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1953/01/27 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第5号
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1953/01/27 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第5号

#1
第019回国会 本会議 第5号
昭和二十九年一月二十七日(水曜日)
 議事日程 第三号
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 議員原彪君の逝去につき院議をもつて弔詞を贈呈し、その弔詞は議長に一任するの動議(佐藤洋之助君提出)
 国務大臣の演説
 議員請暇の件
    午後一時十九分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(堤康次郎君) 御報告いたすことがあります。議員原彪君は去る一月二十三日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 この際、弔意を表するため佐藤洋之助君から発言を求められております。これを許します。佐藤洋之助君。
    〔佐藤洋之助君登壇〕
#4
○佐藤洋之助君 ただいま議長から御報告に相なりました故衆議院議員原彪君に対し院議をもつて弔詞を贈呈し、その弔詞はこれを議長に一任するの動議を提出いたします。(拍手)
 思うに、数日前まで平素とかわりない健康な姿を院内に見せられた君が、今国会の開会式を目前にして、にわかに長逝せられましたことは、われわれにとりまことに一大痛恨事と申さなければなりません。この際、私は、諸君の御同意を得て、つつしんで哀悼の辞を述べたいと存じます。(拍手)
 君は、茨城県土浦市の御出身でありまして、昭和五年三月東京帝国大学経済学部を卒業の後、ただちに三井物産に入り、実社会の修練を積まれること十有四年の後、退社して霞浦造船所の常務取締役に就任、大いにその前途を嘱望されたのでありました。時に昭和十九年、爾来その業績はますます充実発展して今日に至つておるのであります。翌二十年には早くも選ばれて土浦市長に就任し、郷土の自治に貢献するかたわら、同市の国民健康保険組合、観光協会、体育協会等の理事長として、地方公益と民福の増進に指導的な役割をになわれたのでありますが、時あたかも終戦前後の混乱時に際し、当時の君が苦心と努力はまことに想像にかたくないのであります。君が郷土のために尽された誠実にして献身的な努力は、郷党のもつて深く徳とするところであります。
 終戦の後、君は、わが国戦後の経営と自立のために深い関心を寄せられ、みずからの抱負をのべるために、二十二年四月第二十三回総選挙には勇躍出馬して、みごと本院に議席を占められました。爾来今日に至るまで当選すること三回、在職六箇年有余に及び、在職中は再度文部委員長に選ばれ、あるいは運輸委員として、励精よくその職責を果されたのであります。
 御承知のごとく、君は、その偉大なる体躯のうちに質実剛健と温厚篤実の気風をあわせ備え、現に改進党中央常任委員としての日ごろの活躍と生前の風格をほうふつして、まことに追慕の情にたえないのであります。しかも、君は、今次日本航空株式会社の太平洋線開設に際し、同僚松岡俊三君とともに、日航主催の日米親善招待飛行により、実に今二十七日午後三時羽田発桑港に向け出発される予定であつたのであります。君は、この記念すべき旅行に多大の期待を抱き、かねてより準備を整えるとともに、渡米後は米国における運輸交通行政あるいは文教方面の視察に多大の希望と期待を持つておられたのであります。君にかすになお年をもつてせば、このたびの渡米により必ずや大きな収穫をあげて帰朝せられたでありましよう。われわれは、君がためのみならず、国家のために心から君の急逝を惜しむものであります。
 君は年歯ようやく四十九才、独立後間もない日本の今後は文字通り多事にして多難と申すべく、このときにあたり、前途なお多望なる有為の士を失うことは、まことに国家の損失と申さなければなりません。われわれは、わが民主政治の上に残された君の足跡をしのび、国会の再開にあたつて感慨ことに深きものを覚えるとともに、君の急逝を心からいたみ惜しむものであります。
 ここに、議員一同を代表いたしまして、つつしんで哀悼のまことを披瀝し、君の御冥福を祈る次第であります。(拍手)
#5
○議長(堤康次郎君) ただいま佐藤君から提出されました動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議は可決せられました。
 ここに議長の手元において起草いたしました文案を朗読いたします。衆議院ハ議員原彪君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞ヲ呈ス
 この弔詞の贈呈方は議長においてとりはからいます。
     ――――◇―――――
#7
○議長(堤康次郎君) 内閣総理大臣から施政方針に関し、外務大臣から外交に関し、愛知国務大臣から経済に関し、大蔵大臣から財政に関し発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣吉田茂君。
    〔国務大臣吉田茂君登壇〕
#8
○国務大臣(吉田茂君) 第十九回国会の休会明けにあたり、政府の所信を述べる機会を得ましたことは、私の最も喜びとするところであります。
 最近の国際情勢を通観いたしますと、国際的緊張はかなり緩和されたように見受けられるのでありますが、東西の冷戦状態は依然として存続していると考えられます。かかる情勢を前にして、わが国は、世界平和の確立を念願する見地より、自由諸国との協力提携を強化せんとする従来の基本的方針を堅持し、なかんずくアジアの自由諸国との友好関係の増進に努めるべきであると考えるのであります。特に東南アジア諸国に対しては、賠償問題の早急なる解決を期し、正常なる国交の樹立を急ぐとともに、経済協力を通じて相手国の繁栄に寄与し、善隣相助けて世界の平和に貢献したいと考えるのであります。
 李ライン問題その他隣邦韓国との間の懸案が年を越えてなお解決を見ないのは最も遺憾とするところであります。政府は、あらためて最善の努力をいたすつもりであり、両国唇歯の関係からも必ずや公正妥当の結論を得るに至ることを信じて疑わないのであります。
 昨年十二月奄美群島が復帰したことは、まことに御同慶にたえません。過去八年にわたる二十万同胞の労苦に深甚の同情を表するとともに、政府としては、今後同群島の復興と民生の安定につき、あとう限りの努力を惜しまないのであります。
 沖繩諸島、小笠原諸島等の復帰についても、政府は、今後機会のあるごとに全国民の強い要望を伝えて、その早期実現を要請する考えであります。
 未復帰の領土とともに想起を禁じ得ないのは戦犯者の問題であります。政府は、昨年濠州、フイリピン両国政府によつてとられた寛容の措置にあらためて謝意を表するとともに、同様の配意がなるべくすみやかに残存する戦犯者の上に注がれることを期待するものであります。(拍手)けだし、独立後三年、戦争の記憶と創痍とを一日も早く払拭し、国民的気概を新たにして世界の平和に寄与せんとすることは、独立日本の切なる念願であるからであります。
 政府は、二十九年度予算案を編成するにあたり、極力財政の規模を圧縮し、これを一兆円以内に収めることにいたしたのであります。わが国の経済が最近インフレ的傾向にあることは、もろもろの数字より見てこれを否定し得ないところであります。もしこの趨勢がさらに早められ、インフレーシヨンによる悪循環がせきを切つて奔流するに至れば、それはただちに日本経済の崩壊であるのであります。かかる実情にかんがみ、昭和二十九年度においては、わが国経済の基調を積極的な物価の引下げ及び円の対外価値の強化に置き、通商貿易の振興、従つて国際収支の発展的均衡に最善の努力を傾けるつもりであります。問題は決して単なる財政の圧縮のみをもつてよくするところではありません。すなわち、政府は、金融引締めを継続強化する一方、資本の蓄積、貯蓄の増強等に資するため税法の改正を行う所存であります。民間においても、この際産業設備の合理化、技術水準の向上に努め、もつて国際競争力の強化に最善を尽されんことを切望いたすのであります。
 政府は、この間においても、治山治水、道路等の国の根本をつちかうものについては、乏しき財源の中からあとう限りの施策をなさんとするものであります。昨年の屡次にわたる大災害は、もと天災によるとはいえ、戦前戦時を通じ治山治水の対策を等閑に付した結果であります。これ政府がさきに治山治水対策協議会を設けてその根本対策を検討したゆえんであります。本予算においても、災害復旧費とともに、一つの重点をこれに置いたゆえんであります。道路もまた治山治水と同様国の将来に対する投資であり、蓄積であり、これは財政圧縮の中にあつて特にこれを取上げた次第であります。
 財政圧縮を前に当然に考えられるのは食糧問題であります。経済自立の基盤をつちかうためには、総合的な食糧自給度の向上をはかることは急務中の急務と存ずるのであります。政府が過般北海道開発に関する専任大臣を任命した一つの理由も、以上の観点から、国の関心をより強く北海道開発に注がんとするものにほかならないのであります。(拍手)一面、政府は、農地の改良、営農技術の普及改善等、従来の方針をさらに強力に推進するとともに、近時国民的食嗜好の変遷の傾向にかんがみ、この際積極的に米食偏重の食生活を改善すべく鋭意検討を進めたいと存ずのであります。
 防衛問題については、国力に応じ自衛力を漸増する基本方針については、何らかわるところはないのであります。米国が財政緊縮方針に基きその駐留軍漸減の希望あるに対し、来年度において国家財政を勘案し保安隊を増強する考えであります。それは、ひとり日米安全保障条約上の要請であるばかりでなく、国力の許す範囲において、自由諸国の共同防衛体制の樹立に寄与するため、みずからの手によつてみずからの国を守る体制を一日も早く樹立することは、当然の責務であると考えるからであります。(拍手)これがため近く米国との間に相互援助協定が締結される運びになつておるのであります。政府は、叙上の情勢を考慮して、この際保安庁法その他関係法律に所要の改正を行い、保安隊、警備隊をそれぞれ自衛隊に切りかえるとともに、航空自衛隊を新設し、自衛隊に直接侵略に対処る任務を持たせるため必要の規定を設けたいと存ずるのであります。(拍手)
 政府は、さらに、最近の治安状況にかんがみ、その確保と責任の明確化に腐心しつつあつたのでありますが、たまたま今回の行政機構改革にあたり、独立後の懸案であつた警察制度の根本的改革を行うに決し、近く案を具して国会に提出する所存であります。子の主眼とするところは、現在の国家的方警察と自治体警察とをともに廃止して、新たに都道府県警察を設け、警察官理の民主的保障を保持しつつ責任を明確にするところにあります。
 一部極端なる傾向が教育界に現われつつある事実もまた政府として見のがし得ざるところであります。学校教育は心身の発達の未熟な生徒児童を対象とするものであり、従つて特定の政党政派の主義主張を刻印するがごとき教育を施すことは厳に戒めるべきであります。しかるに、現状においては、学校教育の政治的中立性が侵されんとする危険性が少くないので、政府は、これに対し所要の立法措置を講じ、国の将来のため正常な学校教育の運営を保障したいと考えるものであります。(拍手)
 財政の緊縮に伴い、行政整理と地方諸制度の合理化は、思うに当然の措置であります。政府は、過去六年の間常に行政各部門の機構とその事務の簡素化を検討して参り、なお今後も努力を続けるつもりでありますが、二十九年度においては警察制度の改革と人事院の改組等を行い、人事整理の面においても事務の簡素化に伴い約六万人の縮減を断行する所存であります。地方制度については、さきに地方制度調査会の答申を得ましたので、その結論の線を尊重し、逐次所要の改正を行う考えであります。
 以上、政府の所信の一端を述べましたが、緊縮予算の趣旨を貫くことは、事必ずしも容易でないのであります。政府は、国民各位がよく一旦の耐乏生活を克服して、各界一致、労資協調、国家経済の自立達成に協力せらるるを信ずるものであります。政府においても、この際特に民生安定に努め、この重大時局の打開に際し、いやしくも国民的階調が害せられざるよう最善の努力を傾ける覚悟であります。切に各位の御協力を希望いたします。(拍手)
#9
○議長(堤康次郎君) 外務大臣岡崎勝男君。
    〔国務大臣岡崎勝男君登壇〕
#10
○国務大臣(岡崎勝男君) 最近の国際情勢と、これに関連して政府の外交方針について申し上げます。
 国際間の情勢を見まするに、昨年春から始まつたソ連の平和攻勢が依然として現在までも続いておる点に従来と異なつた特徴が見出されるのであります。これがため、一部には、右は単にスターリンの死に伴つて表面化した内部的の困難の調整や自由主義諸国間の結束の切りくずし等の目的以外に何らか平和を希求する意図もあるやに考えられております。しかしながら、自由圏諸国においてはいち早く軍備縮小の声も起つておるのに反し、共産国家側からは、しばしば平和的な言説が繰返えされているのみで、従来の厖大な軍備拡充の努力を軽減した証左はないのであります。従つて、自由諸国側のこれに対する態度は、米国と英仏等との間に意見の調整等も行われた結果、結局自由諸国の結束並びに防衛態勢確立の政策はあくまでもこれを堅持しつつ、現実の対ソ政策にはある程度の弾力性を持たせ、ソ連の宥和的態度にこたえながら、国際的緊張の緩和に資せんとするもののごとくであります。かかる両者の基本的態度から考えまして、現に開催中の四国外相会議や、近く開催を予想される原子力会談あるいは朝鮮政治会議等についても、従来は困難であつたこの種会議が一応開催され得る程度に国際緊張が緩和されて来たことも確かでありますが、同時に、具体的成果をあげるためにば、今後よほどの努力が必要であることもまた事実であります。われわれとしても、この間の推移は十分注視すべきであると考えております。
 以上のような国際情勢の一環として東亜の状況を観察いたしますれば、この方面における自由国家間の相互依存及び結束強化が今日ほど切実に要請されることはないにもかかわらず、また各国いずれもこれを希求しつつも、なお十分な成果をあげ得ていない実情にあります。しかるに、共産陣営におきましては、内部的な連繋と一定の計画のもとに、朝鮮及びインドシナにおいては、いわゆる代理戦争を敢行する一方、わが国その他の諸国においては、それぞれの事情に応じ、再軍備反対または植民地化反対等のスローガンをもつて輿論をあおり、統一戦線を結成せんとするかたわら、平和攻勢により自由諸国問の離間やその中立化、無防備化をはかり、場合によつては武装蜂起にまで持つて行かんとする気配さえ示しております。東西両陣営の根本的対立と共産側の平和攻勢に基く輿論の動揺とを最も典型的に現わしているのが現在の東亜の情勢であるとも言えるのであります。
 政府においては、かかる国際情勢に対処する外交方針として、まず一般的基本政策については、国際連合との協力並びに自由主義諸国、特に東南アジア諸国との提携を強化し、集団安全保障理念の実現を期し、もつてわが国運の振興とアジア及び世界の平和促進に寄与せんとするものであります。
 これを具体的に申し上げれば、その一は国際連合との協力の点であります。わが国は、これが一員となり、名実ともに協力の実をあげるよう、加盟に関する施策を続けて参りますが、他方、その実現を見るまでの間においても、国連の精神に即応して諸般の対外活動を規律するほか、経済関係等特定の付属機関または会議には極力参加する方針であります。
 その二は自由主義諸国との提携強化でありますが、まず米国との関係が十分なる相互信頼と相互依存の域に達していることは欣快にたえないところでありまして、願わくば、かかる関係を他の自由主義諸国全般にも推し進めて行きたき意向であります。またわが国として特に重視するのは、近隣の自由諸国、特に東南アジア諸国との親善強化であります。東南アジア諸国とは年々親交を加えて来ておりますが、いまだ正式国交の回復せざる国々に対しては、まず賠償問題の公正なる解決をはかるとともに、これと並行して、国交未回復の現状においても、可能な限りの経済並びに文化の交流を進めて行く方針であります。韓国との国交打開につきましては、すでに御承知の通り、わが方の真摯誠実な努力にもかかわらず、三度まで日韓会談が不調に終つたまま現在に及んでいるのは遺憾の至りであります。ことに、いわゆる李承晩ラインの問題は、わが漁民に多大の損害を与えている現状にもかんがみ、政府といたしましては、引続き韓国側の反省を促すとともに、必要あらば米国等のあつせんを依頼してでも、一日も早く公正妥当な解決をはかりたき意向であります。
 その三は集団安全保障理念の実現に関するものであります。国連との提携も、また特に日米安全保障条約のごときはこの方針の現われでありますが、昨年夏から開始されましたいわゆるMSA協定交渉が妥結いたしますれば、この関係において、さらに一歩を踏み出すこととなるわけであります。
 次に、当面の政策として政府の最も重視するところは通商貿易の促進であります。わが国は本質的にその生存を外国貿易に依存せざるを得ないにもかかわらず、最近の対外収支は厖大な輸入超過となつており、かつこれを補填する貿易外収入は、大部分防衛分担金及び駐留軍の消費等米軍の国内駐留に関連するものと、いわゆる特需とであります。これは決して健全なる状態とは申されませんので、この際わが国としては、経済を建て直し、正常なる輸出によつて正常なる輸入をまかない得るがごとき措置を講ずべき緊急の必要があるのであります。
 輸出の増進については、世界のあらゆる地域を目標とすることは当然でありまして、そのため、今回も、緊縮せる予算中において、貿易上枢要なる地を選び、十の在外公館設置を予定しております。しかし、地理的及び歴史的関係よりして、近隣諸国、特に東南アジアの市場がわが国にとり最も重要なることもちろんでありますから、この方面に対する輸出増進策として次の諸点を推進する考えであります。
 第一は貿易上の障害の除去でありまして、たとえば、関税障壁を除き、輸入制限を緩和し、わが商社の進出を容易ならしむる等の施策であります。わが国のガツト加入や英国との貿易協定締結等はこの点に大なる寄与をなすものと信じます。第二はわが商品のコスト引下げでありまして、この具体策は種々ありましようが、現在の国際価格より見て、わが国が思い切つたコスト切下げをなす必要のあることは説明を要せぬところであります。しかしながら、東南アジア諸国は、戦後の経済回復いまだ十分ならず、購買力も自然限定されておりますので、第三に、まずこれら諸国がゆたかとなり、その購買力が増大することを期待いたします。このため、政府は、経済の許す範囲において賠償の支払いもあえて辞せず、また経済協力により資源開発等に資する機会あらば喜んでこれをなしたき考えであります。さらに、共産圏、ことに中共との貿易につきましても、わが基本方針、なかんずく国連または自由諸国との協力の方針に背馳しない範囲でこれが増進を期待しております。
 以上の外交方針に立脚し、最近政府がとりつつある具体的施策につき概説いたしますと、まず諸国との国交回復の状況については、昨年中において国交を再開いたしました国は計八箇国に上り、これによりまして現在わが国との修交国は、総計五十五箇国を数うるに至りました。なお、この点に関連し、わが国は、国別の修交のみならず、国際的かつ多辺的規模において関係事項の処理をはかるため二十以上の国際機関に参加いたしております。
 第二は日米相互援助協定であります。このいわゆるMSA交渉は逐次妥結に達し、現在僅少の細部調整を残すのみとなりました。余剰農産物の買付と、わが国防衛産業増進のため贈与並びに投資保証等、これから派生した二、三の案件についても、右とほぼ同様であります。また具体的な援助内容に関する交渉も、さほど時日を要せずしてまとまる見込みであります。
 第三は東南アジア諸国との賠償問題であります。まず、フイリピンとの中間賠償協定に基く沈船引揚げ作業は近く実施の運びとなつております。インドネシア及びヴエトナムとの間にも同様の沈船引揚げ協定を交渉しました結果、インドネシアとの協定はすでに昨年末調印を了したので、本国会の御審議を仰ぐ予定であります。ビルマとの間においてはいまだ具体的成果を収めておりませんが、近く調査団の派遣や中間賠償交渉の開始が期待されております。なお、賠償問題に対する政府の方針は、単に相手国の損害の一部を償うというような消極面にとらわれず、前述いたしました基本方針に基いて本問題の妥当な解決をはかり、これにより関係国との親善関係を強化するとともに、これら諸国の経済回復に資すべしとの積極面に着眼いたし、賠償の内容も、役務のみでなく資本財による支払いも考慮せんとしているのであります。ただ、関係国においても、わが国の支払い能力にきわめて限りのあることは了解せられたいのであります。
 第四にオーストラリアとの漁業紛争の件がありますが、これは同国がその国内立法に基いて公海上におけるわが漁業を一方的に制限せんとしたことに端を発したものであります。しかし、問題は公海における漁業の自由という国際法の原則に関するものである関係から、わが国としてはこれを国際司法裁判所に提訴して公正なる判決を求めることとなし、オーストラリアの同意を得て所要の準備を進めております。わが国が本問題に特に重大な関心を寄ぜているゆえんは、アラフラ海におけるわが国漁業の自由はすなわち一般的に公海における漁業の自由の原則に関連するものであり、漁業国たるわが国の利益に至大の影響を及ぼすからであります。
 その五は移民問題であります。政府といたしましては、移民送出はわが人口問題解決の一助になるほか、移民が受入国の経済発展にも貢献する点を考慮し、できる限り多数の者を送出すべく努力しております。(拍手)その結果、昨二十八年度における移民送出数は、ブラジルに二百五十七家族、千四百七十一名に上りましたが、本年度は、計画移民として、ブラジル向け約四千三百名、その他パラグアイ等への者を合し約五千名を見込んでおります。時たまたま本年はブラジル国サンパウロ市におきまして四百年祭が挙行されますので、わが国としてもこれに全面的に協力し、同国との伝統的な好友関係の促進に資したいと考えております。
 最後に、引揚げ及で戦犯並びに領土の問題について申し上げます。
 昨年中における引揚者は、中共及びソ連よりの者を合せて約二万七千余名に達したことはまことに幸いでありまして、関係者の努力を多とする次第であります。
 戦犯問題については、昨年はマヌス島からの濠州関係者の内地送還を初め、フイリピン政府の好意的措置による同国関係者の全員釈放並びにフランス関係戦犯の大部分の釈放等を見たことは、まことに喜びにたえません。また関係国による仮出所の措置も漸次増加しつつありますが、いまなお巣鴨には七百九十人名の者が拘置されており、これら戦犯者及び留守家族の窮状はまことに胸を打つものがあります。政府といたしましては、この引揚げ並びに戦犯釈放は人道上の問題として、早期解決をはかるため一層の努力をいたす所存であります。
 領土問題につき、昨年末奄美大島が復帰しましたことは御同慶の至りでありまして、米国政府の友好的態度を深く多とするものであります。しかし、領土については他にもなお解決すべき幾多の問題がありますので、政府としては国民の総意を体し十分善処する考えであります。
 以上は政府の外交方針の大要でありますが、現在の国際情勢下、わが国の外交は今後ますます多事かつ多難を加えて来るものと考えまするについては、同僚議員諸君並びに国民各位の深い御理解と一層の御支援とを期待してやまない次第であります。(拍手)
#11
○議長(堤康次郎君) 国務大臣愛知揆一君。
    〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#12
○国務大臣(愛知揆一君) 今日のわが国経済を概観いたしますに、経済規模は拡大し、国民生活も著しく向上して参つたのでありまするが、当面最も重要な問題は、輸出の伸び悩み、輸入の膨脹、その結果としての国際収支の逆調でございます。しこうして、このまま推移いたしました場合におきましては、わが国の手持ち外貨は次第に減少し、経済の自立を達成し得ないばかりでなく、国民経済の安定が害されるおそれも生ずるのではないかと考えるのであります。よつて、私は、この機会に、世界並びにわが国経済に関する最近の諸情勢を申し述べまして、これに対処する政府の経済政策の大綱について所信を明らかにいたしたいと存じます。
 まず、わが国をめぐる世界経済の最近の諸情勢について簡単に申し述べます。海外の主要諸国におきましては、ここ数年来、国民の非常な努力によりまして、その経済的地位も著しく向上して参りました。たとえば、イギリス、西ドイツ等の西ヨーロツパ諸国におきましては、昨年以来貿易も順調に増加し、手持ち外貨も著しく増大いたしているのであります。特に右両国におきましては、国内経済力の充実に伴い。ポンド、マルクの対外価値が強化せられ、その自由交換化に対する熱意も高まつて来ているのでございます。次に、朝鮮における休戦に伴いまして、世界経済の動向は若干景気後退の徴候を示し、物価は低落の傾向にあり、対外購買力も漸次減少が予想されるのであります。アメリカにおいても、年頭の大統領教書においてこの点に触れているのであります。世界における景気の後退は一般的に貿易規模の縮小を招来するおそれがあるのでありまして、先般の英連邦蔵相会議における新通商政策として特に非ドル地域との貿易の促進と連邦特恵制度の強化に重点を置いたことは、これを物語るものと考えられるのであります。かくて、今後は東南アジア、中南米等、世界各市場における輸出競争はいよいよ激化するものと覚悟いたさなければなりません。
 このような世界主要各国の経済情勢であるにもかかわらず、わが国経済はこれに反するがごとき傾向をたどつて参りました。すなわち、わが国物価は、異例の風水害と凶作の影響もあつたのではありまするが、内需の旺盛にささえられて、世界物価の動向とは逆に漸騰を示し、その国際的割高はますます広がり、加うるにポンド地域等諸外国の輸入制限措置、世界的輸出競争の激化の影響もありまして、輸出は、昭和二十八年におきましては十一億五千万ドルと、前年に比し一億三千万ドルの減少となつておるのであります、これに対し、財政支出の増大、信用の膨脹は国内購買力を増加し、生産と消費の増大を来し、輸入の増加を招いたのでありまして、昭和二十八年の輸入は二十一億ドルと、前年に比し三億八千万ドルを増加いたしたのであります。これは金額において二割余の増加でありまするが、数量的には約四割の著しい増加に当るのであります。その結果、昭和二十八年におきましては、年間八億ドル余のいわゆる特需収入があつたにもかかわらず、国際収支は差引一億九千万ドル余の赤字となつたのであります。なお、従来わが国の国際収支と経済規模の上においてきわめて大きな役割を果して参りました特需収入は、昭和二十七年八億二千万ドル、昭和二十八年八億ドル余でありましたが、今後は国際情勢の変化に従いまして年々若干の減少傾向をたどるのでありましようし、たとい近い将来に予想されるMSAの援助等を考慮いたしましても、昭和二十八年以上の期待をかけることは困難ではないかと考えられるのであります。この間、わが国の国内生産水準は大幅に上昇し、昭和二十八年におきましては、鉱工業生産指数は、昭和九―十一年を一〇〇といたしまして、一五〇程度になるものと推定されるのであります。これは前年に比し約二割以上の増加であります。また消費水準も、国民所得の増加に伴い、都市、農村を通ずれば戦前の水準を越えるに至つたのであります。特に繊維の消費量はほぼ戦前の最高水準に達したものと思われます。以上、要するに、現在のわが国経済における国内消費の上昇、国内生産の拡大は一見好ましいように見えるのでありまするが、輸出の伸長を伴わないものであつたために、国際収支の逆調を結果いたしており、逆にわが国経済の自立に対して重荷となつたのであります。
 私は、この際、たとい消費水準や生産の上昇の停滞を招来いたしましても、国際収支の均衡を回復し、正常な均斉ある経済を確立することが当面最大の急務であると考えるものでございます。(拍手)従つて、政府といたしましては、昭和二十九年度の経済政策の基調を、まず第一にわが国経済の正常化、特にわが国物価の国際水準へのさや寄せを通じての国際収支の均衡の回復に置かんとするものであります。
 そのため、政府は、財政面、金融面において引締め政策を実行し、購買力の抑制をはかることといたしておるのであります。すなわち、財政においては一兆円内の予算を編成し、財政支出を圧縮いたしまするとともに、財源としての国債の発行、過去の蓄積資金の放出は行わないことといたしました。これに対応いたしまして、金融面におきましてはこれが引締めを強化し、通貨の収縮をはかる所存でございます。特に輸入金融の引締め、滞貨金融の抑止、過剰設備投資の防止等によりまして、国内購買力の減少をはかり、物価水準の引下げに努めたいと存ずるのであります。しかしながら、重要部門に対する必要資金につきましては、その確保をはかるよう一段とくふうをいたす考えでございます。また、物価下落を妨げるがごとき不当な価格協定等の取締りを強化し、不況カルテルのごときは安易にこれを認めない方針といたしたいと思うのであります。
 右は、将来の発展のため、わが国経済の均衡を回復せんとの趣意に出たものでありまするが、今後特需収入が減少した場合におきましても、国際収支の均衡をはかるためには、常に資本蓄積を強化し、国際競争力を充実して、輸出振興の基盤を育成し、さらに国内自給度を向上して外貨の節約をはかる措置を怠つてはならないのであります。
 まず、輸出力の増加のためには、国内購買力の減少と国内物価の国際水準へのさや寄せが重要でありますが、これを並行して、市場開拓を目途とする経済外交の推進、対外信用の確保、輸出商社の強化、生糸その他繊維類の輸出振興、機械、石炭、鉄鋼、硫安等、重要産業に対する財政投資の重点的投入によるコストの引下げ並びに税法上の優遇措置その他各般の輸出奨励策を講じまして、国際競争力を培養して参りたいと存ずるのであります。この点において特に重要なことは、設備の近代化とその完全操業でありましよう。たとえば、西ドイツの機械工業が世界的に強力な競争力を持つておりますることは、その稼働設備のほとんど大部分が戦後の近代的設備であることによるのではないかと考えるのであります。この際各企業が資産再評価を断行し、経営者も職員も、その他あらゆる関係者が、企業の実体を明らかに把握することによりまして、経営の合理化、設備の近代化に邁進することが最も肝要ではないかと存ずるのであります。(拍手)政府においても、資産再評価の促進のため、税制上特別の措置を認める考えでございます。
 さらに、昭和二十八年の輸出が伸び悩みました主要な原因が特にポンド圏貿易の不振にあつた事実にかんがみまして、日英間の新協定が締結せられましたあかつきにおきましては、その完全な実施をはかるよう諸般の措置を講じたいと考えるのであります。また東南アジア諸国との貿易につきましては、最近プラント輸出の増加も見込まれるような情勢となつておりまするが、今後賠償の早期解決等により、さらにこれが一層の促進をはかりたいと存ずるのであります。
 次に、国際収支の均衡に資するため、科学技術の振興、国内自給度の向上その他外貨支払い節減の方策は引続きこれを行う所存であります。食糧につきましては、その増産対策といたしまして、引続き相当額の財政支払を行いまするとともに、特にその重点化、効率化により、増産効果の可及的増大を期しておるのであります。また、外米の輸入が年間約二億ドルにも上ることにかんがみ、食生活の改善に必要な措置を講じ、米食偏重を是正し、外貨払い及び財政負担の節減を期したい所存であります。また、水産及び畜産の振興につきましても特段の配慮をいたすことにいたしたのであります。合成繊維につきましては、すでにその拡充計画の実行により、昭和二十九年度においては前年度に比し約千五百万ポンドの増産を見ることとなつておるのでありまするが、昨年における繊維原料輸入の増加傾向にかんがみ、今後一層増産を奨励いたしまして、早急にその能力を培加いたしたい所存であります。また石炭その他地下資源の開発の合理化を促進するほか、石油の増産を積極化することといたしたのであります。なお、電源の開発、外航船の建造、国際航空事業の拡充につきましても、引続きこれを実施するものであります。
 また一方、食糧、綿花等、国民生活の安定のためきわめて緊要な物資につきましては、必要量の輸入を確保いたすことはもちろんでありまするが、奢侈品、高級品その他不急の外貨支払いは今後一層削減し、国際収支の改善をはかる所存であります。
 次に、資本蓄積の促進をはかることが重要であることは申すまでもありません。政府においては、新規増資と長期貯蓄の増加をはかるため、税法上特別の優遇措置を講じたのであります。
 中小企業につきましては、従来に引続きその振興対策を促進いたしまするほか、今後一層協同組合の結成等、組織化を推進し、相互扶助の効果を発揮するよう奨励し、特に中小企業信用保証制度の充実等によりまして金融の円滑化をはかる等、随時適切な措置をとり、誤りなきを期したいと考えるものであります。
 以上は、来るべき昭和二十九年度においてとらんとする施策の概要であります。政府は、これらの経済政策がわが国の企業及び国民生活に少からざる忍耐と努力とを求めるものであることは、よく承知するところであります。しかしながら、すでに述べましたことく、わが国経済の実態は安易な方策を許さないのであります。従つて、この際奢侈的消費の徹底的抑制、食生活及び衣生活の合理化、国産品の使用等、国民生活の堅実化について、国民各位の積極的協力に期待するところがまことに大なるものがあるのであります。政府におきましても、諸経費の節約をはかるほか、物資の購入にあたりましては、できる限り国産品にたよることといたす考えであります。
 前述のごとき諸政策が政府、民間の一体的協力によつて着々その実をあげ得るならば、現在の憂慮すべき事態は逐次改善せられることとなるでありましよう。すなわち、逐年上昇傾向をたどつて参りました物価は、財政規模の圧縮、金融の引締めに伴う消費需要減退の影響を受けて次第に下降に転じ、年度間を通じて大体五ないし一〇%程度の低落を見るものと予想されるのであります。鉱工業生産も漸次横ばいないし若干下向きとなり、年度間を通じてほぼ二十八年度並、すなわち昭和九―十一年を一〇〇として一五二程度になろうかと考えるのであります。従いまして、国民所得の規模は、大体二十八年度と大差なく、五兆九千八百億円程度と推計せられるのであります。一方、貿易の面においても、逐次購買力の減退、国内物価の下落が進展するに伴つて、輸入の規模は縮小し、反対に輸出は次第に伸長するでありましよう。かくて、われわれは、年度末においては、ほほ国際収支の均衡点に近づくべく、全幅の努力を傾けたいと存する次第でございます。(拍手)
 右のごときわが国経済の改善は、さきに申し述べました諸政策の実施を前提とするものでありまして、今後のわが国経済の前途と運営とはなかなかに容易ならぬものがあることを痛感せざるを得ないのであります。政府は、この最も重大な時期におきまして、決意を新たにし、日本経済の正常化とその自立発展のために最善の努力を傾注L、国民各位の協力を得まして、その成果の達成を期せんとするものであります。(拍手)
#13
○議長(堤康次郎君) 大蔵大臣小笠原三九郎君。
    〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
#14
○国務大臣(小笠原三九郎君) ここに昭和二十九年度予算案を提出いたします。この予算は緊縮予算であります。官本経済をインフレから脱却せしめ、正常な軌道に乗せる第一着手であります。なぜこのような予算を編成するに至つたか、また、今後の財政金融政策はどうあるべきかについて、この際政府の考えを率直に申し述べてみたいと思うのであります。(拍手)
 わが国の経済は、終戦以来一般に予想されていたよりもはるかに急速に回復向上し、生産も著しく増加し、国民生活も相当よくなつて参りました。最近は、町にはビルデイングが立ち並び、ネオン・サインが輝き、ぜいたくな輸入品が店頭に飾られ、その他消費生活もはでになりまして、わが国経済は非常に繁栄しているかのような外観を呈しているのであります。しかしながら、深くその実態を掘り下げてみますると、まことに寒心にたえないものがあるのであります。
 戦後、わが国の経済は、援助や特需等の臨時的な外貨収入によつてささえられて来たのでありますが、これらの収入は早晩減少消滅すべき性質のものであります。現に、最近の世界情勢の推移は、わが国が一日も早く正常な輸出を増進し、これによつて必要な輸入をまかなう自立態勢を整える努力をしなければならないことを示唆しているのであります。
 しかるに、昭和二十八年度のわが国の国際収支は、特需等の臨時収入が減少していないにもかかわらず、輸出の不振と輸入の増大のために、なお全体として二億ドルに上る赤字を示したのであります。この赤字は、前年まで毎年三億ドル以上の受取り超過を続けていたことを思いますれば、真にわが国国際収支の急激な悪化を意味するものと申さなければなりません。
 一方、最近のわが国の物価の趨勢を見まするに、世界各国の物価が次第に下りつつあるのに反し、昨年中漸騰を続け、秋以降は朝鮮動乱の勃発直後よりも高く、戦後の最高を示している状況であります。
 わが国の保有外貨は、昨年床においてドル換算で九億七千万ドルに減少しております。もしこのような情勢のまま推移するならば、遠からず、貿易のため北運転資金として必要な最小限度の金額、四、五億ドルを割ることとなり、わが国経済の運営上欠くことのできない貿易にも支障を来すこととなりましよう。外貨に余裕のある間は、輸入を増加することによつて国内の物価騰貴を押えることもできますが、外貨が減少いたしますれば、それにつれて物価騰貴を押えることが困難となり、これがためにかえつて輸入を刺激し、外貨の減少に拍車をかけ、悪循環的にインフレは高進することとなるのであります。かくして、必要な食糧や原材料の輸入に事欠くに至れば、悪性インフレのために、民族独立の裏づけとしての経済の自立は不可能に陥るのみならず、わが国経済は崩壊し、国民生活は困窮を告げることになるのであります。今にして今日のインフレ的な経済基調を転換是正しなければ、悔いを千載に残すでありましよう。(拍手)
 そもそも独立国家として国際経済社会に伍して行く以上は、国際経済との関連を無視して自国の経済を運営するわけには参らないのであります。あたかも独立人格を有する個人が家計の収支を相償わせなければならないと同様に、国家もまた国際収支の均衡を確保したければ、独立国家としてり誇りを保つことはできないのであります。これがためには、常に経済の基調を世界経済の基調に適応させることが必要であります。
 今日、世界各国は、いずれも通貨の健全性の維持、インフレの抑制、国際収支の均衡確保に多大の努力を払い、経済の合理化、消費の節約等堅実な経済施策を続けていることは、周知の事実であります。わが国もまた、経済の運営にあたつては、国際収支の均衡を確保することの重要性について一段と認識を深め、通貨価値の安定を経済諸政策の中核とすべきであると存じます。
 最近におけるわが国国際収支の急激な悪化にかんがみ、この際率直に昭和二十八年の財政金融について反省を加えたいと存じます。(拍手)昭和二十七年度補正予算以後、占領からの解放に伴う反動的機運も手伝い、また政局の不安定にも基因し、加うるに累次にわたる異常な災害の発生もあり、財政は総合収支均衡の原則から遠ざかり、相次いで予算の膨脹を来したのであります。このような財政面の緩和も、国際収支の均衡を破らない限度においてはさしつかえないと考えられたのでありまするが、今日から見れば行過ぎとなつたことを認めざるを得ないと存じます。戦争による荒廃消耗からまだ十分に立ち直らないわが国としては、国民生活の向上を初めとして、種々急速に実施いたしたいことは山積しているのでありまするが、国力及び国際収支の均衡という観点から、そこにおのずから限度があるのであります。他面、金融面においても、財政上過去の蓄積資金が放出されるのに対応し、信用の収縮が行われ、財政と金融との総合調整によつて経済が適正に運営せられることを期待いたしたのでありますが、実際は相当の信用膨脹を生じ、インフレ的傾向を助長する重要な要素となつたことも深く反省しなければならないと存じます。(拍手)従つて、今後は財政の緊縮をはかり、金融の引締めを強化することが絶対に必要であります。すなわち、これにより物価の引下げをはかり、わが国通貨の国際的価値を確立し、経済の合理化、近代化を促進し、輸出を増進し、堅実にして正常な国民経済の発展を期さなければなりません。
 今回の予算編成にあたりましては、以上申し述べました経済運営の基本的な考え方に立脚し、輸出の増進一輸入需要の減退を通じて国際収支の均衡を回復するため、金融その他の施策と相まつて、積極的に物価の引下げをはかることを基本方針といたしたのであります。朝鮮動乱勃発後の物価騰貴率は、米国の約一割、英国の約二割七分に対し、わが国は約五割六分となつているのでありますが、昭和二十九年度においては、昭和二十八年中の物価騰貴を考慮し、とりあえず五分ないし一割の引下げをはかることを目標といたしたいと存じます。将来の特需の減少を考慮いたします場合には、右程度の物価の引下げでは十分ではないと思われますが、経済界に対する急激な影響を避ける等の考慮を加えて、まずこの程度が適当であると考えた次第であります。昭和二十九年度予算においては、右の基本方針に基き、均衡財政の原則を貫き、また断固たる決意をもつて財政の緊縮を実行いたしました。
 まず、均衡財政の原則に立ち返る意味において、歳入面におきまして、過去の蓄積資金のとりくずしに依存いたさないのはもちろん、公債の発行もとりやめ、財政面からのインフレ要因を厳に排除する考え方をもつて臨んでおります。また租税収入等につきましては、財政の緊縮と金融の引締めに基く物価の低下等を前提として、堅実にこれを見積ることが妥当であると考えたのであります。
 これと同時に、財政支出の緊縮を断行いたしました。従来からの趨勢によれば、財政の規模は相当の膨脹を来すべきところでありましたが、これを大幅に削減し、また支出の重点化、効率化をはかることに努めたのであります。
 すなわち、一般会計の予算総額を一兆円未満に縮減することを目途とし、九千九百九十五億円にとどめました。これは、昭和二十八年度の予算額一兆二百七十二億円に比し、約二百七十七億円の減少であり、また一般会計と財政投融資を通じて見ますれば、五百九十億円の減少となつております。なお、これにより、昭和二十五年度以来逐年膨脹の一途をたどつて来た傾向に終止符を打ち、久しぶりに前年度を下まわる予算を編成したのであります。(拍手)この結果、国民所得に対する比率におきまして、一般会計の場合の割合も、また財政投融資を含めた場合の割合も、それぞれ本年度に比し若干の減少となるのであります。
 財政規模の縮小に伴い、特に配意いたしましたのは、限られた財源の範囲内において経費を有効に配分するということであります。
 内外の情勢を勘案し、自国の防衛はみずから行うという態勢に一歩を進める方針のもとに、防衛関係費を増額し、また、積極的に賠償問題を解決して東南アジア諸国との友好的な経済関係を確立するため、賠償の支払い等に必要な経費を計上いたしました。
 同時に、財政の緊縮、経済の正常化に伴う失業等の摩擦に対処するため、民生安定のための社会福祉関係経費についても、これを重点的に確保いたしました。(拍手)
 財政投融資、公共事業費及び食糧増産対策費等につきましては、資金の重点的かつ効率的使用をはかることとし、本年度予算に比し多少減額したものもあるのでありまするが、これらの経費に重点を置く従来の方針はなお十分に踏襲されておるのであります。
 他面、中央、地方を通ずる行財政の整理刷新、各種補助金等の根本的再検討その他一般経費の節約を実行いたしたのであります。
 なお、物価引下げの基本方針にかんがみ、予算編成上、一般物価に影響を及ぼすおそれのある米の消費者価格、官業料金の引上げは、あとう限りこれを避けることといたしました。
 次に、予算内容のうち、特に重要なるものについて概略説明いたします。
 まず防衛関係の経費につきましては、自衛力の漸増をはかるため、保安庁経費において本年度に比し百七十五億円を増額するとともに、これに対応して、防衛支出金において三十五億円を減額し、合計一千三百七十三億円を計上いたしました。
 次に、平和回復善後処理費を本年度に比し百二十億円増額し、総額百五十億円を計上いたしましたのは、賠償問題の解決をはかる等のためであります。なお、連合国財産補償費は、二十六億円を計上するにとどめたのでありますが、繰越しを合せますると、百億円の支出を行い得ることに相なつております。
 次に、経済力の充実発展のための措置であります。まず財政投融資の面におきまして、全体としては、金融引締めによる民間投資の抑制と相まつて、財政投融資の削減を行うことといたしたのでありますが、電源開発、中小企業等につきましては、特に配意を加えております。
 公共事業費及び食糧増産対策費につきましては、従来総花的傾向のうらみなしとしなかつたのでありますが、来年度におきましては、治山治水対策、道路事業、土地改良等に重点を置いて計上し、この際新規計画は一切認めず、さらに一部既定計画の休止を断行するほか、零細補助金についても、これを大幅に整理し、本年度に比し総額において百四十一億円を削減し、一千六百九億円を計上いたしました。
 次に、民生安定のための経費といたしましては、まず住宅対策として、約十万戸の建設を行うことを目途とし、公営住宅の建設等に百三十四億円を計上し、住宅金融公庫及び勤労者住宅に対する投融資百八十億円と相まつて、本年度に引続き住宅対策の推進をはかることといたしております。
 また、生活保護、社会保険、失業対策、結核対策等社会福祉関係経費につきましては、本年度に比し三十八億円を増加し、七百七十四億円を計上いたしました。なお、旧軍人遺族等の恩給については、制度の平年度化に伴う増額等により、本年度に比し百人十八億円を増額し、六百三十八億円を計上いたしております。
 次に、文教の振興につきましては、教員の給与費支出額の半額を国庫において負担することとし、義務教育費国庫負担金として七百億円を計上いたしました。文教施設については、六・三制実施のための一般校舎の整備に重点を置くとともに、戦災復旧、危険校舎改築のため所要額を計上いたしました。
 警察につきましては、わが国の実情に即した警察制度の改革を行うため、本年七月よか国家地方警察及び市町村自治体警察を廃止して都道府県警察を置き、これに伴い定員を大幅に減ずるとともに、負担区分を調整いたしましたので、本年度に比し六十二億円の減少となつたのであります。
 地方財政につきましては、中央地方を通ずる財政の調整をはかり、地方財政の健全化に資するため、入場税を国税に移管し、タバコ消費税を創設するとともに、地方財政平衡交付金制度を廃止し、新たに地方交付税交付金、地方譲与税譲与金制度を設けるほか、警察制度の改正整備に伴い経費の調整減額を行うことといたしました。
 申すまでもなく、予算の厳正なる執行なくしては、予算編成の目的を達成することは望みがたいのであります。政府は、わが国経済の健全化の成否がかかつてこの予算の厳正な執行にあることを深く銘記し、いやしくも経費が不正不当に使用されることなきよう、監査の強化をはかるはもちろん、経費り適正かつ効率的な使用に万遺憾なきを期する所存であります。
 地方公共団体においても、この際行財政の徹底的整理を断行し、財政規模を極力圧縮することに努め、もつて地方財政の再建整備を強力に押し進められんことを特に要望してやまない次第であります。
 次に、歳入に関連し、税制の改正について申し述べます。過去数回にわたる減税にもかかわらず、国民負担はなお過重であり、さらに租税負担の軽減をはかることが望ましいのでありますが、現下の財政及び経済の情勢にかんがみるときは、この際、消費意欲を刺激し、歳入総額の減少を来すがごとき租税の軽減措置は、これを避けることを適当と認めたのであります。しかしながら、特に低額所得者の負担が過重になつている不合理な現状を是正するため、税制につき若干の調整を加えることが必要であると考えられますので、所得税につき基礎控除及び扶養控除の引上げを行う反面、奢侈的消費の抑制をはかるため、奢侈品、高級品に対する課税を中心とする間接税の新設、増徴を行うことといたしました。なお、資本蓄積の促進等のための税制改正については、後に申し述べる通りであります。
 次に、金融に関する施策について申し述べます。財政緊縮の方針と相呼応し、金融面においては、健全金融の方針を強化し、通貨の信用を高めるために万全を期して参る所存であります。この際、金融面において安易な態度に堕することは、絶対に避けるべきものと考えております。すなわち、昨年九月以降、日本銀行の信用政策、国庫の指定預金の運用等について、金融引締めの方向をとつて参つておるのでありまするが、本年当初、日本銀行効率適用制度をさらに強化するとともに、輸入金融抑制のための措置を講じた次第であります。これらの基本方策は、今後さらに強化することが必要と存ずるのであります。
 このように信用の収縮をはかる方針でありまするから、産業界においては、今日よりこれに即応して事業計画の調整等を行い、円滑なる経営をはかることに努められたいのであります。また、金融機関においても、信用の収縮に伴い、信用の供与にあたつては一層適実を期することに努められたいと存じます。政府といたしましては、従来から銀行その他の金融機関がみずからの判断に基き、不要不急の融資を避け、国民経済全体の立場から特に緊要と認められる部面に対し、重点的に資金を供給することを期待する方針をとつて参つたのであります。私は、この際、金融機関が、わが国経済の当面する重大にして困難なる事態を十分に認識せられ、融資の面を通じてこの難局の打開に積極的に協力せられることを切に希望するものであります。(拍手)
 金融機関は日本銀行からの借入れに依存し、企業は金融機関からの多額の借入金に依存しておるために、ややもすれば経営の安定に欠けるのが現状であります。また、安易な経営に堕する傾向も認められるのであります。この状態はすみやかにこれを是正し、経済及び金融の正常化をはかることがきわめて肝要であります。しこうして、これがために基本的に必要なことは、実質的な国民資本の蓄積を促進することであります。すなわち、企業はみずからの努力によつて自己資本を充実し、金融機関は預貯金等の資金吸収に着実なる努力を傾けることが特に要請されるのであります。
 私は、この際、国民諸君がこの上とも勤倹貯蓄に努め、消費を節約し、国民経済の必要に即応して生活を合理化し、企業もまた不健全な経営体制を刷新し、真剣に合理化近代化に努力し、相とも心資本蓄積の大道を邁進せられんことを切望してやみません。
 政府といたしましては、資本蓄積の重要性にかんがみ、企業の自己資本の充実、資本構成の是正をはかり、資産の再評価を促進するため、新規増資等について税制上特別の措置を講ずる方針であります。また、資金吸収面におきましても、長期預貯金、生命保険等につきまして税制上の優遇措置を講じ、一段と貯蓄の増強に資せしめたい考えであります。また、貯蓄の増強については、金融機関の預貯金の安全性を確保し、世人の金融機関に対する信頼感にこたえることが大切であります。これがため、金融機関の資産内容の健全化及び預金者等の保護については、さらに特段の配意くふうを加えて参りたい所存であります。なお、この際、金融機関の日本銀行依存の弊風を改め、金融の正常化を促進するため、適当なる方策を講ずることを考慮中であります。
 次に、貿易為替等国際金融の問題について一言申し述べます。現下わが国の貿易為替政策の最大の課題は、貿易の振興、特に正常輸出の増大をはかることにあります。
 まず、今後輸出の増進をはかるためには、経済外交を積極的に推進し、友好諸国との経済協力を一層緊密にして参りたいと存じます。過般、わが国のガツトヘの仮加入が実現し、各国との友好的な通商関係が一層促進されることが期待されるのであります。今後さらに諸外国との通商航海条約の締結、賠償の早期解決による通商関係の回復に努め、輸出の伸長、海外市場の開拓をはかる所存であります。特に、東南アジア諸国との経済関係を増進し、これら地域との貿易の拡大を通じて世界経済に寄与して参りたいと存じます。
 昨年十二月からロンドンにおいて開催された日英会談の結果、日英両国の賞易収支の目標額についても、近く両国間に了解が成立する運びになつたのでありまして、これに応じて今後英国側が輸入制限の緩和をはかることが期待されるのであります。これは、今後ポンド地域への輸出の伸長を通じて、国際収支の改善をはかる上において少からざる効果のあることを信ずるのであります。
 しかしながら、貿易振興の基本は、企業の合理化、設備技術の近代化を一段と進め、品質、価格において国際的に優秀低廉な商品の生産にたゆまざる努力を傾注することにあると存じます。これがためには、企業の生産コストを切り下げることに努めなければなりません。
 このように、輸出の増進に対し努力しなければならないことはもちろんでありまするが、これと同時に、今日の外貨の状況等を考えますと、輸入面の施策についても改善すべき点があると存じます。輸入の減少をはかるためには、財政金融の引締めにより一般的に輸入需要の減退をもたらすことが必要でありまするが、需要を無視して、為替政策上輸入を制限することは、かえつて物価の騰貴を来す結果となるのであります。従つて、今後の外化予算の編成及びその実施にあたりましては、不要不急のぜいたく品につき徹底的に輸入の抑制をはかる反面、生活用品、原材料等の輸入についても、財政金融政策の強化に伴う輸入需要の減退状況等を勘案しつつ調整をはかる考えであります。
 なお、わが国の貿易上の地位を強化するためには、直接貿易の衝に当る貿易商社についても、その強化をはかることが必要であります。政府におきましては、輸出取引に関する租税上の優遇措置の拡充等の施策を講ずる所存であります。また、国際金融及び為替取引の正常化に資する一環として、近く外国為替銀行制度の整備について法的措置を講じたい所存であります。
 最後に、為替政策の基本たる為替レートの問題について、この際、世上一部の臆測を一掃するために、政府の所信を申し述べます。現行為替レートを切り下げることは、百害あつて一利なし、政府としては、あくまでも現行為替レートを堅持する方針であります。(拍手)
 以上申し述べました財政金融政策に関連して、失業その価のデフレ的現象を過度に懸念する向きもありましよう。また、逆に補正予算の編成及び金融引締め政策の後退等によつて、結局はこの健全化の方策が放擲されるのではないかと見る向きもありましよう。しかしながら、今日われわれ日本国民が強く銘記しなければならないことは、年々通貨量の増発を前提とした従来のインフレ的な経済から敢然として離脱しなければならないということであります。(「その通り」拍手)終戦後今日まで、わが国経済は、前述のごとく国際収支等の面において恵まれた関係もあり、また、物価が漸騰を続けて来たために、賃金水準、農家所得も逐次上昇し、企業もまた比較的高利潤をあげて来たのであります。このようなことは、もはや期待すべきではないのでありまして、今後は、所得や利潤の増加は、特需等の臨時収入によつてではなく、また、インフレの継続によつてでもなく、国際的に適正なる物価水準を維持しつつ、正常なる輸出や生産を増加することによつて実現しなければなりません。すなわち、いたずらに名目的な所得の増加に期待することなく、物価の引下げによつて実質的に国民生活の改善を実現し、経済の合理化近代化により生産コストの引下げをはかり、輸出の増大のために国際競争力をつちかわなければならぬのであります。
 従つて、この予算案を中心とした一連の健全化方策は、民族の独立発展のために断固として貫徹しなければならないものであります。(拍手)もとより、その間に生ずるデフレ的現象については、これによつて経済の混乱を来し、社会不安を醸成するようた事態に立ち至らぬよう考慮すべきはもちろんであります。本年度の予算案及び金融引締め政策についても、この点を考慮し、急激な変化を避け、漸進的に健全化を進めるよう配意いたしておるのであります。
 言うまでもなく、万一対策を必要とするような事態が生じた場合には、適宜の措置をとるにやぶさかではないのでありますが、インフレからの脱却の過程において、ある程度の摩擦的現象が生ずるのはやむを得ないのであります。(拍手)このゆえに、ただちに健全化の方針を緩和するがごときことは、国民経済全体のためになすべきところではありません。すなわち、今後、補正予算を編成したり、金融引締めの方針を緩和することは、避けるべきものと考えております。
 財政の規模を一兆円以内にとどめるということは、国民輿論の一致した要望でありまして、私はこれを、日本民族の独立精神の現われとして、まことに力強く感じている次第であります。(拍手)
 政府は、ここに国民諸君と相携えて、あくまでも日本経済を健全ならしむるための着実な努力を続け、もつて日本経済永遠の繁栄発展の基礎を確立いたしたいと存じます。(拍手)
     ――――◇―――――
#15
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。議員西村英一君、同岡部得三君、同松岡俊三君から、日本航空株式会社の招待により渡米のため本日より二月五日まで十日間請暇の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。
    ―――――――――――――
#17
○荒舩清十郎君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、明二十八日定刻より本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#18
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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