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1947/07/04 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第10号
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1947/07/04 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 文教委員会 第10号

#1
第002回国会 文教委員会 第10号
昭和二十三年七月四日(日曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○日本学術会議法案(内閣提出、衆議
 院送付)
  ―――――――――――――
   午後二時十分開会
#2
○委員長(田中耕太郎君) これより委員会を開会いたします。今日議題となつております日本学術会議法案は、衆議院を無修正で以て通過して、こちらに正式に付託されておるようなわけであります。これにつきまして別に御発言ありませんか。
#3
○梅原眞隆君 この前刷新委員会の方と学士院の方と見えまして、そうして我々が両方の話を聽きましたのでありますが、今お聽きすれば、衆議院は無修正で通つたという話でありますが、あのときの議題が大体において学士院の意向なり、刷新委員会の意向を我々聽いたのであります。私の記憶にして余り誤りないとすれば、つまり学士院の人を選ぶ場合に、会員を選考するということの一つの委員会ができて、そうして両方から同数の人が寄つてこれを選考して選挙をする、こういうようなことが、いろいろな議論があるが、この議論を調和する途ではなかろうか、こういうことが、あのときの私の記憶にして誤りがなかつたらあつたと思うのです。そういう問題を衆議院がどう処理したか、それをちよつとお伺いしたい。
#4
○政府委員(清水勤二君) 只今の御質問の日本学士院の会員選考に関します第二十四條第四項におきましては、單に「日本学術会議がこれを選定する。」となつております。衆議院におきましてこの問題は相当問題になりました。併し結論といたしましては、只今お話の日本学術会議と日本学士院とから同数の委員を出して、会員の候補者選考委員会を設け、その過半数を以て決定した候補者について日本学術会議が決定するという、このことを衆議院の希望條件として、実はこれを法案に現わすということもございましたが、これは結局日本学術会議がこれを選定する一つの方法である、手段であるという意味におきまして、二十四條の第四項は修正しないで、この今の事項を、学術体制刷新委員会の委員長から内閣総理大臣に宛てた覚書の項目であります。この覚書の項目を是非実行するようにという強い希望條件を付けられまして、更に衆議院の文教委員会といたしまして、学士院の院長及び学術体制刷新委員会の委員長を呼ばれまして、両方に対してその実行方について十分希望を述べて実行して貰う、こういうことで決定した次第であります。
#5
○梅原眞隆君 よく分りました。私はそういう希望條件であるとか、申出でだとかいうような、どうも日本の法律を作る場合に、いつでもそういうことが多過ぎますから、それよりもはつきりと、つまり法文の上にできることならやつて貰いたいという私希望を持つておる。だがここで説明をしていいか、どうか分りませんが、いろいろ複雜な事情があるように思うから、そこで私は割引をしまして、どうかこれは意見としましては、法文として修正したいという意見を持つておるのでありますが、私余り詳しく申上げる時間がないから簡單に申上げますが、今の少くも衆議院が要求したような形におきまして、衆議院の文教委員会も公平を期するために、これの選考委員というものを両方から同数出され、そうして十分に粗漏のない選考をして貰いたいということを、一つ嚴格な方法で要求をして貰うということを私提案をいたします。
#6
○松野喜内君 只今梅原委員の主張される通り、これはやはり日本学術会議と日本学士院との両方から出ておる選考委員会が極めて公正だと思いますから、梅原委員が言われましたような、そういう方法のため文教委員会も共鳴したいと思います。賛成の意を表します。
#7
○堀越儀郎君 私も梅原委員の提案されました学士院の会員の選定方法について同樣の意見を持つ者であります。すでに衆議院で無修正で決定せられたのでありまするが、日本学術会議を構成されるについて学術体制刷新委員会、日本学術会議創設準備委員会が発表した覚書というものを現に指示しておるのでありますが、できるならばこの覚書の法文化ということを私は希望するのであります。この際その余裕もないし、又そのために法案が通らないというようなことも願慮されますので、衆議院が要望したと同じ要望を本委員会においても要望して、その趣旨に副つて今後学術会議なり、学士院会議の選定において誤りなく、公平にせられんことを希望いたしまして本案に賛成いたします。
#8
○委員長(田中耕太郎君) 只今のお三人の方の御発言の趣旨を織込んで本会議に報告して、條文に留めるというような方法にいたしたいと思いますが、如何でしようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(田中耕太郎君) それとも別に、この委員会として附帶決議とか、そういうふうな方法をお採りになる御意思じやないのですか。
#10
○梅原眞隆君 意思がないのじやない、別にもつと強い意思があるのだけれども……。
#11
○委員長(田中耕太郎君) それは具体的の問題として……。
#12
○梅原眞隆君 それは具体的の問題ですけれども……。
#13
○岩本月洲君 ちよつと一言お尋ねしたいことがあります。覚書の中に「過半数を以て決定した候補者について、日本学術会議が決定する」とございますね。これを衆議院では、内閣がこれを命ずるというようなことに御意向が出たようですけれども、出ませんでしたか。
#14
○政府委員(清水勤二君) 衆議院におきましても、そういうような修正的な意見もあるということでございましたが、これに対しては反対の御意見の方が大変強かつたように記憶しております。
#15
○柏木庫治君 私は堀越案に賛成いたす者であります。只今委員長が仰せられたように、本会議に報告するときに、そういう意味を言うというだけでなくて、それをもう一つ強くするために、やはり衆議院から出したような文章にいたして、これを原案通り可決いたしたいと思います。
#16
○委員長(田中耕太郎君) ちよつとお尋ねしますが、文書にしてどういう形で残しますか。
#17
○柏木庫治君 その意味を……、今の衆議院のは、意味を書いて内閣総理大臣だけにやつたのでしよう。今の、その希望條件と言いましたね。
#18
○委員長(田中耕太郎君) 覚書の内容でございますか。
#19
○柏木庫治君 そうです。衆議院から出されたと同樣な、もう少し確定的な覚書を附して原案に賛成です。
#20
○委員長(田中耕太郎君) 法案をですね。覚書は、刷新委員会と日本学士院との間の覚書でして、直接にはこの法案と結び付けるわけには参らないのです。
#21
○柏木庫治君 その覚書を参議院も見た、それを確認したとかいうような意味を何かの形で現わしたいと、こう思うのです。
#22
○委員長(田中耕太郎君) それは、その形はつまり本会議における報告ということでよろしゆうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(田中耕太郎君) それではさように決定いたします。私も、実はそれでよろしいかということを実は申しましたわけですから、言葉がちよつと不完全で徹底いたしませんで……。それでは別に御発言もありませんければ、本案に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないと思います。それでは討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。別に御発言もございませんければ、討論は終結したものと認めまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に移ります。日本学術会議法案を可決することに御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#26
○委員長(田中耕太郎君) 全会一致と認めます。よりまして全会一致を以て本案は可決することに決定いたします。
#27
○梅原眞隆君 附帶條件を一つ記録しておいて貰いたいと思います。
#28
○堀越儀郎君 我々の要望した附帶條件を……。
#29
○委員長(田中耕太郎君) それでは、先程本委員会の全体の方がお認めになりましたところの、日本学士院と学術体制刷新委員会との間に取交わされた覚書、これは昭和二十三年六月五日、学術体制刷新委員会、日本学術会議創設準備委員長兼重寛九郎氏が、芦田内閣総理大臣に宛たところの覚書、その趣旨に從つて、今後日本学士院の会員が選考されるということにつきましての覚書を実行することを強い希望條件といたして、本案を無修正で可決することになつたということを附加えて置きます。覚書の内容はすでに皆さん御承知の通りと思いますので附加えません。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経なければならんということになつておりますが、これは委員長におきまして本案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨、その表決の結果を報告いたすことといたしまして、御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(田中耕太郎君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたします報告につきまして、多数意見者の署名を附することになつておりますから、御賛成された方々の御署名をお願いいたします。
   〔多数意見者署名〕
#31
○政府委員(清水勤二君) お暑い折柄、この日本学術会議法案につきまして、長い時間御審議頂きまして、今日原案通り御採決頂きましたことにつきましては厚く御礼を申上げます。
 この法案は、終戰後日本の学術体制を如何にすべきかということにつきまして、政府も学者も常に考えて参つたところでございますが、究極するところ、全学者の総意に基いて、この法案を作るべきだということになりまして、昨年八月二十五日にできました学術体制刷新委員会におきまして、七ケ月の日子を費しましてでき上つたものでございまして、新らしい日本学術会議が、全日本のあらゆる科学技術者を網羅した全く民主的な審議機関、且つ学界の代表機関でございまして、世界におきましても未だかくのごとき会議が存在することを聞いていないのであります。そういう意味におきまして画期的な会議であると考えておりまして、本法案が参衆両院の全般的御賛成を得まして通過いたしますことにつきまして、満腔の謝意を表する者であります。
 尚御質疑中にいろいろ御指摘がありました本法案において尚いろいろ疑問とする点、或いは不備とする点、將來改むべき点等につきましては、十分政府におきましても学術会議と連絡をとりまして、その改善に努力するようにいたしたいと存じます。殊に日本学士院との関係におきましては、最も問題の多かつた点でございまして、この点につきましては、只今希望條件としてお申出がありましたその線に沿いまして、確実にそのように実施されるようにいたしたいと考えております。これを以てお礼の言葉といたします。
#32
○委員長(田中耕太郎君) 委員会を休憩いたしますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(田中耕太郎君) それでは休憩いたします。
   午後二時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十五分開会
#34
○委員長(田中耕太郎君) それでは引続いて委員会を開きます。速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#35
○委員長(田中耕太郎君) 速記を始めて下さい。それではこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     田中耕太郎君
   理事
           松野 喜内君
           柏木 庫治君
   委員
           梅津 錦一君
           河崎 ナツ君
           若木 勝藏君
           左藤 義詮君
           中山 壽彦君
           木内キヤウ君
           高良 とみ君
           安部  定君
           岩本 月洲君
           梅原 眞隆君
           河野 正夫君
           鈴木 憲一君
           堀越 儀郎君
  政府委員
   文部事務官
   (科学教育局
   長)      清水 勤二君
ソース: 国立国会図書館
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