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1953/04/13 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第34号
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1953/04/13 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第34号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第34号
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
    午後三時十七分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君
   理事 福田  一君 理事 山手 滿男君
   理事 永井勝次郎君 理事 加藤 鐐造君
      小川 平二君    小金 義照君
      始関 伊平君    笹本 一雄君
      長谷川四郎君    伊藤卯四郎君
      中崎  敏君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        次長)     谷口 明三君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 岩武 照彦君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  川上 為治君
 委員外の出席者
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
四月十二日
 委員村上勇君辞任につき、その補欠として前尾
 繁三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員前尾繁三郎君辞任につき、その補欠として
 村上勇君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 通商産業省関係法令の整理に関する法律案(内
 閣提出第一四五号)
同月九日
 電力料金値上げ反対に関する請願(中村梅吉君
 外一名紹介)(第四二九八号)
 同(山花秀雄君紹介)(第四二九九号)
 公営電気事業の復活に関する請願(相川勝六君
 外二名紹介)(第四三〇四号)
 韓国のり並びに鮮魚輸入に関する請願(岡本忠
 雄君紹介)(第四三三〇号)
 発明助成に関する請願(黒金泰美君紹介)(第
 四三九五号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 電気料金値上げ反対に関する陳情書(経済団体
 連合会長石川一郎)(第二七二二号)
 同(布施市電力自治対策本部長藤多謙三)(第
 二七二三号)
 ガス事業法改正に関する陳情書(北海道知事田
 中敏文)(第二七二四号)
 中小企業に対する金融等に関する陳情書(札幌
 市北一条四二丁目社団法人北海道商工組合中央
 会長水牧茂一郎)(第二七二五号)
 同(京都府会議長北村平三郎)(第二七二六
 号)
 中小企業等協同組合法の改正促進に関する陳情
 書(東京都中央区京橋一丁目日本中小企業団体
 連盟会上長豊田雅孝)(第二七二七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 木材利用に関する小委員長の中間報告聴取石油
 及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第九八号)
 石油資源探鉱促進臨時措置法案(内閣提出第九
 九号)
    ―――――――――――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 通産大臣より発言を求められておりますのでこれを許します。愛知通商産業大臣。
#3
○愛知国務大臣 去る九日、当委員会から出席をお求めいただいたのでありますが、当日はたまたま国際見本市の開場式でございまして、大阪へ出張いたしましたために出席できませんで、まことに失礼いたしました。当日四日市の燃料廠の活用方法につきまして、当委員会におきまして日本石油社長佐々木氏より参考人として種々意見をお求めになつたのでございますが、通産大臣としてはどういうふうに考えておるのかということがこれに関連いたしまして問題になりましたので、その点につきまして私から意見を申し述べたいと存じます。
 四日市の燃料廠の活用につきましては、私といたしましては、一日もすみやかにこれを利用活用いたしたいということをかねがね考えまして、先般も当委員会で御説明いたしましたような気持で、その後推進に努めて参つたのでありますが、あれこれと遷延いたして参りまして、この点は私としても遺憾に存ずるところでございます。今後におきまして、一日も早く活用したいということについて、あらためて誠意と熱意をもちまして、なるべくすみやかなる機会にその基本的方針を確定いたしまして御報告申し上げたいと思います。
 それからついでにいま一つ釈明をいたしたいと思いますのは、今回の私の旅行の途次、名古屋におきまして新聞記者団から、社会党左右両派におかれて次のような法律案を作成し、これを国会に提出するという準備中の趣であるが、これに対しての意見はどうであるかという質疑を受けたわけであります。私はそのときに、そういう法律案が両派社会党から提出の運びになつておるかどうかということは、もちろんつまびらかでございませんでしたが、これに対する私の答えが、さような考え方はまことに幼稚であるというようなことを申したということが報道されておるのでございますが、これはそのときの環境等から申しまして、私の言い方に非常に練れないと申しますか、舌足らずのことがございましたのと、相当何と申しますか、くだけた席でございましたために、私の申し方も不十分であつた点がありますので、この点誤解を招きましたことにつきまして、あらためてこの席を拝借いたしまして釈明いたす次第でございます。
#4
○永井委員 ただいま大臣から釈明があつたことでありますから、それについてかれこれあえて申し上げることはどうかとも考えますけれども、しかし言葉というのは前後の続きからとか、あるいはその環境とか、言葉のやりとりの間に出て来る問題でありまして、その言葉だけを取上げてかれこれ言うのは決して妥当なものでない。いろいろな経験からしまして、そういう問題は注意すべきだと思いますが、事柄は単なる表現の問題ではなくて、外貨予算の問題をどういうふうに扱うかという政策的内容の問題であると思いますから、言葉や何かの表現はとにかくとして、大臣が外貨予算に対して、何らか国会がこれに決議権限を持つ、あるいはこれを国民の前に明らかにするというような方途を講じなければならないというのがわれわれの考えでありますが、これに対してそういうことは幼稚である、あるいはそういうことはつまらないことであるというようなお考えが思想の内容としてあつて、それが言葉として表現――そういう言葉ではないにしても、そういう意図で表現されたとするならば、われわれは政策の上からひとつ大臣とまつ正面から論議を尽して行かなければならないと思うのでありますが、単にこれは左右両社会党だけでなくて、外貨の問題を今日のような制度のもとにおいていいかどうか、国の経済なり財政に大きな影響のあるこれらの問題を、行政措置の権限の中にそのままにしておいていいかどうかということは、学者の間でも論議があるし、実際家の間においても論議があり、また政府当局の中においても、それぞれの所管によつてこれは問題があると思うのでありますが、大臣はこれらの外貨予算の運営について、現在のやり方が最善にして妥当なやり方である、これに対する何らかの修正なり、あるいは改正の政策というようなものを持つことは幼稚である、的はずれであるというようなお考えを持つておられるのかどうか、この際明確にこの点を承つておきたいと存じます。
#5
○愛知国務大臣 私が釈明いたしましたのは、きわめて幼稚であるという表現がはなはだ練れなかつたということについておわびを申し上げたわけでございます。外貨予算についてどう考えるかということになりますと、政策の問題でございますから、私も私としての意見を持つておるのでありまして、結論的には、さようなことが考え方としてあることはごもつともと思いますけれども、私の意見としては反対でございます。なぜかと申しますと、これは蛇足になるかと思いますが、一体国の予算というものは、租税であるとか専売収入等によつて得ました国の収入を、支出または使用する計画でございますが、これに反して外貨予算は、主として民間における個々の対外的な経済取引を基本といたしまして、国が外国為替の集中決済制度をとつているという関係上、外貨の割当の段階において規制しようとする目安でございますから、国家の予算とは性格上大いなる相違があるわけでございます。従つてこれは行政上の事項としておいていただいた方が適当である、私はこういうふうに考えております。
#6
○永井委員 なお外貨の問題については、時間をあらためていろいろ論議をしたいと思うのでありますが、少くも外貨の現在のやり方というものは占領政策の延長である。またやつておる行政の内容についてはいろいろな疑義があり、世評必ずしも芳ばしいものではありません。いろいろな汚職の問題も、もしこれをほんとうに調べ上げるならば、造船以上の汚職が潜在するのではないかというふうにうわさする者もあるのでありまして、ただ行政の措置としてやつておりますために、どこにどういう穴があり、どういうところにどういうものがあるかということが的確に摘出できないという段階であるとわれわれは考えて、この点に大いに疑いをかけておるわけであります。そういう疑いを持たれるような、また外からこれらの運営が日本の経済に大きな影響を持つようなものが、まつたく政治的責任をとらない行政措置の権限においてこれがなされるということについては、われわれは今日の外貨の性質上、また輸出貿易が現在の日本の経済において占める地位の上から見ましてわれわれはこれは見のがすことができないものである、かように考えるのでありまして、決してこれに対する改善の措置を考えるということが幼稚なるゆえんではない。幼稚であるという表現は誤謬であると思いますけれども、これは政策の論議において、いずれ機会をあらためて十分に論議をしたいと思いますが、少くとも現在のものが最善であるというような意図をもつて、これに対するいろいろな意見に対しては幼稚である、というふうな考えを大臣がもしほんとうに持つておるとするならば、われわれは断固今後これらの問題について闘わなわればならない、かように考えております。本日の場合はただこれだけ申し上げておきます。
#7
○中崎委員 大臣から釈明もありましたので、この問題にはあまり深く触れたくないと考えておつたのでありますが、ちよつと感ずるところがありまして一言申し上げます。
 先ほど大臣からの話によりますと、左右両社会党が外貨予算の問題について法案を考えておるというような記者からの話があつたということでありますが、少くとも右派社会党に関する限りにおいては、外貨に関する問題の審議について、法案を用意しておるということは、寡聞に聞て耳にしておりません。従いましてそれを対象として新聞等において論議されておるということは、わが党に関する限りにおいては正しくないというふうに考えております。
 さらに大臣は政策の問題にやや触れたようでありますので、一言私として申し上げておきたいと思います。これは見解の相違と言えばそれまでであろうと思いますけれども、少くとも私は外貨に関する問題は、大臣が今言われますように、民間の取引を政府において集約的に、為替の形によつて、これをどうするかということを扱われる問題であるということにおいてはかわりありません。ところがそうであるならば、たとえば外国から民間の方で石油を買う場合に、ある程度外貨のわくを与えるとしても、それをその範囲で自由に買わせるかといえば、そうでない。たとえばイランからある会社が石油を買いたいという場合、これはちよつとごめんこうむるというふうなことになりますと、民間の取引は為替の形においてただ単純に扱われておるとも考えられない。いわゆる政策的な問題がここに多く取入れられておる。あるいは砂糖の問題についてもそうなんです。ほんとうに全体の経済から見て、これだけの範囲で輸入していいということならば、ただ単にそれだけは輸入できるかというと、そうでなくて、精製業者の少数の人間が特別の保護を受けておる。ある人間のみがこの輸入ができる。広く一般の民間の取引商社においてこの輸入ができるかというと、それもできない。そういうふうにいろいろな政策的な意図から外貨について民間の取引が多く制約を受けておる。こういうふうなことになりますと、ただ単なる取引ということでないから、従つて国の経済を一体どうするかというふうな問題、これが財政、金融あらゆる問題にひつからまつて来て、そうして大きなる政策として現われて来るわけです。従つて少くともこの外貨の問題については、およそどういうふうな方向にあるべきである。あるいは具体的にはどういうふうな政策がとらるべきだということが――ただどの商社に何ぼ割当てるかというふうな具体的な問題までここで論議する必要はないと思いますが、少くとも大きなるわくの範囲において、この問題が国会においても一応論議の対象とされて、それが通産行政の上にも正しく反映することがいいのじやないかと私は考えておるので、そういう意味合いにおいて、やはり国会の通産委員会における審議も必要ではないかというふうに考えておるのであります。これは見解の相違であるかもしらんのでありますが、私は私なりの意見を一応申し上げておきたいと思うのであります。
    ―――――――――――――
#8
○大西委員長 それでは次に、木材利用合理化に関する小委員長より、小委員会の中間報告に関し発言を求められておりますので、これをこの際許します。中崎敏君。
#9
○中崎委員 木材利用に関する小委員会の中間報告を申し上げます。
 戦時、戦後を通ずる過伐、濫伐の結果、わが国の森林は極度に荒廃し、風水害は逐年激甚の度を加えて、国民の生命財産を脅かし、その防邊と復旧のため年々歳々厖大なる国幣を費しておるのであります。さらに木材の供給逼迫は、必然の結果として市場価格の独走的暴騰をもたらし、わが国経済の発展、民生の安定上一大障害となりつつあることはすでに御承知のごとくであります。数字的に申し上げますならば、わが国最近の木材使用量は、用材として並びに薪炭材として、それぞれ年間一億石余り、両者合せて約二億一千万石に上るのであります。
 しかして、これらの需要量を全部国内資源によつてまかなうとすれば、森材の成長量だけを伐採していたのではとうてい間に合わず、二五―二六%は基本蓄積に食い込まなくてはならない。しかも、この数字は森材資源全体に対する比率でありますが、実際においては奥地その他現状のままでは利用の対象にならないものが、蓄積量総計六十億石の約半額に上つているのであります。従つて、現在の段階において利用可能な地域だけから前述の使用量二億一千万石を全部供給するものとすれば、実に七〇―八〇%の基本食い込みをやらなければならないというまことに危険きわまりない状態にあるのであります。
 かような次第でありますから、森林資源の危機を克服し、治山治水の実をあげ、また木材価格の安定をはかるためには、従来事実上等閑に付せられていた木材の利用方法をこの際再検討いたしまして、その節約ないし利用の合理化方策を確立するとともに、これを強力に実施しなければならないと思うのであります。
 本小委員会はこの趣旨にのつとりまして、発足以来鋭意調査研究を続けておるのであります。すなわち、客月四日以来今日に至るまで、前後七回にわたつて会議を開催し、関係政府委員及び関係各業界代表者からそれぞれ木材消費の実情並びに今後の需給対策等に関する説明を聴取し、これらの意見を参考資料として種々検討を加えて参りました。それによりますると、
 一、家庭燃料方面においては都会地における石炭ガス施設の拡充、無煙炭、亜炭などによるれん豆炭の利用、農村におけるかまどの改善による燃焼効率の向上等々によつて約五千六百万石。
 二、木造家屋、電柱、まくら木、坑木、枕丸太、橋梁、仮わく、足場丸太などの建築資材あるいは木製家具などを鉄材、コンクリート材などに振りかえることによつて約二十万石。
 三、段ボールによる梱包の合理化によつて約一千万石。
 四、針葉樹より潤葉樹への転換、故紙の回収などによるパルプ用材関係において約六百万石。
 これらを合計いたしますると実に年間約九千二百万石、すなわち全消費量の約半願を節減し得ることとなるのであります。
 しからば、いかにすればこれらの目標をすみやかに遺憾なく達成することができるか、これが問題であります。元来、上に述べたような木材消費の合理化に関する方策については、従来とても全然知られていなかつたのではありません。ただ実行上種々の隘路があり、これを容易に打開し得ないため、遅々としてはかどらなかつたというのが実情であります。しかしながら、年々歳々洪水氾濫による惨禍に悩されておりながら、しかもその抜本塞源的対策がわかつておりながらこれを強力に推進し得ないということは、われわれ政治の衝に当るものの深く考えなければならないところだと思うのであります。
 結局、具体的推進策としては、
 一、国民全体が本問題の重要性を十分に認識し、その自覚に基いて自発的にこれに協力するよう啓蒙宣伝の一大国民運動を展開すること。
 二、特に政府機関において、たとえば、故紙の回収など率先垂範すること。
 三、代替物の供給に関する設備資金等の融通あつせん、公共建築その他に対する予算措置、税法上の特別措置、代替物の計画的使用に対する行政並びに立法措置。
 等々種々考慮せられるのでありますが、本問題解決促進のため、「木材利用合理化促進審議会」のごときものを設置することが、適当であり、その具体案は、政府当局をしてすみやかに作成せしめるべきものと意見の一致を見た次第であります。
 以上今日までの審議の結果をとりまとめて中間報告を申し上げます。なお、今後調査研究の進展に伴つてあらためて御報告申し上げます。
#10
○大西委員長 以上で報告は終りました。
 次に委員長より、可燃性織物に関する問題について、本会議に決議案上程の件について一言申し上げます。本問題につきまして当委員会といたしましては、数次にわたり調査をいたして参りましたが、今回各党の一致の意見により、本問題に関する決議案が本会議に上程の運びとなる模様でありますので御報告申し上げます。
 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案及び石油資源探鉱促進臨時措置法案を一括して議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。永井勝次郎君。
#11
○永井委員 ただいま議題となりました案件は、この委員会において可決を見る段階となつて来ているのでありますから、この際本案審議の締めくくりといたしまして、二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。
 この法案によりまして、探鉱及び開発を、公企業的な性格において、帝石がまず中心となつてこれを推進する。また探鉱その他については非常な努力を払うということでありますが、それの裏づけとしての予算は非常に少いわけでありまして、何と申しましても掛声だけではこういうものはできないので、やはり予算と比例してその具体的実現というものが庶幾されるわけでありますので、この点については大臣から、今後この予算について、どのようなウエートにおいて予算の獲得をされて、通産行政における石油資源探鉱及び開発が、どういう地位において考慮されるのか、その立場を明確にしていただきたいと考えるのであります。
 第二点は、この開発が東北ないし北陸に集中的に行われるような事情と承つておるのでありますが、石油資源の関係から申しますと、北海道は相当な資源地帯である。従つて帝石などにおいては、天北地帯におきましては、ボーリングを二回、一つは二千何百メートル、一つは十七、八百メートル、こういうようなボーリングをやつて不成功に終つておるのでありますが、いろいろな科学的な探検からいたしまして、この地帯には資源があるという見通しは十分立てられておるのでありますけれども、二回の失敗によつて、当分ここには手を染めないというような意図をもつてずつとあとまわしにしておられるのかどうか。それとも現在の探鉱の段階はわからないけれども、一応やつてみる、二回やつてみて失敗したので、不確定な探鉱の段階だから、しばらくこれをあとまわしにする。そういうように探鉱の科学的な検討が不正確で、なお科学的に追究さるべき余地を残しながらこれを放棄する考えであるのかどうか。こういう点を川上局長から伺いたいのであります。
 また天北地帯及び北海道には、その他たくさんの石油資源地帯があると考えますが、北海道総合開発の立場において、どのような段階でこれらの問題が考慮されておるかということを、谷口次長からお伺いいたしたいと思います。
#12
○愛知国務大臣 国内の原油の採掘、試掘等にきましての政府の予算につきましては、あるいは御記憶にあるかと思いますが、第十六国会でありましたかのときに、私は大蔵政務次官としても、この予算についてはできるだけのことをしたいと申しておりました。爾来そういう方向で、特に責任者になりましてから努力いたしたのでありますが、ただいま御指摘のように、わずかな予算が編成されただけでありまして、この点は私自身といたしましてもまことに不満足なのでございますが、ひとつ当委員会を初め国民的な関心のもとに、今後機会あるごとにこの予算は増額してもらいたい。そのことが私どもの経済自立の中で、特に国際収支の改善ということに基本的に非常に役立つものであるということで、今後も大いに努力して参りたいと思います。
#13
○川上政府委員 北海道の試掘につきましては、二、三年前に相当の金をかけましてやりまして、失敗した事例があるのであります。しかし石油開発審議会の方からも、またいういろいろなエキスパートの方からも、北海道におきましては十分な石油資源があるということをはつきり言れておりますし、北海道は秋田県とか新潟県、山形県以上に相当広大な地域を持つておりますので、石油資源につきましては、相当あるのではないかというふうに言われております。この前の失敗につきましては、試掘の場所が悪かつたとか、あるいは深度が足りなかつたというような問題もありますし、また技術の点につきましても、現在より若干遅れていたというふうにも考えますので、私どもの方としましては、ほかの地域と同様に、北海道につきましてはきわめて重点的に考えまして、この五箇年計画におきましても調査あるいは試掘を進めて行きたいというふうに考えております。北海道をあとまわしにするとか、先般の失敗に懲りてこれを放棄するというようなことは毛頭考えていないのでありまして、むしろ非常に積極的に考えております。
#14
○谷口政府委員 お答えいたします。北海道に包蔵しております石油資源の現状につきましては、ただいま鉱山局長からお答えの通りであります。御承知の通り道北を基点といたしまして、日本海の沿岸に石油の鉱脈があるということは、専門家のひとしく論じておるところであります。ただ残念ながら、北海道の総合開発が発足いたしましてまだ日が短かいのでありまして、これら石油の資源に対するいわゆる基本調査が十分でございません。専門の帝石が二回にわたりましてボーリングして失敗いたしましたのも、これまた基本調査の不十分であつたことに原因するかと思うのであります。今日石油開発の強い要請が日本にありますことはまことにお説の通りでありまして、私ども北海道の総合開発を推進する上におきまして、この基本調査を今後一段と強化いたしまして、この石油資源がすみやかにものになりますように努力いたしたいと思います。
#15
○永井委員 北海道総合開発については、終戦後四つの島にとじこもらなければならなくなつた日本の現状からいたしまして、唯一の資源開発地帯として北海道が非常に重視されなければならないという段階に来ておるのであります。そういう重視しなければならないという実情と、北海道開発に対する政府の熱意というものは、必ずしも並行しておらない。口では未開発資源として北海道が唯一の宝庫であると言いながら、実際に北海道に投資し、あるいは北海道を開発しようという熱意において欠けるものがあると考えるのであります。これはやはり行政的な面におけるいろいろな問題もあろうかと思うのであります。
 そこで第一にお伺いいたしたいのは、通産行政の直接の関係にあるものに対しては、なわ張りの関係からいたしまして特に熱意を持つ、しかし開発庁が総括してやるというような間接的なところに対しては、熱意を欠くものがあるのではないかとわれわれは考えるのでありますが、谷口次長から、二十九年度予算において、総合開発における原油資源開発及び探鉱について、予算的にどういう運びをし、それがどういう結末になつたかという事柄を伺いたい。
 それから通産大臣は、途中までは大蔵省において予算を削る方を大いにやられたのでありますが、通産大臣になつて北海道の石油資源開発予算はみごとに獲得されたわけです。今後この法案が通りましたら、この法案の中味として、北海道の資源開発を大きく内容として推進していただくような構想があるかどうか。それから探鉱に対しては、地方庁の協力を求める意味において、両者相まつて推進していただかなければならないと考えるのでありますが、探鉱の方面についてどういうふうにお考えになつておるか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
#16
○愛知国務大臣 予算の少かつたことは、先ほど申し上げました通り私自身といたしましても、まことに残念でございます。それから北海道の開発につきましては、御承知のように内閣全体としても、北海道の総合開発ということを特に今回の政策の上に明示しておりまして、具体的にそういう方向に政策が進んでおるわけでございます。石油の問題につきましては、全体の五箇年計画の中で、大体北海道に期待しておりますものが、常識的に申しまして二割以上になると思います。今回乏しい予算の中でも、その基本的な計画の線に沿いまして、北海道には予算を配当するつもりでおるのでございます。北海道は開発庁というものがあつて、通産省としては間接的になるのじやないかというような気持は毛頭持つておりません。
#17
○谷口政府委員 お答えいたします。ただいま永井委員からお話がございました通り、北海道の開発につきましては、少くとも当面、当分の間は国におきましても――またもし業者がある開発に関連する事業を興そうといたしますならば、業者もまたある程度の犠牲を覚悟しなければできない現状でございます。こういうような観点からいたしまして、石油のボーリングにいたしましても、どうしても業者が相当の犠牲を払う。しかしながらその犠牲は単に業者のみにこれをかぶせるわけには行かぬのでありまして、国もまたこれに非常なパーセンテージを持つて援助をするということがあつて、初めて業者も勢いがついて、ボーリング等を決行するであろうと思うのであります。こういうような意味におきまして、二十九年度の予算の要求におきましては、何とかいたしまして先年の失敗を回復させてやりたいと考えまして予算の要求をしたのでありますが、そういう失敗もあつたせいでありましよう、また先ほど申し上げました基本調査等におきまして十全でなかつた原因もございまして、遂にその予算の獲得は困難でございました。しかしながらただいま通産大臣の御答弁の通り、今回の予算におきましても北海道について二割の期待をしているから、その限度において予算も貸付ができるだろうというお話でありますので、今後私ども通産省と相協力いたしまして予算の増加に努力いたしたいと考えております。
#18
○永井委員 最後に通産大臣にお尋ねをいたしたいと思います。本年度は金融の面から申しますと、北海道における預金額と北海道の地域に対する貸出高、これを比較いたしますと銀行融資の関係において百三、四十億の吸上げになつております。さらに郵便貯金であるとか、簡易保険であるとか、その他生命保険及び火災保険、こういつた関係の収支のバランスをとりますと、相当額の吸上げになつておると考えるのであります。さらに資源的な関係から申しますと、北海道の山林を伐採し、林野の関係につぎ込んでおる政府の金との差引においては、年々四十億に近い吸上げを行つておるのであります。こういうふうに、さらに税金の面から申しましても、かつては北流道第二拓殖計画というものは自まかない主義によりまして――御承知のように北海道から上る総収入、北海道で使う総支出、これを差引勘定いたしまして、それの黒字分を翌年度の北海道開発の財源につぎ込むというような、自まかない主義をとつて参つたのでありますが、現在ではそういう状態になつておりません。そういう面を通しまして、最近は、開発をしなければいけない、国家投資を相当つぎ込まなければいけない、あるいは民間資本を北海道に相当つぎ込まなければいけない、こういう現実の要請に対して、事実は民間の方は本社が東京、大阪にありまして、こつちの方で吸い上げておる、国の財政においても吸い上げておる。こういうふうな面から考えますと、このような方法をもつていたしますならば、これは掛声だけであつて、ほんとうの北海道開発というものはにつちもさつちも動けるものではない、先細りになつておる末広ではないとわれわれは考えるのであります。従つて、少くとも通産行政を通してのみでなく、通産大臣は大蔵省におけるところのエキスパートであり、閣内においても国務大臣としての有力なメンバーであり、しかも単なる古典的な自由党の自由主義経済というようなそういうものの考え方ではなしに、新しい方向に切りかえて行く、自由党の、新しく一つ踏み出そうとする政策への大きな推進力であるとわれわれは考えているので、国務大臣の立場においてこの北海道の開発というものを大体日本経済の自立という角度から、金融の面を通し、財政の面を通し、あるいは経済の諸般の運営の面を通して、大きく裏づけ、そうしてそれの推進力となつていただかなければならないと考えるのでありますが、北海道に対する認識及び今後に対する閣内における協力の熱意のほどをひとつ最後に承りたい、かように考えます。
#19
○愛知国務大臣 まことにごもつともでございまして、私も昨年の夏北海道に参ります機会がございまして、そのときに私もあらためて感じたのは、ただいま御指摘の通り政府関係におきましても、あるいは民間関係におきましても、要するに北海道からの吸上げの方が多いということで、そのときに私もその現状というものをあらためて見直さなければならないと感じたようなわけでございます。先ほど申しましたように、当国会におきましては再開後の総理大臣の施政方針演説にも特に北海道のことを明示いたしたような次第で、現政府といたしましても北海道の重要性ということは相当程度に力を入れつつあるつもりでございますが、今後ひとつ私も経済審議庁というような立場においての総合計画の樹立に際しましても御意見のような点は十分取入れて考えて参りたいと存じます。
#20
○大西委員長 関連して質問を求められております。これを許します。長谷川君。
#21
○長谷川(四)委員 関連して一言お尋ねをしておきます。それはこの法案をきよう本会議にかけるというふうに決定いたしておりますので、承つておかなければならないのです。大体法案そのものには私は非常に満足しておるものですが、先ほど大臣が述べられたごとく、少額な予算であり、わずか一億三千万円という金に対しての法案は、私はバランスがとれていないというように考えております。従いましてこういうような観点から見て、このたびの予算は少かつたけれども、その結果成績のいかんによつては追加予算というようなものが行われるとするならば、そのときには特段のお骨折りを願わなければならないと思うのでございます。なぜならば、この当初の計画とすれば当然十億というようなものは本年度に出して、そうして国力を結集してその探鉱に当らなければならなかつたはずでございます。それが国の緊縮というその予算のわくに締められて、わずかばかりとはいえその気持だけは現われたのでございますから、そういうような点に関しまして、私は成績のいかんによつては、追加予算がもし行われるとするならばこの中に当然入るべきものだと思うのでございまして、そういうような点について大臣のお考え方を一言お聞きしておきたいのでございます。
#22
○愛知国務大臣 先ほど申し上げました通り、ただいまのお話については私もまつたく同感でございまして、この予算が非常に少な過ぎるという点は機会あるごとに修正したいものだと考えております。それで補正予算は私ども今予想いたしておりませんが、万々一さような場合において、しかもそれまでにおいて実績上も必要であるというようなことが認められまする場合には、十分配意いたしたいと考えます。
#23
○長谷川(四)委員 そこで局長さんにお伺いいたしますが、御承知の通りの非常に少い予算でございます。あなたの御計画から見ると十分の一の予算でございますから、これは塩をまくようにどの方面にもというわけにはなかなか参らないと思うのでございますが、それを重点的にお使いくださいまして――今大臣の御答弁をお聞きだと思うのでございますから、それを重点的に使つて、そうしてその成績を上げていただきたいということを私はお願い申し上げるわけでございます。局長に対しましてもその点についてどういうようなお考えがあるか、ひとつお伺いしておきます。
#24
○川上政府委員 ただいまおつしやいましたような考え方で、私どもの方としましては重点的にこの予算は扱つて、そして極力最大限の効果が上るように使いたいと考えております。
#25
○伊藤(卯)委員 ちよつと一点だけお伺いしておきたいと思います。この法案が出ましてから、同僚各位から熱心に質問されたことは、帝石の内紛の問題でございます。政府もこの帝石の重役陣の内紛についてはあつせんもされ、また困つた連中だということで手をやいておられることもわれわれはよく承知をしておる、それで何とか解決をしてやらなければならぬ、再び内紛の起らないようにしてやらなければならぬということで苦慮されておることもわれわれは十分了承しております。そこでけんかが起つてから仲裁に入るということでは、過去の失敗の上から見て試験済みと思う。それでけんかの起らないように内部に立ち入つて、この国家計画を帝石をして行わしめるという方策をとることが私は最善の方法だ、こう思います。そういうことについてのお考えが一つ、それからいま一つはこの開発審議会の五箇年計画、いわゆる百万キロリツターの石油を開発増産するという、この二つの目的を達成さすためには、帝石に政府の持株が四分の一あるのであるから、この持株の権利行使をするということになれば、取締役いわゆる重役を三人なり五人なりある程度の数を当然入れられるわけでございます。これを入れて行わしめるということになれば、私は一挙両得の成果を上げることができるのじやないかと思う。そこで政府は今度のこの法律をつくるにあたつて、この法律をわれわれが可決するにあたつて、今の二つの目的をよりよく達成するために、政府から重役いわゆる取締役を相当数送るという考えがあるのかどうか、これによつて今私が一挙両得と言つた二つの問題の解決をされようというようなお考えがあるのかどうか、この点をひとつ伺つておきたいと思います。
#26
○愛知国務大臣 帝石の重役陣の問題につきましては、先般の当委員会におきましても伊藤委員からいろいろ御意見や御注意をいただきまして、また私の考え方も非常に率直にお答え申し上げたのでありますが、ただいまの第一点でございます積極的の指導をすべきであるということにつきましては、幸いにしてこの法案が成立いたしますれば、私どもも非常な勇気が出るわけでございまして、この法律に盛られた意図を十分発揮いたしまして、積極的な指導に当つて参りたいと考えております。
 それから第二段の持株について積極的な権利を行使して、相当数の取締役を政府が入れたらどうであるかという御意見でございますが、この点につきましては、先般も詳しく申し上げましたように、今回の田代社長を中心といたしまする人事上の対案というものは、私どもから見ましても非常に満足すべきものとは思わないのでありますが、ともかくも社長を中心にして、新たなる意図のもとに発足するスタート・ラインにつけたのだという意味におきまして意義があることだと思うのでありまして、この新陣容というか、新重役陣のやり方を十分監視いたしまして、第一に申し上げましたような積極的な指導を加えて行く、公共的な企業の運営として思わしからざる場合におきましては、断固たる措置をとつて参りたいと考えておりますが、その際に政府としての持株権の行使によつて相当数の重役を入れるかどうかという場合は、そういつたような場合の考え方の一つとして考慮いたすべきものと考えるのでありまして、ただいまただちにこういつたような考え方を実行に移す時期ではまだないかと考えるわけでございます。
#27
○伊藤(卯)委員 現行法律で重役を入れるということにさしつかえがあるかないかということが一点、それから今大臣が答弁なさいましたような事態が起つた場、どうしてもこれは田代社長を中心にしてまかしておいたのではいかぬ、そういう問題が起つた場合には、政府から重役を相当数必ず入れるという意図を大臣に持つておられるというように了承してよろしいかどうか、この点ひとつ……。
#28
○愛知国務大臣 この第一点の、現行法で重役を政府の持株権の行使として、これとこれの人間は政府の代表者だというふうな形にして入れることは、現行法上はできないと思うのでございます。しかし事実上これは二割三分の株券を持つておるのでありまして、それから監督権が非常に強化されましたから、事実上はこれは当然行けると思います。
 それから第二の今私が申しましたことは、この次の段階において政府から積極的にそういう措置をするかどうかというお尋ねでございましたが、これは先ほど申しましたように、今から十分監視を続けて参らなければならぬと思いますが、そういう場合に必ず政府の代表者を数名入れるというところまでお約束するだけの気持は私は今はございません。
#29
○伊藤(卯)委員 どうもはつきりせないのですが、現行法で入れられない、そうすれば今度そういう大臣がさつきおつしやつたことと今御答弁なすつたこととは大分ずれて来ましたが、そうすると持株の権利行使というものは、まつたく私は意味をなさないと思うのですが、そういう場合にはそれなら政府の持株行使のできるように現行法を改正して、そのように持つて行こうというお考えがあるかどうか、その点をひとつ伺つておきます。
#30
○愛知国務大臣 ちよつと私の申し上げ方が足りなかつたと思うのでありますが、現行法でこれとこれは政府の持株の代表者だというようなかつこうで法律上入れるという解決は現行法ではむずかしいのではないかと思うということを申し上げたのでございますが、政府は必要と認めました場合には、株主でない人たとえばA、B、Cというそれぞれの人を適任者と認めまして、これを重役にするということで事実上手続を運ぶことはできると思います。さような意味におきまして人事上重大な関心を持つて監視して行きますことは、実際上の問題としておそらく私はただいまお述べになりましたことと同様のことを事実上行うことになると思うのであります。
#31
○伊藤(卯)委員 どうも本会議のベルが鳴つて何かせき立てられているようで、私の質問は十分できませんが、どうも私ども割切ることができないのですが、今大臣が御答弁なすつた意味は、現役官吏、いわゆる政府委員は入れられないが退官をした人とかそういう人を政府代表というような意味で入れようというような意味にとるべきですかどうですか、その辺がよくわかりません。
#32
○愛知国務大臣 その辺は人事であり、かつ今のところ仮定の問題でございます。私も率直に申しますが、そういう場合があると思います。それから公務員官吏の経験のないような人で、しかし石油業に明るいとか、あるいはたとえば労務担当重役として適当であるという人であるとか、そういう方々を広い視野から選考して政府がこういう人を候補者として重役会に送り込むということは当然あり得ることだと考えます。
#33
○伊藤(卯)委員 これは意見になるから申しませんが、現在まだおられる人、こういう人々が退官をされて、その会社に入られるということになつて来ると、私は現役中におもしろからざる疑いを受けるというようなこともなきにしもあらずと思います。退官した者を政府代表として入れるということを今大臣がおつしやるということになると、そこにはやはり暗に帝石との間に因果関係というか、取引というか、おもしろからざる誤解を受けることは、私ははなはだその人にとつても気の毒と思いますし、そういう人を入れるということになると、これは後日問題になります。だからもし大臣が今おつしやつたようなことをやられようとするならば、私は相当意見がありますが、この点どうですか。
#34
○愛知国務大臣 私は非常に率直に申し上げておりまして、たとえばきようならきよう現在で通産省の役人をやつておる者は、どんな人間でもそういう場合に推薦できないのだと言われてしまうと、これは困ることもあるというくらいの意味で私は率直に申し上げたのであります。それからなおこれは御承知の通り人事院規則その他の関係もございまして、たとえば鉱山局長は現在川上君で、ここにおられますが、川上君をあした帝石の重役会に政府代表として送り込むということは、そういう面から言いましても不穏当だと思う。しかし全然そういうことはできないのだと言われると、ちよつとそこのところ困るんじやないかということを考えまして、率直に申し上げたのであります。
#35
○伊藤(卯)委員 私はこれは疑問を残しておくことは非常におもしろくないと思いますので、くどいようでありますが、今川上局長の問題が出ましたから、私は川上局長の名誉のために聞きたいと思うのであります。今大臣がおつしやつたようなことになつて、もし川上局長が退官でもされて入られるということになると、川上局長がここで議論したことがはなはだ不名誉になるようなことになつてお気の毒と思う。そこで退官した人を入れるということでなくして、そういうやむにやまれない、ほつておけないという場合には、法案を改正してでもほんとうの正式な意味においての政府代表を入れるということが一番筋が通つておると思うのです。そういうように大臣この際はつきり言明を願えるなら、私はこの方が正しいと思うのですが、どうですか。法案を通す上においてその点を一言伺つておかぬと、私もちよつと考えなければならぬ点があると思うのです。
#36
○愛知国務大臣 その点はちよつと今お答えしにくいと思いますが、そういう例が他にあるであろうかと思うのであります。法律上政府の代表者として現役の役人を重役に入れて特殊権を行使することは、ちよつとないのではないかと私は思うのであります。それよりも広く人材を求めて、事実上の株主権の行使、あるいはさらに強い監督権を背景にして、広く人材を求めて適任者を入れるべきである。その場合に広く人材をということになれば、その中には役人であつた人も入れて排除しないようにしていただかないと、広く人材を集める趣旨に反するのではないかと考えておるわけでありますが、御趣旨の点は十分わかりました。
#37
○伊藤(卯)委員 退官した人は民間人であります。きようまで官吏でありましても、あす退官すれば民間人であります。その民間人を政府代表ということでは筋が通らないと思う。少くとも退官した人は政府代表ではない。政府代表というのは現役の政府の官吏である。この意味を明らかにしてもらいたいと思います。
#38
○愛知国務大臣 これは非常に法律的、形式的な御議論とすれば、まさにその通りであります。あなたのおつしやることは、形式上、法律上としてはよくわかるのでありまして、その通りだと思います。私は実質上御説明いたしたわけでありますが、それならこれからどうするかということでありますけれども、おそらく現在の制度では、伊藤さんのおつしやるように、現役の役人を帝石の取締役にすることはちよつとできないのはないかと思います。しかし今ここで私とつさに考えついたことでありますが、たとえば監理官という制度があります。これは実質上現役の官吏である。これを帝石というような公共的な仕事をやる民間の会社に対して派遣する。そうして重役会に列席し、重役会の決定等とついて異議を申すとか、監督権を行使するとかいうような制度は、考慮できると思います。現在の制度でありましても、もしこの法律の中にさらに監理官というような制度を法律化するということであれば、そういうことはできると思います。
#39
○伊藤(卯)委員 だんだん問答をしているうちに、大臣の考え方も一応整理されて来たようです。退官者は民間人である。民間人は政府代表でない。必要によつて監督上政府がほつておけない場合には、監理官のようなものをつくつて帝石とのこの運営において国家目的に沿わしめるようにする。最終的にこういうことを考える一つの道があるのではないかという御答弁でありましたが、それは確かにあろうと思います。最終的にそういうようなことをお考えになつておるということをよく了承いたしまして、私の質問を打切つておきます。
#40
○大西委員長 他に御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、両案に対する質疑は終局いたしました。引続いて討論を省略して、両案を一括して採決いたします。両案に御賛成の諸君は御起立を願います。
#41
○大西委員長 起立総員。よつて両案はこれを原案の通り可決すべきものと決しました。
 この際小平久雄君外六名より、石油資源探鉱促進臨時措置法案について附帯決議案が提出されておりますので、提出者の趣旨弁明を許します。小平久雄君。
#42
○小平(久)委員 各派の共同提案になりました決議案について、その趣旨弁明をいたします。まず附帯決議案文を朗読いたします。
  石油資源探鉱促進臨時措置法案附帯決議
一、石油資源の探鉱及び開発に関しては、その重要性、緊急性に鑑み具体的推進力たる予算的措置を強化すること。
二、政府は帝石の持株につき積極的に権利を行使し、本法の監督権と相俟つて増産の実績を充分あげさせるよう措置すること。
三、帝石重役陣の内紛が今後絶対起らぬよう厳重に措置すること。万一再燃する場合は円満解決するまで昭和二十九年度の助成金を支給しないこと。
四、帝石が、その使命を充分速成せざるときは、本法の活用により、石油試掘権の集中的偏在を排除し、以て、開発の合理化に務めること。
五、国家助成をうける石油採取事業の公益性にかんがみ、配当については他の公益事業と同様にすること。
六、わが国経済自立の立場から科学技術を振興し、人造石油の生産にも努力すること。
これは別段御説明をすることもございません。ただこれの内容につきましては、本委員会におきます審議の過程を通じまして、各委員から熱心に論議されたことを大体とりまとめたわけでありますので、本案に対しまして全委員諸君の御賛同を願いますと同時に、可決の上は政府当局においても十分尊重されることをお願いいたしまして趣旨弁明を終ります。
#43
○大西委員長 以上で趣旨弁明を終ります。本決議案に御賛成の諸君は御起立を願います。
#44
○大西委員長 起立総員。よつて小平久雄君外六名提出の附帯決議案は可決せられました。
 この際政府当局より発言を求められておりますのでこれを許します。愛知通産大臣。
#45
○愛知国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議は、いずれも私どもといたしまして、その御趣旨におきましてごもつとものことと確信いたします。この御趣旨を体しまして今後措置いたして参りたいと思います。
#46
○大西委員長 この際お諮りいたします。両案に対する委員会報告書作成の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
#47
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
 本日はこの程度にて散会いたし、次会は明日午前十時より開会いたします。
    午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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