くにさくロゴ
1953/05/06 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第44号
姉妹サイト
 
1953/05/06 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第44号

#1
第019回国会 本会議 第44号
昭和二十九年五月六日(木曜日)
 議事日程 第四十一号
    午後一時開議
 第一 厚生省関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 第二 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 会期延長の件
 日程第一 厚生省関係法令の整理に関する法律案(内閣提出)
 日程第二 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 モーターボート競走法の一部を改正する法律案(岡部得三君外入名提出)
    午後五時十二分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(堤康次郎君) お諮りいたします。今回の会期は明後八日をもつて終了することになつておりますが、来る九日から五月二十二日まで十四日間会期を延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。山本幸一君。
    〔山本幸一君登壇〕
#4
○山本幸一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました会期二週間延長に関しまして断固反対し、これが討論を行わんとするものであります。(拍手)
 会期を延長せんと主張する諸君の理由は、まつたくその筋が通つておりません。すなわち、法案審議がいまだ残つているからというのでありますが、政府与党の諸君は自己の責任を隠蔽し、法案審議の都合という美名に隠れて会期延長をせんとするも、国民の何人もこれを納得することはできないのであります。(拍手)
 まず第一に、よく皆さんの御承知のように、本国会は百五十耳にわたる長期国会でございまして、正常の審議状態であるならば、提出案件はもうこのごろはとつくに片づいておると言わなければなりません。しかるに、今衆議院において九十二件、参議院において四十七件が目下審議中であるという醜態は、まさにこれは政府の責任でなければならぬと私は考えるのであります。(拍手)それは、政府は今国会が始まりましても法案提出を遅々として遅らせまして、三月に至つてやつと審議できる程度に法案が出たという状況でございます。さらにまた、本格的に法案の審議が始まるに際しましても、吉田首相は、病気を理由にいたしまして、今日まで三十数日にわたる長期の欠席を行つておるのであります。(拍手)かつまた、たまたま出席したかと申しますると、自分に手痛い質問に対しては、中途において病気の理由で逃げておるのであります。(拍手)私は、かような首相の態度はまつたく国会軽視もはなはだしいと考えるのであります。今、国民の諸君は、この吉田首相の病気欠席に対しまして、これは一様にいわゆる仮病であると言われておるのであります。(拍手)この仮病を最も裏づけいたしましたのは、過ぐる四月二十四日の本院における内閣不信任案の上程に際しまして、皆さんも御承知のように、吉田内閣総理大臣は、この大臣席へ、神経痛だと称して、ステッキをついて現われました。しかるところ、投票がいよいよ終つて、自由党の諸君が二十票の差で勝つたとなりますると、総理大臣はいきなりステッキを忘れて出たではありませんか。(拍手、笑声)これはまさに仮病を完全に裏づけておると言わなければならぬのであります。かくのごときは明らかに政府の怠慢とサボタージュでありまして、法案の審議が渋滞いたしたのは、あげて政府与党の責任であるということを諸君は知らなければならぬのであります。(拍手)
 第二の点は、今国会はわが国議会史上かりてない汚職、疑獄問題が続出し、なかんずく造船疑獄に至りましては、その底の深さ、その規模の大きさは前代未聞と言わなければなりません。この汚職事件によつて自由党の幹部諸君に手がつき、続々逮捕の要求が行われるや、政府与党は、文字通り周章狼狽いたしまして、その間約一箇月間は、汚職事件の拡大防止と、もみ消し運動と思われるような行動に終始し、政府与党みずからが法案審議をサボつていたではありませんか。(拍手)あまつさえ、この間において、検察庁法第十四条による異例な指揮権発動をあえてなし、犬養法務大臣自身良心がとがめて退陣せざるを得ない事態まで引起したのでございます。これはまさに政府与党が法案審議に尽すべき時間をほとんど捜査当局の牽制と圧迫にかけたようにすら思わしめているではありませんか。(拍手)かくて今日のごとく法案審議の遅れていることは政府与党の責任であつて、もし諸君に一片の良心があるなれば、会期延長などすべきものではないと私は考えるのであります。(拍手)
 さらにまた、自由党の諸君は、今や保守連携、新党工作に血道をあげ、保守政権の維持に汲々としているのでございますが、私は決して保守再編成についてとやかく言わんとするものではありません。けれども、その前に諸君らのなすべきことがたくさんございます。すなわち、政府与党の明らかなる失政と、そこから必然的に起きた未曽有の汚職疑獄事件の責任によつて吉田内閣は当然退陣をなし、国会の解散を断行し、国民に対してその信を問わなければならないのであります。(拍手)同時にまた、与党の諸君も、国民の輿論に従い、政府に向つて責任の所在を明らかにせしめる処置をとることが当然と思わなければならぬのであります。このような措置をとらずして、口に民主主義を唱え、かつ、つらあつかましくも会期延長によりその責任をやみからやみへ葬り去らんとすることは、国民の断じて許さないところでございます。(拍手)
 私は重ねて申し上げます。今国会の会期延長は汚職事件に関係する人々の不逮捕特権の不純を強行するものであり、ひいては汚職事件もみ消しのための陰謀であるという疑いを持たれても、諸君らは一言半句の弁解の余地はございません。
 さらにまた、新聞の報ずるところによりますると、六月の上旬吉田首相の外遊が実現ずるそうでございまするが、これなども、汚職事件等の責任を踏みにじつて、会期延長により、かねてからの外国との約束を果すため、日本民族を犠牲にすると思われるようなみやげをでつち上げて、従属国たるの媚態をもつて外国に奉仕するにほかならないと思われるのであります。(拍手)本日の常任委員長会議並びに議院運営委員会におきまして、議長からそれぞれ発言がございましたが、議長の発言を承りましても、会期延長はいわゆる悪例であると議長は断じておられるのであります。(拍手)皆さんはよくその点に反省をしていただかなければなりません。
 私は、以上の諸点から考えあわせましても、この際、皆さんに良心がありまするならば、会期延長などは国民の手前言うべきことではないのでありまするから、皆さんの御理解を深めて会期延長反対に賛成せられんことをば切望して、私の討論を終る次第でございます。(拍手)
#5
○議長(堤康次郎君) 池田禎治君。
  [池田禎治君登壇〕
#6
○池田禎治君 私は、ただいま上程されました会期延長の件につきまして、日本社会党を代表いたしまして反対の討論を試みんとするものでございます。
 重要法案が山積しておるので会期を延長しなければならぬというのがその理由でありまするが、この通常国会の会期というものは、国会法をもつて百五十日間と明記してあるのであります。その百五十日の間にど弔いうわけで審議ができないかといいますならば、その大部分は立法提出の責任者であるところの政府与党にあると言わなければならぬのであります。(拍手)山本君は、ただいま、吉田総理大臣の三十数日間の欠席ということを申しておりまするが、私が本日警務課におきまして調査いたしましたるところによりまするならば、明後日をもつて会期百五十日間が終了するのであるにかかわらず、吉田総理大臣は本日までにわずか二十五日間しか登院をしておらないのであります。総理大臣が国会に出て、そうしてみずから政府の所信を率直に吐露いたしまして、現下の緊迫せる重要なこの諸立法に対じ潭身り勇を振うことが、民主主義下における総理大臣の最も大きな使命であると言わなければならぬのであります。(拍手)しかるに、総理大臣はこういう怠慢きわまるところの登院の日数であり、しかもその申すところは病気であるとし、かつ診断書を添えて本院に提出したのでありますが、今日国民の多くの人々は、ほんとうに総理大臣が病気で、あると信ずる人がはたしてどの程度あるでしよう。私どもの知る限りでは、総理大臣はあれは仮病であろうと大体の人は申しておるのであります。(拍手)
 近来の国会が、大幅な会期をとつておるにかかわらず、十日二十日あるいは三十日というような会期の延長がしばしば行われるということは、これは国会の不権威を暴露しているものと言わなければならぬのであります。私は旧憲法を遵奉するものではありませんが、その旧憲法時代におきましての会期は、それを二日か三日間延長するということは非常に重大なことでありました。その一日か二日も違うということについては、そのときの内閣書記官長並びに閣僚諸公、党幹事長というものが重大な責任を問われたくらいであります。しかるに、最近は、きわめてむぞうさに、二週間、三週間というように、大幅に会期が延長されておるということは、いかに国会みずからが権威なきかを暴露しておるものと言わなければならぬのであります。(拍手)
 本日の議院運営委員会におきまして、堤議長は一吉田総理大臣の病状は出れば出られなくないように思うものであつた、かように申しておるのであります。もつて総理大臣の議会に対する熱意のほどがうかがわれると私は思うのでございます。
 そもそも、政府及び与党は、この会期の百五十日間のうちに当然通過させ得る見通しのもとに法案を提出し、かつまたその万全を期するのが、これが政府与党の責任でなければならぬのであります。それができないで、今回また二週間も延長し、私の想像にまれば、さらにもつと延長いたそうとする意図あるやにうかがわれるものがありますが、こういうことは政府与党の醜態を天下に示しておるものと言わなければならぬのであります。こういうふうに会期を延長するということは、吉田内閣の疑獄事件を防衛するために、国会議員を逮捕することのでき得ないというこの条文をたてにとつて今月中会期を延長いたしまして、それらの議員の逮捕を免れるところり意図あるやに、私どもは世上の人々よりしばしば注意を受けておるのであります。(拍手)また、保守新党をつくつて、そうして目前に迫つておりますところの自由党の国民的不信用を、新党の名のもとに塗りかえて、そうして国民の信用をここから回復し、ここから切りかえようとしておるのが、会期延長による保守新党の構想であるやにうかがつておるのであります。
 これらを考えますとき、国会の権威を守り、民主主義の権威を守ることこそ、ほんとうに私どぎが身をもつて国民に示さなければならぬことであります。吉田内閣の生命は、これから先何年続くでしよう。さりながら、民主主義は国家とともに永久にあらねばなりません。一吉田内閣の延命のために国会の歴史を汚すことは断じて避けなければなりません。これ私の反対の理由でございます。(拍手)
#7
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 会期延長の件につき採決いたします。会期を来る九日から五月二十二日まで十四日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#8
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて会期は十四日間延長するに決しました。
     ――――◇―――――
#9
○議長(堤康次郎君) 日程第一、厚生省関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事古屋菊男君。
    〔古屋菊男君登壇〕
#10
○古屋菊男君 ただいま議題となりました厚生省関係法令の整理に関する法律案につきまして、審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
    〔議長退席、副議長着席〕
 政府におきましては、昨年以来法令の改廃整理について鋭意検討した結果、すでに死文化した法令または存在の意義を失つた法令を廃止するとともに、行政事務の簡素化と行政事務処理方式の改善をはかるため法律の規定を整理しようというのが、政府の本法案提出の理由であります。
 本法案の内容は、まず第一に、国民体力法、有毒飲食物等取締令、伝染病届出規則及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例の四件の法令を廃止しようとするものであります。第二は、精神衛生法、伝染病予防法、トラホーム予防法、寄生虫病予防法、予防接種法、理容師美容師法、死体解剖保存法、保健婦助産婦看護婦法、薬事法、覚せい剤取締法及び児童福祉法の十一件の法律の一部につき、行政簡素化の見地から、許可制度、届出制度等について改正を加えよろとするものであります。
 本法案は四月二十日付託せられ、同二十三日厚生大臣より提出理由の説明を聴取いたした後審査を行い、同三十日質疑を終了、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上御報告申し上げまえ(拍手)
#11
○副議長(原彪君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#13
○副議長(原彪君) 日程第二、文化財保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文部委員長辻寛一君。
    〔辻寛一君登壇〕
#14
○辻寛一君 ただいま議題となりました文化財保護法の一部を改正する法律案につきまして、文部委員会における審議の結果を御報告申し上げます。
 まず、本法案の内容について簡単に御説明いたしますと、その第一は、民俗資料の特殊性にかんがみ、これが保護に関する制度を確立いたしておることであります。すなわち、民俗資料は、現行法上有形文化財の一つになつておるのでありますが、他の有形文化財に比し、その価値の観点が相違しておるのみならず、常に無形のものを伴つておることなど、きわめて異なつた特色を持つておるのであります。従つて、その保護の適正化をはかるために、有形文化財から切り離し、別個の体系として一章を設け、必要なる規定を整備いたしておるのであります。
 第二には、従来史跡名勝天然記念物に対して設けられておりました管理団体の制度を、新たに重要文化財及び重要民俗資料についても認めることといたしまして、適切な保存管理等が確保できるようにしようとするものであります。すなわち、重要文化財の所有者が判明せず、または所有者の管理が著しく不適当である場合等には、文化財保護委員会は、地方公共団体その他の法人を管理団体に指定して、必要な管理、修理等を行わせることができるようにしておることであります。
 第三といたしましては、無形文化財について新たに重要無形文化財の指定制度を採用するとともに、その他これが保護に関する規定を整備いたしまして、価値の高い芸能、工芸技術等の保護について、より十分な措置をとわ得るようにいたしておるのであります。
 次に第四には、史跡名勝天然記念物等の保護と所有権、鉱業権等の財産権の尊重及び国土開発その他の一般公益との翻整に留意し、文化財保護委員会が行つた現状変更等の許可または不許可の処分等について不服がある者に対しては異議の申立てを認めるとともに、さらに公開による聴聞、関係機関との協議または意見を聞く等、相互の調整に万全を期するよう所要の規定を設けておることであります。
 最後に、これらのほか、史跡名勝天然記念物について原状回復命令の制度を設けたこと、また罰則規定を整備したこと等、必要な法的措置を加えておるのであります。
 本委員会におきましては、慎重に審議の上、討論を省略、採決をいたしました結果、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#15
○副議長(原彪君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#17
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、岡部得三君外八名提出、モーターボート競走法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#18
○副議長(原彪君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加ぜられました。
 モーターボート競走法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長閥内正一君。
    〔關内正一君登壇〕
#20
○關内正一君 ただいま議題となりましたモーターボート競走法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案の内容は、現行法の施行実績にかんがみまして、勝舟撰票券購入仲介業者、いわゆるのみ行為を行う者を取締るため、新たに罰則を設けようとするものであります。
 本法案は去る四月三十日本委員会に付託され、五月大甘提出者の代表岡部得三君より提案理由の説明を聴取し、質疑討論を省略いたしましてただちに採決の結果、本法案は起立総員をもつて原案通り可決すべきものと議決いたしました。
 以上御報告申し上げます。
#21
○副議長(原彪君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(原彪君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました
 明七日は定刻より本会議を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト