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1953/04/16 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 経済安定委員会 第18号
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1953/04/16 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 経済安定委員会 第18号

#1
第019回国会 経済安定委員会 第18号
昭和二十九年四月十六日(金曜日)
    午後二時七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 加藤 宗平君
   理事 小笠 公韶君 理事 武田信之助君
   理事 松原喜之次君
      内田 信也君    岸  信介君
      迫水 久常君    西村 久之君
      平野 三郎君    前田 正男君
      加藤 高藏君    楠美 省吾君
      山下 榮二君
 出席政府委員
        経済審議政務次
        官       深水 六郎君
        総理府事務官
        (経済審議庁次
        長)      長村 貞一君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
 委員外の出席者
        議     員 綱島 正興君
        専  門  員 円地与四松君
        専  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
四月十四日
 委員安十鹿一君辞任につき、その補欠として伊
 藤好道君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
 武田信之助君及び根本龍太郎君が理事に補欠当
 選した。
四月十五日
 離島振興法の一部を改正する法律案(綱島正興
 君外五十二名提出、衆法第二一号)の審査を本
 委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 離島振興法の一部を改正する法律案(綱島正興
 君外五十二名提出、衆法第二一号)
 金融政策の総合調整に関する件
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長代理 これより会議を開きます。
 まず理事の補欠選任の件についてお諮りいたします、本日は理事二名の補欠選任を行いたいと思いますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○加藤委員長代理 御異議ないものと認めまして、武田信之助君及び根本龍太郎君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○加藤委員長代理 次に、昨十五日本委員会に付託になりました、綱島正興君外五十二名提出にかかる、離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、まず提出者より提案趣旨の説明を聴取いたします。提出者綱島正興君。
    ―――――――――――――
#5
○綱島正興君 それでは簡単に離島振興法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。
 本土より隔絶せる離島の振興に関しましては、その後進性を除去するために第十六回国会において離島振興法が制定され、離島振興事業が進められております。この離島振興事業のうちでも、離島の性格上港湾の開発、整備ということが、最も急を要し、かつ重要な問題とならざるを得ないのであります。
 港湾の開発及び整備のための工事は、きわめて高度の技術と豊富な機械力とを必要といたします関係上、国が工事を行う必要のある場合が多いのでありますが、このことは離島において特に著しいと申すことができるのでございます。
 しかるに離島振興法におきまして、港湾工事の費用の負担の割合につき港湾法の特例が設けられております。のは、港湾管理者の行う工事に限られており、国が港湾工事を行います場合には特例が認められていないため、離島振興の目的を達成する障害になつております。
 今回この点の不備を是正いたしまして、国が行います工事についても、港湾管理者が行う工事の場合と均衡をとり、費用の負担に関する港湾法の特例を設けることにいたしたいのでございます。
 以上がこの法律案を提案いたします理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを希望いたします。
#6
○加藤委員長代理 以上をもちまして提案の趣旨の説明聴取は終りました。なお本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○加藤委員長代理 次に金融政策の総合調整に関する件について調査を進めます。本日はまず金融引締め政策について、その実施の実情、方針、対策について政府当局より説明を聴取することといたします。銀行局長河野通一君。
#8
○河野政府委員 それでは最近とつて参つております金融政策の概要について申し上げてみたいと思います。
 御承知のように、昭和二十八年の経剤の動きは、国際収支と申しますか、外貨の状況が、見方によりましては約三億ドル、かたく踏みましても二億六、七千万ドルの赤字であつたということをもつて端的に示されております通り、日本の経済は非常に大きな逆転様相を示して参つたのであります。物価の点について申しましても、また財政收支の面について申しましても、この点がはつきり現われて参つたのであります。政府といたしましては、昨年の秋以来、昭和二十九年度の予算の編成に着手をいたしますのと並行いたしまして、財政と金融とを通ずる強いいわゆる引締めの線というものを逐次出して参つたのであります。金融につきましては、まず第一に、日本銀行による金融の引締め政策ということを昨年の秋以来はつきり打出して参つたのでありますが、これをさらに具体的に申し上げますならば、大体先ほど来申し上げました外貨の状況が非常に悪くなつて参つたという点とうらはらをなす意味におきまして、輸入に関する金融の引締めと申しますか、あるいは言い方によりましては、従来相当程度これに厚い優遇を与えて参つておつたのでありますが、この優遇をとりやめて行くという措置をまず第一に取上げて参つたのであります。それに並行いたしまして、日本銀行の一般の金利政策、特に高率適用の制度の強化ということを、昨年の秋以来数次にわたつて実施をいたして参りました。これは一つは高率適用の、金利を引上げたということであります。特に最近におきましては、第二次高率の金利は原則として市中金利を上まわる、つまりいわゆる逆ざやのところまで持つて参つたのであります。そういう金利の面におきまして高率適用の強化を行つて参りましたのが、第一点であります。
 第二点は、高率適用のかかります金額の計算の方法を辛くいたしたのであります。具体的に申し上げますと、従来たとえば日本銀行から百億の借入れができた際に初めて高率適用がかかるといつたような仕組みになつておりましたものを、六十億借りると高率適用がかかるといつたような――これは例でありますからその通りにはなつておりませんが、そういつた意味の高率適用のかかる金額の計算の仕方を辛くしておる。これが第二のやり方であります。
 現在まで、高率適用の強化と、輸入金融の引締め、この二つの施策を中心にして、日銀による金融施策の引締めの方策をとつて参つたのでありますが、その後通貨の発行の状況等は、すでに御案内のように、昭和二十七年度から二十八年度にかけて相当膨脹の度を強めて参つておつたものが、本年に入つてからそのカーブと申しますか、通貨の発行の状況は若干その度合いをゆるめて参つております。大体二十七年度から二十八年度にかけてたどつて参りました通貨発行のカーブをそのまま延ばして参りました場合に比較して、相当程度発行高というものは圧縮されて参つたのであります。しかしながら、まだ私どもといたしましては、これによつて十分に満足すべき結果が現われておるとは必ずしも考えておりません。現に日本銀行の貸出しは、四千億を越えるという状況になりました。最高におきましては四千数百億という数字にまで行つたのであります。もつとも最近、若干日銀の貸出金は減つておりまして、四千億を割つておりますが、大体昨年の秋以来そういう施策をとつて参りましたにもかかわらず、日銀の貸出しの残高というものはむしろふえて参つておるという状況に相なつております。もつともこれは、一方におきまして国庫の收支というものが、御案内のように非常に引揚げが強く現われて参つております。それらの影響もありまして、日銀の貸出しというものを減らすことが現実の問題としてはなかなかむずかしかつたという事情はもちろんあるのでありますけれども、それにいたしましても、私は、現在の日銀の貸出しが非常にふえておるという状況は、必ずしも満足すべきものとは考えておりません。しかしながら、方向としては今申し上げましたように、逐次通貨の状況も健全性をとりもどして参つておると私は考えております。また物価等につきましても、これまた御承知の通り、二月以来横ばいないし若干の値下りというふうな状況を示して参つております。こういうふうな状況で、テンポの問題あるいはカーブの問題につきましては、いろいろな意見があるかと思いますが、逐次金融としては正常な状況の方に向つて参つておると私どもは考えておるのであります。
 しからば、今後の状況はどういうふうに考えて行くべきかということでありますが、私どもといたしましては、現在とつて参つております財政と金融とを通ずる引締めと申しますか、そういうような方針は、今後におきましても基本的にはこれをかえることは適当でない、かように考えておるのであります。しかしながら、先ほど申し上げましたようにテンポと申しますか、速度の問題あるいは程度の問題、そういつた点等につきましては、やはり今後の経済全体の推移とよくにらみ合せて、これらの施策の度合いをはかつて参らなければならぬと考えておる次第であります。大体私どもは今後におきましても、従来申し上げましたようなことでまず金融政策の通貨調節の基本的な基準というものは、御承知のように理論的にはなかなかむずかしいのでありますけれども、あるべき適正な通貨量というものを基準に置きながら、この通貨を基礎にして日銀から出て参ります市中に対する信用の供与、外貨の状況及び国庫の收支、この三つの事柄をにらみ合せながら、適正な通貨量に向つて通貨の調節をはかつて行くということを目安に考えて参つております。その際やはり一番問題になります点は、こういつた施策を進めて参りました場合に、必ずそれらの施策が非常に大きな意味におきましてはプラスになる。にもかかわらず個々の面におきましてはやはりいろいろな意味において摩擦を起し、あるいは障害にぶつかるということがあり得るという点であります。最も端的に申し上げれば、たとえば中小企業の金融の面に金融引締めのしわが寄つて来るといつた問題について、これをいかに考えて行くか、そういつた具体的な問題につきましては、今後におきましても私どもは十分に頭を使つて参らなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
 中小企業の問題につきましては、いずれまた御質問によりましてお答えを申し上げたいとは思うのでありますが、今申し上げましたような基本的なわくと申しますか、そういつたものの中で、できるだけ中小企業に対する金融というものの特殊性ということを頭に置いて考えて行くというふうな態度で臨んで参りたい。従いまして、従来数年にわたりまして続けて参りました国庫の一時の余裕金の指定預金、これは中小企業金融を専門にいたしておりまする金融機関に対する指定預金の制度で、これを逐次進めて参りまして、最高のときには約六百億といつた残高にまで達したことがあるのでありますが、そういつた指定預金の制度は、現在のところは昨年の春以来逐次引揚げの方針に転換して参つたのでありますが、昨年におきましては災害とかその他の特殊事情もありまして、引揚げの方針にかかわらず、一時はさらに新規の預託をいたすという方針も加味して参つております。それが昨年の暮れにおきましても、年末の金融対策としてある程度の新規預託ということもいたして参つたのでありますが、本年に入りましてからはこれの引揚げということの方針を現在計画的に行つて参りたいというので、先般この方針を決定いたして参つたのであります。普通の状態で申し上げますならば、国庫の收支が引上げの状況にあります場合におきましては、これを緩和すると申しますか、調整すると申しますか、時期的なでこぼこを調整するという意味で一時的な指定預金をするということが考えられるわけでありますけれども、本年におきましては、御承知のように国庫の收支は必ずしも苦しい状態にはないにもかかわらず、財政を引締め、金融を引締めるという基本的な考え方のもとにおいて、必ずしも余裕金がないから指定預金をしないのであるといつたような方針ではなくして、もつと違つた意味からその指定預金というものの方針についての考え方をとつて参つておるのであります。この点についてもいろいろ御意見はあるかと思うのでありますけれども、私どものとつておりまするそういつた方針につきまして御了承むいただきたいと考えております。
 中小企業金融の問題につきましては、さらに幾多の問題があるかと思います。ことにこれらを専門にいたしまする政府金融機関、たとえば国民金融公庫でありますとか、中小企業金融公庫でありますとか、こういつたものの活動力をさらに強化し、さらに拡大して行くということに対する御要請のまことに強い点も私どもよく承知いたしておるのであります。これらの問題につきましても、私どもといたしましてはこの中小企業金融の特殊性にかんがみまして、先ほど来申し上げました財政金融の基本的な方針のわくの中で、できるだけそういつた面への資金源の充実と申しますか、拡充と申しますか、そういつたことには努めて参つたつもりでありますが、何分にも今申し上げましたような基本的な考え方のもとに立つて組まれておる財政金融の方針のわく内においてこの問題を考えるということでありますので、この点につきましても、あるいは皆様方の十分なる御満足をいただくことができておらぬということを私はおそれておるのであります。
 次に金融政策の中で一つの大きな柱になる金利政策の問題について若干申し上げておきたいと思います。これは基本的には中央銀行の金利は、今後におきましてもどちらかといえば、引上げる方向であります。少くとも引下げる方向においてはこの問題は考えられないわけであります。しかしながら市中の金利は、日本の金利がまだまだ国際的に割高である状況である。従いまして、資本蓄積が非常に足りませんということとも関連いたしまして、金融機関における経理の許します限りにおいて、もしそういう余裕がありますならば、できるだけ市中金利の引下げの方向に持つて参りたい、これが私どもの基本的な考えであります。しかしながら金融機関の経理も、近来あるいは日本銀行の金融締引めの影響もあり、その他の点からいたしまして必ずしも十分に余裕のあるということではございません。これらの点を十分ににらみ合せながら――一見矛盾するような点もありますけれども、中央銀行の金利はどちらかといえば、引上げの方向であるにかかわらず、市中の金利はできることならば引下げる方向に持つて参りたい。これによつて国際経済への競争力を幾らかでも強めて行くための寄与といたしたい、企業のコストの引下げ、合理化を進めて参りますための一つの寄与といたしたい、かように考えております。ただこの金利の引下げがどの程度企業のそういつた意味における合理化に直接に役立つかという点は、今後におきましても十分に頭に置いて考えて参らなければならぬと思うのであります。効果のないことでありますと、これは金融政策として非常にまずいことになるわけであります。今後におきましても、十分にその効果ということとにらみ合せながら、最も有効なる方法においてこの施策を進めるということにいたして参りたいと考えておるのであります。
 順序もなく申し上げましてはなはだ恐縮でありましたが、一応私の御説明をこの程度にさせていただきまして、なお御質問によりましてお答え申し上げたいと思います。
#9
○加藤委員長代理 ただいまの御説明に対して御質疑はありませんか。――御質疑がなければ本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後二時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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