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1953/05/27 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第51号
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1953/05/27 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第51号

#1
第019回国会 厚生委員会 第51号
昭和二十九年五月二十七日(木曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 青柳 一郎君 理事 中川源一郎君
   理事 松永 佛骨君 理事 古屋 菊男君
   理事 岡  良一君
      越智  茂君    庄司 一郎君
      降旗 徳弥君    安井 大吉君
      滝井 義高君    萩元たけ子君
      柳田 秀一君    山口シヅエ君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
 出席政府委員
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (企業局産業施
        設課長)    大宮 二郎君
        建設事務官
        (計画局総務課
        長)      江ヶ崎太郎君
        建 設 技 官
        (計画局水道課
        長)      岩井 四郎君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
    ―――――――――――――
五月二十七日
 委員佐藤芳男君辞任につき、その補欠として町
 村金五君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致の件
 水道法案(内閣提出第一八〇号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 まず覚醒剤取締りの問題について、参考人招致の件に関しお諮りいたします。来る二十九日、本問題についての調査をいたしたいと存じますが、本問題は社会的にも重要な問題でありますので、関係者に参考人として出席願つて、意見を聴取したいと存じます。東京療養所宮本博士、松沢病院長林しょう君、船橋総武病院長竹山博士、東京大学薬学部の秋谷教授、以上の四君を参考人として選定し、御出席願うことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
#4
○小島委員長 次に内閣提出の水道法案を議題とし、質疑を続行いたします。柳田秀一君。
#5
○柳田委員 水道によりまして伝染病が集団的に発生いたしますと、そのもたらす災禍が非常に大きいのでありまして、これは日本あるいはその他の諸外国においてもずいぶんと例があり、しかも水道の分布の地域によつてはつきりとこれが証明されるというような幾多の事例もあるのでありますが、この資料の「水道によつて集団的に発生、流行したと認められる伝染病調」というところを見ますと、従来は赤痢よりもチフス系統の疾患が比較的多かつたのであります。最近チフス系統の疾患はほとんど跡を絶つておるように思うのですが、この点はまことに御同慶の至りであります。問題は赤痢がやはり依然として非常に多いようですが、これの原因等について調査されておわかりになつた点はございますか。さらにこういうふうに従来は腸チフス系統が多かつたのですが、最近は赤痢系統にかわつておるという何らかの因果関係等、おわかりでありましたならばお知らせ願いたいと存じます。
  〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕
#6
○楠本政府委員 ただいま御指摘のように、以前はまれに見る水道による流行、あるいは一般的の伝染病流行というようなものには、腸チフスが多かつたのであります。最近はこれらのものは戦前の十分の一程度に減少いたしました。にもかかわらず、赤痢につきましては年々流行を来しておる次第でございます。この理由といたしまして、まず第一に考えられますことは、直接問題といたしまして保菌者の増等に一番大きな原因があるように思われます。しからばこの保菌者が何によつてふえるかと申しますと、これは一つには、屎尿処理その他の汚物処理の徹底を欠いておりますために、比較的赤痢菌が外界にちらばつておるということが第一に考えられます。特にこの傾向は、最近都市の人口の増に伴いまして、屎尿処理の不円滑と相まつて、潜在が増加しておるように考えられます。第二点といたしましては、最近家庭薬としていろいろ下痢、ダイアジン系統の薬品を使いますために、一応症状はただちにとれるが、しかし保菌者として残るようなものが多いというところから、保菌者が増加をいたしまして、このために患者が跡を絶たないというのが実相だろうと存じます。そこでその事実がいろいろな方面に波及いたしまして、最近まれに水道によつて流行を来す疾病――菌がそれだけ蔓延しております関係で、水道による流行も赤痢が多くなつたのではなかろうかと考えております。これに反しまして、一方腸チフスというようなものは、逐次幸いにも私どもの周囲から絶滅しつつある傾向であろうと存じます。従つてかような流行は著しく減少して来ておる、こう考えております。
#7
○柳田委員 資料の百三十九ページの「最近の水道水による消化器系伝染病集団発生調」、ここで発生場所を見ますと、官舎、社宅、寄宿舎等が多いのです。こういうように主として赤痢の集団発生ですが、これらの水道はいわゆるそれぞれの自治体の営んでおる一般水道と称せられるものの水道ですか。それとも――簡易水道はほとんどないようでありまして、一箇所ありますが、簡易水道ですか。それとも会社、工場、寄宿舎等が独自に営んでおる水道ですか。その比率等ははつきりしておりますか。
#8
○楠本政府委員 ここにあげてありますものは、ほとんど大部分はいわゆる自家用として、会社、工場、病院等で設けておる施設でございます。従いましてこれらのものに関しましては、従来ほとんど取締りあるいは指導という手が伸びておらなかつたのであります。そこで今後かような事態がさらに増加する傾向にもありますので、水道法案におきましては特にこれら民営の自家用の水道につきましても、これを専用上水道の名のもとに、一般上水道あるいは簡易水道に準じて取締り、あるいはいろいろな義務を付したり、その安全をはかることといたした次第であります。
#9
○柳田委員 それは何条ですか。
#10
○楠本政府委員 これは各条に入つておりますが、第三条水質基準、あるいは施設基準すべてに、いわゆる専用上水道、つまり自家用水道が適用を受けることに相なつております。なお第二条におきましては、この用語の定義の中に専用上水道を第八項でうたつておる次第であります。
#11
○柳田委員 そこで最近の集団発生は、ほとんどそういうような自家用水道から起つておるのですが、このたびの改正法律案では、それに対するところの監督規定等も設けてあるようであります。これに対してそういう十分な維持管理と申しますか、そういうことをしない場合の罰則規定等はどうでありますか。
#12
○楠本政府委員 これらは一般上水道並びに簡易水道等と同様、罰則規定が適用されることに相なつております。あるいは改善命令等の処置も講ぜられることと相なつております。
#13
○古屋(菊)委員 今の集団伝染の点に関連してお伺いいたしますけれども、山梨県の甲府に流行しましたのは、ほとんど菌が大原菌のようですが、こういう点から見ますと、消毒の不完全というようなことではございませんでしようか。こういう監督に対してはどんなふうになさつておりますか。
#14
○楠本政府委員 今回甲府市に流行いたしました赤痢につきましては、いまだ最後的な決定を見ておりませんが、少くとも水道以外に考える何ものも原因としてないのでありまして、従いまして今のところは一応水道ではなかろうかと考えまして、さらに精細な調査を続けております。なおこの場合、塩素滅菌器がついておりましたが、その使用量が日誌から考えますと、購入した量並びに水量と比べまして、署しく量が少いので、従つておそらくその直接の原因は、残留塩素の不足が原因ではなかろうかと考えております。そこで今回の法律におきましては、塩素滅菌を必ず義務づけてございます。しかも残留塩素は常時におきましては〇・一PPM、災害時あるいは伝染病流行特等におきましては〇・四PPMを保持しなければならないことといたしてございます。なおこの残留塩素の量につきましては、これを政令に譲つてある次第でございます。
#15
○古屋(菊)委員 甲府の方を調査してみますと、今患者がほとんど二百名に達しておるし、そして四月三十日は二十九名出ておる。それで全体の保菌者を調べてみると、ほとんど三%以上になつておつて、保菌者が三、四千名あるというようなうわさを聞いておりますが、これに対しての御処置はどうなさるお考えでございますか。
#16
○楠本政府委員 保菌者が三、四千名に及んでおることも事実でございます。従つてかように広く、しかも比較的病毒の薄い感染を受けた点から考えて、私どもはまず水道と考えて間違いないだろうと考えます。それでこれらの処置でございますが、目下保菌者に対しましては、各個別に指導をいたしまして、手洗いあるいは食器の分離その他を実施いたしておりまして、すみやかにこれらの保菌者が保菌状態を脱するような措置も講じております。従つて今のところは一口に申しますれば、この保菌者が他に病毒を波及せしめない措置に全力を尽しておる次第であります。
#17
○古屋(菊)委員 この水道の設備あるいは構造などに対しての御調査をなさいましたですか、いかがですか。
#18
○楠本政府委員 これも私どもの技術者が現地に参りましていろいろ調査いたしております。その結果は、濾過、貯水等の設備が当初計画いたしました量を、上まわつて水を送つておる。つまり当初の計画人口ではとても水が足りませんので、やむを得ず能力をオーバーして水を送つたということが、ほぼ明らかのようでございます。
#19
○庄司委員 ただいまの御質問並びに御答弁に関連いたしまして、当局のお考えを伺つておきたいと思います。われわれの社会通念は、上水道に対する信頼と言いますか、水道を布設したあかつきにおいては、当該水道の受給者、住民の範囲内においては、伝染病を防止することができ得るという、長い間の当局の御指導と、さような信頼感を持つて参りましたことは御承知の通りであります。そこでただいまのお尋ね及びお答えに現われておるようでありまするが、お答えにおいてもまだ足りません。なぜ足らぬかというと、水道の水を飲むことによつて、病原菌が個々の人体に病を発生させるというそのことは、最初の取口から送水、浄水、配水、給水、この五段階において一貫作業と言いましようか、一貫してその水質がより清浄なるところの水であらねばならぬことは申すまでもございません。ただいまのお答えの中には、この五つの段階の中の一、二の点をあげられておりますが、さように伝染病が大多数発生した等の場合においては、また平素においても、この給水に至るまでの五つの段階において、もろもろの黴菌や塵埃や、いわんや病原菌等が混入されておるかどうかというようなことも、周到なる検査が行われておらなければならないのであります。そういう点においては従来非常に欠けておる点がございました。これは決して当局だけが悪いのではなく、長い間の戦争等によつて、敗戦後送水も配水も給水も荒廃その極に達しておつたという、戦争のもたらした一つの悲哀でもあると私は考えておるのであります。そこでただいま問題になつておる問題を私アマチユアの診断から言いますならば、最後の段階におけるところの給水のパイプ等において、何らか病原菌を培養するような内容がなかつたであろうか。そこで厚生省の水道課におかれても、あるいは建設省の水道課等におかれても、その他都道府県の水道の指導監督の衝に当られる方々にも、ぜひ一度ごらんをいただきたいのは、最も明瞭にわかるのは、一定量の給水を受けておるそのメーターでございます。一体このメーターの検査が一箇年間に何回行われておるか。東京都内においては大体一箇年によくて一回。それは都内の給水区域が広い関係でもございましよう。あるいは検査する人員において、構成メンバーにおいて少いという点もございましようが、もとは三年に一回ぐらいでございました。最近は一箇年に一回ぐらいメーターの検査が行われておる。このメーターの検査をぜひ水道課長等においては、一度お立会いの上で見ていただきたい。メーターには最近わが国において発明されておるところのメーターもございましようが、従来イギリスあるいはフランスより輸入するところのイギリス・メーター、フランス・メーターである。表の道路の導水管をとめて、それから給水のパイプをとめて、そのメーターをはずして、それで油をもつて洗いますね。たいへんこまかいことを申し上げるようだが、その際において、そのメーターの中に何があるかというと、これはひとつ写真にでもとつて拡大してごらんになるならば、驚くべき光景であります。そこにはみみずがあり、ひるがあり、もろもろの黴菌がうずまいておる。そのわけであります。何年に一回しかそのメーターターを検査しない。検査して、再び油をもつてきれいにそれを浄化して、また元通りやるのです。もとより取口の取水において、あるいは沈澱関係において水が浄化される。あるいは御説明のように塩素殺菌においてそれはある程度まで浄化されます。けれども直接給水を受ける各家庭のその給水品あるいはメーター、そこが衛生的、医学的に見て実にさんたんたる光景である。そこで私のお伺いし、また御献策申し上げたいことは、各家庭の給水口においてあるいはメーターにおいて、その掃除を、でき得るならば一箇年に一回、でき得るならば月に一回、また必ずしも専門的な手腕力量もいりませんので、おいおいは各家庭のおかみさんでもメーターのある部分をある程度までは自発的に掃除しあうというような、そういう訓練を与えたいものである、こういうことを考えておりますが、特に水の直接家庭に給水をするその給水品、あるいはメーターの掃除等について、厚生省は各都道府県自治団体の水道指導監督の関係者にどういう御指導をなされておるか、この点をお伺いしたいのであります。
#20
○楠本政府委員 水道の維持管理につきましては、私ども維持管理指針というもの途つくりまして、これによりまして全国的に市町村、都道府県等の水道の係官の講習あるいは再訓練等をいたしまして、徹底をはかつておる次第でございます。しかしながらただいま御指摘のような、メーターから参りますところの水の汚染、メーターの管理の不備から参ります弊害というようなことにつきましては、今後十分に研究をいたしまして、ただいま御指摘のような点のないように十分な留意を払いたい、かように考えております。
#21
○庄司委員 どうかさような御方針で御励行を願います。
 それから水道工事の工事者、事業者は、都道府県あるいは市町村の自治団体の理事者であることは言うまでもございませんが、その理事者が当該市町村内の水道工事を請負わしめる場合におけるその方法であります。ただいま建設省の大臣の免許証あるいは府県知事の免許証を持つておる土木建築の請負者は、一般競争入札においてだれでも入札ができるのであります。その結果、従来水道工事に何ら経験のございませんところの、いわゆる土工のはい上り的な者が、入札の場合において入札金をたたいてとる。ところが大事な水道工事の経験がありませんがために、その結果においては水道工事そのものは、非常なインチキなものがここに現われて来る。なるほど水道検査という検査はありますけれども、その検査もどうやらごまかされてハスする場合がままあるのであります。かようなことはその水道工事の耐久力の上からいいまして、生命力の上からいいまして、また内容においては、もろもろの汚水あるいは汚物、異物が混入するおそれがあるような、そういう行為をやるのであります。特にパイプとパイプを継ぎ合せるジヨイントにおいてごまかす。そういう観点から、請負者の資格はありましても、水道工事にある一定の年限あるいは工事回数等の資格のない者は、これは当然オミツトすべきであります。ただいまたいへん民主主義になりまして、だれでも資格のある者は競争入札ができるという民主主義的の入札方法が、結果においては災いをなしておる。そこで相当資格のある者を選定して、りつぱな有資格の請負者をして工事を請負わしむるというような指導方針が適当であると考えておりますが、御当局はどうお考えでございましようか。これはもつぱら建設省の水道課長の方にお伺いしたい。
#22
○岩井説明員 お答えいたします。ただいま委員のおつしやつたことは一般の工事だと思いますが、一般の上水の工事におきましては、一応仕様書なりまた設計書なりを出して、その通りにやつていただけば形は正しくできるのであります。ことにこの法律におきましては責任技術者が監督をなすわけでありますから、従来よりはずつと正確な工事ができると思います。しかしただいまおつしやいましたように実際やつている工事者がしろうとであるために、不測の事故が起きるということはあり得ると思います。これはもちろん各事業者に工事者の選定をまかされておるのでありますが、しかし実際におきましてはできるだけ経験のある優秀なる工事者を選定して指名をいたしまして工事をさす、こういうような方法を最近とられつつあります。ただいま申されましたように全然しろうとがやつているのが今まで多少あつたかもわかりませんが、今後は先ほど申しましたように責任技術者が監督いたしますから、そういう事例はだんだん少くなるじやないかと思います。
#23
○庄司委員 けつこうです。その御方針で御指導を御励行を願いたい。同時に厚生省なりあるいはもつぱら工事関係方面を指導監督くださるところの建設省におかれましては、農村山村の小さな簡易水道等の御視察までは願われないありましようが、少くとも相当大きな市町村の工事等は何らかの方法で絶えず巡回をされ、その工事を指導する。本法によつて責任の技師が設置されますからたいへんけつこうのようでありますが、本法が施行されましてもここ数年間は過渡期でありますから、厚生省、特に建設省のあなたの課のエキスパトの諸君が各地方に出張されて、この御指導を賜わることがけつこうであると考えておるのであります。あるいは本省から行けないならば、各地建から専門家を派遣する、そうして耐久力のある、事故のない、結果においては病原菌等が混入する余地を与えない、より完全なるところの水道の工事が施行されるように願わしいのであります。きのうも申し上げた通り本法施行後ただちに適当な時期に、各府県あるいはブロツク等において、地建の局長さんの御主催でもけつこうである、あるいは厚生省の各ブロツクに派遣されておる出店の方とも協力されて、一大講習会を開催されて、本法の趣旨をよく理解し納得すると同時に、この後の運営のあり方についてひとつ画期的な体得をされるということが大切であると考えますので、この点は重ねて申し上げたいと思います。
 何か厚生大臣が御都合ですぐ来られないようでありますから、その方は保留いたします。こまかい方はこれをもつて一応終ります。
#24
○青柳委員長代理 厚生大臣はもうしばらくたつとお見えになると思います。次に岡良一君。
#25
○岡委員 水道法と関連をしてこの機会にお伺いしておきたいことは、最近のビキニの方の実験の放射能による水の汚染の問題であります。
 第一にお伺いいたしたいことは、一体われわれが飲料の用に供する水は、放射能がガイガー計数管等によつてどの程度まで証明されたときに人体に危険であるかということについての、何かはつきりした基準を、すでに厚生省としては立てておられるのかどうか、また立てておられるとすれば、そういうような危険に対する防止のための測定の組織というふうなものを持つておられるかどうか、こういう点をまずお伺いいたします。
#26
○楠本政府委員 お答えを申し上げます。第一点の水の中の放射能のいわゆる恕限度という問題でございますが、これはきわめてむずかしい問題でございます。しかしながら私どもは、現在のところアメリカの原子力委員会において各実験等の結果を総合して作成いたしました一応の基準度がございます。これはキユリーという単位で、一CCごとに一〇のマイナス七乗までは人体に支障がないと言われております。そこでこの数字を最も行政的に簡単な措置としてカウントに計算をし直すということでございますが、これらはカウンターの能率も影響をいたしますし、また中に溶けて入つております放射能物質の性質によつても違つて参りますので、正確にこれをカウント数でキヤツチすることはできませんが、私どもはこれらの幅を見越しまして、一応バツクグラウンドを除いて二十から五十程度までがこのキユリー単位に相当するものと考えております。従つて私どもは行政的には一応バツクグラウンドを除いて五十程度まで、かように考えて指導をいたしておる次第でございます。
 次にこれらの水の汚染をキヤツチいたします組織でございますが、現在私どもは各地の水道当局に対しまして、念のため一応降雨時においては貯水池あるいは給水口の水の放射能を検査するように指導をいたしております。それから一方この基礎となります雨につきましては、各大学あるいは気象台等にお願いをいたしまして、これらの雨の検査を実施をいたしておる次第でございます。しかし私どもは、今後当分の間もう少しく組織的に何らかの措置を講じまして、これらの実情を正確に総合的に把握できる仕組みにいたしたい所存でございます。
#27
○岡委員 これからだんだんと降雨期にさしかかつて来るのですが、最近も雨が降る都度新聞に大きなニユースとして報道されていることは、あるいは鹿児島、あるいは京都に相当なカウントの放射能を含んだ雨が降つておる。そういう場合に厚生省の方は、京都なら京都の水を供給しておる貯水池なり給水口なり浄水池なりについて、ただちにガイガー計数管をもつてカウントを測定するという措置は講ぜられましたか。
#28
○楠本政府委員 先般の十六日の雨以降かなり濃厚な放射能が証明せられましたので、ただちに御指摘のような手配をいたしまして、京都、大阪、東京その他の地方におきまして水道水を綿密に調査をいたしました。幸いに貯水池にも給水口にも全然放射性物質の反応を証明し得なかつたのであります。ただ私どもが最も心配をいたしましたのは大島その他の雨水をそのまま集めて飲んでいる地方でございますが、これらにつきましてはただちに大島から水を取寄せまして十分検査をいたしました。
#29
○岡委員 先ほど御自身でおつしやつたように、何しろにわかなことでもあるので、測定する装置そのものがきわめて十分ではないものが多いのではないかと思われます。測定の技術についてもまだまだふなれな人も多いのじやないか。そういういわば装置そのものもなかなか十分でもなく、しかもそれを扱う手ぎわにおいてもふなれである、もしこういうようなことであるとすれば、せつかくの努力もほんとうの正しい結果をつかみ得ないうらみが出て来るわけなので、そういう点を今後まだまだ改革をしなければならないと思うのですが、そういう点についてあなた方の方で何かこうしたらという具体的な御計画がありますか。
#30
○楠本政府委員 今私どもが一番悩んでおります点は、この検査をする実施期等がまちまちであることであります。あるいは調査の方法が統一を欠いておるという点であります。従いまして私の方といたしましては、早急にこれらの検査あるいは調査の基準を設けまして、正しい、あるいは比較し得る結果を得たい所存でございます。一方ガイガー計数管等の性能につきましても、現在若干まちまちな点があるのでございます。従つてこれらの各種の機器につきましてはとれをぜひすみやかに標準化するようにいたしたいと存じます。そうしてしかる後に、一方並行いたしまして、各地方あるいは大都市等に勤務いたしております技術職員の訓練を徹底させまして、かようなものに対処いたしたい所存でございます。
#31
○岡委員 ぜひともこれはこの次の委員会までにでも、御計画だけでもけつこうですから、今おつしやつた測定の系統立つた組織の体系、またその基準の設定、あるいはまたその他必要な諸条件、こういうふうにすれば全国的に飲料の用に供する水については放射能の汚染による人体の障害から守れるのだという一つの具体的なめどを、環境衛生部の試案でも、あるいは楠本試案でもけつこうですからお示し願いたい。それに伴う予算はどれだけいるのかというようなこともあわせてひとつ、できるだけ近い機会にぜひとも御提出願いたい。
 なおこれは将来、場合によれば非常に不幸な事態ではあるが、やはり必要な問題ではないかと思われるのでありますが、水が濾過されると放射能が急激に減退するといわれる。あまりそうでないということもいわれる。一体あなた方の方で、そうであるのかないのかという点はお確かめになつたのでしようか。これは将来放射能を減退せしめるために濾過するということになつて来ると、実際上大きな問題であると思いますが、そういう点からどのような結論を考えておられるか、伺いたい。
#32
○楠本政府委員 放射能の濾過性という問題でございますが、従来までの実験あるいは研究等の成績を総合いたしてみますと、放射性物質には浮遊性のものと、比較的すみやかに溶解する性質を持つているものとがあるらしいのでございますが、この場合溶解しておるものは濾過効力はございません。ただ若干吸着される傾向がありますので、この場合吸着だけはある程度目的を達し得るものと存じます。一口に申しますと、浮遊性の放射物質の多いものは濾過効果が大いにあがりますが、溶解性のものはあまり効果があがらないということがいえると存じます。
 次に、しからば浮遊性のものと溶解性のものといずれが毒力が強いかという点になりますと、いまだ各国とも研究が進んでおらぬようであります。但し汚染せられた直後におきましては、いまだ溶解する時間がありませんので、多くの放射性物質がいずれも浮遊の状態でおります。従いまして私どもは、指導といたしましては、集水した水をすみやかに濾過するように指導をいたしております。たとえば大島で天水をとつた場合、とつたらあしたの朝までほつとくようなことをせずに、ただちに濾過するような指導をいたしておる次第でございます。
 なお私どもの行いました実験の結果では、砂あるいは木炭あるいは活性炭素等による濾過によりまして、おおむね全量で五〇%程度を減少せしめられるもののようであります。
#33
○岡委員 最近東大の物理学教室が発表したいわゆる二十二の原則というものを、昨日の新聞で見ておるのですが、あの中には、特に燐とか硫黄とかカルシウムというふうなものは二次性の放射能を帯びて来ておるものであることがいわれております。そうしますと濾過をしたら放射能が非常に減退をするというのは、物理的な性質を持つた塵埃、灰等においてはそういうことが期待できるかもしれないが、空気中のイオンが二次的に放射能を帯びておるとすれば、こういうものが濾過によつて減退するはずはない。そこにまた問題の空白があるので、こういう問題はやはり東大の物理学教室あたりの諸君によく御研究いただいて、はつきりした結論を出していただくことが必要ではないかと思います。
 私はずつと前の委員会のときに、二次性の放射能についてはお話をお伺いしたわけですが、ビキニなりエニウエトツクの環礁で水爆の実験があつた場合、この実験による爆発の瞬間に発生する中性子が、海水中における燐や食塩、ナトリウム等のイオンに対して二次性能を与える危険がある、もしこういうものを与えた場合には、赤道を北上する黒潮の中に十分入つて来るはずである、それによつて、放射能に汚染された近海魚が日本の周辺に来ると思われるが、そういう心配はないかと申したいところが、当日御出席の東大の教授のお話では、しかしながらほこりとして散つた限りにおいては、だんだん距離が遠ざかれば遠ざかるほど、海洋の表面において拡散するから、放射能による汚染度は少いのだ、こういうことであります。しかし現に東大の物理学教室が、二次性的に発生した放射能を元素として発見しておる。そうなれば、海中に含まれておるところのナトリウムも塩素も、あるいはその他含まれておる諸種の燐であろうが、硫黄であろうが、カルシウムであろうが、こういうものが全部二次的な放射能をイオンとして帯びて来れば、非常にはげしい力で北上して来るから、日本の近海魚というものは当然放射能によつて汚染されて来る。そうなると日本の食糧問題としても重要なる影響が来るわけであります。その後近海魚の放射能についてもいろいろお調べを願つておるようでありますが、最近そういう事態が起つていないかどうか。二次的な性能を帯びたものが東大の物理学教室によつて発見されておるということは、この問題と切つても切れない関係があると思うので、そういう事実があるかどうかという点を伺いたいと思います。
#34
○楠本政府委員 二次性の放射能が現われておりますことは事実のようでございます。しかしながらそれによつて日本の近海の海水が汚染されたということはいまだ認められません、のみならず、かようなものはその量と並びに海水の量からいつて、日本近海においては、海水汚染というものはあまり神経質にならないでよいのではなかろうかと考えております。しかしながらただいまも御指摘のように、最近台湾沖、あるいは沖繩沖等で漁獲されます魚にまれた放射能を発見いたします。しかしながらこれらがきわめて散発的に、まれに思い出したように出る事実、あるいはその沈着の程度が骨あるいは筋肉等にすでに沈着しておる事実等から考えまして、被害を受けてから相当の時間を経過しておるものと考えられます。そこでまぐろの習性、特に遊泳する距離等から考えまして、これらは南方において汚染されたものがたまたま遊泳して来たもの、かように考えておりまして、海水の汚染によるものとは考えないということが水産専門家の意見でもあるわけであります。
#35
○岡委員 今大臣がお見えになつたので申し上げておきたい。先ほど環境衛生部長に資料の提出をお願いしたのでありますが、これは先般の委員会においても、私どもから強く要求をいたしておつた点で、要するに水爆の実験等に伴つて海水が汚染される、雨水が汚染されるということは、当然食糧の問題、飲料水の問題として国民の生活に至大の影響があるので、これは直接の被害者、あるいはまた被害者の家族についての治療、生活の補償のみならず、国民の栄養とか、そういう観点からも政府としては十分の努力を願いたい――ところが、当時大臣の御答弁では十分考慮するというお話でありましたが、新聞紙等を見ますとわずかに百八十万円で、これでは手をあげておるというのが実情のようであります。こういうことでは国民の不安も一向に去らないし、しかもひんぴんとして雨水の汚染等が伝えられておるということになりますと、せつかくの水道がいかに管理されましようとも、その元である水そのものの不安が去らないでは非常に遺憾であると考えますので、いずれ私ども委員会としては、厚生省としてどういう体系をもつて統一ある対策を講ぜられるかということについての、予算等を伴う資料を御提出願つて、委員会で十分に審議をいたしたいと思いますが、大臣としても前会せつかく御答弁があつたのですから、特にこの点についてもまた御善処をお願いしたいと思います。
#36
○草葉国務大臣 お話のように、ビキニ環礁におきまする水爆の実験以来、いろいろな関係において影響をいたして参つて、それが漁獲の問題、さらに最近五月十七日以降と申しまするか、降雨の中に相当の放射能が発見されたという状態でありますので、それ以来各地の降雨につきまして、あるいは水等につきまして検査いたしました結果を総合して、現在手元に一応はとつて、これを判断の中心資料としております。しかし今後ずつとこれを継続してしばらくの間――あるいは今後原爆の実験があるなしによつてこれを左右されることとは存じますが、しかしいろいろ不安が相当あると存じます。従つてまず継続した調査をする必要があると思いまして、今までの降雨についての検査の模様は一応はとりまして、資料等であるいはお配りができると思いますが、今後もずつと継続してしばらくの間これをやつて、そうしてそれに対しまする、あるいは降雨を飲料水としておる、あるいは野菜等の場合における処置、そういう点について国民の不安を一掃いたしたい。そういう意味におきまする施策に対する経費等についても現在とりまとめまして、それぞれ関係方面と折衝したいと存じておる段階でございます。急いでそれをいたしたいと思います。
#37
○青柳委員長代理 次に庄司一郎君。
#38
○庄司委員 厚生大臣にお伺い申し上げたいことが二、三点ございますが、きわめて簡単にお尋ねをしたいと思います。
 ただいま話題となつておりますアメリカの水爆実験によるわが国民の一部の同胞に及ぼしたる影響はまことに深刻なものであります。このごろ私の郷里の塩釜港でも、帰つて参りました漁船の乗組員の中に原爆症にとりつかれておる者が数名現われております。そこでお伺い申し上げたいのは、何か本日午後アメリカに対して賠償を要求する関係の閣議があるやのうわさを昨夜安藤国務大臣の部尾でお伺いいたしました。ゆうべ安藤さんの部屋へ集まつた関係は、全国のもつぱらまぐろ漁関係の直接の被害関係の損害賠償を確保する上における下相談のような会合であつたのでございますが、うわさのごとく本日午後賠償要求関係における閣議等があられました場合、今まで障害を身体に受けておる原爆症患者の直接の医療その他の入院料あるいは家族の生活保護、そういう面から厚生省として内閣を通してアメリカに要請する、ある程度の損害賠償の基準となるべきところの原案がまとまつて出ておるかどうかということを、最初にお伺いしたいのであります。
#39
○草葉国務大臣 お話の点直接第五福竜丸におきまして被害を受けまして現在治療を受けております人たち並びにその家族に対する補償及びその費用等につきましては、一応あらゆる点から検討いたしましてその費用を計算して、安藤国務相が中心になつてこの第五福竜丸の被害についてのとりまとめをいたしております、そこで検討してそれぞれアメリカの方へも話をいたして参つたのでありますが、アメリカでもこれはこまかく随時にやるということでなしに、一括して一緒にやる方がいいじやないかという意見のようでありましたから、これらの点を考えて、なるべく一本にまとめて要求をし、それによる補償を受けるという方向に持つて行きたいという考え方で打合せ会を進め、その結果関係閣僚集まつて十分これらを検討しようじやないかということを相談いたしております。ただ本日午後かということは、まだ私の方には連絡がございませんが、急いでこれをやりたいということは申して来ておる次第でございます。そういうことになつております。
#40
○庄司委員 アメリカ国自身も相当良心に反しておることであると思いますが、主張すべき権利の点は一歩も仮借なく、単に直接の損害だけではなく、不幸にして長い将来、患者になられた御諸君が働けないのでありますから、従つてその家族の保護は一応さしあたりは生活保護法によつて援助するか、あるいは船主の方において援助するかはわかりませんが、家族の生活援護の面は厚生省はどういう対策をとられておるか、お伺いをしたいのであります。
#41
○草葉国務大臣 これは実は船員保険法によりますが入者が、全員二十三名加入者でございますから、船員保険法によりましては、当然その権利を保有しておる人たちでございます。従つて請求があり、また船員保険の加入者としての処置は当然いたすべき義務を持つておる次第でございます。だから船員々々によりまして当然支払うべき必要がある。ただ船員保険法には、月によつて制限をしたり、あるいは年によつて制限をしておりますから、それらの制限並びに金額、平均報酬月額等における金額によつて制限をいたしておる現在の立法になつております。従つてあるいは実際の場合においてこれが適当でないというようなこともあり得る場合もありましようから、従つて一方には法律的には当然船員保険によつて支払うべき義務、また要求し得る権利を持つておりまするが、全体としてこれは原爆の実験による被害でございますので、これらを総合しながら実際の生活費等を考えて一括してアメリカの方へ補償を申し出ておるような現状でございます。
#42
○庄司委員 本問題はその程度にして、直接水道法案に関係のあり、関連のある問題を二つほどお伺いしておきたいと思います。
 きのう楠本政府委員よりきわめて正鵠を得たるお答えを得ておつた問題でございますが、本法はむろん見通しからいいまして、あるいは若干の附帯決議等がつけられるかもわかりませんが、大体原案のままで各党各委員の御協賛を賜わり得るものであると私は考えております。その場合において新しい画期的のこの総合的な水道法案が実施されるあかつきにおいては、概して重複になるようですが、要点だけ申し上げると、わが国においては水道関係の専門の技術を体得しておる者がきわめて少い。一県平均約四、五名であります。そこでぜひひとつ講習会を開いて、本法の趣旨を徹底させ、了得させると同時に、技術の再講習をしてほしいというような点、それから本法によつてこの後各市町村の上水道、下水道あるいは簡易水道、これの健全な発達を保護助長して行くという本法の趣旨を運営する上において、ことしのように若干補助費が減らされたり、起債のわくが縮められたりするようでは、はなはだ遺憾であります。部長さんのお答えでは、少くとも十二億、あるいは起債のわくは二百億程度をもくろんで、来年度の予算の確保をしたい、こういう御希望のようでございまするが、厚生大臣としてはぜひ社会福祉のために――ただいま全国において新しく水道を希望しておる町村が教百箇町村あり、あるいは町村合併によつて合併して新しくここにでき上つた市が約百ぐらいございますが、こういう場合において上水道、あるいは部落においては簡易水道等の要望が相当熱烈に要請されて来ると思うのであります。そこで相当額の補助予算、それから相当額の起債のわく、要するに水道行政上における各市町村自治団体に対するところの水道財源、水道財政、水道経済、あらゆる観点より、でき得るだけ厚生大臣の責任において、内閣閣僚諸君特に大蔵省の了解を得られて相当額を確保し、御計画の十箇年計画でありましたか、その十箇年計画は五箇年計画に圧縮し短縮して、理想の一端をすみやかに実現することのあとうような措置に邁進を願いたいというような意味であります。
 もう一つは、私が毎度申し上げておる私の信念でございますが、厚生省が薬務官を各ブロツクに派遣しておる。仙台にも京都にも……。しかるにその注射薬の検査が不徹底であつたために、京都には二十六名の学童のあの不幸なる死亡の事件もありました、宮城県においては岩ケ崎という町において、現に二十何名の不具廃疾の状態にあるかわいそうな子供があるのであります。それは注射薬を薬務官が、専門官が検査しても、そこにエラーがあつたのであります。あの注射の場合において他の黴菌等が混入したかどうか、そこまでは私はわかりませんが、そこでこの水道の場合、ぜひ耐久力のある破損の少い、水道の生命力をより長く保持させるためには、水道の鉄管なり鋳鉄管なり、あるいは石綿セメントのパイプなり、すべての検査励行を実施したい、このことは今まで二度も私は申し上げて参つたのであります。なるほど形の上においては日本工業規格によるJISの方式によつて、水道協会が検査はされておる。けれどもその検査は不徹底であります。どこが不徹底であるかといいまするならば、ある有力なる大会社のごときは検査を拒絶して受けません。その会社の名前は大臣も御承知でありましよう。はつきりきようは申し上げる。秩父セメント会社、これは業界における大物である。しかも株式界からこれを見れば、一切の市場の株式を買い占めて、同族会社的な存在にただいまなつておることでございましよう。その会社のごときは、自分の工場のメイクした生産品は決して検査を受けない。おれの会社の製品はおれの会社の監査部がこれを検査するからいいのだ、水道協会はまことに当惑をしております。水道協会にはもとより強制力はない、ただ日本工業規格によつて、業者の申合せによつて検査をされておるだけでありまするから、強制力は持つておりません。私はこのことはまことに悲しむべきことである。むべなるかな、検査を受けない無検査のパイプが――これは鉄管のような、鋳鉄管のような直径のインチの大きな管ではありません。導水管ではありません。これは給水方面のこまかいパイプであるが、無検査のものが横行濶歩して、水道知識に乏しいところの市町村等においてこれを買うのである。そこに事故がひんぴんとして発生しておる。長野県だけで四、五箇村がその被害をこうむつておるのであります。工事施工後間もなくそれが破損する。これはパイプそのものの善悪ももとよりのことであるが、工事の施行において、水道工事に経験のない、心ない者の乱暴なやり方もあるいは手伝いをしておるかもわかりません。それはその面の建設省よりとくと御監督を願わなければならないが、パイプの検査の励行を何とか合法的にまた業者の納得を得てできないものでございましようか。甲乙丙丁の会社はまじめに出して検査を受けておる、戊己庚の会社はがんとして拒んで検査を受けない。それでは日本工業規格、JISのせつかくの計画というものも無残な状態に陥つておる。ひいては各町村に相当なる被害、損害を与えておるのであります。ただ単に売らんかな主義をもつてやつておるそういうふまじめな業者がある場合においては、厚生省なり建設省なりにおいて、特にそういう業者を呼びつけて、断固として、大多数の国民福祉の増進のためには、これは適当な処置を講ずべきものだと思うが、大臣はどういう御所感でございましようか。願わくは検査を励所して、でき得る限り完全なりつぱなパイプを市町村に供給することができるように、しこうして日本工業の健全なる発達のために、私はこのことを申し上げるのであります。決して一、二の会社のために弁ずるのではない。国民全体の福利福祉のために、町村水道将来の健全化のために、また本法の前置きの中にありますように、水道の健全なる発達と保護助長のために、私は検査制度の励行を何とか実施したい。本法の実施と同時に、もつと強化されたるところの施行細則あるいは政令でもお出しくださいまして、御善処くださる御意思があるかないか、私はこれに対する御答弁をいただいて、大臣に対する質問を終ります。
#43
○草葉国務大臣 水道行政は、全般の環境衛生その他国民保健の上から申しまして、まことに重大であり、御説のように今後大いに力を注ぐべき問題だと存じまして、これがすみやかな普及発展を期したいと存じております。ただいろいろ予算等の関係ありまするが、この点につきましてもつとめて努力をいたしたいと存じております。本年度におきましては、上水道で現在希望は約三百億程度になつておりまするが、起債は百億といたしておりますので、約三分の一程度であるような次第でございますが、簡易水道等と合せて、簡易水道では十年計画で着々進んでおり、ことに国会等の御努力をいただいて、この計画のすみやかな完成を期して参りたいと存じております。従つてこれらの完成と合せまして、その用具あるいは器具、あるいはこれが水道としての十分なる機能を発揮いたしまするためには、いろいろな点からさらに改善くふうを加えるべき点が多々あると存じます。先般もただいまの御指摘の引例等を庄司委員から承りまして、さつそく環境衛生部におきましてこれが対策並びに調査等をいたして参つておる次第でございます。これらの点につきましては今後一層努力をいたしまして、今後あるいは汚物が入つたりあるいは不十分なる器具のために不安なる状態に陥るということのないことを期して参りたいと存じております。なお具体的の御指示の点につきましては環境衛生部長からひとつお答えを申し上げたいと存じます。
#44
○楠本政府委員 最後に御指摘の石綿セメント・パイプの製品の不良から来ると思われるいろいろな水道事業の事故でございまするが、当方におきまして全国的にいろいろ調査をいたしましたその結果、石綿セメント・パイプにおきまする水道の事故を原因別に分類いたしてみますると、施工不完全によりますものが三七%、最も多数を占めております。次にパイプ自身の不完全と申しましようか、パイプ自身に原因のありましたものが約三三%、第二位を占めております。その他外圧によるものあるいは維持管理の不完全によるもの等がございます。従いましてこの場合、今後石綿セメント・パイプが簡易水道の普及等と相まちまして一層利用されて参ります気運にありますので、昨日もお答え申し上げましたように、今後は施行工事を十分に監督をし、また良心的な工事をしてもらうように十分な指導をいたしたい所存でございます。一方パイプにつきましては従来水道協会において必ず検査をいたすことになつておりますが、ただそれが国家検定といつたような強制的な意味を持つておりませんために、検査漏れもあるやに考えられますので、今後は各メーカーに必ず検査を受けるように指導をいたしますとともに、地方に対しましては必ず検査済みの品物を使うように指導をいたしたい所存でございます。
#45
○青柳委員長代理 水道法案に関する爾余の質疑はこれを延期し、本日はこれにて散会いたします。次会は明日午前十時より理事会、十時半より本委員会を開きます。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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