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1947/06/29 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第7号
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1947/06/29 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第7号

#1
第002回国会 文教委員会 第7号
昭和二十三年六月二十九日(火曜日)
   午後二時十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○学校教育法及び義務教育費國庫負担
 法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田中耕太郎君) これより委員会を開会いたします。速記を止めて……
   午後二時十一分速記中止
  ―――――――――――――
   午後三時四十四分速記開始
#3
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて。
#4
○河野正夫君 今の御説明は先程の御説明とちよつと食違つてはいないかと思うのでありますが、先程の説明では教員の仕事の性質上、超過勤務というようなことについては、規定ができないように言われたのですけれども、只今労働基準法を引いての御説明では、協約によるに非ずんば超過勤務をさせることができない。だからそういうような協約に基いて超過勤務をさせる場合には、当然支拂うべきものである。こういうふうなお話でございますが、それでよろしいですか。
#5
○政府委員(剱木亨弘君) 私の説明が一つ飛躍したと考えて、そういう誤解をされたと思いますが、協定によりまして、労働組合と使用者との間におきまして、協定して時間を延長し、又は休日に労働させるという協定をするわけでございますが、この時間を延長するという問題につきましては、先に申しましたように、教員の労働の特殊性に鑑みまして、この一定の拘束時間を決めて、それに時間を延長してするというような契約は普通の場合におきましては起り得ない。だからこの三十六條による協定ということによつて時間を延長するという場合は、私共想像できないのでございまして、こういう意味におきまして超過勤務手当というものは計上いたさないというのであります。
#6
○委員長(田中耕太郎君) 山川政府委員から、衆議院の予算会議で呼ばれているそうで、山川政府委員に対する御質疑があれば先ずその方からお願いいたします。
#7
○河野正夫君 それも続いてしようと思つておつたのでありますが、今の超過勤務手当の件は留保します。併しながら序に一言だけ申上げて置きますると、労働基準法で超過勤務のことにつき、いろいろ規定している精神が、今の次長のお話であると、教員には全然適用する余地がないように思うのであります。その精神は、然らば学校教員についてはどこで活かすか、どういうふうにお考えになつているかということは重大な問題であると思う。今のお考えであると、超過勤務手当を、こうこういう場合には出せるのだ、ところがそういうようなことは、教員の業務の特殊性、それが理解できませんが、それによつてできない。結局超過勤務手当というのは全然出せないということになります。ところが労働基準法によると、何故決めたかという精神から考えると、当然勤務が超過時間において行われる時には、手当があつて然るべきだと私は考えます。同じ観点から女子の休日労働ということは、基準法の六十一條で禁止されている筈であります。然るに事実上はこれも隨分行われている。特に法令に根拠がないと思いまするが、これは後程又別に伺いたいのですが、休日ばかりじやなくして、一般に日直、宿直制度というものが慣行上行われているが、法令に基かないで行われているのであります。然るに宿直とか、日直とがいうのには、女子に隨分働き、而も日曜日直といつたようなものは、当然休日の労働を禁止するという建前に反するものであります。この点について山川さんの御見解を承わりたいと思います。
#8
○政府委員(山川菊榮君) 女教員の日直及び宿直でございますが、これは決してただ行われておりましても、義務制ではないのでございまして、ただ教員と校長との話合でいろいろ事情がございましたけれども、地方によりますと、非常に辺鄙な所で、教員の数が五人にも足りないというような所で、どうしても手が足りないというようなことを聞きまして、いろいろな事情を調べまして、それで止むを得ない場合に、その本人の、又は組合の同意があれば、女教員が日直、宿直をしてもいいというだけであつて、決して義務制ではないのでございます。又一般に教員の宿直ということは、外の務にはあまり例のないことでありまして、例えば普通の官廳では、守衞を置きまして、今は役人が宿直するというような所はございませんし、又ちよつと務と申しましては違いますけれども、議事堂の議員の方々に宿直なさることもございませんし、それと同じように、教員は教育外のことで、校舎を護る義務はないのでございますが、ただ、今までの慣習上そうなつておりまして、そうしてただ何ともできないで困るというような場合には、女教員もそれをしてもいいというだけでございます。原則的には成るべくしない方がいいと私供考えております。勿論義務制ではないのでございます。その点は文部省の方もどうぞ御了承下さいまして、これを義務別のようにお認めにならないようにお願いしたいと思います。
#9
○河崎ナツ君 今日直、宿直につきまして、女教員との関連のことから、労働局において御解釈を伺いまして、私供安心いたしましたのでありますが、私は実は日直、宿直という、これをいろいろ勤務地手当とか、教員としての生活の根本的のものと並べていたしますと、これは教員としてのあるべさ姿としての問題というようになりますので、この際根本的に考えて取つて置きたい。これは又別の考慮の立場から、手当の問題として、まあ考えによつてはいろいろ考え方がございますが、これはとにかく一應取つて、別の立場から考えるというふうにしなければ、本当に山川さんがおつしやいましたように、男の先生に恐らくそうでしようが、実は日直、宿直は教員だけでございますが、日本の学校でこういうふうな習慣が附いて來たというのが、因つて來たるものはどうかということを、この際一遍考えて頂いて、そういう必要がなくなつて來たのじやないか、御眞影なんかの問題もありましたけれども、皆代る代るこれを奉安申上げるという意味で、愼重に私共日直をし、私達女も宿直をして参りまして、隨分畏まつていたしましたけれども、又女の人はその時いろいろ困つた問題も沢山全國には起つておりますが、これがこうなつておると教員の本質のごとくになりますから、これは労働省の御解釈に從つて、もつと積極的に、文部省はこれをこれから外して、新たなる解釈によつて、手当の問題についても別にして、私ならば、これはどうしても超過勤務の立場から解釈すべきじやないかと思つておりますので、これは労働者は如何でございましようか。お考え……
#10
○政府委員(山川菊榮君) 基準法の解釈は、基準局長の意見をお聽きになりたいのでございますが、私自身でも只今のお話のように、やはり超過勤務の中の一部分であつて、特に日直及び宿直というものを、ここでお認めになりますと、それが恰も当然の義務制のように思われる虞れがあるのじやないかと思います。
#11
○梅津錦一君 私はやはり超過勤務手当というふうなものを考えて見たいと思うのであります。お聽きしたいのであります。例えば教員の最も大事な仕事は、時間外にやる仕事が相当あると思うのであります。例えば子供を連れて宿泊して旅行に行くような場合、これは殆んど責任を感じて、或る場合にはもう相当覚悟して行かなければならない、若し子供に怪我或いは不時の故障でも起した場合には、責任感の強い先生は自殺する、こういうような例が幾つもあるのであります。こういう責任感は如何なる職業においてもないと思うのであります。これに時間外勤務手当を附けないという理由はどこにもないと思うのであります。尚運動会も同じことである、遠足もその通り、尚研究会の場合に非常に遅くまで時間外勤務をやる、この時にもう疲労困憊をなる、一貫匁、二貫匁も目方が減つたという例が幾らもあるのであります。こういうものも皆默つて見ておる、教員だからそれが当り前だというのなら、他に当り前なものがあるかどうかということを考えて見たいと思うのであります。そうしてこれは肉体的労働であり、精神的労働を伴うものであると思うのであります。こういう意味で労働者のお考えは、この問題は時間外勤務というものに入るか入らないか、そのお考えをお聽きしたいと思うのであります。
#12
○政府委員(山川菊榮君) それは大変大きい問題でございます。私の方は特に婦人と年少者の労働に関して意見を出す権限しか持つておりませんので、又追つてその局に当る方と御相談いたしまして、又御返事申上げるようにいたします。
#13
○委員長(田中耕太郎君) 外に御質疑ありませんか。
#14
○岩間正男君 日直並びに宿直の問題、殊に今婦人局長が見えておられますから、日直の問題についてこれは御意見をお伺いしたいのでありますが、これは何ら義務制にすべきものじやない。これは過去の教員の持つておる習慣、そういうようなものから來る特殊性だというような解釈を聽いて、非常に河崎委員と同樣に安心したのであります。これは当然そうあるべき問題で、学校教育法によりましても、何らこれは教員の本務ではないのであります。その本務でないところの日直の問題、そうしてこれにつきましては河崎委員からもお話がありましたように、殊に日直の場合におきまして、女子の非常な負担になつておる。これは今日の経済事情がこんな形で、物資の配給の事情がこんな状態で、これが非常な二重にも三重にも女性の生活を締めて來るような状態になつて、日直が課せられておるというような観点から考えまして、この特殊な一つの盲腸見たいな存在であるところの日直は、当然廃止されるべきではないか。宿直につきましても同じように、これは前日からの勤務と続きまして、約二十四時間勤務であります。こういうような例も、これは教員だけの特殊性でありまして、殆んど他にない問題であります。更に他の官廳なんかの例と比較しまして、宿直をする場合におきましては、他の官廳においては、次の日休むというような特殊性に立つておりますけれども、教員の場合には何らそのような例がない。二十四時間勤務の翌日におきましては、同じようにやはり他の同僚と勤務にいそしんでおる、こういう点から考えまして、日直、宿直というものは、非常に過去的な一つの勤労形態であると思うのでありまして、このようなことを、この法案によりますと堂々と政令を以て定める、日直及び宿直に関する手当といつたことを、この義務教育國庫負担法の修正の中にはつきり謳つておる。こういうことが非常にこれはおかしい。これについては何ら法的の根據はない。そうして本務以外のことである。ただ習慣に属し、而もその習慣は何ら有難くないところの習慣であつて、更に先つきも話されましたように、御眞影が今日廃止されましたときにおきましては、殆んど意味をなさないところの習慣である。このような習慣は、当然他の官廳におきましては、これについては管理者において、学校を管理するために、管理者においてこれは負担すべきものである。それを教員に、今までの、何と言いますか、半隷属的な形におきまして負担されておつた、こういうような形でありまして、今日においてはこれは当然外さなければならないんじやないか。ところがこれと連関してお伺いしたいのでありますが、非常におかしく思われますのは、労働基準法によつて認められておるところの時間外超過勤務であります。この時間外超過勤務は法的の根據を持ち、而も他の場合におきましても、はつきりこの時間外超過勤務というものは取られておる。にも拘わらず、教員の場合だけ、これを外してこの法案に謳わない。法的根據を持つものにこれを謳わずして、そうして單に慣例や一つの習慣に過ぎないものを以て、この法案の中に謳つておると、こういうところに、この法案の非常に修正案の矛盾性がはつきり出ておるんじやないか、これについて、これは当局としてどのように考えられておるか、この点について伺いたいのであります。
#15
○政府委員(剱木亨弘君) 日直と宿直の問題につきまして、山川局長から申されましたが、これは労働省としては義務制でない。併し山間及び小さな小学校等におきまして、その日直、宿直に当るような人がいないときには、止むを得ず女子も、本人なり組合が承諾された場合には、自由意思によつて日直、宿直をされることがあることをお認めになるということを申されたのでありますが、私共もやはりその点は全く同感でございまして、日直、宿直を義務として布いておるとは考えておりません。併し現在の情勢から申しまして、只今極く少数の先生しかいらつしやいませんような所で、別個にこの專門の日直、宿直の職員をお願いしてやるということは、どうしても現在の差当りの状況としては困難な事情があると認められますが、それに日直、宿直は御承知の通り、この法律の改正案に初めて出たのでありまして、その趣旨とするところは、今までのこの日直及び宿直の手当が市町村の設立者負担でありまして、その市町村の負担が堪え切れない今日のような状況になりましたので、それが若し第三者をして、日直及び宿直をやらしておる余力があるような市町村がございましたなら、それは市町村自身でお拂いになつたらいいと思うのでありますが、やつと先生にお願いして、日直、宿直をなるという場合がありました場合、その負担を國が半分見ようという意味で書いたのでございまして、これは義務教育國庫負担法において負担する限度を決めたのであつて、この法律によつて義務教育の義務を決めたために、それが同時に義務制になるというようなお考をなさる理由は、如何なる理由に基くか、私には想像ができないのでございます。若し今その意見を以て申されましたなら、ここに超過勤務の手当を計上せよと申されましたが、義務教育理論を以てすれば、義務教育法に計上することによつて、教員に超過勤務を義務付けるというように私共には考えられますので、これはそういう義務附けるとかいう問題ではなしに、現実に市町村で負担すべき日直、宿直の金額が要ります場合、これは國庫で半額を負担するという意味でありまして、これは市町村の方で別個に守衞なり、小使などを傭いまして、そうして日直及び宿直をやる、專任を置いてやるということができれば、私共は何もそれまでもここでいけないと申上げるということではございません。ただ市町村やら、いろいろな事情で、先生が日直及び宿直をなさるというような実情を生じまして、それによつて負担をしなければならないというような市町村に対しましては、その使いました半額については、半額ですが、負担しよう。全くこれは地方財政の援助をするという気持に過ぎないのでございまして、これは義務教育費國庫負担法の建前から当然に出るのでありまして、これを以て義務制にするというような考え方は毛頭ございません。その点は山川局長が申されたと全く同樣でございます。その点は一つ御了承願いたいと思います。
#16
○岩間正男君 今の私の質問に対して半分の答弁しかなかつたと思うのであります。何故義務制でもない、それから本務でもない日直、宿直の問題を、これに謳いながら、而も当然法によつて認められる超過勤務手当について、これをはつきりと謳わなかつたかという点については、その点何も触れていなかつたと思うのですが、その点一つ。
#17
○政府委員(剱木亨弘君) 超過勤務手当につきまして、先程も旅行中に夜間に亘り、若しくは日曜日でも遠足に附いて行く、そう言つた特殊の関係があるということを申されたのでございますが、その点は全く私共も同樣に考えておるのでございます。これは十分その間の事情は御存じだと思いますけれども、私共が今度の二千九百二十円ベースに際しまして、二千五百円の暫定支給の際におきまするあの法律によりまして、十七割、十六割、十五割の線によつて日教組と、この点につきましていろいろお話合いをした際に、この十七割の切替につきまして、日教組が承諾されたのでございますが、それは明確に拘束四十八時間以上ということが、日教組教員の勤務時間として、これは拘束として決定しておるというわけではないのでございますが、併し学校におる時間は意外に短かくとも、今申されましたように、校外において指導しますとか、或いは又採点の結果を家に持つて帰つてやられるとか、或いはいろいろな研究を自宅でやられるということは、教室なり学校という一つの勤務の場におきまする拘束の時間を以て決定すべきではなくして、教員の特殊の身分によりまして、教育の一切に関係のある形が、自宅にも及ぎというような関係から、それは教育者に対しましては、教育者としての特殊の関係があるので、この関係は超過勤務手当というような関係でなしに、教育者としての特殊の地位に基く拘束の本俸において考えるべきだというふうにお話いをいたしまして、そうしてその当時十七割の線を呑んで置いたのでございます。今回もその線に沿いまして教員の俸給の算定につきましては、そういう特殊の労働ということを考慮いたしまして、この他の勤務の関係にあるいわゆる労働者という、一般労働者ということに対しまして、教員としての特殊性を考えまして、その本俸の算定みずからにつきまして、私共実はできるだけそれを考慮して行くように決めたいというふうに考えておるのでございまして、そういつたような意味におきまして、普通の拘束何時間というような考え方を以て、この教員の待遇を規定すべきものでなしに、その本俸を考えるときに、それを考慮すべきが本筋ではないかというふうに考えまして、一般の超過勤務手当につきましては、時間外勤務手当につきましては、これを一應法律として、補助いたします対象の外にいたしたのでございます。
#18
○岩間正男君 第一の質問の要点でありますが、これに対しまして、山間の人数の二、三人いる所、そういう所では、わざわざその職員を雇うのは困ると、こういうようなことを理由に挙げまして、これを理由としまして、そうして教員の日直、宿直を、國庫から半額負担することが必要であるというような論点であつたと思うのでありますが、大体先ずこのような特殊な、これは山間僻地の学校というものは、全教員の何パーセントにも当らない。このような特殊の例を挙げて、日直、宿直を現在において負担させなければならないような実情であるということが、その論点が私は先ず移薄だと思うのであります。それを措きましても、とにかく教員の從來の習慣、そういうような習慣を、新らしい現在の段階におきまして、尚これを縛り附けようとする意識を、なぜ一体文部省は今日取られておるのであるか。文部省こそは、もつとこういうような問題について、率先して教員の解放、それから勤務時間の充実、そういうことによつて教育の質の内容を、これは改善するために率先されなければならない当然の責任者であると私は考える。私達は日直、宿直を、恐らく全國五十万の教員諸君が、今日反対しておられる理由は、私も教員をしておりましたので、これははつきり分る。つまりこれは動かなくなるのであります。責任の負担だけ重くて、そうしてその結果、非常に疲労が激しい。その結果は、宿直、日直をやつた翌日の勤務は非常に不完全である。そういう観点から、教育を本当に実質的によくするためには、どうしてもそのような措置が必要なのであります。これを單に一つの義務から逃れる。そういうような考え方では、この問題を新らしく解釈することにはならないのであります。こういう点からいたしまして、文部省だけが、外の官廳などでも行われないところの、一つの残存形態を何故にこの法の中に残さなければならないかという、その理由が甚だ不明瞭であるということを言わなければならない。この点について重ねて御意見を伺いたいと思います。
 次に第二の問題ですが、この超過勤務手当を謳わなかつた。これはこの前の日教組との團体交渉において、ここに決定したことがある。このことについて十七割が決定された。十七割を決定することについては、そこに教育労働の特殊性がある、教員としての特殊性があるから、その特殊性を考慮に入れて、そうして超過勤務手当というような形でなくて、それを本俸の中に繰入れて支給したのであるというようなことを、これは今説明でされたのであります。併しながらこれは甚だ文部省の一方的解釈に過ぎないのじやないか、と言いますのは、中労委の調停の中にそれを見ますというと、新給與の決定に際しては、教育労働の特殊性に鑑みて特別の考慮を拂うことが、この前の日本教職員組合の中労委に対する提訴に対して、中労委から與えられたところの裁定であつたと思います。この特殊性とは、そも何ものであるかと言いますと、これは教員の文化生活に関わるところの特殊性だというふうに解釈せざるを得ない。中労委の解釈も、正にその点にある、つまり教員におきましては非常に文化費が要るのであります。修養費が要るのでありまして、本を読まなければならない。それからいろいろなこれは見識を蓄えなければならない。これによつて重要な教育的な一つの責務を果す。このための特殊性であつて、何らこれは教育のいわゆる保守性、教員がかような現存した形に対する特殊性は、與えられたものでないことは余りにも明らかだと思うのであります。然るに文部省はその観点から、これを今の中労委裁定線を逆に、これを利用するような立場に立つて、そうして超過勤務手当を含めたというような了承の下に十七割支給されておる。ここは、それならそれに対して一般教職員組合が了承しておるならば問題はないのでありますけれども、この点に対しては、その後團体交渉において何回となく、これは対立した意見のままで今日に至つておる。尚これは今日これに対して一つの問題が解決していないということは、私は聞いておるのでありまして、こういう点からするときに、教員だけがそのような一つの特殊な労働條件の下に置かれている。その結果からいろいろな教育の不完全が起るということについては、絶対にこれは私達の了承することができないところではないかと思うのであります。先つき申しましたように、文部省はむしろこれらの今までの不完全なる状態、教育の眞の機能を発揮することに障碍になつておるようなものを率先して除去するために努力して、そうして教員の期待に應えるべきではないか、こういうふうに思うのでありますが、以上二点に亘りまして策弁を願う次第であります。
#19
○政府委員(剱木亨弘君) 日直、宿直につきまして、山間僻陬の地の場合の例でございましたが、これはだまだま山川先生がそういう例を引かれましたので、私申上げたのでございまして、現実の問題といたしまして、現在この日直、宿直の手当というものが市町村にありまして、その市町村が相当段々経費の負担が増しておるから困つておるという状況でありますので、これを使われたる分については國庫が半額負担しようと申したのでありまして、教育者といたしまして日直、宿直が全部他の職員を以てやられまして、本來の姿に変つて行くということは極めて私共も望ましいことだと思います。ただ現在の市町村の財政から、現実にある面につきまして、若しこれを國庫で負担しなければ市町村では困つて、これを出すことも非常に困るであろうというような考えから、その日直、宿直の現にある限りにおきましては、これはやはり負担を國が半分した方がいいじやないかと今でも考えておる次第であります。尚超過勤務手当につきまして、組合との交渉及び中労委の裁定について申されましたが、中労委につきまして、この教員の特殊性に鑑みまして、特別のものを考えたらどうか、と申しまするのは、教員の研究費についてであります。これは今回の新俸給の切替に際しましては、その勤務の関係と研究費の関係を、両者を加味しまして、そうして教員の俸給額を確保したいというふうに考えておるのでございまして、この点は中労委とも十分話合を進めて処置をしておる次第であります。決して中労委の線に反して処置しておるとは私は考えておらないのであります。
#20
○藤田芳雄君 大分似たような質問が多いのでありますが、どうも肝腎な点が私ちよつと分り兼ねますので、余計なことを申しませんが、先程の御説明によりますと、教員には労働時間というものの限界がないようなお話に聞えるのでありますが、これは重大なことだと思うのです。何か拘束時間を決めることが、どうとかというようなお言葉でありましたけれども、その点がはつきりいたしません。一体教員には決まつた労働時間というものを認めないのか、或いは認めるのか、その客をはつきりもう一つお伺いいたしいと思います。
#21
○政府委員(剱木亨弘君) 大体の基準につきましては、日教組との團体協約によりまして、一週四十二時間ということに一應決つておるのであります。こはは大体の基準だと考えるのでございまして、四十二時間を以ちまして、それであの俸給の切替の際に、教員の拘束時間が四十二時間だということになれば当然十五割ということになるのでございます。そこで四十八時間以上にということには、これは当然四十二時間でありましても、家に帰つてから、只今申しましたように、いろいろ研究をされましたり、採点されたり、いわゆる自宅でやられるとか、或いは校外指導をするとかという勤務時間が、学校に決められた時間以外にあると考えたのでございまして、そういうのを考えれば、四十八時間以上の範疇に当然入るべきものであつて、そういう意味において、この拘束時間というものを決めてやるというわけには行かんのじやないかというので、この四十二時間を以て拘束だというふうな考え方をいたさなかつたのであります。
#22
○藤田芳雄君 随分おかしいと思うのですが、四十八時間という拘束時間を決めて、そうして教員というものの仕事の実際面を眺めると、只今のように決められた時間以外にするなということも、言われてもやらなければならないような仕事がある。それであるから、その教員の特殊性を認めて十七割というふうなものになつたというお話だと思うのであります。ところが先程來のお話はそうじやなしに、今度は教員が好むと好まざるとによらず、やらなければならんという今の話じやなしに、今度は学校長なり或いは管理者なりが一定の拘束を與えて、そうして勤務時間以上の時間を仕事させるということがあり得る。それと先程の教員自体の義務の内容に包含される性質から來る時間外の勤務じやなしに、特に拘束されるところの時間がある。そういうものはこれを認めなければならない。そうした場合に、それに対して法的な立場から眺めましても、これは労働基準法の適用を考慮しなければならない問題が出て來るし、又この日直、宿直というふうな、法にない言葉を使うより、法に基けるところの時間外勤務というものを、そうした拘束の面から出て來るものとして取扱わなければならんということが出て來るのではないかと思うのでありますが、その点についてもう一度お伺いいたします。
#23
○政府委員(剱木亨弘君) 私は先つき時間外手当と申上げましたけれども、これは普通の意味における時間外手当と申上げたのでございまして、特別の場合におきまする時間外手当というものは、これは当然支拂うべきだと思います。例えば晝間の先生をやつておられまして、夜間の授業を兼担という場合には、これは強制的に夜間の授業を分担にして頂いておるのでありますが、そういう方に対しましては、当然にこの超過勤務手当は支拂うべきだと思います。又或る特殊の事情で、先生にこの学校で特に夜遅くまで勤務して頂くという必要が生じましたときに、いたします場合においては、これは当然やはり超過勤務として支拂うべき筋合だと思います。ただその際に超過勤務手当を國家の予算として地方に出します場合に、具体的な支出といたしましては、殆んどこの予算上数えらるべき、この具体的な参考資料としては計上し難いのであります。これはやはり特殊の事情につきましては、市町村なり、その設置者におきまして負担して頂きましても大した金額にはなりませんし、又予算上にも非常に困難でございますから、この法律には書きにくいというような意味合から書いていないのであります。
#24
○藤田芳雄君 只今の政府委員の御答弁によりまして、当然この管理者、その他この教員の監督の地位にある者が、強制的に拘束を加えたときには、時間外勤務であるということを認めて頂けたと思うのです。それでそうなつた場合には、当然労働基準法などによつて時間外勤務を與えなければならないということも御承認を得たと思いますが、ただ一つ、そうであるけれども、それの算定のための資料が得られないとか、或いは多分それが少額であろうからというような意味合から政府の予算に挙げない、それはその地方に任せると、これはどうも納得の行かない御説明のように思うのですが、今のように時間外勤務というものも認めて、それによつて基準法の拘束も受けるものとするならば、一定のやはり額を計上しなければならない。担しそれについてはなかなか数も多いし、厖大であるというならば、或る程度そこのところは見積額によつて、そうしてこれはよくやる手でありますけれども、ある金額の範囲内において、これを出ない程度においての拘束時間の活用をさせる、それは運用の面においてでぎる問題だと思うのでありまして、自分の方で面倒だから、そういうことをやるわけに行かないということは、どうも理由にならんと思うのですが如何でしよう。
#25
○政府委員(剱木亨弘君) 先に申しました夜間でありますとか、そういうものは制度としてはつきり分つておりますから、これは予算上計上できますが、私も小学校や中学校において、超過勤務手当を計上すべき具体的な例ということは想像できないのであります。それで若し言をもう少し極端に申しますと、超過勤務手当と申します限りは、一定の拘束時間というのははつきりしておらなければならんと思います。従いまして若し拘束時間を八時間なり、七時間なり決めますれば、教員には御承知のように夏休みでありますとか、冬休みであるとかいうことがございます。私共はこれは休日とは考えておりませんので、又教員もそう考えていらつしやらないので、これはやはり勤務をされているわけでございます。勤務されておりまして、そういうときには、やはり私共は勉強……学校のいろいろなことをするにしましても、多少そこに自由な時間を持つて家に帰つて勉強されてもよろしうございますし、いろいろな行動をやつてもいいと思います。あまりそこに拘束何時間として学校にいるべき時間とか、夏休とか、そういう時間を制限してしまうということは、これは非常に無理があるのじやないか。若しそういう時間に退廳したということに、若し拘束ということがはつきりすれば、これは法規上から見まして、その退廳した時間はやはりタイム・レコードを取りまして、これは超過勤務と逆の行き方で、俸給を差引くという問題が起つて來るのじやないか。教員については超過勤務手当というものを考えないで、むしろ教員の特殊性ということから、本俸を獲得して行つた方が、私共は教育者の待遇改善の方からも理由が立つと、こう確信しているのでございます。これは間違いでありますればその御批判を頂いていいのであります。今のところは小学校、中学校いろいろな面からいたしまして、拘束何時間という考え方をしない方がいいと考えております。
#26
○若木勝藏君 先程來のいろいろな質疑應答で、私は政府委員に対して一つお伺いしたいと思うのでありますが、それは実際において超過勤務であるというようなことを先程の答弁で内心考えておりながら、それに関する而も法規に定まつた部面の超過勤務手当云々ということを法文に現わさないで、義務制としては考えないと、ただ山間僻陬の地においてそういうこともあり得るだろうというふうな、いわゆる日直、宿直の分に対して政令を以て定むるというような形を以てここに現わすところに、非常に私は一方的ないろいろの考え方がこの案に載つていると、そのように考えるのでありますが、その点が一つ。次にそういうふうな事柄が、最後の項に、「前項ノ職員ノ範囲、定員及給與ノ額ハ政令を以テ之ヲ定ム」、この点についてもそういうふうなことが考えられるのでありますが、先ず第二点といたしましては、この職員の範囲、定員及び給與の額は政令を以て定めて、この範囲、定員及び給與というようなものに対する現況はどういうふうな形になつているか、これについて伺いたいと思います。
#27
○政府委員(剱木亨弘君) 第一点の手当の額を、政令を以て定めると申しますのは、手当の額を決定するのでございまして、この手当の額につきましては一々この法律で、日直手当はどのくらい、宿直手当はどのくらいということを法律で書かないで、やはり政令にお任せを願いたい。これはやはり相当賃金ベースその他の改訂によりまして、再三改正を要するものと考えますので、そういう意味合において、政令を以て定める手当といたしたのであります。
 それから第二項の、職員の範囲、人員及び給與の額を政令を以て定めるといたしましたのは、これは提案理由のときにも説明して頂いたと考えるのでございますが、この小学校及び中学校の義務教育の負担は、定員定額制を定めるいうことを明らかにしたのでございます。現在におきましては、義務教育の國庫負担の金額は、小学校におきましては大体一学級一・五、中学校におきましては一・八という定員は一應決つておりますけれども、額につきましては決定いたしておらんのであります。結論といたしまして、教員俸給を負担いたします府縣が、義務教育の教育費として出しました教員俸給の半額を國庫が負担するという、今までは補充費途の形でやつておつたのであります。然るにその補充費途の問題で参りますと、現在の状況から申しますと、到底國家として幾ら國家が負担すべきか、地方で自由に教員俸給を上げますと、それは当然半額を國庫が負担するという形になりまして、到底國家財政の途がつかないというような関係から、今回のこの閣議を以ちまして定員定額制の原則が確立されたのでございます。このことは実際問題といたしましては、教員の給與の定員につきましては、大体今申上げました通りでございますが、給與の額を如何に定めるかという問題につきましては、これは非常に困難な問題があると存ずるのでございます。法律でかく決められました以上は、近くこの政令を以てその額を決定しなければなりませんけれども、この額の決定につきましては、相当の研究を要する問題だと考えておる次第であります。
#28
○若木勝藏君 この定員につきましては、恐らく私は日教組との團体協約に基いてやらなければならない筋合のものであろうと思うのでありますが、これは小学校一・五人、それから中学校一・八人ですか、これを政府が定員として決定したというお話でありまするが、これについては、協約上の問題はどういうふうになつておるか、それが一つであります。それからもう一つは、政令を以て各府縣の額を決定するということは、非常に困難だというふうなお話がありましたが、私もそのように考えるのであります。今実情におきましては、各府縣おのおの初任級を決めるにしても違つておるようであります。或る所では初任めを五百円にし、或るところでは初任級を五百八十円というふうに、各府縣非常にまちまちになつておるのであります。これは一体政令を以てどういう一線を引いて定額の基準を定めて行くか、これらについての御答弁を願いたいと思います。
#29
○政府委員(剱木亨弘君) 團体協約につきましては、小学校の定員は三学級二人であつたと、私記憶いたしておりますので、大体昨年協約当時におきましては、一・二か三であつたと思います。これをやはり漸くこの一・五まで認めて行くように漕ぎ附けたのでございます。教員教につきましては、團体協約とは背馳していないと考えております。ただ教員の定員につきましては、尚これは新教育の関係から申しまして、日教組の方で、決して満足な結論ではないと考えますので、これは私共今後もますます定員の拡張につきましては努力して行くたいと考えておりますが、現在の財政の状況では、この程度より以上は、現在としては止むを得ないと考えるわけでございます。
 それから給與の額を政令で決定いたしますことは、これは実は私共事務当局といたしましては、事実を申述べまして、現在の状況上、これを政令を以て早急に定めることは、殆んど不可能であると考えるのでございます。併しこの法律を以て原則を定められた以上は、その政令を以て定めることに向いまして、十分今後研究をして参りたいと考えておる次第でございます。
#30
○若木勝藏君 更に今の問題に関連しまして……只今の御説明で分りましたとえろでは、定員については、十分協約によつて決定した数ではないというふうに看取されるのであります。日教組も多分満足でないであろうというような、そういうところに、私はこの法案全体から、政府の一方的な一つの考え方が現われておるじやないか、こう考える次第であります。
 次に、額の決定については非常に困難で、今早急にはなかなかできない。一線を引くというようなことは面到だと申されておるのでありますが、一体この趣旨から考えまして、今教育の地方分権化、こういうふうなことが民主化の上から考えられておるときであるから、又各府縣におきましては、それぞれの事情によつて、府縣とその府縣の組合との團体交渉によつて、いろいる交渉を続けて額というようなものを決定して行つておるのであります。それを政令を以て中央で一つの線を引くということは、極めて地方分権化というような方面から考えまして、中央が制約するというような形になりはしないか、こう考えるのでありますが、この点についての御答弁を願いたいと思います。
#31
○政府委員(剱木亨弘君) 定員の問題につきましては、私は一・五につきましては、確実に協約と合致しておると考えるのでございます。中学校の方につきましては、御承知のように科目制でございますので、私共自身も又一・八で十分であるとは考えておらんのでございます。從つてこの定員につきましては、國家財政の現状より止むを得ないと私共は考えるのでありまして、これが尚必要であるということは十分考えておりますが、この限度で只今のところ、我々としては満足せるを得ない状態でございまして、若しこれが可能であれば、私共個人といたしましても、これを増加されることを念願いたしておるのでございます。
 尚この給與の問題につきまして、現在の給與制度におきまして、各府縣が自主制を以て、自由にその地方の教員の俸給を決定して行くという現在の状況におきまして、これを各地方が勝手に上げたものを、國庫において自由に、幾らでもその半額を必らず負担する、こういうことでございます状態が、これはいいのか惡いのか、これは一つ十分、私共も非常に困難な状況に逢着しておるのでございますけれども、当文教委員会におきましても、何とかその方面につきまして、いろいろな然るべき方法をむしろ御教示を頂きますれば、私共は非常に有難いと思うのでございまして、地方の自主性を認め、地方におきまして俸給額を決定して行くという場合に、國では、各地方でばらばらに決めたものを無制限に半額負担するということになりますれば、國家としてはいろいろな予算的な計画が、私は立たなくなるのじやないか。一面からいたしまして、各地方別にずつと教員の俸給が上つて参りますということは念願いたしておるのでございますけれども、又國の立場から申しまして、やはり補助する一定の基準というものは定めなければ、將來財政計画は立たないのじやないか。だから各府縣に補助をします金額の基準は國が定めまして、それ以上各府縣が自主的に俸給を上げます場合は、これは各府縣勝手にやられて差支ないというふうな考え方で、現在のところ行くより仕方がないという考えをいたしておるのでございまして、この点については、私共も非常に困難な最も解決しにくい問題でありますけれども、尚このあり方につきまして、いろいろ御教示を頂ければ、大変仕台せだと考えます。
#32
○委員長(田中耕太郎君) 矢野君は議事進行ですか。
#33
○矢野酉雄君 議事進行ではないけれども……
#34
○若木勝藏君 今の御答弁を承わりまして、どうも地方の方で勝手に、地方地方によつて非常な上げ方をしたりまるのではないかという、危惧の念を持つておられるようでありますが、そういうものでは私はなかろうと思うのであります。北海道は北海道の事情に從つて、本当にこういうふうな額でなければならんというようなことが、團体交渉によつていろいろ決まつて行くだろうと思います。それをそういう実情の分らないところの地方にあつて、あつちでは何ぼにする、こつちでは何ぼにするというような勝手なことをやるだろうから、ここで一つ基準線を引いてやろうというような考え方であれば、私はその考え方を是正して貰わなければならんと考えるのであります。
#35
○政府委員(剱木亨弘君) 事実各府縣で随分違つておりますので、それを今申上げたわけでございまして、これは各地方の特殊事情があるとは考えますけれども、事実上その各地方で違つて参りますので、そういうふうに申上げたのであります。
#36
○河野正夫君 今の御説明によりますると、この法案が分らない点が出て來るのであります。「旅費、扶養手当、勤務地手当及退官又ハ退職ニ関スル手当並ニ政令ヲ以テ定ムル日直及宿直ニ関スル手当」、これに持つて來て古い法律を継ぎ足すと、以上の手当のため都道府縣において要する経費の半額は國庫においてこれを負担すると、こう続くのだろうと思います。そういたしますと経費の半額を國庫が負担する、然るに一方において定員定額制を決めてしまいますると、今劔木次長のお話のように、地方では如何ように俸給を上げてもいいが、國家としては一定額以上は負担しない、こうではなくして、定員定額に決められるならば、それが即ち半額である、だから地方は同樣の費用だけを見ればいいのだということになりまして、地方差によるいろいろな支給ということを却つて制限することになりはまませんですか、その点如何でございましようか。
#37
○政府委員(剱木亨弘君) この定員、定額制にいたしますと、私共は現在までの義務教育費國庫負担の方の建前といたしまして、補充費途であつて、定員定額制でないということに非常に妙味もあり、又いい点があつたと思うのであります。これを定員定額制にするということはできるだけ私共としては避けたいという考え方を以ちまして、その意味において主張して参つたのでございまして、お説の通り若し定額を以ちまして、そうしてこれを決めますと、地方によりましては、この定額以上にはもう計上しないというような傾向が起らないとも限らないと私は恐れるのでございます。その点につきまして、この際そういう意味合におきまして、定額制がいいのか、補充費途がいいのか、いわゆる補充費途ではどうしても今日の國家財政では行けないという事情に陷つてしまつた。この現実の問題をどう解決するかということが非常にむずかしい点だと思いますので、この点につきましては、私共といたしましても非常に苦慮しておる点でございます。
#38
○河野正夫君 質問の要点を外れております。その趣旨は相分るのですけれども、ただ私の言うのは、地方で出さなくなるのではないかというのでなくして、この法律は、これは修正案ですから何ですが、続けて読んで見ますと、当然地方においては半額は國家が負担すると書いてある。その半額の定額は決まるのでありますから、それだけしか地方は出さないということは当然であつて、解釈の問題の余地はなくなりはしないか、その点について立案者たる文部省はどう考えを持つておるか、そうではなくして、それ以上に支給できるのだけれども、と思うのか、この法律案がこういう体裁になると、もはやそれは私が言う通りであつて、それが正当な解釈である、こういうふうに見られるのであるか、この点を伺いたい。
#39
○政府委員(剱木亨弘君) 文字の解釈上から一應そういう疑問は出るかと思いますが、この法律を以ちましては、地方廳のいわゆる府縣が出します金額を制限する意図は全然ないのでありますから、國庫で半額出しましたより以上に、地方廳がそれを出すということは、これは禁止すべき筋合でもありません。又禁止にはならないと考えております。
#40
○松野喜内君 論議も出ましてこの程度にしたいと思いますが、この文部省の提案のところの文句を結論的に名案が出ませんでしようか。文部省の縷々お話を聽きましたが、例えば「日直及宿直ニ関スル手当」という字を取りまして、そうしてそれをこういう文句では惡いでしようか、「特殊勤務ニ関スル手当」というのではどうですか、差障りあるでしようか、超過勤務ではなしに……
#41
○岩間正男君 質問も盡きたようですから、この辺で質問を打切つて、懇談会を開いて、これを討論採決すべきかどうかということにして御相談願いたいと思いますが……
   〔賛成と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(田中耕太郎君) 岩間君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(田中耕太郎君) それでは速記を中止して下さい。
   午後四時四十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後五時一分速記開始
#44
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めます。学校教育法及び義務教育費國庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、第二條につきましていろいろ質疑がおありになりました。今日はこの程度に止めまして如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ありませんければ、これで散会いたします。
   午後五時二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           柏木 庫治君
           岩間 正男君
   委員
           梅津 錦一君
           河崎 ナツ君
           小泉 秀吉君
           若木 勝藏君
           左藤 義詮君
           木内キヤウ君
           高良 とみ君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           河野 正夫君
           鈴木 憲一君
           中川 以良君
           堀越 儀郎君
           矢野 酉雄君
           藤田 芳雄君
  政府委員
   文部政務次官  岩木 哲夫君
   文部事務官
   (学校教育局次
   長)      剱木 亨弘君
   労働事務官
   (婦人少年局
   長)      山川 菊榮君
ソース: 国立国会図書館
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