はこの法案自体のことについて一、二簡単に承つておきたいと思うのですが、私にはよくわからぬ点を承ります。第一条の第四項の、指定の地域というものは解除しないということは、十箇年間解除しないという意味だろうと思いますが、これはどういう御趣旨なのか、ひとつこの際説明を承つておきたいと思います。
#29
○川上政府委員 この法律によりますと、従来の鉱業法の特例としまして試掘権の存続期限を一年ということにしておりますが、またその延長の期限につきましても一年ごとに切つて行くということになつております。しかもこの法律は臨時立法でありますので、従来の鉱業法との関係から、これを途中で解除することになりますと、権利関係に非常に不安定な要素がそこに出て参りますので、やはりこれにつきましては十年というふうに切りまして、その間は解除しないということにした方が、私の方としましてば非常に一般の方々に対しましていいのじやないかというふうに考えて、こういう規定を置いたわけであります。また指定する場合におきましては、この前も申し上げましたように非常に厳密に審査いたしまして、これはきわめて数も少く指定したい、しかもそれは年ごとにやりたいというふうに考えておりますので、大体十年間解除しないということでもけつこう行けるのじやないかというふうに考えておるわけでございます。具体的な例を言いますと、たとえばある人が鉱業権をとりますが、この法律によりまして一年という制限を受けるようになりましたので、自分としてはやりたくないけれども、この際どうしても譲渡しなければならぬというようなことが起きまして、その譲渡した後においてこれがまた解除されるということになりますと、またそれは二年ということになります。そういうふうに権利関係に非常に不安定な要素が出て参りますので、私の方としましては解除しないということにしたわけでございます。
#30
○小平(久)委員 第二の点は、この法案を見ますと、これは鉱業法全般でもそういう建前のようでありますが、地方の通産局長がいろいろな権限をこの法案によつて与えられるわけです。たとえば施業案の変更を命ずるとか、そういうことも今後通産局長ができるということになつております。ただ鉱業権の譲渡命令ですか、このときだけ地方鉱業協議会に諮る、こういうことに第十二条は規定いたしておりますが、要はこの通産局長のところでこういう権限を持つということは、事務処理を能率的にするというような点から考えますならばまことにけつこうなことと思うのであります。しかしこういつた鉱業権者の権利にも非常に重大な関係のある事項が通産局長だけで処理されて円滑に行けるかどうか。特に施業案の変更などというような場合に、おそらく施業案を提出する側においても十分研究をした上で出して来るのだろうと思いますが、それに対して地方の通産局限りにおいて、技術的にもそれを変更させるだけの確信があるほどそういつた陣容等も整つておるのかどうか、この点をひとつ承つておきたいと思います。
#31
○川上政府委員 ただいまの問題は、この法律だけでなくて鉱業法の根本的な問題になると思うのです。権利関係の問題について、通産局長に対しまして大幅の権限を与えておくのがいいかどうかという点につきましては、今小平先生のおつしやいますような御意見もあると思うのですけれども、これは鉱業法全体の根本的な問題でもありますので、それは別途われわれの方としましては慎重にさらに検討したいと思うのであります。ただこの法律によりますと、試掘権の年限なりあるいはその回数なりというようなものが相当短かく、かつまたふえるということにもなつておりますので、なるべく通産局長がこれを迅速にできるようにしたいという気持からも、私の方では通産局長に大幅の権限を与えておくことがいいのじやないかというふうに考えたわけであります。なおもし通産局長がやりました処分に対しましていろいろ問題がありますときは、異議の申立て制度というのをちやんとつくつておりますので、それによりまして措置をとつて行きたいというふうに考えておる次第であります。
#32
○小平(久)委員 ただいまの点は、先ほど私が申しました通り事務の能率化というような点から言えばきわめて願わしいことであり、その点は私も何ら異議はないのであります。ただ今度の法律は、いわば一般鉱業法に対しては特例的なものである。そういう点がある。それから特に技術面でそういうことを通産局長限りでやれるだけの、技術的にもそういう陣容を整えて行く確信があるのかどうか。もしこの確信がないならば、私はそういうふうな通産局の技術面の拡充ということにひとつ今後御配慮を願いたいと思うのであります。
 それから次に第十七条の関係でありますが、業務または経理の改善に関する通産大臣の勧告権の問題であります。これは先般来の説明によりますと、人事についての勧告権というものはないのだというようなことである。それから業務というものを広く解すれば、ある程度実質的には人事権にまで及ぶのではないかというふうにも解されるのでありますが、具体的に申して、業務または経理の改善に関する勧告というものは大体どんなことを想定しておられるのか、これをこの際御説明をお願いしておきたいと思います。
#33
○川上政府委員 業務の勧告につきまして、相当これをつつ込んで行きますれば人事の問題までも間接的に入るのではないかというお話でありますが、私の方としましては、もちろん業務なり経理なりを相当こまかく調べ、かつまたそれに対しましていろいろなこまい勧告をするということになりますると、勢い間接的には人事権に対しまして干渉するということになるかと私は思うのでありますが、ただ直接に人事権に対しましては、勧告はできないというふうに考えております。それから業務とかあるいは経理の内容につきましては、これはもう非常にこまかく実は考えておりまして、たとえば経理につきましても配当の問題とか、あるいは積立金の問題とか、いろいろな問題につきまして私どもの方としましては勧告ができる、しかしその勧告をする場合においては、どこまでも石油の探鉱を急速に実施するためという考え方からやりたいというふうに考えておるわけであります。
#34
○小平(久)委員 最後に、勧告権についてもう少し伺いたいのであります。この第十七条の勧告に対しては、すぐ第十八条によつて不服のある者は異議の申立てができるということになるのだろうと思うのでありますが、こういう異議の申立ての道を開いてある以上は、一体第十七条の勧告というものは、とどのつまりとしてどういうふうな筋を経て実効が得られるのか、その点をひとつ承つておきたいと思うのです。異議の申立てなどがあつてその解決がつかぬということになると、相当勧告はしてみたが――もちろん勧告されただけでもある程度の効果はあるかもしれませんが、いわばとどめを刺すような効力まで第ニ次的にねらつておるのかどうか、またそれはどういう経路を経てそういうことになるのか、最後に承つておきたいと思います。
#35
○川上政府委員 第十七条の勧告に対しましては、これはいきなりその勧告によりましていろいろな処分というものまで行くわけではありませんけれども、勧告しまして、そして余裕がありながら、たとえばその指定地域の開発をしないというような場合におきましては、試掘権の延長の取消しをやるとか、そういう措置をとることになると思うのでありまして、この勧告によつていきなりすぐ取上げるということではなくて、余裕があるとわれわれは考えますけれども、その余裕がありながらとにかくやらないというような場合におきまして勧告を付します。その勧告をしてもなおやらないという場合におきましては、ある地域を今度は追加指定しまして、その地域をぜひともやれというようなことをいたしますが、それをやらない場合におきましては試掘権の延長を認めないとか、あるいは強制譲渡させるとかというような措置をとることになると思うのであります。
#36
○山手委員 きようは与党の諸君から珍しくこういう活発な議論が出たので、ぜひ私も一、二関連して御質問を申し上げたいと思います。
 帝石の問題でありますが、最近非常に人事そのほか、主導権の問題について業界が荒れておる、これは御承知の通りでありますが、その荒れておる原因が何であるかということについても、私は一、二聞いております、そういうことにまた関連をして参るのでありますが、この法案が通りますと、今年度はさしあたり一億三千万円の助成をする。しかし政府は十億程度の助成をしたいということを言つておられるし、この委員会の雰囲気からいたしましても、この助成金は順次年を追つて増額をして行く勢いにあることは当然であります。株屋的な感覚でこの会社に入つておる役員が、株価が高くなるというふうないろいろな思惑でがんばつておることならまだわかるのでありますが、人事について割込みを策しておる各石油会社が、自分の社の発言権を強化しようと思つて大騒動を屈しておる原因の一つには、この帝石が採掘をいたして、とつて来る原油の引取りの問題が大きくからんでおるのではないか、私はこういうことを考えるのであります。そこで鉱山局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、現在帝国石油の採掘をしました原油は、どういう割合で何社と何社に販売をいたしておるか、御説明を願います。
#37
○川上政府委員 帝国石油の採油がどの程度各社に対しまして配分されておるかという問題でありますが、はつきりした数字を今持つて来ておりませんが、大体半分近くが日本石油、それから日本鉱業と昭和石油があとの半分を大体折半というふうになつております。
#38
○山手委員 そういたしますと、今後政府が年々国家資金を十億円もつぎ込んで、新しい油田を見つけて原油を採掘する。この国家資金の援助のもとに出て来た原油は、ずつと今後も日石にその半分を渡し、日鉱とそれから昭石だけに残りの半分を渡す。そういう従来の行きがかりを踏襲をして行かれるのでありますかどうか、その点伺いたい。
#39
○川上政府委員 現在日本海沿岸の精製工場の製油能力というのは相当あるのでありますが、非常に操業度は低い状態になつておりますので、帝石の関係の油が今後国家の助成によりまして、あるいはこの法律によりまして相当出ましても、私は日本海の沿岸の各工場に相当これは配給されると思うのでありまして、ほかの地域に対しまして配給されることは非常に少いんじやないかというふうに考えております。その割合につきましては、これは地域の問題もありますし、距離の問題もありますし、あるいはその品質の問題もありますので、必ずしも従来の、五割、あと二割五分、二割五分ということでは、あるいはないかもしれませんけれども、大体こういうような比率になつて行くんじやないかというふうにも考えますが、これはもちろん、百万キロリツター出るということになりますと、また大分違つて来るんじやないかというふうに考えております。
#40
○山手委員 私はこの三社だけの比率をかえろというふうな発言をいたしておるのではないのでありまして、これだけの莫大な国家の助成金を使つて、新しい油田も発見をし、採油をして参るということになりますと、帝石の関係で出て来る原油は、全精製業者に均霑をさせなければいけないと私は思います。原油輸入の外貨の割当は、こういうことを抜きにして設備と見合う外貨が日石にも、昭石にも、各社にも割当てられておると私は思う。国内で今後どんどん増産されるであろうよていのものだけは、その外貨とも見合した、隠された数として、私は特に従来の関係、行きがかりだけで割当てられておるのでは、きわめて不公平になつて来るだろうと思うのであります。外貨に結びつけて、外国原油と国内の産油とはどういうことになつておりまするか、この際御説明を願います。
#41
○川上政府委員 現在この日本海方面より出ます油は、わずか三十数万キロリツターでありますし、また外貨によりまして輸入する石油類は九百万にも及ぶという状況でありますので、非常に微々たるものでありますが、今おつしやいましたようなことにつきましては、将来百万キロリツターというような大きな数字になりますれば、十分その点は私の方としては均衡のとれるように措置して行きたいというふうに考えております。それから日本海方面に出ました油、これを太平洋岸の方へ持つて行くということは運賃が非常に高くなりますので、技術的に非常にむずかしいことではないかというふうに考えております。
#42
○山手委員 私は現在、比較的全体の精製される原油に対して量が少いから、今は考えない、こういうことではこの法案は通せません。やはりこれは将来はふえる見通しだし、ふやさなければいかぬものであります。私は日本海岸側でとれる原油をいきなり太平洋岸に持つて来いとかなんとか、そういうことを言うのではありません。国内で産出される原油の量を多くとるものについては、外貨の割当はそれだけまた少くするように勘案するとかなんとかいうことで、今後十億もずつと継続をして、年々歳々国民の税金によつてふやして行くのであるから、従来のつながりだけで一部の会社だけに配給をして行くというようなことは、私は適当でないと思います。帝石が国内で採掘しております油は、これはまた長所もあるそうであります。非常に利点もあつて、有利な点もあるそうでありますから、私はこういうことも外貨の問題ともプールをして考えて行かなければいかぬ、それでないと、いたずらに自分たちの社の発言権だけを強化する、こういうことで帝石の人事がもめて来る。これは繰返すばかりである。こういうふうに私は思います。そこでこの法案を採決するという段階に至りますまでに、もう一ぺんその点についてのしつかりした見通しを御説明願い、条理をただして行かなければ、私はこの問題は採決すべきではないと考えます。
#43
○川上政府委員 先ほども申しましたように、現在日本海方面に出ます油はわずかに三十数万キロリツターでありますし、それに対しまして精製能力というのは日石及び日鉱、昭和合せまして相当の能力を持つておりますので、外貨によりましてほとんどその全部をまかなつております。太平洋岸の精製工場と比べますと、どちらかと申しますと、日本海の方は相当不利の状態に置かれておるわけでございまして、太平洋の方は相当これは操業度が高いわけであります。もちろんそういうような状態にありますので、現在におきましては、私どもの方といたしましてはむしろ日本海に工場を持つておるものは相当不利じやないかというように考えておりますが、将来におきまして相当量これが出るということになりますれば、今おつしやいましたように、あるいは日本海の方が有利になるというようなことも考えられますので、その点は太平洋の方と調整が十分とれるように、せつかく国の補助金を出しているのですから、その点は十分考えて調整したいというように考えます。
#44
○山手委員 そういたしますと、外貨の割当の計算の基礎になつている設備というふうなものは、太平洋岸側の製油施設だけを計算に入れておつて、日本海岸側の方の設備そのほかは全部オミツトしたものを外貨の割当の基準にしておるのですかどうか、お尋ねをいたします。
#45
○川上政府委員 現在外貨の割当につきましては、日本海方面と太平洋岸の方面につきましては相当程度の差があるわけでありまして、もちろん日本海の方を帝石だけでまかなうことは、相当操業度が低くなりますので、これにある程度外貨によるプラスをやりまして、操業度を高めているという状況でありますけれども、これは太平洋岸の方に比べますと操業度は相当低い状況になつております。
#46
○長谷川(四)委員 言葉じりをとるわけではないのですけれども、今の局長の、補助金を出す以上はというようなお言葉でありますが、私たちの考え方は、補助金を出す出さないということは考えてないのです。国策的な、つまり現政府も国民もこぞつて日本はかくしなければならないという上に立つた一つの政策でありまして、政府の政策を推進させるために設けた法律でもあり、またたといこの法律がなくても、民間会社であろうと、一つの国策の線に沿つた経営を行わせなければならないのであります。従つて先ほどの株券云々という問題が出ているわけです。株券は政府が持つているけれども、政府みずからのものではないのでありまして、これは八千五百万国民一人々々のものであると解釈をして、その解釈の上に立つてその株主としての行使を行つてもらわなければならぬのでありまして、そういう点を絶対間違わないでいただきたい。政府の金じやない、国民の血税が集積したものがこういうところへ使われているのでありますから、この点に誤解があると、あなた方が行政を行う上に、おれは政府だからその資本というものは政府の権利だというばかりだが、国民に依頼されて、政府は国民に満足を与え、国民の福利を増進するためにその行政に当たるのだということだけは間違いなく頭に入れておいてもらわなければならないと思います。そこで社内云々、職員の根本的刷新ということは非常にむずかしいというような先ほどからの御答弁、前回の私の質問にもそういうようなお話でございましたが、何も考えることはないのではないか。すなわち株主というものの立場にあり、またその政策の一端を民間に推進させなければならないというお立場にある政府の監督でございますから、たとえば株主総会においてどうしても言うことを聞かないとするならば、人事を刷新する、刷新くらいのことでなく、どんどん入れかえて、そうして重大な国策に沿わせるという、少くともそういう御決意がなければなりません。ですからそれに対する御決意だけははつきり持つてもらわなければならないと思うのですが、この点はいかがでございましよう。局長も次官も大臣もおられるが、どなたかひとつ、大臣にその腹がなければならないので、ひとつ大臣から承りましよう。
#47
○愛知国務大臣 帝石の人事問題につきましてお話がございましたが、ただいまお話がございました通り、私としては、こういう考え方でやつて参りましたし、また将来こういうふうにやるつもりでございます。すなわち従来の場合におきましては、そのやるところの仕事というものが国家的なものであるということには間違いございませんでしたけれども、今回われわれとしては、石油資源探鉱促進臨時措置法を立案いたしましたし、またこれは補助金を予産の上で組んでいただいて、これが使途ついてはいろいろ先ほども御論議があつたようでございますが、実際問題として、帝石がとりあえずのところこの大きな担当者になるということは事実であると思うのであります。そうなつて来れば、この補助金は国民の血税から成り立つものであり、それからこの社会は、たまたまその株式の相当数を国家が持つておる、これもただいま御指摘の通り、これは役人が持つておるものではございません。そうなれば私どもとしては、石油資源開発のための一つの考え方の基本的なものを法律としてはつきりつくつて、それに基づいて担当の石油会社、すなわち帝石がその中の大きなものに入るわけでありますが、これに対して十分な監督権限を政府に持たせていただきたい。この法律案の中には人事権についてどうするというところまでは入つておりませんけれども、従来よりははるかに強い態度で帝石に臨み得ることになります。また臨まなければならない。こういう法律的な態勢を背後にいたしまして、行政権といたしましても、これからは非常にはつきりした態度で臨み得ることになると思うのであります。それからたまたま従来ごたごたがございまして、この点も非常に遺憾なのでありますが、私どもとしてはいわゆる執行部とでも申しますか、それを中心として、そうしていろいろの他の雑部分が入らないようにして参りたい。労使の協調を求めつつ、帝石として新たに担当しようとしておる新しい氏名にかんがみ、また新たに法律の御審議を願つておる政府の態度からして、帝石については期待するところが大きいわけでありますから、そういう考えを入れて、社内がまとまつてこの使命にのつとつて行けるようにということで、先般来当局といたしましても、この人事等について重大な関心と、同時にある程度の勧奨等を行つて来たわけでございます。一応のおちつきを社内として見せておりますけれども、しかしそれでだめだつたならば、もちろん断固たる措置をとつて参りたいと考えております。今のところあまり不必要に混乱を起すようでは困ると思いましたので、今申しましたように、社内のいろいろの動向をにらみ合せながら、当局が介入して一つの解決策をつくつたわけでございますが、しかしこれでだめだということならば、もちろん断固たる措置をとらなければならないと考えております。
#48
○長谷川(四)委員 もう一つ。まつたくそのくらいの腹で進んでもらわなければならないと思うのであります。従つて私たちの考え方は、探鉱費というようなものにつきましても、許すならば全額国費で持て、そうしてその指導に当つて行け、行政の監督に当れ、こういうふうに私は考えております。しかし残念ながら全額を国費負担をもつて行うというわけには行かないけれども、腹はそのくらいの腹で行かなければならないのじやないかというふうに私は考えております。その第一段階として、この促進法というものも出て来たのじやないか、こういうふうに私は政府を信じておるわけでございます。従つて、伺いたいのは、今指定された地域の探鉱費というものを考える場合に、幾らくらいの負担率で御負担をなさるわけでありますか。
#49
○川上政府委員 助成金につきましては、単に指定地域だけではなくて、指定地域外のものにつきましても助成金が出ることになるかと思うのであります。それからまた助成金の種類につきましては、この法律で考えております試掘だけではなくて、それ以外の、たとえば地質調査でありますとか、あるいは二次回収でありますとか、そういうような方面にも助成金は出ることになるかと考えておりますが、その助成金は大体その使用額の半分程度というふうに考えておりまして、従来もさように半分程度が助成金として出されておるわけでございます。
#50
○長谷川(四)委員 半分程度というと、たとえば一本一千万円かかつたということになると、五百万円は政府がわずかな金でもその中から見よう、こういうようなお考えでございますね。
#51
○川上政府委員 さようでございます。
#52
○長谷川(四)委員 そこで、たとえば日石だとかあるいは日鉱だとかいうもの以外のところにもこれで出すのだということなんですが、私たちの考え方から行きますと、こういうような国策的なものだから、ほんとうを言わせるならば、一つかニつのものについて、先ほど申し上げたように全額を国庫で負担し、そしてけつをひつぱたいて、さらに監督を強化して、一日も早く目的を全からしめたいというのがわれわれの考え方でございますけれども、なかなかそうも行かないかと思うのでございますが、そういうような配分といいましようか、政府負担のそういう問題ついては、あとでいろいろないざこざがないように、また政府がそのそしりを受けないように、行政に当る局長は十分この点は考えてやつていただかなければならないと思うのでございます。いずれにいたしましても私はこの法案そのものに反対はございません。但し冒頭に申し上げたように、もう少し政府は腹があるのだぞというところだけは示しておかなければならないし、はつきりと政府には伝えないだろうと思いますので、私の方からさらに附帯決議等をつけて提案したい、かく考えておる次第でございます。
#53
○小平(久)委員 私は先ほど大臣がおいでになる前に帝石に関する問題について自分の考えを述べて御答弁願つたのですが、結局大臣のお話を聞いて私も大体了とするのでありますが、最近の内紛が一応の納まりを見たというのでありますが、これもどうも先ほど局長の御答弁を聞くと、それで今後はたして確信があるのかどうかというと、必ずしも確信がないようであります、そこで具体的な問題として、政府としては役員の数を今度五人か増した、こういうことでありますが、さしあたつて、私は、大臣の言葉のうちにも、執行部を中心としてあまり雑音が入らないようにやらしたいというようなこともありましたが、どうしても事業を強力にやらせるというのにはそういう態度を一日も早くとらなければならぬと思う。この役員の定員を増したのもそうでありますから、私は政府がこの際帝石にさしあたり有能な適当な人を送り込んで、ほんとうにゆるぎのない経営陣をつくり、実権を握つて、実然に日常経営に当つて行けるというような人を送り込むということが焦眉の急じやないかというふうにさえ考えておるのであります。こういう点は人事の問題でありますから、具体的に御答弁をいただかぬでもけつこうでありまするが、しかしこの法案を成立させるというよりも、私はそういうことがむしろ前提じやないかとさえ考えておりますので、先ほど人事なども十分考慮するというお話でありましたが、大臣にも十分これらをあわせ考えていただいて御対処を願いたいという希望だけ申し上げておきます。
#54
○愛知国務大臣 ただいまのお話はまことにごもつともでございまして、先ほど申し上げましたように、実は補助金の問題等に関連して、最初は法律案の御審議をお願いするにしても、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の改正法案だけを考えておつたのでありますが、それではいかぬと考えまして、別に単行法として臨時措置法案を立案いたしたような次第でございます。同時に今お話の通り、この法律をつくるよりはむしろ帝石の人出刷新の方が先ではないかというお話でございましたが、これもごもつともと思います。私どもとしては、一方に単行法の御審議を国会に対しましてお願いすると同時に、並行的にというか、あるいは時期としては帝石の方の問題について、いよいよ政府としても本腰でこれにとりかからなければならないという態勢をとつたわけでございます。ただこの点についてはいろいろ御批判もあろうかと思いますけれども、私どもの立場といたしましては、あまりドラステイツクなことを一挙に敢行いたしまして、中のいろいろの人事あるいは労使関係等にかえつていらざる不当なる摩擦を生ずることがあつては申訳のないことになるのではないかと存じましたので、どの面から申しましても私はとても満足の解決案だとは思つておりませんが、政府としてもこれにはさらに相当の強い態度をもつて臨んで行かなければいけませんし、常にあの内容については注視を怠つてはいかぬと思いまして、常時私どもとしても怠らざる監視をしておるつもりでございます。従つて今までの態度といたしましては、現在の執行部というか、むしろ現在の社長が非常に苦労をし、また私の見るところでは、公正ならんとしての努力を相当積んでおる人のように見受けられますので、この社長のもとにおいて政府の意図が行われるようにという配意をもちまして、バツク・アツプするようにこれまでやつて参りました。またこれからもその線を続けて行きたいと存じます。その場合におきましてさらに補強策として全然新たな人を入れるというようなことも、もちろんわれわれとしても考えの中にはあるのでありますが、これらの点につきましては今後の情勢をもよく見ました上で善処いたしたいと考えております。具体的に人事まではまだ構想いたしておりませんが、十分社長及び執行部と相談いたして参りたいと考えております。
    ―――――――――――――
#55
○大西委員長 この際、前回の委員会において笹本君その他の委員より可燃性輸出織物に関する件について質疑が行われたのでありますが、これについて愛知通産大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
#56
○愛知国務大臣 この可燃性織物の禁止法につきましては、私はまず冒頭に率直におわびを申し上げたいと思うのでありますが、こういう法律が昨年の夏アメリカの国会において制定をされまして、今年の七月から施行されるということになつて、その間施行期日その他につきましてアメリカの関係の向きおいていろいろと相談が行われておるわけでございますが、その動きにつきまして、政府当局あるいは在外公館等におきまして十分その情勢をキヤツチできなかつたという点については、私は非常に申訳なかつたことと考えております。その点はまず冒頭におわびを申し上げたいと思います。それからその次に、これはある程度弁解がましくなりましてまことに恐縮なんでございますが、その後いろいろと調べてみたのでありますが、当初アメリカ内におきましても、たとえば絹製品等についてまでこの考え方が及ぶものではないのではないかというような傾向があつたようであります。それからアメリカ国会といたしましても公共衛生というような立場から取上げられておつたために、産業界あるいは織物業界等においては、あまり大きな問題にしていなかつたような節もあるようであります。私は当時もちろん通産大臣としてではございませんでしたけれども、昨年の秋相当の期間アメリカに滞在し、経済関係の問題についてはずいぶんと調査、研究等をしたつもりでございますが、そのとき私自身もこのことがこういうふうな問題になつておるということは全然気がつきませんでしたし、話も聞いたことがなかつたような状態でありまして、自然日本側といたしましては官憲側ももちろんでございますが、業界においても、こういうふうなことについての情報がとれなかつたという点は、まことにどうも遺憾であつたと思うのでございます。そういうわけでございますから、先々月の末から三月の初めにかけまして、この問題が非常に重大な日本の輸出に与える影響があるということが認識せられましたので、その後まつたくこれはたいへんなことだと考えまして、あらゆる努力をいたしましてこれに対処する方策を講じておるわけでございます。
 アメリカ側との関係がまず何といつても一番大きいのでありますが、私自身といたしましても、これはいたずらにいわゆる外交当局だけにお願いするわけにも行かないし、心もとないと思いましたので、去る三月二十四日に駐日米国大使館の経済担当参事官以下係官に私のところへ来てもらいまして、私としても詳細に余すところなくこの問題についての見解を述べ、これに対する協力を求めたわけでございますが、私が直接会つて話をいたします前から、もとよりこの問題についての日本側の考え方や、希望やあるいは要請というようなものは先方も十分よく知つておつたわけでございまして、これらにつきましては、私が予想いたしました以上に大使館筋も非常によく協力をしてくれておるように見受けました。しかしながら何と申しましてもアメリカ国会での問題であり、大使館筋は国務省を通し、あるいは商務省を通じて国会の方にいろいろと工作してくれるわけでございましようから、その間に率直に申しまして隔靴掻痒の感なきを得ない点もございます。しかしこの大使館筋の努力、協力等については、今のところはこの程度まで協力してくれれば、それ以上はなかなかむずかしいであろうという程度まで非常に懸命な協力をしてくれておるように思います。
 その次に、今度は日本側の措置でございますが、さらに続いて三月二十七日には、通産省としてとりあえずできますこととして、輸出信用保険を当分の間従来通りの条件をもつて引受けるという趣旨をはつきり各保険会社あてに正式の通牒をいたしました。同時にその通牒の趣旨を関係地方長官あてにやはり通知をいたしたような次第でございます。さらに今週になりましてから、月曜日には当局といたしまして、日本の関係業界の代表者等といろいろの協議をさらに進めて参りまして、日本絹人絹糸布輸出組合の市川理事長、日本繊維製品輸出組合宮崎理事長、この代表者二人を招きまして細目の協議をいたしました。関係の業界といたしましては、アメリカの国会あるいは委員会等に対する公聴会等に働きかける、そのためにはあるいは米国の弁護人等を頼む必要もございましようし、説明者の協力を求めることもございましよう。これらに対する費用の醵出方法等についても協議をいたしたわけでございます。
 それから公式のテストその他との関係で試験機械の輸入を早急に行わなければならないということも話合いをまとめまして、これに要する費用の捻出方法等も検討いたしたような次第でございます。
 それから不燃加工方法を、その方法自体を導入することも必要でございますので、この導入のやり方、その費用の出し方等につきましても検討いたしまして一つの結論を出したわけでございます。さらに火曜日には工業技術院所管の二十九年度鉱工業試験研究補助金申請受付期限は今年度の二月末ということになつておつたのでございますが、可燃性織物に関する不燃加工の研究につきましては特に今月一ぱい、すなわち四月末までこれを延長して受付を行うことといたしまして、これも各通産局長あてに通牒いたしまするとともに、先ほど申し上げました輸出信用保険に関する取扱い方針とあわせまして、これは公表いたしまして、新聞等の協力も求めまして周知方に努力をいたしたような次第でございます。なお不燃性のテスト及び不燃加工の研究につきましては、工業技術院におきまして繊維工業試験所係官のほかに、他の試験研究機関からも専門技術者を動員いたしまして派遣協力させることに決定をいたしました。それからなお、ここ一両日中にアメリカとして一応関係議員がつくられたところの施行細則案を入手いたしましたので、これは専門的な用語が非常に多いために、通産省のそれらのテクニカル・タームをよく覚えておる人たちを動員いたしまして、ただいま一生懸命に翻訳をいたしております。一両日中に詳細な全訳をお手元にお配りすることができると思いますし、同時に関係業者等もこれを元にしてさらに研究を続けまして、アメリカの関係の向きに対する陳情要諸等を具体的にすみやかに追つかけて行いたいと考えております。それから現在のところ法律と施行細則の案でございますが、これらを通じまして、大体解釈上この点は明らかであると思われ、かつ外務省と当地の大使館を通じて確認いたしました点は、確認をはつきり百パーセント得ておりませんけれども、大体そういうことと思われますのは次の二点でございます。
 一つは織物につきましては、衣料品以外たとえば絶縁材料、加工用原材料等として輸出する場合は本法適用の対象となりません。この点は明瞭なことであるとは思いますが、念のために申し上げておきます。
 それから第二は、いわゆる花嫁衣裳等に使用いたしまするヴエールとか、婦人帽に付着いたしまする薄絹等、通常洗濯をせずに使用するものにつきましての可燃性のテストは洗濯をせずにそのテストを行う、これも確実のようでございます。但しドライ・クリーニングだけはこれを行つてテストをするというようなわけでございますが、なおその他の細部につきましても連日要請連絡をいたしておりますから、現在のできておりまする施行細則案の中でもさらにこういう点は除外されるとか、こういう点はこういうことをやればひつかからないとかいうようなことが逐次判明して来ることになるかと考えるわけでございます。
 以上非常にこまかくなりましたが、ただいままでにいたしておりますること並びに現在こういうことが起りましたことにつきましての当局としての遺憾の意をあわせて表させていただきたいと思います。
#57
○大西委員長 伊藤卯四郎君。
#58
○伊藤(卯)委員 法案に入つて質問する前に、輸入油の問題についてお伺いをしておきたいと思うのですが、政府の方でも御承知のように、日本に輸入される油は、油を輸入しておるところの欧州各国と比較すれば、相当日本の方が高値になつておるのであります。しかも欧州各国ではそれぞれ厖大な輸入関税をとつております。日本の場合は御承知のように無税であり、しかもなお販売価格がトン当り三千円、四千円というふうに高値になつておる。ところがこれを輸入業者に言わすと、運賃の問題とかなんとか言つておるが、いかに運賃を計算してみても厖大になる。それらの点について、なぜ日本に持つて来るのはそう高いのか、あるいは外国等でどのような輸入関税を国別にとつておるのか、そして運賃と差引をして、日本に持つて来るのは何ゆえに高いのか、この点を今ここで数字の発表ができれば数字を発表していただいてけつこうでありますが、できなかつたならば、次回の審議のときまでにその資料を出していただきたいと思います。この点について先にお伺いします。
#59
○愛知国務大臣 ただいま御指摘の数字については一応持つて来ておりますが、これはプリントにして御配付申し上げることにいたします。
#60
○伊藤(卯)委員 先般この委員会の燃料等の小委員会で、油輸入業者の参考人を呼んで私どもが参考のために意見を徴したのでありますが、その際われわれはどうも日本に入つて来る油というものはカルテル構成をしておるように思われたので、そのカルテル構成の問題についての意見もいろいろ聞いてみたのであります。ところがカルテル構成ではないということを参考人の諸君が言つていたようであります。ところが日本に来る油の価格というものが、おのおの会社別に見てもほとんど申合せをしたような状態になつておることは、政府も御承知の通りであります。そこで日本国内においてのカルテル構成はあるかないか、これは別問題として、その輸出をするところの本国関係においてそういうカルテルのような申合せをして、それぞれの国に向つて輸出をしておるように、われわれの調査では現われて来ておるのである。輸出をする本国において日本に持つて来る油について価格の申合せのようなものをやつておるような気がするのであるが、それらの点についてどのようにお考えになつておるか、その点ひとつ伺いたい。
 それから昨年の暮れごろ石油が非常に不足をしておりましたので、値段が倍以上にも高くなつた。また政府も外貨割当との関係上、急激に国内の石油需要がふえて、手持ちのものが不足しておるのであるから値上りは万やむを得ないものだというように考えておられたことを、われわれはいろいろの場合に聞いたのであるが、ところが先般輸入、販売等をしておる業者、その名前をあげるならば森平君というのは、石油は何も不足をしておりません、余つておりました、こういうことを本人自身が申しておりました。そうすると油は不足しておるから高いのだ、不足をしておるから外貨を割当てなければならないのだと言うけれども、直接責任者である森平君は、油は不足しておりません、余つておりました、こういうことを言つておるのである。余つておるのになぜああいうふうに値段を上げるのを政府が黙つていたのか、余つておるのになぜそういう多くの外貨を割当てなければならぬか、この辺のいきさつについて明確に御説明を願いたい。
#61
○川上政府委員 石油の価格につきまして、あるいは国際的に、あるいは国内的に何か談合してのカルテル的な価格がないかどうかという問題ですが、国際的にはアメリカが中心になりましていろいろ価格を建てておるようでありますけれども、国内的には別に各社が建値を発表しておりまして、談合して価格を協定しておるというようなことはありませんし、また私の方からもそういうようなことをやるなということは再々注意を与えておりまして、これは公取の関係もありますので、現在各精製業者なり商社におきましては、特別に談合して価格を協定して発表しておるということはないものと私どもの方は信じております。
 それから先般参考人から、現在油は余つておるというような話があつたのですが、これは私は少し言い過ぎではないかというふうに考えております。これは各精製業者なりあるいは輸入業者の手持量を見ましても、大体重油につきましては二週間程度、それからほかの油につきましても、たとえばガソリンの数量を見ましても、大体十日そこらというような保有量になつております。普通ならば大体二十二、三日分とかあるいは二十五日分とかいうような程度持つておりますので、そういう保有量の点からいいまして、決して石油が現在非常に余つておるということは言えないじやないかというふうに考えられます。
 それから価格の問題につきましては、私は現在小売価格なりあるいはその特約店の価格がある程度上つておることは事実であると思いますし、またところによりましては、またある特約店なり小売店の販売価格につきましては、非常に不当に上げておるものも私はあると思うのでありますが、その保有量との関係から申しますと、現在需給関係が必ずしも非常に十分であるといえないような状況にありますので、やはり価格はある程度上つておるのではないかというふうに考えます。ただ私の方では、この価格につきましては、極力価格を上げないようにという行政的な指導はやつておりますけれども、精製業者はこれは比較的守られ得ると思うのですが、何分特約店なり小売店というものは全国的に非常にたくさんありますので、これをすみずみまで価格を押えるということは、行政指導では非常にむずかしいのではないかというふうに考えております。
#62
○伊藤(卯)委員 非常に貴重な外貨を割当てて、油輸入に対する外貨割当が相当厖大であることは御承知の通りであります。そこで、油の輸人は政府みずからやつておるわけではないけれども、諸外用等にその輸出国から輸出しておるものと、日本に輸出しておるものとの関係におい、あまりに開きがあるということについては、そういう点においてお調べになつているのかどうか、その点伺いたい。われわれが調べたところでは、どうも日本に持つて来るものは欧州各国に出しておるものよりも高い。日本にはカルテル構成はないとしても、輸出国間において、そういうようにやつて日本に高く売つておるように思うのであります。たとえば日本の物価の動きを見て、日本に輸出する価格を適当に取扱おうとしておるようであります。日本の物価が高いから高く日本に持つて行つてもよろしいというようなことをやつておるように考えられるか、そういう点についての調査されたものがあるならば、資料でもよろしいし、なおまた今おわかりになつておるなら、その点をお知らせ願いたい。
#63
○川上政府委員 原油につきましては、大体国際的に建値が公表されましてはつきりいたしております。その原油のFOBの価格につきましては、これは先ほど申し上げしましたように、国際的に一定しておりますけれども、これが日本向けとかあるいはほかの各国に対しまして差等を設けておるという点につきしなしては、私の方ではそういう事実は聞いておりません。これはもつと詳細に調べないともちろんわかりませんけれども、私の方ではそういうふうには今までの資料からは聞いておりません。ただ製品につきましては、若干何か日本向けは高くしておるというように聞いておりますけれども、これもはたして事実であるかどうか、はつきりした資料がありませんので、もう少し調べてみたいと考えております。
#64
○伊藤(卯)委員 石油が不足しておる、余つておるという問題については、私は今川上局長の言われたことを信じたいのであります。ただこの際過ぎ去つたことであるけれども、一言しておきたいのは、あの際参考人が、石油は不足々々というが、不足はしておりません、余つておりました、ああいうことを政府側のおられるところで、しかも鉱山局長もおられるところで堂堂と公述をしたのであるから、その際やはり政府側にも自由に発言される資格があるのであるから、間違つた発言等があるなら、しかも政府の取扱い等の上において重大な関係を持つことであるなら、やはりああいう際そういう誤つた発言に対しては、それを否定するところのものをやつて、明らかにされるということの方がよくはないかと思うのであります。どういうことで御遠慮されたのか私は知りませんけれども、そういうことに対してはやはり政府の方針は方針として確信を持つて、何人といえども対決して行くくらいの信念を持つてやつていただきたいということを、私はこの際希望しておきます。
 それからお伺いしたいのは、この輸入業者が、輸入関税をかければそれが消費者負担になるということを盛んに放送するのでありますが、われわれの調べによれば、昭和二十六年に決定された輸入油に対して一〇%の関税をかけても、それは断じて消費者負担にならない。この輸入業者あるいは精製業者との関係等において諸外国と比較をして、関税をかけられたところで、消費者負担にしなくてもいいのだという確信を数字の上で持つているのであるが、この輸入関税をとる上について、この輸入業者のそういう放送の民衆に与える影響も相当大きいと思うのであるが、この際これに対して輸入関税一〇%をとつたら、輸入業者が言うように消費者負担になつて一〇%高くなるのか。私どもは高くする必要はないという確信を数字の上で持つているのであるが、政府側はこの点についてどういうふうに計算をされているかを伺いたい。
#65
○川上政府委員 実は別に計算を持つて来ておりませんが、私は輸入業者におきましても、ある程度の利潤を現在におきまして持つておりますので、かりに一〇%関税をかけたとしましても、一〇%そのままが消費者の方へ転嫁されるというようなことにはならないだろうというふうに考えております。ただその一〇%を全部輸入業者の負担においてやるかという点につきましては、それがはたしてできるかどうかという点につきましては、もう少し検討しなければわかりませんけれども、この一〇%そのままが全部消費者の方へかかるというふうには考えられません。
#66
○伊藤(卯)委員 それではその点は後日のことにいたします。
 さらにお尋ねしたいと思いますのは、御承知のように重工業関係において、相当石炭から重油に切りかえております。また相当混焼などもしておるようでありますが、この重工業別というか、あるいはどうしても重油を使わなければならない運搬船あるいはディーゼル・エンジンなど、その他重工業関係において、どうしてもこれだけは必要であるというようなものについての重工業別に対する消費量の使途について、これもすぐここで発表していただくのはどうかという気持もいたしますが、わかつていればお聞かせ願いたいし、わかつていなければ、次回のこの委員会開催のときまでに資料としてお出しを願いたいと思うのであります。
 それからいま一つは、石油コンロというか、石油ストーブというか、ああいうもの等が相当品物がつくられて宣伝されているので、そういう家庭用のために、石油の消費量というものが相当厖大に最近に至つてふえて来ていることは認めなければなりません。民間の家庭用としてこれらの厖大化した数量というようなものについても、この一、二年の間にどのように大きくふえて来たかということも、今お聞かせ願えれば伺いたいし、今すぐではぐあいが悪いということであれば、これも次の委員会までにひとつ資料として御提出願いたいが、それらの点についてお聞かせ願いたい。
#67
○川上政府委員 重油の需要につきましては、二十八年度におきましては五百三十七万キロリツトルということになつておりまして、この五百三十七万キロリツトルのうちで、特に重油だけにたよつております、石炭の代替がきかないもの、すなわち船舶運輸でありますとか農水産、こういうものだけで大体百六十万キロリツトルぐらいはございます。残りの三百万ぐらいがいわゆる鉱工業ということになつておりまして、その三百万キロリツトルのうちで、鉄鋼関係が九十万、電力関係が四十五万、窯業関係、セメントとかそうしたものが三十七万、繊維関係が二十五万。紙パルプというのが十九万、それから一般化学が十八万、それ以外のいろいろな中小の、あるいは各種の企業につきまして約七十万、総計して約三百万ということになつております。これは、二十八年度の実際の需要でございますが、このうち重工関係にほんとうにどれぐらい使うかという点につきましては、現在専焼設備を持つておるもの、あるいは混焼設備を持つておるもの、あるいはその併用設備を持つておるもの、いういう三種がございますが、専焼設備につきましては、われわれとしてはこれはどうしても重油を配給しなければならないと考えております。また混焼設備につきましても、石炭を大体八割、石油を大体二割という状況になつておりますが、これまた特に宇部炭とか常磐炭とか、そういう低品位炭を有効に使つております関係から、重油の配給をどうしてもやらなくちやならぬと私どもとしては考えております。併用設備を持つておるものにつきましては、石炭との価格の関係もありますけれども、なるべくこれは石炭の方を使つてもらいたいという考えを持つております。現在そういう数量が大体どのくらいあるかという点につきましては、今いろいろ調査をしておりまして、まだ確実なことはわかつておりませんので、数字そのものについてはまだお出しするところまで行つておりませんが、少くとも相当な数字が出て来るんじやないかと考えております。ただ五百三十七万というのは昨年の実績でありまして、昨年度におきまして、大体期の途中から相当再転換して、併用設備をやめて専焼設備になつたものも非常にありますので、二十九年度におきましては、自由にまかしておきますと、六百二十万とか六百三十万というような数字になつて来るんじやないかと考えておるわけでありますが、今回どうしても石炭を使わせるという考え方から、これを外貨の面におきましては大体五百三十七万程度、すなわち本年並に抑えようというふうに考えますと、勢い今申し上げました併用設備を持つておるものにつきましては、極力石炭の方を使わせるということになるかと私は思うのであります。その数学につきましては、また後刻調査しまして差上げたいと思つております。
 それから石油こんろ用の油につきましては、これは燈油でありまして、重油は全然使つておりませんし、ガソリンももちろん使つておりませんが、燈油につきましては、石油こんろが普及しない前は大体月に一万五千キロリツトルぐらいという状態であつたのですが、現在四万五千というような、三倍ぐらいにふえておりまして、その差額約三万キロリツトルは、ほとんど石油こんろ用として使われておるんじやないかと考えております。それを合計しますと年間約三十万くらいの、石油こんろ用の燈油を使つておるというように考えられるわけであります。
#68
○伊藤(卯)委員 法案の条文的なものについていろいろ疑義がございますが、これは後日のことにいたしまして、本日は法案の持つ根本的な精神について伺つてみたいと思うのであります。この石油資源探鉱促進臨時措置法案等、今出されておりますこの二法案の目的の重点の置きどころでありますが、これは法案そのものではわれわれは性格をはつきり知ることができません。というのは、私企業的にまかせてやらすのか、あるいは国家管理というか、そこまで性格を明確にしなくとも、そのような考え方を持たせた国策専業としてこれをやらすのか、これらの点について一応整理をした考え方をお聞かせ願いたいと思うのであります。これらの点が明らかになつておりません。私がなぜこれをお伺いするかということは、先ほどから同僚各位から帝石問題等については相当つつ込んだ質問をされておるのでありますが、この帝石の内紛の一つとして見のがすことのできない問題は、営利会社として、いわゆる利益配当を目的としてやるべきであるという意見が非常に強く出ております。いま一つは、そういう利潤追求の帝石としては、それは国策に反するから、やはり国策会社として国家目的に協力するというような考え方で帝石の経営はすべきであるという考え方と、この二つの意見は絶えず根本的な問題として衝突をしております。人事問題はこの根本問題に対する一つの派生とも見るべきものであろうと私は思うのである。私は、この問題を解決をしないと人事問題は絶えずこれにつきまとうて内紛が続けられるのじやないか、不明朗な原因はここから派生するのじやないかと思う。そこで、帝石の経営体の性格というか目的というか、そういう点についてひとつこの際政府の方針をはつきり大臣からお聞かせ願いたい。
#69
○愛知国務大臣 ただいまお話の点は、私どもといたしましても非常に慎重に相当の時間をかけて検討いたした点でございまして、その考え方は、かいつまんで申し上げると次の通りでございます。
 まず第一は、国内原油の開発という事業を一つのいわゆる国策会社として、具体的に言えば単行の法律でもつて組織するような、そういう会社でやるということについては、結論としてこれをとつていないわけであります。どうしてそれをとらないかという点は、その行き方にもやはり私どもから考えますと、いろいろな利害得失がございます。それから、たとえば当面のところ、御承知のように財政状態も非常な緊縮を要するときでもございますし、政府の持株をうんとこれ以上に広げるということも、実際上の困難性もございます。それらの点も考え合せまして、私企業であることには間違いはない、これが第二の方針でございます。
 しかしながら、第二に従来政府がとつておりましたのは、私企業に徹しさせたいという考え方がありまして、たとえば二百万株でございましたか、政府の持株も早く処分してしまいたいという意見が圧倒的に強かつたのでありますが、これはとりやめることにいたしました。少くとも現在程度の政府の持株はずつと持ち続けようということにいたしました。さような意味合いにおきまして、これは法律的にいわゆる特殊会社ではないけれども、内容的にも常識的な意味でも特殊会社である、私はそういうふうに観念しておるのでございます。
 それから単行の帝国石油会社法というものをつくりませんでしたかわりに、現在御審議を願つておりまする石油資源の臨時措置法案をつくることに決定いたしました。その考え方は、先ほどもちよつと申しましたが、従来の政府の考え方で申しますと、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正すれば足りるであろうという考え方が圧倒的であつた。この方針はやはりやめまして、単行法をつくることにいたしました。そして帝石は私企業ではあるが、実際上常識的には国策会社的なものにしておいて、さらにそれに対して探鉱臨時措置法を出すことによつて、この会社に対して探鉱その他についての鞭撻と申しますか奨励と申しますか、そういう政府の積極的な意図を担当させる、そのかわり補助金を出すことによつて助成をする、同時に補助金を出す以上は監督を徹底的に強化しなければならない、そこで業務や経理に関する勧告ということも新たに規定を挿入いたしたわけでございます。従つてこれを要するに、これは法律上のいわゆる特殊会社ではないけれども、方々の点から、内部の構成の問題からいつて、あるいは業務に対する政府の監督権あるいは干渉権の強化ということからいい、これは常識的に言えばますます特殊会社的な色彩が非常に強くなるものである、それを私は最も適当な行き方だと考えたわけでございます。
 従つて人事についても、もしこういう法律案の御審議を願つていなかつた従来の通産省の立場として申せば、私は人事などににあまり干渉すべきではないかもしれない、しかしここまで政府が腹をきめました以上は、法律上の特殊会社であつて人事は政府の任命であるという点までは行つてはおりませんけれども、先ほど来御意見のございますようなところは私の考えておるのと大体同じような線ではないかと思いますが、人事については今後は十二分の監視を怠らない、そしていたずらに民間の一私企業であると同じような感じで株のつり上げをやつたり、あるいは高率の配当をやつたりということばかりにこの会社の運用が向くようであれば、これは断然押えつけなければならない、こういうふうにかんがえているわけでございます。
#70
○伊藤(卯)委員 ただいまの答弁程度では、私実はこの大きな根本問題については納得できないのでございます。なお意見がありますが、これは私の意見になりますからこの際申し上げないことにいたします。これはいずれあとで議論をしなければならぬところだと思います。
 さらにお伺いしたいのは、別に言葉じりをとるわけではございませんが、先般愛知通産大臣は、帝石が持つておる株、いわゆる四分の一になりますか、四百六十万株ですか、こういう株は国が持つているべきものでなくて、民間に放出すべきだという大臣のこれに対する信念を御発表になりました。そのときも私は非常に意見を持つていたのでありますけれども、いずれ法案が出て来たとき詳細にそれらについてもつとただすのがよかろうと思つて、その際は実は見送つたのであります。ところがただいまの大臣の答弁では、そういう意見もあつたけれども、現在程度の株はやはり国が持つておるべきだ、こういうことになつたということを今伺いました。それは大臣も心からそういうふうに信念を別個にお持ちになるようになつたのか、しかし自分は放出すべきだと思うのであるけれども、政府部内に持つておつた方がよかろうという意見があつたから、まあしかたがないからそれに同意しておるのだという軽い意味か、持つておつた方がいいと思つておられるのか、放出した方がいいと思われるのか、それに対する大臣の根本的な信念についてひとつ伺いたいのでございます。それを伺つておきませんと今後の石油開発の問題になつております帝石の問題について、扱い方の上に相当影響があると私は思いますので、通産行政として帝石をどのように扱つて行くかという根本問題に対して、大臣の考え方の上からおのずからいろいろに出発し得ると思うから、これは、ぜひ伺つておきたい。
 それから政府が四分の一この株を持つておるのはどういうような使命と意義があるとお考えになつておるか、そういう使命と意義がはたして生かされておるかどうか、そういう点についてあわせて伺いたいと思います。
#71
○愛知国務大臣 帝石の問題につきましては、この法律案を提出いたします前にただいま御指摘のような質疑応答があつたわけでございますが、そのときの私の言いまわしが多少ぐあいが悪かつたかと思います。これは速記録を見てみないと正確にわかりませんけれども、私が申し上げたつもりだつたのは、先ほども申したつもりでございますが、私が通産省へ参りましたその当時までの考え方といたしましては、政府部内にはこの持株というようなものは大した意味もないから開放して、民間に払い下げた方がいいのではないかという意見が相当強くあつたように私は存ずるのでございます。そういう思想で行けば、帝石の人事などに政府があまり出過ぎた干渉などをするのはよくないということにならざるを得ない、そういう考え方もあるということを私は申し上げた。そのことについて私の申し上げ方がもし強過ぎたといたしますならば、それはこの際訂正しなければならないと思うのでありまして、先ほど申しましたようにいろいろな角度から慎重に検討いたしまして――私は先ほど、二百万株と申しましたが、間違いで、四百六十万株で二割三分ぐらいに当つておりますが、これは私は持ち続けた方がいいという積極的な主義として、ただいまはつきりお答えを申し上げたいと思います。
 それならなぜそれが必要かというその次のお尋ねでございますが、株式会社という機構をとつて参りまして、それから法律によるいわゆる特殊会社ではございませんけれども、実際上常識的な意味では特殊会社にするということから言えば、やはり政府が株主権をある程度持つておつた方がいいのではないか。これはさらにお尋ねの範囲を越えるかもしれませんけれども、従来というか、性確格に言えば昨年来以前におきましては、この持株についての政府の態度もはつきりしておりませんでした関係上、政府が持株を持つておりながら当然やるべきことをやることについて十分でなかつた点もあろうかと思いますが、こういうように帝石に対する態度をあらためて政府がはつきりいたしました以上は、この持株を持つておるという意味が十分に発揮されるようになると考えられます。
#72
○伊藤(卯)委員 私は政府持株に対する使命と意義ということはかくあるべきだと考える点がありますけれども、それはまた大臣と見解が異なるところがありますし、それは議論になりますから、きようここで申し上げることは時間の関係もあるので遠慮します。
 さらに伺いたいのは、この国内石油資源開発等の問題について、本国会開会の当初ごろ、川上局長からであつたかと思いますが、国内石油資源開発に対しては、相当国家が積極的に、あるいは帝石のごときにしても監督指導というか、命令というか、そういうものについては相当強い、いわばわれわれの耳に感じたところでは、国家管理的な字句は使わなくても、精神においてはそういうような精神をもつて今度出されてあるような法律を出されるのだというようにわれわれは受取つて、非常に期待していたのであります。ところが今度出て来た法文を見てみますると、その当時非常に強く言われたこと、われわれが期待していたこととはまつたく相反するようなものである。さきにお尋ねしたように、法案自体の性格はどこをつかんでいいのか、公的か私的か、利潤追求か、国家目的か、そういう点に対して非常にあいまいでございます。なぜそういうような状態になつたか。これは私の考えですが、あの当時は通産省としては五箇年に六十億ですか、五十五億ですか、そういう国家補償をやつて、たとえば帝石とか開発会社にもそれと同額を渡すということで相当強く押し進めて行こうとしていたのだろうと思います。そういう大きな計画を積極的に進めて行くためには、そういう強い法律が必要であるとお考えになつていたのが、今度の場合は、二十九年度予算をもつては一億三千万円の補償でありますから、補助金額が少くなつたら法案自体も今度のようにどつらつかずのような、弱体というかそういう法案にかえざるを得ないということになつたのか、その辺のいきさつについてひとつ伺い、さらに帝石の経営権、経理、監査監督、そういうものについても――先ほどからだんだんこういう点について論議もされておつたようですけれども、帝石本来の使命を達成さす点から見てはなはだ納得ができませんので、これもあわせて伺いたい。
#73
○愛知国務大臣 お尋ねの点はごもつともと存じますが、意見にわたりますところは避けるといたしまして、私どもの考え方を率直に申し上げたいと思います。
 第一の点は、法律案が御期待いただいたほど強くないという点でございますが、人事権ということを法律上書かなかつたことは、やはり一つの私企業であつて、株主権は政府がある程度持つているという程度のものでございますから、人事権を政府が持つということを法律上書くことは不穏当であると思つたのでございまして、この点の御指摘ならば確かに御期待ほどでないということが言えるかもしれませんが、しかし同時にこの法案の各本条をごらんいただきますと、これはまた逐条御審議いただきます場合に、事務当局からも詳しく御説明いたしたいと思うのでありますが、たとえば会社の試掘権を取り上げるというようなことまで規定しておるのでありまして、実を申しますと、この法律案を政府部内で審議いたしました場合に、ここまで強く行つていいだろうか、これはたいへんな非常立法的色彩があるとさえ言う人があつたくらいでありまして、私どもといたしましては、人事権に触れてはおりませんが、これ以外の点外では最近にない、むしろ非民主的、官僚統制的だと言われはしないかと思うほど、この法案の内容は見方によつてきついものではなかろうか、こういうふうに私は考えているわけでございます。
 それから第二点でございますが、今申しましたところでちよつと基本的に見方が違うとすれば、第二の御質疑ということについてはいかがかと思いますけれども、私の考えを申し上げますならば、一億三千万円というような補助金が少きに失するということは、これも率直に申し上げておる通りなのであります。しかし通産省が予想した十億とれなかつたからといつて、この法律を予想しておつたものを曲げて考えたということは、私どもとしては絶対にございません。むしろ法律案としては先ほど来るる申し上げておりまするように、石油及び可燃性天然ガスの開発法の一部改正をもつて足りるのではないかという議論が圧倒的に強かつたのに対して、それではいけないのであつて、単行の堂々たる別の臨時措置法で出て行こうじやないか、そうしなければ補助金をせつかく予算でおきめ願つた国会の御意見にも反する、こういうふうに考えているわけでございますから、一億三千万円になつたからといつて、内容をやわらかにしたというようなことは絶対にないのでございます。
#74
○伊藤(卯)委員 鉱区問題についても大臣と見解が違う、これも議論になりますから申しませんが、一言だけ言いますと、鉱区試掘権を国家が取り上げるということは、そんなに大した革命ではございません。これは天然自然の国家の財産でございまして、たまたま天然自然につくられた国家の財産をだれかが鉱区を出願して持つているのを、私して、睡眠、遊眠鉱区にさして置くということは、むしろ許されないことでございます。これを許すなら、私はまつたくおかしな話だと思うので、取上げべるという国家の処置は当然でございます。これは議論になりますし、時間がかかりますからきようは言いませんが、われわれはそういう信念を持つておる。私はこれはおそらく世人の常識だろうと思います。また特に石油開発のために国家が補助金まで出して計画開発をしようという場合には、当然それに伴うことでございます。だから何もそれほど大地ひつくりかえるような革命ではございませんから、大臣御安心ください。
 お尋ねしたいのは、従来から帝石を中心にしまして、国家がこの石油開発に相当いろいろな形で補助金、援助協力をしておつたことは間違いない。特に帝石のごときを見ますと、そういう国家の庇護、恩恵等を受けながら、従来四割からの社外配当をいたしておつたのであります。今なお何のかんのと言つておりますが、二割を配当いたしております。私は帝石のごときこういう開発事業に国民の血の出るような税金を補助してやつて、そして国家目的のためにその事業をやらすということは、これは事業の性格としては公益事業の性格を持つべきじやないか。あるいは電気とかガスとか水道、そういう性格を持つべきものである。ところがこういう四割とか二割とかいう配当は、公益事業としての性格を持つものからそんな高配をやらすことについては、私は許されないと思うのであるが、こういう配当について、その程度の配当は当然なんだということを配当率の上についてお考えになつておるかどうか。いやそれは国民の血の出るような税金を与えてやつておるのであるから、そういう配当については、あくまで公益事業的な立場に立つて、配当の制限というか、そういうことは考えなければならぬ。あるいは相当事業の目的が達成されて完全に遂行されるまでは、国家の補助金を与えておる間は、配当は一時停止をするとか、あるいは銀行利子程度にするとか、その辺を相当検討すべきである、こう私は思うが、そういう利益率の問題について、配当の問題についてどのようにお考えになつておるか。それから昨二十八年度の帝石の純利益率はどの程度に大体見て計算をされておるか、この点をひとつあわせて伺います。
#75
○愛知国務大臣 まず配当の点でございますが、法律上この配当を制限するということは書いてございませんが、第十七条によりまして、これに対して勧告をすることができるのでありまして、私どもは不当に高率の配当は、この条文を援用いたしまして規制するつもりでおります。
#76
○川上政府委員 昨年度におきましては、大体二割の配当をいたしたのでありますけれども、私どもの方としましては、こういう法律が通りまして、この法律を施行するということになりまして、しかも試掘をどんどんやらなくてはならぬということになりますれば、昨年度の二割の配当がいいかどうかということについては、相当検討しなければなりませんし、私どもとしましては、これはもつと下げなくてはならぬというように考えておりますが、ただあまり下げますと、この会社におきましても、あるいはその借入金とか、あるいはその社債の発行とか、そういう問題がありますので、そうむちやに配当率を下げるということも、これまた考えなければならぬ問題ではないかというように考えておりまして、それでは今大体どれくらいがいいかということは、はつきり申し上げられませんけれども、少くとも一割二分とか一割三分という程度の配当はあるいは許さなければならぬのじやないかというふうに考えておりますし、現に電源開発会社におきましても、一割二、三分程度の配当は認められておりますので、その程度のものは認めなくてはいかぬのじやないだろうかというふうには考えております。
#77
○伊藤(卯)委員 ただいまの答弁に対しまして私の意見を一言加えておきますが、配当の自由を認めている、そういう点を放任しておかれるところに、この帝石の争いが絶えないのでございます。たとえば配当が四割あるいは少くとも二割ある。こういう配当の自由を、干渉されないで放任しておかれるところに、帝石の争いの源がある。そういう点から株の奪い合いがある。株をたくさん持つて支配権を持とう、そうしてそういう点から、特に事業に対しては熱意はないけれども、配当に対して熱意がある、あるいはその株を動かすことによつて非常なもうけがある、こういうところから帝石内部の持株の争いが起つておることは、御承知の通りであります。国策的な事業に熱意がない、協力する考えはなくても、株をたくさん持つて、いわゆる利潤追求、配当を多くしようということが、今あそこの大きな争いの根源になつておることは、川上局長も御承知であろうと思う。だから私はさつきからだんだん議論されておりました帝石内紛の問題を解決して国策の目的を達成させようとすることは、さつきから論じましたように、帝石経営者の、国策に協力させるような性格、あわせて社外配当に対して政府がかくあるべきであるという制限をきちんときめて、これを監督指導して行くならば、従つてこの持株を中心にしての社内の紛争の根本は解決されるのでございます。申すまでもないが、私はこの点は政府としては非常に強くお考えにならなければならぬ点であろうと思う。もし帝石の内紛を解決しようとされるなら、この点が一番大事な点であることを私はこの際注意を促しておきたい。
 人事問題については、さつきから同僚各位から相当つつ込んで質問をされておりました。こういう人事の問題、それらから起る内紛の問題に立ち入つて質問をしたり何かすることは、私は実は非常にいやです。おもしろくありません。けれども、事国家が補助金を、出して国内石油資源開発をやろうという大目的を論議する場合にあたつて、そのほとんどを担当する帝石内部に人事問題などからいろいろ紛争があつて、国家目的達成に支障を来すようなことがあるなら、これはいくら人事問題に触れることはいやであつても、解決しなければなりませんから、重要な点についてだけひとつ伺つておきたい。この内紛の今後の解決の責任の問題について、大体抽象的な点については御答弁がありましたけれども、政府は確たる信念をもつで解決するというその責任上の点についてはどうも明らかにされておりませんので、そういう点をひとつ伺いたい。それからいかにしても通産大臣の方針に従つて解決が困難であるというような場合においては、私は社長以下現幹部の総退陣を命ずる。お前らが解決できないなら、けんか両成敗で、お前たち皆やめてしまえ、このくらいのことは、大臣として行政的な権能というか、そういう強いものをもつてこれに臨む態度をおきめにならないと、問題の解決はできないんじやないかと考えるが、そういう場合に対する大臣の腹構えをひとつお聞かせ願いたい。大臣は、先般参議院の委員会ではなかつたろうかと思いますが、今ちよつと忘れましたが、帝石の人事問題の解決については、現執行部を中心にして解決したい、こういうことをおつしやつておられるようなことをちよつと見たのでありますが、今帝石内部の人事問題の点は、いろいろこまかい点はありますけれども、大ざつぱに言いますと、いわゆる株屋さんというか、南君とか菊池君とか、事業にはあまり興味はないけれども、帝石を営利会社として配当問題について相当関心を持つておられる諸君は、現田代社長ではどうも思うように行かない、どうも田代は政府の国策的な点に協力をして、それを中心に持つて行こうとしておる――これは多分大臣はお認めになつておるから、田代社長が苦労してやつておるということをさきにお話になつたのだろうと思うのであります。ところが今の社長に反対する大株主といいますか、そういう諸君は、現田代社長に反対です。そこでこれを解決するためには、まず社長の右の腕左の腕になつておる副社長なり常務といいますか、そういうところをみんな格下げをして、平取締にして、やめさせてしまえ、そうして現責任者としては田代社長一人おつたらいいんだ、こういうことを言つておるようでございます。これはしばしば新聞や雑誌に出ておるので私どももだんだん調べてみてそう信じるのでありますが、一体あれだけの大きな国策会社として、社長一人で、副社長も専務も常務もだれもおらぬというようなことでやつて行けるものかどうか。これらの人事構成についてどのようにお考えになつておるかということも、ひとつこの際問題解決の一つとして伺つておきたいのでございます。それからさつきの御答弁の中にも労働組合の協力云々ということをおつしやつておられたようでありますが、労働組合あるいは社員、こういう諸君は帝石の内紛に非常な関心を持つております。これはもちろん関心を持つのは、帝石がどのようになるかということは、自分らの職場と生活に影響する死活問題だから当然だと思いますが、そういう点から他の労働組合に見られないような、帝石の労働組合は政府の五箇年計画、百万キロリツトルの目的達成のために、ほんとうに経営者以上に私は協力しておるように絶えず思つております。こういうように労働組合なり社員が非常に積極的に協力をしておるのであるが、ややともすると政府の方では、労働組合としてはそれは少し行過ぎじやないかというようなことをお考えになつておるようなことも聞くのですが、労働組合のそういう言動なり発表なり決議なり行動なり、そういうものに対しては、これは行過ぎであるとお考えになつてるのかどうか。また労働組合の協力ということは、どういうことを協力とお考えになつているのか、労働組合がこの程度のことをきめて積極的に主張し行動することを行過ぎとお考えになつているのかどうか、ひとつこれらもあわせてお聞かせ願いたい。
#78
○愛知国務大臣 先ほどもちよつと申し上げたのでございますが、あるいはお聞き取り願えなかつたかと思いますから、もう一度詳しく申し上げたいと思います。この人事の問題は、ただいま御指摘のような観点から見た場合に、配当の制限とか経理内容とかと至大の関係があるということで、そもそもそこから出発してこの法律案等を考えておるつもりでございます。従つて先ほど申し上げましたように、資本の充実ということは一方にやつて行かなければなりますまいが、高率の配当などということに事業運営の焦点を持つて行かれるのでは、はなはだ迷惑千万であるということは、私どももまつたく御同感でございます。従つて配当の規制は今回のこの法律を御議決いただければ、第十七条の規定によりまして必要な場合に配当の規制をいたしますということを、はつきり申し上げておるわけでございます。
 それから人事その他について確たる信念ありやというお尋ねでございますが、これは先ほど来るる申し上げておりますように、私どもとしても過去三箇月この問題につきまして、私個人としてもずいぶん苦心して参りました。先ほども率直に申しましたように、私はこの問題についての見方は、百人百様であろうかと思います。極端に言つた場合、その百人の方どなたからもいいことをやつたとおほめの言葉はいただけないと思つております。あれだけ紛糾した問題でありますから、何とかして解決の道を導き出すためには、ある程度のところで第一歩はがまんしなければならぬかと思つております。これはあくまで信念が動揺しておるのではなくて、終局においてこの会社をうまく運営してもらいたい、石油政策をうまく確立したいということの信念から出ておるのでございますから、このやり方がいかぬと言われても、とにかく私は最善と思う方法を推進するよりほかないと思います。それから同時に今後の覚悟はどうか、それから具体的に人の名前をおあげになりましての御質疑でございますが、私は参議院の委員会で、現執行部を中心にしてこれを補強して大いに働いてもらいたいという方針で行きたいということを申しましたが、そのときも現執行部とは何ぞやということで、現社長であるこの人にうんとがんばつてもらわなければならぬので、その人がやりやすいように政府側が応援をすることが私のやるべきことである、こういうふうにお答えしたつもりでございますし、先ほど当委員会におきましても、それに触れたお尋ねがございましたときに、社長の現在の苦労なりあるいは社長の抱懐しておるところの意見なりは、私は現在において当局の意見と合致しておるものと認めますから、この人を中心にやつて参りたいと思います。しかしながら先ほども申し上げましたように、これは一つの方向を間違えないように推進して行つて、不必要に混乱を起す必要はないと思いますから、ごらんになりようによつては、田代の両手をもぐようなやり方を、そんなことを言つてもやつておるじやないかという御指摘もございますが、しかし私は今後この方針に基いて、確たる信念に基いて盛り立てようとするのでありますから、必要に応じてどういう措置をとるかということは、具体的な人事の問題でございますから、まだ申し上げる段階ではないと思いますけれども、この点については十分ひとつ、ただいま御指摘のような点、私も同感でございますから、ひとつこれは行政権におまかせ願つて、そのやり方についてなおとくと御批判や御監視を願いたいと思うのでございます。
 それから組合の問題でございますが、私は政府としてたとえばどういう法律案をつくるか、あるいは人事に対してどういう態度をとろうかといういろいろの案を練つております過程におきましては、十分御希望に沿うことはできなかつたかもしれませんけれども、お求めに応じて組合の代表の方とも一再ならず私自身も面会いたしております。十分言い分も私は伺つたつもりでおります。また直接お目にかからなくても、書類の上なり、あるいは局長を通じても御意見は伺つておるつもりであります。しかし一たび田代社長を中心にひとつ押しこくつて行こう、法律案もこれを御審議を願いたい、この段階まで参りました以上は、私は帝石内部の労使間の問題として、これは執行部とそれから労働組合の代表者との間で、よりよき方途を歩まれることを期待するのでございまして、これ以上あまり当局が組合側と直接の交渉を持つということは、かえつて執行部の仕事をやりにくくするおそれもあろうかと思いますので、その点は自制いたしておるようなかつこうでございます。
#79
○伊藤(卯)委員 人事問題についてどうもあまりつつ込んで質問したくないので、私はいいかげんにしておこうと実は思つておるのですが、ただ解決されようとする上になお申し上げ、それから伺つておかなければならぬということがございますのは、これは二、三日前の日本経済に出ておつたのでございますが、斎田氏がこういうことを言つております。帝石の役員会の運営がうまく行つていないことは事実のようだ、こんなことで紛争していたのではけんか両成敗ともなりかねないし、懸案の開発計画も進まず、いたずらに関係者に迷惑をかけるだけである。その他いろいろ言つておりますが、そういうことを言つております。だから相当関係者、識者というものがああいうことじやいかぬということをあらゆる場合に言つておることですが、これは川上局長等が調停案というか、そういうことにタツチされたわけでございますが、これも新聞などによつて知つたのでありますから、あるいは正確を欠いておるかもしれませんが、もし欠いておつたら一つ間違いであるとおつしやつていただきたい。一つは日石からの役員は、取締役一名、昭石からは監査役一名とする。二、監査役の斎田氏を取締役に就任させる。三、定款を変更し、取締役の定員を十名を十五名にする。四、三月の末日から四月上旬に臨時株主総会を開く。五、臨時総会直後の取締役会において岡田副社長、松崎常務取締役の格下げの問題を解決する、こういうことが非常にはつきり出ておりますが、こういう点等が間違いであるかどうか。そういう点をまたどのように整理されようとしておるかどうかという点でございます。
 それから人事問題にあまり深入り干渉したくないということをしばしば大臣もおつしやつておられるが、御承知のように過去において非常に内紛をいたしたときに、政府は相当干渉して問題を解決されておるという記録を私は知つているのでございます。それは前回の重役陣に対して通産当局は再建命令という形式で総辞職をさせたということがあるのであるが、これは事実かどうか。前回にそういうことをやられたとするなら、今回も私が先ほどお尋ねしたように、どうしてもごたごたして解決しないならば、これらに対して前回と同様に断固たる態度をもつてこれらの解決の任に当ることが問題を明朗に解決するゆえんであるが、こういう点についてもひとつ承りたい。
#80
○愛知国務大臣 まず第一点のお尋ねでございますが、大体そういうことでございます。但し具体的におあげになりましたうちの一、二は事実に反するか、あるいはまたそういう話合いがある程度で、川上局長の知らざるところであるものもあるようでございますが、大体そういう方向になつております。この考え方は先ほど来るる私も申し上げております通りでありまして、現社長中心に、とにかくここで和解なり妥協なりして、一つのはつきりした線を打ち出してあげたいということで協力いたしたつもりでございます。それから今斎田氏の言が引用されまして、もし将来斎田氏がそういうふうに考えているようであるならばお前らはどうするかというお話でございますが、これは問題がもうすでにずいぶん長い間世の批判の対象にもなつておりまするので、先ほども申しましたように、百人百様の批判なり意見があると私は思うのでありますが、今後においてもしうまく行かなければ、もちろん全部更迭するなりあるいは新しい人によつて収拾してもらうなり、それは考えなければなるまいと思いますが、今日のところはあくまで仮定の事実でございます。しかし当局としてもこの法案を法律にしてさえいただければ、これを根拠にしてまた政府出資というものを根拠にして、はつきりした態度がとれるのでありますから、その将来のことは将来のこととして十分考えなければなりませんが、現在のところではあくまで今まで私どもがやりました処置で押し進めて参りたいと考えております。
 第三のお尋ねは私の就任前のこともあるようでございまして、必ずしも正確に申し上げられるかどうかわかりませんが、私もこの問題の解決につきましては、ずいぶん過去のいろいろの経緯を調べましたが、私の調べた結果といたしまして、たとえば全体の役員に対して総員辞職を勧告するというようなこと等の、広汎な人事権にわたる指令を出したり勧告を出したことはなかつたと私は理解しております。
#81
○伊藤(卯)委員 残余にわたつての問題は、時間の関係がありますし、議論になるから申し上げません。
 それからこれは委員長に申し上げますが、大体委員長、こういう状態で重要な審議をして行かなければならぬということは、はなはだ遺憾でございます。これは何も別に委員長を責めるわけじやないが、やはり委員長の議事の持ち運び方の上に、また全体に対するお互いの責任感の上に、委員長としてもう少し責任ある態度をもつて議事運営をされないところにこういう状態が出て来ておると思うのです。従つて私はこういうような現状において質問をし、議事を進行さすことは非常に遺憾に思つております。だから委員長として今後委員会をどのように運営されるかということを私は伺つておかなければなりません。従つて多くの質問事項がございますけれども、こういう状態で私は質問をしようという勇気が出ませんから、いま一点だけ質問して、あと委員長がこれでもいいからやれとおつしやればやります。これではどうもはなはだ自分の手落ちであつたから次会はこういう状態にならないようにしてやるから次会に譲つておいてくれとおつしやるならば、私はその意見もがまんして承つておきますが、それはあとのことにしていま一点だけ伺います。
 さつきからだんだん質問して参りましたように、政府の帝石に対する持株について、政府は積極的に権利行使というか、持株の上から考えれば、政府は大体取締役を三名か五名くらい出してもいい。そういう取締役を出して監督権を相当強くして、帝石を通じて百万キロリツターの五箇年計画の目的を達成さすことが通産大臣の意図されることを最もよりよく成功さすことになるのじやないかと考えるのであるが、こういうようなことについて大臣はどのようにお考えになつておるか。これが不明朗な帝石の人事問題を解決し、またかくすることが政府の国策を帝石を通じてよりよく達成さすゆえんであるとも考えるが、今のような株に対する取締役を参加させて、積極的に監督指導をやらせることについてどのようにお考えになつているかお伺いします。
#82
○愛知国務大臣 先ほどまでるる申し上げておりますように、ただいまのところは先ほど御指摘になりました案で、現社長を中心にして帝石の運営がうまくできるようにということをひたすらに私は望んでおるのであります。しかし同時に、これもまた先ほど来るる申し上げておりますように、法律の体裁も整備することができ、補助金も考えられる。また政府の持株も開放しないというような条件ががつちり備わるわけでありますから、それをもとにして現在の人事の案がうまく行かない、あるいは将来さらに内紛を起すというときには、さらに具体的な改善案をつくらなければなりませんが、その際におきまして、ただいま御指摘のようなことは十分考慮いたしたいと考えております。
#83
○伊藤(卯)委員 先ほど委員長に議事運営上についてお尋ねしたことについて、委員長の考えとして、どのようにいたされますか。このまま進行しますか。進行しろとおつしやれば、進行しますが、私としてははなはだ不愉快で、遺憾でございます。委員長どのようにお考えになるか、ひとつお聞かせ願いたい。
#84
○大西委員長 きようこういう状況になりましたことは申訳ございません。ただいつもなごやかにやつておりますので、時間がおそくなつたときは、みんな帰つて行かれる方もあるのですが、実際問題としては、私どもも困るのですけれども、今後は理事会でよく話合いをしまして、大体の約束を皆さんに守つていただくということで、もう少しがつちりやつて行きたい、かように存じておりますが、きようのところはあしからず御了承願いたいと存じます。
#85
○伊藤(卯)委員 これはお互いの責任の問題であろうと思います。何も委員長ばかり責めるということもないと思いますので、ひとつ理事会等において少くとも会議を開会している以上は、何名ぐらいは必ず残つて、何名以下の状態になつてしまつたらば、もう会議は開かないという点等を、ひとつ委員長はお考えになつて、そうしてお互いに議事の運営上において共同責任を持つてやる。そうしてきようのような状態になつた場合には、委員長はもう委員会を散会してしまうというような点等を明らかにされて、そうして今後の議事運営に対して、お互いにもつと責任と熱意をもつて審議するように、委員長が進められるよう、私はここに特に強く希望して、本日のところこの程度にいたしておきます。
#86
○大西委員長 それでは次会は六日午後一時から開会し、石油関係二法案その他について審議を行う予定であります。
 本日はこの程度にいたして散会いたします。
    午後一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト