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1953/02/15 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 予算委員会 第11号
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1953/02/15 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 予算委員会 第11号

#1
第019回国会 予算委員会 第11号
昭和二十九年二月十五日(月曜日)
    午後一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 倉石 忠雄君
   理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君
   理事 西村 久之君 理事 森 幸太郎君
   理事 川崎 秀二君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 今澄  勇君
      相川 勝六君    岡田 五郎君
      尾崎 末吉君    尾関 義一君
      小林 絹治君    迫水 久常君
      庄司 一郎君    高橋圓三郎君
      富田 健治君    灘尾 弘吉君
      羽田武嗣郎君    葉梨新五郎君
      原 健三郎君    福田 赳夫君
      船越  弘君    本間 俊一君
      山崎  巖君    山本 勝市君
      小山倉之助君    中村三之丞君
      伊藤 好道君    滝井 義高君
      松原喜之次君    武藤運十郎君
      横路 節雄君    稲富 稜人君
      小平  忠君    堤 ツルヨ君
      西村 榮一君    黒田 寿男君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 緒方 竹虎君
        法 務 大 臣 犬養  健君
        外 務 大 臣 岡崎 勝男君
       大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
        農 林 大 臣 保利  茂君
        通商産業大臣  愛知 揆一君
        運 輸 大 臣 石井光次郎君
        国 務 大 臣 大野 伴睦君
        国 務 大 臣 木村篤太郎君
        国 務 大 臣 塚田十一郎君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        長)      金丸 三郎君
        検     事
        (刑事局長)  井本 臺吉君
        大蔵事務官
        (主計局長)  森永貞一郎君
        農林事務官
        (大臣官房長) 渡部 伍良君
        運輸事務官
        (海運局長)  岡田 修一君
        運 輸 技 官
        (船舶局長)  甘利 昂一君
 委員以外の出席者
        専  門  員 小林幾次郎君
        専  門  員 岡山 芳造君
        専  門  員 小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十九年度一般会計予算
 昭和二十九年度特別会計予算
 昭和二十九年度政府関係機関予算
    ―――――――――――――
#2
○倉石委員長 これより会議を開きます。昭和二十九年度一般会計予算外二案を一括議題といたします。質疑を継続いたします。横路節雄君。
#3
○横路委員 私は最初に緒方副総理にお尋ねをいたしたいのですが、第十八臨時国会におきまして、吉田総理は予算の増額修正権やまた予算の増額を伴う議員立法は何とか抑制する方法を講じたい、こういうふうに言つておられます。また第十九回本国会の予算委員会におきましても、吉田総理や緒方副総理御自身が同僚議員の質問に答えて同様趣旨の答弁をされております。また大蔵大臣は、本会議における財政演説や本予算委員会においては、予算の増額修正ついてはまるで政府みずからは関知していなかつたのである、これは国会の責任であるかのような答弁をされております。そこで私は緒方副総理にお尋ねをいたしたい点は、今国会におきましては予算の増額修正に政府は応ずる用意があるのかどうか。特に昭和二十九年度予算について、自由党内閣としては、第十六特別国会以来たどつて参りました三党協定という形の予算の増額修正に応ずる用意があるかどうか、その点。なお続いて、予算の増額修正を伴う議員立法または政府提案の法律案修正に伴つて増額をせられるものについては、さきの国会のように、これまた保守三党協定に応ずる用意があるのかどうか、この点をまず第一番目にお尋ねいたしたいと思います。
#4
○緒方国務大臣 お答えをいたします。予算の増額修正は政府といたしましては望ましくありません。但しこれは国会側の自省されるをまつ以外に道かありませんので、政府としてはそういうことのないように希望いたしております。今度の予算に増額修正がある場合、それをいれる用意があるかどうかという御意見でありまするが、そのことはまだ私ども全然承つておりませんし、今の政府の態度といたしましては、増額修正を望ましくない気持を持ちまして、その増額修正に応じたくない、かように考えております。
#5
○横路委員 ただいまの緒方副総理の御答弁は、予算の増額修正あるいは予算の増額を伴うような議員立法については、内閣としては望ましくない、こういうお話でございますが、従来の経緯を見ますと、政府のそういう方針に反しまして、政府委員みずからが、予算の増額修正、あるいは政府提案の法律案に関して、議員の修正によつて予算を増額するような働きかけをしているような事例を私は幾多見るのでございます。こういうような、内閣の方針に反して、政府委員みずから予算の増額修正や、政府提案の決律案に関して、議員の修正によつて予算の増額を伴うようなことについて行動した者に対しましては、内閣としては当然行政上の措置をとるべきであると私は考えておるのでございますが、この点に対しまして緒方副総理はどうお考えになつておりますか、お尋ねをいたします。
#6
○緒方国務大臣 今お話になりました具体的の事例を知りませんが、過去のことをさかのぼつて今どうしようという考えはございません。現在あるいは将来にわたりまして、政府委員が予算の増額修正を希望して、政党、国会に働きかけておるということがありますれば、これは戒飭いたします。
#7
○横路委員 緒方副総理にお尋ねしたい点は、小笠原大蔵大臣は、たびたび今度の国会におきまして、本会議におきましても、あるいは本予算委員会におきましても、何か、予算の増額修正は政府がやつたのでないのだ、それは国会がやつたのだ、お前たちの責任だというような印象を受ける言葉を、非常に強く吐かれているのであります。その点で私は、政府が従前とも、予算の増額修正に対しては終始好ましくないという方針であるならば、そういう方針に反して行動をとられた政府委員がおるとするならば、当然政府としては行政上の処置をすべきであると思うのですが、ただいま緒方副総理のお話だと、従前のことはさしつかえございません。これからやるものについてよく取調べて行きましようということで、私は従前そういうことがあつても、それは放任するのだという印象を受けるのでありますが、そういうことで間違いございませんでしようか。
#8
○緒方国務大臣 放任という言葉は少しかどが立ちますが、過去にさかのぼつてそれを戒飭するというようなことを考えておりません。
#9
○横路委員 それでは私は、具体的な事例を緒方副総理に申し上げます。第六特別国会におきまして、政府提案の法律案中最も大きく修正せられ、それに伴つて予算の増額を余儀なくせられ、予算の修正をせられたものは、御承知のように、外航船の利子補給法の一部でございます。御承知のように、当初利子補給を七分五厘として、債務負担行為十三億でございましたものが、三分五厘になつた。しかも二十八年三月一日以降の契約にかかわるものが、三党共同修正によつて二十五年十一月一日以降にさかのぼつたために、この債務負担行為は、市中融資が百六十七億、財政融資が八十五億、計二百五十二億で、約二百四十億の国の負担増になつたのでございます。これは保守三党の共同修正でございます。行政官庁としてこの二百四十億にわたる厖大な予算の修正が――国会の審議を通して見て、一体当面の責任者である石井運輸大臣――この衆議院の運輸委員会においてどういうふうになつているかという経過を調べてみますと、こうなつております。二十八年七月七日の衆議院の運輸委員会に政府より法律案が提案され、石井運輸大臣は、七分五厘、二十八年三月以降で政府提案をやつているのであります。ところが七月の二十五日になりまして、三党の共同修正が出、わが党の松原委員の質問に答えてこう言つているのです。石井運輸大臣は、解散等がありましたので、私どもとしてはとりあえずこれを出しましたが、同時に行政上の措置としてやられるものはそれでやる。一方法律上の問題も、改正を要するものは、そのうちにどんな形かでやつていただくようなものを出したいと思つておるうちに、修正案が提案された。こういう問題が起きたので、拝見いたしますとたいへんよいので、私はこれに賛成したのです、とこう言つている。七月七日に政府が提案しておいて、しこうして七月二十五日になると運輸大臣は、私はもともとこういうことを考えていた。三党の共同修正案を拝見するとまことにけつこうだから、政府はこれに同調します。こういうことは、内閣みずからが予算の増額修正については思わしくないということを言つておりながら、政府みずからがその方針を打破つていることになるではございませんか。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)その点について緒方副総理はどうお考えになりますか、御答弁をいただきたいのでございます。
#10
○緒方国務大臣 その間の事情を私は直接存じておりませんが、それは国会におきまして各党の間に意見がまとまつたことであろうと考えます。それに対しまして、運輸大臣が運輸大臣としての意見を述べたことと考えます。
#11
○横路委員 私は緒方副総理に重ねてお尋ねをします。予算の増額は昨年たびたび行われましたが、これは全部吉田自由党内閣の多数派工作による保守三党の増額修正なんです。大蔵大臣は本委員会で私たちの方を向いて、予算の増額修正は国会の君たちがやつたのだ。――政府の責任ではないかのような印象を受けることは、私ははなはだ思わしくないことだと思うのです。特に私は緒方副総理にもう一つお聞きしたいのですが、この七月の二十五日に、運輸省の海運局長の岡田修一君は、衆議院の運輸委員会において、なくなられました社会党の熊木委員の質問に対して、こういうことを言つている。熊本委員はこう聞いている七分五厘を三分五厘に、二十八年三月一日を二十五年十一月に遡及したことはどうもおかしい。こういう言葉で表現しております。なさなければならないものをなされずして提案したのか、これは一体どういうような理由から遡及するような修正案に政府は賛成したのかお尋ねしたいという言葉に対して、岡田海運局長はこう言つている。この点につきましては、午前中も大臣が答弁いたしましたように、運輸省としてもこういう必要性を痛感しておつたわけですが、これを提案するチヤンスを見ておつたのであります、とこう言つている。ところがたまたま同様の考えをもつて三党共同修正が起きたので、これ幸いとばかり提案した、とこう言つている。どうですか、どれを提案するチヤンスを見ておつたのだ。これではいかにも岡田海運局長は、長い間いろいろな関係において、私はこの七分五厘を三分五厘に――あとで申し上げますが、昭和二十八年三月一日以降の請負契約にかかわるものを二十五年十一月一日に遡及したということは、明らかに三党共同修正でなしに、岡田海運局長がその背後にあつてどういう働きをしたかということがこの表現を見ても明らかである。これは運輸委員会じ会議録ですよ。私はこういう人々に関しては――緒方副総理がたびたび言うように、国会の予算増額修正権については抑制したいどころではなしに、政府の方針に反するこういう政府委員については、当然私は行政上の措置をとつてしかるべきだと思うのであります。具体的事例ですが、この点どういうようにお考えになるか、御答弁を願いたいと思います。
#12
○緒方国務大臣 今お読み上げになりました岡田政府委員の答弁は、少し口数が多いように思うのでございますが、しかし事のいきさつは、私先ほど申し上げたことと違いはないと思つております。
#13
○横路委員 緒方副総理にお尋ねしますが、これは口数が多いというのではないのです。私は政府の委員として、いわゆる予算の増額修正に反対だ、国会のそういうものについてさえ抑制したいというのに、政府委員みずからが提案するチャンスを見ておつたなんというのは、口数が多いのじやないのです。政府の方針に反するものである。こういうことを平気でやらしておいて、そうして国会に予算の増額修正の責任を負わせるということは、まことに私は不届きだと思うのであります。
 次に、私は緒方副総理にお尋ねいたしますが、現在各種議員連盟が非常に多いのであります。しかもただいま問題になつております外航船舶利子補給法のように、海運造船議員連盟が大きく役割を果しているのではないかと世間でいわれているときに、私はこの問題についてちよつとお聞きしたいのであります。それは十五特別国会の解散直前の三月十三日、外航船舶建造融資利子補給法の一部を改正しまして、損失補償法をそれに含めての提案の際に、三月十三日運輸委員会において、自由党の元運輸政務次官關谷勝利君はこう言つて質問をしているのであります。本法律案につきましては「すでに長らく海運議員連盟等におきまして審議し尽されておりますので、多くの質問は差控えたと存じます。その中で一、二点だけ御質問を申し上げておきたいと存じます。」こう言つている。どうも私はこれは不可解だと思う。法案をすでに海運造船議員連盟で審議した、審議し尽しているから国会においては一、二の点でとどめたいと言つている。何だかこれを見ると、政府はあらかじめ海運造船議員連盟の諸君にこういう法案を出すのはどうか、こういつて十分審議してから出したような印象を受けるのでございますが、そういうような事実がございましたかどうか、その点が一点。あわせて緒方副総理としてはこういう各種の議員連盟というものに対してどういうようなお考えをお持ちになつているのか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
#14
○緒方国務大臣 第一のそういう話があつたかどうかの事実を私は詳しく存じておりません。それから第二点のこういうものに対してどう思うか。私はそういう議員連盟というものが問題を平生よく検討し、それと政府当局との間に意思の疎通をすることは一向さしつかえないと思います。その法律の提案につきまして、政府としては政府の立場において十分に正しく検討して結論を出すべきものであると考えております。
#15
○横路委員 私はもちろんこういう議員連盟については、国会みずからの問題として解決すべきだと思つているのであります。ただ私はたまたま三月十三日の運輸委員会における關谷君の質問中に、そういう内容が冒頭にございました。従つて国会の審議権を私は無視するかのような印象を受けましたのでお尋ねをしたのであります。なお海運造船議員連盟につきましては、各党ともそれぞれ入つているのでございますけれども、この中には今申し上げました関谷君のほかに、当時の参議院議員で前の通産大臣でございました横尾氏であるとか、あるいは当時の厚生大臣で参議院議員の山縣勝見氏であるとか、あるいは海運関係に非常に関係の深い改進党の川本君であるとか、岡田君であるとか、こういう人々が海運造船議員連盟にお入りになられておるのでありまして、そういうところで十分審議されておりましたので、私はその点をお尋ねしたのであります。
 次に私は緒方副総理にお尋ねしたい点は、閣僚にして政府と請負契約を結ぶ会社、または政府が提出した法案または予算等によつて直接利益を得る会社の役員をしている者は、私は役員を辞職するか大臣をおやめになるか、どちらかが当然だと思うのでございますが、この点に対する緒方副総理のお考えはどうでございましよう。
#16
○緒方国務大臣 これは直接今おあげになつたような監督関係のない政府の位地におるものにつきましては、総理大臣の許可があればできることになつております。これは私は戦争前にはなかつたように思いますけれども、戦争後そういう内規になつておるように感じますが、私その点は法規のよるところははつきりは存じておりません。必要があれば法制局長官から申し上げます。
#17
○横路委員 私は緒方副総理にお尋ねしたいのですが、そういう措置につきましては、今後いろいろ国民の疑惑の念を払うためにも、法律によつて閣僚が国との請負契約を結ぶ会社の役員などということについては、当然禁止すべきものだと思う。同時に国会議員にいたしましても、同様に政府と請負契約を結ぶ会社の役員についても、私は当然これは立法措置によつて禁止すべきものだと思いますが、この点に対するお考えはどうでございますか。
#18
○緒方国務大臣 よく研究してみます。
#19
○横路委員 次に、私は小笠原大蔵大臣にお尋ねいたしますが、小笠原大蔵大臣は、先般の決算委員会においでになられ、そうして二月十一日新聞等によりますと、太平洋海運株式会社の取締役社長を今回辞任されたそうでございますが、私は新聞で拝見いたしたものでございます。何か理由がございましたならば、おさしつかえなければお聞かせをいただきたい。またそういう御心境等につきましてもおさしつかえなければここでお聞かせをいただきたいと思うのでございます。
#20
○小笠原国務大臣 私は昭和二十七年十月第四次吉田内閣の閣僚となつたときに、二つ会社の関係をしておつたのであります。一つは海洋捕鯨株式会社の社長、一つは太平洋海運株式会社の取締役社長でありましたが、農林大臣になつたので、直接の官庁であるから海洋捕鯨株式会社は即日辞職いたしました。しかし太平洋海運株式会社は何ら関係がございませんので、これは今のように正式に手続を経まして、特に承認を得てそのまま残つておつたのであります。しかしだんだんと造船その他のことが行われるにつれて、どうも自分が関係しておることが多少どうかと思われたので、昨年九月渡米するときに、私は社長の方は辞職して行つたんであります。ただ取締役として残つておつたわけであります。しかしこの間もアメリカ等では株を持つてどうこうというようなお話もありましたので、かりそめにも国務大臣が疑いのことがあつてはいかぬというので――もつとも辞職することはとつくにきめておつたのでありまして、二月十一日に一切の手続をした次第であります。
#21
○横路委員 私は今小笠原大蔵大臣の御答弁を聞きまして非常にごりつぱであると考えるのであります。と申し上げますのは、太平洋海運はいわゆる三党の共同修正によりまして、いわゆる昭和二十八年三月一日から以降の請負契約が昭和二十五年十二月一日の請負契約にかわりましたために、この太平洋海運は八次のタンカーの宝和につきましては、契約高十五億五千万円がいわゆる今回の利子補給の対象になつたのであります。この点につきましては、もちろんこれは市中の八割、開銀の二割等もございましようけれども、大体これは推算いたしまして、約五千万ないし六千万程度の、年間のいわゆる国の三党共同修正による利子補給を受けるのでございます。そういう意味で私は小笠原大蔵大臣が、今回大蔵大臣として政治家としての道義的な責任上おやめになつたことについては、まことに敬意を表するものでございます。つきまして私は緒方副総理にお尋ねをいたしますが、新日本海運取締役は北海道開発長官の大野伴睦氏、なお監査役は自由党の有田二郎氏でありますが、これは七次の貨物船第三満鉄丸で造船所播摩、契約高は六億一千五百万、第五満鉄丸造船所は佐野安、契約高七億一千万、合計十三億二千五百万、これを開銀並びに市銀の利子負担は総額にいたしまして五千三百万――あとで聞きますが、七分五厘を開銀が五分に下げた。二分五厘の計算といたしますと、六千九百五十六万二千五百円がこの利子補給法によつて適用を受けるのでございます。私はこの点小笠原大蔵大臣が道義的な責任をおとりになりましたように――これはもちろん個人のことでございましようけれども、しかし内閣自体としては、ただ単に大蔵大臣が道義的な責任をおとりになつたばかりでなしに、国務大臣で北海道開発長官である大野さんも同様な道義的な責任をおとりになるのが私は至当ではないかと思うのでございますが、きようは吉田総理がいらつしやいませんから緒方副総理から一体どういうふうにお考えになつておるのか、私はこの点について大蔵大臣の非常にごりつぱな道義的な責任という問題とあわせてお尋ねをいたしたいと思うのでございます。
#22
○緒方国務大臣 今までの慣例からは、その大臣の主掌が直接監督の仕事でない場合には、総理大臣が許可を与えておるのでありますが、大野国務大臣の場合は最近に取締役を辞職したそうであります。
#23
○横路委員 緒方副総理に私は重ねてお尋ねをいたしますが、実は今度の二十九年度の予算編成にあたつて、何か厚生予算との関係とかとうわさされておりますが、厚生大臣の山形さんはおやめになりましたが、この山縣さんが関係している新日本汽船は、同様この三党の共同修正によりまして、六次、七次、八次、合計五隻、合計四十三億七千万円、利子補給は開銀五割、市銀五割という計算によりまして一億七千四百八十万円、開銀の二分五厘の負担を加えますれば、実に二億二千九百万円の利子補給を年間において受けることになるのでございます。明治海運は御承知のように会長は内田さんで前の農林大臣でございます。これは六次の貨物船明徳丸、八次の貨物船明泰丸、これが二十億六千万円、この利子補給が八千二百四十万円、二分五厘を加えまして約一億でございます。さらに協立汽船は前の大蔵大臣の向井さんが監査役で、六次の貨物船、七次の貨物船の合計が十八億九千五百万円、この利子補給が七千五百八十万円と概算になり、開銀の二分五厘を加えますと、九千九百万円、約一億の負担となるのであります。もちろん現在の閣僚ではございませんが、事実この当時昭和二十五年十二月一日から二十八年三月一日までの期間は閣僚としての地位におられたのでございまして、その間の利子補給が今のように受けられるということにつきましては、緒方副総理はやはり内閣の責任者としてどういうようにお考えでございましようか、この点についてお尋ねをいたします。
#24
○緒方国務大臣 今お述べになりました中に、私も今朝どこかの新聞を見たのでありますが、非常に国会関係の人が多いということを考えたわけであります。それ以外には特にかつて大臣をしておつたからどうということにつきまして、特別の感想は持つておりません。
#25
○横路委員 この点については緒方副総理に私は申し上げておきますが、少くとも閣僚の地位にあり、少くとも目合議員の地位にある人が、政府の提案して参りました予算に対して増額修正をし、政府が提案して参りました法律案に対して一部修正を加えまして、それによつて政府が考えていなかつたような利益を、みずからの修正、みずからの改正によつて得るということについては、私はただ単に閣僚という立場ばかりでなしに、国会議員という立場においてこれは当然考えなければならない段階だと思うのでございます。この点について、私は緒方副総理がけさどこかの新聞で見たようだ、見たのです、そういう気持しか、あとは何もございませんというのでは、今国民が国会に対していろいろな疑惑の目を持ち、いわゆる政党に対し、政治家に対してややもすると不信の念を抱くような、そういう今日の段階におきましては、その程度の答弁では国民を納得させることができないと考えるのであります。次に、私は小笠原大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、今度提案されて参りました昭和二十九年度の予算の中のこの外航船舶建造貸金貸付利子補給、その内訳を見ますと、前に開銀の利子補給が組んでございましたのに、今度は開銀の利子は一銭も組んでないわけでございます。この点につきましては、御承知のように、市中融資につきましては既往分が三十五億七千五百十五万、新規が五千四百十四万、合計三十六億二千九百二十九万、新規分に対する負担行為が二十億九千九百二十万一千円となつて、開銀の利子補給については一銭も計上されていないのでございますが、開銀については今回は利子補給はおとりやめになつたのか、その点についてお尋ねをいたします。
#26
○小笠原国務大臣 開銀に対する利子補給はとりやめました。
#27
○横路委員 私は石井運輸大臣にお尋ねいたしますが、一月十五日の日本経済の新聞によりますと、あなたは十四日の閣議が終りましてから記者団との会見において、こう言つているのであります。「開銀融資分の利子補給が削減されれば現行年三分五厘の海運向け開銀利子は五分となり、海運業の利子負担は年間十億円もふえて影響するところが大きいので、その復活を強く要請しているが、党との話合いにより直接予算措置を講ぜずに、開銀内部の操作で年三分五厘の現行金利の線を維持できる見通しがついた」こう言つているのであります。この点につきましては、あなたは運輸大臣として、開銀の内部操作で三分五厘が維持できると言つておるが、どういう内部操作をおやりになるのか、その点についてお尋ねいたします。
#28
○石井国務大臣 お答えします。開銀では今度自分の利子を六分五厘まで外航船に対して下げるわけであります。ところが実際の海運界の状況を見ますと、本年度の予算できめられました通り三分五厘の線は守つてやらなければ競争に耐え得ない状態であるということは、一向かわりないのであります。逆に悪くなりつつあるのでございますから、その間の金を何とかしなければならないということなのであります。政府としては補助は出せないということでありますので、六分五厘と三分五厘の差の三分は開銀が利子の支払いを延期して待つ、実質上においては三分五厘だけ毎年支払う、そして経営状態がよくなつてくれば、平たい言葉で言えば、利子の延払いでありますが、海運の状況がよくなつて、計算上いい線か出て参りましたときにその分を出す、要するに延期という形であります。
#29
○横路委員 小笠原大蔵大臣にお尋ねしますが、私は今の石井運輸対人のお話を聞いておりまして、当然政府みずからが開銀の利子補給をやらなければならないのに、大蔵大臣がたびたびおつしやつているように、どうも一兆以内の予算でないと、言葉がうまくない、だから九千九百九十五億に押えたんだ……。今石井運輸大臣のお話によると、私は一分五厘かと思つたら、そうでない、三分も利子補給を延期している。そうしてこれは適当なときに払つてよろしいと言つておる。まことにけつこうな話だ。一体なぜ一分五厘については利子補給をやらないのか。開銀につきましても、私どもの手元に昭和二十九年度政府関係機関予算となつて、来ている、この中に明らかにいわゆる収支損益については予定表として出ておる。三分についてあなたが利子の延期をすれば、その点だけ当然この政府関係機関予算の中における貸付利子は下つて来る。この点は一体どうなんですか。
 それからなお重ねてお聞きしますが、いわゆる開銀の三分の利子延期に伴う金額は年間幾らになりますか、その点お尋ねします。
#30
○小笠原国務大臣 金額のことはあとから御説明します。実はこの六分五厘のうち――開銀の海運会社に対する貸出しは六分五厘ときまつておるのです。二十九年二月から六分五厘となつておりますが、現実にとるのは、三分五厘しか現在の状況ではとれないので、三分五厘とつておるのであつて、三分は延納を認めておるのです。こういうことになつておるのでありますから、開銀としては六分五厘の利子補給の計算になつておるが延納を三分認めておる。なお一兆の予算の見せかけのために一分五厘をやめるのか、これは全然そういう考えではございません。
#31
○横路委員 私は石井運輸大臣にお尋ねしますが、あなたはいわゆる経理上よくなれば返す、当然その裏は経理上よくならなければ返さないことになる。それでは経理上よくなれば返すという基準は何でとりきめをしておるのか、開銀がそれぞれの船会社との間にどういうとりきめで、どういう程度に経理上よくなれば返すのか、どういうふうに経理上よくならなければ返さないのか、この点については外航船の利子補給法の中で、明らかに法律で言うておる。どういう措置をおやりになつたのか。
 なをそういう措置をなさいました要綱と、それぞれ船会社に渡しているものがあるのでございましようから、私たちの全員に対してすみやかに出していただきたいということが第一点。もう一ついわゆる利子が延期になつた三分の年間の総額は幾らになるか。私は大蔵大臣ではないから知りませんなどということは、私はここでは言つてもらいたくないのであります。三分について幾らになつておるか、当然運輸大臣としてお知りになつていなければなりませんので、その点をお尋ねします。
#32
○石井国務大臣 お答えします。どういうふうな支払いの方法をやるかといいますと、それは今申しましたように、経営の状態がよくなるまで延期してやるのが根本でありますが、その金額、その場合はどういう場合だというこまかい問題について、今大蔵省と開銀と話し中でございます。
#33
○横路委員 私ははなはだおかしいと思う。この前の予算にはいわゆる開銀の利子は七分五厘として計上してあつた。今度はこれを落して率いて――今の石井運輸大臣のお話だと、とりきめていないのだ、開銀と船会社との間に適当な措置をしたい、金額は幾らになるか、運輸省と大蔵省の間で相談したいと言う。そういうことだつたら一体二十九年度の一般会計予算並びに二十九年度特別会計予算、それから私どもの手元に出して参りました二十九年度政府関係機関予算の中の、いわゆる損益の予定表は一体どうなるのですか。そういうことについて全然相談しないで出されたというのですか、もう一ぺんこれだけ御答弁していただきたい。
#34
○石井国務大臣 お答えします。予算で出ておりますそこの数学には、開銀に対しては今度は利子補給がないのでございますから、当然そこには出ておりません。実際上の扱いといたしまして、今の海運界としては三分五厘かそのくらいしか払えない状態であるということを前提として、今申したような措置の話が進んで、大体了承されておるのでありますが、扱い方等につきましてこまかく打合するのは当然だと思います。
#35
○横路委員 運輸大臣にお尋ねしたいのです。これは重大な問題です。三分の総額は幾らになりますか。運輸大臣は全然お知りにならないのですか。
#36
○岡田(修)政府委員 六分五厘と三分五厘の差三分に相当する全額は約二十一億です。
#37
○横路委員 大蔵大臣、どうですか。今海運局長からお話があつたように六分五厘と三分五厘との差三分についての総額は二十一億だ、一体九千九百九十五億に二十一億を足したらどういうことになるでしようか。一兆十六億くらいになるじやありませんか。一兆億予算というのはどうもふに落ちないのです。なおこの点については開発銀行からそれぞれの船会社に対して、六分五厘にしたためにそれに伴う契約がしてあると思うが、それがしていないようだ。利益があつたらする、利益がなかつたらしない、その利益というのはどうなつているか。外航船の利子補給法では明らかに年間の利益については、これこれのものを越えない場合においてはとらないといつておる。その点について明らかに示されない限り、一体どうしてこの予算の審議ができますか。明らかに日本開発銀行予算があるではございませんか。そういう点はぜひ委員長から早急に明日詳細なものを出させていただきたい。時間もないので、一々こまかい答弁をしてもらつても困るから出してもらいたい。
 次に大蔵大臣にお尋ねいたします。開発銀行の貸付利子を昨年の法案によりまして七分五厘を五分下げた。この五分下げたというのは一体どういう法的な根拠でおやりになつたのですか、どういう行政上の措置でおやりになつたのですか。開発銀行は、いわゆる一般については年間一割、外航船と電力については七分五厘ときまつている。それ五分に下げたいという法律の根拠は何でございましようか、お尋ねいたします。
#38
○小笠原国務大臣 利子補給法に基くものと思いますが、何条に該当するか、ちよつと調べて、あとで御返事いたします。
#39
○横路委員 大蔵大臣、これは非常に大事な問題ですよ。大蔵大臣は今法律にあると思うと言つたが、法律にはないですよ。法律にはただこう書いてある。開発銀行の利率五分と、いわゆる三分五厘との差額を国が利子補給をすると書いてある。七分五厘を五分に下げたその法的な根拠は一体何かと聞いておるのです。あの外航船の利子補給法にはございませんよ。
  〔「質問が悪いんだ」「黙れ」と呼ぶ者あり〕
#40
○倉石委員長 静粛に願います。
#41
○小笠原国務大臣 外航船舶建造融資利子補給及び敵失補償法第二十一条に基いてやつておる、こういうことであります。
#42
○横路委員 二十一条のどういう根拠でございますか。二十一条はただ五分と三分五厘の差を払うということだけなのです。七分五厘を五分に下げるということは、一体その法律の中にはうたつておりませんよ。その二分五厘についてはどういう法的な根拠かと私はお聞きしておるのです。−委員長どうもよくわからないようですから、この点についてもよく調べてもらつて、そうして明日大蔵大臣から重ねてよく答弁してもらうようにしていただきたい。またその書類も出してもらいたい。大事な問題を今のように法律にありますと答えたり、私から、ないと言われて、一々調べるようでは、とても時間がございませんから、ぜひ詳細に文書で出してもらいたい。委員長にお願いします。大蔵大臣、今の点はあとで文書で詳細に出してもらいます。
 次に大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、今度の外航船の利子補給につきましては、大臣も御承知のように、政府の処置は二十八年三月一日、それを三党の修正で貨物船については二十五年十二月一日、タンカーについては二十六年十二月一日とされ、さらにいわゆる市中融資のものについては、利子一割一分のものを六分下げて、五分にしたのであります。開銀については七分五厘を三分五厘に下げたのでございます。そこで大蔵大臣にお尋ねをしたいのは、このためのいわゆる国の債務負担行為は、先ほど申し上げましように、十三億五百万のものが全部でもつて約二百四十億以上の負担になるのでございますが、大蔵大臣としては、この際緊縮財政の建前から、しかも災害復旧等ついてもなかなか思うように行かない。また未開発地域の開発についても、今年は新規事業もできないというような現状からいたしまして、政府が原案として提案されましたときのように、外航船の利子補給について、政府が一部改正をいたしまして、再び二十八年三月一日以降契約のもの、またもしも利子負担するとしても、従前政府がお考えになられた通り、七分五厘ということに一部改正をして本国会に御提案なさることが、私は至当だと思うのでございますが、そういうお考えがおありでないかどうか、お尋ねをいたしたいのでございます。
#43
○小笠原国務大臣 私どもは日本における船舶の必要の事情、並びに船舶の国際関係の事情、そういうもの等によりして、現在のところやはり日本の船のみが金利の点等で、よそは靴をはいておるのに、高げたをはくというようなことは好ましくないと思いますから、やはりこの程度のことは、続けて行きたいと考えております。
#44
○横路委員 大蔵大臣は低物価政策、低物価政策というが、本来低物価政策のそれぞれの条件の中には、いわゆる低金利ということがあると思うのです。今大臣の言つたように外航船についての利子補給が、アメリカやイギリスと同様な、そういう金利等と比べてやるというのであるならば、日本の定期預金とか一般の預金についてイギリスやアメリカ並にお下げになつて、そうしておやりになるなら私はわかりますが、いわゆる市中融資等においての利子だけは下げないでおいて、そうしておやりになるということについて私は了解しません。しかし、きようはこのことを聞く余裕を持ちませんから、もう一ぺん私は大蔵大臣にお尋ねします。
 実はこの利子補給のためにどういうようになつたかというと、先ほど申し上げましたように、政府原案の十三億が市中融資と財政負担を入れて二百五十二億になり、さらに先ほど申し上げました開発銀行の七分五厘と五分との差を従前通り継続するものとすれば、この上にさらに百二十七億五千七百九万の負担になり、実に三百七九億五千七百九万となつて、政府の十三億との差は実に三百六十六億の負担増にあの修正はなつたのでございます。この点緒方副総理が国会の私たちに向つて、予算の増額修正、いわゆる予算の増額を伴う議員立法は、あたかも国会の責任であるかのごときことをおつしやるけれども、これは自由党が入つた吉田内閣みずからの責任じやございませんか。しかもこの対象になりました第六次から第八次までの年間の利子を私は一応計算いたしてみますと、第六次から第八次までの契約船価は九百九十三億三千四百万円でございます。これを第九次以降の開銀融資五割、市中融資五割とすれば、それぞれ四百九十六億七百万円になつておる。これに対する開銀の利子負担は私の過小見積りでも七億四千五百万円、市中分に対しては三十二億一千八百三十五万、合計三十九億七十三百三十五万、実に四十億の負担になり、その上に七分五厘と五分との差約八億九千三百四万円を入れれば五十億の負担増になるのでございます。この点私が申し上げましたように、政府みずからが昨年の七月の七日提案いたしましたようにもう一ぺん返す、今日の緊縮財政の建前から、また今日のそれぞれの国民の生活安定のためからいつて、政府が当初計画したこういうところに、もう一ぺんお返しになる気持があるかどうかお尋ねをいたしたいのであります。
#45
○小笠原国務大臣 横路さんの言われることはよくわかりますが、しかしいわゆる船舶がどういう外貨のかせぎをしておるか、こういうこと等をお考えになれば、今度の緊縮予算の目的はどこにあるか、予算を緊縮するということはこれは第一着手であつて、実は日本の国際収支を改善するにあるのだから、今日国際収支の大きな受取勘定の一つになつておるこの船舶のある程度の増強は必要であり、しかもこれは国際的に競争して参るものでありますから、国際情勢がかわらなければ、この程度のことは認めてやるべきであると私は考えております。
#46
○横路委員 私は大蔵大臣に重ねてお尋ね申し上げたい。私は二十八年三月一日以降に政府がおやりになるということについては、いろいろ考えてみてもいいと思う。しかし二十五年十二月一日にさかのぼつたことに対して聞いているのである。たとえば参議院の予算委員会等に配付された資料を見ましても、阪野海運は昭和二十五年の利益は二億七千九百万円、二十六年の利益が十五億二千万円、二十六年九月のいわゆる株主に対する配当は四割、二十七年三月の株主に対する配当は四割、二十七年九月の株主に対する配当は四割、この二十七年のいわゆる利益は十四億一千七百四十八万円。三菱海運は二十五年が五千万円、二十六年の利益は七千四百万円、二十六年九月の株主に対する配当は三割六分、二十七年三月の株主に対する配当は三割六分、二十七年九月は二割に下つております。合計五億六千六百万円。日東商船は二十五年の利益は五千六百万円、二十六年は三億四千七百万円、株主配当は三割五分、これに対して二十七年三月三割五分、二十七年九月三割五分、合計二十七年三億九十一百五十六万円でございます。私はこういうことを考えてみますと、政府が初めお考えになつた二十八年三月一日からやればいいのだ。こういうふうに二十六年、二十七年と莫大な利益を上げておるのに、そのときに手一ぱい交際費とかなんとかを使つておいて、金がなくなつたからあのときつくつた船に利子を補給してくれということは、一体このときの数字が許さないではありませんか。四割の配当、三割六分の配当――二十五年に二億七千九百万円であつた飯野海運が、二十六年には十五億もうかつておる。二十七年には十四億ももうかつておる。これで一体なぜもとにさかのぼつて利子補給をしなければならないのですか。この点について私はあなたにお尋ねをしたいのです。私は具体的な数字をあげてお話をしておるのです。
#47
○小笠原国務大臣 三党協定のときのいきさつをちよつと申し上げますと、その当時において、その船はその年度にできておるものでなくて遅れておるのである、従つてそれらの船は同じようにかせいでない不況に入つてからでき上つたものであるということでありまして、その利益はほかの方から出ているものであつて、それに基くものでないということが、この三党協定のときの趣旨であると私は了解しておるのであります。
#48
○横路委員 大蔵大臣、私がお尋ねしておるのは二十五年、二十六年、二十七年にそれだけ利益が上つた会社ならば、当然資本蓄積をして、そうしてその次の船の建造に充てるべきである。ところが大臣、ひとつこの海運会社の交際費をお調べになつてください。その当時の交際費は、その海運会社の俸給の全体よりも多い海運会社があるのでございます。こういう交際費を使つておいて、いまさら一体国に対してこの程度の利子補給をしてくれということは、私はどうも納得できないのであります。たとえば山下汽船にいたしましても、二十五年二億六千万円が二十六年には七億になつておる。三井船舶は、二十五年には二億三千七百万円の利益が十六億七千万円とはね上つておる。当然資本の蓄積をしなければならないではございませんか。この点について、私はもう一度お考えをいただきたいと思うのでございます。なお大蔵大臣、この問題については今国民に対していろいろと疑惑の念を打つておりますので、私はやはり一掃してしかるべきではないかと思うのです。ちよつと大蔵大臣に申し上げますが、たとえば名村汽船というのがございます。取締役は自由党の有田君ですが、これは八次の貨物で九億五千万入りまして、利子が三千八百万ぐらいの減になります。開銀の二分五厘を入れるとすれば四千九百八十七万ということになります。山下汽船にいたしましても約四十億二千七百万円で、利子負担が一億三千八十七万円、開銀の分を入れまして二億一千百四十一万ということになるのであります。また三光汽船は改進党の河本君が取締役社長でございますが、これも利子補給の一部修正によりまして十四億八千万円、この利子負担の集計を私どもがしてみれば五千九百二十万円、開銀の二分五厘を入れますと七千七百七十万円というように、当時あの外航船の利子補給について、あの予算の三党共同修正の提案者、しかも提案説明者、署名者等の中にそれぞれこういう利子の負担軽減を受けておるものがあるということは、私はやはり国民は納得しないのではないかと思うのであります。そういう意味で、国会に対する国民の不信の念をこの際一掃するためからいつても、私はやはり国会で修正をしていただきたいと思うのでおります。実は私は第六次から第八次までの、政府の方で利子補給の対象としておる船舶の一覧表を全部調べました。そうしてその契約船価を調べて、開銀が五割、市銀が五割という計算で私は全部この計算を完了したのであります。私は船会社について全部いたしました。こういう点について、当然私は大蔵大臣はお考えになるべきだと思うのでありますが、今の点などをお考え合せて考慮なさる余地がないかどうか、もう一ぺんお尋ねをいたします。
#49
○小笠原国務大臣 これは実は横路さん御承知の三党協定の上にできたものでございますので、従つて私どもとしても当時の事情については一応承知はしておりますが、なお詳しく検討してみる必要があろうとは考えます。仰せの点について考えることは、十分ひとつ考えますが、私ども今の日本の置かれて船の事情では、この程度のあれはやむを得ぬ、こういうふうに、やむを得ぬと実は考えておる次第なのですから、この点御了承願いたい。
#50
○横路委員 私は大蔵大臣に今度は次の問題でお聞きいたしますが、それは昨年の七月十七日、第十六特別国会で、三党の共同修正について、改進党の河本君が提案説明をいたしました速記を今あらためて読んで見たのであります。そのときの三党共同修正による予算は、この利子補給の元へ返る期日は、すなわち三党協定の予算修正の内容は、貨物船については第六次船、タンカーについては第八次船となつて、いわゆる予算の修正をいたしたのであります。ところが七月の二十五日、いわゆる自由党、改進党、当時の鳩自の三党の共同修正による外航船の利子補給の一部修正によりますと、これまた改進党の有田喜一君の提案説明あるいは愛知大蔵政務事官等の説明を聞いておりますと、先般の予算修正では、タンカーについては八次船としたけれども、この法案の中ではあらためて七次後期からいたしますと、こう言つておるのであります。予算の修正は八次からやつている。三党の共同修正は、タンカーについては七次の後期からやつている。私はこの点については、予算修正は八次のタンカーからやつたのですから、七次の後期についての、いわゆる利子補給の一部修正によるこの問題に対しては、一体どういうような予算措置をなさつたのか。本予算委員会にはその点については一ぺんもかけられたことがないのであります。
 なお私は念のためにこの点を大蔵大臣に申し上げますが、いわゆる本予算委員会における予算修正後の法案の一部修正によりまして、七次の後期に入りました船は、どこの船であるかと私は調べてみたのであります。そうしますと、照国海運の霧島、十三億四千万円、日東商船の東栄、十三億円、飯野海運の祐邦、十八億五千万円、計四十四億九千万円でございます。これはふしぎなことに全部播磨造船所で造船された船でございます。播磨造船所は、今日は違いますけれども、当時は御承知のように、元通産大臣、前の衆議院議員の横尾氏がこの社長であつたことは明瞭であります。これが利子補給を、開銀の二割、市中の八割の計算をいたしますと、二億六千九百五十万円を年間において負担することになるのでございます。この点についてはこの法案の修正後において全然聞いておらないのでございますが、これに対する予算措置はどうなつておりますか、お尋ねいたします。
#51
○小笠原国務大臣 運輸大臣の方からお答えいたします。
#52
○石井国務大臣 七次後期の追加によつて二十八年度予算の修正を要しなかつたかという問題でございますが、第十六国会で政府委員が答弁いたしました通り、金額的にカバーし切れない場合は修正しなければならぬのは当然でありますが、その後精密に計算をいたしました結果、二十八年度分については成立予算で十分である。また債務負担行為額も、すでに決定されました額の範囲内でまかなえるということが明らかになりましたので、予算措置をとらなかつたわけであります。それではどういうわけでそういうようなことができたかと申しますと、実施の時期がずれましたのでそういう余裕ができて来たということでございます。
#53
○横路委員 運輸大臣にお尋ねしますが、第六次から第八次までのものに関しましては、利子補給についての契約はもうお済みなんでございますか。私の聞いておるところでは、まだ全然していないということですが、この点はどうなんですか。
#54
○石井国務大臣 これはまだ話の途中でございます。それはどういうことかと申しますと、長い間の基間、その間のたくさんの船と、それから船会社がまたたくさんな銀行と取引をいたしております。これを丸詳細調べなくちやならないのでございますが、その約款の上についていろいろ相談をしたしておりますし、大蔵省とちよつと話の合わぬのも一つはありますが、約款の関係が一つと、それから実際上の計算をいたしますと、非常にたいへんな仕事でございます。千六百件あるわけであります。それで今生懸命やつておりますが、これはどうしても三月までにはぜひ仕上げなくちやならぬと思つて、今急がせてやつている次第であります。
#55
○横路委員 私は委員長にお願いします。今の運輸大臣の答弁で、第六次から第八次までの利子補給の対象船については、千六百件もあるので、まだ計算ができてないというのです。この点については非常に重要ですから、予算委員長から急がせて、一体第六次から第八次までどの船がどういう単価でどういう利子補給になつているか、ぜひ出してもらいたい。この点は非常に重要な問題ですから……。
 次に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、先ほど申し上げました外航船の利子補給に関する三党協定の中で、法律の中には現われておりませんけれども、付帯決議の中に現われている点についてどういう措置をおとりになられているか、お尋ねをいたしたいのであります。それは、これも七月十七日の予算委員会におきまして、当時の提案者である改進党の河本君からこういう説明がありますのを会議録から私はとつてみるのであります。「製鉄会社の日本銀行よりの外貨借入れ金利五%を二分五厘に、開発銀行の金利一割を七分五厘にとりあえず引下げ、これによつて生ずる年間十五億、本年度約十億円をもつて」いわゆる造船価格の切下げの措置を講ぜんとするものであります。「これは本修正には表面上現われておりませんが、来年度以降日本銀行及び開発銀行の政府の納付金の減少となつて予算面に計上せられるはずであります。」と説明しております。そうして七月二十五日衆議院の運輸委員会におきまして、改進党の有田君はこう言つております。これまでの三党の申合せによつて、この造船用の鋼材は、今申し上げたいわゆる開発銀行の割を七分五厘に、日銀の別口外貨貸付の五分を二分五厘に引下げるというのであります。この点につきましては、法律の中になくて、付帯決議の中にあるのでございますので、私は大蔵大臣にどういうふうな行政上の措置をおとりになられて、この造船用の鋼材について開発銀行の金利一割を七分五厘に、日銀の別口外貨貸付五分を八分五厘にお下げになつたのか。この総額は一体何年間幾らになつているのか。御三点は、河本君が言うように、この点については二十九年度の国庫納付金の中で減少となつて現われるというけれども、その二十九年度の予算のいわゆる国庫納付金の中でどういう減少になつて現われているのかこの三点についてお尋ねをいたします。
#56
○小笠原国務大臣 第六次及び別七次外航船の造船用鋼材特殊規格割増料の消滅措置というのが、横路さんの問われたところの、昭和二十八年八月十八日閣議決定を経まして行われたのであります。それでこれは三党了解事項の実施のために、鉄鋼業者に対する日本銀行別口外貨貸付の金利及び開発銀行金利を引下げまして、金利引下げ相当まは鉄鋼業者をして日本造船工業会に納付せしめ、日本造船工業会は鉄鋼業者よりの納付金を造船業者に配付して、造船業者は当該配付金相当額を直接に船価の引下げに充当する。本件実施のために、関係金融機関、鉄鋼業者、造船業者及びそれらの団体を代表するものによる連絡協議会、金融鉄鋼造船連絡協議会というものをつくつたのでありまして、そのもとにこれが行われたのであります。本措置は、昭和二十八年八月十五日以降二十九年四月十五日までの期間について付さるべき利子について適用する、かようなことになつておりますが、金額は政府委員があるいは持つておるかと思いますから、政府委員に答弁させます。
#57
○横路委員 私も時間の制約がありますので、大蔵大臣にお尋ねします。この点につきましては八月十八日の閣議の報告事項に基いて、八月二十五日の大蔵省、運輸省、通産省の三省協定でおやりになつたということは、私も承知しているのであります。私は大蔵大臣の説明の中でぜひお聞きしておきたい点は、初めは造船用の鉄鋼材について下げると言つているが、実際には造船用の鉄鋼材は、大蔵大臣御承知のように、製鉄会社については下つていないのであります。この点は、製鉄会社は御承知のように開発銀行か一割で借りて来るものを、造船工業会に二分五厘の利子分を払い込む。さらに日銀の別口外貨貸付についても、造船工業会に二分五厘で貸しつけているのであります。私はこれが造船用の鉄鋼材の切下げであるならば、当然これはそれぞれの製鉄会社がそれぞれ利子の負担軽減を受けて、造船用の鉄鋼材を出すべきであるのに、造船工業会に振り込んでいることが、私は了解できないのであります。しかも私はこの点で大蔵大臣にお尋ねいたしますが、たとえばこの日本造船工業会は、昭和二十七年の九月五日には、自由党に千万円の政治献金をいたしています。さらに改進党に対しましては、同様二十七年の九月四日、造船工業会は百万円の政治献金をいたしているのであります。同時に二十八年月日から同年の十二月末までのこれを調べてみますと、自由党本部には、三月二十五日日本造船工業会は五万百円、四月六日三百万円、四月十七日二百万百、さらに、改進党に対しましては三月二十五日三百万円、分自党に対しましては法案が成立しました後、八月二十五日、このいわゆる行政上の措置が終りました九月十五日、分自党に対しまして造船工業会は五百万円の政党献金をいたしているのであります。なおこの点につきましては、社会党右派の諸君も三月三十日に百万円献金されておることは……(「もらつていない。」と呼ぶ者あり)これは先ほど私が自治庁長官に要求しました資料によつて申し上げているのであります。どうも、私はこれを見ますと、何で一体造船工業会に造船用の鋼材についていわゆる下げるものをなぜ体それぞれの船会社、それぞれの造船所が下げるように造船工業会に振り込んで、こういう莫大な政治献金が行われているのか、ここに私は非常に納得できない点があるのでございます。この点については一体なぜ製鉄会社に下げないのか、この点は私はもつと詳細に聞きたいのだけれども、だんだん時間が参りまして、予算委員長からだんだん締めくくりをやつてくれというので、私はほかの問題がありますから、この点は非常に御答弁をいただきたいし、先ほどでは納得しませんが、いずれまた適当なときに関連をしてお尋ねしたいと思います。
 なお大蔵大臣に私は資料要求をいたしますが、買船につきましても、いわゆる外国よりの購入船につきましても、開発銀行並びに日本銀行外貨貸付の金利引下げにつきまして、同様の措置をおとりになること、すなわち開発銀行の金利七分五厘を五分に、日銀五分を二分五厘に……。この一覧表を出していただきたいのであります。この適用によつて、どの会社が外国のどこから買つた何という船が、どれだけの利子負担をされているか、お聞きをしたいのであります。これは一覧表で出していただきます。大臣から答弁をいただきたいのですが、委員長から催促されておりますから……。
#58
○小笠原国務大臣 誤解があるといけませんから……。買船に関する別口外貨貸付の金利及び開発銀行の金利の引下げの措置は特別に講じておりません。何ら措置を講じておりません。そのことを申し上げる。それからさつきの話に、これは本件実施のために金融鉄鋼造船連絡協議会をつくつて、直接に船価の引下げに充当してある次第で、私はさようないまわしい関係は、とのうちにないと信じております。
#59
○横路委員 私は大蔵大臣がそうおつしやつても、ただ事実を事実として、自治庁長官に要求した資料から、政党への献金がどうなつているか私は聞いておる。それをあなたにお話したのです。
 次に運輸大臣に私は船の割当についてお尋ねしたいのです。これはあとで資料で出していただきますが、五次船は申込み五十四社六十七隻、決定三十八社四十三隻、六次船については申込み十四社四十三隻、決定二十七社三十三隻、七次船の前期については申込み三十九社五十一隻、決定二十四社二十八隻、七次後期については申込み三十一社三十三隻、決定十九社二十隻、八次船になりますと申込み四十八社五十隻、決定三十六社三十六隻でございますが、今度は八次船の前期申込み四十社五十一隻、決定十一社十二隻、九次船の後期に対しては五十四社七十二隻の申込みに対して、決定数が二十二社二十五隻、いかに競争が激甚かよくわかるのであります。それなればこそあなたも御承知のように、運輸省の壷井官房長が新造船舶建造審査会委員で、海運調整部長であつた当時、この船の割当決定に伴つて贈収賄があるというので、すでに逮捕されておることは事実でございます。私はこの二十六年六月二十三日公布に基く、あるいは二十七年八月一日公布の海運造船合理化審議会の問題をめぐつてふしぎな点があるのでございますが、ただ私がこの委員の中で、あなたにお尋ねしたいのは、私も海運造船合理化審議会の委員をそれぞれ詳細に調べてみました。あるいは海運会社の社長、あるいは造船会社の社長、運輸事務次官あるいは通産事務次官、これは私適当だと思うのでございますが、この委員の中で渡邊浩君は日本造船工業会の専務理事であることは明確でございますが、秋山龍なる人は一体どういう資格でこの二十七年九月十五日以降一年間、二十八年九月十八日以降一年間との二期にわたつて海運造船合理化審議会でお選びになられたか。この秋山龍なる人は前にはなるほど運輸事務次官でございましたが、運輸事務次官であるならば、運輸事務次官としての委員の席があることは当然でございますが、二十七年八月一日公布のこの海運造船合理化審議会で秋山龍なる人をなぜ一体選ばなければならなかつたか、この点についてお尋ねいたします。
 もう一点は、この船主選考委員会におきましては、私もあなた方からいただきました会議録で調べてみましたが、船主選考諮問小委員会につきましては、会議を開いた場所、日時、会議内容については、いまだ一度も公表されていないと世間では言つておるのであります。従つてもしも海運造船合理化審議会の中における船主選考委員会におきまして、この小委員会が開かれましたそれぞれの日時、場所、会議内容等について御承知てあるならば、きようは時間がございませんから、大臣、この点はあとであなたの方の資料で出してもらいたい。ただここで御答弁願いたいのは、この秋川龍なる人をなぜ一体お選びになつたか。もう一つ、大臣は一月二十六日こう言つておる。閣議終了後の記者団との会見で、造船疑獄について、「これ以上発展するようなら官紀の粛正の意図を盛つた人事を考えなければなるまい、計画造船については海運合理化審議会の選考基準が抽象的であいまいなこと、この基準による選考には時間がかかつて無用の雑音が入るなどいろいろ難点があるので、根本的に検討」してみたいと言つておる。これは産業経済新聞で私は読んだのであります。従つてこの選考に入る間に雑音が入るとあなたは言つておるが、どういう雑音なのか、この点についてお尋ねいたします。
#60
○石井国務大臣 お答えいたします。秋山龍君が入つておりますのは、これは前の次官でありまして、海運の方面においての知識経験といいますか、識見のある人という意味で入れられておるわけでございます。それから雑音ですか、そういうふうな言葉を使つたかどうかわかりませんが、計画造船が始まりますと、各方面の人たちが、造船の方でも船主の人たちでも、自分のところがいかに優秀であるかということを説きに来るだけでも、実に私の時間は半分以上つぶされてしまうようなわけでございます。中にはよく言つたのでありますが、あまり来れば、来るだけ点数を減らすぞとじようだんのように断つたこともあるくらいでございます。そういう状態であります。
 それからこの合理化審議会の運営と申しますか、これは私はこの前の九次の後期をやつたすぐあとに新聞記者諸君に話したのでありますが、今度のようにたくさんの船の中から少しをえろという問題は、運動がましくいろいろ説明に来る者だけでもなかなかたいへんなんです。造船合理化審議会で一つの大きな線だけを出しておりますから、これをもう少しこまかい線まで入つて――あまりこまかく入るとどうかと思いますが、合理化審議会で議せられる範囲を今までよりはもう少し締りをつけもてらうということにしたらどうであろうか、その方法を少し考えたいということを私は申しており、今でもやはりそういう気持でおります。
#61
○倉石委員長 横路君、お持合せの時間がなくなりました。
#62
○横路委員 あと法務大臣に質問をしたいのですが……。
 運輸大臣に私は資料を要求します。昭和二十八年六月二十七日に政府が衆議院の運輸委員会に出されて説明されております臨時船質等改善助成利子補給法、これは大臣御承知のように、いわゆる九次以降の外航船について、一隻建造する場合におきましては必ず低性能の船を二隻つぶして、これに対して年二分の利子補給をやると言つている。九次以降のこの建造船についてこの法律を通して予算を措置したのですから、一体どの戦時型の標準船の低性能をつぶされたのか。その九次船以降についてどれどれの外航船、それにつけた二隻は何々であるというように、これまた委員会に御提出を願いたいのであります。
 最後に私は法務大臣にお尋ねします。リベートの問題その他いろいろありますが、造船関係の会社からの政治献金で、私は先ほど塚田さんからいただいたのですが、この中には、自由党に対しましては、二十七年三月二十七日、日東商船株式会社百五十万、日本船主協会五百万、十月十一日、日本船主協会三百万、改進党に対しましては、二月二十九日、三井船舶株式会社三十万、それから九月六日、飲野海運五十万、日本郵船五十万、大阪商船五十万、三井船舶五十万、それから九月十五日、三菱海運五十万、山下汽船五十万、川崎汽船五十万、日清汽船五十万、社会党の右派に対しましては、九月五日、大阪商船二十五万、飯野海運二十五万、日本郵船二十五万〇二十八年一月一日から同年十二月末までは、これはこういうことになつておりますが、自由党にはこの場合には船の方からないようでございます。改進党には三月二十日、日本船主協会三百万円、分自党に対しましては三月三十一日日本船主協会百万円、四月七日、日本船主協会百万円、社会党の右に対しましては、昨年三月二十五日、日本船主協会百万円、こうなつておるのであります。そこで私は大臣にお尋ねしたい点は、どうも私どもふに落ちませんのは、公職選挙法百九十九条にこうなつているのであります。左の各号に掲げる者は、選挙に関し、寄付をしてはならない。但し第一号に掲げる者は、その限りでない。第一号というのは、当該選挙の公職の候補者でございます。第二号が該当するのでありまして、その二号にある、衆議院議員及び参議院議員の選挙にに関しては、国と請負その特別の利益を伴う契約の当事者である者からは番付を受けてはならないというように、公職選挙法百九十九条にはなつておるのであります。そういうことになりますと、今度のいわゆる利子補給法によりまして、これらを献金されました船会社あるいは造船工業会傘下の造船所は、明らかに二十六年十二月一日から利益を得たのであります。これは明らかに議会で予算法案を修正して利益を受けたのであります。このことは明らかに公職選挙法百九十九条に該当する。これは寄付をしてはならないし、寄付を受けてはならないと思うのでございますが、この点に対する法務大臣のお考えを承りたい。
 時間がございませんから、最後にもう一つ。昨年の第十六特別国会で成立いたしました外航船の利子補給にからみまして、私は与党の諸君の了解を得まして、長時間御質問申し上げましたが、その中で明らかなように、非常な利益をそれぞれの造船会社が得ておるのであります。もしも、国会議員にして、この法案の修正に参加した国会議員で、それぞれの造船会社、それぞれの船会社から政治的な献金を受けた方があるとするならば、私は議員の身分上に関して汚職罪が成立すると思うのであります。これは予算の修正、法案の修正によつてそれぞれの利益を得せしめた会社、造船所からもらつた場合です。この点について法務大臣としての二つの見解をお聞きいたします。ぜひ私の納得するような御説明をしていただきたいと思います。
 なおこの点について法務大臣の御答弁が得られればそれでよいのでありますが、できますならば私は、やはり法務大臣がどういう御答弁をなさるか、それによりましてもう一つだけお聞きしておきたいと思います。
#63
○犬養国務大臣 お答え申し上げます。一般論といたしまして、もちろん違法の疑いがある者に対しては断固検挙の手はゆるめないつもりでございますが、ただいまお尋ねになりました種種の御質問のうち、仮定の部分もあるのでありますが、要するに具体的な問題にあたつて公正厳正にこれを調べて、違法の疑いある者は検挙すると言うよりほか申し上げにくいのであります。なおこまかいことにつきましては、実は横路さんから検事総長というお話がありましたが、捜査の最高責任に当つておりますので、捜査中のことについて検事総長をこへこ出すこともいかがと存じますから、こまかいことについては、刑事局長から御答弁いただくことを用意いたしておりますので、御了承願います。
#64
○横路委員 今法務大臣からせつかくのお話でありますが、私は検事総長の忙しいことはよくわかるのであります。きようの私の質問は十一時からの予定でありましたのが一時半ということになつたのでありまして、こういう点から、検事総長はこの点について、
 一体検察当局の責任者としてどう考えておるか、あすの朝でもけつこうですし、午後の再開のときでもけつこうですし、それぞれのお仕事のお手すきのときでけつこうでありますから、おいでになつたときの適当な時間にその点について御答弁をいただきたいと思うのです。この点ひとつ委員長の方で、なお法務大臣にもそういうとりはからいをしていただきたいと思うのであります。
 それから法務大臣は、私の質問の中の、公職選挙法百九十九条のいわゆる衆議院選挙、参議院選挙につきまして国と請負その他特別の利益を得せしめる契約をした会社団体等からいわゆる献金を受けてはならないという点について御回答がなかつたのであります。これは政党の献金等に関する問題等から行きまして非常に重要でございますので、もしもきようここで御答弁が詳細願えなかつたならば、明日にお譲りして明日御答弁をいただいて、私はそれに簡単にお尋ねしてもいいと思いますが、その点はどうですか。
#65
○倉石委員長 それではそういうふうにいたします。
#66
○横路委員 ただいま委員長から言われたように、公職選挙法第百九十九条については、よく政府側で御検討の上で――百九十九条第二号については、私は政党献金は国と特別の契約をする者からは受けてはならぬことになつておると思うが、この点に対する解釈並びに明日は検事総長から私が申し上げました点について御答弁を願いまして、それに簡単な質問を許していただくことにして、これで私はきようの質問を終ります。
#67
○倉石委員長 この際委員長から政府側に申し上げます。横路君からたくさんの資料の要求がございますが、最初出されました二点のような簡単なものはなるべくすみやかに資料として御提出を願います。その他時間のかかりますものは、御研究の上で適当にお願いをいたします。小平忠君。
#68
○小平(忠)委員 私は主として食糧問題に関する予算について関係閣僚に質問をいたしたいと思います。
 まず第一食糧の自給について保利農林大臣にお伺いいたしますが、この食糧自給の現状並びに見通しにつきましては、MSA小麦買付の問題、輸入食糧補給金の問題、食糧管理制度あるいは米価問題等に重大なる影響を持つものでありますので、まず冒頭に大臣から的確なる御答弁を承つておきたいと思うのであります。と申しますのは、政府は二十九年度の予算を緊縮予算といつておりますが、その内容に現われて参りまする点で、私は食糧問題の解決がわが国自立経済達成の上にきわめて重要なる問題であるという観点から、予算の編成においていささか疑義のある点があるのであります。そういうことから、私は現下の食糧自給の現状並びに見通しを的確に把握することがきわめて重要なる点であると思うのであります。
  〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕
そこでお伺いいたしますが、昭和二十八年産米麦の実収高はどうなつておるか。昨年は無常なる水害並びに冷害に見舞われておるのでありますが、まずこの実収高について承つておきたい。
#69
○保利国務大臣 お答えいたします。昨年の米の実収高は、水稲で五千三百五十八万石、陸稲で百三十三万石、合計五千四百九十二万石。麦類につきましては小麦で一千万石、大麦で一千十万石、裸麦で七百十五万石、合計二千七百二十九万石というのが、大体統計に現われた収穫高になつております。
#70
○小平(忠)委員 昨年の供出の現在までの実績及び今後の見通し、さらにつけ加えて、ただいま大臣のおつしやられた実収高によりまして、米麦については予想収穫高より幾らの減収になつておるか、お伺いいたします。
#71
○保利国務大臣 ただいままでの米の質入れ成績は千九百二十五万石、米が一万八千九百余石、合計千九百二十七万石ほどになつておるわけでございます。需給計画といたしまして目標といたしておりますのは、二千百万石を何とかして確保いたしたいということで、ただいま努力をいたしておるところでございます。なお予想収穫高に対してどういうふうになつたかという点につきましては、八月十五日の作況から九月十五日、十月五日及び十月十五日と、だんだんの調査の変化はございますが、八月の収穫予想から見ますと、九月十五日の調査では著しく激減をいたし、十月十五日の調査ではさらに二%ほどの減少を来しましたが、実収高におきましては二、三パーセントの増収をもたらして、最終的の実収高調査におきましては、先ほで申し上げました五千四百九十二万石、こういう数字になつております。
#72
○小平(忠)委員 大臣はパーセンテージで申されたのでありますが、昨年予算編成をする際に当初予想された米麦の収穫高から実収高を差引いて実際に幾ら減収があつたか。この問題は二十九年の供出の割当に大きな影響を及ぼすものでありますが、一体昨年の水害やあるいは冷害によつて幾ら減収になつたか、これを承りたいと思います。
#73
○保利国務大臣 すべての計画の基礎になつておりますものは、大よそ平年作という見通しでございまして、平年作は六千四百万石、従つて一七%くらいの減になつておるのであります。正確な数字がもし必要であれば、これは調べてお答え申し上げます。
#74
○小平(忠)委員 ただいまの国内における生産の実情に最も重要な関連をいたします問題は、不足食糧に対します輸入の実情であります。当初計画をいたしました輸入食糧の現在までの輸入状況並びに今後の見通し、これについてお伺いいたしたい。
#75
○保利国務大臣 お答いたします。こういう作況から見まして――しかしながら相当の消費生活の準備期間なしに配配給を一度に落すことも困難であろうということで、とりあえず不足分につきましては外米を輸入いたしまして、一応最低十五日の配給を確保するという見通しを立てまして、今日まで輸入に努力をいたして来ております。
 本会計年度におきまする米の輸入総量は百四十五万トンくらいになる。二十九会計年度の前期と二十八会計年度の後期にわたつて通計百五十余万トンになるわけでございますが、二十九会計年度の輸入計画といたしましては、ただいま予算上は精米換算の百十四万五千トンを計画いたしておるわけでございます。
#76
○小平(忠)委員 私は、この問題はきわめて重要な点でありますから、事前に御質問申し上げる内容も御通告申し上げてあつたのでありまするが、実はこれは中間の数字はよろしゆうございますが、予算総会でありますからもつと具体的に結論の数字を聞きたかつた。なぜ私がこういうことを御質問申し上げるかと言いますと、ただいま農林大臣がおつしやられたように、昨年は現に平年作よりも一七%前後減収である。そしてさらにこの予算書の食管特別会計を見ますると、明年の供出予想収穫高は二千七百万石と一応見ております。義務供出を二千三百万石と見て、二千七百万石の供出予定をいたしております。ところが一方補給金につきましては、二十八年度三百億計上いたしておつたものを、外米を小麦に切りかえて、大幅に九十億に減額いたしております。こういうような昨年の異常な災害によつて米麦が減収いたしました現状から見て、農林大臣ははたして今日の十五日配給というものが一体維持できるかどうか、これはきわめて重要なる問題であります。私は、ただいま政府当局から提出された資料によつては、米食の配給率を改訂しなければならないのではなかろうかと考えるのでありますが、その点もつとわかりやすく、理解できるように、ひとつ御説明いただきたいと思います。
#77
○保利国務大臣 昭和二十九米穀年度の需給計画として、最低配給量を十五日維持するという一応の計画のもとに推算をいたしておりますのは、持越高九百八十三万石、買入高三千百七十八万石、うち輸入一千七十四万石、精米十二万トン、供給計四千百六十二万石、これに対しまして消費の面におきましては、主食用として三千百八十五万石、加工用百七十二万石、減耗三十七万石、消費計三千三百九十四万石、持越高七百六十七万石という計算の上に立つております。
 ただいまの補給金のお話でございますが、前年度三百億計上せられておりました補給金を九十億に減らしておりまする基礎は、先ほど申しまする昭和二十九会計年度における輸入外米の総量を精米換算百十四万五千トンといたしまして、これに要する補給金が九十二億円、大麦百三万トンの輸入計画に対する補給金が四十九億円でありまするが、小麦買入れの価格と内地の基準価格との差によります二十六億円及び本会計年度に計上せられておりまする三百億円の余剰金約二十五億円を見込みまして、以上の輸入計画を達成する上におきましては、九十億円の補給金を計上することによつて十分確保できるという基礎の上に立つておるわけであります。
#78
○小平(忠)委員 ただいまの御説明では、米食率を変更しないということは理解できないのです。私の承つておりますのは、従来の平年作に比べまして現に一千万石の減収を来しておる。これは米であります。一方外米は、御承知のように、輸入量を減らして小麦に切りかえておる。一千万石の減収を来しておるのに、どうして農林大臣は米食率の十五日配給を維持するかという問題であります。前年度の繰越しが従来よりも多くあるというわけじやないのです。まずこの一点。次に補給金の問題で大臣はその一応の基礎を説明されましたが、この国会に配付されております予算の説明によつて計算をしてみますると、現に輸入食糧――これは米が百十四万五千トン、この輸入価格が一トン当り百八十四ドル、一方大麦、小麦は、御承知のように、大麦は相当量ふやしておる。ところが小麦に切りかえておるというけれども、この説明では、輸入の小麦は二十八年度よりもその輸入数量は減つておる。ミス・プリントならわかりませんけれども、二十八年度は百九十七万三千トン、二十九年度が百九十六万三千トン、現に減つている。外麦の輸入価格につきましても、大麦は二十九年度が七十六ドル、小麦は八十四ドルと見ておりますが、これを計算して参りまして、その計算の基礎が九十億の補給金でよろしいという計算は出ない。これはだれでもできる。トン当りのドル価格をかけて、そうして前年度と本年度の数量の外米を麦に切りかえたその価格差によつて、三百億を九十億に大幅に減らすという根拠が私にはわからない。御説明願いたい。
#79
○保利国務大臣 これはあなたの計算の仕方が違えばやむを得ないのですけれども、以上の輸入計画に対応する補給金の計上にしては、先ほど申しまするようなことで、十分足りるわけであります。それをどういうふうに数字をいじくられて――合わぬように計算をされれば、合わぬようになろうかと思いますけれども、私の方はきちんと合つておるわけであります。
 それから十五日の配給率をどうするかということは、今後に残されておる食糧対策上の非常に大きな問題だと思います。しかし一応私どもの予算上の計画としては、今米穀年度の外米を加えて最低十五日の配給は、結果においていいか悪いかは別でございますが、計画としてはそれを実行いたすように計画をいたしております。何らの支障はないように組み立てておるわけであります。
#80
○小平(忠)委員 農林大臣にお伺いいたしますが、これはきわめて重要な問題であります。あなたが計算をされました、輸入食糧補給金を三百億から九十億に減額いたしました計算の基礎を、これは重要な問題でありますから、お示しをいただきたい。
#81
○保利国務大臣 今私数字をもつているかもしれませんが、どうもこまかくなりますから……。この数字は国庫の上に立つて出ているわけでございまして、何もその基礎なしにこの数字をでたらめに出しておるのではありませんから、その点はひとつ御信用願います。しかし別の機会で十分申し上げます。
#82
○小平(忠)委員 この問題は、今後私がお伺ひをいたしまする米価問額、それからMSA援助に関する小麦の買付問額に影響がありますから、ただちにお調べいただいて御説明願います。
#83
○保利国務大臣 官房長から御説明申し上げます。
#84
○渡部政府委員 御説のように、輸入単価が下つておるのでありまして、いわゆる準内地米と申すのが今年度は二百二十四ドル、それが今度の予算では二百十五ドル、それから普通外米と申すのは今年度は百九十五ドル、これが百七十九ドル、砕け米が百三十九ドル、それが来年は百三十ドル、それから大麦につきましては八十ドル七というのが七十六ドル二四、こういうふうにそれぞれ輸入価格が下つております。それと同時に来年度の予算といたしましては消費者米価が七百六十五円に上りましたので、そちらから見ましても減少の差が出ておるわけであります。従つて予算の説明書にあります通り、計算は間違つておりません。
#85
○小平(忠)委員 計算は間違つておらないと言うのですが、それを信用する信用しないということじやなくて、これは簡単なことですから、外米についてはこうだ、外麦についてはこうだ、こういう金額によつて、結果がこういう補助金を必要とするということを――この際時間がありませんから、この問額はそちらでお調べをいただきましてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#86
○保利国務大臣 お答えいたします。米につきましては百十四万五千トン、精米であります。それが昨年の予算基礎になつておりました単価が、百九十八ドルと見込んでおりましたのが、来年度百八十四ドルと見込みまして、これに要しまする補給金が九十二億円、大麦につきましては今年度百三万三千トン、輸入価格の面におきましては、今年度八十ドルを来年度七十六ドル、従つて補給金におきまして四十九億円、小麦におきましては来年度の輸入計画百九十六万三千トン、輸入価格八十四ドルとしましてここに逆の二十六億円が出ております。それと前年度補給金、先ほど申しました三百億円の余剰金二十五億円を差引きますれば九十億円てこの輸入計画を達成することを確保いたしておるわけであります。
#87
○小平(忠)委員 ただいま御説明になりました問題は、それはその御説明なりに承りますれば、なるほど一応そういつたような数字が出るでありましよう。そこで問題は、外麦の特に小麦、大麦についてこの補給金はどのような買付価格を一応基礎にされたか、これは非常に重要な点でありますので、もう一応承りたい。私はこの際予算書の説明でこれを計算して参りますと、一応こういうような結論が出るのであります。と申しますのは、食管特別会計におけるところの操作、これはいろいろありましよう。しかしこの予算書に現われておりまする外米百十四万五千トン、この価格百八十四ドルでありますから、これを円貨に換算いたしますれば七百五十八億四千四百八十万円、こういう金額になります。これの売渡し価格は、御承知のように外米につきましては六百五十円でありますから、これを邦貨に換算いたしますと七百四十四億二十五百万円、差引十四億一千九百八十万円というものが赤字になる、これが補給金であります。さらにこういう価格で計算をして参りますと、大麦については四十八億三千四百四十四万円赤となり、小麦につきましてはこの買入れ価格で計算いたしますと三十一億四千四百六万円、これは一応黒になる。これを赤字黒字差引きまして計算して参りますと、三十一億四千万円の補給金があればよろしいということなのであります。私はただいま農林大臣が説明されたその数字で参りましては、どうも理解できない。これは時間が食いますから、後刻資料をいただきまして、私はこの点を助らかにいたしたいと思います。
 そこで農林大臣にお伺いいたしますが、ただいま計画をされておりまする百九十六万三十トンの小麦の中には、MSA協定に関連する余剰農産物の買付によりまする小麦は入つておるかどうか、お伺いをいたしたいのであります。
#88
○保利国務大臣 先日も川崎さんに申し上げましたように、MSA協定を見越しての申入計画ではございませんから、MSA協定でもし小麦が入つて来るようになれば、この中で処理するようになります。
#89
○小平(忠)委員 入つて来ればこの中で処理するということはきわめて明白を欠くのでありますが、私は端的に伺つておる。例の五千万ドルに匹敵する小麦は五十万トン、大麦については十万トン、合計六十万トンということを承つておるのでありますが、これはこの中に入つておるのでありますか、入つていないのでありますか、はつきり伺いたい。
#90
○保利国務大臣 協定が成立して入つて来るということになりますれば、百九十六万トンの小麦のこの数字の中に入つて来るわけであります。それ以上に百九十六万トンプラスMSA協定による小麦というものが入つて来るという意味ではないわけであります。
#91
○小平(忠)委員 そういたしますと、その協定が成立して入つて来ればこの中に入れるとおつしやいますが、しかし計算の基礎というものは当然あるべきである。従つてこの百九十六万三千トンの買付の価格、それからその内訳をちよつと知りたいのであります。
#92
○保利国務大臣 百九十六万トンの小麦を入れますのは、国民食糧を来年度確保して参ります。需給計画としてこれだけは不足するであろうから輸入する、従つて不足をしないのに輸入する計画のものではございませんから、百九十六万トンという輸入計画はただいま変更する考えはないわけであります。この中の輸入の方法あるいは輸入買付の石数は、今日までいたしておりますように、このうち百万トンは国際小麦協定に参加いたしておりますからその分であります。あとの九十六万トンは、もしMSA協定がございませんければ自由に買いつける、むろんカナダでありますとかアルゼンチンでありますとか、あるいはアメリカでありますとかいう国から買いつけるわけでございます。カナダから入る分につきましても、小麦協定の分があることは御承知の通りであります。
#93
○小平(忠)委員 どうも御質問申し上げた事項について御答弁いただけないのですが、百九十六万三千トンのいわゆる輸入先別の計画、食管特別会計で一応計算いたしましたそのトン当りのいわゆる買付金額であります。それはただいまおつしやつたように国際小麦協定によるものもありましよう、あるいはカナダあるいはアルゼンチン等もあると思うのです。そういう内容についてこういう計画がなければ補給金の基礎も出ないと思う。従つて私はあらためてここで伺いますが、この中に余剰農産物買付に関するところの小麦は計画に入れているかいないかということも当然これははつきり出て来るわけです。
#94
○保利国務大臣 百九十六万トンの買付計画として一応予定をいたしておりますのは、アメリカから百六万トン、これは八十一ドルから八十七ドルぐらいの幅になろうと思います。カナダが六十万トンで、おおよそ八十二ドル前後ではないかと思います。それからアルゼンチンは、御承知のように貿易協定で割高になつております。輸入量は三十万トン、輸入価格としては百ドルを見込んでおる、こういうわけであります。
#95
○小平(忠)委員 そこで私は外務大臣にお伺いいたしますが、本日も朝日新聞の一面に実はMSA余剰農産物の協定案ができたと報道されておるのであります。もちろんこの協定は、先般本委員会において武藤委員の質問に答えて外務大臣が中間報告をされたときにも、この余剰農産物の協定はMSA協定と大体並行してやりたいということは御説明があつたわけであります。ところがきよう朝日新聞の報道するところによりますれば、実は具体的にその内容が掲示されているのであります。この中に、私は拝見しまするというと、この価格については世界市場の最高価格を下まわつてはならない。いわゆる最高価格によらなければならないという価格の条項があるように見受けられるのであります。はたしてそのような価格でこの五千万ドルに相当いたしまする麦を買付なさろうというお考えであるか、あるいはそのようなことはないのか、まずこの点をひとり承りたいと思います。
#96
○岡崎国務大臣 実は私きようちよつと忙しくて朝日に出ている見出しは見ましたが、内容はまだ見てませんので、ちよつとわかりませんが、係官の言うところでは、朝日のは正確でないということであります。われわれの考えているのでは、大体小麦協定の価格で買い得るものと考えております。
#97
○小平(忠)委員 実は、これは一月七日の読売新聞にも報道されておるのであります。もう明らかにこの中では、価格に関する協定で、余剰農産物の売却価格は、同種の産物の世界市場における最高価格に合致するよう云々と書いてある。特にこの問題につきましては、保利農林大臣は先般この委員会におきましても、実はこのような御答弁をされておる。これは川崎委員の質問に答えまして、アメリカの市場価格は日本に持つて来まするというと、これは九十五ドルから九十六ドルとなり、巨額の補給金を必要といたしますから、このような価格でこの小麦を買いつけることは反対であります、ということを農林大臣が述べられておる。この点は非常に重大なる問題でありまして、外務大臣、もう一度その点を明らかにしていただきたい。
#98
○岡崎国務大臣 その記事は、先ほど申したように必ずしも正確ではないと私は思つております。ただ誤解の出ているのは、MSA協定の五百五十条の中に最高価格というものがあるので、おそらくそういうものに基いて協定文を新聞社で考えたのではないと思いかます。しかし実際土日本に関する限りは少くともそういうことはないはずでありまして、大体小安協定の値段に近いところで買い得る、こう考えておりす。
#99
○小平(忠)委員 そういたしますと、この買付の価格でありますが、先ほど農林大臣が小麦の二十九年度輸入計画の中で、百九十六万三千トンの内容を実はおつしやられたのでありますが、アメリカから輸入を予定いたしておりまする百六万トンについては、その計画をされるときに、MSA協定に基く小麦の買付計画をこの中に入れておるでしよう、入れてなければこういつた具体的な数字が出て来ぬと思う。
 もう一つは、これは農林大臣に伺うのですが、先般本委員会において川崎委員の質問に答えてあなたは、世界の最高市場価格で買うような場合においては、多額の補給金を必要とするから反対である、こうおつしやられた。その理由はわかるが、しかし今外務大臣は、国際小麦協定の価格より上まわることはないのだ、こういうことをおつしやられておるのでありますが、現実に私が入手いたしておる資料によりますると、MSA協定によりまする小麦というものを一応三十万トン計画されておる。この価格は、十五万トンについては八十二ドルであり、さらに他の十五万トンについては八十七ドルである。こういう基礎に基いて農林省は本年度の補給金を一応計画されておると思うのであるが、これは間違いでありますか。この百六十九万三千トンのうち、三十万トンの小麦はMSA協定によるものを計画しておるかいないか、もう一ぺん承りたい。
#100
○保利国務大臣 先ほど来の話で事態はよくわかつておると思うのですが、MSA協定は、MSA協定ができてからでなければそれはわかりません。しかし協定ができ上るべく両国で折衝せられておるわけでありますから、その折衝過程において、もし小麦の買入れ価格をアメリカの市場価格で買いつけるというようなことになりますと、これは相当大きな補給金もいることでございますから、国際小麦協定というものが一つの標準としてあるわけですから、その程度で取扱われるように、これは外交当局でもずいぶん苦心されて折衝を続けられて、ただいま外務大臣のお話の通りになつておるわけてあります。むろんこの百九十六万トンは、MSA協定を目的として計画をしておるわけではございませんで、不足食糧を充足するための計画として食糧庁では計画を立てておるわけでございますが、もしその中でドルをもつて買いつけるのではなくて、円をもつて、買いつけ得る便宜を与えられるMSA協定が成立するとするならば、その計画の中の一部をMSA協定の買付として取扱つて参りますと、こう申し上げたわけでございます。
#101
○小平(忠)委員 どうもくどいようでありますが、この計画をされたときに、MSA協定に基く小麦の買付を三十万トン一体計画に入れてこの食管特別会計の計算をやつたのかやらぬのか、私は端的に承つておるのであるが、その答弁を避けておられる。
 私はさらにこの際外務大臣に、関連する問題で伺いまするが、五千万ドルに相当する小麦六十万トンの買付を予定いたしておりまするが、このうち一千万ドルに相当する三十六億はアメリカから贈与を受ける。この受けた贈与についてはこれを飛行機あるいはジエツト機関、その他兵器の生産工場に投資をいたしたい、こういう話合いを進めておるということは先般の本委員会においても御説明されたのでありますが、この点は具体的にどういう方法でこの三十六億を民間の会社に投資をするのか、政府としてはどういう会計経理をされようとするのか、この点をお伺いいたします。
#102
○岡崎国務大臣 これはただいま大蔵大臣その他関係の方面と相談をいたしておりまして、まだ決定いたしておりません。
#103
○小平(忠)委員 仄聞するところによりますと、三十六億の贈与を受けましたこの内容は、具体的に兵器の生産会社の投資についていろいろ話合いが進められておるということを実は聞いておるのであります。これは現に本日の朝日新聞にもその内容が詳細に出ておるのでありまして、すでに今日アメリカ側との大体の折衝が数度にわたつて継続され、もう最終段階に来ておる、新聞報道では成案があつたのだ、こういうことでありますが、これは私は予算審議の関係上、特に外国為替資金特別会計にも大きな関連があろうと思うのであります。これは外務大臣もし御存じでなければ大蔵大臣から御答弁いただけば明確になると思いますが、はたして三十七億の経理の方法はどういうふうにおやりになるお考えでおるか、御答弁願いたい。
#104
○森永政府委員 五千万ドルの小麦を買いつけます。その分は、食管会計が普通の小麦と同じように買いつけるわけでありまして、普通の小麦の買付手続と同じように御承知いただきたいと思います。但し日本が買う場合に、初め使いました外貨相当額をFOAの方からインヴアースして来るわけでありまして、その分は外為特別会計が買い入れるわけであります。そこで五千万ドルに相当する円貨がアメリカの手に渡るわけでありますが、その分はおそらく日本銀行に積み立てるということになりまして、その中から千万ドル相当額の三十六億円を日本政府が贈与を受ける。贈与を受けますについては、この分は他の経理と区分して経理した方がよろしいと思いますので、おそらくは資金会計になると存じますが、何らか特別会計を設けまして、その特別会計におきまして、贈与を受けました一千万ドル相当額三十六億円を経理する、このようなことになると思います。その資金会計は三十六億円をおそらくは開発銀行に貸しつける、開発銀行がいろいろな用途にそれを融資する、さようなことになるのではなかろうかと存じております。
#105
○小平(忠)委員 ただいまの主計局長の説明でその方法は了承いたしました。そこできわめて重要な問題でありますが、大蔵大臣は先般この委員会にあきまして、武藤委員の賛同に答えて、MSA援助はあくまで贈与であるということを明言されたのであります。ところが今回のこの余剰農産物である小麦、大安の買付にあたりましては、どうも贈与という面を逸脱いたしまして、むしろ価格協定については、国際市場における最高価格云々ということになりますれば、これはきわめて重要な問題である。同時に五千万ドルのうちの一千万ドルに相当する三十六億は、アメリカの贈与を受けたのだ、こういう問題について今後外務大臣の最終決定には重要なる関連があろうと思うのであります。そこで私は外務大臣に最後にお伺いいたしますが、もしこの協定に基いて、国際小麦協定よりも上まわるような、すなわちアメリカの市場価格に基いてこの小麦を買い入れる。一方見返りに一千万ドルに相当する三十六億の贈与を受けるから、四千万ドルに相当する六十万トンの小麦、大麦の輸入については最高市場価格でもしかたがないのだ、こういうような考え方をとられるならば、これは補給金問額にも触れて来るのであります。従つて私はここで念を押したいのでありますが、もしその価格が国際小麦協定よりも上まわるようなことがあつた場合においては、この小麦援助は受けない、小麦買付はしないという御決心でありますか。その点を承つておきます。
#106
○岡崎国務大臣 これは先ほどから二度も繰返して申し上げておりますように、小麦協定の価格を一銭も上まわるどは申しておりませんが、大体小麦協定の価格とほぼひとしいところ、これは少し安くなる場合もあり、少し高くなる場合もありましよう。しかし、小麦協定の価格とアメリカの国内相場とは非常な差があります。そういうようなアメリカの国内の相場のようなものでは決して買わない。小麦協定と全然同じだとは言いませんけれども、大体その程度であります。これは大体先ほど申した通りであります。
#107
○小平(忠)委員 これはもう近く協定成立の段階になるので、私はただいまの大臣の言明を、速記録にも残つてありますから、あくまで尊重して参りたいと思います。
 さらに農林大臣に、先ほど伺いました補給金の問題に関連して米価問題等若干あるのでありますが、補給金問題についてはなお理解できない面がありますので、これは後日資料をいただいて明らかにいたしたい。
 さらにこの際私は神方副総理にお伺いいたしたいのでありますが、それは食糧管理制度の根本的な改訂問題であります。政府は先般内閣に食糧対策協議会を設置してこの審議を進めておられる。特にその席上には関係閣僚が出席して食管特別会計、食糧管理制度について検討中であると聞いておるのでありますが、この協議会で一応食管制度についての結論が出され、その答申あるいは建議書が政府に提出された場合に、政府は二十九年度内に今日の食管制度を改善する意図ありやなきや、との点まず緒方副総理に承つておきたいと思います。
#108
○緒方国務大臣 食糧対策協議会は、国会が休会明けに発足をいたしまして、今荷見委員長のもとにせつかく協議を進めつつあるところでありまして、その後の進行状況等については、今日ただいま私ここですぐお答えするだけの用意を持つておりませんが、食糧管理の根本的の問題その他について十分な検討をしてもらうつもりでおります。その結果どういう答申が出ますが、もちろん今から予測することはできませんが、その答申は政府としても、できるだけ尊重して参りたい。ただそれが二十九年度内におきましてただちに食糧管理制度の根本的な改革になるかどうかということは、ただいま予測できぬだけでなく、一足飛びに飛躍をすることは困難でなかろうかと思います。
#109
○小平(忠)委員 そこで、私があえてとの問題を承りましたのは、わが国が当面している重要問題の中で、冒顔に申し上げたように、食糧の自給自足、これが当面大きな問題であろうと思うのであります。このためにも現存の食管制度についてはいろいろ欠陥もあります。わが党におきましても、この問題については相当掘り下げて検討しておるのであります。しかし根本問題として次に申し上げることだけは、これは各党においてもあるいは政府においてもひとしく同感だろうと思う。それはまず食糧自給度、すなわち食糧の増産をはかるということでありますが、この問題については昨年の十二月、本院におきましては特に自由党がこの提案理由を説明せられた。すなわち食糧増産問題については、決議が全会一致をもつて通過されておる。特に今日この食糧の増産、食糧問題の解決あるいは人口問題解決という観点から、吉田内閣総理大臣が今国会休会明けの再開劈頭の施政方針演説において、この問題に触れられておるということは、私は北海道総合開発がローカル的な問題でない。すなわち食糧問題、人口問題解決のかぎを握る北海道の総合開発を急速に進めなければならぬということであろうと思うのであります。特に北海道におきまする資源は、私があえてここで申し上げるまでもなく、農林水産物、地下資源あるいは電源につきましては、まさにわが国の未開発資源の約半額に達しておる、こういう現状であります。特に吉田総理が今国会のただいま申し上げたように施政方針演説の中で、北海道総合開発の重要性にかんがみて、専任大臣を置いたということに言及されたのでありますが、これはまさに当然過ぎた当然でありまして、むしろおそきに失する感じがするのであります。この専任大臣の問題につきましては、本委員会において数度にわたつて吉田総理大臣にも要請して参つたことがようやく実現されたということなのでございます。特に北海道開発庁長官として専任大臣になられた大野大臣は、さきに衆議院の議長をやられ、特に閣僚の中でも発言力の強い大物大臣であります。こういう大臣を迎えたことは、われわれは野党でありますけれども、真に日本の未開発資源を開発しなければならない――特に先般緒方副総理が、自由党の降旗委員の質問に答えて、人口問題に触れた際に、緒方副総理は、現に移民問題はなかなかたいへんであるけれども、国内に、特に北海道に五百万の人口をさらに収容できるということに触れられておるのであります。そういう観点から、私はこういう行き方についてはまことに同感であり、今後大野大臣の御奮闘を切に期待するのであります。
 そこで私は北海道開発庁長官であらわれます大野大臣にお伺いいたしたいのでありますが、このように総理大臣が、施政方針の演説の中で触れられ、今や食糧問題、人口問題解決のために、北海道の開発をしなければならぬということをおつしやつておる際に、この予算に現われて参つておりまする予算総額を見ますと、わずか百四十億程度にすぎないのであります。これではたして計画されておりまする北海道の開発ができると大野大臣はお思いになつておられるかどうか、まず御所見を承りたいのであります。
#110
○大野国務大臣 お答えいたします。先般参議院の本会議におきまして、野本議員からもそういつた御質問がありました際に、私は率直にはつきりお答えをしたのであります。広大無辺というてもいいあの北海道の開発に、わずか百五十億に満たない金でどうして開発ができましよう。私はむしろこれは不可能であるという言葉で申し上げたのです。だからこれは、こんなちつぽけな金で、どうして北海道の開発ができるか、かように考えておりまするが、しかし御承知の通り、私が北海道開発庁長官を拝命いたしましたのは、予算査定の最終日でありまして、一月の十五日、(笑声)いかに大野奮闘いたしましても、これ以上獲得することができなかつたのですが、来年度は大いにひとつたくさん獲得してこれを計上いたしたい、かように考えております。
#111
○小平(忠)委員 大野大臣の決意のほどは、まさに了承できます。先般参議院の本会議における野本晶吉議員の質問に対しましても、ただいまのことと同様のことを答弁された。私があえてこの問題を伺つたのは、しからばそうであるならば、その内容について一点だけ触れてみたい。と申しますのは、食糧の増産をやるんだということを政府は言つておりながら、今回の予算書を見ますると、二十九年度に計画されております新規事業は一切認めない。同時に二十八年度すでに着工いたしておりますすのを全部ストップかけるものもある。中にはうるさく陳情されて、やむを得ず眠り料としてわずかな予算をつけたというのもある。私は政府が徹底した緊縮予算をやるという観点から、一応この考え方も理解できる。しかし私は、北海道の総合開発は現実に最も経済効率がすぐ現われて参るというものから重点的に手をつけておりますものを、全国一律にこの新規事業まで全部ストップするということは理解できないのでありますが、この点について大野大臣はいかにお考えになりますか。
#112
○大野国務大臣 ただいまの御質問、私ども同感であります。そう申しますことは、北海道は御承知の通り、これから大いに開発しろ、今開発途上にあるのであつて、内地府県並に一律一様にこれを取扱うことは、根本的な誤りがそこにあると私は思う。ゆえに新規事業でも、この乏しい予算の中からでも北海道開発に特殊性があるということに私は考えまして、新規事業といえども重点的に着手できるように大蔵当局ともよく相談をいたして、必ずこの了解が得られるものと確信して……(「追加予算だ」と呼ぶ者あり)いやこのわく内においてということを初めに申し上げた。ことしは緊縮予算であるからやむを得ない。
  〔発言する者あり〕
#113
○小峯委員長代理 私語を禁じます。
#114
○大野国務大臣 わく内においてはさようなことができますようにとりはからいたい、かように考えております。
#115
○小平(忠)委員 わく内操作ということでありますが、それは私は、一応内地、北海道というような配分をいたしております関係上、これはすでに予算の基礎となつて、積み重ねられた予算について、内地府県に影響を与えるようなことは、今日の段階ではできないと思います。ですから私は、今日こういう問題でわく内であるとかいう問題は一応起きて来ると思うのでありますが、こういう問題について予算書においても、内地、北海道対比というような形において北海道の総合開発ができるということについては、これは大いに問題がある点であります。ところが私はこういう問題について、北海道開発法が制定される当時から大きながんとなつておつた、すなわち予算の編成と実施の一本化について、私は常日ごろこの問題を解決しなければ、日本の食糧問題、日本の未開発資源の開発はできない、こう考えておつたのでありますが、先般閣議におきまして、大野大臣が特に発言を求められて、北海道開発予算の編成とこの実施についての一本化について了解を得たと聞いておるのでありますが、それはいかなる形で具現されようというお考えであるか。特に私は、真にこの北海道の開発を国策として促進するためには、はたまた開発の総合性を高度化するためにも、現在のような制度を改めまして、開発庁長官がみずから責任を持つて事業の執行をし、監督すべきだと私は考えておるのでありますが、大野大臣の御所見を承つておきたいと思います。
#116
○大野国務大臣 私は就任早々、予算の一本化並びにこの実施について、閣議においてこの問題を取り上げて、閣僚諸君の大体の賛同を得ているのであります。実はこれは当然過ぎるほど当然で、予算を編成してその者が仕事をする、これは当然な話でありまして、従来の長官はさようなる機構のもとにやつておるものと思つておりました。ところが私が就任して初めてそのことを知つてびつくりしたのです。そんなばかな話はない、かように考えて――しかしながらこれにはいろいろ法律の改廃もしなければならぬように承つておりますから、でき得べくんばきわめて近い時期に、その予算の一本化並びに実施の問題を解決いたしたい、かように存じております。それがために最善の努力をいたしたい、かように考えております。
#117
○小平(忠)委員 私はこの予算の編成並びに実施について、開発庁長官が責任実施をするという問題を実は漏れ承つておつたのです。ところがただいまの大野大臣の発言で、この問題は閣僚の了解も得、そういうことを閣議においても了承しているんだ、同時はこれは責任を持つてやらなければならぬということを言明なされたので、私は非常にこの問題は同慶にたえないし、ぜひかくあらねばならぬ、こう思うのであります。なぜならば、今日この北海道開発事業は、直轄事業として農林大臣、建設大臣、あるいは運輸大臣等がそれぞれ分散をした形においてこれを行うということは、総合開発それ自体の総合性に欠けるということでもありますし、それから予算を編成したその責任を持つ開発庁長官が何らその実施について責任がない、指揮監督がないということは、これ自体制度に欠陥があると思う。今日総理府の中で、総理府の所管として専任大臣を持つ役所がたくさんあります。現在の自治庁、保安庁その他十幾つかに上る役所がありますが、すべてこれは長官があつて、責任体制を持つておる、こういうことであります。私は少くともそういう観点に立つて、今後強力に推進を願わなければならぬと思う。私はあえてこの問題を申し上げるならば、今ただちに百四十億という予算をふやせということは、われわれ願つておりますが、内地府県にも影響することでありましようから、これはなかなかそういう一方的なことは不可能だろうと思う。しかし予算の額は、二十九年は百四十六億でよろしいだろうが、長官たる大臣が責任体制をとれるならば、私はこれでさらに将来に大きな見通しがあろうと思う。同時に各役所におきましても、こういう割拠主義的な、あるいは自分の領分を荒されるというような考え方を捨てて、少くとも北海道の開発は国策として、当面する食糧問題や人口問題、未開発資源を開発するということが私はできると思う、そういうような観点で、私はこの問題は、さらに予算が足りないから、二百億、三百億、開発計画によりますれば最低五百億くらいの予算が年間必要であろうということだが、国家財政もなかなか苦しい、そこで私は、さらに北海道の開発は外資導入へと発展をしなければならないというようにも考えております。こういう問題について大野大臣はいかように考えておられるか。
 さらに時間もあまりございませんから、関連する問題でお伺いいたしたいのでありますが、保支庁長官がちようどお見えになりましたから、この北海道総合開発に関連して、先般参議院の野本晶吉議員の質問に答えて、保安庁長官が、将来北海道の道路の整備開発については、治安の維持の土からも、産業開発の意味からも、保安隊をこの道路の建設に協力させたいということを発言されているのでありますが、もしそういつた保安隊を道路建設に実際に協力させるという場合には、どういう方法で、またどういう計画でやろうとお考えであるか、これは現に大臣がそこまで言明されるということは、何らかの計画があるやにも伺うのでありますが、この点について私は両大臣に承りたいと思います。
  〔小峯委員長代理退席、委員長着席〕
#118
○大野国務大臣 国家資本だけで北海道を総合開発するということは、なかなか国家財政が御承知の通りのときでありますから、私はでき得べくんば民間の資本を大いに導入したい。同時に外資の導入もいたしたい。二、三日前でありましたが、北海道農地開発協会という会の役員会に出席いたしましたが、この外資導入の問題について、前後二、三時間にわたつて活発なる論議をされて、私は静かに拝聴いたしました。これはぜひとも外資を導入したい。これには御承知の国連等の技術の力を借りて、ほんとうに完全無欠なる調査資料を出して、そうして世界に呼びかけたい。そうして一日も早くこれが実現をはかりたいということがこの間の農地開発協会の致したる意見でありまして、私もこれに対しては同感いたしました。今後どの問題をもつて外資を導入するかといつた、いろいろ案がたくさんあるようでありますが、これもあれこれというても、二兎を追う者は一兎も得ずでありますから、一番重要な問題を把握してこれに集中したい。そうしてりつぱな調査資料を得て、そうして一日も早く外資導入の実現をはかりたい、かように心から存じております。一生懸命に今後その方面に向つて努力を傾倒いたしたい。かように考えております。
#119
○木村国務大臣 お答えいたします。
 私は北海道といわず、どこでも道路の開発は、治安面から見ても産業開発の面から見ても重要であると考えております。ことにわれわれとしては、北海道は将来ばかりでなく、現在においても日本における最も重点的の要地だと考えております。この北海道の開発にあたりましては、私は法規の許す限り、保安隊をもつて協力させたい。幸い保安庁法八十一条におきましては、国もしくは地方公共団体の要請がある場合において、土木事業を請負つてこれを実施することができるということになつております。そこで今後北海道におきまして道路開発という場合において、北海道庁あるいはその他の地方公共団体から要請された場合においては、喜んでこれに参加させたい、こう考えております。ただ保安隊が独自の見解でみずから遊んでやることはできないのであります。これはちやんと地方公共団体が計画を立てて、どの方面においてどういうぐあいに実施してくれということの要請があつた場合に、保安隊は施設部隊を出してそれに協力することになるのであります。
#120
○小平(忠)委員 時間が参つておりますので、結論を出したいと思いますが、ただいまの問題は、私があえてなぜこれを承つたかというと、かつて警察予備隊時代から道路の建設、こういうことに協力させたいということは、大橋大臣時代にも実はこの問題に触れております。あえてこのことを聞いたのは、参議院の本会議においてこういつた問題を答弁されておられるからには、具体的構想がおありかと思つて実は承つたのであります。もとよりわが党は再軍備には反対いたしております。しかし治安維持のために旧警察予備隊程度のものはわれわれは認めておる。そういう観点から、一方治安維持のための予備隊を、今日これを改変いたしまして、保安隊という軍隊にまぎらわしいものにしているが、これは真に政府がおつしやるように、治安維持のため、さらに産業開発のためにそうおつしやるならば、この保安隊を国内産業開発に協力させる具体的構想があつてしかるべきだと思う。今回保安隊の漸増計画に基いて北海道に相当の部隊を増強すると承つておる。私はすべからくこういつた方面についてもつと具体的な御考慮、お考え方を願いたい、こう思うのであります。
 最後に私は緒方副総理に承りたいのでありますが、北海道の問題を取上げると、どうもローカル問題のようなことに解釈される、またそういう批判をされる方もあるのでありますが、こういう北海道の開発について非常に経験もあり、また閣僚の中でも発言力の強い大野大臣が専任大臣になつたということについては、むしろ単に五百万近い北海道道民の喜びということでなくて、全国民がそういうことを期待しておつたことでありますから、私は協力を申し上げたい。しかし問題は、緒方副総理が現に北海道に五百万の収容人口が可能であるとこの委員会でも答弁せられ、特に大野専任大臣の問題については、緒方副総理は総理へもお話されて、特に前長官である戸塚大臣にもそのことを漸次了解させて、御努力されたことを実は承つておるのであります。ただそういうふうにやるやるというだけではなくて、政府や北海道開発庁長官が真に責任をもつて、予算の編成から実施に至るまで、責任ある態勢を整えるという腹をきめれば、これに関する法規の改廃は簡単であります。政府の方針がきまれば、国策としてこの問題は各党を問わず協力して参つた問題であるから、私は問題ないと思う。そういう意味からほんとうにただいま大野専任大臣が言明せられたように、この問題をすぐにやろうと思うならば、予算の総額を変更するとかいう問題になれば、これは多分に内地にも影響することでありますが、この予算の額は動かさないで、そうした機構上の問題、制度上の問題を変更するということは、決して今国会、今二十八年度内において、そういつたことをできないわけじやない。私はこの問題は過去四回も五回も委員会において主張して参つた問題だけに、総理にかわつて緒方副総理の御決意のほどを承つて私の質問を終りたいと思います。
#121
○緒方国務大臣 北海道の見方については、小平君と全然同感でございます。敗戦の結果四割五分の国土を失いました日本としましては、人口の問題が非常に大きな政治問題になつておる。その人口問題の処理のためには、食糧問題あるいは生活安定というようなことが重大でありますが、まずもつて人口の収容地が必要である。それには、今の日本といたしましては、何よりも北海道に目を注がなければならないと考えております。総理大臣が施政演説に、国の関心をより強く北海道に注ぎたいと言つておりますのも、その意味にほかならないのであります。私が五百万ということを申しましたのも、これはただでたらめを言うたのではなくて、現在北海道には四百三、四十万の人口があると考えまするが、今の地積から申しまして、将来千万に近い人口を収容することはこれは不可能ではない。しかしその人口を収容するにつきましては、ただ地積が広いから入れられるものではないのでありまして、地上の開墾、地下の資源開発、それからまた全土にわたりまして産業化するというような、そういう条件が整わなければ、それだけの人口を収容することはできない。その意味におきまして、今お話がありましたように、北海道の問題は、敗戦後の日本にとりまして決してローカルな問題ではありません。これは国の重大な問題と考えまして、今回新たに北海道開発庁長官として専任大臣を任じた次第であります。今お話になりました予算とは別に、ただちに北海道の開発事業を責任をもつて政府が指揮監督するということにつきして、法規等の改廃を要するもので、ただちに実施し得るものは、できるだけ緊急に善処して参りたい、かように考えておる次第であります。
#122
○倉石委員長 本日はこの程度にいたしまして、明十六日午前十時三十分より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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