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1947/06/18 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第3号
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1947/06/18 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第3号

#1
第002回国会 文教委員会 第3号
昭和二十三年六月十八日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会開会に関する件
○教育委員会法案(内閣委付)
○学校教育法及び義務教育費國庫負担
 法の一部を改正する法律案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
   午後二時九分開会
#2
○委員長(田中耕太郎君) それでは文教委員会をこれより開会いたします。今日の議事日程の第一は、教育委員会法案でございます。初めにちよつとお諮り申上げますが、この法案は治安地方委員会とも非常に密接な関係を持つておりますから、治安地方委員会におきまして質疑を一緒にしたらどうか、つまり合同的に審査をやつた方がいいのじやないかというような、同委員会の方からの希望がありまして、それで若し御異議がありませんければ、早急にさような機会を作つた方が適当ではないかと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中耕太郎君) 御異議なければ、來週の火曜日の十時から合同委員会を開きまして、質疑を合同でやるということに御決定願いたいと思います。
 今日は提案理由の説明なり、又補足的、細目的の説明を願うことにいたします。
 先ず文部大臣に提案理由の御説明を願います。
#4
○國務大臣(森戸辰男君) 今回政府より提出いたしました教育委員会法案につきまして、その提案の理由及び本法案制定について、政府のとりました根本方針を御説明いたします。
 先づ本法案が制定されるに至りました経緯を御説明いたしたいと思います。各種の教育刷新の施策の一つとして、終戰後間もなく教育行政、特に地方教育行政の在り方について改革の必要が叫ばれ、政府におきましても愼重に研究を重ねたのでありますが、教育刷新委員会におきましても、教育行政の改革を我が国教育民主化の一重要支桂と考えられ、愼重審議の結果、これに関する建議を内閣総理大臣あて提出いたされました。又米国教育使節團報告書にも、教育行政の改革について極めて有意議な勧告が提出されておるのであります。一方昨年三月三十一日公布施行されました教育基本法は、その第十條におきまして、「教育は、不当な支配に服することなく、國民全体に対し、直接責任を負つて行われるべきものである。教育行政は、この自覚の下に、教育の目的を遂行するに必要な諸條件の整備確立を目標として行われなければならない。」と規定いたしてありますが、教育基本法は、教育憲法或いは教育宣言とも申すべき性格を有する法でありますので、教育行政改革の方針は、前述の規定に基きまして、その方向付けがなされたものと考えられます。教育刷新委員会の建議の趣旨、米国教育使節團報告書に示された貴重な勧告、及び教育基本法の規定する方針に基きまして、政府において関係各方面と連絡の上、愼重研究の結果、地方教育行政に関する根本的改革を企図する本法案を提出するに至つた次第であります。
 次に今回のこの法律を制定するに当つて、政府のとりました地方教育行政改革の根本方針につきまして申述べたいと思います。教育の目的は、個人の尊嚴を重んじ、眞理と平和を希求する人間の育成を期するにあることが教育基本法で宣言されておりますが、この教育の目的を達成するために行政が、民主主義一般の原理の下に立つ在り方としては、権限の地方分権を行い、その行政は公正な民意に即するものとし、同時に制度的にも、機能的にも教育の自主性を確保するものでなければならないのであります。
 先ず、教育行政の地方分権としては、都道府縣、市、東京都の特別区及び人口一万以上の町村に、それぞれ原則として権限上一般行政機関から独立した教育委員会を設置して、その地域の教育に関する責任行政機関といたしまして、從來国が教育内容の細部に亘るまで規定し、且つこれを監督していた態度を改めまして、教育の基本的事項のみを定めて、これが実際上の具体的運営は、これら委員会の手に委ねることとしたのであります。
 次に、前述の地域に設けられる教育委員会の委員の選任方法は、一般公選といたしまして、地方住民の教育に対する意思を公正に反映せしめることによつて、教育行政の御主化を徹底いたすこととしました。從つて地方の教育は、國の基準に従つて、地方民の代表者の手によつて、その地方の実情に即して行われることになるわけであります。
 最後に教育の本質的使命と、從つてその運営の特殊性に鑑みまして、教育が不当な支配に服さぬためには、その行政機関も自主性を保つような制度的保障を必要といたします。教育委員会は原則として、都道府縣又は市町村における独立の機関であり、知事又は市町村長の手に属しないのでありまして、直接國民にのみ責任を負つて行われるべき教育の使命を保障する制度を確立することにいたしました。
 以上三つの眼目が、本法案制定に当りましてとられた根本方針であります。この法案は、すでに実施を見ております新学制を初め、その他の教育刷新に関する諸施策を急速に促進すると共に、他面後に続く諸改革の強力な主桂となるべき重要な意義を持つものであります。この法律は一應本年七月一日より施行いたしますが、目下実施途上の六・三制の完成及び地方財政の実情等に鑑みまして、町村及び特別教育区については、その実施を尚二ケ年延期いたすことにいたしております。從つて本年は都道府縣と市及び東京都の特別区の教育委員会のみ実施いたしまして、これらの委員会の委員の第一回の選挙は、本年十月五日に行うことにいたしてあります。何とぞ愼重に御審議の上、御決議あらんことをお願い申上げる次第でございます。尚詳細の点につきましては、関係官から御説明申上げることにいたします。
#5
○委員長(田中耕太郎君) 次に辻田政府委員から補足的又細目的の説明を求めます。
#6
○政府委員(辻田力君) 只今文部大臣から教育委員会法案制定の経緯と、その根本方針につきまして御説明がありましたが、私からこの法案の内容につきまして重要な事項を中心に、概要を漸次御説明いたしたいと思います。
 先ずこの法案は五章に大別されまして、七十一ケ條の本則と二十七ケ條の補足で合計九十八ケ條になつております。第一章は総則といたしまして、第一條にこの法律の目的たる教育委員会設置の理由を規定いたしてあります。これは只今大臣から御説明のありましたように、この法律の根本方針と同一の趣旨と考えられるのであります。第三條は教育委員会の設置の範圍を規定してあります。その中、人口一万以下の町村につきましては、町村の一部事務組合の一種である特別教育区というものを設け、ここに教育委員会を置くのであります。人口一万以上の町村の決め方は、別に政令で告示いたすつもりであります。尚本年度は、都道府縣と東京都の特別区と市にだけ教育委員会を置きまして、その他の地域の教育委員会につきましては、二年間その実施を延ばすこととなつておるのであります。これにつきましては附則の第七十三條及び第七十四條で規定してあります。第四條では教育委員会の権限につきまして包括的に規定してありますが、地方公共團体及びその長の権限に属していました教育、学術及び文化に関する事務と、將來法律又は政令により地方公共團体又はその教育委員会の権限に属すべき、これら前述の事務とを教育委員会は管理し又執行するのであります。ただ大学と私立大学につきましては、これらに関する別の法律で特別に教育委員会の権限さされるものを除きまして、原則としては教育委員会の所管外とするのであります。
 第二章は教育委員会の組織についての規定でありますが、更に委員会の委員、委員会の会議、それに教育長及び事務局に関する三つの節を設けておるのであります。先ず第一節は第六條で、委員の定数は都道府縣委員会にあつては七人、地方委員会にあつては五人と規定いたまして、その中、一人は当該都道府縣又は市町村の議会が議員の中から選挙し、他の委員は、都道府縣又は市町村の日本國民たる住民がこれを直接に選挙することになつておるのであります。第七條で委員の任期は四年といたしてありますが、執行機関でありますために、委員全部が一時に交替することを避けまして、政策の一貫性を図るため、二年ごとに半数交替することにいたしてあります。第八條から第二十八條までは委員の選挙に関する規定でありますが、二十八條に規定いたしてありまするように、この教育委員会の委員の選挙は、概ね地方公共團体の議会の議員の選挙について規定しておりまする地方自治法を準用いたすことになつておるのであります。これと異ります特別規定のみをここに規定しております。その主なるものは、被選挙権の制限として、委員会の本旨に鑑みまして、現職の教員と專門的な教育関係の職員を除外すること、候補者はすべて選挙人六十人以上の推薦によること、いわゆる再選挙、補欠選挙をできるだけ避ける趣旨から、当選人の比較多数制と補充委員の選任という規定を設けたこと等であります。第二十九條は地方公共團体の議会の議員の解職請求の例に倣つた規定であります。第三十一條で、委員は実費弁償を受けることができますが、報酬はこれを受けないことになつております。第二節は委員会の会議について規定してありますが、定例会は毎月一回これを開くこととし、会議は國民の面前で明るく公正に行う趣旨からいたしまして、開催の場所、日時、議案の予告と会議の公開を規定してあります。会議の定足数は在任委員の半数以上といたしまして、委員会の開催を容易にすること、会議規則を設けること等を規定してあります。第三節は、教育長及び事務局について規定してあります。第四十一條に規定する教育長は、一般公選による委員が素人たることを予想されるのと相対照する教育行政の專門家であります。從つて一定の資格を有することが要求されております。尚暫定的には附則で任用の範圍を規定しております。その任期は四年で、教育委員会が任命いたすのであります。教育委員会には事務局が置かれますが、その部課は適当に定めることにしてあります。ただ仕事の重要性と專門性に鑑みまして、調査統計に関する部課と、教育指導に関する部課を設置すべきことを規定してあります。更に事務局に置かれる職員の種類、任務等につき、この節に規定してあります。
 第三章では委員会の職務権限について定めてあります。第四十八條では所管の範圍、第四十九條では委員会の取扱う事務のうち、主なものを列挙してありますが、学校その他の教育機関の設置、管理、校長、教員の人事、教育内容、教育予算、社会教育等が主なるものであります。これは都道府縣と市町村等の委員会に共通の事務でありますが、都道府縣委員会はこの外に特別な事務を行うことが、第五十條で規定してあります。第五十二條で教育委員会規則と称する規則の制定権が委員会に附與されております。第五十五條から第五十九條までは教育費の編成と執行についての規定でありますが、教育費を地方の一般財源に仰ぎつつ、尚教育費の保証を図るために、大体最高裁判所等の予算編成に関する例に倣つたわけであります。第六十條から第六十二條までは、地方公共團体の経費負担に関する事項は、その意思機関である議会の決定に俟つ必要があり、特に收入支出の均衡に関係があるため、これらに関する事項を纏めて規定したものであります。尚新制の高等学校の普及とその機会均等を図るための措置として、府縣内を数個の通学区域に分けることといたし、その規定を第五十三條で、又國と地方を通ずるいわゆる縦の関係につきましては、年報その他必要な報告書の提出という形で行うことといたし、これに関する規定を第五十四條で、それぞれ規定してあります。
 第四章は、特別教育区に関する補則規定であります。近代教育の発達は、特に学校教育を高度化、複雜化いたしまして、人的、物的施設の量質の両面の充実を要求して参つております。このことは同時に教育行政の基礎單位として、一定の廣さと充実さを持つた地域が必要であり、この観点から見て、我が國の町村中には教育行政の基礎單位として狭小、且つ新たな教育の使命に耐えないものがあると存ぜられます。從つて一定の規模にこれらの町村を合しまして、教育行政の單位とするのが、特別教育区の考え方であります。特別教育区にその行政機関として教育委員会を置くことは、第三條に規定してありまして、地方委員会として、その組織及び権限は同樣でありますが、尚補充すべき規定を本章で規定いたしたのであります。先にも申述べましたように、特別教育区については二年後に実施することにいたしてあります。
 第五章は雜則として校長、教員、学校の事務職員及び教育委員会の職員の身分取扱に関する規定を定めてあります。附則はこの法律の施行について必要な事項や、経過規定を纏めて定めてありますが、その主なるものは、第一、この法律の施行期日は本年七月一日。第一回の委員の選挙は本年十月五日に行うこと。第二、町村及び特別教育区に設ける教育委員会の実施は二年後であること。第三は、法律施行から選挙を経て委員会成立までの経過規定。第四は、知事又は市長村長から教育委員会への事務引継ぎの規定。第五は、身分関係の措置。第六は、この法律の実施に伴なつて学校教育法、地方自治法等の改正を要する点についてその改正規定を規定したのでございます。
 大体主要な点につきまして概略御説明申上げた次第でございます。
#7
○委員長(田中耕太郎君) 初めに申上げましたように教育委員会法案につきましては、今日は提案理由並びに一般的な説明を聽くに止めまして、更に質疑は治安地方委員会合同で以て、來週の火曜日の午前十時からしたしたいと思います。
#8
○河野正夫君 審議のことについてちよつと発言してよろしいのですか。
#9
○委員長(田中耕太郎君) はいどうぞ。
#10
○河野正夫君 会同委員会で審議することは別に異存ございませんけれども、先程決つた方法で結構でありますが、その際に今から註文して置きたいことがあるのでありますが、この法案はそれだけでは十分でない、ところところに書いてあるように教育職員の免許に関する規定の法律、或いは教育公務員等の任免等に関する法律、乃至は地方公共團体の職員に関して規定するというのは、これはいわゆる地方公務員法のことじやないかと思います。そういう法律、地方公共團体の職員に関する規定という中に入るか入らんか、その他給與に関する……、すでに國会に市町村立学校職員給與負担法案なんというようなものが出ておりまするが、こういうような一連の法律と関連を以て考えなければならないと思います。それでそれらの中すでに國会に上程せられておるものを除いて、他のものはどうなつておるかということをこの際伺つて置き、又皆さんの御意見では、そういうものを至急に出して貰わなければ審議できないというような状況に相成ろうかと思うのでありますが、その辺伺いたいのであります。
#11
○政府委員(辻田力君) お答え申上げます。この法律の中にこれらの法律を引つ張つて來てありまするが、これらの法律につきましては、それぞれ目下研究中のものもありするが、それまでの措置といたしましては、附則等によりまして、その取扱を別に臨時的に決めておるわけでございます。その法律のできまするまでは附則の方で処理するということになるのでございます。
#12
○河野正夫君 それは了承しておるのでありますがさてできるまでと言うが、今その法案を本國会に出すつもりがあるのは、或いは次の國会でなければ間に合わないのか、その辺のことをお聽きしたいのであります。
#13
○政府委員(辻田力君) 地方公務員法と申しますが、地方の職員の身分に関して規定しまする法律は別の官廳で研究しておるのでありますが、教員の免許に関して規定する法律或いは教員の任免、教育公務員の任免等に関する法律というふうなものは、大体文部省としましては一應の案はできておるのでありますが、関係方面等との折衝等で遅れておるわけでありますが、只今のところでは、或いはこの國会には間に合わないだろうかというふうに考えておる次第であります。
#14
○岩間正男君 今日のこれからの予定をちよつとお伺いしまして発言したいと思いますが、どんな御予定を委員長は考えられておりますか。
#15
○委員長(田中耕太郎君) 今日は学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案に関する逐條的の説明を聽いたらどうかと思つておりますが、尚議事日程といたしましては、日本学術会議法案も出ておりますけれども、これはできるなら次の機会にしたいと思つております。
#16
○岩間正男君 今の河野君の質問のように、今日今折角提案されましたものについて、何か連関した概括的のことが若し議員諸君からありましたら、ここで簡單に、この問題につき、この委員会のことについて概括的の質問を少しやつたら如何と思うのでありますが。
#17
○委員長(田中耕太郎君) 岩間君が提案されましたように、この機会でありますから、折角お集まりを願つたときですから、治安地方との合同委員会を開く前に、御異議がなければ概括的の質問をするというようなことも意味がないことではないと思いますが、如何でありますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○小野光洋君 本法案の全体に対して審議を進めるのに重要な案件についてのみに限られたらどうですか。
#19
○委員長(田中耕太郎君) 極く全体輪郭的の点につきまして……。
#20
○小野光洋君 それからちよつと伺いますが、大臣は退席されたのですか、又ここへ出て來るのですか、お帰りになつたのですか、全体的の問題とすれば……。
#21
○政府委員(岩木哲夫君) もう帰つて來られないと思います。
#22
○小野光洋君 大臣に伺わなければならないと思いますが、お帰りになりましたか。
#23
○政府委員(岩木哲夫君) 帰らないと思いますが、特に今日は提案理由の説明だけだということで……。
#24
○委員長(田中耕太郎君) 初めの予定といたしましては、質疑には今日は入らないで、そまり合同委員会の方でやるというふうなことになつておるものですからそれでさような意味で予定しておられないんだろうと思います。
#25
○左藤義詮君 木本案は非常に重要な法案でございますが、会期が大変迫つてお出しになつております。大体参議院の議院運営委員会では、本月十日以後に出された法案については審議の責任は負わない。会期延長をしますときにも再確認をしておるのでありますから、併し重要な法案でありますので、できれば我々は十分審議したいと思つて、今もう各委員から熱心に原則についてお尋ねをなさろうというくらいであります、それにも拘わらず、了解なしに大臣おられんようですから質問できんようであります。そうすれば自然に、たださえ遅く提出せられた法案が審議し盡くせないということになろうかと思います。その点におきましても大臣は説明しつ放しで默つて帰つてしまうというようなことは、我々の審議の態度にも響くと思います。その点を、若しお見えにならなければ、この程度で提案の御趣旨だけで結構だと思います。
#26
○政府委員(岩木哲夫君) 只今のお話でございますが、大臣は本法案の大網説明だけという委員会の御要請に対しまして、説明が済みましたら退場したわけでありますが、若し只今の御発言のようなことでございますれば、大臣が退場せられる当時におつしやつて頂きますれば非常によかつたと思うのですが。
#27
○岩間正男君 話中なんですが僕が話しておる中に聽かないで帰つちやつたのです。
   〔「そんな話はないよ」と呼ぶ者あり〕
#28
○小野光洋君 一時退席せられたのだと思つたのです。だからおかしいからお伺いしたのです。
#29
○柏木庫治君 今日予定通りにおやりになつたらどうですか。
#30
○委員長(田中耕太郎君) 大臣に対する質疑は次会に留保いたしまして、或る程度の質問を、概括的のことについて……。
   〔「承知せんですよ、大臣が來られなければ承知せんよ。」「來て貰おう」と呼ぶ者あり〕
#31
○小野光洋君 そうすると六月二十二日に合同委員会を開くという前に、或いはその時に、若し次の機会を開くとしますれば、我々としては大臣に文教委員示として総括的な質問をいたしたいと思うのでありますが、二十二日が次回だとしますと、その時にそういつた質問をしなければならんということになりますか、如何ですか。
#32
○委員長(田中耕太郎君) 二十二日が恐らくは一番早い機会だと思うのです。
#33
○小野光洋君 それでは合同委員会は二十二日にはできないということになるのですか、如何でしようか。
#34
○委員長(田中耕太郎君) 合同委員会は二十二日の午前十時……。
#35
○小野光洋君 十時と先程決めましたが、今大臣が退席せられて、原則について特に文教委員会において質問をいたす機会がなくなるわけです。
#36
○委員長(田中耕太郎君) 本委員会だけでしまして、さような問題について時間を整理する意味もありますし、やはり治安地方と共同でやつた方がよくはないかというふうに考えたわけであります。併し本委員会としてだけ質疑をした方がいいというようなお考えがあるなら……。
#37
○小野光洋君 私他の委員会の質疑の内容はどうか分りませんが、私は特に治安地方委員会と合同委員会でなければ質問できないような問題でありませんで、特に文教委員会のみで審議できる問題であります。質問の性質がそういうものであります。さようにお取計らわれたいと思います。
#38
○柏木庫治君 治安地方の方で開かれても、文教のものは文教委員でやつたら同じことじやないか、治安地方の人にも聽かしていいじやないかと思うのですか、二重にやらなくてもね。(「それはそうだ」「同じことですよ」と呼ぶ者あり)文教の人がやれば外の人は默つていますよ。一緒に聽かして置いて差支ないと思う。二十二日でなくても、十分できると思います。(「時間がかかるね」と呼ぶ者あり)
#39
○岩間正男君 法案が只今四つ提出されておりまして、尚二つの法案が提出されるというような予定を聞いておるのでありますが、そうなると、これは先の大体会議が延長されたのが三十日と見ましても、後僅かに句日を余すだけになつておる。それだ恐らく予定を立てなければ審議未了になるのではないかというふうに思われるわけです。現在予定されておる火曜日と金曜日というようなことでは殆んど不可能ではないかと思うのでありますが、こういう点につきまして、やはりこの前も政府から出したのでありますが、それをやはりはつきりさして、文教委員会の行動予定表のようなもの、審議予定のようなもの、それから今後どういうような審議の過程におきまして、例えば公聽会とか、証人喚問とか、そういうことをやるということを大体今予定されなくてはならん。こういうふうに思うのですが、これはいずれ委員長から理事会の理事とそういうことを相談したいというような意思の表示がございましたのですが、尚この席で一應皆さんにお諮り頂いて、尚その具体的なことにつきまして、委員長と理事とよく相談して纏めるというようなことができると思います。政府委員も御出席でありますけれども、そのことを予めやつぱりお諮りを願つた方がいいのではないかと思います。そうでないとやはりどうも何だか行き当りばつたり式で、相当先に対して混迷しておるような氣がしますが、そのことをお諮り願いたい。
#40
○委員長(田中耕太郎君) 只今岩間委員から提案されました本國会に提出される法案の予定を含めて、審議の大体の計画を立てるというふうにされたらいいじやないかというお話でございますが、御尤もなことと存じます。実はそれにつきましては、來週の月曜早々、理事の諸君と御相談申上げて、大体原案のようなものを立てたいと思つておりましたが、尚法案が一体どの範囲で提出されるかという見込も関係して來ますから、その点文部省当局の方でのその御見通しを伺いたいと思います。
#41
○政府委員(岩木哲夫君) 只今委員長の御発言の点につきましては、先程辻田局長からちよつと申上げましたような工合に、他の二つの予想されておりまする当然本法案に関連のある法律案があるのでありますが、関係方面との折衝が、本國会中に完了するかどうか非常に疑問に考えておりまするので、或いは文教委員会にお掛け申上げまする法案といたしましては、最後におきましては本法案だけではないかと考えております。
#42
○岩間正男君 大体今來週と言いますと、二十二日ということになるのでありますが、そこのところ、今そう決定して貰うような態度で進んで行かないと、これは実際やれないのではないかと思います。後になつてはそこのところは非常に曖昧になつてしまいまして、何ともならないから何とか頼むすいうことで、三日前くらいで開会の何に追い込まれてはかなわない。この前の教育基本法の轍を踏みたくないと切実に思つておる。これだつて非常に遅くなつて、十分審議が間に合うかどうか分らないのですから、この辺で打切つて頂きたいと思いますが、こういう方針は如何でしよう。文部省は通られる決心を持つておられますか。
#43
○政府委員(岩木哲夫君) 大体私の方では特に特別の話がない限り、どうしてもこの國会には大体間に合はないと考えておりまして、本法案で関連せる事項は、附則その他においていろいろ御考慮願つて行きますように願わしいと思います。
#44
○岩間正男君 どうもそうなつていて特別の話になつて來たということでは、これは引受け兼ねると私達は思うのでありますから、逆に文部省の方から今度の國会には間に合うだろうから、何とぞそういうことのないようにと、一應念を押して頂きたい、そういうふうに思うのですが。
#45
○政府委員(岩木哲夫君) 私の方は只今岩間委員のお話の点については、表現の仕方は悪いかもしれませんが、九分九厘までは本國会に間に合わんと考えております。併し相当交渉も進捗いたしておるものもありまするので、万が一という点については、この席上でどうも私としては責任を以て申上げることは、相手のあることですから、申上げ難いのでありますが、御了承願います。
#46
○河野正夫君 法案審議の方法につきましては、委員長が先つき言われたように、理事と打合わせて、然るべく案を作られて、成るべく能率的に進められるようにお願いしておきたいと思います。
#47
○委員長(田中耕太郎君) 御趣旨のような方針で先ずプランを立てたいと思つております。いずれできましたらお諮りを申上げます。
#48
○岩間正男君 特にこの教育委員会法案のことにつきまして、先つきからその点はそういうふうに大体なるかと思われるのでありますが、お願いして置きたいことは、公聽会でございますね、公聽会がこれは時間の関係で果して持てるかどうか、二週間前というようなことですと、公聽会は持てないと思うのです。公聽会に準ずるような方法で、証人喚問というような形になりますか、とにかく実質的に公聽会に近いものを是非持つて頂くように、これは計つて頂きたい。これを特にここでお諮りを願いたいと思います。
#49
○委員長(田中耕太郎君) 只今の公聽会、或いは実質的に間に合わなければ、それに近いものを開くということにつきましての岩間君の御提案がありましたが、それについてお諮り申上げます。
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(田中耕太郎君) 御異議はないようでありますから、公聽会を開く余裕があるかどうかということを十分考えまして、又それがなければそれに近い方法について考えたいと思います。
 それでは文部大臣が再出席されましたから、先程御質問がおありのようでありますから、教育委員会法の全体的の問題につきまして御発言の方はお願いいたします。
#51
○小野光洋君 本法案の提案の理由は、教育機関全般に通ずる理由だと思います。そうして今提案せられた法案は、大体都道府縣立及び市町村立学校のみに限られた問題のようであります。從いまして旧來の大学、專門学校或いは新制の大学、私立学校等については、この法案の範囲に入つておらないと存ずるのであります。提案の理由がすでに教育機関全般についての問題でありますから、それらの関係、他の学校についての教育行政についての問題を如何にするかということは、当然にれと連関して提案されなければならないことだと思います。特に大学の方面におきましては、これに一括して官公立学校、私立学校共に手で附いておらないから、まだそれでよいようなものでありますが、高等学校及び中学、小学校、幼稚園等の、いわゆる私立学校方面におきましては、全く地方において並行してこれが行われているわけであります。この私立学校、特に高等学校以下の私立学校行政について、この法案の実施せられるに至つた曉にこれをどう処置するか、又この法案と相並行して、速かに本國会に私立学校についての法案を提案する予定があるのかないのかというような点について、大臣の御答弁を願いたいと思います。
#52
○國務大臣(森戸辰男君) 本法案において定められました教育委員会は、大体公立の諸学校を対象といたしております。大学は直接その対象になつておりません。と同時に立法の方向といたしましては、私学もその直接の対象となるのではなく、これは私立学校法或いはそれに類似した法制を以て、私立学校を如何に取扱うべきであるかということが定められるのであります。これにつきましては本法案の審議に関連してもいろいろ問題になることと存じます。教育委員会と関連いたしまして、私立学校を如何に取扱つて行くべきかという問題を皆さんの御意見をも十分拜聽し、更に教育刷新委員会等の意見も参酌いたしまして、この問題が將來解決されるべきものと存じております。差当りのところといたしましては、今日私立学校の監督は、法律に基いて、都道府縣の知事の下にある。そのことは都道府縣の教育委員会に承け継がれて、差当りそこで問題が処理せられることど存じます。
#53
○小野光洋君 この教育委員会法の問題はすでに生憲法及びこれに則つてできた教育基本法及び学校教育法によつて、次に來たるべきものは当然教育行政権を如何にするかということに相成つているのであります。從つて今期國会におきましても、今初めて委員会法が提案せられたということは、極めて遅きに失すると考えているのであります。それと同時に、これに連関して私立学校における從來の官僚統制の枠から、如何にこれを民主的に運営する方法を確立するかということも、当然連関して考えられなければならない重要な問題であると思うのであります。これはすでに米國教育使節團の報告書におきましても明示せられている点であると思うのであります。從つて本委員会法を立案すると同樣の熱意を以て、当然私立学校に関する行政権の問題も審議立案せられなければならないと思うのであります。経過規定として、暫定的に地方教育委員会にこれを管轄せしめるのだというような軽い扱い方をするものでないと思うのであります。この点甚だ文部大臣の私立学校に対する認識の問題でありますが、私共は非常に遺憾に思う次第であります。特にこの私立学校法案の問題に関しましては、今日ここにおいて初めてかような意見を述べるのではない。文部当局に対しましても、又関係方面に対しましても、この問題の重要性は相当進言し、或いは関係筋の方からも相当強力なサゼッシヨンをされておるのであります。然るにも拘わらず、その方は、教育委員会のこの法案が成立したら、その方に暫定的に管轄を委ねて行くんだというようなことは、甚だ遺憾な態度だと思うのであります。この点について、重ねて明確な御答弁を願いたいと思います。
#54
○國務大臣(森戸辰男君) 誠に御尤もな御質問でございますが、私立私学校の日本学校制度における重要性は、十分に認めておりまするし、私立学校関係からのお話もしばしば承わつておるのであります。從つてこれらの問題は、私共はこの委員会法と同時に解決いたしたいと考えておつたのでございます。これは私立の学校問題のみならず、大学の問題についても同樣であります。この二つの問題は実は教育委員会法と雁行して解決いたしたいと存じておつたのでありますが、これは私学を軽んじたというわけではなく、官立の大学、高專の場合におきましても、この問題はまだ未決定の特態にあるのでございます。実は本法案におきましても、私共この前に申上げましたように、十日以前に提出いたしたいと、最善の努力をいたしたのでありまするけれども、いろいろな事情で、いろいろ遅れざるを得なかつたような事情でございまして、私学の問題につきましても、決して私共は私学であるから、これを軽視しているというわけではないのでございます。殊に私学の問題につきましては、憲法八十九條の問題、解釈等もございまして、これに対する教育委員会の権限そのものの問題もありまして、いろいろな問題が存在いたしまして、まだその点が、努力はいたしておりますけれども、明瞭になつていない点もございますので、私共本法案の進行中も、この問題については更に考究を進めまして、一日も早くこの問題の解決点に達したいと考えておる次第でございます。
#55
○小野光洋君 私立学校教育法案につきましては、文部省の大凡の御意見も伺いまして、関係方面ともいろいろ御相談申上げ、私立学校、私学総連合会におきましてもその成案の確定に急いでおるのでありますが、大凡その案の大項はでき、極めて細目に亘つてまだ確定いたしておらない点もあるのでありますが、來週半ばぐらいには大凡これができるのではないかと思つております。そういたしましたならば、会期も延長されることでありますし、本案と並行して私立学校法案を提案するということも、敢て不可能ではないと思うのであります。その点如何でございましようか。
#56
○國務大臣(森戸辰男君) 私立学校の問題についての私学の関係の総連合等で、御案ができつつあることを只今拜聽いたした次第であります。かような案がおできになりましたれば、勿論私共も喜んで拜見いたしまするし、他面教育の問題につきましては、教育刷新委員会の意見につきましても、私共十分尊重をいたさなければならんと存じまするし、他面関係方面との連絡も取る必要もありまして、かような條件が充たされました上は、そうしてそれは、できるだけ私共は早い期間を望ましいと思つておりますが、然る上、この提案をするに適当なる案を得ました場合は、至急に提出いたす手続を取ることに吝かではないのであります。
#57
○小野光洋君 いろいろ文部当局においても、本法案と並行して出したいという御熱意は分りましたが、その御熱意をもう一段と強力にして、この國会に間に合うようにする見通しを何とか附けるわけには行かないでしようか。この問題は、すでに先月來、文部当局と折衝しているんですが、日高局長とも、実はこの委員会においてもお話しをいたしたのでありますが、実は我々の方も忙しくて、なかなか手が廻らんのだと、放つとくわけではないけれども、人間には力に限界があるのだということを伺つておる。勿論力に限界があることは承知しておりますが、かような重要な案を出すについて、局長の力に限界があるから、ないからということを私共は問題にしていない。文部省として、文教の上の重要な行政権の確立の問題でありますから、個人のオーバーウヮークかどうかということでない。もつと熱意を以て法案の確定を急いだならば、できなかつたことはないものと思います。その点で、私共の私学の連合会といたしましては、あらゆる機会を利用し、いろいろな資料を提供し、そうして折衝に努めたのでありますが、どうもとかく文部省におきましては、時日を遷延するというようなふうな氣持を我々は持たざるを得ないのを甚だ遺憾に存ずる次第であります。そうして今日になつて、どうも間に合い兼ねる、一生懸命やつてはおるけれどもというような言い訳で、突つぱねられると、暫定規定で以て何とかということでは、全く私学全体の立場からも、非常に遺憾に思う次第であります。困難だということは、これは今更考えれば困難でありますが、初めから計画してやつて行けば、困難ではなかつたのであります。この点非常に遺憾に存ずる次第であります。
#58
○國務大臣(森戸辰男君) 私学の熱心な御希望に添い得なかつたことは、極めて遺憾でございますけれども、実は教育委員会法並びに大学の問題、私学の問題というものは、実は非常に重要な問題で、一生懸命にやつておつたのでございます。教育委員会法にいたしましても、実は一年掛かりで、一生懸命やりまして、関係方面等の御意見等も実はお聞きして、やつと間に合つたような事情であります。これは決して私共は、怠慢であつたわけではないのであります。大学の問題、又この私学の問題についても同樣でございまして、実は十日までに間に合わすように、一生懸命にいろいろ骨を折つたのでありますけれども、遂に間に合いませんで、甚だ御期待に添い得なかつたことは遺憾でございますけれども、若し案がおできになり、又私先程申しましたような諸條件が、急速に充たされるということでございますれば、最善を盡して、提出できるように努力いたしたいと思つております。ただ諸種の條件がありますので、案を頂いて、そのまま提出するというような段取にはなり得ないのであります。その点は御了承願いたいと思います。
#59
○委員長(田中耕太郎君) 外に御発言はございませんか。(「議事進行」と呼ぶ者あり)ございませんければ、一應教育委員会法案につきましての質疑は、今日はこれで終了といたしまして、次に学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案に対しまする逐條の説明を文部当局に求めたいと思います。
#60
○岩間正男君 その前に文部省の責任者が立たれますと困りますので、緊急に発言をいたして置きたいことがあるのでありますが、それはこの前の両院の合同委員会におきまして、予算の、今まで文部省の経過を聽いたわけでありますが、その経過が非常に不明瞭であつたのであります。それで丁度細野次官が出席されておつたのでありますが、一つその経過について、細大漏らさないところの報告書を、至急に本委員会に提出して頂きたいということを要請したのであります。ところが細野次官は、できるだけ早くそれを努力して、こちらに差出すというようなことを約束されて帰られたのでありますが、すでに二週間になりますが、未だ我々の手に入つていない。予算の審議のために非常にこれは重要な書類になると思うのでありますが、これを早速明日にでも頂くわけには行かないでしようか。
#61
○政府委員(岩木哲夫君) 一両日前に、ほんの草案と申すようなものが、尚安本と折衝の部門が残つておるものが相当ありまして、ほんの草案と考えられるものができ上つたと思いますが、至急安本との折衝を遂げまして提出いたします。誠に遅れまして申しわけございません。
#62
○岩間正男君 そこでこの四十一億の中に、災害復旧費は入つておるかどうか。その割合がどうかということは、一番分らなかつた点でありますが、そこを落さないで明確に願いたいとこう思つております。
#63
○委員長(田中耕太郎君) それでは学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案についての逐條の説明を求めます。
#64
○政府委員(剱木亨弘君) 学校教育法の第一條には、学校教育法の一部の改正のことを規定しておるのでございますが、それは大臣より提案説明を申しました内容で殆んど盡きておると思いますが、尚繰返しましてもう一度申上げたいと思います。先ず第一項におきましては、「大学設置委員会」を「大学設置審議会」に名称を変えるのでございますが、これはすでに委員会と申します言葉は、國家行政組織法の施行に伴いまして、矛盾いたしますので、委員会という名称を用いられなくなりましたので、これを審議会と変えたのでございます。それから九十三條及び九十六條第二項中の「勅令」を「政令」に改めることは当然のことでございまするが、その次の九十三條に左の二項を加えたわけでございます。これはこの義務教育の実施の年限の問題でございまするが、義務教育を実施いたしますにつきましては、小学校の義務教育を実施する場合に、小学校全般につきまして何年から実施するということは、学校教育法におきまして政令に委ねておるのでございます。それで取敢えず本年におきましては、四月一日から盲学校及び聾学校に係ります義務を、政令を以ちまして全般的にこれを実施するということにいたしたのでございますが、実際はその小学校の一年から始めまして、逐次年度を逐つて参りますので、この法律で本二十三年度におきましては、満七歳に達した日の属する年からこれを始めるということにいたしたのでございます。毎年法律におきまして、満何歳というふうに規定するのは非常に煩雜でございますので、これが学年進行と共に、大体來年は第二学年、明後年は第三学年というふうにいたしますことを当分の間、これが完成いたしますまでは政令を以ちましてこれを定めるというふうに、法律で決めて頂きますことにいたしたのでございます。
 それから更に第二條におきまして、義務教育費の國庫負担法の一部を改正するのでございまして、第一條中の「中学校」と申しますのに「盲学校及聾学校」を加えまして、これも國庫負担法の対象にいたしたのでございます。尚次に「勅令ヲ以テ定ムル旅費」とございましたのを「、旅費、扶養手当、勤務地手当及退官又ハ退職ニ関スル手当並ニ政令ヲ以テ定ムル日直及宿直ニ関スル手当」等を加えたのでございます。尚ここで重要な問題はその次の項におきまして、「前項ノ職員ノ範囲、定員及給與ノ額ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム」ることといたした点でございます。この点につきましては、御承知のように、只今までは大体小学校及び中学校の義務教育費につきましては、俸給はいわゆる補充費途と申しておりますが、府縣におきまして実際俸給として支出いたしました額の半額を國家が負担したのでございます。ところが、この法律によりまして、その実際額によりませず、政令を以て定めました定員及び定額の俸給の範囲におきまして、國家がこれを負担するということになるわけでございまして、この補充費途ということは、この法律によつて定員、定額制に変つて來るということになるわけでございます。尚これに附加えまして、この前私出席申し上げませんでしたので、説明いたされたかとも思いまするが、この関連いたしまする法律といたしましては、市町村立学校職員給與員担法というので、今日まで俸給の負担の原則を決めますのは政令を以て定められておつたのでございますが、これは自治法その他の関係で、法律を以て決めることが必要となりますので、各俸給の負担を一應都道府縣の負担にするという原則をここに定めたのでございます。で、一應都道府縣が支出の負担の義務を負うのでございまして、これに対しまして、義務教育につきましては、只今申しました義務教育費國庫負担法によりまして、その半額を負担するということを規定いたしておるのでございます。尚この定時制高等学校の方の教育俸給も都道府縣の負担にするということに、市町村並学校職員給與負担法によつて定めまして、この定時制の高等学校の方の國庫補助は、公立高等学校定時制課程職員費國庫補助法によりまして、その俸給の十分の四を補助するということになつておるのでございます。今回三つ出しました法律案の三つの関連を一應御説明申上げました。
#65
○委員長(田中耕太郎君) 学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、若し御質疑がございましたら……。
#66
○藤田芳雄君 第二條の、義務教育費國庫負担法の一部を改正されて範囲を拡げたわけでありますが、根本的に今全國の市町村長方面及び國民の大多数の者から、全額國庫補助の請願なり、陳情なりが出ており、本院でも全額國庫負担にするこにが誠に適当であるという院の決議もあるわけでありますが、こうした改正のときに当つて、当局においてはそういうことを御考慮になつたのか、或いは一應議に上せられたのか、全然考慮されなかつたのか、一應お聽きしたいと思います。
#67
○政府委員(剱木亨弘君) 義務教育費につきまして、これを全額國庫負担にするか、又國庫でどのくらい負担するかということは非常に重要な問題であると考えるのでございます。尚その中におきましても、一般の経営費を全部國庫負担にするか、或いは今回計上いたしておりますような、六・三制とかいうような臨時費でございますか、そういう建築費とかいう臨時費については、全額國庫負担にするか、若しくは半額負担にするかという問題があるかと思うのでございます。別途、今回の國会におきまして審議されておられると存じまする地方政法におきましても、その点を地方の財政との関係におきまして、國家と地方との負担の区分の大体の範囲及び程度を地方財政法でも決められておるのでございまして、大体この義務教育に属しまする面におきまして、半額を國庫が負担するという大体の方針に決つておるようでございます。このことは根本的な問題といたしましては、本日提案になりました地方教育委員会法の精神にもある通りに、その教育が地方分権という事実から申しまして、その教育が地方の國民に直結するというような考え方から申しまして、小学校なり中学校なり、地方の教育がやはり地方の國民に直結するということから、その経費の負担もその地方におきまして原則として負担するということが正しいのではないかと考えるのでございます。
 ただ地方の経費の負担能力及び地方の財政程度等によりまして、尚これが義務教育であるという考え方から、その経費の一部分を國家が負担するという意味におきまして、現在のところでは地方におきまして、半額、國家において半額負担するという程度が一應適当な措置ではないかと只今考えておる次第でございます。
#68
○藤田芳雄君 そうしますと、今の文部当局の方のお考えとしては、義務教育費というものは、その地方々々のものが分担するのが当然であつて、ただ義務という名があるから國庫においてその半額を負担するのだ。教育委員会法の精神からすれば、その地方で負担した方が妥当であるというようなお考えのように聞えるのでありますが、義務教育ということは、國家の、國民に負わせたところの義務でありまして、國家がそうせよというのであります。地方のもののやりたい、やりたくないという意思には関係しない、國家が命じてさせることなんだから。そうだとすれば、そうしたものの費用は國家が負担するのが当然であつて、地方にそうした義務を負わせることは困難なのじやないか。その意味からしてこれは全額負担するのが本体であつて、むしろその地方々々に半額を持つて貰うことは附随的なものではないかと私共は思うのでありますが、その点今一度文部当局のお考えを聽きたいと思います。
#69
○政府委員(剱木亨弘君) その点につきましては根本的に……、私共は義務教育と申しましても、これは全國民の意思を代表する國会において義務教育というのが決定したのでございまして、その限りにおいては、國会で決定された意思に対しましては、或る地方のものが、その義務教育を押し付けられるという考え方はできないのではないかと考えるのでございます。從いまして、これはやはり國民全体の意思によりまして決定された義務教育でございますので、その地方の住民がその義務教育について、その地方の教育として、原則としてその費用を負担するということは、只今申しました教育の地方分権ということから申しましても正しいのではないか。ただ地方財政の関係から申しますと、その地方財政は飽くまでやはり健全に発達しますように、國家として十分考慮しなければならぬと考えるのでございまして、只今申し忘れましたが、國庫半額負担と申しましても、地方財政の確保の面から申しますと、これは全額やはり國において財源的には措置をいたしておるのでございまして、ただ國家が國の財政面から半額を負担しておるというだけに過ぎないと考えるのでございます。
#70
○藤田芳雄君 今のお話で、半額負担とは言いながら、地方の財政も國家財政において考慮してやつてあるのであるというお話がありましたが、何にも考慮してなかつたのではないかと思う。現に二十二年度のごときは何にも考慮しないで、極く僅少な六・三制予算の経費しか與えてない。あとできないところは寄附でやらしている。その寄附の金額を概算して見まするに、まあ正確な統計を取つたわけじやありませんけれども、如何に少く見積つても三百億からの寄附金が使われている。少し普通に考えている人は五百億と、こう言つているのです。これは尤もな話なんで、一世帶あたり一万円からの負担を持つた場所が相当あり、平均して二、三千円の負担をしておるというような実情です。これは國庫が何らそうした財政的処置をして呉れなかつた一つの現われなんです。そういうような点において、今のお話しは全然いい加減なお話だと思うのですが、殊に根本的の考え方として、成程ど國会は國民の総意によつて決めたものでありましようけれども、そうしてその部落部落に対して、とにかく一定の義務を負わせるということになるならば、やはり國家はそういうことを、全額を國庫において持つということが、これは本体であつて、ただそれのできるできないということについては、これは財政面からいろいろ考慮も要することかも知れませんが、本体の形としては、これは全額國庫で負担するのが、これは義務教育の本來の経費の出し方だと思うのでありますが、その点どうも文部省当局がいい加減なことをお話になるかと思うのでありますが……。
#71
○政府委員(剱木亨弘君) 只今お話御尤もなことだと考えておるのでございますが、これはただ先にもお話申上げましたように、経営費と臨時的なものは区別して考えなければいけないかと思うのであります。私が只今まで申しましたのは、主として経営的なものにつきましての原則としては、地方負担ということが正しいのではないかと考えるのでございますが、併しこれを臨時に、六・三制の実施のように、臨時に莫大な金額を地方に急激に負担させる場合におきましては、必ずしも半額が正しいとは考えておりませんので、できますれば全額でも國庫で負担して頂きたいと私共は考えるのでございますが、これは國家財政の都合上、止むを得ず半額を地方の起債にお願いをしておる、その半額だけを國家が補助をするということにいたしたのでございます。
 尚又只今お話がございましたように、この六・三制実施に当りましては、國庫補助、起債以外に相当多額の寄附金等によりまして地方に負担を掛けたことは事実でございますが、これもその点は一應文部省といたしましては、いわゆる最小限度の線を、この前の二十二年度の追加予算でお願いいたしたのでございまして、併しその最小限度の線も最初に時期等の関係から、單價等の値上りによりまして、それは最小限度も確保しなかつたわけでありますが、それ以上に又地方でも負担して頂いて來た面がありますことは事実でございます。ただこの点につきましては、飽くまで臨時的なものと、それから経営的なものは根本的に考えを区別して考えなければならないかと思つております。
#72
○藤田芳雄君 締め括りだけを附けて置きたいと思います。そうしますと、只今のお話からしますと、臨時的なものは全額國庫負担が妥当であり、経営的なものは地方負担がまあ妥当だという御意見のようにお聽きしましたが、その点どうも納得が行きませんが、いずれよく研究した上で……。
#73
○岩間正男君 どうも劔木次長の今のお言葉は、文部省の全体の意思を代表するものとして考えていいのですか。これは重大な問題と私実は聽いておつたのであります。現在の文部省はそう考えておるというふうに受取つていいのですか、……いいのでございますね。そういうことを前提としてお伺いいたしますと、どうも文部省は、実に都合のいいときだけは國会の決議というようなことを言いますが、併し國会の意思は実は無視されておる。何故かというと、第一回國会におきまして、六・三制に関する費用の全額國庫負担という請願書が本院において採択された。そうしてそれは送付されておる筈です。これに対して、この國会の意思というものは何ら考慮されていないと実態が今明らかになつたわけであります。都合のいいときだけ、そういうときだけは國会の意思によつて決めると言つて、都合の悪いときには、これを自分でそれじや選択をするというようなことであつたならば、執行機関としての機能が完全に無視されておるという状態が曝露されておる。そういうことでは、今のお話というのは根本的に矛盾があると思う。大体あのときの請願の審議は、我々は小委員会で扱つたのでありますが、請願の審議ははつきりしておるのであります。そのとき六・三の建築費だけの問題か、それから教員の給料までの問題かということが随分討議されたのであります。併しそのときはつきり給料も含めた問題であるというので、我々の意見を開陳した。そのように同じような、……今の文部省の述べられた意見のような意見が或る議員からも実は発表があつた。全額負担することはいかんじやないか。併し多くの議員が殆んど一致した意見としまして、現在のような経済状態が確立しない、そうして父兄の生活状態が非常に破局に頻しておる面においては、教育の機会均等を確立するためには、全額國庫負担に政府は努力しなくちやならない、こういう意向の下にこの請願書というものははつきりと決定されまして、本院の本会議を通過しまして政府に送付されたものと私ははつきり記憶しているのであります。そういう点からいたしまして、文部省が若しそういう意向を以て國会の意向を無視され、文部省独自の見解であるというようなことで発表されるというのならば、これは重大な問題であるのじやないかと思うのであります。こういう点からしまして、これは現在における文部省の財政獲得の力が足りないなら足りないと率直に言うべきだ。それなら我々もその足りないことによつて、六・三の建築予算におきましても、更に教員予算におきましても、実にこれは地方財政に多くの負担を負わしておるのであります。で、今お話の根拠としましたところの学校教育法が実施されて、地方負担というようなことが原則的にやつて來る。そうして財政の根拠は地方委員会に仰ぐような形になつて來るから、國庫の負担の方向をとることは採らないというようなことを言われたのでありますが、それは一つの机上論に過ぎないのでありまして、この教育委員会法が今ままだ実施されない。一万人以上、一万人以下並びに特別区におきまして二年延期をされるというような実情になつた原因も実はそこにある。財政の裏附がないというところにあるのでありますから、その事実そのものが、現在におきましてどうしても國庫におけるところの全額補助ができなければ、高額な補助をしなければならないという根拠になつておるのであります。つまり地方財政がまだ確立されていない。只今地方財政委員会の方で非常に地方財政の確立のために努力しておるけれども、これが又うまく行かなかつたというので、三名の委員まで辞職しておる情勢がはつきりしている。原則的に、いつでも文部省の議論というものは、原則的なものを机上プランのように持つて來て押附けて、現状を無視するというところに実態が誤られて行く実情があるのでありまして、そういう点から考えて文部省は努力をした、その努力の跡が見えて、そして然る後、尚うまく行かないというのなら我々は納得するのでありますが、本院で取上げて、我々が熱心に討議し、決定したものが、そのように軽軽して扱われておるということは、我我默視することができない状態だと思います。こういう点から今の請願に対する釈明を求めます。
#74
○政府委員(剱木亨弘君) 甚だどうも理論がましいことを申上げて相済まんと思います。文部省といたしまして、國会の意思として決定されたことを無視したということは絶対にこれはないと思います。國会の意思として決定された限りは、法律で出ますか、予算案の決議で出されるかと考えるのでございますが、御決議になつたり、法律に出ました点について、反対意見を申上げた覚えは絶対にないと思うのでございます。例えば義務教育費國庫負担法にいたしましても、議会の決を経て法律になつておるのでありまして、現にそれが半額國庫負担ということに決定になつておる限りにおきましては、私はその國会で御決定になりましたものを尊重して、これに対して申上げるより仕方がないのでございます。先に六・三制の予算につきまして、全額國庫負担ということが國会の本文教委員会におきまして、請願等に問題になりまして、それが御採択になつたことは十分私共存じておる次第でございますので、先にも申上げましたように、この建築費等につきましては、私共できるだけ全額國庫負担という方向に行きたいということを申上げたのでございます。ただ財政上の都合によりまして半額國庫負担の形になつておるのは、甚だ私共としては遺憾でございますけれども、決して文部省といたしまして國会の御意思を無視したという考えは持つていないのでございまして、その点は私共そういうふうに、私の申上げましたことをお取りになられましたならば、その点は私の言い誤りでございまして、重々お詑びを申上げる次第でございます。
#75
○岩間正男君 これは今の私のことにかかずらわつておるのは、もう時間がないと思いますので止めたいと思いますが、國会の意思というのは、例えば請願のようなものにも表現されるということがある。このこともお考え願いたいと思いますが、それが何で決定されますかは、予算、それから法案、これで決定されるのでありますけれども、それなら請願を國会が採択して、そうしてこれを討議し、それを本会議によつて通過され、意見をつけて政府に送達する意思も全然なくなれば、我我は請願なんか全然やる必要がなくなりまして、あの請願に対しましては、殊に文教委員会においては、これを採上げたならば必ず実行するような覚悟で行こうじやないか、あの第一回の國会の小委員会では、我々としましては、そういうような申合せまでして、責任を持つて当つたと思うのです。そういう点から、そういうような意思が軽々しく、それが請願だから、これは何もそういうことは問題じやないというのであつたら、非常に違うのであります。そういうふうに思いますので、その点をやはりもつと尊重して頂きたいということであります。
 それから実際は、現状において全額國庫負担まで行けないというようなことが実態としてあることは、まあ別でありますけれども、併し恐らく今後におきましても、日本の経済の情勢におきましては。飽くまでこの六・三制を実施するため、この義務制を実施するために、全額國庫負担の方に輿論の主議、殆んど多くの輿論はそつちの方に動いておるんだという現実を直視して頂きたいと思います。そういう苦しい現状にあるということを、このことをはつきり認識されて掛からないと、文部行政に大きな齟齬が起るということを私は指摘したいと思ます。
#76
○河野正夫君 私は今の問題になつておる法案の中味について三、四点細かいことをお尋ねしたいと思います。
 第一は、第一條の部分でありますが、盲学校、聾学校などの義務制を逐年的にやつて行く。こういうふうなことが條文の内外で、條文だけではありませんが、謳われておるのであります。なぜこれを逐年的にやるのか、國家財政の現状からいつて困難であるというのか、又はここにちよつと理由は説明もされたかと思いますけれども、どうもはつきり納得が行かない。金額にしては大した金額ではないのですが、而も氣の毒な盲学校、聾学校乃至は養護学校等の部分において、義務制が逐年的にのみなされるということは非常に遺憾でありまするが、その点について説明を求めたいと思います。
 それから第二に、第二條の諸手当にまで半額國庫負担を拡げようという、これは非常に結構ですけれども、この中には超過勤務手当というようなものが入つておるかどうか、その点を伺いたいと思います。
 それから第三に、第二條の最後の所ですが、「前項ノ職員ノ範囲、定員及給與ノ額ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム」、こういうのでありまするが、もう少し、私共の考えでは法律的に定めることがはつきりすることができるのじやないかと、こう思うのであります。これを政令で定めないで、定員や給與の額を自由に政府の方でやられるということになると、法律の意味が半分死んでしまう、そう思うのでありますが、何故そうしなければならなかつたか、その行政的な必要な理由、それを伺いたいのであります。
 それから序に、もう一つはこの法律ではありませんけれども、市町村立学校職員給與負担法案と関連して御説明になりましたから、ちよつと伺うのでありますが、定時制の高等学校の負担は都道府縣でやるのだということが、この給與法案の負担法の方で規定せられるようでありますが、同様に同じ法律で義務制になつた中学校及び盲学校、聾学校などの負担は、都道府縣でやるんだといつて置いて、義務制の方は、義務教育國庫負担法によつて半額國庫補助が分つておるが、聾学校、盲学校にまで拡げてない点を訂正するために、只今上程されて法案が準備されておる。而も給與負担法の方で都道府縣でやるんだと言はれた、高等学校の特に定時制の方面について、それの負担を半額、今ちよつと……。
#77
○政府委員(剱木亨弘君) 十分の四。
#78
○河野正夫君 十分の四と聽きましたが、十分の四でも二分の一でも構いませんが、実際は構わんですが、今問題はそれらのことをどこで決めておるか、どういう法的根拠で決めようとしておるか、その点私が無智にして勉強足りないかも知れませんが、その四点をお伺いいたします。
#79
○政府委員(剱木亨弘君) 第一点の盲学校、聾学校の義務制を逐年にいたしました理由でございますが、これは新制中学校を義務制を布いて参ります場合にも、同様に新制延長になつた三の部分につきましては、第一年から逐年にやつたのであります。これは大体急激に義務を課せるということが、現在まで義務制でもなかつたものが、その年齢に達したものを全部義務制にさして、義務に服させるという状態が極めて困難であると考えますので、この今年の一年から逐次やつて行くことが一番順当だと考えまするのでございます。併しこの義務制でございませんでも、できるだけ通学可能の者につきましては、義務制に準じて、それを收容して行くということは十分考えておる次第でございます。
 それから時間外手当の方は、本法律の中には入つていないのでございます。この時間外手当につきましては、いろいろ組合等とも話合いを今いたしておるのでございますが、その教員の勤務時間ということに関連しまして、拘束何時間というふうにはつきり決めてしまうことができない性質のものではないか。いわゆる学校におるときでも、又家に帰つてでも生徒の成績を見るとか、自分がやはり調べをするとかいうようなことで、学校におるときだけ拘束時間でなしに、自宅に帰つてからもそういう時間が、勤務時間と考えられる時間がありますので、一定の拘束という考え方で考えるのはいけないというふうに考えまして、給與のそういう研究費であるとか、そういう勤後の状況等も考慮いたしまして、只今行われております給與の切替え等につきましては、十分その点を考慮して、本法におきまして考えて行きたいというふうに考えておりますので、ここに時間外手当は規定をいたさなかつたのでございます。
 それからこの俸給の額を政令で決めるということでございますが、只今の俸給の基本的なものは給與の法律で決まると考えるのでございます。細部に亘りましての俸給額を如何に定めるかというようなことにつきましては、到底法律では決定し難いのでございます。尚この俸給がしばしば改正になるというような形もございますので、これは差当りは政令を以ていたすのでございますが、併しこのことは必ずこの國会の予算に提出されるのでございますから、法律となりませんでも、予算等の御審議に当りまして、このことにつきましては、議会の十分の御審議をお受けするということになつておるものであります。尚定時制の方は、市町村立学校職員給與負担法の第一條で、義務教育のことを規定いたしまして、第二條に定時制のことを規定してあるのでございますが、第一條に関する関係は義務教育でございますので、義務教育費國庫負担法によつて、只今御審議を頂いておる第二條になるわけでございます。第二條の定時制の方は義務教育でございませんので、その同一の法律に規定してございませんので、別個の單行法といたしまして、公立高等学校定時制課程職員費國庫補助法案を今回の國会に提出いたしておるわけでございます。
#80
○河野正夫君 ちよつと補足的に伺います。今の定員定額の問題でございます。学校職員の定員というものは、これは学校教育局か何かで決まつて來るのではございませんか、それを更に政令で定める、こういうところが少しく分り兼ねるのでございます。それからもう一つその前に大臣の御説明ですが、盲学校、聾学校及び養護学校等における昇格云々とこうありまして、ここでは盲学校と聾学校のことだけがあるのですが、養護学校の件については如何相成つておるか、その点、二点お伺いいたします。
#81
○政府委員(剱木亨弘君) ここに揚げておりますのは、定員及び定員定額制と申しますのは、学校の定員と、その法律によつて決まります定員とは異なりまして、補助の対象となる定員てございます。これは只今小学校の方につきましては、大体一学級一・五、中学校については、一・八を出すということになつておる次第でございます。今度予算に出して附加えてございますが、提出いたしておりまする予算につきましては、これは差当りは定員だけが決まりまして、額は決まつておりません。今までと同じように、その額については当分の間補助制度で参ると思いますが、その中政令で額が決定されましたならば、定員定額制になるのでございます。それからあの養護学校の問題でございますが、これはこの対象の問題、その他準備の問題で、本年度から残念ながら手を著けることができなかつたのでございますが……。
#82
○河野正夫君 予定は……。
#83
○政府委員(剱木亨弘君) これはできるだけ早くとなつておりますけれども、差当り來年度から早速できるお約束はできないかとも思います。
#84
○若木勝藏君 第二條に関する事項で一つお飼いしたいと思うのであります。それは退官又は退職に関する手当の件でございますが、これは殆んど今審議に掛かつておりますところの市町村立学校職員給與負担法で申しますと、都道府縣の負担になるようでございます。ところがこの法律の施行は確か四月一日だと思つております。施行になるのは、そうしますと昭和二十一年の七月一日以降罷めた者で、昭和二十一年の七月一日から昭和二十三年の三月三十一日までに罷めた者は市町村の負担になるということになりますか。これは昭和二十二年の三月二十九日の退官退職手当支給準則によるというと、昭和二十一年七月一日以降に退官退職した者は、退職手当の支給を受けることが詳細に出ておる。それでですね、そこでもう少し伺いたいのですが、若し市町村で以つて負担するということになればですね、この昭和二十二年の三月二十九日に出たところの、退官退職手当支給の準則によつて支給されるかどうか、或いは別な規定があるかどうかということについて伺いたい。
#85
○政府委員(剱木亨弘君) 二十三年の三月三十一日以前に退官退職いたしました者に対しまする手当は、その後従來、大体原則としては市町村が負担することにはなつてはおりましても、実際上は府縣で出しておりましたものもあるのでありまして、その府県で出しておりましたものにつきましては府縣で出すということになると思います。尚給與の準則につきましては、やはり給與準則によりまして、その以内にということになつておりますので、結局準則によりますが、その準則の以内ということに適用されるのではないかと思います。
#86
○若木勝藏君 そこで準則以内ということは非常に曖昧な言葉になると思うのでありますが、準則には支給の率、そういうふうなものが明瞭に規定されてあるのでありますから、その通り支給されるものだと思うのですが、その点如何ですか。
#87
○政府委員(剱木亨弘君) 財源の関係で以内と書いてあるに過ぎないと思います。大体財源さえあれば準則通り支給されるのが妥当だろうと思います。
#88
○若木勝藏君 準則には以内ということが明瞭に出ておる。
#89
○政府委員(剱木亨弘君) それは若し財源が足りないという場合に、準則通りどうしても出せないという場合があることを考慮いたしまして、以内とやつておるのでありまして、財源さえ都合が附けば準則通りに支給されることが正しい。
#90
○委員長(田中耕太郎君) 外に御質疑がございませんければ、本法案の質疑はこれで終了いたしたいと思います。尚これは他の法案と同じように予備審査になつておりまして、討論と採決は衆議院の方から送付せられるのを待つていたしたいと思います。委員会といたしましてはこれで散会いたします。
   午後三時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           柏木 庫治君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           河崎 ナツ君
           若木 勝藏君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           中山 壽彦君
           高良 とみ君
           仲子  隆君
           安部  定君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           河野 正夫君
           堀越 儀郎君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   文 部 大 臣 森戸 辰男君
  政府委員
   文部政務次官  岩木 哲夫君
   文部事務官
   (学校教育局次
   長)      剱木 亨弘君
   文部事務官
   (調査局長)  辻田  力君
ソース: 国立国会図書館
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