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1953/05/31 第19回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第59号
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1953/05/31 第19回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第019回国会 本会議 第59号

#1
第019回国会 本会議 第59号
昭和二十九年五月三十一日(月曜日)
 議事日程 第五十六号
    午前十時開議
 第一 会期延長の件
 第二 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(村瀬宣親君外十六名提出)
 第三 精神衛生法の一部を改正する法律案(青柳一郎君外十二名提出)
 第四 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 第五 国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(苫米地英俊君外二十五名提出)
 第六 公認会計士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 企業再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 砂利採取法案(大西禎夫君外十四名提出)
 第九 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(芳賀貢君外四十四名提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 会期延長の件
 中小企業の危機打開に関する決議案(大西禎夫君外二十三名提出)
 自転車競技法等の臨時特例に関する法律案(本院提出、参議院回付)
 臨時硫安需給安定法案(第十六回国会内閣提出、参議院回付)
 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案(内閣提出、参議院回付)
 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案(内閣提出、参議院回付)
 憲政功労年金法案(議院運営委員長提出)
 日程第二 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(村瀬宣親君外十六名提出)
 日程第三 精神衛生法の一部を改正する法律案(青柳一郎君外十二名提出)
 日程第四 覚せい剤取締法の一部を改正する法律案(参議院提出)
 日程第五 国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(苫米地英俊君外二十五名提出)
 日程第六 公認会計士法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 企業再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午前十一時三十五分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(堤康次郎君) 日程第一、会期延長の件につきお諮りいたします。今国会の会期は本日をもつて終了することになつておりますが、明六月一日より三日まで三日間会期を延長いたしたいと思います。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。青野武一君。
    〔青野武一君登壇〕
#4
○青野武一君 ただいま議題となりました国会会期の第三回目のいわゆる再再延長に対して、私は日本社会党を代表して絶対反対の意思表示をするものであります。(拍手)
 われわれの手元に配付されました第十九国会の予定法律案は全部で百九十九件であります。十二月十日に国会が召集せられて、五月の八日で国会法第十条に規定せられておりまする百五十日は終るのであります。五月八日までに、計算をいたしてみますると、百九十九件の政府の予定法律案が提出せられて、わずかに百件が審議終了されたのでございまして、ほとんど半分近いものの審議が遅々として遅れておりまするのは、新しく保守新党の運動が起り、あるいは幾多の汚職、疑獄事件が頻発して、関係しておる議員諸君その他の諸君は、右往左往、国会の審議をお留守にして飛び歩いておつた結果であります。(拍手)
 政府が確信を持つて出したものは、少くとも百五十日以内にこれを決定、終了すべきである。きのうの議運におきましても、堤衆議院議長は、繰返して、国会の会期延長は実に遺憾なことであると言われた。二週間の延期、さらに九日の延期、そしてまた六月三日まで国会を再々延長するということは、一体政府及び自由党の与党の諸君はどこにねらいを持つておるかと申しますると、あなた方が常に言つておる重要法案は、すでに秘密保護法案は衆議院を通過いたしました。教育二法案しかり、残されておりまするのは防衛二法案と、警察法案と、それに定員法改正案の三つであります。こういう重要法案が通過する前に与党の幹事長が逮捕せられたのでは、この重要法案の通過の上に大きな支障を来すからといつて、前代未聞の、検察庁法第十四条に基いて指揮権を発動するなどという、ほとんど前例のない暴逆な態度を犬養前法務大臣はとられたのであります。(拍手)そうして、二週間延長し、九日延長し、最後にまたまた、三日間の延長をして、しやにむに、圧倒的国民の反対があるにもかかわらず、防衛二法案と定員法改正案並びに警察法案をあくまでも改悪して国会を通そうとするところに、アメリカ一辺倒の露骨な再軍備の精神が暴露されております。(拍手)私は、与党の諸君や吉田内閣の議会運営の拙劣無知、それによつてたびたび国会の会期が延長することに対しては、断じて承服することができません。これは一にかかつて、政府の責任であり、与党自由党の責任であるということを、私はこの際はつきり申し上げておきたいと思います。(拍手)
 また、神経痛が痛んで国会に出席ができないなどという口実をつけて、吉田総理大臣は一箇月以上も国会に出て来ない。国民の大半は、神経痛で国会に欠席しておるなどということを信用しておる者はおりません。吉田内閣不信任案のときに、総理大臣は、みずから、自分の座席にステツキを置いて、いそいそと議席に帰つて投票をしたこの一事を見ても明瞭である。私は、吉田総理がみずから耐乏生活を国民に要求しておるがごときことはそれはどろ沼の中に飛び込んで、れんこん畑に飛び込んで衛生を説くようなものであつて、実に笑止千万だと言わざるを得ません。しかも、次々に自分の所属する政党の有力幹部あるいは議員諸君に対し検察庁の逮捕要求があるにもかかわらず、これを多数の暴力をたのんで拒否するがごとき態度は、厚顔無恥、また政権亡者のレコード破りと言わざるを得ません。(拍手)このような態度をとつて外国に行くなどということは、吉田総理一人の恥ざらしではございません。国民全体の大きな不名誉であるということを私たちは指摘したいのであります。(拍手)
 また、防衛法案にしても、定員法改正案の問題にしても、警察法案にしても、すべてはアメリカ一辺倒による再軍備の方向に日本を持つて行こうとする陰謀にほかならない。私は、おそらくきようが最後の国会であるとすれば、議運の委員長が責任をもつて保証している通り、吉田総理は、本日の本会議で、何のために外遊するかという理由を国会を通して国民に宣明すべきであり、またその約束をしているはずである。聞くところによれば、イギリス、カナダ、アメリカ、フランス、西ドイツ、イタリア、インド、パキスタンの八箇国を訪問するということであるが、何の目的で何のために外遊をするのであるかということを、今日に至るまで本会議を通じて国民にこれを発表しないというこの秘密外交の独善的態度に対しては納得が行かないものであります。(拍手)
 民主政治は、新しい、正しい国民の輿論が基調になつておらなければならぬ。その反動的法律を無理に通そうとする行き方は、正しい国民の輿論を無視するものであり、その精神状態はまさに松沢病院行きの頭であると言わざるを得ません。しかも、恥を知らずに六月一日から六月三日まで第三回目の会期延長をはかるがごときは、これは議会政治を無視する一種の暴力行為であると言わざるを得ません。(拍手)私どもは断じてこれに承服することはできません。従つて、議運を通してわれわれは絶対反対の意思表示をして参りました。
 われわれは、諸君の反省を求めると同時に、この第三回目の三日間の会期延長に対しましては、日本社会党を代表して絶対反対をするという意思表示を、簡単ではございますが、ここに申し上げて、私の反対討論にかえます。(拍手)
#5
○議長(堤康次郎君) 中井英太郎君。
    〔中居英太郎君登壇〕
#6
○中居英太郎君 私は、国会の会期を三たび延長せんとしておるところの、ただいまの議題に対しまして、社会党を代表して反対の意思を表明ぜんとするものであります。(拍手)
 その理由とするところは、先般来、二度にわたる会期延長に際しまして、すでに同僚わが党の議員から討論において言い尽されておるところでありまして、あえて私は再びこれを繰返そうとするものではないのであります。ただ一言申し上げておきたいことは、政府並びに与党の諸君が、会期延長の唯一絶対の理由として、その成立に血道を上げて懸命になつているところの、いわゆる重要法案なるものは、わが国と勤労国民大衆にとりましてはまことに危険きわまりないところの、迷惑しごくな反動法案であるということであります。(拍手)MSA援助協定を主軸とするこれら一連の反動法案の成立によりまして、わが国の国際的立場はますます窮地に立たされざるを得なくなるのであります。国民経済は急速な勢いをもつて破局に追い込まれているばかりではありません。人間の基本的権利であり、民主主義の基調でもあるところの自由平等の原則さえも、今国民の手から剥奪されようとしておるのであります。(拍手)このような法案が、政府の意図に反しまして、その成立に今日なおかつ難航を続けているということは、これまた当然のことと言わなければならないのであります。院内における野党勢力の反撃は申すに及びません。院外におけるところの国民多数の良識が、この迫り来らんとしておるところの民族的危機に対して強力な抵抗を試みているこの輿論の力が、法案通過を阻止せしめているところの大きな原動力であるというこの事実を、政府与党の諸君は知らなければならぬのであります。
 しかも、再度延長せられました百七十三日間の会期を今静かに顧みまするならば、一体何のかんばせがあつて政府与党の諸君は国民の前にまみえんとするのでありましようか。吉田総理の議会軽視と独裁独善はいまさら申すに及びません。汚職、疑獄のもみ消しにその全精力を集中して、何ら法案成立のための努力をいたさなかつたということは、すでにこれまた天下周知の事実であるのであります。(拍手)しかも、吉田総理大臣は、国民怨嗟の声も知らぬげに、数日のうちに外国を訪問するということがすでに決定しておると聞いておるのであります。その目的も明らかにすることなく、また最高の意思決定機関である国会におけるこれに対する質問さえも拒否しておりながら、吉田総理大臣は、一体、だれに頼まれて、何の用件があつて、どこに行こうとしておるのでありましようか。(拍手)出発の前日まで会期を延長してまでも成立せしめなければならない、皆さんの言うところの重要法案なるものは、しよせん吉田外遊のアメリカヘの手みやげ以外の何ものでもないということを、われわれは知つておるのであります。(拍手)
 このようなことを要約しまするに、第五次吉田内閣はすでに勢力的にも政策的にも政権担当者としての能力を失うておる証左であると申し上げたいのであります。(拍手)もしも、政府与党が、このような一切のものに目をおおいまして、無謀にも会期の再々延長を多数の暴力をもつて通過せしむるといたしましても、これによつて生ずるところの混乱の一切の責任はあげて政府与党が負うべきであろうと憩うのであります。(拍手)国会法の制定の趣旨をあえて曲げてまで重要法案と称するものを通過せしむる前に、吉田内閣は当然総辞職をいたしまして、重要法案と称するものの制定の趣旨の賛否を国民に問うべき当然の義務があろうと思うのであります。(拍手)
 以上私は申し上げまして、今回の会期再々延長に対する反対の討論にかえる次第であります。(拍手)
#7
○議長(堤康次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 会期延長の件につき採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。会期を明六月一日から三日まで三日間延長するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#8
○議長(堤康次郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣、開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#9
○議長(堤康次郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数 四百十二
  可とする者(白票) 二百八十七
    〔拍手〕
  否とする者(青票)  百二十五
    〔拍手〕
#10
○議長(堤康次郎君) 右の結果、会期は三日間延長するに決しました。
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 会期を明一日から六月三日まで三日
 間延長するを可とする議員の氏名
   相川 勝六君  逢澤  寛君
   青木  正君  青柳 一郎君
   赤城 宗徳君  秋山 利恭君
   淺香 忠雄君  麻生太賀吉君
   足立 篤郎君  天野 公義君
   荒舩清十郎君  有田 二郎君
   安藤 正純君  伊藤 郷一君
   飯塚 定輔君  生田 宏一君
   池田  清君  池田 勇人君
   石井光次郎君  石田 博英君
   犬養  健君  今村 忠助君
   岩川 與助君  宇都宮徳馬君
   上塚  司君  植木庚子郎君
   内田 信也君  内海 安吉君
   江藤 夏雄君  遠藤 三郎君
   小笠 公韶君  小川 平二君
   小澤佐重喜君  尾崎 末吉君
   尾関 義一君  越智  茂君
   緒方 竹虎君  大上  司君
   大久保武雄君  大西 禎夫君
   大野 伴睦君  大橋 武夫君
   大橋 忠一君  大平 正芳君
   岡崎 勝男君  岡田 五郎君
   岡野 清豪君  岡本 忠雄君
   岡村利右衞門君 押谷 富三君
   加藤 精三君  加藤 宗平君
   加藤鐐五郎君  鍛冶 良作君
   金光 庸夫君  川島正次郎君
   川村善八郎君  河原田稼吉君
   菅家 喜六君  木村 武雄君
   木村 俊夫君  木村 文男君
   菊池 義郎君  岸  信介君
   岸田 正記君  北 れい吉君
   久野 忠治君  熊谷 憲一君
   倉石 忠雄君  黒金 泰美君
   小枝 一雄君  小金 義照君
   小坂善太郎君  小平 久雄君
   小西 寅松君  小林かなえ君
   小林 絹治君  小峯 柳多君
   佐々木盛雄君  佐瀬 昌三君
   佐藤 榮作君  佐藤善一郎君
   佐藤 親弘君  佐藤虎次郎君
   佐藤洋之助君  坂田 英一君
   坂田 道太君  迫水 久常君
   始関 伊平君  塩原時三郎君
   篠田 弘作君  島村 一郎君
   庄司 一郎君  首藤 新八君
   助川 良平君  鈴木 仙八君
   鈴木 善幸君  鈴木 正文君
   瀬戸山三男君  關内 正一君
   關谷 勝利君  田口長治郎君
   田子 一民君  田嶋 好文君
   田中伊三次君  田中 角榮君
   田中  好君  田中 彰治君
   田中 龍夫君  田中 萬逸君
   田渕 光一君  高木 松吉君
   高田 弥市君  高橋 英吉君
   高橋圓三郎君  高橋  等君
   竹尾  弌君  武田信之助君
   武知 勇記君  玉置 信一君
   津雲 國利君  塚田十一郎君
   塚原 俊郎君  辻  寛一君
   土倉 宗明君  綱島 正興君
   坪川 信三君  寺島隆太郎君
   徳安 實藏君  苫米地英俊君
   富田 健治君  中井 一夫君
   中川源一郎君  中川 俊思君
   中村  清君  中村 幸八君
   中山 マサ君  永田 良吉君
   永田 亮一君  長野 長廣君
   灘尾 弘吉君  夏堀源三郎君
   南條 徳男君  丹羽喬四郎君
   西村 英一君  西村 直己君
   西村 久之君  根本龍太郎君
   野田 卯一君  羽田武嗣郎君
   葉梨新五郎君  馬場 元治君
   橋本登美三郎君 橋本 龍伍君
   長谷川 峻君  花村 四郎君
   濱田 幸雄君  濱地 文平君
   林  讓治君  林  信雄君
   原 健三郎君  原田  憲君
   平井 義一君  平野 三郎君
   福井  勇君  福田 赳夫君
   福田 篤泰君  福田  一君
   福田 喜東君  福永 健司君
   藤枝 泉介君  船越  弘君
   船田  中君  降旗 徳弥君
   保利  茂君  坊  秀男君
   堀川 恭平君  本多 市郎君
   本間 俊一君  前尾繁三郎君
   牧野 寛索君  益谷 秀次君
   増田甲子七君  松井 豊吉君
   松岡 俊三君  松崎 朝治君
   松田 鐵藏君  松永 佛骨君
   松野 頼三君  松山 義雄君
   三池  信君  三浦寅之助君
   三和 精一君  水田三喜男君
   南  好雄君  宮原幸三郎君
   村上  勇君  持永 義夫君
   森   清君  森 幸太郎君
   八木 一郎君  安井 大吉君
   保岡 武久君  山口喜久一郎君
   山口 好一君  山口六郎次君
   山崎 岩男君  山崎  巖君
   山崎  猛君  山田 彌一君
   山中 貞則君  山本 勝市君
   山本 正一君  山本 友一君
   吉田 重延君  吉武 惠市君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
   赤澤 正道君  有田 喜一君
   五十嵐吉藏君  井出一太郎君
   伊東 岩男君  稻葉  修君
   今井  耕君  臼井 唯一君
   小山倉之助君  大麻 唯男君
   大高  庸君  岡田 勢一君
   岡部 得三君  加藤 高藏君
   金子與重郎君  神戸  眞君
   川崎 秀二君  喜多壯一郎君
   吉川 久衛君  楠美 省吾君
   小泉 純也君  小島 徹三君
   河野 金昇君  河本 敏夫君
   佐藤 芳男君  齋藤 憲三君
   櫻内 義雄君  笹本 一雄君
   志賀健次郎君  椎熊 三郎君
   重光  葵君  白浜 仁吉君
   須磨彌吉郎君  鈴木 幹雄君
   園田  直君  田中 久雄君
   高瀬  傳君  高橋 禎一君
   竹山祐太郎君  舘林三喜男君
   千葉 三郎君  床次 徳二君
   内藤 友明君  中島 茂喜君
   中嶋 太郎君  中曽根康弘君
   中野 四郎君  中村三之丞君
   中村庸一郎君  長谷川四郎君
   廣瀬 正雄君  福田 繁芳君
   古井 喜實君  古屋 菊男君
   本名  武君  町村 金五君
   松村 謙三君  三浦 一雄君
   三木 武夫君  村瀬 宣親君
   粟山  博君  柳原 三郎君
   山下 春江君  山手 滿男君
   吉田  安君  早稻田柳右エ門君
   辻  政信君  安藤  畳君
   只野直三郎君
 否とする議員の氏名
   阿部 五郎君  吉野 武一君
   旅路 友藏君  赤松  勇君
   足鹿  覺君  淡谷 悠藏君
   井手 以誠君  井谷 正吉君
   伊藤 好道君  石村 英雄君
   石山 權作君  小川 豊明君
   加賀田 進君  加藤 清二君
   片島  港君  上林與市郎君
   神近 市子君  木原津與志君
   北山 愛郎君  久保田鶴松君
   黒澤 幸一君  佐々木更三君
   佐藤觀次郎君  齋木 重一君
   櫻井 奎夫君  志村 茂治君
   柴田 義男君  島上善五郎君
   下川儀太郎君  鈴木茂三郎君
   田中織之進君  田中 稔男君
   多賀谷真稔君  高津 正道君
   滝井 義高君  楯 兼次郎君
   辻原 弘市君  永井勝次郎君
   成田 知巳君  西村 力弥君
   野原  覺君  芳賀  貢君
   萩元たけ子君  長谷川 保君
   福田 昌子君  古屋 貞雄君
   帆足  計君  穗積 七郎君
   細迫 兼光君  正木  清君
   松原喜之次君  三鍋 義三君
   武藤運十郎君  森 三樹二君
   八百板 正君  安平 鹿一君
   柳田 秀一君  山口丈太郎君
   山崎 始男君  山田 長司君
   山中日露史君  山花 秀雄君
   山本 幸一君  横路 節雄君
   和田 博雄君  淺沼稻次郎君
   井伊 誠一君  井堀 繁雄君
   伊藤卯四郎君  池田 禎治君
   稲富 稜人君  今澄  勇君
   大石ヨシエ君  大矢 省三君
   岡  良一君  加藤 勘十君
   加藤 鐐造君  甲斐 政治君
   春日 一幸君  片山  哲君
   川島 金次君  川俣 清音君
   河上丈太郎君  木下  郁君
   菊川 忠雄君  小平  忠君
   小林  進君  河野  密君
   佐竹 新市君  佐竹 晴記君
   杉山元治郎君  鈴木 義男君
   田中幾三郎君  竹谷源太郎君
   長  正路君  辻  文雄君
   堤 ツルヨ君  戸叶 里子君
   土井 直作君  冨吉 榮二君
   中井徳次郎君  中居英太郎君
   中崎  敏君  中澤 茂一君
   中村 時雄君  西尾 末廣君
   西村 榮一君  日野 吉夫君
   平岡忠次郎君  細野三千雄君
   前田榮之助君  松井 政吉君
   松前 重義君  三輪 壽壯君
   水谷長三郎君  門司  亮君
   矢尾喜三郎君  山口シヅエ君
   山下 榮二君  吉川 兼光君
   川上 貫一君  小林 信一君
   中村 英男君  有田 八郎君
   原   彪君
    ―――――――――――――
#11
○議長(堤康次郎君) この際暫時休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十三分開議
#12
○議長(堤康次郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
#13
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、大西禎夫君外二十三名提出、中小企業の危機打開に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこ似際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#14
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
    〔永井勝次郎君登壇〕
#16
○永井勝次郎君 ただいま上程に相なりました各派共同提案になる中小企業の危機打開に関する決議案について、提案者を代表して趣旨弁明をいたします。
 わが国物価の対外的な割高を是正し、国際収支の改善を行い、経済の正常化を促進するため、財政の緊縮と金融の引締めを行うことは、現下のわが国に与えられた急務でありまして、このことは何人といえども否定し得ないところであろうと存ずるのであります。しかしながら、健全財政、国際収支の改善、金融の引締め等から生ずるデフレ政策への不安が社会全体の上に大きな暗影を投じていることもまたいなめない事実でありまして、これがため、わが国民経済の中軸をなす中小企業が不当に圧迫をこうむり、勤労階級の失業、賃金の遅欠配を招来し、経済の基調がそれらの犠牲において行われるがごとき事態は、厳にこれを回避しなければなりません。
 すなわち、第一に、原料の不当な独占価格より中小企業者を救済し、輸出価格の高騰、ひいては二重価格による貿易不振の弊を打破するために、独占禁止法の運用及び輸入為替の適正を期さなければなりません。
 第二には、公正な市場秩序の維持をはかるため、協同組合化を通じて中小企業相互間における無用の競争を排除し、これが指導の徹底を期さなければなりません。
 第三に、大企業の行う不公正取引や下請企業への不当支払い等の取締りを強化し、下請企業の協同組合化の勧奨誘掖をしなければなりません。
 第四には、金融機関の中小企業向け融資源を確保するため、大口集中融資の基準を明確にし、その検査を厳重にするとともに、進んで金融機関の中小企業への融資態勢を促進するため、法人税法上の貸倒れ準備金の損金算入限度を、中小企業向けに限り現行率より引上げる措置を講じなければなりません。
 第五に、財政資金による金融債引受に際しましては、中小企業向けに重点を置くとともに、政府指定預金の引揚げを金融情勢の見きわめのつくまで猶予するとともに、新規預託金の増加をはからなければなりません。
 第六に、財政投資計画の実行を積極的に推進し、その遅滞による関連中小企業の破綻を回避しなければなりません。
 第七に、中小企業者の有する不良債権については、税法上の貸倒れ認定基準を緩和するとともに、徴税技術の改善をはからなければなりません。
 第八には、原料の独占価格よりの解放のために、原料の共同購入、加工貿易方式等を徹底的に助成するの措置を講じなければなりません。
 第九には、大企業の経済的地位とその影響力の重大性にかんがみ、経営者の責任を明確にする措置を講ぜねばなりません。
 以上が本決議案を提出しました理由でございます。
 次に、決議案の案文を朗読いたします。
  中小企業の危機打開に関する決議案
  わが国物価の割高を是正し、国際収支の改善を計り、経済の正常化を促進するため、財政の緊縮と金融の引締を行うことは刻下の急務ではあるが、その過程においてわが国民経済の中軸を形成する中小企業が不当に圧迫を被り、ために労働者の失業、賃金等の遅欠配を馴致し、経済の調整がそれらの犠牲において行われるがごとき事態は厳にこれを回避しなければならない。
  すなわち、二重価格の解消、不公正取引の排除、大企業の下請企業への不当支払の取締り、中小企業向融資源の確保、政府指定預金の引揚猶予と新規預託の追加、財政資金による金融債引受の積極的推進、中小企業に対する金融機関の法人税法上の特別措置、財政投融資計画の円滑な実行による関連中小企業の破たん防止、徴税技術の改善等につき、政府は、格段の努力と万全の配意を致し、中小企業の難局の打開に努めるべきである。
  右決議する。
以上であります。(拍手)
#17
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 この際通商産業大臣及び大蔵大臣から発言を求められております。これを許します。通商産業大臣愛知揆一君。
    〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#19
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議決に相なりました中小企業の危機打開に関する御決議につきまして、政府といたしましては、御趣旨の存するところを十分に体しまして、さらに一段の努力をいたす覚悟でございます。特に通商産業省といたしましては、加工貿易の推進によりまして原料高に悩む中小企業の苦難を打開し、または大企業の下請企業への不当なる支払いの遅延、その他大企業の中小企業に対する不当なる圧迫を排除いたしまするための施策は、今後より一層強力に推進いたしたいと考えます。なお、大蔵大臣の御協力によりまして、政府指定預金の引揚げ延長その他につきましても十分の改善を期待することにいたしたいと考えます。
 要するに、中小企業対策につきましては、この上とも私といたしましては全力を傾倒いたして参りたい所存でございます。(拍手)
#20
○議長(堤康次郎君) 大蔵大臣小笠原三九郎君。
    〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
#21
○国務大臣(小笠原三九郎君) ただいま御決議の趣旨は十分これを尊重いたしまするが、ただ金融機関の中小企業に対する貸出しについて貸倒れ準備金の繰入れ率を引上げることにつきましては、私どもも中小企業向けの貸出しが一般企業向け貸出しに比較しまして貸倒れ率が高いことをよく承知いたしておりまするので、中小企業金融の疏通をはかる意味で、この貸倒れ準備金の繰入れ限度を変更するよう早急に実現をはかるために、目下具体案を作成中であります。
 その次に、金融引締め方策のことについてでありまするが、現在におきまして国庫余裕金の新規預託を行うということは適当でないと実は考えております。なお、現在商工中金、相互銀行及び信用金庫など、中小専門金融機関に対して預託しておる分については、分割して計画的に引揚げることになつておるのでありまするが、これが引揚げの延期については、御決議の趣旨を体しまして、金融引締めの基本方針に反しないよ方に配慮いたしつつ具体的措置を講ずる所存であります。
 なお、本年度における金融債の資金運用部の消化計画は御承知のごとく百九十億であつて、昨年度の三百億円に比較して総額は大幅に減つておることでもございまするので、しかもそれは、長期信用銀行、農林中央金庫等の発行にかかる金融債の引受をも縮減を余儀なくされておる事情等もありまするので、現在商工債券に対して予定しておりまする以上の割当を行うことは事実上困難ではないかと考えております。なお最善を尽すことにいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#22
○議長(堤康次郎君) お諮びいたします。参議院から、本院提出、自転車競技法等の臨時特例に関する法律案、内閣提出、臨時硫安需給安定法案、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案、企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案が回付されております。この際議事日程に追加して右回付案を逐次議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 右面付案を逐次議題といたします。
 自転車競技法等の臨時特例に関する法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#24
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
    ―――――――――――――
#26
○議長(堤康次郎君) 本案の参議院の修正に同意するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#28
○議長(堤康次郎君) 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案の参議院回付案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#29
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#30
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#31
○議長(堤康次郎君) 企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法案の参議院回付案を議題といたします。
#32
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#33
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。
     ――――◇―――――
#34
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、議院運営委員長提出、憲政功労年金法案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#35
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 憲政功労年金法案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員長菅家喜六君。
    〔菅家喜六君登壇〕
#37
○菅家喜六君 ただいま議題となりました憲政功労年金法案につき、提案の理由を御説明いたします。
 わが国議会政治の向上発展につき特に功労顕著な者に対しては、諸君すでに御承知の通り、第六十七帝国議会以来これが顕彰の道を開き、爾来今日に至るまで、永年在職議員に対しては院議をもつて表彰の決議をいたして参つたのであります。本院におきましては、さらに、さきの第十六回国会において、五十年以上在職した議員に対して特に名誉議員としての称号を贈ることの決議をしたほか、これら憲政の功労者に対しては何ら特別の顕彰の方法を講じておらないのであります。しかも、これらは、いずれも精神的な、形式的な表彰にすぎないのでありまして、多年におたり憲政の発達と民意の暢達に献身的の努力を傾倒して国政に専念された功労者に対して、国家として何ら報いるところの方途が講じられていないことは、民主議会政治の国家として、その発展を今後ますますこいねがうわが国として、まことに遺憾にたえないところであります。久しきにわたり、この功労者に対し何らかの方法を講ぜられたいとの要望は、きわめて多かつたのであります。しかも、ひとり文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に対しては、すでに第十回国会において、その顕彰方法として文化功労者年金制度が確立されたのでありますが、これらは主として学術、芸術その他文化の発達に関し貢献した者に対してのみに適用されるものでありまして、憲政の発達、議会政治の向上に尽律したる者を優遇するの制度ではないのであります。ここにおいて、今般、国会議員として五十年以上在職し、かつ憲政上特に功績顕著な者として衆議院または参議院の議決によつて表彰された者に対し、功労金として、終身、年額百万円を支給し、これを顕彰するの制度を確立しようとするのが、本法案の目的であります。
 しこうして、本法案は公布の日から施行することといたしてありますが、さきに衆議院において昭和二十七年二月十六日に尾崎行雄君に対してなした表彰の議決については、本法律による議決があつたものとし、但し、その功労年金については、本年度分からこれを支給することといたしたものであります。
 本法案は議院運営委員会において慎重審議の上起草いたしたものでありますから、何とぞ満場の御賛成を切望してやまない次第でございます。(拍手)
#38
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#40
○議長(堤康次郎君) 日程第二、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長久野忠治君。
    〔久野忠治君登壇〕
#41
○久野忠治君 ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 宅地建物取引業法は、昭和二十七年施行以来約二箇年に相なりますが、その実施の実情を顧みまするとき、この際若干の改正を加える必要を生ずるに至つたのであります。
 すなわち、その第一点は、登録手数料に関する規定の改正であります。現在の規定によりますと、当初の登録及び更新の登録ともに、その手数料は三千円以下ということになつておりますが、更新の登録は、当初の場合に比べてその手数を簡単でありますので、千五百円以下に引下げることが妥当だと考えるのであります。
 第二点は、都道府県に宅地建物取引業審議会を置くことができる旨の規定を加えたことであります。審議会は、現在地方自治法によりまして地方公共団体が自発的に置くことができるのでありますが、その設置を奨励する意味におきまして、本法中に審議会を置くことができる旨を明記し、業者の質の向上並びに取引に関する苦情等の処理に当らせようとするものであります。
 本法律案は昨五月二十八日本委員会に付託されたのでありますが、その立案にあたりましては、建設委員会住宅に関する小委員会におきまして慎重に審査されましたので、討論を省略して、ただちに採決いたしましたところ、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#42
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#44
○議長(堤康次郎君) 日程第三、精神衛生法の一部を改正する法律案、日程第四、覚せい剤取締法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事古屋菊男君。
    〔古屋菊男君登壇〕
#45
○古屋菊男君 ただいま議題となりました精神衛生法の一部を改正する法律案及び覚せい剤取締法の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず、精神衛生法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 御承知の通り、戦後覚醒剤、麻薬または阿片の濫用による慢性中毒者が多数発生し、その中毒のために心身を害し、ひいては精神障害者になりつつありますことは、国民の保健衛生上まことに重大な問題であると存ずるのであります。このような覚醒剤等の慢性中毒者の瀰漫の状況にかんがみ、その者に適正な医療を施す等の保護を加え、これらの者が精神障害者に陥ることなく、正常な生活にもどらしめようとするのが本案提出の理由であります。
 本法案の内容を申し上げますれば、まず第一に、慢性中毒者については、その症状とその特殊な事情により、精神病院に入院し治療せしむることが不可欠でありますが、国及び都道府県立精神病院が現状において非常に少い実情にかんがみ、非営利法人立の精神病院に対しても設置費及び運営費の一部を補助することができることとしたことであります。
 第二は、覚醒剤、麻薬及び阿片の慢性中毒者、またはその疑いのある者について、精神障害者に関する保護義務者、保護の申請及び通報、精神衛生鑑定医の診察、知事による入院措置、保護義務者の同意入院、入院者の行動制限、退院手続、訪問指導及び保護拘束等に関する規定を準用することによつて、慢性中毒者を入院せしめて医療及び保護を行わなければならない場合、知事が入院措置をとることができることとし、また保護義務者による同意入院の道を開き、さらに退院後は訪問指導を行う等、中毒者の医療及び保護等に関する措置を講じたことであります。
 覚醒剤の問題に関しては、本委員会においてきわめて熱心なる研究が行われて参つたのでありますが、その結果、各派共同による本法案の提出となつた次第であります。
 本法案は五月二十九日本委員会に付託せられ、同日提出者山口シヅエ君より提案理由の説明を聴取した後、ただちに審査に入り、質疑終了の後、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、覚せい剤取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 覚せい剤取締法は第十回国会で制定されましたものでありますが、本法施行鳳来の実績に徴しまするに、覚醒剤の濫用による弊害は一層はなはだしいものがあり、覚醒剤の常用者は百万ないし百五十万人であるといわれています。注意すべきことは、これらの常用者は、多く直接、間接に犯罪とつながりを持つものであり、かつ、その多くは次代の日本を背負うべき青少年であることであります。このような覚醒剤の濫用による弊害を防止するには、この弊害を各種の啓蒙運動により一般に周知させることも必要でありますが、現在一般に流通している覚醒剤が密造品であることからしまして、まず覚醒剤の密造を取去ることが必要であります。よつて、罰則の強化を中心として、取締法施行以来運用上に支障のある諸点を改正し、最近の状況に即応せんとしたのが、この法案提出の目的であります。
 本法のおもなる内容を御説明申し上げますれば、第一に、この法律の適用を受ける覚醒剤の範囲を拡張したことであります。第二は、罰則を強化し、密造、密売買、不法所持及び不法使用を行つた者は五年以下の懲役または十万円以下の罰金に処し、さらに、営利の目的で、または常習としてこれらの違法行為を行つた者は、七年以下の懲役に処し、なお情状により七年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処することとし、これらの場合において、犯人が所有しまたは所持する覚醒剤は没収することができることとしたことであります。第三は、覚醒剤研究者が、研究のため、厚生大臣の許可を受けた場合に限り、他人に対して覚醒剤を施用し、または覚醒剤を製造することができることとしたことであります。第四は、覚醒剤を保管し得る場所として覚醒剤保管営業所を認め、それに応じた覚醒剤の移動を認めたことであります。第五は、覚醒剤の廃棄について厳重な規定を設けたことであります。
 本法案は五月二十七日本委員会に予備審査のため付託せられ、二十八日本付託となり、提出者参議院議員高野一夫君より提案理由の説明を聴取した後、きわめて熱心なる審査が行われたのでありますが、二十九日質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由党を代表して松永委員、改進党を代表して古屋委員より、それぞれ希望を述べて賛成意見の開陳があつたのであります。
 なお、松永委員より次の附帯決議を付すべき旨の動議が提出されました。附帯決議を朗読いたします。
   附帯決議
  覚せい剤による慢性中毒が青少年等の心身を害しつつある現状にかんがみ、政府は覚せい剤の製造、施用等の禁止につき速かに万全の措置を講ずべきである。
 次いで採決に入りましたところ、全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたし、また附帯決議についても全会一致で付すべきものと決した次第でございます。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#46
○議長(堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#48
○議長(堤康次郎君) 日程第五、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案、日程第六、公認会計士法の一部を改正する法律案、日程第七、企業再建整備法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事淺香忠雄君。

    〔淺香忠雄君登壇〕
#49
○淺香忠雄君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、国有財産特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法案は、更生保護事業の健全な発達に資するため、公益法人たる更生保護会が更生保護事業施設の用に供するときは、国有財産の減額譲渡等ができることとしようとするものであります。すなわち、国有財産特別措置法におきましては、社会福祉事業等の施設の用に供する場合には、旧軍関係財産等の普通財産を、地方公共団体や社会福祉法人等に対して、時価から五割以内を減額した対価で譲渡すること等ができることになつております。しかして更生保護事業は、刑務所から釈放された者等を収容して、これを保護し、その指導を行い、そのすみやかな更生をはかろうとするものでありまして、この更生保護会に対して、社会福祉事業等の場合と同様、国有財産の減額譲渡ができることとするとともに、その譲渡代金の支払いにつきましても、十年以内の延納の特約等ができることといたそうとするものであります。
 本法案につきましては、片島委員より修正案が提出いたされました。修正案の要旨を申し上げますと、更生保護会のほかに、農業改良助長法により地方公共団体が経営している経営伝習農場につきましても、国有財産の減額譲渡等ができることといたそうとするものであります。
 本案は、審議の結果、一昨二十九日質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入りましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも起立総員をもつて可決され、よつて本案は修正議決いたされました。
 次に、公認会計士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法案は、公認会計士試験制度の確立をはかるために、この際、公認会計士となるには何人も第三次試験に合格しなければならないという原則を確立するとともに、特別公認会計士試験の受験資格者に対しまして、暫定的に従来の特別公認会計士試験にかわる制度を設けようとするものであります。すなわち、昭和二十九年七月三十一日までに特別公認会計士試験を受けることができる資格のある者に対し、第三次試験を受けるため必要な専門的学識を有するかどうかを判定するための検定を行うこととし、これに合格した者は、三年間の実務補習等の期間の経過を要しないで、ただちに第三次試験を受けることができることといたしております。
 本法案は参議院先議でありまして、参議院におきましては修正議決いたしております。修正の要旨を申し上げますと、検定の合格者を定める場合に、在職年数をしんしやくして定めることができることとし、また特定の者につきましては、検定を免除して、ただちに第三次試験を受けることができることといたしたのであります。
 本案は、一昨二十九日質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入りましたところ、起立総員をもつて本案は原案の通り可決いたしました。
 次に、企業再建整備法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法案は、仮勘定のある特別経理会社につきまして、再建整備の最終的処理を促進するため、資産処分をすみやかに完了せしめ、一定期日における仮勘定利益の分配を行わせるとともに、仮勘定を閉鎖する道を開く等の措置を講じようとするものであります。
 その内容は、まず第一に、仮勘定を有する特別経理会社の仮勘定監理人の選任について規定し、第二に、資産処分等を促進するために、昭和三十年九月三十日までにその処分等を完了するよう努めさせることとし、第三に、仮勘定利益の中間分配について規定し、第四に、仮勘定指定の特例に関して規定し、第五に、解散会社に関する特別措置について規定いたしております。解散した特別経理会社の場合に、資産処分等を完了したにもかかわらず、金融機関からの調整勘定または他の特別経理会社からの仮勘定の利益の分配を受ける権利があるために仮勘定が確定しないときは、その受益権を譲渡することができることとし、また在外資産及び在外負債を有する場合には、主務大臣が指定する在外負債の引当て金額に相当する金銭及び在外資産の管理を主務大臣の指定する特殊管財人に委託して仮勘定を閉鎖することができることとし、これらの方法によりまして仮勘定を確定し得る道を開いております。
 本法案に関しましては、内藤委員より修正案が提出されました。修正案の要旨は、原案におきましては、原則として一旦退任した清算人が後日主務大臣の指定する日において再び清算人となることとなつておりますが、これを修正いたしまして、利害関係人の請求により清算人を選任することといたしたのであります。
 本法案は、一昨二十九日質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入りましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも起立総員をもつて可決され、よつて本案は修正議決いたされました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#50
○議長(堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。日程第六の委員長の報告は可決でありますが、その他の二案の委員長の報告は修正であります。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
#52
○荒舩清十郎君 残余の日程は延期し、明後六月二日定刻より特に本会議を開くこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
#53
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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