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1953/02/27 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 予算委員会第四分科会 第3号
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1953/02/27 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 予算委員会第四分科会 第3号

#1
第019回国会 予算委員会第四分科会 第3号
昭和二十九年二月二十七日(土曜日)
    午前十時十五分開議
 出席文科員
   主査 山本 勝市君
      岡田 五郎君    富田 健治君
      西村 久之君    羽田武嗣郎君
      葉梨新五郎君    稻葉  修君
      井手 以誠君    川島 金次君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 石井光次郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  西村 英一君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 山内 公猷君
        運輸事務官
        (海運局長)  岡田 修一君
        運輸事務官
        (航空局長)  荒木茂久二君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  竹利 昴一君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  黒田 靜夫君
        郵政政務次官  飯塚 定輔君
 分科員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       長崎惣之助君
        日本国有鉄道参
        与
        (経理局長)  石井 昭正君
        日本国有鉄道理
        事
        (営業局長)  唐澤  勲君
        日本国有鉄道参
        与
        (施設局長)  佐藤 輝雄君
        日本電信電話公
        社営業局長   吉澤 武雄君
        専  門  員 園山 芳造君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十九年度一般会計予算中運輸省、郵政省
 及び建設省所管
 昭和二十九年度特別会計予算中運輸省、郵政省
 及び建設省所管
 昭和二十九年度政府関係機関予算中運輸省、郵
 政省及び建設省所管
    ―――――――――――――
#2
○山本主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 昭和二十九年度予算各案中、運輸省所管に関する質疑を続けます。井手以誠君。
#3
○井手委員 昨日航空局長にお尋ねいたしました債務保証の実情をお聞きいたしたいと思います。それと同時に、債務返済についての見通しもあわせてお尋ねしておきたいと思います。
#4
○荒木政府委員 債務保証につきましては、御指摘の通り日本航空株式会社法の附則二十項で、「政府が第九条の規定に基き債務を保証することのできる限度額は、昭和二十八年度においては、会社がその事業を経営するために必要とする借入金入金の金額三十四億四千六百万円及びその利子額五億一千七百万円とする。」こうなつておるのでございますが、これは申すまでもなく債務保証をし得る限度額でございまして、実際には十七億三千七百六十万円だけについて、日本航株式会社が市中銀行から借り入れましたものに対しまして、保証をいたしておる次第でございます。
 債務償還の計画でございますが、これは詳細に将来の債務の額、現在の債務額、収入見積り等を勘案いたしまして、一応計画を立てた次第でございます。これによりますと、現在の債務残高が四十三億一千四百六十余万円あるわけでありますが、さらに借入金をしなければならない事項も来年度中には発生すると思いますが、そういつたものを入れまして、国内線、国外線の収入支出を見合いまして、大体昭和三十一年までにほとんど全部これを完済できるという計算に相なつておる次第であります。しかしそれにつきましては、その計算には配当金の支払いを考慮に入れておりません。無配当の計算で、三十一年までにほとんど全部の債務が返済できる、こういう計算になつておりますので、民間出資分に対しまして若干配当するということに相なりますと、その分だけ返済期間が延びるわけでございます。しかしできるだけ債務を返還いたしまして、きれいな姿になつて、ネツトの利益が出てから株主配当を行うということにしたいものだと考えます。
 なお御参考までに申し上げますが、政府出資分に対しましては、配当金が八分になるまでは政府分はとらない、こういうことになつておるわけであります。
#5
○井手委員 昨日お尋ねいたしました会社の経理に関する報告、これは口頭をもつて随時承つておるという御答弁でございますが、口頭にしましても、大体ある程度のことは当局において聞いてあると思いますが、もう少し詳しい購入その他についての御報告を、もしわかつておればこの際お聞きしておきたいと思います。
#6
○荒木政府委員 ちよつと正確な数字を持つて来ておりませんし、例の決算報告というような程度のものになりますと、概算的のものしか月々のものは出て来ておりません。しかし現在新日航が始まりました十月一日以降の収支を見ておりますと、大体月によつて相違はございますが、二千万円近くの欠損ということに相なつております。そこで国内線においてさような欠損が出るのはいかなることであるか、相当人が乗つておりますのに欠損がさようになるのはいかなる理由であるかということにつきましては、今資料をもらいまして経営分析をいたしておるわけでございます。すなわち直接運航費、人件費、直接運航費の中でまたメンテナンスの費用の割合、諸外国のそういつた経費の割合といつたようなものを検討して、整備費が高くかかり過ぎているのではないか、人件費については多くはないかということを検討いたしておるわけであります。ければも国内線について申しますと、整備工場が十分の整備がまだできておる段階に来ておりません。なおそこの整備会社の方に十人近くの外国人を入れております。それからまた御存じでありましようが、パイロツトが外国人でございまして、これは非常に高い給料を払つておりますので、この分を早くなくするということに努力をいたしておるわけでございます。そこで国内線につきましては、やつと最近になりまして、チーフ・パイロツトは外国人で、コー・パイロツトは全部日本人に直したわけでありますが、今後一年間以内にチーフ・パイロツトも全部日本人にできると考えておるわけであります。なお整備の関係の外国人も逐次数を減らして行けるということでございまして、すでに一機は最近メージヤー・オバー・ホールで初めて解体をしておりますので、これのできばえはおそらく完全にできると思いますが、そういうことになりますと、これらを全部日本人に置きかえて行きますために、整備費も安くなるというふうに考えておるわけであります。
#7
○井手委員 ただいま承りますと、月に二千万円の赤字を出しておるという実情でございますが、聞きますと、すでに四十三億の任務がある上に、明年度においてはさらに四十億近くの資金がいるわけでございます。政府出資はもちろんそれを含んではおりますけれども、それらから見ますと、昭和三十一年に完済できるということはどうも納得が行かないようでありますが、その点大丈夫でございますか。
#8
○荒木政府委員 その点につきましては、井手委員の申されますような疑問はだれでも持つわけでございまして、その計画を調べまして、私もあまりにも話がうま過ぎるというような感じを持ちまして詳細に検討をいたした次第でございます。御存じのように、運送事業というものは、初期の段階におきましては、いわゆる宣伝期間といいますか、開発時代といいますか、そのときに金がかかります。鉄道について見ますと、四、五年たつとぐつとお客も荷物もふえるというありさまでございますが、航空につきましても一層そういうことがございまして、初期には非常に宣伝費、創設費その他を要するわけでございますが、それが十分に信頼性を獲得し、ダイヤが完全に行われるということの立証がつきますと、潜在需要が顕在化して次第にお客がふえて来るわけでございます。そこで今申し上げましたような数字はあまり楽観的でない、むしろ控え品な数字であるというふうに私は考えておるわけであります。これを実例に徴しましても、フイリツピン・エア・ラインは開設いたしまして三箇年間に相当の赤字を出したわけでございますが、一九五一年には千二百八十万ドルのネツトの利益を、五二年は若干下つておりますけれども、そういうふうに初め二年ばかりは非常な赤字に悩みましたけれども、その次からは相当の黒字を出しておるというような状態でございまして、私が先ほど申し上げました数字は、いろいろな面において非常に内輪に勘定しておるつもりでございます。ただ一つ、先ほど申し上げましたように無配当ということで計算をいたしておりますから、そこに若干の問題はあると思います。
#9
○井手委員 大体通商関係の事務当局に対する質問は終りまして、あとは大臣に対する質問と、同町にいま一つは海運局関係を質問いたしたいと考えております。
#10
○山本主査 それは政府委員が見えるまでちよつと問題を留保していただきます。
#11
○岡田(五)委員 沖繩の定期航空の開始はいつごろから開始されることになりますか。
#12
○荒木政府委員 二月五日から開始いたしまして週二回運航しております。
#13
○岡田(五)委員 その週二回の沖繩向けの航空は、東京から沖繩まで直行をいたしておるのでありますか。福岡へ立ち寄つておるのであります。
#14
○荒木政府委員 福岡は接収されておりまして、これを国際空港にすることにつきまして駐留軍側と交渉をいたしましたけれども、その話がつきませんので、福岡へはとまらないでダイレクトに沖繩へ行つております。
#15
○岡田(五)委員 現在沖繩を中心とした島々へのかの地の航空会社の航空状態はどういう状態になつておりますか。
#16
○荒木政府委員 沖繩本島には各航空会社が離着陸をいたしております。しかし沖繩諸島間の輸送は船でございまして、ただ米軍は自家用機をもちまして頻繁に島々を連絡いたしております。ところが御存じのようにハワイの諸島間は船が全部飛行機になりまして、会社の収入もいいし、一般も非常に便益をいたして、おりますので、沖繩諸島間を連絡する航空会社をつくつてはどうかというような意向もあるやに承つております。またそれを計画しておる会社もあるやに承つております。しかしまだ実現するという段階までは来ていないようでございます。
#17
○岡田(五)委員 今荒木政府委員の答弁によりますと、諸外国の航空会社が、アメリカ駐留軍といいますか、占領軍に定期航空の申請をするがごとき動きがあるという御答弁でありましたが、われわれ日本人といたしましては、将来において沖繩諸島は日本に帰属することを期待いたしておるのでありますが、その時期がいつであるかは予断を許しませんが、そのときになつたならば、すでに諸外国場の定期航空会、社が沖繩を中心とした諸島に対する定期航空権を把握してしまつておる、こういうような事態に逢着することを、私はひそかに憂えるのであります。かようなことをも予想しながら、日本航空会社首脳部は、占領軍当局に対して、沖繩諸島に対する定期航空の許可を申請される意図を持つておられるか、どうか、その点ちよつとお伺いいたしたいのであります。
#18
○荒木政府委員 ちよつと私の言い方が足りなかつたかと思いますが、あの沖繩の飛行場には、東京へ乗り入れておる航空会社はほとんどおりることになつております。しかしお客さんが少くて直にバンコツクヘ行くということで抜かしておることもあるのでありまして、あそこでお客のとれる、商売のできる会社は限定されまして、現在日本航空、フイリピン・エアー・ライン、ノースウエスト、CATだけでございまして、ほかのものは米軍が商売を許しておりません。そこで沖繩諸島間の島々めぐりの航空を計画しておるやに拝聴しておりますものは、沖繩で現在商売を許してもらつておる会社の中にあると拝聴いたしておるわけでありますが、その点、補足説明を申し上げておきます。
 次に沖繩の島々をまわります航空会社に対しまして、運輸省といたしましては絶大な関心を持つておるわけでございまして、将来これが日本に帰りました場合に、すでに外国の力でもつてこれが完成されるということになりますと、非常な困つた事態が発生いたしますので、さような事態のないように、絶大の関心を払い、情報を集め、若干のコンタクトを向う側といたしておる次第であります。なお日航が申請書を提出する意思ありやいなやという御質問でございますが、この点は日航を確かめておりませんので、持つているかどうかはつきり御回答申し上げるわけに参りません。しかし私といたしましては、現在あすこに入つて来ておりますものは、沖繩で商売をするもの、IATAと申しますか、国際航空会社の組合に加入していない、いわゆるアウトサイダーがあるわけでございます。名前を申し上げますと、中国のCAT、タイのTACがアウトサイダーでございまして、運賃は自由にきめて、安い運賃でやる、こういうふうになつているわけでございます。ところが日航はアメリカにも参りますし、将来ヨーロツパをも目がけておりますので、そういつたアウトサイダーでなく、堂々たるIATAのメンバーとして進出いたしておりますので、その運賃につきましては協定運賃によらざるを得ない。そういたしますと、そういつたアウトサイダーの勢力の強いところにIATAのメンバーが活躍するということにつきましては、非常な困難を感じているわけであります。たとえばノースウエストが沖繩で商売をいたしておりますが、アウトサイダーとの対抗上非常に苦労をいたしております。日航もそういうようにノースウエストと同じような悩みをしなければならぬという実情でございます。従つて日航だけではいけないので、アウトサイダーという別人格のもので対抗して行かなければいけないのではないだろうか、こういうように私自身としては考えている次第であります。
#19
○岡田(五)委員 もう一つお尋ね申し上げたいことは、沖繩と九州との両者の関係は、内地といいますか、本土よりも私は経済的に、また国民的に地域的に非常に密接であろうと思うのでありますが、しかるに沖繩との定期航空は、東京から福岡へ寄らないで沖繩へ飛んでしまうということは、せつかく定期航空が開始されたにもかかわらず、運航の性質から言つても非常に不便のようにも考えるのであります。ところが今承りますと、不幸にして板付は軍の飛行場であるという関係で福岡へ寄れない、こういうような制約を受けている。そこで沖繩との関係を考えますと、特に鹿児島という面が、地域的にもまた人種的――と言つては言葉がどうかと思いますが、住民的にも非常につながりがあると思うのでありますが、この沖繩への航空についての福岡飛行場の利用、または鹿児島飛行場の開設というような問題につきまして、来年度の予算においてどういうように考えておられるか、また将来どういうお考えであるかということについてのお話を承りたいと思います。
#20
○荒木政府委員 御指摘の通りに、東京から直に沖繩へ行くということは、実情に適しておりません。先般も私沖繩へ参りまして聞いてみると、いろいろな経済的関係は大阪から以西と沖繩との間に存在する。それから親類その他の関係から行くと、九州の南端との関係が密接でありますし、またいろいろな取引面におきましても、鹿児島あたりと日常の取引きが非常に密接な関係があるのでありまして、そういつた経済の実情に即応する人の流れと、現在東京から直接に飛んでおりますのとはマツチいたしておりませんので、一刻も早くこれをマツチした交通機関にしたいと、こう念願いたしているわけでございます。従つて来年度予算の編成にあたりまして、鹿児島から沖繩へ行くということを目途といたしまして、鹿児島の飛行場を整備するという予算を要求いたしました。それを強く要望して、政府部内において折衝いたしたわけでございますが、御存じのように緊縮予算でございまして、遺憾ながらその予算が認められなかつたのはまことに遺憾であります。しかしながらぜひ再来年度におきましてはこれを整備しまして、鹿児島と沖繩間の定期航空を実現するようにいたしたいと思つております。
#21
○岡田(五)委員 終ります。
#22
○川島(金)委員 総裁と関係者が見えておりますから、国鉄に関する問題について、若干この機会にお伺いしておきたいと思います。まず最初に予算の直接の関係をお尋ねして、あとで当面の汚職事件等に関する問題につきましても、この機会にあらためて総裁にお伺いをし、あわせてまた運輸大臣が見えましたならば、運輸大臣にもそれに関してお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 まず第一に総裁にお伺いいたしたいのは、この昭和二十一九年度の国有鉄道の予算において、何か政府のデフレ緊縮のしわよせが国有鉄道にも来た面があり、また一面見ておりますと、政府のデフレ政策にもかかわらず、国有鉄道の収入面等においてはまことに矛盾するもはなはだしい面も出ております。総体的に、結論的に見ますと、予算全体が何かちぐはぐな不安定な不均衡な面があり、また署しく矛盾した面等町も出ております。このような予算の組み方、このような形で、はたして国有鉄道自体の現状を維持し、さらに前進せしめるに足るだけの施策がこの中に盛られておるかどうかということについても、私は十分の疑いを持つ一人であります。そういう観点からいたしまして、総裁は一体この二十九年度の国有鉄道の歳入歳出に何らの矛盾もなければ何らの不安もないという考え方でおられるかどうか、そしてまたこの二十九年度の予算において真に国鉄を維持し、国鉄の全体を推し進めて行くという立場をとれるものであると考えられておるかどうか、その大ざつぱな点をまず伺つておきたいと思うのであります。
#23
○長崎説明員 御指摘の通りいろいろな点で無理な点があります。といつて、この予算が全然積極的な面あるいは改善の面がないということも言えないのであります。お説の通り収入等の血におきましては、これだけの収入をはたしてあげられるかどうかという点について、いささか疑義がないということではありません。今後収入の面等においても十分注意を払つて、収入を確保するように努力して行かなければならぬと考えます。しかしながら予算はいわゆる予算でありますし、ことに川島委員御承知のように、国有鉄道の事業は、一般行政府とは違いまして、いわゆる企業でありまして生きものでありますから、どういう変化をして行くかということについては始終注意もしなければなりませんし、その事態の推移いかんによつてまたこの予算は適当に調和をとつて進まなければならぬと思います。御指摘のようにこの予算が非常に満足なものであつて、国鉄の前途にとつていささかも遺憾の点がないかということでありましたならば、私は大いに遺憾の点があると考えております。と申しますことは、たとえば第三次再評価というような面でその評価の基準によるとりかえの費用もこの予算には載つておりません。そういうような点でいろいろ遺憾な点がございますが、ともかくも本年度の国の予算全体が非常に圧力を加えられておりますので、ひとり国鉄だけが超然としておるわけには参らないと私は思います。やはり国全体と歩調を一にして、ともに苦しみ、ともに努力して行くということでなければならないと思いますので、私はこの予算を一応提出いたしたわけでありますが、今申し上げました通り、今後の推移いかんによつては適当なる調節をしなければならぬものだと考えております。
#24
○川島(金)委員 総裁としてはまことに苦しい立場であり、苦しい回答のようにお察し申し上げるのですが、第一総裁も御承知の通り、この二十九年度の一般会計における財政経済の政策は、徹底した緊縮政策であります。そして可能ならば低物価政策を実現いたしたいという基本方針に立つておる。かりにこの政府の基本政策の実効が上つたと仮定いたします場合においては、まず国民の徹底した消費の節約が強調され、自然に企業の面におきましても、その所得面がある程度縮小することになるであろう、そういう形にならなければ、政府の掲げておる緊縮政策の実効が上つたとは申されない。従つて企業面においても、個人面においても若干の縮小が余儀なくされるということになりますれば、全体的な国民所得もそうふえない、こういう段階に当然になるわけであります。そういう事柄を考えてみますときに、この二十九年度の国鉄の収入においては、たとえば、旅客運賃において二十八年度に比較して二・六%ふえるのである、貨物運賃においては二・一%増加するのである、こういう想定のもとに立つて、この上に大きな柱が立てられたというのが国鉄の今度の予算の一つの心棒であります。なるほど二等運賃等の若干の値上がありましても、従来の実績からすればあるいは旅客において二・六%、貨物において二・一%の収入増を見るのであろうということは想像にかたくないのでありますけれども、何といつても二十九年度は政府の転換的な財政経済政策が実行に移されようとするときであります。日本の経済全体について考えれば、いわば一つの曲り角に来ている立場である。そういう事柄を考えた場合に、国鉄の収入がこのように前年あるいは前々年の実績の上に積み重なつた、旅客において二・六%、貨物において二・一%の増収がはたして確実に見込まれるものやいなやということについては、大いなる疑問をわれわれは持たなければならないのでありますが、一体この点については、総裁におきましては何の懸念もないという自信を十分持つておられるかどうか、その点を承つておきたい。
#25
○長崎説明員 先刻もちよつと収入等の上面につきましては触れたのでありますが、お説のように、今までのような速度で収入が増加して行くことをもくろむことは非常に危険だと思うのであります。しかしながら二%程度のものでございますと、ひよつとしたら確保できるのじやないかというふうにも考えておりますが、お説のように何分にも今回の予算につきましては非常な変化がございまして、この変化がどういうふうに現われて来るかという問題につきましては、十分なる注意をいたして行かなければならぬと考えておりますけれども、今日をもつてしましてもまだなかなか前途の見通しができません。できませんが、お説のようなお考えの方も相当多いように聞いております。従いまして、それらの現実的な見地に立つてこの予算の実効をはかつて行くという面においては、十分留意をして参りたいと考えております。むろん産業経済の活動が今までのようなテンポで行かないということになりますれば、鉄道の列車回数その他においても勢い減ずることになるかとも思いますが、しかしそうも行かないのじやないかという気がしておるのであります。と申しますことは、お客さんの面などでも、川島委員も御承知のように超満員の列車ばかりでございますから、お客が多少減りましても、今までの混雑が緩和されたということにとどまるだけで、列車回数を減少するということは旅客の面では望まれないのじやないか。やはり依然として、現在の列車を動かさなければならない。むろん収入が減つて行くというふうな矛盾が起りはせぬかということも十分留意して考えておりますが、そういう場合は一体どういう方法によつて運営をして行くか、いずれにいたしましても急激な変化でございますし、かつは、実は今回提出してある予算はああいう大きな変化が来る前の夏ごろの見込みでつくつてあるのが一つの原因でございます。従いまして今後の推移につきましては、これでどう調和さして行くかということは実行計画上において慎重、深甚な考慮を払つて行かなくちやならぬと考えております。
#26
○山本主査 川島委員にちよつと御相談いたします。発言中まことに恐縮ですけれども、大臣がほかに用がございますので、大臣に対する質問をしていただいて、ほかの委員の方もそれに続いて大臣にやつていただいて他の質問はあとに延ばしてほしいと思いますが、そうしていただけませんでしようか。
#27
○川島(金)委員 それでは井手君が先にということですから……。
#28
○井手委員 昨日大臣に質問しかけておりました日本航空会社に対する監督上の責任について、大臣にお伺いしたいと存じます。日本航空会社には二十八年度十億円、さらに二十九年度の予算には十億円を出資することになつておるのであります。その上に、実際はどうであろうと法規上は日本航空会社の債務に対して三十四億円並びにその利子五億円を補償する規定になつておりますので、相当厳重な監督が必要であることは申すまでもないのであります。その上に日本航空会社は、従来アメリカから中古の飛行機を高い費用で買つて、とかくのうわさがあることは、これまたいなめないことであります。そこで十分な監督が必要である日本航空会社に対して、いかなる監督の措置をとられたか具体的にお尋ねいたしたいと思うのであります。最近日本航空会社が買いましたダグラスDC六型は、新品におきましても一機分百二十五万ドルと承つておるのであります。これは各方面の一致した金額であります。ところが日本航空会社はこれを一機二百万ドル購入いたしております。もちろん貨物機を旅客機に改造した面もありますけれども、百二十五万ドルで買えるものを、わざわざ中古のダグラス機を、メーカーではなくしてほかの会社から二百万ドルで買つておるということについては、相当厳重にこれを監督しなくてはならない内容ではないかと考えるのであります。これを三機分に見ますと、その差額の三機分約二百万ドル、日本の金にいたしますと約八億円の金が濫費されたことになるのであります。この事実を大臣は御承知であるかどうか。御承知であるならばどういう監督をなさつたのか。ただいままで、政府の金を相当出資し、また補償しなくてはならない日本航空会社に対する大臣の監督上のお考え、またとられた措置をまずお尋ねいたしたいと存じます。
#29
○石井国務大臣 今の日本航空会社が設立されるようになりましたのは昨年の十月でありますが、その前に民間航空の時代、前の日本航空会社として国際航空に出るために、その三機分の契約をしたことを承知いたしております。その金額が大体あなたのおつしやるようなことを私ども聞きまして、新品でさように安いのに古いものをそう高く買つたのはどういうわけかということを設立のときに私聞きました。これは新品を買いますと、詳しいことはあとで航空局長から申し上げますが、期限が先の方でなくてはなかなか入手できないということ、そういたしますと、今始めなければ会社をこしらえて一年か二年の期間だけは、国際航空に出られないというわけであります。それで今使つておる飛行機――パン・アメリカンやノース・ウエストなども大体使つておりましたが、その中でこれが一番安全度がいいということで、その中古をほかの方から買うとそれだけマーケツト・プライスが高くつく、どうしてもそれ以下に下ることができなくて、そういう値段で買つたのだということでございます。これは説明でございます。それから会社を設立いたしますときにおいて評価をいたして新会社に受入れるのに、この値段は適当なものであるかどうかということを知るために、こういうものを扱いますアメリカのどういうところでありますか、あとで局長から申し上げますが、そこへ評価委員会の方から問合せをいたしてその値段を聞きまして、まずわれわれの方としては、新会社に受入れる値段はここいらがやむを得ぬものであつたろうということで、その値段をもつてそのまま新会社に引継いだという経過になつております。詳しいことは航空局長からお答えいたさせます。
#30
○井手委員 聞くところによりますと、すでに三千七百時間も飛行した中古を、ただいまも申しますように、百二十五万ドルのものを二百万ドルで買つておる。そうまで高く出して買わねばならない事情がおありであつたか。私は事務的な、あるいはまた数字のことはお尋ねいたしません。そんな五割以上も高いものを買わねばならない事情があつたかどうか。それがほかの方から金を出すのをあつせんするという程度のものであれば、それほど申しませんけれども、国民の血税をもつて出資するということの日本航空会社に対する助成に対しては、私は当局として十分お考えにならなければならぬと思う。五割も六割も高く出して中古のものを買わねばならないという事情が私にはどうも合点が行きません。近く新品をお買いになるわけですが、そう一年も二年も先だとは私は開いておりません。
#31
○石井国務大臣 三機のうち一機だけが二千時間を飛んだ中古だそうでございます。あとの二機は新品でございます。一機の値段は、古いのが百六十万ドル、それに改造費が四十二万ドル、輸送費が一万ドル、保険料その他七万ドルかかりまして、計二百十万ドルになるわけであります。新しいのは、機体が百七十三万ドルということでありますが、あと改造費、輸送費が加わるわけであります。
#32
○井手委員 今の御答弁で数字がはつきりいたしておりますが、百二十五万ドルでダグラスの製造会社から買えるものを、二千時間も飛んだ飛行機を百六十万ドルで買う。それをいかに貨物機を旅客機に改造するといつても、その改造に四十万ドルもかけておる。こんなべらぼうな話がどこにありますか。私は今の国際航空の事情から申しまして、こんなにまでして一日も早く買わねばならない事情であるとは考えておりません。大臣はその点どのようにお考えになつておりますか。いくら向く出しても買わねばならない事情だと考えておりますか。またそれが国民の血税をもつて出資する日本航空会社の運営の方法だとお考えになつておりますか、この点をお伺いしておきます。
#33
○石井国務大臣 新しく国際航空を始めるかどうかという問題でありますか、値段が高いから、そじや新品で安く買えるまで、あるいは中品でもつと安いものが手に入るまで、国際航空を始めない方がよろしいのだという見方になりますと、ちよつと私どもの考えと違うのであります。私どもは一日も早く国際航空の線に日本の飛行界を持つて行かなければならない、そうでなければ日本の航空界の立遅れはだんだんと強くなつて行くのじやないかということが私どもとしては根本の考え方であります。そういう建前からいたしまして、日本航空がわれわれの出資をいたしまする新会社になる前に買つております飛行機を、適当な値段で買つておつたかどうか、新しい会社にこれを引継ぐのにこれは適当なりやいなやということが問題だと思うのでございます。それで新会社がこれを買う場合におきまして、国内の飛行機は今までの会社がやつておつたものを評価をして引継いだのでございますが、新しい国際航空の関係は、新規の会社によつて順次入れたのでありますが、そのいきさつは、さつき申しましたように、これだけのものを入れなければ――今は急に手に入れることができない、三機なければアメリカの定期航空が開かれない。二機は幸いにして譲つてもらうことができたのでございますが、一つは二千時間も使つた飛行機を買う、それよりほかはもう入手の方法がないということでありまして、自然割高になつたのでございます。しかしさつき申しますように、今の際において、それが高いか安いかという問題になりますと、需要供給の関係から見まして、昨年から会社を始め、ことしの初めから国際間に飛行機を飛ばすには、やむを得ざる値段であつたろうと私どもは了承しておるわけでございます。
#34
○井手委員 驚き入つたお考えでございます。こんなに高く買うのに、やむを得ざるものであるという御答弁は、私はどうしても了解できないのであります。昨日もお話いたしますように、中古のものを高く買う、しかも発動機は大修繕費を加えなければほとんど使えない。新品同様の修繕費をかけなければ使えないものであつたことは天下周知の事実であります。それを、その会社をやつて行くのにやむを得ないであろうというようなお考えは、私は納得できないのであります。それでは次にお尋ねいたしますが、この取引はだれが仲介をしておつたのですか。
#35
○荒木政府委員 これは伊藤忠商事が輸入手続をいたしまして、実際の交渉は日航と売る会社――一つはスリツクでございますし、新品の製造過程において、ダグラスから買いましたのはフライング・タイガーと話合いをいたしまして、買つた相手はダグラス航空会社であります。
#36
○井手委員 大臣にお伺いいたしますが、こういう取引について、造船にもあつたようにリベートのことがあることを大臣は御承知でございますか。
#37
○石井国務大臣 そういうことは存じません。
#38
○井手委員 全然御存じございませんか。
#39
○石井国務大臣 全然存じません。
#40
○井手委員 全然御存じなければきようは申し上げません、別の機会に申し上げますが、こういう高い値段で買つておる。われわれか見れば不当な値段で買つておる。この購入に対して、監督の責任にある大臣は、どういうふうに会社を監督して行こうというお考えでございますか。また十億円の出資についてどういう条件の場合に実際に金を出す御方針でありますか。ただ漫然と、やむを得ない、やむを得ないということでお出しになるのか。十分検討した上で、真にやむを得ない場合にだけお出しになるつもりであるか、その辺の基準をひとつお示しを願いたい。
#41
○石井国務大臣 飛行機を買う問題が一番大きな買物の問題だと思いますが、われわれ監督の責任といたしましては、買う場合どういう機種を買うかという問題、それからどういうふうな値段であるかというような問題等についても、十分監督をし注意をいたして行くつもりであります。
#42
○井手委員 私がお尋ねしておりますことは、ただ十分監督しなくちやならないとおつしやるだけの、言葉ではなくして、従来どういうふうにお考えになり、今後どういうふうにしようという具体的な御方針であるかということを承つておるのであります。会社の経理あるいは購入の状況を詳しく聞いて、一々細目まで調査の上、これならば真にやむを得ないという場合にお金をお出しになるだろうと考えておりますが、その具体的な方針を私は承りたいと思うのであります。ただ百五十万ドルのものを二百万ドルで買つた、それも急ぐためにやむを得なかつたという漠然たるものではなくして、国民の血税をもつて支出するものであるならば、もつとはつきりした方針があらねばならぬと考えておりますがゆえに、私は申し上げておる次第であります。
#43
○石井国務大臣 私の考えもあなたのお考えと全然同じ方向でございますが、航空会社がでたらめな買物をすることは認むべきものじやないと思います。今後の買物等につきましては、航空機が一番大きな金額でございます。
 これにつきましては十分あらかじめ相談を受けまして、これはいろいろ借入金等の問題もありますので、できるだけいいものをるできだけ安く買うということで、詳細なる検討を加えて許可をいたしたいと思います。
#44
○井手委員 この問題については、ただいまの大臣の答弁では私は納得行きませんが、この問題に関する限りはこれ以上本日は追究いたしません。
 続いて大臣にお尋ねを申し上げたいと存じます。ただいままでは空のことでございますが、今度は海のことに移ります。問題の造船汚職について、運輸省は莫大な融資、莫大な利子補給、材料の値引き、あるいは固定資産税の軽減等々、いろいろな優遇方法を講じてあるようであります。そこで聞くところによりますと、二十八年度分の利子補給金はまだ支出してないように承つておりますが。その点はいかがでございますか。
#45
○石井国務大臣 いまだ計算中でございまして、支給はいたしておりません。
#46
○井手委員 これほど発展して参りますと、国民疑惑の中に金を出すということについては、よほど慎重に考えねばならぬと考えております。これを中止される御意思はございませんか。
#47
○石井国務大臣 これは法に従つて出す補給金でございますから、厳重な計算はいたすのでありますが。今すぐにというわけには行きません。一体いつまで待てとおつしるのか、これは年度内の問題でありまするから、私どもとしては年度内にその法に従つて処理しなければなるまいと思つております。
#48
○井手委員 ますます問題が発展することは必至だと考えております。法にあるから出すということで私は済まされぬと思います。解決するまで待たねばならぬことだと思うのであります。かりに出すとしても、この問題が解決しなければ、私は出すべきものではなかろうと考えております。重ねてお尋ねいたします。
#49
○石井国務大臣 それではこちらからお伺いしたいのですが、全部の銀行に対する補給金を全部待てという御意味でございましようか。
#50
○井手委員 利子補給については全面的に今疑惑がかかつておりますので、実際詳細に調べて後日どうなるかわかりませんけれども、この場合にはやはり一律に考えなければならぬことと私は考えております。
#51
○石井国務大臣 私どもといたしましては、年度内に補給しなければならないというものでありますれば、年度内に片づけなければならぬと思うております。すべて法に従つて動くよりほかないのであります。なおあなたの御趣旨のような申入れも社会党の方から私いただいておりますので、その意味は十分含みながら、法に従つてやつて行くよりほかないと思います。
#52
○井手委員 計画造船によつて指定を受ける会社と指定を受けない会社とでは非常に開きがあり、不均衡を生じております。さらに本日の新聞によりますと、一萬田日銀総裁は、第十次造船には融資できない、融資する必要はないようだ、こういうようなことを申されておりますが、今後この計画造船について根本的に考えを改める考えはないか、その点をお尋ねいたしたいと思います。かりにさように続けるという大臣の考えであつても、日銀の方ではさように考えていないことも考えあわせて御答弁願いたいと思います。
#53
○石井国務大臣 一萬田君がどこまで言われたか、新聞のどれにも大体載つておりますし、それからあの人のかねて言うておられることから想像はつくのであります。あまり急いでどんどん金を出すことは、市銀の方の金融関係の問題からなかなか困難な状態にあるということが、あの人の考えの基本だと思うのでございます。それから船が三百万トンもできたのだから、ここらでよいのだというのは一萬田君一個の意見でありまして、私どもとは意見が違うのであります。私どもはもう少し船を増すべきだという考え方にかわりありません。ただ市中銀行の金融が相当詰まつて来る問題だと思いますので、そこらにおいて実際にどれだけの船がこしらえ得るかという問題になりますと、今の私どもの予算では、来年度二十万トンの造船を計画し、そうしてその、うちの三割の市中融資を計算に入れておるのでありますが、それがなかなか困難な管態であるということになると、ここに問題が起つて来ると思います。私どもといたしましては、船をこしらえないでおくというよりも、こしらえるという方針でありますが、最後の意見としては、一萬田君なり開銀の小林君の言つておつた意見と一致するのであります。海運界、造船界においてのもう少し合理化と申しますか、合理化以上の問題でありますが、業態が一緒になると申しますか、経営の方法が一緒になるというようなこと等があつて、非常に力強いものに海運界、造船界がなるように事が運んで行つて、その基礎の上に融資、造船をするというような点に運んで行かなければならないということには全然同感であります。何とかしてそういうような方向に持つて行つて、強力なる船会社、強力なる造船所が出現して、そこに私どもの計画造船の計画割当、また市中銀行も安心してそこらなら金を出せるということが言える状態に運びたいと考えております。
#54
○井手委員 さらに造船は必要である。一萬田日銀総裁とは考えが違うというお言葉でありますれば、それほど国家が尨大な資金を投じてあるいは保護政策をもつて進航しなければならない事情であるならば、国営かあるいは国家管理をもつて造船する必要はないかと思うのでありますが、その点に対する大臣のお考えを承りたいと思います。
#55
○石井国務大臣 これは私が話したように、新聞にも何回かあるいは国営に待つて行くかというような記事等が出たこともありますし、いろいろ聞かれることも多いのであります。私は国営または国有民営というような形に持つて行くことはおもしろくないと思つております。国家が船を持つて、どつか民間にやらせる、かりにそういうふうな場合を想像いたしますと、国家が船会社に注文をするという問題が、一つ、それから国家がこれを今の造船所に注文する。それからでき上つたものを国家がどこの会社に貸すかという二つの問題が起りまして、そのたびにみなおれの方でこしらえてもらいたいといつて、造船所が一生懸命になるのでありましよう。それから船会社が、ほしいと思えばなるべく自分の方に借りたい、勢力を張るために借りたいということで、そこにまたいろいろな問題が起つたり、話題を投じたりする、私はその方がよけいこわいような気がするのでありますが、そういうことは別といたしまして、それではもう一つ進んで国営でやつたらどうか、国有国営はどうだということになりますと、戦争中にやつたような船舶運営会――あまり詳しく存じませんが、これは私はなかなかうまく行くものではないと思うのであります。しかしすきであるときらいであるとにかかわらず、私がさつき申しました造船を続けてやつて行きたいということを、かりに皆さん方にも賛成していただきたいといたしまた場合に、それじや二十九年度の予算しは組んであるが、民間銀行の三割ということが実際問題として出るか出ないか。それからまた来年も再来年も私どもは二十万トンないし二十五万トンこしらえたいということに対して、かりにこれが皆さん方からもつともだということにきめていただいたときに、民間の銀行がそのとき応ぜられるかというと、応ぜられなくなりはせぬかということが一つの問題点だと思います。そのときに一萬田君の言うように、ここらでいいというのでやめる、あるいはぜひ船をこしらえようという線において、国有にして国でこしらえて、そしてそれをどんな方法にしなくちやならぬかという問題が、次にやむを得ず起つて来るかもわかりません。けれども国営も、国有民営もしたくないというのが私自身の心持であります。
#56
○井手委員 そのことにつきましては根本的に意見が違つておるようでありますが、国家がほとんどその金を出して民間でやらせておるために、こういう事態になつておる。私は根本的に計画造船について方針を改むべきだと考えるのであります。
 最後にもう一つお尋ねしておきたいことは、この計画造船に関連しまして、材料を出すところの鉄工所関係にも相当金利を優越されておるのであります。昨年八月十五日から今日まで、約九億三千万円に対して一億八千万円に上る金利が優遇されておるように私は調べておるのであります。この金はすでに銀行の方から出ておるように聞いておりますが、その金がどう行つておるか、大臣御承知であれば承りたい。
#57
○石井国務大臣 これは造船価格を引下げる目的をもちまして、昨年鉄鋼に対する利子のうち、一部を造船所の方へ援助するということになつたのはおつしやる通りでございます。それが一トン当り約七千五百円でありまして、これに鉄工所そのものの合理化によりまして千八百円を貸しました。それで九千三百円でございますが、これだけがトン当りに値段が下るということになります。これは日銀の利子、それから開銀の利子、これらを一部まけることになりまして、これが別途に積立てられまして、実際上に鉄が造船所に行く場合に、それだけの値段を造船所に補給しておると承知いたします。金額はそのうち現在までに払つておりますのが一億五千万円ほどになります。
#58
○井手委員 その一億五千万円が造船工業会を通じて造船、鉄鋼、金融協議会ですか、そういつた方面に行つたままで、ほんとうに渡るべき鉄工所ですか、そういう方面にまだ行つていないように聞いておりますが、その点いかがでありましようか。
#59
○竹利政府委員 今申し上げました一億六千三百万円の金は、すでに鉄工業者から別口外貨については日銀の関係銀行、それから開銀の設備資金については、鉄工業者の預金した銀行の口座に振り込まれて、同時に協議会によつて配分されて、各造船所の口座にすでに払い込まれておる金額でございます。すでに払い込んでございます。
#60
○井手委員 総額を各会社に全部配分済みでございますか。
#61
○竹利政府委員 毎月一回ずつ委員会を開きまして、そのときに各製鉄業者から浩船工業会本の口座、これは製鉄業者の関係しておる銀行に、たしか十二ありますが、その銀行に全部払い込んだものを総計いたしまして、そのときまでに引取つた鋼材について按分いたしまして、全部払つております。従つて現在たしかこの次に委員会を開くまでの分が七千万円ばかりたまつておると思いますが、これはこの次の回に配分いたします。
#62
○井手委員 計画造船についてはまだいろいろと聞きたいこともございますが、ほかの委員の質問も大分あるようでございますのでこの程度でとどめておきたいと存じます。しかし私は今までの日本航空会社に対する出資、並びに債務保証、利子補給、あるいは造船に関する利子補給についての御答弁については、どうしても納得をしかねるのであります。さらに別の機会を持つてお尋ねいたしたいと存じますが、いずれにいたしましても、政府が出資なり利子補給するものについては、大きな疑惑が空にも海にもある。この点については、大臣も監督の責にある者として、よほどお考え願わなければならぬと思う。私はこの点を最後まで追究はいたしませんが、十分御戒心あらんことを切に希望いたしまして、質問を打切ります。
#63
○石井国務大臣 すべてこういうものは疑惑があつてはならないのでございます。航空会社の監督につきましては、一段の注意をいたします。
#64
○山本主査 川島金次君。
#65
○川島(金)委員 大臣が都合があるそうですから、運輸大臣にお伺いすることを先にいたしまして、予算の直接の問題は他の直接の係官の方からお伺いをいたしたい思います。
 まず第一に、私も井手君同様に、日航の点についてお伺いをしておきたいことがあつたのでありますが、今若干明らかになつた点がありますので、それをさらに明確にいたしたいと存じますので、まことに恐縮ですが、本日この委員会に、できれば夕方までは間に合うように、新日航会社の財産目録、貸借対照表、それから旧会社の最も最近における決算書、できれば財産目録の中で飛行機その他の施設についてのおもなるものの新会社が受継いだところの評価額、こういつたものをひとつ至急にまとめて出してもらいたいと思います。
#66
○荒木政府委員 できるだけ努力してみたいと思いますが、新会社が発足して間がございませんので、貸借対照表は決算期がまだ来ておりませんので、それは出せません。
#67
○川島(金)委員 できるだけの書類でよろしいですから、なるべく親切に早く出してもらいたいと思うんです。そこで先ほどの日航の問題は資料が出てからにいたしたいと思います。
 別な点でまず第一にお伺いいたしたいのは、先ほど問題になりました建造船に関する利子補給の問題でありますが、この利子補給はなるほど法律で定めたものでありますから、原則としてその法律の定めるところによつて補給するということが当然のことであることは言うまでもありません。しかしこの利子補給のよつて来る根拠というものは、船会社の健全なる経理、そして賢明なる運営ということが大前提でなければならない。相手方の会社の経理、運営がいかなる状態であろうとも、法律に定めてあるからこれを補給しなければならぬという責任が、政府にあるものでは断じてないと私は思うのであります。しかるところ最近におけるいわゆる世に言う造船疑獄は、かなり問題にわたつておつて、しかも重大な問題になろうといたしております。しかもその関係船会社はそれそぞれわれわれの見たところによれば、必ずしもわれわれ国民が期待する程度による健全なる運営と経営を賢明にやつておるとは断定できない面が多々あるやにうわさされ、しかもその一、二が具体的に今日は司直の手によつて明らかにされておるところもあるの、であります。こういうときに際して、法律の定むるところであるから、これはただいま年度なら年度内において実施しなければならぬという建前を貫くということは、政治的にきわめて重大な考慮の余地があると私は信じておるのでございます。そうした意味合いにおきまして、今も大臣は、両派社会党からせつかくの要請があるし、それを含めて善処するという答弁でありましたけれども、それだけでは私は足らないと思う。相手方の会社の経理、運営の実態に、かりそめにも世上うわさに上るほどの大きな疑惑がありといたしますならば、その利子補給は原則としてはすべきものであつても、それは当然政治的に別途の措置を講ずるということこそが国民に報ゆるゆえんであり、国民の血税を使う上において政府が当然なさなければならない配慮であると私は信じておるものであります。そういう意味合いにおきまして、この利子補給のまだまつたく未契約のものについて、やがてはこの年上度内に契約をするやに伝えられておりまするが、もう一ペんこの点について運輸大臣の所信、見解を私はこの機会において聞いておきたいと思うのであります。
#68
○石井国務大臣 さつきお答え申した通りのことをお答えするよりほかないのでありますが、私どもは、今おつしやつたように政治的はいろいろな問題もある際、政治的に、やつた方がいいじやないかというお心持もわかります。しかし同時にまた計画造船というものを来年度やつて行こうというつもりで、予算も提出して、御審議願つておる問題につきましても考えなければならぬと思うのであります。利子補給は、ご承知のように船会社に反射的に利益が行くのは当然でありますが、契約の相手方は銀行、市中の銀行でありまして、銀行にそれぞれ補給をしてやらないという問題になるわけであります。そういたしますると、銀行はもうこの次の造船いわゆる第十次造船というものには応ぜられないという形に当然なるだろうと私は思うのでございます。それでいいのかというようないろいろなものを十分に考慮に入れなければならないと思うのでございます。そうしてそういういろいろな考慮を加え、あなた方のおつしやるようなことも考慮に加え、そして最後に法の範囲においてどういうことをしたらいいかということを決定すべきものだと思うのであります。
#69
○川島(金)委員 なるほど利子補給は銀行との契約をなさるべきものであつて、言葉の上では船会社は反射的の利益を受ける立場にあると、言われますけれども、実質的にはやはり船会社の直接利益であるとわれわれは考えております。言うまでもなく船会社が当然に開銀、市中銀行に国民の立場において、あるいは企業者の立場において支払うべきところの利子を、かりにこの法律によつてその半額程度に近いものが払わずに経むというこの事態は、なるほど契約当事者は政府と銀行でありまするけれども、直接の利益を受けるものは船会社であると言つても私は断じて過言ではないと思うのであります。反射的の利益を受けるということは、一種の言葉のあやであり、魔術的なものにすぎないと思うのでありまけ。しからば私はお伺いいたしますが、先ほど私が申し上げましたように、相手方の船会社の経理運営が不健全なものであるということがきわめて明白になつても、それは法律の命ずるところであるから、それは別として銀行とは契約しなければならぬというかたい建前に政府は立たれておるかどうか、その点を伺つておきたい。
#70
○石井国務大臣 今まで一次から九次までの間にやりました造船は、五次から利子補給をしておるわけであります。その後の船会社の経営が、みんな非常に苦しい状態であることはわかつておりますが、それだからこそ利子補給なんという問題が起つたわけでございますけれども、不健全なる状態であるという問題は、今度の疑獄事件みたいなものがありまして、いろいろ好ましからざる行き方があつたように私どもも承知いたしておるわけでございますが、一体この利子補給というものは、そういう場合にどうするかということについては、これも法の上にいろいろ規定がございますの、で、そういうものももちろんいろいろ考慮に入れるべきだと思います。
#71
○川島(金)委員 私の記憶するところによれば、利子補給以前におけるいろいろな問題は、あまり規定されておらない。利子の補給が実施された後におけるいろいろな問題については、若干の規定があるということを私は記憶しております。今手元にその法律を持つておりませんので、詳しいことは言うことができないのでありますが、利子補給後におけるいろいろな措置があるのはもちろんでありますけれども、利子補給の事前においても、当然なるべき措置が別途にあるべき筋合のものであると私は考えるのでありますが、その点はどうなつておりますか。
#72
○岡田(修)政府委員 不当な経理に対する運輸大臣の勧告は、利子補給契約を締結して以後でございます。事前のことはよくわかりません。
#73
○川島(金)委員 今明からになりましたように、私の記憶違いではなかつたのですが、事前のことについては何ら触れておらない。触れておらないということであれば、事前のことについては触れる必要はないという、かりに法律の明記でもあれば別でありますが、触れてないという消極的なものであるとすれば、私は事前に触れてもさしつかえない、政治的な措置、行政的な措置がとられるものであるという解釈を拡張的に考えたいのでありますが、そういう考え方は成り立つものであるかどうか、これは海運局長に聞いておきたい。
#74
○岡田(修)政府委員 私どもは利子補給契約締結以後の不当の経理、かように考えます。拡張解釈は法律の面ではできないと考えます。
#75
○川島(金)委員 それではお伺いいたしますが、その利子を補給すべき相手方の船会社が、きわめて不健全な経理であり、運営であつて、その経理運営が非常に乱脈である。そして国民の目の前においても指弾を受けるような会社がかりにここにあつたといたします。それでも政府はその法律に基いて、その原則を貫いて利子補給をしなければならぬという絶対の義務があるかどうか、その点はいかがでありましよう。
#76
○岡田(修)政府委員 不当な経理であるかどうかという判断が、過去のものについては非常に困難を感じております。
#77
○川島(金)委員 過去の問題について困難であるということは、私は当らぬと思う。運輸大臣はその船会社の経理運営に対する監督権を持つておると私は思う。その相手方が補給前において、今日経理乱脈と称される会社があるのであります。そういう会社に対しても、いかに国家が制定いたしました法律であるからといつて、事前に対する措置というものが明文がない限りは、やはり拡張解釈ができると思う。しかもいやしくもこの金というものは国民の血税であります。かりに一万円の滞納をしておりましても、あなたも御承知の通り、やれ督促、利息、滞納処分あるいは競売などに付されてまでも国民が納めているところの血税、その血税を、いやしくも相手方の会社の経理運営というものが、国民の常識において納得のできない実情にあるにかかわらず、法律であるからといつて、それをただ表面素朴な解釈によつてやらなければならぬということは、私は国民に対する背信行為であると考えるのでありますが、その点いかがありますか。
#78
○岡田(修)政府委員 いろいろ問題点がございますが、それは法律に触れて犯罪になるかということですが、しかしその金額が、その会社全体の経理から見てどういうことか、はたしてその会社全体の経理から見て不当な経理として処罰すべきものであるかどうかという点については、非常に判断がむずかしいのじやないかと思います。従つて、やはり法を運用する上におきましては、利子補給契約を締結した後において、いやしくも不当な経理があるものについては、運輸大臣は断固として処分するということで処理して行くのが適当じやないか、かように考えております。
#79
○西村(久)委員 議事進行について。私は今川島君と政府当局の質疑を伺つているのに川島君の質疑の趣意を御理解になつておらないのではないかと思つております。川島君は、法的の解釈は自分の解釈と一致しているが、法律の定めがあるから法律外の関係、つまり政府が利子の補給を銀行に出して行くという事前には、監督の地位にあられ運輸省としては、いろいろの事情等をも参考的にでも聞いて、そして金を出すのか、そうでなしに、どういうふうな乱脈状態にあるというようなことは調査をしないで、かつてほうだいでも、法律のきめる通りに出すのかどうかという関係をお尋ねになつているのじやないかと思います。その点に対して、事前の関係は何も関知しない、あるいは一応は参考的に、そういうふうな関係は聞いてみる処置はとつている。こういうふうな事務的な関係をお尋ねになつていると思いますので、そのほんとうの取扱いをはつきり御言明になれば、事は了解されるのじやないかと思いますが、その通りじやないのでありますか。
#80
○川島(金)委員 半ばそうです。
#81
○岡田(修)政府委員 今西村先生のおつしやる通りでございまして、私どもは利子補給契約をする場合に十分船会社の経理の状況を見るわけでございます。しかし先ほど申しましたように、実際の判断が非常にむずかしい、こういうことを申し上げたのであります。
#82
○川島(金)委員 私は実際の判断とか何とかいう抽象的な論議ではなしに、具体的に申し上げましよう。たとえば、かりに飯野海運なら飯野海運に対して、二十八年度において利子補給を五千万円すべき関係にあるといたします。ところがその相手方の飯野海運の経理運営の内容において、五千万円以上に上るところの不当な乱脈きわまるところの経理運営があつて、それが世間的にも明らかになり、あるいは検察庁の手によつて疑惑を生ずるような事態が起つておつても、なおかつ運輸大臣は、法の定めるところに従つて飯野海運に五千万円に相当するところの利子補給をしなければならぬということを強行するのか、そういう義務があるかどうかかという問題であります。
#83
○石井国務大臣 お答えいたしますが、私はさつき申しましたように、これはいかにもごたごたしているのだがら、物事が片づいてからということは、世間一般にはある考え方でありますし、その方がいかこもいいように思います。しかし私どもれを扱う場合に、法律と言つて法ばかりひつぱり出すということになるかもしれませんが、法にきめられました範囲において、そしてあなた方のおつしやるようなことも考慮に入れながら、また一方には、さつき申しましたような計画造船をこれからやつて行くという建前における経済上の時由、これは銀行に対する問題もありますが、そういうことも考慮しながら私どもはこれを処理して行こうというのであります。一箇一箇の飯野海運はどうだ、どこ造船はどうだと聞かれても今のところどういう内容かわかりませんので、それについてはお答えができないのであります。
#84
○川島(金)委員 私は法律家でございませんので、きわめて常識的にものを考えて言つておるつもりであります。今のような解釈からいたしまして、補給実施後における経理事情等によつては、いろいろの罰則もあり、規定もございます。しかしその精神を演繹いたしますれば、補給事前における問題についても当然政府が監督の責任を持つのでありますから、その事柄についても関与し、そしてその前提に立つてその相手方の船会社に補給すべき相当する額を出すか出さないかという決定を考慮する余地を持つた法律ではないかと、私は拡張的に考えておる。しかし運輸大臣において、あるいは運輸省において、そういうことではないのだ、いかなる乱脈な、いかなる不当な経理内容を持つた会社であつても、この補給法がある限りは事前においては何らの措置もできない、こういう解釈であるということであるならば、私は政治的に重大な問題であろうと思います。しかしこの問題についてここで議論をしても、見解の相違でなかなか尽きませんが、ぼくは新しい問題を運輸大臣に提供したような形だと思いますので、これはとつくりと省内で研究してほしいと思う。もしその解釈が法的に成り立たないとなるならば、新たにそういう措置のできるような新法律を、あるいはまた改正案、修正案なりとも出すべきではないかと信じておる一人でありますが、そういう点はいかがでございますか。
#85
○石井国務大臣 私さつきから繰返し申し上げておりますように、法の大きなわくは動かせませんが、その中におきまして、あなたのおつしやるような線もいろいろ考慮すべきものは考慮として、運んで行きたいということを申しておるのであります。絶対にそういうことは問題にならぬということを申しておるわけでも何でもないのでございます。また今のお話の線はとくと考慮いたします。
#86
○川島(金)委員 今の問題は私の方できわめて関心事の焦点になつておる問題でありますだけに、政府においても諸般の情勢を考慮の上において、十分にしかも早急に研究されんことを強く要望しておくものであります。そこで第二に、これまた先般来問題になつておること、でありまして、これは国務大臣としての立場、あるいは当該責任大臣としての立場から一応承つておきたいのでありますが、このように利子補給、損失補償等を受ける、いわゆる政府の手厚き保護を受けますところの立場に立つている事業の重役に、その同じ内閣の内部における閣僚あるいはまたその与党である政党の重要なる幹部が就任しておるという事実に対しては、まつたくこれは批判の余地なきものであると思うか、それともこういう事柄はあまり好ましくない事柄であると思うか、運輸大臣は国務大臣の立場からでもどう考えられておるか、その見解をひとつ承つておきたい。
#87
○石井国務大臣 これはもう何回もあちらこちらで問題になつておるようでございますが、船会社の場合を考えまして、私個人の気持からすれば、そうやつてみなが問題にするならばそんなものに関係しない方がいいじやないかというような気持を持つておりますが、まあそういうふうな気持でございましよう、小笠原大蔵大臣も大国務大臣も相次いで船会社の関係を辞任されたようでございます。これは内閣にみな席を列するときに内閣にはかりまして、その地位にあつて、これこれの会社の重役等にあつてよろしいかということを聞いてきめておるのでございますが、この行き方が根本に悪いかどうかという問題になりますと、私は関係のないような会社ならばそうやかましく言わぬでもいいじやないかというような心持はいたしておるのでございます。これはこれからあなた方社会党で立法拍置もおとりになるということでございますし、国会の議によつてきめられますれば、当然その通りに従うべきものだと思つております。
#88
○川島(金)委員 これは私個人の私見でありますが、いやしくも政府の閣僚という重要な責任の地位にある者が、かりに個人の企業に携わることは自由であるといたしましても、その政府の保護、直接的な補償等を受けております会社の重役になるということは、政治的には当然に遠慮すべきであります。もつと進んではこういうことは禁止さるべき筋合いのものではないかとさえ私は考えております。それかあらぬか、最近国会内にもその禁止に関する法案を出してはどうかという意見、動きさえもあることは、すでに大臣も国会議員の一人として御承知であろうと思います。そこでこれは石井さんの国会議員としての立場、あるいは国民的な立場から見た場合に、あなたは個人的な立場においてその点をどう考えられますか。
#89
○石井国務大臣 私はさつきも申しましたように、そうやかましく言わぬでもいいじやないかというくらいな心持でございますが、そういうふうにきまればきまつてもけつこうだ、それに断固として反対すべきものでもないというような気持でおります。
#90
○川島(金)委員 石井さんにおいても、その点については消極的ではあるけれども禁止すべきであるという意向のように私は理解をいたすのであります。
 そこで最後に、結論的に少しお伺いをいたしたいのでありますが、この世にいうところの造船疑獄によつて、運輸省内のあなたの直接の部下で今日まで召喚をされた者、あるいは召喚されてそのまま留置をされておる者並びに今日まで取調べを受けた者の人数は何人になるか、そしてどういう係の者がそうなつておるか、その点について明らかになつておるのでありましようから、この機会に示してもらいたい。
#91
○石井国務大臣 壺井官房長並びにその秘書の二人だけが容疑者になつております。あとはそれに対する参考のためにほとんど官房の各課長あるいはその他の局長諸君が呼ばれて、御説明をいたしておる程度であります。参考に呼ばれて話を聞かれた者は、はつきりした数はわかりませんが、十人くらいじやないかということであります。
#92
○川島(金)委員 言うまでもなくこれは別な機会において他の委員からも非常に強調された事柄でありますが、運輸大臣はこの問題について、省内の重要な立場にある者が召喚、留置され、あるいはまた省内の一線に当つておる者に至るまで、陸続と取調べを受けておる。あるいはまた検察庁の手によつて神聖な本省の内部に家宅捜索を受ける。実に国民的な目から見た場合に、きわめて遺憾しごくの状態を続けております。しかもその問題の中心として、造船界あるいは政界の方面にまで事態は進展をいたしておるような実情であります。私は元来、大体他の役所はもちろんでありますが、私の個人的な立場においては、幼少のころからこよなく国鉄を愛し、国鉄を守るということにつきましては、私は断じて人後に落ちない立場を今日まで貫いて来たつもりでございます。しかるに昨年におきましては、いわゆる鉄道会館問題が発生をし、さらにその問題がようやく世間の耳から遠ざかろうとするや、今度は事もあろうに本省の内部にかくのごとき天上の耳目を衝動するような大事件が発生をいたしました。しかも、このあとにおきまして質問をいたしますが、今度は陸運関係の方面、ことに国鉄の外郭団体であるといわれておる日通あるいは交通公社、あるいは弘済会あるいは最近に至りましては、帝都高速度交通営団等に至るまで、火の手が上るというような実情でありまして、人後に落ちず、国鉄を愛し、国鉄を守れと今日まで叫んで来た私といたしましては、まつたく個人の立場にいたしましても、私の信頼と期待を裏切つた感があり、断腸の思いをいたしておる次第であります。個人的な関係においては国鉄には直接に何らの利害関係もない私ですらも、この事態を見まして、自分のことのごとくに、私は世間に対しまして慚愧の念にかり立てられておるという心情であります。いわんや国鉄の最高の責任者であるところの、石井運輸大臣が、かくのごとき事態を目前にして、一片の責任を感じたという態度をあまり示されておらないということは、実に私といたしましては、衷心から遺憾に感じておるのであります。ただ単に私は責任を感じておる――感じておるというだけでは責任を果したとは言えないと思うのであります。こういうことをあまり繰返し大きな声で、私は決して申し上げたくはないのでありますけれども、今日の国鉄は、しかたがない、明日の国鉄を明朗にし、明日の運輸省を建て直し、そしてこの国鉄全体が一本となつて明朗化し、健全な姿になつて、敗戦したこの日本の経済再建の一翼をになつて行くために、一切の力が結集し、一切の力が動員されるという態勢を、私は一日も早く期待するという立場であるのであります。今日の一国鉄の総裁――そう申し上げては失礼でありますが、運輸大臣一人の問題事ではないと私は思う。従つてその最高の責任者というものは、今日より明日の全体を考えて、十分なる責任を果すことこそが、明日の国鉄再建のただ一つの道ではないかと私自身は考えておるのであります。今やこの造船疑獄事件、その他の汚職事件は火のように燃えたつて、拡がりつつあるのであります。こういう事態を目の前に見まして、ただ一片の辞令だけでは事が済まないものである。事が済まないことこそが、初めて最高の責任者の立場であろうかと思うのでございますが、こういう事態を目の前に見まして、あわせて私は、重ねて運輸大臣の所信、責任のほどをお聞きしておきたい、こう思うのです。
#93
○石井国務大臣 省内での問題、省外に及ぼした問題、いろいろなこと、まことにおおせの通り遺憾千万であります。私としても、まことにこれに対して責任の重大を感じております。しかし私がすべきことは何であるか。今あなたの後段に申されました運輸省内を明朗にし、さらに能率的にし、そうしてりつぱな交通行政の中枢にするということ、省外のいろんな問題については監督をさらにすべきものはし、注意をすべきものは注意をいたしまして、またこれから先の仕事の上において万遺漏なきを期して、そうしてりつぱな運輸行政の実をあげて行くということこそが私の責任であろう。それをしないで、ここでうろうろしておつてはどうにもならないと思いますので、私はその決心を持つて、断固としてこの仕事をやり通して行こうと思います。
#94
○川島(金)委員 これは仮定の問題で恐縮なんでありますが、この造船疑獄問題を中心にして、さらに大きな問題に発展をいたして行くような事柄がございましたら、運輸大臣は、その責任を果すことはその席にとどまることだという考え方を貫こうとされておりますかどうか、その点を念のために聞いておきたい。
#95
○石井国務大臣 どういうことがどう出て来るか存じませんが、出て参ります問題につきまして、私は自分の万全の力をもつてひとつ善処して行きたいと思います。
#96
○川島(金)委員 これ以上質問を続けますことは、お互いの議論にわたるおそれがあろうと思いますから、私は運輸大臣のいわゆる常識にまつということを結論をいたしまして、私の運輸大臣に対する質問を一応打切ります。
#97
○山本主査 稻葉修君。
#98
○稻葉委員 昨年運輸大臣及び国鉄総裁に対して質問をいたしました、緊縮財政の折から、困難な生活の中から税を納める国民の身にもなつて、重点的に、効率的に国費を使うべきであるということに対して、御答弁は、ごもつともであるから、しつかりやりますということでしたが、もう一つ、ごもつともだからしつかりやりますという御返答をいただきたいことがあります。それは、ただいま御承知のように、昭和二十九年度予算につきましては、昨日私は改進党の予算修正の立場と、その具体的な数字を示して、自由党の予算委員に申入れを正式にいたしました。本日十二時から自由党の予算委員の会を開いて検討をすることになつております。私は昨日も申し上げました通り、昭和二十九年度予算を実行して行つて、国民生活に破綻を超さないためには、予算内容の修正より以上にこれを補強する工事が必要である。最小限度四つの柱が必要である。その一つは投融資計画委員会法の制定、第二は、第三次資産再評価の制定、第三は優先外貨制の拡充、これは立法を必要といたしませんが、行政上の措置としてやるべきである。第四番目、これは国鉄総裁にも運輸大臣にも関係がありますが、わが国の生産コストの引下げ、輸出増強、経済自立ということのためには、労使の無用な紛争を排除するということが必要であろうと思う。それで生産協力会議法の制定を必要とする、こういうことを申しておるわけでありますが、昨年の暮にも国鉄においては遵法闘争というような奇妙なストライキが起りました。あれは私はストライキではないかと思うが、そういうことが昨日もちよつと触れましたように、ドイツの場合と日本の場合とを比較すれば、ずいぶん経済自立の速度おいて大きな差があることが、特に大きな原因であろうと思う。直接の責任者である国鉄総裁は、生産協力会議――国鉄についていえば、輸送協力会議とも称すべきものが必要であると考えるか、必要でないと考えるか。必要であるならある、そんなものは必要でないなら、ない。これだけを運輸大臣と国鉄総裁両方から御返答を承つておきます。
#99
○長崎説明員 われわれが企業の運営をいたして参ります場合に、私ども経営の責任に当る者として、それから第一線で働いてもらう組合の者、これはやはり唇歯輔車の関係であります。どちらがどうということはないのでありまして、それが協力するということは、私は望ましいことだと思います。しかしながら今日の日本の情勢下におきまして、どういう姿でこれが実行されて行くかということになりますと、これは稻葉委員御存じのように、ドイツにはドイツの今までの伝統と背景がございます。日本にはやはり今までの伝統とか背景がある。そういうことを十分よく研究をして、そうして協力態勢が生れて来るというふうな事情になりますれば、私は大いに歓迎すべきものだ、かように考えております。
#100
○石井国務大臣 生産協力会議というだけでははつきりいたしませんが、精神的に申せば、今国鉄総裁が言うた通りだと思います。その内容その運営のいかんというような問題については、いろいろ議論がある思いますが、すべての仕事に経営の人と、それからそれの従業員というものが一体になつた気持で経営に当るということに、何らの異議のあろうはずはございません。
#101
○稻葉委員 私は単に気持の上で仲よくしようなどというなまぬるいことを考えておるのではない。長崎総裁も御承知の通り、ドイツにおきましては、一般産業について経営参加法とか、そういう法律で、労働者にも企業の実態を知らしめて、無用な賃上げ闘争等を防ごう、こういうことで、なるほど背景も違い、伝統も違うかもしれませんけれども、日本の労働組合には、ドイツの労働組合と比べて非常に無知後進性はあるけれども、そういう方向に持つて行つていけないことはないと私は思う。そういう点について、ただ単に運輸大臣のように、精神的に協力して行こうなんということ、では、わが国の労働の生産性の高揚ということに対する実行性は全然ゼロだと思う。もう一度お伺いします。
#102
○石井国務大臣 ただ生産協力会議というものをやるべきだ。それに賛成しろとおつしやつても、それだけでは賛成も不賛成も簡単に言えない。精神は賛成である。しかしどういう方法でどういうことをやるのだという具体的になりますと、それはおのおの意見があるのでありますから、それに賛成かといつても、賛成せぬというわけにも行きませんし、賛成するとも申し上げられないのは当然だと思います。
#103
○稻葉委員 私どもには法案の用意がある、そういうことを全然今まで考えていないということは、ずいぶんぼんやりした話であると私は思う。ただそれだけを申し上げますが、もう一つこれは別な問題になります。一昨日私は建設省関係のことについて設備費、物件費、それについてはいつの標準で予算を見積つて来られたかということを聞いた。昭和二十九年一月の物価を標準とされたのか、昭和二十八年十月の物価を標準とされたのか、八月の物価を標準とされたのか、その時期いかんによつてはこの予算に大きな狂いを生じて来る、修正も可能だと思つておるかと聞いたのですが、どうもはつきりしなかつたようです。運輸省関係いかがでありますか。
#104
○黒田政府委員 ただいまのお尋ねのうち、港湾、公共事業費の関係につきましては、昨年の九月、十月ごろを基準にいたしております。
#105
○石井説明員 国鉄関係の予算につきましては、昨年予算を編成いたしました当時八月ないし十月というのが大体物価の基礎になつております。
#106
○稻葉委員 大臣はそれをお認めになりますな、その通りですな。
#107
○石井国務大臣 その通りだと思います。
#108
○稻葉委員 そうしますと、港湾関係については九月、鉄道関係につきましては八月ないし十月、こういうのでありますから、予算委員会等において、われわれが経審議長官なりあるいは大蔵大臣に質問をするたびごとに、この予算を実行したあかつきには昭和二十九年には物価は五%ないし一0%必ず下る、こう言われておるのですが、この点は運輸大臣はお認めになりますか。
#109
○石井国務大臣 その通りだと思います。
#110
○稻葉委員 そういたしますとこの昭和二十九年度予算に組んである国鉄をも含めて運輸省関係のいわゆる物件費なり、設備費というものは、昭和二十九年に決定さるべき物価よりは一0%か五%かしらないが少くとも二%ないし三%、四%くらいの高い値段で組んで来ある、こう認めるのが常識だと思うのですが、お認めになりますか。
#111
○石井国務大臣 来年は物価がそこで下り得るような情勢に持つて行きたいという経審の見込みでございます。私どもは、おおよそ本年の十月ごろを標準にして見ておるのでありますが、ものによりましては、来年はもつと下るだろうという心持で見ておるものもあるはずだと思います。たとえば鉄道の燃料費のごときは、おそらくそれを見込んでおるだろうと思います。だからそれだけの金額は必ず余るということにはならぬだろうと思います。
#112
○稻葉委員 具体的に燃料だとかあるいは建築資材だとか、そういうことを言えば、一々非常にめんどうなことになるけれども、経審長官ないし大蔵大臣が一般的に言つて――この問題で私の言つているのは、平均しての話であつて、平均してこの予算に組んである物件費の単価というものは、昭和二十九年度に実際行つてみると、余りを生ずべきはずのものであるということは、これは常識だと思うのです。これは大蔵大臣も経審長官も平均して下ると言つているのですが、どうでございますか。
#113
○石井国務大臣 国家の仕事は来年度は四月の一日から始まるのでございます。従つて公共事業に一例をとりましても、すぐに契約にかかるものもあります。直接にやるものは、物を買う手順もいろいろあると思いますが、物価がいつから下るか。予算はこうなつておるからといつて、四月一日から物価は直接には下らぬだろうと思いますので、そこに開きはあるだろうと思います。大体的に見まして、それでは来年は一般にどれだけ物価が下る――本年の予算はその下ることを計算にしてないものもあり、してあるものもあるわけですが、そういうことでありますと残るか足りないかといえば、多少残るという線の方に近いということは言えると思います。
#114
○稻葉委員 よろしゆうございます。大臣の御答弁によれば、残ると見るのが常識だ、こういうふうに御答弁になつたと私は理解いたしますが、念のためにお伺いいたします。
#115
○石井国務大臣 残るというのは金が残るという意味でなく、そこに余裕ができて来て、あるいはそれだけのものが現実に残りますか、あるいはそれだけ仕事がよけいになりますかというだけのことでございます。
#116
○稻葉委員 そうなると問題です。残つた場合は、ほかに事業量をふやすということですね、そういうことはできませんよ。緊縮財政でいらぬことをやつてはいかぬ、こういうことになつておる。事業量をもつとふやすかもしれぬなどということは穏やかでない。
#117
○石井国務大臣 事業量をふやすとは申しておりません。そういうふうな方向において、どちらかといえば、金が残るか仕事がやれるかというのでございます。たとえば仕事と申しましても、鉄道の電化のようなものは、一つの長い線がきまつておりまして、そのうちのどこまで――ここらまでは行けるというようなことはあり得ると思います。
#118
○稻葉委員 あなたの御答弁は非常に不当だと思うのです。この予算ではどういう事業をやるのだときめた以上のことはやれない。新規事業は一切やめるとか、根本的な経済政策から出て来てこの予算が組まれたのである。単価が高く見積つてあつたのに物価が下つて余りを生じたから禁じてある事業をかつてにやるのだ、そんなことが運輸大臣にできるとは、これは聞き捨てなりません。
#119
○石井国務大臣 決してそういう意味で申したわけではございません。私の申したのは、余裕がそこにできるという意味のことを説明するために、そういうふうなことを申したのでありますが、予算できめられた以上のこと、それは決してやれるものじやございません。またやるべきものでもございません。
#120
○稻葉委員 そうすれば、余りを生ずることは普通常識としてお認めになりますな。
#121
○石井国務大臣 余るか足りぬかといえば、余る方の線の方に近いものが出るはずだと思います。
#122
○稻葉委員 必ず余るとか、そんなことは先の話だから言えることじやないのです。しかし予算というものは、みな推定なんだから、そういうふうに推定さるべきものだということは断言できると思います。そういうふうに推定されるとすれば、推定に基いてこの予算を直すべきものだ、こういうふうに思うのです。当然の話じやないですか。何も専門的な知識を必要とすることはない。さるでない限りはわかりますな。
#123
○山本主査 午後は一時半から再開することとして暫時休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時十九分開議
#124
○山本主査 休憩前に引続き会議を開きます。
 運輸省所管に関する質疑を続けます。川島金次君。
#125
○川島(金)委員 まず総裁に対する午前中の質問に続いて二、三お尋ねをいたしたいと思います。何といいましても今度の二十九年度の国鉄予算は、当局から見れば自信のない予算であろうし、われわれの目から見るとまことに不安な予算、これで独立第三を迎えて行こうとする日本の経済再建の大きな役割を果すべき位置にありまする国鉄の、満足な輸送、満足な前進ができるかどうかということは、言うまでもなくきわめて心細いありさまであることは、何人といえどもいなめないのではないかと私は信じておるのであります。ことに先ほど申し上げましたように、国鉄の経理の大きな柱、というよりは、唯一の柱は運賃収入、その運賃収入が、若干ではあつても収入増を見込んでおるというところに大きな一つの錯誤があるのではないか。その錯誤が国鉄全体にやがては大きく響いて行くであろうということを、私は懸念いたすのであります。同町に私は、第二に非常に心配をいたしておるのは、国鉄債券の問題であります。昭和二十八年は八十五億の債券を発行いたしました。その債券の事情をあわせてお尋ねしておきますが、私の想像が当りませんければ別でありますが、この八十五億の債券は、まだ年度中だからと言えばそれまででありますけれども、全部完全に消化されたものとは予想しておらないのであります。期待に反しまして、まだまだ消化し切れない面が相当額あるのではないかと思うのですが、かりにそれが消化されるという事情にありましても、明年二十九年度において、その八十五億に加うるに約五十億近くの百三十億という飛躍的な債券発行額を予定しております。繰返して申すまでもなく、政府の緊縮政策によつて、飛躍的な生産の増強とか、躍進的な国民所得の増大は見られないということは、政府みずからが言明しておるところでございます。そしてまた政府の財政金融政策におきましても、これまた極端なる引締めをあえてしなければ、言うところの低物価政策の実現は困難であります。かれこれ考えて参りましたときに、鉄道債券とはいいながら、昨二十八年度に比して五十億も余分の百三十億というこの巨額な債券が、はたしてつつがなく消化される見込みであるかどうかということについては、私自身は、いろいろの事情を勘案して、まことに困難ではないかと考えるのでございますけれども、この点総裁は諸般の事情上においても、なおかつこの程度の債券の消化は可能であるという自信を持つておられるかどうか、その点を伺つておきたい。
#126
○長崎説明員 お答えいたします。お話の通り非常な緊縮政策を政府がとつておられます。従いまして、収入が例年の通り上らないであろうことは推測できます。今日のところでは多少の出入りはあるだろうと思つておりますが、まああの程度に近い収入は上げられるのではないかということも考えられます。一方川島委員の仰せのような、非常な警戒すべき情勢にもございますので、それには慎重なる注意を不断に払つて行きまして、この収入の情勢いかんによつては、経費の切りつめということも考えなければならないと考えております。何分にもこの低物価政策によつて、資材、物品というようなものも値は下るであろうと思いますが、これはどつちかというと、必ずしも収入減と並行するものではないのでありますから、そこらに深甚な留意がいると私は思つております。
 お説の鉄道債券の問題でありますが、なるほど鉄道債権は五十億ほどふえておるのでございますけれども、前年の八十五億は年度の途中からであつたために八十五億になつたのでございまして、あれはやはり一箇月平均にしますと十億ぐらいずつという予定になつております。今年度におきましても毎月大体十億という予定でありますが、これがやはり御説のように、今後の景気の動向ということから考えて、そう楽観すべ状態にはないと私は思つております。あとでこまかい今年度の状況は、経理局長から申し上げますが、本年度におきましても、多少一般市場と申しますか、それからの募集には困難があるのじやないか、それにつれて、これを政府から借りるか何かして行かなくちやならぬのではないかというふうなことも考えております。来年度につきましても、そういうふうなことを考えなくちやいかぬと思いますが、これはもつと先に行つてからの話だと思いますが、お説の御趣旨ごもつともでございますので、私は十分なる留意をして行きたいと思つております。
 なお鉄道債券の問題は、いわゆる利用者債券とでも申しますか、臨港線とかあるいは都市計画とか、それによつて受益する人に応募していただきたいというのであります。これができなければ仕事を繰延べて行かなければならない。輸送上にはさしたる影響はないのでございますが、現在できております、都市計画とか、あるいは港湾の修築というようなことが遅れて行くという結果になります。これは来年度から初めてやるのでございますので、どんな方向に参りますか、これらについても、そういうせつかくできたものの利用ができないというようなことのないように、できるだけ努力して参りたい、かように考えております。
#127
○川島(金)委員 私の見通しと総裁の見通しについては、若干の隔たりがあるようでありますけれども、総裁みずからもなかなか容易ではないということだけはお認めのようであります。そこで第三に、私はこれまた関心を持つて見たのでありますが、いわゆる運賃収入のほかに、毎年若干の収入を見積つております雑収入におきましても、二十八年度に比較いたしますると、実に十六億以上の増収を予定いたしました。その総額は八十五億九千何がし、実に八十八億という相当な額を雑収入の中に見積つているのでありますが、これまた別段申し上げましたような事情で、なるほど国鉄の内部には、いろいろ不安の施設もあり、不要の財産もあり、その他積極的には広告の収入とかその他のものがあることは私も知つておりますけれども、これは日本経済の前途を考えてみますと、この雑収入八十六億といつても、必ずしも少額ではありません。この少額でないところの雑収入をどうして予定されることになつたのか、これまた一つの余儀ない水増しの予定額ではないかという懸念を、実は私どもは持つているのであります。一体この雑収入が、二十八年度の今日までどのくらいあつたか、その額をお示し願いながら、この二十九年度の八十六億円に上るところの雑収入の種目別な大まかな予定額を、この際ひとつ示してもらいたい。これは事務、当局からでよろしゆうございます。
#128
○長崎説明員 総括的なことを私から申し上げます。これまたお説の通り、非常に急激な増加であるというふうにお考えになることはごもつともであります。ただこれにつきましては、過般の国会等におきまして、あまりにも構内営業料であるとか、広告料とかいうものは、安過ぎはせぬかというお話でありましたし、実際に当つて調べてみますと、家賃等統制令でありますとか、いろいろな物価統制の関係で、非常に低く見積られておりましたが、今日それが解けましたので、この際それを契機といたしまして、すでに御報告申し上げておりますように、土地建物等秤価委員会というようなものも東京、大阪には設けられてありますので、それらの御意見等も参酌いたしまして、この程度の収入は上げるように努力しよう、こういうことであります。しかしながらお説の通り、これまた相手のあることでもございますし、期限が来なければ契約の更改はできぬというようなこともございますので、はたしてこれだけのものを完全に上げられるかどうかということにおいては、私ども今後よほど大決心をしてあたつて行かなければならぬ、かように考えております。しかしこれは世論にもかんがみ、また現在の情勢から申しまして、やはりこの程度の引上げということはやるべきである、かような考え方でございます。こまかいことは経理局長からお答えいたします。
#129
○石井説明員 雑収入の内訳でございますが、これは大体今回十四億の増収を期待いたしますものは、主として土地物件貸付料、広告料、構内営業料、この三種が一番おもなものでございます。土地物件貸付料につきましては、二十八年度におきましては六億二千五百万円程度を見込んでございます。今回それを約十三億程度にいたしたいと存じております。広告料金につきましては本年度は三億五千万円程度を見込んだのでございますが、これを七億四千万円程度にいたしたい。それから構内営業料につきましては、本年度は一億五千九百万円でありますが、これを三億六千四百万円程度にいたしたい。大体二倍ないし三倍程度の増収を期待いたしておる次第でございます。それから先ほどお話がございました不要施設の売却でございますが、これは難収入とは別に、資本勘定等の収入で、不要施設その他の売却費七億ということにいたしておりまして、収益勘定の方では、ただいま申し上げたようなものが、大体おもなものになつておる次第でございます。
#130
○川島(金)委員 この雑収入の問題の中で土地物件の貸付等の倍額の見込みというものは、やりようによつては私は必ずしも困難ではないと思いますが、広告料等の収入において一躍倍、構内営業料等もこれまた倍以上、これには若干無理があるのではないかという私は見通しを持つておる一人であります。これより総括的に申し上げますれば、二十九年度の国鉄の収入源というものは、運賃においてもあるいはまた債券の発行額におきましても、あるいはまた雑収入等の面におきましても、いずれにいたしましても収支非常な無理を積み重ねて、辛うじて一つの大きなバランスの数字を盛り上げたという感じは、どうしてもいなめないのであります。こういうことで一体――経理上の運営は別でありますが、この二十九年度の予算をもつてして、なおかつ改良とか建設という問題について、いささかの懸念もなく、予定通り進行できるという確信なり自信を総裁は持たれておるかどうか、その点はいかがでございますか。
#131
○長崎説明員 工事勘定の問題でございますが、工事勘定の予算はごらんの通りで、まず第一に建設費におきまして非常な減額を見ておる次第であります。二十八年度においては、当初予算においては九十億、それが水害、風害等の関係で、補正予算において二十億減額されまして七十億という予算でやつた次第でございます。二十九年度はわれわれとしましては、現在の線路を経済的なスピードで進めて行くためには、約百十億いるという見込みでございましたものが、ごらんの通り二十五億という数字に相なつたのでございますが、これもいろいろなくふうをしまして、そこまで上げて来たのでございます。なかなかこの二十五億によつて現在計画されておる線路をつつがなく完全に遂行するということについては、いろいろな困難がございまして、目下その実行計画についていろいろと頭をひねつておるような次第でございます。いずれこれは建設審議会等にもとくと御相談申し上げまして、一体その後をどう進めて行つたらいいかということについて、完全とは参りませんけれども、将来のことも考えまして、現在着手しておる線が、三十年度以降においてやり得るものであるとすれば別でありますが、私どもはそうは考えておりません。私どもは一旦着手しまして、国のために重要な路線であるというので取上げられた線でありますから、三十年度以降において、予算の話がつけば完成いたしたいというような考え方でございます。そういうような目途でやつて行かねばならぬと思つております。それからその他の改良工事でございますが、古い設備の老朽になつたものをとりかえて行くということについては、これは過般もちよつと申し上げたかと思いますが、われわれの希望としては第三次再評価のラインまでは、ぜひやつて行きたいというふうに考えましたけれども、これもやはり財源の都合その他低物価政策の関係というようなことで、われわれの希望する運賃値上げが認められなかつたために、第三次再評価のラインまでは行かずに、第二次再評価の現在のままで、ただ自然増が九億だけふえておるのであります。そのほかの電化でありますとか、あるいは通勤輸送対策でありますとか、あるいは北方の幹線の強化というふうな面においては、若干ではございますが、今年度よりは予算をふやしているのであります。これはむろん資金関係その他ございますけれども、何とかくふうをしてやつて行きたい。ことにただいま申しました電化あるいは通勤輸送対策あるいは北方幹線の強化というような問題は、これは日本の再建と申しますか、そういう面で非常に大きな役割をするのでございますから、資金を極力調達して完成して参りたい、かように考えております。
#132
○川島(金)委員 その問題についてはこれ以上質問をいたしますことは、議論にわたるおそれがありますから、質問を打切つておきます。
 そこでその次にお伺いいたしますが、今総裁から申されました通勤輸送対策であります。この当局の出して来た通勤輸送対策によりますれば、今度は相当額の経費を見積つておりまするが、これは単に車両を増加するという程度のものではなしに、各線にわたる具体的にして総合的な輸送増強対策というものが、立てられるのではないかと思いますが、そうであるといたしますれば、各線における現状と、この予算実施後におけるところの輸送力の状況といろものは、どういうふうに進んで行くのか、その点について、簡単でよろしいですから、具体的なお答えを願いたい。
#133
○佐藤説明員 私から御説明いたします。まず東京付近でございますが、東京付近では現在進めておりますのがまず京浜、山手の輸送力の増加の問題でございます。これは現在田町、田端間で両線が複線を使つております関係上、大体一分五十秒程度の間隔で入つております。従いまして山手、京浜それぞれについてはこの倍の間隔ということになつております。これが大体八両運転で入つておりますが、上野から東京までの間は非常な混雑をしておる。もちろん品川方面も非常な混雑をしておりますので、私どもといたしましては、極力早くこれを分離してしまうように、つまりもうあと二線つくりまして、山手、京浜がおのおの別の線路を走る、そういたしますと山手、京浜が現在の倍程度の能力が出るので、最後はやはり一分五十秒近くまで詰まるということでございます。それでこの工事が今どういうふうに進んでおるかと申しますと、新橋のホーム関係はは現在できております。有楽町もできております。東京も大体でき上りました。今後の仕事と申しますのは、大体神田付近並びに秋葉原と神田の間の高架線の仕事でございます。これは現在のところ約二年間かけましてつくり上げる予定にしております。なおこれに伴いましてもちろん変電所の容量の問題あるいは車両の問題、工場の問題、電車区の問題がございますが、こういう問題もやはり総合して進めて行くつもりでございます。
 それから中央線につきましては、現在八両運転をやつております。これもやはり約一分五十秒の間隔でラツシユ・アワーに入つております。中央線は御承知のごとくもうあれ以上乗れないというような三〇%程度の乗車効率でございまして、これに対してどうしたらいいかということを考えたのでございますが、大体十両運転が最大じやないかと考えております。と申しますのは、十両以上をやりました場合には結局東京駅の配線からその列車と列車との間隔がふえる。結局長くいたしましても輸送力はふえない。それと、長くなりますと中央線の各駅のホームを長くいたしまして配線変更しなければならない。そうしますと駅の前後に踏切りがございまして、これが大分ひつかかつて、非常なめんどくさい仕事になる。こういうような関係から、中央線は十両運転を目途として進めて行く。二十九年度には大体九両運転にいたしまして、その次に十両運転にして行くというふうな考え方でございます。
 なお常磐線につきましても、極力八両運転にいたしまして、あそこは線路容量がなく非常に困つておるのでございますが、できるだけ入れて行こうと考えております。そのほか横浜線あるいは南武線につきましてもそれぞれ連結両数をいずれも長くいたしまして、通勤輸送の緩和をはかりたいと思つております。
 関西につきましては、東海道線がやはり非常に困つておるのですが、現在は大阪から宮原の操車場入口までの間の線路を増設いたしまして、宮原の操車場の入口から先、といいますのは、操車場に入ります回送一列車が減りますから、そこまで増設しますといくらかいい。さらに私どもといたしましては、これを京都の方に延ばして行くつもりでございます。西の方につきましても、鷹取から明石までの間が非常に線路容量が詰まつております。これは電車と列車が一緒になりまして複線で走つているので非常に困難でございまして、電車の増発もできないし、列車も非常に困るという状態でございまして、これにつきましても将来は増設して行きたいと考えております。そのほか片町線につきましては、鴫野までを今増設しております。複線化をしてここも緩和する予定にしております。なお城東線につきましては、天王寺の入口に単線区間がありまして、これも直しております。こういうふうにいたしまして、大体東京、大阪付近の通勤輸送の緩和をはかることにしております。なお名古屋付近につきましても、現在豊橋からあるいは関ケ原くらいまでの快速列車的なものを現在運行しております。これも将来また電化が進みますと、あるいは電車というような形態になつて行くのじやないかとも考えております。そのほか北九州の問題もございますが、北九州も極力列車の増結その他をはかりまして緩和をするつもりでおります。
#134
○川島(金)委員 私の尋ねたいことは、この輸送増強対策実施のあかつきにおける状況と現状との比較なのです。たとえばどのくらい混雑を緩和されるのか、あるいは輸送増員をねらつての対策なのかということを私はねらいとしてお尋ねしたわけです。よろしゆうございます。
 そこでさらに私はこの機会に、ちよつと時期は違うのですが、明年のこともありますのでお尋ねしておきたいのです。東京を中心とする各電車線の電車が、例の桜木町事件以来、何という型ですか名前は忘れましたが、前車両から後部に至るまで全部箱が貫通式の形になつてしまつた。そのために、あなたもしよつちゆう乗られておることですからわかるでしようが、冬などは、ことに夜間の場合の電車の中における乗客は寒風がすき間から入つて来てまつたくやり切れぬという実情であります。これはあの事件が起きたので、応急にあのことが施されたのですが、また最近ぼつぼつその間のところにドアがついているものも若干は見受けるようでありますけれども、私はいかに安い料金とはいいながら、乗客に対して最善のサービスをするということは言うまでもなくやつてもらわなければならぬと思う。これを何とか早急に解決をすることなくては、私は一般の国民の期待にこたえるゆえんではないと思うのですが、その対策について一体積極的な方針を持つておるのかどうか、その点を簡単でいいですからお聞かせ願いたいと思います。
#135
○石井説明員 六三型の電車の修繕でございますが、お説のようにとりあえず貫通式にいたしまして、これは火災の場合におきまして、引戸でございますために乗客が逃げ遅れるというような不測の場合を予想しての処置でございますが、そういうような点とか、あるいはいろいろ電気自体の機械あるいは電線というようなものの修理に主力を注ぎ、その特別な手配だけをとりあえずいたしました。今後はお説のように各車両とも引戸でもつて横にすべるドアをつけて、冬季の場合乗客の皆さんに御迷惑をかけないような計画を進めております。
#136
○川島(金)委員 完了はいつですか。
#137
○石井説明員 たいへん恐縮でございますが、私予算の方だけから申し上げたので、実施の方は工作局でやつておりますのでお答えできないのを残念に思いますが、全部つける予定になつておりますことを御了承願いたいと思います。
#138
○川島(金)委員 そこでまた元へ帰ることになるのでありますが、総裁にお尋ねのついでですから……。私はかつても何かの機会に、前総裁にもあなたにも御意見を承わるべくお話を申し上げたことがあるのですが、かつて私どもが期待し、信頼をつないでおつた国鉄の様相が戦後だんだんかわつて参りました。ややもすれば国鉄の内部に世上から強い指弾を受けるような事態が頻発するという、嘆かわしい残念なありさまであります。一体こういう事態になつたことも、できたことはできたこととして、今後また問題は問題として、別個に検察庁の断面たる厳重な検索をわれわれは期待するのでありますが、さらにまた飜つて国鉄のこの姿というものが、世人の期待と信頼を裏切るに至つて来た根本的な原因が一体どこにあるのか。いわば生活の苦労、あるいはまた世上の道徳心の頽廃というような諸条件も、国鉄の人といえども一般的な、普遍的な条件を必ずしも免れるわけでないことは、私もある程度は了解いたすのでありますが、てつとり早くいえば、昔は大都会はもちろん、ことに地方においては嫁にやるならば鉄道の職員にやれとまで、鉄道に対する国民の信頼は非常に高かつたということは、あなたも若いときを顧みまして御承知のことと思います。ところが最近に至りましては、上の最高幹部から下は現場の者に至るるまで、とかくの事件をこのごろでは頻発させているという嘆かわしい実情である。そこで私はこの問題をひそかに自分なりに考えてみまして、どうも国鉄の人的機構の上に大きな原因もあるのではないかという感じがいたすのであります。たとえば上の方の当局側の問題を考てみますれば、大学を卒業して国鉄に就職するのは二十五、六歳、そして国鉄の仕事にいくらかなれて来た十年あるいは十五年たつてみるともう四十になる。そして四十過ぎるとそろそろ退職のしたくをしなければならぬ。これは偽らない事実です。かりに国鉄に一生をささげようという有為、有能なる職員がおりましても、自分の年齢を考えるときに、やがて自分もやめなければならないときが目の前に来るのだ。それでありますから、たとえば地方における局長、あるいはまた本庁における課長級、局長級にいたしましても、四十から四十五、六になつて来ると、もうやめるしたく、やめなければならぬという考えが常に頭の中を去らない。これは偽らない現実だと思う。そういう身分的な不安の姿において、そしてまた老後における希望の光りもない形において、なおかつ国鉄に対して全身、全力を振つて闘えという要求は、きわめて無理ではないかと思う。またさらに現場における人たちの現状を考えてみましても、この物価の高いときに、二十年から二十五年精勤を続け、あるいは三十年、いわゆる功績賞をもらおうという永年勤続者でありましても、親子六、七人の家庭をささえている職員がいまなお二万円そこそこ、よく行つて二万二、三千円の純収入しか得ておらないのが現実の状態であります。しかも子供たちが大きくなれば、親の人情として高等学校にも上げたいであろう、あるいは進んで大学にも上げてみたというのは、ひとしく親の心にあるのであります。ところが精励恪勤鉄道に長い間勤めて来ておつても、しかもなおかつ物価は高い、自分の給料は上がらない、そして唯一の人生の希望を託する子供の教育すらも満足にできないというのが、過去における現場職員の大体の姿であることも、総裁はよく御存じのことと思うのであります。しかもせつかく永年勤続して功労章などをもらつて、やめたとたんに一体幾らもらえるか。私は寡聞にしてあまり多くは知りませんが、三十五年、四十年孤々常々としてそれこそ一生を国鉄の再建に託し切つて来た人の退職手当は、わずかに百万円そこそこと思います。今日、百万円の退職手当をもらつて、はたしてその職員の老後が守れるやいなや、これは思い半ばに過ぎるものがあると私は信じているのでございます。このような形に置いて、国鉄の人たちに対して道義を高めよ、良心を持つて仕事に進め、そして国鉄の再建をはかれ、そうして日本の経済復興に協力せよと言つても、それは求める方がきわめてむりな実情にあるのではないかということを、私は痛感をいたしている一人でございますが、はたしてこのような実情に対して、総裁は最高の責任者としてどのような見解で日々の仕事をやられておられますか。その点をこの際重ねてあなたの御意見を求めておきたいと思う。
#139
○長崎説明員 国有鉄道の過去の姿、それに比べまして現在の姿、これは非常に変化を来していると私は考えております。しかしながらその原因等につきましては、日本全体の戦前、戦後の姿に共通な原因もあろうかと存じます。ことに日本国有鉄道は、川島委員御承知のように、その機構の上におきましても、非常に大きな変化をこうむつております。パブリツク・コーポレーシヨンというものにかわつております。また管理の面におきましても、旧鉄道局制度はなくなりまして、また管理部というようなものもなくなつて、三段制が二段制になるというふうな大きな変化も来ております。それやこれやいろいろと考えあわせてみますと、そういうものがまだ全体的に世間的にも、また内部的にもなじんでいないというような点に一つの原因があるんじやないかと思います。そこで今回内閣等におきましても、公共企業体に関する審議調査をするため委員会ができることになつているやに仄聞いたすのでありますが、そういうところでこういう問題を深くきわめて、いい解決に持つて行きたい、こういうことも考えられると思います。またお説のように給与の戦前戦後の差等というようなことも確かに一つの原因であろうと私は思います。また三十年、四十年とほとんど一生を鉄道にささげて、そして退職するあかつきにおいて、はたして安定した生活ができるかどうか非常に疑わしいというようなことも確かに一つの原因ではなかろうかと思います。また学校卒業者が若くして退職せざるを得ないというふうな気持も一つの原因であろうかと思いますが、この点は川島委員もよく御承知だと思いますが、現状の第一線の方々はずつと年をとるまで勤めておりましたけれども、本庁――昔の本省におりましたいわゆる幹部と称せられるような人は、戦前においても少し早くやめるのじやないかという議論はたくさんあつたのでありまして――これは戦前にあつたからいいというものではないのでありまして、ことに今後国鉄の仕事が漸次広汎な領域にわたつて機械化され、あるいは高度に電気機械化されるというような場合におきましては、能力と経験というものが非常に大きな要素をなします。いわゆる学問ということもむろん必要でありますが、学問よりも能力、経験を高く買つて、専門的な技術的運営をして行くということが必要と存じております。ただこれらの問題につきましても、一ぺんに急激にかえて行くということは――たとえばただいま御指摘の勤務の年限の問題にしても、かえて行くことは非常にむずかしいのございますが、これはお説のようにできるだけ長い間勤務させる、また退職等のあかつきにおいて、あるいは勤務中の給与の問題というようなものも、でき得る限り安心して安定した生活、あるいは老後の安定というふうな方向に持つて行かねばならぬ、かように私は考えておりまして、及ばずながらそういうふうに努力はいたしておるつもりでありますが、何分にも経済全般の情勢、あるいは国鉄の財政の情勢というようなことから、御期待に沿うような大きな変化を見ることができないのは非常に遺憾に存じます。
#140
○川島(金)委員 上下期ともに昔の様相がまつたくかわつて来ておるし、またその原因には今申されましたコーポレーシヨンという性格の大転換がもたらしたものも見のがしがたい一つの原因であろうということは、私も共感いたします。そこで私は重ねてお伺いいたすのでありますが、一体今の国鉄の、いわゆるコーポレーシヨンという公共企業体方式というものが、日本の国鉄の歴史にかない、しかもこの歴史にかないながら日本の国鉄の将来に寄与する姿としてこれが最もいい形であると総裁は考えられるのか、それともかつて総裁も経験されて来たところの、国有鉄道以前の姿であるところの国家が直接経営するという形、つまり運輸省自体が国鉄全体を持つておつたという形――この中には一長一短があるということは私も承知いたしておりますが、私はどうも最近になりまして、コーポレーシヨンの姿をずつと見て参りますと、やはり民主的にもう一ぺん元に返してみたらどうか。そして思い切つて、昔のいわゆる国家直接の経営という形にする。但しそれに従事いたします。現場の職員の労働的権利やその他は守つて行くということを前提として、国家直営にした方がむしろいいのではないかという感じさえ私はこのごろいたして参つておるのでありますが、この点について議論をするという考えではしに、総裁としての多年の経験から、あるいはまたコーポレーシヨンになつてからの総裁の経験に照して、率直なところ、あなたは一体どういうふうにお考えになつておられるか。これはあなたの言質をとるとか何とかいう問題では決してないのでありますから、あなたの見解を率直に表明いただきたいと思います。
#141
○長崎説明員 先ほどの御質問に引続きましてコーポレーシヨンの性格とでも申しますか、そういうものに触れた御質問と思いますが、国鉄のやり方としていわゆるパブリツク・コーポレーシヨンがいいか、あるいは国有国営がよろしいか、あるいは私企業としての会社経営がいいかという点については、いろいろな議論があると存じます。しかし私の理解しておる範囲におきましては、元の国有国営というものも一長一短がございまして、とかくこれはいわゆる官僚的な、官庁行政的な規則とか、財政法とか、いろいろなものに縛られて、そこに一つの弊害があるというふうなこと、それでは私の会社組織としてやるのがいいかといいますと、これまた会社経営的ないろいろな弊害が出て来るというふうな観点からいたしまして、いわゆるパブリツク・コーポレーシヨン――公共企業体というところの、つまり中間的な考え方におちついたものではないかと思うのでございます。それではこのパブリツク・コーポレーシヨンをどう運営して行けばいいのかということについては、なるほど相当の年月はたちましたけれども、私としましては実はまだ二年にしかなりませんので、お前はよくわかつておるじやないかというお説でございますが、実は私もいろいろな人に聞きますが、パブリツク・コーポレーシヨンの本質というものについては、はつきりした観念もまだそう確立しておらぬのじやないかというふうに感ぜられます。要は官庁式経営でもなければ、といつて純然たる会社式経営でもないというところにパブリツク・コーポレーシヨンと俗にいうところの性格があるのではないか。そうするとこれは大いに研究をして、悪いところがあつたら直して行くという方向――一体パブリツク・コーポレーシヨンという公共企業体というようなものが、日本の国情に合うかどうかという御質問でございましたが、まさにその通りでありまして、日本流の公共企業体に直して行かなければならぬのではないか。私は非常に寡聞でございますが、アメリカにおけるパブリツク・コーポレーシヨン、イギリスにおけるパブリツク・コーポレーシヨンドイツにおけるもの等は内容的、機構的におのずから差異があるように聞いております。そういうことを考え合せて参りますと、その国に適合した公共企業体に持つて行くことが私としては一番いいのではないかと、率直に申し上げまして今のところ考えております。
#142
○川島(金)委員 これは党の意見ではなしに私個人の見解ですが、どうもパブリツク・コーポレシヨンという今の国鉄のあり方というものは、いわば今のお話のように、官と民との企業の中間を行つたような形、しかもこれは私の寡聞な見解ですが、国鉄の年来の歴史、日本の国情、国民性等々から行きまして、このパブリツク・コーポレーシヨンになつてもはや何年かになりますけれども、それに携わつておる者も、この公共企業体に対して消化し切れない、またそれを受取つておるところの国民の側においても、この国有鉄道というあり方を消化し切れない、未消化の状態である。はたして年月を経たならば、両方とも消化し切れる状態になるかどうか、これは私一個の見解でありますが疑問にいたしておるのでありまして、その疑問に対する解答としては、もつと民主的な姿に立ち返らなければならぬが、元にもとしてはどうかという感じが実はこのころいたしておるのであります。まだ具体的な結論を持つておるわけではありませんが、ひとつ当局においても、大いに衆知をしぼつて、この現状に対して厳重な反省を試みられるなり、研究をしてほしいと私は強く要望しておく次第でございます。
 そこでさらにまことに長くなつて恐縮ですが、もう二、三お尋ねをしたいと思います。これは先ほどの話と違つて歳出の方の問題でありますが、一般の国の公務員諸君の、手当は二箇月分計上されております。しかるにこれに反しまして国鉄の諸君に対する夏季、年末両手当を総計いたしまして一・七五という計上になつておる。こういうことはまことは不均衡きわまる話であり、ことに私一個の見解でありまするけれども、国鉄自身の現業の実態、実情から申し上げますならば、一般公務員よりはむしろ若干の上を行つてもさしつかえないのではないかとさえも考えておる一人でありますが、それにもかかわらず一般は二箇月分計上されておるにかかわらず、国鉄に限つて一・七五しか計上されておらないということの根拠は一体どういうところにあるか。また総裁はこれでよろしいとお考えになつておるかどうか、その点を承つておきたい。
#143
○長崎説明員 お答え申し上げます。給与につきましては、決して満足しておらぬということは先ほども申し上げた通りであります。給与改善はあくまでもやつて行かなくちやならぬと考えております。そこで年末、期末の手当の問題でございますが、お説の通り一般公務員は二箇月でございますが、三公社五現業は一・七五ということで〇・二五マイナスになつておるわけでございます。これは非常におかしいじやないかということ、でありますが、われわれとしては二・〇要求したわけでございますが、そういう結果に査定を受けたわけでございます。その理由をよく尋ねてみますと、三公社五現業においては、業績賞与というものをやり得るんじやないか。節約をするとか、あるいは増収をはかるということをすれば業績賞与をやり得る。そういうところに差異があるからそれでいいのじやないかというふうな見解のようでございますけれども、私どもは、これは最初からそういう差別をせずにやることの方がいいという気持はかえておりません。今後においてもそういうふうに努力をして参りたいと思います。
#144
○川島(金)委員 一体そういう話が私はおかしいと思う。一般の公務員が二箇月であれば三公社五現業も同様に二箇月、但しその現業の企業において努力したならば、努力の結果におけるところの余剰があれば、それをまた別な特別賞与で出すということでプラスされるということならば、それは理論上正しいと思う。またそれが常識上あたりまえだと思う。ところがあらかじめ企業努力に対する報奨というものを勘定の中に入れて、一方においては二箇月分を計上しておきながら、一方においては一・七五なんという、こんな非道理というものは私はちよつと受取れないものである。いわんや現業の諸君において納得のできないのは、もとより無理のない、あたりまえのことだと私は思うのであります。どうもこれは総裁の政治力のしからしむるところで、大いに総裁の緊褌一番を要するところであろうと思うけれども、こういう姿においてなおかつ現業の四十万の諸君に最大の努力を尽せと要求することは、要求する方が、重ねて言うようでありますけれども、無理だと私は考える。これはもはやここに計上された予算であり、われわれの議会において修正されぬ限りは、総裁としては今の段階ではいかんともしがたいのでろうと想像されますけれども、今後の何らかの方式によつてこの点の埋め合せができることはもちろん、さらに進んではその企業努力によつてプラス・アルフアを生み出させるのだという熱意と努力を懸命に傾けて行かれんことを強く私は希望しておきます。
  〔主査退席、岡田(五)主査代理着席〕
それでは時間が大分たちましたから、一般的な問題はその程度にいたしまして、最後に当面世上の問題になつておりますいわゆる汚職的な問題についてお尋ねいたします。その前にお尋ねいたしますが、私の記憶によりますと、昨年の三月現在日通が国鉄に当然納入すべき運賃代金が四十五億滞納されておつた。また昨年の八月現在において、交通公社が国鉄に納入すべき金の滞納が十一億あつたと私のメモにも記録されておるのでありますが、その後日通と交通公社の納入実績はどういうふうなことになつておりますか。わかつておりましたならば、ここに示してもらいたいと思います。
#145
○長崎説明員 私から概括的なことを申し上げます。日通等に滞納がありましたことやあるいは交通公社に滞納のありましたことはお説の通りであります。以後厳重な償還の計画等を立てておりまして、今日では、日通においては九〇%以上実行されておると思いますし、交通公社は契約通りの実行をいたしております。
#146
○川島(金)委員 日通がいかに大きな世帯でありましようとも五十億に上ろうとする滞納があり、また交通公社はそれほど大きな世帯でないもにかかわらず、その世帯に似合わない十億を越えるような滞納があつた。にもかかわらず昨年の鉄道会館問題等が起ると、たちまちにしてこの金が回収されて来た。回収されたこと自体はまことにけつこうではございますが、何か事が起つたとたんにこれだけの巨額な滞納がたちまちにして解消されたというところに、私は若干の疑問を国民とともに持たざるを得ない。そのようなことができるならば、何ゆえにもつと早くそういうことがなされていなかつたか。また当局としても何ゆえにそういうことを放置されておつたかという問題が起るわけでございます。この日通の早急なる解決といい、あるいは交通公社の早期な解決といい、解決したこと自体悪いとは言うわけではないが、簡単にこれだけの大きな額が解決したという事情はどういうことであるか、私はちよつと解せないものがあります。それは他から借りて来てこれを納めたものやら、あるいはまたあつたのであるけれども、それを他に浮貸ししておつてそれを早急に回収して来て納めたものであるか、いろいろ想像すれ切りがないのでありますが、その辺の事情は当局にはわかつておりますか。その点を伺つておきたいのであります。
#147
○石井説明員 日本通運の滞納という問題でございますが、これは昨年度あるいは本年度におきまして、納期までに収入をいたした額に対しまして滞納は若干ございます。しかしそれは納期後十五日間の猶予がございます。その十五日間の猶予期間にほとんど全部納まつておりまして、この十五日を過ぎてからの滞納というのは一昨年中から全然ございません。従つて急によくなつたというのではございませんで逐次よくなつて参つたのでありまして、昨年の十一月におきましては、この納期以後の猶予期間内の滞納もほとんどないというような程度に縮まつて参つたのでありまして、突然に金が出て参つたというようなわけではありません。それから交通公社の方でございますが、交通公社の方につきましても、急に解消したわけではございませんので、二十七年度の暮れあたりから逐次改善されて参りまして、私の方も納期の関係も逐次縮小いたしましてやつて参つたのでありまして、ようやく両会社の経営努力も漸次実を結んで参つてこういうふうな成績になつたと思います。何か納めないものを持つていてそれを急に納めたいというような状況ではないように私どもは見ておる次第でございます。
#148
○川島(金)委員 ことしになつて急に――私にとつては異様な話を聞くことになりますが、昨年国鉄会館問題が論議をされた当時には、日通に多額なる数字の、四十五億は確かであるかどうか、私は当分で調べたわけではありませんからわかりませんが、私にメモされたところによれば、日通において四十五億、交通公社において十一億の滞納、これは念のために決算委員会の諸君にも一応照合した数字でありまするが、決算委員の諸君におきましてもそうであつたということを記憶しておるらしいのであります。そこで私は聞いたのですが、それも水かけ論になりますからやめますが、それでは今日日通と交通公社の両社において、滞納とかなんとかいうことは別といたしまして、今日納むべき額で残つておる額というものはどのくらいあるのでございますか。それがわかつておりましたら知らしていただきたいと思います。
#149
○石井説明員 これは月によつて違いますが、大体日通の方は四十億から五十億というのが毎月納入すべき額であります。それはその通り納まつております。それから交通公社の方は、これも月によつて違いまするが七億から八億程度が毎月の売上高になります。この売上高を所定の納期までに徴収いたしておる次第でございます。
#150
○川島(金)委員 そこでその納入すべき期間中に余裕があります。その余裕の期間の間、日通と公社がそれぞれ当然払わなければならぬ金が、日通の手元にあるいは交通公社の手元にある場合があります。その期間のうちに平均どれくらいかかえておるか。その数字もわかつておると思いますが伺いたいと思います。
#151
○石井説明員 交通公社の場合は、今月発売いたしましたものを翌月の末日までに納めるということになつております。それから日通の方は、いわゆる今月日通が発送いたしました貨物の運賃を、同じく翌月の末日までに納めるということになつております。しかし交通公社の方は収入が上つて参りますのを特別の口座の方へ入れてもらつて、私の方で管理と申しますか見ておりますのでわかりますが、日通の方は各種の事業がございますし、運賃も後払いで荷主に後から徴収するというようなことになつておりまするので、私の方といたしましては日通にどれだけ金があるのかということは承知しておりません。交通公社の方につきましては、ただいまのところ大体一箇月で納期が参りますとその納期に相当する分が納められるという程度の状況であると承知いたしております。
#152
○川島(金)委員 今のお話によりますと、日通が一箇月平均四十億から四十五億、交通公社が七億ないし八億といいますが、これは前々月に上つた集計された金なんです。それで当月の金は月末になつても残額としてかかえておられる形になつておるわけです。そうすると日通と交通公社はそれぞれ逆算をいたしまして、概括ではありまするが、総計的には平均四十億から四十五億、日通は自分で残額をかかえることができる。また交通公社も七、八億は月に、いわゆる端的に申せば無利息でその金を使つておられるというかつこうになるのではないかと思いますが、そういうふうにはならないのですか。
#153
○石井説明員 その点は、翌月でございますから、結局六十日、すなわち月の初めに入りましたものは六十日でございますし、月の終りに入りましたものは三十日でありますから、平均いたしますと四十五日ぐらいということになります。交通公社の方は大部分が現収でございますから、確かにおつしやるようなことになります。しかし日通の方は、それは荷立が主になつておりまして、荷主から徴収いたしますのがおそらく翌月末までというような精算になつておるだろうと思います。日通の方には鉄道の運賃そのまま現金で保管されておるということはない、経済上の取引の実情からいいますと、そうではなかろうかと思います。
#154
○川島(金)委員 そこで私は、これは風説でありますから言いたくはないのでありますが、具体的な事実等も新聞には若干出ておりますが、日通といい交通公社といい、私は人の名前を知つておる程度で、両方の本社などに出入りしたことは一ぺんもございませんが、どうも国鉄に納める金をかかえておることができるので、その金を日通自身の穴埋めにするのか、交通公社自身のかせぎにするのかは知りませんけれども、日通も交通公社もこれを盛んにいろいろな方面に浮貸しではない、実貸しをしておる、こういうことがひんぴんとしていわれているわけであります。今度の猪股君を中心として起つた事柄も、どうもそれらの関連に日通もあり交通公社もあり、ことに交通公社の先般召喚を受けました問題も、やはりそういつたケースの問題が中心となつて召喚された、こういうことを聞いておるのでありますけれども、総裁はそういう点いくらかわかつているところがございますか。
#155
○長崎説明員 実は猪股君の場合その他は私の就任前のことなのでございますが、いろいろ聞いてますと、たとえば交通交社の問題などは、これはあなた御承知のように、米軍の占領政策の結果、交通公社の収入の大宗でありました国鉄からの手数料というものを国鉄が出す必要はないというおさばきがあつたそうでございます。そこで交通公社としては、収入の大宗を断たれましたので、従業員を数百人かかえておりますが、それをどうすることもでできない。何とかこれを食いつないで行かなければ、交通公社のいわゆる外客誘致の仕事あるいは国内の旅行あつせんの仕事、長い歴史を持つておるそういう仕事が壊滅してしまうというような状態に立ち至つたので、そこで、どういうふうにして資金を調達いたしましたか知りませんが、いろいろな仕事に手を出して、何とかして食いつないで行こうという努力、あがきの結果、それがそれじや成功してうまく行つたかというと成功しなかつた、損失を来したというのから端を発して、納金のようなものも遅れて行つたかのごとく私は聞いておるのであります。それから日通につきましても、当時やはり日通解体というような問題がありました。これはたいへんなことになるというので、いろいろあがきをしたというような事情も聞いております。しかし爾後交通公社の手数料につきましても漸次これが緩和でき、日通の解体の問題も緩和されまして、現状のようなことになつて残つておるというように私は聞いております。そうしたあがき、もがきの結果がやがていろいろな風説を生んだということではないかと私は想像いたすのであります。私は就任して以来はそういうことをときどき耳にいたすものでございますから、そういう風説を一掃するために延滞というようなものを制規の契約通りに直すようにぜひしてもらいたいということで、ここ二、三年かかりましてようやく整理がついたという形にあるように思います。
 なお先ほど来いろいろ質疑もございましたが、日通に関しましては、私の聞いているところでは、荷主さんそれ自体から運賃手数料というものもすでに掛売でやつておる。それでいよいよ国鉄に納めなければならぬという場合には、もらつてある手形を割引いてやつているのじやないかというふうに私は聞いております。現に運送界の専門の方々などに聞きましても、非常に困つたことは運送屋さんのサービス競争、六十日の手形払いあるいは九十日の手形払いというふうな後払い扱いでいろいろな便宜をはかろうとしている。これは困つたことだということを私は聞いておりますが、現在の情勢はたしてそのようだといたしますと、これは手形取引でやるということも川島さんよく御承知だと思います。これを一挙に改めるということもそこになかなか困難があるのじやないかと思いますが、何か方法がないものかということで一私どももいろいろ研究をいたしております。
#156
○川島(金)委員 そういう手形先払いの方法にも原因がいろいろあろうと思うのですが、しかし全般的にはそういうことはあまり当らないのじやないかと思う。日通などがそういう言い訳を言つているふしもあるのじやないかと私は見ておるのですが、問題は、この日通にいたしましても、交通公社にしても、浮貸しだとか、他の事業にむちやくちやに投資をするとか、貸付けをするとか、それがこげついたり何かして今の事態が起つておるわけで、交通公社なんかもその尤たるものではないかと私はにらんでおるのですが、一体そういうことになると、手数料の問題もさることながら、日通に対しても、交通公社に対しても、いわゆる納入期といいますか、猶予期間といいますか、期間が少し長過ぎるのではいか。長い期間があるからこそその金がいろいろ動かせるこういう形になるのじやないか。そうしてもつと期間を――これはむちやくちやに短くするということは実際上も理論上も妥当ではないのですけれども、今の契約の期間よりももつと短くしたらどうも経営が健全になり、納入にもきびしい考え方になる。交通公社においてもまたしかりだと思う。手数料の問題についてしんしやくしなければならぬ点があれば、理論的にも実際的にも妥当であれば、その手数料の問題は、かりに勘案してやるにしても、やはり納入の問題についてはある程度実際的な効果のある、しかも国鉄も収入の点において円滑に行くし、また日通や交通公社等におきましても、経営、経理の上においてできるだけ健全な姿にならざるを得ないという形にし向けて行くということも、これは一考を要する問題ではないかと私は痛感をしておるのですが、その点総裁はどう思いますか。
#157
○長崎説明員 まつたく同感でございます。私としましては、交通公社また日通の幹部に対しましては、おかげでようく契約のところまで来たが、今後は契約で認められておる期間をできるだけ短縮するよう努力してくれぬかということを、文書ではございませんが、口頭で申してはあります。幹部におかれましても、それはもつとも、だから、できるだけ短縮するように努力しようということを確約してくれております。これがどの程度までできますか、急激な変化はやはりなかなかむずかしいと思いますけれども、漸次短縮して妥当なところまで行くべきがほんとうじやないかと存じます。
#158
○川島(金)委員 国鉄をめぐるいろいろな外郭団体があつて――日通や交通公社に限らずいろいろと今世上の問題になつておるものもあるし、これからなろうとしておるものも正直に申せばあるらしい。そういうことが起りますと直接間接やはり国鉄最高責任者のあなたの問題にもかかつて来るということになるのでありまして、できたことはできたこととして大いに検察当局の剔抉を望むのでありまするけれども、今後しからばどうやつたならば、そういう国鉄自身もそれから外郭団体ももつと明朗にして健全なもの、そうして世間が納得できる姿になるかという問題について十分な――国鉄にとつては歴史的ないい機会であります。その歴史的な機会を誤つたならば、私は国鉄は国民からその信を失い、外郭団体といえどもその存在を断じて許されない、というはめになるのではないかということを私は若干懸念をしておるのであります。せつかく外郭団体についてはいろいろの議論があります。あります。が何はともあれ、その外郭団体の大部分は、長い間国鉄に勤めた人たちの老後あるいはその他の事情によつてあの仕事に携わつて、そうして生活が辛うじて守られておるという人の数も非常に多いという認識の上に立ちまするときに、そういつた外郭団体までも国鉄のあおりを食い、また外郭団体自身の不始末からいたしまして世上の指弾を受け、その存在が危ぶまれるような形に追い込まれて行くということは、お互いの非常に戒心を要する問題ではないかと思いますので、どうぞあなたはもちろん、当局が懸命にこの問題について取組んでいただき、そうしていかにこれを再建すればよろしいか、そうしていかにしたならば国鉄並びにその外郭団体が、往年のごとき国民の信をつなぐに足るだけの姿に盛り返すことができるかということについて取組んで、徹底的な真剣な検討をされんことを私は切に望むわけであります。
 それから最後に一つ伺つておきたいのでありまするが、鉄道会館の問題でございます。鉄道会館の問題は、いろいろと問題になりましたあげく、遂に前社長の加賀山、並びに専務の立花両氏は退陣のやむなきに至つて責任をとつたのでありますが、その後に松井さんが社長に就任されまして、立花君のあとにはしかるべき人も出たようでありますが、目下会館は急速度に進行中でありますが、その会館の前にでき上りました名店街、この名店街との関係において総裁は会社とどういう賃貸料の契約をされたか。それから今日名店街のあの部分に関する限りにおいての、いわゆる構内使用権料といいますか、その使用料がどのくらい上つておるか、その点についてわかつておる人があつたならば、数字的に明らかにしておいてもらいたい。
#159
○唐澤説明員 いわゆる名店街といいますか、あの部分の契約につきましては、従来の構内営業規則を適用いたしておるわけでございます。それでこれにつきましてまず実情を申し上げますと、高架上につきましては、面積が二千百五十八平米ございますが、この用地使用料、それから構内営業料と建物使用料をとつておるのでございますが、用地使用料の方は、坪当り評価額を十万円で見ておりますが、これは中央税務署の評価を基準にしております。これに対しまして使用料は千分の七十と計算しております。それから構内営業料は売上金の千分の十九と見ておりまして、これを前金でとることになつておりますので、この規定通りにしております。建物使用料につきましては、坪当り六万円と見まして使用料率を千分の七十というふうに計算しております。次に連絡上屋につきましてはやはり用地使用料の見積りと料率は同じく計算しております。構内営業料についても同様でございます。そういうことでございまして、従来の規定に従つて契約をし、それは全部前納でありまして、本年度は全部徴収しております。但し問題といたしましては、こういう評価がいいかどうかという問題と、こういう建前がいいかどうかという問題がいろいろ批判もございまして、これらは非常に複雑であり、またむずかしい問題でもございますので、民衆駅等委員会あるいは土地建物等評価委員会等を設けまして、そこのところでいろいろと研究していただいておりますので、その結論を持つて改訂すべきものは改訂したい、かように考えております。
#160
○川島(金)委員 それは一年どのくらい上るのですか。総額でいいです。
#161
○唐澤説明員 高架下の方につきましては金額が四百十九万六千円でございます。これは二十八年五月から二十九年三月まででございます。それから連絡上屋の下の方が二百六十六万七千円でございます。これが二十八年の二月から二十九年の三月分まででございます。構内営業料につきましては別々で恐縮ですが、高架下の方が百五十九万四千円で二十八年七月から九月まででございまして、下半期の分が六百九十四万四千円でございます。建物使用料の方は七十五万五千円でございまして、これは二十八年五月から二十九年三月までとなつております。以上でございます。
#162
○川島(金)委員 この大体の基準は、今度できます鉄道会館にも適用するという方針でありますか。鉄道会館についてはまた別途起算算定というものを違えるという方針でありますか、その点はいかがですか。
#163
○唐澤説明員 土地建物等評価委員会は東京及び大阪にあるわけでございますが、その付近のいろいろなケースいろいろな場所についての土地建物の評価をしてもらうことになつております。また民衆駅等委員会におきましては、こういういわゆる民衆駅というようなものについての経営はどういうふうにすべきか、また料金などをどういうふうにきめるべきかというようなことについて研究してもらつておりますので、もちろんそういう点につきましては、この鉄道会館につきましても適用いたしまして、改正すべきものは改正して行く、こういうふうなつもりでおります。
#164
○川島(金)委員 そこでついでに伺つておきますが、会館は最初地下並びに十一階という設計で設計されて世間に公表されたのですが、その後東京都との関係、建築法との関係で十一階というものは許可になつておらないというのが去年の実情でありましたが、その後許可になつたのやらあるいは許可にならずして、その設計が変更されて九階なら九階にされるという形にならざるを得ないことになつたのかどうか、その点お知りの方があつたならばこの際示していただきたい。
#165
○佐藤説明員 あの建物はまだ現在東京都の建築審査委員会の方を通つておりませんでして、現在ではやはり地上七階、地下二階ということで進んでおります。将来十二階まで持つて行きたいということはいまだにかわつておりません。なおこれは駅前広場との問題に関係しておることは御存じのことだと思います。そういうことになつております。
#166
○川島(金)委員 これはいずれ聞きますが、今の会館の横にまるでほつ立て小屋のような形でひそひそと片すみにかたまつているようなかつこうで建てられておりまする東京管理局、私は昨年の運輸委員会で、この会館の問題が出たときの一つの結論として、東京管理局をこの鉄道会館の一部に移す、そうしてあそこに新たなさら地をつくつてそれを土台としてまた鉄道が民主的な形において、だれもが納得のでき面形において、これを鉄道の増収をはかる一助に活用してはどうか。そしてそういうことになれば、問題になつておつた鉄道会館もそこに管理局の全部が移つたということだけで、あの建物自体に非常に大きな公共性というものが、そこに付加される、こういうことを私は強い意見として希望申し上げておつたのでありますが、最後に私は自分の身体の都合で欠席せざるを得ないことが一週間ばかり続きまして、その結論を大きく主張し、その実現方について努力をすることの機会を失して今日に至つてしまつたのでありますが、鉄道当局としては、あの東京管理局のあの厖大な敷地の上に乗つかつているあの建物は、実にもう何ともはや問題にならないのであります。執務するにしましてはもちろん、歩くにいたしましても廊下はぎしぎし音を立てる、そうして一ぺん火災でも起してごらんなさい、あの一帯はまるつきり火の海にあるということだけは明らかな事実であろうと思う。そこで東京管理局のあの貴重な東京のまん中の土一升金一升といわれておる敷地があるのですから、あれを何とか生かすかたがたその建物はあげてひとつ鉄道会館の社長と交渉をして、そして若干の使用料を払つて管理局がそこに移ることも一案ではないか、あるいはまた管理局のあとに何か大きな建物ができてそのあとにまた鉄道管理局が移つて、また会館には一切のものを返してもいいという方法もないわけではないのでありますが、何かそんなようなものをつくろうという考えは当局にはないかどうかを私は重ねてこの際聞いておきたいと思うのであります。
#167
○長崎説明員 御説の通り呉服橋のあそこにございます東京鉄道管理局の敷地を、もつと有効適切に利用したらどうかという話は、方々で聞くのでございます。またお話のようにあのような木造の、火災に対して非常に危険が多い建物であるということについても、かねがね言われておることでありますが、またわれわれとしてもよく考えねばならぬと思つております。そこでそれらについてのいろいろな構想を練つておるのでございますが、その一環としてお説のような考え方も私は大いに参考として考えてみたいと思います。
  〔岡田(五)主査代理退席、富田主査代理着席〕
#168
○川島(金)委員 これをもつて私の長時間にわたる質問を終り同僚諸君に迷惑をかけたことを心から謝するのでありますが、要するに私は国鉄の問題について、また運輸省を通じて先ほど来御質問申し上げました私の心底というものは、さだめし御推察をされておると思うのでありますが、何としても日本のこの困難な経済の中にあつて、鉄道の受持つ任務の重要性ということは、きわめて大きなものがあろうと思い、また私は幼少のころから先ほど申し上げましたように、ほんとうにこよなく国鉄を愛し、国鉄に期待するものを非常に持つておるものの一人であるのであります。しかるに私の期待と信頼を必ずしも今日までつないで来たとは申されず、かえつて一般の国民の期待と信頼を失うところがだんだん昨年あたりから多くなつて来たというこの現状は、私個人の立場からいいましても、国民全体の立場からいいましても、実に嘆かわしききわみであると痛切に感じておる次第であります。この二十九年度の予算などを見て参りましても、経済をつくるために何か継ぎ合せてつくつたというような感じがあり、日本経済再建の大通を進んでいる国鉄の健全なはつらつたる姿の上に立つた予算だとは、何人もおせじにも言えないというようなありさまだと、私は極言してはばからぬ一人であります。従一つて二十九年度の運営、また国鉄の経営は実に困難を伴うものであろうと思いますが、この困難を克服しつつ最も大切な国鉄の威信、国鉄の信頼をいかにして挽回するかということに、全身と全力と全責任をあげて、当局並びに全従業員も一体となつてかかるべきではないかということを私は痛切に感じますので、そのことを最後に強く申し上げまして私の質問を終る次第であります。
#169
○井手委員 関連してちよつとお尋ねしておきたいと思います。ただいま川島委員の質問に対しまして、交通公社の滞納が清算されたという非常に耳寄りな話を承つて、安心いたしました。事実数億円、一時は十億円といわれた滞納が全部解決されたか、念のために承つておきたいと思います。
#170
○石井説明員 全部完了いたしました。
#171
○井手委員 長い間滞納になつておりましたが、日歩十銭といわれた滞納利子も全部解決を見ておりますか。その点と同時に金額も承つておきたいと思います。
#172
○石井説明員 延滞償金につきましては、二十五年の十月分から本庁で一括して計算いたしております。それ以前のものは地方局でやつておりますのでわかりません。本庁で一括清算をいたすことになりましてから、二十五年度におきましては、十二百三十八万円、二十六年度におきまして六百二十二万円、合せまして千八百六十万円徴収いたしております。
#173
○井手委員 少し数字が少な過ぎるような感じがいたします。一時は十億円といわれ、ロマンスという雑誌ですか、あれに数億円浮貸ししたということも聞いております。ずつと長い間滞納があることは事実でございまして、何か途中でいろいろなことも聞いてはおりますけれども、その日歩十銭の滞納利子は莫大な金額に上ると考えております。東京鉄道管理局の何だか利子を負けた分だけでも二億円にも上るような話も聞いておりますが、その辺の事情はどうなんですか。
#174
○石井説明員 これは先ほどお話がございましたように、十億円というような数字はおそらく当月の売上分と延納分と合せました数字ではなかろうかと思つております。従いまして当月の売上分につきましては、所定の納期が来るまでは延滞償金をとらないということにいたしております。なお私が申し上げましたのは、交通公社の納入代金の整理をいたしますために、お話がございましたように、東鉄収入分に対しまして納期延長のとりはからいをいたしております。その納期延長中のものにつきましては、延滞償金はとつておりませんで、その分はもし延滞償金をとつたとすれば、お話のように約一億七千万円くらいございます。
#175
○井手委員 その納期延期というのはどういう意味でございましようか。大阪あたりでは五箇月も延長しているような話もございますが、お尋ねいたします。
#176
○石井説明員 納期延期は、通常の場合は当月発売いたしまして翌月の末日までに納めるということにいたしております。東鉄収入分に限りまして一箇月あるいは二箇月、あるいは十五日、そのときの情勢によつて経理の改善とまつてその日数を縮めて参りまして、今日ではそういう特別の取扱いをいたしておりませんが、その途中におきましてはそういうふうに延ばしてございます。なお五箇月も延長ということは私伺いませんが、もし五箇月延納とすれば納期を過ぎました分につきましては延滞償金をとつておるわけでございます。
#177
○井手委員 その辺のことについていろいろ私も聞いたこともございますす、調べたこともございますが、もう時間もおそうございますし、ここに長らく問題になつておるものをまたむし返すようにくどくと申し上げたくはございません。せつかく整理完了の段階に至つておりますので、ひとつ世間から指摘されることのないように――先刻一千何百万円とかおつしやつたけれども、私はそんな数字では承知できません。ひとつ法規通りにきれいに整理してくださるように切にお願いいたしまして、私の関連質問を終ります。
    ―――――――――――――
#178
○富田主査代理 先日羽町君の電話架設に関する質疑につきましては、適当な機会に答弁を求めることになつておりましたが、この際政府より答弁を求めることにいたします。
#179
○飯塚政府委員 先般の羽田委員の御質問に対しまして、あの分科会におきまして大臣が直接お開きになり、大臣から直接説明申し上げるはずでございましたが、大臣はよんどころない用事がありますので、私がかわつて参りましたが、その問題に関して直接調査をいたしました担当局長から、まずこの問題について説明申し上げることにいたします。
#180
○吉澤説明員 お答えをいたします。実は先日羽田委員から御指摘の点につきまして、私ども現場へも参り、かつまた責任皆を厳重調査いたしました。当局といたしましてもまことに申訳ない次第でございますが、現場の責任者が手続を間違えておつたということがその原因でございました。さらに窓口におきます当務者の応待に、あるいは内容を十分親切に御説明をしなかつたというような点も、確かにその原因でございます。この機会に私どもといたしましては、現場の仕事が信頼あるように、確実に行くように今後さらに指導監督いたしますとともに、手続その他につきましても改善を加えたい、こう存じておる次第であります。なお昨日さつそく関係の局長たちを召集いたしまして、今後一般にこのような事故の起らないよう副総裁から厳重に指示している次第でございますから、何とぞ事情を御了承願いたいと思います。
#181
○羽田委員 ただいま吉澤局長から現場の実情をよく御調査になり、またただちに関係の幹部を集められて、今後かようなことのないように指示されたというお話を承つて、私は満足をいたすものであります。私がこの問題を取上げたのは、ただ単に私の関係する友人の問題ということでなくて、大局的に、ちようど自分が取扱つた友人の問題を通じまして、共体的に公社の窓あるいはまた公社の第一線のやり方について凝惑を持ち、こういうことであつては、国民の神経を扱う電電公社の扱い方としてまことに遺憾である。どうしてもこれはすみやかに改めていただいて、ただひとり東京ばかりでなく、九州の端までも、北海道の端までも、こういうことのないようにして、ほんとうに親切な電電公社としての業務の運営を願いたい。ことに最近はいろいろと下剋上の風もございますので、こういう下剋上の風を改めて、ほんとうに統制ある、上下の意思が一致し、連絡のある脈々たる一つの有機体として、血の通つた電電公社に育て上げていただきたいということから、私はこの問題を取上げたのであります。ただいまのお話によりまして、手続に間違いのあつたことを認められ、また取扱いの窓口においても遺憾の点を認められて、さつそく今後かかることのないようにと御指示をなさつたということでありますから、この点は非常に当局の誠意ある態度を了といたします。ただこれはひとり東京ばかりでなく、ほかの方面にもしかるべき方法をもちましてすみやかに伝達をせられて、かかる非難が国民の中にないように、利用者の中にないように、厳重に伝達をせられ、次の国会において、再び私がかようなことを言うことのないように、ひとつ特段の監督と同時に指導をせられまして、真に愛される公社として、真に民衆のための公社となつて業務の運営せられんことを切望いたしまして、私の言葉を終るのでありますが、どうかその点をくれぐれも厳重におやりいただきたいと存ずる次第であります。
#182
○飯塚政府委員 ただいまの羽田委員のお言葉は、われわれ監督の立場にある郵政といたしましても、そのことは電電公社に対しても厳重に伝えることといたしますし、われわれといたしましても、特に郵政とか電通とかいうものは家庭の延長のような仕事を受持つているものでありますから、この点は常にわれわれの考えている点でありまして、ただいまの御指示の通り、将来ともさらにやつて行きたいと考えております。
#183
○葉梨委員 私は過日来の本分科会における質疑応答の状況につきまして、少しく院の面目に関するきらいがあるような事態が起つておりますので、一言それについて発言しておきたいと思います。私はもう質問も終了したただいまになつてかようなことを申すのもいかがかと思つてよほど考えておつたのであります。しかし分科会ではお互いに思い切つたことを存分に、質問もし、答弁もしていただいて、そして国政の円満なる運行を期して行くためにということで、分科会は特に実際問題に触れるところの質疑が行われるのが慣例であることは御案内の通りであります。ところが先般私が川島委員の質問に関連しまして、道路問題について質疑をいたしました。土木局長に主として質疑をいたしたのでありますが、その結果運営動議としまして、通産、郵政、建設というような関係各省の皆さんでよく話し合つて、今後の道路行政について食い違いのないように、そしてりつぱな道路行政がやれるようにということで意見の一致を見まして、そうして建設省側の代表答弁もあり、運輸省側もこれに同意して承諾を得たということで、私ども了承したわけであります。ところがその日にすぐ言論機関の諸君が私のところへお見えになりまして、あなたは何かひどく意地の悪い質問をされたそうだが――私も言論機関出身でありまして、新聞社の社長を長くいたしておつたことは御承知の通りでありますから、友人も多いのでありますが、どんな意地の悪い質問をしたのですかといつて心配して聞き合せに来た人がありました。それはどういうところが言つたかはともかくとして、あの日の委員会が済むとすぐにそういうことが流された。これは要するに翌日動議に基いて委員会の初頭においてその問題を審議するという約束になつておつたので、あるいはそれを防ごうとしたためかどうかは知りませんが、政府委員あるいは説明員の諸君が議員の発言に対して――しかも私は乱暴な発言をやつた覚えはないつもりであります。この道路行政の実際の問題を、これでは困るということは野党の諸君も与党の諸君も一致した意見であつて、これは何とかしなければならないということであつた。それに対してあたかも牽制するがごとき流言を流すということは、議員の発言に対して抑制、制肘を加えるような結果になるのであります。あるいは感情的に自分に悪い場面もあるかもしれませんが、しかしそういうことはお慎しみがなくては、今後円満にやつて行けないのであります。これは分科会の決議にしていただくというつもりで私は申すわけではありません。そういうことはお互いの心がけとして慎しむべきじやなかろうか、こういうことで申し上げておるのであります。これは主査からもきようは運輸、郵政の方はいらつしやるけれども建設省の方はお見えになつていないが、この方にもよく連絡をとつていただいて、分科会の報告が終る前にこれについて適当に釈明を願うようにおとりはからいを願いたい。
 これは私ばかりの問題ではなかろうと思う。ことに野党の諸君は与党と違いまして存分に質問をされるのが建前であります。また与党はその貸間に対して妨害をしないで雅量をもつて聞くのが委員会における習わしであり、またお互いの徳義であります。こういうときに、幸いに与党の私であつたからよかつたようなものの、野党の諸君の質疑等に対してこれが行われたならば、紛糾することは目に見えております。この点について、今後の議事進行の都合もありますから、特に主査において御配慮あらんことを切望いたしまして、私の発言を終る次第であります。
#184
○富田主査代理 ただいま葉梨委員か、らの発言がございましたが、適当の方法によりまして――ただいま建設省の方はこの席におられませんけれども、十分にその御趣旨を伝えて、葉梨委員の御意見が実現するように努めたいと思います。
 他に御発言はございませんか。なければこれにて運輸省、郵政省及び建設省所管の予算各案に対する質疑は全部終了いたしました。
#185
○富田主査代理 この際お諮りいたします。昭和二十九年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算各案中、運輸省、郵政省及び建設省所管についての討論採決は、これを予算委員会に譲るべきものと決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○富田主査代理 御異議なしと認めます。よつてさよう決しました。
 これにて本分科会の議事は全部終了いたしました。分科員各位の御協力に厚く御礼申し上げます。
 これにて散会会いたします。
   午後四時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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