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1953/04/17 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第38号
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1953/04/17 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第38号

#1
第019回国会 本会議 第38号
昭和二十九年四月十七日(土曜日)
 議事日程 第三十五号
    午後一時開議
 第一 道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 船舶職員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 可燃性織物法に関する決議案(大西禎夫君外五十名提出)
 清掃法案(内閣提出、参議院回付)
 あへん法案(内閣提出、参議院回付)
 日程第一 道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 船舶職員法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 保安林整備臨時措置法案(内閣提出)
 国有林野法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時五十八分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
    〔五十嵐吉藏君登壇〕
#3
○五十嵐吉藏君 ただいま上程せられました、米国において制定せられましたる可燃性織物法に関する決議案につきまして、提案者を代表いたしましてその趣旨を弁明せんとするものであります。
 まず案文を朗読いたします。
  可燃性織物法に関する決議案
  可燃性織物法は、千九百五十三年六月三十日アメリカ合衆国国会において成立し、即日大統領裁可となり、千九百五十四年七月一日より施行されることとなつた。
  本法の施行によつて、軽目絹織物等の対米輸出はいちじるしく阻害せられ、わが国の当該産業及び関連諸産業に与える打撃は、まことにじん大であり、ひいては、国民感情を刺激し、日米経済外交の前途に暗影を投ずるおそれがある。
  よつて、本院は、アメリカ合衆国国会並びに政府に対し、ここにあらためて本法の施行に、友愛に充ちた考慮を払われることを要請するものである。
  右決議する。
    〔拍手]
 アメリカにおける可燃性織物法は、来る七月一日より施行されるものでありまして、その内容とするところのものは、御承知のように、衣類と繊維製品につきまして、非常に燃えやすく、危険なものは、その製造、販売及び輸入等を一切禁止しようとするものでありまして、この法律が実施されることになりますと、日本の受ける影響と打撃とは実に容易ならざるものがあると予想されるのであります。
 すなわち、その第一点は国際収支の問題でありますが、わが国の米国向け生糸並びに絹織物がドル収入の上に果している役割がいかに重要なるものであるかということは、いまさら申し上げるまでもございません。戦争前までは実に輸出貿易の第一位を占めておつたのでございます。戦後は激減いたしましたが、それでも昨二十八年において生糸、絹織物で約七千万ドルの輸出をいたしておるのでございまして、今後大いに伸ばさなければならない産業であるのでございます。このうち、絹織物及び絹製品では昨年が千六百余万ドル、一昨年は二千二百万ドルに上つておるのであります。ところが、この法律が実施されますと、スカーフやハンカチ等の絹製品において約六割、羽二重のごときは実にその七割までが輸出不能になるのではないかと見られるに至つたのでございます。しかも、これらはいずれも純然たる国産品でありまして、ドルの手取り、その歩どまりはまさに百パーセントの商品であります。これが輸出不能になりますと、一ドルの外貨でもほしいところのわが国の外貨事情は一段と悪化せざるを得ないこととなるのでありまして、日本の最大課題であるところの経済自立に一大支障を来すこととなるのであります。
 次に、国内産業のこれによつて受ける影響でありますが、今やわが国の中小繊維産業は文字通り四苦八苦の窮状に追い込まれまして、工場の閉鎖、倒産は相次いで起りつつあるの実情であります。今にしてこれが根本的の対策を講ずるにあらざれば、これらの中小企業は破局への一途をたどるのみであり、国民生活はいよいよその不安を増大することは火を見るよりも明らかであるのであります。しかるに、この上、この法律が実施されて、しかも目下予想されておるような打撃を受けるとすれば、関係産業はまさに壊滅的の痛手を受けることは必至であります。特に軽目羽二重を集中的に生産しているところの福島、石川、福井等の諸県下における業者は致命的の打撃を受けることとなり、また神奈川県下を中心として広く大衆家庭の主婦の内職として数万人が従事しているところの絹スカーフの巻縫い加工業のごときは、ただちにその生活を脅かされることとなりまして、社会問題としても実に重大なる事態となることは容易に想像されるのであります。さらにまた、当然の結果として生糸の国内価格を圧迫し、このしわ寄せは全国八十有余万戸の食蚕農家にはね返ることとなりまして、わが国蚕糸業の将来に大きな暗影を投ずるのであります。
 第三点といたしましては対米国民感情の問題でありますが、さきにビキニ環礁における水爆の実験により直接被害を受けたる関係者は言うに及ばず、一般国民のアメリカに対する感情は相当尖鋭化いたしておるやさきであり、本問題の成行きいかんによりましては、日米両国間にさらに一段と好ましからざる反米空気を醸成するのみならず、共産勢力進出への好餌となるの憂いすらなしとしないのでありまして、(拍手)これまた日米両国間の将来に容易ならざる問題を残すこととなりまして、決して看過することはできないのであります。
 以上申し述べましたように、本法律の実施がわが国の産業、経済、思想の上に及ぼす影響はきわめて甚大なるものがあるのでございます。よつて、この際、米国国会並びに政府に対して、軽目絹織物及び綿製品は、本法よりその適用を除外さるべきことを要請すべきものであると信ずるのであります。すなわち、スカーフ、ハンカチ等の絹製品はアクセサリーとして法の適用除外を強く要請すべきであり、また強力に要請することのできる筋合いのものであると信ずるのであります。何となれば、元来この法律の立法の趣旨は人命の保護という馬にあるのでありまして、従つて、帽子、手袋、はきもの等の、すぐとりはずしのできるものは、その適用が除外されて募るのでございます。すなわち、本法律の中には適用除外の規定が設けてあるのであります。そこで、スカーフ、ハンカチなどはこれまたきわめて簡単にとりはずしができるのでありまして、これを適用除外といたしましても、立法の趣旨には何ら触れるところはないと信ずるのであります。従つて、これらの製品は当然アクセサリーとして適用の除外を強く要望すべきものであると存ずるのであります。
 なお、特にスカーフについては一言しておきたいのでありますが、万一にもこのスカーフが適用除外されないということになりますと、直接受ける影響は言うまでもありませんが、実は間接的に受ける打撃が予想以上に大きいものがあるという事実でございます。このスカーフというものは、絹の実物宣伝として実に大きな役目を果しているのでありまして、昭和二十二年には年間を通じて生糸の輸出は一万七千俵でしがなかつたのでありますが、その年の下半期にスカーフが流行をいたしまして、これまで絹と人絹との見わけのつかなかつたアメリカの娘さんたちにピユア・シルクのよさがはつきりとわかりまして、これが呼び水となつて潜在需要を大いに喚起して、翌二十三年には八万俵の生糸輸出となり、なおこの流行が続きまして、二十五年には実にアメリカのみで約十万俵の生糸を消化しているのでございます。私は、昨年の秋に欧米の絹業界を一まわりいたしまして、スカーフが絹の実物宣伝の上にいかに大きな役割を果しているかということをまのあたりに見聞いたしまして、その重要性とその宣伝力の偉大なることに驚いて帰つて参つたのでございます。スカーフこそは、かくのごとき大きな間接的の効果をあげておるのであります。しかして、このスカーフが適用除外となりますれば、軽目羽二重並びに絹製品の大部分は、ほとんど影響なしに、従来通りの輸出ができることになるのでございます。なお、これが適用を除外するかいなかは、今月二十二日から開かれるところの米連邦通商委員会の公聴会の結果を待つて、五月中旬ころまでに決定されるとのことでございます。そこで、この際努力いかんによりましては、決して悲観すべき事態ではないと思うのでございます。いな、十分適用除外となるの可能性があると確信いたす次第でございます。
 何と申しましても、この問題は、その成行きいかんによりましては、わが国の産業経済に及ぼす影響と蚕糸織物業界に与える打撃とは決してなまやさしいものではないだけに、真剣に対処しなければならない問題であるのでございます。よつて、ここに衆議院の決議をもつて本問題の解決をはからんとするものでございます。何とぞ諸君の御賛成をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
#4
○議長(堤康次郎君) これより討論に入ります。齋木重一君。
    〔齋木重一君登壇〕
#5
○齋木重一君 ただいま上程になりました本決議案に対じまして、日本社会党を代表いたしまして賛成の討論をなさんとするものであります。それは、わが国経済に今後重大なるところの悪影響をもたらすばかりでなく、今日国内関係者の精神的、経済的被害の甚大なるものがあると信ずるからであります。
 わが国の輸出絹織物製品に対し、米国が燃えやすいところの日本製品として輸入禁止を来る七月一日より実施することになつたと報ぜられておることは、先ほど来決議案の趣旨弁明にもありました通りでございます。もしこれが実施されんか、昨年、すなわち二十八年一月より十二月までの、米国に対する生糸、絹織物の輸出実績を見まするときに、総額は四千三百三十八万ドルでありまして、そのうちの約四分の一に該当するところの製品約一千万ドルが禁止されることになりますことは、ひとり絹織物業者の問題ではありません。まず第一に、わが国養蚕農家、織物業者、これの加工業者、輸出商社、これらに従事する多数の農民、勤労者のこうむる被害は、経済的にはもちろん、精神的悪影響は看過することのでき得ない重大なる問題であると私どもは信ずるのでございます。(拍手)
 米国におきましては、すでに十年前より燃えやすいところの絹織物として取上げられ、米国業者はその間燃えにくくする研究と製品工程の切りかえを済ませておると報じられておるのであります。米国内においては、重目羽二重の製造技術は日本より以上に発達をしており、ただ軽目羽二重の生産技術が日本より遅れておりました関係上輸入をしておつたのが、今や米国は軽目羽二重の生産技術が発達いたした関係より、その生産業者の圧力によつて、燃えやすき絹織物などと、りくつをつけて、輸入禁止の暴挙に出たものと私どもは信ずるのであります。(拍手)
 この問題は、昨年六月末すでに米国議会を通過し、一年間の猶予期間を置き、本年七月一日より実施するものであります。現政府は、この一箇年間何をしていたか。無誠意、無為無策、拱手傍観、ただ米国のなすがままに今日に至つたことは重大なる怠慢であると私どもは考えるとともに、本決議案が六菖十菊といえども国民の声としてここに反映されることは当然であると私どもは考えます。(拍手)米国一辺倒の軟弱外交を露呈したものと、あえて私は断言するものであります。私どもは、この一方的処置に対して断じて黙視することはでき得ません。
 政府は、口を開けば、外貨獲得のため輸出振興を一枚看板にして国民に耐乏生活を強制しながら、一方においてMSA協定によるところの、国際小麦価格よりも上まわるところの米国の余剰物資たる小麦を押しつけられ、これに報ゆるに殺人灰の散布と繊維製品の輸入禁止をもつてされるとは、言語道断と言わざるを得ません。(拍手)多大なるところの国家経費を支出して設置されたる在外公館は、一体この一年何をしておつたのか。何らの情報も本国政府に連絡しなかつたのであろうか。思えば、まことに怠慢と言わなければなりません。また、ふかしぎ千万であります。特に、軽目羽二重の輸出はわが国絹織物の中軸をなすものでありまして、これがため災厄をこうむる養蚕農家、機業者、加工業者は中小企業者であり、これに従事する従業員家族もおびただしい数に上つておることを考えるならば、特にまた昨今の金融引締めによるところの不況下においてさらに重圧が襲つて参りまするならば、倒産、破産に拍車をかけ、壊滅は必至と存ずるのであります。さらに、私どもは、今後この趨勢はセルローズ系繊維並びにスフ、人絹、アセテート系にまでも発展せんとするところの憂うべき現象を見のがしてはならないのであります。(拍手)この重大難関に逢着することは火を見るよりも明らかでありまして、今こそ、外務当局は、本決議案をまつまでもなく、徹底的に外交的の手段をもつてやるべきはずであります。岡崎外務大臣等は何をしておるのか、アメリカの出先外交の感を深くするものであります。
 これらによりまして、私どもは強く本決議案の趣旨に賛同の意を表しまして、賛成討論を終る次第であります。(拍手)
#6
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際通商産業政務次官から発言を求められております。これを許します。通商産業政務次官古池信三君。
    〔政府委員古池信三君登壇〕
#8
○政府委員(古池信三君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を体しまして、私どもといたしまして最善の努力を尽す所存であることを、通産大臣にかわりまして申し上げます。
     ――――◇―――――
#9
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。参議院から、内閣提出、清掃法案及びあへん法案が回付されております。この際、議事日程に追加して、右回付案を逐次議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 まず、清掃法案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#11
○議長(堤康次郎君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#13
○議長(堤康次郎君) 次に、あへん法案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#14
○議長(堤康次郎君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#16
○議長(堤康次郎君) 日程第一、道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長久野忠治君。
    〔久野忠治君登壇〕
#17
○久野忠治君 ただいま議題となりました道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本法案の提案の理由並びに内容について申し上げます。申し上げるまでもなく、道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、わが国経済再建の基本条件として、極端に立ち遅れたわが国道路の改善をはかるため、去る第十六回国会において両院全会一致をもつて成立したものでありまして、昭和二十九年度以降五箇年間、揮発油税収入相当額を道路整備五箇年計画の財源に充当するという画期的な法律であります。しかるに、昭和二十九年度の予算編成に際しまして、諸般の情勢上その規模を極力圧縮する必要が生じましたため、昭和二十九年度に限り、万やむを得ない措置として、揮発油税収入額の三分の一相当額を地方財源に譲与して、国の道路財源としては残余の三分の二相当額をこれに充当するよう改正したいというのが、本法律案を提案する理由であります。なお、昭和二十九年度における揮発油税収入額の三分の一に相当する額については、別途提案する揮発油譲与税法案により、地方の道路に関する費用に充当することを目的として、地方公共団体に譲与されることになつているのであります。この三分の一相当額のうち四十八億円については、道路整備費の財源等に関する臨時措置法第二条に規定する道路整備五箇年計画の実施に要する費用に充当することにいたしております。
 本法案は三月八日本委員会に付託され、四月十五日に至る間、本法案に関連する揮発油譲与税法案について地方行政委員会との連合審査を含め、前後五回にわたり慎重に審査いたしたのであります。
 次に質疑のおもなるものを申し上げますと、第一に、わが国道路整備の緊急性より見て、去る第十六回国会において道路整備費の財源等に関する法律が、議員立法として、衆参両院において全会一致をもつて成立したものであるにもかかわらず、政府は、これが実施第一年度にしてすでにその基本線をくずすがごとき大改正を加えるのは、議員立法の軽視、ひいては国会無視もはなはだしきやり方と断ぜざるを得ないと思うが、一体政府はわが国道路の整備についてどの程度の熱意を有するのか、また、あえてかかる国会無視の暴挙を講ぜんとする真の理由いかんとの質問に対しては、道路そのものの重要性並びに一わが国道路の現況より見て、これを整備に緊急を要することはもちろん十分認識している、また道路整備費の財源等に関する法律も最高の国会意思の決定であり、政府としてもこれを無視するがごとき考えは毛頭ないのであるが、昭和二十九年における国家財政の都合上、遂に一兆円予算の編成を余儀なくされ、これが目的を達成せんがためのやむを得ざる措置として、昭和二十九年度に限りかかる措置を講ぜんとするものである旨の答弁がありました。
 第二には、昭和二十九年度予算編成上におけるやむを得ざる措置として、本法案並びに本法案とうらはらの関係をなす揮発油譲与税に関する法律案を昭和二十九年度限りの時限法としたとのことであるが、これは政府部内の一致した意見であつて、昭和三十年度以降において再びかかる措置が講ぜられるがごときことはないかとの質問に対しては、今回の措置を講ずるにあたり、建設、大蔵、地方自治、三政務次官の申合せにより、揮発油譲与税は一年限りの時限法とすること、揮発油譲与税は道路の費用に充当し、そのうち四十八億円は道路整備費の財源等に関する臨時措置法に基く道路整備五箇年計画の費用に充当すること、四十八億円を道路整備五箇年計画の費用に充当する結果として生ずる地方の不足財源については、起債その他によつて補填の方法をきめて行くこと、道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、昭和二十九年度に限り揮発油税相当額の三分の二をもつて行うこと、従つて昭和三十年度以降の地方財源の補償については、交付税において所得税、法人税、酒税から交付税に入れる率を多くずるか、その他何らかの方法において、昭和三十年度以降における地方財政の欠陥を来さないようにすること等が決定をされておる、今回のごとき措置は二十九年度に限つて行われるものであり、三十年度以降は揮発油税相当額をもつて五箇年計画が遂行されなければならないとの答弁があつたのでございます。
 かくして質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由党を代表して田中角榮君、改進党を代表して赤澤正道君より、それぞれ、本案の趣旨には不本意ではあるが、一兆円予算のため本年に限りかかる措置をとるというなら、本案は時限法とし、三十年度以降においては、いかなる場合においても道路整備費の財源等に関する臨時措置法の趣旨は最優先されるとの条件を付して賛成の旨が、日本社会党を代表して三鍋義三君より、国会無視はもとより、現政府の施策に計画性のないことは本法案を見ても明らかであり、なかんずく本案を対しては与党議員でさえも釈然とせざるものがあるのは当然であるが、この際大乗的見地より、本案は二十九年度に限るものとして賛成の旨が申し述べられました。次いで日本社会党を代表して細野三千雄君より、道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、去る第十六国会において、全会一致をもつて、いわば国民の総意によつて成立したものであるにもかかわらず、その初年度においてすでにかかる措置を講ぜんとするのは、国会軽視はもとより、今国会冒頭において特に道路問題を取上げた施政方針演説の趣旨よりしても、国民を欺くことおびただしいものがあわ、本法案に反対の旨が述べられたのであります。
 次いで採決の結果、多数をもつて原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#18
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#20
○議長(堤康次郎君) 日程第二、船舶職員法等の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長關内正一君。
    〔關内正一君登壇〕
#21
○關内正一君 ただいま議題となりました船舶職員法等の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、本法案の内容を簡単に申し上げます。現行船舶職員法は昭和二十六年四月画期的な大改正が加えられたものでありますが、その際、法の完全実施をはかるために、本年八月末日まで船舶職員の資格の緩和、小型船舶関係職員の資格免許に関する試験免除及び海事関係学校卒業者に対する学術試験免除等の特例が設けられたのであります。しかるに、その後船舶職員の充足状況を見ますると、さらにこの措置を延期する必要が認められますので、これら特例を昭和三十一年三月二十二耳まで延期するとともに、これと関連して海上運送法の一部を改正する法律の一部を改正しようとするのであります。
 本法案は、去る三月二十五日本委員会に付託され、二十七日政府より提案理由の説明を聴取し、四月八日質疑を行いましたが、その内容は会議録に譲ることといたします。
 四月十六日、討論を省略し、ただちに採決いたしましたところ、本法案は起立総員をもつて原案通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#22
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#24
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、日程第三とともに、内閣提出、保安林整備臨時措置法案及び国有林野法等の一部を改正する法律案の両案を追加して、三案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#25
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日程第三、農林省設置法の一部を改正する法律案、保安林整備臨時措置法案、国有林野法等の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員長井出一太郎君。
    〔井出一太郎君登壇〕
#27
○井出一太郎君 ただいま議題となりました内閣提出、農林省設置法の一部を改正する法律案、保安林整備臨時措置法案並びに国有林野法等の一部を改正する法律案につきまして、審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず、保安林整備臨時措置法案について申し上げます。
 災害を未然に防止し、あるいはその被害を軽度にとどめますためには、まず水源地帯の森林を造成し、その森林を国土保全の目的から適正に管理することが必要不可欠の条件であるのであります。この意味におきまして、治山治水対策の重要な一環として保安林の整備拡充を緊急に実施するため本法案が提出されたのであります。
 次に内容の骨子を述べますと、第一には、重要河川の流域ごとに保安林整備計画を中央森林審議会に諮問して農林大臣が定めることとするのであります。第二には、保安林整備計画に基きまして、流域保全のための保安林、治山事業施行地の森林、及びこれらに隣接していて国が一括管理することが適当である森林等を国が買い入れるものとするものであります。なお、この買入れの対象となつた森林等が農用林でありました場合は、国有林野との交換によつて処理することができることとし、また森林法による伐採制限等に違反し、かつ造林命令や復旧命令に従わないのみならず、国の買入れの申込みにも応じないような場合には国が強制買取りを行うこととし、この場合、中央森林審議会の議を経て農林大臣が手続を行うのでありますが、この買入れ等の対価は時価によることとし、その算定方式は政令によつて適正に定めることといたしております。第三に、保安林等の買入れ措置を円滑に進めるため、租税特別措置法の一部を改正いたしまして、登録税、譲渡所得税及び再評価税の減免等の特例を認めるとともに、地方税法に新たに設けられる不動産取得税につきましても、交換により森林を取得する場合、免税することにいたしております。
 本案は去る三月二十二日本委員会に付託ざれ、同二十四日農林政務次官より提案理由の説明を聞き、以後七回にわたつて委員会における審査を行いますとともに、林業に関する小委員会におきましても並行して審査を進め、特に四月九日の委員会には学識経験者五名を参考人として招致いたし、その意見を聞いて審議の慎重を期したのであります。その間委員各位より熱心な質疑があり、保安林の国による買入れ、交換及び買取りについての税の減免措置に関する問題を初めといたしまして、各方面についての論議が行われたのでありますが、詳細は速記録に譲りたいと存じます。
 本日質疑を終了いたし、採決に入るに先だち、自由党福田委員より修正案が提出されました。その内容は、国の政策に協力して国土保全上必要な森林等を国に売り渡した場合は、強制買取りを受けた場合と同様に資産再評価税を免除すること、及び、またそれら森林等を国有林野と交換した場合に取得した清算金に対しても免税措置を講ずることといたしたものであります。
 この修正案並びに修正部分を除く原案を議題として採決の結果、全会一致をもつて修正案並びに修正部分を除く原案はともにこれを可決いたした次第であります。
 次いで、社会党足鹿委員から六項目にわたる附帯決議を付したいとの動議が提出され、採決の結果、これまた全会一致をもつて可決いたしました。附帯決議は六項目にわたつておりますが、その第一は、本法施行後における運用の実績に徴し、第四条の規定による買入れ措置の強化について検討すること、以下ございますが、詳細は速記録に譲りたいと思います。
    ―――――――――――――
 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 本案の趣旨は、長野営林局が現在長野県西筑摩郡福島町に所在しておりますのを、本年度中に長野市に移転しようとするものであります。
 長野営林局が現所在地に設置されましたのは、昭和二十二年、終戦後におきまする林野行政の改革にあたり、一時的の暫定措置として行われたものでありまして、その後国有林野事業の重要性が増大するにつれ、他の行政庁、関係団体等との連絡折衝が頻繁となつて参りましたが、現所在地は地方の行政及び経済の中心地から距離が遠く、能率的、経済的に多大の犠牲を余儀なくされる状態でございます。のみならず、地勢上からも住居、交通に多大の制約を受け、職員の勤務能率に著しい支障を来している実情でありますので、これらの理由から、長野市移転は数年来の懸案であつたのであります。
 以上、本案が提出された事情と要旨を申し述べましたが、本案は去る四月十五日付託となり、翌十六日農林政務次官から提案理由の説明を聞いた後審議に付しました。
 同日質疑を終了しました後、討論を省略して、ただちに採決を行いましたところ、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#28
○議長(堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。三案中、日程第三及び国有林野法等の一部を改正する法律案の委員長の報告はいずれも可決でありまして、保安林整備臨時措置法案の委員長の報告は修正であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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