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1953/06/02 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第60号
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1953/06/02 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 通商産業委員会 第60号

#1
第019回国会 通商産業委員会 第60号
昭和二十九年六月二日(水曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 首藤 新八君
   理事 福田  一君 理事 中村 幸八君
   理事 山手 滿男君 理事 永井勝次郎君
   理事 加藤 鐐造君
      始関 伊平君    田中 龍夫君
      笹本 一雄君    長谷川四郎君
      柳原 三郎君    齋木 重一君
      帆足  計君    加藤 清二君
      伊藤卯四郎君    中崎  敏君
      川上 貫一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済審議庁次
        長)      長村 貞一君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 岩武 照彦君
        通商産業事務官
        (企業局長)  記内 角一君
        中小企業庁長官 岡田 秀男君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁生産部
        水産課長)   小池 弥六君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        二部輸入業務課
        長)      長尾  正君
        通商産業事務官
        (通商局長)  牛場 信彦君
        通商産業事務官
        (通商局輸入課
        長)      村上 公孝君
        通商産業事務官
        (通商局農水産
        課長)     森 日出哉君
        工業技術院院長 駒形 作次君
    ―――――――――――――
六月二日
 委員福田一君辞任につき、その補欠として植木
 庚子郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員植木庚子郎君辞任につき、その補欠として
 福田一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 福田一君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 参考人招致に関する件
 貿易に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大西委員長 これより会議を開きます。
 まず小委員会の参考人招致の件についてお諮りいたします。化学工業振興に関する小委員会において、有機合成化学に関し参考人を招致いたしたいとの小委員長よりの申出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
 なお参考人の選定につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
 次に閉会中小委員会を開会する場合に、小委員の補欠選任、参考人招致の点については、その都度、委員会において決定することを省略して、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○大西委員長 次に大臣より発言を求められておりますので、これを許します。愛知通商産業大臣。
#7
○愛知国務大臣 実は前回の当委員会におきまして、去る二月以来問題になりました可燃性織物についてのその後の米国との交渉の経過並びに米国の国会におけるその取扱い等につきまして、詳細に報告を求められたのでありますが、その件につきまして、今日までの経過を詳細に御報告申し上げたいと存じます。
 この問題につきましては、米国における可燃性織物法が、わが国絹織物及び絹製品等の米国向け輸出に打撃を与え、かつ同法の立法経緯から申しまして、特にスカーフ及びハンカチーフ等は人体に危害を与えるほど高度の可燃性を有するものではありませんので、これが適用を除外してもらいたいとの趣旨で、関係業界はもとより、政府といたしましても同法の適用緩和を米国政府及び議会筋に強力に要請して参つた次第でございます。また本件につきましては、衆参両院におかれましても、それぞれ政府に対しまして強い鞭撻、御激励の御趣旨の決議その他をちようだいして参つておるわけでございます。
 四月に入りましてから、米国政府及び議会筋におきましても事態の重大性を認識し、これが対策を検討してくれました結果、スカーフの本法よりの適用除外については、法律の修正を要し、ハンカチーフについては連邦商業委員会において行政的措置をもつて除外し得る等の点がまず明らかとなりました。
 法律の修正につきましては、米上院商業委員会、商業及び消費者利益分科委員会委員長ウイリアム・A・パーテル氏が四月二十日、本法の立法趣旨たる公衆の安全という点から見て、品等は不当に禁止される結果となつており、これが救済策として立法措置が必要とあらば、ただちに修正法案を出す用意ある旨の声明を行つたわけであります。四月二十九日、同分科委員会に対しまして、平板な表面の織物でつくられたスカーフを、帽子、手袋等と同様本法の適用から除外し、織物の可燃性に関するテストの基準を若干緩和する趣旨の修正案を提出してくれたわけであります。これが五月十一日同分科委員会、翌十二日上院商業委員会、さらに十七日に至りまして上院本会議を満場一致をもつて通過し、ただちに下院に回付されたわけでございます。下院においてはパターソン議員が、右のパーテル案と全然同一の修正案を十八日下院商業委員会に提出しましたが、一部の議員の間で多少の反対はある模様でございます。しかしながら大したこともなく、本法の施行期日は七月一日に予定されているわけでございますが、その七月一日以前に、前申しましたパーテル案とパターソン両案が、本会議で併合の形で通過する見通しがようやく明らかとなつたように見受けております。政府といたしましても、下院における修正案の取扱い方については、常に注視をいたしておるのでございますが、早くこれが通過するように、なお一層運動を継続いたしたいと考え、その措置をとつておるような次第であります。
 他方ハンカチーフにつきましては、前申し述べました連邦商業委員会におきまして、ハンカチーフが本法にいう可燃性の衣料なりやいなやについて、各方面からの意見書を五月十一日までに提出するよう発表してくれたのでありまして、日本側からも弁護人がハンカチーフのみならず、スカーフも同法にいう衣料ならずとの意見書を提出いたしまして、その結果五月二十一日付をもつて、ハンカチーフは可燃性織物法により禁止される衣料にあらざる旨の公式見解が公表されました。またスカーフが含まれるやいなやについては慎重に研究中であるとのことであります。
 以上をもちまして問題となりましたハンカチーフは除外が決定したわけでございます。スカーフについては除外の見通しが大となつたわけでございます。従つてスカーフ、ハンカチーフ等は現行通り輸出が可能となることが明らかとなつたと申してもよろしいと思います。スカーフ、ハンカチーフ用及び工業用等に使用される薄手の絹織物等の輸出が可能なりやいなや等の点につきましては、非公式でありますが、可能なりとの見解が漏らされており、これらの点についてはいま一層その明確化を求め、業界の不安を一掃いたしたいと考えておる次第であります。いずれにいたしましても、打撃を予想されたものの、本問題の解決にはほぼ所期の目的を達したとの見込みがついて参りましたことは、まことに御同慶にたえない次第でございます。
 申すまでもございませんが、衆参両院におかれまして本件についてなされました御決議の案分が米上院に報告され、好都合な効果をもたらした由でありまして、この点につきましてはあらためて感謝を申し上げるとともに、なお今後一層の御助力をお願いする次第でございます。
 以上が本件に対しましての今日に至りますまでの概略の経過でございます。
    ―――――――――――――
#8
○大西委員長 次に貿易に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。加藤鐐造君。
#9
○加藤(鐐造)委員 質問者が多いようでございますから、できるだけ簡単に質問いたします。
 先般の各委員の質問に対する大臣の御答弁によりますと、最近輸出の面においては大分好転して来たということでございます。しかし先般いただきました特需の資料――これは私の要求したものの一部分のように思いますが、これを見ましても、特需の両においてはおそらく政府が予定しておられるであろう数字にほど遠いものが載つております。こういうところから将来を勘案いたしますと、本年度政府が予定いたしております国際収支の面において、九千万ドルの赤字に抑えることがはたして達成できるかどうか、はなはだおぼつかないのではないか。私どもはそういう点を非常に心配しているのでございます。
 そこでまず第一にお伺いしたいことは、先般大臣の簡単な御答弁がございましたが、本年度に入つて五箇月間の貿易の状況、特に輸出の面を数字をもつてお示し願いたいと思います。
#10
○愛知国務大臣 先般もちよつと申し上げたと思いますが、ただいまお尋ねの年間九千万ドルないし一億ドルの赤字で国際収支を持つて行こうというのが、二十九年度の計画でございます。本年度の第一月である四月におきましては、国際収支のしりの赤字が八百万ドルでございます。従いましてもしこの八百万ドルという四月の状況が年度間このままの状態で参りますれば、大体予想通りになるということが、言えるのではないかと思うのでございます。
 貿易の方は、ただいまお話のございましたように、大体本年になりましてから各月、前年に比較しておおむね三割程度増加いたしまして、輸出信用状の開設状況等から見ましても、月に一億ドルを越えておりますので、これも大体この傾向が続けば、十三億ドルの輸出が達成できるかと考えております。
 輸入の方をLCの状況で申しますと、四月が一億四千七百万ドルの程度でございまして、前年に比べますれば相当に減少しているわけでございます。ただ、ただいま御指摘がございました特需関係につきましては、もし四月の程度にしか出ないといたしますれば、五億ドル余りになりまして、予想よりかなり低いのでございますが、これは季節的な傾向その他ももちろんございますし、今後の努力によりまして、できるだけ予想の通りの状況に回復いたしたいと考えております。なお一月以降の数字につきましては、別に御説明申し上げます。
#11
○加藤(鐐造)委員 一月以降の数字を発表していただくにあたつて、昨年度との比較を同時に発表していただきたい。
#12
○牛場説明員 一月から四月までの輸出につきまして数中を若干申し上げます。本年の一月から四月までの合計をいたしまして、四億六千二百万ドルでございまして、これに対しまして昨年の一月から四月までの数字は三億五千七百万ドルでございまして、差引して一億四百万ドル、二九%の増ということになつております。五月の数字がまだ出ておらないのでありますが、四月の輸出信用状の状況から見まして、四月より、五月はちよつと減るかもしれませんが、輸出信用状は、ただいま説明申しました通り、一億ドルを突破しております。昨年に比べればよほどよい状況であります。御参考までに昨年の数字を申し上げますと、昨年は輸出信用状が一億ドルを突破いたしました月は十二月だけでありまして、たとえば三月と比較いたしますと、昨年は七千五百万ドルの信用状であつたのが、本年は一億二千七百万ドルというふうにふえております。大体においてただいままでのところは順調に推移して来ていると思います。ただ内容を見ますと、ドルの輸出が伸び悩んでおりまして、ポンドが約二割六分ほどふえております。オープン・アカウントは昨年に比ベて倍くらいになつているという状況であります。内部的にはまだゆだんができない面もございますが、全体としては大体順調に推移いたしていると思います。
 輸入の方も最近は非常におちついて参りまして、昨年は大体輸入信用状発行高が二億ドルになんなんとするような状況で、十一月、十二月は二億ドルを突破しておつたのであります。本年に入りましてずつとおちついて参りまして、三月が一億八千万ドル、四月が一億四千七百万ドルという状況でありまして、五月が、第一旬におきましても、大体四月のペースで信用状は出ている状況であります。これは一つは買付の時期がだんだん過ぎて参つたこともございます。大体おちついて参つたということが言えると思います。従いまして輸出の見通しといたしましては、十三億ドル突破はこの調子で参ればできるんじやないかと考えおります。
#13
○加藤(鐐造)委員 特需の面は後ほどまた詳細に承りたいと思いますが、特需はおそらく五億ドルをあまり越えないであろうということは何人も想像するところでございまして、それ以上のことを今の情勢で望むことは無理ではないかと思います。そうしますと、二億数千万ドル特需の面において減るだけ、直接輸出の面で伸ばさなければならないということでありますが、最近の輸出が伸びた原因について端的にお示し願えればけつこうだと思います。特に最近のデフレ政策による効果がどの程度現われているか。たとえばコストの引下げという点がどの程度に現われているかというような点を、具体的におもなる品目別にお示し願いたいと思います。
 それと同時にさきに申しました最近の輸出の伸びた原因、それからどういうところに伸びているか。今ドル地域においては伸び悩んでいるが、オープン・アカウントその他ポンド地域において伸びているとおつしやいましたが、品目にいたしますと、どういうものが最近伸びているか。
#14
○牛場説明員 品目別に大体のところを申し上げたいと思いますが、第一に繊維製品でございますが、これは一―三月は非常に多かつたのでありまして、そのうちにはインドネシアに対する輸出が伸びたことが相当ございます。これはあまりに伸び過ぎましたので、繊維の輸出とインドネシアから輸入促進とをかみ合せたような政策をとつておりますことは御承知の通りでありまして、おそらく今月以降はインドネシア向けの輸出は幾らか減つて参るのではないかというふうに考えます。
 そのほかでふえましたのは、やはり日英協定関係のポンド地域向けの輸出でございます。これはまだこれから伸びて参ると存じます。
 繊維は御承知の通りコストにおいては、世界的に競争が十分できるのでありまして、難点は主として先方の輸入制限、それから当方の輸出の態勢が整つておらなかつたというところにあつたわけでございますが、こういう状況がことしは大分改善されるものと考えております。
 その次に鉄鋼でございますが、これは御承知の通り最近輸出が非常に伸び悩んでおるのでありまして、たとえば一昨年のごとき大きな輸出はなかなか望めないのであります。最近ブラジルとかアルゼンチンとか、あるいはインドネシアというようなところに対する輸出が伸びて参りました。品目別に申しますと、東南アジア地区に対する亜鉛鉄板の輸出が大分伸びております。三月のベースは昨年の下半期より上まわつておるという状況であります。さらに、ごく最近のアルゼンチンに向けた約一千五、六百万ドルの鋼材が出るような契約になつておりまして、非常に努力は要しますけれども、大体ことしの目標額というようなものは達し得るのではないかと考えております。
 その次に、最近非常に好調を示しておりますのは、船舶、鉄道車両等を含みます機械類の輸出でございまして、たとえば三月におきます輸出承認願は三千百五十万ドルということでありまして、これはここ二年来一番大きな数字を示しております。ことに三月は船舶の輸出の契約が多かつたのであります。このうちにはインドネシア向けのものも入つております。プラント全体といたしまして本年度は一億六、七千万ドル出そうという計画を立てておりますが、現在の状況で行きますれば、これは達成できるのではないかというふうに考えております。むしろ輸出銀行の資金の方が足りなくなつて来ておるというふうな状況であります。
 それからそのほかに雑貨類でありますとか、農水産物関係は昨年に引続きまして依然として好調でありまして、たとえばセメントなども先月は十万トンほど契約ができております。それからカン詰の輸出が非常に順調でありまして、みかんのカン詰――これは日英支払協定の結果英本国において輸入のライセンスを出したわけでありますが、予定額をはるかに突破いたしまして、つくつたものはみな売れたというような状況であります。それから現在さけをとる船が出ておることは御承知の通りでありますが、これも先般イギリスから買手の方が参りまして、日本でとれるだけのものは幾らでも買うのだというようなことを申しております。これは先方の英本国の食糧統制がゆるんで参つたこともあると思いますが、需要が非常に順調のように認められます。
 機械類の輸出につきましてコストの引下げその他がどの程度の影響があるかということは、これは実は詳しい資料を持ち合せていないのでありますが、しかし全体の気持から申しまして、とにかく国内の物価が下つて参るということ、また原材料輸入の外貨資金がきゆうくつになつて参るというようなことから、輸出に対する関心が非常に高まつて参つたということははつきり申し上げられるのであります。もちろん国際競争も非常に激化しておりますので、楽なものではないのでありまして、非常に努力をしなければならないと思いますが、しかし関心の高まつた結果としてそういうような動きが非常に活発に出て参つておるというふうに考えておる次第であります。
#15
○加藤(鐐造)委員 ただいまインドネシアの輸出の話が出ましたので、この際お聞きしておきたいことは、インドネシアに対しましては、たしか一億三千万ドルの貸越しになつておると思います。新聞の報ずるところによりますと、これが回収できるかどうかわからない。そうして輸出入のバランスの面においてもなかなか改善されない状態にあるわけですが、一体インドネシアに対する貸越しの問題は、近い将来において解決する見込みがあるかどうか。またその解決策はどういうことを考えておるか。これは対朝鮮の問題についても考えられることでありまして、多少事情は違いますが、朝鮮についても輸出入のバランスは近い将来においてなかなかとれない状況にあると思いますが、こういう問題については、どういう方法をもつて改善しようとされておるか伺いたい。
#16
○愛知国務大臣 インドネシア貿易の現状につきましては、ただいま御指摘がございましたようになかなかむずかしい問題でございますが、これを最近の状況から数学的に申しますと、昨年の六月の末、ちようど一年前になりますが、その当時の決済時におけるこちらからのインドネシア向けの出超額は約二千六百万ドル余りであつたと思います。このうち千五百万ドルはいわゆるスイツチ輸入で相殺されることになります。それから五百万ドルは昨年の十月十日にドル・キヤツシユで日本側に支払われたのであります。さらに六百八十万ドルの四分の一に当ります約百七十一万ドルが昨年の十二月三十一日に支払われたわけでございます。こうやつて参りまして、本年の六月末までに先方からこちらに支払わるべき金額は、今までたまつております旧債の一部の千万ドルと、それから今申しました百七十一万ドルの第二次支払い分と合せまして約一千百七十二万ドルとなつております。
 さらにスイツチ輸入につきましては、すでに達成された額は約千万ドルで、現在五百万ドル程度が達成されていないのでありますが、この実施につきまして目下インドネシア政府と交渉をいたしておるような次第でございます。これを要するに、政府としてはインドネシアからの輸入の促進に努力をしておるのでありますが、昨年来、従来は輸入の困難でありました石油のオープン・アカウントによる輸入が実現されましたし、また本年は粗糖の輸入が十数万トン計画されるというふうな状態になつております。最近インドネシアは賠償問題とも関連いたしまして、ことしの四月一日以降、たとえば日本商社の入国について厳重な措置をとるというような、なかなか相当にきびしい態度をとつておりますが、それにもかかわらず、日本・インドネシア間の政府側としての交渉につきましては鋭意努力しておりますが、その成果が徐々に現われて来てたるように見受けられるのであります。今後もその線に沿いまして十分の努力を続けて参りたいと考えます。
#17
○加藤(鐐造)委員 しかしこうした輸入と輸出のはなはだしくアン・バランスな面においては、ただ相手が買つてくれるからどんどん出すというのでは、かりに賠償ができても非常に長期になることになりますので、これは特別な方法を考えて行かなければならないと思います。たとえば最近インドネシアとドイツとの三角貿易の話が出ておるようですが、この問題は実現いたしますか。
#18
○牛場説明員 三角貿易のやり方として考えられますのは実は二つございまして、一つはドイツがイドンネシアの三品を日独イ清算勘定を通じて輸入するという方法、もう一つはインドネシアが日本の三品を日独イ清算勘定を通じて輸入するという二つの方法があるわけであります。日本とインドネシアとのバランスを減らすことに役立ちますのは第一の方法でありますが、これにつきましては昨年も二度インドネシアと交渉いたしました。本年になりましてドイツ側が非常に熱心に向う側といろいろ当つておるようでありますが、現在までまだインドネシア側で承諾いたしておりません。現在いろいろ賠償問題その他がございまして、日本に対する債務を減らすために特に努力しようというような気構えはまだ向うにないようであります。それが行き悩んでおる原因でございます。と同時にドイツの方でただいま非常に輸入の管理を緩和しております関係で、特に日本を通じて買わなければ買えないのだというようなものは少いということもあるわけでございます。しかしながらこれの実現につきましては、今後さらに努力したいと考えております。第二のドイツを通じてインドネシアに出すという方法は、日独イ清算勘定におきましても日本は赤字になつておりますので、これを減らすという目的があるわけでありますが、これにつきまして現在具体的に話がございまして、主としてドイツ側でもつてインドネシアと話をしておるような状況に存じております。
#19
○加藤(鐐造)委員 先回の委員会でもどなたからかお話がござましたが、現在の政府のデフレ政策は、少し金融と財政の面にのみ重点を置き過ぎて、これに対応するところの経済政策について比較的考慮がめぐらされておらないために、デフレ政策の効果としては相当上つておるようでございますが、しかしこれが行き過ぎて恐慌の一歩手前というところに来ておるのではないかというふうに思うわけでございます。もしこれが恐慌状態になりますと、今御報告になりましたような輸出が順調に伸びて参りましても、日本の企業全体が不安定な状態に陥つて来ると思うわけでございます。企業が不安定な状態になつて来れば、いかにコストが安くなつても、輸出が伸びるわけには参らないというふうに思うわけでございます。この日本の生産性がどんどん向上しなければ輸出が順調に伸びないわけでございますが、恐慌状態に入つて参りますれば、生産性が著しく低下すると見なければなりません。そういう生産性が低下すればコストが上つて来ることになりますので、私は今の政府の行き方は非常な危険な行き方であり、デフレ的な効果をねらうことに急であつて、他の一面を忘れているというように考えられるのであります。インフレの原因は購買力が多いということではないのではないか。購買力と生産力がマツチしておればインフレにはならないが、むしろインフレの原因は過剰な投資、すなわち生産性の伴わない投資という点にあると思うわけでございます。こういう点から考えますと、今の投資の状況という点には政府の検討の足りないものがあるのではないか、特に財政投資の面につきましても、それだけの生産性を伴つておらない投資が多いのではないかというように考えられます。その点でどういうふうに考えられますか。大臣としては、もう少し投資の面において厳密に考慮をめぐらして行く必要があるのではないか。特に生産性の伴わない投資としては、大建築、ビルデイングの建築等もございます。これは代表的なものであると思いますが、最近政府の一部に建築に対してある程度の規制をするというような意見があると聞いておりますが、生産性の伴わない投資に対してある程度規制するというような考えがあるのかどうか、そういう点について承りたい。
#20
○愛知国務大臣 端的に申しますと、量的な規制から質的な金融規制へということが適当ではないかという御意見だと思うのでありますが、これは研究問題としては、政府におきましても研究をいたしておるのでございますが、まだ質的規制の段階に入るというところまでは決心をいたしておらないのであります。今御指摘の過剰投資の問題はまつたく同感でありまして、私どももかねがね申し上げておるのでありますが、私どもは、いわゆる量的の規制によつて過剰投資を抑え得る、それから同時にこの中小企業等についての調整措置は常に考えて行かなければならないと思つておるのでありまして、そのわずか一つの対策ではございますけれども、たとえば庶民金融機関に対する政府の預託金の引揚げを期限通り行わないで延期することとか、一般金融機関から中小向けの貸出しについても、貸倒れ準備金を税法上優遇するとかいうようなことなども、逐次全体の動きとにらみ合せながら、ただいま御懸念のありましたように、恐慌というようなどぎつい現象の起らないように常に配意して参りたいと考えておるわけであります。
#21
○加藤(鐐造)委員 時間がありませんから先を急ぎますが、私は政府の貿易政策は、一口に言つてはなはだ不徹底であると思います。いずれの国を見ましても、国際収支のバランスが非常にとれない状態に陥つて、その国の経済が非常な不安な状態に陥つた場合には、まず第一に外貨をできるだけ圧縮をしております。ところが先般発表された外貨の予算について見ましても、最初政府が予定した一億ドルよりも最終決定は一億一千万ドルか増額されておるように聞いております。私は今日一つの例をとつてみましても、ドイツがすでに六億ドルも輸出超過なのに、しかも欧州支払い連盟における貸し勘定が約十億ドルもあるというのに、なお輸入の面においてできるだけの規制をしておるという事実等に見ましても、わが国といたしましては、このドイツの状態にははるかに及ばない今日の状況においては、もう少し外貨の使用を厳密に考える必要があるのではないかというふうに考えます。その点についてさらに考えなければならないことは、外国の技術の導入の問題でございます。最近技術の導入については、非常にたくさんのものが入つて来ております。最近の新聞を見ましても、日本に技術を入れようという外国側の百九十二社に対して、日本側が二百十八社も競争して、とにかく競つて技術を輸入しようとしておる。そのために特許権の使用料もだんだんとつり上げられつつある状態にある。これはいわゆる舶来品を好む日本人の気持というものがここにも現われておるということでございますが、こういう点について、政府はあまりにも無方針ではないか、これを端的に現わしますものは、先般来問題になつておりますフレキシ・ボードの技術の導入の問題、あるいはパン製造機の輸入の問題、こういうような問題に端的に現われております。私はまず国内の技術の向上に全力を傾注すべきではないかと考えまして、従来極力この点を私ども主張して来たわけですが、この点についての政府の努力が足りないのじやないか、その結果安易な技術の輸入を考え、これがやはり国際収支の面に大きく影響して来る、またその結果として日本の技術の向上かはかれない、国内の業者が、技術の向上のために大いに努力してもそれが顧みられないで、結局外国の技術が輸入されて、これに負けてしまうということになると思いますが、もう少し国内技術の向上についての努力をするという考えがあるかどうか、この点について少し詳細に承りたいと思いましたけれどもやめますが、簡単にそういう点についての政府のお考えを承りたい。
#22
○愛知国務大臣 ただいまお述べになりました問題は、当面いろいろの話題になつておる問題も含めての御質疑でございますが、私どもの根本的な考え方を申しますと、外貨の節約をいたしたいと考えることはもちろん第一義でございます。しかし同時に、広く長い日で、大所高所から見まして、世界の経済界の中に伍して競争に打勝つて行くためには、場合によりましては優秀な技術や機械を入れて、日本の競争力を強くすることが、今日の日本の状況において非常に必要な面も多いと思うのでありまして、この面を十分取上げて考えて行かなければならないと思います。それは日本の技術を向上させ、これを刺激するという意味におきまして、日本の技術を進歩させるということと大局において私は決して抵触するものではないと考えるのであります。ただ日本でも十分できるものとか、あるいは技術提携というようなことを種にされて、これもしばしば御論議になる問題でございますが、日本の将来にわたつての産業組織が脅かされるというようなことは、厳重に一方において戒心を要するところでございますが、これはそれぞれ外資法なり為替管理法なりの運用により、あるいはその許可についての条件をきめられること等によりまして、十分その弊は防ぎ得ると考えるのでありますので、私はひとつ大所高所から、日本の経済の向上ということによつて処理をすることを第一義に考えたいと思うわけでございます。
#23
○加藤(鐐造)委員 この点について、政府はアメリカ側から入れようといえど、比較的無批判でこれを入れるというような場合があるように思います。また国内の業者との関係においても、日本の経済全体のことよりも、業者の意見を安易に、取入れるというようなことがしばしばあるのではないかと考えますので、その点は今大臣の言われたような方針をひとつさらに徹底していただきたいと思うわけでございます。それから最近通産省の意向として、輸出特産物の育成、それによつて貿易を大いに伸ばすというような方針が考えられておると聞いております。日本の特産物というものはおおむね中小企業である。また最近の輸出の振興策の面においても、中小企業の輸出と日本独特の産業の育成により輸出を伸ばすというような施策が比較的少いのではないか。先ほどの通商局長の御答弁によりましても、比較的大企業の面が多いように思います。その点についての政府のいわゆる積極的な施策というものが今日まで足りなかつた。それを今回考えられたのではないかと思いますが、その点について少し具体的に、どういう考えを持つておられるか承りたい。
#24
○愛知国務大臣 そもそもが日本の企業単位、経済単位というものが非常に分散的で零細でございますから、確かにただいまお述べになりましたように、輸出を考えます場合にも、中小企業対策がその中核をなすものであると私ども考えます。これについては昨日の当委員会におきましても、いろいろと貴重な御意見を伺うことができまして、非常に参考になつたのでありますが、やはり一つの大きなきめ手というものがないように考えますので、技術の指導の面もございましよう、企業の診断の面もございましよう。また地方的な特殊な企業の面もございましよう。それらについてできるだけ当局側としても、いい相談相手になるということが端的に申しまして効果のあるやり方であると考えます。しかしながらそれは常時注意すベき事柄であつて、やはりそれには肉をつけた、いわゆる政策が織り込まれなければならないと思うのであります。たとえばその一つといたしまして、先般も御説明申し上げたかと思いますが、本年度の外貨予算の編成にあたりまして、加工貿易制度を重視いたしておりまするが、これはわれわれから見ますると、一つの大きな中小企業対策となるものと考えておるのであります。まず金額におきましても、この関係においての外貨の割当は六千万ドルにふやしております。これは前年度は千八百五十万ドルでございましたから、非常に増額をいたしたわけでございます。それから中小企業が加工貿易の保税工場制度を活用しやすいように、その手続等を大幅に簡易化いたしたのでありまして、加工工業である中小企業につきましては、この制度なども大いに利用していただける余地があるであろうかと考えるわけでございます。
#25
○加藤(鐐造)委員 もう一つ承りたいことは、東南アジアとの経済提携の問題でございます。アメリカの後進国開発計画に基いて、いろいろな援助が行われておりまするが、今度のMSA援助協定を結ぶにあたつても、その資金を利用したり、あるいはそれと同時に日本の技術の提携というようなことから、積極的な東南アジアとの経済提携がはかられるというようなこともしばしば言われております。今まで幾たびか政府が計画して失敗して来ておるようでございますが、この問題についての最近の状況はどうであるか。これが日本の貿易の改善の上にどれだけ役立つことになるか、そういう問題があつたら伺いたい。
#26
○愛知国務大臣 率直に申しまして、この東南アジア経済開発の問題は非常にむずかしいことでありまして、申し上げるまでもございませんが、まず第一にこれはそれらの諸国の問題であるということであつて、わが国が自主的に一方的にこれをやれるものでないということ、それからかりに考える場合におきましても、たとえば日本とインドネシアの両国間の協力だけでは、十分の効果を発揮し得ない場合も相当多いと思うのでありまして、たとえばその間にさらに他の経済に余裕のある第三国の参加といいますか、その指導、助力を求めなければならないというような問題もあるわけでございますので、ただいまのところ、新しくこれといいまして御説明申し上げまするような斬新の案は遺憾ながら持ち合せておりません。しかしながら一方において賠償問題をできるだけ早く解決したい。またこれを契機として、いわば自主的に東南アジアの経済開発ということも期待し得ると思いまするし、その他いろいろ考慮すべき要素がたくさんあると思いまするので、最近におきましては、私といたしましても経済審議庁を中心といたしまして、終戦後におきましても、政府の公務員であつていろいろの関係でこれらの諸国に駐在をし、あるいは仕事をし、そうして帰りましてから、いろいろのところの部局で働いておる人が相当の数になつたのでありますが、やはり東南アジアの経済問題というようなことは、日本の国内の役所の中で、テーブル・プランをつくるだけではだめでありますので、政府部内としてのそういうような経験者、またいろいろの意味で関心の深い人たちを事実上組合し、この人たちのアドバイスを求める。これをひとつとりまとめてみたい。そういうものを一つのきつかけといたしまして、経済界、民間その他の人々の意見をもそれに加えて参りまして、漸次これを拡張し、かつこれが実行できるような具体案というようなものに、できればとりまとめてみたいという努力を新たにいたすことを考えておるような次第であります。
#27
○加藤(鐐造)委員 輸出の振興には、一面制度の改善ということも行わなければならないと思いますが、たとえば輸出入取引法というものは、これはまだはなはだ不備な点があると思います。輸出の面において特に問題になつておりまするのは、アウトサイダーに対する規制の問題であります。アウトサイダーに対する規制というものは、輸出入取引法の十九条の七の規定がございまするけれども、なかなかこれが適用が行われない状態に今あります。最近業界からも輸出入取引法の改正の問題が要望されております。また通産省部内においても、業界の要望にこたえて、この問題がいろいろと考慮されておると聞いておりますが、この点について、どの程度に考えておられるか。この国会に出されるのではないかと考えておりましたが、遂に出されなかつたのですが、どういうふうにお考えでありますか。私はこの中で特に検査制度の問題が重要であると思います。現在の検査制度はいろいろ不備な点がありまするけれども、検査官が実情を知らないために、いたずらに摩擦を起したり、また非能率に陥つたりするというような点がしばしばあると聞いておりまするが、こういつたアウトサイダー規制の問題あるいは検査制度の問題について、どういうふうに考えておられるか。
#28
○愛知国務大臣 輸出入取引法の第十九条の改正の問題につきましては、私も実は検討いたしたのでありますが、結論として、本国会に改正案を提出するまでに至らなかつたわけでございまして、さらに引続き研究をさせていただきたいと思います。ただ、ただいまお話の検査制度は、法制上はきちつと制度ができておるのでありまして、これは法制上の問題よりも、むしろ運営上の問題ではなかろうかと考えるのでありまして、運営の面におきまして、ただいま御指摘のありましたようなことを十分入れまして改善をいたしたい、これはただちに行わなければならないことである、こういうふうに考えております。
#29
○加藤(鐐造)委員 先般も質問したと記憶しておりまするが、原綿、原毛等を輸入しまする場合に、事実上の二重価格になつておるために、この輸入をするところの紡績業者が非常な利益を上げております。私はこれは不当な利益と言つてもさしつかえないと思いまするが、こういうものを国が吸い上げて、輸出振興のために使うというお考えを持つておられないかどうか。
#30
○愛知国務大臣 この点は原則的に、原料はメーカーの方に入れさせるといいますか、外貨の割当をして、そこでさらにこれを輸出をするというふうな考え方に立つておりまするので、一般的に輸入の物資を統制をいたしまして、そうして国内の価格等と比べて、ノミナルに差額のある分を、たとえば税として取上げるとか、あるいはそれを輸出に割もどすとか、奨励金にするとかいうようなことは、制度として法制上、税制上等やるということは、私はいかがかと思うのでありまして、それよりも生ぬるいようではございますが、一般物価を国際物価にさや寄せするという努力を一層推進すべきではなかろうか。これが内外に対する関係から申しましても、一番の正道ではなかろうかというふうに考えております。
#31
○加藤(鐐造)委員 最後に特需の問題について承りますが、特需の問題については、先般私の要求した資料が出されております。これは本年度大体七億一千五百万ドルですか、あるいは七億六千万ドルであつたかと思いまするが、その見込みについて、なるべく詳細に資料を御提出願いたいと要求したわけですが、過去の実績だけが出されております。これを見ましても、本年度は非常に特需収入が少いと見なければなりません。その点は先ほど大臣も大体お認めになりました。そこで政府は、直接輸出の面で相当伸びて来ておるから、特需は減少してもいいと考えておいでになりますが、私は今日の輸出の伸び方というものは、決していわゆる安定したものであるとは、今までの御答弁では考えません。特需についても相当重点を置いて、できるだけこれを確保する方針をとらなければならないと思いますが、これについていかなる努力をしておられるかという点を承りたい。私ども聞くところによりますと、朝鮮動乱の停戦協定の成立した当時であつたと思いますが、アメリカは今後、一箇年間特需の現状を保証するというようなことを言つております。ちようど総選挙の際であつたので、アメリカの政府が日本の政府を応援するために、こういうことを言つたのではないかと思いますが、これが今日守られておらないために、特需がはなはだしく減退しつつあると思うわけでございます。このいわゆるアメリカ政府の公約というものに対して、政府はそれを履行させるためにいかなる交渉をしておられるか。
#32
○愛知国務大臣 まず特需というもの全体の見方でありますが、私はこの特需というものに、将来長い間大きな期待をかけるべきものではないと考えるので、先般も御説明いたしたかと思いますが、別途通産省といたしましても、ここ数年の間、しかもそれもなるべく短かい間に二十億ドルの輸出計画というものを、鋭意勉強いたしておるわけでございまして、各業界にもそういう一つの目標のもとに協力を要請しているようなわけでございます。しかしながら少くとも今年度におきましては、ただいま御指摘がございましたように、私は率直に申しまして、少し内輪過ぎるかと思つたのでありますが、七億一千万ドルというものを国際収支の計画において、特需収入として予定をいたしております。これは昨年度よりはある程度内輪に見ておるわけです。ところで資料にも差上げておると思いますが、今年四月に入りましてからの特需による外貨収入の概数は、四千四百七十三万八千ドルでございます。これがもし基準になるといたしますれば、この十二倍でわれわれの予想いたしましたところに約二億ドルばかり足りない勘定になりますので、私自身といたしましても、毎週の特需の状況をとくとにらんでおるつもりでございますが、それに基きまして随時米国当局と私自身が直接会談を持つておるような次第でございまして、それぞれ最近数週間における過去を振り返つて、どういうところに隘路があり、どういうところを改善すべきかというようなことを、双方誠意を持つて状態を注視し、かつ改善をするように努力をいたしておるわけでございます。そのこまかい内容等につきましては、一々申し上げるまでもないと思いますが、私個人といたしましても、この問題につきましてはできるだけの努力をしておるつもりでございまして、その結果が、どういうことになるかということを、まだ各月別にわたりまして、今後相当の期間においてどのくらいのことができるかということを、確定的に数字をもつて申し上げるまでの研究なりあるいは協議は進んでおりませんけれども、この四月の状況よりは相当勉強した外貨収入を獲得するような努力は、大いに傾けて参らなければならないと考えております。
#33
○加藤(鐐造)委員 特需にたよるなということは、私どもが常に言つて来たことでございます。今大臣が心構えとしておつしやることはけつこうでございますが、特需にたよらなくてもやつて行けるというようなお考えがありましたならば、これは非常な早計だと考えます。そこで一体本年度特需が二億ドル以上も減るであろうというその原因はどこにあるか、具体的にお示し願いたい。
#34
○愛知国務大臣 ちよつとお答えする前に、二億ドル云々と申しますのは、昭和二十九年度の第一の月である四月の実績に十二倍すれば、そういう差額になるということを申しましたので、私は二億ドル減少ということを、私自身としてもアドミツトしているわけでは毛頭ございませんので、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
 それから、どうして減つたのかというお尋ねでございますが、これはいわゆる四月だけのことで見ますと、円の売却と申しますか、円セールと申しておりますが、いわゆる駐留軍関係の消費等におきましては、前年の同月に比べましてもほとんど大差ない状況でございます。要するに四月中におけるところの納入品がやや予定よりも減つたということ、あるいは、御承知のように武器等に対する発注が相当期間とまつておりました関係が、ここに影響して来るのでありまして、私は、先ほど申しましたように、的確に数字をあげて楽観的に申し上げることは差控えなければならないと思いますけれども、今後この点は相当程度に回復して、軌道に乗るものと考えております。
#35
○加藤(鐐造)委員 この特需関係におきましても、急激にこうして減つて参りますと、日本の業者自体が非常な不安な状態に陥ると思います。たとえば最近日立の第二会社であるといわれている日立重機という特需専門の会社の解散が伝えられております。これは特に修理専門の会社であつたと思いますが、この一つの事実から見ましても、修理を専門にやつて参りました会社が、非常な不安な状態に今日陥つていると思います。修理というものは、コンスタントに出て来る場合もあるのでございましようが、最近はこれが非常に切れぎれなつて、あてにならない状態ではないかと思います。こうした修理専門の特需会社の不安な状態に対して、政府はこれをどう感じておられるのか。注文がなければしかたがないとして放任しておかれるのかどうか。単に先方に交渉するということだけでなくして、こうした不安な状態に陥つており、しかもここにおりますところの幾千、幾万の従業員が、いつ首を切られるかわからない。事実最近はどんどん整理をしつつある状況でございますが、この問題は、直接には労働省の問題といたしましても、政府としてこうした特需を専門とする企業の不安な状態に対して、何らの考慮をめぐらさないのかどうか、この点を承りたい。
#36
○愛知国務大臣 何らの考慮もめぐらさないどころか、私といたしましても、まつたくこれについてはいろいろの点で腐心をいたしているわけでございますが、ただ、ただいまのお話でございますと、私どもの申し上げております一部をおつかまえになつて、非常に悲観的なことが断定的にきまつたような御意見でございますが、私はその点は見解を異にするのでございまして、私どもが努力することによつて相当事態は好転し得るものと私は信じております。たとえば具体的な事例といたしまして、ただいまおあげになりましたような車両の修理の問題でございますが、これはすでに話合いといたしましても、現在までの実績を継続するどころか、むしろ最近の引合いとしては増加の傾向にございますので、この車両の修理は来米会計年度、すなわち七月になりましてから、この全貌が相当はつきり出て来ると思うのであります。それからそのほかにも具体的の事例といたしまして、一時相当長い期間とまつておりました発注が、最近一面において米会計年度の最後の月にいよいよ入りました関係で、かなり商談が進んでおります。そういうようなことも一つの事実問題としてだんだんに明らかになつて来ると思いますので、お認めを願いたいと思うのであります。ただしかしながら、これはやはり向うの援助というような性質のものでは、ある意味では、ないのでありますから、やはり輸出に対すると同じように、企業としての努力、合理化ということが要請されることは当然でございまして、良質、廉価なものをつくりたいという輸出産業全体を通ずる気持は、この特需に対して応酬いたします当方の態度として、もちろん非常に必要なことである、その面において日本側の努力改善の余地がまだ相当に残つておるということも十分考えて参らなければならないと思います。
#37
○加藤(鐐造)委員 もう一つ伺いたいことは、この修理をする場合、米軍の都合で、いわゆる標準作業品というものを切り下げたり、人員の大幅な切り下げをすることがあろうと思います。こういう場合には当然補償される協定があると聞いておりますが、その点は補償されておるかどうかを承りたい。
#38
○記内政府委員 ただいまの問題でございますが、たとえば昨年末に車両の特需が年度の途中で打切りになりましていろいろ問題が生じましたが、そのときの契約では、いわゆる一台について幾ら、あるいは何人分、何時間働いた場合の仕事の量は幾らという、いわゆるワン・アワーの計算方式で注文がなされておりましたが、その場合に何台の注文を出すか、あるいはワン・アワーの注文を出すかというふうな約束はなかつたわけでございます。従いまして途中で打切られまして、もつと注文があつたと考えられました際にかかわらず、途中で打切られた。これに対する中途打切り補償の請求をいたしたわけでございますが、その契約面からはこれを回復することはできないというような事態が起きたわけでございます。従いまして、いわゆる日米合同委員会の調達調整委員会におきましてこの問題を取上げまして、いろいろ措置いたしました結果、最近におきましては、そういう打切りの場合には何台分までは幾ら、それから越える何台については幾らというふうな、何と申しますか、もし途中で打切られても、その対価を当然計算するというふうな考え方でもつて、契約が行われるというふうに相なつております。従いまして今後の問題としましては、そういうふうな中途の打切りにつきましても、相当程度の補償がやられるというふうに相なつておる次第でございます。
#39
○加藤(鐐造)委員 もう一点だけ、時間がございませんからこれで私の質問は打切ります。特需の問題については、特に外務省の方に承りたいことがあるのでありますが、おいでにたつておらないからいたしません。ただ今大臣が、私は悲観論ばかり唱えておるとおつしやいましたが、私は大臣はいつも楽観論に過ぎるように思います。大臣の楽観論がこのままで実現すればよろしいけれども、おおむねはずれておるという結果になつておりまするので、私に対して悲観論ばかり唱えるなとおつしやつた言葉を逆に、楽観論ばかり唱えるなということを申し上げたい。特にこの特需専門の工場は、私は特需専門にやるということ自体は適当ではないというふうに考えますけれども、現在あることは事実でございます。これが不安定になるということは、やはり重大な問題でございます。特に先ほど申しましたように、ここには何万という従業員がおりますので、そうした従業員の生活の不安ということも考えなければなりません。そこで政府に希望いたしたいことは、できるだけそうした修理特需にいたしましても、コンスタントに出されるような交渉をされたいということでございます。向うから来るものだからしかたがない、向うの都合で切れ切れになつてもしかたがないという考えでなく、できるだけこれが平均して継続的に出て来るように交渉になることを、私はこの際切に要望しておきます。
 特需の問題についていろいろ承りたいのですが、外務省からおいでになりませんので、これは後日に譲りまして、私の質問を打切ります。
#40
○帆足委員 大臣は会食に行かれるそうですし、時間の都合もありますから、二、三分だけお許しを願いたいと思います。私はきようも定刻通りに最初参つておりましたが、開会が遅れましたので、質問が遅れました。午後私は政府が旅券法違反をいたしましたことについて百万円慰藉料をくださる公判がありますので、そちらへ参りますから、御了解を得ておきまして、午後引続いて質問をいたしますが、一つここに申し上げておきたいことは、映画の振興のことについてであります。とにかく日本の映画技術が非常に振興いたしまして、外国でいろいろ一等賞をもろうとか、また輸出が始まつておりますが、その中の一つとして、たとえばソ連または中国にも映画が出るようになりまして、中国には四本の映画がすでに輸出されました。いずれも向うで好評を博したそうですが、先日ソ連、中国の映画を見ましたところが、たとえばソ連の映画では「アルメニアの風景」、「ドニエプル・ストロイトの建設」等は、社会科の教科書に使つてもいいような、美しい風土、みごとな撮影技術です。自然科学的な諸現象の解明にも役立つ。それから「虹の国のサトコ」は文部大臣賞を得たくらいです。中国映画では「葡萄の実の熟する頃」という映画は非常に建設的で、日本の協同組合あたりにお見せしたならば、ほとんどイデオロギーというほどのものもなくて、いい教訓映画でございます。また「准河の修築の風景」、こういうものを日本の国民が一人としてもし見る機会がなかつたならば、歴史が少しずつかわつて行きますときに、驚くほど時代遅れのようなことになるおそれがありますので、すべてを知ることは必要であると思いまして、その趣旨で日本はユネスコにも入つておるのでございます。昨年は数本輸入が許されましたが、ことしはどういうものか一本も輸入が許されません。輸出しまして、バーターとしても許されるはずで、これは今奨励しておるにかかわらず、いかなる理由か、ソ連、中共映画を、アメリカ、イギリス映画がたくさん人つておるから、それと同じ基準で除くということになつておりまして、これは公正合理の精神に、かくのごときは私は反しておると思います。同時に輸出振興の点から見ましても片手落ちでありますし、またいろいろな観点から見まして映画倫理が現在ございます。また映画審査会というのもありまして、社会及び専門家の良識によつて映画の品位の調節をはかることになつておるのはまことによいことで、超党派的な基準であります。ところがその基準から見て、アメリカ映画の中で、たとえば「肉の蝋人形」などというような鏡子さん事件を使嗾するような映画が数本ないし十数本も入つておる嘆かわしい状況でありまして、映画倫理委員会の奮起と自覚を促したいと思います。それから見まするならば、今のアルメニアの実写とか、ドニエプル・ストロイトの実写とか、「葡萄の実の熟する頃」のごときは文部大臣、通産大臣賞を得るようなものもあるのでございます。従いましてそういう新日本憲法並びに民主主義の観点からこの問題を公平に取扱つていただきたい。大臣のお耳に入つていないかもしれませんが、こういう不合理な状況になつておりますので、至急お調べの上輸出振興の観点と、ユネスコ精神の観点から御善処をお願いしたい。午後になりましてまたこの問題その他を御質問いたしますから、ひとつ御念頭に置いていただきたいと思います。
#41
○愛知国務大臣 承知いたしました。
#42
○大西委員長 ではこの際午後一時まで休憩いたします。
    午後零時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時十八分開議
#43
○大西委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 まず理事の補欠選任につきお諮りいたします。本日理事福田一君が委員を辞任せられ、再び委員に選任せられたのに伴い、同君を再び理事に選任することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○大西委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#45
○大西委員長 次に貿易に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。川上貫一君。
#46
○川上委員 通産大臣に二、三点質問をいたしたいのでありますが、時間が十分にありませんから要点だけを質問いたしますので、答弁の方も要点だけでけつこうでありますからお願いいたします。特需が本日の委員会でも問題になつておるのでありますが、特需の発注をめぐつてJPAと特需業者との間に汚職があつて、買いたたきやリベートなどが大々的に行われておるという事実があると言われておるのですが、この点について通産大臣は相当程度御承知だと思いますので、その真相を明らかにしていただきたい。
#47
○愛知国務大臣 特需についてJPAと日本側との間に汚職があるということは承知いたしません。
#48
○川上委員 最近たとえば川崎航空にジエツト機の修理の指定があつたのでありますが、このジエツト機の修理は、川崎のほかに石川島、新三菱の二社からも申請を出しておつたのであります。ところが通産省が推薦しておつたところの石川島等はオミツトされておる。そうして川崎航空が指定を受けておる事実があるのでありますが、この間に非常に大きな不正が行われたといわれておるのであります。その事情は通産大臣が知つておられるはずなんです。これをもう一ぺん私は聞いてみたい。
#49
○愛知国務大臣 私はただいま申しましたように汚職云々ということは承知いたしません。それからJPAの関係のジエツトのオーバー・ホールの件等につきまして、通産省はこういうところがよくはなかろうかと思つて推薦といいますか、これは何も法規上のものではございませんが、契約等をするについて参考までにこういうところが適当と思うといつて、事実上推薦しておるのが従来の例でありますが、必ずしもそれらの意見について百パーセント注文者側との間に意見が合わないことがあることは事実であります。
#50
○川上委員 汚職ということを聞いておられぬとすればどういうことを聞いておられるか。
#51
○愛知国務大臣 汚職ということを聞いておりませんと申し上げておるのです。
#52
○川上委員 まあ通産大臣は国会ではそういう答弁をするんだろうが、通産省の某課長、名前は言いませんが、この人なんかは、はつきりとこのような状態では国際資本の陰謀のために日本の産業は滅亡するんだ、その真相をぶちまけてもよいということを言うておると伝えられておる。通産大臣はある人に不明朗な事実があるということを話しておる。通産大臣はよそで話されることを国会では秘密にされるつもりか、これをもう一ぺん聞きたい。
#53
○愛知国務大臣 これはとんでもないことでありまして、その特定の人の名前をあげていただきたいと思います。
#54
○川上委員 一々名前をあげることが政治的であるかどうかということは問題でありますが、通産大臣がそのことを知つておらなければ、不明朗な事実があるというようなことを言われるはずはないし、また政府がこのことを知つておるから、最近にはこの状態では特需の発注はアメリカ側と日本政府側との直接交渉にするよりほかに、しかたがないのじやないかというような議も起つているはずなんです。こういう申入れをアメリカ政府にいつどこでされたかというようなことは、これは私申しませんが、政府の中にそれがあることは事実だと思う。私はこういう問題は国民にこそ明らかにして、そうなくてもあらゆるところに不明朗とか不正とかということが横行しておるし、また国民は探し出したらどういうことが出るかわからぬというような疑問のうちに追い込まれておるのでありますから、通産大臣はこういう問題については淡白に、まことに困つたことであるなら困つたことであると、言われたらよいと思う。通産大臣は不明朗な事実があるというようなことも言われたことはない、こういうことは絶対に知らぬ、こういう答弁だと理解してよろしいのですか。
#55
○愛知国務大臣 その通りであります。ただ冒頭に申し上げましたように、オーバー・ホール等の契約の場合に、日本側としてはこつちの方がいいのではなかろうかと思うような点について、必ずしも意思の疎通が従来十分でなかつた点があります。これは先ほど申し上げた通りでありますから、そういう点が双方の間において、もつと緊密な連繋がとれるようにいたしたいということは私の持論であります。
#56
○川上委員 それではこれは時間があればあとでもう少し質問します。私は日にちは切れませんが、将来通産大臣が、それはそうではなかつたと言われるときが必ずあると思います。
 最近中日貿易について禁輸品目の緩和を政府は次々と発表しておるのでありますが、もともと中国向けの禁輸ついては西欧並よりも、つまりココムの制限よりも、もつと強い内容を持つた特別覚書があるはずなんです。名前は正確にどう言いますか、実質的には日米の特別覚書であります。これはいつごろ緩和されたのであるか、これをお聞きしておきたい。
#57
○愛知国務大臣 私は今お尋ねのようなことがあることは承知いたしません。
#58
○川上委員 実際の問題に触れて来ると通産大臣の答弁がだんだん短くなる。木で鼻をくくつたような答弁になる。もつとやわらかにひとつやろうじやありませんか。通産大臣はそんな覚書はないと言われますが、四月九日にこれを西欧並に解除するという覚書が来ておるじやありませんか。国民を盲にしてはいけない。政府は日本とアメリカに関する限り、いつも秘密にしておられますが、こういうことをなぜ秘密になさる。これなんかは秘密にしないで、国民にはつきりと知らせてさしつかえないことである。あまりこれは秘密にしすぎるのじやないか。だからそれはこういうことがあつたと言われる方が、私は日本の政治を進めて行かれる上によほど利益であるし、また国民に対しても親切である。国会に対しても私はまじめな態度ではないかと思いますが、もう一ぺん承りたい。
#59
○愛知国務大臣 私はその四月九日云云というような文書は承知いたしません。私の答弁を簡単にという話で簡単に申し上げたのでありますが、詳しい方がよろしいようでありますから、詳しく申し上げますが、かねて当委員会において、私就任以来申しておりますように、一日も早くココム並の線で禁輸品目を解除いたしたいと思いまして逐次解除いたしまして、日付は正確に私自身も忘れましたが、約一週間か十日前に発表いたしました禁輸の解除をもちまして、御案内の通り、ココムの線とまつたく同じになつた、こういうふうに私は理解いたしております。これで私といたしましてかねて念願し、かつ公言しておりましたことが実現いたしましたので、私としては率直に言つてまずほつと一息ついたところであります。
#60
○川上委員 今までそれができなかつたのは、特別覚書があつたからでしよう。だからやはりココムの会議にでも、日本側としては困つておつたのだと思う。それがアメリカの方から西欧並でよろしい、こういうのが覚書であつたにしろ何であつたにしろ、とにかく示唆があつたからどんどん解除しておつた。その事情を率直に国会でも明らかにしてもらいたい、こういうことを言つておるのです。そう一生懸命になつて隠さないでもよさそうに思う。どうでしよう。
#61
○愛知国務大臣 私は一生懸命になつて隠しておるわけでも何でもない。隠すべきものが私にはない。私は御承知のように昨年の秋にも、こういうふうな一連の問題についても私自身でいろいろと検討をし、努力したこともあるくらいであります。いまさら申すまでもございませんが、御承知のように、連合軍の占領下にあり、あるいはその後における中共との関係、あるいは国連とのいろいろな関係から申しまして、いろいろな過去の経緯はあつたようでありますが、私は、日本としてなるべく自主的に、支障なく、できるだけすみやかに禁輸品目を解除したいと思つて努力して参りまして、先ほど申し上げたような結果に相なつた次第であります。
#62
○川上委員 通産大臣の答弁では覚書も何もないというように言うておるけれども、実際はあるのです。そうすればアメリカ側の方の考慮も何もいらない、独自でもやつてしまうのだという結論になるのですが、最近中国から米のこちらへの輸入をしてもよろしいということを言うて来ておる。ところが、それが二万七千トンでございますが、五万五千トンはさしあたりよろしいということになつて、六月の十五、六日ごろにはすぐ船が出るということになつたときに、通商局長牛場君は、いまさらになつて、バーターでなければいかぬという。向うではストレート・ポンドでよろしいと言つております。ところが、とてもはや実行できぬような日にまで追い詰めて来てから、バーターだという。これは明らかにこの商談を妨害するという意思以外にはない。これはどこからさしずを受けたか。こんなことは政府の建前としては、また中国の貿易が開けることはまことに喜ばしいと言われる通産大臣の考え方としては、あり得ないことだと思うが、どういう事情ですか。
#63
○愛知国務大臣 ただいまの中国米の輸入についての障害打破に関する件というのは、私たつた今この部屋に入ります前に、廊下で日中貿易促進議員連盟の代表の方々からこの書類をいただき、かつ御説明をいただきました。私はたつた今まで、これがこういうことで支障を来しておるということは知りませんでした。そこで、ただいますぐに一応調べましたところでは、お話のようにストレート・パウンドで輸入するということが新しい問題であつたようでありますが、それであると、他の市場との関係、ビルマその他との関係もありますので、研究させていただきたいということで、事務上の研究に手間取つておつたようでございまして、この件について、ただいまあなたのおつしやるような、アメリカですかどこですか、そういうところと何も関係のある問題ではございません。私も、できればこれはバーター方式でできるのじやないかと思いますし、十五日ないし十六日が出船の予定だそうでございますから、全力をあげてこの米が輸入できるようにいたしたいと考えます。
#64
○川上委員 通産大臣が、中国に対する禁輸の緩和が自分の思う通りになつてまことに喜ばしいというようなことを言うておられるのだから、中国から二万七千トンの米を輸入する問題を今まで知らぬというようなはずはない。これは中国貿易の問題としては重大な問題でしよう。これは日本から輸出するだけの問題ではない。日本からこの禁輸の問題が切れるということは、やはり中日貿易を正常な形にしてスムーズにやろうということが根本問題なんです。そうすれば、今小麦の輸入とかカリフオルア米の輸入とかいろいろやつている時分に、中国から米を持つて来てもよろしいということになつておるのを、通産大臣はきようまで知らぬというふうに言われるが、その辺からおかしい。おそらく一から十までアメリカのさしずによらなければ中国との貿易ができぬようなかつこうになつているからこういうことになるということが一つと、いま一つは、牛場通商局長はあなたに相談も何もせずに、かつてに、はつきりとバーターでなければいかぬということを言つている。この事情は一体どうなんです。
#65
○愛知国務大臣 私は、率直に、知らないことは知らないと申し上げておるのでありまして、なぜ知らないかということを追究されても答えるすべがないのであります。私が言つたのは、この十五、六日に出発する船で中国米を輸入するということについては、事務的に円滑に話が進んでおるのであろうと、私はかつてに自分一人で合点しておつたのでありますが、それがつかえておる、そのどういうところがつかえておるかということについて今初めて承知をしたということを申し上げたのでありまして、こういうことについては、アメリカのさしずとかなんとかいうことは私は全然考えてもいませんし、さようなことは絶対にあろうはずがないと思います。
#66
○大西委員長 川上君に申し上げますが、輸入課長が来ておりますが……。
#67
○川上委員 これは帆足君が聞きたいそうでありますから、その方にお譲りいたします。
 次にお聞きしたいのは、過去三年間の外資導入によるドル貨の収得額と、その外資導入をもとにして支払つた返済、配当、利子というような、外貨を海外に送り出さなければならなかつたものとの勘定、これをお聞きいたしたい。
#68
○大西委員長 それは大蔵省の関係なんですが、係官が見えておりませんが……。
#69
○川上委員 通産大臣は、知らぬのならば知らぬと言われればそれでよろしいのです。
#70
○愛知国務大臣 今すぐにでも取寄せてお答えいたします。正確なことを申し上げたいと思いますから。
#71
○川上委員 大よそでけつこうです。
#72
○愛知国務大臣 大よそのことは申し上げない方がいいだろうと思います。
#73
○川上委員 大よそもわからないから言えぬのだろうと思います。なぜこういうことを私は聞いたかというと、通産大臣はアメリカからさしずは受けておらぬというように言われるし、またいろいろな日本の通産行政についても独自にやつているのだと言われる。それから、特需、外資導入、こういうものは政府の政策になつておるので、これに関連して私は聞いているのです。私の調べたところでは、外資導入として日本がドルを収得したものは、二十八年度でいえば千六百十万ドルになつておつて、この結果日本がドルを払つたものは千七百九十万ドルになつておつて、払つた方が多い。過去三箇年間の全部の計算にしますと、外資導入でドルを収得したものが三千八百二十六万ドルで、利子、配当、返済等で払つたものは三千四百三十四万ドルになつており、この間の差がたつた三百九十二万ドルしかない。こういうようなかつこうで外資を導入して、そうして日本の産業を興して行こうという、このことを聞きたいのですが、これではまるで、外資導入をすれば金がもうかるのでもないし、産業は支配をどんどんされるのだし、ひもはいろいろな形でついて来て、日本の自主性は失われるのだし、得るところは一つもない。外資導入をすればするほど、日本はあらゆる形で隷属するし、貧乏になるという形になる。この点大臣はどうお考えになつているかという点をひとつ聞きたいと思う。
#74
○愛知国務大臣 今申しましたように、そういうお尋ねがあるならば正確な数字を申し上げたいと思いますが、私はここで私の手元に心覚えとして持つておる数字だけ申し上げます。昭和二十五年に外資法が制定されて以降、現在までの外資導入の実績は、株式持分、受益証券、社債等の合計で申しますと、六千二百二十六件であつて、その金額は八千二百二十万ドルです。技術援助契約は三百六十件あります。この金額は私どもここに持つておりません。そのほかに世界銀行関係の火力借款、電力三社四千二十万ドルあります。そのほかに米国輸出入銀行から借りておる綿花借款で、最初の四千万ドルは完済しましたが、第二次の綿花借款四千万ドルと第三次の六千万ドルがあるわけであります。それから導入外資に関する元利払いの予定といたしましては、二千七百万ドル程度私の心覚えでは考えておりますから、差額はただいま御指摘のようなことはあるまいと考えております。但し戦前の英米貨債で、戦後において外債処理の会議で決定いたしました条件がございますが、その米英貨債分が大体昭和二十九年度の元利払いの予算は四千四百万ドル程度であつたと思つております。
 以上は私の心覚えでありますから、詳細な数字はすぐにでも御返事申し上げます。
#75
○川上委員 詳細な数字はあとからということでありますからそれでよろしいのですが、今大臣の言われたような綿花借款や火力借款は私の数字にはどけておる。なぜかといえば火力借款なんというのはとんでもないことなのです。この前の国会で明らかになつた国有財産まで担保にする件とか、料金の値上げまで世界銀行に相談しなければならぬということだつた、これでは話にならぬ。私が今言うのは技術導入とか株式とかいう普通の形で、いわゆる日本の産業への外資導入する部分で、私の数字は日銀の調べです。これは間違いはない。とにかく一番代表的のものは火力借款ですが、これはどけておるということ。これがいるのだということになるともう話にならぬ。そうではない、産業上への投資というような普通の形です。これが少しも外貨の利益にはなつておらぬばかりではなしに、おそらく今年の支払いは三千四百億ないし三千五百億になるだろうということは当局筋の話なのです。そこでまた通産省の中でも、この外資導入というものは実際そろばんの上でとんだものになるのじやないかということは相当常識化しておると思う。これでよろしいかということを私は聞いたのでありますが、詳しい数字は調べて出すということでありますから、それを出してもらうことにいたしましよう。
 時間も十分ありませんので、その次にお聞きしたいことは、政府は世界銀行から電源開発のために三千万ドル内外の借款を受けようとしておるということが伝わつております。その借款でアメリカからどういう機械を購入する計画であるのか、第二は国産の機械をなぜ使わぬのであるか、第三には昨年の火力借款と同一の条件を考えておるのであるかどうか、この点をお聞きしておきたい。
#76
○愛知国務大臣 電源開発会社の役員等が、それぞれの立場において、電源開発についての外資導入を計画しておることは事実でございますが、政府として電源開発についてどういう機械を買うための外資導入ということを意思決定し、あるいは通産省としてこれが最善の案だというもので決定しておるものはございません。
#77
○川上委員 そうすれば通産省の案として世界銀行から一億円のわくのうち六千万ドル残つておる。あの残つておる分を、通産省の方で作業しておる時分に、何に借りようという意見が出たか、これを承りたい。
#78
○愛知国務大臣 これはたとえば石炭もありましよう、鉄鋼もございましよう。そのほかいろいろの問題がございますが、そのそれぞれに利害得失というものが考えられるわけでありますから、従つて政府として決定した計画というものはございません。
#79
○川上委員 そうではないのであつて、通産省の方では鉄鋼、工作機械、こういう方面に入れるべきだという意見があつた。それに対して通産大臣は向うさんが何に貸してやろうというのに文句を言うべきでないと言つて押えた事実がある、通産省では考えておらぬなんぞということはうその皮です、そうではない、各省がおのおの意見を出しておる、ここに通産省のほかの役人の方が来ておられたら一番よく知つておると思う。通産大臣が言うのだからこれは違いますという人間はおりますまいけれども、そういううそを言うてはいけない。通産省はちやんと作業しておる。通産省だけではありません、各省がやつておる、これを通産省の考えを言うてもらいたいというのであつて、そんなことはないというような答弁はそれはうそです。もつと正直に言つてもらいたい。
#80
○愛知国務大臣 研究案は幾らもありましようということは申し上げておる。私が通産省の中でどういうことを言つて押えたか押えないか知りませんが、あなたはテレビか何かごらんになつたようなことを言われるのはおかしいと思う。そういうことをあなたが断定的にお言いになるなら何もお聞きにならぬでもよいのであります。私はさようなことを言つた覚えはありません。
#81
○川上委員 あなたが言うておるところを私が聞いたのではない、だから本人に聞かなければわからない。こう言うておつたということが伝わつておる、それだから聞くのがおかしいということはない、これがほんとうかうそかということを聞くのはあたりまえの話です。通産大臣にそれを聞いておる。見たようなことを言うと言うが、そういうことを言われたら質問は何もできぬじやありませんか。そうではない、質問しておるのです、何にも私はこれは断定しておるのではありません。こういうことがあつた、あなたはこういうことを言うた、これはどういうわけかとこう言うておる。言うたことがないのなら言うたことがない、言うたなら言うたとこう正直に答えたらよい。そういう答弁の仕方というものは私はないと思う。議員は何でも聞きます。何もテレビを見て聞いておるのではない、これは聞かなければ審議はできぬ、だからそういうことは取消しておかなければいかぬと思う。これはこれでよろしい。通産大臣が怒つてしまうのだからこれ以上聞いて混乱してもいけませんから……。
 その次に私は前から委員長にお願いしておいた原子力利用審議会のことについてちよつとお聞きしたいのであります。これは通産大臣、経済審議庁長官が副会長になつておられますので、特に聞きたいと思うのでありますが、俗にいわれておるいわゆる原子炉予算、あれを何に使うべきか、これが一点。それから原子力利用審議会というものは一体何をして、どういうことを審議するのか、これをお聞かせを願いたい。
#82
○愛知国務大臣 まず第一に予算の問題でありますが、これは私が御説明申し上げるまでもございません。衆議院の予算の審議の際に、修正で将来原子炉の築造というようなことを頭に置きながら――俗な言葉で申し上げるのでありますが、原子力の平和的利用ができるような使用を考えろという註釈つきで、その中の大部分は通産省所管の工業技術院の研究費に配当されたわけであります。それについては衆議院の予算委員会においては最終の段階でそういうことになりましたので、以後の論議は主として参議院の予算委員会を通じて私どもの意見は申し上げておりまするから、すでにお読みとり願つたと思いますけれども、これはああいうふうな経過でできた予算でありまするから、私は率直に当時参議院でもお答えしたのでありますが、これは非常に重大な問題であつて、衆知を集めて適当と思う方法を徹底的にひとつ政府側にも研究さしていただきたい。各方面の衆知を集めて成案を得た上で予算を執行することにいたしたい。そのためには相当の時日がかかることをお許し願いたい、こういう政府の態度を申し上げました。爾来幾ばくもたつておりませんので、現在どういうところに幾ら配当するかということは全然成案ができておりません。その間政府としてはこの予算の問題については国民、いわゆる衆知を集めて各方面の御意見をも十分伺いたいということから、工業技術院は工業技術院といたしまして、各方面の御意見を伺えるような組織を事実上計画しております。さらに私どもの発意として、原子力の利用については、ただ単にこの二億五千万円の予算の問題だけではない。政府としてもあらゆる方面から平和的な利用という方面、あるいはまたさらに大きな問題としては原子力憲章というようなものをつくることの可否、またその方法、あるいはまた従来国会図書館等においてもいろいろの資料が集まつておりますが、これを整理分析するだけのいとまも金の余裕もなかつたというような実情にかんがみて、まず一体原子力の平和的の利用というものを取上げて研究するためにはどういう方面からどう入つて行くべきかというようなことについて準備的な調査はさつそく始めさせてもらいたいというふうに考えましたので、閣議の決定によつて、いわゆる委員会ではございませんで、委員会を将来設置していただかなければならぬと思いますが、その方法論等をも、ハンブルな気持で取上げて準備調査をする意味で、一つの会合をつくらしていただいたわけであります。これは経済審議庁が担当することは適当であるかどうかもいろいろ問題はございましようが、準備の調査でございますから、あえてその庶務は経済審議庁でつかさどるということにさしていただいたわけであります。これは国会中にはそのほかのことで追われておりましたので、現在いつこの会合を始めるか、どういう問題から文献などを取集めるかというようなことについてもまだ何らのアクシヨンをとるに至つておりません。
#83
○川上委員 そうすればこれは何をやるのかわからぬ。何をやろうかということを調査したり研究したりする、こういうように理解してよろしいでありましようか。
#84
○愛知国務大臣 一口に言えばその通りであります。しかしその準備調査を通していろいろな面より研究書個人的な立場からは相当進んで来ておるようでありますから、そう長い時間をかけずしてある程度の向うべき道という男はだんだんにはつきりするのではなかろうか。それと照応して将来の態勢としては法律によるところの委員会の設置というようなことが考えられて来ることになると思います。
#85
○川上委員 雲をつかんだような話なんですが、原子力を研究しようと思えばどうしても原子炉をつくらなければいけない。原子炉をつくつてもウラニウム鉱がなければ一寸も進まぬ。紙の上の調べ、文献を調べるということであつたならば、何も大きな予算を置いてやらぬでもこれはできる。そこでもう少し具体的に聞きたいのですが、ウラニウム鉱の発見や調査ということに乗り出すつもりがあるかどうか。また原子炉をつくつてウラニウムをどこから入れてもらうというような考えでおるのかどうか、こういうことも何も見当もわからぬ、こういうことかどうか。
 第三点は、世界で原子力を平和的に利用しておる事実があるかどうか、この三点。
#86
○愛知国務大臣 先ほど申し上げましたことをいま少し補足して申し上げますと、先ほど言いました、まずこの問題は予算から御説明した方がいいと思うのでありますが、その予算の内容は、先ほど二億五千万円と申しましたが、二億六千五百万円が工業技術院の科学技術研究助成費ということになつております。それからそのほかに国立国会図書館のPBレポート及び原子力関係資料購入のために二千万円が計上されております。それから地質調査所の関係でウラニウム原鉱の探鉱調査のために千五百万円が計上されております。従つてただいまお話のようにウラニウムについての原鉱の探鉱調査ということでこれだけの金額が配付されておるわけでございます。それから科学技術研究助成費としては先ほど申し上げましたように、この程度の金では、私はしろうとでわかりませんが、おそらく本格的であつても、あるいはまた試験的であつても、原子炉の築造それ自体には足りないだろうと私は思うのであります。従つて必ずしも原子炉の築造のみを目的とするものではなくて、いわゆる平和的利用に関する基礎的並びに応用的技術の研究ということで適当な用途があれば、これを配当いたしたい、こう考えておるわけであります。
 それから世界各国で平和的利用があるかないかという第三のお尋ねは、私もまだ十分研究はいたしておりません。一応手に入る文献等は私自身も読んで見ましたけれども、まだはつきりした様子というものは、私自身の頭にも入つておりません。
#87
○川上委員 世界中に事実上平和的に利用しておるところはない。これはたとえば発電もできる可能性はありますけれども、まだそろばんには出ない。アメリカのようなところでも、水爆までつくつておるようなところなんですが、それでも平和的利用を具体化してはおらぬ。だから平和的利用のためにやるなどという形式予算ということは、ただの二億円の金にしてもこれはいらぬものである。それから第二に今から何をやるかわからぬけれども、ともかく調べてみるというようなことは、まつたく政治としてはおかしいと思う。するとひよつとしたらこんな予算をこしらえ上げて持ちあぐんでおるのかもわからぬと解釈せられてもしかたがない、何用に使うのかわからぬし、何を研究するのかわからぬというようなことでは、この予算は金額の大小にかかわらず日本の予算の性格というものを汚す。これは政府の言うような緊縮予算がよい悪いを私は言うておるのではない。筋を立てて、悪いなら悪いでも、これをやる上にいらぬものをはめ込む、こういうように解釈していいか、どうかという点。
#88
○愛知国務大臣 今の点は先ほども申しましたように、私なり大蔵大臣なりの参議院予算委員会における答弁並びに説明をごらんいただきたいと思うのであります。これは非常に長い時間かかると思います。率直に申しまして、今あなたのおつしやつたような点がないでもない。と申しますのは、政府があの修正案を、俗な言葉で言えばのんだのでありますから、すでに成立いたしました予算については私ども非常な責任がございます。しかしながら、さつきから申しておりますように、わずかの期間の間に政党側からこの修正案として出て来たものが可決されたのでありますから、そのときの修正案をつくられた方々の御意見を十分伺うことももちろんでありますし、慎重にこの執行ということを考えなければならない。でありますから、私どもとしては非常な責任を感ずればこそ、成案を得た後でなければ、この予算の実行はできません。成案を得るためにかくかくの努力をいたしまして御納得の行くような使い方をいたしたい、さらにもつと進んで言えば成案を得るに至らなければ、この予算は不用にいたしますということを大蔵大臣もはつきり言つておるはずでございます。さような趣旨でございますから、現在何をやるのかわからない、もてあましておるのじやないかというようなお尋ねもございましたが、われわれは誠意をもつて、せつかく国会の意思によつてこういう修正ができたのでありますから、何とかしてその目的に沿うようにいたしてみたい。しかし誠意をもつて力をあげてみてもできなければ、これは乏しい予算の中の金額の問題でありますから、あるいはその盛られた額だけは使えないということもあろうかもしれない、こういうふうに私は考えております。
#89
○川上委員 それに関する限りわかりました。そうすると今度の予算では金額一兆になんなんとしておりますけれども、五千万円の補助金を削つたり、ごくわずかな生活補給を少くしたりしておるのです。その一面においてはさしあたりいりもしないこのいわゆる原子炉予算というものを二億何ぼでありますけれども投じておる。これは議会で押しつけて来たか、政府の方でしようことなしに何とかしようということになつておるのだけれども、どうもこうもなるものではないのた、こういう御答弁だと思うのです。これは私は事実だと思う。それならそれではつきりする。大体私の思いますのにこれは何にもなるものじやない。何にもできるものじやない。たとえばかりに日本でウラニウム鉱の発見をするといたしましても、MSA第二条の条項で必ず稀少物資としてアメリカに持つて行かれることは明らかなんです。現にフイリピンが昨年ウラニウムを発見しましたが、すぐアメリカが来て干渉しておる。これが事実です。現にベルギーは世界第一でありますけれども、ベルギー自身はただの一かけらもウラニウムは使うことができない。いわんや日本はそんなにたくさんできるはずがない。ウラニウムはありはしないのです。どこも同じことです。できつこない。技術の面にいたしましても、アメリカの原子力法は技術を海外に提供することを禁止しておるのでありますから、これは本を取寄せて読むくらいのものであつて、今のところこの予算を具体化するということなんかは絶対にできつこない。そうすると研究と言いますが、研究なんかできつこない。原子学者に聞いてみてもウラニユムがなく、原子炉がなかつたら何一つ研究もできないということをはつきり言つておるのです。もしもこんな予算を適当にウラニウムの発見にでも使つたら、これは原子爆弾を使う国に鉱物を提供してやるだけのものです。日本の利益なんかには全然なりません。だから通産大臣がどうも何ともならぬからひよつとしたら使えぬかもしれぬということを承知してくれ、無理やりに押しつけられたからしようがないけれどもというような意味のことを参議院で答弁しておる。これを読んでみろというお話でありますから、もちろんそれは読んでもおるし、これからも読みますけれども、こういうものだと理解して、私のこれに関する質問はこのくらいにして次の質問に移りたいと思う。政府の考え方はわかりました。
 その次にお聞きしたいのは、通産大臣は特需を一括して受注する機関のようなものを新設して、特需の受入れ態勢を整えることを考えておる云々と話されておりますが、これはどういう機関をお考えになつておるか、この点をお伺いしたい。
#90
○愛知国務大臣 そのお答えをいたします前にちよつとひとつ補足させていただきますが、私が申しましたこと並びに参議院の予算の審議のときに申しましたことは、川上さんが今非常な誇張した表現で言つておられますが、あなたの誇張された表現通りに私は了承するわけではないので、私はここで私が御説明し、またさらに詳しく参議院で申し上げているところによつて御了承願いたいと思いますことが一点。それからいま一つは、この予算書の上にも私は特にこの問題は注意をいたしまして、はつきりさせていただいたのでありますが、あくまでこれは原子力の平和的利用に関する問題であります。非常に文句は長くなつて予算書などでも困つたようでありますが、平和的ということに私自身としては非常な重点を置いているつもりであります。従つてそういう利用方法がないというなら――これは川上さんはその方の非常な御研究をなすつておられるようでありますから、なければ対象がないわけなんで、どうもいたし方がございませんが、しかし私のしろうと考えでは、たとえば資源調査会等の調査によりますと、昨年十月ニユーヨークにおいても発表されておるようでありますが、そのほかのところでも、たとえば原子力発電の平和的利用というようなものについては相当研究も進んでいるようでありますから、今の点だけちよつと補足して、よけいなことでありますが私の意見をつけ加えて申し上げた次第であります。
 それから第二のただいまのお尋ねでありますが、これはまだ正確にどういう機構によつてどういうことをどの点まで所掌する機構をつくつたらいいかということについてはさらに通産省としてもとつくり省議を開き、あるいは保安庁その他民間の意見なども聞きました上で私としては発足させたいと思つておりますから、正確なこまかい点までお答えすることは今日できません。しかしながら特需の受注をいたします場合に、先ほどあなたも御指摘があつたと思いますが、私見として単純に発注の機関と日本の業者とがばらばらに接触をすることだけがいいことであるかどうかという点について私は多少の疑問を持ちます。もつとこれを積極的に日本の経済の発展のために考えるべきではなかろうかとひそかに考えておりますので、そういう線に沿うて、どういう機構をつくつたならばいいかということを現在私としては研究いたしているわけであります。
#91
○大西委員長 川上さんにお尋ねしますが、まだ長うございますか。
#92
○川上委員 いや、長くはございません。
#93
○大西委員長 あとまだ三人ほど残つておりますから、なるべくひとつ要領よくお願いします。
#94
○川上委員 それでは最後に、補足された大臣の答弁がありましたが、私も補足いたしますが、もちろん原子力利用の発電が可能だということは学者も認めておりますけれども。今のところアメリカでも工業化しておりません。ただ日本は石炭が非常に高く、労賃が非常に安いので、ここでやるならば何とかなるんではないかというような学問上の意見はある。しかし実際に工業化するというような問題ではない。ですからアメリカその他でも実現しておらぬようなものを日本が平和的に利用するなんということで、ただの二億円、三億円の金でもこういうところにやるということは――私は通産大臣の腹はおよそわかつておると思うが、これはよけいな予算を国会が請負つたものだということであつて、私はそんなにあまり誇大なものではないと思うのです。
 それから一括して受注を受ける機関というのですが、これは私はちよつと疑問があるのですが、ここに関係があるのです。つまりこれは出血輸出が行われるとか、ばらばらでやられてぐあいが悪いとかというので、一括してやる方がいいから受入れ機関を政府でつくろうというような案がある、こういうことが表面になるのですが、その裏にはやはり買先とリベート、いわゆる通産大臣の言われる明朗ならざる事実があるということはここにからんでおると思う。この点について私はさつき聞いたのですけれども、通産大臣はそういうことを言つた覚えはないと言われる。ところが言うた覚えがあるのです。新聞には書かぬという約束で言つておるのです。私はそこまで言いたくなかつた。だから記事には書かぬけれども、新聞社には情報として流れておるではございませんか。通産大臣はそんなことは言わぬと言つておる。だからおかしいというのです。正直に言つたらどうかということを言つておる。今の特殊の機関を設けるということの裏にはこれがあるんでしよう。こういう不正がどんどん行われるかそれがひつかかつておる。課長でも国際独占資本の陰謀でこういうことをやるから日本の産業がつぶれる。だからこの真相を言わなければならぬと言つて憤慨する人が出て来る。そういうことをやはり前提として考えて、これはどうもならぬというので、日本の政府とアメリカの政府とが直接にこの受注、発注ができるような機関をつくろうじやないか、これがあなたのお考えになつておる特殊な機関ではないのですか。こういう点はやはり私は国民の前に正直に率直に明らかにして、国民とともにこういう問題を解決して行くという政治を立てて行くのが常道だと思うのです。通産大臣のお考えはどうでありましようか。これが一点。第二点としては、将来政府は特需を通ずる軍需生産を国策的に国でやるつもりであるか。こういう機関を国自身がつくつて、注文を受けるのですから、そうすれば、国が注文を受けるのです。そうすると軍需生産を国営的にやることになる、国有でやるということになる。つまり国家の企業政策として軍需生産をやることになるのですかどうか、この二点をお伺いいたしたい。
#95
○愛知国務大臣 まず第一の、特殊な機関と川上さんは言われますが、これは、実は私が新聞記者会見で申しました、私としてはきわめて不正確な表現でありましたために、当然そういう、私から言えば、誤解をお持ちになつておるのだと思うのであります。実はまだそこまで考えているわけじやないのです。従つて、第二のお尋ねとも関連するのでありますが、何か一元的に受注して、アメリカの政府と直接コントラクトする特殊な機関を政府がつくるのだというふうにお考えになつておるようでございますが、私はそこまで言つたわけではないのでありまして、非常に御失望をお与えすると思うのですけれども、通産省としても、各原局に特需等の関係、兵器等の関係がばらばらになつておるので、とりあえず通産省内部の機構問題としてもひとつはつきり掌握したい、そういう組織をつくりたい、それから各業者がJPAその他とどういう話合いに進んでいるかというようなことについても、もつと従来よりも常時その実情を掌握しなければいけない、そうしないと、通産省として国内の通商産業政策上困ることが起るであろうことが予想されますので、今の機会に、こういう機構をつくる、こういうふうな考え方をしておるわけであります。
 従つて第二段の、将来国有、国営等において軍需生産をやる、特需発注の一手引受け機関を大きくつくるということは現在考えておりません。
#96
○川上委員 そうなりますと、先日通産大臣は、特需を受けようが何をしようがこれは商売上のことであつて、会社とアメリカ側の機関とがやるのだから、政府は間接的なものだと言われておるのですが、きようの御答弁によると、やつぱり特需というようなものに対して政府は一役買うことになる。実際通産省で採用しておるのは、設備までちやんとつくつて、この設備を業者に貸し与えて、出血になりそうなものには安く貸し与えたらどうじやというようなことまで話が出ておると思う。固まつてはおらぬかもしれませんが、そういう話はきまつておらぬと言われるでありましようけれども、とにかくいずれにいたしましても、国が特需、軍需生産に直接タツチしようとしておることだけは明らかなんです。そうすると、この特需というものは、メーカーが個々別々に商行為としてやるというのではなくて、国としてそれにタツチして、ここにはまり込んで行くのですから、この仕事に国営的性格を持たせるつもりであるかということを聞いたのです。実際こうなると私は思う。ところがこれは非常に危険だ。すでに危険の中に入つてしまつておるのですけれども、いよいよむき出しに、こういうような軍需生産の発展に正面切つて力を入れ出す一歩だと思うのです。そうお考えになりませんか。
#97
○愛知国務大臣 それは、私どもの考えはまつたく逆なんであります。むしろ日本の経済の実態から申しまして、最も能率がよく、最も向うさんの発注者の希望に合うのには、こういうところを使つてくれる方がよかろうということについて、従来も事実上推薦というようなことをやつておりますが、国内の通商産業ということをおあずかりしているわれわれの省といたしましては、発注者に対しましても、今後もつとよりよく日本の実情を的確にわからせるようにしなければならない。あなたはさつき不明朗ということをおつしやいましたが、より明朗な形で、しかも実際は業者と発注者との間の契約で行きたいのでありますが、それに対して日本国内全体の産業政策を反映させなければいかぬ。そういうのが私の気持なんでありますから、ただいまのお話とは逆なんであります。
#98
○川上委員 これはこれ以上いろいろ言いましても、やはり結論は出て来ないようでありますが、私はやはりそうではないと思う。特需の問題に政府が直接タツチをして、その間に介在する機関をつくつて、向うと折衝するということになれば……。
#99
○愛知国務大臣 そうではありませんということを今私は答弁しているんです。そうなれば、これは意見の相違なんです。
#100
○川上委員 どういうようなものをつくるにいたしましても……。
#101
○大西委員長 川上君に申し上げますが、きようはまだあと二、三人おりますから、議論でなく、質問していただいて、なるべく時間を有効に使つていただきたいと思います。
#102
○川上委員 質問しているんですけれども、通産大臣の方が議論を吹きかけて来る。
#103
○大西委員長 通産大臣にも議論をやめてもらいますから、あなたもひとつ……。
#104
○川上委員 では最後に一点だけ、MSAの小麦の問題ですが、あれを一億四千万ドル以上頼むつもりであるかどうか。なぜそんなにたくさんの小麦をMSAの援助という名前で買うのか。
#105
○愛知国務大臣 この点は前にもここでお答えもいたしましたし、私の考え方も述べたのでありますが、それは全然かわつておりません。この余剰農産物にはいろいろの考えなければならぬ条件が国内的にも、それから他の国際的の面にもあるのでありまして、そういう条件が日本に有利である場合には私は当然受け入れてもいいと思う。しかしこれは今後の相談次第でありますし、また向うでも買つてくれということを正式に言つてくれているわけでもございませんから、この点は従来私の申しましたところ以上に今のところ進展はないというふうに御了解願いたいと思います。
#106
○川上委員 そうすると、通産大臣の考え方は、一億四千万ドルとか一億ドルと言われているMSAの小麦は、ひよつとしたらこういうことをするのは好ましくないものかもしれぬ、こういう結論になつて来るんですか。
#107
○愛知国務大臣 今一億四千万ドル云云と言われましたが、まず第一それが仮定の数字であります。それから何を買うか。それから買うものについては、たとえばほかにカナダの関係、濠州の関係、いろいろあります。そういうところを見なければならぬ。それからこれは小麦だけではなく、綿の問題もあります、バターの問題もございましよう。それから今度はそのかわり金の贈与になる分がどのくらいあるか、特需発注を受けられるものがどのくらいあるか、そういうような点について、先方さんのこちらに対する希望あるいは頼みなどもう少し具体的にはつきりさせてみなければにわかにこれは結論は出ないと思います。ただ条件さえこちらに有利ならば、これは受入れてもいいということは原則的に言えると思います。
#108
○川上委員 これだけで終りますから……。条件さえよければ受入れてもいい、そこでお聞きしたいのですが、今さしあたり小麦に限定します。この小麦は食べれば食べるほど鉄砲だまになる。これが第一点。その金は軍需生産に使うのですから、国民がそれを食べれば食べるほど、その金は結局まわりまわつて鉄砲だまをつくるという関係になつて来る。こういうものを受けるから、たとえば直接的に出て来たのは明治パン工業株式会社、これはMSA小麦をあてにして、中小のパン製造業者を全部つぶしてもいいようなものを立て始めて、いろいろ意見もありましようけれども、業者は猛運動をしておる。これは事実なんです。そうではないという意見もありましようが、業者が猛烈な運動をして、社長が辞職をしたとか何とかいうことが出ていることは事実なんです。これはもともと小麦なんです。日本の農業生産を圧迫することは明らかです。食糧でアメリカ支配が強まるということも明らかです。しかもこのものは悪い。今度神戸に揚がりました、氷川丸が六千トン持つて来た分、これが虫食いが一ぱいあり、腐れておるのがある、雑草の実が一ぱいある。これは神戸から報道が来ておる。先日川崎に揚がつた分の小麦もとんでもないものであつて、これは社会党の諸君なども行つて、調べて来られた。値段は決して安いことはありません。条件いかんによつてはいいと言われるが、条件のいかんにかかわらず、こんなものは悪いに違いありません。なぜこんなものを受けなければならぬのか。外貨がなくて米が買えるというが、そういうなら、中国のさきの問題でも――これはあとで帆足委員も問われるでありましようけれども、そんな文句をつけるかわりにどんどんと入れたらよろしい。二万七千トン来ておる。今になつてバーターでなければいかぬとかなんとか言い出して、これをほかの方向へ持つて行きつつある。そうすると、どの点から言うてもこのMSA小麦というものは、条件がよければというようなものではなくて、初めからどうもならぬ、日本では受入れるべきものではない、こういうようにわれわれは考えるのですが、この点はおそらく意見が違う、こういう御答弁があると思いますけれども、私は時間がありませんのでこれについて長く応答するわけに参りませんから、通産大臣の考え方に対して、こういうものは条件の問題ではなくて、本質的に好ましいものでないではないか、こういう質問であります。
#109
○愛知国務大臣 御質問の御趣旨はよくわかつております。前にもそういう御意見を伺いましたので、時間があれば十分私の意見も聞いていただきたいと思いますが、私は簡単に結論だけを申し上げます。まことに失礼な話でありますが、川上さんは非常に誇張して物事をおつしやられる、これはお立場上無理からぬこととは思いますが、余剰小麦を入れればみんなこれは鉄砲だまになるというのは、そういう条件ならそうなりましよう。しかしMSA法五百五十条の改正の問題もあるようでありますし、それからまた当方の考え方といたしましても、その金で民生安定の方、たとえば住宅の資金に使えるとか、あるいは学童給食の方にもその金がさけるとかいうようなことがかりにあると仮定をいたしますれば、その限りにおいては私はいいことではないかと考えます。ですから、条件次第ではけつこうなことだ、なるべく条件をよくして受入れたい。というのが私の考えです。
#110
○大西委員長 小平君。
#111
○小平(久)委員 時間も大分たちましたから、私はごく簡単に対韓貿易の関係、ことにのりの問題等について承りたいと思います。と申しますのは、五月十日に参議院の水産委員会におきまして、原則として韓国からのりの輸入を禁止しろという趣旨の決議を委員会としてなさつておるようであります。私はもちろん参議院の水産委員会のこの決議を云々し、批判しようとする趣旨ではございません。また参議院の水産委員会がいろいろな事情を審査しながら、きわめて慎重にこの決議をお取扱いになつたことも、速記録を見ますとわかりますし、その立場からいたしますれば、ごもつともであるという点もあるのでありますが、われわれ通産委員会の立場からいたしますと、さようごもつともとそのまま受取るわけにも行かぬように私は承知をいたすのであります。そういう点で若干お尋ねをいたしたいのでありますが、その問題に入る前に、まず対韓国との通商問題であります。これは日韓会談等も再開を見ないでいる今日でございますので、これが将来等につきましても、おそらくはつきりした御方針なりあるいは見通しなり等は困難かと思いますが、まずもつてこの点につきまして、現在対韓の通商がどうなつているのか、また今後どういう方針、どういう見通しなのか、前提としてまずその点だけを承りたい。
#112
○愛知国務大臣 対韓貿易につきましては、実は政府といたしましてもただいま非常に心配している状況でございます。ただいまお尋ねの問題の前提になります実際の状況でございますが、昨年の四月から本年三月までの当方から輸出をいたしましたものは約九千二百万ドルでございます。この九千二百万ドルに対しまして輸入はわずか八百万ドルにすぎないのでございまして、最近一年間に八千四百万ドルの輸出超過に相なつたわけでございます。それから四月二十日現在まで累積して参りました総出超のバランスは四千二百万ドルに達しているのでございます。これは昨年度一年間で八千四百万ドルで、ずつと過去から累積しましたものを四月二十日現在で集計いたしますと四千二百万ドルのこちらからは黒になつているわけであります。そのうち御承知の日韓オープン・アカウントがございまして、それに対してスウイングの相殺をやつておりますが、それは二百万ドルにすぎません。韓国としてはドルでもつてこの差額の四千万ドルの支払いをなすべき義務を持つているというわけなんでございますが、先方はこの支払いを拒否して今日に至つているのであります。そしてその拒否している表向きの原因といたしまして、主要なものとしては、日本側が輸入制限をしている、ただいま御質問がございましたのりの問題にも触れまして、特に日本側が、のりのその他の韓国水産物であつて日本以外に先方としては仕向先がないというものの輸入を拒否しているということを理由として、このドルの支払いその他に応じないという態度をとつているのであります。
#113
○小平(久)委員 韓国との通商が相当額の出超になつている、しかもその決済が思うように行かないで、四千数百万ドルの焦げつきになつているということであります。そこでまたのりのような、日本独得の需要がある商品を日本が輸入制限しているということもまた韓国側に一つの口実を与えるような御説明でございましたが、そういう観点からいたしましても、従来の韓国のやり方に対しては、もちろん普通の国民大多数のものはあまり感じをよくしていないという点は了承いたしますし、私個人もそうであります。しかしまた通商のことでありますから、なるべくあちらの立場にも立つて考えてやるということがぜひとも必要じやないかと思うのであります。そういう観点からいたしますと、特にのりの場合等におきましても、わが国の国内ののりの生産に重大な支障でもない限りはやはりこれを入れてやるということが、一つには国内の消費者のためでもございますし、また国内の対韓輸出産業のためでもありますし、あるいは先ほど来のお話の決済じりの解消ということにも役立つ、こういうようなことで、これは大いに考慮すべき点ではなかろうかというふうに考えるのであります。そこでお尋ねをする前提といたしまして、参議院の水産委員会におきまする決議を見ますると、冒頭にこういうふうにうたつてあるのであります。「韓国海苔の輸入は我が国海苔生産者に少からぬ経済的打撃を与え生産に多大の障害を及ぼしつつあり、」云々と、こうなつておつて、この決議をなさつた前提の認識は、韓国からののりの輸入というものは国内の生産業者に少からぬ経済的打撃を与えておるのだ、多大の障害を及ぼしつつあるのだ、こういう認識に立つてこの決議ができておるものとわれわれは解するのでありますが、そうなりますと現在国内におけるのりの需給あるいは価格の推移というようなものはどんなふうになつておりますか、その点をまず承りたいと思います。
#114
○小池説明員 ただいまの点でございますが、のりの需給につきましても、実は御承知のように統計が不備でございますので、たとえば一口に一年の生産高が平年は十五億枚であるとか言われておりますが、これらにつきましても統計が非常に不備でございますので、はつきりいたしておりません。ことしの生産状況につきましても、生産者の説あるいはまた問屋の説等々聞いてみますと非常にまちまちでございまして、私どももどれが正しい数字であるかということをつかむのに苦慮しておる次第でございます。価格は昨年等に比べますとやや高くなつており、一般に売られておる上物は小売価格が一帖百十円程度になつておるように聞いております。
#115
○小平(久)委員 需給の状況はあまりはつきりしない、価格は若干上昇の傾向にある、まあ一言に言えばそういうことのようでありますが、そこで従来は韓国より毎年二、三百万ドル程度ののりの輸入があつたように聞いておる。それだけ輸入した結果がただいまの水産庁のお話のような事態になつておるのじやないかと思うのですが、その辺通産省の方としてどういうふうにお考えになりますか。
#116
○愛知国務大臣 こののりの問題、ことに参議院の水産委員会の決議をされました経緯等につきましては、通産省としても、あるいは十分にわれわれの見解が決議をなさつた方々に前提としておのみ込みいただけなかつたうらみも率直に申してあるのでありますけれども、決して水産庁との間でけんかをしたくはないのでございますが、私どもの方で見ておりますのは、ただいま御指摘もありましたように、ことしののりの生産というものはかなり不作であるようであります。私どもが見ておりますと価格が異常に暴騰しておる。去年はことしよりも生産が多かつた上に、昨年ののりの輸入は二百万ドル程度ございましたから、ことしはその関係から言えばそれだけくらいのものを入れても、大して供給過剰になる心配はない、従つて価格も大暴落をするというようなことは私は考えられないというふうに思うのであります。そのほかいろいろこまかく検討いたしてみましても、先ほど申しましたような現状でもございますし、さらにそれ以外にいわゆるFOAの関係の発注などについても、韓国の方はなかなかごきげんが悪くて日本のものの入札に応じられないというような状況もございますから、経済問題とすれば私はのりの輸入は認めていただきたい、率直な希望はそういうところにあるのであります。そこで参議院の水産委員長とも御懇談をいたしたのでありますが、やむを得ない事情によつて輸入をする、お前のようなことが実際ほんとうであつて、そういうことがわかれば、それすら阻止する気持はないのだ、しかしながら現在の日韓の関係はいろいろの問題が未解決のままであるし、特に水産関係の方から見ますると、韓国のとつている態度については日本側としてもまことに遺憾とするところが多いので、そういうふうな政治的考慮と申しますか、そういう立場から申しましても、いましばらくのりの輸入には応じられないとした方がよろしい、こういう御意見であつて、経済上の取引としてどうしても必要であり、かつ合理的な案というものが通産省側から提起されれば、決してそれをむげに拒絶するものではない、こういうふうな――もちろん非公式ではございましたが、水産委員長の御言明もありましたので、一応それを了とはいたしておるのでありますが、さらに水産庁の方と十分協議をし、また外務省の日韓関係の大きな問題の処理の見通し等も考え合せまして、善処いたしたいと思つておるわけであります。
#117
○小平(久)委員 ただいま大臣の御答弁の中にも、参議院の水産委員長との会談の模様が出て参りましたが、この決議案の後段には、ただいま大臣のお話のような趣旨が載つております。そこでこの後段によりますと、政府はこの事態を認識し、原則としてはのりの輸入は禁止せよ、それから「止むを得ない事情によつて輸入を許可せんとする場合は最少限度にとどむべきは勿論国内の生産増強を期するために生産者の納得する適切なる輸入方式を樹立し」云々と、こううたつてありますが、この輸入方式という点につきまして、何かお話合いがありましたろうか。
#118
○愛知国務大臣 実はこの後段につきましては、あまりはつきりしたお話合いはするだけの余裕がなかつたのでありまするが、この後段につきましては、御承知のように、現在の外貨資金割当方式から申しますと、貿易管理令に基きまして、輸入業者または需要者に割当てることを建前といたしておるのでありますから、もしこの御決議がそのまま百パーセントに政府の措置を拘束されて、現在の外貨資金割当方式と違つた方法によつて割当をしなければならないという義務を通産省が負うということになりますると、これは私どもとしては、率直に言うと非常に因つたことなんでありまして、ただ水産委員長が、やむを得ない場合においてはやむを得ない措置でよろしいのだというような御趣旨があつたようでありましたので、なおこれらの点につきましては、さらに委員長とも御懇談をいたしたいと思つております。
#119
○小平(久)委員 この点に関連して伺いたいのでありますが、私の聞くところによりますと、従来通産省におけるのりの輸入割当はもつぱら実績主義によつておるように伺つておるのでありますが、もちろん実績というものが重要であるには違いございませんが、しかしこれのみによるという方式は一体あまり適当ではないのじやないかというふうにわれわれは考えておりますが、かりに今年も若干の輸入を認めるということになりますならば、その間割当についてはどういう御方針をおとりになるおつもりなのか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#120
○愛知国務大臣 これはひとりのりのみに限りませんので、実績主義だけを建前にすることは、他の物資についてもいろいろ意見がありますが、ひとつその辺のところにつきましては、過去における改善すべきこともあろうかと思いますので、さらに十分研究さしていただきたいと思います。
#121
○大西委員長 小平君、課長からちよつと一言……。
#122
○森説明員 では割当方式について、割当方式はまだ農林省との間にはつきり話がきまつておりませんで、のりを入れるか入れないか、入れればどういう方式で入れるかという問題につきましても、具体的な案はございません。私たちが考えておりますのは、過去数年間の実績をとりまして、輸入実績によつて今度の韓国ののりも輸入の割当をするという方法を考えております。輸入実績でやるという方法は、ほかの物資についても同じことが言えると思いますが、既存の輸入商社を不当に擁護するということも言えるのであります。と申しまして、今度はほかの方法をとりまして、たとえば韓国とのオフアーによつて輸入をさせるということになりますと、非常に小さいインポーターが競合しまして、価格を不当につり上げるとか、あるいは不当な競争をするとかいうことが考えられるのであります。この点について実績主義を何パーセントとるか、それからそのほかオフアー主義を何パーセントとるか、この問題については、輸入方式ができましてからもう少し具体的にきめたいと思います。
#123
○小平(久)委員 この点はひとつ慎重に研究願うことにして、若干前にもどる形になりますが、焦げつき債権の取立てと申しますか、整理と申しますか、この関係であります。この点に関して参議院においてもいろいろ論議があつたようでありますが、この決議を拝見しますと、どうも明確を欠いておるようなんです。かりに朝鮮から今のりを入れるということになりますと、それが従来の焦げつき債権を取立てる、こういう形に現実になるのかどうか。この点は古池政務次官がお答えしておられますが、何か半ば疑問を持たれたような御答弁になつておりますので、その点を重ねて承りたいのです。つまり朝鮮からのりを入れるということは今後にいい影響があるかもしれぬが、しかしまた朝鮮でのりの代金を新たに払つてほしい、そういうように出られたのではこの旧債権を整理するというのには役に立たぬ、こういうことになるので、その点を明確にしておいてください。
#124
○愛知国務大臣 この点は私はこう考えているのであります。もしたとえば二百万ドルなら二百万ドルの韓国ののりを輸入したとすれば、日韓のオープン・アカウントがございますから、そのスウイングで相殺をされるか、あるいはドルで決済をされるか、いずれかになりますが、いずれにしてもこの出超のバランスはそれだけ消えるというふうに当然なると私は考えております。
#125
○小平(久)委員 そうしますと、焦げつきは焦げつきとしてほつておいて、新たなる決済を求められなくなる、こういうふうに解釈してよろしゆうございますね。そう解釈いたしまして、次に大臣も現状においてはある程度ののりを入れてもよろしいのじやないかというお考えのようでありますが、かりに決議の前段が厳格に行われるということになりますと、これが入らぬ、また入ることを躊躇される、こういうことになると思いますが、そういう事態が起きますと、対韓輸出ということについては、よほど影響がありますか。
#126
○愛知国務大臣 やはりこれは経済問題、通商問題として考えますと、この際としては若干のものを入れる話をさせていただくことが、すべての問題が円滑に行くのではないだろうか、こういうふうに見ておるのでございます。何しろこれは相手のあることでございますから、のりは買つてあげた、しかしほかのことは全然今までの態度と一向かわらないというようなことも、これをはつきり申し上げることはできませんが、感じは非常によくなるのではないかと思つております。
#127
○小平(久)委員 現在この問題についてお伺いすることは以上で尽きると思うのですが、この機会ですから水産庁の方にお伺いしますが、水産庁の方としてはこの参議院の御決議に対してどういう御所見を持つておられるのですか。また通産省の方ともいろいろ折衝なさつておることと思いますが、あなたの方の御意向ではどんな方針で今後通産省に臨もうとなされておるのか、最後にこの点を承つておきたい。
#128
○小池説明員 お答えします。今私どもが韓国ののりの輸入の問題について考えております態度と申しますのは、のりの生産者の問題もさることながら、やはり一番大きな問題は、先ほども大臣がおつしやいましたように、日韓漁業上の問題でございまして、その点から一部に強い反対がございますし、現在は輸入については否定的でございます。従つて参議院の決議を私どもも拝見いたしましたけれども、どういう方法でやるということにつきましてはまだ私どもの意見は検討いたしておらないような次第でございます。
#129
○始関委員 朝鮮のりの輸入の問題に関連をいたしまして、ただいまの小平委員の質疑とはやや違つた立場よりお尋ねをいたします。
 日韓の国交の調整なりあるいは貿易の調整という観点から朝鮮のりを輸入するというようなことに決定になるといたしましても、それに対して私は別段反対をいたすわけではございません。ただしかしながら、現在のりの生産からいえば端境期のような時期にはなつておりますけれども、私は東京沿岸ののりの生産の中心におりますので承知をしておりますが、のりの生産者なりあるいは生産者団体はまだ若干のストツクを持つておるようであります。そこで朝鮮のりが輸入になりますと、値段が下つたりあるいは商人の買いたたきの口実になるということは、これは明らかな事実であります。一方先ほど大臣も言われたように、のりは不作である、それからこれは人口問題と関連するでありましようが、のりの生産もだんだん零細化の傾向がある、おまけに東京湾ではひとでなんかの被害で貝類が全滅して非常に困つておるという実情がありますので、そういうのりの生産者への影響というものも十分頭に入れて善処をしていただきたいと思うのであります。具体的な方法としては、水産庁のお話ではまだ否定的だというのでありますが、入れるということにきまつた場合の問題として、輸入の総量なりあるいは特に時期的な調整という点がのり生産への影響からいいますと非常に大きい問題になるようであります。そういつたような点について通産省は水産庁とよく御相談になるほかに、輸入業者や問題などの意見は通産省はよくお聞きになると思うのでありますが、今度はのりの生産者団体の方の意向も十分反映させていただきたい。もしでき得れば農林、通産両当局とのりの輸入業者、問屋、生産業者の入つたところで大綱をきめまして、特別の事情がない限りはそのまま実施していただくということが望ましいのではないか、またのりの生産者団体でもそんなような希望を持つておるように私推測いたしておるのでありますが、こういつたような問題につきまして通産大臣の御所見を聞かしていただきたい。
#130
○愛知国務大臣 この問題は実は通産省としても実に頭の痛い問題でございまして、先ほど申した通りでありますが、さらに今始関委員のお尋ねの点については、これは私どもの調べであるいは間違つておるかもしれませんが、この三月までにのりの生産者は生産物の大体八割程度問屋に売り渡しておるのではなかろうか、そこで現在輸入がかりにきまつたといたしまして輸入品が市場に入つて参りました場合にその影響を受けるのは、今後しばらくの間のタイミングから申しますれば問屋側であつて、生産者には直接影響はないのじやないだろうか、それから今度は門屋が朝鮮のりの輸入を前提として生産者から買いたたいたということも伝えられておるようでございますが、これは先ほど申しましたように昨年も二百万ドル程度のものが輸入されておる、問屋、生産者間の話もそういうことを一応前提として頭に入れて進められたのではないかと思うのでありまして、これを材料にして特に生産者を買いたたいたとも思えないように私は見ております。ただいまの御意見はしかしごもつともと思いますので、ひとつ研究させていただきまして、輸入業者、問屋、生産者、それからのりのことでありますから国民大衆の消費者、このそれぞれの立場が全部が納得するということはないと思いますが、納得の度合いが多いような道を発見いたしたいものだ、こういうふうに考えておるわけであります
#131
○始関委員 ただいまのお話のように大部分のものは生産者から手に入れておるでありましようが、残つておる二割内外のものでも漁民の経済から見ればかなり大きいということを申し上げておきたいのであります。
 それからこれは大臣でなくても事務の方でもけつこうでございますが、そのような観点から見ますと、時期的な調整ということが非常に問題になるのでありますが、その具体的な方法といたしまして、これは為替の許可は大体半年単位だそうでありますが、船積みの時期の指定とかなんとか言うことで、それが六箇月ならばなるべく月別にならすという方法がとれないものかと思うのですが、その辺の点について御見解を承りたい。
#132
○森説明員 今の御意見ごもつともでございます。なるべくそういう方針でやりたいと思います。ただここで二百万なら二百万一ぺんに入れなければならぬということになると相当影響が大きいと思います。なるべくならします。
#133
○大西委員長 帆足君。
#134
○帆足委員 大臣も時間をお急ぎでしようし、時間も大分過ぎて参りましたので、簡単に要点だけを御質問したいと思います。先ほど川上委員からたいへん峻烈な御批判がありましたが、私は意見は意見として承りましたが、私はまた別な観点から、通産大臣は保守合理主義的な立場からわれわれの質問なり要望を正当に従来理解されまして、時代感覚もあり、そうしてそれが筋の通つたことであるならばただちに実行に移すという点において両面から私は非常に評判のいい方だと思います。ですからある意味で保守内閣の紅一点として、何もお年寄りの大臣、天保銭になつた文化文政時代の大臣に遠慮されることはないのであつて、保守であつてもけつこうですから、常に日本のために筋道の通ることは合理的にどんどんおやりになることが無産大衆にとつてもまた保守勢力にとつても、また一般市民にとつても私はよいことであると思いますので、この点は大いに敬意を表して質問するわけでございます。
 先ほどのりの問題が議題に上りましたが、たいへん重要なことでありますが、私は米の問題を一言申し上げようと思います。米の問題はのりよりもまたはるかに痛切にして深刻切実な問題でございます。私どもがこの米の問題で一番痛感しますことは、多くの勤労大衆が米を昔のように十分に食べられないことでございます。私の親戚にデンマーク体操の先生がおりますが、多少西洋かぶれいたしまして、朝は紅茶と、パンというような生活をしておりましたところが、夫婦とも栄養失調に陥りました。そこで私がひやかしたんですが、それは骨つきのビフテキとバターとそれから牛乳をとつてならかの地のまねもよかろうけれども、そういう条件がない以上は、やつぱりおみおつけとたくあんとそれから玄米でもよろしいから御飯を、朝食べられなければ夜一回ぐらいは腹一ぱい食べる必要がある、私は相当の欧化主義、ヨーロツパ的合理主義者の範疇に属するのでありますが、日本の実情から考えまして、勤労大衆は今日の段階ではまだ米を痛切に必要とし、そのために母たちがどれほど苦労しておるか、目に余る姿をいろいろな機会に見るのでございます。そこで、一昨々年中国に参りましたときに――私は、中国との貿易を拡大するというのは通産当局のかねての方針でありますが、もちろん政治的諸関係を考慮してヨーロツパ並という条件で進んでおることも了といたしておりますが、私のうちの娘が、近ごろ国からおじさまが多少米を届けてくれたので、夜は腹一ぱい御飯が食べられるようになりましたと書いてよこした手紙を中国の要路の人に見せましたら、自分も長い間日本に留学しておつた若いころ、そのころは御飯なんというものはもう当然のことで、われわれ貧しい留学生であつたけれども腹一ぱい飯を食べていたのに、国会議員として栄職にある君の家庭で、そのかわいがつているお嬢さんが近ごろやつと晩御飯だけお父さん御飯を食べられるようになりましたという手紙を書いて来ているのを見て、目がうるむ思いがする、何とかしてイデオロギーの境を越えて、皆さんに晩御飯だけでも腹一ぱい米が食べられるように中国も農業の増産にいそしむから、そのかわりに、米を日本に輸出する以上は、自分の国にいる機関銃もほしいとは言わぬ。戦車もいりません、平和的な機械や硫安や肥料など、すべて平和に役に立つものでけつこうですから送つていただくわけに行かぬだろうか、それで中華どんぶりと越中富山の反魂丹を輸出して米を輸入したいというのはちよつと、君無理じやないかというような話かありました。昨年池田正之輔君たちと一結に政府から公用旅券をもらいまして――公用旅券をもらつて行つたということは政府がこれをよしと見たもうたということでございますが、そうして国益を代表してかの地に行きましたときに、ちようど日本は風水害のあとで未曽有の飢餓でございました。故国から来た娘たちの手紙にはお父様近ごろはやみ米が一升三百円にまでなつて来ているようなふうでございますと書いてあるのをわれわれは見まして、これはたいへんだからというので中国で日本の一万田さんに当る南漢宸という銀行の総裁に特別に面会を申し込みまして、そうして中国と日本の親善の大きなきずなは結局食糧を輸入する問題だ、開らん炭の問題もありますけれども状況も多少かわつておりますし、塩は三十万トンもすでに輸入計画ができておりますが、金額からいえばわずかでございますし、鉄鉱石の問題はまだまだ今後の解決の課題ですし、大豆は西ヨーロツパとひつぱりだこでございますし、輸入の隘路は何であるかというと、結局大量の貴重なる物資を輸入し得る関係にならなければ、そしてそれによつて日本の国際収支を節約するようにならなければ政府当局のおぼしめしにも沿わないのではないかということで、保守革新議員超党派的に一致団結して先方と交渉しましたところが、時期が来たならば必ず米を輸出して御意図に沿う、そのかわり君の方もあえて軍需物資と言わぬ、戦略物資などは絶対にいらないから、平和物資でできるだけのことをしてもらいたいということで帰りましたところが、ことしの四月に中国の進出口公司及び中国国際貿易促進委員会から手紙が参りまして、米の輸出をし得る段階が来て皆さんに喜んでいただけるから、どうかこの問題を公正合理的に、組織的に解決するように骨を折つてもらいたいという電報が議員連盟の池田さんあてに参つたわけでございます。そこで私どもは相談をいたしましていろいろな角度から案を立てまして、そして特に農林省当局と相談を緊密にいたしまして、結局ただいま約三万トンの米を輸入するわくがありますが、中国が今日本に輸出しようというのは、おおむね河北米が一万七千トン、それからちよつと字がよく読めませんが、もう一つの米が二万五千トン、大体日本の愛国という米の種その他日本の米の種を主としたもので、外米というよりもむしろ準内地米でありまして、あるいは内地米よりうまいということでございます。すでにサンプルが参りまして、その専門家の意見では、たいへんおいしい米で、日本の内地米にまさるとも劣らぬ米であつて、その点は旧来の南洋の米とか、また南中国のいわゆる湖北米などと称する各地の米と違つて、大体内地米に近いという朗報でございます。それでも私どもは槙重を要しますので、見本輸入をする必要があると考えまして、最初三千トンという計画を立てましたが、経済的に入れますためには五千六百トンから六千トン、一船分だけを日本に輸入しよう、それからあとでできれば、合計向うが二万二、三千トンのものをくれるといつておりますし、ストレートでかりに輸入しますといたしましても、わくがあることでありますから、ぜひともまず入れる方針にきめていただきたいということを要望いたしております。しかしながら塩の輸入にいたしましても米の輸入にいたしましても、次のような特殊性がございます。すなわちこれらのものは、一定額だけは国内に必要でございますので、専売局にしましても農林当局の輸入係にいたしましても、一定のわくを簡単にもらいまして、いわばすえ膳に安んじて、きわめて気楽に輸入して参つたような弊風があるのでございます。これに対しまして私どもは、今日のように国際収支が日ごと夜ごとに詰まつて来る時代におきまして、単にすえ膳に甘んずるということではなくて、それが国民の必需品であるがゆえに一定のわくをもらつて、輸入の時期を失しないために、輸入の一定のわくをもらつているから、それになれてしまつて、輸出の促進をしないということでなくて輸入したその力は輸出に使い、輸出したその力はまた輸入の推進力に使うというような関係になくてはならぬということを、かねて通産委員会において主張しまして、同僚各議員の御賛成も得て、通産省もこの意見を支持してくださるように承つております。そういう関係から牛場通商局長は、やはりバーターということを相当強く考慮せねばならぬという正論を常に吐いておられることも拝承しておりますが、しからばこれを具体的に実現するとなりますと、やはり物事というものは中庸の道というものが大事でありまして、機械的にバーターでなくてはならぬ、従つて米を入れるからもう機械か何かを輸出するというふうにきめてしまわなければ輸出できぬということでは、現在米の見返り品は大体できるものは硫安その他で、それはことしはまだ輸出の数量に限界があるわけです。だんだん増産になればこれは非常に有望で、肥料と米というのはまことによい天の配剤でありますけれども、漁船とか機械類になりますとすぐというわけに参らぬ。またアメリカにおいて、スタツセンのようなココム関係を引受けている長官ですらが、貿易をもう少し緩和して不景気をよくしよう、そうして国民生活を安定することが、世界にとつても、自由世界の社会安定にとつてもよいという正論を吐いておられるということは御承知の通りでありますから、努力によつて少しずつ開けて来ることは当然でありましようが、今すぐ何月何日に開けるというわけにいかぬということで、バーターということをただ機械的に固執したのでは問題がむずかしい。そういうような点を考慮いたしまして、私どもとしてはこの問題の処理を考えねばならぬ。ところがこの見本がすでに来まして、品質がいいということと、値段は私が聞いておりますところによりますと、FOB百五十六ドルくらいの値段だそうであります。今カリフオルニア米は、聞いておるところによりますと百七十六ドル、それに対して値段も安いし、また近くから入れますから運賃も安いし、品質も私どもの好みに近い。船はすでに六月の十六日くらいの船がとつてありまして、早く最初の五、六千トンを入れなければならぬ。こういう状況のもとでバーターということをただ機械的に固執しますと、時期を失するおそれがある。そこで私は牛場さんなり通産省当局のバーターを基礎とするという方針を合面的に支持しつつも、当面の問題としては、時期を失しまするとよその国にとられる、また台湾米その他とも多少の競争関係もあるので、それに対する値段における牽制の意味もある、それから最初の見本輸入でありますから、やはり早く入れて現物を握る必要がある、それから将来への展望もこれによつて見通しがつくわけでありますから、この際少くとも六千トンの第一船に当る部分だけは、ポンドのわくもあることでありまするし政策の背景をバーターに置きながらも、技術的にはストレートで輸入することが緊急の要でないかと私は信ずるのでございます。今日すでに自由党、改進党各派の議員が集まつて相談しまして、その程度のことならばまことにもつともなことであるから、牛場さんに申し上げてわからぬことでもないし、また愛知さんにお願いして理解していただくならば、これは筋の通つたことであるから必ず通るということで、今連合して通産大臣にお目にかかつたような次第でございます。従いましてこの経過をお耳に入れまして、期日も迫つておることでございまするし論理もきわめて明快でございまするから、まずこの六千トンの輸入については輸入する方向に持つて行く、技術的なことはただいまの線について考慮して、輸入する方向に政策を進めて行くということについての御明答をいただきたいと思います。牛場通商局長にはぜひ来て聞いていただくはずでございましたがお目にかかれませんが、牛場さんも頭脳明晰な方ですから大臣と御相談くださるならばこれは解決つかぬことはないのでございます。まずその一点について通産大臣の明快なる御答弁をお願いしたいと思います。
#135
○愛知国務大臣 実はさつき川上さんからこの話がございましたときにお答えいたしましたように、ちようど一週間ほど前に私もこの問題を耳にいたしましたが、そのときにはこの決済方式が従来通りのものかというふうに私考えておりまして、ところがストレートのポンド・キヤツシユの支払いということでありますることは先ほど初めて伺つたようなわけでありまして、十分通商局長や食糧庁あるいは大蔵省と相談するだけの、まだそのままでいとまがないものでありますから、はつきり明確に承知いたしましたと申し上げるのには、率直に言つてちよつと自信がございませんが、さつそく今申し上げましたような大蔵省為替局、通商局、食糧庁等々と至急相談いたしましてはつきり態度をきめたいと思います。御趣旨はよく了承いたしました。
#136
○帆足委員 そこで、これは農林省当局の方は御了解願つていることと思いますが、農林省当局のお考えをちよつとお伺いいたしておきたいと思います。
#137
○長尾説明員 ただいまお話の中共米の件でありますが、われわれの方としましては当初品質等に若干の不安がありまして、サンプル等を取寄せていただいたわけであります。先ほどもお話のありましたような品でございまして、技術的に懸念がありませんし価格も高いものではない、先ほどお話がありましたような価格と考えましたので、私の方としてはひとつ早急に実現をはかりたい、かように考えております。
#138
○帆足委員 ただいまのような農林省当局の答弁でありまするので、通産大臣がお骨折りくださるならば私は解決つくと思います。
 そこで今度は、牛場通商局長がなぜそういう御心配をなさつたかという点については、私は大いに了とするところがあるのでございます。と申しますのは、この六千トンから引続いて、まず目標を二万二、三千トンというところに置きますと、なお一万数千トンの輸入の問題があるわけでございます。もちろん聞くところによりますると、まだ三万トンのわくがあるそうでございますから、私は準内地米を輸入するならば他のまずい米を輸入するよりも、どうせわくがあることならば中国から輸入することが――もちろんそれは無条件ストレート輸入も一つの手であると思いますけれども、しかし今日中国には西ドイツ、英国、フランス等が、ココムの禁止も相当緩和されましたために相当大量の輸出をなしつつあるわけでございます。英国やフランスやドイツのなすことをわれわれがなして悪いはずはない。なして悪いどころか、ココムを緩和したということは、緩和したものについてはしつかりやれ、これが国策の線に沿うものであるという激励の解除とも理解し得るわけでありますから、あとの問題をできるだけ輸出の増進と結びつけて考える方向に持つて行くということは、私は通産政策として当然のことであると思います。そこでお尋ねいたしますが、かりに日本に六千トンを輸入するといたしまして、一体どういう商社に輸入させるか、私は中国貿易については過去の実績というものはないと思います。数社の勇敢な商社が中国貿易に多少の実績を残しました。それらの商社の実情を見ますとほとんどまだ損をしている実情で、きびしい貿易のために過労で病人続出というさんたんたる状況の中で貿易の努力がなされておるという実情を私はよく知つておるのでございます。従いまして今後の貿易につきまして、ただ従来晏如として中国貿易を横目で見ていたような業者にのみこれをゆだねることは、私は多少不当な点があるし、また今後輸出と輸入とは何らかの意味において連関調整しながら進まねばならぬ。それかといつてすぐ公団をつくるわけにも行かず、業者の輸出調整組合をつくるようなこともまだむずかしい段階でありましようから、これもまた中庸の道で逝去における中国貿易の努力の実績や、また過去における専門の知識等を組み合せまして、だれが見ても公正妥当な一つの基準のようなものを政府当局も立て――幸いにして中共貿易の同業団体として中日貿易促進会というイデオロギーの入らない純粋の貿易社だけの団体もあることでありますから、それらとも相談されまして、他の中国貿易について造詣の深い専門の方の意見も参考にされまして、こういう問題について非難の起ることのないように、大体公平にやつておるわいという形を切に希望する次第であります。第一回目の見本輸入につきましては急ぐごとでありますし、専門の知識も必要なごとでありますし、第一回のサンプル輸入でございますから、あえて問題はないと思いますけれども、あと引続いて一万数千トン輸入しますと、一体どういう方式で輸入なさるお考えか農林省当局にお尋ねしたいと思います。
 第二には通産省当局としてはバーターバーターとおつしやるけれども、バーターという意味はどういう意味であるか、私が考えますのに、バーターと一口に言いますけれども、これは内容的には四つ、五つの問題がございまして、たとえばストレートで出し、またストレートで輸入しましても、間接的にはそれがバーターになつて「おる場合があります。またトーマス方式と申しまして、将来必ず輸入するという約束で入れることもございます。また甲、乙、丙の使用価値において結びつけるバーターもありますし、そういうことをあまり考えずに一般的に為替総額だけで組合せて考える場合もございます。またバーターと称しながら行方不明になりましてさまよえるオランダ人のような状況になつてしまつて、うまくちよろまかして輸入権をとつたというような例もありまして、いろいろ批判の声も聞くのでございますが、今日の過渡期におきまして万全の策というものはございませんが、そこに多少公平な方法論というものがあつて、業者に対しては、公平感を与え、結果としては輸入輸出を増進し、安い値段で輸入し得るような状況になるように導いていただかなければならぬ。そのために輸出の方式と輸入の方式において、自由と統制をどういうふうに調整するかということは非常にむずかしい課題でありまして、一歩早まれば売りたたき、買いたたきのようなことにもなりますし、業者の間では最初は中小業者が非常な苦心をしたものを、あとから財閥業者ががぶり一のみにのんでしまうような非難もございますので、それらのところも常識で考えてこの辺のところならまず公平であろうというような原則を発見して、その原則のもとに今後の貿易を進めて行くようにしていただきたい。その点について、農林省、通産省両当局はどういうようにお考えになつておるか、要点だけでも伺うことができますれば仕合せに存じます。
#139
○長尾説明員 取扱い商社の指定の点の御質問だと思います。われわれとしましては、とりあえず第一回の五千五百トンのものにつきましては、現在食糧庁に登録になつております商社があります。これでやりますれば、別にこれという指定をやるというつもりは持ちません。今後の問題としては、やはりサンプル等を見まして、どれだけ買うかという問題をきめて行かなければなりませんので、それと関連して数量的にどういうことになりますか、そういうこととあわせて慎重に考えてみたいと思います。ただおつしやいますように、非常に不公平な取扱いをするという気持は持つておりません。
#140
○岩武政府委員 決済方式の問題につきまして、まだ私十分な知識を持ち合せておりませんが、通常中国貿易の、バーターと申しておりますのは、厳密な意味の物々交換ではもちろんございませんで、いろいろな形の輸出、輸入のLCを組み合せた形のものが多いわけであります。御案内のようにキヤツシユ決済になりますと、スターリングになりまして、わが国のスターリング・ポジシヨンの関係もございますので、大きくキヤツシユ・トレードの道が開けますことは、これは非常に問題だろうと思います。なおこまかい問題の立て方によりまして、いろいろな場合を考えて行きたいと思いますが、大きくキヤツシユ決算の道を開くことはなかなかむずかしいのではないかと思います。
#141
○帆足委員 ただいまの御答弁は、それはそれとしてけつこうですが、これはまだ経験の浅いことでありますので、特に農林省当局は案外まだ思慮綿密に考え及ばぬところがあり、その点から多少非難を受けるようなことにもなりはしないかとご心配いたします。従いましていろいろな観点から考えまして、中国貿易についてはやはり過去の努力というものを相当尊重しておきめになるが至当ではないかと思う。中国貿易の実績ということと、他の貿易の実績ということとは、同じ点もあるし、また違う点もあるとお考えを願いたい。また通産省当局としては、今次の六千トンの輸入については時間の問題がありますから、急いでストレートで輸入していただかなければなりませんが、将来の問題について通産省のお考えになつておることは、私はきわめて健全であると思います。輸出の振興、輸入の振興に間接でもよいから結びつけたいというお考え方は、それ以外に輸出振興策はないと思います。専売公社にしろ、農林省にしろ、統制になれて、今日日本の国際収支が急湍怒濤の勢いでどつちの方向に向いておるか、ピンと来ていないのではないかと思う。日本の貿易は戦前に比べて何パーセントぐらいで、世界の貿易は何パーセントぐらいになつておると農林省当局はお考えになつておるか、これはメンタルテストのようでまことに恐縮ですが、お尋ねしたいと思います。
#142
○長尾説明員 詳しい数字等存じておりませんで、メンタルテストに不合格と思いますが……。
#143
○帆足委員 私は寛容の精神を持つて自分に対するようにしておりますから、同時に政府委員に対しても寛容の美徳をもつて対したいと思いますが、いやしくも米の輸入に従事せられる諸君が日本の国際収支、特に世界貿易の水準と日本の貿易の水準について正確な知識を持つておられないことは驚くべきことであると思います。私の記憶にして間違いなくんば、日本の輸出は戦前の三十数パーセントです。世界の平均は百五十をはるかに越えておると思います。実に前古未曽有の難局でございます。しかも移民はできず、戦争による解決ができない国として、われわれは労使ともに翻然として、ひとつ足元を見てともに語り合わねばならぬ重要な時期ではないか。社会党左派の者がそういうことを言うと皆様はおかしいと思われるでありましようが、決しておかしいのではない。一たび民族の危機の深さに思い至りますれば、その点は労使の差別なく考えるべきほど重大なのが貿易と国際収支の課題でございます。そこでその一環として私どもは米を輸入せねばならぬ。四方海に囲まれている日本において塩の輸入もしなければならぬ。ほとんどすべてのものを、かせぎとつた外貨をもつて輸入しなければならぬ。特需は二億ドルも減るという予想を考えねばならぬということを聞いて卒然として私ははだえにあわを生じました。
 最後に原子力の過剰生産のことをひとつ通産大臣のお耳に入れるのでありますが、それはあとまわしにしまして、問題を簡単に済ませますために、ただいまの輸入方式につきましてはいろいろな問題がある、農林省当局が考えておるほど簡単でありません。あるいは貿易促進会のお考え方も私は多少の修正が必要であるかと思います。万人が考えてこれは公正合理だという結論に到達いたしまするために、バーターを大いに奨励しておられる通産当局と農林省と業界の専門家とで、もう少し今後の方針については検討いたしまして、論理と実際とが通るように御協力を願いたいということだけを申し上げまして、次に移ります。そこで今度六千トンの実績が非常によかつた場合には、これが内地米とほとんど同様のものであつたとするならば、そのときにまた通産大臣に十分な御連絡をいたしますから、農林省当局と御相談くださいまして、日本の勤労大衆に、南京米でなくて、内地米と同じものを食べさせていただきたいことを切にお願いする次第でございます。
 さてその次にお尋ねいたさねばならぬことは、私どもは昨年中国との貿易協定を結んで参りました。これは日本の実情から見まして百パーセントの効果は上げませんでしたけれども、それでもなお相当の実績が上りつつあることは、御承知の通りでございますが、この協定が秋に完了いたしますので、かわりの協定をまた一応締結しなければなりません。そのためには今度は私は単に議員連盟といいますよりも、国会議員で貿易の専門知識のある方や、財界で貿易の知識のある方や、その業界の方等で相談をいたしまして、また政府当局とも十分相談いたしまして、これはやはり民間の資格で協定の改訂をせねばならぬことは事実でございます。これは何も日本だけのことではなくて、フランスもイタリアもイギリスもドイツもしておりまして、イギリスあたりでは従来の方式だけでは多少誤解が起るというので、英国の商工会議所に当るFBI、フエデレーシヨン・オブ・ブリテイツシユ・インダストリーズという機関が最近は中国との折衝に当つておるようであります。そういうことも考慮いたしまして、協定の改訂のために、たとえば秋になりましたら貿易業者の方に行つていただくとか、そういう適当な人たちに私的資格で行つていただくようなことをせねばならぬと思いますが、そういうことについて通産大臣はどのようなお考えでございましようか。実はもう議会が終りますと、夏の間に多少の準備をいたさねばなりませんので、お考えのほどだけを伺つておきたいと思います。
#144
○愛知国務大臣 私はもともと日中貿易につきましては、言葉は練れませんが、日本人全体の気持として、日中間の貿易を促進したいということは、いわばノスタルジアとさえ考えておるほどでございますから、政府側としてもいろいろ政治的に考慮しなければならぬ要素もあると思いますが、経済的な方面につきましては、できるだけ私どもといたしましては政府の立場から御協力申し上げたいと考えております。なおそれらの点につきましては、今後外務省方面とも特に積極的な密接な連携をとつて参りたいと思つております。
#145
○帆足委員 ただいまの通産大臣の御答弁で私どもは十分に満足するものでございますが、同じことは、英国の前大蔵大臣のバトラー氏が、東西貿易は大英帝国のノスタルジアであるというような答えもしておりまして、まつたく東四相呼応するごとく、私はまことにけつこうなことであると思います。英国は海の国であり、七つの海を支配しておる国でございます。私どもは一つの海すら支配することができずに、太平洋の水爆の雨に囲まれている敗残の民族でありますけれども、世界を愛し、世界と貿易しようとする心につきましては、私は英国から学ぶべき海の国、貿易の国であると思いますので、通産大臣の御答弁に敬意を表する次第でありますが、そうであるとするならば、次にとるべき対策としては、その問題の実行の準備に私どもはとりかかり、また通産大臣の御理解も得ねばなりません。その次には今日ソ連と約六千万ドル近くの協定ができたというふうに新聞は伝えておりますが、それもよいことであると思います。そこでその技術的の必要のために、ソ連から貿易または技術の専務者が来朝することは、外務省当局も遂に認めるに至つたということも、まことに当然のことでありましようが、そうであるとするならば、私はそれと同じような意味において、中国からも将来は貿易技術者の方々が、そういう私的資格でもいいから、来るようになることが、ものの順序であると思います。今日のところは、国会が保守党の議員、吉田さんも含めて満場一致――あるいは岡崎さんも満場一致である以上はそれに入つておるはずでございますが、満場一致李徳全女史の来朝を歓迎する決議をいたす話合いでございますので、もうぼつぼつこの問題も解決に近づいているのではないかと思いますが、通産大臣の御所見を承りたいと思います。
#146
○愛知国務大臣 私がこういうことを申しては何ですが、自分といたしましては、できるだけそういう状態が早くケースバイ・ケースに進捗することが望ましいと考えております。及ばずながらできるだけ努力いたしたいと考えております。
#147
○帆足委員 今日外務大臣の岡崎さんは、非常にその点は、教養の水準が低いからか、子供のときの親のしつけが悪かつたせいか、こういうわかりきつたことを御理解されぬのでございますが、若い通産大臣が明快な御答弁をされたことは、私は世界の新聞で好評を博するであろうと思います。これは今日世界の常識になつているのです。スタツセンのような人でも――アメリカの国務省の中にもほとんど愛知さんと同じような考えの人が多いと思う。アメリカであるからといつてみんなマツカーシーの親戚であるとは言えないということをよく知つておく必要があると思います。
 もう幾つもございませんが、次にお尋ねしたいことは、先日エカフエの会が開かれました。そのときにソ連の代表がエカフエの参加諸国が一ぺんソ連の経済の実情を見に来てはどうかという提案をいたしました。但し朝鮮の李承晩と蒋介石は少しばかり品がよくないし、何か戦争が好きなようであぶないから来てもらつては困る。それ以外の国はひとつ全部遊びに来ないかという提案をいたしまして、その提案の中に日本という名称も入つておりました。どうぞ日本の専門家諸君に来てくれと呼びかけたそうであります。これも一々アメリカの鼻息をうかがう必要はないと思います。ただイギリスや西ドイツ等の出方等は十分に参考にいたさなければならぬと思いますが、西ドイツやイギリスからも使いが行くならば、日本もやはり適当な専門家をやつた方が有利なのではあるまいか。私の知る限りにおいて、財界人の方々にこの話をしましたところが、帆足さん、今日の段階ではそれはもう常職ではないか、平塚君ですらもうあつちに行つているじやないかということでありました。この問題が通産委員会においてまだ十分な討議を経ておりませんうちに閉会になりますので、これは通産大臣の所管事項でございますから、ぜひ御答弁を願いたいと思います。
#148
○愛知国務大臣 今もおあげになりましたように、たとえば西独の態度とか、イギリスがどういうふうに出るかとかいうようなことも十分見きわめなければなりませんし、また外交上の、もちろん自主的な立場でございますが、いろいろ考えなければならぬ点も多いと思います。しかし私は先ほど来申し上げておりますように、個人といたしましては、少くとも経済問題についてはもつと世界を友にして行かなければならない、こういう気持を持つておりますから、そういう方向にできるだけそのことが少しずつでも前進するように努力いたしたいと考えます。
#149
○帆足委員 たいへん御遠慮がちでありますけれども、実情としてはたくさんの閣僚もおられますし、平均年齢は七十にもなつていることでございますから、御苦労のほど、われわれ同時代の大臣に対して御苦裏のほども察し、大いに期待する次第でございます。
 その次に話に聞きますると、新聞で発表されましたように、中国貿易の制限はだんだん緩和されて参りましたが、ココムから西ヨーロツパ並に全部してもよろしいという通牒が来たというようなことも一部のジヤーナリストから聞きますが、何かそういうような総括的なことでもございますか。これは念のためにお尋ねしたいと思います。
#150
○愛知国務大臣 ただいまのお尋ねのようなココムから書信が来たというようなことはないと思うのでありまして私まだ見ておりません。先ほど申し上げましたように、中共向けの禁輸のリストは先般の発表をもちましてまつたくココムと同様になりました。何か一つ表の上で違いがございますが、これは実質上何も問題にならない点で、よく御承知と思いますが、まつたくココムと同様になりまして、これは私もひそかに喜びとしていることであります。
#151
○帆足委員 ただいまの点は了承いたしました。さらに薄板等の問題につきまして、先日ある雑誌に出た貿易統計によりますと、西ドイツから相当出ているような貿易統計がございました。これはただいま御答弁くださらなくてもけつこうです。いずれあとで資料を差上げますからお調べ願いたいと思います。
 それから時間もございませんので次に移ります。塩の輸入等に伴うところのバーター制でありますが、これも通産省当局が専売局に相当奮起を促し、従来のやり方についても批判を促しまして、できるだけバーターを背景に置きながら弾力性のある輸入制度の方針をおとりになつていることは私は非常に賛成でありますが、しかし今日中国貿易に対しましては輸出超過、すなわち貸出し超過になつている商品及び商社はたくさんあるのでございます。しかしそれらの実績を無視いたしまして塩の割当を制限式にきめまして、あとはトーマス方式で義務を課しているということは、私は折衷案としても多少片手落ちではないか、不公平でないかという気もいたします。従いましてこれらの点についてはまだ過渡期で検討不十分な点もあろうかと思いまして、決して等化当局をとやかく私は批判するものではございませんけれども、やはり輸出奨励ということを背景にお置きくだされば、もう少し細密な御検討が必要ではあるまいかと思いますが、その点について専売当局の方がおられれば御答弁を願いたいと思います。
#152
○愛知国務大臣 きようは実はそのこまかい問題まで御討議がないかと思いまして専売公社の人が来ておりませんが、これは帆足さんも御承知のように、私も在来からこれは非常に関心を持つておりまして、専売公社の直接の専務の担当者に対し私からいろいろ話を進めておるようなあれもございますので、ちよつと今御指摘の点について私も心しておらなかつたのでありますが、さつそく調べまするし、従来の私の考え方は御承知かと思いますが、そういう線で問題をどんどんほぐして行きたいと考えております。
#153
○帆足委員 ただいまの御答弁で満足でありますが、どうかただいまの点を通産省当局も輸出政策という点からひとつ御検討くださつて、いたずらに専売当局を責めるのでなくして、専売当局としては塩を確保せなけれならぬという重要な任務がございますから、その任務を十分御理解なさりながら、なお国の国際収支の行き詰まりと、輸出振興の政策をそれに織り込んでいただくように両者の合理的協調をお願いする次第であります。
 次に映画の問題は先ほど午前中にも申し上げましたが、あれは簡単な問題のようで実は重大な問題でありまして、特に外務省の圧力でああいうふうになつたといいますけれども、外務省の情報局というのは、あれは一番頭の悪い局であることはもう出版物を通して明確でありますが、それが私どもを指導するというに至つてはまさに言語道断、抱腹絶倒と申すよりほかはありません。英語のできる人必ずしも文化人ならず、これは論語に書いてあつたかどうか知りませんけれども、私はそう思います。そこで今日本はユネスコにも入つており、国際連合にも入つておる。日本が中国の准河の修築の映画一つ見る機会もない。アルメニアの美しい風景も、愛らしい韃靼の美人の踊りすら見る機会がない。こういうことではいけないのでありまして、私はこういうことは許せない。そうして外務省の情報局は日本の国民に対する思想統制をする機関では断じてない。従つて映画の輸入などにくちばしをさしはさむことはならぬと通産当局は言うてしかるべきである。そうして映画の輸入の基準、映画倫理というものは、映画審査委員会という自治機関、良識ある分化人の自治機関がありまして、せつかくそれが苦労しておるのでありますから、それを尊重すべきだ。しかるに外務省当局の圧力に遂におびえまして、中国に対しては四本の映画が行つていて、すでに二本の輸入権があるにかかわらず、遂に三月三十一日まで許可されなかつた。かの有名な芸術映画白毛女も遂に諸君は見ることができない。私はこういうことではならぬと思う。インドのネール氏が白毛女を見て涙を流したというのです。あの映画が何で危険でしようか。ああいう中国の映画もソ連の映画も、かの国の実情から見てはよいが、この国の平和態勢にはどぎつくて多少遠慮した方がいいということのあることも知つております。それは映画協会とか、映画倫理審査委員会の自粛にまつべきであつて、当局がスマートであるならば、輸入業者は適当な自粛をすると思います。それが民主政治の良識だと思います。それをアメリカ、イギリス映画がたくさん入つているから、輸出を振興するときにアメリカ、イギリス映画は追加する必要がないというリストの中にちよびつと中国、ソ連という名前を審議会で疲れてしまつたときに、疲労の極に達したときに、そういうものを入れてしまつたということは驚くべきことである。きようは外務省情報局と大蔵省を呼んで、ぜひこれは国民の代表として――見る権利、聞く権利はわれわれにあるわけです。なぜ私どもが中国の揚子江の開発の風景を見てはならぬのでしよう、なぜドニエープルストロイの計画の進行状況を見てはならぬのでしよう。彼を知り、おのれを知るならば百戦危うからずと古来言われておるが、そのわれわれの権利を何の権利があつて外務省の情報局が干渉するのか、これは呼び出してきびしく反省してもらわなければならぬと思うのでありますが、一体今日の外交というものは通商外交でなければならぬ、経済外交でなければならぬ。通産省が主であつて、外務省はその仕事を安からしむるための助産婦でなくてはならぬと思います。それを外務省に追随して通産省が十分に機能を発揮していないということは遺憾しごくである。私は農林省と通産省は兄弟姉妹のごとくであつて、そうして都会でつくつたところの機械やその他のものを農村にやり、農村からは食糧をいただき、農民の生活を改善し、一緒になつて外務省を教育して輸出の振興をはからねばならぬというときに、通産省の政治力が弱いのは昔からの士農工商の遺物である。こういうりつぱな通産大臣を持ちながら、他の省よりも比較的政治力が弱いとされておるのは何事であろうか、何よりもまず敗残のわれわれ国民は食わなければならぬ。生活が安定すれば。パチンコなどは減るのです。することがないからパチンコをしているのです。決してあれは楽しいことではないのです。痴呆状況です。そういう点で決して通産省当局はもつと強い――通帳大臣は非常に知性をお持ちですが、もう少し強い心臓とバイタリテイを持つておやりになることを切に要望いたします。
 委員長から御注意の来る前にこれを最後ということにして御注意をいただかなくても打切りますが、最後は原子爆弾の問題です。私は数年前からもう特需一辺倒に依存することは間違つておるということを声を限りに叫んで来ました。数年前にダレスさんが、日本の憲法に失望して、アジアのスイツツルなれという日本の緑の地図を消してまつ黒に塗りかえました。そのときにある日ミシン業者と自転車業者が私のところに相談に来て、もうぼつぼつバズーカ砲の下請に転化すべきでしようかと相談されました。私は従業員を救うためならしかたがないでしようけれども、大局としては、平和に生きて行く以外に道がないと思う。何となれば日本の立地条件と戦略的諸条件、原爆もやがて水爆に移る経過を考えますと、結局日ごと夜ごと平和の力が強くなる。武器の性質もかわつて来るということも言いました。今日こういう実際の過渡期において二割、三割を軍需その他にたよらなければならぬ二面があるとしましても、それに一辺倒にたよるわけに行きません。何といつても八千万という厖大な国民の生きるためには平和の道に活路を見出さねばならぬ。そうしてすでに万国平和会議の前夜にあるとするならば、そうして平和が続くとするならば、貿易で生きて行く以外に残された道は絶対にないということを、私は覚悟せねばならぬと思う。その意味において、私はさつきの川上委員の意見と多少は違う点もあるかもしれないと思いますけれども、平和の条件のもとに原子科学を研究して行くことは必要だと思います。しかし今日本に原爆の製造工場をつくるような組織もなければ実力もありませんし、そういう政治的、国際的環境にないことも御承知の通りです。従いまして私どもがなすべきことは、まず安心して原子科学を研究し得るような平和の雰囲気に協力して行くこと、国際連合、ユネスコその他の平和への努力の面に協力して行くこと、同時に、第二には原子科学について的確な資料を集めて理解力を持つこと、第三には、原子科学の今日及び将来の見通しと、原爆水爆のもたらすところの影響と、その影響力の強さと深さを全国民に知つていただくことそれが今日の教養です。今日の日本の教養とは何ぞや、原子科学に対する知識です。私は、原爆に対するイロハの知識のない者が政治家たることは、祖国に対して犯罪を犯すことであると思います。従いまして、いつぞや外務委員会におきまして、吉田総理に対して原爆白書を一日も早く公表してください、それは国会議員を教育することだけではなくて、全日本国民の目を開くことですというお願いをいたしましたが、まだ十分な実行を見ないうちに、早くもわれわれは体験を通じてこれを知らねばならないという不幸に直面するに至りました。今日皆様御承知のように、雨水を蒸溜して使つておるところの測候所の所員たちが相次いで原子病に倒れておるという現状です。政府は今これを調査しておると言いますけれども、青酸カリを飲んだあとで胃液の分泌を調べておるような、実に心細い状況であります。私はもし政府にして誠意があるならば、一応水爆の禁止をアメリカに交渉しておいて、待つてください、そうしてその間に影響をもう一ぺん調べて、実験をするなら害のない範囲で今度は実験を続けてもらうというようにするのが良心的な保守政治家の任務ではないかと思いますが、それすらなすことなくして、岡崎さんがお追従を言つて水爆実験に協力するというようなことを言つたときには、私は実に怒髪天をつく思いがいたしました。この問題は私は十分に理解しておかねばならぬ問題だと思います。先日炭鉱労働組合の人々が来まして、重油と石炭の競合状況をわれわれにアツピールしました。しかしこの問題はバランスの問題であるから、私どもは、石炭鉱業労働者が失業しないように、愛知さんに十分お話しするけれども、しかし根本問題は、その背後にもはや水爆が電力エネルギーとして登場しつつあるということに対して、全炭鉱労働者は決心を固めねばならぬということを率直に申しました。と申しますのは、最近外国の新聞の伝えるところによりますと、一般の原爆は一千発を越えまして、すでに過剰生産になつてしまいました。水爆一発について引金原爆一発がいるわけでありますから、水爆がやがて百発になれば、原爆九百発というものはもう置き場のないところの廃物になるのでございます。そうしますと、その原爆工場を閉鎖するわけにも参りませんので、その生産力をいやでも何らかの意味において原爆以外の、民族国民のエネルギーに使わねばならぬという事態にもはや迫られております。人類の最高の生産力であるところの原子生産力はすでに過剰生産に来つつある、こういう恐るべき状況を前にしておりまして、やがてこれが電力に使われるならば、先日「遂に太陽を発見した」という書物には、電力の値段が二千分の一になると書いておりました。しかし私はそういうことはあるまいと思つて、先日わざわざ理研に同僚の議員と一緒に出かけて――われわれ国会議員全部がなまけ者であるはずはないのです。同僚議員数名とともに理化学研究所に行き、この書物のことを確かめました。すると、これには計数の誤りがありましたけれども、しかしだんだん水力電気、火力電気よりも安くなる傾向にあることは間違いのないことです、と言うのを聞いて、実は驚いた次第でございます。こういうことで、あと数箇年後には明らかに――川上君は平和にまた使つた例がないじやないかと言いましたが、まだ今日の段階はそうでありましようが、あすにはもう平和に使われることが目睫の間に迫つておる。石炭はやがて織物と薬をつくるための原料になつてしまうのも、もう目前に来ておると私は思います。こういうあらしのような、夢見るような時代に生を受けて、国の政治をお互い預かつておるわけでございますから、保守といい革新といい、われわれはともにもう時代から遅れております。無知のやからと言われてもしかたがないでしよう。お互いにいたずらに攻撃のための攻撃をするのでなくて、十分に意見の交換をしまして、国のためによいことであるならば、相提携してやる、よくないことならば、論議を明らかにして国民の判断にまつというふうに参りたいと存じます。先ほど川上委員からは平和を愛する余り原子科学予算についての批判的論議がありましたが、私も平和を愛するものであります。しかしやはり原子科学予算というものをもう少し建設的な方向に使つていただくならば、国民の疑感を転じて福となすこともできますので、その産業面をもつぱら担当するものは愛知さんでありますから、やはり通産省においても、この問題の担当事務官でもお置きくださいまして、今から正確な情報だけでも集めておいて、そうして日本がこの問題に携わるチヤンスと用意はどういう点において準備すべきかということを、平和の面において御探求していただいておくということは、私は愛知さんにふさわしい仕事の一つであると思いまして、最後にそのことをお尋ねする次第です。
#154
○愛知国務大臣 今の原子力の問題は、まさにお話の通りに私考えております。先ほど川上さんのお尋ねは、一つの線であれしましたので、私のお答えも片寄つたお答えをしておりましたが、あの間でお聞き取りくだされば、私の考え方は御了解願えたことと思うのでありまして、すでに私もこういう感じを持つのであります。ビキニの灰の問題が起る前に、原子力の平和的利用ということについて閣議の話題として私から提案し、またこれの研究を怠つてはならぬということを閣僚諸公にもインフオームしておつたことは、私のせめてもの慰めとするところでありまして、今あなたのおつしやつた通り、この原子力の問題を一体どういう方向からどういうふうに取上げて、どういうふうに国民にも、啓蒙というと失礼でありますが、しなければならぬかということは、まさに政府にある者の責務だと私は思うのであります。そういう意味から、ハンブルな気持でこの問題を取上げ、その結果、先ほど川上さんにお答えしましたように、これが戦争だけにしか役立たぬということになれば、それはまたそれで一つの結論がはつきりするわけでありますが、あくまでも平和的利用ということ、そして将来日本としてこの問題に対してどういう態度をとつてどういうふうな歩みを諸外国の間にして行くべきかということを発見する。そのために、とりあえず担当の調査準備の機構をつくり、また通産省は通産省で工業技術院の中にさような機構を置いて、先ほど申しましたように、まだ何らこれという結論ももちろんでありますし、これという中間報告を申し上げるまでのものも出ておりませんが、機構だけはできて、ようやくこれから仕事を始める段階になりましたから、できるだけ早く仕事を進めて参るようにいたしたいと思います。
 それから、先ほどの映画の問題は、これも仰せになること一々ごもつともと伺つておつたのでありますが、政府の機構としては、現在御承知のように大蔵省が所管いたすということになつておりまして、ことしの外貨予算の編成のときにも、実は御承知のように外貨予算はずいぶん減らしまして、映画の輸入については各省がそれに対してできるだけ発言権を持つような機構をつくつておるのでありますが、いつか中崎委員からの御質疑もありましたが、むしろこれは通産省といつていいのか、あるいはそのほかに適当な部局があるかわかりませんが、大蔵省でこれをやるのはちよつとおかしいのじやないかということで、政府部内としてもどういう機構で映画の輸入を取上げるかということは、十分研究しなければならないと思います。一々こまかく申し上げませんでも、これについては経済上の問題のほかにいろいろの問題がございますので、これまたできるだけすみやかに御趣旨に沿うような機構にいたしたいと考えます。
#155
○大西委員長 本日はこの程度にし、次会は明日午前十時より開会し、電気に関し調査を進める予定であります。
 これにて散会いたします。
    午後六時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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