くにさくロゴ
1953/05/19 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第50号
姉妹サイト
 
1953/05/19 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第50号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第50号
昭和二十九年五月十九日(水曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 中村 幸八君
   理事 首藤 新八君 理事 山手 滿男君
   理事 加藤 鐐造君
      土倉 宗明君    笹本 一雄君
      長谷川四郎君    柳原 三郎君
      加藤 清二君    齋木 重一君
      帆足  計君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       古池 信三君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (重工業局航空
        機課長)    井上  亮君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長の選任
 参考人招致に関する件
 航空機製造法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一三八号)
    ―――――――――――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 まず参考人招致の件についてお諮りいたします。すなわち砂利に関する問題について、参考人より意見を聴取いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
 なお参考人の人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#4
○長谷川(四)委員 異議があります。たとえば私の方の県の群馬県だとかあるいは埼玉県だとか、大きな河川を持つている県の土木部長というような立場の人を、一ぺんに参考人を五人も十人も呼ぶわけにはなかなか行かないから、こういう人を交互に三回くらい、無理ならば二回くらいに呼んでもらつて、そうしてよく納得させなければいかぬと思う。なおその上に被害をちよいちよい受ける河川と一番関連のある市町村の専門の方々をやはり呼んで、そうして一応納得させなければいけない、そういうふうに私は思います。ですから委員長におまかせはいたしますけれども、そういうことを十分お含みの上人選をしていただきたいということをお願い申し上げます。
#5
○大西委員長 長谷川君の御意見を加えまして私に一任ということで御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○大西委員長 次に航空機製造法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川君。
#8
○長谷川(四)委員 この法案に対しましていろいろむずかしいことはやめて項目々々に伺いますから、ごくわかりやすく簡単にひとつお答えください。
 第一番にお伺いしたいのは、航空機工業というものの現状がどうなつているかということが一点。それから航空機工業としての現在と将来の見通しは、どのように考えておられるかということ、それから航空機の製造だとか修理についても、武器と同じく出血受注をしているというようなことをよく聞くのですが、この点はどうなつているか、まず以上の三点からお伺いいたします。
#9
○古池政府委員 ただいまのお尋ねにお答えを申し上げます。まず第一に、航空機工業の日本における現状はどうであるかというお尋ねでございますが、御承知のようにわが国の航空機製造事業は、昭和二十七年の四月九日その生産が許されたようなわけでございまして、この日から初めて航空機工業の再建の第一歩を踏み出したと申してもよかろうかと思うのであります。爾来二箇年を経たのでありますが、この間に、具体的に申し上げますと、富士重工業会社のTI三四型の練習機、川崎航空機のKAL連絡機及びHI一三型ヘリコプター、東洋航空機会社のTTI一〇型練習機及びFDI二五型練習機あるいは対地攻撃機、これらの試作がこの二年間に比較的活発に行われて参つたのであります。そうしまして昭和二十八年度におきましては、予算によつて保安庁が初等練習機、連絡機、小型ヘリコプターの国産品を購入する契約を行つておるのであります。さらに航空機用の機器の問題といたしましては、これは申すまでもなく航空機の生産がただいま申し上げましたような、ようやく軌道に乗つたばかりという状態でありますので、この航空機に必要といたします機器につきましては、たとえば東京航空計器会社とか萱場工業、川崎航空機会社等が計器あるいは降着装置、航空発動機等の試作を行つておるという程度でございます。これも航空機自体の生産がさらに一層活発になつて参りますれば、これに伴つて航空機用の機器の生産もおのずから増進して参るものと考えておるような次第であります。
 なお特に申し上げておきたいと思いますのは、航空機の修理であります。これは特に米国の極東空軍機の修理が盛んにわが国に発注されまして、すでに今日までに部品の製造をも含めまして、約一千万ドル以上の発注を受けておるのであります。なお新三菱重工業、川崎航空機、昭和飛行機等が中心になりまして、いわゆるオーバー・ホールをいたしておる。また本年の初頭からはジエツト機の機体のオーバー・ホールも発注されておるような次第であります。将来はジエツト・エンジンのオーバー・ホールも新しく発注がされるのではないかと期待を持つておるような次第であります。これを要しまするに、航空機工業の生産並びに修理の額といたしましては、昭和二十七年度が約二十億円、昭和二十八年度が約二十五億円、本年度におきましては、見込みとして五十二、三億を予想いたしておるようなわけであります。これがわが国におきます航空機工業の現状であります。
 さらに今後の見通しいかんというお尋ねに対しましては、これは見通しのことでありますから、確実なことは申し上げられぬのでありますが、大体二十九年度の中には、保安庁の需要と米国の極東空軍の発注による生産あるいは修理が中心になるであろうと思われます。その額は、今申し上げましたように五十数億ということを考えているのであります。さらにこのほかに、将来は東南アジア諸国の新しい市場を開拓いたしまして、これに対して輸出するという可能性が相当に期待してもいいのじやないか、かように私は思つておるのであります。それからまたMSAによる域外調達、この発注にも応じまして、かような面において、航空機工業の将来としましては、相当な期待を持つてよろしいのではないかと思つておるのであります。
 最後に、現在までわが国の航空機工業が、いわゆる出血受注というようなことになつていないか、こういうお話でございますが、現在極東空軍から発注されておりますオーバー・ホール並びに部品について申しますと、その契約価格は、いわゆる口数計算によつて行われておりまして、一つのマン・アワー九十セント程度でございますから、この程度では出血ではない、かように考えております。
#10
○長谷川(四)委員 そういたしますと、二十七年度に比べて非常に大きな数字で、つまりオーバー・ホールというか、修理代というものがかさまつて来て、本年度は五十三億というような大きな数字が出て来ておりますが、これは保安庁も含まれているというのですけれども、保安庁のほかに、どういう理由でこういうように額がふえているかということが一点、これは課長の方がわかつているかもしれないから、課長にお伺いいたします。
 それからもう一つ、パイロツトの方は依然として、たとえば日航機というようなものは外人がパイロツトになつているのですが、これはどういうふうな契約になつていて、将来はどのように考えているか、この二点について伺いたい。
#11
○井上説明員 まず第一点につきましては、五十三億円という見通しを立てているわけでございますが、保安庁の昭和二十九年度の発注額は、現在予算に計上しておりますものは、約メンター三十機でございます。メンターは大体一台価格が二千万円程度でございますので、約六億円程度がこの保安庁の発注に相なるかと思います。それからさらに極東空軍のそれ以外の発注といたしましては、主として極東空軍からのオーバー・ホールと部品の発注が主体になるというふうに考えるわけでございますが、最近極東空軍から日本の航空機メーカーに対します発注は、非常に量的にふえて参りまして、ごく最近では、先ほど政務次官から御答弁のありましたように、ジエツトの機体のオーバー・ホールの発注も行われまして、引続いて本年の七月くらいからは、ジエツト・エンジンのオーバー・ホールが大量に発注になると聞いております。大体月産百台ぐらいのオーバー・ホールが始まるというふうに聞いているわけでありまして、さらにジエツトの機体につきましては、現在のまだ教育発注程度のごく少数に限られておりますけれども、これが日本側の工場の整備が進捗しますにつれて、相当にふえて参るという計画があるわけでございます。そういうような内容で、昭和二十九年度の見通しとしましては、およそ五十億円余りの金額に上るのじやないかというふうに考えております。
 それから第二点のお尋ねの、外人のパイロツトの問題でございますが、この点は実は運航関係の問題になりますので、運輸省の問題かと思いますけれども、私ども知つております限りについてお答え申しますと、現在では御承知のことと思いますが、空の管制が英語で行われておりまして、よほど英語に習熟していないと、なかなかパイロツトが相勤まらないというような事情がありまして、勢い外人のパイロツトを使いがちになるということのように聞いております。もちろん日本人のパイロツトで悪いということは法的にはないわけでございますけれども、そういう事情から、外人のパイロツトが多いと聞いておるわけであります。ただこれは運輸省の問題ですから私の方で御答弁する限りではないのでありますが、運輸省あたりが私どもに申しますところによれば、今後はできるだけ日本人のパイロツトを多数使つて行きたいということを申しております。
#12
○長谷川(四)委員 管轄外になるかもしれませんけれども、たとえば保安庁で今度使う場合は、保安庁の保安隊員のパイロツトを使うというふうに解釈してもさしつかえないのですか。
#13
○井上説明員 保安隊の場合は、当然日本人のパイロツトが操縦して行くことになるだろうと思います。
#14
○長谷川(四)委員 航空機の工場については相当巨額な投資が必要だということになつているのだが、どれくらいの金額が現在投資されているか。あまりはつきりしたことはわからないでしようが、大ざつぱにどのくらいの金額が投資されているかという点についてお聞きいたします。
#15
○古池政府委員 ごく大ざつぱに申しまして約二十億くらいが投資されておると考えております。
#16
○長谷川(四)委員 憲法第二十二条第一項の問題と許可制度の関係をどういうふうに考えているかということが一つの焦点にもなろうと思うのだが、こういう点についてどういうふうにお考えになつておられるか。
 もう一つ、ジエツト機の生産を助長する目的で改正されるというお話であります。さらにまた憲法第九条の戦力保持禁止の規定に牴触するかしないかということもわれわれは一応考えておかなければならないと思うのでありますが、そういうような点についての考え方を明らかにしていただきたい。
 もう一つ、現行の航空機製造法と航空機製造事業法とはどういうふうな関係になつているかということ、これもはつきりとしておかなければならないのではないかと思うのですが、この三点についてお伺いをいたします。
#17
○古池政府委員 まず第一のお尋ねでございますが、憲法第二十二条第一項には「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」とあります。これに対しまして許可制度をとるということは、これに反するようなおそれはないであろうか、こういうお尋ねと承りました。この憲法の解釈はなかなかむずかしいと存じますけれども、職業の選択につきましても全然自由放任ということはこれは考えられないことでありまして、それが公共の福祉にそぐわないという場合には、やはりある程度の法律をもつて制限をすることもやむを得ないのではなかろうかと思います。従つて公共の福祉というものはどういうものであるか。あるいはこの公共の福祉に反する場合はどういうことであるかということは、これは個人々々が主観的に考えても始まらないことでありまして、要するに法律等によつてはつきりときめて、その法律に基いて制限を受ける、こういうことであろうかと思います。従つて現在の航空機工業の実情あるいは将来の見通し等から考えまして、これを無制限に自由にまかせておくということは、結局そのために業界の混乱を来したり、あるいは資本設備の非常に不経済な使い方になるということに相なりまして、結局におきましては、わが国全体の公共の福祉に必ずしも合致したいというおそれが出て来るだろうと思うのであります。従いましてここに許可制度をとり、法律によつてはつきりとその許可の基準を定めて適当なる調整の措置を講ずるということは、決して憲法の第二十二条の精神に反しないものである、かようにわれわれは確信をいたしておるのであります。次にお尋ねになりましたジエツト機等の生産を今後盛んにやつて行くということは、いわゆる憲法第九条における戦力ということにならないか。すなわち第九条の違反にならないかというお尋ねであつたと存じます。この戦力がどうかという問題につきましては、すでに国会におきましても他の会議においても盛んに論ぜられたところでありまして、現在政府のとつております見解といたしましては、近代的な戦争を遂行するに足る程度の装備編成を備え、かつ人的、物的に組織された総合的な力をもつて戦力と見るべきである、こういう解釈をとつておることは御承知の通りだろうと存じます。従いましてここに武器をつくるといたしましても、その武器そのものは、ただいまのような定義から言いますと、戦力ではないのであつて、あるいは将来戦力を構成する一つの要素ににはなるかもしれませんけれども、ジエツト機そのものが戦力であるというふうな解釈にはならないだろう、従つて第九条に違反する心配はない。かように考えておるのであります。
 それから第三番目に、従来の航空機製造法を今回改正いたしまして、航空機製造事業法となるわけでありますが、その違いはどうかということでございますけれども、従前ございました航空機製造法におきましては、大体事業の運営は届出制によつておつたのでありますが、今回事業法といたしまして、ある程度の許可制度をとり、これによつて適切なる調整を政府がやつて行こうというところにおもなる違いがあるであろう、かように考えております。
#18
○長谷川(四)委員 私が聞くところによると、また見ても来たのでありますが、検査の方法が依然として二元行政ということになつております。この点も今回の改正とともに改正なされる考え方を持たなかつたか。また保安庁の発注する航空機の検査についてはどういうふうにする考えを持つているのか、つまり保安庁が行う検査と重複をするような感があるのだが、こういう点はどういうふうに考えておられるかということが第二点、もう一つは保安庁の航空機の製造業者については本法の適用はどうなつているのか、こういう三点についてもお伺いします。もう一つついでに伺いますが、現行の航空機の製造法に基いて製造または修理設備の検査に合格しているものは、再たび検査を受けることになるのかどうなのか、以上の四点をお伺いいたします。
#19
○古池政府委員 まず第一のお尋ねでございますが、御承知のように、航空機に対します現在の主管官庁といたしましては、通商産業省と運輸省がこれに当つております。しかしその分野につきましては、はつきりといたしまして、通商産業省におきましては、その生産技術の面、機体なりあるいは機器の生産自体を主管しておりますし、運輸省においてはこの航空機を用いて運航する、その方面を主管いたしておるわけであります。従つて検査の問題につきましても、両省が検査をいたしておるということは、一見いたしますと、二重の行政のようにも思われますけれども、しかしただいま御説明申し上げましたような趣旨によりまして、その目的とするところもまつたく違つておるのであります。すなわちわれわれの方の検査は、生産技術上の見地から機体あるいはその生産工程において検査を実施するのでありまして、運輸省におかれての検査は、航行の安全ということを確保する意味合いから検査をされるのでありまして、お互いの間に重複することはないと考えております。
 それから第二にお尋ねのありました保安庁の発注する航空機の検査と、またこの航空機製造事業法による検査との間に重複がないかということでございますが、これは、いやしくも航空機であります以上は、それが保安庁の発注するものであろうが、あるいはまた極東空軍あたりが発注するものでありましようとも、いずれも本法によつて適正なる検査を受けることは当然でございます。これが保安庁で検査をするという場合は、この航空機を調達する立場として、検収的な意味から検査を実行するのでありまして、これもまた保安庁としては当然やるべきものと考えます。従つてその間に目的も違いますし、重複のおそれはないと考えております。
 それから第三番目のお尋ねでございますが、これは保安庁の発注いたします航空機におきまして、その航空機を製造する業者に対して本法の適用がどうなつておるかというお尋ねだと考えます。これはもちろん本法の適用を受けるのでございまして、ただその場合特殊なる構造を有するもの、すなわち武器を搭載したり、装備するというようなものにつきましては、その許可にあたつてあらかじめ保安庁長官の意見を聞いて、十分なる連絡の上で、通商産業大臣が許可を行うということになつておるのであります。それ以外のものにつきましては、全然他の一般の航空機と同じ取扱いをいたしておるのであります。
 それから第四番目の問題につきましては、これは便宜上課長からお答えをいたすことにいたします。
#20
○井上説明員 第四番の御質問は、検査につきまして、現行法で検査を受けて合格しているものにつきまして、本法が通過しましたあかつきに、再び検査を受ける必要はあるかというお尋ねでございますが、これは本法の附則におきまして経過規定がございますが、その経過規定におきまして、現在検査に合格している設備につきましては、法第二条二の許可を受けた特定設備とみなすことになつております。それからまた合格している製造または修理の方法等につきましても、改正後の法第六条第一項、第九条第一項、第十一条第一項または第十四条第一項の認可を受けたものとみなしておりますので、業界に御迷惑をかけないように配慮いたしておるわけでございます。
#21
○長谷川(四)委員 私は、二元行政ということは単にこの航空機の問題にあるばかりでなくて、たとえば自動車の問題にしてもそうなんであつて、現在日本がこれほどガソリン、要するに石油が逼迫しておるにもかかわらず、毎日毎日自動車はふえて行くので、ガソリンを制約するんだ、輸入を制限しなければならない、こういうところに非常な矛盾が私はあると思う。次官はどういうふうにお考えになつておるか知らないけれども、たとえば英国あたりの例をとるならば、まずガソリン、石油は無制限にあるんだ、しかしそれを使うところの自動車そのものが制限をされている。であるから必然的に政府の予算通りのバランスがとれるようになつて来ておる。こういう点について、現在次官はどういうふうにお考えになつておるか。私はときどきこういうことを御質問を申し上げておるのですが、どうしてもガソリンすなわち石油を制約をするという考え方を持つな、車そのものを制限しなければならないのじやないか、こういうふうな案について、たとえば運輸省とどういういうような交渉段階に入つておるかといえば、これもさつぱり明らかでない。通産省も運輸省も一つの政府だ。一つの政府でどうしてそういう矛盾だらけのことをやらせるのかということを私は常に申し上げておる。これは話のついでだから言うのでありまして、御答弁をしてくれというわけではないのです。ですけれどもこういうような点、たとえば、今度の航空機の問題に対しても、私は非常にそういう点に矛盾が生じて来はしないか。将来を考えた場合に矛盾が生じて来るからこれは何とか一元的な方法でやらなければならない。なるほど次官のおつしやる通り、航空安全のためにやるんだ、この機械製造そのものも航空を安全ならしめるために、その目的は旅客を安全に、しかもその完全な機能を発揮させるために行うということで、目的は一つなんです。ですからそういう一つの目的のためにどうして二元的な行政をやらなければならないかということが私にはふしぎでならない。ですから少くとも今度改正というようなことを考えた場合は、そうしてもらいたいというのが私の考え方である。けれども依然として二元的な行政をここにしなければならないということになつて来ているのですから、今後もあることなんで、十分この点には御考慮を願わなければならぬと思う。いずれにしても一つの政府なんです。自由党内閣である。その自由党内閣のもとに今の運輸省があり、通産省があり、その中に大臣があり次官があるのだから同じわけなんだ。一軒の家なんだから、私はそうこだわらないで政治をやつてもらわなければならないと思う。結局そういうような矛盾した政治を行つた結果はだれが困るんだ、だれが損害を受けるのか。これはやはりみな国民でございます。国民という一つの対象のものに各政党が生れ出ておる。社会党も共産党も自由党も改進党も八千五百万という対象一つのもとに生れ出ている政党なんだ。ただ政策とか主張するところが違うだけであつて、対象は八千五百万国民一つしかない。その対象に対して行う政治であり、その行う政治をある一政党が政権を担当している以上はそうしなければならないのじやないか、そういうふうに私は考えております。次官も、その点についてお考えがあるならばそれをお聞きしますけれども、何らお考えがない――と言つてはおかしいが、意見があるとするならば御答弁をお願いします。さらに次にお伺いをいたしますが、事業の許可制をとれば自由競争のよさが失われはしないかということ。それからそういう点についてはどういうふうに考えていられるかということ。
 それからどういう範囲において許可を行うつもりなのか。この許可の方針というものが私はあるだろうと思う。
 それから許可基準というものは非常に抽象的であり、官僚独善、と言うとまたぐあいが悪いかもしれないが、そういう弊があります。こういう弊があるのだが、それについてどういうふうに考えておるか。これはわれわれの通常の言葉で言うと、民主的に運用するかということになるのだが、こういう点についてどういうようにお考えになつておるか。
 それから事業の許可基準というものによれば、事業を的確に遂行するに足りる経理的基礎があることとか、あるいは下請制度を無視して特定の設備があることが要求されているが、これは大体大企業の擁護であるというようにもこの間いろいろの業者から承つたのですが、この点について、たとえば下請企業や中小企業を圧迫するというようになりはしないかというようにも考えられるから、そういう点についてひとつ明らかにしておかなければならないと思いますのでお伺いいたします。
#22
○古池政府委員 まず最初に行政が二元的に流れて、その弊害というものは結局国民が受けることになるのだが、不都合ではないか、そう思わないかというお尋ねでございます。これは確かにそういう面も出て来るおそれがあるのではないかと思われます。しかしながら現在の政治行政というものが、御承知のように非常に複雑化し、専門的になつて来ておりまするから、これをただ一つの省で何もかもやるということは、だんだんと困難になつて来ておるわけです。そこにおのずから各省がわかれて、それぞれ分担して仕事をやつておる、こういう状態であると思います。従つて航空機の問題にしましても、自動車の問題にしましても、これをつくることからこれを運行させる点まで全部一つの省が主管すれば、そこに何らの矛盾もなく、円満に行くのではないかというお尋ねは、私もまさにごもつともであると存じます。さらに油の問題にしましても、油の輸入をし、油をつくるという行政をやつておるところと、またこれを多く使つておる自動車の運行を主管しておる省とが違うということは、そこにまた支障が起つては来ないかというお尋ねもごもつともであると思うのでございますが、しかし現実の問題として、これらの行政事務を一人の大臣が一省において主管するということが困難であるとすれば、そこにやはりある程度の線を引きまして、そうしてそれぞれの持つております役割をはつきりして責任を明確にする、その責任に基いて受持の仕事を完全に行うように努力をし、さらに両者の間に意見が食い違うというような場合には、内閣の閣議において十分に協議をして調整をとつて行く、こういう方法が今とられておるのでありますが、現状といたしましては、まずそれが考えられる最も妥当な方法ではないかと存じております。従つて一つの内閣としてその間に意見の齟齬を来して調整がとれぬというようなことがあるとすれば、これは内閣全体の責任であつて、そういうことが多く続出いたしますならば、これははなはだ遺憾なことであつて、むしろ内閣の責任とも申すべきものではなかろうかと思います。従つてそういうようなことがないように、われわれとしては協力をして、努力をする義務があると考えております。それから続きまして大体かような航空機製造事業を許可制をとるということになれば、自由競争によるよさというものが失われはせぬかというお尋ねであります。特にわれわれ自由党といたしましては、できる限り自由競争をして、それぞれの力を最も自由に活発に発揮させて、そこの有利な点をとつて行こうというのが政策でございますから、これに対して許可制をとるということは、一応その自由を縛るようなふうにも考えられますけれども、しかしながら、ものと場合によりまして、航空機の製造というような大きな設備と資本を要します事業を野放図に放任いたすということは、かえつて自由競争のよさというものを実現するよりも、自由競争の悪いところをそこに打出して来るおそれが多分にある。従つて政府としてはこれに一定の法律に基く基準をつくりまして、適切なる調整の措置をとつて行くということは、むしろ事業の発達のために望ましいことでありまして、これによつて自由競争によるよさというものはできるだけ生かしながら、逆に自由競争による弊害の方をためて行きたい、かように考えておるのであります。それからその場合に許可の対象はどういう範囲のものを考えているかというお尋ねでございますが、これもできるだけ許可の対象にする必要の小いところは除外いたしまして、大体滑空機を除きました一般航空機用の原動機、航空機用プロペラ、回転翼、電子機器等の製造事業あるいは修理事業を許可の対象とする考えで進めておるのであります。一体この法律による許可基準というものは抽象的であつて、これが運用に当つては、ともするといわゆる官僚独善の弊が出て来ないか、こういうお尋ねでありますが、この辺は行政運用の問題でございますけれども、十分法に規定された基準をできるだけはつきりいたしまして、運用に当つて適正を期することはもとよりでございます。
 なおこれにつきましては、通商産業省に設置されておりまする航空機生産審議会においていろいろと方針その他の大綱を定めてもらいまして、それに基いて、いわゆる官僚独善の弊を残さないような方法で、できる限り民主的に運用して参りたいと考えておるのであります。
 それから最後に、この航空機製造事業法によつて結局大きな企業が助かつて中小企業は圧迫されるのではないであろうか、こういうお尋ねでございます。元来航空機製造事業というような事業そのものは、あまり小さい事業者としては、その手の及ばない、むしろ大事業が経営するに適当なる仕事であるという見方も大いにあると思いますが、しかしながらまた考え方によりましては、それらの航空機製造というようなものは、幾多の部品の組合せによつて成るものでありまして、部品々々が相当専門的な技術あるいは資材を必要とするものである以上は、一つのまとまつた企業のさらに下請という形におきまして――下請という言葉はいかがかわかりませんが、これの協力事業として中小業者が十分にその力を伸ばして協力して行くことが将来できる事業である、かように確信しております。従つていたずらにこの事業の発展に伴つて、中小企業が圧迫されるという心配はない、むしろやり方によつては中小企業の新しい生きる道が生じて来るのではなかろうか、かように考えておるのであります。
#23
○長谷川(四)委員 先ほどのお答えの中に、エンジンの製造は大体試験程度だというようなお答えのようでございます。課長でないとわからないと思いますが、現在の試験程度といつても、試験というものがどの程度まで進んでいるのか、それでもその試験の完成したものを一つの機体としてとりつけてその運転をしたことがあるのかないのか、こういう点について伺つてみたいのですが、たとえばその部品の製造ということになるのだが、いろいろの飛行機があるだろうけれども、国内ではどういう規格の部品が製造されているのか、数ある中の全部の品目が部品ともて発注されておるのか、こういう点でございます。それを伺つてみたいと思うのでございます。
#24
○井上説明員 エンジンの生産の現在の段階につきましては、先ほど政務次官のおつしやいました通り、まだ試作程度の域を出ておりません。修理はもちろんやつておりますが、その程度の段階でございます。このエンジンにつきましては、一応御説明の便宜上、いわゆるレシプロ・エンジンとジエツトエンジンと二つにわけまして御説明申し上げたいと思います。まずレシプロエンジンの方につきましては、現在試作をしております会社は、川崎航空が約二百二十馬力程度のレシプロ・エンジンの試作をやつております。富士重工業も三百馬力くらいのやや大きいタイプでございますが、その試作を現在やつております。それ以外には現在のところレシプロ・エンジンの試作は行つておりません。ただ新三菱重工はもうちよつて大型の六百馬力から千五百馬力程度のエンジンにつきまして、これは極東空軍から部品の発注が近く行われるというような想定のもとに、これは米国のプラツト・アンド・ホイツトニーという会社から部品の製造権を買いまして、現在これの研究を行つておるという程度でございます。従いまして今お尋ねにありましたように、これを完成して国産のエンジンを機体に取付けたというような域には達しておらないわけであります。それから部品につきましては、エンジンの生産段階がその程度でございますので、まだ部品の生産というようなところまで進んでおらないわけでございます。
#25
○長谷川(四)委員 しつこいようですが、もう一つ伺います。たとえばアメリカならアメリカ、英国なら英国というように、外国から部品の発注があつて、その発注された部品を製造して、さらにこれが輸出という形になつて現われたということは、御答弁によるとまだ今日ないということなんですが、そういうことは全然ございませんか。
#26
○井上説明員 まだ国産のエンジンが完成しておりませんので、国産のエンジンをつけた航空機が輸出されたことは戦後においてはございません。
#27
○長谷川(四)委員 私の質問の趣旨はそれと違うのであつて、たとえばアメリカなら、アメリカから、アメリカで使う飛行機の部品の注文を受けたことがないのかあるのか。部品の注文を受けて日本が輸出という形でアメリカならアメリカという国へ送つてやつたことはないか、輸出したことはないか、こういうことなんです。
#28
○井上説明員 そういう例はございません。
    ―――――――――――――
#29
○大西委員長 では次に昨日設置いたしました請願及び陳情書審査小委員会の小委員及び小委員長を御指名申し上げます。
  小委員
   小川 平二君   小平 久雄君
   始関 伊平君   柳原 三郎君
   笹本 一雄君   加藤 鐐造君
   齋木 重一君
  小委員長 小平 久雄君
 以上それぞれ御指名申し上げます。
 なお次会は明日午前十時より開会し、中小企業安定法の一部を改正する法律案及び航空機製造法の一部を改正する法律案につき審査を行う予定であります。
 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト