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1953/05/19 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第47号
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1953/05/19 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第47号

#1
第019回国会 厚生委員会 第47号
昭和二十九年五月十九日(水曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 青柳 一郎君 理事 中川 俊思君
   理事 松永 佛骨君 理事 古屋 菊男君
      越智  茂君    助川 良平君
      安井 大吉君    亘  四郎君
      滝井 義高君    萩元たけ子君
      柳田 秀一君    杉山元治郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
 出席政府委員
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
 委員外の出席者
        議     員 只野直三郎君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
五月十八日
 委員中曽根康弘君及び中野四郎君辞任につき、
 その補欠として山下春江君及び佐藤芳男君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員山下春江君辞任につき、その補欠として中
 曽根康弘君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十四日
 水道法案(只野直三郎君提出、衆法第三五号)
同月十七日
 水道法案(内閣提出第一八〇号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致の件
 水道法案(只野直三郎君提出、衆法第三五号)
 水道法案(内閣提出第一八〇号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 まず麻薬取締りに関する件について明日調査を進める予定でありますが、これに警視総監の出席を求めて質疑を行いたいという要望が強いのですが、田中警視総監を参考人として出席を求めることに決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
#4
○小島委員長 次に只野直三郎君提出の水道法案を議題とし審査に入ります。
 まず提案者より趣旨の説明を聴取したいと存じます。只野直三郎君。
#5
○只野直三郎君 ただいま提案になりました水道法案の提案理由並びにその大要について御説明申し上げます。
 御承知のごとく現在わが国の水道を規制しておりますものは、明治二十三年法律第九号の水道条例でありまして、この水道条例は、制定以来すでに七十年になろうとしているものであります。ところが、水道条例制定以来七十年の歴史にもかかわらず、わが国の水道普及率が、その総人口に対し、わずかに二〇%にすぎないことを顧みますれば、われわれ日本国民の文化的生活の向上、確保のためには、その布設こそ刻下の急務ではないかと考えるのであります。しかるに、現行水道条例は、その規定の内容がほとんど取締りないしは監督面のみに終始しており、まつたく布設面の能率が上らないのでありまして、ここに水道条例を廃止して事業法的性格を強く打出し、水道の布設に対して国が積極的に保護助成するということが熱望される次第であります。これが、提案理由の第一点であります。
 次に、昭和十三年に厚生省が内務省から分離創設されましてからは、水道行政が二元化され、昭和十三年八月十九日のいわゆる上下水道事務処理に関する内務、厚生両省覚書によつて運営されることになつたのでありますが、終戦後建設省が創設されましてからも、従来の覚書の線を尊重しながら厚生省と建設省の両省が水道行政を行つて参つたのであります。しかし水道行政の二元化ということは、国の行政としては好ましいことではなく、よつて水道行政の一元化ということが多年の懸案として要望されているのであります。ここにおきまして、一、水道の維持管理に対する指導監督と水道の布設とは不可分の関係にあつて、これは、同一の官庁において所管すべきである。二、水道のためには欠くことのできない水源の確保をめぐる水利調整を円滑に行う必要がある。三、水道の布設は都市計画と不可分の関係がある。四、水道の技術は土木工学が主体であり、実際にこの事業に従事する者の大部分は土木技術者である等の理由から、建設省が主体となつて、水道の布設に重点を置きながら水道行政を行うということが、健全なる水道行政の遂行、ひいては水道による国民の文化的生活の向上、確保のために最も妥当な措置であると考えるのであります。これが、本法案提出の第二の理由であり、かつ、最も大きな理由であります。しかし、水道はもとよりその性質上公衆衛生とも密接な関係があり、しかも公衆衛生に対する最終責任は厚生大臣にありますので、本法案におきましては、水質基準と水質検査の二つについては、建設省と厚生省の共同省令で定めることといたした次第であります。
 以上が水道法案提案の理由であります。以下本法案の大要を御説明申し上げます。
 まず第一章でありますが、第一章は、総則的事項を規定したものであります。その内容のおもなるものをあげますれば、まず第一には、水道事業を一般供給水道事業と卸供給水道事業の二つにわかち、これらの事業を行う者が水の供給の用に供する施設を水道とし、さらにこの水道とは別に専用水道なるものを定義いたしたのであります。
 次に、第二には、水道事業の経営は、原則としては地方公共団体が行い、地方公共団体以外の者が水道事業を経営しようとするときには建設大臣の特許を要することといたしました。
 さらに、第三には、水道の施設の基準を定め、さらに水道によつて供給される飲用に供する水の水質の基準を定めました。そして、この水質基準に関する省令は、前に述べましたごとく、建設省と厚生省の共同省令といたしたのであります。
 次は、第二章であります。第二章は、水道事業の経営に関する事項を規定したものであります。そして、その第一節には、通則的事項を規定いたしました。その内容の主なるものをあげますれば、まず第一は、地方公共団体が水道事業を経営しようとするときまたはその事業内容、工事設計等を変更しようとするときは、あらかじめ、建設大臣に届け出ることといたしました。
 次に、第二には、地方公共団体以外の者が水道事業を経営しようとするときには建設大臣の特許を必要とし、また、その事業の内容、工事設計等を変更しようとするときには建設大臣の許可を受けることを必要とすることにいたしたのであります。
 そして、第三には、水道事業の譲渡、休止及び廃止並びに法人である水道事業者の合併及び解散等につき規制いたしたのであります。
 次に第二節は、水道の布設及び管理に関する事項を規定したものであります。その内容のおもなるものを申し上げますと、まず、第一には、地方公共団体が水道事業者である場合には、単に届出をすればよいということになつておりますため、次のような規制を設けました。
 一 建設大臣に事業経営の届出をした後一定期間、これは六十日でありますが、その期間中は特別な事情がない限り工事に着手してはならないこと。
 二 建設大臣は、必要があれば、工事設計の変更を命ずることができること。
 以上であります。
 次に、第二には、水道事業者は、導管の設置のため必要があるときは、一定の条件のもとに、道路等の公共用地を使用することができることといたしました。
 次に、第二には、飲用に供する水を供給する水道事業者は、定期にまたは臨時に水質検査を行うこととし、また、その水の供給を受けている者は、その水道事業者に対して、その供給を受けている水について水質検査を請求することができることといたしました。そして、この水質検査の実施に関して必要な事項も、建設省と厚生省の共同省令で定めることといたしたのであります。
 次に、第四には、水源保護の必要性から、一定の例外を除き、何人も、都道府県知事または建設大臣の許可を受けなければ、水源の水位または水量の変更を来す行為及び水源を汚染させる行為をしてはならないという規定を設けました。
 そして、最後に、水道の布設及び管理にあたつては、一定の資格を有する責任技術者を置き、その者に技術上の業務を担当させなければならないことといたしました。
 次に第三節は、給水業務に関する事項を規定したものであります。その内容の主なるものをあげますれば、まず第一には、給水業務は、都道府県知事または建設大臣の工事完成の認定を受けた後でなければ、開始できないことといたしました。
 次に、第二には、一般供給水道事業者の給水義務を規定いたしました。
 次に、第三には、一般供給水道事業者は、給水規程を定め、その給水規程に定める供給条件に従つて水を供給しなければならないことといたしました。
 そして、第四には、地方公共団体以外の卸供給水道事業者の供給条件に関し規定いたしました。
 次に、第四節は、給水施設に関する事項を規定したものであります。その内容としておもなるものをあげますれば、まず第一には、給水施設の設置及び管理は、原則として、その利用者が自己の負担においてすることを定めております。そして、第二には、貧困のためみずから給水施設を設置することができないような者のために、市町村は、共用給水施設を設置しなければならないことといたしました。
 次に、第五節は、専用水道に関する事項を規定したものであります。
 まず第一には、専用水道の設置をしようとするときには、あらかじめ建設大臣に届け出ることが必要であることといたしたのであります。そして、第二には、飲用に供する水を供給する専用水道については、飲用に供する水を供給する水道事業者に対して規定されている水質基準及び水質検査の規定を準用することといたしました。
 次に、第三章に水道事業の監督及び国の補助に関する事項を規定したもので、その内容のおもなるものを申し上げますと、まず第一には、この法律の規定に違反して水道事業の経営ないし水道事業の工事を行う者を規制いたしまして、建設大臣は、これらの行為を行つた者に対し、当該水道事業の工事の中止又は給水業務の停止を命ずることができることといたしたのであります。
 次に、第二には、建設大臣は、水道事業者に対し、その水道の施設の全部又は一部が水道の施設基準に適合しなくなつたときは、その施設の改築等を命令し、また、飲用に供する水が水質基準に適合しなくなつたときは、水質基準に適合させるように必要な措置をとることを命ずることができることといたしております。
 次に、第三には、地方公共団体以外の水道事業者に対する特許の取消し、または給水区域の減少等を規定し、建設大臣がこれらの処分をするときには、必ず当該処分を受ける者又は代理人の出頭を求めて公開の聴聞を行わなければならないことといたしました。
 次に、第四には、以上の監督を十分ならしめるため、報告の聴取並びに立入り検査等の規定を設けました。
 そして、第五には、国は、水道の新設、増設、改築等に要する費用の一部を補助することができることとし、また都道府県がこれらのものに対する補助に要する費用についても、都道府県に対し、その経費の一部を補助することができることといたしました。
 次に、第四章は雑則でありますが、第一には、建設大臣は、公共の利益を保持するために必要であると認めるときは、水道事業者に対し、他の水道事業者に水を融通すべきことを命じ得ることになつています。
 次に、第二には、地方公共団体は、地盤沈下のため地下水のくみ上げを禁止し、または制限をした場合は、必ず地下水のくみ上げにかわるものとして、みずから水道事業を経営するなり、水道を増設する等適当な措置をとるように努めなければならないことといたしました。
 そして、第三には建設大臣の権限の都道府県知事に対する委任及び訴願を規定いたしました。
 最後に第五章は罰則の規定であります。なお、附則におきまして、水道条例の廃止に伴う必要な経過措置を規定いたしました。
 以上が水道法案の大要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げる次第でございます。
#6
○小島委員長 以上で趣旨の説明を終りました。なお本案についての質疑その他は次会以後に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○小島委員長 次に内閣提出の水道法案を議題とし、審査に入ります。
 まず草葉厚生大臣より趣旨の説明を聴取したいと存じます。厚生大臣。
#8
○草葉国務大臣 ただいま議題となりました水道法案につきまして提案の理由を御説明いたします。本法案は、厚生、通商産業及び建設三省の共管でございますが、私から御説明申し上げます。
 申すまでもなく水道は、飲用、鉱工業用等の需要に応じて水を供給する施設でありまして、国民の保健衛生、並びに都市施設の整備と鉱工業の生産上にも重要な施設であります。従いまして水道の布設及びその管理について適切な規制を行い、又水道事業を保護育成することにより、その普及をはかりますことは、国家的に見てこの際、最も重要なことと存ずるのであります。しかしながら現行の法規といたしましては、明治二十三年に制定されました水道条例があるのみで、その規定は、はなはだしく簡単であり、現下の実情に沿わない点が多々あるのであります。政府といたしましてはこの点にかんがみ、慎重に検討を続けて参つたのでありまするが、このたびようやく成案を得て、ここに本法案を提出いたしました次第であります。
 次に本法案の概要につきまして御説明申し上げます。本法案の構成としましては、水道の中でも国民生活に最も密接し、かつ重要である上水道につきまして詳細に規定し、簡易上水道、専用上水道、事業用水道につきましてはそれぞれの特異性に応じ、特例の規定を設けることといたしたのであります。まず上水道の規制につきましての主要な点は、第一に上水道の水質基準及び施設基準を設けたことであります。
 申すまでもなく、国民の飲用に供する上水道につきましては、良好な水質、水量及び適切な施設を確保することが、必要不可欠の要件であると考えられるのでありまするが、遺憾ながら現行の水道条例ではこの点がはなはだ不明確でありまするので、この点に関する規定を整備することにいたした次第であります。
 第二に上水道事業の経営主体を原則として地方公共団体としたことであります。すなわち現行法では市町村公営主義によつているのでありまするが、水道の布設される地域が、漸次広域を対象とする傾向から見ましても、水道の事業主体は、市町村に限ることなく、むしろ府県をも含めた地方公共団体公営主義をとることが至当と考え、そのように規定いたしました。
 第三に地方公共団体が水道事業を経営いたしまする場合の現行の認可制を改めまして届出制といたしたことであります。地方住民の福祉につきまして最も強い関心を有し、熱意を持つている地方公共団体の自主性を尊重しつつ水道の普及をはからんとする趣旨に出ずるものであります。
 第四に水道の布設及び管理にあたつては、一定の資格を持つ責任技術者に担当させることに規定したことであります。
 第五に水源保護のための特定の行為を禁止する水源保護地域の規定を設け、水源の水質並びに水量の保全を適正にはかることにいたしました。即ち第四及び第五の二点は、水道を常に安全且つ良好な状態に保持し、上水道の目的たる国民の飲用に供する水を確保するために不可欠なものであると考えて新たに規定したものであります。
 上水道に関する主要な規制といたしましては一以上申し述べました諸点でありますが、次に各種水道について申し上げますると、まず簡易上水道につきましては、水道の構造及び規模等よりいたしまして布設業務及び技術管理を担当する責任技術者の資格等について規制を緩和することとし、水源保護地域の指定及び解除の手続についても簡素化いたすことにいたしたのであります。
 次に事業用水道につきましては、現下わが国の鉱工業の立地上隘路となつております用水を確保することが緊急でありまするので、水道部門における工業用水その他原水供給の水道を事業用水道として特別に規定することといたしました。すなわち上水道一般の規制によらしむるほか、施設基準及び水源保護地域の指定基準につき特例を設けることとし、さらに鉱工業等の生産原価への影響を考慮し、水道料金の規制等についても特別の規定を設けることとしたのであります。
 さらに専用上水道につきましては、おおむね、上水道に準じた規制を行つたのでありますが、事業経営の特許、給水義務等は、除外いたしたのであります。
 次に現行水道条例に欠けている行政監督の規定を整備して行政の実効を確保することをはかつた次第でありまするが一面かかる行政処分に対する水道事業者の立場からの救済手段といたしまして、訴願の申立て及び裁定の申請の規定を新たに設け、万遺憾なきを期したのであります。
 次に地方公共団体が行う水道事業に対する保護育成の手段といたしましては、国がその費用の一部を補助する規定を新たに設け、現行水道条例の不備を補い、あわせて水道事業に対する国の助成につき制度上明確化することといたした次第であります。またこの法律の実施の責にあたる主務大臣につきましては、行政事務の能率化の見地から、各水道の種別によりましてあるいは、水道行政の内容によりまして、それぞれ最も適当と考えられる主務大臣をもつてこれに充てることにいたし、もつて各関係大臣の権限を明確にいたしました。また一方これと相並んで可及的に都道府県知事にその事務の一部を移譲し得るようにいたしたのであります。
 以上が本法律案の概要であります。何とぞ慎重に御審議あられんことを切望する次第であります。
#9
○小島委員長 以上で趣旨の説明は終りました。
 なお本案についての質疑その他は次会以後に譲ることといたします。
 次会は明二十日の午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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