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1947/06/05 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第19号
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1947/06/05 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 決算委員会 第19号

#1
第002回国会 決算委員会 第19号
昭和二十三年六月五日(土曜日)
   午前十時四十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十一年度歳入歳出總決算(内
 閣提出)
○昭和二十一年度特別會計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○特殊財産資金歳入歳出決算(内閣提
 出)
 (大藏省・司法省・文部省所管)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(下條康麿君) それでは決算委員會を開きます。事務総長の御説明が殘つておりますから續けて頂きます。
#3
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) 昨日の專賣局の自給製鹽の補助につきましての檢査報告の御説明を繼續をさせて頂きたいと思います。
 檢査報告の九十頁の日本鹽業株式會社に對する自給製鹽の補助、それについての御説明の中、(B)について御説明を終つたわけであります、(C)の方は檢査院の意見と政府の意見が一致しておるのであります。(D)でありますが、(D)は書類の方では、日進商工社から購入したというふうにしたためであるのでありまするが、調査いたしますると、やはり事實はそうではないのでありまして、專賣局が現在ではありませんが將來拂い下げを受くべき東京都の特殊物件が借りてあるわけでありまするが、それを五臺を想定されまして、一應の補助を目安にしておられるのでありますが、東京都からの特殊物件ということだけから見ますと、現に拂い下げを受けていない、將來拂い下げを受くべきものというようなものは、補助の對象には、大體どこでもなつていないのでありまして、そういう意味においては、補助の對象にしてはならんものであります。尚調べて見ますると、百二十馬力のモーターは、五臺でなくて二臺あればよろしいような説明にもなつております。而も二臺となると、新品としても、計算の當時におきますと、九萬圓なにがしということになるのでありまするし、かたがたそう購入していないのでありますから、これを補助の對象にすることは適當でないと思うのであります。尚書類面から見まする日進商工社への支拂いは、東京都からの拂い受けができない場合の、何といいますか、見返りといいますか、として、將來入手するかも分らないということを想定して、日進商工社に五臺分二十七萬圓を拂つておるというのでありまするが、これは全然入手していないのでありますから、日進商工社だけの關係から行きましても将來のことでありまするから、補助の對象にしてはならんものだと考えるのであります。(E)につきましては、大體政府も會計檢査院と所見を同じくしておられるようでありますから説明を省きたいと思います。
 九十一頁の妙高企業株式會社に對する補助であります。妙高企業株式會社と申しますると、拂込資本金が三百五十萬圓でありますが、三百五十萬圓の拂込資本金の會社で一億七千二百萬圓の大きな製鹽工事をするというのでありまして、なかなか力に余る工事が施工されておるわけでありまする。この妙高に關しまする一億七千二百萬圓に對する補助金は九千五百八十九萬圓に上つておるわけでありまするが、これについては尚會計檢査院で檢査を續行いたしておるのでありまする。その妙高企業に對する補助の對象になつておるものの中、よろしくないように思つておるもの二、三がここに掲げてありまするので、それについて御説明いたしたいと思います。
 この九十一頁の一に掲げてありまする防府工場の設備査定としまして五千九百萬圓、その中三千三百萬圓が出ておりますが、更にその中のせんごう設備の汽罐部に計上をしてありますバフコツク罐四基でありますが、五百萬圓が元陸軍燃料廠の防府の出張所の國有財産を廣島財務局から一時使用を受けておるわけでありまする。これは先程百二十馬力モーターのところで申しましたように、やはり將來拂下を受くべきものというのに過ぎないのでありまするから、まあ金額と申しますとやはりこれは補助の對象にすべきではないということが言えるわけでございます。又これを本當に買うことになるのかどうかということでありまするが、どうもこれはまだ廣島財務局が管理しておる財産でありまして、その點ははつきり決つていないようでもありますし、假に會計檢査院が廣島財務局に、檢査いたしまして、賣るものとすればどのくらいの値段で賣るつもりであるかと申しますると、只今の値段にいたしまして大體四基で合計七十萬圓ということを言つておるのでありまして、若しこれを拂下げるとしましてもいろいろ計算をいたしておりますが、七十萬圓くらいで拂下げるということになると思うのでありますが、それを五百萬圓として會社の申出をそのまま認められて、補助の對象にされたのは、少し補助の對象としてもよろしいとしましても、甚だしく過大な見積であるというふうに考えるのであります。
 (2)の西戸崎工場でありますが、その中に九十二頁にございまするが、(イ)の採かん設備と(口)の石炭ボイラーの眞空式設備というのがございますが、(口)の點は會計檢査院と同じ御意見でありまするので、説明を省きます。(イ)の點の採かん設備でありますが、最高設備というのを決めておらるるのでありまして當局がお決めになりましたる採かん設備の最高金額というものを一應是認いたしまして見ますると、この場合におきましては採かん設備は最高千五百萬圓というのであるのに、これは二千四百萬圓もかかつておつたというので、無論最高設備よりも設備費といいますか、最高の標準よりも多少上つておりましても、その點は見て置くべきだと存ずるのでありますが、かように著しく最高限度を超えておるというのは、會計檢査院として是認することができないのであります。同じ西戸崎の工場にいたしましても、附帶設備とか或いは電氣設備といいますと、やはり最高設備費を超えておるのでありまするけれども、これは多少超えておるという程度でありますので、その點は認めて貰つておるのであります。
 次に九十二頁の指宿の工場でありますが、その中に一號鹽田の點、終りから三行目にありますが、一號鹽田の點は大體會計檢査院と專賣局と所見を同じくいたしておりまするので説明を省きます。
 次に八號、九號の鹽田の點でありまするが、これは入濱式の鹽田を促進するつもりであつたのが、期日までにできなかつたというので地面をならした程度になつておるのでありますが、これの工事費六十七萬五千圓を補助の對象にしておられるのでありまするが、これはできていないのでありますから、補助の對象にはすべきではないのでありますが、それを專賣局では蒸發地として使えばよいのじやないかということを言つておるのでありますが、内地で蒸發地を持つておる所はありませんし、尚薩南の地におきましては温度も内地と言いますか、中國、東京あたりよりは高い點はありましようが、併しながら非常に降雨量が多いのでありまして、殆んどこれを蒸發地として使うのをも、專賣局は極めて有效なりと仰せになるのでありますが、殆んどと言いますか、大して有效なものではないように思われますので、これらをこの對象にするのはやはり少し行き過ぎではないかというふうに考えられるのであります。
 これで自給製鹽の補助に關する説明を終りたいと思いますが、尚自給製鹽については昨日も御説明をいたしましたように非常に大きな問題でありまして、十数億に上る補助額でありますし、幾多の問題を包藏しておるようにも考えられますので、會計檢査院におきましてもこれは檢査上最も愼重を要するものと認めまして、各地に派出官を派しておるわけでありますが、それでも尚納得がいかないというので、二十一年度の補助額の四億圓は確認で、檢査を終らないという態勢に置いてあることを附加えて御説明をいたして置きたいと思います。
#4
○委員長(下條康麿君) 大藏省所管の特別會計について御質疑はございませんか。
#5
○深川タマヱ君 最後の御説明でありますけれども、製鹽の方では大變不正が行われておるようですが、中四億圓の金の出場所がはつきり分らないので調査が御困難なようですが、どういうようなことが隘路になつておつてお調べにくいのでしようか。
#6
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) お答えいたします。四億九千三百萬圓を未確認にいたしておるのでありますが、その中一億三千二百萬圓は質問書を發しまして、まだ回答に接していないというのであります。跡の約三億圓餘りは證明は來ておりましても、これが不十分でありましたので、更に實地について關連的に詳細に調査をする必要がありまして、目下調査を続行しておるような次第でございます。
#7
○委員長(下條康麿君) 外に御質疑がなければ大藏省は一應濟んだことにいたしまして、一昨日内務省關係で、北海道廳の東京都における寮の問題について、その説明が殘つておりますからどうぞ。
#8
○政府委員(齋藤常勝君) 一昨日山下委員から御質問のございました内務省關係の批難事項の第一、北海道廳の建物の中で、東京澁谷にございます建物について、現在どのように使用されておるかという御質問に對しましてお答えいたします。建物は三つございますが、一昨日簡單に申上げました通り、いずれも事務所兼宿泊所として使用いたしておるものであります。即ち北海道廳の職員が各般の事務、特に開拓關係が多いのでありますけれども、豫算でありますとか、或いは公共事業の認證でありますとかいう關係で、直接中央の各省と折衝をいたさなければならん。そのために上京いたしましたときに、その職員が宿泊をいたしまして、且つそこで事務を取るということになつております。現在これらの職員がどのくらい上京して參りますかということを御參考までに申上げますと、大體毎月延べにいたしまして約千五百人、多いときで二千人近くなるのであります。これらの外に、長期に滯在しておりまするものが約三十人、それから事務所に所屬する專任の職員が約三十人宿泊しておるのであります。これらの北海道廳関係の職員が宿泊をして、同時にそこで中央との折衝の結果生じて參りましたいろいろの事務を處理するというために、その建物を使用しておるわけであります。以上のような次第でございまするので、現在の使用状況につきましては、一應前に御説明申上げました通り、事務所兼宿泊所として十分に活用しておるわけであります。簡單でございますがお答えいたします。
#9
○山下義信君 私前囘調査をお願いしておきましたのを忘れましたので、改めて今一度御調査を願いたい。この土地建物、東京の三ケ所の前所有主の氏名を御報告願いたい。買收以前の所有主の氏名を報告して頂きたい。委員長にお願いいたしますが、このことにつきまして農林省關係のところで質疑いたしてもよろしいのでございますが、便宜の時機に農林省當局の出席を求めたいと存じますので、お手續を願いたいと思います。
#10
○委員長(下條康麿君) それでは司法省の決算に移ります。
#11
○山下義信君 議事の進行につきましてちよつと伺うのでございますが、大藏省所管の一般會計、特別會計通じまして、尚質疑の機會がございますでしようか、もう質疑の機會はないのでございますか。終了いたしましたのでございますか。
#12
○委員長(下條康麿君) お答えしますが、一應通つただけです。それから例の特殊物件は全然あと廻しにするのです。
#13
○山下義信君 ああそうですか。
#14
○委員長(下條康麿君) 又御質疑があればいつでも便宜の機會にお申出頂いて結構でございます。豫定がありまして大體ひとわたり濟ましたいと思つております。
#15
○政府委員(岡原昌男君) 法務廳の會計課長であります。昭和二十一年度の司法省所管の經費決算の大要を御説明申上げたいと思います。ただ最初にちよつとお断り申しておかなければなりませんのは、昨年五月三日を以ちまして司法省と裁判所とが分離いたしまして、會計の關係も分離したわけであります。その後本年二月十五日におきまして法務廳が誕生いたしました關係上、從來の司法省の所管の事務は、一應内務省法制局その他の事務と共に法務廳が引繼いだような形になつておりますので、さような關係から、二十一年度の司法省所管の決算につきましても併せて私の方から御説明申上げるのが妥當かと存じまして、ここに併せて御説明申上げる次第であります。昭和二十一年度の司法省所管の經費豫算額は、經常部におきまして一億六百二十七萬三千百六十一圓、臨時部は二億五千八百十四萬六千七百四十一圓、合計三億六千四百四十一萬九千九百二圓でございます。豫算決定後に増加いたしましたものは、經常部におきまして九千八百二千圓、臨時部におきまして八千六百五十一萬五百十一圓、合計一億七千六百五十九萬二千五百十一圓となつております。これを合計いたしますと、經常部一億九千六百三十五萬五千百大十一圓、臨時部三億四千四百六十五萬七千二百五十二圓、合計五億四千百一萬二千四百十三圓でございます。右の豫算決定後に増加いたしましたものは、内譯いたしますと、前年度より繰越した金額二百六萬七千八百十六圓、豫備金におきまして、第一豫備金の支出が九千四百五十二萬圓、第二豫備金の支出が一千七十九萬八千圓、合計一億五百三十一萬八千圓、經濟安定費の支出が六千九百二十萬六千六百九十五圓、これを總計いたしますと、先程申上げました一億七千六百五十九萬二千五百十一圓となるのでございます。右の第一豫備金支出に係る重要な經費を擧げますと、刑政收容費等でございます。第二豫備金支出に係る重要な經費を擧げますと、裁判所建物、その他災害復舊費及び司法警察官設置準備費等でございます。尚經濟安定費支出に係る重要な經費は災害對策費等であります。
 次に支出濟額及び不用額について御説明申上げますと、昭和二十一年度司法省所管經費の支出濟額は、經常部におきまして一億九千四百七十二萬三千三百九十四圓九十七銭、臨時部は三億二千五百六十三萬五千二百五十圓五十八銭合計五億二千三十五萬八千六百四十五圓五十五銭でございます。これを豫算の現額に比べますと、經常部百六十三萬一千七百六十六圓三銭、臨時部一千九百二萬二千一圓四十二銭、合計二千六十五萬三千七百六十七圓四十五銭を減少いたしております。右の減少額は全く不用となりました金額でありまして、豫定の費額までを要しなかつたためでございます。
 以上経費決算の大要でございますが、御審議の上御承認あらんことをお願いいたす次第でございます。
 次に今まで申上げました決算に關し、會計檢査院からの檢査報告に擧げられました批難事項について申上げたいと存じます。
 昭和二十一年度の決算に對する會計檢査院の批難事項は、施行經費の年度區分を紊つたもの、歳出臨時部第一款一般費、第三項災害對策費において五件、歳出臨時部第一款一般費第五項神戸拘置所及びその他新營及び修繕費において一件、施行物品の經理よろしきを得ないもの一件、合計七件でございます。先ず經費の年度區分を紊つて違法と認められたものについて申上げます。先ず第一は和歌山地方裁判所の復舊工事及び官舎新築工事に關するものであります。會計檢査院の批難の要旨は、第一建設株式會社に請負わしました復舊工事及び官舎新築工事は、昭和二十二年七月會計實地檢査の際に、工事はまだ竣工していなかつたに拘わらず、請負代金の全額が請負人に交付濟みであるという點でございます。
 本件は昭和二十一年の八月十四日に契約いたし、年度末現在では工事の九五%程度進捗しまして近く竣工する見込みが十分ありましたし、又請負人からも責任を以て竣工するとの申出がありましたので、豫算の繰越も容易でない關係もあり、経費の支出手續を濟ませて、工事の竣工を急がしたのでございますが、その後資材及び勞務の行詰りのために遲延いたしました次第でございます。尚本工事は昭和二十二年の十二月初旬に至つて初めて完成いたしております。
 次に本件の工事用木材についての批難の要旨は、和歌山地方木材株式會社に對して昭和二十一年三月十五日に請負わしました木材の代金を、年度内に、完納しないにも拘わらず、完納したものとして代金を交付し、その請負代金百萬一千圓の内七十萬圓を提出させ官において保管して置いた點でございます。この七十萬圓は木材納入の保證金の意味で提出されておるのであります。その納入量によつて交付する考えでおりましたところ、大部分の納入はありましたが、結局若干量については完納の見込がつきませんので、會計檢査院の指示に從いまして、合意で契約を解除し、その残量に相當する金額はすべて歳入編入の手續をとつた次第でございます。第二は廣島控訴院施行の官舎新築工事等に關するものでございます。批難の要旨は、株式會社藤田組に昭和二十一年十一月一日に請け負わせた、同控訴院雇傭人官舎新築工事及び日本電話設備株式會會社に、昭和二十二年三月二日に請負わせた同控訴院電話交換設備工事は、いずれも年度内に完成しないに拘わらず完成したものとして本年度の豫算から全額支出したという點であります。
 雇傭人官舎新築工事は、昭和二十二年度に施行豫定の廳舎前面に建築します關係上、廳舎工事の妨害となりますために、木組その他の準備をいたし、特に著工を見合わしておりましたところ、更に天候不良その他の悪條件に阻まれて工事が遲延いたしました次第であります。尚本工事は昭和二十二年八月二十日に完成いたしております。
 電話交換設備工事は、當時資材難等のため、遲延を重ねましたが、その後係員を督勵いたしました結果、昭和二十二年八月二十八日に全部完成いたしております。
 第三は福井地方裁判所復舊工事等に關するものでございます。批難の要旨は昭和二十二年一月十日山田某に請負わせた同裁判所及び官舎復舊施設附帶工事に並びに昭和二十一年九月二日日本電話設備株式會社に請負わせた廳内電話交換設備工事が年度内に完成していないに拘わらず、完成したものとして請負代金全額を支出したこと、又株式會社熊谷組に請負わせた廳合及び官舎の戦災復舊工事は豫算が認められていないにも拘らず、工事を契約したという點でございます。
 先ず山田某に請負わせた廳舎及び官舎復舊工事は當時のいろいろな經濟事情のため資材が圓滑に廻らず、又勞務者が思うように働かず、結局期日に間に合わなかつたものでございますが、近く完成の見込が立つたのと、一方豫算の繰越が認められなかつたために、止むを得ず工事完成前に支拂手續を取つた次第でありますが、その後係官を督勵した結果、昭和二十二年九月全部完成いたしました。
 次に日本電話設備會社に請負わせた電話交換設備工事は設備資材の値上りのため入手困難に陷り、年度内に竣工しなかつたのでございますが、年度末において工事完成に必要な資材の入手見込がつきましたということで、二十一年度決算に整理した次第であります。本工事の完成は昭和二十二年八月二十一日でございます。
 次に熊谷組に請負わせた廳舎及び官舎の戰災復舊工事は寒冷期に入ると工事の施行が困難となるので至急著手したいと要求して參りましたが、本省においては豫算の見込が困難のため、一時その認可を見合わせたのであります。その後本省として豫算の見通しがつきましたので、昭和二十年十二月三十日電報で工事認可の内示を取計らつたのであります。福井裁判所においては、右の内示に基いて昭和二十一年二月十八日、株式會社熊谷組と請負契約を締結するに至つたのでありますが、いよいよ豫算の内示を受けてみると、七十萬圓の少額に査定されておつたのであります。ところがこれに對して司法省としては、當時大藏省が昭和二十年度緊急對策費は翌年度繰越を認めない方針を堅持していたことと、一方現地における工事がその頃には僅か二十五、六%程度しか進行しない状況であつたので、止むなく右大藏省の査定を認めたのであります。そうして司法省としては昭和二十年度分は同年度末までに現實に工事進捗し支拂をなし得べき限度の費用を配賦し、残餘は昭和二十一年度分として後日配賦する豫定の下に昭和二十年度分として七十萬圓を令達したのであります。從つて昭和二十年度餘算としては、右七十萬圓でありまして、同年度の契約としては右七十萬圓相應する範囲の契約に改定し、残餘の工事について昭和二十一年度分の契約として昭和二十一年度豫算確定後締結すべきものなのでありますが、その間における餘算の年度區分についての関係が本省と現地との間に連絡不十分なため、右ようの始末となつたことは誠に遺憾に存ずるのでございます。
 第四は廣島刑務所關係素材の購入並びに運搬契約に關するものであります。批難の要旨は、廣島刑務所が山陽研究作業組合廣島支部と昭和二十一年十二月一日杉素材購入契約をなし、その素材の運搬に對し日本通運株式會社と運送契約をしましたが、これらはいずれも年度内納入運搬の事實がなかつたにも拘わらず、代金の全額を支拂つたという點であります。當時闇建築のため木材は殊の外拂底し價格も高騰しておりましたので、單に購入契約のみで代金前渡しをしないときは契約解除となる虞れもありましたので、一先ず支拂の手續を取つた次第であります。その後極力努力しました結果、昭和二十二年十二月八日全部納入運搬は完了いたしました。
 第五は名古屋控訴院の官舎新營工事に關するものであります。批難の要旨は同控訴院が昭和二十一年十一月六日本土木株式會社に請負わせた院長官舎新營工事は、年度内に一部著手したのみであつたにも拘わらず、年度内に完成したものとして二十一年度の餘算から支出したという點であります。右の院長官舎新營工事は、昭和二十一年十一月六日本土木株式會社と契約したところ、別に昭和二十二年度において應接室新築等の工事を十五萬圓で施行することが確定的でございましたが、工事の實施上應接室の工事著手を翌年度に廻すということは不可能であります関係上、同一工事として並行實施した次第でございます。右工事代金第一期契約分四十萬圓は、昭和二十一年度末において工事完了せられざるに拘わらず、全額支拂濟みでありますが、これは年度末において近く工事の竣工を豫定されておつたのと、豫算繰越が手續上種々の困難を豫想されたためでありました。尚本工事は第一期、第二期契約を合せ昭和二十二年の七月十三日に完了しております。
 第六は神戸拘置所舎房その他新築工事に關するものであります。批難の要旨は、昭和二十一年十一月十一日株式會社本多組に請負わせた前記工事は、年度末現在の出來高は七割程度であつたに拘わらず、年度内に完成したものとして全額支拂をしたという點であります。本工事は必ず年度内に完成するように周到な計畫を樹立いたし、大體豫定通り進捗してきたのでございますが、その後数次に亙る物價の高騰に起因し、勞務者及び資材の獲得に多大の支障を生じ當初豫定の年度内竣工が不可能となりましたが、本工事費の翌年度繰越も認められぬために、止むなく年度内に完成したものとみなして處理したものであります。尚右工事は昭和二十二年十月三十日無事完成いたしました。
 以上が年度分を紊つたものでございますが、次に物品の經理よろしきを得なかつた點の會計檢査院の批難事項に關し御説明をいたします。
 會計檢査院の批難の要旨は、要するに物品の處理不良で亂雜を極め、又物品出納簿の記帳整理も甚しく不備で、現品との對照もできない状況で、亡失物品についでも檢察廳の取調又は裁判所の判決によつて、漸くその事實が判明確定したような事例があり、物品の經理宜よろしきを得ないというのでございます。
 その一は靜岡刑務所の盗難事件でありますが、これは同刑務所の職員が囚人と共謀の上同刑務所保管の布類十五反その他の物品を持出して賣却した事件であります。事件發覺後犯人が所持していた物品は返還させ、その他の物品は現金で全部辨償させました。
 その二は京都刑務所の木製荷造箱の紛失の件でございます。この木製荷造箱七千五百個につきましては、檢察當局において捜査の結果、部内職員が賣却横領したことが判明いたし、目下起訴公判中でございます。
 その三は大阪拘置所の物品亡失の事件であります。これは同拘置所の職員等が自己の職務を利用して、木綿生地類を古俵に詰め不用品なるがごとく僞装して、その囚人をして持出さしめ、囚人にはその謝禮として賣却代金の一部を渡した件であります。右の犯行を敢てした職員等に對しましては、公判請求の手續を取り、昨年十二月中に有罪判決がありました次第であります。尚本件盗難物品につきましては、時價に見積つて辨濟させた次第であります。
 尚靜岡刑務所の經理よろしからざる點に關連し、會計檢査院は同刑務所の長網式抄紙機械設備工事の契約に關し不當の點ありと言及しておられますが、その批難の要旨は要するに、昭和二十一年度においては豫算の範圍内において右機械の一部修理の契約をなしながら、翌年度豫算を當てにして全部の修理に著手したのは、會計法上當を得ないということであります。實は當時非常に用紙が拂底していたため、一刻も早く製紙の機械を修理いたしたいと思い、修理に著手したのでありますが、機械の構造上一部を修理して他を分離するということが困難な状態でありましたので止むを得ずかような處置を取り、昭和二十二年度において殘り全部の修理契約を締結した次第でございます。修理の完成は昭和二十三年三月三十一日と相成つております。
 以上申上げました諸件につきましては、當局といたしましては誠に遺憾に堪えないところでございます。當時終戰後の混飢に伴う事務能率の低下、經濟界の沈滯及びその後の物價の急騰による資材の入手難、その他輸送力及び勞力の不足などすべての悪條件の累積に禍いされまして、關係官及び業者の懸命なる努力にも拘わらず、遂に萬止むを得ず取りました方策とは申しながら、會計年度を紊つたという點並びに物品の經理がよろしくなかつたために物品の亡失を來した點につきましては、誠に申譯ないと存ずる次第でございます。當時の關係者に對しましては、部内職員に對しては再びかかる失態を繰返さないように嚴重なる注意を與えると共に、それぞれ部下關係者に十分戒告を與えるように通牒いたしたような次第でございます。將來もかような點につきましては十分留意監督して行きたいと考えておる次第でございます。
 これを以ちまして昭和二十一年度の決算に關する會計檢査院の批難事項についての説明を終了することといたします。
#16
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) 只今の法務廳政府委員の御説明がありました事項につきまして、簡單に申上げたいと思います。
 元司法省所管の關係につきましての批難事項は九件あるのでありまして、數え方によれば十件ともなるのでありますが、その中大部分は只今詳しく御説明になりましたごとく、違法の事項でありまするところの年度を聞違えて支出されたという事項であります。その一は九十七頁の和歌山地方裁判所の件であります。その二は九十八頁にありまする廣島控訴院の件であります。その三は同じく九十八頁の福井地方裁判所の件であります。その四は九十九頁の廣島刑務所の件であります。尚その五は百頁の三行目あたりに書いてありますところの、作業組合の西條支部に拂いましたところの、松素材の關係であります。その六が百頁にありまする名古屋控訴院の件であります。その七は同じく百頁にあります神戸拘置所の件であります。合計七件に上つておるような次第であります。かように年度違いを起しておやりになるということには、只今御説明がありましたように、いろいろ事情はおありと思うのでありまして、他にこういつた例はないかと申しますると、この年度違いをするというのは非常に多いのでありまして、會計檢査院が取上げました本年度の檢査報告だけでもこの他にもあると考えておりまするが、申しますると、大藏省のところで一件、司法省のところで七件、文部省で一件、厚生省で二件、合計十五件ということになつておるのでありまして、年度を違えた違法の支出が十五件に上つておるのであります。これは一昨日かも御説明いたしましたように、いろいろな御事情はあるのでありまするが、只今も御説明がありましたが、繰越が非常に窮屈である。場合によるとこのものは繰越してはならないという條件が附くのであります。而もその支拂豫算は年度末頃に行くことが多いのであります。年度が迫つた二月、一月頃にやりまして、而も大きな工事をするというのに、繰越してはならない。これは一年度限りでありますから、繰越でなく三月三十一日までやれということでありますが、その配付豫算そのものが無理なのでありまして、かようなことは政府におかれましても、よく今後考慮いたされまして、豫算の繰越というものについてもう少しお考えを願いまして、早目に繰越の承認をするとか、或いは繰越についての實行當局から大藏省へ出しまするところの繰越承認の手續をもう少し早く出さすようにする、よつて以てこの虚偽の證明をする……、虚僞でありますから、できないのをできたというのは虚僞の證明でありまするから、こういうことのないようにこれは年々歳々あることでありますから、十分に御考慮を願いたいと存ずるのであります。
 その外に百一頁に掲げてございまする物品の經理はよろしきを得ないという件でありますが、大體この政府の會計經理の様子を見ますると、金銭會計というものは非常に神經に過敏になるという程度に正確を期すべくやつておられるのでありまするが、事、物品になりますと、どうも言葉を多少荒つぽく申しますと、ルーズという感じがするのであります。ひとり司法省關係の刑務所が悪いというのではなくて、一般的に物品の經理はどうも引締なくてはならんのではないかというふうに考えるのでありまして、ここに掲げました例は靜岡、京都の兩刑務所及び大阪の拘置所に關する件でありまするが、これらのものは物品の經理としては甚だよろしくないように考えられるのであります。當局におかれましては、この物品の件竝びに先程の年度違いの件に關しましても、今後十分注意する、責任者は處分したというようなことでございまして、この點が悪かつたということについては、會計檢査院と所見を同じくしておられるようであります。
 尚只今御説明になかつたのでありまするが、元司法省の關係としましては、この檢査報告の三十五頁の終り頃に書いてあるのでありまするが、登録税の賦課徴收に當つて措置當を得ないというのでありまするが、從來この登録税というものは非常に課税標準が安過ぎた、というのはこれはどなたでも感ぜられるのでありますが、よく調べて見ますると、二十一年度におきましても、課税標準が非常に低い……。
#17
○山下義信君 今司法省だろう……。
#18
○會計檢査員事務総長(東谷傳次郎君) 元司法省でございます。只今では法務廳の關係でございます。課税標準の價格が概ね賃貸價格の十倍乃至十五倍の程度でやつておられるのでありまするが、最近の財産税あたりの例によりますると、その半分に達しないというような状況でありまして、登録税の課税標準が低きに失するというふうに考えておるのであります。この點もどうも政府當局は會計檢査院と大體所見を同じくして、將來善處するというふうになつておりまするので、これ以上は御説明を省きたいと思います。
 尚その外に五十六頁でありますが、これは御紹介に止めて置くわけでありまするが、五十六頁の刑務所物品、刑務所製品の賣拂に當り、物品税を加算しなかつたものというのが一件ございますが、これも是正の途を講じておられるのでありますので、それについて取り立てては申上げることを避けたいと思います
 尚元司法省の關係におきましては、未確認事項も非常に少いのでありまして、二百萬圓餘りが未確認ということに相成つておるのであります。
#19
○委員長(下條康麿君) お尋ねはございませんか。
#20
○山下義信君 私共は決算委員という役目でございまするから、お許しを願いたいと思います。法務廳にお尋ねいたします。法務廳は元來法規ということに對しての本山である。その法務廳にかくのごとく會計法に違反するような事項が澤山あるということは甚だよろしくないと考えます。法務廳の當局がそれに對してどう考えておられますか。
#21
○政府委員(岡原昌男君) 只今お話のありましたごとく、私共といたしましては、全く法律の番人のようなつもりでおりますので、かような會計法上の違法な事實が數多く現れたということにつきましては、誠に遺憾に考えるところと存ずるのでございます。從いまして、私共といたしましては、各關係部局に對し、かような過誤を再び繰返されないようにと度々戒告もいたしておつたのでございます。ただ二十一年度の非常に戰後の混亂状況があつたのと、もう一つは當時若干會計に馴れない者があつたために、かようなことになつたじやないかと思うのでございます、これは辯解にはなりませんので、私共としては引續き會計法規の嚴守につきまして、きつく戒告をして行きたいと思つておる次第でございます。
#22
○山下義信君 二十二年度には少くとも法務廳には一件も違法事件のないようにして頂きたいと思います。お尋ねいたしますが、靜岡なり、その他刑務所の物品が亡失いたしており、これらの會計檢査院へのお届けはできておりますか。
#23
○政府委員(岡原昌男君) その當時それぞれ御報告申上げてございます。
#24
○山下義信君 この法務廳の、即ち舊司法省の違法關係は年度の區分を紊つたのが多いのでありまして、その理由は、即ち繰越金にしていくことの、その處置がいろいろと困難なことがあるのでということであります。これは檢査院の報告の中にもその點に觸れられて、只今の御説明もあつたのでありますが、今後共法務廳のみではない。いろいろ建築というようなこと、その他諸般の情勢上繰越しせざるを得ないような點は、各省に亙つて私はあると思うのであります。その檢査院の報告にもその點が觸れてありまして、繰越を認めることを嚴重にすればこうなる、それを弛くすればこうなるということが指摘されておる、どうすればよいと考えられまするか、檢査院當局の御所見竝びに繰越金を認める、認めんについての基準、或いはそれに對する處置は、どうすればこういう違法なことが起きんようになるか、大藏省はどういう研究をしておられるか。檢査院と大藏省の所見を私はこの機會に伺いたいと思います。
#25
○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。只今檢査院の方からもお話がございまして、繰越の承認につきましてはいろいろの實は問題がございます。ただこういう時勢でございますからして、繰越というものはどうしても避けがたいことが多いのでございますが、第一に豫算を編成いたしますときに、繰越の明許を取る途が一つ開かれております。そこで繰越明許の方法をできるだけ取る。豫め豫想できるということが一つあります。それからして大體事業の實情を見ました際に、これが必ず繰越になるという場合には、もつと早くこの繰越の手續を本來なすべきものであります。然るに實際上は、各省といたしましてもなかなか、その認定、決定の決斷を下すのが主管者として無理もないことでありますが、困難なことがありますので、自然承認要求が遲れて參ります。極端な例で申しますと、三月の一番末より更に遲れるというような實情にあるのでございます。これはまあ一面には、できるだけ當局者としては最後まで繰越をしたくないという氣持から出る止むを得ない實情もあるかと思いますので、長い間のそういうような慣例が積つて來ておるのでありまして、私共も遺憾であるというふうに考えております。これにつきましてはもつと早く繰越の承認手續を要求されるということをできるだけやるように、今後是正改善して行きたいと實は常々考えておりまして、目下どういうふうにしたらそれでうまく行くかということも研究いたしております。大體繰越の承認手續が非常に弛くなりますときに、これは勿論會計法上の精神より言いましてよくないことは明瞭でございます。尚承認手續が嚴であるときというお話がございましたが、これは必ずしも意味がはつきり私も分らないのでございます。つまり繰越というものは必ず承認しなければならんものではないのでありまして、事情の諒とすべきものはこれを承認しなければならん、從つて私共の立場といたしましては、むしろ嚴重にこれを審査するということは當然なことであるというふうな考えを持つておるわけであります。問題は豫算の執行に關しまして、趣旨の十分に徹底しておらんというような場合があるためにこういう事態が起つて來るのでありまして、私共も遺憾に感じておりますが、今後こういうことのできるだけないようにと、こう考えを常々持つております。
○會計檢査院事務総長(東谷傳次郎君)
 只今御質問がございましたのでお答えいたします。これは先程も御指摘でございますし、會計檢査院も檢査報告の繰越の承認に當つては、考慮の豫地があるというふうに意見を述べておるのでありますが、それならばどうしたらよろしいかということでございますが、私一個の考えでありますが、只今も政府當局から御説明があつたのでございますが、豫算には豫算を組む際に會計法上許されました繰越明許という制度がございますので、先ず繰越さなければならないものと豫想されるものは、繰越明許で行くということが最も妥當だと思うのであります。
 その次が事故繰越でありますが、問題は事故繰越にあるのであります。こういう際になりますと、いろいろな意味において事故が起きるのであります。資材の面において起き、或いは豫算の面において、これは事故が起きるのであります。いよいよ工事をやりまして、そうして三月に至りましたときには、實行者は速かにこれが三月三十一日までで、できるかできないかぐらいは、會計檢査院だけの立場で申しますれば、これは實行者が見れば分りそうなものに私は思うのであります。でありますが故に、實行當局から繰越の承認の手續をすることは、三月末日、若しくは四月のぎりぎりの初め頃に大藏當局に出すということでなくてはならんと思うし、そのことは私は必ずできることであるし、しなければならないことだと考えておるのであります。この點につきましては私共も意見があるのでありますが、會計令に、四月の末までに出せばよろしいというふうに繰越の手續がなつておりますが、これを改正いたしまして、規則としては三月の末日限り繰越の承認を求めるというぐらいに行かなくてはならぬものではないかと思うのであります。實行廳におかれましては繰越の承認を、三月の末、四月のぎりぎり初め頃に承認を求めるということを實行されますと同時に、大藏當局としてもこれを強く實行廳に要望して頂きたいと思うのであります。而してこの繰越の承認に當りましては、私は遲く出たものは承認なさらないという立場をとられたら如何かと思うのであります。實際よく大藏省の繰越の承認が遲い遲いということを言うのでありますが、私も大藏省に行き、若しくは實行廳に行つて調べたのでありますが、實行廳の出すのが實に遲いのであります。甚だしきは六月、七月の初めになつて繰越の承認を大藏省に求める。そうなれば大藏省の承認が遲くなるのは當り前であります。そこで私はかように遲く繰越の承認を求めて來た者は、繰越の承認をなさる御當局においては繰越をしない。五月になり、六月にならなければ三月三十一日から繰越すのが分らないような状態のものは、繰越を承認しないというふうに嚴格になさればこの點は守られて行くのじやないかと思うのであります。即ち早く承認を求めるということは……。又嚴と申しますが、嚴にするのは、當り前です。それは私は繰越の承認をなさるのには嚴重に調査し、査定されるのは當然だと思うのでありますが、嚴に過ぎまして、あの調書を出せ、この調書を出せということになりますと、繰越ということが非常に實行廳にむずかしくなるのでありまして、一體繰越しすべき豫算というものは國會の承認を得てできている豫算でありまして、事故によつて繰越すのでありますから、事故そのものがあれば、繰越については、そこは幾らか手加減をしていいということはあつてよろしいのではないかと思うのであります。只今申しましたように實行廳が早く出して、遲く出たものは承認をしないということで行かれることが、現在の法規として一番手早い實行方法だと考えている次第であります。
#26
○山下義信君 私も概ね會計檢査院の所見に同意する者でありますが、私共會計學に素人でありまして分りませんけれども、繰越ということは、ただ金を繰越しておるという問題ではもとよりない。豫算はその年度内で金を使うという問題ではないのでありまして、即ち豫算によつて施政、施策をするのでありますから、繰越ということは非常に一方……つまり行政という面から見ますというと重大でありまして、それがために繰越の承認を求めるということは、恐らく所屬長官が大藏大臣に承認を求められて、初めて繰越ということができるほど嚴重になつておるものであろうと私は思うのであります。これを根本的にこの繰越の認定ということにつきまして、よくその基準というものが運營のよろしきを得まするように方途を講じておきませんというと、常にこの年度の區分を濫つた支拂というような批難事項が年々絶えるわけはないのであります。その都度係の會計官吏がいろいろ注意を受けるとか、訓戒を受けるとかいうようなことは、誠にこれはつまらん話でありまして、この繰越問題は大藏省當局は専門なんでありますから、どういうふうにこれに關連するところの法規を定めたらよいか、命令を出したらいいかというようなことは、十分御研究置きを願いたいと思います。
 今一つ刑務所の會計でありますが、この刑務所の會計は恐らく普通の行政廳の會計と同じように言うまでもなく行政廳ですから、同じようにしておるんだと思う。私はこの刑務所の會計を餘程研究をいたさなければならんと思う。ここにもありますように靜岡の刑務所なり、その他これは當時の情勢からただ靜岡だけではないのでありますが、たとえ治安が靜まつても、刑務所の作業會計というものは一つ考えてみないというと、あの刑務所の仕事の會計の手續を、普通の行政廳と同じような會計の手續をしておつては、刑務所内の作業というものが果してどうであろうか。能率が上るであろうか。實際できるであろうかどうであろうかと思う。ついいろいろと會計の紊亂事項が刑務所内の作業關係の會計において起き易いと思う。法務廳はこれに對して何か研究しておりますか。
#27
○政府委員(岡原昌男君) お尋ねの點でございますが、刑務所の會計につきましては、作業の特殊な會計を持つております關係上、お話の通り一般の行政廳のものとは大分違つております。さりとて又全然現業廳のようなものでもございませんので、特殊なものとして、目下實は關係部局において、各種の案を持ち寄りまして研究中でございます。まだ結論を得るには至つておりません。
#28
○山下義信君 私は大藏省にこの機會に尋ねておきますが、大藏省はこの會計檢査院からいろいろ會計上の改善意見というものが出ておる。この報告書にもありますが、出ておる。あなたの方には多分會計法規に關する委員會か何かある筈であります。次官が委員長で會計檢査院から一名委員に出ておる、あの委員會というものがある。あれは最近開きましたかどうなつておりますか。
#29
○政府委員(佐藤一郎君) 最近しばしば開いております。いろいろと各種の問題をやはり研究いたしておりますし、尚檢査院からいろいろ改善意見等がございます點につきましては、大藏省に関する分に關しましては、十分檢討しております。大體現在の豫算の執行が、各省大臣が責任を持つということになつておりますものですから、各種の改善意見はそれぞれ各省でやる建前になつておりまして、一般的な事項については會計法規に關するものとか、その他一般事項につきましては、私の方で檢討しております。
#30
○山下義信君 もう少し詳細にどういうことを研究しておいでになりますか、もう少し詳しく御説明を願います。
#31
○政府委員(佐藤一郎君) 現在會計制度調査會というものがございましてこれはもう非常に廣汎な研究をいたさなければなりませんですが、新しい特別會計を設置いたします問題でありまますとか、或いは最近のようにこの會計檢査院の報告にもしばしば出て參りますが、物品の會計が從來現金の會計が重んぜられた割合に物品の會計が重んぜられていない。それには制度、法規に不備があるというので、最近では物品會計法を作るとかいう問題を研究いたしております。その他これはまあ比較的新らしい調査會でありまして、順々にそのときそのときの重要な問題或いは懸案の問題を取上げておりまして、若し御希望でございましたならば、會計制度調査會の審議項目を一つ委員にお見せいたします。今は手許にございません。
#32
○山下義信君 そういう御説明では要領を得ません。もつと詳しい審議の經過を文書で御報告願いたい。例えば會計檢査院がはつきり言うておる地方廳に國費を扱わせる、その扱い方の法規に缺けるところがあるが故に、これを速かに整備しなければならんという意見を言うておる。それを取上げておるかどうか。
#33
○政府委員(佐藤一郎君) これは審議の順序がございますので、私の方では會計檢査院が意見として述べられましたものを纒めまして、そうして順々に研究したいと思つておりますが、只今のお話の分はまだ制度調査會の方に懸かつておりません。私の方では、併し十分檢討したいと思つて用意いたしております。
#34
○山下義信君 會計制度調査會がどういう審議をしておりまするか、會計檢査院の勸告意見に對してどう處理しておりますか、資料の提出の御請求を願いたいと思います。
#35
○委員長(下條康麿君) 次に文部省の決算に移ります。
#36
○政府委員(近藤直人君) それでは昭和二十一年度文部省所管決算の大要について御説明申上げます。
 昭和二十一年度文部省所管一般會計費の決算につきまして、その概要を申上げます。昭和二十一年度文部省所管經費の豫算現額は、豫算額といたしまして經常部五億六千百五十五萬二千九百二十餘圓、臨時部十六億三千三十四萬八千六百七十餘圓、計二十一億九千百九十萬千六百餘圓、豫算決定後増加額といたしまして經常部におきまして六百五十六萬五千七百七十餘圓、臨時部におきまして二億四千二百四十八萬千六十餘圓、計二億四千九百四萬六千八百四十餘圓、合計經常部におきまして五億六千八百十一萬八千七百餘圓、臨時部におきまして十八億七千二百八十二萬九千七百四十餘圓、計二十四億四千九十四萬八千四百四十餘圓でありまして、右の内豫算決定後増加額は前年度より繰越しました金額百一萬八千二百五十餘圓と、第一豫備金、第二豫備金及び經濟安定費において支出いたしました金額二億四千八百二萬八千五百八十餘圓とであります。
 昭和二十一年度文部省所管經費の支出濟額は、經常部におきまして五億六千五百十一萬五千二百八十餘圓、臨時部におきまして十七億三千百五十九萬二千十餘圓、計二十二億九千六百七十萬七千二百九十餘圓でありまして、これを豫算現額に比べますと、一億四千四百二十四萬千百五十餘圓を減少しております。右の内一億千二百二十三萬四千九百六十餘圓は、財政法第四十二條によりまして翌年度に繰越しましたところの金額でありまして、残餘の三千二百萬六千百八十餘圓は全く不用となりました金額であります。尚この繰越しました費目、金額等は決算報告書に詳細に記載してありますから、それによつて御了承願いたいと存じます。
 次に、學校特別會計の決算につきまして、その概要を申上げます。昭和二十一年度學校特別會計の歳入の收入濟額は九億七百二十九萬五千八十圓でありまして、これを歳出の支出濟額八億七千六百四十五萬五千九百九十餘圓に比べますと、收入濟額の支出濟額に超過する金額は三千八十三萬九千八十餘圓であります。この残餘金は昭和二十二年法律第四十二號により、同年三月三十一日學校特別會計法の廃止に伴い、翌年度の一般會計の歳入に組入れ本年度の決算を結了いたしました。以上は文部省所管の決算につきまして、その大要を申上げた次第であります。何とぞよろしく御審議の上御承認下さることをお願いいたします。
 次に、昭和二十一年度決算に對する會計檢査院の批難事項は、經費の年度區分を紊つたもの一件、物品を交換によつて取得したもの一件、計二件、昭和二十二年度におきまして、會計檢査院の注意により、是正した事項といたしまして、藥品の賣拂代金を直ちに使用しまして、豫算外に經理しましたものが一件、誤つて豫備費使用を要求したものが一件、計二件でございます。以下順次に右について御説明申上げます。
 先ず昭和二十一年度學校特別會計歳出におきまして、經費の年度區分を紊つたものは、長崎醫科大學附属醫院本館及び藥局戰災復舊第一期工事、外四工事の件でございますが、右工事はいずれも契約期日までに竣工させるべく鋭意努力したのでありますが、常時請負人側における資金難と勞務及び資材の入手難等のため豫定通り進捗せずして、竣工期日が年度を経過いたしましたことは、誠に遺憾とするところでありまして、將來十分注意すると共に、責任者に對しましては、それぞれ注意の處分を行いましたから、御了承願います。
 次に、物品を交換により取得したものは、大阪帝國大學微生物病研究所甲子園病院が、二十一年四月同大學附屬醫院において、復興開院した際の藥品の件でありますが、當時新圓の切替、封鎖支拂等經濟界の激變期でありまして、一般に商品の流通が阻害され、業者は賣惜しみをして、所要藥品の入手が實に困難の實情でありましたので、同院に配當された豫算では、所要の藥品を購入する餘裕がなく、日毎に増加する患者を目前に控えて、全く施す術もない事態に立至つたのであります。よつて擔當者は、當時餘裕のある藥品を、他の所要藥品と交換するより外打開の途はないものと考えまして、止むを得ず公定價格により、物品の交換をいたした次第であります。併しながら、會計法規上認められていない物品の交換をいたしましたことは、誠に遺憾とするところでありまして、將來十分注意いたします。
 次に、昭和十九年度施行に係る同大學産業科學研究所研究室火災復舊工事の件でございますが、右工事は、當時契約期日までに竣工させるべく鋭意努力したのでありますが、勞務者の不足及び請負人側における資金難等のため、豫定通り進捗せずして、竣工期日が年度を經過いたしましたことは、誠に遺憾とするところでありまして、將來十分注意いたします。尚右二件の責任者に對しましては、それぞれ注意の處分を行いましたから、何卒御了承願います。
 昭和二十二年度一般會計歳入におきまして、藥品の賣拂代金を直ちに使用して、豫算外に經理したものは、千葉醫科大學において、藥品類が大幅に高騰いたしましたため、令達された豫算では、到底適正の診療業務を繼續することが、不可能の窮状に陷りましたので、昭和二十二年八月に追加豫算を要求いたしましたが、追加豫算の令達まで、藥品費の支出を抑制するための一時的非常手段といたしまして、特殊高貴藥の中、患者の需要する分を、同大學内の財團法人同仁會に販賣させることといたしましたのであります。ところがその際、同會は薬品入手難のため、必要品目を整備することが困難でありましたので、止むを得ず當時同大學附屬醫院藥局の在庫品の中、安那加外十五點を現品返納の條件で、一時貸與の形式で、これが販賣の代行をさせた次第であります。併しながら、右の取扱いは會計檢査院の檢査報告の通り、會計法上當を得ておりませんので、同年十月これを是正いたしまして、責任者に對しましては、それぞれ注意の處分を行いましたから、御了承願います。
 次に、昭和二十二年度一般會計歳出におきまして、誤つて豫備費使用を要求したものは、廣島工業専門學校において、昭和二十一年十二月初旬連合軍の求めによりまして、移轉先である呉市第十一海軍工廠第二工員養成所から、廣島市の舊校舎跡に移轉することとなりましたため、昭和二十二年一月二十日までに、器具機械類を運搬いたしましたところ、その經費四十四萬圓に對しまして、誤つて教育文化費の豫算を令達したものであります。併しながら、右の經費は會計檢査報告の通り、終戰處理費の豫算で支辨すべきものでありましたので、改めて終戰處理費を以て支辨することに是正いたしまして責任者に對しましては、それぞれ注意の處分をいたしましたから、御了承願います。
#37
○會計檢査院事務總長(東谷傳次郎君) 只今の文部省の決算についてでございまするが、この檢査報告に書かれておりまする文部省關係の批難事項は、五件あるのでありましてこの頁の順序から一應申上げますが、百三頁に掲げてございます、藥品の賣拂代金を直ちに豫算外に經理した。これは只今も御説明がございましたように、すでに會計檢査院の意見通りに是正をされており、而も責任者に對しては、注意の處分をしておらるるような件でございます。
 次は百四頁の二十二年度の件でありまするが、誤つて豫備費を要求した。この豫備費の要求というのは、御承知のごとく、その要求は極めて愼重を期すべきものでありますが、本件は誤りまして豫備費の要求をし、而も豫備費の承認を經て、文部省はこれを實行する廣島工業専門學校に配賦をしたのでありますが、これは甚しくよろしくない事項と考えたのでありまするが、すでに只今御説明のごとく是正をされまして、責任者には、それぞれ注意の處分をしておらるるのであります。
 次には二十一年度の違法と認めた件で、先程元司法省の關係で申上げましたように、年度の區分を紊つたものがあるのであります。これは長崎醫科大學の件でありまして、これも悪いと、會計檢査院と同じような意見をお持ちでありまして、將來を注意し、責任者には十分の注意を與えておらるるのであります。
 それと同じ年度違いが、百六頁の終りの四行目のところに、右の外と書いてありますが、大阪帝国大學におきましても、その過ちがあつたのでございまして、これについてもやはり將來注意するというふうにしておられ、更に責任者には注意處分に付しておられるような次第であります。
 尚官有物を以ちまして物の交換というのは許されていないのでありまして、今度物品會計法というのが立案されつつあるのでありますが、そこで取上げられる問題でありまして、從來は認めていない。止むを得ない事情がありましても、かように明瞭な會計法規の違反はよろしくないのでありまして、併しこれは將來十分注意するということに相成つているのであります。
 尚文部省に關しましては、一般特別兩會計とも會計檢査院の檢査は全部終了いたしまして未確認の事項は一件もございません。
#38
○小野哲君 只今學校關係の、特に醫科大學その他の研究所の經費の經理に關して政府當局並びに會計檢査院からの御説明があつたのでありますが、勿論現行の法規によりましては、いわゆる世間に言つております物々交換というふうなものは認められないことは勿論であろうと思いますが、これらの學校なり研究所がこういうインフレーシヨンの非常に激しい時代において、それぞれの研究所を擁し、又は學校經營をいたして行きまするためには相當の苦心を拂つているものと想像するのであります。從いまして緊急止むを得ないような事態が發生いたしました場合において、かかる措置をとつたということは法規の上におきましては批難すべき點もありますが、事實かような状態を看過することができないという事情も亦これを見逃すわけには參るまいとかように思うのであります。要はこの種の研究所なり、學校に對する國の豫算が十分でない、こういうような點が案本の問題であり、從つて法規に觸れるがごとき應急的な措置を講じたという場合が起るのだと思います。先程來政府におかれても物品に關しまして特別な法規を制定されるというふうなお話も出ておりますが、かかる事態を考慮に置かれて新らしい考え方の下に物品に關する會計制度をお作りになる御意思があるのか、若し何か御研究されておるならば、どういうふうな考え方を織込まんとされるのであるか、その大要についてお話を願いたいと思います。
#39
○政府委員(佐藤一郎君) お答えを申上げます。只今の御質問、豫算がこの方面に十分でないということは現在の財政事情の下、止むを得ないとは申せ、誠に同感に存じます。この物品會計についてのお話でございますが、實は私この直接の擔當でないものですから十分に的確なお答えを申上げるのはちよつと自信がございませんので、直ちに係の者を呼びましてお答えさせますか、この次の機會でもよろしうございますか。
#40
○小野哲君 よろしうございます。
#41
○山下義信君 私もこの次の機會までにお願いしたい資料があります。昭和二十一年の文部省でやりました疎開學童の經費に關しまする明細書がありましたら見せて頂きたいと思いますが、疎開學童の經費はその後視察しますのに、何か戰災児童とか或いは貧困児童の集團教育所の費用に連繋があるということでありまして、その方面についてお教え頂きたいのであります。その集團教育所で昭和二十一年度にお使いになりました費用竝びにその配分先、又一人當り幾らの豫算で配分してありますか、そういうことについての資料を願います。
#42
○政府委員(佐藤一郎君) 承知いたしました。
#43
○委員長(下條康麿君) それでは今日はこの程度にしまして、來週の月曜日に午前十時から今日殘りました答辯と資料の御提出を願いまして、午前中成るべく厚生省、農林省、商工省、午後は運輸省、逓信省の審議を進めたい豫定であります。本日はこれにて散會いたします。
   午後零時十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     下條 康麿君
   理事
           西山 龜七君
           山下 義信君
   委員
           吉川末次郎君
           北村 一男君
           竹中 七郎君
           平野善治郎君
           深川タマヱ君
           小野  哲君
           駒井 藤平君
           伊達源一郎君
           千田  正君
           小川 友三君
  政府委員
   總理廳事務官
   (總理廳官房會
   計課長)    齋藤 常勝君
   法務廳事務官
   (法務總裁官房
   會計課長)   岡原 昌男君
   大藏事務官
   (主計局司計課
   長)      佐藤 一郎君
   文部事務官
   (大臣官房會計
   課長)     近藤 直人君
  ―――――――――――――
   會計檢査院事務
   總長      東谷傳次郎君
ソース: 国立国会図書館
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