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1953/04/08 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第34号
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1953/04/08 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第34号

#1
第019回国会 本会議 第34号
昭和二十九年四月八日(木曜日)
 議事日程 第三十一号
    午後一時開議
 第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 入場譲与税法案(内閣提出)
 第三 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 医薬関係審議会設置法案(内閣提出)
 第五 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第七 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件
 第八 国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第八 国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件
 日程第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 入場譲与税法案(内閣提出)
 日程第三 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 医薬関係審議会設置法案(内閣提出)
 日程第五 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件
 入場税法案(内閣提出)
    午後二時四十九分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○荒舩清十郎君 議事日程順序変更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、日程第八を繰上げ上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認あます。よつて日程の順序は変更せられました。
 日程第八、国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長上塚司君。
    〔上塚司君登壇]
#6
○上塚司君 ただいま議題となりました国際砂糖協定の批准について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本件は、三月二十日内閣から国会に提出され、ただちに本委員会に付託せられましたので、四月三日、五日及び七日の三回にわたり委員会を開き、審議を重ねました。
 この協定は、砂糖の輸出入国の立場を相互に調整し、世界自由市場の砂糖価格を安定せしむることを目的とし、砂糖の最高価格と最低価格を設定しているほか、その需給計画に関する規定を設けております。
 政府は、協定起草の任に当りました理事会にオブザーヴアーを派遣して右起草の審議に参加し、昨年のロンドン国際砂糖会議には代表を派遣し協定の作成に参画し、十月二十八日この協定に署名を了しました。
 わが国がこの協定の当事国となつた場合の利益を要約いたしますれば、第
 一、わが国は輸入国のうちで米国及び英国に次ぐ多くの投票数を与えられているので、砂糖の輸入国としての立場を十分に保護することができること、第二に、この協定には、輸入国として英、米、独、ポルトガル、輸出国としてはキユーバ、ソ連、中国、ドミニカ、オランダ等二十四箇国が署名を了しておりますので、わが国は、この協定の当事国となることにより、世界の砂糖自由市場の需給計画策定に積極的に参加し、これをわが国に有利に導く機会を得ることができますこと、第三に、砂糖が世界的に供給不足となつた場合、わが国が契約輸出国から砂糖を優先的に輸入し得ること等であります。
  この協定につきまして政府当局の説明を聴取いたしました後、質疑応答が行われ、討論はこれを省略して採決の結果、本件は四月七日全会一致をもつてこれを承認すべきものと議決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#7
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#8
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通承認するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#9
○議長(堤康次郎君) 日程第一、地方税法の一部を改正する法律案、日程第二、入場譲与税法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員長中井一夫君。
    〔中井一夫君登壇〕
#10
○中井一夫君 ただいま上程されました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 この法律の全文は八百条を越える厖大なものでありまして、そのうち改正にあたりますものが四百条の多数に上つております。これによりまして新しく税の創設されるものが五つ、廃止されるものが五つというきわめて厖大なる法案であり、きわめて複雑なるものであります。私はこの際できるだけこれを簡明に御報告いたしたいと存じます。
 御承知のごとく、現行地方税法は、シヤウプ勧告に基いて行われ、国、地方を通ずるわが国税財政の画期的な改革の重要な一環として昭和二十五年に制定せられたものであり、その目的とするところは、地方税収入を拡充して地方財政の自主性を強化するとともに、課税標準、課税率等に関する地方団体の自律性を高めるなど、要するに地方財政の充実を通じて地方自治制度の確立をはかるところにあつたのであります。もちろん本法制定の当時にありましても相当の批判があり不安も持たれたのであり、現にその一部はいまだ実施に移されないような事情にあるのでありますが、一応理論的にはすぐれた税体系として高く評価せられ、各地方自治の発展に大きく寄与するものとして多大の期待がかけられたのであります。しかるに、本法実施後の実情を見事と、われわれの期待に反して、地方財政がいよいよ混乱窮迫の度を加え、自治行政がますます困難な事態に追い込まれて参りましたことは周知の事実であります。しかして、その原因はもとよりひとり税制のみに帰せらるべきものではなく、その後の社会的、経済的情勢の推移、地方団体の行政権能の変遷、国の諸施策の動向等が大きく影響し作用していることも否定し得ないのでありますが、いずれにせよ、現行地方税法がわが国の現状に即応しない面を有することは明らかであり、今やその根本的改正は必至の段階に来ているのであります。政府もかねて抜本的改正の必要を認め、種々検討を加えて参りましたことはしばしば言明されたところでありますが、政府は、さきに、地方制度調査会を設置して、本年度より実施すべき行財政制度全般にわたり具体的改革方法について答申を求め、さらに税制調査会よりも国税改正との関連における地方税改正案の答申を得て、今回、これら答申の趣旨にかんがみ本改正法案を立案、国会に提出するに至つたものであります。
 現行地方税法において問題点ないし欠陥として従来指摘せられて参りました点は、これを要約してみますならば、次の諸点があげられるのであります。まず何よりも問題となります第一点は、地方税の分量が少な過ぎる、その地方歳入中に占める割合がきわめて低く、従つて財政の自立性が乏しいということであります。その二は、この乏しい税源がさらに地域的に偏在しているということであり、しかもその偏在は現行法を存置する限りますます増大の傾向をたどるほかないということであります。その三は、地方税の税種相互間及び同一税種内部の負担の不均衡の問題であります。その四は、特に道府県において、その行政活動の実際から見て負担分任の配慮が欠けているということであります。換言すれば、その税源を主として都市に依存する道府県が農山漁村の行政に主力を置くという不合理であります。その五は、税務行政の簡素化の問題であります。シヤウプ税制の特徴の一つは、租税の賦課徴収について国、道府県及び市町村の三者間の責任の帰属を明らかにするため、おのおの独立してこれを行う建前をとつたことでありますが、経費の増加、手数の重複、煩雑等の欠陥が従来から指摘されて来たところであります。以上の諸問題のほか、地方税の伸張力が地方財政需要の逐年の増加に即応しないということ、国民の租税負担はすでに限度に来ており、ことに市町村民税や個人事業税における大衆負担の過重であること、固定資産税による資本蓄積の阻害が叫ばれておりますることは、皆さん御承知の通りであります。地方制度調査会及び税制調査会の両調査会ともに、おおむねこれらの諸問題の解決を中心題目として答申をとりまとめたのでありまして、政府案も同様趣旨に立脚していることはもちろんであります。
 これより、政府改正案の具体的内容について、その大要をきわめて簡単に申し上げます。
 改正の第一点は、負担分任の精神を導入するために、市町村民税の一部を道府県に委譲して、道府県民税を創設することといたしておるのであります。
 改正の第二点は、事業税に関してであります。すなわち、附加価値税は制定以来今日まで実施を見るに至らなかつたものでありますが、今日の経済情勢から見てこの際これを廃止して、そのかわりとして、現行の事業税に特別所得税を統合して、これに数点の修正を加えて参りたいというのがその一つであります。たとえば、個人事業税について基礎控除の額を引上げるとともに、税率をおおむね現行の三分の二程度に引下げ、法人事業税についても所得五十万円以下の部分には軽減税率を適用するなど、負担軽減の措置を講じたことなどであります。
 次に改正の第三点としましては、不動産取得税の創設があります。本税は、土地または家屋の取得に対して、その所在する道府県において課するものでありまして、創設の趣旨は、比較的払いやすい時期において固定資産税の前どりをするということ、反面これによつて固定資産税の税率引下げを可能にすることなどでありますが、また本税創設の結果、不急不要の建築等の抑制が期待されておるのであります。本税の課税標準はその不動産の価格であり、標準税率は百分の三であります。ただ、住宅払底の現状にかんがみて、住宅建設を阻害することのないよう、新築住宅及びその用地については一定の減額措置が講ぜられております。
 改正の第四点は、自動車税に関してであります。それは車種相互間の負担の合理化及び揮発油税の増税ともにらみ合せて、その使用する燃料の相違による負担の均衡化を主たる目的として税率の変更を行うたことであります。なお、徴税確保のために、税金の滞納者に対しましては車体検査証の更新を許さないような規定も設けられております。
 改正の第五点は、狩猟者税の税率を負担公平の見地から現行法通り一律のものにもどしたいということであります。
 改正の第六点は、タバコ消費税の創設であります。本税は、一方には地方団体に新たに独立財源を付与する必要があり、他方地域的偏在度の少い財源を付与すべしとする要請があり、この両者の要望を満たすものとして両調査会の答申が取上げられたものでありまして、日本専売公社が小売人に売り渡すタバコに対し、小売定価を課税標準として、小売人の営業所所在の道府県及び市町村においてそれぞれ一定税率の税金を専売公社に課することを目的にするものであります。
 改正の第七点は、市町村民税につき道府県民税創設に伴う所要の改正を加えたことでありまして、市町村民税を道府県民税に移譲する部分だけ減額する趣旨のもとに税率引下げを行つたことであります。
 改正の第八点は、固定資産税に関するものであります。その一は、不動産取得税の創設とも関連せしめて税率の引下げを行い、負担の緩和をはかること、その二は、経済再建の上に重要と思われる機械設備、発送電施設、鉄軌道、船舶など特定の固定資産について一定期間負担の緩和をはかるための特別な措置を講じたこと、その三は、償却資産に対する免税点を引上げること等であります。その四は、発電施設等の大規模償却資産に対する固定資産税については、その地元市町村の人口や財政事情による一定制限価額以上の部分については課税権を道府県に移譲することとして、税源偏在の是正をはかつたことであります。その他、徴税事務簡素化の意味において自転車税と荷車税とを統合して自転車荷車税に一本化したこと、電気ガス税の非課税範囲の均衡をはかるため電鉄、金属掘採の用に供する電気など若干の品目を追加するようにしたことなどであります。
 最後に、入場税につきましては、御承知のごとく、これを国税に移管して、その九割相当額を譲与税として地方に配分する制度を設ける関係上、地方税としてはこれを廃止しているのであります。
 以上が改正の趣旨並びに内容の概要であります。
 本法案は、去る二月二十三日本委員会に付託せられ、三月五日塚田国務大臣より提案理由の説明を聴取、三月八日より審議開始、十三日大蔵委員会と、十五日建設委員会とそれぞれ連合審査会を開き、十人目公聴会開催、さらに、本案の重要性にかんがみ、小委員会を設置し慎重に審議を重ねたのでありますが、この間、建設委員会、農林委員会及び水産委員会よりそれぞれ修正意見の申入れがあり、この趣旨説を聴取いたしたのであります。かくて、委員会を開くこと十一回、昨四月七日小委員長灘尾弘吉君より報告を聴取した後、質疑を終了いたしたのでありますが、その際改進党の床次徳二委員外三君より本案に対する修正案が提出せられました。本委員会における審議の内容はあまりに多岐多端にわたりますから、すべて会議録によつてごらんくださるようお願いを申します。
 これより修正案につき御報告をいたします。すなわち、修正案の内容はかなり広汎にわたるものでありますが、修正案はすでに各位のお手元に配付せられておるのでありますから、その大要のみを申し上げて御了承を願いたいと存じます。
 まず第一点は、事業税に関して、個人事業税の基礎控除額の引上げ、非課税範囲の追加、輸出所得の損金算入のとりやめを行う等のことであります。修正の第二点は不動産取得税に関してでありますが、非課税範囲の追加、公営住宅の払下げを受ける場合の税金の軽減措置等であります。修正の第三点は、遊興飲食税について、大衆飲食店などに対する免税点の引上げ、大衆旅館に対する免税点の新設を行うなどのことであります。修正の第四点は、自動車税に対する原案の税率を若干引下げるとともに、トラツクについては営業用、自家用の区別を設けて税率に差等をつける等の改正を行わんとするものであります。修正の第五点は、狩猟者税の税率を現行通り一本建とすることに改めたいとのことであります。修正の第六点は、道府県民税及び市町村民税について、寡婦、老人などの非課税の範囲を、現行の所得十万円以下とあるのを十二万円以下に改めたことなのであります。修正の第七点は固定資産税に関するものでありまして、その主たる点は、原案における地方鉄軌道、企業合理化用資産、重要物産製造用資産及び航空運送事業用航空機に対する負担緩和の特例措置遡及適用をとりやめたいということなのであります。
 次に、入場税の国税移管をとりやめ、これを地方税として存置することに関する修正であります。
 すなわち、まず第一点は、現行法の入場税の規定を税率等に若干の改正を加えて存置せんとすることであります。税率につきましては、おおむね今回の政府原案通りに引下げるとともに、現行の入場税の規定中にある第三種、すなわちパチンコ、ゴルフ場等の施設の利用に関する部分が、政府原案ではまつたく規定を欠いておりますから、これを補足し、パチンコ場等に対する外形標準課税の規定を明定するとともに、徴税を強化する方法として免許税的なものに修正せんとするものであります。
 第二点としましては、以上の措置に伴い当然入場譲与税法案も廃棄されますので、これにかわる財源偏在是正の方策を必要とする結果、道府県タバコ消費税に特例を設けまして、基準財政収入額が基準財政需要額を越える都道府県に対しては、この越える部分にかかる本税の課税権を制限し、これを他の道府県に人口に按分して納付するように改めたいとしたことであります。
 以上が修正案の概要であります。
 右修正案について質疑の終了をまつて、これを原案と一括して討論に付しましたところ、委員加藤精三君は自由党を代表して、修正案のうち入場税に関する部分には反対、その他の修正部分及びこの部分を除く原案には賛成、委員鈴木幹雄君は改進党を代表して、修正案並びに修正部分を除く原案に賛成、委員北山愛郎君は日本社会党左派を代表して、修正案のうち入場税に関する部分には賛成、その他の修正部分及びこれを除く原案には反対・委員中井徳次郎君は日本社会党右派を代表して、同じく入場税に関する修正部分には賛成、他の修正部分及びこれを除く原案には反対、以上のごとくそれぞれ、討論が行われたのであります。
 ついで採決に入り、まず入場税に関する部分を除いた修正案につき採決を行いましたところ、賛成多数をもつて可決、次に入場税に関する部分のみについての修正案もまた賛成多数をもつて可決、よつて修正案は可決せられ、最後に、以上修正部分を除く原案も賛成多数をもつて可決せられた次第であります。よつて本案は修正可決すべきものと決せられたのであります。
 以上御報告を終ります。(拍手)
 引続き、ただいま議題となりました入場譲与税法案に関する地方行政委員会の審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げます。
 本法案は、地方税法の一部を改正する法律案とともに、今次地方税制改正の一環として、直接には別途政府の提案にかかる入場税法案に関連するものであり、その目的とするところは地方団体相互間における税源配分の合理化を期することにあるのであります。すなわち、さきに義務教育費国庫負担法が制定せられ、これが、従前地方財政平衡交付金の交付を受けていた地方団体はもとより、交付を受けていなかつた地方団体にも一様に適用せられることとなりましたため、東京都や大阪府のごとき財政のゆたかないわゆる富裕団体、すなわち平衡交付金の不交付団体におきましては新たに義務教育費国庫負担金の交付を受けることとなつて、それだけ国庫からの支出金も当該地方団体の財源も増額されることとなり、従つて財源の偏在度を強める結果となりますので、この傾向を是正しつつ、一方全地方団体の独立財源の強化をはかるため、地方財政平衡交付金の不交付団体に比較的収入の多い入場税を形式上国税に移し、人口按分により各都道府県に環元する方法をとるのでありますが、これとともに、反面普遍的に収入の得られるタバコ消費税を国から移譲を受けるなどにより、全地方団体に対して新たに独立財源を付与し、もつて財源の偏在を是正しようとするものであります。
 これが入場税について譲与税制度を創設せんとする本案のねらいなのでありますが、その方法といたしましては、入場税の収入額の十分の一相当額は国の収入となし、残り十分の九に相当する額を入場譲与税となし、これを毎年度四回にわけて都道府県に対しその人口に按分して譲与ぜんとするものなのであります。
 本案は三月一日本委員会に付託、三月五日塚田国務大臣より提案理由の説明あり、本委員会といたしましては、本案が地方税の体系に変革を加え、地方税財政に影響を与える意義の重大なるにかんがみ、別途政府提案にかかる地方税法の一部を改正する法律案の審議との関連において検討を加え、また本案と直接の関係を有する入場税法案について大蔵委員会と連合審査をも行うなど、慎重審議をいたしました。
 かくて、昨四月七日本案に対する質疑終了、その際加藤精三君外十一名より本案に対する修正案が提案されました。この修正案の内容は、別途大蔵委員会において審議中でありましたところの入場税法案に対する修正案の内容と関連するものであります。すなわち、政府提案にかかる入場税法案における入場税の税率を軽減することによつて生ずることが予想せられる税の減収に伴う地方譲与税額の減少は、地方財政に不測の打撃を与えるものであるから、そのおそれをなくするために、昭和二十九年度の入場税収入が、政府の予算に計上した見込額百九十二億円を下まわり、その結果入場税譲与金として政府が予定する額に不足を生じた場合に対処せんとするものでありまして、その方法としては、昭和二十九年度における入場税法の規定により収納した入場税の収入額の十分の九に相当する額が百七十二億八千万円に満たない場合においては、同年度分の入場譲与税は本法案第一条の規定にかかわらず百七十二億八千万円となし、その差額は国の一般会計の負担とすることを主たる内容とするものであります。
 修正案に対し質疑を行いました後、政府の原案並びに修正案を一括討論に付しましたところ、委員鈴木幹雄君は改進党を、委員西村力弥君は日本社会党を、委員門司亮君は日本社会党をそれぞれ代表して、こもごも、原案は入場税の本質にそむき地方の自主性を害するをもつてとるぺからず、また修正案は、原案が入場譲与税をもつて地方の独立財源としてこれを確保せんとする精神をさえ乱すものであつて、地方財政の不安を除去する保障なきゆえ、これまた反対なりとして、原案及び修正案の双方に対し反対の意見を陳述せられました。
 採決に入り、まず加藤精三君外十一名の提案にかかる修正案は賛成少数をもつて否決せられ、次いで政府提案の原案もまた賛成少数をもつて否決せられました。かくして本案は否決すべきものと決定せられた次第であります。(拍手)
 右御報告申し上げます。
#11
○議長(堤康次郎君) 両案中入場譲与税法案に対しては、加藤精三君外十一名から成規により修正案が提出されております。この際その趣旨弁明を許します、灘尾弘吉君。
    〔灘尾弘吉君登壇〕
#12
○灘尾弘吉君 提案者を代表いたしまして、入場譲与税法案に対する修正案の趣旨弁明を行いたいと存じます。
 政府提出にかかわる入場税法案に対する修正案に照応いたしまして、入場譲与税法により譲与すべき昭和二十九年度の入場譲与税の総額並びに昭和二十九年度における譲与時期ごとの譲与額につきまして修正の必要があると考えるのであります。
 けだし、現下の都道府県財政はおおむねきわめて一逼迫した状況にあり、明年度における歳入に欠陥を生ぜしめないように措置する必要のあることはもとより、年度間の各時期における収入に欠陥を生ぜしめないよう、これに対処する万全の措置を法律をもつて定める必要があると認められますので、修正案を提案する次第であります。
 何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。(拍手)
#13
○議長(堤康次郎君) これより討論に入ります。加藤精三君。
    〔加藤精三君登壇〕
#14
○加藤精三君 自由党を代表して、政府提案の地方税法の一部を改正する法律案並びに入場譲与税法案に対する自由党及び日本自由党より提案されました修正案に対し討論を行います。
 まず、地方税法の一部を改正する法律案についてでございますが、地方財政の現況にかんがみ、地方団体の独立税源を拡充するとともに、地方団体相互の税源の配分を合理化し、地方税負担の均衡をはかり、あわせて税務行政を簡素化し、かつ合理化する措置を講じ、及び国、都道府県、市町村三者問における協力体制を確立するため、おおむね地方制度調査会及び税制調査会の答申の線に沿い、タバコ消費税、道府県民税、不動産取得税などの新税を創設し、入場税を国税に移管し、附加価値税を廃して現行事業税及び特別所得税を統合して事業税とし、これについては、非課税範囲の整理を行うとともに、全般的にその税率を軽減し、その課税標準は原則として国の決定したるところによることとし、なお固定資産税については一般的に税率の引下げを行うほか、産業設備の近代化を考慮して主要な機械設備につき課税標準に特例を設け、大規模償却資産に対する課税権の一部を道府県に移して税源の配分を調整するとともに、その他市町村民税、自動車税、電気ガス税等についても所要の改正を行う必要があるのでありまして、政府原案は右の要請を満たすものとして賛成でございますが、他面、改進党床次徳二君外三名提案にかかる修正案は、その中につき、入場税に関する部分を除いては、地方行政委員会及び同小委員会において精密なる研究を行いたる結果生れたものであり、その一部について両派社会党の同意を得られなかつた結果、委員会の満場一致の可決を見られなかつたものとは言え、きわめて妥当なる成案と存じますので、これに賛成するものであります。
 次に、入場譲与税法案並びにこれが修正案についてでありまするが、入場譲与税法案は、入場税法案及び交付税及び譲与税配付金特別会計法案に照応しまして、いわゆる入場譲与税譲与金を都道府県に譲与し、地方財源の調整をはかるものでありまして、その修正案は、右両案に対する修正案に照応し、地方団体の歳入の欠陥を生ぜしめないため絶対必要の措置を法定するものでありますので、右入場譲与税法案及び右修正案の両案に対しましては、いずれもこれに賛成するものであります。(拍手)
#15
○議長(堤康次郎君) 鈴木幹雄君。
    〔鈴木幹雄君登壇〕
#16
○鈴木幹雄君 私は、改進党を代表いだしまして、ただいま議題となつております地方税法の一部を改正する法律案につきまして、わが党より提案いたし委員会において可決された本案に対する修正案並びに原案につきまして賛成の意見を述べたいと思います。
 現行地方税制は、制定後まだ四年に満たないのでありますが、世論の批判も相当にきびしく、わが国の現状においては税制本来の目的を達し得ない面が多いのであります。昨年秋相次いで行われました地方制度調査会及び税制調査会の二つの調査会の答申は、ともに相当大幅な改正を要望しておるのであります。政府もこの答申の趣旨に沿つて今回の改正案を立案しているのでありまして、附加価値税の廃止、道府県民税の創設、事業税及び固定資産税における税負担の軽減ないし合理化、税務行政の簡素合理化など、従来懸案とされて来た諸問題に対しまして一応の解決を与えるとともに、タバコ消費税や揮発油譲与税の新設により、従来国の財源であつたものを地方に移譲して、地方の独立財源の充実強化をはかるなど、相当画期的な改正が意図されていることは認められるのであります。地方税制度の改正を論ずるにあたりましては、まずこれを地方財政計画全体との関連において考察することが必要であると思うのであります。
 現行地方税制度の最大の問題点は、地方税の量、すなわち税収の総額が過小であつて、その地方歳入中に占める割合がわずかに三十数パーセントにすぎない低い率であるということであります。このことは自主財源の徹底的な欠乏状態を示しており、地方団体の中央依存度を高め、その自主性を弱めて、地方自治の健全な発展を阻害しておる最大な原因であると言うことができるのであります。最近の地方財政は年々窮乏化の傾向にあり、その原因は地方団体自身の放漫無能な施策の結果と考えられるものなしとしないのでありますが、根本的には、政府の策定する地方財政計画の規模が不当に圧縮せられておることから必然的に招来されると断定せざるを得ないのであります。(拍手)われわれは、この点につきまして、従来絶えず政府の注意を喚起して、その是正を要望して参つたのであります。
 さきに行われました地方制度調査会の答申におきましても、地方財政計画の総額が過小であつて、地方の実情に即しないことが指摘せられ、その是正のためには地方財源として新たに三百億、見方によつては三百六十億程度を必要とするとし、さらに警察制度の改正を実施する場合は、国から都道府県に百四十億程度の財源を移譲すべきであるというのでありまして、これに対しまして政府の提出した昭和二十九年度の地方財政計画は総額九千六百五十三億、その後衆議院の修正によりまして九千六百七十七億となつたのでありまして、二十八年度に比して約五百億の増加となつているのであります。このことは、国の予算が一兆億予算として、二十八年度に比較いたしまして三百億弱の削減が行われておるのに比べますと、一見いかにも地方財政の緊縮が不十分である、むしろ財政規模が拡大されておるかのごとき感を抱かせるのでありますが、これはもつぱら国と地方との財政構成の相違から来る帰結でありまして、実質的には、財政緊縮の程度は国の場合と同程度ないしはそれ以上であると言うことができるのであります。ベース・アツプの平年度化に伴う財政需要の自然増加だけでも四百億を見込まなければならない実情であり、それに警察制度改正に併う財政審要の増加百五億を加えますならば、それだけですでに昨年度よりの増加分は消えてなくなるのであります。かような圧縮を加えながら、一方、既定財政規模の是正額としてはわずかに百四十九億を計上しておるのにすぎないのでありまして、調査会の答申による最低三百億の線に達せざることはるかなるものがあります。一方、歳入の面におきましても、たとえば所得税の減税に伴う市町村民税の収入減をカバーするために、経費の面においては標準経費によりながら、ここでは第二方式、第三方式による実質上の増税約四十六億程度を見込んでおることなどは、いわば増税を強要するごときものでありまして、健全な見積りとは言えないのであります。
 かように見て参りますならば、二十九年度の財政計画は、地方財政の規模を前年度よりさらに一層縮小しようとする意図のもとに立案されたものであると考えざるを得ないのでありまして、このような歳出の過小見積りと歳入の過大見積りとの板ばさみにあつて、地方税収入の総額の策定がきわめて不十分なものとなつていることは当然の帰結と言わざるを得ないのであります。なるほど、二十八年度に比しまして、税収見込額の総額は、譲与税二百五十億を加えまして六百二十三億の増加となつておるのでありますが、地方財政平衡交付金にかわる地方交付税ほ百六十億、地方債のわくは百三十九億を減少しておる点から見ますならば、実質的には私は自主財源の強化とは言えないと思うのであります。ことに、今年度における経済界の状況がはなはだしく不況に陥りつつあり、税収は計画額を下まわるおそれが多分にあるのであります。今日、国民の租税負担がほぼ限界に来ていますことは、いまさら申すまでもないところでありまして、国税、地方税を含む租税負担は昭和二十八年度において約二〇・四%であつて、戦前における一二%程度に比しますならば、これに生活水準の低下をも勘案いたしますれば、きわめて重い負担と言わなければなりません。近年国税においてはしばしば減税措置が講ぜられて参りましたことは当然なことでありますが、地方税におきましては、むしろこのしわ寄せにより税収の自然的伸張が妨げられ、その結果は地方財政の窮乏化に伴つて、税の増徴、徴収強化等、住民負担の過重を著しくしているのであります。ことに中小企業や勤労大衆の負担は極度に高められ、他面、資本蓄積の阻害も大きな問題となつておる実情であります。かような過重な住民負担を緩和し、しかも地方の独立財源の充実強化をはかるところに今日の地方税制改正の大きな問題があるのであります。このためには、結局国の財源を地方の特定財源に移すという方途による以外解決の道はないと信じます。(拍手)
 今回の改正案を見ましても、国から地方に移譲された純粋の独立財源はわずかにタバコ消費税のみであり、しかもその税率は両調査会の答申に比しまして半分以下にすぎません。しかも、一方、地方の最もとりやすく、かつ弾力性のある税源である入場税が、偏在是正の名のもとに国税に移管されて、譲与税となつて還付されることになつておるのであります。われわれは、道府県民税のごときもその財源を市町村民税の割譲に求めるべきではなく、国の財源を移譲すべきであつたと考えます。酒消費税のごときも、少くとも将来は地方税として考慮すべきであると思うのであります。最も重要な住民負担の軽減の課題も、以上のような改正案の方針のもとにあつては多くを期待し得ないことは当然でありましよう。なるほど、税率の一般的な引下げ、基礎控除の引上げ等、全般的な改善も見られるのでありますが、われわれが常に強調して参りました中小企業、零細所得者に対する負担軽減の重要性は、大企業、重点産業等に対する軽減措置に押されて、十分反映されるに至つていない感が強いのであります。国策的見地から重要産業等を保護することは必要でありますが、これを窮乏の極にある地方団体の負担において行わんとすることは、明らかに行き過ぎであり、賛成し得ないところであります。(拍手)
 以上申し述べましたような立場において、われわれは、原案に対して現在可能な限りの修正を加えることによつて本案に賛成いたすことといたした次第であります。
 修正の大要はすでに委員長報告によつてお聞きの通りでありますので重複を避け、以下おもな点につきましてその趣旨の概要を申し上げたいと思います。
 まず第一に、中小企業や一般大衆の負担を軽減し、かつその均衡をはかることを主眼とする修正であります。その一は、事業税において個人事業税の負担が法人事業税に比してはなはだしく過重である現状にかんがみまして、前者の基礎控除の額を、政府原案より昭和二十九年度において一万円、平年度におきまして三万円引上げ、それぞれ七万円、十万円とすることであります。われわれは中小企業者の事業税は全面的に免除をすることを理想とするものでありますが、急激な負担の変更、税収の激減等を回避する意味からも、この際は暫定的にこの程度にとどめまして、将来一層の軽減を期待したいと思うのであります。その二は、遊興飲食税につきまして大衆飲食店や甘味喫茶店における飲食料金の免税点を引上げ、一般大衆の日常の飲食における負担の緩和をはかりまするとともに、新たに大衆旅館における宿泊につきましても、それがまつたく家庭の延長であつて、遊興的、奢侈的にわたらない限度においてはこれを非課税とすることとしたのであります。その三は、道府県民税及び市町村民税につきまして、寡婦、老人等の非課税の範囲を広めて、所得十万円以下を十二万円以下に改めたことであります。その他各種の税目において、非課税範囲の合理化、均衡化をはかるため若干の修正を加えておるのであります。
 修正の第二は、負担緩和のための特別措置のうち行き過ぎと思われるものを是正する趣旨のものであります。その一は、事業税における輸出所得の損金算入の措置をとりやめることであります。輸出振興に国税面で協力することは当然のことと考えるのでありますが、地方税たる事業税にまで同様の協力をしいることは、応益原則の立場、他の住民負担との均衡または地方団体の財政の現状から見ても穏当を欠く行き過ぎた措置と思われるのでありまして、これをとりやめたいと思うのであります。その二は、地方鉄軌道、企業合理化用資産、重要物産製造用資産及び航空運送事業用航空機に対する原案第三百四十九条の二に規定する固定資産税の緩和に関する特別措置につきまして、その遡及適用をとりやめることであります。わが国の経済再建上重要な要因をなすこれらの資産に対して一定期間租税面から保護助成を行うことは、前の輸出所得の場合と同様に考えられるのでありまして、特にこの場合は市町村財政に急激な変動を来すことでもありますので、すでに課税の対象となつた部分については現行法通りとするように修正したのであります。
 今回修正の最大の重点は、入場税を地方税として存置する立場から、これに関連して行う修正であります。御承知の通り、入場税は、昭和十三年国税から地方税に移され、爾来地方税として存続して来たものであり、その性質上からも地方の行政と密接不離の関係にあるものであります。しかるに、その収入があまりにも地域的に偏在しておるというところから、さきに、両調査会の答申においては、遊興飲食税とともにこれを国税に移管して、税率の引下げ、課税範囲の合理化をはかるとともに、その収入額の大部分を人口に按分して地方に還元せしむる措置を勧告しておるのであります。政府原案はこの答申を尊重して立案されたはずのものでありますが、なぜか、ひとり入場税のみを国税に移管し、遊興飲食税はこれを地方税に残しておるのであります。両者を一括して国税に移すか、あるいは、偏在度が一層はなはだしく、徴税技術上からも困難な税目であつて、むしろ国税に移すことにある程度の理由が認められる遊興飲食税の方を国税に移管するというならば一応筋道は立つと思うのでありますが、徴収も容易で弾力性のある入場税のみを切り離して国税に移すという理由はまつたく理解に苦しむのであります。(拍手)財源偏在の是正という観点からするならば、むしろ他の面においてこそ調整すべきでありまして、その措置に出ずして、逆に地方の最もよき独立財源たる入場税を取上げることによつて調整の目的を達しようとすることは、地方の自主性を犠牲とする以外の何ものでもないのであります。(拍手)われわれは、かような見地に立ちまして、あくまで入場税の国税移管に反対し、原案を修正して、これを地方税として存続することにいたしたのであります。ただ、税率につきましては相当の引下げの必要がありますので、この際一応政府原案程度に引下げることとし、また現行の入場税中にある第三種の施設の利用に関する部分について、政府原案で規定を欠いております点を補足し、また若干の修正を行つたのであります。
 最後に、この国税移管廃止に伴いまして当然入場譲与税法案も廃棄されることとなるのでありまして、この方途によつて達成しようとしていた財源偏在の是正が一応御破算となるわけであります。従つて、この点を別途考慮する必要を生じて参るのでありますが、今回創設されることになつております道府県のタバコ消費税の一部富裕府県に対する課税権を制限いたしまして、この部分を他の府県に対して人口に按分して納付せしめることによりまして、入場譲与税制度による場合とほとんどまつたく同一の財政調整効果が達成せられるのであります。すなわち、入場税を地方税に存置する場合、国税の場合に比しまして、東京、大阪におきまして増加する税収入は約五十一億余でありますが、タバコ消費税において、ただいま述べました措置をとる結果、減少する額は五十一億四千万円でありまして、実質的には増減はなく、他の府県についても財源的な変動を生じないこととなるのであります。
 以上が、修正の内容と、その趣旨の大要であります。
 さきにも申し述べましたことく、われわれはこの程度の修正をもつて決して満足すべきものではありませんが、国の予算もすでに成立を見た今日、地方交付税額、地方債の総額等もすでに動かしがたく、自然地方税収入の総額もこれ以上動かし得ない実情にありますため、やむなくこの程度にとどめ、この修正において示された方向を将来さらに一層推進すべきことを期するとともに、政府に対しましても、近き将来において地方税制度に一段の改善を加えられんことを強く要望いたしまして、委員長の報告の通り、修正を含む原案に賛成を表明するものであります。
 なお、一括上程されております入場譲与税並びにその修正案につきましては、入場税の移管反対の立場より反対でありますことは当然であります。ことに、自由党の修正案に至りましては、入場譲与税の本質を失い、一兆億予算の規模を破壊する自滅行為を行わんとするものであることをここに付言いたしたいと思います。
 以上をもちまして私の討論を終る次第であります。
#17
○議長(堤康次郎君) 北山愛郎君。
    〔北山愛郎君登壇]
#18
○北山愛郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となつております地方税法の一部改正法律案に関しまして、床次徳二君外三君より提案になつております修正案のうち、入場税に関係する部分については賛成し、その他の修正部分及び政府原案については反対し、あわせて入場譲与税法案につきましては政府原案並びに修正案に反対の態度を明らかにせんとするものでございます。(拍手)
 われわれが政府原案に反対する第一の理由は、本案が、一兆円緊縮予算の美名のもとに再軍備を強行せんとする吉田政府の財政金融政策の一環といたしまして、その再軍備負担のしわ寄せを赤字に苦しむ地方財政に転嫁し、ひいては地方団体を通じて貧しい勤労大衆に重税を押しつけようとするような露骨な政策の現われであるからであります。(拍手)すなわち、地方税法の改正案によりまして、地方の住民の税負担は、市町村民税及び新設の道府県民税を通じまして八十八億円の増加、不動産取得税によつて四十四億円の増加、遊興飲食税十五億、自動車税三十二億、固定資産税九十七億、電気ガス税二十三億等々、その合計は三百十六億の増税となり、事業税の減税四十二億を差引きましても、その純増加分は二百七十四億円に上つて、これは二十八年度の地方税収三千百二億に対しまして約九%の増税と相なるのでございます。これに対しまして、国税におきましては二十八年度七千五百六十七億、本年度の国税収入見込みは七千七百十八億と相なつておるのでありまして、その増加率はわずかに二%にすぎない。これに比較して、まことに奇妙な対照を示しておるのでございます。国税の収入見積りを堅実に、かつ控え目に見ておるということは、今後の自然増収を見込んで次の軍備拡張に保留する予備工作でありましようが、他方、地方税において、この経済不況と国民生活の窮迫を無視して約一〇%というような無理な増収を期待することは、この増収見込みの上に立つた地方財政計画をもつて、平衡交付金におきましては百六十億、地方債においては百三十九億、合せて二百九十九億を減額して、すなわち国の地方財政への負担をそれだけ免れようとする魂胆に出ておることは、もはや明らかなる事実と言わなければなりません。(拍手)
 本年の地方財政は、政府のきびしい計算によりましても、昨年に比べて八百五十四億の財政需要が増加することになつておるのでありまして、それだけの経費が地方財政に昨年より余分にかかるわけでありますが、この八百五十四億の増加に対して、政府はまず三百六十五億の節約を強制いたしまして、一方においては、ただいま申しましたような二百七十四億の増税を要求して、この地方税法の改正を行つて来たのでございます。タバコ消費税につきましても、地方制度調査会の案である百分の三十という率を採用しないで、百十五分の十五というような、まことに奇妙なる率に圧縮をされましが、この多少の財源も、結局、新たに警察法の改正によります府県警察設置のための経費約四百億の重圧のために、ただいまのタバコ消費税の財源が全部使われてまだ不足するであろうということは、想像するにかたくないのでございます。かような地方税の改正が、昭和二十八年度の年度末におきまして三百六十億の赤字に悩む地方団体に対してどのような影響を与えるか、まことに思い半ばに過ぎるものがあります。府県も市町村も、各種補助金の減額、事業費の削減によつて、学校も道路も橋も住宅も衛生社会福祉施設もやれなくなつて来る、住民へのサービスもできない、そうしてその一方では、不景気であろうが、中小企業がいかにつぶれようが失業者がふえようが、税の水増しと差押えあるいは競売による徴税の強化をやらなければならぬという立場に地方団体が追い込まれるのでございます。(拍手)かくのごとき地方団体を苦しめ国民生活をさらに窮迫にするような税制に対しては、われわれは断じてこれを承服することはできないのである。(拍手)
 わが国の地方自治体と地方住民は、長い間、軍国主義的な専制国家の中で、軍備と戦争のために苦しんで参つたのでございます。今の公共施設の貧困あるいは個人生活文化の低位ということは、主としてここに原因しておるのでありまして、ただ戦後わずかに芽ばえて参つた民主化の勢いによつて、わが国の地方自治が初めてその発展を見るに至ろうとしている際に、戦後数年ならずして地方自治は再び新しい国の再軍備政策に当面し、不動産取得税が復活して、入場税が再び国に取上げられ、中央集権的な国家警察の厖大な経費を都道府県が負担しなければならぬというような反動時代に今や直面しておるのでございます。(拍手)今回の地方税法の改正こそは、再軍備の地ならし工作と資本蓄積とを企図した、かの昭和二十四年、二十五年のドツジ、シヤウプ方式の完全な日本版と称しても過言ではごいまざせん。
 われわれの指摘します第二の点は、本案の欺瞞と矛盾についてでございます。市町村民税の一部をさいて創設する道府県民税につきまして、塚田自治庁長官は、道府県の経費を広く各方面に分任させ、そうしてその自治の基本を強化するためと称しておりますが、その自治庁長官が他方では知事官選論を放言し、地方自治法の改正によつて都道府県の自治体としての性格を剥奪し、府県を国の出先機関化する意図を露骨に示しておるのでありまして、道府県民税創設の趣旨をみずからの言葉によつて否定するがごときは、矛盾撞着もはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)
 また、政府は、本法案の提案理由の基本方針の一つとして、税務行政の簡素合理化をはかるとともに、国、道府県、市町村三者間の徴税上の協力体制を確立すると言つております。ところが、一体政府は、今全国一万の市町村の団体である市長会あるいは町村会があげて道府県民税の創設に猛反対をしている事実を知らないのでございましようか。市町村民税の一部を吸い上げられ、みずからこれを代行して徴収し納めなければならぬという市町村当局の立場と意向を無視しては、断じて国、地方団体相互間の協力体制が円満に行くものではございません。(拍手)
 さらに、奇怪なことは、国税に移管し譲与税として地方に配分する入場税については、政府は、御承知の通りに、一割の手数料がなければ徴税意欲が起らないなどと言つております。ところが、その一方、道府県民税の徴収を代行する市町村に対しましては二分ないし三分の手数料しか考えておらぬというに至つては、みずから協力を破壊する独善的態度としてわれわれの容認し得ないところでございます。(拍手)地方税の大系につきましても、住民税を二分して道府県民税、市町村民税にわける、固定資産税の前どり的な不動産取得税というものを設ける、パチンコや麻雀、玉突き等のいわゆる入場税の第三種というものを、徴税がむずかしいという理由で、そのまま地方に放置するがごときは、税務行政の合理化とは完全に逆行するものであると言わなければなりません。(拍手)
 第三点は、国税におけると同様に、地方税におきましても、個人事業者、勤労者、農民等の利益は考慮されることなく、他方汚職と疑獄に満ちた大企業に対する税の軽減については異常なる関心を示しておることであります。(拍手)勤労所得者が最も不公平な地位に置かれておる市町村民税の欠陥については何ら触れることなく、事業税につきましても、本案によつて法人事業に対して減税される分は約三十億であります。ところが、個人事業者の基礎控除一万円引上によつて軽減される分はわずかに十九億にすぎないのでございます。この経済不況に直面をして、主人と家族の勤労によつて血のにじむようなその日その日の生業をささえている全国数十万、数百万の零細営業者の窮状に対して、これではまるきり二階から目薬よりもひどい処置と言わなければならぬのであります。
 次に、固定資産税につきましても、税率はなるほど、標準税率が一・六%から一・五%に若干引下げられましたけれども、一方土地や家屋の評価基準を引上げて、実質では増税を企図しておるのであります。特に農村の田細の課税標準である土地の価格を、田につきましては、昨年の反当二万二千六百七十二円に対して今年は二万八千九十三円、畑につきましては、昨年の八千七十三円に対し本年は一万百二十四円というように、それぞれ大幅な引上げを行い、結局農民の固定資産税は二割程度の増税となるのでありますが、これに対しまして、今汚職たけなわの高速度交通営団のトンネルを非課税とし、問題の外航船舶については三分の一に軽減し、電気事業の家屋、償却資産については、昭和二十四年にさかのぼつて六分の一に軽減している。その他、地方鉄道、軌道、航空機、合理化促進法による機械設備、重要物産の製造用機械等の固定資産につきましてはそれぞれ大幅の軽減を講じ、その額は二十三億円に達するのでありまして、国策のしわ寄せを地方団体に及ぼすとともに、農民から収奪して、その収奪した分を大産業に与えて、その一部をリベートとして政治資金に流し、またそれが選挙資金となつて農民をだます金に使われるという、この末期的な腐敗政治の循環方式の見本を今如実に示されていると言わなければなりません。(拍手)もちろん、われわれも、かような重要産業の育成策を否定するものではございませんが、まず汚職と疑獄の徹底的な粛正によつて国民の信頼を回復しなければならぬ。(拍手)かつ、その保護の効果が国民的な利益としてはつきりと現われるという現実の保障を確立して、それから初めてかような産業の育成策を考えるべきであり、これが健全なる常識のある者の当然の結論でありましよう。
 第四には、徴税の便宜のみを考えて、徴税機関の特権を拡大し、納税者の立場を顧慮しない非民主的な規定の存在でありますが、そのはなはだしいものが一つあるのであります。それは、今度の改正の附則第四十一にある自動車税につきまして、道路運送車両法を改正し、自動車税を納めた証明書がなければ自動車の車体検査をやらないという、かような規定を今度挿入したのでありますが、これは車体検査を税金をとる便宜に利用せんとするものであります。申すまでもなく、自動車の車体検査というものは交通行政上の措置でありまして、税の納付とは直接の関連はございません。この両者を結びつけるということは、自動車税というものを手数料化してしまつて、租税原則を混乱させるばかりではなく、納税者に対してはまことに意地の悪い苛酷なやり方であります。この心理的な、実際的な悪影響は、はかり知れないものがあるのであります。この考え方を敷衍して参りますならば、税金を滞納した家の子供は学校には通学させない、あるいは税を納めない者には道路の交通を禁止するというような非常に危険な思想でございます。結局、リベートのないところには政治がないというような非民主的な規定がますます税法の中にはびこるならば、納税民主化のモラルというものを政府みずから破壊して、憲法三十条の納税の義務はまさに囚人の義務に化してしまうでございましよう。
 われわれは、以上政府原案についての反対の理由を簡潔に申し上げたのでありますが、次に、床次徳二君外三名御提案の地方税法の一部改正修正案について一言いたしたいと思います。
 修正案の中で、入場税を地方税にすえ置きする若干の修正を行つたこの部分につきましては賛成の意を表するものであります。政府が、入場税を国税に移管し、これを配分して税源の偏在を是正するに用いるということは、一応はもつともらしく聞えるのでありますが、それならば、なぜ遊興飲食税だけは地方に残したか。この疑問は一つの疑惑となつて大きく国民の中に広がつておるのみならず、税源の偏在を地方税の財源を取上げて行う、自分のふところをいためないで地方の財源を横に地ならしするというやり方がまことに不当なのであります。この床次徳二君外三君の修正案に示されておるように、富裕府県のタバコ消費税による調整によつてもこれが可能となる。この意味において、われわれは本修正案の入場税の部分については賛成の意を表するものであります。しかしながら、今の入場税部分を除きました他の修正部分につきましては、その若干の点、その方向については同感を惜しまない点がたくさんあるのでありますが、わが党の既定方針とはおよそ相当の距離があるのであります。特に個人事業税の基礎控除は、われわれの二十万円に対し十万円、それも本年はわずか七万円にとどまつておる。われわれの反対する道府県民税の創設を認めておる点、あるいは固定資産税において、われわれは農地について税率を五割引下げを企図しておるのに、何らこれに考慮を払つておらない点、また先刻申し上げた電気事業等、固定資産税の軽減とりやめの不徹底な点、その他自動車税、自転車荷車税、電気ガス税等の軽減について、われわれとは相当の距離があるために、残念ながら賛成し得ないものであることを明らかにしておく次第でございます。
 次に、入場譲与税法案については、原案並びに修正案について、如上申し上げましたような趣旨をもつて、われわれは全面的に反対を表明する次第であります。
 最後に重ねて申し上げますが、本地方税法改正によつて、厖大な地方団体の赤字は今年さらに増大をし、戦後わずかに芽をふき出した地方自治は花開かずしてつみとられ、住民は重税に泣き、地方団体は国民怨嗟の防壁となることをわれわれは知らなければなりません。あのビキニの死の灰から国民を守るのには何の役にも立たない保安隊等の防衛費に数千百億のむだな国費を使いながら、再軍備を推進する吉田政府の政策のしわ寄せを地方自治体にかぶせようとするこの地方税の改正案に対しましては、社会党は断固として反対するものであることを付言して、私の討論を終ります。(拍手)
#19
○議長(堤康次郎君) 伊瀬幸太郎君。
    〔伊瀬幸太郎君登壇〕
#20
○伊瀬幸太郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対し、政府原案について反対、修正案については、入場税に関する部分については賛成、その他の部分については反対、並びに入場譲与税法案に反対並びに修正案に対して反対の意思を表明せんとするものであります。(拍手)
 申すまでもなく、地方自治体の基本的課題は、地方財政を整備して、各地方の経済的不均衡をいかに解決するかということが最も重要であります。その対策といたしまして、配付税制度、平衡交付金制度、さらに今回の交付税譲与税配付金制度が設けられたことは御承知の通りであります。しかしながら、どのような制度の改革がありましても、政府が一定の長期計画に基き、その確固たる基盤の上に地方財政の健全な発展をはかり、地域的不均衡を是正し、よくバランスのとれた国民経済の実現を期することなくしては、しよせん不可能なことであると申し上げねばなりません。(拍手)かかる観点からいたしまして、わが党は吉田内閣の自由放任経済政策及びその上に基礎を置いた官僚的中央集権の強化の政策に多くの批判を有することは申し上げるまでもございません。本地方税法の改正に際しましても、政府の提案理由の説明によれば、その基本方針の第一として、地方団体の自立態勢強化のためには独立財源を充実しなければならぬとうたい、今日の地方自治並びに地方財政の現状がいかに本来の姿からほど遠いものになつているかを率直に認めているのであります。すなわち、富裕府県と貧弱府県が対立し、府県はまた市町村と反目し、大都市と中小都市との利害これまた一致せず、政府は政府で、各省こぞつてその出先機関を進出せしめて府県の機能を尊重せず、あるいは一方的に事務を委任し、補助金という好餌をもつて仕事を押しつけて、最後まで十分な財源の処置はしないので、そのためそれらの費用がただちに窮乏せる地方財政にしわ寄せされて行き、地方団体はこれまたその現況を理由として行政、財政両面ともにいたずらに中央に依存して、すべての問題を中央に持ち込んで、陳情、請願にうき身をやつしているのであります。このような陳情、請願によらざれば、もはや今日の地方行政は成り立たないという方が適切だと言わなければなりません。(拍手)かく見まするとき、とうてい地方自治の発展など望むべくもありません。政府は、この現状、打開に籍口して本改正案を提出し、一方警察法の改悪をはかり、かつ伝えられる知事官選を目ざす自治法の改正等と、かつ過般本院を通過せる教育二法案等を相考察するとき、かかる一連の反動逆行の諸政策は、MSAを受入れた今日、再軍備態勢を歩一歩と強行せんがための中央集権確立の機まさに至れるを思うとき、まことにわが国の将来のため寒心これひとしおと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 今本改正案を一瞥いたしますとき、もちろん自立財政の確立なきところ、自治の発展強化はあり得ません。すなわち、地方自治確立のためにその財源を大幅に地方に移譲し、地方財政を実質的に充実強化せしめる方向に今日の地方税を持つて行くことが急務であります。また、憲法に保障された主権在民、そのための権力の分散と住民の福祉を基調とする地方自治の精神はあくまでもこれを尊重し、かつ守り通さねばなりません。しかるに、わが党は、この基本的立場を考察するとき、残念ながら本改正案及び修正案に反対せざるを得ないのであります。(拍手)
 今各項別にこれを検討いたしますれば、まず第一点として府県民税の創設であります、これは、現行市町村民税中よりその一部をさいて、これを道府県民税に充てるというのでありますが、個人人頭割を、各階級、公共団体から一体に百円を道府県民税に徴収することは、従来市の人頭割は一人七百円、町村にありては三百円の課税でありましたが、今回の改正で町村一律に一人百円の均一賦課徴収とすることは、貧弱町村をますます窮乏に追いやるもので、さらでだに重税にあえぐ町村民に対し、まことに過酷以外の何ものでもありません。(拍手)また、この徴収方法においては、道府県が市町村に対して行う賦課徴税費の補償は政令で定め、この事務を処理するためには、各市町村においては職員の増員が必至であります。政府の言う改正の基本方針である税務行政の簡素化、合理化をはかるということには断じてなりません。これがための人件費等の補償なくしては、とうてい執行し得ないにもかかわらず、わずかに手数料は二分五厘という少額にすぎないのであります。また一方、個人の道府県民税は、市町村民税の徴収令書と同一の用紙を用い、分割納入があるときには両税に按分収入し、延滞金加算金の計算は両税の合算額について行うなど、出納事務の混乱を招くのは必至であつて、ただ道府県のために市町村民に苛酷な条件を押しつけるのが本制度であると言つても過言ではありません。(拍手)
 次に第二点でありますが、現在事業所得者に課せられております事業税は法人と個人企業との間にきわめて不公平となつており、特に零細な個人経営者の税負担はあまりにも過重であつて、今回の改正に対する最大の期待も実にこの点にかけられていると言つても過言ではありません。わが党は、国民大衆の強い要望によつて、外形標準課税を廃し、原則として純益課税とし、税率は百分の〇・六、基礎控除を個人にあつては二十四万円まで引上げる一方、所得税で非課税の取扱いを受けたものには、もちろん事業税も当然免除すべきであることを主張したのであります。しかるに、政府は、かんじんの事業税軽減とその公平化については、まつたくすずめの涙ほどしか考慮をせず、吉田内閣の公言する大衆負担の軽減などはどこを探しても見当らないのであります。国民大衆の期待にそむき、あえて零細事業者から重税をしぼりとろうとするこの態度こそ、弱き者、貧しき者を常に犠牲にして顧みない吉田内閣の本質を遺憾なく暴露しておるものと一言わなければなりません。(拍手)
 第三の問題は、遊興飲食税及び入場税であります。今回の改正にあたりまして、われわれは、この両税を現行通り地方税として存置し、国税移管には強く反対を主張したものでありますが、特に私どもは、遊興と飲食とはその税率において画然たる区別が必要だと思うのであります。すなわち、高級飲食以外のものは課税の対象としないのでありまして、原案の一回飲食非課税百円を百二十円とした修正案は、むしろ少きうらみがあるのであります。また入場税に関しましては、三段階にわけ、税率の適正化をはかるのが当然であり、徴税の合理化を促すものであります。
 ここで私が一言申し上げたいことは、今回の改正にあたり、政府は自治体の財政的均衡をはかるという口実によつて……
  [「簡単心々」と呼び、その他発言
  する者多し]
#21
○議長(堤康次郎君) 御静粛に願います。音を立てないようにお願いします。
#22
○伊瀬幸太郎君(続) 入場税を国税に税管せんとしたのでありますが、最初は遊興飲食税と入場税の両方を国税に移管せんとしておきながら、遊興飲食税は関係業者の反対意見をいれて府県税に残し、入場税だけをあくまでも国税に移管せんとする政府及び自由党の態度は、はなはだ了解に苦しむものであります。(拍手)一体、何ゆえに一方だけは地方税に残し、一方だけは国税に移管するのか。そのことの裏には重大なやみ取引が介在するのではないかという一部のうがつた見方もあながち当を得ないものとは思えないのであります。われわれは地方財政の均衡をはかるにやぶさかではありませんが、地方財政中地方税として当然残るべきものを無理に国税に移管せずとも、タバコ消費税等において十分にその均衡化は期せられるのであります。第四点といたしましては、自動車税に対し、昨年これまた大幅に増税したのにもかかわりませず、今回またも増税し、特に、バスは今日大衆の足として必要欠くべからざる交通機関であり、この増税は乗車賃の値上げとなり、大衆にそのしわが寄せられることは必然と言わなければなりません。しかも、政府は、徴税確保の一方的利便から、税とはまつたく関係ない車体検査にくつつけているのは、まことにもつて苛斂誅求の権化であると断言せなければなりません。(拍手)次に、自転車荷車税であります。今日、荷車や自転車は勤労大衆の手であり足であるも同様であるにもかかわらず、かかるものにまで税を賦課するということはまことに苛酷と申さなければなりません。(拍手)わが党はすみやかなる撤廃を要求するものでありますが、依然として自転車荷車税を賦課するがごときことは、まことに勤労大衆の幸福を無視した悪政と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 最後に指摘したいのは固定資産税であります。今回の改正によつて税率は少しぐらい引下げられても、再評価によつて結局負担の増大を来すのはわれわれ中小企業や一般大衆でありまして、その反面において大きな税の軽減の恩典に浴するものは、今日汚職に明け暮れ、議会政治に対する国民の信頼をまつたく失墜せしめたかの外航船舶会社や、あるいは軌道、発電会社等の大資本家のみであります。疑獄、汚職のまつ最中にもかかわらず、大資本家のみに軽減を行うことこそは、これまつたく吉田政府は大資本家のみ擁護する以外の何ものでもないと断言せざるを得ないのであります。(拍手)かくのごとく、本改正案の一つ一つを検討いたしますならば、まことに国民の憤激を買うものばかりであります。政府は、納税者の公平な、国民の善意と納得による納税民主化をうたいながら、納税の原理を放棄し、高額所得者の利益を擁護し、広汎た勤労大衆、中小商工業者及び農民に不当な重圧を加えることは、社会の混乱を引起すおそれなしとせざるものでありますが、かかる法案を、多数を頼み、多くの大衆の犠牲の上に通過せしむることは、全国民の名において断固反対しなければならないのであります。(拍手)従つて、本法案に対しましても、納税は、納得の行く、笑つて納められる合理的かつ民主的な方法を考えられるよう、一言苦言を呈しまして、重ねて政府原案及び修正案のうち入場税の部分を除き日本社会党は断固反対する旨を明らかにし、さらに入場譲与税法案に反対、修正案にもこれまた反対して、私の討論を終るものであります。(拍手)
#23
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより地方税法の一部を改正する法律案の採決に入ります。
 まず、本案の委員会修正部分中、入場税に関する修正につき採決いたします。この採決はは記名投票をもつて行います。本案の入場税に関する委員会修正に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#24
○議長(堤康次郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算]
#25
○議長(堤康次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 四百三十五
  可とする者(白票)    二百八
    〔拍手〕
  否とする者(青票)  二百二十七
    〔拍手〕
#26
○議長(堤康次郎君) 右の結果、本案の入場税に関する委員会修正は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 地方税法の一部を改正する法律案の
 委員会の修正部分中入場税に関する
 修正を可とする議員の氏名
   赤澤 正道君  荒木萬壽夫君
   有田 喜一君  五十嵐吉藏君
   井出一太郎君  伊東 岩男君
   池田 清志君  稻葉  修君
   今井  耕君  臼井 莊一君
   小山倉之助君  大麻 唯男君
   大高  康君  岡田 勢一君
   岡部 得三君  金子與重郎君
   神戸  眞君  川崎 秀二君
   喜多壯一郎君  吉川 久衛君
   楠美 省吾君  栗田 英男君
   世耕 弘一君  瀬戸山三男君
   關内 正一君  關谷 勝利君
   田口長治郎君  田子 一民君
   田嶋 好文君  田中伊三次君
   田中 角榮君  田中 龍夫君
   田中 萬逸君  田渕 光一君
   高木 松吉君  高橋 英吉君
   高橋圓三郎君  高橋  等君
   竹尾  弌君  武田信之助君
   武知 勇記君  玉置 信一君
   津雲 國利君  塚田十一郎君
   塚原 俊郎君  辻  寛一君
   土倉 宗明君  綱島 正興君
   坪川 信三君  寺鳥隆太郎君
   戸塚九一郎君  徳安 實藏君
   苫米地英俊君  富田 健治君
   中井 一夫君  中川源一郎君
   中村  清君  中村 幸八君
   中山 マサ君  仲川房次郎君
   永田 良吉君  長野 長廣君
   灘尾 弘吉君  夏堀源三郎君
   南條 徳男君  丹羽喬四郎君
   西村 英一君  西村 直己君
   西村 久之君  根本龍太郎君
   野田 卯一君  羽田武嗣郎君
   葉梨新五郎君  馬場 元治君
   橋本登美三郎君 橋本龍伍君
   長谷川 峻君  花村 四郎君
   濱田 幸雄君  濱地 文平君
   林  讓治君  林  信雄君
   原健 三郎君  原田  憲君
   平井 義一君  平野 三郎君
   福井  勇君  福田 赳夫君
   稲田  一君  福田 喜東君
   福永 健司君  藤枝 泉介君
   船越  弘君  船田  中君
   降旗 徳弥君  保利  茂君
   坊  秀男君  星島 二郎君
   堀川 恭季君  本多 市郎君
   本間 俊一君  前尾繁三郎君
   前田 正男君  牧野 寛索君
   益谷 秀次君  増田甲子七君
   松井 豊吉君  松岡 俊三君
   松崎 朝治君  松田 鐵藏君
   松永 佛骨君  松野 頼三君
   松山 義雄君  三池  信君
   三浦寅之助君  水田三喜男君
   南  好雄君  村上  勇君
   持永 義夫君  森   清君
   森 幸太郎君  八木 一郎君
   安井 大吉君 山口喜久一郎君
   山口 好一君  山口六郎次君
   山崎  巖君  山崎  猛君
   山田 彌一君  山中 貞則君
   山木 勝市君  山本 正一君
   山本 友一君  吉田 重延君
   吉武 惠市君  渡邊 良夫君
   亘  四郎君  只野直三郎君
   辻  政信君  安藤  覺君
   池田正之輔君  河野 一郎君
   中村 梅吉君  松田竹千代君
   松永  東君  三木 武吉君
   山村新治郎君
    ―――――――――――――
#27
○議長(堤康次郎君) 次に、本案の委員会修正部分中、入場税に関する修正を除いたその他の修正につき採決いたします。入場税に関する修正を除いたその他の委員会修正に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて入場税に関する修正を除いたその他の委員会修正は可決されました。(拍手)
 次に、ただいま修正議決した部分を除いたその他は原案の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#29
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて修正部分を除いたその他は原案の通り決しました。(拍手)
 なお、ただいま委員会の修正中、入場税に関する部分が否決となりました結果、条項及び字句の整理を要するものがありますので、この整理を議長に一任されたいと思います。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。
 これより入場譲与税法案の採決に入ります。
 まず、本案に対する加藤精三君外十一名提出の修正案につき採決いたします。加藤糟主君外十一名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立]
#31
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて加藤精三君外十一名提出の修正案は可決されました。(拍手)
 次に、ただいま修正議決した部分を除いたその他の原案につき採決いたします。修正部分を除いたその他の原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#32
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて修正部分を除いたその他の原案は可決されました。(拍手)
     ――――◇―――――
#33
○議長(堤康次郎君) 日程第三、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案、日程第四、医薬関係審議会設置法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長小島徹三君。
    〔小島徹三君登壇〕
#34
○小島徹三君 ただいま議題となりました消費生活協同組合法の一部を改正する法律案及び医薬関係審議会設置法案について、厚生委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 消費生活協同組合法の施行以来すでに五年を経過しておりますが、その間国民生活の安定と生活文化の向上のために組合が果した役割は相当大きなものがあつたと考えられます。しかしながら、その反面、社会経済情勢の変遷に伴い、組合の組織あるいは運営について相当の弊害が現われており、中には組合本来のあり方とは相当かけ離れたものすら出ておるような状態であります。このような事態を規制し、健全な組合の発達を助長するため所要の改正を行おうとするのが、政府の本法案提出の理由であります。
 次に、改正案のおもなる点を申し上げますれば、第一は、組合が市中の中小商人等に組合の名義を貸すことを禁じたことであります。第二は、消費生活協同組合地域連合会の事業制限を撤廃し、地域連合会に対しても会館、宿泊施設の経営とか、一般組合事業の経営を認めようとるものであります。第三は、組合の事務運営を適切にするため、総会の議決事項に規約の設定、変更及び廃止を加え、財務の適正処理に必要な基準を定めたことであります。第四は、組合が組合員の出資額に応じて剰余金を割りもどす場合の制限が従来は年五分が最高でありましたのを、出資の増強をはかるため年一割まで引上げようとするものであります。第五は、組合の設立認可の際における審査基準として、従来の法令または設立手続違反の有無等のほかに、事業を行うに必要な経営的な基礎の有無を新たに加え、また報告徴収、行政監督等の規定を実情に即して拡大し、解散命令については当該組合にあらかじめ弁明の機会を与えることにいたしたこと等であります。
 本法案は、二月二十三日本委員会に付託せられ、同二十四日政府より提案理由の説明を聴取した後、数回にわたり審査が行われましたが、組合に対する税法上の特典、信用事業の禁止、共済事業経営、員外利用の制限、金融措置、幹部職員の養成問題等、組合の健全なる発達をはかるための助長方策並びに措置命令、解散命令等の監督規定については、きわめて熱心なる質疑応答が行われたのであります。特に組合に対する法人税の課税問題については、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する意見として大蔵委員会に申入れを行つたのでありますが、これらの詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。
 かくて、三月二十四日質疑を終了し、本月五日の委員会において各派共同の修正案が提出せられ、自由党の青柳委員よりその趣旨弁明がありました。本修正案の内容は、組合の運営が著しく不当なる場合において行政庁の報告徴収、検査、措置命令等の監督権が発動することとなつているのを、組合の会計経理が著しく適正でない場合に前記の措置をとることに改めようとするものであります。
 次いで修正案並びに修正部分を除く原案を一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表して長谷川委員、日本社会党を代表して杉山委員より、それぞれ希望を述べて賛成意見の開陳があつたのであります。
 次いで採決に入りましたところ、修正案並びに修正部分を除く他の原案は可決すべきものと議決いたした次第でございます。
 次に、医薬関係審議会設置法案について申し上げます。
 御承知の通り、去る昭和二十六年六月二十日に制定公布されました医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律は、昭和三十年一月一日から施行されることになつておるのであります。この法律によりますと、薬剤師でない者は販売または授与の目的で調剤をしてはならないこととなつているのでありますが、獣医師が自己の処方箋によりみずから調剤するとき、及び医師または歯科医師が患者または現にその看護に当つている者から特にその医師または歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合、省令の定めるところにより診療上必要があるとされる場合、及び省令の定めるところにより薬局の普及が十分でないとざれる地域で診療を行う場合において、自己の処方箋によりみずから調剤するときは、販売または授与の目的で調剤することができることになつているのであります。また医師、歯科医師は患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合には、患者または現にその看護に当つている者に対して処方箋を交付しなければならないこととなつているのでありますが、省令の定めるところにより、処方箋を交付することが患者の治療上特に支障があるとされる場合は、これを交付しなくてもよいことになつているのであります。しかし、ただいま申し上げました省令を制定しまたは改正しようとするときは別に定める審議会の意見を聞かねばならないと規定されているのであります。従いまして、以上のごとき省令の制定及び改正について調査審議させるため、このたびここに医薬関係審議会を設置し、その組織及び運営の方法を定めようとするのが、政府の本法案提出の理由であります。
 本法案は三月八日本委員会に付託せられ、同九日政府より提案理由の説明を聴取した後審査に入りましたところ、医師、歯科医師及び薬剤師の技術を考慮した新医療費体系をいかにするか、社会保険の診療報酬点数及び一点単価はいかなる形で現わすか、国民の医療費負担及び社会保険の医療費は増加するおそれはないか、医療分業の実施を明年一月一日に控えてこれらについての具体的資料がいまだ提出されないのは政府の怠慢ではないか、診療所、薬局の分布状況等について、きわめて熱心な質疑応答が行われたのであります。これらの詳細については会議録により御承知願います。
 かくて、四月三日質疑を終了し、同六日討論に入りましたところ、自由党を代表して青柳委員、改進党を代表して、古屋委員、日本社会党を代表して滝井委員、日本社会党を代表して杉山委員よりそれぞれ希望を付して賛成の意見が述べられたのであります。
 次いで採決に入りましたところ、本法案は全会一致原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#35
○議長(堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。日程第三の委員長の報告は修正でありまして、日程第四の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#37
○議長(堤康次郎君) 日程第五、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事佐藤親弘君。
    〔佐藤親弘君登壇〕
#38
○佐藤親弘君 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告いたします。
 本法案提出の理由は、最近における公務員の給与の改訂、物価の変動、その他国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の施行の状況にかんがみ、国会議員の選挙等の執行について国が負担する経費で、都道府県及び市区町村の選挙管理委員会に交付するものの基準等を改正する必要がある、これがこの法律案として提出された理由であります。
 本法案は、三月八日、本委員会に付託せられ、同月十九日塚田国務大臣より提案理由の説明を聴取し、四月六日質疑終了、討論省略、採決の結果、全員一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#39
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#41
○議長(堤康次郎君) 日程第六、日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案、日程第七、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長大西禎夫君。
    〔大西禎夫君登壇]
#42
○大西禎夫君 ただいま一括議題となりました日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案外一件の通商産業委員会における審議の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
 日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案の要旨は、日本製鉄株式会社法廃止法の施行後の情勢の変化にかんがみ、八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の社債等に対する一般担保の制度に関する同法附則第五項及び第六項の期限をさらに二年延長しようというのであります。旧日本製鉄株式会社法の規定によれば、いわゆる一般担保制度の適用により、社債の発行にあたつては工場抵当法による工場財団を組成する必要がなかつたため、同社の資産についてはまつたく工場財団の組成に必要な措置が講せられていなかつたことにかんがみ、日本製鉄株式会社の第二会社たる八幡製鉄株式会社及び富士製鉄株式会社の二社に対して工場財団組成のための猶予期間を設け、二年を限つて一般担保による社債の発行を許容するとともに、三年を限つて社債の担保の効力を認め、見返り資金等の貸付金の担保の効力についても同様の措置をとつたのでありますが、その後両社の設備合理化計画の進捗に伴い、一般担保の対象となる債務も急激に増加したため、規定された期限内にこの債務に見合う工場財団組成を完了することが困難となつたので、昭和二十七年四月十二日法律第十一号をもつて期限をさらにそれぞれ二年延長して今日に至つております。
 本法律案は去る三月三十日通商産業委員会に付託されましたので、翌三十一日通商産業大臣より提案理由を聴取いたしました。本法律案につきましては、各党とも別に異議もありませんので、四月七日討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもつて可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件について御報告申し上げます。
 本件は、鹿児島地方におきまして、今日まで繊維検査は神戸繊維製品検査所福岡支所において行つて参つたのでありますが、福岡市と鹿児島市とは相当の距離があり、その上に検査数量も逐次増加し、昨年一月は三千十五ヤード、六月には七千五百六十六ヤード、十一月においては実に六万六千七百五十五ヤードと激増になつておる実情でありまして、その輸出総額も年間三千万円を越えるのであります。従いまして、輸出手続を円滑にするため、常時検査員を駐在せしめ、検査表示の能率的運営をはかり、品質の改善と海外における声価の向上に資しようとするのであります。なお、この増設に伴う予算並びに人員は現行のままで十分実施し得ることになつております。
 本件は四月二日当委員会に付託せられ、六日提案理由を聴取し、翌七日質疑に入り、政府委員との間に熱心な質疑応答があつたのであります。内容については会議録を御参照願うことといたします。
 引続き、討論を省略し採決いたしましたところ、総員をもちまして本件について承認を与うべきことに議決した次第であります。
 以上、簡単でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
#43
○議長(堤康次郎君) まず、日程第六につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第七につき採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#46
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、入場税法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#47
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 入場税法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長千葉三郎君。
    〔千葉三郎君登壇〕
#49
○千葉三郎君 ただいま議題となりました入場税法案について、大蔵委員会における審議の経過並びにその結果について御報告を申し上げます。
 本法律案に関する政府の説明によりますと、今次の税制改正の一環として、地方財源の偏在を是正する等のために、現在地方税である入場税を国において徴収することとしようとするのであります。すなわち、現行地方税法の建前を踏襲しながら、課税範囲の合理化、税率の引下げ等を行うというのであります。
 本案の内容について概略申し上げますと、まず入場税の課税範囲につきましては、政府の提案は、現行地方税の第一種、第二種を国税に移すこととし、第三種の玉突き、舞踏場等の施設の利用についての課税につきましては、国税として課税することが必ずしも適当でないものもあり、これらに対する課税を地方団体の選択にまかせておくことが実情に即するものと認め、これを除外しようというのであります。
 次に税率でありますが、現行地方税法は映画館等一率に入場料金の百分の五十となつておるのを、この際四段階に区分して、最低百分の二十から最高百分の五十までの段階税率とし、展覧会場等についても、現行百分の二十を百分の十に引下げるというのであります。なお、純音楽、純オペラ等の催しものまたはスポーツを催す場所は現行の通り百分の二十として、入場料金の著しく高いもの、すなわち入場料金七百円を越えるものについても百分の四十の税率によることとしようというのであります。
 次に、免税点につきましては、現行地方税ではその定めはありませんが、入場料金が二十円以下の場合及び小学校等の生徒、児童等が教育上の目的をもつて団体入場するもの、その料金が三十円以下の場合は、おのおの課税しないこと等であります。また、教育関係団体、社会福祉関係団体等が社会事業等の目的をもつて主催する催しもの等の免税は現行地方税の通りであります。
 なお、入場税は百九十二億円の収入を予定しており、新しく設けられる交付税及び譲与税配付金特別会計にこれを収納して、その百分の九十に相当する額を都道府県の人口を基準として配分して、地方財源の確保をはかろろというのであります。
 以上が本法律案の内容であります。
 本案につきましては、大蔵委員会は、去る二月十七日政府委員から提案理由の説明を聴取し、次いで質疑に入りました。その質疑の内容について概略申し上げますと、入場税の国税移管は地方の自立財源を削つて地方自治の基礎を弱めるものではないか、また地方財源の偏在是正のためならば、遊興飲食税の国税移管を何ゆえにとりやめたかなどの質疑に対しまして、入場税国税移管は偏在是正のためであり、これがため地方自治が弱められることはない、遊興飲食税は諸般の情勢を見てしばらく見合せ、現在は入場税移管によつてその偏在是正を行いたい旨政府委員より答弁がありました。
 次に、審議の間、去る三月二日には公聴会を開いて、田中宮崎県知事、藤原歌翻研究所の藤原義江君、大阪知事代理播磨重男君、日本興業組合連合会河野義一君の公述人よりの意見を聴取いたしました。
 次に、去る七日、自由党大平委員より、自由党、日本自由党共同提案による修正動議が提出されました。修正案の内容は、第一種の課税標準を改め、かつ税率を百分の二十から五十に至る四段階であるのを百分の十から五十に至る五段階に区分し、第二種については、交響楽、純音楽等に対する税率を
 一率に二〇%とし、また第一種の二十円目下の免税の規定を削り、及び施行期日を改めるものであります。
 次に修正案に対する質疑について申し上げますと、おもなるものは、修正による入場税減収見込みいかん、地方財政計画との関係いかん等であります。これらに対して、提出者及び大蔵大臣より、修正による税収予想は百四十五億円である、この修正によつて地方財政に支障があつてはならないから、当初予定の税収の得られない場合は、百七十二億八千万円までその差額を一般会計において負担するように入場譲与税法を修正して、そのため国でとる入場税収の一割をこれに充てて、それでも不呈する場合は一時借入金で補いたいとの説明がありました。
 次いで、本日原案及び修正案を一括して討論に入りましたところ、内藤友明委員は改進党を代表して反対の旨、山村新治郎委員は日本自由党を代表して賛成の旨、小川豊明委員は日本社会党を代表して反対の旨、黒金泰美委員は自由党を代表して養成の旨、井上良二委員は日本社会党を代表して反対の旨、それぞれ討論せられました。
 次いで、ただちに採決に入りましたところ、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも起立多数をもつて可決せられ、よつて本案は修正議決せられました。
 以上御報告を申し上げます。(拍手)
#50
○議長(堤康次郎君) これより採決いたしますが、成規により記名投票の要求がありますから、この採決は記名投票をもつて行います。(拍手)本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せれんことを望みます。
    〔「改進党どうした」「閉鎖々々」と呼び、その他発言する者、離席する者多く、議場騒然〕
#51
○議長(堤康次郎君) 閉鎖。――開鎖。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
#52
○議長(堤康次郎君) 静粛に願います。――静粛に願います。
 議長の宣告が徹底いたしませんでしたから、これより記名投票に入るはずでありましたが、この際暫時休憩いたします。
    午後五時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時二十五分開議
#53
○議長(堤康次郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。
 これより記名投票を行います。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#54
○議長(堤康次郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖、開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#55
○議長(堤康次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 三百二十八
  可とする者(白票)     二百
    〔拍手〕
  否とする者(青票)   百二十八
    〔拍手〕
#56
○議長(堤康次郎君) 右の結果、入場税法案は委員長報告の通り修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
    〔参照〕
入場税法案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
  相川 勝六君  逢澤  寛君
  青木  正君  青柳 一郎君
  赤城 宗徳君  秋山 利恭君
  浅沓忠雄君  足立 篤郎君
  天野 公義君  荒舩清十郎君
  有田 二郎君  安藤 正純君
  伊藤 郷一君  飯塚 定輔君
  生田 宏一君  池田 清君
  海田 勇人君  石井光次郎君
  石橋 湛山君  今村 忠助君
  岩川 與助君  植木庚子郎君
  江藤 夏雄君  小笠 公韶君
  小笠原三九郎君 小川 平二君
  小澤佐重喜君  尾崎 末吉君
  尾関 義一君  越智  茂君
  緒方 竹虎君  大上  司君
  大久保武雄君  大西 禎夫君
  大野 伴睦君  大橋 武夫君
  大橋 忠一君  大平 正芳君
  大村 清一君  岡崎 勝男君
  岡野 清豪君  岡本 忠雄君
  岡村利右衞門君 押谷 富三君
  加藤 精三君  加藤 宗平君
  加藤常太郎君  加藤鐐五郎君
  鍛冶 良作君  金光 庸夫君
  川村善八郎君  河原田稼吉君
  菅家 喜六君  木村 武雄君
  木村 文男君  菊池義郎君
  岸  信介君  岸田 正記君
  北 れい吉君  久野 忠治君
  熊谷 憲一君  倉石 忠雄君
  黒金 泰美君  小枝 一雄君
  小金 義照君  小坂善太郎君
  小平 久雄君  小西 寅松君
  小林かなえ君  小林 絹治君
  小峯 柳多君  佐々木盛雄君
  佐瀬 昌三君  佐藤 榮作君
  佐藤善一郎君  佐藤 親弘君
  佐藤虎次郎君  佐藤洋之助君
  坂田 英一君  坂田 道太君
  迫水 久常君  始関 伊平君
  塩原時三郎君  島村 一郎君
  助川 良平君  鈴木 仙八君
  鈴木 善幸君  鈴木 正文君
  世耕 弘一君  瀬戸山三男君
  關内 正一君  田口長治郎君
  田子 一民君  田嶋好文君
  田中伊三次君  田中角榮君
  田中 龍夫君  田中 萬逸君
  田渕 光一君  高木 松吉君
  高橋 英吉君  高橋圓三郎君
  高橋  等君  竹尾  弌君
  武田信之助君  武知 勇記君
  玉置 信一君  津雲 國利君
  塚田十一郎君  塚原 俊郎君
  辻  寛一君  土倉 宗明君
  坪川 信三君  徳安 實藏君
  苫米地英俊君  富田 健治君
  中井 一夫君  中川源一郎君
  中村  清君  中村 幸八君
  中山 マサ君  仲川房次郎君
  永田 良吉君  灘尾 弘吉君
  丹羽喬四郎君  西村 英一君
  西村 直己君  西村 久之君
  根本龍太郎君  野田 卯一君
  羽田武嗣郎君  葉梨新五郎君
  馬場 元治君  橋本登美三郎君
  橋本 龍伍君  長谷川 峻君
  花村 四郎君  濱田 幸雄君
  濱地 文平君  林  讓治君
  林  信雄君  原田  憲君
  平井 義一君  平野 三郎君
  福井  勇君  福田 赳夫君
  福田  一君  福田 喜東君
  福永 健司君  藤枝 泉介君
  船田  中君  降旗 徳弥君
  保利  茂君  坊  秀男君
  星島 二郎君  堀川 恭軍君
  本多 市郎君  本間 俊一君
  前尾繁三郎君  前田 正男君
  牧野 寛索君  益谷 秀次君
  増田甲子七君  松井 豊吉君
  松岡 俊三君  松崎 朝治君
  松永 佛骨君  松野 頼三君
   松山 義雄君  三池  信君
   三浦寅之助君  水田三喜男君
   南  好雄君  村上  勇君
   持永 義夫君  森   清君
   森 幸太郎君  八木 一郎君
   安井 大吉君 山口喜久一郎君
   山口 好一君  山口六郎次君
   山崎  巖君  山崎  猛君
   山田 彌一君  山中 貞則君
   山本 勝市君  山本 正一君
   山本 友一君  吉田 重延君
   吉武 惠市君  渡邊 良夫君
   亘  四郎君  只野直三郎君
   安藤  覺君  池田正之輔君
   松田竹千代君  松永  東君
   三木 武吉君  山村新治郎君
 否とする議員の氏名
   佐藤 芳男君  椎熊 三郎君
   内藤 友明君  阿部 五郎君
   青野 武一君  赤路 友藏君
   赤松  勇君  足鹿  覺君
   飛鳥田一雄君  淡谷 悠藏君
   井手 以誠君  井谷 正吉君
   猪俣 浩三君  石村 英雄君
   石山 權作君  稻村 順三君
   小川 豊明君  加賀田 進君
   加藤 清二君  片島  港君
   勝間田清一君  上林與市郎君
   神近 市子君  木原津與志君
   北山 愛郎君  久保田鶴松君
   黒澤 幸一君  佐々木更三君
   佐藤觀次郎君  齋木 重一君
   櫻井 奎夫君  志村 茂治君
   柴田 義男君  島上善五郎君
   下川儀太郎君  鈴木茂三郎君
   田中織之進君  田中 稔男君
   多賀谷真稔君  高津 正道君
   滝井 義高君  楯 兼次郎君
   辻原 弘市君  永井勝次郎君
   成田 知巳君  西村 力弥君
   野原  覺君  芳賀  貢君
   萩元たけ子君  長谷川 保君
   福田 昌子君  古屋 貞雄君
   帆足  計君  穗積 七郎君
   細迫 兼光君  正木  清君
   松原喜之次君  三鍋 義三君
   森 三樹二君  八百板 正君
   安平 鹿一君  柳田 秀一君
   山口丈太郎君  山崎 始男君
   山田 長司君  山中日露史君
   山花 秀雄君  山本 幸一君
   横路 節雄君  和田 博雄君
   井伊 誠一君  井上 良二君
   井堀 繁雄君  伊瀬幸太郎君
   伊藤卯四郎君  池田 禎治君
   稲富 稜人君  今澄  勇君
   受田 新吉君  大西 正道君
   大矢 省三君  加藤 勘十君
   加藤 鐐造君  甲斐 政治君
   春日 一幸君  片山  哲君
   川島 金次君  川俣 清音君
   河上丈太郎君  木下  郁君
   菊川 忠雄君  小林  進君
   佐竹 新市君  佐竹 晴記君
   杉村沖治郎君  杉山元治郎君
   田中幾三郎君  竹谷源太郎君
   長  正路君  辻  文雄君
   堤 ツルヨ君  戸叶 里子君
   土井 直作君  中井徳次郎君
   中居英太郎君  中澤 茂一君
   中村 高一君  中村 時雄君
   日野 吉夫君  平岡忠次郎君
   細野三千雄君  前田榮之助君
   松井 政吉君  松平 忠久君
   松前 重義君  三宅 正一君
   水谷長三郎君  門司  亮君
   矢尾喜三郎君  山口シヅエ君
   山下 榮二君  吉田 賢一君
   岡田 春夫君  久保田 賢君
   館  俊三君  中原 健次君
   中村英男君   原   彪君
    ―――――――――――――
#57
○議長(堤康次郎君) 本日はこれにて散会いたします。
    午後六時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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