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1947/06/03 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第17号
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1947/06/03 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第17号

#1
第002回国会 決算委員会 第17号
昭和二十三年六月三日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○高等試驗委員及び普通試驗委員臨時
 措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十一年度歳入歳出総決算(内
 閣提出)
○昭和二十一年特別会計歳入歳出決算
 (内閣提出)
○特殊財産資金歳入歳出決算(内閣提
 出)
 (外務省、内務省、大藏省所管)
  ―――――――――――――
   午後一時四十五分開会
#2
○委員長(下條康麿君) 決算委員会を開きます。
 最初に高等試験委員及び普通試檢委員臨時措置法案を議題といたします。本件は大体質疑が終つておつたように思いますが、この際又御質疑がございましたらお尋ね願いたいと思います。
#3
○山下義信君 前回質疑のときに申したのでございますが、この際尚政府の所見をお伺いして置きたいと思います。第四條につきまして、第二部の部長を外務次官を以て充てることになつておりますが、外務次官は只今御提案の國家行政組織法によりますと政務官になつております。政務官が高等試驗委員の委員長になりますることは、情実に堕する虞れがあると考えまするので、適当でないということを思うのでございますが、この点政府におきましては事務官をお充てになることが妥当とお考えになりますか、如何でございますか。この点伺いたいと思います。尚この機会にお尋ねしてみたいと思いますことは、本月の二十七日に全國、東京、大阪、廣島、福岡、仙台、高松、札幌、各都市におきまして、三百七十名の官吏の採用試験が行われるということが傳えられておるのでありまするが、この試験はどういう試験でございますか。國家公務員法によりまする最初の行政官の採用試験でございまするか。どういう性質の採用試験でございますか。この際承知したいと思いますので、御説明を得たいと思います。
#4
○政府委員(佐藤達夫君) 前回のお尋ね誠に御尤もであると拝廳したのでございますが、先だつてもうちよつと触れました通り、この國家行政組織法で次官と総務長官と二つできましたために、今までできましたかような委員会の制度においては次官を以て充てるということになつている。それを新らしく考え直して総務長官を以て充つべきものか、次官を以て充つるべきかということは、その委員会の性質にもよりまして、実は内部では問題にしておつたのであります。本件も檢討の対象になつておつたのでありますが、只今お言葉にありましたような懸念から申しますというと、実は從前の高等試驗委員はずつと長い間、当時の政務官である法制局長官が委員長であり、且つ第一部長は法制局長官が兼ねるという制度になつておりまして、永年の間左様なことで参つているのでありますけれども、御懸念のような弊害は、余計なことでございますが、ございませんでした。今度の試験委員の制度につきましては、例えば、本案において第一部の部長は法制長官とありますのも、今まで法制局長官の部長であつたのを、法務廳の実施に伴いまして法制長官にしているのであります。それをそのままここで引き継いだ形になつております心法制長官も実は特別職になつております。外務次官も御承知のように特別職、その点につきましては、只今申しましたような問題があり得るのでありますけれども、先回述べましたように、各部に常任委員というものが全体で九人おりまして、これが分属するようになつております。常任委員の方で、事務屋のいわゆる専門家というものが從來当つて参つておりますし、運用上それで十分目的を達して來ておりますというような次第もありまして、かたがた今回の措置は、御説明申しましたように、ほんのこれは暫定の臨時措置でありまして、例えば第一部のごときも、國家公務員法に上る職階制ができますれば、直ちにその性質は当然に失うというようなものでありまして、第二部の外交官の関係におきましても、國家公務員法に外交官、領事官について特例が予定されておりますので、それらの特例法を作り上げまして、この第二部の機構というものはその際には消滅するというような事柄でもありますので、あれやこれやとにかく暫定法であるという見地において、取敢ずの建前は、今まで通りの建前にしておいたらよくはあるまいかという考えで参つた次第であります。
 それから二十何日かの廣告の件は、私不幸にして新聞を見ておりませんが、実はかような採用試験というものは、從來ずつとやつております。各省におきまして、或いは各廳におきまして、殊に下級の職員を募集いたします際に、廣告によつて募集して、そうして採用試験をおやりになつておる例もあるのであります。それから上級の職員に関しましても、資格の問題とは全然別問題の事柄として、その官職の職員として採用を決めるという意味で、一種の口述試験のようなもの、場合によつては筆記試験をやつておられる例もあるようでありますが、それはずつと今までもやつておるところであります。そこで今度は官吏任用叙級令というようなもののこの制度上決められておる任用資格との関係は一体どうなるのかということが御疑念であろうと思いますが、これは全然別立てのものと思つております。例えば外務省の職員としての採用の試験を、これは確か現におやりになつておるのじやないかと思いますが、やられるといたしまして、これは外務省職員に採用するということでありますからして、それを二級の外交官、領事官或いは外務本省の職員にする、二級官に任用するという場合におきましては、官吏任用叙級令によりまして、例えば大学を出まして、そうして二年間同じような仕事をやつておるというような資格がありますれば、それが二級官任用の條件になつて任官される。或いは又その資格のない人は、今までの高等試験委員の第二部の選考を経まして、初めて二級官吏としての任官の手続きがとられるということでありまして、我々といたしましては、全然別のものと一應考えます。
#5
○山下義信君 法制長官も外務次官も同じ特別職であるとおつしやつたのですが、特別職ということは同じでありますが、外務次官の性格は今回明らかにせられることになつておりますので、その点で只今私が質疑いたしたのでございますが、この法律が暫定的なものであつて、殊に第二部関係のことは、別に又新たなお考えも近くあるやに伺えます御答弁でございますので、暫定的の措置といたしまして、本員は了承いたします。
 関連して伺いました先程の試験でございますが、これは日本の将来の行政府の中枢の官吏を、初めてこういう試みで採用試験を行なうのであると、渉外局が一昨日発表いたしておりますので、これはお取調べ下さいまして、何か次の機会にでもお示し下さいますれば結構でございます。
#6
○委員長(下條康麿君) 外に御質疑がなければ、質疑は経つたことにいたしてよろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(下條康麿君) それでは討論に移ります。別段御発言もなければ、討論は終つたことにいたしてよろしうございますか……。採決をいたします。御賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#8
○委員長(下條康麿君) 全会一致と認めます。本案は可決せられました。多数者の御署名を願いたいと思います。
   〔多数意見者署名〕
#9
○委員長(下條康麿君) 尚、本会議における委員長の報告は、委員長にお委せ願いたいと思います。
 ちよつと御報告申上げることがございます。先般國家行政組織法案の第七條第三項につきまして、省内の部局の設置を、原案によりますと、政令の定めるところとなつておりますが、これは第一回國会におきまする先例によりまして、法律を以て定むべきものであるということの御決定を得たのでありますが、その旨衆議院決算委員会に通知いたしましたところ、昨日決算委員長から、決算委員会理事会において、参議院の考え方に同調する旨の回答がありました。この段御報告申上げておきます。
 それでは昭和二十一年度決算につきまして、順次各省別に説明を承り、批難事項等についても触れまして、必要な場合においては、会計検査院から御意見の御開陳を願いたいと思います。先ず外務省の決算を議題にいたしまして、外務省の御説明を願います。
#10
○政府委員(千葉皓君) 昭和二十一年度外務省所管経費決算の大要を御説明いたします。
 昭和二十一年度外務省所管経費の歳出予算額は三億九千四百十一万九千円でありましたが、予算現額は三億四百九十五万一千円と相成りまして、予算額に比べますると、千八十三万二千円を増加いたしております。この予算決定後におきます増加額はすべて予備金支出でありまして、第一予備金から臨時定員外職員給補てん金の予算不足のため、六百七十五万円を支出いたしました。又第二予備金から終戦連絡中央事務局賠償部設置諸費といたしまして四十三万八千円、この他六件につきまして、合計四百八万二千円を支出いたしましたのであります。而して当年度の支出済額は二億八千六百三十五万一千余円でありまして、予算現額に比べますと千八百五十九万九千余円の減少と相成り、この減少額は全く不用に帰した金額であります。
 以上が昭和二十一年度外務省所管経費の決算の大要であります。
 尚本年度におきましては、会計檢査院の批難事項は一件もございません。何卒御審議の上御承認あらんことをお願いいたします。
#11
○委員長(下條康麿君) 御質疑はございませんか。御質疑がございませんければ、内務省の所管に移ります。
#12
○政府委員(齋藤常勝君) 昭和二十一年度内務省所管経費決算の大要を御説明申上げます。
 昭和二十一年内務省所管一般会計経費の予算額は八十九億二千百八十八万五千余円になつております。予算額及び予算決定後増加額の合計額は、百九億二千四百七十八万三千余円でありまして、この金額を前の予算額に比較いたしますと、二十億二百八十九万六千余円を増加しておりますが、この増加額の内、八千三十万五千余円は前年度より繰越しいたしました金額でございます。八千九百八十八万四千余円は予備金より支出いたしました。十八億三千二百七十万七千余円は、経済安定費より支出いたしました金額でございます。
 次に同年度の支出済額は、百五億六千九百二十四万七千余円であります。これを予算額及び予算決定後増加額の合計額に比較いたしますと、三億五千五百五十三万五千余円の減少を示しておりまして、この減少額の内、一億二千六十六万三千余円は、財政法第四十二條によりまして、翌年度に繰越しいたしました金額でございます。その残余の二億三千四百八十七万一千余円は不用に帰しました金額でございます。
 以上が昭和二十一年度内務省所管一般会計経済決算書の大要でございます。
 次に内務省及び大藏省所管地方分與税分與金特別会計につきまして御説明を申上げます。
 昭和二十一年度地方分與税分與金歳入歳出決定計算書に掲げてありますところの歳入の収入済額は、二十五億三千七百八十万六千余円でありまして、歳出の支出済額は二十四億五千五百六十一万二千余円であります。この歳入歳出を差引いたしますと、八千二百十九万四千余円の收入起過となつておりますが、還付税の収入済額の内、翌年度において分與すべき額に相当する金額八千二百十三万五千余円を翌年度に繰入れまして、結局五万八千余円の剰余を生じたのであります。この剰余金は地方分與税特別会計法第六條第一項によりまして、積立金に組入れ、当年度の決算を結了いたしました次第であります。
 何卒御審議の上御承認をお願いいたします。
 尚会計検査院の批難事項に関しまして簡単に御説明を申上げす。特殊物件等につきましては、別に御説明があるかと思いますので、会計檢査院檢査報告の内、第二章第三節、二十三頁の歳出に関する二件について御説明申上げます。
 その二件と申しますのは、いずれも北海道に関する事項であります。その二件共に会計檢査院の報告の通りでありまして、誠に遺憾に堪えないところであります。
 先ず最初の北海道廳で購入いたしました、寮、事務所等は、北海道といたしましては誠に必要欠くべからざるものでありますが、我が國食糧自給化を図るための緊急開拓問題とは眞に緊密な関係があるものであります。それとこれとを別個に考えることができないという事情は、北海道の特殊性を御承知の方は皆齊く認められておるところであります。昨年御來道下さいました会計檢査院実地檢査官も、その必要性とその價値につきましては、十分にお認め下さつたのであります。併しながら以上の経費を予算に計上されていない事務費を以て支弁いたしましたので、予算の目的外使用といたしまして御指摘を受けたことは、誠に遺憾に堪えないところであります。実は北海道廳の支出官におきましても、科目の設置及び予算の流用支出につきましては、事前に関係各廳に事情を具しまして、その承認を願う予算でありまして、且つ又その義務もあつたのでありますが、各種の事情によりましてできなかつたのであります。將來におきましては、再びかかる問題を起しますようなことがないように、十分に注意するつもりであります。
 次に北海道の十勝支廳におきますところの拔根関係の不正事件に対する批難事項につきましては、將來については再びかかることの起らないように十分注意いたしますると共に、当時の責任者に対しても一段の注意を與えるよう手配いたしました次第であります。何卒事情御了察の上御審議願いたいと思います。
#13
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 只今内務省の決算の御説明があつたのでありまするが、その前に一言申述べさして頂きたいのであります。先程外務省の政府委員の方から所管の決算の御説明があつたのでありますが、二十年度の外務省関係の検査におきましては、先程政府委員から仰せになりましたごとく、会計檢査院で批難した事項は一件もなかつたのであります。のみならず会計檢査院におきましては全部外務省所管の決算を檢査いたしまして、未確認の事項も一件もないのであります。尚先程念のため調べて見ますと、会計檢査院への書類送付即ち証明も順調に運んでおるように見受けられるのでありまして、檢査上非常に好都合を得ておるような次第であります。
 次に内務省の件でございまするが、決算は只今御説明がありました通りでありましてその内、北海道関係の宿舎の建築に関する件、即ち会計檢査院で作りました檢査報告書の二十四頁でございまするが、これは政府と所見を同じくいたしておりまするので、重ねて、私からは申上げる必要もないのでありまするが、ただ会計檢査院といたしましては、この種の事項が他の省にも沢山あるのでございます。予算にはないけれども必要止むを得ずして官舎とか、宿舎をお作りになるという事態が、相当沢山に各省におありになるのであります。その事情は会計檢査院といたしましては非常に諒といたしておるのでありまするが、この種のものは予算に明確に積算されて、実行される必要があるように考えられるのであります。そこを以ちまして会計檢査院の檢査報告におきましても、檢査報告の第五頁でございまするが、この種のこのところに書いておりますものは予算の使用上当を得たものとは思われないけれども、事情に諒とすべきものがあるから政府におかれましては、進んで予算に計上して実施せられるのがよかろうというように意見を述べているというようなわけでありまして、お建てになるのが悪いというふうには事情上考えておらないのであります。尚次の二十五頁の北海道のやはり十勝支廳のことでありますが、この件につきましても、政府と所見を同じくしておりますので、特別に取立てて申上げることは差控えたいと思います。尚その外に内務省関係におきましては、会計檢査院の檢査の進んでいない事項も或る程度あることを御説明いたしておきたいと思います。
#14
○委員長(下條康麿君) 御質問がありますればどうか……。
#15
○山下義信君 今内務省の御説明に見えました、つまりこの昭和二十一年度の決算につきまして、責任を只今有しております官廳はどこでございますか。
#16
○政府委員(齋藤常勝君) 只今決算について責任を持つておりますのは総理廳官房であります。
#17
○山下義信君 私は地方財政委員会等も関係があるのかと思いましたが、総理廳の官房で事務引継ぎをやつているということでありますから、今日御出席のお方にお尋ねするのでありますが、只今会計檢査院の当局は事情を諒とするとおつしやつたのでありますが、只今の御説明では私は了承いたし兼ねる。この批難事項の第一点は北海道で緊急開拓事業、食糧開拓事業をやる。それで予算にない金で土地や建物を、職員の宿舎を買入れたということは一應は私も承わつた。ところがそれを見ますというと、七筆程ある。その中で札幌、函館というところで四ケ所買うておる。これは北海道だから成る程と思う。ところが東京で買うておる。東京の澁谷区でありますか、三筆程買うておる。これはなんの関係があるのか、北海道の開拓と……、誰が住いをしておるか、なんのために東京にこういうものを買入れのか、この点を承わりたい。而して私が非常にこれは惡質であると思うのは、この買入れた年月日が二十一年度の金を二十一年度に流用したというならまだしも、それを二十二年度の四月以降において買入れるというがごときは極めて惡質であると私は思うのであります。東京に三ケ所買入れたその土地建物をなんのために東京で買入れたのか御説明願いたい。
#18
○政府委員(齋藤常勝君) 只今御質問のございました東京の澁谷に買いました建物について御説明いたします。終戰後におきまして食糧の問題とか或いは引揚者の問題、或いは入植者の問題と非常に諸般の事務が漸次複雑さを加えまして、而もそれらの仕事はすべて迅速且つ的確にしなければならないということになりますと、遠隔の土地にありますところの北海道から上京して参る場合におきましては、到底書面等だけによつて照復するというわけには参りませんので、そのためにはどうしても折衝のために係員の上京を必要とするということに相成りまして、非常に北海道としては困つたのであります。と申しますのは、非常にこの当時諸物價が高騰いたしまして、規定の旅費でも出張ができない。又たとえ旅館がありましても、その数が非常に少くて、出張職員で宿泊所もなく、そのために駅の待合室等で打合せることがあるというような状況でございます。北海道廳の職員は上京を非常に嫌うというような状況にあつたのであります。そのために事務処理上非常に困難を來たしました。そこでその対策といたしまして都内澁谷に事務所兼宿泊所を三戸購入したという次第でございます。
#19
○山下義信君 あなたがお買いになつたのではないのだから、あなたに喧しく言うわけではないのですが、説明なり、弁明の衝にお当りになりますので、一應は申上げなければならん。あなたに申上げておるのではないのです。あなたを通じて責任者に申上げておるのでありますが、八十四坪の建物、百二十八坪の建物、百二十坪の建物といいますと、疊で申しますと、二百枚、二百五十枚敷けます大家屋でございます。何百人の者が宿泊いたしますのか分りませんが、大きな、而も坪数で申しますと八百坪、五百坪というような土地建物でございます。單に北海道廳の者が用があつて参りまして宿屋が不自由だから泊まる程度の土地建物とは見られません。これはただに北海道廳だけではございませんが、私が申上げておりますのは、このことだけを申上げておるのではない。こういうことを只今全國の各都道府縣皆東京に土地建物を持つておりまして、各府縣出張所のようなものを作つております事実を私は知つておるのでございます。大藏省当局がこの地方財政の各府縣のそういうことに対してどれだけの監査をしてお出でになりますか、この点を大藏当局に私はお尋ねする。今の北海道廳のこの不当支出は、こういう大きな土地建物を買つて、而も只今申しますような昭和二十二年度におきまして買入れるというがごときは誠に怪しからん。ただ單に宿屋が不自由であるというような程度では了承いたし兼ねるのであります。今後そういうことに対する、又現在この地方のこういう支出いたしまするさようなことをいたしておりまする地方財政の有様、これは何人が監督いたしておりますのでありますか、承わりたい。
#20
○政府委員(佐藤一郎君) 私大藏当局で決算を担当いたしております佐藤でございます。お話のございました点は事実といたしましては誠に御尤もな点が多いのでありますが、実は大藏省の方で各地方團体の経理の状況につきましては、できるだけ十分な監査をして行きたいとかねがねそう思つております。ただ從來は何分にもまあ会計檢査院等の檢査が別にございましたが、予算を編成いたしまして実行をどうするかという点では必らずしも十分な点がなかつたのでありまして、その点は誠に遺憾でございましたが、御承知のように新らしい憲法の下に財政法ができまして、会計檢査院の檢査とは別個の見地から、できるだけ実際の使用状況を監査するという権能が與えられたのでございます。只今まだその法規が制定いたされましてから日も残く、且つスタッフも十分でないために必ずしも理想的に運用されておりません。御趣旨のように今後その法規の精神によりましてできるだけ監査を十分にして参りたい、こう思つております。新らしい財政法は特にそういう趣旨で規定が十分にされておりますので、そういう考えであります。
#21
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 二十四頁の北海道の官舎宿舎の問題でありまするが、私はこれはよろしいということは申上げたわけではないのでありまして、会計檢査院といたしましては、これは最も惡い違法と認めた事項の中に入れておるのでございまして、二十三頁のところに見出しとして、違法と認めた事項、その中の予算目的外の支出であるとこういうふうに断定をいたしておるのでありまするが、事情があつて建てる必要があるならば、それはよろしく國会に予算を要求して、國会の承認を得たその予算で実行されたらよかろう、こういうのであります。でありますから本件は予算に全然積算がない、これを実行されたのでありまするから、予算の目的に反することであるし、又同時にそれが会計法規に違反しておるということでありまして、この事態をよろしいということを決して見ておらないのでございます。その点を補足させて頂きたいと思います。
#22
○山下義信君 内務省の責任者に私は要求して置きます。この東京都内での買入れました家屋、これは現在も尚持つておるか、又その利用状況はどうなつておるか、本委員会に報告をして貰いたい、且つ又会計檢査院に私は要望して置きます。全國の各都道府縣廳が東京都内にこの北海道廳と同じような目的を以て土地、建物を買入れておるものがあるかどうか、それらが違法な支出をいたしておるようなことがあるかないか、十分に常時御檢査であるとは存じまするが、その点特に御留意置きを願いたいことを要望して置きます。
#23
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 一言補足させて頂きたいと存じますが、只今の御意見でありますが、会計檢査院は十分檢査監督をいたしておるのでありまするが、各府縣で成る程東京に宿舎その他を持つておる向があるのでありますが、これとは違うのでありまして、これは國費で以てやつておる、それから他の一般のものは大体において國費から離れました地方費で買求めて宿舎を設置いたしておるというような状態であることを御了承願いたいと思います。
#24
○委員長(下條康麿君) 今の東京都内の土地建物の図面を頂きたいのであります。後でよろしうございます。
 他に御質疑ございませんければ次に大蔵省所管に移りたいと思います。
#25
○政府委員(森下政一君) 只今議題となりました昭和二十一年度一般会計歳入決算及び大藏省所管決算についてその大要を御説明申上げます。
 昭和二十一年度の歳入決算額は経営部三百二十三億四千五百十七万余円、臨時部八百六十五億五千三百八十九万余円、計千百八十八億九千九百七万余円であります。これをその予算額に比べますと経常部におきましては三十三億百八十四万余日を増加いたしましたが、臨時部におきましては三十四億八千九百八十七万余円を減少しましたので、差引一億八千八百三万余円の減少となつておるのであります。
 次にその内容に入りまして少し詳細に御説明申上げますと、歳入経常部の中で金額の最も多額に上りますものは租税でありますが、租税の決算額は二百二十三億千七十四万余円でありまして、これを予算額に比べますと、鉱区税、取引所税、噸税等予算額に比べて若干の減少がありましたが、結局差引三十六億五千五百十万余円の増加でありまして、所得税において一億八千三百五十三万余円、織物消費税において六億三千八百八十万余円、物品税において十億四千四百七十三万余円、遊興飲食税において三億四千百二十八万余円、入場税において五億三千三百四十五万余円等の増加が主なるものであります。
 次に還付税收入でありますが、その決算額は二億四千十二万余円でありまして、その予算額に比べると七百七十万余円の増加であります。
 次に収入印紙でありますが、その決算額は四億七百三十五万余円でありまして、予算額に比べて七千三百二十万余円の増加であります。
 次に官業及び官有財産収入におきましては、その決算額は八十三億八千二百三十五万余円でありまして、これをその予算額に比べますと七億千七十一万余円の減少となつておるのでありまして、その主なるものは森林収入において素材等の賣拂数量が少なかつた等のため二億六千四百二十四万余円、特別会計益金受入において三億七千三百二十九万余円の減少であります。
 次の雜収入におきましては、その決算額は十億四百六十万余円でありまして、その予算額に比べて二億七千六百五十四万余円の増加でありまして、その主なるものは懲罰及没収金において二億四千二百八十九万余円の増加であります。以上は歳入経常部における内訳の大要であります。次に臨時部における租税の決算額は七十一億五千三百九十九万余円でありまして、これをその予算額に比べますと、臨時利得税において増加したものを差引き、結局百八十六万余円の減少となつております。
 次に臨時雜収入におきましては、その決算額は三百二十九億八百五十九万余円でありまして、公共團体工事費納付金及び分担金において五千九百四万余円を増加いたしておりますが、特別会計からの受入において二十二億千四百八十六万余円、特別雜收入において十五億四千八百四十九万余円の減少がありますので、結局予算額に比べて三十八億二千九百五十五万余円の減少となつておるのであります。
 次に公債金収入におきましては、その決算額は三百四十五億余円でありまして、予算額に比べて三千七百二十円を増加しております。
 次に前年度剰余金受入におきましては、その決算額は十九億九千百二十九万余円でありまして、予算額に比べて三億四千百五十三万余円を増加しております。
 以上は一般会計における歳入決算の大体について御説明申上げたのでありますが、結局昭和二十一年度歳入決算額はその全体を通じますと、先程申上げましたごとくその予算額と比べまして一億八千八百三万余円の減少と相なつておる次第であります。
 昭和二十一年度一般会計における歳入の実績につきましては、会計檢査院より檢査の結果に基ずいて意見を報告せられたものが四十八件あります。この外既往年度に属するものが四十八件ありますから、これを合計しますと九十六件ということになつております。これらはいずれも会計檢査院の報告の通りでありまして、甚だ遺憾とするところであります。
 以上一般会計における歳入決算の概略について申述べた次第であります。
 次に昭和二十一年度大藏省所管の決算につきまして、大体の御説明を申上げたいと存じます。昭和二十一年度大藏省所管一般会計歳出予算計上額は、歳出経常部五十九億六千四百二十九万二千六百十一円、歳出臨時部七百十三億二千九十一万七百十四円、合計七百七十二億九千四百二十万三千三百二十五円でありまして、この外に前年度より繰越しました金額は、歳出臨時部におきまして四千四百七十五万七千百三十一円余、第一予備金より補充いたしました金額が、歳出経常部におきまして一千三百七十七万二千五百三十円、第二予備金より支出しました金額は歳出臨時部におきまして八千九百十一万六千円、経済安定費支出額が歳出臨時部におきまして、七億七千八百六十五万五千四百六十三円程ありますから、以上合計いたしますと、昭和二十一年度予算現額は歳出経常部五十九億七千八百六万五千百四十一円、歳出臨時部七百二十二億四千二百四十三万九千三百八円余、合計七百八十二億二千五十万四千四百四十九円余と相成るのであります。
 これに対しまして、昭和二十一年度において支出いたしました金額は、歳出経常部におきまして五十七億一千四百三十六万六千八百七十七円余、歳出臨時部におきまして七百二億三千七百九十六万一千八百五円余、合計七百五十九億五千二百三十二万八千六百八十二円余と相成るのでありまして、これを前述の予算現額に比較いたしますと、歳出経営部において二億六千三百六十九万八千二百六十三円余、歳出臨時部におきまして、二十億四百四十七万七千五百三円余、合計二十二億六千八百十七万五千七百六十六円余の減少でございます。この減少額の内、十一億五千五百六十八万二千八百八十二円余は財政法第四十二條によつて、翌年度に繰越しいたしました金額でありまして、これを差引きいたしましたる十一億一千二百四十九万二千八百八十四円余は全く不用となりましたる金額でございます。
 かく多額の不用額を生じましたのは、主として國債整理基金特別会計への繰入金の減少いたしましたのと、復員諸費におきまして、引揚促進のため見込みまでを要しなかつたものとが、十億百八十六万百四十一円余ありますのと、昭和二十一年度予算は、実行上努めて経費の節約を図りました結果でございます。
 尚特別会計につきましては御質問の都度御説明申上げたいと存じます。
 次に昭和二十一年度大藏省所管の一般会計並びに特別会計の決算につきまして、会計檢査院からの批難報告は、一般会計におきまして、六十三件、特別会計におきまして八件、計七十一件、既往年度一般会計歳入におきまして四十八件、二十二年度一般会計におきまして七件、合計百二十六件でございます。かくのごとく会計檢査院より多数批難報告をせられましたことは、甚だ遺憾とするところでありますが、別に弁明書を差出して置きました次第でありますから、弁明書につきまして御了承を願いたいと存じます。
 以上は大藏省所管決算の大体の御説明でございます。何卒十分の御審議の上適当の御判断を切望して止まない次第であります。
   〔深川タマヱ君発言の許可を求む〕
#26
○委員長(下條康麿君) ちよつとお待ち下さい。
#27
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 只今大藏省所管の決算につきまして、御説明がございましたのでありますが、私は大藏省所管の中で、檢査報告に出ております事項の中、政府当局と所見を異にするといいますか、会計檢査院でよろしくないだろうと申しましたことに対して、なる程惡かつた、是正する、或いは責任者の処分をするといつたようなことになつておりまするものは、説明を便宜上省略さして頂きまして、その他のものにつきまして、御説明を一應いたして置きたいと思います。
 会計檢査院の檢査報告は、申上げるまでもなく、二十一年度で非常に從来と態様を異にいたしたのでございまして、例えば総説というようなものを掲げたのでありまして、全体のページから十ページまでが総説でありますが、総説というものを掲げてあり、この総説を御覧願いますと、それからあとに出て参りまする批難事項の鳥瞰ができるというふうに大体仕組んだつもりでありまするが、その檢査報告の批難事項の中に掲げないで、総説だけに掲げたものもございますので、その点から説明さして頂きたいと存じます。
 檢査報告を御覧願いたいと存じますが、二ページの三行日あたりから書いてある事項でございます。結局臨時軍自費と一般会計というものであります。御承知のごとく、臨時軍事費は昨年その終結を見まして、そのときに決算の締めくくりがつかなかつたものは、全部あとに繰越すというポツダム勅令が出たのでありまして、その三條によりますると、私が申しましたような、判明しないところの歳入とか支出の事項は、判明したる年度の一般会計の歳入又は歳出に組入れ整理すべしということになつておるのでありまして、本來ならば、この勅令自体を眞正面に読んで行きますと、この檢査報告の十一ページのところを御覧願いますと、そこに揚げてございますが、二十一年度で臨時軍事費の歳入だつたものが、分りましたのが歳入で一億六千八百余万円、歳出で二百十五億八千五百万円というものがあるのでありまして、これらは勅令の解釈から申しますと、一般会計に組入れて、一般会計の決算としてやらなければならんのでありまするが、ところが政府におかれましては、一般会計には繰入れないで、この一般会計の総決算にただ附記されておるだけでございます。臨時軍事費特別会計所属の歳入金又は歳出金は、昭和二十一年勅令第百十号第一條第二項の規定により、昭和二十一年度に組入れ整理した金額は歳入幾ら歳出幾らであると書き放しにしてあるのでありますが、ただ書いてあるだけで、全然組入れてないのでございます。その点は甚だ遺憾に存ずるのであります。
 次に三ページでございますが、これも亦決算に関係がある事項でございます。第二封鎖と歳入決算というものでございますが、御承知のごとく、第二封鎖も租税その他の歳入として、政府が取つておつたのでありまするが、それが昨二十二年の一月三十一日までは第二封鎖で租税などを納めさせましても、それが現金に変つておつたのであります。即ち歳入の決算に入つておつたのであります。ところが昨年の一月三十一日を境に、現金化はまかりならんということになつたのであります。現金にならないのであります。そういたしますと、政府におきましては、三月三日を以ちまして勅令を出しまして、そういうような現金にならんものでも納めて取つてもよろしいという勅令を出したのでありますが、この勅令が、証券を以てする歳入納付に関する法律というのがあるのでありますが、その法律に抵触しておるわけでありまして、この証券を以てする歳入納付でありますが、即ち決算になるものだけを証券で取るというふうになつておるのでありまして、これに正面からぶつかるというような関係になるのでありまして、さような関係になるのでありまして、さような現金にならない第二封鎖を受取つたものが、二十二年度だけで二億九千四百余万円あるのであります。それから更にこれが今年の一月三十一日まで続いたのでありますが、それまでの計数を見ますと、総計十億八千二百余万円取つておるのでありますが、これは取りましても歳入には上らんのであります。日本銀行の指定預金というものになつておるのでありまして、御承知のごとく第二封鎖は切り捨てられるのでありますから、切り捨てられれば、十億というような、本当は自分の歳入に入るもの参が半分になるかも知れんということになるのでありまして、これも会計檢査院としては甚だ遺憾に存じておるのであります。
 尚四ページあたり掲げておるのでありますが、檢査報告を御覧願いますと、いろいろと年度違いということを各実行廳がしておられるのであります。例えば二十一年度で申しますと、二十二年の三月三十一日までが年度でありますが、本当は二十二年の八月、十月或いは今年になつてでき上つたようなものを、丁度昨年の三月三十一日にでき上つたようにしまして、二十一年度の経理として、即ち年度違いの支出というものを非常に沢山やつておられるのであります。この事例は非常に沢山あるのでありますが、これは会計檢査院としては非常に遺憾に存ずるのでありまして予算もそういうふうにできておりませんし、会計法規もそれを許していないのであります。併しこれはどうしてそういうふうになるか、いろいろ、実行廳自体でもお考えにななければならんのであります。というのは、本当にできないものはできないものとして繰越す手続が、ちやんと会計法にあるのでありますから、繰越しの手続をお取りになればよろしいのを、わざわざ繰越の手続をとらないで、年度中にできたようにして小切手を切つてしまつておるというのは根本的に惡いのでありますが、なぜそうなるかと申しますと、やはり一原因は繰越の承認ということが遅い。繰越の承認は、年度を越えまして七月ごろになつて大藏省の方で承認されるというのが非常に多いのであります。繰越の承認が遅いから、結局繰越の承認を認めないで、自分のところでできたような恰好にして置くというふうになるのでありまして、この点繰越の承認ということについて、財務当局で大いにお考えを願いたいと思うのでありまして、四ページに、「繰越の承認に当つては考慮の余地があるものと認められる。」というふうに、意見を発表いたしておるようなわけであります。
 次に、簡單に申上げますが、七ページに、これは特殊物件に関係するわけでありますが、大藏省の関係、國有財産でありまするから、ここで申上げておきます。要するに廃艦になりました軍艦を解体する作業でありますが、艦艇の解撤作業というものは、二十一年の四月以降各鎭守府、要港部所在地におきまして、或いは造船所その他の造船業者に解撤作業を行わしめておるのでありまするが、艦艇の解撤作業をしますと同時に普通の商船の修理をもやつておるわけでありまするが、この艦艇の解撤いたしますのには相当な経費を要するのでありまするが、政府におきましては、大体一括的に艦艇の解撤という作業を請負わしておるのでありまして、会計檢査院といたしましては、このような作業というものは廃兵器におきましても同じように考えておるのでありますが、廃兵器処理委員会に一括して、日本中の兵器をお前のところに請負わせるのだということにして、請負というか請拂に出しておるのでありますが、それと同じような一括請負に附しておるのでありまして、赤が出るやら黒が出るやら分らないという程度であります。かようなものは作業の性質上最も公明を期すべきものでありますが故に、やはり解撤の作業というものは國会の承認を得て、予算で認めて行く。それの解体に伴うて出て來たものは、賣つて國庫の歳入にするという正規の方法でやられることが最も望ましいという意味の意見をここに掲げておる次第であります。
 尚、十二頁のところでありまするが、歳入歳出の決算と日本銀行の証明額の対照を見ますと、歳入におきまして日本銀行の証明額の方が六千万円も多くなつておるのでありますが、これはいろいろ事由を調べて見ますと増減共いろいろな事由はあるのでありますが、かような事態の絶無は期すべきでありますけれども、先ずこの程度のことはいたし方はないのではないかというので、強つて批難はいたしておらん次第であります。
 それからいよいよこの批難事項に入りたいと存じますが三十三頁でございます。これは租税の収納未済というものが非常に多額に上つておるという点を批難いたしておるわけでございます。この三十三頁、三十四頁にかけて、表も掲げてございまするが、二十、二十一、二十二年度と、累年その絶対数におきましても、収納未済が殖えておるのであります。例えば二十年度で申しますというと、八億六千二百万円、二十一年度は百五十七億円というようになつておるのでありまして、この二十二年度になりますると、十月までを見ましても、収納未済というものは、百七十四億という多額に上つておるのであります。これを決定に対する比率を見ましても、累増いたしておるのでありまするが、二十年度は八%、二十年度は二五%、二十二年の十月までは二八%というように惡化いたしておるのでありましてこれらの状況につきましては、大藏当局も非常にお骨折りになつておるのでありますが、会計檢査院といたしましても財政の現況に鑑みまして、默視することはできませんので、大藏当局に対しまして、嚴重なる注意を喚起し、且つ改善を要望いたしておつたのでありまするが、先程もお話を承わりますと、非常にその後徴税の状況は佳良でありまして、二十二年度のごときは、予算に対して百億もオーバーしておるというふうに承わつておるのでありまするが、二十一年度の収納未済の状況は誠に寒心に堪えないものがあつたのであります。その外通行税でありますとか、或いは一般の税の取扱いの過誤によりまして、徴収不足を起したものが先程も御説明がありましたように二十一年度で十五件、既往年度におきまして四十八件というようなものがあるのでございまするが、これらのものはいずれも同じような意見を持つておりますので、特別に御説明はいたしておきません。ただ数が非常に多いということだけを申上げておきたいと存じます。
 それから六十五頁の入場税の問題でありますが、これは地方に委譲されるかも分らんというような新聞も拝見いたしておるのでありますが、入場税に対して免税をするということにつきまして、会計檢査院でいろいろ調べて見ますると、こんなものを免税するのは不都合であるというような点が多々あつたのでありますが、その一例をここに掲げて、京橋税務署の分を掲げてあるのでありますが、これにつきましては、入場税法を改正せらるる必要があるであろうということに意見が決まりまして、百七十頁に掲げてございまするが、会計檢査院長から大藏大臣あて、入場税免除に関する件として、いろいろ意見を表示いたして、改善の要求をいたしておるような次第であります。
 次は六十六頁にあります所得税の源泉徴収の問題であります。銀行、会社、或いは官廳において源泉徴収をいたすわけでありますが、これが会社、銀行あたりで徴収をいたしておつても、税務署に拂い込んでいないというようなものの例が、ここに一二掲げてあるのでありますが、かような例が、金融逼迫に伴ないまして、ますます多くなつておるのでございまして政府におかれましては十分の御留意を願いたいと存ずるのであります。
 それから九十四頁に入りたいと思いますが、國有財産を無償で使用さすというのでありますが、これも終戰後起つた事態でありまして、陸海軍が使つておりました軍用地が國有の雜種財産になりまして、各方面で管理利用上貸付する、一時使用さすということに、実は終戰後なつたのでありますが、一時使用さすということについては直接國有財産法に規定はいたしておらんのでありますが、併し然るべき業者、然るべき方法で一時的に利用するということは最も好ましい状態でありますので、会計檢査院もこれには賛意を表しておるのでありますが、一時使用さすということと、無償は又別の問題でありまして、有償ですべからく一時使用をさせなければならぬものだというふうに考えまして、廣島財務局における元呉海軍工廠の土地、建物の無償使用というものに対して批難を加えているようなわけであります。その他大藏省の関係では終戰処理費の関係とか、或いは特別会計の造幣局、印刷局、乃至は專賣局の批難事項もあるのでありますが、特別会計の方は暫くあと廻しにして頂きたいと存じます。
 尚大藏省の関係といたしまして檢査報告のありますものの中、又二、三を申上げて置きたいことがございますので申述べさして頂きたいと存じます。それは会計檢査院法によつていろいろと改善の意見を各省に要求することができるようになつているのでありまするが、その中大藏省の関係と言いますか、経済安定本部その他もありますが、その中入場税の点は只今百七十頁のところで御説明をいたしたのでありますが、公團の関係であります。百六十八頁にありまするが公團の経理に関しまして経済安定本部の総務長官に改善の要求をいたしたのでありますが、これは詳しいことは御説明は省きますが、公團は官職と同じである。公團の職員は官廳の職員と同じであるというふうになつているのでありまするが、昨年から発足いたしまして公團がいろいろと事務をとつているに拘わりませず、その給與も確定いたしていないというようなことで、公團の職員の事務にも幾らか影響する、或いは大いに影響するものだと思うのでありますが、要するに給與が決つていない、漸く昨年の暮でありましたか本年に至りまし給與の内定といいますか給與が決つていつたということになつているのでありまするが、その他の点につきましても、どうも公團に対しまして政府の施策というものが非常に決定が遅れていように感ぜられる向が沢山ございますので、改善の要求をいたしているような次第であります。この中例えば旅費などの点につきましても最近問題が起つたのでありますが、官吏と同じような旅費であるということでありますのに、旅費はやはり官吏並ではやつて行けないというので、旅費の増額申請というものを政府の方に出している。政府の方ではいろいろと折衝して御審議はなさつているのだろうと思いますけれども未だにそれが決まつていない。遂に他の方面からも注意がありまして、会計檢査院といたしましても勅令違反である。官吏以上に貰つているのは、殆んど倍貰つているのでありますが……、全部是正しなければならんというこということが最近各公團、総理大臣以下に通知を出したわけでありまして、公團に対してはもう少し実態を見極められまして、そういうたようなものの確定をせられるように願いたいと思うのであります。
 それから百六十一頁、二頁からでありますが、会計檢査院で檢査をいたしております出資團体とか補助團体とかが相当に沢山あるのでありまして、只今國が資本金の二分の一以上を出資している法人でありますところの日本銀行とか、復興金融金庫とか、その他が二十九ばかりあります。その中産業復興公團などを入れますと相当な多数に上つているわけでありますが、その中大藏省の御関係でありますところの庶民金庫について資金の運用よろしきを得ないものとして、批難いたしたものが百六十二頁にあるのであります。
 二十一年の六月に山一証券株式会社から五百三万円を、翌七月静岡銀行から二百十八万五千円、合計七百二十一万五千円という政府保証帝國燃料興業債券を買入れて資金の運用をしておるのでありますが、御承知のごとく戰時補償の打切りということが相当に喧しくなり、大体打切られるということになりまして、先行きは非常に不安であるということは業界一般に認められておつたところでありますが、かようなものを金融常識といいますか、常識としては、賣り手はありますが、買い手はないと思います。これを庶民金庫が購入したというようなことでありまして、思わしくない資金の運用と存ぜられる次第であります。大体先程申しましたように終戰処理費と特別会計を除きました大藏省所管の会計檢査院の批難事項の中、当局と意見が一致していないものについて大体を御説明いたした次第でございます。
#28
○委員長(下條康麿君) 御質問ありますか。
#29
○深川タマヱ君 大藏省に関する決算でございますが、議会の方に廻つております説明書によりますと、昭和二十年から二十一年、二十二年に掛けまして、次第に租税収入の未済額が漸増しておるとあつて、その原因を項目を分けてお挙げになつておりますが、決算の大事なことは勿論不正をなされた方のあとを追求されて責任を問うということは大事でございましようが、更に大事なことは、決算は結果から眺めまして、前年の政府の施策の、成敗というものが極めてよく分るのであります。再び誤りを繰返さないために、建設的意見を政府に献策するということに一番大きい意義があるだろうと思いますので、私は何故、租税未済額がふえたか、その原因の一つ一つにつきまして、私の意見を加えて御質問申上げたいと存じます。勿論この租税がスムースに行われないならば申すまでもなく、その間、政府が融資しなくてはなりませんし、更に追加予算を出しますならば非常にインフレが促進いたします。殊に今年度のように外資の導入を考えておりますときに追加予算が出ますと、非常に都合が悪いのでございます。この点、特に注意しなければならないと思うのでありますが、スムースに租税が納まらない原因としてお挙げになつておりますものの中、先ず第一番に職員の質的低下ということになつておるようであります。これはやはり待遇が悪いために役人が逃げるのだろうと思います。警察官吏はこの頃一般の官公吏よりも誘惑が強いという理由で、三割俸給が値上げになつたようであります。この税務署の官吏の待遇は一体どういうふうになつておるか、これを一つお尋ねします。
 その次は労働情勢の惡化によつて、いわゆるストによつて税が納まらなかつたということは、これは私はこのままに放置できない問題であると思います。今日軽犯罪法ができて、空家に入つたり、無提燈で通る、このくらいのことでありましても、やはり一般國民に迷惑を掛けるという理由で処罰しております。爭議中のためであるとは申しながら、一般國民に非常に利害関係の大きい鉄道であるとか、逓信事業であるとか、それから國家の重要なる機関に携つておる役人の方々、この税務官吏もその中に入るのでありますが、こういう人達が勝手にその仕事を休んでおるということは、これは到底今日許すべからざることであります。現在のように政府なり経営者を相手にして勢力関係で爭議を議決するような勢力的色彩を帯びたものは將來の文明國では許されないことだと思つております。或いは一部階級のように資本主義を内から自壊作用をさせる、こういう目的を持つておる人はいいけれども、私達のようにやはり資本主義の惡いところを直してよいところを延ばすという考えを持つておるものに取つては、どうしてもストは全然なくさなくちやならんと考えておりますので、これは今の中央委員会でも決定権がないようでありますけれども、將來はこれに決定権を持たして、命令によつてストは絶対に避けて貰わなければいけないと私は考えます。
 その次は納税のうまく行かなかつた原因は一般國民の道義心の低下とありますが、勿論これに対しましてはいろいろな方法で道義心を昂揚さすために働かなければいけませんけれども、ちよつとの税金には集金に参りません。私達の市にも、集金にでも來てくれればもつと納められると言つている人が非常に多いのであります。都民税のようなものでもなかなか額が非常に少い、電氣、ガス、水道どんどん納めるのですが、税金を納めないのは集金にお出でにならないためだと思いますが、十分將來は税金を集金になるのがいいだろうと思います。勿論それには危険が伴いますから当然警察官を帶同することもできると思いますので、將来この方面では集金に出かけることも必要だと思います。勿論人員の問題になるのでありますが、これにつきましても行政整理が非常に大きな問題になつて來るにも拘らず、なかなか失業救済の案がないためにうまく行われないそうであります。失業救済をするために又金が要るから、やはり大した仕事でなくとも大勢の人が分け合つて仕事をすればよい、こういう見解を取つておるようでありますが、それでは仕事の点でプラスになりません。そういう点は税務官吏、集金にお廻しになるならそれだけプラスになります。
 その次に申告の制度の問題でありますが、私達の周囲を見ましても、自分の家計の有様をありのまま申告する人は極めて少ないと思います。このくらいのことは税務署の方々も特によく御存じだと思います。恐らく申告の内容を大して当てになさらないで更正課税をなさつておると思いますが、この内幕につきまして今頃貯金なんかを調査なすつている由でありますが、一体どういう実状か、ありのままの内幕を承わりたいと思います。
 それからその次は租税負担が大き過ぎるので租税がうまく取れない。これは大きな問題だと思います。これについて私考えますことは、最近予算を前にいたしまして基礎物資が七割乃至八割の値段の引上げになつておりますが、こういうことは一般の國民が聞いたらどんなに失望するかしらと思つて、私達身が痺れるように思うのであります。それはやはり経営者の採算が取れないために物價が騰るのだろうけれども、その経営者の採算が取れない原因は大きい税金にあるのであつて、更にその税金の原因は行政整理がうまく行われていないことにあるのだと存じます。先きも申しましたように、行政整理は今働く人に地盤を持つておる社会党も加つておる内閣でありますので、一割五分の天引なんかというけちなことをしないで、大仕掛に徹底的に行政整理をして、一般的に税金を軽くして貰わなければ、税務署の方々はなかなか御苦労から解放されないと思います。
 又金融逼迫が大きい原因で租税が納められなかつたということでありますが、これに対して政府は納税融資をなさつておるわけでありますからその成績がどのくらいであつたか、どのくらいの数であつたか、どのくらい取返せるかということをお尋ねいたします。
 最後に昨年の年末にかけまして納税成績が挙がつたようでありますけれども、これは恐らくは強制権を発動して処分なさつたのがこたえたのだろうと思いますが、租税について大事なこと一は年間を通じて平均に租税が取上げられなければならないと思いますが、年末のぎりぎりまで待たずに平素から手つ取早くこういう方法を執られたらいいのではないか、こういうことを素人考えに考えますが、如何思し召しますか。
#30
○説明員(大槻義公君) 私大藏省の会計課長でありますが、只今の御質問の点につきましては主税局長より御答弁申上げるのが最も適当かと存じまして、只今連絡を取つておりますので、今暫くお待ち頂きまして、お話し申上げることにいたしたいと思いますから御了承願います。
#31
○政府委員(森下政一君) 主税局長が参りましたらば、お尋ねの事務的な細目についてお答えすると思いますが、それまでに政府側の一員といたしまして一言私自身のお尋ねに対する見解だけをお答えさせて頂きたいと思います。只今皆さんが御審議になつておりまする決算については、実は私当時の責任者でありませんので、細目についてお答えすることはできないのでありますが、終戰以來段々租税収入の未済の分が多額になる傾向がある、それに対してその原因を究明いたしまして、大藏省の報告しておるところを捉えられて深川さんから御意見が出たわけでありますが、職員の素質が非常に低下した、そのために税収が思うように収納されておらない。このことにつきましては私共始めてこの参議院に議席を持つようになりましてから、前内閣の当時におきましてもこのことを取上げて、お互に財政金融委員会で政府に質したことを思い起すのでありますが、徴税事務の第一線に立つております者が、比較的一般納税者側からいい感じを以て迎えられる仕事をしていないというふうなことについては、先ず第一に仕事の質そのものが誰しもが好んでこれに携わろうとしない仕事であるというふうな性質のものであり、而もこれに携わつております者が段々質が低下して行く、こういう傾向になつて参つた。殊に経済が非常に不安定な状態にあり、物價が徒らに騰貴する傾向にあるというときには収入を以て自分の生活を支えることができないという者が大多数になつて、眞面目な勤労によつて眞面目な収入を獲得するというところの者が段々廃れて参りまして、御承知のようにインフレーションの発展過程におきましては、生産に從事せず或いは眞面目な勤労に從事せずして、生活を維持しようという分子が非常に殖えて來たというふうな傾向がある。そういうことが影響いたしまして、徴税事務の第一線に残るという者が全く素質の低下した者のみが残つて来る。從つて又量においても段々欠員を生ずるというふうな傾向にありましたが、私共も更に又昨年初めて議席を持ちました折も政府の説明を聞いて驚いたことは、税務官吏の待遇というものが他の一般官吏よりも甚だしく劣つておるという実情を聞いたのでありまして、善処方を要請したことをこれ亦記憶を喚び起したのでありますが、今漸やく國会の声に対應いたしまして待遇が引上げられ、新たな給與が企てられつつある。こういう段階にあるようであり、殊に税金を完納せしめるということが、國政上特に現下の情勢においてどうしても必要なことであるという考え方の下に、徴税機構の拡充強化ということを今の内閣も一つの方針としておりますような次第なので、この点は極力御要請に合うように質の向上を図ると同時に、量も十分にし、その機構を充実して能率を上げて行きたい、こう考えておる次第であります。
 尚ストライキの問題が御説の中に出たのでありますが、これは非常にデリケートな問題でありまして、これは一應御意見として私は拝廳いたして置きたい、かように思うのであります。
 道義心が非常に低下したということが、租税が十分に収納できていないという一つの原因として挙げられておるのでありますが、これは私は單り租税関係のことのみならず、終戰後における我が國の一般社会事象というものが、終戰に伴うところの驚くべき道義心の低下によつて発生しておるという現象が枚挙に暇ないと思うのでありまして、たまたま租税自体に対するところの一般國民の考え方のごときも、道義心の低下に左右されまして、芳しくない結果を収納の上に現わすに至つておる、かように思うのであります。これはなぜ租税を納めなければならないか、租税を完納するということがどれ程今日日本の再建に國民として協力し努めて貰わなければならんかということを、祖税完納運動の主な目的として、十分その趣旨を徹底する、そうしてできる限り租税に対する認識を深めて貰い、新たにして貰い、そうして國の再建に、一般國民が税を完納することによつて協力して貰うという態勢を整えて行かなければならん、國会が今中心となつて今かような運動を起しておるのは、全くその精神に出ておると思うのであります。申告納税制度につきましては、これはもうおつしやる通りでありまして、十分申告納税制度というものが一般図民に理解されていないと同時に、又正直に申告をする者が非常に乏しい。これは一般的の傾向だと言うことができると思うのであります。申告納税制度というものが今日の段階において我が國に採用されたのが果して適当な時期であつたかどうかということについては、私は今でも尚議論の余地があるんじやないかと思うのであります。或る程度まで社会の一般的な税に対する認識のみならず、一般的な社会人としての國民の教養が高まつておるという場合におきましては、申告納税制度のごときは非常に理想的な効果を挙げるのであると思うのでありますが、今日果してさような段階に達しておるかということについては、尚議論の余地があるかと思うのでありますが、制度自体としては、若し都合よく運営されますならば立派な制度に違いない。一旦これを採択いたしました以上僅かに実施後日も浅い今日、これを是非云々する、その是非を云々するよりは、極力これに対する認識、理解を深めしめると同時に、正直な申告を國民にせしめることによりまして、納税を完納せしめるということに持つて行く努力が政府に必要なのである。是非そうしなければならんものだと私はかように考えるのであります。
 尚又租税負担が非常に過大であるということが税が完全に納められない大きな原因だ。これは十分深川さんも御了解、御納得の行くことだと思うのでありますが、一体税というものに対してさなきだに経済生活の窮迫しております段階におきましては、誰もがよい感情を持つものでない。いわんや納得の行かない程大きな税金、自分達個人個人銘々を顧りみまして、自分の方にあり余る程の税金が掛けられるということになれば、勢い納税を怠るといううふうな考え方を誘発しやすいということは、これは当然のことでありまして、どうしてもこれはそこにこそ公正な課税というものをやる政治が行なわれ、そうして誰しも納得のできる税金を納めさすべきだ、そうすることによつて未済額を減らすことができるんじやないかと思うのであります。ただ私は今日のような全く異状の経済状態に経済が陷つております段階におきましては、平素の租税理論の上において公正な税金はこうあるべきだということだけが守られるとは思わないのでありまして、全く今日の情勢の下においては、理論上はやや逸脱しておると思われる場合におきましても、拠ろなく設けなければならんような税もできて來る、その税を通じてのみ辛うじて財源を獲得し得るというような面も今日はお互いが忍んで、容認しで行かなければならん面があるのではないか、かように考えておる次第であります。税がなぜこの未済額が殖えて來ておるか、その一々にこれらの大藏省の挙げております原因等を挙げ並べて見て観察いたして見ますると、結局はこの敗戰に伴うところの経済的な没落、これが道義を低下せしめる、同時に又それに從つておのおのの原因を誘発いたしまして、すべてがお互いに拍車を掛けてだんだん税の収納額を少なからしめるに至つておる、こういうふうなことになるのであろうと思うのでありまして、この解決の根本は、結局インフレーションを抑制いたしまして、経済を建直して國を再建すると、おのずからそこに國民の経済生活が安定し、おのずからそこに道義心が高揚され、納税思想が大いに発達して來るということによつてのみ解決を得られる問題で、お互いがそれに協力して行かなければならん、それに邁進して行かなければならんのではないか、かように考える次第であります。
#32
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 
 先程御説明の中で漏らしました点を補足さして頂きたいと思います。大藏省の関係におきましての批難事項は先程申上げたのでありまするが、未確認と言いますか、檢査が済んでない、こういう事項も相当にありますので、その点を御説明をいたして置きたいと存じます。百七十二頁からあるのでありまするが、二十一年度におきまして、経常、臨時部に亘りましての税金で、証明がまだ会計檢査院に來ていない、或いはまだいろいろ質問をいたしましても回答が参つていない、そのままである、そのために検査が終らないで未確認にしたというのが一般会計において経常、臨時で大体五億円あるのであります。更に特別会計におきまして分與金、地方分與税分與金におきまして三百万円、更に財産税等収入金特別会計におきまして、財産税が九億二千二百万円、戰時補償特別秘が一億九千七百万円、こういうものが大体においてまだ計算証明されてない、会計檢査院の証明を受けてない、こういう故を以ちまして檢査は終らない、即ち未確認に整理されておるのであります。租税におきましてはいろいろと質問をいたしましても、只今も御説明がありましたように、税務署の事務が立込んでおるというような事情もありましてなかなか質問をしましても答弁が來ないというので、実は困つておるような事態で、檢査の側から言えば困つておる事態なのであります。古いところで申しますと百八十二頁以降にありまするが、昭和十六年度の分は片付いたのでありまするが、昭和十七年度、今から五、六年も前の点で、十七年度におきまして、今から見れば税金は僅かでありまするが、十六万五千円というものがまだ質問に対する答弁未済、十八年度におきましても金額は、十八年度は割合小さいのでありますが、三万七千円答弁未済、十九年度におきましては千六百万円というものがやはり証明未済、甚だしいのは証明未済があるのでありまするが、証明未済又は質問に対する回答未済ということになつておるのであります。二十年度は更に殖えまして、約六千万円というものが未確認になつて檢査がまだ済んでいないような状態でありまして、この既往年度、古い年度に対する回答未済が多い点につきましては、殊にこの税務当局と懇談の形を取りまして、何とか早く片付けたいというので折角努めておるのでありまするが、この檢査報告におきましてはかような状態にまだなつておるような次第であります。
#33
○政府委員(佐藤一郎君) 只今会計檢査院から政府と会計檢査院の間で、大藏省所管のことにつきまして、主な意見を異にしましたところの案件の御説明がございました。その中大藏大臣といたしまして國庫大臣の立場としての大藏大臣がなすべき答弁と、所管大臣としての大藏大臣が答弁をなすべきものの二つがございますので、私は主計局の司計課長といたしまして國庫大臣の立場の御答弁を申上げます。
 第一番に元臨時軍事費特別会計所属の歳入金及び支出金でございますが、昭和二十一年勅令十号の規定があるに拘らず單に決算の期日に止めまして、いわゆる繰入れ整理を行なつておらんという御意見に対してでございますが、実は昭和二十一年勅令第十号の規定の解釈につきましては種々異論があつたり疑問がございまして、明文が曖昧な点があるのであります。そのために檢査院の御意見のような点も出て参つたのだと思いますがもともとこの勅令の趣旨は、將來に亘つて勿論これを一般会計に所属すべきものでございますけれども、臨時軍事費特別会計という厖大な過去の長い年間に亘る歳入歳出の結果でございますからして、これを相当の年間に亘つて整理を要するということは、これは止むを得ない次第でございます。從つてこの終結を十一年にいたしました際の決算をそのまま、本当の意味において繰入れをするということになりますときには、現在の財政上から申しまして、到底これを政策的にも繰入れて行くことが困難であることになりますので、当初の趣旨もそこまでは必ずしも考えておらなかつた思われる節がございます。ただ何分にも法文の趣旨が曖昧でございますので、この点につきましては法令を改正する等何らかの意味で、もう少しはつきりとさせなければならないのではないか、こう考えて只今のような解釈で一應復帰した次第でございます。
 尚その次に租税その他の歳入納付につきまして第二封鎖預金の封鎖支拂による納付があつた場合についての問題でございますが、これについても法律上いろいろ疑問もある点でございます。政府といたしましては大正五年の法律に歳入を証券で納付することに関する法律がございまして、その法律の適用がこの場合にもある。從つて殊更に新らしく法的な措置を講ずる必要はないのであるという解釈の下に出しておつたわけでございます。と申しますのは、この第二封鎖預金で以て支拂います場合にも、一應封鎖小切手によつて支拂つて繰入れるという形式を採りますからして、一應証券による納付であるという考えに立つたわけであります。ただ会計檢査院が指摘せられておりまするところの、直ちにそれを歳入に計上しなくてはならないのではないかという点については、種々疑問があります。ただ明文上はその点必ずしもはつきりしておらないというので、差当つてこの法律の適用をいたしたわけであります。もともとその当時の全体の経済の情勢かち申上げますと、金融緊急措置令を急速にこれを実施しなければならないという情勢にございまして、当時第二封鎖預金というものが毎日毎日第一封鎖に移つて行く。そうして折角封鎖いたしたものがどんどん逃げて行くというような情勢でございました。そこで一日も早くその情勢を止めなくてはならない。それにつきましては、解釈上疑義がややあつたのでございますが、万全の形式を取るという時日の余裕もございませんでして、一應規定の法律を以てこれに代えて行くという解釈の下に、こういう措置を取つたわけであります。その当時の情勢からいたしまして、眞に止むを得ないというふうに今は考えておりますのでどうか御了承を願いたいとこう思つております。
 第三点の繰越の承認の問題でございますが、これにつきましても、從來会計檢査院の指摘しておつたような判例が必ずしもないわけではなかつたのでございます。と申しますのは、実際上繰越の事態というものの判断が、なかなか明確に参らないことが多いのと、各省が從來からして、この直前でなければなかなか持つて参りませんので、我々としてもできるだけこれを督励いたしております。その点につきましては、我々も同感の点が多々あります。できるだけ御趣旨に副つてやつて行きたいと、こういう考えでおります。
 尚艦艇解撤の点につきましては、あとに運輸省の所管のところで御答弁願えたら適当かとこう思つております。歳入につきましては、主税局長が來て申上げることと思つております。
#34
○説明員(大槻義公君) 私会計課長でございます。只今國庫大臣としての見地からの御説明が今あつたわけでございますが、引続きまして、所管大臣としての関係の点について御説明申上げたいと思うのであります。
 本年度の歳入歳出を通じまして、百二十六件という多くの件数に関しまして御批難を受けたことは先程も御説明のありましたように、誠に遺憾とするところでございまして、その個々の問題につきましては、別に説明書を以て御説明申上げ、その後の措置を申上げておりますので、この問題につきましては別に御質問によりお答えいたしたいと思います。ただ只今会計檢査院の方から大きな問題としてと申しますか、特に取り上げて御指摘のあつた特殊事項につきまして御説明申上げます。
 第一に終戰処理費の関係の事項でございますが、終戰処理費関係に関しましては、予算の使用及び物件の管理等措置のよろしきを得なかつたもの、工事費の精算が著しく遅延しておるもの、物品購入代金の概算拂いの中、過拂いとなつたものの回収に至らないもの、会計経理が著しく不良なもの、補助金の交付が多額のものに達したもの等多数事項につき御指摘を受けた次第であります。この中特に工事の精算が著しく遅延しておるという点について御説明申上げたいのでありますが、御承知のように、終戰処理費で支弁しておる関係の工事は誠に特殊な工事でございまして、特にこの年度といたしましては、終戰直後でもありまして、これに從事する職員並びに民間側における從事員というような面において、非常に無理のあつた次第でございまして、この点につきましては、政府側も民間側も、何かと改善の努力に苦しみ、漸く最近一應の秩序ができて來たというような経過になつております。この年度も御指摘のあつたように、精算が遅延し、そのために業者の工事を進めて行く上における不便、その他いろいろ問題があつたのでありますが、この解決といたしましては、從來地方應に対しては、一件五百万円未満の工事に限つて査定の権限を與えておりましたのを、二千万円まで限度を引上げると共に、二千万円以下の工事についても、別に査定の促進班というものを組織して、地方廳の精算を援助した次第でございます。査定の官吏は目下増員が認められませんので、現在員を以て能率的に操作して、できるだけ速かに精算を完了するという配意の下に、精算促進に努めました結果、大体最近におきましては、東京、神奈川、北海道、宮城、大阪、廣島、福岡等の地区を除きまして、他の府縣におきましては、案件の解決ができたという状況であります。尚只今申しました地方につきましては、速かに精算を完了するように目下一生懸命にやつておる次第でございます。
 次に艦艇の解撤の問題でございますが、この件につきましては、その作業が誠に特殊な作業であるという点に鑑みまして、又その収支は結局損失が起るという見込みでございましたので、これに伴う財政支出を避けるという方法としまして、特別経理の方式を採つて、努めて収支が相償うという方向に処理して来た次第であります。これは廃兵器処理の例に倣いまして、播磨造船所に当らせたものでございまして、土地建物等の使用料については一時使用の制度が設けられておる趣旨からしまして、貸付けの場合と異なつて、使用物件の使用収益の態様又は用途を勘案して、その実状に感じては無償とすることもできるという取扱いに倣いまして、本件作業に関しましては、たとえ作業会社が附随的にその施設を利用して、会社本來の事業である商船の修理作業を若干行なつたとしても、これによつて収支の均衡を得せしめる一つの手段と認めまして、使用料を取ることは適当と認めなかつた次第でございます。尚右施設を利用して実施して参りました艦艇解撤の作業は、一切の収支を正確に明瞭にいたしまして、随時所在地方財務局及び海務局をしてこれを点檢、監督する必要を認め、その方向において今後は別途予算的措置を講じて右の趣旨に進みたいと、こう考えておる次第でございます。
 次に補助費の点につきまして御指摘がありましたが、この点も、補助費が目的とせられるところに的確に而かもタイムリーに、且つ所要の補助費が全額傳わるということが最も肝要なところでございまして、この点につきましては、從來ともその趣旨で努力して來た次第でありますが、尚不備な点もございまして、今回檢査院からの御指摘を受けた次第でございます。個々の問題につきましては、説明書において御説明いたしましたように、それぞれその後の改善措置を講じておる次第でございますので、それによつて御了承頂きたいと思います。
 次に特殊物件につきましては、建設院或いは物價廳の方から御説明下さるのが適当かと存じますので、私は省略いたします。
#35
○会計檢査院事務総長(東谷傳次郎君) 終戰処理費に関しましては、或いはあと廻しになさるのではないかと思つて、説明を留保いたしたのでありますが、今御説明になりましたので、一應御説明をいたしたいと思います。終戰処理費の関係で、会計檢査院が二十二年度の檢査報告に批難いたしておりまする事項は、合せて十一件あるのであります。終戰処理費は御説明するまでもなく、二十年度におきましては日本銀行が立替金というのでやつておりまして、それが二十一億一千四百万円ということになつております。更に二十一年度におきましても、十一月までは、やはり立替金支弁でありまして九十九億円、合計百二十億七千四百万円というものは立替金支弁であつたものが、予算が成立いたしまして本來ならばさようなことは、立替金でやるということは違法であるように考えられるのでありますが、二十一年度におきまして終戰処理費というものが正式にできまして二十一年度の予算で只今申しました百二十億七千四百万円は、元利合計しまして日本銀行に返却されたのであります。そういたしまして、二十一年度の終戰処理費の総支出額は、三百七十九億二千九百余万円に上つておるのであります。大体予算に近いのでありまして、そのうち繰越になりましたものは、三億六千六百余万円が二十二年度に繰越されておる状態なのであります。この三百七十九億の支出でございまするが、会計檢査院で檢査をいたしましても、証明が実は思うように参りません。それは只今政府委員が縷々当時の状況を御説明になつたのでありまするが、今年の政府の説明を御覧願いましても、どうもその当時は、こればかりではありませんが、当時は事情が事情で、仕事が先きであつて会計経理、跡始末をすることは、どうも手が廻らなかつたというふうに掲げてあるのが相当沢山あるのでありまするが、その御説明の趣旨は、よく分ることは分るのでありまするが、併しながらこの会計経理、整理をするということは仕事そのものであると私共は考えるのでありまして、仕事が先きで整理は後だというふうになりますると、ちようど終戰処理費のようなことになるのじやないかと思うのであります。終戰処理費は三百七十九億の支出をしておるのでありまするが、その中非常な沢山の部分の二百二十五億というものは会計檢査院で檢査がまだ済んでいないのであります。百五十億というものが檢査が済んであとは済んでない。それはいろいろ事由があるのであります。無論仕事をして、あとは整理は全然なさらないということには見ていないのでありますがどうも仕事はされるが整理は跡廻しだというお氣持がやはりどことなしにと言いますか流れておるような感じがするのであります。二百二十五億の未確認の中にその状態を見ますると、全然証明が済んでいないというものが二億四千九百万円、質問に対する答弁未済というものが四億七千二百万円、それから証明が不十分であるというのが大部分でありまして、二百十七億ということになつておるのであります。これは証明は來ておるものもあるのでありますが、いわゆる精算が未済でありまして、証明が不十分で最後によろしいというところまで檢査院が踏み切れないというので残してあるような状態であるのであります。そういたしましてその中には書類を亡失したというような案件もあるのでありまして、批難事項の十一件の中の一つといたしまして、七十二頁に会計経理が著しく不良なものという書出しで掲げておる事項でございまするが、その当時の事情は只今申上げましたように非常に諒とすべき点は沢山あるように思われるのでありますが、併しながら立替金支弁の関係の終戰処理費で支拂の件数において二百九十件、三千八百十六万五千余円、及び処理費で財政支出として出しました件の中二百二十二件、計四千六十七万四千円、この両方のものを集めました約八千万円に相当する書類はなくなつたのであります。その後最近事情を聞いて見ますと、いろいろ各方面に調査の手を延ばされまして、だんだん書類は整つて來たというふうな報告は受けておるのでありますが、ともかく最初の書類というのはまあお作りになつたのだろうと思いまするがそれがなくなつて会計檢査院に書類が出せない状態になつたものがこれほどあるというような状態もあるのでありまして、この点は会計檢査院としても非常に遺憾に存じておるような次第であります。
 それから只今政府当局からちよつと御説明があつたのでありますが、工事費の精算が遅れておるということであります。終戰処理費は只今申しましたように三百七十九億出ておるのでありますが、非常に工事費の精算というもの遅れておる。これはいろいろと法律六十号というようなものが出まして、檢査の上に更に檢査をするというようなこともあるのであります。総じて非常に精算が遅れておる。この三百七十九億の中概算拂いに相当するもので会計檢査院が未確認にしましたのは百九十四億でありますが、概算拂いでありまして、非常に沢山概算拂いをして、而も繰越されたのは先程申しましたように三億六千六百万円しか繰越さない、概算拂いでありますから支拂未済というのが相当沢山あるのであります。恐らくこの三億六千六百万円の繰越に相当するもの以上の支拂未済があることが予想されるのでありまして、この点から申しますと、予算超過の契約を相当に沢山しておらるるということにも相成るのであります。この精算が遅れまして、場合によると精算して業者から取上げるというのもありますし多くのものは追加支拂するというふうになる。それから又精算といいますか調査ができないので支拂いができないというようなことで、終戰関係の業者は、一面においては支拂いが遅いというので困つているという状態でありますし、会計檢査院におきましては精算が遅れたために檢査が済まないというような状態になつているようなわけでございます。それからこの終戰処理費の使用に当つては、いわゆる競爭契約をやつておられるのでありますが、最低制限價格制度というものを仮に採用されたのでありまして、これは八十一頁に掲げているのでありますが、それは或る一定の競爭契約の予定金額を作るのでありますが、それに最低の金額を、更にそれから少し下げまして作りまして、その間のものだけを落札者にするという行き方なのでありますが、これは競爭契約の本質からいえば非常に相反することでありまして、競爭契約は、廉いものと契約するという趣旨でありますので、これは会計法にぶつかるわけで、違法の契約だと思うのであります。これは八十二頁のところにいろいろ表を掲げて御参考に供してあるのでありますが、趣旨は御説明があるかと思いますが、無闇に落札というか、契約せんかな主義で、つまらない、途中で、どうせ工事のできそうもないものが無闇に入つて來るというようなことのあることを予見されて作られた制度でありますが、ここに掲げたのを御覽願いましても、八十二頁のところで申しますと、北海道の特別建設事務所の関係で、予定價格を三百二十六万円、最低制限價格を三百十万円、その間十六万円だけ開きをおきまして、そうして競爭入札をいたします。その入札の状況はここに掲げてありますが、二百五十四万円から三百二十八万円までの札があつたのでありますが、この予定價格と最低制限との間に相当するものが三百十七万七千円と、三百二十二万四千円の二つがあつたというので、一番高いものからその次にありますところの三百十七万七千円と契約しておらるるのであります。そ一番廉い二百五十四万五千円でも、大林組、その次は川口組、或いは清水組というようなので、相当な業者であるのでありまして、かようなものを、最低制限制度を作られて排除される理由はないように思うのであります。尤もこれは只今は是正されているのでありまして只今御説明申上げましたのは三件でありますが、その外に更に八件ばかりございましてて、これらのものは檢査報告書によつて御覽を願いたいと存じまするが大体政府と同じ意見でありまして、政府においてはそれぞれ善処されておるように拝見いたしております。
#36
○委員長(下條康麿君) 今日はこの程度にいたしまして明日引続いて大藏省の関係を審議いたしたいと思います。散会いたします。
   午後四時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     下條 康麿君
   理事
           太田 敏兄君
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           堀  眞琴君
           吉川末次郎君
           今泉 政喜君
           深川タマヱ君
           小野  哲君
           駒井 藤平君
           伊達源一郎君
           山崎  恒君
           千田  正君
           西田 天香君
  政府委員
   総理廳事務官
   (総理廳官房会
   計課長)    齋藤 常勝君
   法 制 長 官 佐藤 達夫君
   外務事務官
   (大臣官房会計
   課長)     千葉  皓君
   大藏政務次官  森下 政一君
   大藏事務官
   (主計局司計課
   長)      佐藤 一郎君
  ―――――――――――――
   会計檢査院事務
   総長      東谷傳次郎君
  説明員
   大藏省官房会計
   課長      大槻 義公君
ソース: 国立国会図書館
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