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1953/11/20 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第73号
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1953/11/20 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 厚生委員会 第73号

#1
第019回国会 厚生委員会 第73号
昭和二十九年十一月二十日(土曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 小島 徹三君
   理事 越智  茂君 理事 中川源一郎君
   理事 松永 佛骨君 理事 長谷川 保君
   理事 古屋 菊男君 理事 岡  良一君
      有田 二郎君    助川 良平君
      寺島隆太郎君    安井 大吉君
      山口六郎次君    亘  四郎君
      滝井 義高君    福田 昌子君
      柳田 秀一君    杉山元治郎君
      山下 春江君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (大臣官房総務
        課長)     小山進次郎君
        厚生事務官
        (薬務局長)  高田 正巳君
        厚生事務官
        (保険局長)  久下 勝次君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  曾田 長宗君
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
        専  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
十一月三十日
 委員降旗徳弥君辞任につき、その補欠として山
 口六郎次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 新医療費体系に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小島委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き、新医費体系に関する件についての質疑を続行いたします。福田昌子君。
#3
○福田(昌)委員 資料としてお渡しいただきました診療報酬点数表の改正についてでございますが、この改正のおもなる要点はどういうところなのでございましようか、その点厚生大臣から承りたいと思います。
#4
○草葉国務大臣 改正の要点につきましては、昨日私なり保険局長から御説明申し上げました通りでございまして、実は従来の医療費体系を今回の新医療費体系に改めました結果、それを中心にいたしまして、現在の点数を新しい医療費体系に基いた点数に切りかえようといたした点が中心でございます。
#5
○福田(昌)委員 概略の点につきましては、昨日保険局長から御説明があつたのでありますが、ごくかいつまんで、大臣はこの点数表の改正について、その特質がどういうところにあると考えておられるか、この点を承りたいと思つてお尋ねしたのであります。
#6
○草葉国務大臣 技術をはつきり初診並びに再診料で現わしまして、投薬をまた具体的に別にいたした点でございます。これが中心の点だと存じます。
#7
○福田(昌)委員 技術を再診及び初診料で現わされた点でありますが、この技術を初診及び再診で現わすと同時に、初診及び再診料の中には、四点以下の処置料を全部含めてあるということであります。この四点以下の処置料というものは、これは初診及び再診料におんぶして全然ゼロにしてあるという点は、初診及び再診の名において、四点以下の処置料を医者の犠牲にしたということになるのでありますが、それが特質であるということになりますか。
#8
○久下説明員 数字的な点にわたる小数点以下の取扱いの問題でありますので、私からお答え申し上げさしていただきます。
 昨日も申し上げました通り、社会保険の点数表におきまして小数点以下の点数をきめるということは、御承知の通り非常にたくさんな請求書の取扱いを毎月々々いたして参る事務上の便宜の点を考えまして、削除いたしたのであります。そのかわりに昨日も申し上げました通り、主として検査料、また処置料、手術料等、新医療費体系そのものとしては一応手をつけないということになつておりました部分に、適当な配分をいたした次第であります。そういう意味合いにおきまして、今回の点数表の改正は、新医療費体系の基本的な考えと相まちまして、その辺が一つの点数表としての特色になつておるものと存ずるのであります。
#9
○福田(昌)委員 物と技術をわけたとまことしやかにおつしやいますが、これはわけたのではなくて、今まで物と技術をごつちやにしておつた。そのごつちやということは相かわらずでありまして、そのごつちやの中で、物で表現してかけてあつた看板を、技術に表現してかけかえるというにすぎないというのが、この新医療体系だと思うわけであります。(「少しはよくなつた」と呼び者あり)今有田議員から少しはよくなつたというお話もありますが、少しもかわるところがない、看板をかけかえたにすぎないというのが、この新医療費体系だと思います。その新医療費体系をまことに忠実に翻訳することにお努めになつたとうたつてあるだけに、この点数表というものも、まことに矛盾をそのまま出して参つておるわけでございますが、この点数表の改正案をおつくりになる場合に、これは何局でおつくりになつて、どういう人人に御相談をなさつたか、この点伺いたいと思います。
#10
○草葉国務大臣 これは前会からいろいろ御審議をいただき、御意見等を拝承いたしました新医療費体系を中心にいたしまして、これを現在の健康保険、社会医療保険に現わします場合には、点数に直して行かねばなりませんので、従つて保険局を中心にいたしまして、点数に直す作業をいたし、その場合に、昨日も申し上げましたように当委員会等でいろいろ御意見のありました点を十分尊重するように実は努めたつもりでございます。その他、従来からこれらの問題につきましては、あるいはバランスの問題等で種々御意見等を拝承いたしておりましたから、そういう点も妥当なるものとしてどうしてもこの際いたすことが適当であると存じました点は、取入れることに努めたような次第でございます。主としてこの仕事は直接の担当局でありまする保険局においていたしたのであります。しかしこれらの関係は、他の各局並びに関係医療方面にも影響いたしますので、従つてこの点数を決定いたします最後には、これらの関係局とも十分連絡をとつていたしたのでございます。
#11
○福田(昌)委員 保険局が主となつてされたということはわかりました。ところが大臣の御答弁によりますと、保険局で主として事務屋さんがされたのであつて、従つて医療担当者とか、あるいはまた医学的な専門知識のある人がこれに関与した点が少かつたろうということは想像できるのであります。ところで大臣の御答弁によりますと、先般の厚生委員会の意見を尊重して、この新医療費体系に基く点数表の改正をしたということでありますが、大臣はいつもそういう詭弁を弄してうそを言われる。委員会の意向を尊重していないことは明らかでございませんか。委員会そのものはこの新医療費体系を認めていないし、また新医療費体系に疑念があるから、これを釈明するために資料を出してくれというのが、委員会の結論であつた。委員会の意向を尊重すれば、その新医療費体系を本委員会として了承できる線にまで厚生省としては資料を提出し、その点を釈明しなければならないと思います。ところが国政調査の範囲内において当然新医療費体系というものを国会で審議すべき権利がありますが、そういう意味におきまして厚生委員会の意向を全然無視いたしまして、そうしていきなりその新医療費体系によつて点数表の改正をするということは、実に厚生委員会を無視した越権行為であると思う。この点数表の改正にあたりまして、その基礎となる新医療費体系そのものも、十分厚生委員会の了解を得ていないのに、こういう改正表をつくつて参るということにおいて、大臣がいかに厚生委員会を無視したかということはよくわかるのですが、それにもかかわらず、厚生委員会の意向を尊重したという詭弁を弄するということは、あなたの人格のために遺憾なことですから、お考えを願いたいと思います。
 ついでにお尋ねいたしますが、この改正案におきましては、たとえばいろいろな点で、私どもどういう資料に基いてこの改正案をつくつたのか、疑問に感ずる点があるわけでございます。この資料を読んでみますと、たとえば皮下注射が二点、静脈注射の注射料が三点となつておりますが、これは何を基準としてこういう点数をおきめになつたか、その点を伺いたいと思います。
#12
○久下説明員 皮下注射、静脈注射その他の注射の点数をきめましたのは、新医療費体系の基礎になつております昭和二十七年の医療実態調査の資料によつております。
#13
○小島委員長 福田君に申し上げますが、大臣は所用があつて十一時十分か十五分には退席されるはずでございますから、どうぞ大臣に対する御質問を願います。
#14
○福田(昌)委員 保険局長の今の御答弁を続けて承つて、あと大臣にさしていただきます。二十七年の調査に基いてやつたというお話でありますが、あのときには皮下注射が二・八幾らかになつておつたと思いますが、とにかくそういう資料を出されたその根拠につてい、私どもこまかい御説明を聞いていないわけですが、どういうところを調査されて、どういう根拠に基いてああいう点数が出て参つたか、この点御説明願いたいと思います。また静脈注射についてはどういう資料に基いて三点ということをおきめになつたか、この点を伺いたいと思います。
#15
○曾田説明員 経費につきましては総括的なことは前会いろいろお尋ねございましたときにも申し上げておいたのでありますが、いろいろ現実に注射をいたしましたその事例をとりまして、医師が何分くらいの時間を費したか、またそれに看護婦をどれだけ使つたか、またそのときに費した綿、アルコールというようなたぐいのもの、それから注射器あるいは注射針、こういうようなたぐいのものにつきましては、ことに注射針のようなものは一括して消毒いたしておるのでありますが、その消毒にはどれくらいの時間がかかつたか、あるいはそれに要した光熱料というようなたぐいのものを平均的に出して計算いたしたものであります。
#16
○福田(昌)委員 それは御説明いただかなくてもそれくらいのことを基準にしてお出しになつたことはわかります。だからどういう病院なり診療所なりあるいは保健所を単位にして調べられて、どういう数になつてどういう結果でこういう二点とか三点とか生れて来たかという御説明を願いたいということをお尋ねしたわけであります。そんな抽象論はお尋ねしなくてもわかる。そして静脈注射の三点はどこから割出されたか、この点を承りたいと思います。大体皮下注射の二点なるものは一般診療所を対象にしておられない、保健所を対象にして検討しておられます。しかも保健所はこの注射の消毒におきましても、アルコール消毒を主としてやつておられるというような、一般診療所ではおおむねやれないような例外的な消毒方法をとつてこの基準をきめておられるという点があるのでございますが、そういうこまかな御説明がきわめてずさんであつて、漠然とした御説明しかいただいておりませんから、この点詳しく御説明願いたいと思います。しかし大臣の時間がないそうですから、これは大臣がお帰りになつたあとで御答弁願うといたしまして、大臣に続いてお尋ねいたしたいと思いますことは、きのうの御説明によりましても、この新医療費体系、そしてこの点数表の改正によりまして医療を向上し合理化されるというお話であつたのですが、どうも私たちは医療が向上し合理化されるとは考えられない、なぜ私たちが考えられないのに、大臣は医療が向上し合理化されるとお考えになつておられるか、その理由を御説明願いたい。
#17
○草葉国務大臣 まことにむずかしいと存じますが、実は私どもは現在の保険医療というものはだんだんとお話申し上げて来ましたように、物に対する評価というものが技術をその中へ加えておる、まことに矛盾したようなことに相なつております。従つて新医療費体系におきまして、これを努めて分離して、今後技術の向上、また技術に対して一本として、それに対する報酬等は分離しながら向上させるようにする道を開くことが、制度としては最も適当であると考えておるわけであります。従つて今回の点数の場合におきましても、おのおのはつきり分離しており、従つて今後修正その他考え方の上では全然別にして、そうして技術に対してはどんどん向上し得る道をとることが根本的な改善であると考えて参つております。この点数そのものは最初から申し上げましたように、これが絶対的のものではない、だんだんと改善しまた必要である点数を増してという場合におきましても、はつきりそれが独立しておるということが最も必要な点ではないか、日本の医療の向上には根本的になる点ではないかと考えております。
#18
○福田(昌)委員 大臣は技術と物を分離して、いかにも技術と物がこの新医療費体系では十分分離できておるかのような御答弁でありますが、物と技術がごつちやになつておることは、これまでしばしばほかの委員によつて指摘されたところであります。物と技術を分離されておるかのごとくに見せかけて、実は今まで物の中に技術が含まれておつた分野があるのは確かでございますが、この医療費体系におきましては、技術の分野に物を押し込んだ形になつておるのでございまして、総体的には一向にかわつたところはないわけでございます。物の中に技術を含めておることは医学の向上にならないが、技術の中に物を含めることは一向にさしつかえがなくて、医学の向上になるというその御議論は、私には了解できぬのであります。物と技術をはつきり分離したというならば話はわかるのでありますが、この医療費体系は物と技術を分離しておりません。物と技術をごつちやにしておる。今まで物と表現されておつた中に技術が含まれておつたものを、あべこべに技術の中に物を含んだというにすぎないのでありまして、内容は相かわらず同じです。看板を書きかえただけで医療が向上できるとはわれわれには考えられないのでありますが。新医療費体系は大臣の御答弁とは違う、間違つた、あやまちを犯しておるということを大臣自身お認め願わなければならぬのであります。こういう点でわれわれは絶対に医療が向上できるとは思いません。大臣の医療の向上の理由というのはその一点だけです。
#19
○草葉国務大臣 実は御指摘のように、物と技術をわけると申しましても、数学的にわけるようなかつこうにできないことは、この行為そのものが技術によつて生れて来る行為でございますから、従つて截然とわけるということは、御指摘のように困難であろうと存じます。しかしながらその中心をどこに置くか。そしてそのために今後技術というのを中心に考える場合に、考え得る態勢をとることが必要でございます。これが今回の点数にも表われ、また具体的に表示して参りました点でございます。この点が私は中心であろうと存じます。その他は従来社会保険における点数等で問題になりましたし、不明瞭であつた点を努めて今回修正をいたし、また新設をして、従来の適当でなかつた部面を適当にするように努めた次第でございます。
#20
○福田(昌)委員 十分でなかつたけれども、大体技術を尊重する建前をとつたというのであれば、なぜ処方箋料をゼロになさつたのか。今まで五点という既得権があつたのを、一足飛びにゼロになさつたのか。これは技術を尊重されるという大臣の御趣旨からはなはだ相そぐはない、相反した結果になつているわけでありますが、これはいかなる御意思によつてゼロにしたのでありますか。
#21
○草葉国務大臣 この処方箋料は実は初診料、再診料の中へ含め、かつまた初診料として明示することよりも、それを含めることがいいのではないかというので、今回は含める考え方でいたしたのでありますから、従つて処方箋料は全然科目を設けなんだ次第でございます。
#22
○福田(昌)委員 既得権である五点をいきなり黙殺いたしまして、新しい体系の再診料に含まれる方がよいものだからこういうふうにしたというのは、はなはだ既得権なるものを無視した話だと思いまして、了解できないところであります。厚生省がいいと思つたからかつてにきめたじや、われわれとしては了解できないのであります。ではもう少し広い視野で伺いたいと思います。世界中で処分箋料がただの国はどこにありましようか、この点お示し願いたいと思います。
#23
○草葉国務大臣 それは他の所管局長からお伺い願いたいと思います。
#24
○曾田説明員 外国の事例につきましては必ずしも十分に取調べてございませんのでありますが、処方箋料を払わないところは私はあると思つております。
#25
○福田(昌)委員 あるというお話でございますが、その博学なところでどう一いう国であるかということをお示し願いたい。
#26
○曾田説明員 これはあまり不確かなところをお答えを申し上げてもどうかと思いますので、取調べた上でお答えをいたしたいと思います。
#27
○福田(昌)委員 そういう国では処方箋料にかわる何らかの配慮というものが考えられておると思いますが、その関連においても十分御調査願つて資料をお出し願いたいと思います。
 次に重ねてお尋ねいたしますが、この新医療費体系点数表の改訂によりますと、医療が向上し、合理化されるという御答弁として、大臣はものと技術をわけたということだけしか御答弁にならなかつたのでありますが、そのわけたとおつしやる点も、実はものと技術は相かわらずごつちやにしておるという点で大臣の御答弁通りに功績があがつていないような気がするのですが、大臣がお考えになつておるこの体系においての特徴はやはりその点だけでございますか。
#28
○草葉国務大臣 最も端的に現われているのはその点でございます。
#29
○福田(昌)委員 それで医療が向上されたと盛んに宣伝されておつたわけです。そうといたしますれば、大臣の医療の向上、合理化ということがいかに根拠のない、また言葉のあやにすぎなかつたかということがこれでまた十分説明がついたと思います。わずかそれだけのことでは決して医療の合理化というものは望めないということを大臣がこの際お考え直し願いたいと思います。そういうことで医療の合理化合理化、向上々々というようなことをしよつちゆうおつしやられると国民を誤らせますから、この点もお考え願いたいと思います。
 次に重ねてお尋ねいたしますが、この新医療費体系から生み出されて参りました点数表によりますと、新しく保険薬剤師というものができるということになるわけでありますが、この保険薬剤師をつくる場合にはどういう基準でおつくりになりますか、この点伺わせていただきたいと思います。
#30
○久下説明員 保険薬剤師は、現在でもきわめて少数でありますが指定がしてございます。別段特別な基準というようなものはないのでありますが、現在私どもとしては医薬分業実施を前にいたしまして、先日全国に私の名前で通牒を出しまして、よく所在の薬剤師協会とも連携の上で指導、指定その他必要な準備を進めておくようにということを指示してございます。そういうことでなお薬局の整備につきましては、御案内の通り薬務局の方で一般的に指示をしてすでに実施されております。私の方としてはその程度の措置でよいものと考えておる次第であります。
#31
○福田(昌)委員 先ほど全国の薬剤師協会に指示なすつたと言われましたが、その指示の内容はどういう点であるか、概略でけつこうでございますからお示し願いたいと思います。この指定はちようど保険医師を指定すると同じような一定の講習をなさる御意思があるか、この点をあわせて伺いたいと思います。
#32
○久下説明員 私が申し上げましたのは、全国の知事あてに指示をいたしたのであります。実際問題としては知事の下に働いております保険課長が仕事をすることになろうと思います。これに対しまして、今文書そのものを持つて来ておりませんけれども、昭和三十年一月一日から実施を予定されております医薬分業の準備につきましては、本省におきましても医薬関係審議会あるいは新医療費体系等につきましてそれぞれ所要の準備を進めておる次第でありますが、実際に医薬分業を担当して参ります一部門である保険薬剤師の指定につきましてはそれぞれ準備は進められておると思うけれども、なおひとつ所在の薬剤師協会とも十分連携の上で、その指定なりあるいは今お話の指定前講習というようなものも準備を進めるようにという指示でございます。
#33
○福田(昌)委員 それぞれ保険薬剤師の指定について配慮中であるということでございますが、それは各県によつてそれぞれの立場で保険指定をお考えになつて、またそういうふうに厚生省はさせようとしておられるのか、それとも厚生省自身において保険薬剤師に対してはかくかくの基準が必要であるという一つの指針を持つておられるのであるかどうか、その点を重ねてお伺いいたします。
#34
○久下説明員 保険薬剤師の指定は都道府県知事の権限になつておるのでありまして、そういう意味合いにおきまして知事あてに指示をいたしたわけであります。一般医師につきましての指定につきましては別段基準なりはないのでありまして、ただこの指定に関する事項の手続等につきまして厚生省令が出ております。保険薬剤師につきましてもそれは適用がございます。その程度の手続でやるのみでございます。特別に薬剤師のみ指定に関してわくをはめるような考えはただいまのところはございません。
#35
○福田(昌)委員 厚生省令による保険薬剤師の指定の基準というものは大体どういう点であるか、この点をお示し願いたいと思います。
#36
○曾田説明員 昭和二十三年七月厚生省令第三十二号をもちまして健康保険及び船員保険の保険医及び保険薬剤師の指定に関する件という省令が出ておるのでございます。こには保険薬剤師の資格そのものについての特別な規定ではございません。指定を申請する場合の手続に関する規定を定めたものでございます。先ほど申し上げました通りこの省令はそういう内容だけでありまして、私どもとしては薬局を開局しておる薬剤師でありますれば、それ以上に特別な限定を設けるつもりはございません。もつとも薬局そのものの整備については問題があろうと思いますが、この点は先ほども申し上げた通り薬務局長の方で所要の指示をしてすでに薬局の整備について実施されておりますので、その前提のもとに薬局開局の薬剤師でありますれば保険薬剤師として所定の手続さえ経れば指定してさしつかえないものと思つておる次第であります。
#37
○福田(昌)委員 大体開局の薬剤師ならば手続さえ経れば保険薬剤師になれるというお話を伺いました。こういうお話は、ちようど先ほどの保険医師の指定と同じようなことで、講習をある程度なさる意思があるかどうか、この点をお伺いしておきます。
#38
○曾田説明員 講習をする必要があると存じまして、先ほど申し上げましたように指定前講習につきましても準備を進めるようにということを先月の中ころ指示してある次第でございます。
#39
○福田(昌)委員 今保険医の指定になりますと隔月か三箇月に一回か存じませんが、講習があるのは、どうもその程度であるようでございまして、大体指定されるまでに二箇月くらいかかる感じでございますが、薬局においてもそういうようなとりはからいをなさるのですか。
#40
○久下説明員 その点は私どもの指示が出ます前まで、地方によつていろいろ事情が違つておるのであります。私ども指示をするに当りましても、根本的な問題は医薬関係審議会の審議にかかつております。医薬分業実施地域がどうなるかということはこの実際的な指定に重要な関係があるところでございます。そういう意味合いにおきまして、そのことも実施前にきまるであろうということを予想しながら、その辺がありますので、全国一斉に保険薬剤師の指定をすることがいいかどうかということにつきましては、私どもとしては考えておる次第であります。その辺の考慮を払いながら、所要の準備を進めるようにしてあるのが、現在の状況でございます。
#41
○福田(昌)委員 また医薬関係審議会なりまたほかの審議会なりを持ち出されまして、厚生省当局は隠れみのに隠れましたが、厚生省は非常に都合のいい審議会を大分お持ちになつておるようでございます。ところで医薬関係審議会では三十年一月一日から実施となれば、あまりたくさん日が残つていないのですが、まだ結論を出されていないというのであれば、保険薬剤師の準備においてもはなはだ追い詰められて参ると思うのですが、この医薬関係審議会ではそういうような結論をいつごろお出しになるのですか。
#42
○小山説明員 医薬関係審議会はいつかも申し上げましたように、六月二十九日から審議会を開始しまして、今日までにすでに総会で二十回以上やつております。第一部会、第二部会とわけまして、それぞれ医師法二十二条の例外事項及び薬事法二十二条の第二号の事項、これを第二部会で行い、それから薬事法二十二条第三号の薬局の普及していないと思われる地域という問題について第一部会で審議しておりまして、いずれも十回前後やつております。大体意見が出尽しまして、目下小委員会なりあるいはさらに秘密会を開きましてそれぞれ意見を調整中でございまして、何と申しましようか、大体固まつておりますけれども、いろいろな意味における模様待ちというようなところで、しばらく待つというところでございまして、きわめて近い機会に結論が出ると考えておる次第でございます。
#43
○福田(昌)委員 保険薬剤師の人たちが今後保険診療に当られるということになりますと、やはりその診療の上から言いまして、社会保険支払基金法のある程度の制約を受けることになると思いますが、それはそのように解釈してよろしいのですか。
#44
○久下説明員 お話の通りでございます。
#45
○福田(昌)委員 そうしますと、保険薬剤師に対しましても、ある程度監査機関が設けられるということになると思いますが、それもそのように解釈してよろしゆうございますか。
#46
○久下説明員 監査の問題は監査という言葉を私ども使つておりますのは、基金とは直接関係ございませんで、お話の点は法律にございます基金の審査であろうと思いますが、審査は当然かかると思います。
#47
○福田(昌)委員 そうしますと、この保険薬剤師の方々がお出しになりました書類上の審査ということはたいへん困難じやないかと思うのでございます。たとえば処方箋にいたしましても、患者が東京の医者から処方をもらつたものを東京の薬剤師が調剤するとは限らない点が出て参ると思うのです。そういう処方箋が北海道で調剤される場合もあろうし、あるいは関西で調剤されることもあろうと思うのです。かようになりますと、医者の提出いたしました診療請求点数を審査いたしますのと、薬剤師の提出いたしました書類を審査いたしますのとでは、その審査の基準におきまして、また調査の幅におきましても、非常な困難ができるのじやないかと思うのでありますが、この点をいかようにおとりはからいなさる御意思でありますか。
#48
○久下説明員 保険薬剤師の請求に関する審査は、お話のように簡単に実質がわからないことがありまして、審査それ自身におきましてはおそらく点数の間違いでありますとか、あるいは楽品の単価の取違いでありますとか、どちらかというと事務的な審査に終るのが多いかと思います。処方箋に基いて正しい処方をしたかどうかというようなことにつきましては、これは別途監査などの処置によりまして是正をして参るよりほかにないと考える次第であります。
#49
○小島委員長 福田君、大分時間が超過しましたから簡単に願います。
#50
○福田(昌)委員 たいへん審査も困難であつて、結局事務手続内容のあやまちを修正する程度しかできない、全般の問題として処方箋通りに調剤されておるかどうかというような監査の問題は別個に考えなければならぬというお話でありますが、この別個に監査をおやりになるという内容はどういうふうな方法をお考えになつておられるか、この点伺わしていただきたい。
#51
○久下説明員 別に特段の考えはないのでありますが、一般保険医につきまして従来監査あるいは指導等をやつておりますやり方と同じようにやる以外はないと思います。
#52
○福田(昌)委員 時間がないので急ぎますが、この診療点数表の上から一、二点重ねてお伺いいたします。先ほど皮下注射につきましては二点という漠然たる御説明がございましたが、静脈注射を三点とおきめになりました根拠を具体的に御説明願いたい。それから調剤と注射の場合でありますが、調剤薬品の薬品原価は、医者の請求に対しましては薬品原価に一・一をかける、注射薬の場合におきましては薬品単価に一・〇五をかける、この一・一をきめたり、一・〇五をきめたその根拠、これはどういう意味合いでこれをおきめになつたか、この点をまず御説明願いたい。
#53
○久下説明員 まず第一の注射の点でありますが、先ほど申し上げました、医務局というよりは厚生省の昭和二十七年調査の数字によりますと、皮下、筋肉内注射は、診療所における経費、注射そのものに必要な技術料は二十五円八十銭と出ております。それから静脈注射につきましては三十九円十九銭という経費が出ております。これをそれぞれ十一円五十銭と十二円五十銭の加重平均単価であります十一円八十三銭で割りますと、二点強、三点強となるわけであります。そういう意味合いにおきまして二点、三点ときめた次第でございます。それから医薬品と注射薬につきましてロスの見方を書いております。まず一般医薬品につきましては、変質あるいは毀損等の問題のほか個々の調剤にあたりましてはかり込みなども当然考えて行かなければならぬということであります。そこでこれは御案内の通り特別点数をきめておりますものについては、現在におきましても一割のロスを見るということが考えられておりますので、それで一割にし、なおさらに医務局調査の資料にもこの点は考慮に入れておりますので、その考慮に入れたものが新医療費体係でお示ししました医薬品の原価になつております。そういう意味も加味いたしまして、一割にいたしたのでございます。ところが注射薬につきましては、同様の考え方を入れることは当然でございますけれども、昨日も申し上げましたように、はかり込み等、注射薬以外の医薬品とは若干の区別を設けてさしつかえないものと考えまして、五%だけロスを見ることにいたした次第であります。
#54
○福田(昌)委員 厚生大臣にお尋ねいたしますが、厚生省の答弁を伺つておりますと、国民総医療費というものは国民総所得に対して三%が限界であるという御説明をされましたが、その厚生省が言われる三%の限界点も今日ではすでに突破して、五%にもなつておるものと思うのでありますが、この三%というものを出された理由はどういうところにあるのか、大臣から御答弁願いたいと思います。
#55
○草葉国務大臣 日本で今まで医療に対する総支出をいたしておりますのを見ますと、大体三%そこそこであると存じます。従つて一応現状を考えます場合には、大体三%程度が医療の一つのねらいではないか。しかし医療でございますから、医薬品の向上なり、あるいは病気に対する治療の方法の向上なり、そういうのが現われて来たり、またときによりますると、急激に医療対象者が多くなるというような場合もあり得るわけでございます。従つてそういうのを考えますると、この三%が必ずしも一定不変のものではなしに、ときによると増減をいたし、また医療の向上につれましてむしろ国民の負担は医療に対してはある程度増加して来る性質のものであると考えます。
#56
○福田(昌)委員 大臣の御答弁を伺いますと、厚生省の三%というものは、この資料の基準になつた二十七年度がちようど三%であつたから、一応その二十七年度をとつて三%が妥当であるというように考えたが、しかし医療費というものは必要によつてある程度膨脹するということも考えなければならないから、これを越えてもさしつかえない、このようにお考えになつておると考えてよろしゆうございますか。
#57
○草葉国務大臣 大体御意見の通りであります。
#58
○福田(昌)委員 そういたしますると、相当余裕が見込まれておるということが考えられるわけでありますが、かように考えて参りますと、やはり国民の総医療費というものはある程度膨脹して参る、現状ではすでに年々三〇%程度膨脹して参る推移にあるわけでございますが、今後もある程度膨脹して参るということが考えられます。そうなれば当然総額がふえて参ります。そういたしますと、国民の個々の負担というものも考えなければなりませんが、現実の問題といたしまして、国民の個々の負担というものはある程度限界が来ておるということが言える。従つてどうしても医療費というものは国の費用を考えて、国の費用で補充して参らなければならぬということが当然起つて参るわけです。御承知のように世界の趨勢を見ますと、ドイツでさえも医療費に対しましては国費が出されておる。また社会保障の進んでおるスエーデン、ノールウエー等を見ますと、国民の総医療費の負担分というものは、大体二〇%以上の国庫の金がつぎ込まれておるわけでありますが、日本では御承知のように国の負担分は二十九年度においても八・四%というのが厚生省の御発表でありました。そうなりますと世界的な水準から見ると、日本の国民総医療費のわく内におきましては、国の負担する分があまりにも少いということが言えます。こういう点を考えまして、厚生大臣は大臣として、この医療費の負担分を国の費用をもつて相当分まかなう必要があることをお考えになつておられると思うのでありますが、これに対してはどういう処置をおとりになる御意思があるかどうか、この点を伺いたいと思います。
#59
○草葉国務大臣 これも私大体におきまして御所見と同感でございます。今後国の負担というものは、医療に対しましては、当然必要な程度まで増して来べきものと考えております。従つて従来から予算措置におきましても、私ども努めてこれをとつて参りたいと考えております。三十年度におきましてもその方針をとつております。(福田(昌)委員「具体的に」と呼ぶ)具体的なことはただいま資料を持つておりませんが、大体の気持はそういう気持で進んでおります。
#60
○福田(昌)委員 時間がありませんので私はこれで終ります。
#61
○小島委員長 長谷川君。
#62
○長谷川(保)委員 ちよつと今席をはずしておりましたので同僚議員の質問と二重になりましたらお許しを願いたいと思いますが、時間がありませんので簡単にお伺いしたいと思います。
 まず第一に法律によりますれば、一月一日から医薬分業をするというので、その基礎になるべき新医療費体系をわれわれは今論議しておるのでありますが、ただいま参議院におきましても、これを延期するというような法案も出て、継続審議されているやに聞くのでありますが、この医薬分業を一月一日から実施しない場合でも、新医療費体系は一月一日から実施なさるのであるかどうか、厚生省のおつもりを伺いたいのであります。
#63
○久下説明員 ただいまお尋ねの点は、参議院厚生委員会におきまして厚生大臣から厚生省の考えを明確に申し上げてあるのでございますが、ただいま大臣用事がありまして立ちましたので、私がかわりましてお答え申し上げます。
 厚生省といたしましては、新医療費体系そのものにも記載をしておりますように、今回新医療費体系という非常に一般的な表現は用いておりますけれども、その具体的な内容になつておりますものは、当面一月一日から実施されます医薬分業に直接必要な関係を中心として作定をいたしたものでございます。従いまして私どもが実施すべきものとして御審議いただいておりますこの点数表もその考えのもとにでき上つておるものでございますのでも医薬分業そのものが延期その他の措置がとられるということになりますれば、それに関連して当然これは考え直すべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
#64
○長谷川(保)委員 そういたしますと、率直に申しましてこの新点数表は、一月一日からは実施しないということになるのでありますか。あとで責任を問うわけではありませんが、そう考えてよろしゆうございますか。
#65
○久下説明員 お話の通りでございまして、医薬分業の方が何らかの措置がとられることになりますれば新医療費体系を一月一日から実施しなければならないという根拠はなくなつてしまうことになります。
#66
○長谷川(保)委員 次に調剤の問題でありますが、どうもこの問題もその次に伺います問題も、私は医師、薬剤師双方に誤解があるか、あるいはあまりにそれぞれ一生懸命になり過ぎまして、ためにする宣伝が含まれているかというように考えます。国民のためにこの際誤解のないようにしておきたいと思いまして伺いたいのであります。
 まず調剤という問題でありますが、私二十六年の衆参両院の速記録を全部読んでみたのでありますが、調剤という定義について、二十六年の五月二十四日の参議院厚生委員会の速記録の中に、当時の慶松薬務局長が申しておりますのに、錠剤をつくるというときには調剤ということになるが、そうでなくて売つております錠剤を扱うということは調剤の行為という中に、少くとも私どもの考えております事実行為というものには入らないというふうに存ずる次第でございますという答弁をなさつておる。この前実は薬務課長さんであつたと思いますが、この点について私伺いましたときに、錠剤を医者がくれるというときでもそれは調剤であるというようにお話があつたのであります。本法をつくりましたときの慶松さんの御答弁と食い違うのでありますが、この点は医薬分業をやる場合のためにはつきりしておきたいと思うのでありますが、どちらをとつたらよろしゆございますか。
#67
○高田説明員 錠剤を投与いたします場合に、これが調剤になるかどうかということにつきましては、二十六年当時の国会におきまして、いろいろ論議があつたことは今仰せの通りであります。それでその当時の厚生省の見解といたしましては、若干言葉の足りませんところもございまして、参議院と衆議院とにおきますると違つたような感じを与えたところがあつたように承知いたしておるのでございますが、厚生省におきましても、また当時の国会におきましても、いろいろと御論議の末に解釈いたしまして、これは調剤に入つて来るというように大体統一された解釈であの法律が立法されたものと私どもは承知しておるのであります。従いましてその当時のいきさつ等も十分調べました結果、なおまた事柄の性質から申しましても、私どもこれは調剤に入つて来ると解釈をいたしておるわけであります。
#68
○長谷川(保)委員 次にいわゆる医師の誘導尋問の問題でありますが、御承知のように医師の調剤というととは非常に大きな問題で争われているわけでありますが、医師が患者に向つて、お薬を持つて行くか、それとも処方箋をお持ちになりますかというふうに聞く場合には、それは法律違反になる、罪則をかけられるという話を医師会の方から伺つたのでありますが、どうも法律自体はもちろんそういうことははつきりしておりませんし、従つて法律をつくりましたときの国会の論議というものを全部調べて見たのでありますが、どうも国会の速記録の中にもそういうことは一つも載つておらない。陰の方で、国会以外のところで、あるいは国会の中におきましても成規の委員会、または本会議でありませんところでそういう論議がなされたかもしれませんが、少くとも今日われわれが判断をいたします基礎になりまする公式の記録の中には載つておらないのであります。そこでこの点をはつきりしておかないといけないと思うのでありますが、これは非常に大きな問題を含んでおりますので、はつきりしておかなければなりませんが、ただいま申しましたように、医者が患者を診察して後、あなたはお薬をお持ちになりますか、それとも処方箋をお持ちになりますかと聞くことは違法であるか違法でないか。この点を明確にしておく必要があると思うのであります。私の解釈では違法でないと当然考えられるのでありますけれども、厚生当局としましてはどういう判断をしておられるか。場合によつては法制局長官の意見を聞きたいと思いますが、まず厚生当局の意見を承りたいと思います。
#69
○高田説明員 デリケートの問題だと思うのですが、法律の趣旨とするところは、私が申し上げるまでもなく医師法の例外あるいは薬事法の二号の例外に該当せざる限りにおいては、処方箋はまず交付さるべきものである、まず交付という行為は必ず無条件に行わるべきものと私は考えております。
#70
○長谷川(保)委員 処方箋を交付することはどちらの場合でもあるわけで、これは法律によつて明確であります。ただお医者さんが診療所もしくは病院でもつてお薬をお持ち帰りになりますか――現実問題といたしまして、もし自分の診療所もしくは病院の薬室から、あるいは薬局から薬が出る場合ならば、処方箋なるものはきわめて簡単なメモ程度のものでも患者に与えさへすればいいということも考えられる。しかし外へ持つて行くとすれば、きまりきつたりつぱなものを出して行くということに当然なるのです。でありますから患者に渡すのは処方箋を渡すのでありますけれども、しかしそれを患者に渡すにあたつて今申しましたように区別が出て来ると思うのです。自分の薬室で調剤するということになりますれば、簡単なもので、これを持つてひとつ薬室の窓口に出してくれというように言えばできるわけであります。でありますから、お医者さんがそれを患者にお聞きになるということは自由だと思うのですが、法律は縦に読んでも横に読んでも違反ということにならないと思うのです。しかし現実の問題として非常に大きな問題をはらんでおるので、国民の誤解のないようにここに明確にしておきたいと思うのであります。
#71
○高田説明員 長谷川先生の今の御質問の、外へ出すのであればしつかりした処方箋でなければならない、内で調剤をいたすのであれば、メモ程度のものでいいであろうということでありますが、処方箋につきましてはたしか医師法の施行規則であつたと思いますが、一定の様式が定められておる。記載事項につきましても定められておる。しかも薬事法におきまして、この処方箋によりまして調剤をいたしました場合におきましては、薬局でありましようとも、あるいは医師みずからの調剤でありましようとも、その処方箋は保存をいたしておく必要がある、かようなことに相なつております。従いましてさような区別はないかと存ずるのでございますが、ただ先生の御質問の御趣旨といたしまするところは、特に患者が希望した場合には、医師みずからが調剤してもいいという規定がある。その解釈をいかにすべきか。ことに医師が何と申しますか、いろいろな手段によりましてそれを誘うようなことがあつた場合にどうなるかという御質問の御趣旨だと思います。薬事法第二十二条第一号の規定といたしましては、「患者又は現にその看護に当つている者が特にその医師又は歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合」こういうふうな規定になつておりまして、はつきりしておりますることは、患者またはその患者の看護に当つている者から特に明確なる意思表示をしたということがなければこの規定には該当しないと思います。しからばその明確なる意思表示が行われる前においていろいろなことがあつた場合にどう考えるかということでございまするが、いろいろな場合場合、ケースケースによりまして、罰則に触れるかどうかということについては非常にデリケートな事実認定といいますか、さようなことが必要になつて来ると思います。ただ一般的に申せますることは、いやしくも明確なる意思表示がなかつたならばこの規定に触れる、このことははつきりいたすかと思います。
#72
○長谷川(保)委員 そこから先ははつきりわかつておるわけです。それから少くとも現実問題として考えまして、この医薬分業をやつたといたしますと、まず最初国民は非常にまごつきます。今まで通り大部分の方が医者から薬をもらつて行けるものだと考えているだろうと思う。これを厚生省その他の関係の方でずいぶんいろいろ広報措置をなされるかもしれませんが、それにしてもなかなか行き渡るものではないと思うのです。その場合に、患者としてはまごまごしておるということになりましよう。あらゆる善意の場合として考えましても、お医者さんの方でまず患者さんに聞くことは当然あり得ると思うのです。それだから患者及び付添人の方が特にそれを要求するというところまで行く前に、お医者さんの方で、お薬をお持ちになりますか、それとも処方箋を持つて薬局に行つてお買いになりますかということは当然聞くと思うのです。また聞くのが当然だと思うのです。だからそれが刑罰に触れるかどうか、違法であるかどうかということを明確にしておきたい。どう法律を見ても、そういうことにはならぬと私は思う。しかしそうなるのだとおつしゃる向きもあるのでありまして、その点を明確にしておくことは国民のために大事だと思う。
#73
○高田説明員 個々の具体的なケースが二十二条違反になつて、罰則が適用され罰を食うかどうかということにつきましての最終的な認定といたしましては、あるいは検察庁の問題であり、究極的には裁判所の解釈するところと存じます。従いまして結局そういう問題になるわけでございまするが、私ども考えますると、いやしくも法律解釈といたしましては、明確なる意思表示がありました場合には、これをもつて罰則違反として罰を食わせるというふうなことはおそらくないものと考えております。従いましてその限りにおきまして、前にどういうふうなことが行われましても、まあ大体においてないというふうに考えます。
 それから行政の指導方針といたしましては、この法律が特に御承知のように国会で修正された条項でございまして、いろいろと立法当時の事情もございまするし、その立法精神等からいたしまして、行政方針といたしましては、お医者さん側からのいろいろな誘導というようなものはなるべくしてもらいたくない、かように考えておるわけでございます。
#74
○小島委員長 ちよつと委員長として承つておきますが、患者の意思表示は、一体医者が勧誘してそういう意思表示をさしたという場合はいけないのですかいいのですか。罰則に触れるのですか触れないのですか。
#75
○高田説明員 法律問題になりまするが、それが詐欺、脅迫というふうなことにわたりますればもちろん別個でございます。そうでなかつた場合には、純粋に法律の問題として考えます場合には、私は罰則の適用はいたしかねるものと考えております。
#76
○長谷川(保)委員 私は意地悪く行くと、おそらくこういう問題が裁判問題になると思う。そのときの裁判の基礎が、結局は国会と厚生当局の意向ということになろうと思う。それで今この点をしつこく聞いたのであります。今の薬務局長の御答弁で大体つかめたのでありますが、しかしこの点は非常にデリケートな問題でありますだけに、私はきわめて明確にしておく必要があると思う。今の御答弁によつて、少くとも善意によつての医師のそういう患者もしくは付添人に対しまする発言というものは違法行為ではない、こう解釈してよろしいと思うのでありますが、もし間違つておりましたならばあとで御発言を願いたい。
#77
○柳田委員 この問題は大事でありますから関連して伺いたい。そこで特にということでありますから今の薬務局長の意味深長な答弁で大体わかりましたが、厚生省においてはその特にを何らか省令あるいはその他の措置において、こういうの場合には特にであつて、こういうの場合には特にでないというようなことを明確にするような措置をおとりになる意思がありますかどうですか、この点大事なことでありますから伺つておきます。
#78
○高田説明員 省令でもつてこの二十二条一号の解釈なり何なりを出すつもりは持つておりません。
#79
○長谷川(保)委員 もう一点伺いたい。今度のこの問題でもう一つきわめて重要な問題となつておりまする論点は、医師の処方箋通りに薬剤師諸君が調剤をするかどうかということが非常に大きな問題であります。この点はもちろん薬事法におきましても罰則があるわけでありまして、この点がくずれましたらどうにもならぬということになるわけであります。もちろん私は、日本の薬剤師諸君は紳士諸君でありますから間違いが絶対ないと今日まで思つて来ておるわけであります。また今後もそというふうに信じて参りたいと思うわけでありますが、実はおととい私の手に、薬局特別調査なる大阪府の医師会の調査書が郵送されて参つたのであります。私はこれに目を通しまして、もしこれが事実とすれば実にたいへんなことだと思つたのでありますが、厚生省にはこの調査はすでに行つておりますかどうか伺いたいのであります。三冊でございます。
#80
○高田説明員 参議院の厚生委員会におきまして同じような質問があつたのでございまするが、私どもその文書を手にいたしておりませんので、目下取寄せるべく努力をいたしております。
#81
○長谷川(保)委員 これは大阪市及び神戸市においていたしました大阪府の医師会の調査でございます。大阪市におきましては百十三軒の薬局に処方箋を発行して調剤をさせたところが、調剤しなかつた薬局が六十七軒、五九・三%、処方箋に忠実に正確な調剤をした薬局が六軒、五・三%、処方箋の主剤を含まなかつた薬を調剤した薬局が四十軒、三五・四%、こういうことであります。それから神戸市の方につきましては、八十五薬局について調査しております。同じく医師の発行した処方箋を持つて薬局に参りまして、調剤を断つた薬局が三十八軒、四四・八%、つまり薬がないとかその他主人がいないとかいうことで断つた。正確な調剤を行つた薬局は十六軒、一八・八%、不良または不正確な調剤を行つた薬局が三十一軒、三六・四%、こういうようなことでありますが、もしこの調査が真実なものであるとしますれば、これは実に容易ならぬことであります。またもしこれが虚偽の調査であるとしますれば、これまた日本の薬剤師諸君に対しまする実に重大なる侮辱であります。薬事法から申しましても、もし明確にこういうことがあるとすればたいへんなことであります。これについては十分な調査をせられたい。薬がなかつたとか、あるいは主人がいなかつたとかいうことで調剤をしなかつたということは、まだ今日医薬分業が行われていないときでありますから、これはある程度了解することができると思います。しかし少くとも相当多数の者が不正な調剤をしておる。主剤が含まれておらない。しかもこの分析は大阪芸大及び大阪の衛生試験所であつたかと思いますが、そこでやつたのがぴたつと合つておるというふうに書かれておるのであります。もしかようなことであれば、これは実に容易ならぬことでありまして、今日医師諸君の水増しその他が非常に言われておりますと同時に、もしこういうことが事実行われているとするならば、これは今日の日本の資本主義社会の末期症状がそこに現われておると私どもは考えざるを得ないのでありまして、これにつきましては、ただにこの医薬分業のみならず、相当重大な考え方をしなければならぬと私どもは思うのでありますが、これについてどうかすみやかに御調査をいただきまして、おそくも二十九日の本委員までに結果を御報告願いたい。これで私の質問を終ります。
#82
○滝井委員 新医療費体系に基きましてできまた点数の主としたねらいというものは、現在の社会保険の欠陥を少くとも補正をする方向に向いておらなければならぬと思います。現在の社会保険の一つの大きな欠陥は何かと申しますと、これを一言にして言うならば、事務が複雑であるということなんです。今度の社会保険の新しい点数は、どういう点で複雑怪奇な現在の社会保険の事務を簡素化しようとする方向に向つておるのか、端的にひとつ御説明を願いたいと思います。
#83
○久下説明員 今回の点数表の改正は、事務の簡素化ということはほとんど入つておりません。あくまでも新医療費体系の基本的な考え方を、点数表の中に表わすということだけでございまして、事務の簡素化は別途の観点から考慮しなければならぬと思う次第であります。
#84
○滝井委員 こういう医療の一つの大きな革命をやろうとするからには、当然そういうことも考えられなければならない。ところがこれはますます事務を複雑化しておるということなんです。具体的にお尋ねしますが、今後医師がこの点数によつて請求をするところの診療報酬請求明細書の様式を出してもらいたい。今までは点数だけでよかつた。ところが今度は調剤料というものが、お金が入つて来るのです。あるいは今までは初診の患者がやつて来ればそこで四点の初診料をもらえばよかつた。家族は半額をもらえばよかつた。ところが今度は受付料というような複雑怪奇なものが入つて来ている、こういうことなんですが、どういう診療報酬請求明細書になるのか、これが薬剤師と医師とできておるはずだから、ひとつその様式を全委員に配つてください。それによつて質問を続けます。
#85
○久下説明員 昨日も点数表の御説明を申し上げましたように、完成をいたしました時期がきわめて最近でございます。しかも点数表につきましても、本日やつと印刷物をお手元にお配りいたしたような次第でございます。御指摘のように私どもはこれに基きまして、社会保険関係の請求明細書を初め各種の文書につきましては改正をいたす所存でございます。改正の際には、なるたけ御趣旨のように、事務の簡素化になるような考慮を、その範囲内で払いたいと思つております。まだそこまで事務上の準備が進んでおりませんので、実施までに検討をする予定であります。
#86
○滝井委員 請求明細書については、医師は来年の一月一日からすぐ請求の準備をしなければならぬ。そういう事務的に一番大事なものがまだできていないということは、これはきわめて遺憾だと私は思います。できていなければそれ以上追究いたしませんが、少くとも二十九日までには、どういう様式でやるのか、様式をひとつ配付を願いたい。
 それからその次にこれは労働者に関係することなのですが、傷病手当金の請求書の問題でございます。現在被保険者は医師の家に診察に来、あるいは薬をもらいに来たときには、いわば面着をやるわけなのです。医師は何日にやつて来たということをぴしつぴしつとカルテに書かなければならぬことになるのです。同時に社会保険の出張所は、われわれ医師のところにやつ棄て、個々の患者がその休業の間に毎日、あるいは少くとも規則的に医師のところにやつて来ておるかどうかということを調査します。もし患者が自分の理由によつて医師のところに行かないとすれば、その日は傷病手当金はやりません。そのくらい社会保険出張所は厳重な調査なり、傷病手当金の支払いの方法を現在実行いたしております。これはおそらく保険局長がそういう指令をしておるからだと思いますが、そういうことで現在やつておる。そうしますと、今までは傷病手当金の請求というものは医者が責任を持つてやつた。ところが今度は医者は全責任を持つてない。なぜならばあとにも出て来ます処方箋というものは、電話やあるいは代人でどんどんもらつて行けるからなのです。処方箋が電話や代人でもらつて行けるということになれば、医師は患者がどういう状態にあるかということの責任が持てない。来たときだけはなるほど初診料なり再診料をもらいます。注射もやるでしよう。がしかし来なかつたときはもう知らない。だから傷病手当金請求の責任は、今後薬剤師と医師とはどういうぐあいにしてやつて行くのかということなんです。診察した患者は当然医者が責任を持たなければならぬが、薬をもらいに行つたときは、これは薬剤師の責任になつて来る。傷病手当金請求の方法は、薬剤師に行つたときは薬剤師にしていただき、医師に来たときは医師がやるという方式を今後確立しなければならぬと思いますが、これは患者にとつてきわめて複雑怪奇な事務の複雑化をさらに促進することになる。大体これはどうするつもりなのですか。もうこれは来年一月からすぐやられなければならぬ。ひとつ責任の所在をはつきりしてもらいたい。
#87
○久下説明員 傷病手当金支給の問題に関連してのお尋ねであります。問題はすべての診療上の責任というものに通ずると思いますが、従来までの取扱いとお尋ねの点につきましてはかえる必要はないと思つております。と申しますのは薬剤師はあくまでも医師がきめた診療方針である処方箋に基いて調剤をするだけであります。その意味におきまして診療の一環に関係することは事実でありますけれども、患者がどういう病状であり、どういう治療をしておるかということは、やはり医師が全面的にわかつておるはずでありますので従来通りの取扱いでよいと思います。
#88
○滝井委員 理論的にはその通りなのです。問題は事務的な面を言つておるのです。現実に社会保険出張所は、各医師をまわつて何日と何日に患者が来たかということを一々調査しますよ。そしてもし患者さんかわれわれ医師の指示によつてでなくして自分の意思で来なかつたときは、その日は傷病手当金をくれませんよ。これは現実にくれていない。処方箋は、たとえば十日分の処方箋とか、あるいは五日分の処方箋とか、三日分の処方箋を発行いたします。たとえば六日分の処方箋を発行して第一日目に医者に来たら、それから六日間は医者にちよつと来ないのです。すると薬局に行つて六日分の薬をもらつたらこれは診療延べ日数は六日になりますが、実日数というものは一日になる。医者には一日しか来ていない。その六日間の診断を下した疾病が三日で行けるようになつたのか、あるいは六日ほんとうにかかつたのかということ、労務不能の期間の認定は、現在は患者の来たところで社会保険出張所は少くとも認定をしてやつて来ておる。われわれが社会保険出張所にいわゆる診料実日数というものを出しますと、来てカードを調べる。調べる患者さんの来た日数とそれから傷病手当金の請求書で出した日数が一日でも間違つておれば、その多かつた日の理由を追究して来るのです。そしてその理由が明白でなければ傷病手当金はくれない。今そういうふうにやつております。これは局長さんも御存じだと思う。そのくらい厳重にやつておるわけだが、大体今後は医者は患者が来ないときの責任は持てないわけです。今は一日置きに患者が、原則として社会保険においては二日分の投薬をやるから、そのときには一日置きに来ますから、医者は患者を見るわけです。いわゆる面着があるわけです。だからそういう点の傷病手当金の取扱いは、一番大事な点ですから、それをもう少しはつきり具体的にどういうぐあいにするのだということの御説明が願いたいと思います。
#89
○久下説明員 私は出先機関の執務上の細部の点までは承知をいたしておりませんが、申すまでもなく傷病手当金は療養のために労務に服することができないために支給するものであります。今御引例になりましたような問題は、薬剤師のところに処方箋を出して調剤をしてもらつた場合と、医師のところで三日分なり六日分なりの処方をして投薬をした場合と、何ら私はかわりないと思つております。法律の運用から申しますならば、要するに三日分の薬をやろうと二日分の薬をやりましようとも、とにかくもその病状は労務に服することができないという認定をすることによつて傷病手当金の支給がきまるのでありますから、必ずしも医者のところへ顔を出さなければ傷病手当金がもらえないということはないはずであり、またもしもそういう運用をしておれば適当でないと考えます。いずれにしましても今御引例のように六日分の処方箋をもらつて薬局から薬をもらつて帰つた患者があつたといたしました場合に、その患者につきまして医者の責任のある証明をもらうために出先機関が医師のところに行くのであります。医師としては六日間の処方を出しましても――その六日間というのは労務に服せないという証明がありますれば、傷病手当金を出すべきものと考えます。
#90
○滝井委員 今の御言明はきわめて重大ですから、全国の各社会保険出張所にそういう御通知を本日付をもつて出していただきたいと思います。そうしないと、全国の社会保険出張所は今の局長の言うような取扱いはいたしておりません。たとえばわれわれが労務不能を六日と認めても、患者がもしその間に二日自分の理由によつて、たとえば自分のうちに病人が出たとか何かで二日間医者に来ないと、その二日間は現在切られております。これは現実に切られておる。だからその点は今の言明の通りに全国に御通知を出していただけば、医者も責任をのがれますし、患者も非常に助かりますから、ぜひ今の御言明の通り御通知を出していただきたい。これは私も日本医師会を通じて今の御言明の通り全国の医師にやるように勧誘いたしますから、ぜひそうしていただきたい。これはきわめて重大な発言です。今までは医者もそれで苦んだ、全部カルテルを調べられた、患者もひつぱり出されて来て、患者と面接をされた例もあるのですから、それはぜひそういうことにしていただくことをお願いいたしておきます。
 次に受付の問題ですが、少くとも技術料と銘打つたものが、これが仮面をかぶつて受付、こういう形になることは、これは技術料を冒犢するものだと思うのです。なぜ私がそういうことを言いますかというと、もしこういう受付という形で初診料というものがわかれておりますと、将来たとえば保険経済が危機に直面したとき、あれは受付だつたからとらぬでもいいじやないかという議論が成り立つのです。受付料というものはいらぬのだ――たとえば処方箋料というものが既得権として五点あつたものが、あれは過去の日本医師会が受付をやつたときに五点があつたものですから認めておりました。しかもその五点は処方箋を出すことがきわめて少かつたから認めておりましたけれども、今度多くなるから認めませんといつてばつさり切つてしまつた、それと同じです。これはやはり受付料とせずに初診料六点として、括弧して保険者がこれを負担するということにして置いたらいいのです。物事は公明正大に筋を通さなければいかぬのです。これはぜひそう修正していただきたい。技術料を受付料というようなばかげた考えじやならないのです。
 それからこの受付料の二点は家族についても保険者が負担するというふうに解釈してもさしつかえありませんね。
#91
○久下説明員 先ほどの答弁につけ加えさしていただきたいと思いますが、おそらくそういう問題が起きますのは、医師の証明そのものに対して患者の実態を見ると、事実が合わないというので調査をがしていただいている問題だと思います。要するに労務に服し得るかどうかということが支給の要件ですから、支給しないというのは、医師が証明を出しているが、本人は労務に服し得る状態であるといつた場合に問題になるので、そういう調査をしておると思います。その点はそういう意味で御了承願いたいと思います。
 それから次の受付料として認めました問題でありますが、御懸念のようなことは私は起り得ないと思うのであります。なぜかと申しますと、私どもがこの点数表を改正いたしましたのは、その前にある新医療費体系というものがものを言つているわけでありますが、常にその陰にそれがあるわけであります。こういうふうに便宜的にいたしましたのは、現行法を改正いたしませんと、初診料六点ということになりますと、被保険者の負担が増加するからでございます。そこで特別な便宜的な措置を講じたにすぎないのでありまして、実態的に初診料であることには何ら私どもも懸念を持つておりませんし、さらにくどいようでありますが、新医療費体系の精神と一体となつたものが今度の体系でありますから、将来御心配のようになる懸念はないと思うのでございます。
 それから家族の場合は実は一部負担はないのであります。これは家族には初診料相当額を負担するという規定がございませんで、そのかわり初診料相当額も半分、一般の診療につきましても、すべての診料行為につきまして半額を家族は負担をすることになつております。そういう関係上一部負担の規定は被保険者のみであります。
#92
○滝井委員 初診料六点になるでしよう。六点のうちこの株式で行けば家族は今まで通り二点を負担すればいいのです。受付料二点は保険者者負担ですから。そうではなくてこれは家族はやはり三点を負担しなければならぬということですか。どつちですか。
#93
○久下説明員 この改正はまだ行われていないのですが、この改正の行われておりません現状におきましても、被保険者は初診の際に四点を自分が負担することになつております。被扶養者につきましては、初診料も含めまして全診料行為の代価を計算してその半額を被保険者からとつているわけであります。そういう意味合いにおきまして、初診料の一部負担ということは現在におきましては被扶養者につていはないわけであります。従いましてこれは点数を改正いたしましても、初診料の四点についてもあるいはここにある受付料の二点につきましても、それぞれ半額ずつ負担をすることになります。
#94
○滝井委員 私は初診料と受付料を二つにわけていない。六点です。うち本人については四点だけは自分が負担をする、二点は保険者が負担をする、この通りなんです。結局家族はその六点の半分を自費で出して、あとの半分は保険者が見てくれるのか、こういうことを言つているのです。その通りですね。
#95
○久下説明員 その通りです。
#96
○滝井委員 そうするとそれはますます受付料としてはいけないと思うのです。やはりこれは診察料の中に入れていただきたいと思います。そうして備考――註を入れて、本人については特に二点は保険者が負担をすること、こうしておけばめんどくさい受付料というようなものを入れる必要はないと思います。これは何も今の問題だけでなくて、将来のためにも少くとも筋を通しておかなければいけないと思うのです。だから受付料というように名目をかえて字体がかわると、処方箋料と同じになつてしまう。それ以上言いませんが、ぜひそうしてもらいたいと思う。
 その次には再診料の問題なんですが、再診の場合に、患者の代理が処方を求めた場合、または電話によつて医師の意見を求めた場合は、再診の二分の一の点数を請求することができることになつておるわけなんです。これはあなた方の説明では医師法の解釈は統一したとおつしやるが、医師法二十条との関係はどうなるのですか。医師法二十条には「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。」こういうことになつているわけなんです。そうしますと、これは少くとも処方箋を書きかえるというときは病状の変化があつたときなんです。ところが病状の変化があつたときにも電話や代理の人で処方箋がどんどん渡されるということになれば、これは明らかに医師法二十条の違反だと思うのです。そういうことにはならないのですか。
#97
○久下説明員 先ほどの問題をむし返して恐縮でありますが、健康保険法四十三条の二の規定があります。「厚生大臣ノ定ムル所二依リ算定セラルル初診料ノ額二相当スル額ヲ一部負担金トシテ支払フベシ」という規定があります。そのために、これを改正いたしませんと、私どもの逆用だけでやるわけには参らないのであります。その点を御了承願いたいと思います。
 それから医師法との関係の問題でございますが、これはあるいは医務局の方からお答えを願つた方がいいかもしれませんが、私の了承する限りを申し上げます。お話の通り、医師はみずから診察せずして治療をしてはならない、医療をしてはならない、医療を行つてはならないことになつております。しかしながら具体的な場合、ここで例をあげますと、初診の場合には絶対に患者を見なければ私どもも初診料を払いません。しかしながら、初診をいたしまして患者の病状もわかりその後の推移も想定がれるような場合に、自宅で療養している患者がみずから診療所に来られないというような場合には、その後の状況の推移を代理人からこういうぐあいでありますという報告を受けて処方をしてやりますことは、実際世の中にも行われていることでもありますし、また法律の解釈から申しましても、初診の際に患者を見ているということで、無診投薬にはならないというふうに解釈をしておるのでございます。しかし私どもはそういうことはよくないのたということてあれば、むしろこれは支払いをやめたいのでございますけれども、実際に行われていることでもございまするし、また医療上必ず一回はとにかく初診の際に患者を見ていなければならないという大原則がございまして、その振合いから考えて医師法の違反にはならないと考えましたので、このようにいたしたのでございます。
#98
○滝井委員 そうしますと、十日前に患者を見ておつたが、その患者が死んでしまつた。これはもう行路病人で倒れてしまつておつたというときでも、死体検案書を書いてもがしつかえないのですね。これは同じですよ。そういうようにあなた方が拡張解釈をされるとすれば、今後われわれは二十条に並んでいるのはみな同じなんだ。処方箋だつて、死体の検案書にしたつて、死産の証明書だつてみな同じなんです。(「常識でやれ」と呼ぶ者あり)いやこれは大事なところなんだ。法律問題になる可能性のあるところなんです。これはそういうことはあり得るのです。たとえば医師が処方箋をその後の病状を見ずに書いたために、特異体質で死ぬ場合がよくあるのですよ。電話で聞いて医者がその処方箋でそのままやつておつた、こういう場合に患者が特異体質のために死ぬ。たとえばサントニンでも死ぬことがある。現在サルゾールでも死んでいる。そういう特異体質の場合の責任は薬剤師にはないと思うのです。医者にあるのです。だからこういう微妙な問題がここにからまつて来て、患者を見ずに電話が処方箋をやれるということになれば、これは何回でもやれることになるわけです。来なくてもいいのです。電話で何回でもやれることになる。これには制限がない。だからそういう点をやはり相当厳重にしておかないと、あとに問題が出て来るということなんだ。こういう重大な法律上のいわば微妙なところをくぐつている措置なんですから、こういう点もう少し医務局長あたりに明白な答弁をしていただきたいと思うのです。たとえば初診をした患者が十日後に死んでも、それを見ずに死体検案書を書ける、こういう形に解釈していいことになりますよ。大原則さえ踏んでいればいいのだというならそうなる。
#99
○久下説明員 まず連絡がありますので、ちよつと私から申し加えておきますが、実はお話のようなこともありまするので、再診料は見ながらも半額だけしか払わないということにしたのであります。もちろんこの場合には私は一般的に申しておるのでございまして、非常に極端に言えば、初診のときに患者を見て、その症状を代理人から聞いても、大体自分が初診の際に判断した通りであるというような場合に許されるべきことでございまして、代理人が参りまして、どうも患者が初診のときと状態が違う、大分ほかの要因が加わつたような症状であるという際に、そこまで医者が考えたにもかかわらずなおかつ投薬をする、あるいはその他の治療方針を指示するということは、これは医師として考えられないことでございますので、そういう場合は論理的に再診にならないということはあり得ると思います。ただ一般的にこういうことでございますので、あとは医師の良識と申しますか、判断と申しますか、そういうことによつてきめらるべき問題であると思います。お話のような理由だけでもつて、ただちにこの問題を再診と見ないで、必ずいかなる場合でも患者を見なければならないという方針を厳格に貫きますことは、むしろ実際に合わないのではないかと思うのであります。
#100
○滝井委員 実はそういうところが傷病手当金に関係して来るのです。労務不能だということで十日間の診断書を出した、そうしたら今度毎日子供なんかが薬をとりに来る。処方箋もとりに来る。それは医者の方が労務不能だと認めても、実際に患者がインチキして労務不能でなかつたということがあるから、厳重にやるのだとおつしやいますけれども、今度は薬で大ぴらに認めることになるのですよ。代理人でもかまわない。たからさいぜん私は通達を出してもらいたいと言つたのはここなんです。これは今後の社会保険の傷病手当金の支払いの運営に一番大事なところなんだ。労働者の利害にも重大に関係しているところだから、私はしつこく言うのです。今度は社会保険の出張所の所長さんを集めて、あなたが今言われるようなことを言われたらみなびつくりしますよ。われわれは言質をとつたから、今度社会保険の所長さんに会つても局長に言えということで済みますが、これは今後御検討願わなければならぬ重大な要素を含んでいるということを申し上げておいて先を急ぎます。
 その次は再診料なりあるいは初診料の端数を切り捨てて、それぞれ入院とか手術とか検査料ですかに入れちやつたということなんですね。大体そういう初診や再診と検査とは、これはもちろん関係はありますけれども、どういう理論的な根拠から初診の〇・二〇三点、再診の〇・五九五点というのを検査料の中に入れちやつたのですか。これは経費の上においても全部出て来る。いわゆる算定の基礎というものは違つて来ておるはずなんだ。もしそういうものに入れられるなら、四・五九五点は四捨五入して五点に再診料をしたらいいじやないですか。あるいは初診料を七点にしたらいいじやないですか。同じわくの中の操作であるならば、それを将来の計算の基礎にする場合に、きわめて複雑になる。むずかしい状態になる。手数料とか、関係もない入院料とかいうものに入れてしまつたのですが、これを切り上げたらちつともめんどうくさくなくて、すつきりして来るじやないですか。それはどういう理由なんですか。
#101
○久下説明員 端数の取扱いにつきましてはすでに新医療費体系の本文にもこういう取扱いをする考え方を表わしておいたのでありまして、切り上げたらいいじやないかというお話も成り立ち得る議論ではありますけれども、問題は国民総医療費に及ぼす影響を考えなければならないのであります。私どもの立場から見れば、同時に社会保険財政の問題もこういう措置をするのにあわせて考えなければならない問題と思つておるのであります。そこで端数切上げということになりますと、これはそういう意味におきましては国民の負担を増加することになりますので、端数はそういう意味で切り捨てることにいたしたのであります。
 なお端数の切捨てでもう一つそれよりも大きな理由は、先ほども申し上げましたように、事務上の便宜の問題であります。そこでそういうような要請をそれぞれ考え合せました場合に、初診料六点、再診料四点ということに結果においてはなるわけでありますが、そのまま他の点数に対する処置を講じないでおくということは、もしも事務上の便宜だけで端数を切り捨てるんだといえば、あるいはそういうことをしなくてもいい問題だろうと思います。先ほど申し上げましたような問題もあり、その意味から切り捨てたようなわけでありますので、初診、再診等、診察の技術に直接関係の深い検査料につきましては、大幅に増点をすることにいたした次第であります。
 入院料のお話が出ましたが、入院料は全然別個の問題で、初診、再診そのものとして増点をしたにすぎないのでございまして、その他の処置、手術の増点につきましては、以上のような措置を講ずることにいたしまして、さて病院、診療所のバランスなどもいろいろ考慮をしてみたのであります。新医療費体系そのものの本文からいえば、処置及び手術は全然手をつけないでいいはずでありますが、しかしそれでは結果におきましてバランスもとれませんし、また先ほどの端数切捨てとの関連もありますので、それらの点を総合考慮いたしまして、処置及び手術の点数の増点を考えたわけであります。
#102
○滝井委員 どうも納得ができません。あなた方はこの初診とかいうものに、いわゆる診察料のように、四点以下の処置料を入れ、今度は文書料を入れてしまつたわけですね。今度の新医療費体系のときには、そういうものを全部入れてしまつたわけなんですよ。そして実施の段階になつたところが、今度はその初診の中からまた端数を取出してしまつたわけです。そしてそれを検査料やら何かに入れて持つて行つた、こういうややこしいことをやつているのです。端数が出るならば文書料というものを薬剤師の技術料と同じように、たとえば〇・五九三点なら〇・五九三点と、こうされて残したらいいのです。そしてそれを七円というものでもらつたらいいのです。ちつともややこしくない。ところが診察料の中に、文書料なり、四点以下の処置料なりを入れてしまつた。そして具体的になつたら、その中から端数だけを取出して、また検査料の中に持つて行つた。こういうややこしい手数をやつておる。なぜやつたか。医者の技術料を上げる、医者が薬を売らないように、薬剤師が熊の胆を売らないように、歯科医師が金を売らないようにするためにつくつたはずの新医療費体系が、保険経済というわくにとらわれて、そして何らの理想も、何らの医療の向上も見失つて、その中に埋没してしまつているというのがこの形なんです。こういう筋の通らないことでは、ますます私はこの体系には納得できない。
 さらに納得のできない一つは、時間外の初診料、再診料をまたどういうことで廃止しなければならなかつたかということなんです。自動車に乗つたつて夜間の自動車料――それは東京あたりではメーターがあるから同じでありましようが、いなかあたりではみな夜間の自動車料と昼間の自動車料とは違います。夜中の一時、二時過ぎに起されてやつた場合と昼間やつた場合とは自動車でも違いますよ。それを医者に限り、薬剤師に限つて、夜中にたたき起されても、初診料は同じだ、再診料も同じだということでは、これはますます医師を集団奴隷に追い込む以外の何ものでもないわけです。今の制度でさえ医者は集団奴隷だということを言つておる。これではますます奴隷化することになる。そういうことが平然として、しかも冷酷にやられるとするならば、ヒユーマニズムをもつて立たなければならぬところの医師というものは、どうしてヒユーマニズムを持ち得ますか。あなたはどういう理由でそういう夜間の初診料の今までやつた二点加算というものを削られたのか。どういう理論的根拠からそれを削らなければならなかつたのか。看護婦でも一個の労働者なのでしよう。そうすると深夜業をやればその手当というものは当然つくのです。そういうことを無視するならば、政府みずから労働基準法を踏みにじつておるといわなければならぬ。夜中に起されてやる深夜業というものを何ら認めなくてもよい。今後看護婦を夜中に起しても手当は一文もやる必要はない。こういうことになれば、労働基準法との関係はどうなるのですか。務働基準法は医者には今後一切適用しないと御言明になるのですか。その点を明白にしていただきたいと思います。
#103
○久下説明員 これは新医療費体系の基礎になりました医療実態調査から来ておるのでありまして、私どもは夜間の処置につきましては特別の私慮を払わなくてもよいというので削つたのではないのであります。と申しますのは、初診料、再診料に関する経費が、医療実態調査から出て、それが新医療費体系に現われておるのであります。これは時間外、時間内を一緒にいたしまして、その平均的な数字が出ておりますがゆえに特別にそういうものは見てないのが新医療費体系の考えであります。その考えを受けまして中をとりました次第であります。
#104
○滝井委員 筋が通りません。それなら役人も全部超過勤務手当とかいうものを廃止しなければならぬということになるのです。そういうことを今後保険局はやるつもりですか。あなた方のところで働いておる部下の時間外勤務手当というものは、保険局では率先して全部廃止するのですか。あなた方の監督のもとにある医者の時間外勤務手当を一切廃止しておるのであるから、今度それを従業員にやるつもりですか。みずから率先垂範しなければ、他人に対してそういうことを強要する資格も権利もないということになるのです。これ以上は言いません。時間がありませんから……。
#105
○柳田委員 関連して……。今の局長の御答弁は非常におかしい。夜間のそういうような初診料、再診料は認めない、新医療費体系の初診料、再診料にそういうものを含めて提案されておるというならば、新医費体系の数字の出し方は間違つておる。時間内の初診料、再診料というものと、夜間の初診料、再診料というものを別個に出して来て、そこから出て来たデータを再配分して新しいものを出すというのならば筋が立つておる。さもなければ労働基準法との関係は何ら出て来ない。現在の初診料、再診料、そのデータを積み上げた中には、そういう夜間のものも含まれておるのですか。夜間の分は除いて、昼間の分と別個にして初診料、再診料の点数を出して来て、そこから新しい初診料、再診料を出すべきが当然である。そうでなければ労働基準法の精神に全然反していると思いますが、どうですか。そういうむちやな答弁はありませんよ。
#106
○久下説明員 私は労働基準法を無視する権限も能力もございません。そういう意味でお答えを申し上げたわけではないのでありまして、今のお話のように医療実態調査の結果として、時間外と時間内をわけろ、わけた方がいいじやないかというお話は、これは別の問題でございますが、少くともお示ししてございます新医療費体系は、時間外給与も全部医業関係で調査した対象の給与として、ああいう計算が全体の平均として出ているわけです。その意味合いにおきまして、その考え方をとつて私どもの方でもきめたのであります。
#107
○柳田委員 そういうふうに自分たちが新医療費体系をきめたのが間違つておつても、間違つた結果から、これを強行しますといつたのでは、これは議論になりません。委員長、あなたは弁護士だから比較的物事を公平に見るだろうが、どうですか。この新医療費体系は、初診新、再診料を出すときに、まず日中の時間内におけるところのデータを積み上げて、それから日中の初診料、再診料を出して、夜間の特別深夜作業であるところの初診料、再診料のデータをそこからまた別個に数字を出して来て、それを配合して、そして新医療費体系の新しい初診料、再診料を出すのが、これが現在すべての勤労者に対するところの賃金体系の基本になつている考え方なんです。この考え方について根本的に誤謬を犯しながら、その誤謬はたな上げして、こういうところから出て参りましたからわれわれはこれで行きます、そういうような議論は成り立たない。現に、たとえて言うならば、深夜の二時か三時に起されて、かりに五分なら五分の調剤事業をやつたとしても、あるいは再診をやつたとしても、あるいは薬剤師が調剤行為をやつても、その五分間だけは、なるほどストツプウオツチにとれますが、もうその医師、歯科医師、薬剤師というものは、その五分間だけのために、眠りの非常に悪い人ならば、明け方まで眠れませんよ。五分間だけ起きて、すぐもう六分目からすやすやいびきをかいておりませんよ。そしてそのときは深夜ですから、冬季などは寒いところで薬剤師が調剤するとか、あるいは医師、歯科医師が診察して、あとふるえて寝床に入つてももう眠れませんよ。これは一つの例ですが、こういうようなことは、労働基準法との関連からいつても、全然むちやくちやなんです。だから労働基準法との関係をひとつ述べてください。労働基準法との関係ぐらいは、あなたも法律を学んで今その地位についておられるのですから、ことに医務局次長として医務局長の技術を補佐をされた方ですから、法律に対する考えはわれわれ以上に詳しいと思う。だから、こういうような夜間の再診料を認めぬというアイデアと、労働基準法による時間外勤務のアイデアとの関連性を述べてください。新医療費体系を離れて、アイデアとアイデアの関連性を述ベていただきたい。
#108
○小島委員長 柳田君に申し上げますが、その答弁は追つてまた二十九日にいただくことにしましよう。
#109
○柳田委員 いや、これは重大なことだ。その答弁によつてまた二十九日に伺いましよう。
#110
○久下説明員 ただいまの問題は、現在の社会保険診療報酬の支払い方法の中に、そういう問題を全面的に取入れろというお話でありますれば、おのずから別個の問題になつて参ります。現在の社会保険診療報酬は……。
#111
○柳田委員 社会保険を離れて、アイデアとアイデアの関連性を言つてくれ。
#112
○久下説明員 アイデアにつきましては、私は今ここで早急に結論は申せません。
#113
○柳田委員 あなたは法律家だから、アイデアとアイデアの関連ぐらいはわかるだろう。そのくらいの人間性をあなたは持つているだろう。
#114
○小島委員長 柳田君、その答弁は追つていただくことにしまして、審議を続行いたします。滝井義高君。
#115
○滝井委員 とにかく、夜間の加算については考慮しなければ、これはどうにもならぬ。
 その次は調剤料の問題なんですが、たとえばこの計算の仕方なんです。薬の原価に一・一をかけたものが医者の薬代になる、薬剤師は薬の原価だ、こういうことになつているのです。たとえば軍曹二グラム、ジアスターゼ一グラム、エビオス一グラム、健末〇・四グラム、こういう処方があつたとしたならば、この計算の仕方は、これで行くと、重曹の一グラムの代価何銭で、ジヤスターゼ一グラムが何日で、エビオス一グラムが何円で、健末一グラムが何、銭、これで合計何ぼになるから、原価はそれに一・一をかけたもので、それが薬代と、こういう計算を今後は医者と薬剤師はすべてについてやらなければならぬことになると思うのですが、そうなんですか。
#116
○久下説明員 そういうことになります。
#117
○滝井委員 そこなんです。現在でさえ社会保険は実に点数計算はめんどうです。社会保険の点数計算を専門にやつて飯を食つている人間が最近は出て来て、医者の家で請負をやる、請求書は一枚二十円です。そうすると、専門的にこれを各病院をやつてまわると飯が食える。こういう状態が出て来たというのは、いかに事務が複雑怪奇であるかということなんです。私はそれを予算委員会でしてみせたところ、並びいる閣僚が驚いていたが。もし結核予防法にまでこれを適用すると、とにかく十六、七枚の紙きれに書かなければならぬ。そういう状態のもとで、今度は医者と薬剤師が、重曹の値段が幾らで、そうしてこれは何グラム使つたから何ぼになると一人々々の患者にやるとすれば、これは実にたいへんだ。もし、一軒の薬局に各医者から処方が来て、そうしてその処方にこたえるためには、少くとも最低百八十八品目の薬品をそろえなければならぬ。百八十八品目について、一グラムについての単価が幾らということを全部知つておつて、しかも子供やおとなや、それぞれ年齢に応じて投薬の量が違う。その量の違うものを、一つ一つの処方について薬剤師諸君と医者諸君が一つ一つ計算しなければならぬというめんどうさ、注射薬はいいでしよう。それは、使う範囲というものは、それぞれの診療所なり病院は割合限局しているのですから、一・〇五をかけたものを表にしておけばいいでしよう。しかし薬については、それぞれの子供とおとなによつてみな違うのです。その違うかけ算を、一・一を一々かけてやらなければならぬというめんどうさを医者に平気でやらせるという、こういうことは実に冷酷無情なんです。もしこういう机上論が現実の社会に行われるとするならば、おそらくこれだけでも保険医は総辞退の理由になります。いま一人この計算の事務員を置かなければ、一日に何百剤、何千剤と出す大きな病院はたいへんだ、この計算にかかる人を二人も三人も置かなければ保険の計算はできません。局長は、そういうことを平気でやるためには、医者の事務費は大体幾ら出すつもりなんですか。
#118
○久下説明員 現在のような診療報酬の支払い方針をとります限りにおきましては、複雑でありますことは私も認めますけれども、こういう方針をとらざるを得ないと思うのであります。たとえば、私どもここまで参ります過程としては、一応、十五円ごととか十円ごとというような計算をすることも考えたのでありますけれども、結局そういう場合でも、個々について計算して集計しなければ、十円以内だか十円以上だかわからないというようなことになりますので、そういうようなことも考慮いたしますと、この点は、その都度都度一々一割をかけるということでなしに、個々の薬品について、何か簡便な一覧表でもつくつておくというような方法によつて極力複雑化を防ぐような措置を私ども考えますし、また保険長の皆さんもごくふうを願うより以外にないと思うのであります。
#119
○滝井委員 そういうことだけでも、新しく体系を翻訳した薬代というものは不合理性を含んでいることがはつきりいたしました。
 次にお聞きいたしたいのは、今までの薬剤師諸君の調剤手数料は二日分八円でございました。ところが今度は、医療費体系で実態調査の結果、特に、開局薬剤師の調査ではなくして、病院の実態調査の結果、薬剤師の月の報酬が一万三百円ないし一万六百円程度であつた。それから起算をして少くとも調剤技術料は〇・五九三点でなければならぬという結論が出たわけでありますが、これは今までの当然あつたところの二日分八円、そしてこれがその次の三日目から一口を増すごとに一日について二円だつたはずです。これは実態調査されていないものだと思いますが、その実態調査の結果から二日分八円だつた。今度一日分七円になつた、従つて今度十日分の薬をたとえば薬剤師に調剤してもらつたとすれば、今までの技術料は八円プラス十六円で二十四円で十日分が二十四円で済んだ。それが今度は一日が七円ですから七十円になる。この薬剤師の調剤技術料が、現実の分析を基礎にして立つた医療費体系のどういう具体的な理論的な根拠から三倍ないし四倍になつて来たのか。その数字をひとつここにお出し願いたい。
#120
○曾田説明員 私ども一剤七円の調剤技術料というふうに考えました根拠は、前にもお話申し上げましたように、いろいろ病院及び診療所における実態から算出いたしたのであります。今日において保険調剤というか、それに対する調剤料として支払つております額とは特に関係なしに計算いたしたのであります。
#121
○滝井委員 そうすると医者の方については現実の報酬を分析さしたけれども、開局薬剤師とは全然関係ないところから、今度は調剤技術料を持つて来た、こういうことなんですね。
#122
○曾田説明員 薬局における調剤実態につきましては、これをつかむことが非常にむずかしいのでありまして、またそれが現状をつかみ得ましたとしましても、これが新しい医薬分業の制度のもとにおきましていかような姿になるかということは、今日におきましては薬局における処方箋に基く調剤はきわめてまれな事態でございますので、非常にそれを根拠として参ることは妥当でないという考え方もひそんでいるわけであります。
#123
○滝井委員 実は薬剤師の方から私のところに一つの文書を送つて来ているのです。これを見ますと、今までの薬剤師諸君の考え方はこういうことになつているようであります。今例を申し上げましたたとえば重曹二グラム、ジアスターゼ一グラム、エビオス一グラム、健末〇・四グラム、これを一日三回にわけて飲んで、そうして十日分の投薬をいたします。医師は〇〇大学病院内科、これが処方箋を書いた医師、所属は農林省共済組合。保険薬剤師による薬価が、今言つた四つの薬品の原価一円三十五銭かけるの十日分、そうすると十三円五十銭。手数料二日分が八百です、それを超えるごとに一日二円ずつになるから、三円かける八日で十六円、八円プラス十六円で二十四円で、十日分の薬が三十七円五十銭になります。ところが今度は保険医の点数になると、現在十一円五十銭地区なんですが、十一円五十銭かけるの一日分でこれに二をかけて、十日分で十をかけると二百三十円。これだけ医方と薬剤師は開きがあります、とこう書いているわけです。薬剤師諸君の理論的な患者の薬代が高くならぬでしようという一つのデータとして出ているわけです。そうすると今度は、保険経済のことを非常に局長さん御心配になつていたけれども、今度はどういうことになるかというと、薬代十三円五十銭はそのままにしても、十日分で七十円ですから八十三円五十銭になつて、約五十円の値上りになつてしまう。こういう点は大体保険経済にどういう影響を及ぼされるのですか。医者の方は技術料とか処置料とか御心配になつて保険経済に影響を及ぼすからということで、全部みそもくそも一緒にしちやつた。ところがこれは薬剤師さんの今までの保険点数だと思うのですが、これについてはほおかむりしちやつて五十円も十日分についてふえるのに知らぬ顔をしてやむを得ぬというような顔をしておられるのですが、この点は保険経済に及ぼす影響はどういうことになるのですか。
#124
○久下説明員 それの保険経済に及ぼす影響というものは精細に計算いたしておりませんが、われわれの方としてはこういうように考えていることを申し上げさしていただきます。医薬分業が実施になりましても、私から申し上げるまでもなく医薬分業の実施から除外される地域がありまして、従来の形で医業が行われて行くという場合が相当あるわけであります。同時に分業実施地域におきましても、患者の希望によりましては医者が調剤をするという場合がまた起るわけでございます。処方箋を発行しないでいい場合はなおさらそうでございます。そういうことでございますので、私どもは今後医薬分業が実施されまして日とともに月とともにいろいろ実態がかわつて来ると思いますけれども、そのかわり方というのは予想がつかないのでございます。ただいま御引例の調剤料七円は医師が調剤をいたしました場合にも、昨日御説明申し上げました通り医師のもとに支払われるわけでございまして、その方の半面をとつて見ますれば、これは診療所の実態を調査した結果出た調剤に必要な経費でありますので、これを払わないという建前を私どもとしてはこの面からとれないということでございます。開局薬剤師の資料がとれなかつたということは、前に担当の局長からお話申し上げているのでありますが、この点につきましてはいろいろ御議論はあろうと思いますけれども、実態小調査の結果困難でありますために、診療所についてとりました資料に基いて、医師に払うと同じ技術料を開局薬剤師が調剤する場合にも支払いをするという形をとつたのであります。
#125
○滝井委員 あと二点であります。この次までに昭和二十七年、二十八年、二十九年の現在までの保険薬剤師から出ている請求書の全国的な集計を出していただきたい。
 それから私ちよつと疑問に思う点があるのでお尋ねしますが、たとえば灌腸薬は今度の薬剤師の方では一回分について八円となつているわけであります。たとえばいちじく灌腸を処方に書いてあつた。そうするとこれはもう売薬になつて売つているわけです、大人二十円か三十円。そうしますと処方箋でいちじく灌腸をもらつた場合にも、この八円の方は手数料としてとることになるのです。
#126
○久下説明員 いちじく灌腸につきましては既製剤の調剤という項目がありまして、それによつて支払いが行われます。
#127
○滝井委員 そうすると既製剤は半額四円もらうということになるわけですね。今まではいちじく灌腸を買いに行つても何でもなかつたわけですね。ところがこれは薬ではないので、売薬として自由に買えるわけですね。そうするとわざわざ医者に行つて灌腸薬を買いなさい、灌腸薬と書いた処方箋をもらつたがために患者の負担は四円増してしまつたわけです。こういうときは、医者は患者をちよつと見ても処方箋を出さなければならぬが、処方箋を出さない方が患者の得になるのですが、この場合に処方箋を出さなくてもいいのですか。
#128
○久下説明員 処方箋を出さなくていいかどうかは他の担当の局長からお答え申し上げますが、私は処方箋は出すべきだと思いますが、患者の負担が大きくなるかどうかは、必ずしも私は多くならないと思うのでありますが、と申しまするのは、先ほど申し上げましたように、一般薬品につきましては、薬局に対する支払いは薬価基準に掲げられた価格そのものを払うのでございます。そういう意味合いにおきまして、一般に薬品として販売をいたします場合とは、実態の支払額が違うと思うのであります。そういう点が調剤料を半額ですから、その支払つた程度との差額が具体的にどうなりますか。必ずしも高くならないと思うのであります。
#129
○滝井委員 問題はそこなんです。実は東京で薬価の基準を告示します。そうするとこの前も朝日新聞の投書欄に出ておりました。私はあるいなかでパス、マイシンの注射液を買いました。ところがいなかで買つたので値段は正確には覚えませんでしたが、一個が三百円でありました。ところが今度は東京に来て買つてみたところが、それが百円になつておりました。だから今度はいなかに帰つて、あなたの家は高く売つたじやないか、おかしいじやないか、東京で百円だつたと言いましたら、いや私の方はまだ薬品の告示が参つておりませんでした、こう言われましたということが朝日だつたと思いますが、声欄か何かに出ておつた。そうするとしろうとはいちじく灌腸が何ぼするかということは大して知らないのです。たまたましよつちゆう病気になつている人は値段は知つているでしようが、普通は知らない。薬局の売る通りなんです。だから処方箋を持つて行つてもそれは小売価格で売つたつて違反じやないはずです。そこらあたりがなかなか微妙なところが出て来るわけなんです。これは実際に患者に周知徹底させておけばいい。サルゾールは何ぼである、灌腸は何ぼである、しかもそれは小売り値段は幾らで、薬価の基準は幾らだということが皆さんが知つておればいいのですが、知らないのですよ。だからこれは現実にもう。パスやマイシンの値段が最近は非常に変動して来ているのです。いなかでは高い、あるいは東京に来たら安かつたという例はいくらでもある。だからそういう点があるということを一つ言つておいて、最後に時間がないそうですから、まだたくさんあるのですが、注射料なんです。この前もちよつとここで言いましたが、これは今も御説明のあつたように、皮下が二点で静脈が三点になりました。これは皮下注射が二十五円八十銭、静脈注射が三十九円と、今十九銭と言われたけれども、私は六十銭だつたと思いますが、それはいずれでもいいでしよう。三十九円十九銭と局長はお答えになつた。こういうことから端数を切り棄てて二点、三点と、こういうものが出て来たわけなんですが、ところがこれは現実を基礎にして出て来ておるとすれば、現実の静脈注射は四点で、皮下は二点です。二点と四点です。少くとも技術料というものを適正に見積つて行くということになれば、現実よりか安くはならぬはずです。どうして現実よりか理論的に安くならぬかというと、今までの技術料の静脈の四点の中には、技術料とともに人件費と物件費が同時に入つておつた。それからその四点プラスの薬代の中にも技術料も入れば人件費も物件費も入り、同時に薬の原価が入つておつた、今までは従つて四点の技術料に、今度は薬の中に入つておる技術料をとり出して来るならば、少くともこれは技術料四点というのは、四点以上になるということは当然常識なんです。今のあなたの方の計算では三十九円六十銭になつておる、こうなつております。これはもちろん病院と診療所で薬の値段というものは大いに違つて来ております。これはどちらをとられたか知りませんが、病院と診療所における注射の技術料は病院では二・八一三になるし、診療所では二・五九四になつておりますから違いますけれども、これは理論的に今までの報酬を基礎にしておる静脈、皮下注射ならば二プラス・アルフア四点が技術料として現われておるのが当然なんです。あの総報酬のG=(1+アルファ)gtという公式から行けば当然出て来なければならぬ。現状の報酬の分析からならばそれは静脈注射に至つて三点に下げられておるということは、どうしても納得の行かないところがある。物と技術を分離して少くとも技術の中に技術を集積したものであるならばふえなければならぬと思う。そういう点がさいぜん福田先生も御質問になつておりましたが、これはもうこの前からもいろいろ御質問をいたしておりますが、納得の行かないところなんです。もう少し明確に御説明を願いたいと思うのです。
#130
○久下説明員 ここに定めました注射料はあくまでも注射の技術料でございまして、御引例になりました現行の皮下、筋肉の三点あるいは静派注射最低の五点とありますのは、それぞれ注射薬の薬価が含まれておる値段であります。それで今回私どもの定めました点数は純粋の技術料でありますから、そのほかに薬価がつけ加わりますので、その意味で必ずしも安くなつたとは考えておらないのでございます。
#131
○高田説明員 滝井先生の御質問、私の方にも関連がございますので、つけ加えてお答え申し上げておきますが、現在薬の小売値段が場所によつて違うというお話がございましたが、その問題は別といたしまして、処方箋を書かれました場合に、その書かれた薬を調剤いたしました場合に、その薬価の原価として見られますものは、先般来保険局長から説明がございましたように、薬価基準という一定のものでございます。従いまして、その薬価基準というものと調剤技術料というものとを加えて代金を負担する、こういうかつこうになるわけであります。そうすると小売値段と薬価基準プラス調剤手数料というものとはどつちが高くなるかということでございますが、これは御存じのように、薬価基準と申しますものは、薬局の仕入れ値段というものを基準といたして定めるものでございます。従いまして小売価格のマージンがございますので、どちらが高くなるかということは原価のいかんによつて違うと思いますけれども、必ずしも高くなるということはないものと私どもは考えております。
#132
○滝井委員 薬務局長さんにはこの次にまたお尋ねしますが、現在皮下注射技術料二点でしよう、静脈が四点でしよう、これは私はそうだと思つておつたのです。今のあなたの答弁では五点と言われたように思いましたけれども。
#133
○久下説明員 ちよつと私も誤解をしておる点がありました。確かに固定点数をきめます場合にはそういう定めを現在いたしております。私どもはそれを二点、三点にいたしましたのは、先ほども申し上げました通り、診療所の実態調査の結果を見ますると、皮下注射の場合には二十五円八十銭であり、これを現行の加重平均単価で計算いたしますと、二点を払いました場合には二十三円六十六銭を払うことになります。それから静脈注射の場合には三点が三十五円四十九銭ということになるわけであります。従つその差額だけは実費用を割つたことにはなりますが、かりにこれをそれぞれ三点、四点と上げますと、静脈注射の場合を申しますと四十七円三十二銭ということで八円余の過払いになるわけであります。そういう点も考えまして、原価計算の結果に忠実に行くという基本方針を取入れまして二点、三点という決定にいたしたのであります。
#134
○滝井委員 切り捨てるときは切り捨てておつて、額が八円くらいになると、どうもあまり過払いになる、こういう議論は成り立たないのです。少し多いと過払い、少いときには二、三円くらいならば切り捨てます、こういうことは言つても始まりませんから、筋が通らないということを言つておけばいいでしよう。
 その次は眼科、耳鼻科、産科、泌尿科については四点以下はあなた方みんな初診料、再診料を加えた。ところが外科と皮膚科については創面が何とかで不合理だから第一回目には四点以下でも認める、二回以後は半分だ、こういうことなんです。これもまた大原則は四点以下の処置は全部初診、再診に繰入れると言つておつたが、今度は外科と皮膚科には例外をつくつたのです、こういうように体系そのものが見れば見るほどどうも今までよりかさらに複雑怪奇になつて来た。保険経済というわくにあまりとらわれたために、とにかく一貫してつくつたはずのものと技術を分離するその体系というものが何もかもみんなごちやごちやにされてしまつた。ここに至つてその複雑怪奇さはきわまれりと言わなければならない。これはまたどういうことなんですか。外科や皮膚科だけは創面の関係があつて四点以下のものは払う  払われることはけつこうだと思いますけれども、眼科や耳鼻科や産科や泌尿科は四点以下はだめだといつて、今度は外科だけは認めた、入れたり出したりとにかくわけがわからぬという状態が出て来ておるのです。もう少し筋を通してぴちやつとやるものならば、たとえば四点以下のものは一切検査料の四点以下を診察料の中に入れた方が合理的なんです。尿の検査というようなものは全部診察料の中に入れた方が合理的だ。合理性からいえば処置や何かは別にした方が合理的なんです。だからとにかく一貫しない、こういうものでは医者はおそらく納得しない。それから納得できないいま一つの点は、医務局長さんにお尋ねしたいのですが、これは一つの例ですが、まだ調べたらほかにいくらでもあると思いますけれども、費用から換算した点数の資料を私が出してくれといつていつかあなたの方から出したいただきました。それの支出について十ばかり出していただいた中で、特に人工妊娠中絶は四箇月までは現行は七十点なんです。ところが費用から換算した点数は四十七点であつたはずです。ところがあなた方は今度の改正で三箇月までとして七十点出して来てしまつた。原価計算をする、原価計算をすると寝言のように言うておつたのに、今度これを出したときには四十七点という費用から換算した点数というものはいつのまにか忘れてしまつて、平気で七十点出して来ている。まだございます。白内障なんか、あなたの方の出した費用から計算した点数は百四十五点だつた。ところが白内障は支出の方法がたくさんあるから点数は全部違いますけれども、とにかく四つか五つ支出の方法があります。ところがそれをみんな出しておるが、その平均値をとつてみても百八十何点になる。これはいかにも美辞麗句を並べて、原価計算をしましたという理論体系をつくつたといいながらも、こういうところはまつたくでたらめなんです。いずれ中央社会保険医療協議会で詳しく一項ずつかかつて行けば、これは支離滅裂ですよ。日本の社会保障制度がつぎはぎだらけというけれども、これはつぎはぎどころじやない、まるきりひつついていない。ちりぢりばらばらなんです。こういうもので現実の日本の医療に当てはめて行つたらたいへんです。患者もたいへんだし、医者もたいへんだし、審査をする委員もたいへんなんです。だからこれはやはり医療費体系と同じようにもう一ぺんやりかえてもらわなければだめなんです。私はこれを見て、これではおそらく日本医師会が無理はないと思う。われわれは日本医師会に対して中央社会保険医療協議会に出るべく勧誘をしたいと思つたけれども、こういうことでははしにも棒にもかかりませんよ。その上労働基準法は無視するし、人権は無視するし、まつたくなつていない。これはもう少しやり直してもらいたいと思うのです。これ以上やりません。
#135
○小島委員長 この際厚生省から改正歯科診療報酬点数表という資料が提出されておりますから、この説明を聴取いたします。
#136
○曾田説明員 この資料は先ほど申し上げましたように本日でき上りましたのでお手元にお配りしてあるのでございます。時間も大分たつて参りましたし、昨日一般の医療の場合で申し上げましたことと重複しております部分が相当ありますので、簡単に特異性のある点だけを申し上げることにいたします。
  〔委員長退席、松永(仏)委員長代理
  着席〕
 お手元に昨日と同様に点数表のほかに解説書みたいな二枚刷りのものを差上げてございます。これに基きまして特異性のある点だけを申し述べさしていただきます。
 まず1の診察料の項のうち(イ)、(ロ)とわかれておりますが、(ロ)について申し上げたいと思います。再診料の請求をどういう点についてできるようにするかということにつきましては、新医療費体系そのものの文書には必ずしも明確でございません。しかしながら実質的には新医療費体系のときの考え方も、医務局としてはここにありますように充填、補綴のためには再診料を払わない、そのかわり充填、補綴の中へ必要な技術料を加えてあるということになつておりますが、その点をとりまして充填及び補綴のためには再診料はとれないというふうにいたした次第でございます。充填、補綴をいたします場合には通例二回ないし三回患者を見るということがあるわけでございます。通例の場合に必要な歯科医師の技術料は充填、補綴の技術料の中に含めてあるという取扱いをいたしたわけでございます。
 それからあと調剤師、文書料、検査料、注射料につきましては特別に申し上げることもございませんが、次に処置料につきまして一、二申し上げておきたいと思います。まず、これは前後いたしますけれども、そのあとのインレー料が減点をしたということが書いてございます。これは昨日基本的方針を申し上げる際にも申し述べたのでありますが、新医療費体系の本文に、歯科の再診及び初診を一般医療の場合と同様に支払いをいたしますために補綴の中にあつた潜在技術料をその方にまわしたということを申し上げたのでありますが、そういう方針にのつとりまして補綴料の減点をいたしますと7のインレー料との間に不均衡が生ずるのでございます。そこでインレー料につきましての原価計算の資料を見ますと、これまた補綴と同様に潜在技術料が含まれておるのでございます。そこでインレー料と補綴料との間に均衡をとるように、インレー料もそういう意味で減点をいたしたのでありますが、これによつて浮きましたものをもつて処置料の特に専門技術を要する抜髄、根管充填――これは処置料の中の(ロ)に触れてございますが、抜髄、根管充填の点数を増点いたしたのでございます。この抜髄、根管充填の処置につきましては、従来から専門家の方から点数が不合理であるということが言われておつたのでございます。この点は原価計算の資料から見ましても納得のできる点でありますので、ここに書いたように増点をいたしました。その必要な財源と申しますものは、インレー料の減点からまわしたというような特別な措置を歯科についてとつたのであります。
 以上が歯科の点数料改正につきましてとりました一般とは違う特異な点でございます。その他の点は一般医療と同様な方針でやつておりますので、御了承願いたい次第であります。
#137
○松永(佛)委員長代理 本日はこれにて散会いたしまして、次会は、戦争犠性者補償の問題、覚醒剤の取締りの問題、病変米の取扱い問題、ビキニ環礁付近における爆発実験による被害事件に関する問題等について二十五日午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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