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1953/05/13 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第27号
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1953/05/13 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 水産委員会 第27号

#1
第019回国会 水産委員会 第27号
昭和二十九年五月十三日(木曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 田口長治郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君
   理事 中村庸一郎君 理事 山中日露史君
   理事 田中幾三郎君
      松田 鐵藏君    吉武 惠市君
      椎熊 三郎君    白浜 仁吉君
      赤路 友藏君    淡谷 悠藏君
      辻  文雄君    中村 英男君
 出席政府委員
        水産庁長官   清井  正君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   柏木 雄介君
        海上保安監
        (海上保安庁警
        備救難部長)  砂本 周一君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
五月十一日
 委員鈴木善幸君辞任につき、その補欠として田
 渕光一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
 委員田渕光一君辞任につき、その補欠として鈴
 木善幸君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 鈴木善幸君及び山中日露史君が理事に補欠当選
 した。
    ―――――――――――――
五月十日
 河口漁港修築に関する請願(椎熊三郎君紹介)
 (第三二六号)
 元地漁港工事施行に関する請願(玉置信一君紹
 介)(第三三〇六号)
 漁業転換措置方策に伴う金融確保に関する請願
 (足鹿覺君紹介)(第四八〇一号)
 ひとで被害対策確立に関する請願(小高熹郎君
 紹介)(第四八五七号)
 密漁船取締に関する請願(持永義夫君紹介)(
 第四八五八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員長及び小委員の補欠選任
 委員派遣承認申請の件
 連合審査会開会申入れに関する件
 漁業災害に関する件
    ―――――――――――――
#2
○田口委員長 これより会議を開きます。
 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。先般理事鈴木善幸君及び山中日露史君の委員異動によりまして理事が欠員となつております。この際その補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例によりまして選挙の手続を省略し、委員長において従前通り鈴木善幸君及び山中日露史君をそれぞれ理事に指名いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田口委員長 異議なしと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
#4
○田口委員長 次に小委員及び小委員長の補欠選任についてお諮りいたします。
 漁業法及び水産業協同組合法改正に関する小委員長鈴木善幸君の委員異動の結果、同君の小委員及び小委員長の資格は失われておりますが、この際委員長において従前の通り同君を漁業法及び水産業協同組合法改正に関する小委員及び同小委員長に指名いたしたいと存じますが、これに御異義ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○田口委員長 異議なしと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
#6
○田口委員長 次に連合審査会開催申入れの件についてお諮りいたします。
 ただいま建設委員会において審査中の日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案は、さきに当委員会において審査いたしました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律及び特損法と呼ばれておる日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律の両法律を適用しあるいは改正する等重大なる関係がありますので、本法律案について建設委員会と連合審査会を開くよう申し入れる必要があると存じますが、これに御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#7
○田口委員長 異議なしと認めます。よつてそのように決しました。
 なお連合審査会開催の期日は、両委員長協議の上公報をもつてお知らせいたします。
    ―――――――――――――
#8
○田口委員長 次に委員派遣承認の申請の件についてお諮りいたします。過般の北海道方面における暴風雪による水産関係の被告はきわめて甚大である模様であり、その対策を樹立するためには、現地に委員を派遣し、実地にその実情を視察する必要があると存じます。つきましては規則の定めるところによりまして議長に対し委員派遣承認の申請を行うこととし、委員派遣の数、その人選、派遣の期間等は委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○田口委員長 御異議ないようでございますからさよう決定いたします。
#10
○椎熊委員 ちよつとその北海道派遣議員のことについて注意しておきたいと思います。今般の北海道災害については各委員会から委員が派遣される模様ですが、すでにきのうは農林委員会五名派遣が運営委員会で認められまして、当委員会からもおそらくその程度ならば運営委員会を通過するのではないかと思います。ただその際御注意願いたいことは、災害地出身の議員はその派遣委員から除かれることに原則的にきまつていますから、委員長において人選される際には、その点を御考慮願いたい。
 もう一つは、災害は非常に広汎に上つておりますけれども、国会は会期切迫の折からでありますから、長期にわたる旅行は許されないと思います。農林委員会は六日間ということであります。従つて飛行機を利用することになると思いますが、その点を御勘案の上適当に御人選を願いたい。
#11
○田口委員長 ちよつと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#12
○田口委員長 速記を始めてください。
    ―――――――――――――
#13
○田口委員長 次に北海道方面における暴風雪による水産関係被害について政府当局より説明を求めます。水産庁長官清井政府委員。
#14
○清井政府委員 このたび北海道方面におきまする被害につきまして、非常に甚大なる被害があつたものにつきましては、私どもといたしまして関係者の方々に対してはまことにお気の毒に考えておるのであります。できるだけのことをいたしましてこの復旧等の措置に万全を期したいと考えておる次第であります。
 実は私どもの方に集まりました報告も、まだ中途でございますので、はつきりしたことを申し上げる段階でございませんことを御了承願いたいと思いますが、ただいままでに私どもに入つて参りました被害といたしましては、北海道庁の調査でございますが、総額約五億一千六百万円、そのうち漁港が約二百二十万円、水産業の共同施設が百八十万円、漁船が九千五百万円、漁具が四億千百万円ということになつておるのでございますが、これはまだ中途段階でございまして、まだ調査の来ないところもございます。なお精査いたしますればまた数字もかわつて参るのではないかと思うのでありますが、ただいまのところでは金額として約五億、範囲として漁港、共同施設、漁船、漁具という範囲にわたつておるのであります。私どもといたしましては、さつそく水産庁の漁政課長並びに係員を現地に派遣いたしております。現地に到着いたしまして、すみやかに事態の収拾あるいは善後策等につきまして具体的に案を立てまして、至急相談をして、できるものから水産庁といたしましてはいたして参るという考え方でおります。何しろまだごく当初のことでありまして、いかなる方策を立つべきかということにつきましても、まだはつきりしたことを申し上げられないのでありますが、まず水産庁においてできることだけはすぐやる、その他関係方面ともいろいろ相談をしなければならぬことにつきましては、いろいろ事態の判明次第それに対する対策を立てて参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#15
○田口委員長 海上保安庁警備救難部長砂本説明員。
#16
○砂本説明員 それでは船舶関係の現在までにわかつております状況の要点を申し上げたいと存じます。
 今回の低気圧の実情につきましても、詳細まだ入つておりませんが、予想外に発達いたしまして、今回の猛威を振つたのだと考えております。すでに九日の日に、私の方といたしましては、警戒は常にやることでございますが、これの厳重なる警戒をやつております。十日のちようど零時でございますが、十日零時現在における出漁船の状態はどういうぐあいであつたかと申しますと、ただいま御承知のように鮭鱒漁業の始まる当初でございまして、かなり多数の漁船が出漁しておつただろうというふうな想像を立てておつたのでございますが、今申しました十日の零時におきます出漁状態、これも今後いろいろ数字の変化はあると思いますが、現在わかつておりますものが釧路管内におきまして七十一隻、根室管内におきまして百四十八隻、合計二百十九隻というのがまずはつきりした鮭鱒関係の出漁船でございます。この中から十二日の二十四時現在におきまして帰港がはつきりいたしましたものが、釧路管内で四十二隻でございます。根室管内の関係におきまして七十三隻、合計百十五隻というのが十二日の二十四時現在におきまして、帰港がはつきりいたしております。従いまして先ほど申しました出漁船の数から帰港いたしました数を引きました百四隻というものが、遭難いたしたのではないかという考えを持ちまして、その捜査を即刻巡視船を動員いたしまして、主要漁場と考えられます花咲南東百マイルから二百マイルの距離の間に場所を設定いたしまして、鋭意捜査に当つております。この間におきまして、米軍の空軍の出動も要請いたしておりますし、その出勤による活動と十分密接な連絡をとつて、船のあり場をいち早く発見し、すでに六隻の救助もはつきりいたしております。その救助されました船の状態からいたしまして、完全に水ぬれになつて船の航行が不能なもの、あるいはエンジンに故障を起しまして航行不能なもの、こういう状態でございまして、ただ人員だけを巡視船に収容して救助したもの、船体ともに曳航して救助したもの、こういう状態でございます。なお目下これ以上のかなりの隻数がすでに救助されておることは事実でございますが、正確な数字はまだ入つておりません。
 知床方面におきましても、ここに上つております隻数は三十六隻ですが、こういうものが対象になりまして、その方面にも船を配置して捜査に当つております。現在私の方がその方面に配置しております隻数は、全部で十五隻でございます。大体以上であります。(松田(鐵)委員「それは知床方面ですか」と呼ぶ)最後につけ加えましたのは知床方面です。先ほどの二百十九隻と別個に申し上げたのでございます。二百十九隻と申しますのは、鮭鱒関係でございます。もつとも、この数字は刻々変化しております。
#17
○田口委員長 本件に関し質疑を許します。山中日露史君。
#18
○山中(日)委員 今度の災害に対する政府の救済の処置、予備金の支出とか、いろいろあるだろうと思いますが、そういう点について、水産庁としては今どういうようなお考えを持つておられますか。それを承りたいと思います。
#19
○清井政府委員 先ほども申し上げました通り、実はまだその辺については対策を立てていないのであります。水産庁としてとりあえずできますことは、まず保険に入つておる船につきましては、至急保険金を支払つてやらなければならぬと思うのであります。それについて、概算払いの措置をとるわけであります。これは関係者が、出ております書類が整い次第、至急保険金の概算払いをいたすということが、水産庁としてとることのできる措置でございます。それから漁業組合関係で、漁業権証券を保有しておるものも相当あるのであります。現在十億近い漁業権証券がまだ北海道の漁業組合関係にあるわけでありますが、それは資金の裏づけをいたしますればただちに支給できることになりますので、そういう措置もとれるのであります。さしあたりとれる措置としてはそういうことであります。その他の措置等につきましては、なお事態の判明いたし次第よく相談をして措置しなければならぬ、こういうふうに考えておる次第であります。
#20
○田口委員長 松田鐵藏君。
#21
○松田(鐵)委員 海上保安庁にお聞きするのですが、この漁船の二百十九隻というものの大体のトン数はおわかりになりませんか。そして現在遭難されておると仮定されておるもののトン数は、おわかりになりませんか。
#22
○砂本説明員 詳細はわかりませんが、大体三十トン内外のものが一番多いように考えております。多少大きいものもございます。それから無線関係でございますが、これがありますと、こういうときに非常に役に立つのであります。大体大ざつぱな推定でございますが、出漁船の三分の一程度、あるいはそれ以下かもしれませんが、これは持つておると思います。従つて調査の内容といたしまして、いろいろな状況が無線を通じてわかつたものもございます。船の現状は大体こういうことであります。
#23
○松田(鐵)委員 長官にお伺いします。こうした水産関係の災害、また農業関係の災害は、雪が一尺も降つて、温床苗しろはほとんど全滅してしまつたというような形であり、また羅臼なんかは、八百戸よりない住宅が二百戸も倒壊してしまつたというような状態が報道されておるのでありますが、政府として、単に保険を早く概算払いをする、それから証券を資金化する、こういうような方法だけにとどめるつもりでありますか。政府はまたこうした災害に対して特別立法でも出そうという腹であるか、その点をお伺いしたい。
#24
○清井政府委員 先ほどもお答え申し上げましたのは、とりあえず水産庁だけでとれる措置はこれだけである、こういう意味のことを申し上げたのであります。なお被害は広範囲にわたり、水産関係だけの被害につきましても相当深刻なものがあるようであります。そのために係官も派遣いたしておりますので、その実況に即応した措置をとらなければならぬ、と思うのであります。私どもとしては、水産関係のものに対してできるだけのことはしてやらなければならぬ、こういうように考えておる次第であります。
#25
○松田(鐵)委員 災害の起るたびに、何といいましようか、議員立法のようなことで、今まで応急の処置をして来た、これがとかくの疑惑があるということで、議員立法というものは、予算を伴うということから、政府はなかな
                  −か至難のような態度を示しておる。しからばこうした事務的な問題だけで解決をしようとすることにおいて、はたしてその災害が救われるかどうかという点から行きますと、政府が責任ある立場において、政府提案の立法をするという考え方でなかつたならば、なかなか容易にこれが解決するものじやない、かように考えております。しかしそれはこの災害に対しての応急の措置である。これに対してもつと根本的な方法を水産庁は考えなければならない。また大蔵省もこうした問題をもつと研究して、現在ある段階においてこれをはつきりして行つて、こうした遭難のないようにしなければならないという考え方を持つていただかなければならないと思うのであります。
 そこで幸い柏木主計官がおいでになりましたから伺いますが、ただいま海上保安庁から報告された点から行きますと、二百十九隻という鮭鱒流しの船が、大体三十トン・クラスである。こういう船が二百十九隻ある。そのうち百四隻が遭難しておる。この後どれだけ救助されるものがあるかはまだわからないけれども、もう四日にもなつておる。こういうときにおいて、さきに立法いたしました補助金等の特別法案によつて、今葬り去られんとする漁船保険の問題がありますが、水産庁の御意見によると、保険にかかつているものに対しては、急速に代払いまでして救助する方法を考えておる。しかし大蔵省の御意見のように、二十トンで打切らなければならないという考え方を持つて行つたならば、この百四隻の船はどうなるかということをよく考えなければならないのでありますが、大蔵省としてこの遭難した船に対してどういう救済の方法があるか。漁船に対して、漁民に対してどういう救済の方法をお考えになるか。みずからの掛金によつて、政府の援助によつて漁船みずから保険に入るという思想を植えつけなければ、自分の災害を未然に防ぐことはでき得ないという考え方を持つてやつておるあの議員立法に対し、現実の問題としてこうした災害が起きた、これに対して、柏木主計宮も相当お考えくださつておることだろうと思いますが、現実の問題を見てどういうようにお考えくださるか、この点をひとつ承りたいと思います。
#26
○柏木説明員 このたびの災害につきまして、実はまだ調査の結果を伺つていないものですから、今回の災害につきましてここで具体的にどうという意見は、今のところ申し上げる程度に至つておりません。
#27
○松田(鐵)委員 ただいまの和木主計官の御意見はごもつともだと思います。調査が行き届いていないから、今とやこやの御議論を申し上げることができ得ないという御意見に対しては、私も同じ考え方を持つております。しかし現実の問題として、遭難した船のうち六そうはもはや救助されておる。これがわれわれの一番苦労したものであります。一方またこれを保険という問題でなく、別に考えなければならぬ。水産庁の行政面から行きまして、この三十トン内外の船はどういうところから現われて来ておるかということを御調査願わなければならない。要するに、四十七度線以南は鮭鱒の流し網の漁船は三十トン以上五十トン未満が水産庁の許可になつておる。これが二百隻という数に限定されております。これが水産庁のわくであります。それで許可されておる。ところが現実の問題としてすでに二百十九そう出ておる。要するに、北海道の漁船は、従来四十七度線から北海道の沿岸まで全部北海道庁の許可を求めておる。それであるから出漁することは自由である。また権利を持つている。ゆえに出漁しておるものである。このうちの半分はおそらく三十トン未満の船であろうと思うのであります。今回遭難されたおもなる漁船は、水産庁の許可の三十トン以上の船でなかろうと私は考える。三十トン未満の船が百四そうのうちの大多数であろうと思う。それは装備も悪い、無電も持つていない、こういうのが遭難の一番大きな原因になつておる。十日の午前零時のしけに対して、漁船は小さな二十トンや二十五トンの船であつたならば、遭難することは当然なんです。遭難しない方が奇跡であろう。三十七メートルもの台風であつたならば、遭難することが当然なんです。そこに水産庁の許可の方針の誤りがないか。要は北海道の鮭鱒流し網が三十トン未満である。その三十トン未満の船が当然出漁の権利を持つておる。生産意欲に燃えてそこに出漁しておつたがために、こういう災害のときにおいて遭難の現実の姿が現われて来た。私は長官には申し上げなかつたが、生産部長に、これではいけないじやないか、何とかして相当なしけにも――ほんとうから行けば、五月にはこういうしけはない。しかしこれの半分くらいのしけは五月にはまだある。であるから出漁するときにおいて船をもう少し大きくしなければならないのではないか、要するに、三十五、六トンから四十トンくらいもあつたならば、相当のしけにこたえ得る。遭難を未然に防ぎ得る。こういうことから許可の方針を、北洋に行くものは五十トン以上になつておるが、これを五十五トンまで増してもいいだろう、みんな優秀な船ばかりで、五十トンの船で行つておるものはない。現実に行つておるものは五十五トン以上のものばかりです。そうであつたならば、これを上らせて、中部千島に対しては五十五トン以内、四十五トンなら四十五トンにして、北海道の許可でやるものは四十トンなら四十トンまでに上らせることが、こういう遭難の場合において漁獲する場合において便利であろう、こういうことを申し上げたのだが、水産庁の許可方針は昨年決定して、それを曲げるわけには行かないという御意見であつた。その結果こういう災害が現われて来たということになつてこの点に対して相当水産庁は考慮してもらわなければならぬのじやないかという気持を私は持つておる。しかし漁船が大きくなれば、網の反数も多くなる。そういうことになるとだんだん網が多くなるから結局飽和状態になつて過剰になるという御心配があるならば、現在は北海道に千四百そうの船がある、そのトン数のうちで、トン数をつぶして四十トンなら四十トン、四十五トンなら四十五トンまで北海道の知事の許可とすれば、トン数をつぶして行くことによつて船のトン数も現在あるものと同じようになり、反数も幾らもふえない。漁獲はよいし、遭難の事故はない、こういうようにお考えになることが一番賢明な策じやないかと思う。災いができてしまつてからこういう議論をすることはまつたくまずいことでありますけれども、この災いを転じて福をなすという、すなわち政治の妙諦を生かして、長官はここで決断されて、明年からそういう方針をとられるお考えはないか、この点を伺いたい。
#28
○清井政府委員 今度の災害に関して、流し網の許可に関する御質問であります。御趣旨の点は十分拝承いたしました。ただ私どもの方針が今度の遭難とどの程度関連があるかという点で、いろいろ御議論があろうか思うのであります。やはり小さい船の出ることをとめなければ遭難はやまないということになるわけでありまして、その辺は非常に問題があるわけでありますが、ただ私どもが考えて、今まで北洋鮭鱒の流し網の方の漁業についていろいろやかましいことを言つて参つておりますのは、ただいまも松田委員からお話がありました通り、資源の問題が一番大きな問題であります。むやみに増加することによつて資源的に非常に困ることになりはせぬかということが、一番私どもで心配していた問題の一つであります。そこで母船について行きます独航船と、それから単独でやられる四十七度以南の漁船を五十トンで切りまして、五十トン以上のものは向うへついて行く、それ以下のものは近海でやるということで今までやつて来ておるのでありますが、当初は道庁許可でやつておりましたものを、各方面の観点から、漸次これは中央で許可する方針に一部持つて来たということで、三十トンないし五十トンを道庁許可から、今度は中央の許可に移したという経緯になつておることは御承知の通りであります。そこで今度の遭難した船が、非常に小さい船が多いということで、その船を将来大きくして行くことが、漁業の安全という面からいつても、また資源の観点からいつてもいいのじやないか、こういうお話でありますが、お話の通りトン数をつぶして行つて、それ以上はとらないというような方針をとりますれば、その点は確かに問題はなくなるわけであります。その他いろいろ問題はあろうかと思うのでありますが、私といたしまして、今すぐにここでこうするということはちよつと申し上げられませんが、御趣旨の点は十分わかりました。その点は十分部内で相談をいたして参りたいと思います。
#29
○松田(鐵)委員 長官がそこまでお考えくだされば、これは明年のことでありましてただいまということじやないから、ひとつよく北海道庁と御協議あつて、また業者とも御相談あらんことを願うものであります。ことしにおいて大体七十二、三そうは三十五、六トンの船を許可してくれという申請があつたのです。そういうのも一つの例であります。よく御協議を願つて、善処あらんことを希望しておきます。
 しかしてどういうわけでこういうように漁船が、水産庁の方針が三十トン以上であるのに、漁民は三十トン以上の船をほしい――こういうことは要するに今どんなことをやつても漁業は引ぎ合わない、引き合わないから自己の力のできるだけの範囲内において漁船をつくりたいという意欲がはつきりしておる、そうして船を大きくして行くことが漁獲があり、安全操業ができ、海上保安庁にも御心配をかけなくてもいい、フリゲート艦を今救助に向わしておる、巡視船を救助に向わしておる、こういうのが新聞に出ておる。さてそれの経費は幾らかかるか、相当な経費であろう、それだのに一体日本の現在の漁業というものは大型化して行かなければならないことが総理大臣の施政演説にもあり、農林大臣の当委員会における演説にもそれがはつきりうたわれておつた。ところで大蔵省はどうしても自分の御意見が三十トンでなければあの保険はうまくない。それより予算の範囲においてどうしても二十トンで切らなければならないという意見は、大蔵省もまた非常に予算が詰められておるから、それを切り盛りするための努力の結果だろうと思うが、こうした現実に遭難というものが現われて来て、海上保安庁の経費、漁民の負担、水産庁の努力、あらゆるものが無になつてしまう。これらに対してわれわれ議員が大蔵省当局よりももつともつと大衆の意見も、漁業の現実も知り尽しておるから、議員立法において百トンまで漁船保険を上げて、漁民の自力更正に資したいという考え方でやつたものであります。これをどうしても切らなければならないというわずかの小児病的な予算措置のみをお考えになつておられて、非常に国のために損であると私は考える。柏木主計宮も十分おわかりになつておられたことであろうが、しかしこれも予算というものを切り盛りしなければならないあなたの苦心からいつて、やむにやまれぬ措置であつたろうと私は解釈しておるが、この点をよく御認識あつて、日本の国の予算というものから見て、幅をもつて見たときに、非常に損であるということを御認識になつたならば、あの法律というものを是正するということがどれだけ損であるかということがはつきりわかると思うのでありますが、ひとつ柏木主計官もこういう現実の姿をよくお考えになつて、主計局長にもひとつよくお話合いを願いたいと思いますが、あなたの御意見はどのようでありますか、お伺いしたいと思います。
#30
○柏木説明員 御趣旨のほど十分拝聴いたしました。二十トンの問題を今度の災害と関連してどのように考えているか、十分研究いたしたいと思います。
#31
○松田(鐵)委員 おわかりになりませんかな、ここまでお話申し上げても。ひとつよく御研究を願います。きようすぐきまるというわけでもない、ただ主計官の御認識になれば、あなたの立場として主計局長にも十分お話を願えることだと思いますし、水産庁においてもその資料を十分出して、大蔵省に納得の行くように、これが海上保安庁の予算ということからいつても、また農林省の予算からいつても、非常に大きなプラスになることであり、漁民も救われることでありますから、十分ひとつ御研究を願いたいと存じます。
#32
○赤路委員 関連……。大蔵省の方へちよつとお尋ねいたします。先ほど松田委員の方から質問された点に対する御答弁、今日の災害の実態がまだ完全に把握されていない、従つてその災害の実態を把握されて対策を立てるというような御意志であつたように思うのです。松田委員はそれで一応了解されたようですが、どうも私はちよつと了解しかねるのでお尋ねするのですが、(松田(鐵)委員「了解したんじやないけれどもしようないじやないか」と呼ぶ)この問題が起つてからこれに対する対策は、大蔵省の方で御協議なさつた、御協議なさつたとするなれば、その協議結果が、今御答弁になつた程度で終つたのかどうか、この点お伺いしたい。
#33
○柏木説明員 私のところは、現在のところ新聞等でいろいろ災害の状況把握いたしておりますが、今日の段階で十分研究ができておるとは思つておりません。今後各方面の資料をいただきまして、十分研究いたしたいと思います。
#34
○赤路委員 今後関係方面と十分御連絡願つてやつていただけると思います。しかしながら常に遅れておるということは事実なんです。常に遅れておる。これは今度のビキニ水爆の被害に対する補償問題についても、いまだにこれに対して手が打たれていない。現地のこの被害をこうむつた直後は、すでに、その日の生活に困つておるという実情なんです。もしも先ほど松田君が言つたように、われわれは予算を伴う議員立法はできるだけこれは押えて行きたい、やりたくない。現在政府の方の立場も十分われわれ考えて行く。しかしながらもし今基本的な考え方がはつきり大蔵省で、北海道災害に対して立つていないとするなれば、もう国会はすでに終末なんです。会期延長をやつて今日に至つておる、二十二日で終る、その間何もできないということなんです。これでは待たしておけばおそらくずるずるべつたりに、またいつどうなるかわからぬことになるという懸念をわれわれ持たざるを得ないわけです。今までのやり方がそうなんです。そうなつて来ると、これはは議員立法はやりたくない、やりたくないがこの会期中にどうでもこの問題は解決つけるということのために、一応議員立法という形式をとらざるを得ない立場にわれわれなつておる、そこで私は、大蔵省として早くそう関係各省と云々と言つておるのではなしに、大蔵省が腹をきめれば解決つく問題である、だからこの際速急に政府の方としてこれに対する基本的な対策をお立て願つて、それを一応御通達願つた上で、水産委員会としては当然もし大蔵省がいつまでもぐずぐずしおるようならば、議員立法をもつてしてでもこの点に対する対策を立てなければならぬ、こういうふうに思いますので、一応その点に対する御見解を承りたい。
#35
○清井政府委員 ただいま赤路委員から御質問がありましたが、便宜私からお答え申し上げたいと思います。赤路委員の心配もごもつともな点があると思いますが、私どもといたしましても、先ほど申し上げました通り、最善のことをいたしたいと思つておるのであります。すでに調査員も派遣いたしておりますが、できるだけすみやかにその集計をし、その実態に基きまして適切な方策を立てまして、部内で相談いたしまして、すみやかに具体的な措置を立てたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
#36
○赤路委員 けつこうです。それで私はもうこれ以上追究いたしません。できるだけすみやかにはいつも聞いておるのでありますから、今度はほんとうにできるだけすみやかにおやりくださるように、私は要望いたします。
#37
○松田(鐵)委員 今、長官としてたいへんりつぱな御答弁を赤路委員にくださいましたが、そのできるだけすみやかにというのは、明日あたりまでに基本方針をきめることができるということでありますかどうか。これが一番できるだけすみやかなんです。
#38
○清井政府委員 できるだけすみやかにと申しまして、誠意を披瀝いたしたのであります。すでに調査員を派遣しておりまして、調査員の結果を見なければなりませんし、的確なる数字を把握しなければ、むろん私どもの方で対策は立たないのであります。そういう意味合いにおきまして、若干の期間を置かなければならぬことは技術上やむを得ないのでありますが、とにかくわれわれといたしましては、誠意をもちまして、この問題の解決にあたりたいと考えております。
#39
○松田(鐵)委員 それはたとえば赤路委員が言つたように、会期は二十二日で切れるのであります。それでその方針さえきまれば赤路委員も納得されるのだが、二十二日までに議員立法をするといつたところで、それには二日、三日かかるのです。そこで、どうしてもこれは十七、八日ごろまでにはつきりしたものをつくつてもらわなければならぬのだが、できるだけすみやかというのは明日が一番すみやかなんだが、明日までにどういうようにしようという基本方針を御決定になれば、赤路委員も納得されるし、ぼくも納得する。事務官をやつたから、事務官が帰つて来てから、数字を把握して検討すると言われるが、数字というものはなかなか五日や十日できまるものじやない。農林省の問題、厚生省の問題等いろいろあるだろうが、基本方針さえきめていただければ、これから調査に行く委員の方々も、政府の方針はこのようにきめておるのだが、もつとやらなければならないとか、政府のやり方は多過ぎるとか、いろいろな勘案があると思う。できるだけすみやかにと言われるが、もし明日あたりまでにきめていただければ、委員長はまた委員会を開いて政府の意見を聞くという方法がとれる、これが一番急速に行くのであります こういう点についてひとつ御努力を願えるかどうか、この点を承りたい。
#40
○清井政府委員 日時につきましてはただいま申し上げました通り、できるだけすみやかにやるよりほかに方法がないのでありまして、とにかくできるだけすみやかに処置をいたしたいと考えております。
#41
○田口委員長 暫時休憩いたします。
   午前十一時三十五分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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