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1953/02/25 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第13号
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1953/02/25 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第13号

#1
第019回国会 本会議 第13号
昭和二十九年二月二十五日(木曜日)
 議事日程 第十一号
    午後一時開議
 第一 日本国とインドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定の締結について承認を求めるの件
 第二 第二次世界大戦の影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件
 第三 国際労働機関の総会がその第二十八回までの会期において採択した諸条約により国際連盟事務総長に委任された一定の書記的任務を将来において遂行することに関し規定を設けることと、国際連盟の解体及び国際労働機関憲章の改正に伴つて必要とされる補充的改正をこれらの条約に加えることとを目的とするこれらの条約の一部改正に関する条約(第八十号)の批准について承認を求めるの件
 第四 国際労働機関憲章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件
 第五 特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 日本国とインドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 第二次世界大戦の影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 国際労働機関の総会がその第二十八回までの会期において採択した諸条約により国際連盟事務総長に委任された一定の書記的任務を将来において遂行ずることに関し規定を設けることと、国際連盟の解体及び国際労働機関憲章の改正に伴つて必要とされる補充的改正をこれらの条約に加えることとを目的とするこれらの条約の一部改正に関する条約(第八十号)の批准について承認を求めるの件
 日程第四 国際労働機関憲章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件
 日程第五 特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法案(内閣提出)
    午後二時二十六分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(堤康次郎君) 日程第一、日本国とインドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定の締結について承認を求めるの件、日程第二、第二次世界大戦の影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第三、国際労働機関の総会がその第二十八回までの会期において採択した諸条約により国際連盟事務総長に委任された一定の書記的任務を将来において遂行することに関し規定を設けることと、国際連盟の解体及び国際労働機関憲章の改正に伴つて必要とされる補充的改正をこれらの条約に加えることとを目的とするこれらの条約の一部改正に関する条約(第八十号)の批准についで承認を求めるの件、日程第四、国際労働機関憲章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長上塚司君。
    〔上塚司君登壇〕
#4
○上塚司君 ただいま議題となりました、日程第一、日本国とインドネシア共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定の締結について承認を市めるの件、第二、第二次世界大戦の影響を受けた工業所有権の保護に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件、第三、国際労働機関の総会がその第二十八岡までの会期において採択した諸条約により国際連盟事務総長に委任された一定の書記的任務を将来において遂行することに関し規定を設けることと、国際連盟の解体及び国際労働機関憲章の改正に伴つて必要とされる補充的改声をこれらの条約に加えることとを目的とするこれらの条約の一部改正に関する条約(第八十号)の批准について承認を求めるの件、第四、国際労働機関寅章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件、第四、国際労働機関憲章の改正に関する文書の受諾について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申し上げます。
 第一及び第二の条約案は、いずれも二月二日内閣から国会に提出され、当委員会において二月六日、十三日及び十七日の三回にわたり慎重審議いたしました。
 第一に、沈没船舶引揚に関する協定について御説明申上げます。わが国のインドネシア共和国に対する賠償に関しましては、サンフランシスコ平和冬約第十四条の規定に基き、昭和二十一年一月、インドネシア共和国ジュアンダ使節団との間に中間賠償協定案が作成いたされましたが、その後に成立いたしましたインドネシア内閣の承認するところとならなかつたのであります。しかるに、その後昨年三月、わが国とフィリピン共和国との間に沈没船舶引揚に関する中間賠償協定が締結されました等の事情もあり、インドネシア政府はこれと同種の協定を結びたいとの希望を申し出て参りました。よつて、わが政府はこの申出に応ずることとなり、昭和二十六年十月来朝せるスダルソノ氏一行のインドネシア賠償使節団との間に折衝を続けました結果、同年十二月十六日協定の署名を見るに至りました。この協定は、第十六回国会で承認ざれましたフィリピンとの沈没船舶引揚に関する中間賠償協定と同一の目的及び意義を持つており、かつその内容も大体同様でありますが、ただインドネシア領海にある約六十隻の沈没船舶引揚げに充てられる賠償総額を二十三億四千万円に限つたこと、並びに紛争解決の手続に関する条項を設けましたことの二点において相違があるだけであります。
 第二の、工業所有権の保護に関するデンマークとの間の協定につき御説明申し上げます。第二次世界大戦勃発以来約十年間は、日本・デンマーク間の通信連絡はまつたく杜絶いたしました。その期間中は、工業所有権関係の出願書類を相手国に郵送したり、また特許料、登録料等を相手国に送金納付することがきわめて困難で、またときによつては、まつたく不可能であつたこともありました。さらに、一時占領政策上、日本政府が外国人の出願を層理したり、または日本人が外国に出願することは禁止されておりました。これらの理由によりまして、日本・デンマーク間においては、互いに相手国民の工業所有権を保護することができかかつた次第であります。そこで、デンマーク政府から、一昨年十月に、これらの権利を救済するための協定を締結したい旨の申入れがあり、東京において交渉を行いました結果、昨年十月二十一日に協定が署名ざれました。この協定の内容は、工業所有権の特許または登録のための優先期間の延長、並びに消滅した工業所有権の回復、及び無効となつた特許出願または登録出願の効力回復を規定しておりまして、さきに第十六回国会において承認せられました、わが国とドイツ連邦共和国及びスイス連邦と結びました二協定と、内容においてほとんど同一であります。
 この二協定案につきまして、政府当局の説明を聴取いたしました後、質疑、討論を行い、自由党野田卯一君、改進党並木芳雄君、日本社会党穗積七郎君及び日本社会党戸叶里子君から、各党を代表して、二協定案にそれぞれ賛成の意を表明いたざれました。
 次いで採決を行いましたところ、二協定案とも全会一致をもつてこれを承認すべきものと議決いたした次第であります。
 第三及び第四の条約案は、いずれも二月十二日内閣から国会に提出され、当委員会において、二月十三耳、二十日及び二十四日の三回にわたり、また二十四日は外務労働連合審査会を開き、慎重審議いたしました。
 この第三の条約は、一九四六年の第二十九回国際労働総会で採択されたものでありまして、これを要約して一九四六年の最終条項改正条約と称しておりますが、その内容は、国際連盟が解体いたしました結果、国際連盟の存在中に採択された七十六の条約の最終条項を改正するとともに、これらの条約に対して現行の国際労働機関憲章の規定と合致させるために必要な修正を加えたものであります。わが国は、この条約による修正の対象となる条約のうち十四条約を批准しておりますので、これら十四条約につきこの条約に規定する修正が必要であり、また今後この種の条約でわが国が未批准のものを批准する場合にもこの条約による修正を認めておく必要があるわけであります。この条約は一九四七年五月に効力を生じ、現在まで四十一箇国がこれを批准しております。
 第四の条約案は、国際労働機関、すなわちILO憲章の改正に関する文書でありまして、昨年の第三十六回労働総会で採択されたものであります。その内容は、現行の憲章の一部を改正して理事会の構成員を増加しようとするもので、この理事会の構成員の増加は、最近におけるILO加盟国の増加の事実にかんがみ、まことに妥当な措置であると思われますし、かつまた、わが国にとりましても、わが国が理事国となる可能性を増すものであるという点から、きわめて有意義であると考えられます。この改正文書は、現在常任理事国である入箇国のうち五箇国を含む全加盟国の三分の二、すなわち四十四箇国がこれを批准または受諾したときに効力を生ずることになつておりますが、本年一月十五日までに批准または受諾した国は二十箇国であります。たまたま理事会の改選が本年六月の総会で行われることになつておりますので、右総会の開催前にこの改正が効力を生ずるよう加盟国の措置を要請されておる次第であります。
 このILO関係二条約案につき質疑、討論を行い、日本社会党福田昌子君及び竹本社会党戸叶里子君から、その他の国際労働条約がすみやかに批准されるよう等の希望を付して賛成の意を表されました。
 次いで採決を行いましたところ、二条約案とも全会一致をもつてこれを承認すべきものと議決いたした次第でございます。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#5
○議長(堤康次郎君) 四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて四件とも委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#7
○議長(堤康次郎君) 日程第五、特定海域における漁船の被害に伴う、資金の融通に関する特別措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長田口長治郎君。
    〔田口長治郎君登壇〕
#8
○田口長治郎君 ただいま議題となりました特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法案について、水産委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、本案に対する政府の提案理由並びに要旨を御説明申し上げます。一昨年の一月、李承晩大統領が、広汎な海域にわたりまして韓国の主権を行使するという不法なる李承晩宣言をしたことは、御承知の通りであります。その後、韓国政府は、昨年九月突如としていわゆる李承晩ライン内に出漁する漁船に対して非常措置をとることを声明いたすとともに、多数の漁船を享捕抑留いたしまして、わが国漁業に重大なる脅威を与え、被害漁業者はいうまでもなく、全国民の憂慮と関心とを集めておる次第でございます。このことによるわが国漁船の被害は、平和条約発効後から昨年末までに拿捕抑留されたものがすでに五十隻に上つておりまして、いまだ一隻の返還もなされておらぬ実情でございます。本問題の解決は日韓両国が合理的基礎に立つて漁業協定の締結に努めることであると考えるのでありまするが、日韓会談の再開されない今日におきまして、まず国内的に、拿捕抑留された漁船の代船建造を容易にして関係漁業者の生業を再開させる措置をとることが喫緊の要務と考えるのであります。そこで、平和条約発効の日から昨年末までの間に韓国によつて捕獲されました漁船につきまして、その所有者たる漁業者が代船達造等をするため必要な資金並びに一定の漁具を取得するのに必要な資金について農林漁業金融公庫からの融資を促進するとともに、資金の使途及び貸付利子等について公庫法の特例を設けて優遇措置を講ぜんとするものであります。
 本案は、去る二月十二日委員会に付託となり、まず委員会において真剣なる審議を行い、さらに審査の慎重を期するために小委員会の審査に付した次第であります。続いて、小委員会といたしましては、慎重に審査をいたしました結果、政府においては、この種拿捕事件に対しては漁船損害補償法の充実をはかる等の基本的なる施策を樹立すべきであり、また、本法案第一条におきまして、平和条約発効の日から昨年末日までの間に韓国に拿捕された漁船に限定しておるが、同種事件が本年においてもすでに発生しております壕上、昨年末に限定すべきでなく、本法施行の日の前日までに修正すべきであると決定をし、その旨二月二十三日の委員会に報告がなざれ、同日の委員会において質疑を終り、討論を省略いたしまして採決いたしましたところ、全会一致をもつて小委員会決定通り修正議決いたした次第であります。なお、審査の詳細につきましては会議録によつて御了承願います。
 以上、簡単でありますが、御報告を終ります。(拍手)
#9
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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