くにさくロゴ
1953/03/13 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第4号
姉妹サイト
 
1953/03/13 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 人事委員会 第4号

#1
第019回国会 人事委員会 第4号
昭和二十九年三月十三日(土曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長代理理事 赤城 宗徳君
   理事 田中  好君 理事 永田 亮一君
   理事 山口 好一君 理事 櫻井 奎夫君
   理事 池田 禎治君
      荒舩清十郎君    松野 頼三君
      小山倉之助君    石山 權作君
      加賀田 進君    森 三樹二君
      受田 新吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 加藤鐐五郎君
 出席政府委員
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局長)     滝本 忠男君
 委員外の出席者
        議     員 中村 高一君
        専  門  員 安倍 三郎君
        専  門  員 遠山信一郎君
    ―――――――――――――
三月十二日
 委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として
 川島金次君が議長の指名で委員に選任された。
三月十日
 福岡県羽犬塚町の地域給引上げの請願(山崎巖
 君紹介)(第三一八六号)
 福岡県東山村の地域給指定に関する請願(山崎
 厳君紹介)(第三一八七号)
 茨城県土浦市の地域給引上げの請願(赤城宗徳
 君紹介)(第三二二八号)
 兵庫県梁瀬町の地域給指定に関する請願(有田
 喜一君紹介)(第三二二九号)
 長崎県崎戸町の地域給引上げの請願(白浜仁吉
 君紹介)(第三三二〇号)
 宮崎県真幸町の地域給引上げの請願(伊東岩男
 君紹介)(第喜三二号)
 大阪府石切町の地域給引上げの請願(田中萬逸
 君紹介)(第三二三二号)
 三重県神志山村の地域給指定に関する請願(田
 中幾三郎君紹介)(第三二三三号)
 埼玉県川越市の地域給引上げの請願(松山義雄
 君紹介)(第三二三四号)
 東京都五日市町の地域給引上げの請願(山花秀
 雄君紹介)(第三二四二号)
 山口県徳山市及び南陽町の地域給引上げの請願
 (青柳一郎君紹介)(第三二四三号)
 熊本県牛深町の地域給引上げの請願(吉田重延
 君紹介)(第三二四四号)
 千葉県木更津市の地域給引上げの請願(水田三
 喜男君紹介)(第三二四五号)
 宮崎県北郷村の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三二四六号)
 宮崎県高崎町の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三二四七号)
 宮崎県中郷村の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三二四八号)
 宮崎県八代村の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三二四九号)
 宮崎県真幸町の地域給引上げの請願(伊東岩男
 君紹介)(第三二五〇号)
 北海道広尾町の地域給指定に関する請願(伊藤
 郷一君紹介)(第三二九九号)
 宮崎県日南市の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三三〇〇号)
 宮崎県鵜戸村の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三三〇一号)
 宮崎県山田町の地域給指定に関する請願(伊東
 岩男君紹介)(第三三〇二号)
 岡山県作東町の地域給指定に関する請願(大村
 清一君紹介)(第二圭〇三号)
同月十二日
 高知県野市町の地域給指定に関する請願(長野
 長廣君紹介)(第三三四三号)
 高知県赤岡町の地域給指定に関する請願(長野
 長廣君紹介)(第三三四四号)
 香川県琴平町の地域給引上げの請願(成田知巳
 君紹介)(第三三四五号)
 新潟県新潟市の地域給引上げの請願(稻葉修君
 紹介)(第三三八三号)
 茨城県宍戸町の地域給指定に関する請願(大高
 康君紹介)(第三四一五号)
 岐阜県厚見村の地域給引上げの請願(野田卯一
 君紹介)(第三四一六号)
 岐阜県揖斐町の地域給指定に関する請願(野田
 卯一君紹介)(第三四一七号)
 京都府精華村の地域給引上げの請願(田中好君
 紹介)(第三四一八号)
 大阪府四宮村の地域給引上げの請願(淺香忠雄
 君紹介)(第三四一九号)
 北海道森町の地域給指定に関する請願(川村善
 八郎君紹介)(第三四二〇号)
 京都府多賀村の地域給引上げの請願(田中好君
 紹介)(第三四四四号)
 京都府田辺町の地域給引上げの請願(田中好君
 紹介)(第三四四五号)
 京都府八幡町の地域給引上げの請願(田中好君
 紹介)(第三四四六号)
 京都府有智郷村の地域給引上げの請願(田中好
 君紹介)(第三四四七号)
 京都府宇治田原村の地域給引上げの請願(田中
 好君紹介)(第四四八号)
 京都府都々城村の地域給引上げの請願(田中好
 君紹介)(第三四四九号)
 京都府田原村の地域給引上げの請願(田中好君
 紹介)(第三四五〇号)
 埼玉県川角村の地域給指定に関する請願(松山
 義雄君紹介)(第三四五一号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十日
 北海道北見市の地域給引上げに関する陳情書(
 北海道北見市長伊谷半次郎外二名)(第一五八
 七号)
 大阪府盾津町の地域給引上げに関する陳情書(
 大阪府中河内郡盾津町長山中常太郎外三名)(
 第一五八八号)
 鹿児島県宮之城町の地域給引上げに関する陳情
 書外七件(鹿児島県薩摩郡宮之城町宮之城平川
 郵便局波東広則外二百十五名)(第一五八九
 号)
 岡山県山陽町の地域給指定に関する陳情書(岡
 山県赤磐郡山陽町神田八百二十一番地後藤二
 郎)(第一五九〇号)
 山形市の地域給引上げに関する陳情書(山形市
 地域給寒冷地給対策協議会会長鈴木重屹)(第
 十六七四号)
 愛知県浅井町の地域給引上げに関する陳情書(
 愛知県葉栗郡浅井町長岩田庄三郎外二名)(第
 一六七五号)
 鹿児島県宮之城町の地域給引上げに関する陳情
 書(鹿児島県薩摩郡宮之城町柊野角新介外五十
 六名)(第一六七六号)
 北海道大津村の地域給指定に関する陳情書(北
 海道十勝郡大津村長水沢一郎)(第十六七七
 号)
 秋田県錦木村の地域給指定に関する陳情書(秋
 田県鹿角郡錦木村長佐々木鉄蔵外五名)(第一
 六七八号)
本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 特定の公務員の営利企業等べの関与の制限に関する法律案(中村高一君外十九名提出、衆法第九号)
 勤務地手当制度に関する件
    ―――――――――――――
#2
○赤城委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が不在でありますので、私が委員長の職務を行います。
 日程に入る前に、前会に引続き勤務地手当の支給地域区分について人事院当局より説明を聴取いたします。
#3
○櫻井委員 人事院の説明に入る前に、私確認を申し上げたいことが一つございます。実はこの前の二月二十六日でございましたか、人事委員会におきまして、ただいま文部委員会に上程されておりますところの教職員の政治活動禁止の二つの法律案は、われわれの方とも非常に密接な関係がございますので、人事委員会といたしまして文部委員会と連合審査するように、私は両派社会党を代表いたしまして申入れをいたしておきました。川島委員長はその趣旨を了とされまして、当委員会で取上げまして、ただちに文部委員会の方に申入れをするという御確答があつたわけでありますが、それは当日の本委員会の議事録にも明瞭に記録されておるのでございます。川島委員長は成規の手続をとられたかどうか。今委員長は不在でございますけれども、先ほど私が質問をいたしましたところ、手続をいたしたと、こういう御確答でございましたが、本日赤城委員長代理の方から正式な手続がとられておるかどうかを確かめていただきたい。なおその点私どもまだ十分納得できないのですが、ほんとうにとられておるかどうか、本日確かめていただいて、もしまだ文書等によつて正式な申入れがなされていないならば、赤城委員長代理の方から、早急に連合審査の申入れの手続を終つていただきたい、こういうふうに御要望申し上げます。
#4
○赤城委員長代理 委員長が帰つて来ましてからなお相談いたします。今のお話は了承しておきます。
#5
○櫻井委員 文部委員会の方の審議の状況は相当進んでおりますし、私どもはやはりこの連合審査会を実現したいのでございますが、時期をはずれて申入れしても意味がございませんので、文部委員会の審議状況と十分間に合うように、必ず申入れをしていただきたい、重ねて御要望申し上げます。
#6
○赤城委員長代理 了承いたしました。
#7
○滝本政府委員 前会に時間がございませんので延ばしました、勤務地手当支給区分の基準の問題につきまして、中間段階でございますが、御報告を申し上げたいと思います。
 勤務地手当の問題は、御存じのように、基準が非常にむずかしいのでございます。むずかしいのではございますが、やはり一つの基準を立てまして、それに従つて作業をやつて行くということをいたしませんと、どうしても全体のバランスがとれないというようなことになりますので、極力この基準の確立ということに力を尽しておる次第でございます。現在といえども、それが人事院において確定しておるということは申し上げがたいのでありますが、おおむねの考え方等につきまして御説明申し上げたいと思います。
 勤務地手当支給区分の基準といたしまして、われわれがおもなる基準、主基準ということで考えておりますものは、いわゆる消費者物価地域差指数、IRDと呼ばれるものでございます。もつともこのIRDは、昭和二十七年の七月ないし九月というところまで計算をされまして、その以後は発表がないのであります。従いまして、このIRDが基準ではございますが、これを直接用いる場合というのは非常に少い。その後はどういうことになつているかと申しますと、内閣統計局におきましては、消費者物価地域差指数のかわりに小売物価地域差指数というものを発表しておるのであります。これは先日差上げました資料で一部その例示をお目にかけたのでありますが、この小売物価地域差指数というものは、二十七年の七月ないし九月というところから始まつておりますので、IRDとの関係を求めることができることになります。話がたいへんむずかしくなつて恐縮でございますが、われわれが地域給の基準をつくります際には、消費者物価地域差指数、IRDを基本にした方がよろしいうふうに今まで研究の結果考えているのでありますが、二十七年の七月ないし九月以降はこれがないのでありますから、どうしてもこれにかわつて小売物価地域差指数というものを用いなければならぬのであります。ところが小売物価地域差指数というものは、特定の品目を限定いたしまして、そうして東京においてはこの価格が幾らである、またある地域においては幾らであるというような調査になつておる。これははなはだ概括的な言い方であります。ところが消費者物価地域差指数の場合は、特定の品目の限定の仕方に非常に幅があつたのであります。よく例にとりますが、たとえばワイシヤツというようなことを言います場合に、東京で一般に消費するであろう品質と、また地方のある市町村あたりにおきまして消費するであろうワイシヤツの品質というものに違いがあるかもしれません。しかしながら、その違いは無視してワイシヤツの値ということで出て参るのであります。ところが小売物価地域差指数ということになつて参りますと、品質が限定してございますので、東京ではそれを使つておるかもしれないが、地方においては必ずしもそれを使つていないというようなことがあるのであります。こういうことでありますれば、物価を調べ、それを消費数量に応じて組立ててみるということをいたしましても、東京の場合は実際の消費事情をある程度反映するものが出て参りますが、地方においては必ずしもそうではない、架空のものが出て参るということになるのであります。そういう点考慮いたしますと、この小売物価地域差指数を消費者物価地域差指数の代替として、そのままただちに用いるということはどうもぐあいが悪いのであります。従いまして、われわれは換算係数というものを用いましてこの小売物価地域差指数を消費者物価地域差指数に換算いたしまして使うことにいたしたいと考えております。なお従来消費者物価地域差指数を使つておりました際にも、この消費者物価地域差指数をそのまま使いませんで、ある程度消費水準指数と申しますか、消費量をこれに加味いたしまして使つておつた実情であります。消費者物価地域差指数そのものも、そのところどころの消費事情を反映はいたしておりますが、量の点になつて参りまして、消費水準という点になつて参りますれば欠けておつたところがありますので、それを従来は取入れて考えている。ところがそれを取入れて考えるのがよいかどうかということになると、その後の研究によりますと、取入れるのがよいが、従来と同程度の割合で取入れるのがよいということは必ずしも言えないという結論に現在達しております。量をどの程度取入れるかという問題がまだ若干残つておるのであります。しかしかりに量を取入れませんで基準をつくるといたしまして、二〇%の最高地域給の制度のもとにおいて、零級地の基準というものは一体どの程度に考えたらいいかと申しますると、これは東京を一〇〇といたしますと、八三%ないし八四%というところがこの零級地の基準、こういうことになるのであります。この零級地の基準をきめますれば、それに従つて一級地、二級地、三級地、四級地のそれぞれ基準がきまつて来ることになるわけでございます。しかしこういつた指数におきましても、なおかついろいろ特殊な事情が入つて参りまするし、誤差もあるというのが実情でございまするので、われわれはこの指数で限界をつくりまして、そうしてかつきり物事を言うわけにはなかなか参らないのであります。従いましてここにある程度許容範囲を設けなければならないということになります。指数そのものの誤差ということももちろんございまするし、またその土地々々における民間給与水準が非常に高いということでありますれば――生活はおよそ給与が規定して行くという実情もあるのでありまするから、そういう問題もある程度あわせ考えなければならぬということになりまするし、また人事交流等が相当あるということになりますれば、この人事交流ということも決してないがしろにできない。また大きな都市におきましては、その周辺の考慮ということもあわせ考えられなければならないというようなことがございます。そういうことをあわせ考えまして、この許容範囲を定めなければならないということになるのでありますが、この許容範囲をどの程度に押えて行くかということが、また実は非常に問題でございます。われわれか許容範囲を一方的にきめましても、それが実情に必ずしも合わないというようなことではぐあいが惑いのでありますから、従いまして従来地域給のついております地域の実情等を見ながら、この許容範囲を定めて行かなければならない。この許容範囲をいかに定めて行くかという問題は、いろいろ研究はいたしておりますけれども、まだ最終的にきめておるわけではございません。この一RDは、御承知のように全国二十八都市しかないのであります。そういう少い、しかも大都市に限られておるような指数を、地域給を考えて行く場合の主基準にするということは、話はわかつたようではあるけれども、どうも少しおかしいじやないかということになろうかと思います。ところがその後に出ております小売物価地域差指数というものは、全国おおむね五十数都市というものについて調査が行われておりますので、従いまして、これを換算しまして消費者物価指数として使う場合に、小売物価指数の方がより利用度が高いということになります。ところが小売物価指数も、やはりその調査対象は、おおむね県庁所在地でありますとか、それに準ずる大都市に限られておるわけでありますから、やはり同様の問題が一応は残ろうかと思うのであります。従いまして、われわれは、さらにそれが大都市に限られておるという事情を補完して、一体級地の低いところをいかにきめて行くかという問題が残つておるわけでございますが、それは補助基準として考えて参りたいというふうに考えております。
 それでこの小売物価指数を消費者物価指数に換算いたしますときには、どのようにいたすかということが問題として残るのでありますが、幸いにしてこれは内閣統計局の方で、その利用について考慮が加えられておつたのであります。昭和二十七年の七月ないし九月というものは、小売物価指数と消費者物価指数とがダブつておる、少くとも二十八都市については両方の指数が出ておる、これを手がかりにいたしまして、消費者物価指数に小売物価指数を換算するということをやるわけでございます。従いましてその結果どういうことになるかと申しますと、先ほど申しました消費者物価指数で申しますならば、零級地の基準が東京を一〇〇といたしまして、指数で八三ないし八四という数字になるのでありますが、小売物価指数を用いますならば、これが八五ないし八六という数字になるのであります。われわれはこの指数を用いて行きます場合に、繰返して申し上げますが、これはやはり指数自体が含みます誤差範囲というものがあるわけでありますから、やはり心してこの指数を用いなければならないというふうに考えております。
 それでは補助基準としてどういうものを使つて行くかということでございますが、われわれは昭和二十七年の十一月分につきまして、少くも五十人以上の事業場を有しておるような市町村につきましては――すなわち全国五十人以上の事業場の給与はみな調べておるのであります。調べてございますが、ある市町村に一つか二つしかなく、その消費事情に影響が非常に少いということであれば、これを使つて行くということはそう意味がない。その事業場数が非常に多いということでありますれば、その消費事情に及ぼす影響というものは大きいわけであります。従つてどの程度以上の事業場がありますればこれを使つて行くかということでございますが、いろいろ研究の結果、われわれは大体人口割合の六、七十パーセント程度の、五十人以上の事業場の従業者が市町村内におります場合には、これを補助基準として一応考察の対象にいたすというふうにいたしておるのであります。先ほど申しましたように、この全国的に五十人以上の事業場を調べておりますのは、昭和二十七年の十一月でありますから、これはちよつと資料が古いのであります。こういう調査を何回もやるということは事実上予算もございませんし、できるものではありません。従つてどうしてそれを補正して行くかと申しますと、幸いにして労働省で毎月勤労統計というものがございますが、これのさらに府県別の地方毎月勤労統計というものがあるのであります。これはずつと出ておりますので、地方別にどういうふうに事業の種類に従つて傾向が現われておるかということが、これによつて推察できるわけであります。そういう資料を加味いたしまして、この二十七年十一月分の賃金調査の数字を見て行こう、こういうことを考えております。それでこの民間給与水準指数をどういうふうに利用して行くかと言いますと、これはこの数字をこのまま使うわけではございませんが、しかし大体におきまして、この四級地、三級地、二級地、一級地、零級地の基準というものをわれわれの方でつくつておるのであります。これは統計の結果を利用いたしましてつくつたのでありますが、たとえば四級地でありますと、東京を一〇〇といたしまして九四%程度が標準である、三級地であれば七五%程度が標準である、二級地であれば六八%程度が標準である、一級地であれば六二・三パーセント程度が標準である、こういうふうにつくつておるのであります。地域区分において、ある地域がかりに一級地であるという場合において、その市町村内における東京を一〇〇とする民間給与指数が、二級地以上の指数を占めておるという場合には、一応この補助基準というものを問題にいたすわけであります。そういうところについてはさらに詳細な調査をいたしまして、これを二級地に上げるべきかどうかというような判断をいたす、こういうことになつております。それから、ただいま申し上げましたのは民間給与水準指数の利用でありますが、さらに府県内におきましては、統計局でやつております小売物価指数というものと大体同様の方法によりまして、府県内の多くの地域について小売物価調査をやつておられるところがあるのであります。それは府県内において、小売物価指数あるいは消費者物価指数に換算いたしましたものが、どのような分布をしておるかという例を図示いたして、二つの例を前回お示しいたしたのでありますが、そういうものが出て来る理由は、やはり府県の統計課等におきまして、内閣統計局が全国的にやつておる調査要綱に基いて同様の調査をやつておるというようなことがあるのであります。そういたしますと、こういうものは十分利用に耐え得る、内閣統計局の指数は全国主要都市のみでありますけれども、さらにそれを補完いたしますために、この府県内の小売物価指数あるいは消費者物価指数というものをかみ合せて使い得る、かみ合せて使い得るということであれば、先ほどの民間給与調査の民間給与水準指数も同様であります。この二つをかみ合せて参りますと、府県内においてキーポイント式に多くの市町村の格付ということも考え得る、こういうことになるのであります。従いまして補助基準の中で非常に大きなウエートを占めるものは、この民間給与水準指数と、それから府県でやつております消費者物価地域差指数あるいは小売物価地域差指数ということになります。ところが府県でやつておられません場合におきましても、われわれはある特定市町村につきまして多くの資料――そういう資料は各市町村で努力して出しておられるようでありますが、主食でありますとか、主食の中においても、特にある品目を限定して物価調べをなさつておるのであります。これが相当信憑性があるというふうにわれわれの方でにらみました場合には、これから小売物価指数に準ずるものを個々につくることができる、そういうふうにいたしまして、そういう資料もつくり上げて、市町村の全体との関連を考え得るということになるのであります。そのほか人事交流上の観点という問題は、この地域給というものが、現実に行われました効果に非常に影響がある。人事交流を妨げるというようなことが結果として起る場合があるわけでありますから、そういう点についてはやはり別途の考慮を加えて行かなければならない。そういう点も、これはいわば一つの基準になるかもしれません。
 また都市周辺地域の取扱いにつきましては、これは六大都市でありますなら数が限られておりますから、詳細にその通勤の事情、あるいは通勤に要する時間、あるいはその交通機関の発達状況と申しますかそういうもの、あるいは都市の中心部と周辺部との交通量というようなもの、あるいは物価差の状況というものをつぶさに調べる、そういうことによりまして六大都市周辺というものは、おおむね個別に具体的な調査をやりまして、これをきめて参るつもりでおるのであります。なお人口二十万程度あるいは三十万になりますか、その辺の都市になつて参りますと、やはり同様の問題があろうかと思いますが、これは六大都市ほど精密な調査はできませんが、市街地の形成状況でありますとか、官舎の分布状況、あるいは交通事情というものをでき得る限り調べまして、やはりそのバランスをとつて行くということにいたしたいと思つておるのであります。なおわれわれは府県の人事委員会あるいは府県庁から各都道府県内の生計費の観点から見ました都市の順位表というものをいただいております。従いましてこれも十分活用いたすのでありますが、それは以上申し述べましたようなことをわれわれが作業をやります際に、これを無視しないで十分使つて行く、こういうことにしてやつて参りたいと思つております。
 以上まことにラフな大ざつぱな申し方をいたしたのでありますし、またわれわれの方でいよいよこのキイ・ポイントになる、かつきりしなければならぬところを研究はしておるけれども、まだ正式にきめていないというものもあるわけでございまして、はなはだ大ざつぱな話になつたのでありますが、以上が大体今回作業をやつて参ります際のやり方でございます。
 そのほかさらに今回はもう一つ、いわゆる町村合併促進法というものに基きまして、町村の合併というものが二十八年の年度内にも相当行われて参りましたし、また二十九年の四月一日にも相当数行われるのであります。これはおおむね三十一年まで続くようでございますが、その大半は二十九年に終了するという状況のようであります。もちろん二十九年の大半の終了を待つておるわけにも参らないのでありますが、少くとも四月一日に相当多量の町村が統合されますならば、この事情を見送るわけには行かない。町村が合併いたします際には同一行政区画となるのでありますから、でき得る限り同一行政区画内の級地を同じくするということにいたしたいのでございます。しかしながらその中に三級地、四級地というものがありまして、もし合併が相当広汎な地域にわたつて行われるというような際には、必ずしもこれを全部一緒にすることが妥当であるとも考えられないのであります。その辺の手心は加えなければなげないというふうに考えております。町村合併で一緒になりましたところをある程度同一にするということは、これはどうしても考えなければならぬ点でございますが、ならなかつたところにつきましても、やはり地域給制度の本旨から考えましてそれをほつておくというわけには参らないのであります。従いましてそれといかにバランスするかということが問題となつて参ります。相当多量の町村が最近続々合併されますので、そのあとを追つかけて行くようなことが、現在のわれわれの作業の状態になつております。四月一日に合併するもの等についても必ずしも従前の情報がない。でありますからこれをなるべく早く調べて、バランスをとる作業をやつて参りたいというふうに考えております。今回といいますか、近き将来ということになりますか、あるいは少々遠いかもしれませんが、地域給改訂の勧告をいたしますならば、町村合併等につきましても、既存のものについてはバランスがとれるのであります。しかしながら将来のものについてバランスをとるというわけには参りません。現在の給与法の条文によりますとそれがとれない。たとえばわれわれが今後行いまする地域給の勧告、またそれが法案として出まして国会で御決定になりますものが、たとえば二十九年一月一日現在の行政区画ということになりますれば、それ以後の変化というものは顧慮できない、これは給与法上に何らかのくふうをこらしまして、そうして町村合併がありました際には、ある程度自動的にこれが是正できるような措置を講ずるとか、あるいはもうそういうことがあつた場合には逐次勧告権を発動いたしまして、常時やつて行くか、あるいはわれわれとしては国家公務員が主でありますから、そういう場合にはとりあえず官署指定というような方法で、次回の勧告までやつて行くというような、いろいろな方法があろうかと思いますが、ある程度人事院に権限をおまかせ願いまして、この是正をやるという措置がもしできますならば、これははなはだ円滑に行くのではなかろうかというふうに考えておるのであります。ところがその分だけ人事院におまかせ願うということになりますと、またあたりさわりがある。町村合併だけを問題にしなくてもよいじやないか。たとえば電源開発で、ある地域が非常に物価が高くなつたということであるならば、当然それは人事院がほつておくという手はないじやないかということにもなりましよう。またいろいろな関係である特定な地域が物価が非常に高くなるというような事情がある場合、それはみな人事院の方でやつてしまえばよろしいということになれば、これはもう次から次に停止するところを知らず、遂に地域指定は全部人事院でやればよろしいというようなことにもなるわけであります。ところが人事院で全部やるということになりますと、これはまた予算の問題等とも関連して来て、事実上権限はあつても何ら実行ができないということにもなるかもしれません。従いまして今後その辺をどうやつて行くかということにつきまして、われわれの方としましても現在いろいろ研究はいたしておりますが、さらにもう少し研究を重ねまして、確定案として、いずれ地域給の勧告をいたします際に法律を是正するか、あるいはどうするという措置を具しまして御審議願うことになろう、このように考えておる次第であります。
 以上はなはだ簡単でございましたが、現在申し上げ得るところはその程度でありますので、御了承を願います。
#8
○赤城委員長代理 御質疑がありますれば、これを許します。
#9
○受田委員 議事進行に関して。今日ははなはだ重要なる議案並びに地域給に関する説明を聞く委員会であるにかかわらず、担当国務大臣である加藤さんは御出席になつておりません。また人事院総裁もかつまた委員会の主宰者である委員長も欠席という状況で、この委員会が少数の委員のもとに進められておるということは、私ははなはだ遺憾であると思います。この点については先般この委員会で加藤国務大臣に対して、せつかく担当の国務大臣となつた以上は誠心誠意よく御勉強を願つて、そして政府部内において御努力願いたいと要望し、それに対して十分努力する。次会からは出席を確実にすると約束してくださつたのでありますが、御欠席であります。これについてこのままで議事を進行することは、私ははなはだ不愉快でありますが、一応そのことについて、委員長代理である赤城さんがお聞きになつておられる範囲内の国務大臣及び人事院総裁の不出席についての御説明を願つて、この委員会の権威を保持したいと思うのでありますが、いかがでございましよう。
#10
○赤城委員長代理 人事院総裁はけさほどこちらに話がありましたが、血圧が少し高いので欠席さしてもらいたい、こういう通知がありました。それから人事委員長は、開会前に出席しておつたのですが、やむを得ない用で外へ出ましたので、私が代理しているわけです。それから加藤国務大臣につきましては、要求がありますならば、今からでも出席を要求いたします。
#11
○受田委員 ただちに出席要求をおとりはからい願いたいと思います。
#12
○赤城委員長代理 それではそのとりはからいをいたします。
 ただいまの給与局長の説明について御質疑がありましたら、これを許します。森三樹二君。
#13
○森(三)委員 ただいま局長から非常に専門的な、科学的な分析の上に立つて御説明がありましてそうした資料の作成あるいは御検討に対しましては、深く敬意を表するものであります。しかしながら、私どもは過去一年間赤城宗徳君を地域給小委員長に推薦いたしまして、鋭意地域給の是正とそのすみやかに勧告せられんことを審議して参つたのでありますが、当時は赤城小委員長は非常に熱心でありました。最近では何だか少しぼけて参りましてはなはだ誠意を疑わざるを得ない点もございますが、私どもはもう去年から、昭和二十九年度の予算が出る前に勧告してもらいたいということを要求し、そうすることによつて、勧告があれば政府としてもこれに対する責任があるからというので、昭和二十九年度の予算にこれをもらうという方向へ持つて行こうと思つて進めて来たのです。ところが、赤城君の御努力もありましたし、またその他の各委員諸君の御熱意もありましたが、人事院は遂に勧告をしなかつた。そうして昨年の暮れを迎えまして、いよいよ予算の編成にとりかかる、事は非常に切迫して参りましたので、われわれは早急に勧告されんことを要望したのです。その当時人事院総裁からも、できるだけ早く勧告しましようというお話もありましたし、また川島委員長も赤城小委員長も、ともにそれはもう必ずやるよと、非常に誠意のあるごときことをしばしば言われておりましたので、私どもは非常に信頼しておつたのです。ところが、とうとう昨年の暮れには勧告を出さなかつた。年が明けましてから、今度はいよいよ一兆億円の予算に縛られたので、勧告をしてもその裏づけができないんじやないかというような非常に悲観的な空気が流れ出して来ました。しかし私どもは、先般も再々申し上げましたように、予算の裏づけがかりになつたにしても、予算と勧告とは別個な機関においてなされるものであるから、国会の審議としては勧告があればすみやかにこれを予算化するということはわれわれの責任である、人事院は勧告する機関であつて、予算をこれにつけるところの機関ではないのであるから、至急勧告だけをしてもらいたい、予算については政府並びに国会において予算を裏づけすることについてわれわれは十分協力するということも、総裁にしばしば申し上げてあるのです。先般両院人事委員会理事打合会が国会の中において持たれました。そうしたような経過もあつて何となくそのときは、予算が衆議院を通過しないうちに勧告をしたならば、これが予算委員会においてまた政府を責める一つの道具になる与党の諸君もそうした御懸念があつたようであります。川島君なんかにしても、森君、それは予算が通つたら出すんだなというようなことを言つて、今から考えると、何だか荏苒と日をひつぱつて来たのではないかという感じさえもするのです。もう国会の審議も期間があとわずかしかなくなりましてしかも予算にすでに衆議院を通過して、現在参議院に送られております。予算が通つたならば勧告すると言つておつたその川島君の言葉の問題さえもまだ実現されてない。私は、予算が通つたならば少くとも――その翌日というのもなんですが、昨年は給与ベース引上げの勧告は七月十八日に、予算が衆議院を通過いたしました翌日に、なされております。そういう露骨なことをするかしないかわからなかつたが、予算が通つたのは三月四日ですから、三月五日には勧告してもしかるべきだと思つておつた。それが、今日は三月十三日で、予算が通過いたしまして九日間たつておる。それでも勧告のけはいも見えない。今給与局長から非常に詳細な御報告がありましたが、その報告の中にも、新しく今度市ができる、日本国全体では相当の数の市ができる、これについては都市としての地域給をつけなければならぬが、関係町村がそれに含まれた場合に一挙にこれを引上げると、低い町村も含めた地域給の引上げになるので、それらについても考慮しなければならぬというような含みのある言葉も言つておられましたが、すなおにとればそのようにわれわれはとれぬことはありませんが、もう私どもはすなおにとれる段階ではないのです。これはどうしても人事院当局が地域給の勧告を引延ばす一つの作戦的なお考えをもつて、とにかく四月一日に新しい市ができるから、それについての操作を私らは今やつておるのだ、そうしてやることが合理的なんだと言つておられるように受取れてしかたがないのです。しかし私は、今までの都市とこれからあとにできる市については、物価指数あるいは生計費等において従来差があつたと同じように、四月一日を期して新しい市ができたからといつて、急にそこの物価とか生活水準が上るというようには考えられないのじやなかろうかと思います。従つて、新しい市ができるということにのみとらわれて操作が遅れるというようなお考えに立つて、この勧告を引延ばすようなことがあるならば、当委員会の権威としても私は反対せざるを得ないと考えておる。そういうことのために勧告が遅れるというのでは、これは非常に一般の要求と相反する結果が出ておると思うのであります。それについて給与局長はどういうお考えを持つておるか、そうしたものの操作が全部済まないうちは勧告しないというのか、あるいはまたそういうことを今やつておるけれども、そういうものにとらわれないで、人事院としては至急勧告したいのだというお考えを持つておるのか、これは非常にかなめの問題だと思うのです。これは赤城さんもよく聞いておいてもらいたい。あなた方は政府与党の委員であるけれども、しかし、事地域給の勧告に関しては、あなた方も実際責任を持つてやつておいでになつたし、また今後もやられなければならぬと思うのです。私は赤城委員長代理にもこの点を質問したいと思つております。
#14
○滝本政府委員 私が先ほど御説明申し上げましたのが、説明がちよつと足りなかつたかと思いますが、地域給の作業というものと、それから町村合併というものがございますので、町村合併についても何らかの考慮を今後地域給の問題として払う必要があるのじやなかろうかということを申し上げたので、それをからませて遅らせるというようなことは申し上げたつもりはないのであります。われわれはこの前、浅井総裁が当人事委員会におきまして、不均衡是正の措置について善処するということを言つておりますので、もつぱらその線に従いましてやつておる次第でございます。
#15
○赤城委員長代理 ただいまの森君の御発言は、私もよく了承しておりまして、今までも努力をしておりますし、これからも努力を続けて行きたいと思います。御了承願います。
#16
○森(三)委員 予算が通つたら勧告すると言つておつたが、その点はどうなんですか。
#17
○赤城委員長代理 それはどうも正式に、予算が通つたとか通らないとかいうことについてはつきり申し上げたこともないのですが、なるだけ早い機会に勧告させるように努力をしておりますから、御了承を願います。
#18
○加賀田委員 今局長のお話では、町村合併に基いて地域給の再検討をしなければならないことが、勧告が遅れている理由ではないという御答弁があつたわけですが、そういう町村合併の進行に基いて地域給の研究はなされておるけれども、そのことで勧告が遅れているわけではないのですね。そのことを明確にしていただきたい。
#19
○滝本政府委員 これはもちろん地域給の問題でございますから、勧告の時期等につきまして、もしそのときまでわれわれが懸命に作業をやりまして、それがある程度そういう町村合併の問題も考慮し得るということでありますれば、これは入れるということはよろしいのじやなかろうかというふうに思うのであります。ただわれわれの方といたしましては、総裁が前回も申し上げましたように、是正の措置について善処するということを申し上げておるのでありますから、その線に従つてわれわれ事務当局も作業を進めておるということであります。
#20
○受田委員 きよう総裁がおいでにならないので、その間の消息を明らかにすることができがたいかもしれませんが、給与局長として人事院を代表した立場で御所見を伺いたいことは、先般左派社会党の最高幹部の諸君が人事院総裁を訪れまして、地域給勧告に関するところの人事院の態度をお伺い申し上げたところ、四月一日より実施することに、近く勧告するような印象の談話が、左派社会党より発表され、全国の大新聞にそれぞれ掲載されまして、そうして今やこの掲載記事に基きまして、近く勧告という立場より、たくさんわれわれのところにも陳情が参つております。この点につきまして、人事院といたしましては、四月一日実施と左派社会党の代表者に語つたその内容はいかなるものであるか。今の森君の御質疑にも関連する、すなわち勧告の時期という重要なるポイントでありますので、人事院を代表する給与局長の御答弁を願いたいのであります。
#21
○滝本政府委員 実は夕刊にそういう記事が出まして、その記事を見まして私も実は知つたような次第であります。しかもこれは左派社会党の方で御発表になつておりまして、翌日総裁に確かめてみたのでありますが、総裁が言われましたことは、二十九日の本委員会においてお話があつた程度のことのお話があつたように私は了承いたしております。
#22
○受田委員 四月一日実施ということについての御発言があつたことは確実でありますか。
#23
○滝本政府委員 そういうふうには言われなかつたように私は心得ているのであります。
#24
○受田委員 これははなはだ重大な問題で、すでに天下に周知の大記事として書き立てられたもりで、これに基いてわれわれの方へどんどん陳情が来ているという状況です。人事院総裁が四月一日という言葉に触れられないで、左社からそういう発表をせられるということはおそらくないと私は思います。この点については委員長において真相を究明の上、しかるべく措置あらんことを私は要望するものであります。委員長よろしくおとりはからいを願いたい。勧告に関する重要なる発言であつて、いやしくも人事院総裁の発言、しかも責任ある天下の大政党である左派社会党の最高幹部の発表である。いずれが真か偽か、この点については天下注目の的であると私は思う。この点につきまして、天下の関心事が勧告の時期一点に集中されている今日、こういうことについてはその真相をはつきり確かめていただきたいと思います。
#25
○赤城委員長代理 調査の上報告いたします。
#26
○森(三)委員 その問題は当然人事院総裁が責任をもつて発表せられているのである。これは受田君から今重ねて質問がありましたけれども、当然正式な発表があつたので、うちの党としてはこれを報道機関に発表したのである。従つて四月一日から地域給の新しい勧告の効力を発生せしめようという総裁の意図は、かりに勧告がいつ行われるにしても、そういう含みであることには間違いないのであつて、私どもはそのためにも速急に勧告をしていただきたいと思つている。
 重ねて給与局長に私はお尋ねいたしますが、新市が生れることによつて、その操作のために勧告を遅らしているというようなことではないのだという御答弁がありましたけれども、これは物のとりよう、考えようでありまして、あなた方からすれば、決して地域給の勧告を遅らせるためにそうしたところの操作をしておるんじやない、こういうお話でありますけれども、私どもは従来人事院のとつて参りました態度を考慮の基礎として見ましたときに、私どもは先般来人事院総裁に、衆参両院の当委員の合同打合会において何回も確認しているわけです。人事院総裁も、早く勧告はしたいが――はつきりとは言いませんが、要するにその腹の中は、衆議院を予算が通過したならば、勧告してもよかろうというような含みのあるはつきりそうは言いませんが、とにかく今は予算が衆議院で審議されているので、今勧告することは困る、こういうのですから、その裏を返せば、予算が衆議院を通れば勧告してもよろしいという意味にとらざるを得ない。また川島委員長もそれは私に言明している。予算が衆議院を通つたならば勧告さすということを何回も言つておつた。それについて、あなたは、総裁じやございませんが、あなたも総裁に次ぐ人事院の最高首脳部の方であります。してみれば、勧告について大体いつごろやるのか、きようは三月の十三日、あすは日曜、とにかく私は十五日には勧告するのだというような話も聞いているのです。十五日にするとか、いろいろ情報が流れておつて、その流れた情報がいつでも裏切られて、われわれ非常に落胆して参つたことが十数回、その点われわれしびれを切らして、これ以上待ちきれぬところまで来ているのであります。それについてあなた方は、その時期ははつきり言えないとか、わからないという段階じやないと私は思う。あなた方自身としても、やはり部内において総裁を中心として、勧告をいつやるのだというくらいのめどがついているはずだと思うのですが、これについて忌憚ない御意見をお聞かせ願いたいと思う。
#27
○滝本政府委員 森委員のお話ではございますが、やはり私の権限としてなかなか申し上げがたいこともございますし、また先ほどお話がありましたように、われわれは勧告の時期まで懸命に作業をいたしまして、そうしてでき得るならばこの町村合併の問題も許ざれる範囲において取上げたいということを申し上げたのであります。いろいろ御説明がございましたが、この問題は今非常にデリケートなようでありまして、私からここで勧告の時期というようなことについてなかなか申し上げることもできませんので、この点はお許し願いたいと思います。
#28
○森(三)委員 勧告の時期について、あなたが今言えない、また言つたら総裁にしかられると思うかもしれませんけれども、私は重ねてお尋ねします。私の仄聞したところによりますと、人事院としては、もう昨年の十一月下旬ごろに、A案、B案、C案というような三通りくらいの勧告案の操作ができておつたという。これは当然そうでなければならぬと思うのです。昭和二十九年度の予算にはめ込もうというあなた方のお考えがあつたのだから、大体全国から集まつた要望なり、請願なりに目を通して、この程度の予算であるならば、全国の市町村の地域給をこの程度に勧告できるという一つの案をA案とする。それから、予算がもう少し削られるとするならば、そのうちから一割とか二割とか削つて、B案ならB案というものをつくる。さらに予算が縮小されるとするならば、C案というものをつくられて、いつでももう勧告ができるのだということで、操作は全部終つて、人事院の戸だなの中には、扉を開けばA案、B案、C案がどれでもそろえて出せるという段階まで調査が至つておつたと思うし、またそういうふうにしているのがほんとうだと思います。昭和二十九年度の予算の編成の時期前に操作が終つていなければならぬ。また終つておつたはずですが、その点はいかがですか。
#29
○滝本政府委員 今のお話ではございましたが、われわれはもちろん、この問題はずいぶん古い話でございますから、いろいろ先ほど御説明申し上げましたように、基準の設定というようなこともやりやはりこの基準の設定ということは、作業とうらはらでやるわけでございますから、いかなる時期をとりましても、ある程度の素案というものはあるわけであります。ずつとさかのぼれば別でありますが。……それをさらに精細に作業を進めて行くということをずつとやつて参つておりまして、素案程度のものなら、いつでもできているのでありますけれども、さらに研究を重ねておりますので、われわれの作業がもういつの時期においても終了しておるという言い方は、ちよつとこれは言いにくいのじやなかろうかというふうに考えております。それからまたA案、B案、C案というようなお話もありましたが、われわれの作業はそういうふうに器用には参らないのでありまして、一つの案しからわれわれの方ではないのである、このように考えております。
#30
○森(三)委員 作業というものはいつまでたつても終らないものです。これは人間の研究と同じで、あらゆる科学的な研究は、これはいくらやつても切りがないかもしれません。しかし少くとも昭和二十九年度の予算に間に合わすという程度の操作というものは、おそらく私は昨年の十一月下旬ころにはできておつたし、またできていなければならぬと思うのです。それを現在に至つてまた新しい市ができるからといつて、あなた方の研究の材料がふえたので、それが口実になるかどうかしりませんが、何となくそれを口実にして勧告を引延ばしにかかつているのではないか。せんだつては、予算の衆議院通過ができたならば、勧告をしようという気配を見せております。今度予算が通過してしまつたら、何か引延しの手はないかと考えて来たところへ、幸いに今度新しい都市が生れて来る。これはいいあんばいだ、これを研究の材料としてやつて行こうというふうに思われてしかたがない。そこで給与局長に私がお尋ねしたいのは、少くとも昭和二十九年度の予算に載せるためには、昨年の十一月下旬を目途として、それは完全無欠という操作はないにしても、まずまずこの程度のものならという案ができておつたであろうし、またできていなければならぬと思うのですが、その点はいかがですか。
#31
○滝本政府委員 重ねてお答えするようになりますが、先ほど申し上げましたように、いつの時期におきましても、素案程度のものはもちろん持ち合せておるわけであります。
#32
○森(三)委員 私の質問は留保しておきます。
#33
○受田委員 給与局長さんは地域給について新しい市の創設されるところとか、町村合併については、その他の小売物価指数とか消費物価指数とかいうもののみでなくて、市に編入されたとか、町村合併で町の方へついたとかいうような、すなわち行政的な措置によつてそこの地域給が上つて来ることを認められるようなお話があつたわけです。こうなると、今まで二級地であつた町の近くの無級地の小さな村が町にくつついた場合、その合併によつてその無給地は当然地域給も今度くつついた大きな町と同様二給地としてもらう。これは市の場合でもそうで、市に新しい無給地が入つた場合、そのまま無給で編入させることは、市という体面からもおかしいから、一級まで上げておこう、あるいは二級まで持つて行こうという操作が行われることになると、その市に入り町に合併されたことによつて、小売とか消費とかいう生活中心の物価指数に基くことなくして、地域給がどんどん上つて行くという結果が起る。これでは地域給の本来の姿である生活給というものから離れて、行政的、政治的立場における地域給というものが創設されることになると思いますが、この点地域給本来の使命を逸脱したそうしたことの行われることに対する御見解を伺いたいのであります。
#34
○滝本政府委員 私は先ほど御説明申し上げましたときに、そのようには申し上げなかつたのであります。すなわち地域基準、補助基準を御説明申し上げました際におきましても、地域給というものが行われまして、それがたとえば人事交流の面等に支障を来すということがありますれば、ある限度においてこういう事情は考慮しなければならぬであろう、これは町村合併があろうがあるまいが、それにかかわりなくそういうことである。従つて人事交流というような観点も、基準と言えば言えるということで、御説明申し上げたわけであります。また町村合併があります際におきましては、そういう人事交流というような観点が大きく浮び出て来るということは、これは否定できません。しかしながら町村合併があつたからただちにみな級地を同じくするということは申し上げなかつた。その点はそういうふうにはお話はいたしませんでした。しかしそういう場合におきましても、われわれのいう支給基準なり補助基準というようなもので、一応上つて行くということはもちろんでございますし、またそういうたとえば一級地程度のものが二、三あるというところに下級地のものが合併されるということになりますると、税金等の関係は合併された地域と同じになりますのに、地域給だけ段階がついている。合併前は税金が低いから地域給が低くてもよかつたが、一緒になつたら税金は高くなつて地域給は差があるということでは、とても人事交流上支障がある、極言すればそういうことが起るわけであります。そういうような場合におきましては、町村合併についてはやはりある程度の地域のバランスというものはとらなければならぬでありましよう。また町村が合併されますれば、それが行政上のみならず、あるいは近い将来、あるいは即座に、やはりそれが経済上にも非常に有機的な関係が起るということもあるかもしれません。そういうようないろいろな観点から、このバランスというものはとられなければならぬでありましようが、しかし地域給の本来の目的からいたしますれば、町村合併にならない地域につきましても、ある程度の考慮をあわせてとらなければならぬであろう、こういうことを申し上げた次第であります。
#35
○受田委員 先ほどの御説明の中に、合併した級地の低いところが引上げられる関係上、それにまた付随して合併しないところも考慮しなければならぬことも起るというような意味があつたと思います。すなわち、小さな村が大きな町にくつついてそれに近接する小さな村がそのままではさまれているような場合に、そこも考慮しなければならぬという意味に私は解釈したわけでありますけれども、そうしますと、人事交流とか、その他いわゆる行政的な事由によつて地域給が引上げられる、あるいは新しく指定されるということになりますと、地域給本来の使命である生活給を本質とすることから逸脱する行き方であると私は解釈するのです。そういうことになりますと、今度八十幾つかの市ができる、それに関する作業も新しく考えなければならぬというようなことで勧告が遅れているかどうか知らぬけれども、勧告にそういうことも考えに入れておるのだということでありますが、そういうことになると、それによつて、今度市に合併され、あるいは新しく市が生まれるとかいうことに影響することになるが、これは地域給の本質を逸脱して人事院はものを考え過ぎると思う。市ができようが、できまいが、地域給に対する基本的な考え方はかわらないのだというようにしておいていただかぬと、市ができることを考慮して、新しく作業が混沌とするのだというような印象を、私はさつきの御説明から受けたのですが、いかがでしようか。行政的地域給を十分考えられるような段階に達したような形が、新しく八十できる市制地の施行とともに、人事院に大きな悩みを与えておると思いますが、この私の考えは誤つておるでしようか、伺いたい。
#36
○滝本政府委員 地域給本来の目的はおつしやる通りであります。先ほどもちよつと申し上げましたように、地域給が実施されましての影響と申しますか、効果と申しますか、そういう点で、人事交流上かりに非常に支障があるということでありますならば、そういう面もこれはためなければならぬ問題じやないだろうか。町村合併という問題はそういう面から取上げられるのでありまして、市とかなんとかいう面で取上げるわけではありません。従いまして、地域給本来の目的は、その土地々々における生活事情が根本になるということは、御説の通りでありまして、われわれもそのように考えている次第であります。
#37
○受田委員 人事院は地域給廃止の方向に持つて行く計画を立てております。従つてその第一段階として、五級あつたのが四級に減つた。これに対しては、今日われわれとしてはごまかされた四級建として、一応重大な警告を申し上げておる次第でありまするが、これをさらに三級にし、二級にして、最後には漸次地域給を廃止するという形をとろうとしておいでのようでありますが、今回の不均衡を是正する意味の勧告の直後に、そうした地域給廃止の方向への具体策を用意されておりますか、どうですか。
#38
○滝本政府委員 その問題は、むしろ当委員会に小委員会が設けられましていろいろ御研究になり、われわれもお呼び出しに応じて出まして、いろいろ御意見を申し上げておる通りであります。従いまして将来に向つて地域給制度というものは廃止した方がよろしいということは、一応考え方としては言えると思うのであります。しかしながらそれを順を追つてやるかどうかということは、やはり地域別の物価差の状況等をにらみ合せてやらなければならぬ問題であろうかと思いまするので、もう何もかまわずにこの次は…つに減るのだとか、二つに減るのだということにただちになるかどうかということは、多少問題があろうかと思うのであります。またわれわれがこの小委員会に出席いたしましていろいろ申し上げましたときにも、この地域給というものはやはり非常にデリケートなものでありますから、段階削減のようなことをばさつとやつてのける、そして地域給の制度があるにもかかわらず、このアンバランス是正というなことをしないというのは非常にぐあいが惡いことじやなかろうかということで、人事院は、むしろ根本の問題として、昨年の勧告には地域給の問題には触れなかつたのですが、研究はいろいろしており、また当委員会の小委員会等にも出ましていろいろ申し上げはしたのでありますが、勧告はいたさなかつたのであります。これは政府側でおやりになつたのであります。われわれは順序が違つたといいますか、多少齟齬があつたということは、やはりぐあいの悪いことであろう、これは御同様に感じておる次第であります。
#39
○受田委員 この問題はもうこれ以上論議しませんが、さつき森君から、人事院は近く十五日に勧告するとか、あるいはいつするとか、いろいろ説があるというお話もありましたし、私も全官組合等の情報等で、五十三億の地域給増額に伴う予算の必要があるというようなことをちよつと聞いておるのであります。そういうようなことに対して、人事院としては何かの根拠があり、どの機会かに全官公の代表者とか、あるいは今、森君の言われたように、三月十五日にやるというようなことをどの議員かに話されたか。俗に火のないところに煙は立たぬというが、私はそれを確認せざるを得ない情勢にあると思うのでありますが、今森君から指摘された十五日というような期日が出たり、あるいは五十三億とかいう地域給の増額に伴う予算の要求額というような数字、これはたいへんこまかい数字です。四十億とか五十億とかいう大きな単位の数字なら別ですが、五十三億というような数字が出たのには、何か人事院としてをそういう具体的なこまかい数字まで計算をするほど地域給を具体的に考えた予算編成などがされているのかどうか、この点お伺い申し上げたいと思います。
#40
○滝本政府委員 三月十五日ということをおつしやるのですが、われわれの方としては、これは全然関知しないのでありまして、どういうところから出ておりますか、私は人事官もそういうことを言われたはずはないというふうに考えますし、われわれ事務当局がそういうことを言うわけもないのであります。従いまして、これは何ら関知しないどころでありますし、それから五十三億というような数字は、これまたわれわれとしまして何とも申し上げようのないことで、なおわれわれの方から出たものでも何でもないので、あらためてはつきり申し上げます。
#41
○受田委員 せつかく加藤国務大臣がおいでになりましたので、お尋ね申し上げたいと思います。
#42
○赤城委員長代理 ちよつと受田君にお尋ねいたしますが、今の地域給区分に関連してでしようか、それとも日程の方に関連しての御質疑でしようか。日程の方でしたら、質疑の通告が先にありますので……。
#43
○受田委員 ちよつと議事進行でお尋ねします。加藤国務大臣がいつまでもおつていただけなければ、地域給に関する部分について関連的にお尋ね申し上げたいと思うのですが、ずつとおつていただければ、加藤国務大臣に対する質問を先にされて、私はその後にしていただいていいと思います。時間とにらみ合せて、どういう順序で議事を進行されるか、議事進行に関する委員長の態度をお伺いしたい。
#44
○赤城委員長代理 日程の方に対しましては、先に質疑の通告があるので、関連質問はそのあとでお願いしたいと思うのです。
#45
○受田委員 大臣はおられますか。
#46
○赤城委員長代理 大臣はおられるそうです。
#47
○受田委員 それでは地域給の関連の方は一緒にあとからお尋ねすることにして、次の人に譲ります。
#48
○赤城委員長代理 加賀田君。
#49
○加賀田委員 今局長から地域給に対する調査の基準に関していろいろ御説明があつたわけですけれども、それに関連して、今問題になつております町村合併で新たに研究されて、できれば勧告の中に含ませたいという意見でありますが、町村合併に基いて、人事院として地域給のアンバランスを是正することになると私その説明の中でいろいろ検討してみたわけですけれども、消費者物価指数は町村合併によつても異なるわけはないし、小売差、物価地域差指数においても、あるいはその他補助基準においても、町村合併に基いて地域給を特に考慮しなければならないという点はないのじやないかと思います。ただそこで問題になりますのは、再三給与局長も申されたように、人事交流に基く考慮が少し払われなければならない程度ではないかと思いますけれども、もしそういうことになりますと、現在同じ市の中においても相当地域差のついたところがあるわけです。特に京都なんかは京都市内の中でも一級から四級という大きな幅があるわけです。これらが人事交流に付して大きな支障を来しておるという問題があるわけで、現在の市の中における人事交流に支障を来した問題と切り離して、新たに起る町村合併の人事交流だけを考慮するということになれば、地域給の是正のために研究される基準に対して、人事交流というものは相当大きなウエートを持たなければならないと思いますが、従来どの程度の比重を持つて人事交流を見ていたか、一応御説明願いたいと思います。
#50
○滝本政府委員 従来におきましては、たとえば一つの郡という程度のものを同一に取扱つて行くというようなことは、ある程度やつて参つたのであります。しかし今回はさらに今御指摘のように、従前の非常に段階のあります市等につきましても、また従来の五段階の場合とは違いまして、五段階、すなわち零級地まで入れまして六段階の場合に、三段階の差があつたという場合こ、今度五段階になりまして、それが二段階差があるという場合とまた違いますので、もちろん検討をいたしたいというふうに考えております。
#51
○加賀田委員 そういたしますと、町村合併に基いて新たに検討されなければならないということは、将来の見通しは別として、人事交流の問題だけですね。
#52
○滝本政府委員 その点が主となると思います。
#53
○加賀田委員 そういたしますと、そう深く町村合併に基いて地域給を新たに検討し、深く再調査する必要もないのではないかと思います。そういう意味でやはり勧告の時期について、どうも昨年以来の総裁等からの答弁を聞くと、特に現在の国民が要望している、勧告を早く行つてもらいたいという空気にもかかわらず遅延させておる大きな原因は、町村合併に基いて新たに地域給を検討したければならないので、できればそれを中に含めて勧告いたしたいので、そういう研究のために遅れるというような印象をいつも与えられておるわけなのです。そうすると町村合併に基いて、今申し上げたように、人事交流だけだつだらそう調査をする必要はなくていつ幾日現在における実情に基いて地域差是正はこうしなければならないということは、勧告が出て来るはずではないかと思うのであります。今森委員からもいろいろ質問のあつた通り、給与ベースの勧告と違つて、地域給の勧告は大体予算の見通しがついて、その上に立つて従来行つておる慣例通りわれわれとしてはやりたい。二十九年度の本予算にできるだけ入るように努力して来た。そのために入らなかつたら、できればさらに政府と折衝して予算の大体の見通しをつけて勧告したいというように、総裁は答弁されておるわけであります。そうすると二十九年度の本予算にもし入つていたとすれば、もうすでに勧告が出ていなければならないはずである。こういうことは逆に勧告の案というものを人事院では持つておるということになるわけです。最初やはり二十九年度の本予算に人事院勧告の財源があるように努力していたわけです。していたと人事院総裁は言つていたわけです。していたということは、もし、入つていたら勧告をすぐ出すということです。それが不幸にして入つていなかつたからというのが遅らせておる原因であつて、勧告の案はできておるはずです。給与局長の言われるように絶えず変動しておるから、絶えず研究を続けておるということなら、これは永久に研究しなければならない。物価も経済も永久のものではない。常に動いておるものです。動いておるものを調査、研究してからというのなら、永久に研究に終つて勧告はできない。やはりいつ幾日現在において地域給というものはこうしなければならぬというものが出て来なければならないはずである。二十九年度本予算を目標として地域給の調査を行つて来たならば、それは昨年の十一月であろうと、十二月であろうと、いつ幾日現在の地域給の是正はこうしなければならぬという勧告の案はもうできておるはずだと思うのです。そういう意味で先般の理事会にも総裁を呼んで、早くやつてもらいたいということをわれわれは要望いたしました。だから町村合併の調査のために遅れておるということは、これは今給与局長からもそればかりではないという答弁があつたが、これはその通りだと思うのです。従つて勧告する意思があるのなら、われわれの要望通りもう少くとも二、三日のうちにできるわけだ。これは故意に延ばしておるとしか私たちには考えられない。そういう意味でもし現在どうしても勧告する大要ができておらないとするならば、これは人事院の職務怠慢だとわれわれは言わなければならぬ。そういう意味で、なぜ現在まで勧告が遅れておるかという問題を、根本的に御説明を願いたい。
#54
○滝本政府委員 案のでき方につきましては、先ほど答弁した通りでありますし、またこの問題は非常にデリケートな問題でありますので、両院の人事委員長並びに理事の方々と御会同になりまして、人事院総裁も出まして何回かこの問題はやつておるのであります。われわれとしてはこのとき浅井総裁がお答え申し上げましたところに従つて善処いたしたいと思います。
#55
○受田委員 たいへんこまかい技術的な作業の問題についての御質問ですけれども、今加賀田君からお尋ねになつた、町村合併との関連で遅れておるというような印象もあるということに対してお答えをいただいた中に、人事交流と、それから私さつきお尋ねしたことの中に、合併によつて新たに財政上の負担を受けることも多いということがあつたのですが、町村合併促進法などによると平衡交付金も合併のために負担を受けることがないようにするという規定があるし、それから住民税のごときも大体都市その他の方が住民税課税基準の低い方を多くとつておつて、非常に人口が少くて人件費の多くかかる村などの方が住民税の課税基準の高い方をとつておるところが全国的に多いのです。そう考えると町村合併によつて合併された村などの方が、今度市や町に入ることによつて財政上の負担が軽くなるという結果が起ると思うのですが、今局長さんの御答弁で、合併によつて財政上の負担が大きくなる。そういうことも人事交流とあわせて考えなければならぬというお話がありましたので、これは作業上重大な問題だと思いますので、技術的なたいへんこまかい問題でありますが、お答えを願いたい。
#56
○滝本政府委員 私は全般的にそうあるとは思わないので、原則は今おつしやつた通りだと思います。ただ特定の事由によりまして、ある村と申しますか、そこには何らかの事業場があつて税金を納めるとか、非常に税金を納める人が多いということのために、一般の村民は非常に税金が少いという場合があるのです。そういう事情は、いわゆる合併の条件としましてむずかしい問題が起るでありましようけれども、まず例外的にと申しますか、そういう場合もあるのでありますから、こういう問題も考えなければならぬ。このように御答弁申し上げたのであります。
#57
○加賀田委員 地域給の問題は、もう二、三質問したいと思います。地域給の勧告をするその事務的な手続なのですけれども、人事院としては、大体私の知るところでは給与第三課で一応原案を研究して、それから最終的には人事官会議で決定するのだ、その間にどういう機関で検討されているか説明を願いたい。
#58
○滝本政府委員 それは人事院としましては、最終的には人事官会議で決定いたすことになつております。
#59
○石山委員 私先ほど説明された数字的な問題を二、三お聞きしたいのですが、たとえば四級地東京を百とした場合、三級が幾ら、二級が幾ら、一級が幾ら、零級が幾らという数字をもう一ぺん御説明願いたい。
#60
○滝本政府委員 私が先ほど申し上げました数字は民間給与水準指数を使います場合の一応の基準ということを申し上げたのであります。このときに四級地は九三ないし九四、三級地は七五ないし七六、二級地は六八ないし六九、一級地は六二ないし六三、これは一級地におきまして、なおその地域における民間給与水準が六八ないし九程度のところは、ほかの資料はなくても一応検討の対象にいたすということを申し上げたのであります。
#61
○石山委員 たいへん地域給が政治的に考慮されているようですが、地域給が設定された当時の考え方をひとつ御説明願いたい。
#62
○滝本政府委員 地域給が最初に設定されましたときには、大蔵省の新給与実施本部でやつたのであります。そのときの基準というのはあまりさだかではございません。従いまして人事院で地域給問題を引継ぎました後におきましては、先ほど申しましたいわゆるIRDすなわち消費者物価地域差指数――二十八都市ございますが、二十八都市だけではとても少くて足りませんので、各府県に三つないし四つくらいは必ず調査地域があるのです。そこで調査を前後三回にわたつてやつておるのであります。これは各府県内のキーポイントというような地域でありまして、大きな調査をやつております。従いまして基準はIRDを基礎にして使つて行き、これに消費水準指数と申しますか、それをある程度加味した基準をつくつて使つて行つたという状況でございます。ただそういう調査におきましても、調査市町村の数には限りがあるわけでありますから、これは府県から出て参りました要望と申しまするか、そういう事情から見ました府県内の市町村の順位表というようなものをかみ合せまして、地域給を設定して行く、これが人事院が引継ぎまして後の状況であります。
#63
○石山委員 私のお聞きしたいのはそういうふうな手続じやなくて、地域給ができた原因は、つまりインフレによるところのはなはだしい物価の地域差の均衡をとらしめるためだが、そういう給与であるかどうかということをお聞きしたがつたのです。
#64
○滝本政府委員 それは大体においてその通りだと思いまするが、人事院が引継ぎました後におきましては、各地域における実質給与をなるべくひとしくしようということが目的であつたのであります。
#65
○石山委員 そうしますと特に政府の今考えておる七%ないし五%下るというようなデフレ政策が成功するとしますと、たとえば衣服の問題などは、先ほど局長も話をされておつたのだけれども、われわれのように地方から出て来て見ますと、いなかでは安いものを着ておる、安いものと言うと語弊がありますけれども、品質の悪いものを着ておる、東京ではいいものを着ておる。それに比較してどうも東京の品物の方が安いという現象が最近出て来つつある。そうしますと地域給の本来の目的からずつと離れて、非常にバランスのとれない不均衡な地域給が現存しているわけなのです。これが、もしかりに政府の施策が有効であるとしてデフレ政策になるとするならば、物資が非常にたくさんになる、そうすると物の値段が下る、地域差が特になくなるという場合に、政府――というよりも人事院がのんべんだらりとして勧告をしないとするならば、ますますそういう不均衡を強くして行くことになるのですが、そういうふうにはなりませんか。
#66
○滝本政府委員 今も御指摘がございましたが、地域給の目的というのは、その土地々々における実質給与と申しまするか、その土地の消費事情を基礎といたしましての話であります。そういうことでつくつてありまするので、現在の地域給もいろいろ問題はございますが、大体において間違いがあるというふうには思つておりません。もし今後政府の施策によつて物価が非常に下る、また政府も下げようと思つていらつしやるようでありますが、その場合には再検討を要することはもちろんであります。ただ東京等におきましては交通機関を利用いたしまするとか、公務員の中で自分の家から通つておるものは少い、従つて平均的には経費が十分かかつておるというような状況は、やはり地域差の問題として現実には考えなければいけない問題だというふうに考えております。
#67
○石山委員 地域差が非常に少くなりつつある現状だということを私は認めていただきたいと思います。
 それからもう一つは、去年からの小委員会においているいろいろ検討された中の一つの問題として、たとえば地方事務所の所在地、こういうふうなものは一応何かの格付にして係数を探すべきであるというふうなことが言われておりました。それはあなたの方でもお考えになつたと思います。今の場合、たとえば市町村の合併問題が非常に急速に起きて来ていろいろなことがあるようですけれども、その係数は生きて来る係数なのであつて、あなた方の作業をばそんなに渋滞せしめるような要素はあり得ない、こういう点はいかがでございますか。
#68
○滝本政府委員 官署が所在するというような問題は、これは人事交流の問題と関連しておりまして、小委員会等におきましても申し上げた通りであります。ただ官署があるからといつて、そういうことでこの地域給をそれを軸としてやるわけには行かないので、それがやはり人事交流の問題であるというようなことから、われわれの基準の中に取入れてやつて行こうというようなことを考えておる次第であります。今町村合併の問題とからましてのお話でございましたが、町村合併もいろいろな問題でこれを是正する必要があろうかと思うのですが、それをそんなに遅らせておるという印象を与えたならば、これは私の説明が悪かつたのであります。時間があればその問題もできるだけこの機会にやることがよろしいということを申し上げたかつた次第であります。
#69
○石山委員 これはそうすると加賀田君からも指摘された点でありますが、物価その他によつても研究するのが人事院の任務なのでございますけれども、やはり問題の解決を与える場合に一定の線を引くというのは当然だと思います。普通民間はどこでもそうなのですが、春の闘争、秋の闘争というふうに区別されておりますけれども、大体三月、年末でありますれば十一月――われわれやはり考えてみるに国の予算が四月でございますから、考え方はやはり十一月末あたりが新予算にも見合う時期であるし、民間の指数、たとえば前年に行われた民間の給与闘争をば拾い上げてみる場合においても、三月ということが大体生きて来る。三月には十一月現在がわかると思います。その間における物価の動きということも、三月になれば前年度の十一月というものは的確につかみ得るわけなのであります。そういうふうなことを考えるならば、私はやはり去年の十一月あたりは人事院が一応の線を引いた物価指数、民間の給与その他が出るだろうと思うのであつて、そういう点ではあなたの言い分は少しく――あまり勉強し過ぎておるのかどうかも知らぬですが、やはり一応の線を引かなければいつもこういう問題が起つた場合に決定打が打てないということになりますので、もし引いてなかつたとするならば、急速にある一定の線を引くことをこの場合要望しておきます。
    ―――――――――――――
#70
○赤城委員長代理 次いで、特定の公務員の営利企業等への関与の制限に関する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。山口好一君。
#71
○山口(好)委員 本法案につきまして二、三の点について簡単に提案者に御質問いたしたいと思います。
 この法案は、中村高一君その他の同僚諸君の熱心な御研究のもとに御提案になつたものでありまして、一応敬意を表するものでありますが、この法案は前会にもいろいろ質疑がかわされましたように、内容はいたつて形式的な制限にとどまり、かつ今度の汚職事件を契機としまして、当然各大臣がなさなければならなかつた事柄について、注意を喚起するというような程度の法案に見受けられるのであります。なお事務局で研究された諸外国の立法例に見ましても、この点は、規定を設けておるところもありますし、規定のないような国もあるようであります。これははたそこうした規定、かかる法律をもつて、制限を置くのが妥当か、これを道義的な問題にまかせて、各自の道義的責任感にゆだぬべきかというような点から、かように立法例もわかれておるのではないかと思います。さらに一方、これは憲法で保障しております各種の自由権にも触れて来るのでありますから、そこで各国の立法例もかく異なることと推察をいたすものであります。この法案を見まして、なるほど趣旨にはわれわれも賛成するにやぶさかではないのであります。しかしその適用の実際面についてはたして効果がありやいなやということになりますと、むしろこの法案は、少し口が悪いかもしれませんが、どろなわ式な、どろぼうをつかまえてなわをなうというような傾向もあり、しかもこのなわをなつたためにかえつてどろぼうがつかまらない、いな換言しますれば、そういう諸大臣は民間会社の顧問、評議員あるいはその他の役員というようなことで、表面上は関連を持たないけれども、たとえば大臣になつて表面的にはやめたが、しかし実質的にはやはりそれに関係を持たざるを得ないというようなことであり、さらに大臣をやめれば再びその職に復するというような意味合いが多く含まれるだろうと思うのでありまして従つて裏面行動――役員とかそうした名目上の行動にあらずして、しかも実際は非常に有効に関与するところの行動が行われておる場合、この法律では何らその点は制止できないのじやないか。はたしてしからば、これはいわゆる龍を描いて点睛をいたさない、せつかく法律はできたが、効果がないというようなことができ上りはしないかという懸念があります。むしろ今度の汚職事件のごとき、その行動の相手方になりますところの諸官庁などにおきましては、その会社の直接の役員になつておりますれば、みずからも戒飭して、あの大臣はあの会社の顧問をやつておる、社長をやつておるというような場合には、たとえば開発銀行に対しその会社から融資が申請せられておるというような場合にも、官庁としても十分注意をいたしまして、不正事実なからんことを注意いたすと思うのでありますが、表面的にはすでにその会社と関連を絶つておる、こういう人の行動に対しましては、むしろ融資面などについてもやりやすいという実際面もあるのではないかと思うのでありまして、かような点で裏面における行動、実質的にはより重要なる行動について提案者はいかが考えておられるか。また加藤国務大臣は、そういう点は非常に潔癖で、すでに辞表を出され、かつ実質的な職務関与も絶ちたいというようなことまでお考えになつておるようでありますが、この法案について私が申し上げましたような点で、加藤国務大臣としましてはいかに考えておられますか、その点をお伺いいたします。
#72
○加藤国務大臣 私は今回のこの法案の出た御趣旨は、汚職問題と関連いたしまして、政界の浄化ということが眼目で提出されたことである、こう思つておるのでありまして、政界浄化という点を主眼としたる御趣旨においては、まことに趣意には賛成するにやぶさかでないことは、ただいま山口君のお説の通りでございます。この問題は閣議でまだ決定いたしておるわけではないのでございまして、私一個の考えは先般も申し上げた通りでありまするが、その考え方はただいま山口君がお述べになりましたとほとんど同様でありまして、これはまだ私一個の意見でありまするが、形式的にはまことにけつこうなことである、こういうことは法律をもつて制限を加えるか、各自の政治的の道義心と申しまするか、良心と申しまするか、あるいはその当時の社会通念と申しまするか、また個々の特別職にあります者から申しますれば、常識の上から見まして判断すべきものではないか、こう思つております。それで政界を浄化するという点においては、まことに御趣旨に同感であるけれども、これを実際面に施すときたおいて形式的にはその結果がいいようであるが、実際面においてその結果がはたしてどうなるかということを私は疑問に思つておる次第でございます。
#73
○中村高一君 ただいま山口君からの御意見でございまするが、何か今度汚職事件が起きて来たので、どろなわ的にこういう提案をしたんではないかという疑いもあるようでありまするが、いかにも今回の汚職の問題が提案をいたしまする動機になりましたことは事実であります。これはわれわれだけでなくして、参議院の方では御承知のように、改進党の諸君が昨年の八月三日に提案をいたしておるのでありまして、おそらくその当時はこれほど問題がまだ起きておらないころかと思うのですが、その当時でも参議院の諸君が多数をもつてほとんど同様の趣旨で法案を提議いたしておるところなどを見ましても、やはり参議院の諸君もこういう法案の必要を感じられておつたのだと思うのであります。その後参議院で提案され、今度の国会になりましてからも、また新しく提案せられておるようでありますが、汚職事件が非常に多く起きて来たのでありまして、われわれも日本の政府の大官がこういう法律をまつまでもなく、国家の公務員として、みずから兼職を去られることを期待いたしておるのであります。加藤国務大臣でさえこの前も、昨日も、本日も、その点につきましては御自身から、兼職いたしておりますものを退職する手配をしておられるというのでありますが、ほかにもまだ例があるという御答弁でございました。どの大臣がどういう兼職をいたしておるか、われわれには一々わかりませんけれども、おそらくこの議案の中にあります政務次官などになりますと、相当たくさん兼職しておられる方があると思うのでありまして、これはまことに残念でありまして、言いたくない言葉でありますけれども、やはり日本のような汚職事件が非常に多い国におきましては、特に必要を痛感するのであります。外国の立法例を調査いたしてみますと、なるほどないところもあります。しかしたとえばアメリカなどにおいてそういう必要がないのは、何か国の事情によるものだと思うのでありますが、ドイツなどにおきましては明確にありまするし、フランスなどにおいては国会議員までも兼職が禁止になつております。各国の例を調べてみますと、結局大国においてはないところもありますが、二流以下の国においてはやはりやつておるようであります。日本などはおそらく各国に例のないほど汚職事件が多いようでありますが、日本の政界が浄化されて参り、そしてこういう法律は必要がないというときが来ますならば、われわれもこんな法律の必要はないと思いますけれども、現状におきましては、残念ながら、どうも山口さんにも御賛同を得なければならぬように思うのであります。またこれで兼職を禁止いたしますならば、特別職の国家公務員の地位というものも一段と尊敬を払われて参りまして、かえつて公務員の地位が国民から非常に敬意を表されて参りまして、その尊敬の念も深くなるというふうにわれわれは考えます。あまり国家の重要な地位にある公務員が、民間の事業などに関与しておられないことの方が、公務員の地位を尊敬させる点からも必要だと思いまして、私たちは提案をいたしたのであります。汚職の事件が動機ではありまするが、決して私たちだけの意見ではないわけであります。提案をいたした理由は大体かようなものであります。
#74
○山口(好)委員 提案の趣旨はわかりましたが、そこでただ形式的にこういう特別な公務員についての兼職を禁止する、その職をやめろ、それだけでは、先ほど申しましたように、実際一向効果がないというふうに感じます。そこで第三条を見ますると、「営利企業を営むことと目的とする会社その他の団体の役員、顧問、評議員その他これらに準ずる職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。」こうなつておりますが、この「自ら営利企業を営んではならない。」というこの範囲は、やはり会社などに依然実質的には関連を持つ行動をしておる場合も含んでおるかどうか、お伺いします。
#75
○中村高一君 これは「自ら営利企業を営んではならない。」というのでありますから、先ほども御指摘のありましたような、自分の奥さんの名前であるとか、子供の名前にしてやる場合には、実際上は取締りはできないのであります。しかしそれではこの法の目的を達することができないではないかという御意見も、ございましたけれども、これは一つの道徳的な法律でありますから、表は名前をせがれの名前にしたり奥さんの名前にしたけれども、裏では糸を引いておつて、実質的には同じだというようなことはやつてもらいたくないのであります。これは道徳的な一つの法律でありますから、おそらくはこういう法律が出ましたならば、特定公務員の地位にあられる方は、この法の趣旨をくんでくださるとわれわれは期待しておるのであります。法の裏をくぐるような、そういう公務員であつては困るのでありますが、この法律は多分に道徳的な意味があるのでありますから、おそらくはこの法の趣旨に従つてそういう脱法的な行為を慎んでいただけるものだと期待をいたしておるのであります。
#76
○山口(好)委員 その点これはなかなか重要問題で、いろいろ考慮してみなければならないと思うのですが、実際に中村さんとして確信を持つてそういう期待が持てましようか。その点を伺いたい。
#77
○中村高一君 あるいは困難であるかもしれません。山口さんが憂慮せられますように、そういうことで逃げられるかもしれませんけれども、しかしそうなりますと、どんな法律をつくりましても逃げるものはどうしたつて逃げるのであります。現在あります法律でもそれは同様でありまして、裏をくぐるものはあらゆることをやつてくぐるのでありますから、これは目的を達せられないという場合もあるかもしれませんけれども、しかしそれは少数の場合であつて、大きな法の目的はこれで達成ができる、かように思つております。
#78
○山口(好)委員 なるほどどんな法律をつくつても裏をくぐるということはあるかもしれませんが、しかしなおそういう期待を強くかけますためには、条文の字句をいま少しく検討いたす方がいいかと思うのであります。たとえば西ドイツのこの点に関係のあります部分では、他の有給職につき、営業を行い、もしくは職業に従事し、または営利を目的とする企業の理事会もしくは幹事会の一員であることはできないというような表現を用いております。何かここにさらに実質的に食い込んだような制限規定が字句の関係で設けることができるのではないかと思いますが、御一考を煩わしたい。
#79
○中村高一君 提案者といたしましては、できるだけ遠慮いたしまして、最高の地位にある公務員をあまりこまかく追い詰めるということはどうかと思いまして、やんわりとこの程度ならばどうだろうかというような考慮もいたしまして提案をしましたのであります。厳重にしていただくという点については、われわれは何ら反対ではございませんので、委員各位がもつと厳重にしてくださるならば、提案者としてはまことに喜びにたえない点でございまして、そういう点について御意見がありましたならば、もつと一層厳重にして法の目的を達成するように御協力を仰ぎたいと思うのであります。
#80
○山口(好)委員 そこで、汚職事件の頻発、その他の犯罪一般についてもそうでありましようが、これはその人自身の罪とともに、やはり国家社会の環境の罪ということが是認されなければならないと思うのであります。そうした意味で、この汚職を払拭し、政界を浄化するということはぜひしなければなりませんが、やはりたての反面を見まして、その原因となつている反面を取除かなければならないと思う。そういう意味で、この特定公務員、こうした国家の要職にあります公務員についてこの制限を設くるとせば、これらの人々に対する給与関係について、他の制限を受けざる人に比較して、この制限を受けるところの特別公務員に対しましては、やはり特別な給与を考慮せなければならない、そうあるべきであると私は愚考いたしますが、そういう用意ありやいなやをお伺いいたします。
#81
○中村高一君 この前の委員会でも同様の御趣旨の御意見があつたのでありますが、われわれも、もし兼職を禁止いたしましたために、公務員としての品位を保つことができないという事態が起つて参りましたならば、それはそのときにあらためて給与の問題は国会におきまして審議を願うことが当然でありまして、がまんをせよというわけではありません。しかし今日の日本の国情からいたしますならば、政府みずから陣頭に立ちまして、国民に耐乏生活をせよといつてかけ声をかけて、今協力を求めているときでありますから、この際はご無理であつても、公務員の最高の地位にある方が率先して耐乏生活の範を示されることが必要のように思うのであります。しかしこれは政治論といたしましては、品位を保つことのできないほどに薄給でありまするならば、これはひとつ別に御協議を願いまして、どういうふうにか適当な方途を考えられることもやむを得ないことだと思つております。
#82
○山口(好)委員 ただいまの御趣旨応了承します。なるほど国民に耐乏生活をしている以上、指導者の地位にある特別公務員はぎりぎりの、節約した耐乏生活をともにやつて行かなければならぬということは私も考えますが、しかし今日ほんとうの正しい平等という点から言つて、それだけの重要な地位にある者にはやはりそれだけの給与を与えるべきであるということは当然でありまして、こういう立法をいたしますからには、その裏づけとして、やはり給与の改訂というような問題についても提案をいたすべかりしものと思考するものであります。なおこの点について、加藤国務大臣は最近大臣に就任せられたので、実際の体験はどうか知りませんが、現在の給与でやつて行けないということを、この前も御答弁になつておつたようでありますが、耐乏生活をやつてもやつて行けないかどうか、その点お伺いいたします。
#83
○加藤国務大臣 私この間個人の考えを率直に述べましたが、耐乏生活ということも程度でありまして、体面を保つて、できるだけ耐乏生活に沿つて行きたい。私は簡易、質朴な、質素な生活をいたしておりまするが、体面を保つて行くということに対しましでは、先般申し上げましたごとく、俸給だけでは、不可能であるとは言いませんけれども、これはすこぶる困難ということを、私は率直に私の体験だけ申した次第であります。
#84
○受田委員 この前の質疑の残りをお尋ね申し上げたいと思います。中村議員は提案者といたしましてここに掲げられております職種に関する公務員、すなわち特定の公務員だけを制限の対象にしているのでありますが、特別職給与法の別表一には八万八千円の国務大臣と同じ月給をもらう人事官、検査官、国家公安委員会委員という職があります。これは一箇月のうち毎日出て勤務するのでなくして、委員会が開かれるときに出勤し、また特殊の任務があるときに出てやるといういわゆる非常動特別職であります。さらに八万二千円の俸給をもらう者の中には、公正取引委員会委員長、土地調整委員会委員長、文化財保護委員会委員長、地方財政審議会会長、官内庁長官というのがありますが、これらはいずれも国会議員よりも高い給料をもらつている人々であります。この人々が他の営利企業へ関与してもよろしいということになりますと、国家公安委員会の委員は国家治安の総元締めである人々であつて、これらが自分の会社の関係した会社の手入れのときには手心を加えるとか、自分の関係しない会社には厳重なる摘発の手を加えるとか、こういうふうな手を下さぬとも限りません。また公正取引委員会委員長が公正取引に反した不公正取引をやる可能性もあるし、宮中のあらゆる行政事務の責任者である宮内庁長官みずからが営利企業をやる――そうした陛下の側近にあつて、常に宮中の行政事務を処理しながら一方でもうけ仕事をやつて、体面も汚すということになれば、日本国の象徴である陛下に対する汚辱にもなる。こういうことになると、ここにあげた者以外にどうしても制限を加えなければならぬ官職が相当数に上つて来る。少くとも特別職の給与法に掲げてある別表一の今申し上げた者のほかに、われわれ国会議員と同じ月給をもらう法制局長官、政務次官、われわれよりも少し低い月給をもらう内閣官房副長官及び公正取引委員会委員、こういう職にある者までも一応手を延ばしておく方が誤りがないのではないか、こう私は考えるのであります。この前のお話では、これは中心になるものをあげたのであつて、そのほかの者は道義的責任を感じてもらう程度でよかろうという意味であつたかと思いますけれども、少くとも国会議員以上の給与をもらつて、そうして国内のあらゆる立場で最高の官職にあるこういう各種委員会の委員の諸君も、ひとつこの際このわくの中へ入れる方が妥当ではないかと思うのですが、提案者としてはいかがお考えでございましようか。
#85
○中村高一君 国内の公務員の私企業関与の制限に関する立法例。これは委員諸君にまわつておりますか。これによりますと、これは法制局で全部調査をいたしたのでありまするが、御指摘のようなものは全部禁止規定があるということで除外をいたしたのでありますが、この法律を見ますると、たとえば国家公安委員会の方も、それから公正取引委員会、土地調整委員会、文化財保護委員会委員、これらはいずれも当該法律によつて私企業が禁止されているという報告を受けましたので、除外をいたしたのでありますが、その点についてあるいは調査が十分でないのかもしれませんけれども、この立法令で見ますと、いずれも私企業からの隔離をされているようでありますが、われわれの調査したところでは、いずれも禁止されているように思いまするので、除外をいたしたのであります。
#86
○受田委員 これはそれぞれの法律にあてはめて見ますと、その服務規定の条項とおぼしきところにそれがある程度掲げてあります。これはしかし官吏服務紀律に、「官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ本職ノ外ニ給料ヲ得テ他ノ事務ヲ行フコトヲ得ス」という規定があるから、これをもつて全部こういうものをやらぬでも、忠実に官吏服務紀律が行われるならば、かかることはあり得ないんだというようなことにもなるのであつて、もしこれを掲げることがありまする以上は、他の法律にそれぞれ掲げてあるものの中では同様の趣旨を一括してこれにとりまとめておく。こういうような法律的技術が必要ではないか、それは官吏服務紀律をすべての官吏に適用させておきながら、その法律が今有名無実となつていると同じような形で、他のそれぞれの関係法律に公安委員あるいは文化財保護委員というものの職務の制限の範囲が掲げられておりますけれども、それらは今川中村さんたちが出された法案の内容とは少しずつ違つている点があります。この点におきまして同じ趣旨に基いて重要な地位にある官職の者を、この法律に一本にして新たな規定をつくる方が妥当ではないか、こう考えているのであります。これば人事官についても国家公務員法の宣誓服務という規定の中にありまするので、これも人事官は国家公務員法で制約を受けておられるということも言えるのでありますが、これもひとつ研究を要する重要な問題だと思つております。
 次に国務大臣である加藤さんに、この問題に関連してお尋ねしたいのでありますが、加藤さんは非常に誠実な方であつて、私この前の委員会からそのお人柄にひそかに敬意を払つているのであります。こういう人を給与の担当の大臣になつていただいていることをはなはだ喜ぶものでありまするが、同時にこの際ひとつ、国務大臣となられて給与を担当された以上は、特別職並びに一般職の公務員の給与がその体面を保つに足るほどのものであるようにあらねばならない、生活を保障するものでなければなりませんので、原則を十分御確認いただいてぜひ御努力願いたい。ところがここに一つほど問題点は、もしこの法律案が通つた場合に、国務大臣その他の特定の公務員が他の企業の職を兼ねることができないとなりますと、収入の道が絶える。すると国務大臣やその他の官職の給与だけしかもらえないことになる。そうしますと何らかの特別職の俸給の調整をしなければならぬ。そこに一つ問題点が起るのは、先ほど指摘しました非常勤の官職にある国家公安委員会の委員長とか委員とか、あるいは公正取引委員会の委員長とか委員とか、こういう代議士よりも給与の高い、八万二千円以上とつている人々は毎日勤務しているわけじやないのでありますが、非常勤の勤務者がまつたく国務大臣と同じほどの給与をとつて、月の半分も勤務すればいいという人もたくさんあるはずなんですが、こういう人が一箇月まるまる勤務している人と同じ給与をとつているという現行特別職給与法の根本的改正をする必要があると思うのでありますが、この点について御所見を伺いたい。
 これに関連して、人事院の給与局長も御足労をいただいておりますのでお尋ねしたいのですが、非常勤職員の給与は、人事院規則に定められておりますところによると、一日につき顧問とかあるいは委員とか参与とかいう職にある人は、二千五百円を越えてはならないように規定が書いてあります。これらが一箇月に二十日勤務するとしても五万円ということになるわけでありますが、人事院の所管の中で委員とか顧問とか参与とかいう職にある人、そういう非常勤の職員で一箇月通算して勤務している人たちの数はどのくらいあるのか。あるいは一箇月のうちこういう人たちは二十日とか十五日とか――いろいろな評判もあろうと思うのでありますが、通常非常勤のこういう二千五百円の給与をもらつている人は一箇月どのくらい勤務するのが平均になつているのか。ここをひとつ御説明いただきたいと思うのであります。
#87
○中村高一君 前半の方だけお答えをいたしますが、非常に国家から多額の給与を得ております公安委員会あるいは公正取引委員会その他の委員の問題でありますが、これは法律を調べてみますと、いずれも新らしい国会になつてからの法律でありまして、その法律にはいずれも兼職を禁止するという規定が書いてありますので、これを再び入れるということは屋上屋を重ねるような感じがいたしますので、その必要はないということで除外をいたしたのであります。そうすると、ただいま御指摘のように、それならば各大臣に対しては官吏服務紀律があるじやないか、こういう点になるのでありますが、それは実にもう明治二十年の法律でありまして、まつたく今日の時代とかけ離れておりまして、しかもこれは天皇制時代の官吏というもので、今の公務員というものとは少しく特色もかわり性格もまつたくかわつて来ているのでありまして、そういう古い法律で、しかもあるのだかないのだかわからぬというような現状でありますので、これはひとつどうしても時代に適応するような法律にするのがいい、こういう趣旨でありまして他のものを決して除外をいたす趣旨ではありませんことをお答えいたしておきます。
#88
○加藤国務大臣 ただいまの御意見、ことに国務大臣その他に対しましても相当の待遇をすべきではないかという御意見は、私はまことに尊重して拝聴いたします。実際公共のために全精力を傾倒する者がその体面を保つためには、私一個の経験からいえば、今の俸給ではなかなかやり切れないのでございます。しかしこういうことは一般全体の職員に対してどういう影響を与えるか、財政上、予算上のことも考えなければならないのですから、お説はつつしんで承つておく次第でございます。また非常勤の手当の問題でございまするが、それは承つておきます。
#89
○滝本政府委員 関連して一般公務員の非常勤の給与の問題につきまして御質問がございましたが、ただいまは昨年の年末――二千五百円というお話がございましたが、勤務一日につき三千円となつておるのであります。これは非常勤でありまするから、おおむね五日ないし六日というような勤務の人が多いのでありまするが、しかしそれがどういうふうな実際の勤務状況になつておるかという点につきましては、今ただちにこの場で資料を持ち合せませんので、次会までにでき得る限り努力いたしまして、でき得れば資料を提出いたしたいと思います。
#90
○受田委員 中村議員の御答弁の中に、官吏服務紀律は有名無実で用をなさない、明治時代の遺物であるということでありますが、官吏服務紀律の改正は昭和二十二、三年ごろ、終戦直後に新しい時代感覚をはずれた分を削除してある程度永久性のある分を残して今七条、十一条、十二条、十三条というような、この間いただいた資料の中にある程度のものを残しておる以上は、これはやはり尊重しなければならない。もし尊重する必要がなくなつたものであるならば、これを廃止すればいいのだ。これはこの間ちよつと触れたのでありますが、この官吏服務紀律というものはもう廃止して用をなさぬのならば、終戦直後にこれを改正する必要もないし、残存する必要もないのですが、この点人事院総裁は、これは考慮もしたいというような意向があつたけれども、考慮程度では済まない。それならやめてしまつて、この法律を通してはつきり筋を通すか、あるいは何かもつと制約性のある拘束力のある実効のある法律を新しく出されるかする必要がないでしようか。この点について――これはちよつと給与の関係をはずれますので御答弁しにくいかもしれませんが、この官吏服務紀律の中には給与に関する条項もありますので、人事院の給与局長からそれに関連しての御答弁をいただきたい。
 それと、加藤国務大臣の先ほどの承つておくという御答弁の中に、非常勤職員の特別職の問題があつたのですが、この点につきまして国家公安委員会の委員が一箇月平均どのくらい勤務しているか、そのほかこの特別職の別表第一表に掲げられている各種委員会の委員たちがどのくらい勤務しているのであるか、連日勤務する人と非常勤に勤務する人との差額を検討してこの金額の高低をきめなければなりませんので、今までの一年を通じての各種の委員会の委員の出勤日数の資料をこの次の委員会までに――これはこの給与の妥当性を研究する重要なる資料にしたいと思いますので、即座に資料の調製方お願い申し上げておきます。
#91
○加藤国務大臣 できるだけ調査いたしまして次会に提出いたしたいと思います。
#92
○滝本政府委員 官吏服務紀律につきましては、ただいま御説の通り明治時代の勅令でございますが、その後終戦後におきましてある程度の改訂をされております。この問題は現在におきましては、私の見解では特別職の方にむしろこの規定が生きているのではなかろうかというふうに感じます。一般職につきましても、もちろん国家公務員法に服務の項がございますが、その中にある程度の規制はしてあります。しかし国家公務員法の服務の規定の関係並びに官吏服務紀律の関係につきましては、前会総裁が申し上げましたように、やはりこれは調整をとる必要がありましようし、ことに終戦後相当日時を経過いたしました今日におきましては、また別個の観点からこの問題を取上げられる必要があろうかというふうに感じておるのでありますが、直接私の担当でございませんので、なおお話の趣旨をよく伝えておきます。
#93
○中村高一君 ちよつと。今官吏服務紀律がありますからほかのものは必要ないという意見がありましたが、国家公務員法の中にも、一般職に対してやはり兼職禁止の相当こまかい規定が出ておりますところなどを見ましても、やはり官吏服務紀律とは別に必要があるということであります。国家公務員法あるいは地方公務員法みんなそれぞれ一般職について兼職禁止の詳細の規定があるところから見ましても、やはり官吏服務紀律だけでは適当でないということのように思われますので、その点も御考慮願いたいと思うのであります。
#94
○赤城委員長代理 本日はこの程度で散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト