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1953/10/11 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第68号
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1953/10/11 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第68号

#1
第019回国会 厚生委員会 第68号
昭和二十九年十月十一日(月曜日)
    午前十時二十七分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 越智  茂君 理事 中川源一郎君
   理事 長谷川 保君 理事 古屋 菊男君
      有田 二郎君    助川 良平君
      高橋  等君    亘  四郎君
      滝井 義高君    福田 昌子君
      柳田 秀一君    三宅 正一君
      山口シヅエ君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (保険局長)  久下 勝次君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  曽田 長宗君
        専  門  員 川井 承知君
        専  門  員 引地亮太郎君
        専  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
十月十一日
 委員岡良一君辞任につき、その補欠として三宅
 正一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 新医療費体系に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 本日は前会に引続き新医療費体系に関する件についての質疑を続行いたします。柳田秀一君。
#3
○柳田委員 最初に医務局長にお尋ねして、あとで保険局長にお尋ねいたします。あとの質問者が大分残つておりますし、委員会も大分日を重ねましたので、ごく簡単にお答えを願いたい。医務局長はこの統計から出て来た数字でそう大した変動がなかろう、数字に非常に自信を持つておられるようでありますが、このサンプリング抽出法あるいはサンプリングによつて出て来た数字をこういうような統計に載せて来るまでの間の計数の方法において、誤差率その他等から考えて、この数字は正しいものであるということが断言し得られますかどうか、結論的に簡単にお答えを願いたい。
#4
○曽田説明員 初めから御説明申し上げますときにも、その点について私心十分慎重にお答え申し上げたつもりでおるのであります。この数はいわゆる三月調査と申しますか、これは任意抽出というような方法をとることはとつたのであります。しかしながら十月にはその方法もとれなかつた。ところが三月に任意抽出の方法をとつたといたしましても、この資料をもつて誤差を論議することができるかどうかということになりますと、このような調査はその調査の方法が非常にむずかしいのでありまして、単純な数理統計の議論というようなものとは関係のない調査技術というものに大きなむずかしさがあるのであります。私はこれは数理統計の公式を決して無視はいたしませんけれども、それだけでもつて論ずべきものではない。従つて出て来ました資料については、さような幾つの数字をとつたから信用ができる、できないではなしに、出て来た数字を基本として考えました場合に、これが常識的にもまず合致して来るかどうかというような点をよく考慮した上できめるべきものだというように考えておるのであります。
#5
○柳田委員 今のお考え、よくわかります。これは確かにこの医療のごときものを普通の統計学上のようなプロバビリテイのプラス・マイナス何ぼというようなことでもいかぬということはわかります。厚生省がお出しになつておる原価計算要綱試案ですか、あの中にも、医療のごとき複雑な行為の原価を求めるのにはよほど原価要素を整理してかからぬとこんとんとして出て来た結果が当てにならぬものである、こう書いてある。私はまことにこの通りだと思う。こういう意味から考えても、それではこの統計は客体を正確に把握した数字が出ておるということがあなた断言できますか。
#6
○曽田説明員 この種の調査でございますから、私どもも完全なものとは考えませんが、しかし今日私どもと申しますか、この持つております技術としては最もよくまじめにやつたものだと、私ども自身が考えては非常に恐縮でありますけれども、さように考えておる次第でございます。
#7
○柳田委員 まあ相当自画自讃で大分局長も心臓が強くなつたようでありますが、私はさようにはこれを受取つておりませんので、今後――今後というよりも現在といつた方がよろしゆうございますが、さらに詳しい資料で詳しい客体をつかんで、そうしてこれ以上に、より正確度に近いものが出て来た場合にはそれを取上げるのには厚生省としては決してやぶさかではないと思いますが、いかがでありますか。
#8
○曽田説明員 将来はさようなものが出得るかとも思いますけれども、私はこの種の調査を今後繰返すといたしましてもこれは並々ならぬ困難であろう、それからさらに申し上げますことは、幸か不幸かこの二十七年の三月の調査は、この分業問題とこの資料がどういうふうに関連して来るかというようなことが必ずしも痛切に具体的な問題となつておらなかつた時代であつたと思います。これも率直に申し上げますれば、私ども自身として三月の調査は、今回申し上げますようないろいろな論議の際にかように重要な資料になるとは私どもも予想しておらなかつたのであります。むしろそのあとに期待しておりましたいわゆる十月調査というのを根幹としたい気持だつたのであります。今御説明を申し上げましたような事情で、私どもとしては最善の資料としてこの三月の調査を使わざるを得ないというような事情になつたことを御了承願いたいと思います。
#9
○柳田委員 ただいまのお言葉で、その裏を見ればあまり最初は期待していなかつた三月の調査しか使えなかつたということは、いかにこの資料は弱体であるかということをあなたは別の言葉で申し述べられたということになる。この第二分冊の四ページのこの精密調査、これは大臣にもお尋ねいたしましたが、ベットを持たざる診療所、これにおそらく普通の開業医のことを意味すると私は思いますが、その個人立の調査はたつたわずかに九例です。これも先般私が大臣にお尋ねしましたように、少くともこういうような新医療費体系、これは医薬分業の目的してこの医療費体系というものを出しているというときに、この医薬分業で一番より大きく影響を受けるところの開業医、そういうものに対してわずかに九例、しかもこれを専門科別にするならば、これは少くとも内科、小児科というものを一つのグループにわけ、眼科というものを一つのグループにわけ、耳鼻科を一つのグループにわけ、皮膚科、泌尿器科を一つのグループにわけ、外科を一つのグループにわけるというふうに、少くともこの分類くらいはどうしても必要であります。さらにまた、現在保険医の開業医の平均は、大体一日二十人くらいで五千点くらいであります。従つて少くとも二十点きざみに五段階くらいにわけて、そうしてそこから客体をつかんで来なければ、一番かんじんな開業医の客体はつかめないと思いますが、これに対してはどうですか。
#10
○曽田説明員 再三申し上げましたように、この三月のときに調査対象の抽出の方法を考えましたときに、今のように専門別に客体を抜いて行くということも考慮にいたしたのでありますが、さようになりますと、相当サンプルの数がふえて来る。実際問題としてこれは今・度実行の場合に実施しがたいというような事情もございました。ただいま御注意がございましたが、無床診療所についてはわずかに九施設であるというようなことを申されましたけれども、この点については私ども他の方法でもつてこの結果を検討したのであります。ただいま申されましたのは、十月の調査で無床診療所が九個所である、この九個所から得られましたのは、いわゆる個々の診療所行為についての経費を算出いたしますときに、これはこまかい調査でありますので、さような方法をとつた、しかしこれの普遍妥当性というものについては、これはさらに検討の余地かございますので、その三月の調査、三月の無床診療所では正確な数字はいずれまたお知らせいたしますが、大体一般診療所として二百十七ということになつておりまして、そのうちの大体三分の二が無床診療所でございます。こういうように大体百五、六十の診療所の診療行為の頻度というものにかけ合せて参りまして、そうしてその経費の総合計が、当時実際に調査しました総合計とどの程度に狂うかということを押えてみたのでありますが、これは非常によく合致いたしました。こういうような点から個個の診療行為について申しますれば、あるいはこれはまた他の議論が立つかもしれませんが、総合的にこの経費を見ますときに、まずまずこの数字が利用されてしかるべきものではないかというふうに考えた次第でございます。
#11
○柳田委員 無床診療所をもう少したくさん客体をつかむことは、これはよくわかるが、それではあまり数が厖大になつてなかなか作業がむずかしい、こういうような大体の御意向ですが、先ほど申しましたように、医療のようなほんとうに複雑な行為を正確に把握するには、そういうむずかしいことを乗り切つてこそ初めて出て来るのであつて、私は今の局長の御見解には賛意を表しかねる。なお三月には二百十七からと云々されましたが、その操作等はこの資料には出されておりませんので、それに対して私はとやかく申し上げられませんが、少くとも今ここにお配りになつたこの資料の中でわれわれがキャッチできることは、病院、開業医、この大きなグループにわけたときに、この資料というものが病院の方から主になつて出て来ておつて、開業医の方は非常に従になつておる、こういう比例のアンバランスがあるということだけはこの資料の中からわかつておる。三月のときには、私は行為当事者ではありませんから、これは局長が何とおつしやつてもわからない。しかしここに出されたこの資料の中からは病院というもの、開業医というものの抽出の仕方、あるいはこれから出て来たところの数字、こういうものは非常に大きなアンバランスになつておるということだけは認められると思いますが、この点はどうですか。
#12
○曽田説明員 この調査におきましては、病院と診療所を別々に集計をし、また検討もいたしてございますので、ただいまの御意見は私どもちよつと御賛成申し上げかねるのであります。一応診療所を基礎としてやります。
 それからもう一つ、ちよつとつけ加えさせていただきたいと思いますのは、先ほど途中まで申し上げて最後まで申し上げなかつたのですが、三月の調査は、先ほどのような事情ではございますけれども、今度逆に考えてみますと、申し上げたような事情のもとに集められた資料でありますので、割合に自然な姿で状況がつかまれているのではないか、今後たとえば明年、明後年というようなときに、特に分業論議あるいはこれがいろいろな医療経営に響いて来る資料であるというようなことになりましたときに、ともするとこの調査の場合に、調査者あるいは調査対象というようなところで、非常に意識的な偏向を生ずるというようなおそれもなきにしもあらず、かように考えますと、あまりこの問題は調査をいたします方ても、されます。方でも、はつきりと意識しなかつた当時のものがかえつて公平な資料を与えたのではないかというような事情も考えられると思います。
#13
○柳田委員 これはあとからお尋ねしようと思つたのですが、今の御答弁に関連してお尋ねします。今回の大きなねらいは、技術と物と代価をわける――診療技術料は人件費から出て来ているわけですね。人件費等が中に入つていますね。そうしますと、局長は今病院の方と開業医の方とは別々にやつておりますから、私が言つたような意見には賛成できないと言われる。それでは一番大事な技術料の算定には、病院の方の技術料の算定には病院の資料から、開業医の技術料の算定には開業医の資料からわけて出しておられますか、どうですか。
#14
○曽田説明員 差上げました資料に別別に算定してございます。御質問の意味につきましては私こういうふうに思うのでありますが、両面から一通りの計算はしてあるにもかかわらず、今度新医療費体系が採用になりましたときには、一応の基準として診療所から出て来ました単価をとつておるということの問題だと思うわけであります。これは私の方から申し上げるのはどうかと思うのですが、病院の数字ではなしに、むしろ診療所の数字をその病院の方にも一応適用しているというところからの御質問じやないかと思うのでございますが、基礎としてはむしろ診療所をとつておる次第でございます。
#15
○柳田委員 そうすると、技術料の算定の基礎になる人件費等もやはり診療所の方から主にとつておられる。従つてそうすると現在の日本の廉潔医の平均年齢は四十六才でありますが、四十六才というその人の報酬ですか、そういうものを他の、人事院なら人事院のやはり同年数の者と比較して、そういうところから検討して出しておられますか。
#16
○曽田説明員 医師の平均所得というものといたしましては、調査当時における生計費の平均というものをとつておる次第であります。
#17
○柳田委員 そうすると、診療所の方の、病院勤務の医師の技術料の算定には無給に近いあるいは名目的賃金のようなものも入つておりますか。これは全部人件費の中に入つておると思いますが、そういうフアクターは全然入つておりませんね。
#18
○曽田説明員 これは診療所におきましては、診療所に従事しております医師の平均生計費ということになつております。診療所だけでございます。
#19
○柳田委員 次の点に移ります。それでは今度は結論的に簡単に一問一答で行きますが、医薬分業で開業医と病院とはどちらが大きく影響を受けるのです。
#20
○曽田説明員 私どもは病院におきましても診療所におきましても、その収入というような意味におきましては、新医療費体系を採用されましても、その直接の影響としては大きい変動はないというふうに考えております。
#21
○柳田委員 現在日本の医療行政特に保険行政、これは保険局長の所管になりますから、あなたに聞いてみたいのですが、保険行政の中で何としても現段階においてはやはり開業医というものは中核になつているという事実だけはお認めになりますかどうですか。これに対してまた別の御意見がありますか。
#22
○曽田説明員 私どもは医療費の問題を考慮いたします場合に、特に支払い方法というようなものについては、診療所に及ぼす影響というものを特に重要視して考究いたしました。
#23
○柳田委員 私の質問しているのは、新医療費体系を離れて、現在日本の医療、特に社会保険の医療においても、開業医というものがそういう社会保険の中核をなしておる、こういう現状の事実はお認めになるかどうかということを聞いておる。この体系とは別個のものです。認めるか。認めぬかということだけでいいんです。
#24
○曽田説明員 私は医療問題、保険診療の問題といいましても、そのうちのどの角度から見るかということでもつて違つて参るのではないかというように考えております。
#25
○柳田委員 何か私が伏線を張つたように非常に警戒をしておられるようですから、それでよろしゆうございます。局長は病院あるいは診療所ともに今度の新医療費体系でそれほど大きく影響がない、こういうふうに言つておられるのですが、先般も参考人からも指摘しておりましたが、分冊の一の一というところです。ここに病院の方の経常費が二億二百四十七万七千五百二十六円、こういうようになつております。その二ページを見ますと、病院が受領すべき報酬額というところが一億七千六百四十九万六千八十八円ということになつておる。そうしますと差額の二千五百九十八万千四百三十七円ですか、約一四%のものがここで赤字になつているわけです。診療所の方を見ますと、一ページの一の二というところに二千九万八千八百九十円、これは経営費ですが、それと受領すべき報酬額というのは十一ページの一の九というところにありますが、これを見ますと一千八百七十八万二千六百九十九円、差引やはりここにおいても百三十一万六千百九十一円、七%の赤字になつておる。この数字は正直にこの通りに解釈してよろしゆうございますか。
#26
○曽田説明員 当時の調査といたしましては、御指摘のような食い違いを生じておつたのであります。
#27
○柳田委員 そうすると非常に大事なことが今わかりました。当時の調査でこのように病院においても食い違い――今、よくよく赤字と言うのはいやらしくて、食い違いと言われたが、食い違いということを具体的に申しますと、経費の方がたくさんいつて受領すべき報酬額が少かつた、これを局長は食い違いと言う。われわれはこれをもつて赤字と言つておる。この赤字が二千五百九十八万円からある。診療所の方においても百三十一万円からの赤字がある。この赤字から出発したところのものがこの新医療費体系です。その赤字から出発しておいて、今回の新医療費体系で黒字が出て来るという理論的根拠をひとつお示し願いたい。
#28
○曽田説明員 当時においてはかような経営状況であつたという数字を、そのままお示ししてあるのであります。これがいかような理由でこの食い違いを生じたかということの検討、それからその後にこれがどういうふうに動いて行くであろうかというようなことは、これはまた別個の問題となつて参るのであります。ことに保険に響く影響というようなものは、また別に検討がなされて行くものと思います。
#29
○柳田委員 当時の赤字であつた姿、すなわちザイン、この姿から三十年の黒字であるべき姿――ゾルレンを出されたのが新医療費体系、これによつてこれが赤字から出発しているというのが、この新医療費体系の持つ欠陥の非常に重大なるところなんです。これは今ここで議論いたしますと、これはもう局長が苦しいだけなんです。私も局長をこれ以上いじめるのは忍びませんが、これは非常に大事なところで、この資料をつくつた人が一番つつかれて痛いところはここなんです。赤字であるのに三十年に黒字になるという理論は、いかにあなたが強弁されてもどうしても出て来ない。これは理論的にもあなたが言い得られるだけの根拠もなければ、一般的に経済学的にも、どこから見ても出て来ないのです。これが一番の欠点なんです。いかに強弁されても欠点なんです。そこで、二十七年にあつた姿が赤字であつた。それならば局長の言うことを一歩譲つて、今度の新医療費体系すね、いろいろと集計して再配分したのですから、それでは三十年には黒字の病院経営、黒字の診療所経営が出て参りますというような、そういう一つの体系はほかにどこか示されておりますか。
#30
○曽田説明員 私どもの説明が今まで悪かつたのでございますが、この新医療費体系というものにつきまして、私どもはいわゆる支払い方法を改める問題だと考えているのでありまして、新医療費体系に移つたからといつて、今までの赤字経営がプラスになりましたり、プラスの経営がマイナスになつたりというようなことは、この新医療費体系の直接の結果としては出て来ないというふうに私どもは考えておるのであります。(「読んでごらんなさい。適正技術料と書いてある。」と呼ぶ者あり)その適正という意味につきましても、私どもは一応さように考えております。新医療費体系というものを、その中に今のような支払いの方式というものと具体的な点数、あるいはそれを金額に直したものというところまで、広義に解釈いたしますれば、それも含むということを私はあえて反対はいたしませんけれども、その問題は一応別個の問題としまして、支払い方式だけを論ずるというのがお示しした姿であります。
#31
○柳田委員 私も局長のためを思うのでございますが、あまりこれ以上たくさんの言葉をお費しにならぬ方がいいと思います。やはり赤字はどう言つても赤字なんだ、赤字から出て来たものがこの新医療費体系だ、これ以上お言いにならぬ方が私はいいと思います。その最初の間違いを何とかごまかそうとして、多くの言葉を使えば使うほど、間違いは雪だるまがころげて行くようにだんだん大きくなつて行くのです。
 そこで本文のページの表ですが、この中に「費用から換算した点数(B)」とあります。これを説明を見ますと「この場合、比較を便ならしむるため費用の金額をまず点数に換算し総点数を現行総診療点数にそろえて観察すれば」というような、非常に意味深長なむずかしい言葉を書いてありますが、とにかくにもこの「費用から換算した点数(B)」これが新医療費体系を今度実施せんとするエッセンスなんです。ほかのいろいろな数字というものは、このB表を導くための一つの資料に過ぎぬので、B表こそはエッセンスです。今日の社会保険におきましては、いろいろ保険点数のもとがここから出て来る。このB表こそエッセンス。このB表になるまでの計算の経過あるいは経過に至るまでの資料というものが、どこかほかに簡単にわかるように出ておりますか。
#32
○曽田説明員 これにつきましては、差上げました資料で完全にはあるいはわかりかねるかと思いますが、そのうち一部のものにつきましては、この行為回数とうしろに出ております実際の費用というものをかけ合せて参りますれば、この数字になつて来るのであります。診察の回数というようなものにつきましては、多少推計が使つてございますので、この推計方法をさらにと申されますれば、資料がございますのでお示ししてもよろしゆうございますが、あとは大体今申し上げたような方法で出ております。
#33
○柳田委員 そういたしますと、それぞれの診療行為はやはり原価計算の結果出て来たもの、かように解釈して間違いありませんね。そういたしますと、原価計算によつてNTが出て来るわけです。Nは点数、Tは等価係数ですね。そのTは(1+A)tというふうになつておる。さらにそれに加うる技術料のG=(1+A)gtこういう両方の算式から出て来る、これがやはり基礎になるもの、かように解釈してもよろしゆうございますね。その点を確認しておきますが、それでは等価係数のTはどういうふうにしてお出しになりましたか、それをひとつ……。
#34
○曽田説明員 この十月の調査におきまして選ばれました病院、診療所等において、主要な診療行為ごとに十回以上の具体的な行為をとりまして、その際における職員の従事いたしました時間というものを正確にはかつた次第でございます。かようにいたしまして、今度病院あるいは診療所において医師あるいは看護婦が、実際にこの原価計算の対象になつておりますいろいろな診療行為、これに従事した総時間が何時間になつているかということを調べた次第であります。これもこの際よく御説明申し上げておいた方がよいか三思うのですが、医師の実働時間が四時間程度というようなものでは、これはむちやに少いではないかというような御疑問を持たれたと思うのでありますが、これは今申し上げましたような、実際に狭い意味での診療に従事した時間ということになつておりますので、たとえば病院等の医師が研究に従事しているというような時間は、これは患者に対する報酬の対象となつておらない時間でございます。かようなものは入れずに、実際の狭い意味での実診療時間というものをとつたのであります。そうしてそれを個々の診療行為に従事した時間で按分をいたしたというようなことになつております。さような点味で、その研究の時間というものも決して遊んでいたとは考えないのでありまして、実際に手術に従事した時間というようなものの合計には、さような時間と申しますか、労力というものもひとしく按分されて入つて来ているというふうに御了承願いたいと思います。
#35
○柳田委員 それじや診療行為別の等価係数丁が幾らになつているか、あとで資料でお示し願いたい。
 それから手術を例にとりますが、これは手術によつては非常に難易の度、あるいは今おつしやつたt、これは時間が非常に幅があります。往診も今のように非常に時間的に幅があります。従つて往診とか手術等の等価係数のtは何らかの平均値をお出しになつたのではないかと思いますが、どういう方法で平均値を出されたか、これも数字で一目瞭然になるように資料でお示し願いたい。
 それから技術指数のG=(1十A)gtのアルフアはゼロにしておいて、そうして等価係数のT=(1+A)tそういうものが出て参りますか、その点ちよつと御説明を願いたい。
#36
○曽田説明員 さような結果になつております。
#37
○柳田委員 そういたしますと、最初に技術指数のアルフアが今のところゼロでありますと、T=tになつて参りますが、それでいいのですか。そこのところには何らかアルフアがあつたでしよう。そのアルフアはどうしてお出しになつたか。そういう各行為別のアルフアを、資料でお出しになつてくださつてけつこうです。私は時間を急ぎますから、今御答弁なくてけつこうです。
 それから往診の項が今の二ページのa表に脱けておりますが、往診というのは、開業医にとつては、病院の入院という項目にも比し得るほど重要なものです。今後日本の社会保障制度が進んで参りまして、ベッド数がふえて参りますならばけつこうでありますが、今のようにベッドが足らぬところでは、往診という行為、これは特に諸外国の例から見ても、日本においてはその頻度が多いと思いますが、こういう行為があつてこそ、それぞれの一般小市民も入院等の大きな費用がいらずしてそうして簡単にやれる。これはいろいろと功罪はありましようが、この往診というものは、今の日本の医療行為の中では重要な要素を含んでおりますが、これを特にb表からはずしておられますが、それをはずされた理由はどういうところから出ておりますか。
#38
○曽田説明員 診察という中に初診、再診、往診、全部含んでおります。
#39
○滝井委員 それは重大なんですよ。実は私はそれをあとで質問しようと思つたのですが、幸い出て来ましたから関連させていただきますが、昨日も大臣は、往診料は診察料の中に含まれるという重大な発言をした。しからば六・二〇三点という初診料はどうして出て来たかと言うと、総経費を総点数で割つて、そこにアルフアならアルフアというものが出る。それを今度は個個の診療行為の費用、すなわち初診は七十三円八十八銭、これをアルフアで割つて、そこに六・二〇三点というものが出て来たのでしよう。そうすると、六・二〇三点の中には往診は入つていない。個々の診療行為における往診の費用というものは二百十二円三十五銭です。そうすると、もし初診料の中に往診料を入れているとするならば、七十三円八十八銭プラス二百十二円三十五銭を割るのアルフアになるわけです。そうするのが数学的に言えばほんとうです。これは六・二〇三点との関係はどういうことになりますか。
#40
○曽田説明員 その問題は特に附表の三の問題だと思うのでありますが、三のうち一でも二でもどれでもけつこうでございますけれども、ここに掲げてあります計算は、今回の新医療費体系によつて支払い点数がかわつて参りますものだけを掲げてございます。往診は今まで通り支払うという態勢にしてこの三表の計算ができております。第一表の点数という中には、往診は往診の点数として加えて合算しておりますなお一つ申し上げますれば、第一表はこれは一つのいわゆる現状をにらむという意味で掲げてございますので、その具体的な新医療費の体系に移りますのは、この三表の姿になるというふうに御了解願いたいのであります。
#41
○柳田委員 これは非常に重要な点で、あと問題になると思いますが、私はそれじや大きく取上げましよう。この二ページのa表、今局長が説明されましたが、往診の項を脱落されたのでは決してございませんね。あとからいろいろとたくさんの数字を積み上げて来て――こういう厖大な資料を一々詳しく検討するいとまはございませんが、これは脱落したものでない、これは決してそういうふうにミステークでない、意識的に抜かしてあるのだ、かように解釈してよろしゆうございますね。間違いございませんね。
#42
○曽田説明員 うしろの大きい、いわゆる第二分冊というのがございますが、それの数字をそのままこの経費のところあたり、。はとつて来ております。間直いはないつもりであります。
#43
○柳田委員 それから往診は昨年の十月に単価改正となつておりますが、こういう資料から今後保険局の方で新しい点数をきめられると思いますが、そういうときにも、往診の診療行為を何らか点数に表わす場合、この資料から出て来て何ら間違いございませんね。もう一ぺん確認しておきます。
#44
○曽田説明員 これは二十七年当時の資料でございますから、動かないと思います。その後の動きの問題につきましては先ほども申し上げました通りこの往診料については新医療費体系は全然変更するというふうには考えておりません。
#45
○柳田委員 それではa表の中に往診がなくてもつじつまは合うという御言明ですから先へ進みます。
 このa表を千点単位に刻んでおられますが、こういうものを千点単位に刻めば刻むほどいわゆる数字のひずみが大きくなるのではないですか。たとえば五〇一とか四九九という場合、四九九はゼロになり五〇一は一になる、こういうように非常にひずみが大きくなるのですが、もう少し単位を小さくしてやる方がより正確な数字が出ると思いますが、このように非常に数字を大きくしておられるのがあなたの方ではみそかもしれませんが、単位に千位をとられた根拠はどこにありますか。
#46
○曽田説明員 二ページ等に掲げてあります資料は今申し上げましたように現状においていかような診療行為に厚く報酬が支払われて、いかなる行為にはこれが薄いかというようなことの概観を見るという趣旨でございましたので、小さいけたにまるめたのであります。具体的にはむしろ新しい医療費体系を作業いたしましたときにどういう変化か起るかというところを検討すべきだと考えたためであります。
#47
○柳田委員 もう少し小さい単位でこれはやるべきが正しかつたと思います。
 これはこのくらいにいたして、次に第三分冊の十二ページを見ますと、開業医、診療所の方は管理費が抜けております。病院の方は入つております。診療所の方に特に管理費を抜いたこの理論的な根拠はどういうところにあるのですか。
#48
○曽田説明員 これはまつたく事務的と申しますか、技術的な問題でありまして、病院の場合には特別の庶務課とかいうようなものがございますのですが、診療所においては院長が診療業務と同時に管理の仕事をやつておられるというようなところからこの区別が非常にしにくい。もちろん区別がはつきりできるものもございまするけれども、非常に錯綜か多いというところから、この管理費は除いておるのではございませんで経費の中に管理費をみなぶち込んでございます。
#49
○柳田委員 この原価計算要綱試案を見ますと、原価は医療原価すなわち医療に関して費消された額、それから管理原価すなわち病院、診療所の運営管理について費消した額というふうに二つにわけると書いてある。そうしてその説明を見ますと、医療報酬の目的たる医療のための原価とその施設の運営のための費用を区別することによつて一層医療原価の構成を判然とするために、こういうように厚生省でお出しになつていそ原価計算試案には説明されておる。そうなつて参りますと私は病院であろうと診療所であろうと試案説明のごとく管理費は当然別個にここに載せるのがほんとうに正しい原価計算の意味であるのに、病院の方はつかみやすいから管理費を出した、診療所はつかみにくいから経費の中に入れてしまつたというのでは、これは平仄が合わぬと思う。ことに今後医療に従事する者は、何といつても日進月歩の科学に遅れないように日夜研讃しなければならない。従つて図書研究費というようなものは当然経費の中に見なければならない。あるいはまた科学の進歩に伴つて設備等も改善しなければならない。従つて設備整備費等も見なければならない。そういう重要な要素はお加え願つたというのですが、それではどこへ入つておるのですか。
#50
○曽田説明員 ただいま申されましたようなものは経費のうちに含まれておるのでありますが、これが十分に組まれてあるかどうかという御質問に対しましては、あくまでも今回の算出は当時の現状を基礎にして掲げてございます。これに将来さらに研究費等を見込んで行くべきものだということにつきましては、今後の問題であるというふうに考えておる次第であります。
#51
○柳田委員 そうするとこの医療費体系では、医者はもう勉強はできない。設備は改善することができない。現状から出発してこういう体系がとり入れられた、こういう御答弁と確認しておきます。
 現在厚生省では内科、小児科の開業医は、一人当り診療時間を何分くらい見ておられますか。これはtが出て初めてこういう数字が出て来たと思いますので、これは十分御計算されておると思います。
  〔委員長退席、越智委員長代理着席〕
#52
○曽田説明員 時間は算出してございますので、差上げられると思います。内科、小児科だけというふうにわけてございますか、診療所の平均というのはすでに数字が出ております。これはただいま持つて来ておりませんけれども、差上げられると思います。
#53
○柳田委員 それは非常に大事なことです。内科、小児科では、初診の患者が参りますと、対面して初診行為をやる。それから注射をやり、処方箋を書き、町の薬局さんに出す。こうなりますと、初診料の六・二〇三点と注射の技術料の二・五九四点、合計八、七九七点、現行単価にいたしますと百一円十六銭、こういうものが診療の基礎になる。これが再診の場合には、初診料と再診料とが違つて来る。これが内科、小児科では今後の医療経営の主体になるわけであります。従つてこの点がはつきりつかめておらなければ、あなたは七〇%占める内科、小児科等では二%くらいしかづれがなかろうと言つておられるけれども、その点がはつきりして来ないと、そういうことが言えないと思うのです。これもあまり長くなりますから資料を要求しておきますが、大体初診と注射と処方箋を書く、これに何分かかるか。再診の場合は、再診と注射と処方箋を書くのに何分かかるか、これの資料をひとつお出し願いたい。
 それからたとえば深夜、暴風雨雪等におきましては、このtに対して当然神正係数かなければならない、朝の宅診の十時ころに来た患者も、冬の真最中あるいはみぞれの降つている夜中の二時ごろに来た患者も、tが同じだからというので往診報酬が同じであつてはいけない。そのtには当然補正係数がつくわけです。そういう補正係数をどういうふうに見て、そうしてそういう時間は、全体の数字をはじき出す時間のtの中にはどれほどの比率を占めておるか。そういうはつきりした数字が出ておつてこそ、初めてこういうような数字が確実に積み重ねられると思いますから、そういう資料を正確にお出し願うことを要求しておきます。
 それから本文の三ページのb表ですが、今度はこれを見ますと、投薬がここに総回数――これは千点単位ですから十四万七千回、そうしますと、それに〇・五九三点かけますと、八万七千百十七点になります。これをAといたします。それからその十四万七千回に〇・九三四点かけますと、十三万七千二百九十八点、これはBになります。そうすると、分業の結果は、このAの八万七千百七十一点と、総点数の百六十四万からBの十三万七千二百九十八を引いたものとを比率に直しますと、約五・八%になります。この五・八%が私は減収だ、かように見ておるわけなんです。ところが開業医の方には入院という行為がありませんから、分母の方にさらに六万八千というものを加えなければならぬ。そうすると、実際に六%の減収になる、われわれはかように見ておりますが、局長の方では、大体内科の方は二%ぐらいだ、こう言つておられる。この数字から見ると、大体内科、小児科の開業医等では六、七パーセントくらいの減になる、かようにわれわれは見ておりますが、私の方の算術が間違いですか。
#54
○曽田説明員 詳細な御計算の基礎を承りませんと、何とも申し上げかねるのでありますが、私どもで計算いたしましたので行きますれば、申し上げた通り若干プラスになつて来るというふうに考えておるわけであります。
#55
○柳田委員 そうすると、今私の計算方式では六%の減になる、これは減収である。そうすると、所得率も四〇%と踏みますと、約一五%の減収になつて来る、こういうふう量れくは見ますが、私の方の算術が間違いかどうか、この次の委員会までにひとつ資料でお示しを願いたい、かように問題点だけを出しておきます。
#56
○滝井委員 関連して……。今の問題が一番重大なところだと思います。それで私保険局長にお願いいたしたいのですが、新しく移行するであろう新点数で、東京都なら東京都のどこか社会保険の出張所において――これは医師会でひとつ立ち会つてやつてもらわなければいけないと思いますが、多くの数ではたいへんでありますから、百枚か千枚を抜きまして、現在の点数と今度の点数をやつた場合にどういう移動が生ずるか、その結果を二、三日のうちに出してもらいたいと思う。これは柳田君も私も数字の上で申しましたが、今度現実の事態でやれば、水かけ論に終止符を打つことができると思います。患者の負担が増加するか、医師の収入が減ずるか、赤字が依然として続くか、それがはつきりわかると思いますから、千枚ばかりやつてもらいたいと思います。これはそうむずかしくないと思いますが、千枚でむずかしければ五百枚でけつこうであります。現実の重大な場における資料でありますから、ひとつぜひまつてもらいたいと思います。
#57
○柳田委員 今の滝井君の要求は当然出て来るわけです。この点が一番大事なことですから、これははつきりわかるようにして資料を出していただきたい。先般局長は、調剤に要する人件費、光熱費がゼロになるから実収は減にならないと言つている。ところがこういうように新体系で分業になつてはたして投薬に要する人件費、光熱料がゼロになるか。そうなつて来ると、薬局は全然電灯をつけなくてもよろしい、人間は一八も使わなくてもよろしい、そういうお考えでこういう体系をおつくりになつたのですか。今でもゼロになるとお考えですか。
#58
○曽田説明員 この点につきましては、いよいよ明年の一月一日から医薬分業が実施されましたときに、この本文通り処方箋が薬局の方にまわりますものがどの程度あるかということが問題になつて来るわけであります。これがもしも全部薬局の方にまわると仮定いたしますれば、少くとも診療所の調剤室というようなものはほとんどないようになつて来る。また人件費としましても、調剤に要する人件費というものはなくなつて来る、かような意味においてゼロと考えるのであります。ただこれの切りかえのときの具体的な問題としまして、急にやめるというわけにも行かない。建物をつぶすわけにも行かず、人もただちに首を切るわけにも行かないというところでこの問題が起つて来るかと思うのでありますが、これが、たとえば新たに今後開業なさる方であるならば調剤室をつくらぬでありましようし、またその手伝いを予想して人も少く仕事を始められるというようなことでありますので、そういうことにきまれば私はゼロで参り得る、それと同様に、今まで調剤をやつておられました診療所が急に切りかえられたときには一時困るというようなことがあろうかと思いますけれども、長い間にはその態勢に持つて行つていただけるということ。もう一つには、実際問題といたしましてどの程度処方が薬局に流れて行くかというところにかなりな疑問もございます。そういう点から特別に考えなくてもよろしいのではないかというふうに結論した次第であります。
#59
○柳田委員 今水掛論をしてもしかたがありませんが、私はゼロにならぬと思つております。従つてあなたの言うようなことにはならぬと思つております。本文の六ぺージのCの(1)に「新体系実施後も医療行為の種類別頻度に変化のないものとすれば新医療費体系実施後も国民の医療費負担には先ず変化を生じないものと考えられる。」こう書いてある。2の方には「新医療費体系は全診療所の約七〇%を占める内科、小児科及び全科診療所には所得に著しい増減を来さないものと予想される。」こういうように(1)と(2)とはお互いに相矛盾することが書いてあるではないですか。
#60
○曽田説明員 このCの(1)に書いてある意味でありますが、これはあるいは少し言葉が足らぬかと思いますが、私どもは大体患者の延数、これに対する他の診療行為、こういうようなものの頻度というものに大きい変動がなければ大体収支のバランスというものは同じようにとれて行くであろうというふうに考えておるのであります。変動と申しますか、たとえば患者の数がふえて行く、件数がふえて行く、点数がふえて行くというようなことが起つても、この変化はおおむね起らぬであろうというふうに考えておるわけであります。
#61
○柳田委員 どうも納得が行きませんが、時間の関係であまり一つ一つ一問一答をやつておりますと行くところへ行けませんから先へ進みます。
 そこで本文の五ページに「調剤又は注射の技術料(諸経費を含む)」、こうなつていますか、この諸経費はどういうものとどういうものですか。大体大まかなところを教えていただけませんか。
#62
○曽田説明員 注射に、あるいは調剤の際に用いますいろいろな物件費と人件費と両方なのでありますが、混乱いたしますので薬治料と注射料と別々にして申し上げた方がいいかと思いますが、薬治料の方には調剤に必要とする薬包紙あるいは薬袋というようなもの、それから光熱水道料あるいは調剤用具の損耗料というようなものと、調剤に従事した者の人件費であります。それから注射料の場合には注射のときに使います繃帯材料、綿のようなものあるいはアルコール等、それから注射等の破損費、それに医師、看護婦の人件費というものを加えたものであります。
#63
○柳田委員 その医師、看護婦の人件費ですが、この人件費や、先ほど申しました管理費、そんなものまでみな諸経費ですから含まれているわけですね。そうすると、そういう人件費から管理費に至る一切の諸経費が注射、調剤の技術料に含まれておるということになりますが、これには間違いございませんね。
#64
○曽田説明員 支払いの場合にはさような形に相なります。一応そこへ行きますまでにははつきりと分析してやるという意味であります。
#65
○柳田委員 そうなりますと、せつかく大上段に振りかぶりながら、物と技術との乱れがここにおいても見られる。調剤及び技術料の中には人件費、管理費まで一切合財のものが入つておる。ただ薬と薬包紙と薬袋とを除いてすべてが入つておる。これでは技術も物も分離ができるというようなことはあまり大きな声でおつしやらない方がいいのではないか。また処方箋料は認めない、これは本文にも書いてありますが、処方箋料をはずされたのはどういうわけですか。
#66
○曽田説明員 通常の場合におきましての処方箋の作成という労力と申しますか、かようなものは診察料の中に入つております。
#67
○柳田委員 従来は件数が少いから五点でもよろしい、今度は莫大な件数になるから保険経済を維持せんがためにそういう政治的な考慮から処方箋料をはずされた、こういうわけですか。それとも初診、再診の中に入つておる、こういうことですか。
#68
○曽田説明員 ただいま申されましたように、初診、再診料の中に、その労力の中に、この処方箋の作成料も含まれておるという意味であります。
#69
○柳田委員 そうすると診察という行為は、診察して処方を頭で考えて処方箋を渡したということによつて完了する、かように解釈してよろしゆうございますか。
#70
○曽田説明員 一応さように考えました。
#71
○柳田委員 それでは大事なことをお尋ねしますが、医師法の二十二条を読んでみますと、「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。」こうなつておる。そうなつて来ると、医師法二十二条を読んでみますと、医者は患者に対して治療上――ここから治療の限界に入つて来ている。治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合においては処方箋を交付しなければならぬ、はつきり医師法二十二条には処方箋を出すという――処方箋を出す行為というものは治療の中に入つている、これはどうですか。
#72
○曽田説明員 これは前にも申し上げましたように私どもここで一応診察料、初診料、再診料というふうに定めておりますものの中には、ただいまの法律的と申しますか、純理論的な表現、名称というもののほかに、たとえば四点以下の軽位なる処置というようなものも一括して診察料的なものとしてお払いするというふうに考えております。この名称につきましては、私どもも決して診察料というものに固執はいたしておりません。そういう意味においては別個のよりよい呼び名があるならば、それをとりたいということは前にも申し上げた通りであります。
#73
○柳田委員 だから私は確認した。診察という行為は、診察をして処方を頭の中で考えて処方箋を渡したときに終了したものと考えてよいかとお尋ねした。それはその通りだという。にもかかわらず医師法では処方箋を与えるということは治療行為になつておる。二十二条は二十条を受けて来ておる。二十条にはこう書いてある。「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し」てはならない。これを分解してみますと、医師はみずから診察しないで治療してはならない、医師はみずから診察しないで診断書を出してはならない、医師はみずから診察しないで処方箋を交付してはならない、こうなる。従つて診察という行為と処方箋を交付するという行為は全然別個のものに医師法二十条はなつておる。それを受けて二十二条に今言つたように処方箋を出すということは、治療行為の中の一つとして医師法にはつきり書いてある。従つて今度新医療費体系ができるにしても医療費体系のもう一つ前の姿、医療体系ができて新医療費体系ができるわけです。医師法に基いて医療体系ができて、医療体系ができて新医療費体系ができる。ところがあなたの方は新医療費体系から割出して、新医療費体系ではどうしても保険経済がやつて行けぬから、従来のように保険経済をやつているときには、処方箋の五点は理論的に根拠は認めておらぬ。ところが件数が多いので今度は処方箋というものは莫大な数になるから、保険経済もやつて行けぬから、新医療費体系の方からだんだん上に上つて行つて、法律の精神を無視して、処方ということは、これは診察の中に入つておるという。先ほど申しましたようにくどいようでありますが、もう一ぺん言いますと、今念を押したのは、診察という行為は、医師が処方を頭で考えて処方箋として患者に渡したときにおいて診察は終了したとはつきり言つておる。これはまさに、処方箋料を診察の中に入れるということは、医師法の精神をあなたは全然蹂躙しておる。保険経済花守らんがためには医師法の精神を蹂躙してもいいのですか。
#74
○曽田説明員 何と申しますか、法的な正確な意味での解釈といたしますれば、私も誤解を生ずるような発言をいたしました。その点は訂正いたします。ただ私が申しました意味は、もう繰返す必要はないと思うのでありますが、ここに診察料として掲げたもののうちにはそこまで含んでいる、ほかに治療さえ、はつきりとした処置さえ含ましていたのでありますから、さような意味であるというふうに御了承願いたいと思います。
#75
○柳田委員 いまさらあなたが表現をどうこうしたところでおつつかぬ。新医療費体系にそれは入つちまつておるので、おつつかぬ。保険経済を守らんがために医師法も何もかもむちやくちやだ。だからこれは今後非常に大きな問題ですから、私はここに問題点を提起しておきますが、いずれこれは医事法制の専門的な見解もあるでしよう。これは大きな問題として私は提起しておきます。ちようどことわざに頭隠してしり隠さずということがある。あなたの方は、何とか保険経済に合せなければならぬ、現在の保険経済を守らんがためにいろいろ苦心された結果、保険経済を守らんがために、だんだん一生懸命やつておると、とうとうしつぽがこういうところから出て来るということになつて来る。だから初めから筋を通して行かなければならぬのに筋を通さずして、ただに保険経済を守らんがために、昔あつた姿を今後あるべき姿の中にどうかしてこの数を押し込もうとするところから、こういうようなしつぽが出て来るということになる。(「しつぽをつかまえたな」と呼ぶ者あり。笑声)
 もうこれ一点でやめておきます。医務局長は先ほどこの新医療費体系に自画自讃をしておられた。しかしどんな人間のやつた仕事でも欠点はあると私は思う。そうするとあなた白日身は、自画自讃された新医療費−体系でどの点が一番弱点と思うか。率直にあなた自身はどういう点が一これはもう弱点だらけであるけれども、特にあなたがこの点は少し弱点だと思う点をひとつ……。
#76
○曽田説明員 私も決して完全なものとは思いませんが、自分で検討すればするほど、幾多の欠点と申しますか、そういうものに気づく点はございます。しかしながら実際にこれを実施するということになりました場合には、大きい障害というものにはまずならぬであろう、あとの点につきまして、将来のことといたしましては、絶えず外からの御批判もいただき、また私どもも検討を重ねて、さらにしかるべく改善して参りたいというふうに考えております。
#77
○柳田委員 現状をさようにお考えになつておるならばはなはだ甘い限りである。今後三月間の情勢というものが明らかにあなたのその甘い見解を証明すると思いますが、あなたもやはり医人の一人である。医者の一人として、自分が医務局長の職にすわつておつて、日本の医療行政の革命とも言うべきこういうものを現在の医人に出し、将来医人たらんとする者に与えるということに、あなたは自己満足というか非常な喜びを感ぜられますか、それともすまじきものは宮仕えであるという見解でありますか、どちらでありますか。(笑声)
#78
○曽田説明員 それは私の個性から参りますならば、すまじきものは宮仕えと考えておりますが、宮仕えをいたしております以上は、十分努力をいたして大過なきを期したいというふうに心得て−おる次第でございます。
#79
○柳田委員 もう学者の局長をこれ以上追究するのは私は気の毒ですから、まあすまじきものは宮仕えという言葉に、ほんとうのあなたの良心的な声があつたと解釈しておきます。医務局長にはそれだけで、あとはごく簡単に保険局長にお尋ねいたします。
 この新医療費体系を作成するにあたつて、保険局は大体いつごろからどの程度に、この収集あるいは計数あるいは計数ができたものをもつて新体系をつくるということに関与されましたか。
#80
○久下説明員 今正確に記録をとつておりませんので、確かなことを申し上げかねますが、大体二十七年の調査をいたしますにつきまして、その計画の立案及び実施に参画をしております。なお大体の集計ができ上りかけたころからも、この新医療費体系をつくるにつきまして、私の方も重大な関係があるということで、主管の課長及び技官を立案に参画してもらつておりまするし、また私自身も基本的な方針は再再、省議として開催されます場合には、その都度関係をして参つておる次第であります。
#81
○柳田委員 あなたは全国の保険医がこの案で1一点単価等はあとできまると思いますが、それは問題でなしに、こういうような体系で、またこの出て来た数字、あるいは今この連日にわたつて審議しておりますので、これはもう敏感にくみとつておりますが、全国の保険医はこれで満足するというようなお考えですか。満足すると思いますか。
#82
○久下説明員 全国の保険医がこの方針で満足していただけますかどうかは、まだ今日のところはわかつておりません。
#83
○柳田委員 それでは、あなたはやはり保険行政の責任者ですから、満足してもらえる自信はありますか。
#84
○久下説明員 少くとも基本的な考え方につきましては、御了解をいただけるものではないかと思つております。いろいろ具体的にこれを――この間から申し上げておりまするように、社会保険の点数表に表わして参りました場合に、所定の機関を通じて、御意見が相当出るであろうということは予想いたしております。
#85
○柳田委員 大分むずかしいだろうということは予想しておられるようですが、先般医務局長は、やはり二十七年から二十九年、三十年にかけて、物価の変動に応じてスライドしなければならない、そういうスライドは保険局がそれぞれの関係機関に諮つてきめる、というふうに言われたのですが、スライドに関して、何か具体的な構想とか、どの程度の計数でスライドにするとか、何かそういうような腹案をお持ちですか。
#86
○久下説明員 どちらにお尋ねなのかはつきりいたしませんでしたが、医務局長も、この問題につきましては、その後発言を訂正いたしたはずでございます。私どもといたしましては、二十七年の調査以後におきまして、これに匹敵する材料を持つておりません。とりあえずの措置といたしましては、この方針に基いて点数をきめるようにしたいと思つておる次第であります。
#87
○柳田委員 この体系で、年間の調剤技術料は保険局ではどのくらい見ておられますか。今出ませんでしたら、あとで資料でけつこうでございますが、大体大まかに年間の調剤技術料は、保険経済ではどのくらい見ておられますか。それじやあとでお答え願つて……。
 それでは、保険局長は現行一点単価を妥当と見ておられますか。この間厚生大臣は妥当と認めると言つたのだから、あなたは局長としてそれ以外の答弁はできないと思いますが、どうですか。妥当と認めておられますか。
#88
○久下説明員 この問、柳田先生も御指摘のありましたように、大臣のお答えも非常にその点ははつきりしていないようで、妥当というふうに言い切つておられないと思います。私自身は当委員会におきましても再々申し上げておりまするように、ただいま検討している最中でございまして、いずれとも結論を申し上げる段階に至つておりません。
#89
○柳田委員 あなたはこの前現行単価が決定した直後にやはり根本的に再検討する必要がある。従つて善後措置として現在の臨時社会医療保険審議会ですか、そういうものを閣議決定でお設けになつたり何かしておられる。あなたのお言葉の中からやはり現行一点単価というものは妥当じやないというようなお考えのニユアンスが方々から出て来ている。しかるに大臣は一応妥当適切である、こういう答弁をしておられる。もう少し大臣は御訓練される必要があるのではないかと思いますが、新医療費体系における新点数表はいつごろできる御予定ですか。
#90
○久下説明員 お尋ねの問題はこの方針に基きとりあえずこの医薬品料に関連した点だけの点数の改訂という意味でございますか、あるいはそれから先の問題も含めての御趣旨でございますか、二つにとれますが、前段のことでございますれば、いずれにいたしましても法律が来年の一月一日から分業の実施を規定いたしている関係もありまして、私どもとしては早急に準備をいたさなければなるまいと思つております。大体の見通しは今月一ぱいないし来月上旬には一応案をつくらなければなるまいと考えております。
#91
○柳田委員 そうすると、今月一ぱいないし来月には一応の案をつくつて、それを審議会あるいは協議会におかけになるのですか。そうして来年一月一日に間に合うというお見通しですか、間に合わさせるのですか。
#92
○久下説明員 間に合うように私どもとしては全幅の努力をいたさなければなるまいと考えております。
#93
○柳田委員 間に合うならすでに二十七年六月に臨時保険医療審議会ができて、今日までの間にすでに一点単価というものは善後措置として当然出ておらなければならない。そういうときの三年間は全然出なくて、今日ようやくして満足すべき小委員長の報告が出ているとのあなたの御答弁。そしてあとの方は三月で間に合わすと言う。これじや結局あなたの方の厚生省の御意見通り、審議会、協議会というものは、ただ名前は民主的な機関にかけたというようなことですが、単にトンネル機関だけにすぎぬ、こういうことになりますが、やはりトンネル機関でなくてほんとうにそこで民生的な討議をかわすならば――それで臨時医療保険審議会でも二十七年六月から三年たつてまだ結論が出ておらぬ、それでこのような大きな改革は当然二年たつても三年たつてもなかなか結論を得ぬという類推でありますか。これが三月で間に合うという自信がありますか。
#94
○久下説明員 間に合う自信があるかという結論的なお尋ねでございますが、私が今こういう席で自信があるということを申し上げるほど私も自信がないのであります。先ほどから申し上げておりまするように、相当な御意見の出ることも予想をいたしておりまするし、またそれに対しましては局長として最善の努力をして行かなければなるまいと考えている次第であります。ただ臨時医療保険審議会等の問題と今度のこの問題とにつきまして、私はその間に大きな違いがあると考えているものであります。今度の新医療費体系というものは確かにたびたびお話もありまするように、わが国の医療制度のある意味で革命と言われるほど大きな問題であることも承知いたしておりますが、しかしながら財政的な点から考えますれば、全体のわくの範囲内における調整でございます。従いましてよほどその辺は臨時医療保険審議会で今論議の対象になり、おそらく各委員の皆さんが頭に描いておられる問題とはよほどそういう意味合いにおきまして性格が違うものと思つている次第であります。そういう意味合いにおきまして御協力が得られると考えるのであります。
#95
○柳田委員 なお質問したい点もありますが、大分問題点も明らかになりましたので、そこで今また出て参りました問題については後日検討することにして一応私の質問はこの辺で打切つておきます。
#96
○越智委員長代理 福田君。
#97
○福田(昌)委員 きようは大臣にお尋ねしたいと思つておりましたが、大臣がお見えになりませんのでごく簡単な点を一、二点だけお尋ねさしていただきます。
 この本文の最初のところでございますが、医療費総額の点についてでございますが、直接医療費と間接医療費にわけてございますが、このわけられた直接医療費と間接医療費はどういうものを指しておられるのか御説明願いたい。
#98
○曽田説明員 間接医療費と申しますのは附表の一にもございますが、大体物品費、医師に大体支払われるあるいは直接に医療と考えておりませんことに使われるものでございます。たとえば氷嚢とか検温器とかいうたぐいのものが入つているわけであります。それから付添費、これは特に病人の看護のために人を雇う、あるいは正式に雇つたのでなくてもそれに対する謝礼というようなたぐいのものが入つている。それからまた三番目には交通費、医師のところに通いますために必要とする自動車代とかそういうようなたぐいのもの、これがいわゆる間接医療費。その他は医師、歯科医師にみてもらいました診察料及び受けた治療、こういうようなもの及びそれに要する薬品というようなものが直接医療費。それからまた薬局において買いました売薬等のもの、それからあんま、はり、きゆう、というようなたぐいのもの、かようなものが結局直接の医療費というふうに考えられる次第でございます。
#99
○福田(昌)委員 もう少し直接医療費というものを御明確に御説明願いたいのです。ただいまのお話では、患者が個々に薬局でお薬を買つたものもこの中に入つているというように伺つたんですが、そうでございましようか。もう少し明確に直接医療費の中に入れた品目を御説明願いたいと思います。
#100
○曽田説明員 御必要とございますれば、このときの調査で直接医療費の中に込めました項目が印刷物にもなつておりますので、お目にかけたいと思います。ただいまの御質問のように、薬局で買つた薬は直接医療費に入つているかというようにおつしやいますならば、その点については直接医療費に含めてございます。
#101
○福田(昌)委員 資料をお示しいただくということでございますから、あすそのお示しを願いたいと存じます。大臣がお見えになつてから、あすいろいろの質問をさせていただきたいと存じますから、その際あわせてお尋ねさせていただきたいと思いますが、今日のお答弁の中におきまして、薬局からは直接薬剤を購入した分も入つているというお話でございましたが、その薬局から購入いたしました薬剤の費用というものはこの中の何パーセント、金額にいたしましてどれだけ入つておるか、この点御明示を願いたい。
#102
○曽田説明員 これも附表の一に一応載つておるのでございますが、薬局に支払つた額というのがここに計上してございます。
#103
○福田(昌)委員 これは患者が個々に支払つた分になるのでございますか。
#104
○曽田説明員 大部分はこの中に入つておると思うのでありまして、現在におきましてはもちろん保険薬剤師等もございまして、若干の処方はこの表のうちの公費負担分という中の一部も薬局に行つていると思いますが、この分量はきわめてわずかであるというふうに考えております。
#105
○福田(昌)委員 私お示しの資料でよくわからないのですが、その薬局に支払つた分の費用というのは年間国民医療費の附表一を、これをおつしやるのでありますか。これによりますと、直接医療費には薬局に支払つた分というような項目はないような気がするのですが……。
#106
○曽田説明員 これは一と二に大わけしてありまして、その中にaとbにわけてありまして、そのうちの三に薬局に支払つた分として上つております。今申し上げましたように、大体aの公費負担分のうちに薬局に支払われたものが若干はあるわけでありますが、これはきわめて僅少であるというふうに申し上げる次第であります。
#107
○福田(昌)委員 その薬局に直接に支払われた分が大体どのくらいなのでございましようか。
#108
○曽田説明員 これは前にもお話申し上げたことがありますが、この調査は大体生計調査の様式で、世帯から調べたものであります。その調査によりますと、二十七年において推計されます額は、これは百八十八億二千二百万、それから二十八年度におきましては百五十七億二百万という数字が出ております。
#109
○福田(昌)委員 それは個々の生計調査でおわかりになつたという数字は、ここに患者負担分という中に入つておりますから、百五十七億という数字はわかりますが、私お尋ね申し上げたのは、この医療費の中に直接医療費を薬局に支払われた分があるというお話でございますから、それはどのくらいでございますかということをお尋ねをしたのであります。
#110
○曽田説明員 私どもは患者負担分も直接医療費と考えております。今の御質問は私繰返して申しますように、公費負担分の中に薬局に支払われたものがどの程度にあるかという御質問かと思うのであります。これはただいま資料を持つて参つておりません。それからもう一つは正確にこれをつかみますことは非常に困難でございます。保険等の資料について検討いたしました結果はきわめてわずかであるということを申し上げておきます。
#111
○福田(昌)委員 公費から分担いたしましたものがどれくらいであるかという点については、明日資料をお出しいただいて検討させていただきたいと思うのでありますが、この直接医療費とは御説明もありましたように、病院、診療所に診療費としてお払いになつた分がもちろん大部分でありましようが、そのほか多少薬剤購入費もあると思いますが、そのほかにどういうものがあるか伺いたいと思います。
#112
○曽田説明員 薬局で買いました家庭薬等も入つております。それからまたあんま、はり、きゆうというようなたぐいのものもこの中に入つております。
  〔越智委員長代理退席、委員長着席〕
#113
○福田(昌)委員 あんま、はり、きゆうなどの費用はどれくらいですか。
#114
○曽田説明員 これは直接医療費のうち患者負担分、そのうち四番目のその他という中に入つております。
#115
○福田(昌)委員 ここに書いてございます公費と患者負担分とございますが、この公費とは一体どういうものをさすのでございますか。
#116
○曽田説明員 この表現も厳密に言うと多少適当でないと思うのでありますが、この公費と申しておりますのは、むしろ逆に患者負担でない部分というふうにお考え願つた方がいいかと思うのですが、さればと申しまして患者が自分でなくとも自分の親戚等から負担してもらつた、こういうようなものは患者負担の方に入つておるのであります。もう一度申しますれば、公費負担分は厳密な意味での国費、あるいは府県市町村費、そのほかに社会保険あるいは共済組合というような、いわゆる社会保障的ないろいろな機関、こういうものによつて負担されたもの、さように御了解を願いたいと思います。
#117
○福田(昌)委員 さように申しますと、ここに書いてある公費というものは、結局患者が自己負担をした分以外のものは、全部公費の中に含まれる。従つて国の出したものも当然であるし、地方負担もそうであるし、また健保における保険者側負担もこの中に含まれているというようなことでございますか。
#118
○曽田説明員 健康保険組合等の負担いたしましたものは一応公費という中に入つております。
#119
○福田(昌)委員 これはいただいた資料だと思うのですが、医療保険における公費負担額割合という資料がありまして、フランスとか、あるいは英国、ドイツ、スエーデン、ノールウェー、デンマーク等ございますが、この資料によりますと、たとえばイギリスは四一・五%国庫負担、スエーデン二〇%、ノールウエーが二〇%、国庫が一〇%、市町村が一〇%、デンマークは二三%とありますが、この国庫負担は外国のことですが、御調査ではどういうことになつているのでしようか。
#120
○久下説明員 たいへん申訳ございませんが、私、実は提出をいたしました資料につきまして、内容を精細に検討しておりませんので、明日にでもお答え申し上げます。
#121
○福田(昌)委員 ではあす十分お調べいただきまして、お教え願いたいと思います。私どもが社会保険にいうところの公費と考えておりますのは、従来におきましては、国の負担と地方の負担というものを公費と考えておつたのでございますが、あにはからんや、政府のお考えというのは、保険者の大部分の負担を、全部この中に入れて考えておられるということにおきまして、私どもの考え方と非常にずれて参つておると思うのでございます。従つて外国の資料としてお出しいただきまして、公費負担分というものを、どういう考えで出されておるかということを、この際確かめておきたいと思つてお伺いしたわけであります。外国の公費負担というのは、おそらくこれは国際通念に基く常識の範囲におきましては、国及び地方の負担分だけを申しておると思うのであります。日本のような、そういう幅の広いでたらめな公費というものは入れていないと考えておるのでありますが、あすお調べの上でお教え願いたいと思うのであります。
 ところで重ねてお伺いさせていただきますが、日本の場合、公費負担の割合というものは総医療費においてどのくらいの割合になるとお考えになつておられるのでありましようか。
#122
○久下説明員 おつしやいます公費負担の御趣旨がよく理解いたしかねる点がございますが、おつしやる意味は、たとえば国民健康保険に対する二割国庫負担、あるいは生活保護法の医療扶助に対する八割の国庫負担、二割の地方負担というようなものを全部集計したものの総医療費に対する比率という意味でございましようか。それでございますれば、後ほど計算してこれも明日お答え申し上げることにいたします。
#123
○福田(昌)委員 そういうむずかしい技術的なことをお尋ねしているのじやございませんで、この表に出されたような形で、簡単に日本の総医療費というものの中で国庫負担分がどれくらいありますかということをお尋ねしたわけであります。
#124
○久下説明員 御承知の通り、公費負担の一番大きいのは、生活保護法に基く医療扶助費でございまして、これは国と地方はわけてはおりますけれども、おつしやる意味の公費としては全額の負担になつているわけであります。それから一般の医療保険につきましては、これも御承知の通りに、国民健康保険に対して二割の国庫負担がございます。金額にいたしますと、本年度は四十七億円になつておるような次第でございます。なおそのほかの社会医療保険につきましては、医療給付費に対しては、現在この負担がございません。それから精神衛生法でございますとか、優生手術、結核予防法、らい予防法、性参病予防法等々の、いわゆる特別の疾病につきましては、公共的な見地から、この特別な場合に国の補助がございます。これも一応は昭和二十九年度の予算から推計をいたしました数字を二、三日前にお手元にお配りいたしてございますので、金額といたしましては、これによつて御了承を願いたいと思う次第であります。
#125
○福田(昌)委員 私その資料によつて見せていただきますと、結局生活保護法から来る医療給付の分もあるし、結核予防法から来る分もあるしにあるいはまた国保の二割負担分もあるしというようなものをいろいろ合せますと、結局総計百九十七億というものが国の負担になつているのです。また地方の負担というものも総計いたしますと、大体四十九億というようなことになつております。そこでお話になつております公費負担というものは、この百九十七億と四十九億とを合せたものが公費負担分だと考えてよろしゆうございますか。
#126
○久下説明員 これは先ほど医務局長が申しましたように、公費負担という言葉の使い方だと思いますが、厳密な意味では、確かに国及び地方公共団体の負担に限定するのが適当だと思います。ただここに、国民総医療費について出しましたやり方は、患者個人に対する意味において公費負担という言葉が使つてある便宜的な措置でございます。その辺の観念につきましては、別に便宜上の問題で、観念上の混乱は、私はないものと考えていいのではないかと思います。
#127
○福田(昌)委員 その間の答弁にはなはだ明確を欠くと思います。一般に申します場合におきましては、予算上公費と申しますものにおいては国及び地方の負担分が主になつておるのでありまして、個々の個人会社が負担するものまで公費というような名目に入らないと思うのであります。従つてあなたはいろいろむずかしい御見解のようでありますが、その御見解において公費負担というのはどれくらいになつているか、その点をお答え願いたいと思うのであります。
#128
○久下説明員 おつしやるような意味におきまして、厳密な意味、あるいは狭義の公費負担が、お手元に差上げた資料のうちどれくらいになるかということにつきましては、医務局の方で集計した資料があるそうでございますから、これも後ほど差上げることにいたしたいと思います。
#129
○福田(昌)委員 それでは医務局の方でお出しいただきました明確な資料を待ちまして、また勉強さしていただきたいと思います。従つて資料をいただくまでこの点は保留さしていただきたいと思います。
 次にお伺いさしていただきたいのはこの資料でございますが、私どもこの資料からいたしますと、この厖大な資料をお出しいただきましたのは二十七年三月と十月の統計によつておられるわけであります。従いまして、今度二十九年八月の御調査として御提出いただきました私ただいま持つておりますこの資料は、本来なら二十七年の三月、あるいはまた十月のものをお出しいただくのが適当だと思うのでありますが、それを二十九年八月、しかも多分に推計にまたなければならないようなものまでも含めてお出しいただいたのですが、なぜ=十九年度医療費推計額というものをお選びになつたのか、この点御説明願いたいのであります。
#130
○久下説明員 この資料を差上げましたのは、他の委員の御希望によりまして、社会保険の単価を一円引上げました場合にはどういう影響があるかという数字を出してほしいというお話がございましたので、なるべく新しい数字がいいと思いまして、昭和二十九年度の予算に基きまして、この右の方の欄にありますような比率をかけまして、一円引上げた場合の影響を差出したにすぎないのであります。個々の内容につきましては、当然これは決算が済んでみませんと、正確な支出額は出ないわけでありまして、そういう意味合いにおいていたしますれば、ただいまの状況としては二十八年も全体はむずかしいのではないかという予想がされます。今出し得る決算に基く正確な支出額を、まず左の欄に入れるといたしますれば、昭和二十七年度がせいぜいではないかというふうな気もいたすのでございます。しかし大分はもう決算ができておりまして、二十八年の数字が入れられますので、あくまでもこの資料は、最初申し上げたような趣旨でつくつたものでございますので、御了承願いたいと思います。
#131
○福田(昌)委員 この趣旨によりまして、いろいろ調査なさる名目を別にして御提出なさる。そうしてその中で上るとか膨脹しないとかいうことを検討せよということになるわけでございまして、私どもといたしましてははなはだ迷惑をするわけでございますが、医療費が一円上げることによつてどれだけ膨脹するかということをお尋ねをいたしますと、たちまち二十九年度の推計の資料まで出しておいでになりまして、かくかくのごとくに医療費が一円単価を上げるとどれだけ膨脹すると言わぬばかりの資料をお出しになつております。こういう御熱意があるといたしますれば、私ども今調査さしていただいております資料によりましても、二十八年度だつて推計なら出せるはずであります。二十九年度だつて出せるはずであります。でありますから、その推計でもいいわけでございますから、なぜ最近の最も新しい資料というものをお出しにならないか。なぜもつと御調査、御勉強にならないのかという点について、その御誠意の点についてはなはだ私ども疑惑を覚えるのであります。厚生省がその目的によつてためにする資料を出して参つておると言われてもしかたがないという感じがするのでございます。こういう意味におきまして、こういう資料をお出しになつた意味合いというものをお尋ねさせていただいたわけでございます。
 次にお尋ねさしていただきたいのでございますが、今日厚生省には社会保険関係のことをいろいろ御調査いただくための諮問機関とか審議会がたくさんございますが、一体どのくらい審議会、諮問機関があるのでございましようか。
#132
○久下説明員 私の方に所属しております諮問機関は、法律に基くものが二つございます。それは社会保険審議会というのと、社会保険医療協議会というものがございます。それは、それそれ法律に基きまして与えられた使命を果しますために、諮問機関として設けられておるのでございます。それからもう一つ先ほど話題に上つておりました臨時医療保険審議会と申すものがございまして、これは現行一点単価改訂の際の医療関係団体の御要望に基いてできておるものでございます。現在なお審議が続けられております状態でございます。ただこれについて念のためによけいなことを申し上げさしていただきたいと思いますことは、閣議決定には諮問機関として設けることは明確にされておりまするし、また形式上の、運営はさようにしておりますけれども、構成する委員各位の御意見もございまして、通常の諮問機関の運営のようなやり方でなしに、取上げまする問題まで委員各位の発意に基く総意によつて審議を進めるというようなやり方をしておりますることを、念のために申し上げる次第でございます。
#133
○福田(昌)委員 その社会保険審議会ではどういうことを今案にして御検討になつておられましようか。
#134
○久下説明員 社会保険審議会と申しますものは、それぞれ健康保険法あるいは船員保険法、日雇労働者健康保険法等におのおの規定ございまして、制度の運営の大綱等につきまして厚生大臣の諮問に応ずる機関として設けられておるのであります。その意味におきまして、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法にその目的及び所掌事務が規定してございますが、法律の規定はきわめて簡単に書いてございます。しかしながら実際の運用といたしましては、一番おもな審議事項は社会保険に関する法令の制定につきまして厚生大臣の諮問に応ずるということでございます。そのほか実際運営上の問題としましても、重要な問題がありますれば社会保険審議会の意見を聞く建前になつておるのであります。なお社会保険審議会はそのほかにみずからの発意によつて厚生大臣または関係各大臣に建議することができまするので、従来もたびたびそうしたことが行われておる実情でございます。
#135
○福田(昌)委員 それでは次の社会保険医療協議会または臨時医療保険審議会、そういうものについてただいまの段階ではどういうことが問題になつておるか、その点お教えいただきたいと思います。
#136
○久下説明員 社会保険医療協議会につきましても、法律を読み上げますと長くなりますから簡単に申し上げますが、社会保険診療報酬に関する問題、保険医の指導に関する問題等が社会保険医療協議会の所掌事務でございます。同時にまた建議をする権能もありますことは、社会保険審議会で申し上げた通りであります。現在社会保険医療協議会において問題になつておりますのは、九月二十五日に医療協議会を開催いたしまして、社会保険点数改訂につきまして諮問をいたしておりますが、この問題が現在持越されております。それから同時にまたその会議の際に社会保険医の指導に関する問題も議題として取上げております。これまた同様に持越しになつておる状況でございます。近い将来におきましては、再再申し上げておりますように、新医療費体系に基き社会保険診療報酬点数表の改訂も、当然に協議会に諮問いたさなければならないと考えておる次第でございます。臨時医療審議会につきましても、これは前に申し上げたことがございまするが、御質問でございますから重ねて簡単に申し上げますと、設置以来二年以上もたちまして、実は本質的な問題についてはまだ結論を得てないような状況でございます。そこで私ども自身もさように考えましたが、審議会の会長以下構成メンバーの方々も、いつまでもこういう抽象的、一般的な原則論に終始しておるのは適当でないということでございまして、そういう意見に大体一致をいたしましたので、九月十日に総会を開きまして、本来の任務である診療報酬の問題を直接つつ込んだ審議をすべきであるということに全員の意見の一致を見まして、そのことは従来から設けられておりました小委員会に付記になりました。すでに本日までに小委員会は前後三回にわたりまして非常に熱心な審議を始めておるような状況でございます。従いまして臨時医療保険審議会は、簡単に申せば、診療報酬の問題を現在真剣な審議を続けておるということでございます。
#137
○福田(昌)委員 社会保険医療協議会と臨時医療保険審議会と大体同じような気がするのでありますが、どうして二つにわけておられるのか、よくわからないのですが……。
#138
○久下説明員 確かに本質的に申しますれば、二重の機関であると申せると思うのであります。もともとこういう機関ができましたのは、福田先生も御承知だと思いまするが、医療担当者側から現行単価決定の際に、もう少し医療担当者が構成メンバーの上におきまして重きを占めるような特別な審議会をつくつてほしいという申入れがあつたのでありまして、それにこたえまして設けられたのであります。そういう意味合いにおきましては、必ずしも同じものとも言えない面があると思いまするが、審議の進行の内容につきましては、そういう意味で重複がございます。それはそれぞれの機関におきましてたびたび話題に上りまして、次のような話合いになつておるのでございます。臨時医療保険審議会の方は診療報酬に関するいろいろの問題がございますが、これにつきまして一般的なルールと申しますか、方針といいますか、そういうようなものを審議をしようということになつております。これを具体的に、あるいは点数に表わし、あるいは単価の上に表現をするというような具体的な措置につきましては、中央社会保険医療協議会においてやることにしたらどうであろうというふうな、申合せというほどのこともございませんが、話合いになつておる次第でございます。そこで両機関の関係は、片方でそうした一般的な問題をきめましても、法律に基く中央社会保険医療協議会がそれに基いた動きを示さなければ意義がないではないかということも当然起る議論でございますが、これにつきましても、臨時医療保険審議会を構成しております関係各団体と、中央社会保険医療協議会を構成しております関係団体とは、申すまでもなく同一でございまして、委員の顔ぶれこそ若干の差異はあるにいたしましても、その背景となる諸団体は同一でございまするので、おそらく臨時医療保険審議会において決定されました基本方針は、中央社会保険医療協議会におきましても十分尊重されるであろうというような、おそらく関係者の表向いた話ではございませんけれども、話合い、了解の上で今進められておると私は考えておる次第であります。
#139
○福田(昌)委員 この中央社会保険医療協議会あるいはまた臨時医療保険審議会に、この新医療費体系を示しておられるでございましようか。また今度、二、三日前にいただきました一点単価を上げることによつて医療体系に及ぼす影響と申しますか、こういう資料も出して示しておられるでございましようか。
#140
○久下説明員 臨時医療保険審議会におきましては、前回七日に今申し上げた小委員会が開かれ、関係団体の皆様おそろいでおいでいただきました。その席上で私どもからこの新医療費体系の御説明をいたしておきました。この問題と現在臨時医療保険審議会で取上げられている問題とは必ずしも同じ方向ではございませんで、現在の臨時医療保険審議会小委員会の進み方はもう少し広い立場から、問題を各方面から取上げて協議をしておるような状況でございます。それと一つには中央社会保険医療協議会との関係もございまするので、臨時医療保険審議会ではこの新医療費体系については一応説明を聞くということにして、将来また話題にも上ることではあろうが、とりあえずはそういうことにして、厚生省において原案ができて、直接中央社会保険医療協議会の方に点数の改訂を諮問するという筋道につきましては、大体御了解をいただいておるような次第でございます。なおそのてんまつにつきましては、小委員長の御注意もございましたので、私の方から小委員会を構成していない臨時医療保険審議会の各委員に対しましては、資料を添えてお知らせをするということにいたしておる次第でございます。
#141
○福田(昌)委員 先ほどお尋ねしたのですが、御答弁ございませんが、単価改訂の件につきまして、これは二十六年十二月に暫定単価をきめまして以来非常な懸案になつているわけですが、この単価改訂について、どういう形で諮問しておられるかということを伺つたのですが、これに対する御答弁がなかつたのです。
#142
○久下説明員 私が事態を認識している限りにおきましては、先ほど来再一申し上げております社会保険診療報酬といろ考え方の中には、当然単価の出題を含んでおるというふうに理解しておるのであります。各委員の方々もまた同様な考えであろうと思いますし、現に議題に供せられておる資料の中にも単価の問題に触れた項目もございます。ただ現在の状況におきましては、もう少し前の一般的な問題を論議しておるのが現状であります。当然話題に上つて来ることでございます。厚生大臣の諮問は形だけ一応諮問したことにしておりますけれども、この表現はひとり診療報酬だけでなくて、もつともつと広い範囲、角度から自由な審議ができるような形において諮問書は出されておる次第でございます。
#143
○福田(昌)委員 ただいまの御答弁よりますと、単価改訂の問題も診療報酬の中に入る問題であるから、そして当然これは診療報酬の問題を審議検討する機関であるから、あわせてやつておる。しかし現実の段階はその前の段階であるから、まだ具体的な単価の問題には入つていない。さらにまたうがつて想像いたしますと、厚生当局としても単価改訂に関する資料というものは、まだ幹事案としても出していない、かように解釈してよろしいのでございますか。
#144
○久下説明員 先ほど来申し上げておりますように、臨時医療保険審議会に対しましては幹事案というものは出さない運営の仕方をいたしております。もちろん資料の御要求がありますれば、私どもの手元にある限りのものは差出しますけれども、特定の問題について幹事案を出してやるような、普通の諮問機関と違う運営をいたしておるのが臨時医療保険審議会の特色であろうと思います。従いまして将来といえどもおそらくそういうことはないだろうと考えます。ただ現在の段階におきまして、単価の問題だけについてつつ込んだ審議が行われておるのではございません。しかしながら単価を度外視しておる考えではございません。もう少し広い角度からいろいろな問題が論議せられておるのが現状であると申し上げておるのであります。これはだんだん問題が具体的に審議が進むに従いまして、当然話題に上つて来るものと私は考えます。
#145
○福田(昌)委員 たいへんむずかしい御答弁をいただきまして、広い範囲において検討の由でございますが、私どもといたしましては、やはりこういう機関を持つていただきます以上は、医療関係機関において最も当面の問題として重大に考え、懸案の対象になつているものを取上げて審議するのが、こういつた委員会、審議会、協議会の目的にかなう点であろうと私は考えておつたわけであります。ところがそういうどころじやなくて、実に広い意味でいろいろ御検討の由でございますから、私といたしましては、広い意味の御検討もさることながら、ぜひ焦点を合せた目下の重大問題を先に御検討いただくようにお願い申し上げたいと思います。幹事案というものを出さない仕組みになつているということでございますが、幹事案という名前がいけなかつたかと思うのでありますが、別に幹事案という名前にこだわつたわけじやございません。たとえば臨時医療保険審議会に今度の新医療費体系なるこの資料をお出しになつたと伺つたのでありますが、そういうような意味合いにおきまして現行の保険単価の改正に関する、単価引上げに関する資料をお出しになつたことがございますか。
#146
○久下説明員 先ほどちよつと簡単に申し上げたのでありますが、九月十日に至りますまでは臨時医療保険審議会の審議が一時中絶いたしまして、その前はことしの三月ごろまでは大体定期的に開催されて進められたのであります。ところがその経過におきましては社会医療の原則というような問題が取上げられておりまして、これについての議論が非常に激しく展開されたような状況でございます。従いまして今おつしやるような単価の問題というような、具体的な問題を審議会で論議するような状況になつておらなかつたのが実情であります。そこでそういう行き方は適当でないということを会長以下、委員の皆さんも私自身も要望したのであります。そこで九月の十日から角度をかえまして、診療報酬という問題に限つた講師を進めておる状況でございます。従いまして一般論と私は申しましたけれども、それは決してそう広い問題ではございません。診療報酬に限られた意味の一般論でございます。そういう点から今論議が進んでおる最中でございますので、今まではそういう状況で出す機会もございませんし、そういう資料の提出の要望もなかつたような実情でございます。おそらくは近い将来におきましてそういうことが話題になり、私の方からいろいろな資料を差上げて御審議願うことになるとは思つております。
#147
○福田(昌)委員 そういたしますと、たいへん広い意味で診療報酬の一般問題を検討されておつて、単価改訂の問題に入つていない、おそらくこれから話題になる段階であるから、そうなつたら要求をされた資料は出るということでございますね。
#148
○久下説明員 大体おつしやる通りであります。
#149
○福田(昌)委員 そういたしますと、単価を一円上げればいろいろな医療費体系にどういう影響を及ぼすというようなことはお調べになつたことはないし、医療担当者が非常に心配をいたしております単価引上げに対する厚生省の御努力というようなものは、実は医療担当者の期待にもかかわらず何らなされてなかつたというように解釈されるのでございます。もしそうでないといたしますれば、こういう諮問機関にはお尋ねになつていないけれども、今度三十年度の予算編成の上において一体単価引上げの要望にこたえておられるのかどうか、あるいはまた国庫負担分をどういうふうに考えておられるのか、この点もあわせて御説明願いたいと思います。
#150
○久下説明員 先ほど柳田先生にも御質問にお答えを申し上げた通りでありまして、私どもとしては現行の単価を改訂しなければならないという結論に今日まだ到達をいたしておりません。そういう意味合いにおきましてとりあえず提出しております三十年度予算には単価を引上げるという要求はいたしておりません。この資料を取上げてのお話でございますが、この資料そのものが実は当委員会の委員の方の御要望に基いて差出したものでございまして、これについて先ほどお話がありましたけれども、こういうものを出してくれという御要望で出したものであります。この種のものを私どもは臨時医療保険審議会の要望のありました際に出さないということはありませんし、当然出すつもりでございます。
#151
○福田(昌)委員 私ども絶えず非常に遺憾に考えさせられますことは、こういつた厚生省設置のたくさんの審議会がございますが、この多くの審議会というものは、多くの場合におきまして厚生省が一つの結論を持つてこの審議会に諮問をして参るという形が多いことでございます。社会保険の単価引上げの問題は、御承知のように二十六年十二月に暫定的としてきまりまして以来の懸案でございまして、だれが考えましても医療保険の現実の制度、単価というような問題が問題になるということは常識で考え及ぶはずでございます。従いましてこういつた審議会や協議会のメンバーの中には、単価引上げの改訂に関する検討というものを要望しておる委員がたくさんございます。個人的には私ども承知いたしておるのでありますが、そういう人の意見というものを厚生省当局は巧みに押えて参つて結局結論的には、厚生省がお考えになつておられるような、ただいま単価を引上げる必要があるかどうかということの結論が出ていないで、むしろ単価引上げの必要がないという御結論に沿つてこういつた審議会、協議会というものを運営して行かれようという意思があるということを、私ども非常に遺憾に思うのであります。そういう意味から、三十年度の予算には国庫負担の点におきましても必ずや考えておられると思つて好意を持つて期待しておつたのでありますが、それを完全に踏みにじられたということであれば、久下保険局長の御誠意も十分それで評価でき納得できたといわざるを得ません。従いましてこれから重ねての御答弁は、私あした大臣がおいでになつてからいろいろ伺わせていただき御答弁をお願いすることにいたしまして、今日の御質問は一応打切らせておいていただきますが、たいへん恐縮ですがこの資料にまた返りまして、このいただきました二十九年度医療費推計のこの資料からいたしますと、一円単価を引上げることによつていわゆる公費負担、国と地方の負担分というものは、大きく見積りましても二十億増加するにすぎないという結論が出るのでございます。私どもはさように解釈いたしまして今後の値上げの問題を検討して参りたいと思つております。これからの質問はあしたさせていただきます。
#152
○小島委員長 それでは明日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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