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1953/10/04 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第62号
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1953/10/04 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第62号

#1
第019回国会 厚生委員会 第62号
昭和二十九年十月四日(月曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 越智  茂君 理事 中川源一郎君
   理事 松永 佛骨君 理事 古屋 菊男君
   理事 長谷川 保君 理事 岡  良一君
      有田 二郎君    降旗 徳弥君
      安井 大吉君    亘  四郎君
      佐藤 芳男君    滝井 義高君
      福田 昌子君    柳田 秀一君
      山口シヅエ君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (医務局次長) 高田 浩運君
        厚生事務官
        (薬務局長)  高田 正己君
        厚生事務官
        (保険局長)  久下 勝次君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  曽田 長宗君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
        専  門  員 山本 正世君
十月四日
 委員並木芳雄君辞任につき、その補欠として佐
 藤芳男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 新医療費体系に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 新医療費体系に関する件について発言の通告がありますので、順次これを許可いたします。
 質疑に入ります前に、前会岡委員より発言がありました事項について、大臣より答弁があるはずでありますから、この際これを承つておきます。厚生大臣。
#3
○草葉国務大臣 先回の当委員会におきまして岡委員からの御質問の最後の点を私からお答え申し上げ、他の二点にてきましては曽田局長からお答え申し上げたいと存じます。
 新医療費体系とこの医薬分業実施の関係とは、どういう関連性を持たして考えておるかという意味の御質問であつたと記憶いたしますが、今回御提出申し上げました新医療費体系に関しま・する資料につきましては、先日もその際申し上げましたように、もともと昭和二十六年の、御承知の臨時診療報酬調査会の答申の構想を基として策定いたしたものでありまして、従つてそれは明年一月一日から実施いたすことになつております。医薬分業を契機といたしまして実施せんと考えておるのであります。さしあたつて医薬分業の実施に必要な事項を中心としてその構想をまとめた次第ではありますが、本来医療費の体系はこのような構想のもとに進めらるべきものと考えておりまするし、前述いたしました昭和二十六年の答申の線に沿いまして構想をまとめたのでございますから、必ずしも医薬分業と本質的に不可分のものとは考えておらない次第であります。
 以上、お答え申し上げます。
#4
○曽田説明員 先般岡委員から御質問のございました事項について御答弁申し上げます。
 一つは、提出いたしました資料の基礎になつております調査について、医師会との協力関係が必ずしも十分でなかつたと思うが、この資料の、妥当性についていかように考えるかという御質問につきまして、こまかく申し上げますとまた長くなるのでございますが、大体今日における病院、診療所の経営の実態というようなものは、この医薬分業の問題あるいは医療費の体系を改めるということは無関係といたしましても、医療行政の上からきわめて貴重な資料でございます。この種の調査を何とか発展させたいという考え方が厚生省の中にもかなり前からございまして、昭和二十二年であつたと思うのでありますが、第一回の医療経済調査というものを試みました。これはもちろん当時の医務局、保険局及び統計関係というものが集まり、また若干外部の方々にも御参加願いまして、医師会、歯科医師会等にも一応相談をいたしますときなどには出ていただいたと覚えております。こういうようにしまして、この調査を始めまして――これはたしか印刷になつて報告が公表されております、なかなかむずかしい調査でございますので、いろいろやつてみましても欠陥がある、これをその後も大体毎年一回の予定で計画をして、また多少規模の大小はございますけれども、実施して参つておつたと思います。ときにはその企画が非常に抽象的と申しますか、理想に流れ過ぎたりいたしまして、集計するに足りないというような結果に終つた年もあつたと思うのでありますが、大体かようにして逐次研究されまた改善されて参つておつたと思います。二十七年の三月に行いました調査は、むしろそういう性格の調査の発展でございまして、その前にこの医薬分業の問題が特別調査会等によつて論議された、そのこととは必ずしも直接の関係を持たずに企画されておつたのであります。しかし御承知のように二十六年にこの医薬分業の筋あるいは新医療費体系というようなものの筋も出て参りましたので、その資料として使い得るという状況にもなつて参りましたので、できることならばお役に立つような資料にいたしたいということで調査を進めたわけであります。少くともこの調査までは医師会、歯科医師会等ともかなりよく連絡がとれて進んで参つたと思います。二十七年度の予算に、今度は医薬分業をはつきりとした目的といたしまして、今までこういう調査を続けて来てもおりますし、またそのほか厚生省で行つております医師あるいは診療所の年々の調査というようなものも発展して来ておりましたので、かような関係の調査をできるだけ一連の調査といたしまして、そうして時を同じゆうして一ぺん実施したいという考えで、予算を要求し、その予算も不十分ながら認められたのであります。これは大体昭和二十七年の十月一日を期して一斉にやりたい、また一月を要するものは十月一月をとるというように考えておつたのでありますが、この十月の調査というものの御相談を進めて参ります場合に、前の調査の結果をある程度見てからでないと今後の計画がいろいろ、立ちにくいというようなお話もございましたのですが、なかなかそう急にまとまる調査ではございませんので、これはできたあかつきにはお目にかけるということを申し上げて、十月の調査の検討をお願いしたのであります。このことについて医師会の方からも御意見があつて、それを厚生省の方からも係員が参りまして意見を伺い、また厚生省の考え方というものも申し上げまして、そして御意見の取入れられるものは取入れて、なお厚生省としてはやはりこう出て参りたいということは御説明を申し上げたのでありますが、その後書面で医師会から照会がございました。この返答が割合に遅れまして、そして九月の末ごろではないかと思いますが、医師会の理事会が開かれるときに、五時までに持つて来てくれというお話のところを、たしかこちらでいろいろ清書したりいたしますので、少し遅れるというようなことを電話で御連絡申し上げましたのが、どうも行き違いがあつたらしいのであります。たしか七時ごろに持つて参つたのでありますが、そのときにはもうどなたもおられなかつたというようなことがございまして、どうも厚生省は誠意がないというようなこともあり、ちよつと医師会としては協力できないというようなお話でこじれまして、十月においては初め計画いたしました調査が全面的には実施できなかつたというような事情がございました。このときに計画いたしました調査の内容は、一つは診療所の調査でございまして、これは全部の日本の診療所について施設の数あるいは専門別あるいはそこに従事しておる者の数というようなこと、それに患者の数、患者の数は年によつて入れたときも入れないときもあるのでございますが、こういうようなものを少くとも全部の施設についで網羅的に調べてみるというのであります。これが第一の調査でございます。
 第二の調査は、この施設全部について調べることは非常に手数もかかり、また施設に対しても御迷惑と考えられますので、そのうちから、たしか診療所については二百分の一、病院については二十分の一かと思いますが、任意抽出いたしまして、選ばれました施設で病院の収支の状況というものを大体書き出していただいたわけであります。経費の概要、相当こまかく項目がございます。それからまた収入につきましても、その行つた診療行為の回数、それに応ずる診療報酬点数というものを書き出していただきまして、この結果がお手元に差上げてありますいわゆる医療経済調査という数字になつて出ておるあの調査であります。
 それからその次には、こういう施設ではかなり手がかかりますけれども、なお十分こまかい精密な調査というものはできかねる、いろいろ調査員がお手伝いしておりますけれども、原則としてはその施設でお書込みを願うという性質のものなのであります。それに対しまして第三の調査は、病院、診療所の数をさらに少くいたしまして、病院、診療所には特に計理士等も調査のために雇い上げまして、そうしていろいろ資料を病院、診療所から提出していただいて、専門的にこれをとりまとめてもらつたというようなことで、非常に正確な数字をもつて経理状態を調べたというのであります。
 それから第四といたしまして、これは個々の診療行為について、実際どれだけの材料を使い、またどれだけの労力を費したかということを、おもな診療行為について、個々の行為ごとにストップ・ウオッチを持つてまわつて調べたという調査でございます。
 大体こういう四種類の調査を計画いたしましたが、この十月におきましては、今のように手違いがございまして、医師会の方から十分に御協力がいただけないというような関係で、こちらがあらかじめ計画しました調査の対象病院というもののうち、全部ではございませんけれども、御協力いただけなかつた施設が若干出たというような状況であり、この意味におきましては私どもとしては趣旨が十分に具現できなかつたわけであります。こういうことになりますと、一、二、ことに第二に申し上げました調査、これは非常に基本的なものなのでございますけれども、この調査が非常に片寄りのあるものになつてしまうということで、十月の調査としてはこれを使うわけには行かなくなりました。第三の調査、これも非常に困難になつたのでありますが、いわゆる代表制というようなものは非常に疑われると申しますか、幾分そこなわれたものとなつたのであります。しかしこれについては前に三月の調査もございますから、三月の調査と比較をいたしました場合のチエツクの資料というものには使い得るだろうというふうに考えました。第四の調査は、これはたくさんの施設についてもなかなか実際に調べ切れないたぐいのものでありまして、一つの個々の行為について調べるということになれば、個々の行為について各病院でもつてある程度の共通性が認められるというものもあろうかと思われます。とにかく一応第三、第四の調査は、これはいわゆる十月に調査の結果をまとめ上げたのであります、こういたしまして、基本になりました第二の調査というものが、十月の一貫調査としては抜けたのでありますが、そうするとそれにさかのぼりまして、一番近い時期と申しますと、二十七年の三月ということになります。二十七年の三月の数字を一応とりまとめて、そして今申し上げましたような十月の第三、第四の調査とにらみ合せまして、そうして両者の間に大きい違いがあるかどうかということをよく検討いたしたのであります。この時期が半年ずれておるのであります。そして、時を異にして行われたのでありますが、その結果をよく検討してみますと、比較的よく合致して来るということが認められましたので、まず二十七年の三月ということをおおむね調査の起点といたしまして、そしてそのときの調査の結果出て来た医療経済の内容を検討する場合には、十月に行いましたその調査の結果をもつてその内容の詳細な検討の資料とするという方針を立てたのであります。もちろんこういうたぐいの調査でございますので、いわゆる近代の統計学というようなものの理論にあてはめたこまかい誤差を論ずるというような資料としては、これは非常に不十分なものだと思います。またこれはかりに十月に十分関係方面の御協力を得てやつたといたしましても、この種の調査というものは、相当調査上の誤差、錯誤というようなものが大きく出て来ますので、簡単に数式から白玉、赤玉というような、言葉が少し悪いかもしれませんけれども、簡単な数学理論だけではその誤差等を論じかねる性質のものだとそもそも思つているのであります。特に申し上げたような事情がございますので、さような意味で正確な統計資料であるということは私どもも考えておらぬのであります。しかしこの種類の調査としましては、かなり綿密な調査をなし得たものというふうに考えられますので、今後の新しい医療体系を考案するあるいは医薬分業を実施するというようなときに、いかような影響があるかということを論議いたします一つのよりどころとしましては、まあ相当な、相当と自分たちが申し上げましては恐縮でございますけれども、相当な資料であるというふうに考えているわけであります。この資料を得ました大体の経緯をざつくばらんにお話申し上げまして私どもがこれの妥当性ということについて考える見解をも申し添えた次第であります。
 それからもう一つ御質問がございました点は、医師の労力と申しますか技術料としては、私どもの調査においてはすべてみな均一と見て、そうして時間がよけいかかつた場合にはよけいの報酬が支払われるという建前を一応とつたということに対しまして、それは不当ではないか、非常に高度な技術を備えている人たちと学校を出たばかりの人たちを同じにするということは非常に形式的ではないかというお考えでございます。これにつきましては私どももいろいろと苦慮はいたしたのでありますが、これの区別をつけます方法がなかなか見つけにくいのでありまして、またこれは私よりも保険局長一の方からお話くだすつた方がいいかもしれませんが、保険料の診療報酬を定める場合に、いわゆる技術の練達な人とそれから経験の浅い人との間にどういう区別をつけるかという具体的な方法というものが非常にむずかしいと考えられます。私どもこの新医療費体系を論じますときには、旧体系におきましてもこれを十分に取入れておりませんので、この点については従前と同じ方式を一応とつてこの資料を作成したということになつているのであります。これと非常に似ておりますし、あるいは滝井委員から求められました資料等にも多少関係があるのかと存ずるのでありますが、今度はそういう個人的な差ではなしに、同じ人がやるにいたしましても、非常に精神的な緊張を要する、たとえば脳外科とか胸部外科というようなものと、簡単なちつちやなおできの切開というようなものとでは、やはり時間は同じでもその報酬としては差別が考えられてしかるべきじやないかというような問題も出て来ると思うのでありますが、この資料としてはそれを一応あとの問題として、ここには取上げなかつたというのでありまして、私どもとしましてはこれは当然取上げらるべきものである、ただこの資料としましてはいかような形で取上げるかという、それにどのくらいのパーセントずつを加えて行くかということも簡単にはきめかねる問題だと思われましたので、この資料としては区別がついておりませんが、これが具現化されるときにはいろいろうまい方法がございますれば当然考慮すべきものであろうというふうに考えている次第であります。
#5
○岡委員 いろいろ詳しく率直にお答え御意見を出していただいて感謝をいたすものでありますが、今のいわゆる日本医師会との協力の問題なんです。それで別に私は個人として日本医師会の協力を得られないものは新医療報酬体系の基礎調査としては妥当性を欠くものであるとか信憑性が持てないと言い切る気持もありませんし、それから日本医師会は十月調査についても当然協力すべきだつたと私は思う。どういういきさつがあろうとも、こういう重大な問題について日本医師会が協力をしなかつたということは、その協力をしなかつた結果に基く調査の結論についての信憑性、妥当性は別としても、医師会の態度としては非常に私はけしからぬと思う。そういう意味で別に医師会の側に立つて物を言おうとは思わないのですが、ちようど幸い私どもこの問題に多少タッチをしておつたときに、三月の調査が、今もお話を承りますと、この新医療報酬体系のいわば一番ウエートを置いた基礎調査である、こうおつしやつておられる。ところが私どもが間接に聞いたのですが、あの調査は一体厚生省としてどう取扱うお気持なのであろうかということについて、厚生省の方は、簡単に言えば、二回にわたつて三月の調査というものはあまり使いものにならないのだというようなことを、その衝にある方が言つておられるということを実は私聞いておつたものですから、もしそういうことだとすると、せつかくの新医療報酬体系の基礎調査であり、一番ウエートを置いておられる調査が、その当時は使いものにならないのだというふうに、いわば簡単に片づけられておつて、今お話を承ると、新医療報酬体系の一番基礎調査だ、こう言われると、これは新医療報酬体系そのものを検討する前に、その基礎である調査に対する厚生省自身が、あまり信用の置けないものだ、これは新医療報酬体系の基礎としてはいささか欠けるものがあると認めておられるものを、今度非常に大きくウエートを置いて、その上に、この新医療報酬体系をつくられるということになると、医療報酬体系以前の重要な問題として、その間の経過を承つておきたいと思つたのが実は一昨日の質問だつたのです。その点いかがなんですか。確かに私ども議事録などで見ますと、厚生省の方では三月の調査は物にならなかつたというふうな、当時は問題にされない態度であつたように私聞いておるのですが……。
#6
○曽田説明員 私が存じております限りでは、三月の調査が使い物にならなかつたというような考え方はなかつたと思つておるのでございます。私も当時は統計調査部長でございましたが、多少ずつ関係はしておりますけれども、むしろ割合にいい数字が出たのじやないかと自分たちでは思つておつたくらいなんでございます。いろいろ批評は、これは別の問題でございますが、さように考えております。
#7
○岡委員 もう一点、私は別に確たる証拠があつて申し上げているのではないのでありますが、実はそういうふうなことを聞かされもし、医師会の雑誌もそういうことを発表しておるのです。青の調査はとうとう役に立つような結果が出ないので、特に発表するような資料はできなかつた。十月調査は三月よりさらに詳細な計画のもとに行いたいから協力していただきたい、こういうふうに厚生省から医師会に申出があつたということは文書で出ておるのです。ですから私は医師会の方でもう一ぺん調査してみたいのですが、ただそういうものが記録に残つておるので、三月調査を基礎調査として新医療費を求めるというところに、何かわれわれとしては割切れないものを感じましたので、事実そういうことをおつしやつたかどうか、調査してみます。しかし何と申しましても、この新医療報酬体系を検討する前の基礎調査は、われわれ医者でありながら実はわからないのです。ですから確実な基礎調査に基いておつて筋が通ればわれわれは賛成せざるを得ないと思う。だからそういう感覚から言えば、こういういきさつというものはやはり軽々にはしがたいのです。そういう意味で私ども一ぺん調査いたしてみます。それではこれで……。
#8
○小島委員長 それではこれから質疑に入るのでありますが、質疑に入ります前に委員諸君に御通知申し上げます。去る十月一日に開きました厚生委員会の会議録第六号は、大臣並びに政府当局の新医療費体系についての説明であり、これを早急に印刷配付されたいとの御要望もありましたので、手続いたしました結果、本日中に委員の手元に配付されると思いますので、御参考にしていただきたいと思います。
 それでは通告順に基いて質疑に入ります。有田二郎君。
#9
○有田(二)委員 今回政府より提示されました新医療費体系の本旨は、明年の分業実施に際して支障のない資料であると私は考えるのでありますが、もし客観情勢が、医師側の不満足の意思表示も予想し得ない限りではないのでありまして、私はこの新医療費体系と分業問題とは切り離して考えるべきものだと思いますが、政府当局の御所見を承りたい。
#10
○草葉国務大臣 この点は、岡さんの前会の御質問にお答えを申し上げましたが、そもそも本質的には、御指摘のようにこれは別個なものと考えております。いわゆるこの新医療費体系は、昭和二十六年の臨時報酬調査会の答申の構想をもとといたしまして策定し、構想をまとめたのでございますから、従つてそういう意味におきましては別でございますが、しかし明年の一月一日から実施をいたすことになつております医薬分業を契機としてこれを実施するのは最も妥当なことである。従つて本質的には別でございますけれども、実施の方法としては今のようなことを考えていたしましたので、今度の新医療費体系にもその点を十分考慮に加えて検討をいたして参つたつもりでございます。
#11
○有田(二)委員 もしそのような考えとするならば、現在構想中の、医師の税金の問題、あるいは一点単価の問題、点数改正の問題、医療に対する長期の金融の問題等についても、これは分業問題とは別個の問題として考えらるべきものである。分業実施とくつつけて論議することは本筋でないと思いますが、これらについて政府当局の御所見を伺いたい。
#12
○草葉国務大臣 これも御指摘の通りに私ども考えております。実はこの医師の保険による収入に対しまする課税の減免につきましては、従来からずつとそれぞれの処置をとつて参つておりますが、前年度におきましても御承知のような状態でありましたので、これに対してははつきりした減免の方法を具体化して行くことが妥当である。これは医薬分業のいかんにかかわらず、さように私ども考えております。また医師のいろいろな資金の融資関係につきましても、同様に考えて参つておりますから、従つて、これらの点につきましては、医療の向上という意味から、当然政府は考慮いたして参るべきものだと考えております。
#13
○有田(二)委員 今回の説明では、新医療費体系は五項目で打切つておられますが、これは革に将来全般の医療費体系を検討する素材とするのか、ないしはそのようなことは考慮せず、一応五項目で打切らんとしているのか、その辺の事情を御説明願いたい。
#14
○草葉国務大臣 先ほど申し上げましたように、新医療費体系全体から考えますと、もつと広汎な医療費体系全体についての構想策定というのがなさるべきものだと考えております。しかしこれには従来の日本における医療制度の発展の歴史その他を十分考え、また現状等を十分考慮に入れていたすべきものでありますから、これらの点は徐々に新医療費体系に移行することが妥当であると考えております。これで全部が終つたとは考えておりません。将来なお一層これを基本にして漸進して参りたい考えでおります。
#15
○有田(二)委員 さらに大臣の御所見を承りたいと思うことは、医薬分業ということが非常にやかましく言われておりますが、切り詰めて話をしますとわれわれは医師にも薬剤師にも味方すべきではない。われわれはあくまでも患者を中心に物事を考えるべきものであつて、今度の来年一月一日より実施されるものについては、医者が今まで出さなかつた処方箋を出さなければならないという点が私は一番の問題であろうと思うのであります。これは患者の立場に立つならば、当然医者が処方箋を書く、その処方箋で、医者で買おうと薬局で買おうとその患者の自由なんです。しかも医薬分業という名前で、いかにも医者と薬剤師の融和の一つの阻害であるかのごとく考えられますけれども、私はさようでない。これは医師側にも薬剤師側にも関係なく、患者は、医師に診断を受けた結果、医師がそれによつて処方箋を書かなければならぬ。その処方箋によつてどこで買おうと患者の自由である。これは私は患者の人権を尊重して、特に病気にかかつている弱い患者の気持に対して一つの選択権を与えるということは私は当然のあり方だと思うのでありますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
#16
○草葉国務大臣 これは昭和二十六年の御指摘のいわゆる医薬分業の基本三法の示す通りでございまして、従いまして私どもはこれが実施にあたりましては、わが国の医療の向上、内容の充実ということ、従つて患者の医療に対する十分なる処置がなし得、向上になるということを中心に考えて、これらの実施には細心の注意を払うべきものだと考えます。同時にそれは医療従事者関係者に対します特定なまたは急激な変更等を来して、そのために不安を来たすというようなことがありますと、医療の向上を阻害すると存じますから、これらの点に対しましても細心の注意を加えまして、さようなことを排除する考え方で参つておる次第であります。
#17
○有田(二)委員 さらに大臣の御所見を承りたいと思います。薬局においても医事類似行為的な行為は行われておるわけなのであります。たとえばおなかが痛い、あるいは頭が痛いというような症状を訴えて薬局に来られる人もあるわけなのであります。しからばこれの医事類似行為でない行為はどこまでであるかということは非常にむずかしい問題でありますけれども、しかしこれは患者を中心として物事を考えるべきである。患者が町の科学者として薬局にこういう相談に来た。それはお医者さんにかかつてみてもらわなければならぬ、あるいはそういうものならばこういう薬品でいいだろうというような点は患者を中心に物事を考えるべきであつて、私は医師法、医療法を第二国会の委員会でつくりました責任者の一人として、当時立法の精神としてもそういうあり方で患者を中心としてすべての物事が考えられていた。法律で行くならば、今薬局で行われておる行為の中で医事類似行為として指摘されて、これが医師法、医療法にひつかかる面も私は絶無とは考えられないのであります。しかしながらこれについてはやはり患者を中心に物事を考えるべきである。また今度の一月一日より実施される問題につきましても、これは患者を中心として物事を考えるならば、おそらく診察してもらつた結果、医師から処方箋をもらつた、しかし自分はその医師の薬品でなければ信用を置けないという患者の気持になれば、当然医師から薬品をおとりになることだろうと思うのであります。従つて来年一月より実施される面については、この新医療費体系と関係がない。今大臣は、実施についての一つの方法にはなるだろうけれども、それ自体としては直接関係はないという御説明でありましたけれども、さらに大臣にお伺いしたいことは、どうか患者の利益、患者の気持というものをお考えになつて、ぜひとも今度新医療費体系と、来年一月一日から実施される患者に便利な処方箋を書かなければならぬ、――お医者さんには一つ仕事がふえてまことに申訳ないのでありますけれども、しかしながら私はそうするのが患者のためであろうと考えます。さらにこれに対する御答弁を伺いたい。
#18
○草葉国務大臣 お話のように、私どもも努めて患者の立場に立つてこれに対する便利あるいは医療の向上というのを中心に考えて参つておりますが、しかしそれは患者が要求する場合に患者の立場に立つてすべてやり得るかというと、そうは参りかねると思います。医療行為は、医師以外にはやつてはいけないのである。従つてその一つの法律の限界のもとになるべく患者に便宜を与える、あるいはそれの向上をはかる方法を講ずるというのが建前であると存じておりますし、従つてこの限界は、法律の明示しております範囲においての限界において、十分その向上を来すように今後も努力して参りたいと存じております。
#19
○有田(二)委員 さらに大臣に御所見を承りたいことは、私は以前大阪の薬学専門学校の教授を六年ほどやつておつたんですが、今でも薬科大学と医科大学がある。同じ高等学校を卒業したものが、ここに入るのであります。片一方の薬科大学を出ましたものは薬局を開いておりますが、医科大学を出たものの非常な広汎な権能――医者としては医療もできれば、投棄もできれば、注射もできれば、何でもできるというようなものに対して、現状の薬科大学を出たものは、非常に権利が少い。従つて私は患者を中心とした今度一月から実施される医薬分業については、当然実施さるべきものである、こういう考えのもとに法案を国会で通したと思いますが、これらに対する大臣としての御所見を承りたいと思います。
#20
○草葉国務大臣 医療行為の万全を期しますために、国会において御通過をいただきました昭和二十六年の医療関係の三法が、明年一月一日から実施されることになつております。従つて私ども現在これが準備に全力を尽しておる次第であります。これらの状態から考えまして、この実施のあかつきにおきましては、わが国の医療制度は、現在よりも一層向上することに相なつて来ると存じております。なおそういう意味におきまして、新医療費体系等も十分考慮をいたして、本院に御報告を申し上げ、皆さんの御審議をいただいておるような次第であります。
#21
○小島委員長 佐藤芳男君。
#22
○佐藤(芳)委員 まず大臣に伺いたいのでありますが、岡委員からもお話があり、有田委員からもお話のあつた問題であります。すなわち私の考えからいたしますと、この法案を通読いたしますと、来年一月から実施されんといたしております医薬分業に即応した新医療費体系である、それ以外に何らの理念も、何らの理想も持ち合せがない。ただ単に医薬分業に即応せんとすることに汲々としておつくりになり、また一面におきましては、国民の医療費に増減なからしめ、医者の収入に増減なからしむるという立場において、数字に非常な御苦心を払われたものである、かようにさえ受取れるのであります。岡委員のこれに関する質問に対しまして、大臣はただいま医薬分業と不可分とは思わぬというきわめて消極的な回答をいたしておるのでありますが、しかし入院料にいたしましてもまた手術料にいたしましても、検査料にいたしましても、処置料にいたしましても、全然手がついていないのであります。ただ処置料につきましてだけは四点以内のものは診察料に含める、これだけであります。今あげました四点だけにも何ら手がついていない。これは明らかに医薬分業を対象としてにわかにおつくりになるおぼしめしである、こう考えるのであります。ところが有田君の先ほどの御質問に対しまして、これで終つたとは考えないという御答弁でありますが、そういたしますると、これは新医療費体系としては完璧なものではないけれども、医薬分業に当面しておるのであるから、とりあえずそれに即応してこれをつくつた、いわば第一次新医療費体系である、こういうふうに正直におつしやれば了解できないこともないのでありますが、まずこの点について率直にお答えを願いたいと思うのであります。
#23
○草葉国務大臣 いろいろ佐藤さんから内容についての御質問でございますが、新医療費体系という一つの理想的なものから考えますると、実はまだいろいろなものが構想されるし、策定もされまするし、検討もいたすべき問題があると存じます。しかし物事は一ぺんに飛躍して理想の実現というのはなかなか困難と存じます。時たまたま一月一日には医薬分業の実施を控えております。従つて新医療費体系の構想をそれとは別に考えましても、今まで医師の技術料、あるいはお医者さんが持つておられまする本来の力というものは、従来ほとんど表面に現われておらないのでございます。これを分離して考えるというのは大きな一つの飛躍である、そういうのを中心にして、おつしやつたように第一次といつたら第一次であろうと存じます。従つてこの第一次が全部であるとは決して考えていないのであります。そういう意味でいたしたのであります。それならこの内容が全然そればかりかというと、決してそうでもございません。内容におきましては、医薬分業を明年一月一日から実施するだけのものであつたら、必ずしもそこまでは考えぬでもいいというようなものも、本質的なものとして考えておるものも多少あります。従つてそればかりではないのであります。十分そういう点も考えながら実はいたしておる次第であります。
#24
○佐藤(芳)委員 一応ただいまの御答弁で満足をいたしておきます。
 第二に大臣に承りたいのは、私はことに今大臣がおつしやつたような、ただ単に医薬分業に即応するという考え方でなしに、自分は全体について相当の考えを持つているのだ、従つて第二次、三次が続々と出て来るであろうことを私は期待するのでありますが、そうなれば特に私はこの際承らねばならぬとただいま考えておるのでありますが、この新医療費体系に先だつてお考えにならなければならぬものが一つある。それは新医療体系である、医療機関の体系であります。この新医療体系というものを医療費体系に先んじて考えねばならぬ。これはもう議論の余地のないところであると思うのでありますが、これらについてただいま御研究中であるのでございましようか、どうお考えでございましようか。
#25
○草葉国務大臣 ごもつともであると存じております。日本の医療の内容が充実し、向上しますためには、一方には新医療体系――医療全体の体系を具体化してその実施の内容を考える場合に、医療費の体系を考えるということになつて参ります。従つて厚生省におきましても、従来ともこの点につきましては、あるいは公的医療機関の整備の問題あるいは医療の普及の問題、これを総合的にあるいは部分的に検討をし、一つの目標を持ちながらも進んではおります次第でございまして、ただこれも一つの順を追つて参らないとなかなか困難だと存じます。全体といたしましての考え方としましては、これは従来それぞれの機関等における答申なりあるいは研究なり調査等によりまして、一応の目標を立てて進んではおります。従つてその目標に向つて医療の体系の充実という方面に年々予算等を費して参つておりますが、これとあわせまして、今度今まで全然触れておりません医療費の体系において今回手をつけるというような状態になつたのであります。従いまして医療体系の完備というのは、私どもも最も重大なものと考えております。
#26
○佐藤(芳)委員 医療体系の問題については全体として考えを進めているのである、但しこれも順を追うてやらねばならぬ、これは一応了承できるのであります。ところがかような大臣の答弁を裏切るがごとき事実が多々現われているのであります。全体として議を進めつつあるとおつしやるならば、これにふさわしからざる事実は出て来ないのであります。ちようど社会保険の調整というものが急務であるにかかわらず、ますます社会保険がばらばらなかつこうを助長いたしているのと同様に、医療体系につきましてもますますばらばらの状況が展開されつつある。しかもそれによつて国費は濫費されていると私は断言する。もちろんこれは厚生大臣だけの責任ではございません。しかしながらこれは社会保障全体として見なければならぬ問題であることは申し上げるまでもない。しかし何といたしましても社会保障省ができていない今日におきましては、社会保障に関するいわば主務大臣とも申さるべきものは私は厚生大臣だ、かように考えているのでございます。そういたしまするならば、各省の大臣と十分なる連絡をとられ、調整をとられるということがやはり一つの厚生大臣の責任である。この責任を果されますれば、ただいまの御答弁に背反するような事実が多々現われて来るはずがないのであります。たとえば私は自分の地元の例を申します。新潟県といたしましては医療団から病院施設を先に受入れまして、これに厚生御当局の配慮等もかたじけのうしてだんだんと完璧を期しておるのであります。高田という市にございまする県の中央病院、これはやや完璧だと私は考えておるのであります。ところがそれからほど遠からぬ、自動車で五分くらい離れておりまする直江津という今度市になりましたところに、労働大臣の小坂君は三億を投じて労災病院をつくる企てをいたしておる。もちろん小坂君の大臣就任前まで社長をいたしておりました信越化学もそこに工場があり、労働者が相当たくさんおることは、これを私は認めるのでありますが、そこに三億の労災病院をつくるならば、県立病院の高田中央病院に、たとえば委託病棟でも一つつけ加えますれば、七千万円程度でできるのです。しかもむしろ管理もうまく行く。これはまさに国費の二重投資なんだ。こういうようなものを整理いたしますれば、病院関係だけでも、政府が心していただきまするならば、これは決して三十億、五十億の金が浮くんじやない。もつと大きな金が浮く。政府のやり方が無統制のために国費が濫費されて、二重投資が至るところに見受けられる。社会保障の面におきましても、ただいま指摘いたしましたような例が多々あるのであります。こういうふうに考えますると、ただいま大臣が答弁されました、全体としてはこの考えを進めておる、しかし順を追うてやらなければならぬ、――全体としては少しも進めておいでにならぬ、むしろばらばらと相なつておるということを私は指摘せなければならぬのでありまするが、まず国が率先して、政府が率先して、こうした二重投資を避けるように御配意がなければならぬ。
 この、今私の申し上げたことと連関して私は局長さんに伺いたいのでありますが、二ページの二の表に連関するのでありますが、費用の算出の場合の減価償却を一体どのように見られるのであるか、この点が不明確でありますので、この点をひとつ伺いたいのであります。なぜ私がかようなことを伺うかと申しますれば、各病院、診療所の設備は逐年向上しておりまするから、固定資産というものが必然的に増して来ております。従つて償却費というものがだんだんと増すのであります。この償却費というものを一体どう見ておるか、診療費体系ではこの点を一体どう見ておるのか、診療費にどれだけ入れておるのか。多く入りますればこれは患者負担が多くなるのであります。多く入りますれば患者負担が非常に増大する。私はこの点を重視するのであります。従つて公共病院でありましても、二重投資、二重投資とやつておりますると、かりにプール計算といたしましても、何といたしましてもこれは結局患者負担になるおそれが多分にあるのであります。ですから私は大臣にかようなことを伺つたのてございますが、それとともに、続いて大臣の答弁の後にひとつ局長さんからこの点を伺いたいのであります。
#27
○草葉国務大臣 佐藤さんのお尋ねごもつともだと存じます。実は私どもさきに申し上げましたような方針のもとに進んでおりまするが、関係しておる政府部内におきましても、あるいはその他におきましても、医療機関の増設等にあたつて、一応厚生省等に十分連絡をいたすべきことになつておりまするけれども、それらの点に不十分な点が確かにあると存じます。従つて御指摘のような、あるいはその事例そのものは私もよく存じませんので、妥当であるかどうかは別といたしまして、いかにもおつしやるようなことが、つまり日本全体の医療整備としてどうかと照われるような場合が、必ずしもないとはないと存じます。今後これらの点につきまして、医療体制の整備という点から、関係省等とはよく連絡をとつて参りたいと存じます。せつかく一応の計画を立てて、国全体の医療体系の整備をしておる際でもございますから、それらの点については今後一層存意をいたして参りたいと存じます。
#28
○曽田説明員 差上げました資料の所要の経費として算出してございますもののうちに、固定資産の償却も含めてございます。その方法は、大体法人税法の施行細則によつて計算してございます。そしてその償却の方法としては大体定額法によつております。それで実際にはどれくらいになつておるかと申しますと、約一〇%くらいとなつております。
#29
○佐藤(芳)委員 大臣のただいまの御答弁に、かような場合には各省から連絡をとるように相なつておる。もちろん私のあげたような事例の場合におきましては、連絡の際においては厚生大臣として阻止するというような態度をとらるることを私は望むのでございますが、しかし、そういう場合においては、私は大臣にひとつ強くなつていただきたいと思う。強い大臣に対して強くなつていただくと申すのではない。この厚生常任委員会の経験によりましても、社会保険がこの上ともばらばらになつたらたいへんであるということで、自治庁が当時計画をしておりました町村吏員の共済組合の問題が閣議に現われたときに、大臣はいかなる態度をおとりになりますかと私が伺つたところが、大臣は強く阻止いたしますと言明をされたが、閣議に出ますると、第一回は保留になつた。第二回目には、自治庁長官に対して大蔵大臣が賛成をいたしますると、ただちに大臣はそれに応諾を与えたという隠れもない事実がある。私はその点からいたしまして、大臣は強い大臣とは思わないのでありますので、ひとつ今後ますます連絡を密にされまして、しかもさような連絡の際におきましては、きわめて強い態度をもつて、将来具現されるでありましようところの医療体系に、今から現われて来る事実が即応するようにひとつ御配慮を願いたいことを希望として申し上げておきます。続いて私は保険局長に伺いたいのでありますが、この新医療費体系と社会保険の一点単価の問題は、筋合いから申しますれば全然別個の問題と考えるのでございますが、しかしどうも連関しそうにも考えられるのであります。従つてこの機会におきまして、この新医療費体系に連関しこの一点単価の問題についてはつきりとひとつ御所見を承つておきたいと思います。
  〔委員長退席、越智委員長 代理着席〕
#30
○久下説明員 先ほど有田委員の御質問に対しまして、大臣からお答え申し上げた通りでございまして、私自身も新医療費体系と社会保険の一点単価とは、直接の関係がないものと考えております。なお単価問題に関係をいたしまして、最近私どもの方に所属しております機関の審議も進みつつある事情もございますので、御参考に申し上げまして、御了解を願いたいと思います。御承知の通り、現行の単価が決定いたしました際に、医療担当者の団体からの要望もあり、昭和二十七年から臨時医療保険審議会というのができておるのでございます。この機関は一点単価の将来につきまして、もつと広く社会保険診療報酬の問題につきまして、原則的な問題を論議するために設けられたものであり、爾来そういう趣旨で審議を進めて参つたのでございます。あまりに大きな原則論に終始をいたしましたために、最近まで結論が出ない状態であつたのであります。そこで一方におきましては、各方面から単価問題の要望も強くなつておりまする事情もございまするし、また各関係機関がこの問題に強い関心をお示しになつている事情もございまするので、臨時医療保険審議会の会長以下、関係者といたしましても、この際本来の使命に立ち返つた審議をすべきではないかというような空気になりまして、九月十日に総会を開きまして、臨時医療保険審議会の新しい行き方を検討いたしたわけであります。そこで結論として出ましたのは、診療報酬の問題そのものに直接検討の努力をせよということで結論が出まして、従来から設けられておりまするその審議会の小委員会にその趣旨が付託されたのであります。そこで審議会は九月中に二回開かれ、近くまた七日に第三回目の小委員会を開くことになつております。過去二回の経験によりますと、各小委員きわめて熱心にこの問題に取組んでおりまして、第二回目の三十日に行われました際、終りには小委員長自身も言つておられたのでありますが、非常な収穫があつたということを漏らしておられるくらいでございまして、きわめて熱心な審議が地道に進められておるような状況でございます。私どもといたしましても、この審議会のそうした真剣な審議の進め方につきましては、非常な期待を持つておる次第でございます。そういうことでございますので、診療報酬という言葉で表現されておりますが、この問題の中には当然単価の問題も含まれると考えておる次第でございます。従つて、そうした本来の機関で、関係の専門の方々が真剣な論議を進めておる現状でございますことを御了解願いたいと思います。
#31
○越智委員長代理 滝井君。
#32
○滝井委員 少し専門的にもなりますが、大臣がちようどいませんけれども、どなたでもけつこうですから、大臣にかわる御答弁をいただきたいと思います。この診療報酬体系を一読した結果直感することは、現在の日本の医療制度というものは非常に多くの矛盾欠陥を持つておるけれども、この医療費体系というものは、その矛盾を断ち切つて前進をする方向を、私たちは何ら見ることができないということなんです。現状に跼蹐をして、現状にとらわれて、現状の中に埋没をしようとしておる傾向が非常に強いということを、結論として言わざるを得ません。そこでそういう結論に立つて質問をするわけですが、その前にきわめて重要なことは、医療費体系と分業と本質的には別なものであることはよくわかるのですが、不可分であるべきものであります。大臣は不可分のものとは考えぬということです。そこでこれは大臣のかわりに、昭和二十五年八月七日に黒川厚生大臣が臨時診医療報酬調査会に諮問いたしました諮問をどなたかお読みになつていただきたいと思います。
#33
○曽田説明員 「一、医療の向上と国民の経済的負担力とを勘案したる医師、歯科医師及び薬剤師の適正なる技術料及び薬価の基準につき会の意見を問う。追つて右基準は、医薬分業実施の可否を判定するに必要なものにつき取急ぎこれを答申されたい。右諮問する。」
#34
○滝井委員 今医務局長から読んでいただいた通り、この体系すなわち適正な技術料及び薬価の基準というものは、医薬分業実施の可否を判定する必要なものなのです。ところがあなた方のこの体系は、すでに医薬分業が実施をされる、従つて実施される範囲において体系をつくつた、こういうことになつて、さかさまになつておるのです。これは前提なのです。条件なのです。だからまず医薬分業がされるかされないか、日本の現状において医薬分業がその土台の上に乗れるか乗れないかということは、体系を出してみて初めてできることなのです。ところがあなた方はこの体系をすでに医薬分業を実施するためのものにしておる。だから臨時医薬制度調査会が黒川大臣に答申したのを見ると、「その施行については前提として医療報酬に関し昭和二十六年一月二十四日附臨時診療報酬調査会答申に基く所要の措置がとられることが必要であるので」ということで、分業のいわゆる前提として診療費体系をことに一応持つて来い、こういうことになつておる。ところがあなた方はもうすでに体系はできたものとして、そしてその体系の中で分業をどうしようかということになつておる。みそもくそも一緒にしておる。これははつきりそうだということだと思います。これは大臣がおればなおはつきりするわけですが、これは不可分では絶対にない――不可分だ。前提なんです。医療費体系というものがはつきりここに出て来て、その体系を私たちが見て医薬分業はどうするか、こういうことなんです。ところが今できておるのを見ると、医薬分業はこの体系の中でできた形になつておる。この点に対する明快な厚生省、吉田内閣を一貫した答弁としてもらいたい。一局長としての答弁ではだめです。この前から再々言うように、答弁した者があとになつてこれは局長の個人の答弁でございました、大臣はおれは知りませんでしたということはきようは許されないということを私はこの前から申し上げておりますから、それをはつきり言つてもらいたい。相談してけつこうですから、吉田内閣の答弁としてやつてもらいたい。その答弁ができなければ、できるまで、きようはこれでやめてもらつて、大臣にそれをやつてもらいたいと思います。できればけつこうです。
#35
○越智委員長代理 しばらく待つてください。
#36
○久下説明員 私の方に関係のあることでありますから、私からお答えいたします。この問題につきましてはすでに厚生省内におきましてたびたび関係者の打合せをいたしております。その際にも話題に上つておることでもありますので、多少私の所管とはずれる点もございましようけれども、重大な関係を持つております立場にもございますから、お答え申し上げることにいたします。
 ただいまの御質問は、私は御質問の通りであると簡単に申せば言えると思う。具体的にこれを申し上げますれば、最初の御説明の際にも大臣及び医務局長からお話もございましたように、現在の日本の医療制度のもとにおきましては、一般自由診療につきましては何らこれを規制する方法がないのでございまして、従いまして、これは医療担当者がそれぞれ自由におきめになるものでございます。最も意味を持ちますのは特会保険及びこれにならつておる諸制度においてこうした問題がいかに具現されるかという問題にかかると思うのでございます。そういう意味合いにおきましては、この一般的な方針が決定され、また国会におきまして御審議をいただきました上におきまして、私が担当しております限りにおきましては、社会保険の点数表に具体化される必要があるわけでございます。これが一月の一日までに決定をし、告示をされませんと、医薬分業が動いて行かないと思います。そういう意味合いにおきまして、今滝井先生のおつしやつた御趣旨はその通りであると申し上げるのでございます。しかしながら、逆に医薬分業がなかつた場合に、こういう考え方を医療費の考え方の中に取入れることがどうであるかというような立場から論じますれば、切り離しても考えていい問題であると思うのでございます。そういう意味合いにおきまして本質的に切り離されますけれども、一月一日実施の前に社会保険を中心とする現行の医療費体系を改正いたしませんければ、医薬分業が実施に移せませんので、そういう意味合いにおきましては前提になると思うのであります。そういうふうに申し上げれば御了解を願えると思います。
#37
○滝井委員 分業がなかつた場合はそうなんです。ところが私たちが今まで論議をして来たことは、分業というものを前提にしておるわけです。そこでなかつたという仮定ではだめなのであつて、分業があるということでこれはつくつているのですから、現実の政策論、現実の私たちの論議はやはり分業というものを前提にして考えて来ておるわけなんです。その前提が日本の現在の医療制度のもとにおいてできるかできないかという判定をやる体系なんですから、あくまでもそれは分業がなかつたときのことだつたら、何もこんなむずかしいことを言わなくてもけつこうだつたのです。まあ一応私の言う通りだということをお認めになつたので、この医療費体系はいわゆる前提ということでなくして、まつたく医薬分業の中に埋没してしまつておるものた、こういうことがはつきりしたわけです。それ以上のことをここでとやかく言つても始まりませんから、本質的な質問に入ります。
 まず第一に医務局長にお尋ねしますが、この体系の資料を見てみますと、昭和二十六年から八年までの医療費の総額が出ております。主として二十七年三月あるいは十月の調査を基本としてこういう形が出て来ておると思いますが、問題はやはり現実に具体的に進展をして行かなければなりませんけれども、医務局長さんは大体昭和二十九年度の医療費の総額を幾らにお見積りになりますか、これをひとつお聞かせ願いたい。
#38
○曽田説明員 二十九年の見積りということについては実はまだ試算もいたしておらないのでございますが、保険診療の実績というようなものを聞いておりますところ等から考え、また病院の病床の増加というようなものを考えますならば、やはり相当の増が二十九年度においてもあるのではないかというふうに考える次第でございます。
#39
○滝井委員 推計学の大家ですから、およそどのくらいの額になるのか、二十八年度が二千九十二億円ですから、二十九年度は二千何ぼになるのか、およそのところでけつこうでございますが、伺いたい。
#40
○曽田説明員 まつたく勘を申し上げるよりほかしようがないのでありますが、おそらく二割程度の増があるのではなかろうかというような感じを持つております。
#41
○滝井委員 大体私の推計に近いところに来ておると思うので、私も安心しておりますが、まず昭和二十六年度の医療費が千百七十二億円、昭和二十七年が千五百四十九億円でございますから、二十六年から二十七年には約三二%増加をしております。二十七年から二十八年は二千九十二億円ですから、これは三五%強、あなたの方では三六%増、こうなつております。そうすると今局長さんが言われるように二千九十二億の二十八年から、二十九年にもし三割増加をするとするならば、二千七百十九億円になります。二割増加するならば二千五百十億円に相なります。従つて今度は、先般来の委員会において国民所得の三%前後が大体において医療費であるというのが一貫した厚生当局の意見でございました。そうしますと、昭和二十六年の国民所得は四兆八千四百九十四億円ですから、この三%というと千四百五十四億八千二百万円、これと医療費総額と比較してみると、三%以下なんです。二百八十億足りません。そうすると二十七年を見てみますと、国民所得は五兆二千八百二十四億円です。この三%は千五百八十四億七千二百万円でございますから、二十七年の医療費の総額千五百四十九億円と比較してみると、こちらは三十五億の不足です。やはり三%以下なんです。そうすると今度は二十八年になります。二十八年の国民所得は一応政府の提出した予算書によつて見ますと五兆九千五百億です。この三%は十七百八十五億円です。そうすると医療費は昭和二十八年には二千九十二億円ですから、三十八年度は三%を三百億越えております。ところが今度は二十九年度になりますと、医療費を一応三割増しとすると二千七百十九億、二割増しとすると二千五百十億ですから――国民所得というものは二十八年度と二十九年度は今のところ内閣の発表ではあまりかわつてない。で二十九年度は五兆九千八百億です。この三%は千七百九十四億円になるのです。そうすると二千七百十九億あるいは三千五百千億という総医療費と比較してみると、もう三%をはるかに・越えておるということなんです。すなわちもし三割増加した場合総医療費は二十八年度と比べて九百二十五億ふえることになる。二割増加した場合には七百十五億ふえることになるのです。で、問題は一%とか二%とかいう数字はきわめて小さいので、普通の統計ならば問題にする必要はないか、ところが医療費に限つては国民所得何兆というものの何パーセントなんです。あるいは何千億の何パーセントなんですから、この数字は絶対に無視できない。一%の増加といつても国民の負担 国の財政に影響することは、ちようど国民健康保険のときに単価を一点引上げれはあなたの方は八十億増加しますと言つて、われわれの方に数字のからくりを見せたのと同じことなんで、これはきわめて重大な点なんです。従つて、現在の日本の医療制度というものは昭和二十九年度の現実に行われている医療なんですが、それがあなたの言われるように二割昨年より増加した場合の二千五百十億円でも、現在の医療の姿というものは満足のものではない。これはすでに日経連の湯浅蓄電池の社長湯浅佑一さんなんかも言つておることです。現在の社会保険の問題点としてまず第一にこの医療の質の同上が強く要求されておる、こういうことをいわゆる日経連のチャンピオンの湯浅さんが言つておるのです。従つて日本の医療水準というものはまだ低いということなんです。これは国際的に見ても低いし、日本のいわゆる保険医療というものは必ずしも日本の最高水準を行つていない、低いのです。従つて質の向上というものが望まれるということは、もう参資本家側の人も言つているし、労働者ももちろん言つている、医者ももちろん言つている。そうすると日本の現在の医療というものは適正医療でないということになる。では適正医療とは何か、これはいろいろありますが、あなたの方のあるお役人の書いたものを見ると、適正医療というものは医学的に、経済的に、社会的に見て適正医療でなくてはならぬ。医学的に見た適正医療とは肉体的に見ても精神的に見ても、あるいは診療上から見ても治療上から見ても適正なもの、これが医学的な適正なんです。経済的な適正とは個人的にも集団的にも適正であるすなわち個人的にも集団的にも適正であるということは、療養の担当者も被保険者も保険者にも満足の行く治療、これが経済的な適正だ。社会的な適正とは医療の普及が全国的に普及をしており、医療上の地域差、たとえば甲地区とか乙地区とかいうそういう地域差が撤廃をされておること、こういうものがいわゆる社会的な適正である。こういつた医学的、経済的、社会的な三つの条件がそろつたときに、初めてここに適正な医療というものが出て来るのだ。こういうことを厚生省のお役人が言つておるのです。そうすると、現在の日本は、今言つた三つの条件をどれも満足していない。従つて不適正な医療という一応の認定はできる。そうすると、その不適正な医療が行われておるお金の量、総医療費が二千七百十九億ないし二千五百十億いるということです。そうするともはやこれは四%ないし五%ということなんです。国民の医療費は三%が適正である、そこらあたりが適正であるという認定のもとにつくつた医療費体系というものが、昭和二十七年からわずかに二年経過した昭和二十九年においては根本から瓦解をせざるを得ない情勢が出て来ておるということなんです。こういう経済の客観的な情勢の変化に対して医療費体系というものはどういう適応をやつて行くかということなんです。これをひとつ御答弁を願いたい。
#42
○曽田説明員 私どもがお示しいたしました医療費体系というものは、これは医療費の支払い方ということを問題といたしております。二十七年なら二十七年に、今まで通りの支払い方をした場合と、新しい支払いの仕方をいたしました場合とでどうなつて来るか、これを一つの前提といたしました総医療費、あるいは国民の負担いたします総医療費及び医師の収入というようなものに変化を与えずに支払いの仕方をかえるというためにはどうすればいいかということを、一つの一応の答案として考えたわけであります。従いまして、この形を二十九年あるいは三十年に持つて来た場合にどうなるかということは、私どもといたしましては今も論じられましたように、年々国民の総医療費は、支払い方の変化がなくともかようにふえて行つておるわけなんであります。そのふえましたあかつきにおいても、支払いの仕方というものだけによつては変化が来ないであろう。もちろんそのためには多少の修正は要するものと思いますが、考え方、いわゆる体系としては、今立てました体系で狂いか現在の支払いの仕方と、新しい支払いの仕方ということだけによつては変化が生じないであろうということで考えたわけであります。
#43
○滝井委員 そうであろうと思います。そうすると、今度は具体的に久下局長さんにお尋ねしますが、この二十七年を基礎にして来年から医薬分業に移行するであろうという、そのときにおける社会保険の初診料というものは、昭和三十年一月一日は六・二〇三点でいいのですか。これは修正を要しますか、修正を要しませんか。このままでいいのですか。
#44
○久下説明員 直接のお答えを申し上げる前にちよつとお断りしておきたいと思いますが、私はこの今御審議をいただいております新医療費体系全般の問題につきましては、最初大臣から御説明申し上げました際に言及されましたように、ひとり社会保険のみならず、わが国全体の医療費の支払いかこういう形になることが望まれるという考え方で、一般的な問題として御報告申し上げ、御審議をいただいておるわけでございます。従つてこの御審議の経過においていろいろ御意見も出て来ると思うのでありますが、社会保険の問題にこれを具体化いたします場合には、報告書の中にもございますように若干の調整は必要であると考えております。今御引例になりました六・二〇三点という初診料もそのままの形で社会保険の点数に表わすというのは適当と考えておりません。と申しますのは、コンマ以下の数字のついた点数というようなものを社会保険の点数として実現をいたしますと、事務的に医療担当者も、保険者側も、もちろん支払い基金の関係でもたいへんな事務量になつてしまいますので、具体化いたします場合には、おそらくまるい数字になつたものとしてやらなければなるまいと現在は考えている次第であります。同時にまた初診療の問題がお話に出ましたから申し上げますが、御承知の通り健康保険法によりますと、初診料相当額は被保険者の負担になつております。従いましてこれは初診料の点数現行四点を、そのままかりにまるい点数で六点なら六点に上げました場合に、そのままでほうつておくという処置をとりましたならば、二点相当額は被保険者の負担に転嫁されるわけであります。私どもは現行法の建前から申しまして、また一部負担の精神から申しましても、それがそのままは適当でないと考えております。従いまして社会保険の点数に表わします場合には、二点相当分は、何かほかの形で表わした方か適当であると現在は考えております。そういう意味合いにおきまして、このままの形がすぐに点数一表に表現されるとも考えておらない点があるのでございます。
#45
○滝井委員 どうも納得が行かないのです。もし今の議論のように初診料は六点なら六点、七点なら七点として、まるいものにしていいのです。それはかまわない。しかし現在の四点を今度は六点にすると、二点負担が多くなるから、それは反対だ、それは困ると局長は言われているわけですね。そうすると、この医療費の体系をつくつたそもそもの基礎は、そういう初診料の四点ではいけません。これは医療費体系主文の二ページを見ると、診察の総回数が三十七万二千、現行点数か三十七万八千点、そうして今度はいろいろ操作して費用から換算した点数にすると二百五十一万五千点になる。現在の医者の技術量の評価を見ると、二百十三万七千点だけ少いんだ。これを計数的に扱つて、そこに初診料六・二〇三点と出て来たわけなんです。ところが今保険局長さんの言われるように、私の方はそれはどうも困ります、二点はどこかほかのところにつけてもらわなければならないということになると、みんなそう言いますよ。往診料も、おそらくまたあとで出ますが再診料も、今二点ですからそうなりますよ。この間の意見の調整はどうなんですか。
#46
○久下説明員 私が申し上げましたことが少し誤解されているように思いますが、私は初診料を六・二〇三点に上げることに反対であり、困るということを言つているのではないのであります。ただ支払いの方法として健康保険法だけにそういう制約がございますので、そのまま現行の点数表による初診料の点数を上げただけで済ましますと、増加分だけが被保険者の負担に転嫁されることになりますので、これは別な形で支払いをする。初診の際に初診料として支払われるものと同様になるような支払いの方法ではありますけれども、しかし名前を初診料でなくするような措置が必要であろうということを考えていると申し上げたのであります。従いましてこれに反対だということを申し上げているのではございませんから、ひとつ御了承願いたいのであります。
#47
○滝井委員 支払いの方法を尋ねているんじやない。とにかく初診料六点というのを認めるかどうかということを言つているんです。もしこのまま行つた場合、昭和三十年の一月一日に六点というものでいいのかどうかということを言つているのであつて、支払いの方法やなんかを尋ねておらぬ。六点で支払いはどういう方法かで被保険者の負担にならぬようにしてもらえばけつこうなんで、そういうことは問題にしていない。こういうことになつたときに、六点でよろしいか、修正を必要としないか、ただ端数を削るくらいの修正でいいのか、そういう点を保険局長には尋ねている。
#48
○久下説明員 そういうお尋ねでございますれば、初診料六点は私どもは何にも異存ございません。ただ最初に初ざいましたから、初診料の上でその文字のままでやりますことにつきまして、そういう処置を講ずる必要があると考えておりますということを申し上げたにすぎません。従いまして初診料に相当するものとして六点を払うという考え方には賛成をいたしているのであります。
#49
○滝井委員 そうすると、それは来年の一月一日からまるくした点数の形でやることにも何らさしつかえない、こう了解していいですね。それでさしつかえないと保険局長言明されれば、その次の質問に移ります。
#50
○久下説明員 その通りに御了解を願います。
#51
○滝井委員 そうしますと、昭和二十七年、千五百四十九億を基礎にして出た数字は、六・二〇三という初診料なり、あるいは四・五九五点という再診料なり、あるいはその他いろいろ薬餌料とか注射料が出て来ているわけなんです。これはあくまでもG=(1十α)gtという式から出て来ていると了解してさしつかえないわけですね。そうしますと、昭和二十七年における医療の情勢と昭和二十九年における医療の情勢とは非常にかわつて来た。具体的に申しますと、たとえば健康保険は、久下局長の御答弁によつても、件数はあまり増加していない。私が新聞で見たところでは、庶務課長かなんかの自由党の政調会がどこかへ行つての答弁では、件数は一八%しか増加しておりません。ところが驚くなかれ、医療の給付費というものは四十五億ないし四十六億か六月か何かの末現在では増加しております。そうすると、診療の件数は上つていない。ところが支払いは増加をしている。そうすると、それはどういうことになるかというと、この二ページの数字の基礎から申しますと、今年は総回数の三十七万二千というものはあまりふえていない。この点数である三十七万八千点というものも従つてあまりふえていないわけです。ところが今度は療養の給付費のふえたところは、おそらく過去の経験からいえば、投薬か注射がふえているということなんだ。しかもその回数がふえて支払いがふえているということなんですね。そうすると、今度は二十七年の方式に従つて二十九年の医療費体系をつくつてみると、投薬あるいは注射というそれぞれのプラス七百八十九、プラス九百四十一というものはさらに増加をして、それが今度はこういう費用から換算をした点数の状態から見ると、診察料のマイナス二百十三万七千というものが、さらにマイナスが大きくなるということを意味する。従つて逆算をして行けば、六・二〇三はさらに技術料として見なければならぬものがふえて来て、これは八点あるいは十点くらいになるかもしれないということなんです。この統計からそういう結論がはつきり出て来るわけなんだ。そうすると、昭和二十七年現在は六・二〇三でよかつたが、現実の総医療費の支払いの状態から見てみると、当然大きな初診料の修正をやらなければならぬことは現実なんだ。ところが今久下局長は昭和三十年一月一日より六・二〇三で参りますということになれば、実質的には医者の技術料というものは、昭和二十九年は二十七年よりはさらに切り下げられた形で行かれるということなんです。これは具体的な現実の医療費の支払いの状態から考えるならは、当然そういう理論的な結論になる。なぜならば(1十α)を不変なものとすれば、Gというものは、単位時間の医師の技術報酬というものはふえて来なければならぬ、所要時間も増加して来なければならぬということになれば、Gというものは違つて来るんです。一応これはあなたの方では、医療行為の種類別頻度に変化のないものとするならば、体系実施後も国民の医療費の負担には必ず変化が生じないものとするという、こういう大前提に立つておるわけなんです。従つて新医療費体系実施後でなくても、もうすでに昭和二十七年から二年隔たつた二十九年に医療行為の種類別頻度に非常な変化が健康保険において出て来ておる。今言つたように一箇年の件数は少いけれども、支払いはぐつとふえておる、四割五分も四割六分もふえておる。こういうことが明らかに医療行為の種類別頻度に変化が来ている。変化が来なかつたら、六点でいいが、来たときには六点をどのくらいに修正して来ればいいか、これは理論的に筋が通つている。従つて二十九年の六・二〇三は局長さんはこれでよろしゆうございますと言つたけれども、私はそれじやだめなんです。だから医療費が二割上つて二千五百十億になつた場合に、六一二〇三はどの程度の修正をされるかということによつて、国民の医療費の負担というものは、昭和二十七年よりか、あるいは二十九年よりかさらにふえた形がまだ出て来るんです。あるいは減るかもしれませんが、そういう議論が出て来る、この点の明快な御答弁を願います。
#52
○曽田説明員 ただいまの御質問に対してでございますが、もちろん二十七年の三月から今日まで、あるいは三十年の一月というものに状況を移して考えます場合には、いろいろな点を考慮して、いわゆる時期の推移というものに応ずる補正をして行かなければならぬということは御意見の通りでございます。ただ滝井委員から申されましたように、増加がGの増加だけというふうに申されますことは、これはそうとばかりは限らないと思うのであります。もちろん他のフアクターもふえております。その間においてどのフアクターがどういうふうに動いて来たかということ、あるいはまたもしも三十年の年半ばというものを基準にするならば、その時期に至るまでの推定というものを基準にして、計算をして行かなければならぬ。言葉は悪いかもしれませんけれども、簡単な言葉で言いますれば、時期のずれをスライドさせるという作業をやつて行かなければならぬというふうに考えておるのでありまして、ここに新しい体系として出しましたものは考え方の問題でございまして、具体的な数字は、年次的な動きというものを検討してきめらるべきものであろうというふうに考えております。
#53
○滝井委員 まさにその通りなんです。従つて具体的にその時期のずれをスライドする方法なんですね。これはもう当然出て来ておるはずなんです。というのは来年一月からの実施を控えておりますから、もう二箇月しかありません。だからその時期のずれを具体的にスライドする方法をお示し願いたい。
#54
○曽田説明員 その間に起りましたいろいろの状況の変化、保険の点数の改訂も数回ございました。また物価も動いておるというような事情がございまきだと考えておるわけであります。この点は具体的な問題となりますれば、保険においていかようなぐあいにこれを取上げて行くかということの問題になりますので、厚生省案ならば案というものが案じ出されて、それに対する意見を聞くために、中央社会保険報酬審議会というものもございますが、その意見によつて決定して参るものであろうというふうに了解いたしております。
#55
○滝井委員 あなた方は、すぐ中央社会保険報酬審議会とかあるいは臨時医療保険審議会に逃げ込まれるけれども、あれは諮問機関なんです。国会は国憲の最高機関です。あなた方は行政の担当者だ、従つて私たちは諮問機関の意見をここに問題にする必要はない。少くとも吉田内閣は政策として医薬分業を打出し、医療費体系を打出して来たが、その打出して来たときには諮問機関の諮問も終つて来ておるはずです。今になつてそういう諮問機関に尋ねなければできぬということでは――一月から実施なんですよ。そんなことでは間に合いませんよ。参議院では何と議決しましたか。参議院のあなた方に対する医薬分業に関する要望は医薬分業の実施に伴う適正な医療体系及びそれが国民の医療費負担、社会保険経済に及ぼす影響、その他医薬分業の実施に関する諸条件を検討し、その結果を九月中に国会に報告することとある、こういう警告をぴたりと参議院で五月の二十六日にくぎを打たれておるはずなんです。ところが二十七年の基礎だけが出て、一番大事なそれが二十九年の現実からいよいよ飛躍をして、来年の一月一日に実施するときに、具体的にどうなるのだということになると、そのスライドをする、調整する具体的な方法を、今から、社会保険でございますから、社会保険のそれぞれの諮問機関に尋ねてやるというのでは、私は納得できませんよ。この前からきついことを言うようになりますけれども、これは命にかかわる問題だ。待つたなしなんだ。従つて明確な具体的な時期のずれを、どういうぐあいにどういうフアクターを入れて調整をするか、当然調べておらなければならぬ。医薬分業は二十六年に決定をしてから、もう三年になりますけれども、この前から言うように、今までやつてなくて、来年からやるということはおこがましい、さたの限りということになつてしまう。だからこの時期のずれをどうして調整するかということを具体的にはつきり言つていただかなければ次の質問ができない、私の立論はみんなそういうことに関連しておるのですから、明確に、具体的に御説明を願いたいと思う。――それでは保留してあすまた質問を続けさせていただくことにいたします。
#56
○越智委員長代理 それでは本日はこれにて散会をいたします。
 次会は明午前十時より開会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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