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1953/04/23 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 経済安定委員会 第20号
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1953/04/23 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 経済安定委員会 第20号

#1
第019回国会 経済安定委員会 第20号
昭和二十九年四月二十三日(金曜日)
    午前十一時四分開議
 出席委員
   委員長代理理事 加藤 宗平君
   理事 小笠 公韶君 理事 武田信之助君
   理事 松原喜之次君
      迫水 久常君    西村 久之君
      根本龍太郎君    平野 三郎君
      南  好雄君    加藤 高藏君
      楠美 省吾君    杉村沖治郎君
      山下 榮二君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (全国銀行協会
        連合会常務理
        事)      水田 直昌君
        参  考  人
        (社団法人全国
        相互銀行協会常
        務理事)    島崎 政勇君
        参  考  人
        (社団法人全国
        信用金庫協会常
        務理事)    安武 善蔵君
        専  門  員 円地与四松君
        専  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 金融政策の総合調整に関する件
    ―――――――――――――
#2
○加藤(宗)委員長代理 これより会議を開きます。
 金融政策の総合調整に関する件について調査を進めます。この際お諮りいたします。本件に関しましてただいま出席されております全国銀行協会連合会常務理事水田直昌君、社団法人全国相互銀行協会常務理事島崎政勇君、社団法人全国信用金庫協会常務理事安武善蔵君の三君を参考人として選定し、意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○加藤(宗)委員長代理 御異議ないものと認めましてさよう決定いたします。
 この際参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。参考人各位には御多忙中にもかかわらず御出席くださいまして、まことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。本委員会におきましては、ただいま金融政策の総合調整に関し鋭意調査を進めておる次第でありますが、特に政府当局が目下実施いたしております金融引締め政策につきましては、各方面に及ぼす影響もようやく大なるものとなつて参りましたので、本日は金融関係の各位より忌憚のない御意見の開陳をお願いいたしまして、本件調査の参考にいたしたいと存じます。これより参考人各位から御意見を聴取する次第でありますが、時間などの都合もありますので、御一人十五分くらいずつにお願いいたします。
 ではこれより参考人各位より順次御意見を伺うことといたします。全国銀行協会連合会常務理事の水田直昌君。
#4
○水田参考人 私ただいま委員長から御指名いただきました水田直昌であります。全国銀行協会の常務理事を勤めまして、兼ねて東京銀行協会の常務理事をいたしておるものでございます。委員長から参考人としてお呼びいただき、しかも御丁重なごあいさつをいただきまして恐縮に存じております。金融引締め政策についてのことでございますが、時間が十五分ということで、あるいは若干狂いますが、少しのところはどうぞお許し願いたいと思います。私は十四のいわゆる都市銀行と、六十余の地方銀行の全体に関係いたしております。銀行側として金融引締め政策をどういうふうに見ておるか、また金融引締め政策に対してこれらの銀行がどういう措置をとりつつあるか、なおまたこの政策が銀行にどういう影響を与えておるであろうか、それを預金、貸出し及び不渡り手形などの関係から御説明申し上げ、そして国会なり政府なり日銀当局なりにどういうことを銀行としてお願いしたらよろしいか、こんなところを申し上げてみたいと思うのであります。
 金融引締め政策につきましては、昨年の九月に日本銀行が引締めるということを宣言しまして、その引締めは現実に第二次高率適用の問題などにおきまして十月から実行に移されたわけでありますが、その当時われわれの方で見ておりますところでは、二十八年度の政府の補正予算が組まれまして、あの通り行きますと散布超過が千三百億くらいになる、相当金が出る、野放しにしてはいけない、やはり銀行の方も貸出しを締めて預金をうんと吸収しろ、つまり千三百億の散布超過に対する対策として去年の十月は金融引締めということが出された、こうわれわれは見て、その当時は、とかく相当散布超過になる、そうするとそれを吸収するについては預金対策ということが第一である、銀行としてはこれは強力をもつて預金を集めるわけには行かない、どうしても預けてくれるようにしなければいけない。そこで預金に対する課税の問題などを対策として要望したのでありますが、実は率直に申して、われわれの考えておつたと行われ得なかつたのであります。預金の二割の利子課税が一割ということになつたのはようございますけれども、割増金付定期預金が無税であつたのを逆に一割かけるということが実は去年行われて残念に思つたわけでございます。まあそういうわけで去年の十月の金融引締めの目的はそこにあつた。ところが十二月に、いわゆる一兆円予算というものが打出されまして、もうそんな目の前のことじやないぞ、コストを引下げて一層輸出を増進し、輸入を抑制するという大きな太いラインでやつて行くのだぞ、こういうことが政府、国会において示されまして、従つて十二月、一月以降の金融引締めということは、前のような暫定措置ではない、本格的であるぞ、こういうような考え方でずつとわれわれとしては進んで来たわけであります。銀行としましては、そういう国会及び政府の御方針につきまして全面的に協力する、これはもちろんのことでありますが、その今の目的を達成するというためには金融引締めだけではむずかしいぞ、達成できないぞ、世間でよく金融独走ということを言われておりますが、引締めだけでできるというように考えられては困るぞというふうな考え方で、やはり総合的な施策の裏づけが必要である。同時に引締めもいいけれども、これの速度ということもよほど――相手は生き物でありますので、速度もよほど考えなくてはいけないぞ。要するに総合的施策の金融引締めに対する裏づけとして、それを引締めるについてもタイミングと速度とを考えなくてはいけないぞ、こういう考え方でおつたわけでございまして、もしこの総合的施策ということなしに、またタイミングということなしにぐんぐんやられた場合においては、正常な金融を受けてしかるべき企業まで倒れる、また健全なる中小企業も倒れるぞ、こういうようなことに多分になるのじやないかということを相当心配いたしたわけであります。そこでいろいろ部内で研究いたしました結果、金融引締めについてはこういうようなことをひとつ責任当局として考えてみていただきたい、というのがお手元に差上げました金融引締めに関しての要望で、これは政府、大蔵省――総理大臣、大蔵大臣、経審長官などに、八項目にわたりまして、こういうようにやつてくれれば、金融引締めをこれと一緒にやつて行けば目的を達するのじやないか、こういうことを申し上げたわけであります。しかし同時にこれは政府だけではありませんで、銀行の立場から見ますと、預金を預かつて金を貸すというのですから、借りる側でもこのことをよく考えてくれて、資金計画なりあるいは固定設備をするやり方などについてもひとつ改訂してもらう。従来の考え方でなしに、再検討していただく必要がある。新規の設備投資の圧縮あるいは繰延べをする。在庫投資というようなものもできるだけ抑制する。思惑とか滞貨とかいうことは銀行もひとつ押えますけれども、要求する方もそういう点について考え直してもらいたいというようなことも考えまして、お手元に差上げたわけであります。これは金融引締めに関しての産業界に対する要望というもので、要するに銀行の方でももちろん合理化をやるわけでありますが、産業界も合理化を促進する。新規の設備投資のごときは極力圧縮あるいは繰延べをしてもらう、資金需要もできるだけ少くしてもらいたい、こういうことをお願いいたしたわけでございますが、この内容につきましてはまたあとで若干触れることがあろうと思います。
 しからばこの金融引締めに対して銀行としてどういう措置をとつておるか。銀行としましては、これは大きな政策でありますので、自分の職能の範囲内において、なるべくその効果が上るように努力をしておるわけでありますが、産業界の資金需要は、実はこの二月ごろまでは非常に旺盛でございまして、非常に弱つております例を申しますと、私東京都内の七つの大きな銀行について調べてみたのでございますが、この七つの銀行の支店から本店に対してこれだけはどうしても貸してやつてくれという要望が、一月、二月だけで八百五十億ございます。本店でもつて預金が集まらないどころではない、預金が減少する。日銀は高率適用でもつて貸し出してはいかぬというので貸してくれないということで、八百五十億に対して銀行で一月、二月で貸しましたものが百五十億というふうで、非常な圧縮の仕方になつておるわけでございまして、それで大蔵省並びに日銀の考え方が、引締めの速度というものは相当早いというふうにわれわれは見るのでありまして、そのしわ寄せというものはどういうふうになつて来るかということを今気にかけておりますので、できれば速度というものについて漸進的にやられて、いわゆる経済界の実情に即応して、壁に突き当つてしまうことのないようにということをお互いに考えなければならぬのではないか。こんな考え方でやつておりますが、具体的な措置といたしまして、これは銀行の内部に融資自主規制委員会というのがございまして、ここで申合せをして、こういうふうに資金の融通については抑制しようじやないか、不急不要な資金というものは大蔵省、日銀できめられておりますが、それにはもちろん一切出さない、過剰投資、二重投資に陥るべきものには一切出さない。なお思惑資金それから滞貨融資――この滞貨融資というのは考え方が非常にむずかしゆうございますが、これは常識で考えて、思惑及び滞貨融資に流れるおそれのあるようなものについては出せないというふうなことを申合せをしてやつておりまして、貸増しということはできるだけやらない。その一つの現われが、実は今世間で問題になつております第十次の造船融資でありますが、これはとうてい今の金融情勢で、従来のような開銀七、市中銀行三というような割合では出せないということをはつきり運輸大臣に対して申し上げておるわけであります。ところが輸入資金というものは、御承知のように三月から別口外貨貸付制度を廃止された、それから輸入決済手形の期間の短縮、いわゆる優遇ということを廃止するということに日本銀行、政府で方針をきめられたわけでありまして、実は市中銀行が日本銀行にいわゆるオーバー・ローンとして借入れをしております三千何百億――一時は四千億を上まわりましたが、その三分の一程度は輸入資金なのでございます。それが、今度優遇をやめる、別口外貨もやめるということになりますと日本銀行からは借りることができない。そこでこれは市中銀行でもつてほとんどそのしわを引受けなければならないということになるわけでございます。これは現在の市中銀行の金融情勢から見て、吸収できるかどうか、どうもむずかしいのじやないか、こういうように輸入金融については見通しを持つのでありますが、これについては何らかの経過的の措置が必要じやないか、かように考えます。輸入を抑制するということはもちろん必要でありますが、輸入金融について今相当強い線が出されておりますので、現実にぶつかつておる銀行から見ますと、別にこれをゆるめるとかどうするとかいうような印象を与えるべき筋ではありませんが、何らかの暫定的な措置がいるのじやないか。一例を申しますと、新聞にも出ておりました鉄鉱石の輸入でございますが、鉱石の輸入を全然なくするとか、あるいは半分にしてしまうとかいうことであればこれは別でありますが、ある程度今外貨予算でもつて考えられておる程度を輸入するとしますと、輸入金融というものは今まで八箇月のアローアンスがあつたわけでございます。従つて十月に輸入しましたものを、鉄鋼会社が現金でもつて借金を返すのが、六月の末に返す、十一月のものは七月末に返す、こういうことでずつと資金計画を立ててやつておつた。ところがこの三月でもつてぐつと引締められて、金利も高くなりますが、そのほかにアローアンスが四箇月ということになつたわけですから、八箇月のものが急に、四箇月たてば現金を銀行に返さなければならぬということになりますし、この六月、七月、八月ごろは何箇月分かダブつて返さなければならぬということになりますので、そうすると、これは売掛しておつたものを全部回収して銀行に返す、そんなことはできないわけであります。要するに返済期間が八箇月のものであつたものが、急に四箇月、ここれなんかは五十キロのスピードで走つておつたものがぐつととまつてしまう、そこを業者の方も努力して金を返すように節約をするということは、もちろん必要でございます。何らかそういうような点で相当突き当るということがないようなことを、日銀の方でもいろいろ考えておられると思いますが、われわれ実際面にあたりましても必要じやないかと思う。あとで申しますが、市中銀行は預金を集めて貸出しをするわけでございますが、預金の吸収が意にまかせません。従つてしりは日本銀行に行く、これはオーバー・ローンというので、一時四千億以上の日銀からの借り受けをしておりました。最近の数字で見ましても、六大銀行、三井、三菱、第一、富士、三和、住友の日銀からの借入れが約二千億でございますが、その二千億の借入れの半分の一千億以上は、第二次高率といいまして、日歩二銭六厘ということで、損をして貸している。貸出しは大体二銭四厘でありますから、二千億円以上の日銀からの借入れのうち、半分の一千億以上は、日歩二厘の逆ざやででも貸さなければ、どうしても見ておれないということになつておりますので、貿易金融も、市中銀行としますと、第二次高率で日銀から借りて貿易金融の方に貸さなければやれない。そうすると逆ざやになる。日銀としてはまた市中銀行がオーバー・ローンになつてけしからぬ、こういうことになつているわけでございます。実情はそういうことでありますので、銀行としてはできるだけ引締めの方針に沿うことに努力いたしておりますが、その実行についての緩急の序は、やはり一考を要するのではないかと考えております。
 これは銀行に対する影響でございますが、お手元に差上げておきました全国銀行預貸金増加状況――三月はまだ全体としてすつかり集まつておりませんので、一応集計した数字だけ出しておりますが、昨年の引締めがありましてから、二十八年十月以降、二月までがはつきりした数字でございます。一番左の預金増加をごらんいただきますと、二月までに千五百五十九億預金がふえております。二十七年の十月から二十八年二月までの昨年の同じ期の合計が二千百四十二億になつておりますので、昨年に比べて約六百億ほど預金が減つているということでございます。ところがその預金が減つております原因は、事業をしている人の銀行に対する預金が減つているからであります。その証拠は、預金増加千五百五十九億のうち、定期預金が千百九億になつております。前年の同期の定期預金の増加は千九十九億、つまりことしは前年の同期に比べて十億ほどふえているわけであります。定期預金には商業的の預金、産業的の預金が少うございまして、一般的の伸びは順調である。銀行預金が減つたのは、産業界における預金の激減が原因であるというのが一つの特徴でございます。もう一つの特色は、二月は預金の伸びる月であります。昨年をごらんいただきますと、二百九十八億預金がふえておりますが、ことしは十六億マイナスになつている。これが実質預金になりますと、百八十五億減つております。これは今日までなかつた現象でございまして、普通銀行としての預金の伸びがいかに悪いかということを示しております。
 一方貸出しの引締めが貸出しにどういう影響を与えているか。預金は非常に激減しておりますが、預金の減少に伴つて貸出しも減つております。貸出増加をごらんいただきますと、この五箇月間で貸出しの総額は千六百二十四億ということになつております。昨年が二千二百六十六億でありますので、これも昨年の七〇%そこそこに減つているわけでございます。これで特色のありますのは、輸入関係の数字があまり減つておりません。減るのは減つておりますが、減り方が少うございます。輸入手形決済というのは、昨年は二百九十七億の増、今年は二百四十七億、五十億程度の減少にすぎません。全体として六百億くらい減つておりますが、輸入関係は五十億程度にすぎない。ところが先ほど申したように、…月から輸入関係の優遇をとめましたので、てきめんに現われまして、昨年は三月で輸入関係が四十億ふえておりますが、今年は逆に四十七億減つている。差引をいたしまして、八十七億の違いである。こんなことが金融引締めから現われて来た現象であると見ているわけでございます。実は今年の一月に日銀政策委員が、一体日本銀行は、一月で五百億も市中銀行に貸し出している。この考えはぬるいというような批評が出ましたのですが、一体第四・四半期の今年の一月から三月までの引揚げ超過は、輸入増加のために資金が引揚げられたのと、それから政府の指定預金が引揚げられたのと、全部合せますと、ラウンド・ナンバーで二千百億になつているわけであります。それに対して日本銀行から市中銀行べの貸出しの増加が千百八十五億ということであります。つまり政府の引揚げられたものの半分前後は日銀の貸出し超過ということになつております。従つて日本銀行券は九百五十億の収縮ということでありますので、もし日銀の市中銀行に対するオーバー・ローンがありませんければ、まつたく壁にぶつかつてしまつて、相当混乱を来すのではないかと、見ているわけであります。市中銀行がそういうことを防ぐために、オーバー・ローン――しかも第二次高率にひつかかりますけれども、やむを得ないということで、日銀にかけ込んで借りているという状況でありまして、日本銀行券の二十八年度における増加は、わずかに百八十何億ということで、三%程度の増加になつております。しかるに一方人口は一年で百二十万ふえる。それから鉱工業生産に行きましては、二十七年度に比べて一五%ふえており、卸売物価も一一%ほど高い、こういう関係を見ますと、いかに日銀券が相当ひどい収縮であるか、単なる計数でなしに、経済活動のボリユームの点からも見られるわけであります。
 この引締めが商取引の面への影響でございますが、商売なり生産なりおやりの方は支払いに困る。従つて手形が相当に出る。期限がだんだん長くなる。これは一つの現象でございますが、最近は堅実な企業とそうでない企業との間に、手形の関係で違つた現象が出て来ておりまして堅実な企業は手形の短いものでなければとらない。自分は下請に対してはなるべくめんどうを見ようということで、堅実な企業関係の手形の期間が短くなつて来ているという現象を呈しております。そうでない企業は、長期の手形が相当出されている。非常におもしろい妙な反対の現象が出て来ておりまして、もちろんだんだん信用取引というものが悪くなつて参りまして、現金取引が相当ふえております。その面からも資金の需要は多いというふうに言えようかと思います。回収の点でありますが、これは大体季節的な運転資金につきましては、大体大きな銀行を見てみますと、順調に行われておりますが、ただ回収状況の一部悪いのもありますが、これは貸出しが行われても削られるから、期限が来ても返すのはやめておこう、こういうので回収が悪いというふうに銀行では見ております。
 不渡り手形の関係を簡単に数字につきまして御説明いたします。これは昨年の十月から金融引締めが実行されましたので、十一月から相当ふえております。具体的に申しますと、十月中における一日における不渡りが九百六十七枚でありましたが、引締めがきいて来まして、十一月には俄然ふえまして千二百四十八枚、もう千枚を突破いたしました。十二月は決済の月ですからまた不渡りが多くなりまして、一日が千三百枚以上になつております。しかるに三月は一日の平均が千五百三十六枚ということになつておりましてこれは月中における不渡りの数字も四万一千四百六十一枚、これは今までのレコードでございます。それでこの不渡りの数字でありまするが、手形の流通量に対しまして、これも昨年は大体千分の六程度でありましたが、これが最近は千分の十全流通量に対する不渡りが一%、これは相当な今まで例を見ない数字でございます。それでこの三月の不渡りの数字が先ほど一日が千五百三十六枚、こう申し上げましたが、昨年の三月に比べて約倍になつております。昨年の三月は約七百余枚でありましたが、約倍になつております。もう本月もつい最近二十一日までの数字をとつてみましたが、昨年に比べて八〇%不渡りがふえておる、ところが手形の交換高自体としましては、最近の商業が不活発であるというためにほとんどふえておりません。交換高は枚数において一〇%程度も増加、金額においては一%もふえていないくらいでありますから、金額はほとんどふえていない、しこうして不渡りだけが今申したように昨年の八割も倍にもふえておるということでございましてこれを内容を検討してみますると、主としてこれは中小企業者が不渡り発生の対象である、こうわれわれは見ております。と申しますのは、この交換高の一枚の平均が大体本年は三十万円前後になつておるにかかわらず、不渡り手形の一枚の平均が十万円から十一万円ということになつておる点から見ましても、なお五万円未満の不渡り手形というものが全体の五割以上を占めておる。中にはひどいのは三千円ぐらいでもつて不渡りになるといつたようなのもあるのでございます。それからこれが中小企業だと推測いたしまするのは、昨年の五、六月ごろに上場株の十二の大きな会社が不渡りを出してちよつと問題になりましたが、それ以後大きな会社は不渡りを出しておりません。十一月以降でちよつと大きな会社で出しましたのは日本海運、不二越鉱業、日平産業、昭光商事、この四つだけでございまして、あとはいわゆる上場株の会社で出しておるものはありません。こんな点から見ましても、やはり不渡りの大部分というものは中小企業者であろう、今日もかわりなく、これからも小口の不渡りはさらに増すのじやないか、こういうふうに見ておるわけでございます。この不渡りの原因を事こまかに検討いたしますと、世相がよくわかるのではないか、ことに二月などは小口運送業が今まで不渡りが出ておりませんでしたが、これはやはり中小企業者がぐあいが悪くなりまして、小さな運賃を払わないというのがやはりこんな点に出ているのではないか、かように見るわけであります。
 そこで今政府は日本銀行の引締め方針に対しましてやはり銀行としましてはどういうように考えておるか、お願いいたしたい点は、何と申しましても日本銀行から金を借りるような産業が出てはいけない、こういう方針でありますので、どうしても産業界においていわゆる資金の需要をひとつ少くしてもらう、これはもちろん要望であります。預金を集めなければならない、この預金を吸収してその範囲で貸出しをする、これにつきましては預金の秘密性の保持ということはもちろんでありますが、預金者の優遇をしてもらいたい、非常にこれは強い要望でありまして、今度の税制改正でも一〇%の課税が五%になりましたけれども、五%くらいの税金はこれは収入としましては五億くらいなんでございます。数千億の税収の中の五億、五%くらいの税金がついているために、預金者としては何か調べられはしないかというひつかかりがありますので、思い切つてこれは免税にしてもらう、割増金付定期なども去年からあれは一割かけるということに逆にされたわけでございますので、こんなものはやはり従来通り免税にしてもらう、それから貸倒れ準備金の無税積立の範囲をゆるめていただくというようなこともお願いしておるわけでございます。その他の官庁に対しまする要望としましては、お手元に差上げましたいわゆる要望事項をもう一度ごらんいただきます。
 第一に、財政規模の圧縮、これは内閣及び大蔵大臣に対して。われわれより見ますると一兆円でありますけれども、消費的の支出は相当多い、地方庁など五百億もふえるような情勢であります。
 第二に、総合的物価政策、これは政府関係のものはいろいろりくつはございましようけれども、料金の値上げなどはひとつやめてコストの引上げということにならぬようにしてもらいたい。これは主として計画でございましよう。
 第三に、設備投資の抑制、これは通産大臣、大蔵大臣にお願いすべきことと存じます。
 第四に、金利政策に弾力性を持たせること。これは大蔵省、日銀に対してでありましてこれは実は貸出しの金利を下げるということはコストを下げるということにつながると、こう常識上思つておりますが、必ずしもそうでない、たとえば昭和二十七年五月に一厘下げました、あのために銀行の収益が七十五億減つておりますが、ほとんどコストの引下げにはわれわれから見てなつておりません。大体配当と賃上げの方にあれは行つてしまうというようなことになつておるのでございまして、輸出の増進とかその他ずいぶん国家で必要とせられる面については低い貸出し、これは当然でありますが、そうでない場合においては、ある程度資金を借りる意欲というふうな面から考えて金利を上げてもらつたらどうか、しかしながらこれで銀行はもうけようとするのではない、それに相当するだけは預金の金利を上げるということを金利調整法で許していただいてできるだけ預金を集めるということについて努力してみたい、こんなことを考えております。
 第五に、外貨予算の緊縮、これはやはり通産大臣。
 第六に、労働政策を確立すること。これはなかなかむずかしい問題でありましようが、ベース・アツプに食われてしまつたのではなかなかコスト引下げにならない、何らかそこに対策があつてしかるべきではないか。
 第七に、民間資本の蓄積、これはもつぱら大蔵省にお願いする、先ほど申しましたように預金については当分の間無税というような線を打出してもらいたい。それから金融引締めの速度、これは先ほど例をあげて申したところでございますが、生きたものを扱うのでありますから、われわれは大蔵省方面に対して壁にぶつからないようなやり方をお願いしたい、こういうふうに考えておるわけでございまする委員各位とされましても、要望いたしましたことにつきましての実現方につきまして御高配いただければ仕合せと存じます。
 時間の制約もございましてたいへん急いで申し上げましたので、おわかりにくかつたかと存じますが、私の話は一応これで終ります。
#5
○加藤(宗)委員長代理 ただいまの水田参考人の御意見に対しまして質疑があればこれを許します。
#6
○小笠委員 一、二お教えを願いたいのですが、まず御説明のありました全国銀行預金貸出しの増加状況の問題であります。大勢はこれを了承いたすのでありますが、一口当りの平均貸出し金額はどうなつておるかということを伺いたい。さらに三百万円で切つた場合に、その三百万円以下と以上との割合がいかになつておるか。つまり貸出しがだんだんに大口に片寄つておる傾向はないかどうかという意味において数字を伺いたいのであります。
 第二点といたしましては、先ほどお話のありましたように金融引締め並びに財政、規模の圧縮に伴いまして、産業各方面にいろいろな影響があるのでありますが、特に貸出しにつきまして銀行側において融資規制の委員会というものを自主的に設けて貸出しの大体の基準をつくられておるようでありますが、かくのごとく金融が引締まつて参りますと、新規貸出しがほとんど困難になるということはお説にもあつたのでありますが、それは従来取引のある方に対する新規の問題もありましようし、新しい業者に対する貸出しが全然押えられておるかどうか、私はそういう傾向にあるのではないかと思うのでありますが、先ほどの新規貸出しの抑制という意味は、新しいお客さんには貸さないという傾向になつておることを言うのか。これは大都市よりも地方銀行におきまして最も重要な問題であると私は思うのであります。これが第二点。
 第三点として伺いたいのは、最近大蔵省の銀行局長通牒をもちまして各金融機関に出した特利の取締り通牒でありますが、実は金融機関の特利の状況を私はあまり詳しく知りません。金融機関が預金を集めるために、いかなる手を打つておるのかという実情について御説明を願いたい。少くとも役所の局長通牒を出す以上、そういう事実が相当あるのではないかと想像するのでありますが、その点御説明願えれば非常にけつこうだと思うのであります。これが第三点。
 第四点として、先ほど御配付いただいた資料の金融引締めに関しての要望についてでございますが、その中で特に問題になるものは、いわゆる国会あるいは政府の施策と別に、今後金融政策の影響が出て来る速度の問題、この速度に関連して速度に調整を加えるというお話、これはごもつともだと思うのであります。ここで例を輸入金融の既契約分についてのみ書いてあるのでありますが、日本の産業金融について私はこの感を特に深くするものであります。この金融引締めが七月以降ますます強く出て来るという傾向にあるのでありますが、この引締め速度について、銀行の窓口から見て、どういう手を打てば大きな筋は通しながら影響を少しでも軽減できるというふうにお考えになつておるかどうか。輸入金融の既契約の分につきましては非常に具体的にわかつておりますが、その他の分について何かそういう具体的な案を考えつつこういう要望を出したのであろうと思うのでありますが、その要望の内容をお教え願いたいと思うのであります。
 以上四点につきまして、お話を伺いまして感じたところをお教え願いたいと思うのであります。
#7
○水田参考人 きわめてポイントをおつきになつた御質問でどうも恐縮でございます。今の数字でございますが、私ここに一口当りがどうであるかという数字を持ち合せておりませんが、これはやはり重要なことでございます。御質問の趣旨は、中小企業に対してどういうふうにしわが行つておるか、中小企業は相当ひどいのではないか、ことに大きなものに片寄つておるのではないか、こういうふうな御懸念だと拝承しますが、これは数字のことでございますから、ひとつ調べまして後刻お届けすることにいたします。
 それから新規云々と申しましたのは、これは例の融資規制委員会では、新規の設備投資、長期にわたる設備投資は原則としてやらない。しかしながら、この間政府は、開発銀行に対してどうということを閣議できめたようでございますが、あれはやはり政府の方針としてやつておるわけでございますので、ああいうものにつきましてことに長期信用銀行などは、やはり政府の方針として、どうしても必要なものには例外として出さなければならぬ、こういうぐあいに融資規制委員会でも考えておるわけでありまして、その趣旨で案を練ろうかということになつておるのであります。
 それから、従来のものの新規か、新しいものか、こういうことでございますが、従来のものは新規はほとんど継続だけというようなことに考えられております。従つて新規と申しますのは、何ら取引のないものの新規は、これは例外を認めよう、ことに中小企業に対しては――本日実は原案を自分としてこしらえてここへ来たわけでございますが、中小企業に対しては――大企業に対するようには行かない、たとえば輸出産業とか国内の自給度の増強をはかる産業以外のものとしても、やはり民生の安定とか国民経済上必要なものについての運転資金、設備資金は、銀行としてはやはり例外な扱いをしなければ現実に即しないのじやないか、こんなふうに一応非公式でございますが考え方を持つておるわけでございます。申合せでどういうふうに出ますか、またそのときに御批判をいただきたいと思います。
 それから特利の問題でございますが、私は銀行協会におりまして、表面特利というものはおしかりを受けるわけでありますが、私にはわかりません。銀行局が検査権をお持ちになつておりまして、それぞれの機関によつて御検査になつておりますから、ないものに対してああいう警告を発することはないと思います。これは何らかの形であると思います。現に私の聞きますところでは、これは私は大蔵省に言つたことですが、政府の共済組合において、所定の金利じやいけない、よけいに金利をくれなければ――ちやんと運用利まわりになつておるからということを、おつしやつたか、おつしやらなかつたか、それはわかりませんけれども、以心伝心で、政府の共済組合の金でも、日歩六厘とか七厘とか、四分とかいうことじやということです。しかしこれはおそらく責任ある方がおつしやつたわけじやないでしようが、預かる方において、以心伝心で、さもありなんと思うのでありますが、一例を申せばそういうようなことであります。御質問の点の、どの銀行がいかなる方法でどんな程度でやつておるかということは、ひとつ皆様から大蔵省の方にお聞きいただくようにお願いいたしたいと思います。われわれとしては、そういうことがあつてはいけないということは、再三話合いはいたしておるわけであります。ただ特利はやはり自粛する必要がございます。先ほど申したように、今日銀行は借入れが殺到しておりまして、どうしようかといつて今困つておるわけであります。それで日本銀行にかけつけますが、先ほど申しましたように全部第二次高率で二厘の逆日歩になるわけであります。それでもつて二厘でとりましても、世間ではよく特利でとるとコストが高くなる、ひいては貸出しにも影響するという議論がありますが、私の見るところでは決してコストは高くなりません。今貸出しをやるためのフアンドは全部日銀に行かなければならない。しかるに二銭六厘でやればコストは安くなる。しかしどちらからいつてもこれがよいということにはなりませんが、一体のべつまくなしに第二次高率適用をされるような状況と、この特利の間の調節をいかにするかということは、市中銀行にあらざる日銀、大蔵省の考えるべきことではないか、かように私は存ずる次第でございます。
 それからなお速度の問題でありますが、要望につきましてはこれは三月の初めに出したわけであります。既契約分のものについては云々と言つております意味は、二十九年度は一体輸入をどういうふうにせられるかという見通しがつきませんでしたが、もし二十九年度における外貨の使い状況がことしのように二十億ということでなしに、かりに十二億とか十三億ということになれば、これはかれこれ言わなくたつて融通できるのじやないか。しかしながらそれが相当大きな額であるとするならば、やはりその分についても考えなければならぬじやないかと考えております。実はこれを出しました当時は、二十九年度における外貨予算がいかになるかということは見通しがつかないときでありましたので、とりあえず既契約分についてということをうたつたわけであります。従つて未契約分につきましても、どうしてもドラスティックに突き当るということになるならば、何らかそこに措置が必要ではないかということで、寄り寄り日銀総裁あたりと銀行の首脳部が話合いをいたしておりますが、まだ現在具体的にどういうふうにしたらよいかというところまで参つておらぬわけでございます。
#8
○加藤(宗)委員長代理 他に御質疑はありませんか。
#9
○松原委員 先ほど輸入金融については、第二次高率のために逆ざや二厘くらいついているというお話でありましたが、原資と貸出しの間において、どの原資をどこに貸したということをはつきりきめるわけには参りませんが、かりにこの第二次高率のもので全部をまかなつたとすれば、そういう計算もでき得ると思いますが、そうすればこの輸入金融のために銀行が一体どれくらいの損をしておられるかという総額を、もしできましたらラウンド・ナンバーでけつこうですからお答え願いたいし、できなかつたらひとつお調べ願えればたいへんけつこうだと思うのであります。
 もう一つ、先ほど小笠委員から聞かれた点とやや似ておりますので、ついでにお調べおき願いたいことは、定期預金の平均金額でございます。それも市中銀行でけつこうでございますから、市中銀行の定期預金の平均数字、わかれば地方銀行とわけてやつていただきたい。
 それからもう一つ、これも大銀行について聞きたいのですが、歩積みの問題だとかあるいは歩積み以外でも両建の問題が相当にありますが、その預金の性質がどうであろうと、ともかく両建の金高は全体として大体わかつておるのかどうか。この金利が安いとか高いとか言うておられますけれども、実質金利は相当これでもつて調節がつくという点もあるものですから、そういつた点について銀行協会の方ではどういうふうに感じておられるか、実際問題としてどんなものであるかということを聞きたいのであります。
#10
○水田参考人 輸入金融は、今のところは第二次高率に走らざるを得ないが、輸入金融はどれくらいの数字に上りますか、一月現在では日銀のオーバー・ローンの約三分の一、千三百億ほどは輸入金融ということでございました。現在四千億、この間ちよつと割つて三千八百億になりました。かりに三分の一として千三百億といたしますと、日歩二厘というと一%弱になりますから、十三億前後という数字になろうかと思います。しかしこれはもつと克明に計算しないとわかりません。定期預金の一口当りの金額は数字を持つておりませんので、先ほどの小笠さんの御質問とあわせて調べまして差上げることで御了承願いたいと存じます。
 それから歩積み、両建のことでありますが、両建預金がどうであるかということは、各銀行の預金がどれだけであり、貸出しがどれだけであるということをとつてみないとわかりません。とつてみたことはありますが、ちよつと意味をなしません。十二月現在とすると、十二月ですと非常に量がふえるが、一月ではうんと減るということでございますので、とつてみても意味をなしませんから、銀行協会ではとつておりません。しかしながらお説の歩積み、両建は世間では何か悪いことのように響きますが、悪いことではありませんで、ただ度を過ぎるとぐあいが悪い。特によくないと思いますのは、五百万円貸してくれというのに千万円の手形を書かせて五百万円貸しておくもので、こんなものは悪質なんです。百万円の手形を割つてくれというのに対して、その五%の五万円を積んでおきなさい、そうすると不渡りが出るようなおそれのあるときもそれの担保になつて来るということで、業者と金融機関と別に反発せずにやるところの歩積み及び両建ということになつております。やり方のえげつなさがどうかという問題でなかなかむずかしい問題でありますが、御質問の両建がどういう数字であつたか、協会としてとつておりませんので、はなはだ恐縮ですが、御了承願います。
#11
○杉村委員 今問題になつている開発銀行から船会社に金を貸しております。地方銀行その他の関係がきわめて重要なわけですが、地方銀行では、船会社に対するところの融資関係はどんなふうにお考えになつておりますか。新聞紙等を通じては幾らか承知いたしておりますが、どんなぐあいでありますか。
#12
○水田参考人 造船融資の問題でございますが、第九次の造船まで大体開発銀行と市中銀行と協調融資をしておりますが、大体市中銀行だけで船会社に造船のために七百億近く貸しておりました。ところが元金はもちろんのこと、利子も日歩三銭という利子は払つてもらえない。それからもう一つ重大な問題は、銀行から無担保で貸すわけには参りません。預金者に払わなければならぬ。担保力がはなはだ稀薄である。それで当時銀行としましては、元本の返ることはもちろんのこと、利子も完全にもらえないというのでは、銀行は慈善事業じやないのだから金を貸すわけには行かない。これは背任になると私は思う。担保力もなく元金も返さぬということが客観的にはつきりしておるのに、金を貸すのは、保全経済会ならいざ知らず、正しい銀行業としてやるべきことじやない。それであの当時私も関係しておりましたが、貸せないじやないか。ところが国会並びに政府で、利子は補給してやる、それから元本は三割保証してやるから銀行金を出せ、こういうことであつたわけです。それで銀行は余分な利子はもらう必要はない。ちやんと天下晴れての日歩三銭という利子がもらえればいい。船会社は五分しか払えないというのですから、残りの五分幾らは政府が払つてやるから金融機関金を出せ、こういうことであつたわけなんです。われわれとしては実は出したくないというのに、ああいうことをやつてやるから出せと、こう言われたわけです。ところが第十次の造船になりますと、担保力がますますない。船一隻ということになると、減価償却で担保力が減つて行きます。それでフルに貸すわけには行きません。大体幾らフルに貸しましても、八掛がフルでございます。毎年担保は減つて行く、減つて行けば、元本は返してもらえればよろしいが返されない。それに対する担保力が減つて行く。新規に貸すところの担保力はたとえば大体十億貸すものについては八億の担保しかない、だから二億というものは既定のところからとらなければならぬ。それで元金はもちろん返されない。利子につきましても、これははなはだ何ですけれども、二十九年度の予算では造船中に払つた税金等、これは乗立費用でありますが、それを銀行から貸すわけです。それに対する利子の補給はやらないということで削られておるわけです。そうまで削られて利子の補給もない。それから一面におきまして、出すとすればほとんど第二次高率に行かなければならないということになる。従つて現在では、国策としてどうしてもつくらなければならぬというならば、金融機関の現状から見て、金の出し得るようなことを政府としてやつてくれなければ金融機関として出せないじやないか。しかしながらこの六月になりますと船台があいて非常に大きな問題だということも聞いております。しからば開発銀行で百数十億の造船資金というものはすでに認められておりますので、われわれとしましては造船はとりあえず開発銀行の資金で何台かおやりになるということが当面のやり方じやないか。市中銀行としてはこういう窮迫した時であり、かつ補給の問題等について、どうしても資金がないわけですから、現状においては市中銀行としてはごかんべん願いたいというのが、今日までの実情でございます。
#13
○杉村委員 私もただいまお述べくださつたようなことは承知しておりましたが、今日お目にかかつてそういう話が伺えたことはたいへんけつこうなんでして、開発銀行を通じて国民の血税が今までに九百九十二億一千九百万円貸し出されておるわけであります。これがほとんど返つておりません。これは昭和二十四年当時、復興金融公庫及び見返り資金等から貸して来ておるのですが、今お話の七百億というのは、これは第九次以降でございますか、その前からでございますか。
#14
○水田参考人 その前からのトータルでございます。市中銀行の造船融資に対して、政府の政策として造船に金を出せということになつた初めから現在に至つておる総計でございます。
#15
○杉村委員 それで実は開銀の松田理事にも伺つたのですが、松田理事も担保力がほとんどないというお話であつた。それから回収の見込みがあるかどうかという問題なんです。今貸しておる金の回収の見込みについてはまだ明確なる答えがないのでございますが、現在銀行といたしましては、出ておる金の回収に対してはどういうお見込みでありますか。回収でき得るものとお考えになつておりますか、いかがでありますか。
#16
○水田参考人 市中銀行では興業銀行及び長期信用銀行いわゆる長期金融機関から出ておるのが相当部分でございます。この船の問題は、世間で言われておりますが、一体一年や二年のことではない。やはり何年かを期して考えるべきことである。そうして今日本の船会社が造船の資金が返せなくなるということは、これは日本の国が立つて行くか立つて行かないかということで、船台なり船会社というものは立つて行くものである。それでなければ日本全体がどういうことであるかということに私は考えておりますので、従つてこの元金は返されるものである、かように信じております。それは時期の問題だと思います。
#17
○杉村委員 まことに理論としてはそうなくてはならないわけなんですが、どうも考どもが見るところによりますと、すでにあなたの方から七百億、国民の税金が九百九十二億、こういうことになつておるのであつて、千六、七百億の金をただ貸しておるのと同じでありましよう。政府に対しても、税金すら原価計算でやつて税金を納めておらないのですから、これだけの金を貸して今までやつて来て、ちつともあなたの方へも利息が入らない、政府の方も利息が入らないというのだから、これであとで回収ができるというようなことはとうていわれわれには想像がつかないんですよ。これは民間であつたら、民間会社がこんな金を借りておるのであれば、よほどもうかつて行かなければならない。開発銀行の金を使つておるのは船会社ばかりではなくて、電気事業関係の会社はみな政府の金を使つております。せんだつてこの委員会で私が尋ねたときに、借りた金は返しておるというお答えをしておるのですが、どうもこれも臭いので、今私が調査しておるのでございますが、それにしましても電気事業の方は一割以上の配当をしておる、こういう関係にある。それにもかかわらず船会社の方は実際利息も返さないで三年間もすえ置きで借りておるのですから、こんな楽な金を借りておつて、これでもうからないはずはないんだが、このようにみな悪いことをしてどうにかしてしまうのですから、このままの状態では私はとうてい回収できないと思う。だからこれを国営にするとか、他の公社にするとか、何らか機構でもかえるかどうかしない以上は、このままでは回収できないと思うのですが、日本が立つか立たないか、それは確かにそうですよ。外航船がなくなつてしまえばしようがないのだから、まことにごもつともな御意見ですが、このままの態勢で行つてこれが回収できるとお思いなさいますか。先ほどのように、立つて行けないのだから行くだろう、だろうという腰だめではなかろうかと思いますが、いかがですか。
#18
○水田参考人 だんだんと御意見の御開陳でございますが、もしもこれが返されないと金融界が見ておるということになれば、減価償却をしなければなりません。落してしまわなければなりません。現在われわれとしてはやはり返されるものであるということで、バランス・シートの面では債権として立てておりますから、御質問のように返されないということはどうか御容赦願います。われわれといたしましては運輸大臣に対する要望で、市中銀行の造船会社に対する貸付金の肩がわりを毎回開発銀行に要望いたしております。二兆七千億の貸出しのうちの七百億でありますから、全体としますと二%幾らで、これがどうなつたところで全金融機関に微動だも与えるものではありませんけれども、金融機関といたしましては、こういう元本がいつ返るか、お説のようにはつきりしないものをいつまでも窮迫なときに抱えておることはどうかと思う。しかもこれは国策のために出せと言われて、金融機関としてはいやいやながら出したのでありましてやはりお説のように、開発銀行に肩がわりするとか、適当なる元本についての御措置を願うということは、金融機関側としては常に要望いたしておるところでございます。その点につきましてはよろしく御配慮を願いたいわけであります。
#19
○杉村委員 今のような造船機構、たとえば飯野海運だとかいろいろ出ておりますが、飯野海運なんてあれを始める前にはボロ船が一そうあつただけです。ところが今ではあのように、船主協会の幹事をやるというようなたいへんな地位を得て、あの造船疑獄でもほとんど主役を演じておるし、政府の金を借りておるのでも、あの飯野海運はきわめて多いのです。だからこういうような企業者にこのままやらしておいて、あなたの方では、やはり返るものだろうと思う、返つてもらわなくちや困る、そんなことを言われてはかなわないと言いますけれども、実際においてどうですか。あなた方国家の金融機関の中枢におられて、日本の貿易関係等についてお考えになるといたしましたならば、やはりこれを健全なるものにして行かなければならぬということをお考えになられるのだろうと思うのですが、現在の機構そのままでよろしいでありましようか。
#20
○水田参考人 船会社の内容がどうであるかということは別としまして、健全なるものにして行かなければならないことは全日本のいかなる機構でもその通りでありましてそうなくてはならぬとわれわれも考えております。その点につきましては、一債権者たる銀行というものももちろん関心を持ちますが、国民の税金をより多く使つておられる政府並びに国会において、十分それらの点について御考察あるべきものとわれわれは考えているわけでございます。
#21
○加藤(宗)委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。――御質疑がなければ次に移ります。
 社団法人全国相互銀行協会常務理事島崎政勇君。
#22
○島崎参考人 ただいま御紹介いただきました島崎でございます。
 相互銀行は御承知の通り中小企業の専門金融機関でございますが、日本銀行並びに普通銀行の昨年の秋からの金融引締め、これが中小企業者に非常に大きく影響をいたしまして、その結果は一応お手元に差上げました数字によつて大体御説明いたしたいと思うのですが、まず預金面でございます。中小企業者の金融難、これが強く影響いたしましてその反映として資金が思うように集まつて来ない。これを今年の二月と昨年の八月、九月に比較いたしますと、預金掛金が、昨年の九月と今年の二月末で二百五十三億増加しております。おりますがこれを昨年のと一応比較いたしますと、昨年は三百五億増加いたしておるのに、今年は二百五十三億、五十億余り実際から見るとこれで減少しておる。しかもその内容から申しますと、営業性預金、すなわち要求払い預金、当座預金、普通預金等、こういうものがずつと減つて、それが八億九千万円しかふえていない。ところが定期性預金、これは割合に順調に進んでおりまして、五十七億余り増加しておりますが、これは結局そういう中小企業者の営業資金ではなくて国民大衆のほんとうの貯蓄的な預金、こういうものが相当反面に増加した結果と見ていいではないかと思うのです。ところが一面融資の方に参りますと、銀行が非常に強く引締めをされる、その結果は結局銀行の引締めというものは、企業体の弱い中小企業者の方にそれが強く当つておられるようにわれわれは感じる。そういうような関係から、融資面は預金面が昨年と比較して五十億程度伸び方が低いのにかかわらず、融資の面はかえつて昨年の同期と比較した場合には増加しておる。すなわち昨年の九月と今年の二月とを比較すると三百七億程度増加しております。前年同期でありますと預金が二百七十億ふえておるのに、貸出しは三百七億、こういうような結果になりまして、これはやはり中小業者の要求によつて需要が旺盛でありますので、やむにやまれずこの結果になつておる次第と思うのであります。
 一面また回収の問題でございますが、最近は引締めの結果によつてだんだんと期間が短かくなる傾向がある。相互銀行はどちかというと、長期性の資金を融通する建前が非常に強いのでありますが、それが最近になりまして期間というものがだんだんと短かくなる傾向がある。それと同時に最近の状況からしまして、期限経過した貸出し、そういうものがここで多少なりと多くなつておる。これはやはり中小業者の金詰まりを端的に現わしておるのじやないかと思う。期限経過の分を申しますと、特に昨年の秋ごろからだんだんふえまして、今年の一月では全体のものが三・五%、二月が三・三%、こういうふうになりまして、昨年の一月ではその経過したものが二・九、二月が三でありましたものが、ここで三・五ないし三・三というような状況になつて現われております。この引締めがだんだん進めばこういう傾向というものはなお私は多少ふえて行くのではないかというふうに考えられます。
 それから裏から申しますと、手形の不渡りの問題ですが、これも昨年の秋からだんだんと増加して参りました。全体の手形の不渡り状況、そういう点については先ほど水田さんからお述べがありましたが、これを相互銀行だけに一応まとめてみますと、昨年の秋前は、不渡りが大体五、六千枚というような状況でございました。それが十一月ごろから多くなりまして、枚数が昨年の十一月では一万四千八百枚、十二月が一万七千枚、今年の一月は少し減りましたが、一万三千、それから二月は一万五千、こういうふうで、不渡りの状況は相当ふえて来ている。先ほど、全国的の不渡りは、その大部分が中小企業者であろうということは、手形の平均が三十三万円であるのに、不渡りの一枚平均が十一万円程度だというように言われたのでありますが、これは結局中小企業者が全体的に金融の引締めで一番多くその影響を受ける関係からじやないかと思うのです。それでわれわれ相互銀行といたしましても、これらに対する措置といたしましては、長期の預金面ですぐ融資をするというよりも、できるだけ相互掛金による長期の資金でやつた方が、かえつて安定ではないか。同時に返済の方法も、月賦償還あるいは日掛けというような方法で返済してもらうと、比較的楽に中小企業者が返済することができるのではないか、こういうような考えで、最近はどちらかというと、預金面による資金の融資というよりも、相互掛金による資金の吸収並びにこれに対する融資という方に相当力がよけいにかかつているような気がします。
 もう一つは思惑的な買占め、そういうような融資を押える。同時にわれわれとしてもできるだけ不要不急の資金は一応抑制すべきであります。しかしながら、中小企業者が全面的に、相互銀行あたりから不要不急であるからといつて、これを銀行資金に持つて行つていいか、われわれ自身としても相当考えなければいけない。件数的に見ましても、この業種別で不要不急の代表的なものがサービス業でございますが、このサービス業は、昨年の九月と今年の二月とを比較した場合でも、全体の貸出高に対する割合が少しずつ減つ
 いるということは、結局金融機関の方でも不要不急のものについてはできるだけ遠慮してもらうという行き方を持つているからである。現に各相互銀行とも一応五十万ないし百万程度以上のものについては、金融を差控える。しかしながら、十万、二十万というような小さなものでも、これは不要不急だから抑制しなければいかぬのだということになつて来ると、これはまた別途な見方でわれわれは臨まなければならぬのですが、比較的まとまつた融資については、一応不要不急のものはだんだんと遠慮してもらうという方向に実際は行つているようであります。全体から申しまして、平均の貸出しも相互銀行は非常に小さくて、平均が十六万三千余りしか上つておりません。そこで今後の措置としては、できるだけ資金を集めて、それでまた一方、救済的な金、あるいはほんとうに必要な金についてはもつと出すべきもないかというような気がいたします。
 結論的に申しますと、銀行の引締めというものは、結果においてそのあおりが中小企業者に非常に大きくかかつている。それで政府並びに日銀あたりは金融引締めは、なかなか緩和しないと言われるが、しかしながらわれわれとしてはもつと総合的な対策をつくつてもらわなければ、単に金融を引締めろ、相互銀行も金融を引締めろといつた場合には、結局はここでいう最近の金融の独走というような、何百万、何千万の中小企業者を生かすか殺すかというような窮地に陥つて来た場合に、金融機関の金を出すか出さないか、それだけでやることは非常におかしいではないか。一応金融引締めと言いながら、基幹産業に対しては結局日本銀行も相当金を出している。ところが中小企業者に対しては何もこれを考えていない。こういうところがわれわれとしても政府方面でもつと考えてほしいわけで、このまま無差別な引締め、しかも金融機関だけにまかせるということになると、問題は単に経済問題だけでなくて、一つの社会問題としても相当考えなければいかぬ時勢にもう来ているのじやないか、こういうような気がいたします。政府は基幹産業に対しては相当の資金を出しておられるが、中小企業者に対しては逆にこれを引揚げようとする。たとえば政府は今まで指定預金を相互銀行、信用金庫等、中小企業専門の金融機関に出しておられる。私どもの方でも昭和二十七年の十二月には指定預金が百三十二億あつたのですが、それがこの二月では四十八億、しかもこの九月では全部回収する。こういうような行き方だとすると、力の弱い中小業者はある程度は見殺しにするというようなふうにとられる。これではたしていい政治ができるか。同時に私は、中小企業者を救うという意味からしても預託金の問題――あるいは預託金は政府の財政資金であるからなかなかそうは行かないという見方もあるかもしれないが、しかしながら中小企業専門の金融機関に二百億、五百億の資金を出しても、資金計画上そう影響はないんじやないかという気がいたします。それからもう一つは日本銀行、なるほど日本銀行は普通銀行を中心にした全体の産業に対しての日本銀行であるか知らないが、中小企業に対して日本銀行自身ももつと救済的な資金を出してくれるのがほんとうじやないか。だから日本銀行の特別融資でもけつこうでありますが、とにかく中小企業者に対して日本銀行自体も相当力を入れてもらう。同時にまた政府としても、指定預金ではまずいとするならば、資金運用部の金をわれわれの方にもう少し出してもらう。郵便局で預かつた貯金というものはほとんど大衆の預金である。その大衆の預金を基幹産業――先ほど出ました造船とか電気とか、それも必要かもしれない。しかしもつと大衆自身の生活を安定させるというような意味から言うならば、資金運用部の金を中小金融専門機関であるわれわれに対して相当導入してもらつても、決して政治としてもまずくないし、またそれが大衆が救われる原因になりやしないか。それから中小企業金融公庫、これは昨年発足いたしまして、相当大きくやつておるようであります。おるようでありますが、あの方に対しても、もつと政府から財源を出してもらつて、そうしてもつと長期の運転資金を出してもらわなければ、われわれみたいな相互銀行、信用金庫、信用組合だけでは現在の中小企業者を救うことはできない。いろいろ見方もありましようけれども、そういうような方針についてもう少し政府は真剣に取上げてもらいたい。このままで行くともう単なる引締めではなくて、場合によつては一種の産業恐慌というような事態まで来はしないか。しかも中小企業者というものは、このまま黙つておつた場合には相当な影響を受けて来る。これは先ほど申しましたように、ただ単に経済的な面だけでなくしてやはり社会問題としてある程度取上げてこういうような観点からひとつ総合的な施策をこの際立ててもらえれば、中小企業者は日本の復興、また日本が国際物価水準にさや寄せすることに協力はするでしようが、この総合的な考えがなければ、単に中小企業者の犠牲においてだけやられるということは、私は相当まずいのじやないかと思う。
 大分かれこれ申し上げたのでありますが、時間に制約されておりますので、一応概念的に申し上げました。
#23
○加藤(宗)委員長代理 ただいまの島崎参考人の御意見に対して、質疑があればこれを許します。小笠公韶君。
#24
○小笠委員 今お話を伺いまして、一、二非常に理解の困難な点がありましたので、重ねて伺いますが、数字の問題は別にいたしまして、最近の相互銀行の経営方針として、貸出期間を順次短縮しておる。これは御承知の通り別表を見ましても、運転資金が九〇%で、設備資金がテン・パーセントになつておるという一つの傾向があるということをお話になつておる。一方において貸出しの不安度を、預金による融資というものから、無尽的な掛金による資金への切りかえをして行こう、こういう御説明がありましたが、こういうことは金利関係でどういう影響を持つか。私は貸出金利が上つて来るんじやないかということを考えるのでありますが、そう理解していいかどうかということが第一点。
 第二点は、いろいろな政治論のお話もごもつともに伺つたのでありまするが、相互銀行としての問題の焦点は、上部金融機関との連繋をどうつけておるか、組織論としてどう考えておるか、あるいはこれはついておらぬかもしれませんが、上部金融、たとえば通常の市中銀行が日銀を中心として行つているごとき上部金融機関との関連はどう考えておるか、この二点を伺いたい。
#25
○島崎参考人 第一番の御質問は、結果的に見れば期間が短かくなる、それから相互掛金に切りかえて行けば、ある程度やはり金利を引上げる結果になりはしないかと思うんです。ただ取引者の回収の点から見た場合には、やはりある程度そういうふうにすることがかえつてよくはないか、できるだけ多くのお客に資金をお貸しできるようにするということで、ある程度期間を短縮するとか、それから相互掛金の方は結局短縮にはなりません。ならないが、返済上お客さんとしては資金計画が楽に立つて、かえつて結果においてはいいことになりはしないか。
 もう一つは、相互銀行の親機関というふうにわれわれは常に申しておりますが、この点については、日本銀行を親機関とするというような点でずつと進んでおりまして現在では日本銀行と取引をされたものが、相互銀行全体七十行のうち九行ございまして、日本銀行も順次相互銀行との取引額を拡大するという方針でございます。この問題は相互銀行自身ももつと内容をよくして、要するに取引というものは一種の商取引であるから、ひとつできるだけ相互銀行も早くきれいになつてもらつて、できるだけすみやかに日本銀行としても取引を開始しようというような意向で、臆測するところでは、近々また数行がふえるのじやないかと思つております。
#26
○小笠委員 前段のお話でありますが、私の想像した通りの御答弁でありますが、その点において相互銀行が、いわゆる無尽会社というものから相互銀行にかわつて来て近代的金融業務を行うように法律改正を三、四年前にやつたのでありますが、その趣旨は、できるだけ低利の少額金融を多数にやろうというところにあつたと思う。今の御説明によりますと、回収の確実性はお説の通りであります。そうしますと、現在の相互銀行法の制定の趣旨とどういうことになるのか、いささか疑問を感ぜざるを得ないのであります。これは御回答を要しませんが、私の希望としてその意見を申し述べておきたいと思います。
#27
○松原委員 ちよつと一、二点伺います。全国の行数は七十とおつしやいましたが、そのうちには相当まだ規模も小さいし、あまり健全でなさそうなものもあるのではないかと私おそれるのでありますが、中央の機関におられる島崎さんはそういう点でどう考えておられるか。そうして大体相互銀行というものは、最低限度どれくらいの預金あるいは無尽の契約金高があれば健全に経営できて行くものか。もし不健全なものがあるならば、それについてたとえば併合せしめるとか、あるいはむやみにもう許さないとかいうようないろいろの希望があるのではないか。要するにこの相互銀行の健全性というものについては、相当この際考えなければならない時期に来ておるのではないかと思いますから、それに対するお考えを中心として、今申したような質問を申し上げるのであります。
 もう一つ、日銀の特別融資だとか、あるいは預金部の資金をまわすとか、あるいは中小企業金融公庫の方へ原資をよけいにまわして、それによつてこちらへも少し原資がまわつて来るようにというようなお話でありましたので、特にあなたにお伺いするのですが、最近の銀行種別による――たとえば相互銀行、金庫、それから一般市中銀行、都市銀行と地方銀行というように、銀行の種別によつて原資の構成が大分違うと思うのですが、そういう構成の違うところを基本としてあなたはいろいろの要求も持たれるだろうと思うのですが、それらの原資の構成の実態と、その違いをひとつ知りたいと思うので、今もしお手元になければ、あなたの方の立場から調べられる最近のものを調べていただきたいと思うのであります。
 もう一つ、私ども相互銀行について、はなはだ失礼な言い分であるが、一たび相互銀行につかまつたら、中小企業は大体つぶれて行くぞ、生血を吸われてしまうぞ、こういうことを申しておるほどに相互銀行から借りる実質金利は非常に高い。ことに無尽に至つては、小笠委員もおつしやつたところでありまするが、金利がべらぼうに高くつく。しかもその無尽で最後までいわゆる預金の実質を備えた場合には、その預金利子はきわめて安い。少くとも貸出し金利に比べれば、つまり、からの無尽の金利に比べればきわめて低い。こういうところに暴利が伏在しておるのではないか。従つてこれにつかまつたら非常な迷惑をお得意先がこうむる、こういう傾向があるのではないか、こう思うのですが、中央の機関におられる方はこれらの実態をよくお調べになつて、そうして指導よろしきを得なければ、相互銀行自体が非常な不評判になり、結局墓穴を掘るということになるのではないかと思うのであります。これらの点についてあなたから御意見を承りたいと思うのであります。
#28
○島崎参考人 第一番の、最小限度どのくらいあればいいか、それから相互銀行の方には相当規模の小さいものがあるが、今後の問題についてどう考えるかという点でありますが、実際われわれもその点同感でございまして相互銀行になつてから大体政府は十幾つ新しく免許をしておられる。これは初めは五十六であつたのが、現在七十になつておる。従つて相互銀行の中でも、もつと企業の合理化をはかるためにも、ここである程度整理というものを取上げなければいかぬ、こういうような意見を持つておるのですが、政府は逆に新しくまた免許をしようとする。ここにわれわれとしてはもつと政府に再考を願いたいという点がある。
 それから最低がどのくらいであつたらいいかというと、これは非常にむずかしい問題で、その土地々々の経済事情、それから経営の行き方等にもよりますので、はつきりしたことは申しかねますが、大体預金掛金が二億とか三億とか、こういうことではできない。少くとも私は十億以上を持たなければローカル的な金融機関としてもなかなか経営がうまく行かぬのじやないかと思つております。それからいわゆる相互掛金、昔の無尽、これの金利が高い、また預ける場合には利息が低い、こういう点はありますが、預ける場合には、普通銀行の定期積金と大体同率でやつております。それから金融を受けたときに高い、これは結局月賦返済で、しかも利息が減少した元本に対して利息をちようだいすればいいが、それがそのままで金利が高い、金利そのものは一応表面的には年一割二分、それから日掛のものが一割五分となつておりますので、決して高いとは思わないが、そこに非常に苦しいところがあります。性格は実際は同じですが、昔の無尽の式から来ると金利が高いと思われる。そこにわれわれとしても非常に困る点があるのですが、最近は比較的まとまつた方に対しては手形でやつております。それで手形あるいは証書で、できるだけ―そういう御非難がありますので、いわゆる給付によるものをできるだけ避けて手形面で融資をして行く、そうすると三銭なり三銭五厘、最高三銭五厘ですが、それでよく話がつく、こういうのでございまして、やはり一応銀行になつたので、経営面でも相当改善して行こうというので、実際的にはだんだんとそういうふうになつております。
#29
○杉村委員 預金をした人に貸しておるのと、全然預金しない人に貸しておるのとどんな割合でありますか。
#30
○島崎参考人 正確な数字はちよつと持ち合せません上、またなかなか調査するに困難だろうと思うのですが、預金者と貸出し者が銀行さんよりも相当多い。要するに片方で預金する、片方で融資を受けるという人がずつと多いことは言えるのですが、数字的にはなかなかむずかしいのじやないかと思うのです。
#31
○杉村委員 数字的にはむずかしいでしようが、預金者でない方に貸しておる方が多いか、預金者に貸しておるのが多いか、どつちが多いか。はつきりしたことは調べなければわからぬことでありましようし、そういうようなことは表にもないしするから、それは今即答は困難でしようが。どつちが多いか大体おわかりになりませんか。
#32
○島崎参考人 両方から一応考えなきやなりませんが、相互掛金の方から言えば、結局八割程度は大体融資を受けておられる。つまり融資と掛金と一緒になつている。それから純然たる預金者は、これは私の勘ですが、大体三割以内じやないかというような気がいたします。大体純然たる預金者は三割くらいで、あとは片方で融資を受けて片方じや預金をしておるという情勢じやないかと思います。
#33
○加藤(宗)委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。―御質疑がなければ次に移ります。社団法人全国信用金庫協会常務理事安武善蔵君。
#34
○安武参考人 ただいま御紹介を受けました信用金庫協会の安武でございます。
 信用金庫といたしましては、金融引締めの措置をどのように進めておるか、また金融引締めの政策の影響が金庫の窓口にどういう形で現われておるか、そうしてまたそれが金庫の経営にどういうふうに響いておるのかという点についての意見を求められておるわけでありますが、金庫の場合においては、御承知のようにその対象が中小企業、しかもきわめて小さい零細企業が主体でございますので、むしろ一般的には金融引締めが重なり合つて来ている業者が対象であるという点からいたしまして、金庫自身が金融引締めに協力をするとか、これを強行して行くというようなことではなくて、銀行等の強力な引締めの影響で資金難にあえいでおります人たちをどうして守つて行くか、引締めの攻勢に対して防戦これ努めておるというのが現状でございます。
 そこでまず第一に、引締めの影響が金庫の窓口にどういう形で現われておるかという点について見てみますと、第一には、預金の増加が鈍化しておる。特にお手元に過去三箇年の金庫の預金、貸出しの計数を差上げておるのでありますが、昨年下期以降からの預金の増勢は目に見えて下つておる。特に今年に入りましての一月、二月は現実に残高が減少しております。残高の減少しましたのは、昨年の一月と今年の一月、二月、六月にちよつとマイナスになつておりますのは、御承知のように信用金庫にかわる最後の段階でございましたので、そのときは信用組合の数字が入つておりましたのを現実は落しましたので、実質的には金庫の預金が減つたのではないのでありまして、調査上の誤差でございますが、一月、二月の今申しましたのは、現実の預金銭高が減つておる。これは先ほど水田さんからお話がありましたように、二月の月などはほとんど減る月ではないのでありますが、ここに初めて二月の月にも十三億ですか減つておる、こういう状況になつておる。しかも増加の率が下るだけでなく、増加額まで減少しておるという現象は、昨年以来店舗の数もふえ、また職員の数もふえております現状からいたしますと、相当深刻なものを見るわけであります。
 それから預金の種類別の状況でございますが、お手元に二月末のバランスを差上げておりますが、これによりますと、銀行さんあるいは相互銀行からのお話がありましたのと同様の状況を示しております。これは当座的な預金が減少いたしておりまして、定期性の預金は依然として伸びております。しかしこれによつて営業資金が漸次少くなつておる。従つて先ほど島崎さんからもお話がありましたように、貯蓄性の預金はやはりふえておる、こういうふうにうかがえるのでありますが、さらにこれを詳細に検討いたしますと、こうした定期性の預金は、やはり何らかの形において借入れの担保なり見返りになつておる場合が少くない。いわば拘束預金という面がかなり強く出て来ておるのではないかということがうかがえるのでございます。これは先ほどから議論がございました両建てや歩積みの問題も関連があるわけでありますが、むしろわれわれの方の場合は、そうした両建ての強要ということではなくて、結果的に、あとで申しますような理由によりまして、そういう両建てのような結果に相なつて来ておる、こういうふうに申し上げていいと思うのであります。そういたしまして、金庫の資金運用の面から見ますと、稼働的な資金というものがだんだん少くなつておる、こういうことが極度に見えて参つておるわけであります。
 それから預金の相手方の状況を見ますと、いわゆる業者であります世帯主の預金というのが、ほとんど営業資金にひつぱり出されてしまつておる。現在では家族預金――奥さんのへそくりでありますとか、子供にも綿密に預金を募集しておりますが、そうした子供の預金までが漸次引出されておやじさんの営業資金に振り向けられておるということが、金庫によつて目立つて参つておるということが言えるのであります。そういうことで今後貯蓄性の預金というものによつてわれわれの資金源の拡大をはかるということについては、前々から協会等でも声を大にして努めて参つたのでありますが、そうした現状を見ますと、こうした貯蓄性の預金に対します預金の拡大の余地というものは、漸次狭まつているのではないか、こういうふうに見受けられるわけでございます。
 それから定期積金の状況から見ますと、御承知のように定期積金は月中の一定の日に払込日を約束といいますか、あらかじめきめまして集金人が参るなり、御本人がお持ちになるなりするのでありますが、それが月初めでありますと、だんだん月末の方にずれて来ておる、掛金の掛け込み状況がずれて来ておる、こういう点がかなりはつきり現われております。それから定期積金を解約するというのもぼつぼつ現われて参つております。これは全体といたしましては、先ほど申し上げましたように、定期積金の実数は減つておりませんが、金庫によりましては残高自体も減つたというような金庫も出ておるような状況でございます。もう一つは、定期積金の小口のもの等におきましては、借入れの場合に見返りにするというような場合は比較的少かつたのでございまして、これが最近では五万とか三万とかいうような零細な定期積金までを担保に入れて、ひとつ何とか金を貸してもらえないかということで漸次見返りの中に加わつておる、こういう状況が現われております。
 それからもう一つの面は、借入れの面から申しますと、借入れの希望者がめつきり殺到しておるということでございます。これはもちろん銀行等の引締めのあおりでございます。金庫の従来の取引のお客さんではない有力なクラスが金庫の窓口に現われておる。これを東京の金庫で全体の一つのケースが見られるのでありますが、三月中の一箇月間の申込みは、昨年の三月中の一箇月の借入れ申込みの三倍に及んでいるという数字が出ております。このうち二つにわけて親銀行の引締めにあつてあなたのところに来たというのが九割でありまして、親企業からの支払いが悪いというので参りましたのが一割、こういうふうな状況でございまして、銀行の引締めが端的に金庫の窓口に現われている証左と言えるのであります。そこで最近金庫の理事長さんたちが、私どもが会合などやりますと、実はきよう会議で協会の方に来ておつてよかつた、うちにいれば借入れの申込みをどうして断るかということに奔命疲れているのだ、こういうような偽らない告白をされているのを見ましても、窓口にどれだけの借入者が来ているかということがうかがえるのじやないかと思います。
 それから当座預金の面で見ますと、これは先ほど不渡りその他の問題もるる御説明があつたのでありますが、従来金庫の場合には、御承知のように会員組織でございまして、当座預金をいたします場合には、非常に厳密に会員の素質等もよく調べてやつているのでありますが、そうしたいわば優良な会員の当座預金で、この人なら今まで何ら間違いがなかつたというような者が、あるいはかぶつたり不渡りになつた例がぼつぼつ出ている。これは書に言いますと、金庫の一番中堅といいますか、中枢になつて協力もし、また事業をやつておられる方々が、漸次虫ばまれているということを物語つているのじやないかと思うのでありまして、こうした堅実な企業者が、小さいがためにだんだん圧縮されつつあるということが見られるのじやないかというふうなことで、きわめて憂慮されるのでございます。
 それから当座預金の残がほとんどなくなつて、振り出しました小切手のあとを追つて、朝方かけつけて、金をやつと払い込んで不渡りを防ぐという例が非常に多くなつているということを申しております。ある金庫におきましては、これは日平産業なんかのああいう状況が起つたためでございましようか、四十年来のしにせでありますし、先ほど申すような、金庫としては非常にいい取引者であつたのでありますが、たつた百万円の不渡りのため倒産した、こういうようなこともあるのでありますが、こういうような例は、大企業の場合のように新聞には出ませんが、金庫の傘下におきましては、相当数出ているのじやないかということが言えるわけであります。
 先ほども申しましたように、信用金庫といたしましては、それぞれの企業者を一つの母体とした共同組織の金融機関でございますので、その母体の中に欠陥が出て来るということになりますと、金庫自体も非常にゆゆしい問題じやないかというふうに考えるわけでございます。特にこういう問題を私たちが切実に申し上げますと、新聞等で取上げます場合には、どうも金庫の内容が悪くなつたというようなことが誇大に出されますので、それがまたはね返つて預金の面にも、一般大衆が非常に金庫に不信を表明するというようなことになりまして、非常に言いにくいのでありますが、そういう点きようは率直に申し上げたのでございます。
 そういうような貸出しの要求が非常にふえましたために、貸出しの状況も相当ふえて参つておりまして、昨年五百億の預金に対して、四百二十億ほど貸出しをいたしました。貸出しと預金との比率が七五%、一昨年の三月には七〇%程度のものが、昨年は七五%、本年は八〇%、最近では八二%というふうに、銀行さんほどオーバー・ローンにはなつておりませんが、平均八〇%を上まわるというような状況で、九〇%以上のところも相当数出ているという状況でございます。特にわれわれの方では、先ほどの銀行さんの言うように、どうも困るからということで、高率適用を受けましても日銀に飛び込むという手段がありませんので、少くとも二〇%は、預金の支払い準備として何としても確保しておかなければならぬ、こういうようなつらい立場でございます。この率が上りますことは要するに払い金利にだんだん食い込んで行つておるということを意味しておるわけでありまして、これまたやり切れないわけであります。そういう点からわれわれといたしましては、何といたしましても定期性の預金、貯蓄性の預金ということで、大わらわになつて預金の募集はいたしておるのでありますが、これも先ほど申しますように小さい定期預金についてもこれは借入れをやはり目的にしておる、こういうようなことがありますので、預金の募集にも非常に苦心をしておるというのでございます。なお貸出しの面におきましては残高が大体十七万円くらいになつておるのでございますが、最近一月間の貸出しの残高を見ますと十二万円というふうに漸次下つております。これは資金の総わくがだんだん減つておるというのに、先ほど申しますような貸出しの欲求が非常に多いということから、なるたけたくさんの人にという意味から貸出しが漸次細分化されているということがうかがえるわけだと思うのでございます。そういう状況でございまして今後私どもといたしましては、やはり先ほど島崎さんからるる御説明されましたように、中小企業が小さいために押しつぶされてしまうということは、日本経済の崩壊を意味するという点から、何としてもこれは守らねばならぬ。むしろ金融の独走ということがしばしば口にも出ておりますが、私自身今感じますのは、中小企業のみが独走しているのじやないかというふうにさえ思わざるを得ないのであります。日銀の方は三百億なり四百億なりの貸出しが出ておるのでありまして、中小企業の金融というものが独走しておるというふうに思うのでございます。従いまして重複いたしますので、私は申し上げませんが、先ほど島崎さんから政府なり関係方面に要望のありました指定預金の問題、日銀の問題、あるいは公庫その他の中小企業金融の問題、資金増大の問題、これらの問題は私どもしばしば申し上げておるわけでありまして去る十三日に私どもの方の総会を開きましたときにも、それらの件について全会一致で――きよう資料を持つて来るのを失念いたしまして恐縮ですが、ぜひとも政府なり皆さん方の御努力をお願いするという決議を出したような次第であります。今後とも何分よろしく御協力を願いたいと思う次第であります。
 簡単でございますが、以上私の意見を申し述べました。
#35
○加藤(宗)委員長代理 ただいまの安武参考人の御意見に対して御質疑があればこれを許します。
#36
○小笠委員 数字を簡単に伺いたいのですが、先ほどの説明で非常に借入れ希望者が殺到しておると言われましたが、東京で三月の申込みが昨年の三倍、しかも九〇%は取引銀行締出しの結果だ、こういう御説明がありました。昨年の申込みの件数と、それに対して貸出しをした結果並びに三倍の申込みに対して貸出し実行をした数字、これを伺いたいと思います。
#37
○安武参考人 昨年は貸出しの見込みの実数を調査しなかつたものですからよくわからないのでありますが、二月末の数字を一番右端しに書いてありますが、当月中借入れ申込額が三百八十四億、それに対しまして三百六億を貸しております。約八十パーセントぐらいになつております。それは二月全体の数字でございますが、これをすぐ比較することはあるいは当らないかと思いますが、先ほどある金庫の一例を申し上げたのでありますが、その金庫が実際貸しましたのは、これらのうちで貸出しを拒絶いたしましたものが、四五%でございますので、五五%は貸しておる、こういう数字でございます。この三月中だけの数字でありますが、これは先ほどの約八十パーセント貸しておるという現状と比べますと、非常に貸出しの拒絶が多くなつたので、端的には比較できませんが、三月中は相当苦しかつたということがうかがえるのではないかと思います。
#38
○加藤(宗)委員長代理 ほかに御質疑はありませんか。――ほかに御質疑もないようでありますので、以上をもちまして、本日の参考人全部よりの意見の聴取を終ります。
 参考人各位には、長時間にわたりまことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
#39
○杉村委員 私はこの際資料を要求いたしておきたいと思います。実はこの委員会としては、少くとも日本経済の安定ということを研究することになつておる委員会でありまして、きわめて重要な委員会であります。つきましては、日本経済の安定ということについては、私は何と申しましても、外国貿易をやる場合においては造船関係、産業の興隆をはかる場合においては電気であります。これに対して政府からたくさんの貸出金が出ておるわけであります。先般も当委員会におきまして、私が電気事業家に対して、政府から貸出しをしておる金がどういう状態になつておるか、みな返しておるかどうか、こういうことも聞いたのであります。それはみな返しておるというような話であつて、返つておればたいへんけつこうなことだと思つておるのですが、それはやはり電気事業の開発についても、非常な重要な研究資料になるのではないかと思う。つまり政府から金を貸し出しておるのが、回収がどうなつておるか、金利関係がどうなつておるか、担保関係がどうなつておるか、あるいはそれに対して政府のつけておる担保に他に債権者があるのかないのか、共同担保になつておるかどうかというようなことわれわれが日本経済の安定を考えて行く場合においてはきわめて重要な資料だろうと思うのです。そういうようなわけで、私はただいまも水田参考人が述べるところによりますれば、造船関係におきまして、ほとんど担保はもう稀薄であつて、このままの状態では銀行業者として融資をすることはできない、こういうことまでも本日の私の質問に対して答えておるようなわけでありますから、この開発銀行から貸出しをしておりますところの貸出し先に対するいわゆる貸出金並びにこれに対するところの担保あるいは償還期が来ておるものの償還状況あるいは償還期が来ておつても償還できないもの、あるいはどういう担保がついておるか、その担保は政府だけの担保であるか、それとも他に債権者があつて、共同担保になつておるかどうか、こういうようなことを貸出し先ごとに調べた資料をいただくということになりますと、われわれが日本経済をいかにしてこれから発展さして行くか、また悪いことがあればこれをいかにして是正するかということについて重要な資料だと思いますので、ひとつ当委員会の決議において、開発銀行に対して提出方を求めたいと思います。この点委員長からお諮りを願いたいと思います。
#40
○加藤(宗)委員長代理 委員長から要求することにしては、いかがでしようか。
#41
○杉村委員 委員長からの要求でもけつこうですが、委員長から要求いたしましても出ない場合があります。やはりこれは法規上委員会の決議に基いて、委員長からそういうことを言つてもらはないと、これは言うても要求のしつぽなしになてしまうのでありまして、これは委員会の決議に基いてそういうことを申出ていただけば当然出て来ることになります。
#42
○加藤(宗)委員長代理 委員長からの要求でも出て来ると思いますから、委員長からひとつ要求します。もし希望に沿わないようなことであれば決議をもつてさらに要求します。いかがでしようか。
#43
○杉村委員 ただ一応委員会に諮つていただくことはできないでしようか。
#44
○加藤(宗)委員長代理 諮ることはけつこうです。――いかがですか。
#45
○小笠委員 今杉村委員のお話の、開発銀行から貸した各件についての担保の状況、あるいはまた元利支払いの状況等の調査は、すこぶる厖大なものになると私は思う。一件ごとにはたして担保価値相当額の貸出しをしておるかどうか、いわんや共同担保になつたときには、問題が多々あると思うのであります。そういう点から見れば、一件ごとの調査がそう短時日にできるとは、私は事務的に見て思わないのであります。でありますから、今杉村委員の言われておるほんとうのねらいは、国家資金の運用状況に対する傾向把握でけつこうだと私は想像するのであります。そういう意味において、いわゆる要求調査項目の内容についてもう少しまとめた材料の程度とするならば私は賛成するのでありますが、杉村委員のお言葉の通りでは、私は賛成いたしかねるのであります。
#46
○杉村委員 今おつしやられたように、全体となるとあるいは厖大になるかもしれません。ただ私の知りたいことは、貸出金額の総額と、担保力と、償還期が来ておつて償還されておるものとされておらないもの、つまり延期を承認する場合があるのですから、そういうもの、総括でもけつこうです。必ずしも一件ごとでなくてもけつこうなんですが、できれは造船会社や電燈会社だけは、一件ごとにしても、造船会社は五十四社でありまして電燈会社は幾つでもありませんから、大したことはないと思う。しかしそのほかにもまだ貸出しをしておるところがありますから、たくさんということになればそれはたくさんになるでしようが、船のごときは五十四社で、船舶につきましてそうたいへんなことはないのです。こういう体系において、日本の外航船をつくつて行く場合において、これでやつて行けるかどうか、これを何とか改善をして、政府当局に向つてわれわれが日本経済の安定をはかる上において、こういうようにしたらどうかということを建言することも、この委員会の仕事じやなかろうかと思うのです。
 それについては船会社に対する融資関係償還関係がどうなつておるかということを知らなければ、われわれはこの機構ではいいの悪いのということは言えぬだろうと思うのです。また電燈関係におきまして、先般一割二分の配当は維持できない、こういうことを言つておるのですが、政府資金を借りている会社が、一割以上の配当をするなどということは、われわれから言えば非常に不都合なわけなんだ。半分以上も政府資金を借りておるのですから、五分もやればたくさんなのです。それが五分でも一割でも、今それを論議するのじやありませんが、一割以上も配当しているにもかかわらず、これがはたして全部償還になつておるかどうか、どうも疑問の筋があります。もしも政府に対して返すべき金を返さないでおいて、自分たちの方で一割も一割五分も配当しておるということになると、はなはだよくないことなのでありますから、それらのことわれわれは研究をしましてさらに将来の電源開発についても、これらを資料として検討しなければならぬと思うのであります。この委員会としてはどうも仕事が少いのでありまして、やれば幾らでもあるのだけれども、どうも私などの考えておるところとはピントが合わないように考えられる。委員会もほんとうを言つたら成立しないのじやないかと思うのです。委員会に対する認識がきわめて不足だからこういうことになつておるのだろうと思う。ですから私はでき得る限りそういつたような重要な資料を出して検討することになれば、委員も少しは熱心になるのじやないかと思うのであります。ただ簡単に事を済ますというのではなくて、ほんとうに日本経済の安定を考えるということになつたら、これは重大なことなのですから、ただ大まかにこれはどうだというようなことでは私はとうていできないと思うのであります。でき得る限りのものでけつこうでありますが、その資料がいただきたいと思います。
#47
○加藤(宗)委員長代理 了承しました。それでは一応委員長から要求いたします。
 次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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